【安価】大罪の姫と咎人の騎士【バトル】 (966)

男(死のう)

深夜二時ごろ。ふらっと立ち寄った廃ビルのその屋上で。

俺はついに死ぬことにした。

覚悟を決めた、みたいなかっこいい表現は使う気になれない。単なる逃避、消去法でしかないからだ。

もう生きるのが辛い。死んだほうがマシだ。

どうせ自分が死んでも誰も悲しまない。というか自分が死んだ後の他人なんてどうでもいい。

早く楽になりたい。

夜中ということもあって街の明かりは少ない。遠くのほうで車の走る音が聞こえる。

下を見下ろす。結構高いな。

足が竦むが、もう次の朝日を拝むつもりはない。俺は死ぬのだ。

少しずつ右足の底を前へ進めていく。屋上の端からつま先が飛び出し、土踏まずの部分まで進んだところで。

ズルッと、右足が滑った。

男「ひゅぇっ」

という情けない声を漏らしてしまった俺は。

何かを考える間もなく、硬いコンクリートの地面へと激突した。

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男「ぁ……ぅ……」


うおおおおおおおぉぉぉぉぉ……!!

クッソ痛い! 尋常じゃなく痛い!

泣いて転げまわりたいがそれもできない。歯を食いしばることもできない。

よくよく意識を向けてみると顎の骨が砕けているのか物理的に口を閉じることができないようだった。

あれ、というか。

全身あちらこちらがよく分からない方向に曲がっている気がする。

どうりで痛いわけだ。自覚するとさらに痛みが増した気がするクッソ痛い!

俺死ねなかったのか!? 最悪だ、痛みなく一瞬で死ねるようにわざわざ飛び降りたというのに。

このまま死ぬ瞬間まで痛みに苛まれ続けるのか。それならまだマシだがもし万が一にもこの状態で助かって後遺症が残ってたりしたら。

最悪だ。自分の悪運のよさを呪うしかない。特に体が丈夫だとかそういうわけではないと思うんだが。

そんなことを考えていた俺の視界に、一足の靴が入ってきた。

靴。女物の靴。靴下を履いてる。ニーソかな?

ていうか人だ。人に見つかってしまった。まずい、救急車を呼ばれるか?

何やってんだ俺早く死ね! ていうかこいついつの間に俺の近くまで来てたんだ?

???「いつまでそうやって寝ているんだ」

男「は?」

???「起きろ」

男「うわっ!?」


嘘だろこいつ!? あろうことか地面に激突し瀕死の状態となった俺の顔面めがけ蹴りを入れようとしてきた! 蹴りを!

あわてて避けていなければマジで当たっていた! 鬼か!


男「危ないだろ! 何考えてんだ、おま、え……?」

???「おはよう。新しく目覚めた気分はどうかな?」


そう言って俺の目の前の少女は笑った。歳相応に悪戯っぽく、それでいてどこか妖艶に。


男「お、え……? 体、動いて……ていうかなんで俺生きてるの……?」

???「いや、君は死んだよ。普通の人間だったかつて君は死んだ。そしてボクの下僕として生まれ変わったんだ」

男「はい?」

???「これからよろしくね。ボクの忠実な駒としてボクのためにその身を捧げ、ボクを勝利へ導いてくれ」

男「はぁ……君は誰よ」

少女「ボクは少女。君の新しい主、そして>>5を司る姫さ」



何を司る? (七つの大罪のどれかから)

暴食

男「暴食? 姫? 大食いなオタサーの姫とかそんな感じか? リアルボクっ娘とか初めて見たしな」

少女「君が何を言っているか分からないが多分そうじゃない」

男「ていうか、何だ急に。そうだ、何だこれは。何がどうなってる?」

少女「いきなりパニックにならないでくれよ。君はボクの契約者、不死身の騎士(ナイト)様さ」

男「ナイト……? 俺が?」

少女「光栄に思いたまえ」

男(少女マンガ脳こじらせちゃったのか? 痛いやつだな)

少女「君はもうどんな目にあっても死ぬことはない。全身をバラバラにされようが燃やされて灰になろうが」

少女「ボクが死ぬか、ボクに殺されるかしない限りはね」

男「ほーん」

少女「……まさか、信じてないのかい? あの高さから落ちたはずの君の体は、もうすでに傷一つない状態だというのに?」

男「え? え、マジで!?」

男(マジじゃねえか!? 擦り傷もねぇぞ!?)

少女「ありえないだろう。説明が付かないだろう、君たちの常識では」

男「……これは夢か? それともここは地獄か?」

少女「ふふ、君は自分が死んだら地獄に行くと思ってるのかい? まあ、これからの戦いはかなり過酷なものになるとは思うが」

男「……俺は、本当にもう死ねないのか?」

少女「ああ、便利だろう? 君は騎士として、文字通り体を張ってボクを守って……」

男「なんてことしやがるッ!!」ガシッ!

少女「っ……」

男「お前なら俺を殺せるんだよな! じゃあ殺してくれ! 俺はもう死ぬつもりだったんだ!」

少女「罪の意識を感じて、かい?」

男「っ……!」

少女「そこらへんの人間の機微は理解できないな。まあ、だからこそボクたちは人の力を必要とするわけだが」

男「お前、なんで……」

少女「君の抱えるそれこそが、ボクと君を結びつける繋がりだからだ」



男の犯した罪(罪だと思っていること)とは?(行為、感情、性質など) >>8

過食症だが太らない

少女「過食症」

男「っ……!」

少女「ボクは人間の病気にはいまいち詳しくないけれど、それでも君のは少々異質のようだね」

少女「痩せたいならまだ分かるけど、太りたいというのはいったいどういうことなんだい?」


触れられたくない部分に触れられてしまった。

どろりと。とても痛む。

気付けば俺は、少女の白い首を両手で掴んでいた。

細いな。思いっきり力を込めれば俺でも折ることができそうだ。

両手を握り締める。


男「お前に、何が分かるっていうんだ……!」

少女「ふふ、悪くない。狂気と呼ぶには少々幼稚すぎる気がするがね」

少女「そろそろ手を離してくれないか。騎士である君がボクを殺すつもりかい?」


俺に首を絞められたまま、少女がクスクスと笑う。

慌てて手を離す。白い首に痣ができていた。

少女「さて、夜ももう遅いし帰るとするか。特別に家族にはボクのことを彼女として紹介することを許そう」

男「どうせ家には誰もいない」

少女「そうか。ふふ、つまりこの美少女と二人きり一つ屋根の下というわけだな。マンガの主人公みたいだな」


そういってまた笑う。何がおかしいんだコイツは。


男「ていうか俺の家に泊まるつもりか?」

少女「ああ。姫であるボクに野宿しろというのかい?」

男「ていうか、その姫とか騎士とかってなんなんだ? お前はいったいなんだ?」

少女「簡単に言ってしまえば、ボクは悪魔。暴食を司る」

男「暴食……って、もしかして七つの大罪の?」

少女「ああ。そして、時期魔王候補でもある」

男「はあ。よく分からないけどすごそうだな」

少女「他の候補者達との殺し合いに勝てば、ボクは正真正銘悪魔で一番偉い人だ」

男「殺し合い……って、おい、まさかそういう展開か!?」

少女「察しがよくて助かるよ。明日からスリル満点の殺し合い生活だ」

男「おいおい……勘弁してくれよ」

少女「まあ別にいいじゃないか、殺し合いぐらい。死にたいんだろう?」

男「……」

少女「まあ、勝手に死ぬことは許さないけどね」


本当によく笑うやつだ。

【一日目】


少女「むにゃ……」ギュウ

男「……」


少女『ボクは姫だ、当然ベッドを使わせてもらう。君は床にでも寝ろ』

少女『ふざけるなって? まったく、仕方ないやつだな』

少女『ほら、こっちおいで。特別に一緒に寝ることを許してやろう』


男(こいつ、悪魔だとか言ってたけど……見た目は普通の女の子だな)

男(……胸、わりと大きいな)

男(いい匂いがする……)


幼馴染『男ー!』


男「っ……!」ギリッ!

少女「んぁ……!」ピクン

男「うおっ!」

少女「……ふふ、朝っぱらからなかなか積極的なやつだな」

男「そ、そういうんじゃ……! ていうか起きろ!」

少女「はいはい。それじゃあ男、さっそく命令だ」

男「あ?」

少女「ボクにふさわしい朝食を用意したまえ」



どんな朝食を用意した? >>15
1.トースト一枚のみ
2.それなりの和風の朝食一式
3.とにかく量いっぱい

男「チッ……ちょっと待ってろ」

少女「なるべく早くしろよ」ワクワク!



男「ほら。簡単なのしかできなかったが」

少女「味噌汁にご飯、納豆、卵焼き、焼き魚……すごいじゃないか! 君ずぼらそうに見えて結構手が器用なのかな?」

男「いや、飯は自分で作ること多かったから。それに……」


幼馴染『男の作ったご飯、やっぱりおいしいー!』モグモグ

男『米粒付いてんぞ』ヒョイ パク

幼馴染『あ、ちょ……!///』


男「……」

少女「それでは、いただきます」

少女「がふっ! ぶは、がつがつ、むぐ、んごほっ!!」ガツガツ!

男「豪快!? もっと落ち着いて食えよ! 味噌汁こぼしてるし!」

少女「ボクはご飯を食べるのだけは我慢できないんだ、がふ、もぐもぐっ!」

男(汚ねぇ……振る舞いは結構品のある感じだと思ってたのに、見てると食欲がうせる……)

少女「きみはひゃべにゃいのか?」モグモグ

男「食いながら喋るな」

男「……いいよ、どうせ後で嫌ってほど食べてしまうからな」

少女「がふがふっ! ずるるっ!」

男「興味ないなら聞くなよ……」

少女「ふぅ……ごちそうさま。とても美味しかったよ。もう少し量があるとボクとしては嬉しいがね」

男「……米粒」

少女「へ?」

男「ここ、ついてる」

少女「どこだ?」

男「だからここ」

少女「とってくれ」

男「はぁ!? いや、それぐらい自分で……!」

少女「ボクは姫だぞ? 身の回りの世話は全部君がしたまえ」

男「……」ヒョイッ

少女「あむっ」

男「っ……!」ドキッ!

少女「ん、ちゅ……」レロォ…

男「お、お前……!」カァァ

少女「ふふ、可愛いやつだな君は」

男「か、からかうな!」



好感度が15上がった 0→15(最大100)
信頼度が10上がった 0→10(最大100)

少女「さて、腹ごしらえもしたことだし、必要最低限のことだけ話しとくか」

男「殺し合いだっけ? それってもう始まってるのか?」

少女「ああ。もういつ襲ってくるか分からない。覚悟はしておきたまえ」

男「……他の魔王候補者ってのは、6人いるのか?」

少女「そうだな。ボクが暴食だから、あとは傲慢、色欲、嫉妬、強欲、怠惰、憤怒だな」

男「殺し合うって、どうやって? 俺、喧嘩だってしたことないのに」

少女「君がボクの騎士になった時点で、君は戦う者として十分な素質を得たことになる」

少女「不死身というのもそうだが、身体能力もかなり上昇している。今の君なら、全ての格闘技で世界一を狙えるぞ」シュッシュッ

男「……それだけか?」

少女「はは、察しがいいな。マンガとかよく読むのかい?」

男「まあそれなりにな」

少女「君は戦士として最高の肉体に加え、もう一つ、新たな力を得た」

少女「そのまま言葉通り、超能力、あるいは魔法のような力だ」

男「……」ゴクリ

少女「君たち騎士は、仕える姫の力の一部を授かり扱うことができる」

男「お前の力の一部か……」

少女「それでも十分凄いんだぞ。ボクたち悪魔と違って、君たち人間はこっちの世界で異能を使っても一切の制限を受けないし」

男「お前たちは力が制限されるのか?」

少女「ボクたちが本来の力で殺しあったら、この惑星なんて五分も持たないからね」

男「本当かよ」

少女「ふふ、まあそこはどうでもいい。肝心の、君が使える能力だけど」

男「……」ドキドキ

少女「>>22だな」

今日は寝ます。明日も書きます。安価なら下

時間を10秒戻せる

男「時間を10秒戻せる……?」

少女「そうだな……『遡及跳躍(リバウンド)』とかどうだい? 太りたくても太れない君には不似合いな名前かもしれないがね」クスクス

男「……」ムスッ

少女「ごめんごめん。拗ねないで」

男「……なんか、暴食とあんま関係なさそうだが」

少女「ボクたちはあくまで力を貸し与えるだけだからね。それがどう形作られるかは騎士側の心次第というわけさ」

男「心次第……」

少女「君のは実に分かりやすいね」

少女「取り返しの付かない、どうしても時を巻き戻したいと願った瞬間でもあったのかな?」

男「っ……!」ガシッ!

少女「ふむ、君は少々沸点が低すぎるね。そういうところが幼稚だと言っているんだ」

男「あまりずけずけと人の心に踏み入るな。俺はお前のことを信用しているわけでも好いているわけでもないぞ」ギリギリ

少女「残念だ。姫と騎士との繋がりが強ければ強いほど私たち自身も強くなれるというのに。まあ、その繋がりは必ずしも好意的なものである必要はないのだが」

男「だったら、もっと言動には気をつけるんだな」

少女「はいはい。わがままな下僕だな」

男「……で、『リバウンド』だったか? 実際にどんな能力なんだ、もっと詳しく説明してくれ」

少女「さあ」

男「さあって……ふざけてるのか?」

少女「言っただろう、どんな能力となるかは君の心次第だと。逆に言えば、ボクにも詳しいことは分からない」

少女「ボクに分かるのは君の能力についておおまかなことだけ。能力の性能や制限なんかは自分で見つけていきたまえ」

少女「もっとも、能力も人の心と同様繊細だ。機械のごとくいつだって同じ性能を出せるわけではないだろうし」

少女「君の精神性が変化すれば、もしかしたら能力も変化するかもしれない」

男「……で、能力はどうやって使えばいい?」

少女「念じればいいんじゃないかな?」

男「本当に適当だなお前……」


とりあえず、心の中で念じてみる。

特に精神を集中させたわけでも、神経を研ぎ澄ませたわけでもないが。

視界が。いや、世界が。

一瞬、ブレたような……根本から大きく変動したような感覚があって。

少女「もっとも、能力も人の心と同様……って、君、能力を使ったのかい?」

男「え、は、え……?」

少女「まったく、人が話しているときに時間を巻き戻すだなんて……いや、一区切り付いてたのかな?」

少女「はは、なんだか面白いね。不思議な気分だ」

男「えっと……戻ったのか? 時間が」

少女「君が発動したんじゃないのかい?」

男「……なんでお前は気付いた?」

少女「見てれば分かるよ。まるで意識が急に切り替わったかのように見えた。普通の人間でも違和感は覚えるかな」

男「そうか……」

男(本当に、時間が戻ったのか……俺が、漫画みたいな能力を……)

男(すごい……)

少女「能力を使ったってボクには分かるからね? 変なこと考えちゃだめだよ?」ニヤニヤ

男「あ、当たり前だろ! そもそも10秒じゃ大したことできねえよ」

少女「そうかな? 10秒って、相当大きい気がするけどね。特に戦闘では、1秒の遅れが命取りになることもあるだろうし」

男「……」

少女「とはいえ、10秒固定だとそれはそれで不便そうだがね……どうかしたかい?」

男「本当に、殺し合い、するのか?」

少女「もちろん」

男「……殺すのか、人を」

少女「標的はボクたち悪魔だけどね。まあ、主が死ねば騎士も死ぬから同じことだが」

男「……」

少女「自分は死にたいのに、他人を殺すのはいやなのかい?」

男「自分と他人じゃ全然違うだろ」

少女「そうかな?」

男「……」

少女「まあ気にするな。どいつもこいつも君と大差ないような人間ばかりだろうから」

男「……そうか」

少女「さて、腹ごしらえもすんだことだし。これからどうするかな。君は何か用事あるかい?」



どうする?(何をする?) >>29
1.大学に行く
2.バイトに行く
3.遊びに行く(どこに?)
4.鍛錬する
5.食べる
6.その他

4

努力あるのみ

男「鍛錬……というか、今の自分がどれぐらいやれるのか確かめておきたい」

少女「ふむ?」

男「能力もそうだし、お前が言ったみたいに身体能力も上がってるのだとしたら、それも」

男「できれば、新しい力に慣れてどんな風に戦えばいいかのイメージトレーニングもしておきたい」

男「時間を10秒戻す……使い方を考えないとその力を十二分に発揮できないだろうからな」

少女「なるほど……真面目で結構。少々つまらないがね」

男「殺し合いに巻き込まれるんだぞ……それぐらい普通だろ」

少女「死のうとしてたのに殺されないための努力をするのかい?」

男「……」

少女「冗談冗談。死ぬのはせめてこの戦いが終わってからにしてくれよ」

男「……俺は別に、戦わなくてもいいんだぞ。よくよく考えると、俺がお前なんかのためにそこまでしてやる必要はないしな」

少女「おやおや、余計なことを言ってしまったかな」クスクス

男「……」イラッ

少女「そうだな。君がボクのためにその身を捧げ、見事ボクを勝利に導くことができたなら、ご褒美をあげよう」

男「ご褒美?」

少女「ボクができる範囲で、なんでも願いを叶えてあげるぞ」

男「できる範囲って……なんだかセコい言い回しだな」

少女「何を言ってるんだ。魔王の力を甘く見るなよ? 憎い誰かを呪い殺してやることもできるし」

少女「愛しい誰かを生き返らせてやることもできる」

男「っ……!?」

少女「ふふっ、分かりやすくて可愛いねぇ君は」

男「人を、生き返らせるなんてことができるのか……?」

少女「それぐらい余裕だな。君たちが思ってるほど、人の命に大した希少価値はない」

男「……」

少女「ああ、君は自分の命に価値を見出してないんだったな」クスクス

男「……本当に一言多い奴だなお前は」

少女「まあ他にも、おいしいものをお腹いっぱい食べたいというのでもいいし、あれならボクの体を好きにするというのもありだぞ?」

男「いらんわ!」

少女「……本当に騎士としての役目を放棄するというのなら、ボクも考えざるを得ないが」

男「っ……!」ゾクッ

少女「君には期待しているよ」

【廃ビル】


男「ここなら人は来ないだろ、多分」

少女「ボクと君の出会いの場所だね。感慨深い……」

男「昨日の今日だろうが。それにお前との出会いに大した思い入れもない」

少女「冷めたやつだな。運命の出会い、ボーイミーツガールだぞ」

男「さて、何から始めるか……」

少女「無視か」

男(そうだな……)



どうする? >>35
1.いろいろ試してみる(何をしてみる?)
2.実際に少女と手合わせしてみる
3.少女に気になることを聞く(何を聞く?)

1 身体能力の確認(廃ビルにあるものを素手で壊してみたり、脚力で床や天井を試しに走ったりしてみる)

男「そうだな……」


コンクリートの壁を、手の甲で軽くノックしてみる。

コンコン。

うーん、よく分からない。でもなんか詰まってる気がする。


男「無理かな、さすがに」

少女「お、なんだなんだ、何をする気だ?」

男「なあ、俺にこれ壊せると思うか?」

少女「まさか壁を壊すつもりかい? そんなことして大丈夫なのか?」

男「まあビルが崩れたりはしないだろう、ちょっと穴開いたぐらいじゃ」

少女「そうだね……やってみれば? 当たって砕けろだ」

男「それが嫌だから聞いてるんだろうが……」

少女「まあ、君の心次第だな」

男「またそれか」

少女「実際そうなんだもん。そもそもボクたち悪魔がわざわざ君たち人間と契約をして殺し合いをするのは、君たちの心の力を必要とするからだぞ」

男「心、ね……人間の命に希少価値はないんじゃなかったか?」

少女「心と命は別物だろう」

男「……まあ、どうでもいいけど。心次第って、ようは心を強く持てばいいということか?」

男「……まあ、どうでもいいけど。心次第って、ようは心を強く持てばいいということか?」

少女「そうだな、強く求めるんだ。この壁が壊したいと心の底から欲しろ」

男「欲する……」

少女「ボクは暴食を司る者、君はその騎士だ。強欲ほどではないにしろ、貪欲なまでに何かを求める心というのは力になりやすい」

少女「これが傲慢だったり怠惰だったりするとまた変わってくるんだがね」

男「……」


目を閉じる。心の奥底に語りかけるイメージで、欲する。

壊したい。この壁を拳で粉々に粉砕したい。

それができるほどの力が欲しい。力が。人を超えた絶大な力が。

全てを壊せるような、自分すらをも壊せるような力が欲しい!


男「ふっ……!」



どうなった? >>39のコンマ以下数値が
01~50 壊れず
51~80 ひびが入る
81~00 穴が開く
ゾロ目 壁粉砕

ズェアァッ!

腰のひねりを加え、俺の欲が込められた渾身の右ストレートが放たれる。

かつてないほどの速度。風を切り、唸り、無機質なコンクリートの壁へとためらいなく突き進む。

そして砕けた。

俺の拳が。


男「お、ごおおおぉぉぉぉ……!!」

少女「あひゃはははは!!」

男「お、お前!? さてはこうなるの分かってたな!」

少女「い、いや、もしかしたらとは思ってたんが、やっぱり当たって砕けてしまったか!」

男「なんで、俺の心次第じゃなかったのかよ……!」

少女「ああ、実際今の君の拳は、一般的な成人男性を一発で殴り殺せるぐらいの威力ではあった」

少女「でも、さすがにコンクリートは無理だろう! それをあんな思いっきり、あはははっ!」

男「この、クソ女! めちゃくちゃ痛かったんだぞ!」

少女「ごめんごめん! 怒らないで! でも、もう痛くはないはずだぞ」

男「え、あ、本当だ……」


グーパーと動かしてみる。特に痛みも違和感もない。

もう直ってる。複雑骨折ぐらいはしてると思ってたのに。

少女「暴食の姫に仕える騎士は、他の騎士に比べて再生能力に優れているんだ。その分燃費も悪いんだがね」

男「悪魔の大罪によって特徴が違うのか」

少女「憤怒は攻撃力特化になるし、色欲の契約者は絶倫になるらしい」

男「……」

少女「今ちょっと羨ましいとか思ったね?」

男「そ、そんなわけないだろ!」

少女「ふふ、そっち方面にはホント耐性がないね君。童貞だろう?」

男「だ、だったら何だよ!」

少女「今までいい感じになった異性とかはいないのかい?」

男「っ……」

少女「……ふふ」ニタニタ

男「本当に性格悪いな、お前……」

少女「さて、なんのことだか。それよりもっと試してみないのかい? 天井を走ってみたりとか、ぷぷっ」

男「……」



どうする?
1.試しにやってみる
2.普通に床を走ってみる
3.もう身体能力はいい、能力について調べる(何をする? 何を試してみる?)
4.その他

>>44

4お前の名前まだ聞いてないけど

分かりづらいですけど>>3で名乗ってる『少女』が一応名前です。
安価↓で

男「……やってみるか」

少女「え、ちょ、本当にやるのかい、ぷふっ」

男「……クソ、見てろよ」

男(取り合えず、壁を蹴って天井へ、そのまま天井を蹴って反対の壁へ……みたいな感じで壁や天井を蹴りつつ前へ進んでいくパターンでいこう)

男(忍者がよくやってそうなあれだな。ちょっと全体的に広くて壁と天井に距離があるのがあれだが……)

男(やろうとしなければ一生できないからな)

男(欲しろ、力を……求めるんだ、貪欲に)

少女「……へえ」

少女(すごい集中力だ。さっき殴った壁はびくともしなかったし、ボクにあんなに煽られたというのに)

少女(君の力は君の心次第……でも、それだけじゃ駄目なんだ)

少女(仕方がない、ボクも少し手を貸してやるか)

男「ふっ……!」



どうなった? >>49
1.すごく早く走ることはできた
2.勢いあまって壁を蹴り壊してしまった
3.天井を蹴ることはできた
4.何回かはできた
5.その他

2

地面をめいいっぱい蹴り出した。壁に向かって斜めに突っ走る。

男(あ、れ……?)

速い。体が軽い。今まで感じたことがないほど、力が漲っている。

というか、これ、速すぎるんじゃ……!


男(ぶつかる!?)

止まらなければ、と咄嗟に思った。でも、その考えを振り払う。ブレーキをかけそうになった脚を踏み込み、跳ぶ。

このまま壁を斜め下に蹴って、天井に跳ぶんだ!


男「ええいっ!!」

壁を蹴るため右足を突き出す。このとき俺は思った。

なんだかこれ、ライダーキックみたいだな。

男「ってええぇぇ!?」

足の裏から脳天めがけて衝撃が走ったかと思うと。

壁が砕け、俺は向こう側の部屋へ転がっていってしまった。

男「ごぶっ!?」

少女「へぇ……すごいじゃないか」

男「な、何が……?」

少女「やればできる男だな、お前は。まあ、実際の戦闘で大技を繰り出して自分の脚が砕けてしまうようでは困るが」

男「え……うおおおぉぉぉおクッソ痛い!!」

少女「ははっ、馬鹿なやつだな」


そうやって笑うそいつの顔は、本当に歳相応の、あどけない少女の笑顔に見えた。


男「……」

少女「少し見直した」

男「……」プイッ

少女「あー、照れたなー?」

男「そんなわけあるか!」



好感度が10上がった 15→25(最大100)
信頼度が15上がった 10→25(最大100)

 ――――――――

???「うへー、派手にやりますねー」

???「強そう?」

???「どうでしょう、分かりません」



男たちの様子を見ていた二人組、どんなやつら?
姫の大罪 >>54
騎士の特徴(性格、役職、特徴なんでも)>>56

怠惰

バイク便勤務の女性

怠惰姫「んー、あれは……暴食さん、ですかね? 多分ですけど」

配達員(♀)「はぁ。暴食ねぇ……契約者はデブ?」

怠惰姫「いえ、わりとスラッとしてますよ。顔もハンサムめです」

配達員「ハンサムかぁ……歳は?」

怠惰姫「多分20代前半から後半です」

配達員「年収は?」

怠惰姫「それは分かりませんねぇ……」

配達員「そっかぁ……ままならない世の中だね」

怠惰姫「どうします?」

配達員「え? どうするって?」

怠惰姫「あいつらですよ。繋がりが深まる前にサクっと殺しちゃいますか?」

配達員「あーん……まあ、弱いうちに殺した方が楽だよねぇ。でも、今配達中だしな」

怠惰姫「……配達の予定時間もう20分近くオーバーしてますよ」

配達員「え、マジで……? こりゃクビかもなぁ……まあ、あんたが優勝すれば願いで一生働かなくてすむようにしてもらうからいいんだけど」

怠惰姫「ちっちゃいですねぇ……でも、人類の永遠のロマンですよねそれ」

配達員「どうすっかなぁ~」



どうする? >>59
1.面倒だしこのまま乗り込む
2.面倒だし今日は止めとく
3.もう少し様子を見て決める

1

配達員「……なんか悩むのもめんどくせぇな」

怠惰姫「ですよね。私も同じこと思ってました」

配達員「ここで見逃しても、どうせいつかは誰かと殺り合わなきゃならないんだもんねー」

怠惰姫「ですねぇ」

配達員「……よっしゃ行くか。面倒なことは早めに終わらせてグダグダするに限る」

怠惰姫「了解です」

配達員「しっかり捕まっててね」

怠惰姫「はい」ギュッ

配達員「発進!」ドゥルルン!



男「でも、なんでこんな急に力が強くなったんだ? 壁を殴ったときとは明らかに感覚が違ったんだが」

少女「それは、ボクが少しだけ君に力を与えたからだよ」

男「え?」

少女「君の想いにボクの想いを重ねたんだ。だから、一人で欲したときよりもずっと大きな力を出せたってわけ」

男「……つまりどういうことだよ」

少女「言っただろう? 姫と騎士との繋がりが強ければ強いほど私たち自身も強くなれると」

男「……つまり、心が通じ合った、みたいな感じか?」

少女「簡単に言えばそうだね」

男「マジか……」

少女「え、ちょっと嫌そう?」

男「いや、お前みたいな性格悪いやつと心が通じ合うって言うのも、ちょっとな」

少女「ボクだって傷ついたりするんだからね……」

男「でも、本当にすごかった、さっきの力」

男(人生で一番、生きてるってことを実感できたような……)

男(……いや、今さらそんなもの感じてどうするってんだ。俺はもう、死にたいってのに……)

男「……まあ、身体能力の確認はこんなものでいいか。あとは能力を……」

少女「男、もう脚は完治したよね?」

男「え? ああ、まあ」

少女「そうか、それはよかった」

少女「早速本番だぞ」ガシッ

男「え、ちょっ……!」グイッ!

少女に襟元を掴まれ、引っ張られる。

少女が跳んだ。元いた場所から、一気に十メートル以上離れてしまった。

男(こ、こいつ、やっぱりすごいのか……!)

この少女が化け物であることを今さらながら実感していると、どこからともなく、バイクのエンジン音が聞こえてきた。


配達員「やっほー、お届けに参りましたー」


明るい、そしてどこか間の抜けた女性の声と共に。

コンクリートの壁が砕け、バイクに乗った女性二人組がビルの中に乗り込んできた。


男「え、な、は……!?」

男(なんだ、こいつら……!? バイクで壁を、ていうかここ五階だぞ……!?)

少女「はて、何か出前でもとってたかな?」

配達員「あの世への片道ペア旅行券でーす。料金はいただきません。返却不可です。ずべこべ言わずにぜひ受け取ってくださいね」

男「敵……!?」

少女「怠惰か……まあ、バトルロイヤルのウォーミングアップには最適かな」

怠惰姫「奇遇ですねー。私も食べることしか能のない大食いお嬢さんはサクっと殺すのに最適だと思ってたんですよ」

少女「……」

怠惰姫「……」

少女「能力を詳しく確かめる間もなく、本番になってしまったね」ボソッ

男「あ、ああ……」

少女「まあ、調度いい。こういうのは本番の中で覚えていくものさ」

男「……」

少女「怖いかい?」

男「いや……」

少女「大丈夫、私がついてる」ギュッ

男「っ……」

配達員「あー、だるいな。急がないとガンガンやる気がなくなっていくやつだわこれ」

怠惰姫「気をつけてくださいね。暴食のしぶとさはゴキブリ並みと聞きますから」

配達員「はいよー」



配達員の能力、どうやって決める? >>65のコンマ以下数値
01~70 安価で決める
71~00 >>1が勝手に決める(能力は明かされない)

ついでに配達員が犯した罪(罪だと思っていること)とは? >>67

今日はここまで。安価なら下

学校中退

【配達員の能力は勝手に>>1が決めます。0のゾロ目なので少し強め。能力が分かったら戦いが有利になるかも?】


少女「騎士に性別による性能差はほとんどないと言っていいが、もともと怠惰の騎士は戦闘能力はさほど高くない」

少女「優れているのは危機察知能力か、でもこれも主に戦闘や面倒事を回避するためのものだ」

男「肉弾戦ならこっちの方が有利かも、ってことか?」

少女「どうだかね。怠惰の騎士の能力は目に見えて分かりやすい直接的な攻撃ではないかもしれないぞ」

男「なるほどな……お前はどれぐらい戦えるんだ?」

少女「それなりに戦えるけど、ボクは基本サポートだ。君に力を送り込み君を戦わせる」

男「俺を道具扱いかよ」

少女「言っただろう、君はボクの駒だと」

男「……」

少女「そう気を悪くしないで。いわばボクたちはチェスのキング、例え君が無傷だったとしても、ボクがやられればそれでゲームエンドなんだ」

男「……」

少女「ボクは君に力を与える。ボクと君との繋がりが強ければ強いほど、力も送り込みやすい」

少女「ボクを信じて」

男「……と言われてもな」

男(実際に戦うのは俺な訳で。そもそもこいつからしてみれば、俺なんてただの道具程度の価値しかないのかも……)

男(……ご褒美。死人を蘇らせる)

男(幼馴染……でもあいつは、生き返ることを望むんだろうか……)

少女「……」

配達員「あー、来ないな」

怠惰姫「様子をうかがってるのかもしれませんね」

配達員「能力の分からない相手の懐にとびこむなんて、すげぇめんどくせぇなぁ」

怠惰姫「まあ大丈夫ですよ。何かあっても私が死なない限りあなたも死にませんから」

怠惰姫「それに、あなたの体質なら怖いものもないでしょう?」

配達員「……」


『ば、化け物……!? なんでそんな怪我して、笑ってられるんだよ!?』


配達員「……めんどうくせぇな」

配達員「ちょっと突っ込んでくるから、降りて」

怠惰姫「はい」

怠惰姫「頑張ってくださいね。私の怠惰のために、あらゆる障害をなぎ倒してください」

配達員「はいよ」

少女「来るようだぞ。怖いもの知らずだな」

男「っ……」ゴクッ

男(あいつ、これから殺し合いをしようってのに、まるで特別な感情を感じられない)

男(恐怖も、興奮も、怒りも、悲しみも……快楽も感じられない)

男(でも分かる。あいつは、躊躇いもなく俺と少女を殺しに来る……!!)

少女「あまり死にすぎるなよ。ボクの力も無尽蔵じゃないからな」

男「え……?」

配達員「お届けでーす!」ドゥルルン!

男「くっ……!」



どうする? >>72
1.迎撃
2.回避
3.能力発動
4.その他(それなりに詳しく)

2

男(回避だ!)ガシッ

少女「うわっ!?」グイッ

男「ふっ……!」ダン!

配達員「おお」


横に跳んだ。先ほどの少女の見よう見まねだ。

一蹴りで2メートルほど。バイクを交わすだけなのでこれぐらいでいい。

でも、軽いとはいえ人一人を抱えて跳ぶのは思ったよりも辛いな。


配達「結構やるじゃ――」


女を乗せたバイクが壁に激突、大きな音を出してクラッシュした。

女の体は慣性の法則に従い、顔面から壁へ激突。

スイカのように砕け散った。

男(うお、グロッ……!!)

怠惰姫「えぇ!? ちょ、何してるんですか!?」

少女「まさか、いきなりチャンス到来かな?」

男「今のうちに姫の方を……!!」ダッ!

怠惰姫「あわわわ! もうあのバカ!」


怠惰の姫が右手の手のひらを俺たちのほうへ突き出した。

こいつ、いったい何を……!?


怠惰姫「壁よ、顕現せよっ!!」


姫の声と共に、俺たちと姫の間に割って入るように、半透明の壁が現れた。

男「な、なんだこれ!?」

少女「やつの能力だな。怠惰の姫の力は、どうやら防御に特化しているらしい」

男「能力!? お前らも能力が使えるのか!?」

少女「当然だろう。そもそも君たちが能力を使えるのはボクたちが力を分け与えているからだぞ」

少女「まあ、どちらかと言うとボクたちのは超能力ではなく魔法のようなものだけどね」

男「なんでそういうことを先に言わないんだ馬鹿!」

少女「どうする? なんなら私が喰らおうか?」

男「……!」



どうする? >>77
1.男が破壊する
2.少女に喰らわせる
3.二人で同時攻撃

1

男「いや、いい。俺がやる!」

少女「……やる気があるのはいい事だが、意地を張っているんじゃ」

男「あの力、使うとエネルギーを消費するんじゃないか?」

少女「……! なんでそう思ったんだい?」

男「魔法みたいな力ってのと、あいつの様子を見てなんとなくな」

怠惰姫「チッ……!」

少女「……素晴らしいマンガ脳だな」

男「正解って事でいいんだな! じゃあ、壊すぞ!」

少女「君自身が壊れるなよ、それじゃあ意味ないからな!」

男「分かってる!」

男「てぇい!!」ブン!



どうなった? 安価↓コンマ判定
50以上で壁破壊、80以上で懐に飛び込める

 ビキビキィ!

男「ぐおっ……!」


半透明の壁は、硬さを持ってはいるのではなく一種の力場のようなものだった。

同じ極の磁石を近づけたときのような反発感。斥力。

魔力というものなのだろうか、白い光が電気のような音を鳴らしながら弾ける。


男(弾かれる……! あと少しなのに!)

少女「まったく、今の君では一人で姫の能力をどうこうするのは無理だ、分かったかい!」

男「少女……!?」

少女「喰らえ……!」


少女の右腕に、黒い靄のようなものが集まる。

何か、自分の内側を流れるものと共鳴するものを感じる。

間違いない、こいつの魔力だ。

少女が右手を壁めがけて突き出した。バチバチと、よりいっそう激しい音がする。

弾けた光が、黒い靄の方へ向かい、そして飲み込まれ、消えていく。

喰われている。

バキン、と。ガラスが割れたような一際大きな音が響いた。

男(行ける……!)

俺はより力を込めた。

男「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!」

そして、半透明の壁を、見事砕くことに成功した。

怠惰姫「くっ……!」

男(結局少女の力を借りることになってしまったけど、これでもう障害はない!)

男(行ける! このまま姫を……!)

少女「男!!」

男「っ!?」

配達員「あーだるい! こんな全力で走ったのいつぶりだろ!」

男(なっ!? もう治って、ていうか追いついたのか!?)

少女(はなから時間稼ぎが狙いだったか……!)

怠惰姫(盾も作って、配達員にもいっぱい力を送ったから、思いのほか消費してしまいました)

怠惰姫(でも、こいつの能力なら……! 頼みましたよ!)

配達員「姫様もらいー!」

男「チッ!!」



どうする? >>85
1.少女を守るため配達員を迎撃
2.逆に怠惰姫を先に狙う
3.能力発動
4.その他(それなりに詳しく)

1

男「少女……!」


自然と、俺の体は少女の方へと動いていた。

なんでだろう、別にこんなやつを守る義理なんて俺にはないというのに。

空気に飲まれて? それもある気がする。

いきなり目の前に意味不明な少女が現れて、漫画やアニメでよく見たような展開に巻き込まれて、俺はまだ混乱しているのかもしれない。

それとも。

もう誰かが死ぬところは見たくないから?


男「ふっ……!」

少女「男!?」

配達員(姫を庇うように割り込んで……!)

配達員「くく、カッコいいねー!」

男「おりゃあ!!」

男(俺の10秒時を戻す能力でどこまでやれるかは分からないが)

男(こいつは俺が……!)

こちらへ向かってくる女相手に、俺は拳を振るった。

分厚い青のジャケットを着た女性。もしかしたら宅配業者の人なのかもしれない。

女相手に殴りかかるのなんて初めてだし、知らない人だし、年上だし。

でも、相手は俺たちを殺す気まんまんだ。

というか、ついさっき頭が弾けて脳ミソぶちまけたというのにケロっとしている。

どこか、イカれているのかもしれないな。

他人事のように、ふと思った。


男「あ、れ……?」

少女「!?」

配達員「遅いねぇ。ハエが止まりそうだ」


その通りだ。遅い。比喩でもなんでもなく、ハエが止まっても不思議じゃない。

止まっている。俺の拳が。


男「なんっ……!?」

配達員「邪魔」

ずぶり、と。

女は、俺の左目に躊躇なく指を突っ込んできた。


男「お、があああぁぁぁああああ!!?」

配達員「視界を潰されると辛い。さっき学んだ」

男「こ、のっ……!」


痛い痛い痛い! クッソ痛い!

脳に近いところの鈍い痛み。咄嗟に抑えた手が震える。脂汗が滲んできた。

ぬめりとした温かい感覚。眼球のあった場所から血が出ている。


少女「男……!」

配達員「あんたの騎士弱いね」

少女「このっ……!」


少女の魔力が黒く揺らめいているのが見えた。


男(なんだ!? あいつ、今何した!? なんで俺の動きは止まって……!)



どうする? >>90
1.追いすがる
2.能力発動
3.その他(それなりに詳しく)

2

男「クソ、『リバウンド』!!」


世界がぐらつく。時が戻る。

10秒前、というと……


男「!?」

少女「男!?」

配達員「くく、カッコいいねー!」

男(ここか……!?)

男(でも、これからどうすればいいんだ!? 俺は何をすればいい?)


相手の能力の正体は掴めていない。

先ほどと同じように殴りかかっていけば、おそらく同じように動きを止められるだろう。

だが、女は既に目の前に迫ってきている。


男(クソ、どうする!?)



>>93
1.先ほどと同じく攻撃
2.少女と共に一度距離をとる
3.もう一度能力を発動してみる
4.その他(なるべく詳しく)

こんなの能力かも? というのがあれば書いてもいいです。

2

少女を掴み距離をとる。


配達員「ありゃ、逃げちゃった。つまらないの」

怠惰姫「こらぁ! あなた何してるんですか! 騎士なのに私をほっぽり出して!」

配達員「ごめんて。初めての実戦だしまだ勝手がよく分からなくて。離れないほうがいいのね」

怠惰姫「ですね。これからは私と適度に距離を保ちつつ戦ってください」

配達員「めんどくせぇ」


少女「……能力を使ったんだね」ボソッ

男「ああ。あいつに目を潰されてな」

少女「情けないね」

男「うるさいな! あいつ、妙な能力を使うんだよ!」

少女「君の能力も大概インチキだがね。で、何をしてきた?」

男「それが、よく分からないんだ。殴りかかったと思ったら、俺の腕が止まって」

少女「止まる? というのは、見えない壁にぶつかったとか、見えない何かに掴まったとかそういうことかい?」

男「いや、そういう感覚はなかったな」

男「なんだか、少しずつゆっくりになっていったというか……自然な感じに止まって動かせなくなったんだ」

男「力を入れてるつもりなのに、入ってないというか……少なくとも外から力で無理やりとめられてたわけじゃないと思う」

少女「ふむ……それだけだとなんとも言えないね」

男「どうすればいいと思う?」

少女「……さあ?」

男「お前な、少しはちゃんと考えろ!」

少女「今はまだ考える段階ではないよ。間違った答えを導き出してしまえばそれが致命傷になりうる」

男「……」

少女「とりあえず、試行錯誤だね。君にはそれができる」

男「……おいおい、まさか能力の正体が掴めるまでがむしゃらに攻撃しろとか言うんじゃないだろうな」

少女「がむしゃらにとはいわない。失敗は成功の母、次につなげないと無駄死にだぞ」

男「ふざけるなよ! すぐ治るとは言っても、攻撃食らうのめちゃくちゃ痛いんだぞ!」

少女「そのうち慣れる」

男「慣れるほど食らえって言うのか!?」

配達員「能力分かった?」

怠惰姫「いえ、まったく……というか、そもそも彼は能力をまだ使ってないんじゃないですか?」

配達員「この状況で? なんでよ」

怠惰姫「発動条件がかなり厳しいものなのか、一発逆転が可能な能力なのでここぞというタイミングを待っているのか……」

配達員「ひゃー怖い。もしもう使ってるのだとしたら?」

怠惰姫「私たちが気付かぬうちに発動している能力……精神操作系か罠接地系、あるいは布石をばら撒き気づいたときには手遅れ系?」

配達員「どちらにしろヤバいときはヤバいということだな」

怠惰姫「まあそりゃそうですよ」

配達員「じゃあ考えるだけ無駄だな。めんどくせぇし」

怠惰姫(そうやって本当に一切を考えることを止められる、その潔さも一種の強さですね)

怠惰姫「一応警戒はして置いてくださいよ。どんな些細な違和感も見落としたらダメです」

配達員「はいはいっと」

配達員「それじゃあ」

男「ふっ……!」ダッ!

配達員「行きますか!」ダッ!




男はどうする?(何をする?) >>99
1.普通に攻撃する
2.攻撃をかわしつつ様子を見る
3.配達員は無視、怠惰姫を狙う
4.その他(それなりに詳しく)

上の選択肢に加え、少女の行動も指定していいです(力を送り込む、自分も援護するなど)
少女の魔法は喰らう感じのことならある程度のことはできます。

能力を使いつつ分析する

女が走ってくる。俺も走る。

一直線上。距離がどんどん縮まっていく。

ぶつかる……!


配達員「オラ!」

男「くっ……!」

俺の顔面めがけての本気のグーパン。顔を左へ避けることでかわす。

男(かわせた! 攻撃を避けるときは普通に動けるのか?)

配達員「もいっちょ!」

今度は腹めがけての蹴り。放った右腕を引き戻す力を利用して、腰のひねりを加えて放たれる。

右腕でガード。間に合った。

男(受け止めることもできる! こいつ、もしかして攻撃しか止められないのか?)

試しに殴りかかってみた。

腕は伸びきる前に、スロー再生のように徐々に速度を落としていき、やがて静止した。

さっきと同じだ。

男(ビンゴか!?)

配達員「やりぃ♪」

棒状になった腕をつかまれ、女のほうへ引き寄せられる。

頭突き。鼻をへし折られた。

男「がっは!?」

配達員「へぇ、やっぱ騎士になっても痛いもんは痛いんだね」

痛みに顔を歪める俺の様子を見て、女は口を歪めた。

配達員「ねぇ、『痛い』ってどんな感じなの? そんな苦しいの? 死にたくなるほど?」

配達員「教えてよ」

男「っ……!」

そうやって笑う彼女の瞳には、感情は宿ってなかった。

背筋が凍った。得体の知れないものを感じて。

突き立てられた指が、正確に俺の瞳を抉り――

男「り、『リバウンド』!!」

少女「とりあえず試行錯誤だね。君にはそれが……って、大丈夫かい!?」

男「ハァ、ハァ……!」

少女「……どうだった?」

男「あいつの能力は、なんとなく分かった。敵の動きを止めるというより、自分への攻撃を止めることができるって感じだと思う」

少女「攻撃……なるほどね。バイクで事故って脳ミソ飛び散らかしてたのはそういうことか」

男(言われてみれば、あの時は普通にダメージを受けてたな。壁から攻撃を受けたわけではないからか?)

少女「能力の方向性がある程度絞れたなら……後はそれに対処するだけだ」

男「……どうすればいいんだ?」



どうする? (男、あるいは少女は何をすればいい?)>>104

逆に攻撃フリして直前で戻す

少女「そうだね……いくつか考えられるけど……」

男「……」

男(攻撃は止められてしまうってことは分かった。でも、まだ詳しい条件はよく分かってない)

男(何か、こちらから能動的にダメージを与える方法があれば……)

男「もう少し確かめてみるか」

少女「え?」

男「行ってくる!」

少女「あ、ちょっ……!」



配達員「オラ!」

右ストレート。左へかわす。

同じだ。

配達員「もいっちょ!」

腹への蹴り。右腕で防ぐ。

同じだ。そして。

男「ふっ……!」

右腕を振りかぶった。でも、普通に攻撃すれば止められる。

だったら、逆に攻撃はしない。

女の顔面に触れる寸前までいった拳を、勢いよく引き戻す。

男「できた……!」

普通にできた! 狙っていたどうりの動き、速さ! 止められなかった!

配達員「は?」

男(驚いてる、つまりこいつは攻撃を認識して止めてるわけじゃない!)

男(俺に攻撃の意思があるかどうか、あるいは実際にそれが攻撃として自身に当たるかどうか、それによって能力が勝手に発動するんだ!)

男(クソ、でも厄介だぞこれは……!)

配達員「お前……なんで私の能力が分かった?」

男「……!」

配達員「読心……なら確かめるようなことはしない……直感、ヒントを得るタイプの……」ブツブツ

配達員「あるいは……推理、考察……未来予知……いや、何度か……リプレイ……?」

配達員「それとも……時間を戻してる?」

男(こいつ……!)

配達員「まあ、どうでもいいか」

男「『リバウンド』!!」



 ――――――――

少女「能力の方向性がある程度絞れたなら……って、戻ってきたのかい?」

男「ああ、まあな……」ハァハァ

少女「……これで何回目だ?」

男「三回目だ」

少女「そうか……まだ、そんなものか」

男「……?」

少女「で、新たに何か分かったか?」

男「ああ。あいつは攻撃を認識して止めてるんじゃない、自動で攻撃になりうるものを止めているんだ」

少女「自動か、厄介だな……その攻撃ってのは、具体的にどんなものを対象とするんだ?」

男「というと?」

少女「武器は対象外かもしれないし、あるいは物理法則外からの攻撃は防げないというのなら」

少女「ボクが喰らうことができるかもしれない」

男「……」

少女「賭けになるがね。どうする?」



どうする? >>109
1.もうちょっといろいろ試してみる(何をする?)
2.少女にも攻撃に参加してもらう
3.倒すのではなく動きを止める、制限する方法を考える(何をする?)
4.逃げる
5.その他の作戦(それなりに詳しく)

3攻撃するふりして抱きつくとか

男「……何もあいつを倒すのにこだわる必要はないな。倒すべきなは姫だけなんだから」

少女「それは正しいが……何か策でもあるのか?」

男「俺がやつの動きを止める。その間にお前は姫を討ってくれ」

少女「え、いや、それだと……」

男「行くぞ!」ダッ

少女「おい……!」

少女(ボクが死んだらもうやり直しはできなくなるんだぞ、分かってるのかあいつ……!)



配達員「オラ! もいっちょ!」

男「ふっ……!」バキッ

男(攻撃が止められてしまうなら、これはどうだ!)

男「おりゃ!」ガバッ

配達員「ッ!?」ギュッ

怠惰姫「えぇ!?」

少女「なっ!? 君、何してるんだ!!」

男(できた! 攻撃じゃなければ接触はできるんだ!)

男(でも、これ以上力が込められない……!)ググッ…

 ――――――――

『お前は、いったい何度俺を怒らせたら気がすむんだ!!』

『っ……ごめんなさい、お父さん』

『クソ、本当に気味悪いな、なんで痛がらないんだお前は……』

『(だって、よく分からないんだもん。痛いって、どういうことなのか……)』

『ガキのくせにすました顔しやがって……それにしても、お前もそれなりに成長してきたな』

『え?』

『ぐふ、ほらこっち来い! 今日こそ泣き喚かせてやる!』

『え、え?』

 ――――――――



配達員「おかげで、嫌なこと思い出しちゃったな」ガシッ

男「え?」

頭の上と顎を、両手でがっちり挟まれる。

嫌な予感がする。

男「な、何を……!」

配達員「お返し」

 ゴキゴキゴキッ

 ―――――――

少女「能力の方向性がある程度絞れたなら……って、戻ってきたのかい?」

男「ハァ、ハァ……!」ガタガタ

少女(……酷い殺され方をされたみたいだね)

少女(体は不死身とはいえ、精神のほうは人の頃と同じ弱いままだ。ストレスによる疲労は溜まっていくだろう)

少女(それに、ボクの力だって限りはあるからね……あまり、無茶しないでくれると嬉しいんだが)

少女「何か新しいことは分かったかい?」

男「あ、ああ……どうやら、抱きつくことはできるみたいだな」

少女「なるほど……抱きつく!? 君彼女に抱きついたのかい!?」

男「もう二度としたくないけどな、あんなこと」

男(力を込められないんじゃ、拘束としてあまり意味があるとは思えないし、それに……)

男(俺と大差ないような人間ばかり、か)

少女「……なんでそんなことをしようと思ったんだい?」

男「いや、だからこっちの攻撃は通用しないから……」

男(あれ、というか今のこいつは三回目の俺の情報を知らないのか?)

男「実は……」

配達員「こないならこっちから行くよ!」

少女「来たぞ!」

男(なっ!? クソ、まだ話せてないのに……!)



どうする?(男、あるいは少女は何をする?) >>115

男が小便を漏らす

男(時間を戻すたびに教えるべき情報が増えるのか、面倒だな)

女の方へと走りながら、俺は今の状況を冷静に見ることができている自分に気付いた。

最初敵と遭遇したときは恐怖や不安、興奮もあったし、こちらの攻撃が止められてしまうと気付いたときは動揺もしたけど。

少しずつ、やつの能力について掴めてきている。それが、俺に確かな安心感を与えているのだろう。

少女のやつも対策法をいくつか思いついていた。仮にこいつ自身をどうにかできないのだとしても、姫の方はそうじゃない。

怠惰の姫が生み出した壁は破壊できた。きっと倒す方法はある。

可能性は低くてもいい。あれば十分なのだ。

俺は何度でもやり直すことができる。何度でも失敗できる。その度に何かを学べる。

この戦い、どうあっても有利なのはこちらのほうなのだ。

男「ははっ」

配達員「あん?」

つい笑いがこぼれてしまった。

配達員「何がおかしいんだ、おい!」

右ストレートとキック。もう4回目だ、怖くない。

そして次は。

男「おらっ!」

ポケットに入れていたスマホを思いっきり投げつける。これはあくまで確認用。どうせ戻るのだ、壊れても困りはしない。

これで確かめられることは二つ。無機物も止められるのかどうか、遠距離攻撃も止められるのかどうか。

配達員「あん?」

女の胸めがけて投げつけたスマホは、徐々に速度を落としていき女に届くことなく停止、自然落下した。

結果は、どちらも止められるらしい。

男(こいつの能力、なんだかズルくないか!? どうやって倒すんだ!)

やっぱり少女の言っていた物理法則外の攻撃とやらをしなければいけないんだろうか。

男(でも、あんまりあいつを危険に晒すようなことは……!)

別にあいつのことはどうでもいいが、まだ幼馴染のことをどうするか決めかねている。

答えを出すまでぐらいは、あいつに生きていてもらわないと。

配達員「残念でした!」

男「ぐっ……!」

片手で首をつかまれる。これが女の腕力なのだろうか、ミシミシと骨が軋むほど圧迫される。

殺されてしまう。

男(別に死んでも生き返ることはできるけど、痛いのはなるべく避けたい!)

そして俺は、能力を発動した。

もうすっかり慣れたものだ。発動するのに特にコツとかもいらないし、世界が巻き戻る感覚にも慣れた。

世界が揺れた。

 ―――――――

男「あ、あっ……?」

五回目の遡及跳躍(リバウンド)。

俺は膝から崩れ落ちると、あろうことか失禁してしまった。

温かい染みが、ズボンを広がっていく。

男「あれ、なんで……?」

体に力が入らない。あれ? あれ?

少女「クソ、君、いったいこれで何度目の過去跳躍だ!?」

男「え、あ、五回目、だけど……」

少女「それだけでこんなに……!? 能力を使う感覚が短すぎたのか!?」

男「何の話だ……? 俺、どうなって……?」

少女「話は後だ! 逃げるぞ!」

男「え、え?」

腕を引っ張られる。頭が付いていかない。

俺は、どうなったんだ? どこで間違えた?

