義妹「お兄ちゃん・・・?」(70)

「アンタ、今日からお兄ちゃんできるから」

母にそう言われたことが始まりだった

父と母は離婚し、母が新しい男を家に連れ込んでばかりいた

その間は私は家から追い出される、こんなことは日常茶飯事であった。

この様な日々が一年ほど続き、突然言われたのだ。

どうやら母は再婚するらしい。

相手方もバツ1で、息子さんがいる。

息子さんは私の1つ上で高校2年生だった。



私は何も考えられなくなり布団の中に潜った。

数日経って新しい家族がやって来た。

相手方の男は優しそうな笑みを浮かべ

「これからよろしくね、義妹ちゃん」

と言っていたが、私はそんなことはどうでもよかった。

ただ、ただ許せなかったのである。

自分勝手な母に。

私は食事を摂らずに一日を終えた。

朝起きて暫く部屋でだらだらとしていると、ドアから音が鳴った。

「義妹ちゃん、ちょっといいかな?」

聞きなれない声。

きっと兄だろう。

兄の名前すら知らないが、そんなことはどうだって良い。

とりあえず返事をした。

「・・・なんですか」

兄はドアの外で言った。

「いきなり家族になるなんてびっくりするよね」

そんな俺でも家族って認めて欲しい、兄はそう言っていた。

兄は優しいらしい。

が、所詮は他人。受け入れたくない。

朝は兄が焼いた目玉焼きとパンを食べた。

父と母は既に仕事に行っていた。



気まずい。

私は急いで食事を終わらせ、普段より十分も早く家を出て学校へ行った。

私の高校は歩いても通える距離だ。

歩いていると後ろからいきなり声をかけられる。

「義妹ちゃんっ!」

友だった。私の唯一の親友の友ちゃんである。

「おはよ、友ちゃん」

会話を交わしながら登校した。

教室で友達と盛り上がっていると、弁当を忘れたことに気付いた。

幸い、財布を持ってきていたので学食で済ますことにした。

そう思ったその時、大きな声で名を呼ばれた。

「義妹ちゃん?お弁当、忘れてたよ?」

私は驚いた。

この人、いや、兄は同じ学校だったのだ。

「周りの人に変な目で見られるのでどこか行ってください・・・」

私は礼を言わずに兄を追い返した。

兄は黙って自分の教室へと帰っていった。

1時間目のHRが始まる合図の鐘と共に皆が一斉に席についた。

私の担任の教科は外国語だ。

私は外国語が一番嫌いである。

外国語なんぞ使わなければいいのに、日本語に統一されればいいのに。

一時期本気でそう考えたこともあった。



――――――――――――――――――――――



いつの間にか昼休みだ。

私は女ちゃんに言われて気付いた。

「お昼、食べよ?」

女ちゃんにそう言われた時、私のお腹は音色を奏でた。

私達は教室で昼食を済まし、女ちゃんにノートを見せてもらいノートを取った。



帰りのHRが終わり、外へ出ると、私は固まった。

兄がいたのだ。

「義妹ちゃん、帰ろう?」

私はこの人と二人でいるのが嫌だった。

だから嘘をついてしまった。

「私は部活があるので先に帰ってください」

そういい残して体育館へ向かった。

しかし私は部活をやっていない。

教室へ戻り、友ちゃんを誘って遊びに行くことにした。

毎日数レス更新で行きます

――――――――――



おっと、もう8時だ。

そろそろ帰っても怪しまれないだろう。

私は友ちゃんと別れ帰宅することにした。

家に帰ると真っ先に自分の部屋へと向かった。

コンコン

ドアを叩く音が聞こえた。

「義妹ちゃん、ご飯できてるよ?」

そんな兄の言葉に対して私は言った。

「いらない」

別にお腹がすいていないわけではない。

確かに兄なのだが、兄とは掛け離れている。

私が親に見放されたのは何時頃からだろうか・・・

―――――

私には2つ上の姉がいた。

容姿端麗、運動神経抜群、さらに頭も良く、完璧な人だった。

父も母もそんな姉のことをとても好いていた。

周りとの交友関係も素晴らしいものを築いていた。

――でもその姉は、二年前に死んだ。

車に轢かれたのだ。

私を庇って。

あの日は姉と2人で出掛けていた。

店をぶらぶらと回る、いわゆるあれだ。なんだっけ。

まあいいや。

私は姉との買い物を終え帰宅途中、考え事をしていた。

私は考え事に気を取られ、道路にそのまま踏み出した。

信号は赤。

そのことに気付いたのは車のクラクションが鳴った時だった。

私は咄嗟の事に何も出来ずに固まってしまった。

