穂乃果「ねぇ、凛ちゃん抱きしめて?」凛「……やだよ」 (160)

ラブライブSS

※どろっと



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穂乃果「はぁ……」

最近一人でごはんを食べることが珍しく無くなった。

海未ちゃんは弓道も忙しくって仕方ない。

穂乃果「仕事片付けないと……」

溜まった紙の束から目を背けて窓から下を見ると、

ことりちゃんと花陽ちゃんが仲が良さそうにしている。

穂乃果「……おめでと、ことりちゃん」

見てるだけで少し泣きそうになった。

なんで隣が穂乃果じゃないのかなって。

なんかもやもやしたから屋上に。

穂乃果「あーーーーーーっ!」

とりあえず叫んでみる。

穂乃果「すっきり!」

口だけでも言っておかないと、どんどんもやもやしちゃうからね!

穂乃果「ファイトだよ……ファイトだよ……!」

何万回繰り返した暗示。その度に元気な穂乃果になれる。

皆引っ張っていくμ’sのリーダー高坂穂乃果に。

その穂乃果に暗いイメージは似合わない。

穂乃果「……よしっ、これで大丈夫だっ!」

教室に戻ればいつもの二人が居てくれる。

ことりちゃん、海未ちゃん。二人の笑顔はとっても元気が出るね!

練習中の二人一組は穂乃果と海未ちゃんが一緒に組むことが多くなった。

海未「穂乃果、ちょっと固いですよ」

穂乃果「いたたたっ! 海未ちゃんちょっときっつい!」


ことり「花陽ちゃん柔らかいねぇ~」

花陽「ことりちゃんもすらっとしてるよぉ~」


ことりちゃんと花陽ちゃんが付き合ってから、この組み合わせになったかな。

デュエットもやってるし、Printempsだし、不思議なとこはなにもないよね。


にこ「希ー!」

希「はいはいーいくよー?」

絵里「二人とも怪我しないようにね!」

3年生は3人で柔軟を。


凛「真姫ちゃんは体柔らかくないにゃー」

真姫「すっ、すぐに柔らかくなるわよ……!」

凛ちゃんと真姫ちゃんも仲がいい。

練習が終わってから、最近はどうしようかなって思う。

あぁ、でも穂乃果ならこうかな。

穂乃果「よーっし! 皆でクレープでも食べに行こう!」

凛「行くにゃー!」

海未「またですか!? 太りますよ!」

にこ「にこは今月お財布ピンチだから……パス」

真姫「私も昨日食べ過ぎたからちょっとパス」

穂乃果「仕方ないなぁ、みんなといっしょじゃないなら解散ねー」

希「絵里ち、なんか寂しそうやんな?」

絵里「別にそんなことないわよ」


ことり「それなら花陽ちゃん、一緒に……」

花陽「ことりちゃんの家、楽しみ……」



聞こえてないふりをしよう。うん。

穂乃果「海未ちゃん、まったねー!」

海未「ほら、穂乃果! 宿題をきちんとやるんですよ!」

穂乃果「大丈夫! わからなかったら海未ちゃんに見せてもらうから!」

海未「いけません! まったく穂乃果は……」

穂乃果「じゃ、また明日学校でね!」

海未「はい、それでは」


穂乃果「……はぁ」

一人になったところでようやく一息。

結構疲れるんだね。今までと変わらないはずなのに。

気づいてって、思ってるんだけどなぁ。

でも、隠そうとしてるんだよね。

そんな小さな秘密を暴いて欲しいなって。

あはは、わかるわけないよね。ずっと隠してるんだから。

穂乃果「あははっ、ファイトだよ!」

穂乃果は夜になって、いつもいつも枕を濡らすんだ。

明日には普通になってるから。

穂乃果「ずっと一緒って約束したんだけどね」

穂乃果「穂乃果の一緒とことりちゃんの一緒は違ったんだ」

穂乃果「ただ、それだけだよね」


本当に嗤いが止まらない。

ずっと一緒の考えだと思ってたのに、そんなことなかったんだもん。

笑うしか無いよね。夜だけ、一人の夜だけは弱い穂乃果で居させて。




大丈夫だよ。皆の前では皆が望む穂乃果だから……ね。

――――ちゅんちゅん――――

朝だ。太陽の光が眩しい。もっと寝てたい。

……学校に行きたくない。

だめだめ。穂乃果はこんなこと言わないよ!

穂乃果「よーっし! 学校だー! 練習だー!」

空元気でも何でも出していかないと!

雪穂「お姉ちゃんもう8時だよ」

穂乃果「やばっ! 海未ちゃんに怒られるぅ!」ダダッ

雪穂「まったく、お姉ちゃんったら……」ヤレヤレ

穂乃果「海未ちゃん待ったー!?」ハァハァ

海未「えぇ、とっても」ニッコリ

穂乃果「うぅ、ごめん……」

海未「いいですよ、いつものことですから」

いつものこと……そうだよね。いつも通りだねっ。

穂乃果「えへへ」

海未「何かあったんですか? にやけてますよ?」

穂乃果「うん、いいこと……あったよ!」

海未ちゃんが気づかないなら、誰にも気づかれる心配なんてない。


海未「行きましょうか」

穂乃果「そうだねっ♪」


ことりちゃんはいない。花陽ちゃんと一緒に登校するようになっちゃったから。

穂乃果「ねね、海未ちゃん」

海未「何ですか?」

穂乃果「手をつないでもいいかな?」

海未「仕方ありませんね」

そう言って海未ちゃんは優しく手を握ってくれる。

穂乃果の手から思考が流れ込んで、わかってくれたらなって。

海未「宿題、やってきましたか?」

穂乃果「あ……」

覚えてたけどやらなかった。だって……やらなかったらことりちゃんに甘えられるかも。

穂乃果「ことりちゃんに見せてもらう!」ダッ

海未「待ちなさい穂乃果ー!」ダダッ

せっかく意気揚々と来たのに、見たくないものを見ちゃった。

花陽ちゃんがことりちゃんと幸せそうに話してる。

2年生の教室までお見送り? ははは。可愛いね。

穂乃果「おはよう! ことりちゃん! 花陽ちゃん!」

元気に挨拶。

花陽「おはよう、穂乃果ちゃん」

ことり「穂乃果ちゃんギリギリだねっ♪」

穂乃果「あはは……宿題やらないとー!」

海未「おはようございます二人とも」


……朝から今日はハードかも。胸がズキズキする。早くリセットしないと。

リセット自体はとっても簡単なんだよね。

自分の心の状態を最低まで下げちゃえば、後は壊れたように上がってくれる。

だから夜の一人の時間って最低で最高なの。

中途半端な状態が一番もどかしくて、痛い。

そういう時の魔法の言葉。

『ファイトだよっ』

幸い穂乃果は寝ててもいつも通りだから、本当に良かったなって。

マイナスな思考は夢の彼方にとばしちゃえ!