配達員「え、嘘でしょ? ちょっと待ってよ!」

女の声が小さくなっていく。すごい勢いで遠ざかっていってるのが分かる。

きっと少女のやつが全力で逃げているのだろう。

こいつも、こんなに必死になるんだな。

なんてどこかずれたことを考えながら、俺の意識は闇へ沈んでいった。

配達員「あーあ。逃げられちゃった」

怠惰姫「いや、追いましょうよ!? 今なら本気を出せば追いつけますって!」

配達員「明日から本気出す」

怠惰姫「絶好のチャンスなんですよ! なんでか知らないですけど騎士も姫も急に弱りだしましたし!」

配達員「えー……逃げる相手を追うのって、すごくめんどくさくない?」

怠惰姫「それはよーく分かりますが、ここで殺しておいたほうがあとあと絶対楽ですって!」

配達員「まあいいじゃん。私の能力発動しなかったからバレてないし。でもこっちは相手の能力をある程度絞り込める」

怠惰姫「……急にあれだけ消耗したってことはかなり強力な能力を発動したってこと」

配達員「でも私たちはなんともない。つまり発動が失敗したか、私の能力で止められたかってことでしょ」

怠惰姫「ギャンブル性の高い能力かあるいは非常に相性のいい能力、ってことですか?」

配達員「そもそも、なんでこの局面であんなことしたんだろうねー。そこから考えていくのも面白いかも」

怠惰姫「でもあれが能力発動による消費だと断定できるわけじゃないですよね?」

配達員「他に考えられる原因っていうと……第三者による攻撃、とか?」

怠惰姫「っ……」キョロキョロ

配達員「どちらかというとうちらも逃げたほうがいいんじゃない? あいつらが逃げたふりして私たちをつけたりするかもしれないし」

怠惰姫「……それっぽいこと言って怠けたいだけでしょ」

配達員「えへへ、バレた?」

怠惰姫「……」



どうする? >>122
1.ここは追うべき!
2.今日のところは逃がしてあげましょう

2

怠惰姫「……まあ、今日はいいでしょう。戦いはまだ始まったばかりですし」

怠惰姫「それに、私も疲れちゃってますから。早く家帰って寝たい」

配達員「やった! 話分かるぅ!」

怠惰姫「で、仕事のほうはどうするんですか?」

配達員「え?」

怠惰姫「バイク、壊れちゃいましたけど」

配達員「」

配達員「……まあ、もともと働くなんてのは私にはふさわしくなかった!」

怠惰姫「これで仕事ドタキャンするの何度目ですか?」

配達員「五度目!」

怠惰姫「むしろよく就職先見つかりましたね……」

配達員「顔だけはいいからね」

 ――――――――

少女「はぁ、はぁ……どうやら、追ってこなかったみたいだね。敵が怠惰で、助かった……」グラッ

男「お、おい、大丈夫か!?」

少女「人の心配をできる立場か、君は……」ハァハァ

男「……悪い、俺が考えなしに能力を連発したせいで」

少女「いや、君は悪くない。まさか発動回数が十回もいってないにこんなことになるなんて、ボクも予想してなかった」

少女「でも、これは逆に考えるとすごいことだぞ。君の能力には、それだけのポテンシャルがあるってことだからね」

男(悪魔のくせに前向きだよなぁ、こいつ……)

男「……って、お前、それ……」

少女「え?」


先ほどまで俺を抱えていた少女の腕に、変化があった。

先ほどまでは、普通の白く柔かい少女の腕だったのに。

黒く、産毛がびっしりと生えた、細長く不気味な腕。

まるで、昆虫のそれのような……

少女「……あまり、見ないでくれるかな。別に醜いだとか嫌いだとか思ってるわけではないんだが、人に見られるのは、ちょっと……」

そういって、背中に隠す。

男「……お前」

少女「っ……」

男「ちゃんと可愛いところあるんだな」

少女「な、なぁ!? 下僕が、主をからかうんじゃないっ!」

男「ははっ」

少女「おしっこ漏らしたやつがかっこつけた笑みを漏らすな」

男「な、別にかっこつけてなんかないだろ!」

少女「あーあ臭い。ボクにまで匂いが移りそうだ、こっちに来ないでくれるかな?」

男「心配しなくてももう動けねぇよ!」

少女「……ボクもだ。しばらく休まないと」

男「……俺が能力を使うと、もしかしてお前も消費するのか?」

少女「自分で使うのに比べたら微々たるものだけどね」

男「俺が死んだときも?」

少女「それも大したことじゃない。瞬きするのにだってエネルギーは消費されているんだろうが、大して気にならないだろう? 同じことさ」

男「……なんで言わなかったんだ」

少女「君がボクに遠慮して能力使用を躊躇ったりしたら困るからね。君のは何度も使ってこそ意味がある」

男「俺がお前なんかを心配するとでも?」

少女「しないのかい?」

男「……」

少女「……ちょっと遅くなったけれど、何か他に聞いておきたいことはあるかい? 答えられそうなら答えるよ」

男「今さらかよ……そうだな」



何を聞く?(ないならないでいい) >>128

他の大罪について聞く

男「他の大罪について知りたい」

少女「あれ、君は七つの大罪知らないのかい?」

男「知ってるけど、俺の知ってるそれとお前たちの存在って全く別物だろ?」

少女「まあそうだね。名前は被ってるけど全く関係のないものだと思っていい」

男「俺が知りたいのは、それぞれの騎士の特徴、あと姫のもつ魔法とかってやつの特性についてだ」

少女「ボクだって、他の候補者についてそれほどよく知ってるわけじゃないけどね」

少女「さっき戦った怠惰は、本来戦闘には不向きだ。騎士は危機察知能力に優れる。あとは痛みに鈍感だって聞いたことがあるな」

男(痛みに鈍感……なんか、それっぽいこと言ってたような……)

少女「怠惰の姫は防御に関する魔法が使えるみたいだね」

男「そもそも能力と魔法って何が違うんだ?」

少女「うーん、ボクたちがそのまま力を使うか、人間というフィルタを通して力を使うかって違いしかないんだけど」

少女「この世界だと後者の方がエネルギー効率はいいんだよね。でも、本来人間が持つべき力ではないから、使い方は制限されるしそれもその人間の心を映したものになる」

少女「ボクたちの使う力は対応する大罪により関連性が高いかな。消費が激しいのと、いろんなことができるが大したことはできないって感じだね」

男「大したことができない?」

少女「騎士が使う能力の方が強力だってことだよ。汎用型か特化型かってこと」

少女「ボクはいろんなものを喰らうことができるけど、言ってしまえばそれだけだ」

男「それも十分すごいと思うけどな」

少女「君の使う能力の方がずっとすごいよ。この世界ではね」

男「……」

少女「あとは……気をつけるべきなのは傲慢、憤怒、強欲あたりかな。ここら辺の悪魔の騎士は戦闘能力が高いはずだ」

少女「憤怒は破壊力特化、強欲は身体能力が全体的に高くてとにかくタフだ」

少女「暴食は再生能力に優れているが、強欲はそもそも傷つきにくい頑丈な肉体を持つ、って感じかな」

少女「そして傲慢は……身体能力はそつなく高い、そして扱う能力はかなり凶悪だろうね」

男「なんとなく傲慢ってヤバいやつなイメージあるもんな」

少女「力があるがゆえの驕りだからね。まあ逆に、そこが突きやすい弱点でもあるんだが」

少女「あとは嫉妬と色欲か。ここら辺は戦闘能力が高いってわけじゃない、怠惰やボクたちと同じく、補助的な特性を持っているだろう」

少女「嫉妬は身体能力はそれなりだな。でも、敵に対する悪意、執着は他のどの大罪よりも強いだろう。追い込まれたときは一番厄介かもね」

少女「そして色欲だが……」

男「……」ゴクリ

少女「騎士は男女問わず絶倫に、そして異性に対する魅力も上がる。戦闘には特に生かされないだろうな」

男「……そうか」

少女「ようはただのカスだ」

男「そんなことない!」

少女「……」ジトー

男「な、なんだよ……」

少女「羨ましいと思ったね?」

男「そ、そんなこと……」

少女「自分も色欲の騎士だったらよかったのに、とか思ったね? ね?」

男「思ってないってば!!」

少女「どうだか」

男「……なんだか、昨日と反応違うことないか?」

少女「は? 何が言いたいんだい?」

男「別に」

少女「……もう反抗期か、困ったやつだ」

少女「で、他に何か聞きたいことは?」



何を聞く?(特にないならないでいい) >>133

率直な今の気持ちを教えて欲しい

男「投げやりだな」

少女「体が動くようになるまでの暇つぶしだからね」

男「……今の率直な気持ちを教えてくれ」

少女「は? なんだいそりゃ」

少女「そうだね……悲しいよ」

男「悲しい?」

少女「ボクの騎士(ナイト)様が、こんな性格捻くれまくったドスケベお漏らし野郎だなんて……」シクシク

男「ドスケベお漏らし野郎ってなんだ!? 酷すぎるだろ! 漏らしたのこれでもショックだったんだぞわりと!」

少女「ふふ、あとは……そうだな」

男「……」

少女「>>136



少女は今どんな気持ち?(台詞安価)

相手の能力の正体に自ら気が付いたのはすごいと思ったよ、少し惚れかけたかな?

少女「相手の能力の正体に自ら気が付いたのはすごいと思ったよ」

男「は?」

少女「少し惚れかけたかな?」

男「っ……!」


心臓が跳ねる。台詞というよりも、その表情に。

どうやら俺は、こいつのこういう笑顔に弱いらしい。

かつてのあいつの笑顔を重ねているからか。

大して似てねえのに。


少女「なんてね」

男「こ、この……! 変なこと言うな! そもそも、あいつの能力の詳細は分からずじまいだったし」

少女「でも、攻撃は止められるってことまで気付けたじゃないか。初めての戦闘にしては上出来だよ」

少女「実際はもう少し正体に近づけたんじゃないかな? ボクの知らない時間で」

男「……まあな」

少女「聞かせてくれるかい?」

男「……って感じだな」

少女「なるほどね。どうやら通常の攻撃は全て防がれると考えていいかもしれないね」

男「少女は物理法則外の攻撃なら通用するかもって言ってたぞ」

少女「ボクが? ふふ、なかなかいいところに目を付けるじゃないか」

男「自分で言うなっつうの」

少女「後は、そうだな……間接的な攻撃とか?」

男「間接的?」

少女「天井を破壊したり、床を破壊したりとかだね」

男「なるほどな……」

少女「まあ、次に戦うときはボクも覚悟を決めるよ」

男「……」

少女「よし、じゃあ帰るか。念のために遠回りするぞ」

男「もう動けるのか?」

少女「暴食は回復能力が高いからね。その分、燃費も悪いが」

少女「そういうわけだから、夕飯も期待しているよ」

そういってお茶目に笑う。本当に楽しみなんだろう。食べることが好きなんだろうな、暴食だし。

腕は、普通の少女のものに戻っていた

男「……」

少女「……やっぱり、君たち人間はこっちの方がいいだろう?」

男「……まあな」

少女「……」

男「でも、その……そんな、気にしないから」

少女「は?」

男「別に、嫌いって訳じゃねえし。俺、虫とか大丈夫なほうだから」

男「だから、別に、俺には隠さないでいい……見られたくないなら、いいけど」

少女「……何を言ってるんだ君は」

男「な、なんでもない!」

少女「……はは、変なやつ」

男「っ……」

だから、そうやって笑うなって。



好感度が10上がった 25→35(最大100)
信頼度が10上がった 25→35(最大100)

今日はここまで。この三連休で一気に進めたい

少女「いただきます」

少女「がふっ、んぐごぼ! がつがつ、ばくっ!」

男「……」

少女「ごく、んぶっ、がふがふっ!」

男(すごい勢いでなくなっていくな)

少女「……」モグモグ

男「……なんだよ」

少女「食え」

男「は?」

少女「君も食え。結局今日何も食べてないだろう」

男「……」

少女「まあ、騎士には本来食事も睡眠も必要ないのだが」

男「マジかよ……本当に人間やめてるんだな俺」

少女「美味しいものを食べられないなんてそんなもの拷問と同じだからな。食こそが生命の生きる意味、最大の娯楽だ」

少女「だから特別に、ボクが許可しよう。食え」

男「……」

少女「……仕方がないやつだな。はい、あーん」

男「っ!? い、いらねぇよ!」

少女「君、このボクが他人に食べ物を与えるということがどういうことか分かっているのかい?」

少女「ボクが己の誘惑に負けてしまう前に、早く食べてくれないか」プルプル

男「……」パクッ

少女「どうだ、美味いか?」

男「……」コクン

少女「ふふっ、そうだろう! がつ、むぐ、ばくばく!」

男「……なんでお前が嬉しそうなんだ」

少女「ぶく、ごくん! むしゃむしゃ!」

男「……」パクッ モグモグ

少女「んぐ、ごふっ、あむ、じゅる!」

男「……なあ」

少女「にゃんだ?」モグモグ

男「俺の飯、美味いか?」

少女「ああ? なんだ急に……んぐっ」

少女「もちろん、すごくおいしいぞ!」

男「……」

男「……」ポロポロ

少女「うわっ、なんだ!」

男「あむ……美味いな、これ」

少女「……自画自賛かい?」

男「美味いなぁ……」モグモグ

少女「……ふふっ」



男 少女「ごちそうさまでした」

少女「床で寝ろ」

男「嫌だ! お前が床で寝ろよ、ここ俺の家だぞ」

少女「ふざけるな。ボクは姫だぞ? そもそも本来なら騎士は睡眠をとる必要などないと言っただろう」

少女「四六時中起きて敵の襲撃を警戒していろと命令してもおかしくないところを、ボクは特別に眠ることを許可してやってるんだ」

少女「主の偉大な優しさに感激してほしいぐらいだよ」

男「つっても今すごい眠いぞ俺」

少女「まあ、眠ったほうが精神的に疲れが取れるのは確かだしね。それに、もしかしたら暴食の騎士は他の騎士より生理的欲求に素直なのかもしれない」

少女「君がドスケベなのも仕方ないことなのかもしれない。悲しいことだ」

男「お前なぁ……! ていうか昨日は一緒に寝ただろうが!」

少女「あれは特別だと言ったはずだが。それとも何か?」

少女「君は、ボクと一緒に寝たいのかい?」

男「うっ……!」



なんと答える? >>146
1.その通りだよ!
2.分かったよ、床で寝ればいいんだろ!
3.寝ないでずっと起きててやるよ!
4.その他

1

男「その通りだよ!」

少女「えっ」

男「俺だってベッドで寝たい! 今日俺頑張っただろ?」

少女「え、えっと……」

男「お前だって褒めてくれたじゃないか。な?」

少女「……ボクと一緒に寝ることになってもかい?」

男「どうせ何言ったってお前はベッドで寝るだろうが」

少女「そ、そうか……まあ、ボクは優しいから、特別に許してやろう」

男「ありがとう」

少女「……とんだスケベ野郎だな」

男「なっ!?」

少女「妙な気を起こすんじゃないよ?」

男「起こすわけないだろうが!」

少女「それじゃあ……来たまえ」

男「あ、ああ」

少女「……おやすみなさい」

男「……おやすみ」

少女「すぅ……」

男(もう寝たのか……俺も、そろそろ寝そうだな……)

男(今日は、大変だったなぁ……目を抉られたり、首を捻られたり)

男(でも……なんだか、今の気分は、悪くない……久しぶりに、ぐっすり眠れるかも……)

少女「……」

男(こいつ、温かいな……人肌の温度、いったいいつぶりだろう……)

男(こんなに誰かと話したの、いつぶりだろう)

男(誰かと一緒に食事をしたなんて……何かを美味しいと感じたことなんて、いつぶりだろう)

男(そういえば、今日は、暴食しなかった、な……)

男(……)


――――

――――――――

幼馴染「おいひー♪ やっぱり男の料理は世界一!」

男「ははっ、本当に美味しそうに食べるよなお前。俺も嬉しいよ」

幼馴染「だってホントに美味しいんだもん!」


次々と料理を口に運びながら、幸せそうに微笑む幼馴染。

俺の一番好きな表情。俺の、一番大切だった人。


男「どんどん食べてくれよ。おかわりはいくらでもあるから」

幼馴染「……」

男「? どうした?」

幼馴染「いらない」

男「え?」

幼馴染「こんなのいらない!!」


幼馴染が、テーブルの上の食器を横に払った。食器が甲高い音を出して割れ、料理が床へ散らばる。

男「お前、何やってるんだ!?」

幼馴染「もう男の料理なんて食べたくない!!」


取り乱したように泣き喚く幼馴染は、見る見るうちに痩せていった。このままでは、骨と皮だけになってしまう。

死んでしまう。

もっと、食べさせないと!


男「ほら、食え! 食うんだ!」

幼馴染「むぐっ、もご! やめ……!」


嫌がる幼馴染の口へ料理を無理やり詰め込む。手が汚れてしまうが、そんなことを気にしている場合ではない。

もっと太らせないと! もっと、もっと!

幼馴染が俺を睨みつけてくる。呪い殺してやろうかといわんばかりに。

そうして、俺の手の中で幼馴染は死んでいった。

男「ッ!?」


跳ね起きる。気持ちの悪い汗で背中がぐっしょりと濡れていた。

悪夢。あそこまで鮮明なのを見たのは、久しぶり……。


男「お、俺は……」


俺は、いったい何をしていたんだ。何を考えていたんだ。

俺が幸せになるなんて許されることじゃないのに。


男「ご、ごめん、ごめん……!」


俺はうわごとの様に呟きながら、冷蔵庫の方へと向かった。

こういうときのために、食べられるものをストックしてある。


男「ガフッ! んぐ、ガフガフ!」


暴食する。ひたすらに。味は感じられない。それでも、無理やり飲み込んでいく。

男「ウッ……!? ぐえぇぇ……!」


ビチャビチャと汚らしい音をたてながら、俺の口から料理だったものが零れ落ちていく。

胃酸のすっぱさが舌の根の方に残る。

きっと、夕飯に食べた分も出ちゃったんだろうな。

こうやって吐いてしまうから、俺は太れないんだ。

俺は、太りたいのに。死んでしまったあいつのぶんまで。


男「ウ、オエ……ガフ、んぐっ!」



少女「……馬鹿が」



【一日目 終了】

今日の脱落者は? 安価↓コンマ判定
偶数 いない
奇数 一組
ゾロ目 二組

脱落した大罪>>155
倒した大罪>>157
どちらも暴食以外で

傲慢

強欲

傲慢姫「が、ハッ……!」

傲慢姫「馬鹿な……ありえんありえんありえん!! 我が、この『傲慢』を司る我がこんなところで終わるなど!?」

???「なんだ、理由はちゃんと分かってるじゃねえか」

???「敗因はお前が傲慢だったからだ、マヌケ」ググッ

傲慢姫「いや、やめ」

 バギバギッ ガギュッ ブシュッ

傲慢姫「――」ドサッ

社長「ひ、ひいいぃぃ!? こ、殺さないでくれぇ! わ、私は、無理やりこいつに従わされてただけで!」

強欲姫「きゃはは! 馬鹿じゃね、お前なんかわざわざ殺す必要ないんですけど」

社長「ほ、ホントか!? 後でいくらでもほしいだけの金を……!」

???「いらねぇよ」バギッ

社長「ガフッ!?」

???「たかが十億百億程度の金、今さら興味ねえっつうの」

強欲姫「ひゅー、さっすが私の騎士様! イカスー!」

社長「わ、悪かった、出すぎたことを言って。で、では、失礼する!」

強欲姫「ばいびー☆」

社長(クソ、ふざけるな! とんだ茶番に付き合わされた!)

社長(あの女、何が『我となら勝利は確実』だ! 相手をはなから舐めてかかった結果がこのザマだ!)

社長(もう切り替えよう。忘れよう、こんなことは。私は絶対勝者、常に勝ち続ける者)

社長(悪魔なんぞという訳の分からんものに頼らずとも、自分の野望ぐらい果たして……)ガクッ

社長「あ、え……?」

社長(あ、脚が、脚が砂に!? いや、全身がどんどん……!?)

社長「ひいいぃぃぃ!? お、お前たち、話が違うじゃないかァァ!!」

強欲姫「ウチらはなにもしてねーし」

強欲姫「姫が死んだら騎士も死ぬ、当然っしょ。だって騎士は姫の所有物なんだから」

社長「い、嫌だ!? 死にたくない、私はまだ、まだ……!!」ドサッ ボトボトッ



???「ハッ、くだらねぇ。傲慢の最後があんな惨めなものとは」

強欲姫「でも、こんな早く傲慢を殺れたのは超ラッキー☆ って感じ。もしかしたら今回超余裕かも」

???「油断すんな。こいつみたいになるぞ」ゲシッ

傲慢姫「――」ゴロッ

強欲姫「大丈夫大丈夫。あ、帰るなら私寄りたいところあるんだー! さっき超いい感じの服見つけてさ!」

???「却下だ。殺すぞ」

強欲姫「えー! 酷いー! 甲斐性なし! ぶーぶー!」



 ――――――――

【二日目】


少女「がぶがふっ! もぐもぐっ!」

男「……」

少女「たべひゃいのか?」

男「いらない」

少女「……そうか。がふ、むぐ、もぎゅっ!」

男「……」

少女「ふぅ。ごちそうさま。で、今日はどうする? 訓練するにしても昨日の廃ビルでやるのはちょっと危険だぞ」

男「そうだな……」



今日は何する?(どこに行く?) >>162

広い公園で練習

男「そうだな……公園とかどうだ? 近くに結構広いやつがあるんだ」

少女「公園か……いいね、今日は天気もいいし」

男「いや、遊びに行くわけじゃないぞ」

少女「今日も鍛錬かい? 真面目だがつまらないやつだな」

男「うるさいな……昨日のやつやあいつらよりヤバいやつと戦わないといけなくなるかもしれないんだぞ」

少女「はいはい分かってるって。でも、広い公園となると他にもいろんな人がいるんじゃないのかい?」

男「まあ、いざとなれば時間を戻せば問題ない」

少女「なるほど……つくづく便利な能力だな」

男「あ、でもあんま何度も使えないのか。昨日みたいに鍛錬中に襲われたりすると……」

少女「そのことなんだけどね、ボクが思うに使う間隔が短すぎたというのもあると思うんだ」

男「え?」

少女「10秒時間を戻す能力を10秒間隔で使っていたら、傍から見ると能力を一瞬で何度も発動したことになると思わないかい?」

男「ああ、なるほど……そうか?」

少女「それも確かめられればいいんだが、すこしリスキーかな」

男「……まあ、とりあえず行ってみるか」

少女「いやいや、その前にやるべきことがあるだろう」

男「は?」

少女「ピクニックにお弁当は必要不可欠だろう!」

男「……いや、だから遊びに行くんじゃないんだってば」

少女「んー、清々しい青空だね!」

男「まあな」

少女「犬を散歩させてる人だったり、ジョギングをしている人だったり、やっぱりいろんな人がいるね」

男「だな」

少女「お、見ろ! あんな幼い子もいるぞ」

男「親子連れだな」

少女「あまりジロジロみるなよ? 通報されたらかなわないからね」

男「見ねえよ!」

少女「五歳児は君の性欲対象に入るかい?」

男「入らねえよ!」

少女「ふふ、そうか。少し安心したよ」

男「こいつ……」

少女「で、何をするんだい?」

男「そうだな……」



何をする? >>165
1.走る
2.跳ぶ
3.木や岩を殴る、蹴る
4.少女と手合わせ
4.その他

2

男「とりあえずジャンプしてみよう」

少女「ふむ」

男(漫画とかでよくある一気に跳んで屋上とかに飛び移るやつ、あれちょっとやってみたい)

男(街中や室内なら、三次元的な移動ができれば選択肢も大幅に広がるだろうしな)

男「ふぅ……」トントン

男「えいっ!」ダンッ!



垂直にどれぐらい跳べた? 安価↓のコンマ以下一桁

男「う、うわっ!?」

男(すごい、高い!? まさかこんな高く跳べるなんて!? これ10メートルぐらいいってるんじゃ!?)

少女「4メートルぐらいか。建物の2階より少し高いぐらいだな」

男「えぇ!? そんなもん!?」


幼女「お、お母さん!? 今あの人すごい跳んだよ! バッタさん!?」

母親「改造人間!?」


少女「案の定注目されてるな。こんなので騒がれるなんて人間って単純だよね」

男「現実じゃあ道具もなしに4メートルも跳んだらビックリ超人だからな。じゃあ『リバウンド』」

少女「――ん、あれ、戻ってきたのかい?」

男「ああ」

少女「何をしたんだ?」

男「跳んだ。4メートルほど」

少女「……?」

少女(なんでそんなことしたんだ、こいつ)

男(まあ最初だし、次の発動まで一分ぐらい待ってみるか)



次はどうする? >>170
1.今日はジャンプだけしてみる
2.他のこともしてみる(何をする?)

2町のチンピラでも倒しに行く

 ――――――――

男「ふぅ……まあこんなものか」

少女「一時間か。能力は大体50回ぐらい使ったかな。昨日の十倍だ」

男「一分ごとに使うようにすれば結構使えるんだな。でも、さすがに疲れた」

少女「実際の戦いでは発動間隔はもっと短くなるだろう。実戦でもこんなに使えるわけではないというのは理解しておきなよ」

男「分かってるって。よし、ちょっと飲み物買ってくる」

少女「じゃあきりがいいしお弁当タイムにしよう!」

男「昼飯にはまだ早い時間だけど……まあいいか、いっぱい作ったし」

少女「まあボクならすぐにたいらげてしまうだろうけどね」

男「自慢げに言うなよ。じゃあ、ちょっと待ってて」

少女「いやいや待ちたまえよ君、ボクを置いていく気かい?」

男「え? いやちょっと近くの自販機まで行くだけだぞ」

少女「昨日の戦いで君はいったい何を学んだんだ。姫と騎士が離れすぎるのは危険だと分かっただろう」

男「あ……」

少女「こんな開けた場所で堂々と能力を使ってるんだ。いつ襲われても不思議じゃない」

男「……探知系能力者みたいなのもいるかも、ってことか」

少女「まあ、向こうから来てくれるならこっちから探す手間が省けて楽だけどね」

男「……」

少女「つまり、君はなるべくボクの側を離れちゃダメだ。分かったね?」

男「わ、分かったよ。じゃあ行こう」

少女「うん」

男「……」

少女「? どうかしたかい?」


チンピラA「ねえ、嬢ちゃんたち今暇? よかったら俺らと遊ばない?」

チンピラB「美味しいもの驕ってあげるからさ、ね?」

女子高生A「い、いや……」

女子高生B「私たち急いでるんで。失礼します」

チンピラC「ちょっとそれは悲しいんじゃないの。袖振り合うも多生の縁って言うじゃない」ガシッ

女子高生B「いや、離してっ!」

女子高生A「や、やめてください……!」


男「……」

少女「美味しいもの驕ってくれるんだって。声かけてみようか?」

男「……」テクテク

少女「……やれやれ、らしくもない。君はもっと冷めたキャラだろうに」

男「おい」

チンピラA「アァン? なんだお前」

男「嫌がってるだろ。離せよ」

チンピラB「はぁ?」

チンピラC「え、何? もしかして人助け? 正義の味方気取り? ちょっと恥ずかしくないですかー!?」

女子高生A「え、あ、あの……」

女子高生B「……」

男「……本気でやったらお前ら死ぬかな」

チンピラA「え?」

チンピラC「ぷ、ぷぎょ!? ちょ、何こいつ面白すぎでしょ!? 本気でやったら、お前ら死ぬかな……だってよ!!」

チンピラB「なによ? 調子乗ってんならむしろこっちがぶっ殺してあげてもいいけど?」

男「……」



どうする? >>175
1.本気でぶん殴る
2.力をセーブして殴る
3.手を捻るぐらいで許してやる
4.女子高生達を抱えて跳ぶ
5.謝り倒す
6.その他

4

男「ごめんね」ガシッ

女子高生A「わわっ!?」

女子高生B「ちょっ!?」

少女「!?」

男「ふっ……!」ダン!

チンピラたち「!?!?」

チンピラA「アァン!? あいつらどこいった!?」

チンピラB「跳んだ!? なんかすごい速度で跳んでったぞ!?」

チンピラC「ま、まさか……忍者が実在していたなんて……」

少女「……さっき離れるなといったばかりなのに、若い子二人も抱えて……」ビキビキ

少女「何やってるんだあの馬鹿!」

男「ふぅ。練習しておいてよかった」

女子高生A「屋上まで、ひとっとび……え?」

女子高生B「信じられない……」

男(といっても三階建てのビルだけどなこれ。いやでも、つい跳んじゃったけどどうしよう、彼女たち降りられるかな)

女子高生B「あんた、一体何者!? 私たちをこんなところに連れてきてどうするつもり!?」

女子高生A「ちょ、ちょっと、やめなよ……この人、私たちを助けてくれたんだと思うよ?」

女子高生B「そんなの分からないじゃない! あのチンピラたちから遠ざけておいて、ゆっくり私たちをいたぶるつもりなのかも!」

男「いたぶるって……」

女子高生B「こいつ信用ならないわ! だって、こいつ……!」

女子高生B「わ、わた、私の胸、触ったもん!!」

男 女子高生A「!?」

女子高生A「そうなんですか!?」

男「いや、そこは気を使って避けたつもりだったんだが……!」

女子高生B「絶対触ったわ! 触られた感触あったもの、む、胸に!」

男「いや、でもまったく気付かなかった……」

女子高生B「……」ペッタンコ

女子高生A「Bちゃん……」

女子高生B「な、何よ! あんたまであいつの味方する気!?」

男「あはは……いや、ホントに何もする気ないから、うん。あれなら俺もう帰るから」

男「ほら、ここドア開いてる。下に降りられるようだ。じゃあ、気をつけて」

女子高生B「ふ、ふんっ!」

女子高生A「あ、あの!」


>>180
1.「ありがとうございました!」
2.「何かお礼させてください!」
3.「あなた騎士ですよね?」
4.その他

3

「あなた騎士ですよね?」

男「え?」


声に反応し振り向こうとしていた俺の横顔を、とてつもない衝撃が襲った。

慣性力のかかった俺の首から下は突然の衝撃に対応できなかったようで、頚椎が無理やり引き伸ばされた。

そのままドアのある壁に叩きつけられる。粉砕。壁ごと頭が飛び散った。



男(――ハッ!?)

一瞬、意識を失ってしまっていたようだ。いや、正確には頭を失っていたのだが。

徐々に再生しつつある聴覚器官で、俺はその声を聞いた。


「あはは、運がいいなぁ。昨日は誰にも会えなかったから、今日は誰かブチ殺したいなぁと思ってたんです」

男(クソ、なんだ、何がどうなってる……!?)



何がどうなってる? >>184
1.女子高生Aが敵だった。Bは一般人
2.女子高生Bが敵だった。Aは一般人
3.二人とも敵だった。
4.二人ではない第三者が現れた。

Bが男を敵視していたぺちゃぱいの方です

1

女子高生B「え、あ……? あんた、何して……」

女子高生A「あはっ、ごめんねBちゃん。私、平たく言うと殺し合いに参加してるの」

女子高生A「これが肉を潰す感触かぁ。人を殺す感触……悪くないよぉ」

女子高生B「じょ、冗談、だよね? あんた、虫も殺せないようなやつなのに……」

女子高生A「あはは、私、今までBちゃんに本心なんて見せたことないのに。分かったような口利かないで」

女子高生A「殺したくなるから」

女子高生B「ひぃ!?」

男(あのおっとりしてる方が敵だったのか……!? この感じだと、もう一人の子は一般人か?)

男(クソ、胸糞悪い感じになりそうだな……! まずは頭を潰された御礼をしてやるか!)

男(『リバウンド』!!)



男「――」

女子高生B「ふ、ふんっ!」

女子高生A「あ、あの!」

男「ふっ!!」

女子高生A「バギャ!?」

顔面に渾身のストレートをお見舞いしてやる。

女子高生の体はすごい勢いで吹き飛んでいき向こう端のフェンスに激突、動きを止めた。

可愛らしかった顔面がひしゃげて内側にへこんでいる。我ながらグロイ。ざまあみろ。


女子高生B「……え?」

男「逃げろ!」

女子高生B「A……? え、え?」

男「早く逃げるんだ!!」


このとき初めて、彼女からすると俺は残虐な極悪殺人犯以外の何者でもないだろうということに思い至った。

いきなり目の前で友人を殴り殺したわけだからな。

でも状況を説明している暇はない。説明しても信じてもらえないだろうし。


男「いいから早く逃げるんだよ! お前もああなりたいのか!!」

女子高生B「ひいいぃぃぃいいい!!?」


少女は、ドアから一目散に逃げていった。階段でこけたりしないだろうか、心配だ。

女子高生A「あーあ、可哀想。あれじゃトラウマになっちゃいますよ?」

男「……」


先ほどグロテスクな顔にしてやった女子高生が、整った顔でのほほんと笑った。

なんだか見てると和むな。この子、クラスで男子に人気高そうだ。


女子高生A「で、なんで私が敵だって分かったんですか?」

男「そりゃ、あれだけ分かりやすく殺気を出されたら嫌でも分かる」

女子高生A「ほー……なるほど、参考になります」


完全に口からでまかせだが信じてもらえたようだ。


男「再生したってことは、お前が騎士か」

女子高生A「はい。>>189の騎士ですよぉ」



何の騎士? 今まで出てきてないやつ(嫉妬、憤怒、色欲)から

憤怒

男「憤怒……?」


目の前の彼女からは、一番遠そうに思えるが。

とはいえ、こういうやつは見かけからじゃその中身の異常さはうかがえない。

それぐらいは分かる。


女子高生A「あはっ、あなたが騎士ってことは、さっき一緒にいた女の子が姫なのかなぁ。大罪はなんですか?」

男「……暴食だ」

女子高生A「へぇ、もっとお相撲さんみたいな騎士かと思ってました」


俺は自分の大罪を正直に話した。

少女が昨日、教えてもらったわけでもないのに怠惰の姫の大罪を言い当てたのを覚えていたからだ。

おそらく、姫同士なら相手の大罪が分かるのだろう。なら、隠しておいても仕方がない。


男「そういうお前も、憤怒ってのは意外だけどな

女子高生A「……あなたに、私の何が分かるんです?」

男「え?」

女子高生A「私、そういう風に他人に分かった口を利かれるの大嫌いなの」

男「ッ……!」


プレッシャーが増す。どうやら、なんらかの地雷を踏んでしまったらしい。

今のどこにそんな要素があったのか。

もしかして、怒りっぽいとかそういう感じなのか。



男(キレやすい現代の若者……俺もまだ若いけど)

男「で、姫はどこにいるんだ?」

女子高生A「さぁ? どこかで様子をうかがってるかもしれませんし、あるいはまったく別の場所で息を潜めているかも」

男「え?」


一緒に行動していない可能性もある……?

確かに、こいつは俺と違って今でも普通に学校に行っているらしい。

姫と騎士が離れすぎると危険。でももし、姫がどこか安全な場所に隠れていて騎士だけが単独で行動するのなら。

隠れ家さえばれなければ、これは最高の安全策だ。姫さえ無事なら、騎士がどうなろうと負けることはないのだから。

……いや。

男 少女「後者はないな」

女子高生A「……!」

男「少女!?」

少女「この馬鹿め。若い女の子に力をアピールするようなマネをして、何を期待していたんだい?」

男「そ、そういうわけじゃ……! ていうかお前隠れてたのか!?」

少女「君がどこへ跳んだかは目で追えていたから、少女たちと別れてから君に説教してやろうと思っていたんだ」

少女「だが、まさか偶然助けた相手が敵だったとはね。運がいいんだか悪いんだか」

男「はは……」

少女「まあこれが候補者同士は導かれたように引かれ合うというやつなんだろうね」

男「は? なんだそれ、初耳だぞ」

少女「魔王候補者はたった7人しかないんだぞ。そういうのがないといつまでも決着付かないだろう」

男「まあ、そうだけどさ」

女子高生A「暴食の姫……」

少女「やあ憤怒の騎士さん。で、姫様はどこで様子をうかがっているのかな?」

女子高生A「なんで、近くで見てると思うんですか?」

男「騎士の再生にも姫の力が消費されるからだ。仮に騎士が単独で行動するとすると、どうしても2対1になる」

男「そこで捕らえられて殺され続ければ、時間はかかるが確実に姫も衰弱していく。その状態で騎士を救い出すのも困難だろう」

男「だから、いざという時騎士を助けられるように、姫は騎士から離れることはない」

女子高生A「……チッ」

少女「それもあるが、そもそも根本的に騎士と別行動をとりたがる姫なんていないよ」

少女「……すごく、不安になるからね」

男(え……?)

女子高生A「……」

憤怒姫「そのブラフは無理があったな、A」

女子高生A「姫ちゃん……」

男(あれが、憤怒の姫……!)



憤怒の姫はどんな感じのやつ?(見た目、雰囲気、特徴など) >>195

ついでに
女子高生Aの能力はどうやって決める? >>195のコンマ以下数値
01~70 安価で決める
71~00 >>1が勝手に決める

女子高生Aの犯した罪(罪だと思っていること、逆に本人にはそのつもりがないものでもいい)とは? >>197

つり目で背が高い女性
胸がでかいが格好は男装みたい

同級生を虐めて殺した

コンマより、女子高生Aの能力を安価で決めます
どんな能力? >>201

自分から摩擦を加えたものを炎上させる
(石などを投げて遠くのものに間接的に摩擦を加えるでも可)

ついでに憤怒の姫の魔法系統も安価で決めます >>204
1.炎を操れる
2.自身の.身体能力を向上させる
3.殴ったものを粉砕する
4.他人をイラつかせる

1

憤怒姫「そもそも、姫がここにいないからと油断してくれるような馬鹿は傲慢か怠惰ぐらいのものだろう」

女子高生A「ごめんなさーい……」

憤怒姫「まあよい。小細工など使わずとも、真正面から叩き潰してやればいいだけだ」

男(あれが、憤怒の姫……! 確かに、気の強そうな目付きをしてるな。そして……)

憤怒姫「……」ボイーン

男(胸がでかい!! うちの姫も体型や顔立ちからすれば大きな方だが、あれは本物の爆乳!)

男(男物っぽい服を着ているが、それが逆に豊満な女性のシンボルを際立たせている……!)ゴクリ!

少女「ん!!」ギロッ

男「っ……!」ビクッ!

憤怒姫「フン、男という生き物はすぐにこれに目をやるな。少しは邪念を隠せよ、不愉快だ」

男「なっ、そんなでかいの持ってて腕組みなんてしてたらそりゃ見るわ!」

少女「おい!!」

男「ご、ごめんなさい!」

女子高生A「あはは、仲いいねぇ。まあ、私たちもかなりのものだけどね」

憤怒姫「実に不愉快だ。早く私たちの力を見せてやろう。私とお前とが力を合わせれば無敵だ」

女子高生A「じゃあ、行っくよー!」ダッ!

女子高生が突っ込んでくる。目を見開き歯を剥き出しにして笑う。

まるで獲物を狩る獣のようだ。


男「くっ……!」


少女と女子高生との間に並ぶようにして、俺もやつへと突進していく。

憤怒。少女が言っていた、戦闘能力の高い大罪の一つ。

先ほどはただ殴られただけで死亡してしまった。でも次は。


男(能力は見極める……!)


交差。俺は右手でアッパー気味にボディを狙う。

女子高生は俺の胸を。

こいつ、かわさない!?


女子高生A「あはっ」


ほぼ同時に着弾。女子高生の小さな体が浮く。内臓を潰した感覚が脂肪の上から伝わってきた。

だが俺も肺を潰された。呼吸がままならない。空気を取り込もうとするたびにひどく痛む。

奥歯を食いしばる。でも、これぐらいなら俺の方が早く回復できるはずだ!

女子高生A「ごほっ!? あはは!」


痛いのは相手も同じはずなのに、俺より年下のその少女は不安を煽る耳障りな笑い声を上げた。

そして。


女子高生A「燃えろ」


突如目の前が真っ赤に染まった。痛い、というより熱い。

熱い熱い熱い熱い熱い熱い!!


憤怒姫「フン」


憤怒の姫が不機嫌そうに俺を睨みつけたまま、突き出した手のひらを握った。

俺を取り巻く炎が、より一層勢いを増した気がした。

少しずつ体が朽ちていくのが分かる。灰になって、風に流されていく。

そして、俺という存在は、このまま消えて……

男「――ハァ、ハァ……!」

少女「男……!」

憤怒姫「実に不愉快だ。早く私たちの力を見せてやろう。私とお前とが力を合わせれば無敵だ」

女子高生A「じゃあ、行っくよー!」ダッ!

男「チィ……!」ダッ!

男(あいつ、物を燃やすことができるのか!? いや、もしそれだけならわざわざ俺を殴る理由も俺に殴られる理由もない)

男(接近しなければ物を燃やせないのか? それとも、攻撃をするあるいは受けるのが能力の発動条件?)

男(……あいつの性格によるもの、って言われたらそれまでだけどな)

男(どちらにしろ、さっきのリバウンドから10秒以上は間隔を空けたい!)

男(能力を見極めつつ、時間を稼ぐ!)


どうする?(何をする? 少女の行動も指定可)>>210

ハッタリをかます

男「ふっ……!」


走りながら、俺は女子高生めがけ先ほど買った缶ジュースを投げつけた。


女子高生A「あ?」


飛んできたハエを払うような仕草で手を払う。缶は床にぶち当たりべこっとへこむ音がした。


男「かかったな! 少女!」

少女「!?」

女子高生A「えっ!?」


女子高生の視線が、ほんの一瞬少女のほうへ向く。

それで十分だった。


男「おらっ!!」

女子高生A「ブッ!?」


顔面を横殴りにする。ひびぐらいは入っただろう。女子高生はそのまま床にたたきつけられた。

いくら再生するとはいえ、女子高生相手にこんなことを抵抗なくできる自分に思うところがないわけではないが。

そんなことを気にしていれば、こちらの頭が潰されるだけだ。

俺(燃えてない……! 俺が攻撃する分には問題ないのか!)


となると、攻撃を与えることが能力発動条件と考えるのが最も素直だろう。

怠惰の騎士に比べて、なんと攻略が楽なことか。


憤怒姫「A!? 貴様ッ!!」


姫の顔が怒りに大きく歪む。なるほど、憤怒の姫は司る大罪の通り怒りっぽいらしい。

せっかくの綺麗な顔が台無しだ。これはこれで凄みがあるが。


憤怒姫「炎よ!!」


姫が右手を突き出す。すると、腕の周りを渦巻くようにして炎が現れた。

男(なっ!? まさか、炎を操るのはこいつの能力なのか!?)

じゃあ騎士の能力は!?

動揺した俺の足首を何者かの手が掴んだ。

誰が掴んだかなんて、分かりきったことだが。

女子高生A「あはっ」

男「しまっ……!?」

女子高生A「燃えろ」

 ――――――――

実際、使いどころにはかなり気を使うのだ。

10秒。10秒しか戻せないのだから。

もし、11秒前の時点でチェックメイトの状況になっていたら、もうどうすることもできないのだ。

俺が全身を燃やされつくしたところで完全に死ぬわけではない。

何秒かかるかは分からないが、復活はできるのだ。

でも、その何秒かの間に。もし復活する前に少女が襲われていたら。

巻き戻しても間に合わない状況に追い詰められていたら。

それを考えると、俺は……



どうする? >>217
1.時を戻す
2.一か八か戻さない

1

男「『リバウンド』!!」

 ――――――――

男「――!?」

戻ってきた。缶が地面とぶつかった音がした。

男(少しだけ状況が進んでる……!)


能力を短い間隔で連続して使えない以上、これが俺の戦い方の基本となる。

将棋で待ったを繰り返し、少しずつ手を進めていくような感じだ。

でもそれは、ある時点から前の過去を確定させてしまうことでもある。

連続して使うのも間隔を空けて使うのも、どちらにもリスクはある。

男(それでも、本来は過去をやり直すだなんてこと他のやつには絶対にできないんだ!)

この能力、必ず生かしてみせる!

男「かかったな! 少女!」

少女「!?」

女子高生A「えっ!?」

男「おらっ!!」

女子高生A「ブッ!?」


成功したところまで同じことを繰り返す。本番はここからだ。


男(さっきは足首を掴まれ、そして燃えた。攻撃を受けたわけじゃない)

男(燃やすには、一度触る必要がある……? あいつから触られるとアウトなのか?)

そうなってくると、戦いにくさでは怠惰の騎士と大差ないかもしれない

男(あるいは、やっぱり炎に関する能力は憤怒の姫のものなのか)

でも、これはどうなんだろうか。

憤怒姫「貴様ッ!! 炎よ!!」


憤怒の姫の腕の周りに炎が現れる。


男(もし俺を直接燃やしているのがあいつの能力なら、そもそもあれを出す必要はないよな?)

ブラフ? でも一番最初の時間ではあいつが何をするでもなく俺は燃やされてしまった。直接燃やせるならブラフなんて必要ない。

そういえば、あの時姫の手の動きに合わせて、炎が強くなったような……


男(……まさか、二人そろって同系統の能力を持ってるのか?)


もともと、能力は姫が騎士に力を分け与えることに寄って発動するのだと少女は言っていた。

怠惰も、姫も騎士もどちらも防御系の能力だったし。

自分が反例なので、あまり過信はできないが。


男(騎士の方が触れることで物を燃やす能力、姫は炎を操作することができるより汎用的な能力!)


決め付けてかかれば痛い目を見るかもしれない。が、俺が導き出した答えはそれだった。

ならば……

ちらりと足元に目を向ける。女子高生の手が俺の足首めがけ伸びていた。


男「ふっ!」

女子高生A「!?」


手を蹴り上げる。女子高生の手首が横に90度曲がった。


女子高生A「あ、ぐぅ……!」

憤怒姫「炎よ! やつを飲み込め!!」


姫の腕から炎の竜が放たれ、俺に襲い掛かってくる。


男(これ、かわせるか……!?)



どうする? >>224
1.横に飛んでかわす
2.縦に飛んでかわす
3.あえて突っ込む
4.少女が助けてくれる
5.能力発動
6.その他(なるべく詳しく)

6.床を適度に砕いて下層に少女と敵騎士もろとも移動して回避。さらに敵姫と敵騎士を引き離す。

今日はここまで。主人公以外のキャラは設定考えても本編では出てこないかも

男(上に跳んでも無防備になるだけ、横に避けたってそのまま少女を狙われるかもしれない)

男(なら、下!! 憤怒の姫以外を下の階に落とす!)


昨日、コンクリートの壁を殴り拳を壊したときのことを思い出す。

あの時の痛みを思い出し、手がわずかに震える。

でも。


男(俺の身体能力は間違いなく上がってる。今なら、きっとできる!)

男(欲するんだ、貪欲に!)

男「おおおおおおおぉぉぉぉ!!!」


拳を振り下ろす。そして……



どうなった? 安価↓コンマ以下判定
01~40 壊せず
41~70 壊せる。男と女子高生Aだけ落ちる
71~00 壊せる。男と女子高生Aと少女が落ちる

コンクリートの床に亀裂が入る。この感触……

男(壊せる!)

憤怒姫「なっ!?」

女子高生A「こいつ……!」

少女「男!」

少女(ここまで成長していたのか……!? いや、男自身が力の扱い方を覚えつつあるというのもあるだろうが)

少女(ボクと男との繋がりが、少し強くなってるのか……!)

男(いや、でもこれダメだ!? そこまで大きく崩せない!)

男(せいぜい女子高生を巻き込めるかどうか……!? 少女は……!)

少女「ふっ……!」


少女が黒い靄を右手に纏っているのが視界の端に映った。

それを振り下ろそうとしている。


男(俺に合わせて下の階に落ちてくれるのか!?)


床が崩れる。俺と女子高生は穴へと吸い込まれた。

男(といっても数メートルだけどな!)


ここは普通のビルだ。屋上から三階に落ちたって高が知れている。

普通のオフィスのようだが人はいない。俺たちが上で暴れてたから、危険を察知して避難してくれたのかもしれない。


男(これなら、敵の姫もどうせすぐ降りてくる。俺のすべきことは……!!)

女子高生のほうを見やる。落ちながら体勢を整えているようだ。

男(姫と騎士をさらに引き離す!)


デスクの上に着地する。キーボードを踏みつけてしまい転げそうになるがなんとかこらえる。

女子高生もデスクの上に落ちた。本やら書類やらを踏み荒らす。ここの人には本当に悪いことしたな。

女子高生A「ああもう、ウザい!」

足場の悪さにイラついているようだ。

男「ふっ……!」


間髪いれずに飛び蹴り。着地したのは俺の方が少し早かったので、相手は対処しづらいはずだ。

敵は……



どうした? >>234
1.脚を叩き落とそうとしてきた
2.顔面を殴りにきた
3.転がって避けた
4.物を投げつけてきた

敵の行動はコンマでいいんじゃない?
4

能力も安価で決めたし行動も安価で決めていいかなぁと思ってだしました
どれ選んでも決定打にはならなそうですし

 ――――――――


女子高生はデスクに置かれていたお土産っぽい置物を掴むとこちらへむけ投げつけてきた。

大きさはマグカップほど。俺は左手でそれを払いのけた。

目の前の敵が、歯をむき出して笑う。


女子高生A「燃えろ」


もうすでに何度か聞いた言葉。

左手が燃え上がった。


男「っ!?」

女子高生A「あはっ!」


隙のできた俺の腹を鋭い蹴りが襲った。デスクを2、3個吹き飛ばしながら俺の体は転がっていく。

男「がはっ!?」

鳩尾に入った。腹を押さえ体を丸める。クッソ痛い!

男(まずい、これじゃあむしろ……!)

少女「男!?」


天井から少女が降りてきた。最悪のタイミングだ。

裏目に出た!

女子高生がまだ地に足をつけてない少女へ向かって跳ぶ。

そして、スカートのポケットに忍ばせておいたのかいくつかの小さな玉を指に挟んでいた。

スーパーボール。ゴムでできたよく跳ねるやつだ。

確信した。やつは、物を当てることでも対象を燃やすことができる!


男「少女!!」

少女「くっ……!」


少女は靄をかざした。全てを食らう暴食の具象。

あいつだって非力な女の子というわけではない。俺と同じか、それ以上に戦えるのだ。

俺は……



どうする? >>238
1.時間を戻す
2.時間を戻さない

1

まだだ、まだ勝負するべきときじゃない。

男「『リバウンド』!!」

 ――――――――

男「――!?」


落ちている最中だった。急に戻ってきたので着地後体を安定させるのに少しもたつく。

女子高生が置物を投げつけてくる。俺はそれを腰を下げることでかわす。


女子高生「!?」


置物を払ったとき、燃えたのは左手だけだった。それまでのより炎が小さかったのは気のせいではないはずだ。

姫に視認されていないからか、間接的な燃焼は威力が弱まるのか。

あるいはもっと別の火力を決定付ける要素があるのかもしれないが、そこは今はどうでもいい。

腰を下ろしたときに曲げた膝のばねを利用し飛びかかる。

合わせるように俺の顔面に伸びてきた女子高生の右腕を、横から掴む。

そしてそのまま、向こうのほうへ放り投げた。

飛びながらなので力は入らないが、数メートル距離をとることに成功する。

女子高生A「チッ、燃えろ!」


右手からあがった火が俺の全身を覆った。

男(攻撃を受け止めてもダメなのか! 面倒くせぇな!!)

肉や服の焦げる匂いを嗅ぎながら、全身のひりつく痛みを堪える。

俺の身体は必死に再生をしているようだが、火を消さないことにはまさに焼け石に水だ……!


少女「男!」


俺を覆う炎の上から、黒い靄がかかる。冷たい、どこまでも続く闇を思わせる。

でも、今はなんだかこの闇に心が安らぐ。


男「火が……」

少女「君を燃やしている火だけを喰らった」

男「そんな器用なことできるのか……」

少女「君がボクの騎士だからと言うのもあるがね」

少女「気を引き締めろ、来るぞ」

男「……!」

轟音がして、天井に大きな穴が開いた。

そこから、一人の女性が降りてくる。

胸はでかいが男と比べても背が高く、男物のような服を着た女。

そしてその鋭い目は、激しい憤怒の炎で煮え立っていた。

男「っ……!」

焦がされるような威圧感に心臓がざわついた。


憤怒姫「貴様ら!! こんな小癪な手を使って私の視界から逃れようとは、実に不愉快だ!」

憤怒姫「さらに私を無視し我が騎士だけを痛めつけるとは腹立たしいにもほどがある! やることがコスいんだよ!」

少女「いや、普通に正攻法の一つだろう。まあ君みたいな癇癪もちは仮に正々堂々戦ったって自分が不利になったらぷりぷり怒り出すんだろうけどね」

憤怒姫「ッ!! 私を侮辱するのも大概にしろ!!」ダッ!

女子高生A「姫ちゃん、待って……!」

少女「いやぁこんな乗せられやすくていいのかな。敵ながら心配になるよ」

男「でも、これ……!」


怒りで動きが大振りになれば対処しやすい、なんてのは相手が半端ものな場合だ。

怒りに身を任せ絶大な力を惜しげもなく振りかざしてくるであろうこの暴君相手に、俺になにができる!?

少女「ボクもいる」

男「!?」

少女「2対1、今が理想系だ。多少のリスクを侵さなければ、姫を倒すなんて不可能なんだ」

少女「二人でこいつを倒すぞ。初めての共同作業……はもう怠惰の姫のときにやってしまったか」

少女「本当に危なくなったら、そのときはよろしく頼むよ」

少女「信じてる」

男「……ああ!」

憤怒姫「ガァ!!」

炎を纏いながら、憤怒の姫が鬼の形相で殴りかかってくる。

こうなったら、後は力と力のぶつかりあいだ。



コンマ判定
男たち(安価↓1)と憤怒姫(安価↓2)で、コンマ以下数値が大きいほうが勝利
差分が大きいほど優劣に差がある。差分50以上で決着(時間を巻き戻せない)

少女『信じてる』


その言葉を聴いたとき、俺は自分の胸が熱くなるのを感じた。

少女が俺にありったけの力を送り込んでいるというのもあるかもしれないが。

心臓が熱くなって、鼓動によって指先や足先までその熱が行き渡り、全身がじんじんと熱を帯びてくる。

目頭も、少し熱くなる。

誰かに信じられるということが。誰かに背中を預けられるということが。

人と繋がるということがこんなに熱いものなのだと、俺は久しぶりに思い出した。

出会ってまだ二日ほどしか経ってないというのに。よほどそういったものに飢えていたのか。

でも。こいつは得体の知れない悪魔だけど。その裏で何を考えているのかは知らないけど。

こいつの俺への信頼が本物だということは分かる。

だってこんなに熱いのだから。

目の前に迫る灼熱の業火を前に、俺は笑った。


男「お前の炎にだって、負ける気がしない!!」

少女「『暴食(グラトニィ)』!!」


少女の体から黒い靄が噴きだした。憤怒の炎と正面からせめぎあう。

黒と赤。互いに喰らい燃やし尽くそうとする。

姫同士の力のぶつかり合い。だが、決着は思いのほか早くついた。


少女「喰らえ!」

憤怒姫「なっ!?」


黒い靄が炎を包み込む。靄が晴れた後には何も残らなかった。


少女「炎じゃ靄は燃やせない。少々相性が悪すぎたね」

憤怒姫「ふざ、けるなァ!!」

少女「っ!?」


長身の姫から放たれる豪腕。破壊力特化の憤怒の本気の一撃。少女だって、食らえばひとたまりもないだろう。

風を渦巻かせながら岩のような拳が突進してくる。

男「うおおおおおぉぉぉおおお!!!」

憤怒姫「!?」


拳がぶつかりあうように、俺も拳を突き出す。俺の持つ全てをこの一瞬に注ぎ込んで、もう体が粉々になったってかまわないという気持ちで。

このとき俺は。

自分のために拳を振るったわけではなかった。

幼馴染を生き返らせるため、という目的もこのときばかりは頭になかった。

いつの間に飼いならされてしまっていたのか。

ただ、少女のために。自らが仕える主のために、俺は拳を振るっていた。

結果として、俺の拳ではまるで歯が立たなかった。

激突。手の骨が砕け、腕の骨が砕け、肩まで肉を裂かれ、そのまま右上半身を根こそぎ持っていかれてしまった。

その間、わずか1秒にも満たなかったのではないだろうか。

それだけあれば、うちの姫にとっては十分だったらしい。


少女「百点満点だ、男!!」

憤怒姫「っ!?」

少女「はああああぁぁあああああ!!!」

憤怒の姫の豊満な胸の中心を、少女の細く柔かい腕が貫いた。

腕には黒い靄を纏っていた。憤怒の姫の強靭な肉体を穿てたのはそれのおかげだろう。

少女のことだ、おそらく急所を確実に潰している。

決着が付いた。


少女「……」


ずるりと、少女が腕を引き抜いた。どろりと、大きな穴から赤黒い血が溢れた。

姫の体が、瓦礫の転がる床へと崩れ落ちた。


女子高生A「姫ちゃん!? 大丈夫、姫ちゃん!!」

憤怒姫「A……すまない……負けてしまった……」

女子高生A「何言ってるの!? まだだよ! 悪魔がこんなので死んじゃうの!?」

憤怒姫「ガフッ……お前に、怒りっぽいところを気をつけろと言われていたのに……自分の不甲斐なさに、腹が立つ……」

女子高生A「そんなの今はいいから! 早くあいつらブチ殺そうよ! あいつらだけじゃない、他の候補者も全員殺すんだ!」

女子高生A「もっと、もっとだよ! 私をイラつかせるもの全部ぶち壊したいんだよ! 叶えてくれるって約束したじゃんか!!」

憤怒姫「……本当に、すまない……」

女子高生A「……謝ってほしいんじゃ、ないんだよ……お願い、死なないで……」

女子高生A「もっと、一緒にいてよ……」

憤怒姫「ふふ……心配せず、とも……姫と、騎士は……」

憤怒姫「ずっと、一緒……」

女子高生A「……ねえ? ちょっと、ねえねえねえねえ!!」

女子高生A「あああああああぁぁぁぁあああアアアアァァァァアアアアア!!!」

女子高生A「間違ってる間違ってる間違ってる!! やっぱり世界は間違ってる!!」

女子高生A「なんで私がこんな目にあわなきゃいけないの? 世界中にクズは蛆虫のようにわいてくるのに」

女子高生A「どいつもこいつも上辺ばかり、中身なんて見ようとしない馬鹿ばかり」

女子高生A「あいつもあいつもあいつも! 全部殺してやりたかったのに!!」

女子高生A「Bちゃんも、あと少しで最高のタイミングだったのに」

女子高生A「私が死んだら、きっと本気で悲しむんだろうなぁ。でも、いずれは幸せになるんだろうなぁ」

女子高生A「あああああ殺したかったなぁ!! グチャグチャにしてやりたかったなぁ!」

女子高生A「あーあ……」



男「……」

そうして、彼女は白い砂になった。

少女「やったぞ! 初勝利だ! 今日はご馳走だな、スシにしよう!」

男「……」

少女「……なんだい、暗い顔して。まさか罪悪感でも感じてるのか?」

少女「言っとくけど、戦わなければ砂になっていたのは君のほう」

男「分かってる」

少女「……」

男「分かってる……」

少女「やれやれ、せっかくの感動が台無しだ。ボクまで白けてしまったよ」

少女「ほら、帰るぞ。ボクも君も消耗してるからね」

男「……なあ、この惨状放って帰ってもいいのか?」

少女「え? あー……建設業者の人が儲かるとプラスに考えよう」

男「……」




【夜】

二人は何を食べる?(外食でも家でもいい) >>253

照の好きそうなもの

スレ間違えてますよ、俺もあれ見てるけど
安価↓

【夜 スーパー】


少女「お肉を食べるという案は別にいい。ボクもお肉は大好きだからね、ガッツリ食べるのもたまには悪くない」

少女「けどなんでスーパーの安売り肉なんだい!? 頑張って焼肉屋とか行こうよ!」

男「無茶言うな。そんな金どこにあるんだ」

少女「今の君なら強盗ぐらい余裕だろう!」

男「できるわけないだろそんなこと」

少女「むぅ、君は変なところで真面目だな、死にたがりのくせに」

男「うるさいな……なるべく人に迷惑はかけたくないんだよ」

少女「そうかい。立派だこと」

男「お……」ピタッ

少女「牛肉、100グラム128円(税抜き)か……」

男「ぐぬぬ……普段ならこんな高い肉絶対に買わない……」

少女「……可哀想に」シクシク

男「同情するな。これだけ節約してても食費は月3万越えなんだよなぁ……」

男「ぐぬぬ……」

少女「……」ジー

男「ぐぬぬぬ……!」

少女「……」ジー

男「……よし、買うか!」

少女「おぉ!! 英断!」

男「……そう何度も買うことないだろうしな」

少女「……」


そうして、俺は買えるだけの肉を購入したのだった。

焼いた。そしてひたすら食った。


少女「がつがつっ、むぐ、ごふもぐっ!!」

男(もちろんほとんどこいつが食ってるんだけどな。ていうかもうなくなりそう……)

男「……」パクッ モグモグ

少女「うまいか?」

男「ああ、美味いよ」

少女「そうか、よかった。あぐっ、もきゅもきゅ、じゅるっ!!」

男「……」

男(勝ったんだな、本当に……止めを刺したのは俺じゃなくて少女だけど)


嬉しくないわけじゃない。

強敵を打ち倒せたこと、自身の成長をしっかりと感じ取れたこと。

そして、少女の役に立てたことへの達成感、幸福感のようなものは確かにある。


男(いやいや、心までこいつの下僕になってどうするんだ)ブルブル


それでも、少しだけ想うところはある。少女が言ってたような罪の意識とかではないんだが。

ただ。


男(あの子、いったい何を抱えていたんだろうな……)

男 少女「ごちそうさま」

少女「いやー食った食った。これで筋肉モリモリ回復間違いなしだな」ポン!

男「……なんかキャラ変わってないか?」

少女「そうかな? 自分でも知らないうちに気分が高揚してるのかもね」

少女「初めて敵に勝てたことももちろんだけど……ボクとしては、君に信用してもらえたことがとても嬉しかったから」

男「っ……!」

少女「ボクが君を想うだけでも、君がボクを想うだけでもダメなんだ」

少女「ボクたちの繋がりが強ければ強いほどボクたち自身も強くなれる。あの時ボクは、胸がカッと熱くなるのを感じだ」

少女「君の力が、ボクの中に流れてくるようだった。とても勇気付けられたよ」

少女「ありがとう」ニコッ

男「っ……!」ドキッ!

男(クソ、俺だけじゃなかったのかってちょっと嬉しくなってしまった! 悔しい!)

男「……俺も、同じようなこと考えてたよ」

少女「え……?」

男「こちらこそ、ありがとな」

少女「……ま、まあね、存分に感謝したまえ」

男「ははっ」

少女「……なんだい?」

男「別になにも?」

少女「そうか……ごほん。無事候補者の一人を倒し、腹ごしらえも終わったところで」

少女「君に一つご褒美を上げよう」

男「は?」

少女「下僕がよくできたときは飴を与えてやる必要があるからね。躾の基本だ」

男「はぁ」

少女「ボクにできる範囲で君の望みを叶えてやろう。もっとも、今のボクには死人を生き返らせるなんてことできやしないけどね」

男「……」

少女「さぁ、ドスケベお漏らしくんはボクにナニをしてほしいのかなぁ?」

男「ぶっ!? まだ引っ張るのかそれ!?」

少女「そういえば君、憤怒の姫のある一部分を熱心に凝視していなかったかい?」

男「あ、あれは、だって!」

少女「あんなただでかいだけの塊より、手のひらにおさまるぐらいが調度いいとは思わない?」

男「こ、こいつ……!」カァァ

少女「あはは、からかいがいがあるなぁ君は。でも、何かしてあげたいって思ってるのは本当だからね?」

少女「まあもし特に思いつかないなら質問でもいいけどさ。新たにわいた疑問でも、聞きそびれてしまっていたものでも」

少女「答えられそうなら答えるよ」

男「……」



どうする? >>263
1.質問する(何を聞く?)
2.ご褒美を貰う(何をもらう? 何をしてもらう?)

1もしこの戦いに勝利したらどうするのか

男「お前、もしこの戦いに勝ったらどうするんだ?」

少女「どうするとは?」

男「いや、魔王って具体的に何をするのかなって」

少女「うーん、別に大したことは何も。ただ圧倒的な力を持って頂点に君臨しておけばいい」

少女「そして他はやりたい放題だ。ボクはありとあらゆるご馳走を食べつくすんだぁ」ジュルリ

男「王様なんだろ? そんな遊んでばっかりでいいのか」

少女「じゃなかったら誰が魔王になんてなりたがるものか」

男「そ、そうか……政治とかはどうなってるんだ?」

少女「もちろん政治家がする」

男「……政治家なんているのか」

少女「といっても悪魔の世界の法はシンプルだけどね」

少女「弱肉強食、欲しい物は相手を殺してでも奪い取る。もし殺されたならそいつが弱かったってだけの話だ」

男「……」

少女「まあそれでも守らなくちゃならない掟みたいなのはあるけどね」

少女「家族や同胞を殺してはならないってのもその一つ。最も忌むべきものの一つだ」

少女「まあ、これは掟というよりそういうことを嫌いなやつが多いってだけだけど」

男「ふーん、悪魔でも身内には優しいんだな」

少女「……えっとね」

男「ん、なんだ?」

少女「これは、本当はあまり言いたくなかったんだけど……」

男「え、じゃあなんで言うんだ?」

少女「……」

男「ご、ごめんって! で?」

少女「……騎士もね、ボクたち姫にとっては身内のようなものなんだよ」

男「は?」

少女「自身の力を分け与えているわけだからね。この世界では、どこにいても繋がっている」

少女「勝手がきかないこの世界で君たちの存在は、ボクたちに安心感を与えてくれるんだ」


少女『……すごく、不安になるからね』


男「少女……」

少女「本当は、君が調子に乗るかもしれないから黙っておこうと思ったんだが」

少女「なんだか、言いたくなってしまって……言っちゃった」

男「……」

少女「でも、君はあくまでボクの下僕だからね? 上下関係はしっかり脳に刻んでおけよ」

男「……あの時さ」

少女「え?」

男「運命の出会いがどうのこうのって言ってたよな」


少女『冷めたやつだな。運命の出会い、ボーイミーツガールだぞ』


男「あれって、案外冗談でもなかったりするのか?」

少女「き、君は!? だから言いたくなかったんだ!」カァァ

男「可愛いな、お姫さま」

少女「こ、のっ……! ふんっ!」

男「はは、俺のことはよくからかうくせに自分がからかわれるのは嫌なんだな」

少女「当たり前だろう! ボクは姫で君は下僕なんだから!」

男「……」

男「>>268



なんと言う?(台詞安価。追加の質問でも返答でもなんでも)

でもずっと一緒にいさせてくれるなら、俺はそれでいいよ

男「でもずっと一緒にいさせてくれるなら、俺はそれでいいよ」

少女「は?」

男「……」

少女「え、ええ、ええええぇぇえええ!!? そそ、それって!!」

男「ぷはっ、冗談だよ。反応大きすぎだろ」

少女「……」

男「……少女?」

少女「フン!」

男「バギャッ!?」ドゴッ!

少女「いいかい、今君はとてつもなく性質の悪い冗談を言ったんだよ? 悪魔相手に軽々しくそういうことを言うな、二度とだ」

男「ごはっ、確かに悪かったけど、鼻折ることないだろ!!」

少女「主をからかったんだ、本当なら殺されても文句は言えないよ。しばらくそうやって反省しているといい」

男「クッソ痛え!! ていうか鼻治らないんだけど!?」

少女「仕える姫から受けた傷は治りがとても遅いんだ。殺されたら生き返ることもできない」

男「それも初耳だぞ!? このっ、くぅ……!」

少女「それとなくは言ったはずだけどね」


少女『君はもうどんな目にあっても死ぬことはない。全身をバラバラにされようが燃やされて灰になろうが』

少女『ボクが死ぬか、ボクに殺されるかしない限りはね』


男「分かるかよそんなの、クソ……!!」ゴロゴロ!

少女「まったく、レディの心を弄ぶだなんてとんだクズ男だなお漏らしくんは」

男「お漏らし言うな!」

少女「今でもまだ幼馴染のことが好きなくせに」

男「ッ!?」

少女「……悪魔と人間じゃ一緒にはいられない。騎士は身内だとは言ったけれど、この戦いが終わったら」

少女「君とはただの他人だ」

男「っ……!」ゾクッ!

少女「……風呂入ってくる」

男「……クソ、痛いな」


あいつともっと長く一緒にいたいと思ってしまったのは本当のことなんだけどな。認めたくないけど。


男(あと何人残ってるんだろう。あと何日、一緒にいられるんだろう)


好感度が15上がった 35→50(最大100)
信頼度が20上がった 35→55(最大100)

【二日目終了】

この日、男たち以外で戦闘はあった?安価↓コンマ以下一桁
1~7 なかった
8~0 あった

二日目の脱落者 憤怒のみ

残り 5組(暴食、怠惰、強欲、色欲、嫉妬)


【三日目 朝】


少女「がふがふ! もぐ、んぎゅぼへっ!!」

男「クソ、まだ鼻が痛む……」

少女「自業自得だ。ばくばく、ごくっ!」

男「……」

男(結局、昨日も暴食して吐いてしまった……気分が悪い)

男(まあ、悪夢は見なかったけど)


少女『今日は君が眠ることは許さない! 起きて敵襲を警戒しておきたまえ』


男(誰かさんのおかげでな。まあ、実際はちょっと舟を漕いでしまったけど)

男(でも、そんなに体は疲れてないな。本当に寝なくても大丈夫みたいだな)

少女「ごちそうさま」

男「はいよ」

少女「さて、今日はどうする? 憤怒以外にも誰か脱落してるかもしれないし、これからはボクたちからも行動を起こさないとダメかもしれないね」

少女「人の多いところ……そうだな、大型ショッピングモールや遊園地、動物園やバイキング食べ放題なんかもいいな」

男「全部お前の行きたいところだろうが」

少女「で、どうする? まあいつもみたいにバカ真面目に鍛錬でもいいと思うけどね」

男「悪かったな、面白みのない男で」


今日はどうする?(どこに行く? 何をする?) >>277

普通に街案内する

男「……分かった」

少女「え?」

男「街を案内するよ。まあ俺もそんな名所とか知らないけどな」

少女「え、え? 本当に?」

男「自分で言うのもなんだけど、身体の使い方や能力の使い方はだいたい分かった」

男「昨日敵を倒したわけだし、今日ぐらいは羽を休めてもいいだろ。まだまだ始まったばかりだからな」

少女「そ、そうか! で、どこに行くんだ?」

男「そうだな。とりあえず駅前の通りの方に言ってみよう。ここら辺じゃ一番店とか多いから」

少女「分かった! ではさっそく弁当を用意してくれたまえ。昨日は結局公園では食べられなかったからな」

男「いや、どっか適当な店で食ったほうがいいだろ。ラーメン屋とかファミレスとか」

少女「ラーメン、ファミレス……」ジュルリ

少女「分かった、昼はそこで食べよう! それはそれとして弁当も持っていくぞ」

男「は、なんで!?」

少女「君の作る料理はおいしいからだ」

男「……そうかよ。ったく、騎士使いが荒い姫様だ」

少女「なんていいつつ嬉しいくせに」

男「そんなことねえよ!」

少女「~~♪」

男「……」

男(こいつに街案内してやるだなんて、出会った頃じゃ考えられなかったな)

男(情がわいちゃったんだろうな……我ながらなんてチョロいんだ)


でも、人との関係なんてそんなものなのかもしれない。

十年以上も一緒にいた相手との関係だって一瞬で壊れてしまうんだ。

逆だってあってもおかしくないだろう。


男(なんてな。作るより壊すほうがずっと楽だよな、人間関係なんて)

少女「……」

男「懐かしいな、ここらへん歩くのは」

少女「普段は通らないのかい?」

男「家とスーパーの間を行ったりきたりしてるだけだからな、普段は」

少女「仕事はしてないのかい? 学校は?」

男「どっちも行ってない」

少女「じゃあどうやって生活しているんだ」

男「親からの振込み」

少女「すねかじりか」

男「まあそれも今年で終わりらしいけどな。今の家も追い出される」

少女「そうか。そうなったらどうするんだい?」

男「……死ぬつもりだった。フライングしちまったけどな」

少女「じゃあ私が魔王になったときのご褒美は新しい就職先を用意するってのはどうだい?」

男「どうせなら一生遊べるだけの金がほしいな」

少女「君が望むなら経済が崩壊しない程度に用意してあげよう」

男「そりゃ頼もしい限り。あ、あそこ行ったら市民プールがあるぞ」

少女「プールか」

男「……なんだよ」

少女「ブレないなと思って感心していた」

男「俺はそういうキャラじゃないからな!」

少女「へぇ、平日にしては人が多いね」

男「都会に比べれば過疎もいいとこだけどな。あそこはゲームセンター、あそこはカラオケ店だな」

少女「ふむ、もっと面白いものはないのかい?」

男「特にねぇよ、小さい街だし、俺ほとんど外出ないし。ていうかお前なんか行ってみたいところとかないのか?」

少女「そうだなぁ」



少女が行ってみたいところは? >>283

コスプレショップ

少女「お、あそことかどうだ?」

男「え? ってえぇ!?」

少女「ダメか?」

男「いや、別に俺はいいけど……お前あそこがどんな店か知ってるのか?」

少女「いろんな服がいっぱいあるな」

男(ていうか、こいつが着てる服も微妙に世間からずれてるんだよな。コスプレってほどではないんだけどどこかドレスっぽいというか)

男(まあ、こいつの顔が整ってるから違和感ってのはあまりないが)

男「……まあいいよ、入るだけ入ってみよう。買うかどうかは別だけどな」

少女「よし! では行こうか」



少女「男、これはなんだい?」

男「ナースだな」

少女「これは?」

男「忍者だな」

少女「これは」

男「消防士」

少女「これ」

男「赤鬼。ていうかなんだこれ」

少女「いろいろあるんだな」

男「パーティグッズみたいなのから本格的なのまでいろいろ揃ってるな」

少女「男、あっちのコーナーは?」

男「あそこら辺はアニメとかの元ネタがあるコスプレだな」

少女「アニメか、未知の領域だな。あれは?」

男「ハ○ヒ」

少女「あれ」

男「け○おん」

少女「あれ」

男「ド○えもん」

少女「だいたい分かるんだな」

男「有名なのはな」

少女「オタクか。ボクはそういうものに偏見はないから安心したまえ」

男「その発言自体があれだけどな」

少女「男、あの黒い幕の向こうは?」

男「あっちはダメだ! お前にはまだ早い!」

少女「どうして? ボクはこれでももう何百年と生きてるんだぞ?」

男「マジかよ、ていうか何があるか分かってるじゃねえか!」

少女「ふふ、もしボクを勝利に導いてくれるなら、ご褒美とは別に君の望むものを着てやってもいいぞ」

男「とにかくダメなものはダメ!」

少女「チキンめ」



少女たちは何か買った?(何か気に入った?) >>287

セーラー服とプラグスーツ

男「セーラー服とプラグスーツか……」

少女「こっちは可愛いし、こっちはなんかエロい」

男「まあ体のラインすごくよく分かるしな」

少女「こんな服は今まで見たこともないが、これを着こなせるのはおそらくかなりの美少女だけだろうね」

男「それは自分のことも含めてるのか?」

少女「ねえ、君はボクがこういうのを着たら喜んでくれるかい?」

男「え、うーん……」

男(確かにエロそうだし、着てるところが見たくないってわけじゃないけど……)

男「俺エ○ァ見たことないからなぁ……」

少女「なんだ、これ有名なんじゃないのか?」

男「有名だけど、俺は見てないってだけ」

少女「そうか……じゃあいいや」

男「いいのか? 気に入ったんじゃ」

少女「元ネタを知らないなら魅力半減だろう?」

男「お、俺がどう思うかは関係ないだろ……」

少女「こっちの服はどうだ?」

男「セーラー服か……」

少女「これは通常は学生が着ているものなんだろう? 君の学校でも女生徒はこれを着ていたのかい?」

男「いや、うちはブレザーだったよ」

少女「そうか、ふふ、ならこれにしようかな」

男「なんで?」

少女「これなら、君は彼女のことを思い出さないですむだろう?」

男「!?」

少女「……いや、君はいつだって彼女のことを考えているか」

男「……お前、どこまで知ってるんだ」

少女「君の罪の根源、今の君を形作っているものと深く関わっているからね。ある程度は分かるよ」

男「……それが欲しいのか」

少女「ああ」

男「買ってやる」

少女「ありがとう」

男「……」

少女「……」

男「>>291



1.もうその話はするな
2.そんなに俺を苦しめたいか?
3.いつか話す
4.それ、似合いそうだな
5.その他

4

男「それ、似合いそうだな」

少女「……ありがとう」

男「……」

少女「……はぁ」

少女(ボクは、いったい何をしているんだろう……馬鹿らしい、ボクは悪魔だっていうのに人間如きの感情を推し量ろうだなんて)

少女(何を確かめたいんだろう、ボクは……)



少女「というわけで昼ご飯だ!」

男「おい、なんでもう着替えてるんだよ」

少女「どうだ、似合うか?」クルンッ

男「……まあ、本物の女子高生に見える」

少女「ふふ、そうか。こんな可愛い女子高生とデートできている気分はどうだい?」

男「デートなんかじゃねえっつうの。ほら、どこ行きたいんだよ」

少女「そうだなぁ……これは悩みどころだぞ、男の懐は寂しいからな」

男「大食い少女に全額奢らなきゃならないからな」

少女「お、あれは……! おい、あれ!」

男「え?」

『ウルトラビッグカツ丼!! 20分以内完食で無料!!』

男「……まるで、お前のためにあるような店だな。でも、肉は昨日腹いっぱい食べただろ」

少女「昨日は昨日、今日は今日だ! ほら行くぞ!」

男「うわ、引っ張るなって!」

少女「はー、食べたー!」

男「最速記録更新だとよ。店員さんたちすげぇ驚いてたな」

少女「また一つ伝説を作ってしまったな……よし、じゃあ昼食にするか」

男「は?」

少女「ラーメンも捨てがたいが、ファミレスのハンバーグ定食もなかなか……」

男「いや、ちょっと待て。俺はいつの間にか能力で過去へ戻ってたのか?」

少女「何の話だ」

男「さっきめちゃくちゃ食べただろうが!」

少女「さっきのはタダだったから、まだ昼食分のお金が残っているだろう?」

男「いや、あれで止めとけよ!」

少女「食べられるときに食べとかないと。ボクは食い溜めができる体質だからね」

男「このペースじゃ溜まっていく一方だろうが!」

男「ていうか憤怒の姫を倒して思ったけど、もしかしてお前も目の前に美味いもの出されたら釣られちゃうんじゃないか?」

少女「な、何を言っているんだ! そんなわけないだろう」

男「そう考えると、暴食は戦闘中に突かれやすい弱点じゃなくてよかったな」

少女「だからっ! クソ、ますます調子に乗ってきたんじゃないか君は!」

男「ははっ、気のせいだろ」



なんやかんや昼食を終えた二人
その後どうなった?>>295
1.特に何もなく帰宅
2.ハプニング発生(誰かと遭遇、何らかの事件に巻き込まれる、ちょっとしたイベントなど)

配達屋って怠惰の配達員のことですか? それとも普通の配達屋?
どっちにしろ怠惰の人はクビになってる可能性大なので選択肢2は確定にしてハプニング内容を再安価します
安価↓2

少女「おっ」ヒョイ

男「おい、拾い食いはやめとけ。腹壊すぞ」

少女「違うわ! これだ」

男「福引券? 商店街のやつかな」

少女「これやってみよう」

男「え、いやでもそれ誰かが落としたやつだろ……?」

少女「じゃあこれを交番にでも届けに行くかい? 紙幣ならともかくわざわざ福引券を拾いに戻ってくるやつなんていないだろう」

男「でもなぁ……」

少女「君は本当に変なところで真面目だな。超常の力を得たんだからもっと自分を解放したまえよ」

男「10秒時を戻すなんて力じゃそんな風にはなれねえよ」

少女「ある意味最強の能力だと思うんだがね。まあいいじゃないか、一枚しかないんだし運試しだと思って。な?」

男「んー……」

少女「もしかしたら何か豪華な食品が当たるかもしれない」

男「食うことばっかだなお前」

少女「暴食だからね」

男「……まあいいか。こういうのは上手くいかないようにできてると思うけど」

少女「ふふん、ボクの悪魔的強運を見ておくがいい」



何が当たった?(もっとも多いのはティッシュ)>>302

ライダースーツとお鍋セット半年分

男「ライダースーツとお鍋セット半年分……謎な組み合わせだ。ていうか半年分って太っ腹すぎるだろ、逆に小さな商店街だからこそできるって感じだな」

少女「やはりボクは持っている悪魔だったね! ボクにもっともふさわしい景品を引き当てるだなんて!」

男「お鍋セットの方は郵送で送られてくるって」

少女「はぁ、楽しみだなぁ! 半年分ってことは、だいたい一週間は持つな!」

男「その計算式はおかしい」

少女「一週間かぁ……食べきれるかな……」

男「……」

少女「このライダースーツってのはバイクで使うものかい?」

男「ああ。でも困ったな、俺は自転車派なのに」

少女「今の君の運動神経ならバイクぐらい楽々乗り回せると思うけどね」

男「免許がないんだよ」

少女「ふふ、まあこの戦いが終わったらバイクの免許でも小型船舶の免許でも好きに取ればいいよ。自殺しないのならだけど」

男「……」

男(この戦いが、終わったら……俺は、どうするんだろう)

男(もし仮に、本当に幼馴染を蘇らせたとして……俺はどうする? 死ぬのをやめるのか?)

男(あいつは、俺のことなんて見てはくれないのに……?)

男(それとも、俺を好きになっている状態で生き返らせて、なんて傲慢な願いでも叶えてもらえるんだろうか……)

少女「男!」


少女が俺の名を呼びながら微笑む。よほどセーラー服が気に入ったのか、時々くるりと回ってはスカートをはためかせていた。

本当に、普通の女子高生に見える。殺し合いなんて無縁な、普通の。


幼馴染『男ー! 一緒に帰ろう!』


男「っ……」

少女「……やっぱり、この服でもダメかい?」

男「な、なにが」

少女「……」

少女は俺の横に並ぶように立つと、ふいに俺の手を掴んできた。

そのまま握り締めてくる。俗に言う恋人つなぎというやつだ。

心臓が跳ねる。温かくて柔かい、女の子の手だった。

男(こいつ、またからかうつもりか!?)

文句でも言ってやろうと思ったが、少女の顔を見て言葉を飲み込んでしまう。


少女「こうしていると、ボクと君は人間の恋人同士に見えたりするのかな?」

男「まあ、その可能性はあるな」

少女「……今、君の横にいるのはボクだ」

男「……分かってる」

少女「別にどうだっていいんだがね、君がボクのことをどう思っていようが、幼馴染のことをどう思っていようが」

男「……」

少女「ただ、ボクはボクだよ。それだけ」

男「……」

少女「少しの間だけでいい。こうしてていいかい?」

男「……ああ、これぐらいなら」


この道を歩くのは、久しぶりだな。

【三日目 特に何もなく終了】

好感度、信頼度ともに変動無し



この日は他に戦闘があった? 安価↓コンマ以下一桁
1~7 なかった
8~0 あった

今日はここまで。やっぱり異能バトル系は時間かかりますね
>>1はけいおんもエヴァも見たことないです。ハルヒは見ました

三日目 脱落者なし
残り 5組(暴食、怠惰、強欲、色欲、嫉妬)


【四日目 朝】


少女「がふもぐ、ぼほっ! で、鍋はいつ来るんだい?」

男「今日の夕方には来るって言ってたかな」

少女「そうか、じゃあ今日は夕方までには帰ってこないとな。ばふばふ!」

男「なあ、前に言ってた候補者同士は引き寄せあうみたいなのって実際どれぐらいのものなんだ?」

少女「というと?」モグモグ

男「いや、仮にどこか探しに行ったとしてどれぐらいの確率で見つかるものなのかなって」

少女「確率なんて分からないが、まあ適当にあちこち行ってたらそのうち会えるだろ」

男「本当に適当だな」

少女「でも実際、一昨日はまったく予期せぬ形で敵と遭遇しただろう?」

男「……まあな」

少女「まあ姫同士なら気配みたいなものがなんとなく分かるから、君はボクをどうやって楽しませるかだけ気にしておけばいい」

男「だから遊びじゃねえんだから」

少女「ボクとのスキンシップを甘く見ちゃダメだよ、騎士と姫との繋がりが強いほど」

男「俺たち自身も強くなるだろ? もう分かってるよ」

少女「よろしい。はむ、ずるるっ!」

少女「ごちそうさまでした」

男「……」

男(分からない……こいつ、本当のところは何を考えているんだろう)

男(俺のこと、どう思っているんだろう。好意的には感じているんだろうけど……)


少女『……今、君の横にいるのはボクだ』


男(……俺は、こいつのことをどう思っているだろう)

男「ん……?」

少女「どうかしたかい?」

男「いや……」


スマートフォンを弄っていると、あるネットニュースの見出しが目に留まった。

馴染みのある地域の名前が使われていたからだ。ここから歩いていける距離だ。


男(これ……)



どんなニュース? >>314
1.連続猟奇殺人事件
2.連続婦女暴行事件
3.連続強盗事件
4.UFO目撃事件
5.地元の大学生が泥棒撃退!
6.地元の遊園地で特別ショー
7.その他

5

『地元の大学生が泥棒撃退! 警察から表彰される。「咄嗟に体が動きました」』


男「顔写真も載ってる……」

少女「ほぉ、いかにも調子に乗りそうなタイプの顔をしているね。飲み会とかで女子にそれとなく自慢してまわりそうだ」

男「こいつ……」

少女「もしかして知り合いかい?」

男「大学で何度か見たことあるってだけだけどな。すごい声がでかいやつだった印象がある」

少女「君、大学に通っていたのかい?」

男「一年もたたずにやめたけどな」

少女「そんなところだと思ったよ」

男「うるさいな」

少女「それにしても微塵も役に立たない情報だねそれ。紛らわしい反応をしないでくれないか」

男「……」

少女「さて、じゃあ行こうか。弁当は持ったね?」

男「持ってるよ」



今日の予定は? >>318
1.町の散策(どんなところに行く?)
2.鍛錬(前行った公園でも別のところでもいい)

2廃病院

男「昨日は一日中遊んだんだから今日は鍛錬だ」

少女「そうかい、まあいいさ。今日は芝生にシート引いて昼食を取ろう」

男「今日は公園じゃないぞ」

少女「えぇ!?」

男「少し行動範囲を変えてみる。行き返りのどこかで敵と遭遇できるかもしれないし」

少女「ほ、本当に真面目なやつだな君は……で、どこに行くんだ?」

男「まあ廃ビルみたいなものだ」

少女「なるほど、まあ周りに人がいないほうが鍛錬もしやすいだろうしね」

男「確かに生きてる人間はいないだろうな」

少女「?」



男「ここだ」

街の外れにある廃病院。結構前に潰れたらしいが建物も土地もそのまま手付かずだ。

有名な肝試しスポットでもある。高校の頃はこの廃病院にまつわる怪談話を何度か耳にした。

男「ま、今は明るいから迫力半減だけどな」

少女「……」



少女の反応は? >>321
1.もちろん平気
2.ちょっとビビってる
3.むしろ男をビビらせてくる

3

少女「なるほど……ふむ、いいんじゃないか?」

男(やっぱり怖がらないか……まあ悪魔だもんな)

少女「なかなかいい穴場を知っているね、感心したよ」

男「そうか?」

少女「ああ。悪魔のボクでもここに足を踏み入れるのは正直躊躇われる」

男「は?」

少女「こんな場所で鍛錬しようだなんて、君はなかなか怖いもの知らずなんだな。まあ確かに耐性はつくかもしれないね」

男「お、おい」

少女「さ、行こうか。明るいうちの方がまだ安全だろうからね」

男「お前さっきから何言ってるんだ?」

少女「え、どうしたんだい? 君にもアレが見えているからこの場所を選んだんだろう?」

男「あ、アレって何だよ」

少女「ほらあそこ」

男「……!」バッ

少女「わぁ!!」

男「おおぉっ!?」ビクッ!

少女「あははっ! なんて情けない声を出すんだ君は。それでも悪魔に仕える騎士かい?」

男「お、お前、からかいやがったな!」

少女「もしボクが怖がったら似たようなことをする気だっただろう?」

男「そ、そんなことねぇよ!」

少女「安心したまえ、ボクを誰だと思ってるんだい? そこらの霊ならボクを見たら一目散に逃げ出すさ」

男「あ、悪霊はいるのかよ」

少女「さぁ、どうだかね」クスクス

男「お前なぁ……!」

少女「あ、大丈夫? 漏らしてない?」

男「いい加減しつこい!」

男「中は、思ったより暗いな……」

少女「わぁ!!」

男「ッ……!」ガタッ!

少女「大丈夫、何もいないから。ほら、この廊下を全力ダッシュでもしたらどうだ」

男「このっ……! ……はあ、じゃあそうするか」


とりあえず、今出せる全力で走ってみた。

片足で地面を踏みしめ、反対の足を振り上げる。もっと早く、もっと速くと必死で足を動かす。

今まで体感したことのない速度が出せた。廃ビルのときよりもさらに速い。


男「うお、すげっ……!」


思わず笑ってしまう。今さらだけど、俺はもうすっかり人間をやめてしまったんだな。

少女「ほー、速い」

少女(もう今のボクより強くなってそうだね、あいつ)

少女(本当に、守ってもらう側になってしまったか……はは、でも悪くないかもな)

少女(そうボクが思えるようになったからこそ、彼は強くなったともいえるがね)

少女「男……」



突然ですがこの廃病院、男たち以外に誰かいる? >>327
1.いない
2.大学生が肝試しの下見に来てる
3.敵がいる

1

男「はぁ、はぁ……ふぅ、いい汗かいた」

少女「お疲れさま。はい、お茶」

男「ありがとう」

少女「よし、じゃあお昼ご飯にしようか」

男「こんな薄暗いところで食べたらおいしさ半減しそうだな」

少女「うーん、それもそうだね。じゃあ屋上にでも行こうか」

男「屋上ってどうやっていくんだろ」

少女「よいしょ」バッ!

男「窓から直接……まあいいか」ダッ!



少女「んー! 風が気持ちいいね」

男「だな……」

少女「よし、じゃあ食べようか。今日のオカズは何かな?」パカッ

男「卵焼きにアスパラの肉巻き、ほうれん草のおひたしと冷凍のミートボール、プチトマト」

少女「そしてうさぎリンゴ! どれも美味しそうだ!」

男「栄養バランスとかそういうのまったく考えてないけど」

少女「そんなものボクにとってはどうでもいい、好きなものを美味しく食べるのが一番健康にいいだろう」

男「そんなことはないと思うが……まあ嫌いなものを無理して食べるよりはいいかもな」

少女「ボクに嫌いなものなんてないけどね。そうじゃあいただきます」

男「いただきます」

少女「むぐむぐ! ばく、んぎゅ、ぼふっ! じゅる、がじっ!」

男「……」モグモグ

男(こいつの食い方、相変わらず汚ぇな……ちゃんと味分かってんのかな)

少女「~~♪」モグモグ

男(でも、まあ……こいつが飯食ってるときの顔を見てるのは、嫌いじゃないな)

少女「どうした? なんか顔についてるか?」

男「ついてるよ、ご飯粒が」

少女「そうか。とってくれ」

男「はいはい、わがままなお嬢様だな」

少女「お姫様だ」

男「……あむ」

少女「おいしいか?」

男「変なこと聞くなバカ」

少女「ごちそうさま」

男「もう食ったのかよ……」

少女「君はまた鍛錬かい?」

男「ああ、そのつもりだ」

少女「そっか。つまらないな、ボクだけ一人肝試しでもしてようかな」

男「……帰り、どっか寄ってから帰るか」

少女「え?」

男「鍋セットが届くからあんま時間かけられないけど。買い食いぐらいはできるだろ」

少女「……買い食いか、いい響きだ」

少女「楽しみにしておくよ」ニコッ

男「っ……」フイッ



そうして男たちは鍛錬を終えた。その後どうなった? >>332
1.何事もなく帰宅
2.ハプニング発生(誰かと遭遇、何らかの事件に巻き込まれる、ちょっとしたイベントなど)

2鎧に追いかけられる

少女「ほほう、これがたいやき……」

男「最近はあんこだけじゃなくていろんなのあるよな、カスタードクリームとか」

男「お前ってたい焼き頭と尻尾どっちから」

少女「ぱくっ! え、なに?」

男(丸ごと一口で食べやがった……)

少女「これおいしいね、今日の鍋に入れよう!」

男「ふざけるな!」

少女「ふふっ、冗談だよ」

 ガシャン ガシャン!

男「……? 何の音だ?」

少女「え?」

通行人「きゃああ!?」

鎧「ッ……!」ガシャン!

少女「なっ!?」

男「鎧が走ってくる!? なんだありゃ!?」

少女「なんだかボクたちの方へ向かってきてるようだよ」

男「敵か!?」

男(夕暮れ時とはいえ人も多いのに、こんな堂々と……!)



どうする? >>335
1.とりあえず攻撃
2.とりあえず逃げる
3.全力で攻撃
4.第三者が現れ倒す

寝ます。安価なら下

1+堂々と現れた敵に敬意表して騎士として名乗り上げてから決闘する

男「……」ザッ

少女「お、男?」

男「正々堂々真正面から乗り込んでくるとはな。嫌いじゃないぞ」

男「俺は男! 貪欲の騎士! 参る!」ダッ!

少女「いや君キャラ違うことないか!?」

男(とはいえ人も多い、あんまりグロテスクな殺し方はしたくないな)

男(様子見に軽く攻撃してみるか!)

男「ふっ……!」

鎧「ッ……!」



鎧の中に入っていたのは? >>338
1.関係ない一般人
2.操られていた一般人
3.中身は空っぽ
4.敵の騎士
5.その他

鎧「バギャン!?」

男「あ、あれ?」

鎧「きゅう……」ドサッ

男(めちゃくちゃ弱え!?)

少女「あちゃー」

男「え、もしかして悪魔とかと関係ない?」

少女「みたいだね」

男「お前さてはちょっと勘付いてたな!?」

少女「ボクは騎士は見分けられないから、確証はなかったけどね」

警察官「あ、鎧男発見! 確保!」

男「え、え?」

警察官「君が止めてくれたのかい? すごいな、鎧を着た人間を倒せるなんて」

男「えーっと……」

警察官「こいつはコンビニ強盗だよ。鎧で強盗に押し入るやつなんて俺も初めてみたけど」

男「はぁ……」

警察官「何にしてもお手柄だな。君大学生? そういえばついこの前も近くの大学の子が泥棒捕まえてたなぁ」

警察官「いやぁいろいろ言われているけど最近の若い子たちも捨てたもんじゃないね!」

男「はぁ、そうですか」

警察官「ねえ、君ちょっと署までこない?」

男「え!?」

警察官「いや、悪い意味でなくてね、表彰だよ表彰。鎧着たコンビニ強盗とか話題性十分だし、君学校で一躍時の人になれるよ!」

男「いや、その……」

警察官「そっちの可愛い子は彼女さん? くー、隅に置けないねぇ、このこの!」

少女「表彰されると何かもらえたりするかい?」

警察官「んー、感謝状と誇らしさかな」

少女「なんだ、くだらない。そんなものじゃお腹は満たせないよ」

警察官「はは、面白いな君」

男「俺そういうのホントいいんで! じゃ!」

警察官「あ、ちょっ……! 行っちゃった……足速いなぁ。持ってる人はいろいろ持ってるもんだな」



???「……」ギリギリ

近くで様子を見ていた謎の人物。性別は? >>342

黒髪女「気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い……何がしたかったのよあいつ意味分からない」ガリガリ

黒髪女「ヒーロー気取りかよ寒いんだよ死ね。身の程もわきまえず危ない事件に首つっこんで拷問受けて惨たらしく死ね」

嫉妬姫「それは無理だよ、だって彼騎士だもん」

黒髪女「は? 騎士? ってことは私と同じ?」

嫉妬姫「うん。だから彼にとっては鎧を被った強盗に立ち向かうことなんて勇気がいることでもなんでもないんだよ。できるからやっただけ」

黒髪女「はーん……所詮偽善者か。力がなかったら何もできやないのよああいうやつは。ムカつくことに変わりはないけど」

嫉妬姫「どうするお姉ちゃん? まだ気付かれてないっぽいよ?」

黒髪女「そうね……遠くから後をつけて様子を見ましょう。住処を見つけられれば十分」

黒髪女「真正面から勝負を挑むなんて馬鹿のする事だわ……始終監視して、隙を見せた瞬間奇襲して一気に殺しましょう」

嫉妬姫「さすがお姉ちゃん!」ニパー!

黒髪女「あの時隣にいたのが姫なのね……チッ、悪魔のくせして人間みたいな顔を取り繕いやがって、ズタズタに引き裂いてやる……」ガリガリ

嫉妬姫「お、お姉ちゃん……」ウルウル

黒髪女「あ、ああ!? もちろんあなたは別よ! だってあなたは私の可愛い妹だもの!」ギュッ!

嫉妬姫「あぅ、ふふ……お姉ちゃん」ギュウ

嫉妬姫「私だけは知ってるよ……お姉ちゃんは本当は誰よりも頑張ってきたんだって」

黒髪女「うん……」

嫉妬姫「お姉ちゃんが今みたいになっちゃったのは、全部周りが悪いんだって……家族も、学校も、社会も全部」

黒髪女「うん……」

嫉妬姫「大丈夫、私がお姉ちゃんを正しいところへ導いてあげる……だからお姉ちゃん、私を守ってね?」

黒髪女「ええ、私があなたを魔王にしてみせる……邪魔なやつは皆殺してやる……」

嫉妬姫「ありがとう! お姉ちゃん大好き!」

黒髪女「わ、私もよ///」

黒髪女「じゃあ早速追いましょう。姫には気付かれないようにしないと」

嫉妬姫「うん!」


「やることがコスいねぇ。まあそれも正攻法だとは思うけどさ」


嫉妬姫「――は?」ギロッ

配達員「あんた、殺し合いにビビってるでしょ?」

嫉妬姫(こいつ、敵ッ!?)

配達員「ほいっ」ブン!

嫉妬姫「ふぇ?」

黒髪女(いきなり姫を攻撃!? こいつ……!?)

黒髪女「ああああぁァァアア!!」ダッ!

嫉妬姫「きゃあ!?」

配達員「ああ、かわされちゃった」

配達員(回避行動は止められないからね……それにしても結構反応速いな、あの時の暴食の騎士よりずっといい)

配達員(まあ私もあのころに比べれば成長してるから、あの子も今どうなってるか分からないけどね)


通行人A「なんだ、あれ……喧嘩か? 幼い子に殴りかかってるように見えたけど……」

通行人B「あの人、顔が……」

 ザワザワ ヒソヒソ…


黒髪女「あっ、ヒッ……」オロオロ

黒髪女(ひ、人に見られ……!?)

嫉妬姫「お姉ちゃん、落ち着いて!」

怠惰姫(あのバカ! コソコソ尾行するの面倒くさいとかいって結局失敗してるじゃないですか! 今日はおやつ抜きですね!)

配達員「どうしよ……警察に目つけれられるのもメンドくさいし」

黒髪女「く、クソ……! お前、いつか必ず殺してやる!」ドン!

嫉妬姫「きゃあ!?」


通行人C「なっ!? す、すごい速さで駆け抜けていったぞ!? 何だ今の!?」


配達員「あれま……あーあ、今日も収穫なしかぁ」

配達員(面倒なのに目付けられる前に私も帰ろ)スタコラ





少女「……」

男「どうかしたか?」

少女「いや、別に……少し寄り道して帰ろうか」

男「まだ食い足りないのかお前」

少女「君ねぇ……!」

【三日目 夜】

少女「ずるるっ! はむはむ、ばくがしゅ! んー、鍋おいしー♪」パクパク

男「え……?」

少女「食事中に携帯をつつくんじゃない、マナー違反だぞ。ばくもぐ!」

男「お前に食事のマナーどうこう言われなくねえよ」

男(あいつ……死んだのか……)

少女「今朝のやつ殺されたのか。調子に乗ってヤバいやつに喧嘩売ったのかな」ヒョイ

男「お、おい!」

少女「真剣に見てるから何か面白いものでも見つけたのかと思ってたのに……つまらない」ヒョイッ

男「おっと……! 投げるなよ!」

男(……なんとなくそうじゃないかとは思っていたけど)

少女「がつがつ! もぐ、ごくっぷふぅ!」

男(こいつ、『人間』のことはどうでもいいんだな……)

男(俺のことも、騎士だからってだけで……)


少女『この戦いが終わったら、君とはただの他人だ』


男(……)



【三日目 深夜】
その日、男たちは…… 安価↓コンマ一桁
1~7 何事もなかった
8~0 奇襲を受けた

襲ってきたのは?(暴食、傲慢、憤怒以外で) >>352

強欲

 ――――――――

少女「すぅ……」

男「……」


夜は心細い。

何をするでもなく、膝を抱え床を見つめる。

スマートフォンのアプリゲームでもいじれば暇を潰せるかもしれないが、なんとなくするその気になれなかった。

いろいろと考える。少女と出会うまでのこと、少女と出会ってからのこと、これからのこと。

他の候補者をすべて殺して、少女を魔王にして、願いをかなえてもらう。

幼馴染を生き返らせてもらって、ついでに俺のことを好きな状態にしてもらって。

そして、少女とはお別れだ。もう、永遠に会うことはないだろう。


男「っ。くっ……!」


胸が苦しくなる。なぜだ、あの眩しかったかけがえのない日々を取り戻せるかもしれないのに。

あいつとはたった数日しか一緒にいない。確かに濃い数日だったけど、幼馴染と過ごしてきた十数年と比べられるものじゃないはずだ。

俺にとって特別なのは、幼馴染ただ一人。俺が好きなのはあいつなんだ。

だからこそ俺は、こんな苦しい思いをしてきたのに。あいつを追い詰めてしまったのに。

男「はぁ、はぁ……!」

男(鍋作ろう……材料だけならいっぱいある)


後悔や不安、罪悪感や焦り、怒り、悲しみ、恐怖、自己嫌悪……様々なものが混ざり合い、黒くなって心を押しつぶそうとする。

こうなると、俺の体はいつも食べることでそれらを紛らわそうとする。

ストレス性の過食症だろう。病院にはいったことがないから分からないが。

幼馴染が死ぬ前から、ストレスを発散するためにものを食べるという習慣はできていた。

もともと食べるのは作るのと同じぐらい好きだったし、それにあいつも俺の料理を食べなくなったから。

あいつに食べさせてあげたかった分まで自分で食べるように。気付けば俺は暴食を行うようになっていた。

ダンボールがいくつか部屋の隅に置かれている。これは一か月分だ。6回に分けて郵送してくれるらしい。

キッチンに行こうと立ち上がったとき。

周りの温度が一気に下がった気がした。

実際に下がったわけではない。だが、背筋に冷たいものが走った。

殺気。怠惰の無感情なそれや、憤怒の激しく燃えたようなそれじゃない。

ただただ暴力的な研ぎ澄まされた殺意。

男「敵ッ!?」



強欲の騎士ってどんなやつ?(性別、性格、役職、特徴なんでも) >>356

性別が女の場合、バランスをとるため色欲の騎士の性別は自動的に男になります(男の場合、色欲の騎士の性別は決定しない)

男で正義感が強い警察官
銃剣道も帯持ちで強い
ただ出世欲が強く、守銭奴

男「少女!!」

少女「もう分かってる! まったく、乙女の睡眠を邪魔するなんて……!」


バン! という大きな音とともに玄関の扉が吹き飛んできた。

その勢いのまま壁とぶつかり動きを止める。扉は真ん中辺りからひしゃげていた。


男(どんな力でぶっぱなしたんだよ……!)

男「窓から逃げるぞ! ここじゃ戦いづらい!」

少女「ああ!」


俺の住んでる部屋は古いアパートの三階である。これぐらいなら今の俺なら難なく飛び降りられる。

少女を抱え、窓から跳んだ。

強欲姫「そっち行ったよー!」


部屋の中からきゃぴきゃぴした女の声が聞こえてきた。

俺たちが着地するであろうあたりに、一人の男が立っている。

服の上からでも、しっかりした体つきをしているのがうかがえた。男が顔を上げる。かなり強面の男だ。

目が合った。

ぞわりと、鳥肌が立った。こいつ、相当強い……!!


男(部屋に乗り込んできたのは姫一人だけ……! 騎士は外で俺たちを待ち構えてたのか!?)


確認しておけばとも思ったが、敵のテリトリーにまさか姫単独で乗り込んでくるとは思わなかった。

大胆だといわざるを得ない。だからこそ裏をかかれた。


警官「あのクソギャル……ったく、こんな真夜中に近所迷惑だろうが」

警官「暴食だっけ? お前らにはなんの恨みもねぇが、まあ死ね」

強欲の騎士の能力はどうやって決める? 安価↓コンマ以下一桁
1~7 安価で決める
8~0 >>1が勝手に決める


また強欲の姫の魔法はどんな感じ? 安価↓2
1.触れたものを操れる
2.あらゆるものを引き寄せる(引力を操る)
3.獣化(身体能力上昇、狐耳が生える)
4.その他


一応強欲の騎士の罪も決めます(キャラ付け程度になるかも)
どんなの?(犯した罪、罪だと思っていること、逆に本人にはそのつもりがないものなど) 安価↓4

寝ます

警官「『デザイア・デザイン』」


男が呟くと、男の手の中に木製の杖のようなものがものが現れた。結構な長さだ。立てると男の肩ぐらいはありそうに見える。

杖は持ち手の部分が膨らみ曲がっていた。

男は右手で付け根のあたりを握り、左手を細長い棒の部分に沿え、構えた。


男(あの構え、まさか銃!? いやでも、穴は開いてない……!)


先端部に穴はなく、代わりに鋭くとがっていた。斬るというよりは突くための形状だろう。


男(なんだあれ、もしかして銃剣ってやつなのか……!?)

強欲姫「騎士ごとブチ殺しちゃえー!」

少女「男!」

男「分かってる!」


少し虚を衝かれてしまったが、奇を衒った作戦を使われるのは俺たちにはむしろ好都合だ。


男「『リバウンド』!!」

バン! という音とともに扉がぶち破られる。

ひしゃげた扉が目の前を通り過ぎていくのを合図に、俺が盾となる形で少女とともに玄関へ向けて走った。

開放的になった玄関の外には、へそや太ももを大胆に露出した若い女が立っていた。

驚いたように目を見開く。


強欲姫「うわ、こっち来た!? ちょ、ヤバッ……!」


慌てたように階段のほうへ走っていく。

追いかけようと外に出たところで。

背中から衝撃。予想していなかった鋭い痛みに思わず悲鳴をあげそうになる。


強欲姫「きゃははっ! 串刺し串刺しー!」

男「な、んっ……!」


下を見ると、先の尖った血濡れの棒が3本ほど腹から突き出ているのが確認できた。

内臓をやられたのか口からも血が出る。鉄の味がまずい!

少女が玄関の扉を押さえるためのわずかな出っ張りに手をやり、足を踏ん張っている。


男(もしかして引き寄せられてる……!? この腹の棒切れも引き寄せて俺にブッ刺したのか!?)


つまりあらかじめ階段のある方とは逆側にこれらを設置していたことになる。

窓から逃げれば騎士が迎撃、玄関の方へ向かってこられた場合はこれで足止め。

準備をした上での計画的奇襲。


男(俺たちは、最初から後手にまわってたってことか!)

強欲姫「早く出て来いよー。マジつまんないんですけど」


敵の姫はそう言いながら指で拳銃をクルクル回す。

ていうかあれ本物か!? どっから手に入れたんだ!?


男(いくら少女が普通の人間より丈夫だからって、銃で撃たれたら無事じゃすまないはずだ!)


漫画の世界じゃ銃なんて大した脅威ではないが、実際は剣や鈍器なんかよりよっぽど高威力で厄介だ。

今の俺でも弾道を見切ることはできないだろうし、少女も一発頭にくらえばそれでおしまいだ。

男(どうする!? 時間を戻すか、それともリスクを承知でこのまま姫に攻撃するか!?)


目の前に、走れば一秒で手の届く位置に、敵の姫が一人で突っ立っているのだ。

今は、捉えようによってはチャンスなんだ。

それに、消極的な意見になってしまうが、できればあの男とは戦いたくないと俺は思っていた。

正面からのぶつかり合いを避けることができればそれに越したことはない。


少女「く、クソ……! どんどん力が……!」

強欲姫「チッ、早くこっちこいよ……欲しい物をお預けされるのが一番嫌いなんだよ私は」


姫が苛立ち始めた。殺気が高まっていくのが分かる。そして。


警官「邪魔するぞ」


家の中の方から、窓の割れる音がした。


男(ヤバイ、もう迷ってる時間はない……!!)



どうする? >>372
1.時間を戻す(戻した後どうする?)
2.距離をとることを優先する
3.強欲姫に向かって攻撃
4.警官に向かって攻撃

1 後ろから飛んでくる棒切れをかわし、引き寄せられる力を利用し強欲姫に攻撃

>>369の最初の方抜けがありました

――――――――

後ろを見るが、そこには誰もいない。



男(これ、いったいどうやって……!?)

強欲姫「お姫ちゃんの方も出ておいでよ!」

少女「なっ、か、体が……!」

――――――――

が入ります

男「『リバウンド』ッ!!」


――バン! という音とともに扉がぶち破られる。


男「確証はないが、あいつ多分物を引き寄せる」

少女「……!」


小声で情報を伝えた後、玄関へ向かって駆け出す。

実際本当に物を引き寄せる能力なのか、他にもできることはないのかということは分からない。

だが、それは少女も分かってるはずだ。こいつも決して馬鹿ではない。

これは、一応信用しているということになるのだろうか。


強欲姫「うわ、こっち来た!? ちょ、ヤバッ……!」


転げそうになりながら階段のある方へ逃げていく。

あれも俺を誘うための罠だったのか。頭が軽そうな印象を受けたが案外強からしい。

男「ふっ……!」


玄関から一歩踏み出す。そして横目で階段がある方とは逆の方を見やった。

金属っぽい光沢をはなつ棒が三本立てかけられていた。両端とも尖っている。

少しでも刺さる可能性を上げるためだろう。つまり。


男(物を操るのに細かい操作はできないのか。まあできるなら少女を引き寄せずに殺す事だってできるよな)


変化は、俺が外に出てすぐに起こった。

壁に立てかけられていた棒がピクリと動いたかと思うと、壁と地面から離れこちらへ吸い寄せられるように飛んできた。

ぐんぐんと加速している。


男(速い……!? 確かにこれは突き刺さるわ……!)


