やはり俺の後輩はあなどれない (123)

八幡「………」

戸部「へーっ、さすが生徒会長様、まじびびるわー」

いろは「そんな~、それほどでもないですよー」

戸部「いやいや、だってそれやべーくらいすげーべ?」

いろは「あはは~、謙遜ですー」


八幡(すげぇ、何の話してるかわかんねーし、謙遜の使い方が前衛的すぎる!!)


葉山「そろそろ休憩時間終わるぞ、帰った方が良いんじゃないか?」

いろは「あ、はーい♪」

八幡(あの雌豚、ただの豚じゃねーとは思ってたが、先輩のクラスに一人で特攻できるとか不運に踊っちまうタイプの人かよ)


いろは「………!」タタタッ

八幡「え……」

いろは「じゃあね」バイバイ

八幡「……あ、ああ…」


クラスメイト達「………」


こんな感じです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1413618375

戸部「いやー、やっぱいろはっていろはだわー」

大岡「なんだよそれ、意味わかんねーし」

大和「うむ」

戸部「だってよ、もしいろはがいろはじゃなかったから、すげー違和感だべ?」


八幡(それ違和感どころじゃねーだろ)ドキドキドキ

八幡(つーか、あいつ何で俺経由で出てったの? 俺はセーブポイント? オブジェなの?)


結衣「………」ジーッ


八幡「……っ」

八幡(な、なんかすげー見られてる……)ゾクッ

戸塚「八幡!」

八幡「え、な、何?」

八幡(戸塚の怒った顔八幡脳内フラッシュ!!)



戸塚「八幡はウサギだよね!?」



八幡「お、おうぅ……?」

戸塚「良かった」ニパーッ

八幡「お、おう……」

八幡(俺も天使と出会えて良かった)

昼休み


八幡「はぁ……」

八幡(授業中もあいつの真意を探ってたらどっと疲れた)

八幡(どうせあいつのことだから、たまたま目に入ったビリケン様に手を当てただけってことなんだろうけど……つーか大阪はビリケン様可愛いと思ってんの?)

八幡「思春期高校生男子に意味深行動は控えてくれませんかねぇ……」


いろは「何を控えるんです?」


八幡「……お前はあれか。少年漫画で主人公の葛藤に解決策を導きに現れる敵キャラか」

いろは「かっと、てき?」

八幡「ああ、何でもない。それより何の用だ。生徒会長様」

いろは「もちろん、生徒会長権限を使おうと思ってですねー」

八幡「そ、そんなもんあんのか(こいつにそれを持たせたら碌なことになりそうもないな)」

いろは「はいっ! だから一緒に学食へゴーですよ?」

八幡「………」

いろは「……………ゴーですよ?」


八幡「……俺、退学届出してくるわ」

いろは「全身全霊で拒否!?」ブワッ

八幡「……それは冗談だが、その真意が分からん」

いろは「しんい……服の?」

八幡「繊維」

いろは「戦う気力?」

八幡「戦意」

いろは「好きな水は?」

八幡「い……マックスコーヒー」

いろは「………」ニマニマ

八幡「……はぁ」

いろは「先輩って少食なんですねー」

八幡「低燃費なんだよ。リッターあたりの走行距離は普通車にも負けねーぞ?」

いろは「よく分かんないですけど、普通ではないんですね?」

八幡(唯一心が抉れるポイント突かれた!?)

いろは「そのカレー美味しそうですねー」

八幡「……そのラーメンもな」

いろは「あ、ならどうぞー」スッ

八幡「待て待て待て」

いろは「?」

八幡「………」チラッ


生徒達「「………」」ジーッ


八幡「普通に考えて無理だろ」

いろは「………」



いろは「あ、先輩猫舌なんですねー? フーフーしてあげます♪」フーフーッ


八幡(お、俺の誰かと付き合ったらやってみたいシチュエーション第三位が実現する!?)

いろは「はい、どうぞー♪」スッ

八幡「………」

いろは「ささ、ちゅるちゅるっとー♪」グイグイ

八幡「………」

八幡(ちょっと、だけなら……)スッ



雪乃「絵面的にモザイクが必要だから、遠慮してくれるかしら」



八幡「ぶふぉっ!?」ガタッ

いろは「わわっ」

八幡「ゆ、雪ノ下!?」

雪乃「………」

八幡(も、最も見られたくない奴に見られた!?)

結衣「………」プクーッ

八幡(に、二番目に見られたくない奴にも!?)

いろは「………」

雪乃「一色さん。あなたは仮にも生徒会長なのだから、少しは周囲の目というものを意識した方が良いと思うわ」

八幡(それは言えてるが、お前ももっと周囲の目を気にして女の子らしくだな……)

雪乃「………」ギロ

八幡(む、無言で心の中を責めてきた!?)

いろは「あのー、雪ノ下先輩」

雪乃「何かしら?」



いろは「私、仮じゃなくて正式な生徒会長なんですけどー」



雪乃「」

八幡「ぶふっ!」

結衣「………///」プルプル

雪乃「……ふざけてないところがあなたらしいわね」

いろは「私はいつだって真面目ですよー」プンプン

八幡「まぁ、お前だって葉山の前じゃ今見てーなことできないだろ? それは一色いろはとしてだが、生徒会長としても周囲からの評価というものも意識しろってことだ」

いろは「え、葉山先輩なら後ろにいますよ」

八幡「マジか☆マジか」

葉山「……やっ」アハハ…

八幡(うわ、こいつあからさまに嫉妬してんじゃねーか!?)

いろは「そもそもですねー、先輩たちは根本が間違ってますよ?」

雪乃「?」

八幡「どういうことだ?」

いろは「わたしは生徒会長である前に、1人の女の子なんですよ? 女の子がすることって言ったら、お化粧か噂話か好きな人といちゃつくこと以外ないですよー」

雪乃「!?」

結衣「」

八幡「……お、お前、それって……」

いろは「あ、たとえ話で勘違いしました? 主に思考がキモイです死んでください」

八幡(俺の心がマミったぁ!?)


結衣「よ、よかったぁ」ホッ

八幡「よかねーよ。俺はキモイ上に死ななきゃなんねーんだぞ」

結衣「それは本当の事じゃん」ベーッ

八幡「……辛い」


戸部「やっぱパねぇはいろは」

三浦「………」チッ

放課後


八幡「奉仕部にい……」

いろは「はい、たーいほ♪」ギュッ

八幡「お、俺青少年健全育成法案に引っ掛かったのか?」

いろは「違いまーす♪ いろは憲法に引っ掛かったんでーす」

八幡「なんだよその強そうな拳法。48手あんのか?」

いろは「こっちに来てください」グイグイ

八幡(階段裏?)

いろは「目をつぶって」

八幡「え、なん「良いからつぶって?」

八幡「……(めんどくせぇ)こうか?」

いろは「………」ギューッ

八幡「!?」

八幡(な、何が起きて――)

いろは「目を開けたら死刑ですよ?」

八幡「……お、おう…」

八幡(小町より柔らかい……)

いろは「………」ギューッ

八幡「………」

いろは「ぷはーっ、もう良いですよ?」パッ

八幡「……で、結局何がしたかったの?」

いろは「………秘密でーす」タタタッ

八幡「……あ、そ」


奉仕部


八幡「………」ガラッ

結衣「あ、ヒッキー……ヒッキー?」ジーッ

八幡「ん?」

雪乃「……あなた…」

八幡「ど、どうしたんだよ……」

結衣「顔……にやけてる」ジトーッ

八幡「ほわぁっ!?」ビクッ

八幡(そ、そんなっ!? 無意識を心がけてたのに!?)

雪乃「歩く公害ね。人間にとって視覚というのは思ってる以上に大事なのよ」

八幡「俺見ても石になったりしねーよ!?」

結衣「……クンクン」

八幡「……?」

結衣「………」フム

八幡「………」



結衣「いろはちゃんの匂いがする」


八幡「お前、金田一少年とかコナン少年とかの助手になってこい」

雪乃「あなたまさか……それはいくらなんでも犯罪よ?」

八幡「お前も私気になりますの人と代わってこい」

結衣「ひ、ヒッキーってもしか……もし…もしか…」プルプル

八幡「おいおい、とうとうガチで壊れたのか?」

結衣「最初から少し壊れてたみたいな言い方しないで!!」ガーン

雪乃「由比ヶ浜さんは壊れていないわ」

結衣「ゆきのん……」

雪乃「ただ生まれついてのふりょ「それはゆきのんでも怒るよ、ほんと」

八幡「……ただ、ちょっとぶつかっただけだよ。あいつと」

結衣「……ヒッキーがそういうなら…信じる」ジトーッ

八幡(顔が全然信じてねーよ)

雪乃「別にあなたが一色さんに襲いかかろうと、痴漢しようと私には関係ないわ」プルプル

八幡「お前は俺を犯罪者にしたいようだな。そして本が逆だ。何に動揺してんだよ」

結衣・雪乃「………」プイッ

八幡「……はぁ(めんどくせぇ)」

翌日、朝、校門


八幡「……(小町がいってらっしゃいのぎゅーをしてくれた。余裕で一日乗り切れそう)」

いろは「ぴぴー♪」

八幡「あ、無理だわ。色々あってどっと疲れる日だわ」

いろは「おはようございます、先輩♪」

八幡「あ、ああ(今日はどんなめんどくさいことが……)」ドキドキ

いろは「荷物検査の時間ですよー」

八幡「は?」

いろは「ささっ、いろはにそのかばんをお渡ししなさい」

八幡「いや、他の奴はして「比企谷先輩?」

いろは「私が誰か知ってますー?」

八幡「……わぁったよ」スッ

いろは「素直が一番ですー」

八幡(こいつを生徒会長にするんじゃなかった……)ハァ

いろは「はい、おっけーですよ」

八幡「……随分とあっさり終わったな」

いろは「やだなー、荷物検査なんですからー。何もなかったらすぐ終わりますよ」

八幡「それもそうだな」

いろは「そ・れ・と・も?」

八幡「……っ」ドキッ

八幡(その上目づかいをやめろっ///)



