陸上自衛隊員「異世界に迷いこんでしまった……」(61)

201X年 11月8日 2358

ブロロロロロ……

士長「隊長…… 何で自分はわざわざこんな真夜中にトラックに乗って輸送科の護衛をしてるんでしょうか?」ブロロロロロ

二曹「俺に聞かないでくれ…… でも偵察用オートバイ五台と普通科が乗ったトラック五台で輸送科のトラック二台を護衛なんて明らかにおかしいよな……」ブロロロロロ

士長「しかも全員の銃に実弾が入ってますよ…… もしかして条約違反の兵器とか運んでるんじゃ……」ブロロロロロ

二曹「そんなわけあるか…… そんなことしたらこの国が崩壊するぞ……」

二曹「とにかくこれが終われば休日だ 終わったらゆっくりしよう 核だろうが毒ガスだろうが俺たち下っぱには関係ない」ブロロロロロロロ
ジーッ
士長「まぁそうですけど…… 何か陰謀的なのがあるんじゃないかとワクワクしてたのに……」ブロロロロロロロ
ジーッ
二曹「フリーメイソンとかイルミナティとかか? ……待て」
ジーッ
士長「どうしたんです?」
ジーッ

二曹「今、人がいた気がしたんだが…… 赤い着物を来た女?」ブロロロロロロ

士長「ハハハ 気のせいでしょう こんな夜中に歩いてる人なんていませんよ」ブロロロロロロ

二曹「まぁそれもそうだな」ブロロロロロロロロロ

???「……」ジーッ

二曹「……なんだかなぁ 嫌な感じだな」

一尉「全車両 こちらひとひと 全車停止しろ 送れ」

士長「?」

二曹「なんだ?」

一尉「<<ひとにい こちらひとひと 今、森の中に民間人がいるのを確認した なぜここにいるか【確認】しろ、こちらのことを見ていたなら【始末】しろ 尚、発砲は許可しない 送れ>>」

二曹「始末!? 民間人を!? <<こ、こちらひとふた そちらの命令の意図がわからりません! 送れ!>>」

一尉「<<命令だひとふた! 【保護】か【始末】しろ! 終わり!>>」

士長「し、始末ってどういうことですか!?」

二曹「わかんねぇよ!? 俺たちは何を運んでるんだ? とにかく行こう」

???「……」ジーッ

ザッザッザッザッザッザッザッザッザッ チャキン

二曹「これよりひとにい分隊は民間人を確認しにいく いいか? あくまで確認 もしくは保護するだけだ いいな? 絶対に撃つなよ」

分隊員「「「「「了解!」」」」」

二曹「よし いくぞ……」

ザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッ

???「……」ジーッ

二曹「……あの人だな こちらを見てないことを祈ろう」

二曹「あのー? もしかして迷ってたりしちゃったんですか?」(牛みたいな顔だな そういう病気なのか?)

???「……えぇ! まぁ」

二曹「もしよかったら近くの町まで案内しますよ」

???「……本当ですか? ありがとうございます」

二曹「……もしかして我々の車を見ました?」

???「いえ……? 私は見てませんよ?」

二曹「よかった……」ホッ

???「……?」

二曹「……ところであなたのお名前を教えてくれませんか?」

???「……何故?」

二曹「いや……一応……ね」

???「……私の名前はクダン と言います 漢字で事件の件と書きます」

士長「えっ?」

二曹「どうした士長?」

士長「え? あぁステキな名前だなって」

件「……ありがとうございます」

二曹「さて…… 町にいきましょう」

件「いえ 町へのルートはわかります」

二曹「へ?」

件「ところで最近、占いにはまっているんですよ もし良かったら将来を占ってあげますよ」

士長「へ、へぇ じゃあひとつ頼みます」(なんか変な人だな……)

