男「爺ちゃんから馬鹿でかい屋敷を引き継いだ」(172)

死んだ爺(遺言、この屋敷となんか知らんけどお前にデレデレなメイド達をお前が引き継げ)

男「ハーレムだと!?」

任せた

弁護士「こちらと、あとここに署名を。印鑑も……はい、これで結構です」

男「あの、本当にこれで?」

弁護士「ええ、法的な手続きはこれで終わりです。あとはお祖父様の遺言書の通りにお願いします」

男「そりゃあ、まあ、構いませんけど……」

弁護士「いやはや羨ましい。これだけのお屋敷ですからな」

男「お屋敷って言っても、こんな山奥で、茅葺きで、囲炉裏で、電気は自家発電ですよ? 水は井戸か裏の沢で、トイレはくみ取りだし……」

弁護士「ですが、お祖父様の遺言書に従えばあの遺産があなたのものですよ」

男「この山奥に住めっていうんでしょう?」

弁護士「ええ、念のためもう一度伺いますが、婚約や、お付き合いされている方は?」

男「いませんよ。彼女なし」

弁護士「男性は?」

男「馬鹿にしてるんですか?」

弁護士「ははは、いえいえ、念のため。それでは、私はこれで失礼します」

男「帰っちゃうんですか?」

弁護士「はい、今日の私の仕事は終わりましたから。今出発すれば日暮れまでには里に着けますし」

男「まだお昼前ですけど」

弁護士「それだけ距離があるんですよ。では、また後日、遺言書を守っているかの確認に伺います」

男「え、ちょ、ちょっとー! ……行っちゃったよ」

男「なんだよ、逃げるように帰りやがって……さて、どうするかな」

男「ここは居間だけど、見た感じでは綺麗なんだよな。ほこりもないし。弁護士さん、管理の人なんて雇ってないって言ってたし、じいさんこまめに掃除してたんだろうな」

男「ん? 掃除? そう言えば遺言書になんかあったな……見てみるか」

-遺言書-
私、祖父は以下を遺言とする。

ひとつ
家主は私の血縁者の未婚の成人男子とする。婚約したものがおらず、童貞である者を優先する。

男「彼女なしの童貞だよ。チクショー」

ひとつ
相続人は、文筆家、芸術家、医者、理髪師、料理人など、特異な技能を有する者とする。

男「文筆家……まあ、へっぽこ小説家でござい」

ひとつ
相続人は山の屋敷に住むこと。外出や旅行は認めるが、期間は同居人と相談すること。

男「そうそう、同居人。これが良く分からないんだよな」

ひとつ
相続人は、屋敷に住みたいと申し出る者は、例外なく同居を許すこと。家賃、間貸し賃については、同居人と相談して決めること。

男「こんな山奥に、住みたい奴なんて要るのか? ……で、ああ、ここだ」

ひとつ
同居人と協力し合って、屋敷を手入れし、大いに盛り立てること。屋敷の手入れは、相続人と同居人のみによって行うこと。
以上。
……年……月……日  祖父

男「まあ、同居人なんて居るわけないから、俺が屋敷の掃除しなけりゃ行けないんだよな」

男「というか、茅葺き屋根って数年ごとに取り替えなくちゃいけないはずなんだけど、俺ひとりでどうやって……」

男「……」

男「まあ、今不安に思っても仕方ない。とりあえず、屋敷の中を確認しておこう」

7,8,9も私です。
スマホからパソコンに移行しました。

ー台所ー

男「薪とか炭で煮炊きするかまどがある。ポンプ式の井戸もあるから、飲み水は問題ないらしい」

男「というか俺、かまどなんて使えないぞ? そりゃあ、キャンプでたき火とかした事あるけど……まあ、なんとかなるか」

男「今にも囲炉裏があったし、ガスが来てないんだな」

男「これが、水の井戸で、ステンレスの流しで……ん?」

男「この、湯垢のつきまくってる蛇口はなんだ?」……キュ

シュバババババ!

男「うわあっちい! お湯!? なんで?」

男「……硫黄の匂い、温泉か!」

男「あちちち、しぶきで十分熱い……しめよう」キュ

男「これだけ熱ければ、普通に卵がゆでられるな。匂いも少ないし、カップラーメンくらいなら作れるかも」

男「なんだ、本当になんとかなりそうじゃん」

男「よし、つぎ!」

ー風呂ー

男「広いな! しかも岩風呂だ」

男「さっきの台所の様子だと……うん、何となく温泉の香りがするな」

男「湯船の出口に……ああ、蛇口がふたつ。どっちかが温泉で、どっちかが沢の水を引っ張ってくるんだろ」

男「これだけ広い風呂、まじで旅館並みだよな、いや、そこらのホテルよりすごいかも」

男「しかも温泉だろ……うは、良いじゃん」

男「えと、この横がトイレか」

ー便所ー

男「……あれ? 臭くない」

男「弁護士さん、下水は無いって言ってたよな……便器は……」

男「……なんで便器の下に鯉が泳いでるんだろ」

男「ああ、下に池があるのか」

男「人間の排泄物を鯉のエサにしちまうと」

男「理に適ってると言えばそうなのかもしれないけど、なんか……」

男「まあ、くみ取りよりは清潔だよな。うん」

ー書斎ー

男「で、じいさんのつかってた書斎。この部屋だけ洋室なんだよな」

男「しっかりした赤い絨毯に、小さいけど景色と明かり取りには十分な窓。背の高い本棚」

男「日本の古典とか中国文学とかたくさんあるな。こっちの箱に入ってるのは掛け軸か」

男「机もしっかりしたのがあるし、原稿書きに使わせてもらおう。下宿から資料を持ってこないといけないけどな」

男「ま、掛け軸をどこかの押し入れに入れれば、スペースも十分だし……そういや、じいさんから前もらった掛け軸あったな、下宿に掛けっぱなしだけど、資料と一緒にこんど持ってこよう」

ー部屋ー

男「そして、屋敷の他の部屋」

男「仏間に、一の間、二の間、三の間って、たくさんあるんだよな」

男「そういや弁護士さん、たくさん部屋があるけど、何部屋あるかは知らないって言ってたな」

男「まったく、どんだけ広いんだよ……よし、空気の入れ換えがてら、ふすまを開けに行くか」

ー一の間ー

男「うん、畳が10枚の……十畳の部屋か」

男「床の間があって、花瓶置いたり掛け軸掛けたりできるな」

男「ふすまに、南に面した障子とガラス窓」

男「ガラスがあるだけ近代的だけど、純和風の部屋だな」

男「で、ふすまを開けると廊下があって、次が……」

ー二の間ー

男「一の間とほとんど同じ、和風の部屋だな」

男「部屋の作りもほぼ一緒。広さもな」

男「何か目印がないと、慣れるまで一の間と見分けがつかないぞ」

男「で、ふすまを開けると廊下があって、こっちが……」

ー三の間ー

男「うん、一の間、二の間とそっくりな部屋だな」

男「居間や他の所と同様、妙に片づいてるけど……使う人がいなかたんだよな、うん」

男「ま、ここも他の部屋と同じか、よし、次!」

ー五の間ー

男「あれ? 入り口に四の間がない……ああ」

男「四は、死を連想するから縁起を担いでるのか。実質的に四番目の部屋だな」

男「で、作りは他の部屋と同じ。次」

ー六の間ー

男「同じだな、清潔だし、窓開けて……つぎ!」

ー七の間ー

男「またも同じだ。さっさと全部の窓開けて、昼飯にしよう」

ー八の間ー

男「また同じ部屋だな、よし、次」

ー十の間ー

男「九の間は、九が苦につながるから、縁起を担いで無しと……」

男「で、部屋の作りは完璧に一緒」

男「もう、一気に開けてくしかないな」

男「最後の部屋まで一気にゴー!」

………………
…………
……

……
…………
………………

ー百五十三の間ー

男「ぜーはー……ぜーはー……」

男「い……」

男「いいかげんにしろよ!」

男「どんだけ広いんだよ!」

男「ああもう、元来た廊下が遙かな消失点の彼方だ」

男「とりあえず、これだけ部屋みてきて、どれもきちんと掃除されてたから、このさきも片付いてるんだろう」

男「確認はまたこんどだ。とりあえず、昼飯にしよう……材料、なんかあるかな?」

ー一の間ー

男「窓とかふすまを閉めながら来たら、余裕で一時間かかってしまった」

男「腹減ったな……ん?」

男「なんか、台所の方から熱気がするな」

男「昼間だから空気が暖められて……ってレベルじゃないぞ」

男「あれ? すこし燃えたような香りが……」

男「おいおい、火事かよ!?」

~台所~

男「……鍋が煮えてる」

鍋「ぐつぐつ!」

男「……え、なんで?」

男「さっき来たときは、何にもなかったのに……あれ? なかったよな?」

男「味噌の香りがして……これは、けんちん汁かな」

???「あら、旦那様いけませんわ。男の人が台所に入るなんて」

男「いや、そういう古い考えはあまり好きじゃないんだけどね。何か手伝うよ」

???「あらうれしい。それじゃあ、お鍋を囲炉裏に持って行ってくださいますか? 火はもう起きてますから」

男「ああいいよ、よいしょっと」

~居間~

男「囲炉裏の上からさがってるカギに、鍋をぶら下げて……これでよし」

男「それにしても、良いにおいだな、ちょっと味見……」

???「まあ、旦那様ったら! いけません!」

男「おっと、見つかっちゃたか」

???「もう少し煮えてからいただきましょう?」

男「そうだな……それでさ」

???「はい」

男「きみ、誰?」

???「あら? 弁護士さんからお話しされませんでしたか?」

男「いや、まったく……同居人がどうのって遺書はあったけど、まさかもう居るなんて思わなかったよ」

???「同居人……はい、旦那様のおじいさまが亡くなられてから、お屋敷の管理をしておりました」

男「この屋敷を、君ひとりで?」

???「はい」

男「すごいな、きちんと掃除が行き届いてたし、窓だって曇りひとつなかったし」

???「ふふ……お褒めにあずかり光栄ですわ」

男「ねえ……あ、自己紹介がまだだったな。俺は……」

???「男様ですよね、存じ上げております」

男「ありゃ、もう知ってたか……君の名前は?」

???「はい、桃と申します」

男「桃さんか……」

桃「そんな、恐れ多い」

男「ん? なんで?」

桃「さんなんて……呼び捨てでけっこうです」

男「うーん……わかった、桃って呼んでいい?」

桃「はい、そうしていただけると私もうれしいです」

男「そか、よろしくね、桃」

桃「はい、こちらこそよろしくお願いいたします……ささ、汁が煮えました。お召し上がりください」

男「……ん」ズズ……

桃「お口に合いますか?」

男「うん! 美味い!」

桃「本当ですか? よかったぁ!」パアァ

男「芋とニンジンと、ゴボウかな? それが味噌とよく馴染んで、美味しいよ。身体に染み渡るみたいだ」

桃「ふふふ、そこまでお褒めになっては、恥ずかしくなってしまいます……こちらはおひたしです。おかわりもどうぞ」

男「わ、いただきます」

……
…………
………………

男「ふう、ごちそうさま」

桃「お粗末様でした」

男「桃は食べないの?」

桃「私はまた後ほど……お食事の後は屋敷をご案内しましょうか?」

男「うーん、じつはもうけっこう見ちゃったんだ」

桃「あら、迷子になりませんでした?」

男「なりかけたよ、すっごく広いんだもん」

桃「当然です。このお屋敷は部屋数に限りがありませんから」

男「……は? 部屋数に限りがないって?」

桃「申し上げたままの意味です」

男「それって、たとえばの話しでしょ?」

桃「いえいえ、本当のコトです」

男「ちょっと、桃、外出てみようか」

桃「はい? ええ……」

~庭~

男「ほら、確かに馬鹿でかい屋敷だけど、向こうの端が見えるじゃないか」

桃「まあ、そうですね」

男「だろ? いくら広いからって、無限に部屋があるわけじゃなし……」

桃「では、旦那様、向こうの端に向かって歩いてみてください」

男「……ん? まあ、良いけど」

桃「桃が良いと言うまで、振り返ってはいけませんよ?」

男「何をしたいんだか……歩くよ」テクテク

男「歩いて……歩いて……しかし、馬鹿でかい家だな。いくら歩いても向こうの端が近づかない」

男「……」

男「おーい、桃!……もう100mは歩いたぞ! いつまで歩くんだよ」

桃「あらあら、こらえ性のないお方……では、振り向いてください」

男「あれ? なんか桃の声が近……」クルッ

桃「お帰りなさいませ、旦那様」

男「うわ! 桃! ついてきてるならそう言ってよ」

桃「いいえ、桃はずっとここに立っておりました」

男「でもたしかに、俺は歩いて」

桃「屋敷のあちらの端が、近づいてきましたか?」

男「……え?」ゾク

桃「このお屋敷は、空間が歪んでいるんです。向こうの端は見えますが、人間が普通に歩いて行き着くことはできません」

男「人間? 桃、なに言って……君だって人間じゃないか」

桃「ふふふ、そう見えるだけです」

男「ちょ……ちょいまて、じゃあ、君はなんなんだ?」

桃「あれです」

男「あれって……木?」

桃「はい。私は木。十五年前に植えられた、桃の木の精でございます」

男「はあ………………え?」

桃から聞いた話を要約すると、この屋敷はもともとマヨイガと言って、人外の者が人間から隠れて住む場所だったらしい。

周囲の空間をねじ曲げ、人間の行き来は基本ゆるさないが、心のまっすぐな人間だけはマヨイガに招き入れる。

招き入れた人間には、まっすぐな心の褒美として、家にあるものはいくらでも持ち出すことをゆるすが、住人は皆奥の奥の間に隠れて、会うことは無いんだそうな。

俺のじいさんも、このマヨイガに招かれた人間だったワケだが、少し事情が違ったらしい。

迷い込んだじいさんは、そのままマヨイガに住み着き、ここの住人と結婚。

誠実な性格で、人間でありながらマヨイガの運営と維持を任されるようになり、人間側としてはマヨイガの所有者となったそうな。

桃「人間の住所などを持っていた方が、人間の世で動きやすいですから」

男「でも、マヨイガを人に見せて良いのかよ?」

桃「こんな山奥ですから、遭難した方くらいしか来ませんし。お屋敷に住まわれる方は、みんな妖怪精霊の皆様です」

男「なるほど…………はああああ!?」

つまり俺は……妖怪屋敷を相続したのだ。

閑話休題

とまあ、こうすれば、使用人でないにしろ共同生活を営むコミュニティができるわけで。
当然、住みにくる妖怪たちは「座敷童♀」「竜宮の姫君」「化け猫♀」「濡れ女」「あかなめ」「天狗♀」
などで、適度にエロエロだったり。

遊び好きの座敷童が野球拳はじめたり
化け猫がマタタビで酔っ払って発情したり
あかなめが男の恥ずかしい垢をぺろぺろしたり

もちろん桃の精も、例外ではなく

男「桃のここ……桃の良い匂いがする」
桃「ら……らめれす、らんらさま」

男「ふふ、いつもの調子はどこに行ったのかな? いただきます」チュッ
桃「ひゃ……舐め……んああああ!?」

みたいな展開があるかもしれない、和風妖怪屋敷物語。
もちろん、えろえろじゃなくても良いよね!

ついでにあげ

いやあ、タイトルから想像したのがこんな話で、メイド成分なんて思いもつかなかったのよ

それで、実際に開いたらメイドでたて逃げだったから、自分の想像してた話を書いてみたのさ

桃「そろそろお茶のお時間ですね」

男「……」

桃「旦那様?」

男「……いいや、騙されないぞ」

桃「いかがなさいました?」

男「妖怪なんている訳ない……とは言わないよ、とりあえずね。でも、妖怪がそう簡単に人前にあらわれるなんて信じられないよ」

桃「お屋敷の端に行けなかったのに?」

男「あ、あれはその……何か理由があるんだよ」

桃「んー、信じていただくのは後にしても、まずは暮らしを整えませんと」

男「そうなんだよなあ……」

桃「はい、お茶です」

男「ありがと……ん、甘い香りがするなあ」

桃「私の葉を煎じた桃の葉茶です」

男「まだ言うか……んむ、まあ、妖怪うんぬんはコッチに置いておいて」

桃「はい」

男「一旦、京都の下宿まで戻ろうと思うんだ。仕事の道具、資料とかノートも持ってきたいし、行き帰りでそれぞれ2日ずつ、荷造りとか部屋の引き渡しもあるから、1週間くらいかな」

桃「左様ですか、それなら桃もお手伝いします」

男「んー、でも桃には屋敷の留守番をお願いしたいし……あ、いきなり一週間も留守にするのは良くないかな」

桃「いいえ、お屋敷を留守にすることはございませんし、旦那様の下宿先を引き払う必要もありません」

男「ん? でも、下宿から荷物を持ってこないと、仕事も出来ないよ?」

桃「ええ、ですから旦那様の下宿にここまで来ていただければよろしいのです」

男「……え?」

�・書斎�・

桃「ええと、たしかこちらに……ありました、旦那様」

男「その箱、見覚えがあるなあ」

桃「はい、先代の旦那様、旦那様お祖父様から、旦那様に贈られたはずです」

男「じいさんからもらった、『書家あばら屋で記す』の掛け軸だろ?」

桃「ええ、その掛け軸は双幅、つまり二枚組になっておりまして、こちらがそのもう一枚、『書家竹林にて花を楽しむ』の図です」

男「言われてみれば、構図が似てるかな」

桃「それをこう、書斎の壁に掛けまして……はい、どうぞ」

男「……え?」

桃「掛け軸を、めくってみてください」

男「ん? ……壁に穴が」

桃「そのままこう……ずいっと!」 クイクイ

男「うわわ、押すなって……わっ!?」

�・男の下宿�・

男「……はっ!? 俺の下宿だ」

男「そうだよな、いくら何でも、話がうまくできすぎてる」

男「じいさんが変わり者だったって言っても、遺産を俺にくれたり、でっかい屋敷と一生かかっても使いきれない金と、かわいい女の子の使用人が転がり込んでくるわけが……夢だ。夢だったんだ」

桃「ところがどっこい、夢じゃありません」

男「うおわああ!? で、でたあ!!」

桃「はあ……旦那様、驚かすことが私たちの仕事ではありませんから、そのような反応をされては、ふつうに傷つきます」

男「あ……ああ、ごめん……で、下宿の掛け軸のかかった壁の裏にも穴があいて、屋敷の書斎の本棚が見える……つまり、双幅の掛け軸同士が繋がるのか」

桃「ええ、お屋敷の書斎にある掛け軸は、すべて双幅の片方で、もう片方は天下のいろいろな場所に掛かっています。いろいろな場所と行き来できるんです」

男「なるほどな……なんでそんな凄い掛け軸があるんだ?」

桃「みんな役行者が描いた掛け軸なんです。どうしてお屋敷に個の掛け軸たちがあって、どんな仕組みで他の場所と繋がるかは、私にもわかりません」

男「なるほど。でも、なんで桃は、俺の部屋に掛け軸がかかってることを知ってたんだ?」

桃「……さて、日も傾いてきましたし、お屋敷で使うものだけまとめて、運んでしまいましょう」

男「ああ、そうだな……ん? なんか、はぐらかされたような……」

桃「旦那様、こちらの洗濯物は、お屋敷で洗ってもよろしいですか?」

男「ああ、そうだね頼むよ……ええと、資料も今使う分だけ持っていけばいいかな」

桃「……ほっ」

〜屋敷の書斎〜

男「lanケーブルを掛け軸の穴から通して書斎にパソコンを置いてみたが……ううむ、アンティークな家具に、新しい機械が妙に似合うなあ」

桃「旦那様、お片付けはお済みですか?」

男「うん、することもなかったからね」

桃「あら……そうですか、これからお仕事をなさいますか? もしくは読書など……」

男「いや、なんだかんだで疲れてるし、しいて言うなら休憩かな」

桃「休憩……旦那様、私はこれから、夕飯の材料をとりに畑に向かいます。旦那様をお一人にしてしまうのですが、けして、けっして、退屈だとか、遊びたいなどとおっしゃってはいけません。理由はお夕飯の時にご紹介がてら説明いたしますので」

男「ん、わかった。本当に疲れてるから、もしかしたら昼寝しちゃうかもしれないけど……」

桃「お休みになるのであれば結構です。ですが、けっっっして、ヒマだとか、遊びたいなんて言ってはいけませんよ?」

男「わかってるって、それより、俺も畑仕事を手伝おうか?」

桃「いえ、旦那様に泥仕事をさせるわけには参りませんから。それに、その言葉を言わない限り、まったく無害な子なので……では、行って参ります」

閑話休題

どうやらエロエロの方が求められているようなので、エロエロにします。

〜サロン〜

男「サロンとは呼ばれてるけど、畳の間にソファが置かれてるだけだな……日だまりで、ポカポカ暖かくって……んー、良いソファだ」

男「1日電車とバスを乗り継いで、昨日の深夜にふもとの村について、明け方にふもとの村を出発して山登って、半分迷いながらこの屋敷にたどり着いたんだもんな……そりゃへこたれるわけだ」

男「いまも、桃は畑に行ってるんだよな……ん……でも、さすがに疲れてるし、行っても満足に手伝いできないだろうな……邪魔になったり……するくらいなら……ん……」

男「あー……あったけ……もうすぐ日も暮れるのに、あ……これ、寝ちゃうな……」

男「……少し、ちょっと、目を閉じるだけ……目を休ませて、すぐに開ければ……」

男「……ぐー」

………………
…………
……

……
…………
………………

男「……はっ!?」

男「やばい、寝てた……ええと、あれ?」

男「まだ10分しか経ってないのか、丸1日寝ちゃったとか、そういうこともないみたいだし……ふむ」

男「あー、すっごくよく寝た感じだ。疲れも取れたな」

男「……でも、仕事をする気にもならないし、パソコンでインターネット見るのも、本もなあ……」

男「今日は完璧に休みの気分だったし……あー、ヒマだなあ」

男「やば、言っちゃったよ……」

男「……」

男「べつに、何も起きないじゃないか」

男「なんだよ、桃のやつ、脅かしちゃって」

男「あー、ヒマだなあ! 何かして遊びたいなあ!」

男「ほら、何も起きない」

???「遊びたいの?」

男「うわあっ!?」

???「んっきゃあ!?」

男「え……ん? 女の子?」

???「うん。わたし、座敷童! おにーさんは……あたらしいお館様だ!」

男「座敷童か……あの、家に住み着くと繁栄をもたらすって言う?」

座敷童「そうだよー! こうふくのあおいとりとは、わたしのことなのです」

男「ああ、幸せは家にあるって……まあ、間違ってはいないか、赤い着物の女の子だけど」

座敷童「でしょー? でさ、お館様、ヒマなの? あそんでくれる?」

男「ん? いいけど、何して遊ぶ? 見たとこ、けん玉とか、おはじきとか、お手玉とかで遊びそうだけど」

座敷童「ううう、なにもかもなつかしい……そのおもちゃたちは、このお屋敷にやってきたにんげんがもちかえって、ひろめたの」

男「……へえ! そうだったのか……じゃあ、コマとか折り紙なんかも?」

座敷童「うん。みんなにんげんがもってっちゃったから、おもちゃはなにも無いの」

男「あ……そうなのか、なんか、ごめんね」

座敷童「いいの、にんげんがよろこぶの、わたしもすきだし……でもさ、お館様!」

男「なんだい?」

座敷童「どうぐをつかわないあそびなら、まだここにあるんだよ!」

男「へえ……たとえば?」

座敷童「そうだなー……さいしょは、ぐー!」

男「じゃんけんぽん!」

座敷童「あっちむいてほい!」

男「あ……」

座敷童「はい、わたしのかちー」

男「むむむ……」

座敷童「わたし、あそびとってもうまいんだよ?」

男「まあ、たしかに……じゃんけんぽん!」

座敷童「あっちむいてほい!」

男「うおっと……また負けた」

座敷童「はい、にかいまけたから、おやかたさまのおにー!」

男「ああ……ん? おに?」

座敷童「おにごっこすたーと! 10かぞえてー」

男「え、ちょ、ちょっと!」

座敷童「きゃー おにだー」ピュー

男「くそ……いーち……にーい……さーん」

男「……」

男「おれ、何やってるんだろ? ……よーん……ごー……」

………………
…………
……

……
…………
………………

〜二十四の間〜

座敷童「きゃははは! こっちこっちー!」

男「この、待てー!」ダッ

座敷童「おにさんこちらー てのなるほうへー」ペチペチ

男「ぐぬぬ、なんであんなにすばしっこく……」

座敷童「……くふふ」ヒュン

男「ん? ひでぶろあっ!?」スパカーン!

座敷童「めいちゅう、めいちゅー! おやかたさまをげきちんせりー」

男「んぐえ、これは……風呂桶?」

座敷童「きゃははー」

男「あいつ、こんなトラップまで……くそ!」

座敷童「いっけー! なべぶた!」ポイッ

男「へぐっ!」パコーン

座敷童「筆立て!」ペイッ

男「うごはっ!?」コチーン

座敷童「障子!」ブン!

男「ぎゃふっ!?」ベリバリン

座敷童「ふすま! 畳! ちゃぶ台! タンス!」ズゴゴゴゴ……ドシューン

男「ごべっはああああっ!?」ゲリュボリン!

座敷童「あ、あれ? もう投げるものが……」

男「うおりゃあああああ!」ガシッ

座敷童「きゃ!? つかまっちゃった……」

男「ふうぅ……ぜえ、はあ……つかまえた……」

座敷童「あーあ、じゃあ、こんどはわたしがおにね」

男「……は?」

座敷童「ほんきでつかまえるから、おやかたさまもほんきでにげてね」

男「……はい?」

座敷童「いーち」ズゴゴゴゴゴ

男「な、ただ数を数えてるだけなのに、この威圧感はいったい!?」

座敷童「ほらほら、はやくにげるー……にー」

男「や、やば……逃げないと……」

座敷童「さーん」

男「……くっ!」ダッ

男「逃げるんだッ!」

男「少しでもッ!」

男「遠くへッ!」

座敷童「それじゃあ、行っっくよー!!!」ズドッカアアアン

男「な……なああああ!? 土壁をぶち破ったあ!?」

座敷童「おにだぞーっ! がっおおおおお!」

男「ちょ、ま……」

座敷童「おやかたさま、つーかまーえ……」

男「こ、殺され……あ、死んだ」

座敷童「たッ!」

……

シーン

男「……あれ?」

座敷童「……」ピタリ

男「あ、あれ? 座敷童……って、桃!?」

桃「何をしているんですか? 座敷童さん」

座敷童「え、ええと、ちょっとおにごっこをー……」

男「あの突進を、視線だけで止めたのか?」

桃「お屋敷の惨状を見ればわかります……ですがこの壊れたところ、いったいだれが直すんでしょうねえ?」ゴゴゴゴゴゴゴ

男「お……怒ってる」

桃「それと、旦那様?」

男「は、はい!」

桃「はあ。あれほど言ってはいけないと申し上げたのに……もう、め! ですよ!」プンプン

男「あれ? おこってもかわいい……」

桃「すぐにお夕飯にしますから」

男「あ、ああ……」

座敷童「むう……」

男「まあ、ちょっとやり過ぎだったかな」

座敷童「でも、ごっこなのに」

男「あれは、本気すぎだろ、本物の鬼みたいだったぞ」

座敷童「あそびはほんきでやらないとたのしくないでしょ?」

男「そういう問題かよ」

………………
…………
……

おや? 時空の様子が……

……
…………
………………

〜二十四の間〜

座敷童「きゃははは! こっちこっちー!」

男「この、待てー!」ダッ

座敷童「ふぎゅっふ!?」

男「ふっふっふ、つかまえた」

座敷童「あー、つかまっちゃった……」

男「さて、つぎは座敷童が鬼だな」

座敷童「ん? んー……おにごっこはもうやめー!」

男「んが、なんでだよ? はじめたばっかなのに」

座敷童「だって、おやかたさまがほんきでにげたら、わたしつかまえられないもん」

男「あー、そうかもな。なら、何して遊ぶ?」

座敷童「なにしてあそぼう?」

男「なんでもいいぞ、おもちゃもないけど、できることなら何でも」

座敷童「なんでも……本当に?」

男「ああ、でも、痛いのはなしだぞ? しっぺ合戦とか」

座敷童「……そんなことせんよ……もっとイイコトして遊ぼうぞ」

男「ん? なんか、しゃべり方が……」

座敷童「ここは座敷じゃの、わしの名前の由来ともなった……座敷で遊ぶなら、お座敷遊びなどはいかがかの?」

男「え、なにこれ……ふざけてるにしては、しゃべり方も堂に入って……」

座敷童「とはいえ、三味線も座布団もなし……となれば!」

男「ちょ、おい」

座敷童「野球拳じゃ!」

男「は……はああ!?」

座敷童「もとはお座敷遊びでの、簡単とは言え踊りの振り付けもあるし、なかなか奥の深い遊びなんじゃ。なに、心配するな。じゃんけん以外の踊りは、体がかってに動いてくれるからの」

男「や、やだよ、野球拳なんて!」

座敷童「なんでもいいと言ったじゃろ、ほれ、やあ〜きゅうぅ〜う す〜ぅるならぁ〜」クイクイ

男「こういうぐあいにしやしゃんせ」クイクイ

座敷童「アウト!」

男「セーフ!」

座敷童「よよいのよい!」グー

男「よい!」パー

座敷童「く……しかたない。帯で良いかの?」スルスル

男「やっぱ脱ぐのかよ!?」

座敷童「あたりまえじゃろう! 本来は脱衣とは関係ないんじゃが、今は脱ぐものと相場がきまっとる。それに、若干のお色気も、数字には必要なんじゃ!」スルスル

男「な、何の数字だよ」

座敷童「それはまあ、推して知るべしじゃの」さて

男「うう、そんな子供の体でお色気とか言えるのかよ」

座敷童「……」カチーン

男「で? 続けるのか?」

座敷童「ああ、そうじゃの、最後まで行くぞい」

男「最後? ああもう、わかったよ」

座敷童「さて!」

男「……さて」

座敷童「同点じゃな」

男「というか、残り枚数がな」

座敷童「わしは襦袢一枚」

男「俺はパンツ一丁」

座敷童「このじゃんけんが決勝じゃの」

男「ああ、どっちでも良いから、早いところ終わらせたい」

座敷童「むー……おなごが肌を晒しとるというのに」

男「年寄り口調の子供がな……ほら、やるぞ」

座敷童「むう……では行くぞ、やあ〜きゅうぅ〜う す〜ぅるならぁ〜」クイクイ

座敷童「よよいのよい!」パー

男「よよいのよい!」チョキ

座敷童「おや、負けか」

男「ああ、勝った勝った」

座敷童「ふむ、仕方ないの」スルリ

男「わあ、見事に出っ張りも引っ込みもない」

座敷童「……」カッチーン

男「ほら、早く服着ろ」

座敷童「いや、まだじゃ」ニッコリ

男「は? だっておまえ、これ以上脱ぐ物が無いだろ」

座敷童「まあ、そうじゃの。ほれ」くぱくぱ

男「こら、女の子がそういうことするな」

座敷童「女だからできることじゃろ、それに、見た目は子供じゃが、男を受け入れることもできるんじゃぞ?」

男「……う」ピクッ

座敷童「おお、反応しとる! ほれほれ」

男「ううう……息子のバカやろう!」グググッ

座敷童「ほっほっほ、賢明な息子じゃのほれ、じゃんーけーん」

男「うわ、体が勝手に! ぽん!」パー

座敷童「ぽん!」チョキ

男「あ、負けた……パンツも脱げば良いのか?」

座敷童「いや、ワシが脱がしてやろう」

男「はい? いやいや、ちょっとー!」

座敷童「ふい!」ズルン!

男「う……」ブルンッ!

座敷童「わっほ♡ これはこれは、なかなかの一物じゃのう……長くて固くて、太さなどワシの手首ほどもあるわ」

男「ううう、もういいだろ?」

座敷童「いいや、まだまだじゃ……んむちゅ」

男「わっ!? な……ひゃあ!」

座敷童「んちゅ……色気のない悲鳴じゃのう、なら、色気を足そうかの……ちゅぱ」

男「んああっ!? なんで舐めて……くは、あっ!」

座敷童「んむー♡……ちゅるるるー♡……」

男「あ、うそ、上手い……くっは……で……出る!」ビュルルルルッ!

座敷童「んっ? んむ……んっく……んぶ……んー♡」

男「は……あへ……すご……」

座敷童「ふは、うーん、何十年ぶりじゃろ、美味美味、ちゅぱ」

男「おい、イったばっかで……んっぎいぃ!?」

座敷童「ちゅぱちゅぱ♡ ちゅっぱちゅるるるるる♡」

男「そ、そんなに吸ったら……うあ……あ……」

座敷童「じゅるるるっ!!!」

男「うあっは? ……あああああっ!?」ビュルルルルルルルルッ!

座敷童「んぷっ!? うー……んっく……っんぶ……ぷは」ポトポト

男「あ、く……くは……あ、はぁ」

座敷童「ふふ、二度目の方が濃くて多いとは、効いてるようじゃのう」

男「な、なにが……」

座敷童「ふふ、それはそうと、次のじゃんけんじゃ」

男「なんで、これ、遊びじゃなくて……」

座敷童「遊びじゃよ? 男女の遊びじゃ。これはな、じゃんけんをして、勝った方が勝った指の数だけ相手をイかせる遊びじゃ」

男「な……なあああっ!? なんだって!?」

座敷童「聞こえなかったのかの? 年のわりに耳が悪いんじゃな」

男「そうじゃなくて、え、ちょ……」

座敷童「ああ、ちなみに、ぐーの時は、相手を寸止めで好きなだけいたぶって良い。イかせたら次のじゃんけんじゃ」

男「おい……そんな遊びヤだよ!」

座敷童「んー? どんな遊びでもいいんじゃろ?」

男「確かにそう言ったけどさ、こんなのはダメだ」

座敷童「ああそうかの、聞く耳持たん。ほれ、じゃんけん」

男「ああ、体が勝手に!? ぽん!」チョキ

座敷童「ぽん!」グー

男「……あ」

座敷童「んっふっふ、好きなだけいたぶって良いと言ったばかりなのに、おぬしも好きよのう」

男「ちょ、まって……」

座敷童「ほっほっほ、息子は期待に膨らましておるぞ、ほれほれ」ヌチュヌチュ

男「ちょ、亀頭だけ……ひいいいいぃ!? いいいいい!!!」

座敷童「ふふふ、良く跳ねる、いちもつをニギっとるから、寝返りは打てんがの」ぐりゅぐりゅ

男「あっが!? ひあああああ!?」

座敷童「まるで蓑踊りじゃ。古い拷問でな、人間にむしろを巻いて、油をかけて火を付けるのよ、それはもう、いまのお館様のように転げて跳ねて、踊り狂うんじゃ」ぐちゅぐちゅ

男「ひぎああ!? 死ぬ、死ぬううううう!!」

座敷童「安心せい、殺しはせんよ、壊すかも知れんがの」ぬりゅぬりゅ

男「あ……かは……ぎっはああああ!!」

座敷童「……ふむ、そろそろ出させてやるかの、限界なようじゃしな」

男「か……は……あ……」ピクピク

座敷童「ほれ! 子種をぶちまけい!」ぐっちょぐっちょ!

男「ひぎ!? いきなりしごいて……あああああああああ!!!!」ビュルルルルルルッ!

座敷童「おっほ♡ 天井まで届いたぞ、噴水のようじゃな」

男「ああ……あは……あ……」ビクンビクン

座敷童「さて、やすんどるヒマはないぞ、じゃんけん!」

男「ふぇ……ぽん」パー

座敷童「ぽん!」グー

男「あ……勝った……あへ……」

座敷童「おやおや、よりによってパーとは、よほどおなごを鳴かせたいと見える」

男「……え?」

座敷童「なに、お館様はそこでねとれば良い……わしが上になるか……ら……の……」ヌヌヌッ

男「ん……んんう!? んぅ、挿入って……」

座敷童「くは、あは……大きい、のう……息がきれそうじゃ……」

男「き、きつ……やらか……熱くて……ううぅ……」

座敷童「どうじゃ、わしのは? 人なら交わる準備すらできておらん、幼子の膣じゃ」

男「ぐ……くは……きつ……」

座敷童「そうじゃろう? そうじゃろう? ほれ、動かんか」ペチン

男「くっは!? あっ! ああっ!」ズンズン!

座敷童「んっ! っく! はげしい、のう!」

男「からだ、動いて……くっは!」ヌチュヌチュ

座敷童「こう、強く突き上げられては、わしも、うっく!上手いの、お館様♡」

男「なんで、どうして……いけな……ああああ!」

座敷童「はっあ……ああっ! あああー!!!」ビクンッ!

男「あ……はあ……ああ……イッた……のか?」

座敷童「くふふ、思ったより早く達してしまったの。ほれ、あと4回。わしをあと4回イかすまで、お館様は射精せないからの」

男「な……そんな、むり……」

座敷童「無理でもやるんじゃ! ほれ、動け!」ペチン

男「うっは、あああ! さっきより、きつ……あああああああ!」ズンズン!

……
…………
………………

座敷童「……くっふ、ふう、さすがに5回も立て続けにイかされると」

男「きつい、だろ……」

座敷童「ああ、なんとも若返るのう!」

男「それ以上若返って、どうす……」

座敷童「さあ、じゃんけん!」

男「も、もうやめ……ぽん」チョキ

座敷童「ぽん」グー

男「……」サー

座敷童「ふふふ、そうかそうか、そんなに虐めてほしいかの、お館様♡」

男「ちが……違ッ!」

座敷童「なに、遠慮するな、わしのキツキツなここで、搾り取ってやるからの」ぬんぬんぬん

男「やああ、ひああああっ!?」

……
…………
………………

座敷童「じゃんけんぽん!」パー

男「うあぁ……ぽん」グー

………………

座敷童「じゃんけんぽん!」チョキ

男「あが……ぽ、ん」パー

………………

座敷童「じゃんけんぽん!」パー

男「あー……ああー」チョキ

………………
…………
……

……
…………
………………

座敷童「さて、お館様……もう、ぶっ壊れとるが、チャンスをやろうかの」

男「ちゃ……ちゃんす?」ピク……ピク

座敷童「次のじゃんけん、お館様が勝ったら、この遊びはヤメじゃ」

男「あ……やめ……おわ……る……」

座敷童「しかし、わしが勝ったら、お館様はわしのオモチャじゃ……いいかの?」

男「いい……やめたい、はやく……」

座敷童「そして、わしは次のじゃんけんでパーを出す」

男「!?」

座敷童「さて、最後のじゃんけん、運命の分かれ道!」

男「そんな……どう……すれば……」

座敷童「じゃーんけーん」

男「……ぽん」チョキ

座敷童「ぽん」グー

男「!?」

座敷童「ほっほっほ、わしの勝ち」

男「そんな……パーって、言ったのに……」

座敷童「ああ、あれな……嘘じゃ」ニコッ

男「あ……あ……ああぁ……」

座敷童「ほれ、お館様、わしのオモチャになったからには満足させてもらうぞ、動け!」ペチン

男「あぎっは! あ! ああああ!」ズッチュ ズッチュ ズンズンズン

座敷童「んっくは、まだまだ堅いの♡ なに、がんばれば褒美に射精させてやるからの、ほれほれ」

男「あ、っぎ! ひゃ……か……あ……ああ……ああぁ……」

………………
…………
……

〜数時間後の勝手口〜

ガチャ……

桃「さて、お野菜も取れましたし、お夕飯の支度を……」

桃「この気配は……まさか!」

〜二十四の間〜

桃「旦那様!? ……うわ!」

座敷童「おう、桃。んっ……先にいただいておるぞ」

男「あ……あー……」ペロ……ペロ……

桃「念のため伺いますが、なにをなさっているんですか? 座敷童さん」

座敷童「なに、ちょっと人格崩壊するまでハメ殺して、股をなめさせるオモチャに仕立て上げたのよ。……んっ、桃もどうじゃ? なかなか、あはっ……上手いぞ」

男「あー……じゅる……」ペロ……ペロ……

桃「その方が、お屋敷のご当主と知ってのことですか?」

座敷童「もちろんじゃ。あー……ん♡……ふう、かるくイってしまったの」

男「あー……」ペロペロ

桃「……」チャキ

座敷童「も、桃! 出来心、つい、ちょっとカッとなってやってしまったんじゃ! 今は反省しとる!」

桃「問答無用です座敷童。五十狭芹彦の太刀の露と消えるか、旦那様を元に戻しなさい」

座敷童「もちろんじゃ、ほ、ほれ!」ぽわわわ〜ん

男「あ……あー……あ……あれ? 俺なにやって……」

座敷童「いやーん、おやかたさま、わたしのおまたなめちゃいやー」

桃「……」チャキッ

座敷童「お館様、本当に済まなかった。何十年ぶりの若い男じゃったし、あまりにけなされてつい、な。許してくれるかの?」

男「許すって、俺……あ……うああ……」ガクガク

桃「……はあ、旦那様。きちんと説明しなかった私が悪いのですが……座敷童さんはごはんの時か遊ぶとき以外、表にいらっしゃらないんです」

座敷童「いつもは屋敷の一番奥の間で、のんびりしとるんじゃよ、ヒマだとか遊びたいとぼやきが聞こえての、ついつい……な」

男「いや、桃の忠告を破ったのは俺だし……はあ……ああ、俺こそごめん」

桃「もう、この事は忘れ……られないと思いますが、旦那様はお夕飯の前にお風呂をどうぞ……このままでは、さすがに、ちょっと……」

男「そうだな。蛇口ひねればお湯が出るんだろ?」

桃「ええ。水でぬるめてご入浴ください」

座敷童「おやかたさまー わたしもいっしょに……」

桃「……」チャキ

座敷童「うん、入ってくると良いぞ。ここの温泉は絶品じゃからの」

男「……はあ」

〜風呂〜

カポーン(風呂の音)

男「ちょっと熱かったか……でも、はあ……」

男「……」

男「……あー、酷い目にあった」

男「桃に、言われてたのにな……」

男「……」

男「全然抵抗できなかったし、やっぱり妖怪……なのかな」

男「……あ、童貞」

男「……」

男「……」

男「あれが、女の子の中……」

男「酷かったけど、気持ちよかったな……」

男「もっと、ぎゅって抱きしめ合ったり……ふふ」

男「……」

男「あんなに酷くされないなら……また、遊んでも良いかな」

座敷童「それは本当か! お館様!」

男「な、なあああ!? おまえ、いつの間に入った!?」

座敷童「まあ、わしは妖怪じゃから? 姿も気配も消せるしの」

男「ちょ、おい、どこさわって」

座敷童「ふふ、ほれほれ、若い男はええのう、あれだけやってまだまだ元気じゃ」

男「やめ……ひゃん!」

座敷童「かわいい声じゃ……ほれ、今度はやさしくしてやるから……の?」チュ……

男「ん……んむー!?」

〜台所〜

トントントン グツグツグツ

桃「お塩の加減は……ん、おいしい♡」

大変だ桃! きみの大事な旦那様が、お風呂場でセカンドレイプされてるぞ!

今度は激しくボロボロじゃなくて、やさしくトロットロにとかされちゃうぞ!

男「ふあぁ……らめ……ぇ、それ……ふああぁ……」

座敷童「ここも好きか、こっちはどうかの?」

男「んにゃは……はゃあぁぁ……」

夕飯ができるまで小一時間。

それまで桃は料理にご執心だ!

桃「ごはんも炊いて、ふろふき大根も良い感じ……ふふ、作りがいがあるなあ」

男「ふぁぁ……もう……らめええええ!!!」

気づけ! 桃!

座敷童の話はこれで終了。

あと、指摘のあった閑話休題については、司馬遼太郎の決まり文句をタイトル的に使い始めたひとが居たんだろう。
言語は変遷していくものだし、漢文的に読めば「閑を話し、題を休む」とも取れるから、この解釈も良いと思ってます。

あと、やっぱりエロありでいきます。

朝。

男「おおお、朝からこんなに!?」

桃「それほど豪華でしょうか?」

座敷童「桃?」

男「魚の塩焼きに、卵焼き、芋の煮付けに、お味噌汁も美味しい……昨日は、結局おかゆだけだったからね」

桃「よかった。その卵は裏庭で放し飼いのニワトリが産んだものです。牛乳もありますし、魚は谷の沢でとれるんですよ」

座敷童「桃ー?」

桃「なんですか? 座敷童さん」

座敷童「わしの朝飯が、塩にぎりだけなんじゃが」

桃「なんですか? 座敷童さん」

男「……」

座敷童「……ほら、怒るとこわいじゃろ?」

男「……」コクコク

桃「それで、旦那様……まことに申し上げにくいのですが」

男「うん、どうかした?」モグモグ

桃「大工さんと木材の調達をお願いしたのです」

男「べつにかまわないけど……なんで?」

桃「それはその……きのう、旦那様が、その……」

男「あ……あー……汚れ、取れなかった?」

桃「きれいにしようと試してみたのですが、やはり、その……よごれが」

座敷童「男の汁が染みついて、取れなんだか! はははは!」

桃「……」チャキ

男「桃、ストップ……で、まあかまわないけどさ、普通の人間の大工じゃダメなんだろ?」

桃「はい、良くお気づきで」

男「妖怪なんだろ? でも、大工の妖怪なんていたっけ?」

桃「どんな激流にも橋を架けられる、鬼六さんと言う名工がいらっしゃいまいて、このお屋敷を建てて頂いたそうですが、以前人間にひどいことをされまして、今は隠居なさってます」

男「隠居かあ、他の妖怪はいないの?」

桃「あとはそう……お雛様でしょうか。今は竜宮にいらっしゃるはずです」

男「お雛様? 大工仕事なんてできるの?」

桃「ええ、人間の宮大工さんによく手伝いを頼まれるほどの、素晴らしい腕前だとか」

地の文を使うのですよ

男「宮大工って、神社とかお寺を建てる大工さんのことだよね」

桃「ええ。先日大きなお仕事を終えられて、今はお手すきのはずですから」

男「それじゃあ、休暇中なんじゃない? 頼むのは悪くないかな?」

桃「いいえ、家を建てるのが大好きなお方ですから、暇なときは街に出て、人知れず雨漏りを直して歩くのがご趣味とか」

男「へえ……そこはなんか妖怪っぽいな」

桃「でしょう? ……あら旦那様、お味噌汁のおかわりはいかがです?」

男「ありがと、もらうよ……で、居るのは竜宮……竜宮城のこと?」

桃「はい……おかわりです。熱いですよ」

男「お、ありがと。浦島太郎の行った?」

桃「その通りです」

男「どうやって行くの、亀を助けるとか?」

桃「いいえ。旦那様の下宿へ行ったときと同じです」

男「……へ?」

桃「ふふ……掛け軸を使うんです」

~1の間~

男「持って来たよ……これかな」

桃「はい『善男、亀を助ける』の掛け軸ですね」

男「これを、床の間に……かける」

ひゅうぅぅ……

男「おお、掛け軸が少し風で揺れるな……もう行けるのか」

桃「はい、行ってらっしゃいませ」

男「ええ!? 桃も一緒じゃないの?」

桃「わたしたち桃の精は……竜と仲がよくないんです。なにかひどいことされるわけではありませんけど、あえて行くこともないでしょう」

男「ん……それなら仕方ないな。座敷童は来てくれない?」

座敷童「いやじゃ」

男「なんで」

座敷童「腹もすいとるし、なによりわしは、留守番が仕事じゃからな」

男「……むぅ」

座敷童「ほれ、さっさと行ってこい!」

男「わ、押すなって……わあああ!」

ひゅうぅぅぅ……

桃「……さて、座敷童さん」

座敷童「なんじゃ?」

桃「辞世の句は詠まれますか?」チャキ

座敷童「へ? も、桃! なんで刀を構えおる?」

桃「問答無用です♡」

座敷童「ちょ、待て桃、話せばわか……ぎゃあああああぁぁ」

………………
…………
……

~竜宮?~

……ひゅぅぅぅううう どしん!

男「ぐえっへ……いたた」

男「何も突き飛ばすことはないだろうに……ん?」

男「なんだここ? 通り抜けてきたところに掛け軸がかかってるな『善男、竜宮を楽しむ』か」

男「そして振り返れば……」

男「……」

男「図書館?」

床からかなり高い天井まで、ぎっしりと詰まった本棚が並ぶ。

一応、部屋の反対側の壁は見えるが、かなり広い部屋に本棚が並んでいるらしい。

男「赤い漆塗りの本棚か……天井の細工は中国風というか、大陸風というか」

男「まあ、竜宮城の図書館なんだろうな……しかし」

すっと、手近な本を手に取る

男「『カイ×レン レッツお兄チャンバラ!』……うーん」

男「『斎剣 幕末の蜜事』『タイバニ!』『平等院鳳凰堂×法隆寺』……ううむ?」

男「これ……ぜんぶ……bl?」

???「何者か!」

男「ん?」

???「わらわが何者かと聞いておる! 答えい!」

男「え、ええと……男って言います」

???「キサマ……私の秘密の書架にどうやって入った!?」

男「ちょ、まって……君は?」

???「わらわか? ほほほ、聞いて驚け、竜宮の乙姫とは、わらわのことじゃ」

男「……えー」

乙姫「なんじゃ、その反応は?」

男「乙姫様が、blって……えー……」

乙姫「なんだ、文句があるのか?」

男「うん、まあ。ないわけじゃないかな」

乙姫「なんじゃと!? blの何が悪い!」

男「だって、作者の意図を無視して勝手にキャラクターくっつけるだけならまだしも、気にくわない展開なら漫画家、小説家にカミソリ送りつけるって言うじゃん……ないわー」

乙姫「むぐ!? ぬぬぬ! blを愚弄することは、わらわを愚弄するに同じ! 衛兵! かまわぬ、入って参れ!」

男「へ?」

タイ「乙姫様、いかがなさいま……ややや!?」

ヒラメ「くせ者! であえ! であえ!」

タコ「乙姫様をお守りしろ!」

男「え、待って、……ぐへあっ!?」バシ! ボカ!

乙姫「ほっほっほ、死なない程度に痛めつけて、海に放り出してしまえ」

男「え、やめて、死んじゃう! おげっ!」ゴチン!

乙姫「死ぬがよかろう? わらわの逆鱗に触れた報いじゃ」

男「ちょ、おれは人捜しに来たんだって、おい、話を聞いてくれ、あああ……」

~竜宮の裏門~

???「うーん、材が古くなってますね……漆を塗り直すより、きっちり立て替えちゃった方が早いかもしれません」

???「……おや?」

男「ちょ、離せって! おれは人捜しに来たんだよ!」

タイ「へッ! 人捜し? 泥棒がよく言うぜ」

ヒラメ「ひな様が竜宮にお住まいだなんて、みんな知ってることだろ?」

タコ「苦し紛れのいいわけしやがって……サメのエサにでもなっちまえ!」

???「お待ちなさい」

タイ「……へ?」

???「その方は、私を探しているのですか?」

ヒラメ「ひ、ひな様!? どうしてここに!?」

男(ひな様……この人が?)

ひな「裏門の木が傷んでいたのを思い出して、見にきていたんです……さあ、その方をお放しなさい!」

タコ「へ……へえ」

しゅるしゅる……

男「た……たすかった。ありがとうございます」

ひな「いいえ、この者たちが失礼をば……貴方たちは! ここがどこだかわかっているのですか!?」

タイ「そりゃあ、わかってますよ。竜宮城です」

ひな「ならば、人が容易に踏み込めないと承知でしょう!?」

ヒラメ「ええ、だからこそ、忍び込んできたコイツをつまみ出そうと……」ヒラヒラ

ひな「人が容易に来れない場所なら、この方がただの人だとお思いですか! さあ、お立ちになって……失礼とは存じますが、この気配、ただの人とは思えません。お名前は? どちらからいらっしゃったのですか?」

男「ええと……男って言います。マヨイガの修理をお雛様にお願いしに参りました」

タイ「マヨイガだって!?」

男「ええ」

ヒラメ「まさか、マヨイガから人が来るなら……つまり、あんたは……」ヒラヒラ

男「ええと、先日マヨイガを継ぎました。一応、当主です」

タコ「……」サー…(|||○コ○)

ひな「ほら! 言ったとおりでしょう!」

男「え、あの……どうしたんです?」

タイ「お、おれ……竜王様にご報告に行ってくる!」ピュー

タコ「おれ……おれは厨房に行ってくる!」ピュー  ミ(|||○コ○)

ヒラメ「お、おお、おれは、おれは……」ヒラヒラ

ひな「あなたはこの方を竜王様のところまでお連れしなさい。できるだけ丁重にね」

ヒラメ「は、はい!」

竜宮城は、海の底の白い砂に建てられていた。

かなり深い海の底のようだが、太陽光は地上と変わらず降り注ぎ、珊瑚や真珠に彩られた建物を輝かせる。

海底から少し上を、滑るようにヒラメは泳ぎ、男は空飛ぶ絨毯に乗るように、ヒラメにあぐらをかいていた。

男「ここも一応水の中なんだな……息ができるから気付かなかった」

ヒラメ「地上からお客様が見えることもありますから。竜宮城の水は少しばかり特別なんです」ヒラヒラ

男「はあ……もちろん外に出されたら、おぼれ死んでたわけだよな?」

ヒラメ「ど……どうかお許しを」ガクガクブルブル

男「いや、もう怒ってないからさ」ポンポン

ヒラメ「うう……ご当主様が、おやさしい方でよかった……あ、本殿が見えましたよ」

男「うわぁ、すっげえ……」

ヒラメ「四海一の宮殿ですからね……さあ、一気に行きますよ」ヒラヒラヒラ……

~玉座の間~

宝石と珊瑚のあふれる広大な部屋には、豪華絢爛な竜王の玉座が置かれていた。
しかし、竜王はその巨体を玉座ではなくその前の床に跪かせ、男を出迎えた。

竜王「ご当主殿……ご無礼のほど、お許し願いたい」

男「ちょ……そんな、お顔をあげてください! 乙姫様の……ええと、書斎に忍び込んだ俺の方が悪いんですから!」

竜王「いいえ。ここは陸より遠く離れた海の底。人の技で来ることは適いませぬ。この城に人が来たなら、その方は得がたい善男善女か、修行を積んだ仙人様か、我らにゆかりのある方だと、そう考えねばならぬといつも申しておるのですが……連れて参れ!」

エビ「は!」

男「あの、俺は別にいい人間でも、仙人でも、妖怪の血を引くわけでもないんですが」

竜王「しかし、マヨイガのご当主殿であらせられるのは灯台よりも明らか……のう、乙姫よ」

乙姫「むぐ……」

竜王「この……大馬鹿ものが!!!」

乙姫「ですが、父上!」

竜王「だまれい! あの書庫に人が来るならば、マヨイガよりの使者であると、子供の頃に散々教えたであろう!」

乙姫「そんな、昔のことなど……憶えて……」

竜王「ええい! 黙れ黙れ! たとえ、たとえ書庫にいたのが盗人とだしても、父であり王である儂に話もせず、軽々しく死罪を下すとは、言語道断!!!」

乙姫「ぐ……」

竜王「だいたい! あのような本ばかり読んでおるから、馬鹿にもなれば婚期も逃すのだ!」

乙姫「な……blは関係ないでしょう!?」

竜王「ええい、その言葉も聞きたくないわ! 連善悪もわからぬ子供には、子供なりの罰がよかろう! 今晩は自室で飯抜きだ!」

エビ「……」プクク

カニ「……」クスクス

乙姫「な……くうぅ……そこのおまえ!」

男「へ……おれ?」

乙姫「憶えておれ!」

男「……行っちゃったよ」

竜王「一人娘で甘やかしすぎたとは、常々思っておりましたが……まことに……お詫びのしようも」

男「あわわ、頭下げないでください……俺、人捜しに来たんです」

竜王「ええ、うかがっております……ひな殿をこちらへ」

ひな「ふふふ、もうここにおります。準備は済みました」

男「う……わ、すげえ」

艶のある長い黒髪、鮮やかな十二単……その姿はまさに

男「お雛様だ」

ひな「マヨイガのお手入れでしょう? 日の暮れる前に参りましょう」

竜王「なるほど、ひな殿の腕を。材料はいかがされる? 柱に使う珊瑚なら、ご当主殿のお言いつけどおりに用意致すが……」

男「いえ、そんな……俺、家のことはさっぱりで」

ひな「せっかくですが竜王様、マヨイガは木の家ですゆえ、柱を珊瑚にしては、そこだけ目立ってしまいますわ」

竜王「うむ……それならしかたない」

男「でも、おひな様。木を探さないとって、マヨイガの同居人に言われてるんです」

ひな「うーん、どれほどお手入れしなくてはいけないのかで、用意する材料もかわりますから……」

男「あ……そうですね」

ひな「善は急げ、と申します。さっそくうかがってもよろしいですか?」

男「そりゃあもう、ぜひお願いします」

竜王「うむ、ご当主様がそうおっしゃるなら、ぜひまたお越しください」

ひな「それでは竜王様、行って参りま……」

タコ「えええー……もう作っちゃいましたよー」( ○コ○)

男「え? うわ! すげえごちそう」

竜王「これタコ。ご当主殿はお急ぎだ。無理に引き留めるのは失礼と思わぬのか」

タコ「そりゃ……そうかもしれませんが……うう」( ;コ;)

ひな「……うーん、タコさん、そのお料理を大きな重箱に詰めるだけ詰めてくださらない?」

タコ「へ? ……わかりました。おやすいご用です!」ピュー ミ( ○コ○)

ひな「すこしだけ、お待ちください」

男「いいですけど、またどうし……」

タコ「お待たせしました!」ムッフー( ○コ○)=3

男「おお、重箱……でか!?」

ひな「20人盛りほどでしょうか……さすが手早いですね」

タコ「おみやげですね! さすがはひな様。わかってらっしゃる……はい、ご当主様、どうぞ!」

男「おおおお? 重ッ!? すごいなぁ。いただきます」

ひな「では、竜王様、行って参ります」

竜王「ええ、お気をつけて。ご当主様も、いつでも来てくだされ。次こそは、きちんと歓迎致します」

男「ええ、ありがとうございます……では」

~乙姫の秘密の書庫~

ひな「うわぁ……これはひどいですね」

男「趣味に口出しはしたくありませんが、さすがにこれは……ですよね」

ひな「ううん……ともかく、マヨイガに行きましょう」

男「ええ、この掛け軸をくぐれば……よっと」

ひな「私も……ひゃっと」

…………

乙姫「なるほど、あそこから入ってきたのか……ふふふ、見ておれよ」

………………
…………
……

~マヨイガ・一の間~

男「よっと……帰りは普通だな」

ひな「わあ、久しぶりのマヨイガ! ……うーん、いつ見ても良い木を使ってますねえ」

男「へえ、やっぱりわかるんですか……おーい、ただいまー お客さんだよー」

ひな「そんな、お客だなんて……私は大工に来ただけです」

男「なら、よっぽど大切なお客さんですよ……おかしいな、桃も座敷童もいない」

ひな「こちらの……二の間、三の間のふすまが開いていますね」

男「ですねえ……こっちにいるのかなあ」

~二十四の間~

男「……」ボーゼン

ひな「……」アゼン

男「な、なんじゃこりゃ」

ひな「二十四の間が……ない」

二十三の間のふすまを開けると、そこには空と地面と土、少し離れたところに、二十五の間の銘がかかったふすまが見える。

男「二十四の間だけ切り出して、ここだけなくなちゃってるんですよ……なんでまた……あ」

ひな「あら、桃ちゃん」

桃「ひな様、ご無沙汰しておりました。お帰りなさいませ、旦那様」

男「あ、ああ……桃、これはどういうことだ?」

桃「なにって、座敷童さんが鬼ごっこで暴れて、二十四の間だけ壊してしまったんじゃありませんか……がれきの山だったので、この部分だけ片付けたんですが……素人がやるべきじゃありませんでしたか?」

ひな「いいえ。土台はのこってるし、二十三の間と二十五の間、それぞれから梁も出てるから大丈夫……むしろ、片付けてくれてありがとう」

男「なあ、座敷童はどこだ? それに、鬼ごっこなんてしてねえぞ?」

桃「なんですか? 旦那様」ニコ

男「……あ、そうそう! 鬼ごっこだったなあ!」

ひな「ん? まあいいです。しかし、二十四の間が丸ごとないなら……家一軒とは言いませんけど、少し材料が要りますね」

桃「ああ、やっぱり……近くの山から切り出しますか?」

ひな「いいえ、マヨイガは木を選びますから……私に案があります」

ぐうぅぅ……

男「……」

桃「その前に……お昼にしましょう」

~囲炉裏の前~

今日のお昼

山菜の天ぷら 菜の花のおひたし だし巻き卵
キノコの炊き込みごはん お味噌汁 桃の葉茶

ひな「……おいしい」

男「うん、香りが良いな」

桃「ありがとうございます」

ひな「竜宮のお料理はさすがに豪華だけど、お魚ばかりでお野菜がなくて……はあ、おひたしが……おいしい……」モグモグ

桃「春のものですからね」

男「春……春か。そういえば、なんでおひな様って、大工仕事が得意なんですか?」

ひな「おひな様……ううん、ご当主様、いけません。ひなってお呼びください」

男「え……ええ……だって、こんなにおひな様なのに……うーん……ひな?」

ひな「はい、ご当主様♡」

男「うぐ……」ドキ

桃「……」ズイ

男「ん、桃、ありがとう。でも、まだおかわりは……」

桃「……」

男「……いただきます」マグマグ

ひな「そう、大工仕事でした……私は、いまこそこんな格好をしておりますが、もとは藁でできた人型なんです」

男「ヒトガタ……まさか」

ひな「ふふ、よくご存じで。私はひな。雛人形の雛。厄と共に流される流し雛でもあり、時には人の大工さんが手助けに作り出す……使い魔のなれの果て、とでも言いましょうか」

男「大工が人形に魂を吹き込んで人足にするとは聞いたことがあるけど……それも流し雛……だから竜宮にいたのか」

ひな「はい。人里に呼び出されても、最後には川から海に流されるので、海神の縁者として、竜王様から部屋をいただけたのです」

男「なるほど……だから」

ひな「なんだかお恥ずかしい、自慢するようで恐縮ですが、大工の腕には自信があります。今はお伊勢の建て直しもおわって、手がすいてるんです。材料さえをそろえば、今すぐにでも」

男「そう、その材料なんだけどさ……あの重箱を使うの?」

ひな「はい」

男「どうやって?」

ひな「ご当主様に、もうひとたびお願い致します。天狗の山に行っていただきたいのです」

男「天狗の山?」

桃「人の踏み入らない山奥の奥、日本一の巨樹の森です」

ひな「残念ですが私たちは同行できません」

男「またか……どうして?」

ひな「山の神様たちは、かなり気むずかしい方が多いのです。とくに女性が入ると、まともに交渉もできません」

男「え……大丈夫かな」

桃「旦那様、ご先代も天狗の山になんどか足を運ばれたそうです」

男「なにをしに?」

桃「大天狗さまに、インタビューをしたとか……しなかったとか」

男「ああ、あの爺さんならやりかねないな……でもまあ、爺さんで大丈夫なら、俺だってなんとでもなりそうだな」

ひな「くれぐれも気をつけてくださいね……そうそう、あの重箱を持って……桃さん、申し訳ありませんが、お酒をひと樽いただけますか?」

桃「ええ、かまいませんが……なるほど」

ひな「ふふふ、わかりましたか? あの重箱いっぱいのごちそうと、お酒と……」

桃「それなら、アレも用意しますね」

男「アレ? なんだよ、アレって」

ひな「アレですか……なるほど、桃ちゃんも悪くなったわねぇ」

桃「おひな様こそ……ふっふっふ」

男「な、なんなんだよお前ら!」

ひな「ごちそうさまでした。さ、お出かけの準備をしてください、ご当主様」

桃「ごはんもまだまだ残ってますし、囲炉裏の火も十分強い……すぐ作ってしまいますね」

ひな「ええ。お味噌を多めでお願いね」

~二の間~

男「こんどの掛け軸は『神仙、深山に霞を愛でる』か」

男「まあ、水墨画だな……しかし……お……重い」

桃「二十人前の重箱に、樽酒……それほど歩くこともないでしょうから」

男「そう願うよ……というか、アレって結局焼きおにぎりなのか」

ひな「ふふ、それさえあれば、他のものは要らないかもしれませんが……あとは、お教えしたとおりに」

男「うん、わかった……よっと」ヨタヨタ

桃「はい、掛け軸持ち上げている間に、どうぞ」

男「おう、よいしょっと!」

ふよん ふよん ふよん……

………………
…………
……

~天狗の山・庵~

……ふよん ふよん ふよん

男「うわっとっと……ここは」

男「誰かの家……か?」

男「小さなかまどに、板張りの床……壁には木の実とか、魚の干物、あれは熊の毛皮かなあ」

???「んー? 誰かいるのか?」

男「あ……はい! お邪魔してます」

???「ありゃま、オレの小屋から聞こえるな……ちょっと待っててくれ。いま水浴びしてんだ」

男「はーい、あの……そちらに行きましょうか?」

???「いや、いい。その声は人だろ? 外は寒いからな。囲炉裏の火に当たっとけ。炭も足して良いからよ」

男「は、はい……すっごいでかい声だな」

???「おーい、聞こえてるぞ」

男「あ、すみません!」

???「あっはっは! オレの耳は地獄耳だからよ、あんまりうかつなことはいわねえほうが身のためだぞ」

男「は……はい」ゾ……

男(なんなんだ、この相手……天狗の山って言ってたから、天狗なんだろうけど、この声は天狗って言うより鬼みたいな……)

???「……はー、さっぱりした。悪いな、客人を待たせちまって」

男「あ、いえ……」

???「どうした? オレの身体、まだ汚れてるか?」

男「……!?」

庵の入り口から入ってきたのは裸の女だった。

波打った白い髪を肩の高さで切りそろえ。

冷たい水を浴びたからだろうか、きめ細やかな肌には赤みが差している。

しなやかさと力強さを兼ね備えた、均整の取れた美しい四肢、張りのある大きな胸、まろやかな尻。

引き締まった下腹部には、その場所を丁寧に縁取るように、髪と同じく白い柔毛が生えている。

その相手は美しかったが、なめらかな背中には、髪と同じく真っ白い鳥の翼がはえており、

なにより異様なことは、その女の背丈……どう低く見積もっても、確実に2メートルは超えている。

男「あ……俺……」

???「ん? ああ、ぱっと見人間だけど……マヨイガの人だろ? どうした、病人でも出たか?」

男「いえ、そうじゃないんです。マヨイガの一間が壊れたので、その建て直しのための木を分けていただきたいんです」

???「ああ、そうか……んー」

男「ああ、これは心ばかりのお礼です。重箱に料理、こっちの樽は酒で……」

???「いや、そっち……その風呂敷包み。へえ、焼いた握り飯か! ……あんた、もしかして新しいマヨイガの主か?」

男「へ? はい……一応」

???「おーおー……ふーん、気に入った! 若いし! 名前は?」

男「男って言います」

???「男か! オレは狗賓ってんだ! よろしくな!」

男「狗賓さん……はい、よろし……げほぁ!?」

狗賓「なんでえ、堅苦しい! 呼び捨てでいこうぜ! なあ男!」

男「あ……うん。そうだな。よろしく」

狗賓「よろしくな、はい、握手!」ぎゅむっ!

男(うおわ、手もでかい……俺の倍はあるなあ)

狗賓「よーし、そうと決まれば、早速飲むか!」

男「おう! ……え?」

狗賓「ほらほら、座った、座った!」

男「えええ、ちょっと、まだ昼間」

狗賓「細かいことは気にするな!」

男「木をもらわないと!」

狗賓「木を斬るのは大仕事だぜ! 腹が減っては何とやら! それに焼いた握り飯は、冷める前に食ってやらないとかわいそうだろ」

男「なら、せ、せめて服を着てくれ!」

狗賓「ん? んー」

男「な? すっぽんぽんはさすがに……」

狗賓「これは……さーびすだ!」スッポンポーン!

男「えええええー!」

狗賓「よっと……」カポン

男「うお……」(あの樽を、素手で開けたぞ……)

狗賓「んんー! 米の酒の匂いだ! ……ええと、茶碗でいいか」

男「直に掬うのかよ!」

狗賓「細かいことは気にするな! ほれ」

男「うおお、どんぶり一杯の日本酒……」

狗賓「では、オレたちの友情、マヨイガの繁栄と修理の成功、それと、えーと」

男「天狗の山の木が、もっともっと茂りますように」

狗賓「いいなそれ! 山の木が、もっと高く伸びますように! 乾杯!」

男「乾杯!」

狗賓「んぐんぐんぐ……ぷはあ!」

男「んぐんぐ……んぐんぐ……ぷふぅ!」

狗賓「お!? なんだよ男! 飲めるじゃん!」

男「この酒、美味いよ!」

狗賓「だよなあ! ほれ、もう一杯!」

男「うおっと、じゃあ狗賓も、もう一杯!」

狗賓「おっとっと、んぐんぐ……んー♡ 美味い! つまみも開けるか!」

男「そうだな。この重箱は竜宮のおみやげで……」

狗賓「握り飯ー♡ うめえー♡」

男「聞けよ!」

狗賓「えー、竜宮の土産なんて、白い煙でも出るんじゃねえの?」

男「出るか、バカ。これはな……ほら」

狗賓「お……おおお! 海の幸が輝いてる!」

男「な、美味そうだろ?」

狗賓「うん、確かに美味い」

男「あ、一番美味そうな伊勢エビとりやがった」

狗賓「いいじゃねえか、オレへの土産なんだろ?」

男「あー? 細かいことは気にすんな!」

狗賓「オレのマネ真似するなよ、山彦かよ!」

男「うるせー! 伊勢エビ半分よこせ」

狗賓「仕方ねえなあ……ほれ」

男「おう、って 本当にくれるのかよ」

狗賓「いいじゃねえか、食ってみ、美味いから!」

男「どれどれ……うん! 美味い!」

狗賓「うおわー!」

男「なんだよ」

狗賓「まじで食いやがった! 間接キスー!」

男「え、おまえがよこしたんだろうが!」

狗賓「間接は間接だもんなー……でも、美味いだろ?」

男「うん。メチャクチャ美味い」

狗賓「握り飯も美味いし、酒も肴も最高だ! ありがとな、男!」

男「ん? おう! 良い木を頼むぜ!」

狗賓「任せとけ! ほらもう一杯!」

男「おっとっと……じゃあ狗賓にももう一杯!」

………………
…………
……

……
…………
………………

男「ひっく……うー……飲んだ」

狗賓「食った食った……腹一杯だ」

男「重箱も焼きおにぎりも、全部食っちゃったもんな……ひっく」

狗賓「酒も……んっく、んっく……ぷはあ! これで終わり! ごちそうさまあああああ!」

男「おおおう! おそまつさまあああああ! ……ひっく」

狗賓「ふうー……ああ、日も傾いちゃったなあ」

男「ん? んー……なんか忘れてるようなー……あ、木!」

狗賓「そうだ、それ! 今から切りに行こうぜ!」

男「ひっく……いまから?」

狗賓「おーう! 後回しにするとめんどくさいからな!」

男「そっか……ひっく、行くかー!」

~天狗の山~

男「ひっく! うおー でっけえ木! しかもぐるぐるまわってるー」

狗賓「ばかやろー、それは男がまわってんだよー!」

男「おーそーか! てか、服着なくて良いのか?」

狗賓「いーのいーの! 細かいことは!」

男「気にすんなー! ……ひっく」

狗賓「んー……とりあえず、これ斬っとくかー」

男「おう……ひっく、いい感じの木だけど。太さだけで家一軒入るぞ? こんなの斬れるのか?」

狗賓「まかせとけー!! おっりゃああ!」

……ッッピュン!

男「へ?」

ギギギ……ギゴゴゴゴゴ……ズズズズズーン!

狗賓「ざっとこんなもんよーう!」

男「うおー! すっげえ! ……ひっく」

狗賓「すげえだろう? コレが噂の天狗倒し!」

男「切り口すべすべだもんなー! ひっく どうやったんだコレ?」

狗賓「風を束ねて、ぎゅっとやるんだ! こんど男にも教えて……ん?」

男「どうした?」

狗賓「だめだ、納得いかない」

男「何が?」

狗賓「切り口が、水平じゃない。傾いてる」

男「えー、いいじゃんそれくらい」

狗賓「よかねーよ。プロの仕事ってヤツを、男にもみせてーしな!」

男「おう! ん?」

狗賓「よーし、つぎの木いってみよーか!」

男「次? うーん、材料は足りそうだけど……行ってみよー! ひっく」

狗賓「よっしゃー! 行くぜー!」

男「さっきより大きな木だ!」

……ッッピュン!

ギ……

男「……あれ?」

狗賓「おいおい、まじかよー、手元が狂った」

男「天狗の手元も狂うのかー ……ひっく」

狗賓「いつもなら、このくらいの木、一発なんだけど、おかしいなあ」

男「酔ってんじゃね?」

狗賓「はあ? 酔ってねーし! ぜんぜん余裕だし!」

男「酔っ払いは、みんなそう言うんだって」

狗賓「るせーな、もう一回!」

……ッッピュン!

男「お」

ギギギギ……ズズズズ……ズーン!

狗賓「切れたー!」

男「うし、それじゃあさっきの木と合わせてー ……ひっく!」

狗賓「んー、だめだ! 一発で成功しないと」

男「はあ? そういうもんなのか?」

狗賓「そういうもんだー!」

男「よし、つぎいってみよー!」

……ッッピュン!
ギギギ……ズーン

狗賓「倒れ方が気に入らない!」

男「よし、次!」


……ッッピュン!
ギギギ……ズーン

狗賓「うろも一緒に斬っちまった。こりゃだめだ」

男「次!」


……ッッピュン!
ギギギ……ズーン

狗賓「あー……うーん、もう一本!」

男「つーぎ! ……ひっく」

………………
…………
……

……
…………
………………

……ッッピュン!
ギギギ……ズーン

狗賓「なーんかなー」

男「よし、次……ん?」

狗賓「どうした?」

男「なんかさ、もう、でかい木、なくね?」

狗賓「ん? あー、ほんとだ」

男「ちょっと斬りすぎたかな。ひっく」

狗賓「だなあ、ちょっと休憩ー」

男「そうだな……って、切り株の上に寝るのかよ」

狗賓「ふっとい木だからな。オレが寝てもぜんぜん余裕がある」

男「そうだなあ……じゃあ俺も……おー、切り口すべすべ!」

狗賓「だろー?」

男「狗賓、すげえなあ!」

狗賓「んー、いつもはもっと上手いんだけどな」

男「酔ってるんだって」

狗賓「かもなー」

男「お、認めた……ひっく」

あれ? エロに入る前に、眠いね

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