凛「……ちゃんと聞いてた？」

ことり「それなりに？」

凛「まぁいいよ」

ことり（いいんだ）

凛「これもことりちゃんのおかげだしね。ありがとにゃ！」

ことり「どういたしまして」

凛「あーあ、早く休みにならないかなぁ」

ことり「ところで、海未ちゃんはもう誘ったの？」

凛「……にゃ？」

ことり「まだ、なの？」

凛「忘れてたぁ！　海未ちゃあぁぁああぁぁん！」ﾀﾞﾀﾞｯ

ことり「廊下走っちゃだめだよー、凛ちゃーん」

――休日

海未（凛に誘われるがまま出てきましたが）

海未「あなたが遅刻してどうするんですか？」

凛「ご、ごめ……はぁ、ごめんなさい」

海未「まったく……」

凛（楽しみで寝れなかったにゃ……）

海未「今後は気をつけてくださいね」

凛「わかったにゃ」

海未「それで、今日はどうするのですか？」

凛「この前、海未ちゃん服がほしいって言ってたでしょ？」

海未「あぁ、そういえば……」

凛「凛がそのお手伝いをしようかなぁって」

海未「わざわざそのために？」

凛「あ、だめ……だったかな？」

海未「いえ、そんなことありませんよ」

凛「ほんと？」

海未「ええ。そうと決まれば、時間がおしいです。早速お店に行きましょう」

凛「うんっ」

――服屋

海未「これなんかどうでしょう？」

凛「ちょっと地味じゃない？」

海未「そうですか？ では、こちらは」

凛「なんか違うにゃ」

海未「……久しぶりだと全くわかりませんね」

凛「ねぇ、凛が選んでみていい？」

海未「そうしていただけると助かります」

凛「うーんっとねー……これ、とか」

海未「白、ですか？」

凛「だめ？」

海未「そういうわけでは……ただ、体型が出やすいのでは」

凛「海未ちゃんは美人さんだから大丈夫にゃ」

海未（根拠がよくわからないのですが）

凛「次はスカートにゃ」

海未「あまり短いのはだめですよ？」

凛「これとか……え？」

海未「……それ、結構短いのでは？」

凛「……気のせいだよ」

海未「それは無理があるかと」

凛「なんでだめなの？」

海未「脚を出すのは恥ずかしいので」

凛「でも制服は短いじゃん」

海未「……え、あれでも短いのですか？」

凛「うん」

海未「……み、皆よりは」

凛「大して変わんないにゃ」

海未「」

凛「大丈夫だよ、海未ちゃん脚もきれいだから」

海未「で、ですがっ」

凛「じゃあタイツとセットにゃ！」

海未「……それなら、まぁ」

凛（甘いよ海未ちゃん）

凛（伸びたタイツからうっすら見える肌の色が素敵だと気づかないなんて）ﾆﾔｯ

海未「……なに、考えているのですか？」

凛「な、なんでもないよ！」

海未「本当ですか？」

凛「う、うん。さ、海未ちゃん、試着してみるにゃ！」ｸﾞｲｸﾞｲ

海未「り、凛！ 押さないでください！」

凛「はやくはやくー！」

海未「わ、わかりました！」

凛（まだかなまだかなー）ｿﾜｿﾜ

凛（海未ちゃんが出てきたら、このネックレスを渡さなきゃ）

凛（そのために海未ちゃんを誘ったんだもんね）

凛「海未ちゃん……」

海未「呼びました？」ｼｬｯ

凛「」ﾋﾞｸｯ

海未「凛？」

凛「なんでもない……おおっ！」

海未「ど、どうでしょうか……」

凛「ばっちり似合ってるにゃ！　さすが海未ちゃん！」

海未「ほ、本当ですか？」

凛「うん！」

凛「そうだ、海未ちゃん。これ」

海未「これは？」

凛「この前のお返しだよ」

海未「あぁ、ヘアゴムの……」

凛「うん。あけてみて？」

海未「はい」

海未「これは……ネックレスですか？」

凛「うん！　海未ちゃんに似合うかなって思って」

海未「凛……ありがとうございます」

凛「ど、どういたしまして……えへへ」

海未「……」

凛「……」

海未「……で、では。この服、買ってきますね」

凛「あ、うん。そうだね」

凛「ふふふー」

凛（海未ちゃん、喜んでくれたかな？）

凛（そうだとうれしいんだけど）

凛（……似合ってたなぁ）

凛「ま、海未ちゃんは美人だからなんでも似合うけどね」

海未「」

海未（お会計を終えて戻ってきたら）

凛「海未ちゃんは見とれるくらい美人だにゃー」

海未（凛が何か言っていますね）

凛「長い髪とか、きれいですごく女の子っぽいし……」

海未（独り言……なんでしょうけど、少し声が大きくないですか？）

凛「はぁ……凛ももっと女の子っぽくなれたらなぁ……」

海未「凛」

凛「にゃ！」ﾋﾞｸｯ

海未「お待たせしました」

凛「う、ううん。大丈夫だよ」

海未「では、行きましょうか」

凛「うん。お昼食べに行くにゃっ」

海未「……」ﾃｸﾃｸ

凛「……」ﾄﾀﾄﾀ

海未「……凛は」

凛「ん？」

海未「一番女の子らしいですよ」

凛「な、急にどうしたにゃ！？」

海未「いえ、なにやら気にしているようなので」

凛「そんなこと……」

海未「あまり言いすぎると価値が下がる気がするのですが」

海未「凛は、だれが見てもかわいいと思いますよ」

凛「海未ちゃん……」

海未「……さ、行きましょう。お腹がすきました」

凛「う、うん！」

――後日、部室

凛「ってことがあったんだー！」

ことり「それじゃあ、海未ちゃんがこの前に来てた服ってそれなのかな？」

凛「着てくれてたの？」

ことり「うん、ネックレスもちゃんとつけてたよ」

凛「そっかぁ……」

ことり「とてもかわいい子にもらったんだ、って自慢してたよっ」

凛「にゃっ！？　そ、それって……」

ことり「凛ちゃんのことだよね」

凛「そ、そんな」

ことり「海未ちゃん、ずっと凛ちゃんの話してたし」

凛「そうなの？」

ことり「うん、いつの間にそんな仲になったのー、って穂乃果ちゃんが怒ってたよ」

凛「べ、別に、そんなんじゃないにゃ！」

海未「お疲れ様です」ｶﾞﾁｬ

凛「」ﾋﾞｸｯ

ことり「あ、海未ちゃん。おつかれさまぁ」

海未「まだ凛とことりだけですか？」

ことり「うん」

ことり「ねぇ、海未ちゃん」

海未「はい、なんでしょう？」

ことり「凛ちゃんと仲良くね」ﾎﾞｿｯ

海未「！」

ことり「ことり、ちょっとお手洗い行ってくるね」

海未「ちょ、ことり！」

凛「……」

海未「……」

海未「……そうだ」

凛「どうしたの？」

海未「今度、凛の服を買いに行きませんか？」

凛「いいの？」

海未「ええ、とびっきりかわいいのを選んであげますね！」

――終わり