姉「あけおめメール来ない…」(43)

姉「……」ポチポチ

姉「……」

弟「お姉ちゃんあけおめー…」ポチポチ

姉「ん…寝ないの?」ポチポチ

弟「まだ眠くない」

姉「……」ポチポチ

弟「さっきから何怖い顔して携帯いじってんのさ?」

姉「いや、電波混み合ってるのかなって…」

ピロリ

姉「ほぁー!?」

姉「き……来ない!今音鳴ったけど!」

弟「俺の携帯だよ。友達がline であけおめって」

弟「ほら、メールだと届くまで時間かかるでしょ。だから」

姉「あんた、小学生で携帯持っててline もやってんだ…!」

姉「……」

弟「お姉ちゃん?」

姉「私は…メールでくるから…メールだし…そっちのが温かみあるし…」

弟「そっか、すごいね」

姉「うん…」

弟「あっ、メールも届いた。山下と村谷くん」

姉「えぇ…」

弟「すげー、一通届いたら一気に来た!」ピロリピロリ

姉「えぇー…」

姉「お姉ちゃんだってそろそろ届くし…」ポチポチ

『新着メールはありません』

姉「あっ…」

弟「うわ、引っ越した橋本だ!橋本ー!」

姉「おかしいな?私の携帯がメール阻んでるのか…古いしなぁ…」

弟「一々返信大変だー……」ポチポチ

姉「携帯がダメなのかぁ…携帯が…」

姉「ねぇねぇ、テレビ面白くないからお姉ちゃんとゲームしよ」

弟「今ぁ?何したいの?」

姉「パラッパラッパ」

弟「それ一人でやる奴じゃん。俺見てるからお姉ちゃんやってなよ」

姉「いや…一旦携帯手放してゲームを…」

弟「ごめんー。今色々返信したりしててちょっと無理かも」

姉「じゃあお姉ちゃんもゲームしないもん……」

弟「えー?」

姉「いいって言ったの!やりません!どうぞ忙しくなってください!」

弟「何イライラしてんの…?ミカン食べる?」

姉「食べる!」

弟「じゃあついでに持ってきたげる」

姉「ん……」ポチポチ

弟「ごめん、ミカン一個しか残ってなかった」

姉「お食べ。お姉ちゃんの奢りだ」

弟「そういう台詞憧れるよね。いい、お姉ちゃん食べて」

姉「じゃあ半分こだな……あのさ?」

弟「うん?」

姉「初詣行かないの?もしかして誘われてな…」

弟「初詣なら明日の朝行くでしょ」

姉「それは私とおとうおかあの家族でじゃん。ほら…友達と…」

弟「ああ、誘われたけど断っちゃった」

弟「だって0時に神社集合とか人多いし寒いし面倒だもん」

姉「贅沢な奴だなー!そういうの友達なくすからね?」

弟「そう?でも初詣なんて誰と行っても同じだし…」

弟「お姉ちゃんはどうなの?」

姉「えっ……」

姉「…何が?」

弟「初詣だよ。お姉ちゃんも誘われたでしょ?気にしないで行ってきたらいいじゃんか」

姉「……友達は彼氏と行くんだってよ」

姉「ああ、きっと初詣に夢中であけおめメール送れないんだ!あはっ」

弟「友達みんなが彼氏と初詣?」

姉「……」

姉「去年は3通届いたんだけどなー…」

弟「お、お姉ちゃんミカン食べようよ!俺が白い奴剥いてあげるからさ!」

姉「……」ポチポチ

『新着メールはありません』

姉「来ないよぉ…」

弟「お姉ちゃん…!」

弟「きっと寝て朝起きたらメール届いてるって。心配しなくていいよ」

姉「だ、だよね…あんたの言う通りだよ…」

姉「……孤独を感じるよぉ」

弟「お姉ちゃん!俺がいるから寂しがらないで!」

姉「家族と友達は違うもん…友達…」

弟「俺とお姉ちゃんは姉弟だけど、友達みたいなもんだって…ね?」

姉「違うもん……」

弟「お姉ちゃん元気だせよぉ…」

姉「クリスマス終わっても正月怖い…正月やだぁー…」

弟「正月は怖くないよ!ほら、もち食べるしお年玉貰えるじゃん!」

弟「それにじいちゃんとばあちゃんも家に来てくれるし」

姉「あんたは好かれてるけど、私そんな構われないの」

