【艦これ】リュウ「艦娘…?強いのか?」【ストリートファイター】 (760)

艦これ×ストリートファイターのssです

キャラ崩壊注意、遅筆
SF側の時系列はリュウが電刃波動拳を使えるようになったくらい(殺意の波動をある程度コントロールできる)


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1413902143

〜鎮守府〜

青葉「長門さん長門さん、これ見てください!」

長門「どうした、また盗撮でもしたのか…って、何だそのボロ雑巾は?」

青葉「こんな大きな雑巾はありませんよ!これ、人です!鎮守府の前に倒れてたんですよ!」

長門「倒れてた…?お前が拾ってきたのか?」

青葉「そりゃ、門の前で人が倒れてたら助けますよ、一応」

長門「…ふむ、取り敢えず休養室に運んでくれ。私は間宮と明石を呼んでくる」

青葉「青葉、了解です!」

〜休養室〜

間宮「長門さんに呼ばれて見にきてみれば、胴着に赤い鉢巻の男性ですか…」

明石「この大きいザックは男性の近くに落ちてたそうです。中を見させてもらいましたがこの人が来ているのと同じ胴着が入っていました」

間宮「…ふーむ」

ガチャ

長門「間宮に明石、ソイツの体調はどうだ?」

間宮「直に目を覚ますと思います。倒れていた原因ですが…見るに恐らく栄養失調ですね」

長門「つまり行き倒れということか?」

間宮「はい、まぁ何にせよ、目を覚ますまではここに置いておいても…」

長門「もちろん構わない。…それに私たちの状況もある。ソイツが何とかしてくれるとは思わないがな…」

???「ぐ…ここは…」

明石「あ、起きましたよ」

間宮「意識ははっきりしていますか?記憶はしっかりしていますか?」

???「……すまない…一つ頼みがある…」

明石「何ですか?」

???「食べ物を…少しでいい、食べ物をくれ…」バタン

長門「お、また倒れたか」

間宮「わ、私何か食べられるもの持ってきます!」

明石「あ、私も行きます!」

長門「いや、私が行こう。明石はここでコイツを見ていてくれ」

明石「そうですか?しかしそんなことに長門さんの手を借りるほどでは…」

長門「いいんだ、同じ鉢巻の同士だろう?」

明石「いやそれは関係ないでしょう」

???「…!…!!」ガツガツ

長門「いい食べっぷりだな。どこかの泊地でみた赤城を思い出す」

間宮(長門さんもそれ以上に食べるじゃないですか…)

明石(利根さんは何でいつもカタパルトの調子を崩してるんだろう)

???「…っふぅ、ありがとう。美味かった」

長門「腹は膨れたか?」

???「お陰様でもう満腹だ。…ところで、ここは?」

間宮「ここは鎮守府、数ある艦娘の拠点の一つです」

???「鎮守府?艦娘っていうのは何だ?」

長門「まさ知らないのか?」

???「世捨て人の様な生活をしているせいか、世の中のことには疎いんだ」

長門「世間知らずとは困ったものだな」

間宮「まぁ私たちも今日は急ぎの仕事はありませんし、説明させて頂きます」

明石(あ、そういえば青葉さんの主機が調子悪いんだったっけ。後で見せてもらおう)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

間宮「…と、まぁざっとこの程度でしょうか」

???「…なるほど、そんなものが…」

長門「今の話を聞いても何か思い当たるようなものを見たことはないのか?記憶が飛んでたりしてるんじゃないか」

???「いや、そういえば前にどこかで海を滑る女性たちを見たことがある…もしかしたらあれがそうだったのかもしれない」

長門「恐らくそれだろう。この国でサーフィンをする女なんて珍しいしな」

???「いや、あれは確かドイツだったかな」

間宮「外国にいらしてたんですか?」

???「ああ、何年かぶりに日本に戻ってきたが、この国は平和過ぎてな。拳一つでは生活の為の金を稼げなかったんだ」


長門「それで行き倒れていたのか。…そういえば貴様、名前をまだ聞いていなかったな」

リュウ「ん、ああそうだな済まない。名乗るのが遅れたが、俺はリュウという。君は?」

長門「私は長門、戦艦長門だ。よろしくな、リュウ」

リュウ「ああ、よろしく頼む、長門。…ところで戦艦ってことは、君がさっきの話に出てきた艦娘なのか?」

長門「そうだ、それにそこにいる間宮さんもだ。この鎮守府には10人程度の艦娘がいる」

間宮「私自身には戦う能力はないんですけどね…」

リュウ「10人っていうのは多いのか?」

長門「いや、かなり少ない。というのも、とある事情でこの鎮守府ではかなり少数の艦娘しか所属していないんだ」

リュウ「とある事情?」

長門「ああ、それはだな…

青葉「ども!青葉です!行き倒れさんが目を覚ましたと聞いてすっ飛んできました!」バァン

リュウ「…彼女も?」

長門「ああ、重巡洋艦の青葉だ。おい青葉、この鎮守府の置かれている状況をコイツに教えてやってくれ」

青葉「了解です!えーっと…」

リュウ「リュウだ、よろしく頼む、青葉」

青葉「恐縮です!リュウさん!」

青葉「えーではかいつまんで説明を…って、そういえば明石さんは?」

長門「青葉の主機がどうこうとかいって出て行ったぞ。工廠に向かったんじゃないか」

青葉「あら、入れ違いになっちゃいましたね。まぁそれは置いといて、青葉、説明しちゃいます!」

リュウ「ああ、頼む」

青葉「一言で言うと、現在この鎮守府には提督がいないんです」

リュウ「提督というのは…鎮守府のトップだったか?それがいないのか?」

青葉「はい!半年程前まではいたのですが…何故か突然姿を消してしまい、未だに消息が掴めないんです」

長門「そして管理者のいなくなった鎮守府に所属する艦娘たちは次々と異動命令が出て…残ったのは私たちを含む少数の艦娘たちだけなんだ」

リュウ「なるほど…その前任の提督というのはどんな人物だったんだ?」

間宮「前任の方は善人だった…なんちゃって」

長門「………」

青葉「………」

リュウ「………」

間宮「こ、こほん。失礼しました」

長門「間宮さんのは冗談として…決して善人と言えた人物ではなかったな」

リュウ「そうなのか?」

青葉「はい、何というか…何かを企んでいるような、…こう言ってはなんですが…とても邪悪な人でした」

リュウ「………」

長門「…まぁ過ぎた話はいい。そして現在、提督代理として私が管理してはいるが、正直状況は芳しくない…というわけだ」

リュウ「…なるほどな。君達も大変なんだな」

青葉「行き倒れるほどではありませんがね」

リュウ「それを言われると弱いな…」

長門「さて、本題に入ろう」

リュウ「本題?」

長門「まぁ今思い付いたんだがな。…リュウ、貴様、ここで提督をやってみないか?」

今回はここまで
ゆっくり進めていきたいと思います
版権物のssは初めてなので気になる点があれば言ってください

それではまた次回

間宮「え、ええっ!?本気ですか長門さん!」

リュウ「そんなに軽々と決められるものなのか?」

長門「もちろんそう簡単な物ではないが…まぁ、何とかなるだろう。リュウ、どうする?」

リュウ「俺としては願っても無い話だし、一飯の恩がある。断るわけにはいかないな」

長門「よし、決まりだな」

青葉「ちょちょちょ、長門さん!決まりって言ったってリュウさんは住所不定無職ですよ!?上層部が許すわけが…」

長門「お前には上とのパイプがあるだろ、何とかしてくれ」

青葉「なんとかって…」

リュウ「しかし何故俺なんだ?俺でもなれるようなものなら半年も指揮官がいないなんて事態にもならないはずだろう?」

長門「俺でも、ではないな。お前だから、だ。私はお前の中に何かとても強いものを感じる。私は私の勘を信じることにしたのさ」

間宮「もう…長門さんは時々無茶するんですから…」

長門「そういうな間宮よ。悪い話ではあるまい」

青葉「では早速他の皆も集めて…

バァン!

明石「た、大変です!」

長門「どうした明石、扉はもっと静かに開けろ」

明石「そんな場合じゃなありません!鎮守府近海に深海棲艦です!」

長門「!」

リュウ「深海棲艦っていうのはさっきの話に出てきた…?」

青葉「ええ、私たちの敵です。しかし何故こんな突然…レーダーには何も反応はなかったのに…」

明石「敵は単艦、重巡リ級と思われます。現在は夕張さんが単独で足止めに向かっています、ただちに出撃の準備を!」

長門「よし、行くぞ青葉」

青葉「はい、青葉出撃しちゃいます!」

〜〜〜〜〜〜〜〜

夕張「…くっ!何よこの強さ!ただのリ級じゃない…!?」

夕張(・liteか…それともflagship…?何にせよ、増援が来るまでここで食い止める!)

リ級「………」スッ

夕張(…来る!)

リ級「…ッ!」ドン!

夕張(一対一なら相手をよく見て動けば避けることは難しくはない…問題はどう攻めるか…)

リ級「……」ドン!ドォン!

夕張(いつ援軍が来るか分からない…それに、もし長引かせて他の深海棲艦を呼び寄せる形になってしまったら逃げることすら危うくなるかもしれない…)


夕張「やっぱり…ここで決めるしかないわね!」ギュアッ!

リ級「!」

夕張「遅い!」ドゴォォオン!

夕張(手応えあり!沈めた…?)

リ級「……」

夕張「そう…やっぱり簡単には倒させてはくれないわね」

夕張(それでも今の一撃でかなりのダメージは与えた…このまま畳み掛ける!)

リ級「……ッ!?グ…ガ…!?」

夕張「……?」

夕張(リ級の様子がおかしい…苦しんでる?突然どうしたってのよ…?)

リ級「グギ…ガ…ァ…ッ!アァァァアアア!!」ブワァッ!

夕張「な、何!?」

夕張(紫の…煙幕?違う…何…!?あの異常なまでの殺意…!)

夕張「とにかくここは、一瞬で決めるしか!」

リ級「ガァァアアアア!」

夕張「…と、思ったけど…近づけそうにないわね。……逃げさせてもらうわ!」

リ級「グガァァアアアアア!!」ドン!ドン!

夕張「あぁもうしつこいわね!というかなんなのよあのオーラ!…って、危なっ!?」ドゴォッ!

夕張(マズイ…体制が崩されて…っ!)

リ級「ァァァァアアアアアアアッ!」

夕張「っ!!………………。………………?」

夕張(砲撃が来ない…?)

「無事か?」

夕張「わひゃあっ!?」

長門「ああすまない、驚かせた。…助けに来たぞ、夕張」

夕張「な、長門さん…」

長門「話は後だ、まずはアイツを片付けるぞ」

夕張「…は、はいっ!」

〜〜〜〜〜〜〜〜

満潮「夕張さん!だいじょ…何ともないみたいね」

夕張「結構危なかったけどね。長門さんが来てくれて助かったわ」

長門「いや、それでも危なかったことに変わりはない。助けが遅れてすまなかった」

夕張「いやいいですって!さ、鎮守府に戻りましょう」

長門「そうだな。お前たちに紹介したいヤツもいる」

満潮「紹介したい?また上層部の小言でも聞けっての?」

長門「いや、新しい提督だ…多分な」

夕張「新しい提督が来たんですか!?でも多分っていうのは?」

長門「まだなるときちんと決まったわけではなくてな…まぁ、色々あるんだ」

満潮「ふん!まぁ役立たずじゃないといいわね!」





リュウ(さっき海の方から感じた気配…まさか殺意の波動か…?いや、それとはまた違った…どこかで感じたことのあるような…)

今回はここまで
クロスオーバーは初めて書きますがバランスが難しいです
ではまた次回

〜作戦司令室〜

長門「えー、と、言うわけでだ」

間宮「…まさか本当にこうなるとは…」

リュウ「今日からここの提督となるリュウだ。よろしく頼む」

青葉「いえーい」パチパチ

明石(これで工廠に回ってくる予算が増えれば窮屈な開発生活もオサラバ…!)パチパチパチ

大淀「新しい提督ですか、何も聞かされていなかったのですが…」

長門「ああ、先程決定したばかりだからな」

リュウ「俺はこの提督とかいう役職については何も知らない。すまないが、手を貸してくれると嬉しい」

満潮「…ふんっ!」

長門「どうした満潮?」

満潮「どうしたもこうしたもないわよ!そんな素性の知れない男、いきなり新しい提督だなんて納得いかないわ!私は認めないから!」バタン

長門「おい待て満潮!…行ってしまったか、すまないリュウ。素直じゃないが悪い奴じゃないんだ」

リュウ「問題ない、やはりあの年頃の女の子はあのくらい意地っ張りでないとな」


リュウ「ところで大淀…だったか、君も艦娘なのか?」

大淀「はい。軽巡洋艦大淀です。まぁ、この鎮守府での書類仕事は私の仕事なので、ある意味秘書とも言えますがね」

リュウ「そうなのか…そうだ、ところで一つ聞きたいんだが、先程戦闘したという艦娘はどこにいるんだ?彼女に聞きたいことがある」

大淀「夕張さんならドックで入渠していると思います。幸い軽傷で済んだようなのでじきに出てくるとは思いますが」

リュウ「そうか、では出てくるのを待つとしよう」

青葉「そうだリュウさん!ならその間私がこの鎮守府を案内しますよ!」

リュウ「いいのか?」

青葉「もちろん!私もリュウさんに聞きたいことが山ほどありますしね!」

長門「青葉、それならそいつに基本的な知識を教え込んでおいてくれ。その方がそいつもこれからの身の振り方を考えやすいだろう」

青葉「了解です!」

リュウ「では、早速頼む」

明石(予算が回ってきたらまずは何を作ろうかな…やっぱり長門さんに積める最大級の主砲を…いや電探という選択肢も…)

〜〜〜〜〜〜〜〜

青葉「ストリートファイター!?」

リュウ「ああ、修行しながら世界を旅している。最も今は休憩がてら日本に戻ってきてはいるがな」

青葉「へーリュウさんってすごいんですね。行き倒れの世間知らずですけど」

リュウ「そういう君も随分と博識そうだな。まるで新聞記者だ」

青葉「ええ、私だってジャーナリストの端くれ!世界情勢から有名人のスキャンダルまで何でもござれですよ!」

リュウ「世界情勢か…青葉、シャドルーという組織を知っているか?」

青葉「…リュウさんなぜそれを?…まぁ置いといて…たしか一国に匹敵する科学力、資源を有する秘密結社…でしたっけ?もう壊滅したと聞きますが…」

リュウ(そうだ、もう壊滅させた…そのはずだ…だが最近胸騒ぎがする…一体何なんだ…)

青葉「しかしリュウさん、なぜストリートファイトを?」

リュウ「なぜと言われると難しいが…やはり強い奴に会うためだな」

青葉「強い格闘家に?」

リュウ「ああ、戦うことで真の格闘家への答えを見つけられると思う。俺はそれを探しているんだ」

青葉「へぇ…何だかかっこいいですね」

リュウ「そんなことはないさ。油断するとすぐ行き倒れる」

青葉「あはは、そうですね。最初は何でこんな大きな雑巾が鎮守府の前に落ちてるのかと思いましたよ」

リュウ「酷いな、確かに胴着は大分汚れているが…」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・



青葉「…さて、鎮守府の案内はこのくらいですかね」

リュウ「わざわざありがとう」

青葉「いえいえ、私としても面白い話が聞けましたし。こちらこそありがとうございました」

リュウ「改めて、これからよろしくな」

青葉「はい!よろしくです!」

リュウ「…そういえば、この鎮守府には10人程度の艦娘がいると聞いたが…まだ全員の顔を見れていないな」

青葉「ここの鎮守府に現在所属している艦娘はちょうど10人ですね」

リュウ「俺が知っているのは長門、青葉、間宮に明石、大淀…それと夕張、だったか?それに…」

青葉「満潮ちゃんですか?」

リュウ「あの子は満潮と言うのか。これで7人か?残りの3人は…」

青葉「えー…今日は街の方に出かけていますね。日用品の調達も自分たちでやらなきゃいけないんですから大変ですよ」

リュウ「その3人っていうのは?」

青葉「>>49 >>50 >>51の3人ですね」

Kskst

天龍

>>48

青葉「天龍、鈴谷さん、雷ちゃんの3人ですね。多分今夜にでも会えると思いますよ」

リュウ「そうか、俺も出来るだけはやくここに馴染まなければな…」

青葉「あ、そろそろ夕張さんがドックから出てくる時間ですね」

リュウ「そうか、じゃあ俺はドックに行く。案内はここまでで十分だ、ありがとう」

青葉「こちらこそ面白いネタをありがとうございましたー」

リュウ「そうだ青葉、一つ聞きたいんだが」

青葉「はい、なんでしょう?」

リュウ「艦娘っていうのは、やっぱり強いのか?」

青葉「…何を考えてるかは知らないですけど、普通の人間なら相手にもなりませんよ?」

リュウ「おお!それは楽しみだな!」

青葉(えぇ…戦う気満々ですよこの人)

〜ドック〜

夕張「ふぅ、しっかし今回の襲撃は驚いたわ」

夕張(それにあの重巡…今まで見てきた深海棲艦とは違う…異質な雰囲気…何だったのかしら)

リュウ「君が夕張か」

夕張「わひゃあ!?いたんですか…って、どちら様ですか?」

リュウ(また1から説明しなければならないのか)


・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


夕張「へぇ、あなたが例の新しい提督さん!」

リュウ「そういうことだ」

夕張「よろしくお願いしますね。…それで、なぜドックに?」

リュウ「君に会いに来た」

夕張「ふぇっ?」

リュウ「君が戦った相手について聞きたいことがあるんだが、いいか?」

夕張(あ、あぁ…そういうこと…ちょっとびっくり)

夕張「深海棲艦についてですか?それなら私じゃなくても…」

リュウ「いや、今回の相手が異質だったり、特別何か感じるようなことはなかったか?」

夕張「分かるんですか!?」

リュウ「心当たりがあるのか?」

夕張「え、えぇ…深海棲艦には時折、eliteやflagshipと呼ばれる特別な存在がいるのはご存知ですか?」

リュウ「ああ、それらは通常に比べ戦闘力が特別高いと聞いた」

夕張「ええそうです。でも今回の相手はそのどちらでもない感じで…何というか、何か特別な力を感じましたが…あんな感覚は初めてです」

リュウ「なるほど…」

リュウ(あの時感じた感覚…少しずつ思い出してきた…だが、殺意の波動ともあの力とも違う…そもそもベガはもう…)

夕張「て、提督?」

リュウ「ああすまない、少し考え事をな…ありがとう。夕張はこれからどこへ行くんだ?」

夕張「私は工廠に向かいます、開発の途中だったもので」

リュウ「なら俺も一緒にいいか?さっき青葉に案内してもらって外見は見たんだが、中で何をしているかまでは見れなかったんだ」

夕張「構いませんよ、では行きましょうか」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

妖精「お、戻ってきたか夕張嬢!」

夕張「ごめんね、途中で抜けちゃって」

妖精「気にすんなよ!敵襲ってんならしゃあねぇ…ん?何だ?その後ろの薄汚ぇ野郎は」

リュウ「俺はリュウ、先程ここの提督になった?」

妖精「あぁん?新しい提督だぁ?アンタも前のヤロウみたいに兵器だけが目的ってんじゃねぇたろうなぁ」

夕張「妖精さん、その言い方は失礼よ」

妖精「けっ、どうだかな」

リュウ「…もしかして君が『妖精』か?」

妖精「だったら何だ?」

リュウ「いや、少し驚いてな。まさかこんなに小さいとは…それに何かもっとぼんやりした妖怪みたいな存在かと思っていたが、中々粋な格好してるじゃないか」

妖精「ちっけぇってのは気にくわねぇが…アンタもこの服の良さが分かるか?俺の勝負着よ」

リュウ「ああ、様になっているな。それに確かな風格も感じる。さながら手練の職人だ」

妖精「おお、分かるか!工廠って言えばこの俺!開発・建造・改装なんでもござれの工廠妖精よ!」

リュウ「よろしくな、工廠妖精」

妖精→工廠妖精「おう、よろしくな!リュウの兄貴!」

リュウ「何か作業の途中だったようだが、今は何を作っていたんだ?」

夕張「何を…と聞かれても困ってしまいますね。いつも何が出来上がるか、私たちも分からないんです」

工廠妖精「俺も作業に夢中になって、気付いたら何か出来てるって感じだしな」

リュウ「じゃあ何か作りたいものを絞ることも出来ないのか?」

夕張「大まかになら決められますが、やはり狙ったものを作るのは難しいですね…」

リュウ「そうなのか」

工廠妖精「まぁ夕張嬢がいなかった間も俺は作業してたからな、そろそろ出来るぜ!」

夕張「あら本当?じゃあ仕上げ、お願いね」

工廠妖精「合点!むむむ…そいやぁっ!」

\ピローン/

【提督用戦闘服】
【提督用主機】
【提督用籠手】

リュウ「服に、籠手に、変な形をしているがこれは靴か?」

工廠妖精「何だこりゃ?作った俺が言うのも何だがこんなん何に使うんだ?」

リュウ「君たちの中には近接戦闘を行う艦もいるのか?」

夕張「長門さんや天龍さんは出来そうですね。でも近接用の装備なんてそもそも砲を持つ私たちには必要ないんですよ」

リュウ「この靴みたいなのは?」

工廠妖精「変な形してるが、そりゃ多分主機だな。艦娘が海に浮いてられるのはそれを脚部に装着してるからだ」

リュウ「これをつければ俺でも海に受けるのか?」

工廠妖精「やめとけ。体への負担が大き過ぎて普通の人間には扱えねぇよ」

リュウ「つまり扱えたなら海に浮くことが出来るんだな」

工廠妖精「いやだからそういう話じゃ…はぁ、もうそういうことでいいか」

夕張「そしてこれは籠手と…士官服?何でこんなのが……ん?リュウさん、これちょっと着てもらえます?」

リュウ「その服をか?よっ…と」

夕張「サイズぴったり…!じゃ、じゃあこの籠手も付けてみてください」

リュウ「ああ…ふむ、多少重いが力強さを感じるな」

工廠妖精「似合ってるぜ兄貴。まるで格闘型の艦娘だな」

夕張(サイズの合った装備一式…まさかこれは…)

工廠妖精「…ふぅむ、多分だがそりゃあんたの専用装備だな」

リュウ「俺の?」

工廠妖精「ああ、仕上げのタイミングであんたが来たから俺の気がそっちに行っちまってたのかもな」

リュウ「それはすまないことをした」

工廠妖精「いいってことよ。その装備はあんたが使ってくれ。多分それを付ければ艦娘と同じように動けるはずだ」

リュウ「…ただし扱い切れれば、か?」

工廠妖精「そうだ。体への負担が大きいと感じたらすぐに使用を止めてくれ。まぁあんたの屈強そうな身体なら大丈夫かもしれんが」

リュウ「そうか、忠告ありがとう。夕張、付き合ってくれ」

夕張「へ?どこへ行くんですか?」

リュウ「早速この装備を試す。対戦の相手になってくれ」

夕張「…え!?いきなり戦うつもりですか!?やるにしてもまずは海上を歩く練習とかからでも…」

リュウ「そんなのは戦ってるうちに身につくさ」

夕張「…まぁしょうがないか、私も試したい装備あるし…それじゃヒトロクマルマルに表に来てください。私も準備してきますんで」

リュウ「ヒトロクマルマル?…ああ、16時か、了解した」

工廠妖精「んじゃそれまでに主機の使い方を説明しとくぜ」

リュウ「頼む」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


〜ヒトロクマルマル、港〜

リュウ(海上)「………」

夕張「お待たせしまし…た」

夕張(微動だにせず海上に…この短時間でかなり馴染んでるというの?)

リュウ「ん?ああ来たか。それじゃあ始めるか。遠慮なくかかってこい」

夕張「しかし提督、模擬弾とはいえそれなりの威力はあります。やはりそういうわけには…」

リュウ「大丈夫だ。工廠妖精曰くこの服が守ってくれるらしい」

夕張「…ああもう、どうなっても知りませんからね!」

リュウ「掛かってこい!」

RYU vs YUBARI
Fight!


夕張(提督はまだ移動に慣れていないはず…遊んでいるようで悪いけど、まずは距離をとって動きを見せてもらう!)

リュウ(簡単な移動は出来るようになったが…まだ陸と比べると不自由が目立つ。大技は使えない…なら!)

リュウ「行くぞ!」ザザザザザザ

夕張「海上を…走った!?」

リュウ「ふっ!」

夕張「くっ!潜り込もうったって…そうは行きませんよっ!」ボンッ

リュウ「遅い!」

夕張(かわした!?5mもないこの距離での砲撃を!?)

リュウ「せいやッ!」ボッ

夕張「ぐうっ…!こ、のっ!」ドン!ドン!

リュウ「ぐあっ!」

リュウ(やはり近付くと砲撃をかわすことは難しい…ここは一旦体制を立て直して…)

夕張「…その動き…提督は格闘技でもやっていたんですか?」








リュウ「どうかな…この組手の後で教えてやる」

夕張「…そうですか…なら、今度はこっちから行きます!」

リュウ「…っ来い!」

ザザザザザザ

リュウ(速い…俺を撹乱するつもりか)

夕張(さっきの一撃…思った以上の威力だった、籠手のお陰かどうか知らないけど…もう喰らうわけにはいかない)

リュウ「くっ!…近付けない…!」

夕張(卑怯かもしれないけど、提督を近付けないようにこうやって動き回りながら弾幕をはれば…!)バババ

リュウ(これだけの攻撃だ、全て受け止めればこの服がいくら頑丈と言えど保たない…走ってかわすしかない!)

夕張「申し訳ありませんがあくまで演習として、全力でやらせていただきます!」

リュウ「そうでなければな!」

リュウ(…集中しろ、相手の動きをよく見ろ…どこかに隙があるはずだ…)

夕張(思った以上の動きではあるけれど、やはりまだどこかぎこちない…隙さえあれば、そこに全弾を叩き込む!)

リュウ(考えろ…この状況を切り抜ける術を…一瞬の隙を突く技を…ここは海上、俺は今半分浮いている…ならば!)

夕張(…っ隙ができた!ここだ!)

夕張「もらった!全弾、斉射!!」ドドドド

リュウ(来た!)

リュウ(気を高めろ…足に集中…限界まで堪え爆発させ、海面を蹴り砲撃を突き抜ける…!)

リュウ(行くぞ…師匠、力をお借りします!)

リュウ「おおおおぉぉぉぉおおおっ!!」ドンッ!

夕張「なっ!?海面が爆発した!?」

夕張(いや違う!何らかの力で爆発を起こし、その力で無理矢理こっちに突っ込んで来てる!?)

リュウ「閃空…!」

夕張(避けられない…っ!)


リュウ「剛衝波ァッ!!」ドゴォオッ


夕張「…っ…!う、ぐぅっ…!」ガクッ

夕張(なんて力…!並みの人間じゃない…重巡、いや戦艦クラスの攻撃力…!)

夕張(提督…一体あなたは…)バシャッ


夕張,K.O

〜フタマルマルマル、ドック〜

夕張「……ぅぐ…ん…ここは…」

リュウ「…起きたか」

夕張「…提督、ここはドック…ってことは私、気絶してたんですか…?」

リュウ「ああ」

夕張「…やっぱりそっか…あぁ、情けないなぁ」

リュウ「すまなかった、力を制御できなかった俺のせいで君は…」

夕張「いえ、気にしないで下さい!私は気にしてませんし、それにほら、艦娘って頑丈に出来てますから!」

夕張(…力を制御?まさかあれが全力じゃなかったとでも言うの…?)

