吹雪「この鎮守府は何かがおかしい」空母棲姫「……」 (482)

吹雪「一体何が……」

空母棲姫「あの子どうしたのかしら」

提督「俺が知るわけないだろ」

吹雪「お前だあああああああ!」

空母棲姫「!?」

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空母棲姫「えっ、何この子。急に叫んじゃって。コロスわよ?」

提督「まあそう言うなよ。姫」

吹雪「司令官! これはどういうことですか!?」

提督「何が?」

吹雪「だからどうして深海棲艦が鎮守府にいるんですか!」

提督「まだ気付いてないのか……」

提督「ようこそ。深海の鎮守府へ」

吹雪「へっ!?」

提督「まあ冗談なんだが」

吹雪「……」

空母棲姫「唖然としちゃって面白いわねこの子」

空母棲姫「ほら、そろそろ説明してあげたら?」

吹雪「あーえっと……え?」

提督「落ち着け吹雪」

吹雪「あっはい」

提督「彼女は空母棲姫。君の言うとおり深海側の子だ」

空母棲姫「今は違うけどね」

吹雪「今は……? どういうことですか?」

空母棲姫「私は彼に救われ、彼に惚れ、故に協力しているだけよ」

吹雪「それってつまり」

空母棲姫「ええ。私は彼の事を愛しているわ」

吹雪「///」

提督「……というわけでうちの秘書艦を務めているわけだ」

提督「さて吹雪君。君には前線に出てもらう。覚悟はできているな」

吹雪「りょ、了解しました!」

提督「そう硬くなることはない。だが当分の間は君の練度を高めることを目的とする」

提督「慌てず焦らず迅速に……出来るか?」

吹雪「はい、頑張ります!」

提督「それでは早速鎮守府の正面海域に出撃してもらう」

吹雪「司令官、一ついいですか?」

提督「なんだ」

吹雪「他の人の姿が見えませんが、どこにいるのでしょうか?」

提督「いない」

吹雪「……え?」

提督「吹雪君。君がこの鎮守府初めての艦娘というわけだ」

吹雪「ええ、ええ……」

――鎮守府正面海域

吹雪「おかしい。絶対におかしい……」

空母棲姫「さあ、早く片付けてしまいなさい」

吹雪「味方からの威圧が半端じゃないんですけど……」

吹雪「敵も怯えて私しか狙ってこないし」

吹雪「ああもう!」

空母棲姫「まぁ初めはこんなものなのかしら」

吹雪「というかなんで戦闘に参加しないで棒立ちしてるんですか!」

空母棲姫「うるさいわね。この程度の雑魚、余裕で倒せるようになりなさい」

空母棲姫「それじゃ次行くわよ」

吹雪「ちょっと待って!? 待ってくださーい!」

空母棲姫「ほら、居たわよ」

吹雪「……」

空母棲姫「首は横に降るんじゃなくて、縦に降りなさい」

吹雪「無理です無理です!」

吹雪「4隻相手なんて絶対に無理です!」

空母棲姫「なら選びなさい。一縷望みにかけて突撃するのと、今ココで私に沈められるの……どちらがいい?」

吹雪「はい。行ってきます……」

空母棲姫「賢明ね」

空母棲姫「あらあら。モロに食らったわね。まあ流石に無茶だったかしら」

空母棲姫「でもこの程度卒なくこなせないようでは――っ……」

空母棲姫「……流れ弾とはいえ、私に当てるとはいい度胸ね」

空母棲姫「第一次攻撃隊発艦。さあ、沈め……!」

吹雪「ちょっと待ってちょっと待って!」

吹雪「なんで私にも攻撃してくるの!?」

空母棲姫「落ちろ! 落ちろ! 落ちろ!!」

吹雪「もう敵いないから!」

吹雪「みんな撃沈してるから!」

吹雪「お願いだからこっちに来ないでぇえええ――……」

空母棲姫「テンション上げ過ぎたかしら」

空母棲姫「でもまぁ手加減してるのにこの程度も避けられないとは……」

吹雪「……」大破&気絶

空母棲姫「いっそのこと此処で沈んだ方がこの子の為か……」

吹雪「……」

空母棲姫「……帰りましょうか」

?「待て!」

空母棲姫「?」

?「吹雪を、吹雪を放せ!」

?「喰らえ! 深雪スペ――」

空母棲姫「というわけで吹雪と深雪? が大破」

空母棲姫「入居ドックに突っ込んだから目覚めたら戻ってくるんじゃない?」

提督「一先ずお疲れ様。姫の目から見て彼女達はどうだ?」

空母棲姫「話にならない。評価するに値しない」

提督「これは手厳しいな」

空母棲姫「あんな雑魚に苦戦するようだとこの先生き残れないわ」

提督「雑魚――価値のない小魚。語源とはいえ、面白い例えだな」

提督「それは置いておくとして姫、艦娘をもう少し増やそうと思うのだが大丈夫か?」

空母棲姫「構わない。襲ってきたら返り討ちにしてあげる」

離席。駆逐級の艦娘募集中
特に駆逐の中で縛りはないので磯風でも時津風でもなんでも

募集人数決めとかないと面倒なことになると思うよ

とりあえず天津風

>>16
残念だったな
手遅れだよ

おかしいなぁ
想定では数レス程度だと思ってたのに……

叢雲(ダカダカダカダカ)

叢雲「コレデヨイ…」

吹雪「ハッ……」

叢雲「あら、もう起きたの」

吹雪「叢雲……?」

叢雲「ええそうよ」

吹雪「ははは……そうだよね!」

叢雲「どうしたの?」

吹雪「少し怖い夢を見てさ」

吹雪「そうだよね。空母棲姫が鎮守府にいるわけないよね」

吹雪「うんうん」

叢雲「それ……たぶん夢じゃないわよ」

吹雪「へっ?」

叢雲「だって私もさっき合って来たもの」

吹雪「司令官!」

「……」

提督「客人の前だぞ。失礼じゃないか」

吹雪「あっ、その……ごめんなさい」

提督「ちょうどいい。紹介しておこう」

提督「これからしばらく共に作戦行動する陽炎型駆逐艦の不知火、初風、天津風、時津風、浜風、舞風。そして島風型の島風だ」

「……」ビシッ

吹雪「これはどうも。吹雪型1番艦の吹雪です」ビシッ

提督「それで吹雪君。緊急の要件なら聞くが……?」

吹雪「いえ、失礼しました……」

提督「……さて、話を戻そうか」

提督「君達の要求は3つ」

提督「君達の宿舎に私及び空母棲姫の立ち入りを禁止すること」

提督「私及び空母棲姫には常に2人の随伴を許可すること」

提督「各々の判断で私の指揮下を離れ、独自に行動することを許可すること」

提督「で合っているか?」

不知火改「はい。合っています司令」

空母棲姫「……」

提督「……許可しよう」

不知火「ありがとうございます」

提督「そしてこれは各々キモに命じるように」

提督「君達の身に何かあった場合、私達は上から粛清されるだろう」

提督「例えば君達の提督である元帥殿からとか」

提督「そして逆の場合」

「……?」

提督「姫――空母棲姫には海軍本部。及び主力級の鎮守府の場所を教えてある」

「!?」

提督「私の身、或いは彼女の身に何かあった場合は――」

「……」

提督「これは海軍本部にも、君達の提督にも伝えていない」

提督「もし後ろめたい指令が降りているなら注意することだ」

提督「私はともかく、彼女を仕留めるのは骨が折れるぞ」

提督「さて、少し脅しはしたが、わざわざ打ち明けたのは私からの信頼の証だと思ってくれ」

提督「各々の賢明な判断に期待する。解散」

吹雪「……」

叢雲「どうしたの?」

吹雪「私が気絶してる間に何が……」


響「おや、暁はいないのかい?」

雷「そうみたい。でもきっと直ぐに会えるわ!」

電「なのです!」

菊月「お前、本当に駆逐艦か?」

潮「そうですけど、どうしてそんなことを?」

菊月「すまん。周りと比較すると些か以上に、な」

潮「?」

文月「なるほど。確かに潮ちゃんおっきいもんね〜」

潮「えっと……皆とあまり変わりませんよね?」

吹雪「……」

叢雲「どうしたの? 涙なんか浮かべて」

吹雪「なんというか。私1人で心細かったから」

叢雲「……?」

不知火「こんにちは吹雪さん叢雲さん。少しお話しよろしいですか?」

――提督執務室

空母棲姫「やっぱり癪に触るわね」

初風「……」

浜風「……」

提督「あの内容で姫も納得したはずだが」

空母棲姫「内容にはね。でも監視が7人ってなに」

提督「……元帥殿が新米に7人も派遣してくれたんだ。それほど期待――」

空母棲姫「危険視してるだけ」

提督「……」

初風「くだらないわね」

空母棲姫「……何か言ったかしら?」

初風「提督、どうやら駆逐艦ばかり建造したようだけど今後はどうするつもり?」

提督「……資材が残り少ないから遠征で資材を――」

初風「良いことを教えてあげる」

初風「遠征の許可には軽巡洋艦が必須よ」

提督「え……嘘だろ」

初風「……そんなに落ち込むことかしら」

浜風「さあ?」

提督「司令部情報を見ればわかる」

初風「えっとなになに。最大備蓄可能各資材が500!?」

浜風「確か新任の提督なら1000の筈では……?」

提督「着任する時に色々と条件がだな」

初風「ああ……」

空母棲姫「……」

提督「ちなみに姫の最大消費資材は燃料400弾薬500だ」

初風「重っ……」

提督「……簡単な計算をするとしよう」

提督「艦娘の建造を最低資材量で7回」

浜風「210」

提督「出撃による出費で姫が40%、吹雪が40%」

浜風「……燃料376 弾薬437。あっ」

提督「更に修復で吹雪が大破……ついでに深雪も」

提督「そして姫がカスダメで燃料と鋼材が……」

初風「うわあ……」

――提督執務室
吹雪「司令官、皆を集めてどうしたんですか?」

提督「皆、これを見てくれ」

『――てるー?』

提督「オッケーだ島風」

『準備おっそーい!』

『島風、出撃しまーっす!』

雷「はわわ。めちゃくちゃ早いです」

吹雪「あれ、ここって正面海域?」

『島風、砲雷撃戦入ります!』

菊月「速っ――一撃だと!?」

吹雪「あれ? 私1人の時かなり苦戦した気が……」

空母棲姫「……ふん。相変わらず素早いわね」

不知火「……」

響「また戦闘みたいだね」

『私には誰も追いつけないよ!』

『五連装酸素魚雷! 行っちゃってぇー!』

『だからー、島風からは逃げられないって!』

『ふぅー……どう? 皆見てたー!?』

「お疲れ島風。それでは帰投してくれ」

『はーい!』

提督「さて、吹雪君なら彼女の凄さが1番身に染みていることだろう」

提督「彼女は強い。全駆逐艦の中でも上位に入るほどに」

提督「しかし、君達も練度を上げば彼女と同等の戦果が出せる」

提督「それを彼女達に証明してもらおう」

提督「行けるな。不知火」

不知火「もちろんです。司令」

――不知火の場合

『不知火、出る!』

『沈め』

『つまらない』

『沈め』

『徹底的に追い詰めてやるわ』

『弱いのね』

電「はわわわわわわ!」

叢雲「うわぁ……」

――初風の場合

『初風!出撃します!』

『てー!』

『はっきり言って、妙高姉さんのほうが私は怖いわ』

『早く消えなさいよ!』

提督「妙高ってそんなにこわいのか?」

空母棲姫「私が知るわけないじゃない」

――天津風の場合

『天津風、抜錨よ!』

『いい風ね。撃ち方始めて!』

『逃がさないわ!』

『逃がさないって言ったでしょ!』

雷「凄い波ね」

響「でも速さは不知火と同じくらいだね。それでも速いけど」

――時津風の場合

『いよいよ時津風の出番かな?』

『打ち方、はーじめー!』

『さーあ、始めちゃいますか!』

『時津風、突撃します!』

『さぁ、叩くよ!』

文月「かわいい〜」

潮「小動物みたい」

――浜風の場合

『駆逐艦、浜風、出ます!』

響「大きいね」

雷「いいなー」

電「憧れるのです!」

『砲雷撃戦、開始します!』

文月「おお〜、揺れてる〜」

菊月「ふむ……」

『相手にとって、不足なしです!』

吹雪「……」

叢雲「惨めになるから今はやめなさい」

吹雪「あっ、あはははは……」

『対空戦だけじゃ、つまらないしね』

「デカイ」

「おっきい!」

「羨ましい!!」

潮「……?」

『沈みなさい!』

潮「あっ、大きいってそういう……///」

――舞風の場合

舞風「さて、次は私の――」

『提督。目標の艦娘を発見しました』

提督「でかしたぞ浜パ、浜風」

『いえ、このぐらいは。それでは帰投します』

舞風「あれ……まあいっか!」

軽巡洋艦↓1(阿賀野型を除く)

