【安価で】ブラック・ブレット【生き残れその9】 (1000)

このスレはスレタイ通り
ブラック・ブレットを安価で生き残っていくスレです


基本的にコンマと安価で進めていく
選択肢を出してそこから選んでもらう感じですが
選択肢の中には自由安価があります
自由安価は脈絡のないもの、不自然なものは却下させていただく場合があります
現在、安価の連続取得(コンマは除く)は禁止になっています


基本的なシステムなどは全て【http://goo.gl/5Gbakx】このsswikiに


前スレ
【安価で】ブラック・ブレット【生き残れその8】
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【安価で】ブラック・ブレット【生き残れその6】
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【安価で】ブラック・ブレット【生き残れその2】
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【安価で】ブラック・ブレット【生き残れ】
【安価で】ブラック・ブレット【生き残れ】 - SSまとめ速報
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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1411994317

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 交友関係(好感/信頼 相手からの印象)  3ヶ月目 0日目 現在

  山科 陽羽 (98/103  複雑な意味で意識する相手) 補正+1 戦闘+1
  山科 憩   (60/68  信頼する家族)   補正+1 戦闘+1
  山科 真希 (62/62  柔らかい唇)  補正+1
  山科 真望 (62/62  ちょっと恥ずかしい相手) 補正+1
  山科 香織 (17/17   無茶っ子)  補正+1 戦闘+1
  天童 木更 (26/27  排除すべき敵)

  里見 蓮太郎(35/37  言動を躊躇う異性) 補正+1
  藍原 延珠 (23/25  仕事仲間)  補正+1
  司馬 未織 (40/37  告白が変に気になる相手)  補正+1

  巳継 悠河 (??/??  女性で女の子な理想の異性)

  室戸 菫   (21/22  仕事仲間) 補正+1
  千寿 夏世 (07/07  その他のプロモーター) 
  伊熊 将監 (-29/-14  敵)
  蛭子 影胤 (17/18   興味) 補正+1

  蛭子 小比奈(08/09 料理当番) 補正+1
  片桐 玉樹 (07/05  その他の民警)

  片桐 弓月 (03/03  その他の民警) 
      聖天子(28/32  少女でいられる相手) 補正+1 交流+1
      ティナ(-09/-10  保護者) 保護+2

  斉武 宗玄 (50/40   固執)
 外周区子供達(??/??   せんせーッ!) 交流+1

           序列:363番  所持金 3172.7万円(学校代+4万)

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→不動産



花菜「こんばんは」

「ん……? すみません、当店は――」

花菜「それは分かってます」

それに対して

店員さんは呆れたため息をつき

私の後ろの陽羽を見て「なるほど」と頷く

花菜「そういうことなので、リストを見せて貰っても?」

「構いませんけど……まともなのはありませんよ?」

陽羽「外周区って時点でまともじゃないと思うよー?」

陽羽は苦笑しながら言うと

写真とともに

細かく地質調査内容の書かれた紙を見つめた


定期的に再調査されているわけではないため

表記内容よりも劣化していたりする

だから値段が安くなる……なんてことはなく

元は学校があったとか、一軒家だったとか

ビルだったとかマンションだったとか

そういう元々建っていたものの名残である錆びた鉄骨などの撤去で

さらにお金が必要になるのよね

花菜「うーん」

「どの程度の範囲をお探しで?」

花菜「一坪いくらくらいなの? 大体でいいわ」

「現状だと……約5万程度ですね。土地とは言え外周区、全く競争もない世界ですからね」

陽羽「それって安いの?」

花菜「そうね……私が今持ってる場所の家賃一ヶ月分で8坪くらいかしら」

今の生徒の人数的には……それでも十分――いや、広いわね

普通だと確か7mx9m程度だし


「値引きはできませんよ?」

花菜「ふふっ、その心配はいらないわ」

今は陽羽達を含んでも25人

それ以上増えるかどうかは分からないし

40万円程度で買える大きさで良いのよね

2階、3階って大きくすれば……でも

それじゃ目立つわよね

外周区で目立つ建物だなんて

子供たちを恨む人からしたらいい的になっちゃう

陽羽「どうする?」

花菜「うーん」

学校をそのまま子供達の家として作ることも考えるべきかしら

今みたいに下水道で生活なんて

いくら病気にならないとは言っても……


とはいえそうするには

さっき言ったとおり的にならないようにしなきゃ

そのための設備もとなると……お金は

花菜「………………」

お母さんにお願いしようかしら。そこらへんの機械的設備

司馬重工でも結構良い設備にはなると思うけど

セキュリティを重視するならお母さんに常識を排除した前衛的というか

普通では解除できないようなものにした方が良いのよね

それにそうすればお金も……

とにかく――



購入する大きさを決めてください  安価下

7坪(35万)~200(1000万)までの範囲内



7坪(35万)から所持金的には630坪(3150万)まで選択できますが
防止のために200坪(1000万)までとします


→75=75x50000=375万


「契約上、理由は問いません。代金さえ頂ければ差し上げます……ですが、奪われても保障はありませんよ?」

大きさを聞いた店員さんは

親切心からかそんなことを言う

奪われても保障はない?

民警に向かってそんなこと言うなんて

花菜「馬鹿にしないでほしいわ」

陽羽「奪われるなんてありえない」

「……そうですね。モノリスという素晴らしいものがありますから」

店員さんの安心した声と表情に

私は何も言っては上げられなかった

それは時期に破壊されてしまうのに


・375万円を支払います
・立てるのは建設業者などに頼みましょう。基本的に断られます
・大金積めば引き受けてくれる可能性はあります


短いですがとりあえずここまでにします
ありがとうございました





大きさ的に子供達の家も追加かな

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 交友関係(好感/信頼 相手からの印象)  3ヶ月目 1日目 現在

  山科 陽羽 (99/104  複雑な意味で意識する相手) 交流+1
  山科 憩   (61/69  信頼する家族) 交流+1
  山科 真希 (66/66  柔らかい唇) 交流+1 交流+3
  山科 真望 (65/65  ちょっと恥ずかしい相手)  交流+1 交流+2
  山科 香織 (17/17   無茶っ子)  
  天童 木更 (26/27  排除すべき敵)

  里見 蓮太郎(41/41  言動を躊躇う異性) 交流+1 交流+0 交流+2/+0 継続+3
  藍原 延珠 (23/25  仕事仲間)
  司馬 未織 (40/37  告白が変に気になる相手)

  巳継 悠河 (??/??  女性で女の子な理想の異性)

  室戸 菫   (21/22  仕事仲間)
  千寿 夏世 (07/07  その他のプロモーター) 
  伊熊 将監 (-29/-14  敵)
  蛭子 影胤 (17/18   興味) 
  蛭子 小比奈(08/09 料理当番) 
  片桐 玉樹 (07/05  その他の民警)

  片桐 弓月 (03/03  その他の民警) 
      聖天子(29/33  少女でいられる相手) 交流+1
      ティナ(-08/-09  保護者) 交流+1

  斉武 宗玄 (50/40   固執)
 外周区子供達(??/??   せんせーッ!) 交流+1

           序列:363番  所持金 2797.7万円   外周区土地(75坪)

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投下できないので収支報告のみ


長くはできませんが今日はやっていきます



→2日目(7日目に大戦)  朝  再開位置選択


1、自宅
2、聖居
3、外周区


安価下


イベント判定 安価下コンマ一桁


1 聖天子
3 不審者
5 新しい子
7 子供達戦(交流+1)
9 美菜



ゾロ目で将監からの返事(好感信頼ともにマイナスのため最低値)


→ 新しい子供

新しい子供の簡易な境遇をコンマで設定



1350 捨て
246  逃げ
798  預け


安価下


お墓参りすっかり忘れてた……このイベント消化したらそのままお墓参りのイベントに移行します


→ 2日目 朝 外周区


真希ちゃんとの約束で、陽羽と憩ちゃんも同行のもと

真希ちゃんと真望ちゃんのお母さんのお墓参りへと向かう途中

「……すみません」

と、かなり疲れた声色での呼び声に足を止め振り向く

花菜「……?」

やつれた表情の女性

その人と髪の色が同じで、目の色が少しだけ違って

面影を半分引き継いだような小さな子供は涙目で私を見上げる

花菜「なにか?」

「……この付近で例の子供達を従えている女性がいる。と聞いたもので」

花菜「従えてる……?」

そんな噂になってるのね。私

従えるなんてことはしてないのに

>>45訂正



→ 2日目 朝 外周区


真希ちゃんとの約束で、陽羽と憩ちゃんとティナも同行のもと

真希ちゃんと真望ちゃんのお母さんのお墓参りへと向かう途中

「……すみません」

と、かなり疲れた声色での呼び声に足を止め振り向く

花菜「……?」

やつれた表情の女性

その人と髪の色が同じで、目の色が少しだけ違って

面影を半分引き継いだような小さな子供は涙目で私を見上げる

花菜「なにか?」

「……この付近で例の子供達を従えている女性がいる。と聞いたもので」

花菜「従えてる……?」

そんな噂になってるのね。私

従えるなんてことはしてないのに


花菜「それが私だと……?」

「ま、間違っていたらごめんなさい。でも、貴女は子供を5人も連れているものですから」

花菜「………………」

陽羽、憩ちゃん

真希ちゃんに真望ちゃん……そしてティナ

子供たちをぐるっと見渡した女性は

私よりも年上であるにもかかわらず低い姿勢で答える

子供を従えてるわけではないけど

子供の集団と接している人に用事……ううん、この女性の態度からしてお願いがあるのね

しかも常に低姿勢……絶対に受けて欲しいお願いってこと?

女の人と子供の表情から察するに

耐え切れなくなって子供を……


1、そうですよ。私が件の女性です
2、ごめんなさい、人違いです
3、……この道をまっすぐ行った先のマンホールをノックしてください。そこにも親切な人がいますから
4、その他



安価下


花菜「………………」

事情があるのだろうと

子供たちを見てみれば嫌な顔することもなくただ黙って頷く

目の前の子供の気持ちを理解できてるのかな?

変に口を挟んだりしないなんて……ふふっ、良い子達ね。ほんと

花菜「そうですよ。私が件の女性です」

「ほ、本当ですか!」

花菜「嘘は付きませんし……この状況で嘘なんて見苦しいにも程がありますよ」

自分とは似ても似つかない5人の子供たちを引き連れて外周区を歩きながら

全員普通の子供で我が子です。なんて馬鹿馬鹿しい

花菜「事情があるんですよね? ……どうしても、聞き入れて貰わないといけないようなお願いが」

「………………………」

女の人をまっすぐ見つめると

驚いたように目を見開いて、一瞬だけ我が子を見て頷く

「じつは……この子をお願いしたいのです」


一番あり得る可能性が見事に的中して

驚く手間も省いて子供を見ると

ぎゅっとお母さんの服の裾を握って影に隠れてしまった

花菜「……離れたくないのね」

「……ですが、このままそばに置いておくわけにはいかないんです」

花菜「今朝のニュースのせいですね」

以前

子供達の存在に反対する巨大な組織【日本純血会】の東京エリア支部長が殺害されたという事件があり

それが今頃になってじつは呪われた子供達によるものだったとなったあげく

今朝のニュースで大きく取り上げられ

子供達に向けられる視線がより一層厳しくなったせいで、バレた時のリスクが跳ね上がったんでしょうね

そんな中で隠し育てるなんて……普通はできない

「……お願いできませんか?」

花菜「この子のお父様は?」

「仕事です……あのニュースがあって突然休みを取ったら疑われるかもしれないからと」

花菜「……………………」


嘘を言ってる様子は私から見ても感じられないし

陽羽が何も言ってこない時点で嘘ではないことは確定と見ていいわよね

この親子が特殊な訓練受けていて

私達を監視するために送り込まれたスパイとかで

一切の乱れもなく嘘をつけるというのなら別だけど

「どうかお願いできないでしょうか?」

花菜「外周区のほかの子供達と生活させる……というのでもいいのですか?」

「預かって頂けるのでしたらそれ以上のお願いは致しません」

「……ママ」

頭を下げたお母さんの隣で小さく呟いて

私のことを見上げた女の子もまた「お願いします」と頭を下げる

……断るなんてこと、私にはできないかな


1、花菜と生活する
2、外周区の子供達と生活させる


安価下


花菜「解りました。責任を持ってお子様をお預かりします」

「ありがとうございます……っ!」

花菜「………………」

涙を流しながら嬉しそうにお礼を言ったお母さんは

子供を強く抱きしめる

最後の別れ……の、つもりなのかもしれない

ここで今喉元で待機する言葉は言うべきか否か

花菜「………………」

それが果たされる約束かどうかは

この東京エリアが守り抜かれること

聖天子様の願いが叶うこと

この子のご両親がその二つが叶ってもなお、無事に生き続けることが最低限の条件

そしてその最低の条件ですら……揃えられるかも解らない


1、預ける。そう言ったご自身の言葉を忘れないでください。必ず……迎えに来てください
2、言わない


安価下


花菜「お母様。預かるにあたってひとつだけ私からもお願いがあります」

「……お金ですか? それなら」

お母さんの言葉に首を振り

別れを惜しむ子供の頭を優しく撫でて微笑み、お母さんの顔を見つめる

花菜「預ける。そう言ったご自身の言葉を忘れないでください。必ず……迎えに来てください」

「それは……」

花菜「難しいことだとは承知しています。ですが……でも、やはり。この子の母親は貴女しかいませんから」

「………はいっ」

子供と目を合わせたお母さんは

流れていた涙を拭って頬笑みを浮かべる

「必ず……っ、必ずまた……迎えに来ます……っ」

「……待ってるから。わたし、待ってるからね。ママ」

泣いていた子供もまた涙を拭ってお母さんに抱きつく


私達の家に、またひとりの家族が増えた


今日はここまでにします。ありがとうございました
明日はもう少し早い時間から始めたいと思います……19時くらい?



子供の名前どうしよう



花菜さんの台詞で子供達は自分達と花菜の間に一線を感じた……かも

陽羽「花菜は母親じゃないよ? 何言ってるの?」
真希「お義母さんではあるけど」
真望「お母さんではないかなーって」
憩「初めから母親のつもりなんてないし……その、まぁ、うん。その方が都合良いよね?」

……別に問題なかった


まさかの大遅刻……すみません



新しい子供の名前を決めます
山科ではないのでフルネームでお願いします
あまりにもおかしいものは却下するかもしれません



安価下


瑞穂「瑞穂……川原瑞穂です。よろしくお願いします」

丁寧な言葉遣いで頭を上げた瑞穂ちゃんに続いて

陽羽達は「よろしくー」とフランクに挨拶を投げかける

花菜「私は山科花菜よ。はじめはあれかもしれないけど、全然気にしなくて良いからね?」

瑞穂「は、はい……」

瑞穂ちゃんが打ち解けるには

ちょっとだけ時間がかかりそうね……

まぁ、いきなり見知らぬ人に預けられるのに

ちょっとだけで済むなら良いものよね

花菜「瑞穂ちゃん、私達はこれから用事があるの……もう少し歩くことになるけど、大丈夫?」

瑞穂「はい、平気です……山科さん」

陽羽「そんな固くならなくていいよー」

瑞穂「ですけど……」

陽羽「良いんだってば。あんまり他人っぽいとやりづらいよ?」

憩「瑞穂からしてみればそういう態度こそやりづらいだろうけどね」

陽羽「私なりの優しさなんだけどなぁ」


因子を持つ子供達特有の赤い瞳を見せた陽羽は

瑞穂ちゃんの赤くはない瞳を見つめて微笑む

陽羽「嫌なら嫌って言っても――」

花菜「気圧してどうするのよ」

陽羽「あははっごめんごめん」

笑顔を崩さない陽羽は

瞬き一つで瞳の色を元に戻すと

ごめんねと呟き瑞穂ちゃんの頬を撫でる

陽羽「……良い子だね。瑞穂は」

瑞穂「そう、ですか?」

陽羽「そうだよ。うん……陽羽よりもずっと」

そういった陽羽はなぜか私を見て

困ったように笑う

その意図だけはうまく読めなかった


→真希・真望の母親のお墓


真希「ママ、おはよう」

真望「今日はね、みんな連れてきたよ。香織お姉さんはいないけど……」

真希「わたし達はもう平気だって、もう大丈夫だって。分かってくれる?」

二人が声をかけるお母さんのお墓は

長方形の立派なものではなく

綺麗な丸い石でもなく

ボロボロの崩れかけのコンクリートに

お母さんの名前を拙いながらに掘っただけのもの

とても……お墓とは言い難いものだった

花菜「………………」

真望「……一応、この下にママがいるんだ。だから、お姉さん。ママに何か言ってくれる?」

子供達お手製のお墓ということは

つまり、火葬され、骨壷に収められたなんてことはないし

棺桶の中に丁寧に入れられ、土葬されたなんてこともきっとない

言葉通り、この下にはお母さんだった骨が裸のまま埋もれているんでしょうね


とりあえずここまで
全く書けませんでした……理解不能な文章になる前に止めておきます



明日はこのお墓イベントの続き
花菜の台詞安価からになります

瑞穂ちゃんのことに関しては……いろいろとイベントをつくるかもしれません


……どんなお母さんだったのかしら

写真もなにもないから、私には貴女の顔も何も思い浮かばない

真希ちゃんや真望ちゃんがそのまま大人になったような感じだったのかしら

だとしたらきっと、綺麗な人だったんだと思う

可能なら生きて会いたかった

でもそしたら私は2人に会えないままだったかもしれない

それでも……貴女には

花菜「………………」


1、2人は私が責任を持って育てます。どうか、安らかに
2、2人は私が責任をもって幸せにします。安心して眠っていてください
3、貴女がどんな人だったかも、どんな人生だったのかも私は知らない……でも。貴女は生きているべきだった
4、子供たちは貴女を恨んだりはしていません。憎んだりも……貴女の気持ちは、きっと解っていましたよ
5、その他


安価下


花菜「2人は私が責任をもって幸せにします。安心して眠っていてください」

崩れ落ちそうなお墓の代わりに

お母さんが眠っているらしい地面に触れる

掘り返して埋めた土はまだわずかにその名残を残していて

他と違って草が生い茂っているなんてことはなく

それに……なんだか少し暖かい気がした

陽羽「それには陽羽も含ませて貰おうかな」

憩「もちろん、あたしも」

花菜「……貴女達だったのね」

気づけば私の手に重なっていた2つの小さな手

そこにまた、手が重なる

瑞穂「何ができるかは解りませんが……わたしも。お手伝いします」

ティナ「…………………」

でも、ティナだけは重ねなかった

ほんの少し動いていた手を自分で制して、ギュッと握りしめて

寂しそうに俯いて、何かを否定するように首を振った


→ 2日目 昼 外周区


1 未織
3 聖天子
5 香織
7 美菜
9 不審者


安価下コンマ一桁


→ 2日目 昼 外周区


瑞穂「…………………」

学校の建物自体はないけれど

机や椅子などが並び、20人ほどの子供達が集まる場所の教卓の前で

転入生の瑞穂ちゃんは緊張しているのかぼーっとみんなを見つめる

「どしたのー?」

「お名前はー?」

「きんちょーしなくていいよ!」

瑞穂「…………あの」

花菜「ん?」

瑞穂「みんな、わたしみたいに預けられた子供たちなんですか?」

瑞穂ちゃんの疑問に対して大声では答えられずに

黙って首を振ると「ならどうして……」と、さらに呟く

陽羽「どうかした?」

瑞穂「みなさんの身なりが凄くしっかりしていて、わたしの思っていたものとは全然……」

陽羽「まぁ……子供達の担当しているのが花菜だからね。普通はこんなことないけど、まぁ、花菜だから」


瑞穂「ここに居る皆さんのお世話を?」

花菜「ええ。丸一日っていうわけではないけどね。長老さんもいるから」

本当は住む場所ももっとしっかりさせてあげたいんだけど

それにはもう少し時間がかかりそうなのよね

瑞穂「……外周区とは思えません」

花菜「別に呼ぶ必要なんてないもの。ここも、東京エリアの中ではあるんだから」

瑞穂「そう……ですね」

瑞穂ちゃんは嬉しそうな笑みを浮かべて子供たちの方に振り返ると

私たちの時同様に少し硬すぎる挨拶を口にする

けれどやっぱり子供達はそんなお堅い感じなんて気にすることなく

口々に質問を投げかけて瑞穂ちゃんを困らせてしまっていた

花菜「……………………」

ティナ「…………………」

花菜「…………………」

……ひとり、元気がない子がいるみたいね


昼固定の学校では行動選択はできませんが
参加した全ての子供達の好感度と信頼度に+1


→ 2日目  夕  場所選択



1、片桐民間警備会社
2、司馬重工
3、聖居
4、自宅
5、商店街
6、実家
7、三島ロイター


安価下


→来客判定 安価下


1 未織
3 影胤&小比奈
5 聖天子
7 美菜


→ 2日目 夕 自宅


香織「……なるほどね。まぁ、貴女なら平気だろうし何もいうことないわ。よろしくね、瑞穂ちゃん」

瑞穂「は、はい。よろしくお願いします」

エリア内の因子を持つ子供たちへの風当たりの強さ

その緊張状態を感じているのか

お姉ちゃんは意外でもなくあっさりと瑞穂ちゃんのことを認めてくれた

……けど

お姉ちゃんは少し深刻そうな表情で私を一瞥すると

部屋の中に入っていく

花菜「ん?」

何かあったのかしら?

……ティナのことでなにか思い出したとか?

花菜「……でも」

ティナもあまり元気がないのよね……


瑞穂ちゃんが私のところに来ることになったときもそうだけど

お墓の時もティナは元気なかった

学校の時も今日はいつにも増して静かだった

自分がいるべき場所じゃないって

壁を作っているような感じがする

花菜「……さて」

ティナのこと

お姉ちゃんのこと

ほかにも色々あるし……何から手をつけるべきか




1、電話
2、移動
3、香織と交流
4、陽羽と交流
5、真希と交流
6、真望と交流
7、憩と交流
8、瑞穂と交流
9、ティナと交流
0、武器関連
11、特訓


安価下


→ティナと交流


花菜「ティナ、入るわよ」

居るはずなのに

ノックをしても返事の返らないティナの部屋に許可なく入る

拒絶さえ言わないんだもの……仕方がないわよね

花菜「ティナ」

ティナ「………………」

窓から逃げ出しているなんてことも最悪の想像の中に考えておいたけれど

そんなことはなく……ティナは椅子に座りながら

自分の手をぎゅっと握りしめていた

花菜「どうしたの?」

ティナ「なんでもありません」

花菜「……そんなことはないでしょう? 強制はしたくないけど、話して欲しいわ」


ティナ「………………」

花菜「…………………」

しばらく待ってもティナは何も言わないで

自分の手を握ったまま時間が流れていく

……自分が居るべき場所ではないって考えているかもっていうのも

あながち間違いじゃないのかもしれないわね

今までひどい生活……というのは語弊が生じるかもしれないけれど

こう言ったのとはかけ離れた生活だったティナは

自分の存在がその生活を、その空気を、その幸せを

歪ませてしまうのではないのかと……不安に思っているんだと思う

でもね、ティナ

貴女にはもう話しているはずよ

その生活の中心にいる私こそが……一番、穢れているんだって

花菜「だからティナ、貴女が心配する必要なんてないのよ?」

ティナ「……………………」


ティナは沈んだ表情のまま椅子を動かし

私のことを見上げる

影に隠れて暗い夜のような表情の中

綺麗な翠色の瞳がきらっと光る

花菜「………………」

ティナ「……………」

自分のことを瀕死に追い込んだ相手にそんなこと言われたって

心配以前に怖いかしら?

……全くもう、私はなんて罪深い人間なのかしらね

普通なら恐怖させることなんてないはずなのに

ティナ「………………」

なおもティナは黙ったままだった



1、大丈夫よ。貴女のこと、みんな受け入れてくれてるでしょ?
2、ティナの手を握る
3、ティナを抱きしめる
4、……そんなに私が怖い?
5、その他



安価下


花菜「大丈夫よ。貴女のこと、みんな受け入れてくれてるでしょ?」

ティナ「………それは、そうかもしれません」

花菜「なら」

ティナ「でも……もう少し考えさせてください。私が瑞穂さんのような方と同じ時間を過ごすべきかどうかを」

ティナはごめんなさいと言うと

私の体を少しだけ押して出て行って欲しいと態度で現す

瑞穂ちゃんは何も知らないただの子供だものね

自分のような存在が一緒にいるべきかどうか悩むのも解らなくはない

けど……過ごしてもらわないこと困るのよ

貴女がいられる場所なんて

数えられるほどにしかないんだから

花菜「…………解ったわ。でも、出て行かせたりはしないからね?」

ティナ「……はい」


・夜に移ります


今日はここまでにします
ありがとうございました



今気づいた……ティナと瑞穂の口調が被ってる
これは早期ログアウトフラグ……?


安価下コンマ判定


1 聖天子
3 美菜
5 瑞穂
7 夏世
9 プロモーター?


→ 2日目 夜 自宅


香織「……話があるわ。まぁ、私のってわけではないけどね」

お姉ちゃんからそう切り出されたのは

ご飯を食べ終えたあとの片付けの時間

それから少ししてお姉ちゃんの部屋に向かうと

お姉ちゃんは困ったように聖天子様の印の押された封筒を手渡してきた

花菜「なに?」

香織「地下にシェルターがあるのは知ってるでしょう?」

花菜「ええ」

香織「そこに入る権利は抽選で決まるのだけれど……抽選無くしてそこに逃げ込む権利が、その中にあるらしいわ」

お姉ちゃんは気に入らないといった表情で言い捨てて

わざと音を立てながらベッドに座る

香織「……どうする?」

花菜「どうするって言われても……」


私と陽羽は確実に戦線に参加する

お姉ちゃんと憩ちゃんも来る

ティナは解らないけど……真希ちゃん、真望ちゃん、瑞穂ちゃんの4人は

絶対に参加はさせられない

街にまで被害が及ぶなんてことはさせたくないけれど

絶対に防ぎきるという約束はできない

たった一匹、たった一欠片が街に及んで

それが子供たちを襲わないという保障もない

……でも

香織「ちなみに、私達のお母さんは断ったらしいわ。逃げた頭脳はただの無能だってね」

花菜「……………………」

香織「もしも万が一敗北した場合の防衛設備を作ってくれるそうよ」

花菜「私が戦線に参加するのに敗北を考えるなんてね……」

香織「貴女だって、自分が確実に勝つとは思っていないでしょ?」


お姉ちゃんはくすくすっと笑いながら目を細める

その仕草に思わず胸元を覆うけれど

そこにあるのは心臓であって心ではなく

無駄な動きにお姉ちゃんはまた笑う

香織「まぁ……私達って言わなかったことは不問にしてあげる」

花菜「……………………」

やっぱりお姉ちゃんも戦う気よね

ということはやっぱりあと4人が残っちゃう

お姉ちゃんが戦わないなら

お姉ちゃんに見ていて貰うってことも……って

思えばアジュバント結成すらできなくなりそうなのよね。それだと

まぁ……いっそ結成せずに行くというのも一つの手ではあるけれど

香織「それで? それは要るの? 要らないの?」

花菜「……………………」



1、封筒を破く
2、封筒は引き出しの中へ
3、誰かに渡しましょう
4、子供達は聖天子様に任せましょうか


安価下


花菜「封筒はとりあえず仕舞っておきましょ。後々必要になるかもしれないし」

香織「片付けられない女の特徴ね」

花菜「ちゃんと片付けられてるんだけれど……嘘だと思うなら部屋見る?」

香織「あら、行って良いの? 子供達に妬まれない?」

花菜「……なんで?」

お姉ちゃんはため息をつき、さぁ? と首を傾げると

やっぱり良いわと部屋に行くことを断る

流れるようなその動きに

テンプレとして用意していたのかな。なんて変な疑いの目を向ける

香織「……ねぇ、ひとつだけ。ひとつだけ私の話があるんだけど」

花菜「なに?」

香織「もしかしたら気を悪くさせるかもしれない。そんな前置きが必要なことだけど、聞いてくれる?」


雰囲気を一新したお姉ちゃんの表情は

月の光をかき消す人工の光が生み出す影に隠されていて

座ってるお姉ちゃんの前で立ってる私には確認のしようがなく

少し前まで明るかった私の気分も一瞬で雲がかかって少し不安になった

お姉ちゃんの話で気を悪くさせるかもしれないって何?

記憶が戻ったっていうのは良い話……よね?

じゃぁなんなの?

それの答えはお姉ちゃんしか知らない

気になるけどでも、聞いたら気を悪くするって……

ちょっと怖いわ



1、それは今聞かないとダメなこと?
2、なに? 好きな人でもできたの?
3、……聞いておくわ。妹だけど、この家の主は私だから
4、止めてよ。なんだか怖いわ
5、その他


安価下


この真面目な雰囲気

嫌いとかそういうわけではないけど

なんだかあんまりよくない気がするし……

花菜「な、なに? 好きな人でもできたの?」

香織「………………」

花菜「っ……じょ、冗談。だから」

無言で睨むような目を向けてきたお姉ちゃんに

思わず笑いながら首を横に振る

相当暗い話なんだよね……きっと

瑞穂ちゃんが来たからなのかしら?

花菜「も、もしも瑞穂ちゃんのことが嫌とかそういうのだったら――」

香織「違うわ。あの子は良い子だし、特に気にするようなこともないの」


花菜「だったらなんなの?」

香織「あの金髪の子……ティナちゃん。貴女が連れてきた子」

花菜「………………」

ティナを見ると頭が痛くなったりするのかしら?

ううん、そんな様子は今までずっとなかった

記憶が戻るような兆候はなく

お姉ちゃんからティナへの態度は別段悪くはないし普通だったと思う

じゃぁなにがある?