いろは「あ、葉山先輩、おはよーございまーす!」



八幡「………」ショボーン

八幡(……い、いや、何を期待してんだよ俺は…)アセアセ

いろは「………」ニヤリ

教室

クラスメイト「ざわざわ」

八幡(あいつのせいで教室にわんさか人がいるじゃねぇか。後から入ってきたら“あ、おは……なんだヒキタニか”って目をされるんだぞ……泣きそう)

八幡「……ふぅ」


葉山「なんだか朝からお疲れだな」


八幡「ああ、お前に話しかけられたからな」

葉山「……助けたつもりだったんだけどな」

八幡「はっ、自分に向いてた矛が他人に向いたからって矛を責めずに他人を責めるのかお前は」

葉山「……っ、お、俺はっ」カァ///

八幡「ちげーよ。俺が言いたいのは、矛の向きが変わったからって本命は変わらないかもしれねーだろって話だ」

葉山「………」

八幡「全く、好きな奴どころか友達すらいね―俺に嫉妬するなんて欲張りすぎるだろお前」

八幡(めんどくせ―から教科書出す振りして追い返そう……)スッ

葉山「……じゃあ、比企谷は一色のこと好きじゃないのか?」

八幡「ああ、全くな(えーっと一時間目の授業は国語だから教科書を)」ドサッ


――いろはのブロマイドの山


八幡「」

葉山「」

いったん離れます。エロはない予定です。

俺ガイル9巻どこにも売ってねぇ……妖怪ウォッチ並みに売れてんのか……(正論)

続きー

昼休み 屋上


八幡(くそっ、あの後“比企谷はやっぱりそういう奴だったのか”みたいな憐みと諦めの入り混じった目で葉山に見られたじゃねぇか)

八幡「……これ、どうすればいいんだよ」ガサッ

八幡(20枚以上あるじゃねぇか……ん?)


【際どいブロマイド】


八幡「こ、これは……」ゴクリ

八幡(上の写真に隠れて3割くらいしか見えないのにここまで大胆に太もも露出しているということは……)ドキドキ

八幡「………っ」ピラッ


いろは「あーーーっ、見つけましたよー!」


八幡「ふぇぁぁっっ!?」ビクッ

いろは「ひっ、キモイっ」ビクッ

八幡「……お、驚かすなよ」サッ

いろは「………ぴーん」ニマァ

八幡「……な、何だよその分かりましたよ先輩みたいな顔は」

いろは「そうですねぇ、当ててみてください」

八幡「い、意味わかんねーし。俺の行動を俺が当てるってまるで俺がバカみたいじゃないか」

いろは「馬鹿じゃないですよー、先輩はー」

八幡「………」

いろは「むっつり童貞スケベです☆」ニコッ

八幡「詰め込みすぎだろ!」

いろは「でもぜーんぶ……正解ですよねぇ?」チラッ

八幡(うほっ、良い太もも)ドキッ

いろは「………」

八幡「………」

いろは「でもそれ由比ヶ浜先輩の太ももですよー?」

八幡「えっ///」ドキッ

いろは「………」プクーッ

八幡「あ……」

いろは「返してください」

八幡「ち、ちがっ、今のは……」

いろは「返して!」

八幡「……っ」



八幡「由比ヶ浜のは返すが、お前の写真は貰うからな!」



いろは「………」

八幡「………っ!?」

八幡(お、俺何言ってんの!? 変態? 変態発言!?)オロオロ

いろは「……由比ヶ浜先輩のも見てみてください」グスッ

八幡「え?」

いろは「早くっ!」

八幡「は、はひっ!」



【いろはの水着写真】


八幡「……これって」

いろは「………先輩のバカ…」プイッ///

八幡「……お、お前、こんなので外でちゃ駄目だろ」

いろは「……先輩には関係ないですー」

八幡「俺が嫌なんだよ」

いろは「………」

八幡「絶対にやめろ、な?」

いろは「……先輩が言うなら…」コクン

八幡(……って、俺何様だよ…)カァ///

いろは「……それ、欲しいですか?」グスッ

八幡「あ、ああ……」

いろは「うわ、変態、エッチ、ロリコン」

八幡「おい。上記二項目については認めるが、最後のは認めん」

いろは「えー? わたしって子供っぽくて可愛くないですかー?」

八幡「可愛くないし、子供っぽくもな……」

いろは「………」プクーッ

八幡「いこともないな。うん、可愛すぎて待ち受けにしたいくらいだ」

いろは「本当ですかー? ちょうどデータ持ってるんであげますねー♪」つスマホ

八幡(また騙された!?)

いろは「~~~♪」

八幡(……まぁ、いいか)

教室

八幡(健全なのだけ無理やり受け取らされてしまった……)

戸部「ヒキタニ君ヒキタニ君!」

八幡「……あ?」

戸部「うわ、すげー嫌そうな顔!? なえるわー」

八幡「なんだよ」

戸部「いや、まだいろはの写真持ってんの?」

八幡(お前に関係ねーだろ。つーかいろは言うな戸部)

八幡「……まぁ、な」

八幡(変に否定して探られたら面倒だ)

戸部「あちゃーっ、それまずくね!? ちょーまじぃって!?」

八幡(だからお前それ何語だよ。通訳用意して来いよ)

戸部「だって「ヒキタニ君」

八幡「!?」

戸部「ひぃっ!?」

海老名「………」ゴゴゴゴゴ

海老名「出して」

八幡「な、何を?」

海老名「写真」

八幡「い、いやだから何で……」

海老名「出して」

八幡「………」つ□

海老名「ふーん」クシャッ

八幡「!?」

海老名「ヒキタニ君さぁ、修学旅行で私に告ったばかりで少し節操ないんじゃない?」ボソッ

八幡「は、はぁ!?」

八幡(あ、あれはお前も分かってるだろ!?)ボソボソっ

海老名「内心は関係ないよ。人としてやっていいことと悪いことあるよねぇ?」ゴゴゴゴゴ

八幡「」



川崎「ふーん、これが例の」つ□



八幡「え……かわ…」

川崎「………」クシャッ

八幡「」

三浦「結衣~、あんたも混ざらなくていいの?」ニヤニヤ

結衣「あ、あたしは別にっ」アセアセ

三浦「ふーん」ニヤニヤ

葉山「………」ゴゴゴゴゴ

三浦「隼人っ!?」ビクッ

葉山「……あ、え、何かな優美子」キラキラ

三浦「あ、うん、気のせいだったみたい///」

三浦(やっぱヒキオより隼人っしょ///)


結衣(ヒッキー、本当に……)ハァ…



戸塚(八幡が人気者になって嬉しい半面寂しいかも……)ハァ…

放課後 帰り道


八幡「……はぁ」

八幡(放課後も海老名と川崎にくどくど説教された上、奉仕部では雪ノ下と由比ヶ浜が責めてきた……俺は何もしてないのに…)

いろは「先輩ー」

八幡(そろそろ、あいつにも迷惑だってはっきり言わないとだめだな)

いろは「おーい」

八幡(俺はお前を奉仕部として対応しただけで、そこには何の感情もなかったんだ)

いろは「………」

八幡(……言えるか? 真意はどうあれ、俺に対してあそこまでベクトルを向けてくれる奴はいねーぞ)

いろは「………」プクーッ

八幡(アリババだって数々のフラグを潰してしまったせいで仲間達から憐みの目を向けられたんだぞ……)

いろは「……えいっ」ギュッ

八幡「……小町、おにぃちゃん今考え事してんだよ」

いろは「……妹?」

八幡(どうする……いや……どうしたい?)

いろは「……お兄ちゃん大好き♪」つスマホ

八幡「ああ、俺も愛してるぜ」

いろは「!!」カァ///

八幡(うーむ……)

いろは(だ、駄目っ、今の顔見られる訳にはいかない!)ダッ///

八幡「………」ハァ…

いろはの部屋

いろは「………」ピッ

『ああ、俺も愛してるぜ』

いろは「………」ゾクッ///

『ああ、俺も愛してるぜ』

いろは「~~~っ///」ジタバタ

『いろは』

『ああ、俺も愛してるぜ』

いろは「にゃーーーっ/////」ゴロゴロゴロ

いろは「………」ピタッ



いろは「……いや、一旦落ち着こう」ピッ



『ああ、俺も愛してるぜ』

いろは「~~~っ///」

比企谷家リビング


八幡「なぁ小町、今日なんで急に先に帰ったんだ?」

小町「へー? 何の話ー?」

八幡「いや、帰り道俺に抱きついてきたじゃねーか」

小町「……お兄ちゃん、とうとう幻覚を見始めたの?」

八幡「末期じゃねぇよ。だって、お兄ちゃん大好きって言ったし」

小町「逆に考えて。外で小町がそんなこと言うと思う?」

八幡「……え…」

小町「……お兄ちゃん…」

八幡「………」

小町「……病院…行こう?」

八幡「いや、幻覚前提にするのやめて。泣いちゃうよ?」

小町「なら誰かが小町の振りしたのかなー」

八幡「………」

八幡(由比ヶ浜や雪ノ下がやる訳ないし、海老名や川崎じゃあ身長が違いすぎる……誰だ?)

小町「いずれにせよ、小町以外の人を小町って誤認したことについては当分許さないけどね」

八幡「小町愛が強すぎただけだよ」

小町「ん、許してあげる」///

八幡(ちょろ町ちゃん可愛い)

翌日 学校


八幡「……えっと…海老名眼鏡外したんだ」

海老名「うん、そうだよ-」

八幡「川崎……髪の毛切ったのか?」

川崎「……うぃっぐだよー」カァ///

八幡(これはえっと……何の罰ゲームなんだ?)


結衣(二人ともいろはちゃんの真似上手すぎっ!!)

