少女「ポケモンゲットだわ!」 カイリュー「宜しくネキー!」 (13)

少女「ふんふふふーん!」タタタ

風でふわふわと揺れるスカートなんかには目もくれず、
草むらを全力疾走中の私 (10) は、昂る気持ちを抑えられずにいた。

なぜなら今日は、誕生日。


少女「初めてのポケモン! ゲットするわ!」


そう、10歳の誕生日…!
それは、10年無事に生きてこれたのを祝うだけでなく、
新しい旅の始まりを告げる日なのだ!


ガサガサーッ


少女「はっ! 草むらが揺れた…!」

少女「ということは、ポケモンが……」

少女「……ッ」ゴクッ


私の期待に満ちた眼差しと少しの恐怖心。
それらを一身に背負って現れたのは……。




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カイリュー「ファッ!? 人間のメスやんけ!」

カイリュー「わしは、これから用を足すさかい。こっちみんなや!」ブリブリー






少女「…………」プイッ





その日から私は、言葉を忘れた――



カイリュー「……ふぅーう」フキフキ

少女「……」プイー

カイリュー「あ、もうケツ噴いたしこっち見てもええんやで」

少女「……」チラッ

カイリュー「……」

少女「……」ジーッ

カイリュー「……」ジーッ


少女「……」ジーッ


カイリュー「…な、なんや」


少女「…」サッ

カイリュー「え、えーッ!? ちょっと待てや女ァ!」

少女「……」チラッ

カイリュー「だからなんやねんその全てに絶望した目はァーッ!?」

カイリュー (なんや…? ワイがなんかしたんか…?)

少女 (…ポケモンって。脱糞、するのね)

カイリュー (ただ脱糞しただけやんけ!)ムカムカ

少女 (なんかもう、全てに失望…いや、興味が……)フラフラ

カイリュー「ええっ…ちょっ、なに倒れそうになってんねや!」

カイリュー「…ええと、ワイが何したんかは分からんけど! 謝るから!」

カイリュー「その手のモンスターボールで捕まえて好きに使ってええから、機嫌直してや!」

少女「……」

少女 (それでいいか。もう…)


モンスターボールヒョイー


カイリュー「…なんでこうなったんやろ」


カポン! コロッ…コロッ…


ピタッ!


…カイリューを、捕まえた。


少女「…ハァ」

少女 (これが私の初めてかぁ…)トオイメ

カイリュー「捕まえといてなんやそれは!」

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