流石に疲れたから今日は投下ないかも

北上了解しました
予想以上に疲れたので寝ます

R18な展開思いついてるけど、注意書きしてないのでたぶんカットする

提督「さて、これが最前線で指揮を取る元帥殿の駆逐艦だ」

提督「今の君達にこのレベルを要求するのは酷だろう」

「……」

提督「だがいづれは彼女達を超えてもらうと思う」

提督「その為に必要なのは、1に練度2に改装3、4が装備で5に練度だ」

提督「そして練度を上げるには必要な物がある」

提督「資材だ」

提督「残念ながら我が鎮守府はその肝心な資材がない」

提督「そのためこれより2日間は出撃、演習より遠征を行い資材を調達することを優先する」

提督「遠征のスケジュールについては明日の朝までに張り出しておく」

提督「各々でちゃんと目を通しておくように」

提督「今日はこれにて解散」

深雪「おっ、吹雪じゃないか!」

叢雲「人気者は大変だわね」ニヤニヤ

吹雪「へっ?」

深雪「まだ見てないのか?」

吹雪「……? もしかして明日のこと? ――ってなんじゃこりゃー!」

――提督執務室

吹雪「どういうことですか司令官! なんで私だけ休みがないんですか!?」

初風「だから言ったでしょ?」

提督「……吹雪君。不満かね」

吹雪「いえ、第二艦隊の旗艦に選んでくれたのは嬉しいのですが、休みがないのはちょっと……」

初風「ね? 提督さん」

提督「……わかった検討しよう」

初風「それでいいのよ」

提督「吹雪君。悪いが貼り出した紙を回収してくれないか?」

吹雪「わ、わかりました」

提督「……」

提督「……元帥殿の艦娘に頼りっきりというのもなんだがな」

初風「使えるカードは使わないと損よ」

初風「少なくても、私は貴方を手伝う目的で来たんだから」

――領海内、海上護衛中

深雪「なんか拍子抜けだな」

北上「まぁ、ここの制海権は取り返してるからねぇ」

浜風「確かにそうですが、気を抜かない様に。万が一、ということもありますから」

吹雪「そうなんだ……」

浜風「いえ、私の経験上では1度もありません。ですが勝って兜の緒を締めよ、です」

ん?勝って兜の緒を締めよの使い方間違える気がする……酒飲みながら書くもんじゃないな
お休み。明日休みなので早めに更新出来るかと

――提督執務室

吹雪「司令官、ただいま戻りました!」

提督「来たか」ガタッ

吹雪「遠征は成功。護衛の報酬たくさん貰っちゃいました!」

提督「こんなに……」

初風「だから言ったでしょ? 海上護衛は美味しいって」

提督「これなら海上護衛だけでいいな」

初風「馬鹿言わないで。空母棲姫を主力に置くならボーキサイトを貯めるのも重要よ」

提督「となると防空射撃? それと交互に……」

初風「ふふ。川内型の軽巡洋艦を揃えると第三艦隊も使えるようになるわよ」

提督「本当か!? なら出撃、いや日々の建造で……おっと悪い吹雪君。君は次の遠征に備えて休憩に入ってくれ」

吹雪「了解しました!」

吹雪「あれ? なんか私より打ち解けてない?」

――提督執務室

提督「さあ時は満ちた」

吹雪「……ねえ、司令官どうしたの?」

深雪「さあな。頭でも打ったんじゃないか?」

叢雲「聞いた話だと資材が貯まってご満悦らしいわよ」

提督「お前らな」

川内「提督! そんなことより私を呼んだってことはさ!」

提督「ああ、待ちに待った夜戦込みの戦闘だ」

川内「やったぁぁぁ! それじゃ準備してくるね!」

神通「あの姉さん。まだ提督の話が……」

川内「ヒャッホー!」

提督「……」

提督「……神通、後で伝えといてくれ」

神通「姉が迷惑かけてすいません……」

提督「演習の相手は格上の中堅の少佐だ」

提督「相手さんは私達に合わせて空母1軽巡2駆逐3にしてくれるそうだ」

提督「だがまあ」

空母棲姫「……」

提督「まず負けることはないだろう」

提督「作戦は単純だ」

提督「敵艦隊を発見したら複縦陣で空母棲姫を護衛」

提督「日が完全に落ちたら夜戦開始」

提督「日没までは辛いかもしれないが頑張ってくれ」

加賀「提督、流石に大人気ないのでは?」

中堅少佐「獅子は子を谷底に突き落とすという」

中堅少佐「身内同士の弱い者虐めに見えるかも知れないが、これは初演習を行う提督への洗礼だ」

中堅少佐「心を鬼にして挑んでくれ。勿論、苦戦すら論外だ」

加賀「……了解しました」

中堅少佐「まったく。嫌な役目が回ってきたものだ」

――提督執務室

若葉「若葉だ」

提督「いきなりどうした」

若葉「何故か忘れられていた気がしたからな」

提督「そんなことないぞ?」

若葉「……なるほど、頭を撫でられるのも悪くはないな」

雷「ズルーい! 私にも! 私にも!」

響「ところで司令官。これは何の集まりだい」

提督「今から皆には演習の中継を見てもらう。うちの切り札、姫の初披露だ」

空母棲姫「捉えた」

川内「えっ、嘘。何処にいるの?」

空母棲姫「六時の方向。此方に近付いて来てる」

川内「あちゃー、出来れば同抗戦に持ち込みたかったな」

空母棲姫「問題ない。……敵機発艦を確認」

空母棲姫「さあ一人でどう抗うのか見せてみなさい」

「……」

提督「皆空いた口が塞がらないってところか」

浜風「何度見ても、凄まじい数ですね」

天津風「相手の戦闘機は零戦52型か……可哀想に」

不知火「駆逐、軽巡、空母全員が未改造。相手にすらなりませんね」

提督「それにして戦闘機60機、攻撃機56機、爆撃機52機の計168機。それが一斉に飛び立つと圧巻だな」

初風「相手にするのも恐ろしいけど、味方でも恐ろしいわね。資材的な意味で」

すみません
今日の投下は厳しいかもです

空母棲姫「ふふふ、庇われて命拾いしたわね」

空母棲姫「まずは2人、次は誰かしら?」

空母棲姫「第二次攻撃隊発艦。さあ、沈め……!」

神通「……! 沈めちゃ駄目です!」

空母棲姫「……わかってるわよ」

叢雲「2人とも顔が青いわよ。もしかして怖くなったのかしら?」

深雪「なんていうか……」

吹雪「よく生きてたなって……」

叢雲「……?」

提督「今日は姫も疲れただろう。姫も一杯飲むか?」

空母棲姫「……」

提督「姫? 俺としては色々と柔らかくて幸せだが――」

空母棲姫「――うるさい。大人しく抱き締めさせろ」

提督「……お安い御用で」

空母棲姫「……」

空母棲姫「ねえ、私にも一杯いいか?」

提督「……ああ」

提督「今日の演習はどうだった?」

空母棲姫「初めはひどく弱いのね。艦娘って」

空母棲姫「ひどく退屈で、とてもつまらなかったわ」

提督「そうか」

空母棲姫「お互い四隻大破判定。お互いにA勝利」

空母棲姫「これなら私の配下の方がマシ……だったわ」

提督「……嫌な事を思い出させたか?」

空母棲姫「別に」

空母棲姫「そして……今回の演習で周りにバレてしまった」

提督「ああ。君の事はもう他の鎮守府にも広まってるみたいだ」

提督「あの後電話や電文が後を絶たなかったからね」

空母棲姫「知ってるわ。見てたもの」

空母棲姫「……」

空母棲姫「……まだ間に合う。今ならまだ逃げられる」

空母棲姫「どんな手を使ってでも守ってみせる。だから――」

提督「――姫、もう酒が回っているようだ。明日に備えて寝た方がいいんじゃないか?」

空母棲姫「……ふん。馬鹿」

提督「姫、寝るならソファーじゃなくて布団で寝なさい」

空母棲姫「ならあなたが寝る時に運んどいて」

提督「風邪を引いても知らないぞ」

空母棲姫「今布団に入っても抱き枕がないもの」

空母棲姫「それに今はここに枕があるんだから仕方ないわ」

提督「まったく、姫は強情だな」

空母棲姫「……あなたもね」

提督「お休み姫」

空母棲姫「……大馬鹿」

今日はもう寝ますね
皆が1-5で明石を掘ってるなか5-4周回してるのはなんでだろ……紫雲欲しい

運転手「お客さんどちらまで?」

?「そうですね。○○鎮守府までよろしいですか?」

運転手「○○鎮守府ね」

運転手「それにしても珍しいねお嬢さん」

?「そうですか?」

運転手「珍しいですよ。特にお嬢さんのような別嬪であそこを訪れる人となるとまずいませんから」

?「おやおや、口がお上手ですね」

運転手「おっと、気を悪くしちゃいましたか?」

?「いえいえ。ですが煽てても出てるのは運賃ぐらいですよ?」

運転手「ははは、そりゃそうだ」

?「そういえばおじさ……運転手さんは艦娘についてどう思いますか?」

運転手「おじさんでいいよ。そしておじさんだからね。難しいことはわかんないや」

?「……またまた」

運転手「ところでお嬢さんは取材か何かかい?」

?「そんなところですかね」

運転手「ジャーナリスト?」

?「本業は別ですけどね」

?「それではおじさん、一つアンケートにご協力してもらっていいですか?」

運転手「ははは、もうすぐ着くからね。手短に頼むよ」

?「それでは艦娘不要説についてどう思いますか?」

運転手「……」

?「アンケートですから立場とか気にせず答えてくれますか?」

運転手「……仕方ないね」

運転手「必要だけど不要になる日を願ってるよ」

運転手「私達が平和に暮らしてる中、君みたいな子が戦ってることに思うところがないわけじゃない」

?「……気づかれてましたか」

運転手「到着。お客さん、1280円となります」

?「領収書いいですか?」

運転手「はいよ」

?「それでは」

運転手「お嬢さん。最後に名前を聞いてもよろしいですか?」

?「……」

運転手「いや、駄目ならいいんだ。色々機密とかあるでしょうし」

?「――ワレアオバ」

運転手「へっ?」

?「重巡洋艦、青葉です」

運転手「青葉……ちゃんか」

?「はい。ここにはしばらくお世話になりそうですから、また会った時はよろしくお願いしますね」

青葉「おじさん」

5-5準備するので今日はたぶんここまで

そういえばこのSS以外にも掛け持ちしてるので
SS1を六日間→休憩一日→SS2を六日間というペースでやっていこうかと思います

吹雪「2人に相談があります!」

叢雲「なんなの? 藪から棒に」

深雪「まあいいや。言ってみな」

吹雪「どうすれば私の地位が回復すると思いますか!?」

「「はぁ?」」

叢雲「ちょっと待って。……えっ、何言ってるの?」

吹雪「ほら、私ってば司令官の初期艦的な立ち位置じゃないですか」

深雪「正確には姫が初期艦みたいだけどな」

吹雪「姫はその……ノーカウントで」

叢雲「……まあいいわ。それで?」

吹雪「最近、初風ちゃんに私のポジションを取られてる気がして……」

叢雲「言われてみれば確かに最近は初風と話してることが多いわね」

深雪「でもそれは仕方ないんじゃないか?」

叢雲「そうね。話題が豊富で的確なアドバイスが出せて、本人の練度も高い」

叢雲「どちらが頼りになるかって考え――」

吹雪「……」

叢雲「ごめんなさい! そんなつもりは――」

吹雪「叢雲ちゃんのばかぁー!」

叢雲「ちょっと、待ちなさい! 吹雪ーー!」

吹雪「うー……」

提督「確かに手っ取り早いのはわかるが……」

空母棲姫「……」

提督「姫?」

空母棲姫「それが一番早いのでしょ? なら私は構わないわ」

提督「だが1人では――」

不知火「私達も同行させてもらいます。構いませんね?」

空母棲姫「好きにすれば」

提督「ちょっと待て! そんなこと認められ――」

不知火「司令と彼女には2人まで随伴が許可されているはずですが?」

提督「っ! ……」

不知火「島風を連れてきます。しばしお待ちを」

提督「はぁ……ここまで計算尽くか?」

初風「やめてよ。流石に傷つくから」

提督「そうだな……すまなかった」

初風「それで私も出てきていいかしら?」

提督「随伴は2人までの筈だが?」

初風「提督の許可を得ればいい話じゃない」

提督「何か理由があるのか?」

初風「焚きつけてそのままは気が済まないの。私のね」

提督「そうか。なら止める理由はないな」

初風「ありがと。提督」

初風「ん?」

初風「こんなところで何してるの?」

吹雪「えっと、それは……」

初風「……これはひとり言だけど」

初風「今提督を手伝える人いないのよね。何処かにいないかしら」

吹雪「……! ありがとうございます!」

初風「……」

初風「……気合入れていきますか」

吹雪「司令官! 何か手伝えることありませんか!?」

提督「吹雪君か。ちょうどいい」

提督「君も着いてきてくれ」

吹雪「はい! 司令官!」

どっちのはなしがみたいか
安価↓5
1.空母棲姫
2.提督

5-5行ってきます。書き溜めは出来ればしますが、たぶんストレスで(ryなので投下は明日に

青葉「ども、青葉です。一言お願いします」

提督「○○鎮守府を預かる提督だ。事情は飲み込めているな?」

青葉「はい。それはもうバッチリと」

提督「そうか。なら説明は割愛しよう」

提督「鎮守府の案内は……青葉君の顔見知りの方がいいだろう」

提督「浜風、頼めるか?」

浜風「……了解しました」

提督「青葉君、昼過ぎに執務室に来なさい。その頃には姫も帰って来てるだろうから」

青葉「はい。了解しました!」

吹雪「……司令官、どうして青葉さんがうちの鎮守府に?」

提督「上からの要望でな。姫絡みの記事を作りたいんだそうだ」

吹雪「……やっぱり珍しいのですか? 深海棲艦が鎮守府にいるのって」

提督「珍しいどころか、今まで例がない」

提督「だからこそ注目されているわけだ」

吹雪「なるほど……」

提督「……ところで吹雪、最近体調は大丈夫か?」

吹雪「……? 特に問題はないですよ?」

提督「そうか。無理ばかりさせてすまない」

吹雪「別に無理なんかしてないですよ!?」

提督「だが、練度を上げるために引っ張りだこにしてるのは事実だから……」

吹雪「気にしないでください司令官! そのおかげであと少しで改装できるんですから!」

提督「……楽しみにしてるよ、吹雪」

吹雪「はい! あれ、さっき吹雪って……」

提督「嫌だったか?」

吹雪「嫌じゃないです! これからも吹雪をよろしくお願いします! 司令官!」

――南西諸島沖

空母棲姫『敵旗艦の撃沈を確認』

提督『よくやった。姫』

空母棲姫『このぐらいなんてことないわ』

提督『それじゃ帰投してくれ』

空母棲姫『了解』

空母棲姫「帰るわよ」

不知火「了解しました」

初風「本当に味方だと頼もしいというかなんと言うか」

空母棲姫「――っ! 艦載機全機発艦!」

島風「おっ!?」

不知火「どうしたのですか!?」

空母棲姫「艦載機が向かってきてる。ボサっとしないで迎撃の準備なさい!」

空母棲姫「これは……地獄猫(ヘルキャット)。猪口才な」

空母棲姫「敵艦見ゆ」

ヲ級flagship改「……」

初風「嘘っ! なんでこんなところに!?」

ヲ改「……」

空母棲姫「――ふっ。その手を取れと? 私に戻れとでも言いたいのか?」

空母棲姫「可愛いな。ヲ級風情が……偉そうに」

不知火「……どうするのですか?」

空母棲姫「愚問ね」

青葉「ども、失礼しまー……す?」

提督「……」

青葉「吹雪さん、司令官はどうしたのですか?」

吹雪「それが、出撃してる人達からの連絡が途絶えたみたいで……」

青葉「それってどういう……」

提督「姫と君の仲間達と連絡が取れない」

提督「帰投命令は出していた。帰り道で何かあったとしか思えない」

提督「君は、君達は何か知らないのか? 青葉君」

青葉「――っ! いえ、私は何も……」

浜風「……同じく」

提督「そうか。悪かった」

提督「……かれこれ5時間か」

浜風「提督」

提督「……なんだ?」

浜風「彼女をどうこうするという指令は私達に降りてません」

浜風「この事態は私達にも想定外だということを信じてくだされば……幸いです」

提督「……この件で君達が動揺しているのはそういう事だろうね」

提督「……どちらかと言うと君達が私達を疑うのが筋じゃないか?」

提督「私の命令か、姫の独断行動か」

浜風「……少なくとも私は2人のことを信じていますので」

提督「どのみち彼女達が戻らねば、私はここまでということだ」

吹雪「司令官、それはどういう――」

『……える……督!? ヲ級……と交戦……こ……り夜……に入る……』

『聞こ……ら応答……』

提督『初風か!?』

『提……!?』

提督『ヲ級と交戦? どういうことだ』

