【咲-Saki-】淡「私たちのチーム名は…」 (70)

モブという名のオリジナルキャラがそこそこ重要な部分に出てきます、ご了承ください。

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淡「うーん…もう二月かー」

誠子「早いもんだな、インハイがつい昨日の事みたいに感じる」

尭深「そろそろ、新チームを作らないとね」

淡「あ、そうそう!私たちの新チームなんだけど、名前を考えてきました!」

誠子「え?」

尭深「名前…?」

淡「そう!その名もずばり、探究!宇宙の真理を探究する私、釣りを究めるセーコ、お茶を探して三千里のタカミー!どう?いいでしょ!?」


誠子「いや、まあ、悪くはないと思うんだがな、その…」


淡「…あわ?」


尭深「あのね、淡ちゃん…インハイのあとで宮永先輩たちと話した時にも言ったけど、私と誠子ちゃんは、仲のいい二年生同士で新チームを組むことになってるの」


淡「…あわわ?」


誠子「聞いてなかったのか…部内戦の決勝で当たったチーム「山河」…防御特化の、三年生二人と二年生三人のチームだったんだけど、そこの二年生たちが、三年が引退したら私たちに入ってほしいって言ってきてな」

尭深「攻撃特化の虎姫出身の私たちが稼いで、防御特化の山河出身のみんなで逃げ切る、コンセプトは「矛盾」…もう、正式にチームの届けも出してあるの」


淡「…あわわわ?」


誠子「…おまえ、まさか、チーム編成の準備、何もしてないんじゃ…?」

尭深「…締め切りは新入生が入った後の五月だし、三月には部内ランキングを決める個人戦もあるから、それからでもいいんじゃないかな?チーム編成の参考にするために行うランキング戦なんだし」

