あずさ「いつまでも」 (44)

初めて書くのでおかしなところなどが多々あると思いますが
そんなときは軽く指摘してくださるとありがたいです
また書き溜めもなく思いつきで書く数日をかけてのまったり更新になると思います



桜が少しづつ散っていき人々が新しい出会いに

凛とした背中に一抹の不安を宿しながら向かっている季節

自分も例外ではなくこれから新たな立場になり

待ち受けているであろう困難に不安を覚えながらも

自分を変えていかねばという志を身に宿してこれから世話になるであろう所へ向かっていく

上京してきたばかりで余り慣れない人が溢れんばかりの電車から降りたとき

前を通り過ぎた女性に目を奪われた

人で溢れたホームにはあまり似つかわしくない

つい声を上げてしまうほどの美しさに見惚れながら
その女性を表現する言葉さえこの空間に触れさせるのを躊躇うほどに

見惚れていた自分に気づきながらも

自分には表現する言葉が見つけることが出来ないことにもまた

とはいえ場所が場所であるが故すぐに彼は現実に引き戻される






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「おい!ちんたらしてんじゃねぇ」

「あっ!すいません」

「いかん、これからプロデューサーになるんだからしっかりしないとな」

「まだ時間はあるし売店でも寄るかな」

売店により飲み物とよく食べるサンドウィッチを手に取り会計を待つ列に並んだとき彼は重大な事に気づく

「…って、サイフがない!?」

「まってくれあの中には定期もカードも入ってるんだが……」

すぐさま商品を棚に戻し列に並んでいた人の視線にも気づかないで走り出した

先ほどのホームで落としたのではないかと思い戻るも

人で溢れた所で小さな物を見つけるのはさすがに厳しく十数分探すも見つけられなかった

「しまった…どこにも見当たらないなぁ」

「今日から導く立場だっていうのに何やってるんだ俺は……」

僅かな希望でゴミ箱を覗いてみるも望んでいたものは見当たらない

「駅員に聞いてみるかな」



トリップ付け忘れてたので今から付けます

「すいません」

「はい、何でしょうか」

「落し物で財布が届いてないでしょうか」

そう尋ねるとあっさりと財布が戻ってきた

「中身も…っよしちゃんとあるな」

「都会なのに親切な人もいるなぁ」

「都会だからこそなのか――そうだといいな」

「っといけないそろそろ向かわないとな」

「初日から遅刻なんてシャレになんないからな」

そういって新たな出会いへと一歩づつ近づいていく

――――
――

目的地はさほど駅からも遠くなく以前にも何度か訪れていたので

迷うことなくたどり着くことが出来た

壊れたエレベーターを通り過ぎ階段を一歩ずつ上がっていく

上がるほどに重くなっていく足を持ち上げて

「後は開けるだけか……」

「いまさら怖気ついてどうするんだ」

「よし!いくぞ!」ガチャ――

扉を開けると開ける音でこちらに気づいたのか

一人の女性が声をかけてきた

「あっ!今日からいらっしゃるプロデュサーさんですね」

「社長がお待ちしていましたよ。どうぞこちらへ」ガチャ―

そういって社長室と思われる部屋の扉を開けて招きいれた

すこし緑かかった髪の女性

(この人もアイドルなのかな?)

そう思いながら部屋に入って行くと見覚えのある顔が待ち受けていた

「うむ、ちゃんと来てくれたようだね」

「さっそくではあるが、まずはプロデュースしてもらうアイドルを決めてもらいたい」

そういうと先ほどの女性が椅子を部屋の真ん中に置いてその正面にモニタを置いた

しばらくするとこの事務所に所属しているであろうアイドルたちの自己紹介が始まった

「この娘たちから選ぶんですか?」

「うむ、彼女たち13人から選んでくれたまえ」

「まぁ初めてのプロデュースなのだからソロデビューになるだろう」

(中々個性的な娘たちだなぁ――)

