【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★15【安価】 (1000)

・艦娘×提督の学園もの
・全然艦隊とか関係ありません
・エロ、グロといった描写があるかもしれません
・なんかドロっとしているかもしれません

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前スレ

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ヒロインまとめ(○はエンド艦娘、次回登場は不可、○付いてない子は出せます)


【1周目】

電(幼馴染)         
浜風(娘)          
あきつ(後輩)         
足柄(先輩)          
○青葉(同士)   



【2周目】

大和(管理人)       
○不知火(親友)      
飛鷹(教師)        
五十鈴(転校生)       
北上(同居人)       


【3周目】

雷(クラスメイト)       
球磨(スラッガー)      
間宮(バイト先の店長)   
○那珂(超人気アイドル) 
阿武隈(義妹)        


【4周目】

陽炎(幼馴染)        
川内(学生であり怪盗)  
卯月(妹分)         
榛名(後輩)         
○暁(妹)           


【5周目】


初春(宇宙人)
叢雲(↑のライバル)
長門(ながもん)
響(帰国子女)
山城(元カノ)

BAD。


【6周目】


千代田(義妹)
吹雪(親友)
赤城(大食いチャンピオン)
由良(後輩)
古鷹(フライフェイスとオッドアイの演劇の天才)

BAD。


【7周目】


比叡(記憶喪失・幼馴染)
○漣(家政婦)
明石(近所のお姉さん)
大井(クラスメイト)
レ級(クラスメイト)

【8周目】

○明石(義姉)
鈴谷(同居人)
文月(姉)
熊野(財閥令嬢・崩壊寸前)
白露(クラスメイト・電波)


【9周目】

○潮(従妹)
村雨(幼馴染)
鳳翔(先生)
朧(後輩)
武蔵(応援団長)


【10周目】

深雪(親友)
曙(従妹)
大鯨(母)
翔鶴(弟の彼女)
瑞鶴(弟の彼女)

BAD。


【11周目】

伊58(未亡人)
隼鷹(お嬢な同級生)
○初風(面白い同級生)
蒼龍(担任)
ビスマルク(留学生なお姫さま)


【12周目】

阿賀野(いつもニコニコガチサイコストーカー)
○瑞鳳(いじめられっこ)
龍驤(陰陽師)
睦月(おなちゅー)
翔鶴(従妹で居候な部活の後輩)


【13周目】

舞風(殺し屋)
○羽黒(許嫁)
雷(幼馴染)
霧島(生徒会員)
荒潮(未来からやってきた娘)


【14周目】

飛龍(家庭教師)    
磯風(幼馴染)    
卯月(お隣さん)    
大鳳(新人体育教師)    
○浜風(昼はクラスメイト/夜は…) 


【15周目】

霞(鬼教官)
雪風(幼馴染)
○島風(従姉妹)
弥生(クラスメイト)
加賀(部活の先輩)


いまここ。

陰陽師は瑞鳳に食われたというより提督くんがずっとふらふらしてたからね
瑞鳳が全く選ばれなくても睦月とRJ修羅場にした辺りでまともなENDじゃなかったんじゃね
最初からRJ一筋で行ってればなあ…

言われてみれば金剛型って皆このスレでは不人気だよね
比叡も榛名も霧島もほとんどコミュ出来なかったし金剛に至ってはあのゲスポジションである

阿賀野に関しては何も書いてなかったもんね、ただ長すぎて埋めネタに使いにくい
つーわけで設定箇条書き、ベタな感じだけど
自分でも引くほど長かったので適当に読み流してくれ

・阿賀野さん、打ち捨てられてた神社でぼーっとして時を過ごすだけの毎日

・そんな時、提督(幼少期)が阿賀野さんを見つける あれだ、あの、子供特有の霊視(適当)

・遊ぶ、なんかめっちゃたのしい

・物凄く久々に男というか人に触れた阿賀野さんはもうメロメロ

・この子は私が守らなきゃ(使命感)

・つーわけで持ってた力の大半を提督に込める、これが本編の謎霊力 

・本来の用途は危機が迫った時の防備と心の中の覗き見、自分の力が内にあるので阿賀野は提督の今考えているおおまかな思考と直近の記憶が読めた

・そんな充実した日常を過ごしていた阿賀野さんだが、大きくなるに連れて提督くんの子供特有の霊視も薄まり、神社で遊んだという記憶だけしか彼には残らなかった

・忘れられて寂しい

・というわけで力を使って無理矢理同級生になった、というかそういう風に見せた のがだいたい提督くん中3 

・この時点で神様的にはいけないことをしてる、プラス相当力を消費している

・そして提督くんに近付く女を見つける度に、霊力で思考誘導(ストレスの発散方法に迷ってる人間の肩を押してあげた上にその対象まで指定してあげる)を使って他人にイロイロやらせてる

・睦月、それと翔鶴に手を出さなかったのはそんなことしたら提督くんが悲しんじゃうから、それはいくない

・つまり基本的に仲良くなる前に消すプロの業

・まあそんな感じで好き勝手やっていた阿賀野であったが、霊力の消費に伴い神社自体の存在が揺らぐ

・具体的には、霊力が無くなってしまうことで神社にあった霊格的なアレがなくなってしまい、ただの邪魔な土地へと変貌してしまったのだ

―ここまでが本編前―

・取り壊しが決まり、元々薄まっていた霊力が殆ど無くなっていく

・本編最初の瑞鳳にいじめっこグループがやってしまった過剰な行動は思考誘導の暴走、もう阿賀野にはこれすら制御できなかった

・薄くなっていく存在を阿賀野は自分でも自覚したので、残された時間は少ないのだと知る

・…なら、後はせめて自分に残された少ない時を楽しく過ごそうかな

・別にやった行動に反省も後悔もしてないが、この時点でとりあえず他者を害することはやめる、手駒も消えたし

・が、病院に運ばれた彼らから検出された霊力を元に龍驤が阿賀野の存在を察知

・退治に来た龍驤に特に抵抗も見せず、阿賀野は提督くんが幸せそうだしまあいいかと笑って消えた これがクリスマス裏話

・エピローグで龍驤が報われないと言ったアイツは阿賀野のこと

・この退治時の会話だけでもエピローグにぶち込もうかと思ったけど阿賀野の設定が謎のままだったしボツ、石となって登場

・追記して、元々阿賀野という同級生は存在しやしないのでエピローグ時点で阿賀野を覚えているのは龍驤だけ

・でも提督くんを護るための力は残ったまま、なのである意味ずっと一緒にいれる勝ち組阿賀野さん

・結論、最後まで提督を想っていた良い子です

―阿賀野ルート―

・やっぱり提督くんと離れたくない

・でもこのままじゃ消える

・お、力あるやんけ、貰っとこ

・提督くんへの執着だけで構成された阿賀野棲鬼の完成

・まとも(純)ルートならば、止めをさそうとした龍驤を提督が止めて紆余曲折の末ハッピー、詳細は長いからカット

・ドロっとしたのは正直その場で考える予定だったから構想なし


以上
では島風エピローグをば



「おにーーーさーーーん!」

「開けろーーー!こらーーーー!」

夏休み。

俺の至高の読書タイム。

それを邪魔する声がした。

「うっさいわ!」

「あ!おにーさん!おはよー!」

「おはよーじゃねえよ!邪魔すんなっていつも言ってんだろ!」

「いやー!おにーさんと遊ぶのー!」

「駄々をこねるな!」

「こねるー!」

じたばたじたばた。

手をそんな感じで元気に動かす島風。

前より悪化してるじゃねえかこいつ。

幼女だ。完全に幼女だぞもう。

知能と思考を奪われている。手遅れだ。

「ま、冗談だけど、おはよ、おにーさん」

「…切り替えはっやいなぁお前」

「どーせ普通にやったら開けてくんないしね、にひひ」

と思ったら知的な一面を取り戻しやがった。

良かった、駄々っ子と化した島風はいなかったんだな。

……というやりとりを、ここ一週間程毎日にように繰り返している。そろそろ飽きてきた。

それを指摘しないのは、まあ、うん、俺も楽しんでるんだよな、何だかんだ。


「…はぁ…、おはよう、島風」

「あ、今日は雪風ちゃんも来るってさ!桃鉄しよーよ、桃鉄!」

「……やだ、リアルファイトの未来しか見えない」

「手ー抜くからさー、ね?」

「それはそれで腹立つんだよ!」

「むー、わがままー」

「……ほう、そんなにでこぴんを喰らいたいかお前」

「…わ、ちょ、冗談だってじょーだんー!」

「問答無用!」

「あうっ!?」

大袈裟に島風が仰け反る。

そのまま額を抑えて、恨みがましそうに俺を見た。

「…ひっどーい」

「ふん、反省しなさい」



「…おにーさんさー」

「なんだよ」

「……私に、好きって言ってくれたことないよね」

「……な、何だいきなり!?」

「………その冷たい態度でふと思ったんだよ、そうだよ!不公平じゃない!?」

私は言ったのにー!とまた暴れだす。

どうにもこっちは素のようだ。

「…ベ、別にそんなさー…無理に言葉にするもんでもないだろ」

「だって全然おにーさん前と変わんないもんー!不公平だよふーこーうーへーいー!」

「あーもーうるさい!」

「うるさくしてやるー!」

「……わかった、わかったから少し黙れ…で、どうすりゃ満足するんだよ、お前」

「…ふっふー、決まってるじゃん、そんなの」

何か楽しそうに微笑んで、島風が軽く咳払いをする。

そして、その顔のままで俺に向き直った。

「おにーさん!」

「…おう」

「好きですっ!」

「…………」

「だから、早く返事をくださいっ!」

……なるほど。

…そういう手で来るのかお前はこの野郎。

つい黙ってしまった俺の言葉を、相変わらず微笑みながら島風は待っている。

……わかったよこんちきしょう。

言えばいいんだろ、言えば。

「………島風」

「はいっ!」

「………――――」

小さく、物凄く小さく呟いたその言葉。

それを聞いて、島風は満面の笑みを浮かべた。

まるであの時夜空に浮かんだ大輪の花のような、そんな笑顔を。




【島風 HAPPYEND】

飯食って風呂入って甲子園制覇してくるね
10時ごろにまた来ます

イジメは阿賀野の仕業だったけど深海棲艦は阿賀野の仕業じゃなかったのな
ちょっと選んだ方がミスリードを誘ったりして面白かったかもな

裏話で加賀さん大泣き展開を書こうと思ったけどなんか全部持って行きそうだったからやめた
キャラ安価行こう

見たかった(血涙)

一人目>>+4

吹雪(後輩)

摩耶 年上の同級生

二人目>>+4

>>66

満潮 提督にベッタリで弟離れが出来てないダダ甘お姉ちゃん

三人目>>+4

>>66

曙 能天気でだらしないけど優しい妹

4人目>>+4

>>66

鬼怒 脳筋の中学生

ラスト直下

>>66

主人公()

摩耶(年上の同級生)
満潮(弟離れ出来ないダダ甘姉さん)
曙(脳天気でだらしない優しい妹)
鬼怒(脳筋中学生)
山城(やたら尽くす幼馴染)

