モバP「車輪の上に乗るように」 (43)

モバマスSSです。

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こんばんは。台風が凄いですね。
古典シリーズです。

事務所

ちひろ「それでは、お疲れ様でーす」

P「お疲れ様です」

文香「お疲れ…様です」

バタン

文香「ちひろさんは今日は何か予定があるのでしょうか…?」

P「さぁな」

文香「そこまでプライベートには干渉しないんですか?」

P「そりゃな。文香だって無闇に詮索はされたくないだろ?」

文香「まぁ…はい」

P「そういうことだ」

文香「はい。変なことを聞いてしまって…すみませんでした」

P「別にいいって」

P「今、何読んでるんだ?」

文香「次の収録で…使われる予定の本です」

P「あー、なるほどな」

文香「私程度では、流石に古今東西の本を網羅…している訳ではありませんから」

P「それでも結構本は読んでると思うけどな」

文香「それは…ただの趣味です。やっぱり、お仕事なら…それなりに何か話せないと…と思いまして」

P「なるほどな」

文香「…気を張り過ぎでしょうか?」

P「いや、その心がけは素晴らしいと思う」

文香「それは…良かったです」

P「ただ、無理だけはするなよ」

文香「はい。好きなものを嫌いになるほど根を詰めないようにはしたいと…思います」

P「そうだな」

文香「最近、知り合いや家族から『頑張れ』…と声を掛けられるようになりました」

P「少しずつ露出も増えてきたからな」

文香「…はい。それで、少し頑張ろうかと思ったんです」

P「なるほどな。周囲の期待に少しでも応えようとか」

文香「…はい。ファンの方の応援も大事ですが、身内の応援も原動力になりますからね」

P「そうだな」

P「話が変わるようで申し訳ないんだが」

文香「…なんですか?」

P「一輪車に乗れるか?」

文香「…乗れると思いますか?」

P「悪いな」

文香「あ、謝らないで下さい…その、余計に沈みます…」

P「そうか…」

文香「何か意図があるんですか?」

P「大した意図はないが、身近な人の応援に潰されないか心配になってな」

文香「…随分と周りくどい心配の仕方ですね」

美嘉「たっだいまー★」

P「お帰り」

文香「お帰り…なさい」

美嘉「あれ?ちひろさんは?」

P「帰った」

文香「なんでも用があるらしくて」

美嘉「ふーん。珍しいこともあるんだね」

美嘉「あ、そうそう」

P「なんだ?」

美嘉「莉嘉に聞いたんだけど、今度ロケ行くらしいじゃん」

P「行くな」

美嘉「アタシは他の撮影あるんだけど、ちゃんとしっかり見といてよ」

P「いいお姉さんだな」

美嘉「…まぁ、莉嘉の姉はアタシしかいないしね。ってそういう訳じゃなくてさ」

美嘉「山と川とお祭りの撮影だっけ?莉嘉が調子に乗り過ぎないように気をつけてね」

P「分かった」

美嘉「…水着の衣装がちょっと布少なかった気がするんだけど、Pさんの趣味?」

P「そんな訳ないじゃないか」

美嘉「どうだか」ニヤニヤ

P「どちらかと言うと、この間の美嘉の衣装の方が少なかった気が…」

美嘉「あ、アタシのことはいいのっ。いや、良くないんだけどっ!今はいいの」

P「言いたいことは分かった。撮影の休憩中は俺の上着でもかけとくよ」

美嘉「…お願いね」

P「あぁ、美嘉にしたみたいにしておくな」

美嘉「うん。それでこそPクンだねー」

P「あんまり似てないな」

美嘉「べ、別に似せてるつもりなんてないし」

P「そうか」

美嘉「そうそう。とにかくよろしくね」

P「分かった」

美嘉「信じてるからね」

美嘉「お。そう言えば文香ちゃんは何してるの?」

文香「あ、いえ…私は…」

美嘉「んー?あ、本読んでるんだね」

文香「…は、はい」

美嘉「アタシはあんまり本読むとか得意じゃないんだけど、この間文香ちゃんが番組で紹介してた本はちょっと面白そうだなって思ったよ」

文香「そ、それは良かったです…」

美嘉「ま、まだ、あんまり読めてないんだけどさ」ポリポリ

美嘉「いつになるか分からないけど、読み終わったら教えるね」

文香「ま、待ってます…」

美嘉「うんっ。それじゃーね」

文香「は、はい…」

P「送るか?」

美嘉「あ、マジ?ありがと」

文香「あ、私も帰ります」

美嘉「お、それじゃ一緒に帰ろっか」

文香「は、はい」

車内

美嘉「文香ちゃんってどういう本が好きなの?」

文香「え、えっと…これといってどういうのがと言うのはですね…」

P(考えてみたら珍しい組み合わせだな)

美嘉「んー。なんて言うか恋愛小説とかの方が好きなの?」

文香「れ、恋愛ものはちょっと…」

美嘉「ありゃ。苦手?」

文香「と言うより、恥ずかしくて…」カァァ

美嘉「可愛いなぁ」ニヤニヤ

文香「そ、そんな…」

美嘉「こういう奥ゆかしい感じの子が男の子はいいのかな?」

P「さぁな?」

美嘉「ちなみにPさんは?」

文香「……」チラ

P「勿論嫌いじゃないさ」

文香「……」ホッ

美嘉「このムッツリめ~」

P「なんでそうなる」

美嘉「ま。そんな回答は予測出来てたんだけどね」

P「付き合いが長いしな」

美嘉「そーそー」

美嘉「ばいばい★」

P「じゃあな」

文香「お疲れ様…でした」

文香「…エネルギッシュですね」

P「美嘉らしいだろ」

文香「圧倒されました…でも、とっても優しい人です」

P「そうだな」

文香「私の話しやすいように誘導してくれました」

P「本の話題だったもんな」

文香「三人以上だとあまり話せない私を見抜いてたみたいです」

P「そう聞くと流石だな」

文香「そうですね」

文香「美嘉さんの趣味はなんでしょうか…?」

P「カラオケが好きとか言ってたな」

文香「カラオケ…ですか。頑張ります」

翌日

莉嘉「おっはよー!」

P「相変わらず元気がいいな」

莉嘉「だって、初めてのPくんとの旅行だよ?」

P「ロケな」

莉嘉「でも、現地集合、現地解散ってことは移動中は二人っきりってことじゃん」

P「そうだな」

莉嘉「つまり、旅行と言ってもいいんじゃないかな?」

P「まぁ、捉え方によっては」

莉嘉「だよねー。あ、Pくん、お菓子は何円までですか?」

P「撮影あるから終わるまで禁止」

莉嘉「えー。ひどーい」

P「終わったら好きに食べていいから」

莉嘉「むぅ、しょうがないなぁ」

P「しょうがない、しょうがない」

莉嘉「ちなみに、この服どうかな?」

P「似合ってると思うぞ」

莉嘉「さっすが、Pくん。女心が分かってるねー」

車内

莉嘉「へへっ、こっち向いて」

P「それはちょっと難しいな」

莉嘉「赤信号の時でいいから」

P「はい。どうした?」パシャ

莉嘉「へへ~ん。ツーショットGET★」

P「そういうことか」

莉嘉「待ち受けにしちゃおうっと」

P「あんまり人様に見せるなよ」

莉嘉「え?もうお姉ちゃんに送っちゃったよ?」

P「事務所の人にはいいけど」

莉嘉「それじゃ、皆に送っちゃおうっと!」

P「送りたいのか」

莉嘉「まぁねー」

莉嘉「ついでに、貴重な横顔も撮っちゃった」

P「そんな写真どうするんだ?」

莉嘉「お姉ちゃんに自慢するんだ」

莉嘉「そう言えば、山での撮影があるんだよね?」

P「そうだな」

莉嘉「カブトムシとかっているのかな?」

P「いるんじゃないか?」

莉嘉「ホントに!?」

P「随分な驚き様だな…」

莉嘉「いや、木にいるカブトムシとか見たことなくて…」アハハ

P「まぁ、都会じゃ見てセミくらいか」

莉嘉「そうだね。そっかー、いるんだー」

P「言っておくが探す時間はないぞ」

莉嘉「えー、折角行くのに」ブー

P「…分かった。俺が見つける」

莉嘉「え?」

P「それで、撮影の休憩中に二人で観察しよう」

莉嘉「Pくん優しいな~」

P「まぁ折角そっちの方に行くんだからさ」

莉嘉「だよね~」

ロケ地

P「それじゃ今日は宜しくお願いします」

莉嘉「しまーす★」

カメラマン「こちらこそお願いします」

P「最初は山の撮影ですよね」

カメラマン「はい。元気良い姿でお願いしたいと思います」

莉嘉「この莉嘉に任せなさーい」ドヤ

P「それじゃ、ちょっと行ってくるな」

莉嘉「うん。行ってらっしゃい」

P「と言っても、莉嘉が見える所にいるつもりだけどな」

莉嘉「あ、そうなんだ」

P「あぁ、美嘉にも言われてるし」

莉嘉「お姉ちゃん?」

P「あぁ」


カメラマン「目線お願いしまーす」

莉嘉「はーい」



P(あっちは順調みたいだな…)

P「しかし、莉嘉の衣装似合ってるな」

P「美嘉に比べて、自然とか大好きだからな」

P「…さて、こっちも頑張って探すか」

P「お、この木は確かカブトムシが好きな木だから…いたっ!」

P「昔、よくカブトムシ探してて良かった…」

P「おーい。莉嘉」

莉嘉「あ、なに?」

P「見つけたぞ」

莉嘉「ホント!?どこどこ?」

カメラマン「何を見つけたんです?」

P「カブトムシです。一緒に観ますか?」

カメラマン「いいですね。一緒に撮っておきますか」

P「確かに莉嘉の良い表情も撮れそうですしね」

莉嘉「どこー?」

P「あぁ、この木だ」

莉嘉「あっ、ホントだ」キラキラ

莉嘉「へー、ほー、こんな風になってるんだ」

P(ここまで喜んでくれると嬉しいな)

パシャ

カメラマン「おかげ様で良い絵が撮れました」

P「是非使って下さい」

カメラマン「勿論ですとも。それでは、次は川の方に…」



莉嘉「なんか遊びたくなるねー」

P「今の時期は特にな」

莉嘉「うんうん」

P「ただ、そういうのは終わってからだ」

莉嘉「はーい」

P(やっぱり莉嘉はこういう背景の方が映えるな)

P(勿論、普段のもいいと思うけど)

P(美嘉との違いもちゃんとあるってことだよな)

P「姉妹でも別々の人間なんだから当然か」

莉嘉「なにしてるの?」

P「ん?あぁ、莉嘉に見惚れてた」

莉嘉「へ?」

莉嘉「んもー。Pくんったら口上手すぎ!勘違いしちゃうじゃん」カァァ

P「ごめんごめん」

莉嘉「ホントにそう思ったなら許してあげる」

P「思ったんだよ」

莉嘉「へへーん。なら許す★」ニコ

P「撮影は楽しいか?」

莉嘉「うん。最高!」

カメラマン「これで、日中の予定は終わりです。丁度夜にここのお祭りがあるのでそこで撮影して終わりです」

P「分かりました」

カメラマン「それでは、それまでは自由にして下さって結構です。お疲れ様でした」

P「お疲れ様でした」

莉嘉「でしたっ」ペコリ

莉嘉「さっ!Pくん。なにしよっか」

P「何がしたい?」

莉嘉「なんでもいいよ。遊べるなら」

莉嘉「あ、ちょっと待ってて」

P「ん?」

莉嘉「絶対そこにいてね」

P「分かった」

莉嘉「へへーん」

P「お、新しい水着か」

莉嘉「どうだ、Pくん。このちょーセクシーな水着を着た莉嘉を見た感想は」

P「いいんじゃないかな」

莉嘉「お姉ちゃんと選んだ甲斐があったよー」

P「美嘉と選んだのか」

莉嘉「そそ。お姉ちゃんはちょっと派手だって言ってたけど…いいかなって」

P「なるほどな」

莉嘉「だって、Pくんにしか見せる予定ないんだし!って言ったら納得してくれたんだ」

P「そうか」

P「ただ、上に何か着ような。虫に刺されたりしたらアレだし」

莉嘉「えー」

P「えーじゃない」

莉嘉「折角着たのに…」ブツブツ

P「それじゃ、写真撮ってやるから」

莉嘉「ホント?それじゃPクンとのツーショットがいいなっ!」

P「分かった分かった」

P「はいチーズ」

パシャ

莉嘉「ど、どう?」

P「よく撮れてるな」

莉嘉「後で送ってね~」

P「あぁ」

莉嘉「それじゃ、川の中を色々見てみよっ!」

P「魚とかも泳いでるんだな」

莉嘉「綺麗だもんね」

P「あそこの石の下にも何かいそうだな」

莉嘉「そうだね!」

P「のどかだなぁ…」

莉嘉「癒されるねー」

P「たまにはいいな」

莉嘉「たまにはいいねー」

P「さ、暗くなる前に着替えて最後の撮影に行くか」

莉嘉「はーい」

莉嘉「あ、でもその前に」ギュー

P「ん?」

莉嘉「えい★」パシャ

P「また、写真か?」

莉嘉「普段あんまり二人じゃいられないから、記念にね。思い出に残しておいてもバチは当たらないでしょ?」

P「確かにな」

莉嘉「今だけはリカだけのPくんだしー」

P「そうだな」

莉嘉「楽しまなきゃソンソン♪」

境内

莉嘉「に、似合う?」

P「浴衣か。いいな」

莉嘉「良かったー。これ草履だからちょっと歩きにくいんだよね~」

P「撮影まで掴まってるか?」

莉嘉「リカの考えてること分かったんだ。さっすが!」

P「まぁな」

莉嘉「あ、アンズ飴ある。杏ちゃんに買っていったら喜ぶかな」

P「流石にお土産には出来ないけどな…」

莉嘉「それじゃ、二人で食べて感想を教えてあげようよっ!」

P「杏に対するイジメだなそれ」

莉嘉「そうかなぁ?」

P「そうだろ。それじゃ、撮影頑張れ」

莉嘉「うんっ!」

P「昼との雰囲気と正反対な感じがいいなぁ…」

P「昼は、ただの幼馴染として遊んでたのに、浴衣を見た瞬間、異性として意識し出すって感じかな」

P「いつもとは違う一面を見たって感じだな」

P(なんかクサいかな…)

P「でも、そんな感じだな」

P「莉嘉だから、無意識に手とか握っちゃうんだろうなぁ…。いや、それとも莉嘉も意識して…」

莉嘉「なに一人で唸ってるの?」

P「あ、莉嘉か。悪いな。ちょっとシチュエーションを考えてたんだ」

莉嘉「シチュエーション?」

P「あぁ、どうやったら莉嘉の魅力を引き出せるか考えてたんだ」

莉嘉「なるほどねー。あ、でも、撮影終わっちゃったよ?」

P「そうか。それじゃ挨拶に行こうか」

P「ありがとうございました」

カメラマン「お疲れ様でした」

莉嘉「ましたっ!」

P「まだ、ちょっとだけ時間あるし見て回るか?」

莉嘉「そうだね~」

莉嘉「最近さ、周りの皆から色々応援されるようになったんだよ~」

P「そうか凄いな」

莉嘉「うん。学校の友達とかからもね。あとはお姉ちゃんの友達とかからも」

P「凄い期待だな」

莉嘉「そうだねー」

莉嘉「でも、アタシは、その期待にどうやって応えればいいかたまに分からないんだよね」

莉嘉「リカはPクンが取ってきてくれたお仕事をやってるだけだから」

P「まぁ、そうかもしれないけど。俺が仕事を取ってこれるのも莉嘉が魅力的だからだぞ」

莉嘉「嬉しいこと言ってくれるねー☆」

莉嘉「でも、何か出来ることないかなーって思うんだよね」

P「焦るなよ?」

P「昔から周囲の期待に押しつぶされちゃってダメになっちゃう人もいるから」

莉嘉「そうなの?」

P「あぁ、真面目過ぎるとさ、周りの期待って言うものを必要以上に感じてそれに縛られるんだ」

莉嘉「難しいことはわかんないけど、頑張りすぎちゃうってこと?」

P「そうそう。期待って言う車輪に押しつぶされちゃうんだ」

莉嘉「リカは大丈夫だよ」

莉嘉「だって、自転車も一輪車も乗るの得意だから。へへへ」

莉嘉「どんな期待だって、応えてみせるよ」

P「流石莉嘉だな」

莉嘉「ま。Pくんがいないとそういうのは無理かもしれないけどね~」チラ

P「そうか?」

莉嘉「うん。だって、リカはPクンがいないと何もアイドルのお仕事出来ないもん」

P「俺だって莉嘉がいないと仕事無くなるしな」

莉嘉「あはは。同じだねー」

P「そうだな」

莉嘉「それに、Pくんならさ、リカが何かに負けそうな時でも、カッコよくヒーローみたいにリカを助けてくれるもんね」

P「努力する」

莉嘉「そこはそうだ!って言わなきゃ」アハハ

莉嘉「そう言えば、Pくんはどんなプロデューサーになりたいの?」

P「どうした?いきなり」

莉嘉「たまに聞くじゃん。どんなアイドルになりたいかって。Pくんはどうなのかなーって」

P「そうだな。俺は、皆をサポートしつつ、皆がピンチになった時に咄嗟に助けられるプロデューサーになりたい」

莉嘉「どういうこと?」

P「さっきの莉嘉の話じゃないけど、莉嘉達がピンチになったらヒーローみたいに助けられるプロデューサーになりたいってことかな」

莉嘉「なるほどー」

莉嘉「それじゃ、リカはこれからもPくんに付いていけばいいんだね」

P「あぁ、付いてきてくれ」

莉嘉「…もし、リカが危ない目に遭いそうになったら…?」

P「颯爽と助けてやるさ」

莉嘉「カッコいいー!」

P(少し恥ずかしいな)

莉嘉「あ、お参りしようよ」

P「そうだな」

莉嘉「Pくんと仲良くいられますよーに」

莉嘉「Pくんと仲良くいられますよーに」

P「大きな声だな…」

莉嘉「これくらいじゃないと聞いてくれないかなーって」

P「きっと伝わったさ」

莉嘉「だよねだよね!」

P「それじゃ、帰ろうか」

莉嘉「あ、でもさ」

P「うん?」

莉嘉「今のお願いって神様にお願いしなくても、Pくんにお願いすればいいのかな?」

P「確かに言われてみればそうかもな」

莉嘉「それじゃ、Pくんにもお願いしておくね」

莉嘉「リカとずっとずーっと一緒にいてくれますようにって!」ニコ

車内

莉嘉「……」スゥ

P「やっぱり寝ちゃったか」

莉嘉「…Pくん」ムニャムニャ

P「お疲れ様」

P「…I’d just be the catcher in the rye and allだっけか」

P「まぁ、正直夢物語だけど、そうありたいよな」

P「あんまりカッコよくないかもしれないけど、ヒーローでいたいな」

P「気障ったらしいか」アハハ

事務所

P「ただいま戻りました」

頼子「お帰りなさい」

P「一人か?」

頼子「はい…あれ?城ケ崎さんは?」

P「送ってきた」

頼子「あ、そうなんですか」

P「あぁ、頼子はどうしているんだ?」

頼子「少し…読書を」

P「なるほどな。遅くならない内に帰ろうな」

頼子「…はい」

頼子「最近、私を知っている方が増えて…きました」

P「それは良かった」

頼子「ひとえにPさんのおかげです。ありがとうございます」

P「いや、頼子の実力さ」

頼子「ありがとうございます。ただ…」

P「ただ?」

頼子「中々貴方を魅了することが…あ、えっと…その…」

P「頼子はもう十分魅力的だと思うぞ」

頼子「あ、ありがとうございます。あ、いえ、そういうことではなくてですね」

P「ん?」

頼子「いえ、なんでもありません。まだ…私がまだまだなだけですから」

頼子「いつか、貴方は誰かに花を渡すかもしれません。もしかしたら誰にも渡さないかもしれません」

頼子「ただ…渡す際には、タイミングを間違えないように気をつけないといけませんよね」

P「どういうことだ?」

頼子「who wants flowers when you're dead? Nobody ですから…」

P「That killed me」

頼子「流石ですね…」フフフ

P「たまたまだ」

頼子「それでも…やはり、あなたは最高です」ニコ

終わりです。

見て下さった方ありがとうございました。

久々に即興で書きました。

この間、千鶴のSS『心の在処』を書いていましたが、それ以外にも最近、時子のSS『執着の証』や、晶葉のSS『斜めの閃き』
などを書いていました。

簡単な解説です。

余り古典的な要素はありませんでしたが、

周囲の期待と言う車輪によって押し潰されるのは、ヘルマンヘッセ著『車輪の下』から引用しています。
あらすじは簡単に言いますと、周りの人々から期待され、その期待に踏み潰されてしまった少年の姿を描いた作品です。

それと、プロデューサーと頼子が喋った英語は『ライ麦畑で捕まえて』から引用しています。
あらすじは…自身の落ちこぼれ意識や疎外感に苛まれる主人公が、妹に問い詰められて語った夢。
        自分は、広いライ麦畑で遊んでいる子どもたちが、気付かずに崖っぷちから落ちそうになったときに、捕まえてあげるような、そんな人間になりたい。
        と答え実家に帰るまでニューヨークを放浪する3日間の話です。

I’d just be the catcher in the rye and all 訳:ライ麦畑のつかまえ役、そういったものに僕はなりたいんだ。

who wants flowers when you're dead? Nobody 訳:死んでから花をほしがる奴なんているもんか。一人もいやしないよ

That killed me 訳:そりゃあ参ったね。

です。

それでは、失礼いたしました。

おつおつ


あと公式で妹ちゃんは「☆」でお姉ちゃんと区別されてるからね☆

>>40
途中で気づいたんですよねぇ…。
ありがとうございます。

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