弟「壁から巫女さんを引っ張りだして早数日」(45)

前回のおはなし

弟「壁から手が手が出てる…」

あらすじ


意識を取り戻した時、偶然居た弟と姉の家
その敷地で遊ぶ幼い二人を傍らから静かに見守ってきた巫女さん

しかしある日どうした事か、巫女さんは弟の部屋の壁に片手を突き出したまま突っ掛かってしまう

第一発見者の弟が空前絶後の阿鼻叫喚な大絶叫をする中、面白半分にその手を引っ張った姉は結果的に巫女さん救出を成し遂げる
幾つかのやり取りののち、巫女さんはめでたく弟の守護霊と相成った

その後自宅に祀られていた稲荷の神と溶け込み、次いで近所の縁の神とも面識を持つようになって
姉弟の生活は賑やかなものとなっていった


そんな賑やかな弟達の数日後


チュン… チュンチュン…


巫女「弟さん、朝ですよ」

弟「うぐぅ…」

巫女「ほらほら弟さん、早く支度をなさらないと。遅刻しますよ」

弟「あぁ…巫女さん、おはよう…」

巫女「はい、お早うございます」

弟「……もしかして寝坊しちゃった?」

巫女「いいえ。でも、早起きは三文の徳と申しますから、早めに弟さんを起こしました」

弟「………」スピピー

巫女「弟さんっ!」

巫女「もうっ、弟さんたらしゃきっとして下さい!私はあなたの将来が心配でなりませんよっ」

弟「大丈夫だよ別に…」ムニャムニャ

巫女「大丈夫ではありません。今のままでは姉さんの言うところのもやしやろーです!」

弟「もやしっていうの止めてよ!姉ちゃんはともかくお稲荷ちゃんとか巫女さんまでさぁ!」

巫女「あっ、ようやくお目覚めになりましたね」

弟「ぐっ、もういいよ。起きます」

巫女「はい結構です。では下の階へ参りましょう。姉さんが呼んでますから」

弟「姉ちゃんが?」

巫女「はい。姉さん曰く『ごはんまらぁ?あたししぬぅ…』だそうです」

弟「まったく、朝ごはんくらいで毎朝毎朝…。少しくらいは自分で作れるようになれよな…」

こちらです




-リビング-


姉「ぅ………」

巫女「お早うございます姉さん」

姉「お、は…」

姉「」

弟「あーあ、こんなにヨダレ垂らして…」

姉「おとうと、くん…」

弟「姉ちゃんは巫女さんの次に早起きなんだから、朝ごはん待ってないで作ってよ」

姉「それができてたら……こんな事にはなってないのよー!」ガッ

弟「ぐっは!」

姉「おいこの草食きゃわわショタっ子!わたしに料理を分かりやすく教えろばか!」

弟「ば、バカは姉ちゃんだろ!貶すならちゃんと貶せバカ!」

稲荷神「二人とも朝からぎゃーぎゃーうるさい。だまって」

弟「お稲荷ちゃん…」

巫女「あ、お早うございます稲荷の神さま」

稲荷神「……」ぺこ

姉「うえっ、うえっ…。だって弟くんが…弟くんがあぁぁ…」

稲荷神「…弟。また、朝からおねいを泣かしたの」

弟「いやいや俺泣かしてないよ。むしろ普段泣かされてる方だよ…」

稲荷神「だからって厳しすぎる。おねいはもうこのままだから、尊重してあげて」

弟「あっ、うん…ごめん。これ昨日に残ったカレーうどん」

姉「ありがとーいただきまーす♪」パクパク

姉「おかわり」

弟「は…」

・・・


巫女「では弟さん、本日も張り切って学校に参りましょう!」

弟「うん。教室ではなるべく大人しくしててね巫女さん」

巫女「はいっ」

弟「じゃあねえちゃーん。おれ先に学校行くからー。食器洗っといてよー」


姉『あーいってらっしゃーい』


弟(ふう。台所が泡まみれにならないといいけどなぁ)