これはハーレム

年上の同級生てもしかして留年…

ま、まあ病気とか…
でもそういう環境の人って依存度高そうだよね、特に摩耶みたいな性格だと
とりあえず書いてきます、今回はなるべく早く完成させるつもり

まあトンデモ設定よりは属性詰め込みの方がまだマシではある
ただ性格まで指定されちゃうと優しい曙ちゃんなんて想像出来ないよ…

コンマだからある程度割り切らないと互いに共倒れしかねないと思うがな
タイムアップになったり全員振って独身提督くんとかも面白そうだけどな

いっそ突き抜けてしまおうと思ったら突き抜けた
うーむ



【プロローグ】


世の中には、身内なんかに絶対に欲情しないさと言う人がいる。

だが、俺は思う。

そんな事はあるわけないじゃないか、と。

だって考えてもみてくれよ、確かに姉や妹という肩書をつけてはいるが、彼女らは他人で、それでいて異性なのだ。

しかし、何も俺が近親相姦上等の変態野郎というわけではない。

…問題は、どちらかと言うと俺の姉と妹にあるのだ。

そう、彼女らのせいで俺は意識せざるを得ないのだ――

「で、ホントムカつくんだけどね、そこでさ――」

リビング、ソファー。

本来なら大きく、スペースに余裕がはずのそこが、狭い空間となっていた。

「――ってわけ、あり得ない!ほんっと!あり得ないってーの!」

原因は、俺の隣で何事かを喚く妹。

勿論、ファミリーでの使用を想定されたソファーは普通2人が座ったくらいで窮屈さを感じることなどはない。

そう、問題は距離だ。妹との距離。

……非常に近い。というか接している。

「…そっかー…まあ、確かになー、曙の言う通りだと思う」

「でしょ!?さっすが兄貴だね!」

…一体何をもって俺は褒められたのか。

よくわからん、この妹の思考回路がよくわからん。

だがまあ笑っているのでよしとしよう、面倒くさい。

「…あたしをわかってくれるのは兄貴だけだぁー…」

ぎゅむー。

横からものごっつ抱きしめられる。

……妹、最近育ってきたなぁ、色々と。

「…そこどきなさい、曙」

「ふぎゃっ」

べちゃっと。

背後からソファーによじ登ってきた人影に蹴り落とされた曙が床に転がる。

曙は床に落とされるなり素早く振り返って、その犯人を睨んだ。

「何すんのよ、満潮姉!」

それを聞いて、満潮姉―と、そう呼ばれた人影は笑った。

「バカね、後ろ見てないアンタが悪いのよ、曙」

「……あのねぇ」

「とにかく、私は今日も意味の無い大学生活を送って疲れたのー」

「ぐえっ」

「…ちょっと、満潮姉、何してんの」

そのまま後ろから首に巻き付かれた。

苦しい。



「いーじゃない、アンタも何か抱きついてたし」

「…そりゃそうだけどさー」

「弟分を補給するのー」

「おごっ…ちょ、姉さ、くるしっ…」

ぎゅむー。

再びものごっつ抱きしめられる。

が、今回は純粋に苦しい。

言うまでもなく一緒に首が締めあげられているからである。

「…はーぁ、なーんであたしはあんな学校入っちゃったんだろ」

「……ま、ちょ、姉さん、一旦離し…ぐぇ」

「…あんたも入ってよー、再来年」

「わか、わがっだから、苦し」

「よっし言質とったぁ!」

元気な言葉とともに、首にかかっていた圧力が消える。

新鮮な空気が肺にやっと入ってきた。

「…ごほっ、ね、姉さん」

「提督、あんた言ったからにはちゃんと勉強するのよ!」

「……いや、あの」

「………あたしと一緒は嫌?」

「…………」

その聞き方は卑怯である、と思う。

とは、床に寝転んだままの曙も思ったようで。

「こすい事するわねー」

と、溜息混じりに姉を見上げた。

…つーか起き上がれよ、ゴミ付くぞ。

しかし、姉はそれを意に介した様子も無く。

「だって提督がいないと寂しいじゃない、ね?」

「…何で俺に聞くのさ」

「あたしだけそう思ってんのは何か癪でしょ?」

「……」

真っ直ぐ俺を見つめて言う姉さんに、思わず押し黙ってしまう。

姉さんはその様子に満足したのか、今度は背中から俺に手を回した。

「…いなくなんないでね、提督」

「……」

そんな感じの、仲が良い―いや、良すぎる3人家族。

それが、俺達だった。



「……死ぬしか無いわ」

「…物騒だなオイ」

「死ぬしか無いのよ!」

「………」

目の前で軽くヒスってる女。

恥ずかしい事に、俺の幼馴染であった。

明日から学校だ―ということでこの幼馴染、山城に一応明日の予定などを確認しに来たのはいいのだが。

部屋に入るなり何か泣き付かれた。

しかも手にカッターを持って。前から思ってたけどこの幼馴染メンヘラ臭がヤバイ。

「…扶桑さんの事か?」

「そうよ、ああ、姉様…姉様…なんでぇ…」

扶桑さん―彼女の姉は、この春に家から居なくなった。

…いや、何も亡くなったとかそういう物騒なアレは全くない。

ただの進学で、それに伴って遠方へ越したというだけのことである。

…が、どうにもそれは山城にとっては何にも勝る大事であるようで。

「姉様ぁ…」

「…前からシスコンだとは思ってたが思ってたよりも重症だなぁ、お前」

「貴方に言われたくは無いわ」

「……あれは…シスコンつーか、…大事な家族だから」

「私だって同じよ!?」

ああ、私がいかに姉様を――などと語り始める山城。

端的に言ってクソ面倒くさい。

だがしかしカッターを振り回しているので止めるのも躊躇われる。

…はあ、これがなければ…こいつも…いや、これがなかったとしても…うーん。

「……山城」

「何よ、今良いところ――――え?」

とりあえず抱き締める。

山城は語りを止め、目を丸くして此方を見た。

これなるは扶桑さん直伝の山城を止める方法である。

昔、扶桑さんが修学旅行に行く時に「あの娘をお願いね、絶対暴れるから」と言われ、その時に伝授されたものだ。

…加えて曰く「誰かに依存していたいだけなの、あの娘」と。何か達観したような目で言っていた。

ぶっちゃけすぎだろオイと今となっては思うのだが、単純な俺少年は特に何か疑問を抱くこともなく快諾してしまった。

それ以来、だ。

「………あー…何だ、大丈夫、俺がいるだろ?」

「…提督ぅ…」

「………はいはい、大丈夫大丈夫、安心しろ安心しろー」

ぎゅむー。

今日何回抱き締められただろう俺、と軟派な考えを抱いてみる、3回、いや4回だった。軟派だ。



閑話休題。

さて、俺はあの時、扶桑さんの頼みを聞いた時から。

山城にとっての甘える対象No2になってしまった。

そして扶桑さんがいない今となっては暫定No1である。

おそらくあの扶桑さんはいつか自分がいなくなった時の事を見越して俺に押し付けたものだと思われる。酷い話である。

でもマジであの勢いのままにリストカットでも始めかねない雰囲気を持っているので放っておけないといえばいけないのだけれども。

「……明日、学校行きたくないの…」

「…何でさ?」

「…姉様がいないのに、行く意味なんて無いの」

「……………」

思案タイム。頑張れ俺。幼馴染が不登校児になるかどうかは俺の双肩にかかっている。

「……山城、俺がいるだろ?」

「………提督」

キリッ。とか付けたほうがいいかこれ。

結局出てきたのはさっきと同じ言葉。

違うのは、ちょっとかっこいい声を出してみたということである。恥ずかしいのである。

「……でも、提督とクラスが違ったら…私」

「……………」

…頑張れ俺。投げ出しちゃいけない。行かないと一度言ったらこいつは本気で行かない。

そして一人で家でボーっとしてたら何するかわからない。



「……大丈夫、そん時は俺が会いに行くよ、昼休みとかも」

「…ほんと?」

「うん、本当本当」

「…授業の合間も?」

「………うん」

…ちくしょうと思いながらも頷く。

まあどうせここまで酷いのは発作的なもんだし明日起きたらそれなりにけろっとしてんだろ多分。

……しかし…扶桑さんもこのレベルで粘着されてたんなら…誰かに押し付けたくもなるわな。

「……ありがとう、提督」

頑張るわ、私―と。山城が笑う。

…ああ、俺も頑張りますよはい。

「…あ、そうだ!お昼休みに来てくれるんだったら、お弁当一緒に食べるでしょ?」

「……え、あ、…おう」

顔を思いっきり近づけて。

喜色の滲み出るような声で言う。

つまり、拒否権は無かった。

そもそも、多分彼女の中ではそれは疑問文では無く、ただの確認だった。

「そうよね!?じゃあ、ふふ、提督の好物いっぱい作ってあげなきゃ、ふふ、ふふふ」

「確か貴方、昔からひじきの煮物を美味しそうに食べてたわよね、そう、小学生の時のお弁当が――」

ぺらぺらぺらぺら。ましんがんとーく。

よくもまあ俺も覚えてない事をそんなに覚えているもんだと関心すらする。

というかお前カッターいい加減に捨てろ。まだ持ってたのかよ。

ああ。

扶桑さん、貴女の妹は大変です。



――と、まあ。

だいたいそんな風に過ごしていた始業日前日も終わって、当日がやってきた。

その早朝。

「…………」

家の前、ジャージでストレッチをする俺。

何もジャージ登校などでは無く、ただの毎日のトレーニングだ。

近所の河原の土手を、毎日決められた場所まで走り、そして戻ってくる。

ただそれだけの日課なのだが、これが案外楽しい。

同じ時間に走っているのに季節で見える景色が違うだとか、朝焼けの綺麗さだとか、近所のおばさんと交わす挨拶だとか―

そんな小さなものに、大袈裟に感動してみたりして。

中々どうして悪くない日課であった。

やだ俺イケメン。嘘だけど。

さて、そして土手を走り始めた所で、早速第一のふしぎ発見。

「今日も一日、頑張りましょーっ!」

誰もいない川へ向かって大きく宣言する女の子。

その俺と同じような格好の娘は、そんな事を叫びながら見たこともない不思議なストレッチをしていた。

「…………」

…俺は、もしかして変な人に縁があるのだろうか。

今すぐにそんな不運な星の巡りを消したい。消し去りたい。誰か消して。

いや、だっていつものランニングコースでいくならあの隣通っていかないといけないもの。

じゃあ変えてみろよと思うかもしれないが、毎日の習慣を変えるのは何だか気持ちが悪いし、何よりあの娘に負けた感じがして嫌なのである。

―と、いうわけで。

ざっざっざっ。

走り出す。

なるべくあの子から離れた端っこを、気付かれないように。

「いっちに、いっちにー」

無心で、目をつむって、空気と同化して。

そのまま隣をすり抜けるように走るのだ、俺!



「あ!おはようございます!初めましてのお兄さん!」

「…………おはよう」

はい失敗。

もう大体知ってたよ。ちくしょう悔しくなんかねえよ。

…と言いつつも、無視できるほどの度胸は無いのであった。ぐう。

「良い天気ですね!」

「…そうだね、朝焼けも綺麗だし」

「はい、綺麗ですね!お兄さんは、最近走り始めた方ですか?」

「…いいや、結構前から走ってるけど…」

「あれー?おかしいなあ、見たこと無いのに」

「…そういう君も、俺は見たこと無いんだけど」

「そりゃそうですよ!だって鬼怒、最近ここに引っ越してきましたもん!」

「……だったら、それは君が俺を知らなくて当然じゃないかな」

「……!言われてみればまさに!お兄さん頭いいですね!」

「……………」

何でだろう。

何で俺の周りって変な人ばっか集まるんだろう。

「それでは改めまして、鬼怒と言います!」

「今日からこのランニングコースを使わせて頂く次第です!びしっ!」

「…よろしく、鬼怒ちゃん」

「お兄さんはなんというんですか?」

「提督、えーと、高2だよ、今日からだけどね」

「提督お兄さんですか!鬼怒は中2です!2が一緒ですね!」

「…そ、そうだね」

「それじゃあ、今日から一緒に汗をかくトレーニング仲間としてよろしくね!」

「さ、走りましょー!」

「と、ま、鬼怒ちゃん」

丁度そこでストレッチが終わったらしく、元気に鬼怒ちゃんが駆け出していく。

その揺れる赤い髪を追いかけるように、俺も走り出した。

…んで、わかったのは。

鬼怒ちゃんの異常なまでの体力と、それなりのまとも度。

……うん。

朝のランニングパートナーとしては、実に癒されるかもしれない。

そんな事を思った朝であった。



学校。

―ジュースを買いに行ってくる、と教室を抜けだした。

…幸か不幸か、山城とは同じクラスで。

いつ何時も離れないという勢いで脇に控えてくれた。最悪だ。

男でも女でも近付く者を睨むので、俺までクラスから浮いた。

………はあ。

…まあいいけどさ、それならそれで。

山城は何だかんだ言っても俺の中で優先度の高い存在だ。具体的には姉と妹に次いで。

そりゃクラスでの平穏な生活も捨てがたいが、それよりも遥かに山城の方が俺にとっては重要だ。

そうじゃなきゃそもそもこんなことはしない。

…つまり、俺も大概変な奴なんだろうな、うん。

「っと」

考え事をしながら財布から小銭を抜き出そうとしたところ、手からそれが滑り落ちてしまう。

100円玉が、廊下を転がっていく。

その向かった先には、足。

「………あ、すいません」

「ん?あ、お前のか、これ」

すらっとした足だ、と思い、視線を上げれば。

その先には、やはりすらっと―激しく主張している部位もあるが―した女子。

彼女は俺に近づいて、はいよ、と小銭を掌に落とした。

「…どうも、…えっと…摩耶さん」

「…ん、いーって、一々んなこと気にすんな」

名前は、知っている。

何故なら同級生であるから。

だけど、彼女は―俺よりも、一つだけ年上だ。

留年。その制度が高校で適用されるのは珍しい。

さっきも、ついさんを付けてしまった。

…壁がある、というか、壁を作ってしまうのだ、何となく、年上という物には。

彼女もまた、俺とは違う意味でクラスから浮いていたのを覚えている。



「……にしてもよ、お前、彼女はどうしたんだ?」

「…え?」

「いや、さっきまで、…なんか、いたろ?教室で」

「あー…いや、違いますよ、山城とは別にそういう関係じゃ…」

「…そうなのか?…そりゃ…なんつーか、意外だな」

「……で、ですか」

「…おう」

………………。

会話はそこで途切れる。

向こうがわざわざ話を振ってくれたというのに不甲斐ない。

…よし、こうなったら。

誠意を見せてくれたクラスメイトに、俺もしっかりと応えねば。

「…あの、摩耶さん」

「…おう」

「何で留年したんですか?」

「………………」

「………………」

…あ。

やっべぇ話題選択ミスった。

これはダメだ、気になることを何でも口に出しちゃダメだゾ。

摩耶さんがすっごい顔でこっち見てるじゃないか。

………待って、マジで。

つい口をついて出ちゃっただけなの。許してなの。

「………っく」

摩耶さんの唇が歪む。

すんませんすんませんすんません。

「…っく、ははは、ははっ!お前、普通そんな事面と向かって聞く奴があるかよ!」

「………あれ?」

…怒ってなかった。むしろ笑ってた。



「いやー、見た目に反して面白いな、お前」

「…そ、そりゃどうも」

「名前は?」

「…提督、です」

「うん…よっしよっし、覚えた覚えた」

「アタシの名前は…まぁ、知ってたが…一応改めて、摩耶だ、よろしくな」

「は、はい」

「つーことでさ、提督、ジュース奢れよ」

「……はぁ!?」

何故―と食い下がろうとすると、鼻の頭を指先で制される。

その奥の摩耶さんの顔は、不敵に笑っていた。

「失礼な事を言ったお詫びだ、誠意を見せろ」

「…まあ、…そういうことなら」

先程拾ってもらった小銭を自販機に入れる。

後ろから伸びてきた手が、ボタンを押した。

「コーラですか」

「あんま奇をてらったもん飲んでもな」

そのプルタブを引いて、傾ける。

こくこくと小気味良い音とともに、どんどんと減っていく中身。

おお、凄え、コーラ一気飲みとはやるな。

「………ぷはー、うん、美味かった美味かった」

「…誠意にはご満足頂けましたか」

「おう、満足したぜーっと」

「んで、さっきの質問な」

「あ、はい」

「もーちょい仲良くなったら、教えてやるよ」

「……へ」

「ま、そーいうこった」

「またな、提督」

ひらひらと手を振って。

摩耶さんが廊下を歩いて行く。

…そこで切るのか。教えてくれないのか。

なんか無性に理由が気になるじゃないか。

その時、ポケットの中で震える携帯。

『提督、どこ行ったの?ねえ、どこ行ったの?』

「………」

そのLINE通知を見て、俺も教室へと向かったのであった。

…あ、結局俺ジュース飲んでない。


【プロローグ 終】

以上、寝ます

ちなみに、今回はプロローグの登場順に常識人になっているぞ!いや、だからどうだってわけでもないけど
始める

の前に、埋めネタ


>>+2


A.雪風と島風、というお話。(雪風√)

花火大会の日。
3人の秘密の場所で、抱き合うのは2人。
彼女は、その笑顔の下に寂寥を隠して。
「おめでとう」と、呟いた。
だって、彼女にとっては、島風も大切な友人だったから。
なのに――諦めきれなくて。
諦めたはずなのに、後から後から、色んな感情が湧いてきて。
あんなに楽しかった3人で過ごす時間は、いつしか苦痛となって。
彼女―雪風は、その生涯で初めて、自分のためだけに我儘を言った。
「提督、お願いします、島風ちゃんと、別れて下さい」
泣きながら。お願いします、お願いします、と。
うわ言のように、ただ呟いていた。

B.はるにゃ、というお話。(榛名√AFTER)

「またネコミミですか………」
「そう言うなって、頼むよ、な?」
「………もう、わかりました、着ければいいのでしょう…」
「………」
「…な、何か言って下さい」
「……榛名可愛い」
「にゃー……」
「スリスリしていい?」
「…にゃー…」
オチは無い。そんなお話。


C.それは吹き荒ぶ雪のように、というお話。(吹雪√AFTER)

「……つーん」
「ふーぶーきー」
「…………」
「無視しないでくれよー」
「……知りません、提督くんなんか」
「…ふーぶきーん…」
さてさて。
どうしよう。
吹雪が取っておいたシュークリーム食っちまった。
いやー…駅前の洋芽子堂のシュークリームが冷蔵庫入ってたらそりゃ食っちまうだろ、うん。
…このお姫さま、怒ると長いからなー…。
夏、季節外れの荒れた雪に遭った。理由は俺。そんなお話。




【4月1週】


山城「提督、あのね」

提督「おう」

山城「今日は、貴方の夢を見たの」

提督「へえ、どんな?」

山城「…別に大したものじゃないのよ、ただ、一緒にいるだけの夢」

山城「でもね、すごく幸せだったの、起きたら」

山城「だからね、一生懸命お弁当も作ったのよ?」

提督「そっかそっか、そりゃまた昼が楽しみだなー」

山城「ふふ、うん、楽しみにしててね、絶対、絶対美味しいから」

提督「はっはー」

摩耶(……あれで付き合ってないのか…?)




曙    **0/500
満潮  **0/500
山城  **0/500
鬼怒  **0/500
摩耶  **0/500

>>+1-5のコンマに対応、一番高い娘とコミュ


曙「あーにーきー」

提督「……んー」

間延びした声、揺さぶられる身体。

眼を開く。

曙がいた。

楽しそうに笑っている。

提督「……何やってんだお前ー」

曙「いつもの時間になっても起きてこないから」

提督「…ん、…あ、…ホントだ、時間やべえ」

脇のスマホに表示された時間は、普通の学生の起床時間にしては十分すぎるほど早い。

しかし、俺にとっては結構ギリギリだ。

なんたって毎日のトレーニングがある。

提督「……何で目覚まし鳴ってねーんだよ、ぼろスマホめ」

思わず悪態を付く。

それに応えたのは、俺の上に乗った妹だった。

曙「あたしが切ったもん」

提督「……お前なあ」

悪びれもせずに笑ったままで言う曙。

そりゃいつもの時間に起きられねーよ、つーかお前の自作自演かよこの状況。

曙「おはよう、兄貴」

提督「…何でまたこんな事をするんだか」

曙「兄貴を起こしたかったの」

提督「それに意味があるのか?」

曙「うん、あるわよ」

笑う。貼り付けたような、なのに心からの笑み。

相変わらず意図が読めない妹だ。

にしても、意味なあ、…なんだろ、俺の寝顔を見たかったとか?……ありえそうで困る。

提督「まぁ…いいか、起きた時間はそんなに変わんねーし、なっ!」

曙「うわっ」

俺の鍛えられた腹筋は妹ごときが上に乗っていようと構わずに上体を起き上がらせることを可能にさせる。

そのまま勢いあまって転げ落ちないように曙を手で支えてやると、まるで座って抱き合っているかのような態勢になった。

曙「……おはようのキス?」

提督「いや、しねーよ」

曙「いーじゃん、減るもんじゃないのに」

提督「減るね、道徳的倫理観みたいな感じのそんなのが」

曙「ちぇー」

提督「さて、そろそろどいてくれ、俺はランニングをしなければならない」

曙「あ、先にご飯食べていきなよ、兄貴」

提督「ん?」

曙「軽く運動の前に摘めるようなの、作っといたからさ――」

入らなかった
あと言葉足らずだった、登場順にだんだんまともになっていく

>>+4

A.おおサンキュー。

B.いや、帰って食うよ。

C.…なんだ、お前が作ったのか?

