FALLOUT3 the chalice war PART2 (94)

●この小説はゲームFALLOUT3の主人公が英霊として、第5次聖杯戦争に参加する物語です 

●BROKEN STEEL以外のDLCとクエストを終了し、メインストーリーの浄化装置を作動させたあとのお話となります。

●初ssです

●クエスト[Happy Times]からとなります

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1415525760


>>3
作品量が多くなると思い、クエスト3、4つ終了するごとに
建てました。

生徒会室_______

一成『いつもすまないな衛宮。それに留学生も手伝わせてしまって。』
士郎『いいんだよ一成。俺はやりたいから修理してるだけだし。
   だけど、なんでワンダラーも手伝ってくれるんだ?』
ワンダラー『俺もちょっとした修理屋みたいなものだ、だから
      あんたの腕前を拝見したい。』(Repair)
士郎『べつに凄いもんでもないけどな____。
   ____配管が2カ所老朽化してる。交換すればこのストーブ直るぜ。』
一成『おお本当か。いや、助かった。』

ワンダラー『だがどうして中の配置が分かったんだ?
      頭に設計図でも入っているのか?』
士郎『いやーーー何だろうな。触ったら自然と頭に設計図が浮かんでくるというか、
   なんというか。』
ワンダラー『俺はよく知らないが、魔術と関係があるんじゃないか?
      "投影”とか、あるいはもっと別の魔術か。』(Perception)
(成功)士郎『そうか?まぁ、後で遠坂の奴に聞いてみるよ。』

セイバー(シロウ、今日学校へ来ていないアヤコの事を聞いてみましょう。
     この学校にはシロウとリン以外にもう一人魔術師がいて、マスターの可能性もあります。)
士郎『そうだったな、一成。今日美綴が来ていないんだが、何か知っているか?』
一成『...言っていいのかどうか...実は昨日から行方知らずなのだ。同じ部活の間桐慎二と口論になった後からな...。そのせいで今日は学校に残れない。
   間桐も出席していないようだし、何が起きたのか私には判断できん。』
士郎『_____慎二がか!!!あいつ!ありがとう一成!』
そういうと士郎は慎二の妹である間桐桜の所へと向かった。
セイバー『情報に感謝します、イッセイ。』


士郎『桜!慎二の奴どこにいるか知らないか!?』
桜『____すいません、兄さんの行方は私も知らなくて...。兄さんをよく知っているのは、私だけなのに...。』
士郎『...そうか、いやそうだよな。悪かった桜。』

去っていく士郎とセイバーだが、まだ話しかけてくる男がいた。


ワンダラー『あんた、本当に知らないのか?実の兄だぞ。』
桜『...兄さんはよく遊びに行って戻ってこないのがしょっちゅうでしたから...。
  私、本当に知らないんです!』

ワンダラー『そうか...なら、リンとはどういった関係なんだ?ただの知り合いではないようだが。』(Perception)
(失敗)凛『ワンダラー!その子は、桜は関係ないわ。もうその質問はしないで、分かった?』
桜『と、遠坂先輩...。』

ワンダラー『___分かった。じゃあ、その手の”アザ”はなんなんだ?教えてくれ。まるで、”入れ墨”のようだ。』(Finesse)
(失敗)桜『こ、これは転んだ時にできたアザで、____もう、私は何も知らないんです...。』
ワンダラー『...詮索して悪かった。すまない。』
凛『...ごめんね桜、こいつこんな性格でね、受け入れるのにも苦労したのよ。さ、行くわよワンダラー。』
凛がワンダラーを屋上まで引っ張っていく。

桜『___セイバーさんとワンダラーさん、一体なんで学校に_____。』







屋上_______

ワンダラー『リン、シンジという奴も怪しいが、彼女は何か隠している。あんたは知っているはずだ。』
凛『___ワンダラー、勘違いしているようだけど、桜は聖杯戦争には関係ないわ。____間桐の家はね、
  昔は魔術が扱えたけど、今の代で完全に魔術回路が衰退したのよ。_____言ってること分かるでしょ。
  これ以上この話題を続けるなら、___令呪を使うわよ___。』 
ワンダラー『...分かった、他ならぬ”マスター”の指示だからな。_______ん?』

時計が昼休みの終了を告げる。

ワンダラー『授業に送れるぜリン。俺は日本語がよく”分からない”からあんたの責任になるな。”優等生”さん。』
凛『_______はぁ_____あんたって奴は.....。』



放課後______

セイバー『シロウやリンはあのような学び舎で学問に励んでいるのですね。感心です。___学食というものも興味がありましたが、やはりシロウの料理が良い。』
士郎『いやぁ、感心されるほどでも無いというか...なんというか_____。』
   (制服姿が似合ってて授業に集中できなかったって言えないな____。)

士郎『ところでなんでワンダラーは遠坂と同じクラスじゃないんだ?』
ワンダラー『リンは何も言っていないし、Mr.藤村が作為的にやったんだろう。』
士郎『外国人で同居人だし、藤ねぇならやりそうだ...。そうだ、慎二の奴探さないと!あいつがマスターなのかどうかハッキリさせないとまた被害がでる!』

廊下を走る士郎とそれを追いかけるセイバー
だが、士郎の肩に誰かがぶつかった。おそらく教員だろう。

士郎『____すいませ...葛木先生!?』
葛木『衛宮か、廊下では走るな。留学生にも伝えておけ。それと、最近生徒の不欠席が多い。何か心辺りはないか。』
士郎『ええと、俺もよく知らないんですよ。だから今日は早く帰ろうとして___。』
葛木『そうか、くれぐれも寄り道はするなよ。』
事務的な言い方で葛木は歩いていく。

セイバー(.......歩きに無駄がなく、呼吸も乱れがない...教師とは思えないほどだ。)
セイバー『シロウ、彼は一体?』
士郎『ああ、今日の授業には出てなかったもんな。遠坂のクラスの担任をしているんだ。
   無愛想な感じだけど、キチンとした先生なんだぜ。』
セイバー『ああ、そうなのですか、一切無駄がない動きをしていたので警戒していたのですが、魔力も感じられませんし、ただの思い違いだったようです。』
士郎『ああ、それじゃあ、慎二を探しに行こう。』

ワンダラー『...足音をまったくたてない歩き方、あれは特殊な訓練をしているぞ。魔術師じゃないだろうが、警戒したほうがいい。』(Silent Running)
(成功)士郎『そうか?______でも、そうだな。俺みたいな未熟者でもマスターになれたんだし、少しは気をつけないとな。』




その後士郎達は凛と合流し、結界が重点的に張られている所を中心に、慎二を探していた。
だが、突然女子生徒の叫び声が聞こえた。

生徒『きゃああああああああ____!!!』

凛『_____!?衛宮くん、弓道場からよ!サーヴァントに襲われているんだわ!急ぎましょ!』
士郎『ああ、分かった!(慎二の奴、本当にマスターなのか...。でも、関係ない人達をも巻き込むなら、俺は容赦しない___!』






>>6
すいません。Mr.じゃなくて、Ms.でした。

しばらく書くつもりだったらトリップ付けたほうがいいかも

>>8
指摘ありがとうございます。

>>10
HTMLスレあったんすか!
ありがとうございます。

???『っ__、見られましたか...。』
誰もいないはずの弓道場には、眼帯をした長身の美女が立っていた。

倒れている女子生徒を側に置いて。

凛『___あんたが結界を張ったサーヴァントね。クラスは...消去法で騎乗兵(ライダー)か。』
ライダー『.......。』
士郎『___お前のマスターは慎二なのか?だとしたら、あいつはどこに___。』
ライダー『...答える必要はありません。でも、あなた達は私のマスターより勇敢なようですね。』

凛『___あんた、私のテリトリーでよくもこんな下衆な真似をしてくれたわね!?
  それと、こっちはサーヴァントが2騎、あなたは一人。この状況、よく考えたほうがいいわよ。』
制服を解除し、戦闘服へと変えたセイバーとワンダラーが戦闘態勢へと入った。
ワンダラーはレバーアクションライフルを構え、射撃体勢へ
セイバーは剣を構え、相手の出方次第ですぐに動けるようにしていた。
ライダー『____厄介ですね。一人相手なら戦えたかもしれませんが....。』

