男「本能開発研究所?」(15)

多分結構短めです

男「あの・・・外の看板を見て来たのですが・・・・」

男「本能開発とは一体なんなのでしょうか?」

博士「簡単です。本能を開発するんですよ」

男「・・・・・・・・・・・・・・・・」

男「だからその本能開発とは一体どういう・・・・・」

博士「そうですね・・・誰だって、得手不得手はありますよね」

男「それはそうですね」

博士「その得意な部分をより強化する、それを本能を開発すると呼んでいます」

男「つまり・・・・・得意なことをより得意にすると?」

博士「いえ。大部分の人はそうではありません」

男「?」

博士「いくら努力が大切とは言っても、才能というものはあります」

博士「そして、それがやりたいことと一致するとは限りません」

博士「いえ、むしろその方が多いのです」

男「な、なるほど・・・・・」

博士「例えば、本気で勉強に取り組めば博士号だって手に届く」

博士「しかし、ファッションが好きで売れないモデルを続けている」

博士「そんな方の本能を開発すれば、充実した第二の人生が開けるのです」

男「つまり・・・・その人の才能をわかりやすくしてくれる、と?」

博士「まあそんなところですかね」

男「実際に受けられた方はいらっしゃるんですか?」

博士「そうですね・・・ああ、この前」

博士「ある受験生が来ましてね、開発したんですが」

博士「運良く勉強の才能があったらしく、某大学に楽々合格してましたね」

男「えっ・・・・ちなみに、そのあとは・・・・?」

博士「カクガクシカジカですね・・・・」

男「そ、それって今話題のips細胞の・・・・・!」

博士「まあ、あまり言いふらさないでくださいね」

男「そ・・・その・・」

男「ぜ、ぜひ私にもしていただけないでしょうか!」

男「実は私、サッカーの県選抜なのですが、最近伸び悩んでいて・・・」

博士「なるほど。しかし、あなたの才能がサッカーとは限りませんよ?」

男「はい・・・でも、その時は新しい道に行こうと思います!」

博士「・・・・では、こちらへ」

ピー 

ガガガガ・・・・・・・・・・

博士「はい、終わりましたよ」

男「あ、ありがとうございます・・・」

男「そ、それで・・・私の才能はどうだったのでしょうか・・・?」

博士「残念ですが、それは私にはわかりません」

博士「おいおい、ご自分で見つけてください」

男「そ、そうですか・・・ありがとうございました」

男「はあ、俺にサッカーの才能があったら・・・・」

男「もしかして、日本代表どころかバロンドールとか・・・・!」

男「ふふふ、そうなったらって痛」コケッ

男「なんだよこれ・・・ナイフ?ったく危ねぇな・・・う」ズキッ

男「あれ・・・なんだこの感覚・・うっ」ズキズキッ

通行人「お、おい君、大丈夫か?」

男「うっ・・・・うう・・・」

通行人「すごく顔色悪いぞ・・・・」

男「う・・・うおっ」ズブッ

ピーポーピーポー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
博士「ふう、危ない危ない。たまに来るんだよな、ああいうの」

博士「才能のことを言ったら私がお陀仏だったかもしれん・・・・」

博士「ああ怖い怖い、こんな才能なければいいのに」

おわり

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