キョン・善吉 「胡蝶の夢?」 (118)

ハルヒ×めだかです。元ネタはウルトラマンマックス・第22話「胡蝶の夢」です。その他、
めだかボックス 第140箱『生きることは劇的だ』に出てきた単語、シミュレーテッドリアリティです。
今は亡き、実相寺昭雄監督の影響も受けています。キャラのしゃべり方におかしなところがあるかもしれませんが、
不快に思った方は「戻る」を押してください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1369459545

とある家の一室にパチンコの騒音、踏切警報機のカンカン音がけたたましく鳴っていた。そして、なぜか歌舞伎の舞台などに使われる棒の先に蝶がついた棒型の小道具の差金の蝶が二匹、部屋をパタパタと怪しく飛んでいた。


蝶々、蝶々。菜の葉に止れ。菜の葉に飽たら、桜に止れ。桜の花の、栄ゆる御代(みよ)に。止れや遊べ。遊べや止れ。
有名な唱歌『ちょうちょう』がどこからか聞こえてきた。それがBGMになり・・・・・・

めだか「何だと?それは本当か?」 球磨川「いや、本当かどうかはまだわからない」 阿久根「ちょうど人吉くんが暇だから彼に行かせよう。」 喜界島「人吉くーん、人吉くん!人吉くん!」生徒会執行室で人吉善吉が椅子に座って机の足を乗っけて居眠りをしていた。同じくとある家の部屋の主、キョンも自身の机に顔と右手を置いて寝ていた。ふと目を覚まし、部屋のドアに足を進める。キョンは驚愕した。ドアに通じているはず廊下が全く違う『部屋』になっていたのだ。
喜界島「人吉くん!」善吉「ハイッ!?」ビクッと善吉も目を覚ます。めだかと喜界島がなぜか差金の蝶を持っていて、それを善吉の目の前でパタパタとさせる。
善吉「何々?どうしたんだ?」喜界島「箱庭学園の近辺で、アブノーマルだかマイナスだかわからないけど、ここの生徒が何か能力を使ったらしいのよ。」
めだか「居眠りをするくらい暇なんだろう? 調査に行ってこい。」善吉「わかった。行ってくるぜ。」そう言いながら生徒会執行室を出る。すると・・・
生徒会執行室のむかいに部屋があった。善吉(・・・ここにこんな部屋あったか?) よく見ると自分と同じくらいの年の少年が机で寝ていた。そしてその少年のうしろで差金の蝶がパタパタと怪しく飛んでいた。善吉(まあ、いいか。とにかく行こう。) 目をこすりながら、善吉は現地へと走った。

               _,|__|,_
                      ,.;x=7/>─</7ァx,
                ,ィ´///./      \//ヽ
               ,;'//////  \       ヽ/∧  安価が
               ,'//////   o|       |V∧
                  ;//////!    o!         lo}/ハ     「 'ニ)  、_
                 i//////|    o|         |o|/リ     、_,)   __) 」 だと? ルーシー
               V/////ハ__⊥ =-──┴--'--、
             ////\//|L -z、‐───=zァ7 ̄ ̄ヽ    予想外だ……
 .            //////./|ハ rテ汞ト-  ,ィァテ ∧___,ノ    この世には
           〈_//_, イ: |l:|: :〉 `冖`   /´冖'/|: |         その「安価」のために
 .              ̄ |: :|: :|l:|:/      │   ': l: :l        無償で…喜んで…
              _/l: :|: :|l:|'     -ト、ノ  / :│: ',         生命を差し出す者も
            / L:!: l : | | ヽ     --`- /l: : :l :_:_ゝ          大勢いる
      _r─‐x_ノ\l ∨ : |:l/⌒\  ー‐ ' イ┴<\
    /二二二\ \_ ∨ l:!   __` ー‐ '__|___/ ノ       たとえば
 .   /ニニニニニ∧   ヽV:/  /、   ̄二´   ,.ィ__        その者が
   {ニニニニニニハ     \/、 \____// |∧___      「女」であろうと
   /ニニニニニニニ}、 ,ィ      \_     i /  ./ ゚ \\_     ……
  r{ニニニニニニニ//。{            ̄ ̄    「 ̄\ } У \    修道女のような
  | \__二二二∠,.イ  i \_           ハ ゚ ゙ヽ 「jー-- 。〉   …………
  |ヽ.    ̄ ̄∧゚__\_l___,ノ__。 ̄了          \__厂\._/
 人 \__/  ./  / {_j       /                |  l |.l
/  \,       〈  /  /ヽ---<           -‐=   ̄ \_。_|ハ
          ∨。 ./   | |               ___|_|_∧
/`ヽ__         }/    | |        _ -‐   ̄  ̄ ̄Τl〉
ニニニ\___   l l      | |__ -‐  ̄  i:.           }ニ|

町は夕焼けで赤く染まっていた。善吉は見慣れない商店街を歩いていた。商店街の名前は『北川商店街』。
善吉(あれ? ここにこんな商店街あったけ? 俺の記憶がおかしいのか?) 善吉が頭を抱えたその時。チリィーーーン・・・・・・・
きれいな鈴の音がした。不意に音がしたところに顔を向ける。そこには古いアパートが立っていた。かなりのボロアパートだ。
だが、ただのボロアパートではない。見た目から見て昭和四十年代ぐらいだろうか。その時から周りの時間だけ進み、アパート自身の時間は、
当時のまま止まっているみたいだった。チリィーーン。また鈴の音が鳴った。その音は善吉から見て、一番右側の部屋から鳴っていた。よく見ると
窓が開いていた。無意識のうちに善吉はそのアパートの中に入っていた。善吉は例の鈴が鳴った部屋に向かった。善吉はドアを叩き・・・
コンコンッ、善吉「すいません。入っていいですか?」 ???「どうぞ。」少女の声がした。善吉「失礼します。」ガチャリ・・・
善吉は部屋を見渡した。開いた窓を見ると、紐つきの鈴が釘で固定されていた。床は畳で、数は五畳か八畳。古い冷蔵庫がある他、
すぐ横にちゃぶ台があり、そこに少女は座っていた。その少女は巫女だった。髪は白髪で赤いリボンかカチューシャを巻いていた。
少女はちゃぶ台で作業を行っていた。巫女の仕事と関係あるのか、粘土で人形を作っていた。だがそれは人間なのか、それとも何かの神様なのか・・・
そこで夢は途切れた。パチンコの騒がしい音がよみがえった。目を覚ました『キョン』はパソコンを点ける。

不可解な夢に、俺はもう何日も苛まれている。自分が人吉善吉と一体化する夢を見る。そして、決まって現れる巫女の少女を俺は知りたいと思った。

北高 元文芸部部室 現SOS団の会議室。

キョン「なんだかこの善吉には覇気が感じられねえんだよなー。事件を思いつかなくてよう・・・」

ハルヒ「単純なヤツでいいじゃない。宇宙人でも怪獣でもいきなり現れる理屈はあとでどうにかするのよ。」

みくる「宇宙人はともかく、なんで怪獣が現れるんですか?」

長門「細かい事は気にしない。」

キョン「その女を膨らませられれば、良いんだがな。」

ハルヒ「女? この人形作りの?」

キョン「ああ。毎晩夢に現れるんだよ。ただの夢じゃねえんだよ。怖いくらい生々しいリアルな夢なんだよ。夢ン中で俺は善吉になって動いてるんだ。この世界の全ては、    もしかしたら夢の産物じゃないかって思うくらいな。」

