謝恩二次創作阿波おどり大会(41)


先輩「という企画を考えたんだが」

男「何すかそれ」

先輩「日ごろお世話になっている深夜VIP板と管理人への感謝の気持ちを込めて、二次創作キャラのチームに分かれて阿波踊り大会を挙行しようというものだ」

女「なぜに阿波踊り?」

先輩「そりゃ、単純に俺が好きだからだよ。阿波踊りは世界を救う!」キリッ

幼馴染「私たちも出るの?」

先輩「我々オリジナル作キャラは高見の見物。実況役に徹する」

男「よかった。恥かかずに済みますね!」

先輩「そんなこと言ってると参加させるよ?」


女「それじゃ、参加させられる二次の人たちがよっぽど災難みたいじゃん」

先輩「いや…… そんなことはない。参加者のみんなにも楽しんでもらうのが、このイベントの趣旨だから」

幼「建前だけでもそうしないとね」

女「じゃなきゃ誰も参加しないよ。みんな忙しいんだし」

男「どちらにしても、板と管理人にお世話になってる俺たちとしては、感謝の気持ちを表す良い機会だと思います」

先輩「だろ? ではさっそく、参加連(チーム)の募集を始めよう」

幼「何か都合よく役割押し付けてる気がするけど、まぁ、いっか」


@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@



─「阿波おどり大会」事務局─


先輩「結構集まったな」

男「ざっと見た感じで……『艦隊これくしょん』『ラブライブ!』『アイドルマスター』『名探偵コナン』『エヴァンゲリオン』そして……最近の風当たりもわきまえず『進撃の巨人』」

先輩「嫌だっつっても強制エントリーだろ、あそこは」

幼「どういう罰ゲームですかそれ」

女「大人の事情かもよ」

男「荒れないといいけどね。まあそれも一興か」

先輩「祭ってのは基本そういうものじゃないか? サッカーの試合でサポーターが暴れるようなもんだ」

幼「あの…… 謝恩が趣旨なんですよね?」

先輩「もちろん! あれもこれも取り交ぜての謝恩よ」

男「結構適当だなこの人」


─そして当日。大会本部放送席─


先輩「ついにやってまいりました! 第1回深夜VIP謝恩・二次創作阿波おどり大会! 実況は私、先輩と」

男「そして男、さらに」

幼「幼馴染でお送りいたします!」

先輩「いやー、想定外というか、大変な数の観衆が集まりました」

男「それぞれの推しキャラが参加すると聞いて、居ても立ってもいられなかったんでしょうか」

幼「男女比を見ても、圧倒的に男性が多いですね!」


女「放送席放送席!」

先輩「会場の女さんとつながりました。お? 女さん何とまあ色っぽい浴衣姿ですね!」

女「そりゃ阿波踊りですから! 浴衣なんて10年ぶりですけど着てみました」

先輩「そのわりには馴染んでるじゃないですか女さん」


女「まぁ、お世辞でもありがとうございます」

先輩「どうですか、観衆の様子は」

女「そうなんです、二次創作で人気のキャラたちが阿波踊りをするというので、会場はもう興奮の渦といった状態です! こちらの方にまず、聞いてみましょう。……今日は、どういう理由で来られましたか?」

観衆男1「(北条)加蓮ちゃんの踊りを見に来ました! 加蓮ちゃんの阿波踊り姿を見られるなんて…… 俺はこの場で死んでしまっても悔いはないです!」

女「ちょっとそれは大げさな…… えっと、ちなみに阿波踊りはどんな踊りかご存知ですか?」

観衆男1「えー…… どんな踊りかって、それ言ってもいいんですか?」

女「見れば分かると思いますので! ありがとうございました。ではこちらの方、今日はどなたを応援に?」

観衆男2「希に決まってるじゃないですか! 希が阿波踊りを踊って、あの乳が、揺れまくる…… 想像しただけで俺h」

女「はいありがとうございました! おや? 珍しいこちらは女性ですね。誰か応援するキャラがいるんですか?」

観衆女1「兵長です。兵長の阿波踊り姿が見たい。ただその一心で」

女「リヴァイ兵長が…… 私にはとても想像できません! というわけで、とんでもないカオスになりそうな予感ですが、しっかり見届けていきたいと思います!」

また明日


先輩「女さんありがとうございます、引き続き現場よろしく頼みます!」

女「はーい!」

先輩「いやー男さん、早くも会場は凄い熱気に包まれてますねえ」

男「本当に。僕も何だか踊りたくなってきましたよ」

先輩「実は僕もむずむずしてしょうがないんですが、実況の役目がありますから。幼馴染さんどうです、盆踊りとかに出たことは?」

幼「ないんですよ私。地元の盆踊りもいつも見てるだけで」

先輩「男君に誘われたりしなかったの?」

男「僕も見てるだけ派でしたから」

先輩「まぁ、都会だと大人が引っ張ってでもいかない限り盆踊りなんて見てるだけになっちゃうからね」

男「先輩はどうなんですか」


先輩「僕はさ、青森の生まれなもんだから、なんたって『ねぶた』だよ。ハネトっていってね、一般の参加者が跳ねまくって大変な騒ぎ。でも酔っぱらってるから自分何やってるか分からない。次の日足痛くてたまんない」

男「で、二日酔いで頭も痛い」

先輩「頭は痛くないね。体動かしてるせいかな。まぁそれはともかく、エントリーした2次創作連たちを見ていきましょう」

男「エントリー順に行くと、まず『艦これ』連ですかね」

幼「あの格好で踊れるのかな」

男「確かに浴衣姿って想像できないね」

先輩「まあそういったコスプレ関係の期待も膨らむね…… 特に『ラブライブ!』連それから『アイマス』連!」

男「ただの浴衣だったら、これは許されないレベルでしょう!」

先輩「男君興奮しない! 変に期待すると違うところも膨らんじゃうからね、おっとそんなこと言ってるうちに、開会宣言が始まった」


男「誰あの人?」

幼「管理人さんじゃない?」

先輩「プログラムプログラム、と。……誰だこの人? 知らねえや。まぁいっか。こまけぇこたぁいいんだよ、ってやつだな」

男「こまけぇあれやこれやが終わりましたね」

幼「いよいよ大会スタート」

先輩「さぁ! ついに始まった二次創作阿波おどり大会! 最初に入場するのはエントリーナンバー1、『艦これ』連!」



ウワァーーーーーー!!



