もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 repeated despair (1000)



もし小泉さんが主人公だったら REPEATED DESPAIR


ダンガンロンパ2




※注意



<重要!!>本編だけでなく1週目の重大なネタバレがしょっぱなからあります。
下に貼ってあるリンクのパ―ト1から6まで読破できていない人は、このスレをすぐに閉じることを切に推奨します。


part1→ もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1404917911/)



part2→ もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 part2 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1406974060/)



part3→ もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 part3 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1408702032/)



part4→ もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 part4 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1410084963/)



part5→ もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 part5 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1411466402/)



part6→ もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 part6 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1412775904/)




・これは、ス―パ―ダンガンロンパ2の二次創作です。


・小泉が主人公のIFの世界なので、島の構造やキャラの性格が微妙に違ったりするかもしれません。


・2週目は非日常編が存在しないので、基本ギャグ&ほのぼのだけです。絶望したい人向けではありません。


・(主人公含め)キャラ崩壊があります。キャラのイメ―ジを壊したくない人はご注意ください。


・エログロは(基本的には)ないですが、ラッキ―スケベはあるかもよ。


・カップリング要素が存在するキャラが数組あります(半数程度)。そういうのが嫌いな人は要注意。


・この小泉さんは日向クンにはなびきません。ヒナコイ派の人は要注意です。


・他にも、『これ、おかしくね?』みたいなところがあるかもしれませんが、希望があれば大丈夫だよね!!


それでもダンガンロンパ2が好きだぜ!!という人は見てやってください。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1414329511



PROLOGUE+ 超高校級の座談会と超高校級の決意



小泉「いや~。遂に完結しましたね!!『もし小泉さんが主人公だったら』!!」

西園寺「なぜか他では小泉ロンパと呼ばれているらしいけどね。まあ、元のスレタイが長いし言いにくいせいかな。」

小泉「完結したことだし、ここらで制作秘話やらなんやらを暴露しちゃおうってことだね。」




西園寺「で。それに参加するのは、黒幕であるわたしと“絶望のカリスマ”である小泉おねぇだよ!!」

小泉「早速1週目の致命的なネタバレをしちゃったよ!!1週目未読者がいたらどうすんの!!」


西園寺「大丈夫だよ、小泉おねぇ。ここでネタバレ喰らったとしても…」

西園寺「実際1週目を読んでみたら、なんでこれがネタバレになるかなんてわからないって。」


小泉「それもそうね。実際、6章までで日寄子ちゃんが黒幕だって気付いてた人なんているのかな?」




西園寺「3章をよ―く読み直してみたら、わたしの発言がおかしいってわかるはずなんだけどね。」


小泉「え?具体的にどの部分?」

西園寺「さあ?それは自分で考えてみてよ!!」




小泉「でも3章って、豚神と唯吹ちゃんの話で忙しかったからね。」

小泉「日寄子ちゃんのことにまで読者は頭が回らなかったんじゃないかな?」

西園寺「まったくもう。被害者軽視加害者重視なんて、まるで本編みたいじゃん。」


小泉「はは…。3章は、それに対する皮肉も込めたシナリオだからね。」

西園寺「まさか6章でその伏線が回収されるとはね!!予測不可能だよ!!」




小泉「とにかく、3章は黒幕につながる事件ということで、割と重要な章だったわけだけど…」


小泉「その中身は豚神と唯吹ちゃんのベタベタなカップリングの話だから、
この組み合わせが嫌いな人には苦しい章だったかもね。」


西園寺「ふん。むしろ、自分の2次創作で特定のカップリングを人気にさせるくらいの意気込みじゃないとダメだよ。」

西園寺「石丸×戦刃のカップリングも、とある2次創作で有名になった物だったでしょ?」

小泉「ああそうだっけ?でも、自分のスレがそんなに影響力があるって思うのもうぬぼれだと思うし…。」




西園寺「まあその話は置いといて。」


西園寺「3章でわたしの正体に気付けなくても、5章の時点で気付ける人がいてもおかしくないと思ってたんだけどね。」

小泉「発見者は発見後に死者となっても発見者に含まれるってやつよね。」

小泉「ここで3回目の事件を振り返れば、日寄子ちゃんが怪しいってわかるはずなんだけど…。」


西園寺「あの時は5回目の事件が起きて、証拠過多だったからね。黒幕なんて考える暇なかったのかな。」




小泉「そもそも、黒幕が用意されているって気付いてた人自体が少なかったのかも…」

西園寺「大半の人が江ノ盾のアルタ―エゴが黒幕だって思ってたんじゃね―の?」


小泉「いやさすがに、5章の時点でその線はなくなってたでしょ…。」

小泉「だって5番目の島に本物の爆弾があったり、千秋ちゃんが裏切り者として名乗り出ることができたりしたんだよ?」

小泉「どっちも、ゲ―ムの世界じゃあ有り得ない話だって分かるでしょ?」




西園寺「そう?5章で七海おねぇが小泉おねぇ達の居る島の正体を暴露してもなおゲ―ムの世界だと疑ってた人がいたよ?」

小泉「居たね…。さすがにあの時点でゲ―ムの世界じゃないことに気付いてほしかったな。」

西園寺「ゲ―ムの世界じゃないことは、いろいろ伏線を張っておいたつもりなんだけどね―。」




小泉「うん。例えば1回目の事件、モノクマファイルを渡されるのが遅れたよね。」

西園寺「1回目の事件は、事件発生から捜査開始までほとんど間がなかったからね。」


西園寺「モノクマファイルの配布が遅れる描写によって…」

西園寺「瞬時にモノクマファイルを作れないってことをほのめかしたつもりだったんだよね。」

小泉「ひいては、ゲ―ムの世界とは違うんだってことを印象付けたかった…。」


西園寺「といってもこれって、序盤の序盤だし…。確かに、この伏線は弱すぎたね。」

小泉「伏線って難しいよね…。強すぎるとすぐに気付かれて、意外性がなくなるし。」

小泉「弱すぎると、伏線があったこと自体に気付いてもらえないんだもん。」




西園寺「伏線と言えば、七海おねぇが実在する人間だっていう伏線もあったはずだよね。」

小泉「それって、裁判で千秋ちゃんがほとんど役に立ってなかったこととか?」


西園寺「そうだね。ゲ―ムの世界じゃないから、七海おねぇは実在する人間になったんだけど…」

西園寺「AIじゃない分、平凡な人間に成り下がっちゃったんだよね。」

西園寺「だから、推理力も本編よりかなり落ちてたはずだよ。」


小泉「その反面、狛枝の頭が異常によくなってたね…。本編の千秋ちゃんの分まで吸収しちゃった感じで。」

小泉「5章なんかはほとんど狛枝が推理しちゃってたね…。」




西園寺「でも七海おねぇは推理ができなくなった分、本編よりも人間性が増してると思うよ。」

小泉「そうね。生身の人間だからこそできる成長の仕方もあるはずよね。」


西園寺「裏切り者だと名乗ることを恐れて、5章まで行動をとれなかった七海おねぇの葛藤。」

西園寺「そうして殺し合いを傍観していた自分を反省し悔い改め、皆を助けるために1歩踏み出す…。」

西園寺「確かに、AIにはできない事かもね―。」


小泉「それで、人間性が増した結果が5章のアレか…。」




西園寺「七海おねぇの最期は、キャラ崩壊だとか違和感がすごいとか言われてたけど。」

西園寺「1はアレでよかったと思ってるみたいだよ?」

西園寺「そもそも、七海おねぇを原作通りのキャラで書く気はなかったみたいだから。」


小泉「そうね。ゲ―ムの世界じゃない時点で、千秋ちゃんのキャラが違っていて当然なのよね。」

小泉「AIだからこそのキャラが本編の千秋ちゃんなら、人間だからこそのキャラがこの話の千秋ちゃんなんだから。」


小泉「千秋ちゃんの最期の悲痛な叫びも、千秋ちゃんが普通の人間だからこその物なんだよね。」

小泉「自分が命を賭けてまで守ろうとした存在を誰1人守れなかったんだから。」

小泉「むしろ、あそこで嘆かないほうが人間として間違ってるのかもね。」

小泉「といっても、千秋ちゃんが遺してくれた証拠が後に重要になってくるんだけど。」




西園寺「とにかく、七海おねぇみたく本編とはキャラが違う奴が結構いたね。」


小泉「そうそう。田中なんか、途中から厨二言語をほとんど話さなかったよね。」

小泉「4章の終わりあたりから、標準語を普通に話してたような気がするよ。」


西園寺「仕方ないよ。厨二病用語を考えるのって大変なんだもん。」

西園寺「なのに生き残りにしようってのがそもそもの間違いなんだって。」


小泉「その上6章の裁判は、最初3人しかいないし1人は唯吹ちゃんだし…。」

小泉「無理やりにでも田中に推理させないと話が進まなかったんだよね。」


小泉「まあでも田中の場合は、そこまで酷いキャラ崩壊ではなかったはず。」

小泉「男子で1番酷いのは…」





九頭龍「オレか?」



西園寺「うわっ!!急に出てくんなよ!!」



小泉「九頭龍か…。(本当は日向のつもりだったけど)確かにアンタも、本編とはキャラが全然違うわね。」

九頭龍「キャラというか…シナリオ上の役目が違うっつ―か…。」




西園寺「この話において九頭龍には、小泉おねぇにとってのトラウマ的存在を貫き通してもらったよ~。」

小泉「そうなのよね。アタシって1章から既に九頭龍に苦手意識を持っていたよね。」

小泉「九頭龍が死んでも、恐怖は消えるどころか増していくばかりで…5章で一気に爆発した感じかな?」

西園寺「小泉おねぇのトラウマがよくわかるようにするためにねつ造したのがトワイライトの過去編ってことだね。」




九頭龍「だからって、オレを拷問狂にするのはどうなんだよ…。明らかにオレ、シナリオの割喰らってんだろ…。」

小泉「そう?でもそのおかげで、序盤で退場した割には終盤まで出番があったじゃない。」


九頭龍「ライバルポジションとしてか?」

小泉「ライバルどころじゃないでしょ…。5章初めの発狂しかり、6章35日目の奴しかり…。」

小泉「恐怖の権化とでも言った方がいいんじゃないのこれ。」


九頭龍「なんでオレがそんな役を引き受けないといけね―んだ…。本編じゃあオレは常識人ポジションだったんだぞ。」




小泉「常識人(爆)」

西園寺「常識人(笑)」

九頭龍「なんだその()の中身は!?」



西園寺「だってアンタって極道(笑)でしょ?」

西園寺「極道(笑)のくせに常識人とか(笑)」

九頭龍「常識人(笑)は仕方ないにしても極道(笑)は見逃せねぇぞコラァ!!」



西園寺「かりんとうが好きな極道(爆)」

小泉「牛乳が飲めない極道(笑)」

九頭龍「いつか後悔させてやる…。」




小泉「まぁ結局、人によって物事の見え方が全然違うってことよね。」

小泉「そりゃあ、実はかりんとうが好きとか、意外な一面を知れば少しは違うのかもしれないけど。」

小泉「本編でもこの話でも、アタシと九頭龍は仲直りすらできずに終わってるんだし。」

小泉「本編の日向からしたら九頭龍は成長した男に見えるかもしれないけど…」


小泉「アタシからしたら九頭龍は、血も涙もない極道でしかない。存在自体がトラウマなんだよね。」

小泉「よりによってあの狛枝にすがりつかないと正気を保てないほどのね…。」




西園寺「まったく…2次創作くらいでは仲良くしなよ。」

小泉「まぁ正直、アタシと九頭龍が仲良くしてるところとかまったく想像できなかったからね。」


小泉「『もし小泉さんが主人公だったら』のスト―リ―を考え始めた時、九頭龍の役目は真っ先に決まったね。」

九頭龍「小泉のトラウマ…っつ―か、罪とはどういうものか、を具現化したような感じだな。」


小泉「うん…。トワイライトの件で九頭龍がアタシに向けた敵意こそが、
“絶望のカリスマ”であるアタシが受ける罪と罰を象徴していると言ってもいいわ。」


小泉「死んでいる相手からは、永遠に許してもらえない。罪を永遠に清算できない。」

小泉「人の死は、それほど重いんだ。」

小泉「だからアタシは、罪を一生背負わなくちゃいけなかったのよ。」




九頭龍「それを表現するために、オレが2章で死ぬシナリオを最初っから思い浮べていたわけか。」

九頭龍「はなっから死ぬことが約束されている役目なんてよ。やっぱりオレ、シナリオの割喰らってんじゃね―か…。」


西園寺「大丈夫だって!!社会のゴミで歩く条例違反のクソヤクザが死んだところで、誰も哀しまないから!!」

九頭龍「ああん!?テメ―こそ本編じゃあゴミみて―な死に方してただろうが!!」


小泉「なによこの不毛な争い…。」




最初はこんな感じの座談会が続きます。

もしスト―リ―上やらなんやらの質問があれば言っておいてください。

質問に真面目に答えられるのは座談会が続いている間だけでしょう。

え?早く2週目が見たい?そう焦りなさんなって。




小泉「座談会を再開する前に、質問に答えておきます。」


西園寺「うわ―。驚くほどに唐突だね~!!」




・小泉の写真とそれによる絶望への堕とし方が分からない。


小泉「この辺は説明するとごちゃごちゃしそうだし、面白くもなさそうだったから端折っちゃったんだよね。」

西園寺「まぁせっかくこういう場を設けたんだから、補足説明をしておくよ。」




小泉「簡単に言うと、絶望している人ほどアタシの写真に感化されやすいの。」


小泉「もちろん、その程度にも個人差はある。」

小泉「タンスの角に小指をぶつけた絶望だけで感化される人もいれば…」

小泉「最愛の人をなくすっていう絶望を体験しても感化されない人もいる。」


小泉「で。アタシの写真に感化される段階に進むには、絶望が必要なんだけど…」




小泉「感化される瞬間には、いくら絶望に屈しない心を持っていても無意味なんだ。」

小泉「アタシの理念は、あくまで“エガオ”になる事だからね。」


西園寺「霧切おねぇや腐川おねぇが洗脳されちゃったのもこのせいだよね。」

西園寺「2人は世界を取り巻く絶望に屈しはしていなかったけど、絶望を感じてはいたんだよ。」


西園寺「う~ん。例えるなら…」

西園寺「組み立てられた積み木が“絶望”で、その積み木でダルマ落としを楽しむ行為が“エガオになる事”かな。」

小泉「ちゃんと伝わってんのかな?これ…。」




小泉「そして。アタシの理念に染まらない人は、正常な頃のアタシの写真を見ていることが多いの。」

小泉「本当の笑顔がどういうものかを知っているからこそ“エガオ”が狂ったものだと理解できる。」


小泉「だけど…」




小泉「絶望時代のアタシ達15人は…」

小泉「正常なアタシの写真にこもる、情緒のようなものを理解する力すらなかったと解釈してほしいな。」


西園寺「うん。小泉おねぇの理念に染まらないために重要なのは、あくまで“本当の笑顔を知っている事”だから。」

西園寺「正常な頃の小泉おねぇの写真を見ていても、それを理解する力がなければ意味がないんだよ。」


小泉「だからこそアタシ達は修学旅行で絆を深めて、本当の笑顔を知る力を得る必要があったってこと。」




小泉「ってわけで生き残りの田中、弐大、唯吹ちゃんが特別絶望に堕ちにくかったメンツだ…ていうわけじゃないんだ。」

小泉「まぁ心の強い方ではあるんだろうけど。あの状況で正気を保てないのは…」


西園寺「“絶望のカリスマ”で豆腐メンタルの小泉おねぇくらいだろうね~!!」

小泉「豆腐メンタル…。確かにアタシ、終始メンタル弱かったわね…。」

小泉「読者はアタシに感情移入できたのかな。むしろ、メンタルの弱さにイライラしちゃったかもしれないよ…。」




・なんで西園寺はここまで澪田を嫌うのか?


小泉「これに関しては、もう1度6章を読み直してほしいと言いたいところだけど…」


西園寺「なにせ6章の裁判は異常に長いからね。他の裁判の2倍くらいあるから、読み直すのも面倒くさいよね。」

小泉「そもそも、日寄子ちゃんの意図がいまいちわかんなかった人も多いんじゃないかな…。」





西園寺「じゃあ、ここでまとめておくよ―。わたしの感情と状況の変遷を箇条書きにすると…」



小泉おねぇに見捨てられる→小泉おねぇの目を覚ましてあげたい→未来機関に入る→父親を殺される→


“超高校級の絶望”が憎い→でも、親友だった小泉おねぇを恨みたくない→全部江ノ島盾子のせいにしたい→


本来の小泉おねぇはわたしを大事にしてくれる小泉おねぇだと信じたい→


だから、小泉おねぇとの絆が確かに存在することを証明して欲しい→


小泉おねぇが証明をくれれば、小泉おねぇを助けてあげよう




西園寺「…なんか、かなり強引だけど。こういう感じなのよね。」


小泉「ここで大事なのは、アタシとの絆を確かめたいって部分よね?」

西園寺「うん。そのために、記憶を消してまでコロシアイに挑んでいるわけなんだから。」

西園寺「5章の裁判で小泉おねぇだけを島に残そうとしたのも、小泉おねぇと1対1で話したかったからなんだよね。」


西園寺「でも実際は、澪田おねぇ達が島に残っちゃったからうまくいかなかった。」

西園寺「まぁそれも予測の範囲内だったから、別の方法で絆を証明してもらうことにしたんだよ。」




西園寺「そうして6章で小泉おねぇに要求した“証明”ってのが、“澪田おねぇを殺してもらうこと”だったわけ。」


小泉「アタシは3章で、殺された日寄子ちゃんではなく共犯者である唯吹ちゃんの肩を持ってしまったからね。」

小泉「モノクマを操っていた日寄子ちゃんからしたら、アタシとの絆が粉々に砕けてしまった感覚だったんだろうな…。」


西園寺「うん。だからこそわたしは、澪田おねぇがとっても憎かったんだ。」

西園寺「なにせ、わたしと小泉おねぇの絆を壊した張本人だからね。」




小泉「唯吹ちゃんを殺してもらうことに固執していたのも、アタシとの絆をどうしても確認したかったからなのよね…。」

小泉「まあ結局アタシは、唯吹ちゃんを殺せなかったけど…。」


小泉「やっぱりアタシと1番の絆で結ばれているのは日寄子ちゃんなんだよ。」

西園寺「えへへ…なんか照れるな。」




・狛枝の真意は明かされることはあるのか?


小泉「狛枝の最期の行動をいい方にとらえるか、悪い方にとらえるか…。」

小泉「これは完全に、読者の想像に任せる形にします。」


西園寺「2週目でも、狛枝おにぃの真意に関する補足説明をする気は一切ないからね―。」

小泉「本編でもそうだけど、ある程度読者に想像の余地を与えることも物語を書く上では重要だからね。」


西園寺「さあ、ヤキモキしろ。ヤキモキしろ…。」

小泉「こんなマニアックなスレの話でヤキモキしてくれる人が、果たして何人いることやら…。」




・2週目には、霧切さんや腐川さんに救いはあるのか?


小泉「1週目だと、知らないうちに死んじゃっていたからね…。」

西園寺「せっかく2週目を用意したんだし、1キャラにも死者を出したくないよ―。」


小泉「まあそこは、2次創作の特権であるご都合主義で何とかなるでしょ!!」

西園寺「ほら、やれば何とかなるってやつだよ!!」

小泉「希望も絶望も背負った君たちなら、都合のいい未来だって創れるよ!!」


小泉「というわけで、アタシが主人公のssもっと増えろ~!!」

西園寺「なんか、持っていき方が強引すぎるよ!!」




・弐大を捕える時に西園寺が使った『汚い手』とは?


西園寺「考えてません。」

小泉「だよね…。」


西園寺「そういう細かい所を考えすぎていたら、神経質になりそうだし、冗長な文章になっちゃうからね―。」

小泉「そうそう。5章や特に6章は、今までの伏線を全部回収しないといけないからね。」

小泉「自分でちりばめた伏線をもれなく回収しきっているか?うっかり抜かしているところはないか?」

小泉「っていうので、すんごい神経質になりながら執筆してた記憶があるよ。」




西園寺「全部回収したら、6章の裁判はすっごく長くなったもんね。」

西園寺「まさか他のどの章よりも長い裁判になるとは執筆前には予想もしてなかったよ。」


小泉「そのくせ6章は、実は最も見直し回数が少ない章なんだよね。」

西園寺「うんうん。なんか6章は、やけに誤字脱字が多かったからね…。」


小泉「一人称や呼称は間違えないように気を付けたから、ほとんど間違いはないと思うけど。」

西園寺「そうそう。『オレ』とか『俺』、『ボク』とか『僕』なんている書き分けもしっかりしたつもりだよ。」




小泉「でも…いざ自分で読み直した時に、伏線の回収し忘れとか呼称の間違いとかあったら嫌だなぁ…。」


小泉「すでに見つけているのは…」

小泉「3章の裁判でソニアちゃんがモノクマを、モノクマさんと呼ぶところをモノクマって呼んでたよね。」

西園寺「4章の裁判でも、左右田おにぃが『俺』って言ってたりしてたよ。」

小泉「細かいところまで気を配ってるつもりだったんだけどね…。」


西園寺「まあ実際、こんなところまで目を配っている読者なんてそういないでしょ!!」

西園寺「むしろ、こんなことを気にしている1の方が問題ありだね!!」




小泉「え―っと…。じゃあここで言っておこうか。」


小泉「1はこのシナリオを、1回だけしか楽しめないように執筆したつもりはありません。」

小泉「むしろ、読み返せば読み返すほど味が出て来るような…。そんな物語にしたつもりです。」


小泉「2回目に読むと、『あ、ここって伏線だったんだ!!』とか、
『うわ!!序盤ですんごいネタバレしてんじゃん!!』とか思ったりしてくれるんじゃないかって思ってます。」


小泉「だからできればこの話を、末永く読み返しちゃってください!!」


西園寺「でも、5章の最後だけは読み返したくないね―。」

小泉「ああそう…。」




・終里がクロになったことに納得いかない。


小泉「納得してよ!!(懇願)」

西園寺「元々1章で表現したかったところはそこじゃなかったんだよね…。」




小泉「うん…。本編をやっているとわかるとおり、学級裁判はクロを当てる場なんだよね。」

小泉「でもゲ―ムをしていくうちに、クロを指摘して当然だと思うようになってくるんだよ。」

西園寺「まあクロを当てないと自分が死ぬんだから、仕方ないっちゃ仕方ないんだけど。」




小泉「でも良く考えてみてよ。クロを当てると、クロは死んじゃうんだよ?」

小泉「そう考えると…推理をすることは、間接的に人を死に至らしめていることになる。」

小泉「確かにクロは人を殺している人間だから、同情なんてできないけど。」

小泉「だからといって迷うことなくクロに投票して、クロを死なせていいものなのか。」

小泉「そういう意見だって出て来たっておかしくないと思わない?」


西園寺「まあ…自分の命が1番かわいいっていうのもあるけど。」

西園寺「やっぱり、クロは人殺しだからっていう部分を免罪符にしているんじゃないのかな?」




小泉「そうなのよ。その免罪符を権利として主張して…」

小泉「推理によってクロに投票することを、正当化している節もあると思うの。」


小泉「じゃあ…その正当化ができなくなった時は、どうなるのか。」

小泉「クロに投票することに正当性がなくなってもなお、クロに投票する権利は果たして存在するのか?」

西園寺「七海おねぇの推理力をさげた理由には、この主張をしたかったってのもあるんだよね。」


小泉「そんなアンチテ―ゼを提示した…つもりだったんだけど…」




西園寺「実際読者が食いついたのは、そんなところじゃなかったみたいだね。」

西園寺「これじゃあアンチテ―ゼ(笑)だよ。」


小泉「うん。」

小泉「1の思惑は蚊帳の外で読者は、赤音ちゃんがクロになった理由がこじつけだ!!意味不明だ!!と思ったみたい。」




西園寺「一応そこの補足は5章でされているんだよね。クロはモノクマが決めるって。」

西園寺「たとえ皆が狛枝おにぃをクロだと思っていても、モノクマが終里をクロと呼べば、終里がクロになるってわけ。」


小泉「念のために言っておくけど、モノクマは自由にクロを決められるわけじゃないよ。」

小泉「ロジック通りに推理したにもかかわらず、アタシ達とモノクマで頭に思い浮かべるクロが違う場合…」

小泉「必ず違和感が発生しないといけないんだ。」

小泉「だから1章の事件、適当に『九頭龍が犯人だ~』なんてのはできないの。」

西園寺「そんなことをされたら、学級裁判で答えを出しようがないからね。」




小泉「とまあ設定的には、赤音ちゃんがクロになった理由はこれね。」

西園寺「感情的に納得いかない場合は…諦めてね☆」


西園寺「ちなみに、どうして1章のクロを終里にしたの?」

小泉「メタ視点で言えば、2章の小窓から自力で逃げられるキャラは2章裁判時点で全滅させる必要があったのよ。」

西園寺「小窓を進入経路にできないってのが、2章のトリックのミソだったからね。」




小泉「あとは…正直赤音ちゃんを生き残らせておいて、活躍の場を作れるとは思えなかったんだよね。」

小泉「本編でも活躍が微妙だし、どうやって活躍させればいいのかさっぱりだったのよ。」

小泉「被害者にしてもクロにしても生き残りにしても、中途半端なシナリオしか書けそうになかったから。」

小泉「誰にでもなれる、1章のクロにしちゃえ!!って感じで決定したわね。」




西園寺「おかげで空気呼ばわりされちゃってるよ終里…。」

西園寺「まあ、本編の生き残りにはあんまり重きを置いてないからね。」

西園寺「本編ではあまり活躍しなかったキャラに活躍させることを主に考慮に入れてたよ。」


小泉「まあ、今のところ質問はこれくらいかな?」

小泉「思った以上に質問の返答に時間を食ったから、座談会はまた今度!!」




今日はこれまで。




小泉「さてと…。九頭龍についてはこのくらいかな?」

小泉「後は…キャラが違う人はこれくらいかな?」


西園寺「…パンツハンタ―。」ボソッ

小泉「ああ…。いたね。真っ先に被害者になったから、あんまり印象に残ってないかもしれないけど。」


九頭龍「日向がパンツハンタ―になったのは、オレの時みたいに、何かわけがあんのか?」

小泉「特にない。」

九頭龍「」




西園寺「でも、日向おにぃを真っ先に殺したのには理由があったよね。」

九頭龍「何だそりゃあ?」


西園寺「ていうかアンタ何気に、座談会にずっと参加する気?」

九頭龍「ここが最初で最後の活躍かもしんね―だろ。」

小泉「まぁ、九頭龍と普通に話せるのも座談会の間だけかもしれないしね…。」




九頭龍「で?日向を1章の被害者にした理由ってのは何だよ?」

小泉「アタシとキャラが被る。」

九頭龍「…」


小泉「あのままだらだらと日向を生き残らせてみてよ。主人公ポジションの危機よ!!」

小泉「…というのは冗談で。」




小泉「日向とアタシのフラグを建たせないことね。」

九頭龍「何だそりゃあ!?それこそ冗談めいてんぞ!!」


小泉「そもそも当初に1が書きたかったのは、狛枝とアタシの純愛スト―リ―だったのよね。」

西園寺「純愛…?ヤンデレの間違いじゃないの?」




小泉「この話を書こうと思ったきっかけでね。境界線シリ―ズっていう2次創作を読んだわけよ。」

小泉「これを読んで、自分もこういうのを書きたい!!って考えたわけ。」


小泉「でもね。この境界線は、ヒナコイの物語なのよ。しかもかなり完成度が高くってね。」

小泉「1が普通にヒナコイを書いたところでコレを越えられるわけもなし。」


小泉「じゃあヒナコイを諦めて狛枝とアタシの話にしよう(安直)って決まったのよ。」

西園寺「カップリング名すら知らないカップリングを主軸にしようって。チャレンジャ―だね~。」




九頭龍「だからこの話がヒナコイでないことを宣言するために、日向を真っ先に殺したってのか…。」

九頭龍「ヒナコイ派…いやそれ以前に、日向ファンを丸ごと敵にまわしそうな発言だぞそれは…」


西園寺「敵にまわしそうな層は、そこだけじゃないよ。」

西園寺「例えば2章、九頭龍と辺古山おねぇを一緒に殺すなんて。クズペコ好きはイラッと来たかもしれないね。」

九頭龍「クズペコ好きはそもそもこの話を読まね―気がするがな…。」


小泉「さすがにあの時、九頭龍くらいは生かしておいてもよかったかな~。なんて思ったんだけど。」

小泉「それだと2章のトリックが崩れちゃうし、前に話した九頭龍の役目の件もあったからね。」




九頭龍「他にもなんか全体的に、こんなことやっちゃっていいのか!?ってところが多かったような気がすんな。」

小泉「例えば?」


西園寺「表を作ってみようか。」





プロロ―グ→ 日向から右フックを喰らい気絶させられる


1章→ 弐大に殴り殺されかける


2章→ 辺古山に殺されかける・毒ガスの蔓延する部屋に放置される・裁判で狛枝に泣かされる


3章→ 絶望病にかかって正気を失う・親友を殺される(暫定)


4章→ ソニアにヒ―ルで踏まれる


5章→ しょっぱなから発狂・ヤクザにいじめられる・拷問を受け電流責めされる・親友の殺害を強要される


6章→ 引きこもりになる・片目を失う


エピロ―グ→ 轟沈エクスカリバ―号さんのことを十神と呼ぶ




九頭龍「こりゃあひでぇな…。」

西園寺「うん…。酷い目に遭ってばっかりだね。」

小泉「これ全部、1週目でアタシが受けた仕打ちじゃない!!」


九頭龍「物語の中でここまで酷い目に遭っている主人公も珍しいんじゃねぇか?しかも女なのによ…。」

西園寺「まぁ、貞操を守り抜けただけマシでしょ!!」

小泉「そうだね…。(本編ではどうだか知らないけど)絶望時代にもそういう行為をするような描写はなかったからね。」




九頭龍「しかし、電流責めだぜ?ここまでやるか普通?」

小泉「やった張本人はアンタでしょ!!」


西園寺「小泉おねぇの拷問シ―ンは絵が1つあるんだけどね。」

西園寺「あんまりうまく書けなかったし需要もなさそうだからうpしてないんだよね。」

小泉(振りかな?)




九頭龍「とにかく。この話には、1の趣味というか…性癖?というか…」

九頭龍「そんな感じの物が詰め込まれているからな。どう考えても万人受けするもんじゃね―な。」


小泉「そうね。ダンガンロンパそのものがそうだったけど…。」

小泉「1と感覚が全然違う人は、途中で読む気をなくしそうよね。」

小泉「そうやって読者をふるいにかけていって、読破できた人は果たして何人いることやら…」




西園寺「まぁこの話を読む層は多分、ほとんどが小泉ファンだろうからね。」

小泉「アタシ、酷い目に遭ってばっかりだったけどね…。」


西園寺「『もし小泉さんが主人公だったら』なんて題名だし、ssを探す際に『小泉』で検索しないと出て来ないもん。」

西園寺「この話に出会うきっかけからして、なかなか読者を集められないんだよね。」

小泉「題名を『日向「超高校級のパンツハンタ―」』とかにしとけば、もっと読者も増えたような気がするよね…。」




九頭龍「元々読者の数は少なそうだから、読者にこびることを考えずに執筆したってか?」

九頭龍「読者を置いてきぼりにしてんじゃね―か?」


小泉「でもその分、1の書きたいものを書けたわけだから。1の発揮しうる120%の面白さを提供できたと思うよ。」

西園寺「そうだね。正直な所、この話の面白さを深く理解してくれる人がいるなら、知名度なんて些細なことだよね。」




九頭龍「しかしよ。学級裁判を安価形式で進めてたんだからよ。」

九頭龍「見てくれる人がいなかったら、そもそも話自体を進められなかっただろ。」


小泉「そうね…。自分のやりたいことはやるくせに、誰かに見てほしいと丸わかりな形式にするなんて。」

小泉「いわゆる二項対立ね。二律背反ね。」


西園寺「まあssなんて、みんなそんなものだし…。」




小泉「だからこそ、こんなひねくれた作品についてきてくれた読者は大切にしないと。」


九頭龍「読者を大切にするだと?よく言うぜ。」

九頭龍「そもそも座談会なんて筆者の自己満足なわけで、読者はさっさと2週目を始めろ!!って思ってんぜ。」




九頭龍「大体、2週目をやる!!なんて勢いで言ってたが、エタったりしないだろうな。」

小泉「大丈夫!!その時はご都合展開で一気に6章に行ってスレを強制シャットダウンすればいい話だから!!」


西園寺「なんかそのうち、1週目だけできれいに終わってればよかったとか言われそうだね…。」




小泉「まぁそれはともかく。読者がいるってのは、レス数だけでしか判断できないからね。」

小泉「レスが多い日は、楽しんでもらえたんだなって思えるし。少ない日は、つまんなかったのかなって不安になるし。」


西園寺「特に学級裁判中はなかなかレスがこないからね。1日に1レスしか来なかった時とかは相当ショックだったよ。」

小泉「全体的にみて、0レスだったときはなかったみたいだけどね。」




小泉「特に5章や6章は、安価すらなかなか来なかったからね。3択の簡単な問題ですら20分もかかったりして。」


九頭龍「仕方ねぇよ。最終的には6スレもかかったんだからよ。」

九頭龍「話が長すぎて、5章や6章の途中で読むのを挫折した人が多いんだろうよ。」




小泉「そうだね。」

小泉「っていうか、1もシナリオを書いているときは、5章や6章がこんなに長くなるとは思ってなかったんだよ。」

西園寺「気付いたら、5章と6章って、それぞれ他の章の2倍くらいの長さなんだよね…。」


九頭龍「参考程度に言っておくと、1章は約75000文字。2章と3章はそれぞれ約77000文字。4章は約91000文字だな。」

小泉「で、5章は約171000文字。6章は約136000文字あるのよね…。」

西園寺「うわ~。1~4章合わせて5~6章と同じくらいの分量じゃん!!」


小泉「だから、4章の終わりくらいが折り返しなのよ。」

小泉「おまけに5章は日常編が異常に長いし…。5章の裁判に参加してくれた人はあまりいなかったみたいね。」




西園寺「やっぱりレス数はモチベ―ションにも関わってくるし、できればレスして欲しいよね。」

小泉「そうね。レスが全然来なかったら1章でやめようって思ってたくらいだから。」


九頭龍「座談会なんてものを開いているのも、2週目のためのモチベ―ションを高める為ってわけか。」

小泉「まあね(キッパリ)。」




小泉「1日で15レス以上帰ってきたときは、うれしかったね。」

西園寺「15レス以上か~。実際そんな日ってほとんどないよね。」


小泉「逆に、そういう日は人気があったんだなって思えるよ。」

九頭龍「なるほどな。ってことは、レスが多い章は人気があったと判断できるわけだな。」




小泉「うん。実際、レスが最も多い学級裁判は4章だったね。」

小泉「実は4章のトリックは1番最初に思いついたトリックだったから、完成度が不安だったんだけど…」

小泉「蓋を開けてみれば1番人気があったっぽくて驚いた覚えがあるわ。」


西園寺「個人的には1章のトリックが1番好きだったんだけどね。」

九頭龍「例のアンチテ―ゼ(笑)の奴か。」

西園寺「そうだよ極道(笑)。」

九頭龍「海に沈めてやりて―な…。」




小泉「1にとっては1章のトリックを1番インパクトの大きい物にしたつもりだったのにね。」

西園寺「ほんっと、こういうものの人気ってよくわかんないよね―。」

小泉「作者になってから初めてわかるわね、作者と読者の壁が…」


小泉「あと15レスを超えたのは、アタシが幼女化した時ね。」

西園寺「全く、これだからロリぺドは!!」

小泉「日寄子ちゃんが言うと、冗談に聞こえないよそれ…。」




九頭龍「そういえば…5章の最後はレスが山ほど来てたな。」

小泉「まあ5章の裁判の醍醐味は、天国から地獄だからね。」


西園寺「うん。5章の最後から6章の日常編までを妹に見せたら、『お前病んでるな』って言われたよ。」

九頭龍「まさにサイコだな。サイコ―なサイコだな。」




小泉「なんだかんだ言って、1が最も力を入れたのは5章かもしれないわね。」

九頭龍「やれやれ。今度は5章に関する自分語りが始まるのかよ…。」

小泉「まあまあ。2週目のための踏み台だと思って。」


小泉「5章で目指したのは、大事な人を失った時の哀しみを表現することよね。」

西園寺「1~5章の間で着実に狛枝おにぃと小泉おねぇの関係をいい感じにしておいたところで…」

九頭龍「あの仕打ちか。性悪すぎじゃね―か?」




小泉「さっきも言ったとおり、1が書きたかったのは狛枝とアタシの純愛だから。」

小泉「そういう話で定番の、悲哀を取り入れたかったのよね。」


九頭龍「悲哀…?胸糞の間違いだろ。」




小泉「といってもアタシと狛枝の関係は、ピュアピュアのプラトニックだからね。」

西園寺「ピュア…?死体を保存したり自分の眼玉を抉り出すことの何がピュアだって?」


小泉「最初から最後まで、恋愛とも友情とも取れるような描写をしたつもりだよ。」

小泉「だからアタシと狛枝の関係をどうとらえるかも、読者に任せることになるわね。」


九頭龍「いろいろツッコミどころがあるが…まあ、コレも振りの1つだな。」

西園寺「押すなよ押すなよ!!絶対に押しちゃダメだからな!!」




今日はこの辺で終了。2週目は…まぁそのうち。




小泉「だけど5章はね。アタシと狛枝の要素を取り入れたり、6章につないだりしないといけなかったから。」

小泉「5章のトリックは考え付くのに、実は1番時間がかかっちゃったんだ。」


西園寺「1章2章4章は、おもしろいほどにあっさりと思いついたんだけどね。」

西園寺「3つ合わせて1週間もかからなかったはずだよ。」


小泉「まあその3つは、1がssを書くときにはこういうトリックを使おうと思っていて…」

小泉「本編をプレイした後からずっと脳内に温めておいたものだからね。」


九頭龍「そして3章は6章につながる話だから、2・3週間はかかったんだったな。」

小泉「うん…。でも3章で時間をかけた分、6章のトリックは割と簡単に書けたかな。」




小泉「ところが…5章だけは、3ヶ月もかかっちゃったんだ。」

九頭龍「3ヶ月だと!?他の奴を全部合わせても1ヶ月ぐらいなのに、5章だけ3ヶ月だと!?」


小泉「1の考えでは、千秋ちゃんと狛枝は生き残りには含めないようにしたかったのよね。」

小泉「ところが5章の時点で、狛枝も千秋ちゃんも生き残ってるし。」

小泉「そうするとどうあがいても、本編の2番煎じのトリックしか思い浮かばなくってね。」


西園寺「うわ~。本編の5章は神とか言われてるからね。」

西園寺「被害者と加害者を一緒にして、本編の5章を越えられるわけがないね―。」




小泉「そうそう。だから1の筆は、5章の途中で3ヶ月近く止まってたんだよね…。」


九頭龍「完全に思考停止状態だったわけだな…。」

九頭龍「もし5章のネタを思いつく前にssへの投下を始めていたら、間違いなくエタってたなこりゃあ。」

小泉「ホントよね。」


小泉「このスランプを脱出する方法に気付かせてくれたインスピレ―ションには感謝しないと。」




九頭龍「その方法ってのが…狛枝と七海を、被害者にも加害者にもせずに退場させることだったんだな。」


小泉「この方法を思いついた当初の計画では、被害者は弐大だったんだけど。」

小泉「赤音ちゃんの件もあるし、知らないうちに死ぬのはどうなんだよって話になって。」


西園寺「最初っから死んでたわたしのお父さんが被害者になったわけだね―。」

西園寺「今思い返してみると、推理物としてのタブ―を侵しているような気がするよ!!」


小泉「問題ないって!!」

小泉「だってダンガンロンパのジャンルはミステリ―じゃなくてハイスピ―ド推理アクションなんだから!!」

九頭龍「誰も文句言ってね―のに。誰に対して弁解してんだよ…。」




小泉「まあ5章は、スト―リ―に多少粗があったかもしれないけど。」

小泉「結果的には5章のラストで程よい絶望を生み出せたと思うし。」

小泉「本編であまり出番のなかった弐大を6章で大活躍させることに成功したと思うのよね。」

西園寺「まあ、3ヶ月もかけたんだから、それくらいはしてもらわないと!!」




九頭龍「しかし、3ヶ月だぜ?もっとこう、どうにかならなかったのかよ?」


小泉「まぁ…そもそも5章は、ほとんど1がオリジナルで編み出したトリックだからね。」

小泉「本編のトリックをアレンジしたものである1~4章よりも時間がかかるのは仕方ないよ。」

小泉「1~4章のトリックはゼロから作る物じゃない分、考え出す時間が短いのも納得だわ。」




小泉「そして、1~4章のトリックはね。」

小泉「本編のトリックをベ―スに敷いたものだからこそ、気を付けたことがあるのよね。」

九頭龍「なんだよそれ。」


小泉「本編と似たり寄ったりな展開になるのを防ぐことよ。」

九頭龍「どういうことだ?」




小泉「読者を楽しませるにはやっぱり、シナリオが目新しいものじゃないとダメだと思うのよ。」

小泉「でもこの話を読む人は、ほぼ間違いなく本編をプレイしている。」

小泉「ってことはさ。本編をやっていれば先の展開が読めるようなシナリオだと、読者はすぐに飽きちゃうと思うわけ。」

小泉「でもトリックを1が全部無から作ってたら、時間がいくらあっても足りないし、残念クオリティになっちゃう。」




小泉「だからこそ1は、本編に準拠したトリックでありながら…」

小泉「本編を知っているとむしろ罠に引っかかるようなシナリオを考えたんだよ。」


西園寺「なるほどね。相手は本編をプレイ済みだってことを逆に利用したんだね。」

九頭龍「4章のトリックなんかは、まさに“罠”だな。極上の凶器がただのオマケなんてよ。」




小泉「そしてこれは、トリックだけに言えることじゃないよ。」

西園寺「そうだね。本編の根幹となるシナリオにもこれを適用したつもりだよ―。」


小泉「前にも話したけど…実はゲ―ムの世界じゃないっていうのも、“シナリオの罠”に当てはまるわね。」

九頭龍「読者はまず、ゲ―ムの世界が舞台だっていう先入観を持つはずだからな。」




小泉「他にも、未来機関が実は敵だったりしたわ。」


西園寺「まあ、5章あたりから未来機関の無能さが露呈しだしてたからね!!」

西園寺「勘のいい人なら、黒幕であるわたしが未来機関の一員だって気付いてたかもね!!」


九頭龍「それも罠だよな。本編プレイ済みなら、修学旅行の参加者全員が絶望の残党だと思い込むもんな。」

西園寺「くすくすくす…。裏切り者が1人しか紛れ込んでいないって思うのも、頭が固い証拠だよ―。」




小泉「罠と言えば…日常編をギャグ多めに書いたのも、非日常編とのギャップを深く味わってもらいたいからだったの。」


九頭龍「日常編がほのぼのしてたから、非日常編もそこまで絶望的にならね―だろ!!」

九頭龍「っていう心理の裏をかきやがったか…。」

西園寺「まったくもう。性格悪すぎだよ―。」




小泉「まぁ日常編もずっとギャグなしじゃあ、焦燥感で押しつぶされそうになるからね。」

小泉「そんなのじゃあシナリオを書いてる方もまいっちゃうわよ。」


小泉「だから逆に言うと…日常編のギャグが多いほど、非日常編を書くのがつらかった章だってこと。」

九頭龍「日常編でギャグが1番多かったのって、1章じゃなかったか?」


小泉「1章はまた特別なのよ。1章でやった皆との交流は、5章を書き終わってから書いたものなんだ。」

小泉「1章での皆との交流は、実はただの交流じゃないの。」

小泉「あそこには後のシナリオで重要になる伏線が、山ほど入ってんのよ。」

小泉「もう1度読み返す時は、そういうところも注意して読んでみれば面白いかもしれないわね。」




西園寺「話は変わるけど…犯行の動機も、本編とは絶対にかぶせないようにしたよね。」

九頭龍「3章の絶望病がブラフだったり、4章の絶食が動機の動機にしかなってなかったりしてたからな…。」


小泉「うん。そうやって本編とは違う動機を用意して、マンネリ打破を目論んだわけ。」

小泉「1の思い通りに、読者がこの話を飽きずに読んでくれていたら幸いね。」




九頭龍「しかしよ。そのしわ寄せで、ソニアへのフォロ―がほとんどできなかったわけだろ?」

小泉「そうなっちゃうわね…。」


小泉「ソニアちゃん以外の被害者は、後にフォロ―が入ったり、何かしらの非があったりするんだけどね。」

九頭龍「日向でさえ、後にカムクラとして名前が再登場してたのにな。」




西園寺「罪木なんかは被害者にもクロにもなってないのに、最終章まで出張って来ちゃってさ!!」


九頭龍「それってフォロ―なのか?死体いじくられまくってて、むしろ泣きっ面に蜂じゃね―か…。」

小泉「まあ出番的の多さっていう点を考えると、フォロ―になってるような気はしないでもないでしょ?」




小泉「でもソニアちゃんは…アタシをヒ―ルで踏んだくらいしか非はないのに、あんな惨たらしく殺されちゃって…。」

西園寺「ヒ―ルで踏まれるってどんな状況だよ!!」


小泉「4章は無意味な殺し合いを動機にしたかったから。」

小泉「4章の被害者であるソニアちゃんは…確かに、哀しいまでに無駄死にだったわね…。」

九頭龍「本編の小泉並みにフォロ―がないって言われるくらいだからな。」




小泉「1はなるべく、全キャラを平等に扱おうとしたんだけどね。」

小泉「ソニアちゃんの遺志を継いでくれそうな田中を生き残りにしたのもソニアちゃんへの配慮のつもりだったんだよ?」

西園寺「そんな言い訳がソニアファンに通じるのかな~?」


小泉「といってもまあソニアちゃんは、4章まで出番があったわけだし。」

小泉「所詮この話は2次創作だから!!本編で生き残っているだけ十分優遇されてるって!!」

九頭龍「逃げたな…。」




小泉「仕方ないでしょ…。16人もいたら、どうしても活躍に差が出ちゃうのよっ!!」


西園寺「活躍ねぇ。この際だから、どれくらいまんべんなく皆が学級裁判で活躍しているか見てみよっか!!」

西園寺「1章から6章までの、全てのフェイズをまとめてみたよ!!」




論破24回

賛成14回

反論ショ―ダウン12回

パニックト―クアクション8回

ロジカルダイブ9回

閃きアナグラム(改)10回



計77フェイズ



C1

論破3、賛成1、反論1、パニック1、閃き1、ダイブ1、計8フェイズ

C2

論破4、賛成1、反論3、パニック1、閃き1、ダイブ1、計11フェイズ

C3

論破4、賛成2、反論1、パニック1、閃き2、ダイブ1、計11フェイズ

C4

論破5、賛成2、反論2、パニック3、閃き2、ダイブ2、計16フェイズ

C5

論破4、賛成3、反論2、パニック1、閃き2、ダイブ2、計14フェイズ

C6

論破4、賛成5、反論3、パニック1、閃き2、ダイブ2、計17フェイズ




論破


1章

1、狛枝(1回目)

2、ソニア

3、辺古山


2章

4、罪木

5、西園寺(1回目)

6、小泉

7、花村


3章

8、豚神

9、左右田(1回目)

10、澪田(1回目)

11、澪田(2回目)


4章

12、弐大

13、澪田(3回目)

14、田中(1回目)

15、狛枝(2回目)

16、左右田(2回目)


5章

17、澪田(4回目)

18、澪田(5回目)

19、モノクマ(1回目)

20、七海


6章

21、モノクマ(2回目)

22、澪田(6回目)

23、田中(2回目)

24、西園寺(2回目)


0回…日向、終里、九頭龍(3人)


計24論破




賛成


1章

1、豚神


2章

2、ソニア


3章

3、左右田

4、狛枝(1回目)


4章

5、田中(1回目)

6、弐大


5章

7、七海

8、田中(2回目)

9、狛枝(2回目)


6章

10、モノクマ

11、澪田(1回目)

12、澪田(2回目)

13、西園寺

14、苗木


0回…日向、終里、九頭龍、辺古山、花村、罪木、小泉(7人)


計14賛成




反論ショ―ダウン


1章

1、九頭龍


2章

2、西園寺(1回目)

3、罪木

4、小泉


3章

5、澪田(1回目)


4章

6、田中(1回目)

7、狛枝


5章

8、澪田(2回目)

9、七海


6章

10、モノクマ

11、田中(2回目)

12、西園寺(2回目)


0回…日向、終里、辺古山、花村、豚神、ソニア、左右田、弐大(8人)


計12反論




パニックト―クアクション


1章

1、弐大


2章

2、小泉


3章

3、澪田


4章

4、田中

5、左右田

6、狛枝


5章

7、モノクマ


6章

8、西園寺


0回…日向、終里、九頭龍、辺古山、花村、罪木、豚神、ソニア、七海(9人)


計8パニック




個人成績


0裁判

日向…論破0 賛成0 反論0 パニック0 (計0)


1裁判

終里…論破0 賛成0 反論0 パニック0 (計0)

九頭龍…論破0 賛成0 反論1 パニック0 (計1)

辺古山…論破1 賛成0 反論0 パニック0 (計1)


2裁判

花村…論破1 賛成0 反論0 パニック0 (計1)

罪木…論破1 賛成0 反論1 パニック0 (計2)


3裁判

豚神…論破1 賛成1 反論0 パニック0 (計2)

ソニア…論破1 賛成1 反論0 パニック0 (計2)


4裁判

左右田…論破2 賛成1 反論0 パニック1 (計4)


5裁判

七海…論破1 賛成1 反論1 パニック0 (計3)

狛枝…論破2 賛成2 反論1 パニック1 (計6)


生き残り

田中…論破2 賛成2 反論2 パニック1 (計7)

弐大…論破1 賛成1 反論0 パニック1 (計3)

西園寺…論破2 賛成1 反論2 パニック1 (計6)

小泉…論破1 賛成0 反論1 パニック1 (計3)

澪田…論破6 賛成2 反論2 パニック1 (計11)


番外編

モノクマ…論破2 賛成1 反論1 パニック1 (計5)

苗木…論破0 賛成1 反論0 パニック0 (計1)




西園寺「…あれ?個人成績、生き残りばっかり良いような気がする…。」

九頭龍「…っていうか、生き残りのパニックト―クアクション率ェ…。まさかの100%かよ!!」

西園寺「澪田おねぇなんか、論破されすぎでしょ!!他の奴らは1回とか2回とかなのに、1人だけ6回とか!!」




九頭龍「おいおい…。いくらなんでも、生き残りが優遇されすぎなんじゃねぇのか…?」


小泉「仕方ないでしょ!!フェイズ数が1、2、3章で少なすぎるのよ!!合わせて30フェイズしかないんだもん!!」

小泉「序盤で退場する人には、どうしてもフェイズが回ってこないんだって!!」

小泉「ま、まぁ…。活躍の場は裁判中だけじゃないってことで!!(逃げ)」




今日はこのくらい。明日か明後日くらいに2週目を始めると思うよ。




小泉「ここで、質問に答えておきます。」

西園寺「またかよ!!」


・七海が未来機関に入った経緯


小泉「千秋ちゃんは、日向と同じ予備学科の生徒だったという裏設定があるの。」

西園寺「なるほど~。だから、トワイライトの件をハナっから知っていたんだね!!」

小泉「まあ本編と設定がいろいろ違うからね。こういうねつ造設定も当然のように出て来るのよ。」




・西園寺の父親は西園寺と同じ幼児体型か?