弟「そんな事ないってば…お姉ちゃんどうしたぁ?メールが何だって言うのさ?」

弟「年賀状もあるだろ?」

姉「中学から年賀状なんて書いてない。めんどっちい」

弟「そ、そう」

姉「ねぇ、代わりにあんたのメール見せて?それ見て貰った気分になるからさ…」

弟「そんなので気分晴れるなら……はい」

姉「うひゃあー、弟の携帯ゲットー!女の子からメールはあるかにゃー?んー?」ポチポチ

姉「あっ…」

弟「……///」

弟「も、もういいでしょ?」

姉「お姉ちゃんはあんたを信じてたのに」

姉「ていうか、逆に気分落ちたし……」

弟「自業自得だよ。お姉ちゃんが見せろって言うから見せたのに」

姉「弟よ、あれは彼女か…」

弟「そんなんいねーし!彼女とかまだ早いから!」

弟「…ただの友達。メアド交換しただけだよ」

姉「完全に媚びた内容のあけおめメールだったわよ!あーあ!おかあに言ってやろ!」

弟「何でそうなるわけ!?お姉ちゃんズルいんだよ!」

姉「ズルいのはあんただよ!ミカン全部私食べるからな!」

弟「わけわかんねぇ…!」

弟「…お姉ちゃん悪かったよ、機嫌直して」

姉「へ……?」モグモグ

弟「あ、ミカン食べてどうでも良くなってる」

弟「ていうか自分からメール出せばいいんじゃない?そしたらみんな返してくれるよ」

姉「それ負けた気がするからアウトだ」

弟「面倒なのがいやなだけでしょ?」

姉「そう、それよ」

弟「そんなだからダメなんだと俺思う…」

姉「ダメなお姉ちゃんで悪かったな……」

姉「やっぱテレビ面白くない。ゲーム、ゲーム!」

弟「うん。二人でやれる奴にしようね」

姉「じゃあヨッシーのクッキーね」

弟「せっかくだからマリオパーティーしない?」

姉「ああ!そっちのが好き!やりたいわ!」

姉「はっはっはー、あんたはいつも弱っちいなぁー!」

弟「お姉ちゃんが上手いから仕方がないの」

ピロリ

姉「あっ!」

弟「ごめん、今の俺の携帯…」

姉「そ、そっか。よーしスター取れるな!3枚目いっきまーす!」

ピロリ、ピロリ

弟「また俺の携帯……」

姉「ああ、うん…」

チャラララ�・

弟「…ご、ごめんお姉ちゃん。電話きちゃった」

姉「うん……出たら……?」

弟「ごめんね……あー、もしもし。えっ、ああ!本当に!?スゲー!それでどうしたの?」

姉「…やったー、スター三枚目ゲットだー……」カチカチ

弟「あはは、そっか。それじゃあ3日に田代の家でなー、うん、今年もよろしくー……ふぅ」

弟「お姉ちゃんお待たせ、結構長電話になっちゃった」

姉「……」ビターン

弟「あれ?ゲームは?お姉ちゃん寝てるの?お姉ちゃんってば…?」

姉「あーあー、聞こえない。何にも聞こえませーん。ただいま外界の音を遮断中」

弟「外界って、何言ってるかわかんないよ。俺電話済んだよ、ゲーム続きしようよー?」

姉「聞こえませんがー」

弟「……お、お姉ちゃん」

弟「ほらティッシュだよ。ちゃんと拭かないと目が赤く腫れちゃうから…」

姉「ん……」ゴシゴシ

弟「悪かったよ、電話ごめん…」

姉「別に聞いてないから気にしてないし…」

姉「あ、そろそろ……」ポチポチ

『新着メールはありません』

姉「あはっ、ははは!!」

弟「お姉ちゃんもうやめようよ。自分をこれ以上いじめないで…」

弟「もっと楽しい事考えたり、しよう?携帯は置いてさ」

姉「携帯怖い……」

弟「そうだよ、携帯は怖いからやめようね…」

姉「うん…」

弟「ほら俺も携帯の電源落としたから大丈夫だろ?」

姉「ん…大丈夫…」

姉「…初売り一緒行こうな。お姉ちゃんお年玉でポケモン二つ買うから一緒にやろうね…」

弟「マジで?やったー!お姉ちゃん好きな色選んでいいよ!」

姉「え?じゃあ銀色がいいわ…かわいいから」

弟「あっ…」

弟「……中古のか」

姉「おう、当たり前だ」