件「えーとですね…… 霧に注意してください 闇に飲み込まれて別な次元に行ってしまうかもしれません」

士長「は、はぁ」

件「では私はこれにて……」スゥッ

士長「えっ!? ちょっと? 待ってください!」

二曹「えっ!? 消えた!?」

士長「どういうことです!? まさか本物のクダンだっていうんですか!?」ブルブル

二曹「なんだ本物のクダンって!? 何が起こってるのかさっぱりわからねぇ! なんて報告すりゃあいいんだよ!」ブルブル

一士A「お、落ち着いてください隊長!」ブルブル

二曹「落ち着けるかぁ! なんだこの安っぽいホラー映画みてぇなのは! あぁっ! バカみてぇだ! 帰るぞ!」ブルブル

一士B「な、なんて言うんですか?」ブルブル

二曹「コッチは見てない 勝手に帰っていったって言っておく! あぁっ! わざわざ心配した相手が幽霊か!? バカみてぇだ!」ブルブル

士長「隊長 アイツは妖怪です……」

二曹「え!? なんだって!?」

士長「アイツは妖怪なんです!」

二曹「何いってるんだ! 帰るぞ!」

ザッザッザッ
ザッザッザッ
ザッザッザッ

士長「全員乗りました」

二曹「了解 <<ひとひと こちらひとふた コッチは見ていないそうです 散歩に出ただけで帰っていきました 送れ>>」

一尉「<<こちらひとひと 了解した 全車、移動を再開しろ 送れ>>」

ブロロロロロロ……

二曹「はぁ…… なんだってんだ…… 変な任務に入れられるし上官はおかしいし幽霊には出会うし……」

>>4-5 ×ひとにい ○ひとふた

二曹「帰ってさっさと寝てやる…… 今回のやつも酒の肴にでもしよう……」

士長「隊長 霧が出てきました……!?」

二曹「……それがどうした?」

士長「さっきのクダンの話ですよ!」

二曹「あっ……!?」ガバッ

士長「どんどん濃くなっていきますよ……」 ブルブル

二曹「ンなもんデマだ! 気にするな!」

士長「で、でも!」

二曹「さっきのは悪い夢だ! いいな!?」ガバッ

二曹「それにしてもなんでこんなに霧が濃いんだ?」ハァ

士長「さぁ…… 事故でも起きたら大変ですよ」ハァ

二曹「そうだな…… 出れる準備をしておこう」ハァ…

ザー

一尉「<<全車緊急停止! 繰り返す! 緊急停止だ!>>」ザザーッ

二曹「!?」

一士A「なんですか士長!?」

士長「俺が聞きたいよ! なんだってんだ!」

2曹なら隊長じゃなくて班長じゃね?

>>13 マジだ しょっぱなからとんでもないミス

二曹「<<ひとひと こちらひとふた 状況を教えて欲しい 送れ>>」ザー

一尉「<<こちらひとひと あー…… その…… なんだ 口じゃあ説明しにくい 一度お前の班を連れて俺のトラックまでこい 後、弾はいつでも撃てるようにしろ 軽MATはそのトラックに置いていって良い 送れ>>」ザー

二曹「<<こちらひとふた 了解しました すぐにそちらに向かいます 終わり>>」ザー

二曹「フーッ…… よし 急いで荷物を纏めろ これからひとふた班は一尉と合流する 一士Bのカールグスタフは重いから置いていっていい その代わり予備の64式を持っておけ もちろん弾は入れておけよ 実弾だ」

士長 一士A B C D E F 「了解!」ザッ

ザッザッ ピシッ シュー チャキチャキ

二曹「固まって動けよ 霧が濃いからな」タッタッタッタッ

一士B「了解!」タッタッタッタッ

一士F「隊長はクーガーに乗っているんですか?」タッタッタッタッ

士長「違うな 俺たちと同じでトラックに乗っている クーガーは他の部隊が使っているらしい」タッタッタッタッ

一士F「へぇ…… 了解! で? どのトラックですか?」タッタッタッタッザッ!