ハルヒ「シナリオが夢の産物でも一向構わないわ。〆切を守って女を追って、夢の続きを早く届けなさい。」


俺は今、文化祭でやる映画『めだかボックス』の脚本を書いている。監督はハルヒで、俺が脚本、スタッフが長門、朝比奈さん、古泉だ。

ちなみに、世界はハルヒを中心に回っている。長門は宇宙人、朝比奈さんは未来人、古泉は機関の超能力者。なーんて設定はない。

みんな俺と同じ普通の人間だ。

読みづらい部分、思い出しながら書いていたので失礼しました。

すっかり改行する事を忘れていました。失礼しました。では、改めて修正版を。

とある家の部屋にパチンコの騒音と踏切のカンカン音がけたたましく鳴っていた。そんな中、部屋の主『キョン』は寝ていた。

キョンは自身の机に頭と両手を置いて寝ていた。やがて騒音も静かにやんだ。しかし静かになった途端、おどやかな歌が聞こえてきた。

蝶々 蝶々 菜の葉に止れ 菜の葉に飽たら 桜に止れ 桜の花の 栄ゆる御代に 止れよ遊べ 遊べよ止れ

日本の有名な唱歌「ちょうちょう」だった。その歌とともキョンは夢を見た。最初に寝ている自分が見えた。次に見えたのは自身の周りで歌舞伎の舞台に使われる

小道具の差金の蝶が二匹飛んでいる姿だった。そして箱庭学園生徒会執行部室の部屋にも、二匹の差金の蝶が飛んでいた。

その二匹の蝶は、机に足を乗せて居眠りしている『人吉善吉』の周りを飛んでいた。しばらくして人間の声がしてきた。

めだか「それは本当か?」

球磨川「まだわからない。」

阿久根「ちょうど暇な人吉くんに調査に行かせよう。」

キョンは目を覚ましてその声が聞こえてきた方に足を進める。その声はドアの向こうから聞こえてきた。キョンは絶句した。

ドアの向こうにあるはずの廊下が箱庭学園の生徒会執行部室になっていたのだ。

喜界島「人吉くん。人吉くん! 人吉くん! 起きて!」

善吉「は、はいッ!? えっ? どうした?」

めだかと喜界島が起きた善吉に近づいてくる。二人はなぜか差金の蝶を持っていて、善吉の目の前でパタパタさせる。



喜界島「近辺でアブノーマルだかマイナスだか分からないけど、ここの生徒が何か能力を使ったらしいのよ。」

めだか「居眠りするくらい暇なんだろう? 行って来い。」

善吉「わかった。」

善吉は廊下に出る。すると部屋があった。その部屋には自分と同い年の少年が机で寝ていた。

善吉(こんなとこに、こんな部屋あったか?)

そんな事は後回しにして善吉は近辺の調査に向かった。

時刻は5時か6時。夕焼けで街は赤く染まっていた。しばらく歩くと見知らぬ商店街、北川商店街にきていた。

善吉(俺の記憶ちがいか? こんな商店街あったけ?)

チリィーーーーーン

善吉が頭を抱えそうになった時、きれいな鈴の音がした。

ふいに音がしたほうに顔を向ける。そこには古いアパートが建っていた。しかしただの古アパートではない。

見た目は昭和四十年代ぐらいだろうか。周りの時間だけが進み、アパート自身の時間は当時のまま止っているように見えた。

チリィーーーーーン

また鈴の音がなった。その音は善吉から見て、一番右側の部屋の窓から聞こえてきた。よく見ると部屋の窓が開いている。

善吉はいつの間にかアパートに入っていた。そして例の鈴の音がした部屋に向かった。善吉は部屋をノックした。

善吉「すいません。失礼を承知していますが、入ってもいいですか?」

???「どうぞ。」

女の声がした。

ガチャリ。善吉はドアを開けた。

キョンの「夢の中」では本心です。ときどき夢でも『』使おうと思います。

善吉は部屋全体を見渡した。開いた窓を見ると紐付きの鈴が釘で壁に固定されていた。

床は畳で数は五畳か八畳。古い小さい冷蔵庫がある他、ちゃぶ台があった。

女はそこにいた。その巫女だった。歳は13か18、19ぐらいで、髪は白髪。赤いリボンかカチューシャを巻いていた。

女はちゃぶ台で作業をしていた。巫女の仕事と関係あるのか粘土で人形を作っていた。

だが善吉にはそれが人間には見えなかった。何かの神様だろうか。怪獣のようにも見える。

夢はそこで途切れた。パチンコの騒音が部屋によみがえった。

目を覚ました『キョン』はパソコンを点けた。パソコンで脚本を書くためだ。

キョン(不可解な夢に俺はもう何日も苛まれてる。自分は人吉善吉になる夢を。そして決まって出てくる夢の女を俺は知りたいと思った。)

北高 元文芸部部室・現SOS団会議室。

キョン「この善吉にゃあ、覇気が感じられねえんだよなあ。事件を思いつかなくてよぉ。」

ハルヒ「単純でいいじゃない。宇宙人でも未来人でも怪獣でもいきなりやってくる。理屈は後でどうにかするのよ。」

みくる「宇宙人と未来人ならともかく、なんで怪獣なんですか?」

長門『細かい事は気にしない。』

キョン「この女を膨らませられればいんだがな。」

ハルヒ「女? 例の人形作りの?」

キョン「毎晩、夢に出てくんだよ。ただの夢じゃねえんだよな。怖いほどリアルで生々しいんだよ。」

ハルヒ「そんなに?」

キョン「ああ。夢ん中で俺は善吉になって動いてんだよ。この世界の全部(すべて)は、夢の産物じゃないかって思うくらいな。」

ハルヒ「脚本(シナリオ)が夢の産物でも構わないわ。〆切を守って女を追って、夢の続きを届けなさい。」

俺は北高の文化祭でやる映画「めだかボックス」の脚本を任されて、それを書いている。

ハルヒが監督で、俺が脚本。スタッフが長門、朝比奈さん、古泉だ。

ちなみにハルヒが神、長門が宇宙人、朝比奈さんが未来人、古泉がどっかの機関の超能力者。

なーんて設定は存在しない。こいつらはみーんなただの人間だ。


夢の善吉(善吉でありキョンでもある)がいる商店街はセブン8話「狙われた街」、マックス24話「狙われない街」の北川町です。
部屋は、ダンとメトロン星人の名シーンの『あの部屋』です。