「ふぅぶぅきぃぃぃぃぃぃーーーーーー!!」

「あかぎっ、さまぁぁぁぁぁぁーーーーー!!」

「むつきちゅあぁぁぁぁぁぁぁーーーーーん!!」


男「メンバーは吹雪、赤城、榛名、睦月、最上の5名!」

幼「凄い! あのまんまの格好だ」

先輩「重装備をものともせず踊りまくってます!」

男「赤城さんから矢が…… どっかに飛びましたが!」

幼「榛名さんの目! イッちゃってますよあれ」

男「踊りに集中してるって言いなさい…… 提督さんていないんだね」

先輩「まあ、お呼びじゃない」


女「放送席放送席!」


先輩「あ、会場の女さん。どうですかそちらは?」

女「ごらんくださいこちら、感激のあまり、orzの字になって泣いているファンの方がいらっしゃいます!」

先輩「話を聞いてもらっていいですか?」

女「はい分かりました! すいません、大丈夫ですか?」

観衆男3「大丈夫っす…… 最高っす。もう、俺、嬉しくて嬉しくて…… 榛名のこんな、晴れ姿見れたんすから……」

女「ありがとうございました! さぁ序盤からこの熱気、これからどうなっちゃうんでしょう?」

先輩「何言ってるんですか!? これぞ夏祭! 上気した肌、流れる汗、限界を知らない陶酔! これなくして、何のカーニヴァルと言おうぞ!」

男「激しく同意略して禿同!」

先輩「ほらほら、吹雪ちゃんのパンツが見えそうで見えない、この微妙な感じが何とも言えないでしょうが!」

女「確かに! 吹雪ちゃんの服はいつものまんまだから、まじめに踊ってるとすぐに見えちゃいそうになる!」


先輩「たまらねえ! あえて分かった上でまじめに踊る艦娘たち!」

男「先輩興奮しすぎっすよ!」

先輩「え?」

幼「そうそう、まだ序盤なんだから飛ばしすぎない」

先輩「お前ら若いのに無駄にペース配分気にするのな……」

男「まあそこは、実況担当者として当然の配慮ってことで」

先輩「取り越し苦労ってやつだよ…… いやー実際、序盤から恐ろしいくらいの盛り上がりぶりです。さぁて次は…… 『名探偵コナン』連入場です!」


男「?」

幼「会場の反応が……」

先輩「今一つ、といったところですか」

男「メンバーはコナンと蘭、小五郎、阿笠の4人」

先輩「衣装は浴衣でそろえて、みんな頑張ってるじゃん?」

幼「でも阿笠さんなんか浴衣の尻からげちゃって毛脛むき出し、ちょっとヤバいような」

先輩「だな!…… 作品自体が少し地味目ってのもあるが、直前の興奮が凄かっただけに、険悪な雰囲気が漂わないうちにお引き取り願うべきだろうな! 会場の女さん」

女「はい!」


先輩「エントリーナンバー3、『エヴァンゲリオン』連はまだなの?」

女「そう…… ですね、もうじき入場すると思うんですが…… 今、見えてきました! ? 何あれは!」

先輩「シンジ君だね! アスカとマリの肩に乗ってるよ! しかも上半身裸! 滅茶苦茶に両手を振り回してる」

男「アスカとマリは…… プラグスーツ着てるけど空いた方の手で阿波踊りの振りをしてる」

幼「シンジ君たら…… 目がうつろだよ。何かが吹っ切れたみたいに」

男「いろいろありすぎて無我の境地に入ったのか?」

先輩「ん? あれはレイだな! 笠被ってるから分かんなかった。一人だけ浴衣姿だ!」

幼「結構真面目に踊ってますね」

男「かわいい。編み笠に浴衣のレイ萌えええ」


先輩「でも大人たちがいない。ミサトさんとかゲンドウさんとか」

幼「まあ、いいんじゃないですか?」

男「カヲル君が最後に来たよ。シンジ君と同じ上半身裸だ」

先輩「ひときわすげえ歓声が上がったな! 腐女子のカヲル人気の根強さを改めて思い知ったぜ!」

幼「でもほんとに、カヲル君の笑顔綺麗…… 彼の世界に、私も、行きたい……」


先輩「続いては? お、『ジョジョの奇妙な冒険』連ですか!」

男「参加者はなんと最多の9名ですよ。ジョセフ、承太郎、徐倫、ポルナレフ、アヴドゥル、DIO、ホルホース、エシディシ、イギーときました!」

先輩「各世代に満遍なく割り振ったメンバー編成に苦心の跡が見られます!」

幼「さすがに長期間の連載を続けているだけはありますね」

先輩「先ほど満遍なくと言いましたが、よく考えるとそう言いきってしまっていいかどうか! いやそれにしても、にぎやかさでは他の追随を許しておりません!」

男「うむ、間違いない!」

先輩「なんと山車を引いてきました! 山車の上で踊ってるのはジョセフと承太郎に徐倫!」

幼「目立つのは主役特権ってわけですか! でも徐倫ちゃんやる気なさそう」

先輩「イギーは、……山車の周りをぐるぐる回って吠えてるだけ。まあ犬に阿波踊りはできねえわな」


男「承太郎は律義に学生服着てますよ…… この暑いのに」

先輩「どっちみち暑いんだから関係ねえよ! ジョセフ爺さんはしかし…… お盛んですなあ」

男「踊りながらも山車の上から美人の物色ですからなあ。しかし気の毒に、目に入るのは野郎ばっかりでご不満の様子!」

先輩「お! 敵役の連中が来ましたな!」

男「ホルホースが浴衣着てますな! 何を勘違いしてるんでしょうか」

幼「でも帽子被ってるのがかっこいい」

男「俺から見ると趣味悪い…… エシディシ様まで浴衣姿で踊ってる!」

先輩「しかも泣きっ面ですよ! よほど自分の内面でクールダウンしなければならない事情があったんでしょうな!」

幼「あまりに凄まじい泣き顔に観衆はドン引き! でもあの人はこうしないと何をしでかすか分かりません!」

男「これも孫子の兵法ってやつなのでしょうか! DIOは? 踊りながら時々ラグビーボールを宙に放り投げたりして、何をしてるのでしょうか!?」

先輩「あれは青春時代に残した悔いを清算しきれていないというアピールなんでしょう! 私らにはどうでもいいことです! さあ、いよいよ次は…… 『進撃の巨人』連!」


男「参加メンバーはエルヴィン、クリスタ、アルミン、ジャン、コニーの5人です! 参加予定だったリヴァイさんはドタキャンです」

幼「え……」

先輩「先頭のエルヴィンさん、調査兵団のエンブレムが入った浴衣の裾をからげて、手拭を鼻の下で結んで奮闘しております。右手を失くしたので左手だけで振りを…… 痛々しくも若干不気味です!」