リュウ「そうだ、夕食を持ってきている。もし食欲があるなら食べてくれ」

夕張「そんなに気を使わなくても私は何ともありませんっt」グゥ~

リュウ「………」

夕張「………」グゥ〜

リュウ「…もし足りないなら、俺の分も食べていいぞ」

夕張「そこまでお腹減ってませんってば!もう…じゃあ、折角ですし一緒に食べましょうよ」

基本的に荒らしとかでない限り雑談はこちらも見てて面白いですし解説も知らない話を聞けたりしてためになります
艦これに詳しくない人、ストリートファイターに詳しくない人がいることも考えて寛大な心を持ってこのスレを見ていただけると嬉しいです

リュウ「いいのか?」

夕張「ええ、もちろん」

リュウ「では自分の晩飯を取ってくるとしよう。先に食べててくれ」ガチャバタン

夕張「…しかし演習で気絶とは、訓練が足りないなぁ…」

青葉「いやいや、お陰で美味しい思い出来たんですしいいじゃないですか」ニュッ

夕張「うおぁぁあっ!?青葉さっ…なんでベッドの下から!?」

青葉「いやー面白いネタの予感がしましてね、何時間も張ってた甲斐がありましたよ。まぁ張ってたっていうより這ってたんですがね」

夕張「何時間もって…というか美味しい思いって…?何かありましたっけ?」

青葉「詳しくは明日の記事で!それでは青葉、お腹が減ったのでこれで失礼します!」

夕張「あ、ちょ、待てっ!」

夕張「もう全く青葉さんはいつも…!…しかも晩御飯も食べずに張ってたんだ…」

リュウ「持ってきたぞ、さぁ食べようか」ガチャ

夕張「早かったですね、それじゃ私もいただきます」

リュウ「先に食べていてもよかったんだがな…ところで、今廊下で青葉が笑いながら走ってたんだが何かあったのか?」

夕張「…さぁ、知りません」

リュウ「ふむ…」

夕張「そういえば提督、天龍さんたちにはもう会いましたか?」

リュウ「天龍、鈴谷、雷の3人だったか。それがまだ戻ってきてないんだ」

夕張「そうなんですか?」

リュウ「ああ、間宮はもう帰ってきてもおかしくないはずと言っていたが…」

夕張「何かに巻き込まれてないか…ちょっと心配ですね」

ガチャッ

長門「夕張、目は覚めたか」

夕張「あ、長門さん。ええ、もう動けます」

長門「いや、そのままでいい。今天龍たちから連絡があってな」

リュウ「何かあったのか?」

長門「夕張は知っているだろうが、今日あの3人は上層部の方の開く定期会議に参加していたんだが…」

夕張「そこで何か?」

長門「もう終わるという時に緊急の案件が舞い込んだらしくな、今夜は帰れそうもないらしい」

リュウ「緊急の案件というのは?」

長門「ああ、最近確認された新たな深海棲艦についてだ」

リュウ「!」
夕張「まさかそれって、紫のオーラの!?」

長門「心当たりがあるのか?…そう、その深海棲艦を上層部は便宜上『Evil』と呼び、その情報の確認と整理のため再び緊急会議を開いた」

夕張「天龍さんたちはそれに?」

長門「ああ、詳しい話は明日、あいつらが帰ってきてからになるが、頭に入れておいてくれ」

リュウ「………」

長門「話はそれだけだ、明日からは忙しくなるかもしれない。今日は早めに休めよ」バタン

リュウ「…なぁ夕張、深海棲艦っていうのは一体何なんだ?」

夕張「詳しくは分かっていませんが…一説には沈んだ艦の怨霊だとか言う説もあります」

リュウ「…そうか」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

〜フタヒトマルマル、執務室〜

リュウ「…ああ、そうだ…新しい深海棲艦が確認された、と…」

???『そう…リュウ、用心しておいてね。何だか嫌な予感がするの』

リュウ「ああ、俺もだ。まさかとは思うが…」

???『そんなはずはないわ、あの男は死んだはずよ』

リュウ「だが死体は誰も確認していない」

???『………』

リュウ「…用心に越したことはない。…それではな」ガチャン

リュウ「…ふぅ」

コンコン、ガチャ

リュウ「ドアの前で待っていたのか?」

満潮「…誰だって電話の途中で部屋に人は来てほしくないでしょ。それともそうして欲しかった?」

リュウ「いや、気遣いありがとう。…それで何の用だ?」

満潮「そんなんじゃないわよ。…用ってほどじゃないけど、あんた夕張さんと演習したそうじゃない」

リュウ「ああ、何故か工廠で俺でも装備できる物ができてな、それのテストを手伝ってもらったんだ」

満潮「それで正面からぶつかって何ともないなんて、あんた一体何者なの?」

リュウ「どういう意味だ?」

満潮「そのままの意味よ。私はね、あんたがどっかのスパイじゃないかって疑ってるって言ってるの!」

リュウ「…それでいい。いきなり現れた人間を簡単に信用するものではないしな」

満潮「は、何よ!下手な言い訳するよりいいとでも思ってるの!?」

リュウ「そう熱くなるな。…少し外で話をしようか、付いてきてくれ」スタスタ

満潮「…ふん」トコトコ

〜港〜

リュウ「ここでいいか」

満潮「…何よ、ここで私をどうかしようったって無駄だからね」

リュウ「そんなことはしない。…少し聞いてくれ」

満潮「………」

リュウ「俺は今までずっと修行をしながら旅をしてきた。真の格闘家とは何かを知るために」

満潮「格闘家?」

リュウ「ああ、その道すがら、色んな奴に会った。雷を操る野生の猛獣、変幻自在な身体を持つ行者、相反する戦闘スタイルの若い兄弟なんてのもいたな。癖はあるがいい奴らだ」

満潮「………」

リュウ「だがいい奴ばかりじゃない。自らの力を悪用し、世界を恐怖に陥れようとしている奴なんてのもいる。俺はそういう奴を止めるためにも、強くならなければならなかった」

満潮「…結局、答えなんて出ないわよ」

リュウ「そうかもしれない。だが、俺は戦い続ける」

満潮「何でそんなことを続ける必要があるの?争いなんてない方がいいに決まってるじゃない!」

リュウ「確かにその通りだ、だが…」スッ

満潮(海に向かって構えた…?何を…)

リュウ「力がなければ何も守れない」ゴゴゴ

リュウ「友が悪に染まった時、それを止めてやることができない…」ゴゴゴゴゴ

満潮(何!?こいつの掌に…!)

リュウ「…なにより…!あいつらと、また戦うことができない!!」


リュウ「真空!波動拳!!」ズアッ!


ドッ…ッズドォォォオオオンッ!

満潮(なっ…!?海が…割れた…!?)

リュウ(殺意の波動は抑えられる…もう、あんなことを引き起こしはしない!)

ザザァ…!ザザ…ザザザ…

リュウ「…俺は結局のところ、自分のために戦っているのかもしれない」

満潮「………」

リュウ「だが、この力は誰かを守ることができる。…そして、君たちの力になれる…君たちの手助けをさせてくれないか?」

満潮「…ふん、馬鹿じゃないの」

リュウ「………」

満潮「…あんたがそこまで言うなら、協力はしてあげる」

リュウ「!」

満潮「別にまだ信用したわけじゃないからね!そこはわきまえてよね!」

リュウ「…ふっ、やはり君は優しいな」

満潮「は!?何でそうなるのよこの馬鹿!」

リュウ「はっはっは!さぁ、戻ろうか、明日からは忙しくなるかもしれないしな」

満潮「…ふん」

満潮(まだ信用できないけど…一応、ちょっとは見所のある奴…なのかな…)

青葉「今の爆発は!?スクープの予感がしますよー!」

今回はここまで、流石に3日連続で寝落ちなんてヘマはやらかせません

ではまた次回

今夜は更新ありません

明日は多分できるけど明後日は無理です

許して瞬獄殺

〜翌日マルロクサンマル、港〜

リュウ「998…999…1000…よし」

リュウ(…やはり腹が膨れていると力が湧いてくるな)

リュウ「さて、飯まではまだ時間もあるし少し走るか…ん?」

リュウ(正面から人が向かってくる…誰だ?初めて見るが、ここの関係者か?)

???「おいそこのお前」

リュウ「…鎮守府の敷地内に入ってきているということは、君も艦娘か?」

???「それを知ってどうする?まぁいい答えてやる。俺の名は天龍。ここの艦隊の一番槍の天龍様と言えばこの俺よ」

リュウ「なるほど、君が天龍か。話は聞いている。俺の名は…

天龍「いや、アンタは名乗る必要はねぇぜ」

リュウ「何?」

天龍「こんな朝っぱらからこそこそ侵入してきてる不審者に名乗る権利はねぇって言ってんだよ」

リュウ「いや待て、君は勘違いをしている」

訂正
>天龍「いや、アンタは名乗る必要はねぇぜ」

天龍「いや、お前は名乗る必要はねぇぜ」

天龍「言い逃れとは情けねぇな。アンタも男なら筋を通せってんだ!」ジャキン!

リュウ「刀をしまえ天龍、俺に敵意はないんだ」

天龍「へぇ、そりゃ捕まえやすくていい。だが念のため動けなくなるくらいには痛めつけさせてもらうぜ!」

リュウ(くそっ、春麗並みの思い込みだな)


RYU vs TENRYU
-----Fight-----


天龍「動くと危ないぞ!」

リュウ「そういいながら斬りかかってくる相手は初めてだ!」

リュウ(どうする、ここは地上とはいえ、籠手がないと艦娘を必要以上に傷付けてしまうかもしれない…が、凌ごうにもあの刀だ。下手に防御すればこちらの腕がやられてしまう)

リュウ(まだ不安定だがやるしかない…相手の攻撃の瞬間、腕に気を集中・凝縮することでその一瞬だけ硬化させ、相手の攻撃を防ぐ)

リュウ(全身に気を漲らせ、敵の攻撃を受けても体制を崩さないようにするセービングに対し、こちらは腕だけ、しかも一瞬しか持たない…が、その代わり完全に防ぐことを可能とする!)

リュウ(名付けて…ブロッキング!)

リュウ「はッ!!」ガキンッ!

天龍「なっ!?…このっ!」ブンッ!

リュウ「ふんッ!はあッ!せあッ!」ギン!ガキン!

再び訂正
>天龍「言い逃れとは情けねぇな。アンタも男なら筋を通せってんだ!」ジャキン!

天龍「言い逃れとは情けねぇな。お前も男なら筋を通せってんだ!」ジャキン!

書き溜めを推敲しながら書き込むとこの始末

天龍「くっ…その腕、義手か何かか…?」

リュウ「いや、持って生まれた俺の体の一部だ」

天龍「だったらそりゃ一体どういうことだ…よッ!」ブォン!

リュウ「くっ!」

天龍「避けんな!大人しくしろ!」

リュウ(とにかく今は凌ぎきるしかない!)

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

天龍「うおおおおッ!」

リュウ「ふッ!」ガキィン!

天龍「ぐっ…っこのヤロウ!」

リュウ「隙ありッ!!」ギンッ!

天龍「っ!?俺の刀を蹴り飛ばした!?」

リュウ「はぁ…はぁ…天龍、話を聞いてくれ、俺はここの関係者だ」

天龍「誰が信じるか!とにかく今は何としてもお前を捕らえて…


長門「そこまでだ天龍」


リュウ「!」

天龍「長門の姉御!」

長門「全く、朝から港がうるさいと思って見にくれば…お前たちは一体何をやっているんだ」

天龍「あ!そうだ姉御、コイツ侵入者だ!逃げる前に拘束しねぇと!」

長門「ソイツは新しい提督だ」

天龍「そうだぜ!だから早くその新しい提督を…って、え?…提督?」

長門「ああ、昨日話しただろう」

天龍「………」ダラダラ

リュウ「…分かってくれたか?俺の名前はリュウ、昨日付けでここの提督となった。よろしくな天龍」

天龍「…すみませんっしたァー!」


〜ナナサンマルマル、食堂〜

大淀「それは災難でしたね」

リュウ「なに、朝から組手が出来たと考えれば中々に有意義なものだったよ」

大淀「しかし天龍さんもそそっかしいですが、きちんと言わない提督も提督ですよ?」

リュウ「確かにそうだな、だがもしかしたらこうなるのを少し期待して敢えて言わなかったのかもしれないな」

大淀「危険な真似は控えてください、全く…ところで、天龍さんと共に行動していたはずの鈴谷さんと雷さんとはもう会われましたか?」

リュウ「いや、その二人はまだだな…見た所、食堂にもいないようだが…」

天龍「あの二人なら今頃部屋でグッスリだよ」

大淀「あら天龍さん、おかえりなさい」

天龍「ああただいま。俺も一緒にいいか?」

リュウ「もちろん構わないぞ」

大淀「それでお二人は何故?まさか何かあって倒れたのですか?」

天龍「ああいやそんなんじゃねぇから大丈夫だ。なにぶんほぼ徹夜で会議だったからな…二人ともヘロヘロだ」

リュウ「君は大丈夫なのか?」

天龍「もちろん眠いよ、でも俺も寝ちまったら情報持ってる奴がいなくなっちまうだろ。会議の内容を話したら俺も寝るさ」

大淀「そうだ!それで新種の深海棲艦というのは?」

天龍「ああ、それが…


青葉「いやあああぁぁ助けて下さぁぁぁああい!」ダダダダダダ


天龍「うおあっ!青葉さん何だよいきなり!」

青葉「匿って下さい!追われてるんです!」

リュウ「追われてる?一体誰にだ?」

青葉「夕張さんです」

大淀「青葉さん…今度は何したんですか?怒らないので素直に言ってください」

青葉「既に青葉が悪者と断定!?ってうわ来た!机の下に潜っちゃいます!」


夕張「青葉さぁぁあああん!今日という今日は許さないんだからぁあああ!!…っ逃した!?いやでも確かに食堂に入って行ったはず…大淀!青葉さん知らない!?」

大淀「あー…えっと、青葉さんがどうかしたんですか?」

夕張「見てよこの記事!私と提督が…」

リュウ「俺と君がどうかしたのか?」

夕張「って、て、ててて提督!?何でここに!?」

リュウ「いや最初からいたが…」

夕張「いや、そのこれは違くて…じゃなくて、昨日のことはその、えっと…う、うわぁぁぁぁぁああ!」ダダダダダダ

天龍「夕張!?…行っちまった、一体何だってんだ?…お、アイツ持ってた新聞落として行ってんな、何々…?」


【初日からスキャンダル!?艦娘をお持ち帰りする提督!】

天龍「…何だこりゃ?しかも写真は…提督、これお前だよな?夕張をお姫様だっこしてるように見えるが…まさか本当にお持ち帰り…?」

リュウ「ああ、それは昨日の模擬戦の時の写真だな」

大淀「ああ、そういえば提督、気絶した夕張さんをお姫様だっこで抱えて休養室まで運んできましたもんね」

青葉「いやーいいネタになりました!」ズボッ

天龍「急に出てくんな。…ってか、模擬戦って何だ?」

リュウ「言葉の通りだ、俺が昨日彼女と海上での試合をしたんだ。まぁ俺の装備の試用も兼ねてだが」

天龍「…は?お前が夕張とサシでか?」

大淀「ええ、しかも勝ったそうですよ。ですよね、提督?」

リュウ「たまたま運がよかったことと、装備の性能が良かったというだけだよ」

青葉「青葉もその試合、見てみたかったです!…そういえば司令官、やっぱり昨日の夜の爆発も司令官の仕業ですか?」

リュウ「さぁ、どうだろう。気になるなら試しに模擬戦でもするか?」

青葉「遠慮しておきます!」


今回はここまで
複数人での会話はセリフ配分を考えなければならない分複雑になりますね
ではまた次回

誤爆からこのスレ知ったけど面白いな

>>160
その節はご迷惑をお掛けしました

今更ながら訂正
>>154
〜ナナサンマルマル、食堂〜

〜マルナナサンマル、食堂〜
です

それとやはり今日は更新できません
ご了承龍拳

艦娘によっては「司令官」呼びと「提督」呼びするのがいるじゃなかったっけ

あと「クソ提督」とか「お前」とか

〜ヒトマルマルマル、執務室〜

リュウ(結局天龍から詳しいことはききそびれてしまったな)

リュウ(新種の深海棲艦、Evil…正直、俺は深海棲艦自体見たこともないからよく分からないが…力になれるのだろうか)

リュウ「…ん?……扉の前にいるのは誰だ?」

ガチャ

満潮「…何で分かるのよ」

リュウ「気配がしたからな。それで何か用か?」

満潮「特に用なんてないわよ」

リュウ「じゃあなぜここに?」

満潮「えっと…そう、朝食の時に忘れ物しちゃったから取りにいこうとして…」

リュウ「この執務室は鎮守府の最奥だし、食堂は真逆の方向だよな?」

満潮「…な、何よ!別になんだっていいでしょ!?」

リュウ「…ふむ、じゃあ満潮、俺の話を聞いてはくれないか?」

満潮「は、何で私が聞かなきゃならないのよ」

リュウ「ダメか?」

満潮「…あぁもうそれで何よ!?さっさと話しなさいな!」

リュウ「ありがとう、それで話なんだが…昨日も言ったが俺は君達の力になりたい。…一言で言うと、俺も君達と共に戦力として出撃したいと思っている」

満潮「はぁ!?あんた正気!?ただの人間が何言ってるのよ!普通司令官ってのは本拠地から命令だけ下すもんでしょ!?」

リュウ「俺に戦術は分からない。一晩考えたが…俺にはこの拳しかないんだ」

満潮「…ダメよ、ダメに決まってるじゃない」

リュウ「何故だ?装備だってある。戦いでなら君達の役に立てるはずだ」

満潮「ダメだって言ってるのよ!あんたは人間なのよ!?私たち艦娘はよほどの無理をしない限り艤装が故障するだけで済むけど、あんたは違う!すぐに死んじゃう脆い人間なの!」

リュウ「だが…

満潮「だがも何もない!あんたが死んだらまたこの鎮守府は肩身が狭い思いをすることになる!また誰かに利用されるだけ利用されて捨てられる!」

リュウ「でも君達は戦っている」

満潮「そうよ!私たちが戦わなきゃ深海棲艦が…

リュウ「なら、俺も戦う」

満潮「っ!だからあんたは!

リュウ「例え俺が死んだとしても!!」

満潮「!」ビクッ

リュウ「例え俺がここで死んだとしても、俺がそこまでだったというだけだ。命の覚悟はとうの昔にできている」

満潮「…分からない、昨日来たばっかのあんたが何でそこまで言えるのかが分からないわ!」

リュウ「理由なら簡単だ…飯をもらった」

満潮「は?」

リュウ「それもとびきり美味いやつをな。飢えて倒れてた俺にとっては世界中のどの高級料理より美味かったんだ」

満潮「それって昨日、あんたが担ぎ込まれてきた時の話…?そんな小さなことが理由だなんてふざけてるの!?」

リュウ「そんなことはないさ。命を救ってもらったようなものだ」

満潮「…大袈裟よ」

リュウ「それでも俺は君達と共に戦うと決めたんだ」

満潮「………」

リュウ「………」

満潮「……はぁ、もういいわよ。言っても言っても聞きやしない…」

満潮「出撃の件は私から長門さんたちに話してみるわ」

リュウ「本当か!ありがとう」

満潮「ただし!今のままでは出撃させるわけにはいかないわ!」

リュウ「今のままでは?俺に何か足りないものがあるのか?」

満潮「そうよ、あんたは今まで一人で戦ってきたかもしれないけど、艦隊戦って言うのは多対多の戦いになるの!もちろん戦略や連携一つで全てと言っても過言ではないわ!」

リュウ「戦術、連携…」

満潮「そうよ!海の上でのチームプレイを円滑に行えないようじゃかえって迷惑なの!」

リュウ「そうなのか…俺は何も考えていなかったんだな」

満潮「…あぁもう!そんな顔しなくても私が教えてあげるわよ!」

リュウ「本当か!?」

満潮「そのかわり厳しくいくわよ!足手まといを連れて行く気は無いから!」

リュウ「…ありがとう満潮、恩にきる」

満潮「…ふん、別にあんたの為ってわけじゃないわよ!この馬鹿!」


剛拳「金剛よ、お主に我が流派の技を一つ授けよう!」

金剛「Why?どうしてそんな事をする必要が?」

剛拳「お主ならば使いこなせると思ったからじゃ!」

金剛「その技の名前は?」

剛拳「『金剛壁』じゃ!」

金剛「Wow!正に私の為にあるような名前デスネー!ゴーケンさん、是非教えてクダサーイ!」

……という妄想が頭を過りました
でもこの鎮守府には金剛がいないんだよねー

連投失礼します
名前間違えた金剛「身」だった
百鬼剛壁と混ざってしまった…

どうしてちょっと妄想しただけでカプコン博士扱いされるんだ?

満潮「それじゃ説明していくわよ」

リュウ「応」

満潮「まず基本中の基本中だけど、艦娘の編成と陣形からね」

リュウ「この鎮守府ではやはり出撃するときは艦娘総出でかかるのか?」

満潮「そんなわけないじゃない、艦隊は最大6人まで、うちの鎮守府では主力艦隊は5人、待機して緊急に備えて3人は待機ってなってるわね」

リュウ「残りの2人は?」

満潮「間宮さんと明石さんは艦娘って言ったって、種類としては特殊艦っていって、非戦闘艦なの。つまりこの鎮守府で戦闘を行えるのは8人だけってわけよ」

リュウ「なるほど…」

満潮「次に陣形ね、大雑把に言うと一列編隊、二列編隊、円形編隊の3種類よ」

リュウ「それだけなのか?」

満潮「形としては、ね。でもこれが敵艦隊とのぶつかり方によって全く異なってくるの」

リュウ「どういうことだ?」

満潮「敵艦隊に向かって横に広がる陣形を横陣、敵に対して真っ直ぐ槍みたいに切り込むのが縦陣。というように、並び方としては同じでも相手の陣形との関係で呼び方が変わってくるの」

リュウ「…んん?」

満潮「今図で示すからちょっと待って」

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

○ ○○○○○○



○ ●:敵
○ ○:味方

満潮「大体こんな感じね、左が縦陣、右が横陣よ」

リュウ「なるほど、図で見れば分かりやすいな」

満潮「ふふん、分かればいいのよ」

リュウ「それで、この陣形によって何が変わるんだ?」

満潮「基本的に縦陣横陣どちらも一長一短ね。縦陣ならば真っ直ぐ敵陣を突っ切りながら撃ち合うことになるから、被弾は増えるけど相手にはより有効打を与えやすくなるわ」

リュウ「逆に横陣ならば相手の様子を見ながら戦えるためにダメージの受けにくい安定した戦いができるってわけか」

満潮「そうね、付け加えるならこちらが被弾しにくいように相手に弾を当てるのも難しくなるわ」

リュウ「…つまりこちらが被弾を抑えながら戦いたいなら横陣、敵を確実に仕留めたいなら縦陣ということだな」

満潮「そういうこと。ここまでは分かった?」

リュウ「ああ、満潮の説明は分かりやすくていいな」

満潮「ほ、褒めたって何も出ないわよ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー縦陣ー

●.●.●.●.●.●

.......○
.......○
.......○
.......○
.......○
.......○

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー横陣ー

●.●.●.●.●.●

○○○○○○

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

満潮「大体こんな感じね、上が縦陣、下が横陣よ」

リュウ「なるほど、図で見れば分かりやすいな」

満潮「ふふん、分かればいいのよ」

リュウ「それで、この陣形によって何が変わるんだ?」

満潮「基本的に縦陣横陣どちらも一長一短ね。縦陣ならば真っ直ぐ敵陣を突っ切りながら撃ち合うことになるから、被弾は増えるけど相手にはより有効打を与えやすくなるわ」

リュウ「逆に横陣ならば相手の様子を見ながら戦えるためにダメージの受けにくい安定した戦いができるってわけか」

満潮「そうね、付け加えるならこちらが被弾しにくいように相手に弾を当てるのも難しくなるわ」

リュウ「…つまりこちらが被弾を抑えながら戦いたいなら横陣、敵を確実に仕留めたいなら縦陣ということだな」

満潮「そういうこと。ここまでは分かった?」

リュウ「ああ、満潮の説明は分かりやすくていいな」

満潮「ほ、褒めたって何も出ないわよ」

満潮「まだこれだけじゃないわよ。二列編隊…この場合は副縦陣ね。それに円形に展開する輪形陣、さっきと同じ一列編隊でも少し特殊な梯形陣…さらに敵艦隊との相対的なぶつかり方でT字有利にT字不利…同航戦に反航戦…取り敢えずこれだけ覚えればいいんじゃない?」

リュウ「輪形…梯形?それにT字?……?」

満潮「ま、まぁゆっくりやっていきましょうか」

リュウ「…すまない」

満潮「情けないわね!…と、言いたいところだけど…まぁ、まだ2日目ってことで許してあげる。でも私が教える以上、最低限の能力は付けてもらうからね!」

リュウ「何から何まですまないな」

満潮「…あ、そういえば大淀さんに呼ばれてるんだったっけ…」

リュウ「そうなのか?なら早めに行った方がいいぞ」

満潮「でも…その、まだあんたが…」

リュウ「?…俺のことはいいから行ってやれ、人を待たせるものじゃない」

満潮「…言われなくても分かってるわよ!このバカ!」ガチャバタン

リュウ「?」

〜ヒトフタマルマル、会議室〜

ガチャ

リュウ「すまない、遅くなった」

長門「いや、時間通りだ。…よし、これで全員だな」

大淀「鈴谷さんと雷ちゃんは?」

長門「徹夜明けだ、寝かせておいてやれ」

青葉「天龍さんお目々真っ赤っかですよ!はいピースピース」パシャパシャ

天龍「うるせえ…撃つぞ…くそ、眠い…」



長門「集まった理由は言わずとも分かるだろう、昨日報告された新型の深海棲艦についてだ」

夕張「Evil…でしたっけ?」

天龍「そうだな、つい最近から各地で確認されている。特徴としては激しい殺気に紫のオーラ…大本営様は『会えば分かる』とさ」

明石「随分と適当ですね」

長門「それだけ異質なのだろう。そして昨日、夕張がそれらしき個体と戦闘した。私が駆け付けてとどめを刺しはしたが…夕張、あの時のことを詳しく話してくれ」






夕張「はい。戦闘開始時点では通常の重巡リ級と何ら違いはなく、戦闘力にも特に異質な点はありませんでした。しかし戦闘の最中に急に呻き出して…」

リュウ「そしてEvilと呼ばれる個体と同じような特徴が現れた、と」

夕張「はい。つまりEvilはその深海棲艦の元々保有する能力というわけではなく、何かのきっかけで目覚める…こういっては何ですが、あれは何かに洗脳されたような…本人の意思とは違うものが混じっていたようにも感じました」

