絵里「信頼ゲームをするわよ」 ざわ・・・ざわ・・・ (71)

絵里「こないだA-RISEのライブを目の前で見て皆も分かったでしょ?」

絵里「私達九人の個性は確かに武器だけど、A-RISEの三人の信頼関係は人数が少ない分固いのよ」

凛「その言い方だとまるで凛たちが仲悪いみたいに聞こえるよ」

絵里「そうは言ってないわ。今日は練習は休みにしてゲームをしようと思うの」

にこ「ゲーム?」

希「トランプでもするんかいな?」

絵里「仲間との意思疎通がきちんと出来ている。その疎通が偏っていないかを試すオリジナルゲームよ」

ここで発表されたのは『信頼ゲーム』と名付けられたKKEによって考え出された驚愕のゲーム!

思わずざわめく絵里を除くメンバーの八人。

海未「絵里のオリジナルでしたら絵里が有利になるのではないですか?」

穂乃果「そうだよ。それだとゲームとして成り立たないよ」

絵里「私がそんな姑息な手を使うと思っているの? 腐っても元生徒会長なのよ!」

本来ならばここでゲームの変更等を訴えることも出来るが、皆それをしない。

信頼……圧倒的信頼!

初めは敵のような存在だった絵里だが、今ではメンバーから全幅の信頼を寄せられている。

そう、ゲームを始める前に既に信頼は築き上げられている。

少なくとも今現在の絵里については……。

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真姫「ま、絵里なら心配ないわね。これがにこちゃんや穂乃果なら怪しいけど」