弟「お年玉なんだから奮発しても悪くないと思うけどなー」

姉「何言ってんのよ?うち親戚少ないんだから合計額少ないの」

姉「おまけにお姉ちゃんは友達少ないし…」

弟「お姉ちゃん…今それ関係ない…」

弟「そ、そうだよな。ゲームは安くても昔のでも面白いよね!」

姉「ん。ゲームは中古で十分……何かおかあっぽいわ、今の」

姉「…おかあは友達多いよなぁ」

弟「お姉ちゃんやめてよ…正月に暗い話聞きたくないんだよ、俺!」

姉「だーってあけおめメールが来ないから……」

姉「あ、チェックしなきゃ…そろそろ来てるもんな…おかしいよ」

弟「結局携帯放っておけてない!」

姉「私もお前も現代っ子だし。携帯は体の一部なのさ…メールも着信も来ないけど」

弟「ダメだよ、ネガティブなのはやめてよもう…俺までつらい…」

姉「うん、私と一緒に地獄へ堕ちようね」

弟「お姉ちゃんこわい…」

弟「もうメールなんかに拘らなくていいじゃん!どうせ朝には届くから!」

姉「それ本当かぁ!?」

弟「いや……」

姉「その場しのぎの慰めが一番悲しくなるの!うあーん!」

弟「そんなじゃないよ!多分大丈夫だから」

姉「絶対がいい…多分は無理だ…」

弟「俺に言われても困るよー…!」

弟「あけおめメールの何がいいんだよ?死ぬわけじゃあるまいしさぁ」

姉「いや、繋がりっていうか…私は一人じゃないって形が欲しい」

弟「メールはデータ。形じゃなくない?」

姉「メールに乗ってきた文章そのものが形なの!あー、わかんないもんかねぇ…!?」

弟「ああ、わかんない……」

弟「お姉ちゃん俺眠くなってきた…」

姉「どうぞ?寝たら?」ポチポチ

弟「お姉ちゃんもそろそろ寝ようよ。朝起きれなくなるよ」

姉「私は大人だから大丈夫なのさ…このまま携帯を見張るから任せな…」

弟「見張らなくていいって…」

弟「お姉ちゃんもうやめよ?来ないものいつまで待ったって仕方がないでしょ……」

姉「あっ…」

弟「…あっ」

姉「聞�・いちゃった聞いちゃった�・怖い事聞いちゃった�・……」

弟「お、お姉ちゃん!ごめん!今の違うんだ…!」

姉「……っ�・」ジワァ

弟「ああっ、ごめんってば!謝る!ごめんなさい!」

姉「な、いて…ないもん……見ないでぇー……うあーん…っ!」

弟「お姉ちゃん…」

姉「もう寝ろぉ!!惨めな私を笑うなよぉ!!」

弟「笑えないよ…本当にごめん…」

姉「うわあああぁぁぁーんっ…」

弟「お姉ちゃん…」

姉「……ぐすんっ。ほんとは、お姉ちゃんもわかってたさ、わかってたけど…認めたくなかったのさ…!」

姉「クリスマスも少し寂しく過ごして、正月もこのありさまは…悲しすぎるのよぉ……それって贅沢かな…?」

弟「俺、小学生だからわかんない…」

姉「若さとは時に罪なもの」

姉「でも、そんなの関係なしに私がダメなだけだな…あはは」

姉「弟よ、無様なお姉ちゃんを乗り越えてあんただけは」

弟「お、お姉ちゃんは無様なんかじゃないだろ…!」

姉「……マジか」

姉「じゃあお姉ちゃんの良いとこ言ってみて…?」

弟「えっ!」

姉「……3つでいいから」

弟「み、3つか…えー…」

弟「ゲーム上手いだろ、俺の宿題手伝ってくれるだろ、あと…」

姉「…おう」

弟「…あっ!風呂上がるのが早い!」

弟「ほら、良いとこ3つもあるじゃん。スゲー!」

姉「わかった、もう寝て。おやすみなさいだよ」

弟「げ、元気出してお姉ちゃん!」

姉「……私はね、弟。あんたの良いとこたくさん言えるのよ」

弟「は、は?」

姉「あんたは家族の誰にも似ないで人もいいし、気配り上手だし」

姉「友達多いのも納得だわ……」

弟「お姉ちゃんだってお、同じだよ…?」

姉「私が?贔屓目で自分見てもそれはないわ」

姉「はははー…良かったわね、人の悪い例がこんなに身近に存在するなんて…反面教師って奴だな…」

