咲「シュガーギア……」 (100)

咲「ここがシュガーモセス島……」


数時間前

久「悪いわね、咲スネーク。わざわざ来てもらって」

咲「いいですけど……私はキヨスミ隊を除隊したんですよ?久キャンベル部長だって」

久「私たちが駆り出された理由は、私達にしかできない任務だからよ」

久「今から数時間前、沖縄のシュガーモセス島沖のサトウキビ工場でテロが起きたわ」

咲「テロ?一体誰が?」

久「それが……新成キヨスミ隊六名と、次世代特集部隊iPS兵数十人よ」

咲「新生キヨスミ隊……」

久「これを見て頂戴」スっ

咲「……!この人は……」

久「髪の長さは違うけど、その髪のホーンはあなたにそっくり。彼女が今回のテロのリーダー。照スネークよ」

咲「……だから、私が呼ばれたんですね?」

久「ええ。彼女の出生は一切不明。彼女に対抗できるのはあなたしかいないわ」

咲「他は?」

久「他の新成キヨスミ隊は、まず天才狙撃手シャープシューター菫」

咲「怖い目つき……」

久「巨女の農家娘、バルカン豊音」

咲「うわぁ……おっきい人」

久「数々の超能力を使うサイコ怜」

咲「今にも死にそうな顔してますよ?」

久「変装の達人デコイ星夏」

咲「このくらい特徴の無い顔なら変装もしやすいでしょうね」

久「そして拷問の達人で射撃の名手、パチンコ穏之。彼女達と特別治療を受けたiPS兵が、今回の敵よ」

咲「部長、そのiPS兵ってのは一体なんなんですか?」

久「それは彼女のほうが詳しいわ」

咲「彼女?」

姫子「どうも」ガチャ

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久「彼女は今回の任務のメディカルスタッフ、姫子ハンターよ」

姫子「よろしく、咲」

咲「よ、よろしくお願いします……。で、そのiPS兵って?」

姫子「大統領の元で密かに進んでいた、iPS細胞で強化された兵士。視覚、聴覚、身体能力ばえらい強化されちゅうき、いかに咲といえど相手にするのは難しいとよ」

久「彼らの要求は二つ。お菓子二十年分と、ビッグ和の遺体。それらが24時間以内に呑めなければ、沖縄中の水路に砂糖を流して沖縄県民を糖尿病にすると言ってるわ」

咲「和ちゃんの……?どうして」

姫子「ビッグ和の持つ70種類のレズ遺伝子。これを解析すればレズiPS細胞が作れるけん、それが彼女達の狙いばい」

久「それができれば全世界の女性がレズになる。そんな事を許すわけにはいかないわ。咲、あなたに依頼する任務は二つ」

久「砂糖を垂れ流す事の阻止、そして人質二人の救出よ」

咲「人質って……?」

久「たまたまサトウキビ工場にきていた、黒糖菓子専門店『はるる』の店長の滝見春と、お菓子健康局の局長の船久保浩子よ」

咲「人質にしてはしょぼいメンバーだね……でもどうして部長がまた復帰したんですか?」

久「それは……あなたの上司だからよ」

咲「それだけですか?」

久「……私の大切な後輩の須賀京太郎。彼もテロに居合わせて捕らえられてるのよ……」

久「お願い、咲。彼を助けてあげて」

咲「それでこそ部長です。任せてください!」

今に至る

咲「うぅぅ……道に迷ったよ……」


ちょうてんまであとーひといきー


咲「携帯に通信?はいもしもし」

まこ『咲か?久々じゃのう』

咲「染谷先輩!どうしたんですか?」

まこ『わしもキヨスミ隊を抜けたんじゃが、今回の作戦によばれての。お前さんをサポートするように頼まれたんじゃ』

咲「染谷先輩のアドバイスがあれば心強いです!あ……それで、道に迷ったんですけど……」

まこ『なんじゃ、そんなことか。その辺におる人に聞けばいいじゃろう』

咲「そ、そうか!流石は染谷先輩です」

ピッ

咲「あの、すいませーん」

兵士「ん?なんだお前は」

咲「道に迷っちゃった近所の女子高生なんですけど、舟久保局長がいるのはどこですか?」

兵士「それならあそこの砂糖精製所の地下一回だ」

咲「ありがとうございました!」ぺこり

兵士「ここは危ないから早く帰れよー」


B1


咲「うーん、ここの辺にいるはずなんだけど……」

久『うちのオペレーターの優希が、その携帯のグーグルマップに局長の場所を表示してくれるようにしておいてくれたわよ』

咲「あ、本当だ!じゃあこの部屋かな」ガチャ

浩子「うーん、終わらんな……ん?なんやあんた」

咲「船久保局長ですね?助けに……なにやってるんですか?」

浩子「見てわからんか?プリンに宮永照って名前書いとるんや。とりあえず人質らしくなんかやっとけって言われて、この作業をやらされとるんや」

咲「うわぁ……一体何個プリン食べるんだろう……」

浩子「それより助けに来てくれたんやろ?早く連れ出してや」

咲「その前に、テロリスト達は本当に砂糖テロをできるんですか?」

浩子「できるで。何故ならここには、お菓子製造二足歩行ロボ、シュガーギアがあるんや」

咲「シュガーギア……」

浩子「せや。お菓子の材料を入れれば自動的にお菓子を作り出し、自走してあたりにばら撒く。これが完成すれば全国のお菓子屋やパティシエに大打撃の、お菓子業界のバランスをひっくり返さメカや」

浩子「その機動力を持ってすれば、沖縄中に砂糖を垂れ流すなんて朝飯前や」

咲「そんな恐ろしい兵器がここで開発されていたなんて……。でもエンジンキーとかないんですか?」

浩子「エンジンキーは私と滝見社長が一本づつ持ってて、それを同時に刺さないと動かんのやけど、私のはとられてもうた……」

咲「そんな……」

浩子「植木鉢の下に隠して置いといたんやけど、サイコ怜に心を読まれてもうてな……ところで政府は奴らの要求を呑むんか?」

咲「それはまだ……」

浩子「う……うぐぁぁぁ!!」

咲「きょ、局長!?」

浩子「」

咲「し、死んでる……」

久『落ち着いて咲。どうやら彼女の死因は糖尿病のようだけど……』

姫子『ばってん解剖せんとわからんき、今はなんとも言えん』

咲「そんな……」

久『とにかく滝見社長のところにいくのよ。鍵を奴らに渡してはいけないわ』

プツン

咲「ううう……怖いなぁ……とりあえずここを出よう」

???「動くな!」ガチャ

咲「ひっ!」ビクン

???「お前、舟久保局長を……あれ?照さん?」

咲「ひ、人違いだよぉ……って、よくみたらそのエアガン、安全装置かけっぱだよ!」

???「あ、いっけね。またやっちゃった」

咲「もう、初心者みたいな間違いするんだから」

「「あっはっはっはっは!」」

咲「それじゃあ私いくね!」

???「おう、気をつろよ」


B2

咲「今気づいたけど、さっきの人が部長の後輩だったのかな……」

咲「ここに春社長がいるはず……。確かベニヤ板で部屋が隠されてるんだっけ」

咲「あった、ここだ」ベリベリ

春「ううう……」

咲「あ、滝見社長ですね!今助けますよ」

春「こないで……!」

咲「え……これは、ワイヤー?天井のバケツに繋がってて、まさか中には熱湯?」

???「その通り!」

パァン!

咲「きゃあ!」

???「そのワイヤーに触れれば天井のバケツの中の熱湯がひっくり返って、社長にかかって火傷する」

咲「あなたは……」

穏乃「私はパチンコ穏乃。まってたよ、宮永咲」

咲「あなたが新成キヨスミの……」

穏乃「これは私が子供の頃から使ってるパチンコ。ここから撃たれる癇癪玉に当たれば火傷する!」

咲「そ、そんな……」

穏乃「さあ、こい!」パァン!

咲「きゃっ!うう……怖いよ……」

久『落ち着いて咲。パチンコは一回撃ったら次に撃つまで時間がかかるわ。その隙にあなたに渡したエアガンで撃つのよ!』

咲「そ、そうか!これで!」ポコンポコン

穏乃「痛ッ!やったなー!そろそろ本気を……」

ヒュッ

咲「!?」

ビリッ

穏乃「うわぁ、私のジャージの右腕がやぶられた!お気に入りなのに!」

???『……』

咲(な、なにこの人……。全身ラバースーツに手に鎖を持ってる……)

穏乃「ぐすん……勝負は預けておくぞ、宮永咲!」タタッ

???『……』シュッ

春「うう……」ガクッ

咲(ワイヤーを切って熱湯が落ちる前に春社長を助け出した……なんていう動き)

咲「あの、あなたは……」

???『名前ばない。お前と同じとよ』

咲「テロリストの一味ですか……?」

???『敵でも味方でもない。そんなくだらない関係を超越した……うわぁぁぁぁ!!』ビビクン

咲「ひっ……!?震え出して……」

???『リザべぇぇぇ!!』タッタッタ

咲「い、行っちゃった……そ、そうだ!滝見社長、大丈夫ですか?」

春「……それが自慢。うっ……」

咲「ひどく消耗してる……一体何が」

春「シュガーギアのキーの場所を聞き出すために、あの猿の拷問を受けた……」

咲「そんな、酷い……」

春「目の前で黒糖をぶら下げられてお預けされたら喋るしかない」

咲「……」

咲「でもそんなことしなくても、サイコ怜の読心術でバレてたんじゃ……?」

春「私と船久保局長は、そういうのの対策にマインド手術を受けている……」

咲「……?でも船久保局長はサイコ怜に心を読まれてキーの隠し場所がばれたって……」

春「そんなはずない。何かの間違い……」

咲「でもこれで鍵が二本テロリストの手に……。なんとかならないんですか?」

春「手はある。スペアキーが用意してある……。それを使えば、止められる。三本必要だけど」

咲「その鍵はどこに……?」

春「このテロに参加しなかった男の兵士に渡した。彼は私に黒糖を差し入れしてくれたから……」

咲「あの部長の後輩……。もしそれもできなかったら?」

春「その時は壊すしか……。開発者の宥エメリッヒ博士がこの工場のどこかにいるから、彼女に聞けば壊し方もわかるかもしれない」

咲「宥博士。わかったよ」

春「お願い。テロリストの手にシュガーギアを渡しては……うっ……!」

咲「……!また……」

春「うあああぁぁぁ!!」

春「」

咲「ぶ、部長……、滝見社長も船久保局長と同じように……」

久『ええ……。ほんとどういうことなのよ……』

咲「それと、さっきのラバースーツの変態は誰なんですか?」

姫子『あれは……ようわからん。あのスーツはキヨスミ隊で秘密裏に開発されてた、身体を締め付けることで快楽を生みアドレナリンを高める戦闘スーツやと思うっちゃけど……あんな隊員は事前の名簿にはおらんかったとよ』

咲「うーん……何もかもわからないことだらけだよぉ……」

久『咲、とにかく須賀君に連絡して。彼の携帯の番号はメールで送るから。そして宥博士を探して頂戴』

咲「うん、わかった」

プツン

PLLLL

京太郎『はい須賀です』

咲「えっと、私あなたの先輩の部下なんだけど……」

京太郎『竹井部長の部下……もしかして、あの伝説の雀士、宮永咲か!?』

咲「うん。あなたは、京太郎……京ちゃんって呼べばいいのか?」

京太郎『ああ。どうしてここに……?』

咲「その、テロリストの主犯が私にそっくりだからっていう今思えばよくわからない理由でなし崩し的にテロリストを止めに……」

京太郎『確かに宮永照さんに似てる……』

咲「そうだ京ちゃん!滝見社長から預かってるシュガーギアのスペアキーが三本あるでしょ!?」

京太郎『三本……?一本しか預かってないぞ?』

咲「えー!?そんな……これじゃあシュガーギアを止めるには、破壊しないと……。宥エメリッヒ博士の場所は知ってる?」

京太郎『それならここをでて北のサトウキビ畑を渡ったところにある、サトウキビ保管所の地下二階だ』

咲「ありがとう!また連絡するかもしれないからよろしくね!」プツン

PLLLL

優希『咲ちゃん、セーブするじぇ?』

咲「うん、お願い」

優希『セーブ完了だじぇ。咲ちゃん、「二階から目薬」って諺は知ってる?』

咲「なあにそれ?」

優希『二階から目薬を刺すとじゅーりょくかそくどってヤツで速くなって失明するから危ないって事だじぇ』

優希『つまり、上から物を落とすことは危ないって諺だじぇ』

咲「へー、優希ちゃんは物知りなんだね」

優希『これからは沢山諺を咲ちゃんに教えてやるじぇ』

プツン


次回予告

怜『フローリングの床は……硬いな……』

怜『竜華……膝枕、してや……ガハッ』

強敵バルカン豊音とサイコ怜!

続く

咲「ここがサトウキビ畑……。まだ収穫は終わってないんだ」


ちょうてんまでーあーとひといきー


咲「はいもしもし」

???『咲、気をつけろ。そこにはイノシシ用のトラバサミが仕掛けられている』

咲「……?あなたは?」

???『ディープマゾと名乗っておこう』

咲「どういうこと?どうして私に教えてくれたの?」

???『私はファンの一人だよ』プツン

咲「……?なんだったんだろう……ほんとだ!トラバサミがある。気をつけないと……」

???「ここから先は行かせないよー」

咲「!?」

豊音「私の名前はバルカン豊音。宥博士のところには行かせないよー」

咲「お、おっきい人……それにあの乗ってる車は……」

久『咲、それに関しては農具のスペシャリストの薄墨初美に聞いて頂戴』

初美『あれは稲刈り機を改造した、サトウキビ狩り機ですよー。あれを使えば狩られたサトウキビが飛んでくるから、結構痛いですよー。ちなみに飛んでったサトウキビはiPSが美味しく回収しますよー』

咲「そんな……。そんな恐ろしいもの、どうすれば……」

初美『そのうちサトウキビが尽きるんじゃないですか?』

咲「それもそうですね」

豊音「逃げるなら、追っかけるよー」ドドド

咲「うわぁ!あれをこれだけ避けるなんて無理です!!」

初美『それなら視界を遮ったらどうですかー?その後近づいてかんとかすればいいですよー』

咲「そうだ、このバルサンで!」

もわもわ

豊音「うわーん、前が見えないよー……ぼっちだよー……」

咲「今だ、穏乃が落としてった爆竹を投げる!」パパパン

豊音「うわーん!!」ちゅどーん

咲「なんとか倒した……。速く宥博士のところに行かないと!」

豊音「本当にこのまま見逃していいのー?追っかけれるけどー?」

???『問題ない。咲にはやってもらうことがある』



サトウキビ保管所B2

咲「ここがサトウキビ保管所……」


やくそくーのばーしょーへーおーばーふゅーちゃー


咲「はいもしもし」

ディープマゾ『咲、気をつけろ。そこの床には画鋲が敷き詰められている。高下駄を履け』

咲「あなたは一体誰なの!?」

ディープマゾ『いずれわかる……』プツン

咲「誰なんだろう……この声、どこかで聞いたことあるんだけど……」


宥の部屋

咲「扉がこじ開けられてる!!」ガチャ

変態『私の友はどこだ……』

宥「ひっ……!うう……あったかくない……」ブルブル

咲「さっきの変態!」

変態『!!待っていたぞ咲!』

咲「あなたの目的は一体なんなの!?」

変態『お前にぶたれる事、縛られる事……そのどちらにも意味がある』

宥「うう……まるでAVの世界だよ……」ブルブル

咲「その人に手は出させないよ!」

変態『なら私を止めてみるがいい!』

宥「うぇ~ん玄ちゃ~ん!」コタツの中に潜り込み

変態『いいだろう!特等席で見ているがいい!』

咲「とにかくこの人をどうにかしないと!」ポコンポコン

変態『エアガンは私には利かん!』

咲「そんな……。鎖をぐるぐる回してBB弾を弾いた!?」

変態『そんな軟弱なものに頼っちゅう限り私には勝てんとよ!』

久『咲。彼女の挑発に乗るのも一つの手よ。ここは敢えて武器を捨てて素手で挑んだらどうかしら?』

咲「うう……。殴り合いの喧嘩なんてしたことないけど……えい!」ビンタ

変態『あっあぁ!!』ビビクン

咲「!?」

変態『そうだ……SMの基本ばビンタだ。ムチやロウソクに頼ってはいけない』

咲(なんなのこの人……)