誠子「いや、こいつは一・二年の下位には軒並みトラウマを刻み込んでるから、目ぼしいとこが組んでしまうと組む相手がいなくなる」


淡「あわわわわわわわわわわわ!?」



誠子「…マジでなにもしてないのか…まだ時間はあるから何とかしろよ。書類とかは何とかしてやるから、とにかく早く仲間を探すんだ」

尭深「うーん…部内戦の決勝チームの二年生以下は全員チームが決まってるから、厳しいかも」

誠子「たしか、準決勝で当たったあそこ…ほら、弘瀬先輩をライバル視してるあの人が一年を集めて組んだチーム、あそこの一年四人組がまだ五人目を入れてないはずだ」

尭深「あ、そういえばそんなこと言ってたね」


淡「わ、分かった!今すぐその子たちのところに行って来るよ!」ダッシュ


誠子「…でも、あいつら反虎姫で洗脳されてたからなあ…」

尭深「弘瀬先輩、何やったんだろうね?あそこまで敵視するってなかなかないと思うけど…」


モブA「ねえねえ、宮永さん!」

咲「ん?」

モブA「宮永さん、もう来年のチームは決めたの?」

咲「えっと…まだ決めてないんだ。白糸台のチーム制度もまだよくわかってなくて…」

モブB「じゃあさ、私たちと組まない?一年生だけのチームだから上下関係もないよ」

咲「えっと…私でいいの?」


淡「あ、いたいた、あの四人組はなんとなく見覚えあるよー」


モブC「宮永さんは一番人気だよ!どこのチームも、のどから手が出るほど欲しがってるって!」

咲「え?そ、そうなの?私なんかを?」

モブD「いやいや、謙遜しすぎでしょ、全国二位。しかも一位は照先輩だから来年は実質一位。最強の高校生を欲しがらないチームなんかないって!」

咲「う、うん…来年一位になるかはわからないけど、そうだね、私、二位だったんだよね」



モブA「というわけで、私たちは宮永さんが欲しい!」



咲「う、うん…でも、もう少し考えさせて。本当に、三学期から転校したばっかりでわからないことだらけで…」

モブB「うん、ゆっくり考えて。締切ギリギリまで待ってるから!」

モブC「あ、ちなみに締切は5月だから。急かすつもりもないからゆっくり考えてね」

咲「あ、ありがとうございます」

モブD「分かんないことあったら何でも聞いてね。じゃ、今日はこの辺で切り上げ。あんまりしつこく勧誘しても迷惑だもんね」


淡「ま、まずい…これは非常に不味いよ…」


咲「チーム、か。あの人達には悪いけど、最低限、勝てるチームじゃないと困るんだよね」


淡「…咲ちゃん、あの子たちのチームに入るのかな?」ヒョコッ


咲「…見てたの?悪趣味だね淡ちゃん」

淡「あんな大声で話してたら聞こえるよー。で、どうなの?」

咲「まあ、悪くはないんだけどね。そんな簡単には決められないよ」

淡「へ、へー?(よ、良かった…)」

咲「そういう淡ちゃんはどうなの?私のチームはそれ次第なんだよね」

淡「あわ?」


咲「…私、淡ちゃんだけには負けたくないんだ。だから、淡ちゃんのチームに勝てるならどことでも組むし、勝てないなら絶対に妥協しない」ゴゴゴ


淡「あ、あわっ!?」


誠子「さて、部内個人戦が始まったわけだが…尭深?」

尭深「…大体分かるけど、何?誠子ちゃん?」


誠子「『あれ』、どうする?」




咲「槓、槓、槓。ツモ。6000オール」

淡「ダブリー、槓、ツモ。6100オール」

咲「ツモ、8100オール」

淡「6200オール」

咲「4200オール」

淡「6300オール。全員トビだね」

咲「12300オール。全員トビですね」


ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ


淡「随分遅かったね、対局開始は同時だったと思ったけど?」

咲「ギリギリでトバしただけの淡ちゃんと違って、全員マイナス一万以下まで叩き落としたから」

淡「雑魚いじめかー、性格悪いね咲ちゃん」

咲「純粋な実力差だよ。自然に打ってるだけ」

淡「へー?そうは見えないけど?」

咲「目が腐ってるんじゃないかな?ま、とにかくこれで私が素点の差で一位だね」



誠子「…妹さんはおとなしいと思ったんだが…」

尭深「宮永先輩からもおとなしい子って聞いてたけど…これは不味いよね誠子ちゃん?」

誠子「ああ、監督に進言してこよう」


監督「ああ、こりゃダメだな。おーい、宮永!大星!対局中断してこっちに来い!」





咲「…淡ちゃんが空気読まずに暴れるから呼び出し受けたよ」

淡「自業自得でしょ?」


監督「これ以上は打たんでも分かる、お前ら二人、同率一位だ」

咲「心外です。淡ちゃんごときに負けたりしません。単独一位を希望します」

淡「こっちのセリフだよ。監督、私も単独一位がいいー!」

監督「やかましいわガキども」


監督「あと、お前らは別チームに置くと本気で潰しあいを始めそうだから、別々にチームを組むのは認めん」

咲「…まあ、敵としては雑魚ですけど味方としてはそこそこ使えるから、それは別にいいです」

淡「それもこっちのセリフ!丸パクリやめてよ咲ちゃん!」


監督「二人ともチームのメンバーの届け出は出ていないが、もし組むつもりで届出をしていないだけの相手がいるなら、私から事情が変わったと言っておこう」

咲「モブAさんたちから声をかけられていました。そこだけお願いします」

淡「私は決めてなかったから大丈夫だよー」


監督「ま、こんなところか。あんまり部員を怯えさせるなよ?」

咲淡「「はーい」」



咲「…さて、チームメイトを探そうか。私一人でも勝てるけど、登録には五人必要だからね」

淡「いくら咲ちゃんが足引っ張っても私が居れば余裕だけど、登録には五人必要だしね」

咲「足手まといはそっちだよね?」

淡「ん?せめて私に一回でも勝ってから言ってもらえるかな?」

咲「トーナメントで直対の前に消えられたら流石の私も勝つのは無理かな。打てないもんね」

淡「団体の決勝で打ったよね?前後半とも私より順位が下だった万年二位は誰かな?」

咲「点差があって自由に打てなかったし、なにより末原さんと穏乃ちゃんしか眼中になかったからね。漁夫の利を持っていかれたのは不覚だったなあ…」


淡「いい加減、負けを認めようよ咲ちゃん」ゴゴゴ

咲「負けた覚えがないのになんで負けを認めなきゃいけないのかな、淡ちゃん」ゴゴゴ


ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 


全部員「「「「「」」」」」カタカタ


咲「ねえ、淡ちゃん?」

淡「なあに、咲ちゃん?」


咲「亦野さんと渋谷さん以外の全員が、私が近づいただけで逃げるんだけど何か知らないかな?」

淡「咲ちゃんも?奇遇だね、私もなんだ。どっかの誰かさんがみんなを怯えさせたのが悪いと思うんだけど…」

咲「自分で言うあたり、反省の色が皆無だよね?」

淡「…やめよう、割とマジで不味いよこの状況」

咲「…だよねえ…」

淡「新入生に期待かなー」

咲「それしかないよね…」



和父「おい、和。なんだこれは?」

和「編入試験の結果ですね。不合格と書いてあります」

和父「…どういうつもりだ?」

和「…実力不足は仕方ないでしょう。偏差値順で受けるとすると…次は白糸台でしたか」

和母「…まあ、落ちてしまったものは仕方ないわね。次は頑張ってちょうだい」

和「はい、全力を尽くします」


和(計画通り…インターハイで負けた時はどうなるかと思いましたが、咲さんが白糸台に転入してくれて希望が見えてきました)