士郎『____魂を吸い取った人をどこにやったか、そして慎二はどこにいるかを教えろ。そうすれば見逃してやる。』
ライダー『...それは出来ません。______でも、マスターは臆病ですからね、そんな人間がどこへ隠れるか、分かります?』
士郎『____新都のビル街______。』
ライダー『__________嘘ではありませんよ_______。』

するとライダーは手にある短剣を首へと突き刺し、血の玉の様なものへと入って逃げようとした。
凛『_____ワンダラー!、一斉に”撃つ”わよ!!』
マスターの指示で弓道場から飛び上がったライダーを狙い澄ます______。

ワンダラー『V,A,T,S____!!』          

左腕のPIPBOYに命令し、ワンダラーの反射速度は大幅に上昇 脳に負担はかかるが、まさに時を”止めている”とでもいうべき思考スピードとなり______。

(Commando)


銃声が響く。レバーアクション特有の”チャリン”という音が響きわたる。それに遅れて、凛が指先から相手を呪うガントを連射した。サブマシンガンのごとく。

ライダー『______ぐっ______、_________。』

(失敗)しかし、ライダーは持ち前の俊敏力と敏感性でかすれながらも銃撃を避けていき、脚に弾をぶち込むことは出来たが逃げられてしまった。

凛『ちっ、逃げられた!まぁ、さっきのでで結界を解除していった分まだマシか...。』
ワンダラー『魔術だけじゃなく射撃もこなせないと遠坂の名が泣くんじゃないか?リン?』
凛『そこ!うっさい!!』

セイバー『シロウ、リン。まだライダーの気配は消えていません。今なら追跡可能です。』
士郎『そうか、でもあいつわざわざ慎二がいる所を話したんだ。多分マスターのいる所に戻っているだろうし、それに今は倒れている人が先決だ。』
セイバー『了解です。シロウ。』

凛『...これは酷いわね。魔力、言ってみれば魂が抜かれかかっているわ。』
士郎『治せるのか?』
凛『ええ、手持ちの魔力を溜め込んだ宝石でこの人の魔力が回復すれば、確実よ。』

ワンダラー(あのサーヴァント、なぜマスターの場所を教えたんだ?罠か?
      ______いや、もしかしたら今のマスターを始末してもらいたいとでもいうのか?)









柳洞寺_______

誰もいない寺前の階段
しかし、そこには一人の男が潜んでいた。

________NINJAのごときに_______________

ワンダラー(中華ステルスアーマーは便利だ...。偵察の後はライダーのマスターの所か、
      L.O.Bエンタープライズみたいにこき使うな。うちの”アカ”マスターは。)

愚痴を零しながらワンダラーは柳洞寺の偵察を始めていた。
彼の気配遮断スキルはC、加えて着用者を透明にする中華ステルスアーマーをも着込んでいるため
こちら側から攻撃しなければまずバレない状態であった。(足音も消している カンペキ!)
だがステルスアーマーの魔力消費量は多く、早急に外さなければマスターである凛が魔力切れを起こしてしまう。
そんな中、ワンダラーは何か違和感を感知した。

ワンダラー(____あまり良い気分ではないな。結界でも張られているのか?
      それに...PIPBOYに反応はないが...”何か”がいる。見えないが、気配を隠している...アンカレッジのステルス中華部隊と同じだ。
      それも寺前の門に______!)

????『ほう、これまたずいぶんと面妖な来客者が尋ねてきたものだ...。そこの落ち葉がなければ見逃していたやもしれぬ。』

その違和感は、的中した。門番の様に立っている男がこちらに気づいたのだ。こちらが踏んでいた落ち葉の音で。
あのサーヴァントはかなり素早い、逃げてもムダだろう。装備を解除しワンダラーは物干し竿をもつサムライ風の男の前に立った。
ワンダラー『......。』(____リンのうっかりが移ったか_____こいつ、サムライか?だがセイバーのクラスは空いていない。
           それに他のサーヴァントのような迫力もない____。)

????『これから戦うのであればまず名乗らなくてはな。
     生前このような果たし合いはしてこなかったもので....よく分からないものだがこうかな?』

アサシン『______暗殺者(アサシン)のサーヴァント ”佐々木小次郎”_______。』

ワンダラー『...放浪者(ワンダラー)のサーヴァント ”孤独な放浪者”(ローンワンダラー)....。』
 
二人は同時に名乗る。
それから、アサシンが満足そうに続けた。
アサシン『ほう名乗り返すとは、見事だ。いや、この戦には我が剣を振るえる猛者達がいると聞いたが、まさかこうして名乗り合いができるとは思いもしなかった。』
ワンダラー『あんた、本当にアサシンなのか?暗殺者なら影に隠れるだろう。』(Ninja)
(成功)アサシン『そうさな、確かにそうだろう。だが生憎生前はただ無心に剣を振っていたのみ。暗殺者とは程遠いただの農民だ。』
ワンダラー『俺もサムライや騎士のような大それたものじゃない。飛び道具を使う”卑怯者”だ。』
アサシン『よい、よい。お前がどのようなものであろうともこの戦に参加しているのだ。そこまでの強きものならば何を使っても可笑しくはなかろう。
     それに、そういった相手に私の剣捌きがどこまで通じるか試してみたい。』
ワンダラー『そうか...あんた、魔術師(キャスター)のサーヴァントと組んでいるな?』
アサシン『まぁ、組んでいるというよりも、あの牝狐に”召喚”されていると言ったほうが正しいのかな?私にもよく分からん。』

ワンダラー(____この聖杯戦争は西洋の英霊しか召喚できないと知識にはある。それにサーヴァントに召喚された”サーヴァント”?
      リンが聞いたらまた尻餅をつくな_____。)

アサシン『さぁ、話は終わりだ__!存分に戦おうぞワンダラー__!』

ワンダラー『サムライか...なら”カタナ”でいくか___!』

       
カチャ         サムライソードを装備しました










______________剣戟がはしる

______________火花がはしる

______________刀とカタナがぶつかり合う______!


アサシンの剣は”邪道”といえるものだった。構えなどなく、ただ敵の攻撃を受け流しながら相手の首を狙う型。
対するワンダラーも”邪道”であった。ただ叩き付けるようにカタナを振るう型。

”邪道”同士剣を打ち合わせ、響き渡らせる。それは正しく”殺し合い”といっていいものであった。
両者にとってそれはまさに死の鐘を鳴らす合図であった。

しかしワンダラーにとってアサシンはあまりにも差がありすぎた。
リーチに圧倒され攻撃もままならず、
どうくるか不明確な剣筋は防御を突破し、
的確に”首”を狙いにくる______!!!

                       _______サムライの技術と才能を併せ持った”死の爪”(デスクロー)_______

_______かつてワンダラーを襲った生物の中にずば抜けた力をもった生命体がいた。

”デスクロー”
戦前の軍がカメレオンを市街地用生物兵器として改造したそのバケモノは

一瞬で距離を詰める瞬発力
異常な怪力
そしてパワーアーマーをも貫通する鋭い爪

________戦闘だけに特化した性質をもち、多くのウェイストランド人を狩ってきた”ソレ”はまさに”死の爪”とでもいうべき怪物だった。

アサシンにはデスクローのような力はない。素手で両者が戦うのなら間違いなく肉片にされるだろう。
_________しかし、この男は”技術”がある。
生涯を捧げて只々剣を振り老齢になって死ぬまでそれをし続け
_________この男には”才能”がある
それを活かすだけの時間と環境があり
_________そして何よりこの男には”???”がいた_______。


ワンダラーは左手にコンバットショットガンを持ち勢い良く引き金を引いた______。

GANNNNNNNN!!!