朝だけどおやすみ……ぐぅ。

昼休みも結構なリセット期間になるんだよね。

最近海未ちゃんは忙しいからだけど。

穂乃果「はぁ……」

屋上は空一面が見えるから好きかな。


海未ちゃんがいなかったらとっくに壊れてるかも。

ありがとね、海未ちゃん。穂乃果らしくいられるのはきっと海未ちゃんがいるからだよ。


でも、ことりちゃんが好きな事実が消えない。消えてくれない。

都合良く忘れないかななんて思ったりもするけど、そう思えば思うほど、想いが強くなっていく。

穂乃果「あはは、馬鹿だよねぇ。もう届かないのに」

言葉にして、認識させて、自分をいじめる。

穂乃果「一番近くにいると思ってたのかな?」

深く深く、傷つけて、何回も壊してあげる。

穂乃果「言葉にしなきゃ、誰も気づかないんだよ?」

一度壊しちゃえば、直すときには元通りになれる。

穂乃果「……あはははっ、あははははは」

笑いながら泣いて、もっと泣いて。泣きつかれたらテンションは元通りになる。

ほら。ほら! これでいつも通りだよ!

穂乃果「よしっ、今日もあと半分! がんばろう!」

誰も、屋上にいなくてよかったなって。

今日はここまでです。お疲れ様でした。

練習中は一時たりとも気が抜かない。

少しでもいつもと違えば、皆が心配しちゃうから。

何事も一生懸命にやり通す。これが穂乃果の持ち味のはずだから。

穂乃果「さー! みんな! まだまだ頑張るよー!」

絵里「張り切るのもいいけど休憩も大事よ?」

海未「そうですよ、しっかり休憩をとってください」

穂乃果「あはは、はーい」

あんまりみんなと話したくないから動きたいんだけどね。


……ことりちゃんの方につい視線が行きそうになっちゃう。

だめだよ。穂乃果は馬鹿やってるほうがいいんだ。

穂乃果「凛ちゃー……ん?」

凛ちゃんはずーっと花陽ちゃんの方を見てた。

そっか。凛ちゃんも穂乃果と同じなのかな。

一旦意識しちゃうと、止まらない。

どうやって凛ちゃんは凛ちゃんでいられるのかな。

やっぱり真姫ちゃんの存在が大きいのかな。

でも、花陽ちゃんのこと好きなのは変わらないのかな。

そうだよね、幼馴染だもんね。

穂乃果「直接聞きたいな……」

穂乃果の心にちょっぴり光が差した。

海未「穂乃果、練習再開ですよ!」

穂乃果「はーい!」

どうやって、凛ちゃんを誘おうかな。

二人きりで話がしたいな。

生徒会室に呼び出せばいっか。

そればかり考えていると瞬く間に時間が過ぎて、練習が終わっちゃった。

穂乃果「ねね、凛ちゃん話があるから生徒会室に来てね?」

凛「えーっ!? お手伝いー?」

穂乃果「ううん、ちょっとで終わるから大丈夫! 待ってるよー!」

凛「ちょっと、穂乃果ちゃん!」


真姫「何かこっそり話したいみたいだし行ってあげたら?」

海未「仕事はないと思いますから、行ってあげてください凛」

凛「うぅ、二人が言うなら……」


希「ウチらは勉強やな?」

にこ「うぇーパスー」

絵里「ダメよ、にこ。追試になったら練習できないわよ?」

にこ「頑張るにこ!」


ことり「花陽ちゃん、今日もお裁縫頑張ろっか♪」

花陽「衣装作りって楽しいねっ」

暗い方が話しやすいから、カーテンを閉めて。

凛ちゃんを待とう。

あんまり顔、見られたくないからね。

あはは。凛ちゃんはびっくりするのかな。

同情してくれるのかな。

凛「ほ、穂乃果ちゃーん来たよー」ガチャ

穂乃果「そこ座って?」

凛「……真っ暗だから電気つけてもいい?」

穂乃果「すぐ終わるから、このままがいいな」

凛「わかった……」

穂乃果「ねぇ、凛ちゃん。花陽ちゃんの事好き?」

凛「凛はかよちんのことが好きだよ」

穂乃果「今の花陽ちゃんは?」

凛「……好きだよ」

やっぱり、好きだったんだね。良かった。

穂乃果「ねぇ、凛ちゃん。凛ちゃんは辛くないの?」

凛「……辛くないわけないよ」

穂乃果「そうだよねぇ、そうに決まってるよね」ウフフ

凛「もう、いい?」

早いよ。まだ聞いてないもん。

穂乃果「真姫ちゃんにどれくらい助けてもらったの?」

凛「……なんでそんなこと聞くの?」

穂乃果「凛ちゃんならわかってくれるかなって思って」

凛「……意味分かんないよ。またね」ガチャリ


穂乃果「……好きなんだね。花陽ちゃんのことがまだ」

止めてくれるのは真姫ちゃんかぁ。

お薬でももらったのかな。そうすれば抑え込めるかも。

穂乃果もお薬欲しいなぁ。

夜は辛くて、楽しくて、怖くて、もうぐちゃぐちゃで。

穂乃果が唯一、脆い自分を出せる時間。

みんなから期待されて。重圧がかからないわけ、ないじゃん。

あの時のことを繰り返したくないから出たくないのに。

わかったように、嘘付いてるだなんて言って。

理解ってるなら助けてよ。今の穂乃果を助けてよ。

話を聞いて! そばに居て! ぎゅっと抱きしめて!

誰か……気づいてよ……


好き……だったのになぁ。痛いよ……痛い……

一緒に居たいのに。

ずーっと。

朝起きると、枕が冷たい。

鏡で確認すると泣き腫らした顔が映ってる。

穂乃果「ひどい顔だなぁ」

この顔は似合わない。高坂穂乃果には似合わないよ。

ファイトだよ。

穂乃果「ほら、ファイトだよっ!」

……何を頑張るんだろう。

ううん、ダメだよ。弱気に負けないようにっ!

穂乃果「頑張るぞーーー!」


雪穂「お姉ちゃん朝からうっさい!」

穂乃果「あはは、ごめんごめんっ!」

ほら、これで脳天気な穂乃果だよっ!