お姉ちゃんではないのなら――

花菜「ティナがなにか?」

香織「そう……いうわけでもないのよ。多分私が悪いんだと思う」

花菜「どういうこと?」

香織「ほら、もう一ヶ月近い時間一緒にいるでしょ?」

花菜「そうね」

香織「でも、ティナちゃんはずっと私を避けてるように思えるのよ。話しかけても他人行儀で、嫌われてるのかなって」


嫌われてるのは私であって

お姉ちゃんにはただ申し訳がなくて近寄りがたいんじゃないかな……

お姉ちゃんのことを殺しかけて、記憶を奪った張本人だし

花菜「お姉ちゃんには話したわよね?」

香織「……ええ。私のことを殺しかけた子でしょ?」

花菜「うん」

お姉ちゃんは何が気に入らないのか

その真実に対してか頭を振ってため息をつく

香織「そんな記憶ない」

花菜「それはそうだけどでも……」

香織「それが真実だとしても私は……あの子の態度は嫌。一歩どころじゃなく身を引いて、声をかけたらビクッとして」

花菜「…………………」

香織「……今日なんか食事にも来なかった」


ごめんねお姉ちゃん

それは多分……というかぜったいに私のせいだわ

花菜「そ、それはたまたまよ。今まではいてくれたじゃない」

香織「そうだけど……」

俯くお姉ちゃんは明らかに元気がない

その姿はいつもの強いお姉ちゃんとは違っていて

確かに……人によっては気を悪くする

でも私はそんなお姉ちゃんも見てきたし

それよりもダメなお姉ちゃんを見てきた

……まぁ、私もだけど

だから別に気を悪くしたりはしない。むしろしっかりしなきゃと強くなれる

花菜「……………………」



1、じゃぁ、今日はティナも交えて3人で寝る?
2、じゃぁ、今日はティナと2人で寝てみたら?
3、大丈夫。ティナは優しいから自分が許せないだけ。これから少しずつ、ほぐしていこう?
4、そういう時はね――ギュッとしちゃえ
5、その他


安価下


決まったところでここまでにします
お疲れ様でした

明日は出来たら早くに始めたいです。13時頃を目標……できなければまた21時頃になると思います


花菜「じゃぁ、今日はティナと2人で寝てみたら?」

香織「あの子を寝不足にするつもり? 嫌ってる相手と一緒なんて寝れるわけないわ」

花菜「そうかもしれないけど、だからっていつまでも離れてるままは嫌なんでしょ?」

香織「んー……」

お姉ちゃんは私の言葉に唸って

そばにあった枕を私に投げつけてきた

花菜「危ないじゃない、何するのよ」

香織「無理よ。無理無理、ティナちゃんが朝起きたらハゲてるわ」

花菜「即効性の脱毛症にでもかからない限りありえないから」

香織「でも、相当な負荷がかかるわよ。きっと……私達がどう思おうと被害者と加害者なんだから」

ベッドの上に倒れ込んだお姉ちゃんは手を伸ばして光を遮る

見えた表情は憂いを帯びた悲しげな目

覚えていればまた違ったのかもしれないと

自分の弱さを悔やんでるのがなんとなく解る


花菜「それを悔やんだところで何も変えられないわよ」

香織「解ってるわよ。そんなこと」

香織「…………………」

花菜「……まぁ、確かに。被害者と加害者は消せない過去よね」

被害者と加害者が同じ屋根の下で暮らすなんていうのは

フィクションでさえ復讐のために被害者の親類が潜り込むって展開しか見たことない

私が加害者でティナが被害者

お姉ちゃんが被害者でティナが加害者

しっかりと……というのは疑問だけど一周しているとは言え

普通は同棲なんてしないわよね

それがしちゃってるんだから関係が歪なのも納得できなくはない

花菜「ティナが自分を許せるかどうか……」

香織「……あの子が。ね。時間はかかりそうかしら」

花菜「……私の経験で語るなら時間はかからないと思う。このまま、疎遠になっていくわ」


香織「つまり許せないってこと?」

花菜「見ててわかると思うけど、あの子は優しい上に責任感が強いから……きっとね」

香織「それを貴女は黙って見てるだけで終わらせるの?」

花菜「できることがあるならするわ……でも、私とあの子は加害者と被害者。お姉ちゃんの逆だから」

自分が無意識に笑みを浮かべたことに気づいて首を振る

それにたいして向けられたお姉ちゃんの表情もまた何とも言えないもので

花菜「…………………」

香織「…………………」

二人して黙り込む

時間だけが無駄に過ぎていく

時々聞こえていたリビングの足音も

それぞれの部屋へと消えていく

外から入り込む虫の声が煩くて耳を塞ぎたくなってきた


1、じゃぁ……私も部屋に戻るから
2、行くだけ……行ってみたら?
3、何もしない
4、その他


安価下


花菜「行くだけ……行ってみたら?」

香織「………………」

花菜「私には出来ないから」

香織「……考えておく」

お姉ちゃんはそう言って枕を返して。と、手を伸ばす

花菜「自分で投げてきたくせに」

香織「じゃぁそこに置いておいて」

花菜「……返すわよ」

そっけない言葉の投げ合い

質量ある枕を投げ返したのを最後に終わらせて部屋を出る

花菜「……………………」

寄りかかったお姉ちゃんの部屋への扉は音もなく静かに私を支えてくる

暖かさは自分の体温

人肌が恋しいとは思わない

こういう時に抱きしめてくれるような人を求める権利は――私にはないのだから


・夜を終了します


安価下コンマ一桁が瑞穂→花菜の初期値

ゾロ目なら倍

────────────────────────────────────────

 交友関係(好感/信頼 相手からの印象)  3ヶ月目 2日目 現在

  山科 陽羽 (100/105  複雑な意味で意識する相手) 交流+1
  山科 憩   (62/70  信頼する家族)  交流+1
  山科 真希 (68/68  お義母さん?) 交流+1 交流+1
  山科 真望 (67/67  お義母さん?) 交流+1 交流+1
  山科 香織 (17/17   無茶っ子)  交流+0
  川原 瑞穂 (08/08  お義母さん) 交流+1
  天童 木更 (26/27  排除すべき敵)

  里見 蓮太郎(41/41  言動を躊躇う異性)
  藍原 延珠 (23/25  仕事仲間)
  司馬 未織 (40/37  告白が変に気になる相手)

  巳継 悠河 (??/??  女性で女の子な理想の異性)

  室戸 菫   (21/22  仕事仲間)
  千寿 夏世 (07/07  その他のプロモーター) 
  伊熊 将監 (-29/-14  敵)
  蛭子 影胤 (17/18   興味) 
  蛭子 小比奈(08/09 料理当番) 
  片桐 玉樹 (07/05  その他の民警)

  片桐 弓月 (03/03  その他の民警) 
      聖天子(29/33  少女でいられる相手)
      ティナ(-08/-09  保護者) 交流+0

  斉武 宗玄 (50/40   固執)
 外周区子供達(??/??   せんせーッ!) 交流+1

           序列:363番  所持金 2797.7万円   外周区土地(75坪)

────────────────────────────────────────


3日目(倒壊まであと4日)  朝


再開位置選択


1、聖居
2、自宅


安価下


→ 3日目  朝  自宅


イベント判定


1 瑞穂
3 ティナ
5 聖天子
7 美菜
9 香織


→ティナイベント


花菜「ティナ、どうして出てこないの?」

ティナ「………………」

花菜「………………」

ティナは昨日の夕飯の時もだけど

部屋から出てきてくれなかった

そして今朝もまた……部屋から出てこようとはしない

中に人の気配は感じるし

いることは確実なんだけど……

花菜「貴女がいない方が私達は困るのよ」

ティナ「……………………」

花菜「ティナ…………」

ティナからの返事はなく

押さえてるのか、ドアが開く様子もない


陽羽「蹴破っちゃえば?」

花菜「……そんなことしたらティナにまで怪我させちゃうわ」

瑞穂「……け、蹴破れるんですね」

花菜「………………」

ドアの下半分辺りに触れると

ほんの少しだけ熱が伝わってくるような気がしなくもない

今の貴女がどんな気持ちなのか

私……解らないけど

花菜「……ご飯は用意しておくからね」

ティナ「………………ごめんなさい」

聞けた声はそれだけだった



・イベントを終了します
・朝行動に移ります


花菜「……ティナ」

お姉ちゃんは結局

あのあとティナの部屋にはいかなかったみたいだし

お姉ちゃんと何かあったわけじゃない

花菜「やっぱり……」

ティナ自身の問題……かな

それとも、私がよけいなことを言っちゃったかな

花菜「………………」

ティナのことばかり考えてるわけにもいかないよね



1、電話
2、移動
3、香織と交流
4、陽羽と交流
5、真希と交流
6、真望と交流
7、憩と交流
8、瑞穂と交流
9、ティナと交流
0、武器関連
11、特訓


安価下


早いけれど今日はここまでにします
ありがとうございました




ティナが引きこもり始めたことにより
山科家には家庭内不和が……どうせ起こらない


→ 3日目 朝 自宅



花菜「悪いわね、来てもらったばかりでこんな状態で」

瑞穂「いえ……その、ティナさんはわたしが来たから……という可能性は」

花菜「それはないわ。元々複雑な関係なのよ私達……それがちょっとね」

瑞穂「複雑……」

瑞穂ちゃんはその部分が気になったのか

小さくつぶやくように繰り返す

花菜「気になる?」

瑞穂「あ、いえ……その、大丈夫です」

気にはなっても

首をつっこもうとはしないのね、瑞穂ちゃんは

調査不足で命を落とすタイプだわ

……なんて

花菜「……昨日言ったとおり、自分の家だと思って寛いでくれていいからね?」

瑞穂「は、はい」


なんて言われても困るって感じね

ソファに座っていても

食事の席についてても

かなり控えめな感じがしたし……

瑞穂「……あの」

花菜「うん?」

瑞穂「わたし……本当にこんな生活してても良いんでしょうか」

花菜「どうして?」

瑞穂「今までのわたしの生活よりもずっと凄いです。わたしの部屋だけでママ達と寝てた部屋くらいの大きさはありますし」

花菜「……マンションなの?」

瑞穂「はい、ここと比べるとずっと小さいマンションです」

瑞穂ちゃんは見渡しながら言うと

少しだけ照れくさそうに笑う

花菜「ここはちょっと特別なおうちだからね」

政府に用意された社宅……みたいなものだし


瑞穂「パパとママもここに来るのはダメなんですか?」

花菜「うーん……一応、私は聖天子様の護衛を任されてる身だからそのそばにあまり人を置けないのよ」

瑞穂「……その割に子供多いですよね」

花菜「ええ、まぁね」

瑞穂「………………」

花菜「………………」

不意に黙り込んだ瑞穂ちゃん

きっと、陽羽達が本当の子供なのかどうか聞こうと思ったけど

それは聞くべきじゃないかもしれないって思いとどまってるのね

見た目からして違う子達が多いし、

言うまでもなく……って感じなんだけどな

それはともかく



1、瑞穂ちゃんは自分が何の因子を持っているか解る?
2、もう少し、和らげることできない?
3、ティナと少し話してあげることできない?
4、瑞穂ちゃんのご両親ってどんな人なの?
5、貴女のご両親に送りたいものがあるの。住所教えてくれる?(地下シェルター優先権)
6、その他



安価下


花菜「貴女のご両親に送りたいものがあるの。住所教えてくれる?」

瑞穂「送りたいもの……ですか?」

花菜「ちょっとした手紙よ。今すぐっていうわけにはいかないけど、時が来たら送ろうと思ってね」

地下シェルターに優先してひることのできる特別な券……権利。かしらね

私達は戦うし

子供たちは入れたら大変なことになる可能性があるし

それなら瑞穂ちゃんのご両親に使って貰う方がいいわよね

瑞穂「解りました。山科さん。お願いします」

花菜「えーっと……うん」

瑞穂「……? わたしの住所はこれであってますよ?」

花菜「あ、ううん。うん。うん」

瑞穂「…………?」

山科さんっていうより

せめて花菜さんがいいなぁーなんておもったりしなかったり……


花菜「……そういえば少しここからは離れてるよね? この住所」

瑞穂「そうですね」

花菜「ならどうして私の話なんか聞くことができたの?」

瑞穂「以前、商店街で民警だと言われたことはありませんか?」

花菜「あるけど……それが?」

憩ちゃんと出会った頃のだから

もう何ヶ月か前のことよね、それ

そんなのが今になって噂になってる……なんてことはないわよね流石に

瑞穂「その民警さんらしき女性が外周区の方にいる……とか、その。それをその……」

花菜「……別に言ってもいいのよ?」

瑞穂ちゃんの言いづらそうな表情に

頭を軽くなでつつ先を促すと

軽く頷いてぼそっと……小さく続けた

瑞穂「近所のお母さん達が噂してて……気持ちが悪いって……汚いし不潔だし、ガストレアと一緒にいなくなればいいのにって」

花菜「……………………」

瑞穂「わたしがいた舟ヶ崎小学校のそばの進学校の子供の親……で、だから、その、あんまり……好きじゃなくて」


花菜「好きじゃないどころか大嫌いなんでしょうね……ガストレアという存在そのものが」

瑞穂「……あ、あの、その。山科さんは」

花菜「朱に交われば赤くなる……というか見て見ぬふりも共犯者というか……」

瑞穂「…………」

花菜「気にしない気にしない。私はそういう人達苦手だからね……それに」

汚いと言われるのは慣れてる

死ねばいいと、消えればいいと

そんな罵倒も聞き慣れてる

だからそんな些細なことは、何も響いたりしない

花菜「……まぁ、貴女達を愛することが異常で、差別することが普通なら私は異常でいい」

瑞穂「いいんですか?」

花菜「誰かを虐げて作られる笑顔よりも、貴女達の屈託のない笑顔の方が、私は好きだもの」

悲しそうな瑞穂ちゃんの頭を撫でながら

頬笑みを向けつつさらに続ける

花菜「だから笑って。ね? 悲しい顔はあんまり見たくないわ」

瑞穂「……はい」

拙い笑顔だったけれど

それは確かに可愛らしく……私の好きな子供の笑顔だった


・昼に移ります


とりあえずここまで
ありがとうございました


進学校の名前が出てきてないのが憎い
舟ヶ崎小学校は原作7巻に名前だけ出てくるだけの原作では特に意味のない小学校です
今回の花菜の選択、吉とでるか凶と出るか……


→3日目 昼 イベント判定

安価下コンマ


1 未織
3 影胤
5 美菜
7 香織
9 悠河

4 その他



→悠河



お久しぶりですね。と

彼は以前と何一つ変わらない声色で呟きながら

私達の……私の目の前に現れた

花菜「…………巳継くん」

悠河「気にしなくていいですよ。僕も気にしていませんから」

花菜「………………」

ならなんで私の前に現れたの?

急にいなくなったのに……どうして

悠河「思えば初めから振り向いて貰えてるわけがないんですよ」

花菜「……あ、あのね巳継くん」

悠河「最終的に振り向いてもらえれば……それで良いんですよね」

花菜「………………………」

巳継くんの笑み混じりの言葉に思わず目を逸らす


そんなこと聞かれたって解らない

私は恋なんてしたことないから

恋愛小説にもあまり触れたことなんてないから

花菜「知らな――」

答えを返そうともう一度巳継くんを見上げようとした瞬間

不思議な匂いがした

連太郎くんからも感じることのある男の子の匂いと

シャンプーのちょっと刺激のある匂い

手首に輪っかのような暖かい締めつけを感じ

そして

もう何度か経験した感触を唇に感じた

陽羽「悠河ぁッ!」

陽羽が怒鳴り声に瞬きして

数センチもない目の前に巳継くんの瞳があることに気づいて

自分の唇に触れたのが巳継くんのそれだと……離れてから気づいた


花菜「み、巳継くん!」

悠河「それが僕の意思です」

慌てて口を抑えながら怒鳴ると

巳継くんは笑顔でそう返しながら

あくまで武器を使わない

けれども目を肌の色の分まで真っ赤に染め上げたような瞳を光らせた陽羽の拳を

簡単に躱していく

一度ならず二度も、三度も

まるで全て分かっているかのように簡単に

陽羽「このっ!」

悠河「たとえ君のような最強の盾があるとしても、僕は花菜さんを手に入れる。さっきみたいにね」

陽羽「ふざけないでよ! 花菜のこと……手に入れるなんてモノみたいにッ!」

憩「……あたしも怒るよ? 悠河」

悠河「そうですね。言い直します……僕は花菜さんと家族になります」


花菜「家族って……行き場がないとか?」

悠河「違います」

花菜「帰る家がないとか?」

悠河「違います」

花菜「じゃぁ……」

悠河「……………………」

巳継くんはため息をつき

悠河「そうですよね」

なんて何かに納得して

それならはっきり言いましょう。と笑みを浮かべる

悠河「以前告白して……なのにここまで言わなければいけないというのは少し納得が行きませんが」

そんな前置きのあとに

悠河「僕はいずれ貴女と結婚がしたいと思っています」

巳継くんは平然とそう言った


悠河「僕と貴女が水と油なら、僕も油になる。それで良いですよね?」

花菜「……どういうこと?」

悠河「僕も貴女と同じになります。同じ経験を経た人間に」

花菜「本気で言ってるの?」

悠河「花菜さんが水と油だという些細なことで拒絶をするのなら……その壁を取り払うために」

巳継くんは冗談とかではなく

真剣そのものの表情で答える

巳継くんが私の人殺しだった過去を知っているとは思えないけれど

それでも私のあの感じにまで堕ちる可能性は否定できない

そうしなければ私が見向きさえしないと思ったから?

なんで?

どうして?

告白するまでは。それを断るまでは

追い求めることを悪いとは言わない

でも、なんで、どうしてそこまで……



1、……解った。その言葉は撤回するから貴方は貴方のままでいて
2、私にそこまでの価値があるの? 人生を捨ててまで選ぶ価値が
3、不幸になるわよ? 私なんかを愛していたって
4、今ここで貴女を受け入れれば……貴方は貴方のままでいてくれるの?
5、その他


安価下


花菜「私にそこまでの価値があるの? 人生を捨ててまで選ぶ価値が」

悠河「そもそも、僕には捨てるほどの人生もありませんよ」

花菜「……え?」

悠河「言ったと思いますが……僕には少し前まで光すらなかったんです。助けてくれる友人や親兄弟も」

それを笑顔で言うことができるのは

私と同じように壊れているのか

今の幸せに満足していて割り切れているのか

後者だと信じたいけど……

悠河「そんな過去はあまり良いものではありませんし、未来だってきっと、貴女がいなければつまらない」

花菜「どうしてそう思うの?」

悠河「貴女のそばを離れてから……一度も楽しいとは思えなかったからです」

巳継くんはそこで表情に影を落として

すぐに振り払って苦笑する

悠河「だからってこうも早く会いにいくなんて、僕は耐え症がないですね」


陽羽「……花菜」

花菜「な、なに……?」

陽羽「勝手にキスされたんだよ? 良いの?」

花菜「それは……っというか、陽羽、痛い、お尻抓らないで、痛いからっ」

巳継くんに攻撃できなかった腹いせか

私のお尻をギュッと抓る陽羽は

かなり不機嫌そうにため息をこぼす

陽羽「花菜はそういうのあまり得意じゃないって知ってるよね?」

悠河「だからと遠まわしに言い続けていたらずっと友達などの関係のままですよ?」

陽羽「そうかもしれないけど。でも、だからってあんなことッ!」

悠河「どうしても僕の気持ちを伝えたかったので」

巳継くんは形だけ……のような感じで私に頭を下げたりもせず

ただ言葉だけでの謝罪すらもしない

謝ることは気持ちの否定だって思ったのかな……というか、私本当に……っ

思い出したせいか顔が熱くなった



1、だ、だからってああいうのは嫌よ
2、あ、あなたの気持ちは解ったから……だからもう、その突然とかは嫌
3、べ、別に良いわ。気にしてないから
4、恥ずかしいからやめてね?
5、その他


安価下


花菜「あ、あなたの気持ちは解ったから……だからもう、その、突然とかは……嫌」

思い出して赤くなる表情を隠すように

巳継くんではないどこかへと視線を彷徨わせながら呟く

今気づけば男の人との初めてのキス

意味を知った上でのキスは

恋愛にはあまり興味がないのだとしても恥ずかしい

それを巳継くんは苦笑でかき消す

悠河「やっぱり、僕は今の花菜さんが好きです」

花菜「っ、だ、だから……」

悠河「女の子ではないなんて言わないで下さいね? 僕の目の前にいる山科花菜さんはどう見ても女の子です」

花菜「…………………」

陽羽「……いい加減にしないと本当に殴るよ? 話してる途中で殴るのは花菜に怒られそうだから止めておいたけどさ」

悠河「君が本気でも僕には勝てないよ」

陽羽「その機械みたいな音を出してるやつがあるから?」


陽羽の言葉に巳継くんが目を見開いて

誤魔化すように首を振る

悠河「どうしてそう思うんだい?」

陽羽「私が殴りかかってる時に音がして、やめたあとは音が消えて、私が今動こうとしたらまた鳴ったから」

悠河「それだけでは情報不足だ。正解だとは言ってあげられない」

陽羽「つまり、不正解だとは言えないってことだよね。それ」

にやっと笑った陽羽は

笑みを無くして真面目な表情の巳継くんを指差す

陽羽「……で。次は当てる自信があるけど……どうする悠河。花菜に格好悪いところ見せたい?」

悠河「君のそれがハッタリだという可能性もあるけど……」

巳継くんの視線が向けられたのを感じて

ふいっと目を逸らす

悠河「僕の目的は達成できたし、ここで怪我をしたりはしたくないからね。大人しく引き下がるよ」

そう言って去っていく足音を聞きながらほっと息を吐く

まるで恋する乙女みたいだなんて馬鹿馬鹿しく思いながらも

その巳継くんの姿を見ることは出来なかった


・イベント終了


とりあえずここまで
ありがとうございました



悠河との戦闘において
香織さんはかなり相性がいいかもしれない……今の想定だと


→ 3日目 昼 外周区


「――せんせー」

花菜「………………」

「花菜せんせーっ」

その声にハッとして

何事もなかったかのように「なぁに?」なんて聞く

「てすとの時間、終わりですよね?」

花菜「えっと……そう、ね」

ピピピ……ッとアラームを鳴らす時計を止める

集中してるみんなに気づかせるためのものに

私自身が気づかないなんて

相当……心に来ちゃってるってことなのかしら

花菜「……………」

巳継くんとのキス

陽羽達とのそれとは同じようで違った感じだったし

私がいくら否定していようと、女であるということは変わらないということなのかしらね


でも……なんでかな

巳継くんは私にキスをした

私を女性として見てくれた

女の子だと言ってくれた

人生を捨ててでも求める価値があると言ってくれた

それにたいして私は

恥ずかしいと思ったし動揺もした

だけど嬉しいとは思えなかった

ありがとうとも思えなかった

花菜「………………」

ただ生物学上の女としての羞恥心を刺激されたに過ぎない

たったそれだけにしか感じられなかった

巳継くんの愛情は深く、とても強いものだと思う

でもそれでも私は……貴方のために女になるとは言えないみたい


・夕方に移ります


→3日目 夕 再開位置選択


1、自宅
2、実家
3、外周区
4、片桐民間警備会社
5、商店街
6、司馬重工


安価下


→3日目 夕 イベント判定

安価下コンマ


1 未織
3 影胤
5 陽羽
7 聖天子
9 電話

4 その他


→未織(外周区)


なんだかどこにも行く気は起きなくて

でも、子供達に囲まれたままというのも落ち着かなくて

外周区のみんなとはちょっと離れた場所にいると

巳継くんのように唐突に彼女は現れた

未織「こんなところでどうしたん?」

快活な声でそう言った未織ちゃんは

和服が引っかかることも構わずに瓦礫の中を進んで私のもとへと近づく

一人にして。なんて言えずに愛想笑いを浮かべた私に

未織ちゃんはちょっと不機嫌そうな顔をした

未織「最近、うちに会いに来てくれなかったそれなん?」

花菜「それって?」

未織「今、うわっ。会いたくなかったわーみたいな顔したやん」

花菜「してないわよ。勘違い」


>>252訂正  未織の台詞最後から二番目


→未織(外周区)


なんだかどこにも行く気は起きなくて

でも、子供達に囲まれたままというのも落ち着かなくて

外周区のみんなとはちょっと離れた場所にいると

巳継くんのように唐突に彼女は現れた

未織「こんなところでどうしたん?」

快活な声でそう言った未織ちゃんは

和服が引っかかることも構わずに瓦礫の中を進んで私のもとへと近づく

一人にして。なんて言えずに愛想笑いを浮かべた私に

未織ちゃんはちょっと不機嫌そうな顔をした

未織「最近、うちに会いに来てくれなかった理由はそれなん?」

花菜「それって?」

未織「今、うわっ。会いたくなかったわーみたいな顔したやん」

花菜「してないわよ。勘違い」


きっぱりと言い切っても体は正直……なのか

視線は未織ちゃんとは別の方向へと向く

一人になりたい=会いたくなかった

というのもあながち間違いではないからかしらね

花菜「未織ちゃんに会えなかったのは忙しかったからよ。メールはしたでしょ?」

未織「聖天子様つきの特殊な……ってやつやね? 解ってるけど……」

花菜「…………なら」

未織「でも、ちょっとくらい顔見せてくれたってええやん!」

吐き捨てるように言った未織ちゃんは

私の体を押し出すようにしながら同じ瓦礫の隣に座る

花菜「………ごめん」

未織「別に怒ってるわけやない。うちよりも大事なことがあったってだけのことやろ?」

花菜「怒ってるじゃない、明らかに声が不機嫌よ」

未織「なんなん? ウチが怒ってるって認めたら何かしてくれるん?」


間のない言葉の投げ合いを

未織ちゃんはじっと睨むような瞳で中断させる

そんな目してる時点で認めてるようなものなのに……

未織「うちはただ……」

花菜「?」

未織「………………」

言いかけて俯いた未織ちゃんは

ちょっとだけ体を寄せてくる

といっても、初めから密着してるようなものだったけれど

未織「ちょっと寂しかっただけやし」

花菜「……………………」



1、寂しかったって……子供じゃあるまいし
2、ふふっ、はいはい
3、抱き寄せてあげる
4、ごめんね。気づいてあげられなくて
5、もしも私が死んだりしたらどうするのよ。そんな状態で
6、その他


安価下


その寂しさを埋められるかどうかは解らないけれど……

花菜「……未織ちゃん」

未織「!」

肩に腕を回して抱き寄せる

巳継くんと似て優しい匂い

でも、そこには果実のような甘い匂いが混ざっていて

申し訳程度な香水の匂いも微かに感じる

花菜「……良い匂いね。シャンプーもだけど、香水も嫌いじゃないわ」

未織「な、何……」

花菜「洋服ばかり見てたからかしらね。その和服も新鮮」

未織「っ…………」

思ったことをそのまま口にしながら

未織ちゃんの頭を撫でる

花菜「寂しくさせてごめんね、でも。私も忙しかったのよ」


未織「……べ、別に」

花菜「ふふっ、自分で言ったじゃない。寂しかったって」

未織「言ったけど。でもうちは別にこんな……」

花菜「……これは私がしたいことよ」

未織「そういえば、花菜ちゃんってそーいう人やったね」

困ったように言いつつも抵抗も何もせず

むしろ身を寄せてくる未織ちゃんの肩に頭を乗せる

頬に触れる未織ちゃんの暖かさは

互いの服に阻まれたものよりも少し柔らかい

花菜「嫌なら……離れるけど?」

未織「……………………」

花菜「………………ぁ」

答えの代わりのように未織ちゃんは私と同じように肩を抱き寄せて

体を私へと預ける

未織「ええよ……いや、このままがええ」

花菜「……………………」

未織「もう少し、うちの我侭に付き合って」

花菜「寂しさがそれで補えるなら。いくらでも」


未織「……うち、怒ってないって言ってけどな」

花菜「うん」

未織「……嘘や」

花菜「どうして?」

未織「天童民間警備会社辞めた後……うちに来て欲しかった」

ぼそっと呟くような一言でも

今の距離感では十分な大きさで

しっかりと聞こえた

花菜「私もまさか聖天子様に拾われるとは思ってなかったわ。あの時はただ、約束で聖居に居ただけだもの」

未織「政府の下に着くと戦争に利用されるかもしれへん。それが解らないわけやないやろ?」

花菜「…………………」

未織「うちは嫌やで? ガストレアでなく、人間との戦争に行ってくる。なんて言葉は」


花菜「ガストレアの中にも元は人間がいるわ。未織ちゃん、貴女の言葉は間違ってる」

未織「せやけどガストレアはガストレアや。人間だった。であって人間やない」

花菜「…………………」

未織「忘れられた愛犬、愛猫、そういうペットもおるかもしれへん。でも……ガストレアや」

元はどうであれガストレア

未織ちゃんの言葉も、割り切った考えも間違ってない

戦場では躊躇いが死を招くのだから

むしろそうできない人間は邪魔でしかないわね

花菜「でも。私はたとえガストレアでも死を弔うわ。だって、ガストレアだって命はあるんだもの」

未織「……他人が聞いたら引くセリフやね。それ」

花菜「かもしれないわね。でも、私は未織ちゃんだから言ったのよ。引かれたらちょっと、傷つくかもしれない」

未織「……なんなんそれ。もう、花菜ちゃんってば狡いなぁ」

苦笑した未織ちゃんは肩から手を離すと

ところで。と口にする

未織「忙しくて会えへんかったなら、なにかあれば今のうちに聞くで?」


1、武器の発注
2、学校の建設
3、ティナの相談
4、恋の相談
5、その他



安価下


いずれか一つ


とりあえず今日はここまでにします
ありがとうございました



未織が出てこない→コンマヒット
流石です。未織嬢

花菜は優秀なヒモ男みたいなスキルを持った稼ぎ頭(2ヶ月で3000万)です


花菜「学校の建設を頼みたいのよ」

未織「学校の建設? 今の青空教室をまともな学校にしたいっちゅうことなん?」

花菜「端的に言うとそう……かな。でもねあの子達の家も兼ねた作りにして欲しいのよ」

未織「……孤児院ってこと?」

花菜「そうね。それが一番近いかな」

東京エリア全ての子供たちを迎え入れることができるなんてレベルは求めたりしないけれど

今私が関わってる青空教室の子供達に

しっかりとした勉強環境に加えて

ちゃんとした家に住まわせてあげたいもの

未織「それで土地を買っちゃった。ってわけか……ほんまお金持ちは違うわぁ」

花菜「貴女のそれは嫌味にしか聞こえないわよ? 司馬重工のお嬢様」

未織「せやけどうちの財産とは違うんよ?」

花菜「何言ってるのよ。同じようなものでしょ」


それもそうやね。なんて笑った未織ちゃんは

それはさて置きと淡々と切り替えて

商売の瞳をぎらつかせた

未織「うちに依頼するんはええけど、だからってタダにはならへんよ?」

花菜「当たり前でしょ」

未織「それに……外周区で工事するっていうのがどういうことか。わからへんわけやないやろ?」

花菜「解ってるわよ」

外周区の工事が一向に進んでいないのは

呪われた子供たちがいるということもあるけれど

飛行ガストレアが降ってくるかもしれない

色々と近寄りたくない場所だから

だから工事を頼むにはその場へ行くことを納得してもらわなければいけず

そのためには……わりとお金がかかる

というか基本的には会社に願い出た時点で門前払いが普通だったりする

……けど、そのくらい知ったことじゃない

未織「そか。ならまず作りから聞こか。何階建てにするかとか、教室はいくつとか。部屋はいくつとか」

花菜「そうねぇ……」



1、2階
2、3階
3、4階
4、5階
5、その他

安価下(部屋数とかは後ほど)

