【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★13【安価】 (1000)

・艦娘×提督の学園もの
・全然艦隊とか関係ありません
・エロ、グロといった描写があるかもしれません
・なんかドロっとしているかもしれません

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前スレ

【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの【安価】
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【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★8【安価】
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ヒロインまとめ(○はエンド艦娘、次回登場は不可、○付いてない子は出せます)


【1周目】

電(幼馴染)         
浜風(娘)          
あきつ(後輩)         
足柄(先輩)          
○青葉(同士)   



【2周目】

大和(管理人)       
○不知火(親友)      
飛鷹(教師)        
五十鈴(転校生)       
北上(同居人)       


【3周目】

雷(クラスメイト)       
球磨(スラッガー)      
間宮(バイト先の店長)   
○那珂(超人気アイドル) 
阿武隈(義妹)        


【4周目】

陽炎(幼馴染)        
川内(学生であり怪盗)  
卯月(妹分)         
榛名(後輩)         
○暁(妹)           


【5周目】


初春(宇宙人)
叢雲(↑のライバル)
長門(ながもん)
響(帰国子女)
山城(元カノ)

BAD。


【6周目】


千代田(義妹)
吹雪(親友)
赤城(大食いチャンピオン)
由良(後輩)
古鷹(フライフェイスとオッドアイの演劇の天才)

BAD。


【7周目】


比叡(記憶喪失・幼馴染)
○漣(家政婦)
明石(近所のお姉さん)
大井(クラスメイト)
レ級(クラスメイト)

【8周目】

○明石(義姉)
鈴谷(同居人)
文月(姉)
熊野(財閥令嬢・崩壊寸前)
白露(クラスメイト・電波)


【9周目】

○潮(従妹)
村雨(幼馴染)
鳳翔(先生)
朧(後輩)
武蔵(応援団長)


【10周目】

深雪(親友)
曙(従妹)
大鯨(母)
翔鶴(弟の彼女)
瑞鶴(弟の彼女)

BAD。


【11周目】

伊58(未亡人)
隼鷹(お嬢な同級生)
○初風(面白い同級生)
蒼龍(担任)
ビスマルク(留学生なお姫さま)


【12周目】

阿賀野(いつもニコニコガチサイコストーカー)
○瑞鳳(いじめられっこ)
龍驤(陰陽師)
睦月(おなちゅー)
翔鶴(従妹で居候な部活の後輩)


【13周目】

舞風(殺し屋)
羽黒(許嫁)
雷(幼馴染)
霧島(生徒会員)
荒潮(未来からやってきた娘)


