モバP「誰かにとっての青い鳥」 (28)

モバマスSSです。

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事務所

P「お、家庭科の宿題か?」

朋「…なにが?」

P「ぬいぐるみ作ってるんだろ?」

朋「ま、まぁ一応…」

P「ここにまで持ってくるってことは宿題が危ない感じか」

朋「いや、そもそも宿題じゃないんだけど…」

P「なんだそうなのか」

朋「そ。ちなみにP、これ何に見える?」ヒョイ

P「ん…?」

P「なんだろ…鳥か?」

朋「そう!流石Pね。幸せの青い鳥よ」

P「チルチルミチルか」

朋「そうだったっけ?忘れたわ」

P「俺も曖昧だし気にするな」

朋「そうね。あとはこの綿を入れたら完成なの」

P(ツギハギとか糸が飛び出てるのは気にしないでおこう…)

朋「うーん…もしかして、綿の量が多いのかしら」

P「入らないならそうなんだろうなぁ」

朋「でも、私的には綿をこの綿を全部入れないと幸せになれない気がするのよ」

P「なんだそれ」

朋「ほら、青い鳥に幸運を詰めてるみたいじゃない?」

P「言い様によってはな」

朋「幸運をポイって捨てることは出来ないわ」

朋「あたしが鳥なら…幸せを捨てて飛ばないわ…絶対」

P「まぁ、確かにそうだな…」

朋「あーうーん…あ、そうだ!」

朋「ちょっとここ広げててよ」

P「いいけど…結構伸びてないかコレ…」

朋「最後に閉じるから大丈夫よ!…多分」

P「なんとか入ったな」

P(ちょっと白い部分出てる気がするが…)

朋「えぇ、これもPのおかげよ。ツキがあると良いわね」

P「あぁ、いいことがあることを期待してるよ」

P「そういえばさ」

朋「なに?」

P「なんで、青い鳥を自作したんだ?」

朋「なんでって…」

P「青い鳥は探してこそ意味がありそうだけど」

朋「探したわよ…公園とか、川とか」

P「いなかったから自作したわけか」

朋「そういうこと。でも、こうしてるとアレね」

P「なんだ?」

朋「運命は自分で作るものだ。って自分で言ってるみたい」

P「そうだな」

朋「ま。私にはそんな自信なんてないけど」

朋「ようやく出来たわー♪」

P「そんなに嬉しいか」

朋「えぇ、青い鳥の効果かしら。今とっても幸せよ」

P「そこまで喜んでくれると手伝った俺も嬉しい」

朋「Pがいなければこの鳥の完成はなしえなかったわ」

P「大袈裟な…」

朋「ホントよ。だって、他の人だったら、鳥と認識してくれるか…」ハァ

P「……」

朋「作ってみて分かったけど、あたしは小道具係は無理ね。そこまで器用じゃないし」

P「……まぁ、向き不向きはあるさ」

朋「ちなみにP」

P「なんだ?」

朋「これ欲しい?」

P「自分用だろ?」

朋「まぁ、そうなんだけどさ、幸せの御裾分けみたいな?」

P「折角完成したのに壊すのか」

朋「こ、壊さないわよっ! あたしの青い鳥はPにやってもらうことにするわ」

P「俺が青い鳥?」

朋「そう、青い鳥。幸せの……ってやっぱなし!」

P「……?」

朋「こ、こっちを観ないで…!」カァァ

朋(冷静に考えたら凄いこと言ってた…ヤバい。恥ずかしい)

P「まぁ。貰っておくな。折角だし」

朋「あ、うん…いいお仕事一杯取ってきてね」

P「頑張る」

朋「もし…ね」

P「うん?」

朋「もし、私が青い鳥だったとしたら」

P「うん」

朋「カゴの中にずっといるわ」

P「お話と一緒だな」

朋「うん。だって、外に出たっていいことがあるか分からないじゃない」

朋「怖いことだって苦しいことだってあるに決まってる」

朋「全てを投げ出してまで外に出たいとは思えないわね」

P「まぁ、確かになぁ…」

朋「それにしても、なんで探しに行った人は、家の中を調べなかったのかしらね」

P「それは、ほら、お話だから…」

いくら朋ちゃんがどんどんロリ化してるからって宿題は無いだろ19歳だぞ?