ガラガラガラ… バタン


稲荷神「………」チラ


稲荷神「おねい」

姉「うん?」

稲荷神「なんか、弟が出かけた」

姉「ああ、弟は学校よ。ほら、いなりんと私達が出会った時も、早々にどっかに出かけていったでしょ」

稲荷神「そういえば……。うん」

姉「あれあれ」

稲荷神「…じゃあ、おねいも前みたいにどこか行くの」

姉「うん、私も学校」

稲荷神「…」

姉「大丈夫よ。わたしは早々に切り上げてくるから。お腹空いてるし、弟くん食べたいし」

稲荷神「………………」

姉「間違えた、弟くんの料理ね」

稲荷神「…食べないでよね」

姉「食べられない食べられない…」

稲荷神「…ふふ」

姉「よーし皿洗い終りっ。私も行ってくるね。いい子にしててね」

稲荷神「うん」


『行ってきまーす』


バタン…


稲荷神「……はぁ」

神様「行っちゃったね、姉さん。ちょっと寂しいなぁあたし」

稲荷神「…」

神様「…」

稲荷神「…プロ?」

神様「ひどい!今日はお稲荷ちゃんと遊ぼうと思って遠路はるばる5分で来たのに」

稲荷神「ふうん…。で、どこから湧いて出たの」

神様「人を湧き水みたいに言うなっ。ちゃんと門から入ったよ」

稲荷神「へえ…。今日も女児服にひらひらスカート、似合ってるね」

神様「幼女って言いたいの?そうなの?」

稲荷神「…」こくり

神様「ばかあああ!!」

神様「はあっはあっ…。今日は姉弟と巫女さん、お出かけなんだね」

稲荷神「三人は学校だって」

神様「ほう…。ここにもスケジュールに振り回される哀れな人間がいたか……」

稲荷神「それ、なんの真似」

神様「真似じゃないもん。神様の貫禄だもん」

稲荷神「あっそう。…はい、お茶」

神様「ありがとー♪」ガブガブ

稲荷神「で、なんの真似だっけ」

神様「フ…。こどものお稲荷ちゃんには分からんのだ…」

稲荷神「むっ。わたし、こどもじゃないもん」

神様「子供でしょーどうみてもー」

稲荷神「幼女な神様にいわれたくないし」

様神様「だっからあたしは700歳の由緒ある」

稲荷神「幼女」

神様「違うわあ!!」

神様「はあはあ…もう。ここに来ると大声出しっぱなしで疲れる…」

稲荷神「じゃあ、大声出さなくてすむ遊びしよ」

神様「そうだね。あそぼあそぼ」ピョン


稲荷神「なにして遊ぶ?」

神様「うーん。お稲荷ちゃんは何かしたいことない?行きたいところとか」

稲荷神「それなら、行ってみたいところがひとつ」

神様「あるの?」

稲荷神「うん」

神様「どこどこ、教えて」

稲荷神「その前に、神様にかくにん」

神様「どうぞ?」

稲荷神「質問。がっこう、っていうのは、毎日通うもの?」

神様「学校かぁ。土日祝日以外は、ほぼ毎日だと思うよ」

稲荷神「じゃあ、その学校にはいるためにはどうすればいい?」

神様「うーん。転校生とかになればいいんじゃないかなぁ。よく分かんない」


稲荷神「…………………へぇ」


神様「…まさかお稲荷ちゃん、転校生になって弟さんの隣に座る気じゃ…」

稲荷神「座る」

神様「待ってそれどんな遊び!?」

稲荷神「転校生…になる遊び」

神様「本気なの…?」

稲荷神「本気。じゃ」

神様「ちょっと待ってお稲荷ちゃん…」ズザザ

稲荷神「……なに」

神様「わたしが言うのも何だけど、その身長で弟さんの同級生っていうのはダメでしょ…」

稲荷神「神様より1センチ高いもん。いける」

神様「ぜったい無理でしょ!」

稲荷神「い、けるもん…!」グググッ

神様「無理だってば…!」グググ

稲荷神「はなして…!わたしは弟のところに行くの…!」

神様「なら一つ確認させて…!」

稲荷神「なに!?」

神様「お稲荷ちゃんは、ステルスモードになれるの?」

稲荷神「なれる。五穀豊穣の神である稲荷之神を見くびるとはぶれいなり」

神様「よかった…。それならわざわざ転校生になる必要ないねー」