ガタンゴトン。今度は電車が通過する音が部屋に響いていた。だが騒音というほどでもない。むしろ心地良い

キョンはその音を聞きながら眠りに入った。そして夢がはじまり、現実の『キョン』は夢の中の『善吉』になった。

善吉になるとちょうちょうの歌がはじまった。

善吉(キョン)「「あの、勝手に入ってすいません。」」

一瞬、善吉は箱庭学園の制服を着たキョンになる。だがすぐに善吉に戻る。

女は作業をやめて善吉のほうを向いた。


善吉(キョン)「「箱庭学園のものですが。」」


また善吉からキョンになる。そしてまた善吉に戻る。女は再び人形のほうに顔を向け、作業に戻る。


善吉(キョン)「「この近辺で超能力者みたいなのが出現したみたいなんですが、」」

善吉からまたキョンになる。キョンはもう一度部屋を見渡す。また善吉に戻る。部屋を見渡す。

???「フフッ」

女が笑った。善吉からまたキョンになる。

???「超能力者ならいるよ。」

また善吉に戻る。


???「僕の頭の中にね。」


ちょうちょうの歌が止まる。


チリィーーーーーーン。


また鈴の音が鳴った。どこかで差金の蝶が二匹、パタパタと飛んでいた。






またキョンになる。

善吉(キョン)「「えっ?」」

善吉に戻る。

???「今もテレビアニメ用の新しいキャラクターを作っている最中なんだけどね。」

女はちゃぶ台の粘土人形を回して見せた。

それは六枚の鳥の翼が生えた天使のような人形だった。しかし、翼の持ち主はイケメンでホストのような少年だ。

???「この世の物質ではない物質、未元物質(ダークマター)という物質を創造、それを操る垣根帝督というキャラクターだ。」

善吉「はあ・・・」

善吉に戻り、口をポカンと開ける。

???「アニメとある魔術の禁書目録の三期、『とある魔術の禁書目録Ⅲ』が近いうちにやるんだ。他にもいろいろ作っているんだ。」

善吉「そうですか・・・ あっ、失礼ですが、あなたの名前は?」

安心院なじみ「僕は安心院なじみ。親しみを込めて安心院さんとでも呼んでくれ。見ての通り、巫女とキャラクター作りの仕事をしてるんだ。」

善吉「そうですか。アニメ専門ですか?」

安心院「いや、特撮の怪獣・宇宙人・怪人も担当しているよ。」

善吉「おおー。それはまた・・・あっ! 失礼しました。俺はこれで・・・」

善吉が帰ろうとした途端、

安心院「もしよろしければ、」

善吉「えっ?」

安心院「相談にのってくれないかな? 超能力退治の専門家として。」

善吉「俺がですか?」

安心院「君なら、きっとすごく素晴らしいキャラクターを生み出せるんじゃないかな?」

善吉「いや、でも・・・」

安心院「お願いします。」

善吉は承知した

善吉「そのキャラクターの名前は?」

安心院「名前から発想するか。天才、金城哲夫的だね。それじゃあデウス・エクス・マキナを捩って、魔デウスにしようか。」

ピィイーーーーン

鈴の音ではないまた別のきれいな音とがした。そこで夢は終わった。

『善吉』の夢から覚めた『キョン』はすぐさま、安心院から聞いた名前をメモした。

キョン「デウス・・・エクス・・・マキナ・・・マデウス・・・ マデウス?」



早速、キョンはシナリオを書いた。

会議室

ハルヒ「面白くなってきたわね。超能力退治専門家にキャラクターのアイディアを聞くってのが、逆転の発想でいいわ。」

キョン「ああ。あともうちょっと夢を見れば最高傑作が完成できそうなんだ。」

みくる「あらあら、悠長ですね。くすくす。」

キョン「なあ、どっか聞いた事あんだけど、デウス・エクス・マキナってどんな意味だったけか?」

古泉「僕が改めて教えましょう。ラテン語で機械仕掛けの神。古代ギリシャ演劇に用いられた手法ですよ。」

キョン・ハルヒ・みくる「「「機械仕掛けの神?」」」

長門が黒板にDeus ex machinaと書く。

長門『劇の内容が錯綜、解決困難に陥った際、突如として絶対的な力を持つ神が現れ、物語(ストーリー)を収束、終結させる。』
 
古泉「という手法の名前です。まあ、無理がある矛盾だらけの物語を無理やり終わらせる。というよくあるパターンですよ。」

キョン・ハルヒ・みくる「「「おおー。なるほどー。」」」

古泉「あと、機械仕掛けの神なんていう神様もいません。」

長門『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』



キョンは気付かなかった。長門有希に安心院なじみと似た雰囲気が出ているのを。

おきよ おきよ ねぐらの雀 朝日の光の さきこぬさきに ねぐらをいでで 梢にとまり あそべよ雀 うたへよ雀

キョン (そのキャラクターこそが、このストーリーを締め括る『機械仕掛けの神』ってヤツだとしたら・・・?)