無数の散弾が一瞬の間にアサシンへとおそいかかる_____が。

アサシン『甘い____!!』
男は物干し竿で炸裂した全ての弾丸の軌道を”ズラし”必要最低限の動きしかせず、散弾銃を”斬った”。
ワンダラー『______!!!』動揺するワンダラー。だが彼にも考えがあった。
もはや意味をなさない散弾銃をアサシンの目元へと殴りつけ_____!
アサシンに銃を斬らせた_____。
その間、距離を開けるワンダラー。それをさせまいと首に右側から必殺の一撃を食らわせるアサシン。
誰が見ても首が飛ぶと答えるだろう。しかしそうならなかった。簡単な話だ。

_________”PIPBOY”で刀を防御したのだから_______

刀を防いだため、傷跡ができるPIPBOY、
アサシン『_______?』
驚く間もなくワンダラーはアサシンに頭突きを浴びせた。
たまらず後退するアサシン。

その間に左手にダーツガンを装備し、放浪者は”刹那の時間”を唱えた。


ワンダラー『V.A.T.S_______!!!!!!』




瞬間_________一つのダーツが暗殺者の右脚へと刺さり、もう一つが刀を支えていた左腕を貫いた__________。









アサシン『っぐぅうう___。』
ダーツはアサシンの脚へと直撃し、彼の動きを少しばかり鈍らせた。毒が彼に効いているのだ。
だがそれでもアサシンの猛攻は続く。
二手 三手 四手     ________
その剣戟は遅くなってもやはり脅威に他ならず、ワンダラーの身体を幾つも切り裂いた。
それは彼の五体を重傷させ、戦闘維持不可能な状態に持ち込めるものだった。

ワンダラー『うぁぁぁあああ______。』悲痛とともに、”樹皮”のような皮膚と”アダマンチウム”製の骨で補強された腕で防御するも_____。
血は多く、流れ続ける。もはや攻撃できずただ終わるのみ___。しかしアサシンは油断してはいなかった。

アサシン『やはり、何をしてくるかまるで予想がつかぬ....。お主と戦うものは私と同じようなことを思うだろうよ。いや実に面妖な戦士であるな...。
     だが死ぬ前にこれだけは見せておきたい、我が秘技をな_______!!!』

そう言うとアサシンは一瞬何か”構え”を取り、それから”技”の名を叫んだ_____。


           
            

                      アサシン『_______秘剣_______燕返し_______!!!!!!』





その技は彼が生涯で唯一斬り掛かった一羽の”燕”を落とすための技術(スキル)
どう刀を振っても擦りもしない燕を斬るためだけに生み出した”魔法”に匹敵する必殺技。
_____いわば同時に一つの刀で”三回”斬るという妙技。
_____一の太刀で牽制し
_____二の太刀で相手を斬り
_____三の太刀で逃げ道を無くす
まさに”蟻地獄”のような魔剣であった。
もはやワンダラーの防御も意味をなさず、そのまま腕とともに両断されていたハズ_____。



が。


           カキン        キン     カン

金属音が走る______。


アサシンの目前には”ブリキの棺桶” ”T-45bパワーアーマー"を着用し
剣を盾も無く”防御”した男が佇んでいた_____。

血まみれになりながらも。
脚や腕がまともに動いているのかどうかも分からないというのに。
回避不可能防御不可能の一撃を”耐えきった”のだ。

そして_______放浪者もまた必殺の技術(スキル)を唱えた_______。

ワンダラー『______V.A........V. A. T. S._____________!!!!!!』

(Paralyzing Palm)

(成功)その拳は、ある意味”燕返し”と同じものなのかもしれない。
当たったら絶対に相手は”死ぬ”_____。
カンフーの”裏拳”のようなそれは、ある程度の技術とPIPBOYのV.A.T.S.とが組み合わさってできた”致命の一撃”。
________相手を”30秒”きっかり”麻痺”させる必殺拳________。

アサシンは地にその身を委ねた_____。

相手が”燕返し”で死ねば何も起こらなかったかもしれない_____。
動きが鈍らず、尚且つ動きの前兆を確認すれば回避できたであろう____。
だがこの男は文字通り”耐えた”。もはや人間では無い。いや、”英雄” ”化け物”の類いなのだ....。








BGM

Main Theme


https://www.youtube.com/watch?v=Hl5xbFXrFU4

アサシン『_____私の負けか...。』
横になったままアサシンは呟く。
そのすぐ横にはワンダラーが座り込んでいた。
ワンダラー『...。』

アサシン『いや、我が燕返しで生きられるものはないと思っていたが、それは浅はかな愚策であったようだ...思い残すことはないが______
     ___他の猛者達とも果たし合ってみたかったものだ。』
名残惜しそうにアサシンは言う。

アサシン『ワンダラー、やるのなら首を刈ってくれ。____せめて形だけでも武士らしく消え去りたいのだ。』
ワンダラー『分かった。...あんた、カゴ・トシローて知っているか?』
アサシン『ん?_すまんが記憶にはないな___だがお主が名を出すのだ。強き侍なのだろうよ...ああ、未練がましいが、ぜひ斬り合ってみたかったものだ...。
     _____それと、この先にいる牝狐、あやつは今のお主で敵う相手ではないぞ。一旦引くべきだな...。』
ワンダラー『...あんたはキャスターと協力しているんじゃないのか?それなのになぜ忠告をしたんだ?』
アサシン『ふっ、私はあの牝狐に召喚されたのみ、山門の侵入者
を入れず、帰さないのが私の役目。べつにそれ以外ならば何も問題はない...。
     さぁ、ワンダラー!我が首を獲れ!』     


刀の刃がアサシンの首を通った。

そのわずかな間にアサシンは思った。

短い間ではあったが

”幸せな時間”であったと________

[Happy Times]
●学校の結界を張ったサーヴァントを見つける。(完了)
●アサシンを撃破する!!!(完了)

クエスト完了[Happy Times]
クエスト開始[Don’t let him get away!]

ワンダラー(__なんとか倒せたが、傷が酷い。バーサーカーのときよりマシだが、このままいけば”核爆発”するな...。
      それにパワーアーマーも痛んでいる。どうにかしてエミヤ邸に戻らないとな...。)

戦いはワンダラーが勝利した。しかしアサシンから受けたダメージは凄まじく、連戦などできる状態ではなかった。
おそらく敵の攻撃を受けたら、それはワンダラーと相手の死という形で終わるだろう。
そしてこの付近は放射能で汚染され______


????『わざわざ乗り込んできて、逃げるつもり?』女の声が響く。
ワンダラーが上空を見上げると、紫のロープをまとった魔術師(キャスター)が浮かんでいた。
キャスター『ランサーやバーサーカーとの戦いを監視して、あなたの戦力を見ていたけど、思っていたより厄介ね...。
      ____でも、なかなか使えそうね...。あなた、今のマスターを破棄して私と組まないかしら?』

ワンダラー『__勧誘か?悪いが、お断りだ。あんたみたいな”セールスレディー”とはな。
      それに”尻軽”そうだしな。』
キャスター『ッッッ____!!!
      .....いいこと。あなたに選択肢はないのよ。私が主導権を握っているの。
      ___アサシンを倒したようだけど、その傷で私の魔術を受けてみなさい。灰すらも残さないわよ。』

少しばかり感情的になっているキャスター。それに構うことなく、ワンダラーが続ける。

ワンダラー『...聞いてみよう。内容によっては気が変わるかもしれない。簡潔に説明してくれ。』
キャスター『あら、てっきり断ると思ったのだけれど___話は単純よ。私がマスターとしてあなたと再契約するの。山門を守っていたアサシンのようにね。
      でもあなたに最適な役割を持たせるわ。偵察、敵マスターの暗殺、その他もろもろよ。どうかしら。あなたも聖杯で成し遂げる願いがあるのでしょう?
      だったらこんな所で終われないのではなくて?』

ワンダラー『そうだな。だが交渉するのならこちらにも条件がある。それとあんた、主導権を握っているといったな。それはこちらも同じだ。
      あまり感情的にならないほうがお互いのためだぜ。
      _____”デイビークロケット”  ”ダーティー・ボム”  ”ミニ・ニューク”_______どういう事か、分かるな?』(Nuclear Anomaly)

(成功)キャスター『_____!、本当に喰えない男だこと。自爆できるとでも_____”核兵器”!?』




______召喚されたサーヴァント達は全員聖杯から現代の知識を与えられている。それは広範囲におよび、特に近代兵器もどういったものかという情報も入っている。     
はるか昔、おそらく神代の時代の英雄であろうキャスターにとっても例外では無く、それだけにワンダラーが言い放った事はあまりにも凄まじいことだった。



