リディ「俺は血の呪いには屈しない」 (24)

※「機動戦士ガンダムUC」の改変SSです。そう言った原作改変などが嫌いな方は読まないでください。
※アニメ版で言うEP4から始まります。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1414587091

〜マーセナス家〜

リディ「父さん、突然押しかけ、ご迷惑でしょうけど彼女は...」

ローナン「惚れたんだろう」

リディ「...!」

ローナン「そのためにわざわざ軍を抜け出してきたんだろう。まさかお前が『箱』に関わっているとはな...」

リディ(ラプラスの箱...)

ローナン「お前は、マーセナス家の真実を知る必要がある。いや、知る以外にはお前が生き残る方法は無い」


ローナン「我らに救いを...我らに...」

〜マーセナス家・ミネバ部屋〜


ミネバ「バナージ...私どうしたら...」ガチャ

ミネバ「...!無礼な!...リディ?」

リディ「すまない...」

ミネバ「どうしたのです...?」

リディ「情けない家だと、知った」

リディ「このマーセナス家はビスト財団と合わせ鏡の存在だ。そうすることで宇宙世紀を生きながらえてきた」

リディ「ラプラスの箱の流失を阻止するためなら、きっと手段は選ばないだろう」

リディ「そうなると、君を人質にすることだってあり得る...」

リディ「すまない、俺がもう少し良く考えて君を連れ出せば...」


ミネバ「いいえ、むしろ私はあなたに感謝しています」

ミネバ「ここに来て得るものが何もなかったわけじゃないですから」

リディ「そうか...君は優しいな」

リディ「そこでだ、このままでは君の身が危ない」

リディ「そうさせないためには、財団やネオ・ジオンより先に『箱』を手に入れるか...」

リディ「箱の『鍵』を壊すか、だ」



ミネバ「ユニコーンを...壊すの?」

リディ「いや、それは最終手段だ」

リディ「俺だってユニコーンを壊すなんてマネはしたくない」

リディ「...とんでもないところに君を連れてきてしまったんだ...俺は」

リディ「君の力になれると思ったのに、本当にすまない...」

ミネバ「リディ...」

リディ「こうなってしまった以上、俺は何があっても君を守る」

リディ「...そして一番安全に君を守れるのは、君にこの家の人間になってもらうこと...」

ミネバ「リディ...!」

リディ「わかっているさ、そんなことで得られる自由は、本当の自由じゃない」

リディ「俺は君がこの世界を変えてくれると信じてる」


ミネバ「リディ...」

リディ「俺は血の呪いには屈しない」

リディ「俺は財団も連邦もネオ・ジオンも関係ない、君のためにこの身を使う」

リディ「俺は君が世界を変える手助けがしたい、させてくれるか?」

ミネバ「もちろんです...ありがとう、リディ」

リディ「そしてこれからどうするかだが...」

リディ「とりあえずマーセナス家を出る、デルタプラスを取りに行くんだ」

リディ「過酷な道になると思うが...ついてきてくれ」

ミネバ「...わかりました」

〜ダイナー・夜〜


リディ「ふぅ...とりあえず腹は膨れたな」

ミネバ「そうですね」

老主人「おごりだ、飲みな」カチャ

ミネバ「あ、ありがとうございます」

老主人「いい食いっぷりだ、若い娘にしちゃあ気取りがなくていい」

老主人「ほら、兄ちゃんも飲みな」

リディ「どうも」

老主人「ここいらじゃ見かけない顔だが、どこから来なすった?」

ミネバ「.....」スッ

老主人「スペースノイドかい、そりゃ見かけんわけだ」

リディ(スペースノイド...)

老主人「観光かい?でもここいらにゃ見るもんもないだろうに」

ミネバ「いえ、宇宙暮らしの身には地に足をつけてるだけでもありがたいものです」


ありがとうありがとう
完結まで頑張れ

老主人「わしらみたいな者には、この重力が疎ましく感じることもある」

老主人「宇宙に行けば、この腰の痛みも治るんじゃないかってな」

ミネバ「ずっと、地球に住んでおられるのですか?」

老主人「いまさら離れられないさ」

老主人「わしらの世代は、爺さんや婆さんから散々惨状を聞かされて育っとる」

老主人「そりゃあ酷いもんだったらしい、それをなんとかしくて人は連邦政府ってもんを作り、宇宙移民を始めた」

リディ(リカルド・マーセナス...)

>>14ありがとうございます


老主人「貧乏人だけが宇宙に棄てられたっていう奴も多いが、望んで出て行った奴も大勢いたらしい」

老主人「地球の自然が元に戻るまで、決して帰らないと決心してな」

リディ「今の地球は...住み心地がいいと思いますか?」

老主人「さあどうだかな...だが自然が戻ることを信じて宇宙に上がって行った人々の祈りには、答えられてないだろうなぁ」

リディ「スペースノイドの...祈り...」

ミネバ「救われませんね...」

老主人「まあしかたがないさ、全ては善意から始まっていることだ」

リディ「...善意?」

老主人「連邦も移民も、元は人類を救いたいって気持ちから始まっている」

リディ(人類を救いたい気持ち...か)

老主人「会社を儲けさせたり、家族の暮らしを良くしたいのと同じでな」

リディ「それは...わかります、誰でも豊かでありたいのは一緒だと思いますから」

ミネバ「でもそれは、ともすればエゴと言うことにもなります」

老主人「そうかもしれんがね...それを否定してしまったらこの世は闇だよ」

老主人「自分を殺して他人のために動ける奴もいるんだろうが、それはそれで胡散臭い」

リディ「確かに...今の政治というのは裏を返せばビジネスとも言える」

リディ「それは純粋な善意とは言い難い...」



老主人「ネオ・ジオンのシャアなんかもそうだ、全ての人のためだと言いながら地球潰しをやる」

老主人「本当は人を好きになったことのない男だったんじゃないかなぁ」

リディ「人を好きに...」

ミネバ「では、どうすれば...?」

老主人「さあなぁ、わしらにはそれがわからなかった」

老主人「努力はしたつもりだが、結局はそれを先送りにするだけで、あんたちに何もしてやれないことを悔いている」

リディ「そんな...!世の中を悪くしてるのは俺達若者です!」

リディ「むしろ悔やむべきなのは、あなたの『祈り』に答えられない俺達の方だ...」

老主人「そう言ってくれるなら嬉しいよ、実際わしにはこのコーヒーを入れてやることで精一杯だ」

ミネバ「そうか...そうですね」

リディ「俺達にできること...」

ミネバ「美味しいコーヒーでした、これを飲めただけでも地球に来た価値があります」

黒服「オードリー・バーン様、ローナン議長がお呼びです」

リディ「...!親父の差し金かっ!」

リディ「ミネバっ!早くそこから逃げ...」

ミネバ「大丈夫です、リディ」

ミネバ「私は一人でも大丈夫です」

リディ「ミネバ...!」

リディ「必ず、必ず迎えに行く!だからっ...!」

ミネバ「.....」ニコッ

ミネバ「ミネバ・ザビである!道を開けよ!」

ミネバ「...美味しいコーヒー、ご馳走様でした」

老主人「あんた...」

リディ(.....ミネバ)

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