幼「かわいそう…… そもそもなんで主人公いないんですか?」

先輩「実はエレン・イェーガーさんからメッセージがありました。『叩かれるのが分かりきってる場所に出向くほど俺がバカだと思うか?』いや、確かにそうなんですが」

男「えっらそうに。そういう心掛けに問題があるんだっつーの!」


先輩「確かに可愛げのカケラもありません! 主人公といい、実質上の主人公である某兵長といい、もう少しファンへの配慮があって然るべきでしょう!」

男「4000万部がなんぼのもんじゃいコラァ!」

先輩「その通りっ! 部数を鼻に掛けるのもいい加減にしろと言いたい!」

男「この先、長く名が残る貴様らには、名も無き男、名も無き女、名も無き幼馴染として毎日消費され泡沫のように消えていく無念など分かるまい!」

先輩「せめて今日という日は、我等の無念に思いを致しつつ、沿道の罵声なり石つぶてなり浴びるが良いわ!」


幼(二人ともダークサイドに落ちてしまった…… 引き戻さなきゃ!)

幼「えっと、そうやって日頃の鬱憤を晴らすための企画だったんじゃないですよね?」

男「!……」

先輩「むぅ…… 我を忘れてしまうとは不覚」

幼「クールダウンしました? で、ドタキャンの理由について兵長からは何か?」

先輩「え…… あ、リヴァイさんからは何も。代わりにエルヴィン氏が参加したような格好で。とにかく主人公は、こうやって体張ってる団長の爪の垢でも煎じて飲めと!」

男「たった今入った情報です。リヴァイさんは本日、ここを含めて同種のイベント三つを掛け持ちしていたことが判明しました! しかも、彼はいずれの会場にも姿を見せておらず、詰めかけた女性ファンから大ブーイングが巻き起こってるとのこと!」

先輩「で、どこ行ったの?」

男「あ、それ確認してません」

幼(こいつマジ使えねえわ)



「進撃引っ込め!」

「ウザいんだよテメエら!」



先輩「とまあ、場外はこの有様です。投石が始まりました!」

男「クリスタちゃんにまで石ぶつけることないだろ! 彼女一生懸命踊ってるじゃないか!」

幼「アルミンきゅんに石を投げないで!」

先輩「兵長目当てで集まった女子まで石を投げ始めたか……」

男「明らかに八つ当たりですね。だが無理もないな!」

先輩「一応、警官隊が出て制止を始めました。しかし…… エルヴィン団長は頑張ってるのに、ジャンとコニーのやる気の無さ。ああいう態度には、改めて猛省を促したいところです!」

男「だけど浴衣姿のクリスタかわええ…… マジ結婚したい」


先輩「予想できたこととはいえ、ひと波乱ありました。そういえば天気が怪しくなってきましたね」

男「まさか雨?」

幼「雷が鳴ってる!」

先輩「しかし中止するわけにはまいりません! さて次はお待ちかね、『ラブライブ!』連の入場です!」



ウォォォーーーーーッ!!


