提督「安価でまだまだみんなと遊ぶ」 (1000)

前スレ1000なしにつき、すぐに本編です。


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提督「安価でみんなと遊ぶ」
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提督「安価でもっとみんなと遊ぶ」
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提督「安価でさらにみんなと遊ぶ」
提督「安価でさらにみんなと遊ぶ」 - SSまとめ速報
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※雑談自由・キャラ崩壊注意
※安価は自由にしてます(遊ぶに縛られなくてもいいや)
※毎日亀更新

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1414071416

提督「ああ、旅行楽しかった! さて、しばらくこうしてのんびりと……」

霞「なにか、聞き捨てならないセリフを聞いたけど?」ガチャ

提督「さーて仕事仕事。誰も居なかった鎮守府の掃除もしなきゃなー」

霞「まったく……」

バタン

提督「……行ったか? よし」

提督「今日から平常進行だ。仕事なんて放っておいて早速誰かの相手をしよう」

下2

―青葉型の部屋―

提督「青葉を密着取材してやろう」

青葉「そ、その、青葉は取材されるより、する方が好きですから……」

提督「だからこそだ」

青葉「嫌がらせですか……いえ、いいんですけど……」

衣笠(まだ提督のことを怖がってる……いや、私のせいではあるんだけど)

提督「じゃあ、この一眼レフを持って後ろについていくから、勝手に行動して良いぞ」

青葉「一眼レフって、取材に適していませんけど」

提督「やっぱり? じゃあ、携帯で写真とるか」

青葉「一気にグレード低くなりましたね」

衣笠(……提督、もしかして仲を修復しようとしてるの?)

~~~~~~~~

『重巡艦であり、記者でもある青葉の朝は早い。今日も朝の五時には起床し、鎮守府のスクープを探し当てている』

提督「こんな早くに起きて、何かスクープを見つけたことはあるんですか?」

青葉「いえ、流石に見つけたことはほとんどないですね」

提督「では、なぜ毎朝こんな早い時間に?」

青葉「もう義務みたいな感じです。あ、義務と言ってももちろん、毎日楽しんでやっている事ですから」

『好きだからこの仕事をしている。それが彼女の口癖だ』

『情熱大――』


衣笠「……青葉、何か放送してるけど」

青葉「あぁぁぁ……やめてください、ちょっと乗せられてしまっただけなんです……」

衣笠(それ、記者として致命的じゃないかしら)

青葉「司令官~……絶対にスクープを激写してやりますから……!」

衣笠(……でもまあ、目論み自体は成功かしらね)

―執務室―

提督「まさか、本当に放送するとは……冗談で持ちこんだだけだったのに」

提督「……ま、俺の事じゃないしいいか」

下2

―二航戦の部屋―

蒼龍「……なんでまた提督がいるんですかね」

提督「用事が無ければ来ちゃいかんのか」

蒼龍「そういうわけではないですけど……」

飛龍「あんまりサボると後が困るよって蒼龍は言いたいんだよね」

蒼龍「そういうのはあるけど……飛龍は提督が居る事に気にならないの?」

飛龍「あんまり」

提督「蒼龍も気にしなくていいんだぞ」

蒼龍「本人が言っても……それに、気にしないというわけにも……」

提督「急によそよそしいな……どうかしたのか?」

飛龍「あ、わかった。最近相手してくれないから拗ねてるんだよね」

蒼龍「……執務室で、報告書を持った艦娘が居たんですよ」

提督「マジか。でもまあ、居ないときは適当に報告書だけおいてくれたらかまわない」

蒼龍「それを知らなかったみたいなので、そのまま秘書官さんの方へ……」

提督「――それはやばい」ダッ

バタン

蒼龍「早い……」

飛龍「提督もごろごろしに来るのなら、もっと空いた時間で来ればいいんだけど」

蒼龍「そうじゃないから、私も苦言を漏らしてるの」

飛龍「じゃあ、蒼龍も提督が部屋に来るのは嫌じゃない感じ?」

蒼龍「嫌とは、言ってないから」

―執務室―

提督「やばいやばい。秘書官の部屋の前で止めることができて良かった」

提督「もし引き継がれていたら、俺が痛い目に合うところだった……ふぅ」

下2

―陽炎型の部屋三号室―

提督「……」

浜風「いきなりセクハラですか。手が早いですね」

提督「手は出していない」

浜風「セクハラは認めるんですね」

提督「ど、どこがセクハラだというんだ」

浜風「そうやってじっとこっちを見つめることがですよ。目が犯罪者のようでした」

提督「違うぞ! 俺はその綺麗な目とさらさらの髪を見ていたんだ!」

浜風「見てたんじゃないですか」

提督「しまった!」

浜風「まったく……はぁ」

谷風「見られないより、嬉しいんだろう?」

浜風「は? そんなわけないでしょ」

磯風「ふむ。だが、女は見てもらわなければ劣化が早くなると聞くな」

浦風「この職場じゃあ、提督さんしかおらんけぇのう」

提督「つまり、さっきの行動は浜風の美しさを保たせていたという事か」

浜風「そんなわけないでしょうが」

提督「浜風はツンツンだなぁ」

浜風「大元の原因は提督のせいですけどね。これで、セクハラが無ければ私も多少は……」

提督「ん?」

浜風「セクハラを止めてくださいと言ったんです」

―執務室―

提督「浜風がデレる日はまだまだ来ない」

提督「……いや、あんなことをしている限りは一生デレるわけないけどさ」

下2

秘書艦じゃなくて秘書官なのには何か理由でもあんの?

>>23 無いけど…あえていうのであれば、第一艦隊の旗艦ではないからというのがあります。
秘書艦だとそちらをイメージする人もいるかもしれないということで……
    はい、言い訳です。すみません。



提督「これが改二になった扶桑か……」マジマジ

扶桑「はい、さらに鍛え上げられた火力で、もっと活躍して見せますね」

提督「確かに艦載数も増えたし、純粋な火力も上がったな」

扶桑「はい」

提督「でも耐久はあんまり上がらなかったな」

扶桑「……」

提督「あ、あー……そうだ、服が華やかになったな!」

扶桑「そ、そうですか?」

提督「ああ! なんだか覚悟を決めたみたいでいいな!」

扶桑「覚悟、ですか……」

提督「か、覚悟と言っても、こう……攻める覚悟というか、前向きになったというか」

扶桑「……」

提督「あ、そうだ! 中波のときの露出減ったよな! 俺はそういう羞恥心を持つのはいいことだと思うぞ!」

扶桑「提督……」

提督「あ、あー……なんかすまんな」

扶桑「……いえ、ありがとうございます提督」

提督「うまく褒められなかったのにお礼言われてもな……ま、これからの活躍を期待しているぞ」

扶桑「はい!」

バタン

提督「なんとなく華やかになったな。うん、しばらくたてば山城も改装するし、楽しみになってきた」

提督「不幸姉妹と言われた扶桑型も改装か……次が楽しみだ」

↓2

提督「第三回マリオカート大会。今回は龍驤、瑞鳳、大鳳、瑞鶴がお送りする」

龍驤『なんやそれ』

提督「なんとなくやってみたかった。準備はいいか?」

大鳳『そろそろ始めませんか?』

瑞鶴『そろはじ厨みたいなのやめて』

瑞鳳『なにそれ?』

龍驤『まあええわ。タイムアタックで練習してきた成果をみせるでー!』

提督「今の会話でお前たちの実力も大体分かった。絶対負けんからな」

~ダイジェスト~

提督「よし、このまま青甲羅が飛んでこなければ一位だな」

瑞鶴『フラグ回収おめでと。提督さんに飛んでけー!』

提督「てめえこの! ……なんて、クラクションあるし」

瑞鳳『出ました! サンダー!』

提督「ぬわー!」


大鳳『アイテムだけじゃ決まらないということを教えてあげますよ』

瑞鶴『あ、二位でスペシャルエイトでたわ』

龍驤『三位でトゲかぁ……ま、ええやろ』

瑞鳳『あ、またサンダーが出ちゃいました』

提督「最下位だが、このタイミングでスターを撮れたのはおいしい」

大鳳『マリカは運ゲーです(断言)』

提督「へー」

龍驤『ぬ、抜かれた!? なら、この赤甲羅で……!』

瑞鶴『ようやくガードをといたわね! 赤甲羅くらいなさい!』

瑞鳳『あ、スター……す、すみません、ぶつけちゃって』チュドン

大鳳『最下位で三連緑……体当たりくらいには使えます!』ドン

龍驤『デスコンボやて……』


提督「もうちょっとで瑞鶴に負けるところだった……実力じゃ確実に勝っていたはずなんだが」

瑞鶴『まさか、三連赤を壁消しされるとは思わなかったわよ』

大鳳『自信失いそうです……』

龍驤『瑞鶴が二位やから、まだ希望はあるで』

瑞鳳『ところで提督、どうしてこのメンバーで誘ったんですか?』

提督「え? ……まあ、運がどこまで左右するのかという、そういうメンバーかな。それじゃあ、解散」

―執務室―

提督「メンバー選出は……まあ知らない方がいいこともある」

提督「そんなことはさておき、やっぱりある程度運に左右されるようだな。瑞鳳にキラーが出なかったのもある意味そうだし」

↓2

提督「――お前らしばらく休暇な」

168「え?」

58「てーとく、もう騙されないでち」

提督「は、騙す? 何のことか知らないが、今回は本当に長期の休暇だ」

8「いきなりどういうことなのか、説明してもらっても?」

提督「オリョクルの資材集めや、軽巡や駆逐のデコイ、果ては魚雷で戦艦を鎮める役割を担っていたりと、予想以上に酷使しているような気がしてな」

401「でも、今更だよ?」

提督「今更でも休みを平等に与えねばと思ってだ。そんなわけでしばらく休みだ」

19「わーい、休みなのー」

まるゆ「ちょ、ちょっと待ってください。まるゆもいいんですか?」

提督「まるゆだって遠征にはよく行ってくれてるだろ。当然だ」

168「ううん……司令官がそういうのなら、喜んで受け取った方がいいのかしら。資材とかは大丈夫なの?」

8「少しの足しになる、くらいだけど、収入が減るのはきついのでは」

提督「心配しすぎだ。そもそも、資材に関してはお前たちのおかげで余ってるくらいだ」

58「じゃあ、本当に休みでち?」

提督「でち公は疑い過ぎ。はい、休みの終了時期は日を追って伝える。とりあえず、長い休みが取れるということだけ伝えたかった」

401「わかった。でも、必要になったら休暇中でも呼んでね」

19「何しようかなー……」

バタン

提督「近々大きな作戦が始まる気がするからな。今のうちにゆっくり休ませておきたい」

提督「時が来たら馬車馬のように働いてもらうがな!」

↓2

提督「社交ダンス? なんでまた」

舞風「ダンスがしたいんです。踊りたいんです。舞いたいんです」

提督「……なんか、末期症状でも出てる?」

舞風「そういう訳ではないんですけど……」

提督「まあ、別に良いんだけどさ。なんかまたどうでもいいパーティに呼ばれていることだし」

舞風「踊れますか?」

提督「上流階級のパーティだし、ダンス位するんじゃないか?」

舞風「……! 提督、その時を楽しみにしてます!」

―当日・公園―

提督「なんかすまんな」

舞風「いえ……しょうがないですよ、提督だって未来が見えるわけじゃありませんし……」

提督(パーティという名の式だったからなぁ)

舞風「はぁ……」

提督(このまま帰るのは悪いし……よし)

提督「舞風、ここで踊るか」

舞風「はい?」

提督「音楽は無いが……人気もないし雰囲気は出るだろう」

舞風「いいんですか? ですけど提督は、元からあまり……」

提督「そうだな……俺も肩透かしを食らっていたところだ。よければ付き合って欲しい」

舞風「……はい!」

―執務室―

提督「人気のない公園の中、舞うように踊る二人……まあ、社交ダンスなわけだが」

提督「それより、臭いセリフを吐いたような気がする。きっと後に黒歴史となるだろう……」

下2

瑞鶴「提督さ――あれ、居ない?」

瑞鶴(報告することがあるんだけど、提督さんが行きそうな場所……)


―庭―

提督「zzz……」

瑞鶴「ようやく見つけた……何でこんなところで寝てるのよ」

瑞鶴「ふわぁ……さすがにちょっと疲れたわね。少し休憩しようかしら」

瑞鶴「……まあ、日当たりもよさそうだし、提督さんも気にしないだろうし、ここでいっか」

提督「zzz……」

瑞鶴(熟睡しちゃって……人の寝顔見てると、こっちも眠く……)

~銃十分後~

翔鶴「こっちの方に瑞鶴が言ったって聞いたけど……あら」

提督「zzz……」

瑞鶴「スースー……」

翔鶴「ふふ、瑞鶴ったら、提督とこんなところでご一緒して」

翔鶴「……」

翔鶴「わ、私もいいですか、提督」

提督「ムニャ……いいょ……」

翔鶴「!?」

提督「zzz……」

翔鶴「……ふふっ、では、失礼します」

~一時間後~

提督「ぅん……あれ、いつのまにか寝てたか。プランターの作業も疲れるからなっと」

瑞鶴「スースー……」

翔鶴「スヤスヤ……」

提督「!? い、いったいどういう事なのだ。状況がつかめん」

提督(掴めない、が……)

提督「……暖かいし、もう一眠りしよう。二人の方から来たっぽいし、セクハラにはならないよな――」


翔鶴「――起きてください、提督」

提督「……しょう、かく? あれ、ここは……」

瑞鶴「庭で寝てるなんて、提督さんも何してたのよ」

提督「え? プランターの世話して、寝て……」

翔鶴「急に居なくなるなんて、心配させないでくださいね?」

瑞鶴「それじゃあ提督さん、報告をするわ」

―執務室―

提督「ううーん、隣に翔鶴と瑞鶴がいたような気がしたんだが……気のせいだったのか?」

提督「事実が分からん以上、考えても詮無きことだが」

下2

―談話室―

提督「トリックアンドリート。お菓子あげるから悪戯させて」

赤城「いつものですか? まだハロウィンには早いですよ」

蒼龍「ハロウィンでも言わないと思うけど……」

加賀「それに、その発言はただの犯罪者ですよね」

提督「冗談で済みそうな相手なら犯罪者にならない!」

飛龍「へー、じゃあ……悪戯してみます?」

瑞鶴「な、何言ってるのよ!」

翔鶴「冗談でも、そういうことを言うのは良くないと思いますよ?」

飛龍「ごめんごめん」

雲龍「……逆に、みんなはお菓子貰っても悪戯されたくない感じ?」

赤城「ええと……少々なら構わないかもしれません」

加賀「私は観念願いたいわ」

蒼龍「別に、悪戯なら普段からされてるし……」

飛龍「相手も提督だしね」

翔鶴「私はその、少しなら……」

瑞鶴「どうせ、するなって言ってもしてくるし」

雲龍「だって、どうする?」

提督「冗談だって言ってるから。悪戯とかしないから」

―食堂―

提督「そんなわけで、トリックアンドトリート。お菓子あげるから悪戯させて」

龍驤「なんや、ツッコミ待ちか?」

翔鳳「悪戯、ですか……その……」

飛鷹「何時もの冗談だろうから、気にしないほうがいいわよ」

隼鷹「乙女の純情を揺さぶってくるなあ」

千代田「まあ私は千歳姉以外の言葉に揺さぶられることは無いけど」

千歳「提督も揺さぶるのが目的ではないと思うわよ」

瑞鳳「はっ、思い切り揺さぶられてました……」

鳳翔「提督、突然どうしたんですか?」

提督「正規空母に聞いたらかなりワイワイで終わったんで、ついでに軽空母にも聞いてみようかと」

龍驤「あほ、そんなん許すわけないやろ。なあ」

龍鳳「え? そうなんですか?」

『えっ』

龍鳳「え? え? 何かおかしい事言いました?」

飛鷹「提督、いったいどういう洗脳をしたんですか」

提督「いや、さっきの驚きには俺も含まれてるんだが……」

千歳「そういえば、龍鳳の周りではあんまり奇行を見受けられませんね」

鳳翔「提督は真面目にしていればいい人ですから」

翔鳳「幾分棘がある言い方ですね……」

~~

大鳳「それで、気まずくなってこっちに来たと」

提督「ついでに、大鳳はどうだ? トッリクアンドトリート」

大鳳「普通にお断りですけど何か」




―執務室―

提督「ふむふむ、とりあえず、基本的には半々くらいの意見だっただろうか」

提督「好意的にされても、反応に困るだけというのが分かっただけだが……」

下2

川内「夜戦行きたい!」

提督「また突然……ええと、それは戦闘の方の夜戦だよな」

川内「そうそう、やーせーんー」

提督「まあ、夜戦は良いんだが……とりあえず風呂入ってこい」

川内「何で?」

提督「気付いてないのかもしれないが、最近昼型になっていたせいで、少し眠そうに見えるぞ」

川内「ん……そう見える?」

提督「そうだ。艦隊の出撃はずらすから、さっさと行ってこい」

川内「……」

―お風呂―

提督「何故に一緒に入ることになった」

川内「なぜか、目を離すとまた『そんな事言ってないぞ』とか言われそうで……」

提督「何だよその腹黒提督。というか、お前はそれでいいのか」

川内「え、何が?」

提督「皆、混浴は避けるだろ。一部例外はいるが」

川内「そんなの、ちゃんと隠せば気にすることなくない?」

提督「川内がそう言うスタイルなら、それでもいいんだけどな」

川内「そうそう!」

―執務室―

提督「川内みたいなのが一番やりやすいんだよな。弄りがいはあまりないけど」

提督「というか、川内に夜戦をさせたのは久しぶりのような……」

下2

陸奥「大変よ提督!」

提督「なんだって!? 長門が一人で海に出て何かと争っているだと!?」

陸奥「……知ってたの?」

提督「すでに秘書官から聞いた。今出発しようと思っていたところだ」

陸奥「そう」

提督「陸奥、随伴を頼んでもいいか」

陸奥「それは願ってもいないことだけど……いいの、私で。艦隊を用意していくべきだと思うのだけれど」

提督「それだと出るのに時間がかかる。真実が分からない以上、一刻も早く状況を理解することが先決だ」

陸奥「分かったわ。でも、もしもがあった場合は」

提督「後の事は秘書官に頼んである。有事の際にも動けるよう通告した」

陸奥「いいわ、早く行きましょう」

―鎮守府正面海域―

提督「……」

陸奥「……」


北方棲姫「あははははは!」

長門「ちょこまかとしつこい奴め!」

北方棲姫「おにさーん、こっちだよー!」

長門「ビッグセブンを馬鹿にするとは……海の藻屑にしてやるぞ!」チュドーン


提督「……なあ陸奥、いざ助けに行こうと思ったところで気付いたんだが」

陸奥「奇遇ね、多分私も同じことを思っていたわ」

提督「あれ、長門完全に遊ばれてるよな」

陸奥「そうね、相手は何故か装備なし……さすがに、装備の無い敵のために救援に入るのは……」

提督「長門のプライドにも傷を付けそうだしな」

陸奥「相手がそれを狙ったのなら大したものね……他に増援の気配も無い訳だし」

提督「というより、何故長門はあそこまで必死なんだ」

霞『北方AL海域でも同じことがあったみたいよ』

提督「秘書官か。同じことって、装備なしで追いかけっこのことか?」

霞『一応報告書にも書かれてたと思うんだけど……哨戒中の長門が北方棲姫に煽られて、からのあれよ』

提督「そう言えば、二三度そんな報告書があったな……よし陸奥、帰るぞ」

陸奥「え、いいのかしら?」

提督「まあな。同じことだとすれば……」


長門「くそっ、何故当たらん!」ドーン

北方棲姫「ほらほらー、どうしたのー?」

―執務室―

提督「さて、長門からの報告書は……よし、いつもどおり逃げられたか」

提督「というか、北方棲姫は艦娘に対して敵対心は無いのだろうか……いや、そんなはずはないと思うんだけど」

提督「本当に深海棲艦って不思議」

下2

―大鳳の部屋―

提督「人肌が恋しいな」

大鳳「そうですか」

提督「……」

大鳳「……」

提督「くっついて寝させてくれないか?」

大鳳「そのネタ前にもしましたよ」

提督「前のはドッキリ目的だからな」

大鳳「そうですか」

提督「……」

大鳳「……」

提督「なあ大鳳、冷たくないか?」

大鳳「今まで私の自室に来て、何をして行ったのか覚えていますか?」

提督「舐めて触って寝て揉んで……言葉だけなら完全にセクハラの数々を」

大鳳「それが分かっているのなら、私がそっけない理由もわかっていますよね」

提督「……なるほど、添い寝も、勝手にしろという事か」

提督(とか言ったら、そんなのあるはずがないです、とか激しいツッコミをしてくるはず!)

大鳳「その通りですよ。どうせ言っても止める気ないんでしょうし」

提督「……!?」

大鳳(遊び盛りの小学生みたいな行動しかしませんし、放っておいた方が被害なくて済みそうですし)

提督「そ、そんな返答する大鳳なんて、大鳳じゃない!」ダッ

バタン

大鳳「……まさかの大成功でした」

―執務室―

提督「これが大人になるって事なのか……悲しい成長を見届けてしまった」

提督「そもそも、俺の行動が原因なんだけどさ」

下2

~~~~~~~

電「遠征から帰ってきたのです、司令官さん」

提督「よく頑張ってきてくれたな、電」ナデナデ

電「えへへ……」

提督「お、電……リボンが少しほどけてる」

電「あ、本当なのです」

提督「ちょっと待ってろ」シュル

電「あ……」

提督「……よし、できた。これで立派なレディーだ」

電「ありがとう、なのです」

電(司令官さん、良い人なのです……)

~~~~~~~

電「――ということが、大分前にあったのです」

響「なるほど、司令官にもまともな頃があったんだね」

雷「そう? 今もかっこいいじゃない」

暁「なんだか、雷には別の人に見えてるんじゃないかってたまに心配になるわ……」

電「それが、今の司令官さんは……」

提督「ひゃーはー! 電のリボン貰って行くぜ―! 返してほしくば執務室にとりに来るんだな!」ガチャ バッ

バタン

暁「……」

電「こうなってしまっているのです」スッ

響「行くのかい?」

電「多分、遠征の用事なのです」

雷(電、わかってるのね……!)

―執務室―

提督「たまには遠征の人員も変える。その旗艦は電だと伝えるだけだったのだが……まあ、少しよれてたリボンが気になったわけだ」

提督「電にはいつも通りの対応をされて、ちょっと寂しかったけど」

下2

―大和型の部屋―

武蔵「最近、緊迫感という物が失われつつある」

大和「そう?」

武蔵「長門もAL海域で敵と遊んでいると聞く」

大和「本人によると、追いかけているだけで遊んでいるわけではないようだけど」

武蔵「何にしても、今は戦争という物をしているとは思えない空気だ」

大和「そうねぇ、武蔵の言いたいことは分かるけど」

武蔵「私ももしかすれば、緊迫感という物が欠けつつあるのかもしれん」

大和(気にし過ぎだと思うんだけど)

武蔵「大和、よければでいいが、この武蔵を試してくれ。方法は何でもいい」

大和「まあ、考えておきます」

―執務室―

提督「――なるほど、つまり何かしら危機感を抱かせろと」

大和「こういう事は提督に頼むのが一番だと思いまして」

提督「そうだな、緩んでいるというのなら、ちゃんと引き締めさせなければならん」

大和「いいんですか?」

提督「まかせとけ」

大和(その言葉は不安なだけなんですが)

大和「ええと、一応聞いておくんですけど……何をするつもりなんですか?」

提督「ふふふふふ」

大和(……武蔵だし、大丈夫よね?)

―廊下―

提督「おっす、武蔵」

武蔵「ああ、提督か」

ヒュッ ガッ

提督「……ほう、まさか目に見えないほど早い手刀をな」

武蔵「突然だな。もしかして、大和に頼まれたのか」

提督「そうだ。武蔵、気が抜けていると聞いたが、止められたじゃないか」

武蔵「当然だ。 提督「表向きの攻撃はな」 ……なんだと?」

提督「これ、何だと思う?」ヒラヒラ

武蔵「白い……ハッ、まさかこうも簡単にやられるとは」

提督「まあ、鎮守府内ならほどほどの緊張感でいい。ある意味合格点と言ったところだ」

武蔵「そうか……だが、少しは切り替えることにしよう。簡単にとられたことは事実だしな。ではな」

提督「ああ……待て、さらし忘れてるぞ武蔵!」

―執務室―

提督「危ない危ない、露出がどうこうの前に、俺が脱がしたと噂が流れるところだった。いや、事実脱がしたんだけど」

提督「依頼自体は成功、でいいのかな」

下2

―北方AL海域―

提督「――ヲ級」

ヲ級「い、いきなりっ!?」

提督「お前、色々手回ししていたそうだな」

ヲ級「な、何のことでしょう。分かりませんねー……」

提督「北方棲姫」

ヲ級「っ」ビクッ

提督「偵察」

ヲ級「っ」ビクッ

提督「お前にはお仕置きしなければならないようだな」

ヲ級(ほっぽちゃんの事は本人からだろうけど、偵察は何でばれたの……)

ヲ級「わ、私になにを……」

提督「ふふふ……」

~数分後~

ヲ級「うっ、頭が……」

提督「中身をくりぬいてないかぼちゃに、鉄で錬成した蝙蝠の模型。絵の具で血染めのように塗りたくった適当の逸品」

ヲ級「重いんだけど……それに、適当の逸品って……」

提督「はっはっは、もう二度と余計なことするなよ。じゃあな!」ザパッ

ヲ級「うぅ……とりあえず、何がどうなったのか確認しなきゃ……」

北方棲姫「あれ、ヲ級……」
レ級「そんなところで……」

ヲ級「はい?」

北方棲姫「きゃーーー!」
レ級「わーーー!」

ヲ級「!?」

北方棲姫「すごーい!」
レ級「触っていーい?」

ヲ級「……」

ヲ級(これ、しばらく直すこと出来なさそう……)

―執務室―

提督「コーデより、持っていくのが大変だった」

提督「北方棲姫とレ級が来ることは気配で分かってたから、気に入ればしばらく変えさせてもらえないだろうな」

下2

提督「んー……」

浜風「どうしました?」

提督「おお、まさか浜風から話しかけてくるとは」

浜風「執務中は一応真面目ですから」

提督「……まあいい。短期なんだが、大本営から艦娘の要請が入っている。俺もついていくことになっているんだが」

浜風「要請させる艦娘で悩んでいるんですか?」

提督「いつもなら、比叡とか慣れてる奴に行かせるんだが……まあ、都合が悪くて」

浜風「では、私が行きましょうか?」

提督「浜風が? あー……そうだな、頼めるか」

浜風「了解しました」

―当日・ホテル―

提督「三日ほどの短い期間、ここで過ごす。心配せずとも部屋は別だ」

浜風「わかりました」

提督「質問はほかにないな?」

浜風「そういえば、大本営の要請内容とはいったいなんですか?」

提督「あれ、言ってなかったか」

浜風「はい、艦娘ならだれでもいいと聞きましたけど」

提督「艦娘が料理を作っちゃうぞキャンペーンをするらしい」

浜風「……はい?」

提督「イメージアップの一環だそうだ」

浜風「来たの後悔しました……」

―執務室―

提督「都合とはそういうことなのだった。まあ、例に漏れず完成品は別に作ってあるのだけど」

提督「それより、出張の間さすような視線がとても恐ろしかった。騙したわけじゃないのに」

↓2

―睦月型の部屋―

提督「久しぶりに来てみた……って、皐月だけか」

皐月「うん、ほかのみんなは今出かけてる」

提督「そうか……」

皐月「多分すぐに戻ってくるから、ゆっくりしてていいよ」

提督「じゃあ、お言葉に甘えるとしよう」

皐月「……」

提督「どうした皐月、なんだか、物欲しそうな顔をして」

皐月「その、ね……」

提督「俺にできる事なら力になるぞ」

皐月「じゃあ……司令官、これやって!」

提督「本? お姫様抱っこ特集……」

皐月「嫌ならいいんだけど……」

提督「こんなもの簡単だ、ほれ、こい」

皐月「いいの? わーい!」ギュッ

提督「それ、どうだ?」

皐月「えへへ……これ、いいね」

提督「こんなことくらい、すぐに言ってくれてよかったんだぞ」

皐月「それは、その……恥ずかしかったんだ」

提督「思春期に入ったばっかりなら、よくあることか」

ガチャ

睦月「よかったにゃー……あ、皐月ずるい!」

如月「あら、あとで私にもやっていただけます?」

提督「……この後の展開が読める」

―執務室―

提督「睦月型が順々に帰ってくるとは、実は狙っていたのだろうか」

提督「全員からせがまれるということはなかったけどさ」

↓2

―旅館―

提督「秘境ともいえる温泉があるこの旅館。飛龍が福引でとってくれました」

蒼龍「なんで説明口調……?」

飛龍「多分浮かれているんでしょ」

赤城「楽しみですねー」

加賀「そうね」

翔鶴「私たちも来てよかったのかしら」

瑞鶴「呼ばれたんだから、来ていいってことでしょ」

雲龍「あんまり交流がない私も呼ばれたし」

飛龍「だからこそ、正規空母同士の親交を深めようと思ったんだよ」

提督「チェックインするぞー」

―温泉―

赤城「はー、心が休まりますねー」

加賀「そうね」

飛龍「蒼龍ー、そんな隠さなくていいじゃんかー」

蒼龍「だって飛龍触ってくるじゃない。って、だからやめ……んっ」

翔鶴「楽しそうね……こら、瑞鶴」

瑞鶴「えー、たまにはよくない?」

――

提督「あっちは楽しそうだな」

雲龍「そうですね」

提督「……なぜいる!?」

雲龍「奥でつながってました」

提督「まじか……はあ、誰かにも言ったけど、そっちが気にしないならいいんだけど」

雲龍「提督はそういうところありますよね」

提督「そういうところと言われてもな……」

飛龍「あ、やっぱりこっちにいた」

蒼龍「ちょっと飛龍、どこに……提督!?」

提督「飛龍、もしかしてわかってて連れてきたな」

飛龍「あはは、まあねー」

翔鶴「まだ奥が……あら……」

赤城「提督? ああ……なるほど、そういう場所だったんですね」

翔鶴「す、すみません。すぐに戻ります!」

赤城「飛龍さん、分かってて誘いましたね?」

飛龍「ごめんごめん、まあゆっくりしようよ」

提督「ゆっくりしようじゃなくて、さすがに戻れよ」

――

加賀「……貴女は行かなくていいの?」

瑞鶴「なんとなく嫌な予感がするから……」

加賀「そう……私は赤城さんを連れ戻そうかしら。混浴のようだし……」

瑞鶴(初めて話しかけてくれたような気がする。温泉ってすごいのね)

―執務室―

提督「温泉旅館と言いつつ、ほとんど温泉の騒ぎしか覚えていない。あ、タオル着用だったぞ」

提督「覚えてないのも部屋は別だったから、無理もないか」

↓2

―???―

提督「……どこだここ。たしか、久しぶりに遠泳してたら急に眠くなって……」

レ級「あー、ヲ級やっと連れてきてくれたんだ」

ヲ級「ええ、まあ……」

ヲ級(人間に効く催眠用の毒を散布し、麻痺にもなる毒を散布してようやく隙を見せたんだけど……)

提督「なるほど、ヲ級か」

ヲ級「ひっ、わ、私は命令されただけですから!」

レ級「なんで敬語なの? まー、いいや。ねえ人間」

提督「は、はい?」

提督(とりあえず、目的が分からない以上、いつものようにおとなしくしていよう)

レ級「なんで敬語なの? まー、いいや。ねえ人間」

提督「は、はい?」

提督(とりあえず、目的が分からない以上、いつものようにおとなしくしていよう)

レ級「むー、どうして敬語ー? とにかく、全然きてくれないから、ヲ級にたのんだんだよ」

提督「はあ……またどうして」

北方棲姫「おひっこししたんだよー」

提督「つまり、祝ってほしいということ?」

北方棲姫「うん、そーだよ」

提督「……ああ、でも今何も持ってないなー。いったん戻らないとなー」

レ級「でも、人間いそがしいからしばらくこれないでしょ?」

提督「ええ、まあ」

レ級「じゃあ、ん」

提督「……両手広げて何を?」

レ級「人間の持ってるぬくもりでいいから、ちょうだい!」

提督「え、ええ? こう?」ギュッ

レ級「えへへー、なでなでもー」

提督「はいはい」ナデナデ

北方棲姫「あ、わたしもー」

提督「じゃあ、二人同時に。引っ越しお疲れ」ギュッ

北方棲姫「えへへへー」

ヲ級「うんうん、私も頑張ったかいがあった」

提督「……そうだな、ヲ級も労わらなきゃな」ギュゥゥ

ヲ級「え? いや、私は別に……あいたたた!」

タ級「王子様の匂いがすると思ったら、ここにいたのね!」

提督「ええい、もう誰が来てもしてやるわー!」ギュム

南方棲戦姫「ほう、我らが住居に侵入したと思ったら、とんだことをぬかしおる」

提督「……」

レ級「あ、おかえりー」

南方棲戦姫「ここまで来て、逃げられると思うなよ、人間」

提督「……ええい、喰らえ!」

南方棲戦姫「くくく、覚悟は決まったか! 今度こそ沈め!」
提督「ナデポ攻撃!」ナデナデ

南方棲戦姫「む、ん……!?」

南方棲戦姫(な、なんだ突然!? これが新しい攻撃だというのか!? 手に毒を摺り込み……いや、それならそれで、さっきが滲むはず……!)

ヲ級「あのー」

南方棲戦姫「なんだ!? こっちは真意を探るのに忙しいのだ!!」

ヲ級「人間逃げちゃいましたけど」

南方棲戦姫「……くっ!」

―執務室―

提督「ああよかった、気が付いたら知ってる海域に戻れた」

提督「南方棲戦姫は長門みたいに真面目キャラで少し抜けているようだ。前にも似たようなので逃げれたし」

↓2

加賀「失礼します……また、遊んでいますね」

提督「久しぶりに引っ張り出したら意外と面白くてな」

加賀「まあ、興味ないですけど」
赤城「なんていうゲームなんですか?」

提督「お前の相方は興味津々のようだな」

加賀「赤城さん?」

赤城「そ、その……目の前でされると気になって……」

提督「これはエスコンだ。初代のな」

赤城「へー、すごいですねー」

雲龍「空が好きならなんで空軍に行かなかったんですか?」

提督「突然現れたと思ったら、急に辛辣だな。それに、こういうのはゲームだからいいんだ」

雲龍「そういうものですか」

