[プレイ日記?]アリアハンの魔法使い(1000)

――アリアハン 謁見の間

魔法使い「お呼びでしょうか」

王「うむ、呼び立ててすまぬな。早速だが、お主に頼みがある。オルテガの娘の話は聞いておるな?」

魔法使い「はい、父オルテガ殿に負けず劣らずの豪傑であるとか。確か、来年には16になり、旅立ち予定である、と聞いております」

王「さよう。そしてわしは、そなたに勇者の供をしてもらいたい、と思っておる。どうじゃ、出来るか?」

魔法使い「…それがご命令であるならば。しかし、彼女の旅立ちは一年後…」

王「そうじゃ、そこでじゃよ、お主には勇者より先に旅立ってもらいたいのじゃ」

魔法使い「!?と、言いますと?」

王「なに、そう難しい話ではない。これから勇者が旅立つまでの一年間で腕を磨き、見聞を広げて来て欲しい、それだけの話じゃよ」

魔法使い「つまり、今の私の実力では力不足、と」

王「そうは言っておらん。だが、どうせ勇者を送り出すなら、より頼もしい供がいた方が心強いじゃろう?」

魔法使い「それはそうですが…」

王「で、じゃ。きれものと名高いお主に白羽の矢を立てたというわけじゃ。どうじゃ、やってくれるな?」

魔法使い「それがご命令であるならば」

王「うむ、お主ならそう言ってくれると思っていたぞ。では早速じゃが、旅立ちの餞別じゃ」

どうのつるぎを手に入れた!
こんぼうを手に入れた!
こんぼうを手に入れた!
ひのきのぼうを手に入れた!
たびびとのふくを手に入れた!
たびびとのふくを手に入れた!
50Gを手に入れた!

魔法使い「…」

王「何か言いたげじゃな」

魔法使い「いえ、別に…」

王「あー、言っておくがな、お主を供にするこの計画はわしの独断でな、あまり大きな金は動かせぬによってな…」

魔法使い「理解しております。王ともあろうお方の食卓から、酒や珍味がなくなっては一大事でしょうから」

王「…」

魔法使い「私は不満はありません、ご命令であるならば。ただ――ルイーダの酒場は使っても?」

王「あ、ああ、構わんよ」

魔法使い「それでは早速準備にはいります。では――」

王「ま、待て待て!まだ渡すものがある」

魔法使い「…?まだ何か?」

王「うむ。お主は優秀な魔法使いではあるが、天に選ばれた勇者ではない。魔物に殺されたら、それで終いじゃ」

魔法使い「それはそうでしょうね」

王「で、じゃ。お主にこれをやろうと思う。これがあれば、魔物に殺されても最寄りの王の所に戻れるじゃろう」

亡者のくつを手に入れた!

魔法使い「…このようなものをいただいても?」

王「構わん。お主のためは勇者のため、ひいては平和のためしゃからな。ただし、この靴は5回までしか使えぬ。6回目の死亡による全滅でお主の旅は終わりじゃ。最悪の形でな。それだけは忘れぬようにな」

魔法使い「はっ、ありがとうございます」

王「では魔法使いよ、この旅がどのようなものであるか確認するぞ」

魔法使い「はっ。まず、

私に与えられた時間は365日

キメラの翼やルーラで1日経過

徒歩で夜が明けても1日経過

宿屋に止まって1日経過

王様の所で冒険を中断しても1日経過

で、よろしいですね?」

王「うむ、次に全滅に関してじゃが――」

魔法使い「はい。

死亡による全滅は5回まで。

マヒによる全滅は構わない

ですね?」

王「うむ。ま、マヒなどの場合は、通りすがりが助けてくれたりもするからの。じゃが、死亡による全滅を6回した場合――」

魔法使い「魔法使いは、志半ばで力尽きた。その後、アリアハンは、勇者はどうなったのか、それは――キミの目で確かめてくれ!――といった感じですね?」

王「うむ。そうなれば誰も得をしない。くれぐれも、気を付けて旅をしてくれ魔物達は日々、その強さを増しているという報告も聞くからの」

魔法使い「心得ました」

王「うむ。では、重ねてになるが、くれぐれも気を付けてな。では、ゆけ、魔法使いよ!」

1日目

魔法使い「さて、 まずは、ルイーダの酒場に行くのも良いけど…とりあえず自分がどのくらい魔物に通用するのか知りたいわね…」

――アリアハン郊外

スライムがあらわれた!
おおがらすがあらわれた!

魔法使い「早速出たわね!は火の子よ我が掌に、我が敵の元に――メラ!!」

おおがらすをたおした!!

スライムのこうげき!!

魔法使い「っ痛…!でも…もう1回、メラ!!」

スライムをたおした!!

魔法使い「…ふう、特に苦戦もしなかったけど…ダメね、いくら魔力があっても足りないわ。やっぱり仲間が必要か…」

――ルイーダの酒場

魔法使い「さて、どんな仲間がいいかしら…」

戦士「あんたの仲間?いやいや、俺は勇者についていく予定だから」

魔法使い「…ダメね、旅立つ事さえ恐れてるわ」

武道家「ああ、いいぜ。可愛がってやるよ、へっへっへ…」

魔法使い「かえって危険が増えるわね…」

遊び人「ええ~、冒険とかマジありえないんですけど」

魔法使い「…なんでここにいるのかしら?まあいいわ、仕方ない、やっぱり1人で…」

???「ねえ、そこの魔法使いさん、仲間探してるの?」

魔法使い「…貴方は?」

女の子「あたし?あたしは商人。あたし、アリアハンだけじゃなくて、もっといろんな所で商売してみたいの。連れてってくれないかな?きっと役に立つよ!」

魔法使い「商人か…」

商人「ね、いいでしょ?あたし、戦いも頑張るし、それに、旅するならお金も必要でしょ?あたしがいたら、お金の心配はさせないよ!」

魔法使い「そうね…お金は…国からも大して出なかったし…」

商人「ね、ね?いいでしょ?」

魔法使い「…そうね、じゃあお願いしようかしら」

商人「やったー!じゃあよろしくね、魔法使いさん」

――

魔法使い「さて、仲間も加えたし、まずは…」

商人「ね、早速だけど、レーベ行こうよ!ここから北、歩いてすぐだよ」

魔法使い「…いえ、次の町に行くのは、少し鍛えてからにしましょう」

商人「え~」

――アリアハン郊外

スライムがあらわれた!

商人「早速出たわね!…って、6匹!?多すぎるよ~」

魔法使い「やるしかないわ。準備は?」

商人「う、うん。さっきもらったどうのつるぎが…」

魔法使い「じゃあ攻撃よ!それ、メラ!!」

商人「よ、よし、私も…それっ!!」ガツンッ

魔法使い「よし、2匹倒し…!?」

スライムのこうげき!!スライムのこうげき!!スライムのこうげき!!スライムのこうげき!!

商人「ひえ~!痛い痛い痛い!!」

魔法使い「ひるんじゃダメよ!もう1回、メラ!!」

商人「う、うん!それっ!!このっ!!このっ!!……」

――スライムたちをやっつけた!!

商人「はあ~、すっごい疲れた…」

魔法使い「流石に数が多かったわね。でも貴方、なかなかやるじゃない」

商人「うーん、無我夢中でよくわかんないけど…」

魔法使い「でもこの調子なら大丈夫そうね。じゃあ、もう一度戦って…」

商人「ええ~、休まないの!?」

――スライムがあらわれた!おおがらすがあらわれた!

魔法使い「よし、行くわよ!!」

商人「え~ん、きついよ~!」

――夜、アリアハンの宿屋

商人「つ~か~れ~た~」バタンッ

魔法使い「大丈夫?大変ならやめてもいいのよ?まだ間に合うわ」

商人「うーん………いや、やめない!こんな事でへこたれてられないわ!」

魔法使い「…そう。じゃあ明日は…」

商人「…」zzz…

魔法使い「…私も疲れたわ。お休みなさい、また明日…」

ちゃーらーらーらーらっちゃっちゃー

――3日目
商人「おはよー!さあ出発よ、すぐ出発よ!」

魔法使い「…待って…朝は…苦手…」

商人「も~、今日こそレーベ行くんでしょ?早くしないとレーベ逃げちゃうよ!?」

魔法使い「…逃げないわよ…」

商人「さあ起きて起きて!…ところで、1つ質問があるんだけど」

魔法使い「なに?」

商人「なんでもう3日目なの?まだ2日…」

魔法使い「なに言ってるの、昨日1日買い物したり、情報収集したり、王様に報告したりしたじゃない」

商人「ああ、王様に報告すると1日経つんだっけ…でもこのペースで大丈夫なの?」

魔法使い「それは私達次第ね。でも、のんびりとはしてられないけど、焦っても…」

商人「ほら、じゃあ急がなきゃ。もう行きましょ、ね、ね?」グイグイ

魔法使い「だから焦らないで…」

――アリアハン郊外

商人「さあ、今日こそはレーベに行くよ!!」

魔法使い「あんまり騒ぐと魔物が寄って来るわよ」

商人レベル2「大丈夫よ、昨日レベルも上がったし」

魔法使いレベル2「まあそうだけど…」

商人「来るなら来なさいよ、けちょんけちょんにしてわるわ、モンスター!!」

スライムがあらわれた!おおがらすがあらわれた!

魔法使い「来たわね」

商人「よーしやるわよー!…ってなんでまた6匹もいるの!?」

魔法使い「魔物達は6匹パーティーが流行ってたりしてね」

商人「そんな流行やだよ~」

魔法使い「ほら、弱音吐いてないで、やるわよ」

商人「うう、なんで毎回毎回…」

――レーベの村

商人「やっと着いた~。瀕死だよ~」ヨロヨロ

魔法使い「あの後またスライム6匹に襲われたからね」

商人「ホントに6匹パーティー流行ってるのかな?ああ、体のあちこち痛いよ…」

魔法使い「ねえ、アリアハンで買った薬草はどうしたの?使えばいいじゃない」

商人「だって~、薬草は8ゴールド、宿屋に泊まれば1人2ゴールド…」

魔法使い「…呆れた」

商人「こんな簡単な計算が出来ないようじゃ、商人失格だよ~」

魔法使い「はいはい。じゃあ早く2ゴールドの宿屋に泊まりましょ」

商人「待って、お店見て回りたい…」

魔法使い「その体で?」

商人「疲れたし身体中痛いしだけど、お店も見ないで宿屋に行く商人なんて…」ヨロヨロ

魔法使い「ほんと呆れた…」フゥ

道具屋「いらっしゃい」

商人「あっ、ターバンがある」

魔法使い「買うの?」

商人「いちじゅうひゃく、いちじゅうひゃく、いちじゅうひゃく…」

魔法使い「何回数えても値段は下がらないわよ」

商人「うぅ~…」

魔法使い「ほら、唸ってないで、次は武器防具屋に行きましょ」

商人「ああ、ターバン~…」

武器防具屋「いらっしゃい、ようこそ!!ゆっくり見てってくれよ!」

魔法使い「どう?」

商人「アリアハンより良いものがたくさんあるね」

魔法使い「そうみたいね。でも…」

商人「うん。良いものだけに、値段もね…」

魔法使い「そもそも私達、そんなにお金ないわよね」

商人「今日宿屋に泊まれば45ゴールドしかないよ…余ってる武器とか売ってやっと100ゴールドあるかないか…」

魔法使い「しばらくお金を稼ぐ時間が必要かしらね」

商人「また魔物退治かあ…でも仕方ないよね」

魔法使い「そうと決まったら、今日はもう休みましょ?あとはまた明日」

商人「そうだね。それじゃ宿屋に向かって出発進行!!」

魔法使い「ふう、全くお調子者ね…」

ちゃーらーらーらーらっちゃっちゃー

――4日目

商人「起きて!朝よ、あーさー!」

魔法使い「…今…起き…」

商人「おーきーてー!!」バンバン

魔法使い「…分かったわよ、全く…」

商人「今日は魔物退治だよ!たくさん倒してお金稼いで、いっぱい買い物するの!」

魔法使い「分かってるわよ…準備するから待ってて…」

商人「早くしてね!私外で待ってるから!」バタンッドタドタ…

魔法使い「朝から元気ね…」フゥ

――レーベ郊外

商人「…それでね、このアリアハン大陸から出るにはまほうの玉っていうのが必要なんだって」

魔法使い「そういえば、アリアハンにもそれを作ろうとしてた人がいたわね。失敗したみたいだけど…」

商人「あーいたね。レーベに来ればちゃんとしたやつくれるおじいさんがいるって話だったのに」

魔法使い「私にその話は聞いたけど…村中探してもそんな人いなかったわよ」

商人「だよねー。どういうことだろ?私達探し方甘かったかなぁ?」

魔法使い「そうね、それでなければ、私達が行けない所…開かない扉の向こう側とかかしら」

商人「あーあったね、いくら扉叩いても出てこないおうち!」

魔法使い「と、なると…気になるのはもう1つの情報ね」

商人「もう1つ…?あ、とうぞくのカギ!」

魔法使い「ええ、もしかしたら、だけど…それがこの大陸を出るための、文字通りのカギになるんじゃないかしら?」

商人「カギがあるのは、話によればナジミの塔。で、そこに行くには…」

魔法使い「南にある岬の洞窟から行けるらしいわ。ちょっと場所だけでも確認しに行く?」

商人「うん!行ってみよー!!」

――岬の洞窟

商人「うわあ…洞窟の中ってひんやりしてるね…」

魔法使い「もう…場所の確認するだけって話だったのに…」

商人「でめ、せっかく来たんだし…私達一応、冒険者でしょ?」

魔法使い「まあ、確かにね…でも今日は、すぐ引き返すわよ」

商人「分かってるって…わっ!モンスター!?」

おおがらすがあらわれた!

魔法使い「…外と代わり映えしない顔ね」

商人「ね、ね、あいつらこんな洞窟の中にいるけど、鳥目じゃないのかな?」

魔法使い「さあ…?それはともかく、やるわよ!」

商人「は~い!」チャッ

――おおがらすをやっつけた!!

商人「へへ~、もうこの程度の敵ならこわくないね!」

魔法使いレベル3「レベルも上がったしね」

商人レベル3「じゃあもっと進んでみようよ!」

魔法使い「ダメよ、無理しちゃ。この洞窟に着く前にも、魔物と戦ったじゃない」

商人「よりによって流行りの6匹パーティーに逢っちゃったもんね…」

魔法使い「そうよ、それに余裕があるうちに引き返すべきだと思うわ。だから…」

商人「あ、ちょっと待って!ほら、あそこあそこ、何かあるよ!?」

魔法使い「あれは…宝箱?」

商人「ね、あれだけ開けてみてから帰ろうよ。ね、ね、いいでしょ?」

魔法使い「しょうがないわね。まあ、私も宝箱は気になるけど…」

商人「やった!じゃ、早く行こ?」タタタ…

魔法使い「全く…転ぶわよ?」

商人「ね、ね、私が開けてもいいでしょ?」ソワソワ

魔法使い「はいはい」

商人「じゃ、開けるよ!ドキドキするね…それっ」ガチャッ

なんと やくそうを見つけた!

商人「……えぇ?!?」

魔法使い「こんな大きな箱に、薬草1つ…?」

商人「期待はずれだよ?。がっかり…」

魔法使い「まあ、仕方ないわね。さ、帰りましょ?」

商人「はーい。はぁ…」

――岬の洞窟、入口

魔法使い「無事、出てこられたわね」

商人「はぁ~、薬草かあ…」

魔法使い「まだ言ってるの?仕方ないじゃない、それに次こそはもっと良いものが入ってるわよ、きっと」

商人「そうかな…?そうかもね」

魔法使い「ええ、きっとね。それに、今日はもともとダンジョン攻略が目的じゃなかったはずよ?」

商人「え…?あ、お金稼ぎ!」

魔法使い「そうよ、いっぱい魔物倒して、たくさん買い物するんでしょう?」

商人「すっかり忘れてた!まだ明るいうちに、魔物たくさん倒さなきゃ!ね、ね、魔法使いちゃん、早く行こ?」

魔法使い「私、ちゃん付け?まあいいけど…」

商人「ほら、早く早く!」

魔法使い「はいはい」

――アリアハン城下町

魔法使い「結局、夜になるまで魔物退治しちゃったわね」

商人「疲れたよ~。しかもお店みんな閉まってるし。お買い物…」

魔法使い「仕方ないわよ、また明日ね」

商人「魔法使いちゃん、今日仕方ないばっかり…」

魔法使い「仕方ないでしょう?ほら、宿屋行くわよ」

商人「はーい…」

――5日目

商人「おっかいっもの♪おっかいっもの♪」

魔法使い「本当、元気ね…」

武器防具屋「いらっしゃい!」

商人「ね、ね、何買おっか?」

魔法使い「貴方が欲しい物を買えばいいわ、私は今、欲しい物ないから」

商人「いいの!?魔法使いちゃん、太っ腹!」

魔法使い「当然でしょう?貴方の方が前に出て戦闘してるんだから」

商人「それじゃ、遠慮なく。何がいいかな~」

魔法使い「あ、でも貴方、そのうちターバン買うんでしょ?なら頭防具以外がいいんじゃないかしら」

商人「あっ、そうだね!となると…鎧は高いし…盾がいいかなあ?」

魔法使い「そうね、そのかわの盾がいいんじゃない?」

商人「じゃあおじさん、かわの盾下さい!」

武器防具屋「毎度あり!」

商人「じゃあ次は道具屋!」

魔法使い「いいけど、前に買った薬草もまだ手をつけてないし、買うものないんじゃない?それにお金も…」

商人「お金は今武器防具屋さんで要らないこんぼう売ったから、ちょっとはあるよ。それと、買うものだけど…あ、着いた。こんにちは!」

道具屋「こんにちは、いらっしゃいませ」

商人「ほら、これ!魔法使いちゃんに買ってあげる!」

魔法使い「これって…おなべのフタ?」

商人「魔法使いちゃんも、少しは防具買うべきだと思うの。ね、ね?」

魔法使い「気持ちはありがたいけど…」

商人「ねえおじさん、これ下さい!」

道具屋「はい、毎度ありがとうございます」

商人「はい、魔法使いちゃん!」

魔法使い「あ、ありがとう…(これを装備してあるくのは…恥ずかしいわね…)」

商人「どういたしまして!へへ~、じゃあ出発しよっか!」ニコニコ

魔法使い「…ま、しょうがないわね」

魔法使い「さて、じゃあ今日はどうしようかしら」

商人レベル4「あたし、今日こそあの洞窟探検したいな。レベルも上がったし、次はもっといい宝箱見つけられるはずだし」

魔法使いレベル4「そうね、いずれあの洞窟は攻略しなければいけないし…」

商人「ね?そうと決まったら、早速行こっ!ね?」

魔法使い「そうね、じゃあ行きましょうか」

商人「じゃあ、しゅっぱーつ!!」

――岬の洞窟

おおがらすがあらわれた!

商人「てい、やあ、とおー!!」ドカバキ

魔法使い「それ、メラッ」ボォォッ

おおがらすをやっつけた!!

商人「ふふん、もう君たちなんか敵じゃないもんね。…あれ?何か落とした?」

魔法使い「あら、薬草じゃない」

商人「ラッキー♪幸先いいね。今日こそは本当に、何か良いもの見つけられるかも!」

商人「じゃあもっと奥に行ってみようよ!」

魔法使い「あ、あれってもしかして…」

商人「宝箱だ!ね、ね、開けてみようよ!」

魔法使い「今度は良いものだといいわね」

商人「きっとそうだよ!…えいっ」ガチャッ

なんと たびびとの服を手に入れた!!

魔法使い「…うーん、悪くはないけど…」

商人「そうだね…でも、昨日の薬草よりは、何倍も高く売れるよ!」

魔法使い「そうね、まあ今回はよしとする?まだまだ先は長いみたいだし」

商人「このまま進めば、もっと良いものがきっとあるよ!」

魔法使い「さて…分かれなね」

商人「左、真ん中、右か…ね、左行こうよ!」

魔法使い「なんで左なの?」

商人「カン!!」ドヤッ

魔法使い「……ま、いいわ、どうせどこ行けば正解なのか分からないし」

商人「じゃあ左、行ってみよー!!」

魔法使い「さて、何があるかしらね…あら?」

商人「すごいすごい、また宝箱だよ!あたしのカン、すごい!!」

魔法使い「確かに、今回はカンが当たったわね」

商人「じゃあまたあたしが開けるね!それっ」ガチャッ

56ゴールドを手に入れた!!

魔法使い「あら、お金ね。良かったじゃない」

商人「…帰ろう」

魔法使い「え?」

商人「今日の冒険はここまで!まだ余裕があるうちに引き返そうよ!」

魔法使い「…お金が手に入った途端に慎重ね…」

商人「落としたり奪われたりするの怖いもん。ね、ね、帰ろ?」

魔法使い「まあいいわよ。慎重に進みたいのは私も一緒だし」

商人「じゃ、今日はここまで、引き返して…!?」

おおがらすがあらわれた!いっかくうさぎがあらわれた!スライムがあらわれた!

魔法使い「モンスターよ!しかも2匹ずつ、また6匹…!」

商人「見たことない魔物がいるよ!」

魔法使い「あのうさぎね。どんなやつか分からないし、気を付けて行くわよ!」

商人「よーし、うさちゃん、覚悟ぉー!!」ガキンッ

いっかくうさぎをたおした!!

魔法使い「私はからすね。メラッ」ボォォ

おおがらすをたおした!!

商人「なーんだ、うさちゃんも大したことない…」

いっかくうさぎのこうげき!!おおがらすのこうげき!!スライムのこうげき!!スライムのこうげき!!

魔法使い「!!商人、大丈夫!?」

商人「痛い!!痛いけど…てい、やあ、そぉれっ!!」ドカバキ

魔法使い「大丈夫そうね…私も、メラッ!!」ボォォ

商人「まだまだ、いっくよー!!」

――まもののむれを やっつけた!!

商人「へっへ~ん、やったね!」

魔法使い「本当に大丈夫?結構狙われてたみたいだけど…」

商人「それがね、あんまり効かなかったの。きっと新しく買った盾のお陰だね!」

魔法使い「そう…私も、ダメージは少なくて済んだわ。この…おなべのフタのお蔭…かしらね」

商人「やっぱり買っておいて良かったね!」

魔法使い「え、ええ…」

商人「これなら、明日は洞窟のもっと奥まで行けそうだね!じゃ、明日に備えて、帰ろー!」

――岬の洞窟、入口

魔法使い「さて、無事に出てこられたわね。今日はどうする?レーベに帰る?」

商人「う~ん、ちょっと待ってね。ひいふうみい…」

魔法使い「なんで今お金を数えるの?」

商人「…うーん、ねえ、魔法使いちゃん、もうちょっと魔物退治してかない?」

魔法使い「え?いいけど、早く帰りたいって言ったの、貴方よ」

商人「うん、そうなんだけど…もうちょっと、もうちょっとでターバンが買えるようになるから…」

魔法使い「ああ、そういう事。いいわよ、まだ少し余裕あるし」

商人「やった!じゃ、あっちの森の方に行こっ!」タタタ…

魔法使い「もう…本当に転ぶわよ…」

魔法使い「さて、森に着いたけど…」

商人「あれ?ね、ね、魔法使いちゃん、あそこ!」

魔法使い「え?…あら、茂みの中に、何か…」

商人「ね、ね、ちょっと行ってみようよ!」

魔法使い「そうね…あ!」

商人「え?あ、モンスター!?」

おおありくいがあらわれた!おおがらすがあらわれた!

魔法使い「また6匹…しかも見たことのない魔物もいるわ」

商人「な、なんかちょっと強そう…」

魔法使い「どうせ魔物退治してお金稼ぐつもりだったんでしょ?やるわよ!」

商人「う~、こんなはずじゃなかったのに~」

魔法使い「それ、メラッ!!」ボォォ

おおがらすをたおした!!

商人「じゃあ私はこの茶色いヤツを…えいっ」ガキンッ

おおありくいのこうげき!!

商人「いったぁ!?一撃で倒せなかったの、初めてだ…」

おおありくいのこうげき!!おおありくいのこうげき!!

商人「痛い痛い!!ま、魔法使いちゃん、ちょっとヤバいかも…」

魔法使い「作戦変更ね、まず茶色い方を集中攻撃して倒しましょ!メラッ!!」

おおありくいをたおした!!

商人「やー!!このー!!」ブンブン

おおありくいをたおした!!

商人「よし、今度は1発で…」

おおありくいのこうげき!!おおがらすのこうげき!!

魔法使い「大丈夫!?」

商人「な、なんとか耐えられそう…よし、最後の力を振り絞って、いっくよー!!」ドカバキ…

――まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「ふう…きつかったわね」

商人「まだまだ、あたし達の知らない、強いモンスターがたくさんいるんだね…」

魔法使い「そうね…」

商人「でも!!これでターバンが買えるようになったよ!」

魔法使い「良かったわね。じゃあ、帰る?正直、私はもう限界よ…」

商人「そうだね、あの茂みも気になるけど…調べてる余裕ないよね…」

魔法使い「とてもじゃないけど、今日は無理ね。じゃあ、レーベに戻りましょう」

商人「はーい」

――レーベの村

道具屋「ターバンですか?160ゴールドになります」

商人「はーい」チャリンチャリン

道具屋「ありがとうございました」

商人「えへへ、念願のターバンが買えたよ!!これでさっきの茶色いヤツの攻撃も怖くないよ!…たぶん」

魔法使い「あまり防具を過信しない方がいいんじゃない?」

商人「そうだね…でもきっとこれなら大丈夫!明日はもっといろいろ探検出来ると思うよ!」

魔法使い「そうだといいわね。さて、それじゃあその明日に備えて…」

商人「うん、宿屋にゴーゴー!!あ~、今日も疲れたなあ。お腹も減ったし…」

魔法使い「そうね、私も…」

――6日目

商人「ねえ、今日はどうするの?岬の洞窟に行くの?それともあの茂みを調べて見る?」

魔法使い「そうね…茂みからにしましょう。もしかしたら、あそこには特になにもないかもしれないし、そしたら改めて岬の洞窟に行けばいいんじゃないかしら」

商人「なるほど!じゃあそうしよっか?でも、何か面白い物があればいいな」

魔法使い「そうね、でも危険はない方がいいけど」

商人「それも行ってみれば分かるよ。じゃあしゅっぱーつ!!」

――

商人「ここが昨日見つけた茂みだよね」

魔法使い「そうね。さて、何があるのか…」

商人「あ!ね、ね、魔法使いちゃん、あそこ、牢屋みたいになってる!」

魔法使い「本当ね…うん、どうやっても開かないわね」ギシギシ

商人「ダメか~。…あ、魔法使いちゃん、あそこ、あそこ!」

魔法使い「え?…あ、階段!?」

商人「下り階段だね!ね、ね、魔法使いちゃん、降りてみようよ!ね?」

魔法使い「もちろんよ。こんなもの見つけて、引き返せないわ」

商人「だよね!へへ~、じゃあ、探
検開始!!」

ザッザッザッザッ…

レーベ南の洞窟

商人「うわあ…なかはひんやりしてるね」ブルルッ

魔法使い「南の洞窟もそうだったけど、こっちはもっとね…」

商人「と、とりあえず進もっか?じっとしてると寒いよ…」

魔法使い「そうね、行ってみないと始まらないし」

商人「う~、これからは洞窟に入る時は厚着して来よう…」

魔法使い「その方がいいかもね…あら?」

商人「あ、こんな入口の近くに扉がある!」

魔法使い「見るからに怪しいけど…ここも開かないわね…」ガチャガチャ

商人「ここもダメか~」

魔法使い「でも、道は続いてるわ。ここはとりあえず後回しにして、先に進みましょう」

商人「そだね、行ってみよう!」

魔法使い「分かれ道ね…」

商人「左は真っ直ぐ道が続いてるけど、正面は暗くてよく見えないね」

魔法使い「左は先が長そうだし、まずは正面に行ってみる?」

商人「そだね、なんか怪しい気がするし」

魔法使い「じゃあ正面に進みましょ…!?」

フロッガーがあらわれた!スライムがあらわれた!

商人「モ、モンスター!?また6匹、しかも見たことないヤツが!!」

魔法使い「ずいぶん大きなカエルね…私、カエルとかあまり得意じゃないんだけど」

商人「あたしも苦手だよ~。ね、ね、逃げちゃおっか?」

魔法使い「何言ってるの、カエルが出てくる度に逃げ出すわけにはいかないわ。それに…新しい呪文も試したいし」

商人「えっ!?魔法使いちゃん、新しい呪文覚えたの?」

魔法使いレベル5「レベル上がったからね。そういうわけだから、戦うわよ」

商人レベル5「う~、ちょっと怖いけど…新しい呪文、期待してるね!」

魔法使い「じゃあ行くわよ!目覚めよ冬の子等よ、我の意のまま、誘うままに!ヒャド!!」カキーン

フロッガーをたおした!!

商人「おおお、すごいすごい!!」

フロッガーのこうげき!!スライムのこうげき!!

商人「わっ!…って、全然効かない!ターバンすごい!!」

フロッガーのこうげき!!

魔法使い「っ…!!私は、ちょっと痛いわね…」

商人「魔法使いちゃん!!…このー、えいっ、えいっ、とりゃあ!!」ザクザクッ

魔法使い「このくらいで怯んでられないわ!ヒャド!!」

商人「それっ!それっ!それー!!」

――まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「ふう…この洞窟の魔物は、岬の洞窟の魔物より強いみたいね。でも貴方は平気そうね?」

商人「うん、やっぱりターバンすごいよ!全然痛くなかったもん!」

魔法使い「貴方が平気なら、魔物が多少強くても大丈夫そうね」

商人「このくらいなら全然平気!!どんどん先に進もうよ!」

魔法使い「そうね。でもその前に…あれを見てみて」

商人「あれって…?あ、あ、宝箱!!」

魔法使い「ええ、開けてみるといいわ」

商人「やったー!!」

――32ゴールドを手に入れた!!

魔法使い「お金ね。どうする?また引き返す?」

商人「いいよ、まだ全然疲れてないし、それに前の宝箱よりも少ないし」

魔法使い「確かにね。じゃあこのまま進むわよ。と言っても、ここは行き止まりのようだから、さっきの分かれ道まで引き返すようだけど」

商人「そうだね。じゃあさっきの正面の道の方に行ってみよう!」

魔法使い「分かれ道ね…」

商人「右か、左か、正面だね。前は迷ったけど…」

魔法使い「今回は、正面に階段が見えてるわね。これなら行き先に迷わなくていいわね」

商人「うん、じゃあ正面の階段上ってみよう!」

ザッザッザッザッ…

魔法使い「ここは…建物の中かしら?」

商人「そうみたいだけど…あ、こっち、出口があるよ、1回出てみようよ」

魔法使い「そうね…出てみましょうか」

商人「うん、行こっ!さあー、どんな景色が待ってるかな…あ!ね、ね、魔法使いちゃん、あそこって…!」

魔法使い「海を挟んで、お城が見える…あれは…アリアハンのお城!?」

商人「てことは、アリアハンのお城が見えるって事は、ここって…!」

魔法使い「ええ、あのアリアハンから見えた塔…ナジミの塔ね」

商人「あの茂みから、ここに繋がってたんだ!!」

魔法使い「意外な所から目的地に着いたわね…じゃあ、せっかくだからこのままナジミの塔探索に入りましょうか」

商人「ここがアリアハンから見えてた塔なんだね…なんだかドキドキしてきたよ」

魔法使い「そうね、小さい時からずっとみてきたけど、入った事はなかったもの…」

商人「私も。なんだか不思議な感じ…」

魔法使い「さあ、感傷に浸ってないで、探索を…出たわね」

おおありくいがあらわれた!おおがらすがあらわれた!

商人「流行りの6匹パーティーだね。でも見たことある顔ばっかりだよ」

魔法使い「塔に入ったからといって、突然魔物の強さが増したりはしないみたいね。でも油断は禁物。やるわよ!」

商人「はーい!モンスターめ、覚悟ぉ!!」

sageののむれをやっつけた!!

魔法使い「いたたた…重傷ね…」

商人「ま、魔法使いちゃん、大丈夫!?大丈夫!?」

魔法使い「大丈夫よ、薬草を使えば…ほら」

魔法使いのきずが回復した!

商人「うわあ…薬草すごーい」

魔法使い「抜群の効き目ね。さ、行くわよ」

商人「魔法使いちゃんが治って良かった!」

魔法使い「そういえば貴方、このナジミの塔で見つけるもの、何か覚えてる?」

商人「もちろん!とうぞくのカギ、だよね!」

魔法使い「あら、ちゃんと覚えてたのね?」

商人「あ~、失礼!そのくらい覚えてます!!」プンプン

魔法使い「ごめんなさい、冗談よ。大事な目的ですものね…あ」

商人「え?…あ、階段だ!でも、塔なのに、上り階段じゃないんだ」

ザッザッザッザッ…

宿「おお、久しぶりのお客さんだ。たびびとの宿へようこそ」

商人「???」

魔法使い「ダンジョンの中に、宿屋…」

商人「あの~、ここ、儲かりますか…?」

宿屋「いやあ、ダンジョンに宿屋があったら便利だろうなと思ったんだが、やっぱり儲からんよ、はっはっはっ!」

商人「でしょうね…」

魔法使い「そもそも人が来ないでしょうからね…」

宿屋「ま、確かに来る人は少ないが、全くというわけでもないんだ。たまにね、この塔に住むご老人が泊まりに来てくれたりね」

魔法使い「!!そのご老人は、この塔の何処に!?」

宿屋「ああ、確か最上階に住んでいるという話だ」

魔法使い「そう…ありがとう」

商人「魔法使いちゃん?その人が何か?」

魔法使い「以前、アリアハンの牢獄で盗賊と喋った事があるんだけど…ナジミの塔の老人に、とうぞくのカギを奪われたと言っていたわ」

商人「…!!それって…!!」

魔法使い「ええ、そのご老人に会えれば、きっと私達の目的を果たせるわ」

商人「じゃあ、目指すは最上階だね!」

宿屋「なあ、盛り上がってる所悪いんだが、今日は泊まっていくんだろう?」

魔法使い「ああ、ごめんなさい。泊まっては行くけど、もう少し塔の中を探索してからにするわ」

商人「せめて、1階は調べてしまいたいね」

魔法使い「そうね。そういう事だから、ご主人、またあとで来るわ」

宿屋「そうかい。じゃあ待ってるからな、気をつけてな」

商人「はーい、行って来まーす!」

魔法使い「さて、それじゃあさっさと調べてしまいましょう」

商人「どこから行こうか?」

魔法使い「まずは真っ直ぐ進んでみましょ」

商人「はーい。…この塔って結構明るいけど、所々暗い所あるね」

魔法使い「そうね、この先も少し薄暗いわ。気をつけて…」

商人「でも、洞窟とかよりは明るいから…あ、あれ!!」

魔法使い「階段ね。しかも上り」

商人「これで2階に行けるね!てっぺんに少し近づくね!じゃあ上ってみよ?」

魔法使い「待って、2階に行くのは1階を調べ終わってからにしましょう」

商人「ええ~、まだ何かあるかなあ?でも、宿屋があったくらいだから…」

魔法使い「ええ、何があるか分からないわ。だから、きちんと調べて…」

商人「待って!!ま、魔法使いちゃん、後ろ!!」

魔法使い「え…?あ、魔物!?」

おおありくいがあらわれた!フロッガーがあらわれた!

商人「茶色いの3匹にカエルが2匹…流行りより少ないね」

魔法使い「だからって、油断しちゃダメよ。じゃあやりましょう、ヒャド!!」カキーン

フロッガーをたおした!!

商人「あたしも!!茶色いの、覚悟ぉ!!…あ、あれ、倒せない…」

フロッガーのこうげき!!おおありくいのこうげき!!おおありくいのこうげき!!おおありくいのこうげき!!

魔法使い「く…いけない…」

商人「ま、魔法使いちゃんばっかり狙わないでよ!!大丈夫!?」

魔法使い「ええ、私、薬草使う…から、貴方は攻撃…」

商人「わ、分かった!そ、それっ」ガキンッ

おおありくいをたおした!!

フロッガーのこうげき!!

魔法使い「!!ああ…」バタッ

商人「ま、魔法使いちゃん?魔法使いちゃん!?」

魔法使いは しんでしまった!!

商人「!!!!…ま、ま、…」

商人「早く…早く戻って生き返らせなきゃ…!!あんたたち、どいてよ、この!!この!!」ザクザクッ

まもののむれをやっつけた!!

商人「早く戻らなきゃ、早く…」

商人「…ううん、違う…こんな時こそ冷静に、慎重にならないと…あたしまで死んだら…」

商人「…うん、まず、宿屋に泊まろう。ちゃんと休んで、それから町まで戻るんだ…」

宿屋「お、戻って来たね。…ああ、何てこったい!!」

商人「おじさん、泊めて…」

宿屋「あ、ああ、もちろんだが…お仲間は、いいのかい?」

商人「良くないよっ!!」

宿屋「!!」

商人「良くないよ…でも、あたしまで死んじゃう訳にいかないもん…だから、だから…」

宿屋「…」

商人「…怒鳴ってごめん…おじさん、泊めて…」

宿屋

宿屋「ああ、ゆっくり休んでいくといい。…こっちこそ、すまなかったな…」

商人「ううん…じゃあ、お休みなさい…」

――

商人「大丈夫…町に戻れさえすれば、教会にさえ行けば…魔法使いちゃんは生き返る…」

商人「生き返らせたら、魔法使いちゃんに自慢するんだ。あたし、レベル7まで上がったよって。魔法使いちゃんは、まだレベル5でしょって」

商人「あと、町に戻ったら、魔法使いちゃんに新しい防具買ってあげなきゃ。今度戦闘するときは、もっと魔法使いちゃんを気遣ってあげなきゃ。あと、あと…」

――7日目

宿屋「おはよう。よく眠れたかい?」

商人「おはよう。うん…おじさん、あたしもう行くね」

宿屋「そうかい。気をつけてな…」

商人「うん、ありがと…あ、おじさん」

宿屋「なんだい?」

商人「あたし…あたし達、また泊まりに来るから。今度は2人で」

宿屋「ああ…待ってるよ」

商人「うん、じゃあ、行ってきます」

商人「さあ、くよくよしてられない。早く帰って、魔法使いちゃんを…」

いっかくうさぎがあらわれた!じんめんちょうがあらわれた!

商人「こんな時に、新しいモンスター…!どいてよ、もう!!」ザクザクッ

じんめんちょうをたおした!!

じんめんちょうのこうげき!!いっかくうさぎのこうげき!!

商人「くっ…あんた達の攻撃なんて効かないんだから!!この!!この!!」ガキンッ

――まもののむれをやっつけた!!

商人「新しいモンスターの攻撃も、大して効かなかった…やっぱり、あたしは防具をたくさん買ったから…だから、だからこそ魔法使いちゃんをもっと気遣ってあげなきゃいけなかったのに…」

商人「ううん、反省は後。今は、早く帰る事だけ…」

――レーベ南の洞窟

商人「分かれ道だ…確か、真っ直ぐ行けば、あの茂みの所に戻れたはず…」

商人「でも、もしかして右か左のどっちかが、近道かも…」

商人「でも、もし違ったら…かえって遠回り…それに、もしもっと危険な場所に出たりしたら…」

商人「…来た道を帰ろう。それが一番確実だよね。待っててね、もう少し我慢してね、魔法使いちゃん…」

――レーベの村

魔法使い「……ここは…?私は、確か…?」

商人「ま、魔法使いちゃん!魔法使いちゃん!!」ユッサユッサ

魔法使い「ちょ、ちょっと商人!?」

商人「良かった…魔法使いちゃん…良かったよ~、うえぇ~ん」ヒック

魔法使い「ねえ、落ち着いて?どうしたのよ」

商人「だって、魔法使いちゃんしんじゃって、

商人「だって、魔法使いちゃん死んじゃって、それであたし、あたし…」

魔法使い「私が、死んだ…あ、そうか、私、魔物に…」

商人「そうだよー。今思い出したの?」

魔法使い「それで…ここはレーベの教会よね?貴方1人で、ここまで運んでくれたの?」

商人「そうだよー、あたし、あの後宿屋さんに泊まってね、だから1日経っちゃったんだけどね…」ヒック

魔法使い「そう…ありがとうね、あと、ごめんなさい。ダンジョンの中を1人だなんて、怖かったでしょう?」

商人「ううん、あたしの方こそ、もっと魔法使いちゃんを気遣ってあげなきゃいけなかったのに、それなのに…」

魔法使い「違うわ、あれは私の不注意。でも、これからはお互いにもっと気をつけましょうね?」

商人「うん…うん…」

魔法使い「さて…じゃあ行きましょうか。神父様、お世話になりました」

商人「なりました!!」ペコリ

神父「いや、なに、気をつけてな」

商人「はい!じゃあ失礼します!!」

魔法使い「失礼します…さて、貴方、ダンジョンから帰ってきたばかりよね?今日はもう休むでしょう?」

商人「ううん、魔法使いちゃんさえ疲れてなければ、すぐまた出発したいなあ」

魔法使い「すぐに?疲れてないの?」

商人「へーき、へーき!…あ、でも、ちょっと待って。防具屋さんに寄って行きたいの」

魔法使い「良いわよ。何か買い物?」

武器防具屋「かわのぼうしかい?80ゴールドだが、いいかい?」

商人「はい、買います!」チャリンチャリン

武器防具屋「まいど!!」

商人「はい、魔法使いちゃん、これ!」

魔法使い「私に?」

商人「あたし、防具はたくさん装備してるもん。魔法使いちゃんは、ただでさえ装備出来る防具少ないんだから、装備出来るものはしっかり揃えなきゃ」

魔法使い「そうね…また死んじゃうといけないものね…ありがとう」

商人「魔法使いちゃんの安全は、あたし達パーティーの安全だもん、当然だよ!じゃ、もう行こ?」

魔法使い「本当に休まなくて平気?」

商人「うん!だから、早く行こ?ね、ね?」

魔法使い「分かったわ。でも、辛くなったら言うのよ?」

商人「うん!」

――レーベ南の洞窟

魔法使い「分かれ道か…正面の階段上ればナジミの塔よね。貴方は帰って来る時、来た道を戻って来たの?」

商人「うん、それが一番いいかなーって」

魔法使い「そうね、1人の時にそんな博打を打つ必要はないわよね。賢明だったと思うわ」

商人「へへー、いつもきれものと一緒にいるからね!!」

魔法使い「おだててるの?でも、その時はともかく、今は2人。他の道にも行ってみる?」

商人「うん、何か危険があっても、2人ならなんとかなるし。あ、そうだ、魔法使いちゃん?」

魔法使い「なに?」

商人レベル7「あたし、レベル7になったから。魔法使いちゃん、まだレベル5だっけ?へっへ~、差をつけちゃったね!」ニヤニヤ

魔法使いレベル5「むっ…見てなさいよ、すぐに追い付いてあげるんだから」

商人「甘い甘い。商人はレベルアップが早いんだから、もうおいつかせないよーだ」

魔法使い「それはまだまだ分からないでしょ?いいわ、追い付けないかどうか、やってみようじゃない。ほら、さっさと行くわよ」

商人「あ、待ってよ~」タタタ…

魔法使い「…勢いのまま左の道に来ちゃったけど…」

商人「あ、階段があるよ」

魔法使い「上ってみましょう…なんだか洞窟とは少し空気が変わった?」

商人「そうだね、なんていうか…あれ?ここも建物の中?」

魔法使い「そうね、でも塔ではないみたい…というか、ここ…お城!?」

商人「ええっ!?アリアハンの!?」

魔法使い「ええ、この壁の素材とか、お城のものみたい。こんな所があるなんて、知らなかったけど…」

商人「お城にいた魔法使いちゃんでも知らない所なんだ…中に入ってみたいけど…この扉、開かないね」ギシギシ

魔法使い「中には入れないみたいだけど、もしかしたら…とうぞくのカギで開けられるかも…?」

商人「あ、そうだね!じゃ、無事とうぞくのカギを見つけたら…」

魔法使い「ええ、また来てみましょう」

商人「なんだか楽しみだね!」

魔法使い「じゃあ次は逆側の通路ね」

商人「こっちは何があるかな?あ、下り階段?」

魔法使い「さらに下るのね…どうなってるのかしら?」

商人「とりあえず降りてみようよ、ね?」

魔法使い「そうね、行ってみないと分からないし……ここは…もしかして…」

商人「なんだか見覚えのある洞窟に出たね。ここって…あ、あの空の宝箱!」

魔法使い「ええ、確かに1度来た所ね。ここは…岬の洞窟のようね」

商人「そういえば探検が途中だったね。そっか、こことあの洞窟が繋がってたんだ」

魔法使い「そのようね。でもこれでここを探索する必要もなくなったわ。後はナジミの塔だけね」

商人「そだね、じゃあ気を引きしめて行こー!!」

――ナジミの塔、宿屋

宿屋「おお、あんた達は…!」

商人「おじさんーただいま!約束通りまた来たよ!!」

商人「確かに来るとは聞いたが…まさか今日中とはなあ…」

商人「へっへ~、若者は頑張るのよ!!」ドヤッ

宿屋「いやいや大したもんだ…そっちのお嬢さんも、無事蘇生出来たんだね?」

魔法使い「お陰さまで。夕べは、連れが世話になったみたいね」

宿屋「はは、商売だからな、当然さ。それで今日も、泊まってってくれるんだろう?」

魔法使い「ええ、お願いするわ」

商人「おじさん、今日もよろしく!」

宿屋「ああ、ゆっくりお休み…」

――8日目

商人「うーん…魔法使いちゃん、起きてぇ…」ユサユサ

魔法使い「……ああ、おはよう。さすがに今日はいつもほど元気ないわね。疲れてる?」

商人「んー、大丈夫…じゃ、行こっか」

魔法使い「すぐじゃなくてもいいんじゃない?まだ眠いでしょう?」

商人「ん~、ちょっとだけ…」

魔法使い「なら、慌てる必要もないわ。お茶でも飲んで、それからにしましょう」

商人「うん…そうだね」ファァ…

魔法使い「さて、それじゃあそろそろ行く?」

商人「そうだね、眠気も覚めたし。おじさん、行ってきます!」

魔法使い「行ってきます。多分、また利用する事になると思うけど」

宿屋「ああ、待ってるよ。行ってらっしゃい、気をつけてな」

商人「はーい!!」

魔法使い「さて…それじゃあ2階に行ってみましょうか」

商人「そうだね、何階まであるか分からないけど、上に進めばそのうちてっぺんまで行けるよね」

魔法使い「そうね。でも、どのくらいの道のりかは分からない。だから、もし疲れたら、またこの宿屋に戻って来ましょう。1日で無理なら、2日3日かけてもいいから、安全第一で行きましょうね」

商人「うん、でも、出来れば早く見てみたいなあ、とうぞくのカギ」

魔法使い「確かに、早いに越した事はないけどね。それじゃあ、階段を上りましょう…」

商人「2階に来たけど…ね、あれ3階に上る階段じゃない?」

魔法使い「そうね、こんなに早く見つかるなんて…」

商人「でも、すぐ上らないんでしょ?この階を見て回ってからだよね?」

魔法使い「ええ、ここに階段があると覚えてさえいればね」

商人「じゃ、次行ってみよー!!」

魔法使い「あ、ねえ商人、あれは…」

商人「あー、宝箱!!ね、ね、早く行って開けようよ!!」タタタ…

魔法使い「もう、危ないわよ…あ、商人!」

商人「え?あ、モ、モンスター!?」

いっかくうさぎがあらわれた!じんめんちょうがあらわれた!

商人「む~、宝箱の目の前で…!!」

魔法使い「見たことのない魔物がいるわ。気を付けるのよ」

商人「え?あたしどっちも見たことあるよ?」

魔法使い「え?そうなの?」

商人レベル7「へっへ~、魔法使いちゃん、そんなだからレベル低いのよっ!!」ドヤドヤッ

魔法使いレベル6「むっ…たった1つの差じゃないの、すぐ追い付くわよ」

商人「それはどうでしょうね~?だって、あたし…」

魔法使い「ほら、魔物が来るわよ!ふざけてないで、戦闘準備!」

商人「はーい!!」

――まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「ふう、あの蝶も、大した強さではないわね。全部で6匹ね群れだったから、心配したけど…」

商人「そんな事より、宝箱、宝箱開けようよ!ね?」

魔法使い「…貴方、たくましくなったわね…最初の頃はスライムと戦うだけで『辛いよ~』なんて言ってたのに」

商人「え~、そんな事言ってたっけ?」

魔法使い言ってたわよ、本当、最初の頃はどうなるかと…」

商人「もう、その話はもういいでしょ?宝箱、開けちゃうよ?」

魔法使い「はいはい、どうぞ」クスクス

40ゴールドを手に入れた!!

商人「え~、もうちょっと欲しかったなあ…」

魔法使い「そうねえ…でも、ただで手に入るんだから、文句を言ってはいけないわ」

商人「む~、そろそろ300ゴールドくらい入っててもいいのに…」

魔法使い「何バカな事言ってるの。商人なんだから、お金は自分で稼ぎなさい。ほら、行くわよ」

商人レベル8「あ、待ってよ!レベル8のあたしが、前歩いてあげるから…」

魔法使い「貴方、またレベル上がったの!?」

商人「言ったでしょ?商人はレベルアップが早いって。魔法使い君、精進したまえよ」オッホン

魔法使い「言ってくれるわね…見てなさいよ、すぐに…」

商人「それは聞きあきたわよ魔法使いちゃ~ん?そういうのは行動で示さないと、ね?」ニヤニヤ

魔法使い「…悔しい…!本当、見てなさいよ…!」

商人「でもさあ、この塔も思ったほどモンスター強くないね」

魔法使い「うーん、1度死んだ身だからなんとも言えないけど…確かにもっと危険な場所じゃないかとは思ってたわね」

商人「この調子なら、結構簡単にとうぞくのカギも手に入るかもよ?」

魔法使い「だといいけど…油断は禁物よ。これからどんどん上に上がるんだし…あ、噂をすれば」

商人「階段だね。でも、上に上がる階段二つ目だ。どうしよう?」

魔法使い「こっちの階段上りましょう。わざわざ戻るのも手間だし…貴方、まだ余裕ある?」

商人「全然平気!!魔法使いちゃんの魔力は?」

魔法使い「私も、まだまだ大丈夫。じゃあ、先に進みましょう」

商人「次は3階か、ワクワクするね!」

魔法使い「さて、3階だけど…」

商人「あんまり今までと変わらないね。いきなり強い敵ががおー!とか来ると思ってたのに」

魔法使い「そんな事あるのかしら…?それに、同じ建物の中なんだし、そんなに…」

商人「あ、魔法使いちゃん、あの人なんだろ?」

まほうつかいがあらわれた!

魔法使い「同業者かしら?でも、仲良くしよう、みたいな雰囲気ではないわね…」

商人「そうだね…あ、襲いかかって来たよ!!」

魔法使い「そっちがその気なら…ヒャド!!」カキーン

まほうつかいをやっつけた!!

商人「あ、勝った」

魔法使い「1人だけだったからね…じゃあ先に進みましょう」

バブルスライムがあらわれた!おおありくいがあらわれた!じんめんちょうがあらわれた!

商人「また見たことないモンスター!!」

魔法使い「あのぶくぶくしてる緑色の…確か毒があるって話よ、気をつくて」

商人「ええ~、触りたくないよ…」

魔法使い「それなら私があいつを攻撃するわ。貴方は他を倒して。それ、ヒャド!!」カキーン

バブルスライムをたおした!!

商人「分かった!!そぉれっ!!」ザクッ

じんめんちょうをたおした!!

バブルスライムのこうげき!!

商人「ひえ~、やだやだやだ!!」

魔法使い「大丈夫!?毒は?」

商人「だ、大丈夫みたい…で、でも怖いよ、早くやっつけちゃおうよ!」

魔法使い「そうね、長引くと良くないわね…一気に行くわよ!!」

商人「うん!!」

まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「最初はそうでもないと思ってだけど…3階からは魔物が強くなった気がするわね」

商人「しかも毒があったり、呪文を使ってきたり、モンスターがいろいろしてくるようになったね。マヌーサの呪文は効かなかったけど…」

魔法使い「油断ならないわね…あら、4階へ行く階段だわ」

商人「どうしよう?まだ3階を調べきってないよね。ここは後回し?」

魔法使い「いえ、上りましょう。魔物が強くなってきたから、あまり時間をかけない方がいいわ。それに、おそらくだけど、そろそろ頂上のはずよ」

商人「分かるの?」

魔法使い「ええ、このダンジョン、上に来るたびに狭くなってるでしょう?外から見た感じもそうだったし。だから、4階はもっと狭くて…そして多分、4階より上はないんじゃないかしら」

商人「なるほど、さすがきれもの!!」

魔法使い「行ってみなければ分からないけどね」

商人「そうだね、じゃあ4階にレッツゴー!!」

老人「ほう、ここまで来るものがいるとはのう」

商人「あ、おじいさんだ!ってことは…」

魔法使い「ここが目的地、かしらね」

老人「ほう、ここが目的地という事は、お主らはとうぞくのカギが目当てか。しかし、わしはずっと勇者にとうぞくのカギを渡す夢を見続けて来たのじゃ。勇者でなければ、カギは渡せん。お主らは勇者ではないじゃろう?」

商人「ええ~、そんな…」

魔法使い「確かに、私達は勇者ではありません?ですが、私は、私達は
勇者のために旅をしています。そして、旅を続けるにはとうぞくのカギがどうしても必要なんです。譲ってはいただけないでしょうか?」

老人「勇者のために旅を…?それは本当かな?」

魔法使い「はい。アリアハン王の命です」

老人「……」

魔法使い「………」

商人「…………」ゴクリ

老人「分かった。お主達を信じよう。このとうぞくのカギ、受け取ってくれ」

とうぞくのカギを手に入れた!!

商人「やったー!!ありがとう!!」

魔法使い「ありがとうございます。信じていただいて…」

老人「なに、試すような事を言ったが、お主らが信用に足るもの達であるのは、目を見れば分かった。このカギ、役立ててくれよ」

商人「もちろん!!ありがとう、おじいさん!!」ペコリ

魔法使い「ええ、必ず役に立てます。勇者様の為にも」

老人「ああ、頼んだよ。ではわしは、夢の続きを見ることとしよう…」

商人「カギがもらえて良かったね!!でもあのおじいさん、こんなモンスターだらけの塔で1人暮らしなのかな?よく平気だね?」

魔法使い「あのご老人、ただのおじいさんじゃないわ、魔法使いよ。それも、かなりのレベルの」

商人「へ~、そうなんだ、全然分からなかったよ」

魔法使い「私は同じ魔法使いだからね。さ、それじゃあ下の階の探索を続けようかしら、まだ余裕ある?」

商人「うん、まだ平気。早く行こ、ね、ね?」タタタ…

魔法使い「もう、せっかちなんだから…あのご老人、ただの魔法使いじゃないわ。おそらく魔法使いや僧侶よりも上の…それなら、もっと話を聞いておくべきだったかしら…?」

商人「ね~、なにぶつぶつ言ってるの?早く行こうよ!」

魔法使い「待って、今行くわ…」

フロッガーがあらわれた!バブルスライムがあらわれた!おおありくいがあらわれた!じんめんちょうがあらわれた!

商人「わあ、いろんな種類がいるよ!」

魔法使い「ええ、でも数は4体よ、大丈夫。毒と呪文に気を付けてね」

商人「うん。それっ、行くよー!!」ザクッ

おおありくいをたおした!!

魔法使い「ヒャド!!」カキーン

バブルスライムをたおした!!

じんめんちょうはマヌーサをとなえた!!

商人「わわ、なにこれ!?モンスターがたくさん見えるよ、しかもぐにゃぐにゃ…あ、ま、魔法使いちゃん!?」

魔法使い「ど、どうしたの!?」

商人「魔法使いちゃんが、すっごくないすばでーに見えるよ!!せいぜいBくらいの魔法使いちゃんが!」

魔法使いB「うるさいわね!!貴方だって、大して変わらないでしょう!?」

商人B「わ、私は、し、Cくらいあるもん!!」

魔法使い「ウソばっかり!大体、貴方…」

フロッガーのこうげき!!

商人「わわ、モンスターが!」

魔法使い「いけない、バカな事してたわ…集中して、まずは魔物を倒すのよ!!」

商人「う、うん!!」

――まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「ふう、終わったわね…全く、貴方がバカな事言うから…」

商人「魔法使いちゃんだって…」

魔法使い「あれは最初に貴方が…!まあ、いいわ。確かに私も悪かったわ。これからは、戦闘中にふざけるのはやめましょう」

商人「そうだね…ごめんなさい」

魔法使い「お互い様よ。さて、この塔も大体調べ終わったわね。後は宿屋にもどりましょうか、私は魔力も心細くなってきたし…」

商人「そうだね、じゃあ戻ろう、いざ宿屋へ!!」

商人「おじさん、ただいま!!」

宿屋「おお、お帰り。…その様子だと、目的は果たした、といった所かな?」

商人「え?分かるの?」

魔法使い「貴方、分かりやすいのよ」

商人「え~、そうかな…?」

宿屋「はっはっはっ、それはそうと、今日も泊まっていってくれるんだろうね?」

商人「はい、もちろん!!」

魔法使い「ええ…多分、今日が最後になるでしょうけど」

商人「あ…そっか…」

宿屋「…ああ、いつまでも、こんな所にいられないだろうからね。ここ何日か、楽しかったよ…」

商人「おじさん…」

宿屋「さあさあ、辛気くさいのはここまでだ。疲れているんだろう?ゆっくりお休み」

魔法使い「ええ、お休みなさい」

商人「お休みなさい…」

――9日目

商人「魔法使いちゃん、起きて、起きてー!」バフバフ

魔法使い「…ん…もう少し…」

商人「おーきーてー。魔法使いちゃん、レベル6ー!」

魔法使いレベル7「レベルは…7…」

商人「もー!起きて!魔法使いちゃん!Bー!!」

魔法使いB「…!!」ガバッ

商人B「あ、起きた」

魔法使い「顔、洗ってくる…」

商人「はーい…効果テキメンだね、B」

魔法使い「うるさいわね、B!!」

商人「ひゃー、聞こえてた!?」

魔法使い「さて、準備は出来た?」

商人「うん、じゃあ行こっか。おじさん、お世話になりました!!」ペコリ

魔法使い「本当に…」

宿屋「よしてくれ、こっちは商売でやっただけだ。…道中、気を付けてな」

商人「うん、うん…」

魔法使い「もう、辛気くさい顔しないの!今生の別れって訳じゃないんだから。またいつか、きっと来ましょう?」

商人「うん、そうだね…そうだね!!じゃあおじさん、いつかまた!!」

宿屋「ああ、またいつか、な」

商人「じゃあね!じゃーねー!!」

宿屋「…行ってしまったか。静かになっちまうなあ…」

商人「絶対だよ?絶対、また来ようね!」

魔法使い「分かってるわよ。それより、これからどこに行くか、分かってるわよね?」

商人「えっと…洞窟から繋がってたアリアハンのお城に行ってみるんだよね?」

魔法使い「そうね。とはいえ、あのお城に、私が知らなかった何かがまだあるとも思えないけど」

商人「魔法使いちゃんは、王宮魔術師だったんだよね。エリートだよね」

魔術師「どうかしらね…?こうやって外に出されたし、大した人材とは思われてなかったのかもね」

商人「でも、旅に出て良かったでしょ?」

魔法使い「そうね。最初はどうなるかと思ったけど、結構面白いものね。貴方にも助けてもらってるし…」

商人「それはあたしもだよ!魔法使いちゃんがいなければ、あたしずっとアリアハンでだらだらしてたと思うし」

魔法使い「まあ、これからもっと過酷な旅になるでしょうから、面白いなんて言っていられなくなるかもしれないけど」

商人「大丈夫だよ、二人で行けば!!」

魔法使い「ふふふ、そうだといいわね」

商人「おしゃべりしてるうちに、お城に行く階段まで来ちゃったね」

魔法使い「そうね、じゃあ行きましょう」

商人「あ、またあの扉。私、カギ使ってみるね」カチッ

魔法使い「開いた、わね」

商人「よーし、どんどん進んでみよう!!…ね、魔法使いちゃん、ここは?」

魔法使い「ここは…牢獄ね。お城の地下よ…あら」

囚人「あ、それは俺様のとうぞくのカギ!なぜてめーらが!?」

商人「あ、カギの元の持ち主さん?」

囚人「持ち主どころか、そのカギを作ったのが俺様なんだよ!それを、あの老人が…てめーら、あの老人にあったのか!?」

魔法使い「そうよ、あのご老人から譲ってもらったの」

囚人「畜生、あのじじい…まあいい、俺様はどうせ牢屋の中だ、せいぜい役立てろや」

魔法使い「ええ、そのつもりよ」

商人「おじさん、じゃーねー!!…牢屋のなかとか大変だね」

魔法使い「貴方も、将来入ったりしないようにね」

商人「あはは、ないない」

魔法使い「結局、真新しいものは何もなかったわね」

商人「いろんな人にも聞き込みしたけど、特に新しい情報はなかったし」

魔法使い「新しい情報といえば、旅の扉くらいかしら。どうやらまほうの玉を使って行ける先にあるらしいけど」

商人「旅の扉…なんだろうね?」

魔法使い「まあ、行ってみれば分かるでしょう。さて、たまには王様にご挨拶でもしようかしらね。貴方も来る?」

商人「え?う~ん…いいや、王様と会うなんて、緊張しそうだし」

魔法使い「そんな大したものじゃないけどね…」

商人「そうなの?」

魔法使い「私に寄越した軍資金を見れば分かるでしょう?まあいいわ、私1人で行くから」

商人「じゃあ、ルイーダの酒場で待ち合わせしよっか?」

魔法使い「そうね、あそこで待ってて。じゃあ、また…」

――10日目

商人「ね、今日はどうするの?」

魔法使い「まずは、まほうの玉をもらいにレーベに行きましょう」

商人「じゃさ、昨日通ったお城の地下の洞窟、あそこ通って行かない?」

魔法使い「あの洞窟を?確かにあの洞窟を抜ければレーベの近くに着くし、あそこの魔物も今ならそこまで怖くないでしょうけど…」

商人「ほら、あの洞窟最初に入った時さ、入ってすぐの所に扉あったじゃん。あそこ、とうぞくのカギで開かないかなーって」

魔法使い「ああ、確かにそんな所あったわね。いいわ、行きましょう」

商人「やった!何があるか、楽しみだね!」

――レーベ南の洞窟

魔法使い「それじゃあ、カギを使ってみましょう」

商人「うん、じゃあ開けるね」カチッ

魔法使い「あいたわね」

商人「中は…あー、宝箱があるよ、2つも!!」

魔法使い「やったわね、さあ、開けてみて」

商人「もちろん!!まずは1つ目…」ガチャ

なんと すばやさのたねを見つけた!!

魔法使い「何かしら、これ?」

商人「どれどれ…えーと、たぶんね、これ食べると素早さがあがるよ」

魔法使い「へえ、さすが商人ね、大した鑑定眼だわ」

商人「えへへ、たまには商人っぽいとこ見せないとね!さて、もう1つの宝箱は…」

なんと きのぼうしを見つけた!!

魔法使い「木で出来た帽子ね

商人「う~ん、悪くないけど…魔法使いちゃん、装備出来ないよね…」

魔法使い「貴方は…ターバンの方が守備力高いのね。すごいのねターバンって。何で出来てるの?」

商人「へへ~、それは商人だけのヒミツなのです!」

魔法使い「そうなの?」

商人「ごめん、ウソ」

魔法使い「……まあ、いいわ。それより、もうこの部屋には何もないし、レーベへ行きましょう」

商人「そだね、いよいよまほうの玉ゲットかあ!」

――レーベの村

老人「ほう、下は確かカギをかけていたはずだが…お前達はカギを持っているのか?」

商人「はい!これ!」ジャラ

老人「ほう、カギを持っているか。ならば、まほうの玉を持っていくといい」

魔法使い「…ずいぶんあっさりと手にはいったわね」

老人「なんだ、要らんのか?」

商人「いりますいります、すっごくいります!!」

老人「そうだろう。ならば持っていけ」

まほうの玉をうけとった!!

商人「ありがとう、おじいさん!!」

魔法使い「ありがとうございます」

老人「これがあれば、旅の扉への封印が解けるだろう。海の向こうでは、アリアハンから勇者が来るのを待っている人々も数多いる。力になってやってくれ」

魔法使い「はい、必ず」

商人「これで海の向こうに行けるんだね!!すっごくどきどきしてきたよ!!」

魔法使い「ついにまほうの玉が手に入ったわね。じゃあ、後は…」

商人「おっ買いっもの!おっ買いっもの!」

魔法使い「はいはい、じゃあ武器防具屋に行きましょう」

商人「やった!じゃあ早く行こ!ね、ね?」タタタ…

魔法使い「全く、本当買い物好きね…」

武器防具屋「はいらっしゃい!!」

商人「ね、ね、何買おっか?」

魔法使い「そうね…まずは貴方の武器を買いましょう。一撃で倒せない敵も増えてきたし」

商人「そうだね。じゃあおじさん、くさりがま下さい!」

武器防具屋「毎度あり!!」

商人「残りは200ゴールド…」

魔法使い「買えるのは、かわのよろいくらいね。買ったら?」

商人「え…でも、魔法使いちゃんの防具は…?」

魔法使い「お金が足りないもの、仕方ないわ。間に合う範囲で買える物を買いましょう」

商人「うーん…分かった!じゃあおじさん、かわのよろいも下さい!」

――レーベ郊外

魔法使い「さて、と。じゃあとりあえず、このまほうの玉を使う場所を探しに行ってみる?」

商人「うーん、そうだね…」

魔法使い「なに?珍しいわね、いつもなら行こう行こううるさいのに」

商人「…ね、魔法使いちゃん、これからが本当に大変な旅になるって行ってたよね?」

魔法使い「ええ、そうだけど…まさか怖じ気づいた?」

商人「違うよ!これからが大変なのに、魔法使いちゃんの防具買えなかったから…」

魔法使い「ああ、その事。大丈夫よ、とりあえず今日はそこまで長く冒険はしないでしょうし」

商人「でも、でも、今日だけじゃなくて…」

魔法使い「分かったわよ。新しい防具を買うまで、絶対に無理はしないから」

商人「ホントだよ?約束だからね?」

魔法使い「はいはい、分かってるわよ」

商人「うん、それじゃあ行こっか!…で、どっちに行くの?」

魔法使い「貴方は…東に行けば、旅の扉がある洞窟があるって話だったでしょう?」

商人「そうだっけ?じゃあ東に向かってしゅっぱーつ!!」

魔法使い「ふう…結構歩いたけど」

商人「あ、魔法使いちゃん、あれなんだろ?」

魔法使い「あれは…ほこらかしら?とにかく、入ってみましょう」

商人「そうだね…なんだか寂しい所だね…お邪魔しまーす」

魔法使い「ここは…」

老人「まほうの玉は手に入れたかね?」

商人「うわー!!びびびびっくりした!!」ドキドキ

魔法使い「貴方は…?」

老人「まほうの玉は手に入れたかね?」

魔法使い「え、ええ…」

老人「ならば、いざないの洞窟に向かうがよい。ここからすぐの泉の近くじゃ」

魔法使い「あ、ありがとうございます…じ、じゃあ行きましょうか…」

商人「そ、そうだね…お、お邪魔しました…」

魔法使い「見えたわ、あれがほこらのご老人が行ってた泉ね」

商人「ね、ね、さっきのおじいさん、なんだったんだろうね…?」

魔法使い「さあ…とにかく、私達は先へ進みましょう」

商人「そだね…あ、魔法使いちゃん、あそこ!」

魔法使い「あそこが入り口かしら?行ってみましょう」

商人「うん…封印って、どんなだろうね?」

魔法使い「それはきっと…もうすぐ分かるはずよ

商人「そっか…そだね、行ってみれば分かるよね…緊張してきたなあ…」

魔法使い「ここは…広い部屋に出たけど…」

老人「これはこれは、こんな所までよく来たのう」

商人「うわあ…ナジミの塔から、おじいさん4連発だね…」ヒソヒソ

魔法使い「そんな事言わないの。あの、ここがいざないの洞窟でしょうか?」

老人「さよう。しかし洞窟の入り口は、封印によって封じられておる」

商人「えっと…この壁がそうなの?魔法使いちゃん…」

魔法使い「ええ、想像してたのとは少し違ったけど…そういえば、まほうの玉は爆弾みたいな物だって、誰かが言ってた気がするわ」

商人「あ、じゃあこの壁、物理的にこわすんだ…」

魔法使い「多分ね。じゃあ、やってみるわね。離れてて」

商人「うん、気を付けてね」

魔法使い「ええ………これでよし、と。じゃあやるわよ、それっ!!」

ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…!!!!

商人「わ、わわわわわわー!!」

魔法使い「…どうなったのかしら?」

老人「おお、おお…!」

商人「わ、わ、魔法使いちゃん、壁が!!」

魔法使い「壁が崩れて…その先に階段が…これは…」

老人「うむ。もはや、封印はほどかれた!!」

商人「封印が!?じゃあ、これで海の向こうに行けるんだね!?」

老人「うむ。しかし、ここから先は魔物も強い。気を引きしめて行く事じゃ」

魔法使い「ええ、気を付けるわ。行きましょう、商人」

商人「だ、大丈夫かな…?」

魔法使い「まだ私の心配をしているの?大丈夫よ、行きましょう」

商人「う、うん…」

魔法使い「とはいえ、今日中に海の向こうまで行く訳じゃないわ。少し様子を見て、後は引き返しましょう」

商人「うん…あ、ま、魔法使いちゃん、ひ、人が!!」

まほうつかいがあらわれた!!

魔法使い「ご同業…しかも4人も…!」

商人「あ、あの人たち、みんな攻撃呪文使うの!?」

魔法使い「おそらくね。でも、怯んじゃダメよ!それっ、ヒャド!!」カキーン

まほうつかいをたおした!!

商人「よーし、あたしも…それっ!!ってあれ?倒せない!?」

魔法使い「ご同業のくせに頑丈ね!…あ、商人、危ない!!」

まほうつかいはメラを唱えた!!

商人「!!あ、熱いよ!!」

まほうつかいはメラを唱えた!!

魔法使い「くっ…!!長引くと不味いわね。商人、一気に行くわよ!!」

商人「う、うん!!」

――まほうつかいをやっつけた!!

魔法使い「商人、大丈夫?」

商人「あたしは平気。魔法使いちゃんは?」

魔法使い「私も、大丈夫。薬草も使ったからね」

商人「良かった…でも、魔法って怖いね…」

魔法使い「私も、使われる側になって、初めて怖さを知った気がするわ」

商人「味方にいるととっても頼もしいけど…あ、魔法使いちゃん、あっち!!」

さそりばちがあらわれた!!じんめんちょうがあらわれた!!

魔法使い「また魔物!?次から次へと…しかも新手ね。商人、やるわよ!」

商人「う、うん!!」

――まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「うっ…あの新手の魔物、かなりの攻撃力だったわね…」

商人「ま、魔法使いちゃん、大丈夫?もう戻ろう?ね、ね?」

魔法使い「…そうね、今の私達じゃ、この洞窟は厳しいわ…」

商人「うん、じゃあ戻ろう、すぐ戻ろう!」

じんめんちょうがあらわれた!!アルミラージがあらわれた!!おばけありくいがあらわれた!!さそりばちがあらわれた!!

まもののむれはいきなりおそいかかってきた!!

さそりばちのこうげき!!おばけありくいのこうげき!!

商人「え、え、え!?」

魔法使い「しまった、まだ準備が…!!」

アルミラージはラリホーを唱えた!!魔法使いは眠ってしまった!!

魔法使い「ああ、い、け…」

商人「ま、魔法使いちゃん!?」

おばけありくいのこうげき!!さそりばちのこうげき!!

魔法使いは しんでしまった!!

――まもののむれをやっつけた!!

商人「な、何とか…何とか勝てたよ…や、薬草を使って…」

商人「魔法使いちゃん…待っててね、大丈夫、この前だって大丈夫だったから…!」

――いざないの洞窟、入り口

商人「あれから、モンスターに会わずにここまで来れた…もうちょっと、もうちょっとだよ、魔法使いちゃん」

ホイミすらいむがあらわれた!!

商人「な、何こいつ!?足がいっぱいで気持ち悪い…こ、来ないでよ!!」ザシュッ

ホイミスライムはホイミを唱えた!!

商人「え!?回復したの!?こ、この、邪魔しないでよ!!」ザシュッ

ホイミスライムはホイミを唱えた!!

商人「ど、どうしよう…魔法使いちゃんの魔法があればなあ…あ!そうだ、まずは魔法を使わせて…」

ホイミスライムはホイミを唱えた!!

商人「よし、ここで攻撃!!そんでもって、回復する前に…もう1回!!」ザシュッ

――ホイミスライムをやっつけた!!

商人「やった!!やっぱりいつもきれものと一緒にいるからだね、魔法使いちゃん!!…待っててね、もう少しだからね…」

まほうつかいがあらわれた!!

商人「ま、魔法使いが2人…?だ、大丈夫、体力も余裕があるし…いっくよー!!」ザシュッ

――レーベの村

魔法使い「……ここは…?ああ、また私…」

商人「魔法使いちゃん、大丈夫?」

魔法使い「ええ、そうね…私、寝たまま死んだのね…そうだ、貴方は?貴方は、今回も無事に帰って来られたの!?あそこの魔物は強かったけど…」

商人「へへ~、ピンチの連続だったけど、何とか帰って来れたよ!」

魔法使い「そう、良かった…ごめんなさい、貴方には怖い思いばっかり…」

商人「ううん、もう2回目だし、慣れたよ」

魔法使い「そう…でも、慣れるほど死んでもいられないわね…」

商人「うん、それでね、魔法使いちゃん、あたし達、もっと強くならなきゃいけないと思うの」

魔法使い「ええ、貴方はともかく、私は…」

商人「あと、やっぱり魔法使いちゃんには新しい防具が必要だよ。だから、お金も貯めて…」

魔法使い「ええ、明日から魔物退治して、経験とお金を稼ぎましょう。少し足踏みになるけれど、仕方ないわね…」

商人「うん、それじゃあそうと決まったら、もう休も?外、もう暗いよ。魔法使いちゃんも疲れただろうし…」

魔法使い「ええ、貴方も疲れたでしょうし。じゃあ宿屋に行きましょう。商人、今日は本当にごめんなさいね…」

商人「そういうのは言いっこなし。じゃ、早く宿屋行こ、ね?」

――11日目

商人「おはよ、気分はどう?」

魔法使い「ええ…いつも通り…」

商人「魔法使いちゃん、ホント朝弱いよね~。でも、昨日の影響はないんだね?」

魔法使い「ええ、それは大丈夫よ。じゃあ、準備して…行きましょうか」

商人「今日は魔物退治の日だね、頑張るぞ~!!」

――レーベ東部

魔法使い「…じゃあ、この辺りにも手強い魔物が出たのね?」

商人「うん、だから洞窟の中で魔物退治するより、町に近いここら辺で戦った方が安全だと思うんだ」

魔法使い「そうね、昨日みたいな事になってもいけないし…あら」

バブルスライムがあらわれた!!フロッガーがあらわれた!!さそりばちがあらわれた!!

商人「さっそく出たよ、6匹も!!」

魔法使い「確かに、手強い連中がいるのね…商人、やるわよ!

商人「うん!魔法使いちゃんも、気を付けて!!」

――まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「なるほど、この辺りでもいい訓練になりそうね」

商人「そうでしょ?じゃあどんどん行こうよ!!あ、また出たよ!!」

ホイミスライムがあらわれた!!

魔法使い「…触手がたくさんで気持ち悪いわね」

商人「だよね?でもこいつ、自分を回復してばっかりなんだ。魔法使いちゃんがいれば楽勝だよ!」

魔法使い「なるほど…じゃあ、メラッ」ボォォツ

ホイミスライムにはきかなかった!

商人「あ、あれ?」

魔法使い「なら…ヒャド!!」カキーン

ホイミスライムにはきかなかった!

魔法使い「呪文が効かない!?」

商人「ええ~!?こんな敵もいるんだ!?」

魔法使い「残念だけど、貴方に頼るしかないわ。頑張って!」

商人「うう~、あいつ気持ち悪いのに~」

――夜、レーベの村

商人「ふ~、今日はたくさん退治したね!お金、結構貯まったよ!」

魔法使い「でも、2人ともレベルは上がらなかったわね。仕方ないわ、明日も魔物退治ね」

商人「海の向こうに行ける!!…って聞いてからの修行モードはもどかしいけど…でも、もうちょっとだよね?」

魔法使い「そうね、明日か…遅くても明後日には、2人ともレベルアップしてるんじゃないかしら?」

商人「そしたら海の向こうだね!待った分、楽しみも増えてる気がするよ!もうちょっと、もうちょっと…」

魔法使い「ええ、もうちょっと。でもまずは、今日はもう休みましょう」

商人「明日も魔物退治だもんね。よーし、今日はゆっくり休んで、明日また頑張ろー!!」

――12日目

商人「あははは、魔法使いちゃん、似合う似合う~!!」

魔法使い「おなべのフタにかめのこうら…私は何物なのかしら…?」

商人「あはは、でも防御力は高いんだから、ちゃんと装備しなきゃダメだよ?あははは!」

魔法使い「もう!あんまり笑わないでよ!」

商人「あはは、ごめんごめん。でもこれで、かなり安全になったよ、魔法使いちゃん!!」

魔法使い「はあ…安全ってこんなに不恰好なものなのね…」

――レーベ東部

商人「新しい防具はどう?魔法使いちゃん」

魔法使い「ええ、いいわね。今まで脅威に感じていた魔物の攻撃も、かなりやわらげてくれてるわ。…これで見た目も悪くなければ…」

商人「も~、まだ言ってるの?安全第一でしょ?」

魔法使い「他人事だと思って…貴方だって…あ!」

まほうつかいがあらわれた!!

商人「攻撃呪文使う人たちだ!!呪文新しい防具でも、呪文のダメージは減らせないんでしょ?気を付けて!!」

魔法使い「分かってる。行くわよ…あら?」

まほうつかいはにげだした!!

商人「あ、逃げた!!魔法使いちゃんの格好が、よっぽど怖かったんじゃないの?」クスクス

魔法使い「そ、そうなの…?」ガーン

商人「もう、そんなわけないでしょ?きっと、私のレベルが10になったから、恐れおののいたのよ!」

魔法使いレベル8「そ、そう…って貴方、もうレベル10なの!?」

商人レベル10「へっへ~、またまた魔法使いちゃんに差をつけちゃったね!」ドヤッ

魔法使い「悔しいわ…負けないんだからね!!」

――レーベの村、夕暮れ

商人レベル10「ん~、今日もたくさん退治したね!レベルも上がったし!!」

魔法使いレベル8「私は上がらなかった…明日も魔物退治ね…」

商人「そっかあ~。でもでも、新しい防具を試せたし、良かったね?」

魔法使い「そうね、昨日はいくつか薬草を使ったから、今日はたくさん買っていったけど、結局1つも使わずに済んだわね」

商人「防具は高かったけど、薬草を使う数が減れば、長い目で見て経済的だしね!」

魔法使い「そうね、お金が貯まれば良い装備が買えるようになるし、パーティーの戦力アップにもなるわね」

商人「お財布を制する者は世界を制す。世界は商人で回ってるのよ、あはははは!!」

魔法使い「大丈夫かしら…?でもまあ、あながち間違いでもないのかもね…さて、今日もこのくらいにして…」

商人「明日に備えてお休みなさい!!だねっ!それじゃ、宿屋にゴーゴー!!」

――13日目

商人「ねえ、魔法使いちゃん、今日はちょっとお願いがあるんだけど」

魔法使い「お願い?何?」

商人「うん、今日は魔物退治に行く前に、アリアハンに戻りたいんだ。良いかな?」

魔法使い「ええ、それは構わないけど…何かあるの?」

――アリアハン城下町

商人「…でね、魔法使いちゃんも、魔力を節約するために、武器を新しくすれば良いんじゃないかなって思ったの」

魔法使い「確かにそうね。でも、非力な私が扱える武器って…」

商人「じゃーん!!そこでこれ、とげのむち!!」

魔法使い「鞭…」

商人「これなら魔法使いちゃんでも装備出来るし、しかもたくさんの敵を攻撃出来るスグレモノだよ!!ね、ね、良いでしょ?」

魔法使い「ええ、すごくいいわ…でもこれ、私より力がある貴方が装備した方が…」

商人「…出来たら良かったんだけどねー、これ、私装備出来ないの」

魔法使い「そうなの?」

商人「そ、だから、これは魔法使いちゃんのもの。そもそも、今まであたしの装備ばっかり買って来たから、そろそろ魔法使いちゃんの装備もととのえるべき。そうでしょ?」

魔法使い「そうね…じゃあ、ありがたくいただくわ」

商人「うん!じゃ、さっそく魔物相手に試してみよ、ね、ね?」グイグイ

魔法使い「ちょ、ちょっと、引っ張らないで…!」

――アリアハン郊外

おおがらすがあらわれた!!スライムがあらわれた!!

商人「ほら、ちょうどいいのがいたよ。試してみようよ!!」

魔法使い「そうね…それっ!」ピシャッ

スライムをたおした!!

商人「やったやった、魔法使いちゃんやった!!」

魔法使い「なるほど…そんなに強くない敵なら、私の力でも倒せそうね」

商人「でしょ?それに、あたしが倒し損ねたモンスターに止めを刺したりも出来るし、これで結構魔力の節約が出来ると思うんだ」

魔法使い「そうね、あの洞窟は長丁場になりそうだし…これで節約が出来たらかなり楽になるかも…」

商人「ね?ふふふ、なんだか着々と海の向こうに行く準備が煤んでる感じがするね!!」

魔法使い「そうね、もう少し、きっともう少しで…」

――魔法使いはレベルがあがった!!

魔法使い「よし、これでギラと、あとリレミトも覚えたわ」

商人「リレミトって、ダンジョン脱出だっけ?」

魔法使い「そうよ、これで多少の無茶も出来るわ」

商人「うーん…」

魔法使い「言いたい事は分かるわ。でも本当に少しだけ、よ。第一、私が死んだら唱えられないわけだし」

商人「うん、それならいいけど…」

魔法使い「それより、私もうひとつの呪文の試し撃ちをしたいわ。もう少し魔物退治しましょう」

商人「でも、もう夜になるけど…」

魔法使い「夜になるからいいのよ。夜の魔物は、昼よりも強い。でもきっと、あの洞窟の魔物達はそれ以上に強いと思うの」

商人「そっか、夜のモンスターに克てないようじゃ、あの洞窟を抜けるなんてできないよね…」

魔法使い「それに、ここなら町も近いし、洞窟よりはずっと安全よ。だから、夜を待って、それから魔物と戦ってみましょう」

じんめんちょうがあらわれた!!アルミラージがあらわれた!!

商人「ま、魔法使いちゃん、あのウサギ…!!」

魔法使い「ええ、私あいつに眠らされて死んだのよね…でも、だからこそよ!」

商人「そ、そうだね…じゃあ、行くよっ!!」ザシュッ

アルミラージをたおした!!

魔法使い「やるわね!!私も…火の子等よ踊れ、我が意志の命ずるままに!!ギラ!!」ゴオォオ

アルミラージをたおした!!アルミラージをたおした!!

魔法使い「…よし!」

商人「す、すごいすごい!!魔法使いちゃん、すごい!!」

魔法使い「油断しないで、敵はまだ残ってるわ。一気にいきましょう!」

商人「よーし、あたしも負けないぞー!!」

レーベの村、真夜中

魔法使い「すっかり遅くなっちゃったわね」

商人「アリアハンに行ったりしたからね。でも、この時間まで戦ってても余裕が出てきたね」

魔法使い「そのくらいじゃないと、多分あのいざないの洞窟は越えられないわ」

商人「そうだね…でも!明日はいよいよ…」

魔法使い「ええ、いざないの洞窟再挑戦よ。今度こそは、突破しましょうね」

商人「うん、絶対、絶対2人で突破してみせるんだ…!!」

――14日目

商人「じゃあ、薬草を…いくつ要るかな?」

魔法使い「待ってね…今、10個あるわ。あと10個くらい有れば良いかしら?」

商人「ん~、もっとたくさんあった方が安心だよ。おじさん、15個下さい!」

道具屋「お買上げありがとうございます」

商人「じゃあ次はどくけし草だね」

魔法使い「どくけし草は…3つあるわ。あと2つもあれば良いんじゃない?」

商人「そうだね…うん!じゃあおじさん、どくけし草2つ!」

道具屋「ありがとうございます」

魔法使い「あと、聖水も1ついただけるかしら」

商人「洞窟まで安全に行きたいもんね」

道具屋「かしこまりました」

魔法使い「こんな所かしら?結構な出費になったわね。本当は、貴方の防具も買いたかったけど…」

商人「いいよ、あたしは今の防具で間に合ってるし。それに、魔法使いちゃんのトレードマークのかめのこうらをあたしが着るのも悪いしね、あはは!」

魔法使い「1人でこんなの着るのが嫌だからこそ、貴方にも着て欲しかったのに…」

魔法使い「さて、薬草は持ったし、どくけし草も持ったし…」

商人「聖水は買ったし、キメラの翼は1つ持ってるし。準備万端だね!」

魔法使い「ええ、今出来るほとんどすべての準備が出来たといっていいわ。あとは、私達次第…」

商人「旅立ってからちょうど2週間。キリもいいし」

魔法使い「そうね、あっという間の2週間だったけど…って、まだまだ振り返るのは早いわね」

商人「そうだよ、海の向こうがゴールじゃないだろうし、そもそもまだそこまで行ってもいないのに」

魔法使い「そうね、まずは目の前の目標からね」

商人「うんうん。じゃ、いざないの洞窟に向けて、しゅっぱーつ!!」

――いざないの洞窟

魔法使い「聖水のおかげで、ここまで戦わずに来られたわね」

商人「うん、それに、前回少しだけどダンジョン内を探検したから、最初のうちは迷わずに行けるね」

魔法使い「あ…ここ…」

商人「別れ道だね。前回は左に行ってさすぐにモンスターに逢って…」

魔法使い「私はやられてしまったわ。ここで…」

商人「どうしよう?今度は逆に行く?」

魔法使い「………いえ、また左にいきましょう。どうせ、行かない訳にはいかないかもしれないし」

商人「そだね…」

魔法使い「暗いわね…」

商人「そうだね…あ、行き止まりかあ…」

魔法使い「そうね、でも仕方ない…待って。ほら、あそこ…」

商人「あ、宝箱だ!!」タタタ…

魔法使い「もう、宝箱見つけるとすぐにはしゃぐんだから…」

商人「へっへ~、それじゃあ…開けまーす!!」ガチャッ

なんと どくけし草をてに入れた!!」

商人「だから、なんでこんなに大きな箱にどくけし草1つなの!?」

魔法使い「もっと小さな箱がなかったんじゃないの?」

商人「そんな理由なの!?」

魔法使い「まあ冗談は置いて…宝箱の中身はともかく、ここまで魔物が出てこないのも不思議ね」

商人「運が良いだけなのかもしれないけど、不気味だね…」

魔法使い「ええ、警戒を緩めないようにしましょう」

――おばけありくいがあらわれた!!

魔法使い「――やっぱり、魔物と逢わずに、っていうのは調子が良すぎたわね!」

商人「あいつ、すごい攻撃力だったよね…でも、あたし達もあの時と一緒じゃないよ!」

魔法使い「もちろんよ。それを見せてあげましょう!」

商人「うん!行くよー!!」ザシュッ

おばけありくいをたおした!!

魔法使い「その調子よ!私も…ギラ!!」ゴオォオ

おばけありくいをたおした!!おばけありくいをたおした!!おばけありくいをたおした!!

おばけありくいをやっつけた!!

商人「やっぱり、魔法使いちゃん、すごい!!でも、なんだか…」

魔法使い「ええ、少しあっけない気もするけど…先に進みましょう」

まほうつかいがあらわれた!!

魔法使い「ギラ!!」ゴオォオ

まほうつかいをたおした!!まほうつかいをたおした!!まほうつかいをたおした!!まほうつかいをたおした!!

おばけありくいがあらわれた!!

魔法使い「ギラ!!」ゴオォオ

おばけありくいをたおした!!おばけありくいをたおした!!おばけありくいをたおした!!おばけありくいをたおした!!

魔法使い「こんな事言っちゃいけないんでしょうけど…ちょっと…拍子抜けね…」

商人「ま、魔法使いちゃんがすごいんだよ!あたし、なにもしてないもん」

魔法使い「何言ってるの、貴方が前にいてくれるから私は安心して戦えるのよ」

商人「そ、そう?えへへ、じゃ、じゃあこの調子でどんどん行こう!!」

商人「そして大きなハプニングもなく、我々は洞窟を奥へ奥へとすすむのでした」

魔法使い「彼女の名誉のために言っておくと、彼女の攻撃にも助けられての順調な行軍よ。ってこれ、誰に説明してるの?」

商人「それはほら、あれだよあれ…って宝箱だよ!!」

魔法使い「強引に誤魔化したわね…」

商人「開けーゴマ!!ってこれ、ナイフ!?」

なんと せいなるナイフをみつけた!!

魔法使い「見たことないナイフだけど…あまり大したことなさそうね」

商人「あたしも魔法使いちゃんも、これより良い武器使ってるからね。でも、売ればそこそこになりそうだよ」

魔法使い「なら悪くないかしら?この先、たどり着いた場所で、お金が入り用になるかもしれないものね」

商人「かなり歩いた気がするんだけど…」

魔法使い「そうね…あ、商人、階段よ!」

商人「ホントだ!!もちろん下りるよね、ね?」

魔法使い「ええ、行きましょう…まだ、ゴールではないようね」

商人「別れ道かあ…右、正面、左…よし、右だね!!」

魔法使い「一応、どうしてか聞いてみようかしら」

商人「カン!!」ドヤッ

魔法使い「でしょうね…まあ、貴方の勘は当たるし、賭けてみても良いわね。どうせ、どこに行けば良いかの手掛かりがある訳でもないし…」

商人「うんうん。じゃ、右の道にゴーゴー!!」

魔法使い「この通路、結構長いわね」

商人「何があるんだろうね…」

魔法使い「もしかしたら何もないかもしれないけど…その時は引き返して別の道を行けば良いし…?」

商人「ま、魔法使いちゃん!?あれ、あれ!!」

魔法使い「何かしら…?空間が、歪んでる…?」

商人「あれ、普通じゃないよね?あれが、もしかして…?」

魔法使い「もしかして、じゃなくて、間違いなくそうよ。あれが…私達の目的地…」

商人「これが、旅の扉!?ここでどうするの?まさか、ここに飛び込むの!?」

魔法使い「ええ、これは空間を歪めて遠くの土地と繋げているんでしょうから。じゃあ、行きましょう」ニュイーン

商人「え、え、魔法使いちゃん、え?消えちゃった、ていうか思いきり良すぎ!!ま、待ってよ~!」ニュイーン

ニュイーン

魔法使い「ここは…ここが…」

ニュイーン

商人「ま、待ってよ魔法使いちゃん!!ってあれ?ここ、どこ!?いきなり森に出たけど…?」

魔法使い「海の向こう、よ。きっと。いえ、アリアハンが海の向こうになった、かしら?」

商人「え、え、じゃあ、あたし達…?」

魔法使い「ええ」

商人「いざないの洞窟を無事にくぐり抜けられたんだ!!海の向こうにこれたんだ!!」

魔法使い「ええ、やったわね」

商人「やった、やった、やったよ!!やったよ魔法使いちゃん!!」

魔法使い「ええ、やったわね。さあ、行きましょう。海の向こうがどんな世界か…わくわくするわね」

商人「ね、ね、まだ少し遠いけど、あそこに見えるのお城じゃない?」

魔法使い「ええ、そうみたい。あの森を抜けたら、いきなりお城があるなんて…いえ、離れた空間を繋ぐ以上、町の近くに繋ぐのは当然かしら?」

商人「ね、ね、早く行ってみようよ!!ね?」

魔法使い「もう、あまり急がないでよ」

キャタピラーがあらわれた!!まほうつかいがあらわれた!!
まもののむれはいきなりおそいかかってきた!!まほうつかいはにげだした!!

商人「あれ?今何か…って、モンスター!?うええ、でっかいイモムシ、気持ち悪いよ~!」

魔法使い「確かにこれはちょっと…いいわ、イモムシ2匹は私がやるから、貴方はまずまほうつかい1人を相手してちょうだい」

商人「魔法使いちゃん、気持ち悪いやつ任せちゃってゴメン!!じゃあまほうつかいめ、行くよー!!」

魔法使い「イモムシには…ギラ!!…2匹とも死なないか、柔らかそうなのに頑丈ね」

商人「とりゃあー!!ってあれ?あたしも倒せなかった!」

キャタピラーのこうげき!!キャタピラーのこうげき!!まほうつかいはメラを唱えた!!

商人「!?っ痛…このイモムシヤバイよ、魔法使いちゃん、絶対攻撃受けちゃダメだよ!!」

魔法使い「攻撃呪文も辛いわね…でもそっちはもう少しで倒せるわよね?」

商人「うん、多分あと一発で…そぉれっ!!」ザクッ

まほうつかいをたおした!!

魔法使い「よし、こっちも…ギラ!!…うそ!?2発撃っても1匹も倒せないなんて…!」

キャタピラーのこうげき!!

魔法使い「…っあ…!!」

商人「ま、魔法使いちゃん!?」

魔法使い「ま、まだ大丈夫よ…すごいわね、あんな巨体なのに、攻撃するときの速さ…」

商人「かじってくるのかと思ってたけど、しっぽ?体の後ろを思いっきり叩きつけてくるんだね、すごい…」

魔法使い「海の向こうの魔物は強烈ね…でも、流石にあのイモムシ達も限界に近いはず…それっ!!」ピシャッ

キャタピラーをたおした!!

魔法使い「やっぱり、私の力でも倒せたわ!商人!」

商人「任せて!!えいっ!!」ザシュッ

キャタピラーをたおした!!

まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「ふう…1回戦っただけでボロボロね…」

商人「ホントだね…でも、お城までもうすぐだよ、頑張ろ!」

魔法使い「そうね…早くたどり着いて、休みたいわね…」

――ロマリア城下町

商人「わ~、魔法使いちゃん、町だよ、町!海の向こうの、知らない町!!」キョロキョロ

魔法使い「あんまりはしゃがないのよ…でも仕方ないか。私も、つい心踊ってしまうもの…」

商人「あ、魔法使いちゃん、宿屋!どうしよう魔法使いちゃん、今日はもう休む?」

魔法使い「何心にも無いこと言ってるの。でも、宿屋の人にこの町の事を聞くのもいいかもね」

商人「あ、なるほど!それいい!じゃあ早く行こ、ね、ね?」

魔法使い「はいはい…もう、張り切っちゃって…」

宿屋「お客さまですか?いらっしゃいませ」

商人「こんにちは!!えっと、あたし達この町初めてで、それで…」

宿屋「ほう、お客さま、どちらから?」

商人「はい、あたし達、アリ…」

魔法使い「ただの旅のものです。それで、この町の店や施設がどこにあるのか知りたくて…」

宿屋「ああ、店ならこの宿屋を出てまっすぐに行けば商店街がありますよ。あと、商店街の地下にモンスター格闘場があります」

商人「モンスター格闘場!?何それ?」

宿屋「お客さま、格闘場をご存知ないのですか?ならば1度行ってみることをお勧めしますよ。ただ、くれぐれものめり込み過ぎないように…」

商人「と、いうわけで、やって来ました、モンスター格闘場!!す、すごいよ魔法使いちゃん、モンスターとモンスターが戦ってる!!」

魔法使い「もう、ここまで引っ張られて私は疲れたわ。でも、確かにすごいわ。アリアハンにはない施設ね…」

客A「お、なんだ、新しいバニーちゃんかと思ったら違ったか」

魔法使い「…品のない人達ね…」

客B「ばか言っちゃいけねえよ、こんな凹凸のない、なだらかなバニーちゃんがどこにいるんだよ!!」

客A「ちげえねえ、あっはっは!!」

魔法使い「…汝、我に仇なす者よ、汝の魂、魔天に凍てつく星となれ…!!」

商人「ま、魔法使いちゃん!?魔法使いちゃんは、ザキ使えないでしょ!?」

客B「お、こっちの嬢ちゃんもなだらかだな!こりゃなだらか姉妹か、あっはっは!!」

商人「…汝等、愚かなる魂よ、我が死神の鎌の前に頭を垂れよ…」

魔法使い「…貴方は、ザラキ以前に呪文使えないでしょ?」

商人「えへへ、ついかっとなって…」

魔法使い「まったく、品のない場所だわ。商人、もう行きましょ…」

商人「え、じゃあここはモンスターを戦わせて、どのモンスターが勝つかで賭け事をするんですか?へ~、上手いこと考えるなあ…」

魔法使い「貴方…」

商人「あ、魔法使いちゃん、見て見て、これ、かけ札なんだって!!でね、あっちの予想屋さんが、次はバブルスライムが勝つって言ってたから、バブルスライムに賭けてみたの!!」

魔法使い「貴方ねえ…普段はお金の使い方がー!って言ってるくせに、よりによって賭け事…?」

商人「何事もケーケンだよ、魔法使いちゃん!あ、ほら、この試合だよ、魔法使いちゃん、見なきゃ、ね、ね?」

魔法使い「もう、本当に調子良いんだから…」

いっかくうさぎがあらわれた!!おおがらすがあらわれた!!バブルスライムがあらわれた!!

商人「普段は毒が嫌だけど、今日は応援してるよバブちゃん!!行け行け~!!」

魔法使い「バブちゃん!?…それにしても残酷な見せ物ね。どうやって魔物同士戦わせているのか分からないけど…もしかして、私が思っているよりずっと、人間って残酷なのかしら…?」

商人「いいよいいよバブちゃん、いっけ~!!」

魔法使い「…でも、人間同士だって戦争はするわ。魔物同士だって、憎しみ合ったりはするのかもね。ましてや、種が違うとなれば…」

商人「よし、いけ、いけ、いっけ~!!やった、勝った、勝ったよ魔法使いちゃん!!」

魔法使い「……真面目に考えるのが馬鹿らしくなってきたわね…」

客A「くっそー、いっかくうさぎに賭けてたのに…」

客B「ばかだなあ、ここはバブルスライム一択だろう?」

客A「いやあ、穴をあけるなら…」

魔法使い「…ここでは、商人のように楽しむのが正しいのでしょうね…」

商人「うう~、魔法使いちゃん、哀しいお知らせがあります…」

魔法使い「どうしたの、勝ったんでしょう?」

商人「うん、それがね…勝ったのに、全然儲かってないの…」

魔法使い「どういう事?…ああ、今の試合、バブルスライムは倍率が1倍だったのね?じゃあ勝っても儲けなしじゃない」

商人「うん、しかもね、あたし、予想屋さんに5ゴールド払ったから…」

魔法使い「勝ったのに赤字なのね…確かに、上手い商売ね…」

商人「うん、あたし、よーく分かったよ…」

魔法使い「そうね、やっぱり賭け事は…」

商人「予想屋さんに聞いたから、赤字になっちゃったんだ。見ててよ、今度はあたしが自分で当てて見せるから。じゃあ、次の試合は…」

魔法使い「なんでそうなるのよ!?」

――夜、宿屋

商人「…だから、あれはバブちゃんが2連戦だったから!そうじゃなきゃ…」

魔法使い「全く同じ魔物を連続で戦わせるとは思えないし、別のスライムでしょう?でも、大穴に賭けてれば10.7倍だったのに、残念だったわね」

商人「まさかじんめんちょうが来るなんて…バブちゃんはすぐにマヌーサかけられるし…」

魔法使い「まあ、賭け事は程々に、って事じゃないの?」

商人「そうかなぁ…うーん…あ、そういえばお店も見て回ってないよ、せっかく商店街に行ったのに」

魔法使い「遅い時間になってしまったもの、仕方ないわ。それに、明日は外へ出ないで、ゆっくり町を回るつもりだったし」

商人「そうなの?でも確かに、いざないの洞窟を抜けるのは疲れたもんね…」

魔法使い「そういうこと。明日は、出来ればこの国の王さまに挨拶もしたいし」

商人「そういえば魔法使いちゃん、さっきどうしてあたしがアリアハンから来たって言おうとしたの止めたの?」

魔法使い「学校で習わなかった?アリアハンは昔、世界中を支配していたって。つまり、アリアハンは支配者で侵略者よ。よく思ってない人達だって…」

商人「な、なるほど。でも、王さまには言わない訳にはいかないんじゃないの?」

魔法使い「かもしれないわね。まあ、絶対に隠し通さなきゃ、って程でもないしね」

商人「念のため、だね。魔法使いちゃんは心配性だなあ」

――15日目

魔法使い「どう?この町の品揃えは」

商人「うん、アリアハンやレーベより良いものばっかりだよ。でも、お値段も…」

魔法使い「まあ、そうよね。それに、意外といざないの洞窟でお金を貯められなかったのも痛いわね」

商人「そうだね。あとこの町、あたしが装備出来るモノはたくさんあるけど、魔法使いちゃんの装備出来るモノが…」

魔法使い「まあ、ないのは仕方ないわ。貴方用のがあるなら、とりあえずまたお金を貯めないとね。こっちの魔物は、一段と強いようだし…」

商人「そうだね。また魔物退治かあ…それはそうと、このあとどうするの?」

魔法使い「まずは、情報収集ね。この近くにどんな町や村があるかとか…」

商人「王さまに挨拶もするんだっけ?」

魔法使い「そうね。あのあと考えたけど、私達は封印を解いてしまったから、その報告もしないと…」

商人「そういえばあたし達、結構すごい事しちゃったんだね…」

魔法使い「そうね。まあ、そうしないとずっとアリアハンから出られなかったんだもの、仕方ないわ。さあ、もう行きましょう。もたもたしてると、夜になってしまうわ」

商人「そだね、行こう!」

――夜、宿屋

商人「王さまへの挨拶、何事もなく終わって良かったね」

魔法使い「いきなり探し物を頼まれたけどね。きんのかんむり、か…」

商人「どうするの魔法使いちゃん、王さまのお願い聞くの?」

魔法使い「どうしましょうね…どちらにしろ、私達は北に行くようね」

商人「やっぱり北?東は、
怖い怪物がいるって話だったけど…」

魔法使い「無駄に危険を冒す必要はないわ。それに、王さまの冠を奪った盗賊も、どうやら北にいるみたいだし」

商人「そっかー。あたしは東にも興味あったけどな。東は栄えてるみたいだし。もっとすごい格闘場とかあるかも…」

魔法使い「北にしましょう。決定よ」

商人「魔法使いちゃん!?」

――16日目

魔法使い「さて、今日なんだけど、いざないの洞窟に行こうかと思うの」

商人「あの洞窟に?アリアハンに戻るの?」

魔法使い「そうじゃないわ。この町に来るとき、1度だけ外の敵と戦ったわよね?」

商人「ああ、あのでっかいイモムシ、強かったねー」

魔法使い「ええ。だから、あれくらいの魔物がいる町の周辺より、洞窟の中の方が危険が少ないと思うのよ」

商人「うーん、確かにあのイモムシみたいなのと毎回毎回戦ってたら、すごい大変そうだよね…」

魔法使い「ええ、だからまずはいざないの洞窟へ行って、お金を稼いでから次を考えるべきかなって思ったの。どうかしら?」

商人「うん、それがいいと思うよ」

魔法使い「決まりね。じゃあ、準備が出来たら、いざないの洞窟へ向かいましょう」

――いざないの洞窟

商人「…やっぱり魔法使いちゃんの攻撃呪文があれば、この洞窟のモンスターはそんなに怖くないね」

魔法使い「ええ、かなりたくさんの魔物を倒せたわ。商人、お金はどのくらい貯まったの?」

商人レベル11「900とちょっと。ちなみにレベルも上がったよ!」

魔法使いレベル10「私もよ。お金も、とりあえずそのくらいあれば十分かしら?そろそろロマリアに戻る?」

商人「そうだね、戻ってお買い物しよう!」

――ロマリア城下町、宿屋

商人「えへへ、てつのまえかけ買っちゃった。ターバンに前掛け…だんだん商人っぽくなってきた!」クルッ

魔法使い「いいわね、貴方は…私も早く、魔法使いっぽい格好をしたいわ…」

商人「まあまあ。でもこれであたしは防御力大幅アップだよ、鎧が皮から鉄になったんだから!!」

魔法使い「そうね、貴方の防具も新調出来たし、明日はこの町の周りの魔物退治をする?」

商人「うーん、ちょっと怖いなあ、魔法使いちゃんは防具変わらないし…」

魔法使い「確かに危険はあると思うわ。でも、いつまでも洞窟にこもっていられないでしょう?それに、町のすぐ近くで戦えば、危険も少なくなるし」

商人「うーん、そうだね…じゃ、明日はこの町の周りでモンスター退治をしよう!!」

――17日目、ロマリア郊外

ポイズントードがあらわれた!!

魔法使い「さっきから、あのカエルばっかりね」

商人「いっぱいいるよね。他と比べて、そんなに強くないからいいけど…」

魔法使い「体力がそんなにないみたいだからね…ギラ!!」ボオォォ

ポイズントードをたおした!!ポイズントードをたおした!!ポイズントードをたおした!!

商人「じゃ、残りはあたしが!えいっ!!」ザクッ

ポイズントードをたおした!!

魔法使い「ふう、なかなかいい調子ね」

商人「あのイモムシにさえ気を付ければ、ここもそんなに大変じゃないかもね。カエルの毒はやっかいだけど」

魔法使い「貴方もさっきは毒にやられて大変だったわね。ついさっきどくけしそう見つけたから良かったけど」

商人「う~、治ったからいいけど、あれあのカエルが落としたどくけしそうだったんだよね。ちょっとやだ…」

――アニマルゾンビがあらわれた!!

魔法使い「見たことない魔物ね。少し、やっかいそうな気がするわ」

商人「攻撃力高そうだね。魔法使いちゃん、気をつけて!」

魔法使い「回復しておけば良かったわね。まあいいわ、ギラ!!…3匹とも倒れない…!」

商人「1匹はとどめ刺すよ!!それっ!!あ、あれ?まだ倒れない…!?」

アニマルゾンビのこうげき!!アニマルゾンビのこうげき!!アニマルゾンビのこうげき!!

魔法使い「…!!い、いけない…!」

商人「す、すごい攻撃力だよ!!魔法使いちゃん、平気!?」

魔法使い「平気、とは言いがたいわね…でも、相手は動き鈍そうだし、回復が間に合えば…」

アニマルゾンビのこうげき!!アニマルゾンビのこうげき!!

魔法使いはしんでしまった!!

商人「う、うそ!?魔法使いちゃん!?さ、さっきまではあんなに遅かったのに…!」

――夕方、ロマリア宿屋

魔法使い「はあ…また死んでしまったわ…迷惑掛けたわね…」

商人「迷惑とかないよ!!でも、回復はもっと速めにしておくべきだったかもね…」

魔法使い「全くだわ。薬草代ケチって蘇生代を掛けるなんて、経済的にも最悪だし…」

商人「もう、魔法使いちゃん!!お金の問題じゃないでしょ!?」

魔法使い「…そうね。ご免なさい」

商人「あたしはまだ死んだことないけど、いい気分になれない事は分かるよ。何回も何回も、そんな目に逢うのはダメだよ」

魔法使い「ええ…気を付けるわ」

商人「あ…ごめんね魔法使いちゃん、あたし、お説教なんかして…」

魔法使い「いえ、貴方が正しいわ。これからは、もっと速めに回復するわ」

商人「うん、それがいいよ。あたしだって、その方が助かるもん」

魔法使い「でも、こうなると今の場所での魔物退治はまだ厳しいのかしらね…」

商人「うーん、またいざないの洞窟に戻る?」

魔法使い「そうね…やり直しみたいで少しもどかしいけど、その方がいいかもね。またお金を貯めて、今度は貴方の武器を買いましょう。確か武器も良いの売ってたわよね?」

商人「うん、てつのやり、だったかな?」

魔法使い「貴方の攻撃力が上がって魔物を早く倒せるようになれば、また少し危険が減らせるわ。最初は、私の魔法があれば攻撃は事足りると思っていたけど…」

商人「思ったよりタフなモンスターが多かったね」

魔法使い「ええ、やっぱり貴方の攻撃にも頼るようだわ。武器を新調すれば、またこの辺りでも戦えるはずよ。きっと…」

――18日目、夕方

魔法使い「はあ~、さすがに二日連続で死ぬと、自信無くすわ…」

商人「しょ、しょうがないよ、まほうつかいの攻撃呪文が集中しちゃったんだから…」

魔法使い「まあ、運が悪いといえばそうなんでしょうけど…はあ~…」

商人「もう、元気出してよ!ほら、あたしの武器も買えたし、余ったお金で盾も新しく出来たし、次はきっと大丈夫だって!!ね?」

魔法使い「そうね、貴方はまたレベルも上がったし、強くなってる。だからこそ、私がもうちょっと…」

商人「うーん、困ったな…と、とにかく、明日もモンスター退治に行こ?どっちみち、地道に力をつけるしかないんだし」

魔法使い「地道、か。そうよね、それ以外にないわよね」

商人「そうそう。だからほら、今日はもう寝ちゃお?ね、ね?」

魔法使い「そうね…今日は休んで、明日また頑張る、それしかないわね…」

――19日目

魔法使い「どう?新しい装備の使い心地は」

商人「うん、武器は結構攻撃力上がった感じがするよ。防具は…そんなに変わんないかな。前掛けを買った時は、すごく防御力アップ!!って感じがしたんだけど」

魔法使い「攻撃力が上がったならいいわ、最初からそれが目的だったんだもの」

商人「魔法使いちゃんも、レベル上がったんでしょ?新しい呪文、見てみたいな」

魔法使いレベル11「やっと全体に攻撃出来る呪文を覚えたわ…これでかなり戦闘時間を短縮出来る、はずよ」

商人「バクハツの呪文だっけ?凄そうだよね、見てみたいな!」

魔法使い「そのうち嫌でも見ることになるわよ…あら」

アルミラージがあらわれた!!キャタピラーがあらわれた!!

商人「ちょうどよく出たね。あんまり出て欲しくないやつだけど、ちょうどよくだね」

魔法使い「どっち?まあいいわ、行くわよ!!」

商人「えと、じゃあ、使う?ウワサの…」

魔法使い「世界に宿りし破壊の力、集え!!弾けよ!!撒き散らせ!!イオ!!」ドカーン!!

アルミラージをたおした!!アルミラージをたおした!!アルミラージをたおした!!アルミラージをたおした!!

商人「うわ、凄い…って、あたしも行くよ!!それっ!!」ザクッ

キャタピラーをたおした!!

魔法使い「ふう、試運転は上々ね」

商人「やっぱり魔法って凄いね…これなら、ロマリアの王さまから冠をぬすんだ盗賊も退治出来るんじゃないの?」

魔法使い「そんなに簡単ではないでしょ。私達はこの辺の魔物退治でいっぱいいっぱいなんだから。昨日貴方が言っていた通り、地道に、少しずつ、よ」

商人「そうかなあ…凄い呪文だと思ったけど」

――20日目

商人「ね、ね、魔法使いちゃん、今日はこの町の西側行ってみない?」

魔法使い「西へ?そういえば、東と北は情報があったけど、西の情報はなかったわね」

商人「でしょ?これはやっぱり、あたし達が自分で確かめなきゃいけないと思うの」

魔法使い「確かに、気にはなるわね…いいわ、行きましょう。ただ、危ないと思ったら、すぐに引き返すからね」

商人「うん、じゃあ行こ!!」

魔法使い「町からそんなに離れてないけど…何か見えてきたわね」

商人「あれ、ほこらかな?行ってみよ、ね?」

魔法使い「そうね、危険な場所ではなさそうだし…ただ、こんなに近いのに、何故ロマリアの町で情報が出なかったのかしら」

商人「こんにちは~、あ、兵士さんがあるよ」

兵士「兵士ってか、門番みてーなもんだな、俺は。ここ、通りたいのか?」

魔法使い「ここから先は、何処へ?」

兵士「なんだ、そんな事も知らないのか。ポルトガだよ」

商人「ポルトガ…」

兵士「ああ、つっても、まほうのかぎがなきゃここは通れないけどな」

魔法使い「まほうのかぎ?それは何処に?」

兵士「はは、それさえ分からんようじゃここから先行ってもしょうがねえよ。さ、帰った帰った!」

商人「何よあいつ、魔法使いちゃん、ザキよザキ!!」

魔法使い「使えないわよザキなんて…まあ、ここより先に行くべき所があるって事なんでしょうね」

商人「そうかな~、ただの嫌がらせじゃないの?あいつ」

魔法使い「そんなことないでしょう。きっと、まほうのかぎっていう物を手に入れられる実力がなければ、ここから先は無理、という事だと思うわ」

商人「そうかなあ…でも、例えそうだとしても、このまま引き下がれないよ。いつか絶対、まほうのかぎってヤツをてにいれようね、ね?」

魔法使い「もちろんよ、それがなければ行けない場所があるというなら、いつか必ず手に入れてみせるわ」

――夜、宿屋

魔法使い「はあ、今日も死んだ…私、こっちに来てから死んでない日の方が少ない気さえするわ」

商人「こっちのモンスターは強いし、仕方ないよ」

魔法使い「とはいえ、毎回こうだとね…いつまでここで足止めされるのかしら」

商人「それなんだけどさ魔法使いちゃん、明日、カザーブに行ってみない?」

魔法使い「北に?でも、この辺りでも苦戦しているのに…」

商人「確かにそうなんだけど…あたし達、この町で買える装備はもうみんな買っちゃったし、このままここにずっと居ても…」

魔法使い「装備か…確かに、他の町へ行けばきっと品揃えも変わるわね」

商人「でしょ?だから、ちょっと危険でも、先に進んでみるべきだと思うんだ。ここで魔物退治するにしても、装備整えてからで良いでしょ?」

魔法使い「そうね…貴方の言う通りかもしれないわ。じゃあ、明日は北へ行ってみる?」

商人「うん、行ってみよ!えへへ、新しい町、楽しみだなー!」

――21日目

魔法使い「出来るだけ険しい道は避けてきたけど、ここからは…」

商人「うん、山道だね。カザーブって、山の中なんだ…」

魔法使い「ここからは、道が険しいだけじゃなくて、きっと魔物も増えるわ。気をつけましょう」

商人「そうだね…でも、こんなに大変な思いをして行く場所だもん、きっとすごく素敵な所だよね!」

魔法使い「そうだと良いけど…多分、結構な田舎じゃないかしら?」

商人「うう…で、でも、レーベはアリアハンより田舎だったけど、お店の品揃えは良かったよ!きっと、カザーブだって…」

魔法使い「ああ、そっちは期待して良いのかもね。でも、それはより強い魔物がいるって事…」

ぐんたいガニがあらわれた!!

商人「も、モンスター!!見たことないやつだよ!!」

魔法使い「大きなカニね…ゆで上がったみたいな色してるけど、元気いっぱいのようね。さあ商人、行くわよ!!」

商人「うん!!」

魔法使い「まずは私が…ギラ!!」ボオォォ

ぐんたいガニのこうげき!!ぐんたいガニのこうげき!!ぐんたいガニのこうげき!!

魔法使い「!?私一人が、狙われてる…!?」

商人「させない!!それっ!!」ザクッ

ぐんたいガニをたおした!!

ぐんたいガニのこうげき!!

商人「い、痛い!?こ、こんなの食らったら、魔法使いちゃんは……!」

魔法使い「もう一撃もらったら危なかったけど…大丈夫、薬草、使うわ!」

魔法使いのキズがかいふくした!!

商人「ほっ…一安心した所で…えいっ!!」ザクッ

ぐんたいガニをたおした!!

魔法使い「やったわね、一気に行くわよ!」

商人「よーし、負けないよ!!」

――ぐんたいガニをやっつけた!!

魔法使い「強敵だったわね…」

商人「攻撃力も守備力も、今までのモンスターと全然違ったよ。魔法使いちゃん、無事で良かった…」

魔法使い「今回はなんとか無事だったけど、次はどうなるか分からない。早くカザーブにたどり着きたいわね」

商人「あ、魔法使いちゃん、あれ!何か見えない!?」

魔法使い「あれは、町…いえ、村かしら?もう一息ね」

商人「そうだね、もうちょっと…ああ!!」

キラービーがあらわれた!!

魔法使い「また新手…!」

商人「うう~、虫苦手なのに…」

魔法使い「私だって嫌よ。でも、向かって来る以上は…行くわよ!」

商人「うう、近寄ってきた…」

魔法使い「もう…私はやるわよ、ギラ!!」ボオォォ

キラービーをたおした!!キラービーをたおした!!キラービーをたおした!!

キラービーのこうげき!!

商人「魔法使いちゃん、平気!?」

魔法使い「大丈夫、さっきのカニ程じゃないわ!」

商人「良かった…なら、えいっ!!」ザクッ

キラービーをやっつけた!!

魔法使い「この虫は、そこまで強くないのかしらね…」

商人「呪文で大体たおせたのが良かったね。さ、魔法使いちゃん、もうちょっとで村だよ。急ご?」

魔法使い「そうね、早く行きましょう」

――カザーブの村

商人「着いた着いた!ほら、新しい村だよ、魔法使いちゃん!!」

魔法使い「本当、やっとここまで来たわね。さあ、どこから見て回ろうかしら?」

商人「あ、魔法使いちゃん、お店があるよ!見に行こうよ、ね、ね?」

魔法使い「そうね、良いもの売ってれば良いけど…」

商人「こんにちはおじさん、売ってるもの見せて下さい!」

武器防具屋「いらっしゃい。おや、見ない顔だね。ゆっくりと見て行くといいよ」

魔法使い「どう?この村の品揃えは。期待通り?」

商人「うん、私のモノは期待以上だけど、魔法使いちゃんのモノは…」

魔法使い「そう…残念だけど、仕方ないわね」

商人「あと、やっぱりモノが良いだけにお値段高めだね。あ、ありがとうおじさん、お金貯めてからまた来ます!」

武器防具屋「そうかい、じゃあ楽しみにしてるよ」

魔法使い「失礼します…さて、後は情報収集ね」

商人「いろいろ聞かないとね。盗賊の話とか…」

魔法使い「――どうやら、盗賊のカンダタが逃げたのは西のシャンパーニの塔で間違いないようね」

商人「盗賊を追っかけて来たおじさんもいたね。あと、この村の北にも町があるみたいだよ?」

魔法使い「ノアニール、って言ったかしら。他にも、眠りの町、なんて噂も聞いたけど、ここがノアニールの事なのかしら?」

商人「どうだろう?まあ、そのうちノアニールにも行くんでしょ?その時に分かるよ…それより、魔法使いちゃん?」

魔法使い「何?」

商人「はい、これ、けがわのフード!魔法使いちゃん用の防具だよ!」

魔法使い「私用の…?こんなの、どこから…」

商人「へっへ~、あたしは商人、商売なら任せといてよ!じゃあ魔法使いちゃん、新しい防具お試しに、もう一度村の外に出てみようよ!!」

魔法使い「え?あ、うん、そうね…ありがとうね、商人」

商人「えへへ、商人としての仕事をしただけだよ!!」

――カザーブ郊外

魔法使い「ふう、やっぱりここの魔物は強いわね。でも…」

商人「魔法使いちゃん、新しい防具はどう?」

魔法使い「ええ、すごくいいわ。あのカニの攻撃も、致命的な脅威ではなくなったわ。ありがとうね」

商人「いいよ、何回も。でもこれなら、ここでモンスター退治出来そうだね!」

魔法使い「ええ、ロマリアを出る時は、正直不安だったけど、ここまで足を伸ばして正解だったわ」

商人「お金が貯まればあたしの装備も買えそうだしね。あ、魔法使いちゃん、暗くなってきたよ、そろそろ村に戻ろ?」

魔法使い「ええ、そうしましょう」

――カザーブ、夜

商人「うーん、暗いね…夜とはいえ、やっぱり田舎だね」

魔法使い「そうね、アリアハンやロマリアは、夜でもここまで暗くないわ。レーベといい勝負ね」

商人「ホントだね…あ、魔法使いちゃん、あそこ、誰かいない?」

魔法使い「本当ね…あら、こんな所で寝ているわ。無用心ね…ってここって!」

商人「お、お墓!?ま、魔法使いちゃん、は、早く…」

魔法使い「待って、他にも誰か…キャア!!」

商人「ど、どうしたのまほ…ぎゃああー!!」

骸骨「私は

商人「キャー、骸骨、骸骨!!ま、魔法使いちゃんに、ニフラム!!ニフラム!!」

魔法使い「つ、使えないわよ、私…よ、寄らないで!!」

骸骨「私は偉大なる

魔法使い「に、逃げるわよ商人!ほら、立って!!」

商人「ま、待ってよ~」

骸骨「いや、話、聞いて…」

商人「あー怖かった。なんだったんだろ、あれ?」

魔法使い「さあ…ただ、これからは夜のお墓にあまり近づかないようにしましょう」

商人「そうだね…それはそうと、大体夜の村も見て回ったよね?宿屋に戻る?」

魔法使い「そうね、今日は疲れたし…」

商人「そうだね。それじゃ、お疲れの魔法使いちゃんにプレゼント、これ、どくばり!!」キコキコキコーン

魔法使い「また私の装備?本当、どこから…?」

商人「ん~、闇のコネクション、ってヤツ?」

魔法使い「嘘くさいわね…まあいいわ、ありがとうね、商人」

商人「へっへ~、どういたしまして!!」

――22日目

商人「よいしょ、よいしょ!!」ザッザッ

魔法使い「…何してるの?」

商人「なにって…あなほりだよ、よいしょ!!」ザッザッ

魔法使い「…あなほり?」

商人「そだよー。商人の基本、あなほり!!」ザッザッ

魔法使い「…穴を掘るのが商人の基本なの?」

商人「え?何言ってるの、当たり前じゃん、タダで手に入れて高く売る!商売の基本だよ?」ザッザッ

魔法使い「そ、そう…」

商人「うーん、ダメだ、1ゴールドしか出てこないや。じゃあ魔法使いちゃん、モンスター退治行く?」

魔法使い「え、ええ。行きましょうか…」

商人「最初は心配だったけど、この辺でもモンスター退治出来そうだね」

魔法使い「ええ、貴方のくれた防具のおかげで、今日は死なずに済みそうよ。貴方も、新しい武器が調子良い見たいじゃない」

商人「うん、このチェーンクロス、たくさんの敵を1度に攻撃出来て、すごく便利だよ!!」

魔法使い「私の魔法と合わせれば、1度にかなりの数の魔物を倒せるようになったものね」

商人「後は、回復のタイミングさえ間違えなければ、魔法使いちゃんもそうそう死なないと思うよ!」

魔法使い「それが結構難しいんだけど…それはとにかく、夜までもう少し魔物退治するわよ」

商人「はーい!!」

――魔法使いはレベルがあがった!!

魔法使い「よし、ルーラを使えるようになったわ。これで、行ったことのある場所にはいつでも行けるわよ」

商人「へー、すごい、アリアハンにも一飛びだ!!」ザッザッ

魔法使い「ええ、そうよ…って貴方、また穴を掘ってるの?」

商人「うん、ほらこれ、今出てきたんだよ、まんげつそう」ザッザッ

魔法使い「本当に掘り当てるのね…」

商人「もっちろん!!…あ、魔法使いちゃんこれ、見てみて!!」

魔法使い「これって…木の実?」

商人「そ、いのちのきのみ、貴重品だよ!!やったやった、今日はあなほりの当たり日だあ!!」

魔法使い「ビックリした…本当にすごいわね…

――23日目

商人「ねえねえ魔法使いちゃん、新しい村には驚きと発見があったよね?」

魔法使い「この村の事?そうね、装備も新しく出来たし…」

商人「でしょ?というわけで、あの感動をもう一度!今日は北の町ノアニールに行きましょう!ね、ね?」

魔法使い「あのね商人、いくら装備を新しくして気が大きくなったからって、すぐに次の町なんて早すぎるわ。大体、ここからノアニールまでどのくらい離れてるかも分からないじゃない」

商人「それがね、昨日モンスター退治してた時さ、チラッと見えたの、北の方に町が!!」

魔法使い「…本当に?」

商人「ホントホント、あれならそんなに遠くないよ、だからちょっと行ってみよ?ね、ね?」

魔法使い「まあ、近いのなら良いかしらね…」

商人「決まり!じゃあ北に向かって全速前進!!」

――

魔法使い「ふう…カザーブの周りは山だらけね…」

商人「きっと美容と健康に良いよね!!」

魔法使い「そうかしらね…?」

商人「きっとそうだよ!あ、魔法使いちゃん、見てみて、ほら、あれ!」

魔法使い「…確かに町のようね。こんなに近いのに、なんでカザーブではあまりここの話が聞けなかったのかしら?」

商人「ん~、きっと仲悪いんじゃない?」

魔法使い「そんな理由なら良いけど…」

商人「もう、魔法使いちゃんは!案ずるより、だよ!!」

魔法使い「そうね、行けば分かる、か…行きましょう、ノアニールへ!」

――ノアニールの町

商人「…町に着いたは良いけど…あのー、すみません!」

町人A「ぐうぐう…」

魔法使い「…寝ているの?あの…」トントン

町人B「すやすや…」

商人「ま、魔法使いちゃん、これって…」

魔法使い「ええ、ノアニールが眠りの町だったのね。本当にこんな町があるなんて…」

商人「えーと、噂では眠りの町はエルフを怒らせちゃって、それで呪われたんだっけ?」

魔法使い「噂によれば、ね。でも現実にこういう状態である以上、その噂も恐らく本当みたいね」

商人「な、なんだかあたし恐くなってきたよ。あたし達、大丈夫だよね?呪われたりしないよね?」

魔法使い「絶対に大丈夫とは言えないけど…呪われるならきっともう私達も呪われてるはずよ。それより、一応この町も一通り調べてみましょう。望みは薄いでしょうけど、何か手掛かりがあるかも…」

商人「ダメだよ魔法使いちゃん、やっぱりみんな眠ってる」

魔法使い「予想はしてたけど…厳しいわね…ちょっと待って、商人、あの人!」

商人「あ、お、起きてる!?す、すみませーん!あのー、聞こえますかー!?すみませーん!」

老人「おお、どなたか知りませんが、この町を助けて下され!」

魔法使い「あの、一体この町は?噂では、エルフの怒りを買ったとか…」

老人「その通りですじゃ。すまんがあんたがた、エルフの隠れ里へ行ってエルフ達の怒りを鎮めて下さらんか?」

商人「隠れ里!?」

老人「はい、ここから西、洞窟のすぐ近くにありますじゃ。この老いぼれではそこまでは行けませぬ。よろしくお願いします。よろしくお願いします…」

商人「…お願いされちゃったけど、どうするの?魔法使いちゃん」

魔法使い「聞いてあげたいのはやまやまだけど…今すぐ更に西、は私達の実力的に厳しいと思うわ」

商人「やっぱりそうだよね、かわいそうだけど、もうちょっと待ってもらうようだね…」

魔法使い「そうね…さて、もう少しでカザーブね、今日はこのくらいで…」

商人「あーー!!」

魔法使い「な、何!?どうしたの?」

商人「今日全然あなほりしてないよ、ノアニールの近くでも掘って見たかったのに!!」

魔法使い「…ああ、そう…」

商人「今すぐ掘らなきゃ!!魔法使いちゃん、カザーブに行くのもうちょい待ってて!」

魔法使い「…そんなにあなほりが大切なのかしら…」

――宿屋、夜

商人「へっへ~、今日もあたしあなほりでまんげつそうといのちのきのみ見つけちゃった!!すごいでしょ?」

魔法使い「え、ええ…こんなにたくさん道具を拾えるものなのね…」

商人「うーん、普通はこんなにたくさんは見つけられないと思うよ?」

魔法使い「ということは、貴方の腕が良いのね」

商人「そういう事になりますなあ~。いいんだよ魔法使いちゃん、あたしの事あなほり名人って呼んで!」

魔法使い「…呼べと言われれば呼ぶけど、うら若き乙女が本当にそれで良いの?」

商人「あ…やっぱりやめる…」

魔法使い「私もそれがいいと思うわ…」

商人「でもこんなにいのちのきのみが出てくるなんて思わなかったよ!もっと見つけたら、魔法使いちゃんにもいくつかあげるね!」

魔法使い「あの調子なら、もっと見つかりそうね。楽しみにしてようかしら?」

商人「うん、絶対もっと見つけて見せるよ!!」

――26日目

商人「――というわけで、モンスター退治だけの3日間はあっという間に過ぎたのでした」

魔法使い「3日間の退治生活の間に、私はレベル13、商人はレベル14まで上がったわね。…ってこれ、誰に向かって説明…」

商人「そして!!これから発表するのが24日目から26日目の3日間のあなほりの成果だよ!!」

魔法使い「また強引に…」

商人「まあまあ。あなほりは45回くらい掘ったかな?5回くらい穴を掘ったら、気分転換に1度町へ戻るのがおすすめだよ!あと迷惑だから町の中であなほりしたりしないよーに!!」

魔法使い「そう…」

商人「では発表です!!じゃーん!!」

計11G、まんげつそう2、たびびとのふく、せいなるナイフ、やくそう、いのちのきのみ

商人「………もっとたくさん拾えると思ったのに…」

魔法使い「タダでこれだけ見つけたなら良いじゃない、高望みし過ぎよ」

商人「だって~、その前の2日間は15回のあなほりで7Gまんげつそう2いのちのきのみ2だったんだよ!?それなのに…」

魔法使い「はいはい。それよりも、この3日間魔物退治とあなほりだけしかしてないわ。レベルも上がったし、明日はエルフの隠れ里にでも行ってみる?」

商人「うん、それはいいけど…魔法使いちゃんには、大事なお願いがあるのです…」

魔法使い「何よ、改まって」

商人「あなほりで見つけたは良いけど…このままじゃ土まみれで売れないでしょ?特に、このたびびとのふくとか…」

魔法使い「…まさか、洗濯しろって言うの?」

商人「お願い!あたし、あなほりし過ぎて疲れちゃったし…」

魔法使い「あのねえ…まあいいわ、売れればパーティーのお金だし、貴方が掘って私が洗う、役割分担と考えれば…」

商人「良いの?ありがとー!!だから魔法使いちゃん好きよ、大好き!!」

魔法使い「はいはい。だから、そんなに疲れるほどあなほりするのは…」

商人「じゃああたし、明日からもあなほり頑張るから!いろんなものたくさん見つけるから!!」

魔法使い「あのねえ、少しは人の話を…」

商人「ちなみに今回は全部カザーブの周りであなほりしたよ!!それから、昼と夜だと出てくるアイテム変わるかも!?以上です、じゃあ明日も早いから、おやすみなさーい!!」ドタバタ

魔法使い「…もう、本当におちょうしものなんだから。くじけぬこころでも持たせようかしら…?」

――27日目

商人「えっほ、えっほ…あ、魔法使いちゃん、やっと起きた?おはよう!!」ザッザッ

魔法使い「おはよう。起きたらもう宿屋にいないと思ったら…」

商人「朝早く起きたら労働!労働と言えばあなほり!!でしょ?」ザッザッ

魔法使い「そうかしら…?で、今朝の成果は?」

商人「それが、もう10回も掘ったのに、たったの3Gぽっち…」

魔法使い「私は結果よりもう10回も掘った事の方が衝撃的だけど…でも、早起きは3Gの得って言う昔のことわざの通りじゃない」

商人「そんな昔のことわざで納得出来ないよ!あたしは今を生きてるんだよ!?」

魔法使い「私にそう言われても…それより、もうエルフの隠れ里に向けて出発したいんだけど、準備はいい?」

商人「あ、ちょっと待って。あたし、手と顔洗ってくる!!」タタタ…

魔法使い「ちょっと!!…もう、そんなに慌てなくていいのに…」

――27日目

商人「…で、またノアニールまで戻って来たけど…この辺ってモンスターめちゃめちゃ強くない?カザーブと少ししか離れてないのに…」

魔法使い「そうね、あの鎧の魔物とか、攻撃力すごいわね」

商人「攻撃を集中されたらあたしも危ないかも…あ、魔法使いちゃん、あれなんだろう?」

ギズモがあらわれた!!

魔法使い「何かしら…?ガスの生命体…?よく分からないけど、敵には違いないようね」

商人「どんな攻撃してくるんだろ?怖いね…」

魔法使い「そうね、得体が知れないけど…気を引きしめていきましょう!」

ギズモはメラをとなえた!!ギズモはメラをとなえた!!ギズモはメラをとなえた!!

商人「ひえ~、熱い熱い熱い!!攻撃呪文の雨みたい!!」

魔法使い「しかも早いわね。厄介な敵だわ…でも負けてられない、ギラ!」ボオォ

ギズモをたおした!!

商人「よーし、残りはあたしが…それっ!!」ピシャッ

ギズモをたおした!!ギズモをたおした!!

魔法使い「ふう、やったわね、思ったより呪文が効いて助かったわ」

商人「結構簡単に倒せたね。体力?があんまりないみたい」

魔法使い「でも、もっとたくさん出てきたら危なかったかもしれないわ。ここからは、今まで以上に体力には気を使いましょう」

商人「そうだね、あたしも気を付けるよ」

魔法使い「ふう、そんなに歩いてないのに疲れるわね。本当に敵が強いわ…」

商人「薬草もたくさん使っちゃったね。2、3日前に25個も買ったのに、また買わないと…」

魔法使い「お金はまだ余裕あるの?」

商人「もっちろん!あたしが管理してるんだよ?」

魔法使い「そうね、お金に関しては信頼してるわ」

商人「むっ…お金以外は信用ない?あたし」

魔法使い「ご免なさい、言い方が悪かったわ。戦闘でも信頼してるわ、もちろんあなほりの腕前も」

商人「そ、そう?エヘヘ、あたしも魔法使いちゃんのお洗濯の腕前、シンライしてるよ!!」

魔法使い「それは喜ぶべきかしら…あら?商人、あれ、何かしら?」

商人「え…あ!こんな森の中に村!?もしかして…」

魔法使い「ええ、エルフの隠れ里かもしれないわ。行ってみましょう」

――エルフの隠れ里

エルフA「人間と話したらママに叱られちゃう」

エルフB「ひー!!人間だわ!!拐われてしまうわ!!」ガクブル

道具屋エルフ「人間にモノは売りません。お引き取りあそばせ」

馬「ヒヒーン!!」

商人「魔法使いちゃん!魔法使いちゃん!!」

魔法使い「何よ?」

商人「ザ・ラ・キ!!ザ・ラ・キ!!」

魔法使い「だから使えないわよザラキは…第一、人間嫌いにも理由があるかもしれないでしょ?」

商人「そうかな…」

魔法使い「まあ、本当のところは分からないけど、それはエルフの女王様が教えてくれるはずよ」

商人「エルフのお偉いさんか…こわいけど、話聞きにいかないとね…」

女王「…人間などがここに何の用ですか?」

商人「こ、この人が女王様?なんかもうツンツンしてるけど…」

魔法使い「女王様。私達は貴方方に呪われたというノアニールの事で伺いました」

女王「そう、ノアニール…そんなこともありましたね」

商人「そんなことって…!あの町の人達は、まだ眠ったまんまだよ!?」

女王「もう何年前になるか…私の娘が、あの町の人間と駆け落ちしたのです」

魔法使い「娘、というと、エルフの姫君…?」

女王「しかも、私達エルフの宝であるゆめみるルビーを持ち出して…所詮エルフと人間、娘は騙されたに決まってます」

商人「そんな、決めつけなくても…」

女王「ああ、人間なんて見るのも嫌です。さっさとお行きなさい」

魔法使い「会話にもならなかったわね」

商人「人間が悪い!!って決めつけられたのは納得いかないけど、娘さんがいなくなっちゃったんだね…」

魔法使い「人間と駆け落ち、しかもエルフの秘宝を持って、か…」

商人「あの最初から拒絶する感じ…やっぱり人間とエルフって解り合えないのかな…?」

魔法使い「そうかしら?少なくとも私は、エルフは人間と似てると思ったわ。いえ、人間がエルフに似ているのかもしれないけど」

商人「似てる?どの辺が?」

魔法使い「嫌な事されたら復讐しちゃう所とか、宝石みたいなモノを大事に扱う所とか」

商人「復讐…」

魔法使い「あと、嫌いになったらその相手の嫌いな所ばかり見ようとする所とかね。全く、人間もエルフも、顔を見たら罵り合うより、挨拶の1つでもした方が楽だ、ってなんで気づかないのかしらね?」

商人「うーん、それが出来ないのが憎いって事なんだろうけど…でも、人間と似てるって言うなら、どうすれば機嫌をなおしてくれるかも解りやすいね」

魔法使い「そうね、娘を連れて帰るか、秘宝を取り戻すか…出来れば両方ね」

商人「だよね!!じゃ、どうにかその二つをクリアして、女王様のご機嫌をなおしてもらおうよ!それにあたし、ノアニールの町で買い物したいし!」

魔法使い「それが一番の目的…?まあいいわ、とりあえず今日はカザーブまで戻りましょう?何をするにも、準備が…」

商人「あ、待って魔法使いちゃん!あたしここであなほりしてく!!女王様はともかく、他のエルフの態度は嫌だったから、エルフの隠れ里の周りを穴ぽこだらけに…」

魔法使い「…私の話聞いてた?」

――28日目

商人「よいしょ、よいしょ!あ、魔法使いちゃんおはよう!!今日も遅かったね、もう10回も掘ったよ!!」

魔法使い「相変わらずすごいわね…それで今朝の成果は?」

商人「まんげつそう、やくそう、1Gって感じかな。まあまあ?」

魔法使い「結構良かったじゃない、さすがあなほり名人ね」

商人「へっへ~♪あ、そうだ魔法使いちゃん、あたしお願いがあるんだけど…今日、アリアハン行かない?」

魔法使い「アリアハンに?行っても良いけど…何かあるの?」

商人「うん、ちょっとね…」

魔法使い「…まあいいわ、たまにはお城に帰って王様に報告しないといけないし」

商人「ホント!?ありがとー、じゃああたし準備してくるから、待っててね!!」タタタ…

魔法使い「あんなに慌てて…はいつもの事だけど…アリアハンで何かあるのかしら?」

魔法使い「じゃあ、準備は出来た?」

商人「うん!そう言えば、あたしルーラもキメラのつばさも使った事ないや、楽しみ~」

魔法使い「言われてみれば、私もそうね」

商人「え…と、途中で墜ちたりしないよね?」

魔法使い「大丈夫よ、多分」

商人「うう、不安…」

魔法使い「ふう…今立つ地、遠き故郷、彼我の逢瀬を我が手で結ばん!ルーラ!!」

商人「お?え、え、え、きゃあああァァァァアアアア…!」

ギュイーンギュイーン

――29日目

魔法使い「はい、着いたわよ」

商人「え?…あ、お城!?あっちはナジミの塔…ホントにあっという間…」

魔法使い「本当はあっという間でもないんだけどね。1日経ってるし…」

商人「え?あ、ホントだ」チラッ

魔法使い「どこ見て確認してるの…?とにかく、私は今日1日お城で報告とかしなきゃいけないから、貴方も今日中にやりたい事を済ませてね」

商人「うん、分かった。気を付けてね、魔法使いちゃん!…さて、まずはここであなほりを…」

――アリアハン城内

王「久しいな。旅は順調か?」

魔法使い「はい。頼もしい仲間に頼ってばかりですが」

王「そうか、何よりじゃ。…ところで、世界は今どうなっておる?」

魔法使い「思った以上に魔物が蔓延っているようです。…ああ、海の向こうでも、アリアハン出身の我々は歓迎されましたよ」

王「おお、そうかそうか、さすが我が国、時は経てどもその栄光は…」

魔法使い「これがオルテガ殿の功績の1つなのでしょうね。戦争で敗れ、鎖国して震えていたアリアハンの人間がこれほど歓迎されたというのは」

王「…」

魔法使い「あとは、魔物の勢いが増してきたのもあるのでしょう。藁をもすがるような思いで、我々を見ていました」

王「…旅は、大変か…?」

魔法使い「それが分かっているからこそ、若き勇者が旅立つ前に私に旅をさせているのでしょう?おかげで充実した毎日を送らせていただいてますが」

王「…」

魔法使い「皮肉ではありません。本当です――ではこの辺で失礼します」ペコリ

王「…気をつけてな」

魔法使い「ええ、そちらも。――間違っても、旅立つ前の勇者が魔物の手にかかる、などという事がないように…」

魔法使い「ふう…一番面倒な仕事が終わったわね」

兵士「おお、なんだお前、帰って来てたのか?」

魔法使い「貴方は…久し振りね」

兵士「見てたぞ。全く、あんなだから煩わしく思われて外に放り出されるんだぞ」

魔法使い「それはどうも。おかげで毎日楽しいわ、ここにいたときよりも。ところで貴方は変わらずに?」

兵士「変わるも何も、お前が旅立ってまだ1ヶ月だぜ?」

魔法使い「じゃあまだ倉庫番ね」

兵士「ああ…そうだ、お前、もう少ししたらまたアリアハンに来いよ。倉庫の中の不要な宝とかくれてやるから」

魔法使い「…いいの、そんな事して?」

兵士「ああ、俺は昔オルテガさんにお世話になったからな。そのオルテガさんの娘のために旅してんだろ?だったら俺は…倉庫泥棒を全力で見て見ぬふりする」

魔法使い「なにそれ?…まあいいわ、じゃあまたいつか、楽しみにしてるわ」

兵士「おう、道中達者でな」

魔法使い「…さて、お城の雑務は大体終わったわ。商人はどこで何をしてるのかしら…」

商人「あん、魔法使いちゃあん、こっちよおん」クネクネ

魔法使い「…どうしたの?」

商人「あらん、見違えたあ?そうなの、あたし今日からセクシーギャルになったのお」クネクネ

魔法使い「…調子狂うわね。どうしてこんなになってしまったの?」

商人「あん、嫉妬ね?そうよねえ、セクシーさで魔法使いちゃんに大差をつけちゃったもんねえ」クネクネ

魔法使い「…全く、何を装備したやら…いいから早く元に戻りなさい!」ドタバタ

商人「あん、ダメよ、そんな強引に…って魔法使いちゃん、ダメ、ダメだってば!!」ドタバタ

魔法使い「やっと元にもどったわね。…ってなにこれ、ガーターベルト!?」

商人「あーん、商人ちゃんせくしーだいなまいつ計画が…」

魔法使い「そんな計画だったのね…」

商人「冗談よ、冗談。ホントはこれ、魔法使いちゃんにあげる予定だったんだ」

魔法使い「…これを、私に?」

商人「うん、こんなでも一応、守備力上がるし。ノアニールの周りはモンスターも手強いから、少しでも守備力あげたいもんね」

魔法使い「そう…でも、これは少し…」

商人「なーに今更恥ずかしがってるの?かめのこうらもおなべのふたも堂々と装備してた魔法使いちゃんらしくないよ!」

魔法使い「別に堂々としてた訳じゃないけど…そうね、じゃあこれはありがたくいただくわ」

商人「うん、じゃあ早速装備しよ!ね、ね、どう?どんな感じ?」

魔法使い「ねえ、商人…装備しても、別に口調が変わったりしないけど…」

商人「もー、そこはほら、雰囲気ってやつ!!」

魔法使い「そう…」

――30日目

商人「魔法使いちゃん、おはよー!!ね、ね、今日はカザーブに戻るんでしょ?」

魔法使い「おはよう。そうね…戻ってから、どうしようかしら?まだまだレベルを上げなきゃいけないけど、ノアニールの周辺での魔物退治は不安があるし…」

商人「やっぱり、ガーターベルトしても、不安?」

魔法使い「そうね、あそこの魔物は強いから…」

商人「そっか、まあガーターベルトじゃないよりまし、って程度だもんね…そうだ、魔法使いちゃん、行き先さ、カザーブじゃなくてノアニールにしてくれない」

魔法使い「良いけど…あそこでの魔物退治は…」

商人「うん、ちょっと考えがあってさ。ね、ね、いいでしょ?」

魔法使い「そこまで言うなら…じゃあ、次の行き先はノアニールにするわよ?」

商人「うん、よろしく!」

――31日目

魔法使い「さて、ノアニールに着いたけど…」

商人「第一回!ドキドキあなほり大会 in ノアニール~!!」

商人「わーわー!!」パチパチパチパチ

魔法使い「???な、なに??」

商人「諸君!!我々はこれから日中100回、夜100回のあなほり作業に入る!」

商人「作業は困難をきわめるだろう。しかし!!何かを成し遂げるには、必ず困難は乗り越えなければならない!そして我々はそれが可能であると信じる!そうだろう諸君!!」

商人「おー!!」

魔法使い「一人何役やってるのかしら…」

商人「そして!我々がこれを成し遂げた時、人々は商人の素晴らしさを思い知るであろう!!理想のパーティーは勇戦僧魔ではない、勇商商商であると!!また、百歩譲って致し方なく慈悲の心を持って勇商商魔である!!」

商人「そうだそうだ!!」

魔法使い「気を使われてるのか挑発されてるのか微妙ね…」

商人「とゆー訳でね魔法使いちゃん、あたしこれからあなほりしまくるから!!」

魔法使い「それは分かったけど、いきなり何故?」

商人「それはね、魔法使いちゃん、体力に不安があるって言ってたでしょ?だから、あなほりでそこを補えるモノを掘り当てよう!!って事なの!」

魔法使い「気持ちは嬉しいけど…疲れるでしょう?無理しなくても…」

商人「大丈夫魔法使いちゃん、あたし、いつか朝から晩まであなほりしたかったの。それが今日ってだけなのよ!!」

魔法使い「本当にあなほり好きなのね…」

商人「うん!見ててよ魔法使いちゃん、あたしアイテムメチャクチャ掘り当てて見せるから!!」

魔法使い「ふふ、じゃあ楽しみにしてるわ。洗濯は任せておいて」

商人「うん、よろしく!」

ザッザッ…

魔法使い「…あと一回ね…」

商人「うん…とりあえず…日中の部…しゅーりょー!!」バタリ

魔法使い「お疲れさま、頑張ったわね」

商人「ま、魔法使いちゃん…アイテム…まとめて…」

魔法使い「はいはい。これが、ノアニール周辺で日中100回あなほりした成果よ」

1G 11回 2G 13回 どくけしそう 10個 いのちのきのみ 1個 どうのつるぎ 1個 419G 1回

魔法使い「お金とどくけしそうはたくさん出たわね」

商人「うーん、これじゃあ満足出来ないよ…次!!夜の部いってみよー!!」

魔法使い「元気ね…」

スタミナは1しか上がらなかった商人「はあ、はあ、はあ、…よ、夜の部も…しゅーりょー…」バタリ 魔法使い「本当、よくやったわ…」 商人「うん…ごめんね、魔法使いちゃん…夜になるの…待ってる間…死なせちゃった…」 魔法使い「それは気にしなくて良いけど…やっぱりこの辺での魔物退治は危険ね…」 商人「それを…何とかする…ための…あなほり大会…夜の部の、成果は…こちら!!」 1G 13回 2G 9回 たびびとのふく 1個 どくけしそう 5個 どうのつるぎ 3個 スタミナのたね 1個 いのちのきのみ 1個 魔法使い「夜の方がバリエーション豊かになったわね」 商人「こ、これよ魔法使いちゃん…これが欲しかったの…スタミナのたね!!」 魔法使い「これが、体力が上がる種なの?」 商人「そう…良いよ、食べて…」 魔法使い「良いの?そんなにて、そのためのあなほり大会だもん…さ、食べて…」

魔法使い「…ありがとう、本当に、ありがとうね…」ポリポリ

商人「良かった、見つかって…じゃあ、カザーブに帰ろっか…?」

魔法使い「ええ、帰りましょう。ゆっくり休むのよ…」

――32日目

魔法使い「おはよう。疲れてない?」

商人「おはよー…ん…平気…」

魔法使い「まだ眠いみたいね、無理もないわ。今日はもう少し休んでから行きましょう」

商人「…行くって、どこに…?」

魔法使い「えっとね、今日は、今までまだ行ってなかった所に行ってみようと思ったんだけど…」

商人「…!え?どこどこ?」

魔法使い「シャンパーニの塔よ。ほら、きんのかんむりを盗んだ盗賊がいるっていう…」

商人「あー、あったねそんなとこ!!」

魔法使い「もちろん、私達じゃまだ盗賊退治なんて出来ないでしょうけど、場所だけでも確認しておかないと…って商人?もう大丈夫なの!?」

商人「うん、新しいダンジョン行くんでしょ?じゃあ早く行こ、すぐ行こ!ね、ね?」

魔法使い「わ、分かったわよ。分かったから、慌てないで…」

――

商人「…結構歩いたけど…ここかな?シャンパーニの塔」

魔法使い「多分ね…」

商人「塔っていえばナジミの塔を思い出すけど…これ、ナジミの塔より高そうだよね?」

魔法使い「そのようね。見るからに大変そう…」

商人「そうだね…で、どうするの?とりあえず場所の確認って言ってたけど」

魔法使い「せっかく来たし、中に入ってみましょう。中の様子も見たいし…」

商人「だよね、そうこなくっちゃ!」

――シャンパーニの塔

大男「ここが悪名高いシャンパーニの塔だぜ!おいおい、女が来るような所じゃないと思うぜ?」

魔法使い「悪名高い、ね。じゃあ、中にいる人達も、悪名高い盗賊だったりするのかしら?」

大男「はは、そいつは言えねえな」

魔法使い「まあそうでしょうね。いいわ、私達だって、いきなり盗賊に喧嘩を売ろうって訳じゃないし」

大男「ま、それが賢明だろうな」

商人「じゃ、ちょっとうろうろさせてもらいまーす!!」

大男「おいおい、大丈夫かよ…」

魔法使い「あの言い方、やっぱりここの盗賊は相当な腕前のようね」

商人「盗賊退治できるのはまだまだ先かあ…」

魔法使い「まあしょうがないわね。今まで通り、地道に行きましょう」

商人「ここの魔物も、結構強いね」

魔法使い「ええ、でもノアニール周辺で魔物退治するよりは安全そうね。マホトーンを使ってくる魔物は厄介だけど」

商人「魔法を封じられるとキツいね…あ、魔法使いちゃん、宝箱があるよ?」

魔法使い「こんな所に…開けてみたら?」

商人「もちろんだよ!!…あ、お金だ」

430Gを手に入れた!!

魔法使い「お金か…あって困るものではないけど、今は間に合ってるわね」

商人「そだね、お金はアリアハンの銀行に2000G預けてきたくらいだし、すごい武器とか防具の方が良かったかも…」

魔法使い「まあ、贅沢言っても仕方ないわ。もう少し進んでみましょう」

商人「2階に上ってみたけど、特に気になる事はないね」ザッザッ

魔法使い「そうね…って貴方、こんな所でもあなほり?」

商人「商人たるもの、いついかなる時もあなほりだよ!!…どくけしそうとまんげつそうかあ…」

魔法使い「建物の床なんてよく掘れるものね…」

商人「コツさえつかめば大丈夫!あなほり名人だしね、あたし!」

魔法使い「それは知ってるけど…あ、商人、魔物よ!!」

ギズモがあらわれた!!キラービーがあらわれた!!

商人「ガスっぽいの4匹に虫2匹かあ…ちょっと多いね」

魔法使い「ええ、厄介だけど…やるわよ!!」

ギズモはメラをとなえた!!ギズモはメラをとなえた!!

魔法使い「相変わらず早いわね、でも…ギラ!!」ゴオオォ

ギズモをたおした!!ギズモをたおした!!

商人「あたしも、それっ!!」ビシャアッ

キラービーをたおした!!

キラービーのこうげき!!ギズモはメラをとなえた!!

商人「ま、魔法使いちゃん!?平気!?」

魔法使い「くや、しい…わ、私…やっぱり、体力、が…」バタリ

魔法使いはしんでしまった!!

商人「!!魔法使いちゃん…!!」

――33日目

魔法使い「ここ…教会よね。私、また…」

商人「ほっ…生き返るって分かってても、やっぱりちゃんと生き返るの見るまでは不安になっちゃうね…でも良かった…」

魔法使い「…また迷惑かけたわね、ごめんなさい」

商人「だから~、そういうのはいいってば!!あ、魔法使いちゃん、あたしカザーブに戻るのにキメラのつばさ使っちゃったから、1日経っちゃったんだけど…」

魔法使い「貴方が無事に戻れた事に比べたら些事よ。それより、これからどうすれば…正直、八方塞がりだわ。この村の周りで地道にやるのも、いい加減限界よね…」

商人「うーん…ねえ、魔法使いちゃん、それなら…ロマリアの東に行って見ない?」

魔法使い「東に?そっちは恐ろしい怪物がいるっていう話じゃない。現時点でこんなに苦戦してるのに…」

商人「うん、確かにそうなんだけど…強いモンスターがいるって事は、きっと装備品も良いのが売ってると思うんだ。今のままじゃいけないなら、ちょっと危険でも…」

魔法使い「ちょっとだけなら良いけど…きっととても危険だと思うわ。やっぱり…」

商人「魔法使いちゃん!あたしたち元々、とっても危険な旅をしてるんだよ!?今更危険だってしり込みするなんて…」

魔法使い「しり込みだってするわよ!!いくら危険な旅をしてるからって、わざわざ危険に飛び込んでいったら命がいくつあってもたりないわ!!第一、私だけじゃなく、貴方まで死んだらどうするのよ!!」

商人「ま、魔法使いちゃん…」

魔法使い「…………ごめんなさい、怒鳴って……今日はもう、休みましょう…」

商人「………」

商人「よいしょ、よいしょ…あー、小銭とやくそうだけかあ、何か…もっとすごいのが…」

魔法使い「…全く、今日はもう休むって言ったのに、宿屋に来ないと思ったら…」

商人「ま、魔法使いちゃん!?」

魔法使い「……さっきは本当にごめんなさい。少し、気が立ってしまったわ…」

商人「ううん、私の方こそ…」

魔法使い「良いのよ…ねえ、東に、行く?」

商人「え?でも…」

魔法使い「冷静に考えたら、貴方の言う通り装備を調えに次の町へ、というのは利にかなってる気がするわ。私達は冒険者、無理や無茶はつきものよね」

商人「でも…」

魔法使い「大丈夫よ、慎重に行けば。思えば、私は最近少し悪い意味で旅なれてきてたみたい。ちょっぴり油断があったわ。これは気を引き締め直す良い機会だと思うの」

商人「本当に、行くの…?」

魔法使い「行きたいんでしょ?」

商人「うん…うん、行きたい!!じゃ、じゃあ、あたしすぐ準備してくる!!」タタタ…

魔法使い「ちょっと、今日は行けてロマリアまでよ。あそこで1泊して、それから…って聞いてないわね、全く…」

――ロマリア城下町

商人「ひさしぶりだね、ロマリア!」

魔法使い「そうね、特に変わりないようだけど。さて、明日に備えて買い物に行きましょう」

商人「何か買うものあったっけ?」

魔法使い「貴方、キメラのつばさ使ったって言ってたじゃない。予備も含めて2つは買っておきましょう。あと、効果があるとは思えないけど、一応せいすいもね」

商人「やくそうはいらないの?」

魔法使い「待って…思ったよりずっと減ってるわね、やくそうもまとめて買いましょう」

商人「了解!どくけしそうとまんげつそうは、あなほりでたくさん出てきたからいいよね?」

魔法使い「貴方がたくさん見つけてくれたわよね。おかげで予算に余裕が出来るわね、流石ね」

商人「へっへ~、商人だからね!!じゃ、買い物行こうよ!!」

魔法使い「キメラのつばさにせいすいに…やくそうはいくつにする?」

商人「ん~、15個くらいかな?」

道具屋「はい、毎度」

魔法使い「さて、買い物は済ませたし、今日は…」

商人「……じー」

魔法使い「何?…まさか、格闘場に行きたいの?」

商人「え?えっとね、行きたいっていうか、なんていうか…」

魔法使い「ふう…まあ良いんじゃないの?最近貴方頑張ってるし、そもそも私達のお金は貴方が稼いでる方が多いしね」

商人「え?いいの?ホントに?怒らない?」

魔法使い「怒らないわよ、行きましょう」

商人「えへへ、じゃ、じゃあ行こっか!!」

商人「へっへ~、今日はケロちゃんのおかげで儲かったよ!!」ホクホク

魔法使い「ケロちゃん?ああ、フロッガーね」

商人「2戦1勝だったけど、ケロちゃん3.3倍だったからね!!…ところで魔法使いちゃん、さっき前と同じ人達としゃべってなかった?またなだらかとか言われてたんじゃないの?」

魔法使い「ええ…いえ、馬鹿にされはしなかったわ。むしろ、迫られたというか…」

商人「え?え?ど、どういうこと!?」

魔法使い「私にもよく分からないけど…多分、ガーターベルトのせいじゃないかしら?色気がどうとか言ってたから…商人?」

商人「やっぱり…あれはせくしーだいなまいつになれる装備だったんだ…う~、やっぱりあたしが装備してた方が…」ブツブツ

魔法使い「え…と…返す?」

商人「え?ううん、そういうことじゃないんだ、気にしないで!…またどこかで手に入るかなあ…」ブツブツ

魔法使い「…気になるわよ…」

――34日目

商人「じゃ、今日はいよいよ東に向けて出発だね!わくわく、どきどきだね!」

魔法使い「私ははらはらね…危険な旅になるでしょうけど…覚悟は決まったわ」

商人「大丈夫、二人とも死なないよ!!きっと無事に辿り着けるって!!」

魔法使い「そうね、私も昨日カザーブからロマリアに移動する間に、レベル上がったし…」

商人「新しい攻撃呪文使えるようになったんだよね?それを見るのも楽しみだなー」

魔法使い「最近呪文の火力不足を感じてたから、本当に良かったわ。東行きに間に合って…」

商人「攻撃力も上がったし、行ける行ける!!じゃ、東に向けて、れっつごー!!」

魔法使い「一応、せいすいを撒いたから、しばらく魔物は出なかったけど…」

商人「あの橋渡ったらきっと出てくるよね。昔から、橋を渡ったら魔物が強くなるって言うし…」

魔法使い「そうね……しばらく平地が続くのね」

商人「歩きやすいし、魔物も少ないだろうから、うまく行けば…ああっ!!」

キャットフライがあらわれた!!

魔法使い「魔物ね!空とぶ…猫?」

商人「わー、可愛…い…かな…?」

魔法使い「どうかしらね…?たとえ可愛くても、敵には違いないわ。やるわよ!!」

商人「なんか聞いてた恐ろしい怪物って感じじゃないけど…いっくよー!!」

商人「じゃあ…それっ!!」ピシャッ

魔法使い「じゃあ、私は新しい呪文のお披露目ね…竜の吐息よ集いて躍れ、我が敵の破滅と共に!!べ…」

キャットフライはマホトーンをとなえた!!

魔法使い「……!?……!!」パクパク

商人「え?魔法使いちゃん、呪文封じられたの!?」

魔法使い「……」コクコク

商人「じゃ、じゃああたしが倒さないと…それっ!!」ピシャッ

キャットフライをたおした!!キャットフライをたおした!!

キャットフライのこうげき!!キャットフライのこうげき!!

魔法使い「……!!」

商人「いったー!!この猫、すごい力!!でも、もう1回…それっ!!」ピシャッ

キャットフライをたおした!!キャットフライをたおした!!

キャットフライをやっつけた!!

商人「ふー、強かったね!!」

魔法使い「……新しい呪文のお披露目が、こんな形だなんて恥ずかしい…」

商人「ま、まあしょうがないよ、初めての敵だったし、マホトーン使ってくるなんて分からなかったんだから」

魔法使い「まあそうなんだけど…それにしても今の猫、攻撃力だけじゃなく守備力もかなりのものね。私の力じゃほとんど無意味だったもの」

商人「うん、攻撃が効きづらい感じだったよ…でも!!あたし達は勝って、生き残ったよ!この調子で行けば…」

魔法使い「油断はダメよ。でも、全く歯が立たないという訳でもなかった、それが分かったのは収穫ね」

商人「うん!!じゃあ先に進もうよ!!」

――アッサラームの町

魔法使い「あんなに気を引き締めたのに、まさかあれから1回も戦わずに町に着いたなんて…」

商人「なんか拍子抜けだったね…でも、無事に着けたんだからさ!!」

魔法使い「ええ、これは喜ぶべき事よ、これでこの町にはルーラで来られるようになったしね」

商人「あ、そっか。じゃあこれからは安全にこの町まで来れるんだ」

魔法使い「さて、せっかく新しい町に来たんだもの、いろいろ見て回りましょう。貴方もお店、いろいろ見たいでしょう?」

商人「うん!!なんだか町の雰囲気も今までの町と違うし、きっと変わったものが売ってるよ!!」

魔法使い「そうね、私も楽しみだわ」

武器防具屋「いらっしゃい!!」

商人「んー、思ったほど変わったものないなあ…」

魔法使い「さっきの道具屋も品揃え悪かったわね。期待外れだったかしら…」

商人「あ、でもあっちの方にもお店あるよ、行ってみよう!」

???「おお、私の友達!!売ってるものを見ますか?」

商人「と、友達!?え、えっと、じゃあ…」

魔法使い「ここの品揃えはなかなかじゃない?」

商人「うん、品揃えは文句なしだけど…高いよ、おじさん!!」

???「おお、ではこのくらいで…」

商人「高い高い!!」

???「では、このくらいで…」

商人「まだ高いよー」

???「おお、貴方私に首つれと言いますか!?では、このくらいで…」

商人「うん…行こう、魔法使いちゃん」

???「おお、残念です…」

魔法使い「なんていうか…独特のお店だったわね。店主もユニークだし、値段は素人の私が見ても法外だし…」

商人「あの値段じゃ流石に売れないと思うけどなー。買う人いるのかな?」

魔法使い「うーん、余程装備に困っていればだけど…でも、現状私達も装備を調えられないわね」

商人「ううん、まだ分からないよ。さっき、町の人が言ってたでしょ?この町は夜はもっと良い町だって」

魔法使い「ああ、確かに聞いたわね、それが?」

商人「でね、さっき見て回ったお店の中に、まだ開いてないお店が一軒あって…」

魔法使い「なるほど、夜にならないと開かない店があるかもしれないって事ね?」

商人「そう!だから、夜まで待ってみたいな、って思ったの。せっかく来たんだし…」

魔法使い「そうね、それが良いと思うわ。でも、夜まで何をするの?」

商人「それはもう、商人たる者、暇があったらあなほりに決まってるじゃない!!」

魔法使い「……また掘るのね…」

商人「きみのたーめにあなをほる♪かおじゅうまっくろになりながらー♪」ザッザッ

魔法使い「ご機嫌ね…出てくるモノは、夜まで掘っても芳しくないけど…」

商人「ううん、商人のカンでね、ここには良いお宝がありそうだから…」ザッザッ

魔法使い「とはいえ、今まで小銭とどくけしそうしか出てないわ。もう100回以上掘ったでしょう?そろそろ…」

商人「次が131回目かな?もうちょっと、あとちょっとで…あ!!ま、魔法使いちゃん、すごいよ、これすごい!!」

魔法使い「え、え?ど、どんなすごい物が…?」

商人「ほら、ぬいぐるみ!!これ、すっごい防具だよ!!」

魔法使い「ぬ、ぬいぐるみ!?って大きいわね、これ、ぬいぐるみっていうより着ぐるみ…」

商人「魔法使いちゃん、早速着てみてよ、ね、ね?」

魔法使い「分かったわ、着てみるけど…」モゾモゾ

商人「あはは、魔法使いちゃん、似合う~」

魔法使い「似合うも何も、全身すっぽりなんだけど…」

商人「あ、あ、ま、魔法使いちゃん、た、大変よ!!」

魔法使い「え!?まさか、呪われてたり…」

商人「魔法使いちゃん、それ着たらあたしより守備力高くなった…」

魔法使い「ええ?これ、そんなにいいの!?」

商人「そうだよ、それ凄く良いものなんだから!!あ、でも、流石に1回洗わないと…」

魔法使い「それは私に任せて。でも、こんなに良いものが手に入るなんて…貴方の言う通り、東に来て正解だったわね。ありがとう

商人「違うよ、こっちに来ようとしたのは2人で決めた事じゃない」

魔法使い「そっか…そうね…でも、ありがとう」

商人「えへへ、じゃあどういたしまして。あ、魔法使いちゃん、夜になったよ、もう町に入ろう、ね、ね?」

魔法使い「そうね、夜はもっと良い町、だったわね…行きましょう!」

商人「な、なんだか夜になったら妖しい雰囲気になったね…」

魔法使い「いかがわしい空気が流れてるわ。さっさと目的の店に行きましょう」

武器屋「らっしゃい!!お、べっぴんさんが2人か、嬉しいねえ」

商人「え、べっぴんさんかな?えへへ…」

魔法使い「喜んでないで、早く買い物しなさい」

商人「はーい…あ、これいいかも!えっと…てつのおの?」

魔法使い「あら、強そうね。買ったら?」

商人「いいの?じゃあおじさん、これ下さい!!」

武器屋「はい、毎度」

商人「これで、あたしは武器、魔法使いちゃんは防具を新調出来たね」

魔法使い「そうね。本当、この町に来て良かったわ…」

商人「ね、ね、魔法使いちゃん、あたし、新しい装備すぐ試してみたいな。今からカザーブに戻らない?」

魔法使い「今から?貴方、あんなにあなほりしてたじゃない。疲れてないの?」

商人「だいじょーぶ!!モンスターと戦ったわけじゃないもの。ね、今すぐ行こ、ね、ね?」

魔法使い「分かったわ、私もあまり疲れてないし。じゃあ…ルーラ!!」

――35日目

魔法使い「今度こそ…ベギラマ!!」ゴオオォ

アニマルゾンビをたおした!!アニマルゾンビをたおした!!

商人「あたしも、新しい武器で…とりゃあ!!」グチャッ

アニマルゾンビをたおした!!

アニマルゾンビをやっつけた!!

魔法使い「うん、これで私は火力不足がなくなったわ。あと、本当にこの着ぐるみ…じゃなくてぬいぐるみすごいのね。今の魔物の攻撃がほとんど効かなかったわ」

商人「でしょ?すごいんだよぬいぐるみって!!でも、あたしの新しい武器もすごいよ、ただ1体にしか攻撃出来ないから、使い分けが必要だけどね」

魔法使い「相手の数で攻撃を使い分けるなんて、魔法使いみたいね。でもこれでハッキリ分かったわ。東行きは大正解、私達は強くなれた」

商人「えへへ、明日からの冒険が楽しみだね!!」

――36日目

武器防具屋「てつのよろいだね?毎度あり!」

商人「よし、これであたしも魔法使いちゃんと守備力同じくらいになったよ!」

魔法使い「貴方が先頭に立つんだもの、守備力は上げとかないとね」

商人「これで準備万端!!…で、今日はどこに行くの?」

魔法使い「言わなかったかしら?今日は、エルフの隠れ里の近くにあった洞窟まで行ってみようと思ってたの」

商人「あ~あったね!あからさまに怪しげな洞窟が!!」

魔法使い「ええ、誰もあの洞窟には触れてなかったけど、あそこまで近くにあるんだから、きっと何かあるはずよ。もしかしたら、駆け落ちした2人が潜んでたり…」

商人「洞窟の中で?でも、入ってみたら意外と悪くない住み心地だったりするのかなあ、あの洞窟?」

魔法使い「それは行ってみなければ分からないわ、ただの推測だし…」

商人「行ってみれば分かる、か。結局いつも通りだね」

魔法使い「そういうことね。さて、以前より強くなったとはいえ、今回も未知の洞窟。気を抜かないで行きましょう」

――

商人「ふう~。パワーアップしたとはいえ、ノアニール辺りのモンスターは強いね」

魔法使い「そうね…意気揚々と出発したはいいけど、この辺より強い魔物が出てくるとなると、あまり長くはいられないかも…」

商人「うーん、せっかく来たからには何か手掛かりとか欲しいよね…あ、魔法使いちゃん、あの洞窟だよね?」

魔法使い「そうみたいね。じゃあ行って…」

商人「待って魔法使いちゃん、あたしあなほりしなきゃ!」

魔法使い「ああ…本当に熱心ね…」

商人「それはもう…あ、いいの見つけた、魔法使いちゃん、はいこれ、使って良いよ、すばやさのたね!」

魔法使い「これは…素早さが上がるの?」

商人「そうだよ、さあさあ、ダンジョン前のパワーアップ!!」

魔法使い「ええ、じゃあいただくわね」

――ノアニール西の洞窟

商人「ちょっと寒いね…魔法使いちゃん、やっぱりここに人は住みづらいんじゃないかな?」

魔法使い「そうね…でも、そんなに寒いかしら?」

商人「…魔法使いちゃんは、全身すっぽりぬいぐるみだもんね…」

魔法使い「これ、防御力だけじゃなくて防寒もすごいわね…」

商人「うう、もう1着出るまであなほりすれば良かったかなぁ?でも、さすがにあれ以上は…」

魔法使い「待って、あれ…何かない?」

商人「え?あ、宝箱!!やった!!」

魔法使い「開けてみて…どう?」

288ゴールドをてにいれた!!

商人「お金かあ…お金は、あたしががっぽり稼げるから、別のが良かったけど…」

魔法使い「まあいいじゃない。洞窟から出たら、使い道を考えましょう」

商人「でも、お金がほったらかしかあ…やっぱりここには人が居ないのかなあ?」

魔法使い「まだ決めつけるには早いわ。奥に進んでみましょう」

商人「うん、そうだね。見たこともないようなお宝があるかもしれないし!」

魔法使い「あるいは、道半ばで果てた旅人の亡骸が…」

商人「もう、脅かさないでよ!!…って、きゃー!!」

魔法使い「な、何よいまさら驚いて…あ、魔物ね!?」

マタンゴがあらわれた!!バリイドドッグがあらわれた!!

商人「3と3で6匹!?いきなり多すぎるよ~!」

魔法使い「最初っから試練ね…やるしかないわ!」

商人「えーと、えーと、じゃあ、キノコの方を、チェーンクロスで…えいっ!!」ピシャッ

マタンゴをたおした!!

魔法使い「私が犬ね…ベギラマ!!」ゴオオォ

バリイドドッグをたおした!!バリイドドッグをたおした!!

商人「何体かのこっちゃ…」

マタンゴはあまいいきをはいた!!商人は眠ってしまった!!

魔法使い「商人!?起きて…」

バリイドドッグはルカナンをとなえた!!マタンゴのこうげき!!

魔法使い「商人!大丈夫なの!?」

商人「んー、せんごーるど…」ムニャムニャ

魔法使い「大丈夫、なのよね…?」

商人「んにゃ!!寝てたあ!!…って身体中痛いよ!?」

魔法使い「貴方、寝てる間に攻撃…」

マタンゴのこうげき!!商人はねむってしまった!!

商人「それ…たかいよ…」ムニャムニャ

魔法使い「また寝たの!?仕方ないわ…イオ!!」ドカーン

マタンゴをたおした!!マタンゴをたおした!!バリイドドッグをたおした!!

魔法使い「ふう、なんとかなったわね…ほら、商人、起きなさい」

商人「あれ…?魔法使いちゃん、あたし儲かった…?」

魔法使い「…魔物退治分ね。ほら、やくそう使って。まだまだ先は長いわよ」

商人「でも、あのモンスター達、強かったね!攻撃力もだけど、守備力下げる魔法に、眠らせる攻撃…」

魔法使い「ええ、このレベルの魔物がたくさん出てくるようだと、引き返すタイミングを間違えたら大変ね」

商人「でも、魔法使いちゃんさえ生きてれば、いつでも魔法で地上まで戻れるんだよね?」

魔法使い「生きてれば、ね。貴方、私がいつも貴方より先に死んでるの覚えてるわよね?」

商人「うん、そうだけど…」

魔法使い「もちろん、死ぬ気はないわよ。そのためにいろいろ準備してきた訳だし…」

商人「そ、そうだよね。分かってる…ああっ!!」

バンパイアがあらわれた!!マタンゴがあらわれた!!

魔法使い「今度は5匹か…この洞窟、魔物の数が多いのかしら…?」

商人「あの黒い…吸血鬼?初めてみるね」

魔法使い「初めて会うのに吸血鬼だって分かる。それだけ有名だって事は、それだけ強いって事かもしれないわ。気を付けて!」

バンパイアはヒャドをとなえた!!

商人「痛っ!!冷たっ!!ちょ、ちょっと、すごい魔法使ってきたよ!?」

魔法使い「強いわね…!ここは…イオ!!」ドカーン

商人「え、イオ!?あ、そうか、あとはあたしが…それっ!!」ピシャッ

バンパイアをたおした!!バンパイアをたおした!!バンパイアをたおした!!

魔法使い「よし、良いわよ!」

マタンゴのこうげき!!マタンゴのこうげき!!

商人「いった…!でも今度は眠らないよ、魔法使いちゃんは!?」

魔法使い「私も…大丈夫よ。効いたけど…あのキノコもあと一息のはずよ!」

商人「分かってる!!それっ!!」ピシャッ

マタンゴをたおした!!マタンゴをたおした!!

まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「…ここの魔物は、攻撃であれ呪文であれ、攻撃力が物凄いわね…」

商人「でも、体力は大したことないよ。短期決戦覚悟で戦えば、何とかなりそうじゃない?」

魔法使い「そうね、魔力もやくそうも出し惜しみせずに行きましょう」

商人「あ、あれ、魔法使いちゃん、あれ、人じゃない!?」

魔法使い「本当ね…まさか亡者の霊じゃ…」

商人「脅かさないでよ…すみませーん!」

神父「おお、このようなところに人が…聖なる泉に来たのですかな?」

魔法使い「聖なる泉?」

神父「この洞窟のどこかに、体力、気力を回復してくれる聖なる泉があるそうです」

商人「へー、すっごい!宿屋要らずだね!!」

神父「しかし、何故このようなところにそんな泉があるのか…私には悲しげな呼び声が聞こえる気がしますぞ」

商人「呼び声…?」

魔法使い「呼び声、か…神父様、情報ありがとうございました」

神父「いや、なに、この洞窟は魔物が強い。道中お気を付けて…」

商人「ありがとうございます!!じゃ、行こ?魔法使いちゃん」

魔法使い「ええ。それにしても…」

商人「…魔法使いちゃん?」

魔法使い「…いえ、何でもないわ。さあ、行きましょう」

商人「あ、また宝箱!!開けちゃうよ!!…せいすいかあ、がっかり…」

魔法使い「本当、この宝箱の大きさはなんなのかしらね?それにしても、ここは魔物が強いわね…」

商人「うん…悔しいけど、もう少ししたら引き返す?」

魔法使い「そうね、このまま進んでまだまだ敵が強くなるようなら…引き返さないとね」

商人「そっかあ、残念だけど仕方ないよね…あ、魔法使いちゃん、分かれ道だよ」

魔法使い「そうね…いつも通り、貴方の勘で行きましょう」

商人「じゃあ…右側!…っと、階段がふたつあるね…今度は左!!」

魔法使い「それじゃ、左の階段を下りるわよ。さあ、何が待っているのか…」

商人「…ねえ、魔法使いちゃん、今何階だっけ?」

魔法使い「下りて下りて上ってだから…地下2階かしら?」

商人「じゃ、あの階段上れば地下1階かあ…」

魔法使い「そうなるわね……ここは…?」

商人「もしかして…最初の分かれ道に戻って来ちゃったの?」

魔法使い「そうみたいね…どうする?」

商人「どう…って?」

魔法使い「ここまで戻って来たなら、ここで引き返すのもありだと思うわ。今なら、まだ引き返すのもむずかしくないし」

商人「うーん…魔法使いちゃん、魔力は?」

魔法使い「私はまだまだ余裕があるわよ

商人「やくそうも、まだたくさんあるよね…うん、もうちょっと進んでみようよ!」

魔法使い「そう、じゃあ行ってみましょう。ここまで結構戦って、魔物の特徴も掴めてきたし…」

商人「うん、これからはもっと上手く戦えるはずだよ!じゃあ行こ?」

魔法使い「ええ、進みましょう」

商人「ひー、ここのモンスター、強いよ~!」

魔法使い「そうね…よく2人とも無事でここまで来られたわね」

商人「やっぱり、あたし達強くなってたんだよ!運も良かったけど…」

魔法使い「運、か…ねえ商人…」

商人「魔法使いちゃん、ちょっと待って、あれ、あれ何かな?」

魔法使い「え?ああ、あの柱に囲まれた…泉かしら?…ってもしかして…!」

商人「やっぱりそうだよね!?神父様の言ってた聖なる泉!!」

魔法使い「ええ…確か、この水が体力を回復してくれるって話だったわよね。飲んでみるわね…」ゴクゴク

商人「だ、大丈夫魔法使いちゃん、お腹壊さない?」

魔法使い「…これは…!商人、貴方も飲んでみて」

商人「だ、大丈夫なの?じゃあ…うわ、冷たい…あ、あ、これって…!!」

魔法使い「ええ、神父様の言う通りだったわ。体力だけじゃなく、魔力まで回復したわ。すごいわね」

商人「ホントだね!!…でも、ホントになんで、こんな所にこんな泉が…?」

魔法使い「そうね…可能性の1つとしては、魔物がもっと奥まで来いと誘ってる、とか」

商人「ええ!?モンスターが!?」

魔法使い「あくまでも可能性の1つよ。そして、もう1つとしては、やっぱり誰かが私達を呼んでいるのかもしれないわ。魔物でない、誰かが…」

商人「だ、誰かって…?」

魔法使い「それはまだ…でも、この件はハッピーエンドでは終わらない気がするわ」

商人「え?え?どういうこと?魔法使いちゃん、何か分かってるの?」

魔法使い「いえ、今までのは全部推測よ。神父様の話を聞いた上でのね。でも、実際には何も分からないわ。だから…やっぱり進むしかないと思うわ」

商人「うう、気になるけど…結局やることは一緒かあ…」

魔法使い「そういうことね。さ、行きましょう、行けばきっと分かるわ、この先に何が待っているのか…」

商人「…魔物、相変わらず強いけど、奥まで来ても更に強く!って事はないみたいだね」

魔法使い「ええ、それでも大変な事には違いないけど…危なくなったら泉まで戻ればいいし…」

商人「あの泉便利だね!!ここの用事が終わっても、またこの洞窟にこない?」

魔法使い「ああ、良いかもしれないわね。回復しながら魔物退治出来るものね」

商人「そうしようよ!!…あ、魔法使いちゃん、下り階段!!」

魔法使い「さて、そろそろこの洞窟の冒険も終わりかしら…?それともまだ…?」

商人「どうだろうね?とにかく行ってみようよ!」

商人「あ、魔法使いちゃん、また宝箱があるよ、開けてみようよ」

魔法使い「また宝箱?さっきからちからのたね、てつのやりときて…今度は何かしら?」

なんとぎんのロザリオをみつけた!!

魔法使い「ロザリオ、か。どのくらいの価値なのかしら?」

商人「魔法使いちゃん、価値なんて関係ないわ、あたしと魔法使いちゃんで見つけた宝物、その思い出こそに価値があるのよ」

魔法使い「…急にどうしたの?」

商人「そう、思い出よ。あの駆け落ちしたっていうエルフのお姫様達も、きっとこの洞窟で2人だけの思い出を作りに来たんだわ。きっとそうよ。素敵よねえ…」

魔法使い「…そのロザリオね?それ、どういうものか鑑定してくれる?」

商人「これ?これはね、身に付けるとロマンチストになるの。このあたしみたいに…って魔法使いちゃん、なんで取るの!?ひどいよ!!」

魔法使い「元に戻ったわね。全く、すぐ装備品に影響されるんだから…」

商人「えへへ、つい…」

魔法使い「何がつい、なんだか…まあいいわ、行きましょう」

商人「あ、待ってよ~!」

魔法使い「あの泉から結構すすんだけど…多分、この階段を下りれば、そろそろ…」

商人「そうだね、それもそうだけど…」

魔法使い「はいはい、貴方は階段の横にある宝箱が気になってるんでしょう?良いわよ、開けても」

商人「えへへ、じゃあ…」

魔法使い「でも、こんな誰もが見つける場所に置いてある宝箱…罠じゃなければいいけど…」

商人「もう、脅かさないでよ!!よいしょっ、と…あ、魔法使いちゃん、見てみて、ドレスだよ!!」

なんとかわのドレスをみつけた!!

魔法使い「ドレスか…ちょっと地味だけど、これでお城とか行くときに着るものに難儀しなくて良くなるわね」

「あはは、今までかめのこうら背負ってお城に行ってたもんね魔法使いちゃん」

魔法使い「今は今で着ぐるみだしね…全く、なんで私は着るものにこんなに苦労してるのかしら…」

商人「いいじゃん、そのお陰で暖かそうだし!じゃあ魔法使いちゃん、宝箱も開けたし、階段下りよ?」

魔法使い「…階段を下りたら地底湖か…」

商人「うう、今までも寒かったけど、ここはもっと寒い…」ガタガタ

魔法使い「我慢して、きっともうすぐよ、この階は今までと雰囲気が違うもの…」

商人「うん、分かる…きっとあの湖の真ん中の小島に…あ、魔法使いちゃん、ほら!!」

魔法使い「宝箱、ね。心なしか、宝箱まで今までのものとは違う気がするわ」

商人「じゃあ、じゃあ、開けてみるよ?いいよね、ね?」

魔法使い「ええ、開けてみて」

商人「えへへ、じゃあ…あ、魔法使いちゃん、魔法使いちゃん、これって…!!」

なんとゆめみるルビーをみつけた!!

魔法使い「これがエルフの女王様が言ってたエルフの宝ね…」

商人「やった、見つけたね!!でも…駆け落ちした2人はどこだろう…?」

魔法使い「それは…ほら、宝箱の中に書き置きがあったわ」

商人「書き置き?手紙があったんだ。なんて書いてあったの?」

魔法使い「………」

商人「…魔法使いちゃん?」

魔法使い「はい。読んでみるといいわ…」

商人「?じゃあ…うう、手がかじかんで手紙持ちづらい…ええっと…お母さん、先立つ不幸をお許し下さい…?え…?こ、この世で一緒になれないなら…って…え?こ、これって…これって…!」

魔法使い「ええ…きっとこの2人は、この湖に身を投げて…」

商人「そ、そんな…そんな事って…!」

魔法使い「そうね…身を投げなくても…とは思うけど…でも…この2人は…」

商人「そんな…何とか…何とかならないの!?」

魔法使い「…残念だけど…もう、何年も前の話だから…いえ、下手をすると十年以上…」

商人「……あたし達、どうすればいいんだろう?この2人のために出来る事って…」

魔法使い「2人の親御さんに、伝える事でしょうね…もちろん、このルビーも返して…すぐに戻りましょう、良いわね?」

商人「うん…」

魔法使い「はい、地上に着いたわよ。眩しいわね…随分長い間洞窟にいた気がするわ」

商人「やっぱり地上は暖かいね…あの2人は、あんな寒い所で…」

魔法使い「…さあ、エルフの隠れ里に行きましょう、すぐそこよ」

商人「うん…ねえ、魔法使いちゃん…」

魔法使い「大丈夫よ、話は私からするから」

商人「…ごめんね」

魔法使い「いいのよ、私だって、ルビーを渡してこの手紙を見せるだけだもの。じゃあ、行くわよ?」

商人「うん…」

――エルフの隠れ里

女王「また貴方達ですか?人間がこの里をうろつくのは…それは?もしかして…やはり、ゆめみるルビーですか!?どこでそれを?」

魔法使い「ここから南にある洞窟の中で。あと、ルビーと一緒に、この置き手紙が…」

女王「手紙?…これは娘の字…!なんと!2人は地底湖に身を投げたと言うのですか!?ああ!私が2人を許さなかったばっかりに…!」

商人「……」

女王「……分かりました。貴方達に、このめざめのこなをあげましょう。これで、ノアニールの人々も目覚めるはずです…ああ…」

魔法使い「…ありがとう、ございます」

女王「貴方達には礼を言わなければなりませんね。でも…私は人間を好きになったわけではありません。さあ、行きなさい」

商人「女王様、辛そうだったね…隠れ里にいた人間の男の人の方のお父さんも…」

魔法使い「そうね…」

商人「ねえ、魔法使いちゃん。死んでも一緒になりたかった人って、どんな人なんだろう?あたしも、あたし達もいつか、そんな人に会えるのかな?そんな人になれるのかな? 」

魔法使い「……分からないわ、分からないけど…私達には、これからやらなければならない事があるわ」

商人「やらなければ…?あ、ノアニールの町!」

魔法使い「ええ、ハッピーエンドではなかったけど、せめて最後、町を元に戻せば、あの2人も喜ぶはずよ」

商人「そっか、そうだね、自分達のせいで町が呪われてるなんて悲しいもんね…じゃあ行こう、ノアニールに!!」

魔法使い「ええ、早く行きましょうね」

――ノアニールの町

商人「やっと帰って来たね。さあ、早く皆を起こしてあげようよ」

魔法使い「ええ、でもこのめざめのこな、どう使えばいいのかしら?」

商人「うーん、一人一人にパパッとかけてあげるとか?」

魔法使い「そうなのかしら…?…あ、風が…」

商人「風が吹いてきたね。これじゃあ粉が吹き飛んじゃう」

魔法使い「いえ、もしかしたら…商人、めざめのこなの袋、開けてみて!」

商人「え?分かった、でも飛ばされちゃわないかなあ…?あ、やっぱり飛んじゃうよ、魔法使いちゃん!」

魔法使い「いえ、見て…飛ばされてるんじゃなくて、風と一緒に舞い上がってるのよ!」

商人「え?あ、ホントだ、舞い上がって、町中に、雪みたいに…」

町民「ふあ…あ…」

商人「ま、魔法使いちゃん!?」

魔法使い「ええ、呪いが解ける…みんな目覚めるわよ!」

ワイワイ、ガヤガヤ…

魔法使い「あんなに静かだったのに、あっという間に賑やかになってきたわね」

商人「うんうん、町はこうでなくっちゃ!!」

老人「おお、もしや貴方方が!?どこのどなたか存じませんが、礼の言葉もありませんですじゃ!」

商人「あ、町で唯一起きてたおじいちゃんだ。いえいえ、とーぜんの事をしたまでです!」

魔法使い「当然というか、成り行きね」

老人「本当に世話になって…そうじゃ、これを受け取って下され

ブーメランをてにいれた!!

商人「わ、これすごくいいものだよ!ありがとう、おじいちゃん!!」

魔法使い「本当に…かえって悪かったのでは…」

老人「いやいや、貴方方は我々の救世主、これくらいは当然ですじゃ」

商人「救世主!?照れるなあ…」

魔法使い「そうね…さて、ご老人、私達はこれで失礼します。賑やかになったこの町を、自分達の目で見たいので」

商人「あ、そうだね!じゃあね、おじいちゃん!町、みんな目覚めて良かったね!!」

老人「ええ、ありがとうございました。どうかお元気で…」

――夜、宿屋

商人「なんか、昨日までみんな寝てたなんて信じられないね、魔法使いちゃん」

魔法使い「そうね…本人達は、ずっと眠ってたって気付いてないみたいだし…」

商人「でも、みんなが気付いてくれなくても、いいことするって気持ちがいいね!!…あの2人も、喜んでくれたよね?」

魔法使い「ええ、きっとね。一緒に喜べないのが残念だけど…」

商人「そうだね、うん……ん~、とりゃあ~!!」

魔法使い「ど、どうしたのいきなり!?」

商人「気合いよ、気合い!!くよくよするのはこれでおしまい、明日からまた元気に頑張ろー!!」

魔法使い「気合いって…でも、切り替えは大事ね」

商人「でしょ?明日は明日の風が吹く、輝く明日のために、今日はもう寝ちゃおう!!おやすみなさーい!!」バタリ

魔法使い「…本当にすぐ寝ちゃった。寝付きが良くて羨ましいわ…」

――37日目

商人「と、いうわけであたし達パーティーは、当初の予定通りノアニール西の洞窟でモンスター退治にいそしむのでした!」

魔法使い「いつもの事だけど、誰に説明してるやら…」

商人「でも、やっぱりここのモンスター強いよね!誰も死んでないのが不思議なくらい!」

魔法使い「本当にそうね。死んでもおかしくない状況にも何回もなったけど、結局命は助かったし…やっぱり、誰かが見守っていてくれたのかもね…」

商人「うん、そうかもね…」

魔法使いレベル16「さて、今日1日魔物の返り血に塗れた結果、貴方も私もレベルが上がったわ。そろそろ帰る?」

商人レベル18「そうだね、これ以上ここにいたら、魔法使いちゃんが吸血鬼さん達の間で恐怖の魔道士として語り継がれちゃうよね。一体何人倒したんだろう…」

魔法使い「ちょっと、貴方だって私と変わらないくらい倒したでしょう?全く、人のせいにばかりして…」

商人「あはは、いいじゃん。さ、魔法使いちゃん、リレミトリレミト!!」

魔法使い「本当、調子いいんだから…母なる太陽、迷い、震える我らに貴方の温もりを、今一度!!リレミト!!」

――38日目

商人「うーん、どうしようかな…」

魔法使い「何を悩んでるの?」

商人「えっとね、これ、みかわしのふくっていうんだけど、敵の攻撃をすっごく避けられるようになるの」

魔法使い「へえ、すごいじゃない。それで、それでなんで悩んでるの?買えば良いじゃない」

商人「それがね、守備力自体は今装備してるてつのよろいより下がっちゃうんだ。それでどっちがいいかなーって…」

魔法使い「なるほど、攻撃を躱しやすい代わりに、当たった場合はダメージが増えてしまうわけね。で、値段は…なるほど。それで、今の所持金は?」

商人「お金は大丈夫、7200ゴールドとかあるよ!!」

魔法使い「たくさんあるじゃない、なら買いなさいよ、買って、実際に装備してみれば良いじゃない」

商人「そうかな…?そうだね、じゃあ買う!おじさん、下さい!!」

魔法使い「…もしかして、背中を押して欲しかっただけかしら…?」

商人「で、今日はどこ行くの?」

魔法使い「今日はね、レベルも上がったし、シャンパーニの塔に行こうかと思うんだけど」

商人「もしかして、いよいよ盗賊退治?」

魔法使い「そうね。でも今日はあくまでも道の確認。ある程度の所まで行ったら帰って来ましょ。そして明日、最短距離で目的地に行ければ…」

商人「消耗も少なく盗賊と戦える、だね?ホント、魔法使いちゃんは慎重だよね~」

魔法使い「そうね、むしろ臆病と言っても良いかもね。でも、お陰で今まで全滅はしないで来られたでしょう?」

商人「うーん、確かに…じゃあ今日も臆病者パーティーで行く?」

魔法使い「ええ、一歩一歩怯えながら進みましょう」

商人「よーし、じゃあしゅっぱーつ!!あ、途中でカザーブに寄ってやくそう買ってこうよ。ここの道具屋、やくそう売ってないんだよね…」

魔法使い「やくそう売ってないってすごいわね。町の人達は不便じゃないのかしら…?」

――シャンパーニの塔

商人「ねえ、魔法使いちゃん、慎重に進んでみたはいいけどさ…」

魔法使い「ええ、ここの魔物、あまり強くないわね…」

商人「最初に来たときは、もっと苦戦したよね?」

魔法使い「ええ、私死んだし…」

商人「てことは、やっぱりあたし達強くなったんだね!もうこのまま盗賊退治に突っ込まない?」

魔法使い「ダメよ、私は臆病者だから」

商人「むー、ホントに慎重…って言ってるうちに4階まできたけど、この扉…」

魔法使い「ええ、きっとこの扉の向こうに盗賊達がいるんでしょうね。じゃあ、引き返しましょう」

商人「うーん、決めてた事とはいえ、ここまで来て…」

魔法使い「あのね商人、私はこれでも反省してるのよ。前回の洞窟、一気に攻略したけど、いつ全滅してもおかしくなかったわ。だから今回は…」

商人「わ、分かってるってば。じゃあさ、ここらへんでちょっとモンスター退治していかない?ただ帰るのはもったいないし、少しでも強くなれれば、魔法使いちゃんも嬉しいでしょ?」

魔法使い「そうね…まあ、このまま引き下がったら不完全燃焼だっていう気持ちは分からなくもないわ。じゃあ、ちょっと魔物退治していきましょうか」

商人「うん!!よーし、張り切っちゃうぞー!!」

――夜、カザーブ宿屋

魔法使い「…と、張り切ったはいいけど、そうそうレベルは上がらないわよね」

商人「うん…昨日まで洞窟で散々モンスター退治してたからね」

魔法使い「でも、明日はきっと大丈夫よ。今日より節約して上まで行けるし…」

商人「そだね。いよいよ盗賊退治かあ…王様に冠返したら、何かご褒美くれるかなあ?」

魔法使い「期待しない方がいいわよ。王族なんてケチばっかりなんだから」

商人「実感がこもってるね魔法使いちゃん…でも、ノアニールの時もそうだったけど、良いことすると気持ちいいから、あたしは頑張るよ!」

魔法使い「そうね…王様も国の人達も喜ぶでしょうから――」

――39日目、シャンパーニの塔

商人「今のところ、予定通り進めてるね

魔法使い「そうね。魔力も節約出来てるし…」

商人「あなほりで良いものが出ないのだけが予定外かなあ。あっちの洞窟だと、ラックの種2つとか出たのに…」

魔法使い「そんなにいつもいつも良いものが出る訳じゃないでしょ…ほら、着いたわよ、4階に」

商人「この扉を開けたら、盗賊さん達がぐあー!!って…」

魔法使い「いきなり襲っては来ないでしょうけど…警戒はすべきかもね」

商人「じゃあ、お邪魔しまーす…あ、誰もいない」

魔法使い「また階段があるわね…上りましょう。警戒は怠らないでね」

商人「…人の話し声がするね」ヒソヒソ

魔法使い「…いよいよね。準備はいい?」ヒソヒソ

商人「大丈夫。じゃあ――」

魔法使い「――行きましょう!」

盗賊A「おい、変な奴等が来たぞ」

商人「変!?自分達の方が…」

盗賊B「よし、おかしらに知らせに行こう!」タタタ…

魔法使い「逃げたわね」

商人「逃がさないよ!行くよ、魔法使いちゃん!!」

魔法使い「ええ…でも、やっぱり盗賊は一人ではなかったわね。子分を集めてる、とは聞いてたけど」

商人「大丈夫、あたしと魔法使いちゃんなら!さ、行こうよ!!」

親分「よくここまで来たな!だが誰も俺を捕まえる事は出来ん!さらばだ!!」カチッ

商人「え!?わ、足下が…!!」

魔法使い「落とし穴!?しまっ…!!」ヒューン

ドサドサッ

商人「いたた…魔法使いちゃん、大丈夫?」

魔法使い「ええ、平気よ…盗賊のアジトだもの、これくらいは予想しておくべきだったわね」

商人「魔法使いちゃん、急ご?きっとまだ間に合うよ!!」

魔法使い「そうね、私達は突然来たんだから、逃げる準備もしてないでしょうし、追いつける可能性は十分あるわ」

商人「よーし、落とし穴に落とされた恨み、返してあげるんだから!!」

魔法使い「…もういないわね。部屋の物も、残らず持ち去ったみたい…」

商人「どうやって逃げたんだろ?まさか、ここから飛び降りて…!?」

魔法使い「…仕方がないわね、私達も飛び降りるわよ!」

商人「ええ!?やっぱり!?」

魔法使い「さっき落とし穴で落とされても平気だったわ。なら、ここから飛び降りても…」

商人「魔法使いちゃん、きれものなのに理屈ガバガバだよ!?」

魔法使い「他に方法がないでしょ?ざ行くわよ!!」ヒューン

商人「ま、待ってよ魔法使いちゃん!!一人じゃ危ないよ!?」ヒューン

魔法使い「…追い付いたわ。いち、に、さん、4人か…」

商人「ま、魔法使いちゃん、追い付いた…」

魔法使い「来たわね。さあ、敵は目の前よ。今更怖じ気づいてはないわね?」

商人「もっちろん!!盗賊どもめ、覚悟ぉー!!」

親分「しつこいやつらめ!!やっつけてやる!!」

カンダタがあらわれた!!カンダタこぶんがあらわれた!!カンダタこぶんがあらわれた!!カンダタこぶんがあらわれた!!

魔法使い「バラバラに散ったわね。ベギラマは使えないか…」

商人「でも、イオとブーメランは使えるよ、大丈夫大丈夫!!」

魔法使い「じゃあ…イオ!!」ドパパパパーン

商人「あたしは…てつのおので攻撃ぃっ!!」ドカッ

カンダタこぶんCをたおした!!

魔法使い「よし、早速一人…」

カンダタのこうげき!!カンダタこぶんのこうげき!!カンダタこぶんのこうげき!!

魔法使い「攻撃力が高いわね…大地よ、母なる女神よ、脆き我らに大地の庇護を!!スクルト!!」ミュニーン

商人「わ、魔法使いちゃん、こんな魔法も使えたんだ!!?」

魔法使い「壊すだけが能じゃないのよ。さあ、守りも固めたし、あとは攻めるだけよ!」

商人「うん!!どんどん行くよー!!」

魔法使い「それっ、イオ!!」ドパパーン

カンダタにはきかなかった!!カンダタこぶんAをたおした!!

魔法使い「リーダーには効かなかったか…炎への耐性があるのかしら?」

商人「だいじょーぶ!!残りは一人だから!!ていっ!!」ドカッ

魔法使い「なかなか倒れないわね。いえ、いつかは倒れるはず。炎が効きづらいなら…ヒャド!!」カキーン

商人「もうこうなったら攻めるしかないよ!!それっ、それっ、このぉ!!」ドカドカッ

魔法使い「回復も忘れないでね。やくそうを!」

商人「ありがとー!!じゃあ、これで…どうだぁっ!!」ガツンッ

カンダタをたおした!!

親分「ま、参った!!きんのかんむりを返すから許してくれよ!!な?」

商人「どうするの魔法使いちゃん、あんな事言ってるけど…」

魔法使い「別にいいでしょ、もう二度とこの辺りで悪事を働かないと言うのなら…」

親分「へへ、ありがてえ!あんたらのことは忘れねえよ、じゃあな!!」ヒューン

商人「ホントに良かったの?」

魔法使い「分からないわ。でも、
今日の目的はこれだから」

商人「そっか、そうだね。きんのかんむり、無事取り戻せて良かったね!!」

魔法使い「ええ。さあ、ロマリアにこれを届けに行きましょう。だいぶ待たせてしまったもの、王様達も心配して…」

商人「しっ!!魔法使いちゃん、誰か来る!

???「おやぶ~ん、おやぶ~ん…あれ、みんなどこ行ったんだ?」

魔法使い「…盗賊達の仲間?でも、ずいぶん…」

商人「うん、ちっちゃい女の子だね…」

???「あ、なんだお前たち!?なぐりこみか!?」

魔法使い「そうね、貴方があの盗賊達の仲間なら、そうなるわね」

???「へへん、バカなやつら!!おやぶんにかてるわけないぞ!!」

商人「うーんと…あの…か、勝ったよ…」

???「へ?なにいってんだうそつきめ、おやぶんが負けるわけ…」

魔法使い「嘘だと思うなら、上に行って見てきなさい。誰もいないから」

???「そ、そんなはずない!おやぶ~ん、おやぶ~ん…」

商人「…困ったね」

魔法使い「そうね、置いていく訳にもいかないし…」

???「おやぶん、いなくなった…?他のみんなも…」

魔法使い「…流石に、このままにしとくのは可哀想ね」

商人「でも、どこに連れてくの?」

魔法使い「そうね…ねえ、貴方盗賊なんでしょ?」

盗賊「そうだ、とうぞくのこぶんなんだからとうぞくだ!!」

魔法使い「だ、そうよ。なら、ルイーダの酒場にでも連れていきましょう。あそこなら、食いっぱぐれることもないでしょうし」

商人「そうなの!?」

魔法使い「登録さえしておけば、一年中飲んだくれてても平気な場所よ。お陰で、貴方以外にろくな仲間を見つけられなかったけど」

商人「そういう所だったんだ。知らなかった…」

魔法使い「と、いうわけよ。貴方、私達に付いて来なさい。ここにいても仕方ないでしょ?」

盗賊「ついていけば、たらふく食えるのか?」

魔法使い「ええ、それは保証するわ」

盗賊「うーん、じゃあ、お前たちについてく!!…ホントは、みんなでこれ食べたかったのにな…」ドサッ

商人「その袋、ずいぶんおっきいけど、何が入ってるの?…ぎゃーー!!キャ、キャタピラー!!!?」

魔法使い「さ、流石にこれは…これ、貴方が捕まえたの?」

盗賊「ちがうよ、おやぶんたちが作ったワナで捕まえたんだ」

商人「と、盗賊さん達って、いつもこんなの食べてるの!?」

盗賊「いつもじゃない、これはめったにないごちそうだ!いつもは、草とか、カエルとか、ニンゲンとか…」

商人「人間食べるの!?」

盗賊「食べるぞ、お前たちみたいななぐりこみとか。女はうまいんだぞ、やわらかくて。男は固いけど、ホルモンがうまいんだ!!」

商人「ホ、ホルモンって…!?」

魔法使い「…もういいわ、具合悪くなってくるわ。じゃあ、まずはロマリアに行って、それからアリアハンよ。じゃあ、行きましょう――」

――40日目、ロマリア

魔法使い「ふう、疲れたわね…」

商人「あ、お帰り!王様、なんだって?」

魔法使い「喜んでくれたわよ。ただ…あとは勇者を連れてきて欲しいって」

商人「…それだけ?」

魔法使い「それだけよ。何か期待してた?」

商人「してたよ!!王様だよ、お礼とかガッポガッポ…」

魔法使い「だから言ったでしょ?王様なんて、ドケチの中のドケチだって」

商人「そ、そこまで言ってたっけ…?」

魔法使い「で、そっちはどう?子守りを任せちゃったけど…」

商人「それが、全然てが掛からないの!…ずっと食堂にいるからね…」

魔法使い「…まあ、いいわ。いくら食べても、宿賃変わらないし」

盗賊「おっ、まほーつかい!!町の飯ってうまいんだな!!キャタピラーよりずっとうまいぞ!!」

魔法使い「…まさか、人間より美味いぞ、なんて大声で話してないでしょうね…」

商人「だ、大丈夫だよ、多分…今のところ…」

――41日目、アリアハン

魔法使い「…じゃあ、このお姉さんの言うことをよく聞くのよ。そうすれば、たくさん食べさせてくれるから」

盗賊「そうか、じゃあゆうこと聞くぞ!!よろしくな!!」

ルイーダ「あらあら、元気な子ね。よろしくね」

魔法使い「さて、と。こっちは片付いたけど…」

商人「あ、魔法使いちゃん、お金預けてきたよ。手元には、2000ゴールドくらいあればいいよね?」

魔法使い「ええ、それくらいでいいと思うわ。じゃあ行く?」

商人「…ねえ、やっぱりあの子連れていかないの?」

魔法使い「食べられるわよ?」

商人「うっ…で、でも、ああいう小さな子にふえぇ…とか言わせれば人気でるよ?」

魔法使い「何の人気よ…それに何?ふえぇ…お前のホルモン食いたいぞ!!とか言わせるの?」

商人「うう…ダメかあ…」

魔法使い「まあ、いつかそのうち力を借りる事があるかもね。冒険に行き詰まったり、私達のどちらかがパーティーから外れたり…」

商人「ええ!?パーティーから!?そんな事ないでしょ?」

魔法使い「まあね、例えばよ、例えば…」

――42日目、アッサラーム

魔法使い「ルーラばかり使ってるど、日にちがどんどん経ってしまうわね…」

商人「仕方ないよ、歩けばもっと時間かかるし…」

魔法使い「まあね…」

商人「ねえ、それよりさ、またこの町に来たって事はさ…」

魔法使い「ええ。前にこの町に来たとき、まほうのかぎの情報を聞いていたからね。あの時は、まだまだ必要ない、というかそこまで気が回らなかったけど…」

商人「じゃあ次はまほうのかぎ探索だね?ついにロマリア西のほこらのイヤミ兵士を見返す時が…」

魔法使い「…言っておくけど、まほうのかぎを手に入れるのは、あのほこらの先のポルトガ、更にはその先に進むためだからね?誰かを見返す為じゃ…」

商人「分かってるって!でも、まほうのかぎを手に入れるのにはかわりないんでしょ?見てろよ~

魔法使い「本当に分かってるのかしら…?」

――43日目

商人「ここが、これが砂漠かあ…熱いね、魔法使いちゃん…魔法使いちゃん!?」

魔法使い「あ…つ…い…」ヨロヨロ

商人「ぬ、ぬいぐるみなんか着てるからじゃない!!早く脱いで…」

魔法使い「い…え、これ、着てないと…魔物の攻撃…耐えられ…」

商人「モ、モンスターに会う前に死んじゃうよ!?」

魔法使い「大丈夫よ…ほら…それより…」

じごくのハサミがあらわれた!!

商人「こ、こんな砂漠にカニ!?しかも、前に会ったカニより固そう…」

魔法使い「やるわ、よ…」ヨロヨロ

商人「魔法使いちゃん、ホントに大丈夫!?」

魔法使い「暑いけど…ベギラマ!!」ボオオォ

じごくのハサミをたおした!!じごくのハサミをたおした!!じごくのハサミをたおした!!

商人「あ、意外とあっさり。じゃあ残りはあたしが…それっ!!って固あ!?でも…!」

じごくのハサミをたおした!!

商人「ふう、思ったより簡単に倒せたね。やっぱり魔法ってすごい…魔法使いちゃん、大丈夫!?」

魔法使い「だ…じょぶ…それより…あそこ…」スッ

商人「え?あ、ほこら!そういえば、まほうのかぎに詳しいおじいさんが砂漠南のほこらにいるって話だったね!!」

魔法使い「ええ…早く、行き…」ヨロヨロ

商人「ま、魔法使いちゃん、もう一息、もう一息だからね!!」

――砂漠南のほこら

魔法使い「ああ、涼しい…」フゥー

商人「休む場所があって良かったね、魔法使いちゃん」

魔法使い「ええ、でもそれより…あのご老人のお話を聞きましょう」

商人「あ、あ、そうだね。こ、こんにちは…」

老人「ああ、こんにちは。ここに来たということは、まほうのかぎをお探しかな?」

魔法使い「ええ、どうやらポルトガという国に行くのに、それが必要なようなので」

老人「そうか。まほうのかぎは、砂漠の北にあるピラミッドにあるというが…その前に!」

商人「は、はい!?」

老人「イシスのお城に行きなされ。確か、オアシスのすぐ近くのはずじゃ」

魔法使い「イシス、ですか。ありがとうございます。さあ商人、行くわよ」

商人「うん!!おじいさんさようなら、お元気で!!」

商人「オアシスの近くって言ってたけど、そもそもオアシスってどこ?」

魔法使い「…多分、西よ…」

商人「分かるの?魔法使いちゃん」

魔法使い「この暑い着ぐるみ着てると…涼しさに敏感になるのよ…」

商人「な、なるほど。じゃあ魔法使いちゃんを信じて…あ、魔法使いちゃん、木が見えたよ!!」

魔法使い「なら…水場が近いはず…きっと、オアシス…そして、お城…」

商人「うん、うん、魔法使いちゃん、やっと町だよ、これでぬいぐるみ脱げるね」

魔法使い「ええ…急ぎましょう…」

――イシス城下町

魔法使い「ふう、やっと休めるわね…と言っても、夕方になったらだいぶ涼しくなったけど」

商人「お疲れ様魔法使いちゃん!今日はもう休んじゃう?」

魔法使い「いえ、涼しくなった今のうちに、買い物と情報収集を済ませましょう」

商人「そっか、その方がいいよね。じゃあまず、買い物から!」

町民A「ちっ、だいぶ負けちまった!」

商人「あれ?もしかして、格闘場…」

魔法使い「商人?最低限の事だけして帰りましょうね?」

商人「わ、分かってるよ?」

魔法使い「危ないわね。目がギャンブラーになりかけてたわ…」

商人「へへ、この町いいもの売ってたね!このてつのたてで守備力アップ!」

魔法使い「良かったわ、良いものが買えて。あと、情報収集もしたけど…」

商人「みんな言ってたね、女王様が美人だって!でも、きゅーとさならあたしも勝負出来ると思わない?ね、ね?」

魔法使い「どこからその自信が沸いてくるのかしら…?それより、まほうのかぎやピラミッドの情報が欲しかったのに、あまり聞かなかったわね…」

商人「あ、でもここ、城下町でしょ?お城に行けば、何か情報あるんじゃないの?」

魔法使い「そうね、お城の学者とかもいるかもしれないし…じゃあ行ってみる?」

商人「うん、行こう!!あたし、女王様も見てみたいし!!見ててよ魔法使いちゃん、あたしと女王様の美貌勝負!!」

魔法使い「…本当に美貌で勝てるなら、もっと貴方を見て町の人が騒ぐと思うけど、まあ、見届けるわね…」

――イシス城内

商人「ついに謁見の間まで来ちゃったね。こういう所、いつも魔法使いちゃんに任せて来たことないけど…」キョロキョロ

魔法使い「もう、あんまりキョロキョロしないの。ほら、女王様よ」

女王「貴方方がアリアハンからの旅人ですか?遠路遥々よくお越し下さいました」

魔法使い「身に余る御言葉、恐悦に存じます」

商人「ぞ、存じます…ね、ねえ、魔法使いちゃん、あんなに美人だって聞いてないんだけど」ヒソヒソ

魔法使い「町の人達みんな言ってたじゃない…」ヒソヒソ

女王「…皆が私の美しさを褒め称える。しかし、一時の美しさが何になりましょう…」フウ…

商人「ま、魔法使いちゃん!あたしもあの溜め息つきたい!!」

魔法使い「溜め息くらい好きなだけつけばいいじゃない…」

商人「そうじゃなくて!絶世の美女からしか洩れ出ない的なヤツ!!」

魔法使い「言ってる事がよく分からないけど…その溜め息がつけないなら、貴方の巻けよね?」

商人「むうう~」

魔法使い「勝負がついたら静かにしてね。ここ、謁見の間なんだから」

商人「ぐうの音も出ない…」

商人「悔しい…きゅーとさで勝てないあたしに存在価値なんて…」

魔法使い「…貴方の自己評価は知らないけど、あなほりとか戦闘の腕とか色々あるじゃない」

商人「え?あたし可愛らしさだけが取り柄じゃないの?」

魔法使い「どこまで本気なのかしら…そんな事より、お城ではピラミッドの情報もたくさん聞けたわね。私としては、呪文の使えない場所があるっていう話はショックだったわ…」

商人「大丈夫だよ!可愛らしさ以外の取り柄があるあたしが頑張るから!!」

魔法使い「立ち直るの早いわね…まあ、その時はお任せするけど…」

商人「あとさ魔法使いちゃん、あたしこの町の夜も見てみたいんだけど。ほら、アッサラームって昼と夜ですごく変わったでしょ?だから…」

魔法使い「あんなにいかがわしく変わるとは思えないけど…いいわよ、夜にしか得られない情報もあるかもしれないしじゃあ今日は休んで、明日の夜に動く?砂漠を越えて、貴方も疲れたでしょう?」

商人「じゃあ明日は夜の町探検だね!!楽しみだなあ~」

――44日目、夜、イシス城中庭

商人「と、いうわけで、我々は今、夜のイシス城内に潜入しています」

魔法使い「潜入って…ちゃんと門番に挨拶してから入場したじゃない」

商人「もう、そこはほら、雰囲気作り!!それに、夜の町で聞いたほしふるうでわっていうのを探すからには、忍び込んでます感を…」

魔法使い「はいはい。で、そのほしふるうでわは、どこにあるのかしらね?お城の中に祀られてるという話だけど…」

商人「うーん、簡単には見つからないんだろうね…あ、魔法使いちゃん、ネコちゃんがいるよ」

魔法使い「あら、昼間は城内にたくさんいたけど、涼しくなったから中庭に出てきたのかしら?」

商人「そうかもね。…ってあれ?魔法使いちゃん、ネコちゃんのいる後ろの方見てみてよ!」

魔法使い「え…?あら、あそこ通れるのかしら?」

商人「あからさまに怪しい…魔法使いちゃん、行ってみようよ!!」

魔法使い「そうね、何かあるかも…」

商人「ねえ、魔法使いちゃん、ここって、通路だよね…?」

魔法使い「多分…いえ、間違いなくそうね。何があるのかしら…?」

商人「もしかしたらさ…あ、魔法使いちゃん、階段だよ、下りる?」

魔法使い「ここまで来て下りないなんて言うわけないでしょう?さあ、行きましょう」

商人「うわあ、地下はひんやりするね…」

魔法使い「私はぬいぐるみ着てるから平気だけど…見て、商人、また下り階段よ」

商人「うん、でも、これ…明らかにお墓だよね?」

魔法使い「そうね、この辺は地下に死者を葬る習慣でもあるのかしら?まあ考えていても仕方ないわね、下りてみましょう」

商人「うーん、お墓って分かっちゃったらちょっと怖いけど…行くしかないよね…!」

魔法使い「商人、これ…!」

商人「や、やった、宝箱だよ、魔法使いちゃん!!」

魔法使い「ええ…でも、お墓に供えてある物を触るのは…」

商人「大丈夫、ちょっと見るだけだから…ごめんなさーい」ガチャ

なんとほしふるうでわをてにいれた!!

商人「ま、魔法使いちゃん、これだよ、ほしふるうでわ!!」

魔法使い「すごい、本当に見つけたのね…でも…しょ、商人、後ろ!!」

商人「へ?後ろ?」

スウウゥ…

骸骨?「私を起こしたのは、お前か?」

魔法使い「…!が…!!」

商人「でででででで出たっ!?!!どどどどうしよう、魔法使いちゃん!?」

魔法使い「ど、どうって言われても…」

骸骨?「私を起こしたのは、お前か?」

商人「は、はい!!起こしたのは私です、腕輪を盗んだのも私です、ゆ、許して…」ガタガタ

魔法使い「こ、この子はちょっとおちょうしもので、つい腕輪を手に取っただけで、悪気はなくて…だから…」

商人「わ、私が悪くて、宝箱開けちゃって、だから…」

骸骨?「そうか。お前たちは正直者だな」

商人「ご免なさい、許して…へ?」

骸骨?「まあいい、どうせもう私には必要ないものだ。お前たちにくれてやろう。さらばだ」スウウゥ…

魔法使い「…消えた?」

商人「びびびびっくりしたよ~!!もう、もうダメだと…」

魔法使い「そうね…でも、結果的にはこれ、貰えたわね。貴方のお手柄と言ってもいいんじゃない?」

商人「え?あ、そっか、そうだよね、あたしがもらったんだよね…あはは、あたしすごい!!超すごい!!」

魔法使い「…全く、結果オーライだったけど、おちょうしものに付ける薬はないものかしらね…?」

――45日目

魔法使い「そういえば貴方、もう装備は万全なの?」

商人「ん~、実はアッサラームに売ってたけがわのフードがターバンより防御力高かったんだけど…」

魔法使い「そうだったの。じゃあ戻りましょう」

商人「へ、戻るの?次の目的地はピラミッドじゃないの?」

魔法使い「もちろんそうよ。でも、話を聞いた限りでは、一筋縄では行かなそうな所じゃない。だから、準備は万端にしていきたいのよ」

商人「なるほど、魔法使いちゃんらしいね。じゃあもちろん歩いて行くんでしょ?」

魔法使い「あら、良く分かったわね」

商人「へっへ~、もう魔法使いちゃんとの付き合いも一月半になるからね!アッサラームに行くまでの道のりも、レベルアップの為なんでしょ?」

魔法使い「ふふ、正解よ。そっか、もうそんな付き合いになるのね…」

商人「じゃあ、今日はアッサラーム行きだね!行って帰って来る間に、レベルも上がるといいね!」

魔法使い「そう上手く行けば良いけど、努力して損はないからね。さあ、行きましょう」

――アッサラームの町、夜

商人「結構苦戦するかと思ってたけど、意外とあっさり着いたね」

魔法使いレベル17「そうね、盗賊退治の後、二人ともレベル上がってるし…」

商人レベル19「でも、魔法使いちゃんはもっと上げてからピラミッド行きたいんでしょ?ホント慎重だよね~」

魔法使い「言ったでしょ、臆病者だって。レベルは高いに越したことはないんだから」

商人「分かってるって、あたしも臆病者だから、魔法使いちゃんに賛成だし。それより、もう夜になっちゃったね…あたしの買い物出来ないや…」

魔法使い「けがわのフードは昼間開いてる店の売り物なのね?まあ、明日買えばいいじゃない」

商人「そだね。それより魔法使いちゃん、ほしふるうでわの使い心地はどう?

魔法使い「ええ、すごいわねこれ。かなりの確率で魔物より早く動けるし、守備力も上がるし…」

商人「へえ、良かったね!!でさ、でさ、あたしはどう?」

魔法使い「…どうって?」

商人「もう、魔法使いちゃんがその腕輪を装備したから、あたしがガーターベルト装備したでしょ?どう?せくしーだいなまいつでしょ?」

魔法使い「……ええ、まあ……」

商人「反応薄くない!?」

――46日目

商人「ありがとうターバン、君のことは忘れないよ…」

魔法使い「売ってしまうの?」

商人「ううん、とっとく」

魔法使い「じゃあ今のお別れは何…?まあいいわ、買い物が済んだのなら帰りましょう。また砂漠を歩かなきゃならないのが憂鬱だけどね…」

商人「じゃあさ魔法使いちゃん、帰りは北の海沿いを歩いて帰ろうよ。それなら、砂漠の真ん中を突っ切るより暑くないんじゃない?」

魔法使い「なるほど、いいかもしれないわ、貴方冴えてるわね」

商人「へっへ~、せくしーぎゃるの本領発揮ってヤツ?」

魔法使い「セクシーギャルってそういうものかしら…?」

商人「そうだよ、魔法使いちゃん知らなかったの?溢れ出す知性と隠しきれない色気、それこそがせくしーぎゃる!!」

魔法使い「……………そう………」

商人「なんでそんな悲しげな目であたしを見るの!?」

魔法使い「確かに、海沿いを歩けば暑さもいくらかはいいみたいね」

商人「でしょ?海風が気持ちいいよね!海は海で日差し強いけど」

魔法使い「でも、潮風は髪が傷むって言うわ。平気なの?」

商人「へーきへーき!!あたしにはせくしーぱわーがあるから!!」

魔法使い「ガーターベルト着けたらノリノリね…」

商人「あれ?魔法使いちゃん、あれ見て、なんか変な建物!」

魔法使い「確かに妙な形ね…もしかして、あれがピラミッドじゃないかしら?確か、砂漠の北にあるという話だし…」

商人「あ、そういえばそんな話だったね…ねえ、魔法使いちゃん、せっかくこんな近くまで来たんだし…」

魔法使い「そうね…中の魔物がどんな相手なのかも知りたいし、少し寄ってみようかしら?でも、深入りはしないわよ」

商人「そうこなくっちゃ!!じゃ、早く行こ、ね、ね?」

魔法使い「はいはい、慌てないのよ」

――ピラミッド

商人やっぱり中は涼しいね」

魔法使い「そうね、外よりはここで魔物退治もいいかもね。問題は魔物の強さだけど…」

ミイラおとこがあらわれた!!わらいぶくろがあらわれた!!

魔法使い「あれがミイラ…確かアンデッドの一種なのよね…商人?」

商人「あ、あれ、もしかして、わらいぶくろ…!?」

魔法使い「貴方、あの袋の魔物知ってるの?」

商人「知ってるもなにも、商人の間じゃ伝説のモンスターだよ?すっごいたくさんお金持ってるんだって!!」

魔法使い「へえ、あの袋の中に入っているのかしら?」

商人「きっとそうだよ!!へっへっへっ、ズタズタに引き裂いて中身引きずり出してやるわ!!」

魔法使い「お金のことになると目付きが変わるわね…」

商人「じゃああたしは…ブーメランで!!…あ、わらいぶくろにかわされた!?」

魔法使い「イオ!!…こっちも袋には効かなかったけど…」

ミイラおとこをたおした!!

商人「ミイラは倒したのね?じゃあ、てつのおのに持ち替えて…そぉれっ!!」ガツン

わらいぶくろをたおした!!

魔法使い「よし、初見の敵が2体もいたけど、上出来ね」

商人「さあさあさあ、お金、お金出しなさい!!あっ!そっちにも落ちてた!ダメダメ、あたしの目をごまかそうったって…」

魔法使い「楽しそうね…」

商人「あ、分かれ道。右、正面、左、ここは…」

魔法使い「正面よ。行って戻るだけ。ここにはちょっと様子見に来ただけって言ったでしょ?」

商人「ええ~、それじゃつまんないよ、とりあえず一回くらい曲がってみようよ、宝箱とか階段とかあるかもよ、ね、ね?」

魔法使い「…貴方、階段があったら上るでしょう?宝箱があったら開けるでしょう?でもここは仕掛けだらけの場所だって話だわ。迂闊な行動を取ると…」

商人「もう、本当に心配性なんだから。じゃあ真っ直ぐ行くよ」スタスタ

魔法使い「待って、もうちょっと慎重に行動して…」

商人「へ?あ、あぁ~!!」ヒューン

魔法使い「…落とし穴、ね。だから言ったのに…まあ、バラバラになるわけにもいかないし…それっ!」ヒューン

商人「いたた…落とし穴だったのかあ…ってここ、人のホネばっかりだよ!?」

魔法使い「っつう…商人、平気?」

商人「な、なんかすごい場所に落ちちゃったよ。魔法使いちゃんが真っ直ぐって言ったから…」

魔法使い「何言ってるのよ。貴方がもう少し慎重に行動してれば…」

ミイラおとこがあらわれた!!

商人「わ、モンスター!!」

魔法使い「言い争いは後ね…商人、頼んだわよ!」

商人「へ?頼んだって?魔法使いちゃんは?」

魔法使い「それが…どうやらここが呪文の使えない場所みたい…」

商人「え、ええ!?じゃ、あたし一人で戦うの!?」

魔法使い「私も鞭で戦うくらいは出来るけど…貴方、前に言ってたでしょう?キュートさだけじゃない所を見せるって。頑張ってね!」

商人「うう、余計なこと言ったかなあ…」

魔法使い「確か、ミイラは体力は大したことなかったはず。4体いるとはいえ、貴方の力なら…」

商人「せくしーぱわーなら!?」

魔法使い「…なんでもいいから、さっさと倒しましょう」

商人「じゃ、行くよ!!チェーンクロスに持ち替えて…そぉれっ!!」ピシャッ

ミイラおとこをたおした!!

魔法使い「攻撃が来るわよ!!気を付けて!!」

ミイラおとこのこうげき!!ミイラおとこのこうげき!!ミイラおとこのこうげき!!

商人「痛い痛い、あたしばっかり狙われてるよ!?」

魔法使い「頑張って!きっとあと一息だから!」

商人「うう~、せくしー…ぱわー!!」ピシャッ

ミイラおとこをたおした!!ミイラおとこをたおした!!ミイラおとこをたおした!!

魔法使い「良く頑張ったわね、偉いわ」

商人「えへへ、あたしのせくしーぱわーすごいでしょ?ね、ね?」

魔法使い「はいはい、それより、こんな嫌な場所からは早く脱出しましょ。行くわよ」

商人「あれ?軽く流された…?」

――夜、イシス郊外

魔法使い「ふう、あれから魔物も出ずにあの場所から脱出出来たわね」

商人「うーん、やっぱり宝に1つも手を出さなかったのが…」

魔法使い「だからそれは…」

ミイラおとこがあらわれた!!

商人「あれ?ピラミッドの外にもミイラっているの?」

魔法使い「夜だからじゃない?でも、あの場所じゃないなら…ベギラマ!!」ゴオオォ

商人「あーんど…せくしーアターック!!」ピシャッ

ミイラおとこをやっつけた!!

魔法使いはレベルがあがった!!

魔法使い「よし、少し遅かったけどレベルが上がったわ。これで不安なくピラミッドに行けるわね」

商人「え?そんなにすごい魔法覚えたの?どんな?どんな?」

魔法使い「そうねえ…おちょうしものがパーティーに居ても、安心して宝箱を開けられる呪文よ」

商人「おちょうしものじゃないよ、せくしーぎゃるだよ!!」

魔法使い「まだ言うのね…」

――イシス城下町、宿屋

商人「明日はいよいよピラミッドにまほうのかぎを取りに行くんだよね?楽しみだな~」

魔法使い「ええ、新しい呪文は覚えたし、ピラミッドの魔物も手に負えない強さではなかったし」

商人「そうだね、厄介な敵は多いけど、強すぎる!!ってモンスターはいなかったね…ムカデはイヤだったけど…」

魔法使い「ああ、火を吹いてくるのは辛かったわね」

商人「そうじゃなくて、気持ち悪かったの!足がいっぱい付いてて…」

魔法使い「そうねえ…でも、あの子なら、やっぱり美味しく食べるのかしらね…?」

商人「あの子?あの子って…」

――アリアハン、ルイーダの酒場

盗賊「へっくち!!」

ルイーダ「あら、風邪でも引いたのかしら?」

盗賊「カゼ?きっとえいようが足りないんだ、ルイーダ、ごはん!!」

ルイーダ「まだ食べるの?よく太らないわね…」

戦士「おいおいがきんちょ、あんまり食うと酒場が潰れちまうぜ」

武闘家「働かざる者食うべからず、ってな」

盗賊「うるさい!!ホルモン食うぞ!!」

戦士&武闘家「ひいいいい!!」ゾゾゾ

ルイーダ「はいはい、ごはんならあるからね」カチャカチャ

盗賊「おー!!ルイーダ好きだぞ!!」

戦士「なあなあママ、早くあいつ追い出してくれよ」

ルイーダ「出てくならあんた達だろ?いつまでただ酒くらってるんだい?」

戦士「そ、それは…へへへ…」

ルイーダ「ったくどいつもこいつも…あの子が連れてかなかったのも分かるよ。とはいえ、これ以上食費が嵩むとねえ…」

――47日目、ピラミッド

商人「じゃ、今日はあっち行ったりこっち行ったりしてもいいんだね?」

魔法使い「ええ、ただ宝箱開ける前には一言声をかけてね」

商人「分かった!…あ、魔法使いちゃん、早速宝箱だよ!!」

魔法使い「ちょっと待っててね…光よ我が手に!未知を照らし、危険を告げよ…インパス!!」ポワーン

商人「おお、新魔法!?」

魔法使い「…開けていいわよ、空だけど」

商人「ええ~、なにそのガッカリ情報…あ、ホントだ。それ、空かどうかを調べる魔法なの?」

魔法使い「そんなわけないでしょ。この呪文は安全確認のためのものよ。魔物が潜んでたら、赤く光るの」

商人「へえ、宝箱にモンスターが居たりするんだ?」

魔法使い「中にいる、というか宝箱そのものが魔物らしいわよ。私も、実物を見たことはないけど…話によれば、とても恐ろしい魔物だというわ」

商人「そんなに怖いモンスターなんだ…それで魔法使いちゃん、あんなにレベルアップにこだわってたんだね」

魔法使い「後々も必要になる呪文だしね。さあ、これで宝箱対策はバッチリよ。貴方がうっかり宝箱を開けない限りね」

商人「そんなことしないよ!!たぶん、きっと…」

魔法使い「…やっぱりインパスを覚えて正解だったわね」

魔法使い「…これも空ね」ポワーン

商人「あ、ホントだ…さっきから3個連続で空だね。」

魔法使い「空だと分かっても開けるのね…」

商人「だって、開いてない宝箱なんてもやもやするよ!」

魔法使い「気持ちは分かるけど…あ、こっちの宝箱は開けちゃ駄目よ、赤く光ってるわ」ポワーン

商人「あ、ホントだ赤い!…うーん、でもやっぱり宝箱を開けないで立ち去るっていうのは…」

魔法使い「駄目よ。それ開けちゃったら、この呪文覚えた意味ないでしょ?さあ、先に進むわよ」

商人「ああ、後ろ髪を引かれる…」

魔法使い「2階まで上ったけど…今までに増して通路が細いわ。気を付けて…」

商人「迷路みたいになってるね。とりあえず真っ直ぐでいいの?」

魔法使い「ええ、こういう時は貴方の勘に任せるわ」

商人「へっへ~、鋭い女のカン、ってなんかせくしーだよね?」

魔法使い「はいはい。足元に気を付けるのよ」

商人「分かってるって!もう落っこちたりしないから!」

魔法使い「心配だわ…」

商人「あ、魔法使いちゃん、ほら、階段!!」

魔法使い「3階への階段か…ここまでは順調ね。魔物にもあまり会わないし…」

商人「さ、行ってみようよ、早く早く!」

魔法使い「だから、あんまり慌てないで…」

商人「ね、魔法使いちゃん、あの正面の扉ものすごく怪しくない?」

魔法使い「そうね、でも鍵穴もないし、どうやって…」

商人「とりあえず押してみよっか…んん~、う、ご、か、な、い…!!」グググ…

魔法使い「力じゃ駄目そうね…そうだ!ねえ商人、東ってあっちだったかしら?」

商人「ん~…はあ、はあ…え?えっと…東は、うん、あっち、かな…」ゼエゼエ

じゃあちょっと行って見ましょう。もしかして、いえ、他に考えられないし…」

商人「え?え?魔法使いちゃん、何か分かったの?」

魔法使い「イシスのお城で聞かなかった?子供達の歌。真ん丸ボタンはお日さまボタン…」

商人「小さなボタンで扉がひら…あ、あ~!!」

魔法使い「ね?あの歌に従えば、先ずは東よ、行きましょう!」

商人「あ、魔法使いちゃん、ボタンが2つ!どっちかな?どっちも?」

魔法使い「片方は罠じゃないかしら?歌では東の東、だったはず。なら…」

商人「東よりの方だね?じゃあ押してみるよ!」ポチッ

魔法使い「さあ、次は西の西、ね。行きましょう」

商人「ね、西のボタン押したら、あの扉開くのかな?中には何が入ってるのかな?」

魔法使い「そうね、やっぱりここで一番大事なものじゃないかしら?」

商人「大事なものってやっぱり…あ、ボタンだよ!さっきと同じように2つある!」

魔法使い「今度はより西側の方でしょうね。押すわよ」カチッ

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…ゴォン…!

商人「…今の音って!!」

魔法使い「ええ、さっきの扉の所に行きましょう!」

商人「あ、魔法使いちゃん、開いてる、扉開いてるよ!!」

魔法使い「中は…宝箱が2つ、やったわね!」

商人「ね、ね、早く開けよ?良いでしょ?」

魔法使い「待って、呪文で確認するから…」

商人「ねえ、魔法使いちゃん、早く~!!」

魔法使い「もう少し…はい、もういいわよ、2つとも問題ないわ」

商人「やった!!じゃあまず1つ…これって、スタミナの種かな?魔法使いちゃん、後で使っていいよ」

魔法使い「ありがとう。それで2つ目は?」

商人「あ、魔法使いちゃんも気になる?今開けるよ…あ!カギだよ魔法使いちゃん!!」

魔法使い「鍵!?じゃあこの鍵が…」

商人「うん、きっとこれがまほうのかぎだよ!!やったね!!」

魔法使い「良かった…これでポルトガにも、きっとその先にも行けるわね…」

商人「ねえ、まほうのかぎは手に入ったけど、まだ魔法使いちゃんも余裕あるよね?」

魔法使い「そうね、思ったより魔物と逢わなかったし…」

商人「じゃあさ、もうちょっとピラミッド探検しない?まだここ、上の階があるみたいだよ?」

魔法使い「そうね、もう少し進んでみてもいいかもね」

商人「決まり!じゃあさ、さっき階段があるのチラッと見えたから、そこ上ってみようよ!!」

魔法使い「目敏いわね。いいわ、行ってみましょう」

商人「――でもさあ、このまほうのかぎってあのオルテガさんでも見つけられなかったんだよね?あたし達、実は凄くない?」

魔法使い「アイテム1つで優劣は付けられないけど…これはかなりのものだと思うわ」

商人「だよね、ん~、やっぱり旅に出て良かった!!…あ、魔法使いちゃん、階段!!」

魔法使い「ええ、上ってみましょう」

商人「さあ、4階だよ!…あ、魔法使いちゃん、また扉!!」

魔法使い「今度は鍵穴があるわね。まほうのかぎが使えるかしら?」

商人「試してみるね!…開いた!!」

魔法使い「やったわね。中は…これは、お墓かしら…?」

商人「お墓?じゃあこれ、みんな棺?うわあ、怖くなってきた…あ!!宝箱だよ魔法使いちゃん!!開けていい?」

魔法使い「怖くなったんじゃなかったの?いいわ、調べてみるから…黄色!?」ポワーン

商人「ホントだ、黄色く光ってる。で、黄色いと何なの?」

魔法使い「……分からないわ」

商人「へ?分からないの?」

魔法使い「ええ、これは、開けてみないと…」

商人「ふーん、じゃあ開けてみよっか」パカッ

魔法使い「あ、待って…」

……王様の墓を荒らすのは誰だ…!?

商人「え?え?」

……我らの眠りを妨げるのは誰だ…!?

魔法使い「これは…まずいわね…」

商人「え?え?ま、まずいって…!?あ、あれ、何かす…」

魔法使い「商人、戦闘準備よ!!」

マミーがあらわれた!!ミイラおとこがあらわれた!!

商人「ひえ~、ミイラの大群!!」

魔法使い「大丈夫、このくらいなら…イオ!!」ドパパパパパーン

商人「よ、よし、じゃあ、ブーメラン!!」ヒュンヒュン

マミーをたおした!!

マミーのこうげき!!ミイラおとこのこうげき!!

商人「いった~い!!」

魔法使い「かなりの力ね…!早めに決着をつけましよう、イオ!!」ドパパパパハーン

マミーをたおした!!

商人「残りはチェーンクロスで…えい!!」ピシャッ

ミイラおとこをたおした!!ミイラおとこをたおした!!ミイラおとこをたおした!!

魔法使い「ふう、終わったわね。インパスで黄色く光るのは、アラームの一種みたいね…」

商人「あ、魔法使いちゃん、宝箱の底に何か入ってる!」

なんとキメラのつばさをてにいれた!!

魔法使い「なるほど、魔物を倒せれば宝が手に入る仕組みなのね。でもこれ、宝箱10個以上はあるわよね。全部開けるとなると…」

商人「ねえ、まだたくさん宝箱あるけど、どうしよう?」

魔法使い「…一応、調べてみるわね…やっぱりまた黄色だわ。商人、開けるのは…」

商人「さっきと同じだね?じゃあ開けてみるよ」パカッ

魔法使い「ちょ、ちょっと商人!?」

……王様の墓を荒らすのは誰だ…!?

商人「さあ、やるよ魔法使いちゃん!!」

魔法使い「もう…!しょうがないわね!」

――夜、イシス城下町

商人「結局、全部は開けれなかったね」

魔法使い「魔力が尽きちゃったからね。まだたくさん残ってたわ」

商人「じゃさ、また明日行ってみない?」

魔法使い「いいけど…貴方、怖いって言ってなかった?」

商人「怖いよ!!でも宝が欲しいよ!!」

魔法使い「そう…で、今からどこ行くつもり?まだ休まないの?」

商人「えっとね、ほら、せっかくまほうのかぎが手に入ったじゃない?だから、開けれる扉を開けに行こうかな~って…」

魔法使い「…明日じゃ駄目なの?」

商人「ダメだよ!!すぐに使いたいよ!!」

魔法使い「そう…じゃあ付き合うわ、お城に行くのね?」

商人「うん!!魔法使いちゃんも来てくれるんだ、やっぱり魔法使いちゃん大好きよ!!」

魔法使い「はいはい。じゃあ早く行きましょう」

――イシス城内

商人「また夜に来たね」

魔法使い「そうね、貴方が骸骨に泣かされたり使い魔に泣かされたりして以来ね」

商人「い、いいじゃん昔の話は!それより、ここ、確か女王様の寝室だよね…?」

魔法使い「ええ。流石に寝室に入るのは…」

商人「じゃあ行ってみようよ!きっと美容の秘訣は夜にあるのよ!!聞いてみたい!!」

魔法使い「ちょ、ちょっと商人!?」

商人「どれどれ…あ、女官さん達がいっぱいだ…」

女官「貴方は…?お引き取り下さいませ。あらぬ噂がたちますわ」

魔法使い「も、申し訳ありません。今すぐ帰りますから…ほら、行くわよ」

女王「お待ちなさい」

商人「は、はい!?」

女王「人目を忍んで会いに来てくれたこと、嬉しく思います。何もしてあげられませんが、これを…」

商人「え?え?」

なんといのりのゆびわをてにいれた!!

魔法使い「こ、これは…!こんなものをいただいても…!?」

女官「さあ、もうお行きなさい」

商人「え、は、はい…」

女王「待って下さい。貴方方は、アリアハンから来たと言っていましたね。まだ幼い勇者のために、先立って旅をしていると」

魔法使い「はい。それが…?」

女王「旅は大変でしょう?この城には、宝物庫があります。大した物はありませんが、これからの旅に役立てて下さい」

女官「女王様!?それは…」

女王「いいのです。さあ、もうお行きなさい」

魔法使い「は、はい。あ、ありがとうございます…」

商人「な、なんだか大変なことになったね…ホントにいいのかな?」

魔法使い「頂けるといったんだもの、問題ないでしょう。しかし貴方、夜の寝室にまでズカズカと…」

商人「だ、だって女王様に美容の秘訣を…あ!美容の秘訣、聞いてこなかった…」

魔法使い「…もう、どこから突っ込んでいいやら…それより、宝物庫の宝物ね。開けてみたら?」

商人「いいの?インパス使わなくて」

魔法使い「まさかお城の中に魔物はでないはずよ。大丈夫でしょ」

商人「そうだね。じゃあ、片っ端から開けてくね!!」

魔法使い「ちょっと、もう少し有り難がって…」

商人「ふーん、なかなかのものね。でも、お城の秘宝というには少し貧相じゃないかしら?」

魔法使い「貴方、なに云ってるの!?」

商人「何って、当然の事を言ったまでですわ。このあたしに相応しい程のものなど、そもそも存在するか怪しいものですが…あ、魔法使いちゃん、それ取らないで!!」

魔法使い「おうごんのティアラか…また装備品で性格が変わったのね?全く…」

商人「えへへ、つい…」

魔法使い「たくさんアイテムを頂いたわ。後でお礼を言いに行かないと…」

商人「ねえねえ魔法使いちゃん、なんで女王様は女官さん達と一緒に寝てたのかな?危ないんじゃないの?」

魔法使い「どういう事?」

商人「だって、何かあったらいけないからって、護衛を兼ねて女官さん達あそこにいるんだよね?なら、女官さんより、力の強い男の人の方がいいんじゃないの?」

魔法使い「…貴方、それ、本気?」

商人「え?あたし何か変なこと言った?」

魔法使い「………」ハァーッ

商人「な、なんでそんな大きなため息つくの!?」

魔法使い「…例えば、私が男で、貴方より私の方が力が強かったとするでしょ?」

商人「?うん、それで…?」

魔法使い「で、私が貴方に良からぬ事を考えたら…こうっ!」ガバッ

商人「え?え?ま、魔法使いちゃん、なにするの?」ドサッ

魔法使い「…こうやって押し倒されたらどうするの?しかも女王陛下が」

商人「あ…」

魔法使い「まあそういう事よ。ごめんなさいね、押し倒したりして」グイッ

商人「でもさ…そんなことする人ホントにいるの?それは…いけない事だよ?」

魔法使い「貴方は本当に…そんな無垢でよく商人やってるわね。いけない事を誰もしないなら、なんでロマリアからきんのかんむりは盗まれたのよ?」

商人「あ…そっか…」

魔法使い「ねえ商人、これから貴方が商人として生きていくなら、あんまり無垢なままじゃいけないわ。誰かに騙されてお金を騙し取られたり、濡れ衣を着せられて牢屋に入れられたりしてしまうわよ」

商人「そ、そんなこと…」

魔法使い「そんなことあるの。まあいいわ、これから一緒に旅してるうちに、その辺は色々勉強していけば」

商人「……うん、そうする。んー、私ってまだまだだったんだね。あなほりが出来たら一人前って聞いてたのに…」

魔法使い「そうね、商人としてはまだまだね。でも、戦闘では頼りにしてるんだからね?」

商人「そ、そう?えへへ、じゃあ、あたし明日からも頑張るね!!」

魔法使い「…本当、単純ね。それが良いところでもあるけど、将来が心配だわ…」

――48日目

商人「おはよう魔法使いちゃん!!ね、今日はまたピラミッド行くんでしょ?」

魔法使い「…ええ、その予定…」

商人「もう、魔法使いちゃんはいつまでたっても朝弱いままだね!」

魔法使い「そうね…」

商人「じゃ、あたし先に準備してるから、魔法使いちゃんも準備出来たら呼んでね!!」

魔法使い「ええ…ふう、朝から元気よね…」

商人「準備出来た?」

魔法使い「…まだよ、そんなすぐに出来ないわ、余り焦らせないで…」

――ピラミッド

商人「この宝箱開けるとモンスターが出てくるのも、だいぶなれてきたね」

魔法使い「そうね、マミーとミイラおとこしか出てこないし」

商人「この調子なら全部開けられるかな?よっと」パカッ

マミーがあらわれた!!ミイラおとこがあらわれた!!

魔法使い「今まで通り…イオ!!」ドパパパパーン

商人「そして、ブーメラン!!」ヒュンヒュン

マミーをたおした!!

マミーは仲間を呼んだ!!くさったしたいがあらわれた!!

魔法使い「新手!?でも、すぐに…」

ミイラのこうげき!!つうこんのいちげき!!

商人「…!!きゃ、あ……」バタツ

魔法使い「いけない、商人!!」

商人はしんでしまった!!

魔法使い「くっ…商人…!どうする…魔物はまだ4体、イオ一発では、でも……ここは…!」

――イシス城下町

商人「あ、れ…?ここ、教会?なんで…あ、そっか、あたし…」

魔法使い「目、覚めた?」

商人「あ…うん。あたし、死んじゃったんだね。死んだの初めてだから、少しおどろいちゃった。魔法使いちゃんが、ここまで運んでくれたんだ?」

魔法使い「いえ、私も死んだわ」

商人「…え?」

魔法使い「あのあとすぐ、私も死んだの。逃げたんだけど、回り込まれて…ね。私達、全滅したのよ」

商人「え…全滅?じゃあ、ここ、天国…じゃないよね。ど、どういう事…?」

魔法使い「言ってなかったかしら?勇者でもない私達は、全滅したらおしまい。でも、アリアハンの王様が、5回だけ全滅しても生き返れる道具をくれたのよ」

商人「あ、そういえば…」

魔法使い「これで私達は全滅1回目。あと4回しか全滅出来ないわ。油断したわ…」

商人「そっか…でも、魔法使いちゃん?考え方変えようよ、今まで全滅しないでこれた、その事が凄いって!」

魔法使い「今まで…」

商人「そうだよ、いざないの洞窟だって、ノアニール西の洞窟だって、全滅してもおかしくなかったのに、今まで無事にこれたんだよ?これって、凄い事だと思うよ!」

魔法使い「凄いも何も、普通なら全滅したらそれでおしまいだったのよ?でも、まあ…そうかしらね」

商人「でしょ?だから元気を出して行こうよ!!それよりさ、あたし魔法使いちゃんに言いたい事があるんだけど」

魔法使い「言いたい事…?何かしら?」

商人「魔法使いちゃん、さっきも言ったけど、あたし今回初めて死んだの。凄く痛かったの」

魔法使い「そう…ごめんなさい、私がもう少し気を付けてれば…」

商人「そうじゃないよ!魔法使いちゃん、今まで何回も死んでるでしょ?それなのに、全然痛いとか言ってなかったじゃん!!なんで黙ってたの?無理しないでよ!!」

魔法使い「あ…ごめんなさい、私…」

商人「ねえ魔法使いちゃん、あたし達仲間なんだから、そういう隠し事無しにしよ?魔法使いちゃんがあたしに心配かけたくないって考えてるのは分かるけどさ」

魔法使い「ええ、そうね…うん、分かったわ、ごめんなさい」

商人「いいよ、謝らなくて。謝らなくちゃいけないのは、気づけなかったあたしなんだから。魔法使いちゃん、今までごめんね」

魔法使い「ううん、いいのよ、そんな事は…」

商人「えへへ、こういうのなんか照れ臭いね。でも二人だけのパーティーだもんね!!」

魔法使い「そう、ね…二人だけの…か…」

――夜、宿屋

商人「はあー、今日も疲れたね!!でも、ピラミッドの宝箱にリベンジしたし、あれであそこの宝は残さず取れたよね?」

魔法使い「そうね…」

商人「あー、魔法使いちゃん、何かあたしに内緒で考え事してる!ダメだよ内緒は!」

魔法使い「…何も貴方に私の頭の中全部を見せる必要はないでしょう?」

商人「あたしに言えないようなこと…?あ、分かった、恋の悩みね!!ね、ね、そうでしょ?ね、誰?相手誰?ね、ねえってば!!」

魔法使い「そんなんじゃないわよ…まあ、貴方には話しておくべきね。今後の、このパーティーの事よ」

商人「パーティーの今後…?もしかして、旅止めるの!?」

魔法使い「違うわよ、旅は止めないわ。旅を続けるにはどうしたらいいかを考えてたのよ」

商人「どうって…?もっと時間をかけて進むとか…?」

魔法使い「それもあるけど…このまま二人だけで旅を続けたら危険じゃないかって…」

商人「え?じゃあ新しい仲間?いつ?誰が?」

魔法使い「焦らないで、まだ考えてるだけよ。だけど、どう?貴方は新しい仲間、欲しい?」

商人「うーーーーん、それは悩ましいね…」

魔法使い「そうよね…まあ、今すぐというわけじゃないわ。ただ、貴方も考えておいて。じゃあ、今日はもう休みましょう…」

――50日目

魔法使い「50日か…長かったような、あっという間のような…」

商人「ねえ魔法使いちゃん、今日はどこに行くの?あたし、出来たらアリアハンに戻りたいんだけど…」

魔法使い「アリアハンに?ああ、貴方はたまにアリアハンで変わった物を手に入れてくるわよね。今回もそうなのかしら?」

商人「えへへ、ナイショ」

魔法使い「人には内緒は駄目って言っておいて…」

商人「まあまあ。で、アリアハンに行ってもいいの?」

魔法使い「うーん…ねえ商人、もう少ししたらじゃ駄目かしら?」

商人「え?まあ、急いではないけど…」

魔法使い「これからの計画なんだけど、2、3日でポルトガに行くつもりでいたのよ。でね、新しい町に着いたら、やることがあるでしょう?」

商人「装備を新調する?」

魔法使い「そう。でも、もしかしたらお金が足りないかもしれない。でも、アリアハンに行くのは後回しにすれば、預けてあったお金を下ろせるでしょう?」

商人「あ、なるほど、さすがきれもの!!」

魔法使い「そんな大したものじゃないけど…貴方が納得してくれるなら、アリアハンは後から。まずはもう一度、アッサラームに行きましょう」

――夜、アッサラーム

商人「ふうん、ここから東に行くにも結局まずはポルトガに行かなきゃいけないみたいだね」

魔法使い「そうみたいね。とはいっても、まだ私達ポルトガにもいってないけれど」

商人「東か~。ポルトガも楽しみだけど、東に行くのも楽しみだね!」

魔法使い「そうね…あら?」

???「にゃーん…」

商人「えっと、あれ、猫??」

魔法使い「とてもそうは見えないけど…」

???「うげ、化け損ねたか!ええい、どうせ同じことよ!!」

ベビーサタンがあらわれた!!

商人「…あんまり強そうじゃないね」

魔法使い「油断は禁物よ。火の精霊よ我が両の手に!!熱き力、二つの弾と成りて敵を焼き尽くせ!!メラミ!!」

ベビーサタンをやっつけた!!

魔法使い「やっぱり大したことなかったかしら?」

商人「ひええ…すごい威力…」

――51日目、ロマリア西のほこら

商人「へっへ~ん、どう?まほうのかぎ、持ってきたんだから!!」

兵士「お、やるじゃないか。それがあれば、ポルトガに行けるだろう。さ、通りな」

商人「…それだけ?」

兵士「ん?他に何かあるのか?」

商人「…何か拍子抜け…」

魔法使い「何言ってるの、見せびらかしに来たんじゃないのよ…それより商人、ロマリアで聞いた話覚えてる?」

商人「え?うん、ポルトガでは舟を造ってるって話だよね?」

魔法使い「そうよ。確かに、船があればいいでしょうね。私達みたいなただの旅人が手に入れる事が出来るのかは分からないけど…」

商人「船かあ…船旅って憧れるなあ。これで、いよいよあたしも世界を相手に商売出来るようになるかも!」

魔法使い「今まで旅してきた範囲とは比べ物にならないほど広い世界を旅できるんでしょうね。そう考えると、俄然船が欲しくなってきたわね。何とか手に入れる方法を考えましょう」

商人「うん!!」

――52日目、ポルトガ

魔法使い「やっとポルトガね。昨日は、夜に到着したから町を見て回る事は出来なかったけど…」

商人「ね、ね、魔法使いちゃん、船が欲しいなら、王様に会ってみたらいいんじゃないかって言われたよ」

魔法使い「王様か…じゃあ今日は挨拶して終わりかしら。商人、お店の方はどうだったの?」

商人「それが、品揃えはいいんだけど、あたし達が装備出来るやつは代わり映えしなかったなあ…」

魔法使い「そう…残念だけど仕方ないわね 。それじゃあ私は王様に会ってきてみるわ。良い話が聞ければ良いけど…」

商人「王様だよ?船くらいポンッとくれるんじゃない?」

魔法使い「…そんな王様、今まで会ったことある?確かにイシスの女王様は色々下さったけど…」

商人「アリアハンやロマリアの王様みたいなケチンボの可能性もあるんだね…で、でも、会ってみなきゃ分からないよ!!」

魔法使い「そうね、まずは話を聞いてみてからね…」

――夜、宿屋

商人「で、王様の話はどうだったの?」

魔法使い「それが…船が欲しいなら、東へ行ってくろこしょうを持ってきてくれ、って言われたわ」

商人「へえ、胡椒さえ持ってくれば船くれるんだ?割りと太っ腹じゃない?」

魔法使い「そうねえ…船を寄越しても良いほど面倒な事、という感じもするけど…」

商人「ああ、その可能性もあるね…でも、胡椒って確か東の方にあるんでしょ?確か東には行けないんじゃなかったっけ?」

魔法使い「それは大丈夫。王様から手紙をもらってきたわ。これがあれば、アッサラームの東にある洞窟から更に東に抜けられるらしいの」

商人「東にいけるんだ!?東に行けて、更に船をもらえるチャンスもあるなんて、この国は良い国だね!!」

魔法使い「良い国といえば、ここの王様は色々くれたわよ、東への旅は厳しいからって。私、王様に対する認識を改めなきゃいけないわ…」

商人「こんな小さな国なのに王様は立派だね!!どこかの国の王様にも見習わせたいね!!」

魔法使い「全くよ。爪の垢でも煎じて飲ませたいわ…」

――53日目

魔法使い「ん…よく寝たわ…あら、珍しく商人がまだ寝てるわね。商人?」

商人「んん…あたし…夢を見ている…夢を見ている…小さな…宿屋の…中で…」

魔法使い「…寝言かじら?」

商人「むにゃむにゃ…また始めるなら…パーティーな商人を…理想は…勇商商商…」

魔法使い「…この寝言何かしら…何の夢を見てるの…?」

商人「んん…王様は…手紙しかくれない…でも…お城にある宝物も…もらった事に…でないと…あたし泥棒…お話の…つご…ゴホッゴホッ!」

魔法使い「…何を言ってるのか分からないけど、びっくりするほど都合よく寝言を言ってるのは分かるわ…」

商人「小さなメダル…も…あたしが…取引した事に…その方が…商人っぽい…」

魔法使い「そろそろ起こした方がいいかしら…」

商人「きゅーとでせくしーで…こんな気配りも出来る…やっぱりあたしえらい…パーティーに…商人を…魔法使いは…別に入れなくても…」

魔法使い「起きなさい。今すぐよ。ほら、商人!」ユサユサ

商人「ほえっ!?…あ、魔法使いちゃんおはよう、今日は早いね」

魔法使い「…全く、本当に寝言だったのかしら…」

――54日目アリアハン

商人「というわけで、あたし達今日はアリアハンまで来ました!!ルーラって便利だね!!」

魔法使い「はいはい。貴方は何か用事があるんでしょ?私もお城に用があるから、また後で落ち合いましょう」

商人「りょーかいです!!あ、あとお金どのくらい預けよっか?9600ゴールドくらいあるけど…」

魔法使い「9000ゴールド預けちゃっていいわよ、東への旅は長旅になりそうだし…」

商人「分かった、そうしとくよ。んじゃ、またね!」

魔法使い「ええ、気を付けるのよ」

――アリアハン城内

兵士「おっ、来たな」

魔法使い「久しぶりね。約束通り、物をもらいに来たわ」

兵士「もうちょっとオブラートに包めないのかよ。ほら、そこの4つだ、持ってきな」

魔法使い「これって…!確か、要らない物を寄越すって話じゃなかったかしら?これはどう見ても…」

兵士「だから前も言っただろ、俺は勇者オルテガに世話になったってな。そのオルテガの娘の為に旅してるんだろ?ならなんでもくれてやるさ、きっと王様も良いって言うね、間違いない」

魔法使い「あのケチがそんな事言うはずないじゃない…全く、私の周りは、自分の事棚にあげる人ばかりね…」

兵士「あ?どういう事だよ?」

魔法使い「貴方も私もこの国では出世出来ないって事よ。じゃあ、せっかくだから頂いていくわよ。ありがとうね」

兵士「ああ、道中気を付けてな。また顔見せろよ」

魔法使い「ええ、またいつか…」

――ルイーダの酒場

魔法使い「ルイーダさん、お久しぶりです。ここにいたのね…あら、貴方は…」

盗賊「お!まほーつかいも来てたのか?久しぶりだな、おみやげあるか?」

魔法使い「久しぶりね。お土産は…ごめんなさい、ないわ」

盗賊「ないのか?もしかして腹ペコか?じゃあとーぞくがメシ作ってやる!!あいつらのむしやきとまるやき、どっちがいい?」

戦士&武闘家「ヒイイィ!!」ガクブル

魔法使い「…両方遠慮するわ。ルイーダさん、この子はいい子にしてた?」

ルイーダ「ああ、いい子にしてたよ。食費がかさむ以外はね」

魔法使い「まあそうでしょうね…」

ルイーダ「他の連中もただ酒飲みばかりだし…あんた、誰か連れてってくれよ。いくら国から援助金が出てるとはいえ、このままじゃ潰れちまう」

魔法使い「そうね…もう少し待ってもらえないかしら。もしかしたら私達、船が手に入るかもしれないの」

ルイーダ「船!?船ってあの船かい!?すごいじゃない、あんた達、ものすごい冒険してるんだねえ…」

魔法使い「それで、船が手に入ったなら、きっと二人旅はきつくなるでしょうから、多分、その時にでも…」

ルイーダ「ああ、そういう事かい。今大事な時期みたいだし、そこに足手まといを入れてもね…」

魔法使い「そうは言わないけど…でも、もし途中で仲間が必要になったら、その時はまた来るわ」

商人「あ、魔法使いちゃん、こっちこっち!!」

魔法使い「貴方もここにいたのね。用事は済んだの?」

商人「うん、ほらこれ、やいばのブーメラン!!これね、今までのブーメランよりすっごい攻撃力高いんだよ!!だから今までのやつは魔法使いちゃんにあげる、はい!!」

魔法使い「お下がりね。ありがたく使わせてもらうわ。それと商人、私も色々貰ってきたんだけど、これ、ちょっと見てもらえる?」

商人「へえ、どれどれ?これ…」

魔法使い「ごうけつのうでわっていうらしいのよ。良いものだと思うんだけど…」

商人「ガハハハ、おいどんこの腕輪が気に入ったでごわす!アリアハンの夜明けぜよ!!」

魔法使い「!?!?」

商人「どげんかせんといかん、どげんかせんといかんぜよ、ガハハハ!!…ああ、魔法使いちゃん、また私から取り上げて…」

魔法使い「貴方ねえ…ごうけつのイメージが固まってないなら無理しなくて良いのよ。方言滅茶苦茶だし…」

商人「えへへ、つい…」

――55日目、アッサラーム郊外

魔法使い「いよいよ東に行けるわね」

商人「楽しみだね!どんな所なんだろ?ね、そういえばさ魔法使いちゃん、東には転職出来る所があるってポルトガで聞いたよね。魔法使いちゃんは、転職とか考えた事ある?」

魔法使い「転職ねえ…考えた事ないわけじゃないけど、私は魔法使いのままでいいかな…貴方も商人が良いんでしょ?」

商人「え、あたし?あたしは別に、転職しても良いけど」

魔法使い「そうなの!?貴方こそ商人にこだわりがあると思ってたわ」

商人「こだわりはあるよ!でも、1度他の職業になったからって、もう商人に戻れない訳じゃないでしょ?ならあたし、魔法とか使えるようになりたいな」

魔法使い「意外ね…どんな呪文が使いたいの?」

商人「ザキ!!」

魔法使い「嫌な即答ね…私にかけないでよ?」

商人「かけないよ!でも、まだ転職のこと、詳しくは分からないし…」

魔法使い「そうね、転職が出来るという場所に着いてから考えても遅くないと思うわ…あ、商人、
見えてきたわよ、あの洞窟…」

商人「あれだよね、ポルトガの王様と知り合いのホビットがいるっていう洞窟!結構たくさんの人が、あの洞窟を抜けられなかったって言ってたけど…」

魔法使い「大丈夫よ、私達には王様からの手紙があるわ。さあ、行きましょう」

魔法使い「

――アッサラーム東の洞窟

ホビット「お嬢さんがたは何だね?ささ、出ていきなされ!」

商人「…門前払いされたよ」

魔法使い「貴方ねえ…王様の手紙を読んでみたら?」

商人「あ、そっか。あー、ごほん、し、親愛なるノルドよ。この旅人達を、バーンの抜け道へ案内してやってくれ」

ホビット「ふむ!するとお嬢さんがたは東へ行きたいんだね?」

魔法使い「ええ、そうです」

ホビット「ふむ!ではついてきなされ!」

商人「は、はい!!魔法使いちゃん、やったね!」

魔法使い「ええ、これで東へ行けるわ」

ホビット「ささ、通りなされ!これが抜け道じゃ!」

商人「はい、おじさんありがとう!!」

魔法使い「ありがとうございます」

ホビット「ふむ!ポルトガ王によろしくな」

商人「洞窟を抜けると…んー!まぶしー!!」

魔法使い「さて、ここからどこに行けばいいのかしら?実は東のどこに町があるのかは分からないのよね…」

商人「そういえば分かんないね。それじゃああたしのカンで、北へ行こうよ!!」

魔法使い「北か…情報がなかった以上、貴方のカンに頼るしかないわね…」

商人「そうそう、あたしのカンは当たるんだから!!じゃあ行こ、ね、ね?」

魔法使い「ええ、進まなければ間違ってるかどうかも分からないし、行きましょう」

――湖畔のほこら

商人「あ、あっれー!?なんかすごい寂れた場所に来ちゃったよ…」

魔法使い「流石に、ここにくろこしょうが売ってたりはしないでしょうね」

商人「あたしが胡椒屋さんだったら、もっと繁栄してる場所にお店を出したいよ。でもここじゃあ…あたしのカン、外れかあ~…」

魔法使い「いつもいつもカンが当たったらそれはそれで怖いわよ。それに、全く無意味な場所に来たわけでもないみたいよ」

商人「え?」

魔法使い「こういう場所にこそあるものもあるってことよ。ほら、貴方も中に入って」

商人「うん…あれ?宿屋だ…!」

魔法使い「ほら、ナジミの塔の中にも宿屋があったりしたでしょう?こういう場所には、意外と宿屋があるんじゃないかしら?実際、迷った私達がたどり着いた訳だし」

商人「なるほど、こういう商売もありかあ!!今日はここに泊まってくの?」

魔法使い「ええ、これから先どれくらいの道程かも分からないし、今日はここで1泊していきましょう」

――56日目

商人「魔法使いちゃんおはよう!!起きて!!起きて!!」ユサユサ

魔法使い「んん…今日は早いわね…」

商人「あたしはいつも早いよ!!ほら、起きて、顔洗って…じゃあおじさん、お世話になりました!!」

宿屋「いやいや、久しぶりに新しいお客さんが来て楽しかったよ。気を付けてな」

商人「はい!!じゃあ行ってきます!!さ、魔法使いちゃん、行こ行こ!」

魔法使い「分かったから、急かさないで…」

商人「で、これからどこに行こっか?」

魔法使い「貴方、人を急かしておいて…北が駄目なら、南しかないでしょ」

商人「そっか、そだね。じゃあ、まだ見ぬ南の町とか村とかお城とかに向かってゴーゴー!!」

魔法使い「朝から元気ね…」

商人「ひー!!この辺のモンスター、強すぎじゃない!?」

魔法使い「そうね、呪文も多彩だし、力も強いわ…貴方最近防具買い替えられなかったでしょう?ダメージが大きいでしょうから、早めに回復するのよ」

商人「そうだね、ポルトガじゃ装備を新しく出来なかったし…次の町では、何か買えるといいなあ…」

魔法使い「でも、買えるとなると…お金預け過ぎたかしら?」

商人「それは大丈夫だと思うよ、売らずにいた装備品を売ったりすれば予算は確保出来るはずだよ」

魔法使い「なるほど。ならやっぱり問題は売ってるかどうか、いえ、その前に町にたどり着けるかだけど…あ、商人、あれ…」

商人「薄暗くなってきたからよく見えないけど、あれは…町!?町だよね!?」

魔法使い「そうみたいね、助かったわ…さあ、あとひと踏ん張りよ、行きましょう」

商人「うん!!」

――バハラタの町

魔法使い「すっかり夜になってしまったけど…お店とかは営業してるのね」

商人「そうだね、アッサラーム見たいではないけど…」

魔法使い「あんないかがわしい町がたくさんあっても困るわ。それより、せっかくお店がやってるんですもの、見て回ってみましょ」

商人「そうだね、じゃあまずは…このお店!!」

武器防具屋「はい、いらっしゃい」

魔法使い「ねえ商人、あの盾…」

商人「うん、このまほうのたて、あたしだけじゃなく魔法使いちゃんも装備出来るみたい。しかもただ硬いだけじゃなくて、魔法からのダメージも減らせるみたいだよ、すごい!!」

魔法使い「これは買いね。予算は大丈夫よね?」

商人「ちっちっちっ、あたしの財政管理を甘く見てもらっちゃ困るよ魔法使いくん、まずあたしが買って、今まで装備してたてつのたてを売れば…」

魔法使い「私の分も帰るというわけね。流石、計画通りね」

商人「へっへ~、あたしは商人、このくらいお手のものよ!!」ドヤッ

武器防具屋「おお、2つも買ってくれるのかい?毎度!!」

魔法使い「あとは胡椒ね…ねえご主人、私達くろこしょうを買いたいのだけれど…」

武器防具屋「くろこしょう?それならここの一軒南の店で売ってるよ」

商人「隣で売ってるの!?なんだ、簡単に買えちゃいそうだね、じゃ行ってみようよ!!」

魔法使い「そうね、じゃあ失礼するわ…あそこね」

商人「あ、他にもお客さんがいる。こんばんはー、お兄さんもくろこしょうを買いに来たんですか?」

剣士「ああ、そうなんだが…」

魔法使い「何かあったの?」

剣士「それがな、私が胡椒を買いたいと言ったら、ここの娘が拐われたとかで胡椒を売ってくれん。困ったものだ…」

商人「ええ!?拐われた!?」

魔法使い「そう簡単に船は手に入らないか…しかし困ったわね、さらわれてしまったなんて…」

――宿屋

商人「ねえ魔法使いちゃん、胡椒屋のおじいさん、可哀想だね…」

魔法使い「ええ、孫娘が拐われて、その恋人も孫娘を助けに出てってしまって…」

商人「こう言ったら悪いけど、あの恋人さんじゃ助けられないよね?戦う人には見えなかったし…」

魔法使い「そうでしょうね…」

商人「ねえ魔法使いちゃん、あたし達であの人達、助けに行かない?あれじゃ可哀想だよ」

魔法使い「ええ、何よりこの事件を解決しないとくろこしょう、そして船だって手に入らないでしょうから。でも、今の私達でどうにか出来るかしら?」

商人「出来るよ!!…って言いたいけど、この辺りの魔物に苦戦してるあたし達じゃあ…」

魔法使い「また少しの間、魔物退治に専念するようね。商人、音を上げないでよ?」

商人「まさか!!すぐに強くなってあの人達助けて、胡椒買って船をもらうの!!絶対やってやるんだから!!」

魔法使い「ええ、その通りよ。私も頑張るわ」

――58日目、バハラタ郊外

魔法使い「ここでの魔物退治も二日目ね。ここまでは順調ね」

商人「攻撃力が高いから、マメに回復しないといけないけど、気をつけてれば大丈夫だよね」

アントベアがあらわれた!!ハンターフライがあらわれた!!まもののむれはいきなり襲いかかってきた!!

アントベアのこうげき!!ハンターフライのこうげき!!ハンターフライはギラをとなえた!!

商人「え!?え!?痛い、痛いよ!!」

魔法使い「っ痛…!まずいわね、この奇襲は…!ごめん、私やくそう使うわ、貴方は攻撃を!」

商人「うん!!…ってモンスター、6匹もいる…まずはチェーンクロスで虫3匹を攻撃!!」ピシャッ

ハンターフライをたおした!!

商人「ダメだ、1匹しか倒せない…あ!!」

アントベアのこうげき!!アントベアのこうげき!!ハンターフライはギラをとなえた!!

商人「痛い…ま、魔法使いちゃん、大丈夫!?」

魔法使い「だ、大丈夫よ、回復が間に合ったから…」

魔法使い「でも今度は貴方が危ないわ。貴方を回復するから、貴方はまた攻撃をお願い!」

商人「うん…今度は…ブーメランで!!とうっ!!」ヒュンヒュン

ハンターフライをたおした!!

アントベアのこうげき!!ハンターフライはギラをとなえた!!ハンターフライのこうげき!!

魔法使い「後手後手ね…回復が間に合ってるからいいものを、今度はまた私を回復しないと…」

商人「だいじょーぶ!!ここを耐えたら…も1度ブーメラン!!」ヒュンヒュン

アントベアをたおした!!アントベアをたおした!!ハンターフライをたおした!!

魔法使い「よし、あと一息ね!なら…ヒャド!!」カキーン

まもののむれをやっつけた!!

商人「あ、危なかった~!もうダメかと思ったよ!!」

魔法使い「私もよ。こんな後手に回る戦いは初めてだったけど、なんとか切り抜けたわね。私達、力や呪文だけじゃなくて、経験面でも強くなっているのかもね」

商人「そうだね。死線を潜り抜けて来たってヤツ?」

魔法使い「大袈裟だけどそんな感じかもね。でも…やっぱり二人だと手数の少なさを感じてしまうわね」

商人「それはあたしも思ったよ、あと一人いればな…って」

魔法使い「二人旅もそろそろおしまいかもしれないわ。でも、今新しいメンバーを加えてもね…」

商人「パーティーに入っていきなり人さらいと対決!!じゃ可哀想かもね。もうちょっと、二人で頑張る?」

魔法使い「ええ、むしろ人さらいを倒したら三人目を迎えられる、それを楽しみにここは乗り越えましょう」

商人「そだね、あと一踏ん張り、がんばろー!!」

商人「必殺・てつのおの!!とりゃー!!」ガンッ

まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「よし、片付いたわね。あ…」

魔法使いはレベルがあがった!!

商人「お、魔法使いちゃん、レベルアップだね!!」

魔法使いレベル20「ふふ、ふふふふふ…」

商人「ま、魔法使いちゃん!?どうしたの?」

魔法使い「…何でもないわ。さあ、魔物退治を続けましょう」

商人「う、うん…あ、噂をすれば!!」

デスジャッカルがあらわれた!!

商人「あのモンスターも力が強い上にマヌーサまで…魔法使いちゃん?」

魔法使い「…霜の巨人よ、その荒ぶる拳を振るい――世界を静寂で染め上げよ!!ヒャダルコ!!」ピキキーン

デスジャッカルをたおした!!デスジャッカルをたおした!!デスジャッカルをたおした!!デスジャッカルをたおした!!

魔法使い「…ふう。今まで貴方に負担をかけすぎていたわ。でももう大丈夫。この呪文があれば…ふふふふふ…」

商人「こ、怖いよ…呪文も魔法使いちゃんも…」

――バハラタの町、夜、宿屋

魔法使い「昨日今日と二日間魔物退治に専念したおかげで、二人ともレベルアップ出来たわね」

商人レベル22「うん、特に魔法使いちゃんの新しい魔法はすごかったね!!この辺の手強いモンスターが相手でもあっという間に戦いが終わっちゃったよ!!」

魔法使い「あのくらいはね…レベル20の魔法使いともなれば、あれくらいの事はやりたいわよ」

商人「あ、急に強気になった」ニヤニヤ

魔法使い「い、いいじゃない少しくらい得意になったって!それより、二人ともレベルがあがったし、明日は少し行動範囲を広げましょう」

商人「じゃあ、ついにあの転職が出来るっていうダーマに行ってみる?」

魔法使い「ええ、もし行けるのなら行ってみましょう」

商人「やった!新しい町はいつだって楽しみだけど、今回は特別に楽しみだよ!!ダーマかあ、どんなところかなあ…」

――59日目

商人「えっほ、えっほ…」ザッザッ

魔法使い「おはよう商人。今日も朝からあなほり?」

商人「あ、魔法使いちゃんおはよ!!うん、見てこれ、どくがのこな!!」

魔法使い「これ、結構高いやつじゃない。あなほりで見つけたの?」

商人「もちろん!!久しぶりに良いもの見つけたよ!!」

魔法使い「まあ、どくけしそうくらいはいつも見つけてるじゃない。それより、今日はダーマに行く予定だから、準備は早めに済ませてね」

商人「あ、そうだった!今準備してくるよ、待ってて!!」ドタバタ…

魔法使い「もう、そんなに慌てなくて良いのよ!」

商人「――でさ、やっぱりあたし、ザ…魔法が使えるようになりたいな。魔法が使えてお金も稼げるせくしーな商人ってすごいと思わない?」

魔法使い「1つ余計な項目が入ってた気もするけど、確かに貴方も呪文を使えたら心強いわね。商人は僧侶になりたいの?」

商人「そだねー、魔法使いちゃんが魔法使いなんだから、あたしは違う魔法が使えた方がいいでしょ?ザキも使えるし!!」

魔法使い「はっきり言うわね、さっき言い淀んでたのはなんだったのかしら…?でも確かに、このまま回復呪文がないと…」

キラーエイプがあらわれた!!キラーエイプはいきなり襲いかかってきた!!

キラーエイプのこうげき!!キラーエイプのこうげき!!キラーエイプのこうげき!!

商人「わわっ、みんな魔法使いちゃんを狙ってるよ、大丈夫!?」

魔法使い「平気よ、このくらい…ヒャダルコ!!」ピキキーン

キラーエイプをたおした!!キラーエイプをたおした!!キラーエイプをたおした!!

魔法使い「いきなり襲いかかってきたからびっくりしたわね。さ、行きましょ」

商人「う、うん。相変わらずすごい魔法…」

――ダーマの神殿

魔法使い「ふう、ダーマは広いわね、何もないならか、他の町よりずっと広く感じるわ」

商人「ホントだね。宿屋と教会しかないや。お店がないなんて…」

魔法使い「お店はないけど、そもそもこんな山奥に買い物に来る人もあまりいないと思うわ…」

商人「そういえばそっか。来るのは、やっぱり転職したい人だよね」

魔法使い「その転職に関しては色々な話が聞けたわね。貴方も聞いてたでしょう?」

商人「うん!商人になりたいって言ってた男の人がいたよね。かっこいいよね、ああいう人をいけめんって言うんでしょ?」

魔法使い「うん、そうね、ちゃんと情報も集めてね?」ニッコリ

商人「や、優しさが怖いよ魔法使いちゃん!いつもみたいに突っ込んでよ!!」

魔法使い「冗談は置いといて、転職は別に回数制限とかはないみたいね。また元の職業に戻ることも出来るみたいだし…」

商人「そだね、あたしも魔法を覚えた後また商人に戻れるみたい!でも、転職するとレベル1からやり直しなんだね…」

魔法使い「そうみたいね。もた体力とかはレベル1相当まで下がるという訳でもないみたいだし、言葉で聞くほど大変ではなさそうだけど…」

商人「でも…それでも、今すぐ転職するのはちょっと難しそうだね」

魔法使い「ええ、それに魔法職になったら今より体力は落ちるでしょうし、そうなるとかなり脆弱なパーティーになってしまうわ」

商人「だよね。やっぱり転職は後回しかあ…」

魔法使い「まあ、ちょうどいいんじゃない?貴方も、そして私も、本当に転職が必要なのか、本当に必要じゃないのか、考え直すのも悪くないわ」

商人「そうだね。もう一度、ゆっくり考えてみようかな…」

魔法使い「さて、転職の話は置いといて、これからはこの付近で魔物退治をするのも悪くないかもね。バハラタ辺りとそう魔物の強さは変わらないわりには実入りはいいし…」

商人「あの~、それなんだけどさ魔法使いちゃん、あたし、1回バハラタに戻りたいなって…」

魔法使い「あら、何かやり残した事でも?」

商人「それが…やくそう買いだめしとくの忘れちゃって…買いに戻らないと…」

魔法使い「ああ、そういえばバハラタ辺りでかなり使ってしまったわね。もう袋の中にもほとんどないわね…」

商人「ごめんね、あたし、ちゃんとチェックしてなくて…」

魔法使い「謝らなくていいわ。私もちゃんは把握してなかったし。それにしても、やっぱり不便ね…」

商人「この神殿の事?お店ないとやっぱり不便だよね」

魔法使い「それもだけど、何より回復呪文がないのがね…」

商人「あ、そっか。やっぱりいずれ転職するようかあ…」

魔法使い「まあ、その話は後よ。まずはバハラタに戻って買い物ね」

商人「そだね?この辺であなほりして出ないかなー…」

魔法使い「あなほりに期待するのね…」

――60日目

魔法使い「もう60日か…私に与えられたのは、あと約300日…多いのか少ないのか…」

商人「考えても仕方ないよ、魔法使いちゃん!先の事より今日の事!やくそうも買ったし、またダーマに戻ってのモンスター退治も順調だし!!」

魔法使い「そうね、今日に限らず、私達の旅は順調な方なのかもね…」

商人「そうそう!それでね魔法使いちゃん、あたしダーマの北の方に何か建物が見えたのが気になってるんだけど…」

魔法使い「建物?町でもあるのかしら?」

商人「ううん、ちらっとしか見てないけど、多分あれ、塔だよ」

魔法使い「塔、か。確かに気になるわね、でも…」

商人「ねえ、魔法使いちゃん、とりあえず行ってみない?危なかったら、すぐ引き返せばいいしさ。いいでしょ?ね、ね?」

魔法使い「…しょうがないわね。どうせ、駄目って言っても無駄でしょうし…」フウ…

商人「やった!!魔法使いちゃん、大好き!!」

魔法使い「…今まで甘やかし過ぎてたかしら…?」

――ガルナの塔

女性「ガルナの塔へようこそ。この塔のどこかに、さとりのしょがあるといいます。さとりのしょがあれば、賢者にもなれましょう」

魔法使い「賢者…!」

商人「ね、ね、魔法使いちゃん、確か賢者ってすごい職業だったよね!?」

魔法使い「ええ、魔法使いと僧侶、両方の呪文が使えて、なおかつそれらより体力的にも装備的にも恵まれた職業らしいわ」

商人「す、すごいすごい!!あ、あたし賢者になりたい!!超なりたい!!…あ、でももしかして、魔法使いちゃんも賢者になりたいの?」

魔法使い「………正直、興味がないわけではないわ。でも…でも私は、やっぱり魔法使いのままでいいわ。また1から賢者の修業をし直すとなると、魔法使いとしての秘儀を修得するのに時間が掛かりすぎるもの…」

商人「じゃさ、じゃさ、あたしがなってもいい?賢者に!」

魔法使い「構わないけど…あまりおすすめしないわよ?」

商人「なんで?魔法使いちゃん、前にあたしも魔法が使えた方がいいって言ってたじゃない!?」

魔法使い「そうだけど、貴方賢者になったとして、呪文全部覚えるまでずっと賢者でいるの?」

商人「え…んー、そこそこ魔法が使えるようになったら、また商人に戻りたいな」

魔法使い「そうでしょう?なら、おそらく1度しか使えないだろうさとりのしょを使ってしまうのは勿体ないわ」

商人「あ、そっか…1回賢者じゃなくなったら、また賢者の修業をしたいと思っても、元に戻れないかもしれないんだ。それに…あたし、勿体ないって言われると弱いなー…」

魔法使い「それに、賢者は成長が遅いと言われているわ。魔法使いと僧侶、両方の呪文を勉強しなければいけないのだから当然だけど…また商人に戻りたい貴方がなっても、中途半端な事になる可能性が高いと思うの」

商人「そっかあ…両方の呪文を使えるスーパー商人、かっこいいと思ったんだけどな…それに成長が遅くなるのも辛いな…今成長が遅くなったら、魔法使いちゃんみたくBで止まっちゃう…」

魔法使い「そっちの成長じゃないわよ!大体私も止まってはいないからね!」

商人「そうなの!?」

魔法使い「そうなの!?じゃないわよ!多分貴方が思ってるよりずっと、私歳いってないわよ?」

商人「しょ、衝撃の事実だあ…魔法使いちゃん、もしかしてあたしと同じくらい?」

魔法使い「流石に、そこまで幼くないわよ

商人「お、幼い!?あたしは、多分魔法使いちゃんが思ってるより大人だよ!?」

魔法使い「とてもそうは思えないけど…」

商人「信じてない…いいよ、今あたしのあだるとなせくしーさを魔法使いちゃんに説明しても仕方ないもの」

魔法使い「そ、そうね。私も下らない事でムキになったわ。さとりのしょと賢者の話だったわよね?」

商人「そうそう。魔法使いちゃんの言う通り、賢者は諦めようかな…」

魔法使い「別に絶対に駄目って言ってるわけじゃないのよ。それに昨日、転職についてはゆっくり考えるって言ったじゃない」

商人「そうだね、今結論を出す必要はないか…でもさ!!」

魔法使い「な、何?」

商人「商人としては、是非さとりのしょは欲しいな!滅多に手に入らない超レアアイテムでしょ?」

魔法使い「まあ、確かにそうね…探す事自体は、私も賛成よ。やっぱり必要になるかもしれないし…」

商人「でしょ?じゃあ是非ともさとりのしょを探そうよ!!別に今日じゃなくてもいいからさ」

魔法使い「そうね、私達にはやることがある。でも、それらが片付いたら、またここに来ましょうか」

商人「うん!でも、帰る前に…」

魔法使い「何?宝探し?」

商人「新しい所に来たらまず、あなほり、あなほり…」ザッザッ

魔法使い「あなほりに関しては本当に真面目ね…」

商人「へへ、2階でいのちのきのみを掘り当てたよ、やったね!」

魔法使い「流石あなほり名人ね。でも、あなほりしてるうちに外はすっかり暗くなってしまったみたいよ私の魔力も減ってきたし、そろそろ帰らない?」

商人「そういえば、今日はバハラタから歩いてここまで来たんだよね。流石にあたしもちょっと疲れちゃったかな。うん、帰ろう!」

魔法使い「じゃあ塔を出ましょう…ああ、やっぱり暗くなってしまったわね」

商人「うん、慣れない土地の夜って怖いね…魔法使いちゃん、気を付けて…あれ?魔法使いちゃん、あれ…」

魔法使い「何か月明かりを反射して光ってるわね…ってすごいスピードで動いてるわ、あれ、魔物かしら?」

げんじゅつしがあらわれた!!メタルスライムがあらわれた!!

商人「ま、魔法使いちゃん、あたし、なんだか分からないけど…あの光ってるモンスター、絶対に倒したい!!」

魔法使い「不思議ね、私も絶対に逃がしてはいけない気がするわ」

商人「やってやろうよ魔法使いちゃん!倒せばきっといいことあるよ!!」

魔法使い「ええ、やりましょう!!」

魔法使い「…とはいえ、あのメダパニ使う魔物を放置してはおけないわね…まずは…ヒャダルコ!!」ピキキーン

げんじゅつしをたおした!!げんじゅつしをたおした!!げんじゅつしをたおした!!

商人「よし、あとはあのメタリックなモンスターを…」

メタルスライムはにげだした!!メタルスライムはにげだした!!

商人「えええ!?逃げちゃうの!?」

魔法使い「まだよ、まだ1匹残ってるわ!!」

商人「うん!こいつは逃がさないよ…とりゃあ!!」ガンッ

ミス!!メタルスライムにダメージをあたえられない!!

商人「か、硬いよ~、手、しびれちゃった…」

魔法使い「これは呪文も効きそうにないわね…どくばりで突いてみるわ!」ドスッ

商人「ど、どう!?」ドキドキ

メタルスライムはにげだした!!

商人「あ~…」

魔法使い「残念ね、悔しいわ…」

商人「ホント悔しい!!倒せたら…なにがあったか分からないけど」

魔法使い「そうね、でもまたきっとチャンスはあるわ。でもあの魔物、昼間は見なかったわよね?夜行性なのかしら?」

商人「たまたま夜見かけただけかも知れないけど、夜の方が好きなやつなのかな…あ、魔法使いちゃん!」

キラーエイプがあらわれた!!メタルスライムがあらわれた!!さつじんきがあらわれた!!

魔法使い「また出たわね!やっぱり夜行性なのかしら?」

商人「今度は逃がさないよ!!この…」

メタルスライムはにげだした!!

商人「ええ~!?ちょ、ちょっと待ってよ~」

――62日目、ダーマの神殿

商人「もう2日も前の事なのに、今思い出しても悔しいよ…」

魔法使い「そうね、でもそれよりも…あれから2日経ってしまったわ。まさか神殿に旅の報告するのに丸一日かかってしまうなんて…本当、神殿も王様もお役所仕事なんだから!」

商人「お、落ち着いてよ魔法使いちゃん、前にも言ったけど、きっとあたし達の旅は順調だよ?そんなに慌てなくても…」

魔法使い「これが私達だけの話ならそうよ。でも…あの人さらいに拐われた人達の事を考えると…」

商人「あ、あ、そうよ!!ど、どうしよう魔法使いちゃん!!」

魔法使い「明日で私達がバハラタに着いてから1週間…明日には決着を着けたいわね」

商人「明日!?今日中に何とかしない?」

魔法使い「駄目よ、焦っては。私達まで捕まる訳にはいかないわ。絶対に人さらい達を倒す。今日はその準備よ」

商人「準備って…まだやくそう買うの?」

魔法使い「買い物も必要でしょうけど、それよりは敵情視察ね。私達、まだ人さらい達の本拠地に行ってないわ」

商人「あ、そっか。じゃあ今日は、人さらいのアジトに行ってみるんだね?」

魔法使い「そう。あの洞窟の魔物の強さや比較的安全な通り道、あと出来れば連中や捕まっている人達がいる場所も探り当てたいわね」

商人「そうだね。今日は準備、明日は人さらい退治…頑張ろうね!!」

――62日目、人さらいのアジト

商人「…結構ダーマから近い場所にあったね」

魔法使い「そうね。こんな場所に人さらいがいるなんて、近くの人達は怖いでしょうね」

商人「転職目当てで来る人達も怖いだろうね。それなのになんで人さらい達を何とかしようっていう人がいないんだろう?大きな王国とかがなくて、兵隊さんが動かせないから?」

魔法使い「それもあるもかも知れないけど…それほど手強い相手という事かもしれないわ。それに、例え王国があっても、どうにかなったかは怪しいわね」

商人「そうかな?」

魔法使い「ロマリアはどうだったか覚えてる?王様は自分の冠1つ盗賊から取り戻せなかったじゃない」

商人「あ、そっか…じゃあやっぱり、今回もあたし達が何とかするしかないね」

魔法使い「そういう事ね。それにしても…船を手に入れるというのは大変な労働ね…」

商人「ねえ、魔法使いちゃん、宝箱いくつか見つけたけどさ…」

魔法使い「ええ、2つが魔物で、他は現金が多かったわ。もしかしたら、人さらい達が仕掛けたり、保管しておいたものかもしれないわね」

商人「魔物が入ってる箱とか、どうやって手に入れたんだろ…どこかで買えるのかな?」

魔法使い「取引とかそういう事は貴方の方が詳しいでしょう?そういう話、聞いたことないの?」

商人「ないよそんなの…でも、旅をして分かったけど、この世の中はあたしの知らない事がたくさんあったから…もしかしたら、モンスターを取引してる商人とかもいるのかも…」

魔法使い「それはいるでしょうね。大体、貴方の好きなモンスター格闘場に魔物を連れていくのはどういう人だと思うの?」

商人「あ…そういえば…そっか、そういう商売もあるんだね…どうしよう、今のあたしくらい強ければ、モンスターを捕まえて売り飛ばしたりとかも…」

魔法使い「ちょ、ちょっと本気なの!?」

商人「じょ、冗談だよ!!そんな事しないよ………カザーブ辺りのモンスターなら、あたしでも…」ブツブツ

魔法使い「…本当に冗談かしら?」

商人「あ、魔法使いちゃん、下に下りる階段だよ!」

魔法使い「ちょっと迷ったけど、やっと見つけたわね。じゃあ下りてみましょう」

商人「そうだね……魔法使いちゃん、ここって…」

魔法使い「ええ、人が出入りしている痕跡があるわ。間違いなく、ここが人さらいの本拠地ね」

商人「ねえ、やっぱり乗り込まない?あたし達なら…」

魔法使い「駄目よ。いくらか迷ったから、体力も魔力も消耗してしまったわ。ここは引き返して、ここに来るための最短の道を確認しましょう」

商人「うーん…」

魔法使い「拐われた人達が心配なのは分かるわ。でも、まだきっと売られたりしないでいるはずよ」

商人「分かるの!?」

魔法使い「必ず、という訳ではないけど…人さらいなんて危険な仕事してたら、いつまでも同じ場所にはいないんじゃないかしら?ある程度仕事をしたら、さっさとここからいなくなるはず。それが、この様子だとまだ人がいるみたいだし…」

商人「まだ一仕事終わってない可能性が高いって事かあ。確かにそうかも。人さらいなんて事を仕事なんて言い方するの、ちょっとイヤだけど…」

魔法使い「気持ちは分かるけどね。さあ、気付かれる前に引き上げましょう。今日乗り込まないからって、まだやることはあるわ」

商人「ここまでの道の確認だよね。そうだね、そっちも大事だね…うん、じゃあ行こ?」

魔法使い「ふう、ここの魔物もなかなか強いわね」

商人「敵の本拠地も探り当てて、最短の道筋も確認したのに、あたし達まだ洞窟の中…」

魔法使い「せっかくだもの、ついでに少しくらい魔物退治していきましょうよ」

商人「魔法使いちゃんのコンタンは分かってるよ、あわよくばもうちょっとレベルを上げたいんでしょ?」

魔法使い「ええ、これも準備の一環よ」

商人「ホント魔法使いちゃんって石橋を叩いて渡るっていうか…そんなに叩いたら橋、壊しちゃうよ?」

魔法使い「壊れたなら渡らなきゃいいじゃない。壊れるような橋を渡らなくて済んだなら万々歳よ」

商人「うーん、分かったような納得いかないような…」

魔法使い「慎重に行動するに越したことはないわ。でないと、また…あ、魔物よ!」

げんじゅつしがあらわれた!!

商人「うわ、この魔物嫌い…マヌーサもメダパニもイヤだし、何より見た目がちょっと…」

魔法使い「厄介な相手よね。でも今までもそこまで苦戦した事はないわ、いきましょう!」

商人「まずはあたしが…とうっ!!」ピシャッ

げんじゅつしはメダパニを唱えた!!魔法使いはこんらんした。

魔法使い「…つも…」

商人「え?」

魔法使い「いつもいつもBだBだBだ…好きでBな訳じゃないわよ!!」

商人「えええ!?メダパニって、混乱ってこういう事なの!?」

魔法使い「…我が怒り!!両の手に宿れ!!灼けつく炎となり、悪しき存在を焼き尽くせ!!」

商人「こ、怖い怖い、その魔法怖い!!」

魔法使い「私の怒りを知りなさい!!メラミ!!」ゴオオォ

商人「熱い熱い、熱いよ魔法使いちゃん!!私の冒険者人生で、ミイラのつうこんのいちげきの次に痛いよ!!」

魔法使い「まだ…まだよ…まだ…」

商人「どどどどうしよう!?そ、そうだ、モンスター、モンスターを倒してから正気に戻ってもらおう!!そりゃあ!!」ピシャッ

げんじゅつしをたおした!!げんじゅつしをたおした!!

商人「や、やった!!ま、魔法使いちゃん、しっかりしてよ、魔法使いちゃん、魔法使いちゃんってば!!」

魔法使い「貴方だってB………?私、どうなって…?」

――ダーマの神殿、宿屋、夜

商人「はあ…あたし、魔法使いちゃんにあんなに恨まれてたなんて…」

魔法使い「だから、あれは混乱してただけで、本心じゃないわよ!…メラミまで撃ったのは謝らなければならないけど…」

商人「しかも、帰り道また魔法使いちゃん混乱して…私の魔力の初めての使い方、魔法使いちゃんのマホトラだった…もうあたし、お嫁に行けない…」

魔法使い「もう、マホトラ使われてお嫁に行けなくなったなんて聞いたことないわよ!…とにかく、今日は不注意が多かったわ。ごめんなさい。今後は、こういう事がないようにするから…」

商人「しかも、魔法使いちゃんだけレベル上がったよね」

魔法使い「レベルはいつも順番で上がるでしょう?もう、いい加減にしないと怒るわよ?」

商人「うそうそ、じょーだんだよ!ちょっとからかっただけだって!」

魔法使い「もう、本当にこの子は…!まあいいわ、とにかく、明日はいよいよ人さらいと対決しなければならないんだから、ちゃんと気を引き締めてよ?」

商人「もちろん!!人さらいなんか、けちょんけちょんにしてやるんだから!!」

――63日目、人さらいのアジト

魔法使い「ここに来るまで、あまり魔物に会わずに来られたわね。魔力もあまり使わずに済んだわ」

商人「で、この洞窟は…まず最初の分かれ道は真っ直ぐで…」

魔法使い「次の分かれ道は左ね。で、そのまま真っ直ぐ進んだら、扉があるから…」

商人「その扉を開けたらまた左。あとは真っ直ぐで…階段!」

魔法使い「この洞窟では、1度も闘わずに済んだわ。順調ね」

商人「この洞窟、モンスター少ないよね…人さらい達が退治してるのかな?ど、どうしよう魔法使いちゃん、人さらい達もすごいレベルアップとかしてたら…」

魔法使い「大丈夫よ、私達だってレベルを上げてきたもの、絶対に負けないわ。貴方も、気を強く持って!」

商人「そ、そうだね。ここまで来たら、覚悟を決めるしかないよね…じゃ、行こうよ!!」

魔法使い「さあ、いよいよ敵の本拠地よ。準備はいい?」

商人「うん、使わなそうなものをやくそうに持ち替えて…準備おっけー!!」

魔法使い「じゃあ、覚悟を決めて…行くわよ!!」

手下「なんだお前ら、俺たちの仲間になりたいのか?」

商人「そんなわけないでしょ!!拐われた人達を返して!!」

手下「じゃあここを通す訳にはいかねえな…やっちまえ!!」

カンダタこぶんがあらわれた!!

魔法使い「4人か…もっといるかと思ったけど…」

商人「この程度ならラクショーだよ!!いっくよー!!」

商人「行くよ、それっ!!」ピシャッ

カンダタこぶんのこうげき!!カンダタこぶんのこうげき!!

魔法使い「見た目ほどたいした攻撃じゃないわ!ヒャダルコ!!」ピキキーン

カンダタこぶんはルカナンをとなえた!!

商人「うわっ!?って効かないよ、魔法使いちゃんは?」

魔法使い「私も効かなかったわ!最初の攻撃で一人も倒せなかったのは驚いたけど…もう1発、ヒャダルコ!!」ピキキーン

カンダタこぶんをたおした!!カンダタこぶんをたおした!!カンダタこぶんをたおした!!カンダタこぶんをたおした!!

商人「よしっ、退治完了!!あたしもレベル上がったし、あとは拐われた人達を助けるだけだよ!!」

魔法使い「そうね。奥の方に行ってみましょう」

女性「助けて下さい!バハラタの町から拐われた者です!!」

男性「そこのレバーを上げればこの牢屋から出られるはず!!さあそのレバーを!!」

魔法使い「二人とも無事なようね」

商人「レバーってこれだよね?えいっ!」ギギギ…

女性「ああ、助かった!!私達、助かったのね!!」

男性「ありがとうございました!!このご恩は一生忘れません!!さあ、行こう!!」

女性「ええ!!」タタタ…

商人「あーあー、あんなに慌てちゃって…でも、無理もないよね、ずっと牢屋の中にいたんだもの」

魔法使い「二人とも、少し痩せてたけど元気そうね。女性の方は、乱暴された様子もないし…」

商人「それはそうだよ、人さらいからしたらあの人達は商品だもん、商品を雑には扱わないよ」

魔法使い「なるほど、ある意味プロの商人、というわけね」

商人「人さらいと同じ呼ばれかたはイヤだけど…」

女性「きゃーーーー!!」

魔法使い「!?今の声は…?」

商人「あの女の人だよね?行ってみよ、早く!!」

女性「た、助けて下さい!」

男性「僕はいいから、彼女を!!」

商人「げ、あの人達って…!!」

カンダタ「なんだ?こんな奴ら拐った覚えは…げ!!またお前らか!!」

魔法使い「ロマリアのきんのかんむりを盗んだ盗賊ね!!まだ悪事を働いてたの?」

カンダタ「今度は前のようにはいかんぞ!!やっつけてやる!!」

カンダタがあらわれた!!カンダタこぶんがあらわれた!!

魔法使い「手下は二人。2対3だけど…」

商人「かんけーないよ!!今回も勝つのはあたし達だよ!!さ、やろ、魔法使いちゃん!!」

魔法使い「まずは手下を倒しましょう!ヒャダルコ!!」ピキキーン

商人「あたしも、えいっ!」ピシャッ

カンダタこぶんはルカナンをとなえた!!カンダタこぶんのこうげき!!カンダタのこうげき!!

商人「いったあ…ルカナン効いちゃった…」

魔法使い「守備力を戻さないと…スクルト!!」ミュイイーン

カンダタこぶんはルカナンをとなえた!!

魔法使い「くっ、これじゃいたちごっこ…いえ、手数の少ない私達がじり貧ね…」

商人「ここはまとめて…ブーメラン!!」ヒュンヒュン

カンダタこぶんはベホイミをとなえた!!

魔法使い「回復呪文!?駄目、やっぱり手下を先に倒さなきゃ、多少ダメージを受けても…ヒャダルコ!!」ピキキーン

商人「じゃああたしはチェーンクロスで!!」ピシャッ

カンダタこぶんをたおした!!カンダタこぶんをたおした!!

カンダタのこうげき!!つうこんのいちげき!!商人はしんでしまった!!

魔法使い「!?商人…!!」

魔法使い「商人が死んでしまった…私一人でこの男を倒せるの?…駄目よ、弱気になったら。商品として拐ってきた人達はともかく、殴り込んできた私達は、商人はどんな目に遭うか…諦められないわ!魔力こそが我が鎧!!岩の如き堅牢さを我に!!スカラ!!」ミュイーン

カンダタのこうげき!!

魔法使い「…大丈夫!つうこんのいちげきさえ来なければ、死にはしないわ!!メラミ!!」ゴオオォ

カンダタのこうげき!!

魔法使い「負けられないわよ、貴方なんかに!!メラミ!!メラミ!!メラミ!!メラミ!!メラミッ!!」ゴオオォ

カンダタのこうげき!!

魔法使い「しつこいわね!お願い、魔力が尽きる前に…メラミッ!!」

――カンダタをたおした!!

魔法使い「やった、倒した…商人、やったわ…」

女性「あ、ありがとうございました、勇者様!!」

魔法使い「…勇者?いえ、私達は…」

男性「これで本当にバハラタに帰れる!!さあ、早く帰ろう!!勇者様、私達は先に帰ります、お礼は、バハラタの町で…それでは!!」

魔法使い「あ、待って…行ってしまったわね、まあ、この洞窟は魔物も多くないし大丈夫か…それより、我が身の心配だけど…まだ少し魔力が残ってるわ。待っててね商人、すぐに生き返らせてあげるから…リレミト!!」

――64日目、バハラタ

商人「ん…」

魔法使い「生き返ったわね。気分はどう?どこか痛くない?」

商人「生き返った…!あ、あたし、あの人さらいに…あ!!も、もしかしてあたし達、また全滅したの…?」

魔法使い「いえ、あいつらはちゃんとこらしめたわよ。あの二人も、無事帰って来られたわ」

商人「ホントに!?魔法使いちゃん一人で、あいつに勝ったの!?」

魔法使い一人じゃないわ、二人でよ」

商人「ううん…今回はあたし、何もしてないよ…ほとんど魔法使いちゃん一人で…」

魔法使い「そんなわけないでしょ。大体貴方が攻撃を受けてくれたお陰で、私は生き延びられたんじゃない」

商人「うん、そうだけど…」

魔法使い「もう、落ち込むなんてらしくないわよ。それより、二人を無事に助けられた事を喜びましょ?さ、行くわよ」

商人「行くって、どこに…?」

魔法使い「貴方、なんであの二人を助けに行ったのか忘れたの?くろこしょうを手に入れるためじゃない」

商人「あ…あ、じゃ、じゃああたし達、ついにふ、船を…!?」

魔法使い「ふふ、そうよ。さあ、胡椒屋さんに行きましょう」

男性「いらっしゃいませ…ああ、貴方達は!!助けていただいて、本当にありがとうございました!!」

商人「無事帰って来れて良かったですね!彼女さんも元気ですか?」

男性「ええ、おかげさまで!!…あの、胡椒をお求めですか?」

魔法使い「ええ、今日はそれを買いに…」

男性「そうですか、さ、どうぞ!!お代なんてとんでもない!!」

商人「いいんですか!?お金はちゃんと取らないと…」

男性「いえいえ、命の恩人からそのような事は!!さ、お持ち下さい!」

魔法使い「そこまで言うなら…じゃあ、いただいていくわ。ありがとう

商人「ありがとうございます!…かえって悪かったんじゃ…」

男性「いえいえ、二人の命と比べたらこんなもの…また必要になったら、いつでもお出で下さいね!!」

くろこしょうをてにいれた!!

商人「やったね魔法使いちゃん、これで船が手に入るよ!!あたし達の船だよ!!」

魔法使い「ええ、まだちょっと信じられないけど…」

商人「ホントだね!!ね、船が手に入ったらさ、まずはどこ行こ?やっぱりあたし、1回アリアハンに行きたいな!!」

魔法使い「船でアリアハンか…いいかもしれないわね。みんなきっとビックリするわよ」

商人「だよね?じゃさ、船でアリアハン行ってさ、町のみんなを驚かせちゃおうよ!!じゃ、早速ポルトガに戻って船もらいに行こ!!ね、ね?」

魔法使い「気持ちは分かるけど…ごめんね、私今日はもう休みたいの…」

商人「あ…魔法使いちゃん、人さらいと戦ってからまだ休んでないをだもんね。ごめんね、あたし一人ではしゃいじゃって…」

魔法使い「良いのよ、嬉しいのは私も一緒。ただ、船は逃げないから…ね?」

商人「うん、分かってる。じゃあ今日は、もう休も?」

魔法使い「ええ、そうね。宿屋に行きましょう」

商人「…今回は魔法使いちゃんにばっかり大変な思いをさせちゃった。やっぱりあたし、今のままじゃダメなのかな…」

――65日目

商人「えっほ、えっほ!」ザッザッ

魔法使い「おはよう。今日も朝から精が出るわね」

商人「おはよう!!全部で6ゴールドしか出なかったけどね」

魔法使い「さあ、あなほりも終わったなら出掛けましょう。今日はいよいよポルトガに船をもらいに行くわよ」

商人「………それなんだけどさ魔法使いちゃん、ポルトガに行く前に、ダーマに行って良いかな?」

魔法使い「ダーマに?構わないけど…昨日はあれほどポルトガに行きたがってたのに、どうしたの?」

商人「うん……あたし、あたしね、やっぱり転職するよ。ううん、したい」

魔法使い「転職!?貴方が自分で決めたのなら反対はしないけど…本気なのね?」

商人「うん……あたし、人さらいとの戦いで役に立てなかったし、このままじゃ…」

魔法使い「だからあれは…」

商人「魔法使いちゃんに迷惑をかけたとか、そういう事だけじゃなくて…あたし、自分自身が許せなくて、それで…」

魔法使い「…分かったわ。そこまで言うなら、もう何も言わない。でも1つだけ。今回の事だけでそんなに思い詰める必要なんて、何一つないのよ?旅を始めたばかりの事、覚えてる?私、死んでばかりで、貴方に迷惑をたくさんかけたわ。それに比べたら、今回の事くらいなんて事ないのよ」

商人「うう…魔法使いちゃん…魔法使いちゃ~ん…」ヒック

魔法使い「泣かないの。それに、転職は商人としてのスキルアップの手段でしょ?貴方はこれから呪文をたくさん覚えて、呪文の使えるスーパー商人になるのよ?その門出はめでたいものよ、泣き顔じゃいけないわ。ね?」

――ダーマ神殿

「ね、ねえ、魔法使いちゃん…」

魔法使い「なあに?」

僧侶「ど、どうかな、このカッコ…ヘンじゃない?」

魔法使い「そんな事ないわ、良く似合ってるわよ」

僧侶「そ、そうかな…えへへ」

魔法使い「でも、貴方は今、レベル1に戻ってしまったわ。危ないから、しばらくは私の後ろにいるのよ」

僧侶「う、うん。ん~、後ろって初めてだから、なんか新鮮…」

魔法使い「さて、装備も持っていたもので大体間に合ったわね。じゃあ、ちょっとこの辺りで魔物退治してく?貴方も、今の実力の確認と、とりあえずのレベルアップ、したいでしょう?」

僧侶「うん、そうだね…ねえ、魔法使いちゃん。あたし、これからたくさん魔法使えるようになるんだよね?」

魔法使い「そうよ、私とは違う呪文を、私と同じくらいたくさんね」

僧侶「そっかあ…えへへ、楽しみだね!」

魔法使い「ええ、私も楽しみよ。貴方がどんな呪文を覚えるのか…じゃあ、行きましょう」

僧侶「うん!!」

――夜、宿屋

魔法使いレベル23「1日無事に魔物退治出来たわね。私もレベルが上がったけど、貴方はたくさん上がったわね」

僧侶レベル11「すごいよ、あたしもう7つも魔法使えるようになったよ!!」

魔法使い「守備力はともかく、体力ももう私より多くなったし…これなら船旅が始まっても平気ね」

僧侶「いよいよ船旅かあ…楽しみだね。あたし、今夜寝れないかも…」

魔法使い「私も眠れないかもしれないわ。でも、少しでも寝ないと。貴方も今日は疲れたでしょう?」

僧侶「うん、でも今日は転職したし、明日は船だし、もう頭の中がいっぱいで…」

魔法使い「まあ、いろいろあったからね…」

僧侶「うん…あ、そうだ、魔法使いちゃん、魔法使いちゃんに言わなきゃいけない事があるんだ」

魔法使い「なに?」

僧侶「えっと、転職して、また1から勉強中の身ですが、これからも、末長く…」

魔法使い「なにそれ?似合わないわよ、そんなの」クスクス

僧侶「な、なによー!!せっかく精一杯悩んで考えたのに…」

魔法使い「はいはい、よろしくね」

僧侶「むー、納得いかない…」

――69日目

魔法使い「もう!すぐに船に乗れると思ってたのに、ダーマ神殿への報告とルーラとポルトガの王様への報告で、気がつけばもう何日も経ってたわ!!」

僧侶「ま、魔法使いちゃん、落ち着いて…神殿はともかく、ポルトガの王様への報告は、胡椒を手に入れるのと一緒に受けた依頼だったじゃない」

魔法使い「そうだけど…」

僧侶「王様も、見たことない土地の話をたくさん聞きたかったんだよ。仕方ないよ魔法使いちゃん、ね?」

魔法使い「そうね…貴方、僧侶になってから少し落ち着いた?」

僧侶「だって僧侶だよ?清らかで優しい心を持ってなきゃ!あたしなら元からオッケーだとしてもさ」

魔法使い「ああ、そうね…」

僧侶「あ、でもどうしよう魔法使いちゃん、あたし僧侶なのにこんなにせくしーだいなまいつだよ!?やっぱりまずいよね!?」

魔法使い「はいはい」

僧侶「転職したての新米の悩みだよ!?もっと親身になって聞いてよ!!」

魔法使い「そんな話より…いよいよ船に乗れるのよ、私達!」

僧侶「そうだね、こんな大きな船に乗れるんだ…ね、ね、早く、早く乗ってみようよ!!」

魔法使い「ええ、行ってみましょう」

僧侶「…うわあ、乗ってみると意外と揺れるね…あ、船乗りさん、これからよろしくお願いします!!」

魔法使い「よろしくお願いします」

船乗り「ああ、ポルトガ王のご命令だからな、地のはてまでも行ってやるぜ」

僧侶「すごいね!!で、魔法使いちゃん、まずはどこ行こっか?」

魔法使い「それは、前に行った通りアリアハンへだけど…まずはあの、向こうに見える灯台に行ってみない?」

僧侶「灯台…?あ、あれかあ、そうだね、行ってみよう!!」

――ポルトガ南の灯台

僧侶「うわあ、高い灯台だね…」

魔法使い「そうね、こんなに高いなんて…あ、頂上みたいね」

大男「なんだ?お客さんか」

僧侶「あ、こ、こんにちは

大男「お前さん達、ポルトガの王様から船をもらったクチだな?なら海の初心者ってわけだ、ならここに来たのは正解だぜ。海の男の俺がなんでも教えてやるよ」

魔法使い「頼もしいわね。なら、アリアハンへはどう行ったらいいか教えてくれるかしら?」

大男「アリアハン?ならまずは南だな。この大陸の南端がテドンの岬。そこから東へ行くとランシール、さらに東へ行けばアリアハンだ」

僧侶「すごい、ホントに何でも知ってるんだ!!」

大男「はは、ほめてくれたついでに教えてやるとな、この世界に散らばる6つのオーブを集めれば、船が要らなくなるって話だぜ」

魔法使い「船が要らなくなる…?どういうことかしら…?」

大男「それまでは分からんよま、とにかく南へ行ってみな」

僧侶「分かりました、ありがとうございます!!」

僧侶「でも、船が手に入ったばっかりなのに、もう船が要らなくなる話なんて…なんだかピンと来ないよね?」

魔法使い「そうねえ…まるで雲をつかむような話だわ。でも、私達に今すぐどうと言う話ではないわね」

僧侶「それもそっか。まずあたし達は、この船で行けるところまで行ってみたいよね!!」

魔法使い「ええ、まずは私達の故郷アリアハン。そういえば貴方、船に乗れるようになったらする事、覚えてる?」

僧侶「する事?…アリアハンに行って…あ、新しい仲間!!」

魔法使い「ええ、あの人さらいとの戦いも、結局数で負けてた時に押し込まれてなきゃ、あんなに苦戦はしなかったはずよ。今現在、特別な目的もないし、新しい仲間を育てながら、ゆっくり旅をする、というのも…」

僧侶「なるほど、あたしも転職したてでちょっと足引っ張りそうだし、そうしてもらえると助かるな。うん、じゃあそうしようよ!!」

魔法使い「決まりね。じゃあアリアハンへ向けて、張り切って行きましょう!」

僧侶「ねえ魔法使いちゃん、海って思ったほどモンスター出ないね」

魔法使い「そうね…さっき会ったくらげの群れだけね」

僧侶「この感じなら順調に行けそうだね!でも、今日はどこまで行くの?」

魔法使い「どうしようかしら?そういえばさっき寄った小さな教会で、南にテドンの村人がどうとか言ってたわよね」

僧侶「テドンって、あの灯台にいた人も何か言ってたよね、確かこの大陸の南の端だって…」

魔法使い「そう言ってたわね。じゃあ今日は、とりあえずそのテドンの村を目指しましょう」

僧侶「りょーかい!!迷わず行けるといいね!!」

――夜、テドンの村

魔法使い「ここがテドンの村…すっかり暗くなってしまったわね」

僧侶「うん、でも夜なのに賑やかな村だね」

魔法使い「そうね、お店もやってるみたいだし。でも…」

僧侶「やっぱり魔法使いちゃんも気になる?ボロボロだよね、この村」

魔法使い「いくら近くに大きな町もない田舎だって、これはさすがに…村の人達は気にしないのかしら?」

僧侶「うーん…とにかくいろいろ歩いてみようよ。あ、でも毒の沼地ばっかりだね。町の中なのに、なんでこんなに…」

魔法使い「それは大丈夫。未知、未踏、未見を貪る強き力を我らが足に!!トラマナ!!」ピカー

僧侶「あ、毒の沼地も平気になった!」

魔法使い「これで安全よ。さあ、行きましょう」

僧侶「魔法使いちゃん、この村の武器防具屋の品揃えすごい!!あたしに装備出来るものもたくさんあるよ!!」

魔法使い「ふふ、僧侶に転職しても、やっぱりお店の品揃えは気になるのね」

僧侶「そうだよ、あたしは今でも商人が本業のつもりだもん!!」

魔法使い「それで、どれがいいの?」

僧侶「まずは、このまほうのよろい!!打撃にも魔法にも強いの!!あと、このとんがりぼうしも守備力が高いよ!!」

魔法使い「良いものなら両方買ってしまえば?お金は余裕あるんでしょ?」

僧侶「もっちろん!!18000ゴールド以上あるよ!!何でも買えちゃう!!」

魔法使い「じゃあ迷う必要はないわね。貴方は今レベルが低くなってるんだから、その分を装備で補わなくちゃ」

僧侶「そうだね、じゃあおじさん、両方下さい!!」

武器防具屋「はい、毎度!!」

僧侶「うーん、安いのはいいけど、ベッドボロボロだね、この宿屋…」

魔法使い「村の様子を見れば、まあ仕方ないわね…もう夜も遅いし、別の町を探す訳にも行かないし…」

僧侶「そうだね、寝れるだけいいかな。船旅も結構疲れるから、寝ないで旅を続けるのも大変そうだし」

魔法使い「船は乗りなれないからか疲れたわね。そう考えると、なかなかいい位置にある村とも言えるかもしれないわね」

僧侶「ホント!!ここに村がなかったら大変だったよ。こんなベッドでも、休めるだけ感謝しなきゃね!」

魔法使い「さあ、もう寝ましょう。今日はだいぶ遅くなってしまったし、明日もまた船旅だし…」

僧侶「そうだね、寝よう寝よう!!じゃ、おやすみー」

――70日目

僧侶「ま、魔法使いちゃん、魔法使いちゃん!!起きて起きて!!た、大変、大変だってば!!魔法使いちゃん!!」

魔法使い「んん…なに、どうしたの…?」ファァ…

僧侶「む、村が…村が!!」

魔法使い「村が…?え、これは…!!」

僧侶「誰もいないの、いなくなってるの!!ううん、いなくなったっていうより…」

魔法使い「…滅ぼされてるわね」

僧侶「ど、どういう事なの!?あたし達が寝てる間にモンスターが攻めて来たの…?」

魔法使い「いえ、そんな感じではないわね…これはむしろ…もうずっと前に滅んでいたんじゃないかしら?」

僧侶「え、え、ど、どういう…?」

魔法使い「おそらくだけれど…この村はもうずっと昔に滅んでいて、理由は分からないけど夜だけは、人々が昔の姿で現れる…」

僧侶「そ、そんな事って…」

魔法使い「そうね、ありえないわね。でも、実際に私達は夜、この滅んだ村の村人達に会った。買い物までしたわ」

僧侶「ど、どうしよう魔法使いちゃん…」

魔法使い「どうしようと言われても…とにかく、村の中を調べて見ましょう。何かあるかも…」

僧侶「う、うん…やっぱりこうして見ると、すごい荒れてるね…」

魔法使い「そうね、夜だから気づかない事もあったけど、明るくなって見ると…」

僧侶「ね、ねえ、魔法使いちゃん、これってやっぱり、魔王が…?」

魔法使い「そうでしょうね、昨夜の…村人達も、魔王の居城が近いって言ってたし…」

僧侶「…魔王って怖いんだね。村をこんな風に出来ちゃうなんて…」

魔法使い「ええ…話には聞いていたし、分かっていたつもりだけど…」

僧侶「…村ひとつをこんな風にしちゃう力も怖いけど…こんな事をしようと思う考えっていうか、心っていうか…それがなにより怖いよ…」

魔法使い「…」

僧侶「やっぱり、生きてる人はいなかったね…」

魔法使い「分かってはいた事だけど…手に入ったのはこのランプくらいね」

僧侶「この、あたしの装備もだよ。鎧と帽子は、朝になっても消えないのにね。不思議だね…」

魔法使い「そうね…さあ、この村にこれ以上いても仕方ないわ。もう行きましょう。それに、魔王の居城が近いという話が本当なら、あまり長くこの場所にいるのは危険だわ」

僧侶「うん…ねえ、魔法使いちゃん。こういうのって、悲しいね。あたし達で、何とか出来ないかなあ…?」

魔法使い「今は無理でしょうね。でも…私達は今までも、無理な事をやってのけてきたわ。時間をかけて、じっくり力をつければ、もしかしたら…」

僧侶「…そうだね、今何とか出来ないのは悔しいけど…でも、いつかきっと…!」

魔法使い「さて、気を取り直して行きましょう。アリアハンに向かうには、次は――」

僧侶「ランシール、だったよね?」

魔法使い「ええ。ランシールを経由してアリアハンという話だったわね。今日中にランシールに着けばいいけど…」

僧侶「このテドンの岬から東だったよね?真っ直ぐ東でいいのかな?」

魔法使い「さあ…でもあの灯台にいた人の言う事を信じるしかないわ。もし見つけられなかったら…困るわね…」

僧侶「まさかまたこの村に戻ってくる訳にもいかないもんね…迷わず行けるといいなあ…」

魔法使い「…夜になってしまったわね」

僧侶「うーん、今日中には見つからない?でも、やっぱり海ってモンスター少ないし、体力的には余裕あるよね」

魔法使い「そうね、思ったほど強くもないし…でも、出来れば夜はベッドで寝たいものね」

僧侶「結構長い間旅してきたけど、あたし達1度も野宿とか徹夜で歩いたりとかしてこなかったよね」

魔法使い「考えてみれば奇跡的ね。そして…ほら、今日も宿には困らなくて済むみたいよ」

僧侶「え…?あ、あれ、陸!?陸が見えるよ、魔法使いちゃん!!」

魔法使い「ええ、きっとあれがランシールなのね。さあ、上陸の準備をしましょう」

僧侶「うん!!楽しみだね!!」

魔法使い「…上陸はしたけど、なかなか町が見えてこないわね」

僧侶「森とか山が多くて歩きづらいね。朝までに町、見つけられるかなあ?」

魔法使い「そんなに大きくない島に見えたから、そのうち見つかるとは思うけど…それにしても、この島の魔物は変わってるわね」

僧侶「テドンの周りにいるようなモンスターに、砂漠で見た緑のカニ…あとロマリア辺りにいたモンスターもいたよ。変だよねえ?」

魔法使い「そうねえ、それほど強い訳じゃないのが救いだけど…」

僧侶「待って!魔法使いちゃん、あれ、灯りが見える!!」

魔法使い「本当ね…あれ、町かしら?ようやく休めそうね」

僧侶「やっと見つけたね!どんな町なのかな?早く行こ、ね、ね?」

魔法使い「慌てないで…もう。暗いんだから、気を付けないと転ぶわよ」

――ランシールの村

僧侶「…小さな村だね」

魔法使い「そうね。夜だから仕方ないけど、お店も開いてないし…」

僧侶「お店がやってないのは残念だけど…今日は宿屋があっただけ嬉しいね」

魔法使い「そうね、野宿しないで済んだわ。野宿だったら、誰かさんは寝たら朝まで起きないから私が見張りするようだったし…」

僧侶「え~、寝坊助さんな魔法使いちゃんの方が…」

魔法使い「いーえ、貴方は朝早いけど、それまではノンストップで爆睡だもの、交代で見張りなんて出来ないわ。何なら今度野宿になったら試してみる?」

僧侶「むー、やってやるよ、後悔させてあげるんだから!!」

――71日目

僧侶「おはよーおはよー!!魔法使いちゃんおはよー!!ざ、起きて起きて!!ねえ、こういうときぱぱっと起きれないようじゃ、やっぱり交代で見張りなんか出来ないんじゃないのー?」ドヤドヤッ

魔法使い「んーもー、朝早いだけじゃ見張りに強い訳じゃないって…」

僧侶「早く早く、はーやーくー!!」バンバン

魔法使い「…はいはい、分かったわよ、全く…貴方ただ早く村を見て回りたいだけじゃないの?」

僧侶「え?まあ、それもあるけど…えへへ…」

魔法使い「…全く、村は逃げないわよ。今準備をするから、ちょっと待って…」

僧侶「じゃ、あたし外であなほりしてるから、準備出来たら読んでね!!」タタタ…

魔法使い「転職してもあなほりには熱心ね…」

僧侶「うーん、明るくなってから見てもやっぱり小さな村だね…」

魔法使い「小さくても、お店の品揃えはいいかもしれないじゃない。どうだったの?」

僧侶「うん、確かに品揃えは良かったけど、あたし達に必要なものはテドンと変わらない品揃えだね…」

魔法使い「そう、残念ね。でも道具屋には、名物があるって話よ」

僧侶「え、ホント!?見たい見たい、行こ、魔法使いちゃん!!」タタタ…

魔法使い「もう、本当に落ち着きがないんだから…」

僧侶「あ、これ、きえさりそう…?」

魔法使い「姿を消せる薬のようね。私達魔法使いも同じ事出来る呪文を覚えるけど、あれはかなり高位の呪文だから…」

僧侶「じゃあこれ、結構すごい道具なんだ?」

魔法使い「魔法使いの視点からみればそうなるわね。1つくらい買っておいたら?」

僧侶「そっかあ。じゃあこれ、1つ下さい!!」

道具屋「お買い上げありがとうございます」

魔法使い「この村であと見るべきものは…神殿かしら」

僧侶「そうそう、大きな神殿があるって話だったよね?でも、そんなに大きいのに、どこにも見当たらない…」キョロキョロ

魔法使い「神殿、だからね。きっと奥まった所にあるはずよ。ダーマ神殿だって、山の中にあったでしょう?」

僧侶「奥まったところ…この森の向こう?」

魔法使い「多分ね。さあ、行ってみましょう。私達の旅にとっても重要な、何かがあるかもしれないわ」

僧侶「神殿、だもんね。何かすごいものがありそう…」

魔法使い「ほら、見てみて。やっぱりここにあったわ」

僧侶「ホントだ、さすが魔法使いちゃん!!」

魔法使い「でも、見つけたはいいけど…入れないわね」

僧侶「あたし達が持ってる鍵じゃあ、この扉は開けられないね。もっとすごい鍵があるのかな?」

魔法使い「そういえばさっき旅の剣士が、さいごのかぎを探してるって話をしてたわね。もしかしたらその鍵で…」

僧侶「さいごのかぎ、かあ。確かその鍵を見つけるには、壺を見つけなきゃいけないんだよね?その壺って、どこにあるのかなあ…?」

???「きえさりそうは持ってるかい?」

僧侶「へ!?なになに!?」

魔法使い「貴方は…スライム!?持っていたら、なんなの?」

スライム「持ってるなら、エジンベアのお城に行きなよ」

僧侶「え?それってどういう…あ、行っちゃった…ねえ魔法使いちゃん、エジンベアって知ってる?」

魔法使い「いえ、聞いたことないわね。でも、覚えておかなければならない事のようね…」

僧侶「うーん、神殿に入れないなら、もうこの村にいても仕方ないね…」

魔法使い「そうね、でも全くの無駄ではなかったわ。きえさりそうを買えたし、さいごのかぎや、エジンベアの情報があったわ」

僧侶「さいごのかぎとエジンベア…もしかして、この2つって関係あるのかな?」

魔法使い「まだ分からないけど、もしかしたらね。さあ、この村を旅立ったら、いよいよ懐かしのアリアハンよ。やっとここまで来たわね」

僧侶「ポルトガを出発してからまだ2日しか経ってないのに、すごい時間が過ぎた気がしたよ…」

魔法使い「本当ね。この村もだけど、やっぱりテドンの村でいろいろあったものね…」

僧侶「そうだね…でさ、魔法使いちゃん!!アリアハンに着いたら、いよいよ新しい仲間、だよね?」

魔法使い「ええ、そうよ。3人での旅になれば、きっとずっと楽になるわ」

僧侶「楽しみだけど、ちょっと不安もあるなあ…そういえば魔法使いちゃん、もうどんな人を仲間にするか決めてるの?」

魔法使い「あら、分からない?」

僧侶「というと、やっぱり…」

魔法使い「まあ、アリアハンに着けば分かるわ。その前に、アリアハンまで無事に到着しないと。さあ、準備が出来たら行きましょう」

僧侶「そうだね。あと一息、頑張ろう!!」

僧侶「ねえ魔法使いちゃん、船旅ってさ…意外と時間がかかるんだね」

魔法使い「そうね…魔物が少ないから順調に進んでいるはずなのに、なかなか目的地は見えないわね。もう夕方に…」

マーマンがあらわれた!!マリンスライムがあらわれた!!

僧侶「あっ、モンスター!!2匹しかいないけど、バラバラに出ると倒すのに時間かかっちゃうね」

魔法使い「大丈夫よ――破壊の定めに生まれし者よ、我が呼び掛けに応え、目醒め、集い、弾け――世界が軋む音を奏でよ!!イオラ!!」キャボーン

マーマンをたおした!!マリンスライムをたおした!!

僧侶「こ、こんな派手な魔法使えたんだ魔法使いちゃん……」

魔法使い「派手かしら?でも大丈夫よ、海は戦闘回数が少ないから、多少効率の悪い戦い方しても平気よ」

僧侶「なるほど…でもこれなら無事にアリアハンは着けそうだね!」

魔法使い「そうね、楽しみだわ。早く着くと良いわね」

魔法使い「結局夜になっちゃったわね…ってこの台詞、ポルトガ出てから毎日言ってる気がするわ…」

僧侶「でもそのパターンだと、そろそろ陸地が見えてくるはずだよね?」

魔法使い「そうだけど…あら?あれ、噂をすれば…」

僧侶「あ、あ、あの森、あの砂地、あの岬…!!」

魔法使い「間違いないわ。アリアハンね。ほら、ナジミの塔も見えてきたわ」

僧侶「てことは…あ、魔法使いちゃん、お城も見えてきたよ!!ほらほら!!」

魔法使い「もう、あんまりはしゃぐと船から落ちるわよ。でも…ようやく帰って来たわね」

僧侶「さあさあ魔法使いちゃん、早く陸に上がる準備して!!ねえねえ、アリアハンに着いたら何しよっか?まずはやっぱり…」

魔法使い「ちょっと、まだ陸地が見えてきただけよ。すぐにアリアハンに着く訳じゃ…全く。まあ、気持ちもわかるけど…」

――夜、アリアハン城下町

僧侶「着いたはいいけど…やっぱりみんな寝てるよね。うわあ、船だ!!すごーい!!みたいなのを期待してたのに…」

魔法使い「昼間のうちに着けばそうだったんでしょうけどね。こればかりは仕方ないわ」

僧侶「む~。じゃあどうしよう、ルイーダの酒場に行く?」

魔法使い「もう遅いし、明日にしない?私はもう、ちょっと眠いわ…」

僧侶「宿屋に行くの?じゃさ、あたし泊まりたい宿屋があるんだけど…いいかな?」

魔法使い「別にどこでもいいけど、アリアハンの宿屋じゃ駄目なの?それにこの辺りに他の宿屋なんて…」

僧侶「へっへ~、船があるってホント便利だよね、魔法使いちゃん!!」

魔法使い「船…?あ、まさか…!」

僧侶「ささ、早く行こうよ魔法使いちゃん、早くしないと夜、明けちゃうよ?」

――ナジミの塔、宿屋

宿屋「おお、久しぶりのお客さんだ…あ、あんたがたは!?」

僧侶「おじさんお久しぶり!!来たよー!!」

魔法使い「ご無沙汰しています」

宿屋「いやいや、ビックリしたよ。まさか本当にまた来てくれるとはねえ。しかもわざわざまた洞窟を通って…」

僧侶「へっへ~、それがねおじさん、あたし達船で来たんだよ!!洞窟通ってないの!!」

宿屋「へ?船?ど、どういう事だい!?」

魔法使い「私達、自分の船を手に入れたんです。船なら、アリアハンのお城からここまですぐに来られますから」

宿屋「船を手に入れた!?そいつは…いやはや、話が大きすぎて何がなんだか…しかもあんた、ここに来たときは商人だったはずだが…」

僧侶「あたしね、転職したんだよおじさん!!今僧侶なの!!」

宿屋「転職!?船に転職に…いやはや、なんと言ったらいいか…おっと、仕事を忘れる所だったよ。泊まって行くんだろう?」

僧侶「もっちろん!!」

魔法使い「ええ、お願いします」

宿屋「そうかいそうかい。船旅は疲れただろう、ゆっくりお休み…」

――72日目

魔法使い「ん…まだ眠いわね。僧侶は…さすがにまだ寝てるわね。昨日は遅くまでお話ししてたみたいだし…」

僧侶「ん~、魔法使いちゃん…おはよ…」

魔法使い「おはよう。まだ眠いでしょう、もう少しゆっくりしてていいわよ?」

僧侶「ううん、起きる…早くアリアハンの人達をビックリさせたいもの…」

魔法使い「大丈夫なの?別に無理して…」

僧侶「大丈夫……んっ…それぇっ!!」ガバッ

魔法使い「わっ!急に動かないでよ、驚いたじゃない!」

僧侶「じゃあ行くよ魔法使いちゃん!!おじさん、お世話になりました!!また必ず来ますから!!」

魔法使い「お世話になりました」

宿屋「ああ、またな。待ってるよ、道中気を付けてな」

僧侶「はい!!ほら行くよ魔法使いちゃん、早く早く!!」

魔法使い「もう、急かさないでよ!」

宿屋「…ああして見るとあの時と変わらないようなんだが…いやはや、すごいお嬢さん達だ…」

――アリアハン、ルイーダの酒場

ルイーダ「あら、あんたたち!!すごいじゃないか、あれあんたたちの船なんだろ?町のみんなも、その話でもちきりだよ!!」

僧侶「そうそう、こういう反応が欲しかったんだよねー!!」

魔法使い「ふふ、わざわざ船で来たかいがあったわね」

ルイーダ「全く大したもんだよ。で、あんたその格好、僧侶になったのかい?」

僧侶「そうだよ、ルイーダさん、ダーマって知ってる?」

ルイーダ「ダーマ…?ああ、そういえば昔、聞いたことがあったような…そうかい、ダーマで転職したのかい」

魔法使い「さすがルイーダさんね、ダーマを知ってるなんて。それでルイーダさん、今日は…」

ルイーダ「ああ、確か言ってたね、船を手に入れたら仲間を迎えに来るって。誰にする?名簿を見るかい?」

魔法使い「そうね、一応…」

僧侶「あ、あたしにも見せて見せて!!」

ルイーダの酒場 冒険者名簿

戦士 男 いくじなし

武道家 男 むっつりスケベ

遊び人 女 せけんしらず

盗賊 女 おおぐらい

魔法使い「…前に来たときと変わってないわね」

ルイーダ「まあね。やっぱり古参が居座ってると新入りは来づらいし、最近は…」

盗賊「お、まほーつかいたち!!来たのか!?とーぞくがかんげーして料理をつくってやるぞ!!新メニュー、あいつらのくしやきだ!!」

戦士&武道家「ひいいぃ!!」ガクブル

盗賊「だいじょーぶ、こわくない、とーぞくじぶんがこわくないっ♪」

戦士&武道家「こえーよ!!」

ルイーダ「…毎日あんな感じでね。ここも滅多に人が来なくなっちまったよ…」

魔法使い「…なるほどね。分かったわ、じゃあ私達は、あの盗賊を仲間に入れます。貴方もいいわよね?」

僧侶「そうだと思ってたよ。いいよ、あたしは…あたし達を食べたりしなければ」

ルイーダ「盗賊を仲間にするんだね。分かったわ。盗賊ー!!魔法使いが呼んでるよ!!」

盗賊「お、どうしたんだ?とーぞくになにか用か?」

魔法使い「貴方にはね、今日から私達と一緒に来て欲しいんだけど」

盗賊「まほーつかいたちといっしょにか?いっしょに行けば、うまいものたくさん食べれるのか?」

僧侶「そうだよ、いろんな国、いろんな町、いろんな土地のいろんな食べ物が食べられるの!!ね、ね、いいでしょ?」

盗賊「いろんなものが食べれるのかあ。いいな、じゃあとーぞく、お前たちについていくぞ!!」

魔法使い「決まりね。じゃあルイーダさん、そういう事だから。今までありがとう。盗賊、これからよろしくね」

僧侶「よろしくね!!」

盗賊「おう、よろしくだぞ!!ルイーダねえさん、じゃーな!!」

ルイーダ「ああ、元気でね…あんた達、いろいろと済まないね」

魔法使い「私達は何も。一番頼もしいと思った人を仲間にしただけよ。じゃあ失礼するわね」

僧侶「さようなら、また!」

盗賊「じゃーなー!!」

魔法使い「さて、久しぶりのアリアハンだし…たまには王様に顔でも見せに行こうかしら。悪いけど貴方、盗賊と一緒にいてくれる?船の事とか、いろいろ説明しておいて」

僧侶「りょーかい!!お任せ下さい!!じゃあ盗賊ちゃん、お船見に行こ?」

盗賊「船?うまいのか?」

僧侶「うーん、おいしいものを食べに行くために必要な乗り物なんだよ。とりあえず行ってみよ、ね?」

盗賊「おう、分かったぞ!!」

魔法使い「…やれやれ、前途多難ね。さあ、私はお城に…」

――アリアハン城内、謁見の間

魔法使い「…と、いうわけで、私達は旅の中で船を手に入れ、アリアハンに帰還した次第です」

王「おお、素晴らしい。まさか船まで手に入れて帰るとは…見事じゃ!!そなたのような者を配下に持って、わしも鼻が高いぞ!!」

魔法使い「は…」

王「して、そなたはまだ旅を続けるつもりか?」

魔法使い「…?どういう意味ですか?」

王「やがて旅立つ勇者の為に見聞を広げる、というのがお主の任務だったはず。それはもう果たしたと言っていい。どうじゃ?あとは勇者が16になるその日までアリアハンで待っているというのは。それに、お主程の魔法使いが王宮にいてくれれば、我が国の魔法研究も更に進むであろう。如何する?」

魔法使い「…せっかくのお言葉ですが、私は、私達は旅を続けます。まだまだやらなければならないことがあるようなので」

王「そうか…残念だが仕方ない。しかし、くれぐれも気を付けてな。死んではならぬぞ?」

魔法使い「はっ。肝に命じて」

魔法使い「ふう…全く、結果を出した途端に手のひらを返すように…」

兵士「よう、久しぶりだな。すごいじゃないか、船まで手に入れて帰って来るなんてな」

魔法使い「久しぶりね。この前はいろいろもらって悪かったわね。そうね、自分でも驚いてるけど、仲間のおかげでね」

兵士「しかし、いいのか?この国に残ってれば、出世のチャンスだっただろ?」

魔法使い「あいにくだけど、1度旅に出たら、堅苦しい王宮で仕事なんてね…」

兵士「へえ、余程旅が楽しいと見える」

魔法使い「楽しいわよ、仲間もいるしね。貴方もどう?考えが変わるわよ」

兵士「そうだな、旅はいいかもしれんが…お前と一緒はやめとくよ、今のお前との実力差じゃあ、俺は精々荷物もちだ」

魔法使い「あら、残念。荷物持ちが欲しかったのに」

兵士「やっぱりな。ほら、馬鹿言ってねえで、とっとと大事な仲間の所へ帰れよ。達者でな」

魔法使い「ええ、貴方もね」

――73日目

魔法使い「ふう、王様への報告に時間がかかったけど、やっと出発出来るわね」

盗賊「おおー、船すごいなー!!船でかいなー!!」キャッキャッ

僧侶「ほらー、走り回らないの!!落ちちゃうよ!!」

魔法使い「…ふふ、僧侶がお姉さんみたいね。これであの子もしっかりしてくれるかしら?」

盗賊「なあ、まだしゅっぱつしないのか?早くうまいもの食べに行きたいぞ!!」

魔法使い「はいはい、もうすぐだから待っててね。僧侶、準備はいい?」

僧侶「オッケー!!いつでもいいよ!!」

魔法使い「じゃあ船乗りさん達、よろしくね」

船乗り「おう、じゃあ出航だ!!」

盗賊「おおー、うごいたうごいた!!すごいすごい!!」

僧侶「だからー、落ちちゃうって!!」

僧侶「ところで、今日はどこに行くの?」

魔法使い「今日は北に行ってみようと思うの。確か、アリアハンの北にも国があるって聞いた気がするわ。黄金の国、だったかしら?」

僧侶「あっ、聞いた事ある!黄金の国ってどんななんだろうね。家とか全部金で出来てたりするのかな?」

魔法使い「そんな事あるのかしら…?ちょっと想像がつかないわね」

盗賊「なーなーそーりょ、あれ食べれるのか?」グイグイ

僧侶「ちょっ、引っ張らないで…ってあれ、クラゲじゃない!?クラゲは、食べれないと思うけど…」

魔法使い「でも、キャタピラーさえ食べるこの子なら、もしかして…」

僧侶「えええ~、痺れちゃうよ!?」

しびれくらげがあらわれた!!

盗賊「おっ、こっちに来たぞ!!うまそうだな~」

魔法使い「…あれが美味しそうに見えるのね。まあいいわ、僧侶、戦闘準備よ!!」

僧侶「うん!!…盗賊ちゃん、もうちょっと離れて…」

魔法使い「クラゲは4匹か…ここは、ベギラマ!!」ゴオオォ

しびれくらげをたおした!!しびれくらげをたおした!!

魔法使い「2匹も仕留め損ねたわ…僧侶、お願い!!」

僧侶「任せて、それぇっ!!」ドゴォ

しびれくらげをたおした!!

魔法使い「よし、残るは…」

盗賊「とーぞくも戦うぞ!!いっくぞー!!」

魔法使い「待って、貴方は…」

しびれくらげのこうげき!!

盗賊「ふぎゃっ!?」

盗賊はしんでしまった!!

僧侶「と、盗賊ちゃん!?」

――しびれくらげをやっつけた!!

僧侶「ご、ごめん、あたしがついていながら…」

魔法使い「いいえ、盗賊にきちんと指示してなかった私が悪かったわ。身を守っていろって言うべきだったのに…流石に、貴方まだ蘇生呪文は覚えてないわよね?」

僧侶「あたし、ベホイミさえまだだよ…でも、僧侶としては未熟でも、商人として培った経験があたしにはあるよ!!」

魔法使い「…商人としての経験?」

僧侶「あたしが大声で呼べば、きっと神父さんが駆けつけてくれるはず!!すみませーん!!誰かー!!」ダレカー…

道具屋「お待たせしました、道具屋です」

僧侶「あ、すみません、道具屋さんを呼んだ訳じゃなくて…すみませーん!!」セーンセーン…

宿屋「お待たせしました、宿屋です」宿屋「お待たせしました、宿屋です」道具屋「お待たせしました、道具屋です」

僧侶「………」ゼーハー

魔法使い「…このまま船でレーベに寄りましょ?」

僧侶「そ、そうだね…」

――夜、レーベの村

盗賊「おおっ!?ここどこだ!?」

魔法使い「ここはレーベの村の教会よ。貴方、死んでしまったの」

僧侶「ごめんね、あたし達がついていながら…痛かったでしょ?」

盗賊「んー、痛かった気もするけど、あんまりおぼえてないや。それより!!おなかすいた!!はらへった!!はらぺこだ!!」

魔法使い「…多彩な表現で空腹を訴えてるわね」

盗賊「おお、それもだ!!くーふくだ!!くーふくだ!!」

僧侶「わ、分かったよ、魔法使いちゃん!?」

魔法使い「ええ、今日はもう宿屋に泊まりましょう。盗賊、宿屋では好きなだけ食べていいからね?」

盗賊「ホントか!?行こう行こう、宿屋行こう!!」グイグイ

僧侶「ひ、引っ張らないで…魔法使いちゃん、腹ペコの盗賊ちゃんが泊まったら、レーベの宿屋出入り禁止になったりしない?」

魔法使い「大丈夫でしょ………多分」

盗賊「はやく、はーやーくー!!」グイグイ

――74日目

僧侶「魔法使いちゃん、朝だよ、起きて!!」ユサユサ

魔法使い「ん…もう少し…」

盗賊「あさだぞー!!起きろ起きろ起きろ!!」バンバンバンバンバン

魔法使い「わ、分かったわよ…もう、朝の騒がしさが5倍になったわ…」

僧侶「起きた起きた!さ、出発の準備しよ!!盗賊ちゃんは準備出来た?」

盗賊「できた!!弁当もつくってもらったぞ!!」

僧侶「良かったね!!あとは魔法使いちゃんだけだよ!」

魔法使い「はいはい、今準備するから…じゃあご主人、お世話になったわね」

宿屋「ええ、お気をつけて」ホッ

僧侶「…やっぱり盗賊ちゃんの食欲にビックリしてたみたいだね」

魔法使い「もう1泊しなくて心底安心したようね」

盗賊「はやく行くぞ、ほら、ほら、はやくー!!」グイグイ

僧侶「わ、分かったよ、分かったから…」

僧侶「で、今日も昨日と同じく例の黄金の国を目指すんだよね?」

魔法使い「そういうことになるわね。昨日はハプニングもあったけど、何よりアリアハン大陸が思ったより大きくて、時間がかかってしまったわ」

僧侶「レーベに着いたらもう夜だったもんね。もしかして西回りの方が近かったのかなあ?」

魔法使い「そうかもしれないわね。いずれにせよ、この大陸を出るのに1日経ってしまったのは誤算だったわ」

僧侶「別に急いでから良かったけど…ジパングも、やっぱり遠いのかなあ?」

魔法使い「そうね、今までからすると…」

盗賊「おーい、島がみえるぞ!!ほら、ほら!!」

僧侶「え、ええ!?もう!?ホントだ…」

魔法使い「驚きね。まさかアリアハンからこんな近い所に別の国があったなんて…」

僧侶「ビックリだね。ね、魔法使いちゃん、もちろんおりてみるんでしょ?」

魔法使い「当然よ。その為に来たんだから。盗賊、あそこにおりるわよ。準備をしてね」

盗賊「おー!!たのしみだぞ、うまいものあるかな?」

僧侶「きっとあるよ!!あたしも楽しみ!!」

――ジパング

僧侶「こ、ここが黄金の国!?な、なんだか想像してたのと大分…」

魔法使い「そう…ね。それに…今までいろんな国、いろんな町や村に行ったけど、ここまで特徴的な所はなかったわね…」

盗賊「なあ、なあ、ここにはやまたのなんとかってバケモノがいて、そいつがニンゲン食べるんだって!!いいなあ、とーぞくも食べたいぞ!!」

僧侶「と、盗賊ちゃん、おっきな声でそういう事言わないの…」

盗賊「おなかへったー!!くーふくだー!!」ギャーギャー

魔法使い「もうお弁当食べちゃったの!?困ったわね、この国は宿屋も見当たらないし…」

僧侶「あー、船の中にまだ食べ物残ってるかも…あたしが盗賊ちゃん連れてくよ、魔法使いちゃんは一人で大丈夫?」

魔法使い「ええ、町の中は危険でもないみたいだし。じゃあ、頼んだわよ」

僧侶「うん、気を付けて…ほら、盗賊ちゃん、行くよ」

盗賊「お?なんか食べれるのか?行く行く!!」

魔法使い「ふう…さてと、私は…」

見張り「ここは、ヒミコ様の住まうお屋敷じゃ」

魔法使い「ここが、私達の国でいうところのお城になるのかしら…?」

近習「ここはヒミコ様のお部屋じゃ。粗相のないようにな」

魔法使い「そしてここが、執務室…?それとも謁見の間かしら?で、あの人がヒミコ…この国はイシスと同じで女王なのね」

ヒミコ「なんじゃ?そなたは」

魔法使い「私は…」

ヒミコ「答えずとも良いわ!おおかた、この国の噂を聞き付けてやって来たのじゃろう。愚かな事じゃ。妾は外人を好まぬ。直ぐに立ち去るが良い!良いか?余計な事をせん方が身のためじゃぞ!!」

魔法使い「…」

魔法使い「…と、いうわけで、ここの女王様とは全く会話が出来なかったわ」

僧侶「ふうん、困ったね。っていうか、その女王様怪しくない?」

魔法使い「どうかしらね…いずれにせよ、今のままではこの国は若い娘をオロチへの生け贄に捧げ続けなければならないのに、それをどうにかしようとする意志は見えなかったわね…」

僧侶「うーん、やっぱり怪しい気が…それはそうと、なんで生け贄は若い女の人なんだろうね?男の人の方が大きくてお腹いっぱいになるんじゃない?」

魔法使い「私に聞かれても…」

盗賊「なんだ、二人ともそんなことも分からないのか?ダメだな~!」

僧侶「え、盗賊ちゃんは分かるの?」

盗賊「そんなの、女の方が柔らかくておいしいからに決まってるぞ!!」

僧侶「え、ええ~!?」

魔法使い「説得力があるのが嫌ね…」

盗賊「でも、そーりょみたいなのはちょっと固そうだな。まほーつかいなら、やわらかそうだぞ!!ちょっとかじっていいか?」

魔法使い「あら、貴方が私を食べるのと、私が貴方を丸焼きにするの、どちらが早いかしらね?」ニッコリ

盗賊「う、うう~…やめとくぞ…」

魔法使い「そう、いい子ね」

僧侶「そ、それでいいの!?」

魔法使い「で、話を戻すけど、あの国、どうやら次の生け贄が近いらしいのよ。今までや様子だと、あと一月あるかないか…」

僧侶「大変だね…何とかならないかな…?」

魔法使い「本当はあの国が自分達で何とかするべきなんでしょうけど、トップの女王が全く動く気がないどころか、生け贄を提案したのが女王自身だというし、期待は出来ないでしょうね…」

盗賊「なんでじょおうさまがイケニエを出せって言うんだ?じょおうさまがイケニエを食べるのか?じょおうさまっていいな、とーぞくもじょおうさまになりたいぞ!!」

僧侶「じ、女王様が人間を食べるわけないじゃない!そんな事、そんな…ま、魔法使いちゃん!?」

魔法使い「まさか、とは思うけど…辻褄が合ってしまうのが怖いわね…いずれにしても、女王が動かない以上、やっぱり何とか出来るのは私達。でも、一人は新入りで、もう一人は転職してから日が浅い。難しいわね…」

僧侶「でもさ、今までだって敵わないと思った敵にも何とか勝って来たよ?また前みたいにモンスター退治で腕を磨けば、そのうち何とかオロチにもきっと勝てるよ!!そしたら…」

盗賊「そいつからイケニエ横取りして食べるんだな!!」

僧侶「ち、違うよ、助けるの!!」

魔法使い「そうね、私達は二月半でここまで来たわ。あと一月あれば、オロチを倒せるようになるかもしれない。やってみる価値はあるかもね」

僧侶「だよね?じゃあ、また一月後くらいにここに来ようよ!!今よりずっと強くなってさ!!」

魔法使い「ええ、一月…私達が旅立ってからちょうど100日目くらいまでには戻ってきましょう。盗賊もいいわね?」

僧侶「この国の人達を助けてあげたら、きっとお礼にたくさん食べさせてくれるよ!!」

盗賊「たくさん!?やるやる、とーぞくがんばるぞ!!」

魔法使い「決まりね。とはいえ、今現在どこで魔物退治をすれば効率がいいのか分からないわね。もう何日か船で旅を続けて、良さそうな所があったらそこを拠点にしましょう」

僧侶「りょーかい!!いいとこ見つかるといいね!!」

魔法使い「さて、今日はまだ明るいわ。もう少し進んでみましょ?僧侶、貴方の勘で行き先決めていいわよ」

僧侶「久しぶりだね、あたしのカン!!じゃあ…もっと北に進もう!!」

魔法使い「じゃあ北に行きましょう。盗賊もいいわね?」

盗賊「とーぞくはどこでもいいぞ!!さっきたおしたクマもあるから、お腹へってないし!!」

僧侶「さっそく食べてるのね、ごうけつぐま…」

魔法使い「でも、見事に捌くのね。食べる事に関しては超一流ね」

盗賊「なあ、二人にも少しわけてやるぞ!!クマの目玉とのうみそ、どっちがいい?」

僧侶「え、ええっと…ま、魔法使いちゃんは、どっち!?」

魔法使い「わ、私!?そ、そうね…あ、ほら、あそこ!!町が見えてきたわ!!」

僧侶「あ、ほ、ホントだ!!じゃあおりる準備しなくちゃ!!盗賊ちゃん、ごちそうはまた後でね!!」

盗賊「なーんだ、じゃあ食べちゃうぞ」

僧侶「う、うん、それでいいよ」ホッ

魔法使い「助かったわ…料理だけじゃなく、薄暗くなってきた所に町があって」

僧侶「今度の町はきっと宿屋もあるよね?ゆっくり休みたいなあ…」

――夜、ムオルの村

魔法使い「ここは、町というより村ね」

僧侶「夜だからっていうのもあるんだろうけど、静かだね…盗賊ちゃんがお腹空かしてたら、騒ぎ声が響き渡るところだったよ…」

盗賊「ん…ねむい…」ムニャムニャ

魔法使い「おとなしくて助かったわ。でも、この様子だと、この村を見て回るのは朝になってからね」

僧侶「お店とか見て回りたかったけど…お楽しみは明日、かあ。盗賊ちゃんも眠そうだしね」

盗賊「ん…」コックリコックリ

魔法使い「ええ、騒ぐ前に宿屋に入りましょう。このまま眠ってもらえたら楽でいいわ」

僧侶「お腹減ってたらこうはいかないもんね…クマ肉は偉大だね…」

――75日目

魔法使い「さてと、今日はまずこの村を見て回るわよ」

僧侶「ね、ね、魔法使いちゃん、宿屋の人がね、あっちの方で市場が開かれてるって言ってたよ!!行ってみない?」

魔法使い「市場か…行ってみましょうか。盗賊、市場ならきっとおいしいものもたくさんあるわよ」

盗賊「おいしいもの!?たくさん!?行く行く!!早く早く!!」

僧侶「うん、行こう行こう!!じゃあかけっこ、よーい、ドン!!」ダダダ…

魔法使い「二人揃って元気ね…」

盗賊「おお!?あれも食べたい、これも食べたい!!」ジュルル

僧侶「もう、勝手に食べちゃダメだよ?ちゃんとお金払って…」

魔法使い「ああ、この子は私が見てるから、貴方はお店見て回っていいわよ。いろいろ見たいでしょ?」

僧侶「え、いいの?じゃあ、お言葉に甘えて…」

魔法使い「ええ、気を付けてね…ほら、盗賊!今買ってあげるから、ちょっと待ってなさい。そもそもそれ、なんの肉なの?」

盗賊「これか?えっとな、これはデッドペッカーの手羽先だって!!まほーつかいも食べるか?」

魔法使い「うーん…私は遠慮しておくわ。貴方はこれを食べるのね?」

盗賊「あ、待って!!なあなあ、このマーマンの刺身ってうまそうだな!!今日みずあげしたばっかりだって!!」

魔法使い「…なんでこんな食べ物しかないのかしら?」

僧侶「ねえねえ盗賊ちゃん、ちょっとこっち来て!」

盗賊「よんだかー?」モグモグ

僧侶「そこのお店でね、いい防具が売ってたから盗賊ちゃん用のを買ってみたんだ。どう?」

盗賊「おお、しんぴんだ!!」ピョンピョン

僧侶「えへへ、良かった、喜んでもらえて!!」

魔法使い「何を買ったの?」

僧侶「服はくろしょうぞく、盾はまほうのたてだよ!盗賊ちゃんに装備出来るのが2つもあって助かったよ!!」

魔法使い「へえ、これで結構あの子の守備力は上がったのね?」

僧侶「うん、これで防御ばっかりしてなくても良くなったはず!あとはいい武器があれば…」

盗賊「なあ、とーぞくはこんどあれ食べたいぞ!!」モグモグ

僧侶「ああっ!!買ったばかりの防具に食べかすこぼさないで!!」

盗賊「ふう~!お腹いっぱいになったぞ!!」

僧侶「盗賊ちゃんも満足したし、また船で出発だね」

魔法使い「そうね…しかし驚いたわ。あのオルテガ殿がこんな所まで来ていたなんて…」

僧侶「ホントだね。ねえ、魔法使いちゃん、オルテガさんがここまで来たって事は、ここってあのロマリアとかダーマとかがあった大陸と繋がってるのかな?だとしたら、ここからダーマって意外と近かったり?」

魔法使い「そうかもしれないけど…何せオルテガ殿は、アリアハンから泳いで別大陸までたどり着いたっていう噂もある方だし…」

僧侶「そうなの!?」

魔法使い「あくまで噂だけど…でも、ここからダーマが意外と近いかも、っていうのには同意だわ。以前ダーマでジパングの話を聞いたことがあったけど、ある程度近くなければそういう情報も出てこないと思うの。だから…」

僧侶「確かダーマの情報は、東にジパングがあるって話だったよね?なら、ここから西に向かえば…」

魔法使い「ええ、ダーマに行けるかもね」

盗賊「おーい、何してるんだ?早く次のまちにいくぞ!!」

魔法使い「はいはい…あの子のお腹の虫が騒がないうちに出発しましょう」

僧侶「さらば、ムオル!!またいつか…で、どうするの魔法使いちゃん、やっぱり西を目指すの?」

魔法使い「そうね、やっぱり…」

盗賊「なあ、なあ、ここからあっちになにかあるみたいだぞ、行ってみないか?」

僧侶「あっち?南西に、何かあるの?」

魔法使い「南西なら、多分ジパングじゃないかしら?でもよく分かるわね、まだ全然見えないのに」

盗賊「へへ~、とーぞくはタカのめをつかえるんだぞ!!」

僧侶「タカのめ?ずっと遠くを見れるんだ、すごいね!」

魔法使い「タカのめ…なら、船をもう少し沖に出してみましょう…ええ、この辺で。盗賊、もう1度タカのめで見てもらえる?」

盗賊「おう!!…あ、あっち!!あっちに、別のなにかがみえるぞ!!」

僧侶「あっち…?北東かな?何があるんだろう…?」

魔法使い「何かは分からないけど、まだ私達が行ったことのない場所の可能性が高いわ。行ってみましょう。盗賊、お手柄ね」ナデナデ

盗賊「へへ~、おやすいごようだぞ!!」

――アープの塔

魔法使い「ここは…塔ね。やっぱりまだ来た事のない場所だったわね…僧侶?」

僧侶「第二回!!ドキドキ☆あなほり大会!!inアープの塔~!」

魔法使い「!?またあなほりをえんえとやるの?」

盗賊「お、なんだなんだ?」

僧侶「魔法使いちゃん、盗賊ちゃん、この辺にはきっと良いものがあるよ!!きっとあるよ!!だからあたし、あなほりするね!!ちょっと時間ちょうだい?」

魔法使い「いいけど…あまり無理しないのよ。あとムキにもならないでね」

僧侶「分かってるって!盗賊ちゃん、ちょっと待っててね!」

盗賊「おう、さっきたくさん食べ物買ったから大丈夫だぞ!!」

――夕方

僧侶「うう…100回ずつ塔の中と外で掘って、中はアイテムどくけしそう1つ、外はせいすい1つ…」

魔法使い「ま、まあこういう日もあるわよ…」

僧侶「…ううん、まだまだ、あとちょっと掘れば…」ザッザツ

魔法使い「ほら、ムキにならないでって…」

なんと しあわせのくつをみつけた!!

僧侶「ま、魔法使いちゃん、すごいよ、これすごい!!」

魔法使い「ちょっ、落ち着いて…この靴、そんなにすごいの?」

僧侶「すごいのすごいの!!どんなにかって…うーん…今あたし商人じゃないから上手く説明出来ないけど、すごいの!!」

魔法使い「そ、そう…確かに、ただの靴ではなさそうだけど…」

盗賊「なんだこれ?へんなくつ~。なあ、これとーぞくがはいてもいいか?」

僧侶「うん、いいよ!!盗賊ちゃん今装飾品装備してないからちょうどいいよね!!」

盗賊「いいのか?へへ~、またあたらしいそうびだな!!」ニコニコ

魔法使い「確かに、盗賊の装飾品はどうにかしたいと思っていたわ。あなほりの甲斐があったというわけね」

僧侶「うん!!さてと、この調子で全員ぶんの靴を…」

魔法使い「ちょっと、私達の装飾品は間に合ってるでしょう?それとも貴方、セクシーギャル辞めるの?」

僧侶「あ、辞めない辞めない!!じゃあ靴はもう要らないね、あなほりおしまい!!」

魔法使い「全く、すぐ調子に乗って…」

僧侶「で、どうするの魔法使いちゃん?これからこの塔を上ってみる?」

魔法使い「うーん、もう夕方だし、それに結構手強いわよね、ここの魔物…あと、塔で思い出したんだけど、私達まだほとんど手をつけてない塔が他にあったわよね?」

僧侶「え…あ、あのダーマの北にある…何ていう塔だっけ?」

魔法使い「ガルナの塔ね。どうせ近いうちにダーマに行ってみる予定だったし、ついでに行ってみましょう。この塔は、その後でも良いでしょう?」

僧侶「そだね。そういえばあの塔にはさとりのしょがあるんだよね?使わないにしても、持ってはおきたいよね!」

魔法使い「使わない、か…」チラッ

盗賊「ん?なんだ?」

僧侶「え、魔法使いちゃん、まさか…」

魔法使い「さあ、ね。さあ、今日はもう帰りましょう。この時間だと、今晩はまたムオルの宿かしらね…」

――76日目、ムオル

僧侶「さらば、ムオル!!またいつか…ってこれ、昨日も言ったっけ?」

魔法使い「そうね。でも今日こそはきっと戻らないと思うわ」

盗賊「なあなあ、どこ行くんだ?」

魔法使い「これからね、ダーマ神殿っていう所に行くのよ。そこでは職業を変えられたりするの。貴方は盗賊から他の職業に変わりたいとは思わない?魔法使いとか、僧侶とか…」

盗賊「ん~、よくわかんないや」

魔法使い「例えば、魔法使いになったら、簡単にお肉を丸焼きに出来るわよ。僧侶なら、風の呪文でお肉を切り刻んだり…」

僧侶「ま、魔法使いちゃん、その説明の仕方…」

盗賊「おお、いいな!!とーぞくまほーつかいにもそーりょにもなりたいぞ!!」

魔法使い「そうでしょうそうでしょう」ニッコリ

僧侶「ま、魔法使いちゃん…」

盗賊「うー、お肉のはなししてたらおなかすいてきたぞ!!ダーマってところにはおいしいものあるのか?」

魔法使い「ええ、キラーエイプやマッドオックスを丸焼きにしてあげるわ」

盗賊「おお、なんだか分からないけどうまそうだぞ!!」

僧侶「魔法使いちゃん、盗賊ちゃんの扱い慣れてきたね…」

魔法使い「すっかり暗くなってしまったけど…僧侶、この風景、見覚えがない?」

僧侶「うん、この山がちな土地は多分、ダーマの近くじゃないかな?」

盗賊「お、何かおっきなたてものが見えてきたぞ!!あれがしんでんか?」

魔法使い「そのようね。予想通り、ジパングの西にダーマがあったわね」

僧侶「良かったね。なかったら大変だったよ、特に盗賊ちゃんのお腹が…」

盗賊「なあなあ、あそこがダーマなら、なんとかの丸焼きももうすぐ食べれるんだな?早く行こう!!早く!!」グイグイ

魔法使い「はいはい、引っ張らなくても、もう少しで食べさせてあげるわ。僧侶、おりる準備をしましょう」

僧侶「うん!!ダーマかあ、すごい久しぶり

僧侶「うん!!ダーマかあ、すごい久しぶりのような気がするけど、あたし達がダーマを旅立ってからまだ10日くらいしか経ってないんだね…」

魔法使い「濃い10日間だったわね。船を手に入れて、いろいろな町を巡って…」

僧侶「あたしは転職したのが一番印象的かな。あ、あと盗賊ちゃんの仲間入りもね!!」

盗賊「おう、なかまだなかま!!」

魔法使い「ふふ、本当にいろいろあったわね…さあ、感傷に浸るのもいいけど、過去ばかり見てはいられないわ。船も着岸したし、おりるわよ。二人とも、準備いいわね?」

僧侶「うん!!」

盗賊「おー!!食べるぞー!!」

――77日目、ガルナの塔

魔法使い「この塔は17日ぶりにもなるのね…僧侶、貴方はこの塔の構造、覚えてる?」

僧侶「ん~、あんまり…」

魔法使い「でしょうね。そもそもこの塔にはそんなに長い時間いなかったし…」

僧侶「あの時は結構モンスタもた強く感じたし、人さらいをやっつけるのが先だったし…」

魔法使い「それで、いつか来よう、と言っていたのよね。さあ、行きましょう。さとりのしょも探さなければいけないし」

盗賊「おう、行こう行こう!!とーぞくはくーふくだ、早くモンスターたおして食べよう!!」

僧侶「食べるのが目的じゃないけど、モンスターをたくさん倒して強くなるのも目的だよね!さあ行こう!!」

魔法使い「とはいっても、もうこの塔の魔物くらいだとさほど苦戦しないわね」

盗賊「とりはたべるところ少ないし、サルは肉がかたかったぞ。あのひつじみたいなのはおいしかったけど!!」

僧侶「味の話をしてるわけじゃないんだけど…」

魔法使いレベル24「ところで、貴方たちレベルはどれくらいだったかしら?」

僧侶「あたしは15!ベホイミも覚えたよ!!」

盗賊「とーぞくは13だ!!」

魔法使い「短い間に二人とも結構上がったわね。さとりのしょがみつかる前に、私はもう1つ、二人は2つ3つ上げたいわね」

僧侶「きっと上がるよ!!…さとりのしょは激レアっぽいから、すぐには見つからないと思うし…」

魔法使い「まあ、早く見つかればそれに越したことはないけれど。さあ、行きましょう。さとりのしょ探索に!!」

僧侶「…と、意気込んだのはいいけど…大体見て回ったのに3階より上に進めないよ…」

魔法使い「この塔の中からはこれ以上進めないとなると、外からね」

盗賊「なあなあ、あっちの方にちっちゃな塔があるぞ!!行かないのか?」

魔法使い「あっち…ここね、階段があるわ」

僧侶「ホントだ!!ここを上れば、先に進めるのかな?」

魔法使い「おそらくね。さあ、上ってみましょう…これは、ロープ?」

僧侶「こ、この上を綱渡りしなきゃいけないの!?ちょ、ちょっと怖いかも…」

盗賊「おー、おもしろそうだな!!はやくわたろう、な?」グイグイ

僧侶「ちょ、盗賊ちゃん、押さないで…ああっ!!」ピューン

魔法使い「そ僧侶!?」

盗賊「あはは、落ちた落ちた!!おもしろいなー!!」

魔法使い「…恐ろしい子ね…」

僧侶「うう…ひどい目に合ったよ…」

魔法使い「災難ね…」

盗賊「おー、ケガないんだな、そーりょすごいな!!」

僧侶「ははは…気をとりなおして、今度こそこのロープを渡るよ!!」

魔法使い「盗賊、今度は押しちゃ駄目よ?揺らすのも駄目。いい?」

盗賊「はーい、つまんないぞ…」

僧侶「ほっ…じゃ、じゃあ…うう、揺れる…怖いよ…」

魔法使い「これは大変ね…盗賊は…流石盗賊だけに上手いわね…」

盗賊「おおー、これおもしろいな!!きゃはは!!」

僧侶「すごいなあ…も、もうちょっと…よし、渡り切った!!」ホッ

魔法使い「ふう…なんとかクリアね…」

盗賊「あはは、おもしろかったな、またやるぞ!!」

僧侶「ちょ、お願いだから戻るのだけはやめて…」

魔法使い「で、ロープを渡った先には旅の扉か…」

僧侶「そういえばこの塔、旅の扉があったよね?この前来たときも、旅の扉の先でおじいさんが瞑想してたりしてさ」

魔法使い「瞑想の邪魔をするでない!!って怒られちゃったわよね。まあ、この旅の扉は別の場所に行くんでしょうけど…」

僧侶「ど、どこかすごい遠くに飛ばされたりしないよね…?」

盗賊「なあなあ、これにとびこむのか?すごいな、この塔はおもしろいのばっかりだ!!」

魔法使い「言われて見れば、凝った作りの塔よね…離れの塔から綱渡りして旅の扉…」

僧侶「なんだか一筋縄では行かない感じだね…さとりのしょ、見つかるかなあ?」

盗賊「なあなあ、早くこれに入ろう!!早く早く!!」グイグイ

僧侶「あ、また押して…!!」ニュイーン

盗賊「おお!?いなくなったぞ!!すごいな!!」キャッキャッ

魔法使い「…まあ、どうせ飛び込まなければならなかったし、いいか…」

盗賊「すっごいなー!!にゅいーんってなって気づいたらここまで来てて…すっごいなー!!」

僧侶「うう…最近あたし扱い悪い気がするよ…」

魔法使い「子供の面倒を見てるんだもの、そういう事もあるわよ。でも、やっと4階以上まで来られたわね」

盗賊「おー、たっかいなー!!シャンパーニの塔を思い出すぞ!!おやぶん、元気かなあ…」

僧侶「…そっか、シャンパーニの塔を思い出してたんだ。それで、張り切ってたんだ…」

魔法使い「そうね…そういえば盗賊、私達あの後一回だけ貴方の親分に会ったのよ」

盗賊「ええ!?どこでどこで!?」

魔法使い「ここからそう遠くない洞窟だけど…今はもう居ないわよ」

盗賊「そっか…いないのか…」

僧侶「大丈夫よ盗賊ちゃん、あの親分ならきっと元気にしてるから!!」

魔法使い「そうね、あの人なら大丈夫でしょ。並みの強さじゃないし…」

盗賊「そうかな?…そうだな!」

魔法使い「まあ、時間があったらあの人達が住んでた洞窟にも行ってみましょう。それより、今はこの塔を上る事よ」

盗賊「うん!!とーぞく頑張るぞ!!」

魔法使い「さて、5階まで来たけれど…また綱渡りね」

盗賊「おおー、向こうがわがみえないぞ!!」キャッキャッ

僧侶「すごい長いよ…やっぱり、ここ渡らなきゃダメなんだよね?」

魔法使い「そうでしょうね。大丈夫よ、さっきだって渡れたし、ゆっくり進めば…」

盗賊「早く行こう!!早く早く!!」グイグイ

僧侶「ま、待って、押さないで…急がなくてもいいんだから…あれ?」

盗賊「なんだ?あ、モンスターだ!!ビカピカだなー!」

僧侶「ま、魔法使いちゃん、あいつ…!!」

魔法使い「ええ、今度は逃がさないわ…!!」

盗賊「ど、どうしたんだ二人とも、かおこわいぞ!?」

魔法使い「盗賊、どくばりは持ってたわよね?」

盗賊「うん、これだろ?」

僧侶「準備はオッケーだね!さあやるよ!!」

しびれあげはがあらわれた!!メタルスライムがあらわれた!!

魔法使い「よし、じゃあとくばりで刺すわよ!!盗賊、貴方もあの銀色の方を狙って!!それっ!!」ドスッ

盗賊「よーし、とーぞくも!!そりゃあっ!!」ドスッ

僧侶「あたしは…あのちょうちょを混乱させてみる!!それっ、どくがのこな!!」バサバサ

しびれあげははこんらんした。

しびれあげはのこうげき!!メタルスライムを倒した!!

魔法使い「…!!ついに…!!」

僧侶「やったやった!!よーし、残りも…!!」

盗賊「のこってるぎんいろのやつか?たあっ!!」ドスッ

魔法使い「ええ、どうせならもう一匹…やあっ!!」ドスッ

僧侶「あたしも…とりゃあ!!」ガンッ

メタルスライムをたおした!!

――まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「ついにあの銀色の魔物を倒せたわね!すごい充実感だわ…どうしたの、二人とも?」

僧侶レベル16「おおお~、すごいすごい、レベル上がった!!」

盗賊レベル15「とーぞくは2つもレベル上がったぞ!!」

魔法使い「二人ともすごいわね…どうやらあの魔物を倒すと、レベルが上がりやすいみたいね。素晴らしいわ」

僧侶「ホントだね!!ねえ魔法使いちゃん、もしここで今のモンスターがたくさん出るなら、ここを中心にモンスター退治をすれば…」

魔法使い「ええ、ジパングの魔物にも勝てる強さを身に付けられるかもしれないわ。まだ分からないけれど、もしかしたらこれ以上ない場所かも…」

僧侶「ホントだね!!ね、盗賊ちゃん?」

盗賊「うう~、こいつかたいな…食べれなそうだぞ…」

僧侶「それも食べる気だったの!?」

魔法使い「長い長いロープを渡ったら、上り階段か…」

僧侶「次は6階?そろそろ頂上かな?ねえ魔法使いちゃん、今までの塔は頂上に目的のものがあったよね?今回も…」

魔法使い「そうだといいけど…」

盗賊「よーし、とーぞく先にのぼるぞ!!それっ!!」タタタ…

僧侶「あ、もう、待ってよ!!」タタタ…

魔法使い「二人とも落ち着きがないわね。さて、私も…どうやら本当に頂上のようね。そして宝箱…おそらくこれが…」

僧侶「きっとこれがさとりのしょだよね?開けてもいいでしょ?ね、ね?」

魔法使い「…インパス!!…うん、大丈夫よ。でも、今回は盗賊に譲ってあげなさい」

盗賊「お、あけていーのか?それっ!!」パカッ

僧侶「ああ、もうちょっとありがたそうに…ってあれ?」

なんとぎんのかみかざりをてにいれた!!

僧侶「あれ?さとりのしょって本だよね?」

魔法使い「そうでしょうね」

僧侶「じゃあこれ、どうやって読むの?まず、ページの開き方が…」

盗賊「おー、これ本なのか?変わってるなー!」

魔法使い「そんなわけないでしょ。この宝箱は外れよ。早く戻るわよ」

僧侶「え~、戻るって…またあの綱渡り…?」

盗賊「おー、またあれやるんだな?早く早く!!」グイグイ

僧侶「ちょっと待って…ああ、また向こうの見えない長いロープ…」

魔法使い「仕方ないでしょう。ほら、私だって怖いんだから、ね?」

僧侶「は~い…うう、やっぱり怖い…ねえ、魔法使いちゃん、今どのくらい?真ん中くらいまで来たかな?」

魔法使い「そうね、多分…」

盗賊「うんうん、やっぱりまんなかがいちばんだな!」ユサユサ

僧侶「え?ま、待って、なんで揺らすの…ってきゃあああああぁぁぁアアア…!!」ピューン

盗賊「あはは、まんなかがいちばんゆれるぞ!!お、そーりょ落ちたな、とーぞくも!!それっ!!」ピューン

魔法使い「……………本当、仕方ないわね…」ピューン

僧侶「うう…ここどこ?」フルフル

魔法使い「どのくらい落ちたかしらね?仮に1つ落ちて4階だとして…」

盗賊「お、今度は穴があるぞ!!また飛び下りるのか?」

僧侶「ええ~!?また飛ぶの!?」

魔法使い「…とはいえ、他に道もないようだわ。仕方ないわ、飛び下りましょう。もし行き止まりでも、最終的にはリレミトがあるから…」

盗賊「おおー!?なあなあ、あれなんだ?すごくおいしそうだぞ!!」

僧侶「あれ…?ってえええ!?ド、ドラゴン!?」

スカイドラゴンがあらわれた!!メタルスライムがあらわれた!!

魔法使い「しかもメタルが…7匹!?大当たり、かしらね?」

盗賊「なあなあ、あいつ食べていいんだろ?」ジュルル

魔法使い「…ええ、先に食べられなければ、だけど」

僧侶「あたしたちの方が美味しいご飯かもね…でも、やるしかないよね!!」

魔法使い「じゃあ、例によって私と盗賊はどくばり、僧侶はどくがのこなね、それっ」ドスッ

僧侶「ドラゴン、これでも食らっちゃえ!!ってあれ?効かなかった…」

盗賊「それぇっ!!あ、しんだ」

メタルスライムをたおした!!

魔法使い「急所を突いたのね、流石盗賊は器用ね…いけない、二人とも気を付けて!!」

スカイドラゴンはもえさかるかえんをはいた!!

僧侶「ひえ~、熱い熱い!!」

盗賊「おお!?とーぞくたちを丸焼きにして食べるのか!?」

魔法使い「凄まじい炎ね…僧侶、盗賊の治療を!!」

僧侶「うん!!大いなる神々よ、この僕に祝福を!!ベホイミ!!」パアア

盗賊「おお!?いたくなくなったぞ!!」

魔法使い「まだ危機は脱してないわね…まず竜を片付けるわ、ヒャダルコ!!」ピキキーン

僧侶「倒れてくれないの!?タフだね…魔法使いちゃんにも、ベホイミ!!」

魔法使い「ありがとう。あとは貴方が竜を倒して。私達は、あのメタル達を…」

僧侶「うん、あと一発叩けば…それぇっ!!」ガンッ

スカイドラゴンをたおした!!

盗賊「おお、おいしそうなのたおしたな!!どんな味がするのかな~?」ワクワク

魔法使い「こら、まずは目の前の敵に集中する!それっ!!」ドスッ

盗賊「おう!!こいつらたおして焼き肉タイムだ!!」

僧侶「よーし、あたしも…この銀色のヤツを倒して、レベルアップだあ!!」

――まもののむれをやっつけた!!

僧侶レベル17「やった、またレベルアップ!!」

魔法使い「メタルを3匹たおせたのが大きかったわね」

盗賊レベル16「んー、こいつなかなか火が通らないぞ…なまじゃダメかなあ?」ガブリ

魔法使い「ちょっと、お腹壊すわよ!!」

盗賊「おお!?おいしい、すごくおいしいぞ!!」ガツガツ

僧侶「ああ、そんな生で…そ、そんなに美味しいの?」ゴクリ

魔法使い「止めときなさい、あの子のお腹は鋼鉄製よ。貴方はお腹壊すわよ」

僧侶「だよね…でも、ゆっくりじっくり火を通せば…」

魔法使い「まあ、火を通せば大丈夫でしょうけど…」

盗賊「おおー!!とくにしっぽがおいしいぞ!!」ガツガツ

魔法使い「焼いてる間にあの子に食べられない自信、ある?」

僧侶「…ううん、ない…」

盗賊「おー、お腹いっぱいだぞ!!」

魔法使い「良かったわね。でも、これからここ飛び下りるんだけど、平気なの?」

僧侶「ああ、忘れてた、また飛び下りるんだっけ…」

盗賊「とーぞくは大丈夫だぞ!!そーれっ!!」ピューン

魔法使い「食べたばっかりなのに、すごいわね…私も行くわ、貴方も早くね」ヒピューン

僧侶「…仕方ないよね…ええいっ!!」ピューン

盗賊「おお、ほらほら、階段だぞ!!ほらほら!!」

魔法使い「本当ね…これはもしかして、ロープから落とされたかいがあったかもよ、僧侶」

僧侶「いたた…だといいけど…」

盗賊「この先になんとかのしょがあるのか?じゃあとーぞくが先にとっとくな!!とくにタタタ…

魔法使い「あら、これじゃあ先を越されちゃうわね、僧侶?」

僧侶「むっ…負けないよ、先にさとりのしょに目をつけてたのはあたしだ!!」タタタ…

魔法使い「…さて、今度こそ当たりだといいけど…」

盗賊「おお、宝箱があったぞ!!」

僧侶「ほ、ホントだ…これは、あたしが開ける…!!」

魔法使い「ちょっと、呪文で調べてから…」

なんと さとりのしょをてにいれた!!

僧侶「おおおおお、これ、これ!!やっと見つけたよ!!」

盗賊「おー、本だ本だ!!」

魔法使い「…ふう、魔物じゃないから良かったけど、危なっかしいわね…」

僧侶「ごめんごめん魔法使いちゃん、でもほら、目的達成だよ!!」

盗賊「おおー!!じゃああとは帰ってご飯だな!!」

魔法使い「待ちなさい。まだこの塔全てを見て回った訳ではないわ。それに、あの銀色のスライムがたくさん出るようだし、魔物退治もしていきたいわね」

盗賊「ええ~、お腹へったぞ!!」

魔法使い「またあの美味しい竜のお肉が食べられるわよ」

盗賊「あ!!そうだな!!とーぞくまだこの塔にいるぞ!!」

魔法使い「と、言うわけだからね、僧侶」

僧侶「分かったよ。あの綱渡りさえなければ、いくらでもいていいんだけどね…はあ…」

――夜、ダーマ神殿宿屋

僧侶レベル19「今日はさとりのしょが手に入った上にレベルもたくさん上がったね!!」

魔法使いレベル25「そうね、目標以上に上げる事が出来たわ。盗賊は6つもレベル上がったし…」

盗賊レベル19「ん…むにゃ…」ウトウト

僧侶「あたし盗賊ちゃんにレベル並ばれちゃった…でも、あの塔すごいね!!あの銀色のヤツがたくさん出てくるから、レベルどんどん上がっちゃうよ!!」

魔法使い「そうね、しばらくあそこで魔物退治も悪くないかもね」

僧侶「絶対それがいいよ!!でさ、魔法使いちゃん、あそこでモンスター退治するなら1つお願いがあるんだけど…」

魔法使い「何?」

僧侶「あのさ、最初に銀色のヤツ倒したとき、一緒に出てきたモンスターを混乱させて同士討ちさせたよね?あれ、すごくいい方法だと思うんだけど、もうどくがのこながなくなって…」

魔法使い「なるほどね、またあの塔に行く前に買い物したいって訳ね。良いわよ」

僧侶「やった、ありがとー!!明日はお買い物だよ、盗賊ちゃん!!」

盗賊「ん…」ウトウト

僧侶「もう寝ちゃったかな?盗賊ちゃんにとっては初めてのダンジョンだったし、しかも盗賊ちゃんモンスターからアイテム盗んだりしてたよね?あたしのあなほりと合わせて、いのちのきのみとすばやさのたねが2つずつ手に入ったもんね」

魔法使い「その意味でもいいダンジョンだったわね。でも手強いダンジョンだったわ。私も疲れたし…」

僧侶「あたしもだよ。それじゃ、今日はもう寝よっか?二人とも、お休みなさい…」

――78日目

魔法使い「じゃあ今日は1度ムオルに戻る?」

僧侶「それなんだけどさ魔法使いちゃん、ゆうべよく考えたらあたし、おおごえで道具屋さん呼べたんだったよ!!」

魔法使い「ああ、あの…前神父さんを呼び損ねた…」

僧侶「あ、ああいう事もあるけどさ、今度は大丈夫、きっと大丈夫だから!!すみませーん、誰かーー!!」ダレカー…

武器防具屋「旅の武器と防具の店だ。何のようだね?」

僧侶「あ、えーと、武器屋さんじゃなくて…すみませーん、誰かーー!!」ダレカー…

神父「お待たせしました、旅の神父です」

僧侶「うう、前に来てほしかったです…だーれーかーー!!!!」ダレカーダレカー…

「武器と防具の店だ」「教会です」「教会です」「宿屋です」「武器と防具の店だ」「武器と防具の店だ」「教会です」

僧侶「……………」ゼーハー

盗賊「どうぐや、こないなー」

魔法使い「…ムオルまで行きましょうか」

僧侶「なんで…なんで来てほしい人が来てくれないんだろう…」

――ムオルの村

魔法使い「正直、往復で2日はかかると思ってたけど、日が高いうちに着いたわね」

僧侶「ホント、良かった…あたしが道具屋さんさえ呼べたら、今日もモンスター退治出来たのに…」

魔法使い「まあ、こういう事もあるわよ。さあ、貴方は買い物するんでしょ?私は盗賊の食べ歩きに付き合うから。ね、盗賊?」

盗賊「おお、また市場だな!!マーマンの刺身食うぞー!!」

僧侶「じゃあ盗賊ちゃんは魔法使いちゃんにおまかせして…道具屋さん道具屋さん…こんにちは!!どくがのこな下さい!!」

道具屋「お買い上げありがとうございます。幾つほど要りますか?」

僧侶「んーと、50個!!」

道具屋「そうですか、それはそれはありがとうございます。それでは金額はこのくらいで…」

僧侶「あ、待って下さい、足りないから、これとこれを売って…はい、お確かめ下さい!!」

道具屋「ひい、ふう、………確かにお預かりしました。では、商品はこちらに…」

僧侶「48、49…確かに。じゃあ、ありがとうございましたー!!ええと、二人は…」

魔法使い「あ、僧侶、良いところに来たわ。お財布、貴方に預けてたから、私達お代払えなくて…」

盗賊「これとこれとこれとこれのお金、たのむぞ!!あ、あとこれとこれと…」

僧侶「ちょ、ちょっと待って、また要らないアイテム売って来なきゃ…」

僧侶「――でさ、どくがのこな買ったときさ、道具屋さんに変な目で見られたの!!」

魔法使い「まあ、どくがのこなをたくさん買ったら、何に使うんだろうなとは思うでしょうね…」

僧侶「やっぱり悪用する人とかいるのかな?」

魔法使い「どうなんでしょうね…ちなみにいくつ買ったの?」

僧侶「50個」

魔法使い「そんなに!?それは怪しまれるわよ…よくお金足りたわね?」

僧侶「ううん、たりなかったから、少し物を売ったよ。おかげで少し荷物が軽くなったよ!!」

魔法使い「それはいいけど…これからの路銀は間に合うの?」

僧侶「大丈夫だよ、しばらくあの塔で修行パートでしょ?その間にお金貯まるって!!」

魔法使い「だといいけど…」

盗賊「おーい、たてものが見えたぞ!!ダーマについたみたいだぞ!!」

魔法使い「ふう、何とか1日で帰って来られたわね」

僧侶「陸路で行ったのが良かったのかな?でも歩きっぱなしで疲れたよ。帰ったらすぐ寝よう…」

――79日目

僧侶「そして、今日1日あたし達はモンスター退治に勤しんだのでした!!」

盗賊「つかれたー!!くーふくだー!!」

魔法使い「確かに疲れたわ…でも、みんなレベルがかなり上がったわね」

盗賊「26まで上がったぞ!!」

僧侶「あたしも26!!蘇生魔法も覚えちゃった!!そしてそして…念願のザキ!!!!」

魔法使い「呪文、たくさん覚えたわね。でも、回復が本分なんだから、あまりザキを使いすぎて魔力が足りないなんてことにならないようにね?」

僧侶「分かってるって!!魔法使いちゃんは、レベル30でしょ?すごいよね、30!!大魔法使いって感じじゃない?」

盗賊「おおー、だいまほーつかい!!」

魔法使い「そんなに大したことはないけど…かなり強くなれたのは確かね。勿論、パーティー全体がね」

僧侶「うんうん、絶対強くなった!!あたし達に敵はなし!!」

魔法使い「流石にそんなことはないけど…」

僧侶「じゃあさ、明日からはどうするの?今日1日で、予定よりレベル上がったよね?」

魔法使い「そうね…明日1日くらいは、続けて魔物退治をしましょう。強くなりすぎるって事はないでしょうから。ただ、最初の予定では3日間だったけど、明日だけで一旦切り上げてもいいかもね。盗賊も、同じ場所ばかりじゃ飽きるでしょ?」

盗賊「とーぞくはあそこでもいいぞ、肉おいしいし!!でも、他のところにも行ってみたいぞ!!」

僧侶「他の所って…もうジパングのモンスター退治!?」

魔法使い「流石にまだ早いと思うし、あくまで一旦よ。でも、ある程度強くなったら、今度は装備を調えるべきだと思うの。でも、今まで行った町では限界があるわ。だから…」

僧侶「船で新しい町を探すんだね!!」

魔法使い「そうなるわね。私達まだまだこの世界の大半を知らないと思うし…」

僧侶「うんうん、同じ場所に籠ってても面白くないもんね。盗賊ちゃんも、まだ食べたことないもの食べたいよね?」

盗賊「おう、食べたいぞ!!」

魔法使い「決まりね。明日1日は魔物退治を頑張って、次の日からまた世界を巡る。そして――」

僧侶「お買い物と!!」

盗賊「おいしいもの!!」

魔法使い「ええ、今から楽しみね」

――80日目

僧侶「そういえばさ魔法使いちゃん、この前は盗賊ちゃんを賢者にするような話じゃなかったっけ?」

盗賊「お?よんだか?」

魔法使い「ええ、そのつもりだったし、そうするつもりよ。ただ、今転職するよりは、一仕事終えてからの方がいいと思ったの」

僧侶「なるほど、ジパングのモンスター退治してからだね」

魔法使い「ええ、そして賢者になったら、それからはこの子がこのパーティーの主力になるのよ」ナデナデ

盗賊「しゅりょくだぞー!!」キャッキャッ

僧侶「意味分かってるのかなあ…?」

魔法使い「さあ…それより、貴方こそいつかまた商人に戻るって言ってたけど、いつ戻るの?」

僧侶「え?それがね…あたしも、ジパングのモンスターを倒したら商人に戻ろうかな~って…やっぱり1度に二人転職したらまずいよね?」

魔法使い「そうね…でも心配いらないかもよ。転職したら、また今のように魔物退治すれば…」

盗賊「おーい、塔についたぞ!!」

僧侶「はーい!!そっか、そうかもしれないね。じゃああたしも盗賊ちゃんと一緒に転職しようかな」

魔法使い「それでもいいと思うわ。さあ、ガルナの塔に着いたわ。今日も魔物退治頑張るわよ!」

――魔法使いはレベルが上がった!!

僧侶レベル32「魔法使いちゃん、これでレベルいくつ?」

魔法使い「34まで上がったわ。かなり強力な呪文も覚ることができたわね」

盗賊「おおー、きょうりょくなまほー、見たいぞ!!」

魔法使い「私も試してみたいけど…」

スカイドラゴンがあらわれた!!メタルスライムがあらわれた!!

僧侶「あ、ドラゴンとメタルが7匹も!!魔法使いちゃん、新魔法で何とかならない?」

魔法使い「試してみましょうか――我が爪は大地を裂き、我が牙は天使を喰らい、我が吐息は世界を焦がす。見よ!!我が真の姿を!!聞け!!我が真の咆哮を!!そして刻め!!その脳裏に、恐怖と共に、我が真の名を!!――ドラゴラム!!」グググググメキメキメキ…

僧侶「え?え?え?ま、魔法使いちゃん!?」

盗賊「おおおー!!でかいでかい!!」キャッキャッ

魔法使いはもえさかるかえんをはいた!!

僧侶「ひ、ひえー!!」

スカイドラゴンをたおした!!メタルスライムをたおした!!メタルスライムをたおした!!メタルスライムをたおした!!

――まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「…ふう、上手く唱えられたわね」シュウウウ…

盗賊「おおー、元に戻ったぞ!!」キャッキャッ

僧侶「す、すごい魔法だね…モンスターが黒こげに…」

盗賊「おおおー!!ドラゴンの焼き肉だ!!すげー!!」ムシャムシャ

魔法使い「確かに凄い魔法だけど…変身してから炎を吐くまでに時間がかかるのがネックね。メタルを4匹も逃がしたわ。あとはやっぱり燃費が悪いわね…」

僧侶「これだけの大魔法だもん、しょうがないんじゃない?」

魔法使い「確かに、こんな呪文が軽々と使えたら、それはもう人じゃなくて、本物の竜かもね」

僧侶「そうそう、魔法使いちゃんは一応れっきとした人間なんだから!!」

魔法使い「一応って何よ…まあ、どんな呪文も使いどころだし、この呪文も…」

盗賊「おおおー!!ドラゴンの焼き肉すごくおいしいぞ!!二人とも食べるんだぞ!!まほーつかい、またこれつくってほしいんだぞ!!」

僧侶「…使いどころ?」

魔法使い「うーん…」

――ダーマ、宿屋

僧侶レベル32「よし、じゃあこれでモンスター退治は一時中断だね!」

魔法使いレベル34「そうなるわね。これでそこら辺の魔物に負けることはそうないはずよ」

盗賊レベル32「どんなモンスターも食べほうだいだな!!」

魔法使い「食べ放題かはともかく、以前の戦力じゃ海の冒険も不安があったけど、今ならどんな所でも行けそうな気はするわね」

僧侶「それじゃ、明日からはまた冒険に戻るんだね?」

魔法使い「そうね。盗賊、またいろんな土地のいろんな食べ物が食べられるわよ」

盗賊「おおー、今日食べたドラゴンの焼き肉よりもおいしいのあるかな?」

僧侶「どうだろう、今日のドラゴン肉、まさかあんなに美味しいとは思わなかったし…」

魔法使い「本当ね。食べてみるものよね…でも、世界は広いわ。きっと、もっと美味しいものがあるはずよ」

盗賊「おおおー!!たのしみだぞ!!」ジュルリ…

僧侶「食べ物もだけど、あたしはお買い物が楽しみだなー、みんなの装備を買って、それから…」

魔法使い「私は、名前だけ情報があったエジンベアを探したいわね。さあ、明日からは船旅よ。今日はもう休みましょう…」

――81日目

盗賊「おおー、船、久しぶりだな!!」

魔法使い「大袈裟ね、せいぜい四日ぶりくらいよ」

僧侶「でも盗賊ちゃんの気持ちも分かるな。塔の中にばっかりいたもん。で、今日はどこに行くの?」

魔法使い「そうね、まずはムオルに行きましょうか。そこで1泊してから、次にどこへ行くか考えましょう」

僧侶「まずはムオルかあ。あたしは、ムオルからは東に行きたいな」

盗賊「とーぞくは北!!北に行きたいぞ!!」

魔法使い「あら、意見が別れたわね。どうしようかしら」

僧侶「うーん、じゃあ北に行く?最近、盗賊ちゃんのカンが冴えてるし…」

魔法使い「さとりのしょを見つけたのも、盗賊にロープから落とされたのがきっかけだったわね。僧侶がいいなら、そうしましょう。じゃあ盗賊、北に行くわよ?」

盗賊「おう!!北はぎょかいるいがおいしいんだぞ!!」

魔法使い「そういう知識は大したものね…」

僧侶「あ、見えてきたよ、ムオル!」

魔法使い「やっぱり夕方になってしまったわね。予定通り、ここで1泊ね」

僧侶「そだね、あんまり疲れてないけど、ここで1泊しとかないと後で大変かもしれないし。ね、盗賊ちゃん?」

盗賊「くらげは、ここをとればしべれなくなって…で、ないぞうを…」

魔法使い「…食材の研究に夢中ね」

僧侶「何でも食べようとする努力はすごいよね。あたし達に味見させる事さえなければ…」

魔法使い「まあ、ドラゴンは美味しかったし…でもやっぱりくらげは遠慮したいわね…」

盗賊「…ん?なんだじろじろ見て。食べたいのか?まってろ、今解体して…」

僧侶「い、いいよ、いいってば!!」

――82日目

僧侶「うーん、船旅だとあっという間に時間が過ぎてく気がするね」

魔法使い「そうね。塔にとじ込もっていると、ずいぶん時間が遅く感じられたものだけど…」

盗賊「みんなのったか?じゃあ北だ、北に行くぞ!!」

魔法使い「ふふ、すっかりキャプテンね」

僧侶「ホントだね…海峡を抜けて…外海にでたっぽいね」

盗賊「お?なあなあ、あれなんだ?」

魔法使い「あれは…浅瀬ね。こんな、何も無いところに浅瀬…」

僧侶「ねえねえ、あれさ、昔は陸だったりしたのかな?」

魔法使い「どうかしらね…自然物にしては、形が整い過ぎてる気もするし…一応、覚えておきましょう。それより盗賊、このまま北上するのかしら?」

盗賊「えーと、あっちは…西!!西に行くぞ!!」

魔法使い「大陸沿いに進むのね。確かに、その方が何か見つかりそうね」

僧侶「カンがいいのか、意外と考えてるのか…でも確かに、あたしのカンでも何かありそうな予感がするよ!!」

魔法使い「二人の勘が導いた進路だけど…なかなか何も見えてこないわね…」

僧侶「も、もうすぐだよ、きっと…」

盗賊「あ、見てみろ、あそこ、何かたってるぞ!!」

魔法使い「何かしら…?夕日が眩しくて、よく見えないけど…」

僧侶「あ、確かに何かあるよ!ほこらじゃない?」

盗賊「なあなあ、とーぞくはあろこに行ってみたいぞ!!」

魔法使い「ええ、やっと見つけた建物だもの、行ってみましょう。僧侶、下船の準備をして」

僧侶「うん!!何があって、どんな人がすんでるのかな?楽しみだね!!」

魔法使い「…しかしここは、物凄く深い森ね…」

僧侶「ホントだね…こんな所に、どんな人が住んでるんだろう…お邪魔しまーす」

ホビット「ほう、若い旅人だな」

盗賊「なんだ、小さいおじさんだな!!」

魔法使い「こらっ!!この人は、ホビットっていう種族なのよ!!」

ホビット「ははは。こうしてお前たちを見てると思い出す。私も、若い頃オルテガ殿という勇者のお供をして旅をしていたものだ」

魔法使い「オルテガ殿と…!!」

ホビット「お若いの、オルテガ殿をご存じか?」

僧侶「あたし達、アリアハンから来たんです!!オルテガさんの出身の…」

ホビット「なんと!そうであったか…ちと聞きたいのだが、噂によればオルテガ殿は亡くなったと…本当なのか?」

魔法使い「はい。私達も、そのように聞いております」

ホビット「しかし、実際に見たものは居ないのではないか?」

魔法使い「どうでしょう…確かな事は言えませんが…」

ホビット「私にはどうしてもオルテガ殿が亡くなったとは信じられんのだ。あれほどのお方が…まだ生きていて、どこかで旅を続けている…そう思えてならんのだ…」

魔法使い「………」

僧侶「ビックリしたね。こんな所でオルテガさんの話を聞くなんて…」

魔法使い「そうね。流石に世界中を旅したオルテガ殿ね…あら、盗賊は?」

盗賊「おー、ねこだ!!おいしそうなねこだ!!まてー!!」ドタバタ

猫「フギャー!!」ドタバタ

僧侶「もう、猫ちゃんが可哀想でしょ!!ごめんね猫ちゃん、怖かったでしょ?」

猫「にゃーん?」

僧侶「ん?なあに、猫ちゃん?」

猫「では、ここから南。4つの岩山の真ん中を調べて下さい」

僧侶「しゃしゃしゃしゃべった!?!?!?」

魔法使い「驚いたわね…魔物でもないみたいだし…」

僧侶「ど、どうしよう魔法使いちゃん、猫ちゃんの言うこと、聞いてみる…?」

魔法使い「そうね、特に急いでる訳でもないし、その猫の言う通りに…」

盗賊「きゃはは、まてまてー!!」ドタバタ

猫「フギャー!!」ドタバタ

僧侶「だから、可哀想でしょ!!もー!!」

魔法使い「…夜になってしまったわね。闇の中、この深い森を歩くのはなかなか大変そうね…」

僧侶「まっからもーりーのー♪」

盗賊「やみのなかーでーはー♪」

魔法使い「…楽しそうね。怖がって泣かれるよりはいいけど…」

僧侶「だって、歌ってないと怖いし…」

魔法使い「ならなんでそんな怖い歌歌うのよ…しかも盗賊にまで歌わせて…盗賊?」

盗賊「なあなあ、たぶんこのへんが4つのいわやまのまんなかへんだぞ!!」

僧侶「盗賊ちゃん、分かるの?」

盗賊「おう!!ほら、あっちとあっちとあっちとあっちにいわやまがみえるぞ!!」

魔法使い「全く見えないけど…ねえ、僧侶。この木、見てみて…」

僧侶「この木?あ、なんだか他の木と少し違うような…わ、おっきい!!魔法使いちゃん、この木すごいおっきいよ!!」

魔法使い「あの猫が言ってたのは、この木の事かしら…?僧侶、あの猫最初は何て言ってたのか分かる?」

僧侶「……にゃーん?」

魔法使い「やっぱりそう言ってたわよね…どういう意味なのか…」

僧侶「でも…きっとこの木を調べてみろって事だよね?これ、登ってみないといけないのかな…?」

魔法使い「ちょっと大きすぎるわね。ここは1つ、盗賊に登ってもらおうかしら?ねえ、盗賊?」

盗賊「お、なんだ、盗賊?」ヒラヒラ

魔法使い「貴方、ちょっとこの木に…ってそのおっきな葉っぱ、どこから取ってきたの?」

盗賊「そこに落ちてたぞ!!」

僧侶「根本に?でもこの葉っぱ、とっても瑞々しいね。落ちてる他の葉っぱと形と違うし…」

魔法使い「ここは針葉樹林なのに、落葉樹のような葉っぱね。それにしても、落ちてたのに物凄い生命力を感じるわ」

僧侶「ただの葉っぱじゃないよね。僧侶のカンでは、すごく神聖なものだと思うし、商人のカンでは、すごく貴重なものに見えるよ」

魔法使い「とりあえず、これを持って帰りましょう。盗賊、お手柄ね」

盗賊「えー、この葉っぱ苦そう。もっとおいしそうなのがいいぞ」

僧侶「うん、それはまたいつかね?」

魔法使い「ふう、魔物も強かったけど、なんとか船まで戻って来られたわね。それにしても、二人ともどこに行ったのかしら?」

盗賊「おなかへった!!ごはんどこー?」ドタバタ

魔法使い「あんなに走り回ったらかえってお腹減りそうだけど…あら、僧侶もいたわね」

僧侶「ま、魔法使いちゃん!!さっきの葉っぱ調べて見たんだけどさ、多分これ、せかいじゅのはだと思うの!!」

魔法使い「世界樹の…って、もしかして…!!」

僧侶「うん、死者さえも蘇らせるっていう、あのせかいじゅのは!!」

魔法使い「驚いたわね…じゃああの猫は、これの在処を教えてくれたって訳ね?」

僧侶「そうだと思う…すごいよこれ、ホントにすごいよ!!あ、ねえ盗賊ちゃん、盗賊ちゃんの持ってきた葉っぱ、すごい葉っぱだったよ!!せかいじゅのはだよ!!」

盗賊「世界中の…歯?」

僧侶「歯じゃなくてさ…」

魔法使い「盗賊に言っても分からないわよ。それより盗賊、ご飯にしましょうか?」

盗賊「おう!!おなかペコペコだぞ!!」

僧侶「でも結局、泊まれるような所は見つからなかったね…」

魔法使い「仕方ないわね。未知の領域を進む以上、こういう事もあるわよ」

僧侶「うん…あ、魔法使いちゃん、盗賊ちゃん、見て見て、お日様が昇るよ!!」

盗賊「おー、おひさまだ!!」

魔法使い「眩しい…でも美しいわね」

――83日目

僧侶「朝日、キレイだね!!船の上で朝になるのもたまにはいいかもね!!」

魔法使い「たまにはね…毎日こうだと体が持たないわ。それにしても、明るくなったしそろそろ町でも見えてきて欲しいものだけど…」

盗賊「あ、なあなあ、あそこ、何かあるぞ!!」

僧侶「あそこ…?あ、魔法使いちゃん、町があるよ!!…ってあの町、どこかで見たことあるような…」

魔法使い「…あれ、ノアニールじゃないかしら?」

僧侶「え…?あ、ホントだ、あれノアニールの町だ!!」

盗賊「ノアニール…?聞いたことあるようなきがするぞ?」

魔法使い「ええ、昔貴方が住んでた所の近くよ。じゃあ、せっかく町も見えてきたし、あそこで一休みしましょうか。流石に、こんなに明るいのに宿に泊まる訳にはいかないけど…」

僧侶「そうだね、あの後町がどうなったのか見てみたいし。じゃあノアニールの町にレッツゴー!!」

――ノアニールの町

僧侶「うーん、あんまり変わってないね…」

魔法使い「まだ50日くらいしかたってないわよ。町が変わるには、少し短いんじゃないの?」

僧侶「50日かあ…町はともかく、あたしにはすごく昔のような気がするよ…」

魔法使い「それは私もよ。あれからそんなに経つのね…」

僧侶「あ、でも情報はちょっと新しいのがあったよ。世界のどこかには海賊の家があって、近くを通ると襲われちゃうんだって!!」

魔法使い「海賊か…気を付けないといけないわね。新しい情報と言えば、遊び人も、長く修行をすればただの遊び人じゃなくなるそうよ。貴方、遊び人はどう?」

僧侶「どうって…あたしは商人になるの!!遊び人なんてイヤだよ!!」

魔法使い「ふふ、冗談よ。さて、他に何もなさそうだし、船に戻りましょう。盗賊も、お留守番で飽きてるかもしれないわ」

僧侶「大丈夫だよ、町に着いたとたんに寝ちゃったし」

魔法使い「昨日夜更かししたから仕方ないわね。私だって、少し眠いしね」

僧侶「交代で仮眠取りながら来たけど、やっぱり大変だね…」

魔法使い「さて、ノアニールの近くと言ったら…」

僧侶「エルフの隠れ里?あそこに行っても…あ、でももしかしたら、エルフと人間の関係が変わって、お店で買い物出来たりするかも…!」

――エルフの隠れ里

エルフ商人「人間に物は売れませんわ。お引き取りあそばせ」

魔法使い「やっぱり駄目ね。じゃあ諦めて次に行きましょう…僧侶?」

僧侶「今なら…今ならザキを使える…ザラキだって…!」ブツブツ

魔法使い「もう、バカなこと言わないの!全く…僧侶、盗賊は?」

僧侶「あ、盗賊ちゃんならあっちで…」

盗賊「おおー、エルフもおいしそうだな、まてー!!」ドタバタ

エルフ「ひー!!さらわれてしまうわ!!」

魔法使い「…全く、二人揃って…」

魔法使い「…もう、二人揃って問題起こさないでよね!」

僧侶「あ、あたしはまだ問題起こしてないよ!それに、分かったこともあったし…」

魔法使い「分かったこと?」

僧侶「あのね、お店の近くにホビットが居たんだけど、もしかしたらホビットなら買い物できるんじゃないかなーって…」

魔法使い「へえ、じゃあ貴方がホビットに変装でもするの?」

僧侶「え?魔法使いちゃんの魔法でなんとかならないの?」

魔法使い「何ともならないわよ…そんな事より、今日ももう暗くなってしまったわ。どうする?ノアニールに戻る?」

盗賊「なあなあ、あっち、あっちの方に島が見えるぞ!!行ってみないのか?」

魔法使い「島…?本当、暗いのに良く見えるわね…」

僧侶「うーん、私にも分からない…」

盗賊「見えないのか?すぐ近くだぞ、行こう行こう!!」グイグイ

魔法使い「そうね、戻るよりは、新しい土地に行った方がいいかしらね?危険があるかもしれないけど…」

僧侶「でも、危ないと思ったらその時に戻ればいいんじゃないの?まずは盗賊ちゃんあ言う通りに行ってみない?」

魔法使い「それもそうね、じゃあ盗賊、案内してくれるかしら?」

盗賊「おー!!任せろー!!」

魔法使い「確かに、島があったわね。小さな島だけど…」

僧侶「そうだね…あ、魔法使いちゃん、お城が見える!!」

魔法使い「お城か…宿に泊まれればいいけど…」

盗賊「やど?ごはんおいしいかな?」

僧侶「どうだろうね…あ、モンスターだよ!!」

まじょがあらわれた!!じごくのよろいがあらわれた!!

盗賊「あんまりおいしくなさそうだぞ…」

魔法使い「テドンの周りにいたのと同じ種類の魔物ね。でも、私達はあの頃よりずっと強いわよ――白き力よ吹雪と来たれ!!冷たき刃を振りかざし、全てを凍てつく世界へ誘え!!ヒャダイン!!」ゴオオォ

まじょをたおした!!じごくのよろいをたおした!!

盗賊「おおー、すごいすごい!!」キャッキャッ

僧侶「魔法使いちゃんって、氷の魔法好きだよね。冷たい大魔導師、とかそんな感じの目指してるの?」

魔法使い「別に目指してないわよ…」

――夜、エジンベア

僧侶「やっとお城に着いたね!!疲れたなあ、早く宿に泊まって…」

門番「なんだ、お前らは?ここは由緒正しきエジンベアのお城。田舎者は帰れ!!帰れ!!」シッシッ

僧侶「むっ、何よその言いぐさ、通してよ!!」

門番「田舎者は通さん。帰れ帰れ!!」

魔法使い「通してくれそうもないわね」

僧侶「通れないのもだけど、何よ田舎者田舎者って!!自分たちだってこんなへんぴな離れ島の田舎者じゃない!!」

盗賊「なあ、通れないのか?あのもんばんをたべれば入れるんじゃないか?」

魔法使い「すぐに食べようとしないの。それにしても、ここがエジンベアなのね。あのランシールのスライムが名前だけ教えてくれた…」

僧侶「あ、そんな事あったね。あれ?確か、あのスライム、他に何か言ってなかったっけ?」

魔法使い「きえさりそうがあるならランシールに行け、って言ってたわ。つまり、きえさりそうで姿を消して…」

僧侶「あ、そうか!!そうすればあのイヤな門番に見つからずに中に入れるね!!」

盗賊「お?なかに入れるのか?」

魔法使い「ええ、でもきえさりそうは使わないわよ」

僧侶「え?な、なんで?」

魔法使い「あれ、高かったんでしょ?それより、呪文を使えばただで済むわ」

僧侶「え?でも姿を消す呪文は高度な呪文だって…覚えたの?」

魔法使い「さあ、ここでは門番に見えてしまうわ。物陰に隠れて…ヴェールの向こうに住まいし者よ、我々を隔たれた世界へと誘え!!レムオル!!」プァーン…

盗賊「お?お?お?」

僧侶「わ、見えなくなった!?ま、魔法使いちゃん、盗賊ちゃん、どこ!?」

魔法使い「ここよ。私には二人が見えるわ。でもはぐれるといけないから、手を繋ぎましょう。ほら、盗賊も…」

盗賊「おーてーてー♪」

僧侶「つーないでー♪」

魔法使い「もう!静かにしないとばれちゃうわよ!」

僧侶「…中に入れたのはいいけど…夜だから静かだね。みんな寝ちゃってるのかもよ?」

盗賊「なあ、やどやないみたいだぞ。ごはんないのか?」

魔法使い「そうみたいね。不便なお城ね…」

僧侶「やっぱりこのお城の方が田舎じゃない!!」

盗賊「おなかへったー!!」

魔法使い「二人とも騒がないで!!響いちゃうでしょ!」

僧侶「ご、ごめん…」

魔法使い「まあ、いいわ。中に入ってしまえば追い出されないみたいだし…」

盗賊「なあなあ、あそこ、階段だぞ!上らないのか?」

魔法使い「階段か…見たところ謁見の間に通じてるようにも見えるけど…」

僧侶「上ってみようよ!何かお宝があるかも…」

魔法使い「謁見の間ってそういう所かしら…?」

僧侶「ふーん、やっぱり王様達に挨拶する所だね」

魔法使い「ええ…待って、誰か玉座に…」

盗賊「おー、あれがおうさまか?えらそうだな!!」

???「!!」ソソクサ

魔法使い「もう、声が大きいわよ!」

僧侶「でも、何か様子がおかしいよ、あの人。王様じゃないんじゃない?」

魔法使い「格好からすると大臣かしら…」

大臣「あー、こほん。まずい所を見られてしまったな。この事は内緒にしておいてくれよ?」

僧侶「えー、どうしようかなあ?」

盗賊「かなあー?」キャッキャッ

大臣「内緒にしてくれるなら、良いことを教えよう。ここからはるか西の大陸、森に囲まれた小さな草原がある。行ってみるといい」

魔法使い「西…?西に大陸が?」

僧侶「へえ、行ったことない大陸かな?良いこと聞いたね、じゃあ大臣さん、黙っててあげる!!」

大臣「うむ。助かったぞ…」

僧侶「いい情報が聞けたね!」

魔法使い「そうね、次の行き先が決まっただけでも良かったわ。ただ、問題は今日これからどうするかね…」

僧侶「宿もないしね…ホント、田舎町なんだから!!ね、盗賊ちゃん…盗賊ちゃん?」

魔法使い「もうとっくに階段を下りてどこかに行ったわよ。私達も行きましょう、盗賊を見失ってしまうわ」

僧侶「もう、じっとしてられないんだから…盗賊ちゃーん!!」

魔法使い「だから大きな声を出すと響くわよ…ほら、あっちよ、扉が開いてる」

僧侶「あ、ホント…ここ、中庭?」

盗賊「おーい、このおっちゃんがいいこと教えてくれたぞ!!」

魔法使い「あら、情報収集してたのね、偉いじゃない。それで、良いことって?」

大男「ああ、この城には地下室があってな、そこにある3つの岩を青い床に並べると何かが起きるらしいぜ」

僧侶「何か…?何かってなんだろう…?」

魔法使い「きっと行ってみれば分かるわよ。情報ありがとう。じゃあ二人とも、行きましょう」

僧侶「ここが地下室…池と岩が不自然に散らばってるね…」

盗賊「おお?いわ、おせないぞ…」

魔法使い「一人で押しても駄目よ。それにやみくもに押してもいけないわ。ちょっと待って、考えさせて…」

僧侶「頼りにしてるよ!よっ!!きれもの!!」

盗賊「よっ!!」キャッキャッ

魔法使い「静かにしててよ…分かったわ。まず、これをこっちに動かして…」

僧侶「う、うん…これ、か弱い乙女3人にはキツくない?」

魔法使い「仕方ない…わ…で、これをこっちに…」

盗賊「こっちか?そーれ!!」

僧侶「盗賊ちゃん、頼もしい…」

魔法使い「普段あれだけ食べてるからね…で、これをこっちで…こうして…こうして…こうで…」

僧侶「おおー、いったん右にやって…なるほどー!」

盗賊「すごいな、どんどんあおいゆかにならんでるぞ!!」

魔法使い「で、これで…こう!!」ゴーン!!

僧侶「!?今、でっかい音がしなかった!?行ってみようよ!!」

魔法使い「こんな所に通路が…さっきはなかったけど、これがさっきの音の正体…?」

盗賊「とーぞくがさきにいくぞ!!…お、たからばこだ!!あけるぞ!!」パカッ

僧侶「ああっ、またそうやってすぐ…」

なんと かわきのつぼをてにいれた!!

盗賊「なんだ?なにも入ってないぞ…」

僧侶「つぼ?つぼって…どこかで話を聞いたような…」

魔法使い「ランシールね。さいごのかきを手に入れるのには壺が必要だっていう話だったわ

僧侶「ああー!!聞いた聞いた、じゃあ、もしかしてこれが…!」

魔法使い「そうかもしれないわね。でも、はっきりとは分からないし…明るくなったら、このお城の人達から話を聞きましょう」

僧侶「お城の人達なら分かるかな?って、ここで朝まで待つの?」

魔法使い「待つ必要はないわ。今からひっくり返すから」

盗賊「ひっくり返す?つぼをか?」

魔法使い「違うわよ…朝日よ来たれ!!眩しき力で暗き世界を裏返せ!!ラナルータ!!」ピカーッ

盗賊「お?お?お?」

僧侶「わ、どんどん眩しくなって…!?」

――84日目

魔法使い「さあ、朝になったわよ」

僧侶「えええ!?魔法使いちゃんの魔法で、朝にしたの!?」

魔法使い「そうよ、驚いた?」

盗賊「すごいな、あさだあさだ!!」

魔法使い「凄いは凄いけど…魔力を使いすぎるわね。これなら、このお城にルーラすれば良かったわ…」

僧侶「ああ、そっちの方が魔力使わないんだ?まあいいじゃん、それより情報集めしようよ!!」

盗賊「しよーよ!!」

魔法使い「そうね、じゃあ手当たり次第…」

僧侶「あー!!しまった…」

魔法使い「どうしたの!?」

僧侶「魔法使いちゃん、あたし達最近宿屋に泊まってなかったよね?あたしがおおごえで宿屋さんを呼べば、朝になった上にみんな休めたのに…」

魔法使い「ああ、でもまた呼びたい人呼べないんでしょ?」

僧侶「さらっと酷い事言ってない!?確かに、今までは駄目だったけど…」

魔法使い「で、情報を集めた結果だけど…この壺は、海を干上がらせる事の出来る壺らしいわね…とんでもない代物だわ…」

僧侶「でさ、どこかの浅瀬には、何かが沈んでるんだって!これってさ…」

魔法使い「ええ、きっとかわきのつぼで浅瀬を干上がらせれば、その何かが手に入る、あるいは何かに行けるって事だと思うわ」

盗賊「なあなあ、あっちのがきんちょが、さいごのかきはほこらにあるっていってたぞ!!」

魔法使い「貴方もガキんちょじゃない…でも、これで全てが繋がったわ。さいごのかぎを手に入るには、壺が必要で、壺は海を干上がらせる」

僧侶「で、どこかの浅瀬には何かが…きっとほこらがあって、そこにさいごのかぎが…!」

魔法使い「きっとそういう事ね。そして、私達は怪しい浅瀬も知ってる」

盗賊「ムオルの北にあったあさせだな!!」

僧侶「そっか!!じゃあそこに行けば…!」

魔法使い「ええ、さいごのかぎが手に入るはずよ。宿屋もないようなお城だったけど、私達の旅には大いに助けになってくれたわね」

――85日目

魔法使い「全く…どこの国も、王様に報告するのは時間がかかるわね…」

僧侶「まあ、それは仕方ないと思うけど…お店も何もないから1日待ってるのは退屈だったよ。しかも、どこに行っても田舎者、田舎者って…」

盗賊「いなかものだぞー!!」キャッキャッ

魔法使い「私だって、王様に何回言われたか分からないわ。でもまあ、もうこのお城にも来ることはないと思うし…」

僧侶「せいせいするね!!でも魔法使いちゃんは大変だね、もう来ない場所でも一応挨拶と報告に行かなきゃいけないなんて…」

魔法使い「勇者の露払いが私の使命だからね。そっちこっちで無礼を働く訳にもいかないのよ」

盗賊「たいへんだなあ、ほめてつかわす!!」キャッキャッ

魔法使い「うん、ありがとうね…」

僧侶「さあ、こんなお城とも今日でお別れよ!!…で、どこ行こうか魔法使いちゃん、やっぱり西の大陸を目指すの?それとも例の浅瀬?」

魔法使い「そうね、まずは西の大陸に行ってみましょう。ここからあの浅瀬までの距離は良く分からないし…」

僧侶「確か西の大陸は新大陸って呼ばれてたよね? まだあんまり人が行ったことない大陸なのかな?」

魔法使い「かもしれないわね。未知には危険が付き物よ。気を引き締めて行きましょう」

僧侶「分かってるって!さあ、盗賊ちゃん、出港よ!!ヨーソロー!!」

盗賊「しんろはひがしへー♪」

僧侶「って盗賊ちゃん、西よ、西に行くの!!」

魔法使い「大丈夫かしら…」

僧侶「結構進んで来たけど…あ、あれ!!陸じゃない!?ね、盗賊ちゃん?」

盗賊「………」スピー

僧侶「あれれ、寝ちゃったかあ…」

魔法使い「ここしばらくちゃんと宿屋で寝てないもの、無理もないわ…とはいえ、この子のタカのめがないと不便ね…」

僧侶「まあ、起きるまで直進でいいんじゃない?」

魔法使い「そうね、そうなると…おそらく大陸の北端を過ぎて…あ、盗賊、目が覚めた?」

盗賊「ん…ここどこ…?」

僧侶「今ね、それを盗賊ちゃんに調べて欲しいの。タカのめ、出来る?」

盗賊「ん…ちょっとまって…えっと、あっち、あっちに何かある…」

魔法使い「あっち?北東ね…ってあら、もう私にも何か見えてきたわ」

僧侶「あれ、ほこらだよね?こんな所にぽつんとあるなんて…」

魔法使い「何かあるかもね。僧侶、上陸の準備をして。盗賊も平気?」

盗賊「おう、大丈夫だぞー…」

僧侶「…ちょっと不安だね…」

――旅の扉のほこら

盗賊「おおー、あのうにゅーってなってとおくに行けるやつがいっぱいあるぞ!!」

魔法使い「旅の扉が3つも…どれがどこに繋がっているのかしら?」

僧侶「悩んででもしょうがないよ、片っ端から行ってみよ?ね?」

魔法使い「それもそうね。じゃあ、盗賊…」

盗賊「きゃはは、それー!!」プァーン

僧侶「ああ、行っちゃったよ、仕方ないなあ…それっ!」プァーン

魔法使い「私も…ここは、どこかしら…?」

僧侶「うーん、見覚えあるようなないような…」

盗賊「お?カギがかかっててとおれないぞ!!」ギシギシ

僧侶「ホントだ。ねえ、魔法使いちゃん、これって…」

魔法使い「ええ、恐らくさいごのかぎが必要なんでしょうね。今はまだ早かった、という事かしら…」

僧侶「さいごのかぎを手に入れたらまた来ようね!それはそうと、まだあと2つも旅の扉があるわけだし、そっちに行ってみようよ!」

魔法使い「そうね、どちらかからどこかに行けるかもしれないし…」

盗賊「うー、どこもカギがかかってたぞ!!」

魔法使い「そうね、まさか3つともだなんて…」

僧侶「でも、逆を言えばさいごのかぎさえあれば、いろんな所に行けるって事だよね?」

魔法使い「そういう事にもなるわね。やっぱり、さいごのかぎ入手が今やるべき事か…」

僧侶「でもさ、さいごのかぎが手に入ったら、行くとこたくさんあって大変だね!ランシールの神殿だって、確かさいごのかぎが必要っぽかったよね?」

魔法使い「ええ、正直どこから手を付けたらいいか…」

盗賊「ぜんぶ、ぜんぶ!!あっちからこっちまで、ぜーんぶ!!」キャッキャッ

魔法使い「…盗賊の言う通りね。結局、行ける所全てに行かなければ…」

僧侶「そうそう、今悩む必要ないよ!!まだ鍵を見つけた訳じゃないし、見つかるまでにまた何かヒントがあるかもしれないし!!」

魔法使い「そうね、あのエジンベアみたいな辺境の島国でさえ、あんなに情報があったし、これからどこかで何かを掴めるかも…」

僧侶「でしょ?だからもう出発しようよ、今はもうここに用はないし。ね?」

盗賊「おおー、しゅっぱつだー!!いくぞいくぞー!!」

魔法使い「さて、次はどっちにいこうかしら…」

盗賊「きた!!北!!おっきなしまに、ひろーいそーげん!!」

僧侶「島って…この辺島ばっかりだよね。どの島?」

盗賊「ほら、あそこあそこ!!」グイグイ

魔法使い「あそこって…この島?じゃあ上陸してみましょうか」

僧侶「はーい…確かに、エジンベアよりは大きな島…って寒い!!」ブルブル

魔法使い「そうね…私は未だにぬいぐるみ着てるから平気だけど」

僧侶「うう、人数分掘っておけば良かったかなあ…って、魔法使いちゃん、あれ!!」

ひょうがまじんがあらわれた!!

魔法使い「見たことない魔物ね。二人とも、気を付けて!」

盗賊「うう、おいしくなさそうだぞ…」

僧侶「歯もお腹も壊しそうだね…でも、食べられなくても倒さなきゃ!!」

魔法使い「見るからに氷の魔物ね。ここは――汝は知る、我の力を!!灼熱の炎、全てを喰らい、全てを飲みを干し、全てを白き灰へと還せ!!ベギラゴン!!」ゴオオオオオォ!!

僧侶「ひゃー!!凄い火力!!これならモンスターもひとたまりも…」

魔法使い「まだよ!!気を抜かないで!!」

僧侶「ええ!?1体も倒してないなんて…!?」

盗賊「食べれないけど、とうっ!!」ピシャーン

ひょうがまじんをたおした!!ひょうがまじんをたおした!!

僧侶「やった、じゃあ残りは…えいっ!!」ドゴッ

ひょうがまじんをやっつけた!!

魔法使い「よし、みんな無傷ね?」

僧侶「あんなにすごい魔法で倒せないからびっくりしたよ…すごいね…」

盗賊「ほらほら、あっちあっち!!あっちに何かあるぞ!!」

魔法使い「うーん、まだ私には見えないけど…行ってみるしかないわね」

僧侶「あ、魔法使いちゃん、悪いけどさ、二人で先行っててくれる?あたし、ちょっとここであなほりしていたいんだ」

魔法使い「あなほり…?何か良いのがありそうなのね。いいわ、じゃあ盗賊と先に行ってるわよ」

僧侶「うん、よろしくー!!」

魔法使い「広い草原ね…」

盗賊「きゃはははは!!」タタタ…

魔法使い「これだけ広いと思いっきり走れて良いわね…あら、こんな所に家?」

盗賊「おーい、誰かいるかー?」ガチャッ

魔法使い「もう、ノックもしないで…」

老人「ほう、こんな所に訪ねてくる人がいるとは…いつぞやの海賊達以来かのう…?」

魔法使い「海賊…?」

老人「ときにお前さん達、へんげのつえを知ってるかね?」

盗賊「なにそれ?知らないぞ!!」

老人「何にでも変身出来るという杖じゃ。噂ではサマンオサの王様が持っているらしい」

魔法使い「サマンオサ…?聞いたことがないわね…」

老人「さいごのかぎさえあれば、ここの南にあるほこらからサマンオサに行けるそうじゃ。しかし、何にでも変身出来る杖とは面白そうじゃ。このふなのりのほねと交換してでも手に入れたいのう…」

盗賊「なんだそのほね?へんなのー!」

魔法使い「サマンオサ…さいごのかぎ…覚えておくべきでしょうね…」

僧侶「お帰りー!!どうだった?」

魔法使い「ええ、新しい国の情報があったけど、やっぱりさいごのかぎがないと…」

僧侶「そっかあ、じゃあやっぱりまずはさいごのかぎかあ…」

盗賊「なあなあ、そのぼうしなんだ?」グイグイ

僧侶「あ、これ?これはね、ふしぎなぼうしって言うの。これは、魔法使いちゃんにあげる!!」

魔法使い「私に…?」

盗賊「あー!!まほーつかい、ずるーい!!」

僧侶「盗賊ちゃん、これはね、魔力の消費を少なくする…魔法をいっぱい使えるようになる帽子なの。だから、魔法使いちゃんのものなんだよ」

盗賊「むー…」

魔法使い「ほら、盗賊にはあとで何か美味しいものあげるから、ね?」

盗賊「ホントか!?じゃあぼうしはまほーつかいにやるぞ!!」

魔法使い「でもこれ、本当に良いものね。守備力はほんのちょっと落ちるけど、かなりの魔力を感じるわ」

僧侶「へっへー、あなほり名人ここにあり、だからね!!じゃあ今度はさいごのかぎ探しだね!!」

魔法使い「ええ、場所に目星は付いてるし、必ず見つけて見せるわ」

僧侶「うーん、でもすっかり暗くなっちゃったね。これからどうしよう?」

魔法使い「そうね…今まで盗賊の言う通りに来ていろいろ見つけられたし、またこの子に決めてもらいましょう。どうするの、キャプテン?」

盗賊「また西!!ずっと西!!」

魔法使い「だ、そうよ。じゃあまだまだ西へ向かいましょう」

僧侶「はーい!!えへへ、何があるだろうね…ってわああ!!」

だいおうイカがあらわれた!!

盗賊「おおー!!イカがたくさん食えるぞ!!」

魔法使い「もう食べる話…?まあいいわ、私が…」

僧侶「ううん、今こそあたしの切り札の出番よ!!――闇より暗き冥界の主よ、我らの災いに暗き永遠を!!ザラキ!!」

だいおうイカをたおした!!だいおうイカをたおした!!だいおうイカをたおした!!

僧侶「へっへー、どう?あたしのザラキ!!」ドヤッ

盗賊「ああー!!これじゃ食べれないぞ…」

魔法使い「どす黒くなってしまったものね…」

僧侶「あー!?ご、ごめん…」

盗賊「カニってすごくうまいな!!まほーつかい、またたのむぞ!!」ガツガツ

僧侶「良かった…あのあとカニが出てきてくれて…」

魔法使い「全く、闇雲に即死呪文なんて使うからよ。そもそも貴方は回復係なんだから、魔力の使い方は慎重に…」

僧侶「ご、ごめんごめん!これから気をつけるから、ね?」

魔法使い「頼むわよ、本当に…それより僧侶、周りの景色、何か気付かない?」

僧侶「え?何か変かな?」キョロキョロ

魔法使い「変ではないわ。ただ、何となく見覚えがあるような…」

僧侶「そうかな?盗賊ちゃんはどう思う?」

盗賊「んー!!カニうまいぞ!!」モグモグ

僧侶「食事に夢中かあ…でも魔法使いちゃん、もし本当に見覚えがあるとしたら…ああ、あれ!!あれって!?」

魔法使い「ええ、間違いないわ、ムオルから船出してすぐに見つけた、あの怪しい浅瀬よ」

僧侶「て事は、やっぱりあたし達、世界一周したの?」

魔法使い「そうみたいね。でも、重要なのはそこじゃないわ。あの浅瀬をまた見つけたら、何をやるべきだったか分かってるわよね?」

僧侶「うん、かわきのつぼを使ってみて、もし本当に浅瀬が干上がったら…」

魔法使い「そこに何があるのか…いえ、そこに必ずあるはずよ、さいごのかぎがね。さあ僧侶、かわきのつぼを海に浮かべてみて。何が起こるか、見届けてみましょう…!」」

僧侶「じゃあ、ツボを海に浮かべてみるよ…」

ゴオオオオォオオオオオ…!!

盗賊「おおー!?なんだなんだ!?」

魔法使い「海が、海水が…壺に吸い込まれて…!」

僧侶「わ、わ、わあああ…!!な、何がどうなって…?」キョロキョロ

魔法使い「見て、二人とも。浅瀬が浮かび上がって…いえ、海水が下がって、浅瀬が…」

盗賊「おおー!!なにかたってるぞ!!ほこらか?」

僧侶「ほこら、だね…魔法使いちゃん、確かエジンベアでさ…」

魔法使い「ええ、さいごのかぎはほこらにある、と聞いたわ。きっとここが…行きましょう」

僧侶「うん!!これであたし達、また先へ進めるね!!」

盗賊「おおー、なかひろいな!!」キャッキャッ

僧侶「ホントだね…あ、魔法使いちゃん、宝箱があるよ!!」

魔法使い「ええ、これがきっと…開けてみましょう」

僧侶「うん…あ、ま、魔法使いちゃん、かぎだよ!!鍵!!」

なんと さいごのかぎを手に入れた!!

盗賊「おおー、これでさっきのカギがかかってたところみーんなあくんだな?」

僧侶「きっとそうだよ!!じゃあ行こう、今すぐ行こう!!ね、ね?」

魔法使い「待って、まだ…」

僧侶「もう何もない!!何もないよ魔法使いちゃん!!」

盗賊「なあなあ、おくのほうにがいこつがさあ…」

僧侶「何もないよ!!何もいないよ!!」

魔法使い「もう、私だって骸骨とかは苦手なのよ?貴方も…」

僧侶「イヤ!!イヤ!!あたし先に船に帰る!!」ダダダ…

盗賊「おお!?そーりょ、いっちゃったぞ!?」

魔法使い「…これじゃだだっ子じゃない。仕方ないわね…」

僧侶「あ、お帰り!!じゃあ出発だね!!」

魔法使い「ちょっと待ちなさいよ、あの骸骨から伝言が…」

僧侶「そういうのいいから!!行こ!!ね、ね?」

魔法使い「そうはいかないわ。大事な伝言だもの。『私を見て引き返した者に災いあれ…』」

僧侶「ギャー!!あ、悪霊退散!!ニフリャミュ!!」

魔法使い「カミカミじゃない…冗談よ、安心して」

僧侶「へ?冗談!?お、脅かさないでよ魔法使いちゃん!!」

魔法使い「ふふ、貴方私達を置いて逃げるんですもの」

盗賊「そーりょはこわがりだな!!なさけないぞ!!」

僧侶「うう…ごめんなさい…」

魔法使い「まあいいわよ。あの骸骨も、今の私達に必要な情報をくれた訳じゃないし…」

盗賊「ギアガのおーあなからわざわいがでたんだぞ!!」

僧侶「??ど、どういう…?」

魔法使い「分からないわ。もしかしたら、この先に必要な情報かもしれないけど…とにかく、もうここに用はないわ。行きましょう」

――夜、ムオルの村

僧侶「うーん、このままの勢いであの旅の扉がたくさんあるほこらに行きたかったけど…」

魔法使い「私達、ムオルを出てから世界一周する間に1泊もしてないのよ。休息は必要だわ」

盗賊「…」スヤスヤ

僧侶「そっかあ、そうだね…じゃあさ、明日は、明日こそはあのほこらに行くの?」

魔法使いレベル35「ええ。さっきこの周りで魔物退治してレベルも上がったし、きっとどこに着いても大丈夫なはずよ」

僧侶レベル33「この村の周りにもあのメタルなやつがいて良かったよね!盗賊ちゃんは、食べれないって不機嫌だったけど…」チラッ

盗賊レベル33「ん…にゃ…」ムニャムニャ

魔法使い「さて、私達ももう寝ましょう。明日からは予測のつかない旅になるわ。少しでも疲れを取らないと…」

僧侶「そうだね…ねえ、魔法使いちゃん。あたし達、もうかなり強くなったよね?」

魔法使い「?ええ、そのつもりだけど…?」

僧侶「じゃあさ、次の旅で装備を調えれたらさ、もうジパングに行かない?」

魔法使い「ジパングの魔物を退治したいのね?そうね…あの島国の人達に少しでも早く安心してもらいたい、とは思うわね…」

僧侶「でしょ?もちろん、手に入る装備次第だけどさ…」

魔法使い「ええ、そうね。もういいかもしれない。でもそれは、次の旅が終わってから考えましょ。さあ、今度こそもう寝るわよ。おやすみ…」

盗賊「おきろー!!あさだー!!おきろー!!」バンバンバン

魔法使い「…分かったわ…今すぐ…」

盗賊「おきろおきろおきろー!!」バンバンバンバンバンバン

僧侶「盗賊ちゃん、魔法使いちゃんは放っといて出発の支度支度!!したくとーいっても、にーもーつーはいらーなーい♪」

盗賊「レベルのあーがーる、くつもいーらーなーい♪」

魔法使い「靴は…ちゃんと履きなさい…」

僧侶「あ、起きた。さあさあ魔法使いちゃん、今日はあの扉の向こう側だよ!!」

盗賊「ほらむこーがわのおーこくでー♪」

魔法使い「はいはい、二人とも元気ね…今準備するから、待ってて…ちゃんと

盗賊「はーやーくー!!」

僧侶「はーやーくー!!」

魔法使い「お願いだから、朝くらい静かに…」

僧侶「もうそろそろあの旅の扉のほこらに着くよね…」

盗賊「あと少しだぞ!!」

僧侶「ここまで順調に来れたね!!もう海のモンスターも怖くないっていうのもあるけど」

盗賊「ごはんにはなったぞ!!」

魔法使い「あまり油断しないのよ。特にここからは…あら、着いたわね」

僧侶「さ、早く中に入って!!…ねえねえ、三つのうちどの旅の扉に入る?」

魔法使い「どうする、盗賊?」

盗賊「ひだり!!ひだーり!!」

魔法使い「だ、そうよ。貴方も左でいい?」

僧侶「いいよ!さあ、どこに着いて、何が待ってるのか…」

魔法使い「楽しみね。さあ、行きましょう」

盗賊「おー!!」

僧侶「…また開かない扉の所まで来たね。さあ、さいごのかぎ初仕事だよ!」

魔法使い「初仕事じゃないわよ。貴方があの浅瀬のほこらから逃げたあと、骸骨と話すために使ったもの」

盗賊「そーりょ、おくれてるぞ!!」キャッキャッ

僧侶「ええー、がっかり…まあいいや、開けるよ、よっと…」カチッ

盗賊「おおー!!あいたあいた!!」

魔法使い「で、ここは…なんだか見覚えがあるような…」

僧侶「あたしも…あの階段を上ると…やっぱり!!」

兵士「ん?あんたらどっかで見た顔だな」

僧侶「ああー!!この人…」

魔法使い「この人は…じゃあここは、ロマリアの近くね?」

兵士「何だよその反応は…ああ、あんたら旅の扉で来たのか、すごいな、あの扉を開けたのか…」

僧侶「ほら盗賊ちゃん、あいつは食べていいよ!」

盗賊「ホントか!?ホルモンもいいのか!?」

魔法使い「もう、止めなさい!!」

兵士「なんだか身の危険を感じるが…」

――夜、ロマリアの宿屋

僧侶「と、いうわけで、せっかくなのでロマリアに寄ってみたよ!!」

盗賊「おおー、やっぱりここのごはんおいしいぞ!!」ガツガツ

魔法使い「そういえば最初に盗賊と泊まったのはこの宿屋だったわね」

僧侶「そうそう、あの時はまだパーティーの一員ではなかったけど…」

魔法使い「ええ、今はなくてはならないわね」ナデナデ

盗賊「お?ほめられたのか?」

僧侶「そうだよ!!ところで魔法使いちゃん、明日は王様に挨拶に行くの?」

魔法使い「そうね…挨拶くらいはしないとね。でも報告は止めておくわ、時間がかかるし…」

僧侶「やっぱりすぐ他の旅の扉も試したいもんね。じゃあ明日は早起きしなきゃね!!」

魔法使い「ええ、まあ…ほどほどにね…」

――88日目

魔法使い「ただいま…王様への挨拶、済ませてきたわよ」

僧侶「お帰り!!…ってあれ?なんかいろいろもらってきた?」

盗賊「おおー!!たてとナイフ!!」

魔法使い「ええ、ふうじんのたてとアサシンダガーって言うらしいわ…」

僧侶「へえー!!確か2つともすっごく良いものだったはずだよ!!…でも良いものもらったわりには、魔法使いちゃん元気ないね?」

魔法使い「ええ…ロマリアの王様がこれだけ物をくれたから、世界一ケチな王様はアリアハン王に決定だなあってね…」フゥ…

僧侶「あ、ああ…そうだね…」

魔法使い「まあ、いいわ。戦力アップには違いないし…このダガーは私が使っていいかしら?盾は…」

盗賊「とーぞくがそーびしたいぞ!!」

僧侶「いいと思うよ、あたし装備出来ないし…あーあ、2つも良いものもらったのに、あたしに装備出来るものはなしかあ~」

魔法使い「仕方ないわね、きっとまた良いものが見つかるわよ。さて、挨拶も済ませたし、もう行きましょう」

僧侶「そだね、レッツゴー!!」

盗賊「ゴー!!」

――旅人の教会

僧侶「また旅の扉のほこらから別の旅の扉に入って…それからまたいくつか旅の扉をくぐって…」

盗賊「きょーかいに出たな!!ここどこのきょーかいだ?」キョロキョロ

神父「ここは、サマンオサの東にある教会じゃ」

魔法使い「サマンオサ…!あの旅の扉のほこらより更に北にあったあの平原にいた老人から聞いたわね」

盗賊「あのへんなじーちゃんか?」

魔法使い「ええ、確か王様がへんげのつえを持ってるとか…」

神父「そのサマンオサの王様が、噂では人変りをしたらしい。勇者サイモンがその旅の扉から追放されたのも、そのためと聞く」

僧侶「王様が人変り…?何だかイヤな予感…」

魔法使い「そうね、もしかしたら危険があるかもしれないけど…神父様、そのサマンオサへ行くには…?」

神父「サマンオサへ行くなら、西の岩山に沿って歩けば、やがてサマンオサへとたどり着けるであろう。気を付けてな」

魔法使い「ありがとうございます。じゃあ二人とも、気を引きしめるわよ」

僧侶「う~、何もないといいけど…」

盗賊「おいしいものはあればいいな!!」

魔法使い「どうかしら、あまり期待出来ないみたいだけど…」

――サマンオサの城下町

僧侶「外のモンスターつよかったけど、何とかたどり着けたね」

魔法使い「そうね…それにしても、この町…」

盗賊「なんかみんなくらいな。どうしたんだ?」

魔法使い「…もしかしたら、王様の人変りと何か関係が…」

盗賊「あ、なあなあ、あっちにたくさん人がいるぞ!!」

僧侶「あ、ホントだ、どれどれ…あれ、葬列だね…」

盗賊「そーれつ?誰か死んだのか?」

魔法使い「でしょうね。葬列自体は、別に珍しくもないけど…」

僧侶「さっきの神父様に聞いた限りは、もしかしたら王様に関係してるのかもね…」

魔法使い「少し調べるようね。また厄介な事にならなければいいけど…」

僧侶「ねえ、さっきのお葬式で聞いたんだけどさ、あの亡くなった人、王様の悪口を言っただけで死刑になったんだって。これって、やっぱり…」

魔法使い「王様の人変りが原因でしょうね。ここと、もしかしたらジパングも、上に立つ人が下々を苦しめている…」

僧侶「町には魔王の噂も立ってるみたいだよ。もしかして、王様の人変りも魔王が…」

魔法使い「それはまだ分からないけど…可能性はあるわね」

盗賊「なあなあ、あっちにおしろがあるぞ。行ってみないのか?」

僧侶「どうしよう、魔法使いちゃん?」

魔法使い「一応、行くだけは行ってみましょう。話の通りの王様なら、私達に会ってくれるとも思えないけど…」

兵士「なんだ、お前達は?王様に呼ばれて来たのか?」

魔法使い「いえ、そういうわけでは無いけど…」

兵士「ならば帰れ!!関係のない者を城に入れる訳にはいかん!!」

僧侶「や、やだなあ魔法使いちゃん、あたし達王様に呼ばれてたよ、忘れたの?」

兵士「嘘をつくな!!お前達のような者が呼ばれているとは聞いておらん!!帰れ帰れ!!」

僧侶「このっ…あたしがザラキで…」

魔法使い「よしなさい。帰るわよ」

盗賊「お?おしろにはいらないのか?」

魔法使い「ここまで拒否されたらね…無理やり入っても、ろくな事にならないわ」

僧侶「そっかあ。さすがにお城の人全部を敵に回す訳にはいかないもんね」

盗賊「なんだ、とーぞくはぜんいん食べてもいいぞ!!」

魔法使い「そういうわけにはいかないわよ…とにかく、今日は諦めましょう。さあ、最初の目的を果たしに行くわよ」

僧侶「最初の目的…あっ!!」

盗賊「おおー、ぶきやか!!」キャッキャッ

魔法使い「もともとは、新しい町で装備を調えるのが目的だったからね。どう、僧侶?」

僧侶「うん、品揃えはすごいよ。今までの町で多分一番じゃないかな。ただ…あたし達が装備出来るものは少ないかな…」

魔法使い「そう、残念ね…」

僧侶「とりあえず、盗賊ちゃんにこのパワーナックルを買ってあげればいいんじゃないかな。ね、盗賊ちゃん?」

盗賊「おおー、あたらしいぶきか?」

僧侶「うん、新しい武器で、いっぱいモンスター倒して、いっぱい食べてね!」

盗賊「おー!!とーぞく、いっぱい食べるぞ!!」

魔法使い「まあ、少しでも装備を調えられたからよしとしましょうか。貴方達が転職したら、またお世話になるかもしれないし…」

――89日目、夜、ムオルの宿屋

僧侶「で、結局またムオルに逆戻りかあ…」

魔法使い「しかも1日かかってしまったわ。昨日はロマリアから出発したのだから、時間がかかるのは仕方ないけど…」

盗賊「とーぞくはムオルすきだぞ!!ごはんがおいしいしな!!」

僧侶「うん、ご飯はあたしもおいしいと思うな!!」

魔法使い「それで、明日の事だけど…貴方が前に言った通り、ジパングに行く?」

盗賊「お?なんとかオロチたいじか?」

僧侶「それなんだけどさ魔法使いちゃん、その前に1度アリアハンに戻らない?」

魔法使い「アリアハンに?何かあるの?」

僧侶「うん、あたし達今、30000ゴールド以上持ち歩いてるでしょ?それで、もし万が一の事があったら…」

魔法使い「ああ、お金を預けに行きたいのね?いいわよ、確かに現金を持ち歩き過ぎている気はしてたわ」

僧侶「ありがとう!!じゃあお金を預けて、それからジパングだね!!」

魔法使い「ええ、まだ時間に余裕もあるしね。でも、そんなにお金貯まってたのね。本当は、それで一気に装備を新調出来れば良かったけど…」

僧侶「うん…でも、無いものは仕方ないよ。あたし達は強くなったし、きっとどんな敵にも負けないよ!!ね?」

魔法使い「そうね…」

――90日目

僧侶「ねえ魔法使いちゃん、確かアリアハンから北に進んだらジパングに着いたよね?」

魔法使い「ええ、そしてそこから更に北に進んでこのムオルね」

僧侶「じゃあさ、ここから更に北に進めば一周してアリアハン?」

魔法使い「………ということになるかしらね」

僧侶「じゃさ、北からアリアハンに行ってみない?どうせアリアハンにいくなら、今までとは違う行き方で行こうよ!」

盗賊「おおー、ちがううみのさちか?」

僧侶「それは分からないけど…」

魔法使い「…まあ、いいんじゃないかしら。ただ…」

僧侶「え?ただ、なに?」

魔法使い「いいえ、何でもないわ。じゃあ北からアリアハンに向かってみる?」

僧侶「うん、行ってみる!…ちゃんと着くかなあ、大丈夫かなあ…」

盗賊「ひさしぶりのアリアハンだな!!ルイーダねえさんげんきかな?」

魔法使い「そうね、ずいぶん久しぶりの気がするわね。まあ、そんなに変わってないでしょうけど…」

僧侶「ねえ、魔法使いちゃん…」

魔法使い「なに?」

僧侶「ずーっと海ばっかりだね…」

魔法使い「まあそうでしょうね…」

盗賊「おおー!!だいおうイカのまるやきが3つもできたぞ!!」ガツガツ

魔法使い「ふふ、今度はちゃんとベギラゴンで焼いたからね」

僧侶「むー…でも盗賊ちゃんは楽しみがあっていいよね、あたしは退屈だよ…」

魔法使い「一緒にイカ食べれば良いじゃない」

盗賊「お?食べるか?」

僧侶「ううん、いい…あーあ、もう夜になったし…あ!!」

魔法使い「明かりが見えたわね。おそらくアリアハンでしょうね」

僧侶「やっと着いたあ…丸1日かかったね。南から来た方が近かったかな?」

魔法使い「どうかしらね…?まあ、今日中に着いたから良いじゃない。さあ、二人とも支度してね」

――91日目

魔法使い「さて、お金も預けたし、もうここには用は無いけど…」

盗賊「そーりょがいないぞ?どこ行ったんだ?」

僧侶「ふふん、待たせたねご両人」

盗賊「あ!なんだそーりょ、へんなめがね!!」

僧侶「「ふふん、君には変なメガメにしか見えないだろうね。全く、これだから…おおっと!!」

魔法使い「取れなかった…!素早いわね…」

僧侶「ふふん、このあたしがメガネだけだと?全く、考えが浅いね。あたしには更にこのはやてのリングとパワーベルトまである。素早さでも、力でもあたしからこれらを奪い取ろうなんて…」

魔法使い「仕方ないわね。盗賊、僧侶は置いていきましょう」

盗賊「んー、そうだな、なんかそーりょイヤなヤツになったもんな」

僧侶「ええっ!?ま、待ってよ、冗談だってば!!はい、3つとも渡すから!!」

魔法使い「もう、貴方はすぐ装飾品で図に乗るんだから…」

僧侶「えへへ、つい…」

――夜、旅人の宿屋

魔法使い「ジパングの近くにちょうどいい宿があって助かったわね」

僧侶「ムオルからだと、遠いって訳でもないけど、ちょっとかかるもんね」

盗賊「ここのやどのごはんもなかなかだな!!」モグモグ

魔法使い「さて、お金も預けたし、準備は出来たわ。明日はいよいよジパングの魔物退治よ。二人とも、覚悟はいいわね?」

僧侶「もっちろん!!…ちょっと恐いけど…」

盗賊「オロチってヘビなんだろ?おいしいかなあ、はやく食べたいぞ!!」

魔法使い「ふふ、盗賊は頼もしいわね。僧侶、見習わなきゃ駄目よ。」

僧侶「だ、大丈夫だよ、怖いは怖いけど、戦闘ではしっかりやるから!!」

魔法使い「ふふ、期待してるわよ。さあ、明日は決戦。今日はもう休むわよ」

僧侶「うん、おやすみ?

盗賊「また明日だぞ!!」

――92日目、おろちの洞窟

魔法使い「ふう、暑いわね…」

盗賊「よーがんグツグツだぞ!!」

僧侶「魔法使いちゃん、ぬいぐるみだもんね、暑そう…」

魔法使い「全く、いつになったら魔法使いらしい服を着られるのかしらね…それはそうと、ここはあまり魔物が多くないわね」

僧侶「そんなに強くもないしね…あ、見てみて、宝箱があるよ!!」

盗賊「ホントだ、開けるぞ!!」ガチャッ

魔法使い「もう、また確認もしないで…」

なんと はんにゃのめんを手に入れた!!

盗賊「なんだこれ?へんなおめん~」

僧侶「!!待って盗賊ちゃん、それ被っちゃダメ!!」

盗賊「えー、なんでだ?」

魔法使い「見るからに怪しいじゃない…さて、この階はもう何もないわね。下に下りてみましょう」

盗賊「ちか2かいに下りたら、なんかへんなにおいがするな」

魔法使い「ええ…この臭いの正体は…この祭壇ね」

僧侶「こ、これ…人の骨!?こんなにたくさんの人の骨が散らばって…」

魔法使い「ここが生け贄の祭壇…おろちに生け贄を捧げる場所みたいね」

僧侶「ま、魔法使いちゃん、あたし怖いよ…人をこんなに食べるおろちもだけど、ここに置き去りにされて、おろちが来るまで待ってる、そんな女の子達の気持ちを考えると…」

魔法使い「そうね…」

盗賊「おおー!!やっぱりおろちはニンゲン食べほうだいなんだな!!とーぞくも、うまれかわったらおろちになりたいぞ!!」

僧侶「え、ええ!?」

魔法使い「そうねえ、そうしたら生まれ変わって盗賊になった子におろちの焼き肉にされて食べられてしまうわね」

盗賊「う~、じゃあおろち食べてどっちがおいしいかかんがえてからどっちになるかきめるぞ…」

魔法使い「ええ、きっとおろちの方が美味しいわよ」ニッコリ

僧侶「盗賊ちゃんといると、あたしの感覚の方が変なのかとおもっちゃうよ…」

魔法使い「それはないから安心しなさい。それより、こんなものがあるって事は、ついにおろちが近くにいるって事よ。二人とも、気を引き締めてね!」

盗賊「お、なあなあ、おくにでかいのがいるぞ!!あれがおろちか?」

魔法使い「多分ね…大きいわね…」

僧侶「あ、あれと戦うんだ…てゆうかさ、あれってヘビじゃなくてもうドラゴンじゃない?」

盗賊「おお、ドラゴンならおいしそうだな!!あのスカイドラゴンとかいうのとどっちがおいしいかな?」

魔法使い「どうかしらね…?こっちの方が、肉厚で量は多そうだけど…」

僧侶「二人ともよくあんなのを目の前にして平気でいられるね…」

魔法使い「あら、やっぱり怖い?」

僧侶「実物を見ると、やっぱり…でも今、心の準備をしてるから、ゆっくり近づいて…」

盗賊「おいおろち、食べていいか?」

僧侶「え、ええ!?いきなり目の前に…!?」

魔法使い「どうせやることは一緒よ!さあ行くわよ!!」

やまたのおろちがあらわれた!!

僧侶「うわあ、近くで見ると、やっぱり大きい…」

盗賊「おおー!!ちかくでみるともっとおいしそうだぞ!!」

僧侶「ええ~…」

魔法使い「ほら、戦いに集中する!まずは…スクルト!!」ニュイーン

僧侶「えっと、あたしは…大いなる神よ、日照りの日も吹雪の日も我ら人の子を御守り下さい…フバーハ!!」ミニョーン

盗賊「おおー、バリアが2つ!!」キャッキャッ

魔法使い「これで少しは安心ね、思いっきり暴れて…」

やまたのおろちのこうげき!!

僧侶「!!ま、魔法使いちゃん、平気!?」

魔法使い「…ええ、大丈夫…よ…」

僧侶「ど、どうしたの!?やっぱり効いたの!?」

魔法使い「…いえ、逆よ。あまりに効かなかったから、ビックリして…」

盗賊「まほーつかい、じょーぶだな!!」

魔法使い「もちろん、呪文のおかげもあるけど…確信したわ、私達なら倒せる。さあ、やるわよ!!」

僧侶「よし、じゃああたしも攻撃するよ!!ていっ!!」ドゴッ

魔法使い「呪詛に潜みし力の主よ、我が友に溢れんばかりの祝福を!!バイキルト!!」ミュウウー

盗賊「おお!?すごいちからだぞ!!それー!!」バキッ

魔法使い「僧侶、貴方もよ!!バイキルト!!」ミュウウー

僧侶「すごいすごい!!もう目一杯殴っちゃうよー!!」ドガン

やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!!

盗賊「あちち、あついぞ!!」

僧侶「ひゃー!!フバーハしてても、これは熱いよ…」

魔法使い「いくらバイキルトしたからって、攻撃に熱中しちゃ駄目よ!貴方は回復が一番の仕事なんだから!!」

僧侶「わ、分かってる!!魔法使いちゃん、ベホイミ!!」パアア…

魔法使い「ありがとう――空と海と大地を巡る水よ、冷たき姫君の手によって氷となれ!!汝、白き暴君よ、我が敵に凍てつく永遠を!!マヒャド!!」ドドドドド…!!

盗賊「おお!?れーとーにくになるぞ!!」

魔法使い「攻撃は私でも出来るわ!!僧侶、貴方は手が空いた時だけ攻撃すればいいからね!!」

僧侶「う、うん。相変わらずすごい魔法…」

盗賊「このー!!とりゃー!!」ドカバキッ

やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!!

僧侶「あちち…まだ倒れないの!?」

魔法使い「そう簡単には行かないでしょうね。僧侶、盗賊を回復して!」

僧侶「オッケー!!大いなる神よ、傷つき疲れた貴方の戦士に今再び力を!!ベホマ!!」パアアアア…!

盗賊「おおー!!ケガなおったぞ!!」ピョンピョン

魔法使い「さあ、もう一息よ!マヒャド!!」ドドドドド…!!

盗賊「いくぞいくぞ!!そーれっ!!」ドガッ

僧侶「もひとつ、そーれっ!!」ドガン

魔法使い「いい調子よ!!私も…」

僧侶「待って、魔法使いちゃん、おろちが!!」

グラッ ドシーン…!

やまたのおろちをやっつけた!!

魔法使い「倒した、わね…」

盗賊「よし!!食べるぞー!!」

僧侶「ま、待って!おろちが…」

魔法使い「…立ち上がった?この傷で…!」

盗賊「ああ、逃げちゃうぞ!!」ニュイーン

僧侶「に、逃げられた!?これ、旅の扉!?」

魔法使い「即席で旅の扉を作ったのかしら…?流石に並みの魔物ではないわね」

盗賊「まて、食べさせろー!!」ニュイーン

僧侶「と、盗賊ちゃん!?追っかけて旅の扉に入っちゃったよ!!」

魔法使い「もう、しょうがないわね!いいわ、どうせ私達も行くしかないもの。この旅の扉がいつまであるかも分からないし…僧侶、行くわよ!」ニュイーン

僧侶「う、うん!!…もうあれ以上のモンスターがいませんように…」ニュイーン

盗賊「おお?ここどこだ?」

魔法使い「ここ…ジパングの…」

僧侶「あ、ねえ魔法使いちゃん、あの人すごいケガ!!」

近習「なんだあんた達は!?今ヒミコ様が大ケガをして帰ってきて大変なんだ、出てってくれ!!」

魔法使い「このタイミングであの怪我、やっぱりこの人が…!」

(…この事は…)

僧侶「!?頭の中に、声が…!?」

(この事はそなた達しか知らない事じゃ。黙っておれば、悪いようにはせぬ。分かったな?)

魔法使い「そう、ね…あちらも手傷を負っているけど、こちらにも消耗があるわ。ここは…」

僧侶「何言ってるの?あんたみたいなの、見逃すわけないじゃない!!」

盗賊「そーだそーだ!!はやく食べさせろ!!」

魔法使い「え?ちょっと、二人とも…」

ヒミコ「ならば生きては帰さぬわ!!」ガオー

やまたのおろちがあらわれた!!

魔法使い「ああ、もうっ!!」

僧侶「あれ?魔法使いちゃん、何怒ってるの?」

魔法使い「…何でもないわ。さあ、やるわよ!!戦法はさっきと同じ、さっきも勝てたんだから、今回も倒せるはずよ!!」

僧侶「分かってる!!まずは…フバーハ!!」ミニョーン

魔法使い「そして私がスクルトを唱えて…バイキルト!!」ニュイーン

盗賊「よっしゃー!!やるぞー!!」ドガン

やまたのおろちのこうげき!!やまたのおろちのこうげき!!

僧侶「痛いっ!!あっちも死に物狂いだね!」

魔法使い「当然よ、負けた方が焼き肉なんだから!」

盗賊「おお!?やきにくやきにく!!」ドカバキッ

僧侶「盗賊ちゃんが元気になった!!あたしも…」

やまたのおろちのこうげき!!やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!!

僧侶「あちち、火はやっぱり熱いよ!!」

魔法使い「僧侶、さっき自分で相手は死に物狂いだって言ってたでしょ!?もう少し回復に気を配って!」

僧侶「ごめんごめん、盗賊ちゃん、ベホイミ!!」パアア…

盗賊「おう、げんきはつらーつ!!」ドガッ

魔法使い「それでいいわ。体力にさえ気を付けていれば、負ける相手じゃないはず。気を抜かないでね!」

やまたのおろちはひのいきをはいた!!

盗賊「お?あんまりあつくないぞ!!」

魔法使い「弱ってきてるのかも…もうひと踏ん張りよ!マヒャド」ドドドドド…

僧侶「もうちょっと、もうちょっと…それっ!!」ドガッ

盗賊「もうふらふらだな!!はやくおにくに…なれっ!!」ドガン

魔法使い「!!効いたみたいね…二人とも離れて!!倒れるわ!!」

ズウウウ…ン…!

やまたのおろちをやっつけた!!

僧侶「やった、やったね魔法使いちゃん、盗賊ちゃん!!」

盗賊「やきにくだー!!」キャッキャッ

近習「そんな、まさか…ヒミコ様がおろちだったなんて…み、皆の衆!!おろちが、おろちがー!!」ダダダ…

魔法使い「…きっとこれからが大変ね、この国は…」

――93日目

盗賊「おーい、あさだぞ、おきろー!!」バンバンバン

魔法使い「う…ん…」ムニャムニャ

盗賊「おきろ、おきろ、おーきーろー!!」バンバンバンバンバン

魔法使い「…分かったわよ…昨日遅くまで騒いだのに、元気ね…」

僧侶「はは、か昨日は結局国を挙げてのおろち焼き肉パーティーだったね」

魔法使い「船に乗せきれないくらい肉があったからね…火力係は大変だったわよ…」

僧侶「お疲れさま。でも、おろちの皮を剥いでた盗賊ちゃんも大変そうだったよ」

魔法使い「そうしないと火が通らなかったからね…でもまあ、美味しかったからいいわ」

盗賊「お、まほーつかい、おきたか?おろちは食べおわったし、つぎだつぎ、もっとたくさんのおにくを食べにいくぞ!!」

僧侶「あれ?盗賊ちゃん、その手に持ってるの、何?」

盗賊「これか?おろちからぬすんだんだ、いーだろ!!そーびできないけどな!!」

僧侶「見るからに凄そうな剣だね…ちゃっかり盗賊の仕事もしてたんだ…」

魔法使い「さて、盗賊が満足したならここに用はないわね、そろそろ…」

???「お待ちください!!」

僧侶「え?誰?」

少女「あの…私、次におろちの生け贄になるはずだった者です。皆さんのお陰で、こうして無事でいられました。ありがとうございました!!」ペコリ

魔法使い「ああ、貴方が…良かったわね」

僧侶「あたし達は当然の事をしただけだよ、ねっ?…盗賊ちゃん?」

盗賊「ふーん、ねーさんがつぎのおろちのごはんだったのか。たしかにおいしそうだな」ジュルリ

少女「え?え!?」

魔法使い「こら、おどかさないの!ごめんなさい、この子は冗談ばっかり…」

盗賊「じょーだんじゃないぞ!!ならいますぐねーさんを食べ…フガッ」モゴモゴ

僧侶「冗談です!!冗談ですから!!さ、魔法使いちゃん、そろそろ行こ?」

少女「ま、待って下さい!国のみんなから、これを渡すようにと…」

なんと パープルオーブを手に入れた!!

魔法使い「これは…」

少女「ヒミコ様が…いえ、おろちがもっていたものです。私達にはこれが何なのか全く分かりませんが、皆さんのお役に立つのではと…」

魔法使い「思わぬ物が手に入ったわね。オーブ、か…」

僧侶「わー、きれいな珠だねー…」ウットリ

盗賊「なーんだ、食べれないのかー」

魔法使い「何でも食べようとしないの。それより僧侶、前にポルトガの灯台で聞いたオーブの話、覚えてる?」

僧侶「え?えーと、確かオーブを6つ集めると、船が要らなくなるとか…あ、あ、もしかして、オーブってこのオーブ!?」

魔法使い「多分ね…もしかしたら、私達はこれを集めるべきなのかもしれないわね…」

僧侶「船が要らなくなるって、どういう事だろうね?船より凄い乗り物が手に入るのかな?」

魔法使い「どうかしら、船より優れた乗り物なんて、想像もつかないけど…でも、もしそうなら、その乗り物に乗って、船でさえ行けない場所に行けるようになる…?」

僧侶「す、凄い…そんな乗り物があったら…」

盗賊「このせかいのぜんぶのたべものが食べれるな!!」

僧侶「え~、ロマンがない…」

魔法使い「でも実際、盗賊の言う通りになるかもね。じゃあ、私達の次の目標は、オーブ探し。これでいいかしら?」

僧侶「うん!!すっごく楽しそう!!ね、盗賊ちゃん?」

盗賊「おー!!ぜんぶ食べるぞー!!」

魔法使い「ふふ、決まりね。オーブはあと5つ、早く集めたいわね…」

僧侶「そうだ、魔法使いちゃん、あのさ、あたし達、おろちを倒したら転職するって言ってたけどさ…」

魔法使い「何?やっぱり僧侶のままがいいの?」

僧侶「ううん、そうじゃなくて、あともうちょっとだけレベル上げてから転職したいんだ。良いかな?」

魔法使い「いいも悪いも、自分の事ですもの、好きにしたらいいわ。じゃあちょっとこの辺で魔物退治していく?」

僧侶「うん、お願い。盗賊ちゃんも、いい?」

盗賊「ここのくまにくはおいしいからな、いいぞ!!」

魔法使い「じゃあそうしましょうか。それにしても…ふふふ…」

僧侶「な、何?」

魔法使い「やっぱり貴方は僧侶より商人が似合うわ。ニフリャミュ!!とか言っちゃう僧侶はちょっとね…ふふふ…」

僧侶「あ、あれは…魔法使いちゃんがおどかすから…!」

魔法使い「はいはい、じゃあ残り少ない僧侶の修行、頑張ってね」

僧侶「あ~、なんかバカにしてる!!あたしだって、好きであんな…」

――僧侶はレベルがあがった!!

僧侶「うん!これでオッケー!!へっへー、魔法使いちゃん、あたしついに覚えたよ、ベホマラー!!」

魔法使い「全員を1度に回復出来る呪文ね?これでかなり楽になるわね」

盗賊「おー、なんだかすごいな!!」

僧侶「そうだよ!!あーあ、これ覚えてたら、おろちももっと楽に戦えたんだろうなー…」

魔法使い「それは仕方ないわ。私だって、もう少し早く鍵あけの呪文を覚えてたら、もっと早く色んな場所に行けてたし…」

僧侶「あー、魔法使いちゃんはさいごのかぎ見つけた次の日にアバカム覚えたんだっけ…」

魔法使い「そうよ。だからそういうのは気にするだけ無駄よ。それに、おろちには勝てたんだし、今までは必要なかったって事よ、きっと」

僧侶「そっかあ、そうかもね…じゃあ切り替えて!ついにあたし、商人に戻る時が来たよ!!」

盗賊「とーぞくは、とーぞくじゃなくてけんじゃになるぞ!!」

魔法使い「あら、ちゃんと覚えてたのね。二人ともレベル1に戻るし、またゆっくり船旅しながらオーブ探しでもしましょうか」

僧侶「あ、それいい!まだ知らない町もあるかもしれないし!」

盗賊「まだ食べたことない食べ物もあるかもしれないな!!」

魔法使い「そうね、まだ私達の知らない世界の顔があるかもしれない。楽しみね。さあ、まずはダーマへ行きましょう。準備はいいわね?」

僧侶「うん!!さらばジパング!!」

盗賊「さらばだー!!」

――94日目

商人「んー、1ヶ月ぶりに商人復帰!!あたしやっぱり商人がいい!!」

魔法使い「だから昨日私もそう言ったじゃない」

商人「だからあれはバカにしてただけじゃない!!」

魔法使い「はいはい、それより今は元通りの貴方よりも…」

賢者「おー、服もきがえるのか!!なんかスースーするな!!」キャッキャッ

商人「大丈夫なのかな、こんな子が賢者で…」

魔法使い「大丈夫よ、むしろ小さいうちから色々覚えた方がいいわ」

商人「そういう話も聞くけど…」

賢者「なあなあ、これでじぶんでやきにくがやけるんだな?」

魔法使い「ええ、これから貴方はたくさん呪文を覚えるわ。そうしたら焼き肉も冷凍も自由自在よ」

賢者「おおー!!たのしみだなー!!」キャッキャッ

商人「…せっかくの賢者が、さとりのしょが焼き肉のために使われるなんて…」

魔法使い「何言ってるの、他にも色々覚えるでしょ。それより、今日は神官に報告するようだから、貴方達はもう休みなさい。転職したばかりで、色々やることもあるでしょうから…」

――95日目

商人「さあさあ、今日から商人復帰冒険者生活の第一歩だよ!魔法使いちゃん、どこに行くの?」

魔法使い「前に言った通り、オーブ探しをしたい所だけど、これといった情報はないわね。ただ、いくつか気になる場所はあるわ」

商人「へー、どこどこ?」

賢者「どこどこ?」

魔法使い「そうねえ…とりあえず、一番近い所から行ってみる?ほら、入り口で引き返したアープの塔ってあったでしょう?」

商人「え?えーと…あ、あの近くでしあわせのくつを掘り当てた所!」

賢者「おおー、けんじゃもいったことあるぞ!!」

魔法使い「ああいうどこからも情報が出てこない、忘れられた場所には、きっと何かあると思うの。どうかしら?」

商人「うん、いいんじゃないかな。あそこ、いつか行ってみたいと思ってたし」

賢者「けんじゃはどこでもいいぞ!!」

魔法使い「決まりね。じゃあまずはアープの塔に行きましょう」

――アープの塔

商人「ねえ、魔法使いちゃん…ここのモンスター、ちょっと強くない?」

魔法使い「いえ、そこまででもないと思うけど…貴方達が転職直後だという事を少し軽く見ていたかもしれないわね…」

賢者「あのよろいのモンスターじゃ食べれないぞ!!おなかへったー!!くーふくだー!!」

魔法使い「…仕方ないわ、ここは後回しね。他を当たりましょう」

商人「他?そういえば他にも気になる場所があるって言ってたっけ。どこなの?」

賢者「ごはんがおいしいところか?」

魔法使い「そうねえ…まあ、行けば分かるわよ」

商人「?なんか歯切れ悪いよ魔法使いちゃん」

魔法使い「…ええ、まあ、とりあえず塔から出ましょう…準備いいわね?ルーラ!!」バヒューンバヒューン

――96日目、ポルトガ

商人「っと、ここは…ポルトガ?ここにオーブがあるの?」

魔法使い「いえ、ここではないわ。ここから船に乗るの。さあ、二人とも行くわよ」

商人「う、うん…」

賢者「けんじゃはここへんはじめてだぞ!!」

魔法使い「そう?私達とは初めてでしょうけど、貴方が前にいたシャンパーニの塔からそう離れてないのよ」

賢者「そうなのか?へ~」キョロキョロ

商人「あ、あのさ魔法使いちゃん、この船、南に向かってるよね?」

魔法使い「…ええ、そうよ」

商人「も、もしかして、今から行く場所って…!」

魔法使い「…ええ、テドンよ」

商人「やっぱり!!だから魔法使いちゃん、行き先ハッキリ言わなかったんだ!!」

魔法使い「…まあ、怖がるかなーと思ってね…」

商人「そ、そりゃあこ怖いけど、ああたしもぼ冒険者だから、そそそそんなに怯えびえててばっかりじじゃないよよ?」

魔法使い「…ええ、まあ、無理しないでね…」

――夜、テドンの村

商人「よ、夜かあ…良かった、そういえば最初にポルトガからテドンに来たときも夜だったっけ…」

賢者「なんかぼろいむらだな。ごはんもおいしくなさそうだぞ…」

魔法使い「さあ、私達の目的は村の奥よ。行きましょう」

商人「奥って…ここ、牢屋!?」

魔法使い「二人は看守の気を引いてて。私が中に入るわ」

商人「わ、分かった。ねえ~ん、看守さぁ~ん」クネクネ

賢者「さぁ~ん」クネクネ

看守「…なんだ、気色悪いな…」

商人「あー!!気色悪いってなによ!!あたしだって…!!」ギャーギャー

魔法使い「…まあ、上手くやってるのかしらね…じゃあ失礼して…」ガチャリ

囚人「ああ、やっと会えた!!貴方のような勇者にこれを渡したかったのです!」

なんと グリーンオーブを手に入れた!!

魔法使い「これは…ありがとう。でも…」

囚人「ここからはるか南、レイアムランドのほこらにある祭壇に、6つのオーブを捧げて下さい。貴方方ならきっと…お願いします!!」

商人「わー、オーブ手に入ったんだ!!今度は緑色なんだね!!これもキレイ…」

魔法使い「じゃあ、どうしようかしら?ここで一晩泊まってく」

商人「え?やだやだ、こんな、ほろ…えっと、も、もう少し先に行ってみようよ、ほら、新しい行き先聞いたんでしょ?」

魔法使い「ええ、ここから南、レイアムランドという所ね。そこの祭壇に…」

商人「じゃあじゃあ今すぐそこに行こ?良いでしょ?ね、ね?」グイグイ

魔法使い「賢者はどうしたい?やっぱりお腹すいたわよね?」

賢者「うーん、そうだな~…」

商人「減ってない減ってない!!賢者ちゃん、レイアムランドにはきっとおいしいお肉があるよ?早く行こ、ね、ね?」

賢者「おおー、ならはやくいきたいぞ!!」

商人「よし決まり!!さあレイアムランドにしゅっぱーつ!!」

魔法使い「…よっぽどここに泊まりたくないのね。まあ無理もないけど…」

――97日目

商人「うーん、船から見る朝日、まぶしー!!」

賢者「ん…ひつじ…おいしい…」コックリ

魔法使い「テドンの周りに羊がいて良かったわね。賢者も満足してくれたわ」

商人「おかげで静かだったもんね。良かった…」

魔法使い「全く、貴方がおいしいお肉があるなんて騙すから…」

商人「ま、まあいいじゃん、レイアムランドではないけど、お肉は手に入ったし…あ、魔法使いちゃん、ほらほら、陸が見える!!」

魔法使い「本当ね。あれがレイアムランドかしら…?」

商人「結構大きそうな島だね…賢者ちゃん、起きて!上陸するよ!!」

賢者「お?おいしい肉だな?」パッチリ

商人「え、ええっと、それは…」

魔法使い「ほら商人、ちゃんと責任取るのよ。さ、行きましょう」

賢者「おー!!」

商人「ま、待ってよ…!ど、どうしよう…」

賢者「おおー、寒いなー!!」

魔法使い「そうね、私はぬいぐるみ着てるから良いけど…」

商人「うう…お肉…お肉…」

賢者「お?しょーにんもはらぺこか?はやくやきにく食べたいな!!」

商人「そ、そうだね…あ、ああ!!」

スノードラゴンがあらわれた!!

魔法使い「良かったわね、お肉よ」

賢者「おおー!!すごくおいしそうだぞ!!」

商人「よ、良かった~…ってドラゴン!?」

魔法使い「大丈夫よ、メラミ!!」ゴオッ

賢者「おおー、やきにく!!それっ!!」ザシュッ

スノードラゴンをやっつけた!!

賢者「よーし、やきにくだー!!」

商人「はは、良かった…」ホッ

――レイアムランドのほこら

魔法使い「ここは少し暖かいわね…」

賢者「お?ながいはしごだー!!」

商人「これ上るんだ…大変だな…」

魔法使い「肉体労働は苦手だけど…仕方ないわね…」ギシッ

賢者「よいしょ、よいしょ…ついたー!!」

商人「ふう、疲れた…あれ?誰かいる…」

???「私達は」

???「私達は」

商人「わ!?双子!?」

賢者「けんじゃより小さいな!」

???「卵を守っています」

???「卵を守っています」

魔法使い「不思議な二人ね…この祭壇を守る…巫女?」

巫女A「世界中に散らばる6つのオーブを祭壇に捧げた時…」

巫女B「伝説の不死鳥ラーミアは蘇りましょう」

魔法使い「魔法使い伝説の…不死鳥?」

賢者「ふしちょう?」

商人「死なない鳥の事よ。見たことないけど…」

賢者「しなない?いくら食べてもへらないのか?」

商人「た、食べれるのかなあ…?」

魔法使い「なんでも食べようとしないの。それより、せっかくここまで来たもの、オーブを捧げてみましょう。まずは、パープルオーブを…」ボッ

商人「あ、祭壇に火が点いた!」

魔法使い「次はグリーンオーブね…」ボッ

賢者「おおー、すごいすごい!!」

魔法使い「これで2つ…残り4つか…先は長そうね…」

魔法使い「さて、次に行きたい所だけど、流石にダーマを出てから宿に泊まってないから疲れたわね…テドンに戻る?」

商人「や、やだよ絶対!!こういう時こそあたしが大声で宿屋さん呼ぶから!!」

魔法使い「本当に呼べるの?頼むわよ」

商人「あー、信用してない!!見ててよ、絶対宿屋さん呼ぶから…すみませーん、誰かー!!」ダレカー…

武器屋「おまたせ、武器屋だ」

賢者「あー、はずれだー!」

魔法使い「待って、悪くないわ…ね、商人?」

商人「うん、あたし武器買いたい!!このゾンビキラー下さい!!…あ、お金足りない…」

魔法使い「貴方さっきあなほりで何か見つけてなかった?それを売れば…」

商人「あ、そうだ!このみかわしのふく売ります!!今掘ったばっかりで、ちょっと汚れて、あとちょっと凍ってるけど…」

武器屋「…あー、まあいいぜ、みかわしのふくには違いないからな」

商人「やったー!!おじさん、すてき!!」

魔法使い「武器が手に入ったのは良いけど、もちろん本当の目的は忘れてないわよね?」

商人「もちろん!!次は宿屋さん呼んで見せるから!!」

賢者「やどやよんだらごはんだな!!たのんだぞ!!」

商人「任せて!!すみませーん、誰かー!!」ダレカー…

宿屋「お待たせしました、宿屋です」

商人「やった!!来た!!あたしすごい!!優勝!!」

賢者「おおー、すごいすごい!!」キャッキャッ

魔法使い「良かったわね、おめでとう」

商人「ふ、二人ともありがとう!!やったよ!!あたしやったよ!!」

宿屋「…えーと、ご利用ですよね…?」

商人「あ!す、すみません、1泊お願いします…」

魔法使い「ついはしゃいでしまったわね。でもやっと休めるわね…」

賢者「ごはんだー!!」

――98日目

魔法使い「こんな氷の世界で宿屋に泊まれるなんて、すごいわね。ついつい寝過ぎたわ…」

賢者「もうつぎのひのよるだぞ!!」

商人「うわあ、ホントだ…あ、宿屋さん、ありがとうございました!!」

宿屋「それではお気をつけて」

商人「はい!宿屋さんも気を付けて!!」

宿屋「ありがとうございます。失礼します」シュタタタタ…

魔法使い「…行ったわね。すごい人ね…」

商人「この世界で旅をしてるのはあたし達だけじゃない。あたし達も頑張ろう!!」

賢者「なあなあ、つぎはどこにいくんだ?」

魔法使い「次?そうね、ここから近いし、ランシールに行きましょうか」

商人「あ、あのカギの掛かった神殿!!」

魔法使い「ええ、さいごのかぎも手に入ったし、きっとあの神殿にも入れるわ」

商人「そだね、あそこにはきっと何かあるよね。うん、行ってみよう!!」

――99日目、ランシール

賢者「へー、ちいさなまち!!」キョロキョロ

商人「神殿は大きいんだよ賢者ちゃん!」

魔法使い「さて、その神殿に行ってみましょうか…ここね」

商人「じゃあ開けてみるね…よっと」ガチャリ

賢者「お、あいたあいた!!」

商人「あ、神官さんがいるよ!こんにちはー!!」

神官「おお、よくぞ来た。ここに来たということは、たった一人で戦う覚悟がおありだな?」

商人「え?一人で?」

賢者「いっしょにいけないのか?」

魔法使い「困ったわね…いいわ、私が行ってみる」

商人「ええ!?危ないよ!!」

魔法使い「大丈夫よ、危険だと思ったら引き返すから。それでいいですよね?」

神官「では、わしについて参れ!」

商人「し、心配だよ魔法使いちゃん…無事に帰って来てね!」

魔法使い「大丈夫よ、本当に無理はしないから」

賢者「きをつけろよー!!」

魔法使い「ありがとう。行ってくるわ」

神官「では、行け、魔法使いよ!!」

魔法使い「ええ、お願いします」

商人「…行っちゃった。大丈夫かなあ、モンスター強くないかな…?」

賢者「だいじょーぶだぞまほーつかいならきっとだいじょーぶだぞ、かきっと…」

商人「そ、そうだよね…頑張れ、魔法使いちゃん!!」

――地球のへそ、地下1階

魔法使い「…いつも仲間といるから、いざ一人になると心細いものね…」

マミーがあらわれた!!