「にこっちぃぃぃぃーーーーーー!」

「ほのかぁぁぁぁぁーーーーーー!」

「のぞみぃぃぃぃーーーーーん!」



先輩「さぁーー会場内、たちまち野郎どもの雄叫びに包まれました。今日の参加メンバーは? 男さん」

男「えー、全部で7名。高坂穂乃果さん、絢瀬絵里さん、園田海未さん、星空凛さん、西木野真姫さん、東條希さん、矢澤にこさん」

先輩「全員、思い思いの浴衣姿が何とあでやかな!」

幼「あー、でも、とうとう降りだしちゃいましたよ」

先輩「それも叩きつけるような激しい雨! あ、近くに雷が落ちました」ドドーン

幼「ひいっ!」

男「しかし…… まったく動じる気配もなく、一糸乱れず踊り続けるラブライブ連!」

先輩「雨をものともせず、野郎どももひたすらヒートアップしております!」



「俺はっ、ここで死んでもいいぜうみぃぃぃぃぃーーーー!」

「お前ら、さいこうだぜぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーッ!!」



先輩「! しかも、これはッ!」

男「え? 雨でびしょ濡れになって気が付いたけど!」

幼「な、なんと!」

先輩「彼女たち全員、下着を付けておりません!」

男「あわわわ、濡れた浴衣がボディーに張り付いて体のラインがくっきりと!」

幼「彼女たち凄い…… これが、アイドルの執念」

男「ピギィィィ! 希の乳首が乳輪がぁ、浴衣に張り付いてあらわにぃぃぃ!」

先輩「それが揺れる揺れる揺れまくる! これはっ…… 全裸より卑猥だ! 断言できるッ!」


男「浴衣に張り付いたノーパンの尻が右に左にぃぃぃぃぃぃ!」

先輩「ほへぇぇぇ、風で浴衣がまくれてえりちの生足が! ふとももがみえりゅうううううう!」 


幼「二人ともお楽しみのところすいません。公序良俗上いかがなものかと当局から指導が入りましたが?」

先輩「当局だとばっかやろーがぁ、おととい来やがれってんだ! 炸裂するエロス、熱気、噴出する欲望! これが夏祭だ、男と女の祭典だァ!」

男「異議なーし!」



「えりちぃぃぃぃ、やらせろぉぉぉぉぉ!」

「オッパイ吸わせろのぞみぃぃぃぃぃ!」


幼「土砂降りの中で突如、裸になる男性たちが出てきました。……これは警備の方々に取り押さえてもらわざるを得ません。そうですよね先輩?」

先輩「ちちがゆれりゅうううううううううう、にょじょみのちちがゆれてりゅうううううう!!」

幼「駄目ですこりゃ。ここからは私が責任を持って実況を」

幼「踊りの列に乱入しようとした男性たちが今、警官に取り押さえられ連行されていきました。いやー、大変な混乱ぶりとなってしまいました。いよいよ大トリの『アイドルマスター』連が入場しますが、大丈夫なんでしょうか男さん?」

男「……へ?」


幼「男さん大丈夫? 先輩どっか行っちゃいましたけど」

男「ううむ…… 我を忘れてしまっていた。気を取り直して実況を進めましょう!」

幼「そう来なくちゃ。さあ、雨脚は一向に弱まりそうもありません。その中を…… 見えてきました! アイマス連の皆さんです!」

男「何だあれは……!」

幼「男さんメンバー紹介を」

男「は……はい。ええと…… 四条貴音さん、天海春香さん、高垣楓さん、神谷奈緒さん、北条加蓮さん、新田美波さん、十時愛梨さん、音無小鳥さん、以上8名ですね」

幼「グリマスとモバマス合同ですね。あれ……先頭にスーツとネクタイ姿で踊ってるおっさん誰ですか?」

男「どうも『P』らしいです。Pの責任を果たしたいとのことで、参加したようです」


幼「何と殊勝な心掛け、ご苦労様です! そしてアイドルたちの衣装は…… これは? 男ものの法被とねじり鉢巻きときましたが」

男「これはまた随分とマニアックな趣味を狙ってきましたね!」

幼「男装スタイルとは思い切った変化球ですが、ラブライブ連の衝撃が凄かっただけに、やはり今一つと言わざるを得ないでしょうか?」

男「単にPの趣味で押し切ったのであれば、いささか疑問符のつくところです!」

先輩「いや! 衣装など関係ない! 彼女たち一人一人が輝いてるのだから!」

幼「先輩いつの間に! しかもいやにスッキリした顔して」

男「さては、誰も見ていないところで…… ずるいなぁ」

先輩「はっはっは! これでこそ冷静な実況ができるというもの」


男「最後尾に山車が来ました。鮮やかなイルミネーションに飾られたそのステージで踊ってるのは…… 音無小鳥さん!」

先輩「事務員一世一代の晴れ姿というわけですな! 頑張っていただきたい!」

幼「ところで先頭のPさん、突然ネクタイを外して、……脱ぎだしましたよ!」

男「野郎などどうでもいいがとりあえず解説すると、ビキニパンツ一枚になりおった! ……ってか、後方の乙女たちを見てくださいよ!」

幼「え? Pが脱いだのを合図に、全員いっせいに法被の帯を解いて……」

先輩「衣装を宙に投げ捨てたァ!」

幼「そしてその下は、え? 全裸!?」

先輩「いや違う! こっ…… これはっ!」

男「超極小の、ほとんどヒモみたいなビキニをつけてるだけだぁ!」



ウワアァァァァーーーーーーーーッ!!!



