角田課長「暇か?」 杉下「ええ…」(160)

時系列:相棒11、第10話のまろく庵の事件解決後からカイトが退院し杉下と一緒に事件現場となった森に即身仏を捜しに行くまでの間の出来事の話

2010年12月    どこかの葬儀場

男「この人殺し」

中年女「…」

男「黙ってないで何とか言ったらどうなんだ! 俺とアイツが何も言えなかったとき、
アンタが俺達に言った言葉だろう!!」

中年女「…っ! ご…ごめ…」

男「あ、やっぱいいわ。謝られたってアイツはもう戻ってこないし、俺はアンタのやったことは絶対に許さない。俺達が悪いわけでもないのに謝罪を強要して、したらしたで謝って済む問題かって怒鳴ったのはアンタだもんな」

中年女「男君、わたしは」

男「アンタだけを晒す真似をしたのは俺の反省点だ、他にもアイツを追い詰めたやつらはいるのにな。アイツが死ぬまでに証拠を集めきれなかった」

中年女「う…うう…」

男「今度は泣くのかよ。俺もあいつもアンタを信じていたんだよ。いや、俺以上にあいつはアンタのことを慕ってた。アンタがあいつに理不尽なことを言われてもあいつはあんた以上に涙を流して、他人のせいにしないで自分を責めていたんだ」

中年女「お…男君、言い訳はしないわ。自分のしたことを。せめてあなたにだけはちゃんと謝らせて」

中年女はそう言うと、少し膨らんだ封筒を男の前に差し出した

男「…示談のつもりですか。馬鹿にすんな!!」

男は封筒を振り払った。

バサッ

封筒から何枚かの一万円札が零れた。

中年女「男君!」

男「その金を俺だけにも受け取らせれば自分が少しでも気が楽になると思ってるんですか。
アンタの少しの自己満足の為に」

中年女「わ、わたしは…あなたにも迷惑を掛けたから」

男「もうお帰りください。通夜に参加するのはアイツの遺族が認めていない。アンタとアンタの関係者の皆すべてね」

2012年 12月 警視庁 特命係の部屋

角田課長「暇か?」

杉下右京「ええ一人だととても時間を持て余してしまいます」

角田「あのカイト坊ちゃんもとんだ災難だったなー。それであんたの相棒はいつ頃復帰できるの?」

杉下「記憶も戻って、一日でも早く復帰できるように懸命にリハビリに励んでいるようです。医師の見解では今年中には可能だそうです」

角田「そっか。俺も一日でも早く坊ちゃんが戻ってきてくれることを祈るよ」

角田(以前と違って亀山や神戸がいなくなってからの一人きりのあんたはとても寂しそうで見てられないからな)

トゥルルルル

杉下「はい、こちら特命係、杉下です」

刑事部長の部屋

内村刑事部長「今回、お前はあの次長の息子が襲われた事件に関わったそうだな」

杉下「はい」

中園参事官「いいか、今回はお前の部下が襲われたということで大目にみてやるが次は勝
手な真似をするんじゃないぞ」

内村「次長の息子の件は一歩間違うと警察庁から重大な責任問題を追求されるところだっ  
   たからな。お前の勝手な行動次第で責任を背負わせる私の身にもなれ」

中園「……」

杉下「承知しました。では失礼します」

杉下が刑事部長の部屋を退室し、特命係の部屋に戻ろうとすると中園参事官が後ろから追いかけてきた。


中園「杉下!」

杉下「はい?」

中園「次長の息子の件に関してはお前に礼を言ってやる。助かった、ありがとう」

杉下「何故参事官に感謝を受けられのかはわかりませんが、一警察官として当たり前のことをしただけですよ」

特命係の部屋

杉下(それにしても暇ですねえ。…相棒がいないと尚更に)

トゥルルルルルル

杉下「私の携帯の着信音。相手は……!」

杉下「はい、杉下です」

???「お久しぶりです。右京さん!」

杉下「本当にお久しぶりです。亀山君!」

しえんしえん

花の里


杉下「どうも」

月本幸子「杉下さんいらっしゃい。…あら? あなたは!?」

亀山薫「お久しぶりです。月本幸子さん」

月本「亀山さんじゃない! 戻ってらしたの!! だったら事前に連絡してくれれば貸切にして料理をたくさん振る舞えたのに~」

亀山「いやいやお構いなく」

月本「亀山さん、その節は本当にどうもありがとうございました。刑期を終えて杉下さんには会えたのに、あなたにお礼を言えなかったのがずっと心残りだったわ」

亀山「いえいえそれ程でも。月本さんこそいろいろ大変な目に遭ったのに無事出てこられて今度こそ落ち着いた生活を送れるようになって良かったですよ」

俺達は3人で特命係を去ってから今日に至るまでの話をたくさん聞かせてもらった

こうして花の里で飲み明かす右京さんの表情は俺が特命係を去る前のときより落ち着いていて、親しみやすい感じになった気がした

実際のところ今、特命係に配属された右京さんの新しい相棒は右京さん直々の指名だそうだ

俺が特命係に配属された時の右京さんでは考えられないことだ

警察庁次長の息子らしいが親の力にすがるわけでもなく自分なりの信念をもって働いているとのことだった

次長の息子が来る前にも右京さんの相棒と呼べる人間がもう一人(時期的には俺がいなくなってからしばらくして警察庁から配属された。名前は神戸さんというらしい)いたらしい

その人と相棒を組んでいたときのこともおおまかに右京さんは話してくれた

最初はあまりそりが合わなかったのか神戸さんを置いてきぼりにするなど(俺が最初にあった頃の右京さんに似てるかも)ちょっと冷たいことをしていたそうだが顔認識システムに関する事件を通して晴れて右京さんの認めた相棒になったそうだ。

しかし、妊婦が自分の兄を殺した事件解決後、神戸さんは辞令で警察庁に戻ったそうだこの話をする右京さんの顔はとても悲しそうな表情を見せた。

二人の間に何かあったのかなと思ったが深くは聞かないことにした

他にも右京さんの周りは俺のいない間にいろいろ変わったようだ

特命係の後ろ盾をしてくれていた小野田官房長の死

たまきさん突然がいなくなって(お遍路の旅に出たらしい)、今俺の目の前で楽しそうに笑って二代目花の里の女将となった月本幸子さんの出所など、4年の間でいろいろ変わったんだなと思った

④&期待

月本「ねえ亀山さん、サルウィンでのあなたの話を聞きたいわ」

杉下「それは僕も興味がありますねえ」

亀山「俺の方は特に大きく変わったことはないっすよ。腐敗が蔓延しているあの国の子供達に正義の精神を教えようって思ってたんですけど逆に教えられること多いですから。ただまだ4年しかたってはいないんですけど俺や殺された俺の親友が伝えたいことは少しずつですけど理解してくれてるようです」

月本「殺された親友!?」

亀山「ええ、話せば長くなるんで省きますけどそれがきっかけで4年前サルウィンに行くことにしたんですよ」

杉下「君が教えている子供達が大人になって、良い方向に国を変えていくこと祈るばかりです」

亀山「ええ、そうなってくれれば死んだあいつも、逮捕された瀬戸内さんも少しは報われるはずです」

月本「瀬戸内さんってあの海外支援の関係で汚職して逮捕された代議士の方のこと?」

杉下「ええ、ですが彼は去年の3月に彼の支援者と支持者の援助を受け仮釈放されました」

亀山「瀬戸内さんも年だから外に出てやり残したことをしたかったとか」

杉下「君はときどき鋭いことを言いますねえ。その通りで官房長の墓参りを自分が生きている内にしたかったそうですよ」

亀山「そうだったんですか」

亀山「あ! 他にサルウィンで変わったことといえば!」

杉下「いえば?」

亀山「変わったというか大変だったことなんですけど、サルウィンで大洪水が起きて、いや~あれは死ぬかと思いました」

月本「それは災難ですねえ」

亀山「恥ずかしい話なんですけど俺洪水に呑まれちゃって、意識がなかったらしいですよ。夢でも見てたのか深い森の中に俺一人だけポツンといたんです」

杉下「…森の中ですか」

亀山「ええ、そしたら70歳くらいのおじいさんみたいな人が現れて『あなたにはサルウィンを救うという使命があります。だから生きなさい』って言われた直後に目を覚ましたんです。いやー何だったのかなあ。あのじいさん」