咲「でもこの人を倒さないと!」ビンタ

変態『ああ!この痛み、ずっと待っていた!』ビビクン

咲「えいえい!」バチン

変態『ああん!もっと!もっとだ!』クネクネ

咲(速く終わらせたいよぉ……でもこれ、どこかで体験したような……)バチン

変態『ああ!イクッイクッ!あーっ!!!』ビビクンッッッ

咲(果てた……)

変態『効いたぞ咲。思い出したか私を』

咲「あなた、まさか……!」

変態『うっ……あああぁぁぁ!!』ビビクン

咲「!?」

変態『私が……消える……!あああぁぁぁ!!』タッタッタ

咲「行っちゃった……。部長、彼女は哩フォックスです!」

久『でも、彼女は独立同性愛者国家レズビバーランドで咲に負けて死んだはず……』

姫子『ばってん、そこで回収されたぶち……哩ば、調教具の快楽責めとラバースーツによって、無理矢理生き返させられたとよ……』

咲「そんな、酷い……」

久『咲、彼女の事はひとまずおいておきましょう。宥博士にシュガーギアの破壊方を聞く方が先よ』

姫子『……』

咲「わかりました。宥博士、もう大丈夫です。でてきてください」

宥「あったかーい……。さっきの人はいないね。よかった~」ヒョコ

咲「宥さん、私はあなたを助けに来たんですけど、その前にシュガーギアの壊し方を教えてください」

宥「???壊しちゃうの?」

咲「テロリストはシュガーギアを使って砂糖テロを起こそうとしてるんですよ!」

宥「えー!あれは好きな所で温泉を掘り出して好きな時にあったかい温泉に入れるメカじゃないの!?」

咲「どんな騙され方したんですか……」

宥「うう……どおりでバネ仕掛けの大砲とか冷蔵庫やオーブンがあったはずだよ……」

咲「そこで気づきましょうよ!とにかくシュガーギアはどこにあるんですか?」

宥「あれは、ここから北の車庫の地下ドッグで最終整備をしてるはずだよ」

咲「ここから北……。京ちゃん聞こえた?」

京太郎『ああ。そこに行くための鍵は俺が持ってる。ここのB1から……』

兵士『いたぞ、ヘテロ厨だ!』

京太郎『うわ、まずい!』ツーツー

咲「京ちゃん!?早く助けに行かないと!」

宥「私も行くよ……。開発者としてなんとかしないと」

咲「でも、見つかったら危ないですよ?」

宥「大丈夫だよ~。このコタツに入りながら移動するから、ただのコタツのフリができるんだよ~」

咲「あ、それなら大丈夫ですね!」

宥「私は別行動でシュガーギアの事を探るね。電話番号を教えておくね」

B1

咲(うう……。なんだかおトイレ行きたくなっちゃった)

咲「ここがトイレかな?」ガチャ

京太郎「~♪」ジョロロロ

咲「ふえぇ、京ちゃん!?」

京太郎「さ、咲!男子トイレでなにやってるんだ!?」

咲「え……?あ、ここ男子トイレだった!」

京太郎「と、とにかく出て行け!」

咲「は、はーい!!」タタタ


京太郎「ふぅ。というわけでここの所長室から北の格納庫に抜ける道があるはずなんだが……」

咲「何もないよ?」

京太郎「うーん、どうしてかな……うっ!」

咲「京ちゃん?」

京太郎「うっ……ぐっ……あああぁぁぁ!!」

咲「京ちゃんどうしたの!?」

京太郎「うおおおおぉぉ!!」ガバッ

咲「京ちゃん!?どうしたの一体!」

姫子『サイコ怜のマインドハック!京太郎は操られてる!』

久『咲、須賀君は……』

咲「わかってます……。操られてるだけだから、なんとかしないと……」

京太郎「おもちぃぃぃ!」ガバッ

咲「京ちゃん……!」

京太郎「……」

咲「??」

京太郎「ちっ、無いおもちか」

咲「ふんっ!」ドゴォ

京太郎「ぐほぁ!」

咲「あ……思わず鳩尾に一発入れちゃった……」

京太郎「」

???「ほー。気絶させて無力化したか。ええ方法や」

咲「……!あなたは……サイコ怜!」

怜「せや……。私のサイコ能力があれば煩悩の塊の男を操る事はお茶の子さいさいや」

咲「京ちゃんを操るなんて許せない!」

怜「はっ!私ができるのはマインドハックだけやない!あんたの心を読めば攻撃を避ける事も……」

咲(うう……そういえばおトイレ行けなかった……。おトイレ行きたい……)

怜「……」

咲(おトイレ行きたいおトイレ行きたいおトイレ行きたいおトイレ行きたいおトイレ行きたいおトイレ行きたいおトイレ行きたいおトイレ行きたい)

咲(とにかく早くこの人を倒さないと!)

怜(なに考えるんやこいつ……。全然攻撃の心が読めん……!)

咲「えい!」ポコンポコン

怜「痛っ!くっ……。強い尿意の意思に紛れて心が読めへん!」

怜「せやけど私にはこの手がある……さあ京太郎」

咲「!!また京ちゃんを操られた!」

怜「この女の前で……服を脱ぐんや!」

京太郎「……」ヌギヌギ

咲「きゃぁぁぁ///」ドゴォ

京太郎「」パタリ

怜「な……!恥ずかしさのあまりに目を覆う筈が、また京太郎を気絶させて無力化した!」

怜「あかん……。力使いすぎて目眩がしてきた……うち病弱やから……」フラフラ

咲「えーい!」ポコンポコン

怜「あじゃぱー」パタン

京太郎「うーん……あれ、なんで俺は半裸なんだ」

咲「ふぅ……」ガチャ

京太郎「咲?一体何が……」

咲「京ちゃんはサイコ怜に操られてたんだよ」

京太郎「サイコ怜……こいつか!」

怜「うう……なんやあんた……。生理的欲求強すぎやろ……」

咲「怜さん……どうしてテロに協力を?」

怜「……うちは、レズや」

京太郎「いやなんとなく知ってる」

怜「うちは小さい頃から病弱で、手がかかって親からも見放されとった……でも、そんなうちを助けてくれたのが、竜華やった」

怜「竜華は病弱なうちの面倒を見てくれて……気がついたら竜華に恋をしてた。けど、竜華は男と結婚した……」

怜「やから……宮永照に協力したんや。彼女は、ビッグ和のiPS細胞を使ってレズの世界を作ってくれる……クソ汚い男はいらん。女の子と女の子が恋をする世界が……欲しかったんや……」

京太郎「なんてことを……!」

咲「言わせてあげて、京ちゃん」

怜「あそこの本棚の後ろの隠し通路に行けば、シュガーギアの格納庫に行ける。私がサイコキネシスで開けたるわ……」

ガララ

咲「どうして私たちに協力を……?」

怜「気になるんや……。あんたらの行き着く先が、どうなるか……」

怜「誰かの為に能力を使ったのは初めてや……ええもんやな……」

怜「あかん、眠いし、寒くなってきた……。うち病弱やから……」

怜「フローリングの床は固いな……。竜華ぁ……膝枕してや……」ガクッ

咲「怜さん……」

京太郎「……いこう、咲」

京太郎「この通路を超えて橋を渡れば、倉庫に着く。その地下がシュガーギアの格納庫だ」

咲「最終調整してるみたいだし、早く行かないと」

京太郎「そうだな。行こう」

咲「待ってよ京ちゃ……」

シュッ

京太郎「ぐあああぁぁぁ!」

咲「京ちゃん!?矢が足に刺さって……」

京太郎「くるな、咲!これは狙撃だ。お前を……誘ってるんだ!」

姫子『これは、キヨスミ隊の天才狙撃手シャープシューター菫!』

久『咲……』

咲「わかってます部長……。京ちゃんはきっと助けます」

久『ええ……お願い、咲!』

咲「宥さん、聞こえますか!?」

宥『うん、どうしたの~?』

咲「狙撃を受けてます。なにか対抗できるモノはこの基地にありませんか?」

宥『狙撃……』

咲「宥さん……?」

宥『うんう……なんでもない。確か砂糖製造所の地下二階に、狙撃翌用パチンコのカブトがあったはずだよ』

咲「遠いなぁ……。ありがとうございます」

宥『咲ちゃん、その……』

咲「?」

宥『……なんでもない』プツン



咲「なんとかパチンコを手に入れて戻ってきたけど、京ちゃんの姿が消えてる……」

久『多分敵に回収されたのね……。咲、シュガーギアを破壊するのも彼を助けるのも、まずは菫を倒さないといけないわ』

姫子『彼女ば一度攻撃を避けられると、すぐ続いて次の矢を構える。ばってんその連射の動きには無理があるけん、そこをパチンコで撃ち抜くとよか』

咲「でも、そもそも避けるなんて……」

まこ『彼女は相手の動きを予測し、狙い撃っちょる。だから予想外の動きをして撹乱するんじゃ』

咲「予想外の動きって……どうすればいいの……?」

久『咲、そこからまずポイントF3に行ってその後C6、B2に行きなさい。そうすれば避けれるわ。ただし絶対に立ち止まっちゃ駄目よ』

咲「え?わ、わかりました。えーっと、F3、F3……こっちかなぁ……」


菫(照の妹……どんな奴かと思ったが……)

菫(なんだあの動きは……)


咲「えーっとこっちかな……あれ?違った……えーっと……」

咲「うぅ……わけわかんなくなってきたよぉ……」


菫(くっ……。動きが読めん……。恐らくここ!)パシュッ


咲「うーん……」フラフラ


菫(避けられた!?)


咲「射たれた!今だ!」パァン


菫「ぐあああぁぁぁ!」


咲「やった、当たった!」

咲「とにかく、早く京ちゃんを助け出さないと!」タッタッタ


ビーッビーッ


咲「!?」

兵士「いたぞ!」

咲「そんな……囲まれた!」

菫「さっきはよくもやってくれたな。お陰で火傷したぞ」

咲「あなたが、シャープシューター菫……!」

菫「この火傷の借りは必ず返す。連れて行け」

兵士「はっ!」つクロロホルム

咲「うっ……眠く……」パタリ



穏乃「本当に照さんに瓜二つですね。この人達のせいで、私のジャージが……」

菫「こいつは私の獲物だ。私が狩る」

照「そろそろ目覚めそう」モグモグ

咲「うーん……ここは……?ベッドに手錠で繋がれて……」

照「おはよう、咲」

咲「あなたは……!私にそっくり……私の、お姉ちゃん?」

照「何も知らない、か。咲、単刀直入に聞く。滝見社長から貰った残り二つのスペアキーは?」

咲「……?どうして。もう二つのキーは手に入れたんでしょ?」

照「……」

菫「照、やはり幾らこいつの持っていたスクールバッグの中を漁っても、スペアキーは一本しか無いぞ」

照「どのみち解放する気はない。閉じ込めておいて」

穏乃「じゃあ私が少し遊んでもいいですか?」

照「好きにして。私は三時のおやつを食べに行く」トテトテ

菫「……」スタスタ

穏乃「菫さんはどこに?」

菫「カピバラに餌をやりにいく」

菫「……彼は生かしている」ボソッ

咲「……!」

菫「それじゃあな」ガチャ

穏乃「さて、私の好きな拷問の時間だ」

咲「な、何する気……?」

穏乃「鈍いね。体に異変を感じない?」

咲「……!お、おトイレに行きたい……」

穏乃「咲が寝てる間に、利尿剤を飲ませたんだ。でも降参するまでトイレには行かせない

穏乃「……もっとも、降参したら京太郎をホモのいる部屋に投入するけどね」

咲「そんな……ひどい!」

穏乃「さあ、どこまで耐えれるかな?」

咲「ううう……絶対に負けない!」もじもじ



二時間後

穏乃「へぇ……。ここまで耐えるんだ。男の為に……。ヘテロ厨の癖に凄いんだ」

咲「」

穏乃「喋る事すらできないくらい膀胱がピンチなんだね。連れて行け」

佳織「は、はい!」



咲「ふーっ。独房に入れられたけど、おトイレがあってよかったよ」

優希『大変だったじぇ咲ちゃん。とりあえずセーブする?』

咲「うん、お願い優希ちゃん」

優希『セーブ完了。咲ちゃん、「五十歩百歩」って知ってるじぇ?』

咲「なあにそれ」

優希『大人の五十歩と子供の百歩は長さが同じ。つまり大人は子供より凄いんだじぇ。咲ちゃんも、無理に強い人と戦わない方がいいんだじぇ』

咲「へー。為になるなぁ」


続く

佳織「見張りだよー。初めての仕事だから緊張するよー……」

咲「宥さん、聞こえますか?」

宥『うん。聞こえるよ』

咲「その、敵に捕まっちゃって……今閉じ込められてるんです。なんとかなりませんか?」

宥『なんとかできるかはわからないけど……今そっちに向かうよ』

咲「ありがとうございます」

久『咲、大丈夫?』

咲「はい。普通に用を足したらたら楽になりました」

久『ごめんなさい、咲……。須賀君を守るために……』

咲「気にしないでください。おしっこを我慢するのは慣れてますから」

姫子『咲……あんたには、ビッグ和と同じ、レズ細胞がある。なのに京太郎を助けるなんて……』

久『姫子さん、誰かを助けるのにレズもヘテロも関係無いわよ』

咲「姫子さん……。あなたにも両親がいるから、あなたが産まれてきたんでしょう?」

姫子『私は捨て子ばい。両親が誰かは……ヘテロか、レズからiPS棒で産まれたかすらわからんとよ』

咲「だからiPS細胞の研究を?」

姫子『うん……育ての姉はいるけど、数年前に死んだ』

咲「ごめんなさい……」

姫子『気にしとらんよ。咲の親は?』

咲「……ビッグ和。私は和ちゃんに育てられて、和ちゃんは私を娘と呼んでました」

姫子『そんな……なら咲は、育て親を……。友達は?』

咲「なんだか、警察の尋問みたいだね」

久『姫子は警察官の孫よ?』

姫子『あとから調べて知ったことやけどね。三十年前に神奈川で三億円事件の捜査をしてたとよ』

咲「へぇー」

咲「竹井部長も、優希ちゃんも、京ちゃんも、染谷先輩も……そして姫子さんも。みんな私の友達だよ」

まこ『嬉しい事言ってくれるのぅ』

咲「それと忘れちゃいけないのが、哩フォックス。私の、一番の友達」

姫子『彼女が……?』

久『咲と哩は、レズデリヘル、レズビアンヘブンでの仲よ』

咲「私はレズビアンヘブンに潜入した時、当時新米だった私に、潜入のいろはとSMプレイがなんたるかを教えてくれたんです」

姫子『……それなのに、レズビバーランドで?』

咲「はい……。ビッグ和を止めるために、どうしても敵として対立したんです……」

姫子『……その、哩フォックスは……』

咲「あ、見張りがおトイレに行ってる間に宥さんが来たみたいです。この話はまた後で」プツン

宥「うう……地下は寒いよぉ……」ブルブル

咲「宥さん、ここから出してください!」

宥「無理だよぉー……ここは看守の持ってる専用の鍵が必要だもん……」

咲「そんな……」

宥「ほら、お腹空いたと思って肉まんとジュースを持ってきたよ」

咲「わあ、ありがとうございます!」

宥「あと、これ……」

咲「これは……スカーフですか?」

宥「うん、菫ちゃんに貰ったの」

咲「菫さんに……?どうして?」

宥「菫ちゃんは私には優しいんだ~。このマフラーも、寒がってる私に菫ちゃんがくれたんだよ」

咲「でも、菫さんは京ちゃんを……」

宥「うん……。でも、きっと菫ちゃんは本当はあっかい人だと思うの」

宥「あ、見張りが戻ってきたから、私行くね」コタツムリ

咲「あ、行っちゃった……」

佳織「うう……船久保局長と男の人を見張ってたら、男の人に気絶させられて軍服をとられちゃうんだもん、……風邪引いちゃった……」

咲(京ちゃん後でお仕置きだね)