魔法使い「…あまりいい思い出のない魔物ね。ヒャダルコ!!」ピキキキーン

マミーをたおした!!マミーをたおした!!マミーをたおした!!

魔法使い「…流石に今この魔物に苦戦はしないわね。さて…宝箱ね。インパス!!…青か、じゃあ開けて…」

248ゴールドを手に入れた!!

魔法使い「お金か…良い装備が欲しいけど、なかなか都合よくはいかないか…」

メタルスライムがあらわれた!!アントベアがあらわれた!!

魔法使い「出たわね!ドラゴラム!!」グググゴゴゴメキメキメキ…!

メタルスライムのこうげき!!アントベアのこうげき!!アントベアのこうげき!!アントベアのこうげき!!

魔法使いはもえさかるかえんをはいた!!メタルスライムをたおした!!アントベアをたおした!!アントベアをたおした!!アントベアをたおした!!アントベアをたおした!!

商人「…遅いなあ、魔法使いちゃん…大丈夫かなあ…」

賢者「うー、おなかへったー…」

商人「賢者ちゃん、先に宿に戻ってていいよ。あたしが魔法使いちゃんを待ってるから」

賢者「うー…いい、けんじゃもまってる…」

商人「そっかあ、じゃあ二人で待ってよっか…あ、魔法使いちゃん!!帰ってきてくれたのね!!」

賢者「おおー!!まほーつかい、おかえりだぞ!!」

魔法使い「ただいま。待ってなくても良かったのに…」

神官「よくぞ戻った!一人で寂しくはなかったか?」

魔法使い「…正直、心細かったわね。呪文を使う間、フォローしてくれる人もいないし…」

神官「では、お前は勇敢だったか?いや、それはお前が一番分かっているであろう。では、行くがよい」

商人「え、じゃあ洞窟最後まで行かなかったんだ?」

魔法使い「ええ、途中までよ。どうも、魔法使いというのは一人旅には向いてないみたい。魔物を倒す度に魔力を使うし、回復呪文もないし…仲間のありがたさが見に染みたわ」

商人「そうでしょうそうでしょう。で、ここはもう諦めるの?」

魔法使い「何言ってるの、貴方達がいるじゃない。回復呪文が使えて、魔力を使わずに魔物が倒せる…」

商人「え、ええ!?あたしは、ちょっと…」

賢者「おおー、じゃあけんじゃがやるぞ!!」

商人「ええ!?大丈夫なの、賢者ちゃん!?」

賢者「おおー、やってやるぞ!!」

魔法使い「分かったわ。じゃあ賢者、貴方から行ってもらうわね。まずはまっすぐ行って、それから…途中に残してある宝箱は危険で…」

賢者「うんうん、分かったぞ!!」

商人「…まずは?もしかして、あたしもやっぱり行かなきゃいけないのかなあ…」

賢者「よーし、じゃあ行ってくるぞ!!」

魔法使い「行ってらっしゃい、気を付けてね」

商人「無理しないでね?回復ちゃんとするんだよ?」

賢者「わかってるぞ、じゃあな!!」タタタ…

魔法使い「怖いもの知らずね。頼もしいけど、不安もあるわね…」

商人「やっぱり心配だよ…賢者ちゃん、大丈夫だよね?」

魔法使い「無理さえしなければね。あの子はもうリレミトも使えるし、そろそろベホイミだって…」

商人「そっか、じゃあ大丈夫かな…でも…」

魔法使い「心配なのは分かるけど、あの子は私よりずっと時間がかかるはずよ、心配しっぱなしじゃあ持たないわ」

商人「ええ!?なんでそんなに時間かかるの!?」

魔法使い「なんでって、それは…」

賢者「おー、ひつじだひつじだ、おいしそうだぞ!!」ドカバキッ

――まもののむれをやっつけた!!

賢者「よし、おにくだ!!んー、でもさっきのさるも食べおわってないし、こまったぞ…」

「引き返せ!!」「引き返した方が良いぞ!!」

賢者「んー、やっぱりさいしょにたおしたやつからたべるぞ!!まずはかわをはいで…」

「引き返せ!!」「引き返せ!!」

賢者「んー、さっきからうるさいぞ…で、ないぞうをとって…」テキパキ

かえんムカデがあらわれた!!

賢者「おお!?またあたらしいにくだ、食べきれるかなー?」キャッキャッ

商人「ホントに遅いね…夜になっちゃったよ…」

魔法使い「そうね、あの子の事だから、無事だとは思うけど…」

賢者「おーい、かえったぞー!!」

商人「おかえり!!遅いから心配したよ!!」

賢者「んー、ずっとあるいたからつかれたぞ!!」

魔法使い「貴方、リレミト使わなかったの!?脱出用の呪文…」

賢者「お?ああ、忘れてたぞ、キャハハ!!」

魔法使い「…あきれた」

商人「そ、それにしても、たくさんお肉持ってきたね…ってぎゃー!!ムカデ!!」

賢者「へへへ、ムカデにさるにひつじに…ああ、ちっちゃいアクマにキノコもあるぞ!!」

魔法使い「うん、その辺は捨てましょうね?流石にマタンゴは危ないわ…」

賢者「えー…まあいいか、他にもにくはたくさんあるし…あ、あとこれ、おみやげだぞ!!」

なんと ブルーオーブを手に入れた!!

商人「こ、これ…!!賢者ちゃん、これすごいよ!!」

魔法使い「驚いたわね…でもお手柄だわ。これでオーブは半分集まったわね、この調子なら、いずれ…」

魔法使い「それで洞窟はどうだったの?」

賢者「えっとな、かいだん下りたらひろいへやがあって、それから…あ、これもおみやげだぞ!!」

なんと だいちのよろいを手に入れた!!

商人「こ、これもすごい鎧…!あたし達じゃ装備出来ないのが残念だけど…」

賢者「それで…もっと下までおりて…わかれみちをきたに…」

魔法使い「なるほど…頑張ったわね」

商人「でも、オーブとこの鎧を見つけたなら、もうこの洞窟は探索終了だね。良かった、あたし一人で洞窟に行くとか怖いもんね…」

魔法使い「はい、じゃあ最後、商人行ってきなさい」

商人「はいはーい…ええ!?なんで!?」

魔法使い「なんでって…話聞いてた?賢者は地下3階の別れ道の南側は探索しないで来たのよ。貴方、そこ行ってきてくれる?」

商人「えええ~!?も、もう良いんじゃないかな、これだけお宝見つけたら、もう…」

魔法使い「何言ってるの、このままじゃ貴方だけこの洞窟に入らずじまいですもの、仲間外れは悪いわ」

賢者「いってこーい!!」

商人「うう、行かないで済むと思ったのに…」

――地球のへそ、地下3階

商人「…ここまでは無事に来れたけど…早く帰りたいよ…えっと、ここを南に…」

「引き返せ!!」

商人「ひぎゃあっ!?!?な、何?…これ、仮面?石像?な、なんでおどかすの!?」

「引き返した方が良いぞ!!」

商人「ぎゃー!!目が光った!?!!」

「引き返せ!!」「引き返した方が良いぞ!!」「引き返せ!!」「引き返せ!!」

商人「もう、もうやだ…なんでこんなに怖がらせるの!?…あ、ああ!!お、終わりが見えた…あそこで終わりだ…って終わり!?何もないよ…?」

「ここまで来た勇気はほめてやろう。だが…」

商人「え?え?え?」

――ランシールの神殿

商人「でさ!!そいつさ、勇気はほめてやるけど、人の話はちゃんと聞け、だって!!あそこまでおどかして、ひどいと思わない?そもそも人じゃないじゃん!!大体…」

魔法使い「はいはい、分かったわよ」

商人「あー!!ちゃんと聞いてない!!第一、最初に魔法使いちゃんが行けって言うから…!!行っても何も無かったのに…!!」

魔法使い「もう、悪かったわよ!そんなに怖かったとは思わなかったわ。賢者も同じように脅されたの?」

賢者「うーん、なにかいわれたきがするけど、おぼえてないぞ!!」

商人「ええー…」

魔法使いレベル36「…まあ、どちらが良いかは良し悪しね。とにかく、オーブは手に入ったし、それぞれレベルも上がったし、成果は上々ね」

賢者レベル15「あがったぞー!!」

商人レベル17「確かに、レベルはあがったけど…」

魔法使い「でしょう?さあ、目的は果たしたし、次に向けて今日はもう休みましょう」

賢者「やどやだ!!ごはんだ!!」

商人「むー、強引にまとめられた…」

――100日目、夜、旅人の宿屋

商人「今日は、なんと100日目!!」

魔法使い「思えば長かったわね…」

商人「そうかなあ?あたし3年くらい旅してた気がするよ!」

魔法使い「それは流石に言い過ぎね…」

商人「でさ!今日はせっかくの100日記念日なのに、何もしないで終わっちゃうんだけど!!」

魔法使い「え?何かしたかったの?なら早く言ってくれれば良かったのに、移動して終わっちゃったじゃない」

商人「むー…まあいいや、これからもきっと記念日はあるよね!」

魔法使い「そうね。その時は何か美味しいものでも食べましょう」

賢者「おいしいもの!?」ガバッ

魔法使い「あら、起こしてしまったわね」

商人「そだね。じゃあ二人とも、あと皆さん、これからもよろしくお願いします!!」

賢者「おねがいするぞ!!おいしいものを!!」

魔法使い「…皆さんって誰?」

――101日目、アープの塔

商人「で、今日はアープの塔にリベンジだね!」

魔法使い「そうね、前に断念した時と比べてレベルも上がったし、大丈夫なはずよ」

賢者「きょうはとうか?けんじゃはとう、すきだぞ!!」

商人「そっかー、やっぱり塔に住んでた賢者ちゃんは塔が好きなんだね」

魔法使い「それはいいけど…張り切りすぎて無茶しないのよ。以前魔物が手強くて撤退したんだから、慎重に…」

賢者「おおー、かいだんだ!!4つもあるな、これに上るぞ!!」ダダダ…

商人「ああ、言ってるそばから!!」

魔法使い「…仕方ないわね。商人、お目付け役頼むわよ」

商人「う、うん!賢者ちゃん、待ってー!」タタタ…

魔法使い「ふう…さて、ここには何があるのかしら?オーブがあるといいけど…」

商人「ふう…上がったり下りたり大変だね…」

魔法使い「そうね、でも貴方が大変なのは、階段上り下りする度にあなほりしてるからじゃないの?」

商人「やっぱりそうかな…?でも…」

賢者「おおー、またロープがあるぞ!!」キャッキャッ

商人「ロ、ロープ!?あああ、ガルナの塔の苦い記憶が蘇る…」

魔法使い「今度はあまり揺らさないのよ、賢者?」

賢者「これ、あみだくじみたいだな!!どこいこっかなー?」

商人「話聞いてないよ…」

魔法使い「まあ、ついていくしかないわね。幸い、あの子の行き先に宝箱があるし…」

賢者「おおー、たからだ!!あけるぞ!!」

魔法使い「待って、インパスで…駄目ね、赤いわ」

賢者「えー、つまんないつまんない!!」ユサユサ

商人「あ、賢者ちゃん、ちょっ、待って、あ、あああぁぁぁアアア…!」ピューン

賢者「おおー、おちたおちた!!」キャッキャッ

魔法使い「結局こうなるのね…」

商人「ふう、えらいめに遭ったよ…」

賢者「たのしいなー、ぴゅーん!!だって!!」キャッキャッ

魔法使い「もう、あまり遊ばないのよ…さて、また上まで来たけど、残りの宝箱は1つ…大丈夫、インパス使ったけど青かったわ。賢者、開けて良いわよ」

賢者「おう、あけるぞー!!」パカッ

なんと はくあいリングを手に入れた!!

賢者「なあしょーにん、これなんだ?」

商人「魔法使いちゃん、賢者ちゃん」

魔法使い「何?」

商人「大好き」ギュッ

賢者「ど、どうしたんだしょーにん!?けんじゃを食べるのか!?やだやだ!!」ジタバタ

商人「食べるわけないじゃない、あたし、二人が大好きだもの。でも賢者ちゃん、すぐに人を食べようとしてはダメ。人は食べるものじゃない、愛するものよ」

賢者「しょーにん、なんかへんだぞ!?どうしたんだ!?」ビクビク

商人「変?違うの、変わったんじゃないの、目覚めたのよ。人は愛するために…ああ、魔法使いちゃん、それ取っちゃダメだよ!!」

魔法使い「もう、いつまでやるのかと思ってたら、ちっとも終わらないんだから…」

商人「えへへ、つい…」

魔法使い「それにしても、頂上上まで来て一番のお宝が、この商人を目覚めさせる指輪だけっていうのは期待外れね…」

商人「えーと、一応これ、装備品としても使えるけど…」

賢者「なあなあ、ふたつしたのかいでおたからのにおいがしたぞ」

商人「3階で?でも、確か階段は全部チェックしたし…」

魔法使い「となると…やっぱりあれしかないわね…」

商人「え?魔法使いちゃん、何か心当たりあるの?」

魔法使い「ええ…こういう時はやっぱり、以前と同じ方法を取るべきだと思うの」

商人「同じ?以前っていつ?」

魔法使い「ほら、ガルナの塔でさとりのしょを取った時…」

商人「ま、まさかまたロープから飛び下りるの!?やだよ、それにさっき落ちた時、何もなかったじゃない!!」

魔法使い「ええ、だからあの時と同じように、真ん中辺りから…」

商人「やだやだ!!もう落ちたくない!!ってあれ?いつの間にあたし達ロープの上に…!?あ、賢者ちゃん、押さないで!!あ、ああっ…!」ピューン

賢者「よーし、けんじゃもおちるぞー!!」ピューン

魔法使い「…まあ、結果オーライかしらね。さて、私も…それっ!」ピューン

商人「いたた…もう、賢者ちゃんは…あ、あれ?宝箱だ…」

賢者「ほらほら、あったあった!!」

魔法使い「思ったとおりね。さて、インパスで…うん、全部大丈夫よ」

賢者「よーし、じゃああけるぞ!!」ガチャ

なんと やまびこのふえを手に入れた!!

賢者「お?ふえか?」

商人「こ、これは結構すごいものじゃないかな!?こう、吹いてさ、何かあると山彦が帰ってくるの!!」

魔法使い「何かって何?」

商人「えっと…分からないや、えへへ…」

魔法使い「ある程度分かってるのがかえってもどかしいわね…まあ仕方ないわね、旅を続けているうちに分かる事も…」

賢者「んー、けんじゃどこかでやまびこのふえのこときいたきがするぞ?たしか、ちいさなむらで…」

商人「あ、そうだよ!!確かランシールで、イエローオーブはやまびこのふえを使っても探すのが難しいって…!」

魔法使い「確かに言ってたわね!となると、やまびこのふえはオーブを探すための物、と考えるべきでしょうね」

商人「これを町やダンジョンで拭いて、山彦が返ってきたらそこにオーブがあるって事だよね?これでオーブ探しが楽になるね!!」

魔法使い「ええ。これから行く町、行く洞窟で、これを吹いてみましょう。伝説の不死鳥の復活も、夢物語ではなくなってきたわね!」

――102日目、おろちの洞窟

商人「祝・1000日突破記念!!第3回ドキドキ☆あなほり大会inおろちの洞窟~!!」

賢者「おおー!!」パチパチパチパチ

魔法使い「…また唐突に始まったわね…」

商人「と、いうわけで、ここおろちの洞窟の地下1階と地下2階でそれぞれ150回ずつあなほりしてみたよ!!ではさっそく…結果はこちら!!」

賢者「じゃじゃーん!!」

地下1階:どくがのこな8個

商人「地下1階ではどくがのこなしか出てこなかったよ。数はすごいけど…」

魔法使い「これだけでしばらくはどくがのこな買わなくて済むわね」

商人「そして次は地下2階!!結果はこちら!!」

地下2階:どくがのこな5個、ちからのたね2個、ぬののふく2個、せかいじゅのは2個

商人「どう?このあなほり名人芸は!!」ドヤドヤッ

賢者「おおー!!すごいぞ!!」パチパチパチパチ

商人「結論!!あなほり最高!!商人最高!!商人をパーティーに!!以上、第3回あなほり大会でしたー!!」

魔法使い「最後の一言が言いたかっただけね?」

――103日目、アッサラーム

商人「祝・100日突破記念!!第4回ドキドキ☆あなほり大会inアッサラーム・夜~!!」

魔法使い「まだやるの!?」

商人「だってだって、あたし昨日1000日突破記念って言っちゃったんだもん!!突っ込まれる前にやり直したいの!!」

魔法使い「誰の突っ込みを恐れてるの…?」

商人「とにかく、今回は夜のアッサラーム周辺で200回あなほりしてみたよ!!では結果はこちら!!」

賢者「じゃじゃーん!!」

全財産の半額ゴールド(2236G)1回ラックのたね:1個 ちからのたね:1個 どくけしそう:1個

商人「………」

魔法使い「ま、まあ、調子悪い時もあるわよ…」

賢者「そーだぞ、きにするな!!」バンバン

商人「ありがとう…でもね、ちょっと分かった。たねとかきのみだけ集めようとしても、なかなか集まらないんだ。でもね、前回みたいに、ついでだったり、他にも欲しいものがあったりすると、あなほりってとっても効率がいいなって思ったの」

魔法使い「まあ、とってもかはともかく、使いどころを押さえて使いたいって事ね」

商人「そうそう、そういう事!!そんなわけで、皆さんも良いあなほりライフを!!あとパーティーに商人を!!」

魔法使い「だから皆さんって誰…?」

商人「あなほりの結果は冴えなかったけど…突っ込み回避出来たからよし!!」ドヤッ

魔法使い「うん、それはいいけど、その突っ込み回避のためにかなり予定変更になったんだけど…」

賢者「ここからどこにいくんだ?」

商人「その件につきましては大変申し訳なく…でも!あたしだって、何も考えないでここまで来たわけじゃないよ!!」

魔法使い「あら、なら何か他の目的があるの?」

商人「あのね、あたし前に商人仲間から聞いたんだけど、ここから西にあるピラミッドの地下にね、すっごいお宝があるんだって!!」

賢者「おたから?おいしいものか?」

商人「いや、多分食べられないと思うけど…」

魔法使い「お宝、か…もしかして、オーブが…?」

商人「そうそう、もしかしてそうかな?って!ほら、やまびこのふえも手に入ったし、行ってみる価値はあるんじゃないかな?」

魔法使い「そうね、確かにピラミッドの地下はほとんど調べてないし…じゃあ行ってみる?」

商人「うん、行ってみよー!!」

賢者「みよー!!」

――104日目、ピラミッド

魔法使い「ピラミッドか…苦い思い出があるわね」

商人「あたし達が全滅した所だよね…でも!あたし達、あの頃とは違うよ!!」

魔法使い「もちろんよ、あれから成長したし、それに賢者もいるし」

賢者「いるぞー!!」キャッキャッ

魔法使い「…とはいえ、地下に行くのよね?確かピラミッドの地下は呪文が使えなかったはず…多分、戦闘は二人に頼りっきりになるわよ」

商人「だいじょーぶ、魔法使いちゃんは弾除けになってさえくれれば!!」

魔法使い「それはそれで嫌ね…まあいいわ、とりあえず貴方にやいばのブーメラン渡しておくわね、力の強い方が使った方がいいでしょうし」

商人「ありがとう!じゃあ行こっか、賢者ちゃん、準備はいい?」

賢者「いつでもいいぞー!!」

商人「よーし、じゃあピラミッド地下探検にしゅぱーつ!!」

魔法使い「さて、地下へ来たわね…やっぱり呪文は使えないか…」

商人「うう…あたしのあなほりも使えない…」

賢者「とーぞくのはなもつかえないぞ…」

魔法使い「でも、笛は吹けるはずよ。商人、やまびこのふえを吹いてみて」

商人「うん、吹いてみるよ」ペッポッパッポー…

賢者「なにもおきないぞ」

魔法使い「外れかしらね…まあ仕方ないわ」

商人「ううん、ちょっと待って。ほら、あそこ、なんか怪しくない?」

賢者「あ!なにかありそうだな、いってみるぞ!!」タタタ…

魔法使い「ずいぶんあからさまに怪しいけど…」

賢者「おーい、かいだんがかくれてたぞ!!もっとしたに下りれるぞ!!」

商人「やった!!まだ可能性アリだね!!」

魔法使い「オーブなのか、それとも別の何かか…確かめてみるしかないわね」

商人「うん、行ってみよー!!ドキドキするね!!」

魔法使い「階段を下りたら、まるで祭壇みたいね…それともお墓…?」

商人「どうだろう?どっちにしても、何かありそうな雰囲気!ああ、ドキドキのワクワクだよ…!」

賢者「おお?なんかおっきなはこがあるぞ!!」

魔法使い「これは…柩かしら?ずいぶん古いもののようだけど…」

商人「じゃあやっぱりここはお墓なんだね…どうしようかな」

魔法使い「そうね、お墓となると、勝手に荒らすのもね…でも、もしオーブなら、見逃す訳にもいかないし…商人、またやまびこのふえを吹いてみてくれる?」

商人「オッケー!!ちょっと待ってて…」

賢者「んー、よいしょっと!!」パカッ

魔法使い「ちょっと、賢者!?開けちゃったの!?」

賢者「おおー!!ほら、ピカピカだぞ!!」

商人「こ、これはおうごんのつめ!?すごい、オーブではなかったけど、すごいお宝が…」

…おうごんのつめを奪う者に災いあれ…!

商人「あ、あれ?魔法使いちゃん、何か言った?」

魔法使い「何も言ってないわよ。これはもしかしてまずい事に…」

あやしいかげがあらわれた!!マミーがあらわれた!!

商人「モ、モンスター!?いきなり…!?」

魔法使い「ほら、驚いてないで戦うわよ!!それっ!」ザクッ

賢者「そりゃあっ!!」ピシャッ

まもののむれをやっつけた!!

商人「ふう、びっくりしたよ…」

あやしいかげがあらわれた!!ミイラおとこがあらわれた!!

商人「え!?ま、またモンスター!?」

あやしいかげがあらわれた!!ミイラおとこがあらわれた!!

魔法使い「また出たわ!次から次へと…!」

ミイラおとこがあらわれた!!あやしいかげがあらわれた!!

賢者「うう、みんなおいしくなさそうだぞ…」

マミーがあらわれた!!ミイラおとこがあらわれた!!

商人「こ、これもしかしてまずいかな!?ど、どうしよう!?」

あやしいかげがあらわれた!!

魔法使い「多分その爪を持ち出したのがいけなかったのよ。返してみたら?」

マミーがあらわれた!!ミイラおとこがあらわれた!!

商人「や、やだよ、こんなすごいお宝…」

マミーがあらわれた!!

魔法使い「じゃあ仕方ないわ。このまま抜け出すしかないわ」

ミイラおとこがあらわれた!!あやしいかげがあらわれた!!

商人「そ、そんな~!」

マミーがあらわれた!!

魔法使い「あら、レベル上がったじゃない」

だいおうガマがあらわれた!!

商人レベル19「ええ!?今!?喜んでる余裕ないよ…」

ミイラおとこがあらわれた!!

賢者レベル17「けんじゃもレベルが上がったぞ!!」

ミイラおとこがあらわれた!!あやしいかげがあらわれた!!

魔法使い「やったわね。きたかいがあったわね」

商人「ふう…やっと外に出れた…もうへとへとだよ…二人はすごいね、あたしはレベルアップの感動も吹っ飛んじゃった…」

魔法使い「何言ってるの、貴方今持ち出したものを思い出してみなさい」

商人「え…?あ、そうだ、おうごんのつめ!!やった、おうごんのつめが手に入ったよ、やったやった!!」ピョンピヨン

魔法使い「全く、ゲンキンね…」

賢者「ううー、けんじゃはおなかすいたぞ…」

魔法使い「ああ、ごめんなさい。じゃあこれからイシスに行きましょう。イシスにもおいしいものがあるわよ、カニとか…」

賢者「おお!?行く行く!!」

魔法使い「せっかくここまで来たし、イシスでもやまびこのふえを試してみたいしね。商人、いつまではしゃいでるの?行くわよ」

商人「え?あ、はいはい、行きます!!」

魔法使い「全く…でも、ピラミッドの外まで魔物があの調子で出なくて良かったわ。さすがにあのままじゃ疲れてしまうものね…」

――イシス

商人「うーん、町でもお城でも、やまびこのふえに反応はなかったね…」

魔法使い「ここにはオーブはないみたいね…残念だけど仕方ないわ。今までが少し順調過ぎたのかもね」

商人「あっという間に半分の3つが手に入ったもんね。もう3つはそう簡単にはいかないかなあ…」

賢者「おーい、ふたりはカニ、食べないのか?おいしいぞ!!」ムシャムシャ

魔法使い「はいはい、今行くわよ」

商人「うん、とりあえずはじごくのハサミでも食べて気分一新しよっか!…でも、これからどうしよう?」

魔法使い「そうね、アッサラームに来る前に予定してた、アープの塔よりさらに南の探索に行きましょう。まだあの大陸、調べてない所が多いはずよ」

商人「ああ、そうだね!じゃあ明日からはまたあっちに行くようだね…それにしても、カニおいしいね、賢者ちゃん!!」

賢者「おお!!おいしいぞ!!」ムシャムシャ

魔法使い「二人とも、明日からはまた冒険だから、たくさん食べるのよ。今日も大変だったけど、やっぱり未知の世界を行くのはもっともっと大変だから…」

――105日目

商人「あれからルーラでジパングに移動して、そこから西、大陸が見えたら南に向かって来てるけど…」

賢者「なにもないなー」

魔法使い「そうね、山と岩山しか見えないわね…でも、確かこの岩山の向こうがサマンオサだったはずよ」

商人「ああ、この辺なんだ!旅の扉で来たからどの辺かよく分からなかったんだよね」

賢者「サマンオサ?あのお城に入れなかったとこか?」

商人「そうそう。そういえば、あの国も大変そうだったよね。そのうちまた行ってみないとね」

魔法使い「そうね、ほったらかしには出来ないわね…」

賢者「お?なあなあ、むこうになにか見えるぞ!たてものだ!!」

商人あ、ホントだ!おっきな家!」

魔法使い「ここから上陸すると少し歩くようね…東側の海岸から上陸して行きましょう」

――海賊のすみか、夜

男性「ここは海賊達のすみか。近寄らない方がいいですよ」

商人「ひえ~、海賊だってよ魔法使いちゃん!」

魔法使い「海賊…厄介事は避けたいけど…」

賢者「おおー!!かいぞくか!!すごいな、おやぶんとどっちがつよいのかな?」タタタ…

商人「あ、賢者ちゃん、待って!」

魔法使い「行ってしまったわね。一人にしてはおけないし、私達も行かないと…」

商人「うう、いきなり捕まえられて売られたりしないよね?特に、あたしくらいきゅーとになると…」

魔法使い「はいはい、行くわよ」

商人「もうちょっと真剣に聞いてよ!?」

海賊A「なんだお前ら?ああ、お前らか、魔王を倒す旅をしてるってのは」

商人「魔王を倒す旅!?」

魔法使い「驚いた…私達、そんなに有名なの?」

海賊A「俺たちは7つの海を股にかける海賊だ、お前らの話は聞いてる。お前らなら歓迎するぜ!」

商人「ど、どうも…」

魔法使い「それなら…私達、オーブを探しているんだけど、知らないかしら?色は違うかもしれないけど、こういう…宝玉なんだけれど」

海賊A「オーブ?さて…おい、知ってるか?」

海賊B「ああ、確か前に盗んで来た奴に、そんなのがあったな。どこにしまったか…」

商人「ホントに!?」

魔法使い「ここで見つかるなんて、運が良いわね」

海賊B「ああ、ただどこにしまったかは分からないぜ。大した価値も無さそうだし、魔王を倒そうってお前達にならくれてやってもいいが、自分達で探してくれよ?」

商人「分かった!おじさん達、ありがとう!!」

商人「ふふ、おじさん達ったら物の価値が分からないんだから!」

魔法使い「それはそうと…賢者はどこ?」

商人「あ!ど、どうしよう…すみません、あの、小さな女の子見ませんでした?」

海賊C「ああ、あのお嬢ちゃんならここだ」

商人「良かった、はぐれなくて…じゃあ失礼して…」

海賊C「ああ、ちなみにここは俺らのお頭の部屋だ。粗相のないようにな」

商人「お、お頭!?」

魔法使い「参ったわね、賢者は粗相の塊よ。何もしてなければいいけど…」ガチャ

お頭「はっはっは、なかなかハッキリ言うじゃないか、気に入ったよ」

賢者「おおー、けんじゃもおかしらがきにいったぞ!!」

商人「けけけけんじゃちゃん!?」

お頭「なんだいあんた達は?ああ、この子の連れだね?なかなか面白いじゃないか、あたしの小さい頃みたいだよ」

魔法使い「…ごめんなさい。色々と驚き過ぎて、何から聞いていいか…」

お頭「はは、そうだろうね。まずあたしがこの海賊達のお頭だ。女のお頭はおかしいかい?」

魔法使い「まあ、正直意外だったわね…」

お頭「はは、あんた達がそれを言うのかい?魔王を倒そうって連中が女だらけのパーティーだって聞いたときは、あたしの方が驚いたけどね」

魔法使い「まあそうでしょうね…」

賢者「でも、けんじゃたちはつよいぞ!!」

お頭「でも、本気なのかい?あの魔王を倒そうだなんてさ」

商人「え、えーと、それは、なんていうか…」

賢者「たおすぞ!!ぜんぶ、ぜーんぶ!!」キャッキャッ

お頭「はは、威勢がいいね。なら…もし魔王を倒せたら、またここに来な。あたしらはいつでもあんたらを歓迎するからさ。ああ、あたしらは夜しかいないからね、会いたいなら夜に来てくれ」

魔法使い「ありがとう。また来るわ」

お頭「あ、そうだ!あんた達、ルザミって知ってるかい?」

商人「ルザミ?えっと、確かまだ言ったことないけど…」

お頭「なら行ってみるといいよ。ここから南に行って、ちょっと西さ」

魔法使い「何から何まで…ありがとう」

お頭「なあに、お安いご用さ。気を付けてな」

賢者「おー!!おかしらもきをつけてな!!」

お頭「はは、ありがとう。それじゃな」

商人「あんなに若い女の子が海賊のお頭なんだ…でも、いい人で良かった…」

魔法使い「そうね、きっと賢者のおかげね」

賢者「そーか?おかしらはやさしいものだぞ!!おやぶんもやさしかったし!!」

商人「そっか…」

魔法使い「さて、後はオーブだけど…商人、一応笛を吹いてみてくれる?疑う訳じゃないけど、あの様子だと…」

商人「うん、どこにあるか分からないなんてね。じゃあ吹いてみるよ…」ペッポッパッポー

ペッポッパッポー ポッパッポー ポッパッポー…

賢者「やまびこだな!!」

魔法使い「ええ、ここにあるのは間違いないようね」

商人「でも、どこだろう?中は怪しい場所なかったよね?」

魔法使い「となると、外かしらね…ちょっとでてみましょうか」

商人「…外も、これといって怪しい場所は…」

魔法使い「待って。あの岩…少し不自然じゃない?こんな所にあんな大きな岩…」

商人「あ、怪しい!じゃあ押してみようよ、せーのっ!」

魔法使い「それっ!」グググ…ゴロッ!

商人「う、動いた!!」ゼーハー

賢者「お?このした、なにかあるぞ!!」

魔法使い「…階段!やったわね、じゃあ下りてみましょう」

商人「うん!!…あ、宝箱が並んでる!!」

賢者「あけるぞ!!それっ!」パカッ

なんと ヘビメタリングを手に入れた!!

魔法使い「またずいぶん個性的なリングね…商人、見てくれる?」

商人「見る?あたしに頼んでるの?」

魔法使い「?そうよ、お願い…」

商人「はん、お願いされてもね…あたし達は、しょせん最後は一人…馴れ合いなんてごめんだよ」

賢者「しょーにん、どうしたんだ?」

商人「心配したふりされてもね。結局、最後はみんな自分が可愛くなって…ああ!待って魔法使いちゃん、もう少し、もう少し!!」

魔法使い「待ってられないわよ、全く、オーブが目前にあるかもしれないって時に、だらだらしないの」

商人「えへへ、つい…」

賢者「じゃあつぎあけていいか?」

魔法使い「いいわよ、どうぞ。」

賢者「じゃああけるぞ!!」ガチャ

なんと レッドオーブを手に入れた!!

商人「お、オーブだ!!オーブだよ!!」

魔法使い「やったわね!でも一応、海賊達にことわっていかないと…」

商人「そうだね…大丈夫だよね?気がかわったりしてないよね?」

魔法使い「きっと大丈夫よ、きっと…ああ、いたわねさっきの人。ごめんなさい、オーブを見つけたんだけれど…」

海賊B「それは…!どこで見つけたんだ?まあいい、約束通りお前達にやるよ」

商人「やった!!おじさん、ありがとう!!」

海賊B「ああ、魔王退治、頑張れよ」

賢者「おー!!がんばるぞ!!」

商人「あはは、それじゃあ…はあ、成り行きとはいえ、魔王退治する事になっちゃったね…」

魔法使い「正直、まだまだ魔王には遠い気はするけど…どうなるかしらね?」

商人「で、これからどうするの?このまま東海岸を北上するの?それともお頭が教えてくれたルザミに行ってみる?」

魔法使い「そうね…最初は北上する予定だったけど、せっかく教えてもらったんだし、ルザミに行ってみる?」

賢者「けんじゃはおかしらのいうとおりにしたいぞ!!」

商人「そだね、ここから~って教えてもらったんだし、他から行こうとしても行き方分からなくなっちゃいそうだし」

魔法使い「じゃあ次の行き先はルザミね。さっそく出発しましょう。準備はいい?」

商人「もっちろん!!ね、賢者ちゃん?」

賢者「おー!!ルザミに行くぞ!!」

――106日目

魔法使い「朝になってしまったけど…ルザミ、見えないわね…」

商人「もしかして、行き方間違えちゃったかなあ?」

魔法使い「そうね…南に行ってちょっと西、って考えてみればアバウトな説明だったわね…」

商人「そして、頼みの綱の賢者ちゃんは…」

賢者「くー…くー…」zzz…

魔法使い「まあ仕方ないわね…」

商人「うん…でも、ルザミが見つからないのは良いとして、どこまで進んでみるの?このままだと、どこに行くか…」

魔法使い「…待って。商人、あれ、陸じゃないかしら?」

商人「あ、ホントだ!!…あれ、なんか見覚えが…」

魔法使い「ここは…確か、エジンベアを出てから西に向かった時、ここに来たわね」

商人「て事は…ぐるっと回って大陸の北端に来ちゃったんだ!?」

魔法使い「やっぱりルザミには行けなかったけど…でもちょうど良いわ、このまま南下して東海岸を進んでみましょう」

商人「うん…あ、魔法使いちゃん、あそこ、ちょっと拓けてる所があるよ!!」

魔法使い「本当ね、何かあるのかしら…行ってみましょう」

商人「拓けてはいるけど…何もないね…あ、家が一軒あるよ!」

賢者「おー、じーちゃんがいるぞ!!」

老人「おお、旅人か、よく来た」

魔法使い「こんにちは。こんな所で何を?」

老人「私、ここに町作ろう思てる。でも、商人いないと町作れない。貴方、ここ残って欲しい。一緒に町作って欲しい」

商人「え!?あ、あたし!?」

魔法使い「それは、流石に突然ね…」

老人「確かに突然。それは申し訳無い。ただ、考えて欲しい。私待ってる」

商人「そ、そんな事言われても…」

魔法使い「…まあ、どちらにしろ今すぐは無理でしょう?待ってると言ってるし、少し考えてみたら?」

商人「ええ!?魔法使いちゃん、あたしが抜けていいの!?」

賢者「けんじゃはいやだぞ!!ずっといっしょだ!!」

魔法使い「私だって困るわよ。ただ、貴方が頼まれた以上、決めるのは貴方よ。だから…少し落ち着きなさい、ね?」

商人「あ…うん、ごめん…」

魔法使い「いいのよ…ご老人、そういう訳なので、今すぐという訳にはいきません。またそのうち、彼女の意志を伝えに来ますから…」

魔法使い「さて、と…じゃあまた南へ向かうわよ」

商人「………」

魔法使い「商人?」

商人「え?あ、ううん、ちょっと考え事してただけだから…」

魔法使い「…さっきは悪かったわ。私も配慮が足りなかったわね」

商人「ううん、いいんだ。そうじゃなくて…あのおじいさん、誰か商人が来るまでずっとあそこでああしてるのかな?」

魔法使い「…そうね…諦めない限りは…」

商人「だよね…少し、かわいそうっていうか…」

魔法使い「まあ、貴方の事だからそう考えると思ってたわ。ただ、貴方の気持ちも分かるけど、まずは貴方がどうしたいかよ。分かるわね?」

商人「うん、分かってるよ…」

賢者「なあなあ、あのじーちゃん、ごはんどうしてるんだ?あそこじゃたべもの、あんまりなさそうだぞ」

魔法使い「さあ…どうなのかしらね…?」

商人「ふふ、賢者ちゃんはいつも変わらないね…うん!あたしも元気出して行こう!!」

賢者「お?げんきになったな!おなかすいたのか?」

商人「あはは、そうかも。だからさ魔法使いちゃん、早く町を見つけて、おいしいもの食べようよ!!ね、ね?」

魔法使い「さて、じゃあ南下を続けるわよ」

商人「町があるといいねー!」

魔法使い「そうね…川があるけど…」

賢者「このかわいきたい!!いきたい!!」

商人「そだね、川があるなら上流に町があったりするかも…」

魔法使い「このままやみくもに突き進んでも仕方ないし、この川を遡ってみましょうか」

商人「うん!…結構複雑にいりくんでるね…」

賢者「めいろみたいだぞ!!」キャッキャッ

魔法使い「橋があるわね。橋があるって事は、近くに…あ、ほら、何か見えない?」

賢者「おおー!!うちがあるぞ!!」

商人「ホントだ!!町っていうより村かな?とにかく行ってみよー!!」

村人「よく来た。ここスーの村」

魔法使い「スー、か…のどかな村ね…商人?」

商人「ここの人達…あのおじいさんと同じしゃべり方だね…」

魔法使い「ああ、そういえば…」

村人「あのおじいさん?それはここから東の草原にいた男か?」

商人「そ、そうです!やっぱりこの村の人だったんだ…」

村人「そこはまだ草原のままか?町は出来てなかったか?」

賢者「うちがいっけんあっただけだぞ!!」

村人「そうか…やはり…」

商人「……」

魔法使い「…さ、村を見て回りましょ?」

賢者「むらみつかったし、おいしいもの食べるぞ!!」

商人「うん、そうだね…」

魔法使い「村を回ってみたけど、何か真新しい情報あった?」

商人「うーん…古い情報がちらほら…かわきのつぼの事とか、やまびこのふえの事とか…」

魔法使い「もっと早くこの村を見つけてたら、色々冒険が楽になってたのかもしれないわね…」

商人「そうかもね…ねえ、魔法使いちゃん、あたしなんだか疲れちゃった。まだ朝早いけど、今日はお休みじゃダメかな?」

魔法使い「そうね…実は六日前を最後に宿に泊まってないし、早く休むのもいいかもね」

商人「ありがと…さーて!!賢者ちゃんも言ってたけど、おいしいもの食べなきゃね!!この村は何があるかなー?」

賢者「おーい、ここにおいしいものあるぞ!!アカイライの手羽先!!」

商人「ホント?今行く、待ってて!」タタタ…

魔法使い「ふう…こっちまで悩ましくなってくるわ…私もおいしいものを食べようかな…」

――夜

賢者「くー…くー…」

商人「魔法使いちゃん、起きてる?魔法使いちゃん?」

魔法使い「…何?」

商人「ごめんね、いろいろと。気を使わせてるでしょ?」

魔法使い「…まあ、正直に言えばね…」

商人「あはは、ホントに正直だ。ごめんね、明日からはちゃんとやるから」

魔法使い「そうしてもらえると助かるけど…別に考えることは悪いことじゃないわよ」

商人「うん、考えないって訳じゃなくて、もっとこう、前向きにっていうかさ。あんまりウジウジしてると、あたしのきゅーとさが台無しだからね!!」

魔法使い「きゅーとさ、ねえ…素手でごうけつぐまにでも勝てそうな貴方がきゅーとねえ…」

商人「ええ!?あたし、そんなこと…」

魔法使い「出来ないの?」

商人「………多分、出来るけど…」

魔法使い「でしょうね」クスクス

商人「もう!!真面目な話してたのに!!」

魔法使い「真面目な話?きゅーとさがどうとか言ってたような…」

商人「だから、真面目な話じゃない。きゅーとでせくしーだいなまいつなあたし」

魔法使い「ああ、うん、そうね」

商人「あー!!本気にしてないんだ!!大体魔法使いちゃんはいつもいつも…!」

魔法使い「はいはい。じゃあまた明日から頼むわよ、熊殺しのあなほり名人さん?」

商人「違うよ!!きゅーとでせくしーだいなまいつなみんなのヒロイン商人ちゃん!!」

魔法使い「だんだん肩書きが増えてくわね…」

商人「あたしのきゅーとさは成長してるの!」

魔法使い「はいはい、そうね」

商人「むー、また人の話を適当に聞いて…」

――108日目

賢者「おーい、あさだぞ!!おきろー!!」バンバンバン

魔法使い「待って…今……」

商人「うう~、遅くまでおしゃべりさしてたからあたしも今朝はきついよ…」

賢者「きのうもはやくねてきょうはねぼうか?おきろー!!」バンバンバンバン

魔法使い「分かったわよ…やれやれ」

商人「ん~、おはよ…で、今日はどこ行くの…?」

魔法使い「そうね…もう一度、ルザミを目指してみない?もともとはそこを目指してたんだし…」

賢者「おかしらがいってたところだな!!いきたいぞ!!」

商人「うん、いいんじゃないかな。他に情報もないし…」

賢者「ほらいくぞ、したくだ!!ほらほらほら!!」グイグイ

魔法使い「分かったわよ、もう、朝から元気ね…」

商人「よっぽどおかしらが気に入ったんだね。じゃあ早く準備しよっか?」

魔法使い「たまに宿に泊まった時位朝もゆっくりしたいものだけど…やれやれね」

商人「で、北から行くの?それとも南?」

魔法使い「南から行きましょう。まだこの海岸沿いは最後まで行ってないしね」

商人「そいえばそっか。じゃあしゅっぱーつ!!」

賢者「おー!!」

魔法使い「…この川、中々の難所よね。船乗りさん達には頭が下がるわ」

商人「ホントだねー…おお、海が見えた!!」

賢者「またぎょかいるいだな!!」

魔法使い「すぐ食べ物の話になるわね…」

商人「南には何があるかなー?」

魔法使い「さあ、それもすぐにわかるわよ、きっとね…」

――109日目

賢者「おー、おかしらたちのいえがみえたぞ!!」

商人「あ、ホントだ!!…って事は…」

魔法使い「スーからここまでは結局何もなかったわね…まあいいわ、目的はルザミだもの」

商人「そだね、じゃあ改めて、ルザミ目指して…」

賢者「けんじゃはおかしらにあいたいぞ!!」

商人「え?ま、また海賊の住みかに行くの!?」

魔法使い「寄っても良いけど…お頭は夜にならないといないって言ってたような…」

賢者「うー、でも行ってみたいぞ…」

魔法使い「そこまで言うなら行ってみましょうか。商人もいい?」

商人「いいよ!!…みんないないなら怖くないし…」

魔法使い「結局、海賊達はいなかったわね…」

賢者「うー…ざんねんだぞ…」

商人「仕方ないよ、もう会えないって訳でもないんだし。でもあの牢屋に入ってた偉そうな人、何した人なんだろうね?」

魔法使い「さあ、でもあの海賊達は義賊のようだから、多分良からぬ事をした人なんでしょうね。それより、海賊の住みかから出てしばらく来たけど、なかなかルザミは見えないわね…」

賢者「お、なんかみえたぞ!!しまだ!!しろだ!!」

商人「おお、ルザミってお城だったんだ!!」

魔法使い「待って、あれ見たことあるわ…あれ、エジンベアじゃない?」

商人「え?あ、ホントだ!!なんで!?」

魔法使い「………今気づいたんだけど…私達、海賊の住みかから東に行って南へ進んだわよね?」

商人「え…ああ!!ルザミって…!」

魔法使い「東じゃなくて西、だったわよね…いけないわ、なんでこんな間違いを…」

商人「ひゃ~、これは本格的に迷っちゃったよ…」

魔法使い「さて、ここはどの辺りなのか…」

商人「暗くなっちゃったし、回りも全然見えなくなったね…」

魔法使い「まあ、いざとなったらルーラで戻れるけど、また1からやり直しっていうのもね…」

商人「そうだね…っていうかさ、あたし達、前回ルザミにいけなかった時も、もしかして東に…」

魔法使い「言わないでよ…」

賢者「おーい、なにかみえたぞ!!」

商人「え?…あ、あ、陸だ!!あれ、でもあれも見たことあるような…」

魔法使い「あれ、グリンラッドよね?変化の杖を欲しがってたご老人のいた…」

商人「あー!!じゃあまた違うところに…」

賢者「そっちじゃないぞ、あっちだ!!」

商人「え?あ、小さな島に…建物もあるよ!あそこって…」

魔法使い「ええ、まだ見たことないわね。あそこがルザミかしら?とにかく行ってみましょう。あそこだと良いけど…」

女性「ここはルザミ。忘れられた島よ」

商人「やった!!ルザミだルザミにた着いたよ魔法使いちゃん!!」

魔法使い「ええ、やっと着いたわね」

賢者「おー、とおかったぞ!!」

女性「その様子だと大分迷ったようね。無理もないわ。貴方達の前に旅人が来たのは何年前だったかしら…」

商人「そんなに…じゃあ迷っても恥ずかしくなかったね!!」

魔法使い「それはまた別の問題だと思うけど…」

賢者「なあなあ、しまのなかみてまわらないのか?」

商人「もちろん見て回るよ!!さ、魔法使いちゃんも行こ、あたしお店とか見て回りたいし!!」

魔法使い「そうね、行きましょう。こんな孤島に、品揃え豊富なお店があるとも思えないけど…」

賢者「おー、みせだぞみせ!!」

商人「あ、ホントだ!!…って、この品揃えは…」

魔法使い「私達冒険者向けのものはないわね。生活雑貨ばかり。それもかなり…」

賢者「ほとんどなにもないな!!」

商人「け、賢者ちゃん…」

店主「いえ、いいんです。せっかく来ていただいたのに何もなくて…代わりに、私が昔聞いた噂話をお売りしましょう」

魔法使い「噂話…?」

店主「ええ、なんでも、ガイアのつるぎはサイモンという男が持っていたそうです」

商人「ガイアのつるぎ…?それにサイモンってどこかで…」

店主「あちらに住むご老人に話を聞けば、もう少しいいお話がありますよ」

魔法使い「ありがとう。それでその噂話のお代は?」

店主「いりませんよ…それより、道中ご無事で…」

商人「ありがとうございます!!じゃあ!!」

魔法使い「ここがそのご老人の家ね…」

賢者「おーい、じいちゃんいるか?」バタン!

商人「け、賢者ちゃん、ちゃんとノックして…」

老人「そなたらは…そうか。わしは予言者。そなたらが来るのを待っておった」

賢者「いきなりなにいってんだ?じーちゃん?」

魔法使い「こらっ!予言者ですもの、私達と見えてるものが違うんでしょう」

老人「よいか、魔王バラモスはネクロゴンドの山奥!!」

商人「魔王…!」

老人「やがてそなたらはガイアのつるぎを火山の火口に投げ入れ…その道を切り開くであろう!!」

商人「ガイアのつるぎって、さっきのおじさんが言ってた…?」

魔法使い「だんだん話が繋がってきたわね。魔王の所へ行くには、ガイアのつるぎが必要で、そのつるぎはサイモンという男が持っていた。そして…確かサイモンの名前は、サマンオサに行く途中の教会で、神父様から聞いた気がするわ」

商人「あ!!確かにそんなきがする!!」

魔法使い「決まりね。私達はまた、サマンオサに行かなければいけない。あそこもまた、一筋縄では行かなそうだけども…」

商人「じゃあ次はサマンオサだね?早く行こうよ!!」

魔法使い「あえ、行くのは良いけど…さっきの話の神父様、サイモンの事をなんて言ってたか覚えてる?」

商人「え?なんか言ってたっけ?」

魔法使い「勇者サイモンはサマンオサ王によって旅の扉から追放された…確か神父様はそう言ってたわ」

商人「え!?じゃあサマンオサに行ってもサイモンさんっていないの!?」

魔法使い「おそらく…でも、他に情報がない以上、結局私達はサマンオサに行くしかないわ。もしかしたら、誰か行き先を知ってるかも…」

賢者「おーさまがついほーしたなら、おーさまがしってるんじゃないのか?」

魔法使い「おそらくね。でも、その王様が…」

商人「確かご乱心気味だったよね…じゃああたし達、結局サマンオサの国も助けなきゃならないかもね」

魔法使い「そうね、ジパングでも出来たし、今度も出来るとは思うけど…前途多難ね…」

――111日目、サマンオサ

賢者「ついたぞごはんだごはん!!」

商人「賢者ちゃん、ごはんはちょっと待って。それより、みんなから話を聞かないと…」

賢者「ええ~?」ブーブー

魔法使い「ごめんね、ちょっとだけ我慢して。でも話を聞くといっても、最初に来たときに町の人には話聞いて回ったわよね」

商人「うん、だから話を聞くとしたら、お城の中に入るしかないと思うんだ」

魔法使い「相手の中枢に乗り込むのね。確かにそれが一番良いけど、問題はどうやってお城の中に入るかね。前回は門前払いだったけど…」

賢者「なあなあ、どっかのおしろみたいに、とーめいになって入れないのか?」

魔法使い「駄目ね、このお城は二人の門衛が隙間なく立ちはだかってるもの…」

商人「へっへ~、それなんだけどさ魔法使いちゃん、あたし閃いたの!!すっごくいい方法を!!」

魔法使い「いい方法?本当に?」

商人「ホントだって!!とりあえずお城にいってみよ、ね、ね?」

魔法使い「本当かしら…でも他に思いつかないし、貴方に任せるしかないわね…」

商人「まーかせといてよ!!」

――サマンオサ城入口

魔法使い「やっぱり入口は固められてるわね…」

賢者「あいつらみんな食べればいいんじゃないか?」

魔法使い「なんでもかんでもすぐ食べようとしないの。そもそも、そんな事したらここの王様が暴君でなくても私達死刑よ」

賢者「ならおーさまも食べて…」

商人「まあまあ賢者ちゃん、ここは商人おねーさんに任せなさい!!」

賢者「ホントか?べつにまるやきでも…」

魔法使い「あくまで食べるつもりなのね…商人、頼むわよ」

商人「大体二人ともさ、正面から入ろうとするからいけないの。ほら、あっちに勝手口があるでしょ?」

魔法使い「…なるほど」

商人「ね?で、あそこから御用聞きの商人として入ればいいの。どう?」

魔法使い「確かにそれが一番良さそうね。本当の商人なら、相手の警戒も薄くなるだろうし…」

商人「ね、ね?さあ、勝手口から進入作戦、スタートだよ!!」

賢者「おー!!」

兵士「ここは勝手口だ。御用聞きの商人か?」

商人「へい、あたしらはお城相手に商売をさせていただいてる者でして、へへ」

魔法使い「…そのキャラなに?」ボソッ

兵士「そうか、なら入るといい」

商人「ありがとうございやす。へへ…やったね、成功だよ!!」

賢者「おー、やったな!!すごいぞしょーにん!!」

魔法使い「…正門の警戒と比べてユルすぎない?まあ、中に入れたから良いわ。ありがとうね、商人」

商人「へっへ~、あたしの商人スキルとせくしーさをもってすればお安いご用だよ!!」ドヤッ

魔法使い「さりげなくセクシーさをねじ込んできたわね…まあ、今日の所はそれでもいいわ」

商人「ありがたき幸せ、へへ」

賢者「しやわせ、へへ」キャッキャッ

魔法使い「…でもそのキャラは止めなさいよ?」

商人「で、ここは台所だね。まずはここにいる人達に…すみませーん…」

侍女「邪魔しないで下さい。食事が遅れたら、私達死刑にされてしまいます」

商人「あ、す、すみません…」

魔法使い「食事が遅れただけで死刑…これは想像以上ね。ここまでひどいなんて…賢者?」

賢者「おー…おーさまのりょーりってすごくおいしそうだぞ…ちょっとだけ、ちょっとだけなら…」ジュルリ

魔法使い「!!駄目よ賢者!商人、ここから出るわよ!」

商人「う、うん!し、失礼しました~!!」

賢者「あ~、まだ食べてないぞ!!」ジタバタ

魔法使い「いいから早く!…ふう、いきなり問題起こす所だったわね」

賢者「おなかへった~…」グウウウ…

商人「ごはん食べてからの方が良かったね。でも今引き返す訳には行かないし…もうちょっとだけ我慢して。ね?」

賢者「うー、もうちょっとなら…」グウウウ…

商人「…いろんな人に話を聞いて回ったけど、ひどいね…」

魔法使い「そうね…悪魔に魂を売ったんじゃないかって言ってた人もいたけど、あながち間違っていないかもね」

商人「実の娘のお姫様まで王様は人が変わったようだって言ってたよね…そんなにいきなり人が変わったりするのかな?」

魔法使い「…やっぱり魔物が絡んでると見るのが自然でしょうね。それに、ただの人間がこれほどの敵意と悪意を撒き散らせるなんて、信じたくないわ…」

商人「そうだよね…あれ?賢者ちゃん、何持ってるの?」

賢者「これか?おーさまのしんしつってとこで見つけたんだぞ!!」

なんと こんぼうを手に入れた!!

商人「王様の寝室にこんぼう?護身用かな?」

魔法使い「王族の護身用武器にしては粗野も良いとこだけど…なんでこんぼうなのかしらね…?」

商人「うーん、でも一番聞きたかっサイモンさんとガイアのつるぎの話は聞けなかったね…」

魔法使い「そうね、これだけ聞いても話が出てこないとなると、もう王様本人に聞くしかないけど…」

商人「それはちょっと難しいよね。何されるか分からないもん」

魔法使い「そうね…でも困ったわ。このお城にいる人のほとんどに話を聞いても駄目となると…」

商人「ねえ、そういえばこのお城、牢屋とかないのかな?もしかしてそこなら…」

魔法使い「牢屋…確かに、サイモン殿は罪人として扱われたらしいし、牢屋なら何か話が聞けるかも…ねえ、この騒ぎは何?賢者はどこ?」

商人「え?あれ?な、なんだかイヤな予感が…」

賢者「なんでだー!!ちょっとくらい食べても…!!」ギャーギャー

兵士「あ、お前はさっきの商人と一緒に入ってきたガキだな!!奴ら共々牢屋にぶち込め!!」

魔法使い「………」フゥ…

商人「ろ、牢屋に行けるね…」

兵士「大人しくしているんだぞ!!」ガシャーン

賢者「なんでだ?なんでろーやにはいったんだ!?」ガシャガシャ

魔法使い「なんでって…貴方ねえ…」

商人「うーん、人生初投獄だね…」

魔法使い「普通は1度もないと思うけど…まあいいわ、早く抜け出しましょう」

商人「そだね…さいごのかぎがなかったらと思うとゾッとするね…」ガチャ

賢者「おお!?あいたぞ…ムググ」フガフガ…

魔法使い「もう、大きな声出さないの。出るわよ」

商人「はーい…誰も見てない、よね?」

兵士「待て」

魔法使い「いけない、見つかった!?」

兵士「…私は眠っている。だからこれは私の寝言だ」

商人「!?え?え!?」

兵士「確かに、最近の王様はおかしい。しかし、王様に逆らう訳にもいかぬ」

魔法使い「兵士の立場ではそうでしょうね…」

兵士「私はここから動けないが、この牢獄には秘密の抜け道があるらしい」

商人「それって…!」

魔法使い「…眠っているから聞こえないでしょうけど、例を言うわね。ありがとう」

兵士「眠っているから聞こえん。これも寝言だが、気を付けてな」

魔法使い「ええ、貴方も」

商人「あ、ありがとうございます…」

賢者「へんなやつー。ねごとだって」

魔法使い「でも、見張りがああ出るなら心配ないわね。牢屋にいる人達に話を聞いてみましょう」

商人「そだね。ここならきっと、きっと情報が…」

魔法使い「じゃあまずはそこにいる詩人から話を聞きましょう。もしもし…」

詩人「ああ…なぜこんなことに…ロマリアの遥か北東、湖の真ん中のほこらの牢獄で朽ち果てたサイモンのように、私もここで…」

商人「え!?今なんて!?サイモンさんが死んだ…!?」

詩人「だ、誰ですか貴方達は!?」

魔法使い「すみません、今の話を詳しく…」

詩人「詳しくと言われても…私も聞いた話ですが、勇者サイモンは王の怒りを買いほこらの牢獄へと追放され、そこで朽ち果てたと…」

魔法使い「…なんて事」

詩人「貴方達、勇者サイモンの知り合いですか?」

魔法使い「いえ、そうではないけど…ありがとう、助かったわ」

商人「ど、どうしよう魔法使いちゃん、サイモンさんが亡くなってたって…」

魔法使い「ええ…でも、私達が探さなければならないのは、サイモン殿ではなく彼が持っていたガイアのつるぎよ。いつか彼が投獄されたほこらの牢獄にもいくようかもね…」

商人「そ、そうだね。まだ、まだ終わりになった訳じゃないんだ…」

魔法使い「ええ…でも、困難は予想してたけど…難しいかもしれないわ…」

商人「…これで、牢屋にいる人達みんなから話が聞けたね」

魔法使い「ええ。気になったのは、ラーのかがみの情報ね」

商人「あたし、商人ネットワークで聞いたことあるよ。ラーのかがみは、真実を映すって。変身してたりとか、そういうのを見破れるんだって」

魔法使い「それが本当で、そしてその話をしたせいで牢屋に入れられた…という事は…」

商人「うん。王様はきっと、何か別の人か――考えたくないけど、モンスターが化けてて、それで王様は正体がばれるのが怖い…?」

魔法使い「その可能性は高いわね。となると、ジパングのやまたのおろちに続いて、ここも魔物に支配されてる国って事ね…」

賢者「なあなあ、もしここもおろちみたいなのがおーさまなら、ここのおーさまも食べていいのか?おろちみたいにおいしいかな?」グウウウ…

商人「あはは、賢者ちゃんすっかりお腹ぺこぺこだね」

魔法使い「こんなことになって、ずいぶん時間が掛かってしまったわ。早く抜け道を探して、ご飯を食べないとね」

賢者「おー!!はやくいくぞ、はやく!!」グイグイ

商人「ま、待って、引っ張らないで…」

魔法使い「…どうやら、ここから出られるわ。二人とも、急いで…」

賢者「ごっはんー、ごっはんー♪…お?誰だ?」

魔法使い「!誰かいるの!?」

王様「…そこに誰かいるのか…?わしはこの国の王じゃ…」

商人「お、王様!?もしかして、本物の…!」

王様「何者か知らぬが、わしからへんげのつえを奪い取って、わしに化けよった…口惜しや…」

商人「そ、そんな…ど、どうしよう魔法使いちゃん?王様、助けないと…」

王様「いや…今わしが居なくなっては、奴が…偽物が感付く。もしそうなったら、わが国の民は…」

魔法使い「…そうね。今動くのは得策じゃないわ。それに、見たところ王様はかなり弱っているし、無闇に動かしても…」

賢者「なあなあ、このおーさまがほんもので、おーさまやってるやつがにせものなんだな?ならにせものやっつけて食べればいいんじゃないか?」

魔法使い「…まあ、食べるかはともかく、偽者をどうにかしなければならないのは間違いではないわね…」

商人「じゃ、じゃああたし達の次の目標は…」

魔法使い「まずはラーのかがみを手に入れて、偽の王様の正体を暴く。そして必要なら、偽者を倒す…王様、今しばらくの辛抱をお願いします」

王様「構わぬ…すまんな、見ず知らずのお主らに、そのような…」

商人「大丈夫です!あたし達、今までもこうしてきましたから!!ね?…少し怖いけど…」

魔法使い「ああ、ここが出口ね…やっと出られたわね…」

賢者「おー、明るいぞ!!」

商人「んー、シャバの空気はうまいねえ!!」

魔法使い「ちょっと牢屋に入ってただけじゃない…それより、次はラーのかがみ探しよ。どこに行けば分かってる?」

商人「えっと…どこだっけ?」

賢者「ごはん食べるところ!!」

魔法使い「ええ、それも大事だけど…ラーのかがみがあるのは、この町から南の洞窟よ。牢屋にいた人から聞いたでしょう?」

商人「も、もちろん覚えてるよ!!」

魔法使い「本当かしら…まあいいわ、私としては早速向かいたい所だけど…」

賢者「ごはんー!!ごはんー!!ごはんー!!」ギャーギャー

魔法使い「…まあそうでしょうね。いいわ、食事をしてからにしましょう」

賢者「おー!!はやくはやく!!」グイグイ

商人「ま、待ってよ!…でも正直、あたしもお腹減ったよ…」

魔法使い「私もよ。いろいろあったし、少し休憩ね…」

――サマンオサ郊外

商人「…う~ん、さっきは王様の手前、強気なこと言っちゃったけど、またおろちみたいなモンスターと戦わなきゃいけないかもしれないと思うと…」

魔法使い「弱気ねえ。あたし達、今までもこうしてきましたから!!って言ってたのは誰かしら?」

商人「だ、だから勢いで…」

魔法使い「はいはい。でも、まだ強い魔物と戦うと決まった訳じゃないし、今から気を張っても仕方ないわよ」

賢者「そーだそ、きらくにいけよ!!」ポンポン

商人「賢者ちゃんは強いなあ…でもそうだよね。まずは今から行く洞窟だよね」

魔法使い「そうそう。まずはラーのかがみを見つけないと」

商人「真実を映す鏡かあ…ねえ魔法使いちゃん、どうする?もしあたしを映したら、イシスの女王様もびっくりの絶世の美女が映ってたら…いた、痛いよ!なんでほっぺたつねるの!?」

魔法使い「え?貴方変装してるんじゃないの?化けの皮を剥がしてやろうかと思って」

商人「ひどい!!しかも化けの皮だなんて…!」

賢者「しんぱいするな、もししょーにんがモンスターでも、けんじゃがおいしく食べてやるから」

商人「それ、慰めになってる!?嬉しくないよ!?」

――サマンオサ南東の洞窟

魔法使い「洞窟か…おろちのいた洞窟以来ね」

商人「地球のへそにも行ったし、あたし達洞窟に潜ってばっかりだね…」

賢者「ここにはおいしいのいるかなー?」

魔法使い「どうかしら…?さっきの青っぽい影の魔物は食べられないでしょうけど…」

商人「初めて見たよねあれ。この洞窟は見た事ないモンスターが多かったりするのかな?」

魔法使い「かもしれないわね…今までの経験からすると、見た事ない魔物は今までより強い魔物の事が多いわ。気をつけないと…」

賢者「いままで食べたことないまものか!!」キラキラ

魔法使い「目を輝かせてる所悪いけど…美味しいとは限らないわよ」

商人「あ、二人とも見て!階段だよ!!」

魔法使い「結構歩いたけど、ようやく下の階に行けるわね…」

賢者「こんどこそ食べれる魔物いるかな?」

商人「それは行ってみないとね。じゃあ下りよう!!」

――地下2階

魔法使い「暗いわね…足下に気をつけて…」

商人「うん…やっぱり下の階に来ると空気変わるね…」

賢者「おー!!たからばこがあるぞ!!」

魔法使い「待って、調べてみるから…大丈夫、開けていいわよ」

賢者「おー!!」パカッ

128ゴールドを手に入れた!!

魔法使い「お金か…あって困る物ではないけど、少ないわね…」

商人「そだねー。もう5桁くらい入ってないと、有り難みないよね」

魔法使い「そんなに!?…でも貴方ならあなほりで4桁堀当てるものね…」

賢者「おーい、こっちにもたからばこあったぞ!!」

商人「あ、賢者ちゃんが呼んでるよ!!行って…あれ!?宝箱、あっちにも、こっちにもあるよ!?」

魔法使い「本当、たくさんあるわね。王家の財宝か何かかしら…?」

賢者「おー!!まだまだあるぞ!!」キャッキャッ

魔法使い「待って、調べてから…」

商人「ね、ねえ魔法使いちゃん、あたし達いくつ宝箱開けたかな?」

魔法使い「覚えてないわ…宝があるのはいいけど、調べるだけで魔力を使ってしまうわね…」

賢者「こっちにもあるぞ!!はやくはやく!!」

商人「な、なんかずいぶん奥まで来ちゃったけど…」

魔法使い「…もしかしたら、罠かしら?宝箱で侵入者を誘導して…」

賢者「おー、いきどまりだ!!たからばこがよっつ!!」

魔法使い「…怪しすぎるわ。まるでここに連れてこられた見たいじゃない。インパスで…」パアア…

商人「あ、赤い!!」

魔法使い「4つともね。この部屋の宝箱はみんな開けられないわ」

賢者「えー、つまんない…」ブーブー

魔法使い「わがまま言わないの。それにしても、こんな稚拙な誘導で罠に嵌めようなんて、なめられたものね…」

商人「ま、魔法使いちゃん、怒らない怒らない…」