雪穂「亜里沙はさ…」 (33)

亜里沙「普段お姉ちゃんとどんなことを話しているかって?」

雪穂「うん、姉を持つ者同士だし少し気になるな~って」

亜里沙「例えば昨日だと…μ'sの練習メニューとか」

雪穂「うん」

亜里沙「今月海未さんが貰ったラブレターの数とか」

雪穂「…うん」

亜里沙「次のライブでの海未さんの振り付けを聞いたり…あ!あと海未さんはどんな思いをよせて歌詞を綴ったのか、とか」


雪穂「見事に海未さんの話題ばっかりだね」

亜里沙「うん!」

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雪穂「絵里さんはお姉ちゃんたちと幼馴染だけど、海未さんと話してるときは特に楽しそうというかなんか雰囲気違うよね。波長が合うのかな」

亜里沙「まあ…それはね…」

雪穂「?」

亜里沙「でも二人とも似てるところがあるよね」

雪穂「そうかな?私は絵里さんとはあまり関わりがないから」

雪穂「だけど二人ともしっかり者って事はわかるよ。海未さんは抜けてる事がたまにあるけど…」フフッ

亜里沙(海未さんを語るときの雪穂って、やっぱり少し…)ジーッ

雪穂「…どうしたの?」

亜里沙「ふふっ…お姉ちゃんもね、結構抜けてるところがあるんだよ」

亜里沙「それはそうと穂乃果さんはどうなの?」

雪穂「私のお姉ちゃんもね、最初は学校であったことやμ'sの話とかなんだけど」

雪穂「…しばらくすると海未さんの話ばっか」ムスー

亜里沙(でも雪穂は姉好きっぽい所もあるし、これはどっちかへの嫉妬みたいなものかな?)

亜里沙「そういえば、穂乃果さんと海未さんはお腹の中からの幼馴染なんだよね」

亜里沙「他にはない特別な関係って、羨ましいな」

雪穂「…亜里沙はさ、海未さんのこと好きでしょ?」

亜里沙「もちろん!」

雪穂「それってどのくらい好きなの?友達や尊敬できる先輩として?アイドルである憧れのようなもの?」

雪穂「それとも…恋愛が出来るとしたらしてみたいくらい、なのかな?」

亜里沙「亜里沙は…」

雪穂「安心して、どんな答えでも私は亜里沙を変な目で見たりなんて絶対しない、だから本当の事を話してほしい」

亜里沙「うん、正直まだよく分からないけど海未さんともっと一緒にいたい気持ちになったり、海未さんの事を考えるだけで頭がいっぱいになったり、」

亜里沙「へ、変な妄想して一人で勝手に恥ずかしくなったりするのは、友達とかの関係とは違うと思う…し///」

亜里沙「何より、海未さんを想ってる時の胸の高鳴りは恋をしてるってことだと、思う…雪穂?」

雪穂「…な、なんか亜里沙の気持ちには薄々気づいてたけど、本気が伝わってきて私がドキドキしちゃった」

亜里沙「えへへ、少し恥ずかしいかも…でもいきなり真剣なこと聞いてくるなんて、雪穂何かあった?」

雪穂「えっ?い、いや~、亜里沙の気持ち聞いておきたくてさ…ほら!私達もお年頃だし気になるじゃん!?」アタフタ

亜里沙(これはライバルに穂乃果さんがいるから私に気を使ってるって事?)

亜里沙(それとも…えーっと、とりあえず)

亜里沙「……穂乃果さん?」チラ

雪穂「あぇ!?ちっちが…」

亜里沙「…」ジーッ

雪穂「…く、ない」

亜里沙(まずは…)

亜里沙「…相談したいなら、聞くよ?」

雪穂「…」

亜里沙(…ふむふむ)

亜里沙「もしかして私の心配?」

雪穂「あ…うん、お姉ちゃんが昨日さ、海未ちゃんへの恋愛感情に気づいちゃったーどうしよーなんて私に言ってきてさ」

雪穂「その時、亜里沙もきっと同じ感情を抱いてるんだろうな…私は二人を応援しなきゃって思って、さ…」

亜里沙「そっか。ありがとう雪穂、じゃあ相談の方を聞こっか!」

雪穂「…えっ?」

亜里沙「あるんじゃないの?」

雪穂「私は…」

亜里沙「本当にないの?…相談」

雪穂「…」

亜里沙「もう!じゃあ聞くけど、穂乃果さんと海未さんどっちが好きなの!」

雪穂「っ!なんで知って…」

亜里沙「何でなんてどうでもいいよ、答えてくれないと相談できないよ?」

雪穂「私、は…海未さんが、好き。私も亜里沙と同じ、海未さんを想うとドキドキして」

雪穂「お姉ちゃんも好きだけど海未さんは特別なんだ」

亜里沙「そっか…そのことに気を使って亜里沙になかなか言い出せずにいたんだね。穂乃果さんにも、かな?」

雪穂「うん、それでも聞いてくれる?亜里沙」

亜里沙「もちろん、言ってみて」

雪穂「園田家とはさ、家絡みで仲が良かったから私が物心付いたときには既に海未さんがいつもそばにいてさ、海未さんがうちに預けられたり、私達が預けられたりってのは良くあって」

雪穂「小学生の時なんて家が近いから登校班同じだし、休日なんて言うまでもなくほぼ毎日一緒でさ、家族以外では私にとって海未さんは一番近かったんだ」

雪穂「だからかな海未さんの色んな面を知ってる。常に敬語だから堅苦しく思う人もいるかもしれない、でも実際はそんな事なくて」

雪穂「感じたことが表に出やすいから少しのことで喜んだり驚いたり、恥ずかしがったり泣いたり表情が豊かなんだ、顔立ちは凛としててカッコいいんだけどふとした時に見せる笑顔や仕草が凄く可愛かったり」

雪穂「海未さんは人が見てなくても頑張れる人だからたまたま気づいた時に驚かされるんだけど、当の本人は大した事無いですよ、なんてそこがまたカッコよくて」

雪穂「どんな時だって私達を支えてくれたり守ってくれたり…でもそれは皆が小学生の時まで」

雪穂「お姉ちゃんたちが中学校に入った後は極端に私と海未さんが遊ぶ回数は減ってってさ、その過程で私は海未さんが自分の中でどれほど大きい存在だったのか思い知ったよ」

雪穂「だから小学校を卒業するのは凄くワクワクしたんだ、また海未さんと遊べる、登下校できるって、でも実際は中学校の1年生にとっての3年生の壁って大きくてさ休み時間とか気軽に行ける雰囲気じゃなかった」

雪穂「しかも海未さんは稽古、私は部活で一緒に下校できるのなんて稀でさ、登校はいつでも一緒に出来たけどその時のお姉ちゃんと…海未さん、を…」ウルウル

雪穂「見ると…さぁ、小学生の時、と変わらない…光景が、あってさぁ…グスッ…」ゴシゴシ

雪穂「見てらんなくなっていつの間にか一緒に登校しなくなってた、今思うとお姉ちゃんに嫉妬していたんだと思う、私がいない2年間こんなに良い思いしてずるいよ、ってね」

雪穂「結局素直になれずにそれ以降一緒に登校することなく、あっというまに一年が過ぎて海未さんたちは卒業しちゃった」

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