頭の中に今迄の思い出が浮かんできた。

あぁ、私はもう終わりなんだ。

そう思ったとき、私は誰かに突き飛ばされた。

姉だった。

姉は私を突き飛ばしたあと、そのまま車に轢かれたのだ。

私は突然起こったこのことに衝撃を受けていた。

ざわ・・・ざわ・・・

周囲のヤジの声が鬱陶しい。

それより姉だ。

「すみません、病院へ同伴願えますか?」

救急車に乗っている、医師だろうか。

私はこくり、と頷き、救急車へ乗った。

姉の脈は薄く、生死をさまよっている状態だった。

私は姉を引いた車を恨んだ。

そして『私自身』を恨んだ。

姉はそんな危険な状態で私に言った。

辛うじて脈がある状態で話すということは、とても大切な話なのだろう。

私は息を呑んだ。

「義妹、強く生きて・・・」

そう言うと姉の脈は静かになった。

その日は一晩中泣いた。

――――――――――



その時、親は貴方の仕業ね、と言い私に八つ当たりをした。

顔にも痣ができ、腕もパンパンに腫れ上がった。

そんな状態で学校へ行けるわけもなく、私は三ヶ月ほど学校を休んでいた。

今でこそ何もしてこないが、まだ私を恨んでいるのだろう。

所詮私は駄目人間から抜け出すことなんてできないのだ。

そんな過去のことを思っているうちに、意識は遠ざかっていった・・・

「義妹ちゃん、朝御飯あるからね」

兄のその一言で私の目は覚めた。

私は何も言わず食卓へと向かった。

その時心配そうに私を見つめる兄の姿があったが、見なかったことにしておく。

やっぱりあの人は好きになれそうにない。

私はパンとミルクを一緒に口に運び飲み込んだ。

私が洗面所で顔を洗っていると、後ろから

「一緒に学校行かない?」

という兄の声がした。

私が嫌です、と言うと兄はそうか・・・とちょっと残念そうに言っていた。

こんな私をどうして見捨てないのか。

そんなことは気にしないけど。

私は兄よりひと足早く学校へと向かった。

学校での一日は適当にすませた。

今日は何もかも面倒に感じた。

私の苦手な世界史が2時間もあったのだ。

それだけで一日が面倒に感じる。

下校しようと靴を取り出すと、手紙が入っていた。

ラブレターである。

これまで私も何度か告白されているがいまいちぱっとしない。

手紙には【今日の放課後体育館裏へ来てください】と書いてあった。

今時こんなベタな手で誘ってくるなんて大したことない人なんだろうと思いながら、私は体育館裏へと足を運んだ。

体育館裏へ行くと見覚えのある男がいた。

私もよく知っている男だ。

「覚えてる?僕のこと」

幼馴染の男だ。忘れるはずもない。

覚えてるよ、そうとだけ私は言った。

「懐かしいものを見つけたんだ」

彼がそう言ったものは、アルバムだった。

懐かしい写真だらけで、とても盛り上がった。

今日は彼のお陰で楽しかった、と感じた。

ありがとう、男。

見てくださってる方いるかわからないけど最後まで書くつもりではいます。



―――それからおそよ一週間後

「義妹ちゃん、ご飯出来てるからね」

いつもの様に聞こえる兄の声。

それに対しいつもの様に返事をしない私。

どうしてここまで兄は私に構ってくれるのだろうか。

私は宿題を終わらせ、食卓へ向かった。

「義妹ちゃん?」

私はその声に自然と返答していた。

「なんですか?」

「ごめん、やっぱり何でもないよ」

面倒な人だ。

今は大体家にいるときは兄と二人のことが多い。

親は仕事が多く、休みの日も二人で出掛けている。

私は考えることも面倒になってそのまま家を出た。

普段よりさらに早く家を出ると、丁度男も家を出ていた。

「義妹ちゃん、おはよう」

「おはよ」

そのまま2人で他愛もない話をしながら登校した。

見てんよ

時間掛かってもいいから頑張ってくれ

>>26
有難うございます
>>27
トリップ付けてのSSは初ですが励みになります

――――――――――――――――――



その日の授業を受けていると2時間目当たりから記憶が飛んだ。

目覚めた時には保健室にいた。

周りをもっと確認してみる。

真っ先に目に入ったのは、兄の姿だった。

今の時刻を確認してみる。

19:50だった。

ここまで付き添ってくれていた兄に私は少し嬉しくなった。

一瞬家族みたいだな、と思ってしまった自分もいた。

兄は寝ていた。

私は兄を起こし帰ろうとするとここは保健室ではなく病院だということに気付いた。

病院だったことがわかったので、私はもう一度眠ることにした。