いまここ。

書き込もうとしたら1000で弾かれてムカついたんで1レスだけ つーかまだ途中なんだけどこの話既に1000行近いんだよね 続きは今スレ埋め…られたら

【埋めネタ 曙BADあふたー】


「…………ん……む……ちゅるー…」

「……おい」

「ちゅ…ふぁへ?ほひはー?(あれ?起きた?)」

朝。

目覚めるなり感じた違和感。

いや、違和感で目覚めたと言った方が良いか。

そして視界に入る、俺の股間に顔を埋めた瑞鶴。

いつもはツインテールに縛った髪が太ももの辺りで垂れてくすぐったい。

「……何やってんだ」

「…ほひ……ぷはっ、えへへ、朝ふぇらー」

その生臭い棒から口を離して、にたーっと笑う。

朝からなんて顔してんだこの女は。

「…やめろ、何か起きるなり気持ち悪い」

うんざりであるというジェスチャー代わりに頭を抱える。

それにあれ、と不思議そうに彼女は首を傾げた。

「……男の夢って書いてたよ?」

「参考までに聞く、何処にだ」

「……パソコンだけど?」

「…そうか、お前は騙されたんだよ、残念だったな」

「嘘っ!?」

馬鹿は大袈裟にショックを受け、そのまま布団に倒れた。

…いや実際結構気持ち悪いんだよ、あと心臓に悪い。

三大欲求は同時に満たそうとするもんじゃない、というフロストだかノズルだかそんな名前の精神学者からのアドバイスだろうか。

過ぎたるは及ばざるが如しという名ゼリフを知らないのかよ。みたいな感じの。

ましてやここ最近は性欲なんかよりも睡眠欲のほうがよっぽど大きいので尚更である。

…枯れてるよなぁお前、とは最近連絡を取っていない親友の言葉だったか。

とりあえず、こうしていても埒が明かないし、なんか襲われそうで怖い。

無理矢理躰を起こして立ち上がり、背伸びをする。

「……コーヒー飲むか?」

「飲むっ」

先程までの朝フェラに対するこだわりはどこへやら。

コーヒーコーヒーと嬉しそうに頭を揺らす。

そこまでするならもう自分で淹れろよと言いたい。

「…砂糖とミルクは」

「ましましで!」

その問いに、間髪入れず馬鹿は答えた。

全裸の痩身を隠すこともせず、大きな動作で手を挙げた。

いややっぱ1レスって気持ち悪いななんか ごめん、とりあえず区切り良いところまで投下しとく、もう埋めネタじゃなくなってきたなぁ…


「…りょーかい」

もはや溜息を吐くのも面倒くさい。

怠い身体を台所まで引き摺り、コーヒーメーカーへ手を伸ばしかけて…やめた。

砂糖とミルクましましコーヒーの為にわざわざ淹れる必要も無いだろう、と。

いつまで経っても子供舌の抜けない女に、心の中で小さく舌打ちする。

そんな事を言いつつもしっかり面倒を見ている俺マジ天使。

もうミカエルの生まれ変わりかと見紛うね。

だがそもそもミカエルって生まれ変わるのだろうか。

なんてアホな考えをしながら、戸棚からインスタントコーヒーの粉を取り出して、ケトルの電源を付けた。

「…今日は学校か?」

「んー、1限から5限ー…死ぬうー」

「そうか…家、出てた方が良いか?」

「いるんだったら鍵預けとくけどー?」

「…そうだな、………いや…良い、少し行きたい所が」

「もしかして、翔鶴ねぇのとこ?」

「……まあな、金が無い」

「…ふーん」

瑞鶴はつまらなそうに一つ息を吐いて、机の上の煙草を取る。

慣れた手付きで火を点けたその先から、すぐに白煙が昇り始めた。

「…お前さ」

湯の沸かぬ電気ケトルに目線をやったまま、言葉を投げる。

「なーに?」

「いつから吸ってたっけ、煙草」

「…知らない、いつからだろ」

少なくとも、20よりは前だね―と笑う。

20より前も何も、まだお前は20になっていないだろうが。そのツッコミもやはり心の中で。

にしても、吸い始めた頃のこいつは―確か、ゲホゲホと不味そうに煙を吐いて居たはずだったが。



「吸う?」

わざわざ台所まで歩いて来た瑞鶴が、煙草の箱を此方に向ける。

いつの間にか全裸はやめたらしく、黒いジャージを肩に羽織っていた。

しかし家の中とはいえ裸にジャージの上着一枚で歩きまわるのは如何なものだろうか。

なんというか下が全く隠れていない。これぞ痴女である。痴女一号である。

いっそこのままマンションの廊下に放り出してやりたい。

浮かんだそんな益体のない考えを首を振って払い、差し出された箱の中から一本を抜き取って口に咥えると、彼女は大仰そうにライターでそれに火を点けた。

「ささ、あにきー」

「………何だ、そりゃ」

「なんだろ?」

「…俺に訊くな、それより服くらいまともに着たらどうだ」

「…むー、そんなに見たくないのかー」

「生憎今は食欲しか湧かない」

「……へいへーい、んじゃついでにシャワーでも浴びてくるねー」

身体を押し付けてくる瑞鶴を適当に振り払う。

それに彼女は不満そうに声を出すと、怠そうにリビングを出て歩いて行った。

…というか飯の前に歯ぐらいは磨いたほうが良いと思う、さっき変なものしゃぶってたし。

と、彼女が出て行ったのを確認して、冷蔵庫の中から卵とベーコンを取り出す。

食パンをトースターに入れ、フライパンを火にかける。

慣れたものだ。慣れたくなどなかったが。



曙を殴ったあの日から。

俺が空っぽになったあの日から。

もう、何年経つだろうか。

いつの間にか、煙草を吸うのは合法になって。

そんな歳になっても、俺は何もしていない。

学校にも行っちゃいないし、仕事もしていない。

ただ、こうして生きているだけだ。

空っぽ。

その言葉が、妙にしっくり来た。

思えば、あの時の曙の言葉は、最後のチャンスだったのだろう。

今の俺は、どうしようもなく空だった。

元々、あの時だって目的なんて誰かを貶めることだけ。

ただ、その為に生きてきたような物だった。

自分の未来からは、ひたすらに目を逸らして。見ないでいて。

そんな日常を送る間に、周りの人間はどんどん遠くへ進んでいく。

空っぽの俺を置いて。

だけど。

それでいい。それでいいんだと。

あの時の俺は、確かにそう言ったはずだ。

なのに後悔するのは、未練を捨てきれないのは。

そんな自分に笑いすら溢れる。

それこそ、今更だというのに。

「……ん、沸いたか」

ケトルの電源が切れた。

パチッという音で、意識が戻される。

薬缶を掛けないでいい、というのは便利なものだ、文明に感謝。

「ああ、粉入れねーと、あいつのカップは…」

それも自動化すりゃいいのに。

どこまでも楽する事を考えながら、食器棚へと手を伸ばし。

でかでかとデフォルメされたキャラクターのプリントされたマグカップを取り出した。

「しっかし…」

いつ見ても趣味の悪い物だ―と。

インスタントコーヒーの粉をカップに注ぎながら、そのマグカップの持ち主を想った。




瑞鶴。

空の少女。

彼女もどうしようもなく空だった。

誰かに迎合して生きていく事しか考えていなかった。

彼女には、おそらく自分というものがない。

弟と付き合っていたのも――翔鶴の真似をしたかっただけだろう、と。

何度か会話を交わす内に、すぐに気付いた。

そして、その空っぽさが俺にとっては心地良かった。

相性が良かったのだろう。

歩むことを諦めた俺と、人に付いて行くだけの瑞鶴。

彼女と過ごす日々は、心地の良い停滞だった。

俺に何をしろとも何をするなとも言わない。

ただ、側で笑っている。

彼女は、一緒に居て苦痛を感じなかった。

どうしようもない俺を認めてくれる、それでいいと笑ってくれる。

温い、どこまでも温い水。

そこには、決して満たされる事のない器がふたつ。

ただ、ぷかぷかと浮いていた。

きっと、それは恋愛なんかじゃない。

憐愛―なんて、そんなもんに言い換えるのはただの言葉遊びだが。

「………げっ」

と、そんな考え事をしていたら不意に焦げ臭さを感じた。

その発生源は、フライパンのベーコンエッグから。

急いで救助を試みる。

「…うーむ」

だが、既に黄身は固くなっていた。

下に敷いたベーコンはカリカリベーコン最高だよなで誤魔化せるかもしれないが…。

あの女は、黄身が半生じゃないと一日くらい文句を言うようなやつだ。

「………」

少し思案して、再び冷蔵庫に手を伸ばす。

もう一度、ベーコンと卵を取り出した。

…こっちのは俺の分にしよう。俺も固黄身好きじゃねーけど。



「やっぱり醤油だねー」

もきゅもきゅと小さな口一杯でベーコンエッグを咀嚼する瑞鶴が言う。

「醤油?」

聞き返すと、まだ手を付けていない俺のベーコンエッグに食卓に置いてある醤油を勝手に回しかけた。

「って、お前」

「日本人なら醤油ですよ、醤油ー」

「…俺はマヨケチャップ派だ」

「……前から思ってたんだけどさ、卵の上に卵乗せるってどうなのよ」

「いいだろ、好みの問題だ」

「んー、なら、私の好みを好きになって?提督さん」

「重い女だな、お前」

「ふっふっふー…瑞鶴の愛は重いんだよー」

知らなかったのかー、と楽しげに笑う。

つられて、俺も笑った。

「最近、体重も増えたしな」

「うそっ!?」

「…腹がこう…ぷよーっと」

「……うえー…やだやだー…きーつかってたのにー」

「はは、冗談だ」

その言葉に、下に向けていた顔が弾かれたように上がった。

それと同時に俺に向けた視線は、どこか責めるような色を含んでいた。

「…てーとくさーん」

「くく、からかいがいがあって楽しいよ、瑞鶴」

「……むー…怒るぞー」

「…ま、お前はもうちょっと太るくらいした方が健康的だよ」

「…そうかなぁ、そんなに痩せてる?」

「ああ、主に胸部を中心に」

「…てーとくさんったらー!」

「はは」

もう一度、笑う。

意味なんて無い。

こんなやり取りに意味なんて無い。

それは彼女も知っている。

だけど、意味のないやり取りこそが俺にとって最も心地良い。

それも彼女は知っている。

だからこそ―彼女は笑うのだ、俺に合わせて。

それが、彼女の生き方。




「……ってー…あー…そろそろ時間、行かなきゃ」

「送って行こうか?」

「…やだ、恥ずかしー」

「…おいおい、俺も大学の中に入ってみたいぞ」

「入ればいいじゃん」

「お前の横が良いな」

「ふーん、んじゃ、横で授業受けてく?」

多分バレないよ―ニヤッと笑って、此方を見る。

「……遠慮しとく」

「あはは、やっぱり」

空になった食器を持って、瑞鶴が立つ。

台所にそれを置いてから、彼女は再び俺を見た。

「ね、てーとくさん」

「…ん?」

「翔鶴ねぇのとこ、行くんでしょ?」

「ああ……そのつもり、だが」

「…じゃ、伝言頼まれて?」

「構わんが…なんて?」

「…ふふ――」

口角を上げる。

笑みというよりも、威嚇の様な表情。

「提督さんは、私の物だから―って」

「……いつの間に?」

「最初っから!」

「…まあ…そういうことでも、良いけどよ」

しかし―俺が自分でそれを言うのは何だかなぁ、と。

そんな事を考えたのであった。



【つづく】

良い区切り、のはず
埋めネタの体をなして無いですね、ごめんなさい
まだもう一人の主人公が出てきてないけど許して
風呂ってきます

いい加減安価の時は末尾Oの書き込み無効にすればいいのに
不正安価と荒れの温床でしかない

>>42
参加できたところで末尾Oが安価とっても疑惑の種にしかならないんですがそれは
今回の舞風安価取ったのも直下のo君とちょうど同じ時間帯に湧いたやつだぞ?
これが羽黒派だったら即同時書き込みで手数増やそうとした認定でまた荒れるでしょ

糞スナイプだとしても安価スレである以上二刀流なんかよりはるかに正当だしね



舞風「殺せない」

提督「あ?」

そんな事を言った。

突然だった。

脈絡は―無かった、と思う。

それ程に、突然に振られた話題だった。

提督「…どうしたよ、いきなり」

舞風「…あたしは…提督のこと、殺せないよ」

言って、差し出したのは見覚えのある通帳。

それは果たして俺が彼女に渡したもので、渡した時から一切額も変動しちゃいない。

提督「……それは、つまり」

舞風「…依頼、断らせて」

提督「……ふむ」

てっきり、自分の中ではあれは既に受理された話だと思っていた。

…何より―俺は、彼女が俺を殺す、その姿を見たかった。

彼女は、救いだと言った俺を一体どんな風に殺すのだろう、と。

はっきりと目に焼き付けられるかは甚だ疑問ではあるが―それはとても美しい筈だ、そう思っていた。

提督「ダメだ、と言ったら」

舞風「…それは…結局、最終的にその決定権は、確かに提督にあるから」

4月に交わした契約。

それに書かれているのは、これを取り下げる時はあくまで俺の意思、ということ。

つまり、俺がわかったと首を縦に振らない限り―舞風は俺を殺さなければならない。

舞風「…殺すしか、なくなるね」

提督「そうだな、そうなる」

舞風「……でも、それはダメ、だったら、あたしは勝手に一人で先に死ぬ」

提督「…何だと?」

舞風「…貴方を殺すくらいなら、あたしは死ぬ」

舞風「貴方は、貴方だけは殺せないの」

舞風「…だから―お願いだから、取り下げてよ」

提督「……」

舞風「…今なら、あの時の提督の言葉、わかるよ」

舞風「……ね、提督、あたしの側にいてよ」

舞風「…生きようよ、一緒に、一緒にさ」

舞風「ねえ――――」


>>+1-5


A.…わかった。

B.……もう少し、考えさせてくれ。

C.突っ返す。

A.…わかった。(*1.5 500)


提督「…わかった」

舞風「………」

は、と息を呑む。

舞風が、隠し切れない喜色を覗かせた。

舞風「…じゃあ」

提督「……生きることにする」

ああ。

…生きたい理由が、出来てしまった。

それは喜ばしい事なのか、それとも煩わしい事が続いていくだけなのか。

だが、一応は今年の目標を達成したことになるのだろうな。

無駄に金が溜まった通帳を、乱暴に懐に仕舞う。

舞風「提督……」

提督「…何だ、泣くなよ」

舞風「…一緒に居てくれる、ってことだよね」

提督「そうなる」

舞風「…あたし、これからも一人じゃない、ってことだよね」

提督「…そうなる、のか?」

舞風「そう、するの!」

正面から、殺し屋は俺に抱きついた。

相変わらず平坦な躰だと思った。

そして、相変わらず美しいと思った。

…そうか。

まだ、生きていくのか。

途切れさせた筈のレール。

その先は靄がかっていて、何も見えなかった。




舞風→  500/500



【8月4週】


荒潮「ふふっ」

提督「…何だ」

荒潮「別に」

提督「…じゃあ、こっちを見て笑うな」

荒潮「ふふ、ごめんなさいねぇ?」

提督「……何なんだ」

訳の分からぬ女は。

その日、やけに上機嫌だった。



>>+4


舞風   500/500
羽黒   500/500
荒潮   106/500
雷     *29/500
霧島   *30/500

舞風

>>41 >>44

ごめんもう単発ってだけで…さっき少数少数騒いでた人どこいったの

>>103
\羽黒にヘイトためるのやめてくれよ…/(末尾O)

\羽黒派として辛いわ…/(末尾O)

>>108
ごめんどういう事?



その日は、突き抜けるほどの晴天で。

やけに屋敷の中が静かだった。

提督「…ん、て、ああ、時間ね、時間」

不思議に思って枕元のスマホを見れば、まだ6時を少し過ぎた所。

別に早く起きても意味などないが、目を覚ましてしまったものは仕方ない、と。

身体を起こし、窓を開いて外を見る。

提督「……?」

おかしい、と思った。

警備員がいない。

部屋から見えるあの場所には、人のいいおっさんたちが立っていたはずだ。

それに―この時間からでも庭で働いているメイドも。

父と母は…外国か、そういえば。まあ、いたとしてもわざわざ俺に姿を見せたりはしないだろう。

提督「…両親がいないから、休暇でも出したのか?」

んなわけはねーか、と心の中でツッコミを入れつつ、とりあえず飯でも食いに行こうと部屋の外へ歩を進める。

扉に手を掛けた。

よく清掃された、無駄に長い廊下が広がっている筈だった。

鏡のように磨かれた窓、高級な緋色の絨毯。

所々に飾られた花は、メイドのセンスの良さを伺わせる。

そんな、屋敷の廊下は。

提督「………………………え?」

端的に言って、地獄だった。

>>110
この手の奴のこと言ってんのかと思ったすまんな



赤だ。

赤。朱。紅。緋。

見渡せば、赤。

提督「…う、げ」

扉を開けるまで気付かなかったのが不思議なほどの臭気と、広がる異様な光景にえづく。

―何処かで、こんな光景を見た。

だけど、あの時よりも…ずっと、ずっと仕事が雑だ。

人。

人が人として、残っている。

二度と動くことの無い物が、刻まれて、抉られて、削がれて、転がっている。

何が――

いや、こんな光景を作り出せる人間など―

一人しか、いない。

美しい彼女だ。

赤く染まった彼女だ。

だけど、これは――

提督「…違う」

明らかに、以前と違った。

この光景には―まるであの時のような躊躇が感じられない。

苦しんで、狂って、それでいて正常に殺した彼女は感じられない。

これは―ただの作業だ。

いかに人を効率良く殺すか、それだけを追求された業でしかない。

ある意味で、これが本当の彼女、なのだろうか。

提督「……」

とにかく、此処でじっとしている意味は無い。

…何のためか、それを聞かなければならない。

彼女は、何処に居るのだろうか。

俺は――


>>+3(ラスト分岐)


A.羽黒の部屋へ。

B.舞風の部屋へ。

b


提督「………羽黒」

何故だろうか。

彼女は、羽黒の部屋にいる気がした。

そもそも、全ては。

その為だけに、これを引き起こしたような気すら。

提督「……っ」

床に足を取られながら、階段へ走る。

初めて、客室が遠く感じた。

――――――――――――

提督「羽黒っ!」

舞風「………あ」

羽黒「………」

乱暴に開いた扉の先。

居たのは二人。

眠る羽黒と、血塗れの舞風。

こんな事態だというのに、羽黒はスヤスヤと布団で眠っている。

いや――客室に近付く程、廊下が綺麗になっていった辺り、ここまで彼女は計算していたのかもしれない。

提督「…舞風、お前」

舞風「いーところにきたねー」

提督「……何をしてる?」

舞風「二人になるの」

提督「……二人?」

舞風「そう、邪魔なものは、いらないでしょ?」

提督「………まさか」

舞風「……ふふ、うんうん、そうだよ、そうなんだよ」

舞風「だから、皆殺したの」

凶器らしい刀を、腰に下げた鞘から抜いた。

既に何人も殺した筈のそれは、不自然なまでに曇りなく輝いていた。

舞風「…あたしは…勘違いしてた」

舞風「…こんな物いらないって思ってた、あたしを苦しめるだけだって思ってた」

舞風「……だけど、違った、気付いたよ」

舞風「貴方の、貴方の為に振るうなら――凄く、気持ち良いって」

舞風「…頑張ったよ、あたし、提督の為に頑張った」

舞風「後は――最後は、コイツだけ」

狂っていた。彼女は狂っていた。ただひたすらに、狂っていた。

それは、俺が狂った彼女を認めてしまったせいなのか――

そんな事を思いながら、何も出来ずに眺めていた。

振り下ろされた刃を、飛び散った赤を。

そして、倒れた舞風を。

コイツ(自分)



舞風「え――――――」

ぽすっ。

喩えるならば、そんな音。

舞風の胸に穴を開けたのは、そんなどこか間抜けな音。

その音がした方向―俺が入ってきた扉に向かって振り向いた。

提督「お、前――は」

荒潮「………そう、そういう事だったのね」

間抜けな音の発生源。

白煙を漂わせる拳銃を、掌で包んでいたのは。

隣の席の変な女。

荒潮―確か、そう彼女は名乗っていた。

荒潮「…お母さんの方、だったのかぁ」

何を言っているのかはわからない。

そもそも、此処にこいつがいるという事態から呑み込めていない。

提督「…な、お前、何をして」

荒潮「……正当防衛、かしら?…尤も、まだ私はあの中にはいないけどね~?」

提督「…待て、意味がわからない、というか、ああ、くそ、考えが」

荒潮「…この取り乱し様…すご~く珍しい光景だわ…ああ、保存したいわ、動画で…」

提督「何だ、どういう事――」

荒潮「…ごめんね、流石にここまで大きくなってしまったのは、きっと、私のせい」

荒潮「……てっきり、私は貴方が死ぬのを防ぐんだって思ってたのよ」

提督「…おい、説明しろって――!」

荒潮「だから…少しだけ眠ってて」

チクリ、と鋭い痛みが腕に走った。

視界が、歪んでいく。

荒潮「次に目を醒ましたら、全部、終わっているから」

提督「…お、い、ふざ……る、な」

荒潮「………だから安心して、――うさん」

彼女が、最後に言った言葉。

それは、混濁した意識に混じって消えていった。

その意識が完全に消える前に捉えたのは。

優しく笑う、変な女の横顔だった。

ふおおおお!
予想外だった

助けて荒潮えもん
エピローグは後で

14週目、一人目>>+4

一人目 大鳳(体育教師)


二人目>>+4

浜風
昼は同級生/夜は家庭の事情によりおっパブのホステス

二人目 卯月 お隣さん


三人目>>+4

浜風
昼は同級生/夜は家庭の事情によりおっパブのホステス

3人目 磯風 幼馴染

4人目>>+4

浜風
昼は同級生/夜は家庭の事情によりおっパブのホステス

4人目 飛龍 家庭教師

ラスト>>+4

浜風
昼は同級生/夜は家庭の事情によりおっパブのホステス

大鳳 体育教師
卯月 お隣さん
磯風 幼馴染
飛龍 家庭教師
浜風 昼は同級生/夜は家庭の事情によりおっパブのホステス

まーこれならいける
今回の週嫌だと思ったのは訳がわからないから
ただ一回進んでからブレるとどっちかが不幸になるのはわりとどの週でも一緒だから気を付けて
お付き合いいただきありがとうございました

なんかスマン
EDをとは言わない  おっぱいが見たい
おっぱいが見たい




【エピローグ】



「………ねえ、お父さん」

「んー」

「…ただいま、って言ってるのよ」

「……おー、帰ってたのか、久しぶり」

「…それが何ヶ月もいなかった娘に対する態度なのかしら」

不機嫌さを隠そうともせず、少女―荒潮が、壮年の男の膝の上に乗っかった。

「おい、何故乗る」

「だって、椅子がないじゃない?」

仕方ない仕方ない、と呟く少女に、眉目秀麗なその男は諦めたように溜息を吐いた。

「…ただいま、お父さん」

「おかえり、荒潮」

「……ごめんなさいね、意味は…なかったわ」

「…ん、そうか」

申し訳なさそうに小さな声で荒潮が言った言葉に、男は短く頷いた。

それに、荒潮が首を傾げた。

「…あら、怒ったりとか、しないのかしら~?」

「ま、何となくそんなもんだと思ってたからな」

「……一応、言い訳させてもらうとねぇ」

「ああ」

「…お父さんの言った事、曖昧過ぎたのよ~」

「……ん、まあ、そうだな」

「『俺を見とけ、死なないように』って…流石に少し適当すぎないかしら?」

「何で、もうちょっと詳細に指示してくれなかったの?」

「……そしたら…多分、変わるだろうから、な」

「…変わるって…変えるために私を送ったんでしょう?」

「俺の人生を勝手に変えられるのは、なんか嫌だったんだ」

荒潮が、思いっきり目を細めて頭を抱えた。

ついでとばかりに、男の膝の上に乗せた身体をこれでもかと体重をかけて沈める。




「…痛い」

「だったら最初から送らないでよ、そんなの意味がわからないじゃないの~!」

「……いや…変えたくなかった、そりゃ確かにそうなんだが…」

「…俺は、舞風を救いたかったんだ」

「……それ、お母さんを殺そうとしてた人?」

「…ああ」

「じゃあ、最初にそう言えば良かったでしょ?」

「…どっちも、俺の望みだったんだよ」

「…どっちも?」

「ああ、…変えたくなかったし、助けたかった」

「…だから…なるようになればいいと、それだけ思って送ったのさ、お前を」

「…………」

「…荒潮?」

「……傲慢ね、お父さん…神様にでもなったつもり?」

「は、時間遡行出来るような装置を作った時点で、俺は神様だよ」

皮肉だとわかっていて、男はその言葉に笑う。

そして、すぐにその笑みを引っ込めた。

「………ずっと、心残りだった」

「…あいつは…俺が殺したような物だったから」

「…あ、そ」

「…なんだ、興味なさそうだな」

「興味ないのよ、どうでもいいもの、私には」

「……ま、そりゃそうか」

ふぅ、と男が息を吐く。

それと同時に、彼らのいる部屋のドアがどこか控え目に開かれた。



「あの、提督さん…って、あれ、荒潮ちゃん、帰ってたの?」

「うん、ただいま、お母さん」

「おかえりなさい、どうだった、海外は?」

「…色々、勉強になったわ」

「そう、ふふ、良かった…丁度今から買い物に行こうと思ってたの、一緒に行かない?」

「勿論行くわ…ね、お父さん?」

「…俺もなのか」

「良いじゃない、ほらほら」

「…提督さん、ダメかな?」

「…わかったよ、わかったからそうやって断ると悪者みたいな空気を作るのはやめろ」

「ふふ、何時ぶりだろう、提督さんと一緒に買い物なんて」

「…去年の暮れ一緒に行ったろ、確か?」

「もう、随分昔のことじゃないですか…そうだ!ねえ、たまには一緒にご飯作りましょうよ」

「……勘弁してくれ」

「あ、それなら私も手伝うわ~!」

「ね、ほら、荒潮ちゃんもこう言ってるから…」

「……あーもう、わかったよ」

男は頷いて、渋々その提案に了承した。

多分それは、どこから見ても幸せそうな家族だったのだろうと思う。




【羽黒 HAPPYEND】

あ、>>3の○つきの子以外はいつでも出していいよ
別に連続でも構わんです
というかあの黄金銭闘士凄いっすね…

阪神おめこ
天道をひたすらしてた、やっぱ創造の方が好きかも
とりあえずどちらにせよ島津家マジぱねーです
始める



【4月1週】


「…ダメだったよ」

提督「…そ、そうだよな…俺も、入れなかったよ、店」

「…なんだよお前ら!俺の犠牲の意味ねえじゃねえか!」

「でもよー!いきなりあんな店、入れねーって!」

提督「だ、だよな…うん」

「ちぇー…俺は先生たちに夜に出歩くなってこってり絞られたのにさー」

「まー…、バイト代は旅行にでも使おうぜ?」

「…そうだな」

提督「…だ、だなぁ」

新学期。

そんな会話をしていた俺達。

その、少し後ろの女子グループの輪の一人。

浜風「――――」

提督「………」

彼女は、また同じクラスだった。

俺の視線がたまに合い、恥ずかしそうに目を逸らす彼女を見ると――

どうやら、アレは夢では無かったようだ。

「…おーい、何見てんだよ」

「アレだろ、視姦」

提督「うっせ、そんなんじゃねーよ」



>>+3


飛龍    **0/500
磯風    **0/500
卯月    **0/500
大鳳    **0/500
浜風    **0/500



卯月「およ、お隣さんではないですかっぴょん」

提督「卯月」

卯月「一緒に帰るっぴょん?」

放課後の開放感に包まれた昇降口。

丁度卯月も帰りらしく、そこでトントンと踵を叩いていた。

提督「そうだな、ご一緒させてもらうか」

卯月「んっふっふ、うーちゃんと一緒に帰れる事を光栄に思うが良いっぴょん」

提督「……主にどの部分をだ?」

卯月「決まってるっぴょん、このかわいいかわいいうーちゃんの―って、置いていくなっぴょん!」

なんという戯言を申しているのだろうか、この変な娘は。

さくっと追い越してやると、それを追って卯月が横に並ぶ。

卯月「ふぅ、もーちょいノッてくれてもいーっぴょん」

提督「わーうーちゃんかっわいー」

卯月「……提督さんアレっぴょん、前々から思ってたけどうーちゃんに冷たすぎるっぴょん」

提督「…お前みたいなタイプ苦手なの」

卯月「むー、それは由々しき事態っぴょん」

卯月「…どの辺が苦手なんだっぴょん?」

提督「そう…だなぁ、…アレだ、胸が平坦な所とか」

卯月「…………」

じとー。

兎娘に睨まれる。

しかし仕方ない、正直に言ったまでなのだから。

バストが大きければ正確度外視で俺はどこまでも付いて行くぞ。

卯月「…けっ、こーれだから男は嫌だっぴょーん」

つまらなそうに、卯月が自分の胸に目を向けた。

卯月「……そんなに平坦かなぁ」

提督「平らじゃないか」

卯月「…むむ…寄せて上げれば…寄せて上げればうーちゃんに隠された膨らみが…」

そんな事を呟きながら、涙ぐましい努力で胸を寄せた。

そしてその態勢のままで、隣を歩く俺へと向き直る。

卯月「どーだ!これぞうーちゃんVer.1.03っぴょん!」

提督「何だその微妙なアップデートは」

卯月「まーまー、そんな事よりこの胸を見るっぴょん!」

ずい、と卯月が寄せた胸を張る。

ふむ――――


>>+3

A.やはり触ってみなければ――

B.卯月、強く生きろ。

C.そう かんけいないね。

A.やはり触ってみなければ――(*1.5)


ふ。

あの程度の膨らみで胸を騙るとは。片腹痛いわ兎娘。

しかし―

大小の差はあるとはいえ、胸は胸だ。

小さいから、そんな理由で頭から否定してしまうのも―それも、視野が狭いだろう。

やはり―そう、おっぱいマイスター(自称)として見聞を広めるためにも、だ。

触ってみるしかあるまい。

提督「……ふむ」

卯月「……ひゃああっ!?」

むにっ。

伸ばした指が、ほんの少しだけ沈んだ。

しかしそれはすぐに硬いものに当って止まる。

ふーむ。

提督「…やはりこれでは――」

卯月「な、何やってんだぴょん!」

提督「勿論、指で突いた!」

卯月「爽やかな顔で言ってもダメだっぴょん!」

提督「え?揉んでいいですよって事じゃなかったのか?」

卯月「んなわけあるかっぴょん!」

提督「…しかし…そんな風に胸突き出されたら、揉むだろ、普通」

卯月「お前の普通は異常だっぴょん!」

…まあ、うん。

自分でもアレだってのはわかってはいたんだけど。

それでも、なんというか。

提督「そこに、胸があったら…手を伸ばすだろう?」

卯月「……頭痛いっぴょん」

提督「まあまあ、ジュース奢ってやるから」

卯月「…買収が露骨すぎるっぴょん、こいついつか通報してやるっぴょん」

提督「…しかし…やっぱり、小さかったな」

卯月「てめえ喧嘩売ってんのかっぴょん!」

そんなこんなで。

卯月(Ver1.03)との帰り道を(俺だけ)楽しんだのであった。



卯月→  *55/500

別に意識したつもりは無かったがそうなってしまっていた すまん
次の誤変換は大鵬かな

【4月2週】


磯風「君はなんというか…変わらないよな」

提督「んー?」

飛龍先生から課せられた課題に取り組んでいる最中、窓からやってきた無遠慮な来訪者。

彼女は床に落ちていた一冊の本を拾い上げ、溜息を吐いた。

磯風「趣味、さ」

提督「…ちょ、それは」

磯風「…せめてどこかにしまっておきなよ、勝手に入ってきた私が言うのもなんだけれど」

提督「……うーす」

言って、磯風がその全体的にデカい人の写真がいっぱい載っている本をぱらぱらとめくる。

磯風「…しかし…こんな物が良いのか」

提督「……まあ、うん」

磯風「…ん…こんなポーズまでするとは…凄いな、色々と」

提督「…あー…なんか恥ずかしいから、返して欲しいんだが…」

磯風「んん?…なんだ、このページ、何か引っ付いて……」

提督「すたーっぷ!」



>>+3


飛龍    **0/500
磯風    **0/500
卯月    *55/500
大鳳    **0/500
浜風    **0/500


鈴谷「にっへっへー、お客さんお客さん、良い子入ってますよ」

提督「……ども」

鈴谷「ま、お客さんが指名するのは一人しかおりませんかー、へへへー」

提督「…は、浜風を」

鈴谷「うけたまわりまーしたっ」

ああ。

この待合室には、何度来ても緊張するだろうと思う。

鈴谷さんは恐らくそんな俺の心中を知っていて、あんなに楽しそうに笑っているのだろう。

…くそう、ニヤニヤしやがって。

鈴谷「では、こちらへどうぞー!」

そんな風にぼーっとしていると、不意に彼女に手を握られた。

柔らかい。

提督「へ、あ」

鈴谷「ご案内サービスでーすよ、お客さまー」

にやー、と鈴谷さんが笑う。

悔しいが、先程までの苛つきは綺麗さっぱり霧散していて。

彼女の掌の上で泳がされているようで、少し複雑な気分になってしまった。

そして、その様子の俺を見て、鈴谷さんはやはり楽しげに笑っていた。

…つまり、絶対にこの人には勝てないのだろうな、俺は。

――――――――――――――――

浜風「……お、…おねがい…します」

提督「……こ、こちらこそ」

都合二度目の、対面座位。

やはり緊張で身体が震える。

もうこの浜風の胸が目の前にあるというシチュエーションだけで心臓が狂ったように鳴る。

―浜風も、こんな風に心臓を鳴らしているのだろうか。

そんな思いで、この前とは全く違う手付きで、浜風の胸へと手を伸ばす。

浜風「ひゃ……んっ」

ゆっくり、ゆっくりと彼女の豊満な胸に掌が沈む。

掌に伝わる鼓動は、思った通り早かった。

どうかすれば、俺よりも。

浜風「……ふっ、あ…くっ」

そのまま、優しく、なるだけ優しく彼女の胸を揉んでいく。

彼女から漏れる声は、一度目よりも甘い。

それに俺は気分を良くして、更に動きを速くさせる。

そんな時、目の端に自身の涎でてらてらと光る浜風の唇と、その奥に覗く紅い舌が入った――

>>+3

A.……何を考えているんだ俺は。

B.浜風の唇にしゃぶりつく。

C.あくまで胸に。

B.浜風の唇にしゃぶりつく。(*1.5)


浜風「…ん、――っ!?」

我慢なんて、出来るはずもなくて。

ただひたすらに彼女に吸い付いた。

浜風の匂いがした。浜風の味がした。

ただ好き勝手に動かすだけの、乱暴なキス。

なんか、彼女に対する罪悪感だとか、これ俺のファーストキスじゃんとか。

さっきはそんな事を考えていた気もしたけれど。

触れた瞬間、全部全部、どうでも良くなった。

浜風「……――ぷはっ!」

抵抗の無い口腔内を舌で一通り蹂躙してから、息苦しさを覚えて口を離す。

大量の涎が、糸を引いて垂れ落ちた。

それは浜風の胸へ落ちて、やはり怪しく光る。

―そんな光景にまた、我慢できなくなって。

もう一度、彼女にむしゃぶりついた。

浜風「ん、む――!」

荒い息遣いで乱れた呼吸を整えていた最中の彼女の口は、その熱い吐息で満たされていて。

なんだか、さっきよりも深く彼女を感じられるような気がして。

今度は胸に触れた手も動かしたりなんかして。

ただ、そんな事を夢中に繰り返す内。

時間の終わりを告げるベルが鳴ったのだった。



浜風→  *10/500



【4月3週】


提督「ひりゅうせんせー」

飛龍「つまらない質問以外は聞くよー」

提督「スリーサイズ教えてください」

飛龍「聞ーこえないっと、…うーん、また同じ所間違ってるねー…」

慣れた物である。

俺の戯言などは完全に無視して採点を続行している。

しかし振り向いてくれないのは寂しい。

提督「ひりゅうせんせー」

飛龍「提督くんが去勢したら教えてあげるよー」

提督「…れ、レズですか?」

飛龍「どうしたらその発想に至るのかなぁ!?」



>>+3


飛龍    **0/500
磯風    **0/500
卯月    *55/500
大鳳    **0/500
浜風    *10/500



磯風「君という人間を突き動かす物は、一体何なのだろうな?」

提督「何だ突然」

窓からの訪問者は、俺のおやつのティラミスを全く無遠慮に頬張りながらそんな事を言った。

磯風「ニーチェ曰く―男が本当に好きなものは二つ、危険と遊びである、という」

提督「……にーちぇ?」

磯風「……一応倫理で出てくるのだが、名前くらいは聞いたことが無いのかい」

提督「あー…あの神聖ローマ帝国きっての賢帝…」

磯風「…ん、もういい、君に期待した私が悪かった」

磯風は勝手に納得して、俺を制した。

失礼な奴め。俺が無知であると言いたいのか。その通りだよ。

磯風「んんっ、気を取り直して―この言葉はこう続く、そしてまた、男は女を愛するが、それは遊びのなかで最も危険なものであるからだ―とね」

提督「………んにゃー…よーわかんねーんだけど、結局何が言いたいんだお前は」

磯風「君は遊びも危険も求めてなんかいない、単純に快楽だけを求めているだろう?」

提督「…………」

…確かにその通りである。よくわかっているな幼馴染。

しかしそんな身も蓋も無い言い方をするな、それじゃあなんか俺がヤバい人間のようじゃないか。

提督「…まあ…何だ、そのニッチェさんとやらが人間をあんまりにも大まかに分類しすぎたんだろう、珍しくも無いと思うぞ、俺みたいな男も」

磯風「……ふむ…そうか、そんな物なのか?」

んー、と磯風が考えこむ。

相変わらず無駄に難しく物事を考える奴だ。

故人の言葉を引用するのも変わらず趣味のようで、なんかむしろその姿に安心するよ。

とまあ、こんな問答は別に珍しくもなく、いつもこの後に「まあ、いいか」なんて勝手に磯風が納得して話を切り上げる。

そんなパターンだった、のだが――

磯風「……では、快楽が得られるのなら…君は、私みたいな女に対してでも情欲を湧かせるのか?」

提督「へ?」

磯風「…ん、んー…その、参考までに、参考までにだ」

磯風「私でも良いのか、と…あくまで、参考までに聞きたいのだよ」

提督「参考って言われても――」

目の前の幼馴染を見る。

大きいとはいえないが、形の良い胸。

整った、端正な目鼻立ち。

長い、一本一本がきめ細やかな黒髪。

ふむ――――――



>>+4

A.……どうだろう、いきなり言われてもな。

B.…磯風に、そういう感情を抱くのは…。

C.当たり前だろ。

C.当たり前だろ。(*1.5)


提督「当たり前だろ」

磯風「……随分正直だな」

提督「…嘘を吐いてもしょうがないしな」

磯風「…しかし…そうか、なんだ、てっきり私は君の好みから外れているのだと思っていたよ」

提督「一体どういう風にその結論に達したんだ」

磯風「君のいつも見ている本に出てくる女の子よりも、随分と控え目だからね」

自分の胸を指して、彼女が言う。

…お前は俺をどんな目で見ているんだ。

しかし…それも残当かもしれない。

いや、むしろよくよく振り返ると全く言い訳出来ないような気がしてきた。

提督「………」

磯風「おやおや、思い当たることがあったのかな?」

提督「…それなりにな」

磯風「ふふ、今度からはそれを直していく事を勧めるよ―と」

磯風「そろそろ私も勉強をしないとな、じゃあね、提督」

ティラミス、美味しかったよ―小さく手を振って、彼女が窓を潜った。

…うーむ。

結局、用事はあれだけだったのだろうか。

よくわからん奴である。

まあ、一々用事なんて物を考えずに気が向いた時に暇潰しをしていくだけ―と考えるのが妥当なのかもしれないな。



磯風→  *90/500

寝る
法則性は特に付けたつもりはなかった
400の所だけはABCの順を意識してたけども
お付き合いいただきありがとうございました

何であいつら坊主の言うこと全部聞くんだろう
始めます



【4月4週】


「………おい、あれ」

「…………す、凄えな…」

体育の時間。

男子達は体育テスト中、長座体前屈に勤しむ女子に熱い視線を送っていた。

俺とて、去年までは例外ではなかった。

のだが。

提督「………」

いまいちこう、最近色々なことがありすぎて。

一足どころか四足、五足飛びくらいで大人の階段を登ってしまった結果。

提督「…ふっ」

彼らを見て鼻で笑えるくらいの余裕を身につけていた。

ちなみに勿論俺は童貞であった。



>>+3


飛龍    **0/500
磯風    *90/500
卯月    *55/500
大鳳    **0/500
浜風    *10/500


提督「あのさ」

浜風「……は、はい…な、何ですか?」

提督「…あー…いや、…今は、普通で…いいよ、学校だし」

浜風「そ、それもそう…だよね、うん」

放課後、学校の教室で会話をする。そんな何気ない日常風景。

それすらも今の俺達には難しい。

何だか、今まで普通に話してたのが嘘みたいに思える。

……俺はあの胸の膨らみを…アレしたんだよな。…いかん。どうにも変な事ばっか考えてしまう。

浜風「…え、えっと…それで、何?」

提督「…嫌かも、と思ったんだけど――」

周りを見回す。

放課後の教室は、人はまばらで。

これなら、内緒話にはもってこいだろう。

提督「…理由…聞きたくて」

浜風「理由…」

提督「…ほ、ホントなら…順番、逆なんだろうけどさ」

そう。

普通ならこう…何でこんな店で働いてるの?いや、こんな理由で…、何!?そんな辛い事があったのか!?

みたいな流れで励まして、大丈夫、僕が何とかしてみせるよ!とか言っちゃうもんじゃないんだろうか。

今となっては思っても遅いのだが。そもそも2回しちゃったし。2回。

浜風「……理由、は…」

キョロキョロと、さっきの俺と同じ様に浜風が辺りを見回す。

そして、誰もいない事を確認してから向き直った。

浜風「…提督くん、誰にも言わないで…くれる?」

提督「……も、もちろん」

浜風「……私ね、捨てられたの」

提督「………はあ!?」

浜風「…語弊、あるかもしれないけど…多分、この言い方が一番わかりやすいと思う」

浜風「私、父子家庭で―そのお父さんも前から、何やってるのかよくわからない様な人だったんだけど」

浜風「今年の…冬、3月に入る少し前だったかな…朝起きたら居なくなってて、怖い人が家に入ってきて、この家から出てけ―って」

提督「……そ、それで…売られた、とか?」

浜風「…ううん、その後、宛もなく彷徨ってたのを…鈴谷さんが、拾ってくれて」

浜風「な、何か恩返ししなきゃって思って……あの、その、あんなことに…」

提督「…そうだったのか」

想像以上に重かった。

…しかし何と反応したものか。下手に慰めるのも――

>>+3

A.…あー…良い人だな、鈴谷さん。

B.…大変だったんだな。

C.………揉んでいいか?

B.…大変だったんだな。(*1.5)


提督「…その、月並みな感想で…申し訳ないが」

提督「…大変、だったんだな」

色々思案したけれど、出てきたのは結局こんな言葉。

ああ、あの幼馴染のような豊富なボキャブラリーが欲しい。

浜風「…うん、…そうだね、大変だった」

浜風「…でも…提督くんには、感謝してる」

提督「か、感謝?」

…自分の行動を振り返ってみる。

………。

どこにも感謝されるような事は無かった。

罵倒されるような事はいっぱいあったが。

浜風「…提督くん…お金いっぱい出して、私の事、か、買ってくれたって…鈴谷さんが言ってたから」

提督「あ…ああ、でも、…あれは」

浜風「……私、決意したは良かったんだけど、いざやってみるって段になるとすっごく不安で…」

浜風「…相手が提督くんで、ちょっと安心したの」

提督「……浜風」

浜風「え、えっと、その、変な意味じゃないよ!?し、知ってる人で良かったーって…それだけだから!」

提督「そ、そうか…そうだよな」

大方の予想通りではある。

が、やはりそこまで明言されるとがっかりである。

浜風「…だから…えーっと…こ、これからもよろしくお願いしま…す?」

言うべきことが見つからなかったのだろう。

曖昧に笑って、浜風が不格好なウインクを俺に決めた。

ああ、絶対にまた行こう。

彼女の境遇への情よりも、彼女への性欲が勝ってしまった俺は、そんな事を考えたのであった。

つまるところ、どうしようもない男であった。



浜風→  *40/500  



【5月1週】


卯月「…………」

提督「…………」

俺と卯月は、ひたすらに向かい合っていた。

その間には、オセロ盤。

卯月「……まだ…っぴょん…まだ角を2つ取られただけだっぴょん」

提督「…人はそれをピンチというのだよ、卯月くん」

卯月「…は、オセロは角を取るゲームじゃねーっぴょん」

提督「強がるのは良いが…早く打ってくれ、待ちきれないよ」

卯月「ぐー……むむむー……むむー」

考える。

めちゃくちゃ眉を寄せて考える。

そして、導き出された結論。

卯月「……こんなもの…こうだっぴょーん!」

オセロ盤は空中に浮いた。

そこに置かれた石を撒き散らしながら。

ああ。

盤面は、神の力でひっくり返されたのだ。

提督「…って、何やってんだこの馬鹿!」

卯月「うーちゃんはオセロに飽きたっぴょん」

提督「てめーこら待て!」

磯風「……休日の朝から…元気だねぇ、何とも」



>>+4


飛龍    **0/500
磯風    *90/500
卯月    *55/500
大鳳    **0/500
浜風    *40/500



絶対行く。

そんな誓いをしたのがつい最近。

鈴谷「にへー、いらっしゃーい」

そして、本当にやってきてしまいました。

だって揉みたかったんだもの。仕方ないでしょうよ。俺の都合も考えろよ。

鈴谷「お客さん、今日はどの娘ですじゃー」

提督「…鈴谷さんで」

鈴谷「にゃは、そいつは嬉しいねぇ、しかしダメだ!」

提督「ダメっすか」

鈴谷「うむむ、鈴谷さんはあくまで女衒の身なのでねー」

提督「……ぜげん?」

鈴谷「…おー、そうかそうか、ツッコミ待ちだったがそもそも知らなかったか、うーむ」

鈴谷「……ま、詮無きことだしどうでも良いか、それではごあんなーい!」

提督「…わ」

そしてまた、前と同じように手を引かれる。

しかし、今度はしっかりと予想していたため俺は動じない。

やわっこい手だけど動じない。

鈴谷「はい、ではこの部屋でお待ちくださいなー」

提督「…どーもです」

と、彼女が扉を開け去っていくその一瞬。

握った手を胸に持っていく。

比べ物にならない柔らかさが俺を襲った。

提督「あ、ちょ、え」

鈴谷「ふふーん、生意気だぞ、しょーねんや」

…こうしてやはり俺は今日もこの人に負けたのだった。

――――――――――――――――――


浜風「……よろしくお願いします」

提督「……ああ」

3回目、ともなると。

何となく慣れた気になるのが人間である。

それは俺も例外ではなく、胸を晒した浜風を見てもあまり動じることはなかった。

…………。

……というのは嘘で、表面上冷静な振りをしているが色々ヤバかった。

それどころか今日はいつもにましてギンギンであった。何がとは言わないけども。

浜風「……わ、あ、え」

それは俺の股間の上に腰掛けた浜風に勿論すぐに気付かれた。

考えてみれば、こう、胸をもんだりだとかする前にここまでの状態になっているのは初めてかもしれない。

盛り上がった時には、多分気付いても両者全く気にしないのだろうが―

まだこの段階でここまでだと、どうしてもアレである。



しかし、浜風はそれに気を悪くすることはなかった。

少し恥ずかしそうに俯いて、真っ赤な顔で俺に向き直る。

そして耳元まで唇を寄せて、言った。

浜風「提督…さん」

浜風「…は、…浜風の胸で…こんなにしてくださって…ありがとう、ございます」

浜風「凄く…嬉しい、です」

一語一語、はっきりと。

熱い吐息を耳に掛けながら、彼女は言葉を発していく。

………。

わかったのは、一つ。

…さっきの状態って、まだマックスじゃなかったんだな、なんてことである。

浜風は、耳からゆっくり顔を離して、また正面へ。

相変わらず顔は赤かったが―どこか妖艶に、笑みを浮かべていた。

提督「………っ」

唇が、やけに乾いていた。

思わず上唇を舌でなぞると、やけにざらついた感触。

荒い息が、止まらない。

提督「…浜風っ!」

そのまま。

微笑む彼女の顔の下、胸へと手を伸ばしかけた時。

彼女は、少しだけその笑みを引っ込めた。

浜風「……あの…胸の前に…また…キス、してくれないでしょうか?」

そして、聞こえるかどうか、そんな小さな声で漏らした。


>>+4


A.しかし俺は止まらなかった。

B.……言われてみると、したいな。

C.……え?何?聞こえない。

B.……言われてみると、したいな。(*1.5)


……したい。

したかった。

言われてみるともうそれしか考えられない。

俺が唇に視線を向けたのに気付いたのか。

浜風が、ちろっと紅い舌を見せた。

さっき俺がしたように、上唇を舐める。

まるで、ここに来いと誘っているかのように。

提督「………」

…それからのことは。

多分、特に語るまでもない。

ただ、胸を堪能したというだけで片付く話だった。

………。

そして、帰り道に自己嫌悪。

それは、浜風の事情を知って尚止まることのない自分への。

……だが、まぁ。

多分、また行くんだろうな、俺は。




浜風→  187/500

正直鈴谷のイベント抜きゃ1レスで収まると思うけど、それに関しては単純に俺の趣味ですはい
あと浜風以外特に深い設定はない エロいこと、しよう!
お風呂

さっきのは誤解されるかもしれん言い方やったね
今週は皆エロメインだよ!ってことです 
そして申し訳ない、風呂あがりでいい感じに眠いです
お付き合いいただきありがとうございました

檻公戦がめっちゃおもろい
始めます

ウッソだろお前


【5月2週】


大鳳「………」

いっちに。いっちに。

こんなリズムで大鳳先生が運動をしておられる。

突き出した尻がグッドである。

しかし。

胸がなかった。

「…何を冷静に分析しているんだお前は」



>>+3


飛龍    **0/500
磯風    *90/500
卯月    *55/500
大鳳    **0/500
浜風    187/500



提督「つまり、ですね」

飛龍「んー?どしたの、突然」

勉強中。

問題を解く手を俺は不意に止めた。

文庫本を読んでいた飛龍さんが、俺へと向き直る。

提督「モチベーションですよ」

飛龍「…モチベーション?」

提督「ええ、勉強…いえ、何をするにも必要な物…モチベーション、やる気」

飛龍「……そうかもしれないけど…結局、何が言いたいのよ?」

提督「あのですね」

飛龍「うんうん」

提督「最初、家庭教師とか絶対嫌だってレベルだったんすよ、俺は」

飛龍「…そうだったの」

提督「…ええ、ですが…」

チラ、と飛龍さんの服の盛り上がった部分を見る。

提督「俺は、飛龍さんが先生だから頑張れるんです!」

飛龍「………あっそー」

いかにもどうでも良さそうな声で。

それだけならさっさと勉強を続けなさーい、と再び飛龍さんが文庫本へと視線を戻した。

提督「おっと、本題はこれからです」

飛龍「本題?」

提督「……最近、いまいちモチベーションが尽きてきまして」

飛龍「…いやーな予感がするなぁ」

提督「…新しいモチベーションとなるものとして成績を上げた時のご褒美がほしいです!」

飛龍「……………参考までにー…何が欲しいの?」

うんざりであるという感情を隠す素振りも見せず、半眼を此方に向けた。

提督「はい、それは――」


>>+4


A.揉みたいです。

B.………思い浮かばん。

C.飛龍さんにお任せします。

B.………思い浮かばん。(*0.5)


提督「…………」

飛龍「……?おーい」

提督「……何が良いでしょう?」

飛龍「ずこー……考えてなかったの……」

わざとらしく転ける振りをして、飛龍さんが苦笑いを作った。

しかしそれもすぐに、厳しい顔に変わる。

飛龍「とーりあえーず、そんな事言う暇があれば手動かす!」

提督「…うーん…何が…」

飛龍「こーら、勉強しなさーい」

提督「…うーす…」

飛龍「ま、もし仮に万が一偏差値が70くらいになれば提督くんの言う事何でも一つくらい聞いたげるよ」

そしたら私ボーナスもらえるしー、あはは、と誂うように笑う。

…だが、俺はその言葉を聞き逃すことは無かった。

提督「今何でもするって言ったよね?」

飛龍「ん、模試でそのくらい取ったらねー」

提督「…くく…良いんですか飛龍さんそんな事軽々しく言っちゃって」

飛龍「あははは、こんなくらいで偏差値20以上も上がる訳ないでしょ」

……ふふ。

どうやらこの人は気付いていないようだ。

男子高校生に秘められたエロパワーに!

…しかしまあ。

そうなると、流石にかなり真面目に勉強しなければならんだろうな。

……ふーむ。

…いやはや見事にモチベーションが上がったぞ。ありがとうございます飛龍先生。



飛龍→  *24/500



【5月3週】


提督「磯風」

磯風「ん、何だい、君が窓から来るなんて珍しい」

提督「この問題集、借りてくぞ」

磯風「ああ、構わない――え?何て言った今?」

提督「それとこれも、後は…これもだな」

磯風「ちょっと待ってくれ、今日は4月1日だっただろうか、私はカレンダーは毎日めくることにしているんだが」

提督「何言ってんだ、もう5月も半ばだろ」

磯風「ああ、だがそれだと君の行動の説明が付かない」

提督「単純だ、勉強するんだよ」

磯風「…………」

提督「何だその目は」

磯風「…すまない、疲れているのかな」

磯風「…今日という休日は、ゆっくり寝て過ごすことにするよ…」

提督「…まあ…どうでもいいけども、借りてくぞー」

磯風「好きにしてくれ…」



>>+4


飛龍    *24/500
磯風    *90/500
卯月    *55/500
大鳳    **0/500
浜風    187/500



すっかり潜ることに慣れてしまった怪しいネオンのお店。

そのドアを開けば、やはり慣れた光景が飛び込んでくる。

鈴谷「いらはーい」

そして受付のカウンターから覗く満面の笑みと、気の抜けた声。

ここまで来るのに特に緊張なんかしなくなってしまっている事に、我ながら微妙に空恐ろしい物を覚える。

だが、今日は少しいつもと違う。聞きたいことがあった。

提督「…あの、鈴谷さん」

鈴谷「んにゃー、……鈴谷は指名出来ないよー?」

提督「ああいや、それは良いんです、別に」

鈴谷「…そこまで言われるとそれはそれでしょーっく…んで、どしたの?」

提督「浜風の…家の、事なんですけど…」

鈴谷「…そりゃー鈴谷さんに聞かれても困るねぃ、専門外じゃー」

提督「……ですか」

鈴谷「ま、多分本人から聞いたんだろうけどさ―少年、そんな物深く考えたってしゃーないって」

提督「…しゃーないて」

鈴谷「だってそうじゃん?鈴谷達に出来る事なんか無いしねー」

鈴谷「特に少年、君が今出来るのは――」

――――――――――――

提督「……胸を揉むことだけだ!」

浜風「………はぁ?」

提督「…いや…俺もそう言いたい気持ちだった」

浜風「…?…よくわかりませんけど、…今日も来てくれて、ありがとうございます」

提督「あ…うん」

ぺこり、と頭を下げる。

彼女の手は、綺麗に腰に揃えられていた。

惜しげも無く晒した胸が、ぷるんと揺れた。

いつもは、もう少し…何だか、隠していたような気がするんだが。

それに、随分と今日は淀みなく喋る。

浜風「では…えっと、提督さん、こっち向いて下さい」

提督「…え?…っ――!?」

頬に手を当てられ、半ば強制的に浜風の方へと顔を動かされる。

そしてそちらに顔が向いた瞬間、彼女の吐息をすぐ側に感じた。

驚きで動けないでいる俺の口の中を、彼女の舌が妖艶に動きまわる。

丹念に、丁寧に、まるで掃除でもするかのように、ゆっくりと。

浜風「…ぷぁっ…はぁ…ふふ、驚いてますね、提督さん」

提督「…そ、そりゃ…」

明らかに、いつもと違うから――

そんな言葉は、再び迫ってきた彼女の唇に遮られた。

鼻と鼻が触れるほどに、近い距離。



もう一度俺の口内を散々蹂躙してから、浜風がやっと舌を抜く。

銀色の橋が彼女の舌との間に繋がって、それはすぐにぷつりと切れ。

晒した胸に、ぽた、と垂れた。

浜風「…提督さん」

提督「…は、浜風……これ…は…」

微妙に呂律が回らない。

そんな状態でも、何とか言葉にしようと彼女に問い掛ける。

それに彼女は、どこか曖昧な笑みを浮かべた。

浜風「ふふ…鈴谷さんから色々勉強したの」

浜風「…提督くんに、喜んでもらいたくて」

浜風「私、貰ってばっかりだったから」

そこにいたのは、教室で話をする時と同じ浜風。

敬語は取れて、表情は自然で。

しかし、いつもの彼女に似つかわしくない蠱惑的な笑みだけは、そのままで。

浜風「どうだった…かな?」

首を傾げる。

その動作一つ取ってさえ、今すぐに押し倒してしまいたくなる程に魅力的で。

…………――


>>+4


A.凄く良かった。

B.……こういうのは。

C.……た、たまには、ね。

C.……た、たまには、ね。(*1.0)


提督「……た、たまには…いいかも」

浜風「…たまには?」

提督「…んや…えと、何というか、俺も責めたい」

浜風「…………えっち」

提督「…ごめん」

…なんて、そんな言葉で濁したが。

本当は、違った。

怖かったんだ。

浜風が変わってしまったのが、まるで俺のせいみたいで。

いや――

浜風が、俺のために変わってしまったようで。

浜風「…じゃあ…あの…いつも、みたいに」

提督「……う、うん」

それでも。

…それでも、途中でやめられなんてしないのだけれど。

……………。

ああ。

やっぱり、帰り道に自己嫌悪。



浜風→  258/500



【浜風―その1】


私は不幸なのだろうか。

一般的に言ってみれば不幸な部類だろう。

だけど、そもそも幸不幸なんて判断するのは本人の主観だ。

誰かの客観でも、ましてや一般的な視点でもない。

だから、私は幸せなのだ。

尽くせる人がいるから、幸せなのだ。

つまり、私とはそういう人間なのだろう。

誰かに尽くすことが、喜んでもらえることが。

昔から幸せだったのだ。

父のために、恩人のために。

そして――



【5月4週】


飛龍「……はーいまたここ……間違って…ない…!?」

提督「…ふっ」

飛龍「…それどころか…な、何この完璧な答案は…」

提督「飛龍先生」

飛龍「…な、何かなー」

提督「俺、頑張りますっ!」

飛龍「…なんて爽やかかつ邪悪な笑顔なの…!?」



>>+4


飛龍    *24/500
磯風    *90/500
卯月    *55/500
大鳳    **0/500
浜風    258/500

今日はここまで
お付き合いいただきありがとうございました


鈴谷「あの子はね、幸せを見つけるのが上手なんだよ」

提督「…幸せを見つける?」

そう、と、何か含みを持たせて鈴谷さんが笑う。

待合室の紫がかった怪しい光が、彼女を照らした。

鈴谷「どんな状況でも―それを幸せだと思えるんだ、って…まあ、鈴谷さんが見た限りでは思ったね」

提督「……浜風、のことですよね?」

鈴谷「おもち!」

他に誰が居るんだとでも言いたげに胸を張った。

おもちってなんだ。アンタが今突き出してるそれか。食べていいのか。

などとアホな事を考える俺に構わず、鈴谷さんは続けた。

鈴谷「…でもね、それはきっと…本人にとってはいいのかもしれないけどさ、決して本当の幸福じゃないよ」

提督「……自分の状況を幸せだと思えるなら、それでいいのでは?」

なんだ、学校でやった―ああ、高瀬舟だったか。

その主人公の彼もそんな思考だったような気がする。

今の自分の状況に満足できる、それは良いことなのではないか。

しかし、俺の質問に彼女は首を振る。

鈴谷「どんな状況にでも満足を覚えるって事はさ、そこから脱却しようともしないって事だ」

鈴谷「そういう人は、そもそもの幸福の絶対量が少なくなっていくんだよ」

鈴谷「でも、そこから一生懸命幸福を見つけて拾い上げて満足しちゃうから、変わっていかないんだ」

鈴谷「だからさ、浜風ちゃんは―親に捨てられてこんな怪しい鈴谷さんなんかに拾われて、そこで、そんな場所で屈託なく笑ったりするんだよ」

自分で自分を怪しいと言い切るのか。

まあ、確かに何やってるかよくわからない人ではあるけども。

提督「…ですけど…なんで、そんな話を俺に?」

鈴谷「……変だと思わなかった?浜風ちゃん」

提督「……確かに…少し、変わったとは」

鈴谷「彼女の今の幸せは、君だ、少年」

びし、と人差し指で俺を射抜いた。

提督「………俺?」

鈴谷「…まあ―それに関しては概ね鈴谷さんの思い通りではあったんだけど…あそこまで『ハマる』とはねー」

多分、この職業があの子の天職さね―どこか苦々しげに、笑みを作った。

鈴谷「君のために何でもするんじゃないかな、文字通り」

鈴谷「自分の状況がボロボロでも、人並みに恩だけは返したがる―そんな最悪の思考だからさ、浜風ちゃんは」

提督「…えと…あの、…浜風が何かこう、ちょっと変わってるのはわかりましたけど」

提督「何で俺に…というか、思い通りって」

鈴谷「ああ、それは簡単な話だよ、少年」

鈴谷「あの子は、鈴谷が何か言ったところで変わりはしないだろうから」

そこで言葉を切り、もう一度、俺へと指を伸ばす。

今度は、その指が俺の胸板に触れた。

鈴谷「鈴谷さんは、何か一目見てビビっと来た君に浜風ちゃんを託したのであった!」

鈴谷「つーわけで、頑張れ若者っ!」


――――――――――――――


浜風「おはよう、提督くん」

提督「ああ…おはよう、浜風」

浜風「――くんも、おはよう」

「おう、おはよーさん、浜風ー」

教室の朝、何でもない風景だ。

挨拶を交わすクラスメイト達。

賑やかで騒がしい部屋。

しかし、俺はそんな場所で柄にも無く悩んでいた。

勿論、浜風の事である。

彼女は―学校でも俺と普通に話をするようになった。

そうだ、普通に話をするようになったのだ。

恥ずかしがることもなく、あくまでも普通に。

それは異常と形容してしまったほうがいいのだろう。

異常を感じるのは、教室だけではない。

あの場所でも、あの店でも―浜風は、変わった。

されるがまま、なんてことは無い。

俺のために、そう枕詞を並べて、色んな技術―と言って差し支えないのだろうか―を披露してくれる。

ああ、悔しいが気持ち良いからその時は指摘なんかしないしできないさ畜生。

しかし、しかしだ。

あの鈴谷さんの話を聞いて―尚、俺は浜風をそのままにしておいていいのだろうか。

『頑張れ、若者っ!』

何とも無責任な言葉ではある、しかし少なくとも彼女は俺を―どこを信じてくれたのかはわからないが―信用してくれているのだ。

であれば、俺は――


>>+1-5(ちょっとしたルート分岐)


A.…浜風と、少し距離を置くべきか。

B.……別に、今のままでも――



【浜風―その2】


提督くんが、来ない。

もう、最後に彼を店で見たのは―何週間前だったか。

「鈴谷さん、提督くんは今日も」

「ん、来てなかったよ」

「…そう、ですか」

肩を落とした。

色んな事を勉強したのに。

彼の為に。

彼だけの為に。

学校でも、少しだけよそよそしいし。

―捨てられた?

―飽きられた?

そんな短い疑問が、頭の中にちらついて消える。

「………っ」

思わず、両手で身体を抱きしめた。

……この幸福も、ダメだったのかな。



【6月1週】


卯月「うーちゃんはー♪今日もーげんきー♪」

提督「…朝から何だそれは」

卯月「うーちゃんソングだっぴょん」

提督「……はっ」

卯月「なんじゃその馬鹿にしたような笑いはー!」

提督「真実、馬鹿にしてるんだよ」

卯月「むっきー!」

磯風「………………」

磯風「……磯風はー……♪」

提督「……………え」

磯風「………何だ、こっちを見るんじゃない、見るな、聞き間違いだから」




>>+4


飛龍    *24/500
磯風    *90/500
卯月    *55/500
大鳳    **0/500
浜風    301/500



浜風「…提督くん」

提督「あ、ああ…浜風、どうした?」

放課後、廊下。

足早にそこを歩いていると、突然後ろから呼び止められた。

声の主は浜風。

逃げられそうには―ないか。

観念して、彼女に向き直る。

浜風「……どうして?」

提督「…ん?」

浜風「どうして、…来てくれなくなったの?」

提督「……忙しくて」

浜風「嘘」

提督「…本当だって、勉強とか」

浜風「…嘘でしょ、だって」

浜風「…今も、私と話すの、嫌そう」

真っ直ぐに俺を見つめるその瞳は、悲しそうな色に染まっている。

俺を責めているような、縋っているような。

そんな瞳で、俺を見ている。

浜風「…私の事、嫌いになった?」

浜風「理由は―ごめんなさい、心当たりが無いんだけど…提督くんにとって、嫌な事、しちゃったかな?」

浜風「だったら、直すから、絶対、絶対直すから」

浜風「教えて欲しい―な」

提督「………」

最後に行くほど、声は小さくなって。

不安を顔に貼り付けて、彼女は俺の言葉を待っている。

…………――――――


>>+1-5

A.正直に言う。

B.…用事があるから。

C.……ごめん、浜風。

A.正直に言う。(最低値401)


提督「…怖くなった」

浜風「え?」

提督「俺は、怖くなったんだよ」

提督「…怖くなった、そう、怖くなったんだ」

浜風「…怖い…って、何が?」

何が何だか分からない、と言った風に首を傾げる浜風。

提督「お前が、変わっていくのが」

浜風「……変わる?」

提督「…確かに…俺は、店に行く度にお前に満足してた」

提督「それは…最近になればなるほど、どんどん…なんだ、その―気持ちよくなってた、し」

提督「…だけど…それが…まるで、お前を、浜風を変えてしまっているようで」

提督「俺が、お前を変えてしまうのが、怖くなったんだ」

鈴谷さんの言った通り、俺が彼女の幸福ならば。

俺の為に、彼女がどんなことでもするのならば。

あの異質は、変化は、異常は、俺が引き起こしたもので。

だから―怖くなった、のに。

浜風「……ふふっ」

彼女は、笑っていた。

さもおかしそうに、どこか安心したように、笑っていた。

浜風「あははっ…そんな、そんな事気にしてたんだ、提督くん」

提督「そんな事って――」

浜風「優しいなぁ……凄く優しいね、提督くんは」

浜風「そっか…私の事、想ってくれたんだ――そっかぁ」

そこで、笑いを止めて。

いつかの蠱惑的な笑みで、俺を見た。

浜風「いいんだよ、そんな事」

浜風「気にしなくていいの」

浜風「変わるのは当然だから―むしろ、私は貴方の為に変わりたい」

―それで貴方が満足してくれるのなら、それでいい。

―だって。

―それが、私の。

―しあわせ。

笑った。

そう言って笑ったのだ、彼女は。

だから俺は。

どうすればいいかわからなくなって。

ただ、満足そうに去っていく彼女を見送った。



浜風→  401/500



【浜風―その3】


こうまで満たされたのは。

初めてだったかもしれない。

心の中が、暖かい。

そんな錯覚を覚えた。

当然、心に温度なんか無いのは知っている。

それでも暖かかったのだ。

ぽかぽかだ。

私は見つけたのだろうか。

見つけたのだろう。

見つけたのだ。

私が想っている人。

私を想ってくれる人。

「ふふっ」

笑みが零れた。

不思議なことではない。

彼を思えば、どこか楽しい気持ちになる。

ああ、それは不思議なことではない。

「あははっ」

尽くして、縋ろう。

優しい彼に。

「大好き――」

口に出せば、陳腐な言葉だ。

けれど、陳腐で、唯一の言葉だ。

お風呂

まーそりゃ流石にそんな額じゃないね、鈴谷さんの計らいです


【6月2週】


そうか。

宇宙の真理は。

宇宙の真理は、ここにあったのか。

飛龍「…………」

提督「………ふっ」

宇宙の真理を極めし俺には、勉強などまるで楽な事である。

楽すぎて楽すぎる。

そんな訳で、順調に成績を上げつつあった。

シュモラーでリストでマルクスでシュンペーターであった。

飛龍「……わ、私の貞操が危うい…」

提督「…いやー、飛龍先生、模試が楽しみです、俺!」

飛龍「………そ、そうだね…」



>>+3


飛龍    *24/500
磯風    *90/500
卯月    *55/500
大鳳    **0/500
浜風    401/500

じゃあ順番入れ替えるよ


鈴谷「そっかー…予想以上というかー、何というか」

提督「……」

鈴谷「うーん…予想以上だね!」

言葉を探って、結局最初に言ったものより良い言葉が無かったらしく。

もう一度、それを繰り返した。

提督「…浜風は…」

鈴谷「ま、正常ではないね、正常では」

鈴谷「…といっても…正常の定義なんて、誰がするんだって話だけどさ、んなもん」

さてーと、鈴谷さんが真面目な顔で俺を見た。

鈴谷「で、どうするよ?」

提督「え?どうする―って」

鈴谷「そりゃもう、君の胸先三寸だ!」

鈴谷「浜風ちゃんがこれからどうするにしたってさ、君の考えがなきゃ始まんないぞ少年!」

提督「…………俺の」

鈴谷「まー…ぶっちゃけた話さ」

鈴谷「提督くんが浜風ちゃんをただの性処理用の道具、くらいに思ってんなら、それはそれで今のままでいいんじゃない、放っておいて」

提督「な――そんな!」

鈴谷「だって、そういう用途で見るんだったら―すっごーく有能だよ、浜風ちゃん」

提督「…だからって!」

鈴谷「…でも、もし、提督くんが」

鈴谷「浜風ちゃんの事、そういう目じゃなくて、一人の女性として見てるんだったら」

鈴谷「……今の状況は、いただけない―のかな」

鈴谷「変わるかはわかんないけど、少なくとも変えようとしなきゃね」

鈴谷「さー、結局は君の決断次第、だよ」

鈴谷「どんな答えでも、鈴谷さんは否定も肯定もしない!正解なんて無いのじゃー!」

鈴谷「…………提督くんは、どうしたい?」

提督「俺、は――」


>>+3-5

A.今のままでも問題は無い。

B.今のままではダメだと思う。

C.考える時間が欲しい。

B.今のままではダメだと思う。(ED解放 500)


提督「ダメだと…思います」

提督「…俺は―今のままじゃ、ダメだと」

鈴谷「…そっかそっか、うん」

鈴谷さんは、その言葉に満足気に頷いた。

鈴谷「君なら、そう言うと思ってた」

少しだけ、何処か羨ましそうに。

鈴谷さんが、遠くを見つめた。

鈴谷「…浜風ちゃんは」

鈴谷「自分で思ってたより、大きな幸せを手に入れたんだね」

鈴谷「なんだ、結構幸運じゃないかーっとさ」

そう言って、ゴソゴソとカウンターから何かを取り出す。

そして、それを俺の目の前に置いた。

提督「封筒……?」

鈴谷「んにゃー、お客さん、代金は頂けませんでしたー」

提督「…へ?」

鈴谷「実は当店未成年者の利用はお断りしておりますのでー、客としてもー、嬢としても」

提督「…な、え、気付いて?」

鈴谷「あったりまえじゃーこのやろー、鈴谷さんの眼力なめんなー」

鈴谷「…ま、そんな訳で」

鈴谷「……幸せにしたげてよ、浜風ちゃんの事」

鈴谷「それは…私には、鈴谷さんには、掴めなかった物だからねー」

提督「………」

鈴谷「本当は、最初から店に出す気無かったんだよね、浜風ちゃん」

鈴谷「…だけど…何でだろね、君ならあの子をなんとかしてくれるかなーとか、そんな事思ってね」

鈴谷「ま、鈴谷さんの眼力でございやすよ、ひとえに」

鈴谷「いーかー、あの子泣かせたら鈴谷さんキレっからなー」

提督「…わかりました、頑張ってみます」

鈴谷「おう!頑張れ、若者っ!」

バシバシと肩を叩かれる。

痛かったけど、悪い気はしなかった。



浜風→  500/500



【6月3週】


じめーっとする。

じめーっとしている。

そんな時期。

つまり。

「濡れ透け!」

「夏服!」

提督「キャンペーン!」

「「「イエーイ!」」」

ぱあん。

手を叩く。

双眼鏡を持って屋上から観測手さながらの動きを見せる俺達。

完璧なスポッターである。ありありと学校周辺の(女子の)動きを把握していた。スナイパーはいないけど。

ああ。

俺達はどこまでも馬鹿だった。

そんな梅雨の一日。



>>+4


飛龍    *24/500
磯風    *90/500
卯月    *55/500
大鳳    **0/500
浜風    500/500

まあ、その、何だ
大鳳先生書きたかった

>>926
ところで「新人」部分を削ったのには何か意味が?

>>933 新人なのに生徒指導を押し付けられた体育教師は慣れない指導を…つってもまあ所謂ルーキーでは無かったしね、そこは重要だったのならすまんね

【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★14【安価】
【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★14【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1413564914/)

とりあえず埋めネタを投下する
今度は最後までです



「…いらっしゃい、提督さん」

「…翔鶴」

「お金―ですか?」

「………ああ」

入るなり。

そんな事を言う。

けれど、彼女は嫌な顔一つせずに、用意していたらしい厚みのある封筒を差し出した。

「…お前ん家って、金持ちだよな」

「それなりには」

「……そうか」

受け取って、それを懐に入れて。

沈黙が流れた。

翔鶴は、ただ微笑みを湛えて俺を見ていた。

「…なあ、翔鶴、お前は何で――」

その沈黙を破ろうと、声を発して。

しかしそれは、彼女の口で遮られた。

柔らかい感触、甘い香り。

白髪が、俺の視界の箸で揺れる。



「………昔…貴方は、言いましたよね」

「…恋をしたら、何をやっても手に入れたいのだと」

「……言った、気がするよ」

「…だったら、お金くらい…何ともないと、そう思いませんか?」

「…………かもな」

「…薄い繋がりなのでしょうね、こんな物は」

机の上の財布から万札を一枚抜き取って、翔鶴が指で弾く。

それはひらひらと空中を舞って、床へ落ちた。

「ただの紙、ですよ」

「……紙?」

「ええ、貴方を手に入れるための」

―例え、一時だとしても。

彼女はそう言って、それを俺の胸ポケットの中に突っ込んだ。

「私を好きだと言って下さい」

「……好きだ、翔鶴」

「私を愛していると、言って下さい」

「……愛してる、翔鶴」

「……薄っぺらい」

―薄いなあ、ともう一度彼女が漏らした。

だけれど、その表情に陰りは見えない。

「…いつの間にか、立場が逆転していましたね」

「……そう、思うか?」

「ええ、……元々、提弟くんへの嫌がらせ、だったのでしょう?」

「………まあ…気付くか」

露骨に興味を見せなくなったのは、確かにその頃だったはずだ。

といっても、しばらくはこいつと一緒に暮らしていたが。

いつからだったか、金を貰おうと思ったのは。

…そう、金が欲しかったんだ、どうしても。


「………ねえ」

「……なんだ」

「瑞鶴の家にいるのでしょう?」

「……ああ」

「…あの子が好きですか?」

「…わからない、ただ…一緒に居て、心地良い」

「……そうですか、じゃあ、私は?」

「………お前、は」

俺に、色んな物を求めるから。

だから。

「…お前と居るのは、苦痛だ」

「……そうですか、じゃあ――」

もう一枚、財布から万札を。

俺の胸ポケットの中へ。

「ねえ、提督さん」

「あの子を嫌いだと言って下さい」

「あの子より私が好きだと言って下さい」

「そして、抱き締めて下さい」

「それだけで良いです、今日は」

抱きしめた。

柔らかいような気がした。

よくわからなかった。

こいつが、人間じゃないような気がした。

「瑞鶴は、嫌いだ」

「俺は、お前が好きだよ、翔鶴」

言葉。

それは、ただの言葉の羅列。

だけど、彼女は満足そうに微笑んだ。

俺は―随分変わってしまった。

他人を、歪めるだけ歪めておいて。

すっかり、自分だけは普通になって―いや、なろうとして。

なれやしないのに。

なることなんて、許されないのに。

停滞したままで。

普通になろうと、藻掻いている。



「兄貴」

「……おう」

金を持って向かう先は。

駅。

昼過ぎのその場所は、人影もまばらだった。

そこの改札口で一人立つ、曙。

「……久しぶり、ちゃんと生きてた?」

「…ああ、ぴんぴんしてる」

「あはは、殺しても死ななさそうだしね、アンタ」

「…全くだ」

金の入った封筒を渡す。

ピン札の中で、その上の二枚だけがくしゃくしゃになった札束が入った封筒。

曙は、それを遠慮がちに受け取った。

「……ごめんね、いつも」

「……別に…家に金を入れるくらい、当然のことだろ」

白々しい。

それは誰の金だと思っているんだ。

だけれど曙は、俺の言葉に嬉しそうに笑う。

「兄貴、成長したわよね」

「……何も、成長してないさ」

笑った曙の姿は、痛々しい。

頬にでかでかと貼ったガーゼ。

多分、服の下には湿布だったりを貼っているのだろう、少しだけ薬品臭い。


「…なあ、あいつは――」

「…ん、……変わらない、かも」

「………そうか」

弟は。弟の人生は。

少しずつ、狂っていった。

多分、その発端は俺―なのだろう。

両脇に、あの姉妹を従えてあいつと会話したのが、丁度、家を出る前。

申し訳なさそうな表情の姉と。

何も気にした様子のない妹。

それを見てあいつは。

信じられない、と。

まさにそんな顔をしていたように思う。

だけど、あの時の顔を見ても、不思議と俺の気は晴れはしなかった。

チンケな復讐だったのだ、思えば。

それで俺の人生が返ってくるわけでもない―なんて、わかっていたはずなのに。

わかっていてやったのに、な。

まあ、なにはともあれ、そんな事があってから。

俺は、まず大学生になった翔鶴の家に居着いた。

それから同じ様に一人暮らしになった瑞鶴の家へと渡ることになったりするのだが―

この辺は、別に重要ではないし、長い話だ。置いておこう。



問題は、弟だ。

それ以来、前にもまして我武者羅に勉強に打ち込むようになり。

そして、大学に落ちた。

その時点で相当参っていたように見えたと―曙は言っていた。

極めつけは、2回目、1浪で迎えた受験。

これも、あいつは落ちた。

そこで、全て壊れてしまった。

弟は何もかもをやめて引き篭もってしまった。

今のあいつは家族に暴力を働き、金をせびりながら生きている。

―とは、曙の伝聞だが。

「…兄貴?」

「……ああ、すまん」

曙が不思議そうに俺を見る。

覗き込んだ瞼が、少しだけ腫れていた。

「…平気か?」

「…え、あ…うん、全然、アンタに殴られた時の方が、ずっと痛かったわよ」

「…てゆーか、何かアンタに心配とかされると少し気持ち悪いわね」

「………お前な」

「自業自得じゃないの」

―ばーか、と短く付け足して。

やはり曙は痛々しく笑った。



「…まあ…あんなクソヒョロモヤシと一緒にしてもらっちゃあ困るな」

「……そだね」

「…ねえ、兄貴」

「…ん?」

「……一回、提弟くんと話してくれない…かな?」

「大鯨おばさんも、おじさんも、会いたがってるし、兄貴と」

「………………」

確かに、このまま放置していたとしても良くなるはずは―無いだろう。

弟が、今のままでこれから正常な道を歩んで行くのは、多分ムリだ。

誰かの助けがいる。

だけどあいつは今、人の話を聞くような状態じゃない。

だから俺のような奴じゃないと、今のあいつとは話せない。

…殴りかかってきたら逆にふん縛ってやれるしな。

だいたい、そもそもの原因なのだ。

だから――――


>>――


A.わかった、このまま付いて行くよ。

ニアB.………ああ、そうだな、来週にでも。



それを知っては、いたけれど。

「……いや…そうだな、来週にでも」

「…ほんと?」

「…ああ、開けておく」

行く気なんて、無かった。

あいつをそういう風にしたのは、そもそもがきっと俺で。

その罪悪感―のような気持ちがあるのだろう。

後ろめたさがあって、家に入るのがどうしても躊躇われた。

それに何よりも。

今の弟は、いつかの自分を見るようで、どうしても会う気になれなかったのだ。

……空っぽで良いんだ。

余計な感情なんて、持ちたくない。

心地良い、停滞した時間で生きていたい。

いつかの自分を見返す事なんて――絶対にしたくなかった。

今は、平和だから。

まるで普通の人間のように、俺は生きているから。



「…そっか…それなら、また、連絡する」

「ああ…うん、待ってる」

「……ね、兄貴」

そのまま、立ち去ろうとした曙。

彼女が、改札を潜る前に一度、振り向いた。

「ん?」

「…あたし、お節介かな?」

「……だな、だから俺に殴られる」

「…そだね」

「…あの時は――本当に、悪かった」

「……認めたくなかったんだ、俺は」

「指摘されるのが、苦痛だったんだ」

「…それを発散させるのに、あんな、幼稚な方法しか知らなくて――」

「…ん、良いよ、べつに」

「あたしは、色々―言わないで良い事まで言っちゃうんだもん、いつも」

「…違う、あの時は」

「いいってば、兄貴」

しつこいしつこい、と手を振って曙が俺を制す。



「……だからさ、えと…本題、なんだけど…」

「…本題?」

「…こ、今度、一緒に出かけない?」

「……え?」

「…あ、あたしさ、服欲しいなって思って、だ、だけどセンスないし!不安だし!」

「…………」

「…い、嫌なら………別に、断っても、いいけど」

「……いつなら空いてる?」

「…え?あ、えっと!来週の、日曜日―そうだ!家に寄ってから、そのまま行けば――」

「……わかった」

「…付き合うよ、曙」

「……う、うん!ありがと!」

笑って。

彼女は。

少しだけ、急ぎ足で。

改札口を潜り抜けていった。

そして、その改札の向こうで。

俺に向かって、子供みたいに、手を振った。

―柄でもない。それは知っていたけれど。

俺も、それに何となく、手を振り返してみたのだった。



――――――――――――――――


「うおーい、てーとくーさーんやー」

「……留守かーい!」

家の中に入って、リビングからテレビの音が聞こえたので。

人が居る―と思ったのに。

「……ぬぐぐ…あのやろー」

「瑞鶴の家だからって電気代を無駄食いしやがってー!」

電気の、テレビの付いたリビング。

そこは空で。

『夜には帰る』

そんな置き手紙だけが置いてあった。

「出かけるなら電気消せー!」

手紙をぐしゃぐしゃにして、ゴミ箱に投げる。

「……………」

そしてそれをもう一度拾ってきて、伸ばす。

「……しかし、手紙はレアだし…やっぱ保存しとこー!」

…我ながら。

我ながら、何ともな思考であった。

「…ちぇー…翔鶴ねぇのとこかー」

「つまんないー」

ぼふ。

ソファーに身を委ねる。

その後ろで、夕方のニュースが流れていた。

『先程入ってきたニュースです、横須賀市の住宅街で無職の少年が一家を惨殺するという――』

「……暗い、消すっ」

「…つーか横須賀って…かなり近いし、こわっ!現代こわっ!」

リモコンを拾って赤いボタンを押す。

そのまま、てーいと勢い良くリモコンを床に投げた。

「…あーあー」

「まーだかなー、てーとくさん」

なんて、ソファーに転がって横を向けば、人影。

どうやら、寝室にいたらしい。

「あー!なんだ!いるんじゃんてーとくさん!」

「……って、え?」

「何で、翔か――」





【曙BADあふたー おしまい】

削らなければよかった
やはり全力で翔鶴のところを長くするべきだったね
今日はここまでです、埋めてくださると助かります
お付き合いいただきありがとうございました

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