西園寺「5スレ目の>>864をもう1度よく見てみろ!!」


小泉「コレも、6章の学級裁判が異常に長いことの弊害ね…。」

小泉「細かいところまで読者が目を通せていない証拠だわ。」


九頭龍「ま、いいじゃねぇか。そこはたいして重要な部分じゃないんだからよ。」

九頭龍「正直なところ、文を簡潔にするために端折ってもよかったんじゃねぇか?」


小泉「そうは言ってもね。」

小泉「細かい所にも一応説明を入れておかないと、アレはなんだったんだみたいに言われちゃうもん。」

小泉「そうなると、粗の多い作品だって思われちゃうよ。」

西園寺「そのせいで冗長な文になっちゃうわけだね。どっちにしろ絶望とはこのことだよ!!」




・もしあそこで16人以上のレスが集まらずに、小泉が目覚めなかったら?


小泉「投票の結果がアタシになり、アタシが処刑された後に世界が破滅して。」

小泉「残された生き残りの3人が、希望を捨てずに絶望と戦おうと立ち上がった!!」

小泉「だから、絶望に立ち向かうために…」



小泉「田中と弐大が唯吹ちゃんを孕ませるエンドでした。」

西園寺「うわ…。」



小泉「まあまさかこんなエンドを見たいなんて物好きがいるはずもないし、このネタは永久にお蔵入りね。」

九頭龍「1番の物好きは、そんなエピソ―ドを考えた1だろ…。」

小泉「元はと言えばダンガンロンパ1の製作者がいけないと思うけどね。」




小泉「さて…。そろそろ、座談会とか言うものも終わりにしないとね。」

西園寺「うん。いい加減こんなどうでもいいものばっかり読ませるな!!なんて思ってる人もいるだろうから。」

九頭龍「1の言いたいこともほぼ全部言っただろうよ。」


小泉「まあ探せば探すほど、いろいろ話したいことが出て来ちゃうんだけどね。」

小泉「この話に1が込めた思いは無限大だからさ。」

小泉「でも、言い出せばキリがなくなっちゃうからね。」




小泉「だから、そろそろ始めよっか。」

小泉「『もし小泉さんが主人公だったら』の2週目。」



小泉「リピ―ディッドフィア…」

小泉「リピ―ディッドディスペア―(繰り返される絶望)をね!!」


九頭龍「今、別の物を言いかけたな…。」






If Koizumi were heroine… Super dangan ronpa 2   Restart






意識が、もうろうとしている。


カメラのピントが、上手く合わさっていないような感覚。



「…ねぇ…」



ここは…どこだ?


アタシは…何をしてたんだっけ?


思考回路がまともに働いていないせいか、状況判断すらままならないようだ。




「ねぇ…」

「…小泉…」



アタシを呼ぶ声が、聞こえている?


誰だろう…?



そう思ってまぶたを開けてみる。





すると…


違和感。



小泉「あれ…?見えてる。」




両眼に、光が差し込む。


眩しさに驚いて、パッとまぶたを再び閉じてしまう。


普通の人間ならば、至極当然の仕草だろう。



でも、アタシは…




「あ!!やっとおきたね、小泉おねぇ!!」

小泉「あ…えっと。」


「もう、心配かけさせないでよ―。小泉おねぇ、突然倒れちゃうんだからさ。」

小泉「ここ、どこ…?」




「あれ―?小泉おねぇ、ホントに大丈夫?っていうか、わたしのことちゃんとわかってる?」

小泉「あ、うん…。日寄子ちゃんだよね?」


小泉「あれ…?日寄子ちゃん、なんか、小さくない…?」

西園寺「小さいって?まあわたしは背が低いけど。だからこそ需要があったりもするんだよね!!」

小泉「いや、だって日寄子ちゃんは絶望病で…」


西園寺「ん?ぜつぼ…?何を言ってるの?小泉おねぇ。」




小泉「あれ?ここは、船の中…じゃないよね?本当にどこなのここ?」

小泉「だってアタシ達は世界の復興のために船に乗っていて、船の中で一夜を過ごして…」


西園寺「…?なんの話?小泉おねぇ。異常事態が連続して起こってはいるけど、気をしっかり持ってよ―。」




小泉「異常事態…?」

西園寺「そうだよ。」


西園寺「わたし達以外のよくわからない14人と一緒に、ジャバウォック島っていう場所に閉じ込められちゃってさ。」

小泉「ジャバウォック島?」


小泉「ちょ、ちょっと待ってよ。アタシ達は、ジャバウォック島から脱出したじゃない。」

小泉「日寄子ちゃんとアタシ達の5人でさ。」




西園寺「小泉おねぇ…多分、夢と現がごっちゃになってるんだろうね。」

西園寺「無理もないよ。さっきまで気を失ってたし、殺し合いなんて物を強要されてるんだからさ。」


小泉「こ、コロシアイ!?」

小泉「う、嘘…なんでまた!?」




西園寺「しかも今日は、豚足ちゃんがパ―ティなんか開いちゃってさ!!」

西園寺「豚足ちゃんが何か企んでないか不安だけど、まあこの際だから羽を伸ばしちゃおうよ!!」


小泉「豚足ちゃん…?それってまさか、豚神のこと…?」

西園寺「そうだよ?他に誰がいるの?」




西園寺「あ!!ゲロブタみたいな肥満デブなら当てはまるかもしれないね~!!」


小泉「ゲロブタって蜜柑ちゃんのこと…?日寄子ちゃん、犠牲になった人を愚弄するのはちょっと…」

西園寺「犠牲?犠牲ってなんの犠牲?」


西園寺「まあ確かに罪木は、いじめられるためだけに生まれてきた歩くわいせつ物だから!!」

西園寺「社会が生み出した犠牲者かもしれないね―!!」

西園寺「小泉おねぇも実は、わたし以上の毒舌だね!!」




小泉「え…?日寄子ちゃん。」

小泉「もしかして…豚神も蜜柑ちゃんも、生きてるの…?」


西園寺「まさかのゾンビ扱い!?しかも豚足ちゃんまで!!」

西園寺「さすがのわたしでも、豚足ちゃんに向かってゾンビ呼びはおっかなくてできないよ~!!」




小泉「ど、どういうこと…?」

小泉「どうして、死んだはずの人間が生きてるの…?」


小泉「何かの、悪ふざけ…?」

小泉「いや。こんな悪質ないたずら、いくら日寄子ちゃんでも…」




小泉「と、とにかく日寄子ちゃん。ここを、案内してもらえないかな?」

西園寺「ここって、ジャバウォック島を?小泉おねぇも10数日は過ごしたはずだよ?」

小泉「ごめん…。ちょっと、ド忘れしちゃって。」

西園寺「まぁ…小泉おねぇがして欲しいて言うなら。」



小泉(死んだ人間が生き返るなんて、有り得ない…。)



小泉(でも、一応…)


小泉(確かめるだけは、確かめておこう…。)




今日はこれまで。








信じられない。

アタシは、現状を全く呑み込めていない。


日寄子ちゃんにこの場所を案内してもらっている途中で、何人ともすれ違った。

田中や唯吹ちゃん、弐大と遭遇することには説明が付く。

ここがジャバウォック島だという事実にも、なんとか納得できる。




だけど、アタシにとってさっぱり理解できないのは…



弐大と一緒にトレ―ニングをしていたあの子。

田中とおしゃべりをしている女の子や、それを陰で見張っている男子。

ホテルのロビ―でゲ―ムしている子とか、トイレにこもっている誰かさん…




死んだはずの皆が。



当たり前のようにアタシを横切って。


ごく普通の日常茶飯事だといわんばかりに、アタシに会釈をして。


元気に動いている姿を…まるでそれが自然だと宣言するかのように、アタシの眼に焼き付けて…。




皆が、生きている。

アタシのせいで死んでしまったはずの人間が、生きている。

皆が見せてくれるエネルギッシュな笑顔を前に、アタシは心から歓喜した…



というわけにはいかない。

それよりもむしろ…困惑している、と言う方が正しいだろうか?




だって、突然…こんな、非現実的な事実を無理やり突きつけられて…


もしかしてこれは、アタシの願望が生み出した妄想なんじゃないか?

死んでしまった皆が生き返ってくれたらいいな…

なんて浅ましいことを考えているアタシが今も見ている夢の世界なんじゃないのか?

そうだとしたらアタシは、今日中にでも精神科の先生に診てもらわないといけない位には病んでいるのかもしれない。




「おい小泉、大丈夫か?」

小泉「え…?」


西園寺「あれ―?食用のチキンがどうしてさえずっているのかと思ったら、日向おにぃじゃん!!」

日向「はは…酷い言われようだな。」

小泉「ひ、日向…。」


日向「どうしたんだよ、小泉。お前、パッと見でもわかるくらいに顔色悪いぞ?」

日向「部屋で休んでた方がいいんじゃないか?」

小泉「あ…えっと。」




日向創…。


アタシ達16人の中で誰よりも社交的で、全員に対して平等に接している。

クセのある皆の中では、1番話しかけやすい人間だろう。


ただ1つ問題があるとすれば…当たり前のように他人のパンツを頭に被っている変態紳士ということだ。

自他ともにそれが正常だと信じて疑っていない。

最初は違和感を覚えていたアタシや日寄子ちゃんも、たった数日でそれを受け入れていた。

慣れって恐ろしい。




でも…彼はもう、この世にはいないはず…




小泉(日向はアタシに、何の気なしに話しかけてくる。)

小泉(日寄子ちゃんはそれに対して、茶々をいれている。)

小泉(2人にとっては、それが自然なんだろうな。)


小泉(だから…それを異常だと思っているのは、アタシだけなんだ。)




小泉(アタシだけが…異常なのか。)

小泉(それとも…)


小泉(アタシだけが、正常なのか?)


小泉(どっちにしろ、頭がおかしくなりそうな話ね。)

小泉(脳内の神経が、何本かねじ切れそうな勢いよ…。)




日向「今日は豚神がパ―ティを開いてんだよな。」

日向「でも…体調が優れないのなら、小泉はパ―ティを欠席した方がいいかもしれないな。」

日向「小泉がそのつもりなら、俺が豚神に事情を説明しておいてやるぞ?」


小泉「いや…大丈夫。ちょっと休んでいれば、すぐに元気になると思うから。」

日向「そっか…。でも、あまり無理はすんなよ?」

日向「なんなら俺が、部屋に連れて行ってやろうか?」




西園寺「うわ~!!日向おにぃ、そうやって小泉おねぇの部屋で2人きりになって何するつもり!?」

西園寺「下心丸見えの発言キモイよ―!!」


日向「それは違うぞ西園寺!!俺はそんな愚かしい計画、たててなんかいない!!」

日向「ただ俺は、あわよくば小泉の紐パンを手に入れようと考えているだけだ!!」

西園寺「下心よりも愚かしい目論みを企ててんじゃん!!」


小泉「はは…。賑やかそうで何より…」




…なんとなく理解してきた。


アタシはいわゆる、タイムスリップをしてしまったようだ。

にわかには信じられないけど、反論材料がないので認めるしかない。


でも…ということは。

これって…


どういうことになるんだろう?




西園寺「とにかく!!小泉おねぇの事はわたしが何とかするから!!」

西園寺「日向おにぃは社会のニ―ズからはずれた不良品が行きかいする、世界の日陰に一生引っ込んでろ!!」


日向「はは…まぁ西園寺がそこまで言うなら、小泉はお前に任せるよ。」

小泉「ごめんね、日向。せっかくの厚意を無下に断っちゃって。」

日向「気にすんなって。それよりも、自分の体に気を遣えよ?小泉。」



そう言って、日向は去っていった…。




日向…。


一見、冗談を交えて皆と和やかに交流しているように思えるけど…。

その実日向は、誰にも相談できないような深い悩みを抱えているのよね。


パンツ被ってるくせに、一丁前に。




日向は…皆とは違って、“超高校級”の才能を持っていない。

才能にあこがれるあまり予備学科に入学して、かえって劣等感を募らせて…

だから日向は…心の底では、アタシのことを憎んでいるのかもしれない。


でも確か…日向は、“超高校級の希望”である『カムクライズル』なのよね。

予備学科の人間を利用して希望ヶ峰学園は人工の希望を創り上げたとか、小耳にはさんだことがある。

ってことは日向は、才能を欲するあまりに…?


でも…確かな情報を持っていないアタシには結局、日向の悩みもほとんどわかってあげられない。

…もどかしいわね。




西園寺「えっと…。とりあえずロケットパンチマ―ケットに行って、薬でも持ってくる?」

小泉「ロケットパンチマ―ケット…?ああそっか、今はまだ薬局に行けないのか。」

西園寺「…?なんの話?」

小泉「あ…何でもないよ。じゃ、一緒にロケットパンチマ―ケットに行こっか。」




ようやく、脳みそを熟考に使える程度にはアタシも冷静になれたようだ。

だからそろそろ、状況を整理してみよう。


原因は不明だけどアタシは、コロシアイ修学旅行の12日目にタイムスリップをしてしまった。

これはちょうど、1回目の事件が起きた日だ。

つまり…今のところ、誰も死んでいない時期ってこと。


でもこのままだと、今日の深夜に日向が殺されてしまう。

皆が、コロシアイを始めてしまう。

“絶望のカリスマ”だったアタシが望んでいた殺し合いを…!!




皆は…“絶望のカリスマ”であるアタシにそそのかされて、コロシアイなんて物に参加してしまったんだ。

皆、アタシが巻き込んでしまったんだ。


アタシは…自分のエゴで皆を何人も犠牲にした。

何人も、死なせた。

アタシがそう望んだ。

アタシがそうなるように、企てた。

つまり…アタシが、皆を殺したんだ。


その罪は、もう2度と清算できない…って思ってた。




だとしたらこの状況は…もしかして、絶好の機会なのではないか?


アタシがタイムスリップをしてきた理由は、誰も殺させないようにするためじゃないか?

皆を、救うためなんじゃないか?

皆を巻き込んでしまったことへの罪滅ぼしをするためにアタシは、この日まで戻って来たんじゃないか?




そうだ。そもそも元凶はアタシなんだ。

なら…その尻拭いをするべき人間も、アタシしかいないんだ。

コロシアイ修学旅行の火ぶたを切ったのがアタシならば、それを阻止するのもアタシの役目だろう。


だから、アタシは…!!


今度こそは、誰も死なせない。

誰にも、人殺しなんてさせない。


アタシが…みんなを守る!!




今日はこの辺で。




―ロケットパンチマ―ケット前―


西園寺「小泉おねぇ!!今日はついでに、おいしいグミを教えてあげる!!」

小泉「…」

西園寺「おねぇ?」


小泉「あっ…ごめん。ちょっと考え事をしてて…。」

西園寺「考え事って?」

小泉「ああ、些細なことよ。気にしないで。」

西園寺「ふ~ん。」




西園寺日寄子…。

今はアタシに親しく接してくれているけど、その正体は…


彼女はアタシ達とは違って、絶望の残党ではない。

アタシ達絶望の残党を淘汰する側である、未来機関の人間なんだ。


つまり、コロシアイ修学旅行を裏で操る黒幕だってこと。

と言っても今の彼女には、その記憶はないのだろうけど。




まてよ?

日寄子ちゃんは、未来機関の人間なんだよね?

ということは…


日寄子ちゃんを人質にとれば、コロシアイ修学旅行を終わらせることができるんじゃないか?

未来機関からしてみれば、超高校級の才能を持っている日寄子ちゃんをそう簡単に失いたくはないだろうし…。




いや、それはダメだ。

未来機関は恐らく、日寄子ちゃんの入れ替わりを知らない。


未来機関はアタシのそばにいる日寄子ちゃんを、影武者の方だと思っているはずだ。

じゃなきゃ日寄子ちゃんをコロシアイなんかに巻き込まないだろう。

今モノクマを操っているのが日寄子ちゃんの『影武者』だってことを、未来機関は知らないんだ。




それに…影武者にとって、日寄子ちゃんがどういう存在なのかがよくわからない。

どういう意図で、日寄子ちゃんと入れ替わることを承認したのかいまいち想定できない。


そんな状態で日寄子ちゃんを人質にとると、どうなるか想像できないな。

良い方に転がるかもしれないけど、悪い方に転がるかもしれない。

誰も死なないっていう確証がない『賭け』をするなんて、危険すぎる。




大体、アタシは日寄子ちゃんを怖がらせたくない。


日寄子ちゃんは今、記憶がないんだ。

日寄子ちゃんも他の皆と同じ…コロシアイ修学旅行に巻き込まれてしまった、アタシの被害者なんだ。


そんな状態でアタシが日寄子ちゃんに危害を加えてしまったら…

日寄子ちゃんはきっと、豹変したアタシに対して怯えてしまう。

もしかしたら、トラウマを植え付けてしまうかもしれない。


日寄子ちゃんは“絶望のカリスマ”なんかに堕ちてしまったアタシをここまで追いかけてきてくれたんだ。

そんな日寄子ちゃんの厚意を逆手に取るなんて、アタシはそんな卑劣な行為をとりたくない。

少なくともこれは、最後の手段だ。




だとしたら…コロシアイ修学旅行を強制終了することは難しいか。

ならば…アタシ達の間での殺し合いを防ぐことが、アタシがなすべき最優先事項ね。


幸いにもアタシには、皆がどういう殺し合いをするのかを把握できている。

例えば1回目の事件は、狛枝が日向をナイフで刺すことが発端となるんだ。

だから最初は、きちんとアタシもパ―ティに参加して…




そう言う風にあれこれ考えながらアタシは、ロケットパンチマ―ケットに入ろうとした…


のだけど…



ドンッ


小泉「あっ」



丁度そのタイミングで、ロケットパンチマ―ケットから出てきた人とぶつかった。

その勢いに押されてアタシは、ドサッと音を立ててしりもちをついてしまった。




痛いわね。

もう、誰よ。

せっかくいろいろと考え中だったのに。

女の子をここまで派手に吹き飛ばすなんて。


きっと、デリカシ―のカケラもない無粋な男が…


が…



が、が……




………





「ってぇな…。」


「邪魔だ。どけよ。」



小泉「あ…ああぁああああぁあ……」




西園寺「おい、九頭龍!!」

西園寺「お前、小泉おねぇにケガさせといて何その態度!!」

西園寺「チビすけで仁義のじの字もわきまえてないクソヤクザは、土下座の1つも満足にこなせないわけ!?」



九頭龍「ああ?何言ってやがる。勝手にぶつかって来たのはそっちだろ。」

九頭龍「そこに居座られちゃあオレが出られねぇんだよ。」

九頭龍「とっととそこをどきゃあ指の1本も奪わねぇでやるって言ってんだ。むしろ感謝しろやボケ。」


西園寺「何それ!!そもそも小泉おねぇは今、体調が優れてないんだ!!だから少しは気を遣え!!」

九頭龍「ちっ。んなもん、オレには関係ね―だろ。」




西園寺「こいつ…何枚におろしてやろうか…!!」

九頭龍「ああん!?やるってのか!?」

西園寺「上等だよこの止まりタケノコ!!」

九頭龍「何だそれは。」

西園寺「成長が途中で止まって腐っちゃった物の例えだよ!!」

九頭龍「テメ―は海に沈める!!これは決定事項だ!!」

西園寺「やれるもんならやってみろよでんぷんの足りないヘチマめ!!」




小泉「ま、待って日寄子ちゃん!!ケンカはやめて!!」

西園寺「で、でも小泉おねぇ!!コイツ、小泉おねぇを…!!」



小泉「九頭龍は…悪くない。」


西園寺「え?」


小泉「悪いのは…ア、アタシだから。」

西園寺「こ、小泉おねぇ…?」




小泉「ごめんね。く…くず、りゅう…。」

小泉「邪魔…しちゃったね。」

小泉「アタシはすぐに消えるから…それで、勘弁して。」


九頭龍「…ちっ。やけに潔いじゃねぇか。逆に気味が悪いぜ。」

九頭龍「とにかく、オレはもう行かせてもらうぜ。」


西園寺「そもそもなんでアンタがロケットパンチマ―ケットにいるんだよ。」

九頭龍「う、うっせ―よ。」


西園寺「ま、大体わかるけどね。どうせかり…」

九頭龍「それ以上言うとマジで海に沈めんぞ!!」





小泉「日寄子ちゃん…。それ以上、アイツと話さないで。」


西園寺「え?」



小泉「早く…アイツを、どっかに行かせて。」


西園寺「う、うん…。」








小泉「はぁ…はぁ……」


西園寺「もう、小泉おねぇ。どうして止めたの?」

西園寺「せっかくわたしがアイツに、頭がい骨陥没させるほどのデコピンを放ってやろうと思ってたのに!!」




小泉「はっ、はっ、はっ……」



西園寺「…あれ?どうしたの小泉おねぇ?」

西園寺「なんかさっきよりも一段と顔色が悪いよ!?」


小泉「は、はは…心配かけてごめんね、日寄子ちゃん。でも、大丈夫…」






小泉「じゃ、ないかも…。」



小泉「うっ!!」





小泉「お…おぇええええぇええええ………」




西園寺「おねぇ!?ど、どうしたの!?」



小泉「あ…うぁ…むっ……」


小泉「ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ……」




アイツの声を、ただ聞くだけで。

ただちょっと、視界に入れただけで…。

ほんの少しのやり取りをするだけで……



ここまで、追い詰められるものなのか…。

ここまで、えぐり返されるものなのか…。




九頭龍冬彦…。

アタシが知る限りでは、冷酷で人情のカケラもない、残虐な性質の極道だ。


前のコロシアイでも、アタシを殺そうとした。

アイツのせいでアタシは、死ぬ寸前まで追いやられた。




それだけじゃない。

アタシが“絶望のカリスマ”に堕ちた原因は、アイツだ。

妹ちゃんを殺された件で、どうしようもないほどの怨念をアタシにぶちこんできた。


アタシを誘拐して。

アタシを拷問して。

アタシを散々酷い目に遭わせて。

恐怖という恐怖をアタシに、骨の髄までしみこませて…。


その後もアタシを、ずっと赦してくれなかった。


ずっとずっと、アタシに重荷を背負わせて…

延々と、アタシを苦しめて…





九頭龍は、アタシにとってのトラウマだ。



アタシは九頭龍が怖い。


恐ろしい。



怖い。


怖い。



本当に怖い。





アイツが生きているってだけで、背筋が凍りつく。


ただ会うだけで、正気を保てない。


目も合わせられない。



そんなどうしようもないくらいの溝が、アタシと九頭龍の間には存在する。


多分アタシと九頭龍は…永遠に、相容れない。




そんなアイツを、本当にアタシが助ける必要があるのか?

アタシの心に深刻なトラウマを植え付けたアイツを救って、アタシに何のメリットがあるっていうんだ?


正直な話前回のコロシアイは、途中で九頭龍が死んでくれたからアタシは正気を保てたんだ。

でも…コロシアイを起こさせずに誰にも死なせないとなると、当然九頭龍だって生き延びることになる。


アタシは、そんなことに耐えられるのか?

アイツが生きているという事実を、受け入れられるのか?





アイツだけ、アタシの知らないところで勝手に死んでくれればいいのに。


誰の迷惑にもならないように、人知れず朽ち果ててくれればうれしいのに。



そうすれば、アタシは…





西園寺「こ、小泉おねぇ…?」


小泉「えっ…。」



西園寺「ど、どうしたの…?」

西園寺「今の小泉おねぇ、すっごく恐ろしい顔をしてたよ…?」





西園寺「なにを、考えてたの…?」


小泉「あっ…」




そうだ…。何を考えているんだ、アタシは。


紆余曲折はあったけど…。

最終的にはアイツも、“絶望のカリスマ”であるアタシの被害者なんだ。

他の皆と変わらない。

だから…アイツだけ例外なんて、そんな考えはダメだ。


そうだ…。

決めたじゃないか。

皆守るって。


アタシは…16人で、この島を出るんだって。




…それでも。


九頭龍とだけは、やっていける気がしない。




今日はこれで終了。




西園寺「と、とにかくその…」

西園寺「ゲロをきれいにしなきゃ!!」


小泉「あはは…ゲロか。」

小泉「見るに堪えないかな、日寄子ちゃん…?今のアタシさ…。」


西園寺「そ、そんなわけないよ!!いくら小泉おねぇがゲロを吐こうがゲロブタは罪木だけだって!!」

小泉「日寄子ちゃんなりのいたわりなのね、それ…。」


西園寺「えっと。とにかくまずは、口元を拭いて!!ほらわたし、ティッシュ持ってるからさ!!」

小泉「…ありがとう、日寄子ちゃん。」




九頭龍が去ってもなおアタシは、どうしようもない吐き気に襲われている。

それでもアタシは、日寄子ちゃんからもらったティッシュで口元を何とか拭っていた。


吐き気って、我慢してたら治るんだっけ…?

とにかく、後で蜜柑ちゃんにでも相談してみよう。

それよりも今は、アタシが戻した物の後始末をしないと。


そう思って、立ち上がろうとした瞬間だった。





「ねぇ、大丈夫?」


小泉「…」


小泉「え?」


「…だいぶ参ってるみたいだね?」




後ろから、突然声が聞こえてた。


聞き覚えがある。何度もこの声を、アタシは聞いたことがあるはずだ。




それはとても、懐かしくて…


とても、憎らしくて…


とても、愛おしくて…



もう1度聴きたいと…アタシが最も思っていた声かもしれない。

アタシはバッと顔を上げて、振り返ってみた。




小泉「こ…こま…えだ……」


狛枝「よかった。ボクの姿を認識できて、声を発することくらいはできるみたいだね。」

狛枝「面会謝絶が必要なくらいの危篤だったらどうしようって思ってたよ。」


小泉「狛枝、なの…?」

狛枝「え?ボクを狛枝凪斗以外のだれと間違えるの?これはもしかして、相当まずい状況かもしれないね。」




小泉「…生きてる。」

狛枝「え?」


小泉「動いてる。」

小泉「呼吸をしてる。」

小泉「声を出してる。」


小泉「アタシが何かをすれば、それに反応してくれる。」

小泉「こんなアタシを心配して、手を差し伸べてくれる。」

小泉「狛枝が、また…アタシに微笑みかけてくれる…。」


小泉「これって…」

小泉「夢、なのかな…?」



そうやってアタシは、自嘲気味につぶやいた。




狛枝「はは…なんの話かな?」


小泉「この際、夢でも構わない。」

小泉「お願い、証明させて。」


小泉「アナタが、確かにここにいることを。」

狛枝「え…?」



そう言ってアタシは、膝で立つ体勢になった。

そしてアタシは、狛枝の体に手を伸ばして…




西園寺「な、な、な…!?」

狛枝「これは…どういうことなのかな?」


西園寺「そんな…!!いくら狛枝おにぃが人畜無害そうな優男だからって!!」

西園寺「まさか小泉おねぇから狛枝おにぃを誘惑するなんてぇえええぇええ!!!?」

狛枝「小泉さんって意外に大胆なんだね。ボクでも驚く位にアグレッシブだよ!!」




西園寺「ダメダメ!!認めないよわたしはこんなこと!!」

西園寺「小泉おねぇと付き合うべき男はわたしが認めた男だけであって!!」

西園寺「狛枝おにぃみたいなロリぺドもやし頭なんかアボロロロロロロ」


狛枝「そうか…。これが小泉さんの希望…!!」

狛枝「ボクの最低レベルの身体如きを触ってみて、小泉さんの欲求不満を解消できるのならボクは喜んで犠牲になるよ!!」




パ―カ―越しで、狛枝の体に触れてみる。

確かに感触がある。

少し力を入れて押してみると、それと同じだけの力で押し返してくる。

撫でてみると、心臓がドクン、ドクンと鳴っているのがわかる。


生きている。

間違いなく、生きている。


狛枝は…確かに、ここにいる。




小泉「…あったかい。」

小泉「人の、温もりだ…。」


小泉「たとえこの世界が、虚構の中だとしても…また、巡り逢えた。」

小泉「うれしい…」




狛枝「あれ…?小泉さん、泣いてるの?」

西園寺「女子を泣かすなんて最低だよ、狛枝おにぃ!!」


狛枝「そんなこと言われても…。」

狛枝「ボクはただ嘔吐している小泉さんを偶然見かけて、心配になってきてみただけなんだし。」


西園寺「へ~。それはちょうど良かった!!」

西園寺「じゃあさじゃあさ!!コレの処理は狛枝おにぃに全部任せて…」




小泉「あのさ、狛枝…。」

狛枝「ん?」


小泉「アタシさ…今、体調が悪くってさ。」

狛枝「それはわかってるけどさ。大丈夫なの?」

小泉「あはは…ちょっと、大丈夫じゃないみたい…。」


小泉「だからさ…」

小泉「肩、貸してくれない?」


狛枝「へぇ。小泉さんがボクを頼ってくれるなら、喜んでそれに応えさせてもらうよ!!」




西園寺「…」

西園寺「小泉おねぇ…。自分が病弱であることを利用して、狛枝おにぃに…」


西園寺「そ、そんなにアレなの!?」

西園寺「わかったよ。小泉おねぇの思いがそこまでなら、わたしも覚悟を決めるよ…。」

狛枝「西園寺さんは、さっきから何を言ってるの?」




西園寺「だからさ―!!狛枝おにぃは小泉おねぇを、とっとと休める場所に連れていけってことだよ!!」

狛枝「あれ?ロケットパンチマ―ケットで薬とかは…」

西園寺「細け―こたぁ良いんだよ!!」


西園寺「コレの後始末も、わたしがしといてやるからさ!!」

狛枝「え、いいの?」

西園寺「ふんだ。わたしがここまで気を遣うのなんて最初で最後だからね、小泉おねぇ。」

小泉「あはは…ありがとう、日寄子ちゃん。」




狛枝「はい、小泉さん。ボクの肩にしっかり捕まって。」

小泉「ん…。」

狛枝「よいしょっと…。」


狛枝「あんまりくっつかないほうがいいかな?相手が女の子だと、ボクも意識しちゃうかもしれないしね。」

小泉「ふふ。狛枝って意外に紳士なのね。」

狛枝「はは…ほめ言葉として受け取っておくよ。」

西園寺「2人とも、ばいば―い!!」







西園寺「…」



西園寺「爆発しやがれ!!」



西園寺「ふう…。すっきりした。」



西園寺「さてと、コレの処理は…」

西園寺「終里にでも食わせるか。」







狛枝「…」

小泉「…」


狛枝「あんまり無茶に寄り掛からないでよ…。」

小泉「重かった?ごめん。太ってるつもりはなかったんだけど…」

狛枝「いや、そういうわけじゃないんだけど。」


狛枝「その…いろいろと触れちゃうしさ。」

小泉「そ、そうね…。」


小泉(…)





ちょ、ちょっとくらいなら…いいのにさ。

そ、その…変な気を起こしてくれても。






ってアタシは何考えてんのよ!?

べ、別にアタシはそんな、狛枝の事なんて…!!


…アタシ、誰に対して弁解してるんだ?




小泉「でもアタシほら、今…体調が優れなくてさ。ついつい狛枝を頼っちゃうのよ。」

狛枝「そっか…。でも、さっきよりはだいぶ顔色が良くなってるよ?」

小泉「えっ!?」


狛枝「さっきは完全に、顔面蒼白って感じだったけど。」

狛枝「今はむしろ紅潮してるかな。」

小泉「な、何を馬鹿なことをいい言ってるの!?アアアアタシはどっからどう見てもただの病人だよっ!?」





狛枝「え?何を慌ててるの?」


小泉「あ…何でもない。」


小泉(危ない危ない…。気付かれちゃったかと思ったよ。)



小泉(アタシが既に、健康体だってことに。)

小泉(実はもうとっくに吐き気なんて収まってて、1人でも平気で歩けることに。)


小泉(…)




いやいやいやいや。別にそういうのじゃないよ?

ただ、狛枝と会うのが久しぶりだからさ!!こうやって、交流の場をアタシが作ってあげただけで!!


ア、アタシがその…。こ、こ、狛枝に対して…


す、す、す、す…





と、特別な感情を抱いたりなんてしてないんだからねっ!!


…だから、誰に対して言い訳してんのよ。アタシは…。




狛枝「それにしても驚いたよ。」

狛枝「だっていつも元気に動き回っている小泉さんが、あんなところでうずくまっててさ。」


小泉「あはは…それにすぐに気付いてくれた狛枝も、よっぽどのおせっかいさんだよね。」

狛枝「ボクがあそこにいたのはたまたまだよ。ちょうど暇を持て余しちゃってたんだ。」





狛枝「旧館の掃除がひと段落ついてさ。」


小泉「…!!」




狛枝…。


やっぱり、アンタは…

今回も、誰かを殺そうとしてるの?


旧館に、アタシ達を誘導して…

また、コロシアイを引き起こそうとしているの?

絶対的な希望を生み出すために。



…そんなことはさせない。

アタシが、アンタの目論みを完膚なきまで砕いて見せるから。







人殺しの先に、希望なんてない。

それは、コロシアイを体験したアタシがよく知っている。


でも…どうやったらそれを、狛枝に伝えてあげられるんだ…?


例えばアタシが旧館で、狛枝の犯行を止めたとして。

狛枝は簡単に、諦めるのか?

狛枝の言う、希望を輝かせるための絶望を生み出す行為を…あっさりと放棄してくれるのか?


相手はあの狛枝なのよ?

今のアイツは、そういう風にしか希望を見いだせないような人間なのよ?

そんな狛枝を、どうやって説得すれば…







ダメよ、アタシ!!弱気になっちゃ!!

アタシが何度も接していれば、狛枝だってきっとわかってくれるはず!!


だから…心の安息を求めて、狂った思想に今もしがみついている狛枝を解放してあげなきゃ!!

希望は最初っから…狛枝自身にあるんだって、気付かせてあげなきゃ!!




狛枝がどんな人間だとしても。

誰からも嫌われていたとしても。


狛枝は、アタシの恩人だ。

狛枝が重荷を背負ってくれたからこそアタシは、自分の罪に押しつぶされなくて済んだから。


狛枝がどういう意図を持っていたにしろ…アタシは、狛枝に救われたんだ。

その事実は絶対に揺るがない。そうアタシは信じてる。




だから…今度はアタシが、狛枝を救う番!!


今度こそアタシは、アンタの手を汚させない。誰も、殺させない。

誰も死なない結末こそが、アタシ達にとっての絶対的な希望だって…アンタの目の前で証明してあげるから!!



こうしてアタシ、小泉真昼の…2度目の戦いの、幕が開いた。



PROLOGUE+ 超高校級の座談会と超高校級の決意   END

生き残り   16人
日向 狛枝 豚神 田中 左右田 花村 弐大 九頭龍
終里 七海 ソニア 西園寺 小泉 罪木 澪田 辺古山

TO BE CONTINUED….




今日はこれでおしまい。




CHAPTER1+ 裁く者の権利、裁かれる者の権利、パンツを被る者の権利



―旧館―


豚神「ふむ…。怪しいものは持ってなさそうだな。もう行っていいぞ。」

小泉「はは…。お疲れさま、豚神。」


小泉「あんまり気を張りすぎてもダメよ?」

小泉「無理をし過ぎてリ―ダ―のアンタが倒れたりしちゃったら、本末転倒なんだから。」


豚神「ふん。無理をしているわけではない。」

豚神「ただ俺は、お前達よりも少しだけ疑り深い性格なだけだ。」




小泉「ふ~ん…。それにしても、ボディチェックまでするなんてさ。」

小泉「念のためってレベルじゃないと思うけど?なにかあったの?」


豚神「ふん…。愚民に心配されるようなことではない。」

小泉「全く、少しはアタシ達を信用してよね。悩みがあるなら相談してくれればいいのに。」





小泉「例えば、『脅迫状を送られた!!』なんて言われても、アタシは驚かずに聞いてあげるのにな。」



豚神「…なんだと?」


小泉「あ、えっと…。」

豚神「…」




小泉(うっ…。これ以上の詮索は、アタシが疑われちゃうな。)


小泉(狛枝から豚神が、脅迫状を送られたことは間違いなさそうだけど…。)

小泉(なんでアタシがその事実を知っているのかって聞かれたら、答えようがないよ。)

小泉(下手したら、アタシが犯人だと勘違いされちゃうかもしれない。)


小泉(豚神に怪しまれると、下手に行動ができなくなっちゃう。)

小泉(そうしたら、防げた事件も防げなくなる…。それは避けたいな。)


小泉(できれば、豚神を味方につけたかったけど…。仕方ない。今回は、アタシ自身で行動をとらなきゃな。)




小泉「あ、あははは!!冗談冗談!!や~ね、本気にしないでよ!!」

小泉「じゃあね、豚神。アンタもこのパ―ティ、しっかり楽しみなさいよ?」


小泉「あと…ジュラルミンケ―スの鍵は、胸のポケットにあるからね!!」

豚神「…ん?ああ。」







小泉「…」



狛枝の計画はこうだ。


まず最初に豚神に脅迫状を送り、皆を旧館におびき寄せる。

次にアイロンやエアコンによってブレ―カ―を落とすことで停電を起こす。

そして最後にテ―ブルの下に隠しているナイフで、大広間にいる誰かを殺す…。


前回はそこにぶどうジュ―スが加わるせいで、日向に致命傷を負わせてしまうことになったけど…。

今回はもしかしたら、ナイフに刺されるだけで致命傷になるかもしれないわね。

じゃあ、ジュ―スをこぼさないようにするだけじゃダメか。




狛枝の計画を根本から崩さないと。


脅迫状を送った犯人を狛枝だと豚神に気付かせることができたら最善だったんだけど…。

そううまくは行かないみたいね。


じゃあ、アタシがするべきことは…




―旧館 廊下―


小泉「…狛枝の仕掛けを事前に解除するために、早めにパ―ティに来たんだから。」

小泉「よし…期待通り、人はまだほとんどいない。」


小泉「旧館に今いる人間は…。玄関の豚神。大広間の飾りつけなんてしている狛枝。厨房の花村くらいか。」

小泉「これだけ人がいないのなら、動くのも楽ね。」

小泉「アタシって頭いい~。」




―事務室―


小泉「うん…誰もいない。」


小泉「ここに、エアコンがあるのね。」

小泉「やっぱり…タイマ―が11時30分に設定されているわね。」

小泉「えっと。タイマ―取り消し…っと。」


小泉「よし…あとは大広間のエアコンと、倉庫のアイロンか。」

小泉「大広間には狛枝がいるから、次は倉庫に行こう。」




―旧館 廊下―



花村「あれ?小泉さん?」

小泉「あ…。花村。」


花村「やけに来るのが早いんだね。パ―ティにはまだ時間があるよ?」

小泉「なによ。いつ来ようとアタシの勝手でしょ。」

小泉「それともアタシがそこまで時間にル―ズに見えるっての?」

花村「いや、そういう意味じゃなくてね。」


花村「僕とア―バンかつアバンチュ―ルな恋仲になるためにここに来てくれたのかと思ってさ。」

小泉「それはないから安心しな。」

花村「残念だな。小泉さんになら通じると思ったのに。」




花村「でも、事務室で何してたの?」

小泉「え?えっと…。」


小泉「アンタが気にするようなことじゃないわよ。じゃあね。」

花村「あ、ああそう…。って大広間に行くんじゃないの?」

花村「そっちは行き止まりで、倉庫しかないよ?」


小泉「時間もあまってるし、せっかくだからちょっと探検でもしようと思ってね。」

花村「小泉さんって意外に子供っぽいんだね…。」




―倉庫―


小泉「ここに確か、アイロンが…」


小泉「…あれ?」

小泉「ない。おかしいな。確か前回は、倉庫にアイロンがあったって豚神が言ってたはずなんだけど…」


小泉「あっそうか。アタシが早く来すぎたせいで、まだアイロンは準備すらされてないのか。」

小泉「じゃあここは、後回しね…。」




―大広間―


狛枝「あれ、小泉さん。早いね。まだ誰も来てないけど。」

狛枝「あ。もしかして、ボクの掃除を手伝いに来てくれたの?」


小泉「…」




小泉「うん。狛枝ばっかりに掃除させるのも、なんか悪い気がしてきてね。」

小泉「ほら、アタシが大広間の掃除…っていうか飾りつけをしておくから。」


小泉「アンタは花村が作っている料理を持ってきなさい。」

狛枝「えぇ!?結局ボクに働かせるの!?」

小泉「何?料理なんて重いものを、まさか女の子に運ばせるつもり?」

狛枝「はは…小泉さんには敵わないや。じゃ、行ってくるよ。」







小泉「よし、誰もいなくなった。」

小泉「確か、このテ―ブルに…」


小泉「あった!!夜光塗料付きのナイフ…!!」

小泉「これさえ回収していればもう、コロシアイは起こらない!!」

小泉「いい調子…!!これなら、だれも死なせなくて済みそうだ!!」


小泉「…」





小泉(狛枝…。やっぱりアンタは、誰かを殺そうとしてたのね…。)


小泉(もしかしたら、テ―ブルの下には何も隠されてないんじゃないかって…ちょっと期待してたのに。)

小泉(今の狛枝は、人を傷つけるような人間からは程遠い、第一印象に違わない優しい人間なんじゃないかって。)


小泉(アンタが、純粋に…パ―ティをただ楽しもうと思える人だったらいいなって、願ってたのに…。)




小泉(…いや。今そんなことを嘆いても仕方ない。)

小泉(まだ…明日もある。明後日もある。)


小泉(これからだ。これから、狛枝にもそう思えるようになってくれればいいんだ…。)

小泉(…)




今日はこのくらい。




小泉「このナイフ…。回収したはいいけど、どう扱えばいいのかな?」

小泉「ナイフが隠されていたことを皆に知らせようか?」


小泉「いや…それは絶対にダメだ。誰かが殺人を計画していたことが皆に知れたら、パニックになる。」

小泉「皆はただ、パ―ティを楽しみたいだけなんだ。こんなところで疑心暗鬼に陥らせるなんて、メリットがない。」




小泉「なら、豚神にだけ知らせようか?」

小泉「豚神はすでに脅迫状を受け取っているから、ナイフの1つくらいで混乱したりはしないだろうし。」


小泉「よし、そうと決まれば豚神のところに…」




ガチャ!!