長門「…ふむ」

満潮「今までとは何かが違うわね」

青葉「深海棲艦は深海棲艦として存在していただけですが…何者かの介入があった?」

天龍「つってもその辺考えても仕方ないだろ。…しかも今回の件はEvilだけじゃねぇ」

リュウ「さらに何かあるのか?」

天龍「Evilとは別に、新たに5体の個体が発見された」

大淀「一気に5体もの新種が!?」

天龍「つってもそれぞれ一匹ずつだ…が、そいつらはそれぞれが『鬼』クラスの戦闘力があるらしい」

長門「!」

満潮「そんな!鬼クラスがそんなに一気に…!?」

リュウ「…その『鬼』ってのは何だ?」

青葉「深海棲艦にはごく稀に『鬼』『姫』と呼称される個体が現れます。これらの個体は戦闘力が非常に高く、一体で大艦隊を相手にできるとまで言われています」

リュウ「そんなやつを倒せるのか?」

青葉「これまでの鬼クラスや姫クラスは方々の鎮守府から絶えず艦隊を送り込み相手を少しずつ疲弊させながら戦うことでなんとかなってきましたが…」

長門「一気に5体も発生したとなるとかなり状況は厳しいだろうな」

天龍「ああ、それを受けて大本営は急遽対策本部を設立、全鎮守府へ向けてEvil…『E海域』と名付けられた海域への緊急出撃任務が敢行されたんだ」

リュウ「そこに鬼クラスの5体がいるのか」

天龍「そんなところだ。もちろん俺たちも行かなきゃならねぇ」

満潮「そのことなんだけど、一ついいかしら」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

天龍「…はぁあ!?こいつが自ら出撃する!?」

満潮「ええ、本人がそう言って聞かないのよ」

リュウ「ああ、俺には戦う力がある。俺も一緒に行かせてくれ」

天龍「ダメだダメだ!なぁそうだろ長門の姉御!?」

長門「…満潮が認めたということは、どれだけ言っても聞かなかったということなんだろう」

天龍「姉御!?」

長門「死ぬかもしれないぞ、覚悟は出来てるのか?」

リュウ「もちろん出来ている。死ぬ覚悟も、戦い通す覚悟も」

長門「聞いた話では砲を持っていないそうじゃないか」

リュウ「俺の武器は拳だけだ。たとえ砲があったとしても扱いきれるとは限らないしな」

長門「…よし、ならリュウよ、お前の力、私たちに貸してくれ!」

リュウ「…ああ!」

〜ヒトロクマルマル、武道場〜

リュウ「………………」

リュウ「…………………」

リュウ「……………………」

リュウ「…誰だ」

???「「」」ビクッ

???「うわビックリしたー…寝てんのかと思ったのに…てかおっさん誰?」

リュウ「俺の名はリュウという」

???「リュウ?ああ!あなたが新しい司令官ね、話は聞いてるわ!」

???「あーそういや長門さんがそう言ってたような…あの時眠かったから覚えてないや」

リュウ「君たちは?」

雷「雷よ!かみなりじゃないわ!そこのところもよろしく頼むわねっ!」

鈴谷「私は鈴谷、最上型重巡洋艦の三番艦の鈴谷だよ」

リュウ「なるほど、君たちが鈴谷と雷か。話は聞いている」

鈴谷「それで、ここで何してたの?寝てた?」

リュウ「瞑想の真似事だ。気を高め、集中させることで感覚が鋭くなる」

雷「気?集中?…まぁよく分からないけどすごいわね!」

鈴谷「へー話に聞いたとおり武道家なんだねー」

リュウ「君たちも一緒にどうだ?」

雷「うーん…瞑想なんてやったことないから自信ないけど、まぁやってみるわ!」

鈴谷「じゃー私もー。なんか面白そうだし」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

鈴谷「足が…足がぁ…!」ピクピク

雷「これは…ちょっと辛いわね…」ピクピク

リュウ「慣れないうちは正座ではなく胡座の方が良かったな」

鈴谷「そういうのは先に言ってよ…ぐぅ…!」

雷「……っ!………!!」ピクピク




リュウ「落ち着いたか?…そういえば君たちはなぜ武道場へ?」

鈴谷「帰ってきてすぐ寝て起きたらもう昼過ぎでさー。1日寝てるのもアレだからちょっと体動かそうかなーって」

雷「でも足のしびれが…しばらくは運動なんてできそうにないわね」

リュウ「それはすまないことをした」

雷「あ、いやいいのよ。気にしないで!正座に慣れることも必要よね!」

鈴谷「鈴谷はもう動けません…あー甘いもの食べたくなってきた」

リュウ「…それなら、俺は今から間宮の元へ甘味を頂きに行くが…一緒に来るか?」

鈴谷「おっマジ!?提督の奢りだかんね!」

リュウ「ああ、構わない。雷はどうする?」

雷「そうね、私も新しい司令官さんのこと知りたいし一緒に行くわ」

〜甘味処・間宮〜

鈴谷「…はぁ!?ってことは提督なのに艦娘と一緒に出撃するってこと!?」

リュウ「ああ、そうなるな。連携などについては満潮に教わるつもりだ」

雷「でもそんなの危ないわ、私たちに任せてくれていいのに」

リュウ「君たち艦娘の力は昨日戦って実感したよ」

鈴谷「その艦娘の力が信じられないって言うの?」

リュウ「いや、夕張は強かった。俺が勝てたのも運が大きい。…だが、俺は俺の力を以って君たちに協力したいと思う」

雷「素敵な考えね!私もあなたになら協力を惜しまないわ!」

リュウ「はは、それは助かるよ」


間宮「お待たせしました、水羊羹です」

リュウ「ありがとう、間宮」

間宮「いえいえ、ごゆっくりどうぞ」

リュウ「…しかし彼女も艦娘だったよな、何故鎮守府の中にこんな店を構えているんだ?」

鈴谷「艦娘っても沢山種類があるからねー、その中でも間宮さんは特別特別」

雷「給糧艦って言ってね、私たち他の艦娘に食事を配る補給艦なの。間宮さんの甘味は絶品なんだから!」

リュウ「…ふむ、確かに美味いな」

鈴谷「間宮さーん私にも羊羹ちょうだーい!」

リュウ「雷も好きに頼んでいいぞ」

雷「本当!?じゃあ私も羊羹を一つ!」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

リュウ「ご馳走様、間宮。美味かった」

間宮「それへ良かった。またいつでもいらして下さい」

リュウ「ああ、是非また立ち寄らせてもらおう。これは代金だ」

間宮「ありがとうございます。頑張ってくださいね」

リュウ「ありがとう、それじゃあな」

間宮「ええ、それでは」



間宮「鈴谷さんや満潮さんとは気が合わないかもと心配しましたが杞憂のようで良かったです」

間宮「……あら?そういえば一文無しのはずのリュウさんがなぜ代金を?」

今回はここまで

寝落ちばかりしているせいで混乱させてしまってすみません

ではまた次回

今夜は更新なしです

〜ヒトサンマルマル、港〜

リュウ「…ん?あれは…青葉か」



青葉「………………」

リュウ「…どうしたんだ、こんなところで」

青葉「あ…司令官」

リュウ「今日は風が強い、体調を崩すぞ」

青葉「あはは…私は艦娘ですから。大丈夫です」

リュウ「…そうか」

青葉「……………」

リュウ「………」

青葉「…昔のことを、考えていたんです」

リュウ「…昔の」

青葉「はい…私たち艦娘には前世の、鉄の艦だった時の記憶があります」

リュウ「………」

青葉「青葉が艦だったころはひたすら戦争で…目の前で何隻もの仲間が沈んでいきました」

リュウ「…そうか」

青葉「青葉のせいで沈んだ艦も多くて…彼女たち、元気にしてるかなぁ…やっぱり恨まれちゃってますよ、きっと」

>>227訂正

〜ヒトロクマルマル、港〜

〜三日目、ヒトマルマルマル、港〜

リュウ「その艦たちも、今は艦娘に?」

青葉「ええ、こことは違う鎮守府にいると聞いたことがあります…最も、青葉には会わせる顔がありませんがね、あはは…」

リュウ「………」

青葉「あはは…はは…」

リュウ「………」ポンッ

青葉「…へ?し、司令官?」

リュウ「…いつか、その娘たちと一緒に笑い合えるといいな」ナデナデ

青葉「…!…でも、青葉にはそんな資格ありません…」

リュウ「資格なんていらないさ、裏切られようが、仲違いしようが、一時は敵同士になろうが…友は友だ」

青葉「しかし…もし向こうがこちらを恨んでいたとしたら!彼女たちをそんな風にさせてしまったのは…青葉のせいなんですよ…!」

リュウ「…君は、その友達を本当に良く思っているんだな。その娘たちを本当に慕っているからこそ、離れられるのが怖い。たとえ恨まれようとも、心配するのは自分の身ではなく友のことか」

青葉「………」

リュウ「心配するな、その思いはきっと伝わるさ」


青葉「…司令官は

長門「おお、ここにいたか」

青葉「!!」

リュウ「長門か」

長門「報告することがあってな…ん?何だ青葉、こいつと何の話をしてたんだ?」

青葉「い、いや何でもないですよー!あははは!」

長門「…ふむ、まぁいい。急だが演習を行うことになった」

リュウ「演習?」

青葉「演習!?本当に急ですね」

長門「ああ、ヒトロクマルマルより開始だ。青葉は他の連中にアナウンスを頼む」

青葉「あ、はい!行ってきます!」




長門「…行ったか」

リュウ「長門、さっきの話聞いていたな?」

長門「盗み聞きをするつもりはなかったんだがな」

リュウ「…なぜ彼女は俺にあんな話を?」

長門「さぁな…だが、私もあんな話を聞いたことはなかった。何かお前に思うところがあるんだろうよ」

リュウ「…それで、演習というのは?」

長門「ん?まだ説明していなかったか?…まぁその名の通り模擬戦だな」

リュウ「一昨日に俺が夕張と行ったのと同じものか」

長門「要するにそうだな。だが違う点として今回のは艦隊戦だ、6対6で殴りあうことになる」

リュウ「6対6?ここでは一度の出撃では5人までしか出さないと聞いたが…」

長門「演習は近海で行うからな。流石にその時くらいは6人で出るさ」

リュウ「なるほどな、普段出撃する5人というのは決まっているのか?」

長門「いや、常に順番を回しながら行動している。いざという時に戦力にならない艦がいては大事だからな」

リュウ「ふむ…それで今回の6人は?」

長門「私と、青葉、鈴谷、雷と満潮だな」

リュウ「残りの1人は?」

長門「きちんと満潮に聞いて陣形のついての復習をしておけよ」

リュウ「ん?ああ…ん?」

長門「頼んだぞ、6人目の戦士殿」

だから!その陣形だとこう動いちゃったら敵との交錯の仕方が崩れて大混乱よ!

おお…つまり、ここはこうか

逆よ!私たちの砲はそんな角度で撃てるようには出来てないって言ってるでしょ!?



あれ?工廠に用事なんてどうしたんですか提督…あ、もしかして提督も装備の点検を?

ああ、満潮に装備を見てこいと言われてな

なるほど。でしたら私が整備の仕方を一から教えてあげます!

助かるよ、夕張



おー提督じゃん、ちーっす。何してんの?

鈴谷か…いや、なんだかんだでこの装備を使うのはまだ二回目だからな。感覚を掴んでおこうと思ったんだ

なるほどー。でも直立不動で全く動かないからまた寝てんのかと思ったよ

いや、武道場でも寝てたわけではないからな?

分かってるってー。まぁそんだけ安定してるなら大丈夫っしょー



・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

〜ヒトロクマルマル〜

長門「さて…各々準備はできたか?」

リュウ「ああ」
青葉「青葉におまかせ!」
鈴谷「鈴谷はいつでも行けるよー」
満潮「やってやろうじゃないの!」
雷「私だって戦えるんだから!」

長門「よし、演習とはいえ全力でかかれ!行くぞ!」

「「「「「応!」」」」」


今回はここまで

PCが壊れたことによりストレスがマッハ

あぁ満潮ちゃんをprprしたい

ではまた次回

格ゲーによくあるギスギス感を感じる…この感覚大好き

寝落ち覚悟でちょっとだけ更新します

あ、それと陣形は

単縦陣
←◇◇◇◇◇◇


単横陣
↑◇◇◇◇◇◇

こういうことですかね

基本的に味方を◇、敵を◆で表します

〜洋上〜

長門「ちなみにリュウのことは先方には伝えてある。気にせず戦闘を行ってくれとな」

リュウ「ありがとう、俺も全力でいかせてもらう」

満潮「隊列を乱さないようにね」

←◇◇◇◇◇◇

リュウ(今の陣形は単縦陣、先頭から長門、青葉、雷、鈴谷、俺、満潮の順番だ)

青葉「お!敵艦発見です!敵はまだこちらに気付いてないよ!」

長門「早速だな…総員戦闘準備!」

鈴谷「あれー?何か変だよアレ。二隻しかいないし」

雷「相手は二席だけの艦隊なの?」

長門「いや事前の打ち合わせでは確かに6席と…まさか!」

満潮「そのまさかね!後方敵影数は3!挟まれたわ!」

◆,,,,,,,,,,,,,,,,,←◇◇◇◇◇◇,,,,,,,,←◆◆◆

長門「前方の敵までの距離およそ3km!満潮、後ろの敵は!?」

満潮「およそ1kmってとこね!空母ならもう艦載機が飛んできてもおかしくないわ!」

鈴谷「この何もない海でどこに隠れてたってんよー!?」



長門「…副縦陣!私と青葉で前方の敵を牽制する!残りの四人で後方の敵と戦闘しながら前進する!」

「「「「「了解!」」」」」




◆→・・・・・・←◇◇◇・・・←◆
・・・・・・・・・◇◇◇・・・◆◆




満潮「後方より艦載機多数!爆撃がくるわ、鈴谷さん撃ち落として!」

鈴谷「この量は全部撃ち落とすのは厳しい!回避運動開始!」ドドド


バラバラバラバラバラ…ドドドドォォン!


リュウ「ぐっ!」

長門「被害は!?」

雷「このぐらい…へっちゃらなんだから!」

満潮「小破一名!継戦可能!」

長門「よし、このまま突っ込むぞ!」


◆・・・・←◇◇◇・・・←◆
・・・・・・◇◇◇・・・◆◆

青葉「よし、よく見えてきましたよ…正面の敵はおそらく軽巡川内です!」

長門「そうか、ならこのまま突っ込むぞ!」

リュウ「長門!敵の残りの二隻はどこにいるんだ?」

長門「分からんがおそらく潜水艦だ、警戒しておけ!」

リュウ(潜水艦…海の中から近付き、不意に現れ魚雷を撃ち込む暗殺者)

リュウ(仕掛けるとすればまだ警戒が自分によっておらず、敵の行動が読みやすいタイミング…っ!?」

リュウ「全員散会しろっ!」

長門「!!」

雷「えっ!?」

ドゴォォォオッ!

満潮「雷っ!まさか魚雷!?潜水艦がもう仕掛けてきたっていうの!?」

長門(迂闊だった…!敵に挟まれ一方に向かって進んでいるこの状況は潜水艦からしたら狙って下さいと言っているようなものだ!」

鈴谷「雷、大丈夫っ!?」

雷「うぅ…しくじっちゃった…」大破!

長門(くそっ、こちらが一手遅れたか!)


青葉「雷ちゃん!状況は?」

雷「航行には問題無いけど砲撃戦は無理ね…私は脱落」

鈴谷「ありゃー、序盤から痛すぎる」

満潮「ボサッとしてる暇はないわよ!後方より再び艦載機!」

鈴谷「うわっ!さっきより数が多いんですけど!」


リュウ「…俺に任せろ」


鈴谷「そうは言ってもあんな上空じゃ!」

リュウ(足の裏に気を集中…主機越しに海面の感覚を捉える…)

リュウ(昇竜拳と同じだ…静かに、しかし確かな力を持って海面を蹴り上がる!)

リュウ「せぇあッ!」バンッ!

満潮「飛んっ…いや、跳んだ!?」

リュウ「そして艦載機と同じ高さについたなら…仕留める!」


リュウ「空中竜巻!」ドォォン!ボゴォォオン!

青葉「空中であれだけの動きを…!」

長門(…今だ!この距離なら十分に届く!)

長門「喰らえ、川内!」



川内「!」

ボゴォォオン!

川内「」大破



リュウ「…よし!」バシャッ

長門「このままやるぞ!」

短いですが今日はここまで

また次回

補足という名の言い訳


【艦の射程は艦艇だったころの大きさ、射程に対する単純計算での比率】
艦艇だった時の加賀さんの全長が240m(適当)、射程が350km(適当)だとして、艦これ世界での加賀さんが1.6mくらいだとすると射程は2.4km程度になります(適当計算)
同じ計算で長門の射程は240m程度になり、重巡や駆逐となるとさらに短くなります
これはリュウが戦闘に参加する上でこの程度なら丁度いいかと思って3分で考えた設定なのでいろいろ違和感もあるでしょうが目を瞑って下さい


【リュウの空中竜巻で落とせるのは急降下してきた艦攻と艦爆のみ】
リュウは剛健のように竜巻旋風脚で上に参りますできないので急降下爆撃を行おうとして降りてきた艦爆と
魚雷を投下しようと降りてきた艦攻しか迎撃できません
艦載機同士での戦闘を行う艦戦や偵察機には届きません
波動拳には連射性はないので艦載機を捉えることは難しいです

リュウ「俺じゃ急降下してきた飛行機しか仕留められない!青葉、鈴谷、上空のやつは任せた!」

鈴谷「あいよ!」

青葉「おまかせあれ!」ドドド

長門「旋回!潜水艦を警戒しながら三隻の方に向かうぞ!」


・・・→
◇◇◇↑
◇◇◇・・・・・・←◆◆◆



満潮「彼我の距離は500mを切ってるわ、向こうに戦艦がいるとしたらもうぶつかるわよ!」

長門「…よし、反航戦を仕掛ける!単縦陣!」

満潮「潜水艦はどうするの!?」

長門「捕捉できない以上、今は狙われにくく動きながら他の敵を殲滅するのが先だ!」

リュウ「潜水艦の位置を特定する道具はないのか?」

青葉「ソナーっていって音波やらなんやらを使って測定する装備もありますが…うちの鎮守府にはそんなの置いてません」

リュウ「音波…か。ちょっと待ってくれ、試してみたいことがある」

鈴谷「敵もすぐ近くだしそんなに余裕ないよ!」

長門「何をするつもりだ?」

リュウ「水で試したことはないが…」スッ

満潮「水面に手を…?」

リュウ「満潮、ソナーの仕組みを簡単に教えてくれ」

満潮「えっ?…えっと確か…ソナーから音波を発して、その音波が反射して返ってくるんだけどその反射の具合によってどのくらいの深さでどんな形のものに当たったか…みたいなことが分かる、らしいわ」

リュウ「そうか、ありがとう」

満潮「あんたまさか…」

リュウ「そのまさかだ」

リュウ(掌に気を集中…気を発しながら反射してきた感覚を掴むのは難しい…一瞬だけ放射し、その一瞬で海中の状態を探る…)

青葉「敵さん接近中です!開戦までもう時間がありません!」

リュウ(波動拳の応用だ…掌に溜めた気を敢えて拡散させながら放射、気の波を海の中に伝える感覚で…!)

リュウ「はッ!」ドゥン!

リュウ「…………」

長門「…満潮、リュウ以外の三人は私に続け!戦闘を開始する!」

満潮「なっ!?何で私まで!」

長門「例えリュウが潜水艦の位置を掴んだとしても攻撃手段がない!お前がリュウの砲となれ!」

満潮「…あぁもう!分かったわよ!」

リュウ「……捉えた!丁度この真下、深さは30!」

満潮「了解、爆雷投射!巻き込まれたくなかったらここを離れるわよ!」




←◇◇爆・・◇◇◇◇→
・・・・・・・・・←◆◆◆


ドズゥゥウン!

満潮「手応えあり!」

リュウ「あれだけの深さで爆発してもこの威力とは…恐ろしいな」

満潮「とにかくこれで潜水艦は倒したはずよ、向こうの四人に合流して…

リュウ「!!…よけろ満潮!」バッ

満潮「え?きゃっ!」ドンッ


ズドォッ!


満潮「なっ…魚雷!?あの潜水艦、まだ動けたっていうの…」

伊168「………」ズズズ

リュウ「……ぐっ…!」小破

満潮「ってあんた!…なんで庇うなんてこと!」

リュウ「大丈夫だ、何とか防御は間に合った」

満潮「そういう問題じゃなくて!」

リュウ「とにかく今は潜水艦が先だ、行くぞ」

満潮「…あぁもう!」



?◆・←◇◇・・◇◇◇◇→
・・・・・・・・・←◆◆◆

・?◆・・・・◇◇◇→
←◇◇・・・・←◆◆◆



満潮「あの潜水艦どこに…確かにこっちの方向に行ったのよね?」

リュウ「方向は間違いないはずだが…なぁ、これは俺たちを長門たちから引き剥がすための策じゃないのか?」

満潮「そうでしょうね…でも一隻で私たち二隻を相手にできるって思ってるのかしら」

リュウ「…それなんだが…」

満潮「何よ」

リュウ「いや、言いにくいんだがな」

満潮「だから何よ!ハッキリしなさい!」

リュウ「…満潮、現在確認できた敵の数は?」

満潮「は?…最初に二隻確認して、後ろに三隻、その後潜水艦を発見…これで六隻でしょ?」

リュウ「そうだ、それで最初の二隻というのは?」

満潮「さっき長門が倒した軽巡川内と潜水艦で…え、あれ?潜水艦は後から発見して…」

リュウ「そうだ、それが言いにくいことなんだが…敵を一人見逃してないか?」

満潮「なっ、なんでそんなことに気付いてたのに言わなかったのよ!?」

リュウ「誰も何も言わないからそういうものなのかと思ったんだ」

満潮「〜!っそれでその敵艦は!?」

リュウ「ずっと気配は感じるんだが、姿が見えなかったんだ」

満潮「いつも言ってるその気配って…ん?見えな『かった』?」

リュウ「ああ、だが俺たち二人を引き剥がしきったからな、もうじき姿を現わすだろう」

???「ご明察だ」

満潮「!?」バッ!

満潮(コイツ、後ろから…ッ!?そんな、周りには誰もいなかったはず!)

リュウ「見事な隠密術だな、どうやって隠れていたんだ?」

???「それは企業秘密だ…まぁ一言でいうなら『忍術』かな」

満潮「忍術ですって…?ふざけたことを」

???「はは、こっちは大真面目なんだがな…さて、本題といこうか」

リュウ「満潮、彼女の艦種や特性、分かるか?」

満潮「ええ…彼女は日向。戦艦伊勢型の二番艦よ…もっとも、あの航空甲板からして…」

日向「おいおい、せっかく人が名乗りを上げようとしたのに…まぁいいか。お察しの通り私は『航空戦艦』だ」

リュウ「航空…戦艦?」

日向「そう、戦艦の主砲を持ちながら艦載機を発艦できる最高にいかした艦さ」

リュウ「それはすごいのか?」

満潮「警戒しておきなさい、戦艦の一撃は夕張みたいな軽巡とは桁違いに強烈よ。まともに喰らったら一発でやられることもある」

日向「そういうことだ、その上艦載機まで飛ばせる。羨ましいだろう」

リュウ「それは厄介だな」

日向「それだけじゃない、これを見ろ」ジャキン

満潮「その腰の軍刀がどうしたってのよ」

日向「格好いいだろう?」

満潮「は?」

日向「…ふっ、まぁいいさ。さて、戦闘開始といこうか」

満潮「いくら戦艦だからって、二対一なら…

リュウ「満潮!回避だ!」

満潮「へ!?」ズズズ...

ドゴォォォォオオン!

◇◆・・・・←◆◆◆
◇?◆・・・◇◇◇→


ーーーーーーーーーーーー


ボゴォン!ドン!ドン!

鈴谷「あぁもう!あの駆逐艦速すぎ!」

島風「おっそーい!」


青葉「索敵も砲撃も雷撃も、青葉におまかせ!」

利根「ふん、甘いぞ!」



長門(三体三の反航戦…状況はこちらに有利…火力の差で時期に青葉と鈴谷は敵を撃退するだろう。…ただし、私がこいつを抑え切れればだがな)

加賀「………」

長門(一航戦の加賀…弓タイプの発艦方式でありながら多彩な艦載機を扱い、大量展開を得意とする厄介な相手だ…私には対空手段も乏しいしな)

加賀「…全機発艦…!」キリキリ

長門「だが護衛のいない空母など!」チャキッ!

加賀「…殲滅しなさい!」ドウッ!

長門「覚悟はいいな!」ゴオッ!

〜相手鎮守府、港〜

???「…ふむ、演習とはいえなかなかの迫力」

川内「ごめーん…やられちゃったぁ」

???「む、川内でござるか。残念であったが…うぬが力量、見極めてこそ武士(もののふ)なり」

川内「はぁ〜い…はぁ、夜戦したかったな」

???「お主はそのまま休むがよい。拙者はこの戦いを見届ける」

川内「…え、見えてるの?この距離で?」

???「武神流なら当然でござる」

川内「はぇ〜…あ、そうだ。相手さんのとこの脱落者も連れてきたけどよかったかな?」

???「無論構わん。折角我らが鎮守府の近海で演習を行っているのだからな」

川内「だってさ」

雷「ありがとう、優しい人ね!あなたがここの鎮守府の司令官よね?お名前は?」


ガイ「拙者の名はガイと申す。以後見知り置きを頼む」

今回はここまで

最近私用で忙しく、今後三週間程度は更新が不安定になりまスーパーダイナミッククッキングタイム

気長にお待ちしていただけるなら幸いです
ではまた次回

いいから百裂脚してこいよ全部ブロッキングしてやんよ

>>352
ケン「レッツゴージャスティンやるって事か?」

お前ら俺の車貸してやるから落ち着けよ

>>357
リュウ「ボーナスステージか。腕が鳴るな」

艦娘ってメチャ重そうな装備抱えてるけどあれを外したら軽快に動けたり腕力が凄かったりするのかねぇ

雑談・荒らしの有無に関係なく続くなら続きますし飽きたら突然終わるかもしれません。
ま、気楽に行きましょう。

多分今夜更新します。

多分

ガイ(しかし人間が艤装を着けて戦うと聞いた時には驚いたでござるが…成程、リュウ殿でござったか。人の縁とは奇妙な物でござるな)

川内「ん?どうしたの変な顔して」

ガイ「…なに、世の中は狭いということでござる」

川内「んー…?よく分かんないけど…夜戦したいから今からもっかい乱入してきてもいいかな?」

ガイ「それは認められておらぬのだろう?るーるを守らねば最悪仲間をも危険にさらすことになるでござる」

川内「ちぇー駄目かー」

ガイ(…しかしどうやって水に浮いているのであろうか…確かに忍術でそれに近いものはあるが…)

雷「望遠鏡望遠鏡っと…あら、いつの間にか二手に分かれちゃってるわ」

川内「ふふーん、それはこっちの作戦なんだよね!私がやられちゃったのは計算外だったけど」

雷「片方では三対三の反航戦、もう一方は…やだ!司令官と満潮が戦艦と二対一!?」

川内「いや、見た感じ男の人じゃない方は戦艦と対峙してるわけじゃないっぽい?」

ガイ「おそらく伊168を相手取っているのだろう。彼女は優秀な暗殺者でござるからな」

雷「伊168って…潜水艦の?」

川内「うん、彼女はうちの鎮守府で一番練度が高いんだよ」

雷「そんな相手に一隻だけなんて危ないわ!」

ガイ「ふむ…しかし駆逐艦というのは対潜装備もあるのでこざろう?」

川内「ええ、でも怖いのは攻撃より防御よ。駆逐艦は装甲が薄いから潜水艦の魚雷を一発でもまともに受ければ耐えられない」

雷「その一方で、駆逐艦が潜水艦を仕留めようとしても一発で決めるのはかなり厳しい」

ガイ「その証拠に先程一撃もらったようでござるが、まだ小破から中破程度で済んでいる」

雷(満潮…司令官…!)