弟「大丈夫だよ…俺のお姉ちゃん悪くないから…」

姉「へ、へへ…お世辞でもそう言ってもらえるとあんたのお姉ちゃんしてて良かったと思える…」

姉「…もう寝よっか、お姉ちゃんも疲れてきちゃった」

弟「…うん」

姉「そうだ、湯タンポ持ってくから一緒寝ようぜ?お姉ちゃんは温かいよー?いい匂いさせっぞー?うりうり�・!」

弟「えっ、恥ずかしいから無理…」

姉「無理って何さ、無理って!言い方!」

姉「ああっ…逃げたなあいつ…」

姉「さてと、そろそろ私も歯磨いて」

姉「……朝にはあけおめメール届いてますよーに!届いてますよーに!」パンパン

姉「よし!」

ピロリ

姉「ほぁちゃー!?」

姉「……今の着信音、弟のじゃない」

姉「ちょっと、ちょっと来て!まだ寝ちゃダメだー!」

弟「な、なに…?続きなら朝に…」

姉「来た!メール届きましたわ!私の、携帯に、メール!」

弟「えっ、来たの?」

姉「ほらぁ�・見て見て�・!」グイグイ

弟「近いよぉ!」

姉「……はぁはぁ」

姉「あ、ダメだわ…緊張して受信box開けられねー…!」

弟「た、たかがメールだろ…」

姉「されどメールよ!?今年初めて私へ届いた奇跡のメール!」

姉「あぁ無理ぃー…ちょっと先にあんた見てくんないかな…?」

弟「男の人からだったらどうすんのさ?大丈夫なの?」

姉「たぶんその奇跡はない…」

弟「あ、ああ。わかったよ…」

ピッ

弟「……」

姉「どう?どうかな?美紗子か?春恵?それともゆーちゃん…?早く!」

弟「…お姉ちゃん、あのさ」

姉「まさか、剣持くんじゃないよね…?」

弟「き、聞いてお姉ちゃん」

弟「やっぱりもう寝よう?」

姉「…ん?」

弟「携帯で変なサイト登録しない方がいいよ。気をつけなきゃ…」

姉「いやいや…は?」

弟「自分の目で見てごらん」

姉「……」

姉「……」ピッ

『選択したメールを削除しました』

姉「……ううっ!」ブワァ

弟「今日だけ一緒に寝るよ…」



姉「おはほ�・……」

父「おう、あけおめ。お年玉は初詣後ね」

姉「起きて早々何よ…」

父「いや、起きるの早かったからタカリかなって」

姉「…私そんな図々しい女に見えます?」

父「まぁ…」

姉「ふん、酷い父がいたもんだ!」

母「お餅食べるよね?台所だから」

姉「持ってきてー…コタツ入っちゃったー」

母「お母様もコタツの中ですぅー無理ぃー」

姉「くらえ、冷えた足攻撃」ピト

父「それパパの足ですぅー冷たいからやめなさい」

姉「きもいよ…」

弟「うー、おはよう…あけましておめでとう…」

母「あんた珍しいね?今起きたの」

姉「お姉ちゃんとの添い寝が気持ちよすぎたんだよねー」

母「うそー。母は隣で寝てる親父がうるさくて最悪だったわ」

父「どこが…」

弟「……お姉ちゃん、携帯確認した?」

姉「…あんたさ、今私良い感じに忘れてたのに」

弟「あっ…」

姉「なかったわよ!神頼みは通じなかった!」

父「へぇ?何の話よ?」

姉「もう触れんな!」

父「パパだけ除け者かよぅ……」

母「ほら、あんた宛の年賀状。今年もいっぱいだねー?」

弟「うわぁ…あっ、書いてない人からもある!」

父「暇見て書いて返しなさい。まだハガキ残ってるから」

姉「めんどっちそー…だから年賀状やだなのよねぇ」

母「ちなみにあんたには一通もありませんでした。あーあ、可哀想に」

姉「……」

父「パパもいっぱい貰ったから、少しあげようじゃないか」

姉「おとうのはいらん!親父臭い!」

父「臭くねーよ!インクの臭いしかしないだろ、嗅いでみ!?」

姉「うるさい……」

母「あー、この人結婚したの。私も送らないと…」

姉「うぅ……」

弟「お姉ちゃん…」

姉「いやいや、年賀状なんて眼中じゃないからな」

姉「私にはあけおめメールがあるから…」