にこ「にこがそんな姑息な手段を使う訳ないでしょ!」

穂乃果「穂乃果だってそうだよ。ゲームは楽しんでするものなんだよ?」

花陽「まぁまぁ、二人とも落ち着いて。真姫ちゃんも本気で言った訳じゃないんだから」

絵里「静かに~。じゃあ、皆に説明するわね。まずは皆さんにスケッチブックを配ります」

絵里「私が事前にクラスの暇な人を集めて問題を作成してもらいました」

ことり「問題? クイズでもするのかな」

絵里「クイズではないわ。お題に一番当て嵌まると思ったμ's内のメンバーを一人書くっていうゲーム」

にこ「それのどこがゲームになんのよ。時間の無駄でしょ」

希「にこっち。説明の文句は全部終わってからにしないと駄目だよ」

絵里「勿論これだけじゃ何の意味がないわ。細かいルールを説明するから覚えられないなら一ページ目に書いてね」

絵里「このゲームでは悪いptしか加算されません。つまり0ptに近い数を維持出来ればいいの」

絵里「ptの加算条件がいくつかあるからね」

絵里「一つ目は誰とも答えが被らなかった場合。これが一番多いと思うので1pt」

絵里「二つ目は回答に自分の名前を書いて被らない場合。これは2pt。にこ気をつけなさいよ」

にこ「どうしてにこにだけ言うのよ! 真姫ちゃんだって自分を完璧とか思ってる痛い女じゃない」

真姫「わ、私は完璧だもの。にこちゃんの方が痛いじゃない!」

絵里「は~い! 脱線しないの。三つ目の説明するわよ」

絵里「問題の内容次第かもしれないけど、三連続同じ人と回答が被ると3ptになるからね」

凛「三連続も回答が被るなんてあるのかな?」

花陽「穂乃果ちゃん達二年生組はありそうかも」

真姫「確かにね」

絵里「ただ、これは四連続して追加でptされるようなことはないから安心してね」

海未「三の倍数で連続して同じになった場合のみ3ptが追加されるということですか?」

絵里「その通りよ」

花陽「二人以上で三連続被った場合はどうなるのかな?」

絵里「その場合は全員にpt加算されるわ」

絵里「四つ目はないとは思うんだけど回答が白紙の場合。これは5pt」

にこ「自分の名前出した方がまだペナが少ないなら書くに決まってるじゃない」

真姫「それフラグなんじゃないの?」

希「白紙+自分の名前で誰とも合わずで計7ptだね」

にこ「そんなフラグなんてないわよ!」

絵里「それで誰かが10ptに到達したらゲーム終了。その時点で一番少ないptの人が勝ち」

絵里「当然勝ち負けよりも、どれだけ長く続けられるかがこのゲームの肝ね」

穂乃果「何か罰ゲームとかないの?」

凛「さっすが穂乃果ちゃん! 罰ゲームがあった方が盛り上がるよ!」

絵里「絆を深めるゲームだから罰ゲームは……」

希「ウチは良いと思うけど。なんせラッキーガールやから」

ことり「確かにこういうゲームで希ちゃんが負ける姿が想像出来ないよね」

花陽「うん。絶対に優勝しそうだもん」

海未「最強の座は揺るぐことがないでしょうね」

絵里「ということだから、罰ゲームを希望するなら希にはハンデを付けてもらいましょう」

希「ハンデ?」

絵里「希は4ptの状態からのスタート。そして、1回の被りなしで3ptでどう?」

希「早期にゲームが終了してしまえばウチの優勝は消えるけど、逆に言えば長期戦になれば……可能性はある」

海未「ですがたった二度回答が被らないだけで終了なんですよ? 流石の希でもこれではキツイのではないですか?」

だが、海未の心配とは裏腹に希は笑う。

希「勝負っていうんはね、狂気の沙汰ほど面白いんよ」

にこ「裏社会でギャンブルする訳じゃないんだから大げさなやつねぇ」

穂乃果「でもなんだかカッコ良かったよ」

花陽「確かに! 邪道系アイドルみたいな台詞で素敵でした」

凛「かよちん。邪道系アイドルなんているの?」

ことり「邪道シスターズのことだね」

花陽「その通りですっ!」

海未「とにかく希の心配は無用ということですね」

希「うん。皆は人の心配より自分の心配をしないと駄目なのだ!」

絵里「穂乃果に凛。特ににこに言っておくけどきちんと駆け引きを考えなきゃ駄目だからね」

にこ「もう特にって部分に突っ込み入れないけど、信頼ゲームなのに駆け引きっておかしいでしょ!」

絵里「罰ゲームが追加されるのならもうこれは信頼ゲームではないわ。裏信頼ゲームよ」

凛「おぉ~! 裏がついただけで何か危険な感じになったね♪」

穂乃果「なんだかわくわくしてきたねっ」

絵里「罰ゲームは一番ptが少なかった勝者が一番最初に10ptに到達した人に命令するってことでいい?」

海未「先に命令の内容を決めた方が良いのでは?」

花陽「後から決めるとどんなことになるか……ウゥッ、ダレカタスケー」

ことり「でも先に決めちゃうとどうせ罰ゲームあれだからいいかなって感じになるんじゃないかな?」

希「ことりちゃんの言うことも一理ある」

にこ「何でも命令してOKで良いじゃない。私が勝ったら二度とにこにーに逆らえないようにしてやるわ」

絵里「倫理的に駄目なやつは逆に罰をされる側にするからね」

にこ「にこが倫理に触れるような罰を言う筈ないでしょ」

海未「にこの常識が一般とズレているので、にこの倫理はあてになりません」

にこ「ぐぬぬ! 絶対ににこが一番になってやるんだからね!」

真姫「にこちゃんは敗北フラグを立て過ぎなのよ」

にこ「……ニタァ」

今までずっと道化を演じ、完全に油断させてきた。

にこの隠された牙に気付く者はいない……。

孤立時代、にこにー社会で小悪魔王と恐れられた本性が露わになる。

絵里「話は戻すけど、簡単な駆け引きだけ説明しておくわよ」

絵里「二連続誰かと被った場合よ。誰とも被らないのなら敢えて不正解を選ぶのもありってこと」

穂乃果「でもそうすると1pt入っちゃうよ?」

絵里「でも、正解が同じになって3pt入ったら意味ないでしょ?」

穂乃果「そっか……。損して得取れってことかぁ」

凛「色々考えなきゃいけないんだねー」

海未「でもこれは問題は今から用意するのですか?」

絵里「クラスの暇な人たちに頼んで作って貰ったわ」

絵里「それから、問題読み終えてから四十五秒以内に書き込み終わらないと白紙扱いだから気を付けてね」

海未「この時期に暇を持て余す三年生が作った問題……嫌な予感しかしません」

幼い頃から鍛えてきた海未の直感は正しい。

これは信頼を深める所か、μ's解散の危機になるのではないかと。

だからこそ決意する。

何があっても自分の信念を突き通すと。

にこ「でも、こんな横に居たら答え覗けちゃうんじゃないの?」

絵里「ロボット部に頼んだら『こんなこともあろうかと』ってこんな機械を貸してくれたわ」

穂乃果「何これ?」

絵里「簡単に言えば車の窓みたいなものよ。これで隣同士を遮断して、発表の時は今みたいに戻すの」

海未「ロボット関係ありませんね。書類審査で失格する訳です」

凛「でもこれ面白いよ!」

真姫「途中で止められない所が学生レベルって感じね」

にこ「そもそも、何でこんな使い勝手の悪い物をこんな数作ってるのよ。予算の無駄じゃない」

絵里「細かいことは気にしないことよ。さ、皆座って。裏信頼ゲームを始めましょう」

そして、遂に時満ちる……!

ルール~誰かが10ptになった時点で終了。pt少ない者が勝者~

・回答被りなし 1pt ※希のみ3pt
・自分の名前で被りなし 2pt
・三連続同じ人との回答被り 3pt
・白紙 5pt
・ハンデとして希のみ4ptスタート

記念すべき一問目。開示された問題は――!

絵里「一問目『お腹減った』」

にこ「何よ。もう負けた時の言い訳?」

凛「穂乃果ちゃんみたいだにゃー」

穂乃果「私はそんな言い訳しないよ」

絵里「違うわよ。問題が『お腹減った』なのよ」

真姫「……クラスの暇な人って、冗談じゃなくて本物だったのね」

海未「これからの問題を考えると頭が痛くなりそうです」

絵里「と、とにかく! 今から四十五秒。アラームが鳴ったら終了。それまでは書く音防止にBGM流すからね!」

ことり(お腹減ったと言えば穂乃果ちゃんだよね♪)

海未(これは穂乃果一択ですね)

花陽(ど、どうしよう。……えぇいっ! 穂乃果ちゃんで)

回答オープン!

