星奈「手探りで電車に乗る」 (236)

理科「遊園地、ですか?」

小鷹「今度みんなで行こうと思うんだけど」

小鷹「どうせみんな暇だろ?」

理科「理科は暇ですけど、どこの遊園地ですか?」

小鷹「横浜の八景島ってとこなんだが」

夜空「八景島か……この間トモちゃんと行ったぞ」

小鷹「さいですか」

夜空「しかし八景島は駐車場が狭いぞ?大丈夫か?」

理科「混んでると5時間くらい待たされるって聞きました」

小鷹「電車で行けばいいだろ。7人だし」

夜空「そうだな、そうしよう」

理科「じゃあ遠夜駅集合でいいですか?」

夜空「分かった」

幸村「りょうかいしました」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1413553732

星奈「」プルプル

夜空「……どうした、肉」

星奈「……」

小鷹「もしかして電車乗ったことないのか?」

星奈「」ギクッ

夜空「そうか電車などという低俗な庶民の乗り物は乗ったことがないか」

星奈「あんな大人数で同じ空間に立つなんてありえないわ」

夜空「では電車でしか行かれない八景島は低俗な庶民の遊び場ということになるな」

星奈「……」

夜空「どうやら肉は低俗な庶民の遊び場に興味は無いようなので」

理科「6人で行きましょうか」

小鷹「そうするか」

星奈「私も行かせて下さいお願いします!」

小鷹「結局行きたいんだな」

理科「夜空先輩、どうしますか?」

夜空「……」

夜空「よし、こうしよう」

夜空「貴様は今から東京へ行って電車に乗ってこい」

夜空「無事に目的地に到着することができたら、貴様も連れていってやる」

星奈「え?今からってどういう」

黒服「」

星奈「ん?」

黒服「」ホールドオン!

星奈「いやっ離しなさい!」

小鷹「夜空、こいつら誰だ?」

夜空「こんなこともあるかと思って連れてきておいた」

小鷹「と言いつつ最初から計画通り」

夜空「よく分かったな」

黒服「」ホールドオン

星奈「いやああああああっ」

夜空「そのまま東京まで連れていけ」

星奈「……ん」

<起きたか>

星奈「……夜空?どこ?」

<私は談話室にいる。この声は貴様の脳内に直接届けているものだ>

星奈「何言ってるのよ」

<我々には『機関』と<企業>と<協会>と情報統合思念体と月読神社が付いているからな>

星奈「だから何言ってるの?」

<まず現在地を確認しろ>

星奈「現在地も何も分からないわよ」

星奈「気がついたら気を失ってて、起きたらここにいたのよ」

<情報統合思念体特製の睡眠薬は効いたか?>

星奈「だから情報統合思念体って何?」

<とにかく貴様は現在地を確認して報告しろ>

星奈「うるさいわね……」

<貴様の後ろに大きい看板があるだろう>

星奈「後ろに大きい看板……」

星奈「……信濃町駅?」

<そうだ、それが現在地だ>

<今から貴様には、私が指定する駅に電車で移動してもらう>

<ステージは全部で……何個にするかはまだ決めていない>

<無事にクリアしたら、八景島に連れていってやる>

<失敗したら、そのときは覚悟しておけ>

星奈「なんか怖いんですけど……」

<貴様が使えるのは、左ポケットに入った路線図と財布だ>

<携帯電話は取り上げておいた>

<人に聞くのは当然無しだ、貴様に話し掛けられても気付かないように『改変』しておいた>

星奈「かいへん?」

<『改変』の説明は後だ>

星奈「とにかく私は誰も頼れないってことね」

<当然だ。これは貴様に課した試練だからな>

<では最初のステージを発表する>

<最初の目的地は、『代々木』だ>

星奈「代々木?」

<場所や行き方は自分で調べろ>

<当然だが鉄道で行くこと。歩いていくのは認めない>

星奈「分かったわよ!代々木に行けばいいんでしょ!」

<健闘を祈る>

今回はここまで

薄々気づいている方もいると思いますが、
このスレは手探りシリーズの第3弾です。

第1弾 ハルヒ「手探りで麻雀を覚える」

第2弾 ハルヒ「手探りで野球を覚える」
ハルヒ「手探りで野球を覚える」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1367299601/)

新第2弾 ハルヒ「手探りで」くりむ「野球を」小鷹「覚える」
ハルヒ「手探りで」くりむ「野球を」小鷹「覚える」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1391062647/)

【談話室】

マリア「そのマイクは何なのだ?」

夜空「ここに声を吹き込むと肉の脳内に届くようになっている」

小鷹「よくそんなの作れたな」

夜空「FLT特製だ」

マリア「FLTって何なのだ」

理科「FLTですか……あそこの人たちには一度会ってみたいです」

夜空「今度紹介しておこう」

理科「そっちのモニターとスピーカーもFLTですか?」

夜空「機械自体はFLTだな」

夜空「監視システムは<協会>のものを使用している」

理科「もしかしてこの路線図も公安から貰ったものだったりして」

夜空「それは私がネットで見つけてきたものだ」

理科「そうでしたか、残念です」

夜空「路線図くらいどれも一緒だろう」

小鷹「さっきからついていけないの俺だけか……?」

幸村「大丈夫です。わたくしもついていけません」

マリア「私もついていけないぞ!」

マリア「それで、信濃町ってどこなのだ?」

夜空「ここだ」

マリア「代々木は?」

理科「ここです」

小鷹「すっごい簡単じゃねーか……」

夜空「すっごい簡単だな。普通なら」

幸村「ですが星奈のあねごは今まで電車に乗ったことがありませんゆえ」

小鷹「だとしてもこのレベルで苦戦するか?」

夜空「電車というものに縁のなかった者が切符というものの存在を知っているかどうか」

小鷹「さすがに知ってるだろ……」

夜空「いや、それ以前に駅というものを知らない可能性も」

小鷹「絶対に無い」





   1st STAGE

 信 濃 町 → 代 々 木


千駄ヶ谷寄り、線路北側の道路


星奈「あ、電車来た」ノシ

快速高尾「」

星奈「……」ノシ

星奈「……行っちゃった」

星奈「見えてないのかな……」

星奈「……」ノシ

快速八王子「」

星奈「おーい」ノシ

快速八王子「」

星奈「……」

星奈「……線路の反対側だから?」

快速東京「」

星奈「応答しなさい!!」ノシ

快速東京「」

星奈「」

各停千葉「」

星奈「……」ノシ

各停千葉「」

星奈「何かおかしいわね……」ノシ

星奈「電車って線路脇で手挙げてたら停まるんじゃないの?」

各停中野「」

星奈「……」ノシ

各停中野「」

星奈「……」

【談話室】

小鷹「あいつは何をやってるんだ?」

夜空「さあ」

小鷹「何か変なこと吹き込んでないだろうな」

夜空「吹き込んでないぞ」

理科「バスと勘違いしてるんじゃないでしょうか?」

夜空「あそこの道路にバスは走ってない」

幸村「おそらく駅やホームという施設を知らないのでしょう」

小鷹「それはさすがに無い……いやどうだ?1回も乗ったことないって言ってたし……」

今回はここまでです

多分興味ないと思うけど作中で出てきたパロディネタは
情報統合思念体、『機関』→「涼宮ハルヒの憂鬱」
<企業>→「生徒会の一存」
<協会>→「レンタルマギカ」
公安、FLT→「魔法科高校の劣等生」
月読神社→「ささみさん@がんばらない」

>>18星奈「応答しなさい!」→星奈「止まりなさい!」

これを書いていたときの俺は何を考えていたんだろう……

星奈「あれ?なんか止まってるわね」

各停千葉「」プシューッ

星奈「あそこに止まるのね」

星奈「私何やってたんだろ……」

星奈「……」

各停千葉「」

星奈「どうやって行けばいいの?」

星奈「線路横断は無理ね……柵が立ってる」

星奈「ん?なんか歩道橋みたいのがある?」

星奈「ちょっと行ってみる」

星奈「信濃町駅……ってこれさっきのとこじゃん!!」

<星奈先輩>

星奈「理科?」

<まさかこのレベルだとは思いませんでした……>

星奈「ああそう……」

<隣人部一同呆れてます……>

星奈「ごめんね……失望しちゃった?」

<当然だ。失望しない奴があるか>

星奈「夜空は勝手に失望しててください」

今回はここまで

星奈「というわけで、信濃町駅の歩道橋(※コンコースのこと)にやって来ました」

星奈「多分あの階段を下りればさっきの島みたいなとこに行けると思うんだけど」

星奈「なんか手前にゲートみたいのがある……」

星奈「……」

星奈「……とりあえず行ってみまし

ピーン ポーン
乗車券を入れてください

星奈「……」

星奈「乗車券?何それおいしいの?」

星奈「……」

星奈「ん?あの左端のとこ……」

星奈「ゲートが無いみたいね」

星奈「もしかしてあそこから行けばいいんじゃない?」

※信濃町駅は左端に有人改札があります

星奈「すいませーん通りまーす」

<そこまで!>

星奈「はpjまxpawにひmtこやmud」ビリビリビリビリ

<起きたか>

星奈「夜空……いきなり電気流さないでよ……」

<貴様が不正乗車などするからだ>

星奈「え?私まだ電車乗ってないわよ?」

<乗らなくても不正乗車だ>

星奈「……」

<そもそも貴様は電車に乗るのに金がかかるということを知っているのか?>

星奈「……え?そうなの?」

<……>

星奈「……」

今回はここまで

【談話室】

小鷹「そう来たか……」

夜空「切符の存在を知らないのは予想していたが」

理科「まさか有料であることを知らなかったとは……」

小鷹「どうする?」

夜空「このまま続行だ」

幸村「無事にゴールできるのでしょうか……」

夜空「とりあえず時間の巻き戻しについては許可を取っておいたから」

夜空「どれだけ時間がかかっても大丈夫だ」

小鷹「許可って誰に」

夜空「朝比奈」

夜空「正確には朝比奈経由でその上司に許可を取った」

小鷹「朝比奈って誰だ」

1レス投下です

信濃町駅構内図
http://www.jreast.co.jp/estation/stations/798.html

星奈「乗車券を入れて下さいって言ってたわね……」

星奈「とりあえずその乗車券とやらを買えばいいと思うんだけど……」

※左側に「きっぷうりば」があります

星奈「どこで売ってるんだろう……」

【談話室】

小鷹「一応確認だが」

小鷹「乗車券ときっぷって一緒だよな?」

理科「厳密に言えば違いますね」

夜空「きっぷには乗車券のほかに特急券とかグリーン券とかもあるからな」

理科「乗車券、特急券、急行券、寝台券、グリーン券、指定席券、乗車整理券、ライナー券ですね」

小鷹「そういやそんなのもあったな」

夜空「あいつは『きっぷうりば』で『乗車券』が買えるということに気付いているのだろうか?」

小鷹「言葉のトリックというか何というかそんな感じだな」

信濃町駅 きっぷうりば

星奈「ここしか無いのよね……窓口も駄目だったし」

星奈「この機械にお金を入れて……」

星奈「……いくら入れればいいんだろ」

星奈「……とりあえず、このくらいで様子を見ましょう」

投入金額 32円

星奈「……2円出てきたんですけど」

星奈「もう1回!」

投入金額 62円

星奈「……」

星奈「やっぱり2円出てきた……」

星奈「まさかとは思うけど、1円玉非対応?」

投入金額 90円

星奈「……」

星奈「……このくらいでどうかしら」

投入金額 150円

星奈「あ、なんか光った」ピッ

星奈「……なんか出てきた」

星奈「これが乗車券?」

星奈「JR東日本線 信濃町→140円区間 下車前途無効……」

※信濃町から代々木までの運賃は140円です

星奈「あとなんか10円出てきたんですけど」

星奈「これ何?貰っていいの?」

星奈「それともお釣りってやつ?」

星奈「……140円区間って書いてあるわね」

星奈「150円入れて140円区間ってことは、お釣り10円か」

星奈「ちょっと待って、140円『区間』って何よ」

【談話室】

マリア「ついに難関の改札口を突破したようだな!」

小鷹「まだ突破してないからな」

マリア「え?」

夜空「切符を入れるところが分からない可能性もある」

理科「逆進入とかやりそうですね」

幸村「ぎゃくしんにゅうですか」

今回はここまで

星奈「とりあえず乗車券は買えましたが」

星奈「このゲートをどうやって通過すれば……」

星奈「Suica専用とか訳分かんないのもあるし……」

星奈「……」

星奈「とりあえず穴があるからそこ入れてみるわね」ウィーン

星奈「……あれ?ゲート開いてる、これ通っていいの?」

星奈「……」

星奈「……通れました」

星奈「夜空、これでいいの?」

【談話室】

マリア「ついに難関の改札を突破したようだな!」

小鷹「まさか一発で通過するとはな」

夜空「待て、あいつ切符取ったか?」

小鷹「あ……」

理科「取ってないですね……」

マリア「改札に残っているな……」

小鷹「代々木で出るときに引っ掛かるパターンだな」

夜空「あいつは全く気付かずホームに向かっているのだが」

理科「どうするんですか?」

夜空「もちろん続行だ」

星奈「さっきの島みたいなとこに降りてきました」

星奈「両側に線路があります」

星奈「どっちに来るんだろう……」

『1番線各駅停車津田沼行きが到着です』

星奈「右側の線路に来ましたので乗ります」

『2番線各駅停車三鷹行き到着です』

星奈「あれ?左側も来た」

星奈「どういうこと?」

星奈「反対側から入ってきたってことは」

星奈「反対側に走っていくってこと?」

星奈「そういえばさっき横の道路から見てたときも」

星奈「左に行くやつと右に行くやつがあったよつな……」

『信濃町ー信濃町ーご乗車ありがとうございました』

星奈「あ、上に何か書いてあるわね」

星奈「左側が三鷹で……右側は津田沼……」

『1番線(津田沼行き)ドアが閉まります ご注意ください』

星奈「しょうがない適当に乗っちゃいましょう」

【談話室】

夜空「三鷹行きに乗ったか」

理科「正解ですね」

小鷹「まあ2分の1だからな」

理科「このまま運だけでゴールするんでしょうか」

夜空「第2ステージ以降はもっと複雑な駅にしてあるからな」

夜空「2分の1程度の偶然ではゴールできないだろう」

マリア「そろそろ代々木に着くぞ」

『代々木ー代々木ーご乗車ありがとうございました』

星奈「一時はどうなることかと思いましたけど」

星奈「なんとか代々木に着きました」

星奈「夜空、ゴールしたわよ!」

<貴様は一生駅の中で過ごすつもりか>

星奈「へ?」

<駅から出るまでが1stステージだ>

星奈「あー……なるほどね」

星奈「でも駅出るだけなら大したことないわよね?」

<普通ならそうだろう>

<入るときにあれだけ苦労した貴様はどうだろうな>

星奈「……」

<ゴールは西口だ。そこにトモちゃんがいる>

代々木駅構内図
http://www.jreast.co.jp/estation/stations/1654.html


星奈「西口って何……」

星奈「西側に何かあるの……?」

星奈「あ、なんか看板がある」

星奈「左側が北口で、右側が東口と西口……?」

理科「まさかの『西口』がわからないパターンですか」

小鷹「西口ってどっち側?は想定してたけど」

夜空「西口って何?は想定外だったな」

幸村「ですが看板は出ているはずでは」

小鷹「至るところに出てるな」

夜空「放っておけばそのうち分かるだろう」

マリア「それより切符の心配をしたほうがよいぞ!」

小鷹「そうだな」

星奈「あれ?ここ西口?」

星奈「上に看板が出てるわね」

星奈「ゲート抜けたら道路みたいだし」

星奈「今度こそゴーr

ピーン ポーン
乗車券を入れてください

星奈「……」

星奈「……え、どういうこと」

星奈「乗車券?そんなの持ってないわよ」

星奈「信濃町でゲート通るときに使ったやつでしょ?」

星奈「なんであれが今さら出てくるのよ」

星奈「もしかして乗車券って2枚必要なの?」

<星奈先輩>

星奈「理科?」

<乗車券は1枚でOKですよ>

星奈「そうなの?」

<ちょっと間違えちゃったみたいですけど>

星奈「そうなのよね……どこで間違えたのかしら……」

<信濃町駅の映像ありますので脳内に流しときますね>

星奈「へ?脳内?」

再生終了

<分かりました?>

星奈「要するに、あのゲートに入れた乗車券がそのまんま出てきてたのね」

<そのまんまではないですけどね>

星奈「あれを持って電車に乗って、代々木のゲートに入れる」

<そういうことです>

星奈「信濃町でゲート通ったときに乗車券取り損ねると……」

<ゲームセットです>

星奈「……」

<星奈先輩?>

星奈「……そうだ、ここで乗車券買えないの?」

<無理ですね、切符売り場は改札の外なんで>

星奈「……」

【談話室】

小鷹「やっぱりこうなったか……」

夜空「予想通りだな」

理科「予想通りっていうか確定ですよね」

マリア「信濃町で切符を取り損ねた時点で、こうなることは確定していたのだ!」

理科「夜空先輩、どうするんですか?」

幸村「どうするのですか」

小鷹「どうするんだ?」

夜空「本来なら時間を戻して再スタートだが」

夜空「……仕方ない、今回は特別だ」

幸村「時間を戻して再スタート……」

小鷹「さらっと凄いこと言ったな……」

<右手を出せ>

星奈「右手を……こう?」

キイイイイイン

星奈「ひゃいっ!」

<落ち着け、肉!>

星奈「いきなり右手が光って落ち着けるわけないでしょ!」

<今貴様が握っているものを見てみろ>

星奈「握っているものって……え?」

星奈「乗車券……信濃町で買った……?」

<転移魔法だ>

<信濃町の改札に回収されていたものを転移させた>

星奈「……え?」

<とにかく貴様はその切符を使って改札を出ろ>

<そして西口で長時間の暇潰しを強いられているトモちゃんを助けてくれ>

星奈「……よく分かんないけどこれで外に出られるの?」

<そういうことだ>

今回はここまで

【西口】

智花「あ、星奈さんですか?」

星奈「……誰?」

智花「トモちゃんこと湊智花です」

星奈「トモちゃん?」

智花「さすがにゴールでエア友達は可哀想だから」

智花「今日だけトモちゃんになってくれないかって頼まれまして」

星奈「今日だけトモちゃんって……」

智花「とりあえず、第1ステージクリアです」

智花「おめでとうございます」

星奈「ありがとうございます」

智花「どうでした?難しかったですか?」

星奈「結構難しかったわね」

智花「この程度で結構難しかったって……」

智花「これからもっと難しくなっていくんですが……」

星奈「……」

智花「第2ステージの目的地は」

智花「五反田です」

星奈「ごたんだ?」

智花「はい」

星奈「……どこ?」

智花「路線図見て確認して下さい」

星奈「路線図……あ、これか」

確認中

星奈「なるほどね……簡単じゃない」

智花「でも起点が代々木ですから」

星奈「起点が違うと何かあるの?」

智花「そのうち分かります……」

智花「それじゃ、頑張ってください」

星奈「頑張ります」

シュン

星奈「消えた!?」

星奈「智花ちゃーーんっ!?」

<智花は第3ステージの目的地に転移させた>

<消えたわけじゃないから安心しろ>

星奈「……瞬間移動?」

<そうだ>

星奈「あんたの世界観全然付いていけないんだけど……」

マリア「今のは誰なのだ?」

夜空「トモちゃんこと湊智花」

夜空「慧心学園初等科の6年だ」

小鷹「慧心学園?」

夜空「篁とかいう教員に掛け合ったらOK出た」

小鷹「掛け合ったっていうか脅したな」

夜空「脅してない」

夜空「本当は5人で来る予定だったんだが」

理科「宿題が終わらないとかで3人キャンセルしたんですよね」

小鷹「……」

理科「さすがに霊体とかじゃないですよね?」

夜空「さすがに霊体はやめておいた」

幸村「れいたい?」





   2nd stage
 代 々 木 → 五 反 田


星奈「きっぷうりばに行って乗車券を買う」

星奈「2回目だからさすがに間違えませんよー」

星奈「140円入れて」

星奈「」ピッ

星奈「乗車券が出てきました」

星奈「これをゲートに入れて」

星奈「出てきたものを取る!」

※代々木→五反田の運賃は170円です

理科「根本的なところで間違ってますね……」

小鷹「運賃以外は完璧なんだが……」

幸村「140円区間ですね……」

マリア「改札出るときに引っ掛かるのだな!」

夜空「まあそこは着駅精算で対応するとしよう」

夜空「精算機の使い方も覚えられるな」

星奈「とりあえず適当な島に出てみました」

星奈「代々木は島が3つあるのね」

星奈「線路は4本」

『まもなく4番線に各駅停車千葉行きが参ります』

星奈「あ、電車来たみたい」

星奈「乗ってみましょう」

夜空「適当にも程があるぞ!」

小鷹「行き先すら見てなかったな」

理科「信濃町のあれはまぐれだったんですね」

夜空「そのようだな」

幸村「信濃町を通ったときに気付けばよいですが……」

『ご乗車ありがとうございました終点千葉に到着です』

星奈「……」

『この電車は折り返し各駅停車中野行きです』

星奈「……」

<肉!起きろ!>

星奈「起きてるわよ」

<起きているのか……>

<居眠り無しでこれか……>

星奈「夜空、どうしたのよ」

<とりあえず時間の流れを停止させておいた>

星奈「!?」

<路線図を見ろ>

星奈「ちょっと待って、時間の流れを停止!?」

<そこはどうでもいい。それより路線図を見ろ>

星奈「どうでもよくないわよ!」

<私は貴様が迷子になって路上で貴様の死体が烏に突かれたりしないかと不安なのだ>

星奈「なんで私死んでるの!?」

<とにかく路線図を見ろ。左ポケットに入っているはずだ>

<貴様が乗ったのはどの駅か覚えているか>

星奈「代々木?」

<路線図で探してみろ>

星奈「そんなの分かんないわよ」

<今光っているところだ>

星奈「光っているところ……ここね」

星奈「……って何で光ってるの!?」

<我々には機関と企業と協会と情報統合思念体と月読神社とFLTが着いているからな>

星奈「意味不明なんですけど」

<そして目的地の五反田がここだ>

星奈「うん、分かった」

星奈「でも信濃町とそんなに変わらないわよね?」

<そうだな>

星奈「全然着かないんだけどどういうこと?」

<現在地はどこだ>

星奈「現在地?」

<貴様は今どこにいる!>

星奈「えっと……」

<ホームに駅名が書いてあるので確認して下さい>

星奈「ホームって何?」

<さっき星奈先輩が島って言ってた所です>

星奈「あれホームって言うのね」

<そうです>

星奈「で、そのホームがどうしたの?」

<駅名票って言って、駅名が大きく書いてある看板があるんです>

<それ見て駅名確認して下さい>

星奈「了解しました」

星奈「千葉……だそうです」

<路線図ありますか?>

星奈「はい」

<千葉はここです>

星奈「……」

星奈「……え?」

<星奈先輩、千葉にいるんですよね?>

星奈「はい……」

<そういうことです>

星奈「……え?」

<何で全然着かないんだろうとは思ってたんですよね?>

星奈「思ってたけど……」

<当たり前ですよ>

<だってこの電車、五反田には行きませんから>

星奈「……え?どういうこと?」

<代々木から千葉行きだと、こういうルートで千葉に行くんです>

星奈「今光ってるとこね」

<で、五反田はここですから>

星奈「通ってない……と」

<目は覚めたか>

星奈「最初から覚めてますけど」

<柏崎星奈、第2ステージでリタイア>

<……というのはさすがにやめておこう>

星奈「え?」

<代々木に戻って再スタートだな>

星奈「……ここからどうやって戻ればいいの」

<転移魔法>

キイイイイン

星奈「え?体が光っ────

星奈「……ん」

星奈「ここどこ?」

<起きたか>

星奈「起きたわ」

<そこは代々木駅だ>

<改札内から再スタートだ>

星奈「了解」

<先程と同じミスだけは避けてくれ>

星奈「同じミスするわけないでしょ!あたしを誰だと思ってるの!?」

今回はここまで

星奈「えっと、とりあえず路線図見よう」

星奈「今いるのが代々木……ここね」

星奈「ゴールは五反田……あった」

星奈「代々木は緑の線と黄色い線と赤紫の線があって」

星奈「五反田は緑と赤とピンク……」

星奈「……よく分かんないわね」

星奈「とりあえずホームに来ました」

星奈「……ん?なんか駅名が書いてあるわね」

※ホームに設置されている縦長の所要時間表を見ています

星奈「原宿渋谷恵比寿目黒五反田大崎品川……」

星奈「……五反田あった!」

星奈「とりあえずこのホームに来た電車に乗れば、五反田に行けるってことね」

『まもなく 3番線に 各駅停車 中野行きがまいります』

星奈「電車来たわね、乗るわよ」

星奈「多分合ってると思う」

小鷹「やりやがったな」

理科「さっきと同じミスですね」

夜空「途中までは良かったのだが」

マリア「なぜそっちの電車に乗ったのだ!」

『中野ー 中野ー ご乗車 ありがとうございました』

<星奈せんぱーい>

<終点ですよー>

星奈「終点?」

<最後の駅ってことです>

星奈「最後の駅ってことは……もしかして降りないと駄目?」

<そういうことです>

<降りないと車庫に入るか反対に進むかどっちかです>

星奈「……分かった、降りればいいのね」

星奈「……で、降りたはいいけどここどこ?」

<書いてありますよね?>

星奈「中野……ね」

<路線図見てください>

星奈「分かったわよ」←路線図を見る

星奈「……」

<どうしたんですか?>

星奈「……」

星奈「おかしいわね……」

星奈「確かにあそこには五反田って書いてあったのに……」

<その路線図って、ホームのどっち側にありました?>

星奈「どっち側って?」

<階段上って左側か右側か>

星奈「確か左側だったかと」

<星奈先輩が乗った電車は?>

星奈「右側でした」

<そういうことです>

星奈「……え?どういうこと?」

<ホームの左側と右側で、違う路線の電車が来ることがあるんですよ>

<代々木の2・3番線もそのパターンですね>

星奈「よく分かんないんだけど」

<つまり、階段上って左側の電車に乗れば五反田に行けたんですが>

<右側に乗ってしまうとアウトなんです>

星奈「そう……左右もちゃんと見ないと駄目なのね」

<時間戻して再スタートでいいですか?>

星奈「このまま行きます」

<え?>

星奈「だってそこの路線図的なのに代々木って書いてあるじゃない」

星奈「てことは、こっちの電車に乗れば代々木に着くってことでしょ?」

<普通はそうですけど、中野はちょっと特殊で……>

星奈「電車来たから乗るわよ」

<待ってください!その電車は>

<東西線経由東葉勝田台行き……>

<乗ってしまったな……>

星奈「どうしたのよ、夜空」

<路線図を見ろ>

<この電車の通る駅を光らせておいた>

星奈「……代々木通ってない!?」

<今の貴様に中野は難しかったようだな>

星奈「嘘……でしょ……」

<嘘ではない>

星奈「あの路線図……代々木って……書いてあったじゃない……」

<書いてあっても通らないこともある>

星奈「そうなの……?」

<当然だ>

星奈「私……どうすれば……」

<転移魔法>

キイイイイイン

星奈「……」

今回はここまで

星奈「……えっと」

<代々木駅です>

星奈「……代々木駅?」

<転移魔法使いました>

星奈「……よく出てくるけど転移魔法って何なの」

<帰ったら説明します>

<五反田で出番を待っている愛莉さんを何とかしてあげて下さい>

星奈「……分かったわよ」

星奈「とりあえずホームに上がってみました」

星奈「ここの路線図(所要時間表)に五反田って書いてあります」

星奈「階段上がって左側に書いてあるから」

星奈「左側の電車に乗ればいいんだよね?」

星奈「……」

星奈「……理科も夜空も答えてくれないのね」

『まもなく 2番線に 渋谷 品川方面行がまいります』

理科「正解っぽいですね」

夜空「そうだな」

小鷹「さすがに降りられないとかいうミスはないだろう」

幸村「この時間帯ならそれほど混雑していません」

夜空「あとは精算だな」

一同「……」

五反田駅構内図
http://www.jreast.co.jp/estation/stations/695.html


<ゴールは東口だ>

星奈「りょうかーい」

ピーン ポーン
精算して下さい

星奈「……」

星奈「……あれ?なんで通れないの?」

星奈「乗車券入れたよね?」

星奈「もう1回」

ピーン ポーン
精算して下さい

星奈「……」

星奈「セイサンって何?」

星奈「そんなの聞いてないわよ」

星奈「ちょっと夜空!」

<……>

星奈「理科!」

<……>

星奈「教えてくれないのね」

<でもこのままだと無理そうなのでヒントあげますね>

星奈「お願いします!」

<代々木駅の運賃表です>

<星奈先輩の脳内にイメージ投影しときますね>

星奈「え?あたしの脳内に何?」

<脳内投影です>

星奈「何それ?新しい魔法?」

<どっちかっていうと情報操作の系統ですね>

星奈「いやどっちでも大差ないけど」

<見えました?>

星奈「はい」

<代々木から乗るときの運賃が書いてあります>

星奈「……どこに?」

<駅名の下に書いてあるじゃないですか>

星奈「駅名なら一杯書いてあるけどどの駅よ」

<……>

星奈「……」

<……星奈先輩>

星奈「何?」

<もしかして稚内も枕崎も140円で行けると思ってます?>

星奈「うん」

<……>

星奈「?」

<星奈先輩……あなたは究極のバカです>

星奈「え?なんで?」

<今度からアカちゃんって呼んでいいですか?>

星奈「駄目に決まってるわよ!」

今回はここまで

<もうさっさと精算してさっさと出てください>

星奈「え?ヒントないの?」

<ヒントは諦めました>

星奈「ああそう……」

<左のほうに精算機っていうのがありますからそこ行って下さい>

星奈「分かりました……」

精算機前

星奈「えっと……お手持ちの乗車券を表を上にして入れてください?」

星奈「たぶん字が書いてある方が表よね」

星奈「あ、画面が変わった」

星奈「精算金額30円……」

星奈「……30円入れればいいのね?」

『精算が完了しました。自動改札機をご利用下さい』

星奈「なんか出てきた」

星奈「精算済証?」

星奈「これをどうすればいいの?」

星奈「……とりあえずもう1回入れてみる」

『精算の必要がありません。自動改札機をご利用下さい』

星奈「自動改札機って何」

小鷹「やっぱりあいつは違うな」

夜空「期待を裏切らない」

理科「確かに今までずっと『ゲート』って言ってましたから」

幸村「じどうかいさつきというものを知らないのですか」

小鷹「そうみたいだな」

夜空「どこかに書いてあったか?」

マリア「たしか出口としか書いてなかったはずだぞ!」

改札口前

星奈「あれ?もしかして自動改札機ってこれのこと?」

星奈「さっきのやつ入れてみるわね」

星奈「……」

星奈「……通れました」

星奈「これ、自動改札機って名前だったのね」

星奈「えっと、ゴールどこだっけ?」

<東口です>

星奈「了解」

今回はここまで

五反田駅東口

星奈「お待たせしました」

愛莉「柏崎さんですか?」

星奈「はい」

愛莉「えっと、とりあえずお疲れさまでした」

愛莉「次のステージも頑張ってください」

星奈「頑張ります」

<それだけか>

愛莉「はい……」

<もう少し喋れ>

<私が言うのもなんだが>

愛莉「はい……えっと……」

愛莉「どんなこと喋ればいいんでしょう……」

<……>

愛莉「……」

<……>

星奈「……」

<諦めましょう>

愛莉「はい……」

愛莉「えっととりあえず」

愛莉「次の目的地は『三田』 です」

愛莉「A4出口に智花ちゃんがいます」

愛莉「頑張ってください」

愛莉「……これでいいですか?」

<いいんじゃないですか?>

愛莉「ありがとうございます……」

星奈「とりあえず出発します」

<頑張ってください>





  3rd STAGE

五 反 田 →  三  田


理科「このステージどう見ますか」

夜空「あいつはここまでJRしか乗ってないから」

夜空「三田が地下鉄の駅だって気付くかどうかが最初のポイントだな」

理科「気付かずにJRの改札を入ってしまえばそれまでですね」

夜空「そういうことだ」

山手線ホーム

星奈「五反田はホーム1個しか無いのね」

星奈「あとはどっちの電車に乗るかだけど……」

星奈「」←所要時間表確認中

星奈「……三田無いんですけど」

星奈「ちょっと待ってこれどうすればいいの?」

幸村「あんのじょうですね」

夜空「案の定だな」

マリア「どうするのだ」

夜空「もうしばらく泳がせておく」

夜空「気付いたところで強制送還で再スタートだ」

今回はここまで

星奈「……」

星奈「えっと……」

<10分経過>

星奈「え?何?」

<いつまでそうしているつもりだ>

星奈「しょうがないでしょ分かんないんだから」

<……>

星奈「何がおかしいのよ」

<そもそもそのホームに入った時点でゲームセットだからな>

星奈「は?」

<目的地は三田ですよね?>

星奈「うん」

<そのホームから三田には行かれないんですよ>

星奈「え?でも他にホーム無いわよ?」

<ありますよ?探してみて下さい>

星奈「……」

JR改札内コンコース

星奈「……無いんですけど!?」

<ありますよ!?>

星奈「散々探したけど他にホーム無いわよ」

<まず改札出てない時点でどうかしてます>

星奈「え?改札の外?」

<ノーコメントです>

星奈「とりあえず改札出てみました」

星奈「もしかして改札の外に乗り場があるとか?」

星奈「……」

星奈「誰も答えてくれないのね」

星奈「……」

星奈「……頑張って探します」

星奈「いろいろ歩き回ってみたけど」

星奈「乗り場は無さそうね」

星奈「とりあえず駅に戻ってみましょう」

星奈「……あれ?」

〈どうしたんですか?〉

星奈「あっちにも改札あるわね」

星奈「東急電鉄、池上線……」

〈なるほど〉

星奈「行ってみましょう」

星奈「とりあえず140円の切符買って」

星奈「改札を通過」

星奈「ホームに着きました」

星奈「路線図(ホーム掲示のやつ)は……あった」

星奈「えっと、大崎広小路、戸越銀座、荏原中延旗の台長原洗足池石川台雪が谷大塚御嶽山久が原千鳥町池上蓮沼蒲田……」

星奈「三田は?」

星奈「……」

星奈「大崎広小路、戸越銀座、荏原中延、旗の台、長原、洗足池、石川台、雪が谷大塚、御嶽山、久が原、千鳥町、池上、蓮沼、蒲田」

星奈「なんで三田が無いのよ!?」

〈星奈先ぱーい〉

星奈「やっと答えてくれたわね……」

〈迷子ですか?〉

星奈「迷子とは違うと思うけど」

〈じゃあリタイアですか?〉

星奈「リタイアは絶対しません!」

〈クリアしたいですか?〉

星奈「クリアさせてくださいお願いします!」

〈じゃあそんな星奈先輩にスペシャルヒントです〉

星奈「お願いします!」

〈実は五反田駅には、改札が5か所あります〉

星奈「……へ?」

〈そんなに驚くことですか?〉

星奈「驚かないほうがおかしいわよ」

〈理科にとっては普通ですが〉

星奈「ああそう」

〈ちなみに私にとっても普通だ〉

星奈「夜空は黙ってて」

今回はここまで

マリア「改札を出たようだな」

小鷹「浅草線の乗り場を探しているだけなんだが」

幸村「すでに280円をしょうひしています」

理科「浅草線に辿り着けるのでしょうか……」

小鷹「地下だからな……」

東口路上

星奈「これ以上改札はなさそうなので」

星奈「外に出てみました」

星奈「交番があるから聞いてみます」

星奈「すみませーん」

警官「」

星奈「えっと……」

警官「」

星奈「なんで反応しないの?」

<反応しないように改変してありますから>

星奈「そうだったわね」

星奈「……あれ?」

星奈「都営地下鉄って書いてある」※A5出入口

星奈「地下鉄って確か……地下を走ってる電車だっけ?」

<知ってるのか>

星奈「噂で聞いたことあるけどまさか本当にあるとは……」

<……>

星奈「……」

<……>

浅草線コンコース

星奈「改札がある……」

星奈「きっぷうりばもある……」

星奈「あ、上に路線図も貼ってあるわね」

星奈「えっとここが五反田で……」

星奈「西馬込馬込中延戸越五反田高輪台泉岳寺三田……」

星奈「三田ありました!」

星奈「じゃあさっそく乗車券買って……」

投入金額 140円

星奈「……」

星奈「光らない……」

今回はここまで

<星奈せんぱーい>

星奈「何よ」

<もしかして稚内も枕崎も140円で行けると思ってますか?>

星奈「思ってますけど」

<そんなわけないじゃないですかwwww>

星奈「何笑ってんのよ」

<稚内までなら17490円ですよ?>

星奈「……え?」

星奈「もしかして行き先で値段違うの?」

<はい>

星奈「三田は?」

<それ言っちゃったら面白くないじゃないですか>

星奈「さいですか……」

<ちゃんと調べられるようになってますから調べてください>

星奈「分かりました……」

星奈「……あれ?」

星奈「あの上にある路線図みたいなやつ」

星奈「駅名の下に数字が書いてある」

星奈「三田は……180?」

星奈「……」

投入金額 180円

星奈「……」

星奈「」ピッ

理科「奇跡的に正解ですね」

小鷹「というか結構ヒントだしてないか?」

夜空「そうか?」

理科「そうでもないですけど」

小鷹「路線図見せたりしてるし」

幸村「かいさつが5か所あるのもヒントになるかと」

理科「そうですか……ちょっとセーブしましょうか」

小鷹「セーブしろとは言ってないんだけどな」

※改札通過しました

星奈「ホームは1か所」

星奈「路線図的なやつは……あった」

星奈「左が戸越中延馬込西馬込」

星奈「右が高輪台泉岳寺三田大門新橋……三田あったわね」

星奈「というわけでこっちに来た電車に乗ります」

夜空「ここで一つ情報操作」

理科「五反田からの先発列車は、必ず泉岳寺止まりになります」

小鷹「情報操作って何」

幸村「わかりません」

マリア「わかるように説明してほしいのだ」

今回はここまで

『ご乗車ありがとうございました泉岳寺終点です3番線の電車は当駅止まりですご乗車にはなれませんのでご注意ください』

星奈「え?終点?」

『三田大門新橋日本橋浅草押上方面は4番線の電車にお乗り換えです』

星奈「え?何?新橋?番線?」

『4番線から普通印旛日本医大行きが発車します』

星奈「普通?いんb……なんだって?」

<prrrrrrr

星奈「もういいや乗っちゃいましょう!」

小鷹「奇跡的に」

夜空「正解」

理科「ですね」

幸村「ごたんだであれほど苦戦しておられましたが」

マリア「しょうじきあんまり面白くなかったのだ」

夜空「仕方ない、第4ステージはとんでもなく難しい行き先にしておこう」

今回はここまで

星奈「三田駅着きましたー」

星奈「改札通過」

星奈「A4出口だっけ?どこにあるんだろ」

星奈「地下だから何か違うのかな……」

星奈「……ん」

星奈「なんかA4って書いてある」

星奈「この階段上がればいいの?」

A4出口上

星奈「智花ちゃんキター\(^o^)/」

智花「」

星奈「地下鉄初めてだから難しかったけど智花ちゃんかわいー\(^o^)/」

智花「あの……星奈さん……」

星奈「ん?」

智花「苦しいです……」

星奈「……ごめん」

智花「第4ステージの目的地は」

智花「穴守稲荷です」

星奈「あなもりいなり?」

智花「あなもりいなりです」

星奈「ちょっと長いのね」

智花「何が?」

星奈「駅名が」

智花「普通ですよ?」

星奈「普通なの?」

智花「しろかねたかなわとか」

智花「うえのおかちまちとか」

智花「けいきゅうかわさきとか」

智花「ちなみに一番長いのは」

智花「みなみあそみずのうまれるさとはくすいこうげんです」

星奈「……え?なんだって?」

智花「ちなみに同率1位が」

智花「ちょうじゃがはましおさいはまなすこうえんまえです」

星奈「へー………………」

智花「あなもりいなりくらいは普通です」

星奈「…………わかった」

星奈「ちなみに一番短いのは」

智花「つ、です」

星奈「…………え?」

智花「津」

星奈「……短っ」

智花「まあ駅名も色々ですから」

智花「とりあえず第4ステージは穴守稲荷です」

星奈「穴守稲荷ね」

智花「穴守稲荷です。覚えましたか?」

星奈「バッチリです」

智花「頑張ってください」

星奈「頑張りますっ!」

シュン

今回はここまで




  4th STAGE

 三  田 → 穴守稲荷

三田駅改札

星奈「えっと……降りる駅によって値段違うのよね」

星奈「穴守稲荷は……えっと……」

星奈「420円ね。了解」

420円投入

星奈「これで420って書いてあるところを押せば……」

星奈「……」

星奈「420が無い!?」

夜空「第1の関門、京急線連絡切符」

小鷹「そういえば2社線以上乗るのは初めてだな」

理科「都営地下鉄と京急線ですね」

夜空「そもそも2社線乗るということに気付かないと」

幸村「きっぷは買えないでしょう」

星奈「もういいや370円で行っちゃいましょう!」

星奈「穴守稲荷で清算すれば大丈夫よね?」ピッ

星奈「三田から370円区間……よし」

<駄目ですね>

星奈「……え?」

<貴様は穴守稲荷でいくら払うつもりなんだ?>

星奈「えっと……50円だけど

<280円だ>

星奈「へ?」

<そのまま進むと、貴様は穴守稲荷で280円清算することになる>

<仕方ないですね>

<未来視を使いましょう>

星奈「え?何?未来視?」

『ピーン ポーン 清算してください』

星奈「えっ何この映像」

<370円の切符で電車に乗った星奈先輩の未来です>

『えっと……精算機あった』

『ここに切符入れればいいのね?』

『清算金額 280円』

『……え?280円?』

『なんで50円じゃないの?』

『370払ったからあと50円でいいはずでしょう!』ガンガン

『××時××分器物損壊罪1名現行犯逮捕ーーっ!』

『ちょっと何やってんのよ!離しなさい!』

『判決を言い渡す』

『主文、被告人を懲役3年の刑に科す』

<こんな感じですね>

星奈「誇張してない?」

<してませんよ?>

星奈「……ってことは、もし私がこの切符で電車に乗ると」

星奈「その時点で懲役3年確定なの?」

<そういうことです>

星奈「……嘘だよね?」

<すいません、嘘です>

『判決を言い渡す』

『主文、被告人を懲役3年の刑に科す』

<こんな感じですね>

星奈「誇張してない?」

<してませんよ?>

星奈「……ってことは、もし私がこの切符で電車に乗ると」

星奈「その時点で懲役3年確定なの?」

<そういうことです>

星奈「……嘘だよね?」

<すいません、嘘です>

星奈「えっと、懲役3年は置いといて」

星奈「280円清算するのは間違いないのね?」

<それは間違いないですね>

星奈「370円払ってるのに?」

<はい>

星奈「どうすればいいのよ」

<穴守稲荷までの切符の値段が420円っていうのは分かってるんですよね?>

星奈「そうよ」

<だったら420円の切符買ってください>

星奈「それが売ってないからこうなってるのよ」

<売ってますよ?420円の切符>

星奈「え?」

<いろいろ探してください>

星奈「えっとどういうこと?」

星奈「……」

星奈「もしもーし?」

星奈「理科?返事して!」

今回はここまで

星奈「えっと……券売機はこれしかないのよね」

星奈「180 220 270 320 370……」

星奈「東京メトロ京成線京急線東急線京王線成田スカイアクセス線……」

星奈「やばい全然分かんない」

星奈「ん?駅名から検索って何だろ」ピッ

星奈「あ」ピッ

星奈「な」ピッ

星奈「穴守稲荷出てきた」ピッ

星奈「420円入れて」

星奈「よし切符買えた!」

星奈「夜空!これで合ってる?」

<ずいぶん面倒なことしたな>

星奈「え?違うの?」

<まあ最終的には合ってるからいいが……>

星奈「合ってるんじゃない」

<ちなみに私ならボタン2回押すだけで買えるぞ>

星奈「え?どゆこと?」

星奈「……」

星奈「夜空?返事して?」

星奈「改札通過しましたー」

星奈「ホーム着きましたー」

星奈「あれ?あそこに何か書いてあるわね」

星奈「右側が西馬込京急線羽田空港方面」

星奈「左側が押上京成線北総線成田空港方面」

星奈「京急線とか北総線とかってさっき出てきた気がする……」

星奈「……まあいいか。とりあえず路線図もどき見ましょう」

星奈「まず右側、泉岳寺高輪台五反田戸越中延馬込西馬込」

星奈「左側、大門新橋東銀座宝町日本橋人形町東日本橋浅草橋蔵前浅草本所吾妻橋押上」

星奈「穴守稲荷無いわね……」

星奈「えっと確かこういうときは」

星奈「他のホームを探すのよね?」

星奈「適当に歩いてたら階段があったので降りてみました」

三田線西高島平方面ホーム

星奈「芝公園御成門内幸町日比谷大手町神保町水道橋春日白山千石巣鴨西巣鴨新板橋板橋区役所前板橋本町本蓮沼志村坂上志村三丁目蓮根西台高島平新高島平西高島平」

星奈「……多すぎない?」

星奈「あと板橋区役所前って1駅で漢字6文字なんだ」

星奈「……ってそんなことはどうでもいい」

星奈「とりあえずこのホームは違うみたいね」

三田線目黒方面ホーム

星奈「白金高輪白金台目黒……少なっ」

星奈「でも穴守稲荷はありません」

星奈「他のホーム探してみるわね」

浅草線ホームに戻ってきました

星奈「色々探したけど他にホーム無さそうだし……」

星奈「この3か所の中のどれかが正解ってこと?」

星奈「誰かヒントくれない?」

<星奈せんぱーい>

星奈「ん?理科?」

<ヒントならもうあげたじゃないですか>

星奈「どういうこと?」

<ポケットに入ってる路線図ですよ>

星奈「……これ?」

<はい>

星奈「どうやって使うの?」

星奈「……」

星奈「……」

星奈「変なとこで切るのやめなさいよ」

今回はここまで

星奈「えっと……今いるのが三田だから……ここね」

星奈「目的地は穴守稲荷……あった」

星奈「えっと……三田を通ってるのはピンクの線と青い線で……」

星奈「穴守稲荷は赤い線……」

星奈「……ん?なんか書いてあるわね」

星奈「京急空港線……なにこれ?」

星奈「よく見ると他にも色々書いてあるわね」

星奈「京急本線、京浜東北線、東海道線、東急池上線……」

星奈「上の方に行くと宇都宮線とか東武伊勢崎線とか……」

星奈「……もしかして電車の名前?」

星奈「参考までに三田のあたりは……都営浅草線と都営三田線ね」

星奈「あっ」

星奈「あそこの看板に都営三田線って書いてある」

『↓(I)都営三田線』※乗り換え階段上の看板

星奈「ちょっと行ってみよう」

三田線西高島平方面ホーム

星奈「さっきの駅名がいっぱい書いてあるやつ」

星奈「芝公園御成門内幸町……(中略)……西高島平」

星奈「ちなみに反対側がグレーになってるけど……白金高輪白金台目黒」

星奈「路線図の青い線と一緒じゃない!」

談話室

夜空「気付くのが遅い!」

小鷹「今さらかよ」

理科「もしかして……路線という概念が分かってなかったんですか?」

小鷹「そうみたいだな」

理科「せっかく路線図持ってるのに」

夜空「読み方が分からないようだ」

小鷹「よく今までやってこれたな」

星奈「えっと……とりあえず今いるのが三田で」

星奈「三田を通ってるのが都営三田線と都営浅草線」

星奈「こっちが三田線だからさっきのが浅草線?」

というわけで浅草線ホームに戻ってきました

星奈「泉岳寺高輪台戸越中延馬込西馬込……ピンクの線ね」

星奈「そして、路線図のピンクの線の近くに都営浅草線って書いてある」

星奈「うん、なんとなく分かってきた」

星奈「目的地は穴守稲荷、電車の名前は京急空港線だから……」

星奈「……」

星奈「……京急空港線なんて通ってないわよ」

今回はここまで

星奈「冷静に考えましょう」

星奈「この駅には都営浅草線と都営三田線以外は通ってない」

星奈「目的地の穴守稲荷は京急空港線しか通ってない」

星奈「……」

星奈「……えっと」

星奈「京急空港線が通ってるのは」

星奈「この線をこっちに辿っていって」

星奈「……京急蒲田?」

星奈「京急蒲田を通ってるのは……京急本線ね」

星奈「その京急本線は……」

星奈「泉岳寺……ここで切れてる」

星奈「そして泉岳寺は都営浅草線が通ってる」

星奈「泉岳寺に何かヒントがありそうね」

星奈「とりあえず行ってみましょう」

小鷹「1番線普通西馬込行きか」

夜空「まあ妥当だな」

理科「泉岳寺は全部停まりますよね?」

小鷹「そうだな」

夜空「実は先程情報操作を仕掛けてあって」

夜空「泉岳寺で接続する電車は蒲田通過のエアポート快特にしてあったんだが」

夜空「可哀想なので解除しておこう」

小鷹「情報操作って何」

幸村「わかりません」

星奈「泉岳寺着きました」

星奈「なんか路線図的なのがあるから一応見とこう」

星奈「……穴守稲荷あった」

星奈「てことは泉岳寺に来たのは正解だったってことね」

『1番線快特三崎口行き発車しまーす』

星奈「これに乗って、次は京急蒲田」

星奈「順調ね」

『ご乗車ありがとうございます快特三崎口行きです次は京急蒲田です羽田空港方面はお乗り換えです京急蒲田の次は京急川崎に停まります』

星奈「なんか放送掛かってるけど正直よく分かりません」

星奈「でも京急蒲田って言ってたのは分かった」

星奈「京急川崎っていうのも聞こえてきた」

北品川通過

星奈「あれ?今なんか駅みたいのなかった?」

星奈「気のせいかな?」

新馬場通過

星奈「……また駅みたいの見えたんだけど」

青物横丁通過

星奈「……うん、あれ絶対駅よね」

星奈「3個くらいすっ飛ばしてる」

星奈「もしかしてこのまま行ったら京急蒲田もすっ飛ばしちゃうんじゃ……」

『まもなく京急蒲田京急蒲田です羽田空港方面はお乗り換えです京急蒲田の次は京急川崎に停まります』

星奈「あ、なんかスピード下がってきた」

星奈「そろそろどこかの駅に停まるのかな?」

星奈「とりあえず降りてみよう、なんか心配だし」

理科「京急蒲田到着しました」

小鷹「そういや通過駅のある電車は初めてか?」

夜空「そういえばそうだな」

理科「京急蒲田は快特停車駅だからいいですけど」

理科「ここから穴守稲荷に行くんですよね」

小鷹「行けるか?」

夜空「どうだろうな」

星奈「とりあえず降りてみたら京急蒲田だった」

星奈「何この奇跡」

<いや予定調和だろう>

星奈「夜空にとってはそうなんでしょうね」

<当然だ>

星奈「まあいいわ、ここから京急空港線に乗って」

星奈「穴守稲荷で降りる!」

星奈「とりあえずまずは京急空港線のホームを探しましょう」

星奈「ん、なんか地図みたいのがあるわね」

星奈「京急蒲田駅構内図……なるほど」

星奈「この駅にはホームが2つあるってのは分かった」

星奈「京急蒲田を通ってるのは京急本線と京急空港線」

星奈「片方が本線でもう1つが空港線ね」

星奈「……」

星奈「どっちが空港線?」

小鷹「そうじゃないんだよな……」

夜空「今まで使った駅が信濃町、代々木、五反田、泉岳寺、三田だからな」

理科「路線ごとにホームが分かれてる駅ですね」

マリア「だが京急蒲田は違う!」

幸村「路線別ではなく方向別です」

小鷹「空港線のホームも2か所あるし」

マリア「同じホームに本線の電車も来るからな」

夜空「さあ柏崎星奈はどう出る」

2階ホーム

星奈「6 品川・新橋方面」

星奈「って書いてありました」

星奈「えっと品川は……」

星奈「……」路線図確認中

星奈「……あった」

星奈「で、新橋がこの辺と」

星奈「こっちの方向に行くってこと?」

星奈「……てことはもう1個のホームは」

3階ホームに移動

星奈「3 横浜・三浦海岸方面」

星奈「横浜がここで、三浦海岸がここだから……」

星奈「こっちの方向に行くってことね」

星奈「整理すると、下のホームが梅屋敷大森町の方向に行って」

星奈「上のホームが雑色六郷土手の方向」

星奈「えっと穴守稲荷は……」

星奈「……」

星奈「糀谷大鳥居穴守稲荷天空橋……」

星奈「どっちも違うんですけど」

星奈「あれ?」

星奈「あっちの1番って書いてあるとこ」

星奈「羽田空港方面/横浜方面って書いてある」

星奈「3番と違うのね」

星奈「……」

星奈「さっき五反田だか代々木だかの時に」

星奈「左右もちゃんと見ないと駄目だって誰かが言ってたじゃない」

星奈「えっと、左側3番が横浜三浦海岸方面で」

星奈「右側1番が羽田空港方面/横浜方面」

星奈「羽田空港は……」路線図確認中

星奈「多分合ってるわね」

『1番線ご注意ください快特羽田空港行きが参ります横浜方面には参りませんのでご注意下さい』

星奈「えっと、横浜方面には参りませんって言ったわよね?」

星奈「乗りましょう」

夜空「と言って乗った電車が」

幸村「快特ですね」

小鷹「穴守稲荷は通過だな」

夜空「本当なら京急蒲田まで転移魔法だが」

夜空「可哀想なので国際線ターミナルで折り返しにしよう」

小鷹「夜空って意外と優しいよな」

夜空「面倒くさいだけだ」

『ご乗車ありがとうございました羽田空港国際線ターミナルです』

星奈「羽田空港国際線ターミナル……」

星奈「……」路線図確認中

星奈「糀谷大鳥居穴守稲荷天空橋羽田空港国際線ターミナル」

星奈「うん、しっかり飛ばしてるわね」

星奈「とりあえず降りましょう」

星奈「えっとこのホームは」

星奈「1 羽田空港国内線ターミナル(第1・第2)方面」

星奈「面倒なこと書いてるけどとりあえず羽田空港国内線ターミナル方面よね」

星奈「向こうにもホームあるわね」

星奈「あっちが京急蒲田方面?」

2番線に移動

星奈「品川東銀座浅草方面横浜方面」

星奈「面倒なこと書いてるわね……」

星奈「……」路線図確認中

星奈「品川はここ……」路線図確認中

星奈「東銀座は……ここね」路線図確認中

星奈「浅草……あった」路線図確認中

星奈「横浜は……この辺ね」路線図確認中

星奈「うん、なんとなく分かった」

星奈「こっちの電車に乗れば穴守稲荷方面に行けるようなので」

星奈「こっちの電車に乗ります!」

マリア「と言って乗った電車が」

理科「快特印旛日本医大行き」

小鷹「またしても快特」

理科「さすがにヒント出しませんか?」

夜空「よし、そうしよう」

星奈「京急蒲田……またしても4駅飛ばし」

星奈「えっと……」

<ヒント欲しいか?>

星奈「ヒントください!」

<そのホームのどこかに「停車駅案内」というものがある>

星奈「停車駅案内?」

<そうだ>

星奈「どこにあるのよ?」

<ホームのどこかとだけ言っておく>

星奈「ホームのどこかに転がってるのね」

<……>

星奈「……あれ?」

小鷹「転がってはないよな」

理科「設置されてますね」

夜空「薄っぺらい紙か何かだと思ってるのか?」

理科「でしょうね」

幸村「われわれが置いたものではないのですが」

夜空「最初から設置されてるやつだ」

星奈「停車駅案内ありましたー」

星奈「何かと思ったらただ駅が書いてあるだけじゃない」

星奈「えっと穴守稲荷がここで」

星奈「今いるのが京急蒲田……」

星奈「……」

星奈「京急蒲田がここで穴守稲荷がこのへん」

星奈「方向的には羽田空港国内線ターミナルの方向に行けばいい」

星奈「……それはもう分かってんのよ!穴守稲荷すっ飛ばすのが分かんないの!」

<すっ飛ばすのも全部書いてありますよー>

星奈「え?なんだって?」

<だから、どの電車がどの駅をすっ飛ばすかはその停車駅案内に書いてあります>

星奈「そうなの?」

星奈「……」

星奈「……変なとこで切るのやめなさいよ」

『6番線快特高砂行き発車します』

『今度の発車は後方5番線から普通品川行きです』

『4番線ご注意くださいエアポート急行羽田空港行きが参ります』

星奈「そういえば快特とか普通とかなんとか急行とか言ってるけどあれ何なの?」

星奈「……」

星奈「分かったわよ、自分で調べろってことでしょ?」

星奈「……」停車駅案内確認中

星奈「なんか端のほうに色々書いてありました」

星奈「上から普通、急行、特急、快特、快速、通勤特急、アクセス特急、エアポート快特」

星奈「……面倒臭っ」

星奈「えっとさっきのは快特だから快特のところを見ればいいのね?」

星奈「……」確認中

星奈「えっと丸が付いてるのは……」

星奈「押上本所吾妻橋浅草蔵前……っていうか品川までは全部付いてるわね」

星奈「京急蒲田京急川崎横浜上大岡金沢文庫金沢八景横須賀中央堀ノ内新大津北久里浜……(以下略)」

星奈「……で?」

<もういいです全部教えちゃいます>

<丸が付いてるのが停まる駅です>

星奈「……へ?」

<何も書いてないのはすっ飛ばす駅です>

星奈「……」

<あとは自分で頑張って下さい>

星奈「……はい」

星奈「今気づいたけど京急蒲田と穴守稲荷だけ見れば良かったんじゃ……」

星奈「えっと京急蒲田がここで」

星奈「穴守稲荷がここで」

星奈「丸が付いてるのは特急と急行と普通」

星奈「快特とエアポート快特は無し!」

星奈「つまり特急か急行か普通の羽田空港国内線ターミナル行きに乗ればよし!OK!」

『4番線ご注意下さいエアポート急行羽田空港行きが参ります』

星奈「……エアポート急行?」

星奈「急行じゃなくて?エアポート快特じゃなくて?」

<あ、忘れてましたけど飛行機みたいなマークはエアポートって読むんですよ>

星奈「あ、そう……」

理科「なんだかんだでエアポート急行乗りましたね」

小鷹「羽田空港行きだな」

マリア「さすがに乗り過ごすことはないだろう」

夜空「やっと第4ステージクリアか……」

小鷹「何ステージまであるんだ……」

理科「気が遠くなりそうです」

夜空「決めた、次で最後にする」

穴守稲荷駅の出口は1か所です

星奈「着きましたー」

星奈「って誰もいないの?」

理科「お疲れさまでした」

星奈「……」

理科「どうしたんですか?」

星奈「なんで理科がいるの?」

理科「転移魔法で飛んできただけですが」

星奈「そういうことじゃなくて」

理科「本当は愛莉さんが出迎える予定だったんですけど」

理科「星奈先輩があまりに遅いので帰っちゃいました」

星奈「ああそう……」

理科「まあ向こうは小学生ですからね」

理科「あまり遅くまでは拘束できません」

星奈「あたしそんなに遅かったの?」

理科「結構遅いですよ」

星奈「……」

理科「というわけで」

理科「長い時間やっててこっちも疲れてきてるので」

理科「次で最後にします」

星奈「了解」

理科「その代わり、とびきり難しいステージを用意してますからね」

星奈「了解……」

理科「最終ステージの目的地は」

理科「府中競馬正門前です」

星奈「?」

理科「ふちゅうけいばせいもんまえです」

星奈「……」




FINAL STAGE

穴守稲荷→府中競馬正門前

幸村「どうやって行くのが正解なんでしょうか」

理科「最速ルートは穴守稲荷→京急蒲田→品川→渋谷→明大前→調布→東府中→府中競馬正門前ですね」

小鷹「……」

夜空「正直私もここまで面倒くさいとは思わなかった」

夜空「なので新宿乗り換えでもよしとしよう」

幸村「穴守稲荷→京急蒲田→品川→新宿→調布→東府中→府中競馬正門前ですね」

小鷹「それでも面倒くさいな」

<星奈せんぱーい>

星奈「理科?どしたの?」

<あまりに難しいのでヒントあげます>

<品川→新宿経由で行ってください>

星奈「え?なんだって?」

<品川と新宿で乗り換えて行ってください>

<まあ、それ以外の駅で乗り換えないとは限りませんけど>

星奈「ああ、駅の名前ね」

星奈「と、いうわけで」

星奈「まずはこの路線図で品川と新宿を探……じゃなくて」

星奈「穴守稲荷と府中競馬正門前を探します」

星奈「……結構遠いわね」

星奈「まあ電車って遠い距離を移動するものだからね」

星奈「えっと、穴守稲荷を通ってるのが京急空港線で」

星奈「府中競馬正門前は京王競馬場線」

星奈「……で?」

星奈「ああ、品川と新宿ね」

星奈「えっと品川はJR山手線京浜東北線東海道線横須賀線京急本線」

星奈「新宿はJR山手線埼京線湘南新宿ライン中央線小田急小田原線京王線京王新線丸ノ内線都営新宿線都営大江戸線……」

星奈「多すぎない?」

星奈「数が多すぎてよく分かんない」

星奈「……」

星奈「でもこのJR山手線がなんとなく重要っぽいのは分かった」

穴守稲荷駅

星奈「とりあえず乗車券買います」

星奈「府中競馬正門前……は運賃表に載ってないのね」

星奈「一応駅名検索やってみるわね」ピッ

星奈「ふ」ピッ

星奈「ち」ピッ

星奈「……淵野辺しか出てこない」

穴守稲荷駅

星奈「とりあえず乗車券買います」

星奈「府中競馬正門前……は運賃表に載ってないのね」

星奈「一応駅名検索やってみるわね」ピッ

星奈「ふ」ピッ

星奈「ち」ピッ

星奈「……淵野辺しか出てこない」

星奈「新宿なら載ってるみたいね」

星奈「運賃は440円」

星奈「とりあえずこの機械に440円入れて……」

星奈「……」

星奈「案の定440円はありません」

星奈「左側の普通きっぷ連絡きっぷお得なきっぷ回数券往復券ってのも気になるのよね」

星奈「とりあえず上から順番に押してみましょう」ピッ

星奈「京急線JR線JR線JR線都営線京成本線北総線東急線相鉄線みなとみらい線」

星奈「えっと何だっけ……さっき重要っぽいって言ったやつ」

星奈「……」路線図確認中

星奈「JR山手線」

星奈「えっとJR3個あるけど」

星奈「品川のりかえJR線でいいの?」ピッ

星奈「440円あった」ピッ

星奈「きっぷ出てきました」

星奈「これで行かれなかったら承知しないからね」

小鷹「切符買えたみたいだな」

夜空「まずは第一関門突破だな」

小鷹「第二関門があるのか?」

夜空「蒲田の枝分かれと品川の乗り換えと新宿の終端ホームがある」

理科「調布の枝分かれもありますよ」

小鷹「なんかすっごい難しそうなんだが……」

夜空「今日の集大成だからな、すっごい難しいコースにしてある」

改札通過

星奈「とりあえず目の前の線路が1で、反対側が2だっていうのは分かった」

星奈「でもこの数字何なんだろ?」

星奈「……」

星奈「……1が羽田空港方面」

星奈「2が京急蒲田横浜品川新橋方面」

星奈「もう分かったわよ、京急蒲田方面に乗ればいいんでしょ?」

星奈「……合ってるわよね」

星奈「……」路線図確認中

星奈「合ってました」

『まもなく 上り エアポート急行が 到着いたします』

星奈「はいはい乗りまーすっ!」

夜空「新逗子行きだな」

理科「新逗子行きです」

マリア「この時間帯は全部新逗子行きなのだ」

幸村「ごくまれにかなざわぶんこゆきもあるそうですが」

小鷹「確かに昼間は品川方面は無いけど今何時なんだ?」

理科「永遠に12時台を繰り返すように改変してありますが何か」

小鷹「」

京急蒲田到着

理科「あっさり降りましたね……」

夜空「あっさり降りたな……」

マリア「正直面白くないからカットなのだ」

小鷹「カットって何」

マリア「言葉の綾なのだ」

小鷹「実はこの世界は全部SSだったとかじゃなくて」

夜空「そんな世界があってたまるか」

理科「そして難なく品川到着と……」

夜空「三崎口行きを期待した私が馬鹿だった……」

小鷹「お前ら星奈を何だと思ってるんだ」

夜空「肉」

小鷹「……」

星奈「JR乗り換え改札ってのがあるわね」

星奈「確か私が乗るのはJR山手線だから……」

星奈「……」

星奈「……合ってる?」

星奈「多分合ってるはず」

星奈「JR乗り換え改札、通過しまーす」

理科「で、普通に山手線に乗って」

夜空「普通に新宿で降りましたと」

小鷹「そういえば山手線は1回乗ってたな」

幸村「代々木→五反田ですね」

夜空「ホームが増えたから迷うかと思ったのだが」

理科「あっさりでしたね」

小鷹「一番手前だったから見つけやすかったんじゃないか?」

夜空「でもなんかつまらないな」

理科「つまらないですね」

小鷹「つまらない言うな」

星奈「新宿着きましたー」

星奈「えっとここから京王線に乗ればいいわけだけど」

星奈「とりあえず京王線って書いてある方に向かって歩いていったら」

星奈「なんか改札口がありまして」

『ピーン ポーン』

『乗車券を入れてください』

星奈「……」

星奈「なんで通れないの?」

星奈「値段違ったのかな?」

<値段は合ってますよー>

星奈「ん?」

<ただ改札の方が違ったみたいです>

星奈「どゆこと?」

<あとはそっちで考えてください>

星奈「……」

星奈「これより先京王線の乗車券が必要ですって書いてあるわね」

星奈「今持ってる乗車券は……」

天空橋から
[品  川]→200円区間

星奈「確か新宿までの値段だった気が……」

星奈「……」

星奈「……」

星奈「……もう1枚買えばいいのか」

星奈「で、新宿からの切符を買おうとしてるわけですが」

星奈「きっぷうりばが見つかりません」

星奈「……」

星奈「……」

星奈「1回外に出るのかな?」

星奈「そこにJR出口っていうのあるし」

星奈「ちょっと通ってみるわね」

夜空「中央西口から改札外に出たようだな」

小鷹「一応聞くけどこれ正解だよな?」

夜空「当然正解だ」

小鷹「なんで不機嫌なんだ」

夜空「うまく行きすぎて面白くないからだ」

理科「情報操作で京王線止めましょうか?」

夜空「よし、そうしよう」

小鷹「よく分かんないけどやめとけ」

星奈「切符売り場で切符買いましてですね」

星奈「改札通りましてですね」

星奈「この階段降りたらホームってとこまで来たんですけど」

準特急 京王八王子 3番線
準特急 橋   本 2番線

各 停  高幡不動  1番線
特 急  高尾山口  3番線
各 停 京王八王子 1番線


星奈「これ何ですか……」

星奈「……」

星奈「……」

星奈「答えてくれないのは分かってたわよ……」

星奈「とりあえずさ」

星奈「府中競馬正門前に行ければいいわけでしょ?」

星奈「路線図確認しましょう」

星奈「……」確認中

星奈「……」かくにんちゅう

星奈「……」カクニンチュウ

星奈「確認終わりました」

星奈「京王八王子、橋本、高幡不動、高尾山口」

星奈「どれも府中競馬正門前には行きません」

星奈「ていうか府中競馬正門前行き以外行かないみたいなんだけど」

星奈「……」

星奈「……」

星奈「……」

星奈「……途中で乗り換えればいいのか」

星奈「とりあえず、東府中に行く電車は」

星奈「3番目の高尾山口行き」

星奈「各駅停車が東府中に停まることは確認しました」

<そこをあえて特急に乗るんだ>

星奈「え?夜空どしたの?」

星奈「……」

星奈「……」

星奈「……終わりかいっ」

星奈「特急が停まる駅はっと」確認中

星奈「」かくにんちゅう

星奈「」カクニンチュウ

星奈「明大前調布府中聖蹟桜ヶ丘高幡不動北野しか停まんないけど!?」

星奈「何?調布で降りろってこと?」

星奈「それとも府中で降りるの?」

星奈「とりあえず乗れるところまで乗ってみます」

星奈「3番線ってのはよく分かんないけど」

星奈「なんか階段に数字が書いてあるから3のところに行けばいいの?」

星奈「……」

星奈「……」

星奈「案の定返事は無いのね」

夜空「特急乗ったな」

理科「乗りましたね」

小鷹「調布で降りるのが正解だよな」

夜空「当然だ」

夜空「ちなみに私はオーバーランして京王八王子というのを期待している」

小鷹「期待するな」

星奈「調布降りましたー」

星奈「……」

星奈「ここからどうするの?」

星奈「……」

星奈「……」

星奈「……とりあえず改札のとこまで行ってみよっか」

2 準特急 京王八王子
2 各 停 高尾山口
1 準特急 橋   本

星奈「やっぱりあった」

星奈「なんか駅の名前が並んでるやつ」

星奈「でもさっきと変わってない?」

星奈「高尾山口とかあったっけ?」

<八幡山で追い越したんですよ>

星奈「?」

<……>

星奈「……」

星奈「……」路線図確認中

星奈「……」かくにんちゅう

星奈「……」カクニンチュウ

星奈「えっと、準特急は東府中をすっ飛ばすので」

星奈「各停に乗ればいいのね」

星奈「高尾山口は……OK」

星奈「西調布飛田給武蔵野台多磨霊園東府中……5番目が東府中です」

星奈「東府中着きました」

星奈「えっとゴールは府中競馬正門前だから……」

星奈「……」

星奈「あそこに停まってるわね」

星奈「あれに乗ればいいのね?」

星奈「府中競馬正門前到着しましたー」

星奈「改札出ました」

星奈「……なんで誰もいないの?」

<もう遅いのでみんな帰ってもらいました>

星奈「……そんなに時間たってる?」

<そろそろスタートから6時間です>

星奈「……ごめんなさい」

<というわけで、無事クリアした柏崎星奈にはボーナスステージだ>

星奈「ボーナスステージ?」

<府中競馬正門前から遠夜まで電車で帰ってこい>

星奈「それボーナスステージなの?」

<私がボーナスだと言ったらボーナスなのだ>

星奈「……」

とは言っても遠夜は架空の地名でどこにあるか分からないのでここで切ります。ありがとうございました

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