三浦「教室でもあいつの存在気にしなきゃいけないとかうぜー……」


八幡「ま、まぁ、何にせよ、イメチェンは大事だよな」

海老名「ですよねー」

川崎「で、ですよねー」

八幡(わ、分からん! 女子の考えなんて一つも分からん!!)


葉山「………」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

戸部「隼人君?」ビクッ

葉山「あ、ああ、何かな?」ニコッ

戸部「い、いや、パネェ……かも」

戸部(ちょーこえーーーっ!?)

昼休み トイレ

八幡(今日は便所飯だ。本当は絶対にしないと誓っていたんだが緊急事態だしな)



廊下


海老名「あれー? どこいったんですかー?」キョロキョロ

川崎「………」キョロキョロ


いろは「………」ジーッ


トイレ

八幡「頂きます」

八幡(まぁパンだし、どこで食べようとそんな味かわんねーよな)モグモグ

八幡「………」モグモグ


――ガチャッ


八幡「ぶふぉっ!?」ビクッ

いろは「失礼しまーす」

八幡「な、なななっ、なんで!?」アセアセ

いろは「あ、鍵ですかー? わたしにかかればちょちょいのいろはすー♪」

八幡「………」ドキ///

いろは「……あ、今の可愛かったですかー?」

八幡「べ、別に/// そ、それよりここ男子トイレだぞ」

いろは「あー、でもこの学校はもういろは帝国だしー。いろはの入れないところはないって言うかー」

八幡「……むぅ」

いろは「もうこうなったら比企谷先輩の隣で授業受けようかなって♪」ニコッ

八幡「………」

放課後 奉仕部


八幡「……二人とも、話があるんだ」

結衣「うん、分かってるよヒッキー」

雪乃「ええ、いい加減私たちもうんざりだわ」

八幡「お前ら……」

結衣「でも、いろはちゃんって一度決めると頑固っぽいし」

雪乃「人の話を聞かないし」

二人「「何よりこんな変態につきまとってるし」」ハァ…

八幡「一番の原因を俺にするな。被害者は俺だ」

雪乃「あら、被害だなんてこれっぽっちも思ってない癖に」

八幡「………」

結衣「本当は自分の為じゃないよね?」

八幡「……ああ」

少し前 教室


葉山「比企谷、少し良いかな?」

八幡「……ああ」

葉山「その顔、そろそろ来ると思ってたのか?」

八幡「……まぁな」


屋上


八幡「やっぱり……か」

葉山「ああ、生徒会長と言ってもやはり一年生だし、比企谷がどうこう以前に彼女自身の粗をつつかれている」

八幡「……そんなに多いのか?」

葉山「サッカー部の知ってる限りで数十人いるんだ。噂に尾ひれがついたとしたら……」

八幡(あいつが“自分勝手な駄目生徒会長”と認定されるまで時間の問題……か)

葉山「……比企谷」スッ

八幡「いや、それは間違っている」

葉山「……っ」

八幡「俺はあいつを利用した。どんな崇高な理由や信念を足したところで、俺はあいつを道具扱いしたことに変わりはないんだ」

葉山「だが、それならそれで責任をっ」

八幡「俺があいつと付き合うのか? はっ、それこそありえねーだろ」

葉山「……比企谷…」


八幡(大丈夫。いつものことだ)


八幡「俺がなんであんなうるさい後輩のために付き合ってやらなきゃいけねーんだよ」

葉山「比企谷……黙れ」


八幡(これが俺の責任の取り方だ)

八幡「大体が俺のことをこの前まで知らなかったあいつに付きまとわれたって嬉しくも何ともなかったんだ」

葉山「……頼む、黙ってくれ…」


八幡(いいや、黙れない……“黙る訳にはいかない”)

八幡「あいつにはお前みたいなイケメンで優しくて包容力のある人間が一番なんだよ。葉山」



―――バキッ!!



八幡「……っ」フラッ

葉山「……はぁはぁっ」

八幡「………」

葉山「……頼むよ比企谷。もっと自分を――」

八幡「いいや、人の為にそこまで本気なれるお前こそ、



優しくて可愛いあいつが好きになるべき相手だ」スッ



葉山「……比企谷…お前は……どうして」

奉仕部


結衣「それで怪我してるんだ」ポンポン

八幡「っ!? や、優しくしろし」

結衣「………」グイグイ

八幡「い、痛いっ、痛いよっ!? 泣いちゃうよ!?」ツーッ

結衣「うん、泣こう」

八幡「!!」

結衣「ちゃんと泣いて、良いんだよ」ナデナデ

八幡「……っ」ウルッ

雪乃「今回のやり方も、本来なら許せることではないけれど」

八幡「………」ポロポロ



雪乃「私も由比ヶ浜さんも、部活仲間にはすごく甘いのよ」ニコッ



八幡「……すまん…」

結衣「それで、好きになったん?」

八幡「は?」

雪乃「それは気になるわね。種族が違っても恋愛はできるのか」

八幡「おい、さらりと人間から外さないでくれるかな?」

結衣「ねぇねぇどうなん?」

八幡「……ま、まぁ…しかたねーだろ///」プイッ

結衣「うわ、照れ顔ヒッキーうざい」

八幡「おい」

雪乃「なら付き合えば良いと思うのだけれど?」ポイッ

八幡「怒りのあまり本を捨てながら言うな。勘違いしちゃうだろ」

雪乃「あら、あなた達アンダーグラウンドの住人の言葉を借りるなら、リア充爆発して霧散しなさいって意味だったのだけど?」

八幡「人をネットの住人認定するなし。しかもさらに怖くなってるじゃねーか」

結衣「じゃあ付き合えばいいのに」

八幡「キモイ先輩と付き合ってるさぼり生徒会長って呼ばれて欲しいのか?」

結衣「………」

八幡「俺じゃ……駄目なんだよ」ボソッ

いったん離れます! 先に言っておくとハッピーエンドです!

展開の速さは俺ガイル9巻がどこにもないせいです(正論)

続きー

あ、みすた……

雪乃「それで、あなたが無駄に高いプライドをへし折ってまで奉仕部に願う事は何かしら?」

八幡「ぐっ……言い方は腹立つが正論だ…」

結衣「ヒッキー、奉仕部にお願いするなら……」

八幡「ああ、分かってる。嘘偽りは言わない」

雪乃「まぁ、あなたの事だから自然と嘘偽ってる場合があるでしょうけど」

八幡「……その時はお前なら見抜けるだろ」

雪乃「あら、ずいぶんと評価されてるのね。驚きと同時に今日から帰り道は背中が不安だわ」

八幡「お前なんかストーカーしねーよ」

雪乃「………」プルプル///

結衣「わーーっ、ゆきのんが泣いちゃうーーー!」

八幡「う、嘘だよ! すまん! 俺が悪かった!」

雪乃「べ、別に大丈夫だもん……」グスッ

結衣(可愛い……)

八幡「……そろそろ真剣に話していいか?」

雪乃&結衣「………」コクリ

八幡「俺は――」

休日、駅前

待ち合わせ場所

いろは「~~~♪」


少し離れたカフェ

八幡「………(すっげぇ楽しそう)」ハァ

結衣「いろはちゃん、可愛い……」

雪乃「その可愛い女の子を今から顔面ぐっちゃぐちゃにするのね」

八幡「その言い方ひどすぎだろ。俺はサイコパスか」

雪乃「あら、こんな美少女相手にひどいこと言ったあなたはサイコパス以外の何者でもないわ」

八幡「……本当に悪かったって」

結衣「まぁまぁ、それよりヒッキー頑張ってね」

八幡「……おう」

結衣「………」

結衣(ヒッキーに嘘つくなって言って、私が嘘ついてる……)

雪乃「………」

八幡「んじゃ、行ってくるわ」ニコッ

結衣「………っ」

雪乃「………」ハァ


二人((誰かのために動く時だけ、何でイケメンなんだろう)なのかしら)