ガイ「成程…しかし雷殿、あちらは心配せんでよろしいのか?」

雷「あちら?」

ガイ「リュウ殿…そちらの提督でござる」

川内「あ、そういえばそうだね。…何かあまりにも不思議な光景だからそこまで気が回らなかったよ」

雷「大丈夫よきっと!司令官は勝つわ!」

川内「でも相手があの日向だからなぁ…」

ガイ「ふむ…」


ガイ(日向…この鎮守府では伊168に続く練度を有し、航空戦艦という長所を遺憾なく発揮して頼もしい限りでござる…が)

ガイ(あやつはただの航空戦艦ではない…簡単なものだけだが、あそこまで忍術を使いこなせるような艦娘は他におらんであろう)

ガイ「見ものでござるな」

◆◇・・・・・◇◇◇→
◇◆・・・←◆◆◆・・

ーーーーーーーーーーーー


ドゴォォォォオオン!

日向「やったか!?」

ザパァッ!

伊168「ちょっと!そのセリフ言ったらダメなやつ!」

日向「おいおい、潜水艦が浮いてくるなよ」

伊168「うるさいわね、というか早く戦ってよ日向さん!さっきから私が撃ってばっかりでもう魚雷なくなるんだけど!」

日向「はいはい任せろ、まぁ敵さんがどうなったかだが…」



ザザァァァアアア…


満潮「…っふぅ、なんとか回避も間に合ったわね」

リュウ「まったく…敵は潜水艦もいることを忘れるな。君は少し抜けているな」

満潮「うるさいわね!」



伊168「………」

日向「なんだかんだいいつつ当たったと確信しながら浮いてきたもんだがら敵さんが無傷で恥ずかしいイムヤであった…かな」

伊168「うるさい!あったまきた、あの二人とも私が片付けてやるんだから!」

日向「おいおい、あの男の方は私の獲物だ。まずはあの駆逐艦の方をやってくれないか」

伊168「ふん!一瞬で決めるわ!」ブクブク



リュウ「満潮、君は引き続き潜水艦の相手をしてくれ。俺はあの戦艦と戦う」

満潮「戦艦相手に一人で戦おうっての!?」

リュウ「ああ、だから俺がやつを倒すまで何とか耐えててくれ」

満潮「…ふん、ばっかじゃないの…。それは私のセリフよ!すぐに潜水艦を倒して援護に行くからそれまで負けるんじゃないわよ!」

リュウ「…ふっ、頼もしい限りだ」



日向「話は終わったか?」

リュウ「ああ、待たせてすまない…が、別に待つ必要はなかったんじゃないか?」

日向「さっきの潜水艦の奇襲みたいになったらテンポが悪いだろう。戦うときは戦う、そうじゃないときはそうじゃない。戦いにはメリハリをつけるべきだ」

リュウ「なるほど…じゃあ、始めるか」

日向「そうだな」



リュウ「…………」ジリ…

日向「……………」


リュウ「………行くぞ!」

日向「来い、鉢巻野郎!」

リュウ「おぉぉぉおおっ!」ザザザザザッ

日向「正面から突っ込んで来るなんて撃って下さいって言ってるようなものだぞ!」ドンッ!

リュウ「遅いっ!」サッ

日向「なっ!?かわし…っ!行け!」

ブゥゥゥゥウウン

リュウ「くっ、艦載機か!」

日向「どうした、近付かないと自慢の腕は届かないぞ!」ドン!ドォン!

リュウ「…ならば…!すぅぅ…っ波動拳!」ボンッ!

ッドゴォォオン!

日向「私の銃撃を相殺した…?おいおい何だよ反則じゃないか?格好よすぎるだろ」

リュウ「無駄口を叩いている暇はないぞ、もう一発だ!波動拳!」

日向「うおっ!人に向かって撃つもんじゃないぞ君!」

リュウ「自分の砲を見てから言うことだな!」

日向「確かに!」ドン!ドドン!

日向「砲を防げるにしても、機銃ならどうだ!」ガガガガガ!

リュウ「うおっ!?くそっ!」

日向「隙だらけだ!」ドォン!

リュウ「…っ!っぜあッ!」ガキィン

日向「砲撃を弾いただと!?デタラメも大概にしろよ!」

リュウ「今だ!」ドウッ!

日向(なっ…はやっ…っ!?)

リュウ「閃空…!」

日向「くっ!艦載機たち!」バババババ

ボゴォン!

リュウ「っぐぁあっ!」ザザザ

日向「…ふぅ、今のは危なかったが…忘れたのか?私は航空戦艦、使えるのは砲だけじゃない」

リュウ「ぐっ…」

日向「それに君、一度駆逐艦を潜水艦から庇ってただろう。その時のダメージが確かに残っているな」

リュウ「…………」中破

日向「君のその装甲服がどれほどのものか知らないが…気を付けた方がいい。その服がダメージによって完全に破壊されると船の加護がなくなり、君は裸も同然だ」

リュウ「…ふっ」

日向「…?どこかおかしな点でもあったか?別に冗談で言ったわけじゃないんだが…」

リュウ「いや、久々に楽しい戦いだからな。思わず笑みがこぼれる」

日向「…君、どこかおかしいんじゃないか?」

リュウ「どうだろうな…さぁ、続けよう!」

日向「やれやれ…」


今回はここまで

寝落ちします(事後予告)

展開が遅すぎて全然話が進まない…
書きたいことは山ほどあるんですがね

ではまた次回

はよ続きかけや

>>415
すまんがもうちょい待て

生存報告兼連絡

以前にも言った通り今週末までは更新は出来なさそうです

済みませんがそれまで待っていただけるとありがたいです

人類の無意識が週末を望んでいる…

週末というより週明けになってしまいましたが取り敢えず身の回りは落ち着きましたので更新を再開します

◆◇・・・・・◇◇◇→
◇◆・・・←◆◆◆・・

ーーーーーーーーーーーーーーーー

利根「くぅぅ…油断したか…」大破

青葉「火力が足りなくても練度は十分な青葉ですから!」小破


島風「速いだけじゃ…ダメなの…?」大破

鈴谷「やっと当たった…このままだったら危なかったな〜」中破




加賀「こんなものなの?」無傷

長門「…くっ」中破

長門(思った以上に強い…!まさかこの長門にたった一隻で対抗しうるとは…)

加賀「発艦…焼き払いなさい!」バシュン!

長門「う…っおおォッ!」ガガガガガ

長門(攻めようにもこの制圧力の前には迂闊に近づけず、艦載機から一瞬でも目を離せば即座にやられるだろう…)

長門「…このままではジリ貧だな」

加賀「鎧袖一触よ、次で決めます」

長門(だが、奴にも隙はある!艦載機を発艦し、次の発艦の準備を整えるまでの僅かな時間…奴は完全に無防備になる!)

いや昨晩は申し訳ありません
電車の中で更新→即寝落ち→起きたら何してたか忘れるのコンボで…

始めます

ブゥゥゥゥウウウウン…

長門(今動いても捕捉される…引きつけろ…もっと…!)

加賀「あら、諦めたの?それなら楽で助かりますが」

ブゥゥゥゥウウウウン…!

長門(まだだ…ギリギリまで…限界まで…!)

加賀「…全機攻撃開始…油断はしないで」

ブゥゥゥゥウウ………

長門(……………行くぞ)


ウウウン…!


長門「今だ!」バッ!


ズドォォォォオオッ!


加賀「!?……自分の足元を撃った…?」

加賀(確かに水が噴き上がり霧の役割を果たしてはいるけれど…あんな無茶なことをしてはただの自滅に他ならない)

加賀「…攻撃態勢を維持、周囲を十分に警戒して」

ブゥゥゥゥウウウウン…

ブゥゥゥゥウウウウン…

加賀(霧も大方晴れてきましたが…結局はただの悪足掻きでしたか)

ドォン!

加賀「!」

加賀(霧の中から砲撃音…まだ動けるのは流石と言ったところね…でも)

加賀「そんなもの、自分の位置を曝け出しているに他ならない、艦載機の皆さん…攻撃、開始!」

ブゥゥゥゥウウン…ダダダダダダ!

加賀(また水を撥ね上げることになってしまうけれど…おそらくこれでとどめになるし問題ないでしょう)

加賀「………」

ブゥゥゥゥウウン

加賀「………………」

ダダダダダダ!

加賀「……………………」

ガガガガガ!

加賀「…………………………」






加賀「…全機、着艦」

ゥゥゥウウウン…

加賀「ここまでやれば十分でしょう…霧が晴れれば回収してあげます。……さて、次の敵艦を…

長門「そりゃ、早計じゃないか?」

加賀「!!?」バッ!

長門「遅い!」バッ!

ドゴォォォォオオオ……ォォオオオン…


ォォオオオン…



長門「…………」

加賀「…………」


長門「…流石だな、あの一瞬で艦載機は間に合わないと判断し咄嗟に矢だけでこちらを攻撃してくるとは」

加賀「そちらこそ…まさかあの銃撃の雨を凌ぐとは大したものです」

長門「腐っても世界のビッグセブン、侮られては困る…が」

加賀「………」


長門「…今回は、私の負けだよ」大破

加賀「あと一瞬反応が遅れていたら…負けていたのは私でした」

長門「情けはいらん…天晴れだ、加賀」

加賀「………」



加賀(…しかし、私ももう戦闘は行えない…まだまだ強くならなければ)中破





長門「よし、もう終わったな」

青葉「え?いやまだリュウさんたちが…」

長門「…向こうを見てみろ」クイッ

青葉「へ?」


ドッゴォォォォォオオオン!ボゴォン!ガン!バガァン!ボゴォォォオオオン!


青葉「…うわぁ」

長門「あれに突っ込んで無事で済むんなら行ってきていいぞ」

青葉「遠慮しておきます!」

利根「しかしそちらの提督はなんじゃ、本当に人間か?」

鈴谷「さぁ…?」



◇◆・・・・・・×◆×
◆◇・・・・・・◇◇×


日向「くっははは!楽しいなおい!」

リュウ「どうした!攻め手が緩んでいるぞ!」

リュウ(とはいえ…状況は不利。今まで銃を持った人間と対峙したことは多々あるがこれはレベルが違う)

日向「…ふっ、ここまで耐えるとは予想外だったよ。君の健闘を讃えて最後はこれで仕留めてあげよう」ジャキン

リュウ「刀…か」

リュウ(力強く、素早い…精密で、隙がない…これが…戦艦…!)ゾクゾク

リュウ「よし来い!ファイナルラウンドだ!」

・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・


〜フタマルマルマル、ガイ鎮守府〜


リュウ「………ふぅ」

鈴谷「…ん?あー提督こんなとこいたんだ。食堂にいないからどこ行ったかと思ったよ」

リュウ「鈴谷か」

鈴谷「どしたのこんなとこで?…あ、まさか昼間に負けたこと気にしてんの?」

リュウ「いや、そういうわけじゃない」

鈴谷「気にしなくていいじゃん、提督は日向に負けたけど最後に満潮が潜水艦を仕留めてくれたお陰で演習自体には勝てたんだしさ!」

リュウ「…そうだな、満潮に限らず君達は皆よくやってくれた。良いものを見られたよ」

鈴谷「それはこっちのセリフだよー。まさか本当にあそこまで戦えるなんてさー…だからそんなに落ち込まなくっていいじゃん」

リュウ「…ふっ、大丈夫だ。別に落ち込んでいるわけじゃない」

鈴谷「じゃあどうしたの?」

リュウ「今日の日向に限らず天龍に夕張…皆素晴らしい実力を備えている。それが堪らなく楽しくてな」

鈴谷「楽しい?」

リュウ「ああ、こんなに血が湧く戦いも久しぶりだ」

鈴谷「…提督ってさ、変人って言われない?」

リュウ「そうかもな、だが本当のことだ。…どうだ鈴谷、何なら明日にでも手合わせを」

鈴谷「全力でお断りー。死んじゃうよ冗談抜きで。…ま、そんなわけならさっさと戻ろうよ。せっかくたくさん豪華なご飯食べられるんだから」

リュウ「そうだな」


〜ガイ鎮守府、食堂〜

ガイ「む、リュウ殿。これまでどちらへ?」

リュウ「いや済まない。少し外で涼んでいた」

ガイ「左様でござるか。…しかし人の縁とは奇怪なものでござるな」

リュウ「そうだな。まさかこんなところでお前に会うとは思っていなかった」

ガイ「今夜は無礼講でござる。好きなだけ寛いで行って下され」

リュウ「済まないな、夕飯を準備してくれた上に寝床まで貸してくれるなんて」

ガイ「なに、折角再開したのでござる。この程度はさせて頂きたい」

リュウ「ああ、ありがとう」

ガイ「しかし…長門と満潮であったか。あの二人は帰ってしまったがよかったのでござるか?」

リュウ「ああ。なんでも鎮守府を手薄にするわけにはいかないらしい。俺が戻るといったんだがここに世話になれと聞かなくてな…」

ガイ「素直な良い娘たちでござるな」

リュウ「今回の演習であの二人は特に頑張ってくれた…こんな時くらいはゆっくりしてもいいと思うんだがな」

青葉「司令かーん!なーに堅苦しそうな話してるんですか!一緒に食べましょうよー!」

利根「そうだぞ提督よ!男二人でボソボソと華が足りん!我輩たちが添えてやるとしよう!」

青葉「それ突撃ぃ〜!いえぇ〜い!」ガバァッ!

利根「のじゃー!」ガバァッ!

リュウ「うおっ…酔ってるな、これは」

ガイ「こちらも同様。まったく…」

青葉「青葉、酔ってませんよぉ!ちょーっと多めに補給しひゃっただけです!」

利根「我輩を見くびるでないぞ提督!こんなもの酒とも言えんわ!ひっく!」

リュウ「…まぁいいか。折角の席だ、我々も飲むとしよう」

ガイ「そうでござるな」



司令官、青葉ちょーっと寄ってきたかも知れません、かいほーしてくらさい…

いや、ちょっとじゃなさそうだが…

提督ぅー、島風が鈴谷のことビッチって言ったぁ〜!違うのに〜!うぇぇえん!


提督よ、お主分身の術も使えたのか…うぅん…5人…6人…

今は何も使っておらぬぞ…致し方ない、川内よ、こやつを部屋まで運ぶのを手伝って…

あっはははは面白ーい!提督って幻術も使えたんだ!目の前がぐわんぐわんすれぅ〜!

…………



加賀(………喧しい)チビチビ

今回はここまで

やらなきゃいけないことが片付いたら、その次はやりたいことが山積みで別のベクトルで忙しくなったりしますよね、さて来週のサザエさんは(ry

また次回

〜翌日マルハチマルマル、ガイ鎮守府ロビー〜


ガイ「もっとゆっくりしていっても拙者は構わんが」

リュウ「いや、いいんだ。長門たちを待たせているしな」

ガイ「左様で御座るか。またいつでも立ち寄って下され」

リュウ「ああ、そうさせてもらう」

利根「提督!そちらの皆の艤装の整備が終わったから持ってきたぞ!」

ガイ「ああ、丁度良いタイミングで御座るな」

リュウ「しかし演習ですら毎度整備を必要とするのは面倒だな」

青葉「演習だから、ですよ。艤装は実践と演習で同じものを使いますが実弾でやり合うわけにもいきませんから、細心の注意が必要なんです」

リュウ「なるほどな…ん?見たところ俺の艤装がないようだが…」

ガイ「誠で御座るか?…ふむ確かに。利根、知らぬか?」

利根「我輩はそれで全てだと渡されたが…」

ガイ「今回の整備は誰が?」

利根「えーと…日向じゃな」

ガイ「………」

リュウ「………」


日向「そう呆れた顔するなよ。私が何をしたって言うんだ」ザァァァアアア…


青葉「うわっ!?いきなり何もないところから人が!?」

リュウ「やはりその技術には舌を巻くばかりだが…それで、俺の艤装を知らないか?」

日向「いやいやちょっとは驚いたらどうだ?何もないところから人が出てきたんだぞ?…まぁいいか、ほらアンタの艤装だ」ヒョイ

リュウ「ああ、確かに。…ん?少し形状が変わったか?」

日向「ああ、少し改造させてもらった。勝手なことをして済まなかったが…まぁ、成功したから目を瞑ってくれ」

【提督用籠手+5】

リュウ「昨日酒の席にいなかったと思ったら…夜通しでこれを?」

日向「私とイムヤ…伊168の二人で、だ。アンタは確かに強かったが例のエネルギー弾を撃つ時には一瞬隙だらけだったからな。その装備を使えば他の艦娘達の様に片手で砲撃を行えるはずだ」

リュウ「なるほど…しかし、なぜそこまでしてくれたんだ?」

日向「提督自ら戦うなんてそうそう見れたモンじゃないからな。いい経験をさせてもらった礼だ」

リュウ「…そうか。ありがとう」

日向「気にするな。ああ、それとその装備は性能は上がったがその分身体にかかる負荷は大きくなる。気を付けろよ」

リュウ「肝に銘じておこう。…それではそろそろ帰るとしよう。いい経験をありがとう」

日向「またいつでも挑んでこい」

利根「我輩達は負けた側じゃがの」

青葉「今度は色々取材させてくださいね!」

鈴谷「今度も負けないからね」

島風「ふふん、今度はもっと速くなってきてよね!」

川内「今度こそ夜戦するんだから!」

雷「私だって今度こそ活躍してみせるわ!」

ガイ「何か困ったことがあったら何でも言って下され、必ず助けに向かわせてもらうで御座る」

リュウ「ああ、そちらこそ。また会おう」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ガイ「…ふむ、我々もまだまだ鍛錬が足りんな」

日向「いやはや全く。一歩間違えれば私も殴り飛ばされていたかもしれないな」

ガイ「…何なら今から拙者の手で折檻してやっても良いぞ?」

日向「何故だ?昨日の演習では不覚は取らなかったぞ」

ガイ「そうではない。他人の、それも他の鎮守府の艤装を勝手に弄るとは何事だ。今までは見逃していたが、最近お前は少し目に余る。ここらで一度厳しく…


伊168「ふぁぁあ…あら、もう帰っちゃったの?ごめんなさい司令官。イムヤちょっと寝過ごしちゃった…」

日向「おお!おはようイムヤ!ほらほら提督、昨晩の件はこいつもグルだぞ!」

ガイ「御早う、イムヤ。今日は特にすることもない。もう少し寝ていても良いぞ?」

伊168「そうなの?…でも特訓しないと…昨日は、私のせいで負けたから」

ガイ「無理はするな。お主はよくやってくれた、今日一日はゆっくりと休め」

伊168「…うん、ありがとう司令官。それじゃイムヤ、もう一度眠らせてもらいます」



日向「…あれ?扱いの差が酷くないか?」

川内「日頃の行いってやつだと思うよ」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

リュウ「戻ったぞ」

長門「ああ、おかえり」

青葉「青葉、ただいま戻りました!」

満潮「向こうで何か騒ぎ起こしてないでしょうね」

青葉「何ですかそれ!私たちが問題児みたいな扱い!」

リュウ(おかえり…か)

長門「どうしたリュウ、口元が笑っているぞ」

リュウ「…ふ、いや、何でもない。それで、今日は何をするんだ?」

満潮「随分積極的ね。やっと提督のとしての自覚が出てきたのかしら」

リュウ「どうだろうな。満潮には今後も分からないことがあったら聞きに行くよ」

満潮「そうしなさい、そしてはやくまともな提督になってよね」

長門「今日だけじゃなくしばらくは出撃するような予定はないな…まぁ、E海域への調査が終わって本格的に作戦が動き出し次第、死ぬほど出撃することになると思うが」

リュウ「そうか…そうだ、一つ聞きたいんだがいいか?」

長門「何だ?」

リュウ「艦娘というのはどうやって生まれるんだ?」

満潮「…どうしたの?急にそんな話」

リュウ「いや、昨日戦った相手に飛行機を飛ばす奴がいただろう?」

長門「空母の加賀と航空戦艦の日向だな」

リュウ「そうだ。しかしこの鎮守府にはそんな艦娘はいない」

満潮「ようするに戦力の増強がしたいって話?」

リュウ「可能ならば、という話だ。もっとも、やらない事情があるのならそれでいい」

満潮「…どう思う?」

長門「そうだな。いい機会だ、久々に建造と行くか」

青葉「おっ、これはスクープの香り!」

長門「そうとなれば早速工廠へ行こうか、その途中で軽く説明するとしよう」

今回はここまで
次回は新艦娘安価でもしようかなと思っています
(艦種は指定することになるかもしれませんが)

旅をしているとおかえりと言ってくれる場所がないからたまに凄く心細くなるらしいです(友人ダン)

ではまた次回

警告

今日はオリジナル設定多めです
そういうのが苦手な人は…まぁ、はい

更新します

〜移動中、廊下〜

長門「そうだなまずは…艦娘がどこから来るか、分かるか?」

リュウ「どこから?君達は生まれた時から人間じゃないのか?」

長門「生まれた…か。どうだろうな、人として生まれたとも言えるし、艦娘として生を受けたとも言えるな」

リュウ「…?」

青葉「えーと、まず結論から言うと私たち艦娘は人間ではありません。艤装を付けることでそれこそ兵器と同等の力を発揮できますが、艤装の有無に関わらず私たちは『人外』です」

長門「付け加えるなら『元人間』だ」

リュウ「…どういうことだ?」

長門「説明が難しいな…じゃあ深海棲艦と艦娘、どちらが先に現れたか分かるか?」

リュウ「…?それは深海棲艦だと夕張に聞いたが…」

長門「正解だ。ここからの話は長くなるぞ

ー今から5年前、太平洋に突如として化け物が現れた
ーほぼ人間大のその化け物に数々の船が沈められ、軍が動いた
ーしかし最新の軍事力を持ってしても制圧は困難で、たった6つの影を消すのに一ヶ月もかかってしまった
ーそしてその化け物の亡骸を持ち帰り、研究することでいくつかの事が分かった
ー知能生命体であること、海中に生活の拠点を構えること

ーそして、その化け物が武器として用いていた巨大な砲すらも『その化け物の一部』であること



ーそして秘密裏に研究され、さらなる発展が起こった
ーこの地球上でその化け物…深海棲艦にしか存在しない『因子』があること
ーその因子を上手く利用することで因子同士で共鳴を起こし、強靭な深海棲艦の身体に致命的な傷を与えられること

これらの点を踏まえて、『対深海棲艦兵器』が開発され始めるまでに時間はかからなかった

ー因子のコストのために艤装は深海棲艦のものと同じ程度の大きさに
ー海上での小回りを考慮してとにかく小さく、それこそ人間サイズまで


ーこうして『深海棲艦の因子を持った艤装』が完成した
ーあとはトントン拍子だ。知性を持つ深海棲艦に対抗するためには同じく知性を持つ人間が艤装を装着する必要がある
ー深海棲艦の奴らのように艤装を自らの身体同然とするために改造手術を受け、二度と人間には戻れない体に
ーそして完成した兵器は試験投入され、改良を繰り返しながら量産され…



長門「そして、今尚戦いは続いている。と」

リュウ「それでは…つまり」

青葉「言いたいことは分かりますよ、司令官さん」


青葉「青葉たちはね、半分が深海棲艦の元人間、つまりある意味共食いしてる化け物ってわけですよ」


リュウ「…!」

長門「………」

青葉「…なーんて言っても、別に青葉たちは気にしてないんですよ」

長門「艦娘になると決めた時からとうに覚悟は出来ていた。悩む程の事でもないさ」

リュウ「…そうか」

青葉「…さて!まぁこんなもんでいいでしょう。それじゃ建造について説明しちゃいますね!」

青葉「建造に必要な素材は五つです。まず青葉たちの主食、燃料ですね」

青葉「そして艤装の素材として鋼材、初期兵装に充填する弾薬」

青葉「さらに今回は空母ということで、空母の最大の特徴である艦載機のために必要なボーキサイト!」

青葉「そして…さっきの話に出てきた深海棲艦の『因子』またの名を開発資材!以上の五つです。分かりましたか?」

リュウ「ふむ、なるほど…ところで青葉、一つ質問していいか」

青葉「何ですか?」

リュウ「昨晩君達が飲んで泥酔していたアレも燃料なのか?」

青葉「えっ…あー、そ、それは…

長門「ほう…確かに世話になれとは言ったが…泥酔?人様の鎮守府で?…おい青葉」

青葉「あ、あはは…あ、青葉先に工廠に行っておきますね!あっはっは!」ダダダ

長門「あ、おい!…まったく」

リュウ「これは言わなかった方が良かったようだな」

長門「口元が笑っているぞ。…はぁ、まぁいい。どうせそろそろ工廠だ、行くぞ」

リュウ「ああ」

寝落ちしたけど凄くいい夢を見たので許してくだサイコパワー(超理論

取り敢えず今夜こそ新艦娘安価します。
正規空母と装甲空母、つまり一航戦、二航戦、五航戦、雲龍と大鳳が対象です

ではまた次回

~工廠~

リュウ「邪魔するぞ」

工廠妖精「おっ、よくきたな旦那。今日は何の用だ?」

リュウ「建造をしにきた」

工廠妖精「建造を?そりゃ本当か?」

長門「ああ、他の妖精に召集をかけてくれ。久しぶりに働いてもらうぞ」

工廠妖精「よっしゃ腕がなるぜ!ちょっとばかし待ってな!」


青葉「あ、司令官さんこっちですこっち」

明石「提督も修理ですか?どこが壊れてます?」

リュウ「やぁ明石、今日は新しい艦娘をな。君は何をしているんだ?」

明石「青葉さんの主機のメンテナンスです。つい先日も診たばかりなんですが、それでも調子が悪いらしくて」

青葉「なんだか最近ずっと動きが悪いんですよねぇ。おかげで昨日の演習でもあまり動けませんでしたよ」

明石「それで新しい艦娘ってことは建造ですか…因子って余りありましたっけ、私探してきますね」

リュウ「ああいや、今は作業中だろ?構わずに続けてくれ」

明石「いや、単純に私も興味あるんですよ。ここの鎮守府はもうだいぶ長い間新しい仲間が増えませんでしたし」

青葉「よーし、青葉も手伝っちゃいますよー!」

工廠妖精「よっしゃ、妖精たちの召集終わったぜ!」

長門「よし…リュウ、来てくれ」

リュウ「ああ、俺にはよく分からないが何か手伝えることがあるのか?」

長門「妖精たちへの指示はお前がやってくれ」

リュウ「俺でいいのか?」

長門「ああ、妖精たちは支持した者の言葉の奥に潜む意識を読む能力に長けている。直接お前の言葉で指示してくれたほうが思ったとおりに動いてくれるはずだ」

リュウ「なるほど、分かった。…それでは工廠妖精、新たな艦の建造を行おうと思う。俺は何を指示すればいい?」

工廠妖精「応よ、旦那にはまず建造の段階について説明するぜ」

リュウ「頼む」

工廠妖精「まずこの工廠で作るのは艦娘の装備する艤装だけだ。もう説明は受けたらしいが、艤装は機械だが艦娘自体はもともと人間なんでな、作り出すわけにもいかねぇ」

リュウ「では艦娘はどこから?」

工廠妖精「さぁな。いつもどっからかふらりと現われやがる。まぁ艤装をつけられるってことは上層部から送られてきた手術を受けた奴ってことだから別に深く考えないでもいいぜ」

