お嬢様「魔物退治に行くわよ!」メイド(安価でサポートしなくては)(245)

とある王国のとあるお城

王様「娘よ!まずは15歳の誕生日おめでとう!」

お嬢様「ありがとうパパ」

王様「だがお前も知っての通り、我が一族は15歳になったら旅に出なくてはならんというしきたりがある」

お嬢様「よーく存じてるわ」

王様「そういうわけだからお前にも旅に出てもらうぞ」

お嬢様「ええ!2泊3日の温泉旅行!ずっと楽しみにしてたんだから!」

王様「えっ……」

王様「いや、違うんじゃよ…」

お嬢様「なにが違うの?」

王様「旅っていうのはそういう…旅行とかじゃなくて、もっとこう…殺伐とした感じのアレなんじゃ」

お嬢様「殺伐とした???」

王様「実はこの国のあちこちにどこかから魔物が現れているんじゃ」

お嬢様「魔物!?」

王様「そいつらを倒し、発生源を断つのが旅の目的…お前が想像している楽しい旅行とは違うのじゃよ」

お嬢様「はぁ…楽しみにしてたのに…」

王様「ぶ、無事に返ってこれたら温泉でもどこでも好きなところに連れて行ってやろう。じゃから耐えてくれんか」

お嬢様「………はぁ」

王様「………そうじゃ、せっかくの誕生日だし、何かプレゼントをやろう!」

お嬢様「プレゼント?」

王様「欲しいものをなんでも言ってみなさい」

お嬢様「スペースシャトル!」

王様「いやっそれはちょっと厳しいのう…」

お嬢様「ダメなの?じゃあ…」

お嬢様「………」ジーッ

お嬢様「前から気になってたの。パパの玉座の後ろのガラスケースに入ってるそれ、何?」

王様「……」クルッ

王様「…見て分かるじゃろ?ハンドベルじゃよ」

お嬢様「ただのハンドベルをどうしてそんなに大事に飾ってあるの?」

王様「これは我が一族にだいだい伝わる宝物なのじゃ。鳴らすと奇跡が起こるとも、災厄が起こるとも言われておる」

お嬢様「ふーん。じゃ、それちょうだい」

王様「………」

王様「わしの話聞いとった?」

お嬢様「鳴らすと奇跡が起こるんでしょ?」

王様「災厄が起こる可能性もあるんじゃぞ」

お嬢様「じゃあ、鳴らさないから。見るだけだから」

王様「絶対鳴らすじゃろお前…」

お嬢様「お願いパパ!私昔からそういうの気になって気になってしょうがない性格なの!」

お嬢様「きっとそのベルを鳴らさなかったら私自身が災厄になってこのお城の中で大暴れするわ!」

お嬢様「パパが座ってるその玉座の脚をわずかに刻んでガタガタにしちゃうかもしれないわ!」

お嬢様「それでもいいの?」

王様「わ、分かった、分かった…そもそもこのベルの伝承など噂に過ぎんしのう…意外とただの鈴かもしれん」スッ

お嬢様「やったー!!」

お嬢様の部屋

お嬢様「………」

王様(旅に出るのは早いほうがよい。すぐに武器を用意するから明日には…)

お嬢様(いらないわ!)

王様(…いらんのか?武器がなければ魔物と戦えんぞ!?)

お嬢様(分かってないわね、パパ…私は女の子よ。女の子に武器なんて似合わないわ)

お嬢様(私は女の子らしく、平和な解決を望むのよ!)

王様(しかし本当に危険な旅になるかもしれんぞ…)

お嬢様(きっとこのベルがなんとかしてくれるわよ!)


お嬢様「………」

お嬢様「さっそく鳴らしちゃおうかしら?」ドキドキ

お嬢様「でももし本当に災厄を呼ぶベルなら…」


「うわー!突然ものすごい竜巻が!!」

「うちの店が地割れに飲み込まれちまった!!」

「か、雷がすごい勢いで落ちまくってるぞおおおお!!」


お嬢様「………」ワクワク

お嬢様「はっ!私ったらなんて不謹慎なの!?ダメよ、そんなこと考えたら…!」ブンブン

お嬢様「…あっ」


りりぃーーーん…

りりぃーーーん……りりぃーーん……リリィーン……ィーン…


お嬢様「………」

お嬢様「な、鳴らしちゃった…どうしよう…」

お嬢様「……」チラッ

お嬢様「でも別段なにか変わったことがあるようには…」


???「そうでもないですよ」


お嬢様「!?…誰?どこ??」キョロキョロ


???「上です」

お嬢様「上…?」

お嬢様「…………!!」

それはまるで、いろんな色の絵の具を

筆でぐちゃぐちゃにかき混ぜたような…

そんな奇妙な渦!


ぐるぐるぐるぐるぐるぐる…


???「んんん…」ズボッ


お嬢様(手…!?)


???「んんんん*?帖帖帖*グググ


お嬢様(両腕!?)


???「ぷはっ」スポッ


お嬢様(女の人!!??)

お嬢様「天井に変な穴が…そこから変な女の人が…」

???「変な人とは失礼な……」

お嬢様「あなた何者よ?」

???「わたし…ワタシはー…」

???「300年前までこの城でメイドをつとめていたものです」

お嬢様「メイド…!?」

???「しかし何の手違いか、そのベルごとガラスケースにしまわれてしまって…一生このままかと思いましたが…」

???「おかげでこうして出てこれました」

お嬢様「………??」


???「ワタシはメイド。そのベルを鳴らした方だけにお仕えします」

???「お呼びとあらば24時間いつでもどこでも、異次元から駆けつけますのでどうぞよしなに」


お嬢様「異次元!?」

お嬢様「異次元ってなに?」

メイド「この渦の中です」

お嬢様「???」

メイド「ワタシは次元を自由に行き来できる存在…普段はあなたとは違う次元にいますが、そのベルを鳴らしてもらえればすぐに出てきます」

メイド「こうして空間にぐるぐる渦を巻いて…」

お嬢様「………」

メイド「それで…300年ぶりにワタシを呼び出したあなたは、新しい主人ということですかね?」

お嬢様「…うん、たぶんそんな感じなんでしょうね」

お嬢様「あ、そうそう、明日から魔物退治の旅に出るの。あなたがいれば便利そうね」

メイド「魔物退治ですか…それはそれは」

お嬢様「よろしくねメイド」

メイド「ええ、こちらこそよろしくお願いしますお嬢様」

支援

お嬢様「ベルを鳴らせばいつでも出てくるの?」

メイド「はい。たとえそこが火の中だろうが水の中だろうが、ぐるぐる渦を巻いて出てきます」

お嬢様「私の言うことはなんでも聞くの?」

メイド「やれる範囲であれば、基本的には従うつもりです」

お嬢様「そう!いいわね、私そういうのに憧れてたの!」

メイド「それはよかったです」

お嬢様「それじゃ明日に備えてもう寝ましょう」

メイド「ええ、おやすみなさい…」

ぐるぐるぐるぐるぐるぐる…

メイドは渦に引っ込んで、そして渦ごと静かに消えてしまった

翌朝

チュンチュン…

お嬢様「ふわあぁ…」

お嬢様「………」

お嬢様「ハンドベル…昨日のは夢じゃないわよね」

お嬢様「来なさい!異次元メイド!」チリンチリン!!


ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる…


メイド「おはようございます。3万と127秒ぶりですね」

お嬢様「あら?今度は普通に床から出てきたのね」

メイド「そこがどこであろうと、渦を巻いて出てこれますので」

お嬢様「そうなの…」

お嬢様「…そんなことより、今日からいよいよ魔物退治の旅のはじまりよ!」

メイド「…魔物退治って、お嬢様どうするつもりなんですか?」

お嬢様「さぁ?そもそも魔物っていうのがどんなのか分からないけど、話し合って平和的に解決してさっさと帰ってきたいわよね」

メイド「…うーん……」

メイド(この魔物というのが、ワタシの知っている魔物のことなら、そう簡単にいきそうにありませんがね…)

メイド(進むべき道、やるべきコトを『次元を超えて示してくれる』あの力を借りてサポートするしかないようですね…)

メイド(そう、安価の力を!)



説明しよう、メイドは『異次元』を自由に行き来できる特殊な存在である!

それ故に、『画面(モニター)の中の世界』から『画面の外の世界』という異次元に対してコミュニケーションを取ることが可能なのだ!!


メイド(よろしくお願いしますよ、そっちの次元の皆さん!)

これから、メイドがあなたがたに『お嬢様』の進むべき道、やるべきこと、倒すべき敵を『安価』で訪ねることがあるでしょう

あなたがたのレスが彼女たちの運命を決めるのです

なお安価は、具体的な内容(場所や人、出来事)を指定していただく『完全委託型』と

こちらが用意した複数の選択肢から一つを選んでいただく『択一型』

この二つが中心になります

『完全委託型』に関しては、あまりに現状とかけ離れた内容であると判断した場合、無効として最安価をすることがあるかもしれません
ご了承ください

オッケー支援だ

お嬢様「うーん…」ノビー…

お嬢様「絶好の旅日和だわ!」

王様「のう娘よ…本当に何もいらんのか?水は?食料は?武器は?」

お嬢様「一応、この旅行かばんは持っていくわ。水が3本、缶詰5つ、あと替えの服がいくつか…」

王様「そんなキャリーケースで平気かのう…」

お嬢様「まぁなんとかなるでしょ」

王様「うむむ…分かった!あまり心配ばかりするのも父親としてよくない!ここは潔く見送ろう!」

お嬢様「そうしてパパ」

王様「では行ってきなさい!魔物を倒し、そして無事に帰ってくるのじゃぞ」

お嬢様「うん、おみやげ持って帰ってくるわ」

お嬢様「じゃあ、行ってきます」

スタスタスタ…

お嬢様「お城の周辺の街には魔物がいないはず…そんな話聞いたことないもの」

お嬢様「もっと遠くまで行かなきゃダメでしょうね」

『本当にいいんですか?』

お嬢様「…?」

メイド『食べ物、飲み物…この二つはまだなんとかなるでしょうが、武器は必須ですよ』

お嬢様「…あなた、どこから?」

メイド『お嬢様がそのベルを持ってさえいれば、ワタシはこの次元に出てこなくてもコミュニケーションはいつでも取れます』

お嬢様「へぇ…」

メイド『返事も頭の中でしてもらえれば結構です…今のお嬢様ひとりごと言ってるようにしか見えませんよ』

お嬢様『こういうこと?』

メイド『そうですそうです』

お嬢様『テレパシーってやつね!』

メイド『どうでしょうね』

メイド『それで、やっぱり武器は必要になると思うんですよ』

お嬢様『私は平和に解決するんだから、武器なんていらないわよ』

メイド『お嬢様は魔物の怖さを知らないからそんなことが言えるんですよ』

お嬢様『メイドは魔物のこと、知ってるの?』

メイド『…いえ、見てみないことにはなんとも…』

お嬢様『それに、パパも魔物が暴れまわっている…とかそんなことは言ってなかったわ』

お嬢様『もしかして人々が勝手に魔物を恐れているだけかもしれないわよ』

メイド『ふぅむ…確かに…』

メイド『でもですね。実はこの方向にもう少し進むと、武器屋があるんですよ』

お嬢様「!」

メイド『一応、覗いてみたらどうです?』

お嬢様『…そうね』

メイド(さて、この武器屋にはなにがある…?)

1,普通の武器屋。様々な武器が売っている

2,変わったお客さんが来ているらしい…

3,店が魔物に襲われている!!

『択一型』安価です。上記の3つから1つ、選んでください

>>22

武器屋

お嬢様「ふぅん、武器屋って案外小さいのね。こういうお店に入るのってはじめてだわ」

メイド『そうですね。普通は利用しないでしょう』

店主「いらっしゃい…お嬢さん、何か用かい?」

お嬢様「武器を買いに来たのよ」

店主「ほぉ…その年頃で武器をお求めとは…てっきりナイフだとか包丁を買いに来たのかと…」

店主「お目当てのものがあるかどうか…気の済むまで見ていってくだされ…」

お嬢様「ええ、そうするわ」

店主「おっと…そうだ今は別のお客さんも来てるんだった…」

お嬢様「別の?」

メイド(…あの御仁は…)

お嬢様より先に武器屋に来ていた、その人物は?

>>25

『完全委託型』の安価です
職業、あるいは名前、あるいはそのキャラの容姿などで、一言で表現してください

王様

王様「ふんふふーん」ガサゴソ

お嬢様「パパ!?」

王様「ん…?ぬおっ!なぜここに!?」

お嬢様「こっちのセリフよ…!どうしてパパがここにいるの!?さっき行ってらっしゃいって見送ってくれたばっかりじゃない!」

王様「そ、それはだな…」モニョモニョ

お嬢様「もしかしてパパ、自分で魔物を倒そうとしてるんじゃ…」

王様「ち、違う!お前のことが心配で、こっそり武器を用意してやろうと思ったんじゃ!」

お嬢様「こっそり?」

王様「お前が通るであろうルートを予想して、そこに先回りしてそれとなく武器を置いておけば、それを使ってくれるのではと…」

メイド『RPGじゃないんですから…』

お嬢様『RPG?なにそれ?』

メイド『失礼。異次元の話です』

お嬢様「どうやらパパは、どうしても私に武器を持っていてもらいたいようね」

王様「だって心配なんじゃもん…お前のような、華奢な子が、素手で魔物に敵うはずなどないからのう」

メイド『お嬢様、王様もここまで仰るのですし、武器を購入されては?』

お嬢様『そうね…さすがにここまでされるとは思わなかったし…』

王様「お前はわしの大事な娘…ホントは旅になんて出したくないし、怪我なんてさせたくないんじゃよー」ヨヨヨ…

お嬢様「…分かったわ。じゃあ、パパが私のために武器を選んで!」

王様「ほ、本当か!武器を持っていってくれるんじゃな!?」

親バカな王様がお嬢様のために選んだ武器はどんなもの?

>>30

完全委託型安価です
武器、と一言にいっても様々な種類がありますね
たとえば防具や鎧も含みます

全自動敵殲滅機

紺碧のドレス

王様(うーむしかし…愛しい娘にあまり危険なで武器を持たせるわけにはいかんのう)ウロウロ

王様(この剣は…いや、刃物なんて危険じゃ、危険すぎる!)

王様(この銃は…いや、暴発したらどうする!?怪我じゃ済まんぞ…)

王様「むむむむ…」

メイド『ずいぶん悩んでるようですね』

お嬢様『そうね。パパって昔からは結構優柔不断なところがあるから…』

王様「む?」

王様「おい店主よ、ここに並んでいるのは鎧じゃないのか?」

店主「そうでございますが…」

王様「なぜドレスが混ざっておるんじゃ?」

店主「ええ、そこに並んでいるドレスはすべて特殊な布で作られておりまして、様々な効果を持っているのです」

王様「ほう…なるほど、それならば危ないものではないはずじゃ…よし、この最も美しいドレスをもらおうかの」

店主「こ、紺碧のドレス…ですか…!?」

お嬢様『あら、素敵』

メイド『しかし店主の顔つきが変わりましたよ』


店主も思わず険しい顔つきになった、紺碧のドレス。その効果とは?