~~~~~~~~

飛龍「提督、赤城と加賀知らない? ……あら、此処に集まってたの」

蒼龍「何をしているんですか?」

提督「エスコン」

赤城「あっ、提督右です右!」

雲龍「上にもいたような気がする」

飛龍「なんだかはまっているみたい」

加賀「赤城さんがよ。それより二人は私たちにでも用があったのかしら」

蒼龍「艦載機の整備の事で、相談したかったの」

加賀「そう。赤城さんが満足してからになりそうだけど、それからでいいかしら」

蒼龍「もちろん。それにしても……」

提督「あっ、くそ、全然当たらない」

赤城「もう少し右に向けた方がいいですよ!」

雲龍「ここはあえて下……」

蒼龍「本当、熱中してるわ」

~~~~~~~~

瑞鶴「提督さん、正規空母が誰も部屋にいないって……何で集まってるの!?」

翔鶴「何か祝い事でもありましたか?」

提督「ゲームしているだけだ、気にしなくてもいい」

瑞鶴「ゲームって……エスコン?」

『!』

瑞鶴「え、何その眼。わ、私は別にゲーマーとかそういうのじゃないから!」

提督「まあいいか。よしよし、ここでミサイルを放てば……」

瑞鶴「流されるのもそれはそれで……」

翔鶴「ええと、皆さん集まってこれを見ていたんですか?」

加賀「先に言っておくけど、私は関係ないわよ」

蒼龍「はまっちゃったのは、主に赤城と飛龍と雲龍ね」

翔鶴「瑞鶴も興味ありげに見ていましたから、ひとり追加ですね」

加賀「……はぁ、こればかりは五抗戦だからとか言えないわね」

~~~~~~~~

提督「キャンペーンが終わったところで解散した」

提督「良作は久しぶりにすると、昔のゲームでも結構遊べたりするな」

下2

提督「ル級、お前は可愛いな」

ル級「何だ突然、そもそもお前にはタ級がいるだろう」

提督「違う、俺はお前がいいんだ」スッ

ル級「な、なんだ! やめろ!」

提督「本気で嫌なら、もっと抵抗してみな」サワッ

ル級「あっ、んっ……お、お前がいなくなると、タ級が悲しむから……」

提督「……なら、ル級の本心を晒してやるよ」

ル級「なっ……やっ、それは……っ」

提督「嬌声をあげさせてやる」

ル級「……っ!」ドキッ

~~~~~~~~

提督「……まさか、うたた寝していたら敵艦の夢を見るとは」

提督「いや……また枕か。なんで敵艦の夢をよく見るかなぁ」

島風「提督ー! 海で何か入ってる瓶見つけた!」

提督「何か入ってるって、メッセージボトル? 漂流者とかが流したのだろうか。どれ」キュポ

『王子様の夢をル級が見たって、ずるーい! 王子様、今度は私の夢にも出てきてね(はあと)』

提督「……」

島風「ねーねー、何が書いてあるの?」

提督「見ないほうがいい。ほら、再び漂流させておきなさい」

島風「えー。しょーがないなぁ……」

バタン

提督「偶然ってあるものなんだな。うん、夢でつながったとか考えたくもないし。そもそも自分の意思じゃなかったし」

提督「……もしかして、深海棲艦と関わる呪いでもうけてるのか?」

下2

―廊下―

提督「ふんふーん♪ ……いや、男の鼻歌なんて誰も興味ないか」

提督(いや、動揺するのも致し方ない。なにしろ、今廊下で拾ったのは翔鶴のパンツであり、こんなものを履くのかと戦慄を覚えているところだからだ)

瑞鶴「あれ、提督さん?」

提督「そうだ、一応確認しておこう。これは、翔鶴のか?」

瑞鶴「なんで提督さんが持ってるの? 確かにそうだけど」

提督「そうか……イメージ的には履かないと思っていたんだが」

瑞鶴「何それ。確かに和服には合わないのは分かるけど」

提督「瑞鶴なら分からんでもないが……」

瑞鶴「イメージってそういうイメージ? 翔鶴姉だって、ファッション用に持ってたりするわよ」

提督「そう言われれば、おかしくないのかもしれんな。じゃあ、届けてくるとするか」

瑞鶴「翔鶴姉なら部屋にいるから、直に届けてあげてもいいと思うわよ」

提督「わかった」

―翔鶴型の部屋―

提督「翔鶴、これ落ちてたぞ」

翔鶴「あっ、それは……」

提督「お前がこういうのを着るのは意外だったが……いや、考えてみると合ってないことも無い。センスあると思うぞ」

翔鶴「……本気でそう思ってくれていますか?」

提督「もちろんだ。どうせなら、目の前で着て見せてくれてもいいんだぞ」

翔鶴「そ、それは恥ずかしいですから」

提督「そうか? まあ、それならそれでもいいけど」

翔鶴「届けてくださってありがとうございました」

提督「もう落とさないように気を付けろよ。今回はたまたま持ち主が分かったからいいものを」

翔鶴「そういえば、どうして私のだと?」

提督「右ポケットに翔鶴の字で書かれていた紙が入っていた」

翔鶴「それは……よく分かりましたね」

提督「提督なら当然だ」

―執務室―

提督「ここにいるとパンツって自分の以外見たことない。いや、そろそろパンツって言うと誤解が入りそうだからスラックスと呼ぶか」

提督「俺が知らないだけで、もしかすると皆スラックスを持っているのかもしれないな」

下2

長門「なんだか、最近駆逐艦の子に恐れられている気がするんだが」

提督「怖いからだろ。はい解散」

長門「ちょっと待て、私のどこが怖いというのだ」

提督「えぇー、それに気づかないんじゃ言っても治らないと思うんだけど」

長門「だが、言われなければ直しようもない」

提督「……長門がよく北方棲姫を追いかけているだろ」

長門「ああ。向こうが武装を持たないせいで、何処かやりづらさはあるが……」

提督「その微妙な顔が怖いんだ」

長門「なん……だと……?」

提督「雪風に言われたんだが、その武器を持たない相手に向ける慈悲の顔と、敵とみなし悪鬼のような顔とが混ざり合って、非常に恐ろしい顔になっているんだ」

長門「だ、だが、それは雪風一人の視点かもしれないだろう?」

提督「それもそうかもしれない。だから、ちょっと青葉に撮ってきてもらった」

長門「……それで」

提督「やばかった」

長門「提督から見てもそうだというのか? その写真、見せてもらってもいいだろうか」

提督「たしか、ここに写真が……あった。ほら、見てみろ」スッ

長門「……」

提督「……」

長門「ちょっと滝に打たれてくる」

提督「夕飯までには帰ってこいよ」

バタン

提督「今心を落ち着かせても意味が無いと思うんだけどな」

提督「ていうか、実は青葉がちょっとコラを入れてしまったせいで、それが怖いって言われているだけなんだけど」

下2

―金剛型の部屋―

金剛「ファック! このFOEめいい加減にするネー!」

比叡「ひえぇ……」

金剛「シット! 焦り過ぎてスキル覚えて無かったデース! ああああ!」

提督「……何時になく荒れてるな」

榛名「普段はここまでひどくないんですが、今日は余計にうまくいってないのか……」

霧島「どうやら、全体麻痺を何回も食らっているようです。睡眠ももらっているようですね」

提督「ああ、そりゃhageるわ」

榛名「はげ……?」

提督「金剛、おーい金剛」

金剛「ファッキンビッ○! ……あ、提督ー?」

提督「さすがに言っちゃまずいだろ、その言葉は……」

金剛「もしかして、ずっと見てたですカー?」

提督「ずっとじゃないけど、少しは」

金剛「」

提督「げ、元気出せ金剛! ほら、RPGなんだから、レベル上げしてればきっと進める!」

金剛「……レベル上げが進み、意気揚々と上にいったデース」

提督「ん? うん」

金剛「FOEを見つけて、前の階層がイージーだったから、勝てると思ったデース」

提督「オチ読めた」

金剛「……セーブ、していなかったネー」

提督(慰めたいけど、自業自得過ぎて……)

金剛「ウゥウ! このままじゃ憤りが収まらないネー! 比叡、相手してくだサーイ!」

比叡「は、はい!」

提督「じゃあ、気が済んだらアイスやるから、今度から落ち着いてゲームしろよ」

金剛「分かったデース!」

―執務室―

提督「レベル上げが無に帰したときの虚しさは半端ないけど、あれって自分が悪いんだよなぁ」

提督「金剛もいい発散方法があるようだし、今度から気を付けてくれるだろう」

下2

―鳳翔の店―

提督「ところで、お前たちが一人称に僕を付けるのは理由があるのか?」

時雨「急にどうしたの?」

レーベ「特に理由は無いけど」

提督「なんとなく聞きたくなっただけだ」

時雨「……もしかして、僕たちを呼んだのはそう言う理由?」

提督「懇親会をしようと思って。何か共通点があれば仲良くなりやすいだろ」

レーベ「そうなの?」

提督「もちろんさ」

時雨「……ああ、なるほどね。ところで、それなら他にもいるんじゃないのかな」

提督「カタカナと漢字を同一にするのは一部の人に怒られるぞ」

時雨「えぇ……」

レーベ「ねえ、何の話?」

提督「なんでもないさ。そうそう、後は皐月と最上も来るからな」

時雨「結局来るんじゃないか」

提督「来ないとは言ってないし」

レーベ「……僕にもわかるようにしてほしいな」

提督「すまんすまん。まあ、俺はセッティングしただけだから、基本的には二人に頼むな」

時雨「司令官」

提督「どうした時雨」

時雨「レーベのために、開いたんだよね」

提督「……さて、どうだろうか」

―執務室―

提督「ボクと僕には大きな隔たりがあると思う。いや、細かすぎると思うけど」

提督「レーベがあまり馴染めていないのは、時雨に任せておけば大丈夫だろう。周りの状況を読むことに関しては駆逐艦というレベルじゃないし」

下2

レ級「遊びにきたよ!」

提督「……ヲ級、今度会ったときはベアハッグじゃ許さんからな」

レ級「ほっぽちゃんがきたときは、かっこいいものをもらったんだよね」

提督「北方棲姫までか……みんな口軽いな……」

レ級「むー、とにかく遊ぼうよー」

提督(追い返したいところだけど、無理にごねられて騒ぎになっても困るからな……)

提督「わかった。じゃあ、ここから移動しようか」

レ級「わーい!」

―提督自室―

提督「さて、何する?」

レ級「おままごと!」

提督「……」

レ級「だめ?」

提督「う、ううん。この年でまともなおままごとをするとはな」

レ級「じゃあ、わたしがお母さんで人間がお父さん」

提督「わかった」

レ級「そして、この子が赤ちゃんね」

伊良湖「わ、いいんですか?」

提督「!? なぜここに……! い、いやこの子はな……!」

伊良湖「執務室にいなかったので。この子誰ですか?」

提督(えっ? ……前線に出ないうえに、日も浅いから知らないのか!)

レ級「わたしはレ級!」

伊良湖「れきゅー? わかりました!」

レ級「じゃあ……あなた! またこんなにお金をつかって!」

提督「いきなり始まった!? えっと、ちょ、ちょっと入り用で……」

レ級「あれだけボーキは買いすぎないようにっていったじゃない!」

提督「普通の家庭でボーキを買い込むってどんな家庭だよ!」

レ級「ほら、赤ちゃんもないてる!」

伊良湖「お父さん、薬と博打には使わないって言ったよね!」

提督「泣いてないし設定違うし赤ちゃん喋ってるし……! もうなんだこれ――」

―執務室―

提督「……はっ、なんだ、夢か」

間宮「少しよろしいですか?」ガチャ

提督「どうした、間宮」

間宮「伊良湖と遊んでいただいたようで。最近、自分に時間が取れていなかったようなので、いい気分転換になったと思うんです」

提督「……」

間宮「そのお礼に来ただけですよ。アイス、一つ差し上げます。では」

バタン

提督「……夢か現実か、確認する勇気が俺にはない」

↓2

提督「……いきなりなんだ、漣」

漣「たまにはご主人様と世間話と思いまして」

提督「暇してるからばっちこい」

漣「さすがご主人様! 秘書官に怒られることをものともしないですね!」

提督「仕事は終わらせてるし。それで、ぴーあーるぴ-あーるとは一体何なのだ?」

漣「え? アルファベットに直してみてもわかりませんか?」

提督「ああ、なるほど」

漣「そういえば、さっき大鳳さんのと思われるスパッツを拾いました。早速やってみますか? なーんて」
提督「そうだな」

漣「……はい?」

―会議室―

提督「――というわけで、スパッツ機能性伸縮性吸汗性耐久性など、様々な用途に優れているのだ!」

青葉「なるほど、個人的に好きということですか」

提督「いや、運動に素晴らしく適したものだと俺は伝えたいのだ」

青葉「なるほど。司令官はスパッツが好き……と」

大鳳「……すみません、質問いいですか」

提督「なんだ大鳳」

大鳳「その、なんで私の物で説明しているんですか」

提督「たまたまあったから」

大鳳「……ではもう一つ。なぜ急に宣伝を?」

提督「漣にやってみないかと言われたからな」

大鳳「は?」

提督「パブリック・リレーションズ」

大鳳「はい??」

提督「だから、漣が急にPRPRしませんかと」

大鳳「ぴーあーる……もしかして、アルファベットですか」

提督「うん、そういってた。ついでに、これを持ってきたのも漣だ」

大鳳「すみません、ちょっと用事ができました」

バタン

提督「どうしたんだろうか、いきなり怖い笑み浮かべたけど……」

―執務室―

提督「さっき漣がぼろぼろになってドックに向かってる姿を見た」

提督「出撃していないのに、何があったんだ……」

↓2

セクハラ安価のたびに苦しいこじつけをするのはなぜだろうと思ったけどあれか
以前「捌いた」ことを褒められた結果こじらせちゃったのか

×※安価は自由にしてます
○※安価は自由に(解釈して捻じ曲げることに)してます

>>171の通りにセクハラ系をそのまま受けてもいいんですけど、正直需要あります?
あるならグロでもエロでもキチ○イでもなんでもありになりますけど…
(クオリティについてはさらに低下する恐れもあり)

基本的に>>174の通りです
捻じ曲げる安価は大体提督の人生がENDになる場合ですが、気分にもよります
つまりマッサージとかなら書きますが、セクロスはアウトです。キスとかも

書くの忘れてましたが、夢オチにするので1000ならなんでもありです

―龍鳳の部屋―

提督「龍鳳ー……って、洗濯中? 素直に洗濯機使えばいいのに」

龍鳳「これは手もみ洗いじゃないとダメですから」

提督「手洗い? ……ああ、ぬいぐるみか」

龍鳳「提督から初めてプレゼントしてもらったものですから、大事にしているんです」

提督(プレゼント? ええと、確か……)


~回想~

大鯨「すみません……」

提督(遠征に失敗したくらい、初めてならみんな通る道だろうに。ちょっと気負い過ぎだな)

大鯨「……」

提督(元気づけるなら……よし)

―ファンシーショップ―

大鯨「ここは……?」

提督「みろ大鯨、このぬいぐるみとかかわいいぞ」

大鯨「提督? その……」

提督「大鯨は気にし過ぎだ。一度の失敗くらい、誰にだってある」

大鯨「ですけど……」

提督「ほれ、大鯨にはこのクジラのぬいぐるみを買ってやろう」

大鯨「そ、そんな悪いですよ!」

提督「大鯨が元気を取り戻してくれるなら安いもんだ。今度から失敗したときは、このぬいぐるみを見て元気出せ」

大鯨「提督……」

提督「なんて、余計なお世話だったか?」

大鯨「いいえ、そんなことありません。ありがとうございます」ニコッ

提督「……うん。いい気分転換になったか」

大鯨「はいっ!」

~回想終了~

提督(ああ、そんなこともあったか)

龍鳳「今の私にとって、大事なひと時でしたから」

提督(必要以上に戦闘狂が入ってしまったような気もするけど)


―執務室―

提督「大鯨の鯨だけに選んだぬいぐるみに、つっこまれなかったという悲しい思い出だったんだが……」

提督「人によって思い出って変わるものなんだな」

下2

―デパート―

提督「よく来てくれたな一部の空母組」

龍驤「買い物手伝って欲しいんやな?」

瑞鳳「ですけど、こんなに人数いるんですか?」

提督「まあ、その疑問はもっともだ。だが、実際に必要であってな」

大鳳「もしかして、この広告が関係ありますか」

瑞鶴「広告って……まな板大セール? なんでまな板だけ?」

提督「そのあたりは知らんが、間宮に大量の買い付けを頼まれた。大量と言ってもほんの四十枚くらいだが」

瑞鳳「多くないですか!?」

大鳳「そんなに買い付けてどうするつもりなんでしょうか?」

提督「まな板が溶けたらしい」

瑞鳳「溶けた!?」

提督「……飯マズ集団が料理をしてみようと画策したら、何とそんなことに」

瑞鶴「まあ、理由は分かったわ。大量の買い付けの理由も」

提督「セールの機会に種類も買っておこうといった具合だ。じゃあ行くぞ……龍驤、さっきから喋らないけどどうした?」

龍驤「……まな板やて?」

提督「お、おう」

龍驤「それは、うちらの胸を見て言ってるんか」

提督(……やべ、地雷踏んだか)

龍驤「うちらの胸が、まな板やと!」

瑞鳳(気にし過ぎと思うんだけど……)

大鳳(というより、場所を考えてください)

瑞鶴(えっ、私も含まれてるの?)

提督「いや龍驤、お前達を読んだのは単純に空いてるからで、そんな深い意味はないぞ」

龍驤「ふふ、わかってる……わかってるんや……」

提督「ほっ、そうか」

龍驤「そういって心の中ではほくそ笑んでるんやろ?」

提督(めんどくせえええええ!)

瑞鳳「(提督、セールなら無くなるかもしれませんので、先に買いに行きませんか?)」

大鳳「(待っていたら遅くなると思います)」

提督「(だな、龍驤はここにおいて買いに行こうか……)」

瑞鶴(だ、大丈夫。提督さんも深い意味は無いって言ってたし。うん)

―執務室―

提督「もう龍驤の前で二度とまな板とか口に出せないな……」

提督「そもそも、こだわる理由がわからん。はぁ……今度から気を付けよう」

下2

―談話室―

提督「お、お前たちが揃ってるとは珍しいな。何やってるんだ?」

扶桑「どうやったら幸運になれるか、です」

提督「……なんかすまん」

陸奥「病は気から。幸運何て気にしない方が良いって言ってるのだけど」

山城「そうであれば、苦労なんてしません」

陸奥「みたいな、ちょっと意固地になってるのよね」

大鳳「運なんて関係ありません。己の散漫が事故を起こすんです」

提督「まあ、運が悪いなんて言い訳にすぎないしな」

翔鶴「言い訳、ですか」

山城「どうせ、提督に私の気持ちは分からないですから」

提督「……そんなに運を気にするのなら運試しをしてやろう」ドン

扶桑「これは?」

提督「黒ひげ危機一髪だ」

提督「最初に首刎ねた人が一番運悪い人だ」

翔鶴「提督、その言い方はちょっと……」

山城「いいですよ、では私からやりましょう」サクッ ピョン

扶桑「い、一回目で当てるなんてすごいわ」

山城「姉さまに言われたとしても、嬉しくないです……」

提督「はい山城アウト。じゃあ次は……扶桑頼む」

扶桑「……はい、大丈夫です」サクッ

大鳳「そういえば、近代化改修して運が上がったんでしたね」

扶桑「効いてて良かったわ……」

大鳳「では私が」サクッ ザシュッ

提督「うわー、大外れだ。ある意味運がいいな」

大鳳「いや、なんでリアルな斬首の音が聞こえたんですか。斬首の音なんて聞いたことないですけど」

提督「確率で飛ぶときに効果音がつくらしい。まあある意味あたりだな。次、陸奥」

陸奥「私も? いいけど……」サクッ ピョーン

翔鶴「飛ぶ距離も増しましたね」

提督「また特殊効果か。大鳳に続いて運が悪いな。いや、逆に良いのか?」

陸奥「特殊効果の基準が分からないのだけど」

山城「二人共効果がつく……そう、私はまだましな方なのね」

大鳳(何だかすっきりしませんけど、納得したなら良しとしておきますか)

提督「ところで翔鶴は?」

翔鶴「私ですか? 私は……」

提督「じゃあ、再度セットして俺とやってみるか」

翔鶴「……分かりました」サクッ

提督(当たり前のように首が飛ばなかったな……)

―執務室―

提督「あの後翔鶴とはいい勝負をするまでに至った。負けることは無かったけど」

提督「実際翔鶴って、ちょっと運が悪いだけなんだよなぁ」

下2

―談話室―

提督「最近、寒くなってきたなー。こういう時は誰かと身体を動かして遊ぶに限る」

陽炎「スゥスゥ……」

提督「おや、広めのソファに陽炎一人。こんなところで寝ると風邪ひくぞ」

陽炎「スゥ……ん……」ブルッ

提督(やっぱり寒いか。この辺りに布団……いや、部屋の運んだ方が良いだろうか)

陽炎「……」ギュッ

提督「ちょ、服掴むなって」

陽炎「……」グイッ

提督「おっと、陽炎?」ドサッ

陽炎「ぅ……スゥ……」

提督「寝てる、よな。ううん、寒い時に蹴とばした布団を手繰り寄せる感じだろうか。それにしても……」

陽炎「ぅん……スゥスゥ」

提督「この添い寝のような体制から抜け出せない。……まあ、暖かいし俺もこのまま昼寝しようかな」

~~~~~~~~

提督「……」

陽炎「あ、起きた。起きたなら、その……そろそろ離してほしいんだけど」

提督「……ああ、陽炎が掴んできてそのまま寝たのか」

陽炎「あっ、まるで人のせいみたいに言わないでよ。もう」

提督「すまん、すぐに離す」スッ

陽炎「んーっ、良く寝たわ」

提督「こっちから抱きしめてたわりに、あんまり怒らなかったな。もっと怒るかとも思ったんだが」

陽炎「起きた時、私も司令の服を掴んでたし……」

提督「ふむ」

陽炎「ちょっと暖かかったし……」ボソッ

提督「えっ、なんだって?」

陽炎「なんでもないわよ! じゃあねっ」ダッ

―執務室―

提督「特別嫌われてなければ、添い寝くらいなら許されるのかもしれない」

提督「……いや、セクハラと紙一重の行為を多用する気はないけど」

下2

陽炎「司令、ちょっと困ったことになっちゃったんだけど……」

提督「どうした、言ってみろ」

陽炎「洗濯機が壊れたの」

提督「そうか。なら明石にいえば修理してくれるはずだ」

陽炎「うん、それで修理に一日かかるって言われてね」

提督「……洗濯物が溜まっているなら俺のを使ってもいいぞ」

陽炎「本当? さーんきゅっ!」

バタン

提督「絶対それ目当てだったろ。……まあ、一応行ってみるか。多分また困ることになってるだろうし」

――――

陽炎「うん……?」

黒潮「どしたん、頭ひねって」

陽炎「私たちのものと違って、使い方が分からない……」

不知火「適当に使ってみたらどうかしら」

陽炎「司令のよ? また壊したら大変なことになるのよ」

不知火「……」

提督「お困りか?」

陽炎「あっ、司令。これどうなってるの?」

提督「俺のはちょっとアンティークなものだから、ちょっと分かりづらかったか」

不知火「アンティークですか」

提督「右側が乾燥機で、左側が洗濯機だ。あと、ちょっと手間が必要でな……」

~数十分後~

提督「とまあ、こんな感じだ」

陽炎「ありがと司令。ほとんど司令にしてもらう形になっちゃったけど」

不知火「というより、良くこんなものにしてますね。替えた方が良いんじゃないですか」

提督「ふっ、こういう物の良さが分からないなんて、ぬいぬいも子供だな」

不知火「イラッ」

黒潮「口に出とるでー」

不知火「コホン。後は此方でやりますので、司令は戻って執務を続けてください」

提督「乾燥機の使い方は分かるか? 移し方とか」

陽炎「そっ、そこまではいいわ!」

黒潮「見られたくないものもまざっとるんでなぁ」

提督「ん、そうか。まあ分からなかったら気軽に聞きに来い。じゃあな」

―執務室―

提督「衣類下着類だろうし、まあ見られたくないものもあるんだろうな」

提督「……というか、あの口ぶりだと不知火が壊した模様。明石が一日かかるって、どれだけ木っ端微塵にしたんだろうか」

下2

提督「天龍で遊びたい」

龍田「あらあらー」ガシャン

提督「龍田、何時の間にそこにいた」

龍田「ん~? なんだか、また天龍ちゃんに危害が加わりそうな気がして~」

提督「オーケー分かった。なら龍田は何がしたい、付き合うぞ」

龍田「天龍ちゃん弄りかしら」

提督「結局やりたいのか」

龍田「そうねぇ、前に面白そうなことしていたようですしね~?」

提督「oh...」

―廊下―

天龍「おー、龍田が提督と歩いてるなんて珍しいじゃねえか」

提督「て、天龍!」

天龍「? おう」

提督「い、今お金は無いから……ゆ、許してください!」

天龍「なんでそうなるんだ!?」

提督「みんなー! 天龍が来たぞー!」ダッ

天龍「あっ! ……何がなんだっていうんだ? 龍田もいつの間にかいないし」

天龍(そういえば、そろそろ昼か……食堂に行くか)

―食堂・入口―

天龍「今日は何にするかな」

夕立「あっ、来たっぽい!」ダッ

島風「競争? 負けないよ!」ダッ

時津風「わー、天龍怖いー(棒)」

天龍「……俺がなんかしたか? あれ、食堂の扉に何か書いてある」

『子供110番の店。怖い人が来たら駆け込みましょう』

天龍「えっ」

天龍(もしかして、俺……怖がられてる?)

天龍「ふ、ふふ……ようやく俺の怖さが知れ渡ったか……」


龍田「うふふ、一人になっても天龍ちゃんは素直じゃないわねー」

提督「ショック受けたような顔が真実を物語っているがな」

―執務室―

提督「ネタばらしされ、ショックを受けたような声と逆に安堵の表情を浮かべる天龍だった」

提督「駆逐艦はノリのいい子を誘った。ノリだけで選んだから演技が上手いとかそんなことは考えなかった」

下2

―食堂―

金剛「今日のご飯はなんですカー?」

榛名「カレーですよ金剛お姉さま」

比叡「私がとってきますから、お姉さまは座っていてください!」ダッ

霧島「比叡お姉さま、食堂では走らないように注意してください」

金剛「席は……ここが空いていマース」

提督「どうぞ」スッ

金剛「提督?」

提督「遠慮せずに座ってください。ほら、手を取って」

金剛「あ、ありがとデース」

霧島「これは……」

―売店―

金剛「ちょっと買いすぎたデース……」

提督「持ちましょうか?」

金剛「でも悪いネー」

提督「いえ、気にしなくていいんですよ。はい」ヒョイ

金剛「……」


―廊下―

金剛「弾薬落としちゃったデース」

提督「大丈夫ですか?」ヒョイヒョイ

金剛「あっ、ありがとうございマース」

提督「私一人でできますから、わざわざ屈まなくていいですよ」

金剛「……」

―金剛型の部屋―

金剛「最近提督が紳士デース!」

榛名「そうなんですか?」

霧島「紳士、ですか」

比叡「よかったですね!」

金剛「比叡まで……いい妹たちを持って幸せネー!」

榛名(はっきりとはわかりませんが、紳士とは感じが違う気がするんですけど……)

霧島(対応と目つきが町中のおばあちゃんに対するもののような……)

比叡(正直に言ったら、多分お姉さまが悲しみますからね……)

―執務室―

提督「なんとなく老人に対する態度をとれば金剛の気勢も削がれるんじゃないかと思った」

提督「霧島たちから意味がないどころか誤解を受けてると聞いて、無意味だったことを知ったが」

↓2

―暁型の部屋―

暁「今日、司令官が変なんだけど、暁が何かしたのかな……」

電「司令官さんはいつも変なのです」

雷「どう変なの?」

暁「それが……」

~~~~~~~~

―食堂―

暁「今日のご飯美味しかったわ」

響(暁、口元にご飯ついてる。とってあげようかな)

提督「暁」

暁「! な、何……?」

提督「口元が汚れているぞ」スッ

暁「ん……」

提督「ついでに食器下げておく。暁はもうちょっとゆっくりしてていいからな」

響(静かに去って行った……司令官、また何か始めたみたいだね)

―売店―

明石「まいどありー」

暁(えへへ、大きなぬいぐるみ買っちゃった)

暁「……!」

暁(両手がふさがって扉が開けられないわ……! でも、地面に置きたくないし……)

提督「よっと、どうぞ」キイッ

暁「え? あ、司令官」

提督「……」

暁「あ、ありがと」

―廊下―

暁「~~♪」

提督「暁」

暁「! な、何よ。また何かする気なの?」

提督「リボンが曲がっているぞ」キュッ

暁「えっ、あ、うん……」

提督「じゃあな」

暁「……司令官?」


~~~~~~~~

暁「みたいな……」

電「変です」

雷「司令官はいつも優しいわよ?」

響「……」

―執務室―

響「実際、どうなんだい?」

提督「ああ、金剛に優しく振る舞わなきゃと思ってたから、多分ついでにやってたやつだ」

響「ついでって……」

提督「少なくとも狙ってやった覚えはないな……そもそも、やったことすら覚えていないし」

響「特に何か始めたわけじゃないんだね?」

提督「そうだな。むしろ終わったところだ」

響「なんでもないならそれでいいよ。それじゃあね、司令官」

バタン

提督「ちょうど金剛のところに暁がいたような気もするが……」

提督「うーむ、多分金剛が隙を見せる時を狙って居た時に無意識にやったやつかもしれん」

↓2

提督「木曾は過去に褒めたり脅したり面談したり……」

提督「抱いたり買い物行ったり魚を薦めたり眼帯の監修をしてもらったりと、基本的に態度が一変している気がする」

提督「どんなことしても、ある程度真面目に返してくるから色々したくなるんだよなぁ。さて、今度は何してやろうか」

下2

―球磨型の部屋―

木曾「どこいったんだ……」ガサゴソ

提督「おや木曾、どうした」

木曾「眼帯が無いんだ。洗濯している間の予備がな……」

提督「無くても困らなくないか?」

木曾「一応大事にしているものなんだ。無かったら、というのはあんまりしたい想像じゃないな。それに……」

提督「それに?」

木曾「……なんか落ち着かないんだ」

提督「ふむ、そういう事なら代わりの眼帯を木曾にあげよう」

木曾「代わりのだと?」

提督「猫の形の眼帯だ。可愛いだろ」スッ

木曾「……」

提督「……嫌だったか?」

木曾「いや、せっかくだ。貰っておこう」

提督「……」

木曾「なんだ、じっと見てきて」

提督「印象に合わないなぁと」

木曾「そう言うと思って躊躇ったんだがな……」

―執務室―

提督「その後、無くなっていた眼帯は球磨が間違えて洗濯していたらしい」

提督「猫の眼帯を見て表情が固まっていたのは……まあ、多分意外だったのだろう」

下2

―工廠―

提督「妖精さんよ、これは一体なんなんだ」

妖精「れんそうほうちゃんなりきりせっとです」

提督「……ふむ」

妖精「ていとくきてみるですか?」

提督「着れるのか?」

妖精「じどうてきにおおきさがあうです」

提督「……」

ー廊下―

島風「さーて、きょうは誰と遊ぼうかなー」

八頭身連装砲ちゃん「やあ、島風」

島風「!?!?」

八頭身連装砲ちゃん「どう思う。結構このスーツ、フットワークが軽くなるんだ。ほら」シュッシュッシュ

島風(顔は隠れてるけど、身体のラインがくっきりできててキモイ! 多分提督だろうけど、あまりにも酷い!)