幼「こ、こんな仕掛けを用意していたとはっ!!」

先輩「全員超極小ビキニで統一、そして足にはなぜか白足袋! こっ、こんなにも卑猥極まるコスチュームをっ…… いったい誰が考えたのだァァァッ!!」

男「そしてほぼ全裸状態…… と言っていい小鳥嬢が…… ギンギラの山車の上で、おどってりゅううううううう!!」

先輩「しかしインカムは絶対外さない! これが事務員のプロ根性というやつか!」


女「放送席放送席!」

先輩「なんだ女さんまだいたの? 怪我とかしてない?」

女「いや、実は私も身の危険を感じるレベルになってきました。ここでは男性客が次々と裸になってって、襲われそうで怖くて怖くて」


先輩「もう現場中継はいいから、適当なところで大会本部に引き上げなさい。そろそろ警官隊に制止できるレベルじゃないかも」

女「分かりました! きりぎりまで頑張りますが、適当に引き上げます。以上現場からでした」

先輩「ご苦労様!」

男「先輩、ビキニパンツのPに投石が!」



「キモいんだよ引っ込め!」

「息してんじゃねえよこのブタがぁ!」



先輩「とうとうPさん倒れてうずくまってしまいました。いま、警官に保護されて場外に出ていきます」

幼「っていうより、どう見ても連行される変質者の図ですね」

男「しっ、それを言っちゃ駄目」

先輩「というわけで邪魔者は排除された…… そして我らがアイドルたちが、降りしきる雨の中を忘我の表情で踊りゆく!」

男「見てください小鳥さんのあの表情! 山車の舞台上で完全にトランス状態!」

先輩「うぉぉぉぉぉまたしてもちちゆれだぁぁぁぁぁ!!」

幼「場外はもうほぼ100%、全裸の野郎たちで埋め尽くされました!」

先輩「? 四条貴音のヒモブラが……!!」

男「ずれて乳首がむき出しになってしまったぁ!!」



ウワァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーッ!!!!



先輩「何というおいしすぎるハプニング! 貴音嬢のあのたわわな乳が片方だけ完全ポロリ、ちなみにこの大会はネットで全世界に中継されているッ!」

幼「あわわ…… 貴音ちゃん一瞬泣きそうな顔になったけど、健気にもすぐにキッと前を見据えて、振りを乱すことなく踊り続ける!」

男「慌ててブラを直すなどという見苦しい真似はもちろんしないッッ!! それがアイドル、プロ根性というもの!」

先輩「全世界の男どもよ見るがよい! 雨に濡れて上下に揺れる、四条貴音のピンク色のそそり立つ乳首を! 青春の淡き乳輪をォォォォ!!」

男「俺は誓うぞぉぉ…… 貴音、今の君の姿を、わが生涯1本のズリネタとすることをッ!!」

先輩「俺もだァッ、それで一片の悔いなしッッ!!!」



「たぁ・かぁ・ねぇぇぇぇぇーーーー、よくやったぞおおおおおおおお! おまえ、さぁいこぉうだぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「けっ・こ・ん してくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!(魂の叫び)」



男「完了したぞ…… 貴音。君のその姿、わが網膜に永久に焼き付けた!」

幼「あれ? 突然囃子が止まって」

先輩「全員その場でストップ! そして肩幅に足を開いて、今度は何を?」

男「と思ったら、スローテンポの囃子が始まって……」

先輩「な……なんじゃあこりゃぁぁーー!」

男「男踊りにスイッチじゃとぉー!?」

先輩「何たること…… あの衣装で、乙女たちにガニマタの男踊りを踊らせたりすれば、どんなことになるかは火を見るよりも明らか! しかし乙女たちはぁッ! 黙々と、この羞恥プレイの極みに甘んじているっっっ!!!」


男「んほぉぉぉーーーーっ! ぎんぎんのぼぐのおぢんぢん、どぼじでぐれるのぉぉぉぉーーーーー!!」

先輩「あqwせdrftgyふじこlp;;;;;;;;@:「」」」」」」」」」」ーーー! あれもこれも、はみだしちゃってりゅぅぅぅ!! みえちゃってりゅのぉぉぉぉぉぉ!!!」