”核兵器”

人類が開発した最も強力な兵器の一つ      
国家の命運、人類の存亡にも影響するもの
現代の”抑止力”
黙示録の象徴

さまざまな呼び名があるが、共通することがある。

________使わせてはならない死の兵器_________

”デイビークロケット” アラモの戦いでの英雄デイヴィッド・クロケットにちなんだ戦術核兵器。
”ダーティー・ボム” 核物質を拡散させる”汚い爆弾”。
”ミニ・ニューク”  TNT火薬50トン分の火力をもつ小型核兵器。

この男はそういった”核兵器”を持っている___。キャスターはそれが真偽かどうかは分からないものの、信じることしかできなかった。

______________なぜなら、ワンダラーの身体がだんだんと変色していたのだから____________



ワンダラー『条件は一つだ。あんたは俺達と同盟を組む。そしてバーサーカーを潰す。ついでに俺を逃がす。どうだ?』

キャスター『____何を言うかと思えば、...本当ならあなたを灰にしている所だけど、こんな所で”爆発”されてはたまらないわ...。
      _____分かったわ。今日は見逃してあげる。あなたのマスターに伝えなさい。でも、ここじゃなければあなたとの”同盟”なんて、
      簡単に切ることができるのよ...。忘れないことね。』

ワンダラー『ああ、でも”裏切られる”のは慣れている。そのときはどうにかするさ。
      ________それと、この傷はかなり深い。もう爆発するかもしれない。ちょっと手当してくれないか?
      同盟を組むんだから友好的に行こうぜ。ハニー。』(Speech.70%)

(成功)キャスター『.....あなた、自分が何を言っているか分かっているの______!!!
          ____こんなに人をこき使うなんて、昔も今も人は変わらないものね...。分かったわ。
          本当ならあなたを殺してやりたいけれど、宗一郎様に迷惑がかかってはいけないわよね...来なさい。中で治癒魔術を掛けるわ。』
そういってキャスターは門前へと下り立ち、瞬間移動を行い境内の中へと入っていった。
キャスター(______この寺にはさまざまな罠が配置されているわ。中には相手を捉える術式もある...あのサーヴァントは魔力耐性は0に等しいわ。
      ______ふふふ、どちらが”上”の立場にいるのか教育させないとダメなようね______!!)
内に策略を募らせながら_________












キャスターはかなり焦っていた。なぜなら_____

キャスター『あなた、何も異常がない!?一体どういうことなの!?』

普通に歩いて境内へと入ってきたワンダラーだが、なぜか地面に配置されているトラップを一切作動させずに歩いて来たのだ...。

ワンダラー『_____ああ言い忘れたが、”下手くそ”なトラップの類いは全部避けるクセがあるんだ。もうちょっと練習するべきだったな。
      何なら教えてやってもいいぜ。だが、体重があると難しいかな?』(Light Step)

_____人のことをバカにしまくるその態度______

キャスター『________!!!!!!......________!!!!________もう我慢の限界よ!あなたを結界内に閉じ込めてあげましょう!!!!!』
ついに堪忍袋の緒がキレたキャスターは本格的に生け捕りを始めようとしたそのとき_______


ワンダラー『______うううううぁあぁぁあああわわわわぁ!!!!!!!!!!』

ワンダラーの身体がさらに変化していく。さながらメルトダウンを起こしたかのように_______

ワンダラー『
頼む。もうギリギリだ、早く治療....ぐぁぁああああああ!!!!!』
悲痛に嘆く声を境目に一人また悲観にくれる声が_______

キャスター『______ああもう!肝心なときに”核爆発”!?______まずは彼の体力を回復させなければいけないわね。
      ___こんなに面倒なサーヴァント、捨て駒どころか、むしろ捨てたいくらいよ....』


>>43
スティムとかの回復アイテムは持ち出せない設定にしていまっする。
(だって、常時回復してるのと同じになっちゃってワンパターンになるじゃないですかヤダー。)

柳洞寺________

境内ではキャスターがワンダラーの傷口に治癒魔術を掛けている最中であった。
彼女の能力は非常に優れており、魔術に疎いワンダラーでもそのほどは理解できる。しかし____________

ワンダラー『...I’m as corny as Kansas in August, I’m as normal as blueberry pie.
      (私は八月のカンサスのようにつまらない、私はブルーベリーパイのようになんにもないの。)     
      ...No more a smart little girl with no heart, I have found me a wonderful guy!_____。』
      (冷徹で賢いだけの”小さい女の子”でいるのはうんざり、でも素敵な人を見つけたの!______。)
      
どうも緊張が解けたのか、歌を口ずさんでいる始末である。

キャスター(______この”汚獣”、すっかり私が折れたとでも思い込んでいるようね...。フフっ、呑気に歌など歌って...。
      ”回復”はしてあげるけれど、私の法具”破戒すべき全ての符”(ルールブレイカー)で契約を一方的に解除してあげるわ______。)

”裏切りの女”と言われるだけあり、しつこく計略を考えつくキャスター。
だが、この程度の裏切り、策略などキャピタルウェイストランドでは日常茶飯事だということを彼女は知るよしもない_____。 

ワンダラー『...I am in a conventional dither, With a conventional star in my eye.
       (平凡なきらめきを目に宿し、平凡に取り乱してる。)      
      ...And you will note there’s a lump in my throat. When I speak of that wonderful guy!______。』
       (そしてあなたは気づくでしょう。あの素敵な人のことを口に出そうとするとうまくしゃべれなくなることを!_____。)

キャスター(______この歌詞、まるで今の私とそうい...いえ、私はサーヴァント、それに今更愛が報われるなんてただの夢物語よね....。)


_______口ずさんでいく歌を聞いている内に、不意に歌詞と自分を照らしあわせていく女性がいた...。______


キャスター『...少し、いいかしら。あなたが歌っているその曲は、何?聞いたこともないのだけれど...。』
ワンダラー『____Tex Benekeで、「A Wonderful Guy」。ただの古くさい歌だ。女が男に一目惚れするだけのな。
      キャピタルじゃ公共放送の自称”真実の伝道師”スリードックがラジオに垂れ流していたんだ。
      ...他にもいろいろあるが、聞いてみるか?大して面白くはないが何曲かは...』

妙に会話が進展している真っ最中に一人の男の気配が移った。

???『____何をしている。キャスター。...お前は、留学生か。こんな夜に何か用か。もっとも、不自然だと思っていたのだが...。』


キャスター『そ、宗一郎様!!!お目覚めになったのですか!』
ワンダラー『____あんた学校の教師の...えーと、確か...Mr.ズーロン、だっだかな?』

葛木 「...葛木だ。名前は覚えておいて欲しいものだな留学生_____。』

[Don’t let him get away!]

●キャスターと交渉、または逃げる。(完了)
●キャスターと葛木の”問題”に対処する。

_______常人がその場に身を置いたら、動けなくなるほどの緊張感が漂う。
石のように意思の亡き目をワンダラーとキャスターへと浴びせる葛木。
それに動揺し、自らのマスターにどう報告するべきか悩むキャスター。

キャスター『_______宗一郎様、これには訳が_______。』
葛木『いや、お前が招き入れた客だ。ならばこの場で戦うべきではないのだろう...。茶を持ってきてくれ、キャスター。』
キャスター『//////ッは、はい!!』
おおよそらしくない照れ方をしながらキャスターは台所へと入っていった。

ワンダラー『...驚いたな。あんた、魔術師だったのか。一般人じゃないとは思っていた...。』
葛木『...魔術師ではない。暗殺者”だった”朽ち果てた殺人鬼だ。今の身分も暗殺を成功させるためのものにすぎん。
   _______お前はキャスターの言っていた”ワンダラー”か。...何か用か?』

