天使「飲み会」悪魔「飲み会」(27)

ぴぽぴぽぴんぽーん


悪魔「はいはいっ、今行くから待って! そんなに押さなくても良いからっ!」

ガチャ

天使「悪魔君、飲みに来たぞぉぉいっ!」ドーン

悪魔「……いや天使ちゃん、もう少し落ち着こうよ」

天使「いーじゃん、いーじゃん久しぶりの飲み会なんだからさ!」

悪魔「まったく……」ハァ

カシュッ ゴクッゴクッゴクッ

天使「ぷっはぁっ! うめぇ!」

悪魔「早いよ!? 早すぎるよ何飲み始めてるのさ!」

悪魔「まだ死神君も仏さんも来てないよ!」

天使「まぁまぁ、そんなポテンシャル全開で怒らないでさ」モゾモゾ

天使「こたつに入って落ち着こうよ、ほれほれ」

悪魔「何で君が招き入れた感じなんだよ、ここは僕の家だ!」

悪魔「あ、そうだ」

悪魔「天使ちゃん、もう少し真面目に働こうね」

天使「は、働いてるよぉ」ピクピク

悪魔「働いて無いよ! 僕と君が幼馴染だって理由で、君のミスを僕がフォローする羽目になってるんだよ! 僕悪魔なのに!」

天使「え、マジで? サンキュー!」

悪魔「軽っ!?」

天使「いやぁ、さすが悪魔君! 頼りになるね! 良いお嫁さんになれるよきっと!」

悪魔「僕は、男だっ! せめて婿って言って!」

悪魔「ぜぇ、ぜぇ……」

悪魔「はぁ……」トサ

天使「みかんおいしー」

悪魔「…………はぁ……」

天使「ん?」

天使「みかんあげる、あーんっ!」スッ

悪魔「はいはい、あーん」

天使「はむ」パクッ

天使「うまー、あはははははっ!」

悪魔「怒らないぞ、絶対に怒ってたまるか」

天使「にしても二人、遅いねぇ」

悪魔「天使ちゃんが早過ぎるんだって、三十分前とか何考えてるのさ」

天使「待ち合わせには三十分前行動でしょ」

悪魔「どこのデートだ!」カッ

天使「昨日は楽しみで眠れなかったよぉ」

悪魔「遠足前の小学生かっ!」クワッ

天使「まぁまぁ、そんなに怒らないで」

天使「死神君なら真面目だし十分前には着くかな?」

悪魔「はぁ……そうだね、そろそろかな」


ぴんぽーん


天使「お、噂をすればなんとやら」

悪魔「死神君の影とか、ホラーにも程があるわ」

悪魔「今行きます」

ガチャ

死神「やぁ、久しぶり」

悪魔「久しぶり、死神君」

天使「ひーさーしーぶーりー」ゴロゴロ

悪魔「天使ちゃんせめて起きなよ、寝っ転がってないで」

死神「ははは、天使も久しぶり」

死神「あ、はい悪魔、つまむもの買ってきた」ガサッ

悪魔「わっ、ありがとう死神君」

死神「ん、仏姉さんはまだ来てないのか?」

悪魔「彼女は秒単位で待ち合わせに正確だからね、それって良いのか悪いのか……」

天使「ほれほれ二人とも、喋ってないで私のこたつにおいでなさい」

悪魔「『私の』って」

死神「ふぅ、温まる温まる」

悪魔「さっきまで仕事だったんだっけ?」

死神「そうなんだよ、忙しくてね」

死神「最近刈りの対象になる悪人が多くてね……まったく、サービス残業ばっかりだよ……残業代出してほしいね」

悪魔「そうそう、地獄でもマナーの悪い奴らがいてさ……三途の渡し船の上で騒いだり、閻魔様にタメ口聞いたり」

天使「二人とも大変そうだねぇ」

悪魔「僕の場合、天使ちゃんが残した仕事まで有るけどね!」

天使「いやーありがとありがと、愛してるよ悪魔君」

死神「はっはっは、天使は相変わらずだなぁ」

天使「いやぁ、それほどでもぉ」

悪魔「褒めて無いって」

ぴんぽーん


死神「おっ、仏姉さんかな」

悪魔「はいはーい、今行きまーす」

ガチャ

悪魔「仏さん、お久しぶりです」

仏姉「あぁ、久しぶりだ」

悪魔「さっ、入ってください」

死神「姉さん、ご無沙汰してます」

天使「お姉ちゃん、おひさー」

仏姉「二人とも元気そうで何よりだ」ニコ

悪魔「それじゃぁ、皆集まったんで……何飲みますか?」

天使「ちゅーはい」

悪魔「もう飲んでるじゃん」

死神「赤ワイン有る?」

悪魔「オッケー、あるよ」

仏姉「日本酒を頼む」

悪魔「分かりました」

きょうはここまで

悪魔は、天使と対応して『悪魔』って名前なので、実質地獄の鬼の仕事してます
ほのぼのムズイな……

仏姉「はぁ、暖かいな」ヌクヌク

天使「あ、お姉ちゃんみかん食べる?」

仏姉「ありがとう、いただくとしよう」

死神「にしても、みんなで集まるのは随分久しぶりですね」

仏姉「うむ、皆それぞれに自分の仕事で忙しいからな」モグモグ

天使「私はちょくちょく来てるんだけどね」

死神「天使が押しかけてるだけじゃないのか?」