「――ってあれ!?」

「おや?どうかしたかね」

「こ―この人は――」

「ふむ、三浦あずさ君かね」

「中々個性的だがとてもいい娘だよ」

画面の中には紛れもないさっき駅で見かけた顔があった

「じ…じつは……」





「ふむ、そうえば彼女も君と同じ○△線を利用していたな」

「いやー世界とは狭いものだな。」ワハハ

「もう社長ったら彼女たちのデビューがかかってるんですから」

「ハハ、すまんな。まあとりあえあず続きをみるとしようかな」

「しっかりしてくださいね、まったく」

それからもいくつか自己紹介を見たがあまり頭に入らず

ただひとつの事だけが頭の中を支配していた



「それで、どの娘にするか決まったかね」

「皆良い娘たちだ、よろしく頼むよ」

そういうと女性が一枚の紙を手渡してきた

「これどうぞ名前の隣に書いてある場所に彼女たちが待ってますよ」

「だれか決めたらまたここに来てくれたまえ」

「やる事がいろいろあるからな」

そういうと窓の方に体を向けてどこかを見ている

「わっ私は春香ちゃんがいいと思いますよ」

小声で女性が語りかけてきた

「音無君…」

「ひゃぃ、すいません」

渡された紙を見てみると

「ん?どうやら花屋にいるみたいだがどうして」

「まぁいいかとりあえず迎えに行かないと」

紙に書かれていた地図を見ながらまだ慣れない土地を進んでいく

本当にこれが現実なのだろうか

そう思いながらもアイドルに会ったとき何と声をかけるか

言葉を一つ一つこれからを共に過ごすのだから慎重に

すこしでも早く仲良くしていかなければという気持ちと

女性にあまり慣れていないので失礼な事を言わぬよう

金魚すくいのように一匹を紙を破らず掬い出すために選んでいた

「相手がいくら卵とはいえアイドルとなるとなんて声かければいいんだ…」

頭の中が渦を巻いて混乱していたが

やはり世界とは狭いものであっという間に花屋にたどり着いてしまった

そこには駅で見かけた姿があり花を選んでいる様子だった

(うおお、っと兎にも角にも声を掛けないと)