澪田「おはようございま―む!!!!」


小泉「うわっ!!」


罪木「ど、どうも…早いですね、小泉さん。」

小泉「あ、うん…。」


小泉(危ない危ない…。あわててポケットに入れたけど、どうやらナイフには気付かれなかったようね。)




田中「ふん…。今日は風が不穏なようだ。」

田中「嵐の前に起きるという、神秘を込めた静けさよ…。」


ソニア「それはきっと、皆さんが楽しみ過ぎて大騒ぎになってしまうことへの前兆です!!」

左右田「オレもそう思いますよソニアさん!!オレ達気が合いますね!!もしかしたら2人は赤い糸で…」


ソニア「ああ…いらしたんですね、左右田さん。」

左右田「ソニアさ―ん!!!?」




終里「おい狛枝、うまそうなもん持ってんな!!ちょっと寄こせよ!!」

狛枝「はは…。パ―ティはまだだよ?つまみ食いはよくないんじゃない?」

終里「かて―こと言うなよ!!な、ちょっとだけ!!」


弐大「いか―ん!!予定外の時刻で間食をとると選手のコンディションに影響するぞぉ!!」

終里「ちぇっ。おっさんが言うなら仕方ねぇな。」

狛枝「そもそも今は真夜中だから、どちらにせよ食事に適した時間じゃないけどね…。」


小泉「なんか、一気に来たわね…。」

小泉(ってことは…。そろそろ11時になるのか…。)


小泉(急がないと。もしかしたらもう、アイロンが稼働しているかもしれないし。)

小泉(とにかくまずは、豚神のところへ行こう。)




―旧館 廊下―



西園寺「ひっく。ひっく。」

辺古山「そう泣くな、西園寺。お前が思っているようなことはきっとない。」

西園寺「うるさい!!ゲリピ―ブサキモ女のお前に何がわかるんだ!!」

ゲリピ―ブサキモ女「だから私はこの話では…。はっ!?いつの間にか名前の表示がっ!?」




小泉「あれ?日寄子ちゃん?」

西園寺「あっ!!おねぇ…!!」


西園寺「わ―ん!!小泉おねぇのバカバカバカ―!!」

小泉「え?どうしたのよ小泉おねぇ。」


西園寺「だ、だって小泉おねぇ…。」

西園寺「ロケットパンチマ―ケットで別れた後、わたしに声もかけずにパ―ティに行っちゃって…。」


西園寺「今日は一緒にお風呂に入ってくれるって言ったじゃ―ん!!」

小泉「あ、ああ…そうだっけ?」


小泉(正直な話、今日の記憶は途中からしかないのよね…。)




西園寺「女の友情ってはかないね…。男が間に挟まるだけですぐに破綻しちゃうんだもん。」

小泉「い、いや…。日寄子ちゃんは相変わらずアタシの…」

小泉「って男が挟まるって何よ!?ア、アタシは別にその…!!」


辺古山「ふふ…。甘酸っぱいな。」

西園寺「なにそれ!!すんごくババアくさいよ辺古山おねぇ!!」




小泉「ペコちゃんに日寄子ちゃんが来たってことは…。そろそろ全員集まったのかな?」

小泉「えっと、2人とも…。日向と千秋ちゃんは見かけた?」


辺古山「七海とモノミなら、旧館の外にいたぞ。どうやら、モノクマが入らぬように監視しているようだな。」

西園寺「んで、日向おにぃはどうやら豚神といろいろ話してたよ―。」

小泉「え?豚神のそばに日向がいるの?」


小泉(参ったな。日向が豚神のそばにいるんじゃあ、ナイフの件を切り出しにくいな…。)




小泉「えっと…とにかくこれで、15人全員そろったかな。」

西園寺「え、15人?1人足りなくない?」


小泉「あ…無意識のうちに、1人外してたわ。」

小泉「でも現実問題、九頭龍は来ないでしょ…。ずっと一匹狼を気取っちゃってるんだからさ。」



小泉(1回目の事件、九頭龍はパ―ティを欠席するからね…。)

小泉(アタシとしては正直ありがたいわね。九頭龍とは接したくない…っていうか、視界に入れるのも嫌だから。)


小泉(でも…2回目の事件はそうはいかないよね。)

小泉(1回目の事件はナイフを回収した時点で起きないだろうし、そろそろ2回目の事件のことも視野に…)




辺古山「いや、そうでもないみたいだぞ?」

小泉「…え?何が?」


辺古山「私が説得してみたところ、どうやら九頭龍は来る気になったらしい。」

小泉「…」


小泉「はっ!?」

小泉「じゃ、じゃあ…アイツ、これからここに来るの!?」




花村「…っていうか、もう来てたりして!!」

小泉「えっ!?」


西園寺「うわっ。急に話に混ざんなよ、気持ち悪い。」

花村「暴言はやめてよ、興奮しちゃうじゃない。」

西園寺「うわ―ん!!本格的に気持ち悪いよ―!!!!」




花村「実は彼、もう旧館に来てるんだよ!!」

小泉「…!!」


花村「『馴れ合いなんてしねぇ』とか言って、倉庫あたりに行っちゃったけど。」

辺古山「さすがの彼でも、あの条件をつきだされたらパ―ティに参加せざるを得なかったようだな。」

花村「そりゃそうだよ。」

花村「彼の大好物でさらに“超高校級のシェフ”であるぼくがつくった料理をわざわざ用意したんだからさ!!」


辺古山「ふむ…とりあえず花村には礼を言うぞ。奴の胃袋を見事に掴んでくれて。」

西園寺「え―?どうしてアンタが礼を言うの?」

辺古山「…ん?ああそうだな。全員そろうことに越したことはないから、かな。」




小泉「…」

西園寺「小泉おねぇも聞いてよ。アイツの笑い話を。」

西園寺「九頭龍の奴さ。散々誘いを突っぱねてたくせに、かり…」


西園寺「…どうしたの?小泉おねぇ。」




九頭龍が旧館にいる…?

アタシが数歩足を運んだところに、アイツが…!?


しかも、倉庫付近にいるって!?

じゃあ…アイロンの状態を確かめておくこともできないじゃない!!


…仕方ない。アイロンは諦めよう。

そもそもエアコンのタイマ―を取り消したんだから、もう停電は起きないはずだ。


ってことは、アタシがするべきことはナイフの処理だけ…




豚神「おい、お前ら。そろそろ大広間へ向かえ。」

小泉「え?」


西園寺「そろそろパ―ティを始めるの?」

日向「ああ。旧館内の危険物は大方処分できたみたいだからな。」

豚神「あいつらをずっと待たせているわけにもいかん。行くぞ。」




小泉「あ。ちょっと待って、豚神。」

豚神「何だ?」

小泉「その、話があるんだけど…」


豚神「話だと?今、話しておかなければならないことなのか?」

小泉「それは…」


小泉(ナイフの件は、穏便に済ませたいからな。日向や日寄子ちゃん達がいる中で相談はできないや。)




小泉「ご、ごめん!!そんなに大事な話じゃないんだ!!あとでこっそり伝えるよ。」

豚神「…そうか。」


小泉(はあ…。なかなかうまくいかないなぁ。)




辺古山「こ、小泉…。まさか貴様のお気に入りとは、豚神の事だったのか!?」

小泉「へ?」


辺古山「西園寺が言ってたぞ。小泉に男ができて、構ってもらえないと。」

辺古山「小泉にできた男とは、まさか…!!」

小泉「ち、違う違う!!な、なんでアタシが豚神なんかを!!」

小泉「っていうかそもそも、アタシに男なんて…」

辺古山「そうか、なるほどな。では貴様は…」




辺古山「本命が豚神では無いにもかかわらず、さっき豚神を誘惑していたのだな!?」

小泉「はぁ!?」


辺古山「なんという異心の持ち主!!そんな荒みきった精神は、私が月に代わってオシオキして…!!」

西園寺「はいはい、落ち着こうね~。このメガネブス!!」

小泉「ペコちゃんってこんなキャラだっけ…?」




―大広間―


小泉(結局、ナイフの件を豚神に持ちかけることは出来ないままにパ―ティが始まっちゃた。)

小泉(まあいいか。ナイフを豚神に渡すことはいつでもできるんだし。)


小泉(えっと。今は11時を少し過ぎたくらいか。)

小泉(本来なら11時30分に停電が起きて、パ―ティがおじゃんになるのだけど。)

小泉(今回はアタシが頑張ったから、パ―ティはつつがなく継続することができるはずだ。)


小泉(よ―し。せっかくだから、アタシもパ―ティを楽しんで…)





小泉(ん?)



そう思って顔を振り上げた後、なんとなく視線をやった方向に…

偶然、狛枝が置かれていた。


そして。

狛枝はどうやらアタシの方を見ていたようで、その次の瞬間。


彼は、フフッと微笑んで…





ブツッ


小泉「…」



小泉「え?」




突然、視界が黒で塗りつぶされた。


そこから少し間をおいて、アタシの体が闇の中に完全に埋まりこんでしまっていることに気付く。

そしてこれが、1度目の体験ではないということにも。


だからアタシには、予測だけはできた。

次の瞬間に皆から発生するだろう、理解できない状況に対する混乱を。




「うわぁ!!停電か!?」

「電気つけろって!!飯が食いずれ―じゃね―か!!」

「真っ暗だよ―!!もうお先真っ暗だよ―!!」

「クソじゃああああ!!クソが出るぞぉおおおお!!!!」

「停電関係ないじゃん!!」



どういうこと…!?

なんで停電が起きるの!?

しかもまだ、11時30分でもないのに!!


だってアタシがちゃんと、エアコンのタイマ―を止めて…




待てよ?

たしかあの時アタシは、ナイフを回収する際に大広間に居る狛枝を追い出したよね?


ってことはその時に狛枝が倉庫でアイロンを稼働させて。

事務室に行ってみて、エアコンのタイマ―が取り消されていることに気付いたとしたら?

そっか!!いくらアタシが事前に行動しても、行動が早すぎたら停電を止めることにまるで役に立たないってことね!!


バカかアタシは!!なんでそんな簡単なことに気付かなかったのよ!!




「クソっ!!俺様の体と暗黒が同化してしまえば、俺様の瘴気が外に漏れてしまう!!」

「パンツ!!パンツ!!パンツ!!パンツ!!」

「日向さん…ですよね!?とりあえず落ち着いてください!!」

「ふえ~ん!!転んじゃいました!!だれか助けてくださ~い!!」

「助けろと言われても、どこにいるのかもわからないんじゃ…!!」




小泉(まずい。皆がパニックに陥っている。)

小泉(皆の空気に飲み込まれて、アタシまで…!!)


小泉(ダ、ダメだ、落ち着けアタシ!!)

小泉(停電は止められなかったけど、元凶のナイフだけはアタシが死守してるんだから!!)


小泉(アタシがこれを持っている限り、誰も殺人なんて犯せない!!もちろん狛枝だって!!)

小泉(とにかくこれだけは他人の手に渡らないように、ポケットのそとからしっかりつかんで…!!)




「これって、ブレ―カ―が落ちたのではないですか?」

「よし、ちょっと待ってろ。オレが壁伝いに、ブレ―カ―をあげてくるから…。」


「おい、お前!!何をしている!!」

「やめろっ!!」




小泉(えっ?)



豚神の声…?

豚神は何かに気付いたの?

この暗闇の中で、一体何に?

そうか、豚神だけは暗視スコ―プを持っているのか。


え?『やめろ』って…?


嘘っ!?誰かが何かをしてる!?

そんな!?

こんな暗闇の中で、一体だれが…!?





「豚神クン!!彼女を突き飛ばして!!」

「…言われなくてもわかっている!!」



彼女?

動いてる誰かは女子!?


誰よ…?

もうっ、選択肢が多すぎる!!

それに、この暗闇じゃあアタシにできることなんて…



あれ?

今の声、狛枝の…?





そう思った瞬間…



ドンッ



小泉「あっ!?」



突然、前方から襲う衝撃にみまわれた。

それを受けたアタシは、後ろに大きく突き飛ばされて、背中を壁に強く打ちつけた。



い、痛い…!!誰!?今、アタシにぶつかったのは!?

しまった!!ナイフを落としちゃった!!


どこ…どこ!?

落着け、夜光塗料が塗ってあるから見つけるのは簡単なはず…!!




「探し物はこれか?」


えっ?


そう思った瞬間…

パッと電気がつく。



停電が直ったことにひとまず安堵する…


ことよりも先に、アタシが認識したのは。





アタシの目の前で、ナイフを手にしている豚神の姿だった。




今日はこれまで。




ソニア「あっ…。停電、直ったんですね。」

左右田「オレが行く前に直ったということは…事務室の辺古山がブレ―カ―をあげたのか?」

田中「おい。それよりもアレはなんだ?」


西園寺「あれ―?豚足ちゃんって、停電前にあんな場所にいたっけ?」

澪田「っていうか、真昼ちゃんを張り倒してるようにも見えるっすよ!?ど、どうしたんすか白夜ちゃん!?」

豚神「待て。愚民が気にすることでは…」




狛枝「さすがは豚神クンだよ。」

狛枝「ボクなんかは停電中に小泉さんの懐が、わずかに光っていたことに気付く位しかできなかったけど…」

狛枝「まさか豚神クン、暗視スコ―プまで用意していたなんて驚きだよ!!」


狛枝「おかげで、小泉さんの目論みを見事に打ち破ることができたみたいだね。」

小泉「え…?アタシの、目論み…?」




狛枝「しらばっくれるつもり?だって小泉さん、そのナイフをずっと隠し持っていたんでしょ?」

狛枝「今は、豚神クンが没収しているけど。」


罪木「ナイフ…?えっ!?ナイフって、あのナイフですか!?」

澪田「どのナイフのことを言ってるんすか蜜柑ちゃん!?」

終里「どうであろうと、ナイフってのは危険な物なんじゃねぇのか!?」


日向「そもそも豚神のボディチェックがあったんだ。危険物は旧館にはないはずだぞ…?」

左右田「おいおいおいおい…どういうことだよ!?」

左右田「なんで人を殺せる凶器が、突然わいて出てくんだよ!?」


小泉(あれ…?ちょっと待って。今、どういう状況…?場の流れにうまくついて行けない。)




豚神「凶器の用意か…。いくらボディチェックをしたとはいえ、事前に用意されていては対処のしようがない。」

日向「さすがに、旧館の全てを調べたわけじゃないからな…。」


弐大「つまり小泉は、パ―ティが旧館で開かれることを予測して、ナイフを用意しておいたということか!?」

小泉「え…?え…!?」




辺古山「やけに騒がしいな。どうした、なにかあったのか!?」

花村「皆、大丈夫なの!?て、停電の途中で、事故とか…」


狛枝「残念だけど、あまりいい知らせじゃないよ。」

狛枝「皆の中に、パ―ティで殺人を犯そうとしている人がいたんだ。」


ソニア「さ、殺人…!?」

弐大「まさか!!モノクマの話にそそのかされたとでもいうんかっ!?」

辺古山「やはりアレが、引き金になってしまったのか…!!」




田中「しかし、いち早く手を血に染めようとした輩が…」

田中「まさか小泉とはな。」


小泉「…」

小泉「はっ…!?」


小泉(待って。もしかしてアタシ…疑われている?)

小泉(殺人未遂の実行犯として…!?)




西園寺「そんなっ!?小泉おねぇが人を殺そうと…!?」

終里「待てよ!!小泉はそんな奴じゃねぇだろ!?何かの間違いじゃね―のか!?」

弐大「しかし…ナイフを隠し持っていたとなると、認めざるを得んじゃろう…!!」

小泉「ちょ、ちょっと待ってよ皆!!ア、アタシはただ…!!」




日向「しかも、ナイフに付着してるこれ…夜光塗料だな?」

罪木「夜光塗料…?どうしてそんなものが?」


花村「停電中でもあたりを見回せるようにするため…とか?」

西園寺「ま、待てよ!!夜光塗料であたりを照らすなんて出来んのかよ!?」

狛枝「少なくとも…皆が真っ暗闇にいる中では、相当なアドバンテ―ジだと思うけど?」


罪木「つ、つまりさっきの停電も、仕組まれたものだったんですか!?」





「間違いねぇな…。」



ソニア「えっ?」

小泉「く、九頭龍…。」


辺古山「倉庫あたりにいたんじゃなかったのか?」

九頭龍「ふん。ずっと倉庫に引っ込んでろってか?どこに来ようがオレの勝手だろ。」




弐大「それで、間違いないとはどういう事じゃあ?」


九頭龍「倉庫に何台かアイロンが置いてあったからな。誰かが何かを企んでんだと思ってたぜ。」

九頭龍「面白そうだったから放っといたが…。ちっ、誰も死んでねぇのか。つまんねぇな。」


終里「な―んか、出しゃばってんな…。」

辺古山「だが…今は彼の発言に構っている状況ではない。」




九頭龍「わざわざ停電を仕掛けたくせに誰も殺せないなんてよ。」

九頭龍「実行犯は相当のドジなんだろうなって思ってみれば…」


九頭龍「まさかテメ―だったのかよ、小泉。」

小泉「ひっ…。」


九頭龍「へっ、恐ろしい女だ。表面では皆で仲良くしようなんて言ってたくせによ。」

九頭龍「裏はこんな狂気で満ちてんのか。」

小泉「うぅ…」




田中「九頭龍の証言によると…旧館を暗黒で支配した理由は、殺人の宴を催すためだったのか。」

花村「そ、そういえば小泉さん…事務室で何かしてたり、用もないのに倉庫に行ったりしてたよね!?」

辺古山「確か…倉庫にはアイロンが、事務室にはエアコンがあったな。」

田中「エアコンもアイロンも、消費電気量はかなりの物だろう。」

ソニア「なるほど!!そうして電気を過剰に使用することで、停電を起こしたのですね!!」


小泉「ま、待って!!逆なんだって!!」

小泉「アタシは事務室にあるエアコンの様子が変だってことに気づいたの!!」

小泉「そこで、誰かが停電を起こそうとしてるかもって思ってさ。」

小泉「だからアタシは、停電を止めるために…」


左右田「んな言葉信じられるか!!テメ―みたいな人殺しなんかのよ!!」

小泉「だ、だから、ちが…」




終里「じゃあ、やっぱり…認めるしかね―のかよ。」


終里「小泉が、人を殺す計画を建ててたなんてよ…!!」

小泉「えっ…!?」




狛枝「哀しいけど、事実だよ…。小泉さんは今回、計画的に殺人を犯そうとしていたんだ。」

小泉「ち、違う。誤解よ!!アタシはむしろ、皆を守るために…!!」


九頭龍「しらばっくれんな!!ごちゃごちゃ抜かしてっと海に沈めんぞ!!」

小泉「きゃあっ!!お、大きい声で怒鳴らないでよ…!!こ、怖いって…」




辺古山「じゃあまさか、このパ―ティも小泉の想定内だったのか!?」

狛枝「間違いないよ。実際彼女は、事前にナイフを旧館に用意しているんだし。」

左右田「チクショウ、変だと思ったんだ。こんな時にパ―ティなんか開かれるなんてよ。」


小泉「ち、ちが…待って皆!!アタシの話を聞いて!!」




澪田「でも…じゃあどうやって真昼ちゃんは、パ―ティが開かれることを予測したんすか?」

澪田「パ―ティは今日、白夜ちゃんが決めたことっすよね?」


日向「おい、豚神。お前はこのパ―ティのために、ボディチェックをしたり、旧館中の危険物を回収したり…。」

日向「とにかく、異常なまでに神経をとがらせていたよな?」

日向「終いには、暗視スコ―プまで用意しているなんてよ。」


日向「ここまでしておいてさすがに、何もなかったわけじゃないよな?」

ソニア「そ、そうですよ…。そろそろ事情を説明してほしい所です。」

豚神「…」




豚神「本来は、貴様らに要らん心配をさせん為に黙っておくつもりだったが。」

豚神「ここまで来たら、もう話さざるを得ないようだな…。」


豚神「じつは昨日俺は、何者かからの脅迫状を送られていたのだ。今日の夜、誰かを殺すというな…。」

田中「脅迫状だと…?なぜそんなものを送りつける?」


狛枝「きっと小泉さんは豚神クンに脅迫状を送ることで、皆を旧館に集めたんだ。」

狛枝「殺害現場に皆をおびき寄せるために…!!」


西園寺「そ、そんな…!?」

罪木「だ、だから今夜にパ―ティが開かれることも、簡単に予測できたってことですかぁ!?」




豚神「そうとしか考えられないか…。そもそも、今日の小泉は明らかに不自然だった。」

豚神「パ―ティに1人だけ早く来ていたのも、停電の仕掛けを作っていたとなれば…」


狛枝「それに小泉さん、パ―ティ中はずっとポケットを気にしていたしね。」

狛枝「きっとナイフを隠し持っていることに、意識を向けてしまっていたんだよ。」




小泉「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!!アンタらが言ってることは間違ってる!!」


狛枝「なにが違うの?」

小泉「えっ…。えっと、それは…。」


小泉「そ、そう!!アタシは脅迫状なんて送ってない!!」

小泉「送ったのはアンタでしょ、狛枝!?」

小泉「脅迫状だけじゃない…!!ナイフを用意したのも、停電を起こしたのも、全部狛枝がやったことなんだよ!!」

小泉「アタシはただ、隠されていたナイフを偶然見つけただけ…!!」


小泉「みんな、騙されないで!!本当に危険なのはアタシじゃない…!!」

小泉「み、みんな、狛枝の罠にかかってるんだよ!!」





西園寺「こ、小泉おねぇ、本当にどうしちゃたの…?」

小泉「え…?」


澪田「さすがに今のは、無茶苦茶というか、苦し紛れというか…」

終里「今の流れでなんで狛枝が出てくんだよ!?」

弐大「そもそも狛枝が、人を殺すなどという手紙を送るような奴か!?」

小泉「だ、だから、それは…!!」





九頭龍「で?どうすんだよ。」

小泉「え…?」


九頭龍「コイツの処分をよ。」

小泉「しょ、処分!?」


花村「た、確かに…。この状況で、小泉さんを放っとくわけにはいかないような気が…」

左右田「っていうか正直オレは、人殺しと共同生活なんて嫌だぞ…。」

小泉「ま、待ってよ…。アタシは、人殺しなんかじゃ…」




狛枝「なら、こういうのはどう?」

日向「何か案があるのか、狛枝。」



狛枝「小泉さんを、ここで拘束しておくんだよ。」




今日はこれまで。




小泉「はっ!?」


花村「拘束って…?なにやら興奮するシチュエ―ションかな?」

罪木「そ、そういう意味じゃないと思うんですけど…」


弐大「つまり、身動きをとれないようにふんじばっておくってことか。」

ソニア「そ、それはさすがにやりすぎなのでは…?」

九頭龍「なに言ってやがる。コイツは人を殺そうとしたんだぞ?当然の報いじゃねぇか。」

左右田「た、確かにな…。その方がオレたちも、安眠できるからな。」




小泉「ダ、ダメ!!それは絶対にダメ!!」

狛枝「ダメって、どうして?」

小泉「そ、それは…」


西園寺「ダメに決まってんじゃん!!」

西園寺「小泉おねぇをここで動けないようにしてたらきっと、花村あたりのエロガッパが小泉おねぇに…!!」


豚神「それにそんなことをすれば、殺し合いの動機になりかねん。」

田中「身動きが取れないということは、侵略者からの殺意に対して完全に無防備になるということだからな。」




九頭龍「だから、それを含めて自業自得なんじゃねぇか。」

澪田「え?」


九頭龍「オレらを陥れようとしたコイツを自由にしておいて、まぁたイカれた行動をとられるくらいなら…」

九頭龍「ここで小泉を黙らせておいて、コイツが誰かに殺されるのを待つ方がよっぽどマシだろうがよ。」

辺古山「なっ…!!」

澪田「つ、つまり…真昼ちゃんが死んでも構わないって言ってんすか!?」

日向「おいおい、本気で言ってんのかよ、九頭龍!?」




九頭龍「ああん?テメ―らこそどうかしてるぜ。」

九頭龍「くだらねぇ情に流されて殺人鬼を見逃して、コイツに殺されるのをただ傍受するってのか?」

九頭龍「テメ―らマゾなのかよ?」


終里「ん―…。オレにはこういう難しいことは、良くわかんねぇよ…。」

罪木「で、でも確かに、九頭龍さんの言い分もわからないでもないかもしれないです…」

左右田「オレは九頭龍に賛成だ!!殺されるなんて、オレは絶対に嫌だからな!!」

ソニア「や、やはり、仕方ないことなのでしょうか…。」




小泉(ま、まずい。皆の空気が、敵意の矛先を…)

小泉(一点に集中して、アタシへと向けていっている。)


小泉(この調子じゃあ、狛枝への反対意見はほとんど出ないだろう。)

小泉(そうすると、アタシがここで監禁されることは不可避になる。)

小泉(結果、殺し合いが起きるのを指をくわえて見守っていることしかできなくなっちゃう…!!)


小泉(ダメ!!それは絶対にダメ!!)

小泉(それじゃあ…せっかくこの日に戻って来ることができた意味が、闇の彼方へ消えてなくなってしまう!!)

小泉(皆に、償いをできなくなってしまう…!!)


小泉(何としてでも、この雰囲気を覆さないと!!)

小泉(どうすれば、どうすれば…!!)




豚神「静まれ、お前ら!!」

小泉「えっ?」


豚神「ちっ…。殺人を止めるだけでは事態は収まらないことはわかっていた。」

豚神「だからできれば、事態が大きくなる前に話を片付けたかったのだが…。」


豚神「狛枝め…。」




小泉(豚神…?もしかして豚神は、狛枝の計画に気付いて…?)

小泉(いや、それはないか。その段階に行くための情報が、豚神には決定的に足りてない。)


小泉(ただ…話の流れを狛枝が、さりげなく誘導していることには感づいてるってかんじか。)

小泉(つまり…狛枝に対して、わずかな違和感を覚えている程度ね…。)




豚神「小泉への処置をどうするのであれ…一旦冷静になれ、お前ら。」


澪田「冷静って…こんな状況で冷静になんてなれないよぉ!!」

花村「だ、だって、殺人なんて物…今まで体験したこともないし、そんなことを考えたこともなかったんだよ!?」

左右田「それを小泉が、口火を切りやがってよぉ…。」

辺古山「モノクマに踊らされている人間がいるとするのなら…捨て置けんだろう。」




豚神「そういう状況をすべてひっくるめて、冷静になれと言っているんだ。」

終里「なにが言いてぇんだよ?」


豚神「お前達は未遂とはいえ、殺人現場を直に味わった。」

豚神「それによって『人殺し』が身近な物だと悟ったお前たちは、一種の興奮状態に陥っている。」

豚神「誰かが人を殺すかもしれない…。自分が殺されるかもしれない…。」




豚神「そうやって周りのことを信じられなくなっている状況こそが、モノクマが望んでいる事なんだ。」

罪木「あっ…。」


日向「そ、そうだな。仲間を疑って、皆との絆を自ら歪ませていくなんて…それこそモノクマの思うツボだ。」

豚神「そう。事態はここまで発展してしまった。もはや、小泉をどうこうして収束する問題ではない。」




豚神「敵を見間違えるな。俺たちの敵は小泉ではない。」


豚神「おたがいを疑いあって、俺達同士の統率が乱れ。」

豚神「その結果殺し合いを起こしてしまうような状態に、場の空気が陥ってしまう事こそが…」


豚神「俺達にとっての真の敵なんだ。」

弐大「むぅ…!!さすがはリ―ダ―じゃのう!!ワシらの考えよりも1歩も2歩も先をいっとるわい!!」




小泉「と、豚神…。アンタ、アタシをかばってくれるの…?」

豚神「ふん。俺はただ、自分の言葉を守るだけだ。誰も殺させないというな。」


豚神「そしてそれは当然、小泉もだ!!」

田中「フッ。たとえ自分を殺そうとしていたかもしれん人間でも、救いの手を差し伸べると言うのか。」

豚神「何度も言わせるな。」


豚神「だから、小泉の命を軽んじている九頭龍の言い分を認めるわけにはいかないぞ!!」

九頭龍「…チッ。キレイごとばっかり言いやがって…。」

九頭龍「…」




西園寺「えっと…。ってことは、小泉おねぇは今回、お咎めなしってこと?」

終里「ま…別にいいんじゃね―の?小泉になにかしたらしたで、モノクマの思うままになるのも癪だしよ。」

ソニア「民主主義の思想に則れば、反対意見がなければそれでよろしいのでは…」



小泉(や、やった…!!豚神のおかげで、皆の考えが変わってきている…!!)

小泉(どうにかこのピンチを抜け出せそうだ!!)


小泉(やっぱり豚神は、頼りがいのある人だ。)

小泉(人殺しだって疑われているアタシでさえ味方だって言ってくれるんだもん。)


小泉(と、とにかくこれで、ここに監禁されるのは免れ…)





狛枝「あ、ちょっといいかな?」


小泉「え?」




狛枝「豚神クンの言いたいこともわかるんだけどさ。」

狛枝「だからと言って、小泉さんが人を殺そうとした事実は揺るがないと思うんだよね。」

罪木「そ、それは確かにそうですけど…」


狛枝「豚神クンが小泉さんをかばうのは、豚神クンなりの優しさなんだろうね。」

狛枝「でも…だからって小泉さんが、本当に反省しているのかな?自分の所業に対してさ。」


西園寺「そんなの決まってんでしょ!?小泉おねぇはちょっと疲れてただけなんだよ!!」

西園寺「よくよく思い起こしてみれば、今日の小泉おねぇは少し様子が変だったし…」

西園寺「ほんの出来心だったんだよ!!だからもう小泉おねぇはこんなこと絶対にしない!!」




狛枝「それってさ。結局は西園寺さんの願望なんじゃない?」

西園寺「え…?」


狛枝「ボク達は知り合ってからせいぜい10日やそこらなんだよ?」

狛枝「互いのことを知っているようで、実は何にもわかってないのかもしれない。」

狛枝「現に、小泉さんがここまで明確な殺意を抱いていたことに誰も気付けなかった。」


辺古山「それは言えているかもしれんな…。」

小泉「だ、だから何度も言ってるけど、アタシは殺意なんて…」




日向「それで…お前は何が言いたいんだよ?」

狛枝「つまりさ。小泉さんは豚神クンにかばってもらえることすら予測に入れてたかもしれないってこと。」

小泉「は…!?」


田中「否定はできんか…。小泉は、計画的な殺人を企てていた。」

田中「となると、失敗した時のことまで考慮に入れていたとしても支障はない。」

小泉「ちょ、ちょっと…!!待ってよ…!!」


狛枝「そう。心の中では小泉さんは反省なんてしていないどころか…」

狛枝「豚神クンの厚意を利用して、再犯を行おうと考えている可能性もあるんだよ。」

小泉「は、はぁ!?そんなことあるわけ…!!」




左右田「ないとは言い切れねぇな…!!」

小泉「えっ…!?」


左右田「オレ達は結局、何もわかってないのと一緒だったんだ。」

左右田「ただ、わかっている気になっていただけなんだ。」


左右田「小泉はどんな状況に陥っても人を殺すような奴じゃないって、思いこもうとしていただけだったんだ…!!」

左右田「だから小泉の殺意にも気付けなかった!!下手したら、自分が殺されるまで気づかなかったかもしんねぇのによ!!」

小泉「ちょ、ちょっと、落ち着いてよ、左右田…!!」


左右田「人を信じて殺されるぐらいなら、人を疑って生き延びる方がよっぽどマシだ…。」

豚神「そうやって俺たちの統率を乱すことこそが最も危険な行為だと言っているだろう!!」




左右田「…わりぃ。豚神の言うこともわかるんだけどよ。」

左右田「やっぱ…そんな急には、無理なんだよ。」

豚神「クッ…。」


花村「確かにそうだね…。すこし、考える時間が欲しいよね…。」

弐大「ワシも、できれば小泉を受け入れたいが…。」




狛枝「皆もこういってることだしさ。」

狛枝「それに、頭を冷やして反省する時間を小泉さんに与えることも大事だと思うし。」

狛枝「ね?ほとぼりが冷めるまでは、小泉さんを閉じ込めておくべきなんじゃないかな?」


九頭龍「へっ。できれば一生ブタ箱に居座って欲しいんだがな。」

辺古山「余計なことを言うな、九頭龍。」

九頭龍「ふんっ…。」


豚神「…」




豚神「ちっ。やむを得まい。」

小泉「えっ…!?」


豚神「目安としては、1、2日間といったところか。」

豚神「その間…。悪いが拘束させてもらうぞ、小泉。いいか?」

小泉「そ、それは、その…」


小泉「…」




小泉「わかった…。認めるよ。」

小泉「アタシは旧館で、おとなしくしてるから。」

小泉「だから、みんな…。」


小泉「冷静さを、絶対に欠かさないで。」

小泉「間違っても、コロシアイなんて起こさないで…。」




今日はこの辺でおしまい。




13日目


―旧館 大広間―



小泉「…」


小泉「…………」



小泉「………………………」




小泉「暇だなぁ~…。」


小泉「いざ監禁されると、やることないや。」

小泉「後ろ手に縛られて、足を束ねられてるから、体の自由も利かない。」

小泉「こんな芋虫状態でやれることといったら、独り言をつぶやく位しかないのよね~。」


小泉「誰かが期待していたかもしれないエロゲ―のような展開もないし。」

小泉「いや…あったらあったで困るんだけど。」

小泉「…ってかエロゲ―なんてやったことないし。」




小泉「今って何時くらいなのかな…。」

小泉「ここって外から完全に遮断されてて、朝か夜かも分かんないし。」

小泉「お腹のすき具合からして、お昼くらいかなと真昼は真昼は推測してみたり…」


小泉「…」

小泉「はぁ~…。暇だな。」




小泉「…独りしりとりでもやるか。」

小泉「えっと…しりとりの『り』からね。」


小泉「りす。」

小泉「suica。」

小泉「かめ。」

小泉「メロンパン…ナちゃん。」


小泉「あっ…。結局『ん』が付いちゃった。」




小泉「やり直し。今度はしりとりの『ぬ』からね。」


小泉「ヌンチャク。」

小泉「クドリャフカ。」

小泉「貫太郎。」

小泉「ウクライナ。」

小泉「ナンジャタウンって全体的にアタシ、冷遇され過ぎ。」

小泉「銀魂。」

小泉「マッスグマ。」

小泉「魔人探偵脳噛ネウロ。」

小泉「蝋人形の館。」

小泉「魂のレクイエム。」

小泉「ムルムル。」

小泉「るんるんりる、らんらんらら。」

小泉「ラッコ。」

小泉「狛え…」




小泉「キャ―!!恥ずかしくて言えな―い!!!!」


小泉「…」

小泉「誰かツッコんでくれないかな…。これでもアタシ、ボケてるつもりなんだけど。」




小泉「皆は、大丈夫かな。」

小泉「誰かを殺そうなんて恐ろしいことを考えている人、いないよね…?」

小泉「死体発見アナウンスは流れてないから、とりあえずは事件なんて起きてない…と思いたいけど。」


小泉「今のアタシにできることは皆の無事を祈ることくらいね。」

小泉「うう…我ながら情けないわ。」

小泉「アタシが豚神や狛枝くらい有能だったら、こんなことには…。」


小泉「まぁ…今アタシがあれこれ考えたって仕方ないか。」

小泉「とりあえず、日向と赤音ちゃんを死なせずに済んだんだから。」

小泉「それだけでも万々歳でしょ。」


小泉「この調子なら、死人なんて出ないよね。」

小泉「だってモノクマが動機を提示しない限りは、そう簡単に殺人を犯そうと思う人なんて…」





小泉「ん?次にモノクマが提示する動機ってなんだっけ?」


小泉「そうそう、トワイライトシンドロ―ム殺人事件ね。」

小泉「で、殺害の標的になるのが…。」



小泉「…あれ?」

小泉「もしかしてこの状況、アタシにとって…すんごい危険なんじゃない?」


小泉「…いやいやまさか。」

小泉「さすがにあの九頭龍でも、身動きの取れない相手に対して酷いことは…」





小泉「…」←過去を思い出し中(詳細はpart3の最後)




小泉「いやぁあああああぁあああああ!!!!!」


小泉「殺されちゃう!!殺されちゃう!!アタシ殺されちゃうよぉおおおおおお!!!!!」

小泉「出して!!はやくここから出してぇええええええぇえ!!!!!」


小泉「…」




小泉「叫んでもどうにもならないわね…。」

小泉「結局、その時にならないとどうなるかなんてわからないし。」

小泉「まぁ…なるようになるでしょ。」


小泉「んっと、そうね…。こういう時は成功した時のイメ―ジトレ―ニングをしておこう。」

小泉「…」




~注:これは妄想です。~


九頭龍「げっへっへっへっへ…。よくもオレっちの大事な大事な妹様を手にかけやがったな…。」

九頭龍「この恨み晴らさでおくべきか。」

辺古山「処す?処す?」

小泉「お、お待ちください!!わたくしは、貴方様にお許しを請いたく…」


辺古山「そんな奴の言う事聞くことないお。はやく仕留めるのが吉だお。」

九頭龍「そうでちね~。妹ちゃんを殺されたうっぷんは、僕ちんの性癖を満たさないことには解消できないぞぉ。」

小泉「せ、性癖って…!?」




九頭龍「お前、性癖って聞いていかがわしいこと考えたな!!本来『性癖』という言葉にHな意味はないんだぞ!!」

九頭龍「ただ単純に個人の趣味や嗜好を指す言葉なのだ!!」


辺古山「ちなみにくずりゅうくんの趣味や嗜好とは、私をオモチャにすることなんだお。」

小泉「ひぃっ!!聞くだけでいやらしいです!!」


九頭龍「誤解を招くような言い方しないでほちいでち!!」

九頭龍「本編の道具云々を聞いたら、誰もがまず最初に通る道かもしれないけど!!」

小泉「それはアナタだけです。」


辺古山「嘘ぉ!?」

小泉「アナタに言ったわけではないのです。」




九頭龍「そんでボクちゃんの性癖とは、復讐の対象をとってもと―っても、苦しい目に遭わせてやることなんだぁ!!」

小泉「そ、そんな…!?」


九頭龍「おあつらえむきに最初っからふんじばってあるので、手間のかかることなく復讐を執行できるのであります!!」

小泉「お、お待ちください!!わたくしと冷静に話し合いを…」


九頭龍「問答無用だ―い!!レッツスタ―リン!!ディナ―タ―イム!!」

小泉「あ~れ~!!」





「そこまでだ!!」




辺古山「な、何者だお!?九頭龍様の決定的に最低で最悪で愚かで劣悪な儀式を止める不届き者は!!」

九頭龍「ギタ―を片手に、袖を通さずに羽織ったパ―カ―をバタバタとなびかせて。」

九頭龍「口には何やら葉っぱのようなものをくわえやがって…!!」


「ふっ…。名乗るほどの者でもないさ。」

「幸運と希望の星からやってきた、ザッツラッキ―ボウイとでも呼んでおくれ。」


辺古山「なっ…!!なんという秀逸なネ―ミングセンス…!!」

小泉「本気で言ってるんですか!?」

辺古山「その破滅的な情緒に痺れておしっこ漏らしちゃったお!!」




「彼女に手を出させないよ。おとなしく手を引くんだ…。」

「それとも、ボクと一緒に踊るかい?」


九頭龍「く、くそっ、生意気な…!!構わねぇ、やっちまえ!!」

辺古山「ペコ、いっきま―す!!」




「おっと、ボクにさわると火傷するよ。」

辺古山「そぉい!!」


九頭龍「なっ…!!あのペコりんが一瞬でいてまわれたぞう!?」


「どうだい?まだ、ボクと一曲舞うつもりなのかい?」

九頭龍「ち、畜生!!覚えてやがれ!!」







小泉「あ、ありがとうございます。危ない所を助けていただいて。」

小泉「よろしければ、お名前を…」


「ふふっ。ボクのような人間の名前を問いたがるなんて、物好きな人もいたものだ。」

「ボクの名前は…」




~妄想終了~


小泉「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!!」

小泉「誰よ、幸運と希望の星からやってきたザッツラッキ―ボウイって!!」




小泉「そ、そりゃあさ。ア、アイツに助けられたらうれしいな…なんて思ったりもするかもしれないけど。」

小泉「いや、今のナシ。誰があんな奴に助けられてあげるものですか。」


小泉「だってそもそも、アタシが旧館に監禁されたのもアイツのせいなのよ!?」

小泉「アイツのせいでアタシは、九頭龍に殺されるかもしれない危機に陥ってんのに…。」


小泉「それなのになんでアタシはこんな妄想をするのよ!?」

小泉「もしかしてアタシってMなのかな…?」




小泉「まぁ…とにかくシミュレ―ションはこんなものね。」

残姉『レ―ション?』


小泉「なんか途中から変な方向に脱線してたけど…」

小泉「誰かに助けてもらうってのは必要かもしれないわね。」

小泉「アタシと九頭龍だけだったら…まともな会話なんてできるわけないし。」


小泉「まぁでも、誰かの助けを借りるとしても、狛枝の力だけは絶対に借りないよ。」

小泉「もうそれは確実に!!誰が狛枝みたいなミジンコ以下のゴミもやしの手なんかを!!」





狛枝「呼んだ?」


小泉「ひょえぇえええっ!!!!?」




今日はここまで。




狛枝「どしたの急に。素っ頓狂な声出して。」

小泉「ア、アアアアアアンタが急に入って来るからよっ!!」


狛枝「ふ~ん…。」

狛枝「小泉さん、さっきから何やら独り言を楽しんでいたようだけど…。気分はどう?」

小泉「…」


小泉「最悪ね。っていうかこんなところに監禁されて、気分がいいわけないじゃない。」

小泉「ほんっと、はらわたが煮えくり返る思いよ。」

狛枝「そう。ま、仕方ないよ。コレもしばらくの辛抱だよ、小泉さん。」


狛枝「ほら…餓死されても困るし、食事を持ってきたよ。」




小泉「…それにしてもアンタ、皆からそうとう信用されてんのね。」

小泉「女の子が監禁されてんのに。普通に考えて、男に食事を持ってこさせる?」



狛枝「はは。もしかしてボクに、犯罪チックなことをしろと言ってるの?」

小泉「えっ?」


小泉「ち、違う違う!!なんでそういう話になるのよ!?」

狛枝「まぁ…。ボクならそんなことをしないだろうって思ったからこそ皆は、小泉さんの面倒をボクに任せたんだね。」

小泉「な、なんか含みのある発言…。」


狛枝「…」




狛枝は無言で近づいてくる。

食事をアタシのそばに運ぶだけなら、何ら不思議ではない行動なのだが…。


なにせ今のアタシは、何をされても抵抗できない。

法も道徳も守ってくれないこの状況で、何をしようが狛枝の自由なわけで。

つまり今、アタシはコイツの支配下に…!?