『……』

提督「……クソッ」

初風『聞こえる提督!? ヲ級改と交戦中。これより夜戦に入るわ』

初風『聞こえたら応答して! 提督!』

『……か!?』

初風『提督!?』

『ヲ……戦? どう……だ!?』

初風『ヲ級改と交戦中、夜戦に入るわ!』

『……』

初風「もう! どうしてこんな時に通信状態が悪いのよ!」

空母棲姫「――っ!」

ヲ改「――っ!」

初風「姫はなんかノリノリだし」

不知火「仕方ありません。突撃しましょう」

不知火「弾薬の残量的にも装甲を抜いて落とせるかは微妙ですが、大破させれば無力化は出来るはずです」

島風「そうと決まったら行くよ2人とも!」

初風「ちょっと待って! ……あぁもう!」

提督「お帰り姫」

空母棲姫「ただいま」

ヲ改「……」

提督「……」

不知火「司令」

提督「それにしても皆ボロボロじゃないか。直ぐに艤装を修理してきなさい」

ヲ改「……」

島風「提督、突っ込むの遅っい!」

提督「……そうだな。姫、この気絶してるの子は?」

空母棲姫「元私の配下みたい。私と一緒にいたかったらしいから連れてきたわ」

提督「ふむ……」

不知火「……」

提督「その子も修復させといてくれ」

不知火「……司令」

提督「なんだ?」

不知火「いえ、なんでもありません……」

戦闘場面は台本形式だとまず無理なのでカットしております
唐突に三人称にして地の文いれるのも変ですし
そろそろ他の重巡や空母出したい

寝ます

ヲ級改「――っ!」

提督「姫、彼女はなんて言ってるんだ?」

姫「――っ」

提督「姫?」

姫「なんでもないわ」

吹雪「司令官、青葉さんをお連れしました」

提督「ご苦労。青葉君、昨日は悪かったね」

青葉「いえいえ、その分面白い事になってるじゃないですか」

青葉「ヲ級さん一枚いいですか?」

ヲ級「――っ!」

青葉「えっと」

提督「姫?」

姫「……」

吹雪「ええっと……」

吹雪「――っ」

「「!?」」

ヲ級「――っ!」

吹雪「――っ」

ヲ級「――っ……」

吹雪「――っ! ……?」

吹雪「許可でましたよ? 青葉さん」

青葉「えっ? あっはい」

提督「待て吹雪。お前わかるのか?」

吹雪「何がですか……?」

姫「――っ」

吹雪「えっ? え?」

姫「――っ」

吹雪「えっ、いきなりそういう話は……ちょっと///」

姫「決まりね」

提督「待て今何を言った」

空母棲姫「吹雪は私達の言葉が喋れるのね。驚いた」

吹雪「えっ、でも皆さん話せるんじゃ……」

不知火「無理です」

初風「出来るわけないじゃない」

舞風「右に同じぃ!」

浜風「同感です」

青葉「なるほどなるほど。姫にヲ級に深海語を話す吹雪さんですか」

青葉「吹雪さん、後で少しお話を聞かせてもらってもいいですか?」

吹雪「えっ、は、はい」

ヲ級「何故ついて来る」

吹雪「司令官の命令で――」

ヲ級「舐めてる?」

吹雪「え?」

ヲ級「残念だけど、あなた一人にやられる私じゃ――」

吹雪「違います違います! 任されたのは身の回りのお世話とかです!」

ヲ級「えっ……あ、そう」

吹雪「言葉がわからないと色々と不便じゃないですか」

ヲ級「……わからないことはあなたに聞けと?」

吹雪「はい。なんでも聞いてください」

ヲ級「そう。ならあそこは?」

吹雪「えっと、男性用のトイレですね」

吹雪「男性は青、女性は赤なのでヲ級さんは赤色の方を――ってヲ級さん!?」

提督「――っ!」

吹雪「ヲ級さん早くこっちに戻ってください!」

ヲ級「どうして?」

提督「――っ」

吹雪「えっとえっと、――っ」

ヲ級「なるほど」

ヲ級「……姫から聞いてたより小さい。どういうこと?」

吹雪「――っ!?///」

提督「――っ?」

吹雪「――っ」

吹雪「ヲ級さん、出ますよ///」

ヲ級「此処は?」

吹雪「食堂ですね」

ヲ級「ふーん」

ヲ級「……」

吹雪「何か食べますか?」

ヲ級「食べる」

ヲ級「……オススメは?」

吹雪「カレーとかどうですか?」

ヲ級「任せる」

ヲ級「美味しい……」

吹雪「よかったぁ」

叢雲「――っ?」

吹雪「――っ」

深雪「――っ?」

吹雪「――っ」

叢雲「――っ」

深雪「――っ!」

吹雪「――っ」

ヲ級「さっきのは?」

吹雪「叢雲ちゃんと深雪ちゃん。私の大切な友達で、仲間です」

ヲ級「……どうして姫はこんな所に」

吹雪「え?」

ヲ級「私の仲間は私を含め艦娘(お前)達に沈められた」

吹雪「っ!?」

ヲ級「それなのに何故姫は艦娘達と共にいる」

ヲ級「決まっている。あの男が何かしたからだ」

ヲ級「そうでなければ姫があんな男に体を許すわけがない」

ヲ級「許さない許さない許さない許さない」

吹雪「……」

ヲ級「決まっている。あの男に何かしたからだ」

ヲ級「そうでなければ姫があんな男に体を許すわけがない」

ヲ級「私達に攻撃するわけがない」

ヲ級「許さない許さない許さない許さない」

吹雪「……」

ヲ級「取り乱した……」

吹雪「き、気にしないでください」

ヲ級「これ以上の世話は必要ない」

ヲ級「姫の洗脳を解いて、あの男を殺して、そこでさよなら」

吹雪「っ!?」

ヲ級「それでは」

吹雪「待ってくだ……行っちゃった」

ヲ級「……」

ヲ級「……」

ヲ級「……」

ヲ級「……迷った」

差分は勘弁してくだちい
寝ますのでまた来週の金曜日以降でち

イベントで走るからたぶん金曜日〜日曜日は来れないでち

深雪「司令官! 大変だ!」

提督「……今度は何が原因だ?」

深雪「詳しくはわかんねぇけど、今にも掴みかかりそうな勢いだったぜ?」

空母棲姫「困ったものね」

提督「本当にな。深雪、案内してくれ」

初風「行ってらっしゃい」

提督「あぁ、行ってくる」

初風「……」

空母棲姫「あなたは行かないのかしら?」

初風「そうね。誰かさんの分の仕事がなければついて行ってたわね」

空母棲姫「ふふ、私の代わりに頑張りなさい」

利根「何か言ったらどうなのじゃ!?」

吹雪「あは、ははは……」

ヲ級【これは美味しい……】

吹雪【えっと、今は食べるの待ってもらっていいですか?】

ヲ級【何故お前の言うことを聞かなければならない】

利根「……それで、此奴はなんと言っておるのじゃ!」

吹雪「え、あっ。ははは……」

筑摩「利根姉さん、私は気にしていませんから」

利根「そういうことではない! 此奴は常識というものが欠けておる!」

提督「――吹雪、今回は何が原因だ?」

吹雪「司令官! それがその……」

提督「なるほど。筑摩の昼飯を手掴みで食べ、口に合わず吐き捨てたと」

吹雪「はい……」

利根「提督よ。そろそろ我輩も我慢の限か……」

提督「……」

利根「……て、提督よ?」

提督「立て。話がある」

ヲ級【――上等】

吹雪「……」

筑摩「吹雪さんも行かなくていいのですか?」

吹雪「へっ?」

筑摩「提督も彼女達の言葉がわかりませんから」

吹雪「あっはい。そうですね。それでは失礼します」

利根「……」

筑摩「あの子も大変ですね」

ヲ級【何の用だ】

吹雪「えっと……何の用ですか?」

提督「吹雪命令だ。一字一句違わず訳してくれ」

提督「勿論こちらからのも同様だ」

吹雪「……何の用だ」

提督「無暗に鎮守府の雰囲気を乱すのはやめてもらえないだろうか」

ヲ級【お前に指図される覚えはない】

提督「此処の責任者は私だ。従わぬなら出て行ってもらう」

ヲ級【……】

提督「そして大人しく返すほど甘くはないぞ」

吹雪「……」

提督「吹雪」

吹雪【――】

提督「さて吹雪」

吹雪【えっ、あっはい】

ヲ級【……?】

吹雪「はい。なんでしょうか?」

提督「改めてヲ級の面倒を頼む。こちらの常識だとか、マナーだとか、色々教えてやってくれ」

吹雪「私はいいですけど……」

提督「聞かぬなら姫と一緒にいたくないのかと言ってやれ」

吹雪「はあ……わかりました」

今日はこの辺で
イベントはまるゆ掘りが楽しかったです(小並感)

瑞鶴「生意気で、口の聞き方がなってなくて――妹思いの子」

提督「なるほど」

瑞鶴「それがなんなの?」

提督「瑞鶴はよく見てるなと思って」

加賀「……」

提督「上官に暴言吐くわ、仕事中に上官の話を適当に流して約束を反故するわ」

提督「曙から何度クソ提督と罵られた事か」

瑞鶴「……そこ笑うところ?」

誤爆………こっちの方は来週更新します

初風「おかえりなさい。結構早かったわね」

提督「ただいま。途中で吹雪に任せてきた」

初風「それで、何が原因だったの?」

提督「常識やマナーの違いだな」

初風「……なるほどね」

空母棲姫「……」

提督「ただいま。おや、随分懐かれたみたいで」

空母棲姫「そうね」

雪風「雪風は……しずみま……」

時津風「しれぇ……」

空母棲姫「女神か。死神か」

提督「姫?」

空母棲姫「なんでもない。少し外に出てるわ」

空母棲姫「私の仕事なんて、あってないようなものだし」

初風「ぐぬぬ……」

空母棲姫「精々私の代わりに頑張ることね」

提督「あぁ、気を付けてな」

空母棲姫「行ってくる」

提督「……頼ってばかりで悪いな、初風」

初風「急にどうしたの?」

提督「後一週間、それで君達は元の鎮守府に移籍される」

提督「その前にどうしても言いたくてな」

提督「この短期間でキス島沖まで来れたのは、資材の備蓄を使い切ることなく来れたのは君のおかげだ」

初風「大袈裟よ。此処は最初から主力級の空母棲姫がいた」

初風「彼女は強力な装備を持っていた」

初風「他の提督が建造や開発に使っていた資材を出撃に使うことができた」

初風「それだけよ」

提督「……かもしれない。だが、それでも君には感謝してる。ありがとう」

初風「……ふん」

初風「貴方が望むなら――」

提督「……?」

初風「貴方が望むなら、ずっと此処に居てあげてもいいのよ?」

提督「……」

初風「何か言ってよ」

提督「そうだな。素敵な提案だ」

提督「俺としても君は喉から手が出るほど欲しい」

初風「なら――」

提督「――それが叶わぬ願いだと君自身が一番理解しているんじゃないのか?」

初風「……」

提督「さて、仕事に戻ろうか」

空母棲姫「190、200……もっとか」

ヲ級【こんなところで海を見て、どうしたのですか?】

空母棲姫【そういう貴女は?】

ヲ級【姫と同じです】

空母棲姫【そう。まさかアレが貴女の仕業じゃないでしょうね?】

ヲ級【どうして私が……】

空母棲姫【……そうね】

ヲ級【姫はどうするつもりです?】

空母棲姫【さぁ。貴女はどう考える?】

ヲ級【……提督を連れて此処を離れるべきかと】

空母棲姫【珍しい。貴女も彼の事が気に入ったのかしら?】

ヲ級【まさか。現在の姫は彼を中心に行動していますから】

空母棲姫【よくわかってるじゃない】

空母棲姫【だけどそれは最終手段。彼はそんな事望まない】

ヲ級【勝ち目はないですよ?】

空母棲姫【そうかしら。私と貴女に、金剛、利根筑摩、川内神通、陽炎型の子達】

空母棲姫【ギリギリ吹雪型の三人が間に合うかどうか】

ヲ級【それでもまだ及ばない。相手はおそらく……】

空母棲姫【ええ。だからその時まで待つ】

空母棲姫【最強のカードがやってくるまで】

提督「探したよ姫」

空母棲姫「今度は貴方か……」

提督「俺以外に誰か来たのか?」

空母棲姫「ええ、ヲ級がちょっとね」

空母棲姫「それにしても、探しに来たってことは、心配してきてくれたのかしら?」

提督「当たり前だろ。どれだけ惚れ込んでると思ってる」

空母棲姫「そう……」

提督「それで、用事は済んだのかい?」

空母棲姫「いえ、用事というよりは考え事ね」

提督「考え事?」

空母棲姫「何が正しいのか。どうすればよかったのか」

提督「難しい話だけど、らしくないな」

空母棲姫「そうかしら? ……いや、そうね」

空母棲姫「どのみち私達は目的の為なら手段を選ばない。でも」

提督「……?」

空母棲姫「貴方と共にいたから、貴方と共に此処にいたい。今は心からそう思うわ」

提督「俺も必ず君と此処を守ってみせる。守れるようになってみせるよ」

空母棲姫「……ふん」

提督「もしかして照れてるのか?」

空母棲姫「臆面もなくそんなこと言って、恥ずかしくないの?」

提督「誰かさんのおかげで少し恥ずかしくなくなった」

空母棲姫「……そろそろ戻る?」

提督「そうだな」

空母棲姫「ん」

提督「……?」

空母棲姫「ん!」

提督「……姫も好きだなぁ」

空母棲姫「別に、貴方が好きだからやって欲しいだけよ」

提督「……臆面もなくまぁ」

空母棲姫「何か言った?」

提督「なんでもないよ。姫」

初風「それで、二人で仲良く手を繋いで帰ってきたと」

初風「人に二人分の仕事押し付けてまったく……」

提督「……初風?」

初風「なによ」

提督「怒ってるのか?」

初風「……どうかしらね」

空母棲姫「嫉妬? 可愛いわね」

初風「別に嫉妬とかそういうわけじゃ!?」

空母棲姫「ふふふ」

空母棲姫「羨ましいなら貸して上げましょうか?」

初風「……すごい自信ね」

空母棲姫「ええ。でも見解の相違ね」

空母棲姫「私は一つしか無いものを独占するほど残酷じゃないわ」

空母棲姫「彼が望むのなら、まぁ三人目までなら認めないこともないわよ?」

初風「……」

提督「……」

空母棲姫「そんなに強く抱きしめて……なに、拗ねてるの?」

提督「別に」

空母棲姫「……少し苦しいのだけどけど」

提督「悪い」

空母棲姫「それで、どうかしたの?」

提督「……」

空母棲姫「……ねぇ」

提督「……お前は、俺に浮気しても言いと言われて嬉しいか?」

空母棲姫「……私は別に、どうでもいい」

提督「どうでもいい……?」

空母棲姫「立場の違いね。私は貴方のおかげで生きている」

空母棲姫「感謝してるし、恩は返したい」

空母棲姫「貴方が望む限り、私は貴方に尽くすし、離れない」

空母棲姫「だから貴方が望むのなら、愛人だって認めるわ」

空母棲姫「だから三人というのは許容範囲」

空母棲姫「四人より多かったり、私が一番じゃないのなら……」

提督「一番じゃないのなら?」

空母棲姫「……拗ねるかも」

提督「……ふふ。姫が拗ねる所は少し見てみたいかもな」

空母棲姫「本気で拗ねるわよ? 面倒臭いわよ?」

提督「それにしても、本当に肝が座っているというかなんというか」

空母棲姫「……もっと言ってあげましょうか?」

空母棲姫「例え何億人の人に否定され、何万人の同胞に軽蔑されても、私は貴方の事が大好きよ」

提督「……寝る」

空母棲姫「ふふ、おやすみなさい」

私が恥ずかしいので買い物行ってきます
帰ってきしだい書き溜めするの

吹雪「〜♪」

深雪「……」ソワソワ

叢雲「……」ソワソワ

ヲ級【彼女達はどうしたのですか?】ボソッ

空母棲姫【改装待ち、だそうよ】

ヲ級【なるほど……?】

明石「入りますよ! 提督!」

提督「どうぞ」

明石「提督! 改装終わりました!」

「「「――っ!」」」

提督「ありがとう明石。ついでに三人を案内してくれないか?」

明石「はい。わかりました!」

ヲ級【……】

明石「……どうしました?」

ヲ級【私も付いて行く】

吹雪「ヲ級さんも付いてきたいそうです」

提督「……明石、迷子にならないよう頼めるか?」

明石「はい、大丈夫です……大丈夫」

ヲ級【……】

吹雪【一緒に行きませんか?】

ヲ級【……頼む】

吹雪【それじゃ行きますよ!】

明石「ちょっと吹雪さん!?」

深雪「よし行くぞ叢雲ー」

叢雲「ちょっと!? あぁ、もう!」

明石「……」

提督「……明石、四人の面倒を頼む」

明石「はい。わかりました」

提督「さて、私達も支度をするか」

初風「呼ぶのは青葉さんだけでいいのね?」

提督「頼む」

初風「はいはい」

提督「はい は一度でいい」

初風「あら、二つ返事の意味で使ったのだけど?」

提督「なら迅速に行動するように」

初風「ふふふ、そうね」

空母棲姫【300……増えてる】

提督「姫?」

空母棲姫「なんでもない」

大和「提督、そろそろ着きますよ」
元帥「……」
大和「もしかして拗ねているんですか?」
元帥「ふん。本当に海から行く必要があったのか?」
大和「勿論です。今から会うのは――」