士長「62式が積んであるトラックだ」タッタッタッタッタッタッタッタッ

一尉「おい! こっちだ!」

二曹「了解! 行くぞ! 遅れるな!」

二曹「それで小隊長 我々に見せたいものというのは?」

一尉「あぁ こっちだ 着いてこい」

一士C(おい なんで一尉が小隊仕切ってるんだ? 普通は中隊仕切ってるはずだろ?)ヒソヒソ

一士D(なんか上で揉めてるんだってさ)ヒソヒソ

一尉「そこ! 私語は慎め!」

一士C D「サーセン……」



一尉「私も最初は気づかなかったが ここを見ろ」

二曹「え? ただの地図が描いてある看板じゃないですか? 木で出来ていますけど……?」

一尉「ここに書いてあるのは何語だ?」

二曹「え? あぁ確かに…… 英語でもドイツ語でもないな…… アラブでもキリルでもない…… で? それがどうかしました?」

しえん

一尉「まぁそれはいいとしてだ この地図と我々が持っている地図を比べて見てくれ」

二曹「えーと…… ん? 今我々はどこにいるんです? さっきはここにいて…… この看板の地図の場所がありませんよ? まさか……」

一尉「そのまさかだ 我々は道を間違えたかもしれん しかも我々の現在地がわからない 何故かGPSも圏外になって使えないしな……」

二曹「なるほど…… しかしもう夜遅いですし…… 一旦ここで休憩して霧が晴れて明るくなってから進んだほうが良いのでは? 疲労も貯まっているでしょうし」

一尉「そうだな…… まぁ迷ったと言っても日本だ すぐに道がわかるだろう」

二曹「もし日本じゃなかったらどうします?」

一尉「その時はこの道をまっすぐ戻って日本に帰るよ…… ん?」

キンキンキンッ チャキン チャキンチャキン バーン グチャッ

一尉「おい! 今の音はなんだ!? 金属音だったぞ!」

二曹「自分の班が見てきます!」

一尉「わかった 銃剣の使用を許可する しかし深追いするな ただでさえ霧が濃いんだ! 状況を確認するだけでいい!」

一士C「班長! 銃剣を貸してください! 自分のMINIMIにはつけられませんから」

二曹「わかった 俺の予備を貸そう」サッ

一士C「ありがとうございます!」

士長「音が聞こえたおおよその位置はわかります 急がないと」

二曹「わかっている…… よし 作戦開始だ」

チャキンチャキン チャキン キンキンキンキンキンッ グチャリ

>>19 リナ謝感援支

二曹「安全装置よーし! 着剣よーし!」

士長 一士ABDEF 「安全装置よーし! 着剣よーし!」

二曹「いくぞ! 遅れるなよ! 見失ったらすぐに叫べ!」タッタッタッタッタッタッ

タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ ザザー タッタッタッザザーザザーザザーザザーザザーザザー

二曹「もしかしたら強盗とか暴走族かもしれんぞ…… 気を付けろよ」

ザザータッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ

……

剣士a「オラ!ガキ! 村の場所をさっさと教えろヨ! 一丁前に刀なんて持ちやがっテ!」ベキッ バキッ

少年「はぁはぁ…… 嫌だね…… 見つけたけりゃあ自分で見つけな……」グチャッ ベキッ

剣士b「はぁ…… もういいんじゃなイ? コイツ〆ちゃってサ もう吐かないヨ コイツ」ベキッベキッ

剣士a「そうだな…… 喋らないならコイツはもう用済みだナ……」バキッバキッバキッバキッバキッバキッ





二曹「……」サッサッサッサッサッサッ(二人の兵士を発見) サッサッサッ(殺すな) サッサッサッサッサッ (俺と士長が) サッサッサッサッサッサッサッサッサッ(二人にタックルする それ以外は俺が合図したら援護しろ)

ひとふた班全員「……」コクリ

二曹「……」スウッ…

剣士a「はぁ…… さっさと村の場所を言ってしまえば助かったかもしれんのニ」

少年「や、やめ……!」グイッ

二曹「……」グッ サッサッ(援護しろ)