咲「とりあえず肉まんとジュースを食べよう」

佳織「あああー!」

咲「!?」

佳織「そ、それはジュース君のシール!集めて応募すれば抽選で雀卓が貰えるやつ!」

咲「そ、そうなの……?」

佳織「わ、私にちょうだい!」

咲「うーん、じゃあここから出してくれませんか?」

佳織「そ、そんな事したら私が怒られちゃうよ……」

咲「じゃあここの鍵をちょうだい」

佳織「あ、それならいいよ。はい」チャリ

咲「やった!はい、シールです。それじゃあね」

佳織「うん、ありがとう!」




咲「さっき京ちゃんが撃たれた場所……。京ちゃん、無事だといいけど」

咲「この川の橋を渡れば車庫だね。時間も無いし早く行こう」

照「咲ーっ!」

咲「お姉ちゃん!?ボートに乗ってる……」

照「ここから先には行かせない!」

初美『彼女が乗ってるのはモーター駆動のゴムボートですよー。生身じゃ対抗できないから、ちゃっちゃと逃げないと駄目ですよ』

照「くらえ!」ドドド

咲「きゃ!水鉄砲を撃ってきた!」

ドゴォォォン

咲「は、橋が壊れちゃった……どうしよう……」

久『普通に泳いで渡ればいいんじゃない?舟なら、水中にいれば何もできないはずよ』

咲「あ、そっか」ザバン

宥『けど咲ちゃん、向こう岸に行っても、そこは荷物運搬用の水路があるから、きっと追ってくるよ』

咲「うーん、じゃあお姉ちゃんをここで何とかしないと駄目ですね……」ジャブジャブ

初美『ゴムボートだから穴さえ空けば沈むんですけど、河川にいるモーターボートまではエアガンじゃ届きませんからねー。パチンコでも舟に穴を開けることはできませんよー』

宥『確かその辺の倉庫に、いいものがあったハズだよ』

咲「(ザバン)いいもの……?これは、ロケット花火!」

久『それならゴムボートまで届くし、穴を空けれるハズよ!』

咲「うん!ええい!」ヒュルルル

ドーンッ

照「そ、そんな……ゴムボートに穴が……」ぶくぶく

咲「汚ぇ花火だぜ」

久『咲、車庫はその土場の先よ』

咲「うん、ここから見えるよ。これなら迷わずに……」

シュッ

咲「きゃっ……!これは、矢!?こんな距離で射ることができるなんて……」

宥『きっと菫ちゃんだ!』

咲「宥さん、喜んでる場合じゃないですよぉ……」

宥『咲ちゃん、菫ちゃんはあったかい人だから……きっと話せば分かってくれるハズだよ』

咲「宥さん……。でも菫さんは、きっと私との決着を着けようとするハズです」

菫『その通りだ宥』

宥『菫ちゃん……!お願い、やめて!』

菫『宥、もう私は止まれん。決着を着けよう、咲スネーク!』

咲「ごめんなさい、宥さん!」

宥『ううう……』

久『ねえ咲、よくよく考えたら刺さってる矢の向きから、菫の場所がわかるんじゃないかしら』

咲「あ、本当だ……いました!ええい!」パコン

菫「うあああぁぁぁ!!」パァン




菫「二度も私に勝つとは……流石は、宮永照の妹だ……ゴホッ」

咲「菫さん……。どうしてお姉ちゃんに協力を?」

菫「……私は昔、男にこっぴどく捨てられた……。男を恨み、世界を恨んでいた私の前に、彼女が現れた……。英雄……ハラムラ……」

咲「ハラムラ……ビッグ和」

菫「彼女は私に、女の子の落とし方を教えてくれた……私は、女の子のハートを射る側に回った……」

菫「私は、男に捨てられる女を救いたかった……。だから照に協力し、レズの世界を作ろうと……したんだ……」

咲「菫さん……」

菫「笑うがいい……。私は所詮自分勝手なレズだ」

咲「違います!菫さんは京ちゃんを殺さないで助けてくれました!」

菫「……ふっ。自分で射ったとはいえ、あんな新米が死ぬところは、見たくないからな……」

菫「だが、どうやら私は、最期は射られる側になったようだな……」

咲「……?」

宥「菫ちゃーん!」タッタッタ

菫「宥……」

宥「菫ちゃん……しっかりして……」ボロボロ

菫「なあ、宥……。私のあげたマフラーは……あったかいか……?」

宥「うん……。菫ちゃんと同じくらい、あったかいよ……」ボロボロ

菫「そうか……よかっ……た……」ガクッ

宥「うわーん!!!」ボロボロ

咲「……宥さん、私はシュガーギアを止めに行きます。辛いなら、その……」

宥「……うんう。私もここで咲ちゃんの為に戦う。菫ちゃんも……戦ってたんだもん」

咲「宥さん……」

宥「ねえ咲ちゃん……。菫ちゃんは何の為に……咲ちゃんはなんの為に戦ってたのかな……?」

咲「……今度会えたら、教えますよ」

宥「きっとだよ……」

咲(それまでに考えておかないと……)



車庫

咲「この地下にシュガーギアが……」

まこ『咲、ちょっといいかの?』

咲「どうしたんですか染谷先輩」

まこ『久はこの通信を聞いとるか?姫子のことで話が……』

久『彼女がどうしたの?』

まこ『久……』

久『安心して頂戴。姫子はおやつを食べに行ってるからここにはいないわ』

まこ『この際久にも聞いて貰った方がいいかもしれんの』

咲「姫子さんがどうしたんですか?」

まこ『彼女の話を聞いて少し気になったから調べたんじゃが……彼女の祖父の話』

久『三億円強盗事件?』

まこ『そう。それがあったのは五十年前、しかも東京じゃ』

咲「そんな……じゃあ姫子さんが嘘をついていたんすか?」

まこ『自分の経歴を誤魔化しちょる。なんか怪しいぞ』

久『信じたくはないけど……すこし姫子を尋問してみるわ』プツン

咲「姫子さん……」



咲「ここは、サトウキビ倉庫……」

ザッ

豊音「ここでぼっちで待ってたよー」

咲「サトウキビ狩機に乗ってた人……!」

豊音「ここから先にシュガーギアがあるから……通すわけにはいかないよー」ドドド

咲「きゃっ……!」

初美『あれはピッチングマシーンですねー。時速160kmの野球ボールを連射しますよー』

咲「そんなのに当たったら絶対痛いよぉ……。そんなものを担いで歩くんなんて……」

久『球切れを狙うのも難しいわね……彼女のペットのウサギや鶏が、落ちてるボールを彼女に届けてるわ』

咲「そんな……」

初美『けれどあれは重いですからねー。見たところ動きもかなり遅いし、運ぶのに必死で注意散漫ですよー。罠とか仕掛けたらどうですかー?』

咲「罠……そうだ!サトウキビ畑で拾ったトラバサミがあった!これを仕掛けて隠れれば……」

豊音「見失ったけど、追っかけるよー……(ガチャン)痛い!」

咲「今だ!」ポコンポコン

豊音「うわーん!」バタリ

咲「やった、倒した!」

豊音「うう……痛いよぉ……」

咲「豊音さん……あなたも、みんなと同じように、恋愛関係で絶望したんですか?」

豊音「……うん」

豊音「私は、シロって女の子に恋をしたんだよ……。でも、私ね村の人達は、それを許さなかった……」

豊音「過疎化した私の村は子供を必要として、iPS技術を知らない老人達は……私とシロの仲を裂こうとして……私達は駆け落ちしたんだ」

豊音「シロの友達のエイスリンや塞、胡桃が私達を匿ってくれたけど……村の人達に見つかって、みんな殺されちゃった……」

咲「そんな……酷い……」ボロボロ

豊音「私の為に泣いてくれてるんだ……。あなたみたいな人に、もっと早く……会いたかったなぁ……」

豊音「これが、シュガーギア車庫の入り口の鍵だよ」チャリ

豊音「シロ、エイスリン、塞、胡桃……今、私も……そっちに……行くよ……」ガクッ

咲「豊音さん……ありがとう」グスッ

車庫


咲「これが……シュガーギア……」

咲「これを止めるにはスペアキーを三本ささないといけない。けれど、まだ一本しか持ってないよ……」

宥『咲ちゃん、聞こえる?』

咲「宥さん。どうしたんですか?」

宥『滝見社長の手帳を読んでたら、スペアキーの残りの二本のありかがわかったの。残りの二本は、咲ちゃんはもう持ってるよ』

咲「……?どういうことですか?」

宥『形状記憶合金なんだよ、その鍵は。常温、あったかくない時、あったかい時で形が変わるから、それ一本で三本分になるんだよ』

咲「そんな仕掛けが……あの黒糖ジャンキー、もっと早く言ってくれればよかったのに」

宥『横にコントロールパネルがあるから、そこでまず常温の状態でさしてみて』

咲「うん」カチャ


『スペアキーを確認。残り二本です』


咲「冷たいのはさっきの倉庫に冷凍室があったし……宥さん。どうすれば温まりますか?」

宥『そこの一階にお菓子を焼く為のオーブンがあるから、そこでチンすればいいよー』

咲「わかりました。早くしないと……」



中略

咲「さて、あとはこのレンジでチンした鍵をさすだけだね」

姫子『咲、聞こえる?』

咲「姫子さん!?どうして……」

姫子『久の尋問中に少し抜け出して、イヤリング型携帯電話でかけてるとよ』

咲「どうして私に連絡を……?」

姫子『……あんたには本当のことを伝えたかった……。船久保局長と滝見社長が突然死したのは、私のせい』

咲「!?」

姫子『咲が任務に行く前に、その頭のホーンに、iPS細胞を埋め込んだ。その名も、シュガーダイ。特定の人物の細胞に反応して体内に入り込み、ブドウ糖と結合して分解不可になり、増殖する。その結果、唐突に糖尿病を発して死に至る』

咲「そんなものが……。どうしてそんなことを……?」

姫子『私は実は政府のいくのん党のスパイ。今回の関係者を抹消する為に、キヨスミ隊とiPS兵、局長と社長を秘密裏に[ピーーー]よう命令されたとよ』

姫子『もっとも、怜はサイコキネシスの壁、豊音はあの巨体、菫は手ブレを抑制する錠剤のさいで効かなかったみたいやけど』

咲「でも、どうしてそれを私に教えたんですか?」

姫子『……私に育ての姉がいる話をしたけど、その姉の名前は……白水哩』

咲「……!まさか、哩フォックス!?姫子さんは、私にお姉さんの復讐を?」

姫子『最初はそのつもりやったばってん、なんか咲を見てたら……その気が無くなったんよ。むしろ、哩フォックスに似てるものを感じた』

咲「……そういえば、哩さんを無理やり生き返らせた人は……?」

姫子『研究所の火事で亡くなって……その人の名前は荒川けーーーー』ガタン

咲「姫子さん!?」

久『咲、姫子はいくのん党のスパイである事が判明して、たった今拘束してこの作戦を外されたわ』

咲「そんな……」

久『理解して、咲。今は一刻を争う大切な時よ。早くシュガーギアを破壊しないといけないのよ』

久『姫子が悪い子じゃないことはわかってる……なんとかしてみせるわ』

咲「部長……お願いします」




咲「これで最後のキーだね」カチャ


『スペアキーを三本認識ーーーーシュガーギアREX、起動します』


咲「そんな!?起動したシュガーギアにこれを使えば、停止するハズ」

まこ『よくやった咲』

咲「染谷先輩!?どういうことですか!?」

まこ『穏乃が誤って船久保局長を拷問中に殺してまって、キーは二本手に入らなかった』

まこ『だから咲に、スペアキーを集めさせた』

咲「染谷先輩……どうして」

久『咲!そいつはまこじゃないわ!』

咲「部長!?」

久『まこは自宅の浴槽で増えるワカメと一緒に監禁れているところを発見されたわ。そいつは偽物よ!』

咲「あなた……誰?」

まこ?『ふふふ……』カツラバッサァ

照『私のパーマも似合うでしょ咲』

咲「お姉ちゃん……!今どこに!?」

照「咲のすぐ近く」

咲「……!既にシュガーギアの中に……!」

照「さあ、シュガーギアREX起動!」


ぎゃおーす!

久『シュガーギアが起動した……。咲、こうなったらあれを破壊するしかないわよ!』

宥『REXは安定性の高さを考慮して装甲がかなり高くなってるから、外からの破壊は難しくなってるよ……』

咲「そんな……どうしよう」

宥『けど、それだと外が見えないから、左上にカメラがついてるの。それをさっきのロケット花火で壊せば、目で見えるように操縦席が開くから、そうすれば中から破壊できるよ』

咲「宥さん、ありがとうございます!」

照『食らえ咲!』ドドド

咲「うっ……コンペイトウを発射してきた……けれどあれを破壊しないと……えい!」ヒュルルル

チュドーン

照『うわっ!』

咲「やったか!?」

照『……どうやら無理だったみたいだね』

咲「!まだ壊れてない……」

照『さあ、踏み潰してあげる』

咲「ひっ……」

ガキン

照『!!』

咲「あなたは……」

哩『年をとったな咲。見ていられんとよ』

咲「哩フォックス!」

哩『懐かしい名やな。ばってんディープマゾよりは聞こえはよか』

咲「そりゃそうでしょう……」

照『この死に損ない……!』

哩『一旦逃げるぞ!』


咲「哩さん、どうしてここに……?」

哩『お前に倒される事が、私を解放する唯一の手段だ』

咲「そんな……姫子さんはどうするんですか!?」

哩『姫子……あの子の母親をレズに目覚めさせ夫婦を離婚させたのは私なんよ』

咲「!?」

哩『その罪悪感から姫子を拾い、ついでにSに目覚めさせたけど……いつも背徳感がつき回ってゾクゾクした』

咲「うわぁ……」

哩『とにかく時間がない。私が囮になる!』バッ

咲「哩さん!」

照『そこにいるの!』ドドド

哩『ディープマゾからの最後のプレゼントばい!』シュッ


ガッシャアン


咲「投げた鎖でカメラが壊れた……!」

照「くっ……。運転席を空けないと」ガチャ

咲「開いた……!これで……」

哩『うあああぁぁぁ!!』

咲「哩さん!」

照「咲、こいつごと撃てる?」

哩『構わず撃て、咲!』

咲「そんな……私にはできません!」

哩『私はマゾやけん大丈夫!』

咲「そういう問題じゃないでしょ!?」

照「終わりだ、哩フォックス!」

哩『うわぁぁぁ!!』グシャッ

咲「そんな……哩さん……」

照「バカな女。人に責められる事に快楽を感じたら、もう戦うことはできない」

咲「哩さん……許さない、お姉ちゃん!」ヒュルルル

照「しまった、ここから肉眼だと普通に遠くて見えない!」


チュドーン


照「うわぁぁぁ!!」

咲「シュガーギアが爆発して……きゃぁぁぁ!!」




優希「咲ちゃん、聞こえるじぇ?……とりあえずセーブしておくじぇ」

優希「咲ちゃん……生きて帰ってきて欲しいじぇ……」



次回、最終話
明かされる照と咲の出生、照との決着
そして最期に残ったキヨスミ隊の一人はどこに……?