はっ!?

な、なんか…意識しだすと、心なしか狛枝がいやらしい眼をしているように見えて…!!

も、もしかしてアタシ…貞操の危機!?




そうこうしているうちに、狛枝はアタシのすぐそばにまでやってきて、食事のトレイを床に置いた。

お、お願い、そのままどっかに行って…!!


しかし、狛枝の気配がアタシのそばから消える気配はない。

むしろ、一層気配が濃くなっているような…。


途中からずっとつむっていたまぶたをそっと開いて、見上げてみると。





屈んだ体勢でアタシの顔を覗き込んでいる…



狛枝「…」


小泉「ギャ―!!近い近い近い!!!!顔近づけすぎだってばぁ!!!!」



コ、コイツ、アタシに対して向ける眼が、完全にオスの物になっている!?

や、やっぱり男は全員狼なのね!!

ケダモノなのね!!




狛枝「さてと…。じゃあ小泉さん。」


小泉「ま、待って!!」

小泉「そういうのはお互いをもっとよく知ってからするもので、一時の感情に任せていいものではなくて!!!!」


小泉「そ、その、男の人はすぐにやりたがるらしいんだけど!!!!」

小泉「ア、アタシ、まだ心の準備がああぁあああああああっ!!!!?」




狛枝「はい、あ―ん。」

小泉「はい?」


狛枝「だから…はい、あ―ん。」

小泉「あ―ん?」


狛枝「だって小泉さん、手を縛られているからさ。1人でご飯食べられないでしょ?」

狛枝「だから、はい、あ―ん。」




小泉「は、はぁあああああぁああああ!!!!?」

小泉「なにいってんのよ!?そ、そんな恥ずかしいことできるわけないでしょ!?」

狛枝「それは言わないでほしいなぁ。ボクだって恥ずかしいんだよ?でも、皆に頼まれちゃってるからね。」

小泉「うう。むしろアンタが恥ずかしがってない方が、救いはあったかもしれないわね…。」


狛枝「はは…。今頃だけど、パンとかにしておけばよかったね。1人でもなんとか食べられるようにさ。」

狛枝「でもいくらボクがパン派だからといって、それを小泉さんに押し付けるわけにはいかないよ。」




小泉「…そう言う風に無駄な気遣いができるのなら、アタシをこんなところに監禁しないでよ。」

小泉「アタシがこんなことになったのも、全部アンタのせいなのよ?」


狛枝「ええ?ボクのせい?やだなあ。ボクは何もしてないよ。」

狛枝「キミがここに閉じ込められたのは、因果応報でしょ?」

狛枝「だってキミが人殺しを…」


小泉「人殺しを計画したのはアンタでしょ?その罪をアンタは、アタシになすりつけたんだ。」

狛枝「はは…。」




狛枝「どうしてわかったのかな?ボクがパ―ティで、誰かを殺すつもりだって。」

狛枝「これでも頑張って、猫を被ってたつもりなんだけどな。」

狛枝「こんな簡単に殺人の計画を見破られるなんて、やっぱりボクは最低なヘタレなんだね…。」


狛枝「気付いたら、テ―ブルの裏に隠しておいたナイフが行方不明でさ。」

狛枝「まあアレを回収できる人なんて、小泉さんしかいないってのはすぐにわかったけど。」

狛枝「そのせいでボクは、コロシアイを起こすことができなくなってしまった。」


狛枝「だから仕方なく人を殺すのは諦めて…」

狛枝「汚れ役を、小泉さんにバトンタッチすることにしたんだ。」


小泉「…なにをわけのわからないことを言ってんのよ。」

小泉「こうしてアタシの動きを封じて、また殺人を犯そうなんて思ってんの?」




狛枝「はは…。相変わらず小泉さんは面白いね。」

狛枝「たまに鋭い洞察力を発揮するかと思えば、今度は唐突にとんでもなく的外れな発言をかますんだもん。」

小泉「え…?」


狛枝「ボクは人を殺したいわけじゃない。ただ、殺し合いが起きてほしいだけなんだ。」

狛枝「だからこそボクは昨日、殺人の計画を建てたわけだけど…」


狛枝「今の状況を考えると、もはやボクが人殺しをする必要なんてないこと、すぐにわかるでしょ?」

小泉「ど、どういう事よ?」




狛枝「昨日まで皆は、仲間との積極的な交流に尽力していたこともあって…」

狛枝「“コロシアイ”という異常な環境にいることを忘れることができていた。」

狛枝「結果として…殺し合いが起きることのない、一種のこう着状態に陥ってしまっていたんだ。」


狛枝「嘆かわしいことだよね。せっかく、より大きな希望を生み出すチャンスなのに。」

小泉「…希望、ね。」




狛枝「今までの皆は、コロシアイに対して消極的だった。」

狛枝「いやむしろ…コロシアイなんて自分とは無関係だと、対岸の火事を眺めているような感覚を皆が持っていたんだ。」

狛枝「目の前の絶望から目を背けている、希望の象徴にはふさわしくない行為だよね…。」


狛枝「でも…昨日の事件はそんな状況をぶち壊す、カンフル剤のような役目を果たしてくれたんだ。」

狛枝「だって皆は昨日の事件によって、コロシアイが自分のすぐそばにある物だって再確認することができたんだから。」

狛枝「無意識に皆が持っていた、人殺しを思いとどまるための、タガのような物をようやく取り外すことに成功したよ。」




狛枝「だから多分、先日よりもずっとずっと簡単に人殺しが起きるはずなんだ。」

狛枝「ちょっと誰かを刺激すればね。」

小泉「…!!」


狛枝「コレも全部、小泉さんがあの時に人殺しを演じてくれて、皆の心に疑心暗鬼を植え付けたおかげだよ。」

狛枝「だから、小泉さんには感謝しないとね。」




小泉「…それもこれも、全部希望のためなの?」

狛枝「ん?」


小泉「皆を平気で殺そうとするのも、コロシアイを引き起こそうとするのも…」

小泉「全部全部、“絶対的な希望”を生み出すためってこと?」

小泉「コロシアイっていう絶望を乗り越えてこそ、アタシ達は希望の象徴だから…。」




狛枝「へぇ。わかってくれるの?小泉さん。その通りだよ。」

狛枝「これは試練なんだ。キミ達がより輝かしい存在になるためのね。」

狛枝「はは…なんだかうれしいな。ボクの話を理解してくれる人ってきっと、初めてだから。」


小泉「そうかもしれないわね。アタシは、アンタのことを…全部知っているなんて、おこがましいことは言わないけど。」

小泉「少なくとも…狛枝と同じ目線に立って話し合えるくらいには、アンタを理解しているつもりよ。」





小泉「そして、狛枝が希望を盲信していることを理解しているからこそ…」

小泉「アタシは、アナタの理念を否定する。」


狛枝「…ふ~ん。そっか。」


狛枝「ボクには、キミがどう行動するかがいまいち予測できないよ。やっぱり小泉さんは、閉じ込めておいて正解だね。」

狛枝「せっかく殺し合いが起きそうだってのに、小泉さんにとめられちゃあもったいないもん。」




小泉「…コロシアイなんてしても、希望なんて見いだせない!!」

小泉「誰も犠牲にならないやり方で、希望を見つけることだってきっとできるはずよ!!」

小泉「だって希望は最初っから、アタシ達の中にあるんだから!!」


狛枝「…言ってることがよくわからないな。」

狛枝「まぁ、とにかくそれが小泉さんの意見ってことだね。」


狛枝「でもきっと、小泉さんの意見こそ否定されるべきものなんだよ。」

小泉「なんですって?」




狛枝「だってボクは、感じるんだ!!絶望が、今にもこのジャバウォック島で生まれようとしているのをさ!!」

狛枝「希望の踏み台にふさわしい、とびっきりの絶望が!!」


小泉「なっ…!?」





狛枝「ほら…耳を澄ませてごらん。聞こえてくるはずだよ。」



そう言って狛枝は…耳に手のひらを当てる仕草をとり、瞑想するかのように目を閉じた。


その直後…アタシは、聞いた。






ピンポンパンポン






そんな…


そんな、そんな……



もう2度と、聞きたくなかった。


もう…絶対に、聞かないと誓った…



あの“アナウンス”を。






映像の中のモノクマ『パンツが発見されました!!一定の捜査時間の後、学級裁判を開きます!!』





小泉「…」

狛枝「…」

小泉「…」



狛枝「何、今の?」

小泉「アタシが知りたいよ!!」




今日はここまで。




―ホテル レストラン―



辺古山「シクシクシクシクシクシク…」


小泉「ペ、ペコちゃん!?どうしたの!?」


小泉(堅物キャラのペコちゃんが、柄にもなく泣きべそかいてる…。)

小泉(っていうかペコちゃん、全身になんか白い液体がっ…!?)




罪木「あれれ…?どうして小泉さんが?」

日向「小泉は、旧館にいたんじゃなかったのか?」

小泉「あ…えっと、それは…」


狛枝「なにやら事件が起きたみたいだからさ。小泉さんにだけ捜査をさせないわけにもいかないし。」

狛枝「それに、そろそろ頃合でしょ?」


花村「頃合、か。確かにもう、皆も落ち着けたと思うしね…。」

七海「これ以上小泉さんを閉じ込めておく必要はない…と思うよ?」

九頭龍「けっ。ここにはどうにもお人よしが多すぎんな。」

九頭龍「これっぽっちの時間で殺人を許せるなんて、頭沸いてんじゃねぇのか?」

小泉「…」




狛枝「まあまあ。それよりもさ。さっきのアナウンスは一体なんなのかな?」

小泉「うん。なんか、“変な物”が発見されたとかなんとか…。はは…アタシの聞き間違いかな?」

辺古山「…」


辺古山「私の、………が。」

小泉「え?」


辺古山「私の、その…下着が。」





モノクマ「そう!!辺古山さんのパンツを盗んだクロが、オマエラの中にいます!!」


終里「パンツだと!?」

罪木「パンツ…パンツですか…。」

花村「そっか…パンツかぁ…。辺古山さんの、パンツかぁ…。」


辺古山「な、何度も言う必要ないだろう!?連呼しないでくれないか!!」




狛枝「なるほどね。つまりさっきのアナウンスは、正しく言うと…」

狛枝「『パンツ(を盗まれた被害者)が発見された』ことを知らせるアナウンスだったわけだ。」


モノクマ「ザッツライッ!!しかも、洗濯中のパンツとか、干してあったパンツとか、そんな生半可なもんじゃねぇぜ!!」

モノクマ「何とソイツは…辺古山さんがさっきまで、まさにはいていたパンツを奪ってしまったんだ!!」


花村「えぇ!?ということは、今の辺古山さんはノ―パ…」

九頭龍「自重しろやこらあぁあああああ!!!!」




小泉「でも、パンツって…。なんでパンツなのよ!?なんでこの状況で、わざわざパンツなんかを盗むのよ!?」

日向「なんでって言われてもな…。」

小泉「え?」

日向「あっ…。な、何でもないぞ?」


狛枝「とにかく。これは事件なんだよね?ってことは、学級裁判ってやつが開かれるのかな?」

モノクマ「そうです。ボクの待ち望んだ事件が、やっと起きてくれた…」




モノクマ「って誰がパンツ盗難事件なんて起こせって言ったよ!!起こすんなら、殺し合いを起こせよ!!」

モノクマ「パンツなんかのために、学級裁判を開かないといけないなんて。まったく、どこまでもふざけた奴だよ。」

小泉「1番ふざけてんのは間違いなく、出オチネタを裁判にまで引っ張るアンタだけどね。」


罪木「そ、それで、結論を間違ったらやっぱり、処刑ってのを…?」

モノクマ「まぁ…。人殺しは起きてないから、処刑はできないけど。」

モノクマ「それ相応のオシオキは用意させてもらってるよ?」

日向「それ相応のオシオキ…!?な、何だよそれは!?」

モノクマ「うぷぷぷぷぷ…それは後のお楽しみってわけで。」


モノクマ「じゃあとりあえず、これをあげるよ!!」

モノクマ「“ザ・モノクマファイル[1]+”!!」

終里「“+”ってのは何だよ?」

モノクマ「気にしない気にしない!!じゃ、捜査頑張ってね!!」







辺古山「うう…。スカ―トのなかがス―ス―する。コレじゃあ1歩も動けん…。」

罪木「わ、私のならともかく、辺古山さんのを盗むなんて、確かにちょっと許せませんよね…。」

七海「うん。まさに女の敵ってやつだね。本当は仲間を糾弾するようなことはしたくないけど…。」

終里「やるしかねぇな。」

小泉「…」



小泉(なんやかんやで、これもれっきとした事件よね…。)

小泉(この事件において、アタシが解決に貢献したとしたら。)

小泉(皆も、アタシのことを少しは認めてくれるんじゃないか?)


小泉(アタシはパ―ティで、皆にいろいろ迷惑かけちゃったし…。)

小泉(名誉挽回するためにも、ここで皆の役に立っておこうかな。)




捜査開始


小泉「えっと。まずはモノクマファイル…っと。」



モノクマファイル[1]+

『被害者:辺古山ペコ。犯行時刻は午後1時ごろで、犯行現場はホテルのレストラン。
パンツは黒色で、なにやら過激な物だったようだ。パンツの他に辺古山が着用していたストッキングやスカ―トは無傷。
パンツにみそのようなものが付着していたというのは風のうわさである。』




小泉「うわぁ…。ペコちゃんのパンツの詳細まで書いてあるよ。しかも、みそ…?」

辺古山「やめてくれぇっ!!これじゃあ公開処刑じゃないか!!」

小泉「はは…」


辺古山「私は確かに黒のティ―バックを愛用しているが…。あくまで動きやすいからで、他意はないのだ!!本当だぞ!?」

小泉「ペコちゃん…。なんか、自暴自棄になってない…?」




花村「ふんふん、やっぱり辺古山さんは黒のティ―バックだったんだね!!」

小泉「花村も、追い討ちをかけてんじゃないわよ!!」


花村「いやいや…。ぼくレベルの人間になれば、皆がはいている下着なんて服の上からでも判別できるんだよ!!」

花村「あんな下着をつけているってことは、辺古山さんは堅物に見えて相当あそこも緩い…」


九頭龍「おい、花村。ちょっとツラ貸せや…。」

花村「いや―ん!!もしかして、愛の告白かな!?」

九頭龍「ああ…。あの世の使いとランデブ―させてやるよ。」

花村「九頭龍くん、そんな大胆な…。ぼくは全然OKだよ!!」

小泉「…ご愁傷様。」



言弾:モノクマファイル[1]+を獲得!!

言弾:辺古山の性癖を獲得!!

言弾:道を究めし者の神眼を獲得!!




小泉「とりあえず、現場の状況を…」


小泉「ペコちゃん。被害に遭った時の状況を教えてよ。」

小泉「あと…なんで体中が汚れてんの?」

辺古山「ふむ…。とにかく、順を追って説明するぞ。」


辺古山「私は今日、料理の特訓をしていたのだ。」

小泉「料理の特訓…?それはまた、どうして?」

辺古山「まぁ…。それはいいのだ。」


辺古山「シチュ―、ポタ―ジュ、グラタンにホットケ―キ…。とにかく、手当たり次第に作ってみたな。」

小泉「…?なんか、この献立に一定の規則性があるような気がする。」




辺古山「そして、被害に遭った1時のことだ。あの時レストランには、私しかいなかったんだ。」

小泉「え…?ペコちゃんたった1人?」

罪木「わ、私たちは、お互いに距離をとっていましたからね…。仕方のないことだったんです。」

小泉「距離をとっていたって…?」


小泉(そっか…。昨日の事件のせいで、皆は…)




辺古山「そして。不意に後ろから気配がしたかと思えば、いつの間にか下着が…!!」

小泉「え…?どういうこと?なんか、具体的なところが全然わからないんだけど…。」

小泉「ペコちゃんは、犯人を見てないの?」


辺古山「残念なことだがな。“超高校級の剣道家”と呼ばれた私ですら、犯人の気配に気づくことに精いっぱいで…」

辺古山「下着を奪われるのを防ぐどころか、一切の抵抗もままならなかったのだ。」

罪木「そ、それで、下着を奪われた拍子に、料理の材料を自分自身にまき散らしてしまったということですか…。」


辺古山「そういう事になるな。しかし、あの盗みのテクニック…。まさに神業と言ったところか。」

小泉「ペコちゃんですら称賛するってことは…犯人は相当の手練れね。」


小泉(すんごくどうでもいい方向の手練れだけど。)




七海「犯人の腕が尋常ではないことを、モノクマファイルの記述も物語っているしね。」

終里「パンツは盗んだのに、他の服には一切跡を残してね―なんてよ。オレはわくわくしてきたぞ!!」

罪木「そんなことが可能な人なんて、それこそパンツ盗みの達人しかいないのでは…。」

小泉「まさか、そんな人が都合よくいるはずが…」


終里「まあそれは良いとしてだ!!とりあえずここにある料理、食っていいか!?」

辺古山「あ、ああ…。構わないぞ。」

終里「よっしゃあ!!うめぇ!!なんか全体的に、乳くせえけどな!!」


言弾:辺古山の証言を獲得!!

言弾:辺古山の料理を獲得!!




なんか迷走しているような気がするけど、今日はここまで。




小泉「えっと、後調べないといけないのは…」

狛枝「ボク達よりも先に現場へ到着した人たちに、事件前の状況を聞いてみたら?」

小泉「そうね。っていうか、まだ到着してない人もいるみたいだけど。現場がどこかもわかってないのかな…?」


狛枝「まあ、それはいいとして。被害者を最初に発見したのは誰なのかな?」

罪木「は、はい。私です。」

小泉「じゃあ、その時の話を聞かせてくれる?」




罪木「え、ええっとですね。1時くらいにホテル前を散歩していると、誰かの悲鳴がホテル内から聞こえてきたんです。」

罪木「それを聞いて私は、急いでレストランに向かって…」

罪木「白い液体まみれで下着をはいていない辺古山さんを発見したんです。」


七海「白い液体…。」

日向「白い液体か…。」

辺古山「これ以上私のメンタルをえぐらないでくれないか!?」

終里「それならオレも知ってんぞ!!その液体は確か、男の…」

小泉「赤音ちゃん!!シチュ―がまだ残ってるよ!!」




狛枝「とにかく。罪木さんの証言によると、事件発生から発見まで、ほとんど間がないってことだね。」

辺古山「そうなるな。」

狛枝「そして罪木さんに続いて、日向クン達もここにやって来たわけだね。」


小泉「んっと…誰か、他に何か気づいたことはある?」

終里「おう。そういえば悲鳴が聞こえるのと同じくらいの時間に、なんか演奏のようなものが聞こえたぞ。」

小泉「演奏…?」

終里「なんっつ―んだろうな。ジャンジャン!!ドギャ―ン!!!!って感じのな。」

小泉(なに言ってんのかよくわかんない。)


言弾:事件発覚の流れを獲得!!

言弾:辺古山の被害の状況を獲得!!

言弾:終里の証言を獲得!!




日向「まったく。それにしてもひどいことするな、今回の犯人は。辺古山のパンツを無理やり奪い取るなんてよ。」

小泉「他人のパンツを被っているアンタがそれを言う?」

日向「何を言ってるんだ。俺と今回の犯人を一緒にしないでくれ。」


日向「奴の行為は、パンツハンタ―の美学に反するんだ。」

日向「パンツハンタ―ってのはあくまで待ちに徹する。」

日向「いくら他人のパンツが欲しいからって、盗みに走るなんて愚の骨頂!!」




小泉「そう…。ところで日向。アンタの希望のカケラ、MAXなのは誰?」

日向「そうだな。現時点では七海、澪田、終里、田中、弐大、罪木、花村だな。」


小泉「で?今日被っているパンツは誰の?」

日向「辺古山のだ。」

小泉「ふ~ん。」


言弾:パンツハンタ―の美学を獲得!!

言弾:攻略済みの人を獲得!!

言弾:日向の頭を獲得!!




―ホテル ロビー―


西園寺「あ!!小泉おねぇ!!」

弐大「応、小泉か。」

小泉「あ…。日寄子ちゃんと弐大。」


西園寺「やっと解放してもらえたんだね。まったく、あいつらさ―。心が狭くて狭くて。」

西園寺「小泉おねぇが人を殺すはずなんてないのに。あんな酷いことしかできないなんて。」

弐大「無っ…。すまなんだ。」




弐大「しかし一晩経ったことだし、他の皆も小泉を受け入れることができるようになったじゃろう。」

西園寺「ふん。旧館に閉じ込めるなんて、どう考えてもやりすぎだよ。」

西園寺「閉じこもるのは、トイレの中で弐大おにぃだけやっておけばいいんだ。」


弐大「はっはっはっはっ!!!!コイツは1本取られたわい!!実は今日も、ついさっきまでトイレで戦争を…」

西園寺「黙ってろ!!ってかお前、ちゃんとケツ拭いてんのか!?臭うぞ!!」


小泉(日寄子ちゃんには言われたくないだろうな。)

小泉(しかし…。さっきの弐大の話からすると、トイレにこもっていたのなら犯行はできないのかな?)


言弾:弐大のアリバイを獲得!!




小泉「あはは…。いろいろありがとうね、日寄子ちゃん。いつもアタシの味方でいてくれて。」

西園寺「当然だよ!!小泉おねぇは心優しいし、他の奴らと違って一緒にいても恥ずかしくないもん!!」


小泉「だからってそんなにくっつかなくていいよ…。」

西園寺「恥ずかしがらなくてもいいんだって!!女の子同士だしさ!!」


小泉「ふふ。こうしてみるとまるで妹ができたみたいね…。」




小泉(臭い。日寄子ちゃんが最後にお風呂に入ったのっていつかな。)


言弾:くさいおんじを獲得!!




―ホテル前―


澪田「もしも―し。大丈夫っすか―?」

澪田「お―い!!」


小泉「ん?どうしたの唯吹ちゃん?」

澪田「あ、真昼ちゃん。ほら、見るっすよこれ。」

小泉「え?」





豚神「…」



澪田「白夜ちゃん、あのアナウンスがあってからずっと固まって動かないんすよ。」

小泉「おそらく…理解不能の事態(パンツ盗難事件)に頭の処理が追いつけず、思考停止の状態に陥ってるのね。」

澪田「白夜ちゃんは責任感が強くて、神経質なところがあるっすから…。」

澪田「些細なことにも過敏に反応しちゃうらしいんすよ。」


小泉「事件を起こすまいと気を配っていたのに、まさかこんなことになるとは豚神も予想外だったということか。」

澪田「まあコロシアイを命じられている中でパンツが発見されるなんて、誰にも想像できないっす!!」

小泉「とりあえず、今の豚神は使い物にならなそうね。」




澪田「えっと。今、どういう状況なんすか?アナウンスはパンツがどうとか言ってたけど…。」

小泉「ペコちゃんのパンツが何者かに盗まれたの。」

澪田「ペコちゃんのパンツねぇ…。一定の層には確実に需要がありそうっすね。売れば相当な儲けに…」

小泉「とにかく!!唯吹ちゃん、何でもいいからさ。なにか心当たりない?」




澪田「そういえば、ここにウクレレが落ちてたっす。」

小泉「ウクレレ?」

澪田「うん。ウクレレ。」

小泉「なんで?」

澪田「さあ?」



言弾:ウクレレを獲得!!




―中央の島 公園―


左右田「田中。今日こそ決着をつけてやるぜ。」

田中「ふん…。井の中にある世界しか知らないチャチなマルチ―ズのわりには虚勢を張るじゃあないか。」

左右田「ケッ。今のうちに言うだけ言っておくんだな。2分後には敬語でしか喋れね―ようにしてやんよ。」

田中「はっ!!貴様はなかなかセンスのあるつなぎを着ているようだが…。」

田中「かかってくるがいい!!愛玩動物用のシャレた服に縫い直してくれる!!」


ソニア「あの…。お2人さん。さっきのアナウンスを気にしては…」

左右田「んなこたぁどうでもいいんです!!」

田中「男同士の戦争に口をはさむなど、貴様のような高貴な者にはふさわしくないな…。」

ソニア「は、はぁ…。面目ありませんです。」




左右田「もう、言葉はいらねぇな。」

田中「ああ。」



田中「かかってこいやぁあああああぁあああああ!!!!」

左右田「うぉりゃああああああぁあああああ!!!!」


小泉「…何やってんだあの2人。」


言弾:左右田の思い人を獲得!!




キ―ンコ―ンカ―ンコ―ン


映像の中のモノクマ『ええっと。だんだん事件と無関係なことをする人が出て来たので、そろそろ捜査は打ち切りです!!』

映像の中のモノクマ『オマエラは至急、モノクマロックまで来てください!!』


小泉「…モノクマロックか。アタシにとって、これで何回目だっけ…?」




―モノクマロック―


左右田「…」ボロボロ

田中「…」ボロボロ

花村「…」ボロボロ


罪木「な、なんですでに全身傷だらけな人がこんなにいるんですか!?」

狛枝「まさか、ボク達の知らないところで殺し合いが…!?」

九頭龍「ああ。ちっと花村には、オレからお灸をすえてやってだな。他の2人は知らん。」


ソニア「えっと。お2人は、すこしバトルを…」

終里「バトルだと!?よっしゃ!!ならオレも混ぜやがれ!!」

弐大「やめておけ…。奴ら、すでに虫の息じゃあ。」




澪田「うぉおおおお!!いい加減に目を覚ますっすよ!!130kgの巨体を1人でここまでひきづるのにどれだけ苦労したか!!」

豚神「…」

七海「澪田さん、意外に力持ちだね。」

罪木「つ、つまり豚神さんも治療が必要なんですね…。」

西園寺「頭の悪さだけにはつける薬なんてないでしょ―!!」




辺古山「…」

小泉「えっと…。ペコちゃん、大丈夫?」

辺古山「…ああ、問題ない。」


小泉「その…これから裁判が始まるみたいだけど。」

小泉「話し合いの中で、間違いなくペコちゃんのメンタルを削っていく議論が発生するだろうけど。」

小泉「それでも…大丈夫?」

辺古山「…平気だ。被害者が私でよかった。他の女子なら私以上に恥を感じていたところだろう。」


日向「無理すんなよ?辺古山。ったく、今回の犯人は許せないな。」

日向「殺人に比べれば見劣りするのかもしれないけどな。パンツを盗むなんてサイテ―だ。」

日向「俺たちで、その犯人をきっと見つけ出してやろう。辺古山のためにもな。」

小泉「うん、そうだね(棒」




九頭龍「…」


小泉(それにしても、九頭龍が能動的にやってくるなんて。)

小泉(九頭龍のことだから、モノクマに非木津られてやってくると思ってたのに。)


小泉(それだけ、今回の犯人を許せないってことか?)

小泉(まぁ、被害者がペコちゃんだからね…。)

小泉(といっても2人の関係を知っているのは、今のところ当人を除いてアタシだけなんだろうけど。)


言弾:九頭龍と辺古山を獲得!!




そうしてアタシ達は、16人でエレベ―タ―に乗り、裁判場に到着した。



―裁判場―


小泉(ここも久しぶりだな…。)

小泉(でも…確かここに、“全員で”やって来たのは、これで初めてか。)


小泉(…)




小泉(いよいよ始まる。アタシ達の、パンツを賭けた裁判。)


小泉(パンツ賭けの騙し合い。パンツ賭けの裏切り。パンツ賭けの謎解き。パンツ賭けの言い訳。パンツ賭けの信頼。)

小泉(パンツ賭けの…学級裁判…!!)



小泉(…締まらないわね。)




今日はここまで。非木津→ひきづ




CLASSROOM TRIALS 1+


モノロ―グ


辺古山の清らかな(?)下着を無慈悲にも奪ったパンツ泥棒が、この中に潜んでいる。

それは、一体誰なのか?

そして、1発ネタを裁判でどこまで面白く表現できるのか!?(難題)

立ち上がれ、乙女たち!!辺古山の無念を晴らすために!!




コトダマ一覧


1.モノクマファイル[1]+

『被害者:辺古山ペコ。犯行時刻は午後1時ごろで、犯行現場はホテルのレストラン。
パンツは黒色で、なにやら過激な物だったようだ。パンツの他に辺古山が着用していたストッキングやスカ―トは無傷。
パンツにみそのようなものが付着していたというのは風のうわさである。』



2.辺古山の性癖

『剣道家の辺古山が愛用する勝負下着は、黒のティ―バック。
このことを知っているのはその話を聞いた小泉、花村、九頭龍のみ。』


3.道を究めし者の神眼

『花村いわく、彼くらいの領域に達した者は、服の上からでも人の下着を判別できるという。
“変態”でもダメ。“紳士”でもダメ。“変態紳士”でないと完全に力不足である。』



4.辺古山の証言

『辺古山が1時ごろに1人で料理の特訓をしていると、突然何者かからの襲撃を受け、下着を強奪されたという。
盗みの技術は辺古山ですら評価せざるを得ないほど華麗な物で、犯人が常人でないことがうかがえる。』



5.辺古山の料理

『シチュ―、ポタ―ジュ、グラタン、ホットケ―キ…。とにかく、手当たり次第に辺古山は料理を作っていたようだ。
この料理には一定の規則性がありそうだが…。
料理において、技術はもちろん大事だが。何より重要なのは、相手においしく食べてほしいという愛情、情熱である。
その心を忘れない限り、食べられない料理などない…と思いたい。』



6.事件発覚の流れ

『犯行時に辺古山があげた悲鳴を聞きつけて皆は集まった。第一発見者は罪木で、その後に日向達が続いた。事件発生から発見まではほとんど間がない。』



7.辺古山の被害の状況

『発見時の辺古山は、白い液体が全身にかかっており下着をはいていない状態で泣きべそをかいていた。
ところで、辺古山が新しい下着をはき直した描写がないが、もしや辺古山は学級裁判をノ―パンで…?
辺古山の全身にかかっていた白い液体は事件の際に自分自身でかけてしまった物。』



8.終里の証言

『犯行とほぼ同時刻に、終里が演奏のようなものを聞いたらしい。』




9.パンツハンタ―の美学

『一流のパンツハンタ―は、相手のパンツを無理やり手に入れようとはしない。ましてや強奪なんてもっての他だ。
何においても一流の人は、その人なりのこだわりをそう簡単に否定したりはしないだろう。』



10.攻略済みの人

『日向との希望のカケラがMAXなのはいまのところ七海、澪田、終里、田中、弐大、罪木、花村。
パンツハンタ―である日向は、カケラをMAXまで集めると相手のパンツを手に入れることができる。』



11.日向の頭

『日向は常に、誰かのパンツを頭に被って生活している。ちなみに今日被っているパンツは辺古山の物。
今から100年のうち、いつかは必ず流行るファッションである。』



12.弐大のアリバイ

『弐大は事件発生時、ずっとトイレにこもっていたらしい。西園寺がその証人。』



13.くさいおんじ

『新陳代謝が人と比べて激しいのか、風呂に入っていない西園寺はとても臭い。
噂によると、彼女の臭いをひとたび嗅げば立ちくらみを起こし、ふたたび嗅げば精神に異常をきたし、
みたび嗅げば生命の危機に陥るという。
政府にはまだ認識されてないが彼女のエキスを凝縮した生物兵器を使用すれば、国家の1つや2つ簡単に滅ぼす事が可能。』



14.ウクレレ

『ギタ―に似た小型の4弦楽器。コア(koa)の木材で制作、ハワイアン音楽で使用。
元来はハワイ先住民が使用(広辞苑第6版より抜粋)。犯行現場付近に落ちていたよ。』



15.左右田の思い人

『左右田の思い人は言わずと知れた、高貴で気品あふれるブロンドのソニアさん。
その熱い思いは、1週目で彼女を殺しちゃうくらいです!!』



16.九頭龍と辺古山
『九頭龍と辺古山は、修学旅行開始前から面識があったらしい。
そのせいか辺古山は、他の女子に比べてガ―ドが固い。故に男性人気はかなり低め。』




モノクマ「まずは、学級裁判の簡単な説明から始めましょう!!」

モノクマ「学級裁判の結果は、オマエラの投票により決定されます!!」

モノクマ「正しいクロを指摘できれば、クロだけが(パンツ的な意味での)オシオキ。」

モノクマ「だけどもし、間違った人物をクロとした場合は…」

モノクマ「クロ以外の全員が(パンツ的な意味での)オシオキされ、皆を欺いたクロだけがパンツを得られます!!」


モノミ「な、なんて下衆なル―ルでちゅか!!」

小泉(おっしゃる通りです。)




左右田「始める前に確認しときたいんだけどよぉ。これって何の裁判なんだ?」

終里「おいおい。議題すらも知らない奴がいるのかよ?」

日向「捜査に参加していない奴もいたからな。確か、左右田の他にもいたよな。」


ソニア「えっと…。わたくしや田中さんも同様です。」

田中「我らはずっと、公園で死合いに身を投じていたのでな。」

弐大「事件が起きとるというのに何をやっとるんじゃあ!!」

西園寺「ずっとトイレにこもっていたアンタが言うの!?」


澪田「それと恐らく、白夜ちゃんも事件の内容を知らないっす!!」

花村「豚神くんが…?彼なら、真っ先に現場にやって来そうなものだけど。」





豚神「…」



罪木「さっきから豚神さん、ずっと放心状態です…。相当なショックを受けたのだと思われます。」

七海「まあ、豚神くん抜きで議論を進めるわけにはいかないからね。まずは彼を我に返すことを考えよう。」


九頭龍「そもそもコイツが固まった原因はなんだよ?」

澪田「事件が起きたことへのフラストレ―ションが一気に爆発したらしいっす!!」

日向「それがたとえ、パンツ事件だったとしてもか…。」

七海「むしろ、起きた事件がパンツだったからこそ豚神クンはこうなっちゃったのかも…。」

七海「場合によっては殺人よりも予測不可能だからね。」


狛枝「さて…。とにかく皆の力を合わせて、豚神クンの正気を取り戻そう。」

狛枝「まあ希望の象徴であるキミたちなら、なんてことはない課題のはずだよ。」



小泉(また、始まる…。最初の議論が!!)


小泉(…なんか、いまいち緊張感のない議論だけど。)




PHASE1 議論開始!!


言弾:(>>522>>523


13.くさいおんじ

14.ウクレレ

12.弐大のアリバイ



ソニア「えっと、豚神さんに対して具体的にどうすればいいのでしょう…?」

辺古山「【ショック療法】なんかはどうだ?」


西園寺「そうだね―。[デコピン100発くらいくらわせれば起きる]でしょ!!」

澪田「唯吹が呼びかけてもひきづっても起きなかったんすよ!?それだけじゃあ足りないと思うっす!!」


花村「なら、[ぼくのデリシャスな料理のスメルをあじわってもらう]かい?」

終里「うまそうな匂いを嗅げば1発で飛び起きるよな!!」


辺古山「しかしそれでは、心地よさでさらに深く眠ってしまうかもしれん。」

辺古山「ここは逆に、【マイナスの事象を豚神に与えてやるべき】だ。」


罪木「そ、それはつまり、とっても酷い臭いをかがせるということですか!?」

罪木「でも、【そんな臭いものなんてここにはありません】よぉ!!」

西園寺「そ、そうそう!!そんなのあるわけないじゃん!!」

西園寺「あるわけない…よね?」


田中「臭いに限らず、他にも方法があるはずだ。」

田中「例えば、[騒音で無理やり目覚めさせる]とかな。」

澪田「う~ん…。唯吹のシャウトでも起こせるかどうか…。」



小泉(ん…?あの人の発言、なんかおかしくないかな…?)


安価↓1




【そんな臭いものなんてここにはありません】←くさいおんじ


小泉「その推理はピンボケだよ!!」論破



BREAK!!



小泉「ちょっと待って蜜柑ちゃん。刺激臭を発する者ならちゃんとこの裁判場に存在するはずよ。」

罪木「ふぇ…?それっていったいなんですか?」


西園寺「ああ!!わかったぁ!!きっと弐大おにぃのことだよ!!さっきまでずっとトイレにこもっていたらしいし!!」

弐大「はっはっはっ!!確かにそれはいいアイディアかもしれんのう!!」


小泉「いや、違う…。弐大程度の臭いでは、とても豚神を起こすには至らないと思う。」

小泉「っていうか、並大抵のものでは今の豚神には一切通用しないわ。」

小泉「それこそ、最終兵器を導入でもしない限りは。」

日向「じゃ、じゃあ、小泉の言う最終兵器ってなんだよ?」




小泉「日寄子ちゃんよ。」

西園寺「ファッ!?」


小泉「日寄子ちゃんの臭いは特別製でね。」

小泉「世界で最も臭い物質として認定されていたエタンチオ―ルを上回る測定値を叩きだし、
ギネス記録を打ち破ったことでも有名よ。」


西園寺「小泉おねぇ!?何を言ってるのかさっぱりだよ!?」



小泉「裏の世界では、彼女の臭いを利用した化学兵器を利用する計画が立ち上がっているだのいないだの…。」


狛枝「これは…」

狛枝「あはっ!!素晴らしいよ!!」

狛枝「驚く程に絶望的だね!!希望が全く見えないほどの絶望で世界が染まっているかのようだよ!!」



小泉「そして今ここに、彼女の臭いを凝縮した薬品があります。」

小泉「ガラス瓶は溶かしてしまうので、保存の際はポリエチレンの容器を使用することを推奨します。」


西園寺「…」

ソニア「もうやめてあげてください!!西園寺さんのライフはとっくに0です!!」




小泉「これを、豚神に嗅がせると…」



豚神「ぶはぁああああっ!!!!?」

澪田「おおっ!!起きたっす!!」


豚神「はぁ、はぁ…。」

七海「えっと…。豚神くん、大丈夫?」

豚神「こ、こ…」


豚神「殺す気かぁ!!!?」




左右田「なんだこれ。」




今日はここまで。




小泉「とにかくこれで、豚神を元に戻せたようね。」

左右田「小泉と西園寺の仲は、そう簡単には元に戻せそうにないけどな。」


狛枝「じゃ、全員そろったことだし、事件の内容を確認してみよっか。」

田中「ようやく本題に入るのか。」

豚神「ふん…。何があったかはよくわからんが、お前らは何も心配する必要はない。俺が導いてやる!!」

九頭龍「アレの直後じゃあ説得力がね―ぞ。」




小泉「で。事件の内容ってのはね。ペコちゃんの下着が、何者かに盗まれたことなんだ。」

田中「下着…?つまり、辺古山のパンツか!?」

豚神「パンツ…パンツだと!?どういうことだ!!説明しろ苗木!!」

辺古山「なぜどいつもこいつもパンツ呼びをしたがるんだ!?そもそも苗木とは誰だ!!」


ソニア「ま、まさか、下着泥棒がわたくし達の中にいるというのですか!?」

終里「それだけじゃねぇぞ。辺古山を泣かせやがったんだ。」


九頭龍「ケッ…。女を泣かせるなんて、なんつ―下衆野郎だ。」

小泉「…アンタが言うな。」

九頭龍「ああん?」

小泉「な、何でもない。」




豚神「つまり、そのパンツ泥棒を当てればいいんだな?」

左右田「何だ、そんなの簡単じゃねぇか。そんなの1人しかいな…」


ソニア「しかし、今の段階ではあまりにも情報が不足し過ぎていますね。」

弐大「盗まれたパンツは未だに行方知れずだしのう…。」

左右田「いや、辺古山のパンツは普通にあるじゃねぇか。ほら、日向が被って…」




西園寺「グスッ。グスッ。」

小泉「日寄子ちゃん…。ごめんってば。そろそろ機嫌を直してよ…。」

西園寺「…」

小泉「お詫びに、何でも1つお願いを聞いてあげるから。」


西園寺「…ホントに?」

小泉「うん。アタシができる範囲なら。」

西園寺「え、えっとね。じゃあね、じゃあね…」


左右田「友情を再建しようとしてるところ悪いんだけどよぉ!!」

左右田「それ、オレの言葉を遮ってまでやらなきゃいけないことだったの!?」




七海「今回の事件は一筋縄ではいかないようだね。」

七海「なかなか難易度の高いゲ―ムだけど…皆で協力し合って、答えを導き出そう。」

七海「辺古山さんの為にもね。」


辺古山「…すまない。私のために、こんなことに巻き込んでしまって。」

澪田「固いこと言いっこなしだよ!!ワンフォ―オ―ル!!オ―ルフォ―ワンっす!!」

罪木「ふふふ…皆との結束って、なんだかとても頼もしいです…。」

左右田「ちょっと待てよ!!結束も何も、犯人はひな…」


狛枝「さぁ、議論を再開させようか!!この中に潜む下着泥棒の正体を暴き出すために!!」

左右田「…オレがおかしいのか?」




PHASE2 議論開始!!


言弾:(>>522>>523


16.九頭龍と辺古山

1.モノクマファイル[1]+

2.辺古山の性癖



日向「事件の内容を確認するが…」

日向「この中の一体誰が、【辺古山のティ―バック】を盗んだんだろうな?」


七海「白昼堂々の犯行にも関わらず、被害者に姿も見せない上に、一切の証拠を残さないところを見ると…」

七海「犯人は【相当の達人】だね。」

弐大「それほどの実力を持ちながら、なぜ自分の力を間違った方法で使うんじゃあ…。」

弐大「技が泣いとるぞ。」


花村「ところで辺古山さん。【どうしてティ―バック】なの?」

辺古山「ど、どうしてとは、どういう意味だ?」

花村「ほら、[健全な高校生としてはふさわしくない]ような気がしない?」

花村「あんな過激な下着はさ。」

花村「あの下着をはく裏には、何か特別な事情があるんじゃないかってね。」

辺古山「身動きがとりやすいんだ!!【他に特別な事情などない】!!」


西園寺「モノクマファイルによると、【辺古山おねぇの下着にはみそのようなものが付いてる】らしいけど…」

西園寺「その辺についてはどう思う―?」

辺古山「もうやめてぇっ!!」


小泉(助け舟を出したいけど、下着に関してはアタシまでとばっちりを喰らう可能性があるからね。ごめんペコちゃん。)


安価↓1




正解


【辺古山のティ―バック】←辺古山の性癖


小泉「その推理はピンボケだよ!!」論破



小泉「ちょっとまって日向。今の発言、どういうこと?」

日向「何がだよ?俺、何か間違ったことを言ったか?」

日向「辺古山のパンツは黒のティ―バックで間違いないだろ?」

辺古山「あ、ああ…。そうだが。」

日向「ほら。俺は何も間違ってないぞ。」


小泉「うん…。ペコちゃんの下着の正体については、日向は何も間違ってないよ。」

左右田「下着の正体ってどういう表現の仕方だよ…。」




小泉「だけど。」

小泉「どうして日向、ペコちゃんの下着が黒のティ―バックだって知ってんの?」

花村「あれ…?そういえば変だね。」

日向「へ、変ってなんだよ。モノクマファイルにも書いてあっただろ?辺古山のパンツについて。」

日向「だから俺が辺古山のパンツについて知っていても、なにもおかしくないぞ。」


豚神「いや…。おかしいな。」

澪田「え?どういうことっすか白夜ちゃん?」


豚神「モノクマファイルにはな…。」

豚神「辺古山の下着が黒色で派手な物であることと、みそが付いている事しか言及されていないんだ。」

辺古山「みそなんて付いてないっ!!」




罪木「た、確かにそうです!!派手な物とは書いてありますが、ティ―バックとは書いてありません!!」

日向「なっ…!!」

終里「おいおい、じゃあなんで日向は辺古山のパンツの種類を知ってたんだよ!?」


小泉「ペコちゃんはこのことを日向に教えた?」

辺古山「いや…。このことを話したのは小泉と花村と九頭龍だけのはずだ。」

弐大「ならば、その3人のうちの誰かから聞いていたということか!?」

澪田「どうなんすか、3人とも!!」


九頭龍「オレがそんなことをする人間に見えるか?」

小泉「ア、アタシもそんなことしてないわよ。」

花村「ぼくは紳士だからね。他人のパンツを暴露なんて横暴は働かないさ。」

小泉(大ウソつき。プロロ―グに狛枝の前で紐パンを暴露されたのを覚えてるよ、アタシは。)




七海「その3人から聞いたわけでもないのに、辺古山さんの下着の種類を知っているということは…」

ソニア「日向さんが犯人だからですか!?」

左右田「オレ的には、もっと早く気付いてほしかったですよソニアさん!!日向の頭を見れば一目瞭然だし!!」

ソニア「え…?左右田さんは何の話をしているのですか?」

豚神「左右田。議論をかく乱したいだけなら発言は控えるんだな。」

左右田「やっぱりオレがおかしいの!?」


日向「ちょ、ちょっと待ってくれよ!!俺は…」

左右田「往生際がわり―ぞ!!オレは最初っからテメ―しかいねぇと思ってたんだ!!早々にお縄に付きやがれ!!」




終里「あ~…。なんか、日向はシロだと思えてきた。」

ソニア「わたくしもです。」

七海「うん…。私も、自身がなくなって来たよ。まさか左右田くんと意見が被るなんて。」


左右田「おお~い!!どうして!?どうして皆、そんなにオレが気に食わないの!!!?」

左右田「オレが何をしたっていうんだぁああああ!!!!」




PHASE3 議論開始!!