士長「……」グッ

剣士b「残念だったナ アバヨ 地獄で会おう ……?」チャキッ

二曹 士長「……!」ダダダダダダダダダダ


ベキッ バキッ ドゴッ ベキッベキッベキッ ベキッベキッベキッベキッベキッベキッ

一士A「動くなよ 動いたらお前を仲間と一緒に墓に入れてやる!」

剣士a「グベェ……!?」ピクピク

一士D「動くな! 1mmでも動いたら喉笛かっ切ってやる!」チャキッ

剣士b「アガッ……!?」バタン

士長「よーし 大丈夫か? 怪我は…… 身体中だな」ポンポン

少年「……」ガクガク

二曹「さて…… お前ら…… ここで何をしていた?」

剣士a「へへ…… 土地の取り立てだヨ……」ピクピク

二曹「こんなデケェ骨董品の剣を持って? こんなチビに?」

剣士a「なっ……!? 骨董品だと……? チクショウ! 離しやがレ!」ジタバタ

一士D「ハァ…… どうします班長? 取り合えず来た道を戻って小隊長に報告しにいくのがベストだと思うんですが……」

二曹「そうだな この子供とコスプレ野郎も一緒に連れて戻ろう 一尉もきっと心配してるだろうしな」

一士C「アイツがですか? まさか」

二曹「しなければ指揮官失格だ…… 一士E、そいつらをワイヤーとかで縛っておいてくれ」

一士E「了解です!」

……

二曹「ただいま戻りました」ビシッ

一尉「おお! ご苦労 大丈夫だったか?」ビシッ

二曹「子供が男二人に襲われていました 今は一時的に保護しています 男二人も」ビシッ

一尉「ふむ なるほど 金属音はなんだったんだ?」

二曹「男達が持っていた剣の音でした」

一尉「剣? ナイフとかか?」

二曹「いえ もっと長いサーベルのようなものでした 骨董品でも拾ってきたんでしょう」

一尉「ほう…… 民間の団体が文句を言わなければいいが…… その子供の面倒を見れるか?」

二曹「ええ 出来ます」

一尉「じゃあ適当に話を聞いて落ち着かせてやれ 霧も濃いから不安だろう」

二曹「了解です では」

士長「どうでした?」

二曹「どうもこうも テンプレートな会話だったな 子供の相手をしろってさ 子供は今どこにいる?」

一士A「今はトラックで寝かせてます それにしても嫌ですね…… 子供を狙った強盗なんて」

二曹「やっぱり時代だよ 警察が毛無心理教(モウムシンリキョウ)を摘発し始めたし 日本がそういうムードなんだよ」

一士A「はぁ…… 平和なんてあり得ないんですかね」

士長「もう日本にいる限り平和なんてあり得ないな その内第三次世界大戦が始まるなんて言うぞ……」

少年「……zzz」

>>30
たぶん違う

なんか自衛隊が演習中に魔法が存在する異世界にトリップするやつ

勇者とかも出てくる
自衛隊の重火器や装備にも詳しいやつ

>>31 見てきた すげぇ面白いなこれ



ひとさん班三曹(以下1-3三曹)「よぉ お手柄だったな」トコトコ

二曹「はん! コスプレ野郎をタックルで仕留めただけだ ……それよりもよ どう思う? あの看板」

1-3三曹「あぁ 看板の文字ことだろ? あれ多分ガキのころ見たことあるぜ」

二曹「なんだって? じゃあなんて書いてあるんだ?」

1-3三曹「知らん」

二曹「なんだ…… で? どこで見たんだ?」

1-3三曹「なんていったかな…… オカルト的な雑誌に乗ってたんだよ ボ、ボ…… 何だったっけ……」

士長「ヴォイニッチ手稿ですか?」