ワンダラー『ああ、あんたのキャスターと”平和的”に交渉した。あんたらのお仲間にはならないが、一時的な同盟を組む。
      ”バーサーカー”、いや”ヘラクレス”を倒すためのな。用はそれだけだ。何か質問は?』
葛木『キャスターが決断したことだ。質問も何も無い。』
ワンダラー『ならあんたのことを教えてくれ。短い間でも仲間の情報を知りたいんだ。』

葛木『...生まれたときから暗殺道具として育てられた。たった一人の人間を殺すための使い捨ての道具としてな。
   ____暗殺には成功した。その後自害するつもりだったが成果に疑問を抱き、そのまま慢性で生きていた。

ワンダラー『...じゃあキャスターとは?もともと聖杯戦争には無関係だったんだろ?』
葛木『道端で倒れていたキャスターを私が見つけた。そして彼女の願いを叶えるためにこの戦いに参加した。
   ______彼女と出会ったことには何か意義があるはずだ。空っぽな人生を歩んできた私にとって...。
   それを無為には出来なかったのだ。』



_________どんな国、どんな時代にもそういった人権が”無い”ものはいる。人間性を”奪われた”ものはいる。
奴隷、少年兵、スパイ、隠し子、暗殺者。

________自らの犯した”過ち”を再確認するかのようにワンダラーは表情を歪ませる__________。

アズクハルに聞け      あなたのために何か出来る? それともあなた自身に?     ああ     頭が     回って    いや     世界が   回る?   
お前とその親父がVAULTを出て行ったせいで全ておかしくなったんだ!    おい!テンペニーに伝えろ!     ねえ、ゲームをしましよう 
お前も、ピットも、レイダーも、奴隷もみんなクソッタレだ!      何、引き留めはしないさ...。       何が犠牲となったのかは考えないようにしましょう


今が大変な状況なのは分かっている。本当にめまぐるしいほどにな。だけど、何か悩んでいるのか、息子よ。

____________愚かな。自ら再びワナに足を踏み入れるとは。なんという愚かしさよ                 
この事態を切り抜けることは不可能であろう
継続すべし、そこへは間もなく到着できよう...”そこ”がどこであろうと...おそらくどこでもない
近づくものすべてが離れてゆくは、愉快なり
間違っている、まったくもって間違っている
何とも醜い。我が子があのような姿なら、捨てるもやむなし
母は死に、核戦争後のウェイストランドで生き、友はいない。
お前は神に見捨てられたのだ______________。














     


















_____近くから香る苦々しい香り_______
                             
キャスターが茶を用意していた。妙に気が回る女だ。
___どうやら一人で黙りこけていたらしい。”一時間”程度か。

葛木『どうかしたのか。____茶が冷めるぞ。』
ワンダラー『...ああ、つい”昔”の事をな。_____それで、これは?』
葛木『___緑茶...だ。』

________ワンダラーのコップへ注がれていたのは、”茶”ではなく”タール”...いや”樹液"といってもいいモノであった。

香り____クスリ臭い。微妙に焦げてる?
色_____緑...いや、黒?
質感____ドロドロしている。”バイオジェル”の様によく皮膚につく。

_____飲むとまた厄介事に巻き込まれそうだ。


ワンダラー『本当か?』 
葛木『...そうだろう。』  

『...妄想じゃないのか?』     
  
『_____いや。』







_______________台所

キャスターはふと、”ある曲”を思い返していた。

キャスター(「A Wonderful Guy」ね...。私は、ただ宗一郎様を一重に愛している。
      _____でも、本当に”恋”なんて実るのかしら?これまでの人生で多くの男に裏切られてきたのに。
      それなのに...私は...。___宗一郎様は私を”愛して”いらっしゃるのかしら...。)

ワンダラー『”お茶”をありがとうMs.キャスター。おかげで腹の調子が”良く”なった。』

キャスター『____ワンダラー!一体、どうして_____!』
ワンダラー(Lead Belly)”腹”が丈夫にできている。あんなの生前で腐るほど飲んだ。』 
(成功)キャスター『...魔力を多量に使ったというのに___もう、あなたの制御は諦めるほうが得策ね。』

キャスター(_____本当はあなたに頼むなんてしたくはないわ____。
      でも、そうね...。)____『ワンダラー、少し頼みたいことがあるのよ。』


ワンダラー『手短にな。そろそろマスターと合流しないといけない。』

キャスター『分かってるわよ。_____そ、宗一郎様が私を愛してくださっているのかどうか知りたいのよ///』

ワンダラー『_____”寝た”のか?』
キャスター『え、ええ!あの日、私が宗一郎様と出会ったあの時から///////』

ワンダラー(___だったらなんだ?船で結婚式でもするつもりか?
      まったく、どいつもこいつも...。)

      

キャスター『_________最初に私を召喚したマスターは何も出来ないクズだったわ。しかも____________。』
ワンダラー(続けさせる)
キャスター『_________そんなとき、私は宗一郎様と出会ったの/////そして私は_________。』
ワンダラー(続けさ『______願いなんて持っていなかったけれど、今ならハッキリと言えるわ!!!それは_______』


キャスター『____”幸せになること”、かしら____/////。』


          その言葉を聞き、一人の放浪者は奇妙な既視感(デジャヴ)を感じた。
          
                 ______”暖かいなにか” _____

                
          魔女だというのに   いつ殺し合いになっても可笑しくないというのに  非道で冷酷な悪女だというのに  
          なぜか心安らぐもの、安心できるナニカ。_______”それ”が何なのかは分からないが_________

           

ワンダラー『.......ああ分かった、が あんた程の魔術師なら魔術で誘惑すればいいんじゃないか?俺に頼むよりも』
キャスター『_____ダメよ!!!!!!絶対に!!!!!それだけは!!!!!』

ワンダラー『(女王アリの...アレとかがあれば楽なんだが、なぜかクスリが全て無くなっている___。宝具の影響か...。)』

ワンダラーは参っていた。いや、それは苦痛とも言えるだろう。
実の親達の”のろけ話”のときも、彼らの”のろけ話”もだ。
_____だが、断る気はなかった。

ワンダラー『じゃあ、なんだ?何をすればいい?』
キャスター『ま、まずは宗一郎様からお話を聞き出してちょうだい。私を...どう思っているのか。』
ワンダラー『直接聞きに行かないのか?』
キャスター『そうできればいいけれど...わざわざ思い人に”愛していますか?”なんて言えるわけないじゃない...。
      それに、”同盟”を組んだのだし、一つくらいはこちらの役に立ってほしいわけよ。』

ワンダラー『...報酬はなんだ?』
キャスター『_____ッ____どこまでも意地汚い男。____いいわ。信用の印にこれを_____。』


  シャッ      キャスターのお守り(2)

ワンダラー『___なんで二つなんだ?』
キャスター『一つは宗一郎様の分、もう一つは、...あなたの分よワンダラー。』










ワンダラー『  少しいいか?』
葛木『...何だ。』
ワンダラー『キャスターが”お守り”だとさ。あんたのために作ったらしい。受け取ってやってくれ。』
葛木『分かった____。キャスターには後で礼をしょう。』


........

............

.....................  

....................................


