穂乃果「無い……穂乃果のパンツが、無いっ……!!」 (55)

その日、事件は起きた。

世界が……音ノ木坂が……μ`sが震撼した。





μ`s、パンツ盗難事件は、この小さな部室から始まったのだ……ッ!!!!!


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事件は、部室で始まった



穂乃果「ふぅ、汗で身体ベトベトだよ~」

ことり「お疲れ様!穂乃果ちゃん」

海未「穂乃果、最近ますます踊りに磨きが掛かりましたね」

穂乃果「ほ、本当!?良かった……」





穂乃果(…………あれ?)

なんてことない日常。
なんてことない会話。

何もら変わらない、平和な日々。

その筈だった。





ドア「ドア」


絵里「穂乃果~、生徒会の資料、目を通してくれたかしらー?」


穂乃果「…………ない」

絵里「えっ?」

海未「どうしたのですか?」

穂乃果(なんで、なんでこんな……)

ことり「穂乃果ちゃん?」




穂乃果「無いの……」

ことり「何が?」





穂乃果「穂乃果の替えのパンツ……!!!!!!!」


その瞬間、強い風が吹いた。
部室の窓はカタカタと揺れ始める……雲行きも怪しく、一雨降りそうだった。








花陽「と、盗難ですか!!?」

絵里「……そうよ」


事件発覚から一時間、部員は皆部室に集まっていた。
外は豪雨……じめじめとした空気のせいか、部内はかなりピリピリとしていた。


真姫「そんか……誰がそんなこと……」





真姫の一言で、みんなの顔が強張る。
なぜか。

真姫は今「誰かがやった」ことを指摘したからだ。

これが、穂乃果の忘れ物ではなく、立派な盗難であることを、明確にしたのだ。

張り詰める空気の中、雷鳴と共に椅子を引く音がした。
立ち上がる影がひとつ。


彼女は言った。




海未「この中に……犯人はいます」







全員の視線が彼女に集まる。
誰もが気付き始めていた事実を、ついに口にしてしまったからだ。
それは、部内の仲間を疑う行為……。

しかし彼女は躊躇わず、強い眼差しで部員を見て行く。
その目は仲間を見る目ではない、容疑者を……見定める目。
幼馴染である彼女は、穂乃果に悲しい思いをさせた人間を、決して許す事が出来なかったのだ。




ガラッーー。


次に立ち上がったのは部の部長……矢澤にこ。

その表情こそ読めないが、声色で彼女が怒っている事がわかる。

彼女はこの部の部長……仲間を、信頼する人間を疑われるのを、黙って見ていられなかったのだ。





にこ「ちょっと待ちなさいよ!!!」

海未「なんですか?部内に犯人がいるのは疑い様がない事実でしょう」



対する海未にも、引く様子はない。



にこ「問題大有りよ!!!大体、なんの根拠があってそんなことが言えるわけ!?」

海未「根拠ならありますよ?部室の鍵を閉めたのはにこ……あなたです、わかりますよね?この時点で他所の生徒は干渉出来ない」

にこ「で、でも……っ!!」

海未「私は確かに見ました、あなたが鍵を閉めたのを……そして、私達の五限目は体育……部室に到達するまで、確実に穂乃果は替えの下着をカバンに入れていました」

海未「疑う根拠は、これだけで充分では?」



まくしたてるように話す海未は、きっと冷静ではないのだろう。
あまりの事態から、犯人探しに躍起になっているのかもしれない。

対するにこは、言い返したくなる、残酷な
現実に、居ても立ってもいられないようだった。

穂乃果「もう……やめてよ」


間を割ったのは、穂乃果……この事件の被害者だった。



海未「し、しかき穂乃果っ」

にこ「こいつは皆を疑ってるのよ!?」


穂乃果「いいよ……そんな、友達同士で争うの、やめよう?穂乃果は大丈夫だから……」


あまりの居た堪れなさに間を割った穂乃果だったが、その様子はかなり辛そうだ。



海未「……穂乃果が、そう言うなら……」


そう告げると、静かに腰を降ろす。
続いてにこも、ゆっくりとした動作で椅子に座り直した。






そこで、もう一人の影が立ち上がる。
彼女は部室の電気を点け、あまりにも不可解だといった様子で口を開いた。







希「あの……言いにくいんやけど、にこっちの被ってるのが穂乃果ちゃんのパンツなんじゃ…………」

にこ「……は?」



部員全員が一斉ににこに振り返る。



海未「にこ……本当なのですか?」

穂乃果「にこちゃん……本当なの?」


にこ「ち、ちょっと待ちなさいよ!なんで私がそんなことしなきゃいけないわけ!?」

絵里「言い訳はいいわ!事実かどうかを聞いてるのよ!!!」

にこ「事実な訳ないでしょ!!!!!!!!!」












穂乃果「そっか……そうだよね、ごめん」

海未「疑って申し訳ありませんでした」

絵里「そうよね……にこが、そんなことするわけないものね」







希「なんでや」

にこ「ちょっと……アンタもにこに言うことがあるんじゃないの?」

希「いや、これ、ウチが間違ってるん?」

にこ「はぁ?」

絵里「希、間違えたら謝る……私は希をそうやって育てて来た筈よ?」

希「いや、えりちに育てられた覚えないし……」



にこ「いいから謝りなさいよ!!!!!」









真姫「待って」

静止をしたのは、赤いセミロングの髪がキュートで小悪魔的な天才美少女、真姫ちゃん






真姫「だった」

にこ「アンタさっきから変なナレーションつけるのやめなさいよ」

真姫「あら、事実じゃない」

希「え?これ第三者視点のSSじゃ無かったん?」

真姫「そんなのイマドキ流行らないわよ、時代は真姫ちゃん」

希「えぇ……」

絵里「まあまあ、そんなことより真姫、何か言いたかったんじゃないの?」

真姫「そうだった……私の美しさで忘れてしまっていたわ」

凛「ちょっと寒く無いかにゃー」

海未「で、それはなんなんですか?」


真姫「いえね、希の疑念はもしかしたら間違いじゃないかもしれないのよ」

にこ「はぁ……?」

希「!!!」


真姫「ちょっとこの資料を見て欲しい」







ガラッーー。


次に立ち上がったのは部の部長……矢澤にこ。

その表情こそ読めないが、声色で彼女が怒っている事がわかる。






真姫「はいココ」

希「ファッ!!?」

花陽「それが……どうしたの?」

ことり「一見普通の描写なんじゃ……」



真姫「そうね、確かにそう……でも気付かないかしら」

穂乃果「何を言ってるの?真姫ちゃん……」

海未「何が言いたいんですか!?ハッキリしてください!!!」ダァン

真姫「ハァ……急かさないで」




真姫「最期の行をよく見て」

ことり「最期の……行?」

海未「表情が見えない……?」

絵里「まさか」

真姫「そう、そのまさかよ……これは顔に何かを被っていて表情が掴めないということ!!!!!」


にこ以外「な、なんだってーーーー!!!!?!???!?」










希(いや、普通ににこっち見れば顔にパンツ被っとんのがわかるやん)



にこ「ちょっと待ってよ……意味わからないわよそんなの!!!」

海未「御託はいいです!!答えてください!!これは真実なんですか!!!??」

絵里「どうなの?にこ!!!!」

凛「ちょっと寒く無いかにゃーーーー!!!!!!!!!!」










にこ「真実なわけないでしょ!!!!!!!!!!!!!」

希「まごうことなき真実や!!!!!!!!!!!!!!!」










絵里「それもそうね」

海未「ごめんなさい……また疑ってしまいました」

にこ「わかれば良いのよ」

凛「 (この部屋)ちょっと寒く無いかにゃー」




希「うそやん」

真姫「よく考えたらそれもそうね、だってナレーター私だし」

にこ「まったく、迷惑しちゃうわ」

穂乃果「みんな……争うのはもうやめよ……?」

凛「ちょっと寒く無いかにゃー……」







にこ「で、そろそろ謝って貰おうかしら、希」

希(なんでウチがおかしいみたいになっとるんや)

海未「希、いい加減に謝ったらどうですか」

ことり「希ちゃん……」

希「うぅ……」

にこ「はぁ……なんなのよ、希らしくもない」

希「ご、ごめ」








真姫「待って」



真姫以外「!!!」

にこ「なによ、また何かあるの?」

穂乃果「もうやめようよ……」

真姫「いや、あんまり今の話とは関係無いことよ」

にこ「は、はぁ……?なによいきなり……」

絵里「今度はどうしたの?」

真姫「いや……それが」















真姫「なんでにこちゃん、パンツ被ってるのかなっ……て」

にこ以外「!!!!!!」

にこ「ちょっと……そんなことは今どうでもいいじゃない……」

真姫「いや、なんか気になったから……」

凛「ちょっと寒く無いかにゃー?」

にこ「寧ろ暖かいわ」

海未「でも確かに気になりますね」

絵里「どうしてなの?」


にこ「それは…………」

希「というかにこっちがパンツ被っとるの皆を気付いとったんやな」

絵里「当たり前でしょう」

希「そ、そうやね……(まあなんか腑に落ちんけどこれで解決……)」





にこ「その、文化祭の為よ……」

希「ちょっとそれは苦しない?」






一同「なるほど……」

希「なんでや!!!!!!!!!!!!!!!(ブチギレ)」

にこ「なんでって……というか希ちょっと怖いんだけど、なんか今日の希おかしくない?」

絵里「そうね……もしかして疲れてるの?」

凛「ちょっと寒く無いかにゃー?」

希「こ、この……言わせておけば……」プルプル



穂乃果「でも……どうして……文化祭で……使うの……パンツ……?」

にこ「あー……もう、当日まで隠すつもりだったんだけどなぁ」

真姫「勿体ぶらずに教えなさいよ」

にこ「わかったわよ……じつはね」

テケテケテーンテケテケテーテケテケテン! デデデンデン
テケテケテーンテケテケテーテケテケテン! デデデンデン


セマルー ニコニー!!!!!


パンツインテール・矢澤にこは改造人間である。
彼を改造したカミモーブは世界制覇を企む悪の秘密結社である。
パンツインテールは人間の自由の為にカミモーブと戦うのだ!



「クソ……あの触覚頭!どこに逃げやがった!!!」

「イーッ!イィーッ!」

「なにっ!?ヒデコがヤられた……!?畜生!何があっても奴を生かして帰すな!!!!」




「ふっ……そうか、私を生かして帰さない、か……それはこっちの台詞よ!!!!!」



バサァアッ!!!



「貴様は……貴様は!!!!!!」

大きなマントを翻し。
頭から水色と白のシマシマパンツを被る姿。
二つの穴から飛び出る黒い触覚は、荒野を駆けるバッタの如く。




ニコ「私の名は矢澤ニコ……アンタ等に改造されてパンツインテールになった改造人間よ!!!!!!」





「クソ……手下共!!かかれー!!!!」

ニコ「ふ……私を敵視する癖に自分では戦わないとは、見下げ果てた大賞ね!!!」



キュピーン!
シュバッ!!!!!



「な、なに!?奴はどこに……!?」

「グハッアアアア!!!!」


ニコ「だから足元を、掬われる」


「イィーッ!!?」


ニコ「アンタ等も私とやる気?」

「い、イーーー!!!!!」ダダッ


ニコ「そう……それで良い」

私は矢澤ニコ……改造されて裏の世界と一人戦う孤高の戦士。

そう、私はパンツインテール!!

今日も今日とて悪を倒し、駆け回るのだ!!新たなるパンツを求めて……!!!!








???「フミコとヒデコがやられたようだな・・・」

???「ククク・・・奴はカミモーブの中でも最弱・・・」

???「パンツインテールごときに負けるとはカミモーブの面汚しよ・・・」

???「いざとなったら我々が手を下せば良い・・・」






ーー閉幕ーー





にこ「という演劇をやるのに使うのよ」



海未「う、うわぁああああああん!いい話でずねぇえええええ!!!」

ことり「ヒグ……ヒック……孤高のパンツインテール……うう……可哀想だよぉ……」

真姫「別に……こんな、……うぅ……」

花陽「かっこいい……花陽もあんな風になれたらな……」

凛「ちょっと……ぐすっ、寒く無いかにゃぁ……っ」

絵里「にこ……頑張ってね!!私、私応援するわっ!!!」




にこ「全く……みんななんで泣いてるのよ」

希(いや本当にどこに泣ける要素があったん!!?)

希「と、というかそれや!!それやで!!!」

にこ「へ?」



希「にこっちは文化祭の劇でパンツを使う」

希「文化祭の練習が始まったのは今日」

希「穂乃果ちゃんのパンツが無くなったのも今日」


希「やっぱり犯人はにこっちや!!!!!演劇の練習に使う為に咄嗟に借りたものの、それを伝え忘れた……そうやね!!?」







一同「………………」

希「どや、ウチの推理は正しいやろ?」


にこ「何を言い出すかと思えば……まだにこを疑ってたの?」

絵里「希……流石に無理があるわよ?」

にこ「まあ……大方、引くに引けなくなってこんな馬鹿げたことを言い出したんだろうけど……」

絵里「希、やっぱり疲れてるんじゃないかしら……」


希「な、なんでや……なんで伝わらないんや……」



ぽんっ


希「凛ちゃん……?肩に手を置いてどしたん?まさかウチの言いたいことが伝わっ










凛「ちょっと……寒く無いかにゃー?」ドヤァ








希「こんのクソネコがああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

絵里「ちょ……!?希!落ち着きなさい!!」

希「だいたいテメェさっきからそれしか言ってないだろ!!!!なんやんだよもう!!!!!!」ユサユサユサ

凛「」

にこ「希!!今のは流石に凛が悪いけどアンタ切れ過ぎよ!!というか標準語になってるわよ!!!!!」

希「うるさいダボがあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」






その後、暴れに暴れた希は、ストレスで倒れてしまい、入院する事になったらしい




真姫「完、ね」

闇夜に潜む、悪の刃。
刃は刃を滅し、悪は悪を滅す。
ただ息を潜め日常に溶け込み、悪の根元たるを切り裂く。
パンツを頭に被り顔を隠している彼等は皆ツインテールかサイドテール。
彼等は恐れ、称えられ、こう呼ばれる。



パンツインテール。
パンサイドテール。






我等全員、殺し屋稼業……










続かない

突発ネタなのにその日にオチまで書けなくて申し訳ないです
どうしても用事があったので……
もしかしたらこのネタてまだ何か書くかもなので、htmlはちょっと後回しにします、すいません

見てくださった方ありがとうございました

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