八幡「おう、待たせたか?」

いろは「先輩!! 全然大丈夫ですよー」

八幡「そうか、じゃあ行こうか」

いろは「あ、その前に」つスマホ

八幡「?」



――カシャッ



いろは「へへー、初デートの記念撮影ですー」

八幡「あ、ああ……」ズキッ

いろは「さっ、行きましょう先輩」ギュッ

八幡「お、おい、手を繋ぐのは……」

いろは「生徒会長命令です☆」

八幡「………」ハァ

八幡「んで、最初は服を探しに行くんだっけ?」

いろは「おーっ、さすが先輩ですねー。携帯チェック以外にすることないんですかー?」

八幡「そりゃ十分に一回プランが送られてきたら、な」

いろは「本当は先輩は頭良いから一回で十分だったんですけどねー」アハハ

八幡「なんで知ってんだよ。俺がハイスペックな設定」

いろは「設定って何ですかキモイです。それにハイスペックっていうのは葉山先輩みたいな人を指す言葉ですよ?」

八幡「……あ、頭が良いことをどうして知ってるんですか?」

いろは「あ、それはですねー。平塚先生に聞きました!」

八幡「……あの妖怪行きおくれ…」

いろは「わたしあんまり頭良くないんでー、憧れますー」

八幡「最初に自信満々に見た目と違うって言ってたの誰だよ」

いろは「えっ、なんでそんなの覚えてるんですか、怖い……」

八幡「怖いの方が来るな……」

いろは「えへへ」ギューッ

八幡「……なんで嬉しそうなんだ?」

いろは「それはご飯の時にでも説明しますー」

八幡「……?」

服屋


八幡「………」

いろは「あ、これなんか似合いそうですねー」パッ

八幡「……お、おう…」

いろは「いや、こっちの方が……」パッ

八幡「……そ、そうか…」

いろは「あーでも、これもかっこいー」パッ

八幡「………(まさか恋人ができたらやってみたいシチュエーション第二位を今日体験するとは…)」

いろは「先輩ってスレンダーだから服似合いますねー」

八幡「そ、そうかなっ」ニカッ

いろは「うわ、すごい喜んでる、キモイ」

八幡「………」

いろは「嘘ですよ、わたしは本当にかっこいいと思ってます」ボソッ

八幡「……っ」カァ///

いろは「単純なんだから」エヘヘ

八幡「……う、うるへー」





雪乃「あの人は本当は私たちに自慢したいだけなんじゃないかしら」

結衣「………」グイグイ

店員「お、お客様、服が破れてしまいます」オロオロ

サイゼ

八幡「俺の服見ただけじゃねーか」

いろは「え、だってわたしの服を見るなんていつだってできるじゃないですかー」

八幡「……(こいつほんと魔性…)」ドキドキ

いろは「あ、でも今度はわたしの服を選んでくれるとうれしいかなー」

八幡「………今度、な」

いろは「やったー」エヘヘ

八幡「………」



別席

結衣「………」ズゾーズゾーッ

雪乃「由比ヶ浜さん……ドリアはすする食べ物じゃないわ」

八幡「それで、理由を教えてくれるんだろ?」

いろは「え?」

八幡「さっき喜んでた理由だよ」

いろは「あ、あー、言わなきゃだめですか?」テレテレ

八幡「なぜ照れる……」

いろは「じゃあ、絶対に笑わないでくださいね?」

八幡「ああ」

いろは「……あのですね」

八幡「………」


いろは「先輩って相手の話をちゃんと聞きますよね」


八幡「……普通のこと…だろ」

いろは「全然普通じゃないですよー」

八幡「?」

いろは「普通の人だったらね、いろはが本音を言うと流すんです」

八幡「流す?」

いろは「……はい」コクリ

いろは「たぶんわたしに対して勝手なイメージができてるんだと思うんですけどー、それとかけ離れた言動に対しては“無視してもこいつは大丈夫”とか“こいつにはそんなの求めてない”って感じで聞き流すんです」

八幡「……まぁ、分からんでもない」

八幡(そもそもがこいつに対してそんなものを求めてないんだろう)

八幡「だけど、それは悪い事なのか?」

いろは「え……」

八幡「要は男どもはお前を恋愛対象に見てんだよ。だから、幻滅したくないし理想像からぶれてほしくない」

いろは「………」

八幡「青春なんて欺瞞だ、嘘っぱちだ。学校に通う自分を演出し、お前と恋愛する自分に陶酔する。お前の中身なんてどうでもいいし、お前はただニコニコ笑ってるだけで十分だ」

いろは「……先輩もそうなんですか?」

八幡「……昔はな」

いろは「?」

八幡「人生ハードモードだからな。経験値だけは無駄に溜まっていくんだよ」

いろは「じゃあ、わたしの話をちゃんと聞いてくれるのは……」

八幡「言動の裏を見なければ不安になるほど弱い人間だからだ」

いろは「………」

八幡「幻滅したか? それこそお前が嫌がっていたものの正体だ」

いろは「……かっこいい」

八幡「……お?」

いろは「自分の弱さを認められるのってすごいんですよね」キラキラ

八幡「ソースは?」

いろは「少女漫画ですー」ニコッ

八幡「……あ、そ」

八幡(あれこそ、あたちのかんがえたさいこうのかれしだろうが!)

いろは「あ、でもでもー、もう一つ理由があるんですよ」

八幡「?」


いろは「先輩が困った顔するとー、すっごく可愛いんです!」



八幡「……っ///」

いろは「……何照れてるんですか? ドMですか、キモイです」

八幡「………」

いろは「その顔大好きですー」ニコニコ

八幡「……お、おう」ドキドキ


別席

結衣「………」ゴクゴクゴク

雪乃「由比ヶ浜さん、それホットコーヒーよ。そんなゴクゴク飲めるものじゃないわ」

結衣「ヒッキーの困った顔……あたしだけのものだったのに…」シュン…

雪乃(それは違うわ由比ヶ浜さん……)


いろは「あ、わたしデザート頼んで良いですか?」

八幡「ああ、好きなだけ頼め」

いろは「はーい」

八幡「………」

いろは「んー♪ アイスおいしー♪」

八幡(ほんとふわふわしてて、生徒会長って感じしねーなー)

八幡「それはめぐり先輩も一緒か」

いろは「めぐり先輩? 城廻先輩ですか?」

八幡「あ、ああ、いや何でもない」

八幡(つい声に出してたのか……)アセアセ

いろは「そういえば城廻先輩って比企谷先輩のこと大好きですよねー」

八幡「ふぁっ!?」ビクッ

いろは「うわ、その焦り方本気っぽくて引きます」

八幡「………」

いろは「でも、城廻先輩が比企谷先輩のことを大好きなのは本当ですよー」

八幡「う、嘘だ。あの人俺を最低呼ばわりしたぞ」

いろは「はぁ、それじゃあわたしはどうなるんですか。キモイとかいっぱい言ってますよ」

八幡「………」

いろは「さっきの話もそうですけど、先輩も変な幻想抱いてますよね。恋愛に」

八幡「え……」

いろは「先輩が思ってる以上に打算的で妥協して、何より……」スッ

八幡(顔近っ!? めちゃキレイ!!)



いろは「女の子ってえっちなんですよ」ボソッ



八幡「!!」ドキッ

いろは「だから、イケメンだからとか優しいからとかだけじゃないんですよ。人を好きになる理由」

八幡「………」

いろは「まぁ、葉山先輩はかっこよくて優しくて完璧ですけど」

八幡「……さいですか」

いろは「女の子は嫉妬されると喜ぶんですよー?」

八幡「………」

いろは「えへへ、可愛いなっと」ナデナデ



別席


雪乃「見たい、見たいの由比ヶ浜さん。離してちょうだい」

結衣「あたしだって見たいけど駄目だよ! 今は奉仕部なんだよー!」

雪乃(比企谷君の嫉妬顔……)ハァハァ

映画館


いろは「恋愛話に花が咲いたことですし、恋愛映画にしますー?」

八幡「嫌だ。自分からリア充のリアル充実話を見なきゃいけねーんだ」

いろは「じゃあ、比企谷先輩の好きな映画で良いですよー」

八幡「……素直だな」

いろは「えへへ、だってわたしは先輩の横でドキドキするだけですしー」テレテレ

八幡「………」ゴクリ

いろは「え、暗闇で隣にいる私と何をするところを想像したんですか? キモイ」

八幡「……手を繋いでポップコーン食べるところだよ」

いろは「うっ……」カァ///

八幡「?」

いろは「先輩は意地悪キャラ禁止です」

八幡「なんでだよ。男女平等社会だぞ」

八幡(実際にはだいぶ女性優遇社会に思えるが)

いろは「……だってゾクゾクしちゃうし」ボソッ///

八幡「………」



近く

海老名「さぁさぁ、今日は付き合ってもらうよー!」

三浦「しゃあなしだかんね」

海老名「ぐふふ……、ハヤハチを加速させる道具を買いに……」

三浦「はぁ、今日は好きに……?」チラッ



いろは&八幡「………」



三浦「……(これは…)」

海老名「優美子ー?」

三浦「先に寄りたいところあるからあっちいこー」

海老名「う、うん……」

三浦(姫菜はヒキオみたいなしょうもない男似合わないし、あの女は隼人にちょっかい出すし、放っておくのが一番)

海老名「……?」

映画終了後。


いろは「恋愛じゃないですか」

八幡「アニメは良いんだよ、アニメは」

いろは「ていうか、なんですかあの幼馴染大勝利ルートはー。時代は絶対後輩ですよね」

八幡「お、おう……」

いろは「えへへ、先輩ってすぐ泣くんですね」

八幡「……まぁプリティでキュアキュアなアニメで泣けるくらいだしな」

いろは「可愛かったなー」

八幡「………///」

いろは「え、アニメの話ですよ。何で照れてるんですか」

八幡「………」

いろは「さ、次は本屋さんですよね」

八幡「……ああ」



少し離れた場所

結衣「………」ポロポロ

雪乃「由比ヶ浜さん、アニメごときで泣きすぎだわ」ポロポロ

結衣「ゆきのんの方が泣いてるじゃんかぁ」ウェーン

雪乃(テレビシリーズ帰りに借りよう……)

本屋

八幡「………」チラッ


少し離れた場所

いろは「………」ペラペラ


八幡(俺が一人で物色した時は、ちゃんと離れるんだな……)

八幡「………」

八幡(考えるに、俺は少し彼女のことを見くびっていた……いや、見誤っていた)

八幡(知らず知らずに俺の中で理想のいろは像というのができてたみたいだ)

八幡(だが本当の一色いろはという女の子は、思った以上に真剣に生きてて、俺と真剣に向き合っている……)

八幡(……俺は…いや、これでいいはずだ…)


いろは「へー、こういうのが好みなんですかー」


八幡「え?」つSM官能小説

八幡「お、おわっ、いつの間に!?」ビクッ

いろは「……先輩のためなら…わたし……」

八幡「………」ドキドキ

いろは「無理に決まってるじゃないですか」

八幡「もちろん分かってたさ」フッ


いろは(将来的には……)エヘヘ


八幡「次はどこに行くんだ?」

いろは「もちろんドーナッツを食べに行きます!」

八幡「あそこか……」

八幡(嫌な予感しかしない……)

ドーナツ屋さん


いろは「先輩はそれだけでいいんですか?」

八幡「低燃費って言っただろ」

いろは「わたしはドキドキして高燃費みたいだからいっぱい食べますねー」

八幡「……っ」

八幡(天然でもわざとでも恐ろしい子……)