ワンダラー『あんた、キャスターの事、どう思っているんだ?』

葛木『キャスターか、_____何なのだろうな。私にもよく分からん。彼女が私をどう思っているのかも知れん。
   ________だが、キャスターが望むのならば ”この命” 預けてもいい。』
まるで死に場所を求めるかのように淡々と流す。彼にとっては他者の命も自分の命も等しく”無”なのだろう。

葛木は言い終わると、”足音”を無くしながら寝室へ向かった。


ワンダラー『____キャスターはあんたには死んでもらいたくないそうだ。だからそのお守りをつくった。
      それと、キャスターじゃないぜ。”あんた”の答えを聞きたい。キャスターを...”愛して”いるのか?』(Speech75%)

葛木『____”愛”?...正直に言うが、私は”愛”が何なのかは分からない。それが暗殺者にとって不要なものだからな。』
                  
                   ________________しかし

(成功)葛木『”ソレ”がキャスターの望むものならば...私は、彼女を”愛して”いきたい。私の人生は死んでいたも同然だった。慢性のまま生きる___目的も何も無く。
       だが、キャスターは私を見ると複雑な表情を見せるのだ。寝食を共にしたからなのか...彼女が私を愛しているからなのか...。』

ワンダラー『ならあんたとキャスターは”夫婦”だな。これからはキャスターの事を妻のように扱ったらどうだ。喜ぶぞ。』
葛木『夫として同然の事だな。形からでも入ってみよう。
   それから、すまないなワンダラー。本来なら敵のお前を付き合わせてしまって。』

ワンダラー『_____Sorry(すまない)か...Thanks(ありがとう)だろう?Mr.クズキ。」
葛木『そうだな...”ありがとう”。』

そう言った男はいつものように寝室へと入る。ただ一つ
”足音”が鳴った。





キャスター『それでどうなったのかしら?宗一郎様は私を____』
ワンダラー『”夫”として”愛して”いきたいだと。さぁ、もう』



______すると外見には全くそぐわない声をあげながら歓喜する魔女が______
キャスター『//////////////!!!!!!!________ええ、そんな、本当に信じて______』
      
ワンダラー『...待てよ、あんた、願いがかなったんじゃないか?なら聖杯戦争には用がないのでは?』
キャスター『...そうね。もう、聖杯などどうだっていいわ。現界を維持だけなら地脈のマナでこと足りることですし。
      ...生前叶えられなかった願い、もう諦めていたけれど...あなたには大きな借りが出来たわね。
      ”ありがとう”。ワンダラー。』

ワンダラー『____そうだ、このホロテープをやるよ。あんたらにはお似合いだぜ。』

Happy Times (Bob Crosby & The Bobcats) https://www.youtube.com/watch?v=HAsUPgc3HC8

A Wonderful Guy(Tex Beneke) https://www.youtube.com/watch?v=Ig7jx4J399s

I'm Tickled Pink(Jack Shaindlin) https://www.youtube.com/watch?v=AWJY-JPjRXA



”本来”ならば殺し合う相手なのにワンダラーは二人の愛を成熟させようとしていた。
______もしかしたら、両親の姿を重ね合わせたのかもしれない。
せめて、惨めな戦場で死ぬよりは穏やかに過ごしてほしい。自分にはもう”無い”ことを知っているからか...。

If you’ll excuse an expression I use,
I’m in love, I’m in love,
I’m in love, I’m in love,
I’m in love with a wonderful guy!


[Don’t let him get away!]

●キャスターと交渉、または逃げる。(完了)
●キャスターと葛木の”問題”に対処する。(完了)
●リン、シロウ、セイバーのいる新都へ行く

ハロー こちら ジョン ヘンリー........


うううっっはははは!!!!!驚いたかい!?スリードックだよ!元気か~い?
さて、今日も聖杯戦争、冬木市を中心に俺からニュースだぜ~~~~!
___リスナーの諸君、最近妙な事が起きてはいないだろうか?
頻発する昏睡事件 頭にメスメトロンを食らわされたような坊さん達 それと...他にあったか?
まぁ、ともかくこうした被害がある日急に収まった。
おいおい、災害じゃないんだぜ。いったい何がおこったんだ?新種のウイルスか?見間違いか?

...サーヴァントが絡んでいるのか?

vault101のアイツは関わっているんだろうか?みんな、知りたいよな?
だ~が、この”全能”のスリードックでも分からないことは多い!何がどうなのか、さっぱりだ。

____新しく入ったニュースによれば、柳洞寺ってお寺に外人さんが宿泊しているらしいぜ。
まぁ、アツアツなんだろうよ!太陽みたいにな。ハッハッハ!!!



こ~こ~で、音楽の時間だ。もう年末だぜ~~~。時間の流れって早いよな...。
クリスマスは過ぎちまったが、この曲をどうぞ。

Bing Crosby & Danny Kayeで『White Christmas』

https://www.youtube.com/watch?v=7S-IidmcSN8


リスナーの諸君 2015年もがんばろうぜ! ワオ~~~ン!

________夜道

鴉一ついなく ただ静けさがある 閑静な通り 
そんな中、たった一人で放浪者は掛け進んでゆく。
その間、昔のクセで考えごとをしてしまう。

そう______他のサーヴァントはどうしているのか?
ランサーやバーサーカーなどの ”石器時代の英雄” がいたとなれば新都どころでは無くなる。
両者ともばったり遭遇したのならまだいい。ランサーを味方(コンパニオン)に付けられる。
だが単体、特にあの”テディベアのお守り”に目をつけられたらば_____。

         ノ ゾ ミ ガ タ タ レ ル     

最悪、頭ネじ切られて”オモチャ”にされるか、”新鮮な肉”にされるか...あの”テディベア”ならもっと他の”アソビ”を考え付くはず。

ワンダラー『.......ガキか。Dr.ブラウンも最低な奴だったが、あのガキは........7、8ぐらいか?まぁどうにでもなる。
      ____ゲーム感覚で人を殺す か...。』

生前からさまざまな冒険をした彼にとって、イリヤの残虐さと似た性質を持つ奴は腐るほど”生息”していた。

バーチャル世界の中で横暴を働いた Dr.ブラウン (おまけに幼女に姿を変えて... クソ、うらやましいぜ)

気まぐれで”不発弾が落ちている”町を爆破させようとした Mr.テンペニー  
ある部族と協力して、島に来た”冒険野郎”のノウミソを切り取っていた フェリー乗りのトバル    
こいつら以外にもたくさんだ。 道行く道に”ソイツら”は自生している。 まさに”Dear Hearts And Gentle People”_______だな。


...自分もそのうちの”一匹”だった、そして今も_____。


???『シ_ン_ジ、これ以上の戦闘_は、__危険です...。』
慎二『何言ってるんだよライダー____!!!お前が、お前が弱いせいでこんな目にあったんだぞ___!この、クソサーヴァ』
ライダー『___シンジ、”敵”です!!!しゃべらないでください____。』


____突如として紫色の閃光が感じられた。一瞬の時であるが ワンダラーのそばを通った”吸血鬼”。
...ついでにもう一人。恐らく”シンジ”とか言う奴だろう。ライダーに”抱っこ”させられていやがる。

_______賭けは外れた。だが、新都には行かなくても良いようだ。______

ワンダラー『...ああ...もしかして...その.......
      サーヴァントってのはガキの”お世話”をするものなのか!?
      そこの”ベビーシッターさん”______。』
ライダー『.......................。』
釣り糸に引っ掛からない”ウミヘビ”を差し置き、どうしてか”海産物”が釣れたようだ。とびきり”うるさい”のが_______。

慎二『誰が”ガキ”だって!!!!! ............待てよ。お前、遠坂のサーヴァントか?
   _____クッハハハハ!!!な~んだ。マスターを置いて単独行動だなんて、とんだ”ハズレ”じゃないか!!!
   おいライダー。こんな雑魚、セイバーなんかよりも絶対弱いぜ。早いとこ、始末しろ!』
ライダー『___分かりました。ですが、今の状態はこちらが不利です。撤退を』『______マスターに歯向かうとでもいうのかよ!!!このクソサーヴァ____』

どうも”意思疎通”が上手く働いていないよう。無理もない、
”ヘビ”と”ワカメ”とで話が通じるかい?____つまりはそうゆうことさ。

_____明らかに不自然であるが、何食わぬ顔でワンダラーは声を掛けた。
ワンダラー『レディーファーストだ。あんたからでいいぜ。』



_________ワンダラーの賭け”は”半分”外れた。だが、もう”半分”は当たった。
天国か地獄、それとも無か。どれかに一番近い最低の”アタリ”であり________また、最高の”ハズレ”とも。




イリヤ『...はぁ、速くシロウに会いたいのに。______邪魔だし”始末”しないと ね。
    _________やっちゃえ。バーサーカー!!!』

バーサーカー『...............■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

_______それは___________妖精のささやきか__________死の鎮魂歌(レクイレム)なのか________














イリヤ『でも...こんなトコロで”2つ”も見つけるなんて、とっても運がいいわ。よね?バーサーカー』
バーサーカー『______■■■■■■■』
それに彼女の従者は答えることなく、ただ唸り声だけを鳴らす。
少女はそれを意にもせず敵である男へと視線をのせる。

