占い師「運命って信じるかい?」(4)

騎士「姫!またこんなところへ抜け出してきて…」

姫「うっさいわね、お上品なお姫様ごっこなんて懲り懲りなの!」フン

騎士「一人でこんな人気のないところへ来ては危ないと…」

姫「大丈夫よ、変装してるし……ここに来れば、いつも貴方がいるじゃない」

騎士「……」

姫「まぁしっかし、いつ来ても静かな丘ね」

騎士「落ち着くでしょう?」

姫「……」ムスッ

騎士「姫?」

姫「二人の時くらい敬語、やめなさいよ。昔から知ってるくせに、いまさらそんな口聞かないで」

騎士「しかし、俺も貴女ももうそのような歳では…」

姫「立場なんて知らない。私の言うことが聞けないというの。騎士のくせに」ムスッ

騎士「……立場を利用してるのはお前じゃないか」フッ

姫「ふふ」

姫「ふう……城を抜け出すのも久しぶりね。町娘の格好は楽でいいわ」のびー

騎士「そんなもんか?」

姫「そんなものよ。城の中は息苦しいわ」

騎士「そう言うなよ、王は次の玉座をお前に譲るおつもりだ。そうなればお前は…」

姫「わかってる」

騎士「でも、お前なら良い女王になるさ。庶民のことにも理解があるし、いい意味で野心家だからな」

姫「……当たり前よ。欲しいものはどんな手段を使ってでも手に入れるわ」

騎士「変わらないな」

姫「さて……そろそろ私は帰るわね。また爺やが私を探しているはずだわ、腰が悪いんだからあんまり探し回らないようにしないと」

騎士「ああ、送っていくよ」

姫「いいわ。一人で来たんだから一人で帰る」

騎士「だから危ないから」

姫「いいったらいいの、心配しないで!」

姫「あ、そうだ……明日、お父様がきっと貴方を呼びつけるわ。だから早起きしていなさいね」

騎士「? 何があるんだ?」

姫「私からは言えない。……じゃあね、貴方も早く帰って、さっさと寝なさい」

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