球磨川『へぇ、君はキョン子ちゃんっていうのかい?』(53)

球磨川『ただの人間には興味はありません』

球磨川『この中に海賊、死神、霊能力者、スタンド使い、忍者、ハンター、漫画家、霊能探偵』

球磨川『超能力者、教師、やたらと女の子にもてる奴、仙人、侍、その他etcetc……えーっとなんだっけ」

球磨川『某週刊少年誌だと、他にもいろいろいた気がするけど、まぁ良いや!』


球磨川『ほら、僕らってゆとり世代じゃない。昔の漫画とかあんまり見たことないもんね』

球磨川『でもゆとりが悪いって世間の風潮は良くないと思うんだよね、僕』

球磨川『だってそのゆとり世代を作ったのは、大人たちじゃないか』

球磨川『彼らの教育とか作り出した環境とかのせいで、僕たちゆとり世代が生まれたわけじゃない?』

球磨川『「それなのにこれだからゆとりは……」とか「ゆとり乙」とかレッテル張りをはなはだしいというか』


球磨川『まぁ、つまり何が言いたいかと言うとだね』

球磨川『僕は悪くない』


キョン子「これ……笑うとこ?」

~~休み時間~~

キョン子「お前……マジか?」

球磨川『え、何が?』

キョン子「朝の自己紹介の奴だよ。唯の人間には興味がないとかなんとか」

球磨川『ああ、面白かったでしょう? これでギャルゲーにおける三枚目お笑いポジションは貰ったね』


球磨川『ほら、いるじゃないか。主人公に女の子を紹介して自分はちゃらけてるタイプの奴』

球磨川『性格が良くて、コミュ力があって、友人にも恵まれている』

球磨川『つまりそのポジションを貰った僕はもう無敵だってわけだよ』

キョン子「その割には誰もお前に話しかけてこないじゃないか」

キョン子「寧ろさけられてるぞ、お前」

球磨川『………………』


球磨川『』ブワッ

キョン子「え、笑顔のままで泣き出すなよ気持ち悪い……」

球磨川『そうだね! きっと「何面白い奴的な自己紹介してるんだよ」』

球磨川『「滑りまくりなんだよ空気読めよ」と言う感じの冷たい視線で見られているんだろうね!』

球磨川『君もあれかい? 似たような経験をしたことあるから、僕に気を使って話しかけてくれているのかな?』

球磨川『ありがとう!! その同情ありがたく受け取らせてもらうよ! お礼に僕の昼食に招待しよう!』ガシッ

キョン子「いや、ああ、うん……そのなんだ」


キョン子「多分アレだろ? 皆が話しかけてこないのは」

キョン子「自己紹介の時に一番大事なものが抜けてたからだと思うぞ」

球磨川『へぇ? 聞かせてもらおうじゃないか。その大事なものというのを』

球磨川『人を笑わせるセンス? 第一印象で惹きつける魅力? 付き合いやすいなと思わせる気安さ?』

球磨川『残念だけど、僕みたいな負完全にはそんなものありゃあしないんだよキョン子ちゃん』

キョン子「まて、何で俺の名前を知っている」


球磨川『へぇ、君はキョン子ちゃんっていうのかい?』

キョン子「か、かまかけやがったのか!?」

球磨川『いやさっき自己紹介してたじゃない』

キョン子「…………」

球磨川『で? いったい僕の自己紹介に何が足りないって言うんだいキョン子ちゃん』

球磨川『できる事なら過負荷な僕にも、真似できる感じで教えてほしいなぁ』

キョン子「お前が今言っただろ……」


キョン子「名前だよ、名前」

球磨川『ああ、僕の自己紹介にはキョン子ちゃんが足りなかったのか』

球磨川『なるほど、今度からは参考にして一単語ごとにキョン子ちゃんと叫ぼう』

キョン子「違うっつーの、お前自身の名前だ」

球磨川『…………』

キョン子(急に黙りやがった……)

球磨川『まぁ人間だれしもうっかりはあるよね! 仕方ないさ!』

球磨川『つまり僕は悪くない』


球磨川『で、キョン子ちゃん。僕に何か用かい?』

キョン子「は?」

球磨川『いやだって君みたいに可愛い子が僕なんかに話しかけてきたという事は』

球磨川『大方、中学時代から付き合っている不良あたりに、僕を体育館裏とかに連れ込ませて』

球磨川『カツアゲさせるとかそういう裏があって当然でしょう?』

球磨川『大丈夫、話しかけてくれた恩に免じて、乗ってあげるよ! 借りを作ったと思ってくれて構わないよ!』


キョン子「……お前のそのネガティブシンキングがどこから来るのか分からないが」

キョン子「少なくとも俺は、そんなあくどいことの片棒を担ぐために話しかけたんじゃないぞ」

球磨川『ん? と言うと一体何が目的なのかな?』

キョン子「自己紹介があんなだったから碌に名前を聞いてないだろ」

キョン子「つまりお前の名前をさっさと教えろと言いたいわけだが」

球磨川『ああ、僕の名前は武藤遊戯さ』

キョン子「何故そんなバレバレの嘘をつく」

球磨川『決闘王と呼んでくれて構わないよ』

キョン子「分かったよろしくな決闘王。神のカードは持ったか?」


球磨川『分かった分かった、僕は悪くない』

球磨川『僕の名前は球磨川禊さ』

球磨川『某週刊少年誌から転校してきた』

球磨川『くれぐれもよろしくね!』

キョン子「まぁとりあえずお前が奇人変人の類であることはよく分かった」


~~ 数日後 ~~

昼休み・屋上にて

キョン子「なんだか最近誰かに監視されている気がするんだが」

球磨川『さすがにそれは僕じゃないよ?』

キョン子「分かってるさ。というか」

キョン子「今も誰かに監視されてる気がする」

球磨川『へぇ?』

球磨川『まぁきっとキョン子ちゃんは可愛いから』

球磨川『大方ファンか何かがつけまわしているんだろうね』


球磨川『よし良いだろう。僕に声をかけてくれたお礼参りだ』

球磨川『僕がその違和感、なかったことにしてあげよう』

キョン子「つまり具体的には?」

球磨川『簡単だよ、まずキョン子ちゃんが一人で学校を練り歩く』

球磨川『そしてちょっと人気のない感じの所にいく』


球磨川『で、監視している奴がそれについていったら』

球磨川『僕がそいつに襲い掛かればいい』

キョン子「……何かどこかで聞いたことがあるぞその案」

キョン子「具体的にはお前と会った日に」

球磨川『そうかい? 僕はとっくの昔に忘れちゃってるや』

キョン子「まぁ良いだろう……。それじゃあよろしく頼むぜ」


~~校内~~

キョン子「と言ったものの……」

キョン子「そううまくいくのかなぁ……」

???「……」スタスタ

キョン子「……っ!」

キョン子(やっぱどいつか知らないがついてきやがるな)

キョン子「よしそれじゃあ球磨川、手筈通りにやれよ……」

キョン子「今はひとだかりがあるから人気のないところに行った後で……」


      ブックメーカー
球磨川『却本作り!!』

球磨川の螺子がキョン子を
追いかける影に突如として突き刺さる

だが突き刺さったのは影だけではない。

廊下を歩いていた生徒全員に対して螺子をぶち込んだのだ。

朝倉「ぐあぁああああ!?」

球磨川『あれ? 生徒会長の朝倉涼君じゃないか』

球磨川『確かさっき屋上にもいたよね?』

球磨川『ずーっとこっちを凝視していたからすごく気になっていたんだ、偶然だなぁ』


朝倉「な、何を言ってるんだい、球磨川君……」

朝倉「まったくの偶然……だよ!!」

そう叫ぶと、朝倉涼は球磨川に向けて手を振りかざす。

勝利を確信した笑みが朝倉の顔に浮かび上がる……だが。

朝倉「な、何故だ!? この空間の情報を制御できない!?」

球磨川『残念だったね』

        ブックメーカー             マイナス
球磨川『僕の却本作りは全ての全てを封じる過負荷』

球磨川『全ての全てを僕レベルに引き下げるスキルなのさ』

朝倉「つまり君は……超能力者という訳だ」

球磨川『まぁそんなところかな?』


朝倉「フ、フフ……それなら納得がいくね」

キョン子「何だかよく分からないが目の前に猟奇的な光景が広がっている件」

キョン子「球磨川、どうするんだよコレ!! と言うかお前がやったのか!?」

球磨川『そうだよ? 何当たり前のことを言っているのさキョン子ちゃん』

球磨川『さて、生徒会長君』

朝倉「あの一応訂正しておくが僕は生徒会長じゃない」

朝倉「ただの学級委員だ」

球磨川『あ、そうだっけ? 生徒会長は向こうで突き刺さっているあの娘かな?』


球磨川『まぁ、今から君からキョン子ちゃんに対する執着心を』

球磨川『なかったことにするんだけど構わないかな? 答えは聞いてない』

朝倉「クックク……別にかまわないさ。だけど一つ忠告しておこう球磨川君」

朝倉「君がこのどこでもない世界から元の世界に戻るための貴重な重要だ」

球磨川『つまり僕は異世界人でもあったわけだ。へー知らなかったー』

朝倉「これから君の前に未来人、超能力者、宇宙人が現れるだろう……」

朝倉「彼らとコンタクトし、世界を元通りに修正するんだ……」

朝倉「そうすれば――うぐぅうう!!」

球磨川『ああっ! 良いところで学級委員さんが謎の弾丸に撃たれた塵になった!!」

キョン子「頼むから俺にわかるように説明してくれ」


~~放課後・教室~~

球磨川『いやーしかしよかったねー熱烈なファンさんが改心してくれて』

キョン子「いや、塵になったけど」

キョン子「あと廊下の人たちは一体どうするんだよ!?」

               ブックメーカー 
球磨川『大丈夫大丈夫、却本作りに肉体的なダメージはないから』

球磨川『あとで勝手に抜けてるよ、多分』

球磨川『ってあれ? これは……』

キョン子「どうした?」

球磨川『僕の机にこんなものがあったのさ』

yuki[元の世界に戻りたければ、sos団を結成しろ]

nazimi[彼女の言う事は聞いておいた方がいいよ、球磨川君☆]


球磨川『sos団か……どういう団だかわかるかい、キョン子ちゃん』

キョン子「さぁ……、怪しげな悪の結社とかそんな感じの団体なんじゃないか?」

キョン子「というかそんな怪しげな手紙信じるのか?」

球磨川『nazimiって言うのが僕の知り合いでね』

球磨川『なおかつこの学園にはいない名前だ』

球磨川『それなのに、この学園の僕の机に』

球磨川『この名前が書かれている手紙が入っているということは』

球磨川『つまりそういうことなのさ』


球磨川『しかし、sos団っていうのが実際どんな団体か分からない以上』

球磨川『作ろうにもつくることはできないな』

球磨川『つまり僕は悪くない』

球磨川『悪の組織でも作って、学園を乗っ取ればいいのかな?』

キョン子「俺は反対なんだが……」

キョン子「そもそも、さっきから展開に追いつけん」

キョン子「元の世界がどうとかなんとか」

キョン子「学級委員が塵になったのも意味不明だ」

キョン子「どういう事か詳しく説明しろ」


球磨川『ふむ……実をいうと』

球磨川『実は僕はこの世界の住人じゃないのさ』

球磨川『それにほら、君は全く気付いてないみたいだけど』

球磨川『放課後君は何処に言ってるんだい?』

キョン子「そ、そりゃあ普通に家に帰って……」

球磨川『本当にそうなのかい?』

キョン子「ど、どういうことだ?」

球磨川『いや思わせぶりな言葉を言いたかっただけさ』

おもろい


キョン子「真面目に俺の質問に答えろ」

球磨川『まぁ塵になったのは恐らく何かしらの攻撃を受けたんだろうねェ』

球磨川『そうは思わないかい、長門さん』

球磨川が言い放った先にはちょうど扉を開けて

現れた眼鏡の少年が一人。

長門「…………」

キョン子「お前は文学部の長門ゆうき……」


球磨川『朝倉君に止めを刺したのは君だね?』

長門「たしかに彼の情報結合を崩壊させるプログラムを書いたのは私」

長門「しかし止めを刺したのは私ではない」

球磨川『へぇ、それはどういうことかな?』

長門「現在の状態ではそれを明かすことはできない」


球磨川『推理小説における、真実の隠蔽的な役回りかな?』

球磨川『早めに言っておいた方が良いと思うよ』

球磨川『大体何か不運があって、そのキャラは退場してしまうからねぇ』

キョン子「く、球磨川……妙なことはするなよ……」

キョン子「というか、球磨川の奴はともかく」

キョン子「俺にはそのsos団と言うものに参加する義理はないんだが……」


長門「別に一生そのままの姿で良いなら、私は構わない」

キョン子「な、何の話だ」

長門「現在の状態でそれを明かすことはできない」

長門「今のあなたでも十分魅力的」

キョン子「~~~っつつ!?」

球磨川『おいおい! キョン子ちゃんを口説くんならまずマネージャーの僕をとおしてからにしてよ!』

キョン子「いつからお前が俺のマネージャーになった!!」

球磨川『プロデュースするよ!!』

キョン子「しなくていい」

球磨川『課金するよ!!』

キョン子「勝手にしろ」


球磨川『さて、長門さん。これだけは教えておいてほしいかな?』

球磨川『いったいsos団って言うのは何なんだい?』

長門「名前自体に深い意味はない」

長門「ただしその集団を構成する人物が非常に重要」

長門「特にあなたが元の世界に戻るためには」

球磨川『まぁ知り合いに会えないだけで』

球磨川『別にファンタジーばりばりの世界からやってきたわけでもないし』

球磨川『数か月ぐらいは別に何ともないんだけどさ』


キョン子「あーひょっとしてなんだが……」

キョン子「その集団やらに私は含まれていたりするのか……?」

長門「当然。むしろあなたが中心人物と言っても良い」

長門「本来の中心人物はこの世界には存在しないから」

球磨川『なるほど、つまりキョン子ちゃんは申し訳ないが強制参加と』

キョン子「なぜだ……」

球磨川『僕は悪くない』

キョン子「お前が大抵の原因だよ!!」


長門「別に何か特別なことをしろという訳ではない」

長門「たとえばの話、私の文芸部に入る。その程度で良い」

球磨川『なるほど、そう言えばキョン子ちゃんは部活まだ決まってなかったっけ?』

球磨川『まぁ僕もなんだけど』

球磨川『一緒に文芸部に入ろう!!』

キョン子「う、うーん……その程度なら問題は……」

球磨川『そしてsos団を掲げて学園を支配しよう!』

キョン子「やめろ」

長門「決まり。入部届は私が勝手にでっち上げておく」


~~翌日・文芸部部室~~

球磨川『さぁそれじゃあsos団を執行しようじゃないか』

球磨川『ところでsosにはどういう意味が隠されているのかな?』

キョン子「単純にヘルプとかそう言う意味なんじゃないのか?」

長門「世界を大いに盛り上げるための――の団」

キョン子「え? 何の団だって?」

球磨川『なるほど、でも団長は僕の予定だから』

球磨川『しいて言うなら』

球磨川『世界を大いに盛り下げるための球磨川禊の団』

球磨川『になるのかなぁ』


キョン子「盛り下げるなよ……。上げろ上げろ」

球磨川『え、でも基本sage進行だよ?』

キョン子「メタるな」

球磨川『さて、長門さん。残りのメンバ-は一体誰になるのかな?』

球磨川『僕はちゃちゃっと済ませてささっと帰りたいんだ』

球磨川『あー友人のみんなが恋しいなぁ』

キョン子「お前先日数か月ぐらい余裕とか言ってただろうが!」

キョン子「ところで長門……、pc弄って一体何をやってるんだ?」

長門「エロゲ―」


キョン子「そ、そうか……お、面白いのか?」

長門「……」コクッ

球磨川『へーこのポニーテルの娘可愛いねェ』

長門「ポニーテールは正義」

球磨川『おっと手が滑ってイヤホンをpcから引き抜いてしまった』

pc「あぁああああん!!」

キョン子「」ビクッ

長門「…………」

キョン子「な、何故こちらを凝視する長門」


長門「少なくとも一人はあなたを泳がせていれば」

長門「勝手に集まってくる」

長門「もう一人は多分、エロゲのようにフラグが立つのを待つしかない」

球磨川『特徴を教えてくれれば、僕が連れてくるんだけどなぁ』

長門「ではお願いする。見た目はコレに男子制服を着せた感じ」

球磨川『アーこのパッケージの娘?』

長門「それじゃない、左の娘」

キョン子「お、お前ら……女子がいることも考えろよ……っ」


~~ 廊下 ~~

キョン子「……というわけでうろついて第二の団員を探すことになったんだが」

朝比奈「こ、ここどこですか……何で僕連れてこられたんですか……」

球磨川『いやーごめんねー。君があまりにもこのエロゲのパッケージの娘とそっくりだったからー』

朝比奈「ひぇ!?」

キョン子「……朝比奈みのるさんでしたっけ」

キョン子「誠に申し訳ないんですが、その……」

キョン子「おい、球磨川。お前が言えよ」

球磨川『文芸部に来て裸エプロンになってくださいお願いします!!』


キョン子「違うだろ!? ちゃんとsos団に入部してくれって頼めよ!!」

朝比奈「え、あ、えーっとなんでですかぁ……?」

朝比奈「ぼ、僕茶道部にも入会してるんですが……」

キョン子「そこをなんとか。兼部でもいいので」

朝比奈「う、うーん……」

古泉「ふんもっふ!!」ガシッ

キョン子「」ゴフッ

球磨川『キョン子ちゃんが通りすがりの女子にラリアットを食らわされたァー!?』


古泉「初めて見た時からずっと好きでした! 付き合ってください!」

キョン子「初対面なんですが!?」

古泉「ひとめぼれです! 付き合ってください!」

キョン子「待ってくれ! 俺は女! あんたも女! おかしいだろ!?」

古泉「些細な問題です!!」

朝比奈「ひ、ひぇえ……」

球磨川『最後の一人って言うのは彼女で問題なさそうだね』


~~文芸部部室~~

球磨川『ということで全員集めてきたよ』

球磨川『さぁ、願いを叶えてくれ神龍!!』

朝比奈「な、何で僕連れてこられたまんまなんですか……」

古泉「文芸部入部? んっふ、構いませんよ。キョン子さんを一晩貸してもらえれば」

キョン子「どうしてこうなった! どうしてこうなった!」

長門「条件は整ったみたい」


長門「出てきてくれて構わない」

キョン「」ガラッ

キョン子「だ、誰だその男……」

球磨川『キョン子ちゃんによく似た男……?』

キョン「本物のお前だ」

キョン子「ど、どういうことだ!?」

キョン「種明かしをしようじゃないか」


キョン「この世界は本来のsos団団長――涼宮ハルヒの力によって生み出された」

キョン「いや、正確にはキョン子――」

キョン「お前が生み出されたことにより、世界はかくあるように改変されたんだ」

キョン子「俺が――生み出された?」

キョン「今日のハルヒの読み物――ts物と週刊少年誌だ」

キョン「あいつには世界を思うがままに改変する力がある。自覚はしてないだろうがな」

キョン「おそらく潜在的に俺のts――つまりお前を思い浮かべたんだ」

キョン「しかし同時にts前の俺を残しておきたいという願望もあったのかもしれない」


キョン「そこであいつの能力が起こった現象とは――」

長門「自らが”キョン子”へとなり替わり、自分のポジションには」

長門「何か適当な新しいキャラクターを配置することだった」

長門「要するに球磨川禊、この世界のあなたは涼宮ハルヒによリ生み出された」

長門「ただの代替物にすぎない」

球磨川『な、なんだって……!?』

キョン「さらにキョン子、お前が生み出されたことによる」

キョン「本来の世界の性別すら切り替わることになった」

キョン「よって団員一行の性別が入れ替わったりしたんだ」


キョン「俺ははみ出された自分のポジションを取り戻すため」

キョン「裏で手紙を細工したり、長門に作ってもらったレーザー銃で朝倉を打ち抜いたりしていた」

キョン「そして現象が起こった状況――団員全員が集まるこの状況を再び作り直したわけだ」

球磨川『ふむ、なるほど。それは良いんだけどさ』

球磨川『結局僕はどうすればいいのかな?』

         オールフィクション
長門「あなたの大嘘憑き  でこの現象をなかったことにしてほしい」

球磨川『でもそれをすると、キョン子ちゃんが消えてしまうし』

球磨川『第一僕だって消えてしまうんじゃないのかい?』


長門「それは世界を戻すために仕方のない事……」

キョン子「う、うう……」

球磨川『そうかー世界を戻すためなら仕方ないね』

球磨川『僕は悪くない』

球磨川はそう言って、まっすぐ本来のキョンに向かって走り出す。

球磨川『別に元に戻さなくたって』

球磨川『異物である君をなかったことにしてしまえば丸く収まるんじゃないかな!』


キョン「――んなっ!?」

長門「くっ――!」

とっさに長門が動き出すが、

一瞬のすきを突かれたその行動に

どうしてもワンテンポ遅れてしまう。

    オールフィクション
球磨川『大嘘憑き !! このキョン君をなかったことに――』

キョン子「や、やめろぉおお!!」


――一瞬の閃光。

遠のく球磨川の意識。


~~箱庭学園~~

安心院「さて、球磨川君。異世界旅行はどうだったかな?」

球磨川『異世界って言うほどのモノじゃなかったじゃないか』

球磨川『それであの後どうなったのさ?』

安心院「別にどうも? 三者三様の世界に戻っただけさ」

安心院「混ざっていた三つの世界が再び三つにね」

球磨川『なるほど、つまりキョン子ちゃんにはキョン子ちゃんの世界があったって事か』

球磨川『しかし最後のあの光は一体なんだったんだろう?』


安心院「それはキョン子ちゃんと重複していた」

安心院「キョン君の世界のハルヒちゃんの力じゃないかな?」

安心院「イヤーでも良かったね、無事戻ってこれて」

安心院「安心、安心、世は何事もハッピーエンドだ」

球磨川『いやまぁしかし一つ言わせてもらえないかな』

球磨川『一応僕はキョン子ちゃんの為を思って動いたんだけど――』

球磨川『どうやら主人公補正って奴にはかなわないらしいね』


安心院「つまり何が言いたいんだい?」

球磨川『また勝てなかった』

終わり

おつ

なんか随分とあっさり終わったな

あれ?クマーがキョン子に惚れる展開は…?

そんなものはなかった

終わりがえがった

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