B.いや、帰って食うよ。(*1.0)


提督「いや、帰って食うよ」

走る前に胃の中に物を入れたくない。

ましてや寝起きだ、いくら軽いといってもそれは辛い。

曙「冷めちゃうわ」

提督「別に気にせん、というか、冷めるものなのか?」

曙「…スープ、まだ寒いから、身体温めるついでに」

提督「お、そりゃ気が利くな、…ま、でもそんなら帰ってからでも温めなおせるだろ」

曙「……そうね」

少し思案するように上を向いて、やがて肯定の言葉を発して曙が俺の上から降りる。

どうやら諦めたようだ。

提督「…しかし、お前、何でわざわざこんな事したんだ?」

スマホを掲げると、曙は薄く笑って言った。

曙「起きたら朝ご飯がある、って兄貴を驚かせたかったの」

提督「……ふむ」

…なるほど。

それは中々にういやつである。

曙「……兄貴?」

ぽむぽむ、と。

曙の頭の上で掌を動かす。

なるほど、可愛い妹であった。

曙「…行かないの?」

提督「行くよ、行く行く」

そんなこともそこそこに。

曙に急かされ、玄関へと向かう。

こんな時の為にも寝る時点で既にジャージだ。効率的な俺は効率的に生きるのだ。

「……ま、嘘だけどね――」

部屋を出る前に、そんな声が聞こえる。

………。

………まあ、そうだろうなぁ。

さて、俺は寝てる間に何をされたんだろうかね。

…あんま考えたくはねえなあ、そんな事は。

参った参った、と首筋に手を当てると、その部分がやけにべたついているような気がして。

更にテンションが下がったのであった。



曙→  *19/500



【4月2週】


鬼怒「いっちにー、いっちにー」

提督「なあ、鬼怒ちゃん」

鬼怒「はい?どうしました?」

提督「いや、最初からしてるけどさ、その…ストレッチ?ダンス?…みたいなの…何?」

鬼怒「いえ、何だかこの動き落ち着くんですよー!」

提督「……い、意味は?」

鬼怒「…うーん…?」

提督「…そっか」

鬼怒「はい、そうです!」



曙    *19/500
満潮  **0/500
山城  **0/500
鬼怒  **0/500
摩耶  **0/500

>>+1-5のコンマに対応、一番高い娘とコミュ



提督「鬼怒ちゃんてさー」

鬼怒「はいはいー?」

少し前を走っていた鬼怒ちゃんが振り返り、ペースを落として横に付く。

何か呼んだらやってくるペットみたいで可愛い。飼いたい。…そんなことしたら間違いなく家族の反対を受けて屠殺されるだろうけれども。

提督「部活とかしてるの?」

鬼怒「はいっ!陸上部です!」

提督「そっかー」

特に面白味のない返答だった。なんというか予想通りであった。

いっその事カバディ部とか言ってくれりゃ良かったのに。

まあ、それはそれで反応に困るけども。

提督「部活の朝練とかは?」

鬼怒「流石にこの時間からはやってないみたいです!」

提督「…そりゃそうか」

こんな時間から走るのは老人か変人位のものであろう。

あ、全国の早朝ジョギンガーの方申し訳ありません。

提督「…つーか、これ終わってから部活の朝練出てるの?」

鬼怒「はい!鬼怒は体力が取り柄なので!」

提督「はえー…凄いね」

鬼怒「トレーニングの賜物ですっ!」

えへん、と器用に走りながら胸を張る鬼怒ちゃん。

ふむ、トレーニングウェアの上からでもわかるくらいには膨らみはあるのか。

………いかん、俺の観察眼はつい変な場所を捉えてしまう。

鬼怒「提督お兄さん、どうしました?いきなりこっち見て黙りこんで」

提督「…ん、ああ、いや――――」


>>+4

A.俺より体力あって凄いなあ、ってさ。

B.鬼怒ちゃんって可愛いよね。

C.…何でもない、走ろうか。

A.俺より体力あって凄いなあ、ってさ。(*1.0)


提督「俺より体力あって凄いなあ、ってさ」

鬼怒「それはどうも!何しろ体力だけが自慢ですから!」

提督「はは、さっきと同じようなこと言ってるね」

鬼怒「うーん、ボキャライブラリーが少ないんですよねぇー」

提督「……ボキャ…うん、まあ…そうだねぇ」

訂正しようとして、やめる。

まあライブラリーみたいなもんだし大体合ってるだろ、うん。

しかし――

鬼怒「さてさてー!ではペースを上げていきましょう、提督お兄さん!」

提督「はいよー、お手柔らかにな」

鬼怒「鬼怒、張り切って行きますよー!」

相変わらず癒やされる娘だ。可愛い。

別に姉と過ごすのも妹と過ごすのも幼馴染と過ごすのも苦痛ではないが…疲れるからなぁ、あいつらの相手。

ああ貴重。鬼怒ちゃんの存在ホント貴重。



鬼怒→  *43/500

寝る
曙ちゃんあかんかったか…すまんな
ありがとうございました

(兄貴さえいればなんとかなるだろうと思っている)脳天気で(兄貴に身の回りの世話を全て任せたいと思うほどに)だらしない(兄貴の行動を全て許容する)優しい妹曙ちゃん 何もおかしくないね
少しだけやります



【4月3週】


摩耶「なあ」

提督「はい?」

摩耶「LINE凄いことなってんぞ?」

提督「……あー…何も言わないでジュース買いに来たからなぁ」

『山城:――』

『山城:――』

『山城:――』

摩耶「…見ねえのか?」

提督「見ないです、既読付けたら返事しないと更に速度増すんで」

摩耶「………いや、何で冷静なんだお前」

提督「慣れてますからねー、んー…炭酸にしよう」ガゴン

摩耶「…慣れるのか」

提督「慣れます慣れます、全然もう楽勝っすよ」グビグビ

摩耶「……そ、そうか…」




曙    *19/500
満潮  **0/500
山城  **0/500
鬼怒  *43/500
摩耶  **0/500

>>+1-5のコンマに対応、一番高い娘とコミュ

申し訳ないここまでで


昼休み、自販機の前。

俺と摩耶さんは並んでジュースを飲んでいた。ちなみにカップのやつ。

提督「思ったんすけどね」

摩耶「ん?」

提督「仲良くなれば教えてくれるって言ったじゃないですか、留年のこと」

摩耶「……おう、言ったな」

微妙に間を開けて摩耶さんが答える。

…ふむ、留年とはっきり言ってしまったのがまずかったか。

まあいいや、続けよう。

提督「具体的にはどのくらい仲良くなれば?」

摩耶「…具体的につってもなあ」

摩耶「……正直、あれはあの場を誤魔化しただけみたいなもんだし」

提督「最初から教えてくれる気無かったんですか!?俺を弄んだんですか!?」

摩耶「…いや、そりゃそうだろ…面倒くさいなお前…」

提督「まあ、ですよね」

自分が留年して、その理由を初対面の相手に訊かれて教えるか?という話である。

あ、俺だったら物凄い恨みと脚色を交えて壮大に相手が嫌な気持ちになるように話すだろうけどね。…どうでもいいか。

とにかく…つまり、摩耶さんはあの時それをただやんわりと遠回りに断っただけなのだろう。

仲良くなったら教えてやる―なんて、いくらでも解釈しようがあるし。

摩耶「つっても、まるっきり嘘ってわけでもねえよ」

提督「…と言うと?」

摩耶「誰かに話したいってのは本当なんだよ、話す相手がいないだけで」

提督「……?」

摩耶「端的に言うと、不幸な身の上を語って同情されたいんだよ、アタシはな」

提督「…ははあ」

なるほど。留年の経緯を話して自分がいかに可哀想か語りたいと。…そういうの、山城がよくやる手だな。

ちなみにその場合は思い切り抱き締めて慰めてあげると山城が懐くぞ。

摩耶「だから、是非ともアタシが話しをしてもいいって思えるくらいまで仲良くなってくれよ、提督」

提督「………」

摩耶さんが俺に笑いかける。


>>+4


A.はっは、嫌です。

B.なるべく頑張ります。

C.そんな面倒なことせずとも、今すぐでも聞きますよ?

C.そんな面倒なことせずとも、今すぐでも聞きますよ?(*1.5)


提督「そんな面倒なことせずとも、今すぐにでも聞きますよ?」

摩耶「………お前なあ」

提督「さあさあ、可哀想な摩耶さんの不幸な身の上話を語っておくんなさい!いくらでも同情しようじゃないですか!」

大袈裟な、芝居がかった動作でそう言ってやると、摩耶さんはその笑みを苦々しげな物に変えた。

摩耶「…はは、何だその反応は……はーぁ、やっぱ変な奴だなぁ、お前…」

提督「そうっすかね?」

そうだよ―と、空のカップをゴミ箱へ投げる。

綺麗な放物線を描いて飛んでいったカップは、しっかりとゴミになりその天寿を全うした。

提督「おー」

ぱちぱち、軽く拍手。

摩耶「どーも」

やはり摩耶さんは苦笑いのまま、軽く手を上げて俺の拍手に応えた。

提督「…さて、俺も…」

丁度俺もジュースを飲み終わった。

此処であのゴミ箱への遠投をやらなきゃ男が廃るというもの。

狙いは―よし、少年時代に「アンタ、野球だけはやめた方が良いわ」と姉に言われたコントロール、とくと見よ。

摩耶「あ、おいお前、確か氷入りを買って――――」

提督「え?」

――が。

そもそもコントロール以前の問題であった。

カップには確かに液体は入っていない。

しかし、固体が入っていた事をすっかり忘れていた。

俺の手から離れた瞬間、カップは氷を盛大にぶちまけながら宙へと舞う。

結果、自販機前の廊下は中々に北国テイストになってしまったのであった。

提督「………摩耶さん」

摩耶「手伝わねーぞー」

提督「ですよねぇー…」



摩耶→  *27/500



【4月4週】


満潮「…提督、疲れた」ギュー

提督「お疲れ様、…今日はどうしたの?」

満潮「……飲み会、行きたくなかったけど」

提督「ああ、それで酒臭い……そっか、大変だったね…あ、ウコン冷蔵庫に入ってるよ」

満潮「さんきゅ、あー…面倒くさいわー…ほんと、バカしかいないのよ、大学って」ギュムー

提督「…姉さん、微妙に苦しい」

満潮「んー…もうずっとこうしてたいわー…提督好きー」

提督「…ぐぐぐぐ」



曙    *19/500
満潮  **0/500
山城  **0/500
鬼怒  *43/500
摩耶  *27/500

>>+1-5のコンマに対応、一番高い娘とコミュ


満潮「…何してんの、提督?」

提督「ああ、姉さん」

居間の奥、仏壇に供えた水を変えようとしたところ、後ろから飛んできた声。

振り向けば、満潮姉さんが立っていた。

提督「今日、一応母さん達の月命日だから…せめて水くらいね」

仏壇に置かれたコップは、すっかり中身も干からびていて、それどころか所々にカビが生えている有り様。

我が家の人間の信心の薄さが窺い知れるというものである。

満潮「ん、今日だっけ」

提督「うん、さっき思い出した」

満潮「そっか、手くらい合わせとこうかな」

提督「そうしなよ…って、あ、線香が無い」

満潮「それだけ鳴らしときゃいいのよ、とりあえず」

ちーん、と鈴を適当に叩く。そこに死者に対しての思い入れなど皆無である、と言わんばかりであった。

そして、乱暴に二度、手を叩く。…いや、

提督「姉さん、そりゃ神様に向けるもんだよ」

満潮「あら、そうなの?」

提督「そこまで行くともう常識の範囲だと思うけどね…葬式行ってそんな事しないでよ?」

満潮「はいはい、心配症ね」

提督「いや、心配症つーか」

満潮「……うっさい、大丈夫だってば」

姉は俺の言葉を遮って、遺影を見上げた。

満潮「それにしても…あれからどのくらい経ったっけ?」

提督「…5年…6年位になるかな?」

満潮「そう……そんなにも経つのね」

提督「…そうだねぇ、そのくらい」

満潮「………私達も…あの時までは、普通だったのかしらね」

提督「何さ、普通って」

満潮「普通は普通よ、異常じゃないこと…例えば、今の曙みたいな」

提督「……俺は、姉さんの事も曙のことも好きだから」

満潮「…いっそ、嫌ってくれればよかったのにね」

だから、私もあの子も―と、仏壇から視線を外し、天井を見上げた。

満潮「曙と私、実際には大差無いのよね、きっと…ちょっとだけ私が年食ってて、ほんのちょっと自分を抑えられるってだけ」

提督「…姉さん」

満潮「ねえ、提督」

提督「うん?」

満潮「好きよ」

姉は、真っ直ぐと俺を見てそう言った。

その言葉には、色んな想いが詰まっているようで。

質量なんて無いはずのただの音波が、何故か少しだけ重く感じた。

>>+4


A.…水、変えてくる。

B.…俺も。

C.はは、俺は曙の方が――

A.…水、変えてくる。(*1.0)


