幼馴染「実は私ゲーオタなんだー」幼友「ゲイオタ!?」(28)

幼「そうそう。ちょっと恥ずかしくて言い出せなかったんだよねー」

幼友「恥ずかしいどころじゃない気がするけど……なんでそっち方面へ

?」

幼「私の幼馴染の男ってわかる?」

幼友「うん、分かるけど……」

幼「あと幼友とも仲良しの男友。実はあの二人も同じなんだー」

幼友「へ!? じゃ、じゃあもしかしてあの二人って……」

幼「そういうことだよー」

幼「昨日二人にプレイしてるとこ見せてって頼んだら」

幼友「な、何てこと頼んでるのよ!」

幼「あの二人超すごかったよ!」

幼友「す、すごかった……って二人ともヤッたの!? 幼の前で!?」

幼「うん! かなり激しかったよー!」

幼友「ちょま、は、激しく!?」


幼「それで結局男たちと別れたあと、二人のプレイを思い出したらやる気が漲ってきて、徹夜でやってたんだよねー」

幼友「ナ、ナニを一晩中してたの!?」

幼「何ってわかるでしょ? まぁやりすぎはよくないとは思うんだけどね」

幼友「いやその……私も一晩中しちゃったことあるから幼のことあんまり強く言えないけど……」

幼「おー! 幼友ってもしかして……!」

幼友「ち、ちが! べ、別にそういうの好きじゃないのよ!?」

幼「え……、好きじゃないの?」

幼友「そりゃそうよ!」

幼「あーあ、せっかく幼友と一緒にできるかなって思ったのに……」

幼友「い、一緒に!?」

幼「幼友と一緒にハード、プレイしたかったなぁ」

幼友「ハードプレ――な、何言って――」

幼「ごめん、そうだよね。まずは軽くできそうなのからだよね」

幼友「いや、絶対一緒にはしないからね!?」

幼友「あれ? そういえば幼って男くんのこと好きなんじゃ……」

幼「う、うん……まぁ……」

幼友「男友から奪ってやろうって思ったりしないの?」

幼「たまには二人きりで、って思ったりもするけど、三人プレイも悪くないよ?」

幼友「三人プレイ!? ちょっとまって! なんで幼が混じれるの!?」

幼「私は見てるだけなパターンが多かったんだけどね」

幼友「それならまぁ普通……じゃないわよね!?」

幼「それより幼友。男友のことどう思う?」

幼友「この流れで何!?」

幼「いやー、男友が周りからどう思われるのかの意識調査?」

幼友「疑問形で来られても……」

幼「とにかく答えれー!」

幼友「えー……」

幼友(んー、結構いいなって思ってたけど、ゲイだって知っちゃったのよねー……。それでもまぁ)

幼友「良いやつだと思うわよ?」

幼「ふむふむ」

幼友「優しいとこあるし、喋ってて楽しいやつかなぁ」

幼「ほうほう。いいねいいね。ありがと、幼友」

幼友「え、何?」

幼「完徹して眠いから授業始まるまで寝よーっと」

幼友「話聞いてないし」

幼友(幼、机に突っ伏しちゃった。さっそくグースカ寝息聞こえてくるし……)

幼友(それにしても男友と男くんがゲイカップルかぁ。なんか見る目変わるなぁ)

男「幼友さーん?」

幼友「お、おおお男くん?」

男「そんなに驚かなくても……」

幼友「ご、ごめん」

男「まぁ確かに話しかけることも少ないし、仕方ないかー」

幼友「う、うん。急に話しかけられてびっくりしちゃった」

男「お互い幼と男友とは仲良いのになー」

幼友「変な感じよね」

幼友(ホントは男くんと仲良くしてたら幼に悪いかなって遠慮してるだけだけど……)

幼友「それで、どうしたの? 幼ならそこで寝てるけど……」

男「いや、今日は幼友さんに話があってさ」

幼友「私に?」

男「そうそう。幼友さんって男友と仲良いってことでいいんだよね?」

幼友「うん、私は仲良いと思ってるわよ?」

男「ほう……」

幼友(……ちょっと待って。あんまり話さない男が話をしに来た。しかも恋人と仲が良いかの確認)

幼友(もしかして男友は渡さないって宣戦布告にきたとか!?)

男「それでさ、男友のことなんだけど――」

幼友「あ、お、男くん! 幼を男くんと男友の趣味に巻き込んだでしょ!」

男「え? あ、あぁ、あのことか。でも俺たちが引き込んだんじゃないぞ?」

幼友「へ? そうなの?」

男「そうそう。幼が言ってきたんだよ。『(私ゲーム初心者だから特訓)二人に付き合ってもらいたいんだ』って」

幼友「何がしたいのよ幼は!?」

幼友(『二人に付き合ってもらいたい』ってどういうこと!? 自分の恋愛より趣味優先なの!?)

男「何がしたいって、したいことは決まってるだろ?」

幼友「……そ、それで男くんは幼にそう言われてどう思ったの?」

男「まぁ……嬉しかったかな」

幼友(……嬉しかった、か。合意の下なら何も言えないわね。ただ、最後に一つ)

幼友「ねぇ男くん。幼が好きで満足してるのなら何も言わないけど、男くんはその……それでいいの?」

男「そりゃいいに決まってるだろ? 他の何よりも一番好きだしな。俺たちの趣味に幼が興味を示してくれたんだから、そんなに嬉しいことはないよ」

幼友(男くんの愛は本当みたいね……幼もそれでいいみたいだし……)

幼友「はぁ、もう私からは何も言えないわ……」

男「あ、もしよかったら幼友も一緒に混ざるか?」

幼友「へ? ま、混ざる訳ないでしょ! 何言ってんのよ!」

男「え、えっと、なんかごめん……」

昼休み


幼友(男友と男くんが二人仲良くゲームしてる……)

男友「ちょ、袋されてる!」

男「ヘイト取るから、その隙に回復してら」

男友「さんきゅ! ちょっとま壁よろしく」

男「デスペナきついからできるだけ死ぬなよー、この前の幼みたいな死に方なら笑えるから許す」

男友「あー、あれはマジ笑った!」

男「あのタイミングであれはな!」

幼友(二人が楽しそうに笑ってる……その背景に薔薇の幻覚が……)

幼友(流石はカップルね。どうして今まで気付かなかったんだろう)

幼友(あ、男友と目が合っちゃった。照れたみたいに顔伏せたけど、やっぱりイチャイチャしてるとこ見られるのは恥ずかしいのかな?)

幼友(おー、幼がゲーム機持って二人の空間に乱入。私じゃとても無理だわ……幼馴染特権ってやつかね)

幼友(なんか二人にまざって小声で話してるけど……)

幼友(あれ? また男友がこっち向いた……って、こっち来る?)

男友「幼友」

幼友「な、なに?」

男友「その、話があるんだ。放課後、校舎裏に来てくれないか?」

幼友「……えっと、それって秘密のっていうか大事な話だったり……?」

男友「あ、あぁ」

幼友「わ、分かったわ。放課後に校舎裏ね」

放課後


幼友(このタイミングで男友からの呼び出し……)

幼友(きっとさっき幼が二人の関係を私にカミングアウトしたこと、男友に言ったからでしょうね)

幼友(ゲイカップルの悩み相談とかされちゃうのかな)

幼友(幼は二人の関係を受け入れて、男友と男くんは互いに想い合ってる)

幼友(二人を応援するしか選択肢はないわね)

幼友(もうすぐ校舎裏に着いちゃうし……腹括りますか!)

幼友「男友ー? いるー?」

男友「あ、あぁ」

幼友「ごめん、待たせちゃったよね?」

男友「いや、いいんだ」

幼友「…………」

男友「…………」

幼友「え、えっと、話って何かな?」

男友「ッ! ……幼友、好きだ! 俺と付き合ってくれ!」

幼友「……え?」

幼友(なんて言った? 私のことが好き? 付き合って? え? ということは)

幼友「あんたバイなの!?」

男友「……へ?」

幼友「というよりあんたには男くんがいるでしょ!?」

男友「な、何いって――」

幼友「それなのに私のことが好きだって!? 何言ってんのよ! 男くんの気持ち考えなさいよ!」

男友「いやだから――」

幼友「言い訳なんて聞きたくないわよ! 男くんを裏切って! 最低!」ダッ

男友「ちょ、待って! ……って、逃げられた」

翌日


幼友(ゲイオタだって打ち明けられるわ、ゲイカップルの報告されるわ、男友から告白されるわ、昨日は悶々とし過ぎて眠りにつけたのは朝方……)

幼友(爆睡してしまって起きたのは昼前。昼休みには学校に辿り着いたものの、クラスメイトからの視線がなんか痛い気がする……)

幼「おやおや幼友さん、社長出勤ですかい?」

幼友「いやー、完全に私が悪いから何も言い返せないわ」

幼「冗談だよー、幼友が遅刻なんて珍しい。体調悪いの?」

幼友「ううん、そうじゃないのよね……。心配させてごめん、ありがとね」

幼「それより幼友……。男友、振ったの?」

幼友「……う、あー、男友から聞いた?」

幼「いや、告白の場面を偶然見てた人がいるらしくて、そこから回ってきたんだけど……」

幼友「うわ……なんでそういうこと言い触らすかな……」

幼「まぁみんなそういうの好物だから仕方ないよ。あんなに仲良かったのに振っちゃったんだ?」

幼友「その……まぁ、男くんのこともあるからね」

男「ん? 名前聞こえたんだけど、呼んだ?」

幼「呼んでないよー」

男「さいですか」

幼「さいですよー。あ、男。今日もプレイまぜてね」

幼友「へ? な、何を……!」

男「おーう。足引っ張んなよー」

幼友「ふ、二人とも何の話を……!」

男&幼「ん? ゲームだよ?」

幼友「へ? あぁ、ゲーム……ね」

男「そうそう。幼下手だからなー」

幼「へ、下手とか言うなし! 私だって頑張ってるんだから! これでも自分でオタクだと思ってるし!」

男「自称オタク乙」

幼「なにおー!」

男「せめて対戦モードで一勝でもしてから言ってください」

幼「きょ、今日こそは勝つから!」

男「あっれー? その台詞何回目だっけー?」

幼「う、うるさい! そんな余裕なのも今日までだから! 絶対勝つからね!」

男「はは、やっぱ幼って面白いなぁ。いじり甲斐あるわー……反応かわいいし」ボソッ

幼「ッ! ばーかばーか! しね!」

幼友「えっと、喧嘩してるし、とめた方がいいのかな……」

クラスメイト「いや、単にイチャついてるだけだからほっとけばいいんじゃね?」

幼友「へ? なんで幼と男くんがイチャついてるの……?」

クラスメイト「なんというか幼友ってホント恋愛関係疎いよね。あの二人どうみても両想いじゃん」

幼友「そ、それはおかしいわよ! だって男くんは男友のことが……」

クラスメイト達「ざわざわざわざわ……やっぱりあの噂って……うん、そうみたいね……」

幼友「え? な、何?」

クラスメイト「……えっとな……その、非常に言いづらいんだが、幼友の噂が流れてるんだよ」

幼友「噂……?」

クラスメイト「うん。幼友が『妄想と現実を区別できないゲイ好きの痛い子』だってさ……」

幼友「……へ? うえええええええええええええ!?」

終わりです。
このあと誤解が解けた男友と幼友は幸せになりました。めでたしめでたし。

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