1-3三曹「そう! それだ! 錬金術師の暗号とか言ってたな」

二曹「ふーん……」

二曹「そのボイなんとかはどんな内容なんだ?」

1-3三曹「中身はほとんど植物の図鑑だよ 他にも色々書いてあるけど」

二曹「じゃあ訳せるんじゃないか? そのまま植物の名前を訳せばいい」

1-3三曹「いや 出来ないんだよ 確か全部架空の植物なんだ」

二曹「ふーん…… じゃあ誰かが真似して書いたってことか」

1-3三曹「いや もしかしたら奥に錬金術師の村があるかもしれないぞ?」ニヤリ

二曹「もしそうだったらこのトラックを全部金に変えて貰おう 多分それで一生暮らしていけるぜ」ハハハ

1-3三曹「……じゃあとりあえずコスプレ野郎の見張りは俺たちがやるからお前はトラックの中で寝てろ」

二曹「もう俺の部下は寝てるけどな…… すまんな」ハハハ

1-3三曹「いいって 俺たちはさっき3 1/2トラックの中でたんまり寝たからさ MINIMI置いてぼーっとしてるだけだし」

二曹「おいおい…… じゃあ頼んだぞ」

1-3三曹「了解   ……三班! 移動開始だ!」

……

二曹「さーて俺も寝るか 疲れた……」


少年「……」ムクリ

二曹「おう いい夢見れたか?」

少年「えっ!? あっ……!? うん……」

二曹「そうか それは良かった 何であんな所歩いてたんだ?」

少年「……その ……なんて言うか」モジモジ

二曹「家出とか?」

少年「いや……違う その…… 探し物をしてて そしたらお母さんに……今すぐに探してこいって……すごく怒られて……」モジモジ

二曹「そうか…… なんか大変なんだな 見つかったのか?」

少年「まぁ…… 一応 でもあの兵隊達が奪おうとしてきて…… それでそこら辺にあったボロボロの剣で戦おうとしたけど負けちゃって…… そしたら村の場所を教えろって……」モジモジ

二曹「怖かったか?」

少年「うん…… 殺されるかと思った」

二曹「あいつらは俺たちがやっつけたから安心しろ もし大群で来たら俺たちが全員で追い返してやる」ポン

少年「……うん ありがとう……」

二曹「気にするな ……水飲むか?」

少年「いや 大丈夫……」

二曹「所でなんで村の場所を言わなかったんだ? 言えば良かったじゃないか あんな奴等 大人が10人いればボコボコに出来るぞ」

少年「お母さんが絶対に言っちゃダメって…… みんな殺されちゃうって……」

二曹「物騒だな…… わからなくもないが過敏過ぎないか?」

少年「?」

二曹「難しい話をしたな スマン」

少年「別にいいよ お兄さん優しそうだし」

二曹「お兄さんか 久々に言われたな いつも近所の子供からはおじさんって呼ばれるから……」ハハハ

少年「あはは……」

支援

>>39 感謝



二曹「とにかく 朝になるまでここにいて、朝になったら帰ろう 自分の家への道はわかるかい?」

少年「う、うん…… 多分」

二曹「多分……か 一応俺たちもついていくか? あーでもそしたら家の場所ばれちゃうな」

ゴロッ メキメキメキッ メチャッ メキメキメキッメチャッメチャッ

少年「多分大丈b「シッ…… 静かに」

二曹「……何の音だ? 何かデカい動物でも降りてきたような……」

メキメキメキッメキメキメキメキメキメキッメチャッグキャッメチャッメキメキメキッメチャッメチャッメチャッメキメキメキッメキメキメキッメキメキメキッメチャッ!!!!