―――――――――――



朝、目がさめると、兄の寝ていた椅子に手紙が置いてあった。

内容は、簡単なものだった。

【義妹ちゃんは今日中には退院できるらしいよ。お大事に。】

余計なお世話です、そう思いながらも私からは笑みが溢れた。

医師の軽い診察を受けると、もう退院していいと言われた。

私は家に帰った。

途中で屋台を見かけたが、お祭りでもやるのだろうか。

私は勉強をし、暇を潰した。

授業中に何があったんだ……

>>33
分かりにくいですが、ヒントは置いてあります
これからも分かりにくいものを入れる予定ではあるのですがそこを推測しながら読んでもらえると光栄です

ちらほらと、兄のことが頭を過る。

兄はどうしてほとんど無視している私に気を使ってくれるのだろうか

兄のことを考えている時間は日に日に増していった。

しかしそれを拒絶する自分もまた居た。

兄は事実上家族であることには変わりないのだろうが、それでもその気持ちを変えずにいた。

兄はどうやら学校では上手くやっているどころか人気者らしい。

兄の友達に尋ねたところ、とてもすべらないギャグを何時でも言える様な人らしい。

ああ、こんなことを尋ねるなんて私もどうかしてきてしまったのだろうか。

私の中で兄の存在が大きくなっている

この時、私に後々起きる感情があることに私は気付いていなかった。

私に話しかける兄は若干遠慮しがちだが、学校での兄はまさに男なのである。

すこしばかり考え過ぎたようだ。

明日は学校もないのでアラームを設定せずに寝た。

休日。

にしても寝過ぎた。

起きて時計を見ると針は13時を回っていた。

時間とは不思議なものだ。

私は昼食を適当に済まし、友ちゃんへ連絡した。

家にいる気分ではなかった。

友ちゃんと適当にぶらぶら、とすることにした。

そろそろ書こうかと思ってますのでしばしお待ちを

次の日



私はついに言ってしまったのだ。

衝動的に言っていた。

「兄さん・・・一緒に学校、行きませんか?」

自分でも無意識で言ったので、私は自分でも驚いた。

言ってから気付き、顔が一気に赤く染まった。

なんでこんな人と、とは思いつつも同時に何かの感情があった。

きっと、喜びなのではあるが、私は自分に気付かないふりをした。

そんな私の唐突な発言に対して兄は笑顔でおう、とだけ返事をした。

その一言でより一層顔の赤みが増した。

思わず兄から目線を逸らしていた。

私はあまりの恥ずかしさに耐えられなくなったので自部屋へといそいで戻った。

ベッドに、ぽふん、とダイブ。

これまた無意識のうちに布団に顔を埋めていた。

心臓の鼓動がはっきりと聞こえる。

私は、朝食をとりに再び食卓へと戻った。

そんな目線も合わせられない日がしばらく続いた。

最初は合わせられるのだが、すぐ逸してしまう。

なんとなく、見てられない。

何故だ。何故。

突然変わってしまった。

少し振り返ってみようか。

――――――――――

私がこうなり始めたのは病院を退院した頃。

私はきっと意識が遠のいたときに頭を打ったのだ。

きっとそうだ。いや、そうに違いない。

いくらなんでもそんなことはないでしょう。

勝手に自分で解決させてしまった。

――――――――――

私は頭を打ったのだということで結局まとめ、もう考えないことにした。

この思いは未だかつてなかったが、今こうして存在している。

私は自分で思い込んでも結局は兄のことを考えている。

そうだ、明日は早く起きよう。

ジリリリリリ、というアラーム音で起きる。

まだ四時。この時間に鳴るアラーム音もご近所さんから見ると大層迷惑なものだろうか。

私は布団の近くに畳んで置いておいたエプロンを身に付け台所へと向かった。

再び数日経ったがそれでも気持ちは変わらない。

何かわからない、と思っていた気持ちがはっきりとしてきた。

これは



―――好き


これはlikeではない。そう思ってしまう。

それでも私は敢えてそう思わないことにした。

兄との日常に支障を来たすわけにはいかない。

私はその日に意志を確認したことを忘れることはなかった。

「兄さん・・・」

そう、ふと呟いた。

言ってて悲しくなってきた。

この言葉が面に向かっていえればどんなにいいことか。

なんてことも考えながら私は眠りについた。

4日後、学校にて。

友ちゃんに相談してみることにした。

友ちゃんは正直私が引くくらいにいろいろな人と交際している。

それでも私には羨ましいのだが。

それで恋愛相談をしてみることにしたが、友ちゃん曰く、

『最初しか恋はしない』とのことだ。

その日中ずっとその言葉が頭から離れることはなかった。

さらに一週間後、私は遂に決断した。

きっと、私には優しいし、兄も私のことを好きなんだろう。

私は兄に告白することにした。

人生初の告白ということもあり、緊張は更に深まる。

私はこの一週間兄のことを調べ尽くした。

兄のクラスメートの女さん、兄友さんなどなどに訪ねて回った。

そうして、兄には元カノはいるが今現在彼女はいないこと。

兄はよく私の話をしていること。

そういった情報も得られた。

私は風情も何もないが自宅で告白することにした。

何故自宅なのか、それは簡単だ。

他人に見られたくない。恥ずかしい。

ただそれだけの理由である。

私は夕飯を済ませて、暫く部屋にいた。

脈拍が早くなる。

鼓動がはっきりと聞こえる。

私はそんなことをしているうちにもう10時になっていることに気付かなかった。

気づいた瞬間に慌てて深呼吸をした。

もちろん、あまり意味はない。

再び決意して、兄の部屋へと向かった。

こんこん、と扉をノックする。

「兄さん、少し話があるので入ってもいいですか」

返事を待つ前にドアを開ける。

兄さんは座布団を出してくれた。

「あの・・・いままでごめんなさい」

兄はきょとんとしているが、無理もない。

唐突な謝罪には私でも驚くに違いない。

「よく聞いてください。好きです。家族として、じゃなくて、異性として、です」

その言葉を聞いた兄はまさに即答という言葉が相応しかった。

だが、兄は一度間を開けて私にこう言った。

「義妹ちゃん、ごめん、無理だわ」

どうやら家族としてはいいけど、いいだけで好きという訳でもなく、当然loveの感情なぞあるわけなかったのだ。

私の目から涙が溢れた。

ただ、ひたすらに悲しかった。

どうして今まで兄に冷たくしてきたのか。

何故。何故。何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故

もうわけがわからないよ

いっそのこと殺してしまいたい

兄さん大好き兄さん大好き兄さん大好き兄さん大好き兄さん大好き兄さん大好き兄さん大好き兄さん大好き兄さん大好き兄さん大好き兄さん大好き兄さん大好き兄さん大好き兄さん大好き兄さん大好き兄さん大好き兄さん大好き兄さん大好き兄さん大好き兄さん大好き兄さん大好き兄さん大好き兄さん大好き兄さん大好き兄さん大好き兄さん大好き兄さん大好き

やめて
やめて

やめて


私から離れていかないで



お願い




やめて

私は手紙を書いた。

赤いインクで手紙をかいた。


いや、インクではないのだが。



「兄さんへ


好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きで」

書き足りないよ。

こんな量で気持ちが伝わるわけが無い。

だめだ・・・もっと・・・

タリナイ・・・インクがタリナイ・・・

さあインクを補充しに行かないと

この手紙をあとで見返してみた。

文字は黒い。

あれ、おかしいなぁ。

赤いインクで書いた筈なのに。

兄の指紋が最初の25枚にはついている。

でもそれ以降の153枚には付いていない。

ねぇ、どういうことなの兄さん

なんで無視するの
なんで

ねぇなんで
教えてよ
返事してよ
嫌なら嫌って言ってよ

無視しないでよ
どうして兄さんの手はこんなに冷たいの?


私があたためてアゲル


きっと幸せにスルカラ



ネェニィサン
タダヒトツダケダヨ・・・






大好きです

終わりです
見てくださった方ありがとうございました

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年10月27日 (月) 21:26:45   ID: EYwTcfPF

色々言いたいこと浮かんでくるけどこれ以上考えるのも時間の無駄なのでこれだけ



近年稀にみるクソSS

2 :  SS好きの774さん   2016年01月26日 (火) 23:08:39   ID: Bj3Thvfj

色々言いたいこと浮んで来るけどこれ以上考えるのも時間の無駄なのでこれだけ


近年稀に見るクソコメ↑

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