豊音「言い忘れてたけど、咲さんの前でシュガーダイで死んだのは、デコイ星夏の変装だよー」



照「起きなさい、咲」

咲「うーん……」

照「起きなさい、咲」

咲「お姉ちゃん……あと5分……」

照「早く起きないと京ちゃんの童貞を私が奪う」

咲「はっ……京ちゃん!」ガバッ

咲「ここは……壊れたシュガーギアの上?そうだ、私はシュガーギアの爆発に巻き込まれて……」

照「そう……。あなたによって私はシュガーギアを失った」

咲(なんでお姉ちゃんあの爆発で生きてるの……)

照「けれど私達は戦いをやめない」

咲「お姉ちゃん……あなたの目的は一体なに?」

照「レズの生きる世界を作る。それが私の目的」

咲「そんなのはビッグ和の妄想だよ!」

照「違う!母さんの意思!」

咲「母さん……?」

照「"同性愛者の娘達計画"……。ビッグ和の後継者になるために、ビッグ和のレズ細胞から作られたクローン人間。それが私達」

咲「そんな……」

照「私達はレズになる運命を背負い、レズの王国を作る使命がある」

咲「そんなことはない!iPS細胞に運命は決められない!」

照「……そろそろ時間が無くなってきた」

咲「時間……シュガーダイの?けれど私がなんともないなら、同じ細胞のお姉ちゃんも……」

照「政府はシュガーギアが破壊された事をグーグルマップで突き止めた。そこである判断をした」

咲「ある判断……?」

照「そっちのボスに聞いたら?」

咲「部長、聞こえますか?」

久『咲、聞こえる!?今からそっちにカレー爆弾が投下されるわ!』

咲「はぁ!?」

久『いくのん党の郁乃は今回の事件を闇に葬り去ろうとして、カレーの辛さでサトウキビの甘さを闇に消そうとしてるわ!」

咲「どういうことですかそれ!?」

久『とにかく早く逃げないと危ないわ!私が今作戦の最高責任者として中止命令を出せば指揮系統は混乱するから、時間を稼いでる間に……きゃあ!』

咲「部長!?」

優希『咲ちゃん、部長が……』

郁乃『この子、ほんまに自分に指揮権があると思ってたんなやな~』

咲「あなたは……赤阪郁乃!?部長はどうしたんですか!?」

郁乃『久キャンベルは拘束させて貰ったで~。あんたらは21世紀の恥や。悪いけど、まとめて消えてもらうで』プツン

咲「そんな……部長……」

照「そういうこと。もし私を倒すことができれば、そこの男と一緒にここから脱出できるかもしれない」

咲「京ちゃん!」

照「今は眠らせてる。さっきまでおもちってうなされて……いや、幸せそうな顔をしていた」

咲(後でお仕置きだね京ちゃん)

照「さあ、決着をつけよう、咲」ギュルル

初美『すいません、私は肉弾戦には疎いから……とにかく全力を出せとしか』

咲「全力を出せ……的確なアドバイスです。初美さん」

咲「色んなことを知って混乱してるけど……とにかくゴッ倒す!」



そろそろ戦闘描写疲れたから中略



咲「ツモ!嶺上開花!」ドゴッ

照「あああぁぁぁ!!」ヒュー

咲「シュガーギアの上から落とした……。これでお姉ちゃんも終わり……だよね?」

京太郎「うーん……咲!」

咲「京ちゃん!大丈夫!?」

京太郎「ああ……。パチンコ穏乃に酷い拷問(無いおもちの写真を見せられ続ける)を受けたけど、大丈夫だ」

咲「京ちゃん、もうすぐここにはカレー爆弾が投下される」

京太郎「なんだそれ……」

咲「私もよくわかんないけど、とにかく早く逃げよう!宥さん、聞こえますか!?」

宥『うん。そっちの脱出口は開けておいたよ』

咲「ありがとうございます。宥さんも早く逃げてください!」

京太郎「咲!この自転車は鍵がかかってないから、早く荷台に座れ!」

咲「うん、京ちゃん」

京太郎「くっ……まだiPS兵がいる!」キコキコ

咲「この自転車にはエアガンが搭載されてるから、私が彼女達を追い払う。京ちゃんは運転に集中して!」ポコポコポコン






「咲ぃーッ!」






咲「!?」

照「まだだ!まだ終わってない!」キコキコ

咲「お姉ちゃぁーん!」

咲(ほんとになんで生きてるの!?)

京太郎「まずい、先に回り込まれた!」

照「さあ、これで終わり。咲!」

咲「あ、お姉ちゃん、前を見ないと危な……」

照「えっ……?」ガコッ

照「いやぁぁぁ!!!」

京太郎「石につまづいて転んだ……って、まずい!俺たちも巻き込まれて……!」

咲「お姉ちゃんのバカぁぁぁ!!」



ズゴォォォン






咲「ううう……京ちゃん生きてる?」

京太郎「おもちを揉めれば生き返る……」

咲「……とりあえず大丈夫そうだね」



照「咲ぃぃぃ!」



咲「お姉ちゃん……!?」

照「まだだ!まだ終わって……うぐっ」

咲「!?」

照「シュ……ガー……」

咲「ダイ……」

照「」ガクッ

咲「……お姉ちゃん」

久『咲、聞こえる?』

咲「部長!無事なんですか!?」

久『赤阪郁乃は拘束されたわ。今回の一件が総理の耳に入ったのよ。総理は全てを闇に葬るためにカレー爆弾を投下するほど馬鹿じゃないわ』

咲「そりゃそうでしょうね」

久『今回の事件は優希が記録しバックアップもとってるから、私達に手が伸びる事は無いわ。須賀君と一緒にどこへでも行きなさい』

咲「部長……ありがとうございます。また長野に遊びに行きますね」

久『ふふっ。楽しみにしてるわ……それともう一つ』

咲「?」

姫子『咲……その……』

咲「姫子さん……お姉ちゃんがシュガーダイに……」

姫子『あれには実はビッグ和の細胞も登録されちょったとよ。やけん、そのクローンのあんたらにも……』

咲「……私のシュガーダイは、いつ発動するんですか?」

姫子『それは、あんた次第ばい。どんな生き方をするか……どんなiPS細胞にも、未来は刻まれとらん』

咲「姫子さん……(意味わかんない)」

咲「哩さんが……あなたに。自分の人生を生きろって」

姫子『ぶちょー……ありがとう、咲』



咲「それじゃあ、行こうか京ちゃん」

京太郎「ああ、咲」



カンッ











穏乃「はい。全ては計画通りに」

穏乃「私の正体を知る船久保局長は拷問のミスに見せかけて始末しました」

穏乃「シュガーギアの演出データもしっかり。照は最期まであなたの存在は知らなかったようです」

穏之「あなたが三人目のスネーク、もっともビッグ和の細胞を継いでいるクローンだということは」

穏乃「はい。わかりました。それでは失礼します」






穏乃「真屋由暉子総理」



ちゃーらっららー


もいっこカンッ

穏乃「さあ、これを見るがいい……」

http://i.imgur.com/PUroMS9.jpg

京太郎「ぐぉぉぉぉ!!」

穏乃「どうだ?効くだろう……もう一度行くぞ?」

http://i.imgur.com/JUEAitT.jpg

京太郎「ぐぉぉぉぉ!!」

穏乃「服従するか?どうだ?まだ終わらんぞ」

http://i.imgur.com/tcvJu58.jpg

京太郎「ぐぉぉぉぉ!!」

穏乃「強情な奴だ」







SUGARE GARE SAKI 2
Daughter of Homosexual





.






咲「宥さん、コーラ運搬船に潜入しました」

宥『聞こえるよ咲ちゃん。今回の作戦をもう一度確認するね』

宥『数年前のシュガーモセス島事件の後、パチンコ穏乃がネットにシュガーギアの設計図をうpしたせいで、お菓子業界のバランスが崩壊した』

咲「色んな会社がお菓子産業に参入したんだね」

宥『それで、私達は反シュガーギア団体リンシャンカイホウを設立した』

宥『今回はフランスから来るコーラ運搬船に、シュガーギアの新型が運ばれてるって情報がYahooメールで来たから、その証拠を撮りにきたんだよ』

咲「その情報は信用できるんですか?」

宥『大丈夫だよ~。出会い系サイトのメールじゃないかちゃんとチェックしたもん』

咲「なら安心ですね」

宥『私達はテロリストじゃないから、あったかくない事はしないよ。だから、咲ちゃんに渡した武器は、肌から浸透する麻酔薬を入れた水鉄砲だからね』

咲「うん、わかった」

宥『まずはどこに行くか知りたいから、運転室に行ってね』

咲「はーい」

ドカッウワッ



咲「!?」

兵士「こちらチームいろはにほへと。甲板を制圧した」

???『了解。私達は船倉に行くわ』

咲「ゆ、宥さん……。どうやらシージャックされたみたいです……」

宥『え~!?私達以外にもこの情報を教えてもらった人がいるの?』

咲「わかりません……。兵士はみんな、カニやタコのお面を被ってます。新手のジョーカーの部下ですか?」

宥『それは多分、大阪の愛宕部隊だよ!すっごく強いから、できるだけ戦わないようにしてね』

咲「うう……いきなりハードになったよ……」



咲「運転室に着きました。自動操縦みたいだけど……向かってる場所は東京ですね」

宥『東京……外国からのお菓子を輸入する会社は大阪だから、完全にそのコーラ会社の独断みたいだね』

咲「宥さん、外に誰かいます!」



洋榎「運転席周辺は占拠したで」

雅枝『了解。私達は穏乃と一緒に船倉のシュガーギアを奪うわ』

洋榎「あのジャージ女はホンマに信用できるんか?」

雅枝『シュガーギアを運転できるのはあの子だけや。洋榎ははよ脱出し』

雅枝「嫌や!ウチも部隊のみんなと一緒にいる!」

雅枝『わがまま言うなスカポンタン!あんたがおらんと絹はどうなるんや!』

洋榎「絹……」

雅枝『あの子は普通の子や。もし私に何かあったら、姉のあんたがあの子を守ってやり』

洋榎「縁起でも無いこと言わんといておかん。もうそろそろ切るで」

雅枝『ほななー』プツン



咲「動かないで!」

洋榎「!!」

咲「そのまま手に持ったエアガンを捨てて!」

洋榎「なんや自分。コーラ会社のもんやないな」

咲「とにかく捨てて!」

洋榎「はー。東京もんは冷たいなぁ。会話すらしてくれんのか」

咲「私は長野県民だよ!」

洋榎「長野?あのイナゴを食べる魔境か?」

咲「そんなのはごく一部の人だよ!」プンスカ

洋榎「今の隙や!」バッ

咲「しまった、隠れられた!」

洋榎「どや、三味線の洋榎とはウチのことや!」

咲「うー。たこ焼き県民はズルい……」

洋榎「大阪人やってたこ焼きばっか食っとるわけやないわ!」

咲「でもお好み焼きをおかずにご飯を食べてるでしょ?」

洋榎「そんなん普通やないか!」

咲「炭水化物とりすぎだよ!だから大阪人は短気なんだよ!」

洋榎「なんやと田舎県民!」バッ

咲「でてきた!今のうち!」パシュッ

洋榎「うわっ……この……ひきょうもの……ZZZ」

咲「お互い様だよ!」

宥『その子は多分、愛宕雅枝の娘の愛宕洋榎だよ。母と同じく兵士になったけど、妹の絹恵は普通のプログラマらしいよ』

咲「そんな手強い人を倒せてよかった……。とりあえずこの人はロッカーに隠しとこ」

宥『次は船倉にいって、新型シュガーギアの写メを撮って送ってね。コーラ会社社長の雀博士が演説をしてるから、それが終わるまでにお願い』

船倉


博士「シュガーギアの蔓延により世界のお菓子バランスが崩れた。このシュガーギアRAYは、対シュガーギア用のシュガーギアである」

博士「このシュガーギアRAYは、水中に入り込み水を取り込み、浄水しコーラを作り出す水陸両用のシュガーギアであり、対シュガーギアとしての性能は破格となった」

博士「……私にも娘がいる。この子達のために量産品のお菓子ではなく、ちゃんとしたお菓子が食べられる世界を作っていきたい」


咲「えーっと、パシャ、パシャ、パシャ、パシャと。あとはこれをメールで送ればいいんだね」



To:宥さん
from:咲スネーク
件名 :シュガーギア(^-^)/
添付:jpg1、jpg2、jpg3、jpg4
本文:シュガーギアの写真です(^_-)-☆
そういえば今月の咲日和読みましたか?末原さんが可愛かったですよo(^▽^)o



咲「これでよしと」

博士「それでは解散!」



「いい演説ですね」


.

咲「!?」

「けれどフランス人はエゴイズムを自由という言葉で着飾る癖があります」

博士「だ、誰!?」

「私の名前は高鴨。またの名を、パチンコーーーー」

咲「穏乃ちゃん……!」

咲「宥さん、ジャージの右袖が制服みたいなので繕ってあるけど、穏乃ちゃんです!」

宥『どうして穏乃ちゃんが……?』

穏乃「さあ、そのシュガーギアを返してもらいましょうか」

博士「侵入者?けれどこれだけの数を前に……」

雅枝「おっと、動かんといてや。動くとこのカニのハサミがあんたの首をちょん切るで」

博士「……!いつの間に背後に……」

愛宕兵達「全員動くな!」ドタドタ

博士「そ、そんな……」

雅枝「昔は関西は小麦粉の桜餅があったのに、今は関東に浸食されてもち米の桜餅が蔓延してる……」

雅枝「私はシュガーギアを売った金で、小麦粉の桜餅屋を開店する」

穏乃「いえ、それは違います。返して貰うと言ったでしょう?……同性愛者達に」

雅枝「すばらやて!?まさか、まだユキと……」

咲「同性愛者達……?」

穏乃「雅枝さん!コーラと共沈んでください!」

雅枝「穏乃……この裏切り者ぉぉぉ!」カチャ

穏乃「遅い!」パァン

雅枝「うっ……」ガクッ

穏乃「その年では現役引退ですよ雅枝さん!」


ドヨドヨ


穏乃「シュガーギアを運転できるのは私だけ!そしてここにくるまでにコーラタンクに穴を開けた。船がコーラの炭酸で穴が空いてもうすぐ沈む。がんばって泳げば東京湾にたどり着けるかもね!」


ワーワーキャーキャー

.