言弾:(>>522>>523


9.パンツハンタ―の美学

3.道を究めし者の神眼

11.日向の頭



九頭龍「辺古山の下着の種類を当てるなんてよ…」

九頭龍「どう考えても怪しいぞ!!」

日向「ま、待ってくれよ!!俺は【偶然知っただけ】で…!!」

田中「ほう…?では、いかにして知り得たというのだ?」

日向「そ、それは…」


七海「う~ん。でも確かに、辺古山さんに直接教えてもらわずとも…」

七海「【自力で種類を知る方法もある】よね?」


花村「まあ選ばれた人間になら、スカ―トの中を…」

花村「[人智を超えたパワ―で透視することも可能]だね。」

田中「何だと!?つまり今回の犯人は、千里眼の使い手か…!?」

豚神「もっとまともな意見はないのか?」


澪田「う~んと…。」

澪田「[ペコちゃんの独り言や、他人との会話を盗み聞きした]とか?」

狛枝「それか、[ラッキ―スケベを起こしたことがある]とかね。」

左右田「つむじ風でスカ―トがめくれるとか、そんなシチュエ―ションは男の夢だぜ!!」

弐大「しかしそんなもんは、“超高校級の幸運”の特権じゃろう…。」


罪木「で、でも結局…」

罪木「【日向さんが下着を盗んだ張本人だっていう可能性は否定できてない】ですよね…?」



小泉(この議論はいったいどこに着地するんだろう…。先が思いやられるわ。)


安価↓1




不正解


罪木「ふゆぅ。私なんかが言うのもなんですけど…」

罪木「その証拠じゃあ、日向さんが下着の種類を当てたことへの弁解にはならない気がします…。」


小泉(花村いわく、臨界点を超えた人間は、特別な力に目覚めるという…。)


安価↓1




正解


[人智を超えたパワ―で透視することも可能]←道を究めし者の神眼


小泉「その意見にフレ―ムインね!!」同意



小泉「確かに、ペコちゃんの下着を当てたからといって、日向を犯人とすることは出来ないのかもしれない。」

豚神「何か根拠があるのか?」




かなり迷走しているような気がするけど、今日はここまで。




再開



小泉「えっと。アタシじゃあ説明しにくいからね。花村先生、お願いします。」


花村「うん。ぼくレベルの玄人にもなると、服の上から他人のパンツを当てるのはそう難しいことじゃないんだ。」

ソニア「おっしゃっている意味が分かりませんが…」


花村「例えばソニアさん、今日は黒いレ―スのパンツだね?」

ソニア「なっ!?ど、どうしてそれを!?」

九頭龍「あってんのかよ!!」


左右田「うっはぁあああ…!!いいこと聞いたぜ!!サンキュ―花村!!」

田中「下衆が…。」

澪田「目がしどろもどろしてるっすよ眼蛇夢ちゃん。」




狛枝「なるほどね…。」

狛枝「花村クンのように専門の技術を持つ人間なら、犯人でなくとも下着の種類を判別できるってことだね。」


花村「ちなみに今の辺古山さんはノ―パ…」

九頭龍「トンカツにしてやろうかコラァ!!」

花村「あべばべばっ!?トンカツはやめて!!なんでかわからないけどトラウマをえぐられちゃうから!!」


弐大「しかし専門の技術とは、具体的にどういう人間が会得できるんかのう。」

花村「ああ、それはね…」




花村「変態でもあり、紳士でもある人間だよ。」

七海「変態…紳士?それ、花村くんは当てはまるのかな?」


花村「何言ってんのさ。」

花村「花のつぼみをいやらしく丁寧に開く時のように、他人に対して優しくねっとりと接することのできる人間…。」

花村「むしろぼく以上の人なんているのかい?」

終里「な―んか(童貞)くせ―な…。」




罪木「でも花村さんの言うとおり異能の力を得ることが可能だとすると、つじつまは合いますね。」

辺古山「確かにな。日向なら龍の眼を手に入れることができそうだ。」

弐大「そしてインサイトのポテンシャルを一時的だが爆発的に高め、千里眼に近い力を発動することができたわけか。」

花村「しかしその代償として、透視はわずかな時間でもコスモを大量に消費するから、朔の日には使えないんだ。」


左右田「なんか意味不明な専門用語が飛び交ってねぇか!?なんだよ“異能の力”って!!」




小泉「とにかく、日向なら下着の種類を当てることができてもおかしくないのよ。」

西園寺「何せ日向おにぃは、典型的な変態紳士だからね―!!」

日向「いやいや、ほめても何もでねぇぞ?」

西園寺「ほめてない!!」


狛枝「でも、やっぱり疑問は残るよね。だって、いくら日向クンが変態紳士だとしても…」

狛枝「花村クンレベルの域に本当に達しているかどうか、その道に疎いボク達には判別しようがないしね。」

九頭龍「そんな道があること自体ビックリだっつ―の。」


日向「仕方ない。ついにアレを公表するときが来たというわけだな。」

豚神「何だと?」




日向「ほら、これだよ。変態紳士検定1級の合格証明書だ。」

豚神「変態紳士検定!?」



『 変態紳士検定           No.パンツ

 1級  合格証明書    日向創

上記の者は、当教会主催 平成××年度第14回 文部科学省認定

変態紳士技能検定において頭書の級に合格したことを証明します。

 発行日 20××年2月24日     財団法人 日本変態紳士検定協会 』



花村「なっ…!?1級!?バカな!!世界にも数えるほどしかいない、最高レベルの変態紳士である証じゃあないか!!」


左右田「ツッコミどころ満載だなオイ!!」

九頭龍「文部科学省、何やってんだ…。」




七海「何はともあれ、日向くんの変態紳士レベルは花村くん並みかそれ以上…。」

田中「つまり日向にも花村同様、邪眼の力が宿っているということか。」


小泉「そうなるわね。だからとりあえず、日向は容疑者から外しても…」







豚神「そんな物が何だと言うんだ!!」反論



小泉「な、何よ。なにか反論があるの?」

豚神「愚民め…!!そんなものに惑わされるとはな!!」

豚神「出来の悪いお前達を正しい方向に誘導するのも俺の責務だ!!俺が導いてやる!!」


小泉(なんかもう、言った者勝ちな議論になってるような気がするわ…。)




PHASE4 反論ショ―ダウン(VS豚神)開始!!


言刃:(>>522>>523


3.道を究めし者の神眼

9.パンツハンタ―の美学

13.くさいおんじ



豚神「いいか、よく聞け。当たり前だが重要なことを再確認させてやる。」

豚神「日向は間違いなく変態だ。言っておくがこれは決定事項だ。」

豚神「紳士かどうかは知らんがな。」


豚神「そして。変態だから容疑者から外れるというのは、常識的に考えて有り得ない。」

豚神「むしろその逆が自然な成り行きなんだ。」

豚神「【下着を透視したなどという妄言など何の弁解にもならん】。」

豚神「よって、日向を容疑者から外すのはまだ早いな。」




発展!!


小泉「日向は変態じゃない…。」

小泉「かといって、紳士でもない!!」

小泉「日向は…そう!!変態紳士よ!!」



豚神「小泉の言う謎の仕分けや、そこを強調する謎のこだわりはともかくだ。」

豚神「日向がシロである明確な根拠など存在しないだろう。」

豚神「【日向に犯行を行えない理由などない】からな。」

豚神「日向に[アリバイ]でもあれば別だが…。」

豚神「【他に怪しい人物が存在しない】以上…」

豚神「この議題を終わらせるわけにはいくまい。」


安価↓1




正解


【日向に犯行を行えない理由などない】←パンツハンタ―の美学


小泉「その言葉…斬らせてもらうよ!!」論破


BREAK!!



小泉「日向に犯行を行えない理由…。それは、日向の流儀にあるんじゃないかな?」

豚神「どういうことだ。」


小泉「日向。アンタは言ってたよね。日向が持ち合わせている美学について。」

日向「ああ。一流のパンツハンタ―は、決して他人からパンツを強奪したりしないんだ。」


終里「ちょっと待てよ!!なら、日向がいつも頭に被っているパンツはどうやって手に入れてんだよ!!」

日向「おいおい、忘れたのかよ終里?確かお前も、自ずと俺にパンツを渡してくれたんだぜ?」

終里「あれ…?そうだっけか?」


小泉「とにかく日向。ここら辺でパンツハンタ―とはなんたるかをご高説願おうじゃないの。」




日向「わかった。そもそも、パンツハンタ―っていうのはな。標的と接触し親交を深めている間に…」

日向「独自の技能と交渉術を駆使することで、相手がこちらにパンツを渡すように仕向ける職業なんだ。」


ソニア「ワォ!!パンツハンタ―とは職業だったのですね!!」

澪田「ところで、年収はいくらなんすか?」

西園寺「バッカじゃないの?他人からパンツを奪う奴がどうやって金を稼ぐんだよ!!」


日向「そうだな。俺くらいになると国の寄付金で1300万ってとこかな。」

西園寺「1300万!?」


辺古山「国から給料が出るのか!?」

ソニア「陶磁器などもそうですが、国の寄付がないと伝統品を作る巧妙な技術が廃れてしまいますからね…。」

弐大「そしてそれは、パンツハンタ―も同様ということか。」

九頭龍「とりあえず、国が金の使い方をろくに知らねぇってのはわかったぜ。」




日向「そして。俺はそのパンツハンタ―という物を誇りに思っている。」

日向「相手と親交を深めて、そいつとの絆の象徴としてパンツをもらうという神聖な職業をな。」

七海「なんかもう、『神聖』という言葉の定義すら危うくなる発言だね。」


日向「だから、他者と仲を深めるどころかその人を傷つけてしまうような行為…」

日向「一流のパンツハンタ―を自負している俺がするわけがないだろう!?」

日向「パンツとは、誰かが俺を想う気持ちがこもっていて初めて価値があるんだ!!」




田中「…ふっ。日向よ。貴様のシャウト…。俺様の心に、確かに響いたぞ。」

終里「ああ…。何か、かっけぇな。なにか1つのことをとことん突き詰めて、洗練させている感じでよ。」

辺古山「ふん。どうやら、認めざるを得ないようだな。日向創という人間の生き様を。」


豚神「…どうやら、間違っていたのは俺の方だったようだな。」

豚神「すまなかったな、日向。妙に勘ぐるようなマネをしてしまって。」

日向「水臭いこと言うなって。疑うことは罪じゃないぞ。なにせお前は…」

日向「たとえ相手が下着泥棒でも、改心させようとするような奴だからな。」

豚神「言うじゃないか…。」


豚神「クッ…。メガネが曇って仕方ないな。」

澪田「ああっ!!白夜ちゃん、もしかして感動して…!!」




左右田「あのよぉ。日向かっけぇみたいな雰囲気のところ悪いんだけどよ。」

左右田「結局日向は物的証拠を何1つ出してなくて、ただ言葉でゴリ押ししてるだけ…」


七海「時間を無駄にしちゃったね…。とりあえず、日向くんをこれ以上疑う必要はなさそうだよ。」

狛枝「じゃあ、次の議論に移ろうか。」


左右田「…オレ、もしかして嫌われてる?」




今日はここまで。




再開


終里「つってもよ―。次の議論って、何を話すんだよ?」

罪木「っていうか今のところ、辺古山さんの下着が盗まれたことしか話し合ってないですよぉ!!」


小泉「ん―…。直接犯人を導き出せないなら…」

小泉「その、1歩手前を議論してみたらどうかな?」

田中「1歩手前だと?」


狛枝「そうだねぇ。今までの議論では、犯人に直接つながる手がかりは見つけることができなかった。」

狛枝「だから、別の視点から事件を見てみようってことだろうね。」

弐大「確かに。紛失したパンツの事ばかり考えても仕方ないからのう。」




日向「じゃあ具体的に、なんの話をするんだよ?」

七海「犯行現場の状況から攻めてみたらどうかな?」


西園寺「それがいいよ!!」

西園寺「確か辺古山おねぇ、ノ―パンかつ白濁液塗れの状態で、物欲しそうに恍惚しながら男を誘惑してたんだよね―。」

辺古山「なんかお前の発言、とんでもない尾ひれがついてないか!?」

豚神「な、なんと不埒な…!!」

田中「奴は淫夢の術の使い手か…。」

辺古山「ち、ちがう、誤解だぁああああぁあああ!!!!」

ソニア「まるでラッキ―スケベにあった後に主人公がする苦し紛れの言い訳みたいな叫びですね!!」


九頭龍「…ちっ。くだらねぇな。」

日向「おい九頭龍。鼻血出てるぞ。」

九頭龍「なっ!?マジか!?」


日向「嘘だ。」

九頭龍「日向テメェえええええぇええええ!!!!!」


小泉(誰も自重しないこの議論…。果たして収拾はつくのか?)




PHASE5 議論開始!!


言弾:(>>522>>523


4.辺古山の証言

7.辺古山の被害の状況

6.事件発覚の流れ

2.辺古山の性癖



狛枝「犯行現場の状況で、やっぱり重要なのは…」

左右田「[辺古山が想像以上に淫乱だった]ことだな!!」

辺古山「違う!!それは西園寺がついたデタラメだっ!!」

弐大「しかし【パンツの過激さ】を考慮すると、デタラメだと断定するのは困難じゃのう。」

辺古山「誰か助けてぇっ!!!!」


豚神「そんなことは問題ではない。とりあえず辺古山は後で職員室に来い。」

罪木「職員室!?」


豚神「それよりも重要なのは…」

澪田「なんで白濁液まみれだったのかが問題っすね!!」

花村「きっと【誰かにぶっかけられた】んだよ!!」

終里「何をだよ?」

花村「それはもちろん、犯人のせ…」

小泉「言わせないわよバカっ!!」


小泉(この先ずっとこのノリで行くの…?大丈夫なのか?)


安価↓1




正解


【誰かにぶっかけられた】←辺古山の被害の状況


小泉「その推理はピンボケだよ!!」論破


BREAK!!



小泉「ペコちゃんは言ってたよね?事件前でペコちゃんは、料理の特訓をしてたって。」

辺古山「ああ…。それは間違いない。」

辺古山「私はおいしい料理を作りたくて、犯行の瞬間にもずっと料理の材料を持っていたんだ。」

辺古山「そのせいで被害を受けた時に、自分自身に材料をひっくり返してしまったのだがな…。」

花村「なんてことだ…!!料理を粗末にするなんて、その犯人は許せないね!!」

七海「そうだね。しかも辺古山さんに、あらぬ疑いまでかけるなんて…。」


狛枝「えっと。要するに辺古山さんは、白い液体を自分自身でかけてしまったということだね。」

弐大「つまり犯人にとっては予想外に生まれた証拠というわけじゃあ。」

左右田「白い液体が何の証拠になるんだよ…。」




日向「そうだな。ここで、白い液体の正体についても詳しく話し合うべきなんじゃないか?」

花村「それならもうわかってるよ!!きっとせ」


小泉「確かペコちゃんがつくっていた料理ってさ。シチュ―やポタ―ジュ、グラタンにホットケ―キ…だったよね。」

終里「オレが全部おいしくいただいてやったがな!!」


田中「それで、辺古山が錬成していた物がなんだというんだ?」

小泉「これらの食料には、共通してある食材が使われているのよ。」

罪木「ある食材…ですか?」

澪田「それってなんすか?」


小泉「それは…」




PHASE6 閃きアナグラム(改)開始!!



ぎ○○に○う


安価↓1




ぎゅうにゅう


小泉「よし、わかった!!」



小泉「ペコちゃんが料理に使っていて、犯行時に自分自身にかけてしまった食材。」

小泉「それは恐らく、牛の乳から採れる、白色の液汁。」

小泉「飲料としてなじみ深いばかりでなく、バタ―、チ―ズ、練乳など、様々な加工乳の原料でもあるわ。」

小泉「料理に使う時にも汎用性は高く、実際ペコちゃんの料理にはすべてコレが含まれているの。」

小泉「そして、その正体は…!!」


小泉「ぎゅうにゅ」







九頭龍「オレの前で2度とソイツの名前を出すんじゃねぇ…!!」反論



小泉「ひっ…。ど、どうしたのよ急に。」

九頭龍「テメェ…。今、何と言おうとした!?」

小泉「何って、その…。ぎゅうにゅ」


九頭龍「それだそれ!!次ソイツの名前を口走ったら、オホ―ツク海の底にロジカルダイブさせてやんよ!!」

小泉「せ、せめて瀬戸内海にしてよ!!」



小泉(うう、怖い…。何よコイツ、なんで突然アタシに突っかかって来たの?)

小泉(でもコイツの反論を打ち破らないと、議論は先に進めない!!)




PHASE7 反論ショ―ダウン(VS九頭龍)開始!!


言刃:(>>522>>523


16.九頭龍と辺古山

13.くさいおんじ

5.辺古山の料理



九頭龍「チクショウ。何が牛乳だ…。」

九頭龍「妹の奴もアイツも…。どいつもこいつも、[上から]オレを見下ろしてながら…」

九頭龍「【栄養になる】から薬だと思って飲んでみたら?なんてぬかしやがる…!!」


九頭龍「オレだって胃袋がもう少し頑丈なら、飲んでやりてぇよ。がぶ飲みしてぇよ。」

九頭龍「だがオレは、チャレンジするたびに牛乳に殺されかけちまう。」


九頭龍「オレが牛乳を嫌っているんじゃない。牛乳からオレが見放されてんだ。」

九頭龍「牛乳がオレに対してアレルギ―を持ってんだよ!!」

九頭龍「【牛乳すらも威圧する極道のオ―ラ】のせいでな!!」




発展!!


小泉「脂肪、タンパク質、カルシウム、必須アミノ酸、ビタミン…。」

小泉「とにかく、牛乳には様々な栄養成分がバランスよく豊富に含まれているの。」

小泉「背が高くなりたいなら、まずは牛乳に相談するべきよ。」


九頭龍「背丈のことは口にすんじゃねぇ!!ぶっ殺すぞ!!」

九頭龍「ふざけやがって…。人の苦労も知らねぇで。」

九頭龍「いくら体に良くても、背が高くなろうと、飲めないんじゃあ仕方ねぇんだよ!!」

九頭龍「コ―ヒ―牛乳に挑戦して挫折し、いちごミルクに勝負を挑んで敗退し…」

九頭龍「果てにはホットミルクの表面にできる膜ですら撃沈してしまった!!」

九頭龍「たとえ牛乳がどれだけ姿を変えてオレの前に現れようが…」

九頭龍「オレは【もう2度と牛乳と立ち向かわない】!!」


安価↓1




正解


辺古山の料理→【もう2度と牛乳と立ち向かわない】


小泉「その言葉…斬らせてもらうよ!!」論破


BREAK!!



小泉「ペコちゃん…。今の発言、どう思う?」

辺古山「そうだな…。何とも嘆かわしいことだ。」

辺古山「これじゃあ、何のために私が料理の特訓をしていたのかがわからんな。」

九頭龍「何だとっ!?」


小泉「料理を作る人に必要なのは、何よりも真心。」

小泉「でもね。肝心の食べる人が、その思いに気付いてくれないと、作る側は酷く落ち込んでしまうのよ?」

終里「そうだぜちびっこギャング。食べ物を食えるだけで感謝しねぇといけねぇぞ!!」

九頭龍「何言ってんだ。辺古山が料理を作っていたことと、オレが牛乳を飲めないことに何の関係があるんだよ!!」


澪田「冬彦ちゃんのバカ!!」

九頭龍「うぇ!?」


西園寺「クズ!!」

九頭龍「酷くね!?」




小泉「何のためにペコちゃんがわざわざ、牛乳入りの料理を一生懸命作ったと思ってんの…?」

七海「なるほどね。九頭龍くんの牛乳嫌いを何とかしてあげようと頑張っていたんだね。」

九頭龍「なっ…!?」


左右田「辺古山って意外と優しいんだな!!」

左右田「見ず知らずのヤクザのために、そんな面倒なことを自発的にしてくれんだからよ!!」

西園寺「実は2人、デキてんじゃないの―?」

辺古山「そ、そんなことは…ないぞ?」

日向「すごく怪しい言い方だな。」




弐大「そして九頭龍。お前さんは、そんな辺古山の厚意を無下に扱うというわけか…?」

九頭龍「…」


九頭龍「ちっ。わかったよ。」

九頭龍「オレ…また、挑んでみる。牛乳に。」

狛枝「ふふふ…。1人の男が今まさに、大きく成長したね。希望の象徴としてよりふさわしく!!」



小泉(ほんまかいな。)




なんかカオス?今日はここまで。




再開


豚神「さて…。議論が脱線してしまったな。話を戻すぞ。」

ソニア「えっと。今の議論で判明したことは、何でしたっけ。」

西園寺「辺古山おねぇが淫乱ドスケベ女だってことじゃない?」

辺古山「既成事実を着々とつくり上げようとしている!?」


狛枝「犯人に直接つながる手がかりを見つけられなかったから、ボク達は犯行現場について議論したんだ。」

狛枝「ところが辺古山さんの体にかかっていた牛乳は、辺古山さん自身によるものだった。」

狛枝「結局ボク達は、犯人につながる手がかりを何1つ手に入れることができなかった、ということになるね。」


罪木「ええっ!?ここまで話し合ってきたのにですか!?」

弐大「むぅ…。大胆かつ荒唐無稽で変幻自在な犯行…。今回の犯人はやはり、一筋縄ではいかんのう。」

ソニア「わたくしも、ちゃんと犯人を見つけられるのかが不安になって来ました…。」




狛枝「大丈夫。心配なんていらないよ。」

狛枝「だって、所詮はたかが下着泥棒だよ?希望の象徴と呼ばれる皆の敵じゃないって。」

狛枝「皆がこんなところで負けるわけがないんだ。こんな事件、ただの踏み台だもん。」


日向「え…?狛枝、お前どうしたんだよ?」

狛枝「え?何が?」

日向「だってお前は言っていたじゃないか。俺達の中に犯人なんていないって。」


小泉(いつの間にそんなことを言ってたんだ。そしてそんな言葉を信じる日向も大概だ。)




狛枝「そうだっけ?ま、そんなことより、事件の話をしようよ。」

狛枝「牛乳は大した情報にはならなかったし、1人でいた辺古山さんから下着を奪う機会はいくらでもあった…」

狛枝「困ったねぇ。ボクらの誰にでも犯行が可能みたいだよ?」

小泉(下着だけを盗む神業テクニックは、誰にでもできるものじゃないと思うけど。)


豚神「今までの議論は全て無意味だった…とでも言いたいのか。」

澪田「そ、そんな…!!」


狛枝「残念だけど事実だよ。これだけ議論を重ねたにもかかわらず、犯人のシッポは影も見えない。」

狛枝「でも、それも当然かもしれないね。だってボクらの中に、犯人なんているわけないもん。」

日向「本当にどうしたんだよ!?お前の言ってることは無茶苦茶だ。」

ソニア「そ、そうですよ。いつも温厚で理知的な狛枝さんの発言とは思えません。」


小泉(そっか。狛枝の本性はまだ皆にバレてなかったのか。)

小泉(既にところどころ、希望厨の片鱗が見え隠れしていたけど。)

小泉(今まで猫を被っていた狛枝が、今度は何を企んでいるの?)




狛枝「ボクをおかしいと思うのは、皆の方こそどうかしてるからだよ!!」

狛枝「仲間同士で糾弾し合うようなマネ、正気の沙汰とは思えないって!!」


狛枝「もうやめようよ!!犯人なんて、見つけなくたっていいじゃない!!」

狛枝「ボクはもう嫌なんだ!!仲間同士で疑いあうようなこと、したくないよ!!」

狛枝「ボク達は仲間じゃないか!!仲間同士で下着泥棒なんて、起きるはずがないんだって!!」


豚神「ならばなぜ、辺古山は今ノ―パンなのだ!!」

辺古山「ちょ、おま…」


狛枝「そんなことどうだっていいよ!!もう諦めようよ!!」

狛枝「どうせ犯人につながる手がかりなんて、1つもないんだし…」

左右田「いや、手がかりならあるだろ。ほら、日向の頭に…」




七海「ちょっと待った。手がかりなら既に見つかっているのかもしれない。」

狛枝「手がかりが、見つかっている…?」

狛枝「へぇ。そこまで言うなら、言ってみてもらえる?手がかりって、何かな?」

左右田「七海も気づいたか。そりゃあ、日向のあた…」


七海「やっぱり、犯行現場の状況かな。」

左右田「っていうかオレ、完全に無視されてる!?」




終里「辺古山の状況はさっき散々話したじゃねぇか。結局何の意味もなかっただろ?」

七海「その1歩手前を考えるんだよ。」

罪木「1歩手前ですか?さっきも同じようなことを言っていたような気がしますけど…。」


七海「う~んとね。そもそもどうして、辺古山さんから下着を盗める環境ができたのかなって。」

九頭龍「どういうことだよ。」


小泉「えっと、千秋ちゃんが言ってるのって…」


1.辺古山は淫乱だった

2.辺古山は1人だった

3.辺古山はレストランにいた


安価↓1




不正解


小泉「ペコちゃんが淫…」


辺古山「…」



小泉(ペコちゃんが何やらヒ―ロ―物の仮面を用意してる。この先を言うと撲殺されそうな気がするな。)


安価↓1




正解


小泉「そっか…!!」解


小泉「ペコちゃんがレストランで1人だったことよね?」

花村「え…?別に、1人でいることはおかしくないと思うけど。」


ソニア「いえ…。よく考えてみると、いささか不自然です。」

西園寺「え―?どうして?」




ソニア「わたくしたちは基本、朝にはレストランに集合します。」

ソニア「つまりレストランは、わたくしたちの拠点でもあるのです。」

田中「ふむ。レストランは、我らが最も頻繁に訪れる場所であるということだな。」

七海「私達は1の島と中央の島にしか行けないからね。島の狭さを考えると、なおさら訪れる機会は増えると思うよ。」


弐大「そんな場所に、1時ごろに誰もおらんとなると…。確かに、何か作為的なものを感じるのう。」

澪田「作為的って…!?まさか、誰かがそうなるように仕向けたんすか!?」

小泉「うん…。今思えばペコちゃんがレストランで1人だったのは、必然だったんだよ。」

左右田「は?どうしてだよ。」


小泉「それは…」




PHASE8 ロジカルダイブ開始!!



Q.1 レストランで辺古山が1人だった原因は?

赤:偶然 青:疑心暗鬼 黄:コミュ症


Q.2 その背景には何があった?

赤:殺人未遂 青:殺人事件 黄:下着泥棒


Q.3 事件が起きやすい状況にするために、そう仕向けた人は何をした?

赤:小泉を監禁 青:小泉にあ―ん 黄:小泉とチョメチョメ


安価↓1




青‐赤‐赤


小泉「推理はつながったわ!!」


COMPLETE!!



小泉「アタシ達は昨日起きた事件のせいで、疑心暗鬼に陥っていたから…。」

小泉「他人と共にいることは極力避けていたはずなんだよ。」


九頭龍「何言ってんだ。テメ―が起こしたんじゃねぇか。殺人未遂事件をよ。」

小泉「…ごめんなさい。」

九頭龍「けっ。謝って済めば警察はいらねぇんだよ。」


小泉「いや、警察はもう…」

九頭龍「あぁ?」

小泉「…気にしないで。」


日向「九頭龍、やめとけって。今小泉を糾弾したってどうしようもないんだからな。」

辺古山「ああ。とにかく、先ほどの議論を再開させよう。」




罪木「ええっと。私たちはお互いを警戒し合っていたから、単独行動が目立っていたんですね。」

日向「そうだな。俺達の半数近くは1人だったよな。」

澪田「あの状況でよく知らない誰かと一緒にいるのはキツかったんすね。」

澪田「唯吹はそんなこと全然気にしてなかったけどね!!」


西園寺「特に、竹刀を持ち歩いてるボッチの辺古山おねぇは皆に警戒されて当然だね―!!」

西園寺「レストランで1人取り残されたのにも納得がいくよ!!」

辺古山「…いいんだ。所詮私は、孤独な1匹狼。騒がしいのはむしろ苦手な性で…」

小泉(あ…ペコちゃん、ショック受けてるな。)




弐大「つまりそういう状況を作り出した奴が犯人ということか!?」

七海「犯人…かどうかはわからないけど。少なくとも、考慮に入れるくらいはしてもいいんじゃないかな?」


九頭龍「んじゃあ怪しいのは、殺人未遂を引き起こした張本人の小泉だな。」

小泉「えっ!?」

ソニア「小泉さんが、下着泥棒を…?」

左右田「いやいや有り得ねぇだろ。だって小泉は女じゃねぇか!!」

弐大「女が女のパンツを奪いたがるとは、普通では考えられんのではないか?」


花村「同性愛者…という可能性もあるかもね。」

日向「お前が言うと説得力があるな…。」

花村「ぼくはどっちでもイケるよ!!愛さえあれば性別なんて!!」

小泉「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!!勝手に人を同性愛者にしないでよ!!アタシにはそういう趣味はないわよ!!」




西園寺「っていうかそもそも小泉おねぇは監禁されてたじゃん。」

終里「そういえばそうだったな!!じゃあ小泉に犯行は不可能だ!!」

九頭龍「はっ。監禁されたフリをしてただけじゃねぇのか?」

九頭龍「自由に動けるのを隠していて、オレらを油断させていたとかな。」


豚神「無闇に小泉を疑っても仕方ない。それよりも、気になる事がある。」

田中「気になる事だと?」




豚神「昨日の事件を引き起こしたのが小泉だとしてもだ。」

豚神「皆の疑心暗鬼を生み出そうとした人間が、他にいる気がしてならない。」

澪田「えっ…!?誰っすか、それ!!」


七海「そもそも私たちが互いを信じにくくなってしまったのは、小泉さんが監禁されたから…だよね?」

田中「そういえば、小泉の監禁を強く推していた人間がいたな。」


小泉「それは…」


怪しい人物を指名しろ


安価↓1





小泉「狛枝…アンタよね?」

狛枝「ボ…ボクが?」


ソニア「つ、つまり狛枝さんは…小泉さんを監禁することで疑心暗鬼を生み、それに乗じて下着泥棒を!?」

弐大「そういやあ狛枝は昨日、小泉の監禁を否定する豚神に対して、やけに食い下がっとったのう。」

花村「っていうかそもそも、小泉さんの監禁を提案したのも狛枝くんだったよね!?」

罪木「それが、下着泥棒をするための下準備ってことですか!?」

狛枝「そ、そんなのただのこじつけだよ!!」


七海「確かにこじつけ臭いけど…下着盗難事件と無関係とは思えないんだよね。」

左右田「こじつけ臭いのは認めるんだな…。」


日向「犯人を特定する根拠としては弱いが…怪しいと呼ぶには十分かもしれないな。」

日向「どうなんだよ、狛枝。俺達の推理を肯定するのか否定するのか、ハッキリしてくれ。」

日向「正直言って俺は、お前を疑いたくない。あんなにやさしいお前が、下着泥棒だなんて、思いたくない。」

日向「だから…」


狛枝「…」





狛枝「ふ~ん。で?それだけかな。」

終里「あぁ?」


狛枝「ボクを犯人だと断定できる根拠…。本当に、他には見つからないのかな?」

狛枝「そんなわけないよね。だって皆は、希望の象徴なんだから。」

ソニア「ど、どうしたのですか、狛枝さん…。」


狛枝「さあ、もっとよく考えてよ!!」

狛枝「皆の頭を最大限に駆使すれば、新しい証拠なんていくらでも掴み取ることができるはずだよ!!」

狛枝「最後には希望が勝つ!!ボクはそう確信しているからね!!」

日向「なら…やってやるさ。お前の言う通りにな。真実に、たどり着くために…!!」




小泉(狛枝がシロだとわかっている身としては、なんていうくだらない戯曲だろうか。)

小泉(まあおもしろそうだから、しばらく黙っとこう。)




PHASE9 議論開始!!


言弾:(>>522>>523


8.終里の証言

11.日向の頭

13.くさいおんじ



田中「さて…。新たな証拠を浮き彫りにしようではないか。」

ソニア「いまのところ、【狛枝さんが怪しい】のですが…。」

西園寺「う~ん。情報がなさすぎるよ―。」

辺古山「じゃあ、いくら話し合いをしても無駄ということか…?」

狛枝「無意味…。これほど絶望的な言葉もないよね…。」

狛枝「でも、諦めちゃダメだよ?希望を持って、前を向いて頑張らないと!!それでこそ、希望の象徴なんだからさ!!」


豚神「考えられる可能性は…」

狛枝「ボクは思うんだ。希望は、絶望なんかに負けないんだって。」

狛枝「だからボクは、それを皆に証明してほしい。」


罪木「狛枝さんが犯人だと仮定すると…」

狛枝「そりゃあ、ボクみたいな凡人にとっては事件なんて害悪でしかないけど。」

狛枝「キミ達のような才能あふれる人間なら、それをより輝くための試練にすることができる。」

狛枝「より大きな希望に昇華するために、他の希望と切磋琢磨する…。」

狛枝「その時の希望同士のぶつかり合いこそが美しいんだ!!」


七海「犯行時刻に狛枝くんは…」

狛枝「そうやって、各々の希望を洗練させる…。」

狛枝「それが、学級裁判のあるべき姿なんだ!!」

狛枝「キミ達になら、学級裁判を踏み台にして、絶対的な希望を生み出せるはずなんだ…!!」


左右田「なんか、雑音がひどくて全然議論にならね―な。」

九頭龍「まずはアイツのうすぎたねぇ口を塞がねぇといけねぇみてぇだ。」

弐大「どうやってだ?」


終里「[臭いもので蓋]をすればどうだ?」

ソニア「ジャパニ―ズことわざですね!!」

豚神「微妙にフレ―ズが違うし、ことわざ通りの使い方ではないぞ。」

左右田「つ―か、何の議論だよこれ…。」


小泉(狛枝が予想以上にうるさい。そんな奴にはお灸をすえなきゃね。)




安価↓1




正解


[臭いもので蓋]←くさいおんじ


小泉「その意見にフレ―ムインね!!」



(西園寺の心が)BREAK!!



今日はここまで。




再開


日向「マヒえも―ん!!」

小泉「どうしたんだいひな太くん、あわただしく。」

日向「ナギアンがまたボクをいじめるよ―!!」

日向「突然『希望!!希望!!希望!!』って言いながら追いかけて来るんだよ―!!」

小泉「なんて残酷な!!ひな太くんみたいなグズでノロマの愚か者をよってたかっていじめるとは…!!」


左右田「お、おい。なんか始まったぞ…。」

弐大「これは、ツッコんではいけないシ―ンじゃのう…。」




日向「マヒえも~ん!!ナギアンをやっつける秘密道具を出してよぉ!!」

小泉「ようし、こうなったら…」



小泉「『臭い御ん字エキス』~!!」タッタラ-



日向「なんだいこの、ポリエチレンの容器の中で禍々しく揺らいでいる瘴気は?」

小泉「このエキスを嗅がせると、瞬時に相手を黙らせることができるんだよ。」

日向「さすがはマヒえもん!!マヒえもんの技術力は世界一ぃいいいい!!!!」




七海「待った!!それは使い方次第では、ナギアンどころか地球もろとも滅ぼしてしまう、禁断の生物兵器…!!」

ソニア「かの『地球破壊爆弾』と同等に危険な代物です!!」

田中「いくらなんでも大げさだ、たかが人間1人に。」

モノクマ「フヒ―ッ、ヒ、ヒ、ヒ、ヒ」

西園寺「…」

終里「大変だ!!西園寺が息してねぇ!!」

豚神「野郎、ぶっ殺してやる!!」

辺古山「のびちゃん!!」




澪田「とにかくこれを凪斗ちゃんに嗅がせて、少し黙らせるっすよ!!」

狛枝「えぇ!?ちょっと待ってよ。」

狛枝「いくら超高校級である西園寺さんから採取した物質だとしても、そんなものをかいで希望を見いだせるとは…」


澪田「ええい、問答無用!!観念しやがれ!!」

狛枝「ちょ、マジでやめて。」


澪田「ほわたぁ!!!!」

狛枝「ほぎゃああぁああああっ!!!?」







狛枝「…」

花村「えっと、確かに黙ったけど…。」

罪木「なんか狛枝さん、放心しているような…」


終里「まさか、死んじゃいねぇだろうな!?」

九頭龍「この場合、クロは澪田か?」

澪田「ギャ―!!それは勘弁!!」


西園寺「…」

モノミ「ちなみにここにも固まっちゃった人が1人いまちゅ…。」





狛枝「…あはっ。」



狛枝「あははははははははははははは!!!!!!」


狛枝「超高校級の才能を持つ皆が、仲間のパンツという絶望に立ち向かう!!」

狛枝「ああ、なんてすばらしくて美しいんだろうね!!!!」



ソニア「大変です!!狛枝さんが悪臭のせいで気が変になっちゃったようです!!」

罪木「蒼白な顔色…。不安定な物腰…。抑揚や脈絡のない発言…。」

罪木「これは、うつ病や統合失調症などの可能性があります!!」

弐大「西園寺の臭いが原因で、様々な精神的疾患を併発してしまったのか…!!」

九頭龍「その辺のヤクよりもずっとヤベェ禁断症状が出てんじゃねぇか!!」

九頭龍「なんて恐ろしいブツなんだ、『臭い御ん字エキス』!!」


小泉(残念だけど、狛枝はアレで正常運転なのよね…。)




西園寺「…」

モノミ「気をしっかり持ってくだちゃい、西園寺さん。先生がついてまちゅ。」

モノミ「先生はいつでも生徒の味方でちゅからね。」


西園寺「…黙れクソウサギ。全力を尽くしたライオンに狩られて食われちまえ。」

モノミ「ほわわっ!?相変わらず毒舌も健在でちゅ!!」

西園寺「“も”って何?毒舌に加えて何が健在だって?まさか、“毒”に関する物じゃないよね?」




狛枝「結論から言うと大正解!!そう、全てボクの仕業だったんだ!!」


狛枝「テ―ブルにナイフを仕掛けたのもボクなんだ!!」

狛枝「アイロンやエアコンを使って停電を起こしたのもボクなんだ!!」

狛枝「もちろん、豚神クンに脅迫状を送ったのもボクだよ!!」

狛枝「パ―ティ中に殺人を犯そうとしていた罪を、小泉さんに被せたのもボク!!」

狛枝「小泉さんを監禁することで皆の疑心暗鬼が生まれ、事件へと発展することも、全部ボクの望んだ物だったんだよ!!」


弐大「あることないこと丸ごと白状したじゃとぉ!?」

ソニア「『臭い御ん字エキス』は、自白剤の効果もあったのですね!!」

モノクマ「えぇえええ…。それがあったら、もはや捜査も学級裁判も必要ないじゃん…。」

七海「誰も殺人を犯せなくなるね。」

小泉「日寄子ちゃんの臭いは世界を救う!!」


西園寺「…これからはもう、小泉おねぇには『おねぇ』をつけて呼んであげない。」

小泉「えぇ!?それは勘弁してよ、日寄子ちゃん!!」




田中「どういうことだ!?パ―ティでの罪を小泉に被せたとは…!?」

辺古山「それ以前に、パ―ティでの犯行を企てたのは、小泉でなく狛枝だったのか!?」

九頭龍「臭いのせいで空言を抜かしてるだけじゃねぇのか?」


豚神「いや…。思い返してみれば確かに、狛枝にも犯行が可能だったのかもしれない。」

終里「はぁ!?なんでだよ!!」


豚神「掃除当番だった狛枝は、ボディチェックを受ける前から旧館にいた。ならば、ナイフの用意も簡単にできる。」

豚神「パ―ティの前日に用意しないといけない小泉よりも、確実にな。」

日向「そうか…。それにアイロンやエアコンの仕掛けも、掃除当番なら難しくないよな。」

日向「つまりパ―ティでの犯行が可能だったのは、旧館に妙に早く訪れた小泉か、掃除当番だった狛枝…。」




花村「ってことは、下着泥棒どころか殺人未遂まで狛枝くんが仕組んだことだったの!?」

弐大「な、ならばなぜ小泉は、停電中にナイフを持っていたんじゃあ!?」


狛枝「きっとボクがテ―ブルに隠していたナイフに気付いて、回収していたんだろうね。」

狛枝「皆に隠していたのは、パニックにならないため…ってところかな?」

狛枝「小泉さんがパ―ティに早くやって来た理由は、ボクが殺人を犯そうとしていることに気付いたからでしょ?」

小泉「うん…そういう事になるわね。」

九頭龍「なっ…マジかよ!?」




ソニア「じゃ、じゃあわたくしたちは、無実の罪で小泉さんにあんな酷いことを…!?」

澪田「そう言えば唯吹たちは、真昼ちゃんの反論を一切聞いてあげなかった気がするっす…。」

弐大「うぉおおおおぉおおおお!!!!穴があったら入りたいわい!!!!」

西園寺「…小泉おねぇには悪いことしちゃったみたいだから、さっきの事とプラスマイナスゼロにしてあげる。」

小泉「あはは…ありがとうね、日寄子ちゃん。」


小泉「でも、皆が責任を感じることじゃないよ。あの状況では、アタシは疑われてしかるべきだったし…。」

小泉「元凶は、狛枝だからね。」


豚神「…そうか。ならば今しばらくは、その言葉に甘えさせてもらおう。」

豚神「小泉に対する俺達の…いや、俺の失態に関する謝罪は、この裁判が終わってから改めてさせてもらう。」

小泉「べ、別に謝罪なんていいのにな。むずがゆいだけだし…。」

小泉「疑いが晴れたのならアタシは満足だしさ。」




小泉「それに、今1番大切なのは…」


狛枝「学級裁判に決着をつけること…だよね?」

日向「狛枝…!!お前、どうして殺人なんて犯そうとしたんだ!?」

狛枝「そんなの決まってるよ。だって…」




~説明中(狛枝くんが希望について語っています)~



狛枝「…というわけだよ。」

澪田「やばい!!この人、子供のころに近所の動物とか殺してたタイプだぁ!!」

花村「すべては希望の為に、殺人未遂も下着泥棒も犯したってこと!?」

狛枝「まあ、下着泥棒はちょっと予想外だったけど…。」


狛枝「ボクはね。ただ皆に殺し合いをして欲しいだけなんだ。」

狛枝「仲間の死という絶望に打ち勝って、皆が希望の象徴としてよりふさわしく育つことこそ、ボクの願いなんだよ。」

狛枝「だからこそボクは事件を起こして、いつ殺し合いが起きても不思議じゃない状況を作り出したんだ!!」




終里「もういい!!テメェの話にはうんざりだ!!」

弐大「そうじゃあ!!わけのわからんことばかり言いおって…!!」

九頭龍「とっとと投票タイムに行くぞ!!その変態を裁いてやる!!」

日向「これでこの学級裁判も終わりだな…。」

罪木「モノクマさん、お願いします…。」


モノクマ「はい!!ではオマエラは、お手元のスイッチで…」




小泉「あ、ちょっといいかな?」

ソニア「え?」


小泉「殺人未遂は確かに狛枝の仕組んだことだっただろうけど。」

小泉「下着泥棒に関しては、狛枝が犯人だとはアタシには思えない。」

日向「はぁ?なんでだよ。」

花村「だって彼は、自白もしてるんだよ?自分はパンツ大好き人間だって!!」

狛枝「してないよ!!ありとあらゆる神様に誓って、それだけはしてないよ!!」


小泉「そもそもアタシ、パンツ発見アナウンスが流れた時に、狛枝と一緒にいたもん。」

左右田「パンツ発見アナウンスってなんだよ!!」




ソニア「そういえばそうでした!!」

ソニア「確かわたくしたちは、旧館に監禁されている小泉さんに食事を渡すよう、狛枝さんに頼んでいたのです!!」


花村「そして旧館の中で2人は何をしてたのかな?」

花村「あっそうか!!ナニしてたんだね!!」

小泉「ちょ、ちょっと!!なにわけのわからないこと言ってんのよ!?」

澪田「確かに、健全な男女が2人狭い部屋に集まれば、やることは1つっすよね!!」

小泉「は、はぁ!?な、なんでアタシが、狛枝なんかと…!!」


澪田「デュエットを組んで、朝までシャウッ!!すよね!!」

豚神「それはお前だけだ。」

澪田「キャ―ビャクヤチャ―ン!!ツッコミが手厳しいっすよ―!!」

小泉「…もう、何でもいいよ。」




七海「ん~、とにかく。小泉さんの証言を信じるとすると、確かに狛枝くんには犯行が不可能だったのかも。」

日向「いや、そうとは言い切れないはずだ。」

左右田「何か反論があんのかよ?」

日向「ああ。聞いてくれ。」


小泉(おやおや…?急に日向が強気に出たよ…?)




