P「ただキ~ミが手にと~るのま~あってる♪」冬馬「やめろォ!」(22)

【765プロ事務所】

p「みっつけたん♪」

冬馬「やめろっつてんだろ!」

p「なんだよ、余所の事務所に乗り込んできたかと思えば……俺の歌にケチつけるつもりか?」

冬馬「そのつもりだよ!なんでお前がそんなの歌ってんだ!他にも色々あるだろうが!」

p「うるさいなぁ……皆も呆れて物が言えないみたいだぞ?」

冬馬「お前の歌聞いて顔面蒼白なだけだろ!」

一同「吐きそう……」

p「……またまた~。そんな事ある訳ないじゃん」

冬馬「自分に都合のいい解釈する奴は幸せだよな」

p「で?今日は何しに来たんだ?」

冬馬「オッサンから伝言だよ……『今度そっちと提携するから打ち合わせに来い』ってな」

p「あの人態度だけは大きいんだから、全く……」

冬馬「確かに伝えたからな。あと、事務所で歌うのはやめとけ」

p「さっきからしつこいなぁ……まあ今日は結構歌ったし、この辺にしとくか」

冬馬(強く生きろよ……765プロ……)

【数日後、961プロ事務所】

p「黒井社長。お久しぶりです」

黒井「ウィ。へっぽこプロデューサーがよくも一人で辿りつけたものだな。会議室は無数にあった筈だが」

p「『あなたの遺伝子が――呼んでる♪』のであまり苦労しませんでしたが」

黒井「オエェェェ!」

p「社長、コーヒーが染みになりますよ?」