元帥「そういうことじゃない」

元帥「例えば私だけタクシーで行くとか――」

大和「――大和の腕の中では不満ですか?」

元帥「……お姫様だっこされてるところを見られたら、威厳も何もあったもんじゃないだろ」

ちょっと地の文無しの弊害が出たので続きは未定なのです
台詞だけで戦闘描写が辛くて……

最悪地の文が入るかもしれないのです

提督「私どものためにご足労頂きありがとうございます」

元帥「こちらこそ、急に押しかけて申し訳ない。それでは定時連絡から」

元帥「……相変わらず君達の活動を一部制限すべきとの声もあったが、現状維持だそうだ。これからも頑張ってくれ」

提督「了解しました」

元帥「さて、ここからが本題だ」

元帥「ヲ級ちゃ……ヲ級を仲間にしたと聞いた。それは本当か?」

提督「……はい。その情報は彼女達から?」

元帥「全ては私の命令だ。彼女達を咎めないでやってくれ」

元帥「もっとも、そのうちの数人は報告を怠っているみたいだがね」

初風「……ふん」

元帥「さて、話を戻そう。是非此処にヲ級を呼んでくれないだろうか」

提督「いえ、それは――」

元帥「何か不都合でも?」

提督「……姫、彼女を呼んで来てくれ」

空母棲姫「……わかった」

元帥「……さて、彼女達が戻ってくるまでに一つ話をしようか」

提督「?」

元帥「報告書の一つにこんな報告があった」

元帥「匿名にしておくが、移籍させた子の中に君に惚れている者がいるそうだ」

元帥「そうして君も満更ではなさそうと聞いている」

初風「……!?」

元帥「どうした初風?」

初風「な、なんでもないから」

元帥「そうか。話を戻そう。君に一つ提案がある」

提督「……なんでしょうか」

元帥「そう身構えなくていい。こちらの条件さえ飲めば、初風を君に託そう」

初風「ちょっと!?」

元帥「あっ」

大和「提督……」

提督「……」

元帥「まぁ、いい。それで君は初風が欲しいかね」

提督「はい」

元帥「即答か。では条件を言おう」

元帥「難しいことじゃない。彼女とケッコンすること。それだけだ」

提督「……」

元帥「彼女の練度は既に最大まで上げてある。書類もこちらで用意しよう。どうだ、悪い話じゃないだろ?」

元帥「返答は」

提督「申し訳ありませんが……」

元帥「理由を教えてくれないか?」

提督「私が生涯を誓ったのは姫であり、彼女を裏切るつもりはありません」

提督「私には勿体無い話です。申し訳――」

元帥「――結論を出すにはまだ早いんじゃないのかね? 移籍の期間も数週間残っている」

元帥「答えを出すのはその時でもいいんじゃないか?」

提督「……どうして元帥殿はそこまでしてくださるのですか?」

元帥「君をこちら側に縛り付けたいという意図も勿論ある」

元帥「だが、うちの子には幸せになって欲しい。そう願うのはおかしいことかね?」

空母棲姫「連れて来たわよ」

元帥「さて、この話は此処までだな」

提督「姫、入ってくれ」

とりあえず此処まで
お休みなさい

元帥「君がヲ級か。はじめまして、かな?」

ヲ級【……姫、どうすれば?】

空母棲姫【握手でもすればいいんじゃない?】

ヲ級【……】

元帥「さあさあ、椅子に掛けてくれ」

元帥「さて教えてくれないか? 彼女がどういう経緯で仲間になったのかを」

ヲ級【コイツの仲間になった覚えは――】

空母棲姫「ヲ級、黙りなさい」

ヲ級【――っ!】

元帥「もしかして彼女も言葉がわかるのかね?」

空母棲姫「聞き取りだけ、ですが」

提督「そうなのか!?」

空母棲姫「……最近になってようやく、ね」

空母棲姫「ちなみに彼女――ヲ級は彼のものではなく私のものです」

元帥「……」

空母棲姫「……これでもかつては深海棲艦を束ねる主の一人」

空母棲姫「中には彼女のような子がいてもおかしくないでしょ?」


元帥「……なるほど。となると、まだ仲間が増えるという事もあるわけだ」

空母棲姫「可能性としては。何か不都合でも?」

元帥「ないと言ったら嘘になる。だが、彼が信じた君を信じることにしよう」

空母棲姫「――ですが、返答次第で貴方は終わり」



提督「……姫?」

空母棲姫「――っ!」

ヲ級【……】

青葉「藍色の炎……?」

大和「――提督下がって!!」

空母棲姫「下がるのはお前だ。艤装もなく、陸の上で何ができる」

提督「何をやってる姫!?」

空母棲姫「……ごめんね」

提督「……どうして」

元帥「……」

提督「……」

初風「ちょっと!? 何やってるのよ!?」

空母棲姫「黙りなさい。用はそこの男にある」

元帥「……なんだ」

空母棲姫「一時的でいい。ここの艦隊の指揮を取りなさい」

大和「……えっ?」

元帥「……どういうことだ?」

空母棲姫「少し離れたところに深海棲艦が集結しつつある」

初風「!?」

空母棲姫「私とヲ級がいてもたぶん勝てない。そこでお前と大和の力を貸してもらう」

元帥「断れば?」

空母棲姫「彼を連れてここを放棄する」

元帥「それは、私達を殺した後でか?」

初風「……」

空母棲姫「ええ。私の障壁を破る術がない以上、選択肢はない。死にたければ首を横に振ればいい」

元帥「それは彼の意思なのか? それで彼が喜ぶとでも?」

空母棲姫「恨まれても構わない。彼を死なせるよりはずっといい」

ヲ級【……】

元帥「……こちらかも条件がある」

提督「……ここは」

元帥「起きたかね」

提督「――っ!? 姫は!?」

元帥「落ち着きなさい。とりあえずみんな無事だ」

元帥「君の姫もね」

元帥「強引だが、こちらの油断を突いたいい手だった」

提督「一体なにが……」

大淀「……姫から入電です」

提督「――っ!?」

元帥「なんだ?」

大淀「数は約300。旗艦はおそらく戦艦棲姫、他にル級flagship改その他多数」

大淀「こちらに気付いたのか、航行を開始しております」

元帥「さて……」

空母棲姫「水上打撃部隊が本隊を、私達は取り巻きを……ね」

吹雪「あの……」

空母棲姫「なに?」

吹雪「頑張ってください!」

空母棲姫「……貴女達も死ぬ気で撃ち落としなさい」

深雪「おう。任せろ!」

叢雲「……ふん」

ヲ級【――姫】

空母棲姫「ええ、始めましょうか」

大淀「続いて第三支援艦隊から入電です」

大淀「姫、爆撃機、攻撃機の二割をロスト。ヲ級は三割ロスト」

大淀「撃沈数は……凄い! 40を超えています! 大破50 中破40 小破30程度だそうです!」

元帥「……これがたった二人の戦果とは恐れいる」

元帥「地獄猫の――いや、彼女達の実力あってこそか」

元帥「対して相手はどうだ。制空が思ったより濃い」

元帥「あの姫が相変わらずだとすると、もう一人編成の指揮を取っている個体がいると考えるべきか……」

提督「姫……」

元帥「……大丈夫とは言わんが、任せなさい」

元帥「うちの鎮守府からも支援艦隊を派遣させた。数時間もすれば到着する」

元帥「もちろん、その前に殲滅するつもりだがね」

提督「……」

元帥「……申し訳ないが作戦に集中したい」

提督「……わかりました。吉報をお待ちしております」

元帥「……」

元帥『さて、準備はいいか? 大和』

大和『だから私は武蔵も連れていこうと言ったんですよ?』

元帥『いやはや、耳が痛い』

大和『まぁいいですけど』

大和『でも後を考えるといっその事、彼女は今ここで――』

元帥『いっその事なんだ? 私達を信用して預けられた背中を撃つつもりか?』

大和『……冗談ですよ』

元帥『ともかく、彼女は素晴らしい戦果をあげている』

元帥『こっちも負けていられない、だろう?』

大和『そうですけど……いいんですか? 彼にあんなこと言って』

元帥『嘘も方便の一つさ。その為にわざわざ支援を呼んだのだから』

大和『……わかりました』

大和「水上打撃部隊、旗艦大和、突撃します!」

初風「こんな所で黄昏て、どうしたのかしら?」

提督「……初風か」

初風「隣座るわよ」

提督「……海を見ていた」

初風「……」

提督「自分が不甲斐ない。腹が立ったよ」

初風「……?」

提督「姫を守る為に提督になったはずなのに、結局姫に守られて……」

提督「結局今できることが此処で祈ることだけだ」

初風「……」

提督「それで、君はどうしてここにいるんだ?」

初風「誰かさんがいじけるからって頼まれたのよ」

提督「……そうか。それで、彼女はなんと?」

初風「必ず帰ってくる、だそうよ」

提督「そうか……」

初風「大丈夫。貴方は強くなれる」

初風「いつか彼女を守れる大艦隊を作りましょう」

提督「……そうだな」

空母棲姫「182……181……キリがない」

元帥『全くだ。もう一度支援頼めるか?』

空母棲姫『……愚問ね』

空母棲姫「全機発艦させる。防空は任せるわよ」

ヲ級【輪形陣! 死ぬ気で落とせ!】

吹雪「深雪ちゃん! 叢雲ちゃん! 輪形陣!」

深雪「はいよ!」

叢雲「……キリがないわね!」

利根「ほう。なかなかやるのぅ」

金剛「利根、油断は大敵ネー」

筑摩「そうですよ姉さん」

筑摩「いくらあの人達が頑張っているとは言え――」スッ

筑摩「――私達が被弾したら元の木阿弥ですよ?」

利根「――言われなくても心得ておるわ」

利根「じゃが……」

地獄猫【――っ!】

利根「わしと筑摩が航巡になれれば少しは手伝えるのにのぅ……」

筑摩「仕方ありませんよ。練度が足りないのですからっ!」

大和「――っ!」

金剛「Wao! なかなかやるネー」

大和「あのクラスの戦艦なら利根さん達でも落とせますよ」

利根「本当か!?」

大和「ええ。ただ砲撃を連続で当てる必要があるので、もう少し練度を上げないとですけど」

利根「やはり課題は練度かのぅ」

大和「焦っては駄目ですよ? ゆっくりと精進して――!?」

大和「第二警戒航行序列! 撃ち方用意!」

神通「了解しました。対空砲撃、撃ち方始め!」

大淀「大和から入電!敵攻撃機が頭上を飛び越え、第三支援艦隊に接近中との事です!」

大淀「続いて姫から入電!攻撃機が戦闘機を後方から迎撃中! 戦闘機は現状のまま第一艦隊を護衛するとのこと」

大淀「続いて姫から入電! 爆撃機を10機失ったものの敵を多数撃沈!」

元帥『支援爆撃はまだいけそうか?』

空母棲姫『私のはもう無理ね』

空母棲姫【――っ】

空母棲姫『ヲ級のはまだ余裕があるみたい』

元帥『……そっちが落ち着いたら入電してくれ』

元帥「地獄猫か……なるほど。上が欲しがるわけだ」

戦艦棲姫【後方支援とは、堕ちたものだな】

戦艦ル級【……】

戦艦棲姫【どうだ? お前がかつて仕えた姫の姿は】

戦艦ル級【……】

戦艦棲姫【言葉も出ないか。さてどうしたものか】

戦艦ル級【私が姫とやる】

戦艦棲姫【……お前が彼女を撃つ、と?】

戦艦ル級【……】

戦艦棲姫【そう。好きにしなさい】

戦艦棲姫【なら、手慰みに艦娘達で遊んでくるとするわ】

大淀「これは!?」

元帥「どうした?」

大淀「敵が二手に分かれて進行を開始しました!」

元帥「……戦艦棲姫はどちらに向かった?」

大淀「水上打撃部隊に向かっているようです!」

元帥『戦闘機の護衛はもういい。それよりも空母率いる機動部隊がそっちに向かっている。迎撃できそうか?』

空母棲姫『私を含め弾薬の消費が激しい。戦闘可能時間はそう長くはないでしょうね』

元帥『……うちの支援艦隊があと少しで到着する。なんとか持ちこたえてくれ』

空母棲姫『わかったわ』

利根「ふむ。なかなかの戦果じゃな」

筑摩「解っている思いますが――」

利根「油断大敵、じゃろ?」

大和「……」

金剛「hey! 溜息ついてどうしましたかー?」

大和「戦艦棲姫が接近しているそうです」

金剛「戦艦……棲姫?」

大和「……まぁ、そうなりますよね」

大和「水上打撃部隊、砲撃戦用意! 急いで!」

吹雪「当たれ!当たれぇ!」

叢雲「深雪! 後ろ!」

深雪「おうよ!」

ヲ級【……おかしい。なぜ攻撃してこない】

空母棲姫【戦艦棲姫の横にいたル級とヲ級……なるほど、あの子達か】

ヲ級【姫……?】

空母棲姫【ヲ級、貴女も攻撃しなくていい。でも念のために地獄猫は出しておきなさい】

ヲ級【……わかりました――あれは、地獄猫!?】

吹雪【!?】

吹雪「敵の地獄猫が来てる!」

叢雲「嘘!? 冗談じゃないわよ!」

空母棲姫「対空砲撃を中止、別命があるまで待機」

深雪「待機って、このままやられろって言うのか!?」

空母棲姫「いいからそこで見てなさい」

空母棲姫「ヲ級、彼女達が邪魔するようなら遠慮しなくていいわ」

深雪「……なっ!?」

叢雲「……」
深雪「……」

吹雪「ちょっと二人とも!?」

ヲ級【砲門を降ろせ、さもないと……】

空母棲姫「……二人とも」

深雪「……」
叢雲「……」

空母棲姫「私を信じてくれる?」

地獄猫【……】

深雪「また旋回……」

叢雲「地獄猫だけじゃない。よく見たら他の艦載機も攻撃してこない」

空母棲姫「言っておくけど、油断はしないように」

叢雲「ちょっと!? 攻撃してこないんじゃなかったの!?」

空母棲姫「そんなこと一言も言っていない」

空母棲姫「あれは別命があるまで、何が起きても対処できるように待機って意味よ」

叢雲「……なるほどね」

空母棲姫「まぁ、それも杞憂に終わったようだけど」

地獄猫【……】

深雪「……結局、何もせず帰って行ったな」

空母棲姫「要するに、私と接触したい地獄猫持ちが敵の中にいるわけね」

空母棲姫「まぁ、そんな子は数人しか思い当たらないけど。ねぇ、ヲ級」

ヲ級【……?】

空母棲姫「――これより敵部隊と接触を試みる」

空母棲姫「あの地獄猫を追いかけましょうか」

食休みにウォーキングしてくるでち
帰ってきたら昼寝するか投下するかのどちらかかと

大淀「第三支援艦隊、敵部隊と――接触?」

元帥「どうした?」

大淀「いえ、それがその……交戦ではなく接触と……」

元帥「接触? ……まさか」

元帥「……ふふ、このタイミングでこうなるか」

元帥「いや、これも流石と言うべきか……」

大淀「……?」

元帥「私の艦隊から逃れ、生き延び」

元帥「理解者と出会い、恋をして」

元帥「危機的状況に陥っても、こうして切り抜けようとしている」

元帥「流石の幸運――いや、悪運なのか」

元帥「彼女もまた、自分だけは生き延びてしまうタイプなのかもしれん」

元帥「――そうか。だからこそ彼を……」

元帥「……いや、妄想が過ぎるか」

元帥『――大和』

ごめんなさい
今日は更新するとか、もうそんな気分じゃないです

空母棲姫【……久しぶりね。ル級】

ル級【……貴女は本当に姫なのか?】

ル級【何故此処にいる。何故人の味方をする】

ヲ級【……】

ヲ級F【……】

空母棲姫【たった一つの命を想う。それはおかしいことなのかしら?】

ル級【……】

空母棲姫【私は変わらない。私は私のやりたいように動く】

空母棲姫【立ちはだかるなら誰だろうと排除する。そうでしょう? 私達は】

空母棲姫【さて、これで満足かしら?】

ル級【……ええ】

空母棲姫【それで、貴女はどうするのかしら?】

ル級【こうしている以上、答えは一つだと思いますが?】

空母棲姫【……】
ル級【……】
ヲ級【……】
ヲ級F【……】

吹雪「二人とも」

深雪「言われなくてもわかるぜ」

叢雲「一触即発、ね」

深雪「……叢雲、吹雪、始まったら突撃するぞ」

吹雪「えっ?」

深雪「この距離なら魚雷が届く。私達の距離だ」

ル級【――最後に一つだけ】

空母棲姫【なにかしら?】

ル級【もし私達が貴女の軍門に降ると言ったら?】

空母棲姫【……そうね。再び私の下に着く事を許しましょう】

ル級【……変わりましたね。姫は】

空母棲姫【そうかしら?】

ル級【随分優しくなられました】

空母棲姫【……】

ル級【――先程の無礼をお許しください。これより我が部隊は再び貴女に隷属します】

ル級【そこにいる方向音痴より役に立って見せましょう】

空母棲姫【即戦力は歓迎するわ】

ヲ級【……誰が方向音痴だ】

ヲ級F【姫の捜索中に迷子になって、行方を眩ませたのは何処の誰ですか?】

ヲ級【……うっ。だがな、私は無事に姫の下に辿り着いていた】

ヲ級【今更のこのこと来た無能には負けんよ】

ル級【減らず口を……】

ヲ級【あ?】

ル級【お?】

深雪「……なあ、吹雪。いきなりほんわかし始めたけどどうなったんだ?」

吹雪「えっと……私達の仲間になった、みたいな?」

空母棲姫【さて、反撃しましょうか】

大和「不知火! 金剛さんを撤退させて!」

不知火「了解しました……ご武運を」

戦艦棲姫「ふふふ。これで三体目……生き残れないわよ」

筑摩「危ない! 姉さん!」

利根「筑摩!?」

戦艦棲姫「四体目」

大和「……浜風」

浜風「……任せてください」

大和「この……っ!」

イ級【――っ!!】

戦艦棲姫「……ご苦労様」

戦艦棲姫「無様ね。でも、それも当然」