八頭身(ry「ほら島風、追いかけっこしてみるか。このスーツの凄さが分かるぞ」スッ

島風「ひっ……」ズザッ

八頭身(ry「ふふふ……どうした、逃げなくていいのか?」

島風「いやっ、来ないで!」ダッ

八頭身(ry「はっはっは、スタートだ!」ダッ

島風「来ないでぇっ!」

~~~~~~~~

霞「……」

八頭身(ry「……」

島風「……」

霞「何かいう事は」

八頭身(ry「すみませんでした島風さん」

島風「う、ううん。私も驚きすぎたところあるから……」

八頭身(ry「許してくれるのか?」

島風「うん」

霞「もう二度と面倒なことは起こさないようにしなさいよ」

八頭身(ry「はい!」

―執務室―

提督「島風、大声あげて逃げるくらい嫌だったのか……いや、写真を見て俺も非常に気持ち悪いと思ったけど」

提督「テンションのまま向かったのは失敗だな」

下2

―大鳳の部屋―

提督「というわけで、スパッツをプレゼントしよう」

大鳳「はあ……」

大鳳(なぜこれを……もしかして、最近替えが少なくなってきているのに気付いて……しかし、私の服事情を知っているなんて考えられませんし……)

大鳳(提督が急に下心を……? いえ、下心ありきならば、もっとセクハラっぽいものにしそうです)

大鳳(誰かの代わりとか……は無いですよね。私自身相手が思い浮かびません)

大鳳(では、本気でプレゼントでしょうか。しかし、それもまた動機が……)

提督(なんかすごい考えてるんだけど)

大鳳「……提督」

提督「なんだ?」

大鳳「偽物ですか?」

提督「おっとー、その返しは予想していなかったぞー」

大鳳「もとい、どうして突然プレゼントをくれるんでしょうか。何か裏でもあるんですか」

提督「まあ、突然渡されたら疑問に思うわな」

大鳳「では、やはり何か理由があると」

提督「……スポーツ雑誌の懸賞に何故かあたり、女性用のこれが送られてきた。サイズが合いそうで使いそうなのは大鳳だろうと思って持ってきた」

大鳳「……それだけですか」

提督「それだけだ」

大鳳(普通に考え過ぎてました……)

―執務室―

提督「渡された大鳳は微妙な表情をするだけ」

提督「……ん、いや、いつものことか」

下2

提督「ふんふん、なるほど。妹分が着任するから、最初くらい真面目に仕事をする姿を見せてやりたいと」

ビスマルク「多分彼女も一緒に出撃したいでしょうから」

提督「分かった。着任すぐは色々と大変だが、何とか手配してみよう」

ビスマルク「ダンケ。まかせたわよ」

提督(まあ、たまには本気で仕事をするのもいいだろう)


―当日―

プリンツ・オイゲン「グーテンモーゲン! 私は、重巡プリンツ・オイゲン。よろしくね!」

提督「プリンツ・オイゲン、悪いが早速出撃して貰おうと思っている」

プリンツ・オイゲン「はいっ! 任せてください!」

提督「同出撃にはビスマルクもいる。しっかりと学んで来い」

プリンツ・オイゲン「ビスマルク姉さまが? やったぁ!」

提督「……」

プリンツ・オイゲン「あ……す、すみません」

提督「いや、自分の尊敬する人物に会えるのだから、喜ぶのもおかしくない。オイゲン、出撃時刻はビスマルクに聞くように。時間はあるから、しっかりと話をして来い」

プリンツ・オイゲン「アトミラール……フィーレンダンク!」

~~~~~~~~

提督「……」カリカリ

霞「失礼するわ。あれ、この時間にいるなんて珍しいわね。いつもどこか行ってるのに」

提督「ちょっと無理をしたせいで、大量に仕事が出来てしまってな」カリカリ

霞「また何か無茶をしたの。しょうがないわね……」

提督「いや、霞はいつもの仕事だけでいい。俺の都合で面倒を掛けたくない」ガサゴソ

霞「何時も迷惑かけてるくせに何言ってるのよ」

提督「いつもの始末書とは違うからな」ペラペラ

霞「……そう、わかったわ」

提督「遠征の報告書はそこだ。悪いが自分でとってくれ」

霞「いつも自分でとってるわよ……じゃあ、手が欲しければ何時でも言いなさい」

提督「分かった。ありがとう」

~夜~

提督「んー、後もうちょっとか。深夜までは多分かからないだろう」

コンコン

提督「入れ」

伊良湖「失礼します」

提督「伊良湖か。こんな時間にどうした?」

伊良湖「秘書官の方から差し入れを頼まれていたので、届けにきました」

提督「秘書官が? でも、あいつなら自分の事は伝えないようにしそうなものなのに」

伊良湖「え? あっ……! す、すみません! 今のは聞かなかったことにしてください!」

提督「……おっと、書類に夢中で聞いてなかった。それで、何の話だったか。差し入れだって?」

伊良湖「あ……はい。匿名希望の方からです」

提督「じゃあ、その匿名希望の人にお礼を伝えておいてくれないか」

伊良湖「はい!」

~次の日~

提督「はあ、昨日は大変だった。わざわざ仕事を増やすなんて、面倒なことはしないにかぎる」

提督「よし、ならば昨日の分も今日は遊ぶとするか」

下2

霞「何よ」

提督「いや、遊ぶ前に労わっておこうかなと」

霞「はぁ? 私を労わりたいなら、毎日真面目に仕事しなさいよ」

提督「うっ……そ、それ以外でお願いする」

霞「まったく……」

提督「な、なんでもするからさ。な?」

霞「そうねぇ……なら、温泉にでも連れて行ってもらうかしら」

霞(なんて、そんな簡単に連れていけるわけないでしょうけど)

提督「いいぞ」

霞「えっ?」

―温泉―

提督「というわけで、早速やってきました。いい湯だなぁ、秘書官よ」

霞「はぁ……」

提督「どうした、提案者なのに喜びが薄いな」

霞「仕事はどうするのよ」

提督「帰ってきたら一緒にしようか」

霞「はぁぁ……」

提督「おいおい、そんなに溜息を吐いてたら、疲れが取れないぞ」

霞「振り回されてる時点で疲れがとれるわけないじゃない」

提督「……もしかして、俺と来るのは嫌だった?」

霞「それくらい、考えたらわかるでしょ」

提督「ですよねー」

霞「悪くない温泉とは思うけど」

提督「なるべくいいところにって思って選んだし」

霞「そういう情熱を仕事に回せないものかしらね……」

提督「でもまあ、こうして柵越しに話すと一緒に入ってる気にはなるな」

霞「人が来たから喋るの辞めるわ」

提督「えっ、ちょっ、おーい」

提督「……うん、発言を間違ったな」

提督(でもまあ、ここまでついてきてくれたって事は、嫌では無かったという事か)

―執務室―

提督「帰ってきた途端、少なくない仕事が割り振られた……いや、仕事があるのにのんきに温泉に連れて行ったからなんだけどさ」

提督「当の本人の機嫌は悪くなさそうだから、多分これでも少ないんだろうけど」

下2

―談話室―

提督「……」

浦風「なんじゃ、懐かしいもの見とるの」

提督「知ってるのか、仮面ライダー555」

浦風「いや、そういうものがあるって事をしっとるだけじゃけえ」

提督「ふーん、一緒に見るか?」

浦風「長いし、遠慮しとくよ」

提督「そか」

浦風「提督さんは何でみとるん?」

提督「うん? レンタルでたまたまな」

浦風「そか」

~三十分後~

浦風「敵にも心を持ったものが居るみたい」

提督「これはそれが題材でもあるからな」

浦風「敵にも心はある、それは確かなことなんじゃろうな……」

提督「深海のことか」

浦風「敵は敵、わかっとる」

提督「相容れないからこそ敵なのかもしれないしな」

浦風「……提督さんはいつか相容れると思うとる?」

提督「仮面ライダー555は共存を目的としたものだ」

浦風「……」

提督「俺達は、目的からして違う」

浦風「……そう、じゃな」

提督「……もしもが起これば、分からないけどな」

―執務室―

提督「なんだかんだで一巻全部一緒に見ていた」

提督「ていうか、敵との和解とか俺の範疇だけじゃ済まないし。普通に考えたら無理無理かたつむり」

下2

妙高「提督……」

提督「どうした妙高……ってなんだその恰好は!?」

妙高「提督、どうですか?」

提督「どうですかって何がだ。というかちょっとずつ近づいてくるな」

妙高「はい?」

提督「待て、とまれ」

妙高「あら、なんでですか?」

提督「……」

妙高「ちゃんと言葉にしてくれないとわかりませんよ」

提督「……怖いんだよ!」

妙高「あら、扇情的では?」

提督「そのポーズのまま徐々に近づいてくるのは怖いんだよ! 足とか動いてないけどどうなってんの!?」

妙高「さあ、どうなっていると思いますか?」

提督「だから寄ってくるな!」ダッ

妙高「あらあら」

提督「音もなく同じスピードで動くな! 本気で怖いんだよぉ!」

妙高「うふふふ……」

提督「うわあああああああ!!」

~~~~~~~~

提督「……夢か」

提督「なんて夢を見ているんだ……中破の変なポーズをしてる妙高に追われる夢とか……」

提督「というか、改二になってあのポーズはしなくなったのに……」

↓2

金剛に紅茶よりコーヒーが好きだという

提督「ホラージャンルにおける有名なものの一つにピエロがある」

提督「なぜか売店に衣装が売ってあったので、驚かせてみることにした」


―夜・廊下―

ピエロ「くくく、夜トイレに行けなくしてやるぜ」


暁「トイレに付き合ってほしいなんて、響も子供ね」

響「まあ、ね……」

暁「暁はお姉ちゃんだから、断るようなまねはしないけどね!」

響「そう」

ピエロ「犠牲者が早速現れたな。キヒヒヒヒ!」

暁「何か笑い声が……」

ピエロ「ヒヒヒ! 蝋人形にしてやろうかぁ!」ダダダ

暁「ひっ!? いやあああああああああ!!」ダッ

ピエロ「いえい、大成功!」

響「……司令官、驚かしもほどほどにしておきなよ」

ピエロ「え? あ、うん。……あれぇ?」

~~~~~~~~

ピエロ「おかしいなあ、誰かに驚かせるとか言ってないんだけど、響まったく驚いてないんだけど」


時津風「ほら天津風、早く行こうよ」

天津風「まったく、なんだって急に……」

時津風「だから、面白いものが見られるんだって」

ピエロ「ウィヒヒヒヒヒ! そこのお嬢ちゃん、待ってよぉ!」ダッ

天津風「ひいっ!?」ダッ

ピエロ「なんで逃げるのかなぁ!?」ダダダ

天津風「な、なになに!? 一体何なのよ!?」ダダダ

ピエロ「……で、時津風はなぜ無反応」

時津風「知ってても夜にピエロは怖いもんだね」

ピエロ「え、知ってるって」

時津風「天津風の面白い姿も見れたし、しれーじゃあね」

ピエロ「んん?」

~~~~~~~~

ピエロ「教えてないはずなのになぁ。突発的な行動のはずなのになぁ」


吹雪「あー、なんでこんな日に忘れ物なんてしたんだろ……」

ピエロ「吹雪ぃいいい!!」

吹雪「きゃあああああ! ……って、司令官ですよね。二度目は騙されませんよ」

ピエロ「……」

吹雪「ついさっきも同じ手法で驚かせてきたのに、同じことを繰り返すなんてネタ切れですか?」

ピエロ「なぁ吹雪」

吹雪「なんですか?」

ピエロ「お前と会ったのはまだ一回目なんだけど」

吹雪「いやいや、そうやって怖がらせようって魂胆なんですよね」

ピエロ「誰と会ったんだ?」

吹雪「……え、本気ですか?」

ピエロ「売店には一着しかなかったし、俺以外にはありえないと思うんだけど……ついさっきは天津風を驚かしてたからなぁ」

吹雪「」

―執務室―

提督「多分吹雪の見間違えだろう。本人はなぜか気を失ったが」

提督「周りが知っていたのはどうせ、明石が漏らしたか、青葉が嗅ぎつけて周りに知らせたとかそんなところだろう」

↓2

―鎮守府正面海域―

ヲ級「最近タ級が貴女を求めて暴れだしそうなんです」

提督「おうお前、こんなところに来て何のんきに話なんてしようとしてる」

ヲ級「そろそろプライベートと分けましょうよ。ほら、装備は何もしてきてないでしょ」

ヲ級(戦闘中じゃないのに命の危機にさらされるのはもうこりごり……)

提督「……まあ、今更か。タ級が暴れるって?」

ヲ級「ええ……」

提督「なら、これを持って行ってそろそろ夢を覚まさせてやるといい」

ヲ級「写真と手紙?」

提督「結婚しましたって書いた紙と無理やり撮らされたツーショットだ」

ヲ級(これ、逆上しそうな気が……)

―???―

ヲ級「そんなわけで渡されたものなんだけど」

ル級(こ、こんなものをタ級に見せたら大変なことになる……!)

レ級「これタ級に? タ級ー」

ル級「ま、待てっ!」

タ級「なに、手紙? うーん」

ル級「あ、ああ……」

タ級「……」

レ級「どんな内容なの?」

ル級(だ、大戦争が始まるぞ……!)

タ級「……そう。わかったわ」

ル級「ん? タ級、思ったより冷静だな」

タ級「王子様のことだから、周りの子にもモテることはわかっていたわ」

ル級「そ、そうか」

タ級「私は二番……ううん、選ばれればなんでもいいわ~」

ル級(これは、激怒しなかったことに安堵するべきか、側室でもいいという発想に悲観するべきか……)

タ級「ところで、この写真の子はなんで目線を入れられてるのかしらね」

ヲ級「さあ?」←勝手に敵に突っ込まれても困るから、独断で入れておいた

―執務室―

提督「別のいたずら用にとっておいたんだがな、まあいいか」

提督「そもそも見逃したのは……丸腰の敵に非常な判断はできなかったということにしておこう」

↓2

>>299

―金剛型の部屋―

提督「実は紅茶よりコーヒーの方が好きなんだよね」

金剛「……」

霧島「せめて言う場面は考えてほしかったですね」

比叡「ティータイムにお邪魔しておいて、それは余計ですよ!」

榛名「……ですけど、今更ですよね?」

金剛「執務室ではいつもコーヒー飲んでマース」

提督「わざわざ紅茶入れるの面倒だし……」

金剛「言ってくれればいつでも入れてあげマース!」

霧島「それで、ティータイムのときに言ったのはどういった意図で」

提督「よくティータイムにお邪魔してるし、そろそろ勘違いされてドッキリになってるかなと」

霧島「はぁ……」

金剛「なら、提督はもうティータイムに誘いませんネー」

提督「なにっ!?」

金剛「嘘デース」

提督「……金剛の方がはるかに冗談がうまいな」

榛名「提督はいつも冗談ばかり言って、少し警戒されてますから」

提督(最近は嘘ついてないと思うんだけどなぁ)

―執務室―

提督「実際のところ紅茶とか作る人の腕次第なところあるから、一概にコーヒーが好きとか言えない」

提督「あ、金剛の紅茶は自分で作るコーヒーより好きだぞ」

↓2

提督「金剛より榛名のほうが美人だよね」

提督「死んだふりをしたところで、反応してくれる軽巡はいるのか」

提督(……前の反省を生かして、死んだふりまでは行かない程度にとどめておこう)


―長良型の部屋の前―

提督「……」

長良「司令官、どうしてそんなところで寝てるの?」

名取「ね、ねえ、寝ているって、それは……」

長良「呼吸は正常だから、寝てるだけでしょ」

名取「え、呼吸?」

鬼怒「息使いが規則正しいから、怪我してるとかそういうわけじゃないってことだよね」

阿武隈「なんでわかるの……というか、それなら提督は何をやってるんだろう……」

五十鈴「一人遊びでしょ。放っておきなさい」スタスタ

由良(本当に放っておくんだ……)

―川内型の部屋の前―

提督(あのスポーツ少女たちにはケチャップで服を汚すだけで終わった。今度こそ、成功を……)

那珂「あれ、提督?」

神通「どうしたんでしょうか……提督、どうしました?」

川内「あー、分かった」

那珂「何が?」

川内「きっと夜戦の疲れで寝ているんだ。うんうん、私もたまにあるよ」

神通「いえ、そういうことではないと思うんですけど……」

川内「こういう時はゆっくり寝かせてあげるのが一番だよ。さ、二人とも」

那珂「あ、うん」

神通(本当にいいんでしょうか……)

―阿賀野型の部屋の前―

提督(人の部屋の前で寝るなんて、さすがの俺もするわけなかろう。まったく失礼な奴だ……)

酒匂「ぴゃーー!? 司令ーー!」

阿賀野「どうしたの、酒匂……提督さん!?」

酒匂「大丈夫? どこか怪我してるの?」

阿賀野「と、とりあえず医務室に連れて行かないと!」

酒匂「ぴゃっ、そ、そうだね!」

矢矧「いったいどうしたの……提督、大丈夫ですか!?」

能代「……」

矢矧「能代、提督の様子がおかしいの、ほら、こんなどろっとしたものも……」

能代(どう見てもケチャップ……三人とも提督に付き合ってるのか本気なのかわからないんだけど。なら……)

能代「早く医務室に運びましょ。担架持ってくるから」

提督「能代! お前はつっこんでくれよ!」ガバッ

―執務室―

提督「その後、怒られるよりも安心されるという……」

提督「本気で心配された時の居たたまれなさはやばいな」

↓2

提督「榛名ってヤンデレになりそうで怖いは」

漣「川内さんは忍者っぽいんですから、せっかくならニンポを伝授しましょう!」

提督「ニンポ?」

漣「ごほん、忍法を伝授しましょう!」

提督「……面白そうだから乗ってやろう!」


―川内型の部屋―

漣「ドーモ、センダイ=サン」

提督「ニンポ伝授しにきました」

川内「ニンポ? それを使えばもっと夜戦で活躍できるようになる!?」

提督「もちろんだ!」

川内「それで、ニンポってどうすれば使えるの?」

提督「ええと……」チラッ

漣「ニンポは日本人に対して恐怖を煽らせるものですから、連呼するだけでいいんです」

提督「そういうことだ」

川内「なるほど、ニンポを使うぞ! ニンポを使うぞ! ……ってことでいいんだよね!」

提督「あとは忍者らしく手裏剣とか?」

漣「ニンジャならスリケンです。ジツも使えたらかっこいいですね」

川内「いいね、夜戦で使えるならもっと教えて!」

提督(……このまま漣に任せようかな)

―数日後・夜戦―

川内「とうとう夜戦が来たね……見てみなさい!」

ヲ級(一体何を……?)

川内「ドーモ、ヲキュウ=サン、センダイです」

ヲ級「アッハイ、ドーモ、センダイ=サン。ヲキュウです」

川内「ニンポじゃなくてカラテ使います」

ヲ級「アイエエエエ!? それでニンジャナンデ!?」

川内「イヤーッ!」

ヲ級「グワーッ!」

川内「シンカイ[ピーーー]べし!」

ヲ級「ブッダシット! 空母は夜戦出来ないのにィ!」

川内「イヤーッ!」

ヲ級「グワーッ!」


提督「帰還だ帰還! 色々な意味でその倒し方はマズイ!」

―執務室―

提督「ニンジャの物まねは禁止にした。あれは色々危険だ」

提督「……漣に任せた自分が悪いんだが。インガオホーってやつだな。……あれ、ちょっと違ったか」

下2

―数日後・夜戦―

川内「とうとう夜戦が来たね……見てみなさい!」

ヲ級(一体何を……?)

川内「ドーモ、ヲキュウ=サン、センダイです」

ヲ級「アッハイ、ドーモ、センダイ=サン。ヲキュウです」

川内「ニンポじゃなくてカラテ使います」

ヲ級「アイエエエエ!? それでニンジャナンデ!?」

川内「イヤーッ!」

ヲ級「グワーッ!」

川内「シンカイ殺すべし!」

ヲ級「ブッダシット! 空母は夜戦出来ないのにィ!」

川内「イヤーッ!」

ヲ級「グワーッ!」


提督「帰還だ帰還! 色々な意味でその倒し方はマズイ!」


―執務室―

提督「ニンジャの物まねは禁止にした。あれは色々危険だ」

提督「……漣に任せた自分が悪いんだが。インガオホーってやつだな。……あれ、ちょっと違ったか」

下2

暁「絶対この鎮守府何かいるわ!」

提督「何だ突然。夜トイレに行けなくなったか?」

暁「それはあ……っ! そんなわけないじゃない!」

響「夜トイレに行けなくなったのはともかく、何か出るのは本当だよ」

暁「行けなくなったわけじゃないわ!」

電「はいはい。司令官さん、電は興味ないのですけど、ちょっと付き合って欲しいのです」

雷「もう夜起こされるのは私でもちょっとね……」

暁「だーかーらー!」

提督「暁、それは自分の首を絞めてるぞ。……まあ、前々から一部では問題になってるし、ちょっと調べて来るか」

~深夜・廊下~

提督「はい、お化けが出るという丑三つ時になりました」

雷「司令官……眠くなぃ……?」

提督「雷の方が眠そうだぞ。まあ、時間的にしょうがないか」

暁「ふ、ふん、だら、だらしにゃいわね!」

響「声が震えてるよ」

電「早く部屋に戻って寝たいのです……ところで、当てはあるのですか?」

提督「俺は見た事ないからな……本人そっくりって、ドッペルゲンガーとかバイロケーションを思い出す」

暁「どっぺる? ばいろけ?」

響「ドッペルゲンガーだと、見たら司令官大変だよ」

電「バイロケでも尋常じゃないのです」

暁「なんで二人とも通じてるの!?」

提督「ま、バイロケは一部じゃ特殊能力だし、気にしなくてもいいだろう。ドッペルは周りの人間と会話しないとされてるから可能性は低い」

電「電達は人間じゃなくて艦娘なのです」

提督「余計なこと言うな」

響「なんにしても、本人の周辺に出ることは変わらないんだね」

暁「もう! こうして話してもしょうがないわ! 早く行くわよ!」

提督「あっ、おい、勝手に行くなよ」

雷「……zz」

~数十分後~

暁「何もない」

響「ううん、今日はこれ以上探しても収穫無さそうだね」

暁「こんなことじゃ諦めないわよ!」

響(怖がってたのに……)

電「じゃあ、電は早めに戻るのです……」

提督「じゃあ、俺は電を送ってくるな」

暁「えっ? あっ、うん……」

響(いきなり消沈した……とはいえ、私としても二人にされるとやっぱり怖いね……)

暁「……」

響「……」

提督「おっ、いたいた。何か見つかったか?」

暁「!?」
響「!?」

提督「どうした、そんなに驚いて」

暁「司令官、さっき、電を届けるって」

響「その、もう行って、来たのかい?」

提督「なんでそんなに片言なんだ。それに、俺は雷が寝落ちしたから届けて来たばかりだぞ」

暁「……じゃあ、さっきは」

響「い、電に確認を取ろうか!」

提督(なんで二人ともこんなに挙動不審なんだろうか)

―次の日・執務室―

提督「眠くて覚えてないと、電からの証言。暁と響は眠るように気を失った……んだが、二人の身に何が起こったんだろうか」

提督「ついさっきと言っていたけど、そもそも電すらすれ違わなかったし。まあ、あそこから暁型の部屋は一本道じゃないからおかしくは無いけど」

提督「よくわからんが、幽霊騒動は害は無さそうだから放置してもいいのか」

下2

山城「人生ゲームをしましょう」

提督「……山城から誘って来るとは、何か裏があるのか」

扶桑「いえ、改二なったのが嬉しいようで、上がった運を確かめたいと」

提督「なるほど。他に誘っている奴とか居るのか」

山城「抜かりありません」


―談話室―

陸奥「あら、思ったより早かったわね」

大鳳「提督が渋るとは思えませんけどね」

翔鶴「否定は……できませんね」

提督(なるほど、確かにぬかりないな)

―ダイジェスト―

大鳳「あっ、いきなり9がでました」

陸奥「あら、私も9よ。幸先良いわね」

提督「いや、職業マスすっ飛ばしてフリーターだからな」

翔鶴「えっ、あっ……私も9でした……」


~~~~~~~~

山城「50万もらう……姉さま! ついに山城もプラスマスに止まりましたよ!」

扶桑「ええ、ええ、良かったわね、山城」

提督「そんな大げさな……」

大鳳「また車が衝突……」

翔鶴「大丈夫ですか?」

陸奥「約束手形が増えていくわね」

提督「あっ、全然おおげさじゃなかった」

~~~~~~~~

山城「結婚イベントと出産イベントはとばして……いいえ、私には姉さまがいますから!」

扶桑「ごめんなさい扶桑、私結婚したの……」

山城「そんなっ!」

提督「はいはい、祝儀払って」

大鳳「すみません、約束手当ください」

陸奥「私のも頼むわ」

翔鶴「私は……ギリギリですかね」

提督(約束手形足りるか……?)