透華父「衣、すまないが、転校して遠くに行ってもらいたい」

衣「…ふん、今更か?」

透華父「近頃、透華の様子がおかしくなることが以前に増して多い。決まってお前が居る時だ」

衣「…無関係ではない。が、衣が居なかったとしても、もはや大差はないと言っておくぞ」

透華父「大差がなくても、少しでも変わるなら十分だ。お前を転校させるのにかかる費用など大したことはない」

衣「…藪をつついて蛇を出さねば良いがな。して、転校先は?」

透華父「せめてもの情けだ、お前の遊び相手がいるであろうところにしておいた」

衣「…ほう?」


透華父「全国ランキング一位、白糸台高校。不満はあるまい?」


憩「ん~、それ、マジですか?」

監督「ああ、少々、バランスを壊す奴がいてな。部内戦のバランスを取るために、特待生として引き抜きたい」

憩「うち、次は三年ですよ?臨海でもこんな強引な引き抜きしませんよ~」

監督「三年だからだよ、世話になった先輩も居なくなるだろう?千里山に勝つ気など全くない愚図な後輩たちには、見切りをつけてもいいんじゃないか?」

憩「…下調べは十分ってわけですか。分かりました、うちも、出る以上は全国目指したいんで、その話乗ります」

監督「助かる」

憩「気にせんでください、お互いの利益が合致するんですから」


臨海監督「というわけで、留学生の出場制限が各チーム一人までになった。ついてはネリー、首だ」

ネリー「はあ!?横暴なんだよ!」

臨海監督「団体に出せない以上、特待生は学年に一人までにしろとの上の決定だ、すまん。一応、特待生扱いで受け入れてくれるところは確保してある」

ネリー「ひどいんだよー。で、私を受け入れてくれるところはどこなの?」

臨海監督「お隣さんだ。西東京代表、白糸台高校。麻雀の相手には不自由しないぞ」



煌「いやはや、親の都合で長野から福岡、そして今度は東京ですか…」

煌「前回もそうでしたが、麻雀好きの私のために麻雀が盛んな高校を転校先として選んでくれたのはすばらです。感謝せねばなりません」

煌「全国ランキング一位、白糸台高校。捨て駒とはいえ一度は新道寺のレギュラーを任された身、古巣の名誉のためにも、ここで無様な打牌は出来ません」

?「ん?花田…か?なんでここにお前がおる?」


煌「この声…部長!?」


哩「おう、引退して以来ね」

姫子「煌は親の都合でこっちに来たって後輩から聞いてます」


煌「姫子まで!?」


哩「なるほど、花田もたいへんやね。姫子は私が東京に進学するって聞いて親まで説得してついてきおった。仕方ないから一緒に住むことになっとーよ」

姫子「そゆこと。ちなみに転校先は白糸台ね。チャンピオンどもに新道寺魂みせつけっと!」


煌「ははは…これはなんとも…予想外ですね」


宥「えへへ、来たよ、菫ちゃん」

菫「おお、宥か。引っ越しは終わったのか?」

宥「まだ終わってないけど、行っていいって玄ちゃんが」

菫「ああ、妹さんも来てるのか」

宥「お父さん、私一人じゃ心配なんだって。だから、玄ちゃんもこっちに住んでもらうんだ」

菫「それはまた心配性だな…妹さんの高校は?」


宥「ふふふ、なんと!菫ちゃんの後輩になるんだよ!」


菫「…そうか、妹さんは今年三年だったな。あいつがより居づらくなりそうだ」

宥「あいつ…?」

菫「なんでもない。じゃあ、妹さんの好意に甘えて出かけるとしようか」

宥「うん!」



咲「淡ちゃん、分かってると思うけど」

淡「…他人のふり、だよね」


照「…留年した。チームに拾ってほしい」


咲「…ごめん、私に姉は居ないんだ」

淡「うん、私の目標は留年とかしないから、あなたは私の知らない人だよ」


照「酷い…」グスン


咲「かわいそうだけど仕方ないよね」

淡「校則のこともあるしね、さて、気持ちを切り替えてメンバー探しだよ」

咲「監督から聞いた目ぼしい人の情報は…まず、全国三位の荒川さんと、一昨年の団体MVPの衣ちゃんが転入してるね」

淡「是非ともほしいよね。私たちと打って飛ばないレベルの人がいないと練習も出来ないし」

咲「淡ちゃんごときだと逆にトバされるぐらいだから安心していいよ。二人とも私と互角に打てるから」

淡「…それじゃ、私の練習にならないんじゃないかな?」

咲「トバされないように必死に食らいつくのは練習になると思うよ?」

淡「いやいや、そっちは練習になるかもしれないけど、私の練習にならないって言ってるんだよ?」

咲「…どうやら身の程を教えてあげないといけないみたいだね」

?「話が進まないので後回しにしてください。それで、他の目ぼしい方は?」

淡「ちっ、命拾いしたね咲ちゃん」

和「まだ言いますか…全く」


咲「他には、元新道寺の鶴田さんと花田さん。昨年の全国ランキング4位の新道寺、その先鋒と大将のツートップだね」

淡「セーコから聞いた話だと、もう二人は同じチームに入る気満々らしいよ。引き抜くなら二人セットだね」

和「そうそう、昨年度インハイ三位の阿知賀女子のエースである玄さんも来ているそうです。これは本人から連絡がありました」

咲「よりどりみどりだね。松実さんが居れば他の人がトブことも少なくなるだろうし」

淡「…あの人居ると槓裏乗らないからパス」

咲「…確かに、でも、味方にすれば不安要素も消えるけど…まあ、槓裏乗らないぐらいで淡ちゃんが負けることもないか」

淡「私たち二人の時点で基本勝つし、なるべく普段打つ相手としての要素を重視したい。ごめんね」

咲「別にいいよ。私もドラ使いたいし。となると、衣ちゃんと荒川さんだね」

和「えっと…あと一人、全国大会優勝経験者が転入して来ているのですが」


咲「みたいだね。久しぶり、和ちゃん」

淡「私は初めましてだね。よろしく」



和「…気付いていたならそれなりの反応をしてください。あまりに自然に流されたから不安になりましたよ?」

咲「あははは、あのタイミングで私たちの喧嘩に入ってくる人は初めてだよ。流石だね、和ちゃん」

淡「なかなかの大物だと思ったね。なるほど、清澄の副将さんかー。幸先いいね咲ちゃん」

和「私の目の黒いうちは咲さんに手出しはさせませんからね?」

咲「あはは、和ちゃんは過保護だなあ。淡ちゃんと私なら、お互いぼろ負けとかはしないから喧嘩しても大丈夫だって」

和「…麻雀で咲さんの心配をしたことはありません。咲さんは強いので」

咲「?」

和「まあいいです。では、天江さんと荒川さんですね。面識もありますし、天江さんから声をかけましょう」

咲「うん!」

淡「あ、三人目はノドカで確定していいんだよね?」

咲「和ちゃんが良ければ。私は反対しないよ」

和「咲さんと同じチームになるのを拒んだりしません。よろしくお願いします」


咲「あ、いたいた、衣ちゃーん!」

衣「おお、咲か!咲もここに居たのか?」

和「私も居ますよ」

衣「ノノカも!まるで清澄にでも遊びに来たような気がしてくるぞ!」

淡「なにこの子?実物めっちゃかわいいじゃん!ぎゅーってしていい?」ギュー

衣「うわわっ!?な、なにをする!衣は子供じゃないぞー!」ジタバタ

咲「淡ちゃん、そこまで」

淡「はーい」パッ

衣「うう…何なのだそやつは…」

咲「ごめんね衣ちゃん、この子馬鹿だから…」



和「で、本題なのですが、ここの麻雀部のシステムは知っておられますか?」

衣「うむ、チームを組まねばならないらしいな…なるほど、それで衣のところに来たか」

淡「ちゃんと知ってるなら話は早いね!どう?組まない?」

衣「ふむ…全体として全国一位とはいえ、咲の姉が卒業しても衣と打てるものが居るかどうか不安だったのだ。願ってもない」

淡「やった!四人目ゲット!」



衣「…四人目、か。となると、もう一人必要なのだな?」

咲「…うん。ごめんね、私と淡ちゃんの卓に入れる人ってなるとなかなかいなくて…」

衣「それもそうか、しかし、何はともあれ四人は居るのだろう?」ゴゴゴ

咲「あ、それもそうだね」ゴゴゴ

淡「へえ…可愛いだけじゃなさそうだね」ゴゴゴ

和「…このひとたちは…仕方ないですね。付き合いますよ」

咲「私と淡ちゃんは部内一位だから、部内戦の結果が出るまでは一軍部屋が使えるらしいんだ。場所はそこでいいかな?」

淡「てゆうか、ノドカのエトペンが虎姫部屋に置いてあるから寄らなきゃダメだし」

衣「場所などどこでも構わん。重要なのは相手だ」


照「…むう…せっかく留年したわけだし、どうせなら四連覇したかったのに…」

?「あれ?なんでチャンピオンがいるの?」

照「ん?あなたは…臨海の…」

ネリー「ネリーだよ!」

照「そう、ネリーさん。あ、そうか、外国人制限が厳しくなってうちに来たって監督が言ってた」

ネリー「その通りなんだよ!で、そっちはなんでいるの?」

照「…留年した」ズーン

ネリー「あはははは!マジで!?あはははは!サトハが聞いたら大爆笑か大激怒間違いなしなんだよ!」

照「…うん、ものすごく笑われたあと、ものすごく怒られた…菫がばらさなければ…」


ネリー「ところで、チャンピオンはチームって決まってるの?」

照「決まってない…咲のチームに入ろうとしたら断られた」

ネリー「なら、私と組んでほしいよ!知り合いが誰もいないからチームを組む当てがないんだよ!」

照「願ってもない。ネリーさんなら実力的にも申し分ない」

ネリー「決まりだね!よろしくなんだよ」

照「こちらこそよろしく」


ネリー「でも、そうなると、下手な人だとチームに入れなくなるね」

照「…大丈夫、一人、逸材が居る。菫がこっちに来てるって言ってた」

ネリー「逸材…?」

照「彼女が居れば、彼女以外の卓上全体の打点が下がる。素の実力も全国レベル」

ネリー「そんな人いるの?なら、善は急げなんだよ!」

照「うん、急ごう」


玄「和ちゃんがここに転校していることは本人から確認済みなのです。となれば、一緒のチームになって毎日和ちゃんのおもちを堪能する所存なのです」

玄「私のおもちセンサーで和ちゃんの居場所をチェック!」ピピピ


玄「…む、大きめのおもちの反応が二つ?あ、そうか、渋谷さんも白糸台に居るのか」

玄「とりあえず、反応のした方に向かうのです」


尭深「あれ、松実さん?」

玄「あ、こんにちは。渋谷さんでしたか」

尭深「どうしてここに…?ここには菜園しかありませんが」

玄「転校してきたばかりなので、校内探検なのです」

玄(くくく…私も成長したのです。おもちな方の好感度を上げるためにサラサラとでまかせを言えるようになりました。もう、目の前のおもちにおぼれる愚かな私ではないのです。弘瀬さんとお姉ちゃんの仲を取り持つのも、良い妹をアピールして弘瀬さんの警戒を解くため…今日は和ちゃん目当てでしたがこれも何かの縁、渋谷さんのおもちもモノにしてみせるのです)

(0.5秒)

尭深「そうですか、よろしければご案内しましょうか?」

玄「え?いいんですか?渋谷さんこそ、菜園に用事があったんじゃ…」

尭深「ふふ、もうお手入れは終わりましたから。眺めていただけです」

玄「なら、お言葉に甘え…」ゾクッ


?「見つけた…」

?「流石テルなんだよ!」


玄「み、宮永、さん…?なんでここに…?」



照「そう、私。…松実さん、何も言わずについてきてほしい」ゴゴゴ

ネリー「抵抗するなら、麻雀楽しんでもらうんだよ」

玄「ひっ!?あ、あう…」カタカタ


尭深「宮永先輩、何をする気ですか?」

照「尭深には関係ない」ゴゴゴ

尭深「」ビクッ

照「さあ、行こうか、松実さん」ゴゴゴ

玄「あ…ああ…」ガタガタ


憩「ふーん、つまり、チームに誘うなら鶴田さんと花田さんは二人一組ってわけか」

煌「ええ、やはり、気心が知れた仲間がいる方が落ち着きますから」

姫子「東京に来てから方言もなるべく抑えるようにしてるけど、煌と二人の時なら気にせず喋れっからね」

煌「と言っても、私も基本は標準語なのですが」

姫子「向こうに一年いた分だけ普通に話が通じるのが大きか…大きいんだよ」

憩「あははは、ちょくちょく地が出るなー。まだまだ修行が足らんでー」

姫子「憩さん!関西弁はそのままでもある程度通じるからってずるいー!」


憩「ん~、しかし、気心知れた相手かー。咲ちゃんと衣ちゃんは流石に売り切れてるやろなー」

煌「おや、宮永さんと天江さんですか?お知り合いとは意外ですね」

憩「咲ちゃんはインハイ以来個人戦で何度か…お互い負けないから大会の度に会って、段々とな。衣ちゃんは、咲ちゃんの紹介でたまに交通費全部出してもらって屋敷に呼ばれて麻雀打たされた仲や」