神様「待ってよふぇぇん…!」

・・・

その頃、弟たちは


生徒「きりーつ。礼。着席」



女教師「皆さんお早うございます~」

女教師「今日は放課後にサンシャイン…じゃなかった、三者面談があります~」

女教師「皆さん、父母兄姉弟妹の方々にはきちんと伝えましたか~?」


生徒「伝えた?」

生徒「伝えた。危うく忘れるところだったけど」

生徒「おれはばっちゃんに言った」

生徒「私はママー」


ザワザワ ガヤガヤ


弟「………………………………」

昼休み


巫女「それでですね弟さん、人々は言うのです。おごれる人も久しからず、盛者必衰などなどと」

弟「…うん」

巫女「どうされたんです?なんだか元気が無いように見えますが…」

弟「あぁ、それは…」

巫女「私で良ければ相談に乗ります。遠慮は無用ですよ」

弟「えっと、じゃあ相談しようかな。あのね…」


友「おーっす弟。何シケた顔してるんだ?」

弟「友…」

友「なんだよショタショタな顔して。巫女さんに怒られでもしたのか」

巫女(!?)

弟「違うよ。実は、三者面談があるのをすっかり忘れてたんだ」

友「なに、面談?」

弟「うん。姉ちゃんは面談のこと知らないから、来てもらえないんだ」

弟「それを今、巫女さんに相談しようとしてた。どうしよう…」

友「何だそんなことかよ。なら巫女さんにお姉さんの代わりやってもらえばいいじゃねえか」

巫女「?」

弟「巫女さんは見えないし、友にも見えてないでしょ」

友「ふ、不覚ッ…!」

オカルト男「やあ弟。どうした?」

弟「オカ…」

友「聞けよオカ。弟のやつ、面談のことをお姉さんにいい忘れたんだとさ」

オカ「ほう。なら魅惑の存在である彼女に代役を頼めばいいんじゃないか」

巫女「?」

弟「だから巫女さんは俺と姉ちゃんにしか見えないんだって。あぁもうだめだ………」

オカ「やはり巫女というのは側にいるんだな弟!もうごまかしは効かないぞ!」

弟「いるよ…」

オカ「!!」メモメモ

友「なに書いてんだよ」

オカ「レポートだッ!!」

友「うおおっ、おっかねえ…」

巫女「あの、弟さん。そのめんだんとは一体…」

弟「面談は、先生と保護者との三人で将来を話し合う大事な話し合いの事」

巫女「まあ、なんてことです!そんな大切なものをお忘れだったというのですか!?」

弟「うん。おれ両親亡くしちゃったから、姉ちゃんしか保護者がいないんだ」

弟「身内は母方の祖母だけいるけど群○在住だし。姉ちゃんに言うの忘れてこんな事に…」

巫女「ならばその任、是非とも守護者の私にお任せくださいませ!」

弟「巫女さんは誰にも見えないでしょう…」

巫女「そうでした…」


オカ(喋ってる喋ってる)

友「おねえさんは今何してるんだ」

弟「学校で講義か、研修を受けてると思う」

友「大人だなぁ…」

弟「2つしか離れてないよ」

友「いや、大人だ」

オカ「ふむ。では今からそのお姉さんに来てくれるよう電話すればいいんじゃないか」

弟「ええっ?できないよそんなこと…」

オカ「何故だ」

弟「だって……姉ちゃん怒るし」

友「おいおい。どっちかって言うとお前がお姉さんを怒ってるだろ」

弟「家以外ではしっかりしてるからダメだよ、きっと…。それに姉ちゃんは家事以外は何でも出来るし、それに」

友「ええいじれってぇ!ダメ元で電話してみんかいショタ!」

弟「姉ちゃんといい友といいなんだよそれぇ!」

-職員室-

弟「そういうわけで、友に怒られて。すみません、お電話貸してください…」

女教師「まあ。それは大変ですね。弟くんのおうちは市内でしたね?」

弟「はい」

女教師「了解です。ぽちぽちぽち…」


巫女「これはっ…」

巫女「もしかして何かの取っ手…っ!」

弟「受話器…」


女教師「はい、受話器をどうぞ~」

prrrrrr......

