梓「今日はなんだか眠たいです…」フアー唯「また私の夢を見たの?」 (20)

唯「私の夢にもあずにゃんが出てきて欲しいなぁ」

梓「はい…。何だか最近夢に唯先輩ばかり出てくるんですよねぇ…。夢の中でも唯先輩ったらお菓子食べたりゴロゴロしたりしてだらけてて…」

唯「あー、だらけてるとは失礼な!ゴロゴロは楽しいんだよ!エンターテイメントなんだよ!」

梓「そこまでですか……はぁ、ともかくそんな夢ばかり見るので最近眠くて眠くて…ふぁー…」

唯「私の夢にもあずにゃんが出てきて欲しいなぁ」

梓「またなんで私なんですか……律先輩や澪先輩でいいじゃないですか」

唯「いーや!私はあずにゃんがいい!」

梓「なんでそんなにこだわるんですか……。あ、まさか夢の中で私に変なことしようと企んでるんじゃ……」

唯「そんなことないよ!ただ夢の中であずにゃんにネコミミつけたりメイド服着せたりしようとしてるだけだし」

梓「思いっきり変なことしようとしてるじゃないですか!!」


梓「…てか大体夢の内容なんて自分ではコントロールできませんよ。もし調節できたら毎日唯先輩の夢なんて見てませんし」

唯「あずにゃんひどーい!」

梓「だから私の夢を見ることは諦めるんですね」

唯「えー……。毎日枕の下にあずにゃんの写真置いてるのになぁ…。やっぱダメなのかぁ…」ハァー…

梓「ってそんなことまでしてたんですか!!」

唯「だってー、見たいんだもん。あずにゃんのネコ耳メイド?」

梓「夢の中でも絶対着たくありませんよそんなの…」

ガチャ

紬「唯ちゃん梓ちゃんおはよー」

梓「あ、ムギ先輩おはようございます!」

紬「何のお話してたの?」

唯「あー、あずにゃんのネコ耳m…ムググ」
梓「夜見た夢のお話です!どんな夢を見てみたいかとかお話してました!」

紬「へぇー!面白そうなお話ね、梓ちゃん」キラキラ

梓「そ、そうですかね…?」

紬「と、いうのもね、私ここ最近何ヶ月も夢を見てないの…。毎日寝る前に今日は夢を見られますようにってお祈りしながら寝てるんだけどね…」

梓「うーん……。そればっかりは努力じゃいかんともし難い部分がありますからね……」

唯「私の夢ばかり見れるあずにゃんが羨ましいよ」


梓「だから私は好きで見てるわけじゃありませんって!」

紬「あら?梓ちゃん毎日唯ちゃんの夢見てるの?」キラキラ

梓「ムギ先輩も目を輝かせないでください!」

唯「でもさー、なんであずにゃんは私の夢ばっかり見れるんだろうねー。私とか毎日枕元に写真置いてるのに……。不公平だよ」

紬「何か夢を見るコツとかあるのかしらね……」

梓「うーん……。寝ている人に外から刺激を与えると見たい夢に近づけるってことは聞いたことありますけど……。
  たとえば寝ている人に氷を当てると冷たい水を飲んだ夢を見るとか……」