姫子「案外残ってたりしないかな?私、哩さんとのコンボなしであれと打ちたくないし」

煌「練習も基本的にチーム単位ですからね、強すぎるが故の敬遠、十分あり得ます」

憩「そんなもんかな~?ま、ダメ元で声かけて来るわ。ダメだったらよろしく頼みます」


タッタッタ


煌「というか、全国三位の憩さんに私たち以外誰からも声がかかってない時点で、大分現実的なんですがね」

姫子「せやね。で、憩さんダメだったら誰狙う?宮永と大星に対抗するとなると、駒はなかなかおらんよ?」

煌「先ほどのお話しだと、最悪天江さんと荒川さんまでそちらに行く可能性がありますね」

姫子「そんな最悪な未来、語らんでよか」

煌「失礼。取り合えず、昨年の臨海の大将であるネリーさんがこちらに転校されたと聞きますので、ネリーさんを抑えに行きましょう。その次は…原村さんと組むと言っていたので望み薄ですが、元阿知賀の松実さんに声をかけてあります」



?「は、花田さん!助けて下さいなのです!」



煌「この声は…松実さん、ですか?「助けて下さい」とは穏やかではないですね、どうなさいましたか?」


?「…新道寺の飛ばない先鋒…これは僥倖」

?「マジ?飛ばないとかそんな人いるの?確保するんだよ!」

?「確保は当然。あと、鶴田さんもかなり打てる。何ならこの五人で確定でもいい」

玄「嫌なのです!おもちが足りないのです!私は和ちゃんのチームに行くのです!」


煌「み、宮永…さん?なぜこちらに?」

照「それは交渉がてら説明する。是非、あなたを私のチームに迎えたい」



誠子「宮永?ああ、あいつらなら大体一軍部屋でいちゃついてるぞ」

憩「そうですか、なら行ってみますわ。おおきに」

誠子「メンバーが見つからなくて苦労してるみたいだ、喜ぶと思うよ」

憩「それは嬉しいこと聞きました。重ねて感謝します」

誠子「気にしないでくれ、これでも部長だ。一軍最有力チームに有力なメンバーが集まるのは喜ばしいことだよ」

憩「部長さんは大変やな、部内戦の最大の敵に塩を送らんといけないんやから」

誠子「それはそうだけど、下手すると昨年の全国二位とそれに匹敵するエースをまとめて腐らせるところだったんだ、あいつらがチームを組めそうでほっとしてるよ。チームを組めずにあいつらが二軍落ちなんてことになったらマスコミに何言われるか…」

憩「ま、うちは去年腐りましたけどね。もしそうなったらルーキーの全国二位は翌年のチームに恵まれないとかジンクスが出来るかもしれません」

誠子「そうさせないために色々やってるんだよ、あの頭の中身が小学生なエースたちを頼むぞ」

憩「任されまし…た…っ!?」



ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ



誠子「…一軍部屋のほうからただならぬ気配がしてるな」

憩「これは、咲ちゃんと衣ちゃん以外になんかいますね…」

誠子「その二人以外の化け物…淡だと思うが、他にも今年の転入生には原村や元臨海のネリー、元新道寺の二人や元阿知賀の松実妹も居る。さっきまでチームが組めるかどうかを心配していたが、これだけのメンバーが集うといつまでも枠が空いている保証はないな」

憩「じゃ、急ぐことにしますわ。ありがとうございました」



誠子「…あの空間に好き好んで飛び込むのか…荒川も相当だよなあ」


玄「」カタカタ

照「怯えなくていい。取って食べたり、全力でいじめてレイプ目の松実さんを堪能したりはしない」

煌「その発想が出てくる時点で信用できないのですが…」

姫子「で、チームへのお誘いやtt…でしたっけ?」


ネリー「そのとおり!」

照「私は、前人未踏の団体戦三連覇を成し遂げた。そして、せっかく留年して四年目のチャンスを得た以上、それを生かしたい」

煌「すばらっ!留年にもめげず、それをチャンスと捉える前向きな姿勢…不肖花田煌、微力ながら応援させて頂きます」

姫子「というか、宮永妹と大星に対抗するならこのメンバーしかおら…いないと思う」



煌「天江さんと荒川さんの動向次第ではありますが、前向きに検討させていただきます」



玄「え?天江さんと荒川さん!?」

照「…初耳」

ネリー「去年サトハが言ってたヤバイ二年三人衆の二人!?来てるの?」

煌「…まあ、情報収集に興味のなさそうな面々ですから知らなくても仕方ないでしょう。こちらが、私が調べた校内の有力な打ち手のリストです」

照「おお…すごい…菫みたい」

姫子「さっき荒川さんと話した感じだと、宮永さんと天江さん、荒川さんの三人は個人的に親交があるみたいやけん、引き抜かれる公算大やね…ですね」


照「…ますます、あなた達を手放すわけにはいかなくなった。私は荒川さんになぜか避けられているから、引き抜ける可能性がない」

玄「あの…私は和ちゃんのチームに入りたいのですが…」

照「松実さん、私じゃ不満?」

玄「おもち的には大いに」



照「」ゴッ

玄「」カタカタ



照「もう一度聞く、私じゃ不満?」

玄「イイエ、テルサンニフマンナド、アルハズナイノデス」


照「…決まりだね。この五人で、咲達に勝つ…そして、四連覇の栄光をつかむんだ」

煌「すばらっ!」

「「「すばらっ!」」」


咲 32200

淡 32200

衣 37200

和 -1600



咲「…さすが衣ちゃんだね、徹底的にマークしたのに一位を取られるなんて」

淡「咲ちゃんが私を負けさせようとして衣ちゃんをサポートするから私が全力で抑えたけど、それでもトップなんてね」

衣「いや、互いのけん制ばかりで衣には自由に打たせていただろうが。昼にここまであっさり勝てるとは思わなかったぞ」

和「」チーン


咲「にしても、まさか同点とはね。衣ちゃんのけん制に力を裂いたとはいえ、不愉快極まりないよ」

淡「それはこっちのセリフだよ。衣ちゃんに私と咲ちゃんが同格と思われたらたまらないよね、ケリつけようよ」

咲「望むところだよ」

衣「いや、五人目を探さなくていいのか?」


?「あ、五人目決まってないんか。間に合って良かったわー」



和「え?」

憩「ひさしぶりやな、衣ちゃん」

衣「ケイ!お前も来ていたのか!やった、これでいつでもケイたちと打てるぞ!」ピョン

憩「うちも、このメンバーといつでも打てるのはうれしいよ」



咲「淡ちゃんが今すぐ泣いて謝るなら私の勝ちで納得してあげるけど?」

淡「私、対咲ちゃん戦績未だに無敗だけど?いつ勝ったの咲ちゃん?」

咲「実績からして格付けは済んでるよね?」

淡「私の勝ちでね」


咲「」ゴゴゴゴゴゴ

淡「」ゴゴゴゴゴゴ



ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ



憩「えらい楽しそうやな、あの二人」

衣「ノノカから毟れば良いと考えていたのか、さっきは衣を無視して二人で好き放題やってくれた。ケイが入ればそうはいかないだろう」

和「…では、私が抜けますね」

憩「悪いなー、原村さん。じゃ、打とうか咲ちゃん。どっちが強いかなんて、打って決めるのが一番早いやろ」

咲「え?…憩さん?」

淡「あ…いつも個人戦で私のダブリーを狙い撃ちする人」

憩「狙ってるわけじゃないんよ、そっちが勝手に振り込むだけや」

衣「ケイと衣が入った以上、貴様らもふざけているわけにはいくまい?今度こそ本気の対局を楽しませてもらおう」


ーー

対局中…

ーー


憩「ん~、やっぱりうちは淡ちゃんと相性ええな~」

咲「実力差でしょう。憩さんは私と互角なんですから」

衣「衣は淡とは若干相性が悪いな…配牌で聴牌してくるから海底までもつれることがない」

淡「そして、相変わらず私より順位が下なんだね咲ちゃんは。気分はどう?身の程は分かった?」

咲「憩さんと衣ちゃんが淡ちゃんに対して様子見に徹してたのが分からないのかな?馬鹿なの?」

淡「勝ちは勝ちだよね?」

咲「憩さんの、だけどね」

淡「口が減らないようだね咲ちゃん」ゴゴゴ

咲「次は憩さんも本気で淡ちゃん潰すだろうし、実力差を思い知らせてあげるよ」ゴゴゴ


憩「楽しいなあ、衣ちゃん」

衣「うむ、咲は屋敷に呼んでもあまり本気を出さなかったからな。あれのおかげで咲がいつも本気というのはありがたい」

憩「うちが全力でやっても勝てるかどうかわからん相手が四人集まるなんて、全国の決勝ぐらいやと思ってたわ」

衣「それは衣とてそうだ。お前が来てくれて本当に嬉しいぞ、ケイ」

憩「それはお互いさまやな」



和「…一応、私も居るのですが」

憩「あはは、わかってますよ。原村さんが、本来ならどこ行ってもエース張れるぐらい強いのもちゃんとわかってます」

衣「それでも、この四人には見劣りしてしまうのだ。ノノカ、すまんな。もうしばらくこやつらとの宴に興じさせてくれ」

和「ええ、構いません。私も、皆さんのチームメイトとして、せめて満足に卓を囲めるよう精進いたします」

憩「ああ、大丈夫ですよ。嫌でも強くなってもらいます。うちも衣ちゃんもスパルタですから安心してください」

和「…え?」

衣「逃げるなよ、ノノカ」

和「…あ、あの?」

憩「大丈夫ですよー。最初は東風赤抜きから、最後は半荘一回打てるようになるまで、きっちり鍛えてあげますから」

和「」


咲「憩さん、衣ちゃん!二回戦始めるよ!」

淡「場決めからね!」


憩「はいはい、あわてなくても逃げたりせんよ」

衣「まったく、咲は迷子以外は手がかからんと思っていたのだがな」

憩「ああ、三年生としてあの子らの面倒みてやれって部長さんに頼まれてるんやけど、衣ちゃんも保護者やってくれへん?」

衣「やらないわけにもいかないだろう。全く、手のかかる…」

和「咲さんのお世話は私がするのでご安心を」


咲淡「「はーやーくー!」」



淡「と言うわけで、無事に五人揃いました!」

咲「つきましては、チーム名とコンセプトを決めたいと思います」


憩「ああ、チーム結成の届け出しないと部内戦出られんって言ってたな」

衣「ふむ、コンセプトか…昨年の虎姫は『攻撃特化』だったか?」

和「はい。うちは見事にバラバラですね」

咲「まず、私と淡ちゃんの時点で水と油だからね」

衣「衣とノノカも真逆だな。感覚で卓上のすべてを探る衣と、理詰めのノノカだ」

咲「山の頂に咲く私と、宇宙のように頭がスカスカな淡ちゃん、究極デジタルの和ちゃん、海底の深淵を支配する衣ちゃん、みんなのアイドル憩さん…攻守の偏りでも、私はどっちかって言うと守備とかバランスみたいなところに重点があるし、これだけバラバラだとコンセプトは難しいね」

憩「うちだけ麻雀関係ないやん。それは置いといて、確かにバラバラやな…これ、コンセプト決めなアカンの?」


和「白糸台の方針でして。『打牌には真の最善はない。たとえ最善の打牌でも、裏目もあれば、相手の幸運にかき消されることもある。それでも、自分たちにとって最善の一打を模索しろ、チームコンセプトは、その手がかりだ』だそうです」


淡「迷った時は攻める!虎姫は分かりやすかったね」

衣「真の最善はない、か…真理だな。それに、衣の一打は他人が同じ状況で同じ打牌をしてもほとんどが悪手となるだろう。衣にとって最善の一打は衣にしか見つけられない」

咲「私と淡ちゃんもそうだね。憩さんも、多少最善が人と違うんじゃないかな?」

憩「ま、能力の関係で多少はな。一応、基本はデジタルやけど」

和「私は、常にデジタルの最善を追及するだけです。人間の思考力の限界、私にしか計算できない理論値の限界を求めてはいますけどね」


淡「ここで提案があります!チーム名は『探求』にしたいと思います!」



咲「なっ!?あ、淡ちゃん、いくらなんでもそれは…恥ずかしいよ…」



憩「悪くないな。コンセプトは『それぞれにとっての最善の一打の探求』あたりか?」

咲「け、憩さんまで!?」

和「どうしたんですか咲さん?私も悪くないと思いますが…」

咲「和ちゃん!?」

衣「深淵を探る衣、頂を求める咲、理論の限界を求めるノノカ、人から求められるケイ…淡も宇宙がどうのと言っている。悪くないと衣も思うぞ」


咲「あ、『たんきゅう』って…そうか、そっちだよね…勘違いしたよ…」

淡「…一体何と勘違いしたの?探求なんて辞書引いても求めると究めるぐらいしか出てこないじゃん」

咲「う、うるさい!なんでもないから!」

淡「一体咲ちゃんは何と勘違いしたのかな~?きにな………あ」


和「淡さん?」


淡「…咲ちゃんのバカ、五人チームでそんな名前つけるわけないじゃん!馬鹿!バカバカ!」

咲「うるさいよ!だから止めようとしたじゃん!勘違いだったけど…」

淡「…」////

咲「…」////


和「…ああ、多分、分かりました。そうですね、もともとお二人のチームですものね」

衣「二人の…ああ、なるほど」

憩「ん~?うちはまだわからんな~?淡ちゃんと宮永さん?なんやろな~?」


咲「絶対分かってますよね!?憩さんが私のこと苗字で呼んだの最初の一回だけですよね!?お姉ちゃんと紛らわしいからって一貫して名前で呼んでますよね?」

淡「さ、咲ちゃん…恥ずかしいから蒸し返さないで…あうう…」////



和「とりあえず、コンセプトは先ほどの憩さんの案で、チーム『探求』で届けを出しておきますね」

衣「ああ、ノノカと衣と憩で賛成多数だ。そこのポンコツどもは放っておけ」


翌週

咲「さて、申請は終わったけど、部内戦のオーダーどうしようか?」

憩「正直、和ちゃんと衣ちゃん以外は誰をどこに置いても変わらんような…」

淡「コロモは当然最後だよね。ノドカだってどこ置いてもプラスにはなるだろうし、もうくじ引きで決めない?」

衣「そうだな。構わんだろう」




「「「「せーの」」」」



和「…先鋒ですか」

咲「副将…出番あるかな…」

淡「中堅かー。咲ちゃんに回す必要ないよね?」

憩「次鋒か。和ちゃん、トバなければうちがどうにでもするから気楽に打ってな」

和「あ、ありがとうございます…頼りにしていますよ、憩さん」///


淡「スパルタ指導の中で芽生えた師弟愛、いいねー」

咲「師弟愛かな?なんか、少し前までの私への友情と似た空気を感じるけど」


照「と言うわけで、チーム『棘盾(しじゅん)』のオーダーを話し合いたいと思います」

煌「攻撃は最大の防御、失点の少ない防御特化と言いながら、その実、自分が和了るための最善を尽くすことしか考えない」

姫子「あらゆる矛を防ぐ最強の盾で敵をぶん殴る。コンセプトは『和了らせない、そのために自分が和了る』。多分、体現してるのは照さんだけばい」

ネリー「え?自分が和了ればその局では振り込まないよ?私もやってるよ」

玄「もう一人いましたのだ…」

煌「玄さんも、ドラをすべて集めて失点を防ぎつつそのドラで叩き伏せているじゃないですか。みなさん頼もしいかぎりです」


照「オーダーだけど、当然わたしは先鋒。しっかりリードを作るから、みんなは逃げ切ってほしい」


玄「大将は経験者のネリーか姫子におまかせします。手が狭くなりやすい私には荷が重いです」

煌「そうですね。私も地力はさほど高くないので、フォローの利く位置…次鋒または中堅が良いと考えます」

姫子「煌の分は私が取り返しちゃる。煌が次鋒で私が中堅でよかと?」

玄「では、副将をもらいますのだ」

ネリー「決まりかな。いいオーダーだと思うよ。私と照とクロは大丈夫だから、一人になったヒメコと団体戦で能力が使えないキラメの成長が鍵だね」


照「…うん、まあ、私が考えてた通りのオーダーなんだけど…」イジケル

ネリー「何も発言しないまま決まってしまって、テルが拗ねてるんだよ」

玄「まあ、順当なオーダーだから仕方ないのです」

煌「多分、そのあとの分析までネリーが的確に行ってしまったのがまずかったのでしょう」

照「うん…みんなにリーダーとして頼りになるところを見せたかったのに…」グスン

煌「弘瀬さんの苦労がわかりますね。この方は非情に扱いにくい」

玄「本人いわく、お姉ちゃんの世話は『照に比べれば何もしなくていいようなものだ』とのことです。お姉ちゃんも大分手がかかるのですが…」

姫子「その分、卓上ではお釣りが来るぐらい働いてくれよる。問題なか」

ネリー「このメンバーで打って、未だに平均着順1.0位をキープしてる化け物なんだよ」


照「化け物じゃないもん…」


和「憩さん、こちらが部内戦の組み合わせと有力チーム情報です」

憩「ふーん…まあ、うちらは当然として、照さんのとこもなかなかの戦力やな。あとは、部長さん達と…『第二期虎狩り』?」

咲「あ、モブAさんたちのとこだね。あそこ結構強かったんだ?」

淡「打倒虎姫で一年やって来てたからね。そこそこ打てるよ」

衣「…順当に行けば決勝でその四組が当たるな。奇しくも、虎狩り以外のそれぞれの組に虎姫の生き残りが居るわけだ」

憩「そうなるなー。てゆうか、なんで照さん出てるんやろ?」


咲「さあ?むしろなんで留年したのかを問い正したいところです。卒業できなかったなら退学してプロになればいいのに」

淡「だよねー。てゆうか、プロ志望も出してなかったらしいよ。志望が出てたら絶対卒業させてたって監督が言ってた」

衣「まあ、あれは気にしても無駄だろう。虎狩りとやらの対策はどうする?」

憩「煌さんに聞いた限りだと、有望な一年はいるものの、二年四人は県上位レベルで安定しとるそうで。うちらが気にするほどの相手じゃないって話でしたわ」

咲「まあ、仮にお姉ちゃん以上の人がいたとしても、あの四人ぐらいなら私一人でまくれるね」

淡「咲ちゃんまで回らないよ。10万差あってもケイと私でトバすから」


衣「なら、当面の敵は、咲の姉のところか…」

和「気にする必要はあるんですかね…?」

咲「うーん…どうだろ?」


部内戦、一回戦


和(それぞれにとっての最善…私は、私の信じた一打を積み上げます。それが、勝利の峰を築くでしょう)



憩(迷った時に手を選ぶ指針としては微妙やな、あのコンセプト。「自分を信じろ、迷うな」ってことにしときますか)



淡「私がやることはいつだって同じ!勝つことだけだよ!」



咲「…で、私の出番はなしなんだね」

衣「…憩はともかく、淡のやつは手加減する気が全くないな。出番が来たとしたら咲は淡より稼ごうとするだろうし、衣の出番はあるのか?」


和「なにはともあれ、初戦突破おめでとうございます」


「「「「おめでとー」」」」


咲「まあ、私の手を煩わせずに決めたことは褒めてあげるよ」

淡「副将を耐えればコロモが居るとはいえ、咲ちゃんが飛ばされたら負けだからね。頑張ったよ」

咲「私より上を気取った台詞は、私に勝ち越してから言ってもらえるかな?」

淡「最近の結果は常に私にとって相性の悪いケイが入っての結果だからね、真の実力は私が上って言うのは公式戦の直対の結果から明らかだよね?」

咲「公式戦の実績なら私の方が上のはずだけど?」

淡「直対は無敗だし?」

咲「そう、じゃあ決着つけようか?」ゴゴゴ

淡「そうだね、探求結成以来の戦績は80勝82敗7引き分けだっけ?」ゴゴゴ

咲「万が一そっちが三勝すれば逆転するね、チャンスをあげるよ。今日は三回勝負ね」

淡「上等だよ、後悔させてあげる」


和「…祝いの席でも結局こうなるんですね」

憩「ま、いつものことやし、諦めるんやな」

衣「部内戦で出番がなかったのだから、衣は絶対に入るぞ!」

憩「三人固定か。じゃ、うちと和でローテやな」

和「はい。仕方ないですね」


照「ごめん、先鋒で終わった…」

玄「東二局が来ませんでしたのだ…」

ネリー「あはは、テルってばやりすぎだよー」

姫子「様子見もなしで全力でトバしおったと、悪魔やね」

煌「いやあ…特訓の成果を試したかったのですが、流石は照さん、すばらです」


?「…菫、か?」

菫「ん?誰だ?」

モブZ「私だ、分かるよな?」

菫「…お前か、久しぶりだな」

モブZ「少し、いいか?」

菫「…ああ、構わん。私もお前に会いたいと思っていた」



モブA「…やはり、元虎姫が居る3チームが圧倒的だね」

モブB「モブZ先輩の悲願、打倒虎姫。ここで果たそう」

モブC「現代において、人は虎より強い…けど、それは武器があるから。武器なく虎の前に立てば、なすすべなく蹂躙される」

モブE(一年)「能力を持った打ち手は『虎』、私たちは『人』…人が卓上に持ち込める武器は、研究と、仲間の絆…」

モブD「全員が能力を持った『虎姫』を我々『人』が倒す。凡人でもやり方次第で頂点に立てることを示すんだ!」


「「「「おう!」」」」


菫「…まだ根にもってるのか?」

モブZ「ともに頂点に立とうと誓った仲間に裏切られたんだ、多少は根に持つ」

菫「すまなかったな、あいつをほっとくわけにもいかなかった」

モブZ「…で、打倒虎姫を掲げて暴れたはいいが…結局、私もあいつらを裏切ってしまったよ。相手のシャンテン数が見えるようになってしまった。倒すべき『虎』の仲間入りだ」