提督「……水」

満潮「…水?」

提督「…水、変えてくる」

満潮「……ああ、そういえば…それが目的だっけ、元々」

提督「…うん」

姉さんの横を通り抜けて、仏間の出口へ。

背後では、ちーんちーんとやたら鈴が鳴っていた。

どうやら気に入ったらしい。罰当たりなのでやめて欲しい。

満潮「…………ねえ」

提督「……ん?」

仏間と廊下の仕切り辺りで、姉が俺を呼び止めた。

振り向いてみれば、姉はまだ仏壇を見ている。

満潮「――――――――」

提督「姉さん?」

小さな声がした、が…全く聞こえない。

ごめん、もう一度――と言いかけた言葉は、しかし姉に遮られる。

満潮「…ごめん、何でもない」

そして、姉はそう言ってまた鈴を鳴らし始めた。

だからお行儀が悪いっつーに。

提督「……うるさいからそれ、ほどほどにしてね」

満潮「はいはい」

…ふーむ。

ちんちんちんちんうるさい。あのまま坊主ロックでも始めなきゃ良いが。

新感覚坊主ロック般若心経。…無いな、うん。

そんな益体も無いことを考えながら、俺は台所に向かったのであった。





「――――そばにいてね、ずっと、いつまでも」


満潮→  *55/500



【5月1週】



曙「…………ぐぅ」

提督「…………」

本日は我が愛しのぼろスマホはしっかりとおはようのメロディーを奏でてくれた。ありがとう。

しかしだ。

何故か隣に妹が寝ていた。

それなんてえろげ。

提督「………」

曙「………んー……すぴー…」

ああ、よく寝ている。

寝る子は育つ。しっかり寝てしっかり育ちなさいな、曙や。

さー、今日も元気に走りましょうか、うんうん。

提督「…んが」

そして立ち上がろうとして―気付く。

めっちゃしっかりと服の裾を妹に握られていることに。

……ぐう。



曙    *19/500
満潮  *55/500
山城  **0/500
鬼怒  *43/500
摩耶  *27/500

>>+1-5のコンマに対応、一番高い娘とコミュ



鬼怒「………むにゃ」

提督「おーいー、鬼怒ちゃーん」

鬼怒「…はっ!?お、おはようございます!提督お兄さん!」

提督「はいおはよう、ていうか今走ったまま寝てなかったかい君」

鬼怒「…ん、それは…いけないですね、ちゃんと走らなきゃ!」

提督「そこじゃない、突っ込んだのはその部分じゃないよー」

鬼怒ちゃん、中学○年生、1○歳。

特技は走りながら寝る事。時間を節約できます。

…あ、○で隠したのには別に意味は無いぞ、こう、IVみたいな感じを出そうなんてつもりは毛頭ない。

ちなみに彼女は2年生だ、俺と一緒。うふふ。ごめん。

鬼怒「………くぅ」

提督「ってこら、起きなさい」

鬼怒「はっ」

さてさて。

即ゴミ箱行きの思考を張り巡らせていたらまたこの子寝てたよ。

雑技団にでも入ったらどうだろうかとおすすめしたい。だって寝てるはずなのにペース落ちてないもん。怖っ。

提督「…しかし、随分疲れてるね?」

鬼怒「ふぁい…あの、遅くまで宿題を…」

提督「へえ、宿題」

鬼怒「鬼怒はバカですから、時間が掛かるんですよね…特に数学は苦手なんですよー…」

時間が掛かるのにしっかりと宿題をやり切って、その上このランニングもしっかり参加…。

やだこの子凄く良い子。義務教育中に宿題をすることの無意味さを解くのはやめよう、この子が汚れる。

提督「ちなみに、何時に寝たの?」

鬼怒「1時です」

提督「…………」

やだこの子良い子…。

鬼怒「提督お兄さん?」

提督「あ、…うん、そりゃ寝不足だねー」

鬼怒「はい、いつも12時までには絶対寝てるんですけど…ふぁぁ」

なんだろ、もう欠伸をする姿まで可愛く見える。

―が、その時であった。

鬼怒「わ、た――っ!?」

いかに鬼怒ちゃんといえども、そう何度も寝走りは通用しないらしい。

バランスを崩して、前のめりにつんのめった。

俺は――


>>+4

A.「大丈夫?」と鬼怒ちゃんを抱き寄せた。

B.ジャージの襟を掴んで鬼怒ちゃんを救出した。

C.あ、間に合わねーこれ。

A.「大丈夫?」と鬼怒ちゃんを抱き寄せた。(*1.5)



鬼怒「わ――…あ、れ?」

提督「大丈夫?」

勿論イケメンな俺はしっかと鬼怒ちゃんを抱きとめる。

…うわめっちゃ腰に来た、めちゃくちゃ痛いんだけどこれ。

なんて感情はおくびにも出さない。頼れるお兄さんであるからな。

つーか鬼怒ちゃん柔らかっ。

鬼怒「あ…提督お兄さん」

提督「走りながら寝ると危ないよ、鬼怒ちゃん」

俺に向かって振り向いた鬼怒ちゃんに言う。

…尤も、君以外には出来ない芸当だろうけどね。

とは言わない。言っても理解してくれないだろうし。

鬼怒「え…あ、ええっ!?」

俺の顔を認識して、その後に自分の状態を確認した鬼怒ちゃん。

すると、此方に向けていた顔がみるみるうちに真っ赤に染まった。

鬼怒「は、離して下さいーっ!」

提督「わっ」

ばばっ、と。

手際よく俺の腕を解いて自らの足で大地に立つ。

鬼怒「…あ、……ご、ごめんなさい!助けてもらったのに…」

提督「いやいや、良いよ良いよ、こっちこそごめん、緊急時とは言えデリカシーが無かったね」

鬼怒「い、いえっ!え、えと、あ…そ、その、…き、鬼怒にはまだそういうのは早いですっ!」

提督「へ?」

―どういう意味だ、と問おうとしたが。

鬼怒「だから…えと、あ、あの、ごめんなさいでしたっ!」

一度、思い切り俺に頭を下げて。

すぐにその姿は超スピードで遠ざかっていく。

提督「…ま、とりあえず目が覚めたみたいで良かった良かった」

…………ああ、良い子だ。すげー純粋。

慌てて咄嗟に言葉が出ないところとかマジグッド、うん。

提督「さって、と」

俺も、ゆっくりと走り始める。

生憎、この日はもう鬼怒ちゃんに会う事はなかったが――

俺の鬼怒ちゃんに対する好感度はまた上がったのであった。



鬼怒→  101/500



【5月2週】


山城「………提督」

提督「…なんだ、この世の終わりみたいな顔して」

山城「……お弁当、忘れたの」

提督「…つーと…昼飯か?」

山城「ええ…一生懸命、今日も、一生懸命作ったのに…」

提督「……あー…」

山城「ごめんなさい、ごめんなさいね、提督、あのね、忘れてたわけじゃないの、貴方の事を想って、一生懸命作ったの、でもね」

山城「…でもね…ああ、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい提督、私、貴方に」

提督「大丈夫、お前が俺の為に飯を一生懸命作ってきてくれてんのはちゃんと知ってるって」

山城「提督…」

提督「昼は購買のパンでも軽く食ってさ、放課後お前の家で弁当食えばいいだろ、な?」

山城「…で、でも…だって、お昼、お腹すくし…そしたら、弁当食べる時間は中途半端になるし…」

提督「お前が折角作った弁当だ、食うよ」

山城「提督ぅ…………」ギュムー

提督(……こんな事してっからクラスで浮くんだろうなー)



曙    *19/500
満潮  *55/500
山城  **0/500
鬼怒  101/500
摩耶  *27/500

>>+1-5のコンマに対応、一番高い娘とコミュ

あかん眠い
ここまでで
ありがとうございました



鬼怒「こ、この前はっ!」

提督「うおっ」

何か最近鬼怒ちゃん元気ねえなー、なんて。

そんなことを考えながらのランニング中。

いきなり鬼怒ちゃんが立ち止まったと思ったら、大きな声をあげた。

鬼怒「この前は、ごめんなさいです、お兄さん!」

提督「…この前?」

鬼怒「た、助けてもらったのに…あの、お兄さん突き飛ばしちゃって、その上、ろくにお礼も言わずに…」

提督「……ん、ああ」

この前ね。この前この前。

俺が鬼怒ちゃんを抱き締めて姫、お怪我はありませんかキリィってやった時ね。脚色?してないしてない。

提督「いやいや、あれは俺も不必要なまでに接触してしまったし」

鬼怒「お、お兄さんは悪くないです!」

鬼怒「鬼怒は…えと、あまり、というか全く、男の人にああいう事をされたことがない、から…ちょっと、頭がぶわーってなって」

鬼怒「だ、だから…ごめんなさいでした!それと、助けていただきありがとうございましたっ!」

慇懃、というよりは必死という様相で。

鬼怒ちゃんが深く頭を下げた。

提督「…大袈裟だなあ、鬼怒ちゃんは」

鬼怒「…あ」

まあそんなに頭見せられたら撫でたくなるよね。

というわけでその頭をぽんぽんと叩く。

あ、仲良くない人が頭を触ると嫌がる人の方が多いからこれをやるのには注意が必要だぞ。

つっても俺のようなイケメンは許されるがな、嘘だけど。

提督「気にしない気にしない、俺も気にしてないからさ、ね?」

鬼怒「……ありがとうございますっ!お兄さん!」

提督「わっ」

いきなり下げた頭をどがーっと上げる鬼怒ちゃん。

その拍子に手がふっとばされた。ちくしょう。

鬼怒「やっぱり、お兄さんは優しいです!」

提督「んな事ないってば…」

満面の笑顔を俺に向ける。

眩しくて直視が難しいレベルの純粋さである。

…さて、何と返したものか。


>>+4


A.…・さ、走ろうか。

B.てい。ほっぺたぷにー。

C.……あ、あいたたたた!この前突き飛ばされた拍子に痛めた腰が急に…!

A.…さ、走ろうか。(*1.5)


提督「…さ、走ろうか、鬼怒ちゃん」

鬼怒「がってんしょうちです!走っちゃいます!」

と、威勢良く宣言したものの。

鬼怒ちゃんのペースは遅い。

いつもは俺の少し先をゆく彼女が、隣にぴったりとくっつくようにして走っている。

提督「…今日はゆっくりなんだね?」

鬼怒「は、はい…ゆっくり走りたい気分、なんです」

提督「そかそか、まあ、鬼怒ちゃんがいいならそれでいいよ」

鬼怒「…ありがとうございます、提督お兄さん」

俺も、そんな鬼怒ちゃんにつられた、というわけではないが。

少しペースを落としてみたりして。

そんなこんなで今日のランニングが終わったのは、いつもより遅くなってしまったのだった。



鬼怒→  122/500



【5月3週】


鬼怒「雨ですね」

提督「雨だねー」

レインコートですっぽりと身体を覆い。

ぱしゃぱしゃと足元を濡らしながら。

雨の中でも走り続ける俺達。

陸上部も真っ青の走りにかける情熱である。

鬼怒「でも、鬼怒はこんな日も結構好きです」

提督「そうなの?」

鬼怒「はい、水たまりをぱしゃぱしゃするの、楽しいですから!」

提督「…小学生みたいだなあ」

鬼怒「だって、楽しいですよ?」

提督「…やらないよ?」

鬼怒「楽しい、ですよ…?」

提督「…や、やらないってば」



曙    *19/500
満潮  *55/500
山城  **0/500
鬼怒  122/500
摩耶  *27/500

>>+1-5のコンマに対応、一番高い娘とコミュ



提督「にしても、アレっすね」

摩耶「目的語はしっかり指定してくれよ、全然わかんねーってば、その言い方じゃ」

提督「アレはアレっすよ、アレ」

摩耶「…はぁ、…お前と話してると頭痛くなるぜー…」

自販機前の廊下。

いつの間にか、此処で彼女と話すのが日常になっていた。

仲良くなれたかどうか…と言うと、微妙であるが。

摩耶「で、なんだよ」

面倒臭そうに訊き返す。

なんだかんだ言って、さっきの俺を無視しない辺りこの人は良い人だと思う。

提督「いえ、はぐらかされたままにされてる話題って気になりません?」

摩耶「……まーだ言うのか」

提督「ですよですよ、もう俺達は十分仲良くなったじゃないですか、飲み友ですよ飲み友」

摩耶「ジュース飲んでるだけだろがってーの」

提督「ちぇー、まだ足りませんか、好感度」

摩耶「そんなゲームシステムみたいな言い方すんなよな」

提督「わかりやすいじゃないですか」

摩耶「…お前なあ…」

はぁ、と息を吐く。この人いつも溜息吐いてるな、…俺のせいか。

摩耶「だいたい、仲良くなったっつっても此処で意味も無い事話すだけじゃねーか」

摩耶「教室ではいつも…山城だっけか?とくっついてるしよ、お前」

提督「摩耶さんが話したいならお話しますよ、いつでも」

摩耶「やーだよ、あいつ近づいたら睨んでくるじゃねーか」

提督「ふむ、確かに」

…なるほど、確かに俺は摩耶さんと十分に仲良くなっていないのかもしれない。

しかし、仲良くなるといってもどうすれば――――


>>+4


A.敬語がいけないのかもしれない、おい摩耶ァ!これでどうだァ!?

B.よし、少しフレンドリーに会話してみよう。

C.……肉体的スキンシップが足りないじゃないのか…!?

B.よし、少しフレンドリーに会話してみよう。(*1.5)


提督「摩耶さん」

摩耶「あんだよ」

提督「敬語やめていいですか?」

摩耶「…ん?…ああ、そりゃ別に構わねーけど、どうしたいきなり」

提督「いえ、原因を探ってて…やっぱ、このいつまで経っても敬語ってのは、仲良くなれない一因だと思ったんすよね」

摩耶「……まあ、確かに…壁、みたいなもんを感じるとは思ってたけどさ」

提督「でしょう?というわけで…えー…あー…摩耶」

摩耶「…お、おう」

提督「こんな感じで良いか?」

摩耶「……い、いいぜ、うん」

提督「何照れてんだ?」

摩耶「…あ、いや、うん、なんか、照れる」

提督「変な奴だなぁ」

摩耶「お、お前には言われたくねーって」

提督「はは、確かに、俺もそう思うよ」

摩耶「……そ、そうか」

提督「だから何で照れるんだよ」

摩耶「…いや…何でだろ、違和感的なアレが…違和感で…うん」

提督「…ま、慣れてくれ」

摩耶「……つーか何でお前はそんなに普通なんだよ」

提督「はっは」

摩耶「笑って誤魔化すな!」

やはり。

仲良くなるには、タメ口が一番であったのだった。

…仲良くなったのかこれ?



摩耶→  151/500

PC重いから再起動ついでに休憩



【5月4週】


『えー…あの子は相変わらず…かしら?』

提督「はい、そりゃもう」

『……ごめんなさい』

提督「……まあ、謝られても…」

『悪いとは思ってるのよ、ええ、悪いとは』

提督「確かに、貴女も大変だったんだろうなぁ、とは思いますが」

『…ごめんなさいね』

提督「…はぁ、あ、夏休み――」

『サークルの合宿があるの、あとバイト』

提督「………そっすか」




曙    *19/500
満潮  *55/500
山城  **0/500
鬼怒  122/500
摩耶  151/500

>>+1-5のコンマに対応、一番高い娘とコミュ



鬼怒「るーるーるーん♪」

提督「ご機嫌だね、随分」

あれから、すっかり俺の横が定位置になった鬼怒ちゃん。

今日は鼻歌交じりで、やけに楽しそうに走っている。

鬼怒「はいっ、中間テストが良かったです!」

提督「お、そうなの?」

鬼怒「いつもは全然ダメなんですけど…今回は勉強した所がばっちり出たんです!」

提督「おお、そりゃおめでとう」

鬼怒「えへへー、半分超えたんですよー!」

提督「ちなみにいつもはどのくらい?」

鬼怒「………まあ…下から数えたほうが早い、とだけ」

提督「そっかそっか、うんうん」

よし、深入りやめー。

空気の読める優しいお兄さんになろう。

提督「…でも、頑張ってるよね、鬼怒ちゃん」

鬼怒「…はい?ど、どうしたんですか、いきなり」

提督「いやいや、このランニングにしたって、宿題にしたって…なんだって頑張ってるじゃん、鬼怒ちゃんは」

鬼怒「い、いえ!出来る事をやってるだけですよ!」

提督「…そっか、じゃ、そういうことにしとこう、うん」

本当に、この子はいい子だと思う。

ひたむきで、真っ直ぐな。…加えて言うなら、俺の周りには中々いない人種。

見てるだけで癒される。うむ。

鬼怒「………あ、あの、お兄さん」

提督「うん?」

鬼怒「え、えと…じ、実はですね」

提督「うんうん、どしたの?」

鬼怒「こ、今度…陸上の大会があるんです」

提督「ほう、大会」

鬼怒「それで…で、できたらお兄さんに応援に来て欲しいなー…なんて」

提督「…応援、応援なあ…つっても、俺が行ったところで」

鬼怒「て、提督お兄さんがいたら!が、頑張れると思うんです!何となくっ!」

提督「…んー…」

陸上の大会かぁ。

あんま人集まる場所って好きじゃないんだよな――


>>+4

A.……行けたら行くよ。

B.…わかった、任せなさい。

C.大丈夫だよ、鬼怒ちゃんなら。

B.…わかった、任せなさい。(*1.5)


…ま、優しいお兄さんである俺は勿論引き受けるがな。

思えば遠くに来たものだ、最初は絶対に関わらないと誓った程なのに。…あ、もしかしてあれフラグだったのか?