咲「穏乃ちゃん!!」バッ

穏乃「やっぱり来たね、咲……うわぁぁぁ!!」

咲「!?」

穏乃「……久しぶりだね、咲」

咲「!?身体は穏乃ちゃんだけど、その髪のホーンは……お姉ちゃん!?」

照「そう。穏乃は千切れたジャージの右袖を、私の制服で繕った。そして私は穏乃のジャージの右袖として、穏乃の身体を乗っ取っている」

穏乃「うっ……私の中から消えろ!」ジャージヌギヌギ

穏乃「うわぁぁぁ!!」

照「無駄。あなたの身体はほとんど私のもの」

咲「お姉ちゃん……!」

照「咲、東京湾の藻屑になりなさい!」

咲「うっ……コーラと海水が流れ込んできた……」ゴボゴボ

宥『咲ちゃん!?咲ちゃんっ!』



カンッ




数年後

久『こちら久。聞こえる?成香』

成香「はい、良好です久さん」

久『今回の任務を確認するわ。数年前、ここでコーラ運搬船がテロリスト咲によってシージャックされ沈められた。その結果、この海域一帯がコーラまみれになった』

成香「嫌な事件でしたね……」

久『そして海水を浄水するために建設されたのが、海水専用ダイソン、ダイソンシェルよ。そして数時間前、ダイソンシェルがテロリストに乗っ取られた』

久『彼らの要求はお菓子二十年分。それが呑めなければダイソンシェルを破壊すると言ってるわ』

久『そうなればダイソンシェル内の兵士用のお菓子が海に流れ出し、向こう数百年は砂糖の海になるわ』

成香「なんだか素敵です~」

久『私は甘ったるいサンマは食べたくないわよ。とにかく、キヨスミ隊新メンバーのあなたの目的は、テロリストの武装解除と、視察に来たところにテロに逢い人質として囚われてしまった由子大統領の救出』

成香「どうして大統領が、ビッグダイソンにいたんですか?」

久『それは……わからないわ。次はあなたの装備の説明をするわね』

久『あなたが着てるのはビッグダイソンに海中から潜入するための競泳用水着、装備を入れるウエストポーチ、武器は麻酔薬入りの水鉄砲よ。麻酔薬はそこでも補充できるわ。そして通信用の防水iPhone。これだけよ』

成香「十分ですよ久さん」

久『それと今回の作戦メンバーはあなたと私、そして通信記録オペレーターの……』

誓子『成香、聞こえる?』

成香「ち、チカちゃん!?どうしてここに……?」

久『通信オペレーターは別の人だったんだけど、階段から落ちて怪我をしたから、急遽彼女を呼び寄せたのよ』

久『気のおけない仲の誓子なら、成香のサポートに最適だしね』

成香「そんな……チカちゃん……」

誓子『心配しないで成香。むしろ何も知らず帰りを待つよりは、この方が気が楽だから』

成香「チカちゃん……。ありがとうございます」

誓子『それじゃあ、とりあえずここまで記録するね』

誓子『記録完了、と。成香、頑張ってね』


プツン

次回、強敵デッドヘテロ!そして謎の少女、宮永!
最初の目的はダイソンシェル各部に仕掛けられた爆弾を解除すること
爆弾のスペシャリストとして、みんな大好きあの人が仲間になるよ!

「テロとかメゲるわ……」


続く

描いて見たけど絵心無くてメゲるわ……

http://i.imgur.com/OV3kqQO.jpg

久『成香、ダイソンシェルは6個の巨大ダイソンが六角形を成して、真ん中に中央ダイソンがある。それぞれ橋で繋がって、それがシェル1とシェル2の二つづつ。そして各ダイソンの上には居住スペースがあるわ』

誓子『ようするに、ベンゼン環が二つ並んだ感じだよ』

成香「分かりやすいです~」

久『あなたが侵入したのはシェル1のA脚よ。特殊部隊GIRLSが突入して囮になってるから、その隙にBC橋に行きなさい。そこで由子総理が見つかったらしいから』

成香「わかりました」


B脚

グァァァ

成香「ひっ……!」ビクッ

成香「今のは悲鳴……?一体何が……」ソローリ

???「……」ズバッ

GIRLS「くっ……BB弾をドスで切るなんて!」

GIRLS「きゃぁぁぁ!!」ズバッ

成香「あ、あの人……ドス一本でGIRLSの兵士をみんな倒しちゃった……」

ドス女「これで全員……いや」

ドス女「もう一人いたか」ギロッ

成香「ひぃぃぃ!!」ガタガタ




「伏せて!」



成香「きゃっ!」カリスマガード

ドス女「!!」バッ


ポコポコポコン


???「避けられちゃった……」

成香「う、後ろにいます!」

???「!!」

ドス女「捕まえたぞ」ガシッ

ドス女「ん……?その髪留め、何かを押さえつけているような……」

???「ぐっ……撃って!」

成香「はい!」パシュパシュ

ドス女「……ふっ」

成香「に、逃げられた……大丈夫ですか?」

???「うん……なんとか。あなたは?」

成香「私は秘密特殊部隊、キヨスミ隊のエージェントの成香です」ドヤッ

???「(秘密なのに普通に明かしちゃってる……)私は……GIRLSのメンバー、宮永中尉だよ」

宮永「ところでキヨスミ隊は数年前に解体されたはずだけど?」

成香「そんなことありません!ゲームセンターのガンシューティングゲームでハイスコアを叩き出してたら、ちゃんとスカウトされたんです!」

宮永「なんだ、ゲームでしか撃ったことが無いんだ……」

成香「むう……。ところでさっきのドスを持った人は誰ですか?」

宮永「……彼女はデッドヘテロの一員、智葉」

成香「デッドヘテロ……?」

宮永「外人レズデリヘルだよ。でも店長のネリーが脱税で逮捕されてから、おかしくなったんだよ」

宮永「今回のテロは、彼女達と愛宕兵がやったんだ」

成香「怖い人でした……」

無線『こちらチーム巫女服!チームスク水応答して!CB橋で由子総理を見つけたけど……きゃあ!』プツン

成香「い、いかないんですか!?」

宮永「智葉にやられた怪我が治ってないの」

成香「じゃあ私が行ってきます!久さん、GIRLSの生き残りがいました!あと総理の居場所も」

久『聞こえてるわ成香。すぐにBC橋に行って頂戴』

宮永「私の携帯の番号を教えておくね。赤外線で送るよ」

成香「iPhoneには赤外線ついてないです……」



BC橋

成香「あれは……GIRLS?その向こうにいるのは由子総理と……誰だろう」


GIRLS「くっ……弾が当たらない!」

GIRLS「風で弾が飛ばされる……まさかあれが、風神、フォー雀・明華!?」

明華「誰も私を[ピーーー]ことはできませんか……」ドドド

GIRLS「きゃぁぁぁ!!」


成香「久さん、GIRLSが……それに総理が連れて行かれました……」

誓子『彼女はデッドヘテロのリーダー、風神明華。彼女の周りでは常に風が漂い、弾は逸れる……』

久『成香、今の明華の攻撃で明華は追えなくなったわ。総理は一先ずおいておいて、まずは爆弾を解除して頂戴』


C脚

成香「ここは台所かな……?」

「~♫」じゅわ~

成香「誰ですか!なんでこんなところでお好み焼きを作ってるんですか!」

???「な、なんやあんた!水着にウエストポーチとかけったいな格好して!テロリストの一味か!?」

宮永「成香ちゃん、銃を下ろして」

成香「宮永さん……」

末原「ひっ……」カタカタ

宮永「彼女は爆弾解体のスペシャリストの末原さんだよ 」

成香「へー(なんでこんなに震えてるんでしょう……)」

宮永「私はGIRLSの宮永中尉。この子は特殊部隊の成香ちゃんだよ」

末原「ほう……GIRLS……。私は末原恭子。私の弟子がこのテロに参加してるから、爆弾解体担当としてGIRLSと一緒に来たんやけど……全滅してもうた」

成香「弟子ですか?」

末原「せや。漫ちゃん……。私が爆弾のいろはを教えた子なんやけど、爆発に取り憑かれて、こんな事になってもうた……こりゃ罰としてデコ油性やな」

宮永「末原さん……。私たちは爆弾を無力化したいんですけど、いい方法は無いですか?」

末原「これを使えばええ」

宮永「これは……?」

末原「筋肉痛の時とかに患部を冷やすスプレーや」

末原「漫ちゃんが仕掛けた爆弾は、起動すると蓋が開くシュールストレミングの缶詰や。そんなんが海水に垂れ流されたら、とんでもない環境テロになってまう」

末原「せやけど、このスプレーで凍らせれば、たとえ起動してもなんも影響は無い。あとから密封してゴミ箱にポイすればええんや」

成香「でも……どうやって仕掛けられた爆弾を見つけるんですか?」

末原「缶詰やて密封性は完璧やない。シュールストレミングの漏れ出した匂いを完治するこのワンコ型ロボ、メゲるワンを使うんや」

成香「わあ、可愛いです~」

宮永「うん、なんだか虐めたくなるよね」

成香「えっ」

末原「えっ」カタカタ

末原「とにかくこれがあれば爆弾は解体できる。漫ちゃんの暴走を止めてや」

宮永「それじゃあ私はシェル2に行くから、成香ちゃんはシェル1をお願いね」

成香「わかりました」

末原「私はここで待機しとるから、なんかあったら連絡してや」

宮永「それじゃあ行って来ますね」

末原「……彼女、GIRLSや言うとったな」

成香「……?そうですけど」

末原「GIRLSはみんなスク水や巫女服、メイド服を来とる。ただのセーラー服の部隊はおらんはずや」

成香「……?てことは、宮永さんは誰なんでしょう?」

末原「さあな。むしろあんたの方が怪しいわ。なんで競泳用水着にウエストポーチなんや。ファッションセンスおかしすぎやろ」

成香「そんなこと言われても……」

末原「まあええわ。とにかく頼むで」

DE橋


いーすーちーりゃんうーぱーちっちっちっちぐんろくはっせん

成香「はいもしもし」

『成香、気をつけや。そこには踏むと雷管が破裂してビックリするタイプの地雷がセットされとる』

成香「あ、あなたは!?」

『ディープマゾとでも……こんなん名乗れるかい!』

成香「ディープマゾ?シュガーモセスの?」

『ミス唐翌揚げや。覚えとき』プツン

成香「久さん、今変な人が……」

久『うーん、ディープマゾなんて名前を名乗る恥ずかしい人なんて哩フォックスくらいしかいないけど……彼女はシュガーモセスで確かに死んだはずよ』

誓子『成香、彼女の言ってる事は本当みたい。今Googleマップで確認したけど、地雷がある』

成香「ミス唐翌揚げ……誰なんでしょう」



E脚

成香「ここの爆弾はここですね」プシュー



洋榎「せや。それはわかっとる。ところで聞きたいことがあるんやけど」



成香「!!あの人は誰でしょう……?携帯で誰かと会話しているようですけど」

洋榎「さっきラバースーツで全身を覆った女を見たんやけど」

『ラバースーツ?そんな変態、本当にいるんですか?河童兵と見間違えたんじゃないですか?』

洋榎「あほう。河童と変態の区別くらいつくわ。まあ知らんならええわ。あと一つ。信じて貰えるかわからんのやけど」

『何ですか?』

洋榎「さっきコタツに潜ったまま移動しとる奴を見かけたんや」

『コタツ……。わかりました、調べておきます』プツン

洋榎「こっちは信じるんかい!」

成香「動かないでください!」バッ

洋榎「……」

成香「銃を捨ててください!」

洋榎「……あんた、初心者やな?」

成香「そ、そんなこと……」

洋榎「ま、すぐに消えたるから安心しぃ……よっと!」

成香「な……海に飛び込んだ!?」

誓子『その人は多分、愛宕洋榎。コーラ船の事件で愛宕雅枝を失った愛宕部隊をまとめている、愛宕雅枝の娘……ってレジュメに書いてある』

成香「うわ、凄い水飛沫をあげて墜落した……」

洋榎「カッコつけるもんやないな……」ブクブク

久『その子は放っておいて爆弾解除を続行しましょう』

B脚


成香「ふぅ……これで5個目」

末原『おかしいなぁ……』

成香「どうしたんですか?」

末原『その場所やと効果的にシュールストレミングを垂れ流せへん。漫ちゃん、また失敗したか?』

宮永『末原さん!下水道に大量のシュールストレミングが!しかも真空パックしてあるからメゲるワンに反応しません!』

末原『それや!他のは囮やったんや!』

成香「そんな……」

末原『今からそっちに行くから近づいたらあかんで!成香ちゃん、シェル1にも同じのがある筈やから探しといて』

成香「は、はい!」



成香「末原さん、A脚で見つけました!」

末原『そうか……。こっちはもう手遅れや』

宮永『ど、どういうことですか!?』

末原『これは誰か近づくと真空パックが開いて、数秒で起動する仕掛けになっとったんや』

末原『漫ちゃん、私を超えたか……。デコに花マルあげんとな』

成香「逃げてください末原さん!」

末原『もう間に合わん。成香ちゃん、遠くから冷却するんや……。あと一秒。ほなな、みんな』

宮永『末原さん!』

末原『くっさぁぁぁ!!!』パタリ

久『成香、悲しんでる暇は無いわ。漫から連絡がきた。E脚屋上であなたと決着をつけたいって』

成香「そんな……どうして私と!?」

久『わからないわ。彼女は制限時間を設けた。早く行ってちょうだい!』

成香「は、はい!」


ウィィィ


成香「!!エレベーターから人が……」

明華「ここにいるんですか?母の仇」

成香「風神、明華……!」

明華「彼女じゃないですね……まあ、トバしますけど」カチャ

成香「ひっ……!」


ドドド


成香「きゃぁ!」

誓子『成香、彼女の持っている武器は空気圧で砲丸投げの球を発車する機械。当たったら一溜まりもないよ!』

久『彼女には風で遮られて武器は通用しないわ。とにかく今は逃げなさい!』

成香「そんな事言われても……また誰か来た!」

智葉「明華、漫が暴走している。もはやネリーの経営理念すら忘れている」

明華「そうですか……。デコ油性ですね。では彼女を始末したら行きましょうか」

成香「今の隙!」ポコン

明華「!」

成香「あ……!やっぱり風で逸れた……」

智葉「ぐぉあ!」

明華「……!逸れた弾が智葉に……!」

成香「今のうちに上に!」タタタッ

明華「そんな……智葉……」

智葉「」ムクリ

明華「智葉……!」

智葉「安心しろ明華。私は死なない」

E脚屋上


「待ってたよ成香!」

成香「あなたが……漫さん!」

漫「そう。末原先輩を超えた私は今、あなたを倒すことにしか興味はないんや」

成香「あなたは末原さんを超えてなんかいません!」

漫「なに!?」

成香「あなたにはこのメゲるワンを作ったような、末原さんの素敵なセンスはありません!」

漫「わ、私だってお好み焼きに末原先輩の顔をマヨネーズで描けるもん!」

成香「う……少し見てみたい」

漫「とにかくあんたの実力、見せてもらおか!」カチッ

チッチッチ

成香「これは、爆弾の音!」

漫「さあ、早くみつけて凍らせんと、シュールストレミングの臭いが充満するで」

成香「そんなことをすればあなただって……!」

漫「私は大丈夫だよ」スッ

成香「そんな……鼻に洗濯バサミを……!」

漫「さあ、あと30秒!」

成香「ううっ……メゲるワン、探して!」

メゲるワン「サイコロマワシテアタマモワスデー」カタカタ

成香「あった!」プシュー

漫「末原先輩……死んでも私の邪魔をするんですか!」

成香「あなたは末原さんを超えられていない!」ポコンポコン

漫「きゃぁぁぁ!」パタリ


漫「うっ……額から血が……もう、デコ油性はされへんな……」

成香「その末原さんはもういないんですよ」

漫「……私は、末原先輩に認めて貰いたくて、爆弾の腕を磨いた……けれど、いつしか爆弾の魅力に取り憑かれて……末原先輩と対立することで、末原先輩を越えようとした……」