唯紬「それだよあずにゃん(梓ちゃん)!!」

梓「えっ!?」

唯「きっとその方法をとれば見たい夢を見れるに違いないよ!!」

紬「そうね、やってみる価値はあると思うわ!」

梓「ちょっ……。えぇー…」

唯「というわけであずにゃん、ネコ耳とメイド服着てー」

梓「なんでそうなるんですか!!いやですよ!」

紬「私も見てみたいわー。梓ちゃんのネコ耳メイド服姿♪」

梓「ムギ先輩まで悪乗りしないでください!」


梓「てかどちらにしろネコミミとメイド服を着ろっていったって……」キョロキョロ

唯「その心配は無用だよあずにゃん!! さわちゃん特製のネコミミとメイド服があるから!」ジャーン

梓「デスヨネー」

梓「はっ!と、というかまだ別に私は着るって言ってません!そもそもこんなもの着たって夢を見れる保障なんてどこにも…」

唯「zzz」グー

紬「唯ちゃ~ん♪」ギュー

梓「って早速実験してるし!!」



数分後

紬「唯ちゃん、そろそろ起きてー?」ユサユサ

唯「う、うーん…?」ムニャムニャ

紬「どう?私の夢は見れた?」

唯「えへへー、ムギちゃん…もう食べられないよ…」グー

紬「あらあら。また寝ちゃったわ」

梓「寝つきはやっ!!」


梓「まったく、唯先輩は寝つきよすぎです!ほら、起きてください!」ユサユサ

唯「う、うーん…? …ハッ!」

唯「ムギちゃん!夢の中にムギちゃんが出てきてお菓子たくさんくれたんだよ!」

紬「本当!? ということは実験成功ね!」

唯紬「やったー!!」ギュー

梓「てかこの流れ何かイヤな予感がするんですが…」


唯「じゃあ、あずにゃん。メイド服着よっか?」

梓「やっぱりー!!」



梓「わ、私は絶対メイド服なんて着ませんからね!何かのイベントがあるならまだしも…。そもそもここは学校です!」

唯「そんな固いこと言わずにさ~、いいじゃんちょっとくらいー」

梓「だ、ダメなものはダメです!だって……」

紬「だって?」

梓「……恥ずかしいもん」

唯紬(可愛い…///)

唯「あーもう恥ずにゃんったら照れちゃって可愛いー!!」ギュー

梓「ギニャー!! ってか恥ずにゃんって何ですか!それじゃまるで私が恥ずかしい人みたいじゃないですか!」

紬「恥ずかしがることなんてないのよ~、梓ちゃん。ほらっ」ニコニコ

梓「ムギ先輩は躊躇がなさすぎです!てかいつの間にメイド服着てたんですか!」

唯「ねっ?だからあずにゃんも着よう?」

梓「だ、だから私は…!」

唯「おねがーい、あずにゃん」

梓「そんな上目遣いされてもダメなものはダメです!」

唯「そっか…。そうだよね……」

梓「…えっ?」

唯「無理言ってごめんね?あずにゃん。着たくもないもの着るなんて…そりゃイヤだよね」

梓「えっ…あ、あの…?」

唯「ごめんね?わがままばっかり言ってさ。そもそも、私が勝手にあずにゃんの夢を見たいとか言い出したのが原因だもんね」

唯「えへへ…またあずにゃんに迷惑かけちゃったや。
いっつもあずにゃんに迷惑かけてるからさ、夢の中でくらい謝ろうと毎日思ってたんだけどね…」

梓「唯先輩……」

梓「……でもそれだったらネコ耳メイド服つけた私が夢に出てくる必要ありませんよね」

唯「あ?バレちゃった?」テヘッ

梓「やっぱり嘘だった!」


唯「とにかくあずにゃーん、メイド服着てー!」グイグイ

紬「ネコミミもちゃんとあるわよ~♪」グイグイ

梓「ギニャー!!そんなに引っ張らないでください!!」

梓「わかりました!着ます!着ますからとにかく離してください!」

紬「あ、あらごめんなさい」パッ

梓「はぁー……。今日だけですからね。その代わり明日からはちゃんと練習してくださいよ!」

唯「わかってるってー。ほら、あずにゃん、早くー♪」

梓「そんなにせかさないでください///」

・・・・・・

                         r- 、-, ‐- 、_
                      ,べ´  ∨   |/ ̄ヽ-、
                        「ヽ >''"´ ̄ ̄`ヽ/_/´|、
                  /: ノ-/...::::::::/::::/:::::::::::::::`ヽ ヘ
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                |::i:::::::::|

唯「つ、ついに目の前にメイド服姿のあずにゃんが!

梓「や、やっぱり恥ずかしいです…///」

紬「はい、梓ちゃん。ネコミミもどうぞ」

梓「…今日だけなんですからね///」スチャ

唯「ひゅー!!ついに念願のネコ耳メイド姿のあずにゃんが!!」

梓「そんなおじさんみたいに言わないでください!」

唯「よーし!あとはあずにゃんの夢を見るだけだよ!!じゃあ早速眠りに……」

紬「…ちょっと待って唯ちゃん」

唯「? 何?ムギちゃん?」

紬「目の前にメイド服姿の梓ちゃんがいるんだからわざわざ夢を見る必要はないんじゃ…」

唯「それは違うよ、ムギちゃん。夢の中であずにゃんを見るからこそ意味があるんだよ!」

梓「・・・もう私には理解できません」

唯「そうかなー? まあとりあえずさ、私が寝たらあずにゃんは後ろから思いっきり抱き着いてね!!」

梓「は、はいっ!(私の方から唯先輩に抱きつくって…もしかしたら初めてかも……)