PHASE10 議論開始!!


言弾:(>>522>>523


14.ウクレレ

6.事件発覚の流れ

8.終里の証言



西園寺「パンツ発見アナウンスが流れた時ってのは、つまり…」

罪木「わ、【私達が辺古山さんを発見した時間とほぼ同じ】です…。」

西園寺「なに活躍泥棒してんだ!!それ、わたしが言おうとしてたのにぃ!!」

罪木「ふええ、すみませ―ん!!」


日向「パンツ発見アナウンスが流れた時に小泉と一緒にいたからといって…」

日向「狛枝の容疑が晴れるわけじゃないぞ!!」

田中「理由を聞かせてもらおうか。」


日向「だって【辺古山のパンツを盗んでから、小泉と会った】のかもしれないじゃないか!!」

九頭龍「レストランでの犯行に及んだ後、素知らぬ顔で旧館に居る小泉に飯を渡しに行ったってことか…。」

弐大「なるほどのう。【犯行時刻と発見時刻の差を利用した】というわけじゃな。」

終里「ってことは狛枝は、[アリバイ作りのために小泉と会った]ってことかよ!!」

花村「なんて狡猾な手段をとるんだ!!女の子はもっと優しく扱うものだよ!?」

小泉「アンタが言うとなぜか説得力がなくなるんだって!!」


小泉(狛枝に、日向が言うような余裕があったのかな…?)


安価↓1




正解


【犯行時刻と発見時刻の差を利用した】←事件発覚の流れ


小泉「その推理はピンボケだよ!!」論破


BREAK!!



小泉「いや…。狛枝にはそんな悠長にアリバイ工作をする時間なんてなかったはずだよ。」

小泉「だって確か蜜柑ちゃんは、ペコちゃんの悲鳴を聞きつけて、すぐにレストランに向かったのよね?」

罪木「い、言われてみれば…。事件発生から被害者の発見までほとんど間がなかったです。」

罪木「だからレストランでの犯行後に、旧館でアリバイ作りをするなんて不可能です!!」


弐大「つまり狛枝は、事件前からずっと旧館に居たっちゅうことか…。」

終里「なら…狛枝にも犯行が不可能なのかよっ!?」

七海「どうやらこの事件、まだ終わらせるわけにはいかないみたいだね…。」


日向「ちっ。」


左右田「おい。今日向があからさまに舌打ちしたぞ!?」

辺古山「ん…?そうか?貴様の気のせいじゃないか?」

左右田「そう思うことにしたよ!!どうせオレなんか!!」




今日はここまで。




再開


ソニア「えっと…。今までの議論をまとめますと、犯行が可能となる環境を作ったのは狛枝さんでしたが…」

田中「実行犯は他にいるということだな。」

花村「つまり真犯人は、狛枝くんの行動を利用した人間ってことだよね。」

弐大「う~む。しかし、それが一体誰なのか…」

終里「見当もつかね―な。」


狛枝「心配ないよ。キミ達なら暴き出せるはずさ。」

狛枝「だってキミたちは、選ばれた人間なんだから。たかが下着泥棒の1人や2人、どうってことないよ。」

狛枝「だからホラ、もっとキミたちの希望を見せてよ!!ファンタスティックに光り輝くその姿をさ!!」


小泉(下着盗難事件に夢を持ち過ぎなのよ、アンタ。)




七海「狛枝くんの発言はさておき。犯人を絞り込むことは出来ると思うよ?」

澪田「え?絞り込むって…どうやって?」

七海「狛枝くんのケ―スと同様に考えるんだよ。」


辺古山「なるほどな。アナウンスが流れた時に誰かと共にいた人間は、お互いが証人になるわけだな。」

豚神「逆に言うと真犯人は、アナウンスが流れた時に単独行動をとっていた人間ということになる。」

西園寺「つまり、アリバイから犯人を特定するんだね!!」

左右田「ならここで、皆のアリバイを確認するべきだな。」


左右田「ちなみにオレとソニアさんにはアリバイがあるからな。アナウンス時にも一緒にいたぜ!!」

ソニア「はて。左右田さんもいましたっけ、田中さん?」

田中「さあな。つなぎの色にしか個性を見いだせないような人間の存在など、俺様が認識してやれるとは限らん。」

左右田「2人とも酷くねぇか!?」

九頭龍「割と自業自得だろ。」







小泉「結局単独行動をとっていたのは、被害者であるペコちゃんを除くと…」

豚神「日向、花村、九頭龍、終里、七海、罪木…この6人だな。」

澪田「おおっ!!結構絞れたっすね!!」

九頭龍「ちっ。オレも容疑者に含まれてんのかよ…。」


終里「けどよ―。こっからどうやって犯人を決めんだよ?」

弐大「いっそのこと、勘で決めようかのう!!」

日向「そんな適当でいいのかよ…。」




七海「…」


小泉「どうしたの?千秋ちゃん。」

七海「うん…。ちょっと、変じゃないかって思ってね。」

九頭龍「変だと?何が変だってんだよ。」


七海「だってさ。容疑者6人は全員、発見時にレストランにいたよね。」

七海「そして、事件発生から発見までに時間的差はほとんどないんだよ?」

七海「そう考えると…おかしくないかな?」

西園寺「何が言いたいのかわかんな―い。」

西園寺「これだから根暗オタクは嫌いだよ!!コミュニケ―ションすらろくに取れないしさ!!」


小泉「えっと…。千秋ちゃんが言いたいのは…」


1.下着を奪う暇がない

2.逃げる暇がない

3.下着を隠す暇がない


安価↓1




不正解


七海「逃げるくらいなら、できなくもないと思うよ?」

豚神「レストランには、窓などのように脱出口が数か所あるからな。」

小泉「そ、そっか…。」


小泉(もっと単純に、証拠が残ってしまう問題だ…。)


安価↓1




正解


小泉「これで証明できる!!」解


小泉「そうか…。犯人には、盗んだ下着を隠すことはできなかったはずだよ!!」

小泉「だって、コテ―ジへ隠しに行くには時間が足りないし…」

小泉「別の場所に隠そうとしても、ポイ捨てに引っかかってサイレンが鳴っちゃうはずだから!!」

弐大「た、確かに…!!しかし、ならばなぜ辺古山のパンツは未だに行方が知れんのじゃあ!?」


田中「咎人は今も、己の身に罪の刻印を潜ませている…。そういう事か。」

豚神「ならばもう1回、ボディチェックだ!!お前ら全員脱げ!!」

澪田「大胆発言過ぎるっすよ白夜ちゃ―ん!!!!」







豚神「一応全員にボディチェックをしてみたが…」

日向「それらしい物は見つからなかったな。」

左右田「そりゃあ体を調べても仕方ねぇだろ。盗品は、誰かさんの頭部にあるんだからよ。」


終里「なんだよ。あれだけ自信満々だったくせに、結局小泉の推理は間違いだったのかよ。」

終里「これじゃあ胸枕してやる価値もねぇな!!」

小泉「アタシがされてもうれしくないよ…。」

花村「ならばぜひぼくに…」

小泉「アンタは黙ってなさい!!」




狛枝「困ったねぇ。これだけ話し合ってきて、やっと犯人を特定できそうだったのに。」

狛枝「結局、振出しに戻っちゃったね。」


ソニア「ムムム…。もう、新しい手がかりもなさそうですし…。」

田中「このまま真相にたどり着けないとなると…」

花村「ぼく達全員が、オシオキ…!?」


澪田「ギャ―!!唯吹達の貞操がピンチっす!!早く何とかしないと…!!」

罪木「な、何とかと言われても…!!もう話し合える議題が…!!」

西園寺「何諦めてんだドブス!!頭ひねくり返してでも手がかりを絞り出せ!!」

罪木「む、無茶ですよぉ!!」




狛枝「あはっ!!残念だね!!どうやら今回の犯人は、ボクでも予想外なほどの希望を胸に抱いていたんだね!!」

辺古山「私の下着にどのような希望が詰まっていたというのだ…。」


狛枝「最終的にボク達は未来へ進むことができず、ボク達全員の犠牲を払って、犯人だけが希望を掴み取る…。」

狛枝「これって、絶望的だね…!!」


田中「絶望だと…!?」

九頭龍「クソがっ…!!」

日向「俺達は、ここで終わるのか…!?」




七海「待った!!まだ、手がかりは残っているはずだよ!!」


小泉「え…?千秋ちゃん、今度は一体どんな手がかりが?」

七海「今までは、事件前後の情報ばかりに注目していたけど。それだと手詰まりになってしまったね。」


七海「じゃあさ。一旦視点を変えて、今度はもっと後で出てきた情報について取り組んでみよう。」

田中「もっと後…?どういう意味だ。」




豚神「つまり…裁判中に、新しい情報を漏らした奴はいないかどうか。それを思い出せ。」

辺古山「新しい情報を漏らす…だと?それはおかしくないか?」

辺古山「犯人以外が情報を持っているなら、すでに提供しているはずだ。」

辺古山「犯人が情報を持っているなら、自分からみすみす漏らすはずがない。」

九頭龍「確かにそうだぜ。裁判中に新たな情報が生まれるはずがねぇよ。」


田中「だからこそ、意識的に漏らしたものでない情報をあぶり出せばいいのだろう。」

田中「“失言”という形で漏れた情報をな…。」

日向「なっ…!!」

西園寺「なんでアンタが焦ってんの?」


小泉「…」


小泉(今までの議論で…失言をした人、か。)

小泉(よし…。ちょっと思い出してみよう。)

小泉(客観的にみて、明らかに不自然な発言をしていた人間…。)




小泉(アタシたちのキャラ崩壊は…失言とは違うわね。)

小泉(アレは全部、日寄子ちゃんの臭いのせいだから。)


西園寺「…!?なんか今、とんでもない罪を無理やり被せられたような…」


小泉(まあ、そんなことはどうでもいい。とにかく…)




~回想~




何だ、そんなの簡単じゃねぇか。そんなの1人しかいな…

いや、辺古山のパンツは普通にあるじゃねぇか。ほら、日向が被って…



ちょっと待てよ!!結束も何も、犯人はひな…

…オレがおかしいのか?



往生際がわり―ぞ!!オレは最初っからテメ―しかいねぇと思ってたんだ!!早々にお縄に付きやがれ!!



あのよぉ。日向かっけぇみたいな雰囲気のところ悪いんだけどよ。

結局日向は物的証拠を何1つ出してなくて、ただ言葉でゴリ押ししてるだけ…

…オレ、もしかして嫌われてる?



いや、手がかりならあるだろ。ほら、日向の頭に…

七海も気づいたか。そりゃあ、日向のあた…

っていうかオレ、完全に無視されてる!?



おい。今日向があからさまに舌打ちしたぞ!?

そう思うことにしたよ!!どうせオレなんか!!



そりゃあ体を調べても仕方ねぇだろ。盗品は、誰かさんの頭部にあるんだからよ。


~回想終了~




小泉(あれ…。この人の発言…よく考えたら、おかしくないかな…!?)


小泉(ってことは、犯人って…!?)


怪しい人物を指名しろ


安価↓1




不正解


小泉(いや…。日向は失言なんてしてない。たぶん。)

小泉(ほら、アイツよ。黄色いつなぎでニット帽かぶってるアイツよ。)


安価↓1




小泉「もしかして犯人って、アンタじゃないの?左右田。」

左右田「オレかよ!!なんでオレなんだよ!!どうしてこの流れでオレの名前が浮上するんだよ!!」




今日はここまで。




再開


田中「まさか、左右田が犯人だと…!?」

澪田「そうなんすか和一ちゃん!!」

左右田「んなわけね―だろ!!勝手に話を進めんな!!」

ソニア「見損ないましたよ左右田さん。いくら非モテ童貞だからって、他人の下着を無理やり盗むなんて…」

左右田「ソニアさ―ん!!そんなゴミ虫を見るような眼をしないでくださ―い!!」


花村「それよりも、左右田くんが犯人ってどういう根拠なの?」

小泉「思い出してみて。裁判の初めに左右田が発した言葉を。」




~回想~


豚神「つまり、そのパンツ泥棒を当てればいいんだな?」

左右田「何だ、そんなの簡単じゃねぇか。そんなの1人しかいな…」


ソニア「しかし、今の段階ではあまりにも情報が不足し過ぎていますね。」

弐大「盗まれたパンツは未だに行方知れずだしのう…。」

左右田「いや、辺古山のパンツは普通にあるじゃねぇか。ほら、日向が被って…」


~回想終了~


終里「それの何がおかしいってんだよ?」

左右田「明らかにおかしいだろ!!だって日向が被ってるの、辺古山のパンツなんだからよ!!」

左右田「つまり、日向が犯…」


小泉「そう…。その発言がおかしいのよ。だって左右田…」





小泉「どうして日向が被っている下着が、ペコちゃんの物だってわかったの?」


左右田「それ以前に、日向の頭にある辺古山のパンツを不思議がれよ!!」

小泉「質問してるのはこっちよ!!真面目に答えて!!」

左右田「すんごい強気だな、小泉!!間違いなく自分の勝利を確信してるよな、お前!!」


弐大「左右田が辺古山のパンツを言い当てることが、どうしておかしいんじゃあ?」

罪木「そうですね。辺古山さんの下着が過激な黒のティ―バックだというのは、もう皆知ってるはずです。」

辺古山「私の下着に関する議論がごく自然に出て来ることに、もはや違和感すら覚えなくなってきたぞ…。」




七海「多分、左右田くんが発言したタイミングかな?」

ソニア「タイミング…ですか?」


狛枝「なるほどねぇ。」

豚神「何かわかったのか?」


狛枝「なあに、そんな難しいことじゃないよ。七海さんの言いたい事は、事件の流れを追ってみればわかるよ。」

九頭龍「ちっ。狛枝なんかの言うとおりにするのは癪だが…」

終里「まぁ、やってみるしかね―な。」




弐大「ワシらはまず、豚神の意識を戻すことに専念したんだったの。」

罪木「続いて、事件の内容を知らない人のために、今回の事件は下着泥棒だって公表したんですね。」

小泉「左右田が例の発言をしたのはこのタイミングよ。」

日向「そしてその後、辺古山のパンツが黒のティ―バックだと判明したんだ。」


西園寺「あれっ…。おかしいね?」

西園寺「辺古山おねぇの下着が暴露されたことよりも、左右田おにぃの発言の方が先に起きてるよ―?」

日向「つまり左右田は、辺古山のパンツに関する情報が提供されていないタイミングにも関わらず…」

日向「辺古山のパンツを言い当てたということだな!!」




小泉「事前にペコちゃんの下着の種類を知っていたのは例の3人と変態紳士の日向だけのはず。」

小泉「だから、事件前に左右田が下着に関する情報を持っているはずもない。」

花村「変な話だねぇ。彼は、人のパンツを言い当てるほどの変態紳士だとは思えないしね。」


澪田「じゃあどうして和一ちゃんは、ペコちゃんの下着を言い当てることが出来たんすか!?」

小泉「この矛盾を解決する方法はただ1つ…。」

小泉「それはきっと、犯人が左右…」







左右田「あま―い!!!!」反論



小泉「左右田…。まだ、反論があるの?」

左右田「反論ってお前…。むしろお前がオレをロンパした気になってることに驚きだよ!!」


小泉「もう、やめにしようよ。これ以上いさかいを起こしても、なにも生まないって。」

小泉「だからせめて最後くらいは、潔く認めてくれないかな…?」

左右田「いろいろな段階をすっ飛ばした発言をしてねぇか!?なんかこう、オレが犯人であることが前提の発言をよ!!」

左右田「下着泥棒に対する憐みみたいな言葉をかけてんじゃねぇよ!!リアクションに困る!!」




PHASE11 反論ショ―ダウン(VS左右田)開始!!


言刃:(>>522>>523


1.モノクマファイル[1]+

11.日向の頭

15.左右田の思い人

16.九頭龍と辺古山



左右田「オレが辺古山のパンツを盗んだ?」

左右田「有り得ねぇって!!なんでオレがそんなことをしなきゃいけねぇんだよ!!」

左右田「だって[オレには既に心に決めた人がいる]んだからな!!」

左右田「【オレは浮気なんてしねぇ】ぜ!!惚れた女に一筋で通す!!」


左右田「つ―かそもそも、辺古山はタイプじゃねぇんだよ。」

左右田「目つきワリ―し、アサシンみたいな雰囲気だしよぉ。」

左右田「やっぱ時代はブロンドだろ!!顔、スタイル、何より気品が大事なんだよ!!」




発展!!


小泉「今はそんなことを話しているんじゃない…。」

小泉「アンタがペコちゃんの下着を言い当てたことについて議論してんのよ!!」



左右田「何言ってんだ。んなもん、モノクマファイルを見れば1発じゃねぇか。」

左右田「【モノクマファイルには、辺古山の下着について書いてある】からな。」

左右田「だから、オレの発言にはおかしな点なんてね―よ。」


左右田「おかしいのは【日向の頭部にある辺古山のパンツ】と…」

左右田「変な言いがかりでオレを犯人扱いするお前の頭だ!!」

左右田「だからオレは犯人じゃねぇ!!」


安価↓1




正解


15.左右田の思い人→[オレには既に心に決めた人がいる]


小泉「そうかもしれない…。」同意


BREAK!!



小泉「確かに変ね。左右田は、ソニアちゃん一筋…。」

小泉「毎日のスト―キングを習慣にしていることからもわかるように、ソニアちゃんをこの上なく慕っているし。」


小泉「1週目なんかは殺人愛に目覚めちゃうくらいだったのよ?マ―ダラス・ラヴよ?」

日向「なんの話だよ?」

小泉「気にしないで。」




小泉「そんな左右田が、ソニアちゃんの下着ではなくペコちゃんの下着を盗もうとするのかな…?」

花村「こ、ここまで来てまた挫折するのぉ!?」

ソニア「そんな!!わたくしもう、左右田さんにどうオシオキしてやろうか考えていた所でしたのに!!」

左右田「ソニアさ~ん!!どうもオレに厳し過ぎないっすかぁ!?」


左右田「でも、ソニアさんからのオシオキは受けてみたいです!!できれば踏んでくれるとうれしい!!そのヒ―ルで!!」

小泉(うっ。なにやら嫌な記憶がよみがえる。)




西園寺「じゃあ結局、左右田おにぃも犯人じゃないってこと!?」

左右田「さっきからそう言ってんだろ!!人の話はちゃんと聞きやがれ!!オレはソニアさん以外は眼中にねぇ!!」


澪田「じゃあ和一ちゃんは、ペコちゃんがネグリジェ姿で詰め寄ってきても平気なんすね!!」

左右田「へ?ん、え、お、おう…。」

弐大「今、弩えれぇ言い淀んだぞ。」




小泉「だ、だったら、どうしてアンタはペコちゃんの下着を言い当てられたのよっ!?」

左右田「そんなの普通に、モノクマファイルを見りゃあいいだろ。」

左右田「ティ―バックとは書いてねえが辺古山の下着は、黒くて過激なパンツなんだろ?」

左右田「日向の頭にある奴と条件が見事に一致するじゃねぇか。」


左右田「まさか高校生のくせに、黒くて過激な下着をはくやつなんて、辺古山の他にいねぇだろ?」

小泉「う、うん…。そそそそうだね。」

九頭龍「あれだけ長々推理を語ってたくせに、アッサリとロンパされやがった!!」

田中「心なしか小泉、妙に目が泳いでいるな。」




狛枝「そもそも左右田クンは、アナウンス時に田中クン達と一緒にいたらしいからね。」

狛枝「最初っからシロだってわかってたよ。」

終里「思い返してみるとさっきの小泉の推理は、マジでグダグダだったんだな!!」

罪木「それなのになんであんなに自信満々だったんでしょうか…。」

小泉「それ以上言わないで!!なんか急に恥ずかしくなってきたから!!」


左右田「謝れ!!15人がかりでオレを疑ってきたことに関してオレに謝れ!!」

小泉(う、うん。ごめんね左右田。無実なのに、高圧的に糾弾しちゃうようなことをしちゃって。)

小泉「ちょっとくらいのミス、男子なら大目に見てよね。まったく、これだからしつこい男は。」

左右田「お―い!!心の声と現実の声が逆だぞ―!!」




今日はこれまで。


流石に次はもう日向の頭につっこむよな?

ソニア「ですが左右田さんも犯人ではないとなると、もうどこにも手がかりが・・・」
左右田「さっきから言ってますよね!?日向が被ってるのが辺古山のだって!!」

ってならないよね?



再開


豚神「とにかく。これでもう、話し合える物はすべて議論したと思うが…。」

終里「結局、何の手がかりも見つからなかったな。」

花村「そんなぁ!!結局犯人の影は見えなかったってこと!?」


弐大「パンツを盗むだけでは飽き足らず、盗品を煙のように隠してしまうその芸当…。」

田中「ここまで大胆な犯行にも関わらず、一切の証拠を残さないうえに失言もしない。」

狛枝「どんな手を使ってでも下着を手に入れたいという犯人の希望…。それによって皆に立ちはだかる絶望…。」


狛枝「素晴らしいね!!まさに皆の踏み台にふさわしい難題だよ!!」

九頭龍「ちっ…。悪い絶望だぜ。たかが下着泥棒に、ここまでハイスペックな能力があるなんてよ。」




澪田「じゃ、じゃあ結局、真相は闇の中ってことっすか!?」

罪木「そんな!!まだ、何か手がかりは残ってないんですか!?」

左右田「もうツッコまねぇぞ!!お前達のスタンスは十分把握したからな!!あくまで日向の頭については言及しねぇって!!」


辺古山「手がかりが残っていようがいまいが、議論を進める他なかろう。」

七海「うん。だって、真相をつかみ損ねることは…」

西園寺「わたしたち全員の処女喪失を意味するんだからさ。」

ソニア「なんか、オシオキがどのようなものかが未だにわからないのですが…。」

小泉(多分、この中で誰もわかってないよ。)




PHASE12 議論開始!!


言弾:(>>522>>523


12.弐大のアリバイ

11.日向の頭

4.辺古山の証言



ソニア「このまま黙っているわけにもいきません。」

ソニア「とにかく、議論を再開しましょう。」

辺古山「話しているうちに突破口が見えてくるかもしれないからな。」

日向「と言ってもよぉ。【もう新しい手がかりがない】んだぜ?」

日向「どうしようもないだろ…。」


西園寺「どんな些細なことでもいいからさ。」

西園寺「誰か、何か気になっていることはないの―?」

弐大「そういわれてもワシは、【トイレにこもっていただけ】だからのう。」

田中「我らは【男の戦いに身を没していた】のでな。手がかりなどは持ち合わせていない。」


花村「[誰かが犯行を目撃していた]ら話は早いんだけど…」

七海「被害者自身でも目撃できていないんだから、それは難しいと思うよ。」

狛枝「このままボク達が真相にたどり着けず、希望を見いだせないとなると…」

澪田「真っ暗だよ―!!もうお先真っ暗だよ―!!」


小泉(何か…何かアタシ達が見落としている、新しい手がかりはないの…!?)


安価↓1




正解


【もう新しい手がかりがない】←日向の頭


小泉「その推理はピンボケだよ!!」論破


BREAK!!



小泉「手がかりならまだ残っているかもしれない…。」

日向「は…?なんだよ、それ。」


小泉「日向の頭にある、ペコちゃんの下着だよ!!」

日向「なっ!?」


左右田「ちょっと待て!!今まで散々オレの話を無視してきたくせに、なんで突然…」




豚神「日向の頭にある下着がどうしたというのだ?日向は常に、誰かの下着を被っているだろう。」

終里「な―んもおかしくねぇよな。」

小泉「確かに日向が下着を被っていることに、違和感はほとんどない。」


小泉「でもさ。犯人はむしろ、その心理を逆手にとったとは考えられないかな?」

花村「えっ!?ど、どういうこと!?」


小泉「日向は他人の下着を頭に被ることを習慣としているからね。皆もその事実を常識として受け入れている。」

小泉「あたかも、何の警戒もなく空気を吸い込んでいるかのようにね。」

小泉「だからアタシ達は…その空気の中で毒がはびこっていることに、意識を向けることすらできなかったんだ。」


九頭龍「回りくどい言い方すんじゃねぇよ!!もっとわかりやすく言えや!!」

小泉「わ、わかったわよ。アタシ達はね。」

小泉「日向の頭にペコちゃんの下着があることを認識は出来ていたけど、それを異常だと思う事は出来なかったんだよ。」

小泉「だから、気付くことができなかったんだ。」





小泉「日向の頭にある下着こそが、今回ペコちゃんが盗まれた下着だってことにね!!」

田中「なっ…!?」


左右田「なんで今になって気付くの!?オレが言及した時には一切気付かなかったのに!!」

左右田「やっぱオレのことが嫌いなんだな、小泉!!ああ、よく理解したぜ!!もうお前とはしばらく話してやんねぇ!!」


ソニア「左右田さん、何をわけのわからないことをおっしゃっているのですか?」

終里「今、ようやく話が進みそうなんだ!!邪魔したいだけなら引っ込んでろ!!」

左右田「もう嫌ぁっ!!!!」




豚神「そうか…!!日向の頭にある辺古山の下着と、今回盗まれた辺古山の下着。」

豚神「両者を同一の物だと仮定した場合、盗品が消失した矛盾にも説明が付く…。」

左右田「むしろそれが今までできてなかったのが不思議なんだっての。」


弐大「じゃあ、犯人に盗品を隠す暇がなかったにも関わらず、ボディチェックが意味をなさんかったのは…」

七海「犯人には、絶対の自信があったんだね。誰にもバレない、辺古山さんの下着の隠し場所…。」

西園寺「それが、日向おにぃの頭部だったってこと!?」


澪田「全然気づかなかったっす!!創ちゃんの頭にある下着、大気とすっかり馴染んでたもん!!」

辺古山「自分の感覚に、恐ろしいまでにしっくりと来ていたな。」

左右田「お前は気付けよ!!自分のパンツだろうが!!」

辺古山「あ、あまり大声で言わないでくれないか。」

辺古山「その…下着の話をな。私にだって恥じらいはあるんだ。」

小泉「ちょっと左右田、アンタってデリカシ―ってもんがないの?」

左右田「なんでそこで突然常識的になるんだよ!!」




日向「ちょ、ちょっと待ってくれよ!!このパンツが盗品だって、どうして言えるんだよ!!」

罪木「そう言われましても…。今までの議論から考えると、そうとしか考えられないと思います…。」

日向「でも、それってあくまで推論だろ?決定的な証拠もないんじゃあ、事実とは断定できないんじゃないか?」

小泉(日向の頭にある下着が盗品かどうか…。そこについても議論しておこう。)




PHASE13 議論開始!!


言弾:(>>522>>523


16.九頭龍と辺古山

9.パンツハンタ―の美学

10.攻略済みの人



日向「このパンツが盗品だって、どうして言えるんだよ!?」

弐大「どうしてといってものう。【他に可能性がない】じゃろう。」


花村「でも確かに、あのパンツは事件とは関係なくて…」

花村「[真の盗品は別の場所にある]ってことも考えられるよね。」

ソニア「つまりこの事件、[辺古山さんの下着は2着関係している]ということですか?」

九頭龍「まあ、替えの下着くらいはあってもおかしくねぇけどよ…。」


終里「けどよぉ。日向の頭にあるパンツが事件と関係してなかったらしてなかったで…」

終里「どうして日向が辺古山のパンツを持ってんだよ?」

澪田「そんなの簡単っすよ!!だって創ちゃんは【超高校級のパンツハンタ―】っすよ!!」

ソニア「そうですね。彼なら、【辺古山さんから下着を渡されていてもおかしくない】…。」


日向「ほら見ろ。小泉の言ってることは、所詮ただの憶測だ。」

田中「やはり、小泉の推理は間違っていたのか…?」

罪木「まあ推理を盛大に外したのは、ついさっきですからね。」

小泉「蜜柑ちゃん、意外に毒舌なのね…。ちょっと傷ついちゃったよ…。」


小泉(さっき間違えたばっかりだからね。ここで何とか卍解しないと!!あ、漢字間違えた。)


安価↓1




正解


攻略済みの人→【辺古山さんから下着を渡されていてもおかしくない】


小泉「その推理はピンボケだよ!!」論破


BREAK!!



小泉「いや…。あの下着が、ペコちゃんから日向が譲り受けたものだとは、アタシには思えない。」

ソニア「え…?どうしてですか?彼は、パンツハンタ―なのですよ?」

日向「そうだぜ小泉。根拠のない発言は痛々しいだけだぞ。」


小泉「ところで日向。アンタが今攻略し終わっている人は誰?」

日向「そうだな。現時点では七海、澪田、終里、田中、弐大、罪木、花村だな。」


日向「…」





日向「嵌められたぁっ!!」

左右田「嵌められてねぇよ!!ただバカなだけだろ!!」


田中「日向はまだ、辺古山を攻略していないのか…!?」

辺古山「た、確かにそうだ!!私は、日向に下着を渡した記憶などない!!」

左右田「もっと早く思い出せよ…。」


弐大「その事実が意味するのは、あのパンツは辺古山が日向に渡したものではなく…」

七海「今回の事件で盗まれたものだってことだね。」

豚神「ふっ…。ようやく、議論の終着点が見えてきたようだな。」

左右田「全くだぜ。やっとみんな、日向が犯人だって気付いて…」





狛枝「そして最後の問題は、一体誰が日向クンの頭に盗品を隠したかってことだね。」


左右田「…」




今日はここまで。




再開


弐大「盗品の隠し場所が判明したとなると…」

終里「小泉の推理は、途中までは当たってたってことだな!!」

七海「うん。犯人は、アナウンス時に単独行動をとっていた6人のうちの誰か…。」

狛枝「そして犯人は犯行後に、盗品を日向クンの頭に隠しておいたんだ。」

左右田「すんげぇシュ―ルだな、それ…。」


花村「でも…じゃあ、それっていったい誰なのかな?」

九頭龍「けっ。知らんふりをしてるが、実はテメ―なんじゃねぇのか?容疑者の中じゃ1番の変態だしよ。」

花村「違うよ九頭龍くん、変態じゃない。ぼくは、変態紳士だよ。」

九頭龍「訂正した意味が分からん…。」


小泉(ちなみに1番の変態紳士は間違いなく、下着を常に被っている日向だけどね。)




豚神「容疑者の中から女子を除くと、日向、花村、九頭龍の3人か…。」

日向「おいおい。いくら女物のパンツが盗まれたからといって、犯人を男子に絞っていいのかよ?」

罪木「そうは言ってもですね…。さすがに、女子が女子の下着を盗むとは思えないです…。」

小泉「とりあえずは、豚神が言った3人が犯人の有力候補ってわけね。」

九頭龍「ちっ。依然として、オレも疑われてんのかよ。まあ、慣れっこだけどよ…。」


澪田「慣れっこ…?もしかして冬彦ちゃん、下着泥棒の前科があったり…!?」

九頭龍「え?ち、ちげ―よ!!そういう意味じゃねぇ!!疑われることに慣れてるって意味だ!!」

西園寺「下着泥棒だと疑われるようなことを、今まで散々してきた変態だってことだね―!!!!」

九頭龍「ダメだ、口げんかでこいつらに勝てる気がしねぇ…。」


日向「なんだ九頭龍、お前にも変態紳士の素質があるんじゃないか。」

九頭龍「なっ!?」




田中「とにかくだ。その中からさらに、犯人を絞り出すことは出来んのか?」

ソニア「おや?そういえば、下着を隠す場所である日向さん自身も、容疑者に含まれているのですね?」

日向「いや、それは…」

辺古山「ということは、日向自身が自分の頭に下着を被せた可能性もあるのか。」

左右田「むしろその可能性しかね―だろ…。」




弐大「閃いたぞぉ!!」

田中「どうした、弐大。どこの国の神から祝福を得たというのだ?」

田中「俺様の場合、空と海と大地を統べる神々にさえ忌み嫌われ、呪われし姫君にまでも付きまとわれる始末だがな。」

ソニア「呪われし姫君ってまさか、わたくしじゃありませんよね!?」


弐大「日向は常に、誰かのパンツを被っとるじゃろう?」

花村「彼はぼくと同じ属性だからね。」

日向「花村もけっこうイケるクチだな。」

花村「クチってまさか、下の口?」

日向「ちょ、下品な発言は控えろよな。」

花村「え~、つれないなぁ、日向くん。そこはノッてくれないと。」

日向「俺はあくまで、上品な変態紳士だからな。」

小泉「うるさいよ!!アンタらは黙ってて!!!!」




弐大「ということは日向は、事件前後にもパンツを被っとったはずじゃろう?」

豚神「なるほどな。つまり日向は、辺古山の下着の隠し場所になる前から、下着を被っていたということだな?」

辺古山「ん…?どういう意味だ?」


狛枝「多分、日向クンが被っている下着の枚数について言及しているんじゃないかな?」

澪田「枚数…?」

小泉「えっと…。弐大の話から考えて、日向が今被っているはずの下着は…」


1.2枚

2.ティ―バック

3.1枚

4.紐パン


安価↓1




正解


小泉「そっか…!!」解


小泉「日向の頭にある下着は、2枚じゃないとおかしいよね?」

罪木「えっと…。辺古山さんの下着を頭部に隠される前から、既に1枚別の物を被っていたはずですよね。」

辺古山「つまり日向の頭には今、私の下着の他に、もう1枚の下着が証拠として残っていないとおかしいのだな?」

田中「証拠を隠そうものなら、禁断を犯した事への天罰が下る…要するに、サイレンが鳴るぞ!!」


九頭龍「逆に言うと日向の頭に辺古山のしかねぇ場合は、日向が犯人だってことだな!!」

西園寺「パンツハンタ―としての証を、現地調達しようとしたってわけだね―!!」

日向「…」




小泉「じゃあ…調べさせてもらうわよ、日向。アンタの頭部をね。」

日向「ああ、構わないぞ。」

花村「ふふふん。女の子に頭を撫でられるなんて、役得だね!!」

西園寺「黙ってろ!!後日向おにぃ、どさくさまぎれに小泉おねぇに嫌らしいことをしたら、無限プチプチの刑だからね!!」

日向「俺はそんなやましいことはしないぞ。こっそりパンツを盗みたいとは思うけどな。」

小泉「はは…。早く終わらせよっか。」


そうしてアタシは日向を屈ませて、日向の頭を手でさぐってみた。




小泉(えっと…。この黒い下着がペコちゃんのよね…。)

小泉(うわぁ…。この下着、布面積が狭すぎでしょ…。後ろなんて、ほとんど紐じゃない。)

小泉(高校生なのに、こんな過激な下着をはいていいの…?風紀が乱れるわよ、まったく。)


※全部ブ―メランです。



小泉(…ん?なんか指に、茶色いものが付いた。)

小泉(臭っ!!!!なにこれ、なんで日向の頭にこんな汚いものが付いてんのよ!?)

小泉(日向…ちゃんと風呂に入ってんの?もう、今度しっかりと説教してやんないと。)

小泉(えっと、とにかく判明したことは…)


小泉「…ペコちゃんの下着しかないわね。」

日向「…」


終里「日向がシロなら、有り得ねぇ状況だよな…。」

田中「ということは…やはり!!」

左右田「ようやくこの議論も終わりか…。終わり方がいまいち納得できねぇけどな。」




日向「今日俺が被っていたパンツは、田中のパンツなんだ。」

九頭龍「なんだ。なら仕方ねぇな。」

弐大「ああ、仕方ないのう。」

狛枝「うん、仕方ないね。」

辺古山「私も今日はアストラルレベルが低いようでな。田中のパンツを視認できん。」

豚神「ならば日向を容疑者から除き、別の議論に移るぞ。」


左右田「…ここまでひっぱるってことは、もしかして本当に日向は犯人じゃねぇのか?」




ソニア「これで容疑者は2人に絞られましたね。花村さんが九頭龍さんか…。」

九頭龍「まさかここまでオレが候補に残るなんて思いもよらなかったぜ…。」

花村「じゃあやっぱり、九頭龍くんが犯人!?」

九頭龍「ふざけんな!!テメ―こそ犯人だろ!!」


七海「このままじゃあ話が堂々巡りするばかりだね…。」

狛枝「じゃあここで、致命的な証拠を出そうかな。」

終里「血めいている…?つまり、血潮がほとばしってんだな!!熱くなってきたぜ!!」

西園寺「とりあえず脳筋は黙ってろ。」


九頭龍「それで?致命的な証拠ってなんだよ?花村を犯人と断定する証拠か?」

澪田「そんなものが、どこにあるんすか?今までの議論で一切明らかにならなかったのに!!」

狛枝「ふふふ…。それがね、とんでもない証拠なんだよ。今までの皆の推理を脅かす程のね…。」


花村「な、何?何それ?今のぼく、尋常じゃなく震えているよ?あたかも大人のオモチャの…」

花村「がっ!?」

辺古山「安心しろ。峰打ちだ。」




豚神「なるほどな。そしてその証拠とは、他でもない九頭龍と花村にあるということだな。」

九頭龍「言ってる意味がわかんねぇぞ。オレが一体何の証拠を持ってるっていうんだよ。」

花村「しかもぼくも持ってるって?ぼくと九頭龍くんに、何か共通点があるの…?」


小泉「共通点…?」

小泉「そっか!!注目するべき点は、2人の…!!」


1.視力

2.聴力

3.身長

4.体重


安価↓1




不正解


小泉「2人の視力だよ!!」

花村「視力がどう関係するの?」

小泉「さぁ…?」

九頭龍「ケンカ売ってんのかコイツ…。」

安価↓1




正解


小泉「これで証明できる!!」解


小泉「2人の身長だね!!」


九頭龍「ほう…?面白いじゃねぇか。オレの身長がどう関係するって?言ってみろ。」

九頭龍「よく考えて、1つ1つ言葉を選んで慎重に発言をしろよ。身長なだけにな。」

小泉(あれ…なんかデジャヴだ。)


小泉「狛枝、パス。悪いけど、アタシはまだ死にたくないの。」

狛枝「人類史上最大最悪の絶望的スル―パスが来たよ!!いくらボクでも、こんなところで無駄死にはしたくないって!!」

小泉「何よ!!男ならアタシの身代わりになりなさいよ!!」

狛枝「言ってることが無茶苦茶だよ小泉さん!!」

終里「おいおい、結局狛枝は何が言いたかったんだよ?」




辺古山「そうか…。犯人は、日向の頭に下着を被せないといけない。」

辺古山「しかし日向の身長はかなり高め…。」

辺古山「背の低い九頭龍や花村と比べることは、エッフェル塔と日向のアンテナを比べることと等しい。」

小泉(ペコちゃん、ナイス!!)


九頭龍「…」

弐大「おい、九頭龍の奴が固まっとるぞ。」

田中「放っておけ。」




七海「つまり背の低い九頭龍くんや花村くんには、日向くんに下着を被せることができない…。」

ソニア「ということは、盗品の隠ぺいが不可能ということですか!?」

西園寺「そんな!!九頭龍にも花村にも犯行ができないってなると…!!」

罪木「容疑者が、0人になっちゃいましたよ…!?」

豚神「それが意味することは…」


日向「不可能犯罪…ってことか。」

左右田「日向や女子3人には実は可能だってことは…言っても無駄か。」




狛枝「ふふっ。楽しくなってきたね。でも、まだまだこれからだよ?」

狛枝「皆の力を合わせて、この絶望的な袋小路から活路を見出してこそ、皆の希望が研ぎ澄まされるんだからさ!!」

小泉「…アンタに言われなくても、諦める気なんてないわよ。」

小泉「犠牲になった、ペコちゃんのためにもね!!」


左右田「その辺古山も、もはやこの裁判を楽しんでるだろ…。」




今日はここまで。




再開


狛枝「ふふふ。いいね。どんな絶望が立ちふさがろうと諦めずに希望を見出そうとするその姿勢…。」

狛枝「それでこそ、希望の象徴にふさわしいよ!!」

狛枝「もしかしたらキミなのかもね、小泉さん。」

狛枝「“絶対的な希望”を体現するにふさわしい存在なのは…。」


小泉「…“絶対的な希望”を体現する、ねぇ。」

小泉「聞き飽きたわよ、そのセリフは。」

狛枝「え?ボク、聞き飽きるほどにそのセリフを小泉さんの前で言ったかな?むしろ、初めてだった気がするけど…」




モノクマ「はいはい、今は学級裁判中ですよ!!私語は慎んでください!!」

七海「そうだね…。この謎は、皆が集中して考えないと、恐らく解くことは出来ないよ。」

弐大「余計なことで気を散らしている場合じゃないのう。」

罪木「な、なにせ、不可能犯罪ですからね…。」

左右田「ああ。オレも、日向以外の犯人は見当もつかねぇぜ。」


花村「で、でもさ。不可能犯罪なんて、あるはずがないよね?」

豚神「そうだな。犯人が何らかのトリックを使ったか、俺達が何かを見落としているかのどちらかだ。」

田中「犯人は、何かミスをしていないのか?」

九頭龍「状況証拠は一切残ってねぇんだよな…。」

西園寺「現場には、セクシ―ポ―ズを決めていた辺古山おねぇしかいなかったしね―。」

辺古山「もういじられないと思っていたのに…。」


ソニア「現場に証拠が残っていなくても、誰かが今証拠を持っているかもしれません。」

日向「それはないだろ。だってさっき、豚神のボディチェックがあったんだぜ?」

ソニア「そ、そうですよね…。すみません。」




七海「待った!!今のソニアさんの発言は、良い線いっている…と、思うよ?」

終里「そうかぁ?誰かが証拠を持っていたら、もうとっくに見つかってんだろ。」

豚神「いや…。そうとは断言できん。」

罪木「ふぇ?どうしてですか?」


豚神「形に残らない証拠を持っている人間がいるかもしれないからだ。」

弐大「形に残らない、じゃとお!?」

田中「そうか、記憶か…!!」

狛枝「誰かの頭の中に、事件を紐解く鍵が眠っている…。あはは、ベタな言い回しだね。」


澪田「それなら、音っすね!!ペコちゃんが下着を盗まれた時に起きた音が、重要な手がかりになるはずっす!!」

九頭龍「おい。誰か、事件発生時に妙な音を聞かなかったのか?」

罪木「といってもですね。あの時私が聞いたのは、辺古山さんの悲鳴だけです…。」

花村「ぼ、ぼくもだよ…。」

ソニア「う~む。なかなかうまくいかないものですね…。」

小泉(待って?そういえば確か、誰かが妙な音を聞いたと言っていたような…)


怪しい人物を指名しろ


安価↓1




不正解


小泉(アタシが聞いてたら、とっくに証言してるよ…。)

小泉(言弾にも確か、そのことが書いてあったはず…。)


安価↓1




小泉「赤音ちゃん。そういえば、事件前後で変な音を聞いたのよね?」

終里「おお、そうだったな!!すっかり忘れてたぜ!!」

西園寺「はぁ!?もっと早く思い出せよこのノ―タリン!!」


罪木「ま、まあそう言わずに…。有力な情報かもしれませんし。」

西園寺「ああん?ゲロブタゴミカス女ごときが、わたしに話しかける権利なんて持ってると思ってんの!?」

罪木「ひぇええん!!!!なんで私にそんな厳しいんですかぁ!!!?」

小泉「はいはい、日寄子ちゃん。落ち着いて、赤音ちゃんの話を聞こうね。」

西園寺「うう、わかったよ。小泉おねぇがそう言うなら…。」


小泉(それにしても、あれだけの罵声を浴びせられても歩み寄ろうとする蜜柑ちゃん、意外と打たれ強いわね…。)




豚神「それで?終里よ、事件が起きた時にお前は何を聞いたんだ?」

終里「ん―っとだな。なんか、演奏みたいなものだな。」

弐大「演奏じゃとお?具体的にどういう音じゃあ?」

終里「ほら、何っつ―か…。」

終里「ジャン!!ジャン!!ドギャ―ン!!!!って感じの音だな。」

左右田「さっぱりわからん。」


小泉「でも…アタシには、わかるかもしれない。多分それ、楽器だよ。」

花村「楽器…?」

小泉「うん。恐らく犯行時に誰かが弾いたものを、赤音ちゃんが聞いたんだ。」

左右田「はぁ?なんでそいつは楽器を演奏なんてしてんだよ。」

小泉「う~ん。それは後回しにしよう。」

日向「じゃあ終里が聞いた音は、どの楽器の音だったんだよ?」

小泉「それは…」


1.ウクレレ

2.ギタ―

3.ベ―ス


安価↓1




正解


小泉「これで証明できる!!」解


小泉「確か唯吹ちゃん、現場の近くでウクレレを見つけたのよね?」

澪田「はい!!唯吹が証人っす!!ウクレレが投げ捨てられていたのを、唯吹は確かに発見したっす!!」


辺古山「ウクレレだと?なぜそんな物があるのだ?そもそも、ジャバウォック島にウクレレなどあったか?」

小泉「さあ…?」

辺古山「…」


豚神「ウクレレがどこから出て来たものなのかはさておきだ。」

七海「問題は、一体誰がウクレレを弾いたかだね…。」




日向「その前に聞いておきたいんだけどよ。ウクレレを弾いた人間が、本当に事件に関与するのか?」

弐大「念のために確認しておくが、澪田自身が弾いていたというオチはないじゃろうな?」

澪田「た、確かに唯吹なら思わず弾いちゃうかもしれないけど、唯吹がウクレレを発見したのはアナウンスの後っすよ!!」


狛枝「そっか…。澪田さんが弾いたわけでもなくて、弾いた張本人は未だに名乗り出ていない。」

狛枝「もしかしたら、何か後ろめたいことがあるのかもね。」

罪木「つ、つまり、ウクレレを弾いた人が犯人ってことですかぁ!?」


九頭龍「しかしよ。楽器が捨てられていたってことは、物的証拠が残ってたってことだろ?」

九頭龍「なんで今まで言い出さなかった?」

澪田「赤音ちゃんの話を聞くまでは、無関係だと思ってたから…」

ソニア「澪田さんと終里さんの発言が一致するということは、どちらの発言もとりあえずは信じていいのでしょう。」

終里「あったりまえだろ!!オレは嘘なんかつかね―からな!!」




終里「おっそうだ!!確か他に、誰かの声も聞こえたような気がすっぞ!!」

花村「え!?それってもしかして、犯人の声じゃないの!?」

田中「誰だ?誰の声を聴いた!?」

終里「う~ん…。それがよぉ、誰の声かまでは判別できなかったんだけどな。」


終里「確か、『今更どうした』みたいなことを言っていたような…」

西園寺「何それ、意味不明じゃん。ホンット、使えない奴。」

弐大「しかし情報不足のこの現状じゃあ、貴重な証言じゃろう。」

狛枝「そうだね。とりあえずは、終里さんが聞いた発言を頼りに議論を進めるしかないね。」

七海「うん。その謎を解き明かすことができたら多分、楽器を弾いた人と、その意図がわかるかもね。」


小泉(なかなか難しいけど…。よし、やってみよう。)




PHASE14 ロジカルダイブ開始!!