[穂乃果]
ことり・海未・花陽・絵里

[花陽]
凛・真姫・にこ・希・穂乃果

初回は全員難なくクリア。

海未「なるほど。単純な問題では正解率が上がる反面、回答が重なる人数が多くなるリスクが増える訳ですね」

穂乃果「ていうか酷くない? 穂乃果そんな大食いのイメージないよ~」

花陽「……わ、私はお米好きだし。否定出来ないかな」

凛「さすがかよちん! ご飯派の鏡だよ」

穂乃果「そう言われるとパン派の穂乃果も否定出来ない流れだね!」

海未「現金な人ですね」

ことり「でもそれこそが穂乃果ちゃんらしい」

絵里「さ、続いて二問目行くわよ。『セクシー』」

真姫「絵里のクラスメートって……」

凛「ちょっと三年生のイメージが悪くなったよね」

絵里「うっ! い、いいから。スタート!」

にこ(仕方ない。勝負の世界だもの。今回は希と書いてやるわ)

海未(穂乃果とことりがどちらを選ぶかによりますね。……絵里を選ぶと信じて希にしましょう)

凛(かよちんなら絶対に希ちゃんを選ぶから、凛は絵里ちゃんだにゃー)

[希]
花陽・海未・ことり・絵里

[絵里]
穂乃果・にこ・希・凛・真姫

今回もクリア。

だが、一問目二問目と解答が分かれた全員がテンパイの失点の予感!

にこ「変なゲームかと思ったけど、いきなりピンチ到来とかなかなか出来てるじゃない」

ことり「深く読もうとすると逆に仇になっちゃったりするね」

海未「特定の人物だけを意識するのは良くないということですね。実に奥が深い」

真姫「ていうか、そもそも問題が変すぎるのよ」

花陽「次の問題が簡単だと困るよね」

絵里「さぁ、運命の三問目よ。覚悟はいいわね? 『元気な子』」

にこ(凛と穂乃果。それから変化球で私。被ってるメンバーにことりと海未が居ないから素直にいくにこ)

真姫(単純なにこちゃんは穂乃果よね。凛は自分。とすると……にこちゃんにすると希と被っちゃうかしら?)

希(これは……ちょっと難しい局面やんな。オーラスで国士無双十三面待ち相手に戦うようなものだけど……)

海未(穂乃果はことりに譲りましょう。絵里とも被る可能性ありますし。でも、他も被りそうですね)

穂乃果(簡単だね! ここは凛ちゃんしかないよ!)

ことり(う~ん。穂乃果ちゃんと書きたいけど、海未ちゃんと絵里ちゃん居るし。どうしよう)

花陽(凛ちゃんで。被っちゃったらしょうがないって諦めよう)

絵里(こういう時こそ危険な穂乃果が安全になるのよね。海未とことりで仲良く牽制しあって頂戴☆)

凛(今回は素直に退いておく方が安全な気がする。勝負はここから始まるよ!)

[穂乃果]
にこ・絵里

[凛]
穂乃果・花陽

[にこ]
真姫・海未

[花陽]
希・ことり

[絵里]


戦略的撤退を選んだ凛が初のpt増加。

1【凛】 4【希】 0【他】

pt上では不利になった凛だが、分かる人には分かってしまう。

凛の鬼才。圧倒的なまでの判断の的確さ。

凡人であれば自分だけが損するくらいなら誰かと一緒に損をした方が良いと考えてしまう。

だが、凛はそれをしなかった。

勝負に対する今後の姿勢をこの一戦で線引いた。

間違いなく強敵。これに気付けたのは人生経験の多い三年生組だけ。

花陽「えぇ!? 私が元気?」

希「アイドルのこと話してる時は凄く元気でしょ?」

ことり「私もそれしか思いつきませんでした」

海未「思っていた以上にスリリングですね」

真姫「三連続っていうのがキーよね。被らないと思ってたけど、意外と被るわ」

凛「さぁ! 次にいくにゃ~♪」

続く二戦は誰も増加はなく、連続で被ることもなかった。

そして、序盤戦の一つのキーとなる勝負が始まる。

問題は『本物のアイドルになれそうな人』というもの。

にこ(ついに見せる時がきたみたいね。にこの隠し続けてきた刃)

にこ『ラブにこワールド(幻想☆)』

ラブにこワールド(幻想☆)とはにこの持つ技の一つ。

相手の脳内でアイドル衣装を着たにこが「にっこにっこにー♪」をエンドレスで再生される脳破壊の技。

ある意味でことりの「おねがぁい♪」に近しい技であるとも言われている。

にこ(これで全員がにこを選択するニコ♪)

このゲームで未だ自分の名前を書く者はいなかったが、自信満々に書き込む。

解答オープン!

希・絵里・海未・ことり……この四人が選択したのは穂乃果。

そして、凛は花陽。穂乃果は絵里。

誰も自分を選択しないことに恐怖を覚えるにこ。

にこ(残るは真姫ちゃんと花陽。一番世話してやってる一年生だもの。心配ないわよ……信じてるからね)

が、駄目――。

花陽が開いた名前はなんと自分の名前!

余りにも花陽に似合わない大胆不敵な行動。これにはにこもショックを通り越してただただ唖然。

自分の名前を書いた理由は単純明快。

花陽「凛ちゃんなら絶対に私の名前を書いてくれるって信じてたから」

そう、これこそが本来の信頼ゲームの形。

自分を信頼してくれる人に応えるべく、自信を持って自分の名前を書く。

つまりは信頼という名の絆の確認。

外せば2ptでありながら、正解しても目に見える報酬はない。

だが、今の花陽と凛が浮かべている表情を見れば納得のルールであることは明白。

ポンコツとからかわれることもあるが、かしこいエリーチカが作ったゲームだけある。

そんな中、真姫の解答が開かれる。

穂乃果とにこにとっては運命の分かれ道。

にこ(真姫ちゃんなら大丈夫!!)

真姫「私も穂乃果よ」

にこの希望は穂乃果の名前に溶けて消えた。

にこまさかの自分単騎スルー。

フラグ通り!

にこ「し、信じてたのに……」

真姫「にこちゃんを書こうと思ったんだけど、頭の中でにっこにっこにーってうるさくて」

真姫「だから無難に穂乃果に変えたの」

最後の部員が辞めてからμ's入りするまでの一人ぼっちの間寂しさを紛らわせる為に考えた技と設定の数々。

にこにー社会で小悪魔王と恐れられた王は、自らの技で自滅した。

にこ(でも、技が真姫ちゃんだけにとはいえ発動してた訳でしょ?)

にこ(これって技を磨けばアイドルになれる証拠だわ! よぉ~し! 頑張るにこっ☆)

唯では転ばないにこの不屈な精神。だが、加算されたptは減りはしない。

1【凛・穂乃果】 2【にこ】 4【希】 0【他】

穂乃果「絵里ちゃんの方が穂乃果よりアイドル向けだと思うんだけどな~」

絵里「そんなことないわよ。穂乃果にはカリスマ性があるもの」

今回得た穂乃果の1pt。減ることのないゲームにおいて、大きな大きな鉛に変わっていく。

この時はまだ誰も予想だにしなかった悪魔の連鎖。

ゲームは次第に過酷さを露わにしていく……。

CM〈新番組〉

皆が泣いて、皆が笑ったあのファンタジー小説がついにドラマ化!

「天涯孤独になって早一年。もう、お店を売るくらいならいっそこのまま……」

酒場兼宿屋を経営する一人の少女穂乃果。

父が残した財産で細々と暮らしてきたが、もはやそれも限界が近い。

手伝いはしていたが、料理はパンしか作れないとあって、酒場の常連は他に流れた。

そうなると当然泊り客も居なくなり、未来は暗闇に閉ざされている。

食料がもう底を尽きる寸前、一人の少女が店の前で行き倒れた。

「に……にこぉ」

小柄であった為、一人で自分の部屋まで運ぶことができた穂乃果。

見知らぬ人に自分の分であるパンを分け与え、少女は危機を逃れた。

翌日、少女はお礼をすると言ってダンジョンに潜りに行く。

そんな少女に最後の食料を渡して見送り、一人空腹と戦う穂乃果。

少女が店に戻ってくる保証はない。寧ろ、戻ってくる方が奇跡と言える。

穂乃果はどちらでも良かった。

心が限界を向かえていて、早く両親の元へ逝きたかったから。

だが、そんな穂乃果の元に少女は返ってきた。

沢山の食料と元気になる笑顔と共に。

「私の名前はにこ。命を助けてもらった分、にこにーの名前に賭けて恩返しさせてもらうわ!」

絶望に満ちていた心を癒す優しい笑顔。

二人で寂れた店を改善し、新メニューを作り話題を呼び、珍しい酒で常連客を呼び戻していく。

「私は吟遊詩人の真姫。良かったら住み込みで私を雇ってみない?」

「凛は踊りなら誰にも負けない自信があるよ。美味しいご飯くれるなら雇われてあげる!」

「久しぶりだね……。約束守って帰ってきたよ、穂乃果ちゃん!」

新しい出逢い、再会、目まぐるしく過ぎる時間。

「ふぅん。最近穂むらが評判みたいね。気にいらないわ!」

ライバル店エリーチカの店長絵里の策略が襲う。

「そう、その笑顔が未来を作る。そう占いに出とるよ」

街の人達と絆を深めながら、ライバル店と競り合っていく。

だが、平和あるところに絶望はやってくる。

「……ご、五千の災厄がこの街に向かっています。街の皆さんを大至急集めてください。お願いしますっ」

十五代目聖女パナヨエルの予言に街は大きく震撼する。

「そろそろ目的の街が見えてくるようですね。皆さん、もう直ぐ狩りの時間ですよ! は~はっはっはっ!」

果たして穂乃果達オトノキ街の運命は如何に……。

新番組【オトノキ街に咲く笑顔の華】★曜日夜九時スタート! 後半戦に続く

内容は簡単な連想ゲームで誰かが10点到達した時点でゲーム終了。
ゲーム終了時に「点数が一番少ない人」が勝者

点数加算条件

1・9人の中で自分だけが被りなしの回答だった場合                 1点
2・9人の中で自分だけが被りなしの回答で「自分の名前を書いた」場合   2点
3・9人の中で「同じ人と3回連続で回答が同じ」だった場合             3点
4・無回答(問題を発表後45秒以内に書込みが終わらない場合も同様)    5点

希のみ最初から4点加算状態からのスタートで条件1の場合は3点加算とする

ってことだが >8 に簡略に書いてるんだけど

前回の『姑息』は『小ずるい』にチェンジで! あと、手抜き過ぎたのはごめんね

ルールは >>29 で。わざわざありがとうございます


勝負は続き、凛と花陽の相性の良過ぎる所為で初の三連続被り、ポイントが加算。

他にも解答一致せずが多発した。

◆ポイント◆
【0pt】海未
【1pt】真姫/穂乃果/絵里
【2pt】ことり
【3pt】花陽
【4pt】凛/希/にこ

海未の完璧な立ち回りが目立つ展開が続く。

だが、そんな海未に最大のピンチが訪れる。

穂乃果とテンパイ(2連続被り)状態からの大事な局面。

読み上げられたのは『同性愛っぽい子』という根が真っ直ぐな海未には許しがたい問題。

【テンパイ】◇穂乃果&海未◇ ◆希&ことり&真姫◆

海未(何ですかこの問題は!? ふざけているのですか!)