地下室が欲しければ0も選択肢のほかに記入(その場合、1階分を地下とします)


つまり3階建て(上二つ地下一つ)ということかな


次に

建築面積……というか
建物に使う土地の大きさを設定……はしません


子供用の部屋数と位置(何階か)だけ設定


青空教室の子供の数は現在20人(山科一族を含まず)


1、ひと部屋(個室にせず、大部屋)
2、10部屋(2人ずつ)
3、20部屋(一人人部屋)
4、12部屋(2人ずつ+α)
5、24部屋(2人ずつ+α)
6、その他(最低で10 最大で30部屋)


安価下


24部屋は一人ずつ+αでした

大雑把だけどこんなかんじかな


┏━━┯━━┯━━┯━━┯━━┯━━┯━━━━━━┳━━┯━━┯━━┯━━┯━━┯━━┓

┃    │    │    │    │    │    ┃           ┃    │    │    │    │    │    ┃
┃    │    │    │    │    │    ┃           ┃    │    │    │    │    │    ┃
┃    │    │    │    │    │    ┃           ┃    │    │    │    │    │    ┃
┠──┴──┴──┴──┴──┴──┛           ┗──┴──┴──┴──┴──┴──┫
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┃                                                                ┃
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┠──┬──┬──┬──┬──┬──┓           ┠──┬──┬──┬──┬──┬──┫
┃    │    │    │    │    │    ┃           ┃    │    │    │    │    │    ┃
┃    │    │    │    │    │    ┃           ┃    │    │    │    │    │    ┃
┃    │    │    │    │    │    ┃           ┃    │    │    │    │    │    ┃
┗━━┷━━┷━━┷━━┷━━┷━━┻━━━━━━┷━━┷━━┷━━┷━━┷━━┷━━┛



あとはこれをどこに置くか


1、1階
2、2階
3、地下


安価下


2階ですね、解りました


最後に教室だけ



1、1階

2、地下


安価下


花菜「……と、まぁこんな感じかな」

未織「なんやもう、ほんまの孤児院やね」

花菜「そうん。。そうかもしれない」

未織「ボランティアで開く孤児院なんて無茶するなぁ……」

未織ちゃんの呆れたような声をそばに聞きながら

なんとなく苦笑する

花菜「未織ちゃんが経営してくれてもいいのよ?」

未織「うちにはそんな力ないで。花菜ちゃんほどお人好しにはなれへん」

花菜「お人好し?」

未織「そうやった。重度のって付け忘れとった」

花菜「……そういう問題じゃないんだけど」

ええやんええやんと

私の話を遮った未織ちゃんは

総額で1800万は出して欲しい。と、密かに金額を口にする

花菜「1800万円ね……」

普通ならこの倍でも作ってはもらえないだろうけど

そこは司馬重工とのコネクションってことかしらね……


未織「うちも流石にこれが限度やと思う」

花菜「そうよね……」

未織ちゃんは未織ちゃんで

かなり値引いてくれた金額だと思う

土地はすでに私が持っていて

その分のお金が浮くのに1800万円……

正直建築関係は良く解らないからどうかは知らないけど

……高い、のかしら?

私のお金の60%近く持っていかれるのよね?

未織「うちも出来るなら安くとは思うけど、人を雇う以上、上乗せせなあかんし……」

花菜「そうよね」



1、お願いする
2、断る
3、保留


安価下


花菜「解ったわ。それでお願いする」

未織「即決って……ええの?」

花菜「何が?」

未織「陽羽ちゃんやお姉さん。いるんやろ? 何も言われへんの?」

花菜「……まぁ、諦められてるから」

どうせ止めても止まらなかっただろうしとか言いながら

ため息をつく2人が目に浮かんで苦笑い

だけど、未織ちゃんはなんでか笑わず

困ったような表情をしていた

花菜「なに?」

未織「うち……重度のお人好し言うたけど、冗談やないで」

花菜「……………………」

未織「諦められてるって相当なことやって分かってるならもう少し考えたほうがええ」


安価下コンマ一桁


1 7  3  ゾロ目 継続


花菜「……ごめん」

未織「謝られてもウチが困るだけや」

花菜「………………」

未織「………………」

花菜「……私、そろそろ戻るけど、どうする?」

もう暗くなってきた空を見上げながら

未織ちゃんに尋ねると

軽く頭を横に振るだけで、未織ちゃんは歩いていく

未織「花菜ちゃん」

花菜「なに?」

未織「……死んだりせんといてな?」

花菜「そんな簡単に死ぬような――」

未織「殺されはしなくても死ぬ人間やん。花菜ちゃんは誰かの為に、死ぬ人間やん」

花菜「……………………」

未織「……ごめん」

未織ちゃんは一言謝って

いつの間に来ていたのか、迎の車へ駆け込んでいってしまった


・夜に移ります


とりあえずここまで ありがとうございました


教室は20人でも16坪ほど必要という計算結果が……


未織ちゃんの言葉を開放するには好感度が足りないッ


→ 夜の再開位置

1、自宅
2、実家
3、司馬邸
4、聖居
5、商店街


安価下


イベント判定

1 陽羽
3 美菜
5 聖天子
7 弘一
9 電話

安価下


→ 3日目 夜 実家


美菜「あら、花菜ちゃんが帰ってくるなんて珍しい」

花菜「邪魔だった?」

美菜「家に帰ってきた子に邪魔だなんて言わないってば。もうっ。新しい子供まで作っちゃって」

ガストレアの集団の話を聞いているはずなのに

まったく慌てることもなく上機嫌なお母さんは

しゃがんで瑞穂ちゃんと目線を合わせる

瑞穂「か、川原瑞穂。です」

美菜「山科美菜。花菜ちゃんのお母さんよ。よろしくね。みぃちゃん」

パチッとウインクしたお母さんは「我が子にはしてないのね」と

変に納得して苦笑する

美菜「まっ、良いけど……香織ちゃんはどうしたの?」

花菜「家にいるわ。外周区からの寄り道なの」

美菜「ふぅん……何かお仕事の依頼?」


花菜「えっと……」

美菜「でも悪いわね。お母さんはお国からの大事なお仕事請け負ってるからほかに回す手はないわ」

花菜「そうよね」

美菜「それに、守れなきゃお仕事も無駄になるわけだし。終わらせてからでも良いんじゃない?」

花菜「………………」

確かにそう

未織ちゃんに建設をお願いしたけれど

守りきれなければ無意味

逃した1%が司馬重工を襲ったりしたら

それでもやっぱり無駄になる

美菜「まぁ、貴女がどうしてもお願いしたいことがあるって言うなら聞くだけ聞いておくけど」


1、ううん。特にないの
2、二人で話せない?
3、青空教室の子供たちを守る設備が欲しいの
4、その他


安価下


花菜「二人で話せない?」

美菜「仕事が残ってるけど……まぁ、良いわ。話くらいなら付き合ってあげる」

陽羽「陽羽一緒に――」

美菜「だぁめ」

陽羽「でもっ」

美菜「花菜ちゃんが二人が良いって言ってるんだから。我慢しないとめっ。よ?」

陽羽「っ……解った」

相変わらず不満そうな陽羽

二人でなんて言った手前

じゃぁ陽羽も一緒にとは言えずにごめんと呟く

憩「じゃぁ待ってる」

真希「あとでねー」

真望「でねー」

陽羽「……早く戻ってきてよ」

花菜「うん」


→ 実家 別室


美菜「それで? どうかしたの?」

花菜「……色々あった」

美菜「そうねぇ。モノリスの襲撃、ガストレアの集団。いきなり戦争が起きるから――なんて言われてもね」

花菜「………………」

美菜「けど、貴女はそんなことで滅入るような子でもないでしょ?」

お母さんは決めつけたように良いながら

話してみなさいよ。と椅子に腰掛ける

話してみなさいって言われても

何をどう話せばいいのかな……

聞きたいことも

話したいことも

色々あるのよね……私



1、男の子にね、キスされたの
2、私……男の子に好きだって。愛してるって言われちゃって
3、木更ちゃんのことをどうやったら止められると思う?
4、ゾディアック・ガストレアについて
5、その他


安価下


花菜「男の子にね。キスされたの」

美菜「えっ、あらっ……蓮太郎くん? 蓮太郎くんなのっ!?」

花菜「……ううん」

美菜「えっ違うの? 蓮太郎くんでも驚くけどそれだと何か……超えちゃうというか」

絶叫に近い大声から

急激に冷めた声になったお母さんは

蹴り飛ばすように倒した椅子を戻してまた座る

美菜「貴女のことだもの。その……いわゆる暴漢にやられたってわけではないんでしょ?」

花菜「うん。それだったら陽羽が黙ってないし」

美菜「そっか……でも。それならなんで落ち込んでるのよ。その男の子から愛情表現受けたってだけの話じゃない」

花菜「それが問題なの」

美菜「ほかに好きな人がいるとか?」

花菜「ううん。私はそんな感情を向けられるべきじゃないから」


花菜「お母さんも知ってるけど、私は人殺しだから」

美菜「……死ぬまで付き合うつもりなのね。それと」

花菜「じゃなきゃおかしいわ。たくさんの人を殺したのに、不幸にしたのに」

なのに私は死ぬこともなく

誰かに愛され誰かを愛し

自分が破壊し続けてきたであろう家族を作り

罪を忘れて笑顔で生きろと?

花菜「そんなことできるわけない」

美菜「……じゃぁ、貴女を好きな子には不幸になれっていうのね?」

花菜「私より良い女の子なんて一杯いるわ。こんな体つきで魅力も何もない私なんかよりもずっと良い子が」

自棄になってるわけでもなく

ただ本心でのその言葉に

お母さんは少し怒ったような顔でため息をつく

美菜「子供に魅力がないなんて言われたら……私も悲しいんだけどなぁ」


美菜「第一、貴女に魅力があるからその子は好きになったはずよ」

花菜「………………」

巳継くん

私のことをたくさん褒めてくれてたっけ

光以外の全てを与えてくれる人とか

女の子らしいとか

女性らしいとか

優しいとか、暖かいとか……たくさん

美菜「貴女が自分を過小評価……は違うわね。自分を道端の石ころあるいはゴミと同等に見てるのは解ってるわ」

花菜「……………」

美菜「だけど、周りから見ればそれは違う。貴女の過去を内包した今を見て。その姿に魅力を感じているの」

花菜「……なら私は人殺しですとでも顔に書いておいたほうがいいかな。今の私は悪魔よりも嘘つきだから」

冗談じゃない一言を笑顔で言える私は

分かっていたことだけど……壊れている

笑顔で人を殺せるのだからそんなこと、気にすることでもないのだけれど


美菜「花菜ちゃん……」

花菜「そうすれば誰も好きになったりしない。誰も近づいてきたりしないでしょ?」

美菜「……このご時世。貴女の歳を踏まえれば万人ではなくても受け入れる人はいると思う」

お母さんは少し考えてから

むしろ。と付け足して私の手を握る

美菜「辛かっただろうねと包み込んでくれる人だってきっといる」

花菜「そんなはずない」

美菜「愛するっていうのはそういうことよ。相手のどんなことだって受けてそれでも好きだと言えること」

花菜「…………………」

美菜「お母さんは科学者だから。変人だって言われるようなこともあったけど、パパは言わなかった」

どこか懐かしげにほくそ笑みながら

お母さんはお父さんとのことを続ける

美菜「私のどんなふざけたことでもね? 面白いって言ってくれた。頭がおかしいと。狂ってると。決して言わなかった」

花菜「……………………」

美菜「馬鹿らしいかもしれないけど、お母さんにとってはすごく嬉しかったのよ。蔑んだ笑いじゃなくて、純粋に笑ってくれるパパの気持ちが」


花菜「でも私はそんな生易しいレベルじゃ――」

美菜「一緒よ」

花菜「違う。命を奪うのと奪わないのでは」

美菜「科学は生物を殺す。人間も、植物も、動物も殺す」

お母さんは淡々と言いながら

どこか冷めた瞳で私を見つめる

お母さんが人を殺したなんて話は聞いたことがない

だからきっと、科学は科学でも

兵器だとかそういうものを言ってるんだと思うけど……

美菜「それに私もパパも花菜ちゃんも香織ちゃんもみんなを愛してるわ」

花菜「それは親だから」

美菜「親だからすべてを許せる。そんなことないというのは貴女も知ってるでしょ?」

花菜「……うん」

美菜「だからね? 愛されないべき人なんていないのよ。むしろ、愛されるべきなのよ」

お母さんは私のことをぎゅっと抱きしめると

そのまま言葉を続ける

美菜「貴女は男の子の愛を否定はしちゃダメ。恋人になれとは言わないけれど、ありがとうと答えてあげなさい」

花菜「…………………」

美菜「一生消えない罪だと思う。だからこそ貴女はその罪の分不幸になり幸せにならなければいけないのよ」

花菜「幸せになんかなったら呪われるわ」

美菜「不幸な道を進み続けた上での幸せが、呪われて堪るものですか」


1、……解った。私、少しは考えてみる
2、今しばらくは自分のことは考えない
3、本当にそれでいいのか、もう少し考えさせて
4、じつは、その男の子には私の悪い部分見せてるの
5、……相手が高校生でも恋していいの?
6、相手が女の子でも恋していいの?
7、その他


安価下


いずれか一つ


花菜「じつはね?」

美菜「うん?」

花菜「その男の子には私の悪い部分見せちゃってるの」

お姉ちゃん達が襲われて

ティナがどうしても許せなくなって

絶対に殺してしまおうという気になっていた時

巳継くんと会っちゃったのよね

美菜「それで……まさかその上でキスして貰えたの? うふっ」

花菜「っ……」

美菜「なにそれ、それで蓮太郎くんじゃない男の子? やだ花菜ちゃんいつのまにたらしこんだのよ」

花菜「へ、変なふうに言わないで!」

巳継くんとのキス

巳継くんとの会話

鮮明にフラッシュバックするそれらに苛まれて、思わず怒鳴ってしまった


そろそろ日付も変わるのでここまで
ありがとうございました




安価出す場所を見失って一直線。失礼しました
これで巳継くんに春(陽)は(羽)来る(襲来)かもしれない?


美菜「その反応見るに満更でもないのねぇ?」

花菜「っ……きゅ、急だったし、初めてだったし……」

美菜「男の子との初キスね……蓮太郎くんあたりとしてるかと思ってた」

花菜「するわけないでしょ……里見くんにだって相手を選ぶ権利があるもの」

美菜「ふぅん。じゃぁ、蓮太郎くんがしたいって言ったらしてあげるのね?」

花菜「そ、それは……」

どう……かしら

多分してあげちゃうかな

なんか。なんていうのは止めておくにしても

私とキスがしたいって言うならだけど

花菜「……でも」

抱かれててくれって里見くんは言ったのよね

それに女だって

………………

花菜「する。かも」


美菜「花菜ちゃんはキスしたい男の子とかいないの?」

花菜「き、キスしたいって……そ、そんな相手」

美菜「あなたもう大人なんだからそんな反応しなくても良いんじゃない?」

花菜「だって慣れないんだもの……仕方ないでしょ」

お母さんと話して

自分でも好意を素直に受け取っていいと思ったし

少しは女性としての意識を持っても良いんじゃないのかもしれないとも思ったけど

花菜「私はそういう感情とかとは10年前に決別してたから……解らないのよ」

美菜「……そうだったわね。まぁ、これから学んでいけばいいと思うわ」

花菜「子供っぽい恋愛って言われちゃわないかしら」

美菜「ふふっ、可愛くていいじゃない」

花菜「私に一番似合わない言葉なんだけどな。それ」

最初とは違って冗談ぽくつぶやく

似合わないとは思うけどでも……嫌ではない。かな


美菜「謎の男の子とのキスは満更でもなく、蓮太郎くんとのキスはする」

花菜「ゎ、わざわざ声に出さないでよ……」

美菜「でも、貴女からしたい子はいない。と」

花菜「……ダメなの?」

美菜「ダメとは言わないけど……男の子2人を保留できるなんて贅沢だなぁって」

花菜「保留って……」

巳継くんはともかく里見くんは多分私ではなく

木更ちゃんの方が好きなんじゃないかなって思う

私があまりにも女を捨ててたりしたから

里見くんが見かねただけで……きっと

じゃないとあの状態だったであろう過去の木更ちゃんを支えて

今までそばにいることなんて出来なかっただろうからね

……それが愛っていうことなんだよね

美菜「貴女がその子達よりも一緒にいたい男の人とかがいるなら、早めに言っておくのよ? 期待させておいてダメなんて恨まれちゃうから」

花菜「……うん」


・花菜は恋愛についてちょっと学びました
・夜を終了します

────────────────────────────────────────

 交友関係(好感/信頼 相手からの印象)  3ヶ月目 3日目 現在

  山科 陽羽 (100/105  複雑な意味で意識する相手) 交流+0
  山科 憩   (63/71  信頼する家族)  交流+1
  山科 真希 (69/69  お義母さん?) 交流+1
  山科 真望 (68/68  お義母さん?) 交流+1
  山科 香織 (17/17   無茶っ子)
  川原 瑞穂 (09/09  お義母さん) 交流+1
  天童 木更 (26/27  排除すべき敵)

  里見 蓮太郎(41/41  言動を躊躇う異性)
  藍原 延珠 (23/25  仕事仲間)
  司馬 未織 (43/39  告白が変に気になる相手) 交流+1 交流+2/+1

  巳継 悠河 (??/??  女性で女の子な理想の異性) 交流+5 その他+4

  室戸 菫   (21/22  仕事仲間)
  千寿 夏世 (07/07  その他のプロモーター) 
  伊熊 将監 (-29/-14  敵)
  蛭子 影胤 (17/18   興味) 
  蛭子 小比奈(08/09 料理当番) 
  片桐 玉樹 (07/05  その他の民警)

  片桐 弓月 (03/03  その他の民警) 
      聖天子(29/33  少女でいられる相手)
      ティナ(-08/-09  保護者) 交流+0

  斉武 宗玄 (50/40   固執)
 外周区子供達(??/??   せんせーッ!) 交流+1

      序列:363番  所持金 2797.7万円(1800万使用予定)  外周区土地(75坪)

────────────────────────────────────────


とりあえず今日はここまでにします
ありがとうございました



4日目は聖居スタートです


→ 4日目 朝  聖居


花菜「……聖天子様にはちょっときついBGMかしら」

聖天子「いえ……覚悟の上ですから」

昨夜始まった白化現象によって

政府は今回の件―ガストレアの襲来とモノリス倒壊―を隠しきることは出来なくなってしまったけれど

迅速かつ冷静

そしてなにより代表として正しい判断で動いたからか

混乱は予想よりも軽かった

でもやっぱり、全ての人がはいそうですかと受け入れてくれるわけがなかった

エリア内に住む人達の約30%を守れるシェルター

その30%の中に因子を持つ子供達も含まれるというのだから……なおさら

花菜「聖天子様も無茶しますね。30%の中に因子を持つ子供たちを含むなんて」

聖天子「子供たちも国民です……それに、貴女ほどではありませんから」

花菜「あら……ふふっ、例えに出すには、私は不相応だと思うわ」

聖天子「無茶が似合うのは山科さんでは?」

言ってくれるわね……まったく

こんな状況だっていうのに……ううん

こんな状況だからこそ、かしら

冗談の一つでも言ってないとやってられないかな


瞬く間に出来上がった反対組織はかなり危険な状態なのよね

選出された国民の30%

誰が当選したか。という公表はないにしても

だれが当選したのか発覚すれば……きっと殺してでも権利を奪い取るからね……

聖天子「ところで山科さん」

花菜「はい?」

聖天子「アジュバントは組めそうですか?」

花菜「………………」

聖天子「山科……さん?」

花菜「それは……その」



1、組めそうにないの……友達いなくて
2、三島さんのところにお願いしたんだけど……ダメだったわ
3、組まないでやってみようかなって……いない方が動きやすいもの
4、な、なんとかなるわ
5、……せ、聖天子様。民警をやってみる気はない?
6、聞かないで……
7、その他


安価下


花菜「三島さんのところにお願いしたんだけど……ダメだったわ」

聖天子「三島さん……というと三島ロイヤルガーターさんでしょうか?」

花菜「ええ……以前将監さん達と知り合ってたからお願いしてみたのだけど」

ものすごい低確率で協力してくれるかなって思ってたんだけどやっぱりダメだった

……敵対した間柄というか

最後に会った時点で険悪だったし……仕方がないわよね

聖天子「わたくしの方でお話しましょうか?」

花菜「聖天子様自ら?」

聖天子「ええ。山科さんがアジュバントとして参加していただけないのは致命的かと思いますし……」

聖天子様は言いながら顎に手を当てて首を傾げる

聖天子「山科さん」

花菜「はい?」

聖天子「現在、東京エリアの中で序列が高く……おそらく団長を任せることになる方がいるのですが、お願いしてみます?」

花菜「……誰ですか?」

聖天子「序列275位、我堂長正さんです」

……知らない人なんだけど

でも序列がたかいってことは有名なはずなのよね

無知でごめんなさい、我堂さん


聖天子「出来る限り行為序列者と組んだ方が山科さんも戦い易いでしょう?」

花菜「……どうかしら。見知らぬ女となんて組めないって我堂さんに言われないかしら」

聖天子「わたくしが言わせません」

花菜「それはちょっと……」

強制して組んだところで連携して貰えるわけがない

煙たがられて放置されるか

邪魔されて致命的なミスにつながるか……

我堂さんがどんな人か知らないし

そんなことするような人じゃなかったとしても……厳しいと思う

聖天子「では里見さんと組ませていただけるよう、天童社長に打診しましょうか?」

花菜「うーん……」



1、自力で何とかするわ
2、そうね……里見くんとが良いかしら
3、我堂さん。お願いだけしてみたいわ。連絡先を教えてください
4、我堂さんにお願いしていただけますか?
5、その他


安価下


花菜「そうね……里見くんとが良いかしら」

聖天子「やはり、今までの経験を共にした方の方がやりやすいと」

花菜「ええ。里見くんも私と組めるならそうしたいって言ってくれてるし……」

あの時は木更ちゃんとのことがあるから無理だって断っちゃったけど

それがなければ里見くんと組むことができる

今まで一緒に仕事してきたし

私だって里見くんと組むことができるなら――

聖天子「嬉しそうですね」

花菜「えっ?」

不意に言われた言葉にビクッとすると

聖天子様はなぜかふふっと笑う

聖天子「仲がよろしいんですね。羨ましいです」

花菜「仲が良いって……」

聖天子「否定しても無駄ですよ。山科さん、嬉しそうですから」


花菜「否定はしないけど……」

また里見くんと一緒にお仕事……というよりは戦争だけれど

一緒にできることが嬉しいとも思うし

聖天子「わたくしも……」

花菜「?」

聖天子「いえ、なんでもありません」

頭を振った聖天子様は

感情を隠さずに困った笑みを浮かべると

では天童社長に連絡しておきますね。と続ける

花菜「……お願いします」

聖天子「はい。任せてください」


1、移動
2、聖天子と交流(すぐに安価)
3、電話


安価下


1、自宅
2、実家
3、外周区
4、商店街
5、三島ロイヤルガーター
6、片桐民警
7、司馬重工警



安価下


安価下イベント判定


1 ティナ
3 香織
5 電話
7 悠河
9 その他


→ 4日目  朝  自宅   (電話)


花菜「ただいま」

香織「お帰り、花菜」

陽羽「花菜ー、電話来たよー?」

陽羽は子供らしく駆け寄ってくると

蓮太郎からとなぐり書きしたメモ帳を差し出す

花菜「蓮太郎くんから? どうして?」

今さっき聖天子様に頼んだばかりなのに

もう連絡してくれたのかしら

陽羽「なんか会わせたい人がいるーって」

花菜「会わせたい人?」

菫さんは違うだろうし

未織ちゃん達も違うと思うし……

花菜「新しい子供?」


香織「もう一人子供増やすの?」

花菜「部屋は余ってるから平気でしょ?」

香織「そういう問題かしら……」

瑞穂「わたしはお任せします」

憩「そうだね。言える立場じゃないし」

真希「まだ新しい子って」

真望「決まってないけどねー」

子供達……ティナはいないけれど

新しい子が来るとしても拒絶したり

関係を悪くしたりしようとはしなそうね

……良かった

陽羽「とりあえず電話くれって言ってた」

花菜「そっか……」


1、すぐに電話する
2、後で電話する(今は別のことを)


安価下


→電話


蓮太郎『もしもし?』

花菜「おはよう、蓮太郎くん」

蓮太郎『あんたか……悪いな。忙しいんじゃねーのか?』

花菜「蓮太郎くんが電話くれって言ったのに」

悪戯っぽくそう返してみると

里見くんは電話の向こうで「んなこと言われたって……」と

ボソボソと呟いてそうだけどさと答える

……聞こえてたとは言わない方が良いかな

花菜「それでどうかしたの?」

蓮太郎『あんた、片桐玉樹って覚えてるか?』

花菜「片桐……くん? 覚えてるけど」

蓮太郎『あいつが俺よりあんたの方が良いんだとさ。アジュバント』

花菜「……どうして?」

蓮太郎『単純に強いほうが安心できる。とか言ってたが……まぁ、あんたが女だからじゃねぇか?』


花菜「私が女だからって……困るわ。そういうの」

蓮太郎『困る……? 否定はしないのか?』

花菜「うん……色々あってね。ダメ?」

なんの気もなく思った疑問

だけど里見くんはなにか引っかかったのか

やや怒り気味に「別に」とだけ返す

……里見くんだって女だって言ってくれたのに

蓮太郎『話戻すぞ?』

花菜「あ、うん……ごめんなさい」

蓮太郎『別に謝る必要はねーよ……で、だが。あんたから言ってやってくれねぇか?』

花菜「組めるかどうか?」

蓮太郎『……ああ。あんたがあいつらと組むなら俺はほか探さなきゃいけねーし』

花菜「そうよね……」

蓮太郎『あんたなら人望ありそうだし、誰か回してくれると助かるんだが』

……期待はずれでごめんね

私、今誰とも組めてないわ

けど、聖天子様の話を木更ちゃんが受けてくれれば組めるからね


安価下コンマ判定


関係参照


コンマ奇数で失敗


今日はここまでにします
ありがとうございました



木更ちゃん手ごわい
蓮太郎くんは色々が気になるようです


花菜「解ったわ。どちらにしても私から伝える」

蓮太郎『あんたにとっては1850位なんて断る余裕があるっつーことか』

花菜「そんなつもりはないわよ。例え圏外の民警だとしても私はちゃんと考えるわ」

蓮太郎『……そっか。あんたとチーム組めれば圏外でも関係ねーよな』

なんか皮肉めいたものを感じるんだけど……

でも確かに圏外かどうか

序列なんていうものを私は見てない

貴方が圏外だったんだし……それに

私達だって序列という肩書きに力を隠すことが出来ていたんだもの

花菜「……あのね、蓮太郎くん。私」

蓮太郎『あんたとは組めねぇよ』

花菜「………………」

蓮太郎『木更さんがいいって言わなきゃ組めない。こんな非常時に何意地になってんだって思う。でも』

花菜「わかってる」


蓮太郎くんと組みたいわと言おうとしただけなのに

なんでか木更ちゃんのことに話は移る

貴方には木更ちゃんの傍に居てといったけど

そこまで縛られちゃうなんて……

花菜「……ごめんね」

蓮太郎『謝んなよ……もう。殴り込みに行くぞ』

花菜「陽羽に本気で怒られるからやめてね」

殴り込みに行く……

私も木更ちゃんのところに殴り込みに行く必要があるのかな

そしたら戦いたくないという里見くんとも戦わなければいけなくなると思う

花菜「……蓮太郎くん」



1、貴方のこと……木更ちゃんから奪っておけば良かったかな
2、今からでも私のところに来る?
3、お互い……頑張りましょう。このガストレア戦争を生き抜きましょう
4、その他


安価下


花菜「今からでも私のところに来る?」

蓮太郎『…無理だ』

付け入る隙がある

微かな間をそう解釈するなんて悪魔ね。私

女の子のカテゴリに小悪魔系なんてものがあると聞いたことがあるけれど

それならどんなに良かったか

蓮太郎『俺まで抜けたらさ。木更さん、きっとダメになっちまうから』

花菜「……今以上に?」

蓮太郎『ああ』

花菜「……そっか」

木更ちゃんには里見くんがいなくちゃダメか

いなくなったら壊れちゃうくらいに依存しちゃってるか

……そっか

花菜「じゃぁ、全てが終わるまでは。私は蓮太郎くんをお預けなのね」


蓮太郎『な、何言ってんだあんた!?』

花菜「そういうことでしょう? 下手に蓮太郎くんに手を出すと木更ちゃんに刺されそうだし」

蓮太郎『んなこたさせねぇよ』

花菜「でも、私が木更ちゃんを刺すかもしれない」

蓮太郎『それもさせねぇよ』

言葉だけでも強い里見くんの姿が見える

木更ちゃんのことも私のことも

貴方は大切に思ってくれているんだとわかる

花菜「……ありがと。蓮太郎くん」

蓮太郎『花菜さん』

花菜「片桐くんのこと、ありがとうね」

蓮太郎『ああ』

花菜「……じゃぁ、また。今度も電話になるかもしれないけど。お話しましょう」


・昼に移ります


安価下コンマ判定


1 美菜
3 聖天子
5 ティナ
7 陽羽
4 その他
9 悠河


→ 4日目  昼  外周区(仮設小学校)


花菜「……ここは小学校。なのよ?」

悠河「はい」

花菜「貴方は高校生なのよね?」

悠河「はい」

ならなんで平然と授業に参加しようとしているの?