暗い部屋にパチンコの音と電車が通過する音が小さく響く中、キョンは欠伸して眠りに入った。

夢がはじまった。

安心院「僕はね、破壊したいんだ。この世界を。」

善吉「えっ?」

安心院「敵キャラクターは、必ず倒される運命にある。僕は、倒されると決まったキャラクターを毎日、毎日作っているんだ。」

善吉「でも、最近では死なずに生き残る敵キャラもいるはずじゃ・・・」

安心院「ハハッ、確かにね。でも僕からしてみれば、『倒された』と同じ事なんだよね。」

善吉「なるほど、そうですか・・・」

安心院「だからこそそんな敵キャラ達に、一度でいいからこの世界を征服させてあげたいんだ。」

安心院は粘土をこね始めた。

善吉「・・・退治する側から空想すれば、無機質で掴みどころがない敵が一番怖い。感情移入もできないオブジェ。」

それを聞くと安心院は、粘土を4つに分ける。

善吉「冷たいような、暖かいような、生暖かい光。そう、人類の。いや、夢を見るものの様々な夢を餌にして強大化する。」

安心院「夢を餌にして・・・オブジェ・・・」

4つの粘土は、安心院の手によって4つのオブジェになっていた。

ひとつめは、丸い球体。

ふたつめは、丸い筒か、ハンマー型。

みっつめは、ドーナッツ型のリング。

よっつめは、三日月。

善吉「夢を見るものが、勝手にいろいろな夢を見過ぎて、フォルムを抽象化してくんです。」

オブジェは完成した。

善吉「夢の極みは、魔デウスのフォルムです。」

善吉はニヤリと笑った。

安心院「なるほど、夢の極み・・・」

ピィイーーーーン

きれいな音がした。

4つの魔デウスは、心臓の鼓動のようにドックンと、歪みはじめた。

安心院はそれを見て、口が耳まで裂けるような、妖しいような、美しい笑みを浮かべた。

ここに、魔デウスが誕生した。

夢から覚めたキョンは、すぐにシナリオを書く。

踏切の音とパソコンのキーを叩く音が部屋に小さく響く。

キョン「よし、敵キャラができたぞ。」

別の日、キョンはいつもの夢とは、違う『夢』を見ていた。

コーン。コーン。コーン。コーン。

何かを叩く音がした。それが少しづつ響いてきた。

その音と同時に夢がはじまった。

善吉と丸い魔デウスが戦う夢だ。

善吉と魔デウスが同時にぶつかる。

善吉「でやぁッ!!」

巨大なボールを抑えるように、魔デウスを抑える善吉。

善吉「うおおおッ!!!!! オオおおおおおッ!!!!!!!」

夢はそこで終わった。

さらに別の日。キョンはSOS団、その他、佐々木、周防、橘、藤原たちと一緒にきた事がある喫茶店でコーヒーを飲んでいた。

ひとりで。

コーヒーを飲んでしばらくすると、頭の中で何かを叩く音がしずかに響いてきた。違う『夢』を見て以来、この音がときどき響いてくるのだ。

それでも騒音、雑音というほどでもない。

キョンは、ふいに自分の左の席を見た。

女が日本茶を飲んでいた。

女子高生だろうか? その女はどこか学校の制服を着て、髪は黒髪か薄い茶髪。黄色いリボンかカチャーシャをしていた。

キョンは絶句した。

違うところはあるが、夢の中の『古いアパートのキャラ作りの巫女』にゾッとするほどそっくりだったのだ。

ナンパと誤解されるのを覚悟で女に声をかけた。

キョン「あのう、すいません。」

安心院「はい?」

キョン「どこかでお会いした事、ありませんか?」

安心院「いえ、初対面ですが。」

キョン「そうですか。なら苗字はあんしんいんって書いて安心院、名前はなじみで、安心院なじみって名前じゃありませんか?」

安心院「そうですけど。なんで僕の名前を知ってるのかな? なになに? 新手のナンパかな?」

案の定だ。

キョン「ああ、い、いえ違います!」

キョンがあわてると、安心院はクスクスと笑った。

キョン「はあー、信じてもらえないと思いますけど、俺、最近おかしな夢を毎日、見てたんです。」

安心院「ほう。おかしな夢?」

キョン「はい。夢の中で、あなたと顔が瓜二つ、同じの名前の女性と出会ったんです。」

安心院「へえー、顔と名前が・・・ 現実の『僕』と夢の『僕』に違うところが?」

キョン「ええ。夢の中の『あなた』は、巫女で、髪が白髪で、頭に巻いているものが赤で、特撮・アニメのキャラクター作りをしてるんです。」

珍しいと言ってくれて、ありがとうございます。

安心院「おお、キャラ作り・・・」

キョン「あっ、夢の話なんで聞き流してください。」

店内にピアノ演奏の『ちょうちょう』がBGMとして流れはじめた。

キョン「 (このちょうちょう、よく聞くなあ。)」

安心院「ちなみに現実の『僕』は、女子高生、巫女をやっているよ。」

キョン「現実でも巫女を? すごい偶然ですね。」

安心院「本当にね、他には? 何か言ってなかったかい? 夢の『僕』。」

キョン「お互い、アドバイスしていました。」

安心院「アドバイス?」

キョン「ええ。俺、北高の生徒で今度、文化祭で映画を上映するんですよ。俺はその脚本を書いてるんです。」

安心院「すごいじゃないか。それで?」

キョン「俺、夢の中で人吉善吉っていう映画の登場人物になっているんですよ。夢の中のあなたは新しいキャラクターを作って・・・」


キョンは夢の中の出来事を、安心院に詳しく説明した。


キョン「で、だんだん、キョンなのか、善吉なのか。どっちがどっちだかわからなくなるんですよね。」

安心院「それは『胡蝶の夢』だね。」

キョン「えっ?」

安心院「『荘子』は、『夢』の中で自分が『蝶』に変身して、空を自由に、楽しく飛びまわる『夢』を見た。」

チリィーーーーーーーン

鈴の音がどこかで鳴った。

安心院「しかし目が覚めると、自分はまぎれもない自分、『荘子』であると気づいた。」

キョン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

安心院「ふと彼は思ったんだ。『荘子(自分)』が『蝶』になる夢を見ていたのか、それとも、『蝶』が『自分』になる夢を見ていたのか・・・」

安心院の言うことにキョンはふしぎなものを感じた。どちらが『夢』で、どちらが『現実』。どちらが『本物』で、どちらが『偽者』なのか。


安心院「現世の万物(もの)は、すべてそんな、儚い『移り変り』の中にいるんだよ。」








安心院は、キョンに妖しく美しい笑みを見せた。

チリーーーーーーーーーン

鈴の音が鳴った。

満月の夜、差金の蝶が二匹、パタパタと飛んでいた。

左の蝶はめだか、右の蝶はハルヒが。ふたりは満月の夜に蝶を飛ばしていた。

キョンは、『夢』の古いアパートの安心院の部屋に来ていた。

安心院が両手の掌をパーにして、粘土の魔デウスに何かをしている。その光景は卵を温める親鳥のようだ。女であるため、母鳥か。

魔デウスは心臓の鼓動のように歪み、伸び縮みを繰り返している。

キョン「魔デウス・・・」

安心院「ありがとう。」

安心院が礼を言った。

安心院「君のおかげで、素晴らしいキャラクター、モンスターが生まれたよ。」

そう言いながら。

安心院「君は、夢の中で善吉だけではなく、怪獣にも変化、変身するんだよ。」

安心院が振り向く。

ニヤリと、不気味で、妖しくて、どこか美しい笑みを、キョンに見せた。

キョン「うわあッ・・・」

キョンは思わず、腰を抜かした。

キョン「魔デウス・・・!」

魔デウスの動きが速まる。

安心院「すばらしい想像力だね。君は夢で怪獣になり、蝶のように飛び跳ねて、現実の世界を滅ぼすんだよ。」

安心院「ふはははあははははははっはあははははははははははははははははあっははあは。ひゃはははあははっははははははははっはッ!!!」

安心院の高笑いが、木霊した。

キョンは起きた。

いつもの部屋で。

いやな夢を見た。

パチンコの騒音が部屋に響く。

キョン「夢か・・・・・」

ふとパソコンに目をやる。

キョン「怪獣になり、蝶のように飛び跳ねて、現実の世界を滅ぼす・・・」

さっき見たばかり悪夢が脚本に書いてある。

キョン「疲れているんだ。そうだ。もう夢は見たくねえ・・・ 夢は・・・・・」

電車が通過する音が聞こえてきた。

キョンは眠りについた。

ピアノのちょうちょうが聞こえてきた。

それと同時にめだかと善吉の声が聞こえてきた。

めだか「善吉。」

善吉「んッ?」

めだか「何をボヤッとしているんだ?」

善吉「んんッー。なんか最近、眠くてよお・・・・」

めだか「生徒会の一人が何を言っているんだ。」

善吉「変な夢を見た。」

めだか「夢?」

善吉「ああ。」

善吉は思い出しながら、めだかに説明した。

ピィーーーーン

キョンにも聞こえた、きれいなあの音がした。

善吉「夢の中の俺は、箱庭学園の生徒じゃない違う学校の生徒で、文化祭の映画の脚本を書いてるんだ。」

めだか「ほう。」

キョンの服を着た善吉。踏切の音。夢の様々なできごとを思い出す。

善吉「しかも、俺達の世界はそいつが描く空想の世界。」

めだか「ほう。」

善吉「そいつは俺達の世界、つまりストーリーの続きが書けなくて、悩んでいる。」

めだか「ほう。」

善吉「リアルな夢なんだぜ? 自分が、『俺』が『俺』なのか、『俺』が『そいつ』なのか。一瞬、ワケわかんなくなるぐらいな。」

めだか「まるで胡蝶の夢だな。」

善吉「胡蝶の夢?」

どこかで聞いた事がある。いや、夢の『自分』、キョンが聞いた言葉だ。

めだかと善吉のまわりを、二匹の差金の蝶が飛ぶ。

ガーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン

ピアノの鍵盤を思い切り叩きつけて出す、低音の音が響いた。

めだか「そう。」

めだか・???「「お前が、自分は『人吉善吉である』という『夢』を見ているのかもしれない。」」

めだかの声が、別の女の声と重なる。

めだかの顔が歪み、別の女の顔と重なる。

踏切の音が聞こえてきた。

善吉はギョッとした。

めだかの征服を着た安心院なじみがそこにいた。

キョンの部屋で善吉が目を覚ました。

善吉「夢か・・・」

踏切の音が響く中、体を起こす。

善吉はあたりを見渡す。

ここはキョンの部屋だ。

善吉「なッ、ここはッ!?」

さらに驚愕が続く。

善吉は眩しい光を見た。