俺は下にしゃがみこむことで飛来するそれらを回避した。

金属の槍は俺の上を通り過ぎ、そして姫に向かって一直線に伸びていった。

強欲姫「ま、マジか!?」


姫も慌ててしゃがみこむ。

姫の上を通り過ぎた棒は浮力を失ったのか急にバランスを崩し、金属のぶつかる甲高い音を出しながら廊下の端まで転がっていった。

しゃがみこんだ状態だった俺は、そのまま脚を蹴りだし姫へ向かって飛び出した。


強欲姫「マジヤバイってこれ!! 警官、奇襲失敗ー!!」


姫は大声を上げると、しゃがんだ状態から慌てて立ち上がり手すりを乗り越え外に飛び降りた。

このアパートは外廊下であり、扉の反対側の壁は胸ぐらいまでの高さしかないのだ。

ドシンという鈍い音の後、「いったーい!!」という姫の泣き声が聞こえてきた。

廊下から下をのぞいてみると、姫が大きなお尻をさすりながらアパートから距離をとるように走っていた。

さっきのあいつの言葉、文字通り奇襲は失敗に終わったのだと考えていいのだろうか。


少女「さっき飛んでいったのは……」

男「姫の能力だろう。棒を避けるためにしゃがんだところから見てもやっぱり細かい操作はできないんだ。少女、あいつ何の姫だ?」

少女「おそらく強欲だろう」

男「強欲……なるほど、欲しい物は何が何でも手に入れたい、か」

少女「これからどうする? 追うのか? それとも逃げるか?」

男「そうだな……少なくとも追う必要はないみたいだぞ」


姫の元に、騎士であろう男が全速力で走って向かっているのが見えた。こちらを警戒して睨みつけることも怠らない。

なんて眼力だ、おっかない。この戦いに巻き込まれる前の俺なら足が竦んだかもしれない。

男が姫の元にかけつけ盾になるように前に立ちはだかる。そんな騎士の腰に姫が抱きついた。

あ、ゲンコツ食らった。そして何やら口喧嘩をしはじめたようだ。


少女「なんだあいつら……」

男「あいつら逃げる気はないみたいだぞ」

少女「ここでボクたちをしとめるつもりか」

男「どうするか……」



どうする? >>379
1.戦う
2.逃げる

逃げるんだよォォーーーッ!!と言いつつ広い所に移動

男「どちらにせよここじゃ戦いづらいな。通報されるかも」

男「というわけで、逃げるんだよォォーーーッ!!」ガシッ

少女「え、ちょ、ええ!?」グイッ



強欲姫「あー!? あいつら逃げるって! アンタが遅いから!」

警官「テメェがヘマやるからだろうが」

強欲姫「だって、まさか気付かれるとは思わなかったんだし!」

警官「テメェが一人で乗り込んだことも気付いてたようだしな」

警官「そういう能力者なのか、あるいは勘が鋭いだけか……後者なら結構な実力者かもな」

警官「危険だな、そんなやつを野放しにするのは……やっぱり、悪はここで潰しとかねぇと」

強欲姫「じゃあ早速引き寄せて……」

警官「いや待て。普通に追うぞ」

強欲姫「え、なんで!? 疲れるんですけどー!」

警官「そりゃ、わざわざ誘ってくれてるわけだからな」

強欲姫「え?」

警官「ていうかテメェさっきから大声出しすぎなんだよ。近所迷惑だ」

強欲姫「アンタのその顔面R-15Gの方が迷惑でしょ!」プクク!

警官「跳ぶぞ。舌噛むなよ」ガシッ

強欲姫「うわ、ちょどこ触ってんの変態ごぶっ!?」

男「やっぱり追ってくるか」

男(距離を縮めてはこないか……あれで全力なのか、それとも俺が誘ってるのが分かってるのか)

男(分かってて追ってきてるなら……はぁ、面倒くさくなりそうだな……!)

少女「騎士の方の能力は分かったか?」

男「それはまだ。でも、急にあいつの手の中に武器が現れてたぞ」

少女「武器が? 召還系の能力か、あるいは創造系の能力か……」

男「物を透明にする能力とかもありえるぞ。まあまだなんとも言えないってことだ」

少女「……あいつら、多分強いぞ」

男「だろうな。怠惰や憤怒も強かったのは確かだけど……」

男(あの男、多分この戦いに参加する前から訓練を積んでたんだろう……身のこなしが素人のそれじゃないし)

男(俺も強くなっているとはいえ、所詮元は喧嘩したこともないようなただの凡人。基本スペックが違う)

男(俺の能力は俺自身の身体能力をサポートするものじゃない。どこまでやれるか……)

少女「いざとなったらすぐ逃げるぞ」

男「分かってる。逃げられたらだけどな」

少女「縁起でもないことを言うんじゃない」

【深夜 公園】


少女「ここか……」

男「ここなら人も少ないし障害物もない」

警官「存分に殺り合えそうだな」

男 少女「ッ!!」

強欲姫「ちゃおー! 強欲の姫でーす! そっちは暴食って感じ?」

少女「感じじゃなくて暴食だよ。それ以外にないだろう」

強欲姫「あっは、こいつ超つまんなーい」

少女「……どうやらボクの嫌いなタイプの人間のようだね君は」

強欲姫「やったーそれ両思いじゃーん!」

少女 強欲姫「……」バチバチ!

警官「暴食か。確か戦闘向きの特性じゃないって話だが」

強欲姫「でもその生命力と食い意地の汚さはゴキブリって感じだよ」

男「それは悪魔側の共通認識なのか……」

少女「そんなことないっ!」

強欲姫「あとはさー、成長力もヤバいんだよね」

男「え?」

警官「ほう」

強欲姫「吸収力とも呼べるかな……そういうところもマジゴキブリだよね、きゃはは!」

少女「バカみたいな笑い方するなよ、耳障りだ」

強欲姫「は?」

少女「軽薄そうな格好をしているが頭の方も軽そうだね。駄々こねるのが大好きなわがまま嬢ちゃんは精神年齢はは五歳児ぐらいかな?」

強欲姫「は、なにこいつ、意味分かんない。超ウザいんですけど」

少女「君の方が超ウザいよ」

強欲姫「はぁ!? ちょっと警官こいつブチ殺しちゃってよ!」

警官「ああ、もちろんそのつもりだぜ。それが世のためだからな」

男「っ……!」ザッ!

警官「……やっぱりな」

男「は? なんだよ」

警官「お前、クズだろ」

男「はぁ!?」

警官「目を見れば分かる。性根が腐ったやつ特有の、自分も世界も嫌ってるやつの目だ」

男「っ……」

警官「お前みたいな目して他人を平気で傷つけるやつを俺は何人も見てきた。中には悲惨な境遇のせいで人格が歪んでしまったやつもいた」

警官「そういうやつらを見て、俺は思うんだよ」

警官「なんでお前ら死なねぇの?」

男「……!」

警官「クソみてぇな人生歩んで、カスみてぇな人間になって、誰に望まれてるでもねぇのに有限の資源を消費して生きてる。何がしたいんだよ」

警官「ただ黙って社会の片隅で生きてるならまだしも、正常な人間に迷惑かけるやつはなんなんだ? ふざけてるのか?」

警官「死ねよ。大人しく死ね。自分がまともな人間になんてなれねぇと気付いた時点で潔く諦めて死にゃいいんだよ」

警官「お前らに『正義』はねぇのか? そういう自分勝手なクズどもには反吐が出る」

男「……」

警官「お前らみてぇな世の中のクソを掃除するために警察官になったってのに……あいつらも馬鹿ばっかりだ。自分達の保身のことしか考えてねぇ」

警官「俺はな、自分で言うのもなんだが正義感の強いほうなんだよ。自分の信じる正義がまかりとおらねぇ世の中が我慢ならねぇ」

警官「それなら世界のほうを変えるしかない。そのために上に昇ろうとしたが……ちょいとヘマしちまってな」

警官「あのクソが『俺がやりました』なんて適当なこと言わなけりゃよかったのに……俺のせいにされちまった。ふざけてやがる」

警官「あれさえなけりゃあそれなりに出世することができたんだ。俺は諦めるしかないのかと己の不運を呪った」

警官「そんなとき俺は出会ったんだ。こいつにな」ポン

強欲姫「わ、ちょ……! 急に頭触んな! 髪が乱れる!」

警官「こいつは俺の願いを叶えてくれるらしい。真面目に生きてた甲斐があったってもんだ、まあ悪魔ってのが気にくわねえが」ワシャワシャ

強欲姫「うー、やめろー!///」

警官「こいつは俺に約束してくれたぜ。俺の夢を叶えてくれるって。ガキの頃からの夢」

警官「世界平和! 悪は滅び誰もが正義を掲げられる理想の世界だ!」

強欲姫「スケールでけー! やっぱ男はこれぐらいでっかくないとね!」

警官「まあそういうわけだ……つうわけだから、お前は死ね。自殺を選ぶ自由をやろう。もしお前の心に『正義』があるなら、迷わずそれを選択しろ」

強欲姫「やーんダーリン優しいー!」

警官「ダーリン言うなっつってんだろ、殺すぞ」

少女「……」

少女(こいつは、いったい何を言っているんだ? 頭がイかれてるのか?)

少女「男、こんなやつの言うことに耳を傾けることはないぞ」

男「……」

少女「男?」

男「……ああ、ごめん。聞いてなかったわ」

警官「……ハ?」

男「ていうかおっさんはそれを俺に言って何がしたいの?」

警官「……テメェの中にもわずかに残ってるかもしれない『正義』に問いかけてんだろうが」

男「なるほど」

男「……確かに、俺は死んだほうがいいのかもしれないな」

少女「男!?」

男「大学中退ニートだし来年には宿無しだし、働こうにも仕事中暴食したくなったら困るからできないし」

男「もうまともな人生歩めないんだろうなぁとは思うよ。だから、もしこの戦いに勝ち残れたとしても俺は死ぬかもしれない」

少女「男っ!」

男「でも」

男「死ぬべきなのはテメェも同じだ勘違い独善中二ハゲッ!!」

警官「……ア?」

男「なんかビビってて損したわ、まさかこんな小物だったとは」

男「とっととこいつら倒して帰るぞ少女。俺鍋食べたいと思ってたんだよそういえば」

少女「……ああ、だな。ボクの分も頼むよ」

警官「……殺ス!!」ブチブチ!

強欲姫「とっとと終わらせて帰りたいのはこっちの方だし」

強欲姫「一つだけ言っとくと、こんな開けた場所に移動したのは」

強欲姫「バカだと思うんですけど」

少女「なっ!?」グイッ

男(少女が引き寄せられて……!?)

強欲姫「あはっ」

警官「フン」


強欲の姫と騎士は、それぞれ拳銃と銃剣を構える。

俺は……


どうする? >>389
1.少女を抱えて距離をとる
2.少女の盾になりながら敵に突っ込む
3.時間を巻き戻す

1

男(まずい! とにかく距離をとらないと……!)

少女を抱え距離をとろうとする。だが、少女は謎の力で姫の方へ引っ張られているようで、普段歩く程度の速度しか出せない。

男(クソ、これじゃ距離を取れない……!)

強欲姫「はは、踏ん張っていはいるけど背中がら空きすぎ!」

警官「『デザイア・デザイン』」


男の手の中にあった銃剣が、ただの槍に変わる。

木目の模様がなくなり金属のような光沢を放ちだした。

さっき見たやつだ。

さっきは俺の体を貫き、先が20センチほど飛び出していた。もし、今また同じぐらいの力で貫かれたら。


男(少女にも届く!? まずい、回避しないと……!)

少女「お、男……!」

俺の腕の中で女が苦しそうな声を漏らす。俺の体と敵の姫の引力で挟まれた状態になっているのだ。


警官「ハアァ!!」


男が、槍を放ったのが分かった。俺は……


>>392(選択肢によってはコンマ判定)
1.時間を巻き戻した
2.横へ跳んだ
3.少女に力を使ってもらった
4.自分で弾いた

4

男「うおおおぉぉぉ!」


少女を左腕で抱え、飛んでくる槍を右腕で払いのけようとする。

おそらく騎士の手から投げられたものだろうに、姫の能力で引き寄せられていた時と同じぐらいの速度が出ている。

結果は……



安価↓コンマ判定
01~30 弾き飛ばせる
31~60 弾き飛ばせるがバランスを崩す
61~80 腕に突き刺さる
81~00 わき腹に突き刺さる
ゾロ目 少女にも届く

槍を前腕で下から払いのけるようにして弾く。

男「っ……!」

金属を肉の薄い部分で弾くことに痛みを感じたが、それもすぐに治まる。本来なら痣ぐらいはできていただろう。

カラン、という音をたてて槍が土の上を転がる。


強欲姫「へぇ、やるじゃん。まあ悪あがきだけど!」

警官(あの状況で姫の支えを減らしてまで腕で弾いたってことは、遠距離攻撃ができる能力じゃねぇってことか?)

警官「もっと威力上げろ強欲姫」

強欲姫「やってるっつーの! どんどん私のアイツら殺したい欲が高まってるし」

強欲姫「ほら、大人しくこっち来いよ。そんな情熱的に抱きしめあってないでさぁ!」

少女「ぐ、くっ……!」

男「っ……!」


踏ん張ってはいるものの、足元は少しずつあちら側へ引きずられていた。土が削れてかかとの辺りに溜まる。

強欲姫「もう一斉に銃弾叩き込んでやろうよ。頭吹っ飛ばしちゃおーぜ」

警官「ダメだ、敵の能力が分かるまでは音の大きな銃は使えない」

強欲姫「このチキン! 警察が来るまでには勝負終わるから大丈夫だって!」

警官「……次ので様子を見てからな」


姫の手の中に、先ほどと同じ槍が4本ほど現れた。


強欲姫「わととっ! ちょっとこれ重いんですけどー!」

男(あいつ、まさかあれを連続で投げつけてくるつもりか!?)

警官「腕だけでこいつを捌ききることはできねぇだろ」


男が両手に槍を持つ。

ヤバイ、マジでやる気だ……!



どうする? >>398
1.一か八か捌ききる
2.少女に力を使ってもらう
3.一か八か突っ込む

3

少女「男……!」

男「少女!」

少女「このままじゃ、ジリ貧だ……! 消耗したところをやられるだけ……!」

少女「虎穴に入らずんばなんとやらだ!」

男「っ……やっぱ、それしかないか……!」

少女「懐に飛び込むぞ!」

男「ああ!」


正直言うと怖かった。

どちらが勝つにせよ、決着が一瞬でつく可能性は十分考えられた。俺には時間を戻す能力があるとはいえ、少女を一撃で殺されたら終わりなのだ。

敵と対峙してまだ十数分ほど。能力も戦闘スタイルも掴めてはいない中での衝突。怖くないわけがなかった。


男(いや、でも……当たり前ではないのか)


俺は死にたかったのだから。殺し合いに巻き込まれると聞いたときも、殺されてもかまわないと心のどこかで思っていたのだから。

男(……死にたくない! 俺はまだ、ここで終わりにしたくない!)


まだ何も答えを出せていない。自分のことも幼馴染のことも、少女のことも。

そんなこと望んではいけないと思っていたが。

俺は今、初めて生きたいと思ってしまっていた。



体の向きを反転する。少女を背負う形になる。

踏ん張っていた足で地面を蹴り、駆ける。

風になったかのようだ。見える景色が後ろへ流れていく。

敵の能力を利用した上での加速なのだが、なんだか少女に背中を押されている様な気がして。

ふつふつと熱いものが湧き上がってきた。

強欲姫「やっと来たか! 待ちくたびれたし」

警官「自分から死ににくるとは。俺の言葉が届いたか」

男「んなわけねぇだろ!!」


男の手にはまた銃剣が握られていた。普通の槍でも変わらないだろうに、なにか思い入れでもあるのだろうか。

姫の方は拳銃を両手で構え銃口をこちらへ向けていた。向こう側も勝負をつけるつもりでいるのだろう。

十数メートルあった距離が一瞬で縮まる。


男「うおおおおおおおぉぉぉぉ!!」



コンマ判定
男たち(安価↓1)と警官たち(安価↓2)で、コンマ以下数値が大きいほうが勝利。ただし警官たちは+20される。
差分が大きいほど優劣に差がある。60以上差がついて負けた場合敗北が確定する(時間を巻き戻せない)

強欲姫「死ねっ!」


姫が引き金を引く。静まった真夜中の公園に、鼓膜を大きく震わせる破裂音が響いた。

でも、俺たちには届かない。

黒い靄が、俺たちを守るように前面に展開されたからだ。


強欲姫「え、ちょっ!? なにアレ、ヤバくない!?」


その後も何度か銃声が響くが、靄の盾を抜けてこちらへ届いたものは一つもなかった。

暴食の化身。対物理最強の盾だ。

相手の様子がうかがえないのが難点だが、俺たちは勝手に姫の方へ引き寄せられている。

それに、敵の姫の大体の位置は少女が感じ取れるはずだ。


少女「このまま突っ込んで喰い殺すぞ!」

男「ああ!」

警官「チッ」


男たちが距離をとろうと地を蹴ったのが分かった。だが、俺たちが引き寄せられる速度の方が圧倒的に速い。


男(敵の姫は引き寄せた物体を止められないはず……! このまま押し切れば……!)


勝てる。

でも、心のどこかで不穏な空気のようなものを感じていた。

命をかけた極限の戦いではそういったものは不可避だと頭から振り払ったが。

さっきまで追い詰められていたのは、確かに俺たちだったのに。

もしこれで勝負がつくのなら、あまりにもあっけなさすぎる。

あの男を見たときに感じた得体の知れない危機感は、ただの気のせいだったのか。


警官「『デザイア・デザイン』」


何度か聞いた謎の言葉が呟かれる。おそらくはやつの能力の名前なのだろう。

いい年した強面なオッサンが自分たちが考えたであろう能力名を真面目に呟くというのも、なんだか滑稽だな。

なんて、場違いな考えが頭をよぎった。

男「ガッ!?」


硬い何かにぶつかる。靄の中に突っ込む形になるが、俺の体は闇に蝕まれたりはしない。

前にもそれらしいことを言っていたが、おそらく騎士である俺は捕食対象から外れているのだろう。そして。

腹部を、とても太い何かで貫かれた。


男「――え?」


貫かれた、という表現は正しいのだろうか?

だって、それがあまりにも太くて、胸から上と腰骨から下が、分断されてしまったのだから。

靄が晴れる。目の前には、表面が荒くボコボコになった壁。そしてどうやら、そこから俺の胴体の横幅より太い円柱が伸びているようだった。


警官「破壊と創造、なかなか面白い趣向だったな」


壁の向こうから、男の声が聞こえる。

ビチャリと、首筋の辺りに生温かいぬめりとしたものがかかる。

首筋だけじゃない。肩甲骨のあたりも、じんわりと温かい何かが服にしみこんできている。

俺は、これが何かを知っていた。

でも、理解しちゃダメだと思った。

男「ぁ、あァ……!?」

戻さないと! 時間を、やりなおさないと!

でも、何も変わらない。今までどうやって時を戻していたのか、その感覚すらも分からなくなってしまった。

円柱に乗っかっる形になっていた俺の胸から上が、重力に引きずられ横から滑り落ちた。

ぐちゃりと音をたてて地面へ転がる。もう痛みもない。急速に、生の感覚が失われていく。

上を見上げた。

円柱だと思っていたものは、円錐だったらしい。

胴体を貫かれ、ひっかかったままの状態の少女がいた。

目は開かれている。だが、もう閉じることはないだろう。

焦点が合っていない。生気も宿っていない。

死んでいる。もう二度と、その声を聞くことはできない。その笑顔を見ることはない。

それを理解したとき、何かを想い、感じる前に。

俺の意識は途絶えた。


【DEAD END1 vs強欲1戦目 胴体を少女ごと貫かれ死亡】

【~少女の反省部屋~】


少女「おおゆうしゃよ、しんでしまうとはなさけない」

少女「なんてね、ふふ、君はそんな立派なものじゃないか」

少女「君、あの顔面凶器中二ゴリラに負けてしまったんだってね。情けない、それでもボクの騎士なのかい?」

少女「まさか判定差分が100を超えてしまうなんてね。ボクもビックリだよ」

少女「傲慢を倒したことも考慮して向こうの方が若干上手ってことでハンデもあったようだけど、こんなに差がついちゃうなんてなぁ」

少女「これほどだと、今回の結果を受けて『ボクたちと彼らの間には運や知恵、努力じゃ越えられない壁がある』って設定になっちゃうね、メタ的に」

少女「あ、こういうメタ表現が嫌いな人は次の安価まで読みとばしてもらってかまわない」

少女「ここは敗北してしまったときに戦い方を考えるヒントを与えるための場所だよ。もん○すくえすとではないよ」

少女「今回の敗因は……なんだろうね? 敵の姫の能力が>>1が思ってた以上に便利すぎたという気はするね、制限をつければよかったかもと思っているよ」

少女「廃病院みたいな隠れる場所が多い場所で戦ってたら違ってたかな? まあ物が多い場所だと背中を常に注意してなきゃいけないからそれはそれで大変だけどね」

少女「あとは騎士の能力か……武器使えるのはズルいよね、君も何かカッコいいやつ使いたまえよ」

少女「まあ騎士はどいつもこいつも体が丈夫だから、そこら辺の武器を使っても意味ないってのはあるだろうけど」

少女「物を作る能力……みたいな感じでいいと思うよ、多分。ボクの暴食とは相性自体はむしろいい方だと思う」

少女「でも、姫が使う能力と騎士が使う能力とじゃ燃費や威力が違うからね……使いどころ次第かな」

少女「そうだなぁ……ボクが思う最善の手は」

少女「逃げる! だね。え、逃げてるばっかじゃ話進まないって? その通りかも」

少女「もちろん戦うことを選んだって絶対に勝てない! なんてことはないから安心して。安価スレだからね、臨機応変に行くよ」

少女「もしかしたら覚醒とかするかもしれないしねー。そういう展開は好きじゃないかい?」

少女「一応設定としては考えられてるみたいだよ? 何度も言ってることと関係あるからこういうスレ好きな人は勘付いてるかもね」

少女「強欲のペアもそれができるらしい。なんだか意外だな」

少女「逃げるタイミングによっては本編のボクたちもヒントを得ることができるかも。あ、別に逃げなくったっていいからね? あのギャルけちょんけちょんにしてやってよ!」

少女「さて、じゃあコンテニューしようか。何回ぐらいできるかは決めてないけど、まあグダグダになるのを避けるために多くても3回までって考えてるよ」

少女「どこからやり直す?」


安価↓2
1.>>367(最初に時間を巻き戻した時ぐらい)から
2.>>377(一旦距離をとることができた時ぐらい)から
3.>>387(公園で対峙した時ぐらい)から

>>377あたりから】


男「あいつら逃げる気はないみたいだぞ」

少女「ここでボクたちをしとめるつもりか」

男「どうするか……」



どうする? >>416
1.戦う
2.逃げる

男「……逃げよう」

少女「……分かった」


あの男の佇まい、纏う闘気、どれも素人のそれではなかった。

それに……何か、あの二人と俺たちとでは、決定的に違うものがあるように思えた。

それが何かは分からない。すごく漠然としていて、もしかしたらただの格の差と呼べるものなのかもしれない。

だが、いずれにせよ、正面からやり合ってあいつらに勝てる気は正直しなかった。

今はまだ。


少女「君にありったけのボクの力を送り込む。逃げることだけに専念すればなんとかなるはずだ」

男「分かった……よし、行くぞ!」

警官「させねぇよカス」

強欲姫「あはっ!」

男が姫を抱え走り出した。そして踏み切る。俺たちがいる三階に向かって、砲弾のような速さで跳んできた。


少女「っ……!」


抱えた少女の体から受ける圧力から、少女が引っ張られているのが分かる。まずい、とにかく距離をとらないと!

俺は部屋の中へ再び戻った。外で大きく跳ぶのは引力の格好の餌食になると思ったからだ。

それと、視覚から外れればもしかしたら力も弱まるかもしれないという考えもあった。これは何の根拠もないが。

窓を蹴り破り下へ飛び降りる。着地したところで、全力で駆け出した。

少女がありったけの力を送り込んでくれているおかげで、確かに今朝の訓練時より速く走れている。

俺、まだ速く走れるのか。

なんて場違いなことを考えてしまった。でも、自分がもっと強くなれるかもしれない未来の可能性に、ほんの少し勇気付けられた気がした。

強欲姫「うわ、これ全部鍋セット!? どんだけ鍋好きなわけ!?」

警官「んなことはどうでもいいだろうがッ!! 行くぞ!」

強欲姫「うわっぷ!? 舌噛みそうになったじゃnバカ!」

警官「チッ、あいつらどこ行きやがった!? おいクソギャル、『強欲(グリード)』はどうした!?」

強欲姫「使ってるっつーの! でも、ヤバイ、私の引力は距離が離れるほど弱まるんだし! 一度効果範囲外に出られるとリセットだよ!」

警官「このっ……! ここに人が住んでなけりゃ、辺り一帯焼き払ってやるってのに!」

強欲姫「どうする、『本気』出す!?」

警官「……アレを使ったところで見つけられる確率は低い。お前の力には相手のいる方向が分かったりなんて便利な機能はねぇからな」

警官「一度見失った時点で、逃げに徹されたら終了だな」

強欲姫「そんなー!! やだやだそんなのヤダ!」

警官「でも、それで諦めていいだなんてことにはならねぇ」

強欲姫「……!」

警官「正義が悪を見逃すだなんてことあっちゃならねぇ。可能性がある限り俺は絶対に諦めない!」

強欲姫「警官……! さすが私のマイダーリン! カッコいいよ!」

警官「意味重複してんぞバカ女。行くぞ!」

強欲姫「オッケー!」



男たちは逃げ切れる? 安価↓コンマゾロ目で見つかる。それ以外で逃走成功
(ゲームオーバーボーナスより成功率上昇)

【廃病院】


少女「ハァ、ハァ……」

男「おい、大丈夫か!?」

少女「大丈夫……はは、情けないね、ボクは背負われてただけだってのに……」

男「お前が力を与えてくれたから逃げ切れたんだぞ。お前のおかげだ、ありがとう」

少女「……」

男「ベッドがあるぞ、横になるか? 少し埃っぽいかもしれないけど」

少女「ああ、お願い……」

男「……」ギシッ…

少女「っ……」ハァハァ

男(すごい消耗してるみたいだ……怠惰から逃げたときよりもさらに酷い)

男(腕、また虫みたいに……)

男「なあ、俺に何かできることはあるか?」

少女「え、そうだな……お腹が、空いたな……」

男「……はは、お前は相変わらず食べることばっかだな」

少女「暴食、だからね……」

男(でも、どうする……しばらく歩けばコンビニはあるけど、こいつを置いていくのは……)

少女「男……これ……」

男「え……って、これ、鍋セットの冷凍肉……」

少女「ふふ……一つだけ持ってきちゃった……もったいなくて……」

男「あの状況で……よくそんな余裕あったな」

少女「こうなるのは、分かっていたからね……すまない、食べさせてくれないか……?」

男「いや、これまだ凍ってるぞ!? ていうか、火通さなくていいのかよ」

少女「大丈夫……今は、少しでもエネルギーをとりたい」

男「……」バリッ ゴキッ

男「ほら、飲み込みやすいように細かく砕いたぞ」

少女「さすが、もう握力もゴリラなみだね……」

男「いってないで、ほら」

少女「……いただきます」


冷凍肉の冷たさで手のひらが痛いぐらいだが、今は気にしている場合じゃない。

少女の口の中に、砂をこぼすように少しずつ肉の欠片を落としていった。

少女は肉を噛むことをしなかった。小さく白い喉がひくひくと動く。

少しずつ食べさせたので、ほんの数百グラムを食べさせるのに、三十分近くの時間がかかった。

廃れた病院の跡地で、ガラスのなくなった窓から月明かりが差し込む中、俺は少女の側でずっとそうしていた。

少女「っ……ふぅ、ごちそうさま」


すべての肉を食べ終えさせると、少女の顔色も少しばかりよくなっているように思えた。


男「食うと回復するのか」

少女「ボクが暴食だからこその特性だけどね。食い溜めしておいてよかったよ」

男「……あれ、本当だったのか」

少女「ボクは普段ただ意味もなくたくさん食べていたわけじゃないんだよ。分かったかい?」

男「分かったから、ドヤ顔するのやめろ」


弱々しいながらも、笑ってみせる少女。そんな少女の様子に俺も少し安堵した。


少女「食べたら、眠くなってきたな……」

少女がゆっくり瞼を閉じる。おいおい、お前このまま眠ったままになったりしないよな!?

少女「するわけないだろ、馬鹿……」

男「そ、そうだよな……」

少女「ふふ……ねえ」

男「なんだ?」

少女「>>425



なんと言った?(台詞安価。こんな感じのことを言った、というのでもいい)
1.これからどうする?
2.あいつら、多分相当強いぞ
3.ボクの手を握っていてほしい
4.頭を撫でていてほしい
5.明日の朝は美味しい物いっぱい食べたい
6.その他

2+4

少女「あいつら、多分相当強いぞ」

男「……」


少女はそう判断したから、こんな状態になってまで俺に力を送り込んだんだろう。

これぐらいしなければ、逃げ切れないと思って。


男「……確かに、あの騎士は只者じゃないって感じはしたよ。顔すげぇ怖かったし」

少女「……」

男「でも、それだけじゃないよな……」

少女「……」

男「なんなんだろう、あいつらから受けたあの感じ……能力も戦闘スタイルもよく分かってない、実際に拳を交えたわけじゃないのに」

男「でも、分かるんだ……理屈なんてない、なんでそう感じるのかも分からない。でも確かなんだ」

男「今の俺たちじゃ、多分あいつらには勝てない」

少女「……」

男「もっと……もっと強くならないといけない」

男(あいつが候補者の中で最強だなんて保証はどこにもないんだ……傲慢だって残っているかもしれないし)

男(他のやつらも、あいつらと同じレベルの強敵だったら……)

男(俺には特別な攻撃手段も防御手段もない。仮に時間を巻き戻すことができたって、元のスペックが違いすぎるなら勝ち目はないんだ)

男(もっと、強くならないと……!)ギリッ!

少女「……一つ言っておくけど、ボクたち七人の姫の実力は対等だ」

男「え?」

少女「傲慢はスペックは頭一つ抜けているが、それでも敵相手に慢心してしまう精神的弱点を持つ。これは本人でもどうすることもできない存在としての性質だ」

少女「そういったものをひっくるめると、本来ボクたちの間に絶対的な戦力差なんてものはないんだ。相性の良し悪しはあるとしてもね」

少女「もし仮にボクたちが残った候補者の中で最弱だとしても、それで最強相手に勝つ可能性がゼロだなんてことはありえないんだ」

男「……」

少女(そして……姫と騎士が強くなるのに何よりも大切なのは……)

少女「……男」

男「なんだ?」

少女「もう、限界だ……眠い……」ウトウト

男「……そうかよ。じゃあ早く寝ろ」

少女「その、頭を……撫でていてくれないか?」

男「は?」

少女「ボクが眠るまでで、いいから……」

男「……」

少女の頭に手をやる。俺と同じシャンプーを使っているはずなのに、髪がきめ細やかで、触り心地が柔かい。

頭のてっぺんから額へ向けて、優しく手を動かした。

少女の体から力が抜けるのが分かる。そしてすぐ、小さなすうすうという吐息の音が聞こえてきた。


男「もう寝たのかよ……頭撫でる必要ねえじゃん」

少女「……」


まさか少女がこんなことを頼んでくるなんて、ちょっと意外だった。普段からいろいろとわがままを言ってくるやつなんだけどな。

動けなくなるほど力を消耗して、やっぱり少しは不安だったんだろうか。

男「……」

自分の力のほとんどを送り込むというのもそうだし、その後無防備になる自身の体を任せるというのもそう。

自惚れではなく、おそらくこいつは俺のことを信頼してくれているんだろう。

少女の頭を撫でる。その度に、胸が暖かくなる。欠けてしまったと思っていたところから、それが溢れてくる。

こいつに出会って久しぶりに思い出した、この温かさ。

俺は、それが何であるのかをあえて考えないようにした。

俺は無心を装って、しばらくの間その手を動かし続けた。



【四日目 終了】
好感度が10上がった 50→60(最大100)
信頼度が10上がった 55→65(最大100)

【五日目 朝】


少女「うぅ……お腹すいた……」グゥゥ

男「食うもんどうするかな。今金持ってないし」

少女「人間の社会はなんて面倒な仕組みをしているんだ。自分の食料ぐらい自分の力で勝ち取ってみせろ!」

男「文句言ってもしょうがないだろ」

少女「あうぅ……このままではお腹と背中がくっついて死んでしまうぅ……」ヘナヘナ

男(こいつのこういう弱り方初めて見たな……)

少女「男ぉ……このさい野草でも虫でもいいから採ってきて……」

男「それはダメだろ!」

男(そうだな……)



どうする? >>431
1.家に戻ってみる
2.親に金を借りに行く
3.盗みを働く
4.適当に雑草抜いてくる
5.その他

男(家に帰るのは論外として……犯罪を犯すなんてありえないし……)

男(野草は……まあこいつなら本当に食べられてもおかしくないけど、なんかいやだし)

男(こいつがものを食べることで力を溜めることができるのなら、もっと上等なもんを食わせてやりたい)

男(……それしかないのか?)

男「……」

少女「どうした?」

男「ううぅぅぅうううん……!」

少女「ど、どうしたんだ本当に!?」

男「……行ってみるか、望み薄だけど」

少女「え?」

男「親のすねをかじりに行こう。早く行かないと会えなくなる」

ありえない。自分の取った行動に、率直に俺はそう思った。

親に金を借りに行く。俺が?

確かに今は親の金で生活させてもらってるけど……

自分から親の元に行こうだなんて、普段の俺なら死んでも考えないだろう。

たかだか少女に美味い物を食わせたいってだけで。

男(下僕か……いや、違う! これは生き残るための最善の策なんだ、ただそれだけだ)

昨日の戦いで自分たちの弱さを痛烈に実感させられた。生き残る可能性を少しでも上げるためにできることはしておかないと。

今の俺たちは無一文に等しいんだ、仮に今朝の朝食を乗り越えたってこれから戦いが終わるまでずっとこのままでいいはずがない。

こいつには腹いっぱい食わせてやりたい。

男(いや、勝つためだぞ! 勝つため!)

男「っ……」

少女「……さっきから何をしているんだ君は。ここに親が住んでいるんだろう? 早く呼び鈴押しなよ」


実家の前に来て数分たった。少女からせかされるも、俺は指を動かせないでいた。

心臓がバクバクと音をたてる。ここまで来て何を怖気づいているんだ俺は!

自分のヘタレさに泣きそうになっていると、ガチャリと玄関の扉が開いた。

心の準備をする前に、向こうからやってきてしまった。


男父「……」

男「あ、お、おはよう……」

男父「……」

男「ぁ……」


父さんが俺の横を通り過ぎていく。睨みつけるでも顔をしかめるでもなく、無表情のまま。


男(こ、声を、かけないと……!)

少女「……」

震える俺の手を、柔かいぬくもりが包んだ。そのまま、握り締められる。

突然の接触に俺は体をビクつかせ、そして、その衝撃のまま勢いで声を出した。


男「と、父さん!」


父さんは歩みを止めない。


男「お、お願いがあるんだ! どの面さげて……ずうずうしいってのも分かってるけど、その、俺……!」

男「お、お金を貸してください! もう、いりませんから! 来月から、仕送り、大丈夫だから!」

男「お願いします! お金を貸してください! どうしても必要なんです! い、1万だけでも……!」

男父「……お前、自分で1万稼いだことあるのか?」

男「っ!?」


ようやく答えてくれた父さんはこちらを振り向くことなく財布を取り出した。そして中から1万円札を抜き出すと、それを地面に落とす。


男父「お前の住んでる部屋も今月で解約する。次うちまで来たら警察を呼ぶぞ」

そして、父さんは仕事へ向かった。少し小さくなったようにも見えるけど、その背中は昔と何も変わらない。

風で万札が飛んでいきそうになる。俺はそれを転げながら掴んだ。膝が擦れるが、すぐに治る。


男「は、はは……」


そんな自分が滑稽で、思わず笑ってしまった。


男「やったな、これで今日もうまい飯が食えるぞ。といっても、自炊はできないからそんないっぱい食べられないけどな」

少女「ああ……」

男「コンビニにでも行くか」

少女「……」


少女が、何か言いたげに口元へ手をやっていた。どうやら言葉を選んでいるようだ。

らしくもない。こいつはむしろ俺の神経を逆撫でするようなことを面白がって言ってくるようなやつなのに。

そして、少女は口を開いた。



なんて言った?(台詞安価。こんな感じのことを言った、または『何でもない』もあり) >>439

私に出来ることはないか?
振り回してばかりで申し訳ない…

少女「……ボクに出来る事はないかい?」

男「え?」

少女「その……振り回して、申し訳ない……」

男「お前……腹減りすぎて頭おかしくなったのか?」

少女「どういう意味だ!?」

男「なんだよ急に……お前が俺を振り回してるのは最初からだろ、気持ち悪いぞ」

少女「そこまで言われるようなこと言ったかなボク!」ピキピキ!

男「お前が素直に謝るとかおかしいだろ。敵の攻撃を疑うレベルだわ」

少女「君ねぇ……! 下僕を労わってやろうという主の寛大な心遣いが分からないのか!」

少女「昨日は、その、世話になったし……今日も……」

男「……」

少女「嫌だったんだろう? 父親に会うの」

男「……いいよ、別に。けじめをつけなきゃとは思ってたんだ。……これをけじめがついたって言えるかは知らないけどな」

少女「……父親とはいつから不仲なんだい?」

男「最初から。俺が生まれたときから……たぶん母さんの不倫相手との子とかそういうんじゃないのか? 本人に聞いたわけじゃないから分からないけどな」

少女「……てっきり、幼馴染との件で仲が悪くなったのかと」

男「はは、まああれで勘当されちまったんだけどな。でも父さんには感謝してるよ、俺みたいなやつに仕送りしてくれてたんだから」

少女「……」

男「強がりじゃないぞ? 殴られたりしたこともないし、俺は本当に恵まれてるよ」

男「結局、俺が弱いだけなんだよなぁ……」

少女「……」



コンビニで適当にサラダと弁当を買った。俺たちは、近くの公園のベンチに座ってそれを食べた。

鳩に餌をやってるおじいさんがいた。それ禁止されてるんじゃないのか?

男「これからどうしようか」

少女「家がなくなったってやることは変わらない。敵を探すか、鍛錬するかだ」

男「……」



どうする? >>443
1.鍛錬する
2.敵を探す

1

男「……鍛えるか」

少女「相変わらず真面目だな君は」

男「もっと強くなりたい。今は純粋にそう思ってる」

少女「……」

男「それに……」

男(少女のやつも、念のため今日一日ぐらいは休んだほうがいいだろうからな)

少女「……君も少しはボクの下僕らしくなってきたかな?」

男「はぁ!? どういう意味だ!」

少女「さぁ? 自分の胸に手を当てて考えてみたまえ」

男「考えても分からねぇよ! ほら、帰るぞ。しばらくは廃病院を拠点にするから」

少女「……」

男「なんだ、弁当の容器を切なそうに見つめて。量が足りなかったか?」

少女「それもあるが……これから、もうずっと君の手料理は食べられないのかな?」

男「っ……!」

少女「残念だ」

男「……行くぞ」

少女「ああ」

 ――――――――

男「ふっ……!」


右手を振り下ろす。事務用の机を粉砕することに成功した。


男(いや、これいいのかな……放置されてるんだし、ゴミみたいなものだと思うけど)

男「はぁ、疲れた!」ドサッ


走ったり跳んだり走ったり筋トレしたり物壊したり時間戻したり。こっちに帰ってきてから適度に休みを挟みつつ鍛錬をしていた。

心地いい疲労感はある。いい汗流した。

でも。


男(ダメだ……伸び悩んでる)


正直、一人で鍛錬するのはもう限界に来てるのではと思えた。

決して成長していないわけじゃない。ただ、この地道な努力が実を結び強さを一段階上げるには、おそらくあと一月は同じようなメニューをこなさないといけないだろう。

そして、この戦いがそこまで長く続くものではないということは間違いない。

男「少女、手合わせしてくれないか?」

少女「無茶言うな。今の君とやり合おうと思ったら、本気で殺しに行かなきゃ君の鍛錬にならない」

少女「だけど、前も言ったようにボクが君につけた傷は治りが遅い。そもそもボクの方が君より弱いんだ、鍛錬としてはあまりにハイリスクローリターンだろう」

男「そっか……あー、クソ!」

男(どうすりゃもっと強くなれるんだ……?)

少女「……夕飯の時間だ。何か買いに行こう」

男「だな……今日はファミレスにするか?」

少女「おお! いいのか!?」

男「明日から貧乏生活を送る覚悟があるならな」

少女「う、ぐううぅぅ……!」

少女「スーパーの惣菜にしよう……」

男「お、なかなかこっちの世界のことが分かってきたみたいだな」

少女「なぜ一度夢を見せるようなことを言ったんだい、君は……」



買い物中、何かあった? >>448
1.何事もなかった。
2.ハプニング発生(何が起こった? 何があった?)

2配達員を見かけた
向こうは気づいてなきゃ

今日はここまで。付き合ってくださった方々はありがとうございました
これは向こうは気付いてないってことでいいんでしょうか?

少女「半額の惣菜……はぁ……これからずっとこうなのだと思うと……」

男「つってもなぁ……廃病院じゃ料理なんてできないし」

少女「こういうのはたまに食べるからいいのであって……まあ、いいんだけどさ、おいしいから……」

男「……」

少女(ボクは質より量派だと思ってたんだけどな……)

男(こればっかりはどうしようも……こういうとき、頼れる友人でもいれば違うんだろうけどな)

男「……」ピタッ

少女「ん、どうかしたかい?」

男「ん、んー……?」ゴシゴシ

少女「なんだ、目にゴミでも入ったのかい? そういうときは目を擦らないほうがいいよ」

男「……間違いない、あいつらだ」

少女「……?」

配達員「……」ポケー

怠惰姫「……」ボー


少女「怠惰の姫……!?」

男「ま、まさかこんな簡単に見つかるなんて! ていうかあいつら一体何やってるんだ!?」

少女「ボクには、公園のベンチに座って惚けてるようにしか見えないけど……」

男「俺もだ。向こうは俺たちには気付いてないのか?」

少女「……どうする? 奇襲を仕掛けるか?」

男「……」

男(怠惰の騎士には攻撃を無効化する能力がある。おそらく不意打ちで攻撃したってオートで発動するはずだ)

男(けど姫の方はそうじゃない。奇襲をしかければ成功する可能性は十分ある)

男(でも、俺たちが強欲の奇襲に気付いたように、あいつらも俺たちの奇襲に勘付くかもしれない)

男(今は夕暮れ時、人も多い……仮に奇襲に失敗したって、能力で時間を戻せばいいだけだけど……)

男(クソ、こういうとき銃みたいな遠距離攻撃手段があれば違うんだけどな!)



どうする? >>455
1.様子を見る
2.奇襲する(どうやって攻撃する? その方法も)

1

男「少し様子を見よう。もしかしたらチャンスが来るかもしれない」

少女「チャンスね……今でもすごい隙だらけに見えるけど」

男「……まあそうだけどさ」

少女「彼女たち、なんであんなところでぼーっとしてるんだろうね」

男「知るかよそんなこと」



配達員「愛知」

怠惰姫「青森」

配達員「秋田」

怠惰姫「えーっと……岩、じゃなくて茨城」

配達員「残念、石川です」

怠惰姫「えぇ、そんな県ありました!?」

配達員「あるよ。失礼だよ」

怠惰姫「うぅ……そもそもこれ私が不利すぎませんか。私悪魔ですよ?」

配達員「前から思ってたんだけど、あんたのその知識ってどっから得たの?」

怠惰姫「あなたの頭の中からです」

配達員「じゃあ超フェアじゃん」

怠惰姫「っ……! つ、次はおでんの具対決です! これはあいうえお順じゃなくていいですよ」

配達員「たまご」

怠惰姫「こんにゃく」

配達員「おでん食いてぇ……」

怠惰姫「ですねぇ……」



男「あいつら何の話してるんだろ」

少女「もっと近づけないのか?」

男「これ以上は危険だ、やめた方がいい」

配達員「あー……今日も収穫なかったね」

怠惰姫「まあ今日は巷で人気沸騰中の駅前のモンブランを食べることができましたし、よしとしましょう」

配達員「よしとしていいのかそれは」

怠惰姫「まあ、昨日の嫉妬みたいに適当にブラブラしてればまた誰かに会えますよ」

配達員「そっか……ま、そうだよね……」

怠惰姫「……」

配達員「……夕陽、きれいだね」

怠惰姫「ですね……」

配達員「……なんか、不思議な気分」

怠惰姫「え?」

配達員「怠惰姫と一緒にいると、気が楽だ……ずっと、こうしていたい……」

怠惰姫「っ……へ、変なこと言わないでください」

配達員「他人と一緒にいてこんな風に思ったの、初めて……」

怠惰姫「……それは多分、波長が合うからですよ」

配達員「波長?」

怠惰姫「もともと騎士には、姫と極めて波長の合う人間が選ばれるんです。姫と騎士は、魂のレベルで相性抜群なんですよ」

配達員「へー」

怠惰姫「ま、魂と心は別物なので実際繋がりが強くなるかどうかは本人たち次第ですが」

配達員「ふーん……心かぁ」

怠惰姫「……人間の心は、私たち悪魔にはよく分かりません」

配達員「私もよく分からないけどね、心のことなんて」

怠惰姫「嫌なこと聞いてもいいですか?」

配達員「ダメ。めんどくさい」

怠惰姫「ですよねぇ……ごめんなさい」

配達員「……何?」

怠惰姫「え?」

配達員「だから、何?」

怠惰姫「……なんで、高校中退しちゃったんですか?」

配達員「……もう知ってるくせに」

怠惰姫「だいたいは。でも、分からないんです。なんでそんなことをしたんですか? あなたは彼女のこと……」

配達員「友達だなんて思ったことは一度もないよ」

怠惰姫「……」

配達員「親が犯罪で捕まって施設に入ってた訳ありの私を、あいつ以外はみんな避けてた」

配達員「あいつウザかったんだよ。頼んでもないのに毎日話しかけてきて、私が無視してもニコニコしてて」

配達員「分かんなかったんだ、どうすればいいのか……誰かに優しくされたのなんて初めてだったし」

配達員「胸がざわざわして、ふわふわして……自分でもそれがなんなのか分からなくて、怖くて」

配達員「だから、目玉をカッターで切りつけちゃったわけ。それで退学、その子にもすごい嫌われちゃった」

怠惰姫「……でも、いまでもずっと後悔してるんですよね?」

配達員「……」

怠惰姫「……よく分からないです、人間は」

配達員「いや、私がレアケースなだけだよ。人間ってのはもっと素直だから」

配達員「……帰るか。今日の夕飯はコンビニのおでんで」

怠惰姫「またコンビニですか? たまには手料理とかふるまってくださいよ」

配達員「あんた私が何の騎士だか忘れたの?」

怠惰姫「……はあ、仕方ないですね」

怠惰姫「それはそれとしてあなたって料理とかできるんですか?」

配達員「卵かけご飯なら」

怠惰姫「生活力0ですね……」



男「動いた……! 追うぞ」

少女「尾行か、少しワクワクしてくるね」

男「住居が特定できるといいんだけど……」


男たちの尾行、気付かれた? 安価↓コンマ以下数値
奇数で気付かれる
偶数で気付かれない

配達員「ただいまー!」ガチャ

配達員「ふいー、疲れたー!」ボフッ

怠惰姫「帰ってきてすぐベッドにダイブするのどうかと思いますよ」

配達員「あんたも即行ソファに横になってるじゃん」

怠惰姫「今日何か面白いテレビやってましたっけ」ピッ

配達員「やっぱ家が落ち着くわー」ゴロゴロ



少女「ここがあいつらの住んでいるところか」

男「俺の住んでたとこよりボロいじゃねえか……よく住めるな」

男「ていうか、あいつらって普段鍛錬とかしてるのかな」

少女「……多分してないと思う」

男「クソ、なんて暢気で気ままな生活を送っているんだ、許せん!」

少女「そこを怒っても仕方がないだろう……で、家をつきとめたわけだけど、どうするんだい?」

男「そうだな……」



どうする?(奇襲の方法) >>463

うえ

男「……一度廃病院に戻ろう」

少女「……?」

男「鍛錬してるときに面白いものを見つけたからな」


【五日目 深夜】


少女「それは……」

男「火炎瓶だ。廃病院にあったよく分からない液体を入れてる。説明書にすごい燃えるって書いてあったから多分大丈夫だ」

少女「都合いいね」

男「今は作り方自体は簡単に調べられるからな。あるやつ全部使って作った」

少女「それでこんないっぱい……これでこの建物を全焼させるわけだね」

男「それだとこのアパートに住んでる他の人にも被害が及ぶだろ」

少女「じゃあどうするんだい?」

男「お前の靄、炎と相性いいんだよな?」

少女「……君、姫使いが荒いよ。あれ出すの疲れるんだからね?」

男「成功すれば安全にあいつらを倒すことができるんだ。頼む」

少女「……まあ、ボクを素直に頼るようになったのはよしとしよう」

男「……」

男(殺気を押し殺して慎重に動かないと……騎士のやつが見張りに起きてたらバレるかもしれないからな)

男(まあ、あの女がそんな真面目なことするやつだとは思えないけど)

男「……行くぞ!」



奇襲! どうなる? 安価↓コンマ判定
01~20 バレてた
21~70 バレてはいなかったが簡単に対処された
71~00 有利にたつことができた
ゾロ目 かなり追い込むことができた

怠惰姫「すぅ……」

配達員「むにゃ……ぐぅ……」

 パリィン!

配達員「あ?」


配達員が目を覚ますと、大きな石とガラスの破片が空中で止まっているのが目に映った。

大きく破られた窓から、瓶のようなものが続けて投げ込まれてくる。


配達員「ッ!? 起きて、敵だ!!」

怠惰姫「な、えっ!?」

配達員(なんで、なんでここがバレた!? つけられてたのか!?)

配達員「『不干渉(インセンシティブ)』ッ!!」


怠惰姫が名付けた彼女の能力。

自身に『痛み』をもたらすであろう外界からの物理的接触を完全に遮断できる能力。

もっとも、彼女は生まれてから一度も『痛み』というものを感じたことはないのだが。

自身の意識に関わらず自動で全方位に発動し、どんな超兵器であろうと傷一つつけることは叶わない。

まさに絶対防御。彼女の主たる姫はこの能力こそが最強だと常々言っていた。

しかし、当然弱点はあるのだ。

配達員の前でいくつかの火炎瓶はその動きを止める。

しかし、彼女のスタイルのいい身体の横を、いくつかの火炎瓶が通り過ぎていく。

自身へ痛みをもたらさないものは能力の対象にならない。彼女自身の意思で能力の対象を選択することはできないのだ。

火炎瓶が部屋に置かれた小さな机にぶつかり、音をたてて割れた。

一気に燃え上がる。巨大な炎が狭い彼女の部屋を埋め尽くそうとした。

だが、その炎は配達員たちを襲うことはなかった。

炎だろうが電気だろうが、彼女に痛みをもたらすものはすべてその動きを止める。


配達員(今のうちに逃げッ……!?)


窓の方を見て息を呑んだ。

窓の外が、真っ黒な靄で覆われていた。外からの明かりは完全に遮断され、今部屋の中を照らすものは炎だけとなっている。

この靄には見覚えがある。

配達員「暴食……!!」


感情を表に出すことの少ない彼女にしては珍しく、怒りで歯軋りする。

この靄は怠惰姫の盾を砕く時に使われた物だ。どんな効果があるかは分からないが、おそらく飛び込めば無事ではすまないだろう。

彼女の能力の弱点、その二つ目は自身から脅威に接触する場合は能力が使えないということだ。

自分から突っ込んでいったところで、自身の動きが止まるわけでも障害を吹き飛ばすことができるわけでもないのだ。

囲まれてしまえば終わり。後手に回れば宝の持ち腐れとなってしまう。


怠惰姫「どうしますか!?」


怠惰姫は、自身の生み出した盾で炎から身を守っている。だが、あの力は燃費がよくないと聞いた、そう長く発動できるものではないだろう。

轟々と盛んに燃えるこの炎が消えてくれるまで待つなんてことはできない。


配達員「下だ! 床を壊すことはできる! 掴まって!」

怠惰姫「分かりました!」

配達員「はあああぁぁ!!」


配達員が、自身の立っている床へ拳を叩き込んだ。

ひびが入り、やがて、家具やベッドの重みに耐え切れず、下へ崩壊する。

床がなくなると、そこには闇が広がっていた。

闇を思わせる、漆黒の靄。


配達員「なんッ!?」


落下する。重力には逆らえない。

闇に、飲み込まれる。


怠惰姫「壁よおおおおおぉぉぉ!!」

怠惰姫「がはっ!?」ドサッ!

配達員「ぐふ、クソ、怠惰姫! 大丈夫!?」


靄を突き抜け、一つ下の階へ落ちた。

怠惰姫が咄嗟に球状の盾を作ったことで、全身を靄に喰われてしまうというようなことはなかった。だが。


怠惰姫「あ、うぅ……!」

配達員「怠惰姫!?」


それでも、全ての靄から体を守れたわけではなかったようだ。怠惰姫の服はあちこちが破け、のぞいた肌からは血も滲んでいる。

配達員の方はすでに回復していたが、騎士に比べ姫の回復は格段に遅い。


配達員(クソ、下に逃げることは読まれてたのか!? それとも、私の部屋を囲むように靄を出していたのか……!)

痛みでうずくまる姫を抱きしめながら、そういえば、と配達員は思った。

どうでもいいことだが、確かこの部屋には還暦を過ぎた独り身の老女が住んでいたはずだ。

瓦礫は靄に食われて落ちてきていないが、さすがに上から人が落ちてきたとなれば音で起きてしまうだろう。

なんでこんなどうでもいいことを考えてしまったかというと。


配達員(ばあさんがいない……今日は、帰ってきてないのか?)


そこまで考えて。

後ろの部屋の隅から、飛び出してくる影があった。


配達員「ッ!?」

男「うおおおおおぉぉぉぉ!!」

配達員「暴食ゥゥ!!」

配達員(やっぱり、読んでやがったな!?)

そして、彼女は姫を守るようにかつて逃がした男と対峙した。



コンマ判定
男(安価↓1)と配達員(安価↓2)で、コンマ以下数値が大きいほうが勝利
差分が大きいほど優劣に差がある。男側が50以上差をつけて勝つと勝利確定(姫を殺せる)

男「はぁ!」


俺は怠惰の騎士の前で大きく左に跳んだ。

正面からぶつかってくると思っていたのか、女の反応が一瞬遅れる。

そして俺は、廃病院にあった金属材を少女に削ってもらって作ったお手製の槍を、怠惰の姫めがけて振るった。


配達員「このっ……!」

女が槍を蹴り上げた。手首に衝撃が来るが、槍を離すようなことはしない。

男(やっぱり……! こいつ、自分以外への攻撃は止められないんだ!)


効果範囲に入った攻撃を無効化するタイプとも考えられたが、それであればおそらく火炎瓶をすべて防ぐことができたはずだ。

そもそももし能力で姫を守ることができるなら、最初の戦闘の時姫から離れて単独で少女を狙ったりはしなかっただろう。


男(だからこそ槍……! これなら防御の『穴』を突く事ができる!)


伸びてくる拳を、軽く手の甲を添えることで反らす。攻撃はできずとも触れることはできる、前回学んだことだ。

そして、女を無視して再び姫を狙う。

配達員「だから、それやめろって!!」


女が槍の進路を妨げるように強引に手を伸ばす。槍が時間でも止められてしまったかのようにピタリと動きを止めた。

それを気にせず槍を引き戻す。そしてまた違う角度から突き出す。


配達員「あああぁぁ腹立つな!! 狙うなら私を狙えよ!」

男「そんな意味ねぇことするわけないだろ!」


槍をつくフェイントをかける。女が釣られたのを確認し、逆方向へ、女の横へ体をもぐりこませる。

左手と体全体を盾のようにして、右手の槍を振るった。


配達員「しまっ!?」

男(イケる……!)

怠惰姫「盾よ!!」


しかし甘かった。突如現れた反発力の盾に槍を弾かれる。衝撃で槍を離してしまった。

男「っ!?」

配達員「よくもやってくれたねぇ暴食の騎士!!」

男「がっ!?」


首を鷲掴みにされる。

そのまま、窓へ投げつけられた。

窓ガラスを割り、靄を抜け地面を転がる。

ガラスは靄に喰われたため、背中にガラスが食い込むといったようなことはおきなかった。


男(後一歩だったのに……!)


靄の中から、女と怠惰の姫が飛び出してきた。おそらく盾をまわりに展開しているのだろう。

最初上から落ちるときは、咄嗟のことで展開が間に合わなかったのかもしれない。準備さえ整えておけば、靄から抜け出せるぐらいの盾はだせるのかも。

姫は女に背負われていた。消耗が激しいのか、息を荒くしている。

俺は……



どうする? >>483
1.時間を戻す
2.少女とともに迎え撃つ

男(あともう一歩だったんだ……! 俺の戦い方は間違っていない!)

男(ここは時を戻す!)

男「『リバウンド』!!」



男「――」

配達員「ふっ……!」

女が右手を振るってくる。この攻撃には覚えがある。

男(後はさっきの動きをなぞるだけ……!!)

先ほどと同じような攻防を続け、そして姫に槍を放ち。

怠惰姫「盾よ!!」

半透明の盾が槍の攻撃を弾いた。だが、これはあらかじめ分かっていた動きだ。対処はできる。

俺は槍を手放した。いくら弱っているとはいえ、姫の盾をたかが金属の棒切れごときで破壊できるわけがない。

拳を握り締める。今の俺にとっては、これが何よりの武器だ。

そういえば、あの時は破壊できず、結局少女に手伝ってもらったんだったか。

男「これがリベンジだ!!」

怠惰姫「っ!?」



どうなった? 安価↓コンマ判定
40以上で壁破壊、数値が大きいほど威力が高い。

男「ぐ、ギッ……!」

かつて見たのと同じ、白い電気のような光が弾ける。

男(これ、やっぱ無理かも……!)

配達員「おらっ!」

男「げふっ!?」


胸を思いっきり蹴られ壁まで吹き飛ばされる。

壁にひびが入るほどの衝撃。背骨が砕かれる。


男「ッッ――!!?」


激痛に声にならない声をあげる。

女が、今度は俺の顔面めがけ殴りかかってきた。きっと頭を潰すつもりだろう。

男(容赦ねえなこいつ、ホント!)



どうする?(どうなる?) >>489
1.時間を戻す
2.少女が力を送り込んでくれる
3.少女が助けに来てくれる
4.アパートが崩壊する

2

男(ダメだ、動けねぇ、時間を……!)


戻そうとした、その時。

胸が熱くなるのを感じた。

血液が、一気に体の隅々にまで行き渡る。感覚のなくなっていた指先に血が巡る。頭がクリアになる。

この感覚は昨日感じたばかりだ。

窓の外から月明かりが差し込んできている。靄が晴れたんだ。

少女が、力を俺に送り込んでくれたんだ。

目前まで迫っていた女の拳を上へ逸らす。壁にぶち当たったそれは、ひびをさらに大きくさせた。


配達員(こいつ、もうこんなに動けるの……!?)


俺は潜るようにして女の脇を抜けていった。途中再び槍を拾う。


配達員「このっ……! 怠惰姫!!」

怠惰姫「ひっ!?」


姫は逃げようとする。が、体が痛むのか起き上がることもできないようだ。

そして逃げようとしたということは、もう壁を出すことが難しいのだろうということも分かった。

先ほどの俺の攻撃を防いだので、力を消耗してしまったのかもしれない。

泣きそうな顔の少女を見て一瞬胸が締め付けられる。だが、俺はそれを振り払うように槍を振るった。


男「うおおおおおぉぉぉ!!」

配達員(殺させない殺させない殺させない、絶対に殺させない!!)

配達員「はあああああああぁぁぁ!!」



コンマ判定
男(安価↓1)と配達員(安価↓2)で、コンマ以下数値が大きいほうが勝利。ただし男は+20
差分が大きいほど優劣に差がある。男が上回れば勝利(姫を殺せる)、配達員が50以上上回れば覚醒

男(届く……!)


確信があった。少女が力を送り込んでくれたおかげで、今の俺は心身ともに最高のコンディションだった。

少女が信じてくれたんだ。その想いに答えないでどうする!

せめて心臓を一突きにしてやろうと、俺は槍を突き立てようとした。

だけど、それがいけなかったのかもしれない。

急に、槍が動かなくなった。放とうとした瞬間をとめられ、肘や肩に痛みが走る。

掴まれた、槍を。力を溜めるためわずかに後ろに引いたそれを、怠惰の騎士につかまれてしまったんだ。

でも、この槍なんでビクともしないんだ!? 今の俺は少女に力を……!?

ここで俺は、自分がある勘違いをしていることに気付いた。

怠惰の姫は盾が出せないほど消耗しているのかと思った。でも違ったんだ。

少女が俺を信じてくれたように、あいつも自分の騎士を信じて……


配達員「本当にしつこいねあんた」


振り返ったところをぶん殴られる。そのまま奪われた槍を額にぶち込まれた。

脳を貫かれる。

そして。

男「――ハッ!?」

一瞬意識が途切れていた感覚があった。と同時に頭に激痛が走る。

槍で壁に張りつけにされていたようだ。額に刺さっていたそれを強引に引き抜く。

血が大量に吹き出た。バランスを失い尻餅をついてしまう。が、穴もすぐにふさがった。

男「っ!? あいつらは!?」

慌てて部屋を見渡す。いない。どこに……!?


配達員「あれでもう動き出せるの? 化け物にもほどがあるでしょ」


女は外に立っていた。その側で怠惰の姫が力なく座り込んでいた。そして。

女は、傷だらけの少女の首をつかみ持ち上げていた。


男「ッ!?」

配達員「でもよかったね、主の死に際に間に合って」


女は冷めた口調で、でも少女のことを鋭く睨みつけながら、その腕に力を込めた。


男「ああああああぁぁぁぁアアアアァァ!!!」



時間を戻せた? 安価↓コンマ以下数値
01~50 で戻せた
51~00 で間に合わなかった

戻れ戻れ戻れモドレモドレ!!


男「リバアアアアァァァァァンッッ!!!」


全身の筋肉を振り絞るようにして、全力で叫んだ。

そして――



男「――!?」

目の前に拳が迫っている。俺はそれを上へ逸らした。

配達員「なっ!?」

女の目が見開かれる。その顔面を思いっきり殴ってやりたいが、どうせ俺の攻撃はこいつには届かない。

俺は潜るようにして女の脇を抜けていった。途中再び槍を拾う。


配達員「このっ……! 怠惰姫!!」

怠惰姫「ひっ!?」


姫が逃げようとしている。でも分かってるんだ、盾を出さないのは自身の力を騎士に送り込むためだろ?

配達員「はあああああああぁぁぁ!!」


狭い部屋に、怠惰の騎士の獣のような叫び声が響く。自分の主を殺されないように必死なんだ。

ちらりと後ろを見やる。

その声には、その瞳には、確かに何よりも激しい感情が宿っているように見えた。

こいつも、このたった数日間で姫とかけがえのない時間を過ごしたのだろう。

こいつらの間には確かに強い繋がりがあって、きっとそれは、尊ぶべきものなんだと思う。

だけど、俺は。

俺だって!!


男「うおおおおおぉぉぉ!!」


槍を放つために後ろに引く、それを女に掴まれた。

いや、今度は掴ませた。

すぐに槍を離す。そして、肘を後ろにやったまま拳を握り締める。

怠惰姫「!?」

配達員「やめろおおおぉぉぉおおおおオオオオオオ!!!」


後ろから、胸を一突きにされる。

おそらく心臓ごと貫かれただろう。激痛に歯を食いしばり、結果奥歯が砕けた。

だけど、俺はもうこんなものでは止められない。


男「あぁ、あああぁぁぁああアアアアアアァァ!!」


右手を容赦なく振りぬく。

姫の、年頃の少女の泣き顔を、俺の拳が正確に捉えた。

そのまま床に叩きつける。

ビシリと、決定的な音がして。


配達員「あ、やだ……やだよ……」


女が膝から崩れ落ちた。振り返ると、彼女は呆然とした様子で血溜まりを見つめていた。

顔から一切の感情が抜け落ちている。まるで、もうすでにもぬけの殻になってしまったように。

そして、人形のようなその瞳から、一筋の涙が流れた。

それは、彼女が生身の人間に違いないのだという当たり前の事実を俺に実感させた。


配達員「あぁ……」


風にかき消されるほど小さな呟きを漏らして、彼女は砂になった。

少女「はぁ、はぁ……終わったようだね、ここに住んでる人は避難させたけど、そろそろ消防隊が来ると思うよ」

男「少女……」

少女「だから、早くここを……」


血黙りに沈む姫の死体を見て、少女はほんの一瞬言葉を止めた。


少女「これを、君がやったのか……」

男「……」

少女「お疲れさま。とりあえずここを」

男「少女!!」

少女「ひゃうっ!?」


俺は思わず少女を抱きしめていた。強く、強く抱きしめた。

少女の体の柔かい感触がある。全身で、少女の存在を確かめることができた。

それが嬉しくて、俺はさらに抱きしめる力を強めた。

少女「ど、どどどうしたんだい男!? ていうか痛い、痛いよ!」

男「よかった……! 本当に、よかった!!」

少女「……泣いているのかい?」


少女の言うとおり、気付けば俺は涙を流していた。

涙を流すのは、本当に久しぶりのことに思えた。


少女「……やれやれ、甘えん坊な下僕だな」


少女の口調はとても優しく、そして、俺の頭を撫でるその手も、とても優しかった。

少女の与えてくれる暖かさが、愛おしかった。

遠くから消防車のサイレンが聞こえてくるまで、俺はずっと少女を抱きしめていた。



【五日目 深夜】
この日、他に戦闘はあった? 安価↓コンマ判定
1~7 なかった
8~0 あった

【廃病院】


男「はぁ、疲れた!」ドサッ

少女「ふぅ、ボクたちも結構消費しているね……まあ『暴食』で部屋二つ取り囲んだうえ君に力を送り込んだわけだから、当然と言えば当然だが」

男「ありがとな、あそこで俺に託してくれて」

少女「……ボクは君に言われたとおり他の人を避難させてたから、ああする以外に手を貸せなかったってだけだ」

少女「まったく、他人なんて放っておけばいいのに……おかげで無駄な労力を費やしてしまった」

男「俺たちの都合で無関係の人が死ぬなんて寝覚めが悪いだろ」

少女「うーん……よく分からないな」

男「……それでも、俺の頼みを聞いてくれたんだよな。ありがとう」

少女「っ……なんだか、ちょっと雰囲気変わった?」

男「そうか?」

少女「ボクを抱きしめて泣いたことと何か関係があるのかな?」

男「お、お前、それ触れるか……!?」

少女「あんなに激しく求められたのは生まれて初めてだよ」

男「そ、そういうんじゃねえよ!」

少女「ふふ、分かってるって。若いうちはそういうこともある」

男「なんか変な納得の仕方された!?」

少女「……さて、男よ。私たちはこれで二人も敵を倒したことになるわけだが」

男「……冷静に考えてみると、7人のうちの2人って結構すごいよな」

少女「ああ、敵を倒した数は私たちが一番だぞ。喜べ」

男「……? なんでそんなこと分かるんだ?」

少女「先ほど君が怠惰の姫を殺したことで、ボクの頭の中にある情報が流れ込んできた」

少女「残る魔王候補者はあと4人だ」

男「……!?」

 【強欲サイド】


強欲姫「私たち強欲に、嫉妬に色欲……そして暴食」

警官「あいつら生き残りやがったのか」

強欲姫「五日で3人脱落か……まあ、妥当じゃね?」

警官「俺らが倒したのは一人だけか……誰が誰を倒したとかは分からねぇのか?」

強欲姫「そこまでは。でも、これからは一人減るごとに教えてくれるらしいよ」

警官「ふーん……ま、どうでもいい。誰が残ろうが、最後に勝つのは俺の正義だ」

強欲姫「うーん……ねー、プリン買ってきて!」

警官「いきなり何言ってんだブス」

強欲姫「なんかいきなり食べたくなっちゃったの! プリンプリンプリン!!」ジタバタ

警官「暴れるな筋トレの邪魔だ」

強欲姫「それ以上ムキムキになってどうするのよゴリラ! まあカッコいいけど!」

強欲姫「いいよ、一人で買ってくるばふっ!?」

警官「アホか、残ってるやつらは人としてはゴミクズとはいえ実力者ばかりなんだ。一人で出歩くとか自殺行為だろうが」

強欲姫「だって、一度欲しくなったものは我慢できないんだもん!」

警官「チッ……時間の無駄だ。ランニングついでに五分で帰ってくるぞ」

強欲姫「ダーリン……痺れるっ!」ギュッ!

警官「ダーリンって言うなっつってんだろ」

【嫉妬サイド】


黒髪女「残り4組……一度も戦ってないのに」

嫉妬姫「何人かの姫とは遭遇したけど、すぐ逃げたからね! さすがお姉ちゃん!」

黒髪女「……本当に勝てるのかしら」

嫉妬姫「勝てる! だってお姉ちゃんは最強だもん! 私の騎士様なんだから!」

黒髪女「嫉妬姫ちゃん……本当に可愛いね、あなたは」ナデナデ

嫉妬姫「えへへー///」

女子大生「が、ギヒッ……」ピクピク

黒髪女「あら、まだ生きてたの」

女子大生「やら、もう……助け……」ポロポロ

黒髪女「チッ、泣いたら許されると思ってるんでしょ……ちょっと顔がいいからって調子に乗るなよゴミが」

女子大生「お願い……もう……!」ガシッ

黒髪女「っ……!」

嫉妬姫「!? テメェ、何汚れた手でお姉ちゃんに触ってんだよ!?」バギッ!

女子大生「がふッ!?」

嫉妬姫「テメェみてぇなのが私のお姉ちゃんに触れるなんざ許されねぇんだよゴミ!」

嫉妬姫「お姉ちゃんが死ねっつったら大人しく死ねっ!!」

女子大生「ガッ――」ゴギッ

黒髪女「嫉妬姫ちゃん……そんなに、私のこと……」ジーン

嫉妬姫「うん! 私、お姉ちゃん大好きだもん!」

黒髪女「わ、私もす、好きよ///」

嫉妬姫「お姉ちゃんは私のモノ……誰にも壊させない……」ギュウ

【色欲サイド】

 ギシギシ アンアン

色欲姫「ん、あっ……あと、4人、だって……」

???「らしいね」

色欲姫「私たちも、そろそろ、動きましょう? 三日前から、もう、ずっと……」

???「確かにね。色欲姫のカラダ、好きなんだけどな……」クチュ…

色欲姫「んぁ……!」ピクン



色欲姫の見た目 安価↓コンマ判定
数値が0に近いほど清楚 99に近いほどエロい

色欲の騎士はどんなやつ?(性別、特徴、性格、経歴など) 安価↓3

シスター「ふふ、じゃあおしまいにしようか、今日のところはね」クスクス

色欲姫「むぅ、なんだか悔しいわ……色欲の悪魔である私とヤって、そんな余裕そうなんて」

シスター「別に、気持ち良くなかったとかそういうわけではないよ? ただ、それ以上に心が満たされているの」

色欲姫「心が?」

シスター「セックスって、相手の全てを受け入れることだと思わない?」

色欲姫「うーん、まあ男とやるときはいろいろ受け入れるけど」

シスター「体を重ねれば、心も重なる……互いが互いを求め、応えようとする……二人のことだけを想う」

シスター「私たちは、互いの体を余すことなくなぞり、含み、絡め、愛した」

色欲姫「んっ……もう」

シスター「この三日間で、私はあなたと深く繋がり合うことができたと思っているよ」ニコッ

色欲姫「まあ確かにスキンシップとしては最高の方法だったかもね、私たちにとっては」

色欲姫「でも、本当に大丈夫なの? 戦闘経験もないのに、生き残った他の候補者に勝てるわけ?」

シスター「大丈夫。殺し合いもセックスも本質は同じはずだから」

色欲姫「いや、それはどうかしら……」

シスター「全てを受け入れ、耳を傾けること……自らの生に、神の意思を見出すこと」

シスター「そうすればおのずと進むべき道は見えるものなんだ」

色欲姫「なんだかよく分からないわね、シスターさんの言うことは」

シスター「見習い中に弾き出されちゃったから自称だけどね」

色欲姫「まあこんなヤリマンビッチじゃ本物のシスターになんてなれないわよね」

シスター「傷つくなぁ……今日はもう寝よう。明日から本格的に動くよ」

色欲姫「……ちゃんと殺せる?」

シスター「もちろん。ちゃんと神様の元へいけるよう祈りを捧げるからね」

色欲姫「ふふ、なら安心ね」

シスター「おやすみ。よい夢を」

色欲姫「おやすみなさい」



【五日目終了】
好感度が15上がった 60→75(最大100)
信頼度が10上がった 65→75(最大100)

 ――――――――


少女「ほら、早く起きたまえ。朝だぞ」

男「ん、んー……もうちょっと……」

少女「君みたいな冴えない男がこんな美少女に起こしてもらえるなんて奇跡に等しいだろうに……起きろっ!」ガバッ!

男「ぶっ、布団はぐなよ!」

少女「ほら、早くボクのご飯を作りたまえ。それが君の使命だろ」

男「そこは『もう朝ご飯できてるよ』じゃないのか」

少女「なんでボクが君に料理を作ってやる必要があるんだ? 早くしろ」

男「この野郎……それが人に物を頼む態度かよ、ボイコットするぞ」

少女「いいから早く! 遅刻するだろ!」

男「はいはい分かったよ作りゃいいんだろ傍若無人女! そんなんだから彼氏もできねぇんだよ」

少女「そ、それは関係ないだろうが!」

男「ほら」

少女「わぁ……! いただきます!」ガツガツ

男「いただきます」

少女「んー、やっぱり男の料理は最高だな♪」

男「そりゃどうも」

少女「がふがふ、もぐ、んぐばふぎゅっ! ごちそうさま」

男「お粗末さま」

男母「皿は私が片付けるから、あなたたちは早く学校行きなさい」

男「ありがとう母さん」

男「じゃあ行ってくるよ、母さん、父さん」

男母「行ってらっしゃい」

男父「気をつけて行ってくるんだぞ」

男「うんっ!」

少女「ボクみたいな美少女と一緒に登校できて嬉しいかい?」

男「毎日のように言ってくるなそれ」

少女「あ、そういえば先日駅前においしいオムライスが食べられる店があると聞いてね、今日の放課後一緒に行ってみないか?」

男「またかよ」

少女「またって、最近オムライス食べに行ったか?」

男「一昨日駅前に麻婆丼食いに行ったばっかだろうが」

少女「オムライスと麻婆丼じゃ全然違うだろ」

男「食いに行き過ぎだって言ってるの! もう今月の小遣いピンチなんだよ!」

少女「君の家共働きなんだろう? 親がいない間に親の財布からこっそり」

男「できるかアホ!」

少女「そうか……じゃあ別の人と行こう。君の友達の○○とか」

男「はぁ!? なんで○○なんだよ!? 普通に△△と行けばいいだろ、女子同士なんだし!」

少女「いや、○○に今度何か驕ってやると言われていてね。お言葉に甘えようかと」

男「二人でか!?」

少女「ダメかい?」ニヤニヤ

男「お、お前なぁ……!」

少女「なーんで嫌なのかなー?」

男「そ、それは、お前……お前みたいな大食いに驕るなんて○○が可哀相だから……!」

少女「それだけ?」

男「うぐっ……それは……」

少女「……」

男「……俺は、お前が……」



違 う よ ね ?

男「ひっ!?」ガシッ

幼馴染「違うよね? そこにいるべきなのは、そいつじゃないよね?」

男「お、幼馴染……!」

幼馴染「違うでしょ? 男の幼馴染は私でしょ? 高校のとき毎日一緒に登校してたのは私でしょ?」

男「そ、それは……!」

幼馴染「私でしょ? 男が料理を作るようになったのは、私のためでしょ? 男が好きなのは私でしょ?」ギリギリ

男「い、痛っ……!」

幼馴染「その程度だったの? 男の私への想いって、私と一緒にいた十数年って、その程度だったの?」

幼馴染「ねぇ、だったらなんであの時あんなことしたの?」

男「っ……!?」

幼馴染「男が私を裏切ったから、私とっても悲しかったんだよ? 私が死んだのだって」

幼馴染「あんたのせいだからね」

男「ご、ごめ、ごめん……!」

幼馴染「許されると思ってるの? 今さら、あんたがそんな感情を持つなんて、あんたが幸せを感じるなんて」

幼馴染「というか、幸せになれると思ってるの? 心が通じ合えるなんて本気で思ってるの?」

幼馴染「あいつ、悪魔だよ?」


そこで、幼馴染の言葉は途切れた。

幼馴染の体が、黒い靄に飲み込まれたからだ。

中から、骨の折れる音と肉の潰れる音が聞こえた。

そして、耳をつんざくような断末魔。俺を呪う言葉を、最後まで叫び続けていた。

靄が晴れると、そこには何も残っていなかった。


少女「……」

男「少女……俺……」

少女「今までありがとう。君のおかげでボクは魔王になることができた」

男「え、え?」

少女「もう用済みだ」


世界が闇に閉ざされた。

俺はそれが怖くて怖くて、子供のように泣き喚いた。

腕をがむしゃらに振り回すが、靄がわずかにうごめくだけで何も掴めない。

足元から、喰われているのがわかった。

俺が、どんどん欠けていく。

俺はひたすらに謝り続けた。何に対し謝っているのか、自分でも分からない。

そして、靄が俺の顎まで喰らい、息もできなくなり。

永遠の闇へ沈みそうになって。

ふいに、失ったはずの手を誰かに握られた。

引き上げられる――

少女「おい、大丈夫か!?」

男「しょ、少女……?」

少女「うなされていたぞ……酷い汗……」

男「……」

少女「やはり、昨日のことが……君は、優しすぎる」


少女は、俺の手を掴んでくれていた。

それは、やっぱり普通の少女のものとしか思えなくて。小さくて、柔かくて、とても暖かかった。


男「……違う、そうじゃないんだ。別に、怠惰の姫を殺したからじゃない」

少女「……」

男「>>526



なんと言う? (台詞安価、こんな感じのことを言ったとかでもいい、またなんでもないもあり)

俺はこんなに幸せでいいのか

今日はここまで。ここまで読んでくださった方は本当にありがとうございました
レス数的にも内容的にも半分終わったので、よければもう少しお付き合いください

男「……俺は、こんなに幸せでいいのか?」

少女「は? 幸せ? 何を言ってるんだ、さっきまでのはどう考えても幸せな人間の反応じゃなかったぞ」

男「俺は……あいつを救えなかった。それどころか、追い詰めてしまったんだ。俺は、あいつに何度も助けられたのに……」

少女「……」

男「俺は、幸せになったらダメなんだ……あいつのことを、忘れちゃいけないんだ」

男「俺にとって特別なのは、あいつだけなんだから……」

少女「っ……なんだよ、それ……」

男「それなのに俺は、お前といると……」

少女「君は、いつもそうだね」

男「え?」

少女「いつだって死んだ幼馴染の影を追い続けてる。死んでしまった人間がそんなに大切か?」

男「……は?」

少女「太りたいというのも罪滅ぼしのつもりなんだろう。でも、そんなことをして何の意味があるんだ? 誰かが喜ぶのか?」

男「……やめろよ」

少女「まるで呪いだよ。君はあの女の亡霊にとり憑かれているんだ。君が死にたくなるほど自分を追い詰めてしまったのも、あの女のせいだろ」

男「お前……!」

少女「あの女が死んだのは自業自得じゃないか、君のせいじゃない。なぜ君がそこまで自分を傷つけなければ」

男「幼馴染を悪く言うなッ!!」グイッ!

少女「っ……」

男「お前に何が分かるんだよ! 悪魔なんかに、俺とあいつの何が分かるんだ!」

少女「……そうだね、分からないよ」

男「っ……!」

少女「やっぱり、分からない……通じ合えるかもと、思っていたけれど」

少女「気のせいだったみたいだ」

男「……」

少女「……朝食を買いに行こう。今日もコンビニだろ?」

男「ああ……」

少女「……」モグモグ

男「……」

少女「案外コンビニも悪くないね、結構クオリティ高いよ」

男「……」

少女「……ごちそうさま」

男「……」

少女「なんだか、警察が多いね……気のせいかな?」

男「……ここ最近、ここらで一気に殺人事件が増えたらしい」

少女「へぇ、物騒だね」

男「それに加えて、俺の家や怠惰の騎士の家なんかの破損事件なんかもネットじゃ騒がれてるらしい」

少女「まあボクたち悪魔側は特にこの戦いを隠蔽しようだとか考えてるわけじゃないからね」

男「……」

少女「捕まって牢屋に入ってしまうのも案外安全かもしれないよ?」

男「……」

少女「さて、今日はどうするんだい。また真面目に鍛錬?」



どうする? >>534
1.鍛錬する
2.敵を探す(どこら辺を探す?)
3.その他

1

男「鍛える」

少女「そうかい。君のその真面目さにはほんと感謝しないとね」

男「……もし俺たちが勝ち残ったら、幼馴染を生き返らせてくれ」

少女「……うん、いいよ。約束しよう」

男「……」

少女「……ボクではなく彼女のため、か」ボソッ

少女「分かってたけどね、最初から」



男「ああああああああぁぁぁ!!」


叫ぶ。体中の澱んだものを全部吐き出すような気持ちで、叫びながら廃病院の廊下を激走する。

全てを振り切ってその先に行ってしまいたくて、俺は必死に脚を動かした。

でもダメだ。

体が重い。イメージに体がついていかない。もどかしくて、胸が焦るようにざわつく。

結局、数回全力で走っただけで、膝に手をやって荒くなった息を整えなくてはならなかった。

とても気に入らないが、やはり精神状態がよろしくないのが原因か。それとも。


男(繋がりが薄くなっちまったから、なんて言わないよな……)


笑ってしまう。昨日は、あいつとならどんな障害だって乗り越えられる、とすら思ってたのに。昨日の今日でこれとは。

分かっていたけどな。人との関係なんて簡単に壊れる。


男(まあ、あいつは悪魔だけど)


少女のほうを見やる。あいつは廊下の真ん中辺りで、ぼーっと窓の外を眺めていた。

何を考えているんだろうか。分からない。あいつは、何を考えてあんなことを言ったんだ?

今朝のことを思い出すと、また怒りがわいてきた。それと同時に、若干のチクリとしたものも感じた。

あの時の、分からないと言った彼女の表情は、俺には、悲しんでるように見れた。

あんな表情の彼女を見たのは、初めてかもしれない。


男(クソ、なんだよ……あいつが変なことを言うから悪いんだろうが)

男(俺は今でも、幼馴染のことが……)


好きなんだ。

そのはずだ。

男「はぁ、はぁ……」

少女「お疲れさま。今日はいつにもまして疲れてるようだね」

男「うるさい……」

少女「……今日はファミレスにでも行かないかい?」

男「は? 前にも言ったろ、ファミレスに行くなら明日からは」

少女「分かってる。それでも行きたい」

男「……分かったよ」

少女「前はハンバーグだったから、今日はオムライスが食べたいな」

男「……子供かよ」



どうなった? >>539
1.何事もなく夕飯終了
2.ハプニング発生(何があった?)

2 ファミレスが混雑していて色欲組と相席になる

【ファミレス前】


男「なんか、すげぇ混んでるな……前来たときはそうでもなかったのに。時間の問題かな」

男「やっぱり他のところに」

少女「少女、2名……と」

男「おい、話聞けよ」

少女「まあ2名ならなんとかなるだろ」

男「……」

少女「懐かしいね、といっても三日前か、ここに来たのは」

男「……」

少女「そういえば、結局セーラー服1度しか着れなかったね」

男「ああ……だな」

少女「せっかく、君が似合うかもって言ってくれたのにね」

男「……」

ウェイトレス「2名でお待ちの少女様ー!」

少女「お、来た来た! ほら行こう!」

男「ああ」

少女「久しぶりのご馳走だぞ!」

男「大したもんじゃねえよ、ファミレスなんて」



ウェイトレス「ご注文はお決まりでしょうか?」

少女「オムライス! あとシーザーサラダも頼むよ」

ウェイトレス「お客様は?」

男「いや、俺は」

少女「ゴホン、んん、失礼」

男「……これのBセットで」

ウェイトレス「かしこまりました!」

少女「ふふ、楽しみだね」

男「ああ……」

少女「……」

男「……」

少女「……」

男(……いや、なんで急に黙るんだよ)

男(前に一度来たファミレスに来たがったってことは……やっぱ、その、仲直りしたいん、だよな? 俺の自惚れとかじゃないなら)

男(こいつの場合、もうコンビニ弁当が嫌になったから我慢できずに、ってこともありえそうだが……)

男(何か、言ったほうがいいのかな……でも、なんて言えば……)

ウェイトレス「申し訳ありません、お客様……」

少女「来たかい!」

ウェイトレス「いえ、その……現在、店内が大変込み入った状態になっておりまして」

男「まあ、確かに人多いですね」

ウェイトレス「よろしければ、他のお客様と相席にさせていただいてもよろしいでしょうか?」

男「え?」

少女「却下だ」

ウェイトレス「か、かしこまりました……」

男「いやちょっと待って! いいですよ、大丈夫です!」

少女「な、何故だ!? 見ず知らずのやつが同じ席になっても邪魔なだけだろう!」

男「俺ら2人しかいないのに4人席に陣取っちゃってるし、なんか待ってもらうの申し訳ないだろ」

少女「……はいはい、分かりましたよ。君はそうやって他人ばっかり」

男「はぁ!?」カチン!

ウェイトレス「で、では2名様をこちらに案内させていただきますね。本当にありがとうございました」

男「いえ、大丈夫です」

少女「ふんっ」

男「……!」イラッ!

ウェイトレス「どうぞこちらになります」

シスター「すみません。ご一緒させてください」

男「……!」

男(な、なんだこの人!? すげぇ可愛い、モデルさんか何かか!?)

シスター「……ふふっ」ニコッ

男「っ……!」ドキン!

男(すごい、優しそうな笑み……清楚っていうか、すごい性格よさそう……)

男(服装も落ち着いた感じで……でも、布の上からでも分かるぐらい胸が……)

少女「んんっ!!」

男「な、なんだよ!」

少女「君はホントに……いついかなる状況でもドスケベだな」

男「どういうことだそれは! ほら、お前こっちこい! そっちには彼女と連れの人が座るんだから」

少女「え、君の隣に座るなんて……ボクの貞操もここまでか……」

男「いいからこい!」

シスター「ふふ、とても仲がよろしいんですね」

男「あ、いや……!///」

少女「チッ」

色欲姫「相席かー、こういうところに運命の出会いってッ……!?」

少女「ッ!?」ガタッ!

男 シスター「???」

少女「色欲……!」

色欲姫「そういうあなたは暴食ね……!」

男「な、おい、それどういう……!」

シスター「ああ、なるほど」

少女「一度距離をとるぞ男!」

男「ああ……!」

色欲姫「逃がすと思ってるの!! シスター、早くそいつらを……!」

シスター「……」ピンポーン

男 少女 色欲姫「!?」

ウェイトレス「ご注文はお決まりでしょうか?」

シスター「このホイコーロー定食と漬物盛り合わせで。色欲姫は何にする?」

色欲姫「は、はぁ!? あなた何言ってるの!? 今の状況分かってる!?」

シスター「私たちは全員ご飯を食べに来たんだよね? じゃあ、やることは一つだよ」

少女「な、何を言ってるんだこいつ……!」

男「罠か……!?」

少女「まあいい、だったらいっそ二人がかりで姫を……!」

色欲姫「くっ……!」

シスター「もう、三人とも喧嘩は止めてください、他のお客様に迷惑ですよ。これ以上暴れるようなら」

シスター「ここにいる人全員殺します」

男「……!?」

少女「それがどうした! そんなものどうだってわぶっ!?」グイッ

男「待て少女!」

シスター「ふふ、よかったよ、話せば分かる人で」ニコニコ

シスター「とりあえず座りましょう。あ、もう一人のはお子様ランチAセットにしてください」

ウェイトレス「か、かしこまりました……」ガクブル

男「っ……」ゴクッ

男(こいつ、本当に殺る……!! まだ中身は掴めてないけど、でも強欲の騎士と同じぐらいには狂ってる!)

男「……」

少女「……」

色欲姫「……」

シスター「んー、おいしー♪」

少女「っ……」ゴクッ

シスター「皆さん食べないんですか? 冷めちゃいますよ?」

少女「もう、ダメだ……!」プルプル

少女「あむ、むぐむぐ、はむっ!」ガツガツ!

男「お、おい……!」

色欲姫「うわぁ……汚いわね……」

シスター「いい食べっぷりですね」

男「……」

男(今俺たちは、テーブルを挟んで顔を向かい合わせて座ってる……俺の前には騎士が、少女の前には色欲の姫が)

男(これが、色欲……姫の方は結構普通の美人のお姉さんって感じだな)

男(でも確かに、纏ってる雰囲気はどことなくエロい……身近にいたら絶対に異性として意識してしまうタイプだ)

男(そしてこいつが、色欲の騎士……こんな清純そうな顔して、絶倫なのか……)

少女「んっ!!」ギロッ!

男「も、物を頬張りながら睨むな!」

シスター「ふふ、本当に仲がいいんですね」

男「いや、そんなこと……!」

男(って、何普通に会話してるんだ俺は!? こいつは敵だ、この状況、少しでも気を抜けば少女をやられる……!)

男(一瞬だって気を抜けない……いつでも能力を発動できるよう、構えとかないと……)

シスター「……さっきから、彼の方からすごく熱い視線を感じるな」

男「えっ!?」

少女「君ねぇ! 色欲の騎士が女だからって!」

男「違う、そういうんじゃない!」

シスター「ふふ、私ってそんなに怖いかな? 腕相撲だって勝てた経験ほとんどないよ」

男「……この状況、警戒しないわけがないだろ。互いの姫が、目と鼻の先なんだぞ」

少女 色欲姫「……」

シスター「……」モグモグ

男「そういうアンタは随分と余裕そうだな。安全を確信できるだけの能力でも持ってるのか?」

シスター「さぁ? どうでしょう?」

シスター「試してみますか?」



どうする? >>549
1.攻撃
2.逃亡
3.様子を見る

さん

男「……」

少女「……」

シスター「~~♪」モグモグ

色欲姫「……」

色欲姫(なんなのよこの超重たい空気!? 普通に殺しあう方がまだマシよ! 今日は普通に食事を楽しみに来ただけなのに……)

色欲姫(勘弁してよ、色欲の特性は戦闘向きじゃないんだから!)

色欲姫(暴食もどちらかというと補助タイプだけど、騎士の再生能力、生命力は極めて厄介)

色欲姫(それに、物を喰らい飢えを満たすという特性が持つ危険性は、場合に寄っては傲慢強欲以上なのよね……)

少女(色欲もボクらと同じく身体と密接に関わっている特性……攻撃力は乏しいにしても、騎士の身体能力は何かしらが優れているはずだ)

少女(まあそんなのよりも、こいつらの真に怖いところは他者の精神への影響力だけどね……)

男(色欲か……前に少女が異性に対する魅力も上がるって言ってたけど、それはあくまで常識の範囲での話なのか?)

男(チャームとか……漫画とかだと、よくありそうだけどな……)

男(そういうタイプの能力って、いくら警戒してたってどうしようも……)

シスター「あ、そういえば自己紹介がまだでしたね。私はシスターっていいます」

男「え、あ、俺は……」

少女「……!」キッ!

男「っ……名乗る必要はないだろ」

シスター「男、ですよね?」

男「なっ!?」

シスター「さっき暴食の姫様がそう呼んでいたじゃないですか」

少女「……」

男「……」

シスター「互いの名前を知るって、とても大切なことですよね。私たちって、当たり前ですけど生まれてからずっと自分の名前で呼ばれてきたわけじゃないですか?」

シスター「名前って、私たちにとって一番身近な記号だと思うんです。個人を認識するための、一番分かりやすい方法」

シスター「相手の名前を知って、相手を名前で呼べば、それでもう私の中でその人はその他大勢の一人ではなく『その人』になるわけです」

シスター「ね、男」ニコッ

男「っ……!」ドキッ

少女「男、相手のペースに飲まれるな」

男「あ、ああ……」

シスター「親睦を深めるために、少し私のことについて話しましょう」

色欲姫(はぁ、帰りたい……)

シスター「名前はさっき言った通り。職業は自称シスター、趣味は人助けと人間観察、あとセックス」

男「ぶほっ!?」

シスター「身長は163センチ、体重は53キロ、スリーサイズは上から88、59、85、初体験は14歳」

色欲姫「あ、あなた何を言って……!」

男「お、おお……!」

少女「反応するな童貞! 君、そんな話をして何がしたいんだ! こいつとセックスでもしたいのか!?」

シスター「んー、できるならしたいかな」

男 少女 色欲姫「はぁ!?」

シスター「私、君にすごい興味あるな。なんだか、不思議な魅力があるよね、男って」

シスター「君と繋がりたい」

男「え、は、はぁ!?///」

少女「しゅ、趣味が悪いんじゃないのかい!」

男「お前も酷いな!?」

シスター「そうかなぁ。顔も割といけてるし、体つきもしっかりしてるし、若いし、優しそうだし」

シスター「この数日間、本当によく頑張ってきたんだってのが分かる。ギリギリの死線を潜り抜けてきたことで、その歳に似つかわしくない凄みが出てきたんだね」

男「っ……!」

シスター「そして、深い悲しみを抱えている。ふふ、こういう陰のある男の人って、母性をくすぐられちゃうな」

シスター「気になるなぁ、君は何を抱えてるの? なんでそんな歪んでしまったの? 君は何を思って今まで生きてきたの?」

男「や、やめろ……」

少女「男……?」

シスター「知りたい、繋がりたい。君の一番奥に触れたい、今の君を構成する全てを曝したい、君の本当の姿を受け入れたい」

シスター「教えて? 君はなぜそんなに苦しんでるの? 君にとって本当に大切なものって何?」

シスター「君は一体、何をそんなに怖れているの?」

男「やめろっ!!」

少女「男!」

シスター「ばーん」

男 少女「!?」

シスター「……今、私がその気になってたら、君の姫様死んでたよ」

男「っ……!」ゾク!

シスター「しゃきっとしなよ、騎士(ナイト)様」

男(なんだ、こいつ……!? 今まで、出会ったことのないタイプの人間だけど)

男(分かる、こいつは危険すぎる……!)

シスター「ふぅ、ごちそうさま」

色欲姫「いつの間に食べてたのよ……」

シスター「いやぁいい経験になりました。他の候補者とこうやって食事できる機会なんてそうないだろうから。で、どうします?」

シスター「殺し合いますか?」

男「……」ジリ…

シスター「私は全然オッケーですよ。正直言って、あなたたち相手にはまるで負ける気がしません」

色欲姫(ちょ、こいつ実戦経験ゼロのくせに何言ってるの!?)

シスター「他の候補者もこの程度なのかな? だったらもうちょっとセックスしててもよかったかも」

少女「……へぇ、そこまで言うならぜひそう思う理由を教えていただきたいね。このお食事会で、いったいなぜそんな発想に至ったのかな?」

シスター「見れば分かります。あなたたち、まるで繋がれてない」

男 少女「!?」

シスター「騎士と姫の繋がりが強いほど自身も強くなるんでしたよね? だったら」

シスター「私たちが負ける道理がない」

男「……」

シスター「この三日間ほとんど繋がってたからね」

色欲姫「余計なこと言わなくていい!」

男(こいつ、どこまで本気で言ってるんだ……? こんなの、ただのブラフに決まってる)

男(でも、こいつの目……全く揺らいでない。まるで、事実をそのまま口に出してるだけ……自信というより、確信を持っているかのような)

シスター「ふふ、疑ってますね、私の言ったこと」

男「……」

シスター「でも、もしかしたらそうなのかも、って心のどこかで思ってますよね、二人とも」

少女「……」

シスター「反応が素直で可愛いなぁ」

シスター「で、どうします? 時間とか場所とか、都合があるならそっちに合わせますよ」



どうする? >>557

これから廃病院へ向かう

男「……なら、付いてきてくれ」

シスター「どこにエスコートしてくれるんですか?」

男「街の外れにある廃病院だ」

少女「……!」

シスター「へー、君たちの秘密基地?」

男「まあ、そんなところだ」

シスター「じゃあ行きましょうか」

色欲姫(ほ、本当に殺しあうわけ? それはそれで……なんか、すごい不安……)

シスター「大丈夫だよ、色欲姫」

シスター「私がついてる」

色欲姫「……何を根拠に言ってるんだか」

色欲姫(でも……確かに、この子ならどうにかしてしまえるかもって感じはする)

ウェイトレス「ありがとうございました!」

ウェイトレス(特に何も起きなくてよかったー!)

通行人A「おい、見ろよあそこ……」

通行人B「うわ、三人とも揃いもそろってレベル高え……なんだ、モデルの撮影会の打ち上げか何かか?」

通行人C「あの冴えない男……羨ましい……!」

男(うち二人と今から殺しあうんだけどな……)

シスター「……」ニコッ

通行人たち「……!」キュン!

男(なんだか、不思議な感じだ……他の候補者と、こうして一緒に道を歩くことになるなんて)

男(今までのやつらは、顔を合わせたら即殺し合いって感じだったもんな)

少女「……よかったのかい、廃病院にあいつらを呼んで。何かあったらまた住むところを失うぞ」

男「街中でやりあうわけにもいかないし……それに、また奇襲されたときのために建物の構造はほとんど把握してる。地の利は俺たちにあるはずだ」

少女「……逃げるという選択肢も、あったんじゃないか?」

男「……珍しく弱気だな」

少女「……」

男「……」

男(結局、仲直りはできてない状態で殺し合いか……突然戦闘になるよりはマシだけどさ)


シスター『あなたたち、まるで繋がれてない』


男(大丈夫、だよな……?)

シスター「結構雰囲気あるねー」

色欲姫「なんだか陰気くさいわね、ここ」

シスター「一応お祈りを捧げておこう、あーめん」

色欲姫「そういう態度って逆に神様に失礼じゃない?」

シスター「ついでに、君たちのことも祈っておいたよ。どうか彼らの魂を天国に導いてくださいますようにって」

少女「残念ながら悪魔は天国にはいけないんだ。だから、君たちは二人仲良く地獄に落ちろ」

男「……」

シスター「はは、いい目だね。いいなぁ、強い意志を感じられる目って。私は人間のそういうところが大好きだよ」

シスター「さあ、語り合おう男。私は、君の全てを受け入れる」

シスター「そして、君をその罪から解放してあげよう」

男「……ふざけるな」ギリッ

男「お前にそんなことしてもらう必要なんてねぇ!」ダッ!

色欲姫(来た……!)

シスター「ふふ……さあ、君たちの本当の声を聞かせてよ」



シスターの能力はどうやって決める? 安価↓ コンマ以下一桁
1~7 安価で決める
8~0 >>1が勝手に決める


色欲姫の特性は? 安価↓3
1.騎士の身体能力上昇
2.他人を魅了する
3.水を自在に操る
4.変身能力
5.その他


一応シスターの罪も(犯した罪、罪だと思っていること、逆に本人にはそのつもりがないものなど)安価↓5

少ないけど今日はここまで。99のゾロ目なので気持ち強めの能力を考えます
能力>>1が勝手に決めすぎなので嫉妬の姫と騎士の能力は安価で決めます

夜の廃病院の廊下を駆ける。

暗がりに立つ色欲の騎士……シスターは、優しく微笑んだまま構えようともしなかった。

よほどこちらを舐めきっているのか、それとも俺を迎撃できる能力を持っているのか。


男「っ……」


能力の分からない敵に突っ込んでいくのはいまだに怖い。

体はすぐに再生するし時を戻すことだってできるが、たとえそれでどれだけの窮地を凌ぐことができたとしても慣れるということはないだろう。


男(でも、俺にはこの戦い方しかない! それに、能力の分からない相手と戦うのが怖いのは相手だって同じはずだ!)

男(俺みたいにやり直しができるわけじゃないはずだ、必ず能力を使って対処してくる。それを見極める!)


シスターとの距離がどんどん縮まっていく。

今の俺ならあと数歩で拳が届くほどの距離まで迫った。

でも、動かない。笑ったまま、女は言った。

シスター「接近しないと発動できない能力? それとも、攻撃されても捌ける自信があるのかな?」

男「お前はどうなんだよ!」


拳を振るう。もう届く範囲まで接近していた。

女は俺の拳を見ようともしない。ただじっと、俺の目を見つめていた。

全てを包容するような穏やかな瞳。裏は感じられない。

だからこそ薄ら寒い。まるで同じ地点に立てていないかのような、一つ高いところから見下ろされているような……

拳がシスターに接触するまでもうコンマ数秒。全力で振りぬきながら、俺は神経を集中させる。

必ず何かアクションをとる、能力をいつでも発動できるよう構える。そして。

シスターが消えた。拳が空振る。


男「……!?」

少女「何をしているんだ男!!」

男「え……?」


気付けば、シスターが俺の懐にもぐりこんでいた。


少女「まずは、小手調べ!」

男「っ……!?」



どうなる? 安価↓コンマ判定
01~10 反応できる
11~50 それなりにダメージ
51~90 結構ダメージ
91~00 深刻なダメージ

男「がはっ!?」


腹を殴られる。鈍い痛みが内臓を揺らし、口から血を吐いた。

衝撃で数メートル吹き飛ばされる。途中で体勢を立て直し、膝をついた状態で敵を見据えた。

シスターは殴ったほうの手をグーパーさせながら、満足したように笑みを漏らした。


シスター「うん、ちゃんと戦える。色欲の騎士は戦闘能力が低いって聞いてたから少し心配だったんだけど」

男「ぐ、くそ……!」

男(憤怒の騎士ほどじゃないけど、でも強い……! 俺だって、体は丈夫になってるはずなのに)


口元の血を拭う。まだじんわりと痛むが傷は癒えたはずだ。


シスター「回復もやっぱり早いんだね。君が暴食の騎士だから? それとも私もそれぐらいできるのかな?」

男「すぐ分かると思うぜ」

シスター「ふふ、かっこいいね」

少女「男! さっきなんであんな場所で拳を振るったんだ!」

男「は? どういうことだ」

少女「ボクには、君が突然何もない空間を攻撃したようにしか見えなかったぞ!」

男「え?」

シスター「次はかわせるかな?」


今度はシスターから仕掛けてくる。さきほどは咄嗟のことで反応できなかったが、改めてみてみると動きは大したことはない。


男(動き自体は素人、まだ怠惰の騎士の方が早かった! これなら……!)


かわすのは難しくない。と、迫る腕の動きにあわせ体を横にそらそうとしたが。

予想していたよりも早く拳が着弾する。肋骨にひびが入った感触があった。


男「なっ!?」

シスター「もう一発!」


二撃目が続く。上体を後ろに下げることで、それを避けることは成功した。

男(クソ、なんだこれ……!?)


二度の攻撃と、先ほどの少女の言葉から考えると。


男(俺の見えてるものと、実際の動きが違う……!?)

少女「まさかこの程度に対処できないなんてことはないよね、男?」

男「このっ……!」



どうする? >>576
1.他の感覚を研ぎ澄ませる
2.少女に敵の位置を教えてもらいつつ戦う
3.攻撃をわざと食らい相手を捕まえる
4.シスターを無視して色欲姫につっこむ
5.その他(それなりに詳しく)

1

男(幻覚系の能力か……!? 視覚だけに作用するのか、それとも他の五感にもに作用するのか)

男(後者ならやっかいなんてものじゃないぞ!)


少なくとも、俺の能力で勝つのは相当難しいはずだ。

シスターが再び攻撃してくる。俺は焦りそうになるのを抑え、意識を集中した。

もし、こいつの能力が幻覚を見せるだけで、幻聴を聞かせることはできないのだとしたら。


男(足音や、服が擦れるわずかな音、呼吸なんかは誤魔化せないはず……!)


騎士になって感覚まで研ぎ澄まされたのだろうか。

かつての俺なら絶対に感じ取ることのできなかったわずかな違和感。

俺は直感のままに拳を振るった。


男「はあああぁぁ!」

シスター「……!」



どうなった? 安価↓コンマ判定
01~10 反応できる
11~50 それなりにダメージ
51~90 結構ダメージ
91~00 深刻なダメージ

シスター「つぅ……!」

男(当たった……! けど、ダメージが浅い! まだ距離感が上手く掴めてないのか……!)

シスター「あー、痛い……! 痛いのはやっぱ好きじゃないなぁ、そういうプレイなら平気なんだけど」

シスター「というかもう対応できるんだね。さっきは煽ったけど、すごいよ、男」

男「……そうやって余裕こいてると痛い目見るぞ」

シスター「別にそういうつもりじゃないんだけど……でも、ふふ、やっぱり素敵だね、君」

男「っ……」

シスター「色欲の騎士になったからか、最近ますますムラムラしやすくなっちゃって」

シスター「もとからセックスは好きだったけど、今の私は素敵な男性を見るとすぐに疼いちゃうんだ」

男「……」

シスター「ふふ、もう動じないか。いいね、そういうところが好き」

シスター「だから……いっぱいカラダで語り合おう!」ダッ!

男「くっ……!」ダッ!

勝負は拮抗している。傍からはそう見えるかもしれない。

身体能力は俺の方が上、とはいえ素でぶつかっても展開が一方的になるなんてほどの力量差はない。

今は幻覚のせいで俺の反応や攻撃の精度が悪いため、互いに同じぐらいの量の攻撃を捌き、食らっていた。

シスターの攻撃はその細身や穏やかな雰囲気から想像できるよりずっと重く、しかし俺には一瞬で回復できる程度のダメージしか与えられなかった。

一方の俺は実際の敵の動きとイメージとにズレがあるせいで、打撃のエネルギーを逃がすような形でしか拳を当てることができなかった。

徒手での戦闘が続く。ずっと長い間こうしている気がするが、実際は一分か二分ほどしか経っていないだろう。

少女も色欲の姫も、手を出さなかった。俺も、今はまだ姫たちが動くべきときではないだろうと思う。

このまま停滞した状態が続くのだろうか。俺は、そうではない気がしていた。

嫌な予感がする。


男(こいつの能力、本当にこの程度なのか?)

男(こいつはやってるのはせいぜい自分の姿を消したり実際とは異なる動きを見せたりすることだけ)

男(仮にこいつの能力が幻覚を見せるものなのだとして、もっと厄介な使い方がありそうなものだけど……)

男(少女は幻覚を見ていなかった。見せてなかっただけかもしれないが、能力の対象や効果範囲に制限があるのかもしれない……とすると)

男(こいつ、弱すぎないか? こんな能力で、あそこまで自信ありげに振舞えるものなのか?)

男(こいつがそういう性格なだけって言われてしまえばそれまでだけど……でもこいつがただの自惚れた雑魚だとは思えない)

男(本当に、これがこいつの全力なのか……?)

シスター「ふふ、私のこと真剣に考えてくれてるんだね! とても嬉しいよ!」ジュバ!

男「くっ……!」

シスター「私も、君のことばかり考えてる! 分かる? 私たちは今、誰よりも互いのことを思っているんだよ!」

男「だから、何なんだよ!」バギッ!

シスター「がふっ!? あぁ、痛いなぁ……ふふ、泣きそうだ」


シスターが眉間にしわを寄せる。わずかに潤んだ瞳が揺れる。

喧嘩なんかしそうにないし、おそらく本当に痛いのだろう。騎士にだって痛みはある。憤怒の騎士が異常だったのだ。

シスターの見せる普通の人間らしい一面に、無駄に動揺してしまう。

それでも、シスターは俺への攻撃を止めることはなかった。瞳を潤ませながらも、もう満面の笑みを取り戻していた。


シスター「痛いけど、この痛みも男がくれたものだ! だから私は受け止める!」

男「がはっ!? くっ、俺はごめんだぞ!」

シスター「ぐっ!? ふ、ふふ、うふふふ!」


痛みに顔をしかめながら、シスターは攻撃を続ける。憤怒の騎士も戦闘中笑っていたが、あれとは理由が違うように思えた。

憤怒の騎士は、自らが憎悪するものを破壊できることに喜びを感じていた。でも、こいつはそうじゃない。

こいつは、俺のことを嫌ってなんかいない。

互いに傷つけ殺しあっているこの状況で、本気で、俺を理解しようとしている。

俺と繋がろうとしている。

男「クソ……!」

シスター「ねぇ、なんで私を怖がるの? なんで焦ってるの? 君の方が強いのに」

男「黙れ!」

シスター「分かるよ、伝わってくるよ! 体がぶつかって痛みを感じるたびに、男の心が伝わってくる!」

シスター「でも、私が知りたいのはこういうのじゃない! こんな表面的なものじゃない!」

シスター「君がいったい何を考え、何を抱えて生きてきたのか、何を想って戦っているのか、それが知りたい!」

シスター「私に応えて! 私に受け入れさせてよ、男!」

男「っ……! ふざけるな!」



どうなる? 安価↓コンマ判定
01~20 男がシスターを吹き飛ばす
21~80 どちらも決定打を与えられない、一度距離をとる
81~00 シスターが男を吹き飛ばす

シスター「ふっ……!」


シスターが俺の右横腹めがけ蹴りを放ってくる。だが、これをそのまま信じるわけにも行かない。

神経を研ぎ澄ませる。普段無意識に処理しているであろう些細な音や風の感触を、直感として感じ取れるように。

だがこれは、当然ながらすごく疲れる。身体は回復しても、精神的な疲労まで癒えるわけではない。


男(この蹴り、本物……!)


後ろに下がりそれをかわす。俺がいた場所をシスターの細くしなやかな脚が通過する。だが。

それは幻だ。実際には、俺が後ろに下がる動作に入った時点で、脚は引き戻されている。

とっさに腕をクロスし体を守る。


シスター「えいっ!」

男「がッ!?」


重い。腕の上からだったが、そのまま衝撃が体を突き抜ける。

俺は再び数メートル吹き飛ばされてしまった。

少女「男……!」

男「はぁ、はぁ……! クソ……!」

男(疲れるのが思ったより早いな……! 俺に攻撃系の能力があれば、幻覚なんて関係無しにぶっ飛ばせるのに……!)

男(力量に大きな差があるわけじゃないから、逆に時間を戻そうと思えるタイミングが来ないな)

男(ここで優位に立てば戦況を動かせるって場面じゃないと時間を巻き戻してもメリットが……)

男(タイミングが来るまで待つべき……いや、むしろ能力を使って自分からそのタイミングを作ったほうがいいか?)

少女「大丈夫か? あの女の動き、今の君がてこずるようなものだとは思えなかったが」

男「幻覚を見せられてるんだ。多分、あいつの能力だ」

少女「やはりそういうタイプか……でも、本当にそれは騎士の能力なのかな?」

男「え?」

色欲姫「あぁ、もう……!」プルプル

色欲姫「いい加減にしなさいよこの馬鹿ビッチ!!」

男「な、なんだ?」

色欲姫「あなたねぇ、ありえないでしょう。私言ったわよね、騎士より姫の方が燃費が悪いって!」

シスター「ありがとう。助かったよ」ニコッ

色欲姫「ありがとう、じゃないわよ! いつ騎士の隙をついてブチ殺すのかと思ってたら、あなた、なんで能力使わないのよっ!」

男「……!?」

少女「……」

シスター「だって、男をカラダで感じたかったから……」

色欲姫「はぁ!?」

シスター「あと、能力を使ってくれるのを待ってたんだけど……そんな様子は見えなかったね」

男「……」

シスター「私が能力使ってないってことに気付いてたわけでもないし、なんなんだろう、分からないなぁ……」

シスター「タイミングを見てたのか……使いどころが難しいのかな」

色欲姫「ったく、相手が攻撃的な能力持ってたらピンチになってたかもしれないのよ。もっと反省して」

シスター「反省してます。ああ神よ、愚かな私をお許しください」

色欲姫「私に謝って!」

男「能力を、使ってない……?」

少女「随分と舐められたものだね……たとえ騎士の能力が弱いのだとしても、姫だけに能力を使わせるなんて愚策だとしか思えない」

男「演技をしてるって可能性は?」

少女「ボクたちを油断させるためにか? あまり意味があるとは思えないな」

少女「姫の能力は騎士より数段劣る。先ほどまで君が見てたっていう幻覚があの女の全力なら、姫の能力はそれ以下ってことになるし」

少女「もし騎士が手を抜いていたのだとしても、結局趣味が悪いことに変わりはない」

男「……それだけ、自信があるってことなのか?」

少女「……あるいは、あれがあの女の性質なのかもね」

少女「傲慢が他人を見下してしまうように……あの女は、殺し合いであっても他者との関わりに快楽を見出すのかも」

男「なんだよ、それ……ふざけてる」

少女「でも実際、その悪ふざけでやつらが消耗しているのは事実だ。ボクたちを舐めてかかったこと、後悔させてやろう」

男「ああ……!」


色欲姫「もう手加減しないでよね」

シスター「うん、大丈夫。彼の癖や行動パターンはなんとなく分かったから」

色欲姫(本当でしょうね……自分が戦闘素人だってこと分かってるのかしらこの子)

シスター「さて、体の相性も確かめ合ったことだし」

シスター「今度は、心の方を覗いてみたいな」

少女「来るぞ……!」

男「……!」ザッ!

シスター「『ナイトメア』」


世界が変質した。


男「っ……!?」


『リバウンド』を発動したときにも似ている。

あれは世界が一瞬ブレるように感じるだけだが、これは、まるで空間そのものが別のものと入れ替えられたかのような。

いつもいる世界とは、少しズレたところにいるような、そんな感覚。

自分の体も、どこか自分のものではないかのように感じる。これは、まるで……


男(夢……?)

シスター「さぁ、出てきて。私の中の感情たち」


かすかな月明かりに照らされてできたシスターの影。

それが水面のように揺らいだ。

そして。

黒く塗りつぶされたその影から、この世ならざる怪異たちが這い出してきた。


男「なっ!?」

少女「……なんだか懐かしい気持ちになるね、そういうのを見ると」

シスター「ふふ、どう、可愛いでしょ? みんな、私の感情なんだ」

シスター「私の『夢魔の醒める星夜(ナイトメア)』は、人の感情に姿形を与える能力。まさに夢のような能力だよ」

色欲姫(なんであっさり能力をバラすのよこいつは!?)

男「これが、感情……?」


ヘドロが集まってできたようなものや、怒りの形相でこちらを睨みつけてくる岩のような赤鬼、全身を隠すほどの黒髪から青白く痩せた体をのぞかせすすり泣く何か。

これが、感情が形を得たものだというのか。

男(まるで妖怪か何かだ……こいつ、こんなものを抱えてたのか)


清楚な印象を与えるその女の内側に、こんな化け物が潜んでいたとは。

やはりこいつも俺や他の騎士と同じ、どこか狂ってしまっている人間……


シスター「なるほど……君にはそう見えるんだね」

男「え?」

シスター「今度は君の番だよ」

男「なっ!?」


慌てて視線を落とす。俺の影が揺らいでいる……!?

そして、中から出てきたのは……



何の感情?(怒り、悲しみなど) >>593

後悔

俺の影から姿を現したのは、背丈が3メートルを超しそうな細長い怪物だった。

体表は灰色がかったマーブル柄で、触れたらずぷりと飲み込まれてしまいそうだった。

女、なのだろうか。長い髪の毛からのぞく片目は、なぜかアナログ時計になっていた。

針がカチカチと逆回転していた。見ているとなんだか不安な気持ちになる。


少女「チィ……!」


突如俺の背後に現れたそれを警戒して、少女が距離をとる。

それを見て、俺も止まっていた体を動かした。少女を守るように怪物と対峙する。

こちらを襲ってくる様子はないが、本当に不気味な存在だ。

これが、俺の感情……?


シスター「それは君の『後悔』だよ」

男「後悔……?」

シスター「心の奥底にあった感情を一つ喚び起こしてみたんだ。なるほど……それが君の能力の根源か」

男「え?」

シスター「君の心なんだ、君なら分かるさ。心を澄まして、耳を傾けて……」

男「……」

別にそういうつもりはなかった。だが、俺はついその怪物を見つめてしまった。

目が合う。いや、そう感じただけだ。あれには目なんてないのだから。

枠がぐにゃりと歪んだ時計。その針がゆっくりと逆に回っている。カチカチ、カチカチと。

口があるであろうあたりのマーブル模様がうごめく。ゆっくりとかき回すように、だが色は混ざらない。

音にならない声が、聞こえた気がした。


男「ああ、ぁ、ああ……!」ガタガタ

少女「どうしたんだ男!?」

シスター「あぁ……聞こえてくるよ、男の後悔の声が……戻りたいんだね、あの頃に。やり直したいんだね、あの時を」

男「や、やめてくれ……!」

シスター「あの時、どうしてあんなことをしてしまったんだろう……もっと他に、方法があったんじゃないのか」

シスター「彼女と共に笑って生きていける道が、あったんじゃないのか」

男「やめろ!!」

少女「くっ……! 男、しっかりしろ!!」

少女(どうする!? これはいったい、どういう能力なんだ? どうすれば、あれを消せる……!?)

シスター「あはぁ……いいよ、人の心の奥深くに触れるって、たまらない……!」ゾクゾク!

シスター「でも、これだけじゃ足りない……もっと知りたい……その感情と結びつく、君が本当に抱えているもの」

シスター「もっと、曝け出して……私が、全て受け入れる」ニタァ

男「ふざけるなあああ!!」

少女「男……!? 待て!」



男はどうする?(どうなる?) >>599
1.怪物に殴りかかる
2.時を戻す
3.少女に止められる
4.怪物を無視、シスターの元へ駆ける
5.その他

3

少女「このっ……! 待て馬鹿!」

男「ガッ!?」


少女に後ろから倒され、床に押し付けられる。クッソ痛い!

口の中が少し切れる。こいつにつけられた傷は治りにくいってのに!


少女「冷静になれ! それじゃ敵の思うつぼだろ!」

男「っ……」

シスター「私は別にそういうつもりはないんだけどな。私はただ、男の内側が知りたいだけ。それを怖れているのは他でもない男自身だよ?」

少女「黙れ、腐れビッチ。他人の心の中身を勝手に引きずり出しておいてよくそんな調子のいいことが言えるね」

少女「繋がりたい? 受け入れたい? 笑わせるな。君は結局、他人なんてどうでもいいんだろう」

シスター「え?」

少女「自分の都合で、他人の気持ちを塗り変えることができるならそれでいいんだ。他人と繋がれたという結果に酔いしれたいだけ」

少女「どこまでも独善的で自己陶酔的な、色欲にはお似合いの人格破綻者だ」

色欲姫「……」イラッ

シスター「……ふむ、意外。悪魔に説教されるだなんて。そんなに気に食わなかった?」

シスター「自分ができないことを赤の他人にされるのが悔しかったんだね」ニコッ

少女「っ……!」

男「……?」

シスター「あなたのような人、今までにもたくさん見てきたよ。私が誰かと繋がると、自分の好きな人をとらないでって私を逆恨みしてきた」

シスター「でも、それはお門違い。心を通わせるということをしてこなかったのは彼女たちのほうなんだから」

シスター「たった数回の他人とのセックスで壊れてしまうような関係なんて、偽物だと思わない?」

男「っ……!」ギリッ!

シスター「逆に私は、繋がれたよ。たった数回体を重ねただけだけど、私は彼らや彼女たちの心を受け入れることができた」

シスター「彼らは、私を心から愛してくれた。私はとっても幸せ者だよ、神様に感謝したいぐらい」

シスター「あなたも、私を逆恨みしてきた人たちと同じ。僻んでるんだ、結局」

シスター「自分が理解できないものを……理解しようとしなかったものを、私が躊躇いなく見ることができるから」

少女「……!」

シスター「それを選んだのはあなたなのに。傷つくことを恐れて、繋がることを避けていたのはあなたの方なのに、それを」

少女「黙れっ!!」

シスター「ふふっ」

少女「ハッ……!?」

少女(しまった、つい口車に乗せられて……! ボクは、何を……!)

シスター「本当はあなたの心の中身も見てみたいんだけど、残念ながら、人間以外の感情は形にできないんだよね」

色欲姫「いつまで遊んでるつもりなの?」イライラ

シスター「ごめんごめん、あともうちょっと……」

男「お前みたいなのが……」

シスター「え?」

少女「男……?」

男「お前みたいなのが、いるから……!」ギロッ

シスター「あれ、思いがけず核心に迫れちゃったのかな?」

シスター「いいね、それじゃあそれを喚び起こしてみようか」

男「ああああああぁぁぁ!!」ダッ!

少女「男……!」




シスターに突っ込む男。どうなる? 安価↓コンマ判定
01~30 赤鬼のような怪物に吹き飛ばされる
31~60 『後悔』の怪物に吹き飛ばされる
61~90 感情を喚び起こされる
91~00 シスターの怪物にダメージを与えることができる

シスターの元へ駆ける。時計の怪物の横を通り過ぎるが、そいつは反応を示さなかった。

一体何のために出てきたのか、でも害を為さないというのなら今はどうでもいい。

俺は激しい怒りを感じていた。そして、それを自覚し冷静になろうと働きかける自分もいた。


男(怒りに任せて突っ込んだって、何も得られない……! 見極めないと、こいつの能力を!)

ただ感情を怪物にして終わり、ではないだろう。きっとあいつが楽しむ以外の使い道があるはずだ。

男(まあ、ないならそれにこしたことはないけどな)


シスターは余裕の笑みで突っ立っていた。自分の優位性は揺るがないと思っているのか、俺の心を覗けたことがそんなに嬉しかったのか。

思えば、最初からずっとこの女はそうして笑っていた気がする。最初にファミレスで出会ったときから。

俺たちのことを、脅威になりえないと考えている。


男(舐めやがって……!)

シスターの元まであと数歩というところで、周りにいた怪物たちが動いた。

岩のように大きくごつごつした筋肉で覆われた赤鬼が、俺の前に立ちふさがる。

これは、怒りだろうか? 憤怒の表情で俺を睨みつけてくる。この女にも、こういう感情が……

俺の思考は、途中で途切れた。



気付けば俺は、壁にめり込んでいた。

腕や脚があらぬ方向に曲がり、腹はつぶれ大穴から内臓だったものが零れ落ちていた。

頭が上手く働かない。自分の身に何が起きたのか、理解できない。


少女「男!?」


少女が俺の名を呼ぶ。10メートル以上離れたところに少女が立っていた。そして、その奥にシスターと色欲の姫、感情の化け物たちがいる。

これは、俺が吹き飛ばされたのか……?

男「マジ、かよ……」

少しずつ頭が回転しだす。そういえば、思考が途切れる寸前、赤い腕の残像が見えた様な気がする。

男(憤怒の姫と同じか、それ以上の力じゃねえか……)


化け物なのは見た目だけではなかったか。どうやっても気合では埋められない差があった。

そんなものが三体も……


男(少女にありったけの力を送り込んでもらえば……いや、それでも……)

男「ぐ、くっ……!」

シスター「あの怪我で動けるんだ……信じられない」

男(とりあえず、時間を……!)

男「『リバウンド』!!」


 ――――――――

色欲姫「いつまで遊んでるつもりなの?」イライラ

シスター「ごめんごめん、あともうちょっと……」

男「……」

少女(男、戻ってきたのか……何かあったのかは知らないが、少し冷静になっているようだな)

男(どうする? 俺に素手以外の攻撃手段がない以上、突っ込んでいくしかないんだけど)

男(何かあの怪物たちを出し抜ける策があるか? 廃病院の構造は把握してる、地の利を生かせるような策……)

男(あるいは、逃げるか……でも、それでいいのか? 強欲からも逃げてこいつからも逃げて、本当に勝ち残れるのか?)

男(でも……本当に、どうやって勝てば……)

シスター「……ねぇ」

シスター「男、今何した?」

男 少女「!?」

色欲姫「え?」

シスター「まるで、急に意識が切り替わったかのような……」


シスターは俺と俺から生まれた後悔の怪物に交互に目をやりながら、顎に手を当て唸っていた。そして。

シスター「時を戻せるのか」

男(こいつ……!)

シスター「その反応、ビンゴ♪」

色欲姫「は? 時? どういうこと?」

シスター「彼の心の奥底に眠る一番強そうなやつを一つ喚び起こしたんだけど……思ってた以上に、能力との結びつきが強かったんだね」

シスター「そこまでして戻したい時間があったの? なんだか、羨ましいな」

男(バレた、能力が……!? まずい、これで俺のアドバンテージが……!)

少女「……やれやれ、バレたのなら仕方がないね。まあ、分かったところでどうにかできるものではないだろう、男の能力は」

男「少女……」

シスター「うーん、それはどうかな」

少女「……」

シスター「時間を止めたり、あるいは飛ばしたりできるのかとも考えたけど、さっきまでと男の位置が変わったわけじゃないからそれはない」

シスター「使えるとしても、おそらくとても限定的なもの。主にできるのは時を戻すことのみ」

シスター「それも、何度も使えるわけじゃない。もし使えるなら、最初私と殴り合っていたときに使っていたはず」

シスター「そして、こんなどうでもいい時間に巻き戻した事から考えて、戻すタイミングを正確に決めることもできない可能性が高い」

シスター「もし戻るタイミングを決められるなら、例えば接近戦中に相手にわずかに隙ができた時に戻るとか、そういう使い方をするだろうから」

シスター「あるいは考えを整理したり体を休めたりしたかったのなら、もっと前のタイミングに戻ってたはずだよね」

シスター「そして、時間を巻き戻したって事はつまり、そうせざるを得ない状況になったってこと」

シスター「男の力じゃ、私の感情たちを突破できなかったってこと」

赤鬼「グルルル……」

男「……」

シスター「まあ、実際はもっと複雑な能力だったり、あるいは時間が巻き戻るのはむしろ何らかの能力のペナルティって可能性もあったわけだけど」

シスター「君の反応や『感情』を見るに、時間を巻き戻す能力で正解……そうだよね?」

少女「……クソ」


少女が、苦虫を噛み潰したような顔をした。こいつがこういう反応をするのはめずらしい。

俺は……


>>611
1.冷静に勝つことを考えていた
2.冷静に逃げることを考えていた
3.心が折れかけていた

1

男「……」

シスター「ふふ、いいね、やる気満々って感じだ。ますます好きになっちゃいそうだ」

少女「男……」

男「少女、多分俺一人じゃあいつには勝てない」ボソッ

少女「……」

男「いつか、お前の手を借りなければならなくなると思う。分からないけど、お前の力ならあの怪物にだって通用するはずだ」

男「俺が必ず突破口を見つける。だから、そのときは……」

少女「分かった」

男「……ごめん、危険な目にあわせることになっちまうけど」

少女「いいさ、もとより覚悟の上だ。それに」

少女「信じてるからね」

男「……」ググッ

シスター「ぷ、ふふっ……! あはは!」

男「何がおかしい?」

シスター「信じてるって、ふふ、うふふ……! ねえ、君たち今までもそうやって乗り切ってきたの?」

少女「……」

シスター「運が良かったのか他の候補者も似た様な感じだったのか……うん、いいよ。おいで」

シスター「君たちの繋がりがいかに弱いかってことを教えてあげる」

男「ふっ……!」ダッ!



男はどうする? >>615
1.とりあえずもう一度シスターの元へ攻撃にいく(攻撃方法の指定がもしあればそれも)
2.一度身を隠そうとする
3.その他(それなりに詳しく)

3
逆に煽っていくスタイル(本気で怒らせるまで余力を残し、相手を冷静に分析していく)

男「そいつら、お前の感情なんだよな? ずっと能天気に笑ってるだけのやつだと思ってたのに、随分感情豊かなんだな」

シスター「ん?」

男「どいつもこいつも化け物じみた見た目して……お前も、やっぱどこか狂ってるのか?」

男「色欲の騎士になったぐらいなんだし、男との妄りがわしい思い出でもあるんだろ?」

シスター「ふふ、どうしたの? 男も私に興味を持ってくれたのかな?」

男(まるで堪えてないな……何を言えば煽れるんだろ)



どんなこと言う?(色欲姫に対するものでもいい) >>618

お前なんかよりこいつの方がずっと魅力的だ(少女を抱き寄せながら)

適当に言葉を発しながらシスターの元へと走るが、やはりさっきと同じように赤鬼が立ちふさがった。

さっきも決して油断していたわけではないものの、あの鬼の戦闘能力が高いことを考慮して備えていれば。


男(かわせ……!?)


豪腕が振るわれる。俺の腕の何倍もの太さの腕は、棍棒を思わせた。

後ろに跳び下がりつつ両腕でガードする。しかし、鬼の腕の方が早い。

トラックにでも撥ねられたらこんな感じなのかもしれない。

すさまじい衝撃に脳を揺さぶられながら、数回バウンドしつつ吹き飛ばされた。

上腕の真ん中あたりがぼっきり折れて、ぐるぐると遠心力で振り回されていた。

結局、少女の近くまで転がされる。

わずかに胃酸の混じった血を吐き出しながら、俺は声を荒げた。


男「がああああぁぁ!! 痛い!!」

少女「だ、大丈夫か!?」

シスター「うわぁ、痛そう……ていうかあれで動けちゃうんだ」

色欲姫「さすがの再生能力ね」

男(クソ、さっきよりはマシとはいえ、まるで歯が立たない!)

シスター「今度は時間を戻さなくていいの?」クスクス


シスターが微笑む。いたずら好きの子供を相手にするかのようなほほえましい笑みだ。

どこまでも舐めやがって、腹が立つ。どうにか一泡吹かせてやりたい。


男「お前、本当に性格悪いよな」

シスター「え?」

男「性欲の騎士が聞いてあきれる。どれだけ見た目ばっか取り繕ったところで、中身が醜けりゃ惹かれるわけねぇよ」

シスター「んー? さっきから、もしかして煽ってるつもりなの? なんだかやり口が子供っぽいね」

男「う、うるさい! お前みたいなブスよりなぁ!」

男「こいつのほうがずっと魅力的だ!」グイッ

少女「え、あ、ちょっ!?」

男「どうだ!」

男(あいつ、自分に堕とせない男なんていないとか思ってそうだし、ひょっとしたらこれでムキになってきれるかも……!)

色欲姫「何してるのよあの子たち……」

シスター「……」



シスターの反応は? 安価↓コンマ判定
01~30 ふーん、じゃあ私に振り向かせてあげようか?
31~70 あはは、何それ。そんなのしか思いつかないなんて可愛いなぁ
71~00 私も、二人ってとてもお似合いだと思う!
ゾロ目 キレる

シスター「ふーん、じゃあ私に振り向かせてあげようか?」

男「っ……!」ゾクッ!

男(悪寒が……! こいつ、何か仕掛けてくる!)

シスター「その挑発、乗ってあげる」


シスターが指を鳴らした。そして、俺の足元の影が揺らめく。

少女が俺から距離をとった。俺も影を離れようとしたが、当然影は俺の脚にくっついてくる。


男「!?」


中から出てきたのは、ぬめりとした粘液で体を濡らした、女の裸体のような何かだった。

腕や脚は枝のように分かれ、乳房や女性器が腰や肩など複数の場所についている。

だが、顔はなかった。ギチギチと、不快な音をたてて体を揺らしていた。

俺は咄嗟に視線をそらした。

これは、見てはいけない。

知ってはいけないものだ。

体が震える。思わず肩を抱いた。

脂汗が、鼻をつたって床に落ちた。

少女「男……!」

シスター「あれあれぇ? さっきまでの威勢はどこにいったのかなぁ」

少女「このっ……! 今度は何をした!」

シスター「暴食の姫様にも分かるよう説明してあげると、それは男の『恋』の感情」

少女「恋……?」

シスター「やっぱり男の子だね、恋とそういった欲求が直接つながってる。可愛いなぁ」

少女(ボクには、不快なものにしか見えないが……だが、男の反応は異常だ、『後悔』のとき以上に動揺しているように見える)

少女(やはり、幼馴染のことを思い出して……)

少女「本当に趣味の悪い能力だな……!」ギロッ

シスター「でも、ふむふむ……なるほどねぇ」ニヤニヤ

少女「っ……! 男の心を、勝手に見るな!」

男「しょ、少女……」ガタガタ

シスター「分かったよ、そういうことか……ふふ、可愛いなぁ。私、君みたいな子は好きだよ。守ってあげたくなっちゃう」

シスター「弱い人間を見ると、私が守ってあげなくちゃって……使命感のようなものを感じるの。私の手で、幸せを教えてあげたい」

少女「人を上から見下ろすのもいい加減にしろよ、女……!」

シスター「大丈夫、もう苦しまなくていいよ……今、楽にしてあげるからね」


シスターがそう微笑んだのを合図に。

側で控えていた三体の怪物たちが、こちらへ向かって駆け出した。

その標的には、おそらく『後悔』も入っているのだろう。


少女(何をする気か知らないが、ヤバい……!)

少女「男、しっかりしろ!!」

男「っ……!」



コンマ判定
男たち(安価↓1)と感情の怪物(安価↓2)で、コンマ以下数値が大きいほうが勝利。ただし怪物側は+50
差分が大きいほど優劣に差がある。50以上の差をつけて負けた場合少女がダメージを負う
100以上差をつけて負けた場合敗北確定(時間を巻き戻せない)
どちらか一つでもゾロ目だった場合、第三者が乱入

俺は、動けなかった。

本当に情けない。足が震えて、逃げることもできない。

騎士になって、不死身の体を手に入れて、鍛錬を積んで、強敵と戦って。

強くなったと思ってた。けど、何も変わってなかったんだ。

俺は、こんなにも弱いのか……!

三体の怪物が迫る。一番大きな赤鬼が、両手の指を組んで、そのまま腕を上に掲げた。

ダブルスレッジハンマー。俺の体を叩き潰すつもりだ。


男「ぁっ――」


喉が引きつり、叫び声を上げることもできなかった。

そして。


少女「うおおおおおぉぉぉ!!」

シスター「!?」

少女「『暴食』!!」

少女の腕から、靄が吹き荒れるようにして赤鬼を襲った。

赤鬼が苦悶の声をあげる。


シスター「が、がぁぁ……!」

色欲姫「っ……!? 大丈夫!?」


それと同時に、シスターも胸を抑えながら膝から崩れ落ちた。

まさか、感情の怪物たちへのダメージは、本体にも向かう?

このまま少女が鬼を喰らい尽くせば、深刻なダメージを与えることができるんじゃ……

体の震えが、ほんの少し治まったところで。

バキバキ、という音が聞こえてきて。

俺は、心臓が止まるかと思った。

俺の横を、何かがすばやく通り過ぎていった。恐る恐る振り返る。

血を撒き散らしながら吹き飛ばされたであろう少女が、床に転がっていた。


男「あ、あぁ、ああ、少女……!」

少女「ぁ、ぅ……」


少女がうめき声をもらす。指もかすかに動いている。よかった、まだ生きてる……!

俺は……


>>633
1.時を戻した 
2.思わず駆け寄った

2

男「少女!!」


『恋』の怪物のことで動揺していたのもあるのだろう。

能力で時間を戻すことも忘れ、気付けば俺は少女の元へ駆け寄っていた。

震えは、いつの間にか止まっていた。


男「大丈夫か、おい……!」

少女「つぅ……君、よくあんなのと対峙しようと思ったね……感心、するよ……」

男「なんで俺を守ったりなんかしたんだ! 騎士は姫の盾なんだろ! なのに……!」

少女「あのままだと、君の心を……そうだ、ボクのことはいい、早く時間を戻せ……!」

男「え?」

少女「あいつら、君の感情に何かする気だぞ……!」

男「……!」

怪物たちのほうへ振り返る。

ヘドロのような怪物は、『後悔』を飲み込もうとし、髪の長い青白い怪物は、髪の中へ『恋』を取り込もうとしていた。


男「なっ!?」


鬼へのダメージは本体であるシスターも受けていた。なら、俺の感情へのダメージは……

というより、感情を飲み込まれてしまったら、いったいどうなるんだ?


男「『リバ――」


時間を戻せた? 安価↓コンマ判定
01~70 戻せた
71~00 間に合わなかった

男「――ウンド」

少女「はぁ、はぁ……男?」

男「……」


間に合わなかった。感覚で分かる。

俺の中に、さっきまであったはずの……醜いけど、それでも確かに俺を形作っていたはずのそれらが、消えてしまっていた。

喪失感のようなものはなかった。ただ、失ってしまったという実感があるだけ。

捨ててしまいたいと思ったことは何度もある。それでも、なかったことにはしたくなかった。

だって、あれは幼馴染と過ごしていた日々を思い起こさせてくれるものでも合ったから。

そして、今は……

でも、もう、二度と取り戻すことはできないだろう。

俺の中の『後悔』と『恋』は、もう消えてしまった。

シスターに、受け入れられてしまったのだから。

シスター「あっ、ん……っ、あぁ……!」


熱を帯びた息を漏らしながら、シスターは体を大きく震わせていた。

肌は上気し、瞳は潤んでいる。よだれを垂らしてしまいそうなほどだらしなくなった口元を歪めながら、彼女は歓喜に震えていた。


シスター「あぁ、いい……能力で繋がるのが、こんなに気持ちいいなんて……!」ゾクゾク!

少女「お前……男に何したんだッ!!」

シスター「あは、あはは……私は、男の心を受け入れたんだよ。男と、繋がることができたんだ」

シスター「君が本当はそうありたいと願っていたそれを、私が! 手に入れたんだよ!」

少女「っ!?」

シスター「あははははは!! 幸せ、私、なんて幸せなんだろう!」

シスター「今まで辛かったね、男……君の心が、記憶が、感情から伝わってくるよ……」

シスター「もう、大丈夫だからね……私が、君を導いてあげる……」

男「……」ツゥ…


俺は、自然と涙を流していた。

同じように、俺にも伝わってきたからだ。シスターが、どれほど俺のことを思ってくれているのか……愛してくれているのかを。

そうだったんだ。彼女はただ、だれよりも愛が大きい人なんだ。だから、いろんな人を愛することができる。

彼女の記憶も、俺の中へ流れてきた。彼女が今まで愛してきた人たちとのかけがえのない思い出が、一つ一つ鮮明に浮かび上がってくる。

俺は、なんて勘違いをしていたんだろう。俺は、幸せになったってよかったんだ。

俺は、なんて勘違いをしていたんだろう。俺の全てを受け入れてくれる人が、こんな俺を許してくれる人が、こんな近くにいただなんて。

ごめん、幼馴染……俺は、お前に酷いことをしてしまった。

でも、ようやく、俺は前に向かって進めるようになった気がする。

お前のことは、絶対に忘れない。今まで本当に……


少女「男!! 目を覚ませ、あんな女に負けるな!!」

男「……」


少女が、俺の胸倉を掴み怒鳴ってくる。

顔つきは険しいが、どこか、……今にも泣き出してしまいそうな、普通の歳相応の女の子のように思えた。


少女「お前の幼馴染への思いはそんなものだったのか!? お前は、ずっと苦しんできただろうが! それは……!」


ずぶり。


少女「……え?」

男「確かに、幼馴染のことは好きだったよ」

男「でも今は、シスターのことを愛してる」

少女「ぁ、え……?」


胸を貫いていた腕を引き抜く。もともと大怪我を負っていたので、傷口から腕を強引に突っ込んでやれば、貫くのは割と簡単だった。

よかった。いくらシスターのためとはいえ、さすがにこいつの頭を殴り潰すというのはいやだったから。

俺は立ち上がり、シスターの元へ駆けた。少しでも早く、彼女を抱きしめたかった。


シスター「お疲れさま、男。今まで、よく頑張ったね」


シスターは、俺を優しく抱きしめてくれた。シスターの体は、予想していた通り暖かかった。

シスターと見詰め合う。やっぱり、すごく綺麗だ。お世辞ではなく、今まで出会ってきた女性の中で一番の美貌だろう。

こんな女性と、愛し合うことができるなんて。

幸せな気持ちが溢れてきて、俺は自然と、彼女と唇を重ねていた。

生まれて初めてのキス。シスターは、少し照れくさそうにはにかんでくれた。

俺は、本当に幸せ者だな。最後の最後にそう実感できながら死んでいけるなんて、これ以上恵まれたことはないだろう。

もう、『悔い』はない。

そして、愛しい人に見送られながら、俺は砂になった。


【DEAD END2 vs色欲1戦目 少女を自ら殺害、砂になるエンド】

【~少女の反省部屋~】
(メタ要素があるので苦手な人は読み飛ばしてください)



少女「このオタンコナス! お漏らし野郎! なに色欲なんかに負けてるんだ! 本当に救いようがないスケベ野郎だな君は」

少女「しかもファーストキスまで奪われてしまうなんて……そういうのはもっと大事な場面にとっておくものだろう」

少女「まあ、これは所詮パラレルの世界での出来事さ。最終的に描かれた世界だけが真実になる」

少女「さて、今回は色欲ペアに敗北してしまったわけだが……なんだか姫の方は影が薄いね。まあそれはどうでもいいんだが」

少女「シスターの感情を怪物にしてしまう能力。まだいまいちどんなことができるのかは分からないけど、能力自体は特別凶悪ってわけでもない気がする」

少女「ただ、あの食えない女とその力が合わさると、途端に趣味の悪いものになるね。特に男はトラウマ持ちだから、そこを突かれると……」

少女「肝心のどうすれば勝てるのかなんだけど……うーん……」

少女「はっきりいって、今のままでは相当難しい」

少女「え、またかよって? ……一応、怠惰には勝てたじゃないか。彼女も十分強敵だっただろう」

少女「今回の話では安価の流れ的に強欲と色欲が二大強敵みたいな感じになってしまったぞ。嫉妬はそんな大したことないらしい」

少女「シスターのやつには、随分と舐められたものだけど……おそらく、彼女が言っているのは本当なんだろう」

少女「まだ、ボクと男との間の繋がりが弱いんだね。結構いい感じにコミュニケーションが取れてると思うんだけどな……あと一歩、足りないものがあるんだね」

少女「強欲相手に勝てなかったのも、きっと同じ理由だろう。逆に言えば、好感度と信頼度さえ上がれば彼女たちとも互角に戦えるということだ」

少女「どうすれば繋がりが強くなるのか……まあ一応>>1はその方法は考えてあるらしい。安価でそういう流れになれば大丈夫なはずだ」

少女「さっきまでの戦いで、もしかしたら気付いた人もいるかもね。そのフラグさえ回収してしまえば、シスターにだってきっと遅れを取ることはないぞ」

少女「あ、エッチなことして繋がろうだなんて考えちゃダメだよ? そういうのは……でも、安価スレだし、君が、その、どうしてもって……」

少女「と、とにかく! 今の君に出来る事は、一旦逃げることなんじゃないかなってボクは思うよ」

少女「あるいは、粘ってたら第三者の乱入があるかもね。厄介な敵は潰しあってくれるとボクとしては楽なんだけど」

少女「一応、コンテニューできる回数はあと一回残ってるけど……戦いも半分超えたぐらいだし、進み具合によっては次敗北したら物語も終了になるかもね」

少女「じゃあ、頑張ってきてね。あんな性悪ビッチには二度となびかないように!」

少女「どこからやり直す?」



安価↓2

>>609から(男の能力がバレた辺り)
>>631から(少女が赤鬼に吹き飛ばされた辺り)
>>636から(男の感情が取り込まれそうになっているところ辺り。時間は巻き戻せる)

今日はここまで。想像以上に進めてない……
どうでもいいことですが姫の戦闘向きとかそうじゃないとかは能力を除いた身体能力の強さを元に考えてます
憤怒≧傲慢>強欲>暴食>嫉妬>色欲>怠惰 ぐらいのイメージです
あと憤怒の騎士の能力名は『擦れ違う激炎(サーフェイスブレイズ)』にしました

>>609あたりから】


シスター「まあ、実際はもっと複雑な能力だったり、あるいは時間が巻き戻るのはむしろ何らかの能力のペナルティって可能性もあったわけだけど」

シスター「君の反応や『感情』を見るに、時間を巻き戻す能力で正解……そうだよね?」

少女「……クソ」


少女が、苦虫を噛み潰したような顔をした。こいつがこういう反応をするのはめずらしい。

俺は……


>>651
1.冷静に勝つことを考えていた
2.冷静に逃げることを考えていた
3.心が折れかけていた

3

この時。

俺の中で、どこか他人事のようにある言葉が呟かれていた。

勝てない。俺では、こいつには勝てない。

実際本当にそうなのかは分からない。もし可能性が低いのだとしても、俺の能力ならそれを引き寄せることができるかもしれない。

でも、そういうことじゃない。理屈じゃない、心が、折れかけていた。

触れてほしくない感情を晒され、能力もあばかれ。

何をしても、こいつには全て見透かされてしまうんじゃとも思った。それがとても怖かった。

肉体的な痛みならば耐えられる。だけど心は、騎士になる前からずっと、弱いままだった。

ファミレスで言われたことを思い出す。


シスター『正直言って、あなたたち相手にはまるで負ける気がしません』


あいつが言うのなら、そうなのかもしれない。そう、思ってしまった。

思えば、こいつに出会った時から、俺は少しずつ刷り込まれていたのかもしれない。

あいつの余裕ある振る舞いに、こちらを自然に見下ろすかのような視線に。

あいつのとる行動一つ一つに、俺自身の認識も、少しずつ誘導させられていたのかも。

今だってそうだ。シスターは、俺のそういった考えを全て見透かしたかのように目を細め、そして。

シスター「そうか……もう、諦めてしまったんだね」

男「っ……!」

シスター「でも、いいよ……今まで、よく頑張ったね。辛かったでしょ?」

シスター「大丈夫だよ。私が、君の全てを受け入れてあげるから」


そういって、優しく微笑んでくれた。俺は……


少女「男……!!」



少女はどうする?(どうなる?) >>655
1.とにかく逃げる
2.男を叱咤する
3.第三者乱入(コンマ以下数値が偶数:強欲 奇数:嫉妬)

3

少女「男、しっかりしろ! こんな女の口八丁に惑わされるな!」

男「少女、俺……」

シスター「さあ、一つになろう」


赤鬼が、こちらへ向けて突進してきた。岩のような巨体が、まるで砲弾のような速さで迫ってくる。

その迫力に、心が屈しかけていた俺は逃げ出しそうになるのをなんとか堪えることしかできなかった。


男「あ、ぁ……!」

少女「クソ……!」


少女が苛立ちながら靄を手に纏わせる。そして。

静かに佇むシスターの後ろに立つ……色欲姫の、その背後に。

薄闇に浮かぶ、殺気で血走った女の眼が見えた。

シスター「はぁ。もう少し待っていれば、ちゃんと相手してあげたのに」

シスターは振り向くことなく、小さなため息を一つ漏らした。そして。

シスター「『ナイトメア』」


色欲姫の後ろに、赤鬼と同じぐらい巨大な、毛むくじゃらの獣人のようなものが現れた。



色欲姫「え、何!?」

シスター「ふふ、はじめまして。あなたは、強欲? それとも……」

黒髪女「あなたたち、色欲よね?」

シスター「うん、そうだけど」

黒髪女「ああああああそうよねそうよねえええ!! だって二人とも、すごく綺麗だもの!!」

シスター「ありがとう。そういうあなたも、素敵だよ?」

黒髪女「は? は? はああぁぁ!!?」

黒髪女「殺す殺す殺す殺す!! 生まれてきたことを後悔するぐらい、その顔と体をズタズタのぐちゃぐちゃにして殺してやるぅ!!」

色欲姫「ひぃ!? 気持ちワル!? 何よこいつ!」

シスター「うーん、嫉妬さんかな?」

獣人「ガアアアア!!」

黒髪女「何よ、狼? 熊? 畜生風情が、目障りなのよ!!」



嫉妬の騎士、黒髪女の能力は? >>659

ついでに、嫉妬姫の魔法ってどんな感じ? >>661

>>1が決める

相手の魔法を無力化する

能力安価スレなのに>>1が能力決めすぎるのもあれなので、↓3までに書かれた能力の中から>>1が決めるって感じにします
もしかしたらすこしアレンジしたりするかも

そういえば罪決めてませんでした。一応決めます
安価↓2
犯した罪、罪だと思っていること、逆に本人にはそのつもりがないものなど

黒髪女「……」ブチッ

色欲姫(髪の毛を……?)

シスター「色欲姫!! こっち来てっ!」

色欲姫「……!」バッ!

獣人「ガアアアア!!」

黒髪女「死ね」

 グサッ バギッ!

黒髪女「ぐぅ……!?」

シスター「があぁぁ……!」ドサッ

色欲姫「シスター!?」

獣人「グ、ァ――」シュウ…

色欲姫(そんな、シスターの『敵意』は『怒り』と同じぐらいの強さなのに、あいつ、一撃で……!)

黒髪女「ああ、痛い、腕がぁ……!! よくも、やってくれたわねぇ……!」ギロリ!

シスター「はぁ、はぁ……ふふ、どうやら、あなたも戦闘は初めてみたいだね」

黒髪女「な、なんでそんなこと……!?」

シスター「見れば分かるよ……怖いんでしょう?」

黒髪女「ッッ~~!!」ギリギリ!

嫉妬姫「お姉ちゃん大丈夫!?」

黒髪女「嫉妬姫……ええ、大丈夫、お姉ちゃんは平気よ」ナデナデ

嫉妬姫「あいつ、私のお姉ちゃんを……絶対許さない。殺す」

シスター「はは……なかなか濃いのが出てきたね……」

色欲姫「……」チラッ

色欲姫(床に穴が……チッ、暴食たち、逃げ出したのね)

黒髪女(暴食の方に気をとられてるうちに殺してやろうと思ってたのに……あいつらが雑魚すぎるから、役立たずが)ガリガリ

黒髪女(どうする……こいつらをブチ殺したいのは本当……でも……)

嫉妬姫「お姉ちゃん……」ギュッ

黒髪女「嫉妬姫……」

嫉妬姫「お姉ちゃんなら、大丈夫。絶対に他の騎士なんかに負けない。だって、私の騎士だもん」

嫉妬姫「今までいっぱい能力の練習してきたよね? 人を殺す練習してきたよね?」

黒髪女「ええ……」

嫉妬姫「お姉ちゃんならできる」

黒髪女「私ならできる……」

嫉妬姫「お姉ちゃんは絶対負けない! だって私のお姉ちゃんだもん!」

黒髪女「私は、お姉ちゃん……ええ、そうよね。私、あなたのために頑張るわ!」

シスター「あー……色欲姫。ごめん、ちょっと気合入れなおして」

色欲姫「え?」

シスター「歪んでるけど……あの二人の繋がり、ちょっとヤバいかも」

色欲姫「……」

シスター「悲しいけど……こっちも殺すつもりでいかなきゃいけないかもね」




少女「はぁ、はぁ……どうやら、追ってこないみたいだな……」

男「あいつら、嫉妬か……?」

少女「強欲じゃなかったから、そうだろうね。潰しあってくれるといいんだけど……」

男「……ごめん」

少女「……」

男「俺、心が折れかけてた……勝つことを、諦めかけてた」

男「本当に、ごめん……お前の、騎士なのに……」

少女「……どこか、身を隠せるような場所を探そう。もう動けるかい?」

男「……」

少女「しゃきっとしろ!」パシン!

男「っ……!」

少女「よし、ご飯にしよう」

男「え!? いや、もう夜中の3時だぞ……ていうか隠れられる場所を探すんじゃ」

少女「そんなもの後だ後。ほら、コンビニ行くぞ」

男「え、お、おい!」

少女「がつ、もぐ、ばくばく! うん、ごちそうさま!」

男「早いな……」

少女「量が少ないからね。逆に君の方はまったく箸が進んでないようだけど」

男「……」

少女「貸せ」バシッ

男「あっ」

少女「はい、あーん」

男「……」

少女「……」パク モグモグ

男「おい……」

少女「ほら、早く食べないとどんどんなくなっていくぞ。はい、あーん」

男「いや、もうお前が食えば」

少女「いいから食え!」ズブ!

男「ほぐっ!?」

少女「……間接キスだぞ?」

男「んんっ!?///」

少女「はは、小学生か。ほら、噛め」

男「……」モグモグ

少女「おいしいかい?」

男「……うまい」

少女「まあ、君の作った料理の方がおいしいけどね。ほら」

男「……」パク モグモグ

少女「……ボクはね」

男「……?」

少女「ボクは……」


何を言う?(こんな感じのことを言った、またはなんでもないでもあり) >>676

↑+それとなるべく長く君と一緒にいたい

少女「ボクはこの戦い絶対に勝ちたいよ」

男「……分かってる」

少女「魔王になりたいっていう理由もあるけど」

少女「キミに生きててほしいから」

男「……は?」

少女「それと、その……なるべく長く、君と一緒にいたい」


何を言っているんだこいつは。

理解できなかった。唖然としてしまった。

勝ちたいと言われたときは、先ほどの失態を責められるか、あるいはもう二度とあんな無様な負け方をするなと念を押されるかと思ったのに。

俺に生きてほしい? こいつは今までずっと、俺が死のうがどうでもいいという態度をとってきたのに。

俺と一緒にいたい? 戦いが終われば、俺とはただの他人だと言い放ったのはこいつなのに。

分からない。こいつ、一体何を考えているんだ?

まさか、シスターが言っていたことを真に受けたのか?

繋がりが弱いと言われたから、俺に好意を持たせるためにこんなことを言っているのか?

こいつが俺のことをそれなりに信頼してくれていることは分かる。でも、裏を考えずにはいられなかった。

こいつは、こんなことを言うやつじゃないだろう。

例え本当にそう思っているのだとしても、それをこうしてはっきり伝えるようなことはしないはずだ。

だからむしろ、これは本心ではないんじゃないか。

嫌な考えが頭を巡る。なんでだ?

なんで俺は、こんなに動揺しているんだ?



男「え、えっと……」

少女「ボクは、何かを食べるのが好きだ」

男「え、知ってるけど……」

少女「君の作る料理が好きだ」

男「っ……」

少女「君の作る料理には、相手を想う心がこもっていた……それは、ボクにではなく、ボクと重ねた幼馴染に向けてのものだったんだろうけど」

少女「ボクの舌は、確かにそれを感じ取った。だから、とても美味しかったんだ」

男「……」

少女「……ボクは、嘘をついた」

男「え?」

少女「覚えているかな……あの日、ボクは君に言ったね」


少女『別にどうだっていいんだがね、君がボクのことをどう思っていようが、幼馴染のことをどう思っていようが』


少女「あれは、嘘だ」

男「……」

少女「……」


少女は、それを言おうか言うまいか、とても悩んでいるようだった。

だけど、ゆっくりと口を開いた。


少女「君が、彼女のことを特別に想っているのは分かってるつもりだ。その想いが、ボクと君とを繋いだ罪の根源でもあるから」

少女「最初からそれは分かっていたし、別にそれならそれでいいと思っていた」

少女「君が騎士としてボクのために戦ってくれるのなら、それで十分だと思っていた」

少女「でも……いつの間にか、それだけじゃ、満足できなくなってたんだ」

少女「自分でも、いくら騎士とはいえ人間相手にこんなこと考えるなんて思わなかったけど」

少女「ボクは、君の特別になりたい」

少女「幼馴染じゃなくて、ボクを、見てほしいんだ」

男「……」


途中から、少女は顔を伏せてしまった。俺からは、その表情はうかがえなかった。

少女は、俺と話すときは必要以上にしっかりとこちらの目を見て話す印象があったので、いつもと違う少女の雰囲気に、俺は言葉を発せずにいた。

……思えば、普段とは違う少女の一面を見るたびに、俺はそんなことを考えていた気がする。

この数日間の記憶が頭をよぎる。

初めて出会ったとき、殺してやりたいと思ったほど腹立たしかった少女。

久しぶりに誰かのために作った料理を、美味しそうに頬張っていた少女。

自分の力量を見誤り自滅した俺の戦いぶりを褒めてくれた少女。

初めて敵を撃破し、子供のように浮かれていた少女。

俺の子供みたいなからかいに、顔を真っ赤にして怒る少女。

夕暮れの中、俺の手を握って歩いていた少女。

弱々しくベッドに横たわりながら、俺に頭をなでるよう頼んだ少女。

父さんとの会話で沈んでいた俺を、柄にもなく慰めようとしてくれた少女。

いきなり体を抱きしめた俺に、優しく微笑んでくれた少女。

幼馴染のことでつい怒鳴ってしまったとき、少しだけ悲しそうにしていた少女。

今朝のこともさっきのことも、悪いのは俺なのに普段通りに接してくれた少女。

当たり前のことかもしれないけど、この一週間近くのことを思い起こすと、いつだって少女がいた。

少女と一緒にいることが、当たり前になってしまっていた。

俺は。

男「俺は……」



なんと言う?(何をする?) >>684

何だてっきり家族になってたと思ってたよ。
できたら夫婦なら嬉しいけどさ

男「何だてっきり家族になってたと思ってたよ。できたら夫婦なら嬉しいけどさ」

少女「は?」



少女の反応は? 安価↓コンマ判定
01~55 ダメ
56~80 それなり
81~00 良い
ゾロ目 すごくいいかすごく悪いか

今日はここまで。>>1はシスターの生み出す怪物は不安の種に出てきそうな感じで想像しています

少女「ふ、ふって、ふ!? な、何を言っているんだ君は、ボクは真剣に!」

男「小さい頃、母さんは不倫してた男と一緒に暮らすために出て行ってさ」

少女「は……?」

男「父さんも、昔から俺とほとんど口を利いてくれなくて」

男「ほら、お前前に言ってたろ? 騎士も身内みたいなもんだって」

男「あれ、結構嬉しかったんだぞ。お前はまあ、別に家族ってつもりで言ったわけじゃないんだろうけどな」

少女「え、えっと……」

少女「……それでも、おかしいだろ。君がそういう境遇で育ったってのは分かったけど、でもだからって、ボクと家族にだなんて」

少女「たった数日一緒にいただけの他人同士だぞ。ボクと君とじゃ、種族だって違うのに……」

男「まあ確かにたった数日だけど、俺の人生の中でこんなに濃い時間を過ごしたことはなかったぞ」

男「一緒に飯食って、一つ屋根の下で一緒に寝て、一緒に命がけで戦って」

男「幼馴染とだって、こんなことはしなかったからな」

少女「……」

男「お前に出会って、俺は久しぶりに負の感情以外のものを思い出したんだ」

少女は、俺に歩み寄ってくれた。

きっかけはきっとシスターに言われたことなんだろうけど、それでも俺に自分の気持ちを打ち明けてくれた。

本当は嫌な考えがグルグルと頭の中を巡ってるけど、俺は、それらを切り捨てることにした。

不思議と、そういったものを捨てた方が恐怖は増した。理由は、もう分かってる。

今度は、こっちの番だと思った。


男「少し長くなるけど、いいか?」

少女「……?」


 ――――――――

 ――――――――


幼馴染「ふふ、やっぱり男の料理は最高だね! 箸が止まらないよ!」モグモグ

男「今日はいつにもまして機嫌がいいな。何かあったのか?」

幼馴染「えへへー、秘密! おかわり!」


幼馴染の家は両親が共働きで、二人の帰りが遅くなるときはよく俺があいつの分の夕飯を作りに行っていた。

おじさんたちは俺の家の事情を知っていたし、ずっと幼い頃からの仲ということで特別にキッチンを使うことを許されていた。

好きだった。俺の作った料理を頬張って幸せそうに目を細めるあいつの顔を見るのが。

幼馴染は背は低いほうだったけど、ちょっとぽっちゃりしていた。なんて言うとあいつはすごい怒ったけど。

でも、俺はあいつのぽっちゃりしたところも好きだった。

丸っこくて、愛嬌がある。いつも元気なあいつのキャラに似合っていた。

高校に上がってから、その丸みも女性的なものを帯びてきて、家で薄着を着てる時なんかは正直目のやり場に困った。

もし恋人同士になったりなんかしたらあれを堂々と触ることができるのか、なんて馬鹿なことを考えたこともあった。

俺は、あいつのことが好きだった。

あいつの屈託のない笑顔に、かつての俺がどれだけ救われていたか。大袈裟ではなく、あいつは俺に生きる希望をくれた。

昔からずっと、俺はあいつのことだけを見ていた。

幼馴染「先輩、今日もかっこいいなぁ」

男「……」

幼馴染「この前のサッカーの試合、すごかったんだよ! 先輩がね……!」


あいつはそうやって、俺の大好きな笑顔でよくその先輩の話をしていた。

高校に入って、あいつは生まれて初めての恋をしたらしい。

初恋が高校なんて遅れてる。ガキっぽいあいつらしかった。



男「え、もう食わないのか?」

幼馴染「うん。ダイエットするんだ。先輩、痩せた子が好きなんだって」

男「……無理はするなよ」

幼馴染「ありがとう。男の作った料理美味しいから、ついつい食べ過ぎないよう気をつけないと!」


もったいない、絶対今のままの方が可愛いのに。

なんてことは口には出せず、それからも俺は幼馴染の家で料理を作っていた。

でも、幼馴染の食事の量はどんどん減っていって、それに合わせるかのように俺があいつの家で料理する回数も減っていった。

幼馴染「やったよ! 先輩と付き合えることになったんだ!!」

男「……」

幼馴染「夢みたい……! ダイエット頑張って本当によかったよ、5キロも絞ったんだから!」

幼馴染「先輩に付き合ってることは他の人には内緒にしてくれって言われたんだけど、それでも男にだけは言っておきたかったから」

幼馴染「今までいろいろ相談に乗ってくれてありがとう!」


お前はもう用済みだと言われた気がした。

幼馴染の笑顔があれほど苦しかったのは初めてだった。


男「……やめとけよ、あんなやつ」

幼馴染「え?」

男「あいつ、よくない噂聞くぞ。処女食って飽きたら捨てるって」

幼馴染「……男、何言ってるの?」

男「……俺はお前が心配で」

幼馴染「……男に、そんなこと言われるとは思わなかった」

男「幼馴染」

幼馴染「ごめん。ご飯、おいしかったよ」

男「……」

その日から俺は、幼馴染の家には行かなくなった。

なんとなく気まずくなって、一緒に登校することもしなくなって。そのまま学校で会っても会話することもなくなった。

十年以上も一緒にいたのに、あんな一瞬で関係が壊れてしまうのか。

悲しくなると同時に、腹立たしくもあった。所詮人間なんてこんなものかと冷めたことも考えた。

でも本当は、ただ怖いだけだった。あいつに拒絶されてしまったら、俺はもう生きていけないとすら考えた。

あの時、たとえかっこ悪くてもあいつと向き合おうとしていれば、何か変えることができたのだろうか。

幼馴染と先輩は、学校ではなるべくそういったそぶりを見せないようにしていた。

すれ違っても軽く会釈をする程度。

たまに、隠れて遊んでたみたいだけど。


「ん……ダメ、ですよ……こんなとこで……」

「いいじゃん、誰にもバレないって」


バレてるよクソが。

頼むから、ヤるなら俺の目と耳の届かないところでヤってくれよ。

その頃、サッカー部の先輩がまた新しい子に手を出したらしいなんて噂が、友人の少ない俺の耳にも入ってくるようになっていた。

男「ガフッ、んぐ、ガフッ!」


その頃から俺は、少しずつ暴食するようになっていた。

美味い。自分で言うのもなんだけど、俺の作った料理は美味かった。

どんなに悲しくても、辛くても、美味いものは美味い。物を腹に詰め込んでいるときは、少しだけ気が紛れた。

誰もいない家で一人、2、3人分の量の夕飯を食べる。

これあいつと一緒によく食べたっけ、なんて記憶が、味覚と共に蘇ったりもした。

食べ終わった後は、必ず吐いた。

暴食の習慣ができてから数ヶ月が経ったころ。

幼馴染は、痩せていた。

病気になったのかってぐらい、頬がこけて、笑顔も弱々しくなっていた。

俺と違って友達は多いほうだったのに、様子が変わったせいか周りにいたやつらも少しずつ離れていっているようだった。

俺は、彼女に声をかけることができなかった。

急激に変わってしまった彼女の姿に気味の悪いものを感じてしまったのもそうだし、今さらどんな風に彼女に話しかければいいのか分からなかった。

俺は、どこまでも臆病者だった。自分が可愛かったんだ。


俺は、ある時ふと思った。

俺にとって幼馴染が特別だったのは、幼馴染が俺に優しくしてくれたから。俺に、生きる希望を与えてくれたからだ。

今の幼馴染は、俺には優しくしてくれないだろう。だから、助けない。自然なことだ。

俺は、本当はあいつのことを好きなんかじゃなかったんじゃないか。

俺はすぐにそれを否定した。ありえなかったし、認められなかった。

俺は、あいつが好きなんだ。あいつが特別なんだ。

それを確かめるために、俺は数ヶ月ぶりに、幼馴染に声をかけた。

男「お、おい!」

幼馴染「……え? 私?」

男「あ、ああ……久しぶり、だな」

幼馴染「うん……」

男「……なあ、大丈夫か? 何かあったのか?」

幼馴染「……ありがとう。大丈夫だよ」


そういって、幼馴染は微笑んだ。

それを見たとき、俺は取り返しのつかないことをしてしまっていたことに気がついた。


男「お前、ちゃんと飯食べてるのか!?」

幼馴染「うん……でも、もっと我慢しないと」

男「はぁ!? お前、それ以上痩せたら……!」

幼馴染「うん、もっと痩せないと……先輩に、捨てられちゃう……」

男「は……?」


もう、何を言っていいのか分からなくなった。

一瞬で感情が暴発したみたいに頭も心もごちゃ混ぜになって、でも真っ白になった。

何を考えたのか覚えていない。

気付けば俺は幼馴染の腕を掴んで引っ張っていた。

細い。骨ばっていて、力を入れたら折れてしまいそうだった。

猛烈に、怒りが込み上げてきた。自分や、先輩や、幼馴染に対する怒りで、涙すら出てきそうだった。

痛い、離してと声を荒げる幼馴染を無視して、俺は幼馴染の家に向かった。

勝手に上がりこんだ。およそ一年ぶりだったか、俺の記憶の中にあるままの幼馴染の家だった。

台所に入る。冷蔵庫を勝手に開け、食材を取り出す。とにかくなんでもいい、すぐに作れるものを。


幼馴染「な、何してるの……?」

男「料理だ。見たら分かるだろ」

幼馴染「は……? や、やめてよ、そんな、何勝手に……」

幼馴染「やめて!!」

男「黙れっ!!」


しがみついてきた幼馴染を突き飛ばした。腰をついた幼馴染に、包丁を向けるような形になってしまった。


幼馴染「ひっ!?」

男「……じっとしてろ」


心を込めて、丁寧に料理を作った。誰かのために料理をするのは、本当に久しぶりだった。

男「懐かしいな……前はよくこうやってお前に料理作ってたよな」

幼馴染「あ、ぁ……」

男「野菜炒め……簡単だけど、とりあえず。ほら、一緒に食べようぜ」

幼馴染「……い」

男「え?」

幼馴染「いらない、そんなものいらない!!」


リビングに運ぼうとしていた料理の入った皿を、幼馴染がひっくり返した。

できたての料理が飛び散る。熱い、火傷をしてしまったかもしれない。


男「何、してるんだ……」

幼馴染「え?」

男「何してるんだよお前!!」


俺は幼馴染の胸倉を掴み、大声で怒鳴った。

変わり果てた幼馴染の顔が、恐怖で歪む。

なんで、なんでなんで!? なんでそんな顔をするんだ、俺たちは幼馴染だろ!

皿にわずかに残った料理を鷲掴みにする。熱いけど、今はそんなことを気にしている場合ではない。


男「食べろ」

幼馴染「え?」

男「食べてくれよ、頼むから!!」

幼馴染「んぶぅ!?」


無理やり口に押さえつけ食べさせようとする。

幼馴染は顔を左右に振り、俺の手から逃れようとする。

なんで!? お前、俺の料理が好きなんじゃないのかよ!?

俺は、お前のために……!!

玄関のドアが開く音がして。

おばさんが……幼馴染のお母さんが、キッチンのほうに走ってやってきた。

たまたま帰ってきたのか、俺の目を盗んで幼馴染が助けを呼んでいたのか。

おばさんは少しだけ呆気にとられていたようだが、俺を睨みつけ大声で叫んだ。


幼母「娘を放して!! 警察を呼ぶわよ!」

男「あ、え……?」

幼馴染「げほっ、げほ!!」


俺は、そのとき、ようやく我に返った。

俺は、何をしていた? 幼馴染に、なんて、こと。


男「ご、ごめんなさい! ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」


俺は壊れたようにひたすら謝り続けた。

怖かった。

こんなことをしでかしてしまった自分自身もそうだし、この期に及んでまだ、俺は幼馴染に嫌われてしまうことが怖かったんだ。

謝ったところで、俺のしたことが許されるわけもないのに。本当に怖かったのは、幼馴染の方だったはずのに。

幼馴染は、俺を強く睨みつけていた。

恐怖と、憎悪と……悲しみのこもった目で。



俺はひたすら謝り続けた、と思う。その後どうなったのか、どうやって帰ったのかは覚えていない。

その後、父さんがすぐに少し離れた場所に部屋を借り、そこに一人俺を住まわせた。学校も転校させられた。

幼馴染とはそれから一度も顔を合わせなかった。その少し後に。

幼馴染が自殺したということを知った。


 ――――――――

 ――――――――


男「それが、一年ぐらい前の話」

少女「……」


誰かにこの話をしたのは初めてだった。

心臓の音がうるさい。手が震える。

怖かった。こんなに怖いのは、あの時以来かもしれない。

少女の顔を見ることができない。少女は今、どんな表情をしているんだろう。

もし、少女に軽蔑されてしまったら、俺は……


男「……結局、俺は変わってない。あの頃からずっと、臆病なままだ」

男「俺は、今でも幼馴染のことが好きだ。好きじゃなきゃいけない。そう思ってきた」

少女「……」

男「あれだけのことをしておいて、幼馴染への気持ちを失うなんてこと許されるわけがない」

男「俺はそんな薄情な人間なんかじゃないって、思いたかったんだ」

男「太りたいって言うのも、本当は、罪滅ぼしのためなんかじゃない」

男「俺は幼馴染のことを好きなんだ、忘れないんだってことを、自分に言い聞かせるために……」

少女「……」

男「俺は、どうしようもない人間なんだ。幸せになる資格なんてない」

男「それなのに、俺は……」



>>708
1.お前のことが好きになってしまった
2.お前のことを特別だと感じるようになってしまった
3.お前と一緒に幸せになりたいと思うようになってしまった
4.お前ともっと一緒にいたいと思うようになってしまった
5.何も言えず

4

短いですが今日はここまで
ここまで付き合ってくださった方は本当にありがとうございました。あとは戦うだけだと思います

男「お前と、もっと一緒にいたいと思うようになってしまった」

少女「え……?」

男「本当に、暖かかった……お前と出会ってこの数日間、俺はとても幸せだった、怖くなるぐらい」

少女「男……」

男「戦いが終わったらもう赤の他人だなんて、そんなの嫌だ。俺は、お前とこれからもこうやって一緒にいたい」

男「俺は、最低の人間かもしれない。こういう感情を抱いたのも、お前が俺に優しくしてくれたからかもしれない」

男「それでも、俺は……冗談じゃなくて、お前とずっと」

少女「ま、待って!」

男「っ……」

少女「……悪魔相手に、そういうことを軽々しく言ってはいけないと言っただろう」

男「な、俺は……!」

少女「だから待ってって!」

男「な、なんだよ!」

少女「ちょ、ちょっと、落ち着かせて」

男「は?」

少女「どうしよう、まさか君がボクのことを……いや、君にはそういうつもりはなくてボクが勘違いをしているのかも」

男「お、おい、どうしたんだ?」

少女「だ、だって、君の幼馴染への思いは、ボクにも流れ込んでいたというか……それが今の君を形作ってあるものだというのは主であるボクには痛いほどよく分かったというか」

少女「本当に無理だろうと思ってたから、えっと、その、どうしよう」

少女「すごく、嬉しい……これほどとは……」

男「お前……可愛いな」

少女「や、ちょ、変なこと言うな!」

男「……幻滅、しなかったか?」

少女「え?」

男「俺の話聞いて……自分の身可愛さに、好きだった人に手を差し出すこともしなかったようなやつだぞ、俺は」

少女「……ごめん、人間のことはよく分からない。正直言うと、君がなぜ自分のことをそんなに責めているのかも分からない」

少女「元はと言えば、その女の男を見る目がなかったのが……あ、いや、ごめん!」

男「……」

少女「ボクは、君が幼馴染の話をしてくれたことがとても嬉しかったし」

少女「例え君自身が君のことを嫌いなのだとしても……ボクは、君のこと……」

男「……」

少女「……嫌いじゃない、から」

男「……少女」

少女「な、なんだい?」



どうする? >>714
1.頭を撫でる
2.手を握る
3.抱きしめる
4.キスしようとする
5.俺も嫌いじゃないと言う
6.その他

3

俺は思わず、少女を抱き寄せた。


少女「っ……」

男「……」


強く、抱きしめる。少女は少しだけ身を強張らせたが、その腕を俺の背に回してくれた。

少女は、俺より頭一つ分小さい。あれだけ食うのに体も細い。俺の腕の中に収まる形となった。

そういえば、幼馴染もこれぐらいの身長だったような――


少女「君ねぇ」ジロリ

男「え、あ、悪い……!」

少女「君はボクの騎士なんだから……これからは、ボクだけを見てよ」


少女が、俺の胸に顔を押し付け呟く。たまらなく、胸から愛しさが込み上げてくる。

自覚してしまえば、俺の中で少女という存在がいかに大きくなっていたかということに驚かされた。

男「お前の体抱きしめるの、好きかもしれない」

少女「なっ……!? き、君は本当にスケベだな!」

男「そ、そういうのじゃねえよ!」

少女「まったく……まあボクも、君にこうされるの、嫌いじゃない」

男「そ、そうか……」ドキドキ

少女「……あと3組、だね」

男「……ああ」

少女「もし、勝ち残れたら……」

男「……願いの、ことなんだけどさ」

少女「待って。それは、全部終わってから」

男「……」

少女「その時もう一度、君の答えを聞かせてくれるかい?」

男「……分かった」ギュウ

最後に強く抱きしめてから、腕を離した。

少女が、少し照れくさそうに笑った。

勝ちたい。生きて、もっと長く少女と一緒にいたい。

自分勝手だとしても、それが俺の正直な気持ちだった。


男「……そろそろ朝だな」

少女「だね。朝食をとろうか」

男「さっき飯食っただろ」

少女「あんなものは食事のうちには入らないさ」

男「はいはい、そうですか」


少女と、一歩距離を縮めることができた。

この一歩は、きっと俺たちにとってはかけがえのない一歩になる。そんな気がした。



【六日目終了】
好感度が15上がった 75→90(最大100)
信頼度が15上がった 75→90(最大100)


【七日目 早朝】
男たちは…… 安価↓コンマ判定
01~35 強欲組の襲撃を受ける
36~60 色欲組の襲撃を受ける
61~80 嫉妬組の襲撃を受ける
81~00 何も起きなかった

平和

>>719ちょっと投降時間すごい


強欲組の襲撃、気付けた? 安価↓コンマ判定
01~40 気付けなかった
41~80 気付けた
81~00 わざわざ目の前に現れてくれた

時間を確認すると朝の4時だった。

陽が上がるのはもう少し後になるかもしれない。


男(深夜よりもこれぐらいの時間の方が人が少ないんだよな)

少女「ふふっ」

男「ん、どうした?」

少女「いや、なんでもないよ」


少女と手を繋いで歩く。いつもより、体の距離が近い気がする。

ふいに、その手を後ろに引っ張られた。何かおいしそうなものでも見つけたのかと思ったが。


少女「なっ、これ……!?」


少女の反応で、何が起きているのかを理解した。

強欲姫「あはっ、ちょっと見ない間に随分熱々な感じになってんじゃん! 超キモいんですけど!」

男「強欲――ッ!?」


後ろを振り向く。

すでに、騎士が目前まで迫っていた。


警官「悪は即排除だ」


手に木製の銃剣を握っている。俺は、咄嗟に……



どうした? >>725
1.時間を巻き戻した
2.少女を抱えて逃げ出した
3.警官に向かって殴りかかった
4.何かする前に、少女が靄を発動させた

1

男「『リバウンド』!!」


時を巻き戻した――


男「……」

少女「……!」


少女は俺が戻ってきたことに気付いたようだ。



どうする? >>729
1.逃げる
2.警官を迎え撃つ
3.その他(それなりに詳しく)

少女と逃げる

男「行くぞ」

少女「ああ」


短く言葉を交わした後、俺は少女を抱えて思いっきり走り出した。

おそらく、強欲の姫の引き寄せる能力は距離が近いほど強くなる。

戦うにしても逃げるにしても、距離をとっておかないとあちらのペースになってしまう。



警官「やっぱり気付くんだな」

男「……!」


男の持っていた銃剣が形を変える。

棒の部分がいくつも枝分かれしていき、その先端には小さな穴が開いた。

4、50個の筒状の枝がこちらを向く。サンゴのような、とても奇妙な形をしていた。


男(あれ、もしかして全部……!?)


男は躊躇いなく引き金を引いた。音はほとんどしなかったが、おそらく弾は放たれたはずだ。

俺は……



どうなった? 安価↓コンマ判定
01~20 いっぱい当たった
21~60 2、3発当たった
61~80 少女が喰った
81~00 全部避けた

男「くっ……!」


プスプス、と棘のようなものが服の上からいくつも刺さった。

銃弾のようなものが飛び出してくるのかと思っていたが、威力自体は大したことない。痛みもほとんどなかった。

それでも、俺はその場で膝をついてしまった。視界がぐらつく。高熱が出たときのように、体がだるい。


男「体に、力が……!」

少女「男……!?」

警官「へえ、死なないか。騎士だからか、それともこれが想像の限界か?」

男(毒でも塗ってあったのか……!?)

強欲姫「ほらほら、こっち来なよ!」

少女「くっ……!」


男が向かってくる。少女はあちら側へ引っ張られている。

腕が上がらない。少女の手を掴むこともできない。


男「こ、のっ……!」



どうする? >>735
1.時を戻す
2.気合で立ち上がる(コンマ判定あり)
3.その他(それなりに詳しく)

能力も馴染んで来ただろうし戻す

 ――――――――

男「……」

少女「……!」


さっきと同じぐらいの時間に戻ってきた。

短い時間に能力を連続して使うと消耗がかなり激しくなる。怠惰との戦いで学んだことだ。

あの頃から比べると、今の俺は見違えるほど成長しているはずだ。もしかしたら、能力も連発できるようになっているかもしれない。

だが、確証なんてない。

鍛錬時に限界を試すというようなことはしていない。もし消耗しきったときに襲われてしまえば元も子もないからだ。


男(どうする!? 逃げても、またさっきのように毒を打ち込まれたら……!)


じゃあ戦うか? それにしたって、毒を盛られる可能性は十分あるのだ。

俺たちは一体、どうすればいい?



どうする? >>738
1.もう一度逃げてみる
2.こちらから攻撃を仕掛ける
3.無理を承知でもう10秒戻す
4.その他(それなりに詳しく)

男(クソ、俺じゃあいつらの攻撃を捌ききれない……!)


物を作り出すことができる相手と素手しか戦う手段を持たない俺とでは、手数に差がありすぎる。

単純な力業ならまだしも、毒針なんて俺には対処しようがない。

おまけに、敵の姫は物を引き寄せる。俺の体を引き寄せられてしまったら、さらに動きが制限される。

相性が悪すぎる。


男(クソ、せめてもっと前に戻ることができていれば……!)

男「……」


その可能性については、最初から考えていた。

10秒時を戻す能力。もし、発動してから10秒たつ前にもう一度発動したら?

それが可能なら、20秒、30秒と時を戻すことができることになる。

能力の重ねがけ、果たしてそんなことは可能なのか?

俺は、練習でも試したことはなかった。

なんとなく、できないと思っていたからだ。

漫画とかだとそういう場合が多いから、というのをのぞいても、なんとなく無理なのではと感じていた。

本能で、それをすべきではないと感じていたのかもしれない。

でも。


男(騎士と姫との繋がりが強くなれば、自身も強くなる……もしそれが本当なら、俺たちはもう一段階、強くなってるはずだ!)

男(俺と少女の繋がり、今なら信じられる……!)


騎士の力は心次第。前に少女が言っていた。なら。

今の俺なら、できる。欲するんだ、貪欲に!


男「『リバウンド』!!」


世界が揺らぐ感覚がして、そして。



どうなった? 安価↓コンマ判定
01~25 戻れたがとてつもなく消耗する
26~60 戻れたが少し頭が痛くなる
61~00 ちょっと疲れたけど問題なく戻れた!
ゾロ目 そもそも重ねがけは無理だったぜ!

男「――っ」


戻ってこれた。さらに過去へ、20秒前の世界へ。

周りの様子を伺う。強欲たちの姿は見えない。


少女「……何があった?」


少女が真剣な顔で聞いてくる。

少女からしてみれば、近いうちに自分たちが危険な状況に置かれるであろうことをいきなり知るのだ。不安も感じるだろう。

だけど、今は説明する時間も惜しい。今ならば、逃げることも体勢を整えることも可能かもしれない。



どうする? >>744
1.全力で逃げる
2.万全の体制で迎え撃つ
3.その他こうすればいいというのがあれば詳しく

今何処に居るんだろう
2で

>>744なんかそこら辺の街中のどこかだと思ってください
それっぽいものが安価で言及された場合近くにそれがあることにします



男「強欲に襲われた」

少女「……!?」

男「やっぱりすごい強いな、あいつら」

少女「……」

男「なあ、少女」

少女「なんだい?」

男「信じてるって、言ってくれないか?」

少女「ふふ、ボクの騎士が板についてきたようだね」

少女「いいよ、いくらでも言ってあげよう……ボクの、本心だからね」

少女「信じてる」

男「……必ず、俺がお前を守る」


握っていた手に、力を込めた。

実際、10秒が20秒になったぐらいじゃ、何かが大きく変わるということはなかった。

それでも、覚悟を決めるぐらいの時間はできた。

あの二人は強い。

騎士の戦闘能力は、俺なんかじゃ到底及ばないかもしれない。

それでも、俺は勝ちたい。勝って、もっと少女と一緒にいたい。

振り返り、真っ直ぐ見据える。

いつの間にか、道の向こうにギャルっぽい女といかつい男の二人組が立っていた。


警官「チッ、気付きやがったか。まあ、別に関係ねぇがな」

強欲姫「この前みたいに逃げ出さなくていいの? ま、もう絶対に逃がさないけどね」

男「逃げねぇよ。もう逃げない」

少女「当然、逃がす気もないよ」

強欲姫「……ウザ」

警官「同感だ。開き直ったクズほど胸糞の悪いものはねぇ」

警官「クズは死ね。善良な市民の平和のためだ」

強欲姫「じゃあ、さっさと終わらせちゃおうか!」


姫が手をかざす。案の定、少女の体は引っ張られ始めた。



どうする? >>748
1.少女には踏ん張ってもらって、男だけが攻める
2.少女と共に二人に突っ込んでいく
3.その他(それなりに詳しく)

少女を背負うようにして、二人の元へ飛び出す。

引き寄せられる勢いも利用して、ぐんぐんと加速していく。


強欲姫「あは、自分から死ににくるとかいい度胸じゃん」

警官「下がってろ」

強欲姫「うん、任せたよ」

警官「一撃でしとめる」

男(別に一撃でしとめる必要はない……交差するのは一瞬、でも俺たちには時間を巻き戻せるってアドバンテージがある!)


男が銃剣を構える。だが、形はあてにならない。あれはあいつの意思のままに、自在に形を変えるのだ。

男「行くぞ!」

少女「ああ!」



どうする?(どう攻める?) >>751
1.前方に濃い靄を展開して突っ込む
2.ある程度近づいたら男だけ急加速
3.靄を噴射して中距離攻撃
4.細心の注意を払いつつ、どこかで方向転換
5.その他(それなりに詳しく)

5上着を投げて目眩まししつつ接近

あと1、2メートルの距離まで迫ったところで、俺は上着を脱ぎ、男たちへ向けて投げつけた。

上手い具合に上着が広がって、俺たちと強欲の姫たちの視界をさえぎる。


警官「小賢しいんだよ!」


男たちはどうする? >>754
1.まっすぐ殴りかかりに行く
2.上着でさえぎられた部分に靄の槍を形成
3.方向転換
4.その他(それなりに詳しく)


警官たちはどうする? 安価先コンマ判定
偶数 あっさり上着を払いのける
奇数 上着ごと攻撃してくる
ゾロ目 ヤバい攻撃してくる

強欲姫もまとめて暴食

銃剣であっさり払いのけられてしまった。

でも、ほんの少しではあるがこちらの攻撃への反応が遅れるはずだ。


男「少女! 最大出力だ!」

少女「分かった!」


少女が格段に濃い靄を発生させた。

靄はすごい勢いで膨張し、強欲の姫ごと飲み込もうとしていた。

これほどの規模は俺も見たことがなかった。おそらく消耗も激しいだろう。通用しなければ大きな隙ができるかもしれない。

だが、少女は俺の声に応えて迷うことなく力を使ってくれた。

信頼されている。それがたまらなく嬉しいし、俺を勇気付けてくれる。


少女(すごい、まさかこっちの世界でここまでの力が出せるなんて……!)

警官「っ……! 強欲姫、下がってろ!」

強欲姫「う、うん……!」

警官「『デザイア・デザイン』!!」


男は叫びながら、靄へ向けて神速の突きを繰り出してきた。



コンマ判定
男たち(安価↓1)と警官(安価↓2)で、コンマ以下数値が大きいほうが勝利。ただし男側は+20、またゾロ目を出した側は+30
差分が大きいほど優劣に差がある。60以上差をつけて負けた場合敗北確定(時間を戻せない)
100以上差をつけて勝った場合勝利確定(強欲姫も殺せる)

左胸を貫かれた。

だが、後ろにいる少女には届かなかったようだ。突き刺さった銃剣は先だけしかなく、真ん中辺りから向こうは削られたようになくなっていた。

ものすごい速度で突かれた事によって、その一瞬その一点だけ靄が薄くなったのかもしれない。


少女(これを貫いてくるのか……!?)

少女「大丈夫か!?」

男「あく……!」

男(呂律が回らない……! やっぱりこれにも毒を……!?)


体が痺れる。もつれそうになる足を必死に立て直す。

前に俺を貫いた金属製の槍には、毒なんて塗られた様子はなかった。

前襲われたのは四日ほど前だったはず。この四日間で、もしかしたら能力を使いこなせるようになったのかもしれない。

成長しているのは、自分達だけではないのだ。


強欲の姫の方へ伸びていた靄が突然、何かにせき止められたように四方へ拡散しだした。


男(まさか、盾を生み出したのか……!?)


踏ん張りはきかない。少女は依然として引っ張られたままだ。

このままでは、激突する……!



どうする? >>760
1.靄を信じ、自分も盾をぶち壊す気持ちで突っ込む
2.気合で方向転換
3.時間を戻す(コンマ以下数値がゾロ目だった場合反動がくる)

すみません安価↓で

男(いや、このまま突っ込む……!)

男(この高密度の靄なら……今の俺たちなら、あいつの能力にだって打ち勝てる!)


つまずくことはなかった。少女が引っ張られているおかげで、勢いも衰えない。

少女「はぁ……!」

少女が力を込める。盾ごと押しつぶし飲み込んでやろうと、靄が勢いを増す。


警官(クソ、こいつら、まさかここまで……!? いや、きっとあの時より強くなりやがったんだ……!!)

警官(だが……! だからこそ、ここで殺す!!)

警官「正義は勝つッ!!」 

男「うおおおおぉぉ!!」


拳を握り締め、恐れを捨て闇の中へと自ら飛び込んだ。



コンマ判定
男たち(安価↓1)と警官(安価↓2)で、コンマ以下数値が大きいほうが勝利。ただし男側は+20、またゾロ目を出した側は+30
差分が大きいほど優劣に差がある
負けてしまった場合少女にもダメージ。40以上差をつけて負けた場合敗北確定(時間を戻せない)

破壊と創造。

靄と盾の境界では、それが絶えず繰り広げられていた。

ガリガリガリ、という不快な音が靄の中には満ちていた。


男「うおおおおぉぉ!!」


拳を、思い切り叩きつける。骨も砕けたし、盾の表面が粗く細かく変動していたため触れた部分がズタズタになる。

だが。


男「再生能力は、俺だって負けてねぇよ!!」


毒のせいで痛みが少し麻痺していたのもあるだろう。傷ついた骨や肌が回復する勢いも利用するつもりで、そのまま腕を振りぬいた。

盾が、砕けた感触があった。


警官「馬鹿なっ……!? があああああアアアアァァァァ!!?」


亀裂から、盾の内側へ靄が流れ込んだ。

骨を砕き肉を潰す豪快なミキサーのような音と男の断末魔が響いた。いかに強欲の騎士が頑丈といっても、これではひとたまりもないだろう。

そしてもちろん、姫も。

靄が晴れたあとには、何も残っていなかった。道路に残った破壊の痕跡が、先ほどの暴食の威力を物語っていた。

少女が息を荒くしながら呟いた。

終わった? 倒したのか? あの、二人を……勝てる相手じゃないと死に物狂いで逃げることしかできなかった、あの強欲を?

体の痺れはもうなくなっていた。拳を握り締める。

俺たちは強くなれたのだということは、先ほどの戦いで確かに実感できた。身体の内から湧き上がる力の量が違う。

勝ったんだ。俺たちの繋がりは、確かに深まっていたんだ。


男「やっ――!?」


銃声が響いた。


男「くっ……!?」

少女「男!?」


俺は咄嗟に少女を押し倒していた。音がした方を見やる。

強欲の姫が、大粒の涙を流しながらこちらを睨みつけていた。

>>767の最初に

少女「ハァ、ハァ……終わった、のか?」

の一文が入ります

強欲姫「ふざけんなふざけんなふざけんな!! 警官に、私の騎士になんてことしてくれたんだッ!!」

強欲姫「痛いんだよ!? 不死身だって、体が傷つけば痛いんだ!!」

強欲姫「アァ、私の一番大切なモノを……!! こんなやつらに、壊されるなんて!!」ギリギリ!

強欲姫「許せない許せない!! アンタたち、絶対に許さないからッ! 二人とも粉々にしてやる!」


顔をひどく歪ませながら、喉がはち切れそうなぐらい大声で叫ぶ姫。


男(いつの間にあんなところに……!? 靄で見えなくなったときに、姫だけ逃げ出してたのか!?)

男(じゃあ騎士はまだ……!?)

警官「やってくれたな、暴食」


後ろから、静かな声がかかってきた。だが、身を突き刺すような暴力的な殺意が一気に膨れ上がる。


男「ッ!?」


男の手から伸びる無数の棘が、少女を串刺しにしようとして。

男「『リバウンド』ッ!!」

迷うことなく、能力を発動させた。


 ――――――――


盾を砕き、靄の濁流が内側を埋め尽くした。

靄が晴れたときには、確かに何も残っていなかった。だが俺は、疲労した様子の少女を抱えるとすぐに跳び出した。



どこへ跳び出した? >>771
1.強欲姫のいる方向へ
2.強欲姫から距離をとる方向へ

1

俺は、姫のいる方へと跳び出した。


少女「まだ生きてたのか……!?」

強欲姫「このっ……! アンタたち絶対に許さないから!」


強欲姫が持っていた銃を発砲した。3発ほど体に打ち込まれるが、今の俺はこれぐらいじゃ止められない。

少女に当たらないよう注意しながら、俺は姫を殺すために拳に力を込めた。

今は少女は引き寄せられていない。自分の脚で走らなければならない。

しかしそれでも、今の俺ならほんの数秒で詰められる距離だ。


強欲姫「この、この……! 化け物が……!!」

少女「悪魔が人間にそんなこと言っていいのかい?」

強欲姫「黙れ! 殺す殺す、アンタたちはブッ殺す!」

男「少女!」

少女「ああ!」


少女が靄を広範囲に展開、姫の逃げ道を塞ぐ。

そして、俺は速度を上げ姫の元へ突っ込んだ。

強欲姫「死ね、死ねよ、クソ……!」カチャッ

強欲姫「え……嘘、弾切れ……?」

男「はあああぁぁ!!」

強欲姫「ひっ……!」

強欲姫(ちくしょう、こんな、ところで……!)

強欲姫(警官……!)ギュッ


警官「馬鹿が、何してんだよ」

少女「っ!?」

男「なっ……!?」

男(あいつ……! まずい、少女が!?)

男(いやでも、この距離なら俺の方が早く姫に届く……!)

警官「我がまま女が、そうじゃねえだろ!」

警官「俺に頼れ! 俺はお前の騎士だろうが!!」

強欲姫「っ……! うん!」


姫が、手をかざす。そして。


姫「はああああぁぁぁ!!」

男(こいつ、まさか……!?)

警官「オオオオオォォォ!!」


騎士が、目にも留まらぬ速さで少女へ迫っていた。


男(強欲の姫が、引き寄せて……!?)



どうする? >>775
1.切り替えし、少女の元へ駆ける
2.そのまま強欲姫の元へ駆ける
3.時間を巻き戻す(コンマ以下数値がゾロ目だった場合反動がくる)

男「少女……!」


俺は慌てて少女の元へ切り返した。

男は、俺たちが引き寄せられていたよりもずっと早く少女へ迫っている。

少女の靄が俺を蝕まないように、強欲の姫が騎士を引き寄せる場合は他のものよりもやりやすいのかもしれない。

少女は展開していた靄を自身の前に集め、後ろに跳び下がった。騎士から逃れるため、少しでも早く俺が追いつけるようにするためかもしれない。

俺も少女の元へ駆け寄ろうとしたところで。

誰かにしがみつかれたかのように、急に体が重くなった。


男(この、俺まで……!?)

強欲姫(ほんの一瞬足止めができればそれで十分!)

強欲姫「ブチ殺しちゃって! ダーリン!!」


男が銃剣を突き出す。靄に阻まれるが……



どうなる? 安価↓コンマ判定
01~40 間に合った
41~80 間に合わなかったが、致命傷は免れる
81~00 間に合わなかった。そのまま……

靄が銃剣を喰らい欠けさせる。しかし。

少女「ぐあぁぁ……!?」

急所はそれたものの、剣先は少女の肩を貫いた。

男(まずい、あの状態で形を変えられたら!?)

男「『リバウンド』!」


 ――――――――


男「くっ……!」


少しだけ体がぐらいついた。毒はもう抜けているはずだ、となると理由は能力使用による消耗か。

まだ数回しか発動していないが、一度重ねがけをしたことと少女がいつもより消耗しているのが原因かもしれない。


男(まさかあの距離を一瞬で詰められるなんて……ていうかあいつどこから沸いてきてるんだよ!)


今はあの男の影も形もないというのに。体を粉々にされても、姫さえ生きていれば再生できるのか。


男(人のことは言えないけど、つくづく化け物だな……!)



どうする? >>780
1.一旦距離をとろう
2.少女と離れず攻めればいいだけだ!

上で

男(このチャンス、逃していいはずがない!)

少女「まだ生きてたのか……!?」

強欲姫「このっ……! アンタたち絶対に許さないから!」


銃弾をかわすことなく突き進む。肉を穿たれるのは相当痛いが、足を緩めるわけにもいかない。


男「少女! 後ろから来るぞ!」

少女「!?」

警官「チッ、強欲姫! 俺を引き寄せろ!」

強欲姫「わ、分かった!」

警官(やっぱり、動きが読まれてやがる。だが、能力がその程度なら問題ねぇ、物量でねじ伏せる!)

警官「『デザイア・デザイン』!!」


いくつもの柱が、まるで竜のようにうねりながら俺たちへ襲い掛かってくる。



どうする? >>783
1.男が少女を守り少女が強欲姫を狙う
2.少女が後ろを警戒しつつ男が強欲姫を狙う
3.二人で警官に対処したあと強欲姫を狙う
4.靄で後ろを守りつつ二人で強欲姫を狙う
5.その他二人の動き方に指示があれば

少女が後方に靄を展開した。

先ほどは俺が後押しすることで盾を壊すことができたが、あの靄で騎士の攻撃全てを防げるかは分からない。


男(少女を危険に晒さないためにも、一刻も早く姫を倒す!)

男 少女「はああああぁぁぁ!!」


少女も素手で殴りかかっていた。おそらく、靄をすべて防御に回しているのだろう。

目の前の姫からは、憤怒の姫ほどの脅威は感じられない。おそらく、今の俺の方が戦闘能力は上だ。

いくつもの柱が靄に突っ込んできているのだろう、硬い物が削れる音と砂袋を殴ったときのようなボフっという鈍い音が聞こえてきた。

そして、靄が晴れ、その奥から騎士の腕が伸びてくる。


警官「させるかよッ!」

男(やられる前に、姫を……!)



コンマ判定
男たち(安価↓1)と強欲姫たち(安価↓2)で、コンマ以下数値が大きいほうが勝利
差分が大きいほど優劣に差がある。差分50以上で決着(時間を巻き戻せない)
ただし、男側が上回った場合は強欲姫側が奥の手を使い、数値+30

警官「『デザイア――!?」


少女へと腕を伸ばしていた男の周りを、濃い靄が覆いつくす。


警官「このっ、小賢しい!!」

少女「男! あまりもたないぞ!」

男「ああ!」

強欲姫「いやっ……!」


思い切り、渾身の力で殴りぬく。

騎士が姫に引き寄せられるよりも早く。

俺の拳が、姫の体を捉えた。


強欲姫「ガフッ!?」


ミシミシと、骨にダメージを与えた感触があった。

腕でガードされたものの、小柄な姫の体は勢いよく吹き飛んでいった。地面を転がったあと建物の壁にぶつかり動きを止める。

打ち所が悪かったのか、頭から血が流れていた。だが。

男(なんだ、今の……!? 途中で、腕が鈍く……!?)

警官「強欲姫!?」

男「うおっ!?」

少女「くっ……!」


俺のすぐ横を、男がものすごい速度で通り過ぎていった。少女は咄嗟に横に飛び退いたようだが、少女には目もくれなかった。

殺気と野心に満ち俺を震え上がらせていた男の目が、今は不安で揺れていた。


警官「おい、しっかりしろ、おい!!」

強欲姫「……」

警官「強欲姫!」


男が必死に呼びかけるも、姫はぐったりしたまま反応を示さない。


男「死んだのか?」

少女「いや……まだだ。消えかかってはいるが、まだ力を感じる」

男「なら、今のうちにとどめを」

警官「許さねぇ」


ポツリと、男は声を漏らしただけだったが。

悪寒で全身に鳥肌が立った。


男(なんだ、こいつ、まだ何か隠し持って……!?)

少女(姫も死に掛けてるこの状況で、いったい何をする気だ!?)

警官「悪は殺す。ああ、そうだ、俺の大切なモノを奪われないためだ、悪は殺す、正義は負けない」

警官「何があっても、俺はおこいつらを生かしてちゃならない。ここで殺しきる。それが俺の義務だ」

警官「お前にはかなり負担をかけることになる……でも、さっきのはそういうことだよな? 強欲姫?」

強欲姫「……」


男には似つかわしくない相手を気遣うような問いかけに、姫は言葉を返さなかった。変わりに、口元がわずかに動く。

強欲の姫は、笑みを浮かべていた。それで、返事としては十分だったらしい。

男が立ち上がる。俺たちは身構えた。

気が抜けない。男の指先の動きひとつ見逃すのが恐ろしい。

男の纏っている雰囲気が、先ほどまでとはまるで違う。

怒りのせいだけとは思えなかった。存在自体がもはや別のものになってしまったかのような。

息が詰まるような重圧感を撒き散らす。危険度は、間違いなく段違いに高くなっているはずだ。

なんで? いったい何が起きた?

少女「え?」


少女のほうを見る。さっきまでいたはずの場所に、少女はいなかった。

すごい勢いで、騎士へ向けて突っ込んでいく。

いや、まるで後ろから何かに吹き飛ばされたかのように。

あるいは、前から思いっきり何か引っ張られたかのように――


男「――ッ!?」


一瞬、呆気にとられてしまっていた。

その空白が、命取りになるというのに。

男の手から、何かが生まれようとしていた。それが何かを考える前に。


男「『リバウンド』!!」


俺は、能力名を叫んでいた。

 ――――――――

警官「許さねぇ」

少女「っ……!」


男の雰囲気の変化に、少女が身を強張らせる。

時が戻っていたことを認識した俺は、その時初めて自分が咄嗟に能力を発動していたことに気がついた。

そして、思い出したかのように頭が混乱し始める。


男(なんだ!? さっき、何が起こった!? 姫の引き寄せる能力か!? でも、姫の方はもう満身創痍のはず……!)

男(じゃあ騎士の能力? まさか引力を生み出したとか、そんなデタラメ……!)


俺がここまで混乱しているのは、おそらくあの時の男の纏っていた雰囲気によるものだろう。

明らかに、やつは変化を遂げていた。異質のものとなっていた。その変化によって、俺たちは死に至る。

少なくとも、このままでは何度時を戻そうと結果は変わらない。

初めてあいつを見たときに感じた嫌な感じ。あの時は埋めようのない実力差が存在しているからだと思っていたが。


男(もしかして、それがこれなのか!?)

男が立ち上がる。このままでは、先ほどと同じように……


男「少女!」

少女「……!」


少女の腕を掴む。そして。


少女「ぐっ……!」

男「お、おおっ……!?」


少女と、そして俺も一緒に引き寄せられた。



どうする? >>796
1.気合で踏ん張る
2.勢いを利用して突っ込む
3.能力を2回発動、20秒前に戻る
4.その他(それなりに詳しく)

3

男(ダメだ、あれとまともにやりあうのは危険すぎる……!)

男(20秒……! 20秒戻ることができれば、きっと姫を攻撃するところまで戻れるはず!)

男(今の姫は瀕死の状態だ、あと少しダメージを与えることができていれば、倒すことができたかもしれない!)

男(さっきは上手くいったんだ、今度だって……!)


上手くいくなんて保証は、どこにもなかった。

能力を二回連続で使うなんてさっきまで一度も試したことはないし、今は少女も力を消費している。

前の怠惰との戦いのときのように、もし能力の使いすぎによる反動が来てしまったら。


男(でも、ギリギリで戦ってるのは今だって変わらない!)

男(やるしかないんだ!)

男「『リバウンド』!」

――10秒戻った。体に異変はない。次が勝負だ。

休まずにもう一度能力を発動する。

男「『リバウンド』!!」

男「――!?」

強欲姫「死ねよ、このっ……!」


まだ大きなダメージを負っていない状態の姫が目の前にいる。

そして、後ろからとてつもないプレッシャーも感じる。

少女を守ろうと体が動きそうになるが、今俺がすべきことはそれじゃない。


男(これで、終わらせる……!)



どうなった? 安価↓コンマ判定
01~20 反動が来る
21~40 さっきよりもダメージを与えられなかった
41~80 さっきと同じぐらいのダメージを与えられた
81~00 さっきよりも大きなダメージを与えられた

男「あ、ぇ……?」


グラリと、体が揺らいだ。

姫を殴ろうと握り締めていた拳がほどけ、腕がだらりと下がる。

そのまま膝から崩れ落ち、前に転げるようにして倒れこんだ。


強欲姫「は?」

少女「っ……!?」

警官(なんだ? まあ、よく分からねぇが)

警官「終わりだ」

少女「しまっ……!?」


男の手からいくつもの棘が生まれ、それが少女へ襲い掛かる。

地べたに這い蹲りながら、俺はその様子を見ていることしかできなかった。

駄目だった。意識ははっきりしているのに、体をピクリとも動かせない。

脳から体の各部位に繋がっているはずの神経が遮断されてしまったかのようだ。そもそも力を込めることすらできない。

負ける。このままでは、少女が殺されてしまう。

ズタズタに引き裂かれ、惨い死に方をするだろう。

せっかく、強くなれたのに。せっかく、少女とつながりを強くすることができたのに。

もう、一緒にいられない。


男(そんなの、絶対に嫌だ!)

男(なんでもいい!! あいつを助けることができるなら、何だって! 俺はどうなってもかまわない!)

男(奇跡でも何でもいいから、あいつを救ってくれ!)

男(あいつを守る力を、俺にくれ!!)



どうなる? 安価↓コンマ判定
偶数またはゾロ目 覚醒
奇数 何も起こらない

少女(これで、終わりか)

少女(男は、もう限界みたいだ)

少女(ボクも、最初の最大出力の『暴食』でかなり消耗してしまっている。もう、靄でこいつの物質生成を喰いとめることはできないだろう)

少女(姫の力は燃費が悪いのに……男のやつが大した攻撃手段を持たないから、ボクが尻拭いをしなくちゃいけないなんて。まったく、困った騎士だ)

少女(でも、まあ……彼は、それなりに頑張ってたと思うよ)

少女(最初から……どんな能力を持っているかも分からない騎士や姫相手に、拳一つで立ち向かっていた)

少女(何度もやり直せるとはいえ、それはつまり何度も苦痛や恐怖を味わうということでもある)

少女(実際、怠惰のときは酷い殺され方をして精神的な苦痛が大きかったようだし。それでも、敵の能力を見極められたことは素直にすごいと思ったよ)

少女(憤怒のときも……あの暴力の化身のような姫相手に、果敢に挑んでくれたね)

少女(ボクを信じて、ボクを守るために……彼の思いはボクに流れ込んできた。今思えば、あれがボクの彼への認識が変わったきっかけだったんだろう)

少女(ボクは、ずっと守ってもらいながら……君が、ボクのために戦っている背中を見てきた)

少女(君は、本当にかっこよかったよ)

少女(……嫌だなぁ、このまま、終わるなんて……せっかく、君と……)

男「オオオオオオオォォォオオオオォォ!!」

少女(男……!?)

男「っ……!」

少女(あの目……そうか、君はまだ諦めてないんだね。ボクとまだ一緒にいたいって、思ってくれてるのかな?)

少女(分かったよ、ボクも諦めたりしない。最後の最後まで、君を)

少女「信じてる」

警官「くだらねェ」


無数の棘が、躊躇いなく少女へ向かって伸びる。

それが、少女の衣服を破り、肉を引き裂き、四肢を吹き飛ばすなんてことにはならなかった。

バラバラと、棘が砕け散りその破片のいくつかは地面へ落ちた。

大半の欠片は、闇へ飲まれて消えていった。

黒い靄。暴食の化身。だけど、これは。


警官(これは……!?)

男「はああああぁぁ!!」

警官「チッ!?」


男が飛び退く。だが、今はどうでもいい。俺は少女に背を向けるようにしてすぐ側で構えた。

強欲のほうも、長い蔦のようなもので姫を掴み、俺たちから距離をとっていた。

最初、黒い靄で男を襲ったとき姫がいなかったのも、あんな感じで蔦を使って姫を遠くに避難させていたからかもしれない。

少女「……男、これって」

男「ああ、なんだかよく分からないけど」


俺の手の周りをうっすらと黒い靄が覆っている。少女が纏わせているわけじゃない。


男「これ、俺が使えるみたいだ」

少女「そんな……なんで?」

男「いや、お前が分からないことを俺が分かるわけないだろ」

少女「信じられないことだが……どうやら、ボクの力がほぼ全て君に流れ込んでしまっているらしい」

男「は? でも、今までも力は送り込んでもらってたけど、こんなこと一度も……」

少女「これはそういうんじゃなくて、本当にほぼ全ての力が君に流れてしまっているんだ。今のボクは靄も出せないし、多分身体能力も普通の人間とそう変わらない」

男「それって……」

男(敵の引き寄せる能力のことを考えると、結構ヤバイんじゃ……)

男(でも、俺の方は今まで感じたことがないほど、全てが力で満たされてる……体だけじゃなく、多分魂や精神の部分まで)

男(今の俺は、さっきまでとは比べ物にならないほど強くなってる)

男「そういうことだったのか……」

少女「……?」

警官「チッ、まさかあいつらまでアレが使えるとは」

強欲姫「ありえないんですけど……あの二人、そこまで強い繋がりで結ばれてるってわけ?」

警官「あいつらがアレを使ってる以上、こっちも使わざるを得ない……行けるか?」

強欲姫「……私のモノは全て私のモノ。他人のモノだって、欲しいモノは何をしても奪い取る……でも、アンタは別」

強欲姫「アンタは私の一番の宝物だから……私の全部、アンタにあげる」


男の纏う力が膨れ上がる。さっきまでのあいつより格が一つ上がる。

威圧感で、空気がビリビリと震える。


男(あいつが強くなったのは、姫の力を全部自身のものにしたからか……!)

つまり。

男「今は、同格ってことだろ……!」

警官「んなわけねぇだろうが、ゴミカスがッ!!」


男が走ってくる。そして、俺と少女の体も勝手に引き寄せられた。

強欲の姫が使っていた時の引力よりも、ずっと強い。けど。


男(今の俺なら、その気になれば抗える……!)



どうする?(どうやって攻める?) >>807
1.加速して、少女が引き寄せられるよりも早く警官と接触する
2.少女を抱え守ったまま警官と接触する
3.警官をどうにか避けて強欲姫を狙う
4.その他細かい指示があれば

1

男(少女の身体能力が普通の人と同じぐらいになってしまったのなら、守りながら戦うのにも限界がある)

男(引き寄せる能力を姫ではなく騎士が持ってしまった以上、こいつを避けて姫を狙うってことは難しい。つまり)

男(一騎打ちであいつを倒すしかない……!!)ダッ!

少女「きゃあっ……!?」


あえて少女を放っておいて、俺は一気に加速した。

ほんの一瞬、瞬きするぐらいの時間で強欲の騎士が目と鼻の先になる。

男の手から、爆発のような勢いで柱が伸びてくる。

かつての俺にそれを防ぐ術はなかった。無残に体を貫かれて終わっていただろう。

だが今は、俺には少女から受け取った力がある。


男「はああああぁぁ!!」


右手に靄を纏わせ突き出す。真っ向からの、力のぶつかりあいだ。



コンマ判定
男たち(安価↓1)と憤怒姫(安価↓2)で、コンマ以下数値が大きいほうが勝利
差分が大きいほど優劣に差がある。50以上差がついた場合決着(時間を巻き戻せない)

重い衝撃が右手から俺の体を突き抜けた。

手首、肘、肩の順に関節が軋む。衝撃で一瞬心臓が止まったかと思った。痛みに歯を食いしばる。

だが、それだけだ。

脚は踏ん張れているし、右腕が千切れて飛んでいったりもしていない。

受け止められている。この男の能力を、俺の手で。


警官「こ、のっ……!」


男は絶えず物質を創造し続けているようだが、生まれる端からそれらは闇に飲まれていく。


男「はあああぁぁ!」


全身の力を振り絞って、一歩前に踏み出す。纏わせる靄の出力を上げる。

負けずと、男の方もさまざまな角度から生成した物質をぶつけてくる。少しでも靄を晴らして、そこから俺を殺せるように。

破壊と創造。もし実力が拮抗していたなら、決着はすぐにはつかなかっただろう。

互いが力を出し切り燃料切れ状態になるまで、このぶつかり合いは続く。

実際、戦闘能力は男の方が確実に上だろう。姫との繋がりなら俺たちの方が上だ、とも俺には言えなかった。

きっと、こいつも姫のことを大切に思っているから。こいつらの繋がりも、きっと強固なものだから。

勝敗を分けた要因として考えられるのは。

俺の……いや、少女の能力が、厳密には物を壊すものではなく物を喰らうものだったこと。

膨大な質量を生み出すのは、きっとそれだけエネルギーを消耗するはずだ。

この靄は、その膨大なエネルギーを喰らう。そして、そのいくらかを自身の糧に変える。

しぶといのだ、暴食は。


男「おりゃあああぁぁ!!」

警官「馬鹿な、押されっ……!?」

強欲姫「警官!!」

少女「はああぁぁ!!」


後ろから、少女が突っ込んでくる。

俺の背中にぶつかると、そのまま俺の体は前に突き出された。

均衡が崩れる。

警官「ありえない、俺が、こんな――!!」


その屈強な体を靄が喰らう。わずかな肉片だけを残して、男は一度死んだ。


強欲姫「あ、あぁ、あああぁアアアァァ!!」

男「ふっ……!」


少女を背負ったまま、足を緩めることなく姫の元へ駆けた。

あいつは、あれぐらいでは止まらない。


警官「『デザイア・デザイン』!!」


肉片から肉の繊維が伸び、他の肉片のものと絡み合い、一瞬で男が復活した。

創造の力。自身の体すらも作ることができるのか。

警官「『強欲(グリード)』!!」


男が俺たちを引き寄せる。急に襲い掛かってきた後ろ向きの力に体が締め付けられる。脚が動かせない、すさまじい引力だ。

だが、ここまで近づけたなら。


男「『暴食(グラトニィ)』!!」


手から、靄を噴きだす。

靄は螺旋を描きながら、勢いよく姫の元へ向かった。

これは、男も引き寄せられない。引き寄せたところで、今度は自分が暴食の餌食になるだけだから。


警官「強欲姫!!」

強欲姫「警官!!」


最後に、二人は互いの名を呼び合った。

そして、俺の靄が姫の胸を貫いた。

強欲姫「――」ドサッ

警官「あ、あぁ……」

男「……」

警官「アアアアアアァァァアア!!」ダッ!

少女「……!?」

男「……!」バッ!

 バギッ!

男「っ……」

警官「チクショウ、お前みたいな、クズに……!!」

警官「幸せになれるだなんて思うな!! 例え俺が負けようと、正義は、必ず――」


男は、砂になった。男が最後に放った拳は確かに重かったが、俺の口の中を一瞬切るぐらいのことしかできなかった。


男「……勝ったんだな」

少女「ああ、間違いなく、君の勝利だ。君は、本当に強くなった」

男「何言ってんだよ、俺が強くなれたのはお前のおかげ……」

少女「……」フラッ

男「お、おい!? 少女!?」ガシッ

少女「……」

男「おい、しっかりしろ、おいって!!」



――

――――

――――――――

――少し時は遡り。


【廃病院】


色欲と嫉妬の戦いはどうなった?(どうなってる?) 安価↓コンマ判定
01~20 色欲側の勝利
21~60 色欲側の優勢
61~90 嫉妬側の優勢
91~00 嫉妬側の勝利

シスター「はぁ、はぁ……ふふ」

黒髪女「あ、ァ、嫌……!」ガタガタ

怪物「ママァ……ママァ……」

シスター「それが、あなたの『後悔』なんだね。なんで見捨てたりなんかしたの? 自分はちゃんと子供を愛してあげようって決めてたんじゃないの?」

黒髪女「だ、だだだって、あの子が悪いのよ! 私の子供なのに、私の言うことを聞かないから!!」

シスター「そっか……でも、今でも後悔してるんだよね? 一人で抱えて、苦しんできたんでしょう?」

黒髪女「うぅ、ぁ……」ポロポロ

シスター「もう、楽になっていいんだよ。自分を、許してあげて?」ニコッ

黒髪女「自分を、許す……?」

シスター「ほら、その子を抱きしめてあげて。きっと、その子はそうしてほしいと思ってるはずだよ」

怪物「ママァ……」モゾモゾ

黒髪女「……」ギュウ

嫉妬姫「お姉ちゃん!!」

色欲姫(少してこずったけど、これで終わりね。暴食以上に心に隙がある相手でよかったわ)

嫉妬姫(お姉ちゃんを助けないと! でも、あれはお姉ちゃんの感情、下手に傷つけたらお姉ちゃんが……!)

シスター(少し、可哀想だけど……今、娘さんのところに送ってあげるね)

シスター「お願い」

赤鬼「ガアアアアァァ!!」ダッ!


ブギュブチッ バキッ!


シスター「え?」

色欲姫「なっ!?」

嫉妬姫「お姉ちゃん!?」

怪物「マ、マッ……!」バキバキ!

黒髪女「許すって何よ、意味が分からない……悪いのは、あの子なのに」ミシミシ

シスター(自分の感情を……!? 痛みもあるはずなのに、何を考えて!?)

黒髪女「お前もよ……さっきから、上から目線で私のことを知った風な口を利いて」

黒髪女「腹が立つのよぉ! どいつもこいつも、私を見下して、馬鹿にしてッ!!」

赤鬼「ガアアァァ!!」グワッ!

嫉妬姫「お姉ちゃん!!」

黒髪女「……!」ブチッ

 ブスッ

黒髪女「死ね死ね死ね死ねええぇぇ!!」バギバギ!

赤鬼「ガ、バ、ッ……!?」

シスター「が、ああぁ……!?」

色欲姫「シスター!?」

黒髪女「ハァ、ハァ……ふふ、そうよ、そうやって苦痛に顔を歪めなさい。あなたみたいな美人の顔、滅茶苦茶にするの大好きなの!」

黒髪女「あは、あはは、あはははははははははははははは!!」

嫉妬姫「お姉、ちゃん……すごい! さすがお姉ちゃんだ、カッコいい!!」

色欲姫(こいつ、歪みきってる……!? 自分の悪い部分を自覚できてないわけじゃない、後悔も自責の感情もある)

色欲姫(でも、そういったものを強引に捻じ曲げて他人や世界への恨みに変えてる! 周りを貶めることで、罪悪感や劣等感から目を反らしてるんだわ!)

シスター「ハァ、ハァ……彼女自身も、もうその生き方を曲げられないんだ。それをやめちゃったら、死ぬしかなくなる」

シスター「いったい、どれだけ辛いことがあったら、そんな生き方を選んでしまうのかな……」ググ…

黒髪女「チッ、そういう態度がムカつくのよッ!!」

シスター「知りたい、もっと彼女のことを……そして、救いたい」

色欲姫「ま、待って!? もういいわ、あんなやつなんて! とにかく殺すことを最優先に……!!」

シスター「私は、シスターだから……決めたんだ、どんな人とだって、繋がることを諦めないって」

色欲姫「あなたねぇ……!」

シスター「ごめんね、色欲姫……私、わがままで」

色欲姫「っ……それがあなたの根源、あなたという人間なのだとしたら、私はそれを止めることはできないわ」

色欲姫「きっと、そういうところが共鳴して、あなたは私の騎士に選ばれたんだろうから」

シスター「……ありがとう、でも私、負ける気なんてまったくないよ」

シスター「彼女を救って、その上でこの戦いにも勝つ!」

黒髪女「……嫉妬姫ちゃん」

嫉妬姫「なに、お姉ちゃん?」ピョコッ

黒髪女「アレやるわよ。ここで一気に殺す」

嫉妬姫「うんっ! 私アレ大好き! お姉ちゃんのことをもっと近くで感じられるから!」

シスター「……彼女たちも、力の完全譲渡、できるみたいだね」

色欲姫「……シスター」

シスター「うん、ありがとう」

黒髪女「殺すッ!!」ダッ!

シスター「さあ来て……私が、あなたを受け入れてみせる」ニコッ


 ―――――――

 ――――――――


 バギ ザシュッ ブチュ ゴキッ

黒髪女「あははははははははははははっ!!」

色欲姫「もう、やめて……もうやめてよっ!!」

嫉妬姫「負け犬は黙ってろよ。あんたの雑魚騎士をお姉ちゃんのストレス解消に使ってもらえるんだから感謝したら?」

色欲姫「私を、殺せばいいじゃない……もう、私たちの負けだから……!」ポロポロ

黒髪女「駄目よ。あなたが死んだらこいつまで死んじゃうじゃない」

シスター「……」

黒髪女「騎士が生き返るのにも姫は力を使うのよね? このまま姫が死ぬまで殺し続けてみましょうかしら」

黒髪女「何度でも殺せるってのも面白いんだけど、皮をはいでもすぐ再生しちゃうのがつまらないわよね」ブチブチ!

シスター「っ……」

黒髪女「……チッ、何か反応したらどうなのよ! すました顔するな!!」バギッボギッ!

色欲姫(もう、舌を噛み切って……!)

嫉妬姫「何勝手に死のうとしてるんだよオイ!!」ドゴッ!

色欲姫「ガフッ!?」

嫉妬姫「お姉ちゃんが死ねっていったら死ね。それまでは死ぬな、分かった?」

色欲姫(チクショウ、こんなやつらに、こんなやつらに……!)ギリッ

シスター「……色欲、姫……」

色欲姫「……!?」

黒髪女「アァ?」ギョロッ

シスター「ごめん、ね……私、役立たず、で……」

シスター「私に、殺し合いは、向いてなかったかも……もっと、あなたの言うこと、聞けばよかったね……」

色欲姫「シスター……」

シスター「あなたとの、セックス……あの、三日間……本当に、楽しかった……」

色欲姫「うぅ、うん……!」

黒髪女「誰が勝手に話していいって……あ?」

嫉妬姫「え?」

シスター「さよなら」


鼠「ヂュウウウウウ!!」


嫉妬姫「何こいつ、気持ちわる」バチッ

鼠「ギャッ!?」グチャ

シスター「ぐはっ!?」

黒髪女「……お前の感情か。嫉妬姫ちゃんを殺すつもりだったのね?」

黒髪女「許さない……ぐちゃぐちゃにしてやる」ミシミシ!

シスター「あ、くっ……!」

嫉妬姫「お、お姉ちゃん!?」

黒髪女「!? な、何、どうしたの!?」

嫉妬姫「ご、ごめんなさい! 色欲の姫が!?」

色欲姫「――」

黒髪女「死んでる……もしかして、お前がやったの?」

シスター「私の、力じゃ……もう、あなたたちは、殺せないだろうから……」

黒髪女「自殺か……チッ、つまらないわ。勝手なことしないでよ」

シスター「ごめん、なさい……」

黒髪女「は?」

シスター「あなたの、心の傷……癒すことが、できなくて……」

黒髪女「ッッ!? 誰も、そんなこと頼んでないわよ!!」ボフッ!

嫉妬姫「砂に……」

黒髪女「クソ、クソクソ!! 結局泣かせられなかった、許せない!」ドンドン!

黒髪女「こいつに家族でもいるなら、全員一人残らず殺してやるんだけど……」ガリガリ!

嫉妬姫「お姉ちゃん……私、もう眠くなってきちゃった……」ウトウト

黒髪女「え、あ、もうこんな時間だものね! よい子は寝る時間だもの」

嫉妬姫「お姉ちゃん……だっこ……」

黒髪女「ええ、よしよーし……」

嫉妬姫「お姉ちゃん、大好き……おやすみなさい……」

黒髪女「ええ、おやすみなさい」ナデナデ

嫉妬姫「すぅ……」スヤスヤ

黒髪女「ふふ、可愛いわ……あの子もこれぐらい素直だったら、ちゃんと育てていたのに」

黒髪女(私は絶対に勝ち残ってみせるわ。この子を魔王にする! 誰にもこの子は殺させない!)

