冬馬「今日はスパイスからのカレーを作るぜ」 (19)

冬馬「ビデオ撮れてるかマネージャー?」

静「バッチリよ!」

冬馬「来週の料理番組のためにカメラの前で料理を作る練習をしないとな」

冬馬「コホン、よし…」

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冬馬「今日はルーを使わないスパイスから作るカレーを作るぜ」

冬馬「まず材料はにんじん玉ねぎ鳥肉じゃが芋といった基本の具」

冬馬「ちょっとした味をつけるためににんにくと生姜」

冬馬「そしてスパイスはコリアンダー、クミン、カルダモンにシナモン」

冬馬「色をつけるターメリック、辛味をつけるチリペッパーも使うんだ」

冬馬「4人分の場合はスパイスとにんにくと生姜は小さじ二杯くらいだが今日は大食い翔太のためにたくさん使うぜ」

冬馬「まず鍋に油をしいてクミン、カルダモン、シナモンを入れるんだ」

ジュウウウウウウウウウ

静「あら、とてもいい香りが…」クンクン

冬馬「この香りを油に移すんだ、ここがポイントだ」ジュウウウジュウウウウ

冬馬「ここで注意するのはうっかりスパイスを焦がさないようにすることだ」

冬馬「焦がしたらすべてが台無しだからな」

冬馬「ある程度においが移ったら刻んだ玉ねぎを入れるんだ」パッパッ

ジュウウウウウウウウウ

冬馬「スパイスの香りが染み込んだ油を玉ねぎに混ぜるように炒めるのがポイントだ」

冬馬「よく炒めたらにんにくと生姜を入れ、さらに炒める」

ジュウウウウウウウウウ

静「なんだかおなかが空いてきちゃった」

冬馬「さて、いよいよスパイスの投入でだ、チリペッパー、ターメリック、コリアンダーを入れて」パラパラ

冬馬「少量の水で伸ばすんだ」

ジュウウウウウウウウウ

冬馬「焦げないように気をつけてっと…」

冬馬「よし、スパイスが全体によく馴染んだな、ここに塩コショウを少々加えて…」パラパラ

ジュウウウウウウウウウ

冬馬「よし、後は鶏肉を人数分いれてよく焼いて…」

冬馬「ある程度焼いたら水を入れて15分くらい煮詰めれば完成だ」

ピンポーン

冬馬「来たか、マネージャー」

静「はいはーい」

ガチャ

静「いらっしゃーい!」

北斗「お待たせしました、冬馬、野菜買ってきたぞ」

冬馬「よし、それじゃあサラダの準備をしてくれ」

北斗「了解」

翔太「僕おなかがすいたー」

冬馬「もう少し待ってろ」

翔太「はーい」

冬馬「カレーってのは、スパイスの割合が大切なんだよ」

冬馬「味はどうだ…? うっしゃ、いい感じだな!」

冬馬「マネージャーも味見してみるか? うまくてぶったまげるぜ!」

静「どれどれ?」ペロッ

静「あ、おいしい!」

冬馬「だろ!」

北斗「冬馬、ポテトサラダができたぞ」

冬馬「じゃあ先に置いといてくれ」

北斗「はいはい、冬馬のカレーは本格的だから俺も早く食べたいなぁ」

冬馬「すぐできるから待っててくれ」

北斗「了解」

冬馬「よし! 完成だ! 待たせたな、俺特性スペシャルカレーだ!」

翔太「もう待ちくたびれちゃったよー」

冬馬「わりぃわりぃ、だが待った甲斐があるだろ?」

翔太「まあね♪」

冬馬「あれ? マネージャー、カメラは?」

静「そこにおいておいたわ、私たちが食べている姿をとろうと思ってね」

冬馬「なるほど」

静「それじゃあいただきましょうか!」

北斗「ええ」

翔太「冬馬君のカレー大好き♪ どこのお店より好きかも!」パクパク

冬馬「嬉しいこと言ってくれるじゃねえか」

翔太「おかわり何杯までOK?」

冬馬「腹いっぱいになるまで食っていいぜ」

翔太「わーい!」

北斗「翔太、ご飯粒がついてるぞ」

翔太「ほんと? ジョバちゃん、取って欲しいなぁ?」

静「はいはい」

北斗「しかしこうして4人一緒にご飯が食べられるなんて素晴らしいですね」

静「ほんとね、このままずっと食べたいわね」

翔太「僕たちの関係がずっと変わらなかったらこのカレーもずっと食べられるよ♪」

冬馬「みんなが食べたかったら喜んで作ってやるぜ!」

北斗「それじゃあまた明日も作ってくれるかい」

冬馬「いや流石に毎日はきついぜ」

北斗「それもそうか!」

冬馬たち「あはははははははは!!!」

冬馬たち『あはははははははは!!!』

冬馬「………」

娘「親父、何見てんだ?」

冬馬「若い頃の映像さ」

娘「若い頃? 今とあまり変わらないな」

冬馬「嬉しいこと言ってくれるじゃないか」

娘「これ、母さんか? 若いな」

冬馬「そうだ」

娘「ふ~ん」

冬馬「これ見たら懐かしくなったな せっかくだからカレーでも作るか、スパイスから作るやつ」

娘「ルーなしで作るのか? 面倒臭くねぇか?」

冬馬「大丈夫だ、簡単だ 今作るから待っててくれ」

冬馬「お待たせ」

娘「どれどれ…、うめぇな!」

冬馬「それはよかった、味も昔と変わらないようだ」

娘「昔からこんなうまいもの作れたのか、すげえな!」

娘「よく考えたら家事も洗濯も料理も今まで親父一人でやってたんだよな」

冬馬「まあな」

娘「ハイスペックすぎるぜ! あ、でもなんか申し訳ねえな…あたし、何もしなくて…」

冬馬「お前はお前で忙しいだろ、別に気遣う必要はない その気持ちだけで十分だ」

娘「それならいいけど…」

冬馬(北斗、翔太、静… 関係が変わりすぎてバラバラになってしまったが…)

冬馬(このカレーの味だけは変わらないようにしたよ)

冬馬(4人一緒にはもう無理だけど…、またいつかみんなで食べようじゃないか…)

娘「おかわり!」

冬馬「ああ、わかった」

娘「なあ、作り方を教えてくれないか?」

娘「あたしも作ってみたいからさ」

冬馬「ああ、喜んで」

冬馬(思い出は物や記憶の中でいつまでも忘れずに受け継がれていくもの)

冬馬(このカレーもその一つだな)

終わり

コロコロのギャグ漫画で馬鹿みたいに笑っていたあの頃も

冬にみんなで雪合戦をやったあの頃も

友達の家でエアライドやスマブラをやってワイワイ楽しんでいたあの頃も

今では経験する機会すらもなくなってしまった

だけど子供の頃に遊んだり大切にしたものがまだ残っているなら

それが自分が子供の頃に使って楽しかったもの、懐かしいものならその思い出の品を大切にして欲しい

それが自分たちの心の支えになるのだから

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