いろは「今度はどんなお話にしましょうかー」

八幡「………」



「あれー? 比企谷君じゃーん」



八幡「……やっぱり」

いろは「?」

陽乃「はろはろー♪」

八幡「……うす」ペコリ

いろは「……?」ペコリ

陽乃「うわ、可愛い……何円払ったの?」ジトーッ

八幡「いやー、安定の信頼度ゼロですね」

陽乃「冗談よ冗談♪ 比企谷君は魅力的だからモテるに決まってるもん」ナデナデ

八幡「ちょっ、ち、近いです」

いろは「………」

陽乃「………」フーン

陽乃「へー、生徒会長なんだー」

いろは「は、はい」

陽乃「頑張ってねー。地味で大変だと思うけど」

いろは「………」コクリ

八幡「あの、俺たち一応二人で遊びに来てるんで」

陽乃「デートって言わない卑屈なところも、こんな美人と話せるチャンスをふいにするところも、あなたらしくてお姉さん好きよ」

いろは「………」

陽乃「でもでもー、お姉さん意地悪だから一つだけ質問しちゃうね?」

八幡「………」

いろは「わたしに……ですかー?」



陽乃「あなたは比企谷君が何をしようとしてるか本当に理解できてるのかしら?」

八幡「!!」

いろは「………」

雪乃「姉さん、そこまでよ」ガシッ

陽乃「あら、出てきていいのかしら、雪乃ちゃん」

結衣「………」


いろは「………」

八幡「……一色」


陽乃「一つだけ言っておくと、私は彼女たちに何も聞かされていないし、何も聞いてない。ただ、比企谷君の顔を見てぴーんと来ただけ」

雪乃「つまり、私達が出てきたのは迂闊だったと言いたいわけ?」

陽乃「迂闊以外の何者でもないわね」

雪乃「………」

陽乃「彼女を傷つけまいとしていたのなら、反省し、後悔なさい。雪乃ちゃん」

雪乃「………」

陽乃「と、まぁこっちの話は置いておいて、いろはちゃん」

いろは「……はい」

陽乃「結果的にあなたを傷つけちゃったことを謝るわ。ごめんなさい」

いろは「……いえ」

陽乃「お詫びと言ってはなんだけど、比企谷君がしたかった事のお膳立てをしてあげる」グイッ

いろは「えっ……」

雪乃「姉さん?」

陽乃「雪乃ちゃんは比企谷君に最高のスーツを選んであげなさい」

雪乃「………」コクリ

紳士服売り場


雪乃「ごめんなさい。本当に迂闊だったわ」

八幡「いや、お前らは悪くねーよ」

結衣「でも、このままじゃ……」

八幡「ああ、そうだな。俺の依頼は失敗してしまうかもな」

雪乃「………」

八幡「俺の頼んだ、


一色いろはに告白するためのサポートをしてくれって依頼は」


結衣「……ごめん」

八幡「だからお前らは悪くねーよ。悪いのは俺だ」

雪乃「そんなことは!」

八幡「いや、今日一色と一緒にいてつくづく思ったよ」

雪乃「………」

八幡「あいつはいつだって俺に対して真摯で真剣でまっすぐだった。いつだって斜に構えて受け流して自分勝手にしてたのは……俺だ」

結衣「でもヒッキーはいろはちゃんのために」

八幡「告白して振られたいって依頼が本当に彼女のためだと思うか?」

結衣「………」

八幡「結局、俺はあいつを傷つけたくないって言い訳して、実のところ俺が傷つきたくなかったんだ」

高級レストラン


八幡(そうだ。いつだって一色は俺と“二人で楽しもう”としてくれた)カツカツ

八幡(いつだって“周囲の目を気にして逃げてきた”のは俺の方だ)カツカツ

八幡(あいつは綺麗な生徒会長なんて望んでいなかったのに)カツカツ

八幡(あいつは完璧な生徒会長なんて望んでいなかったのに)ピタッ

八幡「一色……いや、いろは」


いろは「……先輩」スッ///


八幡「……っ///」




別席

結衣「いろはちゃんキレイ……」

雪乃「姉さんが紺色のドレスを選ぶなんて意外だわ」

陽乃「なんでだろうねー」

雪乃「……あの場所に、立ちた――」ムギュッ

陽乃「お姉さんは察しのいい妹は嫌いよ。雪乃ちゃん」ニコッ

結衣(ゆきのんのお姉さん大人だなー)

陽乃「本当は似合わない服を着せて振られれば良いって思ったのよ」

結衣(最低な人だった!!)ガーン

雪乃「由比ヶ浜さん、姉さんは照れてるだけよ」

陽乃「……男を見せる時だぞ。比企谷君」ボソッ

八幡「………」

いろは「これって、スリット入り過ぎですよねー」エヘヘ

八幡「………」

いろは「それにわたしってピンクとかの方が似合いそうだしー」モジモジ

八幡「………」

いろは「陽乃さんみたいな人の方がよか「いろは」

いろは「……っ」



八幡「きれいだ。……とても」



いろは「うぅ……///」

八幡「座ろうか」

いろは「………」コクン///

いろは「おいしー、こんなの初めて食べたかも」モグモグ

八幡「……確かに」モグモグ

いろは「先輩じゃあ一生連れて行ってくれそうにないですね」

八幡「……確かに」

いろは「あ、でもでもー、わたしは家で豪華な料理いっぱい作りますよ」

八幡「……食べてみたいな」

いろは「………頑張ります///」テレテレ


別席

陽乃「おかわり」ベロンベロン///

結衣(すごい勢いで飲んでる)

雪乃「おかわり」ポーッ///

結衣「」

いろは「ところで奉仕部に何を依頼したんですか?」

八幡「ああ、ちょっとな」

いろは「教えてください」

八幡「……告白するためのサポートだよ」

いろは「へぇ、それは自信がなかったからですか?」

八幡「ああ、そうだな。それもある」

いろは「相手が本気じゃないって思ったからですか?」

八幡「ああ、そうだな。それもある」

いろは「自分も本気じゃなかったからですか?」

八幡「それはない。絶対に」

いろは「………」

八幡「いろは……」

いろは「あ……そ、そうだ。この話はまたにしません? せっかく美味しいご飯食べてるんだし」

八幡「しない」

いろは「……です、よね」

八幡「もう……抑えられそうにない」

いろは「え……?」


八幡「大好きだ。付き合ってほしい」


いろは「………」

八幡「いや、すまん。先に言っておく。振られたくない。振らないでほしい」

いろは「そんなお願いされても、わたしは嘘つかないですよ」

八幡「……そう、だよな」

いろは「私に振られて、距離を置いて、私の“名誉”を守るのが目的じゃなかったんですか?」

八幡「……ああ、そのつもりだったよ」

いろは「じゃあなんで?」

八幡「そんなの決まってるだろ」




八幡「俺がお前を心の底から好きになったからに決まってる」



いろは「………」

八幡「………」

いろは「……先輩、わたしわがままですよ?」

八幡「ああ」

いろは「……わたし嫉妬深いですよ?」

八幡「ああ」

いろは「……さみしがり屋ですよ?」

八幡「毎日ラインする」

いろは「……毎日好きって言ってくれます?」

八幡「ああ」

いろは「会いたいって言ったら会ってくれます?」

八幡「努力する」

いろは「………」

八幡「………」

いろは「じゃあ、もう一度告白してください。ちゃんと返事しますから」

八幡「……分かった」



別席

一同「「//////」」ドキドキ

ウェイトレス(この人たち……残念美人だ……)




八幡「大好きです。俺と付き合ってください」スッ

いろは「………」ニコッ

八幡「………」ニコッ



いろは「ごめんなさい、お断りします」ニコッ



別席

結衣「ゆきのん、あたし明日から楽しみがなくなっちゃぅー」フラフラ///

雪乃「私もよ由比ヶ浜さん。あんなのでもいないと寂しいのね」ポーッ///

陽乃「お姉さんの気持ちも受け取ってぇ……」ベロンベロン///



三人「「……え?」」

翌日 教室



いろは「~~~♪」ギューッ

八幡「………」

いろは「どうしましたー? なんか元気ないですよー?」

八幡「……いや、俺って振られたんだよな」

いろは「そうですねー」

八幡「ならどうしてこんなにくっついてんの?」

いろは「えー、だって相思相愛だしー。一緒にいたいじゃないですかー」

八幡「……でも、振られたよな、俺」

いろは「はいー」

八幡「な、何で?」

いろは「聞きたいですか?」

八幡「……もちろん」


いろは「それは――」




いろは「先輩がわたしの隣に立てるくらい良い男になった時に付き合うためですよ♪」



八幡「あ、ああ……そう」

八幡(どうやら、最後の最後まで俺はいろはを見くびっていたようだ)

いろは「次の休みどこに遊びに行きますー?」

八幡「お、おう……」

八幡(一色いろはという女は予想以上に“打算的で”“妥協できて”“嫉妬深い”らしい)

八幡(俺の周りにいる女の子に対する牽制と、生徒会長としての顔、そして俺の心に鎖を打ち込むこと)

いろは「あ、でも付き合ってないのでエッチなことはないですよ?」

八幡「わかってるっちゅーに」

八幡(それらすべてを計算と天然の狭間でやってのけたのだ)

いろは「まぁでも」スッ

八幡(最初から分かっていたはずなのに……な)

いろは「先輩が頑張っていい男になったら、高校生のうちに……いいですよ///」ボソッ

八幡「………///」ドキッ

いろは「うわ、本気にしたんですか? 責任とれるんですか? キモイですよ」

八幡「……大好きだよ」ボソッ

いろは「………っ///」カァ///

八幡(これも若干計算が入ってるからあなどれない……)



 どうやら、やはり俺の青春ラブコメは間違っているようだ。



少し離れた場所。

海老名「………」ボキボキッ

戸部「やべーって! 机の脚折れるとかやべーって!」

川崎「………」ベリベリッ

葉山(フローリング剥いでる……)ゾクッ

結衣「……頭痛い」フツカヨイ



 第一部 完

いったん離れていちゃいちゃします。では!