その光は、部屋のドアから出ていた。

その先に見えたのは

箱庭学園の生徒達だった。

今度はパチンコの騒音が聞こえてきた。

だがそんなことはどうでもいい。

善吉「めだかちゃんッ! 喜界島ッ! 阿久根先輩ッ! 球磨川ッ! みんなどうしたんだッ!!?」

異様な光景だった。

まるで、ふきだしのない漫画の『キャラクター』を見ているような光景だった。

生徒会のメンバーの他、不知火、名瀬妖歌、真黒、宗像、十三組の十三人が『白い空間』にいた。

善吉「不知火、名瀬先輩、都城先輩たちまで・・・・・!」

そのときだった。

???「あははははははははははははははははははははははッ!!!!!!!!!」

女の高笑いが木霊した。

ひとりだけ椅子に座って、読書をしている女子生徒がいた。

だが制服は、箱庭学園のものではない。キョンが通っている北高の制服だ。

SOS団のひとり、長門有希だ。

長門「あはははははははははははッ!!!! イヒヒヒヒヒヒヒヒヒッ!!!!! アハハハハハハハハハッッッッッッ!!!!!!!!」

善吉「長門ッ・・・! 違うッ! 誰だッ!! 長門有希はこんなヤツじゃないッ!!!! お前はいったい誰だッ!!!!!!!!!!!」

安心院「ふははははははははははッ!!!!!」

安心院なじみだった。

長門の制服を着た安心院なじみが足を組んで座っていた。

安心院「見るがいいんだぜッ!!! 現世の心理をッ!!!!」

安心院なじみは右、善吉から見て左に、顔を向けた。

カッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッ

柱時計、振り子時計の音が聞こえ、響いてきた。


安心院「この世界。それはひとりのある少年とその仲間が夢見る一本の緻密なシナリオだ。」

安心院「君達は与えられた役割を演じ、与えられたセリフを喋っている『キャラクター』という駒に過ぎない。」

善吉「バカな・・・! じゃあ、本当の俺達はいったい誰なんだッ!?」

安心院「君達は君達であり、き み た ち で は な い 。 」

パチンコの騒音が部屋に響いてきた。

キョン「夢か・・・。」

また善吉になる夢を見ていた。

思わずドアを見る。

だがいつものドアだ。

キョン「なんだったんだ・・・?」

キョンは洗面所に、顔を洗いに行った。

水道の蛇口から流れる水をすくって、顔と目にかける。

タオルで顔を拭く。

善吉は鏡を見た。

善吉「うわあッ!!」

さっきまでキョンだった善吉は、腰を抜かす。

腰を抜かした途端、天井から盥が落ちてきた。

がーーーーーん

善吉「いてッ!! ううッ・・・・・」

そのまま眠りについた。

カッカッカッカッカッカッカッカッカッ

踏切の音から、柱時計の音に変わった。

箱庭学園生徒会執行部室。

暗い部室に『善吉の制服を着たキョン』、『長門の制服を着た安心院なじみ』が、互いを見つめて立っていた。

キョン「どういうことだ?」

チリィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン

鈴の音が鳴る。

安心院なじみ「君と人吉善吉は、自由に入れ代われる。夢で遊べるのさ。」

安心院の後ろに、二匹の差金の蝶が飛んでいる。左の蝶が『不知火半袖』、右の蝶は『喜界島もがな』が動かしていた。

キョンの後ろに、二匹の差金の蝶が飛んでいる。左の蝶は『橘京子』、  右の蝶は『周防九曜』が動かしていた。

安心院なじみ「胡蝶の夢さ。君は『人吉善吉』に乗移ってしまうんだよッ!!」

安心院なじみは指打ちした。

ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン

ピロリ♪ ピロリ♪




安心院なじみ「さあ、 これが げ ん じ つ だ 。」


雲から雷の音がする。


天からスポットライトような光がカッと光り、夜の街を照らす。

ドッカッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッンンンんんんんんんんんんんんんんんんん

光が当たった場所が爆発した。


魔デウスが、出現した。


筒型の魔デウスが『声』ではない『音』を出した。ゴウン、ゴウン、ゴウン、ゴーン、ゴーンと。

何かの機械が出すような不気味な音が、街中に響き渡る。

キョン「・・・・・・・・・・・・・・ッ!?」

架空、空想上の存在のはずの魔デウスが目の前にいる事に驚愕する。



善吉「いててて・・・・ ッ!! ここはッ・・・・・・」

身体を起こし、部屋の辺りを見渡す。

パチンコの騒音、踏切、電車が通過する音。

いつもの部屋だ。

鏡を見る。

自分は人吉善吉だ。

机のパソコンを見た。

途中のシナリオも見た。

パソコンの隣に用紙が置かれている。

その用紙には、こう書いてあった。

第 × × 話

脚本 蓮沼 京谷(キョン)

監督 涼宮 ハルヒ

製作 すばらしきSOS団


善吉「21世紀版、空想、科学、魔法、特撮、アニメ、学園バトルシリーズ、『めだかボックス』ッ!!!!!!」

カッ、カッ、カッ、カッ、カッ、カッ、カッ、カッ、カッ、カッ、カッ、

振り子時計の音がする。

その振り子のように、そしてハンマーのように魔デウスは、ビルを攻撃した。

天から見えない糸で吊られて、揺らされているような光景だ。

善吉はキョンの脚本を読みはじめた。

善吉「圧倒的な強さと力で、街を蹂躙する魔デウス。」

善吉「その魔デウスに、めだかと阿久根が立ちむかう。」

が、

善吉「ッ!! がしかし、」

最初にめだかが魔デウスに攻撃を加える。

強化パンチを喰らわせようとする。

魔デウスがグワンッとトランスフォームした。

魔デウスはリングに変形して、その攻撃を避 け る。

めだか「クッ!」

阿久根「今度は俺がッ!!!」

善吉「変幻自在、自由自在、縦横無尽にトランスフォームし、蝶の如く飛びまわる。」

阿久根が強化マイティキックを喰らわせようとする。

魔デウスは三日月にトランスフォームして、その攻撃を避 け る。

三日月の姿のまま、空中を飛行する魔デウス。

その魔デウスに破壊された街には、死んではいないが、魔デウスに敗北した箱庭学園の生徒達が瀕死体の山となって積まれていた。

街にも、キョンの部屋にも、差金の蝶が飛んでいる。

善吉「めだかも阿久根も撃墜されて。不時着、轟沈、撃退される。」

めだかも阿久根もついに魔デウスに敗北した。

瀕死体の山の近くに、善吉の制服を着たキョンが腰を抜かしていた。

キョン「俺の夢が、俺の脚本が世界を壊す・・・」


戦意喪失、茫然自失の状態だった。


善吉「キョンッ! おいキョンッ!」

善吉は、書きかけのシナリオにキョンの名前を書いた。

善吉の書いた文字が声になって、キョンに届く。

キョン「えっ!? 善吉かッ!!??」

善吉「キョン。舌に『逆』って書け!」

キョン「はあ?」

善吉「あんたは夢で俺に。俺は夢であんたになっているんだ!」

キョン「俺が? お前に?」

善吉「変身するんだッ!! 俺にッ!!! 変身しろッ!!!! キョンッ!!!!!」

キョン「いや、そんなバカな・・・これは悪い夢だ・・・」

善吉「キョンッ!!!!!!」

キョン「俺は、ただの凡人、物書きだッ!!!!!」

善吉「そうだッ! これは夢だッ! でも夢であり現実の世界。夢でも現実でもない世界に俺達は迷い、入り込んだッ!!」

善吉「そこから抜けるにゃあ、勝つしかねえッ!!」

キョン「勝つ? 魔デウスにか?」

善吉「ああッ! あいつは元々、俺たちで考えた最強の敵キャラだ。俺たち二人で方をつけるんだ。いや、つけなくちゃならねえッ!!!!」



キョン「善吉・・・ッ!!!!」



俺 が 最 後 に 俺 と キ ョ ン が 勝 利 す る シ ナ リ オ を  完  成  さ  せ  る ッ ! ! ! !  

キョンは自分の舌に指で『逆』と書く。鏡がないから見えないが、とにかく書く。人が自分の舌を見れば、ちゃんと「逆」と読めるように。

善吉も『シナリオ』を書く。「キョンが舌に『逆』の文字を書く。」ことを書く。

『夢』でも『現実』でもない『世界』で、人吉善吉とキョン。ふたりの動きがシンクロする。

キョンは善吉の力のひとつ、スタイル『逆説使い』の力で、もうひとりの『人吉善吉』、『キョン吉』に変身した。

キョン吉「よし・・・・・・ッ!」

声はキョンのままだ。

三日月魔デウスの前に、キョン吉は立った。





キ  ョ  ン  吉  v  s  魔  デ  ウ  ス  の  戦  闘  ( バ ト ル ) が ス タ ー ト し た 。

蝶々  蝶々    菜の葉に止れ  菜の葉に飽たら 桜に止れ    桜の花の    栄ゆる御代に 止れや遊べ    遊べや止れ


おきよ おきよ   ねぐらの雀   朝日の光の   さきこぬさきに ねぐらをいでて 梢にとまり  あそべよ雀    うたへよ雀


蜻蛉  蜻蛉    こちきて止まれ 垣根の秋草   いまこそ盛り  さかりの萩に  羽うち休め  止まれや止まれ  休めや休め


燕   燕     飛びこよ燕   古巣を忘れず  今年もここに  かへりし心   なつかし嬉し とびこよ燕    かへれや燕

キョン吉は左手の拳を空に上げた。

左拳に虹色の光が集束する。

善吉の必殺技、マクシウムカノンだ。

この技は、シナリオを書いている善吉が『今』思いついた技だ。

キョン吉は、左手と右手を十字にクロスさせた。

三日月魔デウスに、マクシウムカノンを当てた!

だが三日月魔デウスは、自分にマクシウムカノンが『当たった場所』から、マクシウムカノンを発射ッ! キョン吉に撃ち返してきたッ!!

キョン吉 「(善吉と魔デウス、なかなか勝たせてくれねえなッ!まっ、あっさり勝っちゃあ、つまんねえしなッ!!)」



これぐらいの展開は漫画、特撮、アニメでは当たり前のことだ。

三日月魔デウスは、身体を縦にし高速回転をはじめた。

回転しながら、身体を球体、ボール魔デウスにトランスフォームする。

構えるキョン吉。

あの形態は、魔デウスの最終攻撃形態だ。

ボール魔デウスは、キョン吉に体当たりしてきたッ!

