真姫「秋晴れの空に」 (27)

設定かなり作ってます。

キャラ崩壊はしない程度にしてありますが納得できん!って人はご遠慮くたさい。

まだこれでss2作目のビギナーですが最後までお付き合い頂ければ幸いです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1414859501

夏も終わって秋も深まり始めたこの頃。
ブラックコーヒー片手に私は花陽に声をかけた。

真姫「花陽!何読んでるの?」

花陽「あっ真姫ちゃん!これは恋愛小説だよ」

真姫「おもしろい?」

花陽「うんっ!やっぱり恋は甘酸っぱいものなんだよ」ホワァァァ

凛「ねーねー、なんの話してるの?」

真姫「花陽の読んでる恋愛小説のはなしよ」

凛「ふーん。凛は恋愛はさっぱりなのにゃ。かよちんはどう?」

花陽「アイドルは恋愛禁止ですっ!」

凛「じゃあなる前は?」

花陽「うーん…やっぱりないかなぁ。ほら、わたし内気だったし…」

凛「真姫ちゃんはある?」

真姫「そんな訳…」

その時ふと窓から秋の木枯らしが吹き込む。

そういえばあの人は元気なのかしら。

小学校5年生のまだ残暑の激しい秋の始まり。

私は『あの人』に会った。

その頃からすでに友達はいなくて。

暇なときは一人で家の病院を見て歩くのがいつもの常だった。

きっかけはとても小さな出来事…

まき「はぁ退屈ね」テクテク

角を曲がろうとした時、わたしは人にぶつかってしまった。

まき「きゃっ」

「ごめんね。大丈夫?」

まき「あ、えっと…イタッ」

「あ、ひざ擦りむいてるね。ちょっとそこの病室まで来て。簡単な応急処置くらいするよ」

病室

「簡単な処置でごめんね。とりあえずでもこれで大丈夫はず」

まき「あ…ありがとうございます……」

ぱっと見た限り大学生くらいのように見えた。とても穏やかな表情の男の人だった。

「うんうん。大したことがなくて良かったよ」

そう言ってほわんとした顔で笑う人だった。

あの時なんで私は病室についていったのだろう。

あるとき、病院の自販機コーナーの前でまた『あの人』に会った。

まき「あ…この前の……」

「あ…きみかい」

この前はごめんね。って一言言って。

「何か1本奢るよ」

私が選んだのは『あの人』と同じブラックコーヒー。

ちょっと格好つけたいお年頃だっのよ

「苦いけど大丈夫かい?」

悪戯っぽく笑う『あの人』に私もそれくらいってところを見せようと思って。

一口グイッと飲んであまりの苦さに私は思わず咳き込んでしまった。

「やれやれ」

そう言って苦笑しながら『あの人』は私にアップルジュースを買っくれた。

まき「むぅ……」

頬を膨らませながら受け取ったジュースをコクリと飲む。

貰ったジュースはちょっぴり甘すぎて。

結局コーヒーも全部飲んでしまった。

またあるとき、私は『あの人』の病室に訪ねに行った。

この前のジュースのお礼によ、あくまで。

「やぁ、また会ったね」

その時『あの人』は病室の備え付けのテレビを見ていた。テレビの中には可愛らしい服装の女の子たちが踊っていた。

まき「アイドル?」

「あんまりこういう番組は見ないかい?」

まき「えぇ。だってくだらないもの。音楽もクラシックと比べたら軽いわ」

そう言い放った私に対して

「でも一生懸命人を笑顔にしようとしてることは立派だと思うよ」

って優しげな声でふんわりと言った。

まき「そう…かもしれないわね」

「きっとそうだよ」

そう言って『あの人』はほわんとした顔で笑う。

同級生には屁理屈をでもなんでも使って反論するのに。

この時は不思議とすんなり受け入れられた。

またあるときには…

そしてまたあるときには…

そしてまたとあるときには…

そうして木々の葉が赤く染まって

そして次第に散りかけ始めた頃

『あの人』は退院することになった。

その日、私は『あの人』の退院を見送るためにまた病院へ行った。

いろいろお話したから。いっぱいお世話になったから。

最後のお別れもちゃんとしなきゃって思ったから。

私が急ぎ足で病院の表に行くと

『あの人』はいつものほわんとした顔で笑いながら

後ろに家族らしい人達もそんな笑顔を浮かべながら

『あの人』は同じくらいの歳の女の人と手を繋いでいた。


なんだか急に『あの人』の近くにいるのが苦しくなってしまって。

顔をあげてるのも辛くなってきて。

思わずそっと俯いた。

お別れをいいに来たのに何を言えなくなってしまってただ俯く私に。

『あの人』はまたあのほわんとした笑顔を浮かべて

そっと優しく私の頭を撫でた。

「今までありがとう。楽しかったよ」

とゆったりと言って『あの人』は退院していった。

「……きちゃん!まきちゃん!」

真姫「ヴェェ何よ凛!」

花陽「いや、なんだかまきちゃんぼーっとしてるから大丈夫かなって思って」

真姫「えっあぁ大丈夫よ。ちょっと考え事してただけだから」

凛「もしかして~昔の彼氏でも思い出しちゃったのかにゃ?」ニヤニヤ

花陽「凛ちゃん!それは………」

真姫「馬鹿ね。そんな訳ないでしょう」

そう。あの思い出は『恋』ではない。

花陽の言う通り『恋』が甘酸っぱいものならば。

この物語はあまりにも。




あまりにもほろ苦い。


秋晴れの空を見ながらブラックコーヒーをグイッと飲み干す。


真姫「やっぱり苦いわね…」

秋はあまり好きじゃない。

だって。


こんなにも儚い季節だから。

以上で完結です。

予想以上に荒れなくて良かったですwww

正直もっとエライことになるんじゃないかと覚悟してましたw

このssの補完ですがあくまでも真姫ちゃん本人は『恋』した経験がないと信じきっています。

あと最後の『儚い』は葉っぱが散っていく『儚い』と恋は『儚い』という2重の意味をかけてみました。

作中の男性ですがモデルはいません。

ですので自分自身に置き換えて読んでみるのもまた一興かもしれませんよw

最後までお付き合い頂きありがとうございます。
途中で男出すのはないわーと思われた方。

最後まで読んでいただいてそれでも納得いかないならここで謝罪させていただきます。

申し訳ごさいませんでした。

それではまた私の気がむいたときに
(ネタが出た時とも言う)

また読んでいただけたら冥利に尽きます。

さようなら

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