杉下「そのおじいさんはもしかしてこういう顔の方でしたか?」

杉下はスーツのポケットから一枚の写真を見せた

亀山「ああ! この人ですよ!! って何で右京さん知ってるんですか?」

月本「あれこの方って、ついこの間即身仏になったとかで亡くなられた方ですよね」

亀山「即身仏!? じゃあ俺は幽霊に会ったってこと!?」

杉下「100歩譲っても幽霊は考えられません。この老人が亡くなったのは月本さんの言う通り最近で、君が意識を失っていた時は生きていたはずですから」

亀山「………」

月本「時を越えて亀山さんを助けたとか」

杉下「君といいカイト君といい、どうして僕の相棒になった人間は妙な霊感を持っているのですかねえ。ある意味羨ましいものです」

面白い

相棒ssでしかも薫ちゃん登場とか素晴らしすぎる

翌日 都内某霊園付近


今日、俺は右京さんと一緒に都内にある霊園所に向かっている

この霊園所は右京さんと俺が関わった事件で亡くなった人間も何人か眠っている

サルウィンで支援活動を行っていた親友と特命係を作ったきっかけの小野田官房長も偶然にも同じ場所で眠っている

俺達はこの二人の墓参りに行こうとしていた

右京さんは今日は元々出勤日だったのだが有給の申請をして休みをとった

警察官に休みなどあまりないのに特命係だけは特別だ

ふと思ったのだが、小野田官房長の後ろ盾を失った特命係が今も存在出来るのは何故なんだろう

内村刑事部長や中園参事官辺りに簡単に消されても可笑しくはない

それでも今も存在出来るのはあの二人が特命係の存在を少しは認めてくれたのか

それとも俺の知らない別の誰かが小野田官房長に代わって特命係を支えているのか

そんなことを考えている内に霊園に着いた

亀山「あの女の人、墓の前でうずくまってる。具合がでも悪いんですかね」

杉下「膝と額を直接地面につけていますねえ」

亀山「…何か事情があるかもしれないですけど、もし具合が悪いなら放っておけないので声かけてきます」

中年女「友君、ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさ…」

亀山「あのーすみません。どこか具合が悪いんですか?」

中年女「!? あ、いえ、そういう訳では…」

亀山「すみません。何か事情があるのかなあとも思ったんですがもし具合が悪かったらって思って」

中年女「いえ、私は大丈夫です。…すみません見苦しい所を見せてしまって」

杉下「一つよろしいですか?」

中年女「? ええどうぞ」

杉下「あなたはこのお墓の前で頭まで下げている。このお墓に眠る人物とはそれなりに何らかの関係があったと思われます。にも関わらずこのお墓には何も供え物がない。そしてあなたのが手に持ってる荷物はその小さなカバンだけ。頭まで下げる相手の墓に供養物がないのはどうしてでしょうか?」

亀山「う、右京さん? やめましょうよ。不謹慎ですよ」

杉下「すみませんねえ。細かいところが気になってしまうのが僕の悪い癖でして」

中年「それは…」

?「その人はその墓に眠る人間の遺族に供養に来ることを反対されてるからですよ」

中年女「! 男君」

男「去年、あなたが友の命日にあんたは俺と友の家族にばったり会って、友の母親にかなりきついこと言われてたもんな。『息子を殺した元上司が今更何しに来た』ってね」

亀山「殺した?…」

男「友のお母さん、かなり取り乱したから俺は慌てて止めましたけど、まあ気持ちは同じですよ」

中年女「……」

男「あんたの自己満足の為の墓参りが終わったならどいてくれませんか。心配しないでください。遺族にあなたが来ていたことはわざわざ言いませんよ。友の2年目の命日の今日、友の家族はここに来ます。友の家族の神経を逆なでるのは俺も避けたいですから。」

杉下「なるほど、今日墓参りに来てたことを友さんの家族に知られないようにする為に何もお供え物を持って来られなかったのですね」

中年女「ええ、そういうことです」

男「さ、あなたの自己満足が終わったらさっさと消えてください。人殺しの中年女さん」

亀山「ちょっとアンタ、二人の間で何があったのか知らないけどなあ! 墓の前なんだからもうちょっと言葉を選べよ!!」

中年女「いえ、これは私が悪いことですから。失礼します。お気遣いありがとうございました」

男「俺も見苦しいところを見せてすみませんでした」

杉下「おや、意外と素直に謝るのですねえ」

男「いい大人が言う言葉ではないのはわかっています。でも……あの人の顔を見るとどうしても堪えきれなかった」

亀山「何があったのか知らないけど変なことにならないようにな」

男「……そうしたいです。あのところでお二人は警視庁の特命係の人ですか?」

杉下「おや、どうしてそう思われるのでしょうか」

男「この革ジャンを着た…ええと?」

亀山「俺の名前は亀山薫だ。元警視庁特命係だった人間だ」

男「亀山さんがこの人を右京さんって呼んでたのが聞こえてたから。杉下右京さんですよね」

杉下「はい確かに私の名前は杉下右京といいます」

男「やっぱりだ。聞き覚えがある。亀山さんの方も」

亀山「世間では俺達結構有名になってたんですねえ」

杉下「どんな事件でも解決する警察のたった二人の特命係ですか。おもしろいものですねえ」

男「俺も知り合いの知り合いに聞いた程度だから都市伝説の域を出なかったんだけど、や
っぱり存在していたんだ。特命係は」

亀山「都市伝説になってたのか。なんだかなあ」

男「もしよければ……この墓に眠る友が亡くなったことを聞いてもらえませんか」

杉下「僕は構いませんがよろしいのですか?」

男「ええ、正直もう終わったことなのに……誰かに聞いてもらいたくて仕方なかったんです。ここで特命係のあなた方に会えたのも何かの縁だと思いますし」

亀山「俺はもう警察の人間じゃないが話して楽になるなら話してくれ。悩みを抱えた人の相談に乗ることで救われた……と思いたい人もいたから」

男「ありがとうございます」

男「改めて自己紹介しますけど俺は男といいます。しがないサラリーマンをやっているん
ですが2年前まで看護師として働いていていました。あの墓に眠る友と一緒に」

亀山「へえ、それは凄い資格持ってるんだねえ」

男「ええ資格だけは持っています。俺と友は2年前の4月に都内にある病院の病棟に配属されました。そのときの上司・主任が中年女…さんでした」

杉下「先程の女性も看護師だったわけですね」

男「ええ、そうですね」

亀山「何ていうか今でこそ男の看護師ってそこそこいるんだろうけど、やっぱり女の人が多くてやりづらかったじゃないの?」

男「ええ、配属されたその病棟も俺と友以外には男の看護師がいなくて俺達は心細かった。
でもあの中年女…さんが」

中年女『女しかいなくて心細いものがあるかもしれないけど、私に任せなさい。二人の息子が出来たようなものよ!』

男「そう言って俺達を安心させてくれたんです。そのときの俺達にしてみればとても心救われる思いだった。俺はこの人についていこうと思った。友は俺以上にあの女を慕った。」

亀山「そう思える人にどうしてあんな乱暴な言葉を…」

男「今にしてみれば俺も友もそんな言葉で安心しきっていたのが間違いだったんです。俺達が配属された病棟は人間関係がとても悪いと噂されているとこでした。あの女の良くない噂もちらほらあったんです。でも俺達はそれらを振り払って必死に働いた」

どうなるどうなる?④
面白いから、下手な感想や予想はng希望

>>36
消えろ、くせぇ

この国を憂いている人なのにサルウィンの洪水の記事貼ってたから、俺も何かあるのか?と期待してしまった支援

『男君、部屋回るのに時間かかりすぎよ』

『どうしてあの患者さんの症状見落としたと思う? あんたが部屋周りを面倒だからってさっさと切り上げたからでしょ』

『あんたこんなのも分かんないの』

『分かんないのに何で一人で勝手にやるの』

『男君、どうしてこんなことしたのよ! いいこれは…』

『男君、どうしてこんなやり方してるの? 他の人がこうしろって言ったあ? 人のせいにしないで』

『イチイチこんな些細なことで私を呼ばないで友君』

『どうしてもっと早く私を呼ばないのよ友君。些細なことでも放っておいたら後々大変な
ことになるかもしれないでしょう!』

男「俺と友がほんの些細なことでも仕事のミスをすると先輩達にかなり責められた。先輩達が同じミスをしても誰もその人を責めはしない癖に」

亀山「うひゃー怖いなあ女の職場ってやつは」


男「単に俺達が仕事が出来なかっただけです。男も女も関係はありません。勿論ミスの原因は自分の知識、技術の足りないからだと思って二人で必死に勉強し、同じ間違いが起こらないように対策をたてた。…先輩達のアドバイスも参考にした」

杉下「同じ間違いを二度と起こさない努力。いい心がけだと思いますよ」

男「でも……言い訳が許されるなら間違いが起こる原因を作っているのは先輩達もだと言いたい。先輩達の連携のなさ、俺と友以外のミスは深く追求しない、俺達に言う先輩達の矛盾した指摘、注意、助言…」

『男君、どうしてこんなことしたのよ! いいこれは…』

『男君、どうしてこんなやり方してるの? 他の人がこうしろって言ったあ? 人のせいにしないで』

男「友が普段落ち着いていた患者さんが少し苦痛を訴えてそれを先輩に報告してもこんなことイチイチ言いに来るなと言われてしばらくしてその患者さんが急変したとき、友はなぜ報告しなかったと言われた。先輩には事前に報告していたことを話しても今度は何故もっと積極的に言わなかった、他の人にも言わなかったと言葉を変えて責められた。」

亀山「最低だ……」

男「他の人にも話すといつもは私のこと信用できないのかって怒鳴ってた癖にね。友は注意だけでなくインシデントレポート、それとは別に反省文も書かされたのに報告を受けていた先輩は全くお咎めなしだった」

男「次第に初めの頃はある程度庇ってくれた中年女も影であれこれ他のスタッフにあることないことの陰口を言うようになった。その陰口は最初は俺の聞こえない所でしてたみたいだったけど徐々に俺と友がいるところでも話されるようになった」

亀山「あの中年女さんが!?」

男「俺は中年女に不信感を持つようになった。仕事とは関係ない部分でもお前はだから駄目なんだとかパワハラ、モラハラ的なことを言い始めたから。でもあいつは…友は……それでも中年女を信じていた」