「おっ、おまえらがここまでするならァッ、おれたちも、いくところまでいくぜぇぇぇぇーーーー」

「たのむぅぅぅぅーーーーーーッッッ、一発だけ、一発だけヤラせてくれぇぇぇぇぇーーーーっ!!!」

「なおぉぉぉぉっ、みろこれをぉぉぉぉっ!!! いまオレは、いっくぅぅぅぞぉぉぉぉーーーー!!」ドピュピュ



先輩「沿道でオナニーを始めた男ども! もはや警官隊も茫然と見つめるばかり!」

男「だめだもうたまらん! ちょっと失敬!」

幼「」

先輩「幼馴染さん大丈夫?」

幼「しゅ……しゅごい 雨の中に、しぇいしのにほひが…… いっぱあひひひ」アヘアヘアヘ


先輩「幼さん放送席でイッちゃいました! ここはスッキリした私が頑張らねば! と思うのですがまた何かムラムラしてきちゃったなあ」

女「駄目ですよ先輩! もう少しで終わりなんですから」

先輩「お、女さん無事でしたか。もう幼さんこの状態なんで、後はよろしく頼みます」

女「はい、場外は性獣と化したオスどもの修羅場と化したので、女性の避難を手伝っていたら遅れてしまいました」

先輩「いいんですよご苦労様、野郎どもの餌食にならなくて良かった! そして……? 場外では遂に全裸の男たちが踊り始めたァ!」

女「あれ! あそこにいるの男じゃないですか!」

先輩「む? おい男、お前実況放り出して何踊ってんだ! 我々は踊っちゃいけない決まりだったろうが!」

男「だって…… 我慢できますかこれが! 踊るアホウに見るアホウ、同じアホなら踊らにゃ損損!」


先輩「何をこの、今さら分かりきったことを! 俺も踊るぞ」

女「ちょっと先輩! あーあ、服脱いで飛び出して行っちゃった。仕方ありません、最後に残った私、女が実況を続けます……」

女「遠ざかっていくアイマス連を追って男どもが殺到し…… 案の定将棋倒しとなりました! これは…… まさかの惨事にならねばよいのですが」

女「やはり多数の怪我人が出ているようです。今、救護班が活動中です」

女「えー。……サイレンを鳴らして救急車が入ってまいりました」

女「事故のせいで熱気も少し下火になったのでしょうか? 賢者モードに入った男性たちは脱ぎ散らかした服を探し始めました」

女「でも見つかるわけはありませんね、適当に誰のか分からない服を身につけているようです!」

女「いずれにしても主催者の責任は免れないでしょう! 私も甘んじて処分を受ける所存です! 当局者の皆様何とぞ寛大なご処置を!」


女「そして…… 今、大会の最後を飾る特別参加チームが入ってまいりました! 『話題の人』連です! メンバーは佐村河内さん、小保方さん、野々村さんの3名!」



「ゴウチーーー!」

「オボコ頑張れー!」

「野々村泣いてんじゃねえぞー!」


女「疑惑発覚後スタイルの佐村河内氏ですからまったくオーラはありません! ロンゲとグラサン、ヒゲを封印したただのオッサンです!」

女「踊りながら時々耳に手を当てていますが、恐らく何も聞こえてないんでしょう!」

女「そして小保方氏は当然割烹着スタイル! 手にシャモジを持って振り回してるのは何のつもりなのでしょうか? 虚ろな目で『ありまぁす!』と連呼していますが。野々村氏はただひたすら泣いています!」



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幼「こうして、第1回深夜VIP謝恩・二次創作阿波おどり大会は空前絶後にして阿鼻叫喚の、とにかく興奮さめやらぬうちに幕を閉じ、優勝は文句なしでアイマス連と決まりました」

幼「しかしあまりに過激な演出と安全管理上の不手際を当局に咎められ、私たち4人は検察庁に書類を送られ罰金刑を食らいました。不慮の事故で多くの負傷者が出たことは本当に申し訳なく思っています」

幼「そして…… 私たちに他意はなかったとはいえ、徳島県をはじめ関係諸団体様より、きついお叱りを頂戴いたしましたことを申し添えておきます」



おしまい

見て下さった方々感謝
第2回からは任せた。他の2次を出すなりオリジナル作のスレ別で編成するなり
大いにやってください

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