朋「そう言えば、最近神頼みを辞めたのよ」

P「お、どうして?」

朋「理由なんて特にないけど、強いて言うなら…神様よりもっとご利益がある人を見つけたからかしらね」

P「そうか。その人凄いな」

朋「まぁ、Pのことなんだけど」

P「困った時の俺頼み?」

朋「そういうこと」

朋「まだ、自分だけを信じて何かをする勇気は出ないかな…」

朋「そこまで、一流になれた!って実感もないし」

P「そうだな…それじゃ、こういう考え方はどうだ?」

朋「なに?」

P「俺はそもそも朋の才能を信じてる。つまり、藤居朋を信じてるんだ」

朋「えぇっ!?」

P「だからな、朋は、俺が信じる朋を信じて欲しいんだ」

朋「Pが信じるアタシを…」

P「あぁ…どうかな?」

朋「クサいセリフね」クスクス

P「やっぱりそうかな?」

朋「えぇ。だけど、ちょっとだけど…嬉しいかも」

朋「アタシを信じてくれるなんて」

P「朋は自分が思ってるより立派なアイドルだよ」

朋「…うん。ありがと」

>>9
確かにそうですね。

どちらかと言うと課題ですかね。

事務所

P「そろそろライブが近いな…」

周子「だねぇ…」

P「周子はダンスとかどうだ?」

周子「可もなく不可もなく。ミスはしないように気を付けるよ」

P「そうか。ならいいが」

周子「そうそう。大丈夫だって」

朋「ねぇ、P」チョイ

P「なんだ?」

朋「こんなポーズはどうかしら」ピシ

周子「お、なにしてんの?」

P「ポーズ?」

朋「ほら、なんか決めポーズとかセリフとかあった方がいいかなって思って」

周子「だってさ、Pさん」

P「確かにそうだな」

朋「でしょ♪ ちなみにもうセリフも決めてあるの」

周子「おー、なになに?」

朋「キミに向かって愛情線♪ どうかしら?」

周子「……」

P「……」

朋「って二人共冗談だって!」

朋「…だから無言は止めてよ」

周子「いや、占いアイドル的にはいいんじゃないの?」

P「まぁ、追々努力しよう…ちなみに周子はポーズないのか?」

周子「は?いや、ないけど」

朋「またまたー隠さなくてもいいわ」

周子「いや、本気でないんだけどなぁ…」ポリポリ

P(なんかやってくれ…周子)ヒソヒソ

周子「んー即興でいいなら」

周子「キミのハートにシューコちゃん。夢中にさせちゃうぞ♪」キャピ

P「…凄いな」

朋「ちょっと、もう一回やって貰っていい?動画撮るから」

周子「そ、そういうのは勘弁してって」

P「事務所の許可は下りてるぞ」

周子「堪忍しておくれやす…」

P「そういや、手相って見れるのか?」

朋「えぇ、簡単なのは。見て欲しいの?」

P「折角なら」

朋「いいわ。特別に占ってあげる!」

P「ありがとな」

朋「むむ…あれ? この手相って…」パラパラ

P「なんだか医者が悪い病気を見つけた時のリアクションみたいで不安になるんだけど」

朋「あ、ごめんごめん。いやさ、Pは結婚する人ともう出会ってるんだって」

P「お、そうなのか」

周子「おめでとう…?」

P「いや、分からない。名前は…分からないか」

朋「そりゃ、手相だし…。あっ見て見て」

P「なんだ?」

朋「アタシの恋愛線とPの恋愛線そっくり」

朋「何かの偶然かな?」

P「案外、同じような恋愛をするのかもな」

朋「そ、そうかもね!」アハハ

朋(それって…相手も同じ。ってことにはならないのかな…?)

周子「手相ねぇ…全然分からないなぁ」

周子「まぁ、朋が幸せそうだからいいけど」

P「お礼に俺も手相を見てやろうか?」

朋「え?P見れるの?」

P「二個くらいはな。テレビで覚えた」

朋「それじゃ、試しにやって貰おうかしら」

P「おう。任せてくれ」

周子「それじゃ、Pさん。あたしも次に見てよ」

P「あぁ、待ってろ」

朋(なんの線見てるんだろ…?)