希(穂乃果ちゃんといきたいけど、二人と聴牌中だし……海未ちゃんかな? でも、何か嫌な予感するなぁ)

凛(女の子が好きってことかな? だったらにこちゃん大好き真姫ちゃんしかないよね!)

花陽(ど、どうすればいいの~!? 誰を選んでも角が立つし……これしかないよぉ)

ことり(これはどうしようかな? うーん、困っちゃう)

真姫(安易にいくとどちらかと被ることになっちゃうし、癪だけどポイントが増えるよりは幾分かマシね)

絵里(本当に変な問題しかないわね。これだと誰を選んでも微妙になっちゃうじゃない)

にこ(簡単ね。選択肢は一つしかないわ!)

穂乃果(……?)

ただ一人、穂乃果だけがこの問題を理解出来ず、思考停止状態。

無常にも解答時間である45秒というタイムリミットは伸びはしない。

開示の時――!

真っ先に強い音を立てて自らの答えを示したのは海未。

誰の名前も書かず、届く筈のない問題を書いた相手への講義。

続くように穂乃果以外の解答が出揃う。

花陽/ことり/絵里の三人は性格的に外れると分かっていても自分の名前を書いて2ptを増やす結果となる。

凛/真姫/にこの三人が選んだのは『真姫』。

本人は屈辱であったが、負けて罰ゲームよりはマシと言い聞かせて勝負の為に泥を被った。

希は『海未』の名前を書き、穂乃果の解答を待つ。

穂乃果「――あ、ほのかだったね」

寝起きのようなぼんやりとした穂乃果が出した答え――。

絵里「白紙、ね」

幼馴染同士の深すぎた絆。言葉を変えれば悪魔の連鎖とも言える最悪の状況。

三連続被り+白紙によるコンボで最大の8pt増加。

これにより穂乃果はリーチである9pt。

海未も優勝の目は限りなく消えた8ptになった。

×[海未]希
×[白紙]海未&穂乃果
×[自分の名前]花陽/ことり/絵里

○[真姫]凛/真姫/にこ

◆ポイント◆
【1pt】真姫
【3pt】絵里
【4pt】凛/ことり/にこ
【5pt】花陽
【7pt】希
【8pt】海未
【9pt】穂乃果

中盤から転じて終盤と言えるくらいのポイントの増加。

希は誰とも被らなければその時点で負け。

海未は三連続被り、もしくは二度人と被らなければ負け。勿論自分の名前で被らなくても負けである。

穂乃果はもはや被らなければその時点で負けという詰みに近い状態。

ただ、海未と穂乃果は顔を見合わせて力なく笑い合った。

ことり(ことりにとって穂乃果ちゃんと海未ちゃんは自慢の友達だよっ!)

希(ウチのラッキーすら超えるなんて、穂乃果ちゃん達は最高のスピリチュアルやね)

にこ(にっこにっこにー♪ 絵里はともかく、真姫ちゃんさえ蹴り落とせばにこの優勝は確実ニコ!)

絵里「さ、次の問題いくわよ。問題は――」

穂乃果(凄いピンチになっちゃったけどなんだか嬉しいな)

海未(穂乃果ならふざけて私の名前でも書くと思いましたが……成長したんですね。私は嬉しいです)

問題が読み上げられる中、穂乃果と海未は謎の充実感により聞き忘れる。

穂乃果(ど、どうしよう!? 問題全く聞いてなかったよ!)

海未(真姫が現在のトップですから罰ゲームに恐怖はありませんが、信頼と名がつくゲームで負けるのは癪ですね)

これは水着を着たまま学校に行き、下着を持っていくのを忘れるような失態!

◆再現VTR◆

着替えの瞬間、着替え物袋の中身を見て真っ青になり、どうしようもないまま下着なしで制服を着る。

羞恥以上の後悔と恐怖。

海未(下を履かない経験等当然のことながらありません。す、少し動いただけで見えてしまいそうで)

ことり「海未ちゃん、どうかしたの?」

海未「い、いえっ! なんでもありません」

穂乃果「あぁ~! ことりちゃんどうしよう!」

ことり「どうしたの、穂乃果ちゃん」

穂乃果「水着を着てきちゃったから、下着持ってくるの忘れちゃったよ」

ことり「くすっ。こんなこともあろうかと、ショーツだけなら代えは持ってきてます。はい、どうぞ」

穂乃果「おぉ~! さっすがことりちゃん♪」

海未「……し、下着を忘れてくるだなんて、穂乃果は本当におっちょこちょいですね。アハハハ」

穂乃果「ことりちゃん。代えの下着なんてよく持ってきてたね?」

ことり「小学生の時も同じように穂乃果ちゃんが忘れてきたことがあったから」

海未「そんなことありましたっけ?」

穂乃果「穂乃果も全然覚えてない。今はことりちゃんの記憶力に感謝だよ」

ことり「えっへん♪」

穂乃果「今度の休みにパフェでも食べに行こうよ。今日のお礼に私が奢るから」

ことり「そんな悪いよ。……でも、甘えちゃおうかなっ」

穂乃果「うん、甘えて甘えて。さっ、これで最悪な事態は逃れたし、教室に戻ろう」

ことり「うん!」

海未「そ、そうですね。教室へ……」

普段は気にせずとも歩ける教室までの距離が、今では千里のように遠い。

人とすれ違っただけで捲くれてしまうんじゃないのかというありえない不安。

何よりも教室に戻るには階段という難所が待ち受ける。

海未(緊張して強張った筋肉ですし、もしかしたら転ぶような失態がありえるかもしれません)

海未(ただ一歩を踏み出すことがこれほどの苦痛で、これほど勇気がいることだったなんて)

無意識に両手はスカートを強く握り締める。

皺になることなんて今の海未に気に掛ける余裕はない。

海未の恐怖の半日が幕を開ける。

そして、本編に戻り開示の時――!