菫「…それはまた便利な能力だな。しかし、それなら隠すことも出来るだろう?シャンテン数が見えるがゆえに押し引きの判断が絶妙、しかし、それは能力が無くても出来ることだ」

モブZ「隠すことは出来る、が、それを良しとすることは出来ん…私を裏切った時のお前もこんな気持ちだったのか?」

菫「さあな。今のお前の気持ちがわからんから、何とも言えん」

モブZ「そうか…どうしたものかな?」

菫「第二期虎狩りとか名乗っているらしいぞ、お前の取り巻きは」

モブZ「私の意志を継いで、か。ますます気が重いな…なんでこのタイミングで言うんだお前は?」

菫「多少は仕返しをさせてもらおうと思ってな。せいぜい悩め」

モブZ「…悪かったな」

菫「気にするな、お前の気持ちもわかる。そして、私の気持ちも多少はわかるだろう?」

モブZ「…ああ」


菫「さっさと行ってこい。使えるようになってしまったものは仕方ないだろう?」

モブZ「…そうだな。悪かった、つまらんことで時間を取らせた」

菫「全くだ。次の機会に埋め合わせてもらうぞ」

モブZ「…ああ、また今度、な」

菫「ああ、またな」



菫「…部内戦の決勝は明日だったか。さて、どうなるかな?」


誠子「尭深、みんな、分かってると思うけど…宮永先輩は学校の恥だ、勝たせるわけにはいかない」

尭深「三連覇を成し遂げた白糸台麻雀部の象徴にして、隠すべき恥部。創立以来初めての留年者…」

誠子「絶対に、宮永先輩だけは勝たせてはいけない。みんな、頼んだぞ!」

「「「「了解っ!」」」」


モブA「…実はさ、私も、赤ドラの在処が見えるんだよね」

モブB「…私は、老頭牌の位置が分かる」

モブC「ごめん、あたし、対子が高確率で暗刻になる…」

モブD「あたし、配牌で字牌の暗刻が来る…」

モブE「え?」


モブZ「…すまんな、私のせいで不自由な打ち方をさせた」

モブABCD「「「「そ、そんな…先輩は悪くないです!」」」」


モブE「ちょいちょい、能力者を倒すってコンセプトに惹かれて入ったあたしの立場は?」


モブABCD「「「「せんぱーい!」」」」

モブZ「すまなかった、お前たち、これからは自由に打ってくれ」

モブABCD「「「「はいっ!」」」」

モブZ「よし、行って来い!チーム『虎狩り』!」

「「「「おおーーー!!!」」」」


モブE「…やってらんねーっすよ」


ーー

部内戦決勝 先鋒戦

ーー



照「最初に言っておこう」

誠子「…?」

和(何でしょう?ぶっちゃけ、発言権があるかどうかすら怪しいのですが。てゆうか部内戦出ないでください)

モブE「なんすか先輩?」


照「(あれ?モブEさんこんなガラ悪かったっけ?)こ、この半荘に東2局は来ない!」


誠子(え?マジで言ってんの?流石に冗談ですよね先輩?)

和(…咲さんのお姉さんだから面と向かっては言えませんが、留年の件といい、この方、アホなのでは?)