提督「…わかった、任せなさい」

鬼怒「ほんとですか!?」

提督「ああ、しーっかり応援してあげるよ」

鬼怒「ありがとうございます!お兄さん!」

両手を挙げて喜びを表す鬼怒ちゃん。

…前から思ってたんだけどそのポーズ好きだよね君、ストレッチ?でもやってるし。

どうでもいいか。うん。癖なのかもしれないし。

提督「…で、その大会ってのはいつ?」

鬼怒「あ、はい、えっと…」

立ち止まって、ポケットからスマホを取り出す。

流石に携帯使う時くらいは止まるらしい。それとも前回の反省を踏まえたのだろうか。

鬼怒「――日ですね」

提督「――日ね、了解」

俺も何となくスマホのスカスカのカレンダーにそれを記入してみたりする。

すると、そんな俺をじーっと鬼怒ちゃんが見ていた。

提督「…どしたの?」

鬼怒「あ、え、えーっと…ら、LINEやってますか?」

提督「…ん、ああ…ちょっと待って、今QR出すから」

鬼怒「…あ…は、はいっ!」

………本当に。

思えば遠くに来たものだ、である。




鬼怒→  252/500



【鬼怒―その1】


「わー!」

家に帰ってくるなり、玄関で大声を出す。

母親のうるさいわよーと台所で言う声が聞こえた。

ついに言ってしまった。

絶対不自然だ、絶対不自然に思われたと思う。

いきなり陸上の大会に来てくださいなんて、わけわかんないよね。

でも鬼怒にもわけわかんない。うんうん。わけわかんない、うん。

お兄さんがいたら、…いてくれたら、その方が、良いタイムが出そうだった、なんて。

わけわかんない、よね。

「うー……」

今度は玄関にへたりこむ。

父親の何やってんだお前という声が聞こえた。

お兄さんは来てくれるかな?

来てくれると…いいな。

「わっ!?」

そんな時、ポケットが震える。

取り出してみると、LINE通知。

『鬼怒ちゃん、ちゃんと届いてる?』

……お、お兄さん!?

わ、わぁ、な、なんて返そう、何て返せば良いのかな。

届いてますよー…は、ありきたりすぎるし。

今日はありがとうございました?…い、意味分かんないなぁ、これじゃあ。

「うあー…わかんないよー……」

結局、30分もかけて、『はい』とだけ返したのでした。

ううー……。

ふ、扶桑姉様はちゃんと大学生活を満喫してると…いいね

【6月1週】


満潮「……雨ね」

提督「そうだね」

満潮「止まないかな」

提督「今週はずっとだって」

満潮「ふーん」

満潮「…ねえ、傘借りていい?」

提督「へ?傘?いいけど、何で?」

満潮「あんたの傘がいいの」

提督「……」

満潮「…沈黙は肯定、ね」

提督「…壊さないでよ」

満潮「大丈夫よ、安心なさいな」



曙    *19/500
満潮  *55/500
山城  **0/500
鬼怒  252/500
摩耶  151/500

>>+1-5のコンマに対応、一番高い娘とコミュ


満潮「質問なんだけどさ」

提督「ん」

風呂上がり、ソファーで寛いでいると。

俺の後に風呂から上がった姉さんが、隣に座ってきた。

そして、唐突に言う。

満潮「あんた、彼女とかいるの?」

提督「……いない、けど」

満潮「本当?」

提督「…うん」

質問の意図は読めなかった。

ただ否と答えると、姉さんはそれにふぅん、と気のない声を出した。

満潮「……出来たら、報告しなさいよ」

提督「…姉さんに?」

満潮「ええ」

提督「…………」

どういうことだろうか、ホントに。

何かプレッシャーを感じるぞ。圧迫面接ってやつかな。

満潮「…勘違いしないで、相手を害そうとかそういう意図は無いわ」

提督「…え、そうなの?」

満潮「何で意外そうな顔するのよ」

あのねぇ、と姉さんが顔を突き出す。

満潮「確かに私はあんたの事が好きだけど、流石にそこまではしないわよ」

提督「……いや…まあ、そう、だよね、うん」

…驚いた、姉が割りと正常な思考の持ち主ということに。

なんて言ったらとても失礼だけども。

満潮「というかそんな事してたら、ただのサイコパスじゃない」

提督「…だよね、一般的には」

満潮「……ま、約一名やりかねない妹もいるけどさ、…そうそう、あの子には黙っとくのよ?」

提督「…ん、はい」

…曙は…確かに本当にそういうことをやりかねない、…なんてのは、ただの想像だけど。

満潮「……ねえ、ちょっとアッサリしすぎてるって思った?」

提督「え、あ…うん」

満潮「でしょうね…ま、本当に思ってるのよ、別にあんたに彼女が出来ようが、それはそれで構わないって」

満潮「…ただ――」

と、一度言葉を切り、にっこりと笑顔を浮かべて此方を見る。

満潮「この先、聞きたい?」

>>+4

A.聞きたい。

B.…そこまでは。

C.あーにーきー!

B.…そこまでは。(*0.5)


提督「…別に、そこまでは」

満潮「あ、そ」

つまらなそうな声を出した。

そのまま俺から離れて、立つ。

提督「寝るの?」

満潮「レポートしなきゃ、ね」

提督「…そっか、おやすみ」

満潮「はいはい、おやすみ」

ばたん、とリビングの扉が閉まって、姉が遠ざかっていく。

提督「…………」

続きを聞きたいか、と言った時に見せた笑顔。

あれが、どうしても頭から離れなかった。

「あーにーきー!」

提督「…曙、身体くらいちゃんと拭け、まだ結構濡れてるぞ」

「急いで来たのよ、良いじゃない!」

提督「…………はぁ」




満潮→  *70/500



【6月2週】


提督「……雨」

曙「雨ねー、ウザいわホント、ふらなきゃいいのに」

提督「まあそういうな、たまには降らないとな、晴ればかりでも面白くない」

曙「…面白いの?雨」

提督「風情がある…かもしれないだろ?」

曙「…ふーん、兄貴が言うなら、そうなのかな」





曙    *19/500
満潮  *70/500
山城  **0/500
鬼怒  252/500
摩耶  151/500

>>+1-5のコンマに対応、一番高い娘とコミュ

今日はここまで
ありがとうございました

今日の試合めっちゃおもろかった
やっぱ野球って最高だわ
始めます



満潮「や、提督」

提督「姉さん?…入るならノックくらいしてよ」

満潮「そう目くじら立てないの」

部屋でだらんだらんと過ごしていたらば、その平穏を無遠慮に破る姉がいた。

平穏の破壊者は何の躊躇いも見せずに、ベッドで寝る俺の横に同じ様に転がった。

そして、眉を寄せて一言。

満潮「シーツ、洗ったら?汗臭いわよ結構」

年頃だし仕方ないのかもしれないけど―と横になった姉が続ける。

提督「…はいはい、今度の休日にでも洗うよ、…で、何?」

満潮「邪険にしないでよ」

転がった姉が、俺との距離を詰める。

詰められた分だけ距離を取ろうとしたが、生憎後ろは壁。

俺の努力は虚しく空振り、姉の顔が大きくなっただけだった。

提督「…姉さん、ホントに何の用?」

満潮「別に、ただ提督とこうしたかっただけ、疲れたから」

提督「………」

満潮「そんな顔しないでよ、もう…今日は少し機嫌悪い?」

提督「…そういう訳じゃ」

満潮「良いじゃないの、じゃあ」

もう一つ近づいて。

そして彼女は何でも無い事のように、そのまま唇を触れさせた。

触れるだけ、ただそれだけのキスだった。

提督「…姉さん」

満潮「今日は嫌なことがあったの」

提督「嫌なこと、って」

満潮「提督以外に触れられた」

提督「……大学で?」

満潮「そう、変な男だったわ、顔も覚えてないけど、死ねって言ったらどこかに言った」

提督「………」

本気で気持ち悪そうに、両手で肩を抱いて姉は言う。

俺は――


>>+2


A.…そっか、なら仕方ないね。

B.…それだけで?

C.……あんまりそういう事を言ったらダメだよ、姉さん。

A.…そっか、なら仕方ないね。(*1.5)


提督「…そっか、なら仕方ないね」

満潮「………くっ、はは、あははっ!」

俺の返答の後、ややあって姉さんが笑う。

心の底から可笑しそうに。

満潮「…やっぱ、あんたもおかしいわよね、大概」

提督「そうかな」

満潮「そうよ、曙のことだって、隣の…なんだっけ、なんとかって子のことだってそう」

満潮「私よりも、曙よりも、その子よりも……あんた自身が一番狂ってるわ、多分」

提督「…俺はまともだと思うけど」

―少なくとも、姉さんよりは。

そう続けると、やはり彼女は笑みを漏らしながら言った。

満潮「そ、まあ、そう思ってんならそれでもいいわよ、別に」

満潮「だから―変わらないでね、そのままで、狂ったままでいて、提督」

提督「…姉さん、あのね――」

反論しようとした言葉は、再び触れた姉の唇によって遮られる。

満潮「……続けて?」

提督「いや…良いよ」

それになんだか、続きを言う気を無くして――結局、姉が満足するまでされるがままになっていたのだった。



満潮→  146/500



【6月2週】


鬼怒「どうしましたか、お兄さん」

提督「……ん?」

鬼怒「いえ、何だか少し今日は顔が怖いです」

提督「…おお、鬼怒ちゃんナイス洞察力だねぇ…」

鬼怒「嫌なことでもあったんですか?」

提督「いや…何だろ、嫌なもん…見せられた、っつーか、そんな感じ」

鬼怒「と、とれたて新鮮のゴキブリホイホイの中身とか…?」

提督「…そりゃ確かに嫌だなあ」



曙    *19/500
満潮  146/500
山城  **0/500
鬼怒  252/500
摩耶  151/500

>>+1-5のコンマに対応、一番高い娘とコミュ



満潮「おかえりー」

提督「……………」

部屋に入ると、姉が居た。

なぜだ。

というか学校はどうした。

満潮「サボり、授業全部すっぽかしちゃったわ」

提督「……ご親切にどうも」

どうも顔に出ていたらしい。

しっかりと俺の疑問に答えてくれた姉。あー優しい。

提督「で、何で俺の部屋に?」

満潮「一人でぼーっとしてたら寂しくなったから、いけない?」

提督「…だったら学校行きなよ」

満潮「あら、行ったって一人よ?」

提督「…そんな宣言しないで欲しかった」

満潮「ふふ、そう」

提督「………姉さんさ、いくらなんでも友達の一人くらい――」

満潮「そんな事する必要無いわ」

ベッドに寝転がっていた姉さんが立つ。

そのまま俺の方に歩いてきて、目の前で止まった。

満潮「だって、あんたがいるもの―いや、あんたがいれば、私はそれでいいもの」

その言い換えに何の意味があるというのか。

俺はただ、真っ直ぐに此方を見る姉から目を逸らした。

満潮「……この前の話の続き」

提督「……?あ、ああ…」

満潮「あんたが彼女を作ろうが何しようが、私はそれでいいと思う」

満潮「それはあんたの勝手だし、私が口を出すことじゃないからね」

満潮「でも―私を捨てないで」

提督「捨てる、って」

満潮「側にいさせて欲しいの、それだけ叶えてくれれば、なんでもいい」

満潮「…もし、あんたがそれを拒んだなら」

言葉を切って、姉が手を伸ばす。

何を―と思えば、その手で背けた俺の顔を、無理矢理真っ直ぐに向き直させた。

満潮「死ぬわ、私は」

そして、笑った。

無邪気な笑みだった。そう、無邪気な。


>>+2

A.…何言ってんだよ、意味分かんないよ姉さん。

B.…大丈夫だよ。

C.…………何て言えばいいんだろう。

B.…大丈夫だよ。(*1.5)


こんな時の正答は、一つだけ。

少なくとも、俺はそれしか知らない。

提督「…大丈夫だよ」

優しい言葉を言って抱き締める。

そうしてきたのだ、今までは。

満潮「………ふふっ」

それでいい、とでも言わんばかりに。

姉さんが俺の頬に手を伸ばした。

柔らかい手だった。

満潮「…ま、こんな事一々宣言しなくたって、あんたはそのままなんだろうけど」

満潮「はーぁ、…明日は行こうっと、あのつまらない場所」

提督「…それは何よりだよ、頑張って」

満潮「頑張るほどのものでもないわ、ただ我慢するだけよ」

提督「……そう」

満潮「じゃね、今日はありがと」

回した手の中から姉がスルリと抜ける。

そのまま俺の横を通って廊下へと向かっていく。

なぜだか、その背中を呼び止めたくなって。

提督「ねえさ――」

曙「ただいまー、あー兄貴、プリン買ってきたわよー、プリン」

…しかし、それはタイミング良く帰ってきた妹によって邪魔されたのであった。



満潮→  153/500



【6月3週】


提督「まあ、俺が悪いってのはわかってんだけどさあ」

摩耶「何だよいきなり」

提督「……俺が悪いんだろうなあ」

摩耶「勝手に納得して話進めてんなよ、全然こっちは理解してないぞ」

提督「独り言だよ、気にすんな」

摩耶「じゃあ気になるような話し方すんなよな!」

提督「てへぺろ」

摩耶「舌出してんじゃねえよ、気持ち悪ぃ」

提督「…くすん」

摩耶「……一段と面倒くせえなあ、今日は」



曙    *19/500
満潮  153/500
山城  **0/500
鬼怒  252/500
摩耶  151/500

>>+1-5のコンマに対応、一番高い娘とコミュ



曙「おかえりー」

提督「…………」

既視感。いわゆるひとつのデジャヴュ。

そんな物を感じていた。

うちの姉妹は俺の部屋を侵略するのが好きなのだろうか。

…さて、とりあえず今考えるべきは。

何であの妹服来てねーんだろう、ということであろうな。

まだ下着で過ごすには少し寒い…ってこともないが…、女の子としてあの格好はどうなのだろう。

提督「なあ、曙」

曙「なにー?」

下着姿でゴロゴロと俺のベッドを転げまわりながら、面倒くさそうに曙が返事をする。

提督「その格好は何だ」

曙「制服脱いだらその後服着るのめんどくなったのよ」

言われてみれば。

床には曙の中学の制服が散らばっていた。

…畳めよ。

提督「…そうか、では何故俺の部屋に?」

曙「部屋間違えたの、ごめんね」

提督「…………」

絶対嘘である。これほど分かりやすい嘘もない。

提督「あー…まあいいや、そんじゃ出てけ」

曙「動くのめんどいわ」

提督「お前そればっかりだな、いいから出てけって」

言いながら制服を拾い、ハンガーに引っ掛ける。

しわしわよれよれの制服で出歩く妹なぞは見たくない兄心である。

曙「部屋まで運んでよ、兄貴」

提督「ああ?」

曙「はーやーくー」

下着姿の妹が、ベッドに転がったまま両手を俺に差し出す。

運べ運べ、と。

………あのなぁ――


>>+4


A.ベッドから蹴り落とす。

B.…わーったよ。

C.制服だけでも先に戻しとくわ、じゃあな。

C.制服だけでも先に戻しとくわ、じゃあな。(*0.5)