「すいません、三浦あずささんですか?」

「そうですけど~、どうかしましたか?」

そう言いながら長い髪をなびかせながらこちらに振り向いた

「あっあの!実は今日から765プロでプロデューサーをやらせていただくことになった――」

「あら~!本当ですか?」

「それでどうしてここにいらっしゃるんですか?」

「実は……あなたをプロデュースするアイドルに選んだので」

「社長から迎えに行けと――」

「まあ!私をプロデュース!!」

「はい、あなたを」

「なんでまた私なんかを」

「他にも良い娘はいっぱいいますし私なんか一番年上で―」

「いえ、僕はあなたがとても魅力的だったのでプロデュースする事に決めたんです」

「みっ魅力的ってアイドルとしてですよ」

「ふふ、分かってますよ」

「ちょっと聞いてみたかっただけですよ」

「じゃあぱぱっと買い物済ませちゃいますね」

「そうえばあずささんはどうしてここにいたんですか?」

「事務所の花を変えようと思いまして」

「いつも花はここで買ってるんですよ」

「そうですか、それじゃあ僕は待ってますのでどうぞゆっくり」

「社長も待たせてるんですから早く決めちゃいますね」

「それにさっきから選んでてある程度決めてたんです」

そういって彼女は再び花たちの方を向いて選び始めた

その姿を後ろから眺めながらこのなんとも様になっている光景を

ぜひアイドルとして雑誌にのせてやったりしたいなど頭で考えていて

しばらくったったら一つの花束と一輪の花を持って戻ってきた

「プロデューサーさん、これどうぞ」

「私からのプレゼントです」

そういうと黄色い花をそっと渡してくれた

「これは…菜の花ですか」

「はい、菜の花の花言葉には 「快活」 という意味があるんです」

「これから大変なことがたくさんあると思いますがどんなことがあっても乗り越えていけるよう」

「そんな気持ちを込めて差し上げました」

「ありがとうございます!僕もなにかお礼をしないと…」

「いいんですよお礼なんて―」

「でもしいて言うなら」

私とトップアイドルになるまで一緒にいってくださいね

あまりすすんでないですがすこし休憩します
基本的に更新は遅いのです

書いてておもったのですが後数日どころじゃなくなりそうです
一応話の大体の筋は考えてあるのですが中々表現するとなるとつかれますね

帰宅しましたので続き書いていこうと思います

――――
―――
――

「あずささんはどんなアイドルに成りたいですか?」

そう聞くと足を止めすこし考えこう口ずさんだ

「そうですね~」

「皆に歌を届けてやさしい気持ちにさせてあげたり」

「ときにはドキドキさせたり」

「笑顔にさせたり」

「そんなアイドルになりたいですね~」

そういうと鼻歌を軽く歌いながら再び歩き出した

「あずささんらしいですね」

彼女の言葉を聞いてまだあって間もないというのにこの言葉がでた

「そうですか~ありがとうございます~」

すこしこちら側を向いてそう言うとすこし笑顔になった彼女に

自分まで笑顔になっているのに気づき

これも彼女の魅力だなと頷きながらすこし早歩きで彼女の隣に並んだ

「おお!三浦君を選んだのかね」

「まぁ理由はあえて聞かないがきっとティンと来るものがあったのだろう」

「さっそくではあるがまずデビュー曲を決めてもらいたい」

「実はだな私からのプレゼントという事でだな」

「一ヵ月後に収録のある音楽番組に出てもらおうと思っているのだが」

「そこで歌ってもらいたいのだよ」

そう言って三枚のCDを手渡してきた

9:02pm ラブリ まっすぐ

「この三曲が今三浦君がレッスンしている曲になる」

「自分一人で決めてもいいしアイドルと相談してもらってもいい」

そういって社長は再び窓のほうを向いた

「はい、わかりました」

「わざわざ番組の出演までサポートしていただきありがとうございます」

そういい部屋から立ち去ろうとすると

「がんばりたまえ、期待しているぞ…」

社長から激励の言葉を貰い後にした

一通り曲を聴いた後彼女にも意見を貰うことにした

「あずささんはどの曲がいいですか?」

「私ですか~?」

「9:02pmは愛がとても伝わってくる感じでいいですよね~」

「ラブリは直球的な愛というかそんな感じもいいですよね」

「まっすぐもやさしい曲調が好きですし…」

「あら~困ったわ~決められないわね~」

「そっそうですか、困りましたねー」

恐らく世間がこの曲を聴くのは番組が初めてだろうし

なんとかそこで印象づけなければならない

「っとなると――」

「フフーン」カキカキ

「プロデューサーさんできましたよ!」

「って何ができたんですか?」

彼女の方を見るとそれぞれの曲の名前が書かれた三枚の紙があった

「実は私占いとかも好きなんです」

「なのでここは天に選曲を任せてしまえと…」

そう言った後三枚の紙を裏返してシャッフルし

どれがどれか分からなくなった頃一枚の紙を選んで手渡された

「この曲でいきましょう!いいですよね?」

渡された紙を見てみると

9:02pmと書かれていた

メイクは落とした素顔~♪

曲を決めた後そこで一旦彼女とは別れ事務所で色々な書類を片付け

また次の日はさっそく歌のレッスンがあるらしいので覗いてみることにし

こうして彼女の歌に浸っていた

「それにしてもあずささんは歌お上手ですね」

「あら~おだてたって何も出てきませんよ~」

そう言って微笑む彼女にまた自分もつられて微笑んでしまう

「本当に笑顔も素敵ですね」

「えっ!?もうプロデューサーさんたら~」

何故か顔を少し赤らめながら小突いてきた

それから何回もレッスンを重ねついに収録の日がやってきた




のはずだったが後少しで収録が始まるというのにまだ彼女はやってこない

心配してさっきから何度も電話を掛けるも出る気配がない

スタッフの方に断りを入れてとりあえず彼女の家に向かうことにした

事務所にも連絡してみるもどうやら何も聞いてないそうだ

とりあえず彼女の家からこのスタジオまでの電車を辿っていくことにした

それにしても彼女はどうしたのか事故にでもあってしまったではないか

そんな不安を頭によぎらせていると駅を一つ乗り過ごしてしまっていた

「何やってるんだ俺は…」

そう言葉を漏らして次に停車した駅で降りた

電車を降りるとそこには見覚えのある姿があった

「あっあずささん!?どうしてここに」

彼女の姿を見た途端グッっと体が脱力したような感覚になった

「じっっ実はですね~道に迷ってしまいまして」

「プロデューサーさんこそどうしてこk――」

「心配しましたよ!!あずささん」

「急に来ないもんだからてっきり事故にでも遭ったんじゃないかと」

「本当にすいませんでした…」

「いえ、無事なら良いんですよ。とりあえずスタジオに急ぎましょう」ギュ

あっ…

彼女の手を取りスタジオの方向の電車へ急いだ

「「本当に申し訳ございませんでしたっ!!」」

スタジオに着いた直後すぐさま頭を下げた

「まぁそこまで遅れた分けじゃないからね」

「本番でがんばってもらえれば大丈夫だよ」

「はい!わかりました!」

すぐさま準備に取り掛かって軽い発声練習をした後

何回か軽く通して歌いさっそく録音をする事になった

9:02pm

Good night ひとりきり

Make up 落とした素顔

鏡にそっと聞いてみる

ねぇ・・・幸せ?・・・


逢いたい・・・

メールも携帯も

鳴らない (Why?) tears 泣いてるよ

一秒だけでもいい

ずっと・・・


Moonlight 綺麗だね

君にも 届いてるかな?

もし流れ星見つけたら

一つだけ・・・

逢いたい・・・

もっと心が

君へと (yes) ねぇ 送れたら

せめて夢の中で

抱きしめてくれたなら


逢いたい・・・

メールも携帯も

鳴らない (why?) tears 泣いてるよ

一秒だけでもいい

ずっと・・・


ずっと・・・

スタジオが彼女の歌声が支配していた

いや包まれていた

だれも物音一つ立てずに立ち尽くしていた

「あの~どうでしたか?一回目なのでやっぱりあんまり上手くできてまs――」

「いや、本当によかったですよ!!あずささん」

「練習の時よりもすっごくよかったです」

「本当ですか~?」

「この曲作詞家の先生から会社から帰宅したOLが一人きりの落ち着く時間」

「そんな風に聞いて社会経験のない私が上手く表現できるか不安だったんですが」

なんと初収録が一発で終わってしまい遅刻こそあったものの

スタッフの方々からも褒めていただいたり

色々な事がありあっという間だったがとても疲れた一日だった

スタジオから事務所に戻り予定より早く収録が終わったので

一週間後に迫っている音楽番組についてミーティングをする事にした

すいません今日はここまでです
すこし書くのが遅くなってしまっているので
次のバイトがない日まで書き溜めて置こうと思います
後もう少し文章を考えるのに慣れていかないと

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