二曹「おいおい……マジかよ ……ちょっとここで待っててくれ 何かあるまで絶対に外に出ちゃダメだからな いいかい?」

少年「……」コクッ

二曹「さてと 懐中電灯よし 小銃よし……と」カチッ


二曹「おい三曹! 何があった!」

1-3三曹「わからん! 動物が降りてくるのか知らんが音が大きい! 熊かもしれん!」

二曹「一尉は知ってるのか!?」

1-3三曹「わからない!」

一尉「聞こえてるぞ! 全員叩き起こしてこい! もしもに備えるんだ!」

二曹「了解!」ザッザッ

タッタッタッ

少年「……」ビクビク

二曹「おい! 起きろ! 熊だ! 熊が出たぞ!」

士長「……なんですって!?」ガバッ

一士A「熊ですって!?」

二曹「そうだ! 熊だ! それもかなりデカい! 全員急いで銃担げ! 一応カールグスタフも持ってこい!」

1-2班全員『了解!』

ガサガサガサガサガサガサガサガサ メキッ メキャメキャメキャメキャ メキョメキョメキョメキョ シャッシャッシャッシャッ

一士B「グスタフ…… グスタフの弾…… この前支給された9mmけん銃は持っていきますか!?」カチャカチャ

二曹「もちろんだ! ヤバくなったらそれで身を守れ!」カチャカチャ

一士C「MINIMI…… テッパチ……」カチャカチャ

???「シャーッ!」ベキョベキョベキョベキョベキョベキョ

二曹「鳴き声か!? 急げ!」カチャカチャ

一士A「了解! 89式の弾…… よし」カチャカチャカチャカチャ

カチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャ

二曹「終わったか! 行くぞ! 駆け足準備! 駆け足始め!」チャキン

1-2班『了解!』タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ

???「フシャーッ!」ガキョガキョガキョ

一尉「全員揃ったか!?」

二曹「まだひとろくが終わってません! コスプレ野郎は!?」

一尉「今はトラックに縛り付けてある! ひとろく……オートバイの奴等はまだか!?」

???「フシャーッ!」ベキッ

ひとろく二曹(以下1-6二曹)「今終わり……!?」

二曹「避けろ!ひとろく!」

ベキャベキャベキャベキャベキャッ!

1-6二曹「うわぁっ!? 樹がっ!?」ドサッ

1-3三曹「大丈夫ですか!?」

1-6二曹「な、なんとか……」ヘナヘナ

前半の間違いの理由が判明 >>1が班(平事の時の名前)と分隊(有事の時の名前)を勘違いするというマヌケなミスのためでした 分隊→班に今一度訂正

号令は全部訓練の無線+妄想でカバーするので間違っているかもしれないので注意




二曹「どうするんです!? このままじゃ土砂で潰されますよ! そもそも上に何がいるんですか!?」

???「シャーッ!」ベキッ

士長「危なっ!? くそっ!? 正体を見せろバケモノめ!」ピカッ

???「しゃーっ!」メキメキメキメキメキ

一士A「士長! あれ蛇じゃないですか!? バカでかい蛇みたいですよ!」

士長「んなわけあるか! パッと見てありゃあ200mはあるんだぞ! UMAかっての!」

二曹「見えるのか!? どこにいる!?」ピカッ

士長「崖の上です!」ピカッ

大蛇「フシャアァァァァッ!」ベギベギベギベギ

二曹「ッ!? ゲームのドラゴンみてぇに大きいぞ!」

一尉「全班発砲許可! ひとふた班! 射撃用意! 目標! 上空の生物! 距離約40!」

二曹「了解! 上空の生物40に射撃! 単発よーし!」

ひとふた班「単発よーし!」

一尉「撃てーッ!」

二曹「うぉぉぉぉぉぉぉ!」ダン ダン ダン ダン ダン

ダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンッ! ダンダンダンダンダンダンダンッ!

大蛇「フシャアァァァァァァァァァッ!」ゴロンゴロン グシャグシャ

二曹「おい! まるで効いてないんじゃないか!?」ダンダンダンダン

士長「クソクソクソクソッ!クソッ!」ダンダンダンダンダンダンダン

大蛇「フシャァァァァァァァァ」ズルズルズルズル

一尉「ぜ、全班射撃準備! う、撃て! アイツに撃ちまくれ!」

ダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダダダダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンッ!