P「ふむふむ…ここに線があるのか…」

周子「意外にしっかり見てるね」

朋「な、なんだか恥ずかしくなってきたんだけど」

P「おう。分かったぞ」

朋「それで、一体何線を見てたの?」

P「実はモテ線ってのを見ててな」

朋「モテ線?」

P「あぁ、朋はやっぱりモテるんじゃないか?」

朋「そ、そんなことないんだけど…」

周子「またまた。男子がほっとかないんじゃないの?」

朋「べ、別にそんなことは…ないし」

P「全くモテないってのも悲しいんだけどな。アイドルだし」

朋「い、一応…告白されたことは…ある、けど…二回くらいは」ボソボソ

周子「ひゅーひゅー」

朋「あ、でも、ちゃんと断ったから安心してよ」

朋「大切な人や物があるからって」

朋「あ、この場合の大切な人ってのは…」

P「ファンだろ?」

朋「え?あ、うん!そうそう!流石あたしのPね!」

周子(え、それでいいの?)ニヤニヤ

朋「な、なに…?」

周子「べっつにー♪」

ライブ前

P「皆いつも通りにやってきたこと出せば平気だ。頑張ろう!」

朋「う、うん!」

ガヤガヤ

朋(うわー…緊張してきたぁ)

朋「踊りとか歌詞飛ばないかな…。あれ、歌い出しなんだっけ…?」

P「大丈夫か?」

朋「え、あ、も、勿論よ!」

P(思いっきり緊張してるな…)

朋「だって、Pが私を信じてくれたんだから…」


P「緊張が解けるおまじないをしてやろうか」

朋「お願いしてもいい?」

P「あぁ」

P「キミに向かって感情線♪」キャピ

朋「…ぷっ」

朋「に、似合わないわ…P」クスクス

P「やっぱり、ダメか」

朋「でも、おかげで緊張はほぐれたわ。ありがと」

P「それは良かった」

朋「えぇ、任せて頂戴。Pのおかげで運勢向上間違いなしよ!」

朋「きっと、神様だってあたしの背中を押してくれるわ!」

ライブ後

車内

P「お疲れ様」

朋「ごめんね。家まで送ってもらって」

P「気にするな」

朋「うん。ありがと」

P「ライブ良かったな」

朋「あたしもそう思うわ」

P「流石だな」

朋「誰かさんが緊張をほぐしてくれたからね」

P「もう一回やろうか?」

朋「遠慮しておくわ…ふふっ」

朋「…あのね、その、ありがと」ボソ

P「俺は朋のプロデューサーだからな」

朋「もし。の話なんだけど」

P「うん」

朋「もし、未来を変えられる力をPが持ってたとしたら…」


P「未来を変える力か…」

朋「誰を大成功させたい?」

P「大成功か…」

朋「あたしにその力があったらPを大成功させてあげたい」

朋「トップアイドルを育てた名プロデューサーとして」

朋「その時、隣にいるのはあたしだから」ニコ

朋「たまに、思うんだけどね」

P「うん」

朋「あたしってもしかして、既に運気を使い果たしちゃってないか心配になる時があるの」

P「それは、またどうして」

朋「さぁ?」

P「秘密か」

朋「えぇ。察してくれるのを待つわ」

朋「ヒントをあげるわね」

P「あぁ」

朋「ある人に出会ったの。

朋「いつも隣にいてくれる人。困った時には道を示してくれる人」

朋「どんな時でも、こんなあたしを見捨てないでくれる人。あたしにとって星みたいに輝いている人」

朋「そんな素敵な人に出会うなんて、それこそ一生の運を使ったとしても驚かないわ」

P「……」

朋「…察した?」

P「さぁな」

朋「あ、もしかしてP照れてる?かわいいー」ニヤニヤ

P「自分の顔を鏡で見れるか?」

朋「…うるさい、Pの…ばか」

P「この間さ、運命は自分で切り開いていくものって言ってたよな」

朋「うん。あ、占いとかも勿論大事だと思うけどね」

P「自分で切り開く、自分の運命。朋はどんな未来が見たいんだ?」

朋「あたしが見たい未来…?」

P「あぁ」

朋「そんなものずっと前から決まってるよ」

朋「Pと一緒にトップアイドルになるの」

朋「あんまり大きいことは言えないかもだけど。この運命は空想じゃなくて現実にするわ」

朋「あたしの青い鳥はもうどこにいるか分かってるから」

朋「あたしから離れないで、ずっと一緒にいてね♪」

終わりです。

読んで下さった方ありがとうございました。

指摘がありましたので、修正させて頂きます。


>>1

事務所

P「お、学校の課題か?」

朋「…なにが?」

P「ぬいぐるみ作ってるんだろ?」

朋「ま、まぁ一応…」

P「ここにまで持ってくるってことは課題の期日が危ない感じか」

朋「いや、そもそも課題じゃないんだけど…」

P「なんだそうなのか」

朋「そ。ちなみにP、これ何に見える?」ヒョイ

P「ん…?」

P「なんだろ…鳥か?」

朋「そう!流石Pね。幸せの青い鳥よ」

P「チルチルミチルか」

朋「そうだったっけ?忘れたわ」

P「俺も曖昧だし気にするな」


失礼いたしました。

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