数日後。 教室。

戸部「いやー、最近比企谷君ちょーいけてね?」

大岡「ああ、俺もそう思ってた!」

大和「うむ」

比企谷「……(何も変わってねーよ)」

葉山「いや、比企谷は最初から良い奴だったよ」

比企谷「………」ハァ…

海老名「比企谷君そんな憂い顔してたらおホモだちが心配するよー!」ドーンッ

比企谷「いや、お友達もいねー俺にそんなのいる訳ねーだろ?」

戸部「うぇ!? 俺たち友達っしょ!?」

比企谷「鮮やかすぎるほどの手のひら返しだな……」

葉山「違うよ比企谷。みんな気付いただけさ」

比企谷「………分かってるよ」

葉山「ああ、君がいろはの良いところに気づいたようにな」

比企谷「次いろはって呼んだら泣くぞ」

葉山「……そこは殴れよ。男の子だろ」

比企谷「うるせー」

間違えたw 比企谷→八幡


川崎「ひ、比企谷……」

八幡「ん?」

川崎「きょ、今日よかったら一緒にお昼食べない?」

戸部「おーーー」パチパチパチ

川崎「……あ?」ギロッ

戸部「」

八幡「……あ、ああ、別にいいけど?」

葉山「比企谷、本当に良いのか?」

八幡「……いや、誘われたから」

葉山「……川崎さん、ごめん。今日のお昼は俺と約束してるんだ」

川崎「…そう、なんだ」

八幡「?」

昼休み 屋上


八幡「で、話があんだろ?」

葉山「え? ないけど?」

八幡「ないのかよ……」

葉山「まぁ強いていうなら、うちの妹を泣かせるようなことだけはするなよ」ポン

八幡「……え?」

葉山「腹減ったから飯食いに行ってくる」ニコッ



葉山「あとはごゆっくりどうぞ」



いろは「はーい」

八幡「おわっ!?」

いろは「……先輩」

八幡「聞いてたのか?」

いろは「はい、全部ばっちりしっかりとー」

八幡「……そうか」

いろは「……はい」

いろは「いやー、生徒会の仕事って本当に地味で大変ですねー」モグモグ

八幡「だろうな」モグモグ

いろは「あ、それ自信作です」

八幡「へー、んまいな」モグモグ

いろは「でも、八幡成分があれば楽勝ですよー」

八幡「そりゃよかった」ナデナデ

いろは「わたしは先輩が誰と一緒にいようと、別にかまわないんですけどねー」

八幡「そうなのか?」

いろは「嘘に決まってるじゃないですか? 馬鹿なんですか?」

八幡「……すまん」

いろは「うーむ、これは少し束縛する必要がありますねー」

八幡「うっ……管理するのか?」

いろは「あーそれもいいですけどー」

八幡「?」

いろは「束縛するのって、不安だからだと思いません?」

八幡「ああ、そうだな」

いろは「だから、わたしは束縛されたくもないししたくもないですよー」

八幡「じゃあどうするんだ?」

いろは「それはもちろん決まってるじゃないですかー」

八幡「?」


いろは「もっともーっと私のことを好きになってもらうんですよ」ニコッ

八幡「え?」

いろは「………」スッ

八幡「……えっ」

いろは「///」チュッ

八幡「え……」

いろは「……もっと好きですか?」

八幡「……ああ」コクリ

いろは「えへへぇ///」

八幡「くそ、俺って盲目なんだぞ」

いろは「あー、やっぱ濁った目ですしねー」

八幡「物理的な話じゃねーよ。精神的にだよ」

いろは「わかってますよ」ナデナデ

八幡(小町に抱く感情に近いものの、性欲が混じる……これって恋というより――)




八幡「……愛?」



いろは「ふぁぇ!?」ドキッ///

八幡「いや、初めての感情だから分かんねーけど」

いろは「は、はいっ///」ドキドキ

八幡「俺いろはのこと愛してるみてーだ」

いろは「ふぁい///」

八幡「だから付き合「ごめんなさいお断りします」

八幡「………」

いろは「………」ニコニコ

八幡「……はぁ」

いろは「大好きですよ。先輩♪」ギューッ

おやすみなさい。

冬 奉仕部

八幡「はぁー、寒いなぁ」

雪乃「ええ、そうね」

結衣「だね」

三人「………」

八幡(部活動とはいえ生徒だけの空き教室にストーブを置くことができなかった俺たちは、会話もままならぬほど凍えていた)

八幡「な、なぁ、冬は奉仕部休部でいいんじゃねぇか?」

結衣「そんな水泳部みたいな!?」

雪乃「駄目よ。それでは寒さに負けたみたいじゃない」カチカチカチ

八幡「顎震えすぎだろ。生まれたての子羊かよ」

雪乃「あ、あなたに生まれたての部分……」ハァ…

八幡「いや例え悪態でも最後まで吐いてくれよ。気になるだろ」

結衣「でも、これじゃあ本当に風邪ひいちゃうよね……」

三人「「………」」



いろは「じゃーん♪ お悩みですかー?」



三人「「………」」

いろは「先輩先輩、このマフラー可愛くないですか?」

八幡「あ、ああ……」

いろは「結衣先輩! やっはろーです」

結衣「や、やは……」

いろは「………」

雪乃「………」ガチガチガチ

いろは「………」

別の教室


八幡「はわぁ……幸せだぁ」ジンワリ

結衣「あったかい///」

雪乃「文明の勝利ね」ファサッ

いろは「誰のおかげですかー?」


三人「「生徒会長様のおかげです」」


いろは「えへん♪」

八幡「でも、良いのかよ。これじゃあ職権乱用だぞ」

いろは「もちろん、そんな世の中そんな上手く回る訳ないじゃないですかー」

結衣「えっ?」

雪乃「………」

いろは「あ、でもでもー、そんな変なことじゃないですよー?」

八幡「?」

いろは「毎年恒例のクリスマス会なんですけどぉ」

結衣「あー楽しみだねぇ」

雪乃「そうかしら?」

八幡「………え?」

いろは「あ」

結衣「あ」

雪乃「……可哀想な人」

八幡「え、え?」オロオロ

いろは「まぁわたしは聞いただけなんですけど、ここのクリスマス会はちょっと変わってましてー」

結衣「基本自由参加なんだけど、参加するためには合い言葉がいるの!」

雪乃「女子と男子それぞれ別々の言葉を教えられるらしいわ」

八幡「それって……なんか“おもちもちもち”とかいうやつか?」

結衣「そうそう! 女の子は“雪見大福”だったよねぇ」

雪乃「ええ、城廻先輩らしいわ」

八幡「あれって餅を食べてのんびり正月を過ごしましょうってことかと思ってた……」

結衣「たぶん生徒会の人が休憩時間伝えに来た時にヒッキーいなかったんだね」

八幡「べ、別にどっちみち参加できねーし、気にしてないもんね」

女子三人((うわー、めんどくさい人ー……))


いろは「それで、今年も開きたいんですが」


雪乃「私たちにそれの手伝いをしろってことね」

いろは「あ、はい。もちろんそれもあるんですが……」

八幡「それ以上まだ働かせるのか?」

いろは「……できれば、全員参加してほしいなって」

結衣「………」

雪乃「つまり、文化祭のような状態にしたいってこと?」

いろは「そうですねー。でもでも、用事がある人たちを無理に参加させるんじゃなくてー、参加できる人は自然と参加したいなーってなるようにしたいなーって」

八幡「……そりゃ無理だろ」

結衣「ヒッキー?」

八幡「モテない男子の被害妄想たるや、相当だぞ? 誰が好き好んでリア充がきゃっきゃうふふしてるところを眺めなきゃいけねーんだよ」

いろは「で、でもー」

八幡「大体がクリスマスやバレンタインなんてそれに付随する産業が儲けたいために煽りたくってるだけじゃねぇか。仮にも進学校の人間がホイホイとそれに乗っかるなんて恥ずかしくないんですかねぇ」

結衣「うわ」

雪乃「あなた……」

いろは「………」

八幡「なんと思われようと、本心なんだよ」

いろは「でも、わたしは先輩とそういうイベント楽しみたいですよ?」

八幡「そうだな。少し頑張ってみるか」

結衣「」

雪乃「」

いろは「えへへー、大好きー」ギューッ

結衣「」ゴフッ

雪乃「」ゴフッ

雪乃「ところで去年のクリスマス会の参加者はおおよそどれくらいだったのかしら?」

結衣「え、ゆきのんも参加したんじゃないの?」

雪乃「いえ、私は参加してないわ」

八幡「へっ、どうせ誰も誘って――」

雪乃「知り合いでもない男性にいくら誘われたって、行く訳がないじゃない」

八幡「……さいですか」

雪乃「で、でも今年はあなたが誘ってくれるというのなら――」モジモジ

八幡「いや全員参加にするんだろ?」

雪乃「え、ええ、そうね。そのとおりだわ」

結衣「去年はあんまり多くなかったよね」

いろは「というより、最初から人数は期待してなかったみたいですねー」

八幡「というと?」

雪乃「部活動の問題ね」

いろは「そうなんですよー。部活動でイベントしたり、練習したり、試合があったりで、実質帰宅部しか参加しないんですよねー」

八幡「まぁ、無駄なイベントに参加するくらいなら練習するわな」

雪乃「それに収容スペースの問題もあるわ」

八幡「どこでやったんだ?」

結衣「体育館だよ。そこに机並べてオードブル形式で立食パーティするの! 楽しかったなぁ///」ウヘヘ

八幡「そりゃよかったな」

八幡「なんか話聞いてると去年と同じが一番無難なんじゃないかと思えてきた」

雪乃「そうね。範囲を広げればそれだけ管理も難しくなるし不平不満も出てくる」

結衣「だね。去年でさえ飯がマズイとかつまんないとかブーブー言ってる人いたし……優美子とか」

八幡「言いそうだな……」

いろは「……そうですよね。現実的じゃないですよねー」ハァ

雪乃「あなたはどうして全員に参加してほしいのかしら?」

いろは「……だって、


一人きりのクリスマスなんて寂しいじゃないですかー」エヘヘ


八幡「………」ドキッ

結衣「いろはちゃん……」

雪乃「そう……」

いろは「ね、ダーリン♪」ポンッ

八幡「俺は小町と過ごしたからひ、1人じゃないもんね」

八幡(実際は小町はクリスマス会から帰った後だが……)