杉下「弱い立場にある者をどんどん貶めていったのですね」

男「他の誰も責めずに、いつも…自分を責めて……。他の奴が明らかに悪いのに他人の所為に出来ないアイツは中年女に責められても何も言えないことが多かった。あいつはとにかく必死に謝ることしかできなかった」

中年女『黙って済む問題じゃないでしょう!』

中年女『すみませんでした? これで何度目。謝って済む問題じゃないでしょう!』

男「……昨日の2年前、休みだった俺は中年女に対する恨みが募って退職覚悟であの女を引き摺り降ろそうと手頃なボイスレコーダーを買った。その頃には俺と友が仕事に顔を出すだけで好き放題に言われてたから、あいつらの暴言、名誉を貶める発言を録るのは簡単だと思った。ついでに自分が所属する病棟スッタフの醜さをさらけ出そうと思った。でも、その機会はなくなってしまった」

杉下「昨日の二年前、友さんの亡くなる前日に何かあったのでしょうか?」

男「ボイスレコーダーを買った後、中年女から着信が着た。電話に出ると今すぐ病院へ来いと。仕事のことで何かしたのかという不安と筋の通らない説教を受ける不安を抱えながら俺はボイスレコーダーをいつでも作動できるように準備して病院へ向かった」


男『友! お前どうしたんだ。こんなところで』

友『中年女さんに仕事終わった後呼ばれて…、男も呼ばれたの? たしか今日休みだよね?』

男『…ああ』

カチッ

中年女『あんた達よく来たね』

男「何のことはない。呼ばれた理由はただの筋の通らない説教だった。退職覚悟だったから俺は反論したんだ。俺自身の非のある部分は正直に話した。でも他の先輩達の連携の悪さが俺達が避難を受ける起因になってるんだと話したら…」

友『男の言う通りです。看護師として未熟な僕があまり先輩達のことを悪く言いたくないですけど、申し送りで重要なことを伝え忘れるし、苦痛を訴えてる患者さんの対応が人によって極端に違うし、何より患者さんの聞こえる場所で僕達はともかく、他のスタッフや患者さんの悪口がひどすぎます』

男「珍しく友も反論していたんだ。するとあのババア」プルプル

中年女『…最近反抗気味な男くんはともかく、友君あなたも私に楯突くの』プルプル

友『僕達はともかく、患者さんだってここのスタッフに不信を持っているんです。このままだと患者さんに迷惑がかかります。医療に携わる者としてそれだけは』

中年女『半人前にもなってない馬鹿男が偉そうな口を聞くなあああああああああ』

ドーーーーーーン

男『(机を派手に蹴りやがった。それにしても息子云々は何だったんだよ)』ポロポロ

中年女『ねえ友君、あなたが報告を怠ったことでそのまま亡くなってしまった患者がいたわよねえ』

男『友は報告した! でもそれを受けた先輩が!』

中年女『あんたは黙ってろ! ねえあなたの所為で亡くなった患者がいるのにどうしてそんな生意気な口を聞けるの。この人殺し看護師が!!!』

友『!!!』

中年女『もう疲れたわ。私はもう帰るわ。はあ、明日も早いのにこんなことで私を残らせて』

友『男…僕……』

男『気にすんなよ友、お前はあのとき出来る精一杯をやったんだ』

友『でも僕がもっと積極的に動いていればあの患者さんは…』

男『あの患者さんは先生の所見では発見が早かったところで助からない可能性が高かった
んだから』

友『助からないって、男も先輩と同じこと言うんだね』

男『いやそうじゃない、俺が言いたいのは自分が悪いって思わないで欲しいんだよ。偉そ
うなこと言うけどさ、患者さんが助かる助からないはともかく、俺達看護師は患者が
出来る精一杯の仕事をするべきなんだよ。その点ではお前は確かにあのとき出来る精
一杯をしたんだからそんなに自分を追い詰めないでくれよ』

友『………男ありがとう。男には迷惑かけちゃったね』

男『いや、俺は別に』

友『もう、男には迷惑かけないようにするから。中年女さんにも……』

男『お前この期に及んでまだあの馬鹿上司を』

友『男、じゃあね』

男『お、おう』

男「……………グスッ………………あのとき、どうして俺はあいつの『迷惑かけない、じゃあね』の意味に気付けなかったんだ。人殺しは俺もじゃないか…」

亀山「まさか友さんは」

男「ええ次の日、つまり2年前の今日自分の部屋で自殺したんです」

うわぁ…

男「自分が関わった患者さんが亡くなったとき、あいつは酷く自分を責めた。そのときは俺と中年女が何とか励まして持ち直したんです。あいつの心の傷をあの中年女は知っていた筈なのに」

杉下・亀山「……」

男「説教を受けた次の日も休みだった俺は看護部長、事務長、臨床心理士といった人間にのしてきたこと、前日突然呼び出されて言われた暴言を録ったレコーダーを聞かせた。上の人達はまあ証拠もあったおかげか、その日日勤で来てる中年女と友を呼び出した。中年女は最初機嫌の悪い顔をしてたけど俺と看護部長の顔を見て、更にレコーダーを再生させるとすぐに顔色を変えた」

杉下「あなたは結構大胆な方なんですねえ」

男「あのときだけはとても痛快でしたよ。でも、中年女は来ても友が来なかった。中年女は無断欠勤だって言った。昨日あれだけのことを言われたら休みたくもなる。皆そう思ってた。でも、昨日のことで心配になった俺はその後アイツの住むアパートへ行った」

>>49 訂正


説教を受けた次の日も休みだった俺は看護部長、事務長、臨床心理士といった人間にのしてきたこと →×


説教を受けた次の日も休みだった俺は看護部長、事務長、臨床心理士といった人間に中年女のしてきたこと

玄関のチャイムを鳴らしても誰も出なかった

何となくドアノブを回すと扉は普通に開いた

玄関の扉を開いた先に人影はなかった

胸騒ぎを感じた俺は扉を開けっ放しにしたまま部屋の中に急いで入った

リビングの中には誰もいなかった

でも一枚の紙切れを見つけた

『父さん、母さん、出来の悪い息子でごめんなさい。姉さん、夜遅くに電話をかけてごめ
んなさい。男、ありがとう。中年女さん、迷惑をかけてすみませんでした。友』

あいつの手書きの手紙?

何の手紙だよ

ありがとうって何だよ

お前に感謝されるようなこといつしたんだよ

友『………男ありがとう。男には迷惑かけちゃったね』

友『もう、男には迷惑かけないようにするから』

友『男、じゃあね』

男「と…も…、どこだよ。どこにいるんだよ。友―――――――――――」

玄関近くのところから明かりがもれている気がした

あそこにも部屋?

風呂場かトイレか?

男「友―――――――――――」

ガチャ

扉を開けるとそこは風呂場だった

風呂場には俯いた様に背中を丸くして座り込んでる友がいた

男『友お前心配し…』ガタッ

男「え?」

友の胸に何か…そうナイフの柄のみたいなのがあって……その周りは何か紅くて………

男「うわああああああああああああああああああああああああ」

男「その後、俺の悲鳴を聞きつけた他の部屋の人達が来て、そのまま通報されて、いつの間にか警察がゾロゾロ集まっていました。死因はナイフでの左胸への一突き。手書きの手紙が決め手になって友は自殺したと断定された」

亀山「何も死ななくてもよかったのにな」

男「…そう思います。でも、そこまで追いやったのはあの人殺し中年女なんです。友は信じていたのに。その弱みに付け込んであの人殺し女が、でもあのとき俺があいつの異変に気づいていたら」

??「もうやめて、男君」

男「友姉さん」

友姉「それ以上弟のことで他人を恨んだり、自分を責めたりしないで。そんなあなたを見るのはとても悲しいわ」

男「すみません」

友姉「この人達に昔のことを話したの?」

男「ええ、すみません。気が立ってしまって、誰かに言いたくて、この人達警察の人らし
いんですけど友のことも含めて昔のことを話してしまいました」

杉下「警視庁特命係の杉下申します」

亀山「元警視庁特命係の亀山といいます」

友姉「警察の方?」

男「都市伝説で有名な人達なんです」

友姉「それは知らないけど男君。ひょっとして中年女さんがここに来ていたの?」

男「! どうしてそれを」

友女「普段の君は冷静なのに中年女さんに会うといつも興奮して乱暴な感じになるから、
2年前の弟の通夜でも去年の命日でも君はそうだったから。私だって中年女さんに
思うところはあるわ。でも人殺しとかそんな言葉を使ってはダメよ。相手がどうい
う人であれ、その言葉を使った人だって良くない目で見られるんだから」

男「すみません」

杉下「一つよろしいですか?」

友姉「何でしょう」

杉下「お一人で来られたのですか?」

友姉「……ええ、まあ」

男「杉下さん、亀山さん。長い話を聞いてくれてありがとうございました。僕はそろそろ帰りますね」

亀山「俺達も帰りましょうか」

杉下「そうしましょうか」

帰り道


亀山「しっかしあの様子だと話して気が紛れたって感じしないっすね」

杉下「そうですねえ」

亀山「……何か気になることでもありますか?」

杉下「おや、どうしてそう思うのです」

亀山「右京さん、何年あなたと相棒をやってたと思ってるんですか」

杉下「それもそうですねえ」

アリス放送日まで完結出来そうにない

終わりか?何の事か分かっていないが乙

終わりなら終了宣言は欲しいんやけど、これは宣言として受け取ってええんやな?