巳継くんには巳継くんの学校があるはずなのに

陽羽「今すぐ出ていって」

悠河「別に良いでしょう? 僕は邪魔をするつもりはないんですし」

陽羽「ここは小学校だよ。悠河が居るべき場所じゃない」

悠河「……授業参観の一環ですよ」

陽羽「誰の親でもないくせに」

巳継くんとのあの一件があるからか

陽羽の巳継くんに対する印象は最悪どころじゃなさそうね


花菜「陽羽、落ち着いて」

陽羽「でもっ」

花菜「良いから」

陽羽「………………」

巳継くんびいきは意に沿わない。かな?

でも、巳継くんとはキスしただけ

キス……っ

頭を振って考えを取り払う

花菜「あのことは気にしないって言ったでしょ?」

陽羽「…………」

悠河「僕がここに居るのはダメですか?」

花菜「ダメっていったら帰ってくれるの?」

悠河「貴女がそう望むのでしたら」


もちろんですって言われるかと思えばそうでもないのね

ここまで好かれているなんて

女としては冥利に尽きるとでも言える程なのかしら

それとも、ここまではしつこいから嫌って言うほどのもの?

私にとっては……どうなのかな

嫌では、ないのかな

花菜「巳継くん」

悠河「なんでしょうか?」

花菜「………………」



1、貴方には貴方の学ぶべきことがあるわ。学校、行きなさい
2、いいわ。私の授業を見ていても
3、ごめんね。貴方の愛は……私には重い
4、その他



安価下


花菜「ごめんね。貴方の愛は……私には重い」

悠河「っ!」

花菜「会いに来てくれたり、女の子、女性。そう言ってくれるのは嬉しいの」

ううん、すごく嬉しいと思った

私は否定し続けていたけれど

それでもと言い続けてくれた気持ちも。本当に

そこまでならきっと私にも抱えることのできる愛だった

花菜「でも、ごめんね。私はまだ子供だから」

悠河「子供……?」

花菜「知らないのよ。全然。経験だけじゃなく、知恵も足りない」

悠河「………………」

花菜「だから……貴方のそれを、私は100%しっかりと受け止めることができない」


悠河「それならなおさら……僕を受け入れるべきでは?」

花菜「その器がないわ」

悠河「零してくれたって僕は構わない……貴女の器いっぱいで良いんです」

ここまで……巳継くんは私を必要としてくれているのね

まるで今の木更ちゃんみたいだわ

私がいなければダメになっちゃうの?

貴方が、貴方でいられなくなってしまうの?

花菜「巳継くん」

悠河「僕は……嫌ですよ」

花菜「巳継くんっ」

悠河「僕は、貴女のことを諦めない」

陽羽「しつこいなぁ……悠河」

悠河「僕は、絶対に……諦めませんよ」

そう言い残して巳継くんは離れていく

冷静な口ぶりではあったけれど

その足取りは決して軽やかではなく、纏う雰囲気もいつものそれとは違ってた

どうしてそこまで私を愛してくれるのよ

それ以外の何ものにも逸れることなく私だけを

……愛って、そんなにも人を惑わせるものなの?


・夕方に移ります


安価下 再開位置


1、聖居
2、片桐民間警備会社
3、外周区
4、商店街
5、三島ロイヤルガーター


イベント判定

1 陽羽
3 聖天子
5 美菜
7 真希・真望
9 悠河
0 その他
2 未織



安価下


→美菜


美菜「おや、こちらにおられましたか。お嬢様」

花菜「未織ちゃんにでも聞いたの?」

美菜「このエリアの防衛、誰が任されていると? 」

花菜「だから?」

美菜「ふふっ、監視カメラを私的に使わせて貰っちゃった」

その犯罪性の計り知れない出来事を

なんの悪びれもなく言えるのが母親の威厳なのかな

……ちょっと怖いわ

なんて心が透けて見える表情だったのか

お母さんはクスクスと笑う

美菜「ハッキングなんてしてないわよ? 口には出来ないけど、ちゃんと管理センターで見てきたんだから」

花菜「監視カメラを私的利用したことは問題じゃないの?」

美菜「いいのよ。ちょっとチラ見しただけだし」

個人情報も何もないというのか……私には


美菜「ところでさ……貴女、彼氏でもいる?」

花菜「……あんな相談した私にいるとでも?」

美菜「そうよねー……」

お母さんは呆れたため息をつき

どこかを生真面目な表情で睨む

花菜「どこ見てるの?」

美菜「いや、別に」

花菜「?」

何を考えてるのかしら

この地域に防衛設備でも作る気なの?

花菜「……青空教室を潰したりしないで」

美菜「そんなつもりはないわよ。ちょっと考え事してただけだから」

花菜「考え事するほどなのになんで会いに来たの……?」


美菜「貴女が彼氏がいるって言ってくれれば、考えずに済んだ事なんだけどね」

花菜「どういう……」

意味かと聞こうとして

こういう場合の母親の言葉はどこかで見たと思い出す

花菜「お、お見合いなんかしないからね!」

美菜「その手があったか」

花菜「えっ……いや、しないから、ね?」

いやそもそも

私が選ぶのではなく、私が選ばれさえしない確率の方が高いと思う

女性だの女の子だの

認めてくれるもの好きはそうそういないと思うし

美菜「ま、それはともかく……青空教室についてちょっとやるべきことしとこうかお思ってね」

花菜「やるべきこと?」


美菜「今の反子供達は少々……ううん、危険すぎる」

花菜「……………………」

美菜「今までは黙認されていたけれど、外周区にまで手を出さないとは限らないからねぇ……」

花菜「どうせ死ぬなら。そう自棄になっている人もいそうだもんね」

自分たちが死んで子供たちが生き残る

そんなこと子供たちを忌み嫌う人達が許すはずないもの

美菜「まぁ、そこでお母さんがちょろっと子供達の為に一肌脱いであげようかなってね」

花菜「エリアの防衛はいいの?」

美菜「それは私以外にも人がいる。でも、ここを任されてあげるのは私だけでしょ」

花菜「……そうだけど」

美菜「それに。もしもここの子供たちが被害にあったら……貴女がどうなるか解ったものじゃないし」

花菜「はっきり、言うんだね」

お母さんは乱れることのない瞳を私へと向ける

瞳の奥には血染めの衣装を身に纏う過去の私……か

美菜「あの時は何も出来なかった。でも、今はきっと、貴女の為に出来ることがあると思うのよ」

薄い笑みは儚さを感じさせる

夕暮れ時の空の暗さはそれを……余計に目立たせた


今日はここまで
ありがとうございました



美菜「…………」ジーッ

瓦礫の影(悠河)「ッ!?」


美菜「だからお母さん達に任せなさい」

花菜「……達?」

美菜「ここまで来るとパパも渋ってられないからねぇ……一応、第一次関東会戦の生き残りだから」

花菜「お父さんも……参加するって言ったの?」

もう戦わないと言ったお父さんが?

ガストレアとの戦いに?

美菜「そうらしいわ。無理する必要はないんじゃないって言ってるんだけどね」

触れるだけで崩れていくコンクリートを弄び

ついでのような口ぶりで話すお母さんは「うん」と呟く

お母さんにとってお父さんが危険な戦いに出ることはどうでもいいことなのかな……いや

きっとそうじゃない

軍人……ではなくガストレア出現以前から危険な場所にも足を運ぶ自衛隊

その妻として、あるべき姿を保っているだけ――

美菜「ここら辺にまともな場所でもあればやりやすいけど……贅沢は言えないかぁ……大変そうねえ」

なのかしら?


美菜「……流石に再利用は脆すぎて危険ね。基盤から組変える必要がある……機械化するか」

花菜「………お父さんのこと、心配じゃないの?」

もう話は終わったと言わんばかりのお母さんに

躊躇いながらも言葉を向ける

美菜「んー? あぁ、戦場へと見送るというのはつまりそういうことだからね。死に行く人を心配するなんて無意味なものよ」

花菜「そんな言い方ないと思うけど」

美菜「ふふっ、そうね……でも、私は結婚する時点であの人の死を悲しむことはしないと誓ったわ。どんなものであれね」

お母さんは淡々とした口調で答えながら

ゆっくりと私へと目を向ける

嘘っぽさを感じさせるような呑気なものじゃない

正真正銘の山科美菜の言葉

美菜「出会いと別れは二つで一つ、どちらかが欠けることなど万に一つもありえはしない。それを永遠と誓うとはそういうことだもの」

花菜「………怖くはないの?」

美菜「何を怖がる必要があるのよ。今日、あの人と死に別れるとしても、後悔して嘆き悲しむような人生は送ってないわ」


花菜「……じゃぁ、私が死ぬのは?」

美菜「………………………」

花菜「それも――」

美菜「後悔しかしないわよ」

お母さんは限りなく冷たい声で私の言葉も、思考も

すべてを一瞬で凍らせる

もちろん物理的にそうなったわけではないけれど

吸い込む空気が冷たく感じた

喉元から出ていこうとする言葉が重くなって上がらなくなった

美菜「子供を自分よりも遥かに早く、遥かに若く死なせることに、後悔以外の何をしろと言うの?」

花菜「っ」

美菜「姉妹揃って親不孝ものなんだから……信じられないわ。本当、泣きたいくらいよ」


美菜「でも、それは私達があの時何も出来なかったせいだから」

花菜「それは」

美菜「イイわよ。後悔し続けてあげるから。苦しみ続けてあげるから」

花菜「………………」

美菜「好きなだけ命を懸けてきなさい。貴女達が遺してしまうものは全て、私が守り続けてあげるから。安心して」

お母さんは空気に見合わない笑みを浮かべる

私が遺してしまうもの

子供達のこと、聖天子様とのこと、巳継くんとのこと

何もかもを……全部

美菜「……お母さんに出来るのはそれくらいだからね」

花菜「お母さん」

美菜「そうそう。ここだけど、面倒くさいからここに来れないようにするわ」

花菜「え?」

等々に切り替わった話に思考が置き去りにされ

飲み込めない私に構うことなくお母さんは話を続ける


花菜「そんなことが可能なの?」

美菜「人は簡単に見えて面倒な情報処理を駆使してものを見てるのよ。例えば――」

お母さんは適当な例を挙げながら人の目による物体の情報処理について

簡潔に説明すると

美菜「その認識をずらすのよ。まっすぐ歩いてると思わせながら右に歩かせたりね」

花菜「難しくない?」

美菜「簡単よ。人は何か特徴的なものを見つけると目印として固定するし……それに向かって歩けば真っ直ぐだと考える」

この更地のような外周区で特徴的なものなんて全然なく

お母さんが言うようにするのは無理だと思うけど……

美菜「まぁ、それはひとつのやり方だからね。光学的な情報処理が私としてはやりやすいし」

花菜「……あのホログラム?」

美菜「あれは情報をコンマ単位で収集して放出、あたかもその場には何もないように見せかけるだけのもの。今回はちょっと違うわ」

建物があればあれでも良かったんだけどねぇ。とため息混じりに呟く

不服ならやらなくてもいいと言えるような替えのきく技術者じゃなければ

お客さんに絶対クレーム付けられてるよ。なんて注意する

……やって貰う私が言えたことじゃないんだけどね


美菜「視界の先でものが重なってる時、その間が壁か道か判断は出来なくなるでしょ?」

花菜「そう……かも」

美菜「凹凸などで物体が歪んでいると、モノの大きさ、位置関係も勘違いする」

花菜「うん」

美菜「そこにあるのはガラクタなのに、見方を変えると別のモノに見えるようなトリックもある」

そういうのを使って騙して絶対に一定のエリアには入れないようにする

お母さんはうん。そうすると決定すると指1本でクスッと笑う

美菜「明日の夜、家に機械を受け取りに来なさい。完成させておいてあげるから」

花菜「一日でできるようなものなの?」

美菜「元々は東京エリアをガストレアから隠蔽するための機械の予定だったけど……考えてみれば嗅覚には弱くてねーあはは」

花菜「そっか……」

美菜「音は特殊な空間振動で外へと流れようとする空気振動そのものを打ち消すから大丈夫なんだけどね」

お母さんは楽しそうに笑いながら

普通を超えた機械を簡単に作ったことを自慢するわけでもなく零す

美菜「それじゃ、香織ちゃんにもよろしくね」

ヒラヒラと手を振ってお母さんは歩いていく

花菜「歩いて帰るの?」

美菜「んー適当に」

ニコッと笑ったお母さんが建物の残骸の影に消える

……どうやってここまで来たのかな

車の音とか、自転車の音とか

そういえば――一度も

花菜「!」

急いで後を追って影に向かう

――すでに、お母さんの姿は影も形もなく、風に巻き上げられた砂埃が舞うだけだった


夜の再開位置


1、聖居
2、自宅
3、商店街



安価下


イベント判定


1 木更
3 未織
5 ティナ
7 香織
9 陽羽
6 悠河

04 その他(道中)


安価下コンマ


→ティナ


もう開戦まで3日しかない

ううん、もう夜だから3日どころか2日しかない

すでに結成されたアジュバントは集合地点に集まってる

聖天子様にお願いされた立場としては……

花菜「はぁ……」

とはいえ、聖天子様からの報告では

木更ちゃんにはきっぱりと断られちゃったらしいし

選り好みするしないの問題ではなく

片桐くんと組むしかないかな……アジュバントを作るなら

つくらず私達だけで行くのならこのままでも良いけれど

花菜「うーん」

悩む私の部屋をノック一回

少し、話をさせてくださいと開けずに聞いてきたのはティナの声だった


花菜「それで?」

招き入れたティナを椅子に座らせて問う

引きこもってしまったことを追求するよりもまず

その中で決めた言葉を聞こうと思ったからだ

ティナは座ったまま深呼吸をすると

強い意志を備えた瞳を私にぶつける

ティナ「私を戦場に連れていってください」

花菜「貴女には相方がいないわ」

ティナ「それでも、私は戦いたいんです。いえ、戦わなければいけません」

花菜「どうして?」

ティナ「香織さんに言われました。どうしても償えない罪があるのなら、貴女は報われない奉仕をし続ければいいと」

わけのわからないことを言ってくれたわね……お姉ちゃん

しかも、報われない奉仕だなんて


ティナ「私が出来るのは戦うことくらいです。ピザを作ることは出来ても山科さんには及びません」

花菜「待って。貴女はその報われることのない奉仕をするつもりなの?」

する意味のない質問だと感付いていながら

聞かずにはいられなかった

そんな奴隷のようなことをさせたくはないから

少しでも躊躇いを見せたらダメだと一蹴しようと

けれど、ティナは頷く

ティナ「私は山科家の皆さんの為にこの命を使います」

一昔前の忠臣のような

子供には絶対言わせたくない。大人であっても使わせたくない言葉を

ティナ「私、ティナ・スプラウトは山科家に」

覚悟を決めた純粋な瞳で私を見据えて

ティナは宣誓する

ティナ「この命を捧げます」


花菜「……何言ってるのよ?」

そんなことされて誰が喜ぶと

そんなこと言われて誰がありがとうと

花菜「っ…………」

ふざけないでと怒鳴りそうな自分を押さえ込んで

血が滲むほどに強く拳を握り締める

なんでそんなことを言ったのかは解らないけど

お姉ちゃんがそういえと望むわけがない

ティナ「山科さん。これからは私のことは」

花菜「もののように扱えと言ったら……っ」

殺すわよ。なんて言いかけて止める

なんでこうなるのよ……



1、貴女に罪を償えなんてお姉ちゃんは言ってないんでしょう? なら、その必要はないじゃない
2、部屋から出て言って、お願い。そう言う言葉、聞きたくないっ
3、香織の部屋に引っ張っていく
4、そんな忠誠心なんていらない……普通でいて。お願いだから
5、その他


安価下


花菜「そんな忠誠心なんていらない……普通でいて。お願いだから」

ティナ「ですが」

花菜「私は軍人じゃないっ、支配者でもないっ、ただの……女なの!」

怒りたい気持ちが感情の隔たりを超えたのか

なぜか涙がこぼれてしまう

花菜「なんで子供にそんなこと言われなくちゃいけないのよっ」

ティナ「………………私は」

花菜「なんで、子供の命を捧げられなくちゃいけないのよ……」

そんなの嬉しくない

そんなの有り難くない

そんなの……嫌よ

花菜「お願いだから……ただの子供でいてよ」

子供以外の何ものでもない小さな体を抱きしめる

実際に母親になった経験はない

今いる子供たちは全て他人の子

誰かを愛して子供を作り、産んだ命ではないし

ティナに限ってはお姉ちゃんや里見くんを傷つけた犯人だけれど

花菜「今は山科家の家族なんだから。子供なんだから……そんな嫌なこと言わないで」


ティナ「……なぜ」

私の耳元のすぐ横

ティナの体が言葉によって動く

ティナ「なぜ、ですか?」

疑問

ティナ「なぜ……山科さんはそんなことを言ってくれるんですか?」

続く言葉がなくてもその先の言葉が頭に浮かぶ

香織さんを傷つけたのに

大切な記憶を奪ったのに

そう言おうとする口を手で塞ぐ

花菜「貴女が子供だから。私と似ていたから」

ティナ「………………」

花菜「私みたいな子供のこと……見捨てられるわけないじゃない。例え、恨むべき相手だとしても」

それは甘さなのだと思う

でも、出来ないのだから仕方がない

見捨てたり、一方的に悪だと私が正義だと

罪を裁くことも、罪を償わせることも……私にはできないのだから


ティナ「…………………」

花菜「……お姉ちゃんが償えと言わないのなら。貴女は償おうとする必要はないから」

ティナ「……子供でいて欲しいと」

ティナはぼそっと漏らして私の体を少しだけ押し返す

抵抗するように強めた抱擁

でも、「少し痛いです」という声に離してあげると

ティナは曇った表情で私を見つめる

ティナ「香織さんは私に話は聞いたとだけ言いました」

花菜「うん」

ティナ「償わせて欲しいと私は言いました。でも、償う必要はないと言われました」

花菜「うん」

ティナ「それでは罪は償えないと言いました。そしたら、さっきの言葉を言われました」

絵本か何かの説明文のような口調でティナはお姉ちゃんとの会話を伝える

償わなくていいって言われたのに……なんであんなことを言い出すのよ


ティナ「……山科さんに優しくされればされるほど、私は罪悪感に締め付けられる」

花菜「………………」

ティナ「香織さんが言った言葉の意味、分かった気がします」

ティナはそういうと床の上に正座して頭を下げる

ティナ「山科家の子供として……お世話にならせてください」

花菜「……うん」

私のお願いを聞き入れて

ティナは引きこもることなく、普通の子供として

山科家に属する子供として生活してくれるのだろう

甘すぎる

裁くべきだ

殺してしまえば良かっただろうにと

渦巻く何かを振り払って笑みを浮かべる

花菜「ありがとうね……ティナちゃん」

ティナ「やはり……私にはこの方が良さそうです」

そんな言葉を残してティナちゃんは部屋を出ていく

お姉ちゃんの言葉の意味って……結局何だったの?


4日目  夜行動


1、電話
2、ティナと交流
3、香織と交流
4、陽羽と交流
5、真希と交流
6、真望と交流
7、憩と交流
8、瑞穂と交流


安価下


→電話


直接会いにいくのが筋かとも思ったけれど

今から会いにいくのもあれだし

明日にまで先延ばすのもあれだと思うし

花菜「……ということで、電話したの。ダメだったかしら」

弓月『正直にそう言われても困るんだけど』

花菜「ごめんなさい。玉樹くんをお願い」

弓月『はいはい。兄貴ーッ』

保留にしないせいで階段を駆け下りる音

お兄さんである玉樹くんが依頼じゃないなら後にしろと拒否する声

私からだと聞いてさっさと言ってくれという声

後に保留にされた音が受話器から響く

花菜「………………」

その五秒後

玉樹『すまねぇ姐さん!』

ようやく玉樹くんが出てくれた


花菜「姐さんって……なに?」

玉樹『強いから姐御……みたいなもんですよ』

花菜「……無理した敬語じゃなくてもいいんだけれど」

玉樹『姐さんはオレっち達に勝った。しかもあのスコーピオンを足止めした伝説の民警ですからね』

無理した敬語はいいって言ってるのに……

本人がそうしたいならやめることを無理強いはしないけど

でも、姐さんっていうのは少し恥ずかしいかも

普通に花菜でも山科でも良いんだけど

玉樹『それで、考えてくれたんですか?』

花菜「そのアジュバントの件で電話をしたの」

ゴクリと生唾を飲む音が聞こえた

私と組むことをそこまで望んでいるの?

そこまでメリットなんてないと思うんだけど



1、アジュバントを組む
2、アジュバントを組まない


安価下


花菜「玉樹くんの申し出、ありがたく受けさせて頂くわ」

玉樹『マジっすか!? おい弓月姐さんが!』

弓月『解ったから、解ったからその顔止め――』

電話の向こうで玉樹くんと弓月ちゃんが勝手に盛り上がる

里見くんは私が女だから組みたいんだろうって言ってたけど

やっぱり……そうなのかな

花菜「玉樹くん?」

呼びかけても聞こえてくるのは兄妹の言い争いにも満たない言い合い

私と組むというだけで何やってるんだか

お姉ちゃんと私を見たらもっと騒ぎになりそう

玉樹『姐さん!』

花菜「なに?」

玉樹『明日の朝、さっそく登録にいきましょう!』

花菜『……そうね。それ忘れたら意味がないし、万が一倒壊が早まった時に居られないじゃ話にならないものね』


・夜を終わります
・じつはすでに長正による集会が終わってます

────────────────────────────────────────

 交友関係(好感/信頼 相手からの印象)  3ヶ月目 4日目 現在

  山科 陽羽 (100/104  複雑な意味で意識する相手) 交流+0/-1
  山科 憩   (64/72  信頼する家族)  交流+1
  山科 真希 (70/70  お義母さん?) 交流+1
  山科 真望 (69/69  お義母さん?) 交流+1
  山科 香織 (17/17   無茶っ子)
  川原 瑞穂 (10/10  お義母さん) 交流+1
  天童 木更 (22/23  排除すべき敵) 交渉-4

  里見 蓮太郎(43/43  言動を躊躇う異性) 交流+1
  藍原 延珠 (23/25  仕事仲間)
  司馬 未織 (43/39  告白が変に気になる相手)

  巳継 悠河 (63/60  何をしても得たい光) 交流+2

  室戸 菫   (21/22  仕事仲間)
  千寿 夏世 (07/07  その他のプロモーター) 
  伊熊 将監 (-29/-14  敵)
  蛭子 影胤 (17/18   興味) 
  蛭子 小比奈(08/09 料理当番) 
  片桐 玉樹 (11/09  その他の民警) 交流+3

  片桐 弓月 (04/04  その他の民警) 交流+1
      聖天子(30/34  少女でいられる相手) 交流+1
      ティナ(10/10  保護者) 交流+α
  斉武 宗玄 (50/40   固執)
 外周区子供達(??/??   せんせーッ!) 交流+1
  我堂 長正 (??/??  集まりにも来ない民警)

      序列:363番  所持金 2797.7万円(1800万使用予定)  外周区土地(75坪)

 ・陽羽が不満を溜めています

────────────────────────────────────────


場所固定外周区、アジュバント集合地点


5日目 朝 イベント判定


1 蓮太郎
3 木更
5 長正
7 影胤
9 余計なやつ


安価下


→ 5日目  朝 外周区(アジュバント集合地点)


玉樹「ヘイボーイ! 姐さんは頂いたぜ!」

蓮太郎「そーかよ」

玉樹「どーした。昨日は色々と煩かったくせによ」

蓮太郎「うっせぇ」

花菜「ほらほら、喧嘩しないで。同じチーム……ではないけど」

同じチームなんだからって言えたら良かったんだけど

残念ながらそれは叶わなかった

私達と里見くんは別チーム

だけど……里見くんはアジュバントを組めておらず、私は集会にも参加しなかった溢れ組

我堂団長の名前に惹かれている強者達の目は

何だあいつらはというような推し量るようなものばかり

香織「……少し模擬戦でもやっておいた方が良さそうだけど」

花菜「戦力を減らしたくないわ」

香織「それもそうね」


玉樹「見ろよボーイ、姐さんが二人だぜ」

蓮太郎「足手纏いが+1だな」

玉樹「どーいう意味だコラ」

香織「止めなさいって。いい加減にしないと怒るわよ?」

楽しげに踊るお姉ちゃんの指の関節

それとは逆に、里見くんたちはビクッと顔を見合わせ頷く

一々怯えさせなくてもいいのに

香織「さて……蓮太郎くん。教えてほしいのだけど。今回の作戦は防衛戦でいいのよね?」

蓮太郎「ああ。我堂長正を総隊長に置いて下に中隊長。中隊単位で領域防衛戦だ」

香織「アジュバントはいずれも、余すことなく隊に含まれてるの? それに、隊は余りを出すことなく領域を与えられてる?」

蓮太郎「ん? まぁ、そうだな」

香織「……地中や空から領域外に行かれたら終わりじゃない? それ」

蓮太郎「そんなことあるのか?」

香織「戦場においてはありえないということも想定しなければ1%に敗北するわよ?」


香織「ただでさえ、血気盛んな民警を防衛戦だなんて守ることを強制するんだもの。戦力低下は防げない」

花菜「そうかしら。どちらにしろ戦うことには変わらないでしょ?」

香織「そうなんだけどね……守らなければいけないという縛りが思考を抑え、戦闘における重要な一線が越えられなくなるわ」

お姉ちゃんは昨日徹夜して作ったのか

A4ノートをパラパラと捲りながら里見くんに質問する

どれもこれも戦闘シュミレーションで

そんなのありえないと言いたくなるようなもの

周囲の民警が耳にして苦笑するようなものまで様々

憩「……重要なのはそんな余計なとこまで真面目に考えてるってことなんだけど」

花菜「……………………」

香織「大体わかった。相手が訓練された軍隊なら敗北するわ」

玉樹「な、何言ってんだ姐さんの姉さん!」

香織「事実よ。軍隊もどきが軍隊と戦った場合、その連携効率の低さから必ず崩れて潰される」

陽羽「陽羽達がいるのに?」

香織「私が言ってるのは戦略の話よ。今組まれている戦略では、軍隊という組織の戦術には敗北する。と言ってるの」


弓月「それってあれ? 守りきればイイってやつ?」

香織「そうよ。モノリス建設という目的までの守備の戦略」

蓮太郎「けどよ……あんた達もいるんだ。負けることは」

香織「相手の戦術が上手ければ、守備陣系を崩されて撤退。結果敗北する」

姉ちゃんは物憂げな表情で答えて

ぱたんっとノートを閉じる

香織「団長がただ守るだけを意識しているのなら。そして、ガストレアが軍隊として成立しているのなら。という前提付きだけどね」

花菜「前者はともかく、後者は低いと思うけど……」

香織「そうね。でもアリや蜂など、ガストレア以前に成立している以上……油断はできないわ」

陽羽「でもそー言うのって司令塔がいるよね?」

弓月「それを叩けば終わるってことじゃん!」

憩「司令塔がアルデバランとか、もっと上位のだったらどうすんの? 確実に倒せるとは限らないじゃん」

陽羽「……むー」

何はともあれ

油断はできないってことよね


とりあえずはここまで
ありがとうございました





長正「戦略が戦術に負けてたまるものか!」

アルデバラン「」ニヤリ


蓮太郎「花菜さん」

花菜「ん?」

蓮太郎「絶対にとは言わねぇけど、一応。我堂には会っておいた方が良いんじゃねぇか?」

我堂さん

一応は今回の作戦の総隊長なのよね

序列でも私よりも上だし……

権力というか、地位的な意味では

私が圧倒的に上だったりするけど

昨日あったらしい集会をサボったわけだし

急に出てきた私が「私は聖天子様の特設部隊隊長です。私の言葉は聖天子様のご命令」などと言うのは

正直言ってありえない話

やるつもりはないけれど、そうでなかったとしても

私がそういう存在なのは隠しておいたほうが良いわね

花菜「我堂さんね……」


1、電話
2、移動
3、香織と交流
4、陽羽と交流
5、真希と交流
6、真望と交流
7、憩と交流
8、瑞穂と交流
9、ティナと交流
0、蓮太郎と交流
11、延珠と交流
12、将監と交流
13、夏世と交流
14、玉樹と交流
15、弓月と交流
16、我堂に会いにいく
17、付近を散歩
18、武器関連
19、特訓


安価下


→陽羽


花菜「陽羽!」

陽羽「花菜……」

学校に行くまではとりあえずこのあたりで待機

そう言ったのは私だし

普段の陽羽ならイザコザに巻き込まれても平気だとは思う

でも今の陽羽は少しおかしいし

そうでなくても遠くに行こうとした陽羽を放っておくのは……と、呼び止める

花菜「どうしたの?」

分かってはいたけど元気がない

気力が感じられない

巳継くんとの接触から不機嫌続きの陽羽はほとんど無表情で何が? と問う

貴女以外に誰がいるのよ


花菜「貴女のことよ」

陽羽「別にどうもしてないよ」

バレバレの嘘をついて止まっていた足を進める陽羽の後を追う

なんでもないなんてことないでしょ?