Q.1 ウクレレを持つ時の顔は?

赤:口を閉じた笑顔 青:目を閉じた笑顔 黄:耳を閉じた笑顔


Q.2 ウクレレを弾いた理由は?

赤:騒音 青:切なくて 黄:衝動的に


Q.3 ウクレレを弾いていた人の発言は?

赤:あははっ、今更かよ! 青:ははっ、今更かよぉ!!! 黄:はっ、今更かよ!


安価↓1




青-黄-赤


小泉「推理はつながったわ!!」


COMPLETE!!



小泉「ウクレレを弾いた人は恐らく、本来はその行動をとるつもりじゃなかったんだよ。」

終里「何だと!?つまりオレに音を聞かれたのは予想外だったってことか!?」

田中「その根拠はなんだ?」


小泉「そもそもさ。犯人が犯行後に現場に戻ってきたこと自体に違和感を覚えるのよね。」

九頭龍「あぁ?どうして突然その話になるんだよ。」

七海「まあまあ、九頭龍くん。とにかく、小泉さんの話を聞いてみようよ。」




田中「それで、なぜ犯人がレストランへ向かうことが不自然なのだ?」

小泉「だって、日向の頭部に盗品を隠すよりもさ。」

小泉「誰にも気づかれないうちにコテ―ジに戻って、自分のコテ―ジに盗品を隠す方が賢明じゃない?」


弐大「そう言われてみれば…妙じゃの。」

弐大「いくら日向の頭部が奇抜な隠し場所とはいえ、誰か1人にでも気付かれてしまえばこの計画は破綻するわい。」

左右田「安心しろ。1人くらいになら気付かれても平気だ。ソ―スはオレ。」


ソニア「しかし自分のコテ―ジに隠してしまえば、盗品が見つかることはまずありませんね。」

豚神「短い捜査時間のうちに、全員のコテ―ジをくまなく調べるなど不可能だからな。」




日向「でも、確かさっきの議論でよ。レストランにいた人間には、盗品を隠す暇がないって話になったよな?」

澪田「そうっすね。事件発生から発見までほとんど時間がないから、自分のコテ―ジに戻る暇なんてないって話っすね。」

七海「でもそれは、日向くんの頭に下着を隠すことには手間がかからない…ってことで解決したでしょ?」


日向「しかしよ。もし犯人がコテ―ジに戻っていた場合、そいつが盗品を隠せる唯一の存在になるよな?」

田中「確かにな。その場合犯人はレストランには集合せず、アリバイを確保できん。」

日向「そこから犯人を特定されることを危惧して、レストランに集合したとは考えられないか?」


小泉「いや…。それは、恐らくないよ。」

罪木「え…。どうしてですか?」

小泉「それは…」


1.アリバイがあるのは天然

2.アリバイがあるのは偶然

3.アリバイがあるのは必然


安価↓1




不正解


小泉「アリバイがあるのは必然だからだよ。」

日向「どういう意味だよ?」

小泉「アタシにもよくわかんない。」

日向「…」


安価↓1




正解


小泉「これで証明できる!!」解


小泉「今回の事件…。下着を隠せるだけの時間的余裕があった人は1人もいなかったよね?」

西園寺「うん。アナウンス時に誰かと行動していた9人、レストランに集まった6人、被害者の辺古山おねぇ…。」

西園寺「全員にアリバイがあるよ―。」


小泉「でもさ。これって、偶然だよね?」

終里「偶然だと…?」




豚神「そうか…。俺たちは疑心暗鬼になっていたから、そもそも単独行動をとっていない方が珍しいはずなんだ。」

狛枝「犯人はその隙をついて犯行に及んだわけだからね。」

七海「だから犯人には予測できるはずがなかったよね。」

七海「単独行動をとっている人間が辺古山さんを除いて6人しかいなくて…」

七海「その全員が、アナウンス後にレストランに集まるなんてさ。」


田中「つまり本来の計画では犯人は、犯行後に自身のコテ―ジに戻り証拠を隠滅した後…」

ソニア「アリバイのない不特定多数の容疑者の中に、身を隠そうとしていたわけですね!!」




花村「で、でも犯人は結局、レストランに集合しているよね?」

花村「日向くんの頭に盗品を隠すっていう苦肉の策をとってまで、どうして本来の計画通りに行動しなかったの!?」

小泉「恐らくペコちゃんの下着を奪うところまでは犯人の計画通りだったんだ。」


小泉「でも…そこで、犯人にとっては不測の事態が起きてしまったんだ。」

罪木「そ、それって、まさか…!!」

小泉「そう…!!」


1.ウクレレを発見

2.下着を紛失

3.誰かに目撃される


安価↓1




正解


小泉「これで証明できる!!」解


小泉「ウクレレを、発見してしまったんだ…!!」

日向「なっ…!?」


左右田「そんな強調するところなのかコレ?」




今日はここまで。




再開


豚神「なるほどな…。犯人は下着を盗んだのち、速やかに現場を去ろうとした。」

七海「でもそこで、ウクレレを発見してしまった。」

小泉「そして犯人は、ムラムラしたのか謎の使命感に駆られたのか、とにかく衝動的にウクレレを手に取った。」

弐大「そのウクレレで、1曲吟じたわけじゃな。」

終里「その演奏をオレが聞いたってことか!!」


花村「じゃあ犯人が、犯行がバレるリスクを負ってまで、ウクレレを弾いた理由って…!!」

ソニア「登山家と同じですね。登山家に『なぜ山に登るのか』と聞くと、『そこに山があるからだ』と返答します。」

日向「なぜウクレレを弾くのかって?」

日向「そこにウクレレがあるからさ!!!!」

左右田「バカだな、そいつ。」




狛枝「そうして我を忘れた状態で狂ったようにシャウトしている間に、時間は流れ…」

九頭龍「辺古山が発した悲鳴を聞きつけた奴らが集まって来たんだな。」

花村「そっか。皆が集まってくると、下手に逃げることは出来ないよね。」

田中「逃げている現場を発見されれば、クロだと疑われてしかるべきだからな。」

罪木「だから仕方なく他の人と同様、レストランに集まらざるを得なかったわけですね…。」

辺古山「盗品を、日向の頭に隠した状態でな…。」


西園寺「ってことはさ―。やっぱりウクレレを弾いていた奴が犯人で、間違いないんだね―!!」

ソニア「つまり終里さんの証言は、ウクレレによって生み出された貴重な証拠というわけですね!!」

澪田「さすがウクレレっす!!皆、これから1分間、ウクレレのために黙祷するっす!!」

左右田「お前ら、さっきから真面目に議論してっけどよ。コレ、ただ犯人がマヌケなだけだからな。」




狛枝「ということは…小泉さんにはもう、わかってるんだよね?」

狛枝「下着泥棒の、正体がさ…。」

小泉「…」


小泉(下着泥棒…。ペコちゃんからティ―バックを嵐の如く奪い去り、一切足が付かなかった存在。)

小泉(そして…ウクレレにこの上なく愛されている、ハワイ民もどき…。)


小泉(今までの議論から考えると、真犯人って…)

小泉(アイツ、だよね…?)


怪しい人物を指名しろ


安価↓1




小泉「日向…。アンタよね?」

日向「ぐっ!!」


左右田「はいはい。どうせご都合展開で、日向の疑いはまた晴れるんだろ。」




終里「日向…お前が犯人なのかよ!?」

日向「ちょっと待ってくれよ!!ウクレレなら、澪田だって弾きそうなもんだろ!!」

澪田「でも、唯吹にはアリバイがあるっす!!」

豚神「澪田でもないとしたら、最も可能性が高いのは…間違いなく貴様だ、日向。」

日向「うっ…!!」


弐大「そうじゃのう。なにせ日向は、今世紀最後のウクレレ伝道師…。」

ソニア「本編6章の虚無ル―プで見せた、眼を閉じた笑顔の立ち絵を使用した…」

ソニア「ウクレレを持って楽しそうにイロハしている、彼のコラ絵がありますもんね。」

罪木「ウクレレに限らず、マシンガンを持っている物もありましたよぉ。」


参考文献↓

http://i.imgur.com/Hc8lyyv.jpg

http://i.imgur.com/w7LI9gI.jpg





九頭龍「じゃあやっぱりテメ―なんだな日向ぁ!!」

日向「だ、だから待ってくれって!!それだけで俺を犯人扱いするのかよ!?」

小泉「いや、それだけじゃない…。アンタしかいないのよ。」


小泉「ウクレレを演奏しながら、『あははっ、今更かよ!』なんて発言をするのはね!!」

日向「ぐぅ…!!」

終里「そうか…!!オレが聞いた『今更どうした』ってのは、ウクレレ装備日向の上等文句だったんだな!!」

辺古山「そして今までの話を集約すると、全てのつじつまが日向へと通じるわけだな…!!」

花村「トリックを棒に振ってでもウクレレを弾く人なんて、日向くん位だもんね!!」

日向「それは否定しないけどよ…。」

左右田「そこは否定しとけよ!!」




日向「でも、忘れたのか?俺には、パンツハンタ―としての流儀があるんだ。」

田中「そうだったな…。先刻の議論でも、日向の主義主張を尊重し、シロと断定していたのだったな。」

花村「一流のパンツハンタ―である日向くんが、自分の美学を捨ててまで、下着泥棒に走ったりするのかな?」

終里「にわかには信じがて―よな。」

左右田「お前らはパンツハンタ―の何を知ってんだよ…。」


小泉「確かに、あの日向が下着泥棒なんて、普通じゃあ考えられない…。」

小泉「でもそれはあくまで、心理的なトリックに過ぎないのよ。」

弐大「何じゃとお…?」


七海「一流のパンツハンタ―である日向くんなら、下着泥棒なんて非行に及ばない…。」

七海「私達はただ、そう信じたかっただけなんだよ。」

狛枝「そうだね。これはあくまで心の壁であって、実際に物的証拠があるわけじゃないからね。」

左右田「それ、オレがずっと前に言った。」




九頭龍「じゃあオレ達はその壁によって、議論を今までうまく進めることができなかったわけなのか。」

田中「そして、心の闇が創造せしファイアウォ―ルの玉砕が不可能ならば、本当に不可能犯罪になってしまうぞ。」

澪田「なら…心の壁って奴を、粉微塵にぶっ壊してやればいいんすよ!!」


豚神「その心理的な壁を飛び越すための、唯一無二の真実…。」

豚神「貴様にはもうわかっているようだな、小泉。」

小泉「うん…。日向でさえ、犯行に及んでしまう可能性。それは…」




PHASE15 閃きアナグラム(改)


で○ご○ろ


安価↓1




できごころ


小泉「よし、わかった!!」


小泉「河童の川流れ…。猿も木から落ちる…。弘法も筆の誤り…。」

小泉「パンツハンタ―も、下着泥棒に走る!!」


小泉「そう!!今回の犯行は、出来心だったんだよ!!」

小泉「だから日向は、ペコちゃんの下着を奪ってしまったんだ!!」

左右田「何だそりゃあ!?ここまで引っ張っておいて、結局そこに落ち着くのかよ!?」


辺古山「そう考えると確かに、私達に立ちはだかる心の壁を取り去ることができそうだな。」

罪木「パンツハンタ―である日向さんにも犯行の動機があるわけですからね。」

小泉「どうなのよ、日向。まだ、反論があるの!?」

日向「…」





日向「ツマラナイ…。」

小泉「え?」


日向「パンツを愛でることのできない人間が徒党を組んで、高尚なるパンツハンタ―を追い詰めていく…。」

日向「そんなツマラナイ連中のせいで、世界が行き詰っている。」

日向「だから僕は、先生方に教わったのです。そんな連中のパンツを、淘汰するべきだと。」

日向「パンツ…。パンツ…。英語で言うとパンツ…。」


澪田「創ちゃんがぶっ壊れたぁ!!!!」

小泉「どうすんのよこれぇ。なんで日向がカムってんのよ…。」

狛枝「カムる?何、その動詞。」

小泉「考えちゃダメ、感じるのよ!!」

狛枝「はぁ…。」

日向「…」




日向「まだだ。まだ俺の反論は終わってないぞ!!」

豚神「何だと?今の貴様のどこに、反論の余地があるというのだ!!」


日向「俺が犯人だとすると、俺は辺古山の隙を狙ってパンツを奪ったってことだよな?」

ソニア「そうなりますね。」


日向「だけどよ、俺程度の運動神経で、辺古山の寝首を掻くことができると思うか?」

辺古山「そう言われてみればそうだな。私もそれなりに、武芸をたしなんでいるつもりだ。」

花村「“超高校級の剣道家”とも呼ばれる彼女を相手にして、一般人がまともに渡り合えるとは思えないよね…。」

小泉「といっても、利き腕を骨折させて背中に模擬刀の先制攻撃をかませば、案外善戦できるっぽいわよ。」

田中「なんの話だ?」

小泉「気にしたら負けよ。」




日向「だとしたら、俺なんかに辺古山を陥れることができるとは思えないな。」

日向「ましてや辺古山に反撃を許さないままに下着を奪い、姿も見せずに逃走するなんて芸当、不可能だと思わないか?」

花村「しかも犯人は下着だけを盗んで、他の衣類には一切傷をつけない、華麗な技術を駆使してるんだよね…。」


ソニア「そんな技を行使できるのなんて、弐大さんくらいじゃあありませんか!?」

終里「おいソニア!!まさかテメ―、弐大のおっさんを疑ってんのかよ!?」

西園寺「でも弐大おにぃにはアリバイがあるからね―。わたしが証言する位だから、絶対だと思ってくれていいよ!!」


罪木「じゃ、じゃあやっぱり、日向さんは犯人じゃあないんですか!?」

左右田「結局こうなっちまうのかよ…。」




小泉「いや…。それは違うよ、蜜柑ちゃん。」

罪木「ふぇ?」

左右田「今、さらっとオレを無視しやがったな。」


小泉「日向、それじゃあアンタは逃げることは出来ない。」

日向「な、なんでだよ?」

小泉「アンタには、一連の犯行を完遂させる可能性を秘めているからよ。」


日向「くっ…。そこまで言うんなら、もう後戻りはできないからな!!」

日向「これで無実の罪だった場合は、お前のパンツをもらうからな!!」

小泉「ええ。賭けてもいいわよ。でもそれ、パンツハンタ―の流儀として大丈夫なの…?」




PHASE16 パニックト―クアクション(VS日向)




             「あははっ、今更かよっ!」


「真実はいつもひと―つ!!!!」


                        「スナ―フキ―ン!!!!」


        「ツマラナイ…。」


  「しんべぇ~!!きり丸~!!」


              「私は魔女です!!魔女は飛ぶものです!!」


   「闇の力よ集え!!ダ―クタクト!!!!」





「【俺なんかじゃ辺古山の隙を突くなんて芸当、できるはずがないじゃないか!!】」






            【△】
             パンツ


【□】技術              ハンタ―の【○】


             専門
            【×】



安価↓1





パンツハンタ―の専門技術


小泉「これで終わりよ!!」


BREAK!!



小泉「確か花村は言っていたよね。変態紳士ともなると、独特の専門技術を身に着けるって。」

花村「うん、そうだよ。他人のパンツを透視するのも、専門技術の1つさ。」


田中「そうか…!!ということは…!!」

弐大「パンツハンタ―としての技能を最大限活用し、辺古山の下着を奪ったということじゃなぁ!!」

日向「なぬっ!!?」


花村「で、でも、人のパンツを華麗に奪い取るなんて…!!そこんじょそこらの変態紳士じゃあ…!!」

小泉「忘れたの花村?日向は、変態紳士検定で…」



1.準1級

2.1級

3.脱臼


安価↓1




不正解


小泉「脱臼してんのよ!?」

日向「そうなんだよ。俺、脱臼してて辺古山の下着なんて盗めないぞ。」

豚神「ならばどうやってウクレレを弾いたのだ。」

日向「全身の筋肉を最大限活用してだな…。」

終里「そもそも、変態紳士となんも関係ねぇじゃん。」

小泉(とりあえず、間違えたみたいだ。)


安価↓1




正解


小泉「これで証明できる!!」解


小泉「1級の実力の持ち主なのよ!!!!」

日向「うぐぁああぁあっ!!?」


辺古山「なるほど。武芸者としては負ける気はしていなかったのだが…。」

辺古山「下着を盗る盗られるの関係になった場合私は、一流のパンツハンタ―である日向の餌食に過ぎなかったのか…!!」


豚神「そして日向を犯人と考えると、不可能だった犯行が可能となっていくのだな…!!」

小泉「そうよ。すべての証拠が、アンタを犯人だと断定してるのよ、日向!!」

日向「うわぁあああああああああああああっ!!!!!!?」


小泉「だから最後に、事件をまとめるよ!!」

小泉「それで日向、アンタを完膚なきまでに打ちのめしてあげるから!!」




クライマックス推理開始!!



act.1


小泉「今回の犯人は、狛枝によって引き起こされた皆の疑心暗鬼を利用して、ペコちゃんの下着を奪う計画を建てた。」


小泉「レストランで1人だったペコちゃんに襲い掛かった彼は…」

小泉「独自のテクニックを使い、ペコちゃんから下着を奪うことに成功したんだ。」


小泉「成功の理由は、彼の専門技術…。」

小泉「変態紳士1級の技能を持つ彼にとっては、一切の証拠を残すことなく下着を奪うことなど、造作もなかったのよ。」

小泉「たとえ相手が、“超高校級の剣道家”だとしても。」



act.2


小泉「下着を奪うことに成功した彼は、そのまま現場を去ろうとしたんだけど…」

小泉「そこで、思わぬ事態にみまわれるんだ。」


小泉「そう、ウクレレを発見してしまったんだよ。」

小泉「ウクレレを発見した彼は、まるで憑き物に囚われたかのように、ウクレレですさび事に興じたわけなのよ。」

小泉「トリックが崩れる危険を冒してまで演奏した理由はただ1つ。そこにウクレレがあるからよ。」



act.3


小泉「そうこうしているうちに、ペコちゃんの悲鳴を聞きつけた人たちが集まってきた。」

小泉「うまく逃走することができなかった彼は仕方なく、皆と同様にレストランに集まることにしたんだ。」

小泉「盗品を、自分の頭に隠すことによってね。」


小泉「アタシ達は日向の頭にある下着を空気の如く受け入れているから…」

小泉「それが異常だということになかなか気付けなかった。」


小泉「そして…今も何食わぬ顔をして、アタシ達の中に潜んでいる下着泥棒は…!!」




小泉「日向創!!アンタこそが、今回の騒動における真犯人よ!!」



COMPETE!!




九頭龍「クライマックス推理、すんげぇ短いな!!」

七海「うん…。1週目の裁判の3分の1くらいの分量だね。」

弐大「フェイズ数は1週目の4章と同等なのにのぉ。」

狛枝「ボク達が、いかに変な議論をあれこれ展開していたかがわかるね。」


小泉「まぁ、良いじゃない。結局、正しい結論にたどり着いたわけだし。」

小泉「日向も、認めてくれるよね。」

日向「うう、くそぉ…。」

田中「では、投票タイムと洒落込むか…。」




VOTE

日向 日向 日向

CLASSROOM TRIALS 1+   DISMISSED




左右田「…あれっ。」


左右田「あんだけ無駄に引っ張っておきながら、結局日向が犯人なの!?」

左右田「じゃあ、今までの冗長な議論はなんだったんだよ!!」

左右田「ついでに言うと、日向が突然ツマラナイとか言い出したのも!!」


左右田「オレはてっきり、どんでん返しで日向以外のクロが登場すると思ってたのに!!」

左右田「不可能犯罪だとか言って、場を無駄に盛り上げたりしてたからさぁ!!」

左右田「何だよこの議論!!絶対に必要なかっただろ、この学級裁判!!」


モノクマ「こんなゲ―ムにマジになってどうすんの。」




今日はここまで。

今までので1番時間を無駄にしたような気がする絵があるよ。


クライマックス1章+→ (http://i.imgur.com/9VlNZvR.png





モノクマ「え―っと。投票の結果は…」

モノクマ「見事に大正解!!辺古山ペコさんの下着を盗んだクロは、日向創クンでしたぁ―!!!!」

日向「ぐぐぐぐぐぐ…!!!!」


終里「本当にテメ―なのかよ、日向…!!」

弐大「なぜじゃあ!?なぜ、辺古山のパンツを盗んだりしたんじゃあ!?」

日向「そ、それは…」


ソニア「一流のパンツハンタ―こと日向さんともあろう者が、下着泥棒などという下劣な行為で身を染めるなんて…!!」

田中「日向も所詮人の子か。心に宿る鬼には敵わなんだか…。」

日向「済まない!!レストランに1人でいる辺古山を見たら、ムラムラしてきて、つい…!!」




七海「う~ん…。でもさ。私には、日向くんがただの出来心で今回の犯行に及んだとは思えないんだよね。」

澪田「そうだよ!!皆に分け隔てなく接してくれる優しい創ちゃんが、人を傷つけるような事をするとは思えないっすよ!!」

罪木「きっと、何かふか―いわけがあるんです!!そうに決まってます!!」

日向「へ?い、いや、その…」


辺古山「皆の言うとおりだ。だから日向、事情を話してくれないか。今回の犯行に及んだ理由をな。」

九頭龍「くだらねぇ理由だったら承知しねぇぞ…。」

日向「ま、待て。犯行動機は、小泉も言ってたじゃないか。出来心だって。だから理由なんて、無…」




狛枝「日向クン、謙遜する必要はないんだよ。これは、キミの名誉を守るためでもあるんだからさ。」

豚神「それに、犯行に及んだ理由をはっきりさせないと、被害者である辺古山も納得いかないだろうからな。」

花村「ぼく達は、日向くんを責めるつもりはないよ。だって、日向くんはいつも皆のことを考えてくれる人だからね!!」

左右田「さすが、“超高校級の相談窓口”と呼ばれるだけはあるな。人望がすさまじいぜ。」

西園寺「だからさっさとワケを話してくれないかな―?わたしの貴重な時間をわざわざ割いてあげてるんだからさ!!」

日向「や、やめてくれ。皆の温情が痛い。俺が悪かった。謝る。ごめんなさい。」


田中「ごめんなさいではない!!なぜ下着泥棒に及んだのかを聞いている!!」

西園寺「人の話はちゃんと聞いてよ、日向おにぃ!!」

辺古山「そうだ日向。汚れ役を演じるようとする心遣いは嬉しいが、それでは日向が皆に恨まれてしまうぞ。」

罪木「私達にとっては、日向さんが嫌われ者になるのは嬉しくないですからね。」

九頭龍「だから男らしく、ハッキリしやがれ。」

日向「え、えっと、ええっとぉ…。」




七海「日向くんが自分から言えないのなら、私が当ててあげよっか?日向くんの意図を。」

日向「へ?」


ソニア「え…?七海さんには、わかってるんですか?日向さんが下着泥棒に走った理由が…。」

七海「うん…。何となくだけどね。」

田中「では、聞かせてもらおうか。日向の意図とはなんだったのだ?」


七海「私達はさ。狛枝くんの策略によって、疑心暗鬼に陥ってたよね。」

弐大「そうじゃのう。パ―ティでの殺人騒動や小泉の監禁も相まって、ギスギスとした空気が漂っとったわい。」

豚神「それこそ、殺し合いにでも発展しそうな程のな。」


七海「じゃあさ…。そんな状況で、殺し合いを起こさせないようにするには、どうしたらいいと思う?」

終里「う~ん…。そんな難しいことは、良くわかんねぇよ。」

ソニア「いえ、簡単なことです。わたくしたちがもう1度、一致団結すればいいだけです。」

西園寺「それが難しいんじゃん。特に、わたし達の中にはヤクザ崩れも紛れてるんだしさ。」

九頭龍「ヤクザ崩れって誰のことだよ?」

西園寺「キャハッ!!そんなこともわからないなんて、お里が知れるよ九頭龍!!」




左右田「一致団結か。議論の内容はどうであれ、確かにオレ達は、皆で力を合わせて事件を解決したよな。」

花村「そっか。じゃあ、日向くんが今回の犯行に及んだ理由って…!!」


豚神「あえて自分自身で事件を起こすことで、俺達の結束を確固にしようと目論んだということか。」

辺古山「誰かが殺しあいを引き起こす前に、か。ふっ、なかなか粋なことをするじゃないか。」

罪木「ほんとですよぉ。被害者である辺古山さんまで称賛しちゃってますし。」


ソニア「つまり日向さんは…自己犠牲の志で、下着盗難事件まで起こしたわけですね!!」

花村「皆のコロシアイを防ぐために、自分の流儀まで捨てるなんて…。」

狛枝「あははっ!!素晴らしいよ日向クン!!日向クンから希望が溢れているよ!!」


七海「日向くんは、自分のエゴだけで下着泥棒をしたわけじゃない。」

七海「むしろ皆のことを思って、今回の犯行に及んだ…。そうだよね?」

日向「へっ…?」

日向「え、あ…。」


日向「ああ。そ、そうだぜ?」


小泉(絶対嘘だ。日向、犯行時には間違いなく何も考えてなかったでしょ。)




モノクマ「え~っと…。クロである日向クンが、なぜか称賛されてますが…」

モノクマ「まさかオマエラ、忘れてないよね!?秩序を乱したクロは、ル―ルに則りオシオキされてしまいます!!」

日向「なっ…!?」


小泉「ちょっと待ちなさいよ!!ル―ルに則るのなら、オシオキはおかしいよ!!」

豚神「そうだ。電子生徒手帳には、人を殺した人間のみが処刑されると書いてあるからな。」

モノクマ「まあ確かに、『殺す』という意味での処刑は出来ないね…。」


モノクマ「でもボクは、皆に問いたいんだよ。日向クンは裁かれるべきか、そうでないか。」

モノクマ「せめて、下着泥棒を犯した分だけの代償は払っておくべきだと思わない?」

モノクマ「だって、悪いことをしたのに裁かれないなんておかしいじゃん!!」

日向「いやいや、この流れで皆が俺に償いを求めるなんて…」




左右田「確かにそうだな。いくら皆のためとはいえ、罪は罪だもんな。」

日向「えっ」


終里「しかもよ。女のパンツを盗むなんて、普通に考えるとサイテ―な行為だよな。」

辺古山「それに今回の事件で私は、幾度となく恥をかいてきたからな。」

九頭龍「このまま何のお咎めもなしじゃあ、胸糞悪くて腹わたが煮えくり返っちまうぜ。」

田中「そうだな。というわけで日向よ。諦めて裁きに身を任せるのだな。」

日向「なんか皆、コロコロと手のひらを返し過ぎじゃないか!?」


モノクマ「うんうん。皆もそう思うよね!!だからやっぱり、オシオキは派手に行っちゃいます!!」

モノクマ「今回は日向創クンのために、スペシャルなオシオキを用意しましたぞ!!」

モノクマ「それでは、はり切って参りましょう!!オシオキタ―イム!!」

日向「そ、そんなぁ~!!!!」




処刑(?)執行 超高校級の??? 日向創 愛はスリル、ショック、サスペンス




キラキラとした派手な舞台。


騒がしさの中に、厳かさを秘める心地よいメロディ。


期待に胸を膨らませ、盛大な歓声を絶え間なく送り続ける観客たち。


そして、今回のコンサ―トでセンタ―マイクを務めるのは…



そこには、無表情でパラパラを踊る日向創の姿が!!



首元の蝶ネクタイや、いつの間にか着用しているメガネ、頭部のパンツなど…。


それらは日向の踊りと見事にマッチングしており、様になっている。


このパラパラダンスで20点以上取れば、日向はオシオキを免れることができるぞ!!



ダンスがいくらヒ―トアップしようが、真顔は欠かさない。


体全身のあでやかな動作だけで、情熱を表現するのだ。


愛はスリル、ショック、サスペンス!!


憂いを淡い風に散らそうとしても抱えきれずにいたよ、この小さな胸(91cm)には!!!!



そして、フィナ―レ!!日向選手、自信ありげな表情だ!!


さあ、気になるスコアは…?


1点、2点、3点、とランプが点灯していく…


パンパカパ―ン!!なんと、10点満点!!最高のエンタ―テイメントでした!!



でも20点には達しなかったので、見事に不合格!!


お前みたいな出来損ないにはオシオキだぁあああ!!!!



そうして日向は、モノクマの腰に乱暴に巻かれる。


モノクマの三角ゾ―ンを華麗に隠してくれる彼はまさに、モノクマのパンツと呼ぶにふさわしい。


良かったね、日向。パンツを追い求めるあまり、ついに自分自身がパンツになる事が出来たよ。





モノクマ「エクストリ―ム!!脳汁がレモン味だぜぇええええええ!!!!」


弐大「日向は犠牲になったのだ…。」

澪田「皆、忘れちゃいけないっすよ。創ちゃんの死を。」


日向「勝手に殺すなドアホゥ!!!!」

九頭龍「ちっ。もう復活しやがったか。」







七海「皆。今回の事件を礎にして、もう2度と事件なんて起こさないようにしよう。」

豚神「そうだ。今回は幸いにも、誰も欠けずに済んだ。だがしかし、次はこううまくいくとは限らない。」


狛枝「ふふっ。わかってるじゃない、豚神クン。」

狛枝「日向クンのファインプレ―で、皆は結束を取り戻せたようだけど。」

狛枝「多分これは、一時的なものだよ。1度崩れた信頼ってのは、なかなか元に戻らない物だからね。」

狛枝「これからは、もっと警戒しないとね。うかうかしてたら、見知らぬ誰かに殺されちゃうかもしれないよ?」


西園寺「何言ってんだ!!信頼が崩れたのって、狛枝おにぃのせいじゃん!!小泉おねぇを無理やり監禁したりして…!!」

罪木「狛枝さんがあんなことをしなければ、ここまで不安にならなかったのに…!!」

左右田「誰かが誰かを殺すかもしれない不安、か…。」

九頭龍「ちっ。おちおち眠ることもできねぇな。」

日向「お、落ち着けよ皆!!今まで培ってきた俺達の絆は、こんなに脆い物だったのか!?」

花村「それはわかってるけど、でも…」




狛枝「ふふっ。いい感じに、皆の希望が高まってきているようだね。」

狛枝「でも、まだ足りないよ。その程度じゃあ、“絶対的な希望”とは言えない。」

狛枝「それこそ仲間の死っていう絶望を体験でもしないと、その境地には達することは出来ないんじゃないかな。」


狛枝「だからボクとしては、もう1度事件が起きてほしいな。」

狛枝「それも、下着泥棒なんかじゃない。本当の、殺人がさ。」

狛枝「まあこの状況なら、ボクがどうこうしないでも、勝手に殺し合いが起きてくれると思ってるけど…」


狛枝「それでも、ボクの助けが必要だっていう人は、ボクに相談してね!!」

狛枝「誰かを殺す手伝いでもいいし、なんならボクを殺してくれても構わないからさ!!」


弐大「殺人の奨励を、堂々と行うじゃとお!?」

左右田「いっそのこと、コイツを監禁しちまうか…!!」

辺古山「やめておけ…。小泉の時でわかっただろう。いくら相手が危険人物だろうと、監禁は逆効果だ。」

田中「そうすることこそむしろ、狛枝の思うつぼだな。」


小泉「…」





小泉「みんな。狛枝の言う事なんか、真に受ける必要ないよ。」

ソニア「え?」

小泉「皆はこれからも、いつも通り過ごしていればいい。殺し合いなんて、起きないから。」



小泉「いや…アタシが絶対に、止めてみせるから。」


日向「小泉…。」

狛枝「…」





そしてアタシは、監禁された件について、豚神から謝罪を受けた。

豚神は、土下座までしようと思ってたみたい。

さすがにそれはこっぱずかしいから、やめてもらったけど…


そして、裁判場から帰ろうと思っていた時…



「おい、小泉…」


小泉「えっ…?」



意外な人物から、呼び止められた。


小泉「な…なによ。なんか、用があるわけ…?」





小泉「九頭龍…。」

九頭龍「ああ、ちょっとな…。」


小泉(な、なんなのよ、コイツ…?なんでコイツ、アタシに話しかけて…?)


小泉(うっ…。こ、怖い。あの時の惨劇が、思い出されて…)

小泉(手が、足が、震えてきて…。胃から、グッとこみあげてきて…!!)


小泉「よ、用件があるなら、さっさと言って。アタシも、暇じゃないの…。」

九頭龍「ああ、んっとだな。オレも極道だから、嫌われるのは慣れてんだけどよ。」

九頭龍「でも、通すべきもんは通さなきゃなんねぇ。」

小泉「ま、回りくどいよ…。用件だけ、言って?」



九頭龍「悪かった、って言っておく。」

小泉「…は?」


九頭龍「無実の罪でお前を、オレは執拗に糾弾してただろ?」

九頭龍「だからオレはオレなりに、けじめをつけなきゃいけねぇんだ。」

小泉「…」


小泉「…ないわよ。」

九頭龍「あ?」





小泉「アンタに、謝られる筋合いなんて…ないわよ。」


九頭龍「…そうか。」

小泉「…」



そうしてアタシは、九頭龍とは目を合わせることもなく、足早にその場を去った。

本来なら、こんな態度をとるべきではないとわかってはいたけど…

アタシはアイツとは、とにかく関わりたくなかった。

関わらずにいられるのなら、どれだけ罵られても構わないから。



考えてみるとアタシは…やっぱり、ダメな人間だ。

殺し合いを止めることよりも…自分の都合を優先してしまったんだから。

アタシはひょっとすると、楽観的だったのかもしれない。



次の惨劇を避ける最善の策は…


アイツとの絶縁だと、思っていたから。



CHAPTER1+ 裁く者の権利、裁かれる者の権利、パンツを被る者の権利   END

生き残り   16人
日向 狛枝 豚神 田中 左右田 花村 弐大 九頭龍
終里 七海 ソニア 西園寺 小泉 罪木 澪田 辺古山

TO BE CONTINUED….




今日はここまで。




CHAPTER2+ 人との距離の測り方


14日目





―ジャバウォック島―


モノクマ「やっと皆集まったね!!全く、人を待たせるものじゃないよ!!」

花村「待たせるって…!!モノクマが勝手に呼んだんだよね!?」

九頭龍「全くだぜ。何でオレが、わざわざこんな所に…」

罪木「うゆぅ…。でも集まらないと、何をされるかわからないですし…。」

西園寺「だからこそ、ゲロブタとかに試してもらいたかったんだけどね~!!」


日向「さまざまな異常事態の連続で、皆疲れてんだよ。だから手短に済ませろよ、モノクマ。」

澪田「そうそう。未来機関とか裏切り者とかで、唯吹達はキャパオ―バ―しそうなんっすよ…。」

左右田「なんでオレがこんなメンドくせ―ことに巻き込まれなきゃいけね―んだ…。現実逃避に海水浴でもしてぇよ…。」

ソニア「海水浴、ですか…。」

七海「…」


モノクマ「というわけでオマエラは、そこにあるゲ―ム機をご覧ください!!」

モノクマ「これが、今回ボクからオマエラに送る動機です!!」

田中「ゲ―ム、だと…!?」

小泉「…」





とうとう、この時がやってきてしまったか…。



アタシ達はあの学級裁判の翌朝…つまり今日の朝に、モノミによって解禁された、第2の島を探索した。

そしてその後モノクマによって、未来機関のことや、裏切り者の存在を暴露されたんだ。

もちろんアタシは、裏切り者が日寄子ちゃんと千秋ちゃんの2人だってことは知っているけど…。


それは恐らく、何の意味も持たない。

2人を裏切り者と証明する方法もないし、証明したところで皆の混乱が増すだけだからね。

しかも日寄子ちゃんは、自分が裏切り者だってこと自体を知らないはずなんだ。


ただ1つ、わかることは…未来機関の一員である千秋ちゃんは、信用できる人間だってことだ。

千秋ちゃんは、アタシ達を死なせないために、命がけで尽力してくれるような存在だから…。

だから今回は、千秋ちゃんに協力してもらえると心強いわね。

今回の殺人を未然に防ぐために…




トワイライトシンドロ―ム殺人事件…。


今回の動機で標的となるのは、他でもないアタシだ。

妹ちゃんを殺された恨みで、九頭龍がアタシを殺しに来るんだ。

九頭龍が、あの時の眼で、アタシを…


対処法として、真っ先に思い浮かべるのはもちろん、アイツを説得することだけど…。

ただでさえアタシは、アイツの前では立っている事さえろくにできないのに。

アタシに対して敵意むき出しの状態な九頭龍と、まともに話し合いなんて…。


…できるわけがないわね。

説得して、九頭龍を思いとどまらせることができるのなら…

そもそも最初っから、九頭龍がアタシを殺そうとなんてするわけがないもんね。


だって、九頭龍の憤怒は本物だ。

妹ちゃんの死に、本気で憤慨するんだ、アイツは。


その証拠に…妹ちゃんを殺した張本人であるE子ちゃんが、既に死んでいる事がわかっていて…

それでも、共犯者であるアタシまで、アイツは殺そうとするのだから。

たとえそれが、正当な復讐じゃなかろうと。ただの、逆恨みであろうと…。


生半可な言葉を並べたところで、九頭龍の怒りが静まるとはとても思えない。

焼け石に水…いやむしろ、火に油を注ぐ行為かもしれない。

九頭龍は、それほどまでに妹ちゃんを慕っていたからだ。


妹ちゃんを病むほどまでに慕っていたからこそ、アイツは学園時代で…

アタシを拷問することに、なんのためらいも持たなかったんだ。

アタシを精神的に追い詰めて、E子ちゃんをアタシに殺させることに…一切、眉をひそめる事はなかったんだ。


それ程の覚悟が、九頭龍にはある。

妹ちゃんのために、自ら悪に染まる覚悟が…


といってもアイツには今、学園の記憶はないのだろうけど。

そうでもなきゃあの時、アタシに話しかけたりなんてするはずがない。


うっ…。また、吐き気がしてきた。

思い出すだけでコレだ。この調子で、アイツと対峙なんてしちゃったら…!!


アタシなんかじゃ、アイツの狂気を止められるはずもない。

だから、アタシが今回とるべき行動は…




モノクマ「…というわけだから、オマエラはぜひともこのゲ―ムをプレイしてね!!」

モノクマ「んでもって、殺し合いをおこしちゃってくださ―い!!!!」





弐大「行ってしまったか…。」

辺古山「クッ…。何ともふざけた奴だ。こんなので、私達が人殺しなんてするわけが…!!」

小泉「…」


狛枝「で?どうするの?」

小泉「え?」

狛枝「モノクマは、今回の動機を提示して…キミたちは、このゲ―ムをプレイするつもりなの?そうじゃないの?」


小泉(…あれ?なんか、違和感が…)

小泉(あ…そっか。今回は、狛枝もいるのか。前回は狛枝はこのタイミングで、監禁されてたんだっけ。)




終里「う~ん。そうは言ってもよぉ。人殺しのタネだろ?安直に手出しするべきじゃね―よな。」

ソニア「そうですよね…。わざわざ自分から殺人の動機を得ようなんて、メリットがありませんよね。」

田中「さわらぬ神に祟りなし。放っておくのが得策か。」


狛枝「ふ~ん?キミたちは、ゲ―ムをプレイしないつもり?残念だな、せっかく希望を高めるチャンスなのに。」

狛枝「立ちはだかる試練から目を背けるなんて、希望の象徴としてはふさわしくないんじゃない?」

日向「おい狛枝!!そうやって皆を煽るのをやめろよ!!俺たちは、殺し合いなんて絶対に起こさないんだからな!!」

七海「そうだね。このまま誰もプレイしなければ、誰かが動機を得ることなんてないんだから。」

弐大「そうじゃのう。狛枝の言う事なんぞ放っときゃいいわい。これは放置すべきか…。」




小泉「いや…アタシはそうは思わない。」

澪田「え?どういうことっすか、真昼ちゃん?」


小泉「誰もプレイしないってのは、所詮希望論よ。」

小泉「今回の動機を放置するって皆が決めたところで、それを破る人が出て来るのは防げないと思う。」

罪木「それってつまり、誰かがこっそりと動機を得ようとするってことですかぁ!?」

日向「何だよ、小泉。お前は、俺達を疑うのか!?俺達の中に人を殺そうとする人間がいるって!!」


小泉「…アタシ達は16人もいるのよ?しかも狛枝のせいで、皆の雰囲気はあまり良くない。」

小泉「この調子じゃあ、そろそろ誰かが和を乱す行動を起こしても、おかしくないのよ。」

小泉「特に…この生活が始まってから、ずっと単独行動をとっている人間とかがね。」

九頭龍「…ちっ。嫌味っぽいヤロ―だな。」




豚神「だが確かに、小泉の言うとおりだ。このゲ―ムを放置するというのは、いささか危険だ。」

豚神「これは、ナイフが放置されているのと同じだからな。」

田中「ナイフだと…?」


豚神「そうだ。動機という名のナイフがな。人を殺すのに十分な威力でありながら、懐に隠せてしまう代物だ。」

豚神「情報を持たない人間は、凶器を得た人間からは完全に無防備になる。」

西園寺「確かにそうだね。人殺しを企んでいる人間と、そうでない人間が対峙した時…」

西園寺「最後に立っていられるのはどっちなのかは明白だよね―!!」


弐大「逆に言うと、相手の凶器を予め察知しておけば、防げる事件もあるということか。」

小泉「そういう事。アタシ達は、ここに放置されている危険物をうまく管理する必要があるのよ。」




辺古山「では小泉は、具体的にどうしようというのだ?」


小泉「やっぱり、動機を放っておくわけにもいかないと思う。」

小泉「だからいっそのこと、皆でこのゲ―ムをプレイしてみない?」


左右田「ぜ、全員で…!?なんだよそれ、危険すぎるだろ!!」

花村「そうだよ!!皆が皆、人殺しを考えるようになったら、パニックに…!!」

豚神「冷静になれ、小泉。それはつまり、ナイフを全員に配る行為に等しい。」

日向「動機によっては、俺達は全滅してしまうぞ。」

小泉「…そう。」


小泉「確かに、今の案は安直すぎた。さっきのアタシの発言は忘れて。」

九頭龍「ったくよぉ。もう少し考える頭を養えってんだ。」

小泉「…」




小泉(やっぱり…うまくいかないな。)


小泉(今回の動機は、九頭龍がアタシを殺す動機であって、他の人には効果がない。)

小泉(つまり、どれくらいの人数がこのゲ―ムをプレイしようと…)

小泉(ここに放置されているナイフを拾う可能性があるのは、九頭龍だけなんだ。)

小泉(だからこそ、九頭龍以外の皆を仲間に引き入れることができたら、殺人は未然に防げると思ったのに…。)


小泉(皆はこのゲ―ムに眠っている動機が、特定の人間関係を狙い撃ちにした物だという事実を知らない。)

小泉(ひょっとしたら、全員に対して殺人の動機となり得る物だと疑っているのかも…。)

小泉(だから…アタシの案があっさり却下されるのは、当然なんだ。)


小泉(それは、わかっているけど…このまま引き下がるわけにも、いかないよね。)

小泉(だって、アタシの命がかかってるんだから…!!)




