モバP「結局菜々さんって何歳なんだ?」 (46)

晶葉「そんなこともあろうかと!」ジャジャーン!

P「ゲェッ……じゃない!うおっ!晶葉!」

晶葉「助手よ、これを用意しておいたぞ」

スッ

P「これは……?」

晶葉「ああ、『簡単仮想年齢体験マシーンシステムロボだ」

P「(後半の機械系の言葉多くね……?)」

晶葉「これを使うことによって、対象にした人間から、その人間の年齢が変化した時の仮装実験を行うことができる!」

P「すっげー!流石あきえもん!」

晶葉「そう褒めるな。とにかくこれで、どの年齢でどのような容姿かは少なくともわかる」

P「よっしゃ!それなら簡単に特定できるな!サンキューあきえもん!」

晶葉「まぁ使ってみろ。感想はその後だ」

P「オッケー!」


P「えっと……『アイドル』のタブから『17歳』をクリックして……」

P「あっいないな」

晶葉「『Cute』で設定したあとに五十音で巡っていくのはどうだ?」

P「あ、あったあった。『安部菜々』これをクリック!」


晶葉「さぁ行ってこい、めくるめく仮想の世界へ―――――」





池袋晶葉(14)
http://i.imgur.com/EYciBHb.jpg

安部菜々(永遠の17歳)
http://i.imgur.com/5dbEgyn.jpg

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1414251774

ギューン


P「ここは……?誰かの家……か?」


てちてちてち


なな(3歳)「……おじさん、だれ?」

P「うわ!ちっさい菜々さん!」

なな「どーしてななのことしってるの?」

P「いやあ、おじさんプロデューサーでね」

なな「ぷろでゅーさー?」

P「ああ、アイドルを……手伝うお仕事だよ!」

なな「あいどる!?ななあいどるやりたい!」

P「(このころからアイドル志望なのか」

なな「おじさん!ななもあいどるやりたい!やりたい!」

P「まぁまぁ将来できるようになるから」

なな「そうなの!?じゃあまつね!」

P「うん、待っててね」

ギューン


パチパチパチパチパチ……


先生「はい、みんな上手に歌えましたね」

P「(音楽の授業中か……めんどくさい想定だな)」

先生「教育実習のモバP先生はどうですか?」

P「えっ俺!?」

先生「貴方以外に誰がいると?」

P「ああ、皆上手かったですね、はい……」

先生「それはよかった!では、今日の授業はこれで終わりです!では皆さん、教室に帰ってください」


<ハーイ!


クイクイ

P「……ん?」


なな(9歳)「あの……」


P「(微妙にちっさい菜々さんだ!)」

P「(でも今の面影が結構……あっ、胸だ!胸が小さい!!)」

P「ど、どうしたのかな?安部さん」

なな「さっき先生……へんなかおしてましたよね?」

P「え?そうだったかな?」

P「(そりゃそうだろ)」

なな「やっぱり、歌、ヘンでしたか?」

P「やっぱり?」

なな「うん、皆、音がずれてるところもあったり、パート分けがびみょうにあってなかったり……」

なな「ヘンだなーって思うんですけど、どこを直していいかわからなくて」

P「(……この子本当に9歳なのか?)」

P「というか君は、歌の上手い下手がわかるのか……?」

なな「え、うん……なんとなく」

P「(この年齢にしてこの音感……なんて才能だ!)」

P「君、アイドルに興味は―――――」

P「っと!」

P「(あぶないあぶない、いつものノリで勧誘してしまうところだった)」

P「(菜々さんはそもそもアイドルになるんだから)」

なな「え……?」

P「気にしないでくれ、なんでもないから」

なな「なながアイドルやりたいって……知ってるんですか?」

P「え?」

なな「先生にも言えなくて……ずっと秘密だったんですけど……えへへ、P先生と、二人だけの、ひみつですね!」

P「(ロリ菜々さん可愛いよ!!元々可愛いけど!!)」

P「まぁ、近い将来、二人だけの秘密じゃなくなるしさ」

なな「え?それって……」

P「ほいじゃまた」

ギューン


晶葉「……どうだった」

P「やはり菜々さんは……3歳でも、9歳でも、ない!」

晶葉「やはりか」

加奈「メモしておきますね」

晶葉「サクサク次行くか、次は一気に12歳だ」

P「おう」



今井加奈(16)
http://i.imgur.com/sPmjXHU.jpg

カランコローン

店長「やぁ安部くん」

菜々(12歳)「おはようございます!店長!Pさんっ!」

フルンッ

P「おはよう(わー巨乳だー!ていうか今の菜々さん……よりはちょっと胸が小さいかな?あれ?ていうかこれ本当に12歳……?)」

店長「今日は早いね。準備ゆっくりで大丈夫だから」

菜々「いえいえ!早くきたので早くからバリバリ働きますよー!」

店長「はは、頼もしいな」

P「……ん」

テクテクトテトテ

P「店長」

店長「どうしたモバPくん」

P「菜々ちゃんって12歳で、まだ小学生なんじゃ……?
働かせるのって法律的に……」

店長「……その話なら何度もしたじゃないか」

P「(したんだ)」

店長「彼女はあくまで『お手伝い』で給料ではなく『お小遣い』だ。OK?」

P「(いいのかよ……)」


菜々「あの」

P「ホウ!?」

菜々「え、えっと……やっぱり、迷惑ですか?」

P「え?」

店長「そんなことないよ!」

菜々「菜々、どうしてもアイドルやりたくって……高校生までに、お金貯めておきたくって……。
でも、もしご迷惑なら……」

P「いやいや!」

菜々「!」

P「素晴らしいじゃないか!アイドルっていう職業は、それくらいの気概で挑んでくれないと!」

菜々「えっ?」

P「最近はやれ可愛い、やれ何々ができるだので、簡単にアイドルになれると思っている!」

P「しかし現実は違う!人間は、アイドルはもっと努力しなきゃならないんだ!」

P「辛い下積みを経験して、何度も何度も打ちのめされて、それでアイドルに……ハッ!?」

菜々「……」ポカーン

店長「……ホウ?」

P「な、なーんちゃって……」

菜々「……」ジワァ

P「涙!?」

菜々「そうですよね……Pさんの言う通りだと思います……私、もっとがんばります……!
ありがとうございます……!」

P「え、えっと……」

店長「よくわからんが、よかったな」

ギューン


P「菜々さんが12歳かもしれない」

晶葉「何!?」

P「いや……やっぱり違うかも、もしかしたら……うん……?」

加奈「メモしておきますね」

晶葉「これは……ここからは小刻みにしていくか?」

P「ああ、そうしてくれ」

晶葉「では次、13歳に行ってみよう」

P「おう!」


ギューン


キーンコーンカーンコーン……

P「(ここは、教室か……桜が咲いている、つまり、春か?)」

菜々(13)「えーっと……『あべ』だから一番前だよね、やっぱり……あったあった」

P「えっ?俺の隣が菜々さん?」

菜々「えっ?なんで私の名前知ってるんですか?」

P「ああえっと……ホラ隣の人と親しくなろうとしてて名前先に見てたんだよ。貼ってあるし」

菜々「そーなんですか……」

P「しかし、雰囲気変わった?(胸はもう……現代の菜々さんと同じか)」

菜々「え?小学校、同じでしたっけ……?」

P「あ、いや、ほら、その……なんというか……」

菜々「ふふっ、面白い人ですね」

P「(なんというか、同級生の菜々さんってのも新鮮だなぁ……)」


―― キーンコーンカーンコーン……


先生「では皆さん、先日購入した教科書を出してください」

P「(何それ)」

菜々「……」

スッ

P「(え、見せてくれるの?)」

菜々「……」ニコッ

P「(かわいい)」

――休み時間


ジャンジャンジャカジャカ


P「(誰だよ……音漏れひでぇぞ……)」

DQN「あ~やっぱ音楽は最高だわ~」

シャカシャカ

P「(うっわ……昭和の不良だよ……)」


菜々「……」ウットリ


P「(え!?)」

P「(嘘だ!!あんなのがタイプなの!?)」

P「(で、でも菜々さんが恍惚の表情で……!?)」

P「(そ、そんなそんなそんあ……!!)」

P「安部さんッ」

菜々「は、はい?」

P「な、安部さんって……ああいうのが好みなの?」

菜々「はい?ああいうの?好み?」

P「え?でもアイツの事じっと見てたような……」

菜々「うわっ、恥ずかしい。バレてました?」

P「(マジかよおおおおおおおおおおお!!!)」

菜々「私も……ずっと欲しいんですよ、ウォークマン」ウットリ

P「はい?」

菜々「いいですよね。まさか音楽がカセットに入れて持ち出せるなんて。
もうお父さんとお母さんにすごい勢いでねだったんですけど、高くて、高くて……」

P「(当時のウォークマンは3万越えで、とても学生の手に入るものではなかったとか……)」

P「(って古!?)」


ギューン


P「何時代!?」

晶葉「何の話だ!?」


加奈「何時代、と……」メモメモ

P「見た目年齢はもう13歳で確定かな」

晶葉「若い、若いとは思ってたがそこまでとはな……」

加奈「見た目はもう13歳で確定、と……」メモメモ

P「しかし流石に13歳ってことはないだろ。本人17歳って言ってるんだし」

晶葉「ふむ、では一旦15歳も見て、その後本命の17歳に行くか」

P「そうしよう。


ギューン

P「(ここは……屋上か)」


男「好きです!付き合ってください!」

菜々「……ロリコンなんですか?」

男「はえっ!?ち、違いますよ!」

菜々「あはは、冗談です。――でも、ごめんなさい」

男「……ッ」

菜々「私、今はお付き合いとか考えてる場合じゃないので。そういうのは、ごめんなさい」

男「と、友達からでも……」

菜々「……気持ちは嬉しいんです、でも、私が貴方の恋人になることは、きっと」


男「……ッ」

ダッ!


菜々「……はー、アイドルも大変だなぁ」

P「確かに」

菜々「見てたんですか!?」ギョッ

P「ちょっとだけ」

菜々「趣味が悪い……見なかったことにしてさくさく立ち去ってくださいよ」

P「いやあ、つい」

菜々「ついって……」

P「(ていうか俺ら知り合いなんだ?)」

菜々「……ま、自分でも変だとは思ってますよ?」

P「ん?」

菜々「アイドルを目指して、だから、ずっと彼氏を作らない、っていうのも……。
それでも、私にとって、アイドルは……」

菜々「……って、あはは!こんな話するべきじゃないですよね!それじゃ」

P「菜々さん」

菜々「はい?」

P「貴方なら、きっと輝ける、だから―――」

菜々「……え」

P「あ、やっぱなんでもない」

菜々「えええっ!?」ガビーン!!

ギューン


P「菜々さん成熟しすぎィ!」

晶葉「どうした!?」

加奈「成熟しすぎィ、と……」メモメモ

P「あっ、名前欄に(15歳)って書くの忘れた……まぁいいか!
とりあえずあのしっかりした性格は昔からだったのか……」

晶葉「ふむ……つまりウサミンは15歳だと?」

P「いやわからん。何せ見た目に関しては12歳くらいからずっと変わってないんだ。
17歳でも変わってないかもしれん」

晶葉「そうか」

晶葉「(ん?そっちの方がはるかに凄い事じゃないか?)」

晶葉「(まいっか)」

P「とりあえず俺は……行くよ」

晶葉「ついに行くか」

P「ああ、菜々さんの年齢を、確かめに――――!」

ギューン……


カリカリ……カリカリ……


P「(え、何これ図書館?)」

P「(めっちゃ勉強しとるやん。何コレ?)」


菜々(17歳)「……」 カリカリ


P「(おったー!!)

P「(間違いない、今の菜々さんだ)」

P「(身長も、外見も胸もそのまま)」

P「(まあぶっちゃけ13歳くらいからほとんど変わってないんだけどさ)」

P「(なんかこうアレよ、雰囲気)」

P「(しかしこまったな、話しかけようにも話かけられん)」

オロオロ

菜々「……」ピクッ

スッ

[こんにちは、モバPさんも勉強ですか?]

P「(ノートの切れ端に、文字が)」

P「……」カリカリ

[ええ、安部さんもですか?]

菜々「……」カリカリ

[はい、絶対に東京の大学に行きたいので]


P「(東京の大学……)」 カリカリ

[アイドル、ですか?]


菜々「……!」ピクッ


[流石、よく御存じですね]


P「(ここでは俺はどういうキャラ付けなんだろう……?)」カリカリ

[地元に残ってアイドルの勉強をするっていう選択肢はないんですか?]


菜々「……」ウーン カリカリ


[アイドルって、やはり鮮度が命だと思うんです]

P「……」

クイクイ

P「ん?」

菜々「……」スッ

P「(ああ、外で話そうってことか)」

菜々「……聖子ちゃんはもちろん知ってますよね?」

P「え、松田聖子?え?」

菜々「そうです……やっぱりアイドルっていうのは、17、18歳くらいには始めておかないと、
きっと、おいていかれちゃうと思うんです。時代の波に」

P「(なんで聖子ちゃんの話が出てくるんですかね?)」

菜々「だから私も……大学には通います。親の意思ですから。
でもそれと同時に、アイドルもやりたい」

菜々「お金は貯めましたし、向こうでもバイトはするつもりです」

菜々「きっと大変だと思います。すごくひもじい思いをすることはわかってます」

菜々「それでも……アイドルをやりたいんです」

P「(聖子ちゃんの話がデカすぎて他入ってこないんスけど?)」

菜々「だから勉強してるんです。東大は、正直ちょっと難しいかもしれないですけど、
がんばればできない事はない、って信じてますから!」

P「(アッハイ)」

P「(菜々さん俺よりはるかに高学歴なんですか?オホォ?)」

ギューン


P「ちょっとついていけなかった」

晶葉「何があったんだ……?」

加奈「ちょっとついていけなかった、と……」

P「ところで晶葉、菜々さんが17歳でアイドルデビューしてなかったんだけどこれってまさか」

晶葉「ん?ああそれは関係ないぞ?菜々さんのアイドルデビューに関しては
『Pにスカウトされる事』が必須条件のようだ。なので、仮想空間ではずっとアイドルしてないぞ?」

P「マジかよめっちゃかわいそうだな」

晶葉「で、見た目に関しては?」

P「いやもう完全に菜々さんだよ。てか15歳くらいからずっと菜々さんだから。
もう現代のと全く持って違いねぇよ。ストイックさまで瓜二つだよ」

晶葉「まぁ一応、同一の人間だからな……せっかくだし20歳とかも見てみるか?」

P「まぁそれも面白いかもな。老けてたらその前の年齢ってことだもんな?」

晶葉「まぁこの場合一概には言い切れないが……『その年齢以外』とは言えるということだな」

P「なるほどな!ようし!レッツ20歳!」

ギューン


菜々(20歳)「……」グッタリ


P「(ええええー……)」

P「(ここは講義中か……なるほど、大学だな)」

P「(見た目は……うわ、全く変わってねぇ、こわ)」

P「安部さん、安部さん」

ユサユサ

菜々「……あい?」

P「ノートとっておくし、代返しとくから家で寝てなよ。すごい顔だよ」

菜々「え、でも悪いですよ、そんなの……」

P「いいからいいから。ほら、帰った帰った」

菜々「わ、わ……あ、あの、ありがとうございます」

ヨロヨロ……

P「(何したらあんなになるんだ……?)」

P「(あ、もしかして、大学に通いつつ、バイトしながらレッスン受けてるとか?)」

P「(そら死ぬわ……)」


――― その夜


コンコン

P「(うちの家、帰ってきてみてなんだけど黒電話だしインターホンないんだよな)」

P「あ、はーい」


ガチャ


菜々「こんばんわー」

P「あれ、安部さん」

菜々「お昼はありがとうございます!これ、おすそわけです!」

P「(煮っ転がし……なんて家庭的なんだ、嫁に欲しい)」

菜々「これからはああいう事が無いように気を付けますので……」

P「いやいいって。ゆっくり休みなよ。アイドルも大変なんだし」

菜々「あはは……わかってくれる人がいると、本当助かります」


P「(だから俺のポジションはなんなんだ?)」

菜々「やっぱり、大学続けながらは無理がありますかね?」

P「え?」

菜々「アイドルって……知ってはいたんですけど、毎日大変で」

菜々「バイトも、学校も、ってなると……どうしても」

P「うーん……でも菜々さん可愛いし、大丈夫じゃない?」

菜々「はいっ!?」

P「あ、いやごめんなんでもない!ちょっと切るよ!」

菜々「何をですか!?」

ギューン


P「あやうく菜々さんを仮想世界で落とすとこだった」

晶葉「おいおい、あまり過度に接触されると、現実世界に影響が出るからな?」

P「何その新機能!?今初めて聞いたよ!?」

加奈「あやうく落とすところだった、と……」メモメモ

晶葉「して、今回はどうだった?」

P「……見た目も中身もまったくかわらなかった」

晶葉「……は?」

P「だから、13歳のころから、20歳のころまで、ずーーーーっと変わってないんだよ!
雰囲気さえ15歳ごろからずっと固定!」

晶葉「……そんな人間が、存在するのか?」

P「いや、あくまで仮想なんだろ?それなら……」

晶葉「いや?外見だけで言うなら再現率99.99%を自負しているが?」

P「え……」


晶葉「ま、まぁ22歳も見てみよう!それでわかるだろ!」

P「だな!!」

ギューン


P「(また大学か)」

P「お、菜々さん……変わってねぇぇっ!?」

菜々(22歳)「はい?」

P「え、えっとー、安部さんは、就職とか、決まったの?」

菜々「あ、あはは……えっと」

P「(決まってないパターンかな?)」

菜々「メイドカフェの方から……どうしても社員になってほしいと、押し切られちゃって」

P「へっ?」

菜々「あそこには本当にお世話になってますし、これからもアイドル目指すのも応援してくれるって言うんで、つい……」

P「(確かに見た目変わってないもんな……)」

菜々「メイドも頑張りますけど、アイドル活動も諦めませんよ!」キャハッ!

P「が、がんばれー」

ギューン


P「全然変わってなかったけど?」

晶葉「馬鹿な!?」

P「もう微塵も」

加奈「いつでも見た目は13歳、と……」メモメモ

晶葉「そんな人間が……そんな人間が……!?」

P「もういっそ人間じゃなくても驚かないZE☆」

晶葉「ええい!こうなったらヤケだ!31歳いくぞ!」

P「ええ!?それはいくらなんでもなんというか!」

晶葉「いくらなんでも31歳なら多少の変化があるだろう!行ってこい!」

ギューン


菜々(31歳)「おかえりなさいませ!ご主人様っ♪」

P「(全く変わってねぇえええええええーーーーーー!?)」

菜々「はえっ……?菜々の顔に何かついてますか?」

P「いやあ、今日も美しいな、と思いまして……」

菜々「ふふ、そんなこと言ったってドリンクサービスしませんよ?さ、あちらのお席でお待ちください!」

P「(躱し方が上手い!)」

P「(いや、あれ化粧なんじゃないか……?)」

P「(なんとかすっぴんをみたい所だな……)」


――――  夜。


P「(菜々さんがコンビニにビールを買いに行くと言う情報を晶葉からもらった)」

P「(ここで張っていれば出会えるであろう)」


テクテク……


P「(きたっ!)」


菜々「……ふぃー、今日も寒いなーっと」


P「(変わってねぇええええええええーーーー!!?)」

P「(何!?深夜コンビニに行くのにも化粧を欠かさない系女子!?)」

P「(そんなわけあるのか!?)」

ギューン


P「そんなわけないじゃん!!!」

晶葉「どうした助手ー!?」

加奈「ないじゃん!!!、と……」

P「そんなわけーーーないじゃん!!」

晶葉「本当にどうした助手!?」

P「化粧落とし想定機とかない?」

晶葉「そんなピンポイントの機械はないな……」

P「とにかく菜々さんが変わらなかったんだよ!もうわけわかんねぇよ!!」

晶葉「な、何……!?」

P「俺自分で何言ってるかわかんねぇもん!31歳だぞ!?俺より年上だぞ!?
でもずっとロリだったぞ!?ロリコン大歓喜だよ!伝説の年上ロリ巨乳だよ!」

晶葉「なんだその二律背反のような複雑な属性は……しかし、それが本当だとすれば、凄まじいな」

P「だろ!?ワイもびっくりやで!」

晶葉「こうなれば致し方ない。42歳まで吹っ飛ばすぞ」

P「え、流石にそれは……」

晶葉「これでウサミンが人間であると証明するんだ。もし、42歳でも姿が変わらなければ……」

P「変わらなければ……?」

晶葉「……いや、よそう。この話は。さぁ、行ってこい」

P「えっちょっと待って気になる」

ギューン


P「あれ?ここどこだ?」

P「どこに行けばいいんだ?うーん」

キョロキョロ


「どうしたんですか?何かお困りですか?」

P「ああ、実は人を探してて……」

菜々(42歳)「人ですか?」

P「おったああああああああああーー!!!」

菜々「はいっ!?」

P「え!?菜々さん!?本物!?うわ全く変わってねぇ!」

P「本物ですよね!?菜々さんの娘とかでなく!?」

菜々「それは先日、私の友達の娘が結婚したことへのあてつけですか!?」

P「マジで!?ああそうか42歳だもんね!そらそうか!」

菜々「わ、何で年齢まで知ってるんですか……?」

P「うわ……42歳に見えない、若い……可愛い……」

菜々「ちょ、やめてくださいよ……こんなおばさん捕まえて……」

P「いや本当可愛いマジで……あの、よかったらアイドルとか」

菜々「……へ?アイドル?」

P「あ、違ったしまったついクセで。一旦帰りますね」

菜々「へ?あの、ちょっと!?」

ギューン


P「……」

晶葉「……」コクリ


加奈「世界はそれでも廻り続ける、と……」メモメモ


P「晶葉」

晶葉「わかっている」

スッ

晶葉「これは0歳に設定してある。つまり」

P「出生か」

晶葉「そうだ。彼女が『どこ』で生まれた『なに』であるかがこれでハッキリする」

P「……」

晶葉「もちろん選択は自由だ。これを知るも、知らないも……」

P「俺は……知るよ」

晶葉「そうか」

P「ああ、何か宇宙人とかだったら面白そうじゃん!ウッヒョヒョー!」

晶葉「うっわ最低だな。でもそんな助手もいいと思うぞ!スイッチオーーー」


ブッツン

P「お?」

晶葉「停電か?」

加奈「!?」メモォッ!

P「……出力オーバー?」

晶葉「そんなわけないだろう」

P「何かのエラー?」

晶葉「そういう事はないと思うが」

P「それじゃあ……」

晶葉「……お、大方、電子レンジの使い過ぎか何かだろう。気にしすぎじゃないか」

P「はは、そう、だよな」


フィィン

P「あ、ついたついた」

晶葉「では早速」


ガチャ!!


菜々「あ!プロデューサーさん。やっぱりここにいましたか!」


P「ヒェッ!?」

晶葉「!?」

加奈「!?」メモ_!


菜々「特に事故とかはなかったみたいですね。よかった」

P「(どきどき)」

菜々「さっきの停電は電子レンジとテレビとドライヤーとかと、色々同時に使いすぎたのが原因みたいなんで」

菜々「特に気にしなくても大丈夫みたいですよ!」

P「そ、そうか」

晶葉「あ、ああ、助かるよ」

菜々「いえいえ、それではー!」

ガチャバタン!

P「……」ドキドキ

晶葉「……」ドキドキ

加奈「……」メモメモ

晶葉「き、気を取り直して」

P「おう!」

カチッ

シーン……

P「え?」

晶葉「……ん?故障か?」

P「……いや、根本から起動してないみたいだぞ?」

晶葉「また停電か?まったく、違うコンセントにつなぐか」

ガッチャ ガッチャ

シーン……


晶葉「……馬鹿な」

P「あ、あははは……?」

晶葉「ま、まさか、な……?」

P「そ、そうだよ、たまたま今日は調子悪いだけで」


ビーーーーー!!!


晶葉「!?」

P「え!?」


ボシュッ!


P「……」

晶葉「……」


加奈「機械は音を立てて爆発。その後、一切の音を立てなくなった、と……」メモメモ

P「……」

晶葉「……」

加奈「……」


P「……ね、年齢とかどうでもいいよな!!」

晶葉「そ、そうだな!」

加奈「……」

P「い、今の菜々さんは菜々さんだし!年齢とかどうでもいいし!」

晶葉「あ、ああ!ウサミンはずっと変わらずウサミンだしな!」

P「そ、そうだよ!仮に宇宙人だったとしても、別にそんなの全然気にしないし!」

晶葉「そ、そうだそうだ!」

P「あっはっはっはっは……!はは……」

加奈「……」



加奈「人々は時に知識を求めすぎ、真理に近づきすぎる」

加奈「だが、天に近づき、太陽に翼を溶かされたイカロスのように」

加奈「あまりに近づきすぎたものは、その咎によって身を焼かれ、地に落ちる、と……」


加奈「メモしておきますねっ♪」



おしまい

以上です。菜々さんは何歳になってもずっと可愛い

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