>>34

完全委託型安価です
ドレスの効果を教えて下さい
たとえば「絶対に虫に刺されない」とか「着たものの身体能力を増強する」とかそんな感じです
ただし「特別な効果を持たない」はなしでお願いします

水属性の魔法が使えるようになる
また水中で息ができる

辺りの精力(エロい意味でなく)を吸収して自分の活力にかえる

わあ強そう
支援

王様「む…?なんじゃ、危険なものなのか?」

店主「ええと…危険といえば危険ですし、そうじゃないといえばそうじゃないですし…」

お嬢様「どういうこと?」

店主「この『紺碧のドレス』はこのたくさんあるどのドレスよりも優れたドレスです」

店主「かの悪魔アスモデウスが作り出したと言われている、至高の一品…」

メイド(アスモデウス…!?)

お嬢様「そんなにすごいものなの?」

店主「ええ。この店も小さいですがかつては多くの名品を取り揃えておりまして…特にこのドレスは、連日多くのコレクターが手に入れようとやってきました」

店主「しかし未だにこれが私の手元に…この店に残っているのは」

店主「このドレスが呪われたドレスであるからなのです」

王様「の、呪いじゃとー!?」

お嬢様「呪いってなに!?」ワクワク

店主「このドレスを着た者は周囲に不幸を呼ぶというのです」

王様「不幸を呼ぶドレスじゃとー!?」

店主「なんでもこのドレスを着ていると、身近なものがことごとく死んでゆくそうで…」

王様「ことごとく死んでゆくじゃとー!?」

お嬢様「パパいちいちうるさい!」

店主「そして、私の祖父が数年かけてこのドレスにかけられた呪いの正体を調べ…そしてそれが呪いなどではなく、れっきとしたひとつの効果であることが判明しました」

店主「つまりこのドレスは! 辺りの精力を吸収して自分の活力に変える効果を持っているのです!!! 」

お嬢様「辺りの精力を吸収して自分の活力に…?」

メイド『なるほど…ドレスを着ているだけで身近な人々の精力を吸収してしまい…そして最終的には死に至らしめる…と』

メイド『確かに呪いのような効果ですね』

お嬢様「でも、自分の活力にするということは…」

店主「ええ。吸収した精力に応じて、ドレスを着た者は凄まじい生命力を得ることができます」

店主「手放さずに着続け、精力を吸収し続ければ、あるいは不老不死に近づけるかもしれません…」

王様「不老不死じゃと!?ありえん…!!」

店主「私は正直、この店に置いておくだけでも精力を奪われている気がして恐ろしい」

店主「早くこの店から消えて欲しいと思う一方で、しかしこんな恐ろしいドレスを纏う者がいて欲しくないとも思うのです…」

王様「と、当然じゃ!そんなもの買えるか!」

お嬢様「ちなみにそれ、おいくらかしら?」

店主「…あえて値をつけるなら50万ゴールド…いえ、タダで譲るか、捨ててやってもいいくらいなのですが…」

メイド『50万ゴールド…つまり500万円ですか』

お嬢様『円?なにそれ?』

メイド『異次元の話です。お気になさらず』

お嬢様「パパ…50万ゴールドある?」

王様「わしゃ国王じゃぞ?そりゃぜんぜん用意できる額ではある…が」

王様「まさか今の話を聞いた上でこれが欲しいなんて言わんじゃろうな!」

お嬢様「欲しいわ、超欲しい!」

王様「もうちょっと躊躇とかせんのかお前は…!」

お嬢様「私は旅をするのよ?別にお城で着てるわけじゃないんだから、問題ないでしょ?」

王様「しかし…」

お嬢様「それに、これがあれば魔物と戦えるかもしれない…!」

メイド『平和的に解決するんじゃなかったんですか…』

王様「ぐむむむ…」

お嬢様「大丈夫よ、死ぬまで一緒にいる『誰か』がいるわけでもないし」

お嬢様「いざとなったら、脱いで燃やしちゃえばいいわ」

店主「いやそれが…灯油をかけて火を点けたのにまったく燃えなかったという話もあって…」

お嬢様「とにかく大丈夫よ。ね、パパ…買って!」

王様「……そうじゃな…そもそも最初に武器を買えと言い出したのはわし…分かった、買おう!」

お嬢様「さすがパパ!」

店主「本当によろしいのですか!?」

王様「男に二言はない!なぁに、いい年して親バカなジジイが娘に服を買うだけの話じゃ!アンタは気にせんでいい!」

お嬢様「パパかっこいい!」

店主「では…『紺碧のドレス』一点でお会計50万ゴールドになります…」

王様「カードで!」キラーン

お嬢様「パパ素敵!」

メイド『ちょっとお嬢様…!本当に大丈夫なんですか?』

お嬢様『だって…なんかワクワクしない?曰く付きとか、呪いとかそういうのって…』

メイド『その性格が災いして死んじゃったりないでくださいよ…』


数分後

お嬢様「どう?着てみたわ!」

王様「おお…!綺麗じゃぞ!とってもよく似合っとる!さすがわしの娘!」

店主「しかし…お体に違和感等はございませんか?」

お嬢様「今のところは特に何も…」

お嬢様『メイド、あなたは?』

メイド『ワタシは異世界の中にいますので…おそらく何の影響もないはずです』

お嬢様『それって、こっちの次元に出てきたらヤバいってこと?』

メイド『………どうでしょうね』

メイド(お嬢様が素敵なドレスを手に入れました。果たしてこれがどんな結果に結びつくのか…それはまだ誰にも分かりません)

メイド(さて、お嬢様が次に向かう先はどちらでしょうね?)

>>44

1,魔物が発見されたとの話を聞き、街の外れへ

2,ドレス以外にももっと武器が欲しくなってきた!さらに武器を探しに行く

3,どうやら王様は地図を用意してくれたらしい。地図に描かれた一番大きな街へ


たぶん今日はこれで終わりです
次回はこの安価からスタートします

メイド(異次元の皆様、ご協力ありがとうございました。次回もよろしければ…)

おつー

1

メイド(異次元からこんばんは、メイドです)

メイド(前回は…お嬢様の旅が始まり、王様に『紺碧のドレス』を買ってもらったんでしたね)

メイド(さて、 それでは旅の続きと参りましょうか。これからどうなることやら…)

お嬢様「このドレス、すっかり気に入ってしまったわ」ヒラヒラ

メイド『なんかこう…ようやくお嬢様要素が出てきた感じですね』

お嬢様『どういうこと?』

メイド『お気になさらず…』

王様「のう、本当によいのか?せっかく地図を用意したというのに…」

お嬢様「いらないわ!私、地図読めないもの!」

メイド『そんな誇らしげに言うことじゃないでしょう』

王様「ではこれからどこへ向かうのじゃ?」

お嬢様「そうね…魔物退治が目的なんだし、あてもなく彷徨ってるわけにはいかないわ…」

店主「お客様、魔物退治が目的なのですか…?」

お嬢様「そうよ、そのために武器を…」

店主「実は一時間程前に、この街の外れに魔物が出たとの報告がありまして」

お嬢様「報告?」

店主「ええ、私は武器屋ですから。いざとなったらこの店の武器を人々に貸し出して対抗しなくてはいけないのです…」

店主「そのため魔物出現の報告は必ず受けるようにしているんですよ」

お嬢様「一時間前…もしかしたらまだ間に合うかも!」

王様「まさか行くつもりじゃなかろうな…!」

お嬢様「当然でしょ、この目で魔物がどんな存在なのか確かめるチャンスよ!」

王様「う、うむ…しかしもし襲われたりしたら…」

お嬢様「なんとかなるわよ、きっと」

王様「むむむ…」

お嬢様「ねぇ店主さん、その魔物が出たのって、どっち?」

店主「こちらです…少し距離はありますが真っ直ぐ行けばいいので迷う恐れはないと…」

お嬢様「よーし、今すぐ行くわよ!少なくとも、何か情報は得られるはず!」

王様「…た、頼むから…」

お嬢様「……?」

王様「無理だけは…せんでおくれよ…」

お嬢様「…ええ、無理はしない!」

メイド『どうでしょうね…』

お嬢様「魔物!魔物!」たたたた…

メイド『……本当に大丈夫なんですか?』

お嬢様『なによ…みんな心配ばっかりね!』

メイド『だってお嬢様、いちいちいきあたりばったりというか…ぶっちゃけ何も考えてない感じが…』

お嬢様『ふっ…私の座右の銘、聞きたい?』

メイド『座右の銘?…なんです?』

お嬢様「Take a chance!Go for broke!!」

メイド『なるほど…つまり当たって砕けろ、ですね』

お嬢様『それよ!』

メイド『やれやれ…』

メイド『…ところで、ワタシの事、王様は知らないままですよね?』

お嬢様『そういえば…パパの前では結局あなたを呼び出してないわね』

メイド『別にいいですけどね…ワタシがついていると分かれば王様も多少は安心できたかもしれませんよ』

お嬢様『……それはちょっと悪いことしちゃったかも』

メイド(どうやらそろそろ目的地の…街の外れに着きそうですが)

メイド(いったいどういう状況になっているんでしょうね…) 


街の外れでは、一体何が起こっている?

1,魔物がいる

2,魔物はいない


メイド(択一型安価です…>>51さんお願いしますよ)

メイド(おっと!もう一つ…)


>>51の結果(魔物がいるorいない)、どのような出来事が起こっている??


メイド(こちらは完全委託型安価です…>>54さんお願いしますよ…)

メイド(もちろん>>51でどちらが選ばれたかを、しっかり確認したうえで!)

いーち

いるよ

kskst

加速下

10匹ぐらいのオークが更地を耕して畑を作ってる

ええやつやんか……

やっぱりオークは紳士だな

お嬢様「はっ、はっ、」たたたた…

メイド『お嬢様…もうかれこれ20分は走り続けてますけど、疲れないんですか?』

お嬢様『え?…そうね、少し汗かいてきたわ』

メイド『少しって…』

お嬢様『私こう見えて運動は得意なほうなのよ。どう?この美しいフォーム!』たたたた…

メイド『はぁ…まぁなんでもいいですけど…』

メイド『!!…お嬢様、止まって!』

お嬢様「!」

ぴたっ

お嬢様「なに…?」

メイド『妙な気配がします…魔物かもしれません…』

お嬢様『え、私ぜんぜん分からないけど…』

メイド『おそらくもう少しで街の外れへ出るでしょう…ここからはゆっくりで構いませんから、できるだけ音を立てないように…』

お嬢様『そうね…こういうときは』クルッ

お嬢様『ムーンウォークで行きましょう!』ツイッツイッツイーッ

メイド『せっかくお嬢様らしくなったと思ったのに、台無しじゃないですか…』

お嬢様『どう!?この美しいフォーム!かなり練習したのよ!』ツイッツイッ 

メイド『……ノーコメントで』

お嬢様『はっ!コレじゃ前が見えないじゃない!やっぱり普通に行きましょう』

メイド『お嬢様もしかしてちょっとアホなんですか?』

お嬢様『!急に道が広くなってきたわ』

メイド『舗装されていた道もいつの間にか草だらけに…』

お嬢様『だいぶ街を離れたものね…あっ!』

メイド『……何かいますね…そこの木に隠れましょう』


???「いんやー、働いたあとのお茶は最高だべ!」

???「んだんだ!」

???「せんべいも開けるべさ!」


お嬢様『10人位の頭巾を被った人が…座ってくつろいでる…?』

メイド『いえ…この気配、やはり人間ではありません…』

お嬢様『人間じゃない?』

メイド『人型の魔物です…おそらく』

お嬢様『人型の…!?』

お嬢様『!見て、なにか武器みたいなものを持ってるわ!』

メイド『あれは…』


メイド『鍬です!』

お嬢様『あ、ホントだ!武器じゃなくて鍬だわ!』

メイド『頭巾を被って鍬を持った人型の魔物…いったいどういうことです…?』

お嬢様『…っていうか、あまりにも自然すぎて気づかなかったけど』

お嬢様『あいつらの後ろに広がってるの、畑じゃない?』

メイド『言われてみれば…』

お嬢様『もしかしてここの村人の畑を乗っ取って荒らしてる…!?』

メイド『どうでしょうね…もう少し近づかないことにはなんとも…』

お嬢様『気づかれないかしら?』

メイド『なんならワタシが出ましょうか』

お嬢様『そうだわ、そうしましょう』チリンチリーン

チリンチリーン…


???「ん?」

???「お?」

???「なんの音だべ?」

???「誰かおるんけ!?」


お嬢様(しまった、音でバレた!)

メイド『今のはワタシのミスです…音のこと考えてませんでした…』

メイド『だったら』

ぐるぐるぐるぐるぐるぐる…


???「なっ、なんだぁ!?」

???「なんもねぇところに渦が巻いとる!!」


メイド「もう隠れる必要はありませんね!」グイッ


???「なんか出てきたー!!!」

メイド「……」

メイド(ひいふうみい…12人ですか…そしてやはりこの顔は…)

メイド「あなたたちは魔物ですね!こんなところで何をしているのです!?」


???「…渦ん中からべっぴんさんが出てくるなんて夢みてぇだぁ」

???「オラてれびで見たことあんぞ!このかっこ、『めえどさん』でねぇのか!」

???「はー、めえどさんっちゅうのはこんな不思議な現れ方をするんかぁ…たまげたなぁ…」


メイド「いかにもワタシは異次元メイド!」

メイド「って、そんなことはどうでもいいんですよ!あなたたちは何者です!」

お嬢様「畑荒らしの悪い魔物なら、容赦しないわよ!」ガサッ


???「奥の木からこらまためんこい子が!」

???「こらいよいよ夢かもわっかんねぇぞ?」

???「相当頑張ったからなぁ、疲れっちまって幻でも見てるのかもしんねぇ」


メイド「現実ですって!」

メイド「お嬢様、出てきてよかったんですか?」

お嬢様「なんか…ついノリで…」

メイド「それで!あなたたちは何者なんです!」


???「お、オラたつは『おーぐ』だ」

???「んだんだ」


お嬢様「おーぐ…?大暮さん?」

メイド「誰ですかそれ…訛りがキツくて分かりにくいですが『オーク』です」


オーク1「オラたち別に悪いことなんてしてねぇぞ!」

オーク2「んだ!ただひとすごと終えて、休んどっただけで…」


メイド「ひとすごと、って畑を荒らすのが仕事ですか!」

オーク3「荒らす!?バカなこと言うでねぇ!!」

オーク4「こらぁオラたちの畑だっぺ!!」

オーク5「4づかんかけて、やっとここまで形になっただ!!」

オーク一同『んだんだ!!』


お嬢様「四時間かけて畑を作ったの?」

オーク1「まんだまだ途中だけどな!」

お嬢様「……」チラッ

メイド「……」

メイド(オークが畑仕事?なぜそんなことを…)

メイド「ここは人間の土地のはず…持ち主はどこにいるんです」

オーク6「ああー、確かにいたなぁ、ここの地主!」

オーク7「だけどオラたちが場所貸してくれっつったら、二つ返事で逃げっちまった」

オーク8「襲わないでー!なんて…オラたちそんなつもりねぇのになぁ」

オーク一同『んだんだ!』

メイド「土地を借りようと訪れたら、そこの地主に慌てて逃げられた?」

お嬢様「それってつまり悪さをしに来たわけじゃないってこと?」

オーク9「あったりめぇだ。オラのこの手は、誰かを傷つけるためにあるんでねぇ」

オーク10「美味しい米に新鮮な野菜!それらを育てるためにあるンだ!」

オーク一同『んだんだ!!』


メイド(美味しい米?新鮮な野菜??それじゃ彼らは本当に畑仕事をするためだけに…??)