戦艦棲姫「欠けているのよ。味方を犠牲にして、なお勝とうとする意志が」

戦艦棲姫「例え残り70の同胞を犠牲にしてでも貴女達は必ず沈めてあげる」

戦艦棲姫「……向こうも決着が着いたようね。これで約100」

戦艦棲姫「それではさようなら。愚かな艦娘ども」

戦艦棲姫「沈んで、堕ちて、飲み込まれたのなら、もう一度また会いましょう」

ル級【第四、五、六水上打撃部隊、支援砲撃、撃て!】

ヲ級【地獄猫換装。第七空母機動部隊、航空支援用意!】

ヲ級F【同じく第八空母機動部隊、航空支援用意】

空母棲姫【……】

ル級【……姫、行くつもりですか?】

空母棲姫【ここの指揮は任せるわ】

ル級【……わかりました。ご武運を】

吹雪【あの! 私達も行きます!】

ル級【!? お前、どうして――】

ヲ級【――行ってこい、吹雪】

吹雪【はい!】

大淀「空母棲姫と吹雪、深雪、叢雲が戦艦棲姫と交戦を開始しました」

元帥『大和、再び戦闘出来そうか?』

大和『大破している子もいますが、とりあえずは可能かと』

元帥『……撤退だな』

大和『ですね』

大和『まぁ、あの支援砲撃で大破してましたから大丈夫だと思いますよ』

元帥『そうか。とにかく、後は彼女達に任せようじゃないか』

大和『色々と不満はありますけどね』

元帥『そう言うな。今の君の最重要任務は』

大和『みんなを鎮守府まで連れて帰ること』

元帥『そう言うことだ。後は頼んだぞ』

大和『……提督?』

元帥『いやはや、呼び出しを食らってしまってね。見届けたら直ぐに出るよ』

元帥『ここの提督には私から言っておくから、君はゆっくり休んでから帰って来なさい』

大和『ちょっと、提督!?』

『……』

大和「提督!?」

戦艦棲姫【……】

空母棲姫【最期の言葉ぐらい聞いてあげる】

戦艦棲姫【裏切り者どもが……何度でも繰り返す。次はお前達の――】

空母棲姫【――沈め】

戦艦棲姫【番……だ…………】

吹雪「大丈夫ですか?」

空母棲姫「……満身創痍な子に心配されるとはね」

吹雪「あはははは……」

空母棲姫「さて、帰りましょうか」

深雪「――っ!? 何か来てるぞ!」

叢雲「あれは……あぁ、援軍の支援艦隊か」

空母棲姫「彗星……かしら?」

翔鶴「少し遅かったようですね」

加賀「……では帰りましょうか」

翔鶴「いいのですか?」

加賀「それが提督の指示よ」

加賀「おっと、失礼しました。指示をどうぞ、曙」

曙「えっ、そ、それでは帰りましょうか?」

翔鶴「どうして疑問系なんですか?」クスッ

漣「ほら、ちゃんと指示出してぼのの」

曙「うっ、うるさいわね」

漣「いつものツッコミがこない……だと?」

榛名「曙ちゃん、頑張ってください!」

曙「……あぁもう! 本当、何考えてるのよクソ提督ぅ〜!」

とりあえずここまで
ご飯食べてくる

大和「ええ、なんかもうこうなると思っていましたとも……」

金剛「どうしましたか?」

大和「あの、そろそろ私上が――」

金剛「それにしてもいいお湯ですねー」

大和「あの、ここの提督から修復剤も貰いましたし――」

空母棲姫「あら、私達と一緒だと不満かしら?」

大和「……自分が何をしたか忘れたと言わせませんよ」

空母棲姫「私達と交流する気はないと?」

大和「……」

空母棲姫「そう。ならば今日の晩御飯もキャンセルかしらね」

大和「……?」

空母棲姫「せっかく提督が感謝と交流を兼ねて自腹を切ってまでご馳走を用意していると言うのに」

大和「……!?」

空母棲姫「仕方ないから中止して、お礼とお詫びの品に色を付けるべきかしら」

大和「……」

空母棲姫「……私達からすれば参加してくれると助かるのだけど、仕方ないわね」

大和「そ、そこまで言うのでしたら……その…………」

金剛「と言うわけでもう少しゆったりするネ!」

大和「仕方ないですね」

大和「それにしても吹雪さん人気ですね。囲まれて殆ど見えない」

金剛「まぁ吹雪は仕方ないネー」

大和「?」

ル級【それで、私の部下にならないか?】

吹雪【えっとその……】

ヲ級【ふざけるな。誰がお前に渡すものか】

吹雪【ええっ!?】

ル級【そうはいかん。今後を考えれば私と組んだ方がためになる】

ル級【私と組めば色々と教えてやろう。艦娘(お前達)が知らない深海棲艦(私達)の秘密を】

吹雪【えっと、あの……】

ヲ級【吹雪、私と組めば……その】

ル級【すぐ迷子になる。無愛想で愛想もない】

吹雪【そ、そんなことないですよ!?】

ル級【ほう……】

吹雪【あっ、いえ、その……】

ル級【まぁ、確かにアイツと比べれば色々とマシな方か】

ヲ級【……比べないでくれ】

吹雪【アイツ……?】

深雪「顔赤いけど大丈夫か?」

叢雲「えっ!? 大丈夫よ!?」

深雪「そうか? それじゃ先に上がるけど、叢雲ものぼせる前に上がれよ?」

叢雲「う、ん! わかったから!」

深雪「……?」

吹雪「叢雲ちゃん顔赤いけど大丈夫かな?」

ル級【マズイ。離れるぞ】

吹雪「え?」

ヲ級【こっち】

吹雪【えっ、あの?】

ル級【お前も巻き込まれたくないだろ?】

吹雪【巻き込まれる?】

ヲ級F【ヌフフフフ】

叢雲「お願い……やめ――んっ!?」

吹雪「……?」

大和「あの、叢雲ちゃんの様子が――」

空母棲姫「今は見て見ぬ振りをしなさい」

空母棲姫「それに、私に砲門を向けたのだから、助ける義理もないわ」

大和「あの――」

空母棲姫「なに? 貴女も触手で犯されたいの? ちなみにあの子、前より後ろの方が――」

金剛「――入渠用のお風呂(ドッグ)から出なくて良かったデース」

大和「……いい湯ですねぇ」

大和「……美味しい」

提督「口に合いましたか? 大和さん」

大和「はい! すごく美味しいです!」

提督「それは良かった」

提督「……」

大和「あの……」

提督「この度は、申し訳ありませんでした」

大和「言う相手を間違えていますよ」

提督「元帥殿には日を改めて正式に謝罪を……」

大和「……そうですか」

大和「……」

大和「……あの頭を上げてください」

提督「……」

大和「土下座を続けられてもこちらが困ります」

大和「貴方の誠意は伝わりました。ですが、まだ不十分です」

提督「不十分……ですか」

大和「食事に謝罪の言葉」

大和「それだけで貴方の何を知り、何を許せというのでしょうか」

提督「……」

大和「ですので、貴方の秘めてる事柄を一つだけ教えてくれませんか?」

提督「腹を割って話せ、と」

大和「はい。具体的に言うと、貴方と彼女との馴れ初めなどどうでしょう?」

提督「……場所を変えてよろしいですか?」

ご飯食べる。たぶん今日は此処までかも

大和「外は少し冷えますね……」
提督「熱燗を拝借してきました。よろしければどうですか?」

大和「頂きます」

大和「……」

大和「貴方もどうですか?」

提督「頂きます」

提督「……」

大和「……お飲みにならないのですか?」

提督「今飲めば呂律が回らないと思うので」

大和「お酒に弱いのですね」

提督「恥ずかしながら……」

大和「それと、丁寧語はやめてください」

提督「……わかった」

提督「姫と始めてあった時は、そう――」

提督「――今日のように月が綺麗な日の夜のことだった」

提督「配属になる一ヶ月前」

提督「俺がこの鎮守府の下見に来たその日の夜」

提督「ちょうど俺はこの場所から海を眺めていた」

提督「深海棲艦――艦娘の指揮を取って倒さなければならない、我が国の敵」

提督「そう遠くない戦い日々を想い、決意を固めていた時のことだ」

提督「ふと視界の端に――あそこの砂辺に、僅かに動く黒い影が見えた」

提督「急いで駆け寄って見ると、地面に倒れている彼女が深海棲艦だと一目で気付いたよ」



提督「血の気の引いた真っ青な身体に、壊れてはいるが艤装にも似た装備」

提督「服は青色の血で染みており、砂辺を這った後がそのまま血の跡になっていた」

提督「誰の目から見ても重傷は明らか」

提督「そしてそんな彼女を俺は、殺そうとした」

大和「!?」

提督「意外か?」

大和「いえ……」

提督「今なら銃弾の一発でも仕留められる」

提督「せめて苦しまぬように、そう思い引き金に指をかけた時だった」

提督「私を見上げた彼女の口が僅かに動いた」

提督「目の焦点すら合っていない、そんな彼女の口から微かに絞り出された――波の音に掻き消される程の小さな声で彼女は何かを言った」

大和「……なんて言ったんですか?」

提督「残念ながら、波の音に掻き消えて聞こえなかった」

提督「だからこそ彼女の口元まで耳を寄せて、彼女の言葉を待った」

提督「――助けてくれ」

提督「――沈みたくない、そう彼女は呟いていたよ」

大和「……」

提督「思うところは多々あった」

提督「深海棲艦が何をしたか。彼女達のせいでこの国がどのような状況に陥ったか」

提督「それでも俺は、助けを求める彼女を殺せなくなっていた」

提督「敵であるはずの彼女を助けようと思った」

提督「……馴れ初めはこんなところか」

大和「……」

提督「君も思うかい? 深海棲艦を助け、現を抜かしている俺は提督失格であると」

大和「……そうなのかもしれません」

大和「ですが、その優しさは人間として間違っていないと思います」

大和「まぁ、艦娘の私が人間を語るのも変な話ですけどね」

提督「そう変な話じゃないさ」

提督「艦娘は限りなく人に近い」

大和「……やはり、優しい人だと思いますよ。貴方という人は」

提督「そうでもない」

提督「1人の少女の願いすら、叶えようとしない男だよ。私は」

大和「……」クス

提督「何かおかしいかったか?」

大和「いえ、私の思う通りの人なら、貴方は彼女とケッコンしますよ」

提督「……俺は彼女以外とケッコンするつもりは――」

大和「今のままだとそうなるかもしれません」

大和「ですが結果は同じ事だと思いますよ」

提督「……」

大和「貴方はケッコンを勘違いしています」

大和「その事については、おそらく私の提督から通達があるでしょう」

提督「元帥殿から……」

大和「はい。ケッコンカッコカリは絆の証」

大和「絆の形というのは様々です」

大和「愛情も、有情も、信頼も。全てが含まれます」

大和「端的に言いますと、ケッコンするのに愛情はなくてもいいんです」

大和「彼に彼女が欲しいかと問われ、貴方は肯定した」

大和「上が言うケッコンする資格はそれだけで十分なのです」

大和「さて、優しい貴方は此処に居たいと願う彼女を引き取るか否か」

大和「どちらに転ぶと思いますか?」

提督「……酒をもらってもいいか?」

大和「もちろんです」

提督「……」

大和「いい飲みっぷりです」

提督「……視界が歪むな」

大和「一気に飲むからですよ」

提督「話は十分だろう。そろそろ戻ろうか」

大和「……ちょっと待ってください」

提督「……?」

大和「私はまだ許すなんて一言も言っていませんよ?」

提督「……なっ」

大和「というわけでもう少しお話しましょうか」

提督「……」

空母棲姫「どうぞ」
大和「こんばんは」

提督「……」

空母棲姫「随分飲んだようね」

提督「……」

大和「ちょっと飲ませ過ぎたみたいで……」

空母棲姫「そう。わざわざありがとう」

大和「いえいえ、こちらこそ」

空母棲姫「……」

大和「……」

空母棲姫「手は出してないでしょうね?」

大和「それはないです」

空母棲姫「冗談よ」

空母棲姫「さて、貴女もあがっていったら?」

大和「……え?」

空母棲姫「なに、私とは飲めないって言うの?」

空母棲姫「深海棲艦(私)でも酒が飲みたい時ぐらいあるわ」

空母棲姫「もっとも、こっちに来て知った楽しみだけど」

大和「……頂きます」

今日は寝ます。
なんか更新できない日々が続いたら似たようなタイトルのSS上がってて驚いた。(ステルス宣伝

提督「……ん」

空母棲姫「起こしたかしら」

提督「姫……?」

空母棲姫「少し狭いけど、布団で我慢してね」

提督「……俺はいつ戻ってきた?」

空母棲姫「大和が二時間前ぐらいに運んできたわ」

提督「それで……彼女は?」

空母棲姫「酔い潰れたから寝かしてる」

空母棲姫「それと大和に話したようね。色々と」

提督「……すまない」

空母棲姫「いいわよ。私も色々と話したし」

提督「……彼女は何処まで知っている?」

空母棲姫「ほとんど。私達が何処から来て、何が目的だったのか」

提督「それはそれは……彼女も驚いただろうか」

空母棲姫「ええ。信じられないって顔をしていたわ」

提督「そうか。まあ、そうなるよな」

空母棲姫「……」

提督「……姫? 少し苦しいのだけど」

空母棲姫「今日の事、怒ってる?」

提督「少しだけ怒っているし、感謝しているよ」

提督「すまない。ありがとう」

提督「次は必ず君を守るから」

空母棲姫「ううん。貴方には十分守ってもらった」

空母棲姫「だから、私が貴方を守ってみせる」

提督「……そういうところは頑固だな」

空母棲姫「それはお互いさまね」

提督「さて、姫もそろそろ寝た方がいい」

空母棲姫「そうね。だから――」

空母棲姫「――今だけはもっと甘えてもいいかしら?」

イムヤ(……本日、この鎮守府に配属になったイムヤです)

イムヤ(突然ですが――)チラッ

初風「そんなにキスマーク付けて、昨夜は随分とお楽しみだったようで」

提督「……」

初風「ほら、そこイージーミスしてるわよ」

初風「……翌日に影響出るまでやるなんて、何考えてるの?」

提督「……すまん、初風。吐きそう
だからバケツを――っ!」

初風「はぁああああ!? ちょ、ちょっと待ってなさい!」

イムヤ(……)チラッ

大和「二日酔いですか……少しだけ罪悪感を感じますね」

空母棲姫「……」

大和「ところでまだですか」

空母棲姫「待っ――」

大和「――待ったはもう使い切りましたよ?」

空母棲姫「ぐぬぬぬぬぬ……」

金剛「hey! 紅茶のお代わりはどうデースか?」

大和「ありがとうございます」

金剛「姫は?」

空母棲姫「……」

金剛「それどころじゃないみたいネー」

イムヤ(……)チラッ

ル級【――?】

ヲ級【――っ】

ル級【――っ?】

ヲ級【――っ!】

吹雪【――っ】

ル級【――っ……】

イムヤ(……)チラッ

ヲ級F【……】ジー

イムヤ(……っ!)ビクッ

イムヤ(こ、この鎮守府は何かがおかしい!)

とりあえず一段落
次は五航戦あたりを出そうかと

翔鶴「翔鶴型航空母艦、翔鶴。着任しました」

瑞鶴「同じく、妹の瑞鶴よ。よろしくね」

提督「ようこそ。君達を歓迎するよ」

空母棲姫「……」

提督「早速だがこの後、彼女と演習を行ってもらう予定だ。まずは君達の力を見せてくれ」

瑞鶴「……ふーん」

提督「その前に、君達用の艦載機を渡さなくてはな」

提督「工廠に君達用の艦載機を用意してある。姫、案内を頼めるか?」

空母棲姫「もちろん」

提督「演習後の案内は吹雪に頼んである。わからないことがあったら彼女に聞いてくれ」

空母棲姫「ついて来なさい」

翔鶴「……」

瑞鶴「……」

空母棲姫「これが貴女達の艦載機よ」

瑞鶴「嘘!これって烈風!?」

翔鶴「烈風だけじゃない。流星改や彗星一二型甲まで……」

空母棲姫「早くなさい」

大和「何やってるんですか?」

空母棲姫「大和……」

瑞鶴「え、大和さん?」

大和「どうも初めまして」

翔鶴「初めまして」

瑞鶴「は、初めまして」

大和「なるほど、艦載機の換装中でしたか」

大和「どうです? 気に入ってもらえましたか?」

瑞鶴「はい! まさか烈風があるなんて思ってもみませんでした!」

空母棲姫「……」

大和「良かったですね。喜んでもらえて」

瑞鶴「え?」

空母棲姫「五月蝿い」

空母棲姫「準備はできたかしら?」

翔鶴「はい」

瑞鶴「まあ、うん」

空母棲姫「ならついて来なさい」

空母棲姫「今回の演習では私と航空戦をしてもらう」

空母棲姫「お互いの背後にある的の撃破率で判定するわ」

空母棲姫「ハンデとしてそっちは二人掛かりでいいわ」

瑞鶴「馬鹿にしないで。一人で十分よ」

翔鶴「……」

空母棲姫「そう、なら好きにしなさい」

空母棲姫「妾の子の癖に」ボソッ

空母棲姫「そのチンケな誇りごと叩き潰してあげる」

瑞鶴「――っ!」

大和「少し言葉がキツイですよ」

空母棲姫「余所者(あなた)は黙ってなさい」

大和「やはり五航戦が気になるのですか?」

空母棲姫「黙りなさい。一航戦と二航戦は未来永劫この鎮守府にこない」

空母棲姫「消去法で彼女達しかいない。それだけの話に過ぎない」

翔鶴「……?」

大和「結局一人づつやることになりましたね」

大和「貴女はどちらが勝つと思いますか? 吹雪さん」

吹雪「……姫が負けるのは考えられないです」

大和「私もそう思います」

大和「人の知恵を得た深海棲艦は恐ろしいものです」

(あっ、数ヶ月経ってる描写するのは忘れてた)