穂乃果と海未を除き七人全員が『にこ』を選択。

そして、穂乃果と海未は『ことり』を選択し、幼馴染の絆に今度は救われる形となった、が……。

ことり「二人とも酷いよぉ」

聞き逃した問題は『マフィアのボスが似合う』

○[ことり]海未/穂乃果
○[にこ]凛/花陽/真姫/ことり/希/絵里/にこ

海未「ち、違うんですことり! これは偶然なんです」

穂乃果「寧ろことりちゃんは穂乃果と海未ちゃんにとっては救世主だったんだよ」

ことり「そんなこと言われても信じられないよ~」

にこ「あの二人はともかく、他全員がにこを選ぶなんてにこってば罪な女よねぇ」

凛「絶対に自分の名前書くと思ってたから書いただけだけど」

希「えりちにしようかと思ったけど、にこっちの方が確実だったからね」

絵里「にこは自分の名前を書くことに恐怖を覚えない度胸があるから」

花陽「実際にはボスというより、にこちゃんはツバサさんが言ってた通り小悪魔が似合うよね」

にこ「んふふ♪ そうね、にこはあのA-RISEが認めた小悪魔だもの★」

真姫「小悪魔というより単純に少し腹黒いだけでしょ」

にこ「ふっふーん! 嫉妬なんて醜いわよ」

真姫「はぁ? にこちゃんに嫉妬出来る要素なんて一つもないでしょ」

凛「確かにそうだよねー」

にこ「なんでよ! 偉大なるにこにーに嫉妬しないなんて、スクールアイドル以前に女として失格よ!」

絵里「さぁ、にこの戯言は放っておいて、次の問題を読み上げるわよ」

にこ「ぐぬぬ!」

今回の問題は『リスペクト』

【テンパイ】◇凛&真姫&にこ◇

にこ(リスペット? よく分からないけど、ペットにしたい子ってことかしら。なら簡単にこ!)

凛(確か尊敬って意味だったニャ。穂乃果ちゃんと絵里ちゃんだと被るから素直にかよちん!)

真姫(ここを乗り越えれば完全にこの真姫ちゃんの有利だわ。二人の裏を掻くしかないわね)

花陽(穂乃果ちゃん・絵里ちゃん・希ちゃんだと多くの人と被っちゃうし、素直に凛ちゃんで大丈夫かな?)

海未(私は穂乃果と被ることを避ければいいのですから余裕ですね)

ことり(ほのかちゃんで大丈夫だよね♪)

絵里(ここは皆を裏から支える縁の下の力持ちである希ね)

穂乃果(一問一問が怖いけど、凛ちゃんを信じよう!)

希(ラッキーに絶対がないと分かった今、慎重にいかないとね)

開示された結果。

×[凛]真姫&にこ
×[希]絵里

○[凛]花陽
○[花陽]凛/穂乃果
○[穂乃果]ことり/海未/希

真姫「どうしてにこちゃんは私を追いかけるのよ!」

にこ「真似したのは真姫ちゃんでしょ! どれだけにこに罰ゲームさせたいのよ」

花陽「ふ、二人とも落ち着いて」

凛「相変わらず喧嘩するほど仲が良いだよね」

絵里「どうして希を誰も選ばないの? おかしいでしょ」

海未「ゲームですから。本来の信頼を選択することが出来ないからじゃないですか」

穂乃果「特に私はもう自分の意思より人の意思に命繋がれてる状態だし」

ことり「ptを譲歩可能なら穂乃果ちゃんと海未ちゃんのポイントを少し貰うんだけど」

希「えりち。頭を切り替えないと悪い流れに飲み込まれてしまうよ?」

絵里「……なんだか釈然としないわね」

◆ポイント◆
【4pt】凛/真姫/ことり/絵里
【5pt】花陽
【7pt】希/にこ
【8pt】海未
【9pt】穂乃果

希の予言にも似た発言通り、ここから絵里は大きくそのポイントを増すことになる。

二連続で人と被らず、6ptの状態から凛と三連続被りで一気に9pt。

穂乃果同様後がない状態となり、運命の悪戯と言うべき内容の問題が選択される。

『好きな人』

【テンパイ】◇凛&花陽◇

絵里(よりによってこんな問題。誰を選べばいいのよ……)

希(えりちの悪い流れを断つにはこうするのがベストだね)

花陽(凛ちゃんは誰を選ぶんだろう? 困っちゃったなぁ。被っちゃうと凛ちゃんが負けちゃう)

凛(凛の勘が囁いてる。ここは――)

穂乃果(連続で被ってないから素直にことりちゃんでいこっと!)