~~~~~~~~

大鳳「やっとたどり着きました……」

提督「最後開拓地で凄い粘ってたな。おかげでこちとらゴールしてから億万長者だけど」

陸奥「むしろあそこで引っかからないほうがおかしいのよ」

翔鶴「億万長者の土地直前でマイナスになるのとどっちがいいのかしらね……」

扶桑「初めてそのままゴールできました……」

山城「ギャンブルですった時はどうなるかと……」

提督「何かお前ら壮絶だな。リアル人生より濃い内容じゃないだろうか」

翔鶴「現実の平和が実感できますよね」

提督(えっ、運が悪いのに人生ゲームしてるのって、まさかそれを実感するためなのか)

―執務室―

提督「順位は俺、扶桑、山城、翔鶴、陸奥、大鳳の順か。運は重要だと再認識した」

提督「開拓地に行くことが普通って、どう考えてもおかしいよなぁ……」

下2

提督「また売店に新たなコスプレ服があった。初代ストレッチマンのタイツだそうだが……」

提督「何故仕入れたのか、むしろ今の時代、初代の知っている子供はごく少数なんじゃないだろうか」

提督「……つい買っちゃったし、一回くらい試着してみるか」


~数分後~

提督「ストレッチマン……」スゥッ

青葉「失礼しま」
提督「参上!」バッ

青葉「」

提督「なっ、あ、青葉!?」

青葉「……司令官、何を……」

提督「わ、私は司令官などではない。ストレッチマンだ!」

青葉「えっ」

提督「怪人マスゴミめ! 覚悟しろ!」

青葉「……」

提督「さあ、みんなでストレッチだ! 横になって、足をこうして……いーち!」

妖精A「にーい」

妖精B「さーん」

妖精C「しーい」

提督「ごー! ストレッチパワーが、ここにたまってきただろう!」

青葉「……」

提督「食らえ怪人マスゴミ、ストレッチ……パワー!」

青葉「……」

提督「……ごめん、もう二度としないからみんなに広めるのは勘弁して」

青葉「呆気にとられてシャッター押すのもはばかられたんですけど」

提督「じゃあ、記事にしたりはしないよな?」

青葉「というより、こんなの記事にできません。作ってる最中に情けなくて泣きそうになりそうです……」

提督「なんかごめん」

青葉(実は罰ゲームとか適当な理由付けて司令官に着させようと思って取り寄せたんですけど、さっきのを見たらこれ以上ないほど自分が間抜けに思えました……)

―執務室―

提督「青葉の目が虚ろになってたけど、大丈夫か……って、あんなの見せられて大丈夫なはずないか」

提督「正直、俺も目の前でやられたら同じ反応する自信がある」

下2

提督「ポケモンが出たから買いに行くぞ!」

電「一人で勝手に買いに行くのです」

提督「え、何か冷たい」

雷「電ってば、さっきから負け続きで機嫌が悪いのよ」

響「嫌ならゲームするなって言ってるんだけどね」

提督「へぇ、というか、もう買ってるのかよ」

雷「通販で買ってたらしいわ。それより、司令官も買うの?」

提督「そのつもりだけど」

雷「そう……なら私も買おうかしら」

響「いいんじゃないかな」

提督「響は?」

響「私は……ううん、じゃあ買う事にしようか。そっちのほうが、楽だろうし」

提督「楽? ところで、暁は?」

響「電に六タテされてふてくされてる」

提督「ああ……色々納得した」

―デパート―

提督「いつものデパートなわけだけど……どれにするんだ?」

雷「艦娘の視点からすると、サファイアの方が良いわ」

響「同じく、としたいところだけど、被るのもなんだし別のにするよ」

提督「電がサファイアで暁がルビーだろうから……まあいや、適当に選ぶか」

響「なんで二人はばらばらだと思ったんだい?」

提督「ガチ勢は二つ買うだろ。そういうことだ」

響「ああ、うん……」

雷「どういうことなの?」

響「電のことを司令官は見てるって事だよ」

雷「そうなんだ」

―執務室―

提督「響は大変そうだな、和を保つのに」

提督「というより、六タテってどんだけ圧倒的だよ。暁が拗ねるのも分かるわ」

下2

提督「夕雲型は……うーむ、前に脱衣所に忍び込んだりしたか」

提督「他に……あれ、あんまりかまってあげてないような気が……」

提督「よし、次は夕雲型で遊ぶとするか!」

↓2

―夕雲型の部屋―

提督「遊ぶのに必要なのは一体感。そんなわけで、何故か売ってあった夕雲型の色の軍服を着てみる事にした」

長波「いらない一体感だな」

提督「まあそう言うな。結構きれいに出来てるだろ」

長波「オーバーオール風に配色されてるだけで、特にきれいとは思わんな」

提督「長波は分かってないんだから」

長波(なんかむかつくな)

提督「ところで他の四人は?」

長波「そろそろ戻ってくるはずだけど」

ガチャ

夕雲「あら、提督?」

巻雲「どうしたんですかぁ?」

提督「お前らと遊ぼうと思って」

早霜「遊んでくれるの……? でも……」

清霜「司令官、何して遊ぶ? 戦艦ごっこ?」


夕雲「長波さん、提督が着ている軍服について尋ねてもいいかしら?」

長波「言っとくけど、聞かれてもあたしは知らないからな」

夕雲「そう……」

長波「でも、一体感が必要とかなんとか言ってたっけ。よく分かんねえけど」

夕雲「なるほど……提督、一緒に何かをする前に着替えて来てください」

提督「え? そんなに似合ってないか……?」

夕雲「いえ、夕雲は元の方が好きですから」

提督「そ、そうか? 早霜はどう思う?」

早霜「私もそう思う……」

長波「というより、さっさと着替えて来いよ。ぶっちゃけ似合ってないぞ」

夕雲「二人もこう言っている事ですし」

提督「しょ、しょうがないな。そういう風に言われたら戻して来るしかないな。じゃあ、ちょっと待っておいてくれ」

バタン

清霜「……あっ、どこか違うと思ったら服が違うのか」

長波「今気づいたのかよ」

巻雲「ほえ? 何か違ったの?」

長波「こっちは気付いてすらいなかっただと」

清霜「お姉様、司令官はなんで違う服を着ていたの?」

夕雲「多分、反応を待っていたの。あのままだと清霜さんが遊びに行きそうだったし、反応ないのは可哀想でしょ」

清霜「へー」

早霜「良く知ってるのね……」

夕雲「提督のことだからよ」

―執務室―

提督「実はあの色の服のまま遊ぶのかと思って、内心ひやひやしてた」

提督「いやぁ、何となく思うんだが、夕雲とは以心伝心しているような気がするなぁ」

下2

提督「陽炎型は一人増えたな……部屋も一杯だし、三人部屋を作らなきゃ……」

提督「って、今は執務の関わることは考えない。そもそも秘書官にまかせてるし、俺は遊ぶことだけを考えよう」

提督(歓迎するとは言ってない)

下2

提督「絡めな……いや、何の仕事をするとは言ってない」

霞「ちょっと、部屋一つ開けるから掃除してきて」

提督「なんともちょうどいい。ところで、部屋開ける理由って」

霞「陽炎型四号室よ。汚れるかもしれないから、着替えてきなさい」

提督「ういっす」ガサゴソ

霞「……ちょっと、なんで全身青タイツ何て持ってるのよ。それ着ていくつもりなの」

提督「だって汚れてもいい服だろ」

霞「……まあいいけど。どうせ、今更誰もつっこまないでしょうし」

提督「?」

―空き部屋―

提督「思ったよりきれいじゃないか。わざわざ全身青タイツに着替える必要なかったな」

陽炎「あれ、司令官、どうしたの?」

提督「陽炎こそどうした。何か運んでいるようだけど」

陽炎「新しい妹の部屋よ。手伝うに決まってるじゃない」

不知火「今はここの物を運んできたところです」

提督「不知火もか」

黒潮「うちもいるでー」

提督「黒潮まで。みんな妹思いだな」

陽炎「それで、司令官は?」

提督「俺は秘書官に言われて掃除してこいと」

黒潮「そこで自分でしにきたと言えばええのに」

不知火「司令官が急にそんな事言っても疑うだけですけどね」

提督「不知火は酷いなぁ」

秋雲「あれ、先客がいるみたいね」

舞風「提督? それに、みんなも……」

提督「なんだ二人共。まだ部屋の準備は出来てないぞ」

秋雲「自分の部屋になるのなら、やっぱ自分でしなきゃいけないかなと思ってさ」

舞風「そうですよ。それに、こんな広い部屋で踊れるのは荷物が何もない今だけですし~」

陽炎「そうね、これは野分の歓迎でもあるんだし、手伝ってもらおうかな。いいよね、司令官」

提督「もちろん」

秋雲「あっ、じゃあこっちを漫画を描くスペースにしたいから……」

舞風「こっちを踊りのスペースにしたいかしら」

提督「おーい、まず掃除からだぞー」

磯風「ふむ、既に人数がいるな。ならば私達の出番はないか」

浜風「三人分の荷物よ、他に作業もあるでしょう、そっちを手伝うわよ」

谷風「じゃあ、谷風さんは休憩用の昼食でも作ってくるとするかなっ」

浦風「あ、手伝うよ。うちじゃ手伝いくらいにしかならんと思うが」

雪風「あっ、出遅れました! 雪風も手伝いますっ!」

天津風「まだ手が必要なところがあるでしょ。私も手伝うわ」

時津風「しれー、掃除手伝うよ」

初風「一部屋にこうして集まると大変ね。雑用辺りを引き受けるわ」

提督「うわぁ……こうして集まると陽炎の姉妹って多いな」

野分「あれ、司令、これは……」

提督「あー……みんなで部屋を作っていけば仲も深まるだろう。野分、お前の歓迎はこれだ!」

―執務室―

提督「人数多すぎんよ……よく部屋に納まったもんだ」

提督「というか、ちょうど陽炎型が集まるとか、もしかして秘書官……」

提督「……というか、誰にもタイツつっこまれなかったんだけど! まあ、自分で着てた事忘れてたけどさ!」

下2

―金剛型の部屋―

提督「榛名はいい子だなー」ナデナデ

榛名「は、恥ずかしいです……」

霧島「……どういうことですか、金剛お姉様」

金剛「お姉ちゃんだからネー、榛名を相手にしてあげてと提督に頼んだデース」

霧島「はあ、最近は榛名も大人しいですからね」

比叡「お姉様、寂しそうな顔をしています……ここは比叡がひと肌脱ぐしか!」

金剛「比叡と提督は全然違うネー」

比叡「うっ、何時もより言葉が冷たい気がします」

榛名「……あの、提督」

提督「ん?」

榛名「私はもういいので、金剛お姉さまの相手をしてあげてください」

提督「……いいのか?」

榛名「はい、榛名はもう十分です」

提督「ああもう、榛名は健気だなあ! じゃあ、その気持ちに免じて金剛の方を相手しよう」

榛名「はい……」


提督「というわけだ」

金剛「提督ぅ、榛名の相手をしてと言ったデース」

提督「はっはっは、まあいいではないか。好意を無駄にするものではない」

金剛「気を使われるなんて、シスター失格ですかネー」

提督「そんなことは無い。それだけ姉妹仲がいいという事だろう。それも、金剛のおかげだ」ナデナデ

金剛「ムー……」

霧島「ですけど、こうして金剛お姉様ばかり相手にするのもどうかと思いますよ」

提督「お互いがお互いに気を使う状況は良くない。金剛が頼んできた時点で、こうして気を遣いあうことになるのは明白だ」

金剛「じゃあ、どうすればベストだったのですカー?」

提督「話し合え。ティータイムの時間とか、話せる機会はたくさんあるだろう。今日は榛名の方にもフォローしておく」

金剛「……提督、ありがとうデース」

比叡(あれ、司令が真面目です!)

霧島(また悪いものでも食べたんですね)

―執務室―

提督「金剛型は姉妹仲良くないとな。じゃないと全部こっちに被害がとんでくる。相手にしてとか、カレーとか」

提督「実際にとんできたことはあまりないが、なおさら何か起こった時が怖い」

提督「……そういえば、最後に失礼なことを言われたような……いや、気のせいか」

下2

提督「オイゲンを案内しようと思うんだが」

霞「いいんじゃない」

提督「ひ、秘書官が普通に認めてくれただと……!」

霞「あんた、前も言ったけど私をなんだと思ってるのよ」

提督「秘書官」

霞「はぁ……心配だから私もついていくわ」

提督「仕事は?」

霞「それ、あんたが心配する事だと思ってる?」

提督「ですよねー」

―食堂―

提督「そんなわけでオイゲン、案内しよう」

プリンツ・オイゲン「いいんですか? 忙しいのでは……」

霞「貴女のお姉様も最初は戸惑っていたみたいだったからね」

提督「そういえば、微妙に戸惑ってたな……」

霞「あんた、何も考えずに案内するといったの?」

提督「そ、ソンナワケナイダロ。さあオイゲン、食事が終わったら行こうか」

プリンツ・オイゲン「分かりました、少し待っててください」

提督「ちなみに、ここは食堂な。一番人が集まりやすいから、人探しは個人の部屋の次に来る」

プリンツ・オイゲン「なるほど」

―会議室―

提督「ここは会議室だ。作戦会議に使う事はほぼないけど」

オイゲン「それでは、どこで作戦を伝えるんですか?」

霞「大まかな指示だけして、あとは個々の判断に任せてるわ」

提督「オイゲンも一回出撃しただろ」

オイゲン「そういえば、ずっと姉さまが指示していたような……」

霞「もちろん、危険海域は司令官が指揮するけど……まあ、そんなことは滅多にないから気にしなくていいわ」

オイゲン「戦力は隠しておくという事ですね」

霞(本人のやる気が無いからだとは言わない方が良いわね)

―母港―

提督「工廠もまわって、お風呂もまわって……こんなもんかな」

オイゲン「ありがとうございました。アドミラールも、秘書艦の方も」

霞「お礼言われることじゃないわ。司令官、案内終わったから私は戻るわね」

提督「おお、仕事の最中ありがとな」

霞「ふん、別にあんたの為じゃないわよ」スタスタ

提督「……秘書官は何時まで経っても厳しいな」

オイゲン「仲悪いんですか?」

提督「どうかな、悪いかもしれんな。だけど、厳しくしてくれているからこそ秘書官にしているような」

オイゲン「それなら大丈夫ですよ。アドミラールはしっかりしているので、わかっていると思います」

提督「……」

―執務室―

提督「あの場じゃつっこめなかったから言わなかったが、なぜ俺がしっかりしているという評価に……」

提督「自分で言うのもなんだが、しっかりしているわけないだろう」

提督(……そういえば、オイゲンの前じゃずっと真面目にしている気がする)

下2

―食堂―

168「偶にジャックフードを食べたくなるのよねぇ」

提督「俺はこうして間宮の料理や鳳翔のつまみとかの方が良いが」

168「もちろん、これも美味しいわよ。でも、たまには体に悪いものを摂取したくなるじゃない」

58「体に悪いなら食べない方が良いでち」

19「それは分かってるのね」

8「イムヤのいう事分からないでもないけど……」

401「ジャンクフードは食べたくなるようにできてると聞いた事もあるしね」

提督「ふうん……なら、行こうか」

168「え?」

―ハンバーガーファーストフード店―

提督「マックだな」

8「提督、その言い方は争いが起こるのでやめてください」

提督「すまん。それで、お前たちはなに頼むんだ、今日は奢ってやる」

19「さすが提督ふとっぱらなのー!」

168「無理はしなくてもいいのよ?」

提督「無理するくらいだったら最初から払わん」

401「提督もこう言ってるし、私はお言葉に甘えようかな」

8「ありがとうございます」

58「あっ、見てでち、魚雷発射管がおもちゃになってるでち!」

168「あっ、ほんとね。普通の砲台もある」

19「空前の艦ブーム?」

提督「……もしかして、今をときめく某アイドルの影響では……」

168「それって、三姉妹の方じゃなくて?」

提督「……ま、まあ気になるし、俺はハッピーセットにしようかな」

401「じゃあ、別のおもちゃで同じのを頼むよ」

19「イクも同じのにするのー!」

58「あっ、ならゴーヤもお願いするでち!」

8「……じゃあ、頼みます」

提督「皆セットか。イムヤは?」

168「これで私だけ別の物注文するわけにはいかないじゃない。私も頼むわ」

提督「おっけー」

―鎮守府―

提督「はあ……ちょっと調子に乗り過ぎたな」

まるゆ「なんだかお疲れのご様子ですね?」

提督「おおまるゆか。ちょっとマッ……ハンバーガー屋に行ってきてね」

まるゆ「そうですかぁ」

提督「そうだ、まるゆにもハンバーガーをやろう」

まるゆ「えっ、まるゆの分もあるんですか?」

提督「潜水艦の中でまるゆだけ仲間はずれなんて寂しいだろ」

まるゆ「提督……うぅ、ありがとうございます~」

提督(すまんな、それは俺が買いすぎて持って帰っただけのやつなんだ。まるゆに見つからなければ、後で間食してた)

―執務室―

提督「ハッピーセットはおもちゃが本番のような気がしないでもない」

提督「味だけならモ……の方が好きだし」

下2

―サブ島沖海域―

南方棲戦姫「ふん、久しいな人間」

提督「わざわざ海流瓶で果たし状を送ってくるなんてな」

南方棲戦姫「それだけ貴様の事を高く買っているという事だ。それより、よく逃げなかったな」

提督「果たし状をもらい逃げるなど、日本男子がするものではない」

南方棲戦姫「くく、その余裕の表情も今日までだ。ここが貴様の墓標にしてやる」

提督(前にも言われたような気がする)

南方棲戦姫「沈め、海の底へ」ガシャン

提督「俺が何も用意をせずにここに来たと思うなよ?」

南方棲戦姫「なんだと?」

提督「食らえ!」シュッ

南方棲戦姫「くっ……なに、氷?」ガリッ

提督「それは比叡と磯風の三人で作り上げたアイスバーだ」

南方棲戦姫「舐めおって……! 沈めっ……なっ」

提督「どうした、動かないのか? いや、動けないのか」

南方棲戦姫「人間……っ! 何をした!」

提督「試食させたんだよ。俺の知り合いきっての、ダークマター製作者に感想を伝えるためになぁ!」

南方棲戦姫「貴様ぁ! のこのこと現れたと思えば、罠を張りおって!」

提督「正面から投げただろ。この勝負はもう俺の勝ちだな、帰らせてもらうぜ!」ザパァ

南方棲戦姫「ま、待て! この麻痺は何時になったら治る!」

―執務室―

提督「今日も無事に帰ってくることが出来た」

提督「というか、あの飯マズコンビの食べ物はマジで毒物かよ。深海棲艦にも効くとか末恐ろしい……」

下2

加古「おめでとー古鷹」

古鷹「ありがとう、加古。提督もありがとうございます」

提督「古鷹も改二かー、何だか感慨深いな」

加古「古鷹はずっと重巡洋艦の良い所を見せようと頑張ってたもんね。むしろ遅いくらいだよ」

提督「ようやく努力が報われた、みたいなところだろうか」

古鷹「努力だなんて……いつも一生懸命だっただけですし、これからももっと頑張っていきますよ」

提督「古鷹は頑張り屋さんだな。それより、パーティとはいうものの、こんなささやかなもので良かったのか?」

古鷹「いいんです。こうして、大切な人に祝われてるというのが大事ですので……」

提督「古鷹……それってつまり、他の重巡艦とか大事じゃないって事か?」

古鷹「っもう! 提督!」

加古「提督も意地悪だねー。あ、古鷹、プレゼントだよ」

古鷹「ありがとう、加古。開けていい?」

加古「もちろん、古鷹のためにわざわざ探してきたんだよ。そのインナー」

古鷹「自分で探したんだ……ありがとう、加古」

提督(自分のために動いたことに対するお礼が強いんだろうな……)

提督「そうだ、俺からもプレゼントだ」

古鷹「提督からもですか? すみません、ありがとうございます」

提督「何の変哲もないヘアピンだ。まあ、改二記念にだ。着けるかつけないかは個人に任せる」

古鷹「本当に、何と言っていいものか……ずっと大切にしますね」

加古「むー、古鷹、あたしの時より喜んでない?」

古鷹「そんなことないよ、加古のも使わせてもらうからね」

提督(うんうん、古鷹もすごく嬉しそうでなによりだ)

―執務室―

提督「そうして、慎ましやかに行われたパーティは何事も無く終わった」

提督「ちなみにその後、もらったプレゼントを付けている古鷹の姿を確認されたとか」

下2

オイゲン「姉さまに何か作ってあげたいんです」

提督「いいんじゃないか。ここに来てお世話になってることも多いだろ」

オイゲン「でも、何を作ったらいいかわからないんです……」

提督「ふむ……プリンとかどうだ。作りやすいし」

オイゲン「いいですね、プリン。……プリンツとかけたわけじゃないですよね?」

提督「ハハハ、そんなわけないだろう」

オイゲン「そうですよね。じゃあ、頑張って作ってきます」

提督「……様子くらい見に行くか。食堂の許可も取らなきゃいけないし」

―食堂―

提督「一から作れるだけの材料と器具はそろっている。作り方は大丈夫か」

オイゲン「はい! ついさっき、調べてきました!」

提督「ならオイゲンの事だし、大丈夫だろう」

オイゲン「愛情もきちんと込めて作りますよ。料理は愛情ですからね!」

提督「それが分かってるならなおのこと心配いらないな。とりあえず、見ておくが」

オイゲン「はい! まず、牛乳と砂糖に……」

提督(いつぶりだろうか、安心して見ていられるのは)

~~~~~~~~

オイゲン「アドミラール、完成しました」

提督「お、美味しそうにできてるじゃないか。きっとビスマルクも喜ぶだろう」

オイゲン「今から持って行こうと思います。はい、アドミラールにも」

提督「いいのか?」

オイゲン「提案してくれたお礼です。きっと、美味しいと思います」

提督「……愛情が入ってるからか?」

オイゲン「どうでしょう、美味しいと感じたなら、そうかもしれませんねっ」

―執務室―

提督「美味しかった。ついでにビールも一緒に持って行こうとしていたのは止めておいた」

提督「あと、オイゲンには言わなかったが、料理は愛情だけでもどうにもならないものもある。ソースはうちの飯マズ達」

下2

―食堂―

提督「集まったか」

比叡「……」

磯風「……」

提督「正直、お前たちは特訓してもどうにもならん。だが、せめてレトルトくらいなら作れるんじゃないかと思っている」

比叡「司令、それは流石に言い過ぎです!」

磯風「そうだ、レトルトなど料理ではない」

提督「うるさい黙れ。磯風はおにぎりですらやばいじゃないか」

磯風「あれは失敗だったな。ちょっと塩を練り込み過ぎた」

提督「ちょっとどころじゃないが……とにかく、レトルトくらいは普通に出来るか見てやる」

比叡「しょーがないですね……張り切っていきます!」

磯風「どうしてもというのならば仕方ない。レトルトなど物の数に入らんことを教えてやろう」

提督「作るのはそこのカレーだ。ちゃんと作れよ」

比叡「任せてください! まず、封を切って」

提督「湯煎しろよ!」

磯風「湯煎とはなんだ?」

提督(もうすでにオチが見えてるような気がする)

~数分後~

比叡「完成しました!」

磯風「こっちもだ」

提督(最初以外、特に間違っていたことは無い。流石にレトルトくらい作れるか)

比叡「司令、レトルトくらい簡単に作れるんですよ」

提督「作れるのが当たり前なんだからな。さて、一応試食してみるか。まず比叡から……」

比叡「ふふん、どうですか」

提督「……お前、何か入れただろ」

比叡「何も入れてませんよ! レトルトに何か入れると思っていたんですか」

提督「米だ、米」

比叡「はい? レトルトだと味気ないので、せめて米に味をと思い、味の素を」

提督(食べられ無いわけでは無いが、非常に不味い。というか、入れたにせよ絶対入れ過ぎだこれ)

磯風「どうした、私の方も食べるのではないか?」

提督「ああ……パクッ……」

磯風「どうだ?」

提督「……辛っ! お前も何か入れただろ!」

磯風「レトルトだと甘いだろう。米に唐辛子のすりおろしを漬けておいた」

提督「なぜ飯マズは余計なアレンジをしようとするんだ!」

―執務室―

提督「あれは治らないタイプの飯マズだ。愛情が形になって表れるタイプ、絶対」

提督「もしかして、ダークマターにならなかっただけましなのだろうか。レトルトなのに」

提督「はぁ……しかし、オイゲンのプリンを残しておいてよかった……口が癒される……」

下2

―金剛型の部屋―

提督「榛名って辛いものってどこまでいけるんだ?」

榛名「突然どうしたんですか?」

提督「深い理由はないが、なんとなく」

榛名「そうですか……榛名は普通くらいですかね」

提督「ほうほう、じゃあ試してみようか」

榛名「はい?」

提督「あとで食堂に集合な。じゃあ」

榛名「て、提督!」

―食堂―

提督「よく来たな、榛名」

榛名「それでその、なぜ食堂ですか?」

提督「どこまで辛い物を食べられるかなーと思い、麻婆豆腐の甘から十倍辛くらいのを用意した」

榛名「十倍は無理ですよ!」

提督「安心しろ、限界が来たら残りは俺が食べる」

榛名「だ、大丈夫なんですか?」

提督「俺を誰だと思っている。比叡の料理の試食をする男だぞ」

榛名「あ……すみません、それでいろいろ納得してしまいました」

~~~~~~~~

榛名「モグ……すみません、これ以上は」

提督「二倍辛くらいか。女の子にしてはいける方かな」

榛名「そうなんですか?」

提督「那珂には全くダメという人もいるだろうし。ちなみに、ご感想は」

榛名「麻婆豆腐は美味しいですけど、辛さでだんだんと味を感じなくなるのが一番つらかったです……」

提督「ふぅん、もしかして、味を感じていたらもうちょっといけた口か?」

榛名「それは……どうでしょうかね」

提督(辛さが限界なのか、味が感じなくなってきたから止めたのか。まあ、無理やり食べさせることもないから、そこはいいか)

―執務室―

提督「中身がないけど、ふわふわとした理由からの話題だからしょうがないね」

提督「ちなみに料理は間宮に作ってもらった。美味しいのは当然だな」

↓2

―工廠―

提督「ぶっちゃけそれって恥ずかしくないの?」

明石「これって……スリットのことですか?」

提督「そう。大淀とかたしかそうだっけ」

明石「ええ、そうですけど。でも提督、女性にそういうのを聞くのはよくないことですよ」

提督「う……いや、それはわかっているのだが……」

明石「それに、これが私たちにとっての軍服ですから。恥ずかしいも何もないです」

提督「……なら、軍服の改造については俺が許可出すから、一回そのスリット縫ってもいいか?」

明石「……本当は、提督が気になってるだけですよね」

提督「うん」

~次の日~

大淀「なるほど。それで許可を出したということですか」

提督「そっちにも提督行ったよね?」

大淀「そうですね、突然スカートを貸してくれと言われました。提督が変なことに使うとも思えないので、買い換えようと思っていたのを差し上げましたけど」

提督「ああ、どうりでところどころほつれていたわけだ」

明石「あ、提督、縫ってきたんですか?」

提督「まあな。それで完成したのがこれだ」

大淀「……あまり、見た目は変わりませんね」

明石「そうね……あ、でも本当に縫われてる」

提督「少し布を追加していい感じにしてみた」

大淀「ですけど、ひとついいでしょうか?」

提督「なんだ?」

大淀「これ、普通のスカートと何も変わりませんよね」

提督「……」

明石「提督、縫っている間に気付いたんですね」

提督「……実は、なんとなくで二人のスカートをくっつけた奴もあるんだけど」

明石「うまくスリット同士がつなぎ合わされてる……」

大淀「お言葉ですが、その技術をもうちょっと別のことに使えなかったのでしょうか……」

―執務室―

提督「自分でも呆れる出来だったのは認める。あれなくしたら普通のスカートになるだけだよな……」

提督「スカート同士くっつけたのは、まああれだ、ちょっと魔が差した」

↓2

―大和型の部屋―

提督「大和型には海域攻略には大変世話になっているな」

大和「そうですか? 色々な編成で行っているような気がしますけど……」

提督「ここぞというときには、いつも大和か武蔵を出している」

武蔵「たしかに、決戦と言われる場面ではどちらかは出撃しているな」

大和「そうだったんですか……言われてみれば、そうですね」

提督「そんなわけで、お礼に何かしようと思っている。してほしいことが有れば何でも言ってくれ」

武蔵「なんでもか?」

提督「……出来る事なら何でも」

武蔵「ハードルを下げるな」

大和「武蔵、あまり無茶なことは……」

武蔵「無茶だと? そんな嘆願をするつもりはないさ」

大和「では、なぜ聞き返したの?」

武蔵「なに、大和は見て置け。悪いようにはしない」

提督「決まってるのか? なら、今言ってくれてもいいぞ」

武蔵「なら、抱きしめてやってくれ」

提督「……抱きしめ?」

武蔵「ああ、大和を思いっきりな」

大和「む、武蔵!」

提督「なるほど、まあそれくらいなら」ギュッ

大和「……!」ドキドキ

武蔵「くくっ、顔を真っ赤にして、大和は分かりやすいな」

大和「い、いきなり抱きつかれれば、驚きますし……!」

提督「ん? 大和は嫌だったのか?」

大和「そ、そういう訳じゃ無いですけど……」

武蔵「では、私は席を外すとするか」

提督「おいおい、武蔵にもお礼するんだぞ」ギュッ

武蔵「! ……確かに、いきなり抱きつかれると驚くな」

大和「だから言ったでしょ」

武蔵「(しかし、当たり前のように抱き着かれると、女として魅力が無いんじゃないかと思ってしまうな)」

大和「(いつも通りと言えば、いつも通りなんだけど……)」

提督(なんか嬉しそうなようで悲しそうな感じでよく分からない。喜んでくれているのだろうか……)

―執務室―

提督「やっぱり別の物をあげるべきだな、うん。抱きしめても喜んでたか微妙だし」

提督「というより、今考えてみれば武蔵の冗談だったかもしれないな。ちょっと見極めが早すぎたか」

下2

―綾波型の部屋二号室―

提督「ストⅡやろうぜ」

朧「かまわないけど……突然ですね」

提督「今に始まった事じゃないだろ。曙がいない今がチャンスだし、とっとと始めよう」

朧「スーファミか……」

提督「ぶっちゃけ最近のは持って無いし。昔のはつくの早いからいいよな。だれにする?」

朧「ではガイルで」

提督「そんなキャラでいいのかな。俺はザンギを使わせてもらう」

朧「普通にダイヤこっちの方が上なんですけど……まあいいか」

提督「ああ、やってみればわかることだ」

朧「遠慮はしません。待ちスタイルで行かせてもらいます」<ソニックブー

提督「現在ザンギを使い続けている奴がその程度の弾幕を越えられないと思っているのかな」

朧「ラリアットで避け……えっ、知らない間に投げられて……あっ!」

提督「端に固めてスクリューでとどめだ」<KO

朧「ええ……昇竜ガードから固めて立ちスクリューとか……」

提督「どうする、もう一度やるか?」

朧「正直勝てる気しませんけど……ダルシムでいく」

提督「そんなキャラでいいのかな」

朧「だから、ダイヤではこっちが圧倒的に有利ですって」<ヨガファイア

提督「その距離でヨガファイアは同じ展開になるだけだぞ」

朧「うわ……ガイル以上に固められるとどうしようもない……」<KO

提督「待ちガイル使いの朧でもこんなものか。俺より強い奴に会いに行く」

朧「別に待ちガイル使いという訳じゃ無いんですけど……って、スーファミ片づけて」

―執務室―

提督「今日キャラ対策は万全だ。エドモンドとかこられた方が辛かったり」

提督「とはいえ、万全にしても本当に強い奴には勝てないんだけど……ガイルやダルシム使いとリアルファイトした回数は数知れず」

下2

―公園―

提督「はー、こうして利根と散歩するのは久しぶり……あれ、初めてだっけ」

利根「初めてじゃ」

提督「そうか。なんか、こうして利根と歩くのって初めてな気がしないんだよな」

利根「共に歩かずとも、話す機会はたくさんあったからじゃな」

提督「そういえば、ちょっと前はよく怒られたり」

利根「む、そういえば、もうあれ以来一人で外海に出たりしておらんよな」

提督「はっはっは」

利根「笑って誤魔化すでない!」

提督「それより、そんなこともう忘れたかと思っていたぞ」

利根「言っても無駄だと思ったからじゃ。大和も必死になっておったし」

提督「もう大分前の事に感じるな……」

利根「……なあ、提督よ。外海に出るというのは、この鎮守府ひいては提督でいるのが嫌だからか?」

提督「面白い冗談だな」

利根「冗談……?」

提督「本気で嫌なら、こうして利根と散歩することなんてない。お前たちの事は大事に思っているからな」

利根「な、なんじゃ、いきなり!」

提督「たまには真面目に本音をな」

利根「ぬぅ……まて、結局外海にでておらんのだな?」

提督「さて、この散歩コースをもう一周したら帰るか」

利根「なぜ無視する!」

―執務室―

提督「出るか出ないかは己の御心のままに」

提督「しかし、利根は心配性だ。子供っぽいけど、あれでしっかりしているところもあるんだな、うん」

下2

―金剛型の部屋―

提督「榛名って金剛より美人だよね」

榛名「て、提督!? い、いきなりなんですか?」

提督「なんとなく、ふと思って」

榛名「や、止めてください、心臓に悪いですから……ですけど、榛名は金剛お姉さまの方が美人だと思いますよ」

提督「一般的にはそうかもしれないが、こう……日本人からして美しいのは榛名な気がするんだ」

榛名「そんなことないですからっ」

提督「そうやって謙遜するところとかさ。金剛なら絶対に言わないだろう」

榛名「それは、そうかもしれませんが……」

提督「こう、奥ゆかしさも感じていいと思うぞ」

榛名「うぅ……」

提督「日本人、大和撫子の美徳をきちんと揃えているというか……」

榛名「……」

提督「その美徳ってのが、より一層美人を際立たせているな、うん」

榛名「……」

提督「榛名?」

榛名「……」

提督「……限界に達したのか、固まっている」

―執務室―

提督「ただ褒めちぎるだけになってしまった気がする」

提督「ん、いや別にいいか。こういう事も最近はめっきりなかったし」

下2

プリンツ・オイゲン「ビスマルク姉さまとお出かけしたいんですけど……」

提督「外出許可なら基本的に必要ない。休みの事ならば、秘書官の方を通してくれ」

オイゲン「いえ、日本に来て日が浅いので、どういう場所に行った方が良いと思って」

提督「そのあたりは気にしなくていいんじゃないか。遊びに行くだけだろ」

オイゲン「日本では、誘った人がプランを考えると聞きました」

提督「また中途半端に知識を入れてるな」

オイゲン「それでその、できれば提督に教えて欲しくて」

提督「遊べる場所ね……よし、俺に任せろ」

―デパート―

提督「基本的にここでショッピングをすれば間違いない」

オイゲン「へー、大きいですね」

提督「ショッピング以外にもいろいろあるからな。そっちの方には後で寄るとして……どうした、オイゲン」

オイゲン「え? そ、その……そこのクレープが気になって……」

提督「……ちょっと待ってな」

オイゲン「あ、はい」


提督「ほら、買ってきたぞ」

オイゲン「えっ、す、すみません! わざわざ買ってもらうなんて……」

提督「気にするな。それに、そう言うセリフはお礼の方がうれしいものだぞ」

オイゲン「あ……ありがとうございます!」

―ゲームセンター―

提督「遊びに来るならゲーセンもいいと思うぞ」

オイゲン「音が凄いですね……」

提督「そんなものだ。でも、ビスマルクならこういう騒がしい場所も嫌いじゃないと思うんだが」

オイゲン「そうですね……あっ、これは何ていう物ですか?」

提督「UFOキャッチャーか。なかなかいい目をしている」

オイゲン「楽しいの?」

提督「コツが掴めてたらな。ちょっとやってみるか?」

オイゲン「はい!」

~数分後~

オイゲン「全然取れません……」

提督「初心者ならそんなもんだ。ほれ、貸してみろ」

オイゲン「はい……」

提督「この位置で、タグに引っ掛ければ……よし、とれた」

オイゲン「アドミラールすごい!」

提督「ほれ、取れたやつやる」

オイゲン「いいんですか?」

提督「俺が持っててもしょうがないし」

オイゲン「えへへ……ありがとうございます」

提督「さて、視察はこれくらいで大丈夫か。あとやりたいことがあるなら、ビスマルクとしなさい」」

オイゲン「はーい」

―執務室―

提督「さて、戻って来たが……遊びに行くのは明日か?」

オイゲン「はい! 明日ビスマルク姉さまを誘ってみます!」

提督「そうか。ところで、どうして直接俺に聞きに来たんだ? 俺以外に適任がいると思うのだが」

オイゲン「それは……提督ならちゃんと教えてくれると思ったからですっ」

バタン

提督「信頼が厚い。厚すぎて本性見せるのがはばかられる。見せないとは言わないけど」

提督「そういえば、帰りに講演も紹介しておいたけど、女だけならショッピングだけで時間が消えそうな感じ」

下2

―???―

ヲ級「南方棲戦姫様のフラストレーションがたまっているようで……すみませんが、相手をしてくれませんか」

提督「色々言いたいことあるから一つにまとめて言う。お前正気か」

ヲ級「正気です。ちなみに、断るなら南方棲戦姫様にあなたの正体を教えます」

提督(断れば全面戦争ってか。生身で戦艦の相手をしろとか、謀殺とか暗殺とかそういうことだよなぁ)

ヲ級「さあ、どうします」

提督「……そういえば、断ればここから逃がさないとか、そういう事は言わないのな」

ヲ級「私があなたを止めれると思ってませんし」

提督(あ、これ単純に人外扱いされてるだけだ)

~数十分後~

提督「へいへい、敵ビビってるビビってる!」

南方棲戦姫「なんだと! 貴様、根城に突然現れたかと思えば、なめたまねをしおって!」

提督「ふふーん、でかい口は俺に追いついてからにするんだね、鈍足親分」

南方棲戦姫「ブチッ 貴様ぁ! ただじゃ帰さんぞ!!」

提督「暴言を吐くのは早い癖に、肝心の速力は遅いな。まさに口だけ」

南方棲戦姫「[ピーーー]ぇ!!」ドーン

提督「そんな砲撃、見なくても当たらないね」

~数十分後~

提督「へいへい、敵ビビってるビビってる!」

南方棲戦姫「なんだと! 貴様、根城に突然現れたかと思えば、なめたまねをしおって!」

提督「ふふーん、でかい口は俺に追いついてからにするんだね、鈍足親分」

南方棲戦姫「ブチッ 貴様ぁ! ただじゃ帰さんぞ!!」

提督「暴言を吐くのは早い癖に、肝心の速力は遅いな。まさに口だけ」

南方棲戦姫「死ねぇ!!」ドーン

提督「そんな砲撃、見なくても当たらないね」


ヲ級「……やりすぎのような」

レ級「楽しそうだねー、わたしも混ざっちゃダメかな」

ヲ級「えっ、あれが楽しそう……?」


南方棲戦姫「ええい、ちょこまかと!」ドーン

提督「捉えられないへなちょこさを棚に上げるとか、プププ」

南方棲戦姫「くっ!!」


レ級「ほら、楽しそう」

ヲ級(私にはわからないわ……)

―執務室―

提督「なんとか無事に帰ってこられた。燃料が尽きるまで逃げる羽目になるとは……」

提督「……自分でも人外じみてる気がしてきた」

下2

―談話室―

提督「……」

ガチャ

飛鷹「あら、提督。何を見てるの?」

提督「よく知らん洋画。売店にあったから暇つぶしてがら見てる」

飛鷹「ふうん……私も暇だから見てもいい?」

提督「かまわんぞ」

飛鷹「ありがと」

提督「というか、飛鷹は何しにここに来たんだ?」

飛鷹「暇だからちょっとここに来ただけよ」

~一時間後~

提督「やっと終わった……」

飛鷹「ふわぁ……あんまり面白くなかったわ……」

提督「それどころか、睡眠を誘う退屈さ……」

飛鷹「こっちもよ……正直、部屋にいて隼鷹と遊んでいる方がよかったわ……」

提督「やべ、前後不覚で部屋に戻れそうにない……ちょっと仮眠とるか」

飛鷹「私もちょっと昼寝してもいいかしら……」

提督「ああ、かまわんぞ。今かけるものを……」

飛鷹「スゥ……」

提督「あれま、もう寝たか。俺も正直耐えられないし……おやすみー」

~~~~~~~~

隼鷹「ひゃっほー! 隼鷹でーす! ここに飛鷹が来てるって……あれ」

飛鷹「zz……」

提督「zzz……」

隼鷹(二人仲良く寝てる……あれ、机の上にあるのって、快眠できる映画とか売店に売られてたような……)

隼鷹「なんて、あたしがおぼえてるわけないけどねぇ~。なんにせよお邪魔したら悪いか」バタン

飛鷹「zz……」

提督「zzz……」

―執務室―

提督「気づけば、飛鷹と仲良く寝ていた」

提督「快適な睡眠だった。もしやあの洋画は、そんな効果をもたらすものだったり……」

↓2

提督「響、ロシア語を教えてくれ」

響「突然なんだい。司令官はロシア語を習うよりドイツ語を学んだ方が良いと思うのだけど」

提督「えー、だめ?」

響「駄目ではないけど……」

提督「よし。とはいえ、そんな深く教えなくていい。表面上だけさらっと教えてくれるだけでいい」

響「本当に何のために教わるつもりなんだい……いつもの司令官らしいけど」

提督「知的好奇心という奴だ」

響(知的……?)

提督「今失礼なこと考えているだろう」

―暁型の部屋―

響「教えると言っても、さらっと知りたいだけなら辞書を貸すよ」

提督「実にもっともな意見だが、それだと何の面白味も無いじゃないか」

響「言語を覚えるのに面白みも何もあるのかな……」

提督「ほら響、こんにちはは?」

響「ズドラーストヴィチェ」

提督「ありがとう」

響「スパスィーバ」

提督「さようなら」

響「ダ スヴィダーニャ」

提督「ハラショー……」

響(……はっ、もしかして遊ばれてる)

提督「ありがとう響。素晴らしい発音だった」

響「司令官にわかりやすく日本語なまりで口にしたんだけど」

提督「そうか、響は優しいな」

響「……実は教わる気ないね」

提督「……Пока!(またな!)」ダッ

響「無駄に綺麗な発音を残して逃げた……」

―執務室―

提督「言語なんかニュアンスで伝わればいい。ニュアンスで伝わるなら実際必要ない気がするけど」

提督「そもそも、響はベールヌイになってもあまりロシア語使わないし。さらっと覚えるだけで十分」

下2

提督「榛名って愛が重そうだよね」

榛名「はあ、重い、ですか……?」

提督「なんとなくそんな気がする」

榛名「重いとは、たとえばどのような?」

提督「そこから? ええと、凄く大切に思っていたり、ずっと一緒に居たり、相手のことを何でも分かってるみたいな」

榛名「それって悪い事なんですか?」

提督「列挙してみて何だが、特段悪いことは無いな」

榛名「それに、それでしたら金剛お姉様とかも含まれると思いますけど。霞さんとか」

提督「秘書官がぁ? 金剛はまああるかもしれないけど、秘書官はねーよ」

霞「……」

提督「」

霞「いや、別に重いとか思われたくないから、怒りはしないわよ。はい、書類」

提督「あ、うん。ありがと」

霞「あんまり遊ばないようにしなさいよ」

バタン

榛名「何時の間に入って来たんでしょう……あ、榛名もこれで失礼しますね」

提督「おう、また暇つぶしに付き合ってくれ」

榛名「もう、提督は暇じゃないですよね」

提督「本当に忙しかったら、愛が重そうとか無駄な雑談はしない」

榛名「そうですね。……提督」

提督「なんだ?」

榛名「愛が重いのかどうかは、受け取り手次第だと思いますよ」

バタン

提督「榛名、なんか核心めいた一言を……受け取り手次第にしても、重度な奴はいそうなものだけど」

提督「仮にこの鎮守府でいるとするなら、意外な奴が重かったりするかも。現実は奇なり」

下2

提督「うーちゃん、お前にとっておきのいたずらをしてやろうと思う」

卯月「ほほう、このイタズラの伝道師うーちゃんにイタズラを仕掛けようなんて、良い度胸だぴょん!」

提督「そう言っていられるのも今のうちだぞ」

卯月「どこからでもかかってくるがいいぴょん!」

提督「やる気だな? さあて、どんな悪戯を仕掛けようかな」


卯月(とはいっても、司令官も出来る……油断しているとすぐにやられるぴょん)

卯月(こういう時は、自分が仕掛けそうなところをしっかりと警戒するでっす!)

―食堂―

卯月「……」

弥生「どうしたの……?」

卯月「司令官からイタズラがくるかどうか、警戒してるぴょん」

弥生「こんなところではしてこないと思うけど……」

卯月「相手は司令官だよ」

弥生「……くるのかな?」

卯月「うーちゃんなら、食事中に油断しているところに一瓶唐辛子を入れるぴょん」

弥生(それは結構悪質じゃないかな……)

―廊下―

卯月「……」

皐月「部屋に入らないの?」

卯月「扉の上部、下部、ドアノブに気を付けてるぴょん」

皐月「ええ、そんなところ見てどうするってのさ。ボクは先は居るからね」ガチャ

バタン

卯月「……うぅ~、まだ来ないぴょん?」

三日月「何か困りごと?」

卯月「司令官がなかなか悪戯してくれないぴょん……」

三日月「えっ」

―執務室―

提督「何故か三日月に卯月との仲を疑われた……悪戯をするといって悪戯を警戒させて実はしないという前にもやったようなことをしていただけだというのに」

提督「まあ三日月に言った時点で終了だろうけど。話も通るだろうし」

下2

大鳳「またランニングしましょう」

提督「いいぞ。こんどはフルマラソンで行くか」

大鳳「いいですね。では、鎮守府の前で待ってます」

提督「水は持っていくことにするか。無駄に金を使う事も無いだろうし」

大鳳「同時に筋トレですね」

提督「なら三本くらい必要かな」

大鳳「……そろそろいいですか? この無駄なやり取り」

提督「まあ、ランニングでフルマラソンはやり過ぎだな」

―公園―

大鳳「この辺りで少し休憩しましょうか」

提督「そうだな。人もいないことだし……一発やるか」スッ

大鳳「な、なんてもの持ってきているんですか!」

提督「大丈夫だって。痛くないから」

大鳳「ですけど、見つかったらただじゃ済まないと思うんですけど……」

提督「見つからなきゃいいんだって。鎮守府ですると、武蔵辺りがせがんでくることあるから、あんまりやりたくないんだ」

大鳳「はぁ……分かりました。お付き合いしましょう」

―トレーニング場―

提督「さて、戻しとかないと」

武蔵「なんだ、足りないと思っていたら、提督が持っていたのか」

提督「げっ……」

大鳳「少しトレーニングに使わせてもらいました」

武蔵「私も混ぜてくれてもよかったんだぞ」

提督「いやぁ、武蔵としたらトレーニングじゃ済みそうにないからさ」

武蔵「ふっ、そうかもしれんな」

大鳳「それにしても、この模造刀って本当に本物そっくりですよね」

提督「形から入る人用にって、夕張が言ってた」

―執務室―

提督「ランニングと稽古。大鳳との稽古は剣とボウガンでの異種だけど」

提督「遠中距離との練習は必要だし。大鳳も肉薄された時に使える技術だろう」

下2

提督「さて、軍服を頼んだら、なぜか加賀の服まで一緒に入っていたわけだが……発注ミスか?」

提督「返品……いや、ちょっとこれで遊んでみるのも悪くない」


―廊下―

「赤城さん、赤城さん」

赤城「はい、なんですか加賀さ――」

提督「どうかしら、似合ってる?」←加賀の服

赤城「」

提督「どうしたの、そんな狐に化かされたような顔をして」

赤城「いえ……声がそっくりですので、加賀さんが提督になったのかと本気で思ってしまっただけです……」

提督「ふふ、赤城さんって面白い事を言うのね」

赤城「というより、何ですかそのキャラ」

提督「加賀のモノマネ」

赤城「本人に見られると、タダじゃ済まないと思いますよ」

提督「ばれなきゃいい」

赤城「はあ……それで提督、何故私に着いて来ているのですか?」

提督「今日は加賀の視点で過ごしてみようかと」

赤城「別に加賀さんとはずっと一緒にいるって訳では無いんですけど……」

提督「まあまあ」

赤城「どうなってもしりませんからね……」

―食堂―

加賀「何か、申し開きはありますか」

提督「他人の服があったら着てみたくなるだろ、、つまりそういう事だ」

加賀「そうですか……第一部隊、発艦用意」

提督「やべっ、ああ赤城」

赤城「え、はい、なんでしょう」

提督「ずっと一緒に居る訳じゃ無い割には、すぐに見つかったな」

赤城「食事は一緒にとってますし……そもそも、青葉さん辺りに言伝されると思いますけど」

提督「それもそうか。じゃあな」ダッ

加賀「せめて服は焼き払って差し上げますから」ダッ

赤城(今回一番大変なのは、間違いなく加賀さんですよね……)

―執務室―

提督「目の前で焼却することによって、なんとか命は免れた」

提督「自分でもきついと思ってたから、服に対して未練はない」

下2

如月「司令官って、恋とか愛とか知っているんですか?」

提督「何だ藪から棒に。こちとら一介の男子、知らないはずがないだろう」

如月「ですけど、そう言うところを見た事ありませんよぉ」

提督「そう言うなら、見せてやろうか」

如月(司令官は結構負けず嫌い、つまり、こうして煽れば如月に愛をささやいてくれるはず……)

提督「貴様の姉である睦月に愛をささやいてみせるからな!」

如月「……どうしてそうなるのかしらねぇ」

~~~~~~~~

睦月「提督、呼びましたかにゃー」

提督「睦月、会いたかったぞ」ギュッ

睦月「ふえっ?」

提督「睦月に会えなかった時間がどれだけ長く感じた事か……」

睦月「て、てい、提督? にゃ、なんですか?」

提督「こうして抱きつかれるのは嫌か?」

睦月「そ、そんなことないのです!」

提督「だったら、もっと強く抱きしめてもいいか?」ギュッ

睦月「ふえぇぇ……」


提督「……好きだ」

睦月「ふえぇっ!?」

提督「睦月さえよければ、これを受け取ってくれないか?」

睦月「ゆ、指輪? え、提督、ほ、本気なんですかぁ?」

提督「ああ、本気だ。睦月はどうだ。俺といつまでも一緒に居てくれるか」

睦月「う、うん……もちろん、睦月も提督の事好きだから……」

提督「良かった。なら、今日は愛し合おうか」スッ

睦月「提督……」ギュッ

~~~~~~~~

睦月「……うにゃ?」

提督「どうだった、如月。俺でも愛だの恋だの囁くことが出来ただろ」

如月「如月にすればよかったじゃない……もぉ」

提督「こういうのは第三者から見た方が分かりやすいだろ。おっと、睦月が起きたみたいだな」

睦月「いつの間に寝ちゃってたのかな?」

如月「司令官の一人芝居も長かったから、如月にもよく分からないわ」

提督「何か気付いたら寝てたよな」

睦月(もしかして、最初から夢だったのかな……うぅ、なんだか提督の顔が見れないよぉ……)

如月「じゃあ睦月、戻りましょう」

睦月「う、うん」

如月「今度こそ、如月が……」

バタン

提督「……なんにしても、睦月があんまりはっきり覚えていなくて助かった」

提督「乗ってしまって結構行き過ぎなところまで喋っちゃってたからな」

下2

提督「青タイツなぁ……正直ダサいしいらないんだよなぁ」

提督「……」

提督「やっぱ、もったいないからもう一度くらい着るか」

ガチャ

雲龍「ていと……」
提督「!?」

雲龍「何してるの、提督……?」

提督(なっ、このままではタイツが好きな人と思われてしまう――!)

提督「……ただの一度も理解されない」

雲龍「ええと、理解してほしいんですか?」

提督「血潮は鉄で、心は硝子」

雲龍「……心は硝子……つまり理解してほしいんですね」

提督「ならば我が生涯に意味は不要ず」

雲龍「……理解を示してもらえてうれしいという事ですか」

提督「幾たびの戦場を越えて不敗」

雲龍「うん……? ……あ、それくらいの意気込みが有るということですか」

漣「よく分かりますね……あ、ちょっと聞いていたんですけど、一ついいですか」

提督「体は剣で出来ている」

雲龍「理解者が増えて嬉しいって事?」

漣「……まあいいです。ご主人様、それは弓の方の人のセリフです。主人公も混ざってますし」

提督「!?」

雲龍「弓の人? ……とりあえず、開発結果の書類です」

提督「あ、うん」

雲龍「いい結果が出たので、楽しみにしてますね」

~~~~~~~~

提督「どこかで聞いたようなセリフを口にしただけなんだよ、パクるつもりは無かったんだ」

提督「だが、何事も無く済んだから良しとしよう。大丈夫、わかっていたのは漣だけだ」

提督「でも雲龍が付き合ってくれたのは、装備の結果が良かったからか……俺がどうこうは結構どうでもよかったっぽい」

下2

―睦月型の部屋―

提督「雪が降ったぞ! 遊ぶぞ!」

皐月「いいね! でも、睦月たちがまだ帰って来てないよ」

提督「全員そろうのを待っていられるか! 皐月一人でもいい、外行くぞ!」

皐月「あ、うん」

皐月(ボク達を合わせても、一番喜んでいるの司令官だよね)

提督「ちゃんと手袋と厚着を忘れないように。俺は雪兎作って待ってるからな!」ダッ

皐月「しょうがないな、司令官は……」

望月(皐月も楽しそうにしてる……こんな寒いのに、外出るのだるくないのかー……?)

―鎮守府前―

提督「やっと来たな。あまりにも待ちきれなくて、雪兎を三十個ほど作ってしまったよ」

皐月「本当だ、卯月が見たら喜びそうだね」

提督「皐月も作ってみるか?」

皐月「いいの? 司令官は雪合戦とかしたいんじゃないのかな?」

提督「いいや、雪兎とかも作ってると楽しいんだぞ」

皐月「司令官も雪兎を作るの好きなんだね」

提督「おうよ、大好きだ!」


如月「……声を掛けれる雰囲気じゃないわねー。せめて、他の子も連れて来なくちゃ……」

~十数分後~

皐月「できた! どうかな、司令官」

提督「おお、すごく可愛く出来てるぞ。皐月は器用だな」

皐月「えへへ、そうかな」

提督「こっちも出来たぞ、かまくらだ!」

皐月「結構大きいね……」

提督「そりゃ、大人数でも入れるようにしたからな。少々暴れてもいいように頑丈に作った」

皐月(あれ、そんなかまくらを作る時間あったかな……)

提督「疲れたら、この中に入って温まれば……あれ」

望月「はぁ~……暖房器具おいたら、けっこう暖かいな~」

皐月「いつの間に来たんだろうね……」

―執務室―

提督「皐月と遊んだ。久しぶりに雪ではしゃいだ気がする」

提督「ちなみにかまくらはそのまま置いておいた。余程日が照らない限り、しばらく残るだろう」

下2

提督「でち公、オリョクル行くぞ」

58「はいでち……え、行くぞ?」

提督「喜べ、また俺も同伴してやるぞ」

58「ふ、冬の海は身も凍るような寒さでち!」

提督「おいおい、そんなのとっくに解決済みだ。我が技術部の妖精さんを舐めるなよ」

58「ふ、冬は敵も活発になってるでち!」

提督「そんな情報聞いた事無いな……本当なら、この目で確認しないといけないな」

58「ゴーヤ達のスピードについていけるとは思えないでち!」

提督「前について行っているので大丈夫なことは立証済みのはずだ」

58(か、覚悟を決めるしかないんだね……)

―東部オリョール海―

提督「皆で来るとまた違った感慨があるな」

58「そうでちね」

提督「でち公、あっちの方に燃料が有るぞ」

58「そうでちね」

提督「来たからには少しは役に立たなきゃな。提督、今から燃料をとってきます!」

58「そうでちね」

401(ゴーヤの様子がおかしい……)

8(提督が此処に居るのも相当おかしいけど)

ヲ級(偵察を出してみたら、潜水艦か。攻撃できないから嫌いなのよね……)

ヲ級「それより、あの人もいることだし、見つかる前に離れなきゃ……」

提督「おう、燃料よこせや」

ヲ級「」


168「た、大変! 司令官が空母に襲われてるわ!」

58「てーとくだから大丈夫だと思うよぉ~……」

19「旗艦がこれじゃだめなのね!」

401「空母ならこっちが攻撃される心配はないから、哨戒は最低限にして急行しよう」

168「駆逐艦と軽巡艦の存在にだけ気を付ければいいわけね」

提督「あ、あいつらこっちに向かってるな」

ヲ級「と、とりあえずこのクリスマスプレゼントで勘弁してください」

提督「しゃあないな……気を付けて帰れよ」

ヲ級(貴女の存在以上に気を付ける物は無いと思うけど)


168「あれ、去ってった?」

401「こっちの存在に気付いて逃げたところだろうね。提督が無事で良かった」

8「ちゃんと見てたら大丈夫だと思うんだけど、ゴーヤはどうしても提督が来るのは嫌なの? もちろん、はっちゃんとしても前線には出てほしくないけど」

58「……あんまり、心配かけてほしくないからでち」

8「……そっか」

―執務室―

提督「なんか、はっちゃんにも前線に出ないようにと諌められた」

提督「最近感覚がマヒしているような気が自分でもしているんだよねぇ」

下2

天津風「どうして提督は初風が嫌いなの?」

提督「嫌いではない、苦手なんだ」

天津風「……その苦手を克服しようと思わないわけ?」

提督「うーん、そう思って、前に仲をを縮めるために同じランドセルを背負って鎮守府を歩いたんだがな」

天津風「ちょっと待って、前に変なことしてたのはそういう理由だったわけ?」

提督「反応がいつもと違ったから、いつも以上にしにくくて、苦手のままという」

天津風「当然でしょ……」

提督「……よし、また何かするか」

天津風(初風、ごめんなさい。頑張って)

―陽炎型の部屋二号室―

初風「あら提督、久しぶりに部屋に来たわね」

提督「え? ……あ、うん」

初風「何、その間」

提督(この部屋、頻繁に来てると思うんだけどなぁ。居ない隙狙ってるからともいえるが)

初風「それで、何しにきたの?」

提督「……えー、モノマネをします」

初風「え?」

提督「中破になった妙高のマネ」

初風(提督ってたまに変なことするわね)

提督「……」

初風(それより、これに私はどう反応すればいいのかしら)

提督「……」スス

初風(妙高姉さんを思い出して怖がればいいのか、モノマネに笑えばいいのか、馬鹿にしてると怒ればいいのか)

提督「……」ススス

初風(何かリアクションを取ってあげないと可哀想な……って)

初風「ちょっと、そのモノマネのまま近づいてこないで。そもそもどうやって動いてるの」

提督「何かに吹き飛ばされるような感じで動くことにより、アクロバティックな移動が可能になる」

初風「なるわけないでしょ」

―執務室―

提督「今回の初風はクールだった。というより、初風には何をしても面白い反応が戻ってこないような気がする」

提督「多分、何となく苦手な要因の一つだろう」

下2

―談話室―

提督「暇だからアニメを借りてきた。しかし、一人で見るのは退屈だな……そうだ、誰か添ってみるか」


~雲龍の場合~

雲龍「ねえ、これ見たら装備変えてくれるんですか?」

提督「え、そんなことしないけど……」

雲龍「そう……」

提督「……雲龍?」

雲龍「……zzz」

提督「えぇ……」

―談話室―

提督「暇だからアニメを借りてきた。しかし、一人で見るのは退屈だな……そうだ、誰か添ってみるか」


~雲龍の場合~

雲龍「ねえ、これ見たら装備変えてくれるんですか?」

提督「え、そんなことしないけど……」

雲龍「そう……」

提督「……雲龍?」

雲龍「……zzz」

提督「えぇ……」

~大淀の場合~

大淀「ここ、少し大振りですね」

提督「そりゃ見栄えが良くなるし、アニメだし……」

大淀「少し無駄な動きがありますね」

提督「躍動感つけるためだし……アニメだし……」

大淀「少し説明が足りませんね。話が見えてきません」

提督「尺の問題あるし……流れもあるし……アニメだし……」

大淀「そういうものですか」

提督(み、見ずらい……)

~磯風の場合~

磯風「ふふ、こういうのは胸躍るな」

提督「そ、そうか」

磯風「何身構えている。それとも、ここからさらに面白くなるのか?」

提督(良かった、磯風は楽しそうに見てくれる)

磯風「しかしなんだ、秋雲が書いていたネタもあるな。あの時はよく分からなかったが」

提督「なにそれ?」

磯風「確か……ゲイ♂ボルグと言ったか。なるほど、この武器の事だったんだな」

提督「磯風、多分それは違う。秋雲は何を書いてるんだよ……」

―執務室―

提督「アニメは一人で見るもの。今回それがわかってしまった」

提督「もしかしたら、人選が間違っていただけかもしれないけどさ」

↓2

オイゲン「提督の愛のささやきが凄いと聞きました」

提督「……誰から聞いた?」

オイゲン「誰からだったかな……でも、一部じゃ知れ渡っているらしいですよ」

提督「なんという……」

オイゲン「それでそのー……実は、私も気になってですね」

提督「何がだ。大したことじゃないだろう」

オイゲン「何を言うんです。艦娘といえど、恋に恋するお年頃ですよ、気にならないわけないじゃないですか」

提督「そういうもんか? それで、オイゲンは一体何の用で」

オイゲン「私にもやってくれませんか?」

提督「……まあ、それで満足するのなら別に良いがな」

オイゲン「はい! いつでもどうぞ!」

提督「ごほん。プリンツ・オイゲン、初めて見た時から何故かお前のことが忘れなくなった」

オイゲン「……」

提督「会えないときはまるで時が止まっているかのように長く、お前と会っているときは急流のように早く時が過ぎ去る」

オイゲン「……」

提督「そうして、今ここでお前と会った時に確信した――」

オイゲン「……」

提督「――好きだ、愛してる」

オイゲン「……日本の語りは回りくどいですね」

提督「ええー、人にやらせておいて何それ」

オイゲン「ふふ、冗談です。でも、なんだかビスマルク姉さまと違う感じをしました」

提督「ビスマルクにもやらせたのか」

オイゲン「はい!」

提督(自分でやっててなんだが、これ大分恥ずかしいぞ。ビスマルクもご愁傷様に)

オイゲン「とにかく、わがままを聞いてくれてありがとうございました! ……アトミラールさん、実はさっきの言葉、ちょっとドキッとしました」

バタン

提督「……いや、本気で無関心だったら言い損だし、恥ずかしいだけだし」

提督「というか、もう愛なんて囁かん。絶対にだ」

下2

提督「龍驤、何かしらんが機嫌が悪いらしいな。気晴らしにスノボ行こうぜ!」

龍驤「うん? 別にええけど」

提督「じゃあ、さっそく準備するから」
龍驤「ちょい待ちキミ」

提督「はい?」

龍驤「今、ウチを見てスノボを連想したやろ」

提督(……おかしいなあ、特に地雷は踏んでい無い筈なのに)

龍驤「……まあ、一回くらい許したる」

提督(そもそも濡れ衣なんですが)

―山―

龍驤「ここが目的地なんか?」

提督「おう。ちょっと滑りやすそうで穴場なところを聞いたらここがいいって教えて貰って」

龍驤「なるほどなぁ」

提督(なだらかで確かに滑りやすそうだ)

龍驤「ちょお、ウチを見てなだらかで滑りやすそうと思ったやろ!」

提督(またかよ。龍驤が前なんだから龍驤越しになるのは当たり前だろ)

龍驤「次が有ったら許さんから」

提督(帰ろうかな)

~~~~~~~~

ズザァアアア

提督「ひゃっほーう!」

龍驤「きもちえーなー!」

提督「さっきまであった嫌なこと全部忘れられるぜーーー!」

龍驤「ウチもすっきりしそうやーーーー!」

提督「あははははは!」
龍驤「あははははは!」

提督「でも山登るの面倒だから一回きりな!」

龍驤「なら施設行けば良かったやん!」

提督&龍驤「「HAHAHAHAHA!」」

―執務室―

提督「……なんかテンションおかしかったな」

提督「龍驤もすっきりしたみたいだし、成功は成功なんだけど」

下2

―青葉型の部屋―

提督「衣笠、映画観に行こうぜ!」

衣笠「えっ? 当然どうしたの?」

提督「クリスマスフェアのくじ引きの映画券が当たったんだ」

衣笠「ええと、それでどうして衣笠さんを?」

提督「嫌か? いやなら別の奴を誘うんだが……」

衣笠「い、嫌じゃないよ!」

提督(実は適当にくじ引きで決めたんだが……言わない方がいい雰囲気だな)

―映画館―

提督「ええと、当たった奴は……ラブストーリー? 何とも安直な」

衣笠「名前が思いつかなかった小説みたい」

提督「実際に恋愛映画のようだ。ま、ここまで来たし見なきゃ損だな」

衣笠「う、うん」


~~~~~~~~

『君が愛してくれると言ってくれない限り、この手を離さない! 君がどうしても嫌だというのなら、この手を振りほどいてくれ』

『イジワルを言うのね……私がこの手を振りほどけるわけないじゃない……』

衣笠(うわ……マジ物の恋愛映画かー……)

提督「……」

『君ならできるだろう。他でもない、艦娘である君なら』

『違うわ……私も、貴方を愛しているからよ……』

『だったらなぜ!』

『私は人間じゃない、だからこそ、貴方の愛は受け入れられないの……』

衣笠(う、うわー……提督はどうしてるんだろ……もしかして、寝てるなんて……)

提督「……」サクサク

衣笠(真面目に映画見ながらポップコーン食べてる! 映画にのめり込んで、こっちに意識を向けてないっていうのも……)

『それでも、僕は君を愛しているんだ』

『貴方……』

衣笠(……でも、確かに先が気になる展開ね)

~~~~~~~~

衣笠「あー、面白かったぁ!」

提督「正直恋愛映画舐めてた。まさか、あんなシリアスな展開になるとはなぁ」

衣笠「私たちにとっても他人事と思えなかったしね」

提督「だな。のめり込みが半端なかった」

衣笠「今でもあそこのシーンが再生されるよ……」

提督「……」

衣笠「どうしたの?」

提督「いや、それだけ楽しんでくれたなら、誘ったかいがあったという物だ」

衣笠「そっか」

提督「これだけ面白かったなら、他の奴にも教えようかな」

衣笠「……衣笠さんから忠告しておくけど、この映画を見るときは絶っ対に一緒に見ないようにね」

衣笠(特に、一部の子は強く感銘を受けちゃいそうだし)

提督「あ、うん」

―執務室―

提督「なんとなく言った映画が大成功だった時の満足度は異常。うん、満足だった」

提督「教えるなら青葉に拡散しておくのが一番か。でも、衣笠がもう教えているだろうし、そのあたりはいいか」

下2

提督「さて、そろそろ片付けしないとな……っと、なんだこれ」

霞「何ゴミ散らかしてんのよ」

提督「か、片づけようとしたら、こんなところに大量のプラレールが」

霞「……ハッピーセットのおまけみたいね。なんでこれがこんなにあるの」

提督「たしか……そうだ、ハッピーセットのレールだけで作ろうと躍起になってたんだった」

霞「いろいろ言いたいことあるけど、同じ電車が凄い量あるわよ」

提督「一個に着き一つづつだから、そりゃあ何十個とかぶるわな」

霞「捨てなさい」

提督「ええっ! もったいない!」

霞「……」ガシャン

提督「はい、何とかして片づけます」

―食堂―

提督「というわけなので、捨てるのももったいないし、食事につけてくれないか?」

間宮「ええ、それは構いませんけど……微妙に数が足りませんよ?」

提督「まじで? うーん……なら駆逐艦限定にしてくれ」

間宮「それはそれで問題があると思いますけど……」

提督「どうしても欲しい奴は私室に来てくれと言っておいてくれ。まだ何個か予備はあるから」

間宮「……分かりました」

間宮(プライドを対比して、そこまで行く子が何人いるのでしょうかね……)