結衣「うわ、ヒッキーの心の嘆きが見えてきそう」

雪乃「実際、小町さんは楽しんでたんでしょうね。友達とのクリスマス会」

八幡「……鬼かお前ら…」

雪乃「でもそうなると、色々と考えなくちゃいけないわね」

結衣「そうだねー。場所とかも全然足んないし」

雪乃「そもそも参加者の管理方法を見直さないと」

いろは「有志とか必要ですかねー」

八幡「お前ら……根本的に間違ってると思うぞ」


女子三人「「えっ?」」


八幡「まぁ俺に任せろ。プランは明日提出してやる」

女子三人「………」ジトーッ

八幡「そ、そろそろ信頼してくれよ少しは……」

いろは「冗談ですよー。先輩に任せれば安心です♪」

結衣「だね」

雪乃「今回に限って言えば汚い手は使えそうにないし」

八幡(やっぱ家でテレビ見てようかな……)

帰り道


いろは「えへへ、共有マフラーですよ先輩」

八幡「間を世紀末モヒカン男が通ったらどうする気だよ。首グエッってなるぞ」

いろは「そんなの起こる訳ないじゃないですか。馬鹿なんですか?」

八幡「……最近お前の罵倒が少し気持ちいいよ」

いろは「愛ゆえにですね♪」

八幡「世紀末繋がり、か」

いろは「それで、どういう作戦で行くんですか?」

八幡「ああ、それなんだが、色画用紙たくさん買っていいか?」

いろは「あ、はい。それくらいなら……」

八幡「後は大きな棒だな。それは後から考えればいいか」ブツブツ

いろは「………」ポーッ///

八幡「……ん?」

いろは「あの……先輩」

八幡「どうした?」

いろは「もし、もしですよ。クリスマス会が成功したら……」

八幡「……?」



いろは「うー……やっぱりまた言います!」ダッ



八幡「ちょ、走り出すなバカ!」

二人「「グエッ」」ドサッ

比企谷家

八幡「あー、寒かったぁ」

小町「うわ、オヤジ臭いよおにぃちゃん」

八幡「頼むから反抗期だけは来るなよ愛する妹よ」

小町「思春期ならいいの? ハチ君///」ジーッ

八幡「……あほか」ポカッ

小町「えへへ、妹だけど愛さえあれば関係ないんだよ?」

八幡「それを親の前で言ってこい」

小町「無理に決まってんじゃん。末代までの恥だよ」

八幡「いや、言った時点で倫理的に末代だぞ」

小町「ほえー、おにぃちゃんってほんとそういうところだけ頭回るよねー」

八幡「日ごろから考える時間だけ無駄にあるからな」

小町「でも、最近はないんじゃない?」

八幡「え?」

小町「………」ニヤニヤ

小町「うぇええ!? 付き合ってないの!?」

八幡「ああ、振られたんだ」

小町「待って待って待って、超意味分かんないんだけど」

八幡「色々あんだろ。女の子にはよ」

小町「うわー、絶対理解してない癖になんか言ってるしー」ジトーッ

八幡「実際、立場的にまずいだろ。生徒会長と最底辺の男が付き合ったら」

小町「は?」ギロッ

八幡「」

小町「……なるほど、ということはおにぃちゃんは真剣に告白したと」

八幡「はい……(ふぇぇ、妹怖いよぉ)」

小町「あー、それはあれだね。愛ゆえに、だね」

八幡「流行ってんのか?」

小町「おにぃちゃんはそのいろはさんの為に頑張らなくちゃだね」

八幡「何をだよ」

小町「全部に決まってるじゃん。何か一つでも他人に誇れることあるの?」

八幡「今日の妹酷い!!」

小町「だって、なんかおにぃちゃんが本当の本当に離れた感じがして、寂しいんだもん」グスッ

八幡「小町……」

小町「ねぇ、お兄ちゃんはずっと小町のお兄ちゃん?」

八幡「当たり前だろ。転生すんのかよ俺」

小町「ずっと大好き?」

八幡「ああ、ずっと大好きだ」

小町「えへへ、じゃあ良いこと教えたげる!」

八幡「?」

小町「耳貸して」

八幡「……?」

小町「あのね――」

数日後、教室


結衣「それじゃあ、三日後に回収するんでそれまでに書いておいてください!」

三浦「隼人何書くー? あーしは……///」

葉山「んー、そうだなぁ。大会で優勝できるように、かな」

三浦「……もうっ///」

戸部「もちろん俺は!!」

大岡「漫才師になる、だよな」

大和「うむ」

戸部「おいおいおーい! 誰が漫才師やねん!」

皆「「あはははは!」」


八幡「………」

戸塚「八幡」

八幡「ん?」

戸塚「これ考えたの、八幡なんだよね」

八幡「あ、ああ」

戸塚「……あ、あのね…」モジモジ///

八幡「?」

戸塚「ちょっと屋上まで来て!」グイッ

八幡「???」

屋上


八幡「………?」

戸塚「ここなら言えるかな……」

八幡(ま、まさか……こく…)ゴクリ

戸塚「八幡、ありがとう」ペコリ

八幡「え?」

戸塚「うちのテニス部弱いけど、クリスマス会の日は試合が重なっちゃったんだ」

八幡「………」

戸塚「でも、皆と楽しい思い出作りたかったし、すこし寂しかったから」

八幡「そうか……」

戸塚「だから、これはすごく……好きかも」

八幡「お、おう///」ドキッ

戸塚「あー、なんて書こうかな///」

八幡(俺と結婚したいなんてどうだ?)

戸塚「八幡とずーーっと一緒ってどうかな!」

八幡「えっ!?」ビクッ///

戸塚「あ、え、えっと、友達として……だよね?」

八幡「お、おう……(なぜ疑問形…)」ドキドキ

後日、体育館ステージ

結衣「ひゃー、すごいねぇ」

雪乃「あなたにしてはとても素晴らしい考えだと思うわ」

八幡「そりゃどうも」

平塚「ああ、本当にこれは……良いな」


【生徒たちの想い願いが書かれた紙でできたツリー】


結衣「想いでできたクリスマスツリー……か」

雪乃「……悔しいけれど、奉仕部として最高の働きをしたと思うわ」

八幡「じゃ、じゃあ……」

雪乃「あら、勝負は別の話よ。決着がつくほどの差じゃないわ」

八幡「さいですか……」

平塚「………」ツーッ

三人「「な、泣いてる!?」」

平塚「!! あ、いや、その、昔を思い出して、な」

八幡「昔? 30年まごふぁ!」ドゴォッ

平塚「ほんの数年前だ」メリメリ

結衣「ヒッキーのバカ……」ハァ

体育館裏


平塚「……ふっ、生徒たちの前で泣くとは私もまだまだだな」

平塚「だが……、嬉しいよ比企谷。君があんな風に他人にも自分にも優しい答えが出せるなんてな」

平塚「……少し、惚れそうだったよ」テクテクテク


いろは「………///」

いろは(先輩が誉められたことが……すごくうれしい…)ドキドキ

いろは「わたしも……頑張らなくちゃ…」

クリスマス会前夜


八幡「いよいよだな」

結衣「でも、参加自由ってだけじゃ誰も来ないんじゃ……」

雪乃「気にすることはないわ。あれがあるもの」

結衣「ゆきのん……」

雪乃「///」ポーッ

結衣(ゆきのんがヒッキーの演出にメロメロになってる……)


いろは「せーんぱい♪」ギューッ


八幡「お、おう……大丈夫か?」

いろは「へ!?」

八幡「なんかいつもより元気がないような……」

いろは「あ、えーっと……そんなことないですよー?」エヘヘ

八幡「……?」

結衣「えっ!? ゆきのんのお姉さんがスポンサーしてくれるの!?」

いろは「えへへー、そうなんですよー。料理とか演出とか超豪華なんですよー」

雪乃「絶対本人も来るわね」

八幡「ボッチだからな」

結衣「ボッチだもんね」

いろは「あ、じゃあわたしはやることがあるんで」タタタッ

八幡「お、おう……」

雪乃「何を寂しそうな顔してるの? 女々しいわね」

結衣「ヒッキーのエッチ」

八幡「女々しいは百歩譲るとしてエッチってなんだエッチって」

八幡(あいつ……寝てないのか?)

生徒会室


いろは「……後50人分…」カチャカチャ

いろは(眠いなー……)フラフラ

いろは「少しだけ……仮眠を…」





八幡「……失礼します」

八幡「……いろは?」

いろは「………」スゥスゥ

八幡「………」

八幡(こんなところで無防備に寝るなよ。心配になるだろ……)

いろは「………」スゥスゥ

八幡「………」ジーッ

いろは「………」スゥスゥ

八幡「………」ナデナデ

いろは「………」ニヘラ

八幡(可愛い……)ナデナデ



八幡「……もう少し寝かしといて……ん?」

八幡(これはアドレス…?)