すいません、まだ終わりじゃないです。独り言みたいなものです。レスを一つ使ってすみません。

把握した

問題ない、支援支援

>>56訂正

男の一人称

僕→俺

亀山「ところで右京さんの方はパワハラとかどうなんですかね?」

杉下「はい?」

亀山「いやあまり心配はしていないんですよ。俺が特命係にいたときも上からの圧力ってやつがたくさんあって嫌がらせも散々受けたけど結果的にいつも無事に済みましたから。ただ小野田官房長が亡くなった今は辛い目に遭ったりしてません?」

杉下「心配はいりませんよ。みんな特に変わりはないですねえ。それに昨日は中園参事官に何故か『ありがとう』ってお礼も言われましたからねえ」

亀山「中園参事官が!? いや参事官はそりゃあ俺が特命係にいたときもたまに俺達を助けてくれたりしてましたけどお礼言う人じゃなかったはずだ。何があったんだ? 内村刑事部長と責任の擦り付け合いをしたとか」

杉下「君は本当に時々鋭いことを…いや、この話はやめましょう」

亀山「そうっすね」

中園「ヘックシュ!」

内村「どうした参事官、風邪か? だとしたら体調管理がなっていないと判断される。自分の体も管理出来んとは警察の恥だ!」

中園「ハッ! 申し訳ありません」

内村「まあここの所ストレスが溜まっていたのだろう。今日は早く帰るといい」

中園「ありがとうございます」

中園(ストレスの大半はアンタだよ!)

カチッ

男「あんた何しに来たんだよ。友の墓の前でも忠告しただろ」

「息子の墓に来たのね」

男「すみません、友母さん」

友母「男君は気にしないで。それであんたは何しに来たのよ」

中年女「・・・二年前の御宅の息子さん への非 をお詫びに来ました。二年前、私はあなたの息子である友さんの信頼を裏切り、追い詰め、自殺に追いやりました」

友母「出てけ!!」

友母は中年女に平手打ちをした

中年女「・・・っ」

友母「あんたが頭下げようが何しにようが友はもう戻って来ないのよ! 真面目で言い訳なんかしないあの優しい子を、あなたはそこにつけ込んで他の看護師と一緒になってあの子を弄んだ、苛めた。人の命を預かる人が聞いて呆れるわ」

中年女「友君のお母さん、あなたの言う通り確かに私は自分の醜い心で友君の信頼を裏切りました。言い訳はしません。何故私もあんなことをしてしまったのかと悔やんでも悔やみきれません」

男「じゃあ死ねよ」

中年女「え?」

「男君! 言い過ぎだ!!」

男「嘘だよ。あんたの汚い命でも釣り合わねえよ。あんたが何したって友は帰って来ない。あんたに壊された心だってもう直らない、俺も友も」

中年女「男君・・・」

男「ねえ人殺し、反省してるっていうなら、どうしてアイツが生きていたとき少しでも自分の非をあんたは認めなかったんだ! あの日あんたが俺達に言った言葉は今でも持ってる。あの日のあなたの言葉をもう一度聞かせてやろうか」

「男君、落ち着きなさい!」

中年女「男君、友君のご両親方、私がしたことは私が何をしたところで絶対に許されることではないと思います。でもどうか、これを受け取ってもらえないでしょうか」

中年女はとても厚い封筒を2枚差し出した

友母「馬鹿にしないで!」

友母は封筒を叩き返した

バサッ

大量の万札がこぼれた

友母「あの子を殺した罪をお金で許せっていうの! それを私達に受け取らせて少しでも償えたと思いたいの!? ふざけないで!!」

「お母さんもうやめて!」

深夜 亀山薫 飲みの帰り道


亀山「フー、今夜は酔っぱらてしまいましたよと。こんな状態でホテルに戻ると美和子に怒られそうだから酔い冷ましに寄り道して帰るか」

亀山薫は人気のない道を歩く

亀山(それにしても男君は大丈夫かねえ。中年女さんに関して話す彼の顔、殺意が込められた表情だ。あれを放っておくと取り返しのつかないことが起こりそうだ。・・・俺に、特命係を去った俺に何か出来ることはねいのかねえ)

亀山(道の先に誰か立ってる。その横にも誰かいる・・・いや、倒れてるんだ! )

タッタッタ

亀山「ちょっとそこの立ってるお兄さん。大丈夫ですか! この人、横になって倒れてるみたいですど・・・
って君は男君!?」

男「・・・亀山さん・・・」

亀山「どうした!何かあったのか!? この倒れてる人は・・・うわあ!!」

俺が男君の隣に倒れている人物に目を向けると、そこには身につけていた服を紅く染め、ナイフの柄のようなものを胸に突き刺され、すでにこときれていた中年女さんの身体があった

亀山「男君、これは一体!?」

男「・・・亀山さん、俺・・・・・・・・・」








男「中年女さん、殺しちゃった」

おお!?

数分後 亀山薫死体発見現場にて

人気のない通りにパトカーのサイレンが鳴り響く



亀山「男君、どうして…どうして君が!」

男「俺は…俺は……」

杉下「亀山君!」

亀山「右京さん来てくれたんですね!」

杉下「ええ、どうやら警察が来る前に早く着いてしまったようです」

亀山「夜遅くにすみません」

杉下「構いませんよ」

杉下は呆然と立ち尽くしている男の姿に目をやり、その後仰向けに倒れている中年女に近づいた

杉下は死体となった中年女の体を調べる

亀山「男君、警察に後で同じことを聞かれるかもしれないが今から俺の質問に答えてくれ」

男「……」

亀山「君はこのひと気のない通りで中年女さんとどうしてこの夜遅い時間にいたんだ」

男「……中年女さんに呼ばれたんです。メールで…ここへ」

亀山「ここへ?」

男「はい。それがこのときのメールです」

from:×××@××ne.jp  21:00

『夜遅くに失礼します。至急どうしても会って話したいことがあります。23時に××にて会ってもらえますか?』

亀山「? これ本当に中年女さんからなの? 宛先がメールアドレスだけど」

男「2年前、病院を辞めた際に登録を消しました。でもアドレスは大体覚えていたんで…」

亀山「このメールが中年女さんからきたものだと思った、か」

男「はい」

亀山「まあ後で中年女さんの携帯電話のメールの送信記録を見れば分かることか」

杉下「今のところ分かることはこのくらいでしょうか」

亀山「右京さん、何かわかりましたか?」

杉下「詳しいことは検視をしないとわかりません。一通りみてわかったのは死因は左胸部への鋭利な物による一突き。あの刺されている柄の物からしてその類のものでまず間違いないでしょう。ただし、死体には左胸部への凶器の他に…」

?「お母さん!」

?「お母さん!」

男「あ!」

亀山「悪いけどまだ近づかないでもらえるかな」

?「どうして? ねえお母さんはどうなってるの? 教えて!!」

杉下「この女性の方は残念ながら亡くなっています」

?「嘘…どうして…まさか…」

男「俺が殺したんです。女さん」

女「あなたは!……あなたが…殺した?」

男「ええ、俺が殺したんです」



杉下「お二人は、お知り合いなのですか?」

??「その辺りの詳しい事情、後で詳しく聞かせてもらいましょうか」

亀山「お前は……芹沢!」

芹沢「お久しぶりです、亀山先輩!」

??「ったく、帰ってるなら俺達にも連絡よこせよ。水臭いじゃないか」

亀山「特命係と違って忙しいと思ってたんで…三浦さん!」

三浦「ま、それもそうなんだけどな」

??「そうですよ。捜査一課はともかくどうして私にも連絡くれないんですか。いつも私はあなた方の味方だというのに」

亀山「すいません。あんたには教えればよかった。今まであなたには沢山世話になったし…米沢さん!」

米沢「いやあ4年ぶりに見ると逞しくなりましたなあ」

芹沢「お久しぶりです、亀山先輩!」

??「ったく、帰ってるなら俺達にも連絡よこせよ。水臭いじゃないか」

亀山「特命係と違って忙しいと思ってたんで…三浦さん!」

三浦「ま、それもそうなんだけどな」

??「そうですよ。捜査一課はともかくどうして私にも連絡くれないんですか。いつも私はあなた方の味方だというのに」

亀山「すいません。あんたには教えればよかった。今まであなたには沢山世話になったし…米沢さん!」

米沢「いやあ4年ぶりに見ると逞しくなりましたなあ」


??「なーにが逞しいだ。事件のあるところに特命係。警察辞めても特命係の人間気取りかあ!」

杉下「これはこれは、みなさん勢揃いですねえ」

亀山「芹沢、三浦さん、米沢さんときてこいつがいないわけ無いでしょ」

米沢「か、亀山さん! 私を捜一トリオと一緒に括らないでもらいたいですなあ」

??「そりゃあこっちのセリフだあ米沢!」

芹沢「先輩、そろそろあのセリフ4年振りに言ってくださいよ」

三浦「神戸とカイト坊ちゃん、そして警部殿ではいつも張り合いなさそうだったもんな」

??「…じゃあお言葉に甘えて。猫の手は借りても亀の手は借りねえ。つーか警察辞めた癖に現場に出しゃばってくんじゃねえ。それにたった4年で日本に戻ってきてんじゃねえ」

??「でサルウィンで今現在も海外活動中の筈の元警視庁特命係の………」









伊丹「か~め~や~ま~!!!!!!!」

いいな…

だが横で被害者の娘聞いてるんだよなコレwww

いいぞいいぞ④
トリオザ捜一は神戸さんのことソンってよぶけど④

終わるやったら宣言欲しいんです、今日まだ続くのか分らんのです………

取り敢えず、乙ー

>>78訂正

78は飛ばしてください

>>82

不謹慎かもしれないけどどうしても外せなかったwww

>>83

三浦さんも! 以後気おつけます

>>84

このssを見てくれてありがとうございます。宣言するようにします

>>81訂正

??「でサルウィンで今現在も海外活動中の筈の元警視庁特命係の………」

最初の『で』はなし

他にも誤字・間違いが多すぎる…

亀山「よ~お~伊丹―! 今じゃその掛け声、すごい懐かしくなるなぜ」

伊丹「うるせーこの亀が! 大体お前何で現場にいるんだよ」

杉下「彼は今のところ死体の第二の発見者ですからねえ」

伊丹「ったく、警察辞めて久々に日本に戻ってきて死体発見ね。何だか悲しいもんだな。ま、取り敢えず今は現場検証だな。お前にも後で話聞くからしばらくそこで待ってろ」

警視庁捜査一課伊丹の率いる警察の人間達が現場検証を開始した

伊丹は現場を指揮し、三浦さんと芹沢の二人は被疑者と思われる男君のパトカーの中で簡
単な事情聴取を行っていた

俺はと言うと、警察の人間ではなくなった為、現場から連れ出され黄色のテープの外側にいた

何というか、もうあの中には入れないんだよな俺

女「お母さん、お母さん…ごめんなさい」シクシク

亀山「君、中年女さんの娘さんの女さんって言ってたね」

女「…はい」

杉下「我々にあなたがここに来た経緯を教えてくれませんかねえ」

亀山「右京さんいつの間に!」

杉下「一通り現場は見てきたので。いつまでもいると僕も一課の刑事達の捜査の邪魔をしてしまいますから」

亀山「一通りのことはわかったんでしょう。右京さんのことだから。…話は戻るけど女さん、話を聞かせてくれ。中年女さん、男君のことに関して君は思う所があるかもしれない。でも俺には、根拠はないけど男君がただ中年女さんを殺したとは思えないんだよ」

女「わかりました。お話します」

女「私は中年女の娘の女と言います。事情があって、父の性を名乗ってますけど」

杉下「それは2年前の出来事がきっかけでしょうか」

女「刑事さんは知ってるんですね。…母が2年前、一人の看護師を自殺に追いやったことを。その通りです。その看護師の自殺は世間にも広く広まって、母はいろんなところから非難を受けました。……私もみんなからいろいろ言われました」

『見てあの子、中年女さんの娘よ』

『あの子も母親と同じ様に酷いことする人間になるのかしら』

『あんたの母親、こういう所があんたと似てるよね』

『ヒソヒソ ヒソヒソ』

『お前は犯罪者の娘』

『お前は人殺し』

女『どうして! どうして私までお母さんのせいで!!』

中年女『ごめんね…』

女『ごめんねじゃないでしょお母さん。私はお母さんみたいな看護師を目指してた。お母さんみたいな看護師になりたいって思ってた! それなのに…お母さんが一人の人間を貶めて信頼を裏切る真似をするひとだなんて思わなかった!!』

中年女『う…うう……』ポロポロ

女『私、出て行くから。私はお母さんみたいな誰かの心を壊す人間になりたくない。自分の姓も離婚していなくなったお父さんの姓を名乗るから。じゃあね』

女「社会的に許されないことをした人間の身内が受けるよくあることから少しでも逃れる為に私は姓を変えました」

杉下「なるほど」

亀山「2年前のことで君はお母さんと決別した。でもさっきの君はとても心配そうに中年女さんの所へ近づいた」

女『お母さん!』

女『お母さん!』

女『ねえお母さんはどうなってるの? 教えて!!』

杉下「あなたが一度決別した母親に対して今日、心配しながら自分の母親へ駆け寄るまでの経緯も話してもらっていいですか」

女「わかりました」

女「確かに一度は母のところを去りました。去った後も母に対する憎しみで一杯でした。
でも母のしたことのほとぼりが冷めたある日、私は母の家に置いてきてしまったもの
を取り戻そうとして戻ったんです。家の中に入ると…」

女『お母さん? 何そのナイフ? 何してるの!? 止めてよ!!』

中年女『女…来ないで……私は…』

女『お母さん…死なないで』ポロポロ

女「母は許されないことをしました。謝っても、誰かに頭を下げても、…何をしても。
でも、目の前で自分の命で償おうとしてる母を見て私は死んで欲しくないって思った。周りがどう母を許さなくても、死んで欲しくなかった」ポロポロ

亀山「右京さん…中年女さんは友さんの死にそれほどまでに後悔していたんですね」

杉下「そのようですねえ」

女「必死の説得により母は自殺を思いとどまりました。母への憎しみも忘れて私はときどき母の元を訪れては母の様子を伺っていました。思い止まったとはいえ、母の心は薄い硝子の様に簡単に割れそうだったから」

女『お母さん、ちゃんとご飯食べてる?』

中年女『食べてるわ。ごめんね心配かけて』

中年女『ねえ女』

女『何お母さん?』

中年女『私が言えた義理じゃないけど、どんなに自分の気持ちに余裕が無くなっても他人に当たることはしないでね。それと、社会で生きていくには他人に合わせて生きることも必要になるわ。でも他人に合わせることで冷静さを見失う自分にはならないでね』

『最低女』

『あの人が友君を追い詰めたんだよね』

『友君にきついこと結構言っちゃったけど本当は私あの人に逆らえなかったのよね』

男『この人殺し』

女「…っ」ギリッ

杉下「どうしました?」

女「! あ、いえ」

亀山「大丈夫ですか?」

女「大丈夫です。母は私が見てて心が危うい感じだったんですが、それでも自分のしたこ
とから逃げず、亡くなった友さんの家族の所、…男…さんのところへ時々謝罪しに行
ってました。でも、すべて謝罪は受け入れて貰えず、今日も友さんの命日に友さんの
実家に行ったんですけど、追い出されちゃって」

亀山「中年女さんは墓参りの後、友さんの実家へ行ったのか」

女「一旦、家に戻って来たんですけど…男さんにどうしても話したいことがあるって言ってメールでこの辺りで会う約束をした後、家を出たんです。…でも、心配になって母が家をでてからあまり時間の経たないうちに私もここに来たんです。そうしたら、男さんと亀山さん、そして倒れていた母が!!」

杉下「成程、そういう経緯だったのですね。話してくれてどうもありがとうございました」

亀山「ごめんね。つらい話をしてもらって」

女「いえ、でもあの、杉下さん、亀山さん」

杉下「どうしました?」

女「男さんは…母を殺したって話してるんですよね」

亀山「…俺が倒れていた中年女さんと男君を見たとき、男君ははっきり俺に言ったよ」



男『・・・亀山さん、俺・・・・・・・・・』

男『中年女さん、殺しちゃった』

女「…そう…ですか」

杉下「何か気になることがありますか?」

女「さっき亀山さんが言った通り、男…さんがただ母を…殺したとは思えないので…」

杉下「そうですか」

亀山「事件と関係ないこと聞くんだけど、今の君は男君にどういう気持ちがあるのかな」

女「…男さんは亡くなった友さんと一緒に酷い目に遭ってたから母が恨まれるのは仕方ないのかもありません。…でも、あの人の尖った言葉で傷つく母を見ていたので私は男さんに腹の立つ思いがあります。今だってあの人の母に対する恨みで殺されたのだとしたら…許せないです」

亀山「そっかありがとう」

伊丹「よお待たせたなあ。亀山と女さんあんた達にも話を聞かせてくれ」

杉下「女さん、最後にもう一つだけ」

女「何でしょう」

杉下「中年女さんのご自宅はここから歩いてとても近いのでしょうか?」

女「はいその通りですが何か?」

杉下「いえ、どうもありがとう」

今日はここまでです

乙ー
カイトや神戸は出ねぇか、流石に

出しづらいと思うな

乙乙

おつー

もうこないのか?

その後俺と女さんは伊丹達に事情を聞かれた。
話した内容は俺が男君を発見したときの状況と経緯、女さんとの先程の会話のことを話し
て解放された。



伊丹「あなたには母親のことでまた事情を聞きにくることがあるかもしれません」

女「…わかりました」

伊丹「おめーにはもう用はねえからな。さっさとサルウィンに戻りやがれ」

亀山「この野郎」

伊丹「じゃあなー、元警視庁の特命係の亀山~」

女「私も今日はもう帰ります」

亀山「もう辺りは暗いし、家まで送っていきましょうか?」

女「いえ大丈夫です。本当にすぐ近くなんで」

亀山「女さん、もし何かあったらこれに電話してくれる?」

亀山は自分の携帯電話の番号を書いた紙を女に渡した

杉下「亀山君? 君はこの事件に関わろうというのですか? 君は警察ではなく、しかもいつまでも日本に滞在できないのでは?」

亀山「右京さん、確かに俺はもう警察じゃないし、いつまでも日本にはいれないです。でも俺、見過ごせないんですよ。事件のことと、男君のこと」

女「……」

亀山「男君、墓参りの時は中年女さんに酷いこと言ってたけど本当はあんなこと言っちゃダメだって自分でわかってたじゃないですか。悩みを聞いてくれって俺達に言ってたじゃないですか。危うい感じはあったけど彼がいきなり中年女さんを殺すなんて信じられないんです。きっと何かあるはずなんです。俺、日本にいれるギリギリまで俺なりに事件を追うつもりです」

女「…あの人は母を殺してない…か…」

亀山「女さん! ごめんね。お母さんが酷いこと言われてきてその上、亡くなったばかりなのにこんなこと君の前で」

女「いえ、私も男…さんがただ母を殺したとは思いません」

杉下「何故? そう思うのでしょうか」

女「…何となくです。それじゃ亀山さん、私に協力できることがあったら連絡をお願いし
ます。私もこの事件の真相は知りたい」

亀山「ありがとう女さん。気をつけて帰ってね」

女「はい」

杉下「君は本当に変わりませんねえ。気にかけた人間を放ってはおけないところは」

亀山「甘いって思われるかもしれませんけど、見過ごせないですから」

杉下「何だかとても懐かしい感じですねえ」

亀山「俺も何だか右京さんと相棒組んでた時の感覚を思い出してきましたよ」

杉下「それはそうと君はどうやってこの事件を調べるつもりなんですか。一般人となった君にはいろいろ行動に制限がつきますが」

亀山「日が明るくなったら男君が墓参りの後の行動を調べようと思います。友さんの実家に行ってたらしいですから、そこに行ってみます」

杉下「そうですか。では僕は警視庁で男君の事情聴取、米沢さんから現場のことについて聞いてみます」

亀山「右京さんも協力してくれるんですね! 助かります」

杉下「勿論です。この事件は腑に落ちないところが確かにありますし、それに僕も黙って見過ごすことはできませんから」

久しぶりですが今日はここまでです

乙ー
ゆっくりでも完結してくれればそれでええから、頑張ってくれよー

乙―

でも、原作だと登場人物の口から「相棒」って言葉が出ることって稀だよね

ここぞという場面で何回かは言ってるって感じだね
杉下さんも一回くらいは言ってたっけ?

翌日 午前 警視庁 取調室

杉下右京は伊丹達が男に対して行う事情聴取を隣の部屋からマジックミラー越しに見る。



伊丹「被害者とは昔の職場の上司と部下の関係だった」

男「はい」

伊丹「職場の人間関係でトラブルになりあなたと、あなたと一緒に入職した友人は度々嫌な思いを受けた」

男「酷いいじめを受けたって言ってくださいよ。友はそれが原因で自殺したんですから」

伊丹「あなたは自殺した友人とあなた自身が受けたいじめの証拠を当時の上の人間に突きつけ亡くなった被害者を社会的に制裁した」

男「その通りです。でも、それでも俺は中年女さんへの恨みを消せなかった。ふと、2年
前のことを思い出す度に、たまに顔を合わせるだけで殺意が湧きました」

伊丹「そして昨日あなたは亡くなった友人の墓参りで被害者に会った」

男「はい、特命係の2人が証人です」

伊丹(あの亀…)

芹沢「あなたは特命係の2人と昔の話をした後、友さんのお姉さんと会ってしばらく話してから霊園所を去ったんですね」

男「ええ、友姉さんにたしなめられたんですよ」

三浦「その後あなたは友さんの実家に行った」

男「はい、仏壇にも1本線香あげたくて、でも行ったら」

伊丹「被害者とまた会ったと」

男「はい」

回想  昨日の夕方 友の実家


カチッ

男「あんた何しに来たんだよ。友の墓の前でも忠告しただろ」

「息子の墓に来たのね」

男「すみません、友母さん」

友母「男君は気にしないで。それであんたは何しに来たのよ」

中年女「・・・二年前の御宅の息子さん への非 をお詫びに来ました。二年前、私はあなたの息子である友さんの信頼を裏切り、追い詰め、自殺に追いやりました」

友母「出てけ!!」

友母は中年女に平手打ちをした

中年女「・・・っ」

友母「あんたが頭下げようが何しにようが友はもう戻って来ないのよ! 真面目で言い訳なんかしないあの優しい子を、あなたはそこにつけ込んで他の看護師と一緒になってあの子を弄んだ、苛めた。人の命を預かる人が聞いて呆れるわ」

中年女「友君のお母さん、あなたの言う通り確かに私は自分の醜い心で友君の信頼を裏切りました。言い訳はしません。何故私もあんなことをしてしまったのかと悔やんでも悔やみきれません」

男「じゃあ死ねよ」

支援

「男君! 言い過ぎだ!!」

男「嘘だよ。あんたの汚い命でも釣り合わねえよ。あんたが何したって友は帰って来ない。あんたに壊された心だってもう直らない、俺も友も」

中年女「男君・・・」

男「ねえ人殺し、反省してるっていうなら、どうしてアイツが生きていたとき少しでも自分の非をあんたは認めなかったんだ! あの日あんたが俺達に言った言葉は今でも持ってる。あの日のあなたの言葉をもう一度聞かせてやろうか」

「男君、落ち着きなさい!」

中年女「男君、友君のご両親方、私がしたことは私が何をしたところで絶対に許されることではないと思います。でもどうか、これを受け取ってもらえないでしょうか」

中年女はとても厚い封筒を2枚差し出した

友母「馬鹿にしないで!」

友母は封筒を叩き返した

バサッ

大量の万札がこぼれた

友母「あの子を殺した罪をお金で許せっていうの! それを私達に受け取らせて少しでも償えたと思いたいの!? ふざけないで!!」

現在

男「………」

友実家

亀山「そんなことがあったんですか」

友姉「ええ、私が実家に来た時には母はとても興奮していて、必死に母をなだめました」


俺は男君の昨日の足取りを追う為に彼が墓参りの後に訪れた友さんの実家を訪れていた。
ここの家族から昨日の男君の様子を聞こうと思ったのだが

友姉「ごめんなさい、母は友の命日の日はいつも不安定な状態になって、昨日、中年女さんが訪れたことで更に助長した感じになって…今の母からはまともなことを聞くのは難しいと思います。父は仕事ですし、なので私が知ってる限りのことで」

と、友姉さんから話を伺うことになった

友姉さんも友さんの墓参りの後に買い物をした後、実家に寄り、中年女さんを男君、友母さんが罵倒しているところに出くわしたらしい

今日はここまでです

あまり話が進まなくてすみません

乙ー

そして自分の母親と男君をすぐになだめたそうだ

友姉「男君は我に返ったようにすぐに落ち着きました。ですが、母は興奮が治まらなくて、父に連れられて家の中へ戻りました。中年女さんにはお金を返した上ですぐに帰ってもらいました」

亀山「それから男君はどうしたんですか?」

友姉「帰ろうとした男君を引き止めて私はしばらく話をしました」

回想



男「すみませんでした、友姉さん。友の墓の前でこんなことしちゃいけないって言われたばかりなのに」

友姉「友の姉として、君と友と同じだった看護師として中年女さんのしたことは正直許せないわ、今でも。友のお墓に、この家に来るのだって嫌な気持ちになる。お金で許しを乞うとすることだって」

男「友姉さん…」

友姉「許せない気持ちは確かに同じだけど、さっきまでの君はとても怖かったわ。君はあの時、中年女さんに死ねよって言った言葉とそのときの表情」

男「…」

友姉「無感情に人を躊躇いなく殺しそうな、そんな怖さを感じたわ。いえ、今だって君の方が怖い。そして思った、君が中年女さん向ける言動は友を自殺に追い込んだ中年女さんと同じじゃないかって」ブルブル

男「俺は…」

友姉「君に以前、友が自殺する前のボイスレコーダーを聴かせてもらったわね。人が抱えている弱い心を知ってて傷つける。先に傷つけたのは中年女さんだけど、2年前の中年女さんとさっきの君とで一体何が違うの?」

男「…」

友姉「さっき自分が放った言葉と気持ちをもう一度思い出して。君がどんなに中年女さんのことを許せなくても、あの時の君には共感できない。君がもし、あの言葉を嘘でもまた使うことあったら、そしてまた中年女さんを酷い言葉で罵倒するようなことをするなら、君も友のお墓とこの家と私達家族の所にはもう来ないで。君の言動は君が関わる人間すべてを巻き込んで不幸にするわ」

男(人がされて嫌なことを今度は俺がしてる?…今の俺は2年前の中年女と嫌な先輩達と変わりない…?)

『お母さんもうやめて!』

男(俺は…)

ピピピ

男(メールの着信?)

from:×××@××ne.jp 

男(登録してないメールアドレス。このアドレスは…)

『夜遅くに失礼します。至急どうしても会って話したいことがあります。23時に××に
て会ってもらえますか?』

現在 警視庁 取調室

伊丹「そして時間通りに待ち合わせ場所に行き、そこで会った被害者をナイフで刺し殺したんだな」

男「そうです」

三浦「お前、被害者に会う前に友姉っていう人に諭されてたんだろ。何でその後すぐに人を殺したんだよ」

男「それでも許せなかった。だから殺した。それだけですよ」

芹沢「許せないって言う割に随分淡々としてるね君。そんな感じで被害者も殺しちゃったの?」

男「別に…やることやったからちょっと気が抜けてる感じってとこかな」

伊丹「てめえふざけてんじゃねえぞ。人殺して何だその態度は。動機は怨恨かと思ったが、てめえの態度見てると人を殺したかったから殺したって感じに見えんだよ。自首して殺した動機を怨恨みたいな言い方すんのは裁判の際に少しでも自分の酌量の余地を上げるって魂胆か」

男「別にそんなせこい考えしてないですよ。どんな理由があっても自首をしたとしても
殺人は許されないですよ。そんなので正当化するくらいなら最初から人を殺しませ
んよ。はっきり言いますけど中年女さんを殺したことなんて全然俺は反省なんかし
てませんから。そうでなかったら殺したりしませんから」

伊丹「お前なあ」ガタ

三浦「おい、落ち着け」

芹沢「先輩、座りましょう」

男「話すことは昨日と今日で大体話しましたよ。こんなこれ以上進展のない取り調べは終わらせて早く俺を送検して下さい」



杉下(送検されたがっているように見えますねえ)

今夜はここまでにします

otu

鈴木杏樹さん…

現在 友の実家



亀山「男君は中年女さんからのメールを受け取ったんですね」

友姉「はい、私の話の後に彼の携帯の着信が鳴って中年女さんからメールが来てるって話していました。男君、私の話を理解してくれたのか、それとも中年女さんに言い過ぎたのを自覚してくれたのかわからないですけど」



男『友姉さん…俺、中年女さんに会いに行きます。さっきは確かに言いすぎました』



 友姉「今までの中年女さんに対する憎悪がなくて少し申し訳なさそうな表情で言いましたから」

亀山「そうですか、ありがとうございました」

亀山(友姉さんからの話を聞けば聞くほど分からない。男君、君は友姉さんの話を受けて中年女さんに対して少しは冷静になれた筈なのに、どうして中年女さんに会いに行って彼女を……殺してしまったんだ)

友姉「あの亀山さん、私からも聞いていいですか?」

亀山「あ、すいませんねえ。こっちが突然押しかけて昨日のことを答えてもらったんでどうぞ何でも聞いてください」

友姉「聞きたいのはまさにそのことです。どうして昨日の男君の行動をあなたは聞いたのですか?」

亀山「え~っと、それは…」

友姉「私の話を聞いてくれた男君は少しは落ち着きを取り戻してくれた感じになって中年女さんに会いに行ったみたいですけど、それでも会って逆上して何かしてないかって不安になって彼にメールと電話を何回か掛けました。でも、今も返事が帰ってきません。そんな状態の中、亀山さんがこの家に昨日の彼のことを聞いてきた。まるで彼の足取りを確認するかのように…」

亀山「…それは…」

友姉「亀山さんは警察の方ですよね」

亀山「元です。今は違います」

友姉「元警察の人でもそんな方がこのタイミングで来るなんておかしいです。何かあったんですか!」

??「友姉、あんたまだこの家から出て行ってないのかい」

友姉「え、お母さん」

友母「どうも、友の母です」

亀山「あ、どうも亀山薫です」

友姉「お母さん! 具合大丈夫なの!」

友母「触らないでちょうだい!」ビシッ

友姉「!!」

友母「2年前、友はあんたに助けを求めてたのに、それを無視して見殺しにしたのよ!!」

友姉「そ、それは…」ブルブル

亀山「見殺し? 一体どういうことなんですか!」

友母「2年前、友が自殺する直前、友は家族で一番慕ってた、あんたに自分の悩みを相談しようと電話をした。あんたも看護師だから同じ職業柄の悩みを時々、あんたにしていた」

友姉「……」

友母「でも、あんたは友の悩みをいつも真剣に聞こうとはしなかった。友が鈍臭いから、新人は最初はそういうものだから我慢しろとか」

回想 2年前



トゥルルルルル

友姉「誰よこんな夜遅くに…って友か。久しぶりね、あの子から電話なんて。でもこんな時間に電話なんて不謹慎よ」ピッ

友『あ、姉さん久しぶり。夜遅くに電話してごめ』

友姉「ごめんって言うくらいなら電話してこないで! 今何時だと思ってるの!!」

友『ご、ごめん。でもどうしても姉さんに聞いてもらいたいことがあって、姉さん今日も
明日も休みだったからいいかなって思って』

友姉「今日彼氏とデートして疲れたのよ。ったく、あの甲斐性なし」

友『姉さん、彼氏さんと喧嘩でもしたの?』

友姉「あんたには関係ないでしょ!!」

友『ご、ごめん』

友姉「そういうことで私、疲れてるから話を聞くのは悪いけどまた今度にしてくれる。どうせ大方、仕事の悩みでしょ」

友『う、うん。そうなんだけどさ…』

友姉「そんなのまた今度でいいでしょう。看護の仕事なんて最初は新人は辛くあたられるし、ただでさえあんたは鈍臭いとこあるんだから他の人にきついこと言われったて仕方ないわよ」

友『そ、そうだよね。僕が悪いんだよね』

友姉「ええそうよ、結局のところあんたがそんな風に舐められるのが悪いのよ。ただそれだけのこと。分かった? じゃ私、明日は一日中友達と遊びに行く予定だから、朝早いし出かける前の準備(化粧、髪のセットなど)とかで早く寝たいからもう切るわね」

友『うん、夜遅くにごめんね』

















友『さよなら、姉さん』

今日はこれで終わりです

現在



友母「友の遺書には、あんた宛に夜遅くに電話してごめんなさいって書き残されてた。あの子が自殺したことを知らせようとしたとき、あんたは友達と遊んでるから帰りたくないってごねた。そして、こっちが聞いてもないのに友が夜遅くにあんたに電話したことを迷惑そうに話したときのこと、今でも忘れないわ」

亀山「そんな、友姉さん、あなたがそんな」

友姉「……」

友母「自分の弟の助けを無視したバカ娘がよく墓参りに来たり、命日に実家に戻って来たり出来たものね」




昨日 



杉下「一つよろしいですか?」

友姉「何でしょう」

杉下「お一人で来られたのですか?」

友姉「……ええ、まあ」

現在

亀山(だから昨日、自分の弟の命日だというのに家族と一緒に来ないで一人で来ていたのか。友姉さんも中年女さんと同じように負い目を感じて、自分の家族が来る前にひっそりと墓参りを済ませようとしたんだ)

友姉「言い訳はしないわ。あのときの私は自分のことしか考えられない人間で他人の気持ちなんかこれっぽっちも考えたりしないで、いつも自分以外の人間ばかりを責めていた最低な女よ」

そう言って友姉は涙を流す

友姉「……今思えば、友の最後の電話以前の相談から、少し考えれば様子がおかしいことには気づけたはずなのに……、私はそれを煩わしく思って、真剣に耳を傾けなかった。小さい頃から私を慕ってくれて、そんな弟を私はどこか放っておけなくて、世話を焼いたり、ちょっかいだしたりするのが好きだった筈なのに……」

友母「私だってそうよ。大人になったって私にとっては可愛い子供。友が親元をから離れるときが来るなんて考えられなかった。でも、あの子は自立した大人になりたいって思っていたから、私もお父さんも友の意思を尊重してこの家からでていくのを見送ったわ」

友『父さん、母さん。元気でね』

友母「仕事をして辛い目にあっても決してあの子からわたしやお父さんに弱みを見せるようなことはしなかった。あまり連絡をくれない友が心配だったから友が家族で一番慕っていたあんたに友の様子を聞いていたのに…それなのに…どうしてあんたはーーーーーーーーーー」

友母は友姉の首を掴み、掴んだ手に力を込めた

亀山「友母さん、何してるんですか! やめてください!!」

亀山は必死に友母を友姉から引き離そうとする

友姉「…っ」

友母「あんたなんか死んで地獄に落ちなさい!」

バシーン

友母「えっ?」

友母は誰かに頬を平手で殴られたのを感じた

亀山はその隙をついて友母を友姉から引き離した

友姉「ゲホッ、ゲホッ…」

友母「……」

友母は呆然としていた

亀山がふと見るとスーツを着た中年の男が立っていた

友父「自分の娘に何してるんだお前は!!」

友母「あなた…」

友姉「お父さん…」

友父「私は友父といいます。妻が申し訳ありません、大変見苦しいところをお見せしました」

亀山「いえ、大事に至らなくて良かったです。俺はサルウィンで海外支援活動を行っている亀山薫といいます」

友母「あなた、どうしてここに? 仕事に行ったんじゃないの」

友父「ちょっと体調が優れなかったんでな、休みを貰って帰ってきた。お前と久しぶりに帰って来てくれた友姉も心配だったからな。それで戻ってみたら何をしているんだお前は」

友姉「お父さん、私は平気よ。お母さんをそんなに責めないで」

友父「何が平気なもんか。お前は自分の母親に殺されるところだったんだぞ。お前の昔のことがあったからといってお前がそれで死ぬ理由はない。母さん、お前は自分の娘を殺すところだったんだぞ。友と同じくお前がお腹を痛めて生んだ子供にも関わらずにもだ」

友母「わたしは、私は…自分の娘を、友姉を殺そうと…した?」

友父「そうだ。お前は人殺しになるところだったんだ。お前が直接殺さなくても、お前の言動で友姉が自殺でもしたらどうする! それでもお前は人殺しになるところだったんだ!!」

友姉「お、お父さん。自殺なんて大げさよ」

亀山「ならあなたはなぜ首を絞められたとき抵抗しなかったんですか」

友姉「え?」

亀山「俺の思い過ごしかもしれないですけど、まるで死ぬのを受け入れているように見えました」

友父「私にだってそう見えた。友姉、お前がもし自分なんて死んでもいいなんて思っているなら、お前も母さんと同じくらいに馬鹿者だ!」

友父「どんなことがあっても、辛くても、誰かを傷つけた罪の重さに耐えられなくても、死んでいい理由にはならないんだ」

友姉「お父さん…」

友父「…友だって、自分の関わった患者が死んで辛くても、中年女さんに心を傷つけられても、友姉と話が出来なかったからといって、自分が死ぬ必要なんてなかったんだ。私や母さんに連絡しづらかったとしても、本当に辛い時は私達に相談してほしかった。何が出来の悪い息子だ。父さんと母さんはお前をそんな風にみてたとでもいうのか。ならお前を追い詰めてしまったのは私達のせいなのか」ポロポロ

友母「あなた……、ごめんね、友姉ちゃん」ポロポロ

友姉「お母さん、久しぶりに名前で読んでくれた……お母さん」ポロポロ

3人「うわーーーーーーーーーー」

顔も会ったこともない友さん、あなたは俺には想像できない辛い思いをしたんでしょう

それこそ死にたくなるほど

でもあなたが死んだことであなたの家族はこんなにも苦しんで、辛い思いをしているよ

あなたの家族だけじゃない

男君もそうだし、女さん、中年女さんだって……あなたのお墓に頭を下げていた中年女さ
んはとても自分のした過去を悔いているようにみえたよ

あなたが死んだから気付いたのかもしれない

でも、あなたが死ぬ必要はあったのか

男君は中年女さんを殺した被疑者として警察に拘留されている

男君が実際に殺したかどうかはともかく、きっかけはあなたが死んだからだと思う

死ぬときあなたはこういうことになるって分かってたら自殺を思いとどまってくれたのか



3人の泣く声がしばらく響き渡った

今日はここまでです

警視庁 鑑識課



米沢「死因は左胸部へのナイフの一突き、即死でしょうな。ただ中年女さんの死体には」

杉下「腹部にも刺し傷があったのですね」

米沢「ご存知でしたか」

杉下「ええ」

回想 前日の事件現場

亀山「右京さん、何かわかりましたか?」

杉下「詳しいことは検視をしないとわかりません。一通りみてわかったのは死因は左胸部への鋭利な物による一突き。あの刺されている柄の物からしてその類のものでまず間違いないでしょう。ただし、死体には左胸部への凶器の他に…」

現在



杉下(あのとき中年女さんの死体を確認しましたからねえ。その事実を亀山君に話そうとしたところで女さんが現れたので話せずじまいでしたが)

米沢「ちなみに腹部の傷の形状と胸部に刺されていたナイフの形状はほぼ一致しております。もう一つの刺し傷も、あのナイフによるものとみて間違いないでしょう」

杉下「つまり、被害者の中年女さんは腹部を刺されたあと、今度は心臓へ一突きされ亡くなったと」
米沢「そうなりますな」

杉下「ちなみにあの凶器のナイフは誰が持ち出したものなのでしょう」

米沢「男の供述では被疑者の男が家から持ち出したと供述しております」

杉下「それを裏付ける証拠、あのナイフが男君の持ち物だと証明することはできますか?」

米沢「それが男さんは随分前にサバイバル用にどこかの店で買ったけどその買った店を忘れた。自分が家から持ち出したナイフだという一点張りで」

杉下「つまりこの凶器のナイフが男君の物だという判断は今のところ彼の証言だけということですか」

米沢「今のところは…まさか杉下警部は男君は犯人ではないと思っているのでしょうか?」

杉下「少なくとも現時点で男君が中年女さんを殺した犯人だと決めることはできないですねえ。男君が犯人だとして彼はどうして中年女さんをナイフで二度刺したのでしょう。殺すのが目的ならば最初から急所を狙えばいいものをその前に腹部に刺しています。何故なのでしょう」

米沢「ナイフを使って殺人を犯す人間の心理を考えればすぐには殺さずとにかく何度も刺して刺して、そうしている内に死んでしまった、というケースに当てはまるのではないでしょうか?」

杉下「なるほど。怨恨が動機でナイフが凶器になった殺人ではそのような事件も少なくなかったですからねえ。その手の殺人事件の犯人は皆、被害者に深い恨みを持っていてそれが殺し方にでていますからねえ。しかし、男君をそのケースに当てはめる場合お腹を刺した後に急所を刺すというのはいささか中途半端な気がしてなりません」

米沢「確かにならばこうはどうでしょう。男さんは被害者をすぐに殺そうとした。しかし被害者に抵抗、もしくは逃げられてしまい何とか腹部を刺す。刺されたら今度は抵抗も逃げることも難しくなりますから動けなくなった被害者の胸部を目掛けて…というのはどうでしょう」

杉下「確かに抵抗を受けたりするとナイフで簡単に急所を狙うのは難しくなります。しかし、中年女さんが男君に抵抗をしたのであれば両者にその痕跡がなければなりませんよ」

米沢「…被害者には抵抗をしたと思われる痕跡があったのですが、男さんには見受けられなかったですねえ」

杉下「それに逃げたのであれば普通は腹部を刺されるのではなく背中など体の後ろ側でしょう」

米沢「確かに」

杉下「ちなみに凶器のナイフに指紋はあったのでしょうか」

米沢「いえ、指紋は検出されませんでした。とはいえ、男さんが犯人だとする場合、彼は防寒用の手袋をはめていたみたいですから指紋はつかなかったんでしょうな」

杉下「手袋ですか…」

杉下(確かにあの時、男君は手袋をつけていました。あまり特徴的でない薄い緑の手袋を………彼がナイフで一度ナイフで中年女さんを刺しているなら普通は…)

杉下「米沢さん、被害者が身に着けていた服の写真などはありますか」

米沢「鑑識時の死体の写真しかないのですが」

杉下「それで十分です。どうもありがとう」

杉下は中年女が死体になった写真がじっくり見る

米沢「一度腹部を刺され、その後ナイフを抜かれていますからそこを中心にかなりの出血があります。被害者が身につけていた白いコートも真っ赤ですな。血はコートだけでなくズボン、マフラー、手袋も真っ赤っかですな」

杉下「そうですねえ。だからこそこれは不自然ですねえ」

今日はここまでです

面白い!支援!



友の実家



友父「亀山さん、見苦しい所を見せて申し訳ありませんでした」

亀山「いえ、それよりあなた方3人が落ち着いた感じになって良かった」

友母「友姉、本当にごめんね。あなたを殺そうとしたこと、あなたに2年間辛くあったことも」

友姉「謝らないでお母さん。私はそれだけ許されないことを、取り返しのつかないことをしたから……ホント、過ちって何で手遅れになってから気付くんだろ。2年前の私はどうして、あんな酷い人間だったんだろ」

友母「…あなたをさっき殺そうとした私がいえる立場じゃないけど友姉、もう自分を責めないで。少なくとも、あなたが友のことで後悔してる気持ちは分かったから……中年女さんも本当に後悔してるのよね」

友父「友母…」

友姉「…正直、あの人のしたことを許せる気持ちはないわ。でも、私も少なくとも友が自殺する前は最低なナースだったし、友のことで負い目があったから、中年女さんを強く責める気持ちもなかった」

亀山「だから男君が激しく興奮していても冷静に嗜めることができたんですね」

友姉「嗜めるだなんて…自分に後ろめたい気持ちがあっただけのことです。それに男君は友と同じくらいに根は優しいんです。そんな彼が過去に囚われて中年女さんを責める姿は、とても悲しく思えたから…」

友母「友父、友姉、今度3人で中年女さんに会わないかしら。今まであの人の話を聞かないでいつも追い返したりしたけど、友のこと、あの人からの話もちゃんと冷静に聞く必要があるって思ったの。たとえそれが余計に私達を苦しめることになっても」

伊丹「残念ながらそれはもう叶いませんよ」

亀山「伊丹!」

伊丹「ったく、サルウィンに帰らず余計なことに首突っ込んでまだ日本をウロチョロしてたかこのノロマ亀!」

亀山「何だと」

友姉「あの、叶わないってどういう意味ですか」

伊丹「昨夜、中年女さんが死体で発見されました」

友父「え!」

友母「どうして!」

友姉「まさか!」

伊丹「殺人の可能性が極めて高く現在我々はその線で捜査をしています」

友父「まさか私達を疑っているのですか」

伊丹「念の為あなた方3人の昨日のことも聞きますが、他にも被害者とこの写真の男のことについて話を聞かせてもらいましょうか」

友姉「男君!? 昨日から連絡がつかなかったのは」

伊丹「あなたが昨日から警察に勾留されているこの男の携帯にメールを送っていた人ですね」

友姉「勾留って、亀山さん! あなたがここに来たのはまさか!!」

亀山「……」

伊丹「もう警察の人間じゃねえから流石に余計なことは喋らなかったか。大方俺と同じで被疑者の昨日の足取りの確認しにきたってとこか」

友姉「男君、まさかそんな…」

伊丹「詳しく聞かせてもらいましょうか。おめーはもう帰れ!」

亀山「クソッ」

友姉(亀山さん行っちゃった。そういえば昨日のことであのことを話せなかった…)

今日はここまでです

あかん
フラグや…

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