~~~~~~~~

暁「ぷ、プラレール……」

響(ちょっと嬉しそう)

皐月「わーい、プラレールだ!」

文月「ぷられーるってなにー?」

島風「私のが一番速いんだよね!」

天津風「それは……むしろ遅い奴じゃないかしら」

夕立「食べ終わったらこれであそぶっぽい!」

時雨「まあ、こういうのもたまにはいいかもね」


提督(様子を見に来たけど、喜んでくれているようでよかった)

―執務室―

提督「……良かったが、どうも一部の奴らが羨ましそうな顔で駆逐艦を見つめる事案が発生中らしい」

提督「部屋までくればあげるんだがなー」

下2

提督「おい青葉、プライバシーって言葉の意味知ってるか」

―廊下―

青葉「うへへ、漸く尻尾を掴みました。これさえあれば、あの立場から引きずり落とすことが出来る……」

「おっと、大人しく俺の檻から逃げられると思ったか」

青葉「っ! 司令官……」

提督「こそこそ嗅ぎまわっていたのはやっぱりお前か」

青葉「嗅ぎまわる? はて、なんのことか」

提督「おい青葉、プライバシーって言葉の意味知ってるか」

青葉「プライバシー? さて、なんでしょうねそれ」

提督「……お前がしていた事は全部わかっている」

青葉「だったら、此処で問答することは無意味ですよね」

提督「ふん、なら好きにするといい」

青葉「漸く罪の意識が芽生えましたか。ですけど、手心は加えません、憲兵にはしっかりと報告させてもらいます」

提督「――それができたらな」

青葉「何をしても無駄です。汚職の証拠は青葉の手に……」

提督「お前の妹がどうなってもいいのなら、好きにするといい」

青葉「っ! 衣笠に何を!」

提督「さてな。だが、お前が報告することにより……どうなるかな?」

青葉「このっ、外道!」

提督「褒め言葉だ。ククッ、ハーッハッハッハ!!」


衣笠「何してるの」

提督「最近報道する事無いから、適当に自主映画で濁すらしいからその手伝い」

青葉「ネタが無いもので。プライバシーも隠されていないものを報道しないと、だれも見向きしませんし」

衣笠「隠しているものだからプライバシーなんだよ?」

提督「うちの鎮守府で隠すほどのプライバシーは、むしろ表に出さない方がいいことも多いけどな」

青葉「情報の取捨選択も大変です」

衣笠(……なんでそれが自主映画につながったんだろう)

―執務室―

提督「……そういえば、記者なんだから映像化させても意味ないんじゃないだろうか。新聞に使えないし」

提督「そういえば、前に教えた映画が面白かったと言ってたような……もしや、触発されたな」

下2

提督「榛名ってヤンデレが似合いそうだよね」

提督「戦艦タ級に偽物の指輪を渡したらどうなるんだろうな」

―映画館―

提督「で、忍者映画だって?」

川内「よく知らないけど、参考になるかと思って」

提督(まだニンジャなになるつもりでいるのか。ネタだったのに)

提督「で、その映画は?」

川内「これだって」

提督(……うんまあ、読めていたといえば読めてた)

川内「始めてみるから楽しみ!」

提督(しかもこれ連載ものの最終部だよね。楽しむ……というより参考にするならまあいいか)

~映画終了~

提督(ヤバい寝てた)

川内「いやー、意外とすごかったね」

提督「そ、そうだな」

川内「でも、実際にできそうなものはなかったかなー」

提督「アニメだし、現実にできることは少ないだろう」

川内「いやー、でも一つだけ身につけなきゃいけないことはあったね」

提督「なんだそれ?」

川内「高いところから飛び降りて無傷」

提督「それ海戦じゃ使えないだろ」

―執務室―

提督「何を見たのか知らないが、余計な知識がまた一つ増えたようだ」

提督(というか、何がどう凄かったのだろうか……)

↓2

霞「カス提督、書類よ」

提督「……疲れた」

霞「最近出入りが多いからこうして仕事がたまってるんじゃない。自業自得よ」

提督「それもそうなんだけどさー」

霞「余計なこと言ってないで早くやりなさい」

提督「じゃあ、少し休憩にお茶ということで」

霞「はあ? こっちもあんたのせいで仕事があるの」

提督「そうか……」ガタッ

霞「ちょっと、どこいくの」

提督「ちょっと憑かれているのは本当だから休憩する。大丈夫、仕事は終わらせる」

提督(うっ、目にごみが……ってやべ、そういえば鳳翔に今日の甘味を予約してた。急いで取りに行かないと)ダッ

霞「カス提督、最後に泣いてたような……って、カス提督のことだから、どうせ目薬よね。はぁ、私もしばらくは部屋にカンヅメね」


~数時間後~

提督「あー、やっと終わった。思ったより少なかったが、秘書官が少し手加減してくれたんだろうか」

提督「でもまあ、まさか正面から断られるとはなー……」

ガチャ

霞「入るわよ」

提督「どうした、まだ何かあったのか?」

霞「ふん、たまにはと思って」トン

提督「これって……酒? いいの?」

霞「その様子だと終わらせたみたいだから」

提督「……嬉しいけど、俺はお茶がよかったな」

霞「殺すわよ」

~~~~~~~~

提督「怒って出ていくとは、失言をしてしまった」

提督「ま、秘書官も疲れているようだし、つきあわせるのも悪いと思ったし」

↓2

―夕雲型の部屋―

提督「たまにはいたずらしようと思う」

夕雲「たまにはいいのではないかしら。でも、なぜわざわざ夕雲に?」

提督「え、だって夕雲っていつも俺のすること読んで来るじゃん」

夕雲「提督は読みやすいから」

提督(そんな毎回読まれるような行動はしていないと思うのだけど)

夕雲「大事にならないのなら黙認してあげる。それでいい?」

提督「オーケー!」

~~~~~~~~

巻雲「はわわわ! 巻雲の服がすごく大きいです!」

長波「なんだこれ、袖に袖を縫い付けてるのか?」

巻雲「こ、これは噂になっている司令官様の悪霊の仕業なのぉ!?」

長波「いや、どう考えても本人だろ」

清霜「でも、それにピッタリになれば戦艦級って事ね!」

巻雲「ふわぁ、巻雲も戦艦になれるの?」

長波「いや、袖だけ長い戦艦とか居ないし。駆逐艦は戦艦になれないし」

清霜「希望は捨てちゃダメよ!」

早霜「結局、司令官の仕業……?」

長波「そうだと思うんだけどな……夕雲、どう思う?」

夕雲「……」

長波「どうした?」

夕雲「そうね、提督のせいね」

巻雲「司令官様がぁ?」

夕雲(犯人のネタバレはしないとは言ってないから、別に良いわよね)

巻雲「司令官様に申してきますぅ! いたっ」コケッ

清霜「わー、袖が長くて歩きにくそう」

夕雲「巻雲さん、付き添うわ」

巻雲「ありがと~」

―執務室―

提督「口止めはしてなかったけどさー……まあ、あんな状態じゃ遠征もできないからいいんだけど」

提督「というか、巻雲はなぜ本人よりも先に悪霊の方が思いついたのだろうか。放っておいたらずっと犯人にたどり着きそうにないな」

下2

―提督私室―

提督「久しぶりのマリカー対決第四回。今回のお相手は……」

望月『だる……』
巻雲『ええと、マイクは……ゴッ痛っ』
8『攻略本は……』
大淀『ゲームするのは久しぶりですね』
鳥海『分析はばっちりです』
霧島『金剛お姉様、あまり近づかないように……』
武蔵『さて、腕が鳴るな』

提督「多い。八人って通信状態にしてるとカオスなんだけど」

巻雲『あうう……』
8『あ、これだ』
霧島『だから金剛お姉様……って、比叡お姉さままで』
武蔵『早く始めないか』

提督「普通に聞き取りづらい……」

~ダイジェスト~

鳥海『あっ、今甲羅投げてきた人誰ですか』

8『赤甲羅なら』
大淀『三連赤が出たもので』
霧島『もしかして緑甲羅当たりました?』

提督「目の前ボーっと走ってるからだぞ」
鳥海『誰かわからな……って、提督ですか!』


武蔵『どうやら、この武蔵に追いつける者はいないようだな』

提督「おい誰か止めろ、独走許してるぞ」

8『キラー……でも追いつけない』
大淀『ここからじゃどんな攻撃も当たりませんよ』
霧島『二位ですけど、届きそうにないですね』

巻雲『あっ、ぶつかって来ないでくれませんかぁ~?』
武蔵『前に車だと……? 巻雲か』

提督「周回遅れしてんじゃねーか」

8『あれ、ここでショートカットできるはずなのに』

鳥海『そこはキノコのタイミングを遅くするんですよ』

8『なるほど』
霧島『それ誤情報ですよ。ちょっと遅くするんです』

8『え?』
大淀『飛ぶときにジャンプしない方がいいです』

8『え? え?』
提督「困惑してるだろ、やめてやれ」


巻雲『サンダーです~』

望月『あっ……』
8『わぁっ……』
大淀『ここでサンダー!?』
鳥海『丁度スターで助かりました』
霧島『け、計算外ですね』
武蔵『ちっ』
提督「まじかよ!」

巻雲『ふわわっ、急に声が大きくなりました!』

~結果~

提督「一位武蔵、二位望月、三位俺……つーか、何か俺集中的に狙われたんだけど」

霧島『開催者はいつの時代もそんなものです』

鳥海『しかし、二位が意外ですね』

大淀『今思えば、ほぼ無言プレイでしたね』

望月(話すの面倒くさいだけだったけど……)

武蔵『何にしてもなかなか面白かった。また呼んでくれ』

8『次こそリベンジを……』

巻雲『あれぇ? 終わったんですか~?』

―執務室―

提督「負けたのは久しぶりだっけ。まだまだ精進せねばな」

提督「望月は本当に意外……ずっと部屋でゴロゴロしてるしそうでもないか?」

下2

―大鳳の部屋―

提督「大鳳、これをお前にプレゼントしよう」

大鳳「これは……胸囲矯正コルセット?」

提督「どうだ、うれしいだろう?」

ドーン

提督「発艦の掛け声もなしに艦載機を飛ばすとは……」

大鳳「セクハラですかパワハラですか嫌がらせですか」

提督「お、俺はあくまでも善意をもってなあ――」

ドーン

提督「……」

大鳳「善……なんですか?」

提督「……すまん、実はおもしろそうだと思って売店にあるものを買ってきたんだ」

大鳳「はぁ……無駄遣いだとは思わなかったんですか」

提督「無駄遣い? ふっ、面白いことに無駄などない」

大鳳「無駄は無駄でしょう。まったく、最近はまだ落ち着いている方だと思ったら……」

提督「そう思ったからこそ、たまには自分の意志で何か事を起こそうと思ったんだ」

大鳳「その行動力はもっと意義のあることに消費してください」

提督「大鳳と遊ぶことは十分意義のあることだろう」

大鳳「……その気持ちは嬉しいですけど、やり方をもっと考えてください」

提督「はーい」

―執務室―

提督「そういえば大鳳に対してはこういう事しかしていないような……」

提督「……ま、本気で嫌がってないならいいか」

下2

―談話室―

提督「赤城、麻雀しようか」

赤城「いいですよ。でも、わざわざここで待っていたんですか?」

提督「いや、最初に来たやつを誘おうと思っていたから、別に待ってたわけじゃない」

赤城「……そうですか」

提督「じゃあ始めようか。二人麻雀だ」

赤城(誰でもいいと言われると、それはそれで複雑な……)

~~~~~~~~

提督「ツモ。大三元」

赤城「……さっきは国士無双してきましたよね」

提督「いやぁ、運がいいなあ」

赤城「……そういって、その前は天和しましたね」

提督「そうだな」

赤城「もしかして、イカサマしてます?」

提督「ギクゥ!」

赤城「わかりやすすぎてむしろ疑いが晴れそうなんですが」

提督「二人だからこそできるイカサマもあるんだよ」

赤城「あ、でも黒発言ですね」

提督「……まあ、実の所ちょっとイカサマの練習がしたかったから相手は誰でもよかった」

赤城「だからこんなところで待ってたんですか」

提督「じゃあな、参考になったぜ!」

赤城「……あれ、結局まともに麻雀してませんよね」

―執務室―

提督「麻雀も突き詰めれば運だから、最終的に雪風とかの方が強いんだろう」

提督「しかし、それを覆すためのイカサマ。卑怯ということなかれ」

下2

―談話室―

提督「相撲……良いな……」

漣「!」


漣「人柱を連れてきました!」

曙「いきなり何!?」

提督「なるほど、曙が俺に稽古をつけてくれるというのか」

曙「ちょっと、説明も何も無し!?」

提督「説明? 相撲に説明も何もない。曙よ、さっそく始めようではないか」

曙「しないわよクソ提督!」

提督「えー。じゃあ、勝ったら間宮のアイスをあげるから」

曙「……そ、それくらいじゃ私は動かないわよ!」

提督「今なら伊良湖の最中もつけるが?」

曙「……一回だけよ!」

提督(ちょろい)


提督「じゃあ、この線を出たら負けな」

曙「分かったわ」

提督「はっけよーい……」

曙「のこった」ガシャ

提督「ちょ」

ドーン

提督「……殺す気か!」

曙「クソ提督なら避けるでしょ。ほら」

提督「何その手」

曙「線から出てるわよね。アイスと最中」

提督「お……鬼! 悪魔!」

―執務室―

提督「だがしかし、二つは修理代として還元されることに」

提督「……」

提督「いや、あいつ俺が焦る顔みて少しすっきりしてたみたいだから、最初からこのつもりだったんだろうな……」

下2

提督「戦艦タ級に偽物の指輪を渡して反応を楽しむかwwwwww」

提督「第五回マリカー……なんかちょっと前にもした気がするが、まあいいか」

提督「今回のメンバーは以下の五人。軽巡と重巡でチーム戦だ」

阿武隈『阿武隈だってできるんだから!』

三隈『熊野は? あ、別の部屋ね』

球磨『クマー! このゲーム熊が居ないクマー!』

筑摩『まあ、ゲームで休憩も悪くないわね』

熊野『わざわざ別の部屋ですることですの?』

提督「そう言う野暮ったいツッコミは無しだ」

~ダイジェスト~

提督「阿武隈と球磨、足を引っ張るなよ」

阿武隈『あれ? 動かない……え? コントローラーが違う? わわっ、本当!』

球磨『クマー……茶色繋がりでゴリラを使ってもやる気でないクマー……』

提督(駄目だこいつ等)

熊野(あちらは全然ダメみたいですわね……)


提督(後ろにうまくつかれているが……慣れていないようだし、振り放せるだろ)

球磨『あっ、今球磨に当てたのはだれクマ!』

阿武隈『ご、ごめん!』

三隈『そういえば、今回は仲間にもあたるんですか?』

提督「そうだ。まあ、自分でチーム決めれないから、個人戦を利用してるんだけど」

筑摩『それが……あ、サンダーも仲間に当たるということですか』

筑摩『一位の提督は流石ね』

三隈『追いつけそうにないです』

熊野『別に良いのではありませんこと?』

提督「あっ! 誰か青甲羅投げただろ!」

球磨『トゲが付いた何かなら邪魔だから投げたクマ』

提督「球磨ーー! だが、一応キノコはある。上手く回避すれば……サンダー!?」バーン

阿武隈『どうですか、あたしのサンダー!』

提督「阿武隈ーー!」

筑摩『……確かにそうね』

提督「……結果、普通に負けた」

球磨『球磨のせいじゃないクマ』

阿武隈『あたしの方が個人点は上なんですけど!』

球磨『阿武隈が邪魔するからいけないクマ』

熊野『どう考えてもこの協調性の無さが原因ですわね』

筑摩『チーム戦はチームワークが大切ですね』

三隈『反面教師扱いですわね』

提督(三隈の言う通り、これ、後で教習用に編集しとこ)


提督「……そんなわけで、今回の大会も終了。今回のレースを通して思ったことは……」

提督「しばらくはチーム戦したくない」

下2

>>634

提督「プラスチックの指輪を買った」

提督「……」ティン

提督「戦艦タ級に偽物の指輪を渡したらどうなるんだろうな」


―ジャム島―

提督「タ級、君にプレゼントをしに来た」

タ級「本当!? うれしい……」

ル級(また変なことしに来たな……来ないなら来ないで困るが)

提督「ほら、プレゼントだ」

タ級「これ……指輪?」

ル級(なんか百均にも売ってそうなものだな)

提督「君のために用意したんだ」

タ級「……」

ル級(おいおい、さすがに怒るだろ)

タ級「ありがとう、王子様。大事にする……」

ル級「えええ!?」

提督「どうしたル級。珍しく驚いたような声をあげて」

ル級「それでいいのかタ級!」

タ級「いいのよル級。私は二番目でもいいって前にも言ったでしょう」

ル級「たしかにそうだが……」

提督(なんか無駄に深い話になりそうだな……今のうちにこっそり帰っとこ)

―執務室―

提督「指輪渡しただけだから、別になんてこともないよな」

提督「……二番目とか言ってたことは忘れよう、うん」

下2

提督「榛名ってヤンデレの素質がありそうだよね」

―大和型の部屋―

提督「ふんふん、上流の方々とのお茶会に着物ねー」

大和「はい、どうでしょうか?」

提督「良いと思うぞ。とても大和に似合っている」

大和「ふふ、ありがとうございます」

武蔵「どうした大和。そろそろ出た方がいいのではないか」

提督「……で、武蔵はいつも通りと」

大和「そうなんです……」

武蔵「いつもどおりだが、それがどうしたんだ?」

提督「この本気で分かってない感じが何ともな」

大和「準備はしているんです。この通り」

提督「ほう、なるほど。武蔵に合いそうな振袖だ」

武蔵「……なあ、もしやその振袖」

提督「お前の分だそうだ」

武蔵「着物は窮屈で苦手なんだがな」

提督「どうしても嫌という訳では無いのなら、命令だ。着ろ」

武蔵「命令だと。そこまでして着させたいのか」

提督「というより、上流階級の方々相手なら、その服装はまずいだろう」

武蔵「……確かに、一理あるが」

大和「そうと決まれば早速着替えましょう」

武蔵「む、待て大和。着るなら自分で着るから――」


提督「へえ、やっぱ似合ってるな」

武蔵「くっ、やはり動きづらくてかなわん」

大和「だめよ武蔵。あまり服を崩さないようにしなさい」

武蔵「わかってはいる。わかってはいるが……」

提督(嫌そうというか、本気で動きづらそうにしてる。服自体は嫌いではないのか)

―執務室―

提督「美しくはあるが、確かに、大振袖は重くて動きづらそうだとは思った」

提督「……武蔵なら苦にしそうではないが」

下2

提督「……はっ! ここは一体……」

明石「あ、起きましたか」

提督「起きましたって……うっ、縛られてる?」

明石「逃げられたら困るので」ゴソゴソ

提督「……明石さんはさっきからなにをごそごそしているのでしょう」

明石「提督を改造するための準備です」

提督「なんだ、改ぞ……へ?」

明石「勝手に海に出る癖が治らないので、いっそ許可なく出たら爆発させるという案がありましてね」

提督「まさか、そんな案を実行に移すなんてことないよな」

明石「……」ニコッ

提督(笑ってるように見えるけど、目は笑ってない)

明石「ちなみに、引きちぎろうとしても無駄ですから。妖精さんの技術をふんだんに使った特殊な縄ですから」

提督「そんな凄そうな縄、こんなところで使うな」

明石「大丈夫です、痛くしませんから」

提督「そういうことを聞いてるんじゃないんだけど……」

明石「大丈夫です」

提督(あ、これ言葉を重ねても無駄だ)

明石「では、じっとしていてくださいね」キュイイイイイイン

提督「音が不穏なんだけど! や、やめ――」

~~~~~~~~

提督「……なんだ、ドリームか」

提督「しかし、夢でよかった。体内爆弾とかやばすぎだろ……」

↓2

提督「雲龍の胸にダイブしてみたいな」

天津風「失礼するわ。遠征から戻った――」ガチャ

八頭身連装砲くん「ん?」

天津風「――っっ!!??」ビクッ

八頭身連装砲くん「どうした天津風、妖怪でも見たような顔して」

天津風「え、あ、あなたなの? な、何やってんのよ」

八頭身(ry「連装砲ちゃんセットが改良されたらしいから着てみた。なんと、今度は俺に合わせて連装砲くんになっているんだ」

天津風「最悪の気分よ……」

八頭身(ry「ほれほれ、どうだ?」グッ グッ

天津風「ちょ、ちょっと! 目に毒だからやめて!」

八頭身(ry「島風には逃げられたが、天津風は逃がさんぞ」ガシッ

天津風「ひっ……! こ、こないで!」

八頭身(ry「はーははは!」ダッ

天津風「いやあああああああ!!」ダッ

八頭身(ry「さっきも言ったように逃がさんぞ!」

天津風「何で追って来るのよぉ!」

八頭身(ry「何かこれ着るとテンションが上がってな!」グッ

天津風「危ない効果でもあるんじゃないの! あとポーズ付けながら追っかけて来るのやめて!」

八頭身(ry「嫌だ!」

天津風「なんで!?」

~~~~~~~~

霞「……」

提督「……」

天津風「はぁ……はぁ……」

霞「何かいう事は」

提督「テンションが上がってやってしまった。反省はしている、後悔はしていない」

霞「二回目よ。次は無いと思いなさい」

提督「イエスマム!」

―執務室―

提督「……きっとあのセットに問題があるんだな、うん」

提督「決して俺自らやりたくてやったのではない」

下2 

提督「龍驤、瑞鳳、大鳳、瑞鶴 いっしょにまな板をつくろうぜ」

―談話室―

提督「まな板とか作ってみたいな……」ボソッ

龍驤「キミィ……」

提督(しまった、何時の間にか龍驤が居た)

龍驤「そう言えばネタになると思うとるんやろ」

提督「そ、そういうわけではないが」

龍驤「ええよ、そんなにいうなら作るで」

提督「は?」

龍驤「まな板を、作るで!」

提督(……これが終わったら少し優しくしてやろう)

―工廠―

夕張「ええと、とりあえず材料はこんなものです。切るだけなので、好きな種類の物を使ってください」

大鳳「何故私が……」

瑞鶴「それはこっちのセリフでもあるんだけど……」

瑞鳳「龍驤さんが絡むと、いつもこのメンバーのような気がしますね」

夕張「……本当に作るんですか?」

龍驤「当たり前や」

提督「気が済むまで付き合ってやれ」

夕張(提督の顔が子を見守る親のような顔に……)

龍驤「さて、うちは桜の木を……」ガシッ

大鳳「……公平に行きませんか?」

龍驤「うちが言いだしっぺというのを知って邪魔するんか?」

大鳳「つきあわされたのですから、譲ってくれてもいいんじゃないですか?」

瑞鶴「なんだかんだで本気じゃない……」

瑞鳳「私は桐かなー。提督は何にするんですか?」

提督「ガラス」

瑞鶴「って、こっちも本気で取り組むのね……」

提督「どうせなら、龍驤、瑞鳳、大鳳、瑞鶴 いっしょにまな板をつくろうぜ」

夕張「いえ、ガラスは危ないので一人で作ってください」

―執務室―

提督「完成したまな板は全部食堂に寄贈した。間宮なら上手く使ってくれるだろう」

提督「しかし、龍驤は本当に大丈夫なのだろうか……いじりすぎたかな……」

下2

提督「書類の中にファッション雑誌が……まあ、休憩を兼ねて少し見てみるか」

提督「……ふうん、最近はこんなもんがなぁ……そうだ、どうせなら買ってやるか。プレゼントも悪くないだろう」


~後日~

赤城「失礼します」

翔鶴「私たち正規空母全員の召集を聞いたのですけど」

提督「よく来てくれた。じつはお前たちにプレゼントとして、最近流行っているらしいタートルネックを買ったんだ」

飛龍「タートルネック?」

蒼龍「ほら、首元まで襟があるタイプの服。セーターとかにある」

飛龍「ああ、そう言う名前なんだ」

加賀「……何か裏があるわけじゃないですよね」

提督「それは酷くないか。まあ、いらないって言うなら、別に無理に渡さないけど」

赤城「タートルネックですか。この季節ですと、十分使えますね」

瑞鶴「季節の初めにくれたらとは思うけどね」

翔鶴「瑞鶴、もらえるだけでもありがたいでしょ」

雲龍「それで、そういうものなんですか」

提督「ほら、これ」

飛龍「ん、これ胸元が空いてるね」

蒼龍「本当……」

加賀「提督?」

提督「い、いや、これ本当にファッション雑誌にあったんだって! 最近流行ってるって……!」

赤城「その雑誌はどこにあるんですか?」

提督「これだけど」

瑞鶴「あ、それ翔鶴姉ぇも持ってる」

翔鶴「本当。持ってる雑誌と同じなら、提督の言うことは間違ってないですね」

加賀「……確かに、流行っているかは分かりませんが、紹介はされていますね」

雲龍「でも、他の服の中からこれを選ぶという事は、そういうことですよね」

提督「春先まで使えるようにって配慮しただけだ。まったく、文句を言うなら受け取らなくていいって」

翔鶴「そんな、私は嬉しいですよ」

赤城「はい、ありがとうございます提督」

瑞鶴「べ、別にいらないとは言ってないわ」

飛龍「ありきたりのツンデレみたいなセリフだねー」

蒼龍「とりあえず、プレゼントを嫌がる人なんてここには居ませんから、もちろん加賀さんだって。だから安心してください」

提督「……うむ」

~~~~~~~~

提督「意外と渡すとき嫌がられないかと思ってドキワクしてた」

提督「そもそも、ああいう服はここじゃ珍しくないような気も……」

下2

―金剛型の部屋―

提督「榛名ってヤンデレが似合いそうだよね」

霧島「そうですか……お茶菓子ならそこにありますよ」

提督「ありがとう。それで、そう思ったのはな」

霧島(せっかく無視したというのに)

提督「なんか前に夢見たことを今更思い出して」

霧島「前に?」

比叡「そういえば、前にそんなことがあったような……」

霧島(なるほど、比叡お姉様のごはん騒動のことを睡眠しながらでも頭に入っていたという事ですか)

提督「そうはいうけれど、あの榛名がヤンデレとか似合わないけどな」

霧島「……そうですね」

提督「何か言いたげな口調だな」

比叡「恐ろしいからですよ。あれはなかなか大変でした……」

提督「まるで実体験をしたかのような感じに言うな」

比叡「それは――」
霧島「知らない方がいいことだってあります」

提督「……そうだな、聞かなかったことにしよう」

霧島「そうしてください」

比叡(大変だったのは分かるけど、思い出したくないほど私のごはんやばかったのかな……)

―執務室―

提督「庭にあったキノコを見て何かを思いだしそうなんだけど……」

提督「霧島の言葉もあるし、気にしないでおこう」

下2

提督「そういえば、愛宕ってあんまりかまっていない気がする」

提督「そもそも、高雄型と遊んでいないような気がする。鍋パとかボーリングとかしたけど」

提督「よし、今度の相手は愛宕にしよう」

下2

―アイススケート場―

提督「やっぱ、こういうところで遊ぶのも良いな」

愛宕「そうですね~。提督は良く来られるんですか?」

提督「いや、あんまり来たことは無い。ローラースケートならやってたりしたが」

愛宕「それなら、提督に教えて貰おうかしら」

提督「ローラー出来るからといって、アイスもできるとは限らないけどな。さて、すべるか」

愛宕「少し待ってくれませんかぁ?」

提督「どうした?」

愛宕「この靴、ちょっと歩きにくいの」

提督「脱げ」

愛宕「ふふ、いきなり脱げなんて提督は変態ですね~」

提督「失言だと自分でも思うが、笑う事でもないと思うぞ」

愛宕「でもアドバイスありがとうございますね」

提督「おう」

愛宕「では提督、行きましょー♪」ギュッ

提督「くっつくな。暑いわけじゃないが、こっちが歩きづらい」

愛宕「さっき、歩きづらいって言ったでしょ」

提督「脱いでないんかい!」

愛宕「ふふっ♪」

提督(……遊ばれてる?)

~三十分後~

愛宕「うふふ~」スイー

提督「そう、そうやって安定させるんだ」

愛宕「ありがとうございますね、提督。教えて下さってぇ」

提督「それは良いんだが、なんていうか……上達速かったな」

愛宕「提督の教え方が上手だからですよぉ」

提督「そうか? 教えること自体、必要なかったような気もするんだが」

愛宕「うふふ、そんなわけないじゃないですか。ほら提督、一緒に滑りましょ~」

提督(やっぱ遊ばれてるような気がする……)

―執務室―

提督「前も思ってたけど、けっこう愛宕って出来るような……」

提督「天然そうな奴ほどそう言う傾向があるような気がする」

下2

―高雄型の部屋―

提督「ふっじこちゃーん!」ピョーン

高雄「きゃっ……ふっ!」ドン

提督「ぐふっ!」

摩耶「おお、カウンターパンチ。凄いな今の」

高雄「す、すみません、突然だったので」

提督「いや、反応はとてもよかった。よく訓練していていいぞ」

高雄「そうですか。ところで、何の用だったんですか」

提督「……そういえば、用事終わってしまったな」

高雄「えっ、先ほどのが?」

提督「まあ、正座してゆっくりするさ」

高雄「正座の必要性は……それで、愛宕とのスケートはどうだったんですか?」

提督「愛宕から聞いてないのか?」

高雄「愛宕に聞くと『提督可愛かったわよ~』としか言わないので」

提督「やっぱり、遊んでいたのか……」

高雄「遊んでいたって、遊びに行ったんじゃないですか?」

提督「まあそうなんだがな」

高雄「? ……あ、お茶でもご用意しますね」スクッ

提督「いや、気にしなくてもいいって」

高雄「ですけど、上官を前にして何も出さないというのも」

提督「だから、そういうのはいい……うっ、足がしびれて」グラッ

高雄「……!」ムニュ

提督「……反応できないとは、まだまだだな」

高雄「そんな言い訳でセクハラを? 秘書官の方に言いますよ」

提督「あ、いえ、マジで足がしびれたんです。だから許してください」

―執務室―

提督「本意でダイブするつもりは無かった。なんとなくした正座があんな結果になるなんて、思わな

かった」

提督「なんで執務室に戻って言い訳してんだろ……」

下2

―提督私室―

提督「……」

ガチャ

夕張「提督、面白そうなものを開発しましたよ! ……って、何をしているんですか?」

提督「え? バイオ5。マーセナリーでのハイスコア狙ってる」

夕張「なるほど。いえ、よく分からないんですけどね」

提督「そうだな……夕張もしてみるか?」

夕張「いいんですか? ハイスコアを狙うなら、初心者は邪魔になるのでは……」

提督「ストーリーやるよ。武器強化はしきってないし、金稼ぎに丁度いい」

夕張「では、僭越ながら」

提督「あ、深夜アニメは良いのか?」

夕張「そっ……別に見逃してもいいですから! 録画してるし」ボソッ

~数時間後~

提督「スタンロッドうぇーいww」バシッ

夕張「あっ! 止めて下さいよ動けなくなるんですから!」

提督「ははは」

夕張「なら、こっちだって!」ドンッ ドンッ

提督「ちょ、ダメージは無いけど弾が無駄になるからやめて」

夕張「って、提督後ろ後ろ!」

提督「え? ぐわあああああ!」

夕張「深夜に煩いです」

提督「ごめん。いやー、チェーンソー相手に油断してた」

夕張「スタンロッド使わなきゃいいじゃないですか」

~数時間後~

提督「もう朝か……」

夕張「ふわぁ……そろそろ終わりそうな感じですかぁ?」

提督「そうだな。あとはここを抜けてしばらくすればラスボスになる」

夕張「思ったより早かったですね」

提督「ムービー飛ばしてるし、進み方は覚えてるしな。難易度も低いし」

夕張「でも提督上手ですよね」

提督「5は怖くないし、操作も難しくないからな。夕張だって結構上手になったじゃないか。敵を倒せる弾数を把握しているのには驚いたぞ」

夕張「これがデータの力という奴ですよ!」

提督「じゃあ、そのデータを活かしてマーセナリーだな」

夕張「流石に眠たいので勘弁してください……」

―執務室―

提督「仕事しなきゃいけないから、大人しく開放した」

提督「ううん、でも夕張となら良い所まで行けそうだと思ったんだけどな」

下2

―ゲームセンター―

提督「おっ、ゆるきゃらシリーズのクレーンで何か取れたぞ!」

鈴谷「へー、すごいじゃん」

提督「さてさて、いったい何が……せんとくん」

鈴谷「……」

提督「……いる?」

鈴谷「いや、いらないけど」

―大和型の部屋―

提督「というわけで、あげる」

大和「色々言いたいですけど、直球に言うと遠慮します」

提督「ええ、いまなら蓮花ちゃんもあげるよ」

大和「こっちはまあ可愛いですけど……」

提督「二人は恋人同士なんだぞ! 離れ離れなんてかわいそうじゃないか!」

大和「そうなのですか? それなら……」

武蔵「騙されるな大和。この二人は別に恋人同士ではない」

提督「じゃあ、まんとくんと一緒にするか? もちろんせんとくんもあげるけど」

武蔵「どうしてもせんとくんをあげたいのだな。よどりちゃんも居なければ話にならんぞ」

提督「馬鹿め。ちゃんととっておるわ」

大和「??? すみません、全く話についていけないのですけど……」

提督「とりあえず、大和は此奴らの身請けとなるか、それを選択するんだ」

大和「では、この三つを」

提督「……せんとくんは!?」

大和「いえ、その……なんとなく受け付けないので……」

提督「なんだと……」

―執務室―

提督「しょうがないから、売店に置いてもらった」

提督「おそらく、売店の看板となること間違いなしだな(目を引く的な意味で)」

下2

今日はここまでにします

提督「通販で買ったタートルネックが時間差で送られてきた。でもなあ、三つは中途半端なんだよなぁ」

提督(空母と関わりがあって、集まりがある人……)


~~~~~~~~

瑞鳳「それで呼んだのが私たちですか」

提督「そうだ」

大鳳「提督に呼ばれることはあっても、あまりプライベートで集うことは無いんですけどね」

龍驤「せやな」

提督「マジかよ。まあいいや、とりあえず渡したいものを渡しておく」

龍驤「……なあ、うちにも限界はあるんやで?」

提督「えっ、なんかまた地雷踏んだ」

大鳳「こんなあからさまなもの渡しておいて、何言っているんですか」

瑞鳳「でも、これ雑誌にも載ってる服だよ?」

大鳳「えっ」

龍驤「……ホンマなん?」

提督「ほんまほんま」

大鳳「こんなものが……最近の流行は分かりませんね」

提督「そう言うけど、ここの鎮守府にもこんな感じの服の奴いるだろ」

大鳳「まあ、それは……」

龍驤「それとうちらが似合うかは別やろ」

瑞鳳「そうですよね……」

提督「発注ミスのようなものだから、返されても困るんだよなぁ。まあ、いらなければ各自で処分してくれ」

龍驤「……」
大鳳「……」
瑞鳳「……」

提督(綺麗に畳んでる。捨てる気ないのか……)

~~~~~~~~

提督「なんだかんだで貰ってくれるあいつら良い奴」

提督(まあ、目の前で捨てられてもショックだけどな!)

下2

提督「今日一日秘書艦を頼んだぞ」

秋月「はい、お任せください!」

提督(思えば秋月に対しては何もしていなかったことを思い出し、今に至る)

秋月「それで私は何をしたらいいんでしょうか?」

提督「今日は近海の哨戒のみだから、それに行って貰う。そこから帰還したら、俺の業務についてもらう」

秋月「はい!」

提督(なんか、こういう子の前だとふざけにくいな……)

~夜~

提督(そんなこんなで一日が終わろうとしている)

秋月「ええと、どうやらこの書類で最後のようですね」

提督「そうか、ありがとう」

秋月「すみません、私の手際が良ければ、もう少し早く終わっていましたよね……」

提督「初めてでこれなら十分だ。さて、最後に一杯お茶をもらってもいいか」

秋月「もちろんです」

提督(タイミングが有ればふざけようと思っていたんだが、このままだと何もなしかな)

秋月「あ……」

提督「どうした?」

秋月「月が、月が綺麗ですね」

提督「……わたし、死んでもいいわ」

秋月「て、提督!?」

提督(しまった、ついふざけたくて返したけど、マジだったら拙いだろ……!)

秋月「そういう事を冗談でも言わないでください!」

提督「す、すまない」

秋月「そんな事言われて心穏やかな人は、この鎮守府に居ないと思いますから……!」

提督「はい!」

秋月「もう、提督は……」

~~~~~~~~

提督「普通に怒らせてしまった……」

提督「ま、突然あんなことを言われて怒らない人間が居ないわけないか」

下2

―食堂―

提督「今日の定食も美味しそうだ」

金剛「ヘイ提督! 一緒に食べてもイイ?」

提督「もちろん構わんぞ。他の三人は?」

金剛「撮影にいってマース。榛名と霧島は付き添いデース」

提督「そっか。いつも金剛が行ってるからたまにはいいだろう」

金剛「……」

提督「どうしたじーっとみつめて」

金剛(もっと構って下サーイ、と改まって言うのも恥ずかしいですネー……)

提督「……分かった、今日のデザートのオレンジが欲しいんだな!」

金剛「エ」

提督「ほれ、あーん」

金剛「あ、アーン……モグモグ」

提督「どうだ、美味しいか?」

金剛「甘くておいしいデース!」

提督「それはよかった」

金剛(い、いきなりで味わう余裕なんてないデース……)

―廊下―

提督「……」

金剛「……」

提督「なんでついて来るの?」

金剛「足りないデース……」

提督「足りないって……はぁ、まあ戦艦だし少しくらい大目に見てやるか」

金剛「大目?」


―鳳翔の店―

提督「鳳翔、たこわさ一つ」

金剛「……これはこれで、良かったかもしれませんネー」

―執務室―

提督「素直に相手してほしいと言えばいいのに」

提督「金剛一人なんて珍しいから、寂しいのもおかしくないのにな」

下2

―球磨型の部屋―

球磨「……」

提督「……」ナデナデ

球磨「……」

提督「……」ナデナデ

球磨「……クマー! 球磨をナデナデするなクマー!」

提督「反応遅いな」

球磨「突然部屋に入ってきて撫でられたら、誰でも硬直するクマ!」

提督「そうか? でも、すぐに反応する奴もいるぞ」

大井「触らないでくれませんか」パシッ

提督「ほら」

球磨「大井が遠慮ないだけクマ」

提督「とにかく、俺はこうして球磨をなでるだけだ」ナデナデ

球磨「話の前後が繋がってないクマ!」

提督「だったら、俺の手を大井みたいにはたいて見せろ!」ナデナデ

球磨「クマ」パシッ

提督「……ひどくない?」

球磨「はたけって言ったのは提督クマ」

提督「いや、そこははたけなくて悶々として終わるもんじゃないのか」

球磨(面倒クマね……)

提督「……」ナデナデ

球磨「だからなでるなクマー!」

大井(ここにいたらげんなりするから、北上さんでも探しに行きましょう)

―執務室―

提督「しつこくなでてたらついには嫌がられなくなった。ある意味意地の勝利だな」

提督「本気で嫌がってたら大井が止めてただろうし、おそらくその辺りは大丈夫だ」

下2

―鳳翔の店―

足柄「今日は提督にも来てもらいましたーー!!」

隼鷹「いえーーー!」
高翌雄「えぇーーー!」

提督「いえーーー!」

足柄「って、提督まで叫んじゃダメじゃない」

提督「たま羽目を外すのもいいだろう。高翌雄だって乗っているしな!」

高翌雄「いえ、これは驚きの声なんですけどね!」

提督「で、いつも飲んでいるメンバーは三人か」

足柄「酒豪なんてそういるもんじゃないから、少なくはないわね」

提督「いや、ビス子は?」

隼鷹「ビス子は呼んだけどこなかったなー」

高翌雄「ビス丸だって忙しいのでしょう」

提督「そうか。……ん、ビス丸?」

足柄「もったいないわよねー、提督が奢ってくれるというのに」

隼鷹「そんなビス子に一言」

高翌雄「バカめ、と言って差し上げますわ!」

足柄「あははははは!」
隼鷹「あははははは!」
提督「あははははは!」

提督「奢るとか言ってないけど!?」

隼鷹「酔いが足りないぞー」

提督「俺が付いていけないの久しぶりだからな、このテンション相当だからな」

足柄「もっと飲めば気にならなくなるわ!」

提督「その金は俺の手元から出るんだけどな!」

高翌雄「二人とも、そのあたりにしておきなさい」

足柄「あら、飢えた狼はこの程度じゃ引かないわよ。それとも何かアイデアがあるわけ?」

高翌雄「提督の分も飲んであげればいいのですわ」

隼鷹「なるほど、win-winの関係だな!」

提督「普通に負けてるから! ええい、自分の分は自分で飲む」

高翌雄「提督かっこいー!」

提督「高翌雄は相当酔ってるな!」

―執務室―

提督「気づいたら朝だった……普通に酔いつぶれてた……」

提督「酔い止めの薬飲もう……」

↓2

―南方海域―

ビスマルク「敵艦撃沈させたわ! このまま押し切りなさい!」

オイゲン(ビスマルク姉さまも頑張ってる……私もいいところ見せなきゃ!)

ビスマルク「レーベは援護を……プリンツ・オイゲン、一人で突出しちゃだめよ!」

オイゲン「大丈夫、私だってできるんだから!」

ビスマルク「違う、狙われているわ!」

オイゲン「え? きゃ――」

―執務室―

提督「警戒を怠って魚雷の直撃か」

オイゲン「すみません……」

提督「直撃して小破は運がいいとみるべきか。だが、そういうことが言いたいわけじゃないことはわかってるよな」

オイゲン「はい……」

提督「一人が危険にさらされると、艦隊の危機にもなることもあるからな」

オイゲン「はい……」

提督(……うーん、そんなしょぼくれられると、こっちもやりづらいな)

オイゲン「……」

提督「ふう……顔を上げろ、オイゲン」

オイゲン「な、なんでしょうか」

提督「そんな怯えた子犬のような顔をするな。まあなんだ、俺が言いたいことはな」ギュッ

オイゲン「ふえっ!? あ、アトミラールさん?」

提督「みんな、無事に帰ってきてほしいってことだ。オイゲンだってその一人」

オイゲン「アトミラールさん……」

提督「……あー、オイゲン、ドックが開いたみたいだから、入ってこい」

オイゲン「はいっ!」

バタン

提督「……慣れないことはするものじゃない。叱るのは秘書官に任せればよかった」

提督「オイゲンは癖が無くて逆にやりにくいよ、まったく」

下2

提督「そうだ、にらめっこしよう」


―ダイジェスト―

提督「秘書官、ちょっと来てくれ」

霞「何よ、忙しいんだけど」

提督「あっぷっぷー」ヘン顔

霞「……」イラッ


提督「朝潮、にらめっこだ!」

朝潮「し、司令官大丈夫ですか? 少し笑えないので、治療しますね」

提督(えっ、そんなにひどい怪我してんの)

提督「大潮、にらめっこだ!」

大潮「いいですよ!」

提督「あっぷっぷー」

大潮「あはははは!」

提督「はやっ!」


提督「満潮、にらめっこだ!」

満潮「はあ? すると思ってるわけ?」

提督「だよな。じゃあな」

満潮「……」

提督「荒潮、にらめっこだ!」

荒潮「いいわね、合図はぷっぷくぷぅでいきましょ~」

提督「いいぞ、ぷっぷくぷぅ~」

荒潮「あらあらうふふ、本当にするなんて」

提督「微妙に悪質な……」


提督「霰、にらめっこだ! ぷっぷくぷぅ~」

霰「ぷっぷくぷぅ……」

提督「……」

霰「……」

朝雲「変な顔しているから何かと思ったわよ」

提督「にらめっこだ。じゃあ、朝雲もしてみようか」

朝雲「そんなことする前に、しなきゃいけなことも多いんじゃないのかしら。霞が怒るわよ」

提督「うっ……図星をついて来るな……」

朝雲(ここって、いつもこんななのかしら……)


提督「山雲、にらめっこだ! ぷっぷくぷぅ~」

山雲「うふふ~」

提督「……」

山雲「うふふ~」

提督(これ、勝ったという事でいいんだろうか)

―執務室―

提督「よし、ノルマ達成だ」

提督「……秘書官にこれ以上怒られる前にやることしておこう」

下2

オイゲン「講演のチケットが余ったんです」

提督「ビスマルクと行ったらどうだ?」

オイゲン「それが、ビスマルク姉さまはその日お忙しいらしくて……」

提督「レーベやマックスは? ほかにも行ってくれる重巡艦くらいいるだろう」

オイゲン「レーベとマックスは二人でお出かけ。あと、気軽に誘える人はあまり……」

提督「そうか……なら、一緒に行くか?」

オイゲン「はい!」

―講堂―

提督「内容はミュージカルか」

オイゲン「エリーザベト、ドイツで大流行したミュージカルなんですよ」

提督「へー、オイゲンは見た事あるのか?」

オイゲン「いえ、見るのはこれが初です。だから、少しわくわくしてます」

提督「ふーん、初めてが俺で良かったのか? 絶対今日見なきゃいけないというわけではあるまい」

オイゲン「アトミラールさんだから良いんですよ」

提督「そっか。なら、お言葉に甘えて楽しむとしよう」

オイゲン「後で感想言い合いましょうね」

~~~~~~~~

提督「さすが、大ヒットするだけのことはある」

オイゲン「わ~……凄い……」

提督「大丈夫か、オイゲン」

オイゲン「予想以上の感激でした……」

提督「じゃあ、近くのカフェでゆっくりしようか」

オイゲン「はいっ」

ビスマルク「うーん……やっぱりウィーン版とは違った趣があるわね」

提督「……」
オイゲン「ビスマルク姉さま!?」

ビスマルク「グーテンターク。奇遇ね」

提督「用事あるんじゃないのか?」

ビスマルク「プリンツ・オイゲンから聞いたのかしら。これを見に来るのが用事よ」

オイゲン「そ、そうだったの?」

提督「そういうことなら、ちゃんと伝えればこういう事も起らなかっただろうに」

ビスマルク「ふーん……まあ、こっちの事は気にしないで、二人はシュテルディヒアインでも楽しめばいいわ」

提督「シュテ……?」
オイゲン「ち、違うから!」

ビスマルク「なら、そういうことにしておいてあげるわね」

オイゲン「もう……」

提督「なあオイゲン、さっきのはどういう意味だ?」

オイゲン「あ、アトミラールさんは気にしなくていいですからっ」

―執務室―

提督「結局、カフェでもオイゲンが落ち着きない所作をし続けていた」

提督「気になったから調べようとしたけど、なんて言っていたのか忘れてしまったしなー」

下2

提督「アニメをやるんだってな」

長門「うむ、私たちの活躍がアニメとなって公開されるらしい」

提督「そういえば大本営がなんか書類送って来たな……全部秘書官に任せたけど」

長門「陸奥が用意をしている。後で私たちの部屋に来てほしい」

提督「分かった」


―長門型の部屋―

提督「お菓子ある?」

長門「隣で音たてられると迷惑なんだがな」

陸奥「提督ならアイスでも持ってるんじゃないの?」

提督「しょうがない、最中でも食べるか」

長門「もっているのか……」

陸奥「ほら、始まるわよ」

~三十分後~

提督「ふーん」

長門「なるほど」

陸奥「そうねぇ」

提督「って、何も言わないのか」

長門「出撃シーンはなかなかファンタジーだったな」

陸奥「秘書官が違うわね」

提督「ええー、なんかつまらん感想だな」

長門「むしろ言うことがあるのか?」

提督「そりゃあ……提督の顔が出なくて寂しい、とか?」

長門「すまないが、そう言う冗談は他の人とやってくれないか」

陸奥「金剛型だったら付き合ってくれると思うわよ」

提督「ひどくない?」

長門「とにかく、こうして一般人に存在を浸透させるのは不安でもあるな」

陸奥「そうね、私たちも所詮は兵器だし」

提督「今更だな。比叡を思えばそんな心配は無駄だ」

長門「ああ……」

陸奥「そういえば、アイドルやってたわね」

提督「アニメなんてそんなのの一部だ。それに、大本営がやっている事だから口出しできんしな」

長門「とりあえず、私たちはこれからも見続けるが……提督はどうする」

提督「気が向いたらな」

―執務室―

提督(ぶっちゃけ俺の存在が影みたいに扱われててショックだった……)

提督「別にさー、艦娘のイメージ向上のためだしー、いいと思うんだけどさー」

下2

―鳳翔の店―

龍鳳「鳳翔さん、やきとり三つです」

鳳翔「わかりました。そこのおにぎりを提督の机にお願いします」

龍鳳「はーい」

提督「……龍鳳もしっかり働いているんだなぁ」

鳳翔「そうですよ。飲み込みも早くて、とてもいい子なんですよ」

龍鳳「そんな、鳳翔さんの教え方が上手なだけですよ」

提督「なるほど……よし、そんな龍鳳に何かプレゼントをしてやろう」

龍鳳「わ、悪いですよ!」

提督「気にするな。頑張っている龍鳳へのご褒美だ。何か欲しいものでもあるか?」

龍鳳「え、えっと本当に良いんですか?」

提督「俺の独断で用意できるものなら何でも」

龍鳳「では……私にも出撃させてくださいっ」

提督「……え? そんなことでいいのか?」

龍鳳「だって、最近はほんの数回しか出撃したことないんですよ。私だって戦えます!」

提督(鳳翔の手伝いとかもあるから、出撃を少なめにしていたのだが……余計だったか)

提督「分かった。鳳翔は龍鳳を外せる日を教えてくれ」

鳳翔「この子には必要以上に働いてもらっているので、いつ休みを入れても大丈夫ですよ」

龍鳳「あ、あと……もう一ついいですか?」

提督「もちろん。出撃したいだけじゃ寂しいからな」

龍鳳「では……」

~~~~~~~~

提督「へえ、これが龍鳳の作った料理……やっぱりよく出来ている」

龍鳳「本当ですか? ふふ、ありがとうございます」

提督「それより、こんなことでいいのか? 龍鳳の作った食事を一緒に食べるだけで」

龍鳳「私にとって一番嬉しいプレゼントは、こうしたゆっくりとした時間ですから」

提督「龍鳳……」

龍鳳「なんて、ふふ、少し恥ずかしい事言っちゃいました」

提督「……ゆっくりした時間がいいなら、出撃は止めておいた方がいいかもな」

龍鳳「もう、提督意地悪です!」

提督「すまんすまん」

―執務室―

提督「物をあげるだけがプレゼントじゃないよな」

提督「それに、いまだぬいぐるみを大事にしてると聞くし、物ばかり増えても困るだろう」

下2

―天龍型の部屋―

提督「龍田を屈服させたい」

天龍「お前、消えるのか?」

提督「消えないから。ほら、天龍だってたまに龍田に勝ちたいと思うだろ」

天龍「まあ、確かにな……」

提督「だから、それを実現させたくな。しかし、どうすればいいか……」

青葉「ふっふっふ、話は聞かせてもらいましたよ」

天龍「いつの間に入って来た!?」

提督「何かいい案でもあるのか?」

青葉「一枚かませてくれれば、いくらでも」

天龍(こいつら生きて帰れるのか)

―提督私室―

龍田「……失礼するわね~」

提督「くっくっく、よく来たな」

龍田「こんな手紙が来たら、無視するわけにはいかないでしょ~?」

『お前の秘密をばらされたくなければ、一人で提督の私室へ来ること』

龍田「提督は一体どんな面白い事を聞かせてくれるのかしらね~」

提督「面白い事? くく、この写真を見ても同じことが言えるかな」

龍田(何故か売店に売ってあった天龍ちゃん人形を見て破顔させている私の写真……)

龍田「……あらあら~、うふふ」

提督「さあ。周りにばらされたくなければ、俺の言うことを聞くんだな」

龍田「……では、私に何をさせるおつもりですか~?」

提督「え? えーと……」

龍田「何もないのでしたら、お茶でも汲みますけど」

提督「あ、そう? じゃあ頼もうか」

龍田「では汲みますね~」スタスタ

提督「……ちょっと、その棚は!」

龍田「あんな写真、提督が取れるわけないじゃない。そうよね~青葉さん♪」ガチャ

青葉「はっ、ばれた!」

龍田「うふふ~、どういうお仕置きが好みかしら~?」

青葉「い、いえ、これは提督が仕込んだことでですね」

提督「これを考えたのは青葉だろ」

青葉「裏切りましたね!」

龍田「安心して良いわよ~、二人とも手加減しないから♪」

提督「ヒィィ」
青葉「ヒィィ」

―執務室―

提督「俺はほんの数十分の演習で済んだが、果たして青葉は無事なのであろうか」

提督「目的に関しては、一瞬だけでも龍田を怯ませたからオッケーにしておこう。命のためにも」

下2

夕張「提督、見たい夢が見れる枕の改良版が出来ましたよ!」

提督「……」

夕張「なんですかその奈良の大仏みたいな顔! 今度こそ大丈夫ですよ!」

提督「……で、その被験者になれと?」

夕張「はい!」

提督「ふむ……一つ聞きたいのだが、同じ相手の結果ばかり求めるのは実験として間違ってないか。ここはひとつ、別の人の反応も見るべきだと思うのだが」

夕張「あ、それもそうですね。では、適当に捕まえた人で試してみます!」バタン

提督(今回は逃れられた)

―提督私室―

提督「あー、終わった……昼寝しよ」

ガチャ

提督「んー? 夕張、もしかして他の人見つからなかったのかー……って」

鈴谷「……」

提督「鈴谷? 俺は今から寝るんだけど、どういった用事なんだ?」

鈴谷「すずやもねるぅ~……」ゴソゴソ

提督「!!??」

鈴谷「おやすみぃ……」

提督「……まあいいか。抱き枕的な扱いしよ」

~~~~~~~~

鈴谷「ちょ、ちょっと! どういうこと!?」

提督「なんだ、うるさいな……」

鈴谷「どうして鈴谷が提督と寝てるの!?」

提督「お前が潜り込んできたんだろ……ふわぁ」

鈴谷「そんな恥ずかしいことするわけ……」

提督「夕張がなんかしたんじゃね」

鈴谷「……! そうだ、あの枕で寝て……夕張ーー!!」ダッ

提督「……結局、改良されてなかったわけか。はあ、実験台にならなくてよかった」

―執務室―

提督「工廠の方が騒がしかったけど、放っておいていいだろう……巻き込まれに行くの嫌だし」

提督「というか、いったいどういう副作用だったのか」

下2

比叡「提督、付き合って下さい!」

提督「ごめん、俺一人を特別視するつもりは無いんだ」

比叡「ま、間違えました! 喫茶店に行くのを付き合ってください!」

提督「喫茶店? 何か用事か」

比叡「はい! 一週間限定のパフェが有るんです!」

提督「金剛と行けばいいんじゃないか」

比叡「それが、カップル限定なんですよね」

提督「ごめん、俺……」

比叡「それはもういいですから!」

―喫茶店―

比叡「いやー、楽しみです」

提督「俺も食べてみたいんだけど」

比叡「少し大きめらしいので、一緒に食べれば大丈夫ですよ」

提督「分けてくれるのか。ありがとな」

比叡「いえいえ、付き合ってくれるお礼ですよ」

店員「お待たせしました。カップル限定パフェです」

比叡「ほらほら、来ましたよ!」

提督「おお、これがあの……ではまず一口、あーん」

比叡「最初貰っていいんですか? では、あーん……んー、美味しいっ」

提督「お、期待がかかるな」

比叡「では提督、あーん」

提督「あーん……んん、たしかに美味しい」

比叡「ですよね!」

提督「しかし、ナチュラルに食べさせあいしてるけど、比叡は気にしないのか?」

比叡「カップルという体がありますから」

提督「ふーん……あ」

比叡「今度はどうしたんですか」

提督「いや、比叡なら金剛と来てカップルですと言い張ってもおかしくないなと。もしかして実行済みか?」

比叡「……」

提督「?」

比叡「その方法がありましたね! 思いつきませんでした!」

提督「いや、冗談で口にしたんだが……」


店員(あのカップル仲が良さそうねー)

―執務室―

提督「男女が二人で出かけたらデートと言うし、カップルもあながち間違いじゃないかもしれない」

提督「そういえば、比叡は今度金剛とで挑戦するらしい。一回別の人と行ったのに無理に決まってるだろ……まあ、霧島が止めるだろうし、放っておいたが」

下2

―談話室―

提督「……で、なにしてるんだ?」

龍驤「トランプや」

瑞鳳「……あがりです!」

大鳳「う、また負けました……」

瑞鶴「ふわ……終わった?」

提督「なんか瑞鶴は暇そうにしてるし、何かバランス悪くないか」

龍驤「しゃあないやろ、運の差は大きいんやから」

提督「ふうん……なら、運を使わなさそうな遊びでもするか」

~~~~~~~~

龍驤「ジェンガなー」

提督「運関係ないだろ」

大鳳「これならきっと勝てます」

瑞鶴「それって、今まで運で負けてたって言いたいわけ? ふふん、そんなわけないって教えてやるわ」

瑞鳳「頑張ります……!」

提督(運関係ない……といいたいんだけどな)

瑞鶴(そういえば翔鶴姉のとき、不運で終わった記憶が……)

龍驤「まずはうちからな」カチャ

大鳳「実力勝負なら負けませんから」スッ

瑞鳳「わー上手……」カチャ

瑞鶴「流石に一巡じゃ倒れないか」カチャ

提督「今回もあるいは……と思ったんだけどな」スッ

龍驤「一巡で終わるって、どういう状況や」カチャ

大鳳「ですよね――」
『ピーピー、ガスが漏れています』

ガチャーン

大鳳「……」

提督「期待を裏切らないオチだな」

瑞鶴「このジェンガには呪われた何かが有るのかしら」

瑞鳳「そ、それより、何のガスが漏れたんですか? 状況によっては避難を……」

ガチャ

大和「提督、さっきの警報なんですが」

提督「ん、おお、よくここが分かったな」

大和「秘書官の方から聞きました。近くで誤作動が起こったみたいです。問題は現在確認中ですから、執務室に戻るようにと」

提督「分かったすぐ戻る」

大和「では」

バタン

大鳳「……大和さんでは、逆切れもできないじゃないですか」

瑞鳳(順番がちょっと違うだけで大鳳さんみたいに……)

龍驤「なんや、恐ろしいオチやなぁ……」

瑞鶴「見るのは二回目だけど、ホントにそう思う」

―執務室―

提督「原因は悪戯、と。はあ、唯の悪戯で大鳳は悲しみを背負う結果になってしまったか」

提督「さすがに可哀そうだったし、あいつらがフォローしてくれているだろう」

下2

提督「そうだ、少しちょっかいをかけてみよう」


―ダイジェスト―

提督「霧島、眼鏡がずれてるぞ」

霧島「あら、本当ですか?」クイッ

提督「いや、もうちょっとこうで……」クイクイ

霧島「やめろ」

提督「は、はい」ビクッ


提督「鳥海、眼鏡がずれてるぞ」

鳥海「そうですか?」クイッ

提督「いや、そうじゃなくて」クイクイ

鳥海「あの、やめてくれませんか」

提督「はい」

提督「大淀、眼鏡がずれてるぞ」

大淀「眼鏡がずれるという事はあまりないと思うのですが」

提督「いやいや、貸してみろって」クイクイ

大淀「あっ、指紋が付くじゃないですか」

提督「ごめん」


提督「望月、眼鏡落としたぞ」

望月「んー? めんどいから付けて……」

提督「おっしゃー!」クイクイクイ

望月「あー……」

提督「反応ないとそれはそれでさみしい」

巻雲「はわわ、メガネはどこに行ったんでしょうかぁ~?」

提督「頭についてるぞ」クイクイ

巻雲「あ、本当です~」

提督「まったく、巻雲は見ていないと心配だな」

巻雲「えへへ~」


提督「はっちゃん、眼鏡が……」

8「なに?」コンタクト

提督「はっちゃんが眼鏡じゃない……だと!」

8「だって、提督が眼鏡にちょっかいかけてるって聞きましたから」

提督「くっ、もう口コミが広がってるのか。さらば!」

8(対策したは良いけど、ちょっと物足りない……)

提督「ラスボスは武蔵だな……」

武蔵「ほう、何がだ?」

提督「武蔵……眼鏡をクイクイさせてもらうぞ!」

武蔵「クク、話は聞いているぞ。出来るものならしてみるがいい」

提督「うぐ……」

武蔵「どうした、いつでもかかってくるといい」

提督「う、うおおおおおお!」ダダダ

武蔵「……提督め、逃げたな」


提督「うおおおおおお!」クイクイクイクイ

8「ちょっと、何処から眼鏡を……って、コンタクトの上から眼鏡は……!」

19(楽しそうなのー)

―執務室―

提督「武蔵の迫力が怖かった。無理だと思った」

提督「一つくらいの失敗なら許されるはず」

下2

―売店―

提督「最近運動してないから、何か身体動かせるものないかー」

明石「運動できるものと違いますけど、いつもの入荷しましたよ」

提督「いつもの?」

明石「はい、長10cm砲ちゃんバージョンです!」

提督「……」

明石「それとも、やっぱり今は運動できるものですか?」

提督「もらおう」

―母港―

八頭身長10cm砲ちゃん「ふんふん」カクカク ヒュンヒュン ペラペラ

秋月「!? し、司令? もしかして司令ですか?」

八頭身長10cm砲ちゃん「ん、おう、秋月か」カクカク ヒュンヒュン ペラペラ

秋月「えと、何をやっているのか聞いても良いですか?」

八頭身(ry「見てわからないのか?」カクカク ヒュンヒュン ペラペラ

秋月「いえ……分かるには、分かるんですが……」

八頭身(ry「説明をすると、コスプレしながらフラフープを回し本を読んでいる」カクカク ヒュンヒュン ペラペラ

秋月「……凄いですね」

八頭身(ry「なんなら秋月もやってみるか」ピタッ

秋月「え? い、いえ、私は……」

八頭身(ry「遠慮するなって、ほれほれ」

~~~~~~~~

霞「クズ司令官! また変な格好してるって……!」

八頭身(ry「フラフープは腰を回すんじゃなくて、振る感じで」

秋月「こ、こうですか?」フルフル

八頭身(ry「違う違う。こんな感じで」カクカク

秋月「ううん……こんな感じでしょうか」クルクル

八頭身(ry「けっこういい感じだ。慣れるとながらで出来るようにも……あれ、秘書官?」

霞「……変な恰好だけはやめなさい。怖がってる子もいるのよ」

八頭身(ry「はい」

―執務室―

提督「今日の秘書官が優しかったのは、秋月が居たからだろうか」

提督「しかし、動きにくくなるコスプレをしながらならがフラフープ。意外といいんじゃないかと思う」

下2

―妙高型の部屋―

提督「最近運動不足を感じてきた。なにかいい筋トレは無いだろうか」

那智「なぜそれを私に聞くのか甚だ疑問だが、答えるとするなら腕立て伏せや懸垂はどうだ」

提督「もう飽きたー」

那智「基礎トレーニングを飽きたと言われればどうしようもないのだが」

提督「もっと楽しく出来る奴はないのか? ながらでもできる方法」

那智「難しいことを……ならば、なにか物を持つのはどうだ。長い時間持てばそれなりになるだろう」

提督「なるほど。さんきゅー那智!」ダッ

那智「……なぜか、嫌な予感がするな」

―母港―

羽黒「あ、司令官さん。出撃から帰還しました、後で報告書持っていきますね」

提督「ええい、そんなものは後で良い」ガシッ ヒョイ

羽黒「!?!?」

羽黒(こ、この抱え方って……っ)

提督「さあいくぞ羽黒!」

羽黒「どど、どこにですか……?」

提督「鎮守府一周だ!」

羽黒「え、ええっ!」

~~~~~~~~

提督「一周到着!」

羽黒「……」

妙高「提督? 何をなさっていたのでしょうか?」

提督「運動だ」

妙高「それは良い事だと思います。でも、腕の中の私の妹を見てもらってもよろしいでしょうか」

提督「ん?」

羽黒「……」

提督「顔赤くして固まってるな」

妙高「やり過ぎという言葉を御存知ですか?」

提督「……もしかして、怒ってる?」

妙高「ふふ、もう秘書官には知らせてますから」

提督「なんだと……」

羽黒(お、お姫様抱っこ……恥ずかしい……)

―執務室―

提督「今なら初風と仲良くなれそうな気がする……妙高怖い……」

提督「あ、でもいい運動にはなった。相手を考えれば、そこそこいいかも」

下2

霞「今日の業務はこれで終わりね」トントン

提督「はー、疲れたー」

霞「あんまり騒がないようにしなさいよ。じゃあ、私は部屋に戻るわ」

提督「ういー」

バタン

提督「……霞の髪型見て思ったんだけど、結んでいる髪を自由にしてみたい」

提督(しかし、結んでいるだけでは範囲が広いな……卯月や長波みたいなのも含む可能性が……)

提督「よし、範囲を狭めて活動しよう」

下2(複数可)

―長良型の部屋―

提督「由良、由良ー」

由良「なんですか、提督さん?」

提督「由良の髪をゆらゆらさせてー」

由良「……」

提督「……」

由良「正直、今のは無いと思いますよ?」

提督「ごめん」

由良「それに、女の子の髪をなんだと思っているんですか」

提督「そのふわふわしてそうな髪を触りたいんだ! 揺らしたいんだ!」

由良「揺らしたいって、意味が……うう、もういいですよ。どうせ、無理やり触るんでしょ」

提督「勘違いされそうな発言やめて! ありがたく揺らさせてもらうけど!」

由良「触るんですね」

提督「まあな」ユラユラ フラフラ フリフリ パタパタ

由良「……」ドキドキ

提督「ありがとな」

由良「えっ、本当に揺らすだけですか」

―初春型の部屋―

提督「というわけで」

初春「何がという訳じゃ。意味がわからんぞ」

提督「改二になって少し増量しただろ。どれほどのものかと考えて」

初春「貴様は遠慮という言葉を知らんのか」

提督「己の欲望には素直になればいいと思っている」

初春「欲望に素直過ぎじゃろ」

提督「ええい、触らせてくれるのか、くれないのか!」

初春「……どうしても、わらわの髪に触りたいのかや?」

提督「どうしても!」

初春「むぅ……しょうがない、特別に、触らせてやろうぞ」

提督「ははぁ~、さすが初春様!」

初春「何処か馬鹿にされてる感じがするのじゃが」

提督「まあまあ」ユラユラ フラフラ フリフリ ハタハタ ピタッ

初春「……遊んでおるのか? と、どうしたんじゃ」

提督「……パタパタできない、量が多くて」

初春「わらわに言われても知らん」

―執務室―

提督「まさかパタパタできないとは……油断していた」

提督「しかし、意外と二人とも優しかったな。素直に許可出してくれないだろうと思っていた」

下2

今日もこれだけ

―長門型の部屋―

提督「陸奥、ちょっとマッサージを受けてみないか?」

陸奥「あらマッサージ? なら頼もうかしら」

提督「使うのはお灸だけだけどな」

陸奥「……あんまりそういうのは、好まないのだけど」

提督「大丈夫大丈夫。怖いのは一瞬だけだから」

陸奥「い、いえ、やっぱり遠慮しておくわ」

提督「最近のは熱くないやつもあるから。トラウマも蘇らないから」

陸奥「……し、信じていいの?」

提督「多分!」

~~~~~~~~

提督「じゃあ、今から始めるからなー」

陸奥「……」フルフル

提督「そんな小さく震えられるとやりにくいんだけど。というか、爆発と違うんだから」

陸奥「そ、それもそうね」

提督「とりあえず楽にしておけ。ゆっくりやるから」

陸奥「ほ、本当に気持ちいいのよね?」

提督「流石に個人差があると思うからな……でも、やってるうちに気持ち良くなるはずだ」

陸奥「そ、そう……じゃあ、いいわよ」

提督「では、失礼して――」

バタン

長門「は、破廉恥だ!」

提督「……」

陸奥「……」

長門「……んん?」

提督「別に破廉恥なことはやっていないぞ。なあ?」

陸奥「ええ、今からお灸をしてもらうところなんだけど」

長門「……わ、私は雑念を取り払うために演習に行ってくる!!」ダッ

提督「何故律儀に行き先を……」

陸奥「あれで気苦労もあるのよ。後で私と同じようにやってあげたらいいわ」

提督「そうするか」

―執務室―

提督「思いのほかお灸は好感触だった」

提督「というか、雑念が生まれるようなことしてたかな……」

下2

―深夜・川内型の部屋―

那珂「なーにしてるの、神通?」

神通「姉さんが提督とラジオをすると聞いて……周波数はこれかな」

提督『あーあー、マイクのテスト中』

川内『周波数が合ってればついているはずだよ』

提督『青葉に適当に機材借りて通知出したは良いが、何人の人が聞いているか』

川内『そんなこと良いんだよ! 夜戦中の人のためにお届けするラジオ、その名も!』

提督『時間無いからそういうところはカットな。青葉のやつ、足元見てレンタル料を時間制にしやがった』

川内『ちょっと提督、あまり舞台裏は話しちゃいけないって!』

提督『それもそうだ。まあ、とりあえずこのラジオは夜戦したい川内の暴走を少しでも解消するために作られた突発ラジオだ』

川内『一方的に私が悪いみたいな言い方……夜戦したいのはその通りだけど』

提督『さて、突然だが川内はラジオとか聞くか?』

川内『夜戦にラジオはつきものだよね。聞いた事ないけど』

提督『つきものじゃないじゃん! まあ、夜戦中に聞いてないのが普通なんだけど』

川内『じゃあ提督は?』

提督『このグダグダな進行を見て聞いてると思うか? 聞いてるんだぜ……』

川内『それは……ご愁傷様……』

提督『ええい、進行がカスでも、リスナーが面白い話題を出せば救われるんだ! まずよくあるお悩み相談のコーナー!』

川内『しょうがないなあ。えーと、ペンネームあかg……パクパークさんからのお便り、誰でしょうねー』

提督『もう遅いよ』

川内『提督と川内さん、こんぱんわ。はいこんぱんは』

提督『多分それ誤字だから素直にばと言ってやれよ……』

川内『最近お腹が空いて夜も眠れません、どうすればいいでしょうか』

提督『意地張って小食にするからだろ……川内はどう思う』

川内『夜戦すればいいよ!』

提督『お前本当にそれだけだな!』

川内『じゃあ次。ペンネームしょうk……五航戦の姉さんから』

提督『どっちも隠れてない……後で注意しておこう』

川内『提督と川内さんこんぱんは。はいこんぱんは』

提督『あれ、もしかして誤字じゃない?』

川内『ずっとなのですが、とある先輩の視線が常に咎めているようで苦しいです。どうにかこの気持ちを昇華できないでしょうか』

提督『考え方としてはいいんだけど、その先輩を如何にかする方向じゃないんだなぁ』

川内『気持ちを昇華するにも、相手を如何にかするにもいい方法があるよ!』

提督『どうせ夜戦だろ』

川内『夜戦をすればいいんだよ!』

提督『ぶれないことを褒めればいいのか、ラジオとしてネタが薄くなることを怒ればいいのか……』

ブチッ

神通「寝ましょう」

那珂「えっ」

神通「きっと、朝には元通りです。聞かなかったことにして寝ましょう」

那珂「う、うん」

―次の日・執務室―

提督「予想通りだけど評判悪かった。まあ、無茶振りに付き合わされた結果だし、しょうがない」

提督「うん……しょうがない……」

下2

―翔鶴型の部屋―

提督「そういえば翔鶴、ラジオで送ってたあの事なんだけど」

翔鶴「ね、ネタになると思って……すみません」

提督「怒っている訳じゃ無い。再び親身になって相談を受けようかと思ってな」

翔鶴「そうなんですか?」

提督「ああ」

翔鶴「それは嬉しいのですが、具体的にどうすれば……」

提督「ずばり、翔鶴は目上に対してかしこまり過ぎだ。それが余計に加賀を増長させている」

翔鶴「さすがに増長は無いかと……」

提督「その俺に対してもはっきりと申せないところが駄目だな」

翔鶴「駄目……」

提督「だから、今日はもっとフランクに接して貰うぞ!」

翔鶴「え……」

―食堂―

翔鶴「どういった用件で食堂に?」

提督「もっとフランクに」

翔鶴「……ど、どうして食堂に来たの?」

提督「共に同じ食卓を囲っている時が仲間意識を生み出すという。それを利用してフランクさを身に着けるのだ」

翔鶴「そう、かしら?」

提督「何時ものパフェだけどな。というわけで、あーん」

翔鶴「え、ええっ?」

提督「遠慮するな。これはあくまでお互いを余計に意識しなくするための布石だ」

翔鶴(こ、これで意識しないというのは無理ですよ……)ドキドキ

翔鶴「あ、あー……」
提督「おっと手が滑った」ペチャ

翔鶴「きゃっ、提督!」

提督「ははは、悪い悪い」

翔鶴「もう……」

提督「でも、少しは軽口になれるだろ」

翔鶴「それは、確かにそうだけど」

提督「っと、少しもったいないな」スッ

翔鶴「え、と……指を這わして何を?」

提督「付いてた生クリームを取っただけだ。ペロ…」

翔鶴「っ!?」

提督「あー、やっぱ間宮の作るデザートは一級品だなあ」

翔鶴「も、もうっ。提督はデリカシーがないんですから!」

提督「え、ええー、急に戻ったんだけど何で」


瑞鶴「翔鶴姉が楽しそうにしてるー」

加賀「五航戦の子と決定的に違うところ……」

赤城「間宮さん、私たちにもパフェ下さい」

―執務室―

提督「作戦は失敗か。いったい何が悪かったのか」

提督「……いや、流石にやり過ぎたと思ってる。まさかあれが普通だなんて思ってないぞ」

下2

―夕張型の部屋―

提督「夕張、面白い物を買ったぞ!」

夕張「面白い物? どんなのですか」

提督「メロン熊だ!」バッ

夕張「怖っ! な、なんですかこれ」

提督「売店にあったから。なんでも、夕張市のマスコットだそうだ」

夕張「また売店ですか……って、これがマスコットですか?」

提督「いいだろう? これのおかげで、今日の朝もすぐに目覚めることが出来た」

夕張「それって、寝起きに視線に入って驚いただけじゃ……」

提督「その感覚を夕張市だけに夕張に味わってもらいたくてな」

夕張「自分に合わないからあげるという理由じゃないですよね」

提督「……と、とりあえずもらってくれ」

夕張(いつもならひくのに、ここで退かないことが何よりも物語ってるんですけど)

提督「ほらほら、よく見ればかわいく見えるだろう?」グイグイ

夕張「ちょ、押し付けないでください……! 何を言われても絶対に貰いませんから!」

提督「……」

夕張「?」

提督「捨てるか」

夕張「!? そ、それはちょっと、かわいそうな気が……」

提督「だが、誰にも愛して貰えないんじゃしょうがないよな」

夕張「わ、分かりました! もらいます!」

提督「……言ったな?」

夕張「はっ、ま、まさか……」

提督「貰ってくれるのなら助かるなー。じゃあねー」

バタン

夕張「や、やられました……いえ、折角のプレゼントですし、大事にしますけど……」

―執務室―

提督「たまにはパターンを変えてみた。当たり前だけど、本気で捨てる気は無かったぞ」

提督「最終的にもらうという事は、そこまで嫌という訳じゃ無い筈だ。多分」

下2

提督「なるほど、初霜が無傷で軽空母大破に夜戦で戦艦轟沈か……大和型がいてMVPとはなかなかの戦果だな」ガクブル

大和「あの、震えてません?」

提督「ふふ、震えてなどいない。ただ、怒らせないようにしようと思っただけだ」

大和「はあ……」

提督「報告は御苦労。次の出撃まで体を休めるように」

大和「はい。……提督、褒めてあげたら、喜ぶと思いますよ」

提督「考えておこう」

―初春型の部屋―

提督「凄いぞ初霜! 改二初めての出撃でMVPじゃないか!」

初霜「はい、これからもみんなを守れるように頑張っていきたいです!」

提督「固いなあ、もっと喜びを見せてくれていいんだぞ?」

初霜「皆を守れれば、私はそれでいいから」

提督「まったく、初霜は謙虚だな」

初霜「時雨や雪風も自分の力を誇示しませんよ」

提督「で、でも、なかなか出来る事じゃない」

初霜「運が良かっただけですよ。皆を守れれば、私としては十分ですから」

提督(ええい大和、褒めてもあまり嬉しがる様子などないぞ。……まあいいか)

提督「じゃあ、邪魔したな。今日は何もないから、ゆっくりしていてくれ」

初霜「あ、その……すみません、なんだか素気なかったですね」

提督「罵倒されるよりは全然暖かい返答だと思う」

初霜「それと比べるのは……」

提督「うん、確かに対象がおかしいな」

初霜「……提督が褒めてくれたのは、とても嬉しかったですから」ニコッ

提督「……」

初霜「どうかしました?」

提督「改二になって、初霜はかっこよくなったけど、そうやって笑っているときの方が可愛くていいな」

初霜「か、からかわないで、もう……」

―執務室―

提督「改二になって印象が変わったようで変わって無かった。ちょっと安心した」

提督「……でも、能力は大きく上がったんだよなぁ。真面目キャラだし、絡むのは程々にしよう」

下2

提督「戦艦になるなんてすごいじゃないか!」

清霜「うん! これでもっと活躍できるかしら?」

提督「もちろんだ! 夕雲たちも鼻が高いな。妹が戦艦になるなんて」

清霜「夕雲姉さんにもお礼しなきゃ。今まで支えてくれたんだから」

提督「霞も涙を出して喜んでたし、これはパーティだな」

清霜「パーティ?」

提督「そうだ。清霜、これからも頼りにしてるからな」

清霜「わかりました!」

~~~~~~~~

清霜「……」

夕雲「――という夢を見て、落ち込んでいるらしいの」

提督「なんか、ご愁傷様な夢だな」

夕雲「励ましてもらえると嬉しいのですが」

提督「そうだな、放っておくのもはばかられる。清霜」

清霜「なに……?」

提督「気にするな」

清霜「……」

夕雲「提督は意識して励まそうとすると駄目ですね」

提督「はっきり言わないでくれ。こっちまで落ち込む……」

清霜「……やっぱり、司令官も戦艦にはなれないって思います?」

提督「まあ、真面目な返答をするとな」

清霜「そうですか……」

提督「だけど、その諦めない心は見習えるところだと思うぞ」

清霜「そう……?」

提督「ああ。それに、なろうとするためのトレーニングは欠かさない。目標に向かって前進するのはとても良い事だ」

清霜「……」

提督「清霜が諦めずに頑張り続ければ、たとえなれなかったとしても、相当する戦果を得ることは出来るかもな」

清霜「……うん、ありがとうございます、しれーかんっ!」

―執務室―

提督「駆逐艦から戦艦は無理だろ。規格が違いすぎる」

提督「まさに夢のような出来事……とはいえ、戦艦じゃなくても前みたいな戦果上げる奴が出るからなぁ」

下2

―本庄千本さくら『5S』工場―

提督「ここがガリガリくんとかで有名な赤城乳業の工場か」

赤城「あのいい意味で値段の釣り合わない氷菓子ですね」

提督「昔からあの値段にはお世話になった。値上がりとかあったけど」

赤城「まあまあ、周りと比べて量が買えるので十分じゃないですか」

提督「味も十分だしな。それで……何で見学しに来たんだっけ」

赤城「ええ、確か前にノリで応募したとか聞いたような……」

提督「その場のテンションって怖いな」

提督「とりあえず、工場見学自体は楽しもう。赤城も試食できるの楽しみだろう」

赤城「もう、私そこまで食いしん坊じゃないですから」

提督「じゃあいらないのか?」

赤城「あ、見てください提督。中の氷ってあんな風に入れているんですね」

提督「話逸らすとか……うわ、この量はなかなか壮観だな」

赤城「今までこういうの見た事なかったので新鮮です」

提督「俺もあまり工場見学とかしなかったからなー」

赤城「次の工程に行きますよ提督!」

提督「検査だ検査!」

― 一航戦の部屋 ―

赤城「――という感じで、楽しかったですよ。これお土産です」

加賀「そう。赤城さんは提督とそこまで仲良かったかしら」

赤城「少なくとも、一緒に工場見学に行くくらいはですね。でも、加賀さんも見てたらきっと興奮してましたよ」

加賀「そうかしら」

赤城「物が出来上がる瞬間は、意外と面白いものですから」

加賀「……」

赤城「加賀さん、他の子にもアイス配ってきますね」

加賀(気分が高翌揚しそうだったから行かなかったのよ)

―執務室―

提督「やっぱ美味しいなぁ、ガリガリくん」ガリガリ

提督「……でも、箱は買い過ぎたか」

下2

―食堂―

提督「日本代表監督解任か……」

吹雪「相席いいですか?」

提督「ん、ああ」

吹雪「失礼します。……何を見ているんですか?」

提督「新聞」

吹雪「それは見てれば分かりますけど……」

提督「サッカーの代表監督が解任だって話だ。次の監督はどうなるのか」

吹雪「そうですか」

提督「やっぱUの監督か、Jの監督か……」

吹雪「……」モグモグ

提督「……話に付き合ってくれよー、吹雪ー」

吹雪「そう言われても、サッカーとかわかりませんから……」

提督「ならそうだな、吹雪が監督に就任してみるとか?」

吹雪「む、無理ですって!」

提督「はっはっは、冗談だ」

吹雪「そりゃそうですよ」

提督「……いや待て、少し本気にしてもらうか」

吹雪「!?」

提督「ほらこれ、サカつくをプレゼントしよう。これで日本代表で優勝するまで頑張ってみろ」

吹雪「あ、ありがとうございます?」

提督「色々興味がもてたらこっちとしてもうれしい。ま、好きにプレイしてみろ」ガタッ

吹雪「……食べてからプレイしてみよう」

―執務室―

提督「解任からどうなるか、見ものだな」

提督「しかし、吹雪にサカつくをクリアすることは出来るのか。……ウイイイレの方が良かったか? まあいいか」

下2

×提督「しかし、吹雪にサカつくをクリアすることは出来るのか。……ウイイイレの方が良かったか? まあいいか」

○提督「しかし、吹雪にサカつくをクリアすることは出来るのか。……ウイイレの方が良かったか? まあいいか」

―デパート―

陽炎「ごめんなさい、妹たちのプレゼントにつき合わせちゃって」

提督「それは問題ない。暇じゃ無ければ俺も付いてこないしな」

陽炎「それでも、時間を割いてくれたでしょ」

提督「……それで、プレゼントと言っても何を買いに来たんだ?」

陽炎「お守りです」

提督「すまん、デパートに来たのは失敗だった」

陽炎「あはは、いいのよ。少し、遊んでいきましょ」

―神社―

提督「……プレゼントって、こういうキーホルダーとかじゃだめなのか?」

陽炎「あともう少しで、大規模作戦があるでしょ?」

提督「そうだが」

陽炎「皆には無事で帰ってほしい。今回初めての妹も居るし、しっかり祈っておきたいの」

提督「……なるほど、陽炎の気持ちは痛いほどよく伝わった」

陽炎「うん、だから今日は付き合ってくれてありがと、司令」

提督「そういう理由だったら、用事があっても断って無かったな」

陽炎「もう、司令は……じゃあ、帰りましょ」

提督「ちょっと待て。陽炎型みんなにあげるのなら、一つ足りないだろ」

陽炎「えっ? そんなはずはないわよ」

提督「お前の分だよ。ほれ、買っておいたやつだ」

陽炎「あ、そういうことじゃなくて……」

提督「ん? どうした?」

陽炎「……ううん、さーんきゅっ! きちんと大切にするわ!」

提督「喜んでくれて、こっちとしてもありがたい」

陽炎(本当は自分の分も買っているんだけどね。でも、気持ちは嬉しいわ、ありがと司令)

―執務室―

提督「陽炎は本当に妹思いだなぁ。あのきちんとした距離感はあまりみない」

提督「……いや、一部が行き過ぎてるだけか」

下2

―売店―

提督「なんかピエロが出てくるホラー映画ない?」

明石「微妙に具体的ですね……どうしてですか?」

提督「またドイツ艦と映画を見るのさ!」

明石「そうですか。ええと、怖いのなら、この『IT』が……」
提督「おっ、パッケージピエロの奴あるじゃん」

明石「えっ。あ、それは……」

提督「『道化死てるぜ!』? まあいいや、これ買うなー」

明石「……ま、いいか」

―提督私室―

提督「第二回、映画鑑賞会ー」

オイゲン「第二回?」

マックス「貴女が来る前に一度しましたから」

レーベ「バイロケだっけ? 面白かったよねー」

ビスマルク「こ、今度はどんなのを借りて来たのかしら?」

提督「これだ! ちなみにパケ買いしたから俺の内容は一切知らない」

マックス「なんだか、心配になるのですが」

レーベ「今度はどれくらい怖いんだろうね」

オイゲン「ほ、ホラーですか……」

ビスマルク「は、早く始めなさい!」

~上映中~

提督「なかなかエグイ始まり方だな……」

オイゲン「こ、これって復讐しに来るのかな?」

マックス「お約束ですしね」

レーベ「どうなるんだろうねー」

ビスマルク(痛そうなシーンがあったのに、なんで平気そうな……も、もちろん私も全然大丈夫よ)


提督「なんか、ホラーというか、コミカルというか……」

オイゲン「怖くは……ないかな」

マックス「B級の臭いがしてきますね」

レーベ「うーん……もうちょっと酷くしてもいいかもね」

ビスマルク(十分だと思うのだけど……)

~~~~~~~~

提督「いやー、ギャグだったな」

オイゲン「ギャグというと違う気がしたけど……」

マックス「少なくとも、恐怖は無かったです」

レーベ「こういう映画も良いんじゃないかな? 結構面白かったよ」

ビスマルク「……」

オイゲン「ビスマルク姉さま?」

ビスマルク「ぴ、ピエロなんて怖くないわよ!?」

提督「そういう事聞いてるんじゃないが」

マックス「怖くないのには同意しますけど」

ビスマルク「ふ、ふん。もうちょっと怖くても良かったわね」

提督「そうか。じゃあ、明石から勧められた『IT』貸すよ。トラウマになるくらい怖いらしいぞ」

ビスマルク「……え?」

提督「これから仕事あるからさ。ビスマルク以外は出撃があるし」

レーベ「感想聞かせてね」

ビスマルク「」

―執務室―

提督「ビスマルクの顔死んでたけど、大丈夫だろうか。それとも退屈だったのか?」

提督「まあ、明石のオススメだし退屈ということは無いだろう」

下2

鈴谷「帰還しました……」中破

提督「お疲れ……って、中破なら先に入渠して来いよ」

鈴谷「これでも、私が一番被害小さいんだけどねぇ。はぁ……」

提督「見た目の被害は大きいだろう。まったく……」

提督(そもそも、なぜこいつらは下着を付けないのか)

鈴谷「提督? 何処を見て……あっ」

提督「憲兵は呼ぶなよ! 下着か何か付けた方が良いんじゃないかって思っただけだからな!?」

霞「それでも十分アウトよ」

提督「げえっ! 秘書官!」

霞「でも、正直公序良俗の事を考えても下着くらいは付けた方が良いと思うのよ」

提督「秘書官はちゃんとつけてるもんな」

霞「変態カス司令官が!」シュッ

提督「物理っ!?」サッ

鈴谷「……で、どうするワケ?」

霞「適当に物資からやりくりしてみるわ」

提督「このことに関してはお互い得になるので、こっちからも応援しよう」

鈴谷「……ところで提督~? 特になるって、鈴谷の体には興味無いわけ~?」

提督「は? 今回みたいなときに報告する人が困るだろう。ま、報告は後でもいいから先に入渠しろよ」

鈴谷(なんかくやしい)

~数日後~

鈴谷「帰還しましたー」中破

提督「お前人の話聞いてた? ていうか、配られたと聞いたのだが」

鈴谷「あれなら中破したときに吹き飛んだよ」

提督「……まじか」

鈴谷「服がここまで脱げるんだから、わからないでもないんだけどね」

提督「それを言われるとおしまいだな」

鈴谷「……」チラッ

提督「どうした、報告は後にして早く入渠して来い」

鈴谷「なんでもない……あぁー、テンション下がるー……」

バタン

提督「そんな報告にテンション下げるなら、他の人に任せればいいのに……俺自身適当な奴だし」

提督「しかし、吹き飛ぶってどうしようもないじゃん……むしろ、付けてるやつはどうやって維持しているのか」

下2

~前日・鳳翔の店~

提督「あー、負けちゃったかー」

隼鷹「へへ、じゃあ提督には罰ゲームとして、イタ告でもしてもらおうかなぁ~?」

提督「イタ告~? はっはっは、そんなの余裕だ!」

鳳翔「二人共、そういうのはあまりよろしくないと思いますよ」

提督「いいや、これは己のプライドをかけた勝負だ。これくらいの罰ゲームなんでもない!」

隼鷹「その意気だぜー!」

提督「はっはっは!」

鳳翔(珍しく悪酔いして……でも、これだけ酔ってるなら、多分覚えてないでしょうね)

―ジャム島―

提督「という前日談があってここに来た。鎮守府内で告白すると、冗談が冗談ですまなくなるだろうからな……」

提督(まあ、敵に告白して生きていられるかも怪しいもんだが)

タ級「あ、やっぱり王子様ね!」

ル級「はぁ……タ級の予感はなぜこんなにも的中するのだ」

提督「ちょうどいい。好きだ、タ級。付き合ってくれ」

タ級「――」

提督「……というドッキリでした」

ル級「おい、ネタばらし早すぎるだろう。いや、遅い方が問題ではあるが」

提督「そう思ったから早くにネタばらししたんだ」

ル級「クズめ……」

提督「正直自分でもそう思った」

ル級(流石にタ級も怒るだろう。これで此奴とは正面から争うことになるか……)

提督(戦闘不可避だな。逃げる用意しておこう)

タ級「……私、嬉しいわ」

提督「!?」

ル級「お、おいタ級! お前こんなことされて怒らないのか!?」

タ級「でも、嘘でも告白してくれたのよ? 一秒でも夢が見られたのなら、私は嬉しいわ」

提督(えぇ……)

ル級「う、嘘だとしても良いというのか?」

タ級「前にも言ったでしょう? 二番でもいいの……見れない夢を見られた、それで十分なの。それに、その為にここまで来てくれたことは事実でしょ?」

ル級(ここまで色に狂ってたのか……)

提督(逆に怖いんだがこれ……今のうちに撤退しておこう……)

―執務室―

提督「優しいを通り越して不気味だ……もうしばらくあいつの居るところには出撃しないようにしよう」

提督「ちなみに、隼鷹は罰ゲームの事を忘れていた。うん、行かなきゃよかったと後悔してる」

下2

―赤城山―

提督「冬でも登山は出来る」

あきつ丸「そうであります。しかし提督殿、なぜ突然登山を考えたでありますか?」

提督「なんとなく」

あきつ丸「……」

提督「た、体力作りにはちょうどいいしな。それに、冬の登山は普通の登山と違い、体力を大きく消耗させる」

あきつ丸「なるほど、確かに陸軍でも訓練として行っているであります」

提督「そういうわけだ。あきつ丸も登山くらいしたことあるだろ。一人だと寂しいし、経験者と行こうと思っていたんだ」

あきつ丸「そういうことであるなら、付き合うであります」

提督「ようし、さっそく行くぞー」


~~~~~~~~

提督「いやー、冬は普段の景色とは違う物が見えて良いな」

あきつ丸「これも登山の醍醐味であります」

提督「しかし……膝くらいまでが完全に埋まるくらい積雪してて、かなり歩きづらいな」

あきつ丸「これも冬の醍醐味であります」

提督「予想以上に体力使って大変だな」

あきつ丸「これも訓練の醍醐味であります」

提督「……拗ねてる?」

あきつ丸「積雪量確認して、戻ることを拒んだのは提督殿であります」

提督「ラッセル道具持ってきたから大丈夫かなぁと」

あきつ丸「それで大丈夫なのは提督殿が出来るのであれば、であります」

提督「いや、それに関してはあきつ丸が上手なだけだ。俺だってそれなりのノウハウはある」

あきつ丸「……」

提督「……」

あきつ丸「とりあえず、夜にならない内に下山できるように頑張るであります」

提督「俺も手伝う。今度から冬の雪山を舐めないようにするよ」

―執務室―

提督「あー、帰ってこられた……」

あきつ丸「では、自分は部屋で休むであります……」

提督「お疲れー」

あきつ丸「そういえば、あの登山道具は何処で買ってきたでありますか?」

提督「なんでだ?」

あきつ丸「参考にするであります」

提督「どこでって……全部売店で売ってたぞ」

あきつ丸「全部!? 本当に売店は何でも売っているのであります……では、失礼しました提督殿」

バタン

提督「確かに、言われてみれば何でも売ってるな、あそこは」

提督「ちょっと調べてみるか……」


―廊下―

提督「というわけで、なんでだ?」

霞「なんであんたにも書類を通しているのに知らないのよ……」

提督「ははは、まあそういうこともある」

霞「笑ってんじゃないわよ、カス司令官。……仕入れの内容は基本的なものと申請されたものよ」

提督「申請されたもの? なんでもいいのか」

霞「申請されたものはよほどの物じゃない限り通しているわ。申請は好きに行えるから、誰がどれを頼んでいるかは知らないわよ」

提督「ふうん。てっきり、秘書官が好きなものを頼んでいるのかと」

霞「分かったならさっさと出て行きなさい」

提督「……何か怪しい。素直に教えてくれたことが怪しい」

霞「はぁ? なんで親切心を疑われなきゃいけないのよ」

提督「ほら、なんか言葉のトゲが少し小さい。どうかしたのか?」

霞「な、なんでもないわ! とにかく、いいからさっさとどこか行きなさい!」グイッ ポロッ

提督「ん? 何か落としたぞ。ええと、たしかこれは……」



霞「!!」ガシャン

提督「そうだ。せんと――」



                               ヽ`
                              ´
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   .......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙       .'                             ヽ      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
  ;;;;;;゙゙゙゙゙            /                           ゙:                ゙゙゙゙゙;;;;;;
  ゙゙゙゙゙;;;;;;;;............        ;゙                              ゙;       .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;.............................              ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙
                ゙゙゙゙i;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;l゙゙゙゙゙
              ノi|lli; i . .;, 、    .,,            ` ; 、  .; ´ ;,il||iγ
                 /゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li   ' ;   .` .;    il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
                `;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `,  ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
                 ゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
                    ´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙|lii|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´`゙
                         ´゙゙´`゙``´゙`゙´``´゙`゙゙´´




霞「何でこういうときだけ鋭いのよ!」←ついさっき買ってきた



最後一レスが長くなってすいません

また明日(今日)立てます

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年01月07日 (水) 10:43:26   ID: P4WfmOhH

ホッホッホッ、お菓子好きかい?

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