海未(穂乃果はことりを選ぶでしょう。私は一度だけなら被らなくても大丈夫ですから、穂乃果にしておきましょう)

ことり(穂乃果ちゃんを信じちゃおう♪)

ここでにこはニヤリと笑う。

そう、これはある意味で『本物のアイドルになれそうな人』の再来と言える。

にこ(だったら簡単ね。もう一度発動すればいいのよ)

にこ『ラブにこワールド(幻想☆)』

にこ(これで絶対に真姫ちゃんはにこの名前を書くにこっ♪)

真姫(……ふぅん)

終盤戦のキーポイントとなる一線、その結果――。

穂乃果は『ことり』を選択し、その答えを信じたことりは自分の名前を書いて絆を深めた。

ことり「えへへ♪ 穂乃果ちゃん、ありがとうね」

穂乃果「これが一子相伝ってやつだよね☆」

ことり「あぅ……。それを言うなら以心伝心だと思うよ」

流れの悪い絵里はそれでも素直に『希』を選択し、凛はその鬼才で『希』で窮地を脱した。

にこは自信満々に『にこ』を開示した。

にこ「にこみたいにアイドル力が溢れてると、プライベートでも好かれて困るの――」
真姫「――どうして自分の名前なんて書いてるのよ、この馬鹿にこ!」

自分の今の発言と矛盾する真姫の答えは『真姫』。

自分の名前である。

お互いがお互いを選択すると信じての空回り。

にこ「なんでよ! ラブにこワールド(幻想☆)発動したでしょ!?」

真姫「何よそのヘンテコな名前。そんなの知らないわよ!」

にこ「あ、アイドルパワーが足りなかったのかしら……にこぉ」

これでにこも死刑台一歩手前の9ptへと進んだ。

被らずになる可能性を考慮しながらも素直に『穂乃果』を選んだ海未は花陽と被ったことで増加を抑えた。

絵里「え、希?」

希「残念。えりちはウチのこと選んでくれると思ってたのにな~」

自爆することで絵里の意識と悪い流れを断つ希。

絵里「ごめんなさい。ゲームだったから」

希「えりちの所為でウチはハコテン間際やね。リーチも掛けられんなぁ」

絵里「ハコテ? とにかく、耐えてればにこが勝手に負けてくれるから頑張りましょう」

希「ふふっ。そうだね」

にこ「真姫ちゃんの所為だからね!」

真姫「にこちゃんの所為でしょ! 少しは素直になりなさいよね。自分の名前で自爆ばっかりして!」

×[自分の名前]真姫/希/にこ

○[希]凛/絵里
○[ことり]ことり/穂乃果
○[穂乃果]花陽/海未

◆ポイント◆
【4pt】ことり
【5pt】花陽
【6pt】真姫
【7pt】凛
【8pt】海未
【9pt】穂乃果/希/絵里/にこ

希の勇気ある解答のお陰で絵里の流れは変わり、次戦は危なげなく回避。

他のメンバーも45秒という恐ろしく短く感じるようになった時間をフルに使いpt増加を抑えた。

ただ、ことりと穂乃果が被ってしまいテンパイという穂乃果にとって大事な一戦。

皮肉にも問題は被り易い『歌が上手い』

【テンパイ】◇ことり&穂乃果◇

穂乃果(真姫ちゃんか絵里ちゃんだけど……ことりちゃんはどっち選ぶかな?)

ことり(絶対に穂乃果ちゃんを負けさせないからね)

自信家のにこ以上に自信ありげに微笑むことり。

他のメンバーは二択を選択する中で、穂乃果は最後まで頭を悩ませて選択。

そして開示される答え。

『真姫』を選んだのは凛/花陽/穂乃果/絵里

『絵里』を選んだのは真姫/希/にこ

最後にことりが自分の解答を開いた。

この時点で唯一ことりにだけ許された手段。

穂乃果「ことりちゃんどうして!?」

ことりが選んだのは絶対に穂乃果を負けさせないという意思。

とどのつまり、白紙の解答。

これにより5ptが加算され、ことりもまた死刑台の一歩手前と足を進める。

だが、その表情は穏やかで、自愛に満ちている。

ことり「真姫ちゃんと絵里ちゃんのどっちを選ぶか迷ってたら、時間になっちゃった」

一番大切な友達の嘘に、穂乃果の心は痛いほど締め付ける。

穂乃果は出掛けた言葉を飲み込み、ことりの優しい嘘を受け入れた。

海未(穂乃果とことりの関係は揺るぎませんね。少し、本当に少しだけですが……妬いてしまいそうです)

一年生組を除くと、ほとんどが即死の状況。

この後は海未が被らずを一度出しただけで、信頼の厚さを各々に実感させた。

そして迎える最終局面。

◆ポイント◆
【5pt】花陽
【6pt】真姫
【7pt】凛
【9pt】海未/ことり/穂乃果/希/絵里/にこ

絵里のクラスの暇な人達の問題に翻弄されながら、係累三十を超える問題。

なんとか回避を続けてきたが、完全な詰みのような現状。

三年生組テンパイ。

誰もがこれで最後になることを予感した。

最終問題『十年後も一緒に居たい相手』

【テンパイ】◇希&絵里&にこ◇

にこ(最後の最後で面白い問題じゃない。でも……立てたフラグは回収しないとね)

絵里(こういう綺麗な問題を出せる子が多ければゲームはもっと素敵になったのに)

希(運命を信じたくなるくらいに綺麗なラストだね。じゃあ、ウチも綺麗に締めないと)

穂乃果(三人一緒じゃないと意味がない。選べないなら……二人を信じるだけだよね♪)

海未(これは考えるまでもない答えです)

ことり(いつまでも三人一緒で居たいよね。十年後も、二十年後も、五十年後だって。ずっと一緒に……)

真姫(……しょうがないわね。最後くらい素直になってあげるわよ)