わかってるのよ

貴女が巳継くんとのキスが気に入らなかったんだって

それを別に良いと受け入れていることが気に入らないって

なんで気に入らないのかは……解らないけど

花菜「ねぇ、陽羽」

陽羽「なに?」

花菜「怒ってる?」

陽羽「意味解らないよ。陽羽が何に怒るのさっ」

言い方が怒ってるんだけどな……



1、巳継くんとの事?
2、陽羽も私にキスしたら良いじゃない
3、……じゃぁ、陽羽が上書きしてくれる? 巳継くんみたいに無理やり奪って
4、ぎゅっとする
5、貴女は大事な家族。そうでなくても仲間だから何かあるなら言って欲しいわ。不安要素は取り除いておきたいの
6、その他



安価下


花菜「……じゃぁ、陽羽が上書きしてくれる? 巳継くんみたいに無理やり奪って」

陽羽を追いかけるのを止めて

巳継くんとの記憶も新しい唇に人差し指で触れる

陽羽「……本当は嫌だったの?」

花菜「………………」

振り向いた陽羽の瞳が哀情に揺れる

巳継くんとのキスを気にしてないと言ったのは嘘で

本当は嫌で嫌で仕方がなくて

でも優しすぎるから平然を装っていたんじゃないか

そう言いたげな陽羽に対して首を振る

花菜「そんなことは」

陽羽「じゃぁなんで上書きしてくれる? なんて言うの?」

花菜「それは」

陽羽「嫌だったからじゃないの? 悠河の愛が重くて、辛かったんじゃないの?」


少しだけ開いていた距離を陽羽がゆっくりと縮めていく

陽羽「悠河のこと、忘れさせてあげるよ」

一歩ごとに巻き上げられる砂埃

靡く陽羽の髪

それらに目をやる余裕もなく

眼前に迫った陽羽の瞳に視線は閉じ込められて

体は陽羽の小さくも強靭な手で壁際へと追い込まれてしまう

陽羽「私に任せてよ」

花菜「陽――」

目がぶつかってしまうかもしれないというほどに近く

陽羽の顔は強引に私へと接触して唇が重なる

強引という以上に乱暴な動きに

乾いてた唇は耐え切れずに鉄臭い潤いを漏らす

陽羽「……血」

花菜「っ……陽羽、無理矢理にとは言ったけど……」


滴るほどではない流れに指で触れると

ピリッとした痛みが走る

花菜「血が出てきちゃった」

陽羽「…………」

人差し指に浮かぶ赤い雫

血が苦手というわけはないし

この程度で痛いと騒ぐほどのか弱い少女でもなく

苦笑しながら気をつけてねとでも言って

陽羽はそれに対してごめんねって感じの言葉を返して……終わると思った

花菜「もうっ、陽羽――」

けど

言葉を紡ぐための唇はもう一度押しつぶされて

ざらついた感触が傷の上を何度も這いずってピリピリと痛みを重複させる

花菜「……………………」

二度目の強引なそれは流石に冗談にはならないと

体を押し返そうとした腕は弾かれるように壁にぶつかって止まる


花菜「っ…………」

鍛えているとは言っても

イニシエーターとしての力を発揮してる陽羽には抗うこともできず

腕はピクリとも動かない

陽羽の舌が唇を自由に駆け回るのを感じる頭は痛みを放置して

侵食してくる他人の色を流すためか通常よりも多く唾液を作り出す

花菜「ぁぅ……」

陽羽「……んっ」

花菜「っ!」

陽羽「ん……」

水中を漕ぐように動く陽羽の舌に押し出されて

唾液が口の端からこぼれ落ちる一方で、陽羽の舌は私の舌に触れ、絡み、弄ぶ

陽羽「ぁは……」

花菜「陽――っ」

ひと呼吸分だけ離れて再び重なり、割り込む

キスと言う名の蹂躙はそれから暫く続いた


安価下コンマ判定


1 余計なやつ
3 悠河
5 蓮太郎
7 香織
9 憩


→香織


陽羽「っ!」

花菜「っは……ぁ……はぁ、はぁ……」

不意に陽羽がバッと離れて

私の体はそのまま紙みたいにぐにゃりと曲がるように落ちて床に膝をつく

ハンカチを出すのも億劫で手の甲で口元を拭ったのと同時に

陽羽以外の誰かの足が視界に入って顔を上げる

香織「こんなところにいたのね……? 花菜?」

花菜「っ……おねえひゃ、お姉ちゃん」

香織「お酒でも飲んだ?」

陽羽に支配されてた時間が長かったせいか

うまく回らなかった呂律を気にしてかお姉ちゃんは首を傾げる

香織「……お酒の匂いはしないから違う?」

陽羽「別に平気だよ。陽羽が一緒だったし。それよりどうかしたの?」

疑問符を浮かべるお姉ちゃんへと視線を上げた陽羽は

何事もなかったかのように話をそらした


香織「そろそろ学校……行かなくて良いの?」

花菜「もうそんな時間だったのね……」

気づけば陽羽を追いかけてから30分ほど経っていて

真望ちゃん真希ちゃんを迎えに行く時間を踏まえれば

そろそろ移動するべき時間に差し掛かっていた

香織「疲れてるなら私が変わるわよ? 小学生に教えられるくらいには記憶してるし」

花菜「え、いや、そんな」

香織「花菜、貴女疲れてるのよ。こんなところで座り込んでるくらいだし……立てる?」

お姉ちゃんはそう言って私に手を差し出す

なんの考えもなく受け取るために出した手が唾液まみれだと気づき

慌てて逆の手で受け取ったのがダメだったのか

香織「やっぱり……今日は休んでたほうが良いわ」

と、お姉ちゃんは私の頭を軽く撫でて体を抱きしめる

香織「少しは私を頼りなさいよ。記憶喪失だろうとなかろうと。私は貴女の姉なのだから」


とりあえず今日はここまでにします
ありがとうございました



陽羽が地味にヤンデレ気質な描写になってしまった……


花菜「……お姉ちゃん」

気持ちはありがたいのだけれど

陽羽に一方的なディープキスされたから呂律が上手く……とは言えるわけはないし

どうしようかと悩む間もなくお姉ちゃんは陽羽を見つめる

香織「それでいい?」

陽羽「陽羽に言われても困るよ……花菜が良いって言うならいいとは思うけど」

そう言った陽羽の瞳が困ったように私へと向く

なんて答えを期待しているのか

いつもなら簡単に予想できそうなものだけど

今の熱にやられたかのようなぼやける思考では難しかった

香織「花菜、貴女が平気ならいいのよ。別に」

花菜「………………」


1、平気よ
2、お姉ちゃんに任せる
3、陽羽とのキスが少し激しかっただけよ


安価下


花菜「お願いして良いかしら……ごめんなさい」

香織「ふふっ、気にしないでいいわ。今までだいぶ楽させて貰っちゃったわけだし、全然平気よ」

お姉ちゃんはゆっくり休んでねと

どことなく嬉しそうな笑を浮かべながら言う

今まで、お姉ちゃんに頼ろうとはあまりしなかったから頼られたことが嬉しいのかな

手を軽く叩いて砂埃を落としゆっくりと腰を上げる

陽羽「それじゃ……いこ、香織」

香織「ええ」

安静にしてるのよーなんて心配性一歩手前のように

何度も振り返り言うお姉ちゃん達を手を振って見送る

躊躇わずにすぐ行こうとしたわね……陽羽

いつもなら陽羽は残るとでも言いそうなのに

花菜「…………」

ふと違和感を迸らせる唇に触れると少しだけ熱かった


昼イベント判定

場所固定 外周区 民警集合地区



1 蓮太郎
3 玉樹
5 延珠
7 影胤
9 余計なやつ
0 彰磨
4 悠河


安価下コンマ


→影胤


血生臭さこそないけれど

調合される火薬の匂い

試し打ちされて漂う硝煙の匂い

あちこちから感じる観察するような視線に混ざる殺気

私だけではないにも関わらず、女のくせに。と

嘲笑するような笑い声

この空気、この匂い、この感覚

いつもなら高ぶってしまいそうなものでも

私の五感のいずれにも響くことはなく頭から抜けていく

花菜「………………」

別にキスが心地よかったわけじゃない

むしろ痛みがあって、苦しさがあって……陽羽なはずの陽羽ではない強引な行為に

恐怖に似たものを感じたといってもいい

にも関わらず私の感覚はそれに捕われたままなのかもしれない


なぜだか陽羽とのキスばかりが頭に浮かぶ

抽象的にしか表せないような体の違和感は理解の外で

解せないそれにはもどかしさばかり作られる

花菜「……はぁ」

一体どうしてしまったのかと

悩みの末についたため息が目の前のマントの人にぶつかる

「キミらしくはないね。そんなため息は」

花菜「?」

「おや、声だけでは私が誰であるかの判断はつかないかね?」

親しい間柄のような口ぶりにくヴィをかしげて一考

後にフードの影から見えた仮面で気づく

花菜「影胤さん……お久しぶりですね」

影胤「どうかしたのかね? 付き人もいないようだが」

そう言いつつも

影胤さんはいや。とすぐに否定して続ける

影胤「キミに護衛は不要だったね」

影胤さんは私をなんだと思っているのかしら


>>561修正


なぜだか陽羽とのキスばかりが頭に浮かぶ

抽象的にしか表せないような体の違和感は理解の外で

解せないそれにはもどかしさばかり作られる

花菜「……はぁ」

一体どうしてしまったのかと

悩みの末についたため息が目の前のマントの人にぶつかる

「キミらしくはないね。そんなため息は」

花菜「?」

「おや、声だけでは私が誰であるかの判断はつかないかね?」

親しい間柄のような口ぶりに首をかしげて一考

後にフードの影から見えた仮面で気づく

花菜「影胤さん……お久しぶりですね」

影胤「どうかしたのかね? 付き人もいないようだが」

そう言いつつも

影胤さんはいや。とすぐに否定して続ける

影胤「キミに護衛は不要だったね」

影胤さんは私をなんだと思っているのかしら


花菜「……そんなことよりもここに居るなんて知られたら不味いですよ」

影胤「ヒヒッ挑むものは拒みはしないよ。ガストレア前の肩慣らしになればいいのだが……」

花菜「今日戦うわけではないですし、そういうのはダメですからね?」

元々勇ましさというか

厳しさを込めたわけでもなかった言葉

それが引っかかったのか

影胤さんは仮面の笑顔で私を見つめる

花菜「……あの、何か?」

影胤「……場合によっては失礼なことだが」

花菜「なんですか?」

影胤さんは不安を煽るような前置きをしてから

間をおいてもう一度口を開く

影胤「今の山科くんからは山科くんらしからぬものを感じるよ」

私らしからぬもの……?

それだけではなにも分かりそうになかった


とりあえず今日はここまで
ありがとうございました


久しぶりすぎてただでさえ出来ない影胤さんの口調が……4巻見直しが必要ですね


進めていきます


花菜「どういうことですか?」

影胤「弱さを感じるよ。押せば崩れるような脆すぎる弱さをね」

花菜「……私が?」

自分が最強だとか

誰にも負けることはないだとか自負するつもりはない

でも押せば崩れるなんてそんな……そこまで脆くはない。と思う

影胤さんが言うのだから冗談って言うわけもなさそうだけど

影胤「もちろん、戦闘して勝てるという意味ではないがね。キミに手を出すと後が怖い」

花菜「ふふっ、そうですね。陽羽が……」

巳継くんとのキスとそれに対する陽羽の反応

そして、さっきの陽羽

キスだけでアレなのだから手を出したりなんかしたらきっと

影胤「山科くん?」

花菜「私に手を出したらダメですよ? 怪我したりなんかしたら……陽羽に殺されちゃう」


影胤「キミに怪我をさせる。というだけでなかなか難しいものだが……」

花菜「そんなことは」

影胤「しかし、今なら簡単にできるかもしれないね。キミに傷をつけることくらいは」

花菜「………影胤さん?」

言葉とともに当てられる仮面の奥の殺気

逃げ出す程のものではないにしても

ピリピリと皮膚を刺すような刺激に思わず後退る

影胤「私が脆いといったのは君の精神的な部分だ。今の君はどことなく……女性らしさを感じるからね」

花菜「……女性らしさがあってはダメなんですか?」

影胤「戦場には男も女なく、兵士以外は不要だ。にも関わらず性別がにじみ出ているのは弱さに他ならない」

影胤さんの瞳を直接見つめる

私よりも先に戦場にいて

私よりも数多くの経験をしてきた人だからこその言葉

ううん、そんなこと私だって知ってる

私が小さい頃に生き残れたのは

相手してきたほどんどの人が【男性】というものに溢れていたから

そうじゃなかったら容赦なく殺されていたでしょうね


花菜「今の私は影胤さんにとっても女の人に見えるんですね」

影胤「そうだね。今の君は以前の君から劣化した。過去、私が作ろうとした悪魔から退化した」

花菜「…………………………」

影胤「今の君はあまりにも女性的すぎる。人生を捨てたバーサーカーは何処へ消えたのだ」

バーサーカー

影胤さんにとって私は狂人だったというの?

人生を捨てていたというのは認める

自分以外が救われるのなら

自分の命なんてどうなろうと構わない

そう思い続けてきた

でも、それは今だって変わってない

花菜「私は今も」

影胤「いや。君は自分の人生を拾ってしまった。君はもう簡単に生を捨てられない」

花菜「そんなこと……」

影胤「ないと言えるのかね? 私にも気づけないほど、女に堕ちてしまった君に」


花菜「女に堕ちただなんて……私は」

影胤「なぜ否定しない。女ではないと」

花菜「っ……………」

影胤「君は自分が女として扱われることに幸福を感じ始めた。違うかね?」

影胤さんの仮面の奥の瞳が私をまじまじと観察するように動くのを見て思わず体を抱く

影胤「ヒヒッ、言った通りだろう?」

花菜「…………」

自分の咄嗟にとった行動に驚き、

影胤さんの笑い声に目を見開く

自分は女らしくはないと

自分には女の子のような魅力は欠片もないと

そう思い続けてきたはずなのに

男性の卑しい視線から女を守るように……庇ってしまった

花菜「私は……」

影胤「君は弱くなった。力ではなく、内面的な部分が」


思えばそうだった

最初こそ否定するだけだったけれど

巳継くんや里見くん達に女あるいは女の子と言われたりすることを

否定しつつもどこかで喜ぶようになっていた

そんなはずはない。そんなはずはない

そう言いながらも

嬉しい。ありがとう。なんて喜んで

バカみたいに照れて……

自分は女なのかな。なんて悩むようにもなったりして

花菜「………………」



1、私は女にはなりきれません
2、私が女らしくなったらダメなんですか?
3、それでも影胤さんにも、ガストレアにも……負けません
4、黙り込む
5、その他


安価下


花菜「私が女らしくなったらダメなんですか?」

影胤「私個人としては喜ばしくないね。以前の君のまま観察を続けたかった」

花菜「か、観さつぁっ」

唐突な衝撃的カミングアウトには身を引かずにはいられず

棒状の何かを踏んだせいでお尻を強く打つ

背中を伝って頭にまで響いた振動に何度か瞬きする

影胤「そこまで驚くことかね?」

花菜「っ……観察を続けたいだなんて言われて驚かない訳ありません」

影胤「ヒヒッ、以前の君ならしたければどうぞ。とでも言いそうなものだがね」

花菜「言いませんっ」

自分のプライベートな部分まで捨ててるわけじゃないし

流石に監察してくれていいですよ。なんて危ないことは言わない

……と、思う

影胤「しかし……女でありたいならば戦場から去りたまえ。ここは女がいるべき場所ではない」


花菜「女だからって――」

影胤「女でありたいという望みがあるならば死に急ぐ必要はない。ということだ」

花菜「私が死ぬかもしれないって……心配してくれてるんですか?」

影胤「司馬のお嬢様と君の両親とは知り合いなのでね。見逃しては何を言われるか解らないのだよ」

花菜「……そうですか」

私の事を心配してくれてるんですね。と

口には出さずに苦笑する

影胤「何かね」

花菜「ふふっ、いえ……私はそう簡単に死ぬつもりはないですよ」

確かに生に執着するようになってしまったかもしれない

女としての幸せにあこがれを持ち始めているのかもしれない

だけど。だからこそ

花菜「私は死ねません」

そう言った私を見つめていた影胤さんは

いつもの帽子の代わりにフードを少しだけ深くかぶる

影胤「死んで後悔しないように……という話だったのだがね。君がそう言うのならばこれ以上は言わんよ」


花菜「それに。戦わないという選択肢は私にはありませんから」

影胤「?」

花菜「誰かを幸せにしてあげることが私の存在意義。ですからね」

影胤「………そうか」

影胤さんは静かにそう答えてなぜか私の頭を軽く撫でる

花菜「影胤さん?」

影胤「……ヒヒッ、小さいからちょうどいいのだよ」

馬鹿にするように笑った影胤さんはさっと手を離す

背が低いのは認めるけど

影胤さんの肘掛になるほど低くはない

花菜「もうっ……」

影胤「母親もろとも身長には恵まれなかったようだね。機械化するかい?」

花菜「結構ですっ」

こうして会話していると

影胤さんが超危険な人物だったことを忘れてしまいそうになる

……今はもう、そんな人じゃないのかな


花菜「そういえば、影胤さんはどうしてここに?」

聞きそびれていたことを今更ながらに聞くと

影胤さんはそうだったねと零してから私を見下ろす

影胤「私達も君のアジュバントに参加させて貰っても構わないかね?」

花菜「……え?」

影胤「もちろん正式な登録は出来ないが、メンバーとして君の下に付く。それが司馬のご令嬢からの言いつけなのだよ」

影胤さんはわがままで困るねなんて苦笑しながらどうかと問う

断っても断らなくても

そばで守ってくれそうだし……それに

みんなになんて紹介すればいいの?

お姉ちゃんはともかく、玉樹くん達に


1、メンバーに加える
2、加えない


安価下


花菜「解りました。影胤さんの力は貴重ですし……お借りします」

影胤「ヒヒッ、いてもいなくても変わらないかもしれんがね」

花菜「そんなことありません。影胤さんは強いですから」

影胤「君に認められるのは有難いね。聖天子直属の特務部隊隊長さん」

花菜「……そこはかとなく馬鹿にしてませんか?」

おやこれは失礼なんて完全に馬鹿にしてるような物言いに

もう良いです。と話を終わらせる

花菜「なんでもいいですが、他言しないでくださいね? その立場はあまりにも力がありすぎますから」

影胤「心得ているよ……それと、別にバカにはしていないよ。君のお付きがいないからこそできる遊びをしているだけでね」

私を馬鹿にしてからかってるんじゃ……という

余計なことは言わずに殺伐とした周りから空へと視線を移す

お姉ちゃん……大丈夫かな



1、移動
2、付近の散策
3、我堂長正に会いにいく
4、影胤と交流
5、玉樹と影胤を会わせる
6、電話
7、特訓
8、武器整備


安価下


影胤を……


1、連れて行く
2、連れて行かない


安価下


→長正に会う


花菜「ここに我堂さんがいるのよね?」

「……誰だおまえは」

我堂さんがいるであろう仮設基地の前には門番さんのような人が立っていて

いずれも時代遅れでありながら時代に適った甲冑を模した外骨格を装備

瞳や声

その体躯から感じる猛々しい雰囲気が強さをひしひしと感じさせる

花菜「私は山科花菜。昨日は来れなかったから顔合わせしようと思ったの」

「末端の戦闘員にかける時間はない。下がれ」

花菜「……少しも?」

その引かない態度が気に入らなかったのか

男性は眉を潜めて私を睨むと

左下に見えていた右手がピクッと動く

花菜「……できるものならしてみなさい」

「……何をだ?」

花菜「私を突き飛ばせるのならしてみなさいって言ったのよ」


一瞬だけ悟られたことへの動揺を感じさせたけれど、男性はすぐに口角を釣り上げて余裕を見せる

普通……というより

弱い人はここでなんで。どうしてと焦ってダメになるんだけど……

そこは流石総隊長の部下。というところなのかしらね

花菜「……お姉ちゃんからいくつか質問も貰ってるから会いたいのだけど」

「そのような時間はない」

花菜「こうしてる時間、無駄だとは思わない?」

「そう思うなら帰ればいい」

花菜「………………」

別に無理やり会う必要もないし

聞きたいことを聞いておいてと言うだけでいいかもしれない

だけど

ここで末端の戦闘員ごときがどんなものかを総隊長の部下様に教えておくのもなくはない

……女だからって舐めてそうな感じもするし


1、少しだけ……五分でもいいから
2、解ったわ。貴方から伝えておいてくれる?
3、……模擬戦しない? 貴方の強さが知りたいわ
4、その他


安価下


花菜「……模擬戦しない? 貴方の強さが知りたいわ」

「お前に付き合う時間はない」

花菜「……怖いの?」

「なんだと?」

花菜「女なんかに負けてしまうかもしれないから。戦いたくないんでしょう?」

クスクスと苦笑を交えて問う

初歩的な挑発術ではあるけれど

相手が私を下に見ていて

さっさと追い払いたいという気持ちがある以上――

「怪我をしても知らないぞ?」

「……ふふっ、治療の術は心得ているから安心してイイわよ?」

――受けずにはいられない

「お前のイニシエーターはどこだ?」

花菜「お出かけしてるのよ。今はいないわ」

「ふんっ、なら……下がってろ」

彼もまた対等にしたいのか

イニシエーターの女の子にそう言い放つ


「武器はどうする? お前は使ってもいいぞ?」

花菜「……死なせたくないわ」

未織ちゃんの作ってくれたハンドカノンなんて使った場合

確実に体が消し飛ぶだろうし

個人的には対人戦では武器は使いたくない

……昔のこと、思い出しやすくなるし

花菜「体術はあまり得意じゃないけど」

「ふんっ、その刀、使ってもいいんだぞ?」

花菜「……そうね」

そういえばこれ、立派な逆刃刀だったわね

人を殺さないための刀

「……逆刃刀か」

花菜「ええ。私に人を殺すな。と、願いを込めて打ってくれた刀よ」

太陽の光を反射する業物の刀

背面に作られた刃の怪しい輝きから視線を彼へと向ける


「俺は序列1375位だ」

花菜「……序列名乗らないとダメなの?」

「……ほう?」

私が数字を聞いて動揺しなかったことに感心しつつ

探るような目つきで私を見つめる

彼の序列は1375位

一方で私の序列は363位

本当の実力を示してくれるものではないとは言え

少し……意地悪な気がする

「言ってみろ」

花菜「……序列363位。山科花菜」

「なに……?」

花菜「序列が実力ではないからこそ、私は貴方の力を知りたいわ。本気で来て。私は弱くはないと思うから」


・戦闘を開始します



花菜HP1210/1210 筋力:326 防力:316 脚力:450 知力:270 視力:330 直感:547 射撃:458 物理:216

門番HP1350/1350 筋力:250 防力:230 脚力:310 知力:160 視力:175 直感:200 射撃:180 物理:180



花菜:前衛  門番:前衛  前衛+前衛=近距離(近:1.0倍 中:0.8倍 遠:不可  命中計算追加)


― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 
1、近・物単:CQC    威力50
2、近・物単:斬撃    威力360 耐久減少(8)

3、近・物全:剣の舞   威力510 耐久減少(15)
4、近・物単:格闘術   威力150(後攻)



安価下


お姉ちゃんから奪ったというか、見よう見まねの体術

私には大した技術もないし

ただの力技になってしまうかもしれないけど……

花菜「…………いつでもどうぞ」

「おまえ、左利きなのか?」

花菜「戦闘中にそういう質問は無しでお願いするわ」

利き手利き足を前にして

まるで左利きであるような構え

にも関わらず腰に据えた刀は右利き側

これではネタバレしているようなものなのだけど

「……なら言葉通り行かせて貰おう」

男性が一気に地面を蹴って急接近

見た目にそぐわないスピード……とはいえ、遅い

お姉ちゃんと比べるのが間違いかな……お姉ちゃん、序列ものすごく低いんだけど


ミスって敵のステータス晒してましたね……

相手の命中=180+175=355-450+547=-642

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―


花菜の判定に移ります


安価下コンマ判定

216+330=546-510=36%

36+カウンター+10%=46%


安価下コンマ判定  コンマ01~46で命中  ゾロ目でクリ


ごめん、ダメージ判定忘れてました


安価下コンマ


03+150+326+21=500x1.5(カウンター)=750ダメージ



男性が目の前まで来てもなお動くことなく

相手の出方を伺う

右手か、左手か、右足か、左足か

一瞬で視線を巡らせて移動する早さを乗せた左手が握り締められるのを目視する

「おr」

花菜「遅い」

気合の声すらも遮断するように右手で左肩を打つ

中途半端に止まった男性の左腕を無視

驚いて歪む男性を一瞥し

どこに何をされるのかと

探らせないように視線を交わせて拘束したまま左の拳をさらに固く握り締める

花菜「……手加減はするわ」

「ッ!?」

外骨格に覆われた胸部への打撃を諦めて

下腹部のあたり、ちょうどできていた防具の隙間を拳で打ち抜く

ひどく柔らかく、めり込むような感触に思わず……顔を顰めた


とりあえず今日はここまで、ありがとうございました
戦闘が久しぶりで色々と忘れてます




物理攻撃が不得手→技術がないだけで力はある

……お姉ちゃんだったら死んでます


こんな時間からですが少しやります



花菜HP1210/1210 筋力:326 防力:316 脚力:450 知力:270 視力:330 直感:547 射撃:458 物理:216

門番HP0600/1350 筋力:250 防力:230 脚力:310 知力:160 視力:175 直感:200 射撃:180 物理:180



花菜:接触  門番:接触  接触+接触=零距離(近:1.5倍 中:不可 遠:不可  命中計算追加)


― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
 


1、近・物単:CQC    威力50
2、近・物単:斬撃    威力360 耐久減少(8)
3、近・物全:剣の舞   威力510 耐久減少(15)
4、話す
5、近・物単:我流戦闘術 威力326(筋力依存 全力の追い打ち)
6、近・物単:我流戦闘術 威力163(筋力依存 手加減追い打ち)


安価下



安価下コンマ判定

216+330=546-510=36%


安価下コンマ判定  コンマ01~36で命中  ゾロ目でクリ

安価下2コンマで追加ダメージ判定(反転 12→21)


下腹部直撃によって沈んでいく男性の肩のあたりを狙って掌底を振り下ろす

ガクッと崩れた足ではとっさの回避は無理

そう判断した私だったけれど

「くっ!」

ジャリッと音がした瞬間、男性の体が急降下して視界から消えて

本来あるべき場所に男性の姿はなく

当然の如く掌底うちは空打ちとなってつんのめる

花菜「ッ!」

流れるような視界の中で

地面に寝そべっているような男性が不敵な笑を浮かべたのを見て

彼自身が倒れる速度を上げて背中を打ってまで回避したのだと気づく

「らぁぁぁ!」

花菜「!」

つんのめった状態だった足が男性のなぎ払う手に弾かれて完全に浮いて

私が飛んでいるような無防備な僅かな滞空時間、男性の足が動いた


相手の命中=180+175=355

花菜の回避=458+216=674÷2=337+547=884

集計=355-884=-529


安価下コンマ

01~10で命中

ゾロ目で急所


追加ダメージ判定 安価下コンマ


空中でバタつく腕や足ではどうしようもない……けどッ!

花菜「っ!」

もはや気合で体を動かして攻撃を躱すのではなく

外骨格に守られた腹部で受ける

「ぐっ……ラァッ!」

花菜「!」

男性はわずかに苦悶の表情を浮かべたものの

そのままの勢いで蹴り飛ばす

今度こそ完全に浮いた体を狙うように男性が追撃の構えを取ったのを見て

たまらず鞘に収めたまま刀を地面に突き立てて宙返り

驚嘆する男性に笑みを返す

花菜「手荒いんだから……」

「お前がそれを言うか? 中に鎧……いや、外骨格を隠しているな」

花菜「貴方の蹴った感触が答えよ。まさか私の体が鉄で出来ているだなんて思わないわよね?」


43+30(本来から半減)+250+18=341-316=25x1.5==37ダメージ


花菜HP1173/1210 筋力:326 防力:316 脚力:450 知力:270 視力:330 直感:547 射撃:458 物理:216

門番HP0600/1350 筋力:250 防力:230 脚力:310 知力:160 視力:175 直感:200 射撃:180 物理:180



花菜:前衛  門番:前衛  前衛+前衛=近距離(近:1.0倍 中:0.8倍 遠:不可  命中計算追加)


― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―



あの時のような緊張感に思わず笑を浮かべて頬に手を当て

その火照りに昂ぶりを実感させられる

すごくドキドキする

昂ぶってる、体が喜んでる。心が喜んでる

「何を笑ってる」

花菜「……別に、ただ。愉しいな。と」

一般人ではない

訓練した兵士である彼の体の柔らかさに落胆はしたけれど

その抵抗力と判断力はやはり戦いの中に生きる人そのもの

「ふんっ、食えない女だ」

花菜「私を食べたければ四肢を切り落としたほうがイイわよ……じゃないと、抵抗するから」

「……ほう」

花菜「………………………」

ふっと息を吐いて体の力を抜き、相手を見据える

何かを忘れているような気がする

けれど、そんなことはどうでも良く思えて

今はただこの一戦を愉しむことに頭が、体が、動いていた

花菜HP1173/1210 筋力:326 防力:316 脚力:450 知力:270 視力:330 直感:547 射撃:458 物理:216

門番HP0600/1350 筋力:250 防力:230 脚力:310 知力:160 視力:175 直感:200 射撃:180 物理:180



花菜:前衛  門番:前衛  前衛+前衛=近距離(近:1.0倍 中:0.8倍 遠:不可  命中計算追加)


― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―



1、近・物単:CQC      威力50
2、近・物単:斬撃      威力360 耐久減少(8)

3、近・物全:剣の舞     威力510 耐久減少(15)
4、近・物単:我流戦闘術  威力180
5、近・物単:我流殺人術  威力――  命中率固定10%( 命中で決殺)




安価下



安価下コンマ判定

216+330=546-510=36%


安価下コンマ判定  コンマ01~36で命中  ゾロ目でクリ

安価下2コンマで追加ダメージ判定(反転 12→21)


花菜「楽しませて頂戴」

「!」

さっきとは逆転して今度は私が攻める

一直線の特攻……回避はしやすいでしょうね

「見え見えなんだよ!」

花菜「あら……怖い」

舐められていると感じたのか

男性はやや怒りながら右に跳んで回避

……でも。それじゃダメ

花菜「ふふっ」

ぐるっと顔だけを彼へと向けて笑う

右に逃げていく男性を追うように左足で地面を踏み込んで接敵

花菜「これでどう?」

「くっ……っ!」

着地を待たずに地面を蹴って2度目の回避で男性が逃げる

……残念。よけられちゃったわね


「……今度は俺の番だ」

花菜「ん」

わざわざ逃げたというのに

男性は私の方へと駆け出す

一直線に攻めるのは両者ともに無駄だと分かっているはずだけど……

花菜「………………」

じぃっと見つめて予測する

足技でくるか、それとも拳でくるか

彼には私が外骨格を装備していることはバレているし

その上から攻撃しようとはしないはず

だから狙われるのは……彼が非情なら顔を狙ってくるかしら

「今度は簡単にはいかせない!」


相手の命中=180+175=355-450+547=-642

安価下コンマ


01~10 で命中

ゾロ目で急所


接敵してきた彼を回避することなく待ち受ける

「!」

一瞬だけ面食らったものの

彼はそのまま単調な右ストレート振り抜く

つまらない。あまりにも、つまらない

そんなものは無駄だと、無意味だと解ってるはずなのに

そう思いながらも戦いであることを忘れず、気を抜くことなく

手刀で軽くそれを払った瞬間、彼が笑う

花菜「うん?」

彼の右手が下がっていくにつれて、体が斜めになって――

花菜「ッ!」

瞬間的に膝を折って死角からの左回し蹴りを回避

それでも拭えない空気を直感的に感じ、両手を足としてその場から跳んだ瞬間

さっきまでいた場所をかれの左拳が空気を割いた


「躱すとは思わなかったぞ」

花菜「………………」

この相対し、読み合い、掠っていく殺気、

当たれば大打撃の緊張感

今まで武器に頼ってかき消していたなんて……勿体ない事をしてたわね

花菜「……良い動きだったわ。でも、お姉ちゃんだったら流れを読ませない」

「ふんっ、お前の姉など知ったことか」

花菜「それもそうね」

彼もまた戦いの中に生きる人

だからこそこの簡単にはいかないであろう戦いを楽しもうとしてる

花菜「余計なことは必要ない。今はただ、これを愉しまなきゃ」

「次で終わらせてやる。いつまでもお前の相手はしてられない」

彼は一層強く私を睨んで構える

終わらせてやる……ね。出来るならそうして欲しいわ


花菜HP1173/1210 筋力:326 防力:316 脚力:450 知力:270 視力:330 直感:547 射撃:458 物理:216

門番HP0600/1350 筋力:250 防力:230 脚力:310 知力:160 視力:175 直感:200 射撃:180 物理:180



花菜:前衛  門番:前衛  前衛+前衛=近距離(近:1.0倍 中:0.8倍 遠:不可  命中計算追加)


― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―



1、近・物単:CQC         威力100 (現在威力+50)
2、近・物単:斬撃         威力360 耐久減少(8)

3、近・物全:剣の舞        威力510 耐久減少(15)
4、近・物単:我流戦闘術     威力180 相手の部位破損(小)
5、近・物単:我流戦闘術弐式  威力270 相手の部位破損(中)


安価下

安価下コンマ判定

216+330=546-510=36%


安価下コンマ判定  コンマ01~36で命中  ゾロ目でクリ

安価下2コンマで追加ダメージ判定(反転 12→21)


花菜「ふっ!」

「!」

側面に回り込んで彼の腕へと手を伸ばす

私の近接格闘術はただの付け焼刃

正直言って喧嘩レベルでありプロ相手には当たらない

まして、あの零距離を回避された時点でこの近距離戦においての勝ちはほぼ無くなったといっても良い

けれどそれは近接であればの話

ゼロ距離に持ち込めればまだ可能性はちょっとだけ――

「甘い!」

花菜「!」

伸ばした手が容易く弾かれて

彼の半身が私へと向けられ、視線が交錯する

花菜「……ッ」

いつの間にか集まっていたギャラリーの目が私を追っていたせい?

違う、私が遅かっただけのこと

「終わりだ!」

彼の振り向きざまの右拳が視界の端に映り込む

回避は――


相手の命中=180+175=355-450+547=-642

安価下コンマ


01~10 で命中

ゾロ目で急所


花菜「……ッ!」

彼に弾かれたままに体を懐に潜り込ませて

そのまま彼に接触

押し倒すような形で攻撃を阻害する

勢いで彼が倒れ込み、そのまま私も倒れこむ

図らずとも取ってしまったマウントポジションで

見下ろしながら彼と目を合わせる

「どうした。殴らないのか?」

花菜「……そうしたいのは山々だけれど、もう終わりみたいだから」

私たちではない場所を見ながらざわつき始めた群衆へと視線誘導すると

それらをかき分けて厳ついおじさんが現れた

「が、我堂団長!」

花菜「あら。貴方が……」

通りで……みんなが騒然としだしたのも納得がいくわ


我堂「いつまでそうしているつもりだ」

花菜「……ごめんなさい。重いわよね」

さっと彼の上から退いて手を差し出す

花菜「背中を強く打っちゃったかしら。立てる?」

「……問題ない」

私を少しだけ見つめた彼は

不意にそっぽを向いて一人で立ち上がると

我堂さんに頭を下げた

「失礼いたしました!」

我堂「私はお前に遊んでいろと言った覚えはないぞ」

「この民警が我堂団長にお会いしたいとしつこく……追い払うために実力行使で」

我堂「その結果が今の情けない姿だったということか?」

「……はい」

門番さんは言い訳をすることなく

素直に頷いて頭を下げる

情けなかったかしら……? 私的にはそんなことはなかったのだけど


我堂「……君は、何者だ」

花菜「序列363位、山科花菜」

団長に対しては全て告げるべきだと序列含めて自己紹介すると

男性との最初のやりとりを知らなかったのか

ギャラリーから響めきが生まれる

序列くらいで別に騒ぐこともないのに

我堂「なるほど。私の部下も遊んでいたわけではないということか」

花菜「ええ。彼は優秀だわ。私に一撃しか入れさせず、一撃を入れてきたんだもの」

体術が私は苦手とは言え

しっかりと対応したことは賞賛に値すると思う

舐めてかかってきてるとも思ったけど

そんなことは……なかったし

花菜「本気で戦ってくれてありがとうね。門番さん。凄く嬉しかったわ」

心からの感謝を述べて、微笑む

門番さんはバツが悪そうに目をそらすと

「………ふんっ、お前は一度も俺に武器を使わなかった癖にな」

なんて呆れたように返す

花菜「対人戦ではあまり使いたくはないの。ごめんなさいね」


自分を差し置いてのそんなやりとりが気に食わなかったのか

我堂さんは大きく咳払いをして気を引く

我堂「私に用があると言ったな。中で話を聞こうではないか」

花菜「ありがとう」

我堂さんは仮施設の幕を開けて招く

門番さんとの戦いで実力を認めてもらえたのか

それとも、序列が高いから優遇されるのか

それとも、どんな相手であれ話を聞く気は元からあったのか

定かではないけれど、話をさせて貰えるならそれで十分よね

うやむやに試合が終わり

つまらないとか最後までやれとか、女に負けるとかダサいだとか

色々聞こえてきたけれど

「……お前とのやりあいは中々楽しかったぞ。またいつか手合わせ頼む」

門番さんは気にせず、横を通った私にそう呟く

花菜「ええ。またね」

断る理由もなく承諾して、私は仮設本部へと入った


・戦闘を終了します


とりあえず今日はここまで
ありがとうございました



門番が地味に強くて長引いてしまった
……花菜の物理命中が低いだけかもしれないですが


それはそうと戦いの中で芽生える恋もあるかもしれない
……戦闘中の厳しさとそのあとの花菜さんの手のひら返しのような優しさは狡い


専ブラアップデートしたら今までのデータ消失した挙句
酉が思い出せないのでこっちに変更します


我堂「君のような人物がいれば目立つと思うが……」

我堂さんは言いながら品定めするように私を見る

スーツを着込んでいるのはおそらくお姉ちゃんと私だけだろうし

それが珍しい気持ちもわかるけど……あまり見つめられても困るわね

我堂「君は昨日の演説には来なかっただろう?」

花菜「ええ。諸用で参加できなくて……一応お友達が参加してくれたから話は聞いています」

我堂「ふむ。その上で私に会いに来るとは何用かね」

花菜「お姉ちゃんからいくつか質問です」

前置きを一つおいてから

現在の隊列に使用武器による有効な隊列は組まれているか否か

自衛隊との連絡手段、行き来するための係は配備されているかどうか

戦闘時、防衛するにあたって抜かれそうな穴を庇うことができる余裕を作っているかどうか

戦闘時、防衛ではなく攻めに転じるという手段は可能かどうか

いろいろと書かれたノートを提出した


パラパラとめくっていく我堂さんは所々で顔を顰める

気に入らないというよりは

思うところはあるがどうしようもないっていう感じだし

どちらにしても

お姉ちゃんの提案の殆どは無理ってことね

我堂「……君の姉が言いたいことはわかるが、無理だ」

花菜「全てですか? 独自に動ける一部のチームを作ることも。ですか?」

我堂「それを認めたらみなが自由に戦うことを望むとは思わないかね?」

花菜「……そうですね」

自由に戦うともなればただの烏合の衆に同じ

バラバラに戦う私たちに対して

初日の軍隊蟻のように軍隊構成できたら敗北が確定する

花菜「仕方がないです」


我堂「本来ならば私も望むべく作戦はある。特に、自衛隊としっかりと連携しての戦闘というものは」

花菜「……でも。無理なのでしょう?」

我堂「仕方のないことなのだ。民警の中では比較的一般人に近い君ならばわかるだろう?」

花菜「私より……力こそ全てと考える人の方が共感できるかと」

民警には勝利を譲りたくないという気持ちが強い

嫌われてるからね……民警は

だから自衛隊の野営地からも遠いし

ガストレアとの戦いにおいて

自衛隊よりも秀でているであろう私達が自衛隊よりも後に攻めることになってる

我堂「なお、遅れてきた君達についてだが、ちょうど溢れているチームがあるのだよ」

花菜「溢れているチーム?」

我堂「君の元同僚のチームだ。彼らはアジュバンドすら正式に組めていないのだ」


私の元同僚……ね

私がフリーになって

自分で民警を立ち上げたことは周知の事実なのね

他の民系に興味がないのは私だけ……かな

花菜「蓮太郎くん達と組めと?」

我堂「その通りだ」

花菜「……でも」

我堂「彼らは現在私の息子の中隊の指揮下にいるが、あまり馴染めそうにはなくてな。このままでは連携が取れそうにないのだ」

花菜「……なるほど」

我堂さんの心配も解らなくはない

里見くんはあまり仲良く出来そうにないものね

とはいえ

私は木更ちゃんにダメって言われてるし……総隊長の命令ってことでどうにかなるかしら?



1、我堂息子の中隊指揮下へ
2、我堂長正の指揮下へ
3、その他の指揮下へ(コンマランダム)



安価下


花菜「ごめんなさい。彼とは事務所関係でNGなの」

我堂「なるほど。理由は聞かないが承知した」

花菜「ごめんなさい」

我堂「事務所を変えている。ということを知りながら、悪い提案をしてしまったな」

我堂さんは厳しい人とかなと思ったけど

どうやらそうでもなさそうね

隣にいる可愛い武士さんから感じる主への信頼も強いし

なるほど、総隊長に据えられるに値する人柄というわけね

我堂「君達は悪いが中退の指揮下に入ってもらう」

花菜「贅沢は言わないわ」

我堂「聞き分けが良くて助かる」

……弱いのは足で纏になるかもしれないけど

それならそれで、死ぬ人を減らすことができるだろうし


民警は500ペア(1000人)
10ペアを率いて50組……ではないよね
25ペアを率いて20組



安価下コンマ判定


1 10000
2 10500
3 11000
4 11500
5 12000
6 12500
7 13000
8 13500
9 14000
0 14500

25組ペアの総戦力値
ゾロ目なら+500


11500=個人のステータス平均230 若干中隊長に座れるので 200~225前後



我堂「では第四中隊に入ってくれたまえ」

花菜「解りました」

我堂「君はあのスコーピオンを足止めしたと噂の民警だ。期待しているぞ」

花菜「善処します」

それは里見くん達や影胤さん達がいてくれたからこそなんだけど……

影胤さんはいてくれるけど里見くんはいない

その分をお姉ちゃん達が埋めてくれるかどうかかな

花菜「では、その部隊に顔合わせしてきます」

我堂「ああ。行ってくるといい」

てっきり中隊長を任されると思ったけど

それはさすがになかったみたい

女になんか任せたらそれこそ統率取れなさそうだものね


「お前だけか?」

花菜「ううん。私含めて4ペア8人」

「そうか、俺が中隊長だからな。指示はちゃんと聞けよ?」

花菜「ええ、よろしく」

「まぁ、人間相手に手こずるようなやつじゃぁ役に立たないかもしれないが。囮くらいにはなってくれよ?」

花菜「人間相手って……」

さっきの門番さんとのやり取りを見学してたのね

彼、結構強かったから

手こずってもおかしくはないと思うんだけど……

花菜「私は良いけど……あの人は弱くないわよ?」

「お前から見れば。だろ?」

……相当な自信家タイプってところかしら

リーダーとして、弱気で居られるよりはずっとマシだけれど


花菜「なら彼と戦ってみる?」

「遠慮しておく。無意味な戦いはするつもりないからな」

花菜「そう。まぁ、別に良いけれど」

なんで私がこの隊長の下に付けられたのか

なんとなく解る気がするけど

それを言ったら可愛そうだし止めておこうかしら

アジュバントシステムの下

戦闘するというのは初めての試みだけど

うまくいくといいな……

花菜「……それにしても」

このチーム

私とお姉ちゃんくらいなのね。女の人


・夕方に移ります
・香織たちと合流します


とりあえず今日はここまでにします
ありがとうございました




中隊長の性格は自信家
能力的には平均270程度

このチームの何人が生き残れるのか……


再開位置固定
イベント判定安価下コンマ


1 香織
3 悠河
5 事件
7 影胤
9 余計なやつ


→5日目 夕 外周区、民警集合地



影胤「中々様になっているね」

花菜「……どっちの意味で言ってます?」

影胤「兵士としては褒めているが、性別で言えば貶しているね」

花菜「別に良いですよ。別に」

戦場が似合う女の子が至って別に良いと思う

それがあるべきかどうかは別にして。だけど

花菜「それよりも出てきていいんですか? 小比奈ちゃんまで」

影胤「基本的に不干渉を決め込んでいるみたいだからね。部隊としては間違っているが……好都合ではある」

マントを羽織って

顔を必要以上に見せないようにしてる2人組

街中ではともかく、こういう場所では普通なのかしらね


影胤「街についてだが……あまり状況はよろしくないね」

花菜「……そう」

影胤「政府が激しく非難されているよ。人間は陰謀論とやらをこよなく愛しているみたいでね」

そう言った影胤さんから手渡されたビラには

色々と酷い事が書かれていた

シェルター……やっぱり、批判は一番集中しやすいのね

無事かしら。権利者の人達は

影胤「ヒヒッ、君なら情報を得ているんじゃないか?」

花菜「……陰謀論ではありませんよ。一応はシステム上で選択されてます」

一部を除いて。だけど

お義母さんたち、私達

そして菫さんもまたその権利に選ばれたのではなく、権利を与えられたらしい

私達が瑞穂ちゃんのご両親に譲った以外は全部破棄したんだけどね


影胤「そうか。君がそう言ったところで何かが変わるわけでもないがね」

花菜「……何が言いたいんですか?」

街の状況を教えてくれるのはありがたいけれど

どうにも意図がつかめない

陰謀論云々なんて話すだけ無駄だし

それで話を広げるような人でもない……と思う

花菜「……………………」

影胤「……………………」

何か隠しているような気がして

仮面の奥の瞳をじぃっと覗く

影胤「……なにかね?」

花菜「貴方こそ」


互の内側を探るような視線の交錯

周りが息を飲んだような理由のない緊張感に当てられて

思わず私も息を呑む

花菜「………………」

影胤「………………」

花菜「……っ!」

にらみ合いなら負けないなんて子供みたいな考えに行き着いて

きゅっと眉をひそめた瞬間

過去の遺灰を巻き上げる旋風が私達の間を通って目を瞑って

影胤さんの苦笑でまた開くと

ちょうど、鼻筋を影胤さんの人差し指がなぞった

花菜「ちょっ……」

影胤「女を意識するならば少しは気にしたまえ」

花菜「……大きなお世話です」

影胤さんと睨み合うのを止めて髪を軽く梳くと

さらさらとした流れの中にザラザラとした砂粒を感じた


模擬戦したりもして

乱れた服は整えはしたけど

髪とかにまでは気を配ってなかったな……

花菜「不衛生ですか?」

影胤「それを私に問うのかね?」

花菜「……聞くだけ無駄ですね」

前髪をクリクリと弄りながら

体育座りの膝上に頭を置く

花菜「…………………」


1、電話
2、移動
3、香織と交流
4、陽羽と交流
5、影胤と交流
6、小比奈と交流
7、憩と交流
8、門番さんと交流
9、第四中隊と交流
0、蓮太郎と交流
11、延珠と交流
12、彰磨と交流
13、翠と交流
14、武器関連
15、付近を散策


安価下


→蓮太郎と交流


花菜「れんたろーくんっ」

とぼとぼと姿勢の悪い歩き方をする里見くんに

後ろから覆い被さる……一歩手前

肩に手を置いて耳元で出来る限り優しく囁くと

相当驚いたのかバッっと勢いよく私を振り払って飛び退く

花菜「……わ、私よ?」

蓮太郎「あんたかよ」

花菜「……私じゃ変?」

蓮太郎「あんたっぽくない声だったな」

ポリポリと頭を掻いた里見くんは

あまり機嫌が良さそうには見えなかった


花菜「どうかしたの?」

蓮太郎「どうもこうもねぇよ……街の治安は最悪だッ」

八つ当たりで蹴り飛ばした石が近くのコンクリートに当たって

コンッと小さな音を立てる

花菜「何があったの?」

蓮太郎「呪われた子供達が狙われて……実際、死人が出てる」

あまりにも簡単に紡がれたその言葉で

弾けそうな程に大きく心臓が跳ねる

花菜「……っ、まさか青空教室の」

蓮太郎「それはねぇよ。あんたの最も信頼できるやつらが今はそこに行ってんだろ」

いつの間にか見開いていた瞳を閉じて、カサカサになっていく唇を内側へと引っ込める

花菜「そ、そうね……」

祈りを捧げるように

胸元まで上がってきていた右手を強く、強く握り締める

震えてる……怖いの? 怖いのよね

当たり前だわ……次の日に会おうとしたらもうすでに亡くなっているなんてこともありえるんだもの……


蓮太郎「俺の知り合い……っつーか、知ってる子供も狙われた」

花菜「無事……なの?」

蓮太郎「ギリギリだったけどな。来んなっつったのに街に出てきてさ……」

無事であることにほっとしながらも

何も好転していないことにまた肩を落とす

子供達が狙われてる

怒りや不満のはけ口?

……それもある。けど、違う

怖いんだ。子供達の存在が、ガストレアという存在そのものが

だから殺す

怖いから。何かをされていなくても、何かされてしまうかもしれないから

花菜「……だから、殺す」

蓮太郎「花菜さん?」

私もそうだったから

だから……気持ちは痛すぎるほどに解る

でも、だからって許せるようなことじゃない


花菜「……私が行けばよかったかな。街」

蓮太郎「……いや、あんたは行かない方が良かった」

花菜「どうして?」

蓮太郎「俺でも相手を撃ちそうになったんだ。あんたが行ったら……殺してた」

里見くんはそれを本当に嫌そうに、暗く沈んだ声で呟く

私が行ったら殺していた

それの何が問題なのか分からずに首を傾げる

花菜「何かされたわけでもなく殺した人を殺して何か悪いの? 少なくとも私は、殺されても仕方がないと思うわ」

蓮太郎「何言ってんだ……?」

花菜「人を呪わば穴二つというでしょう? その人達は自分達を殺す権利をばら蒔いているのよ。拾ってあげたっていいじゃない」

蓮太郎「……汚いからおいておけよそんなもん。拾ったなら警察にでも届けとけ」

花菜「面白い冗談ね」

蓮太郎「目が笑ってねぇよ」


とりあえず今日はここまでにします
ありがとうございました



盲目少女と知り合いだった場合
何がとは言いませんが一段階進みます

民警の大多数は殺しに関して共感しそうな気がします


蓮太郎「なぁ、花菜さん」

花菜「何かしら」

蓮太郎「俺はいつまでもお預けを我慢できるほど、優秀な教育は受けてねぇんだ」

花菜「教育は受けるものじゃないわ。するものよ」

他人から受ける教育なんて

自分には合わないものが大多数であり

それらを受けていようがいまいが

優秀になるかどうかなんていうことが定まることは決してない

花菜「その身で経験し、培って、その頭で悩み、重ね、解決してきたものこそが教育。すなわち学習」

蓮太郎「…………同じようなもんだろ」

花菜「それは違うわ。学習は自分への教育であり、与えられるものではなく、自らがこの手で掴み取るものよ」

過去の私は実際に学習という名の教育をしてきた

そのおかげで私は生き抜いてこれたのだから

教育を受けていなくても、優秀になれないとは限らない

花菜「……なんて。余計なこと語っちゃったわね。それで? お預けができないというのはどういうことなの?」


蓮太郎「あんたの中身についてだ」

花菜「……私の? 知りたいことがあるの?」

蓮太郎「前に言ったよな? 木更さんよりも醜悪なものがあるとしたらって」

花菜「……んー」

里見くんには悪いけれど

いつのことなのかあまり記憶にない

正直、それ以外にいろいろありすぎて混濁しているというかなんというか……

花菜「………………」

ふと体が熱くなって

そういえば。私の家で里見くんと抱き合ったな。なんて思い出す

蓮太郎「……何照れてるんだ?」

花菜「いや、その……れ、蓮太郎くんが積極的だったなぁー……なんて」


蓮太郎「っ……ば、馬鹿野郎! 変なこと思い出してるんじゃねーよ!」

花菜「そんなに怒鳴らなくても……」

冷めすぎていた心が

だんだんと温まっていくのを感じる

あの時のことを思い出したからかな

それとも、そうしてくれた人が目の前にいるから

もしかしたらまた。してくるんじゃないかと緊張しているからかな

花菜「……お話。逸らしちゃったわね。本題に入りましょ?」

蓮太郎「ぁ、ああ……」

花菜「蓮太郎くんは知りたいのよね? 私が何を持っているか」

蓮太郎「姉さんを襲われたあとのあんたは尋常じゃなかった。もう、いつかを待っていたら手遅れになる気がすんだよ」

里見くんは真剣な表情で言う

狡いわ。そういうの

口が悪くて、いつも喧嘩腰のような感じで、疲れた表情してるのに

ちょっとだけ。格好よく見えるわ


1、私は沢山の人を殺したわ。10人とかそういうちっぽけな数じゃなく……ね
2、……そう言われると。言いたくなくなるわ
3、私が抱えてるものがどんなことだとしても。貴方は私の事。嫌いにならない?
4、その他


安価下


花菜「私が抱えてるものがどんなことだとしても。貴方は私の事。嫌いにならない?」

それは自分が思っている以上に甘えたような声で

それ以上に……甘すぎる意味合いの言葉だった

自分の過去に何があろうと

嫌いにならないで。なんて

花菜「っ……私っ」

何言ってるんだろう

何言ってるんだろうっ……私、おかしいわ

花菜「蓮太郎くんっ、今のは――」

忘れて

そう言おうとした私に向かって

里見くんは「何言ってんだよ」と苦笑する

蓮太郎「俺はもう、天童木更っつう人と一緒にいるんだぞ? あんたの過去が憎しみで一杯でも。嫌いになんざならねーよ」


花菜「っ……」

蓮太郎「………………」

相当恥ずかしい言葉だったのだろう

里見くんは顔をほんのりと紅潮させて

目があった瞬間に少しだけ横へと逸らして

誤魔化すように……頭を掻く

その清流のような綺麗さには思わず……私も目を逸らす

軽く胸に手を充てがうと

心配も不安も削がれて消えたはずなのに

未だ高鳴る胸はなおも激しさを増していく

花菜「……ぁ、あり、がと」

かろうじて絞り出せたのは、たったそれだけの返事だった


少しして落ち着いてからそっと……口を開く

花菜「……私、ね? 人を、殺したことがあるのよ」

蓮太郎「そんなの――」

花菜「数え切れないほど。復讐でもなんでもなく、ただ。怖くて」

蓮太郎「………………」

呼吸を引いたような音が里見くんの方から聞こえて

向き合うこともできずに下を向く

蓮太郎「あんたのこと……襲ったりしたんだろ?」

花菜「でも何も出来なかったわ。だから危害を加えられたわけじゃない……けど。それでも私は殺したの」

蓮太郎「花菜さん……」

花菜「殺して、殺して、殺して、殺して、殺して……殺し続けたッ」

カタカタと震えだす自分の体を抱きしめながらそう吐き捨てる

怖いのは自分……過去、化物と言っても過言ではなかった自分

人殺しというモノに快感を得ていたその頃の感覚に近いものを感じて

戻ってしまうのではないのかと……たまらず、震えていた

それを

蓮太郎「……花菜さん」

里見くんは

蓮太郎「落ち着けよ……悪かった。もう言わなくていい。話さなくていい。だから、落ち着いてくれ」

温かくて、優しくて

あのころの私を止めてくれた彼女のようなその温もりに

私は縋り付いて、泣き出したいとさえ思わせる

けれどその彼女さえも自らの手にかけたということが

私のそんな些細な救いでさえも――許してはくれない

だから私は里見くんの胸元に触れ、隙間を作って

花菜「……大丈夫。ありがとう」

そう言って笑ってみせた


安価下コンマ判定

 37 ゾロ目 で、継続!


→なし



里見くんは「そっか」と

照れくさそうに言いながら私から離れる

里見くんがいる時といない時

その温度差に身も心も冷やされて

物寂しく思いながらも笑顔を向ける

花菜「……ふふっ、貴方に抱きつき癖移しちゃったかしら?」

蓮太郎「かもしれねーな」

花菜「木更ちゃんにもしてあげたら?」

蓮太郎「そう易々とできるわけねぇだろ」

照れ隠しに語気を強める里見くんを見つめながら

混沌とした内心を宥めるように胸をなで下ろす

もしもあのまま抱かれていたら

私はどうなっていたんだろう……

ドキドキと煩いそれは、中々静まってはくれなかった


とりあえず今日はここまで
ありがとうございました



このあとは夜イベント→実家でお母さんから機材受け取り→青空教室の外周区設置
主人公が誰だか判らないですが、ヒロインは花菜さんで良いのかもしれません


ヒロイン視点でヒロイン攻略という新感覚恋愛シュミレーション


5日目 夜 山科邸・美菜の科学実験室


美菜「ん、来たわね」

花菜「できてないとか言わないでね?」

美菜「できてるわよー」

パタパタと手を振って

お母さんはすぐ横のカバンからサッカーボールほどの球体を取り出す

バラニウムのように真っ黒で

鉄らしく冷たく……そしてなにより重い

RPOロケットランチャー3つか4つ分くらいかしらね

花菜「……なにこれ」

美菜「防水、防弾、防爆、防塵仕様を考えて密度をあげたら……ね」

花菜「国を守るための機械とは言え、やりすぎじゃないの?」

美菜「やりすぎたらきっと、手は届かなくても影は届くと思ってね」


花菜「……なるほどね」

手では庇えなかったとしても

影さえ届けば日陰となる

美菜「ところで」

花菜「うん?」

美菜「延珠ちゃんはどーお? 侵食率」

花菜「そんなの……知ってるくせに」

延珠ちゃん達とお母さんは直接的なつながりはなく

私が里見くん達と関わりづらくなった今

今まで以上に……って、変わりはないかな

美菜「じゃぁ……このまま心配する必要はなさそうね」

花菜「なにを?」

美菜「ゾーンの突破についてよ。話してなかった?」


花菜「ゾーン? 成長限界のことでしょう?」

美菜「そう。成長の限界点……言い換えれば壁のようなもの」

お母さんは目の前のパソコンを素早く操作すると

延珠ちゃんの詳細なプロフィールを呼び出す

美菜「現状の延珠ちゃんの限界点は高くても成長前の陽ちゃんに追いつけるかどうかも怪しいレベルよ」

花菜「……それで?」

美菜「でも、ゾーンを超えればただの陽ちゃんになら勝てる。ううん、圧勝できるかもしれない」

陽羽に圧勝できる?