姉「……まだかなぁ」ポチポチ

『新着メールはありません』

姉「……」ウルッ

弟「お姉ちゃん…もういいだろ…」

姉「よくない!全然よくないもん!いやぁー……」ガクッ

弟「お姉ちゃん…」

母「あんたたち、お餅食べたらすぐ用意しなさいよ?初詣行くんでしょ?」

弟「はーい!…ほら初詣行くって。支度しないと」

姉「はい…すぐします…」

姉「あうぅ……」

弟「……」

母「あらー、お昼時なのにまだ人いっぱいだね」

父「今朝は冷えたから仕方がないかな。どれ、並ぼうよ?」

姉「うん……」

父「…お姉ちゃん暗くない?」

弟「ちょ、ちょっとね」

父「じゃあ気分転換にパパとおみくじ引こっか!どうせ大吉しか出てこないぞ�・この神社!」

姉「じゃあ引く必要ないわ…」

母「ほら早くこっち来てー?どんどん人来るわよ!」

弟「お父さん、お姉ちゃん行こ?お母さん前進んじゃうよ」

父「お母さん勇ましいなぁ……ね?」

姉「もう諦めようかなぁ…無理だこれ…」

父「は?」

弟「…お姉ちゃん!ほら行こうよ!一緒に賽銭入れよ?」

姉「う、うん…?」

ジャランジャラン、パンパン

姉「んー、ん�・…!」

弟「お姉ちゃん何気張ってんのさ?」

姉「今度こそお願い叶うように念を強めに送ってる……!」

姉「きえぇぇー……」

弟「う、後ろ詰まってるから早くどこうよ!」

姉「私の願いよ、天まで届け」

弟「…何お願いしたか当てよっか?」

姉「ああ、あけおめメールかもんって願ったさ!悪いか!」

弟「やっぱり…それ願いとしてどうなの…」

姉「いいの!気にしてないし!」

姉「……」ポチポチ

『新着メールはありません』

姉「ちくしょー……」

弟「……」ポチポチ、ピッ

姉「おかあたち待ってるし戻ろ…」

弟「あっ、待って!携帯!」

姉「え?」

弟「……5、4、3、2、1」

ピロリ

姉「ふわっ!?」

弟「ジャストだったー!」

姉「は……えっ?あんた、何…」

弟「お姉ちゃんの携帯今音鳴ったよ。見ないの?」

姉「…み、見るし……!」ポチ

『新着メールが一件届いてます』

姉「あっ…」

弟「メールだろ?ほら、早く開いて見てよ」

姉「…おう」ピッ

姉「……」

『あけましておめでとう!今年もいっぱいゲームしようなお姉ちゃん! 弟より』

姉「あんた…」

弟「願い叶えさせてもらった!」

弟「本当はこういうの俺からだと嫌かなって思って送らなかったんだけど…あは、ごめんね」

姉「……」

弟「でも可哀想だから送ったとかじゃないんだよ!タイミング計って…」

姉「とうっ」ピッ

弟「お姉ちゃん?」

ピロリ

弟「あっ…」

姉「ん、どうした弟よ?はやく見なさいよ?」

弟「う、うん…」

『こっちこそあけおめ。頼まれんでも私はあんたとゲーム三昧するつもりだよバーカ 姉より』

姉「見た?メール見ました?きゃっ、恥ずかしい…」

姉「あ、保存してもいいからね!?私はさっきの保存した!」

弟「俺は…いいや…恥ずかしいもん」

姉「ふん、つれない弟だこと。でもまぁアレだわ……」

姉「お姉ちゃん嬉しいなっ!」

弟「そっか、やったね」

姉「えへ�・…♪」

姉「帰ったらお年玉貰ってすぐポケモン買い行くからな!着いてこい!」

弟「うん、行くー」

弟「でもたまに新品のが欲しいかも」

姉「何バカ言うか、ウチらは中古で足りるっての」

弟「だって中身違かったときあったじゃんか!」

姉「それもまた楽しみの一つなのさ…」

弟「そっか、言われてみれば楽しいかもなぁ…」

姉「…来年もあけおめメール送ってね?」

弟「うん、お姉ちゃんもだよ」



おしまい

これで終わり。とりあえずあけましておめでとう

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