イリヤ『ひさしぶりだね、おじさん。シロウ達に付いてきていると思ったんだけど...リンもサーヴァントを離して”デート”だなんて___』
ワンダラー『デートって言うのは2人で行くものだろ?それは違うな』
イリヤ『え、じゃあなんていうの?』
ワンダラー『...あんたにはまだ早い』
イリヤ『ふん、デートじゃなくて”ハーレム”なんでしょ。分かるわよ。そんな事』


慎二『   え。  ___あ、あ...うっ、うあああああ!!!!!』
一方術を持たぬ哀れな少年は、ただ自らの従者へとしがみつく。
ライダーは特に動じることなく、ワンダラーとバーサーカーへ視線をめまぐるしく移動させる。

イリヤ『へぇ、あなたも災難ね。こんな才能の欠片もない人が”マスター”で』  純粋に挑発か、それとも同情か。
慎二『な、なんだと!お前、僕をコケにする気か!い、いくらサーヴァントが強いからってこの、ボ』 
息も絶え絶えのまま、自尊心のために噛み付く慎二だが

イリヤ『もしかして、死ぬのが怖いの?大丈夫よ。バーサーカーなら”一瞬で”あなた達を殺せるから』
慎二『_________』

ライダー『シンジ、冷静に。撤退しましょう』
いつもの様に感情を感じさせぬ素振り。
慎二『ラ、ライダー。撤退て、一体どうやって...』


イリヤ『...おしゃべりはおしまい。さっさと片付けちゃて、バーサーカー』
バーサーカー『■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
バーサーカーの斧剣がライダーの方向へと向けられた時


銃声が響いた。



 


_____________GAGAGAGANNNNN!!!!!!!          ■■■■■■■■■■■■■■■!!!
                  
___GAGAGAGAGAGAGAGAGAGANNNNNNN!!!!!!!!            ___________■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!!!!!

GAGAGGAGAGAGAGAGAGAGAGANNNNNNNNNNNN!!!!!!!!!!!!                _______________■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!!!!!!!!!!!!

閑静なこの付近にて、けたたましく銃声が聞こえ それと平行して一匹の獣の雄叫びも。





イリヤ『...ふふっ、バーサーカーがいるのに私を狙い打ちするなんて。まぁ予想はしてたわ』

ライダーを始末しょうとしたバーサーカーの不意を突き、ワンダラーはイリヤの頭に風穴をあけるつもりだった。が
バーサーカーが攻撃を寸前で取り止め、主の盾となったのだ。

イリヤ『じゃあ、あなたから死にに行きたいのね?おじさん』
ワンダラー『それはこちらのセリフだ。”放射能入りの雪の妖精さん”____!!!』


多量の5.56mm弾を暴食するかの様に、アサルトライフルの銃声が鳴る。
銃銘は”玄龍(クサンロング)アサルトライフル”。
ワンダラーが素数野郎(プライム)の男から入手した一品である。数多くの強敵を肉片へと変えてきた一品であるが...。

バーサーカー『_________■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
まるでサイコとMed.xを”キメまくっている”のか、目の前の狂戦士は主を弾丸の嵐から守りつつ、突撃してきた。
引き打ちしながらバーサーカーとの距離を空けようとするワンダラーだが、徐々に距離は縮まっていく。
そして相手は一度受けた攻撃を無効化してくる。龍の名を象った突撃銃は、ただ耳障りな”バイオリン”にしかならなかった。

イリヤはなぜ武器を変えて攻撃しないのか疑問に思ったが、すぐに忘れた。
自分とバーサーカーにはどんな策も通用しないという自信が生まれていたからだ。




それを傍観しているものが二人。
ライダー『マスター、今ならば大丈夫です。お考えを』
慎二『   あ、ああ。そうだなライダー。今はお、お前が正しいよ』

慎二(一体、一体なんだっていうんだ!!!!衛宮と遠坂にはボコボコにされるし、その次は遠坂のサーヴァントとアインツベルンと鉢合わせなんて!
   ......僕は、ぼくはぼくはぼくは!こんな所で死にたくなんかない!!!)


少年は非凡な才能に恵まれていた。

勉強    スポーツ    容姿     人脈      財産     友人

大抵の事はやればすぐ覚え、うまくこなすことができた。
人から尊敬され、逆に嫉妬される。そんな恵まれた人生に彼は生きていた。
しかし、彼は満たされないものを抱えていた。どんなものなのかは大して意味もないが。
聖杯戦争を勝ち残り、自分の虚栄心を満たそうとしていたの だが。


戦場から身を引こうとするライダーであったが、ふと周りに違和感を覚える。
バーサーカーとの睨み合いをし、陣地を変更していたのだが.....。

ライダーと慎二の周りには、数多くの地雷が設置されていた。

ワンダラー『ちょっとあんたらに手伝ってもらいたい。逃げたり、従わないんだったら、そこの地雷が爆発するぜ。』




”冬木”の名のごとく冷たい風が入り、夜も明けぬ中、
衛宮邸の道場にて、三人ほどの男女が話し合っていた。

士郎『っ...慎二が、あいつが本当に聖杯戦争に参加していたなんて...!!!』 少年は勢いのあまり拳を叩き付けた。
 ドンッ という音が床に響く。と同時に少年の赤茶色の髪が震える。しわが寄り、苦しんでいる様に見える。
セイバー『...。』

士郎『___あいつとは中学校の時からの友達だったんだ。妹の桜に八つ当たりするひねくれた奴だけど、無差別に人を傷つけるなんて...』
後悔と怒りの混じった声色が道場へ走る。

凛『ハァ...衛宮くん。これは”戦争”なのよ』 反対側から落ち着いた いや、呆れた声が。
凛『監督役の言峰も言っていたでしょ。
 「聖杯戦争とは七騎のサーヴァントと七人のマスターが願望機である聖杯を賭けて戦う”戦争”だ。」って』
凛『経緯がどうであれ、サーヴァントを使役しているってことは”そういう事”なのよ。だから___』

士郎『...ああ、その通りだよ遠坂。たとえ友人でも、聖杯戦争に無関係の人を巻き込むのなら、俺は迷わない』
答えを聞かずして、
目に陰陽が差し込む。

凛(...なーんだ。ちゃんと考えてるじゃない。ライダーと戦ってた時にはセイバーに手加減させてたみたいだったけど...)
安心する凛を置いて、士郎は話題を変える。

士郎『そういえば遠坂、ワンダラーの奴どうしてるんだ?柳洞寺の偵察をしてるんだろ?』
凛『ええ、でも露骨にサボりたそうだったわ...「寄り道でもしょうかな?」なんて言っていたし。
  __もちろんキッチリ”説教”させて行かせたけど』
"お説教"がなんなのかは...彼女しか知らない。だが毎年食糧難のウェイストランド人にはかなり答えるものだっただろう。

セイバー『それにしてはあまりにも遅い。私ならば直ぐに帰還できる距離だというのに...』セイバーが疑念を漏らす。
士郎『...柳洞寺に、サーヴァントがいるんじゃないのか?』
凛『_____!!!私としたことが、またこんな凡ミスするなんて!!!』






_______


引き金(トリガー)を引きながら、バーサーカーとの距離を保ちつづけるワンダラー。
バーサーカーへと視線を集中しているが、それを傍観しているライダー達にも目を向ける。

ワンダラー(あいつら...ああ、シンジって奴はどうでもいいが、あの女を仲間に出来るか?
      ...そもそも、あの”蛇女”が交渉に乗るか?それに、舌をベロベロ回す暇も隙も、ねぇ...!!!)