延珠ちゃんが弱いだなんて言うわけではないけれど

いくら延珠ちゃんでもそれは……

花菜「そんなに凄いものなの?」

美菜「そうね……ステージⅣとステージⅤくらいの差は出ると思う」


ステージⅣとステージⅤ

それがガストレアにほかならないのは聞くまでもなく

差を表すにはその例えは役不足なのでは。と

言いたくなるほどに……それは大きすぎる差を持っていた

花菜「……冗談だよね?」

美菜「さて。現存する序列トップのイニシエーターと対峙しても貴女はそう言えるかしら?」

花菜「それは……」

美菜「タウルスを倒したイニシエーター……ううん。ドイツの第2位にでさえ、貴女達は勝てないんじゃない?」

考えるまでもない

勝つことなんて不可能でしょうね

プロモーターを殺せば勝利というのなら

話はまた違うのかもしれないけれど

美菜「つまり、それだけの差をつけることも不可能ではない。ということよ」


美菜「もちろん、陽ちゃんがゾーンを突破したなら話は別よ? 自力が違いすぎるもの」

花菜「……うん」

美菜「話を戻すわね? なぜ、ゾーンを突破するかどうかが心配なのか」

お母さんは人差し指でパソコンの画面をコンコンッと叩くと

凄く言いづらそうに私のことを見つめる

キィ……と軋んだ椅子の音が嫌に悲しく思えた

美菜「私の推測だと、ゾーンを突破したイニシエーターのガストレア化した姿がステージⅤなのよ」

もちろん仮説のの領域だけど

なんて不安になりそうなセリフに繋ぐ

美菜「既存のゾディアックの触媒から推測するに、多分……私は信じたくはないわ。触媒となったあれも、ただの偶然だとは思いたいけど」

花菜「触媒って……あのケース中身? 見たの?」

美菜「見たというか、見せてもらったというか……封印に携わったからね」


花菜「そんなの初耳だわ……」

美菜「言ってないからね……禁句だったし」

苦笑混じりにそう零したお母さんは

椅子に深く腰掛けると、一瞬にして空気を戻す

美菜「延珠ちゃんがゾーンを突破してガストレア化した場合、既存のステージⅤ以上の化物になる可能性は高いわ」

花菜「……言い切れるの?」

美菜「延珠ちゃんはたくさんのガストレアと戦って傷ついた。その分、ガストレア因子が混ざるとすれば。確定でしょうね」

むしろ。と

お母さんは言葉をつなぐ

美菜「既存のステージⅤはステージⅤの中でも最弱の部類。いうなればカオスではなくシンプルな存在かもしれない」

花菜「……シンプル? あれが?」

美菜「まだ綺麗な方でしょ。型崩れしてないし原型が判別できる。リブラなんかがその良い例」

花菜「……………………」

美菜「とはいえこれは仮説であり、立証なんてしたくもないから証明は出来ない。けど、超えてはいけない壁もある。というのは何にでもあるものだからね」


美菜「余計な話をしちゃったわね。延珠ちゃんが壁を越えないならそれでいいのよ」

花菜「でも、延珠ちゃんは」

美菜「越えようとしたら止めなさい」

お母さんはきっぱりと言い捨てて

パソコンのウインドウを閉じる

里見くんを守りたいと

そのそばにずっと居たいと

望んでいるであろう延珠ちゃんにはあまりにもきついことだと

お母さんだって分かっているはずなのに

花菜「お母さ」

私の声を遮るように

美菜「いい加減……」

いつもとは打って変わって厳しい表情、厳しい声でどこかを見据えて

美菜「蓮太郎くんに覚悟を決めさせなさい。藍原延珠は――もう終わりだと」

そう、私に告げた


花菜「それを、私に言えってこと?」

美菜「延珠ちゃんが去ったあと。慰められるのはきぃちゃんか貴女だけ。でも、 きぃちゃんはアレじゃ無理でしょ?」

花菜「そうかもしれないけど……でも、まだ延珠ちゃんは」

美菜「まぁ……ガストレアに襲われた人間がそれと同系統のガストレアになる。というのを流用すればガストレア化の変異が藍原延珠。ということも可能かもしれないけどね」

花菜「……できるの?」

美菜「ガストレアの細胞が細胞記憶というものを保持しており、それに従って変異しているのであれば不可能ではないでしょうね」

希望なし

とでも言いたげなほどに適当な口ぶりに思わず顔をしかめると

お母さんはやめてよね。とため息をつき

厳しい表情で私をにらみ返してきた

美菜「私だって子供達がガストレア化するという最悪の終わりを無くしてあげたい。でもね、無理なのよ」

花菜「………………」

美菜「いくら頑張ってもジーンサイレンシングの応用による抑制止まり……リプログラミングも、インプリンティングも成功例が一度もないの」

お母さんは呟き程度にまで声を落とし

その視線までも落としていく

美菜「細胞記憶をリセットして、上書きする。言葉では簡単なのに……難しいのよ。このまま終わりなんて……したくないのにっ」

そう言ったお母さんは凄く……苦しんでいるように見えた


花菜「……お母さん?」

研究を中途半端で諦める

それが研究者や発明家として気に食わないのかもしれない

延珠ちゃんを救ってあげられないのが嫌で嫌で仕方がないのかもしれない

でも、なんでかしら

そうじゃないような気がしてならない

どこか鬼気迫るものを感じてしまう


1、あまり、無理はしないでね? コレだけでも十分助けられてるんだから
2、私が口出しすることではないだろうし……黙って帰ろう
3、あの、機械ありがとう。凄く……助かった
4、どうしてそこまで急いでるの? もう少し、ゆっくり研究しても良いんじゃないの?
5、その他



安価下


花菜「あまり、無理はしないでね? コレだけでも十分助けられてるんだから」

美菜「……一番無理してる貴女に言われたらおしまいよ」

花菜「人が心配――」

美菜「でも」

お母さんはあまり元気のない笑みを浮かべながら

私の体にそっと触れる

美菜「ありがとう。気をつけるわね」

花菜「……倒れたり、しないでよ」

その手を少しだけ強く引っ張って、浮き上がったお母さんの体を抱く

想像以上の軽さに

思わず聖天子様と脳内比較してしまう

花菜「……下手したらこの機械と同じくらいの体重じゃないの?」

美菜「今は42くらいよ」

花菜「身長は?」

美菜「……157」

花菜「少しは太ろうよ……お母さんのばかっ」


・侵入防止装置を手に入れた


とりあえず今日はここまでにします
ありがとうございました


イベントだったのでほぼ会話で進めてしまいました



原作で判明すれば色々とやりやすいんですが
ステージⅤ及びガストレア化阻止についてはほぼ100%勝手な想像です
原作とは異なる場合がありますので、ご注意ください


花菜と第四部隊の信頼関係


安価下コンマ一桁で好感度

安価下2コンマ一桁で信頼度


ゾロ目なら+5

────────────────────────────────────────

 交友関係(好感/信頼 相手からの印象)  3ヶ月目 5日目 現在

  山科 陽羽 (100/104  複雑な意味で意識する相手)

  山科 憩   (64/72  信頼する家族) 
  山科 真希 (70/70  お義母さん?) 
  山科 真望 (69/69  お義母さん?) 
  山科 香織 (19/19   無茶っ子) 委任+2
  川原 瑞穂 (10/10  お義母さん) 
  天童 木更 (22/23  排除すべき敵)

  里見 蓮太郎(46/45  守りたくなる相手) 交流+1 交流+2/+1
  藍原 延珠 (24/26  仕事仲間) 交流+1
  司馬 未織 (43/39  告白が変に気になる相手)

  巳継 悠河 (63/60  何をしても得たい光) 
  室戸 菫   (21/22  仕事仲間)
  千寿 夏世 (07/07  その他のプロモーター) 
  伊熊 将監 (-29/-14  敵)
  蛭子 影胤 (19/20   興味)  交流+2

  蛭子 小比奈(08/09 料理当番) 
  片桐 玉樹 (12/10  その他の民警)  交流+1
  片桐 弓月 (05/05  その他の民警)  交流+1

      聖天子(30/34  少女でいられる相手)
      ティナ(10/10  保護者) 
  斉武 宗玄 (50/40   固執)

 外周区子供達(??/??   せんせーッ!) 
  我堂 長正 (04/10  実力はかってる程度) 交流+0
   第四部隊 (07/07  一時的協力者)


      序列:363番  所持金 2797.7万円(1800万使用予定)  外周区土地(75坪)

────────────────────────────────────────


5日目朝 開始位置選択


1 聖居
2 自宅
3 外周区 民警集合地


安価下


→聖居


花菜「聖天子様。お加減は?」

聖天子「わたくしのことなど気にしている暇はないのでは?」

花菜「……私は貴女のナイトですから」

疲れを隠さず

ベッドの上に横になったままの聖天子様に囁くと

流石に駄目だったのか厳しく見つめてきた

聖天子「だからこそ、貴方にはここではなくあちらにいて欲しいのです」

花菜「開戦は明日。ですよね?」

聖天子「ええ。ですが……」

花菜「我堂さんはたった一日二日の連携訓練なんて意味ない。だから、好きに過ごせって言って下さってますから平気ですよ?」

聖天子「そうではなく」

花菜「?」

聖天子「大事な一戦の前の貴重なお時間を、わたくしなどに時間を割いても良いのですか?」


花菜「他の人は会いたくても会えないような人に会えるなんて、割くに値すると思いますよ?」

聖天子「……からかっているのですか?」

花菜「そ、そんなつもりはっ」

ないですよ。

とは断言できないのがアレだけど

実際、外には会いたくてたまらない人達がいる

会ってどうするかを考えれば会わせるわけには行かないのは当然なのよね……

きついことかもしれないけど

聖天子様はいまや軟禁状態で下手に窓を開けることさえできない

花菜「食べたいものがあったらリクエストして下さい。お持ちしますよ」

聖天子「食べるだけでは体型を維持できません」

花菜「……女の子ですね。聖天子様」

聖天子「やはりからかっていますね?」

花菜「ただの感想ですよ」

ううん、感想というよりは

尊敬って言ったほうがいいかもしれない


1、聖天子様の体を触ってみる
2、聖天子様に体を触らせてみる
3、子供達の被害について
4、触媒について
5、聖天子様は私の憧れです
6、その他


安価下


となりの聖天子様は

あまり元気がないからか、私の視線にも気付かずにぼーっとしてる

いつもは無駄に大きい帽子によって隠され

整っている白い髪も顕になっていて

息を吹きかければ枝のように揺れる

花菜「……聖天子様は女の子ですよ」

聖天子「何をいっ――っ!」

スーッと聖天子様の脇腹をなぞるとビクッと震える

私にはない綺麗なくびれ

まるで曲刀

ううん、それの比じゃないほどの滑らか

花菜「肌は陶器みたいに白いし……」

自然と手が動いて聖天子様のお腹のあたりから肩の方へと進み

そこから手先へと走らせる

聖天子「や、山科……さん?」


引き返して二の腕に触れる

陽羽曰く鉄と大差ない私とは違って凄く柔らかい

脂肪がどうこうじゃなくて

筋肉自体がもろいというか

それが丁度いいアクセントとして柔らかさを際立たせているというか

花菜「陶器みたいなのに……柔らかい」

聖天子「ぁ、あの……」

花菜「それに……」

聖天子「っ」

首筋を通って頬に触れると聖天子様がぎゅっと目を瞑る

子供みたい……ううん。まだ全然若い子供よね

私だけの秘密のようにも思えてなんとなく苦笑しながら

そのまま上に上がって髪に触れる


花菜「白いからなの? それとも、聖天子様だからなの?」

聖天子「仰っている意味が……っ」

花菜「私と似た感じの髪型なのに……可愛い」

聖天子「かわっ」

シャンプーやリンス

トリートメントなんかも私とは全然違うものなのかもしれないけど

そうだとしてもこの差はちょっと狡い

花菜「髪は長いほうが女の子らしいとどこかで聞いたけど、聖天子様見てるとどうもそうは思えないのよね」

聖天子「そ、そうでしょうか……」

花菜「短い髪型でも聖天子様みたいに似合っててしかも女の子だと断言出来るでしょう?」

聖天子「よくわか……」

花菜「それとも」

恐る恐る目を開く聖天子様の瞳をまっすぐ見つめると

驚かせてしまったらしく、瞳が見開かれる

聖天子様には悪いけれど……好都合

花菜「この水晶みたいな綺麗な瞳が髪の短さを誤魔化しているのかしら?」

聖天子「っ……ゃ、山科さんっ、からかっているんですよね?」


純度の高い宝石のような瞳がそらされ

白い肌がほんのりと赤みがかっていく聖天子様は呟くように問う

花菜「からかっているつもりはありませんよ」

聖天子「嘘です」

嘘じゃないですよ。と

聖天子様の瞳を追いかけながら紡ぐ

花菜「肌の白さも、作られたような腰のクビレも、体の抱き心地の良い柔らかさも、白銀の髪、宝石のような瞳も」

全て

そう一区切りしつつ

聖天子様の反論あるいは抵抗のための間を作り

ただ顔をそらすだけで、なにもないことを確認して耳元に顔を近づけて

花菜「貴女が持っていて、私が見て触れた貴女に対して抱いた感想ですよ。聖天子様」

そう囁いた


からかっているからかっている。と

まるでそれを求めているかのような聖天子様への

冗談のつもりの囁き

思っていることは事実だけれど、こればっかりはからかってるのも事実だし

聖天子様がからかっていますね? と言えば終わるはずだったのに

聖天子「そ、そう……ですか……」

花菜「ええ」

聖天子「………………」

花菜「?」

聖天子様は一向に「からかっていますね?」 とは言おうとはしなかった



1、あの……からかったんですよ?
2、……抱きしめてもいいですか?
3、だから、羨ましいんですよ。私には得難いものですから
4、その他


安価下


花菜「……抱きしめても?」

聖天子「……あそこまで勝手に触れておきながら、それは許可を必要とするのですか?」

じぃっと私を見つめる聖天子様は

一見怒っているようにも思えるけど

そんな雰囲気は全くなく、どちらかというと……

聖天子「山科さん」

花菜「はい?」

聖天子「………………」

花菜「聖天子様?」

身動ぎ一つせず

ただ私のことを呼んだだけの聖天子様はチラッと私を見ると

赤色の落ちない顔を下へと向ける

聖天子「……許可を必要とするのですか?」

花菜「…………見られても罪ではないって言ってくださいね?」

甘えることを知らないのかな

多分……そうなんだと思う

ぎゅっと優しく抱きしめてあげると、聖天子様も少しだけ私のことを抱く

聖天子「ざんねんながら」

花菜「なんでしょう?」

聖天子「残念ながら……罪ですよ。山科さん」

花菜「えっ?」

それがどんな理由で罪になるのか

どれだけ聞いても聖天子様は教えてはくれなかった


ここまでにします
ありがとうございました


明日はできればお昼頃からやりたいです



聖天子様に何してるんだろう……
陽羽は聖天子様のところには来ていません(聖居周辺のデモ警戒)


SSwikiを修正・加筆
乱雑だった登場人物の配置整理・追加
あらすじ追記
@wikiよりは編集しやすいけど、新しいページがなく、幅広になるのが辛いですね



少ししたら再開します


お昼の再開位置選択前


イベント判定 安価下


奇数で陽羽


→陽羽



陽羽「花菜」

花菜「うん?」

いつになく真面目な声色でつぶやいた陽羽は

街中―といっても人は殆どいない―で瞳を真っ赤に染め上げる

陽羽「……モノリス、今日中に倒れるかもしれないよ」

憩「何言ってるのさ。それは明日だって政府が言ってたんでしょ?」

陽羽「でも風の音が強いし、もしかしたら突風で押し倒されるかもしれないよ」

陽羽が心配そうな瞳で私を見上げて袖を引く

些細なことならまだしも

モノリス倒壊という会戦合図が早まる可能性……か

ティナ「……シェンフィールドを飛ばして風速などを測定してみましょうか?」

花菜「うん。お願い」

ティナ「解りました」


ティナがシェンフィールドを展開して間もなく

不安に表情を歪めたのを見て察する

風が多少強まるということくらいなら

政府側も予想は出来ているだろうし、それを踏まえたうえでの倒壊予想なはず

とはいえ……

香織「一応、向こうに戻っておく? 松崎さんに連絡しておけば学校の方はなんとかなるでしょ?」

花菜「そうだけど……」

私達の独断で倒壊が早まる

などといって誰が信じてくれようか

里見くん達は信じてくれるだろうけど、それで部隊が動かせるわけではないし

第一、最初に戦うのは自衛隊であって民警じゃない

香織「お父さんに連絡してみたらどう? もしも間違いなら煩く言われるかもしれない。でも、悲鳴よりは罵倒の方が気持ちがいいわ」


1、現地(民警集合地)に戻る
2、お父さんに連絡(学校へ)
3、お父さんに連絡(自分も現地へ)



安価下


花菜「お姉ちゃん連絡お願い。みんな、走るわよ」

真希「走るよりも跳ぶほうが得意だよ」

真望「そうだねー張り切っちゃうよ」

瑞穂「あ、あの……」

陽羽「瑞穂は私が抱えていく。花菜は車乗ってきて」

香織「憩ちゃんは私と来て」

花菜「ティナ、貴女は――」

ティナは戦いを望んだ

でも、あれは罪ゆえに償いとしての選択

ティナだって女の子であり、出来るなら戦いには参加させたくはない

ティナ「私も連れて行ってください。罪滅ぼしではなく、私が出来ることで皆さんの力になりたいから」

花菜「…………………」


1、連れて行く
2、連れて行かない


安価下


花菜「いいわ。一緒に来て」

ティナ「はいっ」

陽羽「ティナ、少しだけ花菜の事よろしく」

ティナ「任せてください」

陽羽は私を一瞥すると

狼狽える瑞穂ちゃんの体を容易く担ぐ

陽羽「じゃぁ……すぐに合流するから」

花菜「ええ。気をつけてね」

陽羽「私を誰だと思ってるのさ。真希、真望。遅れないでよ?」

真望「無茶言うねー」

真希「むしろ無理だよね」

陽羽「いいから急ぐよ!」

一足先に陽羽が駆け出して、そのあとを2人が追う

決して遅くはないはずの2人だけど、陽羽には追いつけそうもなかった


香織「さて。私たちも急ぎましょ」

花菜「……そうね」

香織「車はどこに停めてあるの?」

花菜「家の車庫」

憩「それって……」

元々の家ならともかく現在は第1区

32区の近くからだと時間は余計にかかるのは明白

ティナ「どうしますか?」

花菜「自転車でも使いましょう。あれば……途中でタクシーとかを使いましょ」

香織「この荒れ模様でタクシーなんてあるの?」

憩「電車が動いてるしなくはないんじゃないかな」

香織「それもそうね」


安価下コンマ判定


奇数 倒壊に間に合う

偶数 倒壊に間に合わない


→ 6日目 昼 外周区民警集合地区


花菜「……間に合った。みたいね」

陽羽「それかただの杞憂だったか……だね。そうだったら悪いことしちゃったな」

安心しつつも落ち込む陽羽の髪をクシャクシャと撫でて

そのまま自分達の部隊、他の部隊、我堂さんの部隊

色々と見て回る

どこもかしこも会戦は明日。というものに絶大な信頼を寄せているのか

戦場であることを忘れてしまいそうなほどに緊張感が足らない

「ウロウロと何してるんだ?」

花菜「周りの様子を見てるだけよ。気にしないで」

「無駄なことに労力使うねぇ? 伴侶でも探してんのか?」

そんな面白くもない冗談に近くの仲間らしき人達は揃って笑う

「なんなら俺がなってやってもいいぞ?」

花菜「ごめんなさい、遠慮するわ」


「そう冷たいこと言うなって。暇なんだろ? ちょっとくらい付き合……ん?」

苦笑混じりに私の手を掴み

引き寄せようと腕を引く

巳継くんみたいに優しくない

里見くんみたいに温かくない

ただただ粗い手の感触

「そう踏ん張るなよ」

花菜「ごめんなさい、用事があるのよ」

「ふ~ん」

いろじろと私を見る男性に対して

私よりも先になぜか陽羽が一歩進み出る

陽羽「花菜、どこなら良い?」

花菜「全部ダメだから止めなさい」

腕も足も首も

これからの戦いには欠かしちゃいけないものだもの


香織「花菜。お父さんは一応号令かけて警戒してくれてるみたいよ」

花菜「そっか……」

お父さんに伝えて

そこから自衛隊全体にまで伝わった以上

勘違いでした。というのは結構な問題になってしまう

でも、これが杞憂ではなく起きてしまった

なんていうことになるのも……避けて欲しい

花菜「こっちまで来ると余計に風が強く感じる」

陽羽「それがあの脆い壁に当たってるから怖いんだよね……今のモノリスは雨戸というより障子だから」

ティナ「確かにそう考えるとあの高さではこれ以上の風を受けていると思いますから、可能性は高いです」

香織「……ところで、その人はなんなの? 花菜の新しいブレスレット?」

「あ?」

花菜「どう見てそう思うの?」

香織「冗談に決まってるでしょ」


「てめ」

香織「せっかくのお誘いなんだし乗ってあげたら?」

花菜「余裕がないから」

あったら付き合うのかと聞かれたら

それもまた少し……あれだけど

この人達がそれで幸せなら付き合ってあげてもいいかもしれない

ただ冗談で言ってるなら一考することさえないけど

花菜「ごめんなさいね」

「っ……ぐっ」

私の腕を掴む男性の手を掴んで強引に引き剥がす

男性というだけあって簡単ではなかったけれど、それでも。はがせないわけではない



1、移動
2、電話
3、交流(陽羽、影胤、ティナ、香織、延珠、蓮太郎、第四部隊、憩)
4、付近を散策
5、武器関連


安価下


接触判定 安価下


1 蓮太郎&延珠
2 木更
3 悠河
4 イベント
5 影胤&小比奈
6 将監&夏世
7 玉樹&弓月
8 彰磨&翠
9 未織
0 我堂&朝霞


→長正&朝霞



我堂「それが君の部隊か?」

不意に声を掛けられて振り向くと

昨日会ったばかりの我堂さんが視界に映る

あと、可愛い武士さんも

花菜「ちょっと足りないけれど………そうよ」

我堂「君の序列は?」

香織「私? 聞くだけ無駄な低序列だけど、敢えて言うなら9800位」

我堂「……そうか」

なってからまだ半月も経っていないから

当然といえば当然むしろ、聖天子様のせいで高すぎるスタートと言ってもいい

……実力を踏まえた上なんだろうけど


憩「本当はもっと強いんだ……あたしが足を引っ張ってるだけで」

香織「そんなことないわよ。貴女は頑張ってくれてるわ」

俯く憩ちゃんの頭を軽く撫でてお姉ちゃんは微笑む

たとえだけれど

実力的に上であるティナと組ませたりしたほうが

お姉ちゃん的にはきっと戦いやすく、負担も軽減されると思う

でも、ティナは組ませられないのよね

もちろん、組ませることが可能でも相手がティナになるかどうか解らないし

むしろ望んで憩ちゃんを選びそうだわ。性格的に

朝霞「なぜ庇うのですか?」

香織「庇ってるんじゃなくて信頼してるのよ。貴女みたいにね」

朝霞「……そうですか」

不満そうね、この子


花菜「ところで、我堂さんはどう思いますか?」

我堂「なにがだね?」

花菜「今日のこの風について。です」

我堂「ふむ……少々強いとは思うが、政府曰く倒壊するのは明日であろう?」

香織「……その計算、自然が考えてくれるとお思いで?」

我堂「ほう?」

お姉ちゃんがひと握りの砂を真下にバラまくと

音を立てて吹く風は砂を攫って瞬く間もなく消し去る

香織「人間程度の高さでこの速さ。この力強さ。モノリスへの負荷はこれ以上なはずよ。全員に警戒を呼びかけてくれないかしら」

我堂「倒壊しなかった場合の彼らの不平不満をどうするつもりかね?」

香織「罵倒と悲鳴、どちらが好みなの?」

我堂「意味がわからんな」

香織「彼らの不平不満と、奇襲に慄く彼らの悲鳴、どちらが聞きたいのかと聞いたのよ」


我堂さんとお姉ちゃんの危険な視線のぶつけ合いに

空気が一気に重くなってティナがビクッと身構える

その一方で

我堂さんのイニシエーターは柄を握ってお姉ちゃんを睨む

朝霞「長政様に無礼な口をッ」

香織「朝霞ちゃん。人と戦うのは好きじゃないから……やめてね?」

朝霞「ならば――」

我堂「下がれ。言葉は好かないが……事実ではある」

朝霞「っ……はい」

我堂さんは厳しい顔つきのまま

お姉ちゃんの横を通り過ぎていく

我堂「私は団長だ。団員の悲鳴は好みはしない」

香織「……私も嫌いですよ。誰であれ、あまり、聞きたいものじゃないわ」

我堂さんはふっと鼻で笑うと

そのままイニシエーターを連れて去っていく

花菜「……ねぇ、お姉ちゃん」

香織「なに?」

花菜「あの女の子の名前。なんで知ってるの?」

香織「常識でしょ?」

花菜「えっ」


・長正とのイベントを終了します


それからすぐに我堂さんからの号令によって

警戒態勢が張られた――けれど

それが全体に行き終わるのと同時に強い風が吹く

それは私たちよりも強靭なモノリスにとっても強く

壊れかけのモノリスを崩壊させるには十分すぎるものだった

憩「モノリスが!」

憩ちゃんが声を上げ

崩壊していくモノリスを指差す

陽羽「始まるんだね……始まっちゃうんだね」

香織「………………」

ティナ「…………」

半信半疑だった人達の驚嘆の声があちらこちらから上がる

警戒せず

緩みきった状態でないだけマシかな

花菜「……お父さん」

最初にぶつかるのはお父さんたち自衛隊

どうか……敗走するとしても生きていてくれますように


・第三次関東会戦――始まり

忘れてたティナステータス……憩より弱かった

────────────────────────────────────────

 【名前】 ティナ・スプラウト  10   NEXT強化兵士(無職)  侵食率:31.00%

 【ステータス】(個人力3690/3690 平均410/410(小数点切り上げ) )
  HP1400/1400 筋力:300 防力:260 脚力:300 知力:250
        視力:330 直感:240 射撃:330/430 物理:280

 【装備】
  頭:なし 胴:なし 右手:Sライフル 左手:なし
        予備(0/5):ハンドガン、対戦車ライフル  総重量  38/300

 【技】
  遠・射:スナイパーライフル 威力:290 装弾:7 命中+15%
  遠・射:対戦車ライフル    威力450 装弾:4
  中・射:ハンドガン 威力120
  中・射:手榴弾   威力230
  近・物:近接格闘 威力80

 【スキル】
  因子(フクロウ):命中率+5
  シェンフィールド:射撃技能+100 命中+50%
  ガストレア因子L1(侵食1~25):毎ターンHP150回復

 【所持】
  スナイパーライフル (重:10 装:7 弾:22/22 威:290 命+15  移動不可)
  対戦車ライフル   (重:25 装:4 弾:8/8  威:450)
  ハンドガン      (重:02 装:8 弾:40/40 威:120)
  手榴弾         (重:01 装:1 残:6/6   威:230)
────────────────────────────────────────


陽羽「……始まったよ」

遥か遠方を見つめながら陽羽が厳しそうに呟く

混乱に隊列を潰された

なんてことはないにしても

戦況が著しくないというのはどうにも不安ね

香織「陽羽、敵がどう動いてるか掴める?」

陽羽「無理だよ。数が多すぎて混沌としすぎてる……でも」

憩「でも?」

陽羽「地面の中のは……判るよ」

ティナ「地中にもいるのですか?」

陽羽「うん。私の音が削られてる」

花菜「地中ガストレアまで……」


香織「もしも地中ガストレアまで統率が取れているなら……この勝負、負けるわ」

影胤「どうしてそう言えるのかね?」

香織「地上ガストレアを食い止めるための兵器が軒並み潰される……落とされるって言った方が良い?」

玉樹「だ、だけどよ! 第二次で自衛隊は」

香織「ガストレアは軍隊ではなかった」

玉樹くんの言葉を聞き終えるよりも先に

お姉ちゃんは冷たく言い放つ

香織「軍隊と軍隊の戦いになった今、力量差が物を言う。つまり、兵器が落ちれば残りは奴らにとってただの餌よ」

花菜「ッ!」

思わず動いた体をお姉ちゃんが止める

香織「花菜、私達だけでも救援に行くことはできる。でも、帰れる保証はないわ。それでも行く?」

花菜「……それはっ、でもっ」


自衛隊が

お父さんのいる自衛隊が必ず敗北すると知っていながら

ここで終わりを待つなんて嫌

でも、こんな私情のために

命令違反に加えて、命を捨ててくれとも言えない

冷静で、冷徹でいられるお姉ちゃんが羨ましく

それ以上に憎たらしく

睨んだ私をお姉ちゃんは見据える

陽羽「……でも、もう無駄だよ」

花菜「陽羽?」

不意に大砲などの音が消え、不穏な静寂があたりを包み

陽羽が真っ赤な瞳に涙を貯めながら私を見る

花菜「まさか……」

弓月「な、何言ってるのさ! 奴らの足音もなにも聞こえない! 撃つのを止め――」

陽羽「私はッ!」

弓月「!」

陽羽「私は音で色々なことを知ることができるんだ……だから。どれだけの人の体が変異したかも、食べられたかも。全部、全部っ!」

この場の誰よりも早く、誰よりも確実に

自衛隊の人々の死を感じ取ってしまった陽羽の悲痛な声が弓月ちゃんを退かせ

周囲の民警の動揺を誘う


不安に駆られて嫌な予想を口にする人もいれば

希望に縋って弓月ちゃんと同じことを言う人たちもいる

そんな中

ひとしきり大きい声で「誰か来ました!」と誰かが叫ぶ

ガストレアではない誰か

向こう側からくる誰かなんて自衛隊しかいない

そう判断した民警集団の中からは安堵の声が漏れ

ホラ吹きやがって。と陽羽を睨む人達が近づく

陽羽「ダメだよ」

「あ?」

陽羽「よく考えなよ……よく見なよッ!」

「てめぇ、何言って――」

陽羽「それはもうっ、人じゃないッ!」


篝火が照らし出してくれる場所に差し掛かった人影は一つや二つではなく

伝令などにしてはおかしいと疑問を抱く

でも、勝利したことが嬉しくて

ついついバイクさえも乗らずに走ってきました

それも数十人単位で

なんていう稚拙極まりない妄想にすがりたい気持ちが溢れ出てくる

香織「……ティナ」

ティナ「はい」

香織「ライフルを構えなさい」

ティナ「……はい」

ドキドキと心臓が高鳴り

陽羽に掴みかかろうとした人達も彼らを見つめる


距離がだんだんと近づく

拙い足取りを気にしたのか

手を貸そうとしてひとりのイニシエーターが駆け出す

「ほら見ろ……自衛隊じゃねぇえか」

陽羽「ティナ、近づいた子の正面」

ティナ「……平気なんですか?」

ティナは不安そうにいながらも

構えていたスナイパーライフルのスコープを覗く

ティナ「…………ッ、狙撃します」

「おいてめ――」

銃声が鳴り響き、空薬莢が乾いた音を響かせ

近づいた女の子の正面の自衛隊員の体が飛び退くようにして倒れこむ

ティナ「……次、狙撃します」

また一人の自衛隊員が狙撃され、その命を失う


黙々と狙撃するティナを周りは呆然と見つめ

ハッとしたように何してんだと銃口を向ける

「何してやがる!」

花菜「ティナ――」

ティナ「では教えてください」

スコープから目を離し

ティナは自分へと殺意を向けてくる人達を見渡すと

そっと……問う

ティナ「お腹が裂けても歩けるのは、人間ですか?」

憩「そ、そんなのっ……」

香織「………花菜。構えなさい」

こんな状況でも冷静なお姉ちゃんは私の肩を軽く叩くと

ガントレットを付け、自衛隊がいたはずの場所を見つめる

香織「自衛隊は、負けたのよ」


香織「中隊長! 照明弾を」

「何をっ」

陽羽「待って!」

中隊長へと進言するお姉ちゃんを止めて

陽羽が首を横に振る

照明弾を撃たないほうがいいってこと?