梓「ど、どれくらいの力で抱きつけば…」

唯「zzz」グー

梓「ってもう寝てるし!!」


紬「さ、唯ちゃんも寝たみたいだし。あとは梓ちゃんが抱きつくだけよ」

梓「は、はい!!(な、何故かドキドキしてきた~///)」

唯「zzz」

梓「じゃあいきますよ唯先輩…」

梓「えいっ!!」ギュー



・・・・・・

唯の夢の中


唯「ほーーーーげーーーーー」

唯「私は今広い草原の中で仰向けになりながらゴロゴロしてます」ゴロゴロ

唯「こんな舞台であずにゃん来るのかなー…?」

ユイセンパーイ

唯「! 地平線の彼方から見覚えのあるかわいいツインテの物体が!」

唯「これは間違いなくあずにゃんだよ!! あぁ…やっと夢に出てきてくれたんだね」

唯「あずにゃーん!今いくよ……」

梓「ゆいせんぱい……ちょっと先ほど怪我をしてしまって……血が止まらなくって…」ダラダラ

梓「全身がちょっと赤くなってますけど…。すみませんにゃっ///」テヘペロ

唯「ギャーッ!!」

唯「うわぁーっ!!」ガバッ

紬「ゆ、唯ちゃん大丈夫!!?」

唯「む、ムギちゃん!?あずにゃんに何かあった!? ゆ、夢に怪我をしたあずにゃんが出てきて……!」ポロポロ

紬「あ、梓ちゃんは……」

唯「や、やっぱりあずにゃんに何かあったの!?」

紬「その…、唯ちゃんに抱きついてしばらくしたら鼻血を出して倒れてしまって…」

梓「~~~///」キュー

唯「えー!?な、なんでー!?」

・・・・・・


梓『…唯先輩話ってなんですか?こんな人気がないところに呼び出して』

唯『…実はあずにゃんに伝えたいことがあったから呼び出したんだ……』

梓『伝えたい…ことですか……?』

唯『そう。…実は私、好きな人ができたの』

梓『それはおめでたいですね。でもそれと私とは何の関係が?』

唯『実はその好きな人の名前はね…………』


…ニャーン

アズニャーン

梓「う、うん……?」

唯「あずにゃーん?大丈夫ー?」ユサユサ

梓「あ、あれ…?私……?」

紬「よかった……。気がついたみたいね」

唯「あずにゃん鼻血だして倒れてたんだよ。でもよかった、もう大丈夫そうで…」ホッ

梓「……気絶してる間に不思議な夢を見ました」

唯「えっ?」ドキッ

梓「告白の場面の夢でした。私が唯先輩に呼び出されて……。まあ誰に告白するのか分かる前に夢覚めちゃいましたけど」

梓「唯先輩、私が気絶してる間に何かしましたか?」

唯「ふぇっ!!?/// ももも勿論何にもしてないよ!ただ看病してただけ!ねっ?ムギちゃん?」

紬「そそそそうね!唯ちゃんはただ言葉とかかけながら看病してただけよ!!」

梓「…クスッ。そうですか、ならいいです」


唯「あー、あずにゃん笑うなんてひどいよー!一生懸命看病してたのにさ!」

梓「フフッ、すみません。でもありがとうございました」ニコッ

唯「! ど、どういたしまして///」

紬「うふふ。あ、そろそろホームルーム始まる時間だわ」

唯「えー、もうそんな時間だったの!? 行こう、ムギちゃん!」

唯「あずにゃん、またね」

梓「はいっ!でも今日の放課後はビシバシ練習ですからね!」

唯「ひぃーっ!それだけは勘弁してー!」

アハハハハ……

・・・・・・

その日の放課後の帰り道


唯「でもさー、あずにゃんは結局なんで私の夢ばっかり見れるんだろうねー?私があずにゃんの夢見るのにあんなに苦労したのに…」

梓「別に好きで見てるわけではないんですけどねぇ…。まあ唯先輩グッズとかを枕元に並べてるおかげかもしれないですね」

唯「そうかもね~」アハハ



唯「……えっ?」



唯「えっ…?あ、あずにゃん……?わ、私のグッズって……?」

梓「何言ってるんですか唯先輩。唯先輩グッズは唯先輩グッズに決まってるでしょう」

唯「いやいや決まってないよ!! てか何それ!?そんなのどこで手に入れたのさ!」

梓「どこって言われましても……。唯先輩のフィギュアを買ったり、唯先輩が使ってた消しゴムをちょっと頂戴したり、
  干してあった唯先輩のタイツをちょっと拝借したり…まぁいろいろですよ」

唯「何それ!てかあずにゃん勝手に持っててたの!? 道理でこの前からタイツや消しゴムよくなくなるわけだよ…」

梓「すみません。今返しますから。はい、唯先輩タイツ」ガサゴソ

唯「いつも鞄の中に持ち歩いてたの!? てかこんな所で返されても困るよ!」

梓「そうですか? では唯先輩の家で返しますね。そしていろいろと唯先輩グッズを……!うへへ///」

唯「もうやだこの後輩」



その後、梓が憂に『めっ!』をされたことは言うまでもない……







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