仏姉「天使、あまり悪魔君に迷惑をかけるんじゃないぞ」

仏姉「聞けば、悪魔君が仕事を手伝ってくれているようじゃないか」

天使「うげ、お姉ちゃんにまで伝わってる」

仏姉「私に隠し事が出来るとでも思ったか」

仏姉「とにかく、彼は優しいから手伝ってしまうのだろうけど」

仏姉「それは彼に迷惑だから自分で頑張りなさい」

天使「はぁい……」



悪魔「持って来たよー、食べ物とかも」カチャン

天使「おいしそーっ」ソロー

仏姉「こら、つまみ食いするんじゃない」ペシッ

天使「いてっ、ごめんなさいぃ」

悪魔「そうだよ、まずは乾杯してからだよ」

死神「じゃぁ悪魔、音頭よろしく」ニヤニヤ

悪魔「え、えっ……僕!?」

仏姉「びしっとやれよ」

悪魔「うえ、えっと……じゃぁ久々にみんなで集まれたので……今日はいっぱい盛り上がりましょう!」



悪魔「か、乾杯っ!」

三人「「「かんぱーいっっ!!」」」

天使「んぐんぐ、うまうま」ゴクゴク

悪魔「そう言えば仏さん、最近どうですか?」

仏姉「最近か? 最近は……そうだな、孫悟空と仲がいいな」

悪魔「孫悟空!?」

死神「孫悟空って、天界を荒らしたあの化け物猿ですか?」

仏姉「あぁ、昔あの子があまりにも調子に乗っていたので軽く説教したのだが」

仏姉「歳をとってあの子も大人しくなってな、飲み友達になった」

悪魔「の、飲み友達……」

仏姉「あの子に『アンタのおかげで改心できたぜ、先生』とか言われた」

悪魔「不良生徒と恩師の関係っ!」

天使「お姉ちゃんそんなことしてたんだ」

仏姉「くっくっく、いやいやただの友達だよ、そんな大それたことじゃあない」

死神「孫悟空を『軽く』説教できる時点で大それたことなんですが」

天使「あ、このチーズ美味しいっ」パクパク

悪魔「うわ、ちょっと天使ちゃん一人で食べ過ぎだよ、もう」

死神「どれどれ」ヒョイ

死神「っ! ホントだ、うま」

天使「でしょっ!」

悪魔「何で天使ちゃんが得意げなのさ」

悪魔「そういえばさ天使ちゃん」

天使「んに? どうしたのー」パクパク

悪魔「創造神様は元気にしてる?」

天使「お爺ちゃん? お爺ちゃんなら元気だよ」

悪魔「腰痛が……って言ってたから心配してたけど、そっか元気にしていらっしゃるのか」

天使「あっ、でもでも、最近ストレスで胃が痛いって言ってた」

天使「なぜか、私を疲れた目で見ながら」

悪魔「それ絶対天使ちゃんが真面目に働かないからだよねっ!?」

仏姉「じい様にまで迷惑かけてるのか」

仏姉「あの方ももう若くないんだから、そろそろ自重しなさい天使」

天使「うぁ、また怒られた」

悪魔「天使ちゃんの仕事を頼まれる時『すまんのぅ、迷惑かけて本当に申し訳ない』って神様に何度も謝られるんだよね」

死神「うわぁ……それはキツイ」

悪魔「もうこっちの方が忍びなくなっちゃってさ」

天使「いや、あ、なんかごめん……」シュン

悪魔「僕は良いから、神様にきちんと孝行してね」

天使「はぁい……」

死神「あ、そうだそだ」

悪魔「ん?」

死神「妖精って覚えてる?」

悪魔「妖精? 妖精、妖精……あぁ、あの子か」

天使「えっと同級生の靴作り妖精の女の子だっけ」

死神「そう、その子! その子って夜な夜な靴作りの手伝いをしてたんだけどさ」

悪魔「うんうん『朝起きたら靴が完成していた!』って伝説つくっちゃったんだよね」

死神「なんか『私はこのまま手伝うだけの人生で良いのか! いや良くない!』って一念発起しちゃってさ」

死神「まさかの靴会社起業」

天使「えっ!?」

死神「しかも人間界で」

悪魔「うそっ!?」

死神「その上、きらきらるんるんなフェアリーデザインが若い女の子にウケたらしく大繁盛だって」

天使「ほえー、すごいねっ」

悪魔「素晴らしい仕事意欲だね、爪の垢煎じて天使ちゃんにのませなきゃ」

天使「うげ、またその話になるのぉ」

仏姉「嫌ならきちんと働けばいい」

悪魔「あれ、でもどうやって大量生産してるの? 手作りなんだよね」

死神「もちろん全て手作り……なんだけど、どうも靴妖精族の総力を挙げているらしくて……労働力は計り知れないらしい」

悪魔「確か妖精族って……」

仏姉「妖精族は一種族につき、億単位の人口がいるはずだな」

天使「億って……ひえぇぇぅ……」

悪魔「恐ろしい……」

今日はここまで

支援してもらったのにほっぽらかしてすみません

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