一尉「畜生! 何でこんな訳のわからん物を運んだだけでこんな目に!」パンッ パンッ パンッパンッパンッパンッ パンッ チャキン キッキッキッ

一尉「畜生 弾切れか!」キッキッキッ キッキッキッ

一尉「クソッ!」ガチャガチャ ペイン

一尉「畜生 ただの給弾不良かよ!」パンッ パンッ

大蛇「フシャア……」ズルズル

二曹「に、逃げてくぞ よし! やったぞ!」ダン

一尉「し、射撃止め! 止めろ!」

一士A「死ぬかと思ったぜ……」フーッ

士長「はぁ……はぁ……! 一ヶ月分ぐらい撃ったんじゃないですか!?」フーッ

一尉「しかし今すぐここを離れないとマズいな…… いつまたあいつが襲ってくるかわからんぞ!?」

一尉「全員車に乗れ! 急いでここを抜けるぞ!」

二曹「了解ーッ!」

バタンバタンバタン キキーッ! ブロロロロロロロロロロロッ ブロロロロロロロロロロロッ

二曹「全員残弾確認しとけ 弾込めもな」チャカッ

士長「了解……」チャカッ

少年「うぇぇ……」ハァハァ

一士A「おい! 大丈夫か!? ……班長 子供の調子が悪そうです」

二曹「わかった ちょっと待ってろ ……車酔いか?」チャカッ グッ 

少年「車……? これ車っていうんだ……?」

二曹「おいおい…… しっかりしろ! 当たり前だろ? 俺たちは車に乗ってるんだ」

>>10
  4-5 ×ひとにい ○ひとふた

海上、防大なら”ふた”ですが、陸上の一般部隊は”にい”です

>>50 防大と陸は違うのか…… すまん

勉強し直した 何とか大丈夫なはず



二曹「まぁそれでだな……」

少年「何……?」ゴホゴホ

二曹「さっき凄くデカいバケモノがいたんだ……」

少年「どれくらいの? ドラゴンぐらい?」

二曹「そう ドラゴンみたいだった まさにドラゴンだ 火は吹かなかったが 何か知ってないか?」

少年「わかんないや…… でももしかしたら帝国の新兵器とか……」

二曹「帝国……? 帝国…… ン…… あぁわかった そうだな 帝国だ」(多分アニメかゲームだな)

二曹「それで相談なんだが……」

少年「うん なに?」

二曹「少しの間君の村に入れてくれないか?」

少年「いいよ」

二曹「おいおい…… 即答していいのか? お母さんが許してくれないんじゃないか ……俺たちはもしかしたら帝国の人間かもしれないんだぞ?」

少年「お兄さんたちはやさしいから大丈夫だよ お母さんもわかってくれるはず」

二曹「うぅ……っ 感激……」ウルウル


士長「案外仲良くなれるんだな あの二曹と子供が」

一士A「ねぇ まさかあの【標的殺しの鬼二曹】が子供と仲良くできるなんて思いませんでしたよ」

士長「2年ぐらい前の毛無心理教の駐屯地籠城事件だろ それ」

一士A「そうそう 毛無がAKとRPG持って 『我々は毛が無い人間を差別する愚かな劣等人に鉄槌を下す』だの
『毛が無くなることは進化の道を進んでいることを意味している 未来人たる無毛人を迫害することは未来への歩みを止める愚かな行為』だの言って駐屯地襲撃して籠城したやつです
たまたま基地にいた二曹がこっそり人質全員を救出したらしいですね」

士長「実はあの時に二曹を援護してたの俺なんだぜ」ヘン

一士A「えっ!? 本当にですか!?」

士長「本当だぜ そのころ俺は一士だったがしっかり覚えてる」

二曹「おい 無線使うから静かにしろ」

士長「へへっ 了解」

二曹「<<ひとひと こちらひとにい 保護した少年の村に一度避難することを提案します 少年も了承しています 送れ>>」ザザー

一尉「<<こちらひとひと まぁそれがいいだろう 場所はどこにあるんだ? 送れ>>」

二曹「場所は?」

少年「この道を真っ直ぐ行ったところにある洞窟を抜けるとあるよ」

二曹「ありがとう <<この道を道なりに進むとあるそうです 途中で洞窟があるとのこと 送れ>>」

一尉「<<了解した 我々はその村に向かう>>」

一尉「<<全班! これより我々は道なりに進んだ所にある村に向かう! 私が乗っている車に着いてこい!>>」

……リョウカーイ!