柳洞寺でキャスターに回復させられ、ワンダラーの生命力は著しいが、肝心の魔翌力はいささか手持ち無沙汰だった。
そもそもワンダラーの使っている弾薬や兵器、防具は全てマスターである凛の魔翌力で生み出されている。
剣や槍、弓矢などの原始的な武器はサーヴァントにもよるが、あまり魔翌力を消耗しない。
が、ワンダラーの武装は本来”過去の偉業”である英霊の武器とは違い、イレギュラーな”未来の功績”が殆どなのだ。
そのため弾薬を使用したり、武器を取り出すたびに、一般の魔術師ならば膝を付くくらいである。
マスターである凛が優秀だから運用できるものの、実際には燃費が凄まじく、魔翌力をブーストでもしないと、自由自在に装備を使用、変更出来ないのだ。
さらにバーサーカーは一度受けた攻撃を無効化する宝具”十二の試練”(ゴットハンド)を持っている。

ワンダラー(つまりは”ジリ貧”だな。こりゃ。全く、”ハジキ”も”タマ”も”ドル”も”キャップ”も全て足りねぇ。
      ...そういえば3、4つ地雷を仕込んでたな。
      あれで足止めでも..いや、こいつはいい”交渉道具”だ。この石も___)

ポケットの中にはキャスターからの”お守り”が光っていた。

3インチ...約8cmの人面石が、何かの起爆装置のように。


_____少し前の柳洞寺にて、
するべき事が終わり、凛達と合流するために柳洞寺を出たワンダラー。
それを見送るキャスター。端から見たら新妻とその放浪息子に見えなくも...ない。
だが、門前の石階段沿いまで来た時にワンダラーはふとキャスターに質問を投げた。

ワンダラー『なぁ。このお守りとやらは一体全体何なんだ?』
疑問も最もだ。手に収まる大きさで、人の顔が掘られ(...よく見ると葛木に似てる)目と思わしき部分には微かな光が灯っている。
半ば強制的に貰ったお守りであり、正直な所非常に怪しい。

キャスター『それは私が宗一郎様のため”だけ”に作った特注の魔術道具よ/////。
予備に一つ作っていたのだけれど、まさかあなたに持っていかれるなんて...』
歯を少しばかり噛み締め、キャスターは恨めしそうな表情を作る。”裏切りの魔女”とは思えないほど感情豊かだ。
キャスター『”何”と言われても、所持者に加護を与える普遍的なものよ。暗殺拳を使う宗一郎様に合わせて、拳の強度を上げるのよ。
      ......名前は”ラブ&ヘイト”(愛と憎悪)よ!!!//////』

さも平然というようにキャスターは答える。嘘偽りがあるかと思ってしまうが、そういうわけでもないようだ。
何より、表情が教えてくれる。平静を保っているつもりなのだろうが、笑みが零れ落ちている。
ワンダラーが持っているラブ&ヘイトも同じものなのだろう。
ワンダラー『___ああ、実にウェイストランド的ネーミングだ。気に入った。
      ...作れたのなら、効果を変更できる よな?』





_______

ワンダラー『ちょっとあんたらに手伝ってもらいたい。逃げたり、従わないんだったら、そこの地雷が爆発するぜ。』
引き打ちをしながら声高々に言うワンダラー。自信に溢れたその姿勢は、劣勢とは思えない。
ワンダラー『早速だがライダー、あんたのマスターの身長を15インチ縮めたくないのなら、力を貸してくれ。
      単純な話だ。目の前の”ベヒモス”の注意を引きつけておいてくれ。後は...どうにかする』


ワンダラーの地雷は一定の距離へ入ったら自動的に爆発するのだが、地雷は爆発しない。
中には軍用地雷や、おそらく自家製であろうランチボックス容器の物も設置されてある。
...ワンダラーのラブ&ヘイトが”起爆装置”となっているのだろう。
キャスターが改造し、魔翌力によって生成された罠を遠隔起動できるものになったのだ。

地雷は戦場では忌み嫌われ、憎しみの象徴にもなっている兵器だ。
もともと敵の戦力や士気を削るため、敵兵達の脚を使えなくし、障害者を作るのを目的に製造された。そのため軍用地雷の威力は比較的控えめである。
だが、粘度状容器などに火薬を密閉して詰めたもの、すなわちプラスチック爆薬などは強烈な爆風と破片が発生し、圧倒的な破壊力 殺傷力を秘めている。

___”愛”(一瞬で死へ)と”憎悪”(死ではなく障害を残す)を与える。
だから”ラブ&ヘイト”なのかもしれない。


慎二『...ラ、ライダー!!!ああいつに、し、し従え!!!』
自らの足下に”死”が迫っている。そんな状況で戦場慣れしていない少年が冷静な判断が出来る訳ない。

ライダー『____ッ...』 舌打ちをしたのかどうかは判別出来ないが、ライダーも焦っている。
慎二『何やってんだよ____!!!早く、早く行け!!!』

イリヤ『...っふふふ。なんだか、っふふ、面白いことに、っふふ__、なってるわね。
    バーサーカーの前にはどんな策も効かないけど、...ふ、.....っふははははははは____!!見る分にはとっーーーても楽しいわ!!!』
強者の余裕なのか、無邪気さからでたのか。
戦場には相応しくない笑い声が聞こえる。


バーサーカー『.................』
主とは対照的に声を荒げないバーサーカー。
それでも、動きを止めずに執拗に獲物を狙っているのだ。
そして、バーサーカーの視界にはもう一人新たな獲物が映った。

ライダー『...これで、いいのですね。ワンダラー』
ワンダラー『__”交渉成功”だな』


















バーサーカー『_______■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

談笑する暇も与えんばかりに、二人の間を斧剣が入り込む___!!!
直線的で単調な動きではあるが、反応が一秒でも遅れていたのなら、正しく”肉片”へとなっている攻撃だ。
慣れてない動きではあるものの、それを後方へジャンプをしてどうにか回避するワンダラー。
だが完全に避けきれた訳でもなく、斧剣の生み出す風圧とコンクリート破片がワンダラーの顔面を襲う___。

ワンダラー『____ッグッッ___!!!』
無防備な顔を腕で覆いかぶすが、細かい破片は顔だけで無く、脚や胴体などのさらに無防備な部位に突き刺さった。
そして、とどめの風圧で身体を浮かせられ、背中から道路上へと叩き付けられてしまった。
衝撃により、叩き付けられた道路にヒビが入り、倒れたワンダラーの隣には彼の手から離れたクサンロングが”墓標”の様にヒビ割れの部分に挟まる。

その一方ライダーは軽やかで軽業じみた回避を行ない、コンクリート製の道路に突き刺さった斧剣を蹴って、バーサーカーの後ろへと回り込んだ。

__否、”回り込もうとした”。

ライダー『______グッッ、______ぅぅぅああああ!!!!!』
バーサーカー『_______■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
イリヤ『...あなたみたいな弱いサーヴァントが私のバーサーカーを出し抜けるだなんて、思わない方がいいわ___!!!』

バーサーカーがライダーを掴み、その華奢な身体を拷問に掛ける様に握る。
その苦痛の程は、ライダーの眼帯越しでもよく分かる。
歯が軋み、両足が生まれたての子鹿みたくプルプル振るえる。さらに骨と骨とが互い互いに響き合い、気色悪い音を鳴らしている。

イリヤ『...さっさと殺してあげるわ。シロウにも会いたいし。
    ____あのおじさんみたいになりたくないでしょ?』
向こう側を指差すイリヤの顔は、新しく買ってもらった”オモチャ”を見るようなものだった。
____同時にそれを壊して喜びを感じるような”無邪気”な笑顔でもあった。




慎二『      え? 』

それらの光景を見ていた慎二は唖然とする。
周りの状況や今の自分の状況にも。
____なにせ自分を脅していたサーヴァントが、今、自分の目の前でまるで”芋虫”の様に這いつくばっているのだから。
素人の目からみても分かる。

口から血を少量垂らし、脚 胴体が大刻みに痙攣し、腕部に至っては、指の第二関節から肩まであらぬ方向へと曲がっている。

だが、その男はそんな肉体的損傷を意図もせず使い物にならないハズの両腕を使い、力強く立ち上がった。

ワンダラー『...ッハァ、vaultの運動種目に器械体操でも入ってたら、な___』
そして、慎二には目もくれず、左腕の機械を弄くり、どこからともなく武器を取り出す。
そしてそれをバーサーカーに向け、叫ぶ。

ワンダラー『...二度も殺されるのはゴメンだね_______V.A.T.S___!!!!!』


















このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年06月08日 (月) 22:52:06   ID: J8Sg5zBS

応援してるよー。亀更新でもいいから続けてくれると嬉しいです。

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