…付き合いきれるかってーの。

アホらしアホらし、と吊るした制服を持って扉へ歩く。

曙「ちょ、兄貴?」

提督「制服だけでも先に戻しとくわ、部屋、勝手に入るぞ」

曙「待ってってば、運んでよ」

提督「なんならそのまま夕飯まで寝てていいぞ」

曙「ちぇー…ノリ悪いなあ、ばーか」

提督「何故罵倒されなきゃならんのだ…」

…全く面倒くさい妹である。

一体いつからこんな風になってしまったのだろうか――

昔は反抗的だけど根は良い子って感じだったのに。

今は―何なんだろうなあ、なんと表現したものか、ふーむ。

まあ、元を辿れば…俺が原因なのだけろうれどね、結局。

とりあえず、今切実に思うことは―部屋に鍵が欲しい。

それもとびきり頑丈な奴が。



曙→  *43/500



【6月4週】


提督「……ランニングに付いてくるだと?」

山城「……ええ、健康のために」

提督「…無理するなよ、倒れるぞ」

提督「健康のために運動しようとして身体を壊すなんて馬鹿げたことは見過ごせん」

山城「…嫌、かしら?」

提督「そういう訳じゃない、無理するなと言ってるだけだ」

山城「いつもより少し早口よ、提督」

提督「いつもと同じだ、…で、本当は何で走るなんて言い出した?」

山城「…お腹のお肉が」

提督「……大丈夫だよ、問題あるようには見えない」

山城「本当?」

提督「本当本当、気にするな、山城」

山城「……うん」



曙    *43/500
満潮  153/500
山城  **0/500
鬼怒  252/500
摩耶  151/500

>>+1-5のコンマに対応、一番高い娘とコミュ



提督「あー…人多いー」

そんな愚痴を零してみる。

しかしそれを聞く者はだれも居ない。

梅雨の中にあって、まるで図ったように快晴となった休日。

それが陸上大会―正確には中学陸上選手権地区予選―の開催日だった。

周りを見渡せば皆グループ。一人でいるのは俺くらい。

あーなんで来ちゃったんだろ俺。もうホント晴れてるのに相変わらず湿度高いからクソ不快指数高いし。

何を血迷ったんだろうかマジで。

鬼怒「提督お兄さーんっ!」

もう帰ってやると決意をしかけていたその時だった。

快活で明朗な、良く通る声。

そちらの方向を向けば、結構際どい競技服に身を包んだ鬼怒ちゃん。…あんなん着るんか、陸上やべーなオイ。

後ろの方に控えたお仲間らしき面々が不思議そうに見る中、鬼怒ちゃんが俺に駆け寄ってくる。

鬼怒「来てくれたんですね!」

提督「…ま、まぁ…約束したしね」

鬼怒「ありがとうございますっ!嬉しいです!」

非常に無邪気に喜んでいる。くぁいい。

抱きしめたいがそれやったら通報されるかもしれないな。やめとこ。

提督「えーと…いつ走るんだっけ?」

鬼怒「3000ですから…あ、もうそろそろです!」

…ってこら。今確認して驚くなよ、君選手だろ。

提督「そっか…えーっと、何だ、頑張ってね」

鬼怒「はいっ!」

それだけ言うと、また鬼怒ちゃんがお仲間の方へと戻っていく。

お仲間に二言三言声をかけられて、何故か少し顔を赤くしていた。

…まあ、だいたい何言われたかは想像できるが…それは違っているぞお仲間。

そして、俺はとりあえず応援席へと向かったのであった――



――が。

何だこの状況。

「まーまー!鬼怒の彼氏さんですから!」

「え、鬼怒の!?マジで!?意外ー!あ、どうぞどうぞー!」

と、さっきのお仲間連中に見つかり。

選手関係者―というか部活の仲間が応援する場所である最前列まであれよあれよと連れだされてしまった。

「お兄さん中学生ですか?え?高校生!?」

「見えないー!って、ごめんなさいごめんなさい!」

「でも鬼怒ちゃんと――」

「年齢差恋愛!?うわ――」

…非常に喧しい場所だ。

そもそも男子が居ない。

男は俺一人だ。それはここに限らず、最前列は基本的に女子だらけだ。

その中心に唯一の男である俺がいる。何だ俺は。ハーレム王かなんかか。うへへへ…はぁ。

「あ、スタートするみたいですよ!」

と促された場所を見れば、なるほど確かにスタートの構えをとっていた。

それをぼーっと眺めていると、鬼怒ちゃんと目が合った―遠いから多分、としか言えないけれど―そんな気がして。

彼女は、何故か笑った。

ん、と疑問を覚える間もなく、スタートの合図。

そして一斉に走り出す際どい衣装。

きゃーきゃーと歓声の湧く最前列。俺君場違い。

トラックをぐるぐると選手が回る。

勿論、その中には鬼怒ちゃんも居て。

真剣な顔で走っていた。

しかし、どうにも旗色が悪い。

3000はトラック7周半―と説明を受けたが、その半分程を回った時、鬼怒ちゃんは既に先頭から離され始めていた。

苦しそうな表情を浮かべている。

素人の俺に抱ける感想はこのくらいだった。

周りのお仲間の声援も、だんだんと覇気を失っていく。

残りはあと2周程度。

今のペースでは追い付けも追い越せもしないだろうし、それどころかそのペースは段々と落ちてきている。

…ま、お疲れ様、鬼怒ちゃん。

部活の大会だし、負けてもいい思い出になるさ。

…………俺は、そんな事を思って――――


>>+4


A.……頑張れ、鬼怒ちゃん!

B.……頑張ったね、と迎えてあげよう、せめて。

C.……やっぱり女の子ばっかで落ち着かねえなここ。

A.……頑張れ、鬼怒ちゃん!(*1.5)


提督「……頑張れ、鬼怒ちゃん!」

……なんて。

そんな事を考えていたはずなのに。

何故か、口をついて出た言葉。

それも、普段は絶対に出さない大声で。

女の子の声援に、野太い声が混じった。

「………おー…大胆ー…」

「……きゃー♪」

しかも周りがそれを囃し立てるもんだから、さらに決まりが悪い。

ああ、俺は何をやっているんだ。

と、鬼怒ちゃんの方を見る。

提督「……え」

…ペースが上がっていた。嘘だろ。

いやいやそんな都合の良いことがあるわけないだろ、声援でペース上がるとかそんな。

お仲間達は愛の力とか何とか言ってまた盛り上がって声出し始めるし。

針のむしろだよこんなん、逃げたい逃げさせて逃げていい?

そして、結果はといえば。

まあ現実とはよく出来ているもので、流石に鬼怒ちゃんも1位とはいかなかった。

――が、そもそも今回のレースの1位が全国常連のような女の子であり、それに鬼怒ちゃんは肉薄して2位まで順位を上げ、自己ベストを大幅に更新するようなタイムを残した。

やっぱり現実とはあんまりよく出来ていなかった。

俺は、そんな鬼怒ちゃんと顔を合わせることがどうしても出来そうになくて。

「帰るんですかー!?」の大合唱を無理やり潜り抜けて、会場を後にしたのであった。

その間、心臓は激しく鳴っていて。

鬼怒ちゃんの事を考える度に、もっと激しくなるような感じさえして。

…俺には不釣り合いな、そんな真っ当な感情。

それはもしかして―恋、と呼ぶのだろうか。

…そんなわけがない。

そんなわけがないのに、否定は―出来なかったのだった。




鬼怒→  342/500



【鬼怒―その2】


頑張れ、と。

その言葉が聞こえただけで、手足が動いた。

苦しかった呼吸が、何故か整った。

なのに、心臓は前よりうるさくなった。

「……やっぱ鬼怒、単純だぁ…」

走りながら、横目でお兄さんを見る。

とても、とても単純だった。

わけは―わかったのだ。

単純で、よくある、なんともベタなつまらないオチ。

鬼怒は―いつしかお兄さんに恋をしていたのだった。

「………ふふっ」

横目で見たお兄さんは、恥ずかしそうに顔を赤くしていて。

可愛いな、と思った。

…なんて言ったら、怒るだろうか?

苦しいけれど。

まだ、頑張れる気がした。

……単純だなあ、我ながら。

今日はここまで
姉妹のキャラ設定についてはごめんなさい
ありがとうございました

侍ジャパンだったね 昨日の試合の方が楽しかったけど
1時間後くらいに



【7月1週】


両親の記憶。

一番強く残っているのは、父親の言葉だろうか。

『もし俺がいなくなったら、そんときゃ母さんと満潮と曙はお前が守るんだぞ!』

こんな事を言った数週間後、本当にいなくなってしまうんだから酷い話である。

そして、多分これがすべての切欠だったのだろう。

…まあ、切欠が何であれ。

今の俺自身が倒錯した、歪んだ欲求を抱いているということには変わりない。

絶対的な好意。

端的に言ってしまえば、俺が求めていた物はそんな物だった。

なのに――

鬼怒「でですね、お兄さんがそこで叫んだのが聞こえて――」

提督「そ、そっか、うん」

何故俺は、鬼怒ちゃんに対してこんなにドキドキしているんだろう。

…恋、なんて。

そんな真っ当な物は、出来ないと思っていたのに。



曙    *43/500
満潮  153/500
山城  **0/500
鬼怒  342/500
摩耶  151/500

>>+1-5のコンマに対応、一番高い娘とコミュ

ごめんちょっと猛烈にお腹と頭痛い
タイム

ちょっと無理そう
ごめんなさい



摩耶「なあ」

提督「……ん?」

摩耶「熱くねえの?」

提督「いや…うん、まあ…美味しい」

摩耶「…ならいいけどよ」

今日は間違えておしるこなるものを買ってしまった。

どうにも注意…というか、色々な物が散漫だ。

だいたい鬼怒ちゃんのせいだ、ぷんぷん。

…そもそもこの時期にホットおしるこなんて物を自販機に並べるんじゃない。と思わないでもないが。

摩耶「………あのよ」

提督「どした?」

摩耶「…いや…何だ、お前、話聞いてくれるって言ってたよな?」

提督「何の?」

摩耶「……アタシの、留年した理由」

提督「ああ……」

摩耶「だから――」

提督「嫌だ」

摩耶「なっ!?」

提督「…つったらどうする?」

摩耶「………お前なぁ」

提督「聞く気分じゃないのは本当だけどな」

摩耶「…んだそりゃ」

提督「自分のことで忙しくて、人に構っている余裕が無い」

摩耶「……とっことん面倒臭えなお前は…」

提督「自分勝手なのですよ、ええ…で、どうしてまた留年なんて物を?」

摩耶「……出席日数が全然足りなかった」

提督「へえ、ご病気で?」

摩耶「生憎、健康優良児だ」

提督「……ではでは、不登校でございますか?」

摩耶「…そうだな、多分そんな感じだ…つーかその喋り方やめろ」

提督「……にしたって、留年するほど休むか?」

摩耶「考査だなんだ全部すっぽかして、ずっとゲーセンだのカラオケだので遊んでたからな」

提督「一人で?」

摩耶「悪ぃか」

提督「…すんませんね、しかし――」


>>+2

A.そもそもなんで行かなかった?

B.…人には色々あるもんだねー。

C.想像も付かないね、そんな摩耶。

A.そもそもなんで行かなかった?(*1.5)


提督「そもそもなんで行かなかった?」

摩耶「ん、…まあ、そうなるよなぁ」

提督「そりゃそうだ、聞きたいのはそっちだぞ」

ふんぞり返ってみる。

おしるこが零れそうになったちくしょう。

摩耶「…あー…わーったわーった、話す話す」

摩耶「いやー…うん、なんつーか、いじめだな、いじめ」

提督「いじめ?…お前、誰いじめたの?」

摩耶「ちげーよ!被害者だよ!」

提督「……マジで?」

摩耶「…ああ、マジだマジ」

提督「……ええー」

摩耶「信じられねえって顔すんなよ、結構ショックだったんだよ、アタシも」

提督「…何されたの?」

摩耶「オーソドックスだったぜ?無視とか、物隠すとか、落書きだとか」

提督「…それだけで一年不登校?」

摩耶「……まあな」

提督「…こう言っちゃなんだが、お前ちょっと打たれ弱過ぎないか?」

摩耶「うっせーなー…あん時は…かなり来たんだよ、色々」

摩耶「だって、前の日までは普通に話してた奴らがいっぺんに豹変したんだぜ?人が信じられなくなったからな、しばらくは」

提督「へー…でも、俺とは初日から普通に話してなかったか?」

摩耶「…お前は…なんつーか、心の底をいつもさらけ出してるような奴だからな、そこが何となく気に入った」

提督「なんだそりゃ、…にしても…期待させた割にありきたりすぎて面白くないな」

摩耶「…つまんねー、か…っはは、悪ぃ悪ぃ、さっさと話しとくべきだったよ」

提督「もうちょっとこう…学園を守るために怪異と戦闘してた、みたいな話を期待してた」

摩耶「ハードル高えな!?」

提督「…まあ…そうかそうか、摩耶も大変だったんだな、お疲れさん」

摩耶「適当だなぁ…ま、そういう所が気に入ったんだけどさ」

提督「ほれ、飲みかけのおしるこをやろう」

摩耶「いらねーっての、って熱っ!?熱いから押し付けてくんな!」



摩耶→  182/500



【7月2週】


提督「……」

満潮「……」

提督「…姉さん」

満潮「何よ」

提督「南京錠、掛けてなかったっけ」

満潮「あの錠の形は流石に古いわよ」

提督「……安い鍵なのが悪いのか」

満潮「そもそも、家の中に鍵かける必要なんかないでしょ」

提督「…あるんだよねぇ」

満潮「曙?」

提督「…もういいや」



曙    *43/500
満潮  153/500
山城  **0/500
鬼怒  342/500
摩耶  182/500

>>+1-5のコンマに対応、一番高い娘とコミュ



提督「なんかさ」

摩耶「ん?」

提督「明るくなった?」

摩耶「…かもな」

提督「もしかしてこの前のアレ?」

摩耶「ああ、多分な」

………。

摩耶という人間がよくわからない。

この前の超適当人生相談で悩みが解決するのか。

絶対途中でキレると思ってたんだが俺は。

提督「…何であんなもんで」

摩耶「まあ、なんつーかさ、アタシは…」

摩耶「つまんねー事で悩んでんだなお前、って言われたかったのかもな」

提督「…はぁ?」

摩耶「アタシもわかってたんだよ、つまんねー事で1年無駄にしたってさ」

摩耶「ただ、何となく見たくなかったんだ、自分で」

摩耶「だから、誰かに言って欲しかった」

摩耶「つまんねー、って」

提督「…よーわからん感覚だ」

摩耶「だろうな、アタシにもわかんねぇや」

摩耶「でもスッキリしたのは本当だし、そういうことだったんだろうぜ?」

提督「…おめでとう、と言えば良いのか?」

摩耶「ああ、お前のおかげだ、ありがとな」

提督「…別に何もしてねえよ、思ったことを言っただけだ」

摩耶「お前、カウンセラー向いてんじゃねえか?」

提督「ぞっとしないな、自殺者が増えそうだ」

摩耶「はは、違いねえよ」

摩耶「…よし、提督」

提督「ん?」

摩耶「出かけようぜ」

提督「…なぜ」

摩耶「摩耶様の悩み解決例と、お礼を兼ねてだよ」

提督「お礼…と言われても――」


>>+4

A.忙しい、すまん。

B.奢りなら…。

C.……あそこでこっち見てるアイツがいなけりゃ、良かったんだけどな。

B.奢りなら…。(*1.5)


提督「奢りなら良いぞ」

摩耶「相変わらず横柄な奴、…ま、心配すんな、最初からそのつもりだからよ」

提督「…金持ちなんだな」

摩耶「不登校中、バイトも結構やったからなー」

提督「…なんだかんだ満喫してんじゃねーか」

摩耶「おう、こんなくだらん場所にいるよりも楽しかったぜー、色々とな」

摩耶「どうだ、通うのやめてみねーか?提督」

提督「…やめてくれ、俺は普通に生きたい」

摩耶「ははっ、そりゃいい目標だ」

摩耶「よーし、んじゃ今日の放課後な」

提督「…すまんが、一度家に帰ってからでいいか?」

摩耶「あん?何でだよ」

提督「…ちょっとな」

摩耶「……まーいいけどよ、駅前でいいか?」

提督「ああ、連絡は入れとく」

摩耶「へいへい、…いやー、にしても誰かと遊ぶのなんて久々だぜー」

提督「…ふ、楽しみにしてろ」

摩耶「なーんで偉そうなんだお前は…」



摩耶→  197/500



【7月3週】


提督「………」

曙「おかえりー」

提督「…なあ、鍵壊れてんだけど」

曙「んー、金槌で殴ったら壊れたわよ?」

提督「…………」

曙「つーか兄貴!何で鍵かけてんの!?」

提督「…お前が入らないようにするために」

曙「あはは」

曙「そうだ、この鬼怒ちゃんって誰?」

提督「……友達」

曙「へー…そうなんだ」

提督「いいから出てけよ」

曙「……最近、冷たくない?」

提督「…色々あんの」

曙「ふーん…」



曙    *43/500
満潮  153/500
山城  **0/500
鬼怒  342/500
摩耶  197/500

>>+1-5のコンマに対応、一番高い娘とコミュ


鬼怒「神奈川大会出場決定、ですよっ!」

ぶいっ。

まさにそんな感じで俺に向かって手を出す鬼怒ちゃん。

提督「そうなの?」

鬼怒「はい!この前のタイム、総合3位でした!鬼怒、やりましたよー!」

褒めて下さいと。

そう言わんばかりに、頭を突き出す。

…可愛いなこんちくしょう。

提督「…おめでとう、鬼怒ちゃん」

鬼怒「はいー、えへへ…」

それを聞いて、まるで自分の事のように嬉しいと感じた。

まあ応援に行ったからな、それだけだよ、それだけに決まってる。

他意など無いのだ。応援に行ったのに無様な結果を見せられたら嫌だったからってだけだ。

鬼怒「そ、それで…ですねっ」

提督「…うん?」

ひとしきり撫で終わると、鬼怒ちゃんが何かもじもじと俯く。

顔を下に向けたまま、時折上目遣いでチラチラとこっちを窺い見ている。可愛い。

鬼怒「か、神奈川大会の日程も、わかってるんです」

提督「うん」

鬼怒「…ば、場所は…ちょっと遠いんですけど、えと、遠いんですけどっ!」

鬼怒「ひ、必要なら交通費は…負担して…あの……」

俯いている上に声が小さい。

つまり非常に聞き取りづらい。ぼそぼそとしか聞こえない。

提督「…どしたのさ?」

もうちょい大きな声で言ってよ―と促してみる。

すると、鬼怒ちゃんが大きく息を吸い込んだ。

鬼怒「………よし!まわりくどいことはやめますっ!」

提督「え?」

鬼怒「て、提督お兄さん!」

提督「は、はい」

鬼怒「好きですっ!」

提督「…………へ」

鬼怒「お兄さんが側にいると色んな事が頑張れる気がしますっ!お兄さんを見てると胸の奥がぽわぽわってしますっ!」

鬼怒「あ、あと―お兄さんを…あの、なんか、とにかく、そんな感じなんですっ!」

鬼怒「鬼怒はお兄さんが、好きなんですっ!」



>>+1-5(上2つが√分岐 下は現状維持) 

A.…ありがとう、だけど俺は――。

B.…ありがとう。

C.…いきなりすぎて整理ができない。

ここまで
ありがとうございました

プリケツちゃんのお尻舐めたい
始めます

A.…ありがとう、だけど俺は――。(*1.5 最低401)

提督「…ありがとう」

鬼怒「……ほえ、…え、えっと、その、ということは!?」

提督「…俺も好きだよ、鬼怒ちゃんのこと」

鬼怒「……………」

提督「き、鬼怒ちゃん?」

鬼怒「…はふー」

提督「おおう!?」

目の前に直立していた鬼怒ちゃんが、腰から砕けるように崩れていく。

慌ててそれを何とか支えた。

鬼怒「力抜けたーぁ……」

提督「だ、大丈夫?」

鬼怒「は、はいぃー…」

まさに脱力、というものを体現したかのようなだらしない顔で答える。

そんな姿さえ、素直に可愛いと思った。

やはり、俺はこの子が好きなのだ。

鬼怒「…へへー、でもでも、これで鬼怒はお兄さんと……こ、恋人同士…ですねっ」

提督「………うん」

提督「…だけどさ、鬼怒ちゃん」

鬼怒「……はい?」

提督「ちょっとだけ、聞いて欲しい事があるんだ」

鬼怒「…聞いて欲しいこと?」

提督「ああ、…前、俺に姉さんと妹がいるって話したよね」

鬼怒「は、はい」

提督「…そのことで、話をしたい」

鬼怒「………?なんで、ですか?」

提督「…多分、鬼怒ちゃんは幻滅すると思うから」

鬼怒「………?」

どういう事だろう、と首を傾げる。

…あまり進んで話したい事ではない、それでも、隠すわけにはいかなかった。

…全部話して…それで、その上で、この子と付き合っていきたい。

受け入れてくれなかったなら、それはそれで良い、自分の罪だと―そう思った。

提督「…俺の両親は、結構前に死んじゃったんだ」

鬼怒「………ご両親が、ですか」

提督「うん…事故だった、呆気なかったってさ、随分」

鬼怒「…それは」

提督「大丈夫、気持ちの整理は付いてるから」

提督「それで、その時に―ね」

提督「…俺は多分、間違ったんだと思う」

鬼怒「……間違った、ですか…?」


提督「…うん」

―間違ったのは、行動。

いつも強気な姉さんと曙は、一心不乱に泣いていて。

そんな彼女達を少しでも宥めなければと思って。

俺は、その為の手段を一つしか知らなかったから。

抱き締めた。

大丈夫だと、俺がいるからと。

―間違ったのは、彼女達。

突然の悲劇に耐えられなかった、まだ幼かった彼女らの精神は。

そんな意味の無い慰めに、本気で救いを見出してしまった。

―そして何よりも、間違ったのは俺。

両親の死からずっと不安定だった彼女達を、俺は慰め続けた。

それは彼女達の事を思ってではない。

強気で男勝りな姉が。

反抗的だった妹が。

彼女達が俺へ縋るのが、俺へ絶対的な好意を寄せるのが、心地良かったのだ。

山城の事にしてもそうだ。

俺はそんな好意に浸って、どこか満足を覚えていた。

…いや、今だってその根本は変わらない。

きっと歪んでいるのだと思うが、それが偽らざる本心で。

だから―姉と妹が、段々変わってしまっていく事に気付けなくて。

その変化に俺が気付いて、間違っていた事を悟ったのは。

すべてが変わってからだった。

妹も姉も―おかしくなってからだった。

姉は異常を認識した上で、それでも俺を求めて。

妹は異常を一切認識せずに、見せたことのないような笑顔を見せるようになった。

そこで初めて気付いたのだ。

もう、取り返しなど付かないのだと。


提督「…だから」

提督「だから……うん、おかしいんだよ、俺は」

提督「…ごめんね、鬼怒ちゃん、隠してて」

鬼怒「…………」

鬼怒ちゃんは、黙っている。

まあ、当然か。

いきなりこんな濃い話されたら、俺ならなにいってんだこいつと逃げたくなるね。

鬼怒「あの、お兄さん」

提督「…ん」

鬼怒「お兄さんは、お姉さんと妹さんが好きなんですか?」

提督「…え?……あ、ああ、うん、勿論」

そんな事を訊かれるとは思っておらず、思わず少し吃ってしまった。

…かっこわるい。非常に今更ではあるが。

鬼怒「…だったら」

鬼怒「だったら、いいんじゃないでしょうか」

提督「……は?」

鬼怒「あ、えと、鬼怒はバカだから、難しいことはわかんないです、けど」

わたわたと手を振りながら、彼女は続ける。

鬼怒「お姉さんとか、妹さんとかが…どういう風におかしいか、なんて、全然知らないのにこんな事を言うのはいけないかもしれません」

鬼怒「でも、きっと二人とも、今、お兄さんが側にいて、幸せなんだと思います」

提督「………そんな事、あるわけないよ」

鬼怒「だって、幸せかどうかなんて、本人の問題です」

提督「…そりゃそうかもしれない、だけどさ」

鬼怒「…もしお兄さんがそうやって慰めなかったら、もしかしたらお姉さん達は今でもご両親の事を引き摺ってたかもしれないです」

鬼怒「それこそ、もっと悪い方向に進んでたかもしれません」

提督「……そんな事はない、姉さん達は強いし…立ち直ってたよ、自分で」

鬼怒「それは…えーと、トラと狸が皮ざんすです」

提督「…取らぬ狸の皮算用?」

鬼怒「……はい、そです、はい」

…それでも微妙に使い方が違うような気がするが。

しかし、彼女は何が言いたいのだろうか。

鬼怒「…とにかく、ですね」

鬼怒「鬼怒が言いたいのは、お兄さんはそんなに自分を責める必要なんて無い、ってことです」

鬼怒「お兄さんは、傷付いた人を一生懸命慰めただけです」

鬼怒「責められる事なんて、何一つ無いです」

鬼怒「少なくとも―鬼怒は、そう思いました、お話を聞いて」

そう言って、俺の手を握った。

安心してくださいとでも言うように、強く。

俺は、そんな彼女に何かを言いかけて―結局、そのまま口を噤んだのだった。

鬼怒→  401/500



【鬼怒―その3】


ふむぅ。

お兄さんは中々難しいことを考えてるなぁ。

歪んでるとか、そうじゃないとか。

多分、難しく考え過ぎなんだと思うけどなぁ。

鬼怒からしたら―お姉さん達が凄い好きだったんだーとか思っちゃっただけだけど、あの話聞いても。

あ。

ああああ!

良く考えたらお付き合いの話が流されてる!?

え、でもでも、お兄さんいいよって言ったよね?よね!?

ら、LINEでその会話振ったら不自然!?

あんな真面目に話した後だし、いきなりお付き合いの話とか…。

……だめだぁー…絶対だめだぁー。

…受けてくれたってことでいいのかな…?

ってああ!神奈川大会の話も流されたまま!

………うぁあー…。



【7月4週】


提督「…………曙」

曙「んー」

提督「お前さ」

曙「うん」

提督「…今、幸せか?」

曙「うん、兄貴がいるから」

提督「………即答なんだな」

曙「うん」

提督「…そうか、…つまらんこと聞いて悪かった」

曙「うん、ホントにつまんないわ、そんなわかりきった質問されても」


曙    *43/500
満潮  153/500
山城  **0/500
鬼怒  401/500
摩耶  197/500

>>+1-5のコンマに対応、一番高い娘とコミュ



…あれからずっと。

色々考えてみた。

だけど、幸せであっても。

やっぱりそれは間違っているんだと。

俺はそう思った。

というのに。

鬼怒「だからー!難しいことを考え過ぎですよー!」

提督「…あのね、やっぱり…普通じゃないんだって、異常なんだよ、俺も姉さん達も」

鬼怒「いいじゃないですかー、世の中には色んな人がいるんです!」

…難しく考えるな、それでいい。

まさかそんな風に流されるとは思っていなかった、流石に。

…なんだろうこの鬼怒ちゃんは。

提督「……だけどね、鬼怒ちゃん」

鬼怒「仮に、お姉さん達がどうしてもお兄さんが居ないとダメっていうんだったら、そうすればいいんです!」

提督「…そうすればって?」

鬼怒「はい!お兄さんがずっとお姉さん達の側にいてあげれば解決です!単純です!」

提督「…………」

どうやって鍵のかかった扉を開けるかって時に、特殊部隊呼んでC4でブリーチさせるみたいな解決方法だ。

それは単純かもしれんがダメだろう、多分。

鬼怒「…というか!です!」

提督「あ、うん」

鬼怒「こ、この前の返事、伸びたままじゃないですか、お兄さん!」

鬼怒「そっちの方も忘れたらダメですよ!」

提督「……………」

今までずっと悩んでいたこと。

…だというのに――――


>>+4


A.……確かに、ああ、単純な話だったのかもしれない。

B.…鬼怒ちゃん、俺は真面目に――

C.………鬼怒ちゃんに相談してもダメかもなぁ。

A.……確かに、ああ、単純な話だったのかもしれない。(500 ED解放)


……確かに、ああ、単純な話だったのかもしれない。

難しく考えすぎていた、のだろうか。

俺が摩耶の話を笑ったように。

鬼怒ちゃんにとっては些細な事にしかすぎないのだろう。

なんか俺も段々そんな気がしてきた。洗脳だろうかこれ。

要するに、まあ。

なってしまったものは仕方ないというかそんな感じで。

そうだよなぁ、あの時俺が他に出来る事なんてなかったし。

かといってほっとくとそれはそれで悪くなりそうだったし。

…うーむ、言われてみればしゃーない気もしてきた。

それに、だいたい姉さんと曙がこれからもずっとああだって保証も無いし。

いつかふと元に戻るかもしれないし。

…おお、なんかそんな気がしてきた。これぞ開き直り…だなぁ。

鬼怒「…というか!お兄さん!」

提督「……え、あ、な、何?」

鬼怒「こ、この前の返事、早くして欲しいです、です!」

提督「…あ、そうだよね、うん――」

……そうか。

なんつーか、そんなレベルの問題だったのかもなぁ。

ずっとあのままなんて、それこそあるわけない。

姉さんはともかくとして―曙は多分、両親への役割を俺に求めただけだろう、うんうん。

ならばきっと戻ってくれる筈さ、うん。

…それは多分、ただの逃避だったのだろうけれど。

それすら出来なかった自分には、何だか素晴らしい救いのように思えたのだった。



鬼怒→  500/500



【8月1週】


山城「…………」

提督「何で居るんだお前」

山城「………あ、提督」

提督「どうやって俺の部屋に侵入したんだ…」

山城「正面玄関から…」

提督「…リビングにいたのに全然気付かなかったぞ、つーかインターホン鳴らせよ」

山城「驚かせようと…」

提督「……まあいいや、で、どうした」

山城「…姉様が帰ってこないの…」グス

提督「…………」

提督(そういや…山城もどうにかしないと、だよなぁ)



曙    *43/500
満潮  153/500
山城  **0/500
鬼怒  500/500
摩耶  197/500

>>+1-5のコンマに対応、一番高い娘とコミュ

寝ます
ありがとうございました


やはり山城は加賀さん枠か

>>838
山城「やりました。」

こうですかわかりませ(ry



夏休み。

多分一般的な学生は皆好きだと思う。

俺も好きだ。別に何かするわけじゃないけど休みって言葉が好きだ。

だが、なんと好きじゃない奴もいるらしい。

山城「…………はあ」

俺の部屋で窓から空を見上げるこの方である。

理由は俺に会えないから、そしてできればこの家に来たくないから、ちくしょうもてる男は辛いぜ。

ちなみに後者は、こいつが姉さんと妹の超排他的オーラに耐え切れないからである。

提督「……なあ、山城」

山城「何よ」

提督「…いや、別にすることも無いんだし、家、帰ったらどうだ?」

山城「嫌」

相変わらず青い空へと視線を向けたままで答える。こっち向けやこら。

……とりあえず、姉や妹との事は据え置きにするとしても。

鬼怒ちゃんとこれからこう、仲を深めて関係を深めていこうとする上で、こいつとの関係は精算しなければならないのだろう。

元々は扶桑さんに押し付けられて、それからはこいつを捨て置けなくて。

ずっと引き延ばしていたものであるが。

流石にそろそろ決着を付ける時が来た、ということか。

山城「はぁ……」

何度目かの溜息。

もうこいつ溜息吐きに家来てんのかなって思い始めた。

ああ、微妙に気が重い。

さて何と切り出したものか――――


>>+4


A.…彼女、出来たんだけど。

B.……回りくどく行くか。

C.………とりあえず甘やかしてご機嫌を取ってみよう。

A.…彼女、出来たんだけど。(*1.5)


…下手に取り繕った所でしゃーない。

真実を伝える他なかろう。

提督「……山城」

山城「…だから、何よ」

提督「…彼女、出来たんだけど」

山城「誰に?」

提督「…俺に」

山城「……そうなの、おめでとう」

提督「……は?」

相変わらず視線は空だった。

俺の話に、微塵も興味が無さそうな様子だった。

山城「…だから最近冷たかったのね、ええ、理解したわ」

提督「……え…と、そんだけか?」

山城「それだけって?」

提督「いや…なんというか」

山城「ああ―そうね、どんな子か聞かなきゃいけなかったわ」

提督「…どうして?」

山城「異な事を聞くのね、決まってるじゃない、提督の好みが知りたいの」

提督「……はぁ?」

なんだろう、この会話が致命的に噛み合っていない感じ。

なーに言ってんだこいつは本当に。

山城「どんな子?髪は長い?短い?性格は?」

提督「待て、そんなもん聞いてどうする」

山城「貴方を取り返すの」

即答。当然である、とばかりに彼女は言った。

やはり、意味がわからない。

提督「…取り返す?」

山城「そう、私が貴方の好みに合わせさえすれば、別にその子じゃなくて私が側にいた所で貴方にとっては何も変わらないじゃない?」

山城「だって、私の方が貴方を想っているもの、貴方の事を理解しているもの、貴方を喜ばせてあげられるもの」

提督「……意味がわからない、山城」

山城「ふふ、その子である必要なんてどこにもないでしょう?」

山城「貴方がその子の何を気に入ったのかは知らないけど―要は私も同じようにすれば、それでいいって事じゃないかしら?」

提督「……あのなあ、お前はさっきから何を――」

山城「提督、貴方は私を―いや、人を分析するのがお好きなようだけれど」

山城「貴方が考えているよりも、私は貴方が好きよ?」

山城「決して、貴方は私にとって扶桑姉様の代わりなんかじゃないの」

――ねえ?

山城は、そう言ってほんの少しだけ顎を傾けた。

視線は、俺を向いていた。

入らなかった

山城→  *10/500



【8月2週】


提督「姉さんはさ」

満潮「うん?」

提督「何でこの時期、風呂あがりにいつも服を着ないで歩きまわるのかな」

満潮「暑いじゃない、それだけよ、わかんないのかしら?」

提督「下着位は着た方がいいと思うよ、一般的なアドバイスとしてね」

満潮「あら、心配してくれてるの?」

提督「そうだよ、だから早く服着て、マジで」

満潮「…………」

提督「…姉さん、そこに立つとテレビ――」

満潮「むぎゅっ」ギューッ

提督「…!!?!?!?」

提督「ね、ねねね、姉さん、ちょ、ま、何して」

満潮「…んじゃ、服来てくるわ、じゃあね」

提督「……………」

提督「……何なんだ…」



曙    *43/500
満潮  153/500
山城  *10/500
鬼怒  500/500
摩耶  197/500

>>+1-5のコンマに対応、一番高い娘とコミュ



『――人を分析するのがお好きなようだけれど』

多分、それが一番心に来た。

いやまあ、それ以外もかなり衝撃的ではあったが。

姉さんのことも、曙のことも、鬼怒ちゃんのことも、山城のことも。

俺は勝手に分析なんて物をして、わかったつもりになってただけなのか、って。

つまり―俺は、山城のことなど欠片もわかってはいなかったのだ。

山城「鬼怒さん、ねぇ」

この子が良いの?と差し出したスマホに映った写真。

それは紛れも無く鬼怒ちゃんだった。

提督「……な」

山城「…陸上部…ああ、やっぱり貴方、執拗に朝のランニング隠してたのと、絶対付いてこさせなかった理由、これでしょう」

提督「どこで、それを」

山城「偶然よ、ええ、偶然…それにしても…全然違うのね、私と」

山城「……不幸だわ」

不幸だと嘆く、自己憐憫の暗い声。

聞き慣れている声だった。

山城「ねえ、貴方はこの子じゃないとダメなの?」

提督「…少なくとも、今は鬼怒ちゃんしか考えられない」

山城「…ふーん、そう」

提督「…もういいだろ、なあ、山城、俺が言いたいのはさ――」

山城「私を捨てるのね」

提督「…捨てる、って」

山城「……興味がなくなった?いい加減ウザくなった?付き合うのも面倒くさくなった?」

提督「違う、お前とは、これからも友達として」

山城「そんな物に意味は無いわ、無い、無いの」

山城「…ねえ、嫌だというのなら、私は変わるから」

山城「貴方の好きなように、変わるから」

山城「教えてくれればいいわ、その通りにする、だから」

―だから、捨てないで。

―もう一度言って、「山城には、俺がいるから」って。

縋りつくように、山城が俺へと手を伸ばした。

彼女の白い手はその見た目通り、触れられた瞬間に思わずゾクリとするほどに冷たかった。


>>+4


A.……いい加減にしてくれ、そういう所が――

B.…やめろよ、大袈裟だって。

C.…そんな山城を、見捨てる様な真似は出来なくて――

B.…やめろよ、大袈裟だって。(*1.0)


提督「…やめろよ、大袈裟だって」

山城「………」

そっと手を掴んで、離させる。

なるべく柔和な笑顔を浮かべながら。

提督「さっきから、捨てるだの何だの、何を言ってるんだお前は」

山城「…そう…ね、ごめんなさい、少し取り乱したわ」

提督「…ああ…うん、困るからやめてくれ」

山城「ええ…気を付けるわ」

山城が一つ息を吐いた。

それと同時に、小さな言葉も。

山城「…………そう、言ってくれないのね」

提督「……さて、そうだ、昼飯はどうする?」

山城「…作ったほうがいいかしら?」

提督「…ん、いや、姉さんが帰ってくる、昼飯の準備してな」

山城「なら…お暇するわ」

提督「……あいよ」

わかっていたつもりの彼女が、靄に包まれたように見えなくなって。

だから、聞こえないふりをしたのだ。



山城→  *19/500



【8月3週】


提督「鬼怒さんや」

鬼怒「…はいっ」

提督「それは何でしょうかの」

鬼怒「………あ、朝ご飯のおにぎりです」

提督「へえ、おにぎり」

鬼怒「…はい」

提督「……ぐちゃぐちゃになってるけど、包み落とした?」

鬼怒「…これ作ってたら遅れそうになって、急いでて」

提督「…そっかそっかー」

鬼怒「ごめんなさい、あの、中身は多分大丈夫だと思いますけど、流石にこんなふうになっちゃったら」

提督「……ぱくっ」

鬼怒「……お兄さん?」

提督「…美味しい、いやいや、腹減ってたんだよね」

提督「全部貰っていいかな?」

鬼怒「は、はいっ!」

そして。

走ってる途中に死ぬほどお腹が痛くなった。



曙    *43/500
満潮  153/500
山城  *19/500
鬼怒  500/500
摩耶  197/500

>>+1-5のコンマに対応、一番高い娘とコミュ

この週色々ガバガバでごめんなさいでした
両親はぼのちんと満潮の人格破壊の為に必要な犠牲だったのです
キャラ安価いきます

一人目>>+4

ほんわかしてればいいのかな

二人目>>+4

敷波すごい可愛いと思う

3人目>>+4

お母さん!

四人目>>+4

ガッサすき
ラスト直下

黒潮(ほんわかさん)
敷波(恩人)
大鯨(提督に片思いしている先輩)
衣笠(相棒)
吹雪(凡人)


とりあえず次スレ立ててみよう
そしてカミングアウトすると埋めネタ何も書いてない!ごめん!
残りはエピローグで埋めることにする、うん

【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★16【安価】
【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★16【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1416065345/)

やっぱジョコビッチっておかしいわ

いや、並行して錦織ジョコビッチ戦ずっと見てるので、はい
とりあえず今日はここまでです、ありがとうございました

埋めネタ書けた
よし埋めてやるぜ



「提督…お願い、お願いします、お願いだから、島風ちゃんと」

泣いていた。

感情を表す術が、他になかったから。

認めたはずだったのに。

それでいいって思ったのに。

提督に話す度、触れる度に。

諦めた筈の想いが、どんどん溢れてきて。

その感情を表す術は、これしか無かった。

「…提督、お願い、します、雪風を」

「…ゆ、雪風?おい、いきなりどうしたんだよ?」

提督のお布団に顔を埋めて泣いて。

彼が帰ってくるのをずっと待っていた。

そして帰ってくるなり、ただその身体にしがみついた。

しがみついて、縋るように泣いた。



「……やだぁ…やです、やなんです、雪風だって、提督が」

「泣いてちゃわからんって、なあ、どうしたんだ?」

幼馴染。

それこそ本当に小さな時からずっと一緒に居た、彼。

そんな彼が奪われる。

奪われる―そうだ、奪われるのだと。

そう思ったら、溢れてきた想い。

何度もフラッシュバックする、あの光の下の二人。

見ているしか出来なかった自分。

諦め――

嘘だった、そんな言葉。

あの時、諦めと称して胸に仕舞いこんだのは、そんな自分への惨めさ。

あの場所に、彼の腕の中にいられなかった自分への惨めさ。

結局、目を逸らしただけだったのだ。

『おめでとう』なんて。

心にも無い言葉を吐いて、必死に惨めな自分を守っていただけだったのだ。



諦めることなど、出来なかった。

物心ついた時からずっと抱いていたこの想いを諦めることなど。

いっそ恋に敗れた哀れなお姫様よろしく、そのまま泡となって消えてしまう事ができればよかったのに。

現実は非情で、そんなことあるわけもなくて。

それはいつまでも続いていく。

消えることなんか出来ない。

自分の前に一つの結果を示して、時間はただ流れていく。

日に日に仲良くなっていく、提督と島風ちゃん。

私は眺めていることしか出来ない、そう、あの時と同じ。

想いは溢れる。

その捌け口を求めて。

だけど、そんな物はどこにも無いから。

涙となって、目から溢れるだけ。



「うぁぁ…ぐす、ああぁっ」

「雪風、泣いてるだけじゃわかんないって、なあ、ちょっと落ち着けよ――」

提督が、手を払おうとする。

それを必死で防いだ。

彼の腕を掴んだこの手を離してしまったら、もう、もう、全部が終わってしまうような気がして。

だから、掴んだままで。

ぐしゃぐしゃな顔で、ぐちゃぐちゃな声で。

少しでも、彼に伝えるのだ――溢れてしまった、想いを。

「なんで、昔、っから、島風ちゃん、ばっかり」

「雪風だって、雪風だってぇ…っ!ずっと、提督が、提督がぁ…」

「昔から、雪風は、ずっと…ずっと…見てる、だけでっ…!」

いつだって。

いつだって、私は見ているだけだった。

色んな事を我慢して、言わないようにしてきた。



『おままごとぉ!?やーだよ、俺ももう6年生だぞ』

『…おにーさん、やろうよー……ぐすっ』

『…わ、わーったわーった!わかったから泣くなよ!?な!?』

『やったーっ!』

『…ぐ、途端に元気に…』

『……ご、ごめんなさい、てーとく』

『いーって雪風、だいたいこいつが悪いんだから』

『じゃあ私、おにーさんのお嫁さん役ね!』

『……あ』

『…いっつもそればっかだな、俺はいい加減お前の夫は飽きた』

『いーのー!いーじゃんいーじゃん!やりたいのー!』

『…あ、あの…雪風、も』

『…わーったよ、もう何やっても同じだし…あー本読みたい』

『……雪風、も…』

『……ん?雪風、どうした?』

『…あ、あはは…じゃあ雪風は、提督の妹役です、妹』

『おお、そりゃいいな、雪風みたいないい子の妹が欲しかったんだ』

『ひっどーい!まるで私が良い子じゃないみたいじゃん!』

『…お前、いつも俺ん家いるけど、妹じゃないだろ…』



きっとその方が、色んな事が上手くいくから。

それに、私は島風ちゃんのことだって大好きで。

彼女の幸せを壊すことなんて、出来なくて。

だからその為なら、少しくらい我慢しようって。

自分は我儘を言わないでいようって。

そう、思ってたはずなのに。

ダメだった。

目に焼き付いた、3人の秘密の場所での2人だけの光景は、そんな感情を壊してしまった。

だってあの場所は―あの場所は、私にとって特別な場所だったから。

誰も知る由もない、特別な場所だったから。



『…はなび、きれいだねー』

『…はんせいしろってのー、島風のあほ』

『いーじゃん!わたしがまよったからここに来れたんだよ!?』

『それはお前、けがのこうみょうって言うんだよ』

『まあまあ、てーとく、きれいなのは本当ですよ、はなび』

『…そうだけどさー』

『ふふん、さっすが島風だねー!』

『…納得いかねー』

『また来年も3人で来ようね!ここ!』

『……えー…お前とー…?』

『…て、てーとく…そんないいかたは…』

『せっかくきれいな花火が見られるんだから、俺は雪風と2人で来たいなぁ、うるさくないし』

『………え?』

『…ひっどーい!ひどいひどーい!わたしを仲間はずれにするんだー!?』



「雪風と2人で来たいなぁ」

……あの時、きっと彼が気まぐれで呟いただけの言葉にすら。

私の心は、跳ねるように踊って。

あんな小さな時の何気ない会話を忘れられないで。

いつしか私はあそこを、特別な場所にしてしまったのだ。

だから、だから――――

『……綺麗になったな、お前』

『…気付くの、遅い』

許せなくて。

認めたくなくて。

色んな感情を、諦めという便利で曖昧な物に詰め込んで。

あのおめでとうを、吐いたのだ。



「………ぐ、ひぐっ、うぇ、あああ…」

「……雪風」

もう、言葉は出ない。

喉を震わすのは、嗚咽だけ。

言いたいことはいっぱいあったけど、言葉にはならない。

みんなみんな、意味の無い叫びとして、部屋に投げ出されていく。

提督は、そんな私を悲しそうに見ていた。

優しい彼は、きっと今ぶつけられた想いに対する答えを考えている。

尤も、大まかな結論はもう決まっている筈だ。

考えているのは、断る理由。

私をなるべく傷付けないための理由。

優しいから、とっても、とっても優しいから。

ちょっと不器用だけど、いつだって私の事を考えてくれているから。



「……ごめ――――――ッ!?」

だから。

次の言葉はわかっているから――

その口を、乱暴に塞いだ。

頭ごとぶつけるみたいな、口付け。

ぶつかった歯がかちっと音を立てて、鈍痛が走った。

ロマンもムードも欠片もない、私のファーストキス。

レモンの味なんかしない。

私が流した涙のしょっぱい味の、どこまでも、どこまでも惨めなキス。

「てーとく…っく、ぐす、雪風は、雪風は」

「…ゆ、雪風……一体、何を」

「提督が…好き、です……」

「うわっ!?」

提督の身体を引いて、ベッドへと倒す。

全然運動をしない彼は、簡単に私のされるがままになった。

「…てーとく」

倒した身体の上に跨る。

彼は困惑した顔で、何を、とだけ言った。



「……雪風は…ずっと、我慢、してました」

「…我慢して…我慢して、我慢できなくなるまで、我慢しました」

「……別れて、なんて言って、ごめんなさい」

「……これからも、雪風は我慢します」

「…だから―せめて、せめて、一つくらい、一つだけでも」

「あなたの特別を、下さい」

「…それで、雪風は諦めます」

「この想いを、しまいますから」

「だから、せめて、一つだけ」

キスだって、恋人だって。

全部、全部島風ちゃんが初めては取っちゃったから。

せめて、一つくらいは、私が。

別に、この行為である必要はどこにもないけれど。

でもきっと、この行為は大切な物で。

一生、提督の中に残るだろうから。

だから、私を、雪風を。

あなたの中に残してほしいから。

一度だけ、我儘を言わせて下さい。

「…雪、風」

頬をつたって落ちた涙が、見下ろした提督の顔に触れる。

僅かに残っていた抵抗が、無くなった。

「……ありがとうございます、提督…」

「…大好き、です…」



傍から見たらきっと惨めで、哀れな恋。

報われない、苦しいだけの恋。

だけど――

確かに私は、幸せでした。

あなたに恋をして、幸せでした。

一つだけでも特別になれて、幸せでした。

「…へへーん、どうどう?似合うかなぁ?」

「……うん、よく似合ってるよ」

「……うぅー…でも緊張するよー…おにーさん、…じゃなかった、提督、がっかりとか…」

「…………だーいじょうぶ!今の島風ちゃん、すっごく可愛いから!」

「…ほんと?」

「…うん!雪風を信じて!」

「……うん、ありがとう、雪風ちゃん!」

「…さ、行ってらっしゃい、花嫁さん!」

「うんっ!」

「……………ねえ、島風ちゃん」

「……?なーに?」

「……おめでとうっ!」

だから。

今度は、心から。

心から、その言葉を言わせて下さい。




【END】

すいませんが後をお願いします
寝ます

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