二曹「これでとりあえずはよし……か 後ろの警戒を怠るなよ」カチャッ

二曹「後ろにあの蛇はいないか? 死にたくないなら見逃すなよ」

士長「もちろんです 曹に昇級する試験の結果を聞くまで死ねませんから」

二曹「頼んだぞ ……一士C 頼みがある」

一士C「何ですか……?」ムニャムニャ

二曹「お前のMINIMIと弾を貸せ 後、士長と一士A以外は1時間だけ寝ていいぞ 士長と一士Aと俺は後ろを警戒する」

一士C「どうぞ!」カチャッ

一士A「えっ」

……ブロロロロロロロロロ

二曹「とにかくその村に避難して そこで電話を貸してもらって警察に通報しよう 今の俺たちの装備であんなバケモノに勝てるわけがない」

士長「キドセンでも借りてきます? あれだったらあの蛇を倒せそうだ」

一士A「……キドセン?」ムニャムニャ

士長「あー…… ほら 1X式機動戦闘車だ ちょっと前に導入した戦車モドキみたいなやつ」

二曹「いっそ空自にF-2とか持ってきてもらおうぜ そしたら此処等一帯は焼け野原だ」

士長「そんなことしたら警察と内戦状態になりますよ……」ハハハ

二曹「そしたら返り討ちにしてやるぜ」チャキッ

士長「やめてください 目が本気になってます」

二曹「ははは…… それにしても今、俺たちは何処にいるんだろうな……」

……ブロロロロロロロロロロロロロロロロロ

二曹「そろそろついてもいい頃だが……」チラッ

士長「班長 もしかして腕時計変えました?」

二曹「ああ なんか上の偉い人が官給ってことでくれたんだ…… 試作品とか言ってたかな」

士長「変身出来たりしません?」

一士A「……」クカー スピー

二曹「出来るわけないだろ…… 一応言っておくが妖怪も見えないぞ ……改めて見るとすげぇ頑丈に作ってあるな」

キキーッ

士長「やっと到着ですか…… いい加減眠らせてくださいよ?」

二曹「俺なんてあの牛面の人にあってから一睡もしてねぇぞ」

一尉「<<おい二曹 ちょっとそのガキにトンネルがどこにあるか聞いてこい>>」ザザー

二曹「<<ふぇ?>>」

一尉「<<ずっと真っ直ぐ来たがトンネルなんてねぇぞ>>」

一尉「<<外を見てみろ コケと蔦まみれの断崖絶壁があるだけだ>>」

二曹「<<はぁ…… 確認してみます>> おーい……」ツンツクツーン

少年「……着いた?」ガバッ

二曹「それどころかトンネルがないんだってよ 崖で行き止まりだ」

少年「あぁ…… ちょっと待ってて」ヒョイ

士長「お、おい! 降りると危ないぞ! バケモノがいるかもしれねぇんだぞ!」

二曹「俺が行く 援護しろ いざって時は見える敵を撃て」ヒョイ

士長「……了解 単発よし」カチャッ



二曹「で? どうするんだ?」

少年「一緒にそこの岩を持ち上げてくれない? そしたらトンネルの場所がわかると思う」

二曹「いや 一人で大丈夫だ」グッ

ガコーン

ギュルルルルルルルルルルル ガコーン!

二曹「な、なんじゃこりゃ!?」

士長「蔦と岩がトンネルへの扉を隠してたのか…… で、近くの岩を取ると装置が作動して扉が開く……と」

一尉「」ポカーン

少年「これぐらいなら通れるでしょ その……なんだっけ そうだ その車でも通れる筈」

二曹「お、おう…… <<だ、そうです>>」

一尉「あ、あぁ よし 順番にトンネルに入るぞ」

ブロロロロロロロロロ……

ブロロロロロロロ

一尉「異世界にでも迷い混んだ気分だ……」

二曹「ほら 速く乗れ」グッ

少年「ありがとう!」ヒョイッ

二曹「どういたしまして ……なんだよあれ 村にしては厳重過ぎないか……」ヒョイッ

士長「大丈夫ですか? 俺も驚きましたよ まるで要塞みたいですね」

二曹「もう魔法でも何でも出てきそうだな…… 寿命が20年縮まったぜ」

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