過激なやつら/Anarchist(32)

レッツビューティフルネクストライフ教祖室
 
コポコポ


教祖ルイ「いや~お見事!さすが復讐代行業マブシコーポレーション社長さんだ」

チャイ「そりゃどうも」 

ルイ「それで……どうでしたか?」

チャイ「何が?」

ルイ「忌々しい母と強欲な姉……そして能無しの兄の死に様ですよ」

チャイ「……企業秘密」

ルイ「ハハハハッ!!企業秘密ね………舐めんじゃねぇぞこのやろう」チャキ

 
今でも思い出すと肝が冷える。

新興宗教団体の教祖から依頼されて、皆殺しにするつもりでターゲットの家に出向いた。

だが………予想外な事に姉は妊娠し母親は悪い点が見つからない肝っ玉母ちゃんだった。

兄も……何かしらの精神障害を抱えつつ生きる努力していた。

俺にはどうしてもこの人達を殺されなければならない理由がわからない。

で……チャイさんの判断は  

「身体に気をつけて下さいね」

9億円という大金をその家に置き、“復讐”せずにそのまま事務所に戻った。

曰わく

「復讐する理由がイマイチ理解出来ないし個人的に最初に会った時からアイツが嫌いだからぶっこむ」
  
そして今に至る。


-レッツビューティフルネクストライフ教祖室-

できない夫「……」

若いボディガード「」チャキ


チャイさんは教祖と二人で酒を酌み交わすフリをしていて俺は
自分よりも8つ年上そうな若い奴に背中に銃を突きつけられていた。

そんな状況の最中に………   

ルイ「……舐めんじゃねぇぞこのやろう」 


教祖が立ち上がり背中からシルバーモデルのSIG P220(フル)
抜き出しチャイさんのこめかみに突きつけた。

そしてどこからともなくスーツ姿の眼が鋭い男と中年のオッサンが現れた。

 
ルイ「チンコみたいな頭をしたヤツを釣れてこい」


誰がチンコみたいな頭だ……そう言ったかったがこらえた。

 
チャイ「おい……できない夫」 


銃を突きつけられながら連れてこられた俺に対しチャイさんはこう言った。

「ビビんじゃねぇ。ビビったら負けだ……それと教祖様」

ルイ「なんだ?」  

チャイ「こめかみに銃を向けない方がいい……弾がそれるぞ」


ルイ「ハハハハッおも………うぉ?!」   

ドン!
 

チャイさんは教祖の右腕を掴み、銃口を俺の左肩に向けた。 
左肩スレスレに放たれた45ACP弾が若いボディガードの首に当たった。

若いヤツが倒れたと同時にチャイさんがテーブルをひっくり返し、そのまま銃撃戦へ


ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!!!  
ドンドン!!………
 

生き残ったのは


ルイ「ゴホッゴホッ……」


俺とチャイさんだった。

ルイ「くだばれ………」

チャイ「くたばるのはオマエだ。アホカルト」


ドドドドン!!ドンドン!!   


チャイ「帰るか」

できない夫「…そうっすね」

 
俺たちは事務所に戻るまで何も喋らなかった。

だが、俺はさっきの言葉を頭で復唱していた。


『ビビんじゃねぇ。ビビったら負けだ』 


俺は決めた。

この人と肩を張れる程の漢になると。

そして……

チャイ「えヘヘヘ~やっちまった。殴り過ぎちゃって息してねぇ」 


中性的過ぎて女性と間違われまくるから開き直って美少女読者モデルとして活躍する彼を必ずや俺のモノにする!!

絶対に……俺は彼とヤる!!

絶対にだ!!


原作兼参考:できない夫が神ならぬ身にて天上の意思に辿り着く者になるそうです。



過激なやつら/Anarchist

教祖殺害から6ヶ月後

-できない夫の自宅-

 
できない夫「」モグモグ
 
マリク「」モグモグ

ピョ・ジョンソン「ジミー、コチュジャンを取ってくれ」

ジミー「ほらよ」スッ

のび太「ボス~今日のお肉は何?」

チャイ「え~と……できない夫」 
できない夫「松阪牛です」 

ドラえもん「今日は松坂牛か……」

チャイ「不満かよ青タヌキ」

ドラえもん「別にそうとは言ってないじゃないかお嬢ちゃん」

チャイ「誰がお嬢ちゃんだ……ホント口がずいぶんと達者なタヌキだな~」

ジミー「平成壇ノ浦の戦い!!」

「「「「「ポンポンポコリン!!!!」」」」

ドラえもん「誰がポンポンポコリンじゃああああ!!」

チャイ「オマエが先にお嬢ちゃんって言ったろうが」  

できない夫「ははははっ……」


俺も含めて訳ありで、変わった人達が集まる職場だがとっても居心地がいい。

そして何よりも……彼らに俺は助けられた。

轡 大二郎「うっ……クソ………」

できない夫「謝罪しろ」 

轡 大二郎「………」

できない夫「この野郎!!」


俺は中学校時代に、たまたま同じクラスのヤツを助ける為にクラス中を敵に回した。

それを先導していたのは……
轡 大二郎だった。

轡は、中学校で数々の問題を起こし“4.12暴動”の責任をとらせてクビになった。

だが‥……波瀾高校に季節外れの赴任をしてきた。

で、今こんな状況。


轡「おい………こんな真似してタダで済むと思うなよ」
 
できない夫「よく、こんな状況で減らず口を叩けるもんだな」

「大したタマだ」


縄で吊されてもまだ強気でいられるヤツの腐れ根性に呆れを通り越して哀れになってきた。
 

「やーやー、轡センセー随分と素晴らしいお姿になりましたね」


いきなり背後から声がした。

透き通るような白い肌、切れ上がった目尻に……そして綺麗なインテークヘア。

それから黒と蒼の瞳をした美しい少女……それが始めてみたチャイさんの印象だった。

ほんとは少女のような少年だが。

轡「あんた………何故ここに?!」


さっきまで強気だった轡が生まれたての小鹿みたいに震えていた。


チャイ「ジミー!のび太!薄汚い豚野郎を押さえてろ」

ジミー「了解」

のび太「はーい」


チャイさんはロングレザージャケットからネイルハンマーを取り出し脇腹に叩きつけた。


轡「っ?!」


それから何度もネイルハンマーで殴りつけ、顎の骨を砕いた時に

チャイ「マリク!」

マリク「どうした?」

チャイ「そこの少年にPAMAS-G1を渡してやれ」

マリク「了解」


このとき、始めて俺は自動拳銃を握った。 

とても重く……それでいて妙に暖かった。


チャイ「コイツを好きにしていい」

現在……できない夫の家

ガチャッ


できない子「チャイさん」

チャイ「どうした?できない子ちゃん」

できない子「リョウって人から電話です」

チャイ「……」


できない子は俺の妹だ。

俺に比べてとても優秀な期待の星……両親の。
 
ガチャン
 

チャイ「もしもし~」

リョウ『やあ、久しぶり景気はどうだ?』

チャイ「ぼちぼち。そっちは?」

リョウ「こっちは相変わらずグダグダ……まぁそれよりも本題だがチンピラを一人フランスに連れて行って貰いたい」

チャイ「俺たちは基本的に“復讐代行”なんだけど……」

リョウ「わかってる。だから通常より100倍の報酬を払うとシンジが」

チャイ「……アンタの依頼じゃないの?」

リョウ「シンジは今……南ブラジルでエボラ出血熱の感染拡大を防ぐために指揮で手が放せないだから」

チャイ「“だから”アンタが代理で俺に仕事の依頼をしたワケだな」

リョウ「そういうことだ」

リョウ「詳しくは万事屋で話すから有能な部下を連れて来てくれ」

チャイ「了解」

リョウ「じゃ、後でな」

ガチャン………ツーツー

ガチャン


マリク「誰からだ?」

チャイ「うぉっ?!脅かすなよ!!」

マリク「すまない……それよりも誰からの電話だ?」

チャイ「………元新宿のスイーパーからの代理依頼で」

「本来の依頼主は、元KGBでスペツナズのCIAのコンサルタントやってた秘密結社の実質的BOSSだ」
 
マリク「内容は?」

チャイ「フランスにチンピラを一人届けに行く………要するに人身売買」

マリク「なるほど……引き受けるか?」

チャイ「断れば、表歩けなくなちゃうな~」

マリク「引き受けるしかないか……」

チャイ「だな」

マリク「一応、他のメンバーに意見を聞こう」

チャイ「そうだな……」


その結果……
 

ジョンソン「断れる理由がない。LSDに俺たちは借りがあるだろ義を果たそう」

のび太「恩返しだと思ってやろうよ!ボス!!」

ドラえもん「右に同じく」 

ジミー「やりたいならやればいいと思うけど……あんたの判断に任せるよ」

できない夫「俺はチャイさんの指示に従います」

マリク「チャイ……お前が決めてくれ俺達はそれに従う」


チャイさんの判断は……

 
チャイ「しゃーねぇ引き受けるか」

ピンポーン


神楽「誰アルか?」

「宅配便でーす」

神楽「銀ちゃん……」

銀時「おぼろろろろろろ」

神楽「………仕方ないアル」


ガラガラ

神楽「は……」

チャイ「あなたが~エディマー○ィーに~変わりますかあぁ~」

ピシャッ


チャイ「ゴメン。リョウだと思ってつい調子に乗ってヘンな唄歌っちゃってゴメンナサイ」


ガラガラ


神楽「何のようアル?」

チャイ「仕事をリョウに頼まれたから打ち合わせにきた」

神楽「新八なら吉原で晴太となんかしてるアル」

チャイ「なる程……ところで銀さんは?」

銀時「げぼぼぼぼぼぼぼ」


神楽「昨日、ムチャしてレインとテキーラ一気飲み対決してあの様アル」

チャイ「レインも居るのか?」

神楽「レインは源外のジジイの所ヨ」

チャイ「そうか………ていうか上がっていい?」

神楽「いいアルヨ」

チャイ「ケーキ買ってきたらから食べる?」

神楽「ありがたくいただくネ」

チャイ「皿、用意するわ」

銀時「おぼろろろろろ……俺も………たべろろろろろろ」

チャイ「残しとくよ」


ガラガラ

レイン「ただいま~」

チャイ「よぉ」

レイン「チャイにぃ?!どうしたの?久しぶりじゃん!!」

チャイ「落ち着けって……ケーキあるから手を洗ってきな」

レイン「イャアフゥー!!」

銀時「げぼぼぼぼぼぼぼ」

レイン「銀さん……ゴメンね昨日は」

銀時「心配すんな……これぐら……おぼろろろろろ!!」

チャイ「これまた重傷だな」


キュウキュ


レイン「チャイにぃ、何飲む?」

チャイ「緑茶……濃い緑茶」

神楽「悪いアルけど、今は苺ミルクしかないネ」

チャイ「そうか~じゃあ水」

レイン「相変わらず濃い緑茶好きだね」

チャイ「日本人ならやっぱ濃い緑茶だろ」

レイン「チャイにぃ、マイアミ育ちじゃん」

チャイ「マイアミ育ちでも心は日本人だ」


ガラガラ


新八(リョウ)「ただいま戻りました」

神楽「新八、お客アルよ~」

レイン「パパお帰り。チャイにぃが来てるよ」

新八(リョウ)「悪い……待ったか」

チャイ「心配するな。今来たところだ」

新八(リョウ)「さてそれじゃあ……ブリーフィングを始めるか」

チャイ「そうだな」

新八(リョウ)「」カチッ……ジュボ
 
フゥ~


チャイ「で……だれを運べばいい?」

新八「“だれ”じゃない」

チャイ「はぁ?」

新八「“死骸”をフランスに運んでほしい」

チャイ「お前……」

新八「俺が“処理”したんじゃない。やったのは別」

チャイ「誰がやったんだ?」

新八「キミの友人達や“ガールフレンド”言わないと約束できるかい?」

チャイ「勿論」

新八「そうか、よし」

「処理されたのは……伊藤誠。28歳。箱庭学園教師代行兼麻薬密売人」
 
チャイ「ああ~読めたぞ」

「誠を処理したのは……」

新八「元フランス対外治安総局諜報員で現箱庭学園第100代生徒会長……」

チャイ「人吉 善吉……シンさんのCIA時代の協力者兼友人だな」

新八「その通りだ」

チャイ「友人に“後処理”を頼まれたのか……」

神楽「ツいてないアル」

レイン「いつもの事だよ」

新八「そうだな………いつもの事だが」

チャイ「だが?なんだよ」

新八「伊藤誠は……ロシア人と繋がってる」

チャイ「最悪だ……」

新八「一応、ホテル・モスクワと繋がってないかは調べておくから」

「“ゴミ”をフランスで“始末”してくれ」

チャイ「了解。じゃあ行くわ」
 
レイン「もう……行っちゃうの?」

チャイ「ああ、こうゆう“トラブル”は早めに片付けた方がいいからな」

新八「すまない……」

チャイ「気にすんなって。困った時はお互い様~じゃあな」

新八「ああ」

レイン「またね~」

神楽「気をつけろヨ」

銀時「げぼぼぼぼぼぼぼ」

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