でも、じゃなければ視界が――

陽羽「ガストレアが待ってる」

弓月「何を?」

小比奈「わたし達が見えるようになること?」

陽羽「というより自分たちの姿を……だと思う」


影胤「それが事実ならば――」

照明弾は使わないべきだ

影胤さんの最後の部分をかき消すように空へと光が打ち上げられて

陽羽の言葉を聞いた第4中隊以外の中隊がどんどん照明弾を打ち上げる

もし、陽羽の言葉が真実なら

陽羽が言う通りのことをガストレアがしようとしているのなら

「なんだよあれ!」

誰かが叫び声をあげ、全員の目がその方向へと向く

玉樹「うそ……だろ?」

光は絶望へと導くように、私たちを見据える赤い瞳へと繋がる

それは嘲笑っているようにも見えて、全身が総毛立つ

恐怖と焦り、突如現れたガストレアの軍勢への驚嘆

軍隊にあってはならない負の空気が充満していく中で、お姉ちゃんがハンドガンを空へと放ち

注意を自分へと向けた


香織「武器を取りなさい! 民警なんだから……どうせ死ぬなら戦って死になさい!」

お姉ちゃんの叫びにも近い大声が響き渡って

呆然としていた人達が口々にふざけるな。馬鹿にするなと怒りを口にし

やがて全員の目がガストレアへと向く

「俺達は死なねぇ!」

「戦って生き残るんだよ!」

「女のくせに調子に乗るんじゃねぇ!」

気の強い民警にとって

名前も知らないような一介の民警

しかも女に言われたというのが屈辱だったらしい

影胤「ヒヒッ、怖い人だ」

陽羽「花菜。来るよ」

花菜「うん」

先頭の大きなガストレアが駆け出し、他のガストレアまでが駆け出す

血の海にも似た赤色が津波のように迫るのを見つめながら

お姉ちゃん達を見渡して一言

花菜「……全員で生き残ろう。絶対に、生き残ろう」

その保証はないけれど

みんなは当たり前だと頷いてくれた


敵の数、推定4000(原作の描写より)

割合はⅠ:5割 Ⅱ:3割 Ⅲ:1.5割 Ⅳ:0.5割とし

Ⅰ:2000 Ⅱ:1200 Ⅲ:600 Ⅳ:200


4000を中隊20組で分ける=200

Ⅰ:100 Ⅱ:60 Ⅲ:30 Ⅳ:10=10000+12000+9000+4000=総戦力35000



花菜達第四部隊

戦力数値:11500+(4133+9023+4880+3860+3690+4110+4625)=総戦力45821

被害判定なし


補正値

102+68+19+19+8+11+5+10+7=249÷9(第四部隊その他を1として)=28

コンマに+28





安価下コンマ判定(反転 ゾロ目はなし)


89+28=117  

                                      
         1  2   3  4   5  6  7   8
001~010  020 040 060 080 100 120 140 160

011~020  030 050 070 090 110 130 150 170
021~030  040 060 080 100 120 140 160 180
031~040  050 070 090 110 130 150 170 190
041~050  060 080 100 120 140 160 180 200
051~060  070 090 110 130 150 170 190 210
061~070  080 100 120 140 160 180 200 220
071~080  090 110 130 150 170 190 210 230
081~090  100 120 140 160 180 200 220 240
091~100  110 130 150 170 190 210 230 250
101~120  120 140 160 180 【200】 220 240 260
121~140  130 150 170 190 210 230 250 270
141~160  140 160 180 200 220 240 260 280
161~180  150 170 190 210 230 250 270 290
181~200  160 180 200 220 240 260 280 300


民警集団25ペアを1として計算し200
+αであるティナを加えて+10の210

210を5ペア(11人)で割って一人あたり19

第四中隊(花菜達抜き)で19+中隊長の27で=46匹(Ⅰ:25 Ⅱ:13 Ⅲ:6 Ⅳ:2 )

花菜(45+19=64)、陽羽(100+19=119)、香織(54+19=73)、憩(42+19=61)、ティナ(41+19=60)
影胤(45+19=64)、小比奈(51+19=70)、玉樹(16+19=35)、弓月(17+19=36)

花菜達で582(Ⅰ:292 Ⅱ:174 Ⅲ:87 Ⅳ:29 )


第四中隊の合計  46+582=628匹討伐


とりあえず今日はここまで
ありがとうございました





片桐兄妹を入れ忘れてました。すみません
なくても問題ないのでそのまま計算してます

空からの奇襲→ロケラン対処
地下からの奇襲→陽羽にバレバレ

ですね


憩「お姉ちゃん、こっちに敵が回ってこなくなってる!」

花菜「っ……周りから潰そうっていうわけ?」

私達へと送られてくる部隊は無駄に硬く、無駄に生命力があるものばかりで

戦力は他へと流れていく

香織「……ティナ! やれる奴はやって、できなければ足を潰して! お残しは私が拾う!」

ティナ「了解しました!」

その後をお姉ちゃんが追いつつ、影からティナがガストレアを撃つ

シェンフィールドを駆使した精密射撃は

ガストレアの足を奪い、手を奪い、目を奪い、命を奪っていき

それで死にきれなかった可哀想なガストレアはお姉ちゃんによって叩き潰される

影胤「ヒヒッ、化物が慄き逃走を図る部隊とはかくも恐ろしいな。本当に人間かね?」

弓月「はぁ?」

小比奈「パパ、もっと~!」

影胤「好きなだけ殺って良いよ」

玉樹「……お前らは人間じゃないだろ」

影胤「さて、どうかな」


……影胤さん達は楽しそうだし

玉樹くん達はフードが取れるのを必要以上に気にするマントペアを気にしつつも

巧みな連携で確実に倒してくれる

だから私達も。と

踏み込んだ足が止まる

花菜「……陽羽?」

陽羽「………………」

空を見上げたまま止まっていた陽羽が不意に私に振り向く

さぁ行こうと私を待つような表情ではなく

勝機を得たような様子でもなく陽羽は――

陽羽「なにかくる! 濁った音……水のようで水じゃない変な奴!」

――危険を叫んだ


水のようで水じゃない?

油?

それとも……

花菜「……………」

周囲にガストレアがいないのを確認してから

じぃっと空を見上げる

照明弾の明かりが乏しい空は闇の方が多く

人間の私にはそれしか見えない……はずなのに別の光が煌いたのが見えた

どこかで星が死んだ?

それとも、星が生まれた?

それを肉眼で見ることが可能か?

いや……そもそも、モノリスの灰が空を覆っているにもかかわらず

星なんて見えるわけが――

憩「な、なにあれ」

呆然と呟いた憩ちゃんの前方数百メートルの直撃した閃光は

その場の民警を下手なピアニストの演奏の如く不快な音で刈り取る

香織「ッ――イニシエーターはプロモーターを援護して全力回避ッ! 当たったら死ぬわ! 死ぬ気で避けなさいッ!」

「!」

愕然としていた私たちの空気を震わせtるお姉ちゃんの指示

一瞬だけ躊躇いながらも子供達はパートナーを強引に抱え込み

雨のように降るその必殺の一撃を躱しながら縦横無尽に駆け巡ること数分

彼らの大将、アルデバランの苦痛の悲鳴によって軍勢は撤退

理由もわからないままに、戦争は一時の終戦を迎えた


「化物か? ……貴様らは」

ガストレアの軍勢が撤退してから数時間

簡易的に死亡者リストを作成しようとしていた中隊長が呟く

花菜「……そうかしら?」

「おまえは自分たちがどれだけのことをしたのか解ってねぇのか?」

陽羽「少なくても……怒られるようなことはしてないかな」

陽羽の興味のないような冷たい一言に

中隊長は不愉快な表情を浮かべたけれど

すぐに首を振る

「隣接した第3、第5そしてこの第四中隊。全員生存だ。貴様らが余計なところにまで手出ししたおかげでな」

玉樹「……何か悪いのか?」

弓月「兄貴が威張るところ?」

「ふんっ……助かった。そう伝えてくれと言われただけだ」


花菜「……別に気にしなくていいのに。むしろ怒ってくれても良いのよ? 手柄奪いやがってって」

本心からの言葉を告げて微笑むと

意外だったのか中隊長さんは少し戸惑って苦笑する

「奇人め」

香織「そんなことより我堂団長は平気なの? 自分たちだけでアルデバランに向かったんでしょう?」

聞いた話によればアルデバランに撤退を選択させたのは我堂さんらしく

それについてと誰が言ったかあの閃光、【光の槍】について等

話そうと思って会いに行っても今はダメだと門前払いされてしまっていて

お姉ちゃんも私も気がかりだった

我堂団長は重傷でなくても負傷し、今は会えるような状態ではないか

最悪の場合、戦死してしまったのでは。と

「…………問題ない」

陽羽「……聞こえるよ。でも、黙っておいてあげる」


間を開けて答えた中隊長に陽羽は淡白に答えを返す

程度はともかく我堂さんの身に何かがあった。と、

陽羽は彼の心音を聞いて気づいちゃったのね

「何を言っているんだ?」

陽羽「……別に」

「ふんっ、まぁいい。ゆっくり休め」

小比奈「調子に乗っちゃって」

「何か言ったか?」

小比奈「気のせいじゃない?」

そうか。と

ブツブツと小言を言いながら去っていく中隊長を見送る小比奈は馬鹿にしたように笑って

中隊長の才能ないくせに。と呟く

香織「そんなことはないわよ。彼は少し足らないかもしれないけれど、立派な中隊長よ」

弓月「貴女の方が向いてると思うけどね。隊長クラスは」

玉樹「途中から指揮権強奪してたしな」


少しだけ笑ってまた暗い空気に飲み込まれて

焚き火の明かりに手を伸ばす

真夏なのに焚き火をして

しかもそれが明かりではなく暖を取るためとは世も末……なんて

それは冗談にはならないわよね

3、4、5中隊が被害なしとは言え

他の部隊もそうかといえばそうでもなく

むしろ私たちに送られなくなった分が他の部隊に向かったせいで

他の被害は凄惨という言葉でさえ物足りない

花菜「………………」

朝、あれだけ人がいて、お祭りと勘違いしそうなほど賑やかだったはずの場所

それから半日程度でこんなにも……静かになっちゃうなんて


1、電話
2、交流(陽羽、影胤、ティナ、香織、延珠、蓮太郎、憩、彰磨、翠、玉樹、弓月)
3、何もしない(イベント判定)


安価下


→陽羽


花菜「陽羽」

陽羽「……花菜」

戦いが終わってもずっと赤目のままの陽羽は

元気のない声で私の名前を呟く

人の死というものに触れたことがない無垢な子供ではないけれど

それでもここまで甚大な被害を目の当たりして平気でいられるわけがない

それこそ……化物だ

陽羽「音が全然聞こえないんだ」

花菜「音?」

陽羽「足音とか、寝息とか、笑い声とか……朝と比べるとね? 全然、静かなんだ」

花菜「……そうね」

陽羽「私は戦争を知ってるふりしてただけで知らなかったんだ。こんなにも、こんなにも……守れないものばかりだなんて知らなかったんだッ!」


突然張り上げられた声に驚く間もなく陽羽は私に縋り付く

知らなくて当然だわ

最初の戦争に参加したわけではないもの

私だってそれにはまともに参加できなかったし

陽羽が出来るわけがない

花菜「経験しなきゃ……分からないわよね」

陽羽「守れると思った。私強いから、誰も死なせないで終われるって……思ってたんだ」

花菜「……私達の中隊、隣接する2部隊。みんな無事だったわ」

陽羽「でも、そのほかの人は」

花菜「……全てを守るのなんて無理よ。いくら貴女でも」

陽羽「っ…………」

因子を持つ子供として精神的に成長しすぎているとはいえ

子供は子供

叶うはずのない願望を掴み取ろうとするのも仕方がないことだけど……


陽羽「花菜は。花菜は平気なの? これだけ人が減って。静かになって仕方がなかったって。思えるの?」

花菜「……………………」

陽羽「私は嫌だよ。そんな風には思えないよ……もう少し強ければもっと助けられたんじゃないかって、思わずにはいられない」

ぎゅっと掴まれた服が皺を寄せていく

陽羽はガストレアとの戦いには慣れてる

対人であったとしても

それが明確な敵として存在しているのであれば躊躇いはないと思う

でも、味方の死を経験したことは全くと言って良いほどにない

だからこんなにも……乱される



1、抱きしめる
2、私が平気だと思う? 人が死んで、それを仕方がなかったって言って。もう忘れようだなんて、言えると思う?
3、私を蹂躙した貴女はどこに行ったの?
4、私も思うわ……でも、過去をどれだけ悔やんでも取り戻せはしないから。だから私は前を向く
5、その他


安価下

1+4


良く解らないですが、>>948ってことでいいのかな

それで進めてしまいます


陽羽「花菜……?」

目に見えない強靭な力を持つ小さな小さな体を抱きしめる

ここまで弱々しく感じるのはいつぶりかしらね

花菜「陽羽」

陽羽「………………」

優しく、宥めるように名前を呼び

抱きしめたままに陽羽の頭を撫でる

花菜「それ。私も思うわ……でも、過去をどれだけ悔やんでも取り戻せはしないから。だから私は前を向くのよ」

陽羽「私は花菜みたいに強くない」

花菜「私はもう、失うだけ失ったから……壊れちゃったのよ」

自分の言葉が普通ではないということに気づきながらも

苦笑を交えつつ続ける

花菜「貴女が守れなかったんじゃない。みんなが守られることよりも守ることを選んでくれたのよ」

陽羽「……どういうこと?」

花菜「私達が生きているのは、亡くなった人達がいるから。ということよ」


陽羽の体を放して頭をポンポンと叩いて笑う

花菜「彼らは他の誰かの代わりに亡くなったのよ」

陽羽「どうしてそう思うの?」

花菜「彼らが狙われたことで狙われなかった人達がいる。そう考えれば……当然じゃないかしら」

子供にそんなことを言ったところで

自分たちが狙われれば犠牲なんて出なかった

そう言うと思う

花菜「だから私は背負う。私達の身代わりになった人達の命を」

陽羽「……花菜はどれだけ背負うつもりなの?」

花菜「……さぁ? 解らないかな」

とぼけたような答えに陽羽は顔をしかめつつも追求はしてこなかった

本当に解らないのよ? 陽羽

この魂が磨り減って、この身が砕け散るまで

そう、今までの私なら言えていたかもしれないけど……今はなんだか、言えないのよ


陽羽「私も背負えると思う?」

花菜「背負えないと思ったら背負わなければいい。貴女が無理する必要はないわ」

私達は一人一人で戦っているわけではなく

当然、全てを自分一人で背負わなければいけないということはない

それを陽羽が認めるかどうかはまた別だけど

なんて付け加えるまでもなく陽羽は苦笑する

陽羽「花菜にそれ言われたくない」

花菜「……そう?」

陽羽「そうだよ……だって、一番背負おうとしてるのは花菜でしょ?」

目を細めた陽羽はいつもの調子にはまだ届かない笑みで私を見つめて

ガストレアの体液にまみれていた刀を掴む

陽羽「……一緒でいいよね? 花菜」

花菜「………………………」

何がとは言わないその言葉には頷きづらいものがあったけれど

それが差す事はなんとなく理解できていた

……でも。だからこそ

花菜「ふふっ、危ないわよ」

私は頷くことなく、答えを返すこともなく

うやむやにその会話を打ち切った


・交流を終わります


とりあえず今日はここまで
ありがとうございました




1日の集計等は明日(今日)出します
陽羽の精神汚染ストップ

────────────────────────────────────────

 交友関係(好感/信頼 相手からの印象)  3ヶ月目 6日目 現在

  山科 陽羽 (103/107  複雑な意味で意識する相手) 戦闘+1 交流+2

  山科 憩   (65/73  信頼する家族)  戦闘+1
  山科 真希 (70/70  お義母さん?) 
  山科 真望 (69/69  お義母さん?) 
  山科 香織 (20/20   無茶っ子)  戦闘+1
  川原 瑞穂 (10/10  お義母さん) 
  天童 木更 (22/23  排除すべき敵)

  里見 蓮太郎(46/45  守りたくなる相手)
  藍原 延珠 (24/26  仕事仲間)
  司馬 未織 (43/39  告白が変に気になる相手)

  巳継 悠河 (63/60  何をしても得たい光) 
  室戸 菫   (21/22  仕事仲間)
  千寿 夏世 (07/07  その他のプロモーター) 
  伊熊 将監 (-29/-14  敵)
  蛭子 影胤 (20/21   興味)   戦闘+1

  蛭子 小比奈(09/10 料理当番)  戦闘+1
  片桐 玉樹 (13/11  姐さん) 戦闘+1
  片桐 弓月 (06/06  協力者) 戦闘+1
      聖天子(35/40  少女でいられる相手) 交流+4 交流+1/+2
      ティナ(11/11  保護者) 戦闘+1
  斉武 宗玄 (50/40   固執)
 外周区子供達(??/??   せんせーッ!) 
  我堂 長正 (04/10  実力はかってる程度)
   第四部隊 (13/13  戦術兵器) 戦闘+1 戦果+5


      序列:363番  所持金 2797.7万円(1800万使用予定)  外周区土地(75坪)

────────────────────────────────────────


→ 7日目 朝 民警集合地区


夏場のテントの中

子供と抱き合っても肌寒く感じるというのは珍しい

いや、普通はありえない。かな

花菜「……晴れるわけもないわよね」

みんなを起こさないようにこっそりと外に出ると

どんよりとしたほの暗い世界と

降りしきりる黒い雨が視界に映る

敗戦と言っても良いような戦いのあとのこれはキツイわね

守ってくれていたものが壊れて

害を与えてしまうようになるなんて……なんて皮肉なのかしら

「ちょうど良かった。山科リーダー」

ふと、雨の中かけてきた男性

装いを見るに我堂さんのアジュバントの人はそう言いつつ敬礼

花菜「?」

「プロモーター全員に集合命令です」

花菜「プロモーター?」


「はい。プロモーターのみです」

花菜「……そう。解ったわ」

「では10分後にお願いします」

花菜「ええ」

一礼して去っていく男性を見送ってからテントの中を振り返る

花菜「お姉ちゃん、玉樹くん、影胤さん、起きてください」

玉樹くんなんかは本当にそれでいいのかどうか戸惑っていたようだけど

テントの中は男女共用

何かしようとしたら陽羽に腕をもがれるしね

香織「ん? なに? お仕事?」

玉樹「なんすか姐さん」

花菜「集合して欲しいって。プロモーターだけ」

影胤「ほう?」


香織「多方、子供には規制するべき内容なんでしょ」

ぐーっと体を伸ばしながら

お姉ちゃんは退屈そうに言い捨てる

玉樹「き、規制するべき……?」

香織「そう。見せちゃいけないような……そうね。例えば昨日は触れなかった自衛隊の陣地に行く。とか」

影胤「その可能性はある。いや、そうだろうね」

あいも変わらずフード付きマントに身を包み

覗けたとしても仮面しか見えない影胤さんが立ち

お姉ちゃん達も起き上がる

玉樹「姐さん方は着替えなくて良いんですかい?」

花菜「……別にこのままでも平気よ」

香織「それに、外は雨だから着替えたところで濡れちゃうわ。次々に汚してたら着る服が無くなっちゃうわ」

そう言って微笑んだお姉ちゃんに対して

玉樹くんは「そ、そうっすね」と、吃りながら答えた


「我々は今から自衛隊陣地跡地に向かい、生存者の捜索および救助を行う!」

「アジュバント単位で行動し、ガストレアの襲撃に警戒しろ!」

それならイニシエーターもいるべきだろ。と

民警としては至極真っ当な意見を述べる

パートナーとしては大間違いだけどね

香織「……生存者ね」

花菜「お父さんは……お父さんならきっと」

香織「花菜、貴女は残りなさい」

睨みつけるような冷たい視線に一瞬戸惑いながらも

なぜ。と聞くと

お姉ちゃんは首を横に振る

香織「貴女のお父さんがいるからよ」

花菜「それなら――」

香織「あの人は今の私にとっては父かもしれない他人でしかないわ。だから、私は平気」

そう言いながらも

お姉ちゃんの表情は言葉にし難いほどに……悲しそうだった



1、自衛隊陣地跡地に行く
2、行かない


安価下


花菜「私も行くわ」

香織「花菜ッ!」

花菜「……馬鹿にしないで。私はお姉ちゃんに心配されるほど、弱くはないわ」

心配する姉の瞳に対し

殺意を込めた鋭い瞳を向ける

香織「花菜……」

花菜「行きましょ。いずれにしても……現実からは逃げられない」

お姉ちゃんの肩を軽く叩いて

すでに先に行ってしまった集団の後を追う

そう。いずれにしても私の耳には届いてしまう

私の目に、お父さんの姿は写ってしまう

それならば

私は自分から進んで現実に触れたいのよ。ごめんね


こりゃひでぇ……と

目の当たりにした集団の一人が堪らず零す

あちらこちらに戦車や砲台などの兵器の残骸から

見覚えのある服を身にまとった遺体がゴロゴロと転がる跡地は確かに酷く

人間だったと思うのも

一人二人と数えるのも脳みそが拒絶したがるようなものを死体袋に入れていく作業は正直言って

死を背負えないような人たちがやるような仕事ではない

それでなくてもこれでは気が滅入るだけだし

もしも今攻められたら敗戦は確実といっても良いでしょうね

玉樹「姐さん、辛いなら戻っていいっすよ」

花菜「平気よ。ありがとう」

玉樹くんが心配して何度か声をかけて来てくれるのは少し嬉しかったけれど

当人の浮かない表情を見ると貴方こそ。と言いたくなってしまう

男の子の意地というものもあるだろうし、そんなことは言えないけれど


影胤「生存者の捜索と救助とは……酷い大嘘つきだね」

香織「死体集め。そう言って誰が来てくれると思います?」

影胤「……それはご尤もな言葉だ。破壊は好きだがこういうのは好かない」

香織「……だからなの?」

影胤「?」

香織「貴方、ここに来てからあまり楽しそうじゃない。なにか心配してる感じがする」

盗み聞き……というのかな?

すぐそばで見つめ合うお姉ちゃん達は

そんな暗い会話を中断して黙り込む

花菜「……楽しそうじゃないって」

お姉ちゃんは知らないんだったっけ

お父さんと影胤さんが知り合いだってこと


影胤さんは暫くしてから苦笑すると

お姉ちゃんの頭をポンポンと叩く

影胤「君は楽しめるのかね?」

香織「そんなこと……」

影胤「私は化物だが。この状況を楽しむような化物ではないのだよ」

香織「……資料を見る限りではそうは思えないけど。でも、貴方がそういうのならそうなのかもしれないわね」

お姉ちゃんの浮かべた笑みに驚きながらも

影胤さんは「後悔するかもしれないぞ」と

変な脅迫じみた言葉を口にする

香織「ふふっ、私は花菜ほど馬鹿ではないわ」

影胤「ヒヒッ、そうだね」

なぜそこで私をバカにする必要があるのよ……もうっ


安価下コンマ判定(反転 21→12)


01~05 生存
06~10 死亡
11~15 
16~20 生存
21~25 死亡
26~30
31~35 生存
36~40 死亡
41~45
46~50 生存
51~55 死亡
56~60
61~65 生存
66~70 死亡
71~75
76~80 生存
81~85 死亡
86~90
91~95 生存
96~00 死亡


空白は・・・・


→空白=姿形なし=



半日近く捜索した結果

お父さんの遺体らしきものはなく

お父さんの生存も確認することはできなかった

モグラのガストレアに食べられてしまった可能性もあるし

それ以外のガストレアに食べられてしまった可能性もある

遺体が木っ端微塵になってしまって

それを判別できていないだけかもしれない

花菜「……全部悪い終わりじゃない。それ」

自分で思って自分で呆れかえる

単身ガストレア討伐に向かった

ありえない話ではないけど、生存は100%ありえない

つまり、何がどうあっても――

花菜「お父さんは」

香織「花菜」

心配して近づいてきたお姉ちゃんに制止の手を向ける

花菜「良いの。解ってた。覚悟してた。だから……何も言わなくていい」

――お父さんは生きていることはありえず

それどころかガストレアになってしまっている

この戦争に参加するという時点で……そういう覚悟はしていたから

だから、大丈夫。うん、大丈夫


影胤「……………………」

花菜「……影胤さん」

影胤「……彼も私と同じ大戦の亡霊だ。ゆえに、すでに別れは済んでいる」

影胤さんはいつもとは打って変わって沈んだ声でそう言って

フードを帽子の代わりに深くかぶって泥水を踏み抜き去っていく

花菜「………………」

あとを負うことはせず

すべてを終え、惨劇の色香と兵器の残骸が残る陣地を見つめる

お父さんは私が止めるべきだったのかな

専門家に任せておいてって

そう怒鳴りでもすれば考え直してくれたんじゃないのかな……

どうだろう。どうかな……解らないよ

花菜「お父さん」

覚悟も、理解も何も意味なんてない

涙を拭うハンカチよりも――無意味だ


・夕方を開始します


安価下 再開位置判定


1、聖居
2、民警集合地区
3、商店街
4、青空学校
5、野戦病院


→野戦病院

イベント判定 安価下


1 菫
3 延珠
5 陽羽
7 美菜
9 瑞穂
0 真希・真望
2 未織


→瑞穂


野戦病院となっている旧学校校舎の非常口を開けるやいなや

山科さん! と

場に不釣合いな明るい声が耳に飛び込み

懐に女の子――瑞穂が飛び込んできた

花菜「瑞穂ちゃん? どうしてここに?」

瑞穂「山科さんのお母さんが行くって言われたので……その、わたしもって」

私のお母さんも……?

聞いてすぐに視線をさまよわせてもそれらしき人はいない

かと言って瑞穂ちゃんがそんな嘘をつくわけもないし……

花菜「他には?」

瑞穂「真希ちゃん達も来てます……ごめんなさい。でも、心配で。だから、その……ごめんなさい」

謝って、言い訳をしようとしてまた謝って

何かを言う前にそこまで謝られては怒りようがないわね


花菜「別に怒ったりしないわ。今すぐに帰れ。とは言いたいけど」

瑞穂「そう……ですよね」

花菜「当たり前でしょ? ここは今最前線なのよ? 貴女達が来ていい場所ではないわ」

言い方はそこまできつくないと思ったけれど

予想以上に厳しく感じさせちゃったのか

瑞穂ちゃんは怯えた様子で俯く

花菜「……別に怒ってはないのよ? 今の街は危険だから貴女達に会えて安心できたし、嬉しく思う気持ちもあるから」

瑞穂「でも、わたしの考えが足らなかったのも事実です。今襲われたら私達は足手纏いです」

花菜「負傷者がいる以上……その辺を気にする必要なんてないわ」

動けない負傷者もいるわけだし

その人たちと比べれば動けるこの子達は全然平気

むしろ負傷者を運んでくれれば凄く有難い

花菜「……顔を見せてくれてありがとうね。瑞穂ちゃん」

そっと優しく頭を撫でてあげると

不安そうだった瑞穂ちゃんは嬉しそうに笑みを浮かべた


とりあえず今日はここまでにします
ありがとうございました




こっちは埋めて下さって構いません。むしろ埋めちゃってください
スレ立て早すぎました
明日は再開19時以降になりそうです


野戦病院に木更さん不在の代わりに幼女5人
空白はガストレア化です

【安価で】ブラック・ブレット【生き残れその10】
【安価で】ブラック・ブレット【生き残れその10】 - SSまとめ速報
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