吹っ飛ばされるキョン吉。

吹っ飛ばされたばかりのキョン吉に、さらに当たる魔デウス。


くんずほぐれつ状態だ。

天のサーチライトが、キョン吉と魔デウスに光を照らす。

2つの争いは熾烈と苛烈を極める。

魔デウスが突如、動きを止めた。

チャンスだとばかりに、魔デウスをドンドン叩くキョン吉。

ボール魔デウスに、ギザギザの亀裂が入った。

ガバッと『口』を『横』に厭ける魔デウス。ワニか、ホオジロザメ、メガロドンのようだ。

キョン吉は、ギョッと、ゾッとした。

『口』の『空間』から触手のような『舌』が出てきた。

色は、絵の具の銀か白か青か紫。不気味でドクドクしい。

冷たいような、温かいような、生ぬるいような、


そのどちらでもあり、どちらでもない得体の知れない感触がキョン吉を襲った。

キョン吉「(うひッ~、気持ち悪ィーーーッいいいいッ!! やだおめえッ!!!!?????)」

頭の中が真っ白、混乱、困惑する。

『舌』で頭からキョン吉をつかんだ魔デウスは、しばらく振り回すと、キョン吉を『自身』に飲み込んだ。


魔デウスの内部は、異次元空間のようになっていた。宇宙空間のようでもある。



善吉「ここだッ!!!!」


善吉はキーボードを叩くスピードを上げた。






          と  ど  め  の  E  n  t  e  r  キー  を  押  し  た  ッ   !

キョン吉は、両腕を×にクロスさせた!

同時に両目が黄色、黄金に輝く!

   キ  ョ  ン  吉  は  高  速  回  転  を  は  じ  め  た  ッ  !  !


ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
オオオオオッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!


   善 吉 、 キ ョ ン 吉 が 善 パ ワ ー を 開 放 し た 、 解 放 し た ッ ッ ッ ッ ッ ! ! ! ! ! 

 突 っ 込 ん だ ッ ! ! ! ! !


 神 の 時 間 に 突 っ 込 ん だ ッ ッ ッ ! ! ! ! ! !


街に座り込んでいたボール魔デウスに異変が生じた。

縦についてるギザギザの『口』から黄色い、黄金の光が漏れる。

ボコボコと、破裂しそうな心臓、風船のようになる魔デウス。

不気味な音が悲鳴のようにも聞こえる。


否、これが魔デウスの悲音、悲鳴なのだ。


  魔 デ ウ ス の 悲 鳴 が 都 市 ( ま ち ) に こ だ ま し た 。
 

魔デウス内部で、黄金の光とともに、高速回転するキョン音。


スピードを2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、16倍、17倍、18倍、


19倍、20倍、21倍、22倍、23倍、24倍、25倍、26倍、27倍、28倍、29倍、30倍、31倍、32倍、33倍、34倍、





 9 9 9 9 9 9 9 9 無 量 大 数 倍 ッ ッ ッ ッ ッ ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! 





 善 吉 と キ ョ ン 吉 の 最 強 超 必 殺 技 



    イ   ン   フ   ィ   ニ   ッ   ト   ・   ス   ト   ラ   ト   ス   光   線  。

  魔 デ ウ ス の 異 次 元 空 間 、 宇 宙、 胃 袋、 内 側 か ら 破 壊 す る ッ ッ ッ ! ! ! 

  壊 す ッ ! ! ! ! ! !  殺 す ッ ! ! ! ! ! ! ! ! ブ ッ 殺 壊 す ッ ! ! ! ! ! ! 


  ブ チ 殺 壊 ( こ わ )す ッ ! ! ! ! ! ! !


  魔 デ ウ ス に 感 情 が あ っ た ら 、 恐 怖 し 、 自 殺 し て い た だ ろ う 。


  そ れ で も 善 吉 と キ ョ ン 吉 は や め な い ッ ! ! ! ! ! !



 魔デウスはオーバーヒート寸前だった。

魔デウスの表面に、穴、ひび、亀裂がはいった。

そこから黄金の光が漏れる。



   善 吉 と キ ョ ン 吉 は マ ッ ク ス の イ ン フ ィ ニ ッ ト ス ト ラ ト ス 光 線 を ぶ つ け た 


ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!




  ド ッ ッ ッ カ ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ン



黄金の爆発が都市の中心で起きた。




魔デウスがオーバヒートして爆発したのだ。






その場所に、善吉とキョン吉が座っていた。やがて立ち上がる。勇敢に。










    二 人 は 勝 っ た の だ 。 夢 と 現 実 の 世 界 、 最 強 の 敵 キ ャ ラ に 。
 

部屋に踏み切りの音が響いていた。

その部屋のパソコンのシナリオには 「 E N D 」 と打たれていた。


ハルヒ「なるほど。いい出来だわ。キョン。」

ハルヒがサムズアップする。

キョン「だろ?」

それに応えてキョンがニヤリと笑う。

会議室、いや、宇宙を含めた現実世界全体がガタガタと揺れ始めた。

ハルヒ「おいッ! こいつに、キョンに怪獣の夢を見ちゃダメなんだッ!!」

みくる「キョン君、起きてくださいッ!」

古泉「起きてくださいッ!」

長門『起きてッ!』

四人がキョンを揺さぶり起こす。

キョン「んあ・・・・・・・・・・・・・・」

起きたキョンは窓を見た。

二匹の差金の蝶が飛んでいた。

キョン「ちょうちょ・・・♪」

あとでキョン吉、魔デウスの紹介もやります。

ハルヒが口をポカーンと開けながら、キョンを見る。

みくるも古泉もみくるも同様だった。

そのとき

ガチャ

???「監督さーん、台本できましたか? もう発注ギリギリなんですけど?」

セーラー服の女が入ってきた。

キョン「えっ・・・?」

キョンはギョッとした。

おいおい、もう何回目だ?

ハルヒ「ああ、なじみ。台本、できたわよ。」



ハルヒが女に台本を渡した。



その女は



安心院なじみだった。



キョン「ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええッ!!!!!????????」



こいつ、俺と同じ北高(ここ)の生徒だったのかッ!!!!?????



安心院はキョン見て、ニヤリと妖しく美しい笑みを見せた。



長門も同じ笑みをあげた。



キョン「はあ~、もう、カンベンしてくれ・・・・・」







安心院「キョン君、台本、ありがとう。そしておめでとう。」





まっ、いいか。





夢と現実はどっちも永遠だ。


                          






                               E  N  D

以上です。安心院の「おめでとう」は、エヴァ26話=最終話「世界の中心でアイを叫んだけもの」の「おめでとう」からきてます。

そして、今日がヤングエース連載のエヴァの完結の日でもあるからです。

ほんとにシンジ、              お     め     で      と      う       。

最後に埋めネタとして、禁書で胡蝶の夢やります。



鋼盾がキョン、蓮沼、上条さんが善吉、カイト、マックスのポジでやります。

追記



謎の女、安心院さんのポジは、雷神トールで。

夢幻神物体 魔デウス 

キョン、人吉善吉、安心院なじみが作りあげた敵キャラクター。怪獣とも言えるが、無機質で掴みどころなく、正確には物体、オブジェと言う。

第一形態 筒型、ハンマー型で、その形態に合わせた攻撃をする。

第二形態 リング、ドーナッツ型。身体を輪にして、敵の攻撃をかわす。

第三形態 三日月、クロワッサン型。高速飛行形態でもあり、敵の攻撃を避けるだけでなく、攻撃、必殺技をはね返す。

第四形態 球体、ボール型で、最終最強攻撃形態。敵に体当たりでアタックする他、口からドロドロの舌を出し、敵を胃袋の異次元空間に飲み込む。

この他、体重は無く、無重力で浮翌遊。形態、大きさは無限に変形する。

キョン吉

キョンが贄波生煮、人吉善吉のスタイル、逆説使いで善吉に変身した姿。声はキョンのまま。

必殺技は、マクシウムカノン。光線技で敵を粒子、分子、電子レベルまで分解、破壊する。

最強最終超必殺技  インフィニット・ストラトス光線。

善吉とキョン吉の合体技で、互いのエネルギー、パワーを無限に上昇させ、敵にぶつける光線。惑星、天体、宇宙を破壊するほどの力がある。

名前の由来は、インフィニット・ストラトス、バーニングゴジラのインフィニット熱線から。

心臓が炉心融解を起こし、自身もメルトダウン、死亡する危険性がある。

上条「それじゃあ、鋼盾。いい加減、はじめるぜ!」

鋼盾「ああ。」

垣根「ハーイ。それじゃあ、」

キョン・善吉・一方通行・浜面「「「「よーい、スタートッ!!」」」」




 番外個体編 上条・鋼盾「「胡蝶の夢ッ!!」」

パチンコの喧騒がこの僕、鋼盾掬彦の部屋に鳴り響いてた。僕は高校生くせに築40年の古いアパートに一人暮らしをしている。

自慢じゃないが、ただの僕は高校生じゃない。僕の在学している『とある高校』の文化祭で上映する学生映画の脚本を書いている。

タイトルは、とある魔術の禁書目録(インデックス)、とある科学の超電磁砲(レールガン)。禁書Ⅱと超電磁Sもある。今度は禁書Ⅲをやる予定だ。

僕の住んでいるこのアパートは、部屋が全部、和室のようになっている。部屋には特撮、アニメのフィギュアの他、浮世の漫画が窓に貼ってある。

窓からはパチンコ店のネオンの光が妖しく入ってくる。

僕は畳にふとんを敷き、起きればすぐちゃぶ台にあるパソコンで脚本を書けるようにしてある。僕は一休みと称して、居眠りをしていた。

そんななか

何日、一週間、いや一ヶ月だろうか。おかしな夢をみる。



蝶々 蝶々 菜の葉に止れ 菜の葉に飽たら 桜に止れ 桜の花の栄ゆる御代に 止れよ遊べ 遊べよ(や)止れ




僕が幼かった子供の頃、いや日本人なら誰もが聞いたことがある有名な唱歌、『ちょうちょ』の歌が『また』聞こえてきた。

















インデックス・滝壺「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッ!!?」」





ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン






インデックス・滝壺「「この反応は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッ?」」

人の声がした。女の子の声だ。

部屋には歌舞伎の小道具、差金の蝶が二匹、妖しくぱたぱたと飛んでいる。誰が動かしているのか。『誰』の『差し金』なのか。

それはともかく、僕の『世界』じゃない、『禁書の世界』の『とある高校』の教室にも差金の蝶が飛んでいた。

その教室には、禁書の主人公、『上条当麻』が自分の机に足を乗せて居眠りをしていた。おいおい、机をそんなふうにしちゃダメだぜ?

僕はそう思った。

すると



インデックス・滝壺「「魔翌力AIMスキャナーに反応あり。」」


声の主の声が聞こえてきた。そしてほかにも。

土御門「微弱な反応だな。」

ステイル「上条当麻。居眠りしている暇があったら、確認に行ってきてくれないかな?」

青髪ピアス「カミやーん、お願いや。」

神裂「上条当麻、起きてください。」

五和「上条さん、起きてください。」

姫神「上条くん、起きて。」

吹寄「起きろッ! 上条当麻ッ!」

風斬「あのぉ、起きてください・・・」

黒子「こらッ! 類人猿ッ! 起きなさいッ!」

佐天「起きてください。上条さん。」

初春「起きてください。ウニ頭。」

春上「起きてなのー。」

固法「ほーら、起きなさい。」

絹旗「超起きてください。」

麦野「さっさと起きやがれ。じわじわ焼くぞ。」

フレンダ「上条/当麻にしてやるってワケよ。」

打ち止め「ヒーローさん、起きて。ってミサカは起こしてみたりー♪」

食蜂「上条さーん☆ 起きるんだぞ☆」

小萌「上条ちゃーん、いい度胸なのですー。」

結標「ほら起きなさい。ショタにするわよ?」

雲川「上条、このまま寝ると夜になるけど(まあ、それはそれで・・・・・・・・・・・・・・・・・・ニヤリ)」

鞠亜「ほら起きろ。」

舞夏「起きるんだぞー。」

バードウェイ「起きろ。馬鹿。」

フレメア「だいたいおこしてみる。」

フロイライン「起きてください。」

アリサ「上条くんッ!」

シャットアウラ「上条当麻ッ!」

一方通行「オイ、三下ァッ!」

御坂妹「はやく起きろやがれ。この野郎。とミサカは乱暴に言ってみます。」

番外個体「はやく起きなよ。ビリビリしちゃうぞ♪」

インデックス「とうまーッ!」

美琴「起きろつってんでしょーうーがーッ!!」

ちょっと待って。ひとりだけおかしいぞ。まあ、ともかくなんだ。上条、相変わらず女性関係すごいな。

このうちの何人にフラグ立てた? 刺されてもいいぞ。いい加減。

上条「は、はいッ! えっ、なに? なに?」

浜面「いや、ナニじゃねえよ。大将。」

海原「浜面さん、そのナニじゃありません。(くそうッ! 御坂さん、御坂妹さん、打ち止めさん、番外個体さんにも起こされるこのウニ男ッ!)」

いつかテクパトリたい。そう思ってるんだろう? エツァリくん。その気持ちは僕も同じだ。まったく・・・・・

いくつもの声に誘われるように、僕は声のするほうに足を運んだ。その声たちはうしろの襖から聞こえた。

声の他、襖からまぶしい光が漏れている。まるで太陽のような光だ。僕はその襖を開けた。そこには

とある高校の教室があった。教室にはかなりの人数がいる。この高校の生徒じゃない者も。

上条に女の子達が近付く。その数、29人。こんなふしぎの夢を見ているのに殺意がわいてくる。

ある事に限られた男ならこの気持ち、少しは理解できるだろう?

女子は29人だけじゃなかった。

婚后「上条さん、何度も起こそうとしたんですのよ?」

縦ロール「そうですわあ。」

湾内「ほんとです。」

泡浮「まったくです。」

29人+4人。イコール33人。この鈍感ウニ野郎がぁッ!

33人もの女子は、なぜか上条の目の前で差金の蝶、33匹をパタパタとさせる。

土御門「インデックス、滝壺。場所と方角は?」

インデックス・滝壺「「北北東、第××学区。」」

青髪「よし、ってなわけでよろしくな。」

上条「わかった。行ってくる。」

俺、『上条当麻』は教室を出た。教室の迎えに『和室』を見つけた。

あり? ここにこんな部屋あったか? よく見ると畳に布団が敷かれ、男がひとり寝ている。そいつの足の先には、ちゃぶ台があり、

開いたノートパソコンが置いてある。俺は男(そいつ)は見た。

上条「(同じクラスの鋼盾か・・・? けど、なんでこんなとこに?)」

鋼盾が寝ているのを見ていると、俺まで眠くなってきた。やばいやばい。俺は目をこすり、現場に向かった。

北北東 第××学区

時間は夕方。夕陽と夕焼けが学園都市を赤く染めている。なんとも幻想的だ。

ふと俺はおかしな事に気づいた。

日本宗教学区だろうか? 寺のようなところがある。墓地も。幽霊でも出てきそうだ。こんな学区、あったろうか?

そんなこんなで俺は現地についた。そこは古いアパートだった。だがただのアパートではない。

学園都市ができる前からそこにあるようだった。

俺はそのアパートにはいった。

他の部屋には人が住んでいないようだ。だが、


アパートの4号室。


この部屋だけは人がいる。なぜかと言うと、表札に『雷神』とあるからだ。

なぜ雷神なんだろう?

ともかく俺は部屋をドンドン、ノックした。


上条「すいませーん。いいでしょうか?」

???「どうぞ。」


女?の声がした。その声を合図に、俺はドアノブを捻った。



ガチャ。


少し殺風景な部屋だった。畳が8畳、小さい冷蔵庫、ふるいタンス、ちゃぶ台。

そして粘土の人形達。あるのはそれだけだった。

俺はちゃぶ台を見た。台でこの部屋の主らしき女?が粘土で何かを作っている。

その女?はふしぎな格好だった。

歳は俺と同じか、髪は金髪の長髪。肌は白で、瞳は青。腕捲りをした黄色い長袖。黒一色で端に黄色いラインが三本、入ったストール。

黄色いラインが数本、螺旋のラインも入った黒のズボン。腰には前から見れば、×のようにも見えるベルト。色は左が黒と黄色、右が黄色と黒。

ベルトの中央には二匹のヤギの飾りがある。俺から見て左のヤギは斜め下、右のヤギは頭が逆さまで、斜め上を向いている。

とにかくなんともいえない雰囲気だ。

俺は女?が粘土をこねているのをじーっと見た。そして気づいた。


粘土で作っているのは、人形だ。


そこでパチンコの喧騒がよみがえってきた。『僕』の『上条当麻』の夢はそこで途切れた。

目が覚めると、しばらくまわりを見た。そしてパソコンを点けた。文化祭映画の脚本の続きを書くためだ。


思わず欠伸をする。





パチンコの喧騒の他、踏切の音も聞こえてきた。




不可解な夢に僕はもう、何ヶ月も苛まれている。自分が上条当麻と一体化する夢を。




そして、





決まって現れる夢の女?を僕は知りたいと思った。

















あの女?はいったいなんなのだろう? いったい何者なのだろうか?

現実世界 とある高校 生徒会会議室。

鋼盾「なんか少し何かがたりねぇんだよな。」

垣根「単純でいいじゃねえか。魔法使いでも宇宙人でも怪獣でも妖怪でもいきなり出てくる。理屈は後でどうにでもなりゃあいいんだよ。」

生徒会長兼監督の垣根帝督が乱暴に言う。しかし、言っている事はあながち間違いではない。

鋼盾「まあそうだね。後はこの女を膨らませられればいいんだけどね。」

垣根「女? この粘土、丸てるこいつかあ?」

鋼盾「うん。男にも見えるこいつ。」

ゴーグル「それ以外、掬彦くんの夢の中で何やってんすか?」

副会長のゴーグル君が質問する。よし、こたえじゃん。

鋼盾「毎晩、夢に出てきて粘土こねる。ただそれだけ。」

心理「えっそれだけ?」

ここの生徒じゃない女子中学生の自称『心理定規(メジャーハート)』さんが口をぽかんとさせる。
すいません。ほんとにそれだけなんです。ちなみに中学生がなぜこんなところにいるのは内緒だ。
こまけぇことはいいんだよ!

砂皿「よく夢の内容を覚えていられるな。」

射的の先生、砂皿緻密先生がそう言う。この学校の噂だと、外人の女、ステファニー=ゴージャスパレードさんと二人で傭兵兼スナイパーやっているらしい。

こわい。

鋼盾「ただの夢じゃないんですよ。メチャクチャ怖いぐらいリアルな夢なんです。」

ステファニー「おお~。なるほど~。」

鋼盾「最近だと、眠ればすぐその夢がはじまるんですよ。夢の中の僕は、『禁書』のこの学校に通う上条当麻になっているんです。」

垣根「お前が上条に・・・それで?」

鋼盾「こう思うんです。この世界の万物(すべて)は全部、夢の産物じゃないかって。それを脚本にしようと思っています。」

グーグル「いいですね。それ。」

心理「いいんじゃないの。帝督監督?」

垣根「それでいくか。鋼盾、〆切を守って、女を追って、夢の続きを頼むぜ。」

鋼盾「わかりました。」


僕はあの『夢』をまた見ることにした。

外からガタンゴトンと電車が線路を通過する音が聞こえる。いい音だ。その音を聞き、僕は眠りにはいった。

上条「どうも失礼します。とある高校の者です。」

女は作業をやめて、『上条』になった僕を見た。そして視線を粘土に戻した。

上条「この近辺で超能力者が出現した反応があったんですが。」

僕、いや、俺は女に質問した。すると、女は

女「ククッ」

上条「?」

女「そいつならいるぜ。俺の頭の中(ここ)にな。」

笑いながら頭を示した。それに自分の事を『俺』というオレッ子か?

上条「えっ?どういう・・・」

女「超機動少女(マジカルパワード)カナミンの敵キャラさ。俺はそれを作っている最中なんだよ。」

女はそういってちゃぶ台の人形を俺に見せた。そいつはでっかい螺子をもった学ランの少年だった。どこかなんとも言えない不気味な雰囲気が漂っている。

おまけに『それ』は笑っていた。

上条「あっ・・・どうも失礼しました。」

女「待ってくれ。もしよかったら、」

上条「は?」

女「相談に乗ってくれねえかな? 超能力者退治の専門家としてさ。」

チリーン

差金の蝶が飛ぶ。

上条「俺が?」

女「君だったら、きっとすばらしい敵を生み出せるんじゃないかな?」

俺はOKした。

上条「わかりました。ところであなたの名前は?」

女「おおう、失礼した。俺はトールだ。よろしく。」

上条「俺は上条当麻。こちらこそよろしく。」

お互い自己紹介すると、『敵』の話をした。

上条「その敵の名前は?」

トール「名前から発想するか。天才、人吉善吉的だな。壊すもの、打ち砕くもの、粉砕するものという意味を込めて、」




           ミ       ョ     ル     ニ     ル     に     す     る    か    ?

僕は夢から覚めた。すぐにさっきの単語をメモする。

鋼盾「粉砕するもの、ミョ、ル、ニル・・・ ミョルニル・・・ッ!?」

会議室

垣根「面白くなってきたな。敵を退治するヤツから敵のアイディアを聞くってのが、逆転の発想でおもしれえよ。」

ゴーグル「マジ、そうっすねッ!!」

それを聞いて、僕は気分がマックスに良くなった。

鋼盾「いやあ、それほどでも・・・♪」

心理「でもまだ未完ね。」

鋼盾「もうちょっと夢を見れば完成できそうなんです。」

砂皿「悠長なものだな。」

鋼盾「あの、ミョルニルって単語、どっかで聞いた事あると思うんですけど、誰か知りませんか?」

垣根「それなら俺が説明してやる。古ノルド語で粉砕するものって意味。北欧神話の雷神トールの武器、ハンマーだよ。」

雷神トール

トールという単語は、あの女の名前だ。偶然だろうか。それとも・・・

鋼盾「雷神のハンマー・・・?」

垣根「元々は妖精ドヴェルグのブロックとエイトリが悪神ロキに頼まれて作ったものでよ。」

垣根帝督監督が黒板に鉄槌の事を書く。

 次回


上条「リアルな夢だった。」

美琴「まるで胡蝶の夢みたいね。」

上条「胡蝶の夢?」

黒子「そう。」

佐天「あなたが、」

初春「自分が、」

インデックス「とうまが、」

神裂「あなた自身が、」

五和「上条さんが上条さんであると、」

吹寄「貴様が貴様であると、」

姫神「君が君であるという、」

風斬「夢を」

結標「幻想を」

食蜂「ゆめを☆」

レッサー「ユメを」

雲川「お前がお前自身であるという幻想を見ているに過ぎない。」

トール「ニヤリ。」

夢と現実が上条と鋼盾が襲う!!

垣根「稲妻を起こし、ヨトゥンヘイムの幾多、数多もの霜の巨人達を叩き潰し、投げれば敵を追って、戻ってこいと言えば自動的にトールのところに戻ってくる。」

ゴーグル「おおー、すごいっすね~。」

垣根「ただ敵を倒すだけじゃなく、トールの戦車を引く二匹のヤギ、タングリスニ、タングニョーストを再生、蘇生させる事もできる。」

心理「・・・・・・・」

垣根「いわば破壊と再生のハンマーだ。」

鋼盾「なるほど、雷神の鉄槌ってわけか。」

ステファニー「こんなもんが相手だと、そうとうキツイなあ~。」





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