工廠妖精「よっしゃ、妖精たちの召集終わったぜ!」

長門「よし…リュウ、来てくれ」

リュウ「ああ、俺にはよく分からないが何か手伝えることがあるのか?」

長門「妖精たちへの指示はお前がやってくれ」

リュウ「俺でいいのか?」

長門「ああ、妖精たちは支持した者の言葉の奥に潜む意識を読む能力に長けている。直接お前の言葉で指示してくれたほうが思ったとおりに動いてくれるはずだ」

リュウ「なるほど、分かった。…それでは工廠妖精、新たな艦の建造を行おうと思う。俺は何を指示すればいい?」

工廠妖精「応よ、旦那にはまず建造の段階について説明するぜ」

リュウ「頼む」

工廠妖精「まずこの工廠で作るのは艦娘の装備する艤装だけだ。もう説明は受けたらしいが、艤装は機械だが艦娘自体はもともと人間なんでな、作り出すわけにもいかねぇ」

リュウ「では艦娘はどこから?」

工廠妖精「さぁな。いつもどっからかふらりと現われやがる。まぁ艤装をつけられるってことは上層部から送られてきた手術を受けた奴ってことだから別に深く考えないでもいいぜ」

リュウ「そうか…それじゃ建造したい艦娘の話をしていいか?」

工廠妖精「よしきた。それじゃここにいる妖精たち全員に聞こえるように頼むぜ」

妖精A「建造とは久々だ」
妖精B「一体どんな艦を作ろうというのか」
妖精C「戦艦だ!戦艦を作らせろ!」

リュウ「…よし、まず戦力として飛行機を飛ばせる艦娘を作りたいと思う」

妖精D「飛行機?艦載機のことか?」
妖精E「ってことは空母か」
妖精F「残念だったな妖精C、空母だってよ」

リュウ「俺は作戦や戦術は分からない。できればシンプルな戦い方ができる仲間が欲しいと思っている」

妖精G「シンプルな?どういうことだ?」
妖精H「水上機母艦とかは扱いが難しいからな。そういうのは厳しいってことだろ」
妖精I「じゃあ正規空母だな。やることといえば艦載機飛ばすだけだ。圧倒的な力で」

工廠妖精「そんで旦那、資源はどれくらい使う?一概には言えねえが、やっぱり資源を潤沢に使えるんなら俺たちもいい物が作りやすいんだ」

リュウ「どうだ?長門」

長門「…ふむ、よし、工廠妖精、お前の注ぎ込みたいだけ注ぎ込め。どうせ遠征ばかりで余っていたところだ」

工廠妖精「そりゃマジか!よっしゃ漲って来たぜ!やるぞおめーら!」

妖精s「うおおおおおお!!!」


明石「盛り上がってますねー。あ、提督、これが開発資材…深海棲艦の『因子』です」

リュウ「ああ、ありがとう。…これが深海棲艦の…思ったより普通なんだな。もっと禍々しい物かと思ったが」

工廠妖精「見た目こそ普通だが腐っても深海の連中の魂だ。気を抜くと身体を乗っ取られたりするかもな」

リュウ「身体を乗っ取る?それは本当か?」

工廠妖精「ん?いやもちろん冗談だが、どうした?何か心当たりでもあるのか?」

リュウ「…いやすまない。何でもないんだ…よし、じゃあこれを使って建造を頼む」

工廠妖精「応よ!艤装が出来たら改めて伝えに行くとする、それまで待っててくれな!」

リュウ「ちなみに艤装はどれくらいで出来上がるんだ?」

妖精「そうだな…駆逐艦くらいの小さなもんなら1日程度で出来るが…今回作るのは空母だからな。長くて10日ってところか」

リュウ「そうか。それまでの間俺は何をすればいい?」

工廠妖精「旦那は待ってくれてりゃそれでいいぜ。どうせしばらく時間はかかるんだ」

リュウ「そうか。じゃあ済まないがこの後満潮に呼ばれているから今日は失礼するとしよう。頼んだぞ」

工廠妖精「良い報告を期待しててくれていいぜ!じゃあまたな旦那!」


長門「初めてにしては上出来じゃないか?」

リュウ「分かったことは俺はあまり他人に命令するのが得意じゃないらしい」

長門「そう言うな。中々スムーズに進んだと思うぞ」

リュウ「…それで、これでどんな艦娘の艤装が造られるんだ?」

長門「さぁな」

リュウ「分からないのか?」

長門「こればっかりは誰にも分からん。もしかしたら空母じゃないかもしれんまである」

リュウ「…何にせよ、今は待つだけ、か」

長門「そういうことだ。それで満潮に呼び出されていると言っていたが、どうしたんだ?」

リュウ「いやなに、昨日の演習の反省会だと呼び出されてな」

長門「はっはっは。あいつもすっかり教育係だな」

リュウ「そうだな。彼女にはもう頭が上がらないかもしれん」

長門「それじゃお前にとって満潮は海の師匠と言ったところか」

リュウ「師匠…か。ふっ、それも悪くないな。それじゃあな、長門」

長門「ああ、しばらくは暇な日が続く。今のうちに提督という立場にに慣れておけよ」

リュウ「ああ、善処するよ」

今回はここまで
適当に設定考えてたら何か泥沼にはまっていった気が…まぁ適当にそんなもんかくらいで流してくれても大丈夫です




それでは新艦娘安価を行いたいと思います
が、ある程度のルーレット感が欲しいので以下のルールで行います

下2〜下6の5つの安価をとり候補とし、その後コンマで改めて一隻に決めようと思います


候補1:加賀
候補2:加賀
候補3:大鳳
候補4:瑞鶴
候補5:雲龍 となった場合

その後のコンマ安価で下一桁が
1〜4:加賀
5.6:大鳳
7.8:瑞鶴
9.0:雲龍

で出たコンマによって決まります。
つまり候補安価が全て同じ艦娘だった場合その場でその艦娘に決定します


まずは候補安価を行います
>>475
>>476
>>477
>>478
>>479

雲龍

武蔵

ナカチャンダヨー
好きなだけ使え(大型建造限定)だったら熊野で

加賀さん

瑞鶴

あー…正規空母及び装甲空母限定って言うの忘れてました、すみません

まぁでもこちらのミスなんでこのままやります、ただし空母が出やすいようにはさせてください、済みません


コンマ安価、直下レスの下一桁の数字で判定

1.2:雲龍
3.4:加賀
5.6:瑞鶴
7.武蔵
8.那珂ちゃん
9:空母組だけでもう一度コンマ
0:武蔵と那珂ちゃんも含めてもう一度コンマ

直下コンマ

お見事。0なので条件そのまま振り直し
コンマ安価、直下レスの下一桁の数字で判定

1.2:雲龍
3.4:加賀
5.6:瑞鶴
7.武蔵
8.那珂ちゃん
9:空母組だけでもう一度コンマ
0:武蔵と那珂ちゃんも含めてもう一度コンマ

直下コンマ

4なので加賀さんに決定です
ではまた次回

ストVのプレイデモムービーの動画が上がっていましたね
今のところ否定的な意見が多く見られますが自分は結構アリだと思います
細かいところは修正されていきますしこれからが楽しみです

では更新します

〜翌日、ヒトマルマルマル〜

リュウ「さて、確かにやることがないな。妖精曰く5日はかかるらしいし…ん?あれは…」



鈴谷「ん?おー、提督じゃん。ちーっす」

リュウ「お早う鈴谷、その装備はどうしたんだ?」

鈴谷「ん?ああこれね。今から遠征なんだー。普通は重巡は遠征には出ないんだけど何分人手不足でねぇ」

リュウ「ふむ…鈴谷、その遠征にはもう出るのか?」

鈴谷「うんにゃ、ここを出るのは昼過ぎだよ。鈴谷は装備をちょっと慣らしてただけ」

リュウ「じゃあ遠征について教えてくれないか?」

鈴谷「提督、そんなことも知らないの?…って、まぁ仕方ないか。よし!鈴谷さんが教えてしんぜよう!」

鈴谷「まず遠征ってのが何を目的として行うのか分かる?」

リュウ「そうだな…遠海の敵と戦いに、か?」

鈴谷「残念外れー。ブブーだよブブー。正解は資源を集めに行くの。まぁ方法は色々あるんだけどね」

リュウ「その方法と言うのは?」

鈴谷「この鎮守府に資源を用意してくれるよう契約してる民間の業者の所に回収に行ったり、輸送船の護衛をしてその報酬に、とか色々あるんだけど基本的に敵と戦うことはほとんどないかな」

リュウ「さっき重巡は普通は遠征に出ないと言っていたがそれは?」

鈴谷「それは単純に燃費の問題だね。重巡以上の鑑娘はどうしても艤装を動かすのに必要な燃料の量が多くなっちゃうから、折角資源を集めてきてもその為に消費した燃費とプラスマイナスで、結果的にあんまり要領がいいとは言えないんだ」

リュウ「重巡より小さな鑑と言えば…駆逐艦と軽巡か?その二つは少しの燃料でより長い距離走ることができるということか」

鈴谷「付け加えるなら潜水艦も、だね」

リュウ「なるほど…色々と合点がいったよ、ありがとう鈴谷」

鈴谷「提督って中々熱心だよねぇ、鈴谷感心しちゃうなー」

リュウ「俺は出来ることをやっているだけだ。何てことはないさ」

鈴谷「かっこいー。じゃあついでに書類仕事もやってみたら?大淀も一人じゃやっぱり疲れるって前に言ってたよ」

リュウ「む、書類仕事か…俺に出来るだろうか」

鈴谷「急に弱気になるとかやめよーよ。大淀は普段書斎で仕事やってるから!ほら行った行った!」

リュウ「お、おう…むう、書類仕事か」

鈴谷「提督頭悪いの?」

リュウ「どうだろうな、ただ文字を読むよりは戦う方が好きだな」

鈴谷「あっはは!鈴谷と同じだ。でもほら、提督は提督じゃん?仕事はやらなきゃ」

リュウ「…そうだな、俺も腹をくくるとしよう」

鈴谷「そのムキムキの巨体で書類…うっわぁ想像つかないなぁ」

リュウ「じゃあ取り敢えず俺はこの後大淀の書斎に行くとしよう。鈴谷、ありがとう」

鈴谷「ほいほい。また何か分かんないことがあったら鈴谷に聞いてね。明日の午後にはまた戻るから」

リュウ「ああ、それじゃ頑張ってきてくれ」

鈴谷「はいはーい、そんじや行ってきまーすってね。まだ時間あるけど」

リュウ「…ああ、いってらっしゃい」

短いですが今回はここまで

最近更に冷え込みが厳しくなりましたね。皆さんも風邪をひかないように気をつけてください

それではまた次回

〜ヒトヒトマルマル、書斎〜

コンコン

大淀「はい、どうぞ」

リュウ「失礼する」ガチャ

大淀「あら、提督。如何なさいましたか?」

リュウ「なに、君が今この書斎で仕事をしていると聞いてな」

大淀「冷やかしに?」

リュウ「いやそんなつもりは…」

大淀「ふふ、分かってますよ。それでどうしたんですか?」

リュウ「ああ、俺にも何か手伝えることはないかと思ってな」

大淀「あら、仕事といってもデスクワークばかりですよ。大丈夫ですか?」

リュウ「確かに苦手な部類だが…おそらくは」

大淀「ではこれを。先日の演習の報告書です」

リュウ「ふむ………?……む…?」

大淀「………」

リュウ「…………」

大淀「………」

リュウ「……すまん、力にはなれそうにない」

大淀「やっぱり難しいですか…まぁ無理もありませんよ。この鎮守府で書類を扱えるのは私と青葉さんだけですから」

リュウ「青葉も?それは少し意外だな…」

大淀「そうですか?彼女は言動こそああですが、とても思慮深い思いやりのある方なんですよ」

リュウ「…ふむ…」

大淀「まぁ取り敢えずその話は置いておいて、提督には力仕事を手伝ってもらいましょうかね」

リュウ「何か俺にもできることがあるのか?」

大淀「力仕事と聞いて途端に嬉しそうですね。…では、倉庫にある資材を工廠まで運んで下さい。倉庫までは私が案内しますから」

リュウ「任せてくれ」


〜倉庫〜

リュウ「これは…思った以上に多いな」

大淀「建造に使うらしいですよ。今回は随分大型の艦を建造なさるんですね」

リュウ「普通を知らないから何とも言えないが…やはり多いのか」

大淀「かなりの量ですね。…まぁこれだけありますから、最低でも3往復くらいかかりそうですね。私も手伝いますから…

リュウ「いや、俺一人で大丈夫だ」

大淀「いえ、協力した方が早く終わりますから」

リュウ「いや、そうではなく」

大淀「そうではなく?」

リュウ「…ふっ…!」グググググ

大淀「…!?」

リュウ「おっと…流石に重いな…よし、工廠まで運ぶんだったな?後は任せてくれていいぞ、大淀」

大淀「…いえ、念の為私も同行します」

リュウ「そうか、では行こうか」ズシン…ズシン…

大淀(あれだけの量を一人で、しかも全部一気に?…1トンやそこらでは済まないはずなのに…)

リュウ「ん、どうした?行かないのか?」

大淀「あ、いえ、少し驚いて…。では行きましょうか」

リュウ「ああ」ズシン…ズシン…



〜ヒトヒトサンマル、工廠〜

明石「夕張〜、そこのスパナとって」

夕張「今は手が離せないんで、ご自分でお願いします」

明石「えー…くそぅ…よし、行け!妖精さん!」

夕張「こらこら、妖精さんを小間使いにしちゃダメですって…って、あれは提督?どうしたのかしら」




リュウ「っ…と…よし、ここでいいか?」

大淀「ええ、後はここの人達でやってくれるでしょう。…しかし本当に一人で運び切るとは」

リュウ「鍛えているからな」

大淀(鍛えたから、で説明できる範疇でないからここまで驚いているのですが…)


夕張「こんにちは、提督。それに大淀も、どうしたの?」

リュウ「倉庫から荷物を持ってきたんだ。使うんだろう?」

夕張「ん?ああ、それね。ありがとうございます…って、どうやって運んできたんですか?」

大淀「提督自らに運んで頂いたんですよ。手伝わせてくれと頼まれたもので」

夕張「へぇ…これだけの量を運ぶのは大変だったでしょう?一体何往復くらいしたんですか?」

リュウ「ん?いや、面倒だから全部まとめて持ってきたぞ」

夕張「」

リュウ「それで、建造の方はどうなっている?」

夕張「ん…ええ、今の所順調ですよ。大型の艦ですが、5日もあれば完成するかと」

リュウ「そうか、流石に頼もしいな」

夕張「ここの妖精さん達は優秀ですから…あ、そういえば提督、一つだけお聞きしたいことが」

リュウ「何だ?」

夕張「提督は『開発資材』を見たことあります?」

リュウ「ああ、先日に一度だけ」

夕張「そうですか、では3日程度前からこの辺りで保管していた『開発資材』を知りませんか?」

リュウ「いや、心当たりはないが…何かあるのか?」

夕張「何かあるというか…」

明石「あ、それなら私知ってますよ」

夕張「本当ですか!?」

明石「ホントホント、でもどしたのそんなに慌てて」

夕張「それは…」

明石「ちなみにそこに置いてあった開発資材は昨日、建造を開始する時に使っちゃいました」

夕張「はぁ!?それ本当ですか!?」

大淀「そんなに慌てるほどのものなんですか?あの開発資材は」

夕張「…いや、特に問題は、ないはず」

明石「なんだ、ならいいじゃないですか」

リュウ「開発資材にも特別なのがあったりするのか?」

大淀「いえ、そんな話は聞いたこともありませんが…」

夕張「…ええ、私の思い過ごしでしょう」

リュウ「…そうか、それならいいが…」





夕張(ここに保管してあった開発資材は、つい先日の私が戦ったあの重巡リ級のもの…)

夕張(おそらくEvilだったであろうあの敵からとれた開発資材が、今建造に使われてしまっていることになる…)

夕張(…ただの私の考え過ぎで済めば一番いいけれど…)

今回はここまで

また次回

〜ヒトフタサンマル、食堂〜

雷「ほら天龍さん、ちゃんとピーマンも食べなきゃダメよ!」

天龍「分かってるよ、最後にまとめて食べるから今は除けてるだけだろ…だいたいお前はお節介がだな…」

雷「あら、あれって司令官じゃない?おーいしれーかーん!」

天龍「聞けよ」


リュウ「やぁ、2人も昼食か?」

天龍「ああ、どうせなら一緒にどうだ」

リュウ「ありがたい、ではそうさせてもらおう」

雷「今日は何していたの?」

リュウ「ふむ…さっきまでは大淀の手伝いで工廠に居たが何分やることがなくてな。手持ち無沙汰でやれることはないかと模索中だ」

天龍「戦うことしか頭にないかと思ってたが案外ちゃんと考えてるんだな」

リュウ「ああ、肩書きだけとは言え君たちを預かっている身だからな」

天龍「ほーん…」

リュウ「雷たちは午後はどうするんだ?」

雷「私たちは遠征があるわ」

リュウ「鈴谷たちと一緒にか?」

天龍「ん?何だ知ってんのか、まぁそういうこっちゃ。今回は3人だけだけどな」

リュウ「そうか、都合が良かったなら軽く組手でもしたかったがな…」

天龍「冗談キツいぜ。アンタと戦ったらオレたちの方が無事じゃ済まねぇ」

雷「それだったら青葉さんか満潮に頼んだらどう?」

リュウ「青葉と満潮に?」

天龍「あー…あの2人か」

リュウ「…?」

雷「あの2人はこの鎮守府の最古株なの。練度も飛び抜けて高いわ」

天龍「ああ。ここだけの話、徒手空拳なら俺と雷の2人でかかっても、重巡の青葉さんならともかく満潮にすら勝てないだろうな」

リュウ「そんなにか!」ガタッ!

雷「きゃっ、もう司令官驚かせないでよ」

天龍「どんだけ戦いたいんだよ…まぁ、青葉さんならともかく満潮なら断らないだろ」

雷「そういえば司令官、建造はどうなったの?」

リュウ「もう皆知っているんだな」

天龍「そりゃここは人数も少ないしな、それにほらコレ」ガサ

リュウ「新聞?」

雷「青葉さんが作ってる新聞ね。趣味らしいけどここまでくれば立派よね」

リュウ「見せてもらっていいか?」

天龍「もちろん、ほれ」

リュウ「ありがとう………ん?なぁこの写真…これは俺か?」

天龍「ん?…ああ、これは確かにアンタだな」

リュウ「俺はこんなところで青葉には会ってないし写真を撮られた覚えもないんだが…」

雷「…まぁ、青葉さんはそういう人だから」

天龍「気を付けろよ、アイツが本気で潜んだら多分アンタでも気付けないから」

リュウ「それは凄いな」

雷「感心するところかしら…」

天龍「…さて、んじゃ俺は遠征の準備もあるしそろそろ行くかな」

雷「あ、じゃあ私も」

リュウ「遠征頑張ってこいよ」

天龍「おうよ、任せろ」

雷「司令官、ご飯を残したらダメよ?ちゃんとよく噛んで食べるのよ、いい?」

リュウ「はっは、雷は世話焼きだな」

天龍「全くだ。こいつのお節介は度が過ぎる」

雷「何よー2人して!」

天龍「はっはっは!んじゃまたなー提督」ノシ

リュウ「ああ」ノシ



リュウ「…さてと」

リュウ「……………」

リュウ「…………………」

リュウ「………そこだッ!」ヒュッ!

???「危なぁっ!?」ガッ!

リュウ「そこで何をしていたんだ、青葉?」

青葉「いやー危ない危ない、いきなりフォーク投げつけるなんて危険ですよ司令官!」

リュウ「君がわざわざ擬態してまで天井に張り付いてなかったらそんなこともしなかったんだがな」

青葉「いやーそれは…ほら、トレーニングの一環ってことで…」

リュウ「そうか、なら俺のトレーニングにも手伝ってもらおうかな」

青葉「青葉、武闘派ではないので組手は嫌です!」

リュウ「…まだ組手とは言ってないが。やはり盗み聞きしていたのか」

青葉「ぬぐっ!?いや今のは卑怯ですよ司令官!」

リュウ「しかしさっきの攻撃を受け止めたあたり、やはりかなり戦え…

青葉「司令官!青葉実はまだご飯を食べてないんですよ一緒に食べましょう!ね!」

リュウ「ん、いや俺はもう…

青葉「え!?量が少ない!?仕方ないなぁ司令官はじゃあ特別に青葉の分を分けてあげますからほら!」

リュウ「…では、ありがたく頂戴するとしよう」

青葉「ささ、どうぞどうぞ!」

リュウ「それで、やはり建造の話とかもどこかで盗み聞…

青葉「あーっ!そういえばですね司令官!」


〜ヒトヨンサンマル、武道場〜

満潮「まぁ、組手をしたいってのは分かったわ」

リュウ「ああ、よろしく頼む」

満潮「…それで、何で私なワケ?」

リュウ「天龍達が満潮と青葉が1番強いと言っていたからな」

満潮「青葉さんじゃダメだったの?」

リュウ「昼飯の時に誘おうとしたんだがはぐらかされてな」

満潮「そう」パシャ

リュウ「ああ」パシャパシャ

満潮「…ねぇ、それじゃもうひとつ聞いていい?」パシャパシャパシャパシャ

リュウ「何だ?」パシャパシャパシャパシャ

満潮「…何でそのはぐらかした本人が観戦してんのよ!」

青葉「あぁ〜いいですねぇこの画!犯罪チックですねぇ!あ、司令官もうちょっと右にお願いします」

リュウ「ん?こうか?」

青葉「おぉ〜いい!いいですね!」パシャパシャパシャパシャ

満潮「ちょっと話聞いてる!?」

青葉「あ、満潮さんスカートの中見えちゃいますけどそのままの格好でやるんですか?」

満潮「ちゃんと下にスパッツ履いてるわよ!」

青葉「スパッツ!いいですねちょっと見せて下さい撮るんで!」

満潮「ふざけんな!…あぁもう許さない!ボッコボコにしてやるんだから!」

リュウ「よく分からないが…やる気になったみたいだな」

満潮「まずはアンタ!そしてその次に青葉さんよ!」

青葉「キャー司令官ガンバッテー」

リュウ「よし…来い!」

今回はここまで

加賀さんは登場がだいぶ遅れたけどもうすぐ…おそらく…

ではまた次回

〜RYU.vs.MICHISHIO〜
ーFight!ー

満潮「せやっ!」ブン!

リュウ「フッ!」バシッ!

満潮「でや!せいっ!」ヒュッ!ブン!

リュウ「いい動きだ!」ガッ!バシッ!

満潮「ちゃんと私だって…鍛えてるの、よっ!」

リュウ「くっ!よし、もっと来い!」

満潮(足払い…と見せかけてからの脇腹への刺突!)ヒュッ!

リュウ「ふんっ!」ガッ!

満潮(防がれた!?なら、この勢いのまま…もう一歩踏み出して肘を…っ!)

リュウ「っ!」

満潮「叩き込む!」ドゴッ!

青葉「おお、綺麗に決まった!」

リュウ「ぐっ!」ズサッ


青葉(や〜…一応、軍隊格闘技は習うとはいえ、満潮さんもよく戦えますねぇ…)パシャッ



リュウ「いい踏み込みだ、その調子でこい!」

満潮(効いていない…?いや、当たる瞬間に後ろに飛び退いて衝撃を和らげたってとこかしら)

満潮「言われなくても…ふっ!」ダンッ!

リュウ「はっ!」バシン!

満潮(打撃がダメなら柔術で…!内股狩りっ!)

リュウ「いいぞ!」ヒョイッ

満潮(やっぱりそう簡単にはいかないか…なら体当たりでこのまま押し倒して、そのまま寝技に持ち込む!)

満潮「っく…でやっ!」ドン!

リュウ「むっ!?」

満潮「よし!これで終わりよ!」ギリッ

青葉「寝技!エロい!スカートで寝技エロい!」

満潮「うるさい!」

リュウ「…甘い!…っと、目の前の敵に集中しろ、こうも簡単に抜けられちゃ寝技の意味がないぞ」スルリ

満潮「くっ…」

青葉(うーん…青葉の記憶が確かなら満潮ちゃんは足技が得意だったはずなんだけどなぁ…何で使わないん…って、そりゃ恥ずかしいからか)

青葉(そりゃスパッツ穿いてるからってスカートの中見せられるほど簡単な話じゃありませんよねぇ…青葉ズボンなんで知りませんが)ニヤニヤ

満潮「青葉さん何ニヤニヤしてんのよ!」

青葉「いえ別に」


リュウ「いいのか?隙だらけだ!」バッ!

満潮(しまっ…踏み込みが、速い…っ!)

リュウ「せいッ!」ヴォッ!

満潮「っーーー!!」ギュッ



満潮「………」ギュッ

リュウ「………」

満潮「………?」チラッ

リュウ「…まったく、相手から目を離したらダメだぞ」ポンッ


青葉(頭ポンポンとか不意打ち)パシャッ

満潮「……な、何で殴んないのよ」

リュウ「何故?」

満潮「これは試合なんでしょ?なのにアンタは最初から攻撃してこなかった!何で!」

リュウ「…まぁ、様子見で君の動きを見ようとしてたから…だろうか」

満潮「それなら今私を攻撃出来たじゃない!何でそんな手を抜くような真似を!」

リュウ「…ふむ、それは…何というか」

満潮「何よ!」

リュウ「言いにくいが…君がまだ年端も行かぬ少女だから、だ」

満潮「…は?」

リュウ「我ながら甘いと思うが…まだ君は幼い。殴るのは流石に抵抗がな…海の上なら艤装を着けていて俺が挑む側だから存分に戦えるんだが…」

満潮「…………」


リュウ「まぁ、今の試合は俺が一撃入れたってことで、それでいいじゃないか」


満潮「」ブチッ

青葉(あ、ヤバイ)

満潮「…ふ」

リュウ「ふ?」


満潮「ふっざけるんじゃ、ないわよ!」ブォンッ!

リュウ「うおっ!?」バシッ!

満潮「このっ!このっ!!このぉっ!!!」ヒュッ!ブオン!ブンッ!


青葉(うっわマジギレですよアレ…まぁこれは見た目だけで舐めプした司令官が完全に悪いんですが…使わなかった蹴りまで振り回して、今の満潮ちゃんには青葉も勝てる自信ありませんよ)


リュウ「くっ!…っし、いいぞ!もっとだ!」バシイッ!

青葉(それで何であの人はその上で楽しそうにいなし続けてるんですかね)


満潮「このっ馬鹿っ!舐めるんじゃないわよ!」バババ

リュウ「攻めが単調になっているぞ!」ガガガ


・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


満潮「…はぁっ…はぁっ…」

リュウ「いい気迫だった。それに鋭く、いい蹴りだ。…が、大振りが過ぎると体力の消費が激しい。気を付けるといい」

満潮「はぁっ…こ、のぉっ!」ブンッ!