お嬢様「この土地で畑作りをして、ここで暮らすつもりなの?」


オーク11「それならオラたちの隊長に聞いてけれ。おーい、隊長!」

オーク隊長「聞こえとる聞こえとる!」

オーク隊長「オラがオーク農耕作部隊の隊長だ」

お嬢様「隊長さん…あなたたちはなぜここで畑作りを?」

オーク隊長「なんでっておめぇ、米や野菜を食うために決まっとるでねぇか」

メイド「ここで自給自足の生活をしようと?」

オーク隊長「ん!?」

オーク隊長「…ぶははは!バカ言うでねぇよ、オラたちが食う分の米なんてねえ」

お嬢様「???」

メイド「じゃあ誰が…?」

オーク隊長「オラたちの主、ベルゼブブ様だ!」

お嬢様「べるぜぶ…???」

メイド「……!!」



オーク1「ベルゼブブ様はオラたちよりずっとちっこいのに食べ盛りでなぁ」

オーク2「オラたちの何倍…いや、何十倍も食うんだ」

オーク3「んで平気な顔して足りねぇってんだからてぇへんだ!」

オーク4「そこで、より多くの食糧を確保するために」

オーク5「オラたちオーク隊がここに畑を作るよう送り込まれただよ」

オーク一同『んだんだ!!』

お嬢様「ふーん……じゃあほんとに悪さしてないのね」

オーク隊長「してねぇしてねぇ。オラたちは米作んので精一杯だ」

お嬢様「なら、ほっといてもよさそうね」

メイド「………」

お嬢様「あら?どうしたのメイド?そんな険しい顔して」

オーク6「腹でも減っただか?」

オーク7「おむすび食うか?」

メイド「あなたたちの…主である…ベルゼブブというのは…」

メイド「まさかあの…『七罪の』…」


ガサガサ…

???「そこまでだぁ!!!」バッ


お嬢様「!?」

メイド(ワタシのセリフに割りこんで、何者かが突然現れました!!)

メイド(一体こいつは誰なんです!?)


>>70

完全委託型安価です
その人物が何者なのか、職業や見た目、名前などで簡潔に教えてください
複数いても構いません

女騎士

逃げた地主が雇った東洋人の用心棒

???「そこまでだぁ!!!」


お嬢様「!?」

オーク一同『んだぁ?』

メイド(人が喋ってるのに…!)


バァアアアアン!!!

???「……ふっ…決まった」

???「…オーケーオーケー…ちゃんと残ってるな魔物ども!」

???「こいつらで間違いないんだな?」

地主「ああ、間違いねぇ、こいつらが俺の土地を奪ったんだ!」

オーク隊長「なにぃ?おめぇあのとき『土地は譲りますから命だけはぁー』って騒いどったじゃねえか!!」

地主「うるさい!いきなりお前らみたいな醜いバケモンにそんなこと言われて断れるわけないだろうが!」

メイド(そりゃそうだ)

オーク隊長「み、醜いバケモンだとぉ…!父ちゃんと母ちゃんから貰った大事なこの身を侮辱すんでねぇ!!」

オーク一同『んだんだ!!』

地主「そんなことはどうでもいい!さっきのは取り消しだ!土地を返しやがれ!」

オーク隊長「んなこと言われてもよぉ、畑にしちまったよ!」

地主「は、畑だとぉ!?…なんてことしやがるんだ!俺はいずれここにでっかい骨董屋を開くつもりだったんだ!ここは隠れ家的な良い雰囲気があるからな!」

オーク隊長「それはすまねぇ…だけどもう遅いべ!」

地主「遅くはないさ…今からお前らを一人残らず退治して、畑は元の更地に戻す!」

お嬢様「!」

オーク隊長「なっ…なんだとぉ!?んなことやらせっかぁ!」

オーク一同『んだんだ!!』

地主「そのためにわざわざ、用心棒まで雇ったんだ!そんじょそこらのチンピラとは違う、体術を極めた東洋人のな!!」

東洋人「フン…堪忍しな、バケモンども!」ポキポキ…

オーク隊長(参ったぞ…オラたち戦いなんてできねぇだよ!!いったいどうすりゃいいんだ!?)

オーク一同『うぐぐ…!!』

東洋人「…オイ地主、さっきからそこに突っ立ってる女共もターゲットか?」

地主「?…いや、こいつらは関係ないだろう。ほれ、巻き込まれたくなればさっさと消えな!」

お嬢様「………」

メイド「…行きましょうお嬢様」

東洋人「それとも、このバケモンどもが俺様によって華麗に蹴散らされるのを見ていくかい?」

お嬢様「………」ピクッ

東洋人「ま、お子様にはちとグロテスクかもしれんがね…!」ニヤニヤ

お嬢様「…させないわよ」

東洋人「あん?」

お嬢様「彼らには手出しさせない!!」バッ

メイド「!?」

地主「なに…?」

東洋人「…死にたいのか?ガキ」

メイド「ちょっと…お嬢様…!」

地主「おいおいおいおい…話聞いてただろ!?こいつらは俺の土地を勝手に奪いやがったんだ!」

お嬢様「聞いてたわよ!あなた彼らに『土地は譲る』って言って、逃げ出したんでしょ!」

地主「…だからそれは!こんなバケモン見たらそうなるだろうが!!あのときは気が動転してたんだ!」

お嬢様「彼らのどこがバケモノよ!!」

地主「どこからどう見たってバケモンだろ!!」

お嬢様「でも彼らは、仕えている主人のために、お米や野菜を育てようとしてるのよ!?」

お嬢様「そんな優しい彼らを、バケモノ呼ばわりなんて人が悪いわ!」

地主「そいつらが何してようが関係ねえ!そいつらはバケモノ!オークっつう魔物なんだよ!!魔物を退治して何が悪いってんだ!」

お嬢様「っ…」

東洋人「悪いけどよぉ、そういうわけなんだわ。俺の仕事は魔物退治。お嬢ちゃんがなんと言おうが、魔物は魔物。きっちり始末させてもらうぜ…」

東洋人「ほら、そこにいるのはコイツのメイドかなんかだろ?さっさと連れて帰りな」

メイド「………お嬢様」

お嬢様「…私の」

お嬢様「私の仕事も魔物退治よ!!」

東洋人「…あぁ?」

地主「くっ…くくく…こいつは笑かしてくれるぜ…お前みたいなチビが魔物退治?そりゃ無理だろ!」

地主「第一、魔物退治が仕事なら、さっさとそのオークどもをやっつけろよ!」

お嬢様「そうよ…」

地主「?」

お嬢様「彼らをやっつけるのは私の仕事だから、あなたたちの出番はないわ!」

東洋人「…俺の仕事を奪おうってのか?」

お嬢様「あいにく、先に来てたのはこっちのほうだから!」

東洋人「………ふー…」

東洋人「ナメてんじゃねぇぞ、このガキャアアアア!!!」

お嬢様「……!」

地主「…用心棒!だったら先に邪魔するこいつから潰せ!オークどもは後でいい!」

東洋人「言われなくてもそうするぜ…俺は仕事の邪魔されんのが大嫌いなんだよ!!」

お嬢様「逆よ逆…私の仕事の邪魔するようなら、ただじゃ済まないわよ…!」ニヤッ

メイド「…はぁ」

メイド「大見得切っちゃって…お嬢様、どうするつもりですか?」

お嬢様「メイド…」

お嬢様「私の座右の銘、知ってる?」

メイド「………!」

メイド「しょーがないですね…。付き合いますよ」

お嬢様「Take a chance!Go for broke!!」

メイド「当たって砕けろ…ですね」

メイド(さぁさぁ皆様、どうやらお嬢様は、彼らのことがどうしても気に入らないようですよ)

メイド(ここは華麗に用心棒をやっつけたいところですが…ワタシにもいろいろ思うところはあるんですよね)

メイド(今回は安価…皆様の協力が必要な場面がいささか少なかったかもしれません)

メイド(しかし安価は、毒にも薬にもなりかねません…あまり頼りすぎるのもお嬢様にとって良くないでしょうし、ご了承ください)

メイド(さて、次回は安価以外にもワタシが使えるってことを、皆様に教えてさしあげましょう…)


メイド(ではまた、次回の安価をお楽しみに…)

支援

面白いな

メイド(異次元からこんばんは、二日ぶりです)

メイド(おかしいですね…ワタシは確かに、この旅の目的は魔物退治だとお嬢様から聞かされたのですが)

メイド(どうして同じく魔物退治が目的の用心棒なんかと対峙することになってるんでしょうね…)

メイド(ま、とにかく…旅の続きと参りましょう)

東洋人「俺はプロなんでな…女子供とは言え容赦しねぇぜ!」

お嬢様「それはいいわね、後から『手加減してました』なんて言い訳は聞きたくないもの」

東洋人「…口先だけは一丁前のガキが…!オラぁ!」ビュオッ

メイド(鋭い前蹴りがお嬢様に…!)

お嬢様「バックステップ!」バッ

東洋人「なにっ…!避けただと!」

お嬢様「甘く見ないでもらいたいわね…こう見えて運動には…」

東洋人「オラッ!!」ブンッ

メイド(今度はフックが…)

お嬢様「スクワット!」シャガミッ

東洋人「また……!」イラッ

お嬢様「運動には自信が…」

東洋人「このチビ!!」グワッ

メイド(掴みかかる気ですか…)

お嬢様「ふっ…甘いわね!」ガシッ

お嬢様「ローリングアタック!」グルグルグル…

東洋人「あァ!?」

メイド(キャリーバッグを武器に!?)

ボカッ!!

東洋人「………ぐっ!」クラッ

お嬢様「決まったわね」

メイド「やるじゃないですか、お嬢様」

お嬢様「……あなたさっきから見てるだけで何にもサポートしてくれないのね!」

メイド「はっ…すみません、つい無意識に異次元に向けて状況説明を…」

お嬢様「よく分からないけどそういうのいいから!あなたも手伝って!」

お嬢様「あいつ、まだダウンしてないわ!」

メイド「…じゃあ…」

地主「おい用心棒…!あんな子供に押されてどうする!」

東洋人「いやすまねぇ…タダのガキだと思っていたが、俺の攻撃を前にしてまったくビビらねぇとはな…」

東洋人「さては格闘経験があるな?」

お嬢様「ないけど?」

東洋人「ないのか!?」

お嬢様「言ってるでしょ、運動には自信が…」

東洋人「ナメやがって!!」

お嬢様「……いい加減に言わせてよ!」


メイド(今のうちに異次元のチャンネルを合わせて…)ぐるぐるぐる…

メイド(ワタシの『メイド666の兵器』を用意しましょう…)ごそごそ…

メイド(どれを使いましょうかね…)

メイド(お嬢様をサポートするためにワタシの『メイド666の兵器』を使いましょう)

メイド(え?メイド666の兵器ですか?読んで字のごとく、ワタシの所持する666つの兵器ですよ…異次元に保管してあるのです)

メイド(どれを使うか…>>87様に選んでもらいましょう)

次の3つの『メイド666の兵器』からひとつを選んでください


1,異次元出刃包丁『マサムネ』

2,自動操縦兵器『マザールンバ』

3,魔法の箒『ニンバス2014』

お待たせしました。択一型安価です

2

1

殺る気満々じゃねーか!

メイド(よし…これにしましょう!)ぐいっ!


東洋人「なかなかよく動くやつだが…これは防御も回避もできねぇぞ!」バッ

お嬢様「!?」

東洋人「いくぞ…震……」グググ…

メイド「ちょっと待った!!!」

東洋人「…んだよ!?」

お嬢様「メイド…何を!?」

メイド「異次元から武器を用意しているんですよ…その名も…」

メイド「異次元出刃包丁『マサムネ』!!」

お嬢様「…出刃包丁!?」

東洋人「包丁だと…!そんなもんで戦おうってのか!?」

地主「ハッハー!流石メイドさんだな!だが包丁は料理に使うものだぞ!?」

メイド「まぁ…見てなさいな…」ずずず…

メイド「我がメイド666つ兵器…その…」ずずず…

メイド「恐ろしさを!!」じゃきぃん!!


お嬢様「な…」

地主「な…」

東洋人「な…」


一同『長い!!!』


メイド「ふふ…6尺3寸(190cm)の大ボリューム!これが異次元出刃包丁マサ…」

東洋人「これのどこが包丁だ!!剣じゃねぇか!!」

メイド「!た、確かに…では異次元出刃包丁改め…」

メイド「異次元出刃ソード『マサムネ』!!」

地主「うわ、名前変えやがった!!」

お嬢様「メイド!包丁なのかソードなのかよく分かんないけど、それであいつをやっつけられるのね!?」

メイド「いいえ!」

お嬢様「えっ?」

メイド「この包ちょ…じゃなくてソードが切るのは『次元』そのもの!」

お嬢様「次元を切る???つまりどういうこと?」

メイド「こういうことです…はぁっ!」ブォンっ


東洋人「うおおっ!危ねぇ!」バッ


ザクッ!!


東洋人「な…」

東洋人「なにもねぇところが切れてやがる…どうなってんだ…!?」

メイド「これがマサムネの能力…何もないところを斬ることでその『次元』に切れ込みを入れることができるんです」

お嬢様「ぜんぜん分からないわ」

メイド「ご心配なく…ここからがこのマサムネの本領!」ぐぐっ…

メイド「よい…しょっ!!」ザクッ!

用心棒「うおっ…!」バッ!

メイド「まだまだ!!」ザクッ!

用心棒「やめ……!?」

用心棒(こいつ、俺に当てるつもりがないのか?さっきから俺の真横や頭上ばかりを…)

メイド「そう…あなたが避ける必要はないのです……!」ぐぐっ

メイド「ラスト!」ザクッ!

用心棒(今度は足元の地面を…!!)


メイド「ふー…」

お嬢様「メイド…何をしたの…?わざとあいつに当てないように切ってるように見えたんだけど」

メイド「そうです。切ったのは彼の周囲の空間です」

お嬢様「???」

メイド「そして…次元の切れ込みに囲まれたものは…」

東洋人「……?」


ガコンっ!