いろは「……むにゃ…今何時……!!」

いろは「ね、寝過ぎちゃ……え?」


八幡「……よぉ」カチャカチャ


いろは「な、何で先輩がここに……」

八幡「まぁ……ちょっとな」

いろは「不法侵入で死刑です」

八幡「重罪だな」

いろは「わたしの寝顔を見るなんて重罪です」

八幡「いびきかいてたぞ」

いろは「ひゃぁ!?」ビクッ

八幡「嘘だよ」

いろは「……むぅ」

八幡「後10人分でいいのか?」

いろは「え、あれ? なんで……」

八幡「ああ、これやってたから疲れてたんだろ?」

いろは「つ、疲れてなんか……」

八幡「はいはい」ポンポン

八幡「いやしかし、やってみるとこれすげー大変だな」

いろは「名前とか分からないのがあると調べないといけないですし」

八幡「……相談しろよ」

いろは「ごめんなさい……」

八幡「でも、すごく良いと思うぜ」

いろは「……先輩がすごいこと考え付くから」

八幡「ああ、まぁ俺は天才だからな」

いろは「変態?」

八幡「間違いではない」

いろは「コーヒー飲みます?」

八幡「頼む」

いろは「………」コポコポ

いろは(先輩ってほんとずるい……)

いろは「………」マゼマゼ

いろは(……関節キス攻撃だー)コクコク

いろは「……どうぞ」コト///

八幡「ん」スッ

いろは「………///」ドキドキ

八幡「美味しいな。マックスコーヒー並みだ」

いろは「えぇ!? そこはわたしの勝ちにしてくださいよー」

八幡「いいや、それは駄目だ。俺の人生とマックスコーヒーの癒着はそうそうはがれないからな」

いろは「……でも、一緒くらいなんだ」ギュッ

八幡「……まぁ、な」

いろは「………」ギューッ///

八幡「できたぞ」ターンッ

いろは「わーい」

クリスマス会当日。


いろは「皆クリスマスしてるかー!?」

参加者「「おーーーっ!!」」

結衣「今日の主役はー!?」

参加者「「サンタさん!!」」

雪乃「ど、どうせいるなら、楽しまなきゃ……///」

参加者「「トナカイに怒られるーーー!!」」



八幡「あいつら、ドレス似合いすぎだろ。アイドルかよ」

海老名「ぐふふ、隼人君のスーツ見たかったんでしょ?」

八幡「あ、あー、それはないなぁ」

三浦「はぁ、隼人のいないクリスマス会なんて……」

八幡「なぁ三浦「あ?」三浦さん」

三浦「なんだし」

八幡「三浦さんが本当に葉山の事を好きなら、後何十年一緒にいるんだ?」

三浦「……80年くらい?」

八幡「その内の70年くらいが夫婦として寄り添ってクリスマスを過ごす訳だ」

三浦「うん」

八幡「じゃあ、一度くらいさ、


葉山の事を遠くから想うクリスマスがあっても良いんじゃないか?」


三浦「……ヒキオ…」

海老名・雪乃・川崎・結衣「「/////」」ポーッ

平塚(これがクリスマス効果……恐ろしい)ドキドキ

結衣「でも結局100人もいないね」

雪乃「そうね。逆にこれくらいの方がすっきりして良いかもしれないわ」

結衣「でも、少し寂しいね」

八幡「……まぁ、その辺は我らが生徒会長様がなんとかしてくれるだろ」

二人「えっ?」

八幡「6時か……お前らケータイは持ってきたか?」

結衣「う、うん」

雪乃「どうかしたのかしら?」


<着信音


結衣「メール……え?」


FROM 生徒会
題名 由比ヶ浜結衣様
内容 いかがお過ごしでしょうか?
   もし少しでもお時間があるのなら、6時10分に【URL】を開いてください。
   生徒会より


雪乃「全員の名前を打ち込んだというの?」

八幡「ああ……」

結衣「すごい……」グスッ

八幡「泣くのは少しはえーだろ」



いろは「みなさーん♪ ここで協力してほしいことがあります!」



参加者「??」ザワザワ

いろは「陽乃さん! お願いします!」

陽乃「はーい♪ スタンバイして!」

カメラマン「はい!」タタタッ



参加者「え、え?」ザワザワ



結衣「これは?」オロオロ

雪乃「………」

いろは「先輩たちは先頭でお願いします」

八幡「………」

いろは「もちろん先輩もね」

八幡「は、マジ?」

いろは「マジです♪」

八幡「……マジか…」

サッカー部

戸部「うぇええ!? ようつべに皆が映ってるべぇ!?」

葉山「へぇ、そういうことか」

戸部「て、てか海老名さんちょー綺麗じゃね!? うわーっ、行くべきだったわー」

葉山「優美子……」

『クリスマスソング、聞いてください』

戸部「え、マジ? 歌うの? 歌っちゃうの!?」

葉山「皆集合!」

部員「おす!!」タタタッ

葉山「サッカー部の団結力を見せつけるぞ」

戸部「うぇええい!!」

一同「「~~~♪」」

八幡(うわー、すぐに消すとは言え、ようつべに俺らが映ってるー)

陽乃「あ、これにこにこにも連動してるから、メッセージが流れるわよ」

一同「!!」


 がんばれー!   皆綺麗だぞー!―――  
     行けば良かったー!―――
 最高!!      来年は絶対参加するぞー!――
         メリークリスマース!―――
  海老名さん見てるよー!―――








いろは「えー、みなさん。今日はいかがでしたでしょうか?」

参加者「最高!」

いろは「ありがとー」

参加者<あはは!

いろは「新任当初から、一年の癖にとか頼りないとか言われてきたわたしですが、みなさんの協力のおかげで最高のクリスマス会になったと思います」

参加者「………」ウンウン

いろは「わたしはまだまだこれからも努力を続けていかなければいけない立場にあるのは分かっていますが」

参加者「……?」ザワ

いろは「今日は、クリスマスということで、一つだけわがままを許してください」

参加者「がんばれー!」

いろは「……比企谷先輩…」

八幡「………は?」

八幡(ま、まじ……?)オロオロ


結衣「ほらヒッキー」グイグイ

八幡「いや、でも……」

雪乃「ここで行かなかったら、奉仕部退部させるわよ」

八幡「………」



八幡「……分かったよ」ハァ…



いろは「……先輩…」

八幡「………」

参加者<がんばれー

いろは「選挙の時から、ずっとわたしを支えてくれてありがとうございます」

八幡「………」

いろは「それからいっぱい甘えて、わがまま言ってごめんなさい」

八幡「………」

いろは「それから……それから…」ポロポロ

八幡「いろは……」




いろは「大好きなのに、付き合えないって言ってごめんなざい……」ギューッ



八幡「お、おおふ……」

八幡(こ、公開処刑か……?)

いろは「これからもずっと仲良くしてください」ギューッ

八幡「お、おう」

いろは「いっぱい甘えさせてください」

八幡「お、おう」

いろは「いっぱいわがまま言わせてください」

八幡「おう」

いろは「いっぱい悪口言わせてください」

八幡「……おう」



いろは「わたしと……付き合ってください」



八幡「……おう」ギューッ



参加者<わーーーーーっ!!

結衣「ゆきのぉぉん」グスッ

雪乃「ゆいゆいぃぃぃぃ」ギューッ

海老名「な……なんてこと…」ガクッ

川崎「あれぇ……?」

三浦「あーしも隼人と……」

三学期。

八幡「え、何で俺が清掃活動を?」

いろは「わたしの彼氏なんですから、当たり前じゃないですかー」アハハ

八幡「世界の常識みたいな口調で言うなし……」

結衣「あ、ヒッキーいろはちゃんやっはろー」

雪乃「朝から見せつけてくれるわね」

いろは「先輩達も仲良いですね♪」

結衣「あ、う、うん///」

雪乃「何を照れているの?」グイッ

八幡(え、まさかのゆきゆい?)

三浦「隼人ぉ、好きー」

葉山「俺もだよ、優美子」

八幡「……うぜぇ」

いろは「さ、後少しですよ♪ がんばりましょー」

八幡「へいへい……」

いろは「もし頑張ってくれたら」スッ

八幡「?」


いろは「ちょっぴりいちゃいちゃしましょうね? 八幡♪」ボソッ///


八幡「……っ///」

八幡(こうやっていつもいつも俺を手玉にとりやがって……)

八幡「……でもまぁ、こういうのも……悪くないな」


いろは「せんぱーい! 蛇出たんで手で捕まえてくださーい!」


八幡「……やっぱあなどれねぇわ」

いろは「えへへ、先輩大好き!」


第二部 完


八巻まで読んだ記念でした。読んでいただきありがとうございました。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年10月19日 (日) 19:13:12   ID: dpkM8lrn

いろはすかわいい〜
期待!

2 :  SS好きの774さん   2014年10月21日 (火) 17:36:24   ID: iqIOWiKb

めっちゃ面白かった!
乙乙!

3 :  SS好きの774さん   2014年10月21日 (火) 18:16:50   ID: owSwLuYT

え、終わり?嘘でしょ続けてよ

4 :  SS好きの774さん   2014年10月21日 (火) 22:05:50   ID: nv7MHWx1

キャラ崩壊してんなと思ったら
やっぱり八股だった
もう書くのやめねーかな

5 :  SS好きの774さん   2014年10月22日 (水) 03:25:14   ID: UjhqpraA

キャラちげーよな

6 :  SS好きの774さん   2014年10月23日 (木) 06:19:30   ID: mGPb9l-C

お前らほんと八股嫌いだなww

7 :  SS好きの774さん   2014年10月24日 (金) 11:07:52   ID: TwAfapiy

ちょちょいのいろはすまで読んだ

キャラ違いすぎて吐きそうなのが他にもいて良かったぜww

8 :  SS好きの774さん   2014年10月27日 (月) 00:01:58   ID: cefvyMIO

面白いね!

9 :  SS好きの774さん   2014年10月27日 (月) 16:19:44   ID: QTzaXXRz

吐くぐらい嫌いなら見るなよ

10 :  SS好きの774さん   2014年11月12日 (水) 17:59:20   ID: PdsIPW_6

嫌になるくらいなのに見るとかw

しかもコメントに残すとかw
だったらお前らが書けばいいのにww

11 :  SS好きの774さん   2014年12月04日 (木) 16:49:55   ID: pHgofxOo

原作いろはすは嫌いだけど、こっちのいろはすは好き

12 :  SS好きの774さん   2015年04月09日 (木) 00:34:30   ID: Ie2dkfSj

俺もこっちが好きだな

13 :  SS好きの774さん   2015年08月25日 (火) 21:13:24   ID: 2m7ecu0R

キャラ崩壊には多少なり受け入れられる寛容さを持ってるつもりだったが、これは酷な、そもそも過剰なキャラ崩壊のなにが悪いってその作品でやる必要性とキャラの魅力を無くす事だと思う(魅力に関しては人それぞれだけど、それに起因する性格の限度は推し量って欲しい)

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