リュウ「やはりキレが落ちているな…今日はここまでにしておこう」パシッ


青葉(防御に専念してたとはいえ、陸だとここまで圧倒的とは…結局、数えるくらいしか攻撃通りませんでしたよ)


満潮「くっ…う…」

リュウ「…そうだな、満潮」

満潮「何よ、私じゃ力不足だったのは分かったわよ」

リュウ「いや、そうじゃなくてだな…良かったら、これからも試合に付き合ってほしい」

満潮「何で私なのよ、今戦って分かったでしょ?私は…」

リュウ「いや、君は十分に強かった。…君は俺に様々なことを教えてくれるからな。俺も何か返したいんだが…俺には格闘技を教えるくらいしか出来ない」

満潮「………」

リュウ「…いや、余計な世話だったな。忘れてくれ」

満潮「…いいわよ」

リュウ「!」

満潮「ただし…その、また手加減なんてしたら許さないからね。陸でも、海でも」

リュウ「…ああ、そうだな。それじゃあ、またよろしく頼む」

満潮「ふん…ありがと」

今回はここまで

また次回

〜一週間後、食堂〜

リュウ「ふむ、美味い…やはり間宮の羊羹は良い物だな」

間宮「ありがとうございます。提督さん、もうここの空気には慣れましたか?」

リュウ「ああ、皆良い子達ばかりだからな」

間宮「それは良かったです」

リュウ「間宮も何か俺に協力出来ることがあったら言ってくれ、微力だが力になろう」

間宮「まぁ頼もしい。…そういえば、建造の方はどうなりましたか?」

リュウ「ああ、何でも艤装は完成したそうだが…」

間宮「素体となる方が現れない…と?」

リュウ「ああ」

間宮「建造は久々なのも併せて、今回は特別待ち遠しいですね」

リュウ「普通は艤装が出来て適応した人間が現れるまでどれくらいかかるんだ?」

間宮「早ければ艤装が完成したその日にでも。 遅ければ…私が経験した中では一ヶ月経っても現れなかったこともありますね」

リュウ「それは随分と遅いな」

間宮「結局その艤装は解体されちゃいましたけどね。まぁ、気長に待ちましょう」

リュウ「そうだな」


夕張「提督さんいますー?」

リュウ「おや、夕張か。どうした?」

夕張「お客さんです。何でも知り合いだとか」

リュウ「知り合い?」

夕張「ええ、若い少年2人です」

リュウ「若い少年の2人組…?」

〜鎮守府前〜

リュウ「間宮、何も君までついてくる必要はないんだぞ」

間宮「いえ、私も提督さんのお知り合いの方に興味があるもので」

夕張「あ、ほらあちらの方です」



満潮「ふーん…本当にアンタ達がアイツの知り合いなの?」

???「だから本当だって言ってんだろ!本人に確認してみろって!」

???「そうだぜチビッ子、だから大人しくリュウさんをだな…」

満潮「誰がチビッ子よ!」


夕張「はいはいそこまで。連れてきましたよ」

???「お、リュウさん!久しぶりだな!」

???「やぁ、その小綺麗な服はどうしたんだ?」

リュウ「君達は確か春麗のところの…ユンとヤンだったか?」

ユン「おう!覚えててくれたか!」

ヤン「アンタは全く変わってないな」

リュウ「久しぶりだな、相変わらず兄弟仲も良い様でなによりだ。それで、どうしてここに?」

ユン「ああ、今日は春麗さんからの伝言が…

ヤン「おい兄貴!」ドゴッ!

ユン「ってぇな!?何しやがるヤン!」

ヤン『この事は誰にも知られたら駄目って言われてるだろ、ここには例の艦娘とか言うのも居る。場所を変えよう』

ユン『おお、そうだったな…サンキューヤン』

間宮「?」

ユン「ってわけでさ!俺たち長旅で疲れてるんだ。中で休ませてくれないか?」

ヤン「ああ、手土産もある」スッ

間宮「そっ、それは…!?」

ヤン「ん?あんたコレが何か分かるのか?」

間宮「ええ!噂に名高い本場中国伝統の最上級肉饅…!現地でも滅多に手に入らずその値段は最高6桁にも吊り上がる…!正に至高の中華ですよ!」

ユン「へぇ、そんなに凄いモンだったのか」

ヤン「知らなかったのか?」

ユン「俺はウチの料理を持ってこようとしたんだがな」

間宮「是非!是非それをお譲り頂けませんか!?以前より兼ねて研究したいと思っていたんです!」

ヤン「どうする兄貴?」

ユン「つってもこれはリュウさんに持ってきたモンだしなぁ…あ、そうだ」

ヤン「何か思いついたのか?」

ユン「こういうのはどうだ…」ヒソヒソ

ヤン「成る程成る程…ほう」

間宮「あのー…?」

ユン&ヤン「」ニタァ…

ユン「まぁ別に欲しいってんなら譲ってやってもいい」

間宮「本当ですか!?」

ヤン「だが、タダでやるってのもなぁ…?」ニヤニヤ

ユン「折角の上物だ…条件がある」ニヤニヤ

間宮「じょ、条件…?」

ヤン「ああ、なーに簡単なことさ…世の中欲しいなら力尽くで奪えばいい、なぁそうだろ?」

ユン「ああそうさ…ってわけでリュウさん…俺たちと勝負だ!」

リュウ「…ん?俺か?」

ヤン「おう、本来ならこの御婦人と直接、と言いたいところだが俺たちは紳士だ」

ユン「あんたが俺たちに勝ったらこの肉饅は御婦人に譲る。が、負けたらこれ全部あんた一人で食ってもらうぜ!」

間宮「提督さん…」

リュウ「…いいだろう、その勝負受けて立つ」

ユン「そうこなくっちゃ」

ヤン「ここは場所も悪い。どこか適当なところはないか?」

リュウ「ああ、それなら武道場が…

満潮「ちょっと待ちなさいよ!」

ユン「ん?何だチビッ子、まだ話の途中なんだが」

満潮「何だじゃないわよ!さっきから好き放題言って!顔見知りだからって出会い頭に勝負なんて失礼と思わないの!?」

間宮(満潮さんも初対面の時はだいぶ酷かったですけどね)

ユン「お前だってリュウさんの性格は知ってるだろ?断りゃしねぇよ」

満潮「だからってやり方がネチネチし過ぎなのよ!それに間宮さんをダシにするなんてどんな神経してんの!?」

ユン「何だと?」カチン

ヤン『まぁまぁ兄貴、こういう子供は対処の仕方ってのがあるんだよ』ヒソヒソ

ユン「でもよ、ヤン!」

ヤン「いいから見てろって。…さ、悪かったな。確かに不躾だった」

満潮「分かればいいのよ」

ヤン「だから、な?後で俺が飯作ってやるから部屋に戻ろうな?腹空いてるんだろ、おチビちゃん?」

満潮「」ブチッ

バキッ ドゴッ ガスッ ドガガガッ キュピィーン!

ヤン「」チーン

ユン「ヤァァアアアン!?」

ユン「テメェよくもヤンを!」

満潮「そっちが悪いんでしょ!」

ユン「何だと!?もう我慢ならねぇ、先にテメェと勝負だ!」

満潮「いいわよ!いくらでも相手になってあげる!」



間宮「あわわわわ…提督さん、止めなくていいんですか…?」

リュウ「ん?そういえば夕張の姿が見えないな…」

間宮「提督さん!提督さんってば!」

リュウ「まぁ悪いようにはならないし大丈夫だろう。何なら俺も混ざりたいくらいだ」

間宮「提督さん!?あぁもう何でこんなに血気盛んな方々が多いんですか…」

〜Michishio.vs.Yun〜
ーFight!ー

ユン「後悔すんなよチビガキ!」

満潮「ガキじゃないっての!」

ユン「せいっ!はっ!そぉらっ!」ブンッ!バッ!ゴッ!

満潮「くっ…!このっ!」ブンッ!

ユン「当たらねぇよ!」

満潮(なんて激しい攻め…!後手に回ったら一方的にやられる!機を見てこちらから仕掛けなきゃ…!)

ユン「そら!どうした!」シュッ!

満潮「くうっ!」ガッ!



リュウ「分かってはいたがやはりユンの方が上手だな」

間宮(誰か止められる人…青葉さん!?青葉さんはどこ!?いつもならどこにでも現れるのに!)オロオロ

満潮「く…ぅ…っ!調子に乗ってんじゃ、ないわよ!」ブンッ!

ユン「うおっ!?」ガッ!

満潮「それっ!それっ!せりゃっ!」シュッ!ガスッ!ゴッ!

ユン「ぐっ…う、おぉっ!?」

ユン(なんつー力だ…!?やっぱ見た目はただのチビガキでも艦娘ってのは油断ならないな!)

満潮「ふっ!そこぉっ!」ドゴオッ!

ユン「があっ!?」




リュウ「ほう、いい巴投げだ。綺麗に決まったな」

間宮(ぁぁぁああどうすればどうすれば…って、あれは夕張さん!助けて夕張さ…おや?隣の方はどなたでしょう?)



夕張「ちょちょ、いきなり動いて大丈夫なんですか!?まだ馴染んでないんじゃ…!?」

???「大丈夫です、暴徒を鎮圧するだけですから」

夕張「えっ、暴徒って…って、あれは暴徒じゃなくて客じ…

???「鎧袖一触よ」キリキリキリ

ユン「せいやッ!」ドゴッ!

満潮「っぐぅ…!げほっ!ごほっ!」

ユン「ふぅ…手こずらせてくれたな…思ったよりはやるようだが、俺に挑んだのが間違いだったってわけだ」

満潮「ぐっ…まだ、終わってないわよ…!」

ユン「そうかい、じゃあ止めだ!」

満潮「くっ!」


ブゥゥゥゥゥゥウウウン……


ユン「…ん?なんだこの飛行機…ラジコンか?」

満潮(艦載機…?一体誰が…?)


ブゥゥゥゥゥゥウウウン……


満潮(って、攻撃態勢じゃないの!?マズッ、離れなきゃ…っ!)

ユン「んー…?」

ヒュルルルルルルル……

ユン「………ん?」

ボゴォォォォオオン!



満潮「…っ危なかった…!」


ユン「」チーン

リュウ「…艦載機?一体誰が」

間宮(艦載機ってことは…あの夕張さんの隣にいる方が…)

夕張「満潮さん、無事ですか!?あぁもうだから暴徒じゃないって言ったのに…」

満潮「危うく巻き込まれるところだったわ!誰の仕業よ!」

???「戦闘を行っていたものだから、てっきり敵かと思ったのだけれど…違ったのかしら」

満潮「そういう問題じゃないでしょ!?どうして纏めて吹き飛ばそうとしてるのよ!」

???「そちらの方が手っ取り早そうでしたから」

満潮「何ですって!?」

夕張「満潮さん落ち着いてください!…あ、えっと…そう!こちらが私たちの提督のリュウさんです!」

???「…あなたが私の提督なの?それなりに期待はしているわ」

リュウ「ああ、よろしく頼む。…それで、君は…?」



加賀「私は正規空母の加賀。一航戦、加賀、ただいま着任しました」



ユン&ヤン「」チーン

今回はここまで

次回の終わりあたりにストリートファイター勢の新参加キャラを安価で決めたいと思います

また次回

〜1時間後、応接間〜

ヤン「……ッ!?」ガバッ!

ユン「お、起きたか」

ヤン「兄貴…?つっ…ここは…ってそうだ!あのチビ助!」

青葉「弟さんも起きられましたか」

ヤン「あん?アンタ誰だ?」

青葉「ども、恐縮です!青葉ですぅ!一言お願いします!」

ヤン「…なぁ、コイツも」

ユン「ああ、艦娘だ」

ヤン「…はぁ」

青葉「おお、どうしましたか?」

ヤン「軽く絶望してるんだよ…この状況に」

ヤン(くっそ、春麗さんめ…!何が伝言を伝えるだけの簡単なお使いだ!こういう裏があるからやたらと報酬弾んでくれたのか!)

ユン「気持ちは分かるぜ…ヤン」

青葉「ご安心下さい、とって食う気はありませんので!」

ユン「艦娘ってのは人まで喰らうのか…」

青葉「やだなぁ!冗談ですよぉ!」

ヤン「分かってるよ、いいからこの状況は何か教えてくれ」

青葉「ここは鎮守府の中の応接間です。お二人が気絶したので適当にここに運んだんです」

ヤン「…そうだ、あのチビ助…。なぁアンタ、艦娘ってのはどいつもあのちっこい奴並に強いのか?」

青葉「さぁどうでしょう?練度で言えば確かに1番ですが、駆逐艦ですからねぇ…艦娘のカテゴリの中では最も小さく、はっきり言っちゃえば脆弱です」

ヤン「マジかよ…」

青葉「まぁでも、それも海の話です。陸上での戦いなら満潮…その駆逐艦の子ですね、彼女が1番強いんじゃないでしょうか」

ユン「マジか」

ヤン「そんで、満潮?アイツは今どこにいる?」

青葉「今から歓迎会ですから、その準備かと。青葉は今から様子を見に行きますが…お二人も来ます?」

ユン「歓迎会?俺たちのか?」

青葉「やだなぁ、お二人は鎮守府前で気絶するほど手厚くもてなされたそうじゃないですか」

ヤン「………」



〜食堂〜

夕張「あ、青葉さん、ユンさんとヤンさんも。お二人はお身体の方は大丈夫ですか?」

ヤン「ああ、一応もう大丈夫だ」

ユン「この通りピンピンしてるぜ」

夕張「良かった。すみません、ご迷惑をお掛けして…」

ユン「おいおい、あんたは別に悪くないだろ」


ヤン「そうだぜ、頭を上げてくれ。こっちまで気分が悪くなっちまう」

夕張「いえ、私がきちんと止めておけば…お詫びと言っては何ですが、これからパーティを開くんです。と言ってもかるい食事会のようなものですが…。お二人もご一緒にいかがですか?」

ユン「…どうする、ヤン?」

ヤン「断る理由もないしな、ご相伴に預からせてもらうよ」

夕張「ありがとうございます。そして重ね重ねすみません…」

ヤン「気にすんなって、もう別に何とも思っちゃいないよ」

ユン「そうだな、むしろあんたみたいな常識人がいてくれたことに感謝したいくらいだ」

青葉「むむっ、まるで他に常識人がいないとでも思ってます?」

ユン&ヤン「ああ」

ユン「まぁそりゃリュウさんは別だが…って、そういやリュウさんはどこだ?」

夕張「提督なら先ほど執務室に…あ、ちょうど戻ってきましたね」

リュウ「お、ユンもヤンも目を覚ましたか。丁度良かった」

ヤン「ああ、面倒をかけたな。リュウさん…と、お前は…」

満潮「………」ツーン

ヤン「……ちっ、悪かったよチビ助」

満潮「…満潮よ」

ヤン「…チビ潮」

満潮「………」

ヤン「………」

満潮「………………」

ヤン「………………」

青葉「まぁまぁ。あ、間宮さんが呼んでますよ!何でしょう!」



間宮「提督さん、それに皆さんも」

リュウ「どうしたんだ、間宮?」

間宮「はい、今夜の歓迎会に向けて取り敢えず作ってみたんです。味見してみて下さい」

ユン「これは…肉饅?」

間宮「はい。私は中華料理にはあまり詳しくないので、出来れば本場のお二方に助言を頂きたいのですが…」

ヤン「そういえば、俺たちが持ってきたやつはどうしたんだ?」

間宮「それなら、私がきちんと保管しています。折角の品ですから」

満潮「私は食べちゃいましょうって言ったんだけどね」

リュウ「俺も旨そうだから食べようとしたんだが間宮に止められてな。…ふむ、良い味だ」モグモグ

間宮「全く2人とも…そんなことしたら持ってきて頂いたユンさんとヤンさんに失礼ですよ」

ヤン「…常識人がここにもいたか」モグモグ

ユン「………」モグモグ

青葉「間宮さんこれもう1つ下さい」モグモグ

満潮「…美味しいわね」



ユン「……ダメだな」

間宮「!」

満潮「ちょっとアンタ!」

ユン「これじゃ塩気が強すぎて肉の旨味が潰れてる。それに皮もこのままじゃただのガワだ。厨房に案内してくれ」

間宮「え…?」

ユン「本物の饅の作り方を教えてやるって言ってるんだ」

間宮「…!…ありがとうございます!」



ヤン「ったく…兄貴も料理のこととなると…」

リュウ「それはお前もじゃなかったか?」

ヤン「…やれやれ」

ヤン「それで、歓迎会ってのは誰の歓迎会なんだ?」

満潮「正規空母の加賀って人。今日付けでここに着任したの」

ヤン「へぇ、空母ってのは飛行機飛ばすアレか?」

満潮「そうね。ちなみにアンタの兄貴はその加賀にのされたわ」

ヤン「へぇ…正規空母の加賀、ねぇ…んで、そいつはどこにいるんだ?」

満潮「工廠よ。長門さん、明石さんと一緒に最初期の調整をしてるわ」

ヤン「艦娘ってのも面倒なんだな」



〜厨房〜

間宮「よろしくお願いします」

ユン「ああ。…それで、俺たちが持ってきた肉饅はあるか?」

間宮「ええ、それなら………はい、ここに全て」

ユン「1つあんたにやるよ、食ってみてくれ」

間宮「ええっ!いいんですか!?」

ユン「ああ、肉饅を守ってくれた礼ってのと…ま、あんたみたいなちゃんとした人なら、譲ってもいいかなと思ってな」

間宮「…っありがとうございます!」

ユン「ああ、それとあの人にもやってくれ。ええと…さっき俺たちが食堂で話してた一つ結びの…」

間宮「青葉さんですか?」

ユン「いや、胸の小さい方だ」

間宮「…夕張さん、ですかね。その言い方はどうかと…」

ユン「そう言うなよ。…さて、それ食べたら始めるか」

今回はここまで

前回から時間が空いてしまい申し訳ない

次回はおそらく木曜日以降になります

ではまた次回


ところで安価の話はどうなったんだ?

>>584
ああ済みません忘れてました

安価とるついでにほんの少しだけ更新します

〜マルロクマルマル、工廠〜

明石「…っよし!調整完了です!」

長門「…しかし、定着していきなり艦載機を飛ばしたと聞いた時は驚いたが…特に問題は無さそうだな」

加賀「ええ、いつでも出撃できます」

長門「そう殺気立つな、ま、これから期待しているぞ」

明石「取り敢えず近いうちに演習やら何やらで不具合がないか確かめてください。ちょっとした違和感でもきちんと報告して下さいね」

加賀「了解しました」

長門「今夜は間宮たちが食事会を開いてくれるそうだ、楽しみにしておけ。…おや、提督殿のお出ましか」


リュウ「忙しそうだな、長門」

長門「ああ、お陰様でな」

長門「後ろにいるその少年は?」

リュウ「ああ、ヤンといってな。俺の知り合いだ」

ヤン「・好」

長門「む、中国人か…済まないが私はこの国の言葉しか分からないぞ」

ヤン「安心してくれ、俺は日本語も分かる」

長門「ふむ、なら良かった。歓迎するぞ、ヤン。ゆっくりしていってくれ」

ヤン「ああ、ありがとう」

リュウ「顔合わせは済んだな。…さて、加賀」

加賀「…何かしら」

リュウ「…君は、俺と前に会ったことがあるか?」

加賀「……?」

リュウ「今日の昼、という意味ではなくそれより以前にだ。心当たりはあるか?」

加賀「…ごめんなさい。記憶にないわ」

リュウ「そうか。…なぁ、長門」

長門「言いたいことは分かる。…先の演習でもこいつを見た、ということだろう?」

リュウ「ああ、確か彼女の名も加賀だった…」

長門「そうだな、丁度いい、説明しておこう」

長門「まず結論から言うと、こいつと演習相手だった加賀は別人だ」

リュウ「だが見た目は全く同じに見えるが…」

長門「ああ、存在は同一であると言えるからな」

リュウ「……?」

長門「艦娘は昔の艦の魂を艤装に宿し、それを人と繋ぐことで生まれる。その魂の大元が同じだと、完全に同一な艦娘が同時に何隻も存在しえるんだ」

リュウ「…つまり、どういうことだ?」

ヤン「要するに、同じ素材から生まれた、全く同じだけの別人ってことだろ?」

長門「…まぁ大雑把に言うとそうだな。そういう意味ではクローンのようなものかもしれん」

リュウ「クローン…か」

加賀「話が見えないのだけれど…提督は、以前にも『加賀』と会ったことがあるの?」

リュウ「ああ、演習の相手として一度だけな」

加賀「そう…確かに私は他の加賀と同じ存在かもしれません…でも、私は1人の、個人としての私。…それだけは覚えておいて下さい」

リュウ「…ああ、承知した」

少ないですが今回はここまで

それではストリートファイター勢新登場キャラ安価を行います

ルールは>>473と大体同じで、今回は候補を3人立ててからコンマで決定としたいと思います。

それと、時系列やら>>1の知識やらの関係で今回は「スト4~ウル4にプレイアブルキャラクターとして登場している」キャラクター限定とさせて頂きます

それでは候補安価をば
候補1:>>590
候補2:>>591
候補3:>>592

ケン

ダルシム


ポイズン

昨晩はどうも、いつもの(寝落ち)です

安価の続きから

候補1:ケン
候補2:ポイズン
候補3:ダルシム
となりました、次にコンマで決定します

コンマ下一桁で判定
1~3:ケン
4~6:ポイズン
7~9:ダルシム
0:もう一人候補を加えて再コンマ

↓1

コンマ:2
よって新参加キャラは【ケン】となります

と、決まったところで更新始めます








(オーソドックスなキャラで良かった…!)

済みません更新するって言いましたが眠気が限界なのでやっぱ今日はなしで

長門「…そういえば、ヤンと言ったか?貴様は何の用事でここに来たんだ?」

ヤン「そうだな…ま、お使いだよ。ちょいと内緒の、ね」

長門「この鎮守府自体への用事ならこの長門が話を聞くが?」

ヤン「いやそういうわけじゃないんだ、悪いな」

長門「む…そうか、まぁ見られて困るような物もない。宿舎以外なら自由にしてもらって構わんよ」

ヤン「宿舎は?」

長門「お前は乙女の花園に飛び込む気か?」

ヤン「…ああ、そういや艦娘ってのは女しかいないんだったな。こりゃ失礼」


ヤン「つっても俺らの用事も大至急ってわけじゃない。気が向いたら済ますよ」

長門「そうか。ならリュウ共々この後は暇か?」

リュウ「ん?ああ、特にすることはないが…どうしたんだ?」

長門「いや、これから加賀が試射をするんだが見ていかないか、とな。正規空母の訓練は圧巻だ。一見の価値はあると思うぞ」

リュウ「ふむ…そうだな。見せてもらおうか」

ヤン「へぇ、面白そうじゃないか」

加賀「私としてはあまり見られるのは好きじゃないのですけれど」

長門「そういうな、お前としても誰かに見られていた方が気が入るだろう」

明石「長門さーん、鎮守府正面海、試射用のデコイの準備終わりました〜」

長門「ありがとう明石。さ、行こうか」

〜ヒトナナマルマル、鎮守府正面海〜

リュウ「ほう、海の至る所に赤い的…ざっと200個ってところか」

ヤン「それもかなり広範囲に渡って置かれてるな。一番遠い奴に至っては1km以上離れてるんじゃないのか?」

明石「お二人とも視力いいんですね…海上に設置した的はちょうど250個、ここからは見えない場所に隠れているものもあるのでそれも含めて全て破壊して下さい」

長門「それと、今回は艦載機の調整のみだから移動は無しだ。そこの赤い浮きのそばから発艦を行ってくれ」

明石「今回はまだ初めてですから…そうですね、1時間で終われば上出来でしょう」

ヤン「1時間か…かなり無茶な注文じゃないか?」

長門「まぁ見ておけ、確かに厳しいだろうがそれだけ期待できると言うことだ」

加賀「…1時間も?」

長門「1時間では難しいか?まぁ取り敢えずやってみろ」

加賀「…まぁ、いいのだけれど」

明石「では加賀さん、準備をお願いします」

加賀「………」バシャッ

明石「制限時間は2時間、目標時間は1時間です。何か不具合を感じたらすぐに中止してください」

加賀「分かったわ」

明石「それでは…コホン…はじめっ!」

加賀「…鎧袖一触よ」キリキリキリ





ヤン「…弓?砲とかじゃないのか?」

長門「空母は方よりも、艦載機の運用を主としている。砲を一切積まないと言うのも珍しくはないぞ」

ヤン「それにしても何で弓なんだ?飛行機飛ばすってもあの腕に付けてるよく分からん板から飛ばすのかと思ったんだが」

長門「あれは飛行甲板だな。確かに艦載機を着艦させる時に使うが…発艦は見ていればわかるさ」

ヤン「あの矢が特殊なのか?……普通に引いて、矢を放って…な!?矢が飛行機に変わった!?」

長門「面白いだろう、あれが弓式空母の艦載機運用だ」

リュウ「俺も実際に変化する瞬間は初めて見たが…これは想像以上だ」

ヤン「どういう理屈なんだ…?」

長門「さぁな、私も詳しくは分からんが…加賀のようなタイプの空母達は艦載機を矢として携行し、それを任意のタイミングで艦載機の姿に戻せるらしい」

リュウ「それも一本の矢から複数の艦載機か…一瞬で空中が埋め尽くされるのはまさしく圧巻だな」

長門「ああ、それに動きも素晴らしい。とても着任したばかりとは思えないな、流石の一航戦と言ったところか」

ヤン「イッコーセン?何だそりゃ、あいつの名前は加賀じゃないのか?」

長門「一航戦と言うのは第一航空戦隊の略称で、艦船『加賀』が所属していた部隊だな」

ヤン「…ああ、そういやあんたらって元々は昔の船なんだっけか」

長門「ああ、戦時の艦船の魂を呼び起こして艤装に定着させたものだ」

ヤン「へぇ…ってことはそんなナリでも歳とかヤバいんじゃないのか?ぶっちゃけババアじゃ…

ブゥゥゥゥゥウウウン…

ヤン「ってうおわっ!?何か一機こっちに飛んで来てるぞ!危ねぇっ!?」

長門「はっはっは、空母の索敵能力を持ってすれば此方の会話など筒抜けというわけか」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

青葉「出遅れた〜!こちらで新しく着任した加賀さんの調整テストを行っていると聞いてきました!」

リュウ「青葉か、それなら30分程度前に終わったぞ」

青葉「えぇ!?早すぎやしませんか!?」

リュウ「さぁな、加賀ならまた工廠に戻ったぞ」

ヤン「ナガトとアカシも仲良く工廠だ。俺たちは少し話してただけだしな」

青葉「何のお話を?」

ヤン「そりゃ内緒だ」

青葉「むむむ…気になりますね!それならターゲット変更です!ヤンさん、一言どうぞ!」

ヤン「俺はそういうのは苦手なんでな、聞くんなら兄貴にでも相手にしてくれ」

青葉「えぇ〜そんなぁ〜」

リュウ「………」

青葉「ん?リュウさんどうしました?海の方に何かありました?」

リュウ「…いや、何でもない」

今回はここまで
また次回

青葉「現在時刻はヒトハチマルゴ…夕食までまだ少し時間がありますね…司令官、この後のご予定は?」

リュウ「特に何もないかな。どうかしたのか?」

青葉「いえ、急ぎではないんですけど司令官の手を借りたい書類が幾つかありまして、良ければ今からでもと」

リュウ「そうか、なら行こうか。ヤン、君は自由に散策でもしていてくれ」

ヤン「ああ、そうさせてもらうよ」

リュウ「夕食は7時からだ。そのくらいになったら食堂に来るといい」

ヤン「あいよ。…ああそうだ、最後に1つだけ、さっきの話の続き…と言うか、春麗さんからの個人的な伝言だ」

リュウ「何だ?」

ヤン「『深海棲艦ってのは凄く数が多いのでしょう?その中から『ヤツ』を探し出すのは難しい…そんな時は彼に頼ってみたらどう?』…だとさ」

リュウ「彼?」

ヤン「いるだろ?大企業の社長でアンタの親友の、頼れる炎の格闘家がさ」

青葉「…???」

〜ヒトハチサンマル、工廠〜

長門「しかし…驚いたな」

明石「ええ、凄かったですね。さっきの試験の加賀さん」

長門「確かに『加賀』の性能を最大限まで発揮できれば難しくはない結果だが…着任したばかりであれか、末恐ろしいな」

明石「頼もしい仲間が増えて何よりですね」

長門「ああ、そうだな」

加賀「ごめんなさい、私の艤装はどちらに置けばいいのかしら?」

明石「ああ、それならあちらに」

加賀「あの箪笥?」

明石「いえ、その横の……」



ヤン「やぁ、艦娘の訓練ってのは初めて見たが、ありゃ確かに凄いな」

長門「ヤンか。リュウとの話はもういいのか?」

ヤン「ああ。そんでリュウさんが書類がどうとかでどっか行っちまってな」

長門「そうか」

ヤン「なぁ、それでさっきの記録…45分ってのはやっぱ早いのか?」

長門「ああ、私が見てきた中でもかなり早いな。正直1時間という目標すら無茶振りのつもりだった」

ヤン「へぇ…そんな芸当が出来るあのカガってのは何者なんだ?」

長門「さぁな、正直異常だ」

ヤン「おお怖いねぇ。…というか、さっきから思っていたが、そんなにペラペラ喋っていいのか?俺は部外者だぞ?」

長門「リュウの知り合いなんだろう?」

ヤン「リュウさんだってまだここにきて2週間経ってないっていうじゃないか。信用するのは早計なんじゃないのか」

長門「…そう言われてみれば、確かにそうだな」

ヤン「おいおい…」

長門「…ふむ、そう考えると私は何故ここまで話しているんだ?貴様がスパイだった場合を考えると恐ろしい」

ヤン「知るかよ。もっと警戒心を持ったらどうだ」

長門「…ふむ」

プチ生存報告兼ご連絡
1週間も空けておいて何ですがこれから更に2週間私情で忙しくなり更新が困難になります

その間は空いた時間に1レスずつ投下…するかも?しれません

しかしまとまった時間は取れないので今後2週間の間はまともに更新できない&出来ても単発sage進行
となります。ご了承下さい

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

〜???、????〜


ユン「……さて」

ヤン「…………」

リュウ「どうしたんだ?こんなところに呼び出して…」

ヤン「…本題だ」

リュウ「…本題と言うのは、今朝言っていた…」

ユン「ああ、俺たちがここに送られた理由…電話やらで国に傍受されても面倒な案件らしいからな、直接俺たちが送られたんだ」

リュウ「…それは、ここの艦娘達に聞かれるのもダメなのか?」

ヤン「正直なところ、俺たちは艦娘ってヤツを信用していない。春麗さんもだ」

ユン「アンタが信用できると思ったら話してくれてもいいし…そうでなくても構わない」

リュウ「…それで、その内容というのは?」

ヤン「……アンタも聞いただろう。最近海で発生してる『Evil』と、5体の『鬼』についてだ」

リュウ「!」ピクッ

リュウ「…何故君達がそれを?」

ヤン「それなんだがな…何でも、その鬼たちは今までの深海棲艦とは事情が違うかもしれないんだ」

ユン「ああ、もしかしたらだが…人の手によって作られたのかもしれない、と…春麗さんは言っていた」

リュウ「人の手で?何故そんなことを…」

ヤン「まだはっきりとしたことは分からないが…調べていると一つだけ分かったことがある」

ユン「……コレだ」スッ

リュウ「…この地図は?」

ユン「…一体目の『鬼』の居場所だ」

ヤン「まだこっちの国じゃ場所は割れていないはずだ。…アンタにはコイツの早急な撃滅を頼みたい」

リュウ「…何故だ?何故部外者のはずの君達がここまで踏み込んでくる…この深海棲艦は一体…」

ユン「……ソイツと遭遇した時、きっと嫌でも分かることになる」

ヤン「何故なら、ソイツらの姿は…………



〜ヒトキュウマルマル、食堂〜

青葉「あら、あの2人もう帰っちゃったんですか?」

リュウ「ああ、何でも晩飯は予約してる店があるとかでな」

青葉「へぇ…もしかしてお金持ちだったりするんですか?」

リュウ「どうだろう、その辺りは知らないな」

青葉「…知り合いなんですよね?」

リュウ「ああ、何度か手合わせをしたこともある」

青葉「………えーと」

長門「はっはっは、青葉よ、皆が皆お前のように知りたがりではないのだ。コイツは特別その傾向が強いのだろう」

青葉「…むむむ……あ、そういえば結局あの2人が来た要件って何だったんですか?」

リュウ「……それは………」

青葉「おっ、何かありげですね〜。どうなんですか?」

リュウ「……秘密だ」

青葉「えぇ〜!そんな殺生な!」

長門「…………」

青葉「あ!それじゃああのユンさんヤンさんとリュウさんってどっちが強いんですか!?」

リュウ「今はまだ俺が勝つことの方が多いだろうが…彼らはまだまだ伸び代がある。これからもっと強くなっていくだろう」

青葉「やっぱり追い抜かれそうで焦ったりします?」

リュウ「彼らが強くなることは悪いことじゃない。ライバルは多いに越したことはないさ」

青葉「あ、じゃあじゃあ!」

長門「おい青葉、その辺に…



大淀「提督、お電話です」


リュウ「ん、俺にか?」

大淀「はい、マスターズと名乗る方から…」

リュウ「…マスターズ…?」

青葉「マスターズ…ってまさか」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

リュウ「…って何だ、ケンじゃないか!」

ケン『だから最初からそう言ってるだろ!』

リュウ「いや済まない、マスターズなんて呼び方は普段しないからな。忘れていたよ」

ケン『ったく…親友の苗字くらい覚えとけよな』

リュウ「それで、何の用事だ?」

ケン『ああそうだ、お前また妙なことに首突っ込んだろ』

リュウ「妙なこと…?何のことだ?」

ケン『今のお前の周りの状況を見ろ!お前みたいな奴が海軍基地にいて普通なわけあるか!』

リュウ「そのことだったか。しかし、何故お前がそのことを?」

ケン『ガイルに聞いたんだ。全く…どうやったらそうなるんだ』

リュウ「人の縁ってのは奇妙なものだな」


青葉「…マスターズ…それに…ケン?まさか本当に…」コソコソ

ケン『…まぁ、そういうわけだから応援を送る、何かの役に立つだろう』

リュウ「おいおい、お前にそこまでさせるほどのことじゃ…」

ケン『こっちだって事情はある程度知ってるんだ。勝手に協力させてもらうぜ』

リュウ「…そうか、なら…巻き込むようで済まないが…手を貸してくれ、ケン!」

ケン『ああ、こっちだって真実を確かめなきゃ気が済まねぇ、やってやろうぜ!』

リュウ「応!」



ケン『…って訳で送った荷物は3日くらいで届くと思う。それと…お、見えてきたな』

リュウ「それと…何だ?」

ケン『ちょっと窓の外を見てみな』

リュウ「窓の外…?いや、何もないな、せいぜいヘリコプターが飛んでるくらいだが…

大淀「提督!アメリカから来たと言うヘリコプターが着陸許可を求めてきたんですが!」バタバタ

リュウ「……ケン、お前まさか」

ケン『さ、許可頼むぜ。司令官殿』




大淀「…そんな所でコソコソ何やってるんですか?」

青葉「あいえっ!?決して盗聴とかではっ!」

今更だけどキャラの見た目だけでも

【ストリートファイター陣営】
リュウ:http://imgur.com/OIGw9dN.jpg
ケン:http://imgur.com/peChGQB.jpg
ガイ:http://imgur.com/Yqk3L1r.jpg
ユン:http://imgur.com/Bi5yVYO.jpg
ヤン:http://imgur.com/wkUvduU.jpg
春麗(チュンリー):http://imgur.com/SB6KU5i.jpg
ガイル:http://imgur.com/vTmOORI.jpg


【艦これ陣営】
長門:http://imgur.com/QSBLKqM.jpg
青葉:http://imgur.com/w0Vbc8x.jpg
満潮:http://imgur.com/qmYggGG.jpg
加賀:http://imgur.com/P1YYe9Z.jpg
鈴谷:http://imgur.com/UeVlIwB.jpg
天龍:http://imgur.com/dE92hbw.jpg
夕張:http://imgur.com/1dAHqK0.jpg
大淀:http://imgur.com/P0RMbmT.jpg
雷:http://imgur.com/rGBCw4L.jpg
間宮:http://imgur.com/YR7Op5X.jpg
明石:http://imgur.com/CHB7iFZ.jpg

画像のチョイスは適当です

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

バラバラバラバラバラバラ…

青葉「おおーっ!おっきぃですねー!」

長門「今日は壮絶な1日だな…」

バラバラバラ…

満潮「何!?またアンタの知り合い!?」

リュウ「ああ、俺の親友だよ」



大淀「こっちでーす!はい、そのまま着陸して下さーい!」

バラバラ…バラ……

青葉「どどどどうしましょう司令官!私英語喋れません!」

リュウ「安心しろ、日本語の喋れるやつだ」

ガチャッ、バタン

長門「金の長髪に、黒の眉…?」

リュウ「……久しぶりだな、ケン」スッ


ケン「おう!会いたかったぜ!」ガシッ

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

大淀「粗茶ですが…」

ケン「ああ、ありがとう」

青葉「まさか本当にマスターズ財団の御曹司であるケン・マスターズさんだったとは!青葉感激です!」

ケン「サインなら後でな」

大淀「しかし…一体どうやってこちらまで?太平洋を渡るのはヘリコプターでは難しいでしょうし…それに海には深海棲艦だっていたはずです」

ケン「ん?ああそうだな、その辺りの説明もしとくか…まぁ結論から言うと、俺はアメリカから来たわけじゃなくて中国を経由してきたんだ、ヘリも日本海を越えただけだよ」

大淀「深海棲艦とは遭遇しなかったのですか?」

ケン「あのヘリは特殊でな、例の…何だっけ、対空電探だったか?まぁ連中に気付かれないように作られてるんだ、俺も詳しくは知らないがな」

リュウ「しかし何故こんなに急に…」

ケン「質問攻めはやめてくれ、俺だって疲れてるんだぜ?」

リュウ「ん、ああそうだな。済まない」

青葉「あ、それじゃあもう一つだけ良いですか?」

大淀「青葉さん、ですから…」

青葉「リュウさんとケンさん、どちらがお強いんですか?」

リュウ「!」ピクッ

ケン「……ほお」

青葉「……え、あれ…?」

青葉「えーともしかして…聞いたらダメな感じでした…?」

ケン「いや、いい質問だ嬢ちゃん。結論から言うと…俺の方が勝ち星は同じだ」

リュウ「いや、確かに俺の方が勝率は良かったはずだ」

ケン「何だと?聞き捨てならないな。部下の前だからって格好付けるなよ、俺の方が強い」

リュウ「いや、俺だ」

ケン「………ほう?」

リュウ「………………」

ケン「………………」

リュウ「……港の方に広い平坦な場所がある。そこでやろう」

ケン「ああ、今日こそどっちが強いかハッキリさせてやるぜ」

大淀「はぁ…やっぱりこうなるんですね…」

青葉「盛り上がって来ましたよー!」

〜フタヒトマルマル、港〜

ケン「…へぇ、夜だってのに随分明るいな」

リュウ「灯台がすぐ側にあるからな。丁度いいだろう」

ケン「なるほどねぇ…さて、そんじゃ」スッ

リュウ「……ああ」スッ


青葉「青葉、なんだかんだで陸上での司令官の戦いを見るのは初めてです!」

大淀「施設が破壊されなければいいのですが…」


RYU vs KEN

……コツン

-Fight!-


ケン「速攻で行かせて貰うぜ!」バッ!

リュウ「来い!」

ケン「せぇあっ!」ブン!

リュウ「ふっ!」ガッ!

ケン「足元が…ガラ空きだぜ!」ガスッ

リュウ「なっ!?」

ケン「そこだ!」

リュウ「っくぅ!」バッ ゴロゴロゴロ

ケン「っち…転がってかわしたか」

リュウ「今度はこっちの番だ!波動拳!」バシュッ!

ケン「あぶねぇ!」バッ!

ボゴォン!


青葉「おぉぉ!アレが噂の波動拳!聞きしに勝る迫力です!」

大淀「あぁっ港の地面があんなに抉れて!」


リュウ「波動拳!波動拳!」バシュッ!バシュッ!

ケン「クソッ…っ鬱陶しいしん、だよっ!」ズバァアン!

リュウ「なっ!?」

ケン「吹っ飛べ!」ドゴォッ!

リュウ「ぐっ!」


青葉「波動拳を蹴りで掻き消した!?」

大淀「あぁ!もう一発の方が灯台に!」



リュウ「ならこれならば!灼熱波動拳!」ゴオォッ!

ケン「ぐぅっ!っあっちいな!」

リュウ「こっちだ!」

ケン「っ!しまっ…!?」

リュウ「遅い!竜巻旋風脚!」

ケン「ぐあぁっ!」ガッ!

リュウ「立て!まだ俺は余力を半分以上残しているぞ!」

ケン「はっ…!なら俺は7割は残してるっての」

リュウ「ならば来い!試合は始まったばかりだ!」

ケン「…っはは、はっは…」

リュウ「……ふっ」

ケン「あっははは…はっはっは…」

リュウ「ははは…」

リュウ・ケン「あーっはっはっはっはっはぁ!!!」ドカバキゴスメキボコガンガンガン!!


青葉「……えぇ…何ですかあれ…」

大淀「さぁ……」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

リュウ「はぁ…はぁ…流石だな…ケン…」

ケン「お前こそ、腕は鈍ってないみたいだな…っはぁ…はぁ…」

リュウ「…………」スッ

ケン「…………」サッ

リュウ「……………」

ケン「……………」

リュウ「…………………」

ケン「……………………」


青葉「…………」ゴクリ

大淀(港の修理費の捻出が…仕方ありません、夕張さんには悪いですが工廠の予算を…)



リュウ「………………………」

ケン「………………………」


……ッ


リュウ・ケン「っ!!」

ケン「おおおおぉぉぉぉおっ!」ダダダダダ

リュウ「はぁぁあああ…!!」

ケン「行くぜっ!」バッ!

リュウ「来いッ!」

ケン「紅蓮…!」

リュウ「真空…!」




満潮「さっきからうるっさいのよアンタたちはぁぁああ!」ドゴォォォオオン!




リュウ「なっ…!?」
ケン「おいおいおいおいおい!?」


ボゴォォォオオン!


-RYU&KEN-
-Double K.O!-


満潮「はぁ…はぁ…!」

青葉「ちょっ…満潮さん!いきなり砲撃ぶっ放すとか何考えてるんですか!?」

満潮「別にアイツらならこれくらい無事でしょ!」

青葉「いやそういう問題では…」


ケン「……ってぇなぁ!おい今のやりやがったのは誰だ!?」ガバッ


青葉「…………」

満潮「ほらね、それじゃ私もう寝るから。静かにさせといてよね」

青葉「あ、いやちょっ…」


リュウ「ふぅ…少し危なかったな…」


青葉「いや生身の人間が砲撃食らって無事な時点で…はぁ、何だかもう慣れてきました」

リュウ「ケン、どうやら騒ぎ過ぎていたらしい。決着はまた今度だ」

ケン「ちっ、つまんねーな。まぁいいか、次は負けないからな」

リュウ「それは俺のセリフだ」

ケン「へっ」スッ

リュウ「ふっ」スッ

コツン


青葉「ついさっきまで殴り合ってたというのにもう笑顔で拳を交わすとは…男の人の友情ってのは分からないものですねぇ…あれ、大淀さん?」

大淀「修理費……港…予算…鎮守府…二隻…解体……」ブツブツ

港「……気絶してますね、こりゃ」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

〜翌日、マルキュウマルマル、食堂〜

青葉「いやはやしかし昨晩の試合はなかなかいい写真が撮れましたよ」モグモグ

鈴谷「いいな〜私も見たかったな〜。あ、夕張は提督とやり合ったことあるんだっけ?」

夕張「一応は…すぐにやられちゃったんですけどね」モグモグ

青葉「それで、そのリュウさんは?」モグモグ

鈴谷「さぁ?また港にでもいるんじゃない?」

間宮「おまたせしました」カチャカチャ

鈴谷「お、きたきたっ」

間宮「提督でしたら、先ほどケンさん、天龍さんと一緒に武道場に向かわれてましたよ」

鈴谷「武道場に?」

青葉「それもケンさんと天龍さんですか…何してるんでしょうね」

夕張「しかし結局、提督って何者なんでしょうね…浮浪者かと思えば世界最高クラスの有名人とも知り合いだったり…」

青葉「それも昨日の様子を見るにただの友人というにはちょーっと仲良過ぎ…みたいな」

鈴谷「もしかしてアヤシイ関係だったり?」

夕張「」ガタッ

青葉「座ってください夕張さん、ナイですから」

夕張「」ストン

鈴谷「この後武道場行ってみる?」

青葉「そうですね」

〜マルキュウサンマル、武道場〜

天龍「よろしくお願いしゃす!師匠!」

ケン「だから俺は弟子はとらねぇって…おいリュウ、お前からも言ってくれ」

リュウ「いいじゃないか、見てやれよ」

ケン「あぁクソ、他人事だと思って」

天龍「昨日の戦い俺も見てたんだが、あまりの迫力に圧倒されてな…俺もあんな風に強くなりてぇんだ!」

ケン「……はぁぁあ…」



鈴谷「ちーっす提督、何やってんの?」

リュウ「ん、鈴谷か。天龍がケンに弟子にしてくれと言ってきかなくてな」

鈴谷「へぇ…なるほどそういうワケか」

青葉「おはようございます司令官」パシャ

夕張「おはようございます」

リュウ「ああ、おはよう青葉、夕張。揃ってどうしたんだ?」

鈴谷「また提督たちが何か面白そうなことやってるから見に来たんだよん」

リュウ「今回は天龍から声をかけられたんだがな」

青葉「でもやっぱり面白いことになってますね」

天龍「なぁ頼むよ!この通り!」

ケン「……はぁ、しゃあねぇな」

天龍「本当か!?」

ケン「つっても弟子にするわけじゃねぇからな!ちょっとばかし見てやるだけだ」

天龍「それでもいいさ!よろしくな師匠!」



リュウ「そういえば大淀の姿を見てないな」

青葉「大淀さんは昨日の騒ぎの後始末です。港がちょいちょい破壊されちゃいましたから」

リュウ「それはすまないことをしたな…手伝いに行ってくる」

青葉「今は執務室で書類まとめてると思うのでそちらで話を聞かれてみては?」

リュウ「そうか、じゃあそうしてみるよ。ありがとう青葉」タッタッタ


鈴谷「青葉は行かなくていいの?聞いた話じゃ騒ぎのきっかけって青葉の一言らしいじゃん?」

青葉「さぁ、何のことやら」

鈴谷「黒いね〜」


ケン「取り敢えず打ち込んでこい、お前のエモノはその刀か?」

天龍「おう、天龍丸だ。フフフ…怖いか?」

ケン「俺に一太刀でも食らわせられたら昼に何でも奢ってやるよ」

天龍「マジで!?っしゃオラァアア!」ガバァッ!


夕張「あの刀そんな名前だったんですね」

鈴谷「何でもって家とかでもいいのかな?」

青葉「港の修理費でも工面してもらえないですかね」

夕張(あ、一応気にしてたんだ)

鈴谷「お〜でもやっぱ言うだけあるね。天龍全然捉えきれてないよ」

青葉「流石に全米格闘王の名は伊達じゃないみたいですね」

夕張「えっ、あの人そんなに凄い人なんですか!?」

鈴谷「知らなかったの?有名人だよ」

青葉「夕張さんは深夜にアニメ見る以外ではテレビ点けませんもんね」

夕張「い、いやニュースくらいは見ますって…たまに」



天龍「くっ!この!ソラァッ!」ブン!ブン!

ケン「おいおいそんなんじゃ10年かけても俺に傷一つ付けられねぇぞ」ヒョイヒョイ

〜20分後〜

天龍「」チーン

ケン「もうバテたのかよ、早ぇな」


青葉「まさか本当に1発もあたらないとは」

鈴谷「いやー凄かったね」

夕張「私は提督には一発当てましたけどね」フフーン

鈴谷「いやそれは海の上だっただからでしょ」


ケン「さて、悪いが続きはまた明日だ」

青葉「ありゃ、もういいんですか?」

ケン「ああ、ウォーミングアップも済んだしな」

青葉「?」

ケン「お前たちはもう準備は済んでるのか?」

鈴谷「準備…って、何の?」

ケン「は?お前たちリュウから何も聞いてないのか?」

夕張「?…ええ、特にこの後何かあるとは…」

ケン「ふむ…じゃあアイツ、最初から2人だけで行くつもりだったのか…」

天龍「だぁークソッ!師匠!俺はまだやれるぞ!」

ケン「だから用事あるんだって、この後出掛けるんだよ」

青葉「その用事というのはどちらに?」

ケン「ったくリュウの奴も話くらい通しとけよな…」




ケン「鬼ヶ島に乗り込むんだよ」



〜ヒトマルマルマル、執務室〜

大淀「正気ですか!?たった2人で乗り込むなんて!」

リュウ「ああ、昨晩ケンと話して決めたことだ」

ケン「いや2人だけで行くとは言ってなかっただろ」

リュウ「俺たちの事情に彼女たちを巻き込むわけにはいかないだろう」

大淀「いいえ!そもそも深海棲艦の撃破は私たち艦娘の領分です!」

リュウ「しかし俺たちにも事情があってだな」

大淀「事情ってなんですか!?」

リュウ「それは…済まない、それは言えない」

大淀「…………」

リュウ「…………」

大淀「……はぁ、もういいです」」

リュウ「済まない」

大淀「でも私たちにだって譲れない部分はあります。せめて2人くらいは同行させてください」

リュウ「それは…」

ケン「いいじゃねえか別に。どうせ隠したってすぐバレるんだ」

リュウ「……そうだな、ではその2人だが…」

大淀「はい。実はもう手配してあります。港で待っていると思うので行くときに合流してください」

リュウ「ああ、分かった」

大淀「しかし提督…本部への連絡や、私たちの協力を断ってまで貴方方だけで行こうとする理由というのは…そこまでのものなんですか?」

リュウ「……済まない。やはり今は言えない」

大淀「…ではもう一つだけ」

リュウ「…………」

大淀「…私たちは、貴方を信じていいのでしょうか?」

リュウ「!」

ケン「…………」

大淀「…………」

リュウ「……ああ、信じてくれ」

大淀「……そうですか。では、ご武運を祈ります」

リュウ「…ああ、往ってくる」



ケン「……へぇ」

リュウ「…何か言いたいことでもあるのか」

ケン「いや何、聞いた話じゃ最初は乗り気じゃなかったそうじゃないか」

リュウ「まぁな、俺みたいな学のない人間がこんなところに潜り込むなんてタチの悪い冗談だ」

ケン「その割には満更でもなさそうだな」

リュウ「…行くぞ、待たせるわけにはいかない」

〜ヒトマルサンマル、港〜

長門「ん、来たか」

リュウ「長門、君だったか」

長門「ああ、司令官殿に死なれる訳にはいかないからな」

リュウ「なに、こんなところで死ぬつもりはないさ」

満潮「考えが甘いのよ、深海棲艦と戦ったこともないくせに」

ケン「おっ、もう一人ってのはこのちっこい嬢ちゃんか、大丈夫なのか?」

長門「ああ、満潮もこう見えてかなりの経験を積んできている、頼りにしてくれていい」

満潮「ふん、別にあんたが野垂れようと知ったことじゃないんだけど、司令官がいないと色々と困るだけよ」

長門「こう言っては何だが、お前達が出撃すると聞いて1番心配していたのもこいつなんだ」ククク

満潮「なっ…い、今はその話は関係ないでしょ!?」

ケン「はっはっは!随分と好かれてるみたいじゃないか」

リュウ「満潮は優しいからな。だが、ありがとう」

満潮「〜!もう、さっさと行くわよ!」

〜二日後、南西諸島海域〜

ケン「…うーし、見えてきたぞ」

リュウ「…着いたか」

満潮「やっと?はぁ…やっぱり普通の艦船じゃダメね、デカイし鈍いし乗り心地は悪いし…」

長門「だが移動に体力を使わずに済んだのも事実だ、良しとしよう」

満潮「だからって私たち艦娘が普通の船に二日間も乗って移動ってのは変な感じね…」

ケン「まぁそういうな…ともかく、そういうわけであの島が今回の敵がいるだろうと睨まれてるとこだ」

長門「あの島が?周辺の海ではなくか?」

ケン「そこが今回の特異な点でな。深海棲艦ってのは普通海にいるもんなんだろ?何でも今回の奴は陸を歩いてるって話だ」

満潮「それって本当に深海棲艦なわけ?」

ケン「さぁな、実際に見てみれば分かるだろ」

リュウ「…………」

長門「どうした?まさか怖気付いたなどとは言うまいな」

リュウ「いや、そんなことはない……が、この距離でも感じる…確かな力の奔流を…」

長門「……深海棲艦のものか」

リュウ「ああ」


船員「ボス!た、大変です !」


ケン「どうした、そんなに慌てて」

船員「こ、後方より近付く影あり!恐らく深海棲艦です!」

ケン「!」

長門「それは件の鬼か?」

船員「い、いえ…影は複数まとまっているためその可能性は薄いかと…しかし小型艦の集まりのようには見えません。戦艦級が混じっている可能性も…」


リュウ「俺が行こう」


長門「!」

リュウ「ケン、お前はこのまま皆をまとめて島に向かってくれ。俺もすぐに追いつく」

ケン「任せていいのか?何でも艤装とやらはあるらしいがまだ不慣れなんだろ?」

リュウ「大丈夫だ。必ず引き止めてみせる」

満潮「待ちなさい!勝手な真似は許さないわよ!」

リュウ「しかし満潮、俺が行かなければこの船に危険が迫る」

満潮「そういうことじゃないわよ、あんた1人で行こうとしてるのが気にくわないって言ってんの!私も行くわ!」

リュウ「危険だ、ここは俺に任せてくれ」

満潮「はぁ!?1人だけで何が出来るって言うの!?敵は容赦してくれないわよ!」

リュウ「しかし…」

長門「満潮の言う通りだ」

リュウ「長門…」

長門「私も行こう。…そもそもリュウ、勘違いしてはいないか?」

リュウ「…何をだ」

長門「私たちは艦娘、海の戦人だ。むしろこれは私たちの領分なんだがな」

リュウ「…しかし…」

長門「お前の考えは自惚れだ。自分だけで何もかも上手く行くと思うなよ…海での本当の戦いってものを見せてやるよ」

リュウ「…………」

ケン「…はっは、こりゃいい。決まりだな」

ケン「そんじゃこの船のケツは任せた。あとから島で合流してくれ。…いいよな?ナガト、ミチシオ」

長門「ああ、任せてくれ」

満潮「ほらあんたも早く準備しなさい」

リュウ「…ああ」

ケン「よし、話はまとまった。俺たちはこのまま真っ直ぐ島へ向かうぞ」

船員「了解!全員に通達します!」

ケン「頼んだぜ、お前ら」

長門「ああ!」

満潮「敵との距離は?」

船員「彼我の距離は約10キロほどです。このままだとあと30分程度で目視が可能な距離まで近付くかと」

満潮「分かったわ。あんまり時間に余裕はないわね…」

長門「なに、艤装の準備は万端だ。島の鬼との戦いの前の軽い準備体操さ」

ケン「そりゃ心強い」

長門「それでは行ってくる」

満潮「大船に乗ったつもりでいなさい」

ケン「そりゃ面白いジョークだ。もう乗ってるよ」

満潮「ジョークじゃないわよ」

ケン「こえー顔するなよ。頼りにしてるぜ嬢ちゃん」

満潮「…ふん」

リュウ「…………」ゴソゴソ

長門「準備は済んだか」

リュウ「ん、ああ大丈夫だ」

長門「…なぁリュウ、さっきも言ったが私たちは戦士だ。お前に守られるほど弱くない」

リュウ「…………」

長門「私はお前の…戦友だ。だから背中を預ける…いいな?」

リュウ「…長門」

長門「だからお前の背中を私に預けろ。…いいな?」

リュウ「……ふっ、そうだな。済まなかった。君たちの…いや、お前たちのことを少しみくびっていたかもしれない」

長門「……大丈夫そうだな。それじゃ行こうぜ、司令官殿」

リュウ「…応。俺の背中は任せたぞ、長門」

長門「ああ、ビックセブンの力、存分に見せてやろう」

満潮「話は終わった?敵は待ってくれないわよ」

リュウ「満潮、いたのか」

満潮「先に準備済ませて待ってたのよ。全く、何かと思えばそんな小さなこと気にしてたのね」

リュウ「小さなこと、か」

満潮「そ、私からすればあんたなんてまだまだ半人前なんだから、そんな心配は無用よ。まずは自分の身のことを考えなさい」

長門「そういうことだ。陸の上ではどうか知らんが、ここは海だ。油断するなよ」

リュウ「ああ…お前たちも、気をつけてくれ」

満潮「余計なお世話よ。……さて、行きましょうか」

長門「ああ」

リュウ「………」



リュウ「……行くぞ!」

長門「戦艦長門、出撃する!」

満潮「満潮、出るわ!」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


満潮「……そうね、電探の反応からして敵は4隻…うち大型艦の影は1つよ」

長門「戦艦か?」

満潮「さぁ…ただこの距離になっても偵察機の影も見えないし、空母ではなさそうね」

リュウ「それで、いざ敵とぶつかるとなると…陣形はどうするんだ?3人じゃ厳しいものも…」

満潮「その心配はないわ…私が1人でやってきてあげる」

リュウ「なっ…そんな危険な真似!」

満潮「これは実践よ!危険で当然でしょ!……散々知識ばかり教え込んでおいてこういうのも変だけど、戦いが始まれば陣形なんて無意味よ」

長門「しかしお前が1人で行く必要はないだろう」

満潮「もちろん私だけで全部片付けようってわけじゃないわ。…ただ、リュウはこの後に鬼との戦闘が残ってる。陸に棲息する敵なら私たちは力になれないかもしれないから…」

長門「コイツを出来るだけ無傷で戦闘を終わらせたい、と」

満潮「そういうこと、それじゃ行ってくるわ」

長門「…分かった。リュウ、それでいいな?」

リュウ「しかし…大丈夫なのか?」

満潮「危なくなったらすぐに下がるわ。それとも私の実力が信じられないの?」

リュウ「…………」

長門「…ああ、そういえばリュウは満潮の実際の戦闘を見るのは初めてか?」

リュウ「いや、以前の演習で目にはしたが…」

満潮「はんっ、舐められたモンね。あんなのあんたのためにわざわざゆっくりやってあげてただけよ」

長門「なるほど、通りであの時は動きが悪いと思っていた……っと、来たな」

リュウ「…っ!見えたぞ…敵だ」

満潮「丁度いい機会よ、私の本気……見せてあげる」ガシャン

満潮「2人はここで待機!私が合図を出すまで迎撃の準備をしておいて!」バシュッ!

リュウ「なっ…!速い…!」

長門「おいおい、この程度で驚いてたらキリがないぞ」



満潮「………さて…あれだけはの啖呵切っんだからちゃんと仕事しないとね」

満潮「……敵艦捕捉!数は4!陣形は単縦陣!先頭から順に駆逐イ級、軽巡ホ級、軽巡ホ級、戦艦タ級!……交戦に入ります!」


イ級「ァァァアアアアア!!」ボン!ボン!

満潮「そんな遅い弾丸…撃つだけ無駄ね!」

満潮「砲撃っていうのは…!」

イ級「アアァアッ!」ボン!ボン!

満潮「………っそこッ!」ドンッ!

ボゴォン!

イ級「…ッカァ…」ボロッ

満潮「こうやって1発1発に気を入れて撃つものよ!」バシュッ!

イ級「………ァ…!」

満潮「駆逐イ級、撃破!さぁどんどんかかってきなさい!」



リュウ「あれだけの撃ち合いでもう一匹倒した…か」

長門「それも無傷でだ。流石だな…だが、今倒したのは駆逐艦、まだ気は抜けないな」

リュウ「…………」

長門「気持ちがはやるのは分かるが落ち着け、あいつの戦いを良く見ておけ」

リュウ「…ああ」



満潮(……ふん、タ級は随分後ろに下がってるわね、余裕の表れかしら)

満潮「すぐに追い込んでやるんだから…!」

ホ級A「ヴヴァァアアア!」ドン!

満潮「真っ直ぐ突っ込んでくるなんて、ただのカモよ!」ガシャッ!

ホ級A「ォォォオオオオ!」ドン!ドン!

満潮「……っ隙あり、そこ———

ホ級B「ォォオオ゛!」ドゴォン!

満潮「っ!?ぐぅっ…!」バシャアアン!


ホ級A「ァァアアア……」

ホ級B「……オオォ……」

満潮「……なるほど、挟み撃ちってわけね」

満潮「でも今の奇襲で私を仕留めなかったのは失敗ね」

ホ級A「…………」ジリ…

ホ級B「……オォ…」ジリ…ジリ…

満潮「……もう、当たらないから」ヒュッ

ホ級A「ッ!?」

ホ級B「オ゛アアアア!」ドドン!

満潮「ふッ!」ズサーッ!

満潮(…見えた!片方は私の動きに反応できず距離を詰められ、もう片方はその距離を詰めた私を狙って砲撃したけれど外して無防備な状態…なら!)

満潮「———せぇやあっ!」ゴッ!

ホ級A「ヴァッ…!?」フラッ…

ホ級B「!?」

満潮「遅いッ!」ドドンッ!

ホ級B「ガアアアッ!」ボゴォン!



満潮「……軽巡ホ級、2隻ともに撃墜。……砲撃しかしないなんて、私は一言も言ってないわよ」

リュウ「……今の動きは…!」

長門「驚いているな。まぁ無理もない、まさか艦娘がいきなり深海棲艦を蹴り飛ばすとは思わないだろうしな」

リュウ「片方の敵へ急接近し、それを蹴り飛ばしながら跳び、もう片方の敵へ砲撃…全て一瞬でやってのけるとは…」

長門「おいおいお前は何処を見てたんだ?」

リュウ「どういう意味だ?」

長門「敵の元へ駆け寄る途中でもう片方からの砲撃を潜り抜けながら回避して2体共に隙が出来たのを確認してから、満潮は格闘に持ち込む判断をしたんだ。それに蹴り飛ばした方の敵にもほぼ同時に弾丸を叩き込んでいる」

リュウ「満潮…まさか彼女がそこまでとは…」

長門「ああ、何を隠そう満潮こそがこの鎮守府で最高の練度を誇るうちの旗艦だからな」

リュウ「…………」

長門「どうした?驚き過ぎて声も出ないか?」

リュウ「いや…もちろん驚いたのもあるが…。あそこまでの力を見せられると…どうしても満潮と戦いたくなってくる…!」

長門「……………………はぁ、呆れた。今は敵との戦闘中だぞ。…まぁいいか、そろそろ援護に向かうぞ、リュウ」

リュウ「っ……しかしいいのか?まだ満潮からの合図は…」

長門「あいつは最初から全部1人でやってしまう気だよ。そろそろ行かないと危険だと私が判断したから行くんだ、いいな」

リュウ「ああ、分かった」

満潮「……さて、あとはあいつだけね」


タ級「………………」


満潮(……余裕こいてられるのも今のうちよ…私はまだ小破…タ級1隻くらいなら、何とか出来る…)


ホ級A「……ガ…ァ…」ガシャッ


満潮(なっ…こいつまだ生きて———!?)


ホ級A「ガアアアアアアアッ!」

長門「うるさい」ボゴォン!

ホ級A「……カッ……!」

リュウ「満潮、無事か!」

満潮「……っ、合図はまだ出してないはずよ」

長門「危ないところを助けてやったんだ、それくらい気にするな」

リュウ「この間の演習の時もだが…戦いの場で油断するな。今は間に合ったから良かったが…」

満潮「わ、分かってるわよ!とにかくあと1隻!さっさと片付けるわよ!」

長門「ああ」ガシャッ
リュウ「応」ザッ…

長門「……とは言ったが、何であの戦艦タ級は他の3隻に比べてあんなに離れた場所にいるんだ?」

満潮「さぁね、私たちと同じような理由じゃないの」

リュウ「……いや、よく見てみろ。何か様子がおかしい」


タ級「…………」


満潮「……そう?私には普通に見えるけど」

長門「何か感じるのか」

リュウ「…ああ、深海棲艦は初めて見るが…明らかにそれとは違う異質な感じが…」

満潮「………………まさか」


タ級「…………!」ギンッ!!


満潮「!」ビクッ

長門「……なるほど、明らかに異質だな。…確か例のアレは『実際に見れば分かる』だったかな。なるほどなるほど…」

満潮「……戦艦タ級『Evil』…!!」

長門「これは少し…厄介なことになりそうだな」



リュウ(…そう、初めて感じる深海棲艦の雰囲気とは違う、肌に直に感じるこの感覚…これによく似たモノを俺は知っている)

リュウ(———殺意の、波動…!)



タ級「ヴヴァァァアアアアアアアア゛!!」



今回はここまで
久々にきちんと更新できて良かったです

大乱闘でリュウが来たと聞いたときは嘘かと思ってました
早速使ってますが素晴らしい原作再現度で使っていてとても楽しいです

これで格ゲーする人増えればいいなぁ…

ではまた次回

〜その頃、ケン〜

船員「ボス、船の停留、完了しました」

ケン「うっし、この島に奴さんがいやがるわけか…」

船員「船員は全員戦闘態勢は整っています」

ケン「そう焦るな。乗り込む前に場所を割り出したい、どうにかできるか」

船員「深海棲艦の反応を探るレーダーが使えるかと」

ケン「うし、それ持ってこい」

船員「はっ!」

ケン(陸型っつっても元々は海の生き物だ…おそらく水辺にいるだろう)

ケン「…足場が心配だな」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

船員「目標の座標、確認できました」

ケン「おう、見せてくれ…ほう…向こう側の洞窟か」

船員「如何致しますか」

ケン「そうだな…戦闘員を10人ここに残す。他は洞窟周辺の見張りを頼む」

船員「洞窟の中にいる目標は」

ケン「俺一人で十分だ」

船員「……念のため、2、3人同行させますか?」

ケン「いや、危険だ。巻き込まれる」

船員「しかし……」

ケン「俺を信じろ」

船員「……了解しました。戦闘員を10名ここに残し、他は洞窟周辺の警備にあたらせます」

ケン「ああ、サンキュー」




ケン「……そんで、ここがその洞窟か」

船員「周辺の警備、配置完了しました」

ケン「おう、何かおかしな点はなかったか?」

船員「特には。強いて言うならばこの洞窟に続いている足跡は1つしか見当たりませんでした」

ケン「つまりタイマンか。いよいよ都合がいい」

船員「……それでは、御武運を」

ケン「ああ……行ってくる」




ピチョン…ピチョン…

ケン「……さて…案の定水浸しだな…」

ケン「しかし、どこまで続いてるんだ?この洞窟…」

ケン「おぉーい!出てきやがれェー!!」

シーン…

ケン「……まだ奥か」

ついにケンも対戦か。楽しみだ

ゆっくりでも良いから完結させてくれ。すげぇ面白いよこれ

>>724
そう言っていただけると嬉しいです


最近、更新が疎らになってしまい申し訳ありません
一つ相談なのですが、地の文というのは皆様としてはどうなのでしょうか
戦闘の時だけでも使えると表現の幅が広がりますし、より分かりやすくできると思います
使ってみたいと思うのですがよろしいですかね

ケン「……これ以上奥へ行くと光が完全に途絶えちまうな…」

ケン(どうする…一旦引き返すか、このまま進むか…)

ケン「……つっても、引き返しても何もないんだよなぁ」

ケン(船員たちにライト持って来させればいいのかも知れないが、それじゃ戦闘のさいに危険に晒されちまう)

ケン「……となると…進むしかない、か…」



・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


ケン「……何も見えないな」

ケン(深海棲艦ってのは暗闇でも目が見えるのか…いくらなんでもこんなところを好んで住むとは思えないが…)

ケン「…………ん?…行き止まりか?」

ケン「ここまでは確かに1本道だったはずだ…何で敵の姿が見えない?」

ケン(洞窟の中にいるという観測が間違いだった可能性があるな…もしそうだったらとっとと引き返さなきゃ……って…ん…?)コンコン

ケン「……ここの壁…妙に軽い…いや、向こう側に空洞がある…?」

ケン(……状況からして、この向こうに奴さんが…ってのもありえるな…どうする?突っ込むか?)

ケン「……敵の戦力は不明瞭だ。ここはリュウ達の増援を待ったほうがよさそうだな」

ケン「………………」

ケン「…………」

ケン「……」





ケン「なんて、らしくねぇよな!」グッ

ケン「おぉぉぉおおおおっ!波動!拳!!」

バガァァァアアアン!

ガラガラ…ガラ…

ケン「うーし、ビンゴだな」

ケン「しっかし…空洞どころかこんな立派な施設がこの島に隠れてやがったとは…」

ケン(前に壊滅させたS.I.Nのとこにどことなく似てるな…)

ケン「しっかし人っ子一人いねぇな…もしかして外れ———


『ィィイイイヤッホォォォオオオウ!!!』


ケン「!」バッ

「フゥウウウウ!」スタッ

ケン「探したぜぇ…鬼さんよ!」

「……フ?」

ケン「その姿……なるほど、俺たちが呼ばれるわけだ…」

「オウオウオウ!?ナンダテメーハ!?」

ケン「そうだな、折角だから名前でも付けてやるか…お前の名前は今から…深海我道鬼、どうだ?」

我道鬼「アァン!?」

ケン「おっと、気に入らなかったか?」

【】【】【】【】【】【】【】【】


ケン「まぁ何だっていい…来いよ」

我道鬼「ッシャオラァー!」


KEN vs GADOU-KI
-Fight!-


ケンは目の前の敵の様子を探る。

初めて対峙するタイプの敵。これまで人間離れした者たちとの戦闘は幾度かあったが、本当の人外など数えるほどしか見たこともない。

故にケンは警戒していた。目の前の…自分の知り合いに酷似した深海棲艦を。

深海棲艦…たった今ケンに我道鬼と呼ばれたそれは、リュウやケンの兄弟子であり、今はサイキョー流という流派の道場の主である火引弾にそっくりの姿をしていた。

春麗やリュウから話を聞いて大体の予想は出来ていたが、その予想は確信に変わった。

それはつまり、深海棲艦勢力への人間の介入。それもおそらく、リュウ達と因縁深い人物の、である。

ケン(…ゴチャゴチャ考えても仕方がねぇ。今は目の前のことに集中しろ)

ケンは思考を頭の片隅に追いやり、戦いに集中しようとする。

姿形は知り合いと似ていようとも、目の前にいるのは人を容易に殺す化け物なのだ。

ケン「フッ!」


一気に踏み込み、距離を詰める。

深海棲艦はあくまで艦船の顕現であり、その戦闘方法は射撃が主である。

故にケンは距離を取らせまいと近付いた。だが、結果としてそれは大きな過ちであった。


我道鬼「ヨッシャアァアア!」ヒュッ!

ケン「なっ!?」

我道鬼「ダンクウキャクゥ!」ガンガンッ!


深海我道鬼はケンに張り合うかのように突然前に踏み出し、勢いよく飛び蹴りを繰り出した。

完全に意識が射撃武器にいっていたケンには咄嗟にガードすることは出来ず、我道鬼の蹴りが深く突き刺さる。


我道鬼「ハッハァ!セイハァ!」ガンッ!ゴスッ!


我道鬼は立て続けに2発の蹴りを浴びせ、勢いよくケンを蹴り飛ばす。


ケン「…っガッ…!っくそ!波動拳!」ボウッ!

我道鬼「イヤッホォォォウ!」ヒョイッ


態勢を立て直し、波動拳で応戦しようとするが、我道鬼は軽い身のこなしでかわしてしまう。

その動きはまるで床を逃げ回る鼠のようで、ケンはその鬱陶しさに悪態を吐く。


我道鬼「ン〜ガドウケン!」

ケン「くっ、やっぱり遠距離攻撃もあるのか!」


我道鬼が放った砲撃をかわしながら、ケンは接近のチャンスを窺う。

下手に近付けば先程のように手痛い仕打ちを喰らうかもしれない。が、このままでは敵の得意な距離でじわじわと追い込まれてしまう。

我道鬼「ガドウケン!ガドウケェェン!」ボゴォン!ドゴォ!

ケン「どこが我道拳だ!ただの砲撃じゃねぇか!」


我道鬼の繰り出す射撃を走ってかわしながらケンは反撃の機会を探す。

しかし、近付こうにも向こうは強力な遠距離攻撃を持つ。

そんな相手に足を止めるタメが必要な波動拳で張り合うのは余りにも分が悪い。


ケン(さらに…この足場…)ダダダダダ


洞窟から繋がっていたこの研究所のような施設にの床には、所々に水溜りが出来ていた。

単に洞窟の環境のせいか、それとも別の要因が存在するのかは分からない。

そんな劣悪な状況でケンは———笑っていた。


ケン(久しぶりだ…この、灼けるような緊張感!)



ケン(何にせよまずはあいつに近づかなきゃな…)


ケンは施設の天井に目をやる。

荷物を運ぶためのものか、クレーンが頭を垂れている。


ケン「…うっし!」ズサァア!


我道鬼の攻撃から一瞬でも身を守る為に積荷の影へとケンは滑り込み、即座に構える。

精錬された動きで構えたのは、師匠から授かった唯一の遠距離技。

狙うは我道鬼———の真上にあるクレーン。


ケン「おおぉぉおお!波動拳!」バシュッ!


我道鬼「…?クッハハ、何処ヲ狙ッテ…」バガァン!ガラガラガラガラ!!

我道鬼「———オン?」


降り注ぐ。




・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


リュウ「まずは俺が突っ込む」

長門「いや、お前は遊撃に回れ。私が前に出る」

満潮「長門に賛成よ」

リュウ「…分かった」

満潮「あら、随分素直ね」

リュウ「ここは海だ。先人達の意思に従うさ」

満潮「それは殊勝なことで」クスクス

長門「何、心配はいらん。お前には援護の訓練もしてもらわにゃならんからな」ガシャッ


リ級「ァァァアア、アアアッ!」

長門「っし行くぞァ!」バシュッ!

長門はタ級へ真っ直ぐ突撃、リュウと満潮はそれぞれ左右から回り込むように旋回。

タ級は目の前の散会した敵の誰を狙うかを一瞬吟味した後、最も小柄な駆逐艦から狙うことにした。


タ級「ガァアアッ!」ボゴオッン!

満潮「やっぱりこっちから来たか…でも、当たる、わけ、ないで…しょっ!」ズザザザ!


戦艦の一撃となれば、駆逐艦ならば掠っただけでも中破、もろに喰らえば大破は間違いない。

そんな殺意の満ち溢れる砲撃の嵐の中をまるで曲芸師のように避けて疾る満潮。

その精錬された動きに、リュウは一瞬でも目を奪われた。が、すぐに気を取り直し、自らに背を向けているタ級に向けて砲撃を行う。

いつもと少しばかり感覚は違うが、その程度で身に染み付いた動きは鈍らない。

砲身を持つ右腕を上げ、左手を添える。気を集中させ、吼える。


リュウ「…ぉおおっ!波動拳!」ドドドン!

放たれたエネルギー弾は、タ級の背中に吸い込まれるように線を描き———


タ級「ッ!」バッ

ドウッ!…ザッパァァアアアアン!


———躱された。

タ級は確かにこちらを見てはいなかった。それでも避けられるということはそれだけのやり手ということ。

その事実にリュウは強敵の出現に喜びを隠しきれないが、今はそれよりも鬼が優先だ。

先に行った戦友に合流するために一刻も早くこの敵を倒さなければいけない」


タ級「…!」ギロッ


血よりも紅い双眸がリュウを捉える。それはすなわちターゲットの変更。

その強過ぎるほどの殺意にも怯まず、リュウは構える。


リュウ「来いっ!」

タ級「ガ———




長門「貴様の相手はッ!私だァァアッ!」



タ級の注意が左右に逸れていた間に、正面からの直線的過ぎる突撃。

そのシンプルな攻撃は、そのシンプルさの持つ速さ故に反応が遅れた。

一瞬でゼロ距離まで詰めた長門は目の前の敵を———

長門「オッ……ッッラアァァアアッ!!!!!」ドゴァッ!


———全力で、殴り飛ばした。


タ級「ブッ…ガッ…!」ヒュッ


ザッ…ッパァァァアアアアンッ!


顔面を殴り抜かれたタ級は、10m程度吹き飛ばされた先の水面に叩きつけられる。

水柱が立ち上り、勢い良く弾ける水飛沫はその単純な一撃がいかに強力なものであったかを如実に表していた。


長門(…やったか……?)


長門には確かな手応えがあった。普段戦っている様な敵であれば確実に沈めたであろうほどの一撃。

いや、正確には…連撃。

殴り抜くのとほぼ同時、右腕に接続されている砲を同時に撃ち抜いたのだ。

殴りながら撃つ———照準を合わせる必要のないこの攻撃を、長門は密かに気に入っていた。


長門(…………よし…)


長門が構えを解こうとした瞬間、水飛沫の中心が再び弾けた。

長門「なっ…!」


それが意味するのは、敵の健在、反撃の狼煙。


タ級「ガッ、ァッ!ッグウヴァァアア!!」ガシャッ!

長門(しまっ———!)


敵の標準は、長門。その引き金が今引かれようと言う時…


満潮「遅いのよっ!」ガッ!

タ級「グッ!?」ボンッ!


走り込んでいた満潮がタ級の砲を蹴り抜くことで向きを変え、放たれた弾丸はあらぬ方向へ吸い込まれていく。

満潮はさらに仕掛けた。


満潮「フッ!セイッ!オ、リャッ!!」ガンッガンッガスッ


下段、下段の2連蹴りからの回し蹴り。怒涛の三連撃に思わずタ級は膝を折る。


満潮「まだ、まだぁっ!」ゴッ!!

タ級「カッ…!?」


水面に膝をついたタ級の顔面を、華奢な駆逐艦の膝が捉えた。

駆逐艦如きに戦艦たる自分が何故ここまで翻弄されるのかがタ級は分からなかった。

ガムシャラに腕を振り回すがすぐそこにいるはずの駆逐艦は捉えられない。

満潮「これで…最後っ!!」バシュシュッ!

タ級「ッ!!」


至近距離から放たれた魚雷。

魚雷とは駆逐艦の持つ最高火力であり、戦艦や空母に対抗する奥の手である。

タ級は既に体力を半分以上失っており、これを喰らえばおそらく沈む。

タイミング、コース、共に完璧に調整され放たれた3本の魚雷がタ級に牙を剥き———


タ級「ッ———」


ッ……ボッゴォォオオオン!


———炸裂した。

直前に出来るだけ飛び退いたとはいえ、逃げきれなかった衝撃の余波が満潮を襲う。


満潮「っ…とと、と」


しかしそれは精々少し姿勢を崩す程度のもので、彼女の身の軽やかさもあって彼女自身へのダメージは小さい。


長門「満潮、助かったよ」

リュウ「素晴らしい攻勢だった」


感謝と労いの言葉と共に仲間が駆け寄ってくる。


満潮「長門、油断してんじゃないわよ」

長門「おっと…満潮に言われてしまうとは」

満潮「どういう意味よ!」


軽口を叩けるだけの元気がある。戦場ではそれだけで気分も軽くなるものだ。


リュウ「長門、その右腕は?」

長門「ああ、今の奴をブン殴った時に砲撃もお見舞いしてやったんだ。ド派手だっただろ?」

満潮「馬鹿やってんじゃないわよ、そんなの自滅と同じじゃない!」

長門「だが奴にデカい損傷を与えた。まぁよしとしようじゃないか」

リュウ「大丈夫なのか?」

長門「ああ、治療すればすぐに治る」

リュウ「そうか」

大した損害もなく戦闘を終えることができてリュウは安堵した。

長門は少しの間だけ右腕が使えなさそうだが、本人の言い方からしてダメージ自体は大したものではないようだ。


長門「ああ、ただ砲は壊れてしまったな」

満潮「はぁ!?あんた何やってんのよ!?」

長門「まぁそういうな、替えは鎮守府にあったはずだ」

満潮「そういう問題じゃないでしょ!大体あんたは…!」

リュウ「まぁ満潮…」


戦闘が終わり気が軽くなったのは事実だが、今はケンの元へ向かうのが優先だ。

この場で説教でも始めてしまいそうな満潮をリュウは諌めようとして…気付く。


———水面下に潜む紅く光る眼に。


リュウ「満潮ッ!下だッ!!」

タ級「———」ザバッ!

満潮「なっ…!?」

タ級「ガアァッ!!」ブンッ!


メキッ…


満潮「カ…ハッ…!」


ミシミシミシ…!


タ級「オ…オオアッ!!」ブオッ!

バシャッ!ザザザ…!


リュウ「満潮ォッ!」


吹き飛ばされた満潮は水面を鋭い角度で水面に叩きつけられ、跳ね転がる。


満潮「ゲ、ホッ…!カヒュッ…うぶっ!ッグウ…!!」


突如水面下から現れ、満潮を勢い良く蹴り飛ばした戦艦タ級。

それは紛れもなく先程まで戦闘を繰り広げていた個体であり、撃滅したはずの個体だ。

満潮「一体どうやって魚雷を…ッぐ、ぅ…!」

リュウ「満潮!大丈夫か!」

長門「…なるほど、潜ったか」

リュウ「潜った?」

長門「ああ、魚雷の炸裂する瞬間、水面下に潜ることで直撃を避けたんだろう」

リュウ「だがそんなことで衝撃を殺しきれる訳が…」

長門「ああ、だろうな」


タ級の姿は、見るからに満身創痍といった様子だった。

砲塔はひしゃげ、髪はボロボロ、身体中が大小様々な傷だらけだ。


リュウ「………」チラッ


リュウはたった今蹴り飛ばされた仲間の姿を見る。

脇腹を抑え、苦痛に耐えている彼女もまた、今の一撃でもはや限界の様だった。

それだけ目の前の敵は強大な力を有している。ほぼ死に体のような身体でも、なお。

リュウ「…長門、満潮を頼む」

長門「…ああ」


身構えていた長門が満潮の方に駆け寄る。

長門は今は右腕が使うことはできず、砲も駄目になってしまっている。


リュウ(…俺が戦うしかない、か)


タ級と睨み合う。

タ級はもう砲撃は行えないだろう。

拳を握り締める。

戦場で握る拳には、どのような感情が篭るのか。


怒り。

タ級「……グゥゥ…!」

憎しみ。

リュウ「………」スッ

殺意。


リュウはただ、静かに構える。

目の前の相手を、倒す為に。

火引弾(ヒビキ ダン):http://imgur.com/V3qT2aq.jpg

駆逐イ級:http://imgur.com/YDAYJNM.jpg

軽巡ホ級:http://imgur.com/bqwIdZO.jpg

重巡リ級:http://imgur.com/ZowT5QU.jpg

戦艦タ級:http://imgur.com/hB4T0ro.jpg


このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom