ことり「とうとう手に入れましたっ」 (28)

凛「にゃ?」

ことり「見て見てー」

凛「白い……生地?」

ことり「うんっ。花陽ちゃんに新しい衣装をプレゼントしようと思って」

凛「でも、かよちんの誕生日ってまだ先だよ?」

ことり「新米記念だよっ」

凛「」

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ことり「花陽ちゃんって白いごはん好きでしょ?」

凛「え、うん」

ことり「たぶん、日本人のだれよりも好きなんじゃないかな」

凛「うーん……そこまでかなぁ」

ことり「もう神様みたいだよね!」

凛「……ん?」

凛「ちょっと話とばなかったかにゃ?」

ことり「そんなことないよ?」

凛「……そっか」

ことり「変な凛ちゃん」

凛(ことりちゃんに言われたくないにゃ)

ことり「もうどんな衣装にしようかは決まってるんだっ」

凛「そうなの?」

ことり「うん、だから帰るね」

凛「ん?」

ことり「ほら、衣装作らなきゃ」

凛「これから練習だよ?」

ことり「大丈夫、今日花陽ちゃんお休みなんでしょ?」

凛「え、うん」

ことり「だからことりがいる意味ないよね」

凛「ちょっと意味がわからないにゃ」

ことり「じゃあまたね、凛ちゃん!」

凛「」

――ことりの部屋

ことり「さてと」

ことり「……あれ、海未ちゃんから連絡来てる」

ことり「てきとうに返信しとこ」

ことり「んー……『花陽ちゃんのごはんになります』っと」

ことり「よし、これで照れた海未ちゃんはおとなしくなるはずっ」

ことり「よぉし、はりきっていこーっ」

ことり「ちくちく」

ことり「ちくちくっ」

ことり「花陽ちゃん、絶対似合うよね、これ」

ことり「楽しみだなぁ」

ことり「ちくちくちくちく……」

ことり「ねぇーひとつだけー聞いていいー? 私のこーとーっ」

ことり「会えーるかも今日はー」

ことり「……って、今日は会えなかったなぁ」

ことり「用事があるなら仕方ないけど」

ことり「ふぅ、ちょっと休憩……紅茶でも飲もうかな」

ことり「うーん……このデザインで花陽ちゃん喜んでくれるかなぁ」

ことり「なんかいつもとあんまり変わんないかも」

ことり「花陽ちゃんの良さをもっと出したいけど……」

ことり「……そうだ!」

ことり「肩のところを広く見せてみたらどうかなっ」

ことり「シースルー素材もいっぱい使っちゃおっ」

ことり「なんか物足りない気がするんだけど……」

ことり「アクセサリーかなんか欲しいなぁ」

ことり「この衣装だったら……」

ことり「! 思いついたっ」

ことり「よぉし、明日探してこよう!」

――数日後、ことりの部屋

ことり「できたよ花陽ちゃんっ!」

花陽「えぇっ!? どうしたのことりちゃん?」

ことり「あれ? なにも言ってなかったっけ?」

花陽「うん、聞いてないと思うけど……」

ことり「ふっふっふっー」

花陽(なんかよくわからないけど、ことりちゃんかわいい)

ことり「じゃーんっ、新しい衣装ができましたぁ!」

花陽「わぁっ、真っ白できれいだねぇ!」

ことり「でしょ? 女神さまをモチーフにしてみたんだ!」

花陽「すごーい! さすがことりちゃんだね! でもこれ、だれが着るの?」

ことり「花陽ちゃんだよ?」

花陽「え?」

ことり「花陽ちゃん」

花陽「」

花陽「わ、わたし!?」

ことり「うんっ。花陽ちゃんのために作ったんだよ」

花陽「えぇ、でもこれ、肌が……」

ことり「大丈夫だよ。花陽ちゃん、きれいな肌だから」スッ

花陽「ひゃっ! こ、ことりちゃん!」

ことり「……あ、ごめん。さぁ、着てみてよ!」

花陽「う、うん。わかった」

ことり(危ない)

花陽(今日のことりちゃん、いつもと違う)

ことり(今日はこの衣装を着てもらってからなんだから)

花陽(たぶんわたし、おやつにされる)

ことり(そのために………)

花陽「……着れたよ」

ことり「やっぱり似合うね」

花陽「これで大丈夫かな」

ことり「うん、あとはこれをかぶってみて」

花陽「これ……月桂冠?」

ことり「そう、女神さまって、なんかこういうのかぶってるイメージだから」

花陽「こんなものまで……」

ことり「すごい……ことりの予想以上に素敵……」

花陽「そ、そうかな?」

ことり「うん」

花陽「でもこれ、やっぱり恥ずかしい……」

ことり「大丈夫だよ」スッ

花陽「え?」ドサッ

ことり「これは、ことりだけが知ってる花陽ちゃんだから」チュッ

花陽「ひゃっ」

ことり「ねぇ、女神さま」

花陽「ん、なにかな?」

ことり「ことりの、おやつにしていいですか?」

花陽「……うん、いいよ」

――チュンチュン

花陽「ん……」

ことり「……」スーッ

花陽「ことりちゃん?」

ことり「んっ」

花陽「あ、昨日……」

ことり「……楽しかったね」

花陽「あ、起こしちゃった?」

ことり「ううん。それより、ケータイなってるよ」

花陽「ほんとだ……あっ、凛ちゃんだ!」

ことり「約束してたの?」

花陽「うん……ごめんね、すぐに行かなきゃ」

ことり「じゃあ、シャワー浴びていったら?」

花陽「ありがと、そうするね」

――

凛「かよちん遅いにゃー!」

花陽「ご、ごめんねっ」

凛「……あれ?」

花陽「どうしたの、凛ちゃん」

凛「いや、なんでも」

凛(ことりちゃんの髪と同じ匂い……)

凛(ってことは昨日……なんか複雑な気分)

花陽「そうだ。凛ちゃん、最近海未ちゃんとはどう?」

凛「にゃ! 急にどうしたにゃ」

花陽「え、なんとなく」

凛「ま、まあまあかな」

花陽「そっかー」

凛「かよちんこそ、ことりちゃんとはどうなの?」

花陽「えぇ? わたしたちのことはいいよ」

凛(まぁ、聞かなくても分かるけど)

花陽「凛ちゃん?」

凛「……ゆうべはお楽しみでしたね」ボソッ

花陽「!」

凛「ほらかよちん、早く行くにゃ!」

花陽「え、凛ちゃん? 今のって……ちょっと待ってよぉ!」

――終わり

ことり「折り紙とおにぎり」の続き的なお話でした。

スクフェスイベント2枚取りできた記念に書きました。

読んでくれた方々、ありがとうございました。おやすみなさい。

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