黒髪女(そして、私の願いも……)

黒髪女「ふふ、ふふふ、ふふふふふふふふふ」


 ――――――――

少女「ん、ぅ……?」

男「少女……!? 大丈夫か?」

少女「うん、大丈夫……ここは?」



どこ? >>831
1.広い公園
2.廃ビル
3.警官の住んでいた家
4.その他

3

男「ああ、あの男の……強欲の騎士が住んでた家だ」

少女「ああ、そう……えぇ!? なんでボクたちがそんなところにいるのさ!?」

男「偶然免許証の入った財布と家の鍵を拾ってな。寝るところもないしお邪魔させてもらった」

少女「そうか……なんて都合がいい」

男「マンションの一室……それなりに家賃とか高そうな部屋だけど、生活用品とかはほとんど置いてないな」

男「変わりに、トレーニング器具とかいろいろ置いてあるぞ。それであんなゴリラみたいになったんだな」

少女「……でも、意外だな。君が、死んだ敵のものとはいえ他人の家に無断で上がりこむなんて」

男「まあ、別にいいだろ。それより、ほら」ゴトッ

少女「っ……!? これ……!」

男「味噌汁にご飯、納豆、卵焼き、焼き魚……質素だけど、初心に帰ってな」

少女「もしかして、これのために……?」

男「俺の手料理、食べたかったんだろ? 一緒に食べようぜ」

少女「男……うんっ!」

男 少女「いただきます!」

少女「がつがつ、もぐ、ばくばく、ぐはっ、ぢゅるぱ!」

少女「んんー♪ やっぱり君の料理は最高だ! おかわり!」

男「はいはい、ほらよ」

少女「~~♪」モグモグ!

男「あむ、ふむ……」モグモグ

少女「今日は、君も結構食べるんだね」

男「え? ……ああ、まあ、前はこれぐらい食ってたから」

少女「そうか……ふふっ、やっぱり一緒に食べるとおいしいな」

男「だな」

少女「むぐむぐ、はぬっ、んぶっふ!」

男「……前から思ってたんだけどさ」

少女「ん、なんだ?」

男「俺、お前がおいしそうに物を食べるところ見てるの、好きだなって」

少女「ぶふっ!?」

男「お、おい!? 噴きだしそうになってたぞ!」

少女「君が、急におかしいことをいうから……!」

男「そ、そんなおかしくねえだろ……自分の作ったものをおいしそうに食べてもらったら、そりゃ悪い気はしない」

少女「そうか……まあ、本当においしいからな」

男「あ、また米粒ついてるぞ」

少女「え、あ、い、いいよ! これぐらい自分でとるから!」

男「は? だっていつも……」

少女「っ……!///」パクッ

男「な、お、お前、今さらかよ……!///」

少女「う、うるさいな! ごちそうさま!」

男「……はは、ごちそうさま」

少女「……」

少女「さて、男。ボクたちはついさっき、強欲のペアを倒したわけだが」

男「……すごいよな、改めて考えてみると。あの、俺がお前の力を使えるようになるやつ、いったいなんなんだ?」

少女「ボクにも分からない……本来、いくら騎士とはいえ人間が悪魔の力を使えるなんてことありえないと思うんだけど」

男「でも、俺は『リバウンド』使えてるじゃないか」

少女「あれはボクの力……というより精神的なエネルギーを利用して、君自身の能力を使っているに過ぎない」

少女「いうなれば、ボクの悪魔の力が、君という変換機を通すことによって人間が使えるような力になっているんだ」

少女「あれは、ボクの力を人間用に変換することなく、そのまま君が扱えていたという状態だ」

少女「ボクたち悪魔はこの世界では力を制限される」

少女「でも君たち人間がその力を振るうことができたなら、ボクたちの本気と同じとまでは行かないけどそれの数千分の一ぐらいの力を振るうことができるはずだ」

男「それってすごいのか?」

少女「ボクたちが本気を出せばこの星なんて五分も持たないといっただろう。十分凄い」

男「へー……じゃあ、あの力があれば」

少女「必ず勝てる、というわけではないだろうな」

男「まあ、俺や強欲が使えたんだもんな……他のやつが使えても不思議じゃない。むしろ、使えるようになって初めて同じレベルで戦えるって感じか」

少女「……ボクたちが強欲を倒したことで、どうやら残る候補者はあと2組になったようだぞ」

男「!? つまり、あと1組倒せば……!」

少女「ボクたちの優勝だ」

男「で、残ったのってどいつなんだ? 色欲か?」

少女「……いや、嫉妬だ」

男「!?」

少女「嫉妬か……戦闘能力は高いほうじゃないはずだが、それでもやつの執念のようなものは恐ろしいものがあるからな」

男「……あの色欲を、倒したのか」

少女「……まあ、戦闘能力だけならあの時点のボクたちでも勝っていた。相性次第ではやつらの敗北も十分ありえただろう」

男「……」

男(正直、決着をつけたいという気持ちもないわけじゃない。でも、それよりも……

男「あと、一組か……ここまで、来たんだな」

少女「ああ、だね……」

男「ていうか、7組中3組って、俺たち倒しすぎだな」

少女「ま、まあそういうこともあるさ。で」

男「で?」

少女「今日は、どうするんだい?」

男「……」



どうする? >>838
1.鍛錬する
2.遊びに行く
3.少女とコミュニケーションをとる(何か聞きたいことだったり、話したいことだったり、その内容も)
4.その他

4能力を使いデイトレでお金を増やす

男「……金、稼ぐか」

少女「え?」

男「金稼ごう。父さんに言われたこと、正直ちょっと気にしてたんだよ」

少女「えぇ……なんで今お金を稼ぐ必要があるんだ。敵はあと1組しかいないんだぞ」

男「金いっぱい稼げたら、美味いもんいっぱい食えるんだけどな」

少女「で、具体的には何をするつもりなんだい?」

男「デイトレ? ってのやってみようかなって」

少女「ほう、何だそれは」

男「なんか、すぐに数百万とか稼げるとかって大学で誰かが言ってたような」

少女「おお! よく分からないけどすごい! 人間の世界にはそんな便利なものがあるのか!」

男「まあ普通はそううまくはいかないんだけど、俺には時間を戻せるなんていう反則級の能力があるからな」

男「今は20秒も戻せるし、もしかしたら30秒も……まあ、とりあえずネットで調べてみるか」

少女「君がたまにつついてる薄っぺらいやつだな。あれで世界の情報が知れるというんだからすごいな」

男「ええっと……」

少女「どうだ?」

男「……ていうか、金どうしよう」

少女「は?」

男「所持金5000円ちょい……カードとか持ってないし……」

少女「カード?」

男「ていうか画像や説明見ても全然分からない……俺、大学中退高卒ニートだぞ……」

男「高校の授業はほとんど寝てたし……大学受かったのも父さんが金積んだからだし……」

少女「……?」

男「なんか下がったら買って上がったら売るって感じなんだろうが……そもそもどれを見ればいいのか」

少女「……君って、もしかしてすごいダメ人間?」

男「う、うるさいな! 分かってるよ!」

少女「もう面倒だし金ならこの家のへそくりでも探したらどうだ?」

男「……」



いくら見つかった? 安価↓コンマ以下数値×1000円

男「おお、71000円!? さすがおまわりさん!」

少女「おお、それはいったいどんなものが食べられるんだ!?」

男「そこら辺の美味いものならなんだって食べられるぜ!」

少女「なんだって!? よし、じゃあ行こう早速行こうすぐ行こう!」

男「そうだな、よっしゃ!」



どこに行く?(何をする? 鍛錬でも食べ物以外の遊びでもいい) >>844

焼肉食べ放題

男「焼肉食べ放題行くか!」

少女「おお? おおおぉぉ!?」

男「憤怒倒したときは、結局行けなかったからな」

少女「今回は強欲を倒した祝いということだね! 強欲の騎士のお金を使ってさ!」

男「……」

少女「どうかしたかい?」

男「い、いや、なんでもない。行くか!」

少女「ああ!」

男「お前と一緒なら絶対に元を取り返せるな」

少女「ふふ、まかせておいてよ」

少女(……)

男「昼だから席が空いててよかったな」

少女「他の候補者と相席になるなんてことはないだろうからね」

男「ほ、本当にな」

少女「あぁ、待ち遠しいね。早く食べたいなぁ」

男「焼けてないやつ食べたりするなよ」

少女「ボクはそれが食べ物であるなら生だろうが腐ってようがお腹を壊したりはしないんだ」

男「さすが暴食だな……」

少女「まあ、味覚は正常なつもりだからさすがに腐ったものは食べたくないけどね」

男「まあそりゃな」

店員「お待たせしましたー」

少女「お、来たか! それじゃあ焼こう!」

男「ああ」

少女「ばくばく、もぐ、ごくっ! がぷ、じゅぷ、んぐ!」

少女「やっぱりお肉を思いっきり食べるというのはロマンだね!」

男「服にタレ散らすなよ」

少女「がつがつ、じゅる!」

男「聞いちゃいないな……」

男「……」

少女「どうした?」



何か話す?(戦いに関係あることでもないことでも。少女の台詞でもOK。何でもないもあり) >>850

あえて安価上で

これは二人が戦いが終わったあとどうするかについて話し合うみたいな感じでいいんですかね?
どっちから話を振った? 安価↓

男「……こんな飯、もう当分食えないよなぁと思って」

少女「え?」

男「いや、結構お金あったからさ、ちょっと値段高めの食べ放題の店を選んだんだよな」

少女「へえ」

男「ていうか、俺もう住むところもないんだよなぁ……ずっとあいつの家にいるわけにもいかないし」

男「大学中退してるし、バイト経験ないし……はぁ、未来のことを考えると、すごい憂鬱になるよ」

少女「未来、ね……」

男「なあ、お前がもし勝ち残って魔王になったら、俺にお金をくれたりもできるんだよな?」

少女「君が望めばね」

男「家は?」

少女「望むなら」

男「仕事は?」

少女「まあどこか平凡な小さい会社にねじ込むぐらいはしてあげよう」

男「家族は?」

少女「……それは、父親のことを言っているのかな? それとも母親?」

少女「君が望むなら、まあ、新しく用意するでも、すでにあるものを改変するのでもいいけど」

男「いや、いいよそれは。お前の力で手に入ったって、それは俺が本当に欲しかったものじゃないから」

少女「そうかい。まあ、それもまた人間らしいってやつなんじゃないかな」

男「……お前は?」

少女「はい?」

男「お前は何が欲しいんだ?」

少女「いや、ボクは魔王の地位が欲しいんだけど……」

男「他には?」

少女「あらゆるものを食べつくすんだって、前にも言わなかったっけ?」

男「他にないのか?」

少女「他って……他は、何もいらないよ。ボクは暴食の悪魔だ、喰うことさえできればあとは何も」

男「ペットとか」

少女「はぁ?」

男「犬と猫、どっちが好き?」

少女「……この世界の動物のことを言っているなら、どっちも好きじゃないよ。知能レベルの低い生き物をわざわざ飼うだなんてボクには理解できない」

男「そうか……じゃあ、さ」

男「子供は?」

少女「ぶふっ!? ごほ、ごほっ!?」

男「だ、大丈夫か!?」

少女「き、君ねぇ、さっきから何が言いたいんだ! 返事は全部終わってからだって言ったよね!」

男「でも……俺の気持ちは、もう変わることはないと思うから」

少女「っ……!」

男「やっぱり、はっきりと言葉で伝えておきたいんだ。だって……」

少女「ボクたちは絶対に負けない」

男「っ……」

少女「まったく、他人の家に勝手に上がり込んだり、他人のお金を勝手に使ったり……ボクは気にしないけど、君はそんな割り切れるタイプじゃないだろ」

男「……」

少女「もしものことがあっても悔いを残さないように、なんて馬鹿みたいなこと考えてたんだろ、どうせ」

男「だって、やっと……!」

少女「ああ女々しいね君は! そんなんだから幼馴染に告白することもできずに終わってしまうんだ!」

男「なっ、お前言っていいことと悪いことがあるだろ!? その通りだけど!」

少女「知るか! ごちそうさま!」

男「おい、待てって! お前まだそんな食ってないだろ!」

少女「もういい!」

男「はぁ!? お前せっかく食べ放題の店にしたのに!」

少女「ほら、行くぞ!」

男「どこへ!?」

少女「君の答えを聞いてやる」

男「……!?」

少女「焼肉屋ではさすがに、その、ムードがないだろ……」

男「……だな」

少女「場所は君に選ばせてやる。案内したまえ」

男「はいはい、お姫さま」



どこに行く? >>858

展望台

少女「展望台か……まあ、ありがちだね」

男「うるさいな……ここから、街の様子が見下ろせるんだ」

少女「ふーん」

男「あそこら辺が俺が一人暮らししてた家がある場所だな」

少女「なるほど……じゃああそこら辺がボクたちが出会った廃ビルがある場所だね」

男「運命の出会いだな」

少女「うるさいな……あそこが廃病院か」

男「街からは少し離れたところにあるんだよな」

少女「あの公園はみたら分かるね、でかいから」

男「あそこら辺に俺たちが憤怒と戦ったビルがあるはずだぞ」

少女「あれじゃないか? 工事をするための防音用のビニールがまわりに巻かれているし」

男「……あそこの事務所の人には悪いことしたな」

少女「あそこにもビニール。あれが多分怠惰と戦った場所だな」

男「あのアパートの人たちにも迷惑かけた……」

少女「いろいろあったね……正直この街自体になんの思い入れもないけど」

男「まあ、そうだろうな」

少女「ここからの景色、悪くないな……」

男「ああ……」

少女「今が夜なら、綺麗な星が見れたりしたかもしれないね」

男「そこまで時間潰すのもおかしいだろ、あの流れで」

少女「まあ、ね……」

男「……少女」

少女「ちょっと待って!」

男「な、なんだよ!」

少女「いや、その……君が何を言うつもりなのか、ボクには分からないけど」

少女「きちんと、考えてくれよ……」

男「……」

少女「ボクは悪魔で、君は人間で……本来ならば、一緒にいることはできない」

少女「もし、それでも君が……万が一、そういうことを望むのだとしたら、ボクは魔王の権限を使ってそれを叶えてあげることができる」

少女「ただ、そうすれば当然君は他の願いを叶えることができなくなる……もう、幼馴染を生き返らせることもできないぞ」

男「……」

少女「一時の気の迷いで、貴重な願いを使うんじゃないぞ……」

男「気の迷い、か……」

少女「……」

男「お前も、人のこと女々しいとか言えないな」

少女「なっ、ボクは真剣に君の事を……! それにボクは女だからいいんだ!」

男「少女」

少女「っ……」



なんと言う?(台詞安価。行動もある程度指定していい)>>863

俺はお前との未来を選ぶ。この命尽きるまで、一緒にいさせてくれ

男「俺はお前との未来を選ぶ。この命尽きるまで、一緒にいさせてくれ」

少女「……本当に、ボクでいいの……?」

男「お前じゃなきゃ駄目だ」

少女「……!」

男「……なんて、昨日の今日じゃ説得力ないかな?」

男「でも、俺は本気だぞ。お前とずっと一緒にいたい。死ぬまで、ずっと」

少女「……誓って、くれる?」

男「え?」

少女「命尽きるまでボクとずっと一緒にいるって……ボクに誓える?」

男「……ああ」

少女「そうか……じゃあ、覚悟しておいてね。ボクの寿命はだいたいあと3000年ぐらいだから」

男「へ?」

少女「悪魔と生涯共にいると契約を交わしてしまったら、その人間の魂はもう悪魔のモノだ、完全に世の理から切り離される」

少女「例えその身が朽ちようと、君はボクから離れることはできない。何者も、その契約を破ることはできない」

男「え、あ、え?」

少女「君はこの戦いが終わってからもずっと、ボクの下僕としてボクに仕え側で生き続ける」

少女「なに、魔王になったあかつきにはもっと丈夫な肉体をプレゼントしてあげるさ」

男「……」

少女「……後悔した?」

男「いや……3000年か……まあ、お前となら大丈夫だろ、多分」

少女「……男」

少女「男……!」ギュッ!

男「うおっ!?」

少女「ずっと一緒だ……! 嫌だって言ったって、もう絶対に離さないからなっ!」

男「……ああ、俺も、お前を離さない」ギュウ

少女「ああ、それとさっきの質問への答えだけど」

男「質問?」

少女「子供は最低でも10人は欲しいな」

男「じゅっ!?」

少女「悪魔はそれぐらい普通だぞ、頑張れ」

男「え、いや、その……はい」

少女「ふふっ♪」ギュウ!

男「……」ナデナデ

男「……」

少女「……男」

男「ああ、分かってる」


少女を抱きしめていた腕を離した俺は、それをそのまま横へ振るった。

投げつけられてきたベンチが砕け散る。

髪の長い女が、白く骨ばった指を齧りながらこちらを睨みつけていた。

前髪が長く右目が隠れてしまっている。覗く左目と、痛々しい火傷のあと。

忘れるはずもない。初めて出会ってからまだ一日もたっていない。


男「嫉妬……」

少女「やれやれ、もう少し空気を呼んでくれると嬉しかったんだけどね」

黒髪女「ハ? こんなところで盛りやがって、気持ち悪いのよ。悪魔と人間のくせに、異種姦でもするつもり?」ガリガリ!

黒髪女「ああぁ気持ち悪い気持ち悪い! どうせ性欲と自己陶酔をそれっぽく演出してるだけでしょうが! 虫唾が走るのよ!!」

少女「あらら、相当拗らせちゃってるみたいだねこの人は」

黒髪女「ば、馬鹿にしてるわねッ!? 私を、悪魔如きが、許せない……!」

嫉妬姫「落ち着いてお姉ちゃん!」

少女「悪魔如きだってさ。君のことも心の中では見下してるんじゃないかい? その騎士は」

嫉妬姫「お姉ちゃんはそんな人じゃないっ!!」ギロッ!

男 少女「っ……!」ゾクッ!

嫉妬姫「だって、お姉ちゃんは私のお姉ちゃんだもん」ウルウル

黒髪女「嫉妬姫ちゃん……」ジーン…

少女「契約した姫と姉妹ごっこか。おままごと好きとは、中身もまだまだお子様なのかな?」

黒髪女「こ、の女……! 殺ス! 最大の痛みを屈辱を与えて殺してあげるわ!!」

嫉妬姫「……ねえ、知ってる?」

男「え……?」

嫉妬姫「魔王を決める戦いが始まって今日でちょうど1週間なんだよ」

嫉妬姫「7人の姫とその騎士たちの殺し合いが7日で終結するなんて、ふふ、なんだかロマンチックじゃない?」

少女「へえ、そうなんだ。それじゃあ」

少女「君たちを殺して、この記念すべき7日目を締めくくるとしようか」

嫉妬姫「生き残るのは私たちだ! 私のお姉ちゃんは絶対に負けない!」

黒髪女「殺す殺す殺す殺す殺すッ!!」

男「……」グッ

男(こいつを倒せば、全部終わる……こいつを倒して、俺は、少女と一緒に……!)

男「はあああぁぁ!!」ダッ!



【七日目 夕方】

好感度が10上がった 90→100(最大100)
信頼度が10上がった 90→100(最大100)

きりがいいのでここまで。このスレ内で終われそうでよかったです

俺たちのいる展望台は屋外にあり、周りはところどころ芝生の生えた広場のようになっていた。

嫉妬の姫との距離は十数メートルほど。俺は相手が動き出すのを待たずに駆け出した。


黒髪女「……」ガリガリ


嫉妬の騎士であろう女はその場から動こうとせず、代わりに近くにあった石のオブジェの後ろに腕をやった。

そして、そこにあった何かを掴むとこちらへ向けて乱暴に放り投げてきた。


男「……は?」


それが何かはすぐに理解できた。だが、一瞬頭が真っ白になった。

なんで、こんなものが。俺たちから見えないところに、わざわざ用意しておいたのか?


女性「いや、た、助けっ……!」

男「ッ!?」

男(あいつ、人を投げて……!?)

男(なんだこれ、本物か!? 人に偽装した攻撃、あるいは何か仕込んでるのかも……!?)


どうするべきか悩んだ。だが、勢いよく向かってくるそれを、俺は咄嗟に抱きかかえてしまった。

女性の顔は腫れ痣になっていた。目に涙を浮かべながら、震えた声で俺にお礼を言おうとしている。

一瞬、その女性の様子を伺うため視線を下ろしてしまった。


少女「男!!」

男「!?」

黒髪女「優しいのね、さすが偽善者」


目を血走らせた女が、目前まで迫っていた。



どうする? >>873
1.時間を巻き戻す
2.女性を軽く放り投げて応戦
3.女性を抱えたまま攻撃を回避
4.少女に力の完全譲渡をしてもらう。
5.その他細かい指示があれば

1

この女性を放り投げるのも、女性を抱えたまま敵の攻撃をかわすのも難しいように思えた。

まだ能力は一度も使っていない。俺はとりあえず、時間を戻すことにした。



男「――」

黒髪女「……」ガリガリ


あいつらとこうやって対峙するのはこれが初めてだが、あいつらがどういうタイプの人間(悪魔)なのか、よく分かった気がする。


男「まあ、俺だって人のことをどうこう言える人間じゃないけどさ」

少女「男……?」

男「でも、これで遠慮なく殺しあえる!」ダッ!


俺が走り出したのを確認して、女はまたオブジェの後ろに手を伸ばした。

そのまま、掴んだ女性を投げつけてくる。まるでゴミでも投げ捨てるように。女性への気遣いのようなものは一切感じられなかった。


男(さっき騎士は俺の目の前まで迫ってきてた。俺の体に異変はなかったし、多分あの人はただの目眩まし)

男(つまり、本物の人間だってことだけどな……! 胸糞悪い!)

今度は迷うことなく女性をキャッチした。そして、そのまま受け流すようにして後ろに女性を転がす。

できるだけ優しく、怪我をしないように。何も細工はされてないという確信が持てない以上、こうするほかなかった。


女性「きゃあっ!?」

男(ごめんなさい……!)


こちらへ向かって走ってきていた女が顔をしかめる。


黒髪女「反応がいいのね。じゃあ、こういうのはどう?」ブチッ

男「……!?」


女は自分の髪の毛を一本引き抜いた。女の指につままれた長く細いその髪の毛は、重力に従うことなくまっすぐ伸びていた。


男(あれが、あいつの能力……!? 髪を武器にできるのか?)


女はそれを投げ飛ばしてくる。

俺を狙ってではない。

俺の後ろで、必死に逃げようと地面を這っている女性に向けてだ。

女性の足首は両方とも、どちらも青く腫れていた。

女が心底面白いというふうにニタリと笑う。


男「どれだけ、胸糞悪ければ気がすむんだお前ッ!!」



どうする? >>877
1.針を弾き飛ばそうとする
2.針を手のひらで受け止めようとする
3.また時間を巻き戻す
4.少女に力の完全譲渡をしてもらう
5.その他細かい指示があれば

4

男「少女!!」

少女「……!? まったく、甘ちゃんだな君は!」


少女の力が流れ込んでくる。俺の力と混ざり合って、内側が満たされて、体が熱くなってくる。

俺は左手から靄を出すと、それで針を受け止めた。針はあっさりと闇に飲まれ消えていった。


黒髪女「こいつ……!?」

男(一気に終わらせる!)

男「うおおおぉぉ!!」


靄を放出させながら女へ殴りかかる。後ろへ逃さないよう靄を左右に展開しながら。

髪を武器にできるのだとしても、あの細さと強度では暴食の靄を突破することはできないだろう。


男(さっきの走る速度からみて、身体能力はおそらく俺の方が上! 行ける!)


黒髪女「嫉妬姫ちゃん!」

嫉妬姫「任せて!」



敵はどうする? 安価↓コンマ判定
偶数 敵も完全譲渡を行う
奇数 まだ使わない

てっきり、嫉妬側も力の完全譲渡を行うのだと思っていた。

そうしなければ、勝負にならないだろうから。

これは実際に姫の力を授かった騎士と対峙してみて、自分でそれを使ってみて実感したことだ。

だから、俺がこれを使った時点で相手も本気を出してくるだろうと、そう覚悟していた。

もし使ってこないのなら、構わず叩き伏せてやればいい。そう思っていた。


男「え?」


靄が、消えた。

俺の中を巡る少女の力が消えたわけではない。ただ、少女の魔法が、『暴食』が使えない。


少女「男!?」

黒髪女「さすがよ嫉妬姫ちゃん!」

嫉妬姫「えへへ……///」

男(なんだこれ、もしかして、嫉妬の姫の能力……!?)


予想していなかった現象に、僅かに心を乱されてしまった。

その隙を突かれて。

気付けば、嫉妬の騎士の髪の毛が俺の胸に突き刺さっていた。

男「っ……!?」


痛みはない。というより、突き刺さった感触がない。

細すぎる針は痛覚を刺激しないと聞いたことがあるが、そんな感じなのだろうか。


男(これ、武器じゃない……痛みじゃない、なんらかの付加効果がある!?)

男(ヤバイ、これ! 何か異変が起こる前に抜かないと……!)


今すぐ引き抜こうと針に伸ばした腕を、女に掴まれた。

白く細い、骨ばった腕。握られた場所が、ミシミシと音をたてる。

砕かれる……!?


男「ガ、アアアアァァァ!!?」

黒髪女「関係ないのよ、あなたがどれだけ強くなろうが」

黒髪女「私より優れていればいるほど、私の憎悪もより深まる。私より少しでも優れている限り、私の憎悪の対象であり続ける」


反対の手で顔を掴まれる。


男(押し倒されっ……!?)

黒髪女「認められないわ、あなたみたいなカスが私より強いだなんてねぇ!!」


地面に、後頭部を叩きつけられる。

容易く骨にひびが入り、圧力に耐え切れず、砕け、飛び散った。

男「――はっ!?」


慌てて少女の方を見る。

女が、少女を殴り飛ばしているところだった。


男「ッ!?」


一気に頭に血が上った。これほどの怒りを覚えたのは久々だった。

幸か不幸か、女は少女をすぐ殺すつもりはないようだった。そうでなければ、もう戦いは終わっていただろう。

殴り飛ばされた少女は、地面に横たわったまま苦悶の声を漏らしていた。


少女『今のボクは靄も出せないし、多分身体能力も普通の人間とそう変わらない』


強欲との戦いの中で少女が言っていたことを思い出す。

俺に力を完全に明け渡している今の少女は、何の力も持たない、普通の少女なのだ。

俺を信じて全てを託してくれたのに、俺は……!


男「お前ええぇぇ!!」



どうする? >>884
1.時間を巻き戻す
2.少女の元へ駆ける
3.嫉妬姫の元へ駆ける

1

男「『リバウンド』!」


男「――!」キッ!

黒髪女「嫉妬姫ちゃん!」

嫉妬姫「任せて!」


周りに漂わせていた靄が消えてなくなる。出そうとしても、もう出すことはできそうになかった。


男(時間は戻せてるんだ、おそらく嫉妬の姫の魔法は他の姫の力を無効化するもの!)

男(針に刺された後は、体に漲っていた力が急に弱くなった感覚があった。腕の動きや反応速度も遅くなっていたし、騎士の能力はおそらく弱体化だろう)

男(能力無効に弱体化って、能力にまで性格の悪さがにじみ出てやがるな!)

男(こうなると、力の完全譲渡はまだするべきじゃなかったか? いや、針に刺さらないようにするには身体能力を上げておいたほうが……!)


黒髪女「さすがよ嫉妬姫ちゃん!」

嫉妬姫「えへへ……///」


女の左手がさりげなく背中に回る。俺に気付かれないように後ろの髪の毛を抜いていたのか。

俺は……



どうする? >>887
1.もう10秒戻って力の完全譲渡を行わない
2.このまま針に注意しつつ戦う

2

女が手首のスナップを利かせ素早く針を飛ばしてきた。

速い。それに、やはり細い。

放つ動作を見落としてしまったら、今の俺でも反応することは難しいだろう。


男「ふっ……!」

黒髪女「なっ!?」


飛んできた髪の毛を横から払う。感触が本当に軽い。大した手ごたえもなく針は弾かれ飛んでいった。

忌々しそうに睨みつけてくる女の顔に、俺は渾身の蹴りをお見舞いしてやった。

女はまるで反応できなかったようだ。俺の蹴りをもろに食らい、体を大きく仰け反らせる。

頬骨が大きくへこみ、口から歯が飛び出した。


黒髪女「ギャブッ!?」

嫉妬姫「お姉ちゃん!?」

男「姫の力を使わないってなら、このまま終わらせてもらう!」

やはり、身体能力では今の俺の方が圧倒的に上だ。あの髪の毛の針に刺さりさえしなければ負けることはないだろう。

とはいえ手を抜く必要も相手が本気を出すまで待ってやる必要もない。

女が再生する前に姫に迫ろうと足を踏み込んだとき。

女の腰まで届くほどの黒髪が、大きくうねった。

殴られた衝撃によるものではない。


男(これ、まさか……!?)

黒髪女「ギエェッ!」


顔が再生しきってない状態で、女が怨みの声を上げる。

そして、こちらへ向けていくつもの髪の毛の針が発射された。



どうなった? 安価↓コンマ判定
01~70 回避できず
71~00 全て回避できた

男(範囲が広すぎる、横にかわせない……! こんなの、『暴食』が使えればどうとでもなるのに……!)

男「クソ……!」


飛んでくる針を片っ端から弾き落とす。が、さすがに数が多すぎる。

射出が終わると、腕や腹など体のあちこちに細い針が突き立っていた。


黒髪女「ハァ、ハァ……さっきはよくもやってくれたわね!」

男「……!」


お返しとばかりに、女の蹴りが俺の顔めがけて飛んでくる。

腕をクロスすることで防ぐも、体の内側に響く嫌な音と共に骨が折れてしまった。


男(クッソ痛い!! ていうか、治りも遅くなってる……!)


腕を動かせるようになるのに一秒以上かかってしまった。脂汗が額ににじむ。

その間無防備となった俺の腹に、女の拳が容赦なく打ち込まれた。


男「がふッ!?」

黒髪女「どうしたの? これで終わり!?」

少女「男!?」

嫉妬姫「いけいけ、やっちゃえー!」

男(身体能力が全体的に低くなってるのは確か……だけど、言ってしまえばそれだけだ)

男(体調が悪くなったわけじゃないし、外的な力で動きを制限されてるわけでもない)

男(その気になれば、この状態でだって戦える……!)


男「おらっ!」

黒髪女「は?」


女の攻撃はかなり単調で大振りだった。隙を突いて反撃するのは難しくなかった。

女の顔めがけ殴りかかる。ギョロリと、女の目が俺の目をのぞく。

パシンと、女の手のひらで受け止められた。


男「っ!?」

黒髪女「もしかして、なんとかなると思ってるの? 私の『髪一重(クリングカース)』を受けて、私に勝てると思ってるの?」

黒髪女「ふざけるなッ!!」

男「ゴフッ!?」

黒髪女「無理無理無理、ゼェーッタイ無理ぃ!! なぜならお前は、私以下のゴミクズだから! 私より優れているところなんて何一つないんだから!!」

男「ガ、ッ、グハッ……!?」

黒髪女「あはははは! どう? 私みたいな女相手に手も足も出ない気分は!? 悔しいでしょう、惨めでしょう!?」

男「グ、くっ……!」

黒髪女「どいつもこいつも私を馬鹿にして見下して!! 自分が見下される側になった気分はどう、ねえ!?」

女にマウントポジションをとられ、たこ殴りにされる。

骨が折れて、内出血を起こし、体のあちこちがボコボコになっていく。

これは、ダメだ。これ以上続けば、体ではなく心が折られる。

恐怖してしまう。もう、戦えなくなる。


男(『リバウンド』!!)



男「――ハァ、ハァ!」

少女「男……!?」

黒髪女「あ?」

男(落ち着け、俺……! 痛みを感じていたのはさっきまでだ、時は戻った、もう大丈夫だ!)


拳を握り締め、自分を奮い立たせる。体と心を満たしている少女の力に、少し勇気付けられる。

女が放った針を弾き飛ばす。ここまではさっきと同じだ。


男(さっきの攻撃じゃ甘かった……! やっぱり、まだ抵抗があったか)

男(でも、もう……!)


どうする?(どんな攻撃をする? 嫉妬姫の方を狙うというのもあり) >>896

力では圧倒的に勝っているはずだから全力で頭をふき飛ばして女を無力化

男(髪ごと吹き飛ばすっ!!)ブン!

黒髪女「……!?」


まず先に、鼻からぶつかった。鼻がつぶれ、顔面に拳全体が触れる。

女の体が浮く。慣性でとどまろうとする体と吹き飛ぼうとする顔に引っ張られて、首が伸びる。

引き千切るぐらいのつもりで、そのまま拳を振りぬいた。

顔を吹き飛ばすまでには至らなかったが、首がばっくりと横に裂け僅かな肉と皮だけで繋がった形となった。

我ながらグロテスクだ。思わず顔をしかめる。


黒髪女「――」

男(脳を潰されればしばらく意識が飛ぶ……! 再生する前に)

嫉妬姫「お姉、ちゃん……」

男(姫を殺す!)ダッ!

嫉妬姫「お姉ちゃんっ!?」



どうなる? 安価↓コンマ判定
01~70 相手も力の完全譲渡を行う
71~90 そのまま決着がつく
91~00 そのまま髪の毛を飛ばしてくる

嫉妬姫「お姉ちゃんを……」

男(よし、あと少しで……!)

嫉妬姫「お姉ちゃんを、イジめたなああアアアア!!?」

男「っ……!?」

嫉妬姫「許さない許さない許さない許さない」

嫉妬姫「絶対に許さない!!」ギロッ!


頭を、後ろから誰かに掴まれた。

誰か、なんて分かりきっている。


黒髪女「大丈夫、お姉ちゃんはもう平気よ」

嫉妬姫「お姉ちゃん!」パァ!

男「お前、もう……!?」

黒髪女「やっぱり覚醒者相手じゃ覚醒しないとどうしようもないわね。こんな早く使わされるなんて」

黒髪女「まあいいわ、条件は同じだし……叩き潰してあげる」


背中に針を突き刺された。そのまま顔面を地面に叩きつけられそうになる。


黒髪女「さっきのお返し!」

男(まずい……!? ただでさえ弱体化させられるのに、相手も姫の力を……!?)

男(勝ち目がなさすぎる、時間を……!)

男「『リバウンド』!」



安価↓コンマ以下数値 90以上で反動がくる

黒髪女「さすがよ嫉妬姫ちゃん!」

嫉妬姫「えへへ……///」



――また同じぐらいの時間に戻ってきた。靄を消されたあたりだ。

世界が切り替わった瞬間、僅かにだが目が眩んだ。


男(な、なんだ? もしかして、もう消耗しつつあるのか……!?)

男(まだ4回しか使ってないのに……! 使う間隔が短すぎたか?)

男(それとも、やっぱりこの姫の力を借りた状態って消耗が激しいのか……?)

男(強欲との戦いのときは、力の完全譲渡を行ってから数分もせずに少女は倒れてしまった)

男(それまでの戦いで消耗してたってのはあるにしても、やっぱりこんな強力な技をリスクなしに使えるわけがないか……!)


今この時点では、あらゆる能力で俺が圧倒的に上回っている。

それなのに、格下であるはずの騎士を突破できない。後一歩、姫に届かない。

男(早く打開策を考えないと……!)


俺は時間を戻すたびに消耗するが、相手は時間が戻ることで消耗がなかったことになる。

時間をかければかけるだけ、こちらが不利になるのだ。


男(考えろ……今は少女は力の全てを俺に注ぎ込んでる。俺が一人で戦わなくちゃいけないんだ)

男(向こうが様子見をしてくれているうちに姫を殺すことができれば……でも、姫が危険になれば当然覚醒を使ってくるはずだ)

男(髪を拡散されただけで対処できないってのに、あの女が覚醒してしまったら多分どうしようもない)

男(嫉妬の姫の能力をどうにかすることさえできれば、『暴食』さえ使えれば形勢をひっくり返すことだってできるのに)

男(姫をどうにかするためには、騎士の方をどうにかしないといけなくて……ああもう、どうすればいい!?)


長々と悩んでいる暇はない。女は、俺に気付かれないようにさりげなく髪を引き抜いていた。


男(わざわざああやって気付かれにくくしながら髪を引き抜いてるんだ。あの時みたいに髪を飛ばせばそんなことしなくていいのに)

男(あれはなるべく使いたくない理由があるんだ。おそらく、消耗が激しいとかそんな感じなんだろうけど……)

男(どうする、どうやって突破する……!?)



どうする?(どういう作戦でいく? 近くにありそうなもの、持ってそうなものを使用するのもあり。特に思いつかないならとりあえず攻めるでもいい)>>904

>>895

飛ばされてきた針を払う。女が忌々しげに俺を睨みつけてくる。


男(殺しても、覚醒ですぐ回復して追ってくるってなら……!)


首が千切れない程度に、顔を思い切り殴りつける。髪がなびいて浮き上がる。

俺は、それを全部束ねるように掴んだ。これで、毛を拡散することはできないはずだ。


男(もっと遠くに吹き飛ばす……!)

黒髪女「ガ、ァ……!?」

嫉妬姫「お姉ちゃん!?」

男「うおおおぉぉ!」ブン!

黒髪女「ッ……!?」ブチブチ!


遠心力に耐え切れず、何本かの髪の毛は千切れてしまった。

投げ飛ばした先は展望台の柵の方。向こう側は崖になっていた。

男(そのまま落ちれば、追ってこれないだろ!)

嫉妬姫「お姉ちゃんっ!!」ダッ!

男「……!」

男(姫が騎士の方へ……!? 幼い見た目をしてるのに、思ったより速い……!)


相手はまだ力の完全譲渡を行っていない。つまり姫も常人離れした力をふるえるのだ。

それでも。


男(俺の方が速い……! 絶対に追いつく……!)

嫉妬姫「このっ……!」



どうなる? 安価↓コンマ判定
01~70 黒髪女覚醒
71~90 そのまま決着がつく
91~00 吹き飛ばされながらも針を飛ばしてくる

黒髪女「こノッ……!」


顔を陥没させたまま、女が怒りで顔を歪ませた。

空中で体勢を整えながら、こちらへ向けて髪の毛を発射してくる。


男「……!?」

男(まだ回復しきってないってのに、よく攻撃してこれるな……!)

男(でも、さっきより距離が離れてるから飛んでくる針の間隔は広がってる!)

男(これなら、全部弾き落とせるかも……!)

男「はあああぁぁ!」



どうなる? 安価↓コンマ判定
01~50 回避できず
51~00 すべて叩き落とせた

男「くっ……!」


飛んでくる髪の毛をがむしゃらに叩き落とす。

本来なら全てを捌ききるなんてのは到底無理だが、身体能力が極限まで高まっていた俺の腕は、常人の目では見切れないほどの速度で動いていた。


男(よし、どうだ……!)

黒髪女「残念」ニタァ

男「っ……!」


目を凝らすと、左の太ももあたりに一本刺さっていた。

あわてて引き抜く。


男(これ、引き抜いたら効果はなくなるのか……?)



どうなの? 安価↓コンマ判定
偶数 抜けば大丈夫
奇数 抜いてもダメ(数値が高いほど効果が続く)

黒髪女「くっ!?」ズササ!


女は手を地面につけ強引にブレーキをかけた。

そのまま転がり柵にぶつかる。

だが、あれぐらいでは騎士にとっては大した痛手にはならない。


黒髪女「残念、一度刺されば終わり」

男(クソ、確かにまた力が弱まってる……! これ、ずっとこのままなのか!?)

黒髪女(まあ二分ぐらいで効果は切れるんだけど……わざわざ教えてやる必要もないか)

嫉妬姫「お姉ちゃん、大丈夫?」

黒髪女「ええ、大丈夫よ」

嫉妬姫「あいつ、お姉ちゃんの綺麗な髪を乱暴に扱った……許せない……」ギリッ

黒髪女「大丈夫よ、もう私の勝ちだから」

男「くっ……!」

男(どうする!? もう時間を戻すか、それとも突破口を見つけるために粘ってみるか)

男(あと何回時間を戻せる皮からないんだ、連発は避けたい……!)

黒髪女「そうね……どうやって痛めつけてやろうかしら」



安価↓コンマ判定
偶数 ムカつくし騎士の方をめちゃくちゃにしてやるわ
奇数 姫の方を先に痛めつけるのも面白いかも

それを受けての作戦(時間を戻すか、粘ってみるか、どうやって攻撃するか、何か試してみるか、など) 安価↓2

黒髪女「覚醒できるってことは、きっと姫のことをとても大切に思ってるのよねぇ」

男「っ……!?」

黒髪女「そして、今は覚醒中……つまり」

黒髪女「姫は今何の力も持ってないただの小娘!」

少女「……!」

男「おい、待て……!」

黒髪女「うふふ……お前の目の前で、めちゃくちゃにしてあげる!」ダッ!

男(ホントに、どんだけ性格悪いんだ……!)

男(しのごの言ってる場合じゃない、時間を巻き戻す……!)



安価↓コンマ以下数値 80以上で反動が来る

 ――――――――


男「――」グラッ

少女「……!?」

黒髪女「あ?」

男「え……?」

男(そんな、ここで……? 嘘だろ、まだ、5回しか……)


5回。その数字には、少し嫌な思い出がある。

初めての戦闘。怠惰と戦った時。

あの時も、5回の能力使用で反動が来てしまった。

あの時とは条件が違う、俺はあの頃に比べ確実に強くなっている。

でも、それが分かっていても、俺は自身の無力さを恨まずに入られなかった。


男(俺、また大事なところで……! どうして、俺は……!)


悔しさで唇を噛み締めることもできない。膝から崩れ落ちそうになったところに、女の膝蹴りを食らった。

男「ゴフッ!?」

黒髪女「よく分からないけど……戦闘不能?」

男「ハァ、ハァ……!」ドサッ

黒髪女「……ねえ、嫉妬姫ちゃん」

嫉妬姫「何、お姉ちゃん?」

黒髪女「もしあの姫を殺せたら、私たちが優勝?」

少女「……!」

嫉妬姫「うん、そうだよ!」

黒髪女「……私が、一番?」

嫉妬姫「うん、お姉ちゃんが一番! 他のやつは死んでいった、お姉ちゃんは生き残った。たった一人の勝者になるんだよ!」

黒髪女「私が、勝者……?」

嫉妬姫「さすがお姉ちゃん!」

黒髪女「さすが、私……」

嫉妬姫「お姉ちゃん?」

黒髪女「……私が、本当に……そんな……」ポロポロ

嫉妬姫「えぇ!? お姉ちゃんどうしたの!? どっか痛いの? そいつのせい? 殺す?」

黒髪女「違うの……なんだか、すごく、不思議で……」

黒髪女「今まで、いつだって負け組で……誰かに勝ったことも、褒められたこともないのに……」

黒髪女「こんな、私が……他の、化け物どもを倒して、勝ち残れるなんて……信じられない……」

嫉妬姫「お姉ちゃんは元々すごかったんだよ! 誰よりも優しくて、頭もよくて、頑張れば何でもできる人だった!」

嫉妬姫「周りが悪かったんだ、お姉ちゃんの本当の価値に気付けるほどの人間がいなかっただけなんだよ!」

嫉妬姫「お姉ちゃんはやっとふさわしい結果を得ることができるんだよ! 胸を張って!」

黒髪女「嫉妬姫ちゃん……本当に、ありがとう」

嫉妬姫「えへへ……」

黒髪女「最後は二人で殺しましょう?」ニコッ

嫉妬姫「うん!」スタスタ

男「ふざ、けるな……! まだ、終わってない……!」

少女「男……!」

男「少女に指一本触れてみろ、絶対に許さないからな!!」

嫉妬姫「あぁ、嬉しいなぁ……! 魔王になったら、お姉ちゃんといっぱい遊ぶんだぁ!」ギュッ!

黒髪女「ふふ、そうね。この一週間でできなかったこと、もっといっぱいしましょうね」

男「おい、やめろ! 止まれ!!」

嫉妬姫「お姉ちゃんの願い事って人類の滅亡でいいの?」

黒髪女「ええ。私より優れている人間はみんな苦しみながら死んでほしい。私より劣っている人間は、まあ生きてる価値はないから死んだ方がいい」

黒髪女「だから、生きてる人全員殺してちょうだい。できる?」

嫉妬姫「もちろん! さすがお姉ちゃん、願い事のスケールが大きい! なんでも叶えられるんだから、それぐらいじゃないとね」

黒髪女「小さい頃からの夢だったの」

男「止まれよ! この、止まれ……!」ポロポロ

男「少女! 逃げろ……!」

少女「……!」


この状況で逃げきれるわけがない。そんなことは分かっていた。

強欲のときみたいに、覚醒でもなんでもして状況が変わってくれることを願った。

だが、今の俺はもうすでに覚醒しているようなものだ。もう、これ以上の奇跡は起きようがない。

このままでは、少女が。


男「少女!」

少女「くっ……!」ダッ!

黒髪女「……」ブチッ


女は髪の毛を一本引き抜くと、それを逃げようとしていた少女に向かって投げた。

少女の背中に刺さる。今のあいつは、そこらの女の子と同じぐらいの力しか持っていないと言うのに。

女は加速すると、あっさりと少女を捕らえた。


少女「ぐっ……!」

黒髪女「悪あがきはみっともないわよ……それじゃ、嫉妬姫ちゃん」

嫉妬姫「うん! せーの……」

少女「男……」

男「少女!」

少女「今まで……ありがとう」

男「っ……!!」

男「少女おおおぉぉぉオオオオオオ!!」


嫉妬の姫と騎士の拳が、息を合わせたように同時に放たれて。

そして。



どうなった? 安価↓コンマ判定
偶数 どうしようもなかったよ……
奇数 なんと、ここで

少女の首から上が、スイカのように弾けた。


男「あ、ぁ……」

嫉妬姫「ふぅ、やったねお姉ちゃん!」

黒髪女「ええ……本当に、やったのね……」

嫉妬姫「さすがお姉ちゃん! お姉ちゃん大好き!」

黒髪女「ふふ、私もよ」

男「……」


少女『ずっと一緒だ……! 嫌だって言ったって、もう絶対に離さないからなっ!』


男「戻って、くれよ……」

男「時間……戻ってくれよ……!」

男「戻ってくれええええぇぇ!!」



【DEAD END3 vs嫉妬1戦目 嫉妬組初めての共同作業により死亡】

【~少女の反省部屋~】
(メタ要素があるので苦手な人は読み飛ばしてください)


少女「えっと、あー……ドンマイ?」

少女「まあ、こういうこともあるよね。コンマの醍醐味だよね、うん。色欲に10分の1の確率で勝ったりしてたし、嫉妬組は悪運が強いんだろうねきっと」

少女「魔法無効化と対象を自身より劣化させる能力か……実にいやらしい能力だね」

少女「『暴食』を使えないと殴る蹴るしか攻撃手段のない男とは相性の悪い相手だ」

少女「というか、仮に男が覚醒してボクの力を使える状態になった場合、嫉妬以外の他の候補者にはまず負けないと思うんだよね」

少女「逆に、嫉妬のほうは憤怒や怠惰あたりと当たってたら普通に負けてたされてたんじゃないかな」

少女「まあ相性が良くたって悪くったって、勝てるかどうかは結局運次第、状況次第だけどね」

少女「勝つ方法だけど……そうだね、ボクが思いついたのは、上着とかそこら辺に落ちてた太の枝なんかを振り回して針を弾くとか、かな?」

少女「髪の毛の針自体はすごい弾くの簡単みたいだからね」

少女「銃みたいな明らかにあるはずないだろってもの以外は、安価で出されたらなるべく用意しようとは思ってたけど」

少女「あとは……姫の能力の方が消耗が激しいから、逃げ回りながら持久戦に持ち込むというのも考えたな」

少女「『暴食』さえ使えるようになれば、たとえ針を刺されたとしても十分勝ち目はあるだろうからね」

少女「仮にその行動が安価で書かれたとしても、成功するかどうかはコンマ次第になってたと思うけど」

少女「さて……ボクは前にあと一回、コンテニューのチャンスがあるといったね」

少女「もうスレも余裕ないし一度負けちゃってるから、やり直すとしてもあっさり勝負をつけちゃうかもね」

少女「最後の方のコンマ判定、もし奇数だったらどうなっていたかというと……」

少女「まあ、これも結構ラッキーというか、終わり方としては微妙になっちゃうかもしれないけど、一応考えてたよ」

少女「そういう、言っちゃなんだけどご都合主義的なのが嫌なら、ここで物語を終わらせるというのもありっちゃありなんじゃないかな?」

少女「バッドエンドというにはあっけなさすぎるけどね」

少女「じゃあ、最後の安価、かな? どうする?」



安価↓2
1.>>926からやりなおす(判定は自動成功)
2.そのちょっと前からやり直す(安価はないかも)
3.やり直さない

>>922から。反動が来なかった場合】


男「――」


黒髪女「さすがよ嫉妬姫ちゃん!」

嫉妬姫「えへへ……///」


これで5回目……大丈夫、反動は来ない。


男(もうこれ以上時間を戻すのは避けたい……! これで決着をつける!)


投げられる髪の毛を弾き、そのまま流れるように顔面を蹴り上げた。

顔がぐしゃりと歪む。見ていて痛々しいが、こいつはこれぐらいじゃ怯まない。

髪がうねり大きく広がった。来る……!


男(もう、見飽きたんだよ……!)



どうする? >>935
1.上着を振り回すぜ!
2.落ちてた木の棒を振り回すぜ!
3.姫が魔法を使えなくなるまで逃げ回るぜ!
4.その他(それなりに詳しく)

1

男(針自体はまるで攻撃力はない、子供でも触れることができれば払い落とせるぐらいだ。なら……!)

黒髪女「ギエェッ!」


人とは思えぬ奇声を上げながら、女は髪を噴射させた。

俺は上着を脱ぐと、それを目の前でめいいっぱい振り回した。


黒髪女「!?」

嫉妬姫「そんな……!?」

男「やってみれば、案外簡単になんとかなるもんだな……!」ドゴッ!

黒髪女「ぶっ!?」


髪を飛ばし終えた女のお腹を、思いっきり踏みつけた。

……こちらも散々痛めつけられたが、どうしても、罪悪感を拭えない。

こいつはそれを偽善だと責めるだろうけど、俺は、それはそれで悪くないと思った。


男(針にさえ刺さらなければ、覚醒したって追いつかれない……!)ダッ!

嫉妬姫「ひぃ……!? お、お姉ちゃん、助けて!!」

黒髪女「行か、せるかァァ!!」



どうなる? 安価↓コンマ判定(ゲームオーバー補正より成功率アップ)
ゾロ目で追いつかれる
それ以外で決着がつく

黒髪女「……!」ビュン!

男「っ……!」サクッ

男(背中に針が……!? でも、止まれない、このチャンスを絶対に逃さない……!)

黒髪女(ダメだ……! 回復のために覚醒したから、私自身も強くなってしまってあいつもほとんど劣化してない!)

黒髪女(追いつけない……!)

嫉妬姫「やだ、やだやだやだ! 死にたくないっ!」ダッ!


嫉妬の姫は、背中を向けて逃げ出した。

泣きながら必死に走っている。だが、前に見た常人離れしたスピードは出ていない。

本当に、ただの子供のように見えた。


男「でも、これで……!」

黒髪女「やめっ……!」

男「終わりだっ!!」

嫉妬姫「お姉ちゃん……!」


後ろから後頭部を掴み、そのまま地面へたたきつけた。

全力で。なるべく痛みを感じず死ねるように。

とんだ偽善者だな。

そんなことを考えながら、戦いは終わった。

全て、終わった。

男「はぁ、はぁ……」


荒く息を吐く。どっと疲れが押し寄せてきた。

俺の中にあった少女の力は、全て少女に戻ったはずだ。


少女「……終わったな」


いつの間にか近くまでやってきていた少女が言った。


男「……ああ」

少女「勝ったんだな、ボクたちは」

男「ああ、勝ったんだ」

少女「これで、ボクは魔王になれるんだね」

男「ああ。正直、魔王ってのがどんなものなのかよく分からないけどな」

少女「食べたいと思ったものを、好きなだけ食べられる存在さ」

男「そりゃ羨ましいな」

少女「……これで、終わり」


少女が空を仰いだ。

俺たちの頭上に、眩い6つの光が現れた。


男「なんだ、あれ……?」

少女「死んだ他の姫と騎士の魂だ。最後の一人は、それを自分の力とするができる」

少女「6人の超上級の悪魔の魂を喰らうことで、ボクは魔王になれるんだ」

男「そういう感じなのか……」

少女「……いただきます」


少女の体の中に、6つの光が溶け込んでいく。


少女「……ごちそうさま」

男「……あんま何か変わったようには見えないけど」

少女「まあ、見た目はね。でも、存在としての格はひとつ上がったよ」

少女「……もう、この世界にはいれないね」

男「え?」

少女「この世界にいるには、ボクは強くなりすぎた。このままでは、ボクを受け入れられずにこの世界が崩壊してしまう」

男「おいおい、マジかよ……」

少女「……ボクは、元の世界へ返るよ。その前に」

少女「男。ボクの騎士として、いままで本当によく頑張ってくれた」

男「……」

少女「……願いを言いたまえ。この魔王が叶えてあげよう」

少女「まあ、ボクにできる範囲でお願いね」

男「……少女」

少女「はい」



何を願う? >>943

男が死ぬまで永遠に寄り添って共に幸せに生活すること

男「じゃあ……俺が死ぬまで永遠に寄り添って共に幸せに生活すること」

少女「……」

男「で、どう?」

少女「……それ、本当にボクへのお願いだね」

男「もちろん、お願いするだけじゃないぞ。俺だってそのつもりだ」

男「ずっとお前の側にいる。一緒にいられるなら、下僕だっていい」

男「だから、俺と一緒に生きてくれ」

少女「……はい」

男「……な、なんか照れるな」

少女「男っ!」ギュッ!

男「うおっ!?」

少女「本当にいいのか?」

男「……何度も言わせるなって、俺は」

少女「そうじゃない」

男「え?」

少女「ずっと下僕のままでいいのかってこと」

男「はい?」

少女「もう戦いは終わったんだ。ボクは姫じゃなくて魔王になるんだし、君も騎士からランクアップしてもいいんだよ?」

男「え、えっと」

少女「例えば……ボクの旦那さんとか」

男「お、おいっ!」

少女「子供は10人、いや20人は欲しいなー!」

男「ちょっと待て! そういうのは順序ってものがなぁ……!」

少女「男」

男「なんだよ!」

少女「好きだ」

男「ッ~~!?」

少女「ふふ、君は本当に可愛いやつ、んっ――!?」

男「……俺も、お前のことが好きだ」

少女「な、なな、ななななっ!?///」

男「はは、本当に可愛いやつだなーお前は」

少女「う、うるさい! 下僕のくせに主をからかうな!」

男「ランクアップしていいんじゃなかったのか?」

少女「生意気言うやつは昇格させない! 君にはボクの騎士としての心得をみっちり叩き込んでやろう!」

男「はいはい、よろしく頼むよ。まだまだ、時間はいっぱいあるからな」



大罪の姫と咎人の騎士 おしまい

これで終わりです。ここまで付き合ってくださった方は本当にありがとうございました、楽しかったです
能力安価スレは俺も好きなんですが結構エタるスレが多いので、自分で書いてみました。完結できてよかったです。
次能力安価スレやるときはもっといろいろシンプルにして能力者増やします
本当にありがとうございました。今後の参考にしたいので、もしここはこうしたほうがよかったみたいなのがあったら教えてください

終わりがあっさりというか半ば適当めに見える。次スレまで伸ばしたくなかったか?

>>1の描いた男。別にこんな感じである必要はないです
http://i.imgur.com/przHhCI.jpg

>>954
一度バッドエンドを迎えてからの勝利だったので、ペナルティと言うとあれですが気持ちあっさりめにしました
あとスレというより中途半端なところで次の日に持ち越したくないというのもありました

あとどうでもいいか