大和「彼女達がただの深海棲艦なら、私の鎮守府が演習で負けることもなかったでしょう」

吹雪「……引き分けだと聞きましたが?」

大和「戦術的勝利、戦略的敗北」

大和「勝ちであり、負けでもある」

大和「捉え方の問題ですね」

大和「それで、ヲ級さんはこの演習どう思いますか?」

ヲ級【わざわざ姫が相手するまででもない】

大和「ですよね」

空母棲姫「仮にも姫級に対して一人で十分? それこそ慢心ね」

瑞鶴「ぐぬぬぬぬ」

空母棲姫「さて、二人の実力はだいたいわかったわ」

翔鶴「……」

空母棲姫「新鋭機を使ってこれとは……七面鳥撃ちとは、まさにこの事ね」

瑞鶴「七面鳥ですって!?」

空母棲姫「五月蝿い」デコピン

瑞鶴「アヒャン」

空母棲姫「搭載機数が違うとはいえ、制空を取られ、多数の艦載機を撃ち落とされ、目標をより多く破壊される」

空母棲姫「貴女達が航空戦で艦載機を落とさなければ、誰が落とす」

空母棲姫「中途半端な仕事をして、残りを随伴艦に投げるのか?」

瑞鶴「それは……」

空母棲姫「最新鋭の深海棲艦と戦うということは、私かそれ以上の子と戦うということ」

空母棲姫「覚悟はしておきなさい」

翔鶴「……」

瑞鶴「何なのよアイツ! 何なのよアイツ!!」

翔鶴「落ち着きなさい瑞鶴」

瑞鶴「翔鶴姉はなんとも思わないの!?」

翔鶴「そんなわけないでしょ」

翔鶴「でも、私達の実力が足りなかった。それは事実よ」

瑞鶴「それは……」

翔鶴「だから、何が足りなかったのか」

翔鶴「これから何をすればいいのか考えていきましょう」

瑞鶴「……そうだね」

翔鶴「とにかく、提督の所に行ってみる?」

瑞鶴「えっ、さっき……それに提督は」

翔鶴「提督は提督でしょ?」

瑞鶴「それはまぁそうだけど……」

翔鶴「そう。なら行きましょう♪」

空母棲姫「それでノコノコやって来たと」

瑞鶴「最悪……」ボソッ

空母棲姫「七面鳥が何か鳴いているわね」

瑞鶴「なにぃっ!」

空母棲姫「だいたいそのぐらい――」

提督「――向上心旺盛でいいじゃないか」

空母棲姫「……ふん」

提督「さて、簡潔に言うのなら君達はひたすらに練度を上げてくれればいい」

瑞鶴「……それだけ?」

提督「ああ。他の鎮守府と同じでシンプルだろ?」

瑞鶴「そうかもだけど……」

提督「ただし、要求する練度は極めて高いぞ」

提督「君達二人で姫を圧倒する。そのぐらいでなくては困る」

瑞鶴「コイツを……?」

空母棲姫「まぁ、期待してないけど」

瑞鶴「ふん!」

提督「姫……」

空母棲姫「……ふん」

提督「姫は他の深海棲艦とは別格だ。君達の目標にはうってつけだ」

瑞鶴「別格ってどうせ依怙贔屓でしょ」

翔鶴「瑞鶴!」

瑞鶴「ふん!」

提督「厳密には彼女だけ別格というわけではない」

提督「此処の鎮守府にいる深海棲艦自体がイレギュラーで、別格と言っていい」

瑞鶴「……どういうことよ」

提督「二人に問いを投げよう」

提督「何故人は深海棲艦と対等以上に戦えているのか、と」

瑞鶴「それは艦娘がいるからでしょ」

提督「その通り。実際深海棲艦が現れた当初、我々は深海棲艦に挑み、敗れている」

提督「だが、疑問に思ったことはないか? 何故艦娘が深海棲艦と対等に戦えるのかと」

瑞鶴「……?」

提督「スペック自体は深海棲艦が優っている。数も、性能もね」

空母棲姫「答えは人がいるから。提督、司令官の存在」

提督「正解。おそらく艦娘だけでも善戦することはできるだろう」

提督「だけど、そこに人の知恵が合わさったのなら、艦娘は深海棲艦を凌駕する」

提督「そしてそれはある可能性を示唆した」

提督「もし、深海棲艦も人の知恵を手に入れたのなら」

提督「もし、その深海棲艦と艦娘が戦ったのなら」

提督「どちらに軍配が上がると思う?」

瑞鶴「……」
翔鶴「なるほど。確かに厳しい要求ですね」

翔鶴「つまり提督は、人の知恵を付けた空母棲姫を圧倒するだけの力を身につけろ、と言うのですね?」

提督「それを為せたのなら、君達はどの深海棲艦にも負けることはないだろう」

翔鶴「その時は、頭を撫でてもらってもいいですか?」

瑞鶴「……翔鶴姉?」

空母棲姫「……」

提督「それくらいならいいぞ」

翔鶴「はい。ありがとうございます」

瑞鶴「ちょっと!? 翔鶴姉待ってよ――」

とりあえず今日はここまで

実際さ、深海側にプレイヤー居たら詰むからなぁ
1-5がall単縦と言えば分かりやすいかも

空母棲姫「ねえ」

提督「どうした?」

空母棲姫「本当にいいのかしら」

提督「……と言うと?」

空母棲姫「私が、私達が前線に出なくて」

提督「それが海軍本部からの通達だからな」

提督「君は此処に居てくれればいい」

空母棲姫「俺の側にって言ってくれないのかしら?」

提督「俺の側に居てくれ」

空母棲姫「わかった」

空母棲姫「ねえ、あの二人の事どう思ってる?」

提督「あの二人?」

空母棲姫「五航戦」

提督「やる気はあると思う。姉の方は特にね」

提督「実力は姫の方が知っているだろう」

空母棲姫「そう言うことじゃなくて……」

提督「なら、どういうことなんだ?」

空母棲姫「……わかってて聞いてるでしょ」

提督「さて、どうだろうな」

提督「君こそ五航戦事をどう思ってるんだい?」

空母棲姫「私に聞くのか……」

空母棲姫「知ってるでしょう?」

空母棲姫「彼女達は夢半ばで沈んだ私達の忘れ形見」

空母棲姫「私達は深海棲艦で、彼女達が艦娘で」

空母棲姫「皮肉なものね」

提督「……」

空母棲姫「心配しなくていい。邪魔をするものは全て敵」

空母棲姫「艦娘然り、深海棲艦然り、人類然り」

提督「だから心配なんだ」

空母棲姫「……」

提督「艦娘が、深海棲艦が、人類が敵に回ったらどうするつもりなんだ」

空母棲姫「……」

提督「だから君が外海に出撃禁止になって、正直安心したよ」

提督「君の敵は此処を脅かす全てだでいい」

提督「でもその前に、俺がなんとかする」

提督「人も、艦娘も、深海棲艦も」

空母棲姫「……なら、今の私のやるべきことは一つかしら」

空母棲姫「あの二人を鍛える。貴方の艦隊を任せられるぐらいには」

提督「その辺は任せるよ。姫」

空母棲姫「ええ。それじゃ行ってくるわ」

初風「艦隊帰投したわよ」

提督「……ボロボロだな」

初風「ちょっとしくじっただけよ」

提督「報告が終わったら入渠だな」

初風「わかった。作戦目標のヨ級を撃破。損害は私以外ないわ」

初風「あと目的の子を見つけてきたわ。入って」

ゴーヤ「伊58です! ゴーヤって呼んでもいいよ」

イムヤ「ゴーヤぁ!」

ゴーヤ「おっと、どうしたの? えっと……イムヤ?」

イムヤ「そう。イムヤだよ! 良かった。良かった……」

ゴーヤ「どうしたでち?」

イムヤ「そこの鬼司令がね」

ゴーヤ「もしかして何かされたの!?」

イムヤ「出撃させてくれなかったの」

ゴーヤ「……は?」

提督「……」

提督「しばらくはゴーヤにも演習をしてもらう。いいな?」

ゴーヤ「それはいいけど……」

イムヤ「……」

ゴーヤ「本当は何したの?」

提督「何もしてないし、間違っていたとも思っていない」

イムヤ「数ヶ月間演習しかさせてくれなかった癖に」

提督「そう腐るな」

イムヤ「ブーブー」

提督「そうか。なら、ゴーヤが改になるまで出撃は控え――」

イムヤ「――ちょっと待て!」

提督「なんだ?」

イムヤ「……すみませんでした」

提督「こっちも待たせて悪かった」

イムヤ「本当よ」

提督「でもしばらくはゴーヤにも演習をこなしてもらう」

提督「いつ出撃できるかはゴーヤの実力次第だ」

ゴーヤ「えっ、あっはい」

提督「イムヤ、みっちりと教育してやってくれ」

イムヤ「わかった」

初風「まったく、誰が苦労したと思ってるのよ」
提督「彼女が愚痴る気持ちはわかるけどな」

提督「よく言うだろ。One for all,All for oneと」

初風「一人はみんなのために、みんなは一人のために。有名な言葉ね」

提督「それは誤訳だよ」

提督「”一人はみんなのために、みんなは勝利のために”の方が正しい」

初風「……そうなの?」

提督「例え一人がどんなに優秀でも、やれる事は限られてくる」

提督「しかしチームプレイを前提にするのなら、やれる事は増えてくる」

提督「かといって、チームプレイでであればいいというわけでもない」

提督「泳げない人が溺れている人を助けることができないように、烏合の衆では意味がない」

提督「一人一人が自立して行動することが大事なんだ」

提督「確かにイムヤは優秀な子だ」

提督「でも、彼女一人では自身の危機を救うことができない」

提督「彼女を救える子が必要だった」

提督「例えばゴーヤ、そしてゴーヤを見つけてきた初風、五十鈴、扶桑に鳳翔さんとかだな」

提督「この格言を当たり前だと馬鹿にする者もいるが、初心忘るべからずという格言もある」

提督「基本は忘れず、柔軟な発想で」

提督「いつの時代も求められるのは変わらんよ」

初風「……そういうのも、中々板についてきたじゃない」

提督「数ヶ月間、俺も無駄に過ごしたわけじゃないさ」

初風「そうですね。中将殿」

イムヤ「今の演習が終わったら私達の番だから! 気合入れて頑張ろ!」

ゴーヤ「いいけど、モニターに映ってるのって……」

ヲ級『……』

ヲ級F『……』

イムヤ「あぁ……うん」

ゴーヤ「なんで深海棲艦がいるでち?」

イムヤ「良かった……そうだよね。変だよね」ギュッ

ゴーヤ「う、うん」

ゴーヤ(うーん。この子も少しおかしいでち?)

とりあえずここまで
潜水艦単艦だと危険だからね。仕方ないね
旗艦補正で轟沈しないとか物語に期待したらいけない

次は地の分入るかも。鎮守府の状況を軽く入れつつキャラを軽く掘り下げる的な

綺麗に纏められた黒髪が、潮風に煽られ不規則なリズムで揺らめく。

彼女の装備する対空電探が艦載機――地獄猫を捉え、その通知音と共に彼女はゆっくりと目を開いた。

弾頭を91式徹甲弾から三式弾へ換装し、砲門を遠方の空へと向ける。

94式高射装置から送られる地獄猫との距離、速度、海面からの角度、高射装置と砲門の位置から生じる誤差等々。

それらを踏まえて砲門の向きを微調整し、初弾を撃った。

長門「全主砲、撃てぇええっ!」

戦艦長門の主砲が吠える。

砲弾は遠方の二百を超える地獄猫の群れの中に届き、炸裂した。

一機、十機、百機……。

次々と海面に落ちる地獄猫を見て、長門は思わず口の端を歪ませる。

既に次弾の装填が始まっているが、それでは間に合わないと判断して副砲を空に向ける。

次々と更新される残った地獄猫とのデータを睨み合いながら、長門は対空迎撃を開始する。

迫ってくる艦爆機を落とせば艦上攻撃機が。

艦攻機を落とせば頭上から艦上爆撃機が。

激しい攻防を見せるも、手が追いつかず次第に押され始める。

そしてついに投下された一本の魚雷が海中を直進し、大きな水柱が海面に上がるのだった。

長門「抵抗し、それでもなおこの被害か」

長門は自身のはるか後方に配置された防衛目標をチラリと見て呟いた。

敵機の半数以上を落としてなお、防衛目標はほぼ壊滅状態である。

これが実戦ならばどうなっていただろうか。と長門は目を閉じて空を仰ぐ。

索敵に成功して奇襲をかけた場合、奇襲をかけられた場合。

こちらの戦闘機がどれだけ削ることができたか。

防空に回る艦娘の数に各々の射程ときちんとした連携が取れるか否か。

そして高射装置の有無。

様々な要素で結果は変わるため、長門は被りを振って想像を放棄した。

長門「益体のない想像に耽るのもいいが、まずは私自身だな」

より練度をあげることができれば、より多くをこの手で守ることができる。

そう決意すると長門は瞼を開け、思わず息を飲んだ。

黄色の闘志(オーラ)と青色の闘志。

空母ヲ級の中でも標準を遥かに上回る個体である彼女と、最高にしておそらく最強の個体とされる彼女。

彼女達はただ長門の横を通り過ぎただけであるが、演習で気が高ぶっていたのも相まって、圧倒的な存在感を放っていた。

戦艦長門が、二人が通り過ぎるまで身動きすることを忘れるほどに。

ヲ級【――っ!】

ヲ級は吹雪の言葉を思い出すと、振り返って一言だけ彼女に声をかけた。

ヲ級【お疲れ様】

長門は振り返って青色の闘志を放つヲ級を見ると自信なさげに答えた。

長門「お疲れ様……?」

ヲ級は頷いて答えると、満足そうな表情を浮かべる。

深海棲艦の言葉を解す吹雪や長門達の言葉を解す空母棲姫。

両者の介入なしに意思疎通が取れたことに、彼女は内心喜んでいた。

ヲ級F【挨拶程度でまぁ】

ヲ級【何か言ったか?】

ヲ級F【言葉は通じずとも体に聞けば一発ですよ】

ヲ級【近づくな。変態が】ゲシッ

ヲ級F【痛っ! 揉みしだくぞ】

ヲ級【ア?】

ヲ級F【ヲ?】

やっぱり地の文挟むと時間かかるのが難点やなぁ

そして唐突な駆逐艦安価
14秋までの駆逐艦でお願いします
↓2

既に登場してる場合は安価下取ります

吹雪「流石です長門さん!」

長門「所詮は演習だ。そう煽てられても困る」

吹雪「あはは……」

ヲ級【撃墜数100強。あれなら十分】

長門「……手を出せ」

ヲ級【……?】スッ

長門「何を言ってるかさっぱりわからんが、協力に感謝する」ガシッ

ヲ級【……】

長門「変な感じだな。深海棲艦を叩く為に生まれたはずがこうして手を取り合うとは」

長門「だが、意外と悪い気分ではない」

ヲ級【……そうか】

長門「艦娘と深海棲艦が争うことなく、こうして手を取り合う世界」

長門「感傷だが、そのような世界があったら。心からそう思うよ」

ヲ級【夢のように儚い話だな】

長門「例え艦娘であっても、深海棲艦であっても、夢を見るのは自由だと思うが?」

ヲ級【……】

長門「ところでさっきから嫌な視線を感じるのだが」

ヲ級F【やはり彼女は陵辱がいいか。だが、しかし……】ボロボロ

吹雪「えっと、あはははは……」

ヲ級【気にするな。なんなら殴っておくが?】

吹雪「あはははは……」

ヲ級【何故私のも笑って誤魔化す】

吹雪【言えるわけないじゃないですかっ!】

長門「……まあいい。これからもよろしく頼むぞ」

ヲ級【了解した】

長門「――報告は以上です」

提督「ご苦労様。それで、この鎮守府には慣れたか?」

長門「なんとも言えません。はっきり言いますと、この鎮守府は他と勝手が違いますから」

提督「そうか。……確かにそうだろうな」

長門「ところで、彼女は今日いないのですね」

提督「席を立っててね。今頃はそうだな」

提督「物陰から訓練する五航戦を眺めているんじゃないかな」

長門「……は?」

長門「いえ、失礼しました」

提督「気にしなくていい。ああ見えて彼女は面倒見が良くてね」

提督「だから慕ってくる者には厳しくも優しいが、そうでない者にはどう話せばいいかわからない」

提督「だから話しかけることが出来ず、物陰から眺めているところかなぁ、と」

長門「……提督はよく理解していらっしゃるのですね」

提督「提督だからな」

提督「だがもちろん深海棲艦だけではないさ」

長門「……」

提督「どんな生き物にも感情というものは少なからず存在する」

提督「鳥にも、魚にも、虫にも……艦娘にも、深海棲艦にも」

提督「君は敵であるはずの深海棲艦と触れ合って心が揺れている。違うか?」

長門「……お見通しですか」

提督「かつては私も通った道だからな」
長門「提督は乗り越えた、と?」

提督「残念ながら。別の結論に至ってね」

提督「長門、我々の最終目標はなんだ?」

長門「……深海棲艦を打倒し、制海権を取り戻すこと」

提督「そう、海を取り戻す。戦う理由はそれで十分だ」

提督「脅威を取り除くという意味では、敵を倒すのも、仲間にするのも変わらない」

長門「……」

提督「不十分か?」

長門「いえ、ですが……」

提督「理解はしても、納得はしていない、か」

長門「……はい」

提督「そうか。なら後で聞かせてくれ。君の答えを」

初風「行ったわね」

提督「長門には悪いが、今は相手している暇がないからな……」

初風「同期を一人招くのに、こんな量の書類必要だっけ?」

提督「自由に動ける立場にないんだよ。俺が」

初風「でしょうね」

提督「鬱陶しい。なんであのおっさんと大和はフットワークが軽いんだよ。元帥とあの大和型だぞ……」

初風「積み上げてきたものが違うからでしょ。あとおっさんってほどじゃないと思うけど」

提督「身から出た錆とは言え……」

初風「本部から嫌われると面倒なのね」

提督「深海棲艦の方がまだ可愛げがあるぞ」

提督「彼女達は純粋だからな。頭の固い老人達と違って」

初風「姫も貴方も老人も、みんなそうとうに頑固だと思うけど……?」

提督「……ふん」

初風「それで、その友人ってどんな人なの?」

提督「少なくても、勉学なら誰よりも優秀だったな」

初風「貴方より?」

提督「同期で提督になれたのは三人で、筆記試験の点数なら俺は余裕でドベだぞ」

初風「それ威張ること? でも意外ね」

初風「頭の出来はそこまで悪くないと思うのだけど……」

提督「元々狭い道なんだよ。提督への道は」

提督「彼が勉強を教えてくれなかったら俺はここに居なかったと言っていいぐらいだ。うん」

初風「ふーん。そういえば同期は三人だけだっけ? それってやっぱり少ないの?」

提督「むしろ多い方だよ」

提督「提督になるには優秀な成績を収め、コミュニケーション能力が高くないといけない」

提督「そしてその大前提かつ、一番高いハードルがある」

初風「あぁ……妖精か」

提督「Exactly」

提督「そもそも妖精が見える人自体がごく稀だ」

提督「俺達の代も、希望した優秀者の中で三人しか見えなかったからな」

初風「へぇ……それはそれは」

提督「まるで他人事……だな」

提督「まあ、提督業だけが仕事じゃないさ」

提督「実際に妖精見ることができないけど本部に配属、って奴もいるわけで」

提督「需要は高いが、供給が追い付かない。それが俺達提督というわけ」

初風「だから貴方みたいな人でも貴重ってわけね」

提督「まあ、そう言うこと」

提督「それで、向こうの鎮守府も軌道に乗ってきたから久しぶりに会いたいのだと」

初風「随分と仲が良いのね」

初風「てっきり友達はいないのかと思ってた」

提督「面白いことを言うな。初風は」

初風「あっ……」

提督「仕方が無い。友人から取り寄せてる麦酒はもう取り寄せなくていいか」

初風「ちょっ……!」

提督「せっかく初風が飲めるようにノンアルコールも取り寄せていたのに残念だ」

初風「あの……」

提督「どうした?」

初風「ごめんなさい」

提督「よろしい」

とりあえずここまで
次回あたりから更にテンポ悪くなるけど仕方ないよね
先延ばしにしまくった説明会だもの

金剛「Why? 変な事を聞くのですネ」

金剛「friendはfriendで、enemyはenemy」

金剛「彼女達はfriendで、他はenemy簡単な話でしょう?」

長門「一理ある。だが……」

榛名「納得できませんか?」

長門「すまない。まだ何かが引っかかる。私の奥底で何かが……」

金剛「oh,それは残念ネー。榛名はどう思うデース?」

榛名「榛名ですか!? そうですね」

榛名「榛名も提督が味方と言うのなら、それでいいのかな、と」

長門「……邪魔をしたな」

金剛「もういいのですか?」

長門「ああ。後は一人で考えるとするよ」

金剛「何かわかれば是非教えてくださーい。長門が引っかかる何か。少し興味があるネ」

長門「了解した」

長門「ふむ。あらかた聞いて回ったが結局わからぬままか。後は……」

空母棲姫「……」じー

長門「ふむ……」

長門「少しいいか?」

空母棲姫「――っ!」ビクッ

空母棲姫「……何?」

長門「話を聞きたい」

空母棲姫「私に?」

長門「他に誰がいる」

空母棲姫「……あそこに鶴が二羽いるでしょう」

長門「あぁ、あの二人はいいんだ」

空母棲姫「そう。それで何を聞きたい?」

長門「ふむ。少し待ってくれ」

空母棲姫「……」

長門「……」

空母棲姫「……」

長門「…………」

空母棲姫「……出直してもらっていいかしら? そこまで暇じゃないの」

長門「いや、待ってくれ。そうだな」

長門「どうして深海棲艦は攻めてくる」

空母棲姫「ノーコメント」

長門「……おい」

空母棲姫「私だけの判断で言えることじゃない」

空母棲姫「しかるべき人に聞きなさいな」

長門「となると提督か。だが……」

空母棲姫「……?」

空母棲姫「なるほど。それで聞いて回っている、と」

長門「ああ」

空母棲姫「なら諦めなさい。といいたいところだけど……」

長門「……?」

空母棲姫「仕方がない。ついてきなさい」

長門「それはいいが。どこに行くつもりだ?」

空母棲姫「提督のところ。私の頼みなら聞いてくれるかもしれない」

長門「……すごい自信だな」

空母棲姫「惚気てもいいのなら惚気るけど?」

長門「遠慮しておくよ」

長門「ところで何故私に……」

提督『だから慕ってくる者には厳しくも優しいが――』

長門「……」

空母棲姫「……なに?」

長門「――姫は、艦娘(わたしたち)のことをどう思う。好きか、それとも……」

空母棲姫「……さぁ、どうでしょうね」

提督「なるほど。そうきたか」

長門「……」

空母棲姫「駄目かしら?」

提督「……まぁいいよ。いつか話すつもりだったから。長門、座ってくれ」

長門「……」スッ

初風「私は出た方がいいのかしら?」

提督「いや、初風も聞いててくれ」

提督「順序よく話をしよう。まずは……そうだな」

提督「何故俺達が戦っているのか。何故艦娘が必要とされたのか」

提督「それには世界の経済が密接に関わってくるのだが、まずは前提から」

提督「知っての通り、人間はかつて深海棲艦に挑んで敗北している」

提督「制海権を失い、海は深海棲艦の巣窟となった」

提督「実はここで戦いの幕は一度降りている。それは何故か」

提督「答えは簡単だ。深海棲艦が陸に興味を示さなかったからだ」

提督「もし彼女達が人類を滅ぼすつもりなら、君達が生まれる前に決着はついていただろう」

初風「……」

長門「……」

提督「さて、ここから経済が密接に関わってくる」

提督「人類が制海権とともに失ったものがいくつかある。それはなんだと思う」

初風「魚とか、鉄とか燃料とか……?」

提督「そうだ。海から取れる資源。水産資源、海洋資源、海底資源などだな」

提督「あとはわかるか?」

長門「……制海権を取られては輸送もままならないだろう」

長門「海上も上空も、安全ではないのだからな」

提督「正解。特にこれは、ここ日本に壊滅的な打撃を与えた」

初風「……そうなの?」

提督「噛み砕いて述べるなら」

提督「日本は食料の殆どを海外からの輸入で賄っていた」

提督「そして制海権を失い輸入が困難になった。あとはどうなると思う?」

初風「うわぁ……」

提督「だから各国が海を諦めても、日本は再び深海棲艦と戦う道を選んだ」

提督「そのための力が」

長門「私達か」

提督「Exactly」

提督「俺達の戦う理由は輸送航路の確保。その一点につきる」

提督「そして深海棲艦の戦う理由はとても単純だ」

長門「……」

提督「人間が襲ってきたから、だそうだ」

初風「……え?」

提督「最初に人が攻撃してきたから反撃し、攻撃が止んだから放っておいた」

提督「そして艦娘を得た人類が、再び攻撃してきたから反撃している」

提督「姫が言うには、深海棲艦が戦ってきた理由はそんなものだったそうだ」

長門「……つまりだ」

長門「人間が攻撃しなければこんな事態にならなかった、と?」

提督「そうなるな」

長門「馬鹿馬鹿しい話だ」

長門「それが本当の話なら、我々が戦う必要もない」

長門「空母棲姫に吹雪。深海棲艦と交渉できるカードがある」

長門「それでこの茶番は終わりだろうさ」

空母棲姫「それで終わるなら、とっくにやってるわよ」

長門「……なに?」

提督「かつて深海棲艦は人間を敵だと認識していなかった」

提督「だが今は違う」

提督「深海棲艦は、人類を、艦娘を既に敵だと認識している」

長門「だがここにいる深海棲艦は――」

提督「姫を含めて、最初は少なからずトラブルがあった」

提督「それこそ俺は目が覚めた姫に殺されかけたものだ」

初風「え、そうなんだ」

空母棲姫「懐かしい話ね」

提督「あの時は本気で冷や汗をかいたものだ」

提督「さて、艦娘が戦う理由。深海棲艦が戦う理由」

提督「長門には特別に教えるようと思っていた」

提督「今までケッコンしている初風にも、深海棲艦と話せる吹雪にも、手回しをして教えることはなかった。それなのにどうして君には教えたのか」

提督「それは君が特別な存在だからだ」

長門「何が言いたい?」

提督「君が着任する前日、君はこの鎮守府の正面海域の深海でソ級によって保護された」

提督「結論を言うと、君はかつて正面海域で姫が沈めた戦艦棲姫、その生まれ変わりだ」

初風「……!?」

長門「……提督よ。今なんて言ったのだ?」

提督「君は戦艦棲姫の生まれ変わりだ」

長門「……面白い冗談だな」

提督「冗談なら、こんな話はしていない」

長門「……」

提督「長門には色々と整理する時間が必要だろう」

提督「今日をもって第一艦隊旗艦の任を解任する。別命あるまで待機せよ」

長門「……了解した」

提督「長門、君は艦娘だ。できれば海を取り返すために戦ってほしいと思っている」

提督「だが、別の道も用意している」

長門「別の道だと?」

提督「ここにいる深海棲艦と共に、鎮守府の近海を守るのもいいだろう」

提督「皆が帰るべき場所を守る。それも大事な役割だと私は思う」

長門「……そうだな」

提督「望むのなら、艦娘を辞めることも……これは愚問だな」

長門「ああ、その通りだ」

長門「少し時間をもらう。答えはその後でもいいか?」

提督「もちろんだ」

提督「そして最後に、この話は他言にしないでほしい。特に大和には」

長門「了解した」

初風「それで、さっきの話は本当なの?」

空母棲姫「隠し事はしても嘘を言う必要がないわ」

初風「まだ何か隠してるんだ」

空母棲姫「ええ、初風にはね」

初風「……」ムッ

提督「……なんだ?」

初風「別に」

提督「それで、姫は彼女に何も言わなくていいのか?」

空母棲姫「……長門が落ち着いたら言うわ」

提督「そうだな」

同期提督A(以降少佐)「と言うわけで行って来るね」

赤城「……あの鎮守府ですよね。本気ですか?」

少佐「――赤城さんは僕の友人が信用出来ないと言いたいのかな?」

赤城「……敵を匿っている人の何を信用しろというのですか! 」

少佐「彼が居なかったら僕は提督にはなれなかった」

少佐「彼はそういう類の恩人でもある。だから、赤城さんでも許さないから」

赤城「ですが……なら、せめて私も連れて行ってください!」

少佐「ねぇ、赤城さん」

赤城「はい」

少佐「赤城さんが外出について来た時の食費、幾らかかってるか知ってる?」

赤城「えっ、それは……知らない子ですね」

少佐「二泊三日の予定ってのは知ってるよね」

赤城「それは、はい」

少佐「ついて来るとして君の食費は誰が持つの? 着替えとかの準備は?」

赤城「準備なら自室の方に」

少佐「つまり最初から来るつもりだったと」

赤城「駄目……ですか?」

少佐「……十分後に集合。向こうが了承しなかったり、少しでも遅れたら置いていくから」

今日はここまで
最近夕立ちゃんが可愛くて辛い

首の骨とか折りそう(某SS読者並の感想

提督「ようこそ鎮守府へ。半年振りぐらいか?」

少佐「それはほら、色々とあったからね。君も僕も」

赤城「……」

空母棲姫「始めましてかしら?」

少佐「うん。初めましてだね。君が噂の……」

提督「まぁ、その辺はおいおい話そう」

赤城「……」

提督「そして君が赤城か。なるほど」ジロジロ

空母棲姫「……」

赤城「……なんでしょうか」

提督「いや、すまない。とりあえず部屋に案内しよう」

提督「初風、二人を部屋に案内したのち、俺の部屋に連れて来てくれ」

初風「わかったわ。荷物持ちしますね」

少佐「ありがとう」

赤城「ありがとうございます」

初風「……」ペコリ

ル級【……】ペコリ

赤城「……」じー

少佐「あの二人は?」

初風「姫の元配下です。今は姫の指示に従って提督の指示を聞いている感じです」

少佐「なるほど」

ル級【あの二人は?】

ヲ級【提督の同僚。吹雪が今日来ると言ってた……気がする】

ル級【その割りには敵意満々だったな】

ヲ級【他所の艦娘はそんなものだ】

ル級【……そうだったな】

ヲ級【そんなことはいいから早く部屋に案内しろ】

ル級【迷子風情が、何を偉そうに】

ヲ級【あ?】ビリビリ

ル級【そろそろ白黒付けるか……?】ビリビリ

少佐「――っ!?」

赤城「――っ!? もしかしてあの二人って……」

初風「放っておいていいですよ。すぐに収まりますから」

赤城「そうじゃなく! 青色って確か――」

初風「――あぁ、flagshipの改ですよ」

少佐「……まさか改との初遭遇が友人の鎮守府でとはね」

赤城「あの、質問いいですか?」

初風「はい」

赤城「鎮守府の力関係はどうなってますか?」

初風「基本的には他と変わりませんよ」

初風「提督が居て、その下に艦娘、そして深海棲艦がいる感じです」

赤城「貴方はそれになんとも思わないのですか」

少佐「赤城さん。君は僕の顔に泥を塗りにきたのかい?」

赤城「――っ! ごめんなさい」

少佐「ごめんね。気分を害したかい?」

初風「いえ。私の姉も最初はそんな感じでしたから」

初風「あっ、そういえばヲ級のflagshipの個体には気を付けてくださいね」

少佐「……?」

初風「提督はおろか、姫の言うことも効きませんから」

少佐「えっ……」

赤城「……」

初風「いちをキツく言ってありますけど、夜間の戸締りはきっちりとお願いします」

赤城「……どういうことですか?」

初風「その……夜這いの被害に会う艦娘が稀にですね……」

少佐「……えっ?」

赤城「……」ゾワッ

初風「連れてきたわよ」

提督「お疲れ……ってどうした?」

少佐「それが……」

赤城「帰りましょう。この場所にいるのは危険です」

提督「初風、何か話したか?」

初風「あのヲ級の話を少々ね」

提督「ああ。それで怯えて抱きついて離れないと」

少佐「あはははは……」

赤城「別に怖いわけではありません! 私はただ提督の身が心配なだけで……」

少佐「ありがとう赤城さん」

赤城「い、いえ。これぐらい秘書艦として当然のことでしゅ」

少佐「(しゅ……?)」

提督「(噛んだな……)」

初風「(聞こえなかった事にしましょう……)」

赤城「……///」

空母棲姫「心配しなくても、私からキツく貴方達の隣の部屋に行かないようにと言っておいたでしゅ」

少佐「プッ……失礼。部屋の隣ってどういうことかな?」

提督「簡単な話だ。命令を守らないあのヲ級に絶対に行くなと念押しをするとどうなると思う?」

少佐「その部屋に行こうとする?」

提督「そして来たら捕らえる」

提督「さて、これがヲ級の活動ルートと周辺のマップだ」

少佐「えっ、なんでそんな作ってあるの?」

提督「日々の研究の賜物だな。こんな情報でも本部には需要があるみたいだぞ?」

少佐「えぇ……」

提督「とりあえず目を通してくれ。傾向としては11時過ぎに活動を開始し、駆逐艦寮から順に軽巡、重巡、軽空母、正規空母、巡洋戦艦、戦艦の順に徘徊する」

提督「意外なことにマメな彼女の事だ。今夜もいつも通り鎮守府を徘徊するだろう」

提督「そんな彼女が君達の隣の部屋を訪れるとすればタイミングは二つ」

提督「駆逐艦の寮に行く前か、戦艦寮の後か」

提督「故に、その時間帯の外出は気を付けてくれ」

少佐「それはいいけど……」

提督「どうした?」

少佐「なんでカウンターバーがあるの?」

提督「あぁ、この前買ったよ」

少佐「……酒飲めない癖に」

提督「俺が飲まなくても姫が飲むからな」

空母棲姫「人を飲兵衛みたいに言わないで欲しいのだけど」

提督「すまんすまん」ナデナデ

空母棲姫「まぁいいわ。許してあげる」チュッ

少佐「……」じー

赤城「……」じー

初風「……」じー

提督「コホン……なんなら夕食後に少し飲むか?」

赤城「――っ!」

少佐「いいのかい?」

提督「彼女と親睦を深めるいい機会だしな」

少佐「……それもそうだね。どうする赤城さん」

赤城「提督は飲むつもりですか?」

少佐「そうだね。ここで断るのは逆に失礼だ」

赤城「それなら私も付き合います! 提督は酒弱いんですから!」

少佐「赤城さん基準で言われてもねぇ……」

赤城「でしゅから、貴女には関係ナイトっ!」

空母棲姫「そう。それで彼とはどこまで進んだの?」

少佐「あぁ、あの赤城さんが……」

提督「見事に酔わされたな」

提督「と言うわけで今回は俺の勝ちだな」

少佐「まさか赤城さんが負けるなんて……」

初風「なにやってるんだか」

提督「ちょっとした賭け事だよ」

少佐「空母棲姫と赤城さん。どちらが先に酔っ払うかね」

提督「とにかく、これで支払いは全部俺持ちだな」

初風「えっ、勝ったのに貴方が払うの?」

提督「あぁ。元から俺が払うと言ってるのに自分で払うって聞かなくてな」

少佐「もう一回。もう一回勝負しよう。ね?」

提督「なら次は何で勝負しようか」

空母棲姫「なら、四人でポーカーなんてどうかしら」

提督「……姫?」

少佐「いいけど、赤城さんも?」

赤城「はい! 私はまだ戦えます!」フラフラ

空母棲姫「ええ。だから決着はポーカーのテキサスホールデムで決めましょう」

空母棲姫「私と提督。貴女と彼。二人とも破産すれば負けで、支払いはその度にチップかお酒を飲むかで決める」

赤城「いいれしょう! 受けて立ちます!」

少佐「赤城さん……大丈夫?」

赤城「はい! それに私は全然寄ってないです!」

提督&初風「(……えげつない)」

赤城「ベッド1000」・A・K

空母棲姫「コール」・7・7

提督「フォールド」・2・1

赤城「対したことないでしゅね」

空母棲姫「……もしもの時、こっちの支払いはどうする? なんなら私が飲むけど」

提督「いいよ。チップで払う」

少佐「コール」・2・2

初風「フロップ」・4 ・2 ・k

赤城「レイズ2000」

空母棲姫「フォールド」

少佐「ふぅ……」

まぁ、そうなるな。
とりあえず今日はここまでに
ハートとかクローバーとかどうやってやるんだろ……

赤城「ベッド1000」♥A♥K

空母棲姫「コール」♣7♥7

提督「フォールド」♥2♦1

赤城「対したことないでしゅね」

空母棲姫「……もしもの時、こっちの支払いはどうする? なんなら私が飲むけど」

提督「いいよ。チップで払う」

少佐「コール」♦2♠ 2

初風「フロップ」♥4 ♣2 ♣K

赤城「レイズ2000」

空母棲姫「フォールド」

少佐「ふぅ……」

赤城「チック」♦3 ♥9

空母棲姫「……ベッド3000」♦K♥K

少佐「いきなり上げてくるね」

提督「コール」♣2 ♠ 2

少佐「うーん……フォールド」♦5♠ 6

赤城「……ゴール」

初風「フロップ」♣K♥ 3 ♣9

赤城「ゴール」

空母棲姫「レイズ5000」

提督「フォールド」

赤城「ゴ……レイス6000」

空母棲姫「コール」

初風「ターン」(♣K ♥3 ♣9)Joker(以下大文字のJ)

赤城「レイズ7000」

空母棲姫「コール」

初風「リバー」(♣K ♥3 ♣9 J)♥4

赤城「フルハウス!」

空母棲姫「……フォーオブアカインド」(フォーカード)

赤城「んなっ!」

少佐「えっ!?」

空母棲姫「チップ? お酒?」

赤城「飲みます。全部飲みます」

少佐「赤城さんにだけ無理させられない。僕も半分飲むよ」←運?

赤城「すみません提督……」←運12

少佐「気にしないで。勝負はこれからだ」

赤城「はいっ!」

初風「(というかこれ……)」←運12

提督「(まともに戦っても勝てないんだよなぁ)」←運?

空母棲姫「そう。好きになさい」←運70

実は初期の運は雪風より高い空母棲姫
ってことで今度こそ寝ます
叢雲改2で三連装酸素魚雷持って来てくれると嬉しかったり

あぁ、間違えてベットが全部ベッドになってるかも
赤城以外ベットと言ってますので脳内保管を……

長門「さて、よく来てくれた」

長門「何か飲むか……?」

ヲ級F【……】

長門「そうか。お前は確か私達の言葉がわからないんだったな」

長門「勝手ながらお茶を入れるぞ」

長門「まぁ、かけてくれ」

ヲ級F【……】スッ

長門「お前の噂は聞かせてもらった」

長門「皆の……特に駆逐艦の相談役。いや、愚痴役になっていたんだな」

ヲ級F【……】

長門「少し、私の独り言も聞いてくれると助かる」

ヲ級F【……】

長門「……少し前に提督と話をしてきた」

長門「人が戦う理由、艦娘が戦う理由、深海棲艦が戦う理由」

長門「そして私の事を聞かされた」

長門「提督が言うには私もかつては深海棲艦だったらしい」

ヲ級F【……】

長門「君達と同じ言葉を喋り、君達と同じ理由で戦い、敗れ、今に至るのだと」

長門「だが、私にはその記憶がない」

長門「聞けば君達と共にこの鎮守府の近くまで来たのだそうだな」

長門「提督の話が真実だとすれば、私はここに何しに来たのだろうな」

長門「何を思い戦い、何を思い敗れ、何を思い沈んだのか」

長門「まるで他人事のようで実感がわかない」

長門「一体私は、どのような深海棲艦だったのだろうな」

長門「……さて、独り言もこれで終わりだ」

長門「もう帰っていいぞ」

ヲ級F【……】ギュッ

長門「よせ。私は戦艦長門の誇りを持って、戦わねばならぬのだ」

長門「だから……そう優しくしてくれるな」

ヲ級F【鍛えられた腹筋。これはこれで……】ジュル

赤城「一航戦の誇り。ここで失うわけには……」

空母棲姫「まだ続けるのかしら?」

赤城「まだ……まだです」

少佐「いや、降参するよ」

空母棲姫「賢明ね」

赤城「……」バタン

提督「と言うわけで二回戦目も俺の勝ちだな」

少佐「赤城さん、大丈夫?」

赤城「……zzz」

少佐「ちょうどいい……かな。君に一つ相談をしてもいいかい?」

少佐「こちらで拾った駆逐艦浜風の話を」

――朝、客間

赤城「ここは……!?」ハッ

少佐「おはよう赤城さん」

赤城「お、おはようございます///」

少佐「体は大丈夫?」

赤城「えっ、特になんともないですが……?」

少佐「それなら良かった。昨日飲み潰れたから少し心配したよ」

赤城「お見苦しいところをお見せしました……?」

少佐「もしかして覚えてない?」

赤城「いえ、途中までは覚えているのですが……」

少佐「なるほどね」

少佐「ところで今日赤城さんはどうする?」

赤城「提督のご予定は……?」

少佐「僕は彼と一緒に演習の様子を見る予定。……赤城さんも来る?」

赤城「はい! 赤城もお供します!」

提督「それで君も来たと」

赤城「何か文句でも……?」

少佐「こらっ!」

赤城「……」ショボン

提督「別にいいよ。まぁ、赤城君の後学にはなるかもな」

赤城「どういう意味ですか?」

提督「姫はその呼び名の通り姫級の深海棲艦だ」

提督「その実力を見ておいて損はないだろう」

赤城「隣の彼女も同じ理由ですか?」

長門「……」

提督「いや、彼女は……まぁ、そんなところだ」

少佐「ところで君はどちらが勝つと思う? 君の姫か、五航戦の二人か」

提督「十中八九姫だろう。単純な航空戦であの二人が勝てるとは思えない」

赤城「……随分な言いようですね」

提督「贔屓だと思うかい?」

赤城「ええ。あの二人は私達の後を継いだ優秀な子達です」

赤城「一体ニで勝てぬほど柔ではありません」

提督「一体ニ、ね」

長門「……」

赤城「なにか?」

提督「なんでもない。分かってるな長門」

長門「勿論だ。口出しはせんさ」

赤城「……」

瑞鶴「うげぇ、やりにくいなぁ」

翔鶴「どうしたの?」

瑞鶴「ほらあそこ。提督さん達が見に来てるみたい」

翔鶴「本当!?」

瑞鶴「翔鶴ってああいうのが趣味なの?」

翔鶴「別にそういうわけじゃ……」

瑞鶴「目をつけられても知らないわよ。こわーいお姫様がついてるし」

翔鶴「そんなに怖い人なのかしら」

瑞鶴「……えっ?」

翔鶴「なんというか何処かで会ったことがあるような……」

瑞鶴「……?」

翔鶴「ううん。気にしないで瑞鶴。さて、来るわよ」

さて、演習は全カットか、巻いてお送りするか、地の文で長々とやるか……

その辺は気分次第って事で一つ

演習開始を告げる砲が打ち上がり、早数分が経過した。

海上では既に空母棲姫の艦載機と彼女の――である二人の艦載機が交戦を開始している。

烈風と地獄猫――性能と練度、そして数の差で地獄猫が優勢を保っているのが現状であった。

そして撃ち漏らした攻撃機が標的を破壊しにお互いの陣地に迫りつつある。

それにたいし瑞鶴と翔鶴は地獄猫を迎撃しようと標準で配備されている12cm30連装噴進砲を構え、空を睨む。

烈風や流星改に搭乗する妖精からの報告だと、二人の状況は劣勢だ。

この遅れを取り返すには、彼女達自身が地獄猫を撃ち落とすしかないのだから。

そして一方、空母棲姫は海上で独り空を見上げていた。

青空から差し込む光を遮るように雲が割って入り、辺りの風景が僅かに暗転する。

かと思いきや、雲は直ぐに太陽の下を通過し、明転する。

彼女はクスリと笑い、瞳を閉じた。

空母棲姫「もう少し楽しみたかったのだけど……」

彼女の深海対空レーダーは、既に迫りつつある流星改の編隊とそれを迎撃する一部の自機艦載機を捉えている。

彼女はゆっくりと目を開くと素早く八inch三連装砲を構え、先頭をいく流星改を狙い撃った。

弾頭は正確に機体の右翼を貫き、墜落する機体から妖精が飛び降りた。

それを尻目に、空母棲姫は次弾を後続の流星改に向けて放ち、更に一機迎撃する。

それを受けた流星改の編隊は編隊を解いて散開し、各々螺旋を描きながら降下を開始する。

空母棲姫「焦ったわね」

口の端を釣り上げて笑うと空母棲姫は降下する流星改に砲門を構える。

そして八inch三連装砲が連続で火を吹いた。

後続の地獄猫も降下を開始しつつ機銃を放つも、螺旋上に降下する流星改を止めるのは困難を極めた。

その数を僅かに減らしこそしたものの、海面約50m〜150mの所で機体を起こされ、流星改が次々と魚雷の投下を開始する。

空母棲姫は魚雷を地獄猫に任せ、旋回して飛び去っていく流星改の迎撃を開始する。

一方、地獄猫は海面10m付近まで降下すると、目標に迫る魚雷に向けて機銃を発砲するのだった。

螺旋上降下する地獄猫を迎撃しながら、航空母艦翔鶴の抱いた感想は既視感であった。
海面10〜60mまで降下し、雷撃を降下する行為。
その一部はかつてのある作戦を彼女の脳裏で連想させる。
翔鶴は機銃で迎撃しながらもかぶりを振ってそれを否定した。
確かにその行為事態はなんとか説明をすることができる。
翔鶴は薄々感づいていたが、空母棲姫は皮肉を吐きながらも、翔鶴と瑞鶴の練度の向上を望んでいた。
魚雷を高度の低い所で投下すればするほど、海上からの砲撃で誘爆させやすい。
わざと迎撃させやすくし、徐々に難度を上げていくつもり――と翔鶴は予想するが再び脳裏に同じ疑問が過る。
だが、なぜソレができるのか――と。
瑞鶴「くぅううううっ! またやられた!」
翔鶴「えっ……そうね」
その時翔鶴は初めて自陣の様子に気付く。
後方に立てられた的の数々は半分以上が撃破されている。
攻撃機の妖精からの打電から察するに、今回も空母棲姫の勝ちである。
前回よりも健闘しているが、まだまだ空母棲姫の足元にも及ばない。
口頭で悔しがってる瑞鶴を宥めながら、翔鶴は内心で呟く。
次こそは――。
演習中に浮かんだ想像を妄想と処分し、彼女はそう強く誓うのであった。

螺旋上降下する地獄猫を迎撃しながら、航空母艦翔鶴の抱いた感想は既視感であった。

海面10〜60mまで降下し、雷撃を降下する行為。

その一部はかつてのある作戦を彼女の脳裏で連想させる。

翔鶴は機銃で迎撃しながらもかぶりを振ってそれを否定した。

確かにその行為事態はなんとか説明をすることができる。

翔鶴は薄々感づいていたが、空母棲姫は皮肉を吐きながらも、翔鶴と瑞鶴の練度の向上を望んでいた。

魚雷を高度の低い所で投下すればするほど、海上からの砲撃で誘爆させやすい。

わざと迎撃させやすくし、徐々に難度を上げていくつもり――と翔鶴は予想するが再び脳裏に同じ疑問が過る。

だが、なぜソレができるのか――と。

瑞鶴「くぅううううっ! またやられた!」

翔鶴「えっ……そうね」

その時翔鶴は初めて自陣の様子に気付く。

後方に立てられた的の数々は半分以上が撃破されている。

攻撃機の妖精からの打電から察するに、今回も空母棲姫の勝ちである。

前回よりも健闘しているが、まだまだ空母棲姫の足元にも及ばない。

口頭で悔しがってる瑞鶴を宥めながら、翔鶴は内心で呟く。

次こそは――。

演習中に浮かんだ想像を妄想と処分し、彼女はそう強く誓うのであった。

――演習場控え室

モニターで観戦していた赤城は、思わず言葉を失っていた。

この演習に空母棲姫が勝ったからではない。

赤城は空母棲姫の艦載機である地獄猫、その練度に言葉が出なかったからだ。

赤城「……どういうことですか」

しかし一度口火を切ると、決壊したダムの如く次々と言葉が脳裏を過る。

赤城は提督に詰め寄ると、その言葉の羅列をただ彼に投げ付ける。

赤城「あの艦載機は!? あの深海棲艦は! なんで!? 答えなさい!」

提督「……」

提督はその全てに沈黙で答える。

それを受けて、赤城は確信する。

この男は何か知っている――と。

少佐「ア カ ギ サ ン」

赤城「――っ!」

長門「……」シランフリ

赤城の手が彼の胸ぐらに伸びると、それを制止する声が響いた。

それは僅かに怒気を孕んでおり、赤城を正気に戻すのに十分だった。

僅かに冷静さを取り戻した赤城は辺りを見渡す。

彼女が掴みかかったのは彼女の提督の旧友だが、それ以前に上官でもある。

親しき中にも礼儀あり。

特に、それを重んじる発言を少佐は多々繰り返していた。

赤城「……すみませんでした」

胸ぐらに伸びかけた手を引っ込めると、赤城は素直に頭を下げる。

少佐「うちの赤城が申し訳ありませんでした!」

それに続き少佐もまた頭を下げる。

提督「二人とも頭を上げてくれ」

少佐「だけど……」

提督「そんな事で頭を下げられたら、俺は元帥に何度土下座すればいいのやら」

少佐「いや、それもそれでどうかと思うけど……」

まぁ真珠湾攻撃で一、二、五航戦がやったことをさらっとやってのけたらそうなるよな

関係ないけど大鳳が欲しい
大型と言う沼から抜け出せない

雑談スレの様子に困惑してるでち
あそこはいつからあんな魔境になったの……

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年02月14日 (土) 14:38:37   ID: K9wIHSqG

凄く、読み辛いです…

2 :  SS好きの774さん   2015年02月14日 (土) 23:38:34   ID: Z_UIhQzY

微妙だな作者の頭の中には色々考えてるんだろうが読者には伝わらない

3 :  SS好きの774さん   2015年03月08日 (日) 02:20:42   ID: 9nJN73lB

ふむ、これは全部読めば解るって奴だな。
期待させて頂こうw

4 :  SS好きの774さん   2015年03月12日 (木) 10:05:31   ID: 7t3A-cvA

私は楽しめたよ、ハラショー

5 :  SS好きの774さん   2015年03月12日 (木) 23:29:52   ID: wYf2aIEJ

私もだ期待している。

6 :  SS好きの774さん   2015年03月13日 (金) 13:41:08   ID: G6S6-v4G

少し読み辛いですけど良い物語で楽しいです。
期待してます。

7 :  SS好きの774さん   2015年03月16日 (月) 23:57:01   ID: e7bb0luL

想像が止まらない、良い作品です。マイペースで頑張ってください。

8 :  SS好きの774さん   2015年04月11日 (土) 23:38:03   ID: pRGqROlQ

面白いですな、中々よかったです。

9 :  SS好きの774さん   2015年06月21日 (日) 17:42:08   ID: PJwQYdng

はよ(ノシ 'ω')ノシ バンバン

10 :  SS好きの774さん   2015年08月15日 (土) 19:11:51   ID: 6rX8Jy_8

※2
読者様オスオス

11 :  SS好きの774さん   2016年09月02日 (金) 02:56:39   ID: mpOF2ZIx

文章が拙いのはいいんだ。気取っているのがどうにも
誤字なのか方言なのか

他にも正解が英語だったり日本語だったり…

シナリオは割りと好きなんだがなぁ。

12 :  SS好きの774さん   2017年07月01日 (土) 16:13:43   ID: N0q_NE-M

読者様ですがつまんないっす

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