一条「あ――……小野寺のパンツに生まれてくれば良かったのにな~……」ボソッ (34)

小野寺「……え? 今呼んだ?」ビクッ

一条「え」





小野寺「びっ……びっくりしたぁ~。今一条君の事見つけて、声掛けようとしたの」キヅイテタノ?

小野寺「どうしたの? こんな所で……」






一条(おっ……おっ……)






一条(小野寺ァァ――――‼?)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1414856084

続きあくしろ


一条「ど、どうしたって……。小野寺こそなんでこんなとこ……」

小野寺「私? 友達と買い物に来て、その帰り」

小野寺「……でもおどろいたよ~。声かけておどろかそうと思ったのに、急に私の名前呼ぶんだもん」

一条「い……いや……。それは……」ドキッ

小野寺「……。何……考えてたの……?」

一条「」ドックン

一条「小野寺のパンツだ」シレッ

小野寺「」

小野寺「……え? 私の……」

一条「小野寺のパンツだ。俺はちょうど今、小野寺のパンツについて考えていた」

小野寺「ぱ、パンツ⤴? あ、こ、このデニムね、昨日しまむらで……」アセアセ

一条「パンツ⤴じゃねぇ。パンツだ。パンティと言った方が分かりやすいか?」

小野寺「」

一条「とにかく俺は小野寺のパンティに生まれてくれば良かったと思ってたんだよ。ヤクザの2代目じゃなく、小野寺のパンティにな……」

小野寺「ちょ、一条君、何言って……///」アワワワ

一条「もし俺がパンティだったなら、こうして桐崎とハリボテデートなんかする必要は無かったんだ……」クッ

小野寺「必要っていうか不可能だよ! ///」

ほう

一条「別に小野寺の勝負パンツじゃなくたって構わない! 俺はしまむらの3枚で800円くらいのやつだっていいんだ! パンティにさえ、生まれていれば……」

小野寺「一条君ストップ! 恥ずかしくて死ぬ! ///」

一条「もう俺は生きているのが嫌になった……。好きでもないゴリラ野郎からグーで殴られ、メガネのギャングから命を狙われ……」

一条「どうして俺はしまむらの下請け会社の工場じゃなくて、お袋の胎から生まれちまったんだ……」ポロポロ

小野寺「例え工場で生まれたとしても、私の手元にやってくる確率はもはや天文学的だよ! ///」

一条「うう……小野寺ぁ~」ポロポロ

小野寺「泣かないで、一条君。あと一旦、頭冷やそ? ///」ヨシヨシ

一条「小野寺のパンツ、何色?」ポロポロ

小野寺「え? 白だけど……って何いわせるの! ///」カアアアアアアアア

一条「そっか……白か……どうりで黄色人種の俺には無理なわけだ……」ポロポロ

小野寺「一条君、そういう問題じゃないと思う……」

一条「そうか……小野寺のパンツが黄ばんでればまだ可能性はあるのか……」ハッ

小野寺「黄ばんでないっ! 黄ばんでたとしても可能性はないよ! ///」

一条「そうか……」シュン

小野寺「人間であることに誇りを持ってよ、一条君! パンツなんかに憧れないで!」

一条「ただのパンツじゃない、小野寺のパンツだ」

小野寺「尚更やめて! ///」

一条「俺は人間として生きていてもろくなことが無いんだ。いつもいつも不幸な目に……」

小野寺「私はっ! ///」ガッ



一条「!」



小野寺「わ、私はっ! いつも災難ばかりでついてないけどっ! 人が困ってたら結局助けちゃうそんな一条君のことっ! すごくかっこいいと思うよ! ///」


一条「そ、それって……///」

小野寺「すごく……すごくかっこいいと思うよ……///」

一条「小野寺……///」



小野寺「あ、も、もちろん人としてね!? そ、その! 男として好きとかかっこいいとか! そ、そんなんじゃ! ///」アワワワ

一条「あ、ああ……///」

小野寺「だから……一条君に生まれてこなければ良かったなんて考えないで……///」

一条「俺は……」

小野寺「うん///」



一条「……俺は、小野寺の股間を優しく守るしまむらのパンツの方がかっこいいと思う」

小野寺「お願いだから目を覚まして、一条君! ///」ブワッ

小野寺「一条君は10年前の約束を忘れちゃったの!? ///」

一条「約……束……」

小野寺「そうだよ! そのペンダントの約束があるんでしょ!? ///」

一条「……そうだった。いつか再会して……」

一条「俺のペンダントをその子の鍵で開いたとき……」

小野寺「///」ドクン

一条「俺の股間の鍵をその子の鍵穴にぶち込むって……」

小野寺「そんな約束していない! ///」

一条「俺は今でもその子の言葉を覚えてる。Why don't you go fuck yourself!ってな。意味は分かんねーけど」

小野寺「すごい嫌われようだよ!」

小野寺(ってアレ……? 私そんなこと言ってない……。じゃあ私は約束の子じゃないってこと?)

一条「あと無理矢理パンツ脱がそうとして親父に殴られたっけ」ヘヘッ

小野寺(あ、それはなんか記憶にある……///)

続きはよ

眠鬼「呼ばれた気がしたので」

一条「そうだ、俺にはその子との約束があった! 小野寺のパンツへの転生を夢見てる場合じゃなかった!」

小野寺「その意気だよ、一条君! きっとその子もその約束をずっと大切にしているよ!」

一条「ヤクザの家に生まれたのが何だってんだ! 俺は自分で運命を切り開く!」

小野寺「一条君……///」

一条「手始めに桐崎との縁を断ち切る!」


***

公衆トイレ前

桐崎「……ん?」

桐崎(あれ? 誰と話してんだろ、あいつ)

ギャングA「……でよー、なんか変なんだよなー。お前どう思う?」

ギャングB「ああ……俺もそう思うぜ」

桐崎「?」

ギャングA「お嬢とあのガキの様子がさー」

桐崎「!」ギクッ

ギャングB「ああ、ヤクザんとこで見たラブラブっぷりが見えねぇっつーか……」

ギャングC「どっか不自然なんだよなぁ」

ギャングA「ケンカとかしてたし、なーんか……」アヤシイ

桐崎(ま……まずい……)ダラダラ

桐崎(大変だわ……‼)バッ!

桐崎(このままじゃ今日の苦労が水の泡になっちゃう!)

桐崎(もっかい締めてかからないと……‼)パン‼

桐崎(よし!)ギュッ‼


***

桐崎「ダ~リ~ン‼ お待たせ~‼」ダッ

桐崎「ゴメンね~!」

桐崎「思ったよりずっと時間掛かっちゃって~」





桐崎「」

小野寺「」




桐崎「……あ……あ……」

小野寺「き、桐崎さん……今一条君のこと、ダーリンって……」



一条「桐崎、そのことで話がある」

桐崎「な、なに……? 突然……」カクカク

一条「もう恋人のふりはよそう」

桐崎「! あんた、何言って……!?」

一条「よく考えてみろ。ヤクザとギャングが全面戦争になったとして、俺たちに何の関わりがある?」

桐崎「へ?」

一条「ヤクザとギャングが死ぬ。それだけだ。街ひとつ巻き込むレベルになれば、流石に国が介入してくる」

桐崎「そ、そういえば……」

一条「だいたいヤクザの統領とギャングのボスの仲が良ければ戦争になんかなんねぇだろうが」

桐崎「う……うん……」

一条「例え多くの死人が出るとしても、死ぬのは社会のハミダシ者だろうが。むしろこれは有益だ」

桐崎「」

一条「そもそも恋人を演じなければ大変なことになるっていう設定に無理があんだよ」

桐崎「えー……それ言っちゃったらもうニセコイじゃないっていうか……」

一条「俺とお前の関係を解消することで、お前は憧れの学校生活を手に入れ、ヤクザとギャングは死に、俺は小野寺のパンツになる。Win-Win-Winだ」

小野寺「パンツにはならないで! ///」

一条「あ、間違えた。俺は約束の女の子の鍵穴に俺の鍵をぶち込む。ハッピーエンドだろ?」

桐崎「アンタのメリットはよく分かんないけど、確かに別れた方が良さそうね」

一条「だろ?」

一条「俺は帰ったらその旨を親父に伝える。お前もお父さんにそう言え」

桐崎「分かったわ。まさか第4話でアンタと別れることになるとは思わなかったけど」

一条「……その、なんだ……。色々迷惑かけたな」

桐崎「いいのよ、こっちこそ悪かったわ。明後日からはまた、ただのクラスメートに戻れそうね」

一条「ただのクラスメートじゃねーよ」

桐崎「?」

一条「ただの友達、だろ?」ニッ

桐崎「もやし……」

一条「じゃあな。あ、それからそろそろゴリラから人類に進化しろよ? 友達たくさん作るんだろ?」

桐崎「Why don't you go fuck yourself」ボソッ

一条「ん? 何か言ったか?」

桐崎「なんにも。じゃあね」クスッ


***

その後、俺は小野寺が約束の女の子かもしれないと言ってホテルに連れ込み、小野寺の鍵穴にぶち込んだ。

正直約束の女の子かどうか分かんねぇけど、どっちだって良かった。



結局ヤクザとギャングの衝突は避けられず、多くの死人が出た。

不幸なことに桐崎は流れ弾に当たり、帰らぬ人となった。

ニセコイ 第4話「ソウグウ」 完

終わりかよww

終わりかよwwww

なんか妙な感動を覚えるくらい綺麗にまとまったな

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年04月23日 (日) 20:57:35   ID: pNj2lF9Z

ぶっちゃけ本編よりおもろいしマリーも不幸にならずに済んでよかった

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom