慕「ねぇおじさん…ご飯にする? お風呂にする? それとも……」 (35)

慕「麻雀する?」

耕介「ご飯で」

慕「ご飯が炊けるまであと30分かかるんだけど…」

耕介「んじゃ風呂」

慕「実はお風呂が沸くのも、30分後なんだ」

耕介「そっか…それじゃあ……」

慕「まーじゃ」

耕介「持って帰ってきた仕事を先に片付けるか」

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慕「ヤダァーっ! おじさんと麻雀がしたいしたいしたいーーーーっ!!」

耕介「うおっ!? お前でも駄々こねることあるのか!?」

慕「たまにはお子様アピールしておこうと思って」



耕介「大体、今は小学校の友達と毎日麻雀打ってるんだろ? それもこども麻雀大会二位の子と。俺なんかと打つよりその子らと打つ方が全然面白いだろ」

慕「まぁ、確かに閑無ちゃんたちと麻雀打つのは楽しいよ? …………けど」

耕介「…………けど?」







慕「それはそれ、これはこれだよ」

耕介「さて、仕事に取り掛かるとするか」

慕「わわ、ちょっと待って……」

慕「逆に教えて? どうしておじさんは私と麻雀打つのが嫌なの?」

耕介「勝てないから」

慕「で、でも去年まではよく三人で……」

耕介「姉貴もいたときは、負けたときの言い訳が出来た。姉貴は俺より強かったからな。でも今は出来ない。しかもお前は大会で結果を残した。つまり…俺より強いのは明白!!」

慕「で、でも麻雀は運の要素が強いし……」

耕介「四人麻雀ならいいんだ、棚ぼたの勝利が拾える可能性があるからな」

耕介「でも、二人だと実力差がモロに出るんだよっ!! 負けるのが分かってる勝負はしたくねーの」



慕「四人なら打ってくれるの? じゃあ……今から友達も呼んでいい!?」

耕介「こんな時間に? ……一応訊いておくけど、誰?」






慕「閑無ちゃんとはやりちゃ…」

耕介「さて、仕事仕事」



慕「四人なら打ってくれるって言ったじゃん!?」

耕介「負けるのが分かってる勝負はしたくねーとも言っただろ!? その二人、この前の大会でお前より上位にいた二人じゃねーか!!」

慕「じゃあ誰となら打ってくれるの?」

耕介「う~む……京ちゃんとマホちゃん相手ならいい勝負ができるかも……」

慕「…………誰?」

耕介「初心者とチョンボ魔神」



耕介「ほら。そんなこと言ってる間に、もうすぐご飯炊けるぞ?」

慕「……………」

耕介「さっさと美味い飯食って、風呂入って、テレビでも見ながらダラダラしよーぜ」

慕「…………………そういえば今日、トマトが安かったんだよね」

耕介「!?」





慕「トマトスープ…トマトサラダ…トマトスパゲッティ……トマトご飯にトマト鍋……あ、食後にはつぶつぶドリアンジュースも……」

耕介「いや~、最近働きすぎかなぁ。たまには息抜きも必要だよなぁ。でもこの時間に出掛けるのもなぁ。そうだ久しぶりに麻雀でもするか!!」

慕「わーい!!」



耕介「サンドイッチ摘みながら麻雀はよくしたけど、晩飯食いながら麻雀すんのは初めてだな」

慕「あ、テーブルに肘ついちゃダメだよ? お行儀悪いよ?」

耕介「へいへい。サイコロ振んのめんどいし、親はジャンケンで決めようぜ」

慕「え~? 適当すぎない?」

耕介「二人麻雀自体割と適当だし、いいじゃん。ほれ、最初はグー」

慕「わわっ、じゃんけん…ぽん!!」



耕介「……む、まずはあいこか」

慕「あ~いこ~で……」

耕介「ちょっと待った! ……今は、グーとグーのあいこだったな」

慕「え…うん、そうだけど……それがどうしたの?」





耕介「つまり、慕は最初の掛け声も合わせて、二回連続でグーを出してるわけだ……」

慕「そ…それが……?」

耕介「流石に三回連続でグーを出すことはないだろうからな……次に慕が出すのは、チョキかパー……」

慕「!?」

耕介「つまり……俺はチョキを出しておけば絶対に負けないということになるな……」

慕「で、でもそれだと私がグーを出せば……」

耕介「三回連続で? ずっとグーを? そんなんでジャンケンに勝てるのか……?」

慕「ぐぬぬ……これが心理戦ってやつだね……?」

耕介「ふふふ…あーいこーで……しょっ!!」




耕介「よっし!! 最初の親はもらったぁ!!」











慕「ツモ!! リーチツモタンヤオイーペードラドラ!!」



慕「ロン! 平和タンヤオ三色イーペードラ1!!」



慕「ツモ! 平和三色純全ドラ1!!」






耕介「……だから二人麻雀なんてしたくなかったんだよぉ……」ドヨーン

慕「ご…ごめんなさい……」

耕介「俺一度も和了ってねえよ……二人麻雀だからツモもロンも取られる点数変わんねえよ……」ドヨーン

慕「い、一応ツモが付くから点数は変わるよ?」

耕介「なんだよぉ…少しくらい手加減してくれよぉ……」ドヨーン

慕「て、手加減したら負けちゃうかもって思ったから……」

耕介「お世辞はやめろよぉ…余計傷つくだろぉ……?」ドヨーン

慕「ご…ごめんなさい……」



耕介「やっぱりお世辞だったのかよぉっ!?」

慕「!?」ビクッ



耕介「……ごちそうさん。風呂入ってくる……」

慕「あ、い…いってらっしゃい……」

耕介「…あ、食器は置いといてくれ。後で適当に洗っとく……」

慕「べ、別にいいよっ! おじさんもお仕事で疲れてるもんね? 私がやっとくよっ!」

耕介「そっか……悪いな……」

慕「ご…ごゆっくり~……」






慕「……おじさんには悪いことしちゃったなぁ……」





耕介「はぁ~あ……なんで自宅でこんな疲れないといけねーんだよ……」









慕「………でも……」





耕介「………でも……」









慕「麻雀してる時のおじさん…表情がコロコロ変わって可愛いなっ♪」






耕介「麻雀打ってる時の慕の笑顔が、一番可愛いんだよなぁ…」









慕「またいつか、おじさんと麻雀が打てますよーにっ!」





耕介「…次の休日までに、もうちょい麻雀の勉強しとくか」







カンッ



特にオチはないです。
シノリチャSSもっと増えろー。

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