穂乃果「さー! 海未ちゃん! 学校まで競争だよ!」

海未「朝からどうしたんですか……もう」

そう言いながら競争してくれる海未ちゃんは優しいね。

最近の穂乃果は情緒不安定ってことを自覚してるから、

無理矢理にでも最高にしておかないと、すぐに落ちちゃう。

暗い穂乃果なんてきっと誰も見たくないからね。


穂乃果「穂乃果の勝ちーっ!」

海未「……穂乃果、大丈夫ですか?」

心が揺れる。ドキッとする。

海未「最近の穂乃果は元気が良すぎますよ?」

穂乃果「ん、何が? 元気なのはいつも通りだよ?」

海未「それはそうなのですが……」

穂乃果「あ、ことりちゃんと花陽ちゃんだよ!」

海未「あっ、穂乃果!」

固く握られている手が目に入って。

恋人つなぎって素敵だなって思って。

つないでいるのは穂乃果じゃないって自覚して。

朝から目眩がしそうになる。

穂乃果「二人ともお熱いねぇ~」ヒューヒュー

ことり「穂乃果ちゃん恥ずかしいよぉ!」

花陽「うぅ……っ」

ことりちゃんの声を聞いて癒やされて、現実の光景に叩き落とされそうになる。

穂乃果「邪魔者は退散退散!」ピュー

ことり「あはは、穂乃果ちゃん元気だね」

花陽「うん、いつも元気をもらえるね」ギュッ

ことり「花陽ちゃん」ニコッ

花陽「ことりちゃん」ニコニコ



凛「真姫ちゃん、胸貸してくれる?」

真姫「はぁ、いい加減吹っ切りなさいよ」

凛「凛は泣き虫だから……」

真姫「じゃあトイレ行くわよ」

凛「うんっ……」グスッ

穂乃果「はぁ……はぁ……」

ことりちゃんの声を聞くだけでうれしくて……

切ないよ……

仕方ないよ。仕方ないもん。さて今日も……


凛「うわぁぁぁぁんっ」

真姫「ほら、凛、泣かないの」

凛「だってだって……かよちんが……」

真姫「貴女の好きな花陽は幸せよ?」

凛「うんっ……ひぐっ……でも凛は……凛はぁ……」

真姫「泣き止むまで一緒にいてあげるから……」


そっか。凛ちゃんはこうやって受け止めてくれる人がいるんだね。

真姫ちゃんって案外優しいんだね。

はは、穂乃果も打ち明けたら抱きしめてもらえるのかな。

自分から打ち明ける……かぁ。

勇気がないや……だから気づいて欲しいんだもんね。

自分が一番楽だから。

凛ちゃんは凄いね。

弱さを見せることが出来るんだから。


……穂乃果も見せたんだけど、誰も彼もが勘違いしただけだった。

穂乃果のやりたいこと?

決まってるよ。


この胸の痛みから……誰か、助けて。

そうだね、うじうじしたってしょうがないよ。

海未ちゃんに言って……みよう!

海未ちゃんなら……海未ちゃんなら大丈夫……!

凛ちゃんたちも居ないし。トイレから出てすぐに教室へ。

穂乃果「ねぇ海未ちゃ」

海未「穂乃果! 授業始まりますよ!」

穂乃果「あ、あはは、そうだねぇー!」

ことり「数学だからすぐに用意した方がいいよっ」

穂乃果「ありがとっ!」

……タイミング悪かったなぁ。

でも、昼休みにゆっくり話せばいいかな……

――――昼休み――――

穂乃果「海未ちゃ」

海未「すいません、今日も弓道が……」

穂乃果「うんっ! 頑張ってね!」

ことり「行ってらっしゃい♪」

穂乃果「……ほら、ことりちゃんも花陽ちゃんが待ってるよ?」

ことり「じゃあ今日は3人で……」

穂乃果「穂乃果は……他に約束があるからっ♪」

ことり「わかった♪ 今度は一緒に食べようね!」

穂乃果「そうだねっ!」


あーあ。約束なんてないのに、嘘ついちゃった。

海未ちゃんもタイミングが合わないし……

嘘ってバレたくないから屋上に行こうかな。

誰もいなくてもばれないでしょきっと。

鉄棒が老朽化して落ちないかなーなんて思いながらぎしぎし。

一人じゃそんな勇気もないのに、空想だけは大きくなっちゃってさぁ。

下を覗くと、やっぱりことりちゃんと花陽ちゃんが仲良さそうにお弁当を広げてる。

羨ましい。

……今日で終わるかもしれない。海未ちゃんに話せば……

海未ちゃんは頭がいいから解決策をくれるかもしれない。

弓道頑張ってるんだろうなぁ。

弓道場に目を向けてみると、ちょうど海未ちゃんが出てきた。

……あれ。隣に絵里ちゃんがいる……


そういえば、最近海未ちゃん弓道ばっかり……?

絵里ちゃんと会うために……?


やだよ。やだよやだよ。嫌だよ。

どうして穂乃果を独りにするの。

せっかく頼れると思ったのに、全部打ち明けようと思ったのに……

また、『一緒』の意味が違った。

そっか、わかってくれるわけ、ないよね。

一層苦しくなった。いつもよりもっともっと苦しい。

身体が冷えていくのがわかった。

寒い、寒いよ。

内側から湧き上がる何かに、飲まれそうになる。

とても痛くて、委ねちゃえばきっと忘れられそうな何かに。

ファイト……だよ……。

そうだよ、まだ勘違いかもしれない。

海未ちゃんが穂乃果を追いてどこかに行っちゃうなんてこと……


ないよね?


強引に、心を戻す。まだ挫けるのは早いよ。

穂乃果は……負けないよ……。

だって、みんなが太陽のような穂乃果を求めてるから……!

マイナスな自分は捨てちゃえ!

よーっし! 練習が終わったら海未ちゃんに……

海未ちゃんに……



海未「穂乃果、すいませんが今日は絵里との用事が……」

穂乃果「う、うんっ! 何かあったの?」

海未「ちょっと頼まれごとをしてしまいまして……」

穂乃果「いいよ、行ってらっしゃい海未ちゃんっ!」

海未「えぇ、行ってきますよ」

絵里「ごめんね、穂乃果。ちょっと海未を借りてくわ」

穂乃果「うんっ!」


……なんだろ、ふわふわしてきた。

足元が崩れていくような、どこかに落ちてく感じがする。

穂乃果「さーって! 穂乃果は生徒会の仕事頑張らないとなー!」

気合で生徒会室に……

一応ことりちゃんにも断っておこうかな。

――――見たくない光景を目の当たりにした。

静かな1年生の教室で手を重ねて。

口づけを交わしている二人を見た。

その表情は幸せそうで、穂乃果の入る場所はなかったよ。

そこからは覚えてない。

気づけば、生徒会室で独りで泣いてた。

もう、頑張れない。

一番好きな人と一番頼れる人は傍に居ないんだもん。

もう笑えない。

ほら、もういいんだよ、頑張らなくたって。

そう言ってくれる人が欲しかった。

制服が涙でびしょびしょだ。

どんどん力が抜けてった。

穂乃果「もういいよ……」

心なんて信じなくたって。

どうせ、みんな本当にわかってくれることなんてないんだもん。

コンコン

希「穂乃果ちゃんいるー?」

希ちゃんだ。勝手に入っていいよ。

希「仕事は……ってどうしたん!?」

取り乱した声が聞こえる。そっか、床で膝抱えて泣いてたらそうなるよね。

希「ほら、ウチに話せることなら話して?」

優しいね、希ちゃん。……だめだ、力が全然出ないや。

穂乃果「ねぇ、希ちゃん」

穂乃果「ちょっと寒いから抱きしめて?」

心なんてもう信じない。でも、身体の温かさは本物だよ。

希「ええよ」

躊躇いなく抱きしめてくれる。

冷えてた身体がどんどん温まる。

それでも心が満たされない。

穂乃果「キスしよ、希ちゃん」

希「え……?」

穂乃果「ほら、みんなやってることだし……ね?」

希「それは、本当に好きな人とするべきだと思うんよ……」

一歩引かれた。別に、いいじゃん。

穂乃果「希ちゃんのこと好きだよ」

きっとこの好きは違う好きなんだと思う。

希「嘘や……」

穂乃果「嘘だよ。……逃げてもいいよ希ちゃん」ニコ

わからない心の繋がりより、はっきりとした体の繋がりをが欲しくなった。

希「ごめん……ごめん穂乃果ちゃん!」

やっぱり偽物だった。好きじゃなかったんだ。

一人ずつに嫌われていけば、弱い自分で居られる。

隠す必要がなくなるから。

嫌われちゃえば、誰にも必要とされない。

それでいいんだよ。

決めたら最後までやるんだもんね?

心を直そうとするから疲れるんだよ。

傷ついたとき痛いんだよ。

壊れたなら、壊しっぱなしにしちゃえばいいよ。

温もりがほしい時だけ抱いてもらえばいいよ。

嫌だって言われれば求めなくてもいいよ。



求めるだけ求めるから、無くなっちゃうんだよ。

それなら簡単だね、じゃあ最初から……




――――最初から無かったことにしちゃえばいいや。


最初の一歩だね。ファイトだよ。

今日はここまでです。お疲れ様でした。

何かが変わったわけじゃないんだよね。

結局穂乃果は、皆の望む高坂穂乃果で居るよ。



でも二人の時だけ、もう隠さない。

ねぇ、もう誰でもいいから温めて。

ずっと、ずっと離さないで。


ほんの小さな小さな夢。




ねぇ――――誰か叶えて?

穂乃果「さぁさぁ! 皆! 元気に練習だよー!」

海未「まったく、さっきまで教室で寝てた人とは思えません……」

ことり「最近穂乃果ちゃん張り切ってるね♪」


絵里「いい気合ね、教え甲斐もあるわ」

希「……」

絵里「希?」

希「あ、ごめん、ちょっと考え事してた……」

にこ「しっかりしなさいよ? にこたちだって負けてらんないわよ!」


花陽「わぁ、穂乃果ちゃん元気だなー! 花陽も頑張らないと!」

真姫「そうね、私たちも頑張りましょ」

凛「……」

真姫「凛?」

凛「うん、練習いっくにゃー!」

海未「今日はここまでです!」パンパン

ことり「お疲れ様っ」

穂乃果「あーあ、もっと練習したかったなー」

絵里「いい傾向じゃない穂乃果」

穂乃果「えへへ、絵里ちゃんありがと!」

真姫「元気がテーマの曲を考えてみようかしら」


凛「…………」

花陽「凛ちゃん?」

凛「なんでもないよ、かよちん。あ、ことりちゃんが呼んでるよ」

花陽「大丈夫? 凛ちゃん……」

凛「凛は平気だよっ!」



希「……」

にこ「希、練習中元気なかったわよどうしたの?」

希「……実は……」

穂乃果「穂乃果は生徒会の仕事片付けるね!」

海未「それでしたら私も……」

穂乃果「……海未ちゃん、絵里ちゃんと用事あるんじゃない?」

海未「ですが……」

穂乃果「一人で出来る量だから! 穂乃果今絶好調だからっ!」

ことり「穂乃果ちゃん?」

穂乃果「ほら、花陽ちゃんが待ってるよことりちゃんっ」ニコニコ

ことり「一人で出来る……?」

穂乃果「心配症だなぁもうっ!」

ことり「でも……」

穂乃果「もー! 二人してー! そんなに穂乃果は信用ないの!?」

海未「分かりました」

ことり「何かあったら相談してね?」

穂乃果「あははっ、そうだね、何かあったら相談するっ♪」


……何かあったら、ね……あははっ。

皆、本当に幸せそう。

想い人が隣にいればどんなに辛くても頑張れる。

穂乃果もそうだよ。

……居ないけどね。



生徒会室の扉を開く。

もうここは、穂乃果の世界。


一人きりの、誰にも邪魔されない脆い世界。

やっぱり寂しい感情が溢れ出す。

すぐに机に水たまりができる。

掃除するの、面倒、なのになぁ……。


疲れた……。

仕事があるなんて嘘。

もう全部終わっちゃった。

自分を追い込んで追い込んで……

最後には何がしたいのかな。


後悔だけが頭に渦巻いている。

ぐるぐるぐるぐる。

なんでもっと。なんで早く。どうして一人に。


……寒い。とっても寒い。

にこ「穂乃果! 入るわよ!」


あぁ、にこちゃんの声。

温めてくれるかな。

にこ「なんで、あんたそんな隅っこにいるのよ」

穂乃果「……だめかな」

にこ「希から聞いたけど……重症のようね」

言っちゃったんだ。希ちゃん。

穂乃果「ねぇ、にこちゃん穂乃果を温めて?」

にこ「ふんっ、お断りよ」


穂乃果「あはは。そうだよねぇ……」

にこ「にこはアイドルよ! 誰かれ構わず胸を貸したりしないの」

穂乃果「にこちゃんらしい……ね」

にこ「ほら、いつまでも湿気た顔してるんじゃないの!」

にこちゃんは本当に輝いてるなって思った。

ブレない強さを持ってる。

本当のアイドルみたいだよ。

にこ「いつものあんたみたいに笑ってなさいよ」

……いつもの……?


そっか、普段の穂乃果は笑ってたんだっけ。

何も考えてない、笑顔を振りまく高坂穂乃果だったよね。


穂乃果「ごめんね、にこちゃん」

にこ「え?」

穂乃果「今の穂乃果は笑えないんだよね……あはは」

にこ「なんで、そんなに泣いてるのよ……?」

穂乃果「にこちゃん……」ギュッ

にこ「ちょ、ちょっと! 穂乃果!」

温かい……にこちゃん……

にこ「……しょーがないわねぇ」

にこ「何があったか知らないけど、今だけ甘えてもいいわよ」ギュッ

ありがと、にこちゃん。

こんな穂乃果に優しくしてくれて。

にこ「あんたも色々あるんだろうけど、たまになら許してあげるから」

身体がぽかぽかしてきた。

さっきまでの震えが嘘みたいだよ。

にこちゃんのパワー凄いね。

にこ「ほら、もういいわね? 一緒に帰るわよ」



でもねにこちゃん。


全然足りないの。

にこ「ほ、穂乃果? そろそろ離しなさい?」

穂乃果「やだ」

にこ「やだってあんた……」

穂乃果「にこちゃんの身体細くて好き……」

穂乃果「唇も柔らかそう……」

にこ「何……言ってるのよ?」ゾクッ

穂乃果「……キス……しよ……」

にこ「あんった……顔がっ……くっ!」ドンッ


穂乃果「いたっ……突き飛ばすなんて酷いよ……」

にこ「はぁ……あんたがわけのわからないことをするからよ……!」

怒ってるのかな。

受け入れてくれないのかな。

一緒って言ったはずなのに。

穂乃果「にこちゃんは、穂乃果とするのは嫌?」

にこ「嫌よ!」

穂乃果「そっか」

またフラれちゃったみたい。

あったかいのに、にこちゃん。

にこ「いきなりそんなことしてくるなんて、あんたおかしいわよ!?」

おかしいね。

おかしいのかな?

にこ「からかってるって言えば許してあげるわよ」

穂乃果「……穂乃果は本気だったんだけどなぁ」

にこ「……っ! もう帰るわ!」バンッ


穂乃果「……じゃあね」


ただ抱きしめてもらって、キスして。

心の隙間を埋めて欲しかっただけなのに。

変……なんだねやっぱり。


この穂乃果は誰にも受け止めてもらえない。

また、涙が出てきた。

今度は悲しくて、寂しくて……じゃない。




結局心は受け止めてくれないんだねっていう、諦めの涙。

今日はここまでです。お疲れ様でした。

夜になっても眠れなくなった。

想像が最低の方向にしか行かない。

膝を抱えて隅っこで体育座り。

眠ろうとすると怖い。

誰かに相談しようとしても、誰に相談していいかわからない。


外に出よう。

疲れて動けなくなるまで歩こう。

授業中に寝ればいいんだから。

夜風がひんやりして、冷たい。

空を見上げると満天の星空だ。


とぼとぼ歩いていても、誰ともすれ違わない。

……穂乃果一人だけがこの世界に取り残された気分。

穂乃果「寒いなぁ」


握ろうとした手は何もつかめなかった。

穂乃果「そっか、隣に誰も居ないんだっけ」

改めて独りのことを自覚する。

でも、この前よりはいいかな。

目標が出来たから。

階段を登り切って、景色を見下ろす。

夜の神社って怖いね。

なにか出てきそう。

……出てくればいいのになぁ。

さらってくれないかな。

ぜーんぶなかったことにしてくれればどれだけ穂乃果は楽になれるんだろう。

そんなこと出来る勇気もないのに、してもらおうとする空想だけが広がっていく。

悲しむ人なんて居ないはずなのに、それを気にしているのは怖いからだよね。


だから、なくしちゃうんだ。全部、ぜんぶ。


穂乃果の心に縋るものが無くなっちゃえば、未練がなくなるから。

前に三人一緒に誓った場所で、今日は一人で願い事、誓い事。


……明日からもファイトだよ。

結局眠れなかった。

ことりちゃんと海未ちゃんはもう離れちゃった。

海未ちゃんは今日、用事があるからって早めに出たんだよね。

……嘘つき。絵里ちゃんと会いたいだけでしょ。


嘘つかれるって寂しいんだよ。

あぁ、穂乃果も嘘ついてたっけ。

あはは、ならおあいこだね。

仕方ないよね。



ほらほら、朝だよ。いつまで寂しがってるの?

頑張らないといけないよ?


穂乃果「うん、頑張る」

最後まで隠そう。想いごと蓋をしよう。皆の前では心配はかけないよ。

――――――練習中――――――

希「にこっちどうやった……?」

にこ「……にこじゃダメね」

凛「凛も……あの穂乃果ちゃん怖いよ……」

真姫「……そんなにひどいの?」チラッ



穂乃果「もー! 海未ちゃん! 短い衣装には慣れてよー!」ケタケタ

ことり「そうだよぉ、海未ちゃん!」ニコニコ

絵里「海未のそういう衣装は見たいかな」ニコッ

海未「くっ、ずるいです……!」ワナワナ

花陽「花陽もことりちゃんの意見には賛成だよー!」


真姫「……あんなに元気なのに?」

希「皆の前ではね……」

にこ「重症よあれ……」

真姫「……いいわよ、私がどうにかするわ」

凛「だめだよ! 危険だよ!」

希「携帯つけっぱで行けばいざとなればいけないかな?」

にこ「すぐに駆けつけれるわねそれなら」

真姫「あの穂乃果よ? 大丈夫でしょ」

希「力は穂乃果ちゃんのほうが強いから……」

凛「お願い、真姫ちゃん」

真姫「わかったわよ、一応話してみる」


穂乃果「あーあー! 練習が終わらなければいいのになぁ♪」

海未「近頃、穂乃果がやる気に満ち溢れて居て私も嬉しいですよ」

ことり「みんなの衣装作るのに意欲がわいちゃうねっ」

花陽「いっつも元気をくれてありがとう、穂乃果ちゃん」

絵里「さ、穂乃果のやる気を練習にぶつけましょう!」

穂乃果「えへへ、そんなことないって」アハハ


穂乃果「みんっなー休憩終わりだよ!」ニコニコ

……練習終わっちゃった。

練習が大好きなのはホント。

各々が別行動を取る。

海未ちゃんも吹っ切れたのか、絵里ちゃんと仲良くいちゃいちゃしてる。

良かったね。海未ちゃん。


穂乃果はおじゃま虫さんだね。いつもの通りに生徒会室に行こう。

聞きたいこといっぱいあるなぁ。


……ちょっと期待してるのかな。

うん、そうだね。

完全に否定されるまで、希望は持っちゃうんだね。

凛ちゃんと真姫ちゃん。

うふふ、楽しみだね。

真姫「いるんでしょ、穂乃果入るわよ」

……あはは叶っちゃった。嬉しいなぁ。

穂乃果「うん、どうぞ」

真姫「……電気つけてもいい?」

穂乃果「だめ、つけないで」

真姫「わかった、適当に座るわよ」

穂乃果「うん」

真姫「なんで、体育座り?」

穂乃果「楽だから」

真姫「そう……」

真姫(……思ってたよりやばそうね)

穂乃果「真姫ちゃん、なんで来てくれたの?」

真姫「……気分よ、気分」

穂乃果「そっか」

穂乃果「……真姫ちゃんは穂乃果を抱きしめてくれる?」

真姫「……嫌よ」

穂乃果「あはは、フラれちゃった」

真姫「誰にでもそういうこと言ってるんでしょ?」

穂乃果「そうだよ。寒くて仕方ないから」

真姫「……そんなこと続けてると嫌われるわよ」

穂乃果「いいよ、そうなったらそうなったで」ウフフ

真姫(重症……ね)

穂乃果「真姫ちゃん……」ギュッ

真姫「……穂乃果!」

穂乃果「温かいね。後ろから抱きついてるだけだから」

穂乃果「嫌なら言って? 突き飛ばしてもいいから……ね」ニコニコ

真姫「『まだ』、嫌じゃないからいいわ」

穂乃果「優しいね、ついでに質問してもいい?」

真姫「何よ」



穂乃果「おめでとう、真姫ちゃん」クスクス

真姫「何のことよ」

穂乃果「ごめんね、穂乃果トイレで真姫ちゃんが凛ちゃんを慰めるの聞いちゃったんだ」

真姫「……悪趣味ね」

穂乃果「あはは、穂乃果も泣いてたから許して?」

真姫「…………」

穂乃果「支えてくれる友人がいるってとっても素晴らしいって思うよ」

真姫「傷ついている友人が居れば助けたくはなるでしょ?」

穂乃果「………………そうだね」

真姫「なら、私が凛を慰めてあげるのも当然でしょ?」

穂乃果「ねぇねぇ、優しい真姫ちゃん」

穂乃果「じゃあ大切な友人の相談事も応援してあげたんだよね?」

真姫「……何が言いたいのよ」




穂乃果「花陽ちゃんの恋の悩みも聞いてあげていたんでしょ?」

真姫「…………っ」

穂乃果「きっと真姫ちゃんにとっては当たり前のことだもんね?」

穂乃果「……凛ちゃんが傷つくのを知っていて助けちゃったんだ」

真姫「それは……っ!」

穂乃果「凛ちゃんが花陽ちゃんのこと好きなのは誰が見てもわかるよね?」

穂乃果「でも、花陽ちゃんを優先しちゃった……なんでかな?」

真姫「…………あっ」ブツッ

穂乃果「花陽ちゃんのことが凛ちゃんよりも大切だから? ううん違うよね」

真姫「やめて……」

穂乃果「真姫ちゃんは凛ちゃんのこと一番に考えてるもんね?」

真姫「やめて、やめなさい……穂乃果……!」


穂乃果「だから、おめでとう。真姫ちゃん」

穂乃果「凛ちゃんは、真姫ちゃんのところに来てくれたよね」ニッコリ

真姫「穂乃果っ…………」

穂乃果「羨ましいって穂乃果は思う」

穂乃果「だって、凛ちゃんはそばにずっとずっと居てくれる」

真姫「……」

穂乃果「ごめんね、責めたいわけじゃないの」

穂乃果「ただ、羨ましい。それだけ」

真姫「穂乃果はどうなのよ……」

穂乃果「わかんない、幸せじゃないって言ったら真姫ちゃんは支えてくれる?」ニコ

真姫「無理ね。私の心は広くないから凛一人で限界よ」

穂乃果「そうだよね……」

真姫「……もうやめない? 誰彼構わずこんなこと言って自分が傷つくわよ?」

穂乃果「あはは、助けて欲しいかな本当は」

穂乃果「でもこんな穂乃果は受け入れてもらえないよ」

真姫「そう言ってる限り、絶対にできないわ」

真っ直ぐな瞳が穂乃果を捉えて離さない。

こんなに吐息がかかるくらい近いのに、

心が触れそうな位置にいるはずなのに、

この距離は決して埋まることはないんだなって思う。

凛ちゃんから幸せおすそ分けでもしてもらおうかな。

……最後は凛ちゃんと話したいな。


穂乃果「ねぇ、真姫ちゃん」

真姫「……ん」

穂乃果「穂乃果、最近眠れないからなにかいいものないかな?」

真姫「……凛も似たようなこと言ってたわね」

穂乃果「好きだとその分辛いから……」

真姫「そうね、ほらこれでゆっくり寝なさいよ」

穂乃果「ありがとう、真姫ちゃん」

ようやく悪夢から解放されるかもしれない。

錠剤を一粒もらっちゃった。

穂乃果って悪い子だよね。

こんなに心温まるはずの話をしたのに。

とっても悪いことしてたし、しようとしてる。

真姫ちゃんは頭がいいけど、抜けてるかな。



……ね、凛ちゃん。今どんな気持ち?



穂乃果は、それが知りたいよ。

今度話すときは教えてね。

今日はここまでです。お疲れ様でした。

――――――少し前――――――

希「大丈夫やろか……」

にこ「いざとなったら突入するわよ」

凛「……絶対助けるよ」


『嫌なら言って? 突き飛ばしてもいいから』


凛「真姫ちゃん……!」


『まだ、嫌じゃないからいいわ』


希「……真姫ちゃん、あんまり頑張ったらいかんよ……」

にこ「穂乃果の声のトーンおかしいわよ……」

凛「……」ウズウズ

『おめでとう、真姫ちゃん』


希「……おめでとう?」

にこ「真姫ちゃんは誕生日なんかだっけ?」

凛「ううん、そんなことはないはずだよ?」


『何のことよ』


希「真姫ちゃん自身もわかってない……?」

にこ「なによそれ」

凛「……聞いてればわかるにゃ」


『…………真姫ちゃんが凛ちゃんを慰めるの聞いちゃったんだ』


凛「う……恥ずかしい……」

希「凛ちゃん……」

にこ「……しょうがないわね」

『傷ついている友人が居れば助けたくはなるでしょ?』


にこ「……真姫ちゃんってこんなに格好良かったっけ」

希「にこっち、茶化さない」

にこ「……はい」


『ねぇねぇ、優しい真姫ちゃん』


『じゃあ大切な友人の相談事も応援してあげたんだよね』


凛「……っ!」フルフル

希「凛……ちゃん……?」

にこ「ちょっと! あんた大丈夫!?」

凛「大丈夫……大丈夫だからっ……!」

『花陽ちゃんの恋の悩みも聞いてあげていたんでしょ?』


希「……!?」

にこ「…………」

凛「あ……う……」


希「し、しっかりして凛ちゃん!」


凛「…………」フラッ

にこ「しっかりしなさい……!」


『……凛ちゃんが傷つくのを知っていて助けちゃったんだ』


凛「真姫ちゃんはそんなこと……でもっ……」

『凛ちゃんが花陽ちゃんのこと好きなのは誰が見てもわかるよね?』


凛「凛の気持ちは……真姫ちゃんに伝えて……でも……真姫ちゃんは……」


にこ「ちょっと凛!」

希「落ち着いて凛ちゃん!」

『でも、花陽ちゃんを優先しちゃった……なんでかな?』

凛「真姫ちゃんは……凛よりかよちんの……」


『……あっ』ブツッ


にこ「……電話が切れた」

希(違う……真姫ちゃんが自分で切ったんや)


にこ「……希!」

希「だめや。凛ちゃんを置いていけない……」


凛「……凛は……裏切られたの? 真姫ちゃんに……」

希「それは違うよ、凛ちゃん」

にこ「あんた、真姫ちゃんがそういう子だと思ってるの!?」


凛「でも……でも……凛はかよちんのことが好きだったんだよ!!」

凛「真姫ちゃん……かよちん……」グスッ

にこ「……くっ、泣かないの凛!」

希(これじゃあ真姫ちゃんのところに行けない……!)


凛「……かよちんがことりちゃんのこと好きだったの……凛は知らなかったんだ……」

凛「あはは、馬鹿みたい。そうだよ、凛でもわかっちゃうよ……」

にこ「ちょっと! どうしたっていうのよ!」

希「違う! 違うよ凛ちゃん……」


凛「何が違うの……?」

凛「凛は……凛……は…………」ダダッ

にこ「凛! どこに行くの!」

希「追うよ! にこっち!」




凛「……凛、かよちんのこと……大好きだったのになぁ……」グスグス



凛「……寒いや」

短いですが、ここまでです。お疲れ様です。

あれから3日間、穂乃果はずーっと凛ちゃんを見てた。

あはは、やっぱり凛ちゃんは真姫ちゃんを避けてる。

ううん、花陽ちゃんにも愛想笑いをしてるし、希ちゃんやにこちゃんとも話しにくそう。


話はやっぱり聞かれてたみたいだね。


信用ないなぁ穂乃果。


いつもと変わらない穂乃果は、あの4人以外には普通通り。

時折、ことりちゃんと海未ちゃんは心配してくれてるみたいだけど、もうどうでも良かった。

だって、あれだけラブラブなところを見ちゃったら……ねぇ。



もう一緒じゃないからいいんだよ?

穂乃果のことなんて気にしなくたって。

お決まりの練習後は何をしようか考える。

そろそろ頃合いなのかな。

穂乃果は凛ちゃんととってもお話がしたいな。


穂乃果「凛ちゃーん!」

凛「……何?」

うわぁ、すっごい複雑な表情だ……

穂乃果「……生徒会室で待ってるよ」ボソ

凛「……」


穂乃果「らんららんらら~ん♪」

海未「どうしたのですか? 穂乃果」

ことり「穂乃果ちゃん上機嫌だねっ」

穂乃果「なんでもないよっ」ニコニコ

絵里「穂乃果が元気だとやっぱりいいわね、希」

希「そ、そうやね!」

絵里「……?」


花陽「みんなの衣装、今回は花陽は頑張ってみます!」

真姫「……そう」

にこ「ことりに習ってるんだっけ?」

花陽「うんっ! って言ってもことりちゃんの指示に従ってるだけだけど……」エヘヘ

にこ「仲良くやってるのね」

凛「……」

花陽「……凛ちゃん?」


凛「ごめん、かよちん。凛、先に帰るね」タタッ

花陽「凛ちゃん……」

穂乃果「さてさて、では皆の衆!」

海未「なんですかそのしゃべり方は……」

穂乃果「穂乃果はせーとかいちょーとしての義務を果たしてきます!」

ことり「がんばれー♪」

海未「……手伝わなくてもいいのですか?」

穂乃果「そろそろ穂乃果は独り立ちしないとなーって!」

穂乃果「いつまでも海未ちゃんたちにおんぶにだっこじゃないんだよ!」

海未「まさか穂乃果からそのような言葉が出てくるとは……」

穂乃果「ひどいっ!?」

ことり「無理はだめですよぉ~穂乃果ちゃんっ」

穂乃果「うんっ!」



穂乃果「……そうだ、明日さ、穂乃果のやったことチェックして欲しいかな」

海未「わかりました。任せて下さい」

ことり「3人一緒に仕事だね!」


穂乃果「……じゃあ皆、ばいばい!」バタン

穂乃果「あはは、いつもは待つ立場なんだけどね」

隅っこで小さくなってる猫ちゃんが一匹。

穂乃果みたいに涙でぐっしょり。


凛「……待ってた」

穂乃果「穂乃果を待つなんて凛ちゃんらしくないね」

凛「……そうだね」

茶化してみたけど相当疲れてるかもね。


……穂乃果もそうだったのかもね。

穂乃果「凛ちゃん、手を握るよ」ギュッ

凛「……温かいね」

穂乃果「凛ちゃんの手、冷たいよ?」ギュッ

凛「うん……」

穂乃果「隣、座るね」ペタン

二人して、イスがあるのに床に座る。

凛「……」


穂乃果「何かあったの?」

とぼけて聞いてみる。

凛「……知ってるんでしょ、穂乃果ちゃん」

あははバレてたか。


穂乃果「うん、知ってる。ごめんね?」

凛「全部穂乃果ちゃんが悪いんだよ……!」


穂乃果「……そうだね」

否定しないよ。穂乃果が悪いから。

凛「……どうしてあんなことを凛に聞かせたのぉ……」グスグス


穂乃果「……どういう気持ちになるのかなって思って」

凛「……それだけ? たったそれだけ……?」

穂乃果「うん。だからごめんね、凛ちゃん」ニコッ


凛「最低……最低だよ! 穂乃果ちゃん!」

うん、知ってる。

穂乃果「……でも真姫ちゃんが教えてくれなかったのは本当のことなんだね」

凛「……」

穂乃果「おかしいよね、親友なのに教えてもらえなくて」

穂乃果「穂乃果もことりちゃんが花陽ちゃんのこと好きなのは海未ちゃんから聞いたんだ」

凛「え……」

穂乃果「……穂乃果ってさ、いっつも最後に聞かされてる気がする」

穂乃果「留学の時だって聞いたのは海未ちゃんの口からだった」


穂乃果「凛ちゃん、ずっと一緒。とか親友。なんて嘘ばっかりなんだよ」

穂乃果「言わなくても気づいてくれるなんて……ないんだよ?」クスクス

凛「なんで穂乃果ちゃんは笑ってるの……」

凛「おかしいよ、もっと泣いたって! もっと喚いたっていいのに!」

凛「凛なんて泣きっぱなしだよ! 真姫ちゃんの胸を借りてようやく……ようやく……」グスグス


……もっと泣けたら、どれだけ良かったんだろうね。

でも、もう泣けないんだ凛ちゃん。

よくわからなくなっちゃってさ。

穂乃果「言葉は嘘かもしれない」

穂乃果「でも、感じてる温かさは真実だよ」

凛「……」

穂乃果「ねぇ、凛ちゃん抱きしめて?」

凛「……やだよ」


震えてるのに、まだ我慢するんだね。

もういいのに。我慢なんてしなくても。


伝わってくるよ、凛ちゃん。

握ってる手からいっぱい色んなものが。


……ずっと穂乃果が欲しかった言葉。


穂乃果「凛ちゃん。もう無理しなくてもいいんだよ」

穂乃果「穂乃果はぎゅーっと抱きしめて……どこにも行かないから」

凛「……」

握る手が強くなった。でも迷ってるのかな。

穂乃果「……真姫ちゃんが気になる?」

凛「……っ」

やっぱりそうなんだね。

じゃあしてあげる。

穂乃果「ほら、凛ちゃん。穂乃果から抱きしめてあげる」ギュゥ

穂乃果「勝手に穂乃果にされたことにしちゃえばいいよ」

穂乃果「全部穂乃果が悪いことにしちゃえばいいんだよ?」

穂乃果「だから……凛ちゃん。おいで?」ニコッ

凛「……うん」ギュッ

凛ちゃんが穂乃果を抱きしめてくれた。

温かい。

本当に温かい。

凛ちゃんと穂乃果は同じ気持ちだったんだね。

良かった。普通のコトだったんだね。



ありがとう、凛ちゃん。

穂乃果「キスしよっか、凛ちゃん」

凛「……それは」

穂乃果「知ってる? 海未ちゃんと絵里ちゃんは手をつないでた」

凛「知ってるよ、仲良さそうだったもん」

穂乃果「じゃあ、ことりちゃんと花陽ちゃんがキスしてるのは?」

凛「……知らないよ」


穂乃果「秘密の一つや二つ、穂乃果たちにあってもいいんじゃないかな」

凛「でも……」

穂乃果「真姫ちゃんだって秘密にしてたわけだし……ね」

凛「そうだよね……」

穂乃果「凛ちゃん」チュッ

凛「んっ……」

強引に奪うように。

凛ちゃんが言い訳できるように。

穂乃果「もう一回……」チュッ

凛「んっ……んぐっ!?」ゴクン

穂乃果「えへへ」

凛「何を飲ませたの!?」

穂乃果「後で教えてあげる」ニコッ

ずっと手をつないで、床に押し倒して。

凛ちゃんとキスをしながら話を聞く。

もちろん、上は穂乃果で下は凛ちゃん。

凛「凛はかよちんのことが好きで……」

涙声になりながらゆっくりと話してくれる。

凛「……ずっとかよちんが一緒に……そばにいると思ってた」

凛「どうしてかな、凛が可愛くなかったからかな……」

穂乃果「ううん、凛ちゃんは可愛いよ」

手を背中に回して抱きしめてあげる。

温もりが直に伝わってきて、それだけで満たされていく。

凛「くすぐったいよ、穂乃果ちゃん」

穂乃果「凛ちゃん、穂乃果はどんな凛ちゃんも受け止めてあげる」

ずっと穂乃果が望んでた言葉。

目と目が合う度にキスをする。

終わらない抱擁と接吻。

どれくらいの時間抱き合ってたか忘れちゃった。

凛「あ……あれ、凛……」

そっか、お別れの時間だね。凛ちゃん。

そっと抱きしめていた手を離す。

凛「ま、待って……」

ふらふらと立ち上がる凛ちゃん。

無理はしちゃあいけないよ?

穂乃果「凛ちゃん」

頭を撫でてあげる。最高の笑顔を見せれた気がする。

凛「ほ……ちゃん…………」スー

穂乃果「……寝ちゃったかな」

風邪を引かないように、タオルを掛けて……

真姫ちゃんに凛ちゃんが生徒会室で寝てるよって送信しておこう。

PRRRRR

通知が来たから電源オフっと……


凛ちゃん。とっても穂乃果は満足したよ。

凛ちゃんならまだ戻れるから大丈夫だよ。


もう、穂乃果の隣に人はいないから。

ううん、もう傷つくのが怖いの。

だから、捨てちゃうんだ。


……多分、真姫ちゃんの一緒と凛ちゃんの一緒は同じ一緒だよ。

ん……雨かぁ。

雨にはいい思い出があんまりないなぁ。

もう思い残すことはないかな。

強いて言えば……結ばれた世界が見たかったくらいかな?


あぁ、今の穂乃果ならダメかも。たはは……

凛「スースー」


穂乃果「凛ちゃん。穂乃果は嘘つきだからね」

穂乃果「……ばいばい、凛ちゃん」


パタン

外は土砂降りで気分はちょっと下がり気味。

もうやることはとっくに決めてて、雨は実は好都合だったりするんだよ!

皆に何も言わないで旅にでようかなって。


……一瞬空に飛べるかもしれないから。

もう片道切符は持ってるんだよね。

後は勇気だけ。

それだけあれば、いいんだよ。


とにかく高いところから……

天使の気分が味わえるかもしれないからね。


弱気な穂乃果は……もう居なくなっちゃうから。



安心してね?

最後に、思い出をなぞるように歩いてた。

小さい時から遊んでいた公園。

あそこで海未ちゃんと出会えたんだよね。

UT-X……これでスクールアイドルになることを決めたんだよね。

……自宅。

ごめんなさい。


ことりちゃんと出会った頃を思い出して、ちょっとしんみり。

ゲームセンターやカラオケも楽しかったなぁ。

ミナリンスキー……伝説のアキバのメイドさん。

穂乃果だけのメイドさんになって欲しかったかな。


思い出の終着駅。階段を登って、またひとりで見下ろす。

穂乃果「……着いちゃった」

雨の音しか聞こえない。

カラカラと鳴らして神様をたたき起こす。

願い事は前と一緒。

でも、もう叶うことが決まってる願い。


ずぶ濡れになってるけど、もう些細な事でしかない。

穂乃果「……どっかのビルかぁ……」

入れるのかな。

大丈夫だよねきっと。



ズルッ




穂乃果「――――――――え?」

――――――――――――

「う……うん?」

目を開けるとそこには沢山の人がいた。

1……2……7人?


「穂乃果ちゃん! 大丈夫?」

「穂乃果! 無事ですか!?」

「穂乃果……良かった……」

「穂乃果ちゃん……」

「ふ、ふんっ、まったくびっくりさせないでよ!」

「良かったねにこちゃんっ……」

「うっさい!」

「穂乃果ちゃん、目覚めのわしわしやよー?」

「こら、病人に乱暴しない!」

「わかっとるよー!」

「はいはい、病室ではうるさくしない!」




「えっと、貴女たち誰?」

――――――夜中――――――

コンコン



穂乃果「どうぞ」

凛「……穂乃果ちゃん」

穂乃果「ごめんね、名前は?」

凛「凛にゃ」

穂乃果「りんにゃー……外国人?」

凛「星空凛だよ」

穂乃果「いい名前だね」

凛「ありがと」

穂乃果「何しに来たの? こんな時間に」

凛「約束を守ってもらいに来たよ」

穂乃果「約束?」

凛「うん。目を瞑って?」

穂乃果「うん」

凛「んっ……」チュッ

穂乃果「……」

凛「いいの?」

穂乃果「別にいいよ」

凛「凛をずっと離さないでね」

穂乃果「……」


穂乃果ちゃんはなんにも覚えてないみたい。

でも拒絶をするわけでも、かと言って受容してくれるわけでもなさそう。


階段で足を滑らせて、思い切り下まで落ちて……

弱い穂乃果ちゃんは死んじゃったんだって。

じゃあここにいるのはありのままの穂乃果ちゃん。



えへへ、どんな凛でも受け止めてくれるって言ってくれたよね?

凛、嘘は嫌いかな。だからもう離さないよ。

凛だけの穂乃果ちゃん。




どんなときもずっと一緒だよ。穂乃果ちゃん。


FIN

お疲れ様でした。次回はほのぼのする……はずです。

見てくださった方々有難うございます。それでは。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年10月17日 (金) 02:09:13   ID: 13-6UyFS

続きが早く見たい

2 :  SS好きの774さん   2014年10月17日 (金) 20:45:00   ID: BukZpVFA

まきりんでくっついて

3 :  SS好きの774さん   2014年10月19日 (日) 00:01:08   ID: Hzq_YN8q

続き読みたい...

4 :  SS好きの774さん   2014年10月19日 (日) 23:32:09   ID: iRnrWyIY

つづきー!
よみたいよー!

5 :  SS好きの774さん   2014年10月23日 (木) 09:27:38   ID: uvHe8GUn

ホノカチャン…

6 :  SS好きの774さん   2014年10月23日 (木) 11:35:07   ID: z3fdWEmO

続きはよ!期待

7 :  SS好きの774さん   2014年10月25日 (土) 10:51:29   ID: 39FQw8hH

ヤバイ…くっそ気になる

8 :  SS好きの774さん   2014年10月26日 (日) 06:18:43   ID: FJ0qxKXk

最後は凛ちゃんなのか、どうなのか

9 :  SS好きの774さん   2014年10月26日 (日) 19:02:50   ID: SODsI-31

盛り上がって来たねぇ↑

10 :  SS好きの774さん   2014年10月31日 (金) 17:18:12   ID: vB9I1ZbO

最後凛ちゃんと穂乃果ちゃんが傷のなめあいで完結がいいな
ほのりん大好きです

11 :  SS好きの774さん   2014年10月31日 (金) 22:00:57   ID: k6Dm04vE

まきりんが一番スッキリする

12 :  SS好きの774さん   2014年11月02日 (日) 01:32:42   ID: ogKZ2ZxD

つづきだ
つづきをくれーー

13 :  SS好きの774さん   2014年11月03日 (月) 13:33:39   ID: dcSqBp3Z

微妙にスッキリしなかった、
されど良作でした
最後ほのかはどこの階段から落ちたの?ビル?神社?

14 :  SS好きの774さん   2014年11月03日 (月) 22:05:07   ID: FK0CMyZn

いや楽しませてもらった
面白い!

15 :  SS好きの774さん   2014年11月04日 (火) 00:34:04   ID: 2ok5dQ68

まきりんで終わらせて欲しかった

16 :  SS好きの774さん   2014年11月04日 (火) 23:55:04   ID: IYSaPthY

まきりまきりんうざいんだよ

17 :  SS好きの774さん   2014年11月06日 (木) 10:39:08   ID: HSeOVi1Y

結局ほのりんまきが可哀想で終わってしまった。
どうせならメンバー全員ぐちゃぐちゃにしてくれないと

18 :  SS好きの774さん   2014年11月10日 (月) 00:44:45   ID: pWbRxS_p

まきりん最高だな

19 :  SS好きの774さん   2015年08月30日 (日) 03:48:27   ID: LXRmlrlC

ええな

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