成香「そんな理由でテロに協力を……?」

漫「……さあ。その先は……自分で……考え……」ガクッ

成香「漫さん……もっと、他にやり方は無かったんですか……?」

成香「人質の解放をしないといけませんけど、どうしましょうか」

???『おいそこのチンチクリン』

成香「ひっ……!ラバースーツを着た変態!」

???『誰が好きこのんでこんなもん着るかい!』

成香「ま、まさかミス唐翌揚げ?」

唐翌揚げ『せや。あんたに耳よりの情報を持ってきたで』

成香「耳よりの情報?」

唐翌揚げ『由子総理の居場所を知っとるかもしれん奴の居場所や。総理の秘書、一のな』

成香「一……。どこにいるんですか?」

唐翌揚げ『シェル1の中央練や。そこに大統領以外の人質がまとめて捕まっとる』

唐翌揚げ『けど中央練の警備は厳重やからな。このお面をつけとき』

成香「これは……カニのお面」

唐翌揚げ『これをつければ愛宕兵のフリをできる』

成香「でも私は一の顔を知りませんよ?」

唐翌揚げ『大丈夫や。痴女みたいな格好してるから一目でわかる』

成香「どんな格好なんだろう……どうして私に協力してくれるんですか?」

唐翌揚げ『そのうち教えたるわ』ビュッ

成香「消えた……一体誰なんでしょう」

久『成香、総理の居場所がわからない以上、彼女の情報を信頼するしか無いわ』

成香「わかりました」


中央練


成香「このお面を被ってと……」

愛宕兵「お、見張りの交代の時間か?」

成香「はい、そうです」

愛宕兵「んじゃ頼むわ」

成香(どうやらバレていないようですね。一さんは……)

一「……」

成香(うわぁ……完全なる痴女ですよ……とりあえず猿轡と目隠しをとりましょう)ベリベリ

一「!?」

成香「あなたが一さんですか?」

一「一はボクだけど……あなたは?」

成香「私はキヨスミ隊の期待の新人です」

一「キヨスミ隊……そういことか」

成香「由子総理はどこですか?というか、どうして総理がこんなところに?」

一「総理はシェル2に移動させられたみたいだよ。総理がここにきてたのは……ここで開発されてる、新型シュガーギアの視察だよ」

成香「……!?どうしてシュガーギアがここにあるんですか!?」

一「……本当になにも知らないんだね。海浄水施設なんてのは表向きだよ。ダイソンシェルの本当の目的は、シュガーギアを建設することだよ」

成香「大統領がそんなのに関わってたなんて……大統領は無事なんですか?」

一「無事のはずだよ。シュガーギアを動かすには、大統領のiPS細胞に反応するエンジンキーを使わないと、それも一回起動後の一時間後にもう一回の二回起動しないんだ」

成香「なら安心ですね」

一「……少なくとも、シュガーギアが起動するまでだよ……待って、隣の部屋にボスが来た」

成香「ボス……?」

一「そこのトイレットペーパーの芯を壁にあてて聞いてみたら?」

成香「あ、これですね。どれどれ……どうやら中で喋ってるのはシュガーモセス島事件で噂のパチンコ穏乃と、さっきの愛宕洋榎……もう一人は知らない人ですね」


洋榎「総理がシュガーギアのキーを入れたで」

???「これで私たちの決起は、成功したも同然ですね」

穏乃「一時間後にもう一度入力すれば、総理はもう用済み……うぐうっ!!」

???「また例の発作ですか?」

穏乃「最近頻度が上がってます……照さんめ」

???「そのジャージと照の制服を繕うのにいくらかかったと思ってるんですか?」

穏乃「五百円でしょ……ていうか自分でやれましたよ」

成香「そ、総理がキーの入力をしたみたいです!」

一「裏切ったか……。操り人形でいることが嫌になったのかな」

成香「操り人形……?」

一「早く総理の所に行って。早くしないと砂糖弾頭が発射される!」

成香「で、でもそんなことをしたら要求のお菓子が……」

一「要求?テロリストの目的は砂糖を東京中にばら撒いて、アリの大群を発生させて東京中を恐怖に陥れることなんだよ!」

成香「そ、そんな……」

久『成香、すぐに総理の所へ行って頂戴!』

成香「……久さん、ここに新型シュガーギアが開発されてる事は知っていたんですか?」

久『……いえ。初耳よ』

成香「それと、テロリストははなから砂糖弾頭を発射するつもりみたいでした」

久『お菓子二十年分は隠れ蓑だったわけね』

成香「……久さん、私に何か隠してませんか?」

誓子『成香、今は総理を助けて砂糖弾頭の発射を阻止しないと!』

成香「チカちゃんがそう言うなら……」プツン

一「まずい、穏乃がくる!」

成香「は、早くお面をかぶり直さないと!」

穏乃「そこで何をやってるんだ?」

一「少し服が窮屈だったからボタンを外してもらってたんだよ」

穏乃(……それはギャグで言ってるのかな?)

穏乃「まあいいや、どのみち私は知ってるよ。あんたの正体を」

一「!!そんな……」

穏乃「残念だったね、一さ……」

一「うっ……うわぁぁぁ!!」

穏乃「!?」

一「穏乃ぉ……裏切った……ね……」ガクリ

穏乃「わ、私は何もして……」

成香(こ、これは噂のシュガーダイですか?)

穏乃「……ねえ。ところであんたは誰?」

成香(まずいです……!)

愛宕兵「こんな水着にウエストポーチの変態は私の部下にはいません」

愛宕兵「私もこんな変態は知りませんよ」

穏乃「へぇ……ようやく会えたみたいだね!」パチンコ構え

成香「ひっ……」

カキン

唐翌揚げ『ここはウチに任せて逃げろ!』

成香「ミス唐翌揚げさん!」

穏乃「な!?ラバースーツの変態!あんたは死んだはず!」

唐翌揚げ『こいつに死なれると困るんや!手出しはさせんで!』

成香「ありがとうございます!」タッタッタ

『侵入者発見!侵入者発見!水着にウエストポーチの格好をしている!見つけ次第しゃしゃ……しゃさちゅ、射殺せよ!』

成香「うう……怖いです……」


「おもち!おもち!」


成香「ひっ……!だ、誰!?」

「おねーちゃん!おねーちゃん!」

成香「なんだ、ドラゴンか……。誰かのペットなのかな」

宮永『成香ちゃん、救出用のゴムボートが見つかったよ。これで人質の人達を助けれるよ』

成香「本当ですか!?私の方も、由子総理がシェル2にいることがわかったので、助けに行きますね」

宮永『うん、気をつけて』



シェル1シェル2連絡橋

成香「この先に総理が……」

???「ようこそ、成香さん」

成香「あなたは……さっきボスと呼ばれていた!」

???「私の名前はーーーーーー」



???「咲スネーク」



宮永「違う!あなたは咲じゃ……」

成香「あなたは咲さんじゃありません!咲さんはそんなにおもちは大きく無いです!」

宮永「……」

???「ようやく会えましたね、咲!」

咲「成香ちゃん、その子……ユキちゃんを撃って!」

成香「は、はい!」ポコンポコン

ユキ「私には当たりません」

成香「海に飛び降りた……?いや、違います!」

咲「アヒルさんボートに飛び乗ったんだ!」

ユキ「咲!そのゴムボートでアヒルさんボートの機動力に勝てますか!」

宥「咲ちゃん、追いつかれちゃうよ!」

咲「成香ちゃん、これを!」

成香「これは……ロケット花火!」

咲「私達が囮になるから、アヒルさんボートを沈めて!」

成香「は、はい!」ヒュルルル


パァン


ユキ「うっ……きゃぁぁぁ!!」ブクブク

成香「汚ぇ花火だぜ」

咲「……!まだ終わってない!」

成香「ユキちゃんが乗ってるのは……」

咲「あれは、シュガーギアRAY……」

成香「行っちゃった……シュガーギアが開発されてるってのは、本当だったんですね」

宥「うんう。あれはコーラ船事件の時のシュガーギア。ここで開発されてるのは、もっと別のだよ」

成香「……あなたは、シュガーモセス事件の宥エメリッヒ博士ですね」

成香「宮永さんの正体が咲さんだったなんて……髪のホーンをピンでとめてたからわかりませんでした」

咲「ごめんね、嘘ついてて」

宥「でも、私達もシュガーギアを止めにきたの」

成香「どうしてここにシュガーギアがあるってわかったんですか?」

咲「……数年前のコーラ船事件の時、私達は穏乃ちゃんにはめられてテロリストにされちゃったんだ」

宥「その後、穏乃ちゃんの事を調べてたらユキちゃんの事がわかって、今回のテロを知ってやってきたんだよ」

成香「その……ユキちゃんってのは一体なんなんですか?」

咲「……私とお姉ちゃんはビッグ和の細胞をなんやかんや改良して作られたクローン。でも、一人だけ完全に和ちゃんの細胞から作られた子がいたの」

宥「それが、前総理。ユキちゃんだよ」

成香(ああ、だからおもちが他二人に比べて大きいんですね)

咲「私達は他にもやることがあるから、総理を助けるのは成香ちゃんお願い」

成香「はい、わかりました!」

成香「久さん、咲さんです!咲さんが生きてました!」

久『そう……』

成香「……久さん?あんまり電話してないから拗ねてるんですか?」

久『違うわよ!成香、咲は今回のシミュレーションに入ってないわ。アテにしないで頂戴』

成香「そんな……二人は親友の筈なんでしょ!?」

久『とにかく、早く総理を助けて頂戴』プツン

成香「久さん……?」

誓子『久さんも難しい立場だから……わかってあげて成香』

成香「チカちゃんがそう言うなら……」

誓子『成香、セーブしておくね』

誓子『なんだか成香とも長い付き合いだよね。爽達と昔から……』

成香「?爽ちゃんとは子供の頃から遊んだけど、チカちゃんとは中学に入ってからじゃ……」

誓子『あれ、そうだったっけ?』プツン

次回、謎のベールに包まれた宥エメリッヒ博士の妹の正体が明かされるよ!

シェル2中央練B1


成香「臭っ……!そうか、シュールストレミングがここで爆発したんですね……」

成香「漫ちゃんの洗濯バサミで鼻をつまんで、換気をしてと……あれは!」

末原「」

成香「末原さん……臭いで気絶してるんですね。とりあえず誰か来たら危ないのでロッカーに入れておきましょう」

成香「ん……あれは?」



洋榎「総理の部屋の前は電流を流しといたで。総理が自分でパネルを壊さん限りは大丈夫やろ」

ユキ『そうですか。私はアーセナルシュガーの最終調整に入りますね』

洋榎「ウチの部下にも撤退命令を出させるわ」

ユキ『まだ侵入者は捕まっていません。それはまだです』

洋榎「そか……。ウチはこれが終わったら大阪へ帰る。もしあんたのとこに残りたいっていう部下がいるなら……」

ユキ『ええ。こちらで面倒を見ます。愛宕兵はみんな可愛い子ばかりですからね』プツン

洋榎「これでよしと」スタスタ

成香「久さん、総理の部屋の前に来たんですけど、電流が……」

久『まずいわね……』

誓子『成香ちゃん、メゲるワンを使えば?ダクトの中に入れて総理の部屋まで行って、パネルの前で自爆すればいいんじゃない?』

成香「その手がありましたね」

メゲるワン「えっ……」カタカタ

成香「いけ、メゲるワン!だいばくはつです!」

メゲるワン「メゲるわ……」テクテク


チュドーン
ノヨー


成香「やった!これで素敵に入れます!」



由子「いきなり恭子ちゃんにそっくりの犬が入って来て自爆したのよー……怖かったのよー……」

成香「あなたが由子総理ですね?」

由子「……私を始末しに来たのねー。裏切りの覚悟はできてるのよー」

成香「?私は助けに来たんですよ?」

由子「???……!タレ目じゃない!あなたは一体?」

成香(タレ目?洋榎さんの事ですか?)

成香「私はキヨスミのエージェントです」

由子「キヨスミ……そういうことなのねー」

成香「総理……どうしてテロに協力をしたんですか?」

由子「……私は女の子とイチャイチャしたかっただけなのよー」

成香「?総理となれば寄ってくる女の子なんてよりどりみどりじゃないですか」

由子「それは違うのよー。彼女達……すばらがいるから」

成香「すばら?」

由子「言語ロックがかかってるからメールで話すのよー」

由子「すばら……同性愛者達の事なのよー」

成香「同性愛者達?」

由子「この国の政治を裏から操り、その権力と情報網で可愛い女の子を見つけて自分達のものにする……。それが同性愛者達なのよー」

由子「そのメンバーは私にも秘密で、私はお飾りの総理……。可愛い女の子は全て同性愛者達に持ってかれるのよー……」

成香「そんなものがこの国にいたなんて……」

由子「私は同性愛者達の仲間入りをして可愛い女の子とイチャイチャしたくてユキに協力したけど……ユキは同性愛者達と真っ向からやりあおうとしてるのよー。それすらも、同性愛者達の手の平の上だったみたいだけど……」

成香「……?そういえばここで開発されてる新型シュガーギアってなんですか?」

由子「アーセナルシュガー(砂糖庫)。大量のチョコレートミサイルとシュガーギアRAYと砂糖菓子弾頭備え付けた、巨大要塞」

由子「その目的は、超高性能AI『GF(ガールフレンド)』を守ること」

成香「GF……」

由子「同性愛者達はデジタルでの支配を目論んでるのよー」

由子「情報規制をし、同性愛に対する偏見の情報を削除し、レズに感化されるような情報を流す事で、この国をレズだらけにしようとしてるのよー」

成香「そんな恐ろしいこと……怖いです」

由子「けれど、まだ方法はあるのよー。GFにこのフロッピーディスクのウイルスを流し込めばいい」つフロッピー

成香「うわぁ、髪のチョココロネの中からフロッピーがでてきました」

由子「ここに隠しておいたのよー。この下の階にいる玄エメリッヒに会ってこれ私て」

成香「玄エメリッヒ?」

由子「GFを作ったプログラマーなのよー。彼女にこれを渡せば、アーセナルとGFウイルスを流し込んでアーセナルを止めてくれるのよー」

成香「わかりました。それじゃあ一緒に逃げましょう」

由子「それは無理ねー。私の役目は終わったから、あとは私を撃って欲しいのよー……」

成香「ど、どういうことですか!?」

由子「私が[ピーーー]ば、ユキは砂糖弾頭を発射できないのよー。早く……」



パァン



成香「!!」

由子「」ガクリ

穏乃「あなたの役目は終わりです、由子さん」

成香「パチンコ穏乃……!」

穏乃「それじゃあね」スタスタ

成香「久さん、総理が撃たれちゃいました……それに同性愛者達って……」

久『私も聞いたことはないけど……総理大臣の言うことよ。多分デタラメじゃないわ』

久『とにかくこれで奴らは砂糖弾頭を撃つことができなくなったわ。早く玄エメリッヒのところに行きましょう。アーセナルが動き出す前に!』プツン

成香「咲さん、新型シュガーギアはアーセナルシュガーって名前の要塞だって……。やっぱりダイソンシェルは偽装だったんですね……」

咲『うん。そうらしいね』

成香「……数年前のコーラ船事件。あれはなんだったんですか?」

咲『同性愛者達が、私達を嵌めようとしてたんだよ』

宥『シュガーモセス島で咲ちゃんは一躍女の子達の人気者になった……それが同性愛者達にはあったかくなかったんだよ』

咲『私達はコーラ船事件の情報を掴んで、コーラ船に潜入したけど……その後に愛宕部隊と穏乃ちゃんがコーラ船をシージャックした』

咲『けれど穏乃ちゃんは愛宕雅枝と雀博士をパチンコで射殺して、シュガーギアRAYを奪っコーラ船を沈めたんだ』

成香「よく無事でしたね」

宥『私がスワンボートで助けにいったんだよ~』

咲『けれど同性愛者達はその犯人を私に仕立て上げて、私の評判を落としたの』

成香「まるで片想いの男の子の想い人に嫌がらせをする女子高生みたいですね……」

宥『目的はそれだけじゃないよー。アーセナルシュガーの天敵になりそうなシュガーギアRAYを盗んだり、アーセナルシュガー建設の為の偽装施設ダイソンシェルを建てたり、色々考えてたんだよ』

成香「その為に利用されてたんですね……。じゃあその黒幕はユキちゃんですか?」

咲『うんう。その頃ユキちゃんは、iPS兵の事がバレたせいで、同性愛者達によって総理を辞めさせられて、穏乃ちゃんの手を借りてネットカフェ難民になって逃げ延びてたんだよ』

成香「じゃあ黒幕は同性愛者達?でもどうして穏乃ちゃんは今、ユキちゃんのところにいるんですか?」

咲『そのうちわかるよ。とにかく今はアーセナルシュガーを止めないと。早く玄さんのところに……』

成香「その玄さんってのは、宥さんの……?」

宥『……うん。昔家出した、私の妹だよ。どうしてここでGFを開発してるかわからないけど、成香ちゃん。玄ちゃんをお願い』

成香「はい、わかりました」プツン

成香「由子さん、安らかに眠ってください」

由子「まだ死んで無いのよー……」ムクリ

成香「うわぁ!」

由子「胸ポケットのマフィンが癇癪玉を防いでくれたのよー」

成香「なんですかそれ……」

B2


成香「この先に玄さんがいるんですね」

智葉「待っていたぞ」

成香「智葉さん……!」

智葉「あの少女を目当てにお前が来ることは知っていた。総理を殺して砂糖弾頭を止めたようだが、アーセナルにはまだ大量のお菓子がある」

成香「いや、まだ死んでませんよ……」ボソッ

智葉「まあいい。アーセナルを止めさせるわけにはいかない。ここから先には行かせない」

智葉「この部屋の足元にある水槽には大量の水飴で満たされている。一度落ちれば出ることはできない」

誓子『成香ちゃん、彼女はデッドヘテロの智葉。おもちの揺れから相手の動きを察知して攻撃を躱すことができるのよ』

成香「そんな……私の攻撃が全部躱されちゃいます……」

誓子『えっ』

成香「えっ」

智葉「作戦会議は終わりか?時間が無いからそろそろこっちから行くぞ」ビュッ

成香「ひぃぃぃ!!」シャガミガード

智葉「あっ」つまづき

成香「あっ」

智葉「うぁぁぁぉ!!」ゴボゴボネバネバ

成香「水飴の中に沈んみました……もう上がってこれないですね。うわぁ、なんか親指突き出してターミーネーターの真似してますよ」



成香「この部屋にいる筈なんだけど……誰もいませんね」

久『どこかに隠れてるんじゃ無いかしら?そのコタツの中とか』

成香「そんな所に隠れる人なんているんですか?」

咲『結構いるよ!コタツは潜入の必須アイテムだもん!』

成香「そ、そうですか……」めくり

玄「ひっ……おねーちゃーん……」

成香「あなたが玄さんですか?」

玄「うん……あなたは?」

成香「私はあなたのお姉ちゃんの友達の上司の部下です」

玄「???」

成香「それより、早くこれを使ってアーセナルとGFを止めてください!」

玄「えっ……壊しちゃうの?」

成香「だってアーセナルのGFがあると、日本中が洗脳されてレズになるんですよ!」

玄「えー!GFは無いおもち画像をより分けておもち画像だけ検索するプログラムじゃないの!?」

成香「どんな騙され方したんですか……」

咲『この姉にしてこの妹ありだね』

宥『玄ちゃん……』

玄「お姉ちゃん……!お姉ちゃんの事なんて知らないですのだ!」

宥『玄ちゃん、まだあの時のこと事怒ってるの?』

玄「だって……対魔忍アサギを買ってきてって頼んだのに、対魔忍ユキカゼを買ってくるから!」

誓子『そんな事で喧嘩してたんだ……』

久『成香、姉妹喧嘩してる場合じゃないわ。早くGFを止めさせて』

成香「はい。玄さん、このフロッピーディスクでGFを止めてください」

玄「シェル1の中央練のコンピュータを使わないと無理だよ」

成香「シェル1に行く橋はユキちゃんに壊されちゃったよ……」

咲『下の方のオイルフェンスを渡ればいける筈だよ。お願い、アーセナルが起動する前に早く!』



玄「ここがオイルフェンス……。でも、一人しか渡れないね」

成香「玄さんが先に渡ってもらえますか?私は後ろから援護射撃をしますね」

玄(なんでだろう、全然安心できないよぉ……)


『アーセナルシュガー起動します。全兵士はアーセナルに乗り込み、河童装備をつけてください』


成香「玄さん、早く!」

玄「うぅ……おねーちゃん……」ギシッ


成香「あと少しで中央練に着きそうですね」

玄(うぅ……成香さんの援護射撃が体中を掠めて怖い……)ギシ


ガシッ


玄「ひっ……!」

成香「あれは……」

智葉「この少女ごと私を撃てるか……成香!」

成香「智葉さん!」

玄「うっうぁぁぁ……」

宥『大変!玄ちゃんが無いおもちを押し付けられて青ざめてる!』

咲『私の所からは狙えない……成香ちゃん、お願い!』

成香「任せてください!」フンス

玄「いやぁぁぁぁ!絶対私に当たるぅぅぅ!!」

成香「えい!」パシュ

玄「おねーちゃん……先征く私を許してください……」

佳織「なにか物音がしたけど……」ソローリ

玄「おもちぃぃぃ!」バッ

智葉「何!私の拘束を解いただと!?」


パァン


智葉「うわぁぁぁ!!」ドボーン

成香「智葉さん……今度こそ蘇らないでください」

シェル1中央練


宥「玄ちゃん、大丈夫……?」

玄「佳織さんのおもちを揉んだら復活したよ。これをこうして……」カタカタカタッターン

玄「これでGFを止めれ……」

咲「だめ!90%でウイルス侵食が止まっちゃった!」

宥「もしかして、このフロッピーの中を書き換えられた……?」

成香「まさか、同性愛者達が……」

玄(おもち画像を保存する為に中のデータを少し消しちゃったとは言えないですのだ……)

咲「とにかくある程度は効いてるハズだよ。アーセナルが起動したから、ここは切り離されてもうすぐ沈んじゃう。残りの人質を助けないと」

成香(……?誰か忘れてるような……)



末原「ロッカーから出てきたらなんか沈みかけとる……メゲるわ……」



咲「宥さんと玄さんは人質を助けてあげて」

玄「咲ちゃんと成香ちゃんはどうするの?」

咲「私達はまだやることがあるから。成香ちゃん、ついてきて」



成香「咲ちゃん、どうやってアーセナルに入るの?」

咲「ちゃんと考えてあるよ。でてきて」


スタッ


唐翌揚げ『昼方ぶりやな』

成香「唐翌揚げさん……!」

唐翌揚げ『もうその名前はええわ』ヌギ

成香「顔のラバーマスクを外した……あなたは!」

洋榎「少し眠ってて貰うで」腹パン

成香「うぐっ……」バタン



ユキ「ちゃんと生きてますね。おはようございます、成香さん」

成香(うっ……ここは、アーセナル?ベッドに縛られてます……)

穏乃「この子を知ってるんですか?」

ユキ「この子は昔、私がレズ調教したんです」

成香「な、なんの事ですか?」

ユキ「あなたに快楽を教えたのはこの私ですよ」

成香「うっ……頭が……」

ユキ「私の元を離れたと思えば、まさか同性愛者達の手先になっていたなんて」

穏乃「どうしますか?同性愛者達の情報は持っていないようですよ?」

ユキ「生かしておきましょう。あなたの言う方法を試します。私はアーセナルの管制室に行きます」

穏乃「私も。邪魔者が来ましたからね」

洋榎「……」スタスタ

成香「洋榎さん……」

洋榎「動いたらあかんで。監視カメラがある」

成香「あなたは一体何者なんですか?」

洋榎「……ウチはあんたのサポートを頼まれたんや……すばら達に」

成香「え……同性愛者達の事ですか?」

洋榎「せや……。あいつらに妹、絹を人質に取られとる」

洋榎「コーラ船でおかんが穏乃がおかんを殺した後、ウチは大阪のヤクザに拾われた。……それが同性愛者達の下部組織であることを知らずにな」

洋榎「そして何も知らない絹を、人質にとられたんや」

成香「そんな……酷いです」

洋榎「……こんなウチに同情してくれとるなんて、優しいんやな」

成香「そういえば知ってたんですか?愛宕雅枝を撃ったのが、咲さんじゃなくて穏乃さんだって」

洋榎「知ったのはついさっきやけどな。それどころか咲は沈むコーラ船からウチを助けてくれたんやと」

洋榎「あんたがアーセナルをユキから奪還できなかったら、ウチの失敗って事で同性愛者達は絹を[ピーーー]……。絹の命はあんたにかかっとるんや」

成香「うう……責任重大です……。そういえばどうして同性愛者達は私を助けるんですか?ユキちゃんをどうにかするためですか?」

洋榎「……S3計画。ウチもあんたも、ユキもその為の駒なんや」

成香「……?」

洋榎「いずれわかる。ウイルスはアーセナルを完全に止めれんかったみたいや。ウチがここを出てからその拘束を解除する」

洋榎「この先に咲がおる。彼女にお前の装備を預けとるから、合流して早くユキを止めてや」スタスタ

洋榎「あ、今のこの先に咲がってのはダジャレやで。ほなな」

成香「うう……大変な事になりました……」

誓子『成香、大丈夫?』

成香「チカちゃん……」

誓子『ユキの言ったことは本当なの?』

成香「……はい。私は両親を亡くして、ユキちゃんの息のかかった孤児院に引き取られたんです」

成香「そこで私達孤児は、レズ調教を受けました」

成香「毎度の食事に混入される媚薬、毎晩見せられるレズAV、プレイするゲームは女の子が女の子を攻略するゲーム……」

誓子『そんな、酷い……』

成香「今までチカちゃんに話した私の過去は、全て嘘なんです。私の過去は……ただのレズの雌豚なんです」

誓子『成香……辛い過去があったら私に話して。私と成香で……辛いことを分かち合おう?』

成香「分かち合わなくてもいいんです……。私はただ、過去を忘れたいだけなんです」

誓子『成香……』プツン

成香「……拘束が解けました」

久『成香、咲は今回のシュミレーションには含まれていないわ』

成香「咲さんと合流しないと装備が手に入りませんよ?」

久『わかったわ。早くユキを止めて。それがあなたの役割よ』

成香「……久さん。そういえば私、あなたに一回も会ったこと無いです」

久『……』プツン



成香「ここがアーセナル……見慣れない兵士ばっかです」

玄『それはアーセナル用特別装備の河童兵だよ。周りに溶け込む迷彩、触手アーム、加速ジェットその他もろもろの装備をしてるから、今の状態じゃまず勝ち目はないから戦いは避けてね』

成香「わかりました」

久『やばい……脳からなんかでてる!』

成香「久さん……?」

久『ルビーとサファイアは同じ石なのよ』プツン

成香「???」

誓子『成香、私はあなたに謝らないといけないことがあるの……』

成香「……?さっきの事ですか?」

誓子『実は私があなたに会ったのは、同性愛者達の指示なのよ』

成香「え……」

誓子『成香を監視する為に……』

成香「……そうだったんですね。私は、チカちゃんを好きになるようにただ仕向けられてただけだったんですね……夢を見ていたみたいです……」

誓子『でも私は本当にあなたの事を……』

成香「いえ、チカちゃんの事も、この任務も、もしかしたら全部夢かもしれませんね」

誓子『成香、聞いて!私のお腹には成香のiPS棒の子供が……』

久『成香、聞きなさい!誓子の身はこちらで預かってるわ!早くスマホの電源を切りなさい!』プツン

成香「……」



成香「長い通路です」

咲「成香ちゃん」

成香「咲さん……ひどいです、私を囮にするなんて!」

咲「ごめんね。アーセナルに入るにはこれしかなったんだよ。はい成香ちゃんの武器」つウエストポーチ

成香「わぁ、ありがとうございます」

咲「あとこれを」

成香「これは……木刀ですか?」

咲「洋榎さんが愛用してた、修学旅行のお土産だよ」

成香「素敵な武器です~。……そういえば咲さん。久さんの様子がおかしいんです」

咲「部長の?」

成香「はい……。さっきからわけのわからないことばかり言ってるんです」

宥『……成香ちゃん、久さんについて気になったから調べたの。そしたら、成香ちゃんの通信は、そのiPhoneの中から発信されてるの』

成香「え!?」

玄『その久さんは実在する久さんとは別物で……成香さんのiPhoneのsiriなんだよ……』

成香「そ、そんな……そっか、久さんはいなかったんですね。チカちゃんも、過去から逃げてた、ただの私の妄想なんですね……」

咲「な、成香ちゃん正気に戻って!今私の目の前にいる成香ちゃんは少なくとも本物だよ!」

成香「咲さん……」

咲「この先には沢山のシュガーギアRAYがいるよ。ロケット花火と打ち上げ花火をたくさん用意しておいたから、一緒に戦おう」

成香「……はい」



成香「この上にシュガーギアとユキちゃんがいるんですね」

咲「待って!あれは……」

明華「待っていましたよ、咲スネーク。母の仇!」

成香「明華さん……!あなたの母親の仇は……」

咲「いいの、成香ちゃん。明華さんは私がなんとかするから、成香ちゃんは先に行って!」

成香「は、はい!」



成香「おっきい格納庫……」

ユキ「よくここまでこれましたね。これもS3計画の成果でしょうか」

成香「なんですか、その計画は」

ユキ「『咲 スネーク シミュレーション』。潜在的なレズの子を見つけ出し、女の子をあてがい恋をするよう仕向けることで、最強のレズ、ビッグ和の細胞を受け継ぐ咲を倒す為のレズを人為的に作り出す計画です」

成香「そんな……チカちゃんはその為に……」

ユキ「あなたが同性愛者達の操り人形になっていることはガッカリでしたが、私もそれを利用しました。私達の中のスパイをあぶり出す為の囮として」

ユキ「ですがもう必要ありません。私の手で葬ってあげます!」ウィィィ

成香「シュガーギアRAY!!」

宥『成香ちゃん、シュガーギアRAYはコンペイトウマシンガンとチョコレートミサイル、そしてコーラのウォーターカッターを装備してる』

玄『咲ちゃんに渡してもらったウエストポーチの中に、改良型メゲるワンを入れておいたからそれを使って。妨害電波を発信できるから、ある程度狙いをズラせれるよ!』

メゲるワン「末原焼きって呼んでーや」

ユキ「くっ……当たらない!」

成香「やった!これで……ええい!」ヒュルルル


チュドーン


成香「やった、倒しました!」

ユキ「甘いですよ成香さん。今のは自立行動型シュガーギアRAYです。そしてそれはまだ沢山あります」

成香「こ、こんなに……!」

ユキ「さあ、今度こそ終わりです成香さん!」

成香「きゃっ、踏み潰され……」

カキン

洋榎「あんたメンタル面弱すぎやろ……」グググ

成香「洋榎さん!」

チカ「ようやくスパイを炙り出せましたね」

成香「洋榎さん、どうして……」

洋榎「言うたやろ。あんたが失敗すると、絹の命が無いんや。だから、この命に懸けても守ったるわ!」

ユキ「いい覚悟ですね。ですが無意味です」ドスッ

洋榎「かはっ……」

成香「そんな、洋榎さん!」

洋榎「あんたは生きて……頼むで……」ガクッ

成香「洋榎さーんッ!」

洋榎「どあほう、寝れんわ!」

成香「あ、生きてたんですね」

ユキ「すぐに二人とも地獄へ送ってあげますよ。シュガーギアRAYで」

穏乃『ゆ、ユキさん!シュガーギアが動きません!』

ユキ「なんですって!?」

玄『ウイルスは一応効いてたみたいだね』

穏乃『あ、アーセナルの制御が!』

ゴゴゴ

成香「きゃっ!」

ユキ「同性愛者達の手先め……」

成香「うっうう……」ガクリ


ユキ「目が覚めたみたいだすね成香さん」

成香「うう……」

咲「成香ちゃん……」

成香「咲さん……咲さんも捕まったんですね……」

ユキ「アーセナルとGFは完全に破壊されました。やってくれましたね。こうなったらあなたに直接聞き出します」

明華「彼女は何も知りませんよ?」

ユキ「いえ、まだ手があります」

明華「そうですか。私はまだやる事があるので行きますね」

ユキ「アーセナルを奪うつもりですか?」

明華「……穏乃が喋ったんですか?」

ユキ「元々あなた達にあげるつもりでしたよ。アーセナルは和、洋、中の沢山のお菓子の支援が無いと、ただの大きな駄菓子屋です」

明華「私達を騙したんですか?」

ユキ「お互い様ですよ。私の目的は元からGF内の同性愛者達のリストです」

明華「けれどGFが破壊された以上、それも叶いませんね」

ユキ「そうでもありません。まだ手があります」

明華「そうですか。まあお言葉に甘えてアーセナルの砂糖爆弾は貰って行きますよ。塩分過多な市民どもに砂糖の甘さを思い出させます」

ユキ「どうぞ。幸運の追い風を」

明華「あいにく間に合ってます」

穏乃「……ふふふふ」

ユキ「何がおかしいんですか?」

明華「私のセンスのある返しに受けたんでしょう?」

穏乃「茶番劇はおかしいものですよ。あなた達は私達の演習通りに動いてくれたんですから」

ユキ「演習?」

穏乃「S3計画……それはレズに目覚めさせて咲と同等のレズ戦士を作る事ではありません。ユキさんが自分で行ったと思ってるこのテロこそがS3計画ですよ」

穏乃「S3計画の根幹は、兵士に咲と同じ体験をさせる事で咲と同等の兵士を作り出すことです」

穏乃「その為にシュガーモセス島事件の再現として今回のテロを起こしてもらったんです」

穏乃「助けに入るラバースーツの変態、一さんと由子総理の死……。全てシュガーモセスの再現です」

成香(総理は生きてるんですけどね……)

穏乃「GF破壊のウイルスは内部の同性愛者達のリストを消すようにもなっていました。ユキさんの目論見はばれていたんですよ」

穏乃「漫さんだけは違います。あの人は末原さんと戦う機会を与える事を条件に雇ったこっちの人間です」

咲「道理で一人だけ臨海メンバーじゃなかったわけだね」

成香「臨海メンバー?」

穏乃「デッドヘテロもこの演習の駒です。シュガーモセスで戦ったキヨスミに匹敵する人たちは他にいませんから。あなたの母親を沈めたコーラ船の時からこの計画は始まっていたんですよ」

明華「そんな……まさかネリーが捕まってデッドヘテロが解散したのも……」

穏乃「いえ、あれは本当に脱税してました」

明華「あ、はい」

穏乃「けれど咲が来たのは予想外でした。まあ大体は計画通りでしたけど」

明華「私の計画の為に母があなたに殺されたのなら、私はあなたを許す事は……」

パァン

明華「ど、どうして……」ガクッ

穏乃「あなたは風神なんかじゃありません。全て同性愛者達の演出ですよ」

穏乃「あなたの腰につけていた小型扇風機が風を起こしていただけに過ぎないんです」

明華「そん……な……」

穏乃「さあ、データは集まったのでみんなはもう用はありません」シュタッ

穏乃『このRAYで始末します!』ドドド

ユキ「そうはさせません!」カキンカキン

成香「両手の木刀でコペイトウを弾いてます……!」

咲(……!弾かれたコンペイトウが、私の手錠に当たった!)

穏乃「しぶといですね。これならどうですか?」

ユキ「チョコレートミサイル……!」

明華「……」スッ

ユキ「明華さん、何をするつもりですか!」

穏乃『あなたの風は吹き止みました。今までの例にチョコレートミサイル全部で吹き飛ばしてあげます!』ドドド

ユキ「なんーーー」

穏乃『そんな!?』

成香「全部突風で逸れてます……!」

咲「ほ、本当に彼女は風神なんですね……」

明華「私は雀明華……誇り高き、雀博士の娘……」バタッ

穏乃『くっ、まだ終わって……うぁぁぁ!!』

咲「!?」

照『こんばんは、妹達』

咲「お姉ちゃん……!!」

照『この子の中でずっとこの時を待っていた。咲、あなたがここに来るよう情報を流したのは私。咲だけが私を解放することができる』

照『そして今度こそ同性愛者達を葬る』

ユキ「彼女達の居場所がわかるんですか?」

照『穏乃のジャージに宿ったのはそのため。このジャージのポケットの中にリストが書かれた紙が入ってる』

照『けれど、ビッグ和の娘は一人でいい!』


ガコン


成香「!?」

照『アーセナルの航行プログラムをスタートさせた。オホーツク海まで運んであげる!』

成香「こんなものがぶつかったら札幌市が大惨事になります!」

照『大丈夫。お菓子もいっしょにばら撒かれるから幸福はプラマイゼロ』

成香「なんじゃそらー!」

咲「お姉ちゃん、アーセナルを止めて!」

照『ついてくる?咲!』


ザッバァァァン


成香「咲さんがRAYに捕まったまま海に……」

ユキ「私達も結構ヤバイですよ……!」


ドォォォン


成香「いやぁぁぁ!!」

ユキ「きゃぁぁぁ!!」

成香「うぅ……ここは、有珠山高校の屋上?こんな所に投げ出されたんですね……」

ユキ「ふ……ふふふ。ははは!」

成香「ユキちゃん……?」

ユキ「ここは私が総理として旗揚げをした場所です。本来なら同性愛者達からの拘束を離れ、愛を勝ち取るハズでした」

成香「そうまでして女の子が欲しいんですか?」

ユキ「ビッグ和のクローンである私達は、子を成す事ができません。ならばクソ汚い種馬の男より、可愛い女の子と愛を育むのは当然でしょう?」

ユキ「けれどそれすらも同性愛者達は私から奪おうとしているんです」

久?『成香、聞こえる?私達よ』

成香「そんな……GFは壊れたはず!」

久?『GFはね。私達は人々の間で生まれ、進化してきた、あなた達の言う『愛情』や『性欲』そのものよ。誰も私達を消し去ることはできないわ』

成香「ふざけないでください!」

誓子?『バカね成香』

久?『この計画はあなた達のためにあるのよ。デジタル情報によりネットニュースとエロ動画が膨大に溢れかえる事で、悪事ばかりが取り上げられ浮き上がり、人々はエロ動画をみてヘテロに洗脳されていく』

誓子?『そうなると同性愛問題も偏見にまみれ、レズの居場所が無くなるわ。私達は次の世代に自由恋愛をしてもらう為に、情報統制をするの』

成香「違います!それは平等に見せかけたえこひいきです!何が正しいかは私達が決めて伝えます!」

久?『それはあなたの言葉?咲の影響でしょう?』

成香「そんなことありません、私は自分の意思で……」

誓子?『過去を忘れて逃げていた成香に自分なんてあるの?』

成香「ち、違います……」ジワ

久?『うん?誰かにそう言ってもらいたいの?いいわ、言ってあげなさい』

誓子?『成香、あなたは立派よ。自分というものをしっかり持ってるわ。おもちは持ってないけど』

成香「ふ、ふぇぇぇ~ん……」グスッ

久?『穏乃には全てを話してたわけではないわ。S3計画とは『すばらなレズの 世界を作る シミュレーション』の略。つまりS3計画はあなたじゃなくて私達よ』

誓子?『その為の演習がこれよ。あなたをシュガーモセスに似せた状況での成功に導くことが、私達の最終演習だったの』

久?『さあ、あなたの最後の役割よ。ユキと殺しあいなさい!』プツン

ユキ「確かにGFからは同性愛者達のリストは抹消されました。けれど、同性愛者達の手駒のあなたのiPS細胞には残っているハズです」

成香「うう……やるしかないんですね……」

宥『成香ちゃん、さっきの衝突の衝撃でチカちゃんも成香ちゃんも、木刀しか武器がないから、これで戦うしかないよ』

成香「でも、ユキちゃんは木刀を二本持ってるから、一本の私より二倍強いよ……」

玄『その計算は間違ってるよ』

宥『そうだよ成香ちゃん』

玄『ユキちゃんの木刀は両刃に改造されてるから、四倍強いですのだ!』

成香「た、確かに……!」

宥『玄ちゃん……』

玄『けれどおもちマイスターの私にお任せを。ユキちゃんはおもちが大きいから、真下が死角になってるよ!』

成香「そ、そっか!」コソコソ

ユキ「……?どこに行ったんですか?」

成香「ここですよ!」ズバッ

ユキ「うっ……あ……あぁぁぁ!!」ヒュー

成香「さよなら、ユキちゃん」



成香「私は……一体誰なんでしょう……全部、妄想だったんですか……?」

咲「あなたはあなただよ、成香ちゃん」

成香「咲さん……(漫画でよく聞くありふれたセリフですね)」

咲「RAYには発信機をつけておいたよ。これで同性愛者達の居場所はわかる」

成香「洋榎さんの妹はどうしますか?」

咲「私がきっと助けるよ」

成香(なんでだろう、なんか私が助けることになりそうな気がします……)

咲「これを解析すれば、同性愛者達のリストがわかるよ」

成香「それは……GFを破壊するウイルスのフロッピー?」

咲「GFの中の同性愛者達のリストを削除さるなら、その名前をより分けるプログラムがあるハズだよ」

成香「なるほど……。私も手伝いますね」

咲「うんう。成香ちゃんにはやることがあるでしょ?」

成香「えっ……?」

誓子「成香ちゃん!」

成香「チカちゃん……!」

成香(実在したんですね)

誓子「どうしたの?」

成香「チカちゃん……私は誰ですか?」

誓子「知らないわよ。……これから教えてくれるんでしょう?」

成香「はい」

誓子「今度は……本当の私をみてね?」

成香「わかってますよ」

成香「チカちゃん。私は、次の世代に伝えるべきことは、自分の口から伝えるべきだと思うんです」

誓子「それってプロポーズ?」

成香「この言葉だけは伝えないでください……」






カンッ












宥「咲ちゃん、同性愛者達のリストを調べたんだけど……」

咲「うん」

玄「みんな百年前に死んでるよ……」



もいっこカンッ

次回、物語は数十年前に遡る



第二次世界大戦中、日本はきのこ派とたけのこ派に別れました
きのこたけのこ戦争と呼ばれる戦いの幕開けです


晴絵「待っていたよ、和」

和「赤土先生……どうしてなんですか!?」

晴絵「世界を一つにするためだ」


灼「全面菓子戦争を回避するには、例の夜食テロにたけのこ派が関与していないことを証明するしか無い……」

和「ザ・レジェンドを抹[ピーーー]ることが、その証明になるんですか?」

灼「この任務は和にしかできない……。赤土先生の最後の弟子の、和スネークしか」


晴絵「どちらかが死に、どちらかが生きる。生き残った者は、次のレジェンドになり、終わりなき戦いに漕ぎ出して行く」

晴絵「この先には私のセフレ、アダルト部隊ときのこの山派いちごミルク味党が待ち構えている。さあ、来い!」

晴絵「セフレ達よ、また共に戦える!」


THE PAIN

咏「ようやく捉えたよ。私達はハルちゃんのセフレ達」

咏「私はジ・咏!あんたに最高の痛みをプレゼントしてあげる。知らんけど」


THE FURY

理沙「ザ・理沙!」プンスコ

理沙「憤怒の炎で焼き尽くす!」プンスコ


THE FEAR

晴絵「はやり、任せた」

はやり「はやや~☆」

はやり「私はザ・はやり!あなたに歳をとることの恐怖を味わせてあげるゾ☆」


THE SORROW

晴絵「健夜……いるの?」

健夜「悲しい……悲しい……独身は悲しい……」

健夜「私はザ・健夜……。アラフォーの悲しみを知るがいい……アラサーだよ!」


THE END

晴絵「ザ・トシは普段死んでいる。時がくれば再び起きる」

トシ「和!聞こえるかしら?私はザ・トシ!あなたに本当の終焉を見せてあげる!」


晴絵「これで五人揃った。今度は地獄の底まで一緒」


憧「和、好きな子はいるの?」

和「他人の人生に興味を持ったことはありません。私はずっと赤土先生に育てられてきました」

憧「あなたに……晴絵を殺せるの?」


透華「日本はもともと一つでしたわ。それがすばら達によって引き裂かれた」

透華「私は引き裂かれた世界を一つにする。それには力が必要ですわ。絶対的な力が!それがアダルト部隊、そしてシュガーホッド!」

透華「のどっち、まだですわぁぁぁ!」



SUGAR GARE SAKI 3
LEGEND EATER



晴絵「伝説は二つもいらない。蛇は一人でいい」






穏乃「やっぱり来たね。二人きりだ。邪魔する奴はいない」

穏乃「あんた、名前は?」



COMING SOON

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