凛(凛の勘では絶対にかよちんはこれだけは譲ってくれないって思ってる。だからここは素直にいこう)

花陽(これまでも、これからも、ずっと一緒に居ようね)

ことほのうみの三人は仲良く『穂乃果』を選択してゲームを無事に終える。

りんぱなの幼馴染組もまた『凛』の名前を書いて綺麗にゲームを終えた。

残る真姫は最後の最後に素直になり『にこ』の名前を書いた。

問題である三年生組。

にこは『白紙』のまま開示した。

正に最初に立てた自分の名前+白紙の二つのフラグを回収し、敗北フラグまでも回収した。

にこ「ま、誕生日が早いって意味でもにこが一番大人だからね~」

希「ところがどっこい、にこっち一人にいい格好はさせられんよ」

続く希の答えもまた『白紙』の解答。

絵里「やれやれ。こんな馬鹿をするのは私だけだと思ってたのに」

言うまでもなく、信頼ゲームの製作者である絵里もまた二人と同じ『白紙』のまま提示。

最終ポイントはこちら――。

【5pt】花陽
【7pt】凛/真姫
【9pt】海未/ことり/穂乃果
【17pt】希/絵里/にこ

花陽の見事な勝利!

凛「かよちんすごいにゃ~!」

真姫「綺麗に落としてたけど、最後に失点してる私の立場ってなくない?」

花陽「で、でも真姫ちゃんのにこちゃん大好きさは十分伝わったよ」

真姫「そんなの伝えてないわよ!」

穂乃果「ポイントまで一緒だったね!」

ことり「私たち三人はいつまでも一緒だってことだよね♪」

海未「そうですね。いつまでもこの街で一緒に同じ時を過ごしたいものです」

穂乃果「一番良いのは、穂むら二号店を道場横に作って、二階はことりちゃんの衣装販売店にすることだよ」

海未「頭の痛くなるようなその発想はなしです」

ことり「えぇ~。ことりはとっても素敵だと思うよっ」

にこ「しっかし、あんたのクラスメートは碌な奴がいないわねぇ」

希「元生徒会長の慌てる姿を想像して楽しんでるんだと思うよ」

絵里「暇な人じゃなくてまともな人に頼めば良かったわ」

にこ「でも、ま……。始まりは唐突だったけど、このゲームのお陰で信頼が深まったのも確かよ」

希「そうだね。これでラブライブ本戦で優勝を目指したいところ」

絵里「そうね。結果オーライってことで、クラスの暇な人達には感謝しなきゃ」

凛「でもその前にすることがあるよね!」

穂乃果「そうそう。三年生は罰ゲームが待ってるからねぇ」

真姫「さ、花陽。遠慮なく言ってやりなさい」

花陽「えぇっ! で、でも……」

海未「この場合ですと、遠慮するのは信頼が薄い証拠となりますよ」

ことり「そうだよ。ゲームなんだからきちんと罰ゲーム提案しないと駄目だよ?」

にこ「勝利したのがμ'sの良心というべき花陽で良かったわ」

希「ウチは罰ゲームって初めてだから、それだけで嬉しいけど」

絵里「さぁ、花陽。遠慮しないで言ってみせて」

花陽「だったら言います。次の問題を本音で答えて下さい」

絵里「ふふっ。随分と可愛らしい罰ゲームね。花陽らしいわ」

希「じゃあ、リーダーの穂乃果ちゃんに問題を読み上げてもらおうか」

穂乃果「うん! 任せて……。では、いくよ!」

『エッチしたい相手』

つい先ほど生まれたクラスの暇な人への感謝の気持ちは一気に崩れた。

三年生組は今回得た信頼以上の黒歴史を背負い、以降信頼ゲームは永久封印される事になった。

それぞれが誰の名前を挙げたのか、それは……。

花陽「可哀想なので秘密です」

だが、三年生が卒業し、新一年生が入学してからこのゲームが復活することになる。

それはまた別のお話――。

長編書いてるからCMの話はごめんね、無理
初代ZT思い出すようなざわざわなレスがほっこりした。みんな、ありがと!


「な、なんですかこの歌は? こんな言葉聞いたことがありません。なのに、どうしてこんなにも懐かしいのですか」

「ちからがぬけていく」
「うみみのおかしら。もう、たたかえません」
「ママにあいたいよぉ」

歌を聴いた災厄達が次々と戦意を失っていく。

「パナちん。この歌は穂乃果ちゃんが歌ってるの?」

「は、はい。しかしこれは……この歌は、人間には歌える筈のないのに。穂乃果さんは何者なのでしょうか?」

街を守ろうとする想いが、穂乃果を覚醒させた。

「ハラショー! でも、これぐらいしてもらわないとね。穂乃果は私のライバルなんだから」

歌に乗せた優しい想いは世界を超えた絆を呼ぶ。

「私……この歌を知ってる。だったら私も歌うわ!」

「なんでだろう? 知らない筈なのに、心が震える。ことりも穂乃果ちゃんと一緒に歌いたい!」

「この世界に歌を作ったと謳われる九人の女神。これはまるでμ's伝説の再来やね」

絶望は次第に大きな大きな希望に包み込まれる。

「あんた達じゃこのにこにーの笑顔を曇らせることも、穂乃果や街の人の未来を閉ざすことも出来はしないわ!」

選曲はぼららら。CMのクライマックスはきっとこんな感じ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年10月16日 (木) 02:43:30   ID: T9M348h3

こういうことりと穂乃果は胸糞悪いけど話自体はよかった

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