今日はここまで。




小泉「でも、このままゲ―ムを放っておくわけにもいかないでしょ?」

小泉「全員でプレイ…ってのは言い過ぎだけど。」

日向「確かにそうかもしれないけどよ…。」

花村「じゃあ、どうするのさ!?」


七海「う~ん。なら、数人だけでプレイするってのはどうかな?」

九頭龍「ちょっと待てや。そう言って、自分だけ動機を得ようってのか?」

左右田「そうだぜ。それってある意味、プレイした人間のアドバンテ―ジになるよな。」

罪木「プレイする人によっては、危険な事を考えるようになっちゃうかもしれないです…。」

ソニア「危険な事って…。それってもしかして、誰かを殺したり…!!」

終里「おいおい、滅多な事を口にするもんじゃねぇぜ!!」

弐大「や、やっぱりコレは、放っておいた方がいいんじゃないか!?」




豚神「安心しろ。プレイする人間は、俺が厳選する。」

豚神「いかなる動機を与えられても、間違いを犯さないような人間をな…。」

西園寺「え―?なんで豚足ちゃんが勝手に決めんのさ?」


豚神「当然じゃないか。俺はリ―ダ―だぞ?」

田中「そう言われては、反論の余地がないな…。」

澪田「こういう時こそ、リ―ダ―が力を発揮するんすね!!」


小泉(全くその通りだよ。前回は豚神は、赤音ちゃんの件で閉じこもっちゃってたけど…)

小泉(豚神が本領を発揮すれば、この上なく頼もしい存在になってくれるわね。)



辺古山「それで?誰がプレイするのだ?」

豚神「そうだな。当然俺はプレイする。」

西園寺「豚足ちゃん1人だけ?」

弐大「確かに、豚神は信用のおける人間じゃが…」

狛枝「物事に絶対は存在しない。もしかしたら、動機を得た豚神クンが誰かを…なんてね。」

澪田「白夜ちゃんはそんなことしないっすよ!!」


豚神「確かに、俺1人では皆も納得しないだろう。だから当然俺以外の人間にも数人、動機の管理に協力してもらうぞ。」




九頭龍「へっ。せいぜい気を付けて選ぶんだな、助っ人をよ。それがどういう結果になるかは知らねぇけどな。」

西園寺「九頭龍…。」

小泉「…」


田中「随分と含みのある物言いだな?」

ソニア「確かに人選を誤れば、動機を与えてはいけない人間に動機を与えてしまうことになりかねませんが…」

澪田「そこは、白夜ちゃんの人選力の見せどころっすよ!!」


九頭龍「はっ。そういう問題じゃねぇんだよ。」

終里「はあ?じゃあ、どういう問題だってんだよ。」

日向「随分と突っかかるんだな、九頭龍。お前は何が言いたいんだよ?」

九頭龍「はっ。お前らが相変わらず仲良しごっこを続けようとしてっからよ。」

九頭龍「ちょっと釘をさしといてやろうと思ってな。」


罪木「うう…。釘を打ちつけられたらすごく痛そうです…。できれば私にはしないでほしいです…。」

辺古山「『できれば』って…。最悪の場合、自分に釘を打ち込まれることを想定しているのか!?」

弐大「そもそも、物の例えを文字通りとってどうするんじゃあ…。」




九頭龍「これから豚神が選ぶ人間は、豚神にとって信用のおける人間ってことだ。」

豚神「それがなんだというんだ?」


狛枝「なるほどね。逆に言うと…」

狛枝「選ばれなかった人は、豚神クンに信用されてないってことだね。」

小泉「なっ…!!」


九頭龍「そういう意味だろ?ゲ―ムをプレイする人間を厳選するってのはよ。」

九頭龍「殺人を犯す可能性がある奴は信用できねぇからって、オレらを分断しようって話じゃねぇか。」

左右田「選ばれなかった人間は、豚神にとっては人殺しの予備軍ってことか…?ちっ、気分のいいものじゃねぇな。」




七海「待った。そんなのは、所詮下衆の勘ぐりだよ。」

ソニア「そ、そうですよ。選ばれなかったからといって、豚神さんがそのような疑いを皆さんに持つはずがありません。

辺古山「そうだな。これは最低限必要な選別であって、私達の仲違いをうむようなことではない。」


西園寺「それに左右田おにぃみたいな奴が、ゲ―ムをプレイすることに責任を持てるのかな―?」

左右田「へっ?責任?」

小泉「そうよ。このゲ―ムから何かを得ても一切動じないという自信が、プレイする人には必要なの。」

終里「そうだな…。そんな大仕事、オレはちょっとパスだ。」




小泉「だから豚神。あんな奴の言うこと、無視しとけばいいのよ。」


九頭龍「ふん…。せいぜいほざいてろ。」

九頭龍「テメ―らがどう繕おうが、リ―ダ―さんがこれからオレ達を選り好みをするって事実には変わりねぇんだ。」


花村「選り好み、かぁ…。」

罪木「あ、その。別に、豚神さんにどうこうしてほしいってわけじゃないんですけどね…。」

豚神「…」


小泉(九頭龍…。こんな時にまで、邪魔をしてくるの?)


小泉(今までずっと単独行動をとってきて、アタシ達を散々煽ってきて…)

小泉(そのうえ、突然何を語っちゃってんのよ…。)


小泉(九頭龍の発言のせいで…豚神が誰を選択しても、皆にわだかまりが残ってしまう。)

小泉(不信感はそのまま、殺し合いの引き金になってしまう可能性がある…。)

小泉(これじゃあ、豚神が自由に身動き取れないじゃない…!!)


小泉(本当に、コイツは…。アタシ達の和をかき乱す天才ね。)

小泉(この先もずっと、コイツの煽りに堪えなくちゃいけないの…?)

小泉(狛枝なんかよりずっと厄介なのよ、コイツは。コイツには、話し合いも通じないし。)


小泉(アタシは皆を助けるつもりだった…けど…。)

小泉(でも、コイツだけは…!!)





九頭龍「何か言いたげだな、オイ。言ってみろよ。」

小泉「…」


九頭龍「お前に言ってんだよ、小泉。」

小泉「…」


小泉「えっ。」



小泉「えっ…え?ア、アタシ?な、なんでアタシ?」

九頭龍「何呆けてやがる。お前以外に誰がいるんだ。あからさまにオレを睨みつけておいてよ。」


小泉(にらんでた…?アタシ、気付かないうちに九頭龍をにらんでたの?)

小泉(と、とにかく。コイツとの対話なんて、早く打ち切らないと。)



小泉「い、言いたいことなんて、無いわよ別に。放っといてよ。」

九頭龍「言葉を飲み込んでっと禿げんぞ。ここらでストレス発散でもしていけや。」


小泉「う、うるさい!!黙ってて!!ア、アンタはアタシに話しかけないでよ!!」

九頭龍「はぁ!?何だよそれは!!オレを舐めてんのかテメ―!!!!」

小泉「ひぃっ!!!!」


小泉(ダ、ダメだ。無理やり話を打ち切ろうとすればするほど、なおさら突っかかってくる。)

小泉(明白な敵意を、アタシにぶつけながら…!!)


小泉(こ、怖いよ。誰か、助け…!!)




西園寺「おい、やめろよ九頭龍!!小泉おねぇが怯えてんのがわかんないの!?」

花村「怯えてる…?あの強気な小泉さんが、何に?」

九頭龍「何言ってやがるんだ西園寺。コイツが最初にガンくれやがったんじゃねぇか。」

弐大「そもそもお前さんの余計な発言が原因じゃろうが。」

終里「でも…なんつ―か、小泉の受け答えも、らしくなくムキになってる気がすんな。」

左右田「そうか?小泉は、アレで正常運転だろ。ヤクザにも平然と突っかかってよ。」

西園寺「…ふん。ここには、小泉おねぇの繊細な心が理解できてない奴が多すぎだよ。」

小泉「…」




ソニア「とにかく。ケンカはよろしくありませんよ、小泉さんに九頭龍さん。」

ソニア「ここはわたくしの顔に免じて、仲直りをしておくのです。」

九頭龍「ちっ。さすがは王女様だな。調停はお手の物ってことか。」

日向「…とにかく、これでひと段落ついたってことでいいんだな?」


小泉(ホッ…。日寄子ちゃんとソニアちゃんのおかげで助かった。)


小泉(でも…心の中ではあれだけ九頭龍に敵意を向けることができるのに、現実では一言も言い返せないなんて…。)

小泉(…惨めだな。)




豚神「…じゃあ、話を戻すぞ。ゲ―ムをプレイする人間についてだ。」

澪田「大丈夫っすか白夜ちゃん?」

澪田「さっきの騒動でソニアちゃんに出番をとられて、リ―ダ―としての威厳が今のところピンチっすよ!!」

豚神「そんなことを気にしていては、リ―ダ―など務めていられん。」

罪木「ものすごく堂々としてますね…。」


豚神「九頭龍の意見もあったが、俺は構わず選りすぐる。」

豚神「俺は“超高校級の御曹司”。成功を約束された人間だからだ。」

豚神「だからお前たちは、俺の選択についてくればいい。俺が導いてやる!!」

田中「フッ。さすがだな、その自信は。巨躯とも相まって、貫録がにじみ出ているぞ。」




辺古山「それで?具体的に、誰を指名する?そして、何人でプレイするのだ?」

豚神「そうだな。俺以外では…」


豚神「小泉。任せられるか?」

小泉「え?アタシ?」


豚神「ああ。お前は1度、狛枝の犯行を止めた功績があるからな。どんな動機にも耐えられそうだ。」

狛枝「まあその選択には、誰も文句を言わないんじゃないかな?」


小泉(これは…好都合ね。トワイライトの真相を、アタシが知っていることが必然になる。)

小泉(ゲ―ムをプレイした後に、何の違和感もなく豚神を頼る事が可能になる…!!)


小泉(ふふ…どうやら流れは、完全にアタシの方に来ているようね!!)




今日はここまで。


肌に合わないヤツは0~2回程度コメントして見なくなるだろうから、
カムクラごっこしてるのはだたの荒らしと見ていいと思う。
1には踏み止まって欲しい。


パターン1
豚神「信頼を示さなければならないらしい。九頭竜にもプレイさせる」
小泉「」

パターン2
豚神「辺古山なら殺人など考えないだろう」
小泉「(*o*)」


さあどっちだ
あと安心しすぎてボロを出しそう

ミスった
だたの→ただの


あと操作キャラが小泉だと危険っていうのは動機と九頭竜の性質上当事者だけで事件を防ぐのが困難って意味で、
小泉の対応を非難したいわけではない。言葉選びが悪かった気がしてきたので一応。



小泉「わかった。アタシも豚神と一緒にプレイするよ。」

日向「で?その2人だけか?」

豚神「あとは…」


小泉「ねぇ豚神。アタシが、推薦していい?プレイする人をさ。」

豚神「何だと?」

小泉「ほら…豚神が選ぶだけじゃあ、皆も納得いかないかもしれないからさ。」

田中「小泉の推薦者を豚神が容認することで、豚神に対する信頼も増すということか。」

豚神「ああ…構わないぞ。」


罪木「そ、それで、小泉さんは誰を推薦するんですか…?」

西園寺「もしかして、わたしかな―?」


小泉「う~ん…。日寄子ちゃんは蜜柑ちゃんと仲良くしておいて。」

西園寺「ふぇっ!?」

弐大「罪木みたいな声が出たぞ、今。」




小泉「千秋ちゃん。アタシと一緒にプレイしてくれるかな?」

七海「私が…?」

小泉「うん。千秋ちゃんって、結構芯の強いところあるし。要所で的確なアドバイスもしてくれるでしょ?」


左右田「七海か…。」

終里「まあ、いいんじゃねぇの?」

辺古山「反論材料がないからな。」

七海「そっか…。それなら私も参加するよ。」


小泉(千秋ちゃんは皆の中で唯一記憶を維持している人間だからね。)

小泉(既にトワイライトの真実を把握しているはずだし、動機を得ても、絶対に取り乱すことのない存在だ。)

小泉(千秋ちゃんと豚神の援助があれば、九頭龍の殺人を止めることなんて造作もないはず!!)

小泉(いい調子…。コレならアタシが九頭龍と話し合いをするまでもなく、事件を未然に防げそうだ!!)




弐大「これで3人か…。あと1人位欲しいところかのう?」

豚神「ああ。俺、七海、小泉にもう1人加えて終いにしよう。」


澪田「それなら唯吹にお任せあれ!!白夜ちゃんにとって、唯吹ほど信頼できる人間なんていないもんね!!」

豚神「お前はダメだ。動機を得た後に、モノクマの掌の上で踊らされる様しか想像できん。」

澪田「キャ―!!唯吹の提案が2秒でシャットダウンされちゃったよ―!!」

日向「なんでそんなに楽しそうなんだよ…。」

ソニア「そしてこの場合はシャットダウンではなくて、シャットアウトの方がしっくりきますね。」

罪木「某シャットダウンさんをリスペクトした結果なんじゃないですかね…。」

終里「誰だよそれ。」

豚神「いいから強制シャットダウンだ!!」




狛枝「それで、話を戻すけど。豚神クンは最後にもう1人、誰を指名するのかな?」

豚神「そうだな…」


豚神「花村。任せられるか?」

花村「…え?ぼ、ぼく?」


左右田「花村…?なんで花村なんだよ?」

西園寺「花村以上の適任は、探せばもっといると思うんだけどな―。」

花村「そ、そうだよ。正直ぼくは、そんな大仕事をまかなえるかどうか…」

花村「こういうのは、日向くんとかソニアさんとかの方がいいんじゃないの?」


豚神「まあ、無理にとは言わない。プレイする人間には、ある種の責任が発生するからな。」

豚神「だが今のところ俺が1番信用できるのは、お前なんだ。」

花村「し、信用か…。わかったよ。豚神くんがぼくなんかを信用してくれるのなら、ぼくも頑張ってみるよ。」




辺古山「花村か…。」

田中「まさか豚神が、花村を選択するとは。何とも意外な人選だな。」

罪木「それって、花村さんに失礼な気がしますけど…」


澪田「そっか!!白夜ちゃんは輝々ちゃんに、胃袋をつかまれたんっすね!!」

終里「餌付けしてくれる相手に対する信用ってのは、絶大だもんな!!」

九頭龍「ちっ…。」


小泉(そっか。豚神は1回目の事件で、花村の犯行を止めているんだよね。)

小泉(アタシの殺人未遂とは違って花村の殺人未遂は、皆の明るみには出なかったけど。)

小泉(その時に花村が犯行を思いとどまってくれたからこそ、豚神は花村を信用できると言っているのかな?)


小泉(とにかく豚神の選択は、皆の不信感を最小限に抑えることに成功したようね。)




田中「では決定だ。その4人でゲ―ムをプレイするのだな。」

罪木「じゃ、じゃあ、プレイしない私達はどうすればいいのでしょう…?」


狛枝「とりあえず各自コテ―ジに戻って、しっかりと睡眠をとればいいんじゃない?」

罪木「そうですね。寝る前には軽くストレッチをしてみると、深く眠ることができると思います。」

左右田「本格的に寝る話に持ってくなよ!!」


弐大「じゃが現実問題、それが最善じゃろう。ワシらがあれこれ考えても仕方ない。」

日向「そうだな。動機のことはとりあえず4人に任せておこう。」

ソニア「その後のことは、ゲ―ムをプレイした4人の考えに従いましょう。」

辺古山「動機がどのような物かで、対策も変わってくるだろうからな。」




そうしてゲ―ム台の前には、アタシ達4人だけが残された…。



七海「このゲ―ムには、一体どんなドラマが詰まっているのかな…。」

小泉「千秋ちゃん。いくらゲ―ムが好きだからって、モノクマの動機にまでワクワクしなくても…。」

花村「ま、まあ七海さんのおかげで、ちょっとリラックスできたよ。」

豚神「とにかく、プレイしてみるぞ。」


小泉(いよいよね…。ついに、動機を得ることができる。)

小泉(九頭龍がアタシを殺す動機を、頼りがいのある助っ人と共有することができる。)

小泉(3人に、九頭龍との件を相談することができる…!!)


小泉(今のところ、全部アタシの思い通りに進んでる。順調すぎて、怖いくらいね。)

小泉(よ―し。そうと決まれば、トワイライトシンドロ―ム殺人事件をさっさとクリアして…)




花村「しかし、妙な題名だよね。」



花村「『かまいたちの夜』…だってさ。」


小泉「…」

小泉「え?」


七海「妙とは失礼だね。『かまいたちの夜』は、不朽の名作だよ?」

七海「雪山にある不思議のペンションに閉じ込められた人達が殺し合いをするってシチュのサウンドノベルなんだから。」

花村「な、なんだか、3が発売されたらありそうな設定だね…。」


小泉(かまいたちの夜…?何それ、そんなの知らないわよ?)

小泉(ただ題名が違うだけで、動機の内容は変わらないのかな?それとも…)




豚神「しかしどうやらこのゲ―ムの舞台は、ペンションではないみたいだな。」

七海「うん。コレは、病院かな…?」

花村「で、中年の女性がずっと入院しているみたいだね。」

小泉「中年…?学生じゃ、ないの…?」

小泉(どういうこと…?トワイライトシンドロ―ム殺人事件とは、題名どころか内容が全然違うじゃない!!)


小泉(おかしいな…。こんな動機は、前回は与えられなかった。)

小泉(もしかしてモノクマは、様々な動機を何種類も用意しているのかな?)

小泉(そして前回は、その中からたまたまトワイライトが抜擢されただけなのかも…。)


小泉(だとしたらこれって、アタシにとって…。)

小泉(好都合…なのかな?よく…わかんないな。)




豚神「この女の容体は相当悪いらしいな。自分の死期を悟っているようだ。」

七海「そして彼女は死に目に1度、自分の息子と逢いたがっている…。」

小泉「でも肝心の息子さんは、遠くに行っちゃってるみたいだね。」

花村「かぁちゃんを大事にしないなんて、ナンセンスだよ!!」


七海「このまま2人は逢えずに、彼女は病死しちゃうのかな…?」

豚神「ふん、胸糞悪いシナリオだ。」


七海「豚神くんは、あんまりゲ―ムをしないのかな?」

七海「鬱ゲ―とかやってると、これ以上の精神的ダメ―ジなんてしょっちゅうだよ?」

七海「ためしに『ダンガンロンパ』っていうゲ―ムをやってみたらどうかな?簡単に絶望できるよ!!」

小泉「だ、だから、モノクマの動機を他のゲ―ムを比べてどうすんのさ。」




小泉(…ん?あれ?これって確か、ミッシングリンク…。つまり、失われた記憶と関係しているのよね?)

小泉(これは、アタシ達の動機となり得るゲ―ム…ってことは、もしかして。)


七海「あ、終わったみたいだよ。」

花村「えぇ!?やけに中途半端な幕切れだね!?」


豚神「おや…?テロップが流れて来たぞ?」

花村「え…?」




特別出演:

花村

花村



七海「これって…。」

花村「ぼく…?な、なんでぼくの名前が!?」

小泉「しかも、不自然に2回流れて来たね。」


豚神「…確かコレは、俺達の動機になり得るものだったはずだ。ということはつまり、このゲ―ムにおける登場人物は…」

七海「寝込んでいた女性が花村くんのお母さん。遠くにいて逢えない息子が…」


花村「ぼく…ってこと!?」




花村「じゃあ…ここに来てから何年も経っているのは本当で、かぁちゃんが危篤状態だってのも本当なの!?」

花村「そしてかぁちゃんが、ぼくと逢いたがってるなんて…!!!!」


花村「は、早く…早く帰らないと!!かぁちゃんが…かぁちゃんが、ぼくの帰りを待ってるんだ!!」

小泉「は、花村!!お、落ち着いて…!!」


花村「せめて、最期位は看取ってあげないと…ぼくは、親不孝な息子になっちゃう…。」

花村「だから、ぼくは!!!!」




豚神「落着け、花村!!!!」

花村「えっ…?」


豚神「俺が何のためにお前を選択したかを、もう忘れたのか?」

花村「あっ…。」


豚神「俺はお前を信用している。1度は思いとどまったお前の、優しさをな。」

豚神「だからお前も、俺を信用しろ。必ず俺がお前を、この島から脱出させる。もちろん、他の全員もだ。」

豚神「そして、貴様の母親とも逢わせてやる!!必ずだ!!十神の名に懸けて!!!!」

花村「…」




花村「うん…。もう、大丈夫。ありがとう、豚神くん。ぼくも、やっと冷静になれたよ。」

花村「そうだよね…。かぁちゃんに逢うために誰かを殺すなんて、そんなのダメだよね。」

花村「そんなの、かぁちゃんが望むはずがないよ。むしろ人殺しなんて、厄介払いされてしまう。」

花村「だからぼくは、豚神くんを信用するよ。豚神くんを信用して…悔いのないように、おかぁちゃんに逢いに行くよ!!」


七海「…ふぅ、良かった。どうやら、一件落着だね。」

小泉「うん。花村も、もう間違いを犯さないはず。」


七海「『もう』?」

小泉「あっ…。何でもない。」




豚神「そしてどうやらこのゲ―ムは、汎用性のある動機ではなかったようだな。」

七海「うん…。花村くんだけにしか、動機となりえない代物だったみたい。」

花村「してやったりだね!!これでもう、動機なんて無意味だからさ!!」

小泉「そうね。モノクマの思惑を、完全に打ち破ってやったよ!!」


小泉(奇しくも九頭龍の引っ掻き回しによって、かえっていい方向に転んだ形になったんだけどね。)

小泉(ふふ、九頭龍の悔しがる姿が目に浮かぶわ。)


小泉(とにかくコレで、九頭龍とは一切関わることなく、殺人を止めることができた。)

小泉(だからやっぱり…ゲ―ムの内容が変わっていたのは、アタシにとっては吉だったんだ…!!)




今日はここまで。




今回は早めに建てておきます。2週目のパ―ト2です。

2週目part2 もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 repeated despair part2 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1418741937/)





「小泉さん、聞いてくれ。ボクはようやく見つけたんだ。ボクの中に眠る希望って奴をさ。」

小泉「えっ…!?ホントに!?誰かが犠牲になる前に、それに気づくことができたの!?」

「うん…。見つけてしまった以上は、もはや殺す殺されるなんて言えないね。」

「だって自ら希望を潰すなんて、ボクの本意に反するのだから。」

小泉「ああ…良かった。本当に良かった…!!おめでとう、本当におめでとう…!!!!」

小泉「アンタがそう思えるようになったのなら、これからも殺し合いなんて、きっと起こらないよ!!」


「はは…。願わくば、小泉さんの思い通りになって欲しいものだね。」

小泉「それで?アンタにとっての希望ってのは、一体なんだったの?」

「ああ、それはね…」




「キミだよ、小泉さん。」

小泉「えっ…?」


小泉「えぇえええええ!!!?ア、ア、アタシ…!?」

「そう。小泉さんと何度も接して、2人でたわいもない会話に興じて、時にはいさかいを起こしたりもして…」

「そうやって小泉さんと日々を重ねるうちに、気付いちゃったんだ。」

「小泉さんこそが、ボクにとっての“絶対的な希望”なんだってね。」

小泉「え、えへへ…。何だろう、アンタにそう言われると、なんか照れちゃうな…。」




「だから小泉さん。ボクにもっとキミの希望を見せてよ!!」

「今までボクが経験してきた絶望なんて、丸ごと吹き飛ばすような希望をさ!!」

小泉「そうね。じゃあ今日はこれから、2人でどこか遊びに行く?」


小泉「あ。か、勘違いしないでよ?いくら2人だけだからって、変な気を起こさないでよね。」

小泉「ア、アタシはただ、アンタが何かに希望を見出したことがうれしいだけで。」

小泉「アンタがアタシといれば、おとなしくしていられるって言うから、それに協力しようとしてるだけなわけで。」

小泉「べ、別にアタシは、アンタと、その…」

小泉「デ、デ―トとか、そういうのをしたいってわけじゃ…。」

小泉「あ。ぜ、全然したくないわけじゃないよ?アンタに魅力がないって言ってるわけじゃないから、落胆しないで。」

小泉「た、ただその、妙な噂がたったら具合が悪いっていうか、なんというか…。」




「あはは。確かに、小泉さんとデ―トするのも楽しそうだね。」

小泉「え。そ、そう…?じゃなくて、これはただの協力…」


「でもね。ボクが言ってるのは、そういう事じゃないんだ。」

小泉「え?」


コイツがそう言った直後、アタシに向かって突然手が伸びてくる。

まるで無警戒だったアタシがそれにビクッと反応するのは、コイツの手がアタシの頬をかすめたずっと後だった。




小泉「え…?えっと、何してるの?」

「ふふふ…。もう逃げられないよ、小泉さん。」

小泉「に、逃げられないって?」


小泉「はっ…!?気付けばいつの間にか、壁際に追い詰められているアタシ。」

小泉「前にはコイツがいて、動きを封じられている…!?」

小泉「も、もしかして…コレが、噂に聞く壁ドン!?」


小泉「ま、待って。ア、アンタ、何する気なの…?」

「言ったでしょ?小泉さん、キミの希望を見せてってね。」

小泉「ア、アタシの希望?も、もしかしてアンタ、エッチなことを考えてないでしょうね…?」


「あれれ?ダメかな?」

小泉「え。ええっと、ダメも何も、アタシ達はまだ高校生で、貞操は大事にしないといけないっていうか…。」


「またまた、そう言って謙遜しちゃって。ボクは知ってるんだよ、小泉さん。」

「小泉さんは男嫌いを装っているけどその実…派手な下着をつけて、しっかり異性を意識しちゃってるってさ。」

小泉「そ、それはその、見えないところでのオシャレっていうか、ある種の線引きっていうか…」


小泉「と、とにかく!!こんなことはやめよ?今のアンタ、かなり怖いわよ?ケダモノの眼をしてるわよ?」

小泉「ね?なんとないおでかけになら、いくらでも付き合ってあげるからさ。」

小泉「こういう事は、両者の同意の上でやるべきだし。無理強いはダメよ。片方が嫌がってるんだから…」





「それは違うよ…。」ネットリ


小泉「ひっ!!?」



「小泉さんはずっとこういうことを望んでいたんでしょ?」

「ボクに…強引に、ムチャクチャにされるシチュエ―ションをさ。」

小泉「ム、ムチャクチャ…!!!?」


「だって小泉さんはボクに身動きを封じられているにも関わらず、抵抗するわけでもない。」

「それどころか、ボクにもわかるくらい呼吸が荒くなって、頬を真っ赤に染めて…」

「小泉さん、興奮してるね?」

小泉「ふ、ふざけないでよ!!誰がアンタなんかに対して、こここ興奮なんて…!!!!」


「小泉さんのエッチ。スケベ。」

小泉「うう…。何でアタシが罵られてんのよぉ…。」


「さあ、小泉さん。ボクに見せてよ。キミの希望を…」

「いや…」



「キミの全てをさ!!!!」

小泉「あっ…ダ、ダ…!!!!」




15日目


―小泉のコテ―ジ―



小泉「ダメぇええええええええええええええええええぇえええええええええええ!!!!!!」




小泉「はっはっはっはっ…」

小泉「あれ…アイツは…?」

小泉「はあっ、はあっ…」


小泉「夢…だったのか…。」

小泉「はぁ…はぁ…」


小泉「せっかく良い所だったのに…じゃなくて…ギリギリセ―フ…でもなくて…」

小泉「…」




小泉「なんでアタシ、こんな夢を見るのよ!!!?」


小泉「コ、コレじゃあまるで、アタシがその、ああいうシチュエ―ションを望んでるみたいじゃない!!!!」

小泉「っていうかそもそも、なんで相手がよりによってこま…アイツなの!!?」

小泉「だってアイツは今も、殺し合いを起こそうとしてる奴なのよ!!!?」

小泉「そんな相手に対して、なんでアタシはあんな、あんなハレンチな…!!!!」

小泉「は、恥ずかしい。顔から火が出るほど恥ずかしい…。穴があったら入りたいくらいだ。」

小泉「あの夢、誰かに見られてないでしょうね。」

小泉「まさかアタシの夢が、テキストになってssに投稿とかされてないわよね…?」


小泉「もう…。アタシがこんな妄想に現を抜かすのは、安心しすぎているせいなのかもしれないな。」

小泉「昨日の晩も、ぐっすり眠れちゃったし…。」

小泉「…」




~回想~


七海「さてと…。これからどうする?」

豚神「そうだな。とりあえずほとぼりが冷めるまでは、しばらくの間俺がこのゲ―ム機を密かに監視する。」

花村「え、どうして?この動機は、ぼく以外には意味がないでしょ?わざわざ監視する必要はないような…」


豚神「ここに隠されている動機は1つとは限らない。」

小泉「どういうこと?」

七海「かまいたちの夜以外のゲ―ムソフトが、この中に内蔵されているかもしれないってことだと思う。」

七海「ポ―トピアとか、街とか弟切草とか。」

小泉「ゲ―ム名はともかく…。プレイする条件を変えた場合に、与えられる動機まで変わる可能性も確かにあるね。」

花村「じゃあぼく達は、その可能性についても皆に教えるべきなの!?」


豚神「いや、それは逆効果だ。そもそもこの可能性は、俺がただ勘ぐっているだけだからな。」

豚神「この可能性に気付く奴も、俺達が黙っていればそういないだろう。」

小泉「確かにそうね。いくつも動機があるかも!!なんて言って、皆を不安にさせる必要なんてないか。」




豚神「だから俺達が明日にすべきは…」

豚神「今回の動機はさほど危険な物ではないと伝えることで、皆を安心させ…」

豚神「モノクマによる動機の提示によって生じた、皆の混乱を和らげることだ。」

小泉(そうすれば同時に、九頭龍がゲ―ムをプレイする気も失せてしまうわけね。)

小泉(そのまま誰も動機を得ないままにゲ―ム台が撤去されれば、アタシ達の完全勝利だ!!)


七海「問題は、その伝え方だけど…」

花村「あのさ。動機の具体的な内容をそのまま皆に教えるってのはどうかな?」

小泉「え?」


七海「う~ん。下手に嘘の情報を伝えるよりは、確かに皆を納得させられるだろうけど…」

豚神「いいのか?アレは花村のための動機だ。」

豚神「それを皆に伝えた場合、お前は皆から無闇に警戒されることになるかもしれないぞ?」

花村「良いんだ。その方が、ぼくへの戒めにもなるからね。」

花村「皆がぼくを警戒することで、ぼくは絶対に間違いを犯せなくなる…。」

小泉「花村…。」


豚神「…そうか。貴様がそう言うなら、その案を採用してやろう。」

七海「じゃ、とりあえず今日はこれで解散しよっか。」

七海「私たちもコテ―ジに帰って、しっかりとゲ―ムして、体力を回復しよう。」

小泉「寝る間も惜しんでゲ―ムして、体力が回復するのは千秋ちゃんだけだよ…。」




~回想終了~


小泉「豚神達の協力もあって、不安要素がほとんど見つからないよ。」

小泉「動機を1つ、無事に乗り越えて…。殺し合いをまた止める事が出来たんだからね。」

小泉「それも、九頭龍との接触を一切必要とせずに。」

小泉「でも、気を抜いてちゃダメだよね。前回も、油断してたせいで監禁とかされちゃったんだから…。」

小泉「…」



小泉「あともうちょっと長く、夢を見ていたら…」

小泉「ってもう!!何考えてんのよアタシはぁ!!!!いい加減にしなさいよ!!!!」




今日はここまで。




16日目


―ホテル前―


西園寺「小泉おねぇ、早く行こうよ~。」

小泉「はいはい、ちょっと待ってね。あともう少しで、全部干し終わるからさ。」

西園寺「全くも~。どうして小泉おねぇが、男どもの服を洗濯なんてしないといけないのさ。」

小泉「仕方ないよ。男子ときたら、放っといたら全く洗濯しないんだもん。」

小泉「左右田のアホなんか、ツナギは1度も洗ってないとか言うんだよ?」

小泉「汚れた服を平気で着ちゃってさ。もう、みっともないと思わないのかな。」


西園寺「…」

小泉「…あっ。その、日寄子ちゃんは仕方ないよ。日寄子ちゃんの着物だけ、1着しか用意されてないみたいだし。」

西園寺「…ふん。わたしの高級な着物がそこら辺の奴に用意できるわけないじゃん。」


小泉(黒幕の奴…。何で日寄子ちゃんの着物だけまともに用意してないのよ!!)

小泉(日寄子ちゃんに対する嫌がらせ?)

小泉(実は黒幕も『くさいおんじ』とか言って、日寄子ちゃんをいじめるSな人なの?)




小泉「…うん!!これで良し!!ようやく全部、干し終わったよ!!」

小泉「ここは天気がいいからね。すぐに乾いちゃうだろうね。」

西園寺「やっと終わったの―?あんな奴らのために小泉おねぇの貴重な時間を割くなんて!!」

西園寺「今度アイツらの靴にありタンでも入れとかないと!!」

小泉「はは、そこまでしなくてもいいよ…。洗濯してあげるって言ったのはアタシなんだから。」


西園寺「それにしても…全員のを洗濯してあげるなんて、小泉おねぇは優し過ぎるよ―。」

西園寺「白いシャツは日向おにぃの。逆十字のプリントはあの厨二のかな?緑のパ―カ―は狛枝おにぃのだね!!」

小泉「あはは。7人分の服を余分に洗濯するのは、さすがに骨が折れたわね。」


西園寺「…あれ?7人分?1人、足りなくない?」

西園寺「狛枝おにぃ…のはあったし。」


西園寺「そういえば、九頭龍のがない…?」

小泉「…」


小泉「アイツはね、いっつも単独行動ばっかりとってるから。捕まえられなかったのよ。」

小泉「だから、服を預かることができなくてね。」

西園寺「そ、そう…。」




小泉「ま、あんな奴のことはどうでもいいじゃない。これから、水着を選びに行くんでしょ?」

小泉「ソニアちゃんが今日、女子を誘って水泳大会を開くからね。」

西園寺「うん、そうだよ―!!本当はわたし、こんなことに参加したくなかったんだけどさ。」

西園寺「小泉おねぇも参加するっていうから、仕方なくね!!」


小泉「3時にダイナ―に集合しなくちゃいけないのよね。で、今が10時だから…」

小泉「まだ十分時間はあるね。ゆっくりと水着を選ぼ?」

西園寺「わかったぁ!!」


小泉(ふふ。楽しそうだな、日寄子ちゃん。)

小泉(例の動機を皆に公開した昨日は、どうなるかヒヤヒヤしたものだけど。どうやらそれは、杞憂だったみたいね。)

小泉(花村に誰かを殺させるための動機…。それを皆に提示したけど、花村が警戒されることもさほどなかった。)

小泉(やっぱり皆、仲間だもんね。そう簡単に、誰かを疑ったり、距離を置いたり、排斥したりしないよね…!!)


小泉(日寄子ちゃんを筆頭に他の皆も、動機の件はすっかり忘れちゃってるみたい。)

小泉(皆の疑心暗鬼をほとんど生まずに済んだのは、幸運だったのかもしれないな。)


小泉(昨日はソニアちゃんが水泳大会を企画したりして、さらに皆の絆が深まる…。)

小泉(そうして、殺し合いなんて絶対に起きない環境が出来上がるんだ…!!)




―ロケットパンチマ―ケット―


澪田「おやぁ?真昼ちゃん達も来たんすか?」

小泉「あ、唯吹ちゃん。唯吹ちゃんも、水着を選びに?」


澪田「いやいや。唯吹は昨日、既に水着を選び終えてるっす!!実は今も、服の下に水着を着てるっすよ!!」

小泉「水泳大会を楽しみにしてるのね、唯吹ちゃん。ふふ、良い写真が撮れそう。」

西園寺「張り切りすぎっしょ、澪田おねぇ。見せる相手もいないし、見せるほどの魅力もないのに!!」

澪田「ムッキ―!!舐めてもらっちゃ困るっすよ日寄子ちゃん!!」

澪田「唯吹の絶妙なボディラインを見せつければ、どんな男もメロメロっす!!!!」

小泉「そもそも男子は、水泳大会に誘ってないでしょ…。」


西園寺「それに澪田おねぇ。アイツらを見て、まだそんなことが言えるのかな…?」




終里「何だよかったり―な!!オレは別に、水着なんていらねぇっての!!マッパでおよぎゃ良いだろ!?」93cm

ソニア「そういうわけにも参りません!!そんな事をしてはセロレ―ディングが跳ね上がり…」83cm

ソニア「18禁コ―ナ―にダンガンロンパが置かれる羽目になってしまいますよ!!」83cm

終里「うげげ、んな場所にあっちゃあ、恥ずかしくて買えやしねぇな!!」93cm

ソニア「左右田さんに頼めばわたくしは購入できますが、終里さんはそうもいかないでしょう!?」83cm

終里「うぐぐ…!!!!」93cm


辺古山「どうでもいいが、左右田が可哀左右田な。」85cm

ソニア「え?どうしてですか?」83cm

辺古山「いや、何でもない。」85cm


澪田「な、何やらセリフの最後に、見たくない数字が浮かび上がっているような…。」76cm

小泉「唯吹ちゃん。唯吹ちゃんにも変な数字が付いてるよ。」77cm

西園寺「キャハハッ!!わたし達1週目の生き残りは、見事に小さい方から3人目までなんだよね―!!」64cm

澪田「な、何を言ってんすか日寄子ちゃん…?」76cm


小泉「赤音ちゃん…。女子としてあまり意識してなさそうなのに、あんな体をほしいままにして…」77cm

西園寺「辺古山おねぇも剣道やってたら、絶対アレが邪魔になるでしょ!!」64cm

澪田「うらやましいなんて思っちゃいないっすよ!!ただ、余分な脂肪の塊をちょっと唯吹に分けてほしいだけっす!!」76cm

西園寺「しっかり嫉妬してんじゃん…。」64cm




七海「あ、小泉さんに西園寺さん。オッスオッス。」88cm

澪田「なんで唯吹だけ抜いたんすか!?」76cm


小泉「千秋ちゃん、今帰るところ?」77cm

七海「うん。ちょうど水着を選び終えたところだしね。」88cm

小泉「選んだって…その、白いの?でも、千秋ちゃんにはちょっと小さいんじゃない?」77cm

澪田「流行に乗っている千秋ちゃんも、ボンキュッボンっすからね―!!唯吹も流行に乗りたいっす!!」76cm

西園寺「アンタは一生置いてきぼりだよ。生き遅れだよ。」64cm

澪田「容赦ない言葉のナイフが唯吹の胸をえぐっちゃう―!!!」76cm

西園寺「それ以上アンタの平地がえぐれたら、勢い余って横ずれ断層ができちゃうよ―?」64cm


七海「それがね、私のサイズにあう水着が見つからなくてね。」88cm

七海「探すうちに眠くなってきたから、探索を切り上げちゃった。」88cm

小泉「あはは…。千秋ちゃんに合いそうな水着を見つけたら、後で見せてあげるね。」77cm


澪田「千秋ちゃんはあの水着でいいんすよ!!小さい水着を着ることで、逆にムチムチ感が出て…!!」76cm

澪田「ってこれ以上魅力アップされちゃあこっちもたまんねぇっす!!」76cm

西園寺「何だよそのノリツッコミ…。」64cm




小泉「さてと…。じゃあアタシ達も、本格的に水着選びをしよ。」77cm

西園寺「小泉おねぇはどんなのを着たいの?」64cm

小泉「う~ん、そう言われてみれば…。あんまりそういうのを考えてなかったな。」77cm


澪田「じゃあ参考に、唯吹の水着を聞いてみるっすか!?」76cm

澪田「唯吹のは、胸のところがドリルになってて、伸び縮み可能なんすよ!!」76cm

西園寺「お前の破滅的センスなんて聞いてない!!」64cm

小泉「っていうかどういう水着なの、それ…?」77cm


小泉「とにかく…。誰かのを、ちょっと参考にしてみたいな。」77cm

西園寺「ふんふん。参考、ねぇ。小泉おねぇが言うなら、仕方ないね!!」64cm

澪田「え?」76cm



西園寺「ゲロブタァ!!!!」64cm





89『ひゃいぃいいっ!!!?』



76「おお、どこからともなく89cmの声が聞こえたっす!!」

77「途中からずっと変な数字が付いてると思ったら、今度は名前にまで浸食してきたわね…。」

64「まずいよ!!これ、読者はちゃんと判別できんの!?」

76「60台は1人しかいないから、モロバレっすよ!!」

77「70台も、2人しかいないけどね…。」

76「真昼ちゃんはラッキ―セヴンっすね!!わかりやすいっす!!」


89「あ、あのぉ。西園寺さん、もしかして私を呼びました…?」

64「来るのが遅いんだよ、80台終盤のデブスが。虐待されてた設定なのに、なんでそんなに肥えてんだよ。」

89「うう、すみません。プロロ―グの水着姿で包帯の裏に1つも傷がなくてすみません…。」

64「包帯してるから、生傷が絶えないのかと思ったら。ただ包帯が好きなだけかよ!!」

64「ある意味皆を騙したアンタは、後でオシオキだよ!!」

89「そ、そんなぁ!!どうして私ばっかりいじめるんですかぁ!!?」


76「と言っても、結構仲良さそうだけどね!!」

64「どこをどう見たらそうなるの!?」

77(蜜柑ちゃんはなんちゃっていじめられっこね。真のいじめられっこは、ヤクザに目をつけられたアタシね。)




76「それで蜜柑ちゃん!!蜜柑ちゃんは、今日の水泳大会に参加するんすか!?」

89「は、はい…。他の皆が参加するのに、私だけ参加しないなんて、きっと後で罰ゲ―ムが待ってます…!!」


64「参加しようがしまいが、罪木には凄惨な罰ゲ―ムを受けてもらいま―す!!」

89「ふぇええぇえっ!!?私に何をする気なんですか、西園寺さん!?」

64「聞いたって仕方ないよ?真実を知ろうが知るまいが、アンタの“ファクト”は覆せないんだからさ!!」

89「まさかの“確定運命”ですかぁ!!!?」


77「え、えっと。蜜柑ちゃんは、どんな水着を選んだの?アタシ、他の皆のを参考にしたくてさ。」

89「わ、私みたいな人間の水着を参考にしてもらうなんて、恐縮過ぎて体がこわばっちゃうんですけど…」


76「蜜柑ちゃんのは、これっすか?」

89「はわわっ!?」

77「こ、これは…!!」


64「…なにこれ。まさかこれに、スイカを2つ入れて持ち運ぶつもり?」

76「そっかそっか…。ハンドバッグの代用品かぁ…。」

89「え。いや、その…。それ…水着…なんですけど…」




64「…罪木。お前、もう行っていいよ。」

89「ふぇ!?急にどうしたんですかぁ!?」


64「何でもいいでしょ…。罰ゲ―ムはナシにしてあげるから。」

89「“ファクト”が覆ったぁ!!!?突然優しくなった西園寺さんが、どうしようもなく恐ろしいですぅ!!!!」


77「ごめんね蜜柑ちゃん。どうやら蜜柑ちゃんでは、アタシの手本にはならないみたい。」

89「小泉さぁん!?いつもは優しい小泉さんまで、私に対してなぜか辛辣な気がしますぅ!?」


76「もう嫌だぁ!!現実なんて見たくな―い!!唯吹はとっとと、一目散に逃げ出すっすよ―!!!!」

64「オラ!!ゲロブタも、早くわたしの前から消えろ!!わたしの気が変わらないうちにな!!」

89「ひゃぁあああっ!!!?すみませ―ん!!!!」







77「蜜柑ちゃん…。プロポ―ション抜群な人のみ着こなすことが可能な水着を選択して…。」

64「小泉おねぇ大丈夫?格差社会に絶望してない?」

77「平気…って言いたい所だけど。名前の表示が常に現実を再確認させてくるのよね…。」


85「どうした小泉。水着を選べないのか?」

64「戦闘力…。たったの85か…。ゴミめ…。」

85「なんの話だ!?」


77「85って誰だっけ?」

64「電子生徒手帳を確認すると…辺古山おねぇだね!!」

85「どうして電子生徒手帳を見ないと判断できんのだ…。私は目の前にいるのに。」


77「ペコちゃん…。うん。どうにもしっくりくる水着を見つけられなくてね。」

85「着たい水着の種類とかはないのか?」

77「えっと。それも…」





85「…そうか。ところで小泉。確かお前には、意中の男性がいるのだったな。」

77「えっ。なんでそんな話に…って、意中の男性!?」


85「私が選ぶ水着は、これだ。」

77「なっ…!?」


64「なにこれ!?布面積が狭すぎでしょ!!黒色で、大人の色気を醸し出しそうだし!!」

85「受け身になっていては、相手の心はつかめない。」



85「意中の相手を手中に収めたいのなら…ただ、攻めあるのみだ。」



アタシ達に名言を遺したペコちゃんはそのまま踵を返し、さっそうと立ち去って行った。

それ以上、言葉はいらない。彼女の背中は…女としての意思、情熱を、雄弁に語っていた。



77「ペコちゃん…。ペコちゃんまで、男子に見せる事前提で話しちゃって…。」

64「っていうか結局、何の参考にもならなかったじゃん!!何しに来たんだアイツ!!」




今日はここまで。

次からは次スレに投下する予定。できればこのスレ、誰かに埋めてほしい。


このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年11月22日 (土) 19:39:52   ID: IG1uKgvk

日向、変態紳士の1級をとっていたとは・・・。アンタ、最高だよ!

2 :  SS好きの774さん   2014年12月11日 (木) 16:44:49   ID: ijGhAbPJ

間違って変なタグをつけてしまったかもしれない…
応援してます!

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom