勇者「光魔法?」(26)

闇魔法結社総帥(イヌ)「うむ、この世界に存在する魔法には闇魔法と光魔法に大別される」

イヌ「お主は光の者なので光魔法が使える筈じゃ」

勇者「…俺が光の者だっていうのは何を根拠に?」

イヌ「わしが今掛けているメガネは人や物のオーラを見る事ができる、お主には白く輝くオーラが見える。なのでお主は光の者じゃ」

勇者(いつメガネを掛けたんだろう?)

勇者「それで、闇魔法結社の総帥が光の者である俺に何の用だ?」

イヌ「うむ、お主は『ギリ』と言う名を聞いた事があるか?」

勇者「ギリ?…『死の旋風隊』か?」

イヌ「何じゃ?それは」

イヌ「まぁ、心当りが無いようなので説明するが…『ギリ』とは、この世界を支配していた魔王の名じゃ」

勇者「魔王…だと!?…?だが、支配『していた』?」

イヌ「…今から百年も昔、この世界を支配していた魔王ギリは光の勇者と闇の魔法使いによって封印された」

イヌ「そして現在、魔王ギリに掛けられた封印は解かれようとしているのじゃ」

勇者「ふむ、『何故?』が溢れるが…面倒なので先に進むが、要は俺に魔王を倒して欲しいんだな?」

イヌ「まぁ、そういう事じゃ」

こうして勇者は魔王ギリ討伐の旅に出る事となった

~ジミナ村~

勇者はイヌに言われジミナ村に辿り着いた

勇者「こごがジミナ村か、…地味な村だな」

勇者は辺りを見回す、この村は農村らしく牧畜が散歩しているのが見える

勇者はイヌに言われていた事を思い出した

 勇者は思い出した

 イヌ「まずは、ジミナ村に行き、お城で勇者登録を済ませるのじゃ」

勇者(勇者登録って何だよ)

お城に向かおうとする勇者、しかし、お城の場所が分からない

勇者「お城って…何処だよ!」

村には案内板のような物も無ければ、連絡板も無いようだ

勇者「何にも無い、さすが田舎wwww」

勇者が村の入り口で困惑していると、勇者に気付いた村人が話し掛けて来た

村人「おや、珍しい旅人かい?」

勇者「ん?あぁ、そんなとこだ。!そうだ、お城って何処かな?」

勇者は村人から、お城はトナリ町にあると教えて貰った

勇者(あんのワンコ野郎!ジミナ村じゃねぇじゃねぇか!)

立ち去ろうとする勇者を村人が引き留める

村人「まぁ、待ちなさい旅の方。トナリ町までは半日掛かる、今日はこの村で宿を取るといい」

村人「というか…泊まってってくだせぇ!久し振りの来客じゃあ!十年振りの収入源じゃあ!」

村人は血眼になって勇者を引き留める

勇者はこの村人を張っ倒しても良かったが空腹だったので宿を取る事にした

村人「ようこそ!旅の方、ジミナの宿へ」

宿屋の店主は勇者を引き留めた村人だった

勇者「お前…」

怒りを通り越して呆れてしまった

勇者「はぁ…一泊いくらだ?」

宿屋「10r(リン)になります」

勇者は途端固まった、通貨単位が異なっている事に驚きを隠せなかった

勇者「り…リン?ゴールドじゃなくて?」

宿屋の店主はゴールドを知らない様子だった、無理も無い…この世界の住民はお金の単位をリンしか知らない。逆に勇者の居た世界ではお金の単位はゴールドしか無い

勇者は闇魔法結社総帥(イヌ)に召喚された身だ、着の身着のまま所持品もそのまま召喚されたのだ、その上イヌから通貨が違うなど言われなかったからこの世界でもゴールドが使えると思い込んでいた

勇者は焦った、冷や汗が止まらず顔面蒼白になっていた。その事に宿屋の店主も気付いていた

宿屋「た、旅の方?ゴールドとは外国の通貨なのですかな?」

勇者はハッとしホッとした、通貨が違えどもしかしたら両替が利くかもしれない

勇者「あ、あぁ…俺は外国を旅してきたものでな、カネはゴールドしか持ち合わせて無いんだ。両替はできるか?」

宿屋の店主は勇者から1g(ゴールド)を受け取り、驚いた

金だ!黄金だ!純金だ!

このお方は大金持ちだ!!

宿屋の店主の勇者を見る目が変わった、その目はカネに目が眩んだ者の目…魔に堕ちる者の目だった

どこからか沸いた闇の粒が宿屋の店主に集まり異形へ変える

店主「カネだ!カネだ!カネだ!わたしの物だ!わたしの物だ!もっと寄越せ!もっと寄越せ!」

邪悪な魔に支配された店主は勇者に襲い掛かる

勇者「くそっ、魔物に変化したとかなら倒せば済む話だが」

店主「」グォー

勇者「心を支配されてるぽいのはどうすりゃいいんだよ!」

店主「」カネー

勇者「攻撃を盾で防ぐか避けるしかねぇ!」

『勇者よ…』

勇者「ん?」

『勇者よ…!』

勇者「誰だ!?俺を呼ぶのは」

『おならぷぅ』

勇者「クソワンコ!」(*`д´)ノ

『…すまん、ただの悪ふざけじゃ』

勇者「後で覚えてろ!…で、何の用だ!?」

店主「」キンー

『勇者よ、今こそ光魔法を使うのじゃ』

勇者「光魔法?」

『光魔法なら悪しき闇に支配された者を救う事ができる』

『わしがお主をこの世界に召喚した時、お主の深層意識に光魔法を封じておいたのじゃ。光魔法の名を叫べば以降使えるようになっておる』

店主「」ゼニー

勇者「それで、その光魔法の名は!?」

『****じゃ』

勇者「よぉし!待ってろ宿屋、今助けてやるぜ!光魔法!!」

きらきら!

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