モブE「あ、いいですねそれ。サイコーの嫌がらせだと思います。私も手伝いますよ」

照「(え?なにこの反応)う、うん。じゃあ始めよう」

ーー

照  276800
誠子  45600
和   89700
モブ ー12100

ーー



照「…勝った」

和「…えっと、この場合、一軍はどうなるんですか?」

誠子「ま、暫定二位の探求じゃないか?後で監督と話し合って決めるけど、文句は出ないと思うよ」

モブE「ありがとうございましたー!」

和「お疲れ様でした」

誠子「お疲れ」



照「これで、四連覇への道が…」


バタン

ネリー「テル、おめでとうなんだよ!」

玄「さすがですのだ!」

煌「まさか、本当に一人で決めてしまうとは…すばらです」

姫子「さっすが照さんやね!」


誠子「…棘盾のメンバー…?まさか…」

和「あの様子からすると、間違いなさそうですね」


照「ありがとう、みんなのおかげ。私の夢、四連覇…それはきっと、一人じゃできない。これからも支えてほしい」



誠子「あの…先輩、ちょっといいですか?」

照「誠子?ごめん、後にしてほしい」

和「それが、多分そうもいかないと思われます」

照「…原村和…どういうこと?」イラッ





誠子「…宮永先輩、対外試合に関する校則、知ってます?」



ーー

インターハイ団体戦 決勝

ーー


『…まだわかんねーけど、決まったかな?海底まっしぐら、残りはあと二巡しかない』

『誰も聴牌しないまま最後の一巡、そして、天江選手が海底牌に手を伸ばします!』

『ツモったね。海底、対対、三暗刻、ご丁寧にドラ3までついてる。文句なしの全員トビだねぃ』

『白糸台高校、前人未踏の四連覇ーーー!最後の決勝を完全勝利で締めくくりましたーーー!!』

『これは本気で歴代最強チームだろうね。チーム「探求」…歴史に残るぜこの子らは。知らんけど』


咲「優勝おめでとー!さっすが衣ちゃん!」

衣「なに、咲達が削ってくれたおかげだ。衣だけでは勝利はおぼつかない」

憩「いやいや、満月の夕方なんやから一人でもいけるやろ?信じてましたよ、リーダー」

和「何とか最後もトップでバトンを渡せて良かったです」


淡「ま、咲ちゃんとコロモに回った時点で楽勝でしょ」

咲「それを言うなら淡ちゃんのところで終わってると思うよ」

衣「馬鹿か、そもそも憩の時点でもう負けはないだろう」

憩「あはは、てゆうか、そこまで言ったら和ちゃんの時点でほぼ必勝やん」

和「そうですね、あの例外を除けば私も公式戦は常にトップでしたし」


憩「ああ、アレな。まさか、照さんが校則を知らんとはな~」

淡「私どころか、転校してきたばかりの咲ちゃんでも知ってたのにね」

咲「部活動の項目の一番上に書いてあるのに、お姉ちゃんったら!」プンプン














1、定期考査の成績不良者は対外試合への出場を禁ず

2、前項の規定において、留年者はその実際の成績の如何を問わず成績不良者とみなす












玄「…まあ、知らなかった私も悪かったのですが…」

煌「…あまりに自信満々なので、特例で許可を取ったものだと思い込んでいました…不覚です」

ネリー「生徒手帳の字が読めなかったんだよ!説明してくれなかった監督が悪いんだよ!」

姫子「今更言っても仕方なか」

モブE「…あの、皆さんにまで酷い態度を取ってごめんなさい。留年したことに腹を立てての下級生への嫌がらせだと思ってました」


照「」正座


玄「大丈夫なのです。白糸台は下剋上上等!インハイの後のオータムでもスプリングでもリベンジの機会はあるのです!」

モブE「拾って頂いて感謝します」

煌「監督から特例で許可をいただきました!この五人で新チームの登録からです!まずはチーム名とコンセプトですね!」

姫子「おおー!」


照(足が痺れた…)正座


監督「ま、ネリーと宮永と大星と原村、モブEも伸びるだろうし、来年も安泰かなー」

誠子「五人が固まってくれるかは分かりませんけどね」

尭深「多分大丈夫。一軍部屋に花田さんたちを招いて交流戦を頻繁にしているみたいだし」


菫「監督。亦野と渋谷もここに居たか。優勝おめでとうございます」

監督「おお、弘瀬。お前の後輩たちがやってくれたぞ」

菫「はは、直接指導したのは大星だけですがね」

誠子「すみません、ご期待に添えられず…」

尭深「」ペコリ

菫「いやいや、大学チームの相手も含めてお前たちのチームも練習試合ではほとんど負けてないそうじゃないか。下手なプロより練習になると評判だ、私は鼻が高いよ」

監督「今度、お前のチームを指導に呼ぶよ。その目でこいつらの成長を確かめるといい」

菫「楽しみにしていますよ…ところで」

監督「ああ、あいつなら…」


照「あ、菫…」

菫「よう、玄から聞いたぞ。馬鹿をやって相当絞られたそうじゃないか」

照「あんな校則知らなかった…なんで教えてくれなかったの菫?」

菫「流石に知ってると思っていたよ。モブZも呆れていたぞ」

照「うう…こんなことならおとなしくプロになっておけば良かった」

菫「ドラフト同期の口の軽い連中に言いふらしておく、さっさとプロに来て思う存分笑われてしまえ」

照「うう…恥ずかしい…」

菫「ちなみに、先週のうちに愛宕と江口に話したから、もう同期は全員知ってる頃だ。プロ全体に広がるのもそう遠くないな」

照「酷い…」

菫「自業自得だ」



?「そう、自業自得だ…」



照「ひっ!?」ビクッ

智葉「愛宕から聞いたぞ。随分ふざけた理由で私を待たせてくれたものだな、宮永…?」

菫「ああ、智葉か。留年の話の時にもこってり絞ったそうだが…」

智葉「その留年の理由があんなふざけたものなら、追加で仕置きが必要だろう?」

菫「まあ、そうだな」

照「そ、そんな…」ガタガタ

菫「二度もインハイの決勝卓を囲んだライバルだ。それぐらいの権利はあるだろう。反省しろ、照」


咲「馬鹿なの!?煌さんたちとの交流戦で勝ち越してるじゃん!淡ちゃんの方が強いって!」

淡「インハイ優勝者がなにアホなこと言ってるの!?咲ちゃんより強い人なんか居るわけないじゃん!」

咲「実際勝ってるじゃん!」

淡「実績から見て、誰がどう考えても咲ちゃん最強でしょ!」

咲「じゃあ打って決めようよ!手加減したら怒るからね!」

淡「そっちこそ!」


和「最近になって喧嘩の原因が変わりましたが…結局やることは同じなんですね」

憩「せやな。飽きもせずようやるわ」

衣「全く、仕方ない奴らだ」


玄「和ちゃん、ちょっとおもちを触らせてくださいなのだ」

憩「玄ちゃん、ぶっ殺すよ?」ニコッ

玄「」ガタガタ


煌「で、誰が行きますか?」

姫子「私はパス、夫婦喧嘩は犬も食わんってな。麻雀馬鹿どもがいくでしょ」


ネリー「今日こそサキに勝つんだよー!」

モブE「お供します先輩!」

衣「順位が下だった方が衣と交代だぞ」


姫子「な?」

煌「あはは…元気ですねえ」





ネリー「うーん…キラメ達が引退したから面子が固定されてきたんだよ」

和「ネリーさんほどの打ち手に相手がいるだけ、上等ではないですか?」

モブE「全く持ってそのとおりです」





咲「だから、たまたまだって!てゆうか、部内戦だと面子がほぼ固定だから研究の成果かな」

淡「研究だったら私もしてるもん!これは実力差以外ないね!」

咲「あり得ないね!てゆうかオータム負けたし!やっぱり淡ちゃん最強説が正しかったんだよ!」

淡「あんなの周りが雑魚だっただけじゃん!せめてシズノが居れば話は違ってたね!」

咲「だから穏乃ちゃんは予選でトバしたんじゃない!…あ、今のなし」

淡「ちょっと!あれやっぱり狙ってたの!?」

咲「何のことかわからないなあ…」メソラシ

淡「あったまきた!決着つけるよ!勝った方が最強ね!」

咲「上等だよ!手加減禁止だからね!」




和「始まりましたか…」

ネリー「多分、来年もこれに振り回されるんだよ」

モブE「まあ、練習にはなるからいいじゃないですか」


『さあ、麻雀ウィークリー杯決勝、本大会はダブルスで行われています!解説の三尋木プロ、よろしくお願いします』

『あー、私は相方が居ないからねえ…ダブルスは良くわかんないよ。なんで呼んだの?』

『知りませんよ。一応プロなんだからちゃんと解説してください』

『ま、あの二人の解説はできるけどねー。なんせ、ダブルスなのに相手のことなんも考えてないし。普通のシングルの解説してれば間違いない』

『あの二人と言いますと、宮永選手と大星選手ですか?』

『そ、自分が全力で打ってもどうせ相手が凹むことはないって信頼があるみたいだね。知らんけど』

『高校時代から勇名を馳せてきた二人ですからね。互いの実力は疑う余地もないでしょう』

『まだまだ遅れをとる気はないけどねー、あたしも玄ちゃん辺り相方にして全力で潰し合おうかねえ?』

『怒涛の高火力コンビですか…対戦者にとっては悪夢ですね』

『ま、それはさておきどうなるかねえ?「竹福」は、ここ二年負けなしのダブルスの新星にして頂点だよー』


淡「今回の相手は結構手ごわいらしいね。ま、咲ちゃんが居れば何とかなるでしょ」

咲「いざとなったら頼むよ淡ちゃん」

淡「他力本願はどうかと思うよ?」

咲「そっくりそのまま返すよ」

淡「じゃ、行きますか」

咲「うん、チーム『淡宮』、ファイトー!」

淡「おー!」



校則以前に年齢的にテルーにインハイ出場権はないんですけどね

てなわけで、咲淡が書きたいだけのSSでした。

乙 ケンカップルいいね

素晴らしい話に素晴らしい淡咲だったがチーム名だけはセンスがない乙

乙 モブEのキャラが良い味出してた

なかなかにカオスでございました乙乙
これ他の強豪校にとっても、全国優勝さえ諦めれば上位入賞のチャンス広がるから必ずしも悪いことばかりではないのかね

あとどうでもいいことかもしれんが、某スレや他多くのSSの影響で咲「ちゃん」呼びの淡にめっちゃ違和感ww

それ言うなら咲ちゃんが読み間違えるのも違和感だが面白かったから良し!

面白かったが、結局照の留年理由はなんだったんだ?

皆様、乙ありがとうございます。

>>63
一番痛いところを的確についてきますね。

>>67
意図的に留年しているので、多分出席不足か成績不良です。

今更だけど乙

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