東洋人「!!?」グラッ…


メイド「空間ごと、その次元から落っこちる!」


東洋人「うわぁあああああああああああ」ヒュウウウウウ…


地主「な…な…なにが起きて…」


メイド「彼は普段のワタシがいる、異次元空間に送られました」

メイド「自力で脱出することは不可能…あっけなかったですね」

メイド「これが出刃包丁…じゃなくて名刀…でもなくて出刃ソード『マサムネ』!」ドヤッ

お嬢様「ぽかーん…なんだけど…」

地主「自力では戻ってこれない…?バカな、高い金出して雇ったっていうのに…」

お嬢様「………ねぇ、もう終わっちゃったの?」

メイド「そうなりますね」

お嬢様「私てっきり、手助け程度のことしかしないと思ったのに…」

メイド「………」

メイド「ま、まぁ、お嬢様にワタシの実力といいますか…そういうのを知っていただくいい機会かと思いまして……」


オーク隊長「やっただか!?」


お嬢様「…オーク隊長!」

メイド「ええ、彼はもう異次元に閉じ込めましたから…これであなたたちの畑を脅かす存在はもう…」

オーク隊長「異次元に閉じ込めた…?」

オーク隊長「…よく分がんねぇけど、やりすぎじゃねぇのか?」

メイド「!」

お嬢様「…そうよ、一生出られないなんていくらなんでも可哀想だわ」

メイド「そうですかね…」

オーク隊長「オラたち確かに、地主たちはひでぇやつだと思っとったけんど」

オーク隊長「だけどオラたちも、きちんと話し合わないで土地を使っつまったのはわりいことだと思うだよ…」

地主「………いや」

地主「俺の方こそ、被害者面するにはちょっと事情が違ったかもしれねぇな…」

地主「すまねぇオーク共。あんたらは確かに…俺が思ってるような悪い奴らじゃないのかもな…」

オーク隊長「…いやそんな…オラたちは悪かった。それは間違いねぇだ」


お嬢様「……ねぇ、メイド」

メイド「は、はい…」

お嬢様「…用心棒、異次元から出してあげられないの?」

メイド「……やっぱり、そうなりますか」

メイド「お嬢様は勘違いしてるようですが、ワタシは『自力で脱出できない』と言っただけで『脱出する方法がない』とは言ってませんよ」

お嬢様「!!」

メイド「一生出られない…のはワタシに出す気がない場合です」

メイド「出そうと思えばいつでも出してあげられますよ」ごそごそ…

メイド「はい、メイド666の兵器『異次元砥石』です」スッ

お嬢様「砥石…?」

メイド「今さっき異次元に落とし込まれた空間…このあたりですね」

メイド「ここをその石でごしごしやってみてください」

お嬢様「…こう?」ごしごし…

ずずずずず…

お嬢様「!…斬る前の状態に…」

メイド「そうです。そのうち用心棒も元通りに出てきますよ」

地主「それ砥石って言わなくねぇ!?」

メイド「黙っててください!用心棒、助けるのやめますよ!」

地主「はいっすいませんっ」

お嬢様「ねぇ…オークさんたちは」

お嬢様「私が用心棒を戻そうとしてるのを止めないの?」

オーク隊長「………」

オーク隊長「ああ。止めねぇ。これでもし用心棒が襲ってきたら、抵抗しねぇだ。然るべき罰は受ける…」

オーク隊長「なぁ、みんな!」

オーク一同『んだんだ!!』

お嬢様「……そうね」

ごしごし…ごしごし…

用心棒「う…うぅ…」ずずず…

用心棒「ぐはっ!」ドサッ

用心棒「な、なんだ…確か、いきなり地面が傾いたような感覚になって…変なもやもやした意味不明な場所に落ちて…それで…」クラクラ…

用心棒「はっ!」

お嬢様「………」

用心棒「て、てめぇ!その手に持ってるのはレンガか何かか!?危ねぇ、やられるところだったぜ!!」

お嬢様「もう終わりよ」

用心棒「…なに?」

お嬢様「オークさんたちと地主さん、話し合ってるし、私たちが争う必要はもうないわ」

用心棒「………は!?」

地主「ああ。そうだ用心棒。俺はこいつらに、この土地を預けることにしたんだ」

オーク隊長「収穫物の一部を提供することで手を打っただ!」

用心棒「なっ…はっ…えっ?」

地主「もう引くぞ。安心しろ、金を返せとかそういうことは言わないから」

用心棒「おっおい…どういうことだよ!?俺はまだこのチビを相手してる途中…」

メイド「帰りなさい」ザッ

用心棒「!?」

メイド「でないと今度は…どこよりも恐ろしい次元にあなたを送り込むことになります…」

用心棒「ひっ…!!」

用心棒「くっ…な、なんなんだよぉ!」

用心棒「チビ!そしてそのメイド!お前らの顔は覚えたぞ!次会ったときは仕事だとか関係なく、ぶちのめしてやる!」

お嬢様「嫌よ」

メイド「そしたらまたマサムネでザクッと…」

用心棒「…覚えてろぉ!!」ダッ

地主「あっ、おい用心棒…俺はまだオークと話を…!」

地主「…行っちまった」


お嬢様「…さてと」クルッ

オーク隊長「?」

お嬢様「邪魔者もいなくなったし…魔物退治の時間よ!」

オーク一同『な、なんだってぇ!?』

お嬢様「くすっ…冗談よ!」

お嬢様「あなたたちを退治する必要は、どこにもないわ。ただの優しいオークさんだもの」

オーク一同『ほっ…』

メイド(…ワタシの強引な乱入があったにせよ、まさか誰も傷つけずに事を丸く収めるとは…)

メイド(お嬢様、なかなかどうしてやるじゃないですか…)

お嬢様「ねぇメイド、オークさんたちがおにぎり食べさせてくれるって!」

メイド「え?…ええ、じゃあ、いただきましょうか」

オーク隊長「地主!あんたも一緒に食うべ食うべ!」

地主「…おう、友好の印に、ありがたくいただくとしようか!」


ぶぶぶ…

ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ…


「あっ!ちゃんと畑になってるね!」


お嬢様「?」チラッ


「さすがオーク!えらい!」


ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ…

お嬢様「なに…あれ…」

地主「蠅の…群れ…?あんなん見たことねぇぞ…」

メイド「…蠅?…まさか……!」


ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ…


オーク一同『あ、あれは…オラたちの主…!!』

オーク隊長「ベルゼブブ様!!!」


ぶぶぶぶぶ…

すとんっ


ベルゼブブ「みんなぁ、ちゃんと働いてくれたんだねぇ」

ベルゼブブ「お疲れさまぁ!」ニコニコ


お嬢様「あのちっちゃい女の子が、彼らの主…?」

地主「つーか今、蠅の群れの中から出てきたぞ!?」

メイド「まずい…まさか本当に…」

オーク隊長「べ、ベルゼブブ様!なぜここへ…!?」

ベルゼブブ「うーん…退屈だったんだもん!みんなの様子を見に来たの!」

オーク隊長「わざわざ見に来ていただかなくても、こちらから報告するって話だったじゃねぇですか…!」

ベルゼブブ「そだねぇ。でも退屈だったんだもん」

オーク隊長「は、はぁ…それならよーく見てくんろ!この立派な畑!まだ途中だけんど、なかなかいい出来でしょう!」

ベルゼブブ「うん?まだ途中なの…?お米は?」

オーク隊長「さすがに一日じゃできねぇだよ!」

オーク一同『わはははは!!』

ベルゼブブ「そっかぁ。でも」

ベルゼブブ「お腹空いたなぁ」


オーク隊長「!!!」

オーク一同『……!!』

お嬢様「???」

地主「なんだぁ?急にあいつらの様子が…」

これは久々の神安価スレの予感
支援せざるを得ない

ベルゼブブ「ねぇーお腹空いたお腹空いたお腹空いた!!!」

オーク隊長「お、お待ちくだせぇベルゼブブ様!…今ここに食糧は…」

オーク隊長「はっ!…そうだ、おめぇたち!そのおにぎりは回収だ!!全部この方にお渡しするんだ!」

オーク一同『んだんだ!!』サッ


ベルゼブブ「わーい!おにぎりだー!」キャッキャッ

オーク隊長「ほっ…」

ベルゼブブ「ねーねーところで、なんで人間がいるの?」ムシャムシャ 

オーク隊長「あ、あぁ…そこにいるのは…この土地の地主と、なんかよく分かんねぇ嬢ちゃんとめえどさんだ!」

地主「おう、俺がこの土地の地主だ!」

ベルゼブブ「この土地の?ふーん…ベルたちにくれない?いいでしょ?」

地主「心配すんな、もう話はついたからよ。俺はこいつらに土地を提供する。そして」

地主「こいつらは俺に収穫物を分けてくれる。これぞWinWinってやつだろ!」

ベルゼブブ「………いま、なんて言ったの?」

地主「ん?だから俺がこいつらにこの土地を使わせて…」

オーク隊長「…!!おっ、おい地主、それ以上言っちまったら食わ…」

地主「こいつらは俺にこの土地で採れた食糧を分けて…」


ベルゼブブ「ふ・ざ・け・る・な・!」グワァッ


地主「へっ?」


それはまるで、蛇のような、長い長い線を描いて…

蠅の群れが、飛んできた


地主「は」


ばくんっ



お嬢様「………!!」

メイド「……っ」

バリバリバリ…

ベルゼブブ「あげないよぉ。ベルのごはん…」もぐもぐ…

ごくんっ

ベルゼブブ「一口だって、分けてあげないよぉぉぉ!?」べろんっ


オーク隊長「ああ…なんてこった…!」

オーク隊長「食われちまった…!オラが止めんのが遅かったせいで…!!」


お嬢様「え…地主…?…嘘でしょ…!?」

メイド「人間を食べた…話通りの化け物…」

お嬢様「ねぇ、メイド…なんなのよ…」

お嬢様「こいつはいったいなんなのよ!?」


メイド「七つの罪を背負った、魔物がいます…『大魔王』と呼ばれるそれは、こことは違う次元で、破壊の限りを尽くしました」

メイド「現在はその姿を潜めているとされていますが、代わりに…」

メイド「彼の7人の娘たちが、その次元を支配していると…」

お嬢様「大魔王…?娘…?」

メイド「『色欲』のアスモデウス」

メイド「『怠惰』のベルフェゴール」

メイド「『憤怒』のサタン」

メイド「『強欲』のマンモン」

メイド「『嫉妬』のレヴィアタン」

メイド「『傲慢』のルシファー」

メイド「…そして今、眼前にいる『暴食』のベルゼブブ」

メイド「それぞれ、大魔王の持つ罪を一つずつ受け継いだ、最強最悪の七人…」

メイド「通称『七罪の七姉妹』!!1万年も前から存在する異次元の支配者です!」

お嬢様「七罪の…七姉妹…」


ベルゼブブ「なぁに?あなたもベルのご飯、わけてほしいの?」

ベルゼブブ「じゃ、食べちゃおうかなぁ…!」

メイド(今回は安価が一度しか出せませんでした…と言うか今後はこれがスタンダードになるかもしれません。ご了承を…)


メイド(さて、一難去ってまた一難とはこのことでしょうか…)

メイド(いきなり現れたそいつの名前はベルゼブブ。すべての魔物の頂点に立つ大魔王…その七人の娘のうちの一人です)

メイド(おそらく彼女は文字通り『次元の違う強さ』!お嬢様では絶対に退治できないでしょう)

メイド(それどころかこのままじゃ捕食されてしまうかもしれない絶体絶命の大ピンチ!)

メイド(今こそ安価の力を借りて、この危機を乗り越えなくては…いえ、安価の力があったとしても、どうにかできる事態じゃないのかも…)

メイド(とにかくヤバい!次回が最終回にならないことを祈ってます!さようなら!)

死んだらゲームオーバーで打切りなのかw
でも支援

ノーコンティニューでクリアは無理だろこれw

き、きっとRPGでは定番の強制敗北イベントだよ!(汗)

一応アスモデウスのアイテム持ってるし、一方的に負けは…

色欲のチカラを使いこなす15歳のお嬢様とかww

メイド版ドラえもんとか最高やんけ

おまえのせいでメイド服着たドラえもんが浮かんだやないか

せめて声は大山のぶ代女史でお願い致す

(だめだ…どうあがいてもベルたんの声が釘宮で再生されてしまう…!)

メイド(あったまテッカテーカ♪さーえてピッカピーカ♪そーれがどーおっしーた♪ぼく…)

メイド(…ってやらせないでくださいよ!そういうキャラじゃないんですよ!!別に四次元ポケットとか持ってませんから!!)

メイド(…さて、冗談やってる場合じゃありませんね。こんばんはメイドです)

メイド(前回、まさかの『七罪の七姉妹』ベルゼブブの襲来で、地主がパクリと一口。ワタシたちも敵とみなされ、とんでもない状況になってしまいました)

メイド(果たして物語最大のこの危機を、乗り越えられるのでしょうか…)

最大の危機の訪れ早すぎィ!

ベルゼブブ「食べちゃうぞぉ。たーべちゃうぞぉー!!」ガオー

メイド「……!!」

メイド(最悪ですね…なんでこんなのと遭遇しなくちゃいけないんですか…)

お嬢様「め、メイド…」

お嬢様「この…ちびっ子がすごく恐ろしい存在だと言うのは分かったわ…それで…」

お嬢様「勝てる…の…?」

メイド「…はっきり言いましょう」

メイド「勝てます。ワタシ一人なら」

お嬢様「メイド一人なら…?」

メイド「しかし、五体満足で生き残ることは不可能でしょうね…ましてお嬢様を守りながら戦うなんて… 」

お嬢様「……そんな」

メイド「あいつにできることは『食べること』と『蠅を操ること』くらいでしょう。それなら異次元に逃げ隠れていればいずれは勝機があるはずです」

メイド「しかしお嬢様はワタシのように異次元に入ることができない…この地上で真っ向から戦うしかないってことです」

メイド「そして、まともにやり合って勝てる相手でないことは…お嬢様でも分かるでしょう?」

お嬢様「……そうね…足が震えてる…情けないわね…」ガタガタ

お嬢様「…どうすればいいの…?」

メイド「…お嬢様お一人で逃げてください。ワタシはあいつを食い止めます」

お嬢様「……!」

メイド「…お一人で逃げるのは不安ですか?でもそれしか…」

お嬢様「違うわよ…!メイドが一人で食い止める!?さっき言ってたじゃない、『五体満足で生き残ることはできない』って」

メイド「わ…ワタシの心配ですか…?」

お嬢様「当たり前でしょ、あなたはワタシのメイドよ!腕がなくなったり脚がなくなったり…そんなの嫌よ」

お嬢様「あなたがそんな大怪我負うかもしれないなら、私も一緒に戦うわ!」

メイド(…いや、だから、お嬢様が一緒にいると余計に…)

ベルゼブブ「ねぇーもういいよね…もう食べてもいいよね…もういいよねっ!?」ぶぶぶぶぶぶ…

メイド「!悠長に話してる場合じゃありませんでしたね…!」

お嬢様「…私も戦う!」

メイド「あぁー…もう!!」くしゃくしゃ

メイド「ワタシの道具をひとつ貸します!お嬢様にどれだけ使えるか分かりませんが…」ぐるぐるぐるぐる…

メイド「ないよりはマシなはずです!!」ごそごそ…

お嬢様「あの包丁みたいなすごいのを!?」

メイド「あれはさすがに扱えませんよ!」ごそごそ…

メイド(これかこれかこれ…どれなら使えますかね…!?)

メイド(お嬢様にワタシの『メイド666の兵器』を貸します!)

メイド(>>125さんどれにするか選んでください!)


次の3つの『メイド666の兵器』からひとつを選んでください

1,魔法の箒『ニンバス2014』

2,超電撃殺虫兵器『キラーラケット』

3,設置型トラップ『おいでませ蟲屋敷』


メイド(ああ…早く早く!あいつが来ますよ!!)

1

2

ベルゼブブ「行っくよー!!!」ぶぶぶぶぶ…

メイド(やはり蠅が相手なら…これですかっ)すぽっ

メイド「お嬢様!これを!」ブンッ

お嬢様「え、ちょっ…投げ…!?」

ベルゼブブ「ぶーーーーん!!!」ブブブブブ!!!

お嬢様「キャッチ!…ってもう来てる!!」パシッ

メイド「振ってください!!」

お嬢様「こう!?」ヒュッ…

ベルゼブブ「蠅(ベルゼ……?」

バチチチッ!!!

お嬢様「!!?」

ベルゼブブ「ぶぶぶっ!?」

ベルゼブブ「わーん!!ビリビリしたぁ!!!」ジタバタ

お嬢様「こ、これは…!?」

メイド「それは『メイド666の兵器』の中でも虫退治に特化したものです。その名も…」

メイド「超電撃殺虫兵器『キラーラケット』!!」

お嬢様「ラケット…!ホントだわ、そういう形してる…」

メイド「その…ガットにあたる部分に虫が触れた瞬間、オートで超強力な電撃が迸るようになっています!」

メイド「とにかく振って振って、あの蠅を撃退してください!」

お嬢様「まかせて!こう見えて運動は得意なの!特にテニスとか…」

ベルゼブブ「ベル…何も悪いことしてないのに…ひどいよー!!」

メイド(とは言え…本体に直撃させてもちょっと怯む程度ですか…)

ベルゼブブ「…あーもう!ただベルはお腹が空いてるだけなのにー!!」

ベルゼブブ「…蠅弾(ベルゼブレット)!!!」ギュンッ!!!

メイド「蠅の塊!…お嬢様!!」

お嬢様「任せなさい!」

お嬢様「お嬢様リターン!!」ぶんっ!!


バチチチチチッ…


お嬢様「たぁっ!!」


パァン!!!

お嬢様「蠅が爆ぜた!…これなら!」

ベルゼブブ「もおおおお…なんでいじめるのーっ!怒ったもん!」スッ

ベルゼブブ「蝿王の晩餐会(サモンベゼルブ)!」

ぶぶぶぶ…

ぶぶぶぶぶぶぶぶ……

お嬢様「あ、あちこちから蠅がどんどん集まっていく…」

ベルゼブブ「これ全部、そのラケットで追い払おうなんて考えないでよ!!」

ぶぶぶぶぶぶぶぶ…

メイド(百?千?一万?…一億!?あいつはいったいどれだけの蠅を操れるんですか…!!)

メイド「とはいえこっちも…準備は万端ですよ!!」ぐるぐるぐる…

メイド(『メイド666の兵器』は一日に何度も使いたくないんですがね…)すぽっ

ベルゼブブ「蠅散弾(ベルゼブショット)!!!」ババババババババ!!!

お嬢様「一度にあんなに…返せるわけ…!」

メイド「お嬢様、少し下がって!」

お嬢様「!?」

グォングォングォン…

お嬢様「なっ…なにそれ…!?」

ベルゼブブ「UFO!?」

メイド「自動操縦兵器『マザールンバ』!」

これか
ttp://i.imgur.com/9zMhVOp.jpg

グォングォングォン…

ベルゼブブ「その円盤がなんだか分かんないけど…この蠅ちゃんたち全部をやっつけるのは無理だよねぇ!!」

メイド「マザールンバは自分で動いてなんでも吸い込む究極の掃除アイテム!」

メイド「そしてその最大の利点は…」スッ

パチンッ!!

マザールンバ『ゴー!ベビー・ゴー!!』ぱかっ

ばらばらばらばらばらばら!!!


お嬢様「ちっちゃいのがいっぱい出てきた…!?」

メイド「そう、小型タイプの『ベビールンバ』も複数同時に操れること!!」

マザールンバ『ピピピ…ゴミ発見、掃除開始!』

ベビールンバ達『掃除開始!』

ギュバババババババババ!!!

ベルゼブブ「え…うそでしょ!?無理なんだってばー!!」

メイド「無理?いいえ…」

メイド「掃除(これ)がメイド(ワタシ)の仕事ですから!」

ギュオオオオオオッ

お嬢様「す、すごい…ルンバたちが蠅を吸い込んでいく…!」

蠅弾『ぶぶぶぶぶぶぶぶ…!!』ギュンッ

お嬢様「…!」ハッ

メイド「油断しないでください!!」ぐいっ

お嬢様「わっ!?」ドサッ

メイド「いくらルンバたちが高性能だからと言っても限界があります…どうやらあいつの蠅はまだ湧いてきそうですしね…」

お嬢様「え、ええ…こっちに来たぶんはラケットで倒すしかないのね」ぶんぶんっ

ベルゼブブ「ベルのかわいい蠅ちゃんたちが…まるでスパゲッティみたいに吸い込まれてく……!」

ベルゼブブ「ゆ・る・せ・ん!!」メラメラ…

ぶぶぶぶぶぶぶぶ…

メイド(なんです…?あいつの手の辺りに蠅が集まっていく…)

お嬢様「…あれって、まるで…」

ベルゼブブ「蠅剣(ベルゼブレード)!」ぶぶぶぶ…

ベルゼブブ「ゆるせーんっ!!」ぶわっ 

お嬢様「飛んできた!メイド、剣には剣よ!あのでっかいのを…」

メイド「マサムネですか!?無理です!一度使った『メイド666の兵器』は一日以上置かないと再度使うことができないんです!!」

お嬢様「じゃあどうすれば…!?ルンバは飛び回ってる蠅と戦ってるし…」

メイド「ではこっちを使いましょう…異次元妖刀『ムラマサ』!!」ずるっ

ベルゼブブ「ぶぶぶぶぶぶぶぶ…!」ギューン

メイド「その蠅の剣ごと…斬ります!」チャキッ

ぶんっ!!!

メイド(……外れた!?何故…)

ぐにぃん…

メイド(蠅の剣が曲がっている!?)

ベルゼブブ「蠅ちゃんたちが動けば剣の形も自由自在に変わるんだよぉ!?お砂糖みたいに甘いメイドさんだねぇ!!!」

メイド「なっ…それ剣じゃなくて鞭って言うんじゃ…!」

ベルゼブブ「ぶぶぶぶぶぶぶ…もーらった!」

びゅおっ!!

お嬢様「!」

メイド「…しまった!!」

ぐるるるるるっ!!

お嬢様「く…うっ…!」ギシギシ…

メイド「お嬢様!」

ベルゼブブ「まずはこの子からいただきまぁー…」ニコニコ

シュッ

ベルゼブブ「あ?」

メイド「やらせませんよ…!」ギラッ

ズバンッ!!!

ベルゼブブ「あ…あ……」

ぼとっ

ベルゼブブ「ベルちゃんの腕がーーーーっ!!!!」

メイド「ふー…ふー…異次元妖刀『ムラマサ』で斬ったものは呪われ…切断面が二度とくっつかないようになる…あなたには一生、片腕でいてもらいますよ…」

お嬢様「す、すごい…あんなに速いなんて…」

ベルゼブブ「あああああああああああ…!!!」

ベルゼブブ「なんてねっ!」ペロッ

メイド「……え」

ベルゼブブ「斬られた腕が二度とくっつかない?それは怖いねぇ」ぶぶぶぶ…

ベルゼブブ「でもさぁ、こうやって…」ぶぶぶぶぶぶぶぶ…

ベルゼブブ「蠅で作り直しちゃえば関係ないよねぇ?」ぐるんぐるん

メイド(腕を蠅で再構成…!?そんなことまで…)

お嬢様「あ…ぐっ…!?」ドサッ

メイド「お、お嬢様!!」

ベルゼブブ「体の一部を作るのって、結構たっくさんの蠅ちゃんが必要なんだよねぇ…おかげでせっかく蠅剣で捕まえてたのが解けちゃった」

ベルゼブブ「まっ、もう一回捕まえればいいんだけどねぇ」

お嬢様「はぁ…はぁ…」

メイド「お嬢様、お怪我は!?」

お嬢様「大丈夫…ちょっと苦しかったけど…」ゲホゲホ

ベルゼブブ「さぁ、腕も戻ったし、まだまだいくよぉ…」

ベルゼブブ「蠅弾っ!!」バキューン!!

メイド「ルンバっ!」

ベビールンバ『防御シマス!防御シマス!』ガキィン

ベルゼブブ「…あれ?もう新しい道具は使わないのぉ?」

メイド「…多用するには少々…消耗が激しいんですよ…」

ベルゼブブ「ふぅーん…そっかぁ。ベルもちょっと疲れちゃったなぁ」

ベルゼブブ「だから、もう終わらせちゃおうねぇ?」スッ

ぶぶぶぶぶぶぶぶ…!!!

メイド(まだ、こんなに蝿が…!!)

ベルゼブブ「どっちから食べようかなぁ」

ベルゼブブ「ねぇ、どっちが先ぃ?選んでいいよぉ?」

メイド「くっ…」

お嬢様「………」

お嬢様「まだよ…まだ私は諦めない…!」

ベルゼブブ「…えっ、まだやるのぉ!?ベルお腹すいちゃったよぉ…」

ベルゼブブ「じゃ、そっちから食べよっかぁ!!」

メイド「…!……やめっ…」

ベルゼブブ「蠅蜜集撃(ベルゼブロージョン)!!」

ぶぶぶぶぶ…

お嬢様「!!!」

ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ…

お嬢様「蠅の群れが…いや…来ないで!!!」

ベルゼブブ「逃げられないよぉ?だってこの子たちもお腹すいてるもーん!」

メイド「お嬢様っ…!!」

ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ
ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ
ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ
ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ
ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ……

お嬢様「………!」

お嬢様(蠅の群れに包まれて死ぬ…!?そんなの嫌よ…嫌…!!)

お嬢様(お願い…誰か助けて……!!)


ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ……


ベルゼブブ「あはははぁ。蠅団子になっちゃったねぇ。中身、どうなってるか気になるぅ?」

メイド「あなたは…」ギリッ

ベルゼブブ「今はまだ狭くて苦しいだけだろうけどぉ、そのうち器官に蠅が詰まって、息が止まっちゃうよねぇ」

メイド「いや…お前は……」

ベルゼブブ「そうして動きがなくなったお嬢様は、蠅ちゃんたちの餌にされてしまうのでしたぁ!あはははっ!!!」

メイド「お前だけは…っ」ぐるぐるぐる…


ぽとっ…

ベルゼブブ「………?」

ぽとっ…ぽとっ…

ベルゼブブ「…なに…なんで?蠅ちゃんたちが落ちてくの…?」

ぽとぽと…ぽとっ…

ベルゼブブ「なんでぇ!?毒でも食べたわけじゃないんだし、どうして蠅ちゃんたちのほうが…!!」

ばらばらばら…ばらばらばらばら…

ベルゼブブ「こんなのおかしいじゃんかぁー!!」


メイド「毒…?」

メイド「……まさか…」


ばらばらばらばらばらばら…

ベルゼブブ「うそ…蠅ちゃんたちが…全…滅……?」



お嬢様「ねぇ…このドレス、似合ってるでしょ…?」


ベルゼブブ「!!?」

ベルゼブブ「なん…で…生きて…!!??」


お嬢様「…紺碧のドレス…ようやく役に立ってくれたわね」

お嬢様「パパが高いお金を出して買ってくれたんだし…本当によかった」


メイド「紺碧のドレス…その効果は…」

メイド「辺りの精力を吸収して、自分の活力に変える…!」


お嬢様「蠅の精力なんて欲しくないけど…非常事態だし…」

お嬢様「全っ部、私の活力にさせてもらったわ!」


メイド「お嬢様!!!」

ベルゼブブ「お・ま・えぇええええーっ………!!!」

メイド「お嬢様…よかった…ご無事で…」

お嬢様「あなたの力を借りなくても、わりとなんとかなるものね」

メイド「ドレスの力…自由に使えるようになったんですか?」

お嬢様「自由かどうかは分からないけど、『死にたくない』と思ったら、急にドレスが熱を帯びてきて…今なら使えるんだって感覚で分かったわ…」

お嬢様「…でもここまでね…さすがに今度は違う攻撃が来るでしょうし…」

メイド「……まだワタシがいます…」

お嬢様「無理よメイド…あなたも、もうこれ以上は…」


ベルゼブブ「…ちょっとビックリしたけど…なぁに?もう終わりなのぉ?」

ベルゼブブ「もう変な力使ったりしないぃ?」

お嬢様「…えぇ。降参よ」

ベルゼブブ「そっかー!じゃあ、今度こそ…」スッ

ベルゼブブ「いただきまー…」グアッ


「ちょっと待った!」

ベルゼブブ「……なぁんで止めるのかなぁ?」

ベルゼブブ「オーク」


オーク隊長「食うなら、オラを食ってくれ…」

ベルゼブブ「……んー…?」

ベルゼブブ「どうしてあなたがそんなこと言うのぉ?あなたベルの部下なんだよぉ?」

ベルゼブブ「部下を食べるなんてそんなことできるわけないよぉ」

オーク隊長「だ、だけんど…ベルゼブブ様、そいつらを食おうとしてるでねぇか…」

ベルゼブブ「そうだねぇ」

オーク隊長「それだけは…勘弁してくれねぇか…」

ベルゼブブ「…………」

ベルゼブブ「うーーーーん…???よく分かんないなぁ…」

ベルゼブブ「どうしてあなたがこの二人をかばうのぉ?」

ベルゼブブ「お友達…じゃないよねぇ?」

オーク隊長「友達なんかじゃねぇさ…今日、会ったばかりで…」

オーク隊長「…でも、オラにとっちゃ、大事な人なんだ」

お嬢様「……!」

オーク隊長「オラたち…ここの地主ともめててよ…どっちかが手を引かねぇと争うような状況だっただ」

オーク隊長「すげぇ困っただよ…ベルゼブブ様のための畑だ、引くわけにいかねぇから…」

オーク隊長「でもよ…そんとき…そこの二人が…」

オーク隊長「オラたちの間に割って入ってよぉ…」

オーク隊長「止めてくれただよ…誰も傷つけずに、オラたちの争いを…」

オーク隊長「……こんなに素晴らしい方をよぉ、見殺しにするなんて…できるわけねぇだよ…!」

オーク隊長「だから…どうかこの方々を食うのは…」

オーク隊長「それだけは勘弁してくれねぇか…!!」

お嬢様「オーク隊長……」

オーク一同『オラたちからも頼むだ!!』

ベルゼブブ「うーーーん…大事な部下にそんなふうに言われたらなぁ…」

ベルゼブブ「それに、この二人を食べるのと、オーク一匹食べるの、そう変わんないよねぇ」

オーク隊長「どうか…おねげぇしますだ…!!」

ベルゼブブ「じゃあ、一人選んでぇ」

ベルゼブブ「ベル、一人しか食べないから。あんまりたくさん食べちゃうと、畑作れないもんねぇ」

ベルゼブブ「誰にするか、みんなで選んでいいよぉ」

オーク一匹『……!!』

オーク「さすが我らが主、ベルゼブブ様だぁ!」

オーク「なんて慈悲深ぇお方だ…!!」

お嬢様「待ってよ…ねぇ…待ってよ!」

お嬢様「私のかわりにあなたたちの誰か一人が食べられて死ぬっていうの?」

お嬢様「そんなのおかし…!」

メイド「…お嬢様…これは彼らなりの恩返し…」

メイド「そして覚悟なのです…ワタシたちがどうこう言うことではありません」

お嬢様「覚悟…なんて…そんな言葉で誤魔化さないでよ…!」

お嬢様「あなたたち、死ぬのは怖くないの!?」

オーク一同『………』

オーク隊長「怖ぇよ。怖くて怖くて、気ぃ抜いたら吐いちまいそうだ」

オーク隊長「……でもよぉ。やっぱりオラ、あんたたちに感謝してるだよ」ニコッ

お嬢様「……!」

オーク隊長「さぁ、ベルゼブブ様」

ベルゼブブ「?」

オーク隊長「話し合うまでもねぇ。オラを食ってけろ」

ベルゼブブ「いいのぉ?あなたがいないと、みんな不便するかもよぉ?」

オーク隊長「なぁに。おめぇら、オラがいなくともしっかりやれんだろ?」

オーク一同『………』

オーク一同『ああ…オラたち、隊長のぶんまでしっかり働くだよ…!!』

オーク隊長「…おう。それでいい。それでいいだ」

ベルゼブブ「…じゃあ決まりだねぇ」じゅる…

オーク隊長「おっと…もう一つ、約束してほしいことがあるだ」

ベルゼブブ「約束…?」

オーク隊長「オラを食ったあとは…もうこれ以上、誰も襲わずに、帰ってくんねぇか」

ベルゼブブ「………それってつまりぃ、あの二人を見逃せってことだよねぇ?」

オーク隊長「…ああ」

ベルゼブブ「………うーん、蠅ちゃんいっぱい殺されちゃったけど…ま、いっかぁ」

ベルゼブブ「分かったぉ。約束します…じゃ、もういい?お腹すいたよぉ」

オーク隊長「構わねぇ…どうぞオラを食って、その腹を満たしてくれ…」

ベルゼブブ「わーい!!いっただっき…」

お嬢様「待っ…」

オーク隊長「嬢ちゃんよぉ…」

お嬢様「……!」

オーク隊長「ありがとな」


ばくんっ



お嬢様「あ………」


ベルゼブブ「………」ばりばりもぐもぐ

ベルゼブブ「………」ごくんっ

ベルゼブブ「ふぅ。美味しかったぁ!ごちそうさまぁー!!」キラキラ

オーク一同『た…隊長ぉおおおおお!!!』

ベルゼブブ「うーん…やっぱり新鮮なお肉はいいねぇ」

オーク一同『うっ…うっ…隊長ぉ……』ボロボロ

ベルゼブブ「泣かないでよぉ。それよりほら、畑仕事がんばってねぇ!」

ベルゼブブ「さーてと…!そろそろ帰ろっかなぁ…」

ベルゼブブ「約束したからねぇ。あなたたち二人は、見逃してあげるよぉ」

ベルゼブブ「でも次あったときは…どうだろうねぇ。そのときの気分次第だよねぇ」

お嬢様「わ…私は…」

ベルゼブブ「?」

お嬢様「私はあなたを絶対に許さないわ…!!」

ベルゼブブ「ひゃー!こわいなぁー!」

ベルゼブブ「あなたも何か言いたげだよぉ?」

メイド「………次は必ず倒します」

ベルゼブブ「うん、そっかぁ、じゃあ楽しみにしてるねぇ」

ぶぶぶぶぶぶぶぶ…

ベルゼブブ「じゃ、もう行くねぇ。みんな、ば……」

ベルゼブブ「あっ、ちょっと待って…」もごもご

ベルゼブブ「ぺっ」

カランッ

ベルゼブブ「…じゃ、ばいばーい」


ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ…


メイド「……お嬢様…あれ…」

お嬢様「…えぇ」

お嬢様「隊長の持ってた鍬…」スッ

お嬢様「う…」ギュッ

お嬢様「うぅ…ううう……」

メイド(…お嬢様もワタシも大きな怪我ひとつせずに、ベルゼブブに見逃されました)

メイド(しかし、オーク隊長が犠牲なり…お嬢様の胸中は非常に複雑でしょう)

メイド(ワタシとしても、もっと別の結末が選べたのでは…と思わずにいられません)

メイド(それでも旅は続きます。続けなくてはならないのです)

メイド(ではまた、次回。さようなら…)

追いついた。

おつ、乙だけど

>メイド(ワタシとしても、もっと別の結末が選べたのでは…と思わずにいられません)

こういう「安価を間違えたからこんな結果になった」とも取れるような文章を書くのだけはやめとけ

>>152
ゲームオーバーの選択肢もちゃんとありますよーってことだろ?

>>152
とも取れるようなっていうか実際にあったんじゃないの?
分岐ないならわざわざ安価する意味ないじゃん

リセット出来ないのにお前らのせいだみたいに書くのはちょっと嫌だな

選択ミスって悔しいってなるのも安価スレの楽しみ方の一つだろ

安価一回しか出てないのにどうやったらあれよりマシなエンドになるんだ…!?
いや、安価の結果、そこからさらに別の安価が発展していくパターンだったのかな

だったとしても今回みたいに選択肢を選んだ事による優劣の違いが判らないような展開で、わざわざ「それを選んだのは失敗でしたね」と書く必要はない
選択肢が悪すぎて死亡しました、とかでやり直すのならまだ選択が悪かったで判るが
今回の場合だと別にオークが死のうが死にまいが結果的に生存=安価の目的としては正解なのは変わらない
ベストではないかもしれない、けど間違ってもいないのに、わざわざ煽るような文章を入れるのは見てる側に要らぬ刺激を与えるだけだ

>>157
自演失敗してるぞ

>>157
ワロタ

なんとかフォローしたかったんだろうが、これならスルーしとくのが正解だったなw

AUスマホという可能性もあるから…… (白目)

続き楽しみにしてます!

クッソワロタ
内容はおもしろいから続けてくれよ

>>1どうした?

顔真っ赤で書き辛いんだろ
あれだけ煽ったんだからさっさと書けよヘタレ

お嬢様「………」スッ

お嬢様「オーク隊長のお墓…ううん、お墓とは言えないわね…亡骸すら残ってないんだもの」

お嬢様「だけどせめて、この鋤は墓標の代わりに…」

オーク「いんやぁ、十分だ…きっと隊長も喜んでくれてるだよ」

オーク「ありがとうなお嬢ちゃん。あとめえどさんも…」

お嬢様「………私に」

お嬢様「もう少しでも、力があれば…」

オーク「んなこと悔やんでも仕方ねぇべ…ただオラたちは運が悪かっただけ…」

お嬢様「…ホントにそれでいいの…?」

オーク「………」

オーク「…そりゃあ、オラたちだって悔しい…!だけどベルゼブブ様には逆らえねぇ…逆らっちゃならねぇんだ…!」

お嬢様「………そう…そうよね。あなたたちはきっと、そうするのが正しいんだわ」

お嬢様「これ以上犠牲を出すなんて、悲しすぎるから…」

メイド「…お嬢様…」ボソッ

お嬢様「…?どうしたの、メイド…」

メイド「申し訳ありませんが、少し…休息を…」

お嬢様「!?」

ぐるぐるぐるぐる…

メイド「異次元でしばらく休ませてください…しばらくはベルを鳴らしてもこちらに出てくることができません…」

メイド『ですがこうしてコミュニケーションを取ることは可能です…』

お嬢様「大丈夫…なの…?」

メイド『…正直、こんな短時間にメイド666の兵器を5つも使ったのは、やり過ぎでした…』

メイド『ですが数時間ほどこっちでおとなしくしていれば、また出てこられますので…』

お嬢様「うん、分かったわ…」

メイド『お嬢様もお疲れでしょう…今日はもう、宿を取って休まれては?』

お嬢様「そうね……」

どこか別の次元、とある城のとある大広間


ぶぶぶぶぶ…

ベルゼブブ「ほっ」ストッ

ベルゼブブ「遅刻じゃないよねぇ?間に合ったよねぇ??」


???「まだ5分前…ギリギリセーフだぁああああああああ!!!」

???「しかし本来なら20分前には到着しているのが理想だぞおおおおおおお!!!父上に対する敬意があるならそうするべきだぁあああああああ!!!!」

ベルゼブブ「相変わらず声おっきいねぇ。サタンおねえちゃん」

七罪の七姉妹・三女『憤怒』のサタン
サタン「気にするなぁああああああああ!!!別に間に合ったお前を叱っているわけではなぁああああああああい!!!」


七罪の七姉妹・七女『暴食』のベルゼブブ
ベルゼブブ「でもあんまりうるさくしたらベルフェおねえちゃん起きちゃうよぉ?」


七罪の七姉妹・次女『怠惰』のベルフェゴール
ベルフェゴール「………起きてる……よ……」


ベルゼブブ「あ、起きてる!珍しいねぇ」

サタン「間違っても会議中に寝たりするんじゃないぞぉおおおおおおおおおお!!!!!」

ベルフェゴール「…………」

ベルフェゴール「……zzz」

サタン「言ったそばから寝るなぁああああああああああああ!!!!」


???「ちょっとサタン!アンタさっきからうるさすぎよ!」

サタン「レヴィアタぁあああン!!仮にも姉である私を呼び捨てにするなぁあああああああ!!!」


七罪の七姉妹・五女『嫉妬』のレヴィアタン
レヴィアタン「フン!アタシより2万年早く生まれただけじゃない!」

サタン「年上を敬うのは当然のことだろうがぁああああああ!!!」

レヴィアタン「なによ、年寄りみたいなこと言っちゃって…」

ベルフェゴール「…仲良くして……というより静かに………zzz」

レヴィアタン「年寄りと言えばアタシより4万年も年上なアンタが、なんでそんなに見た目子供なワケ!?末っ子のベルゼブブと変わんないじゃない!」

ベルフェゴール「……知ら…ない…………zzz」

レヴィアタン「あーもう意味分かんない!ムカつく…!!!」

これサタンというか素直ヒートだな

???「ベルフェゴールはあなたたちの何倍もの時間を眠って過ごしてるのよぉん?若い見た目なのはそのせいですわぁん*?*

レヴィアタン「…出たわね年増!」

サタン「レヴィアタぁあああン!!!アスモデウス姉様をそんなふうに呼ぶんじゃなぁあああああい!!!」


七罪の七姉妹・長女『色欲』のアスモデウス
アスモデウス「いいのよぉんサタンちゃん。それより二人とも、あんまりイライラしてると老けちゃうわよぉん?」

レヴィアタン「はぁあああああ!?10万歳のババアに言われたくないわよ!!」

サタン「お言葉ですがアスモデウス姉様!私はただ規則や礼儀を守れぬものに正しいあり方を教えているだけでありまぁああああす!!!!」

アスモデウス「そっ*?泙,覆鵑任發いい韻匹佑Г齡?修蹐修躬?屬犬磴覆い里*ん?」


ゴーン…ゴーン…ゴーン…!!


サタン「………むっ!ちょうど時間だぁあああああ!!!しかしまだマンモンとルシファーが来ていないぞぉおおおおお!!!!」

レヴィアタン「ほっときゃいいのよ、あいつら自分勝手だし!」

ベルゼブブ「ねぇねぇお腹すいたよぉ!!ごちそうは出ないのぉ!?」

アスモデウス「あらぁん?そういえばいつもなら、先に晩餐が振る舞われるはずよねぇん?」

ベルフェゴール「………………zzz」

>>172
アスモデウスのセリフがものすごい文字化けしてるので訂正します(ハートマークが原因のようなのでこれからは使わないようにします)

アスモデウス「そっ。まぁなんでもいいけどねぇん。そろそろ時間じゃないのぉん?」

長女はルシフェルだろjk…。

バサバサバサバサッ…

レヴィアタン「!この音は…」

バリィン!!!

サタン「バカものぉおおおおおお!!!窓を破って入ってくるなぁああああああああ!!!」

???「失礼…遅れそうだったものでつい…」

サタン「間に合ってなぁあああああい!!!」

七罪の七姉妹・四女『強欲』のマンモン
マンモン「…少しくらい大目に見てくださいよ」バサッ

アスモデウス「あとはルシファーちゃんだけねぇん…」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

アスモデウス「!…先に来ちゃったようねぇん」

マンモン「…ほら、間に合ってるでしょう?」

レヴィアタン「間に合ってないわよ、バーカ!」

ベルゼブブ「ねーご飯ないのー?」

ベルフェゴール「……………zzz」

サタン「お久しぶりですお父様ぁあああああああああ」


「ごきげんよう我が愛しの娘たち…」

「我こそがこの大魔界の支配者・超暗黒大魔王である!!!」


七罪の七姉妹ズ『………………』


サタン「ってルシファあああああああああ!!!なんでそれをお前が言うんだあああああああ」

レヴィアタン「アンタなんで父様の膝の上にいるのよ!?」

???「だって、そのほうが目立つだろう?」

七罪の七姉妹・六女『傲慢』のルシファー
ルシファー「ボクを目立たせるのには、父さんの膝の上が最高の舞台だ!」

ベルフェゴールはもちろん便器に座ってるんだよな?

(超暗黒大魔王改め)魔王「うむ…揃ってるな、みんな」

魔王「久しぶりだな…ベルゼブブが生まれたのを報告して以来だから…いや、その後にも一度会ったか?」

魔王「まぁ何千年でもいい…元気そうで何よりだ」

ルシファー「6483年ぶりだよ父様」

魔王「そうだったか。とりあえずお前は俺の膝から降りなさい」

ルシファー「ちぇーっ」バッ

ルシファー「でもこんな小さい椅子、ボクには似合わないと思うんだよね」ストッ

魔王「贅沢言うんじゃない。どんな椅子だって一緒だろうが」

ルシファー「分かってないなぁ父様。きっとこの世にはボクだけが座ることを許されたような素晴らしい椅子があるはずだよ…」

レヴィアタン「アンタの椅子の話なんてどうでもいいわよ!」

マンモン「自粛してください、ルシファー」

ルシファー「みんな冷たいなぁ」

アスモデウス「それでぇん?今日はいったいどんな用があって呼び出したのぉん?」

魔王「ああ…そうだな、まぁ、親子なんだし、和気あいあいと語らうのも悪くないが」

魔王「単刀直入に言おう。この中に、人間界に干渉している者がいるな?」


アスモデウス「そうなのぉん?人間界なんて、もう何年も関わってないわぁん」

ベルフェゴール「……興味…ない………zzz…」

サタン「なにぃいいいいいいいい!!そんなルール違反を犯した奴がいるのかあああああああ!!!!」

マンモン「それはそれは…いったい誰なんです?」

レヴィアタン「ふーん…このアタシを差し置いてそんな勝手な真似してる奴がいるわけ?」

ルシファー「フフフ…誰だか知らないけど、不遜だね」

ベルゼブブ「あっ、もしかしてベルのこと?」


七罪の七姉妹一同『………………』


魔王「おう。そうだベルゼブブお前のことだ」

サタン「ベルゼブブぅうううううう!!!お前はどうしてそんな勝手なことをするんだぁあああああああ!!!」

レヴィアタン「そうよ!どういうつもりよ!!!」

ベルゼブブ「えー?そんなに怒るようなことかなぁ??」

魔王「…まぁ、お前のことだ…悪意を持って干渉しているわけではないんだろう?理由を話してみなさい」

ベルゼブブ「理由?うーんと…」

ベルゼブブ「食べ物をね、もっといっぱい作ってもらおうと思ってぇ」

ベルゼブブ「人間界にオークたちを送ったのぉ!!」

魔王「…なぜ人間界に?」

ベルゼブブ「だってベルの領地じゃもう土地が足りないんだもん!!!」

レヴィアタン「…はぁああああああ!?ベルゼブブ、アンタ分かってんの!?」

レヴィアタン「父様はアタシたち姉妹のために、魔界の領地を均等に別けてくださったのよ!?」

レヴィアタン「だけどアンタが生まれたせいで、アタシたちの領地は狭くなっちゃったの!!」

レヴィアタン「なのに土地が足りないってどういうことよ!!!!」

マンモン「仕方ないでしょう。ベルゼブブが背負っている大罪は『暴食』なのですから」

ルシファー「食べても食べても一生満たされることのない胃袋…可哀想に。きっとこの魔界すべてがベルゼブブのものでも、同じことなんだろうね」

サタン「しかぁああああああし!『多次元への干渉禁止』これは我々の鉄の掟!破ることは許されなぁあああああい!!!」

ベルゼブブ「うえぇ…そんなぁ…」

魔王「…とは言え、まだ『侵略』の範囲には及んでいないようだな…今すぐに手を引けば、特別に許してやろう」

ベルゼブブ「ほんとぉ!?じゃあ、そうするねぇ!!」

レヴィアタン「はっ!末っ子だからって甘やかしちゃって…」

レヴィアタン「アタシだってたびたび思ってたわよ!アンタたちがいなければ、もっと広い領地を支配できるのに、って!」

アスモデウス「そぉう?私なんて妹ができるたびに領地が減っていったけど、そんなふうに思わなかったわよぉん?」

レヴィアタン「そのぶんアンタの領地からイケメンが減ってるのよ!?」

アスモデウス「…………それはちょっと許せないわねぇん…」

魔王「あー…お前たち…」

なんかサタンのセリフがだんだん若本ボイスで再生されてきた

マンモン「レヴィアタン…あなたはいいじゃないですか。下の妹が2人なのだから」

レヴィアタン「2人も3人も変わらないわよ!」

サタン「2人と4人の妹ならどうかなぁああああああ!!まぁ気にしてはいないけどなぁああああああ!!!」

ベルフェゴール「………そんなこと言ったら…わたしは5人……………むにゃむにゃ」

魔王「お、お前たち…」

ルシファー「それじゃあさ、ここはいったん、領地全部をボクに譲るということで…」

レヴィアタン「…ふっざけんじゃないわよルシファー!!」

ルシファー「フフ…ボクが一番多くの領地を所有しているべきだろう!?」

レヴィアタン「なんでアタシより年下のアンタがアタシより領地を所有しているべきなのよ!!生意気だわ!!!」

マンモン「おや?そんなことを言い出したら私の方が年上なのですからもっと…」

ベルフェゴール「……どうでもいい…や………zzz」


魔王「お前たち全員、喋るな!!!」

ピシャアン!!

アスモデウス(お、お父様の『絶対命令』…久しぶりだわぁん…)

ベルフェゴール(…やっと静かに…なった………zzz…)

サタン(これだからルールを守らない連中はぁああああああああ)

マンモン(やれやれ、父上もそこまで怒ることではないでしょうに…)

レヴィアタン(生意気ルシファーぶっ潰す生意気ルシファーぶっ潰す生意気ルシファーぶっ潰す生意気ルシファーぶっ潰す…)

ルシファー(レヴィアタン…嫉妬は醜いよ…いや、キミが嫉妬しようがしまいがボクより美しいなんてことは絶対にあり得ないけれどね)

ベルゼブブ(お腹すいたぁー…)

しーん………


魔王「……命令解除!」パチンッ

魔王「…まだ静かにしてなさい…いいか?実は話というのはベルゼブブの件だけではないんだ」

魔王「もうひとつある…」

ベルゼブブ「??」

魔王「この子以外にも二人…人間界に干渉している者がいるな?」

七姉妹一同『………!!?』

レヴィアタン「……はぁああああああ!?二人も!?何よソレ!!!!」

サタン「どうしてこんなに自分勝手な奴らばかりなんだぁああああああ!!!!全員表に出ろぉおおおおおお!!!」

アスモデウス「ちょっとぉん、いきなり大声出さないでよぉん…うるさいわぁん」

ベルフェゴール「………寝れない…………」イライラ

マンモン「というか寝てる場合じゃありませんよベルフェゴール」

ルシファー「それが本当なら由々しき事態だね…その二人って、特定できてるの?」

ベルゼブブ「ベルじゃないよねぇ??もうベルのお話は終わったんだよね???」

魔王「ああ、ベルゼブブ…お前ではないよ。その二人というのはどうやら私に隠れてコソコソやっているようだ」

魔王「知ってのとおり、お前たちは自分の意のままに魔物を生み出すことができる…そして生み出した当人の特徴を継ぐことも」

魔王「しかし現在、人間界で確認されている魔物は、その『特徴』を隠しているようだ…俺にバレないようにな」

ベルゼブブ「ふぅん。誰だか分かってないんだぁ」

アスモデウス「それが私たち姉妹の中に隠れてるってわけねぇん」

マンモン「…しかし、何のために人間界に干渉を?」

ルシファー「まさかホントに領地拡大が目当てとか?」

レヴィアタン「ちょっ…領地拡大ですって!?そんなのほっとけないわ、だったら私も…」

サタン「レヴィアタあああああン!!だからやってはいかんことだと言ってるだろうがあああああ!!!」

ベルフェゴール「どうでも…よすぎ……………zzz」

魔王「…まぁ、どうせ今ここで訊いたって正直に名乗り出はしないんだろうが」

魔王「いいか?何が目的から知らないが『多次元への干渉』は絶対に許されない。その次元を大きくかき乱すことになるからだ」

魔王「そして、父親である俺に黙って悪さをするということが…」

魔王「どれだけ愚かな真似か、よく考えるといい…」

魔王「これは反抗期のやんちゃで済む話じゃないぞ」

七姉妹一同『………』

魔王「とは言え、他の四人…いや。ベルゼブブは正直に話したらから五人か。このうちの五人には関係のない話だ。わざわざ呼び出してすまなかったな」

アスモデウス「やぁねぇん。私たち親子でしょぉん?親子が会うのに理由なんて必要ないわぁん!」

ベルフェゴール「…………zzzz」

サタン「父様ぁあああああああ!!決められたルールひとつ守れない者など姉妹には必要なぁああああああい!!一刻も早く特定して、処罰を与えるべきだあああああああ!!!」

マンモン「ふぅ。久しぶりに集まるというから何か美味しい話があるかと思ったんですけどね…」

レヴィアタン「どういうことよぉおおおおお…どういうことなのよぉおおおおお…!!!」

ルシファー「あのさ、誰がやってるのか知らないけど、今三種類の魔物が人間界にいるってことだよね?それって結構まずいんじゃないの?」

ベルゼブブ「ベルのとこのオークたちにはすぐに戻ってくるように言うよ!!だから二種類!!」

魔王「……そうだな、人間界の状況は…今はどうか分からんが、このままでは大変なことになるだろう」

魔王「何度も言うが『他次元への干渉』は絶対に許せない!それが我々魔族の掟だ!」

ベルゼブブ「…………あ、そういえばここに来る前にねぇ」

魔王「なんだ?」

ベルゼブブ「………」ぐぅうううう…

ベルゼブブ「やっぱいいやー。お腹すいたぁー!!」

魔王「では食事にしようか。お前たち、どうする?」

アスモデウス「頂いていくわぁん」

ベルフェゴール「……………zzz」

サタン「家族揃っての食事!!!これも大事なことだぁああああああ!!」

マンモン「私はパスで。もともと、用事があったのを無理やり抜け出して来たんですし…」

レヴィアタン「アタシもいらない!なんかそういう気分じゃないわ!あームカつく…!!」

ルシファー「ボクは…どうしようかな。父様と二人きりならいいけど、他のみんながいるならいいや」

ベルゼブブ「ごーはん!ごーはん!ごーはん!」

魔王「…そうか。じゃあ次会うのがいつになるか分からんが…元気でな、マンモン、レヴィアタン、ルシファー」

マンモン「ええ、ごきげんよう」バサッ

レヴィアタン「…父様こそ、元気でいなさいよね」スタスタ

ルシファー「フフフ…父様また今度」フワッ

人間界・とある宿

お嬢様「ふぅ、やっと一息つけるわ…」

メイド『宿一つ取るのにも案外手こずりましたね』

お嬢様「私のこと一目見た途端に『家出だ!』って…」

お嬢様「パパの名前を出したら出したで、急に扱いがよくなって、こんな立派な部屋になっちゃうし…まぁ、いいけどね」

メイド『せめてワタシが出ていれば…』

お嬢様「…なによ、あなたがいないと私が何にもできないみたいじゃない」

メイド『そういうつもりで言ったわけでは…』

お嬢様「…でも」

お嬢様「あなたがいなかったら私、今頃死んでいたかもしれないわ」

メイド『……お嬢様』

お嬢様「……シャワー浴びてくるわね」

メイド『…!ええ、ごゆっくり』

メイド(もし今後また、あのベルゼブブと対決することになったら…)

メイド(いや、もしかしたら『七姉妹』の別の誰かが来るかもしれない…)

メイド(おそらく今後お嬢様が倒さなければならない魔物は、あのオークたちのようにおとなしいものではないはず…)

メイド(強くなる必要がありますね…お嬢様)

メイド(そしてワタシも…こんな、バテてる場合では…)

メイド(………いや、とにかく今は休みましょう)


そのころ、街の中心

街の人々「いやぁ、明日が楽しみだなぁ!」

街の人々「ああ、なんたって明日は…」

街の人々「待ちに待った>>195の開催日だからな!!」

メイド(街がざわついています…どうやら何か催し物があるようですね)

メイド(さて、一体どんな催し物なのでしょう?)


1,集え、腕自慢!大・大・大演武祭

2,目指せ特賞!年に一度の大抽選会

3,トリックオアトリート!ハロウィンパーティ


択一型安価です。>>194さんお願いします

メイド(それではまた次回、安価で指定された話を展開していきますので、どうぞお楽しみに…)

1

1

おつ!裏切り者はベルフェゴールとみた!

つか大演武会とか、メイド無双な予感しかしねぇ

お嬢様「ふわあああああ…」ノビー

お嬢様「………」

お嬢様「あら?ハンドベルは…?昨夜抱えて寝たはずなのに…」

メイド「ここですよ…」りりぃーん

お嬢様「自由に出てこられるようになったの?」

メイド「違いますよ…お嬢様が寝返り打ったときにベルが転がり落ちて…そのときに鳴ってしまったんです」

お嬢様「へぇ…たとえ私が寝てても、ベルが鳴ったら出てこられるのね…」

メイド「ええ。ですからくれぐれも、そのベルをなくしたりしないように…」

お嬢様「名前でも書いておこうかしら」

メイド「それはちょっと…」

お嬢様「冗談よ。さて、着替えて宿を出ましょう」

メイド「そうですね」

お嬢様「今日もいい天気ね…」

お嬢様「あ、ところでこのドレス、昨日あんなに走ったり転がったりしたのに、ぜんぜん汚れてないの…どうなってるのかしら?」

メイド「おそらくそういう能力を有しているのでしょうね…便利じゃないですか」

お嬢様「変な匂いとかしないわよね…」クンクン

メイド「あ、そういえばワタシ、お嬢様が寝ている間にあんまり暇だったので、朝の散歩をしていたんですよ」

お嬢様「そう…それで?」

メイド「そこで気になる情報を耳にしまして」

お嬢様「気になる情報?」

メイド「この路地を抜けると大通りなんですが…見てください」

お嬢様「…?」すたすた

大通り

お嬢様「…!」ぎょっ

わいわい がやがや

お嬢様「なに…?急に大勢の人が…」

メイド「なんでも今日は、この街を代表する一大イベントがあるそうで」

メイド「その名も『大・大・大演武祭』!」

お嬢様「だいだいだいえんぶさい…」

お嬢様「そんなの初めて聞いたわ」

メイド「ええ、ワタシもです」

お嬢様「なんで大って3つも付くの?」 

メイド「さぁ…?」

お嬢様「そもそもここってどこなのかしら…?昨日お城を出たばかりだけど、ずいぶん遠くまで来たような気がするわ」

メイド「いえ、隣の街ですよ」

お嬢様「隣街!?あれだけ移動したのに!?」

メイド「だってお嬢様、オークが出たという報告を聞いて、一度街の外れに移動して…」

メイド「そこから宿を求めてこの街に来ただけじゃないですか」

お嬢様「…まっすぐ行けば大した距離じゃないのに、遠回りしちゃったのね」

お嬢様「でも、へぇ、お隣の街まで来たのは初めてだわ!」

メイド「ワタシも300年異次元に閉じ込められてましたから、もうすっかりこの辺りのことは忘れてしまいましたね」 

お嬢様「…300年…そういえば、あなたいくつなのよ」

メイド「…?……さぁ…そういえば数えてませんね…」

お嬢様「えっ…」

メイド「ところで大演武祭の話に戻りますが」

お嬢様「なに?」

メイド「どうやら参加者が足りないそうですよ」

お嬢様「…ふーん……」

お嬢様「…えっ?私に出ろって言いたいの?」

メイド「いえいえ、強制はしませんよ…ただ」

メイド「戦闘の経験は積んでおくに越したことはないかと思いまして…」

お嬢様「………」

お嬢様「そうね……それは…確かに…」

メイド「まぁこんなイベント、ワタシたちには一切関係ありませんし、無視して先に進んでも特に問題はないでしょう」

お嬢様「うーん…」

ひらっ

お嬢様「!……紙?」

お嬢様「ねぇ、これ…」

お嬢様「この紙に書かれてるのが、まさにそのだいだいだい…だいだいえんぶさいじゃない?」

メイド「大はそんなに多くありませんよ」

うわー!!

お嬢様「?」

ばさばさばさばさぁっ

お嬢様「!か、紙がたくさん…!!」

メイド「おっと」ぱしっ

メイド「おっとっとっとっとっとっとっとっとっとっとっと」ぱしぱしぱしぱしぱし

メイド「っと」ぱしっ

お嬢様「器用ね、あなた」

メイド「そうですかね?」とんとん

お嬢様「それ全部、これと同じやつよね」

メイド「みたいですね」ぺらっ

???「ああーチラシがー!!!」

メイド「大丈夫です、全部拾いました」

???「へ?あ…ありがとうございますッス!」 

???「僕、この大演武祭の従業員ッス…と言っても今はビラ配りやってる下っ端ッスけど…」

お嬢様「ふぅん…ねぇ、アルバイトくん。これ、参加者が足りてないんですって?」

アルバイト「あ…アルバイト!?…そ、そうなんッス。この大演武祭も今年で3回目なんッスけど、昨年の影響で参加者が大きく減少してて…」

メイド「昨年の影響とは?」

アルバイト「…昨年の優勝者があまりに強すぎて…誰も参加したがらないっていう、異例の状況になってしまっているんッス…」

お嬢様「異例もなにも、まだ3回目なんでしょ。そういうこともあるわよ…で、何人の参加者がいるの?」

アルバイト「現時点では6人ッス…でもこっちの方針として、最低8人はいないと演武祭は開催できないッスよ…」

お嬢様「2人足りないのね…2人…2人?」チラッ

メイド「……」ギクッ

メイド「参加者が足りないとはおっしゃいますが…楽しみにしている方は大勢いるように見えますよ…」

アルバイト「たぶん皆さんは件の前回優勝者の活躍に期待してるッス…だから昨年よりも人自体は多く集まってるッス」

お嬢様「なるほど…それで今になって必死にチラシ配ってるのね」

アルバイト「その通りッス…まさか当日にこんな慌ててビラ配りすることになるなんて、本当に予想外なんッスよー…」

メイド「この大会、優勝者は何か貰えたりするんですか?賞金とか…」

お嬢様「チラシに書いてあるわ。賞金30万Gと…さらに豪華賞品…」

メイド「豪華賞品とは…?」

アルバイト「…本当は内緒なんッスけど、チラシを拾ってくれたお礼に特別に教えちゃうッス」

アルバイト「なんとこの大演武祭の優勝商品は、あの幻の…」

お嬢様「幻の…?」

メイド(さぁ、本日初の安価ですよ)

メイド(アルバイトくんの言う優勝賞品とは…幻の…なんなのでしょうか?)

メイド(ちなみに賞金の30万Gは300万円相当です。お嬢様からすれば端金ですね)


大演武祭の優勝賞品とはどんなもの?


メイド(完全委託型安価です。>>208さんお願いします)

スペースシャトル

七姉妹の一人ルシファーを象ったとされるブロンズ像

書物

魔力を秘めた宝石

アルバイト「幻の書物が手に入るッス!」

お嬢様「書物…?」

メイド「…どう、幻なんです?有名作家のサイン入りとか?」

お嬢様「あっ!私ね、ヴィレッジアップ・スプリングツリー先生のサイン入りの本持ってるのよ!すごいでしょ!?」

メイド「さぁ…?あいにくここ300年の作家は知らないものですから…」

アルバイト「そういう幻じゃないッス!」

アルバイト「聞くところによると…読んだものはすべての魔力を支配するだけの知識を得ることができるとか…できないとか…」

お嬢様「すべての魔力を支配する…???なんだか胡散臭いわね」

アルバイト「うう…だけど2千年前の遺跡から見つかったって話なんッスよ!?それだけでも十分に価値があると思うッスよ!」

メイド「2千年前…それなら本物の可能性がありますね」

メイド「すべての魔力を支配する…その本はおそらく『魔導書』と呼ばれるものでしょう」

お嬢様「魔導書…?」

メイド「魔導書は魔界で作られる…つまり異次元の書物です」

お嬢様「異次元!?」

メイド「おそらく2千年以上前に、なんらかの形でこの世界に訪れた魔物が置いていったか…落としていったか…」

メイド「そして魔導書を所持する魔物なんてそうそういるものではありませんからね…この次元においてはまさに『幻』と呼べる代物でしょう」

お嬢様「そ、そんなにすごいの…」

メイド「本物なら、ね」

メイド「しかしアルバイトくん、そんなものを優勝賞品に持ってくるなんて相当危険ですよ…」

アルバイト「そ、それは僕に言われても困るッス…」

お嬢様「ねぇ、メイド」

メイド「はい?」

お嬢様「もしも…もしもよ?もし私がその本を手に入れることができたら…」

お嬢様「私は今よりずっと強くなれる…?」

メイド「どうでしょうね。本物なら…」

メイド「あなたはこの次元で最も強大な存在になるかもしれませんよ」

お嬢様「最も強大な存在って…」

メイド「人間でありながら魔物と同じ力が使える…それはもはや人間を超えた何かです」

メイド「そういうものに『なってしまうかもしれない』ということですよ」

お嬢様「………」

アルバイト「あの、僕、やっぱり言っちゃまずかったッスかね…」

メイド「聞かなかったフリはできませんが…黙っておくことはできます」

メイド「あとは…お嬢様がどうするか、ですよ」

お嬢様「ど、どうするって…」

メイド「出るんですか?この大演武祭に」

お嬢様「で………」

メイド「すっごく強い前回優勝者がいるらしいですよ…」

お嬢様「………!」

メイド「それどころか、鍛えてないお嬢様じゃ他の選手にもまったく敵わないかもしれませんね…」

お嬢様「………!!」

メイド「どうします?」

お嬢様「どうします?って…そんなこと言われたら……」

お嬢様「………」ぶるぶる

お嬢様「出る!そして優勝してやるわ!!」

お嬢様「私こう見えて、お祭りが大好きなのよ!」

メイド「…やれやれ」

アルバイト「……あのー、僕は別に『参加してくれ』なんて言ってないッスからね…?」

お嬢様「なに言ってるのよ!あなたも連帯責任よ!いろいろ教えてもらうから!」

アルバイト「ええ!?」

お嬢様「メイド!あなたにも出場してもらうわよ!」

メイド「…まぁ、そうなりますよね…」

アルバイト「…あ!…すいません、無線ッス…!」ピー…

アルバイト「はい、はい……えっ、本当ッスか!?」

アルバイト「あ、今こちらでも一人…いや、二人?参加候補者が…」

アルバイト「………はい、そう…ッスよね。はい。分かりましたッス」

お嬢様「??」

お嬢様「何かあったの?」

アルバイト「ええと、なんというか…その…」

アルバイト「参加者が一人増えたッス…これで7人に…」

お嬢様「え…」

メイド「ということはあと一人で8人…」

アルバイト「………」チラッ

メイド「………」ジーッ

お嬢様「えっ…えっ…ま、待ってよ…『最低』8人でしょ…?それなら9人でも…」

メイド「奇数だとやりづらいんじゃないですか?」

アルバイト「そうッスね…1VS1のトーナメント方式なので9人だと…いや、もっと人数が集まれば問題ないッスけど、時間的にもう厳しいッス…」

お嬢様「………ってことは、私が8人目で、受付終了…?」

アルバイト「そうなりそうッス…」

お嬢様「………」

メイド「頑張ってくださいね。お祭り、好きなんでしょう?」

お嬢様「いや、ちょっと、あの…」

お嬢様「ま、待って、私一人で出るのは、あんまり…!!」

メイド「なに言ってるんですか。仮にワタシが参加できたとしても、今アルバイトくんが1VS1って言っていたでしょう。二人仲良く優勝なんてできないんですよ」

お嬢様「私がもし負けてもメイドが優勝すれば、って…」

メイド「そんな甘いこと考えてたんですか!?ワタシが優勝したら、魔導書貰って、異次元に放り投げちゃいますよ」

お嬢様「えっ…!?」

メイド「いいですかお嬢様…これは試練ですよ…ワタシなしで、お嬢様単体で、どこまで戦えるか…自分の限界を確かめる…そういう試練です」

メイド「きっとこの試練を乗り越えたとき、お嬢様は一回りも二回りも大きく成長できるはずです!!!」

お嬢様「うぅ…」タジタジ

メイド「というかアルバイトくん、もう受付しちゃっていいですよ」

アルバイト「あ、いいんッスか?」

お嬢様「わーっ!!待って、待って!!」

お嬢様「ほ、他の参加者の情報とか貰えないの?」

アルバイト「…うーん…参加が決まってからならお伝えできるんッスけど…」

お嬢様「……そんなぁ」

メイド「お嬢様、もう潔く参加しちゃいましょうよ。大丈夫ですって、もし殺されそうになったら、ワタシが乱入して止めますから」

お嬢様「ぶ、物騒なこと言わないでよ!!っていうかあなたちょっと楽しんでるでしょ!?」

アルバイト「どうするんッスか?受付終了まであと20分ッス、あんまり悩んでると…」

お嬢様「うー…!!」

お嬢様「出る!出ます!出ますよ!!あーもうこんなことになるなんて!!」

アルバイト「本当にいいんッスね?」

お嬢様「…もう煮るなり焼くなり好きにしてっ!」

メイド「拗ねちゃダメですよ」

お嬢様「拗ねてないわよ!!」

アルバイト「では会場までご案内するッス」

お嬢様「会場って…どこなの?」

アルバイト「あれッスよ」

お嬢様「…あの大きいの?」

メイド「まるでコロッセオですね」

大演武祭・会場

アルバイト「ではここで受付をするッスよ…まずはこの紙に必要事項を…」

お嬢様「…はいはい……」カキカキ

アルバイト「え…!あ、あのお城のお嬢様なんッスか!?」

お嬢様「…そうよ…お嬢様よ。ビックリでしょ。私が優勝したら国中が騒ぐでしょうね」

アルバイト「だ、大丈夫なんッスか…?」

メイド「平気でしょう。いざとなったらワタシが…」

お嬢様「……ねぇ、この『使用武器』ってところ、何を書けばいいの?」

アルバイト「…ああ、そこは…この大演武祭のルールのひとつに、『出場者は、一人一つまで武器の使用が可能』っていうのがあるッス」

アルバイト「だからだいたいの選手は自分の使い慣れた武器を持ってくるんッスよ。もちろん素手で構わないって人はそれでも…」

お嬢様「………私…武器なんて持ってないわよ…?」

アルバイト「武器の貸し出しも一応行ってるッス」

お嬢様「貸し出し!?」

アルバイト「だけど、武器の使用に慣れてないなら借りてもあまり意味がないような…」

お嬢様「ないよりあるほうがずっとマシよ!!」

アルバイト「…では武器庫にご案内するッス」

メイド(もしハンドベルが武器として扱っても問題ないなら楽なんですが…お嬢様には黙っておきましょう…)


武器庫

お嬢様「……!!すごい!!ここにある武器、全部自由に使えるの!?」 

アルバイト「そうッス。ただし一人一つッス。二つ以上は絶対にダメッスよ!」

お嬢様「どれにしようかしら…これは剣?これは盾?これは鎧?これは…?」

メイド「それはめん棒ですね」

お嬢様「めん棒?棍棒じゃなくてめん棒なの?…これは使えないわね…」

アルバイト「あと10分で受付を済ませないと参加できないッスよ…!」

お嬢様「!…のんびり探してられないわ!!」

メイド「………ふぅ」

麺棒を武器庫に入れるなw

メイド(どうやらお嬢様は、どんな武器を使えばいいか悩んでいるようです)

メイド(ここはひとつ、皆様にお嬢様にふさわしい武器を探していただきましょうか)


お嬢様が使うレンタル武器は何?


メイド(再び完全委託型安価です。>>224さんお願いします)

メイド(ただし、あまりにも規模の大きすぎる武器(核ミサイル)や、非現実的な武器(なんでも貫く矛、なんでも防ぐ盾)などは、最安価の対象となります)

ジャマダハル

漆黒の剣

大量の縫い針

軽くて扱いやすい二双の剣

メイド「お嬢様、これはどうです?」スッ

お嬢様「……!」

ガシャッ

お嬢様「剣…それも2本…」

メイド「軽くて使いやすそうですよ」

お嬢様「でも…1本使うのすら難しそうなのに2本なんて…」

メイド「もし1本目が使えなくなったときの予備として考えれば…あったほうが便利でしょう?」

お嬢様「うーーん…そうね、じゃあ、これで戦うわ!」

アルバイト「それは2本で一つの武器として扱うッス。初心者のお嬢様には便利かもしれないッスね」

メイド「様になってますよ、クールな美少女処刑人、って感じで」

お嬢様「それ褒めてるの…?ところであなた、メイド666の兵器といいこれといい、そうとう剣が好きみたいね」

メイド「そんなことないです、たまたまですよ」

アルバイト「さぁ早く登録を!時間がないッスー!!」

受付終了3分前…

アルバイト「はい!これでお嬢様の参加受付は完了ッス!」

お嬢様「つ…疲れたわ…」

メイド「何を言ってるんです、これからですよ本番は…」

アルバイト「大演武祭の開始まではまだ2時間あるッス。そして試合はその1時間後から始まるッスよ」

お嬢様「あと3時間…何してればいいの?」

メイド「早速その剣を使えるように練習してみては?付き合いますよ」

お嬢様「そうね…」

アルバイト「あ、選手専用の控室があるッスから、試合開始の20分前にはそこで待っててほしいッス」

お嬢様「控室…」

アルバイト「でも選手さんみんなが共用してるッスから、あんまり好き勝手はしないでくださいッスよ」

メイド「今見に行ったら他の選手はいるんですかね?」

アルバイト「うーん…たぶん全員揃って待機してることはないと思うッスけど…荷物を保管するロッカーもあるッスから、とりあえず行ってみたらどうッスか?」

お嬢様「……他に…どんな選手がいるのかしら…」ドキドキ

メイド(さぁすっかり遅くなってしまいましたが、本日最後の安価です)

メイド(お嬢様を含む全8人の選手たち…そのうち半分の4人を決めていただきます)


大会参加者の4名は、どんな人物?


メイド(ざっくり『忍者』とか『猛獣使い』などで構いませんので、名称だけは必ず定めてください)

メイド(さて、完全択一型安価です。対象が複数ですので、範囲は>>230から>>233、一人一レスでお願いします)

メイド(一レスに複数人をまとめて書きこんだ場合、こちらでその中の一人を選ばせていただきます)

メイド(また、『前回大会優勝者』に該当する人物はこちらで用意しておりますので、同様の設定を指定された場合、無効になります)

メイド(それでは本日はここまでとさせていただきます。次回、お嬢様が控室で遭遇するのはどんな選手なのでしょうか…?)

ksk

もひとつksk

女剣士
小柄な黒髪ポニテ、古風な話し方
武器は刀

選択肢がないから択一型じゃなくて完全委託型だよね?
安価は、王様の遣いの「儀仗兵」。

>>231
そうですね、寝ぼけてごちゃごちゃになってました…
完全委託型安価です

以降の安価の範囲は直下の2レスに変更します(>>233>>234)

殺し屋

近衛兵(変装済)

期待

まだかな

そろそろどうだい?

一応上げ

まだなのかー
なぜ安価取るだけ取って書かないんじゃー

そりゃこんな大量にキャラ安価すりゃエたるわな
ぽっと出の使い捨てと話を作れるサブキャラに分けたりする手間とかも考えなきゃだし

いきなり大量のキャラ安価を始めた作品はほぼエタる
これ豆な

つーか兵士が二人って時点で書くのめんどくさくなりそう
この二人がレギュラーになったら絶対こんがらがるわ

安価スレが未完になるのはよくあることだしな

age

age

安価スレは苦手だが書いてみるかな

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年12月05日 (金) 21:40:04   ID: QDlzbmWm

157
含みがあるのか謎のままだね

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