弟(出るかな)

prrrrrr......

姉『はいもしもし姉です』

弟「あッ、あの、姉ちゃん」

姉『弟?』

弟「あ、ああうん」

姉『どうしたのこんな時に。まさか早退とかー?』

弟「いやそうじゃなくて、実は今日面談で……」

巫女(弟さんは姉さんに、今から学校に来て欲しいそうなんです)

姉『ああっ、弟くんは怪我を!!』

弟「違う違う!今日は面談なの。今からこっちに来て欲しいんだ」

姉「面談?なにそれ。わたしそんなの聞いてない」

弟「言うの忘れたんだよね…」

姉「ははぁ。で、急いでこっちに来て、と」

弟「うん。急がなくてもいいけど…」

姉「もお仕方ないわねー。分かった、今から抜けて行くから。しっかり間に合わせるよ。じゃねっ」

プツッ

ツーツーツー…

女教師「どうでしたか~?」

弟「何とかこれるみたいです。良かった…」

女教師「そう…。次回からは気を付けなさい、弟くん。いいですか」

弟「は……はいっ…」

友「どうだったよお姉さんは」

弟「大丈夫だった。来てくれるって。助かったよ友。ありがとう」

友「フフ…。なら貸しと言っちゃアレだが俺の頼み、聞いてくれるか?」

弟「うん、いいよ。できることならなんでも」

友「では俺に巫女さんへの質問タイムをくれ」

弟「なんで?」

友「彼女のことが知りたいからです」

弟「はあ、おれはいいけど。巫女さんはいい?」

巫女「はい。おっけいです」

弟「いいって。教室に行って、そこでしよう」

友「うひょおおやったぜ~。オカの野郎め悔しがるだろうなぁウヒヒ♪」


ルンルンルン♪

・・・

そのころ神さまたちは


稲荷神「…すみません。がっこうはどこですか」

おじさん「学校?ああ、この道をずっと入ったとこの左側がそうだよ」

稲荷神「ひだりがわ?」

おじさん「うん。ほら、ここからその辺りにうっすらと文具屋が見えるだろう。あれ」

稲荷神「ありがとう」

おじさん「お嬢ちゃん、見た感じ小学生だけど、兄弟にお届け物かい?」

稲荷神「うん。家をでるとき、ポストに大事そうな手紙があったの。それで、ついでに」

おじさん「へえ。えらいねえ。気をつけていくんだよ」

稲荷神「うん。ばいばい」

神様「おいなりちゃーんっ」

稲荷神「……」

神様「はあっはあっ。よかった、見つけた…」

稲荷神「…おそい」

神様「お稲荷ちゃんが速すぎるのっ。もう、迷子になるかと思った…。昔と違いすぎここ…」

稲荷神「がっこうの場所、教えてもらった。いこう?」

神様「まったく。あたしが服を貸してあげなかったらお稲荷ちゃん今頃注目の的だよ」

稲荷神「…うん。ありがとう」

神様「耳と尻尾は隠せなかったけど…怪しまれなかった?」

稲荷神「とくには」

神様「はぁぁ。ちゃんと学校の場所調べればよかった。それなら尋ねずに終始ステルスモードで」

稲荷神「かくれみのでしょ」

神様「ステルスモード!これ重要!」

稲荷神「いいからいこう。この手紙、弟に渡さなきゃ」

神様「てがみ?なにそれ」

稲荷神「出るとき、ポストでみつけた」

神様「わあ、和紙。今時珍しいね」

稲荷神「うん。だからこれ、きっと重要なんだとおもう。とどけなきゃ」

神様「ほほお。手ぶらじゃ退屈だからお遣いサプライズ?」

稲荷神「ち、ちがう」

神様「弟さんの事になると抜け目ないなぁ~。それじゃあ行こ」

稲荷神「うん」

-放課後-

友「さてと弟。昼休みの時の話、忘れてないだろうな?」

弟「わかってる。巫女さんへの質問でしょ?」

友「そうともさ。聞いてもいいんだよな、な?」

弟「大丈夫?巫女さん」

巫女「はい。私に答えられる事ならなんでもです」

弟「いいみたいだ」

友「よっしゃ、よっしゃ。それじゃ第一問。巫女さんのすがた格好を教えてくれ」

弟「ごく普通の巫女服」

友「ふむふむ…」メモ

友「じゃあ髪型は?」

弟「ツインテール」

友「…」

友「おまえッ…それ嘘だろッ!」

弟「ほんとう。ね、巫女さん」

巫女「えと……現代でそう呼ぶのであれば間違いないと思います」

弟「だって」

友「聞こえねえし!あ、あの巫女さん。どうして巫女さんはツインテールなのでありましょうか!」

弟「だって」

巫女「え、えと、それにつきましては、少々話が……」

弟「長くなるみたい。どうする?」

友「構わない。聞かせてくれ、その昔話ってのをよ…」

巫女「私が生きていた当時は…お洒落に気を遣う時代でした」

弟「?」

巫女「あまり過激な格好は、世の風紀を乱すという風潮があったからです」

友「ほう…」聞こえてない

巫女「天保9年に死んだ私は、教科書にある水野様の奢侈禁止令とは無縁でした」

巫女「しかし、そういった令は過去何度か出されております」

巫女「風潮は残っておりましたので、なるべく簡素、且つお洒落な形を模索せねばならなかったのです」

弟「へぇぇ…。巫女さんて結構おしゃれだね。それでこれに?」

巫女「はい。私は神に仕えるものですから、風潮以前にお洒落には配慮しておりました」

巫女「とはいえ、当時はここも田舎。田舎の神社は都の神社ほど厳しくありませんでしたので」

弟「変わった髪型は許された?」

巫女「はいっ。隣の大きな街に出かけたりもしましたが、お役人様にも何も言われませんでした!」

弟「それは、あまりにおかしな風貌だったから咎める気を起こさなかったんだと思うけど……」

巫女「がーん!」

友「でどうよ」

弟「まとめると、昔はお洒落に厳しかったから、試行錯誤の結果これに落ち着いたんだって」

友「そうかそうか。大変だったんだなあ…」

弟「こんな感じで、巫女さんは穏やかで静かで天然な人だよ。他になにかある?」

友「おおそうだな…。じゃあ2つ目。巫女さんて足あるの?」

弟「ある」

友「あるのか!」

弟「ある。これはもう普通の人間だなぁ…」

巫女「///」

友「どの辺りがだ」

弟「身体は全然透明じゃない、宙に浮かべない、あったかい」

友「あったかい!!?」

弟「ま、前に巫女さんが倒れこんできた時に…」

巫女「///////////」

友「ちくしょう、ちくしょう…。これが最後の質問だ!巫女さんていくつすか」

弟「何歳?」

巫女「二十です。正確に言うと、二十とふた月です」

弟「永遠の二十歳二ヶ月」

友「ちっ、ちっ!俺には妹がいるんだからな!全然悔しくなんかないんだからな!」

弟「えっ、良いな…妹さん」

友「良いだろう…」


巫女「あ、あの…」ツンツン

弟「?」

巫女(廊下に、なぜか稲荷の神さまとえにしの神さまがおられます…)ボソ


稲荷神&神様『ヤッホー』


弟「!?」

弟「ちょ…なんでお稲荷ちゃんと神様がここに!?」

神様「いやあ、お稲荷ちゃんがねえ、弟さんに会いたいって聞かないもんだから」

稲荷神「かっ、かんちがいしないで。べつにわたし…」


弟(え………?)


弟(もしかして姉ちゃんは面談に間に合わなかったから代わりに二人を寄越したのか………?)


稲荷神「…保護者がいるなら、やるけど」

神様「うんうん。あたしたち二人とも700は超えてるから保護者としては申し分ないよー?」

弟「いやいや、親ポジションに子供が座ってたらおかしいよ!」

神様「おほほ?不思議な薬飲んだら小さくなっちゃいましてよ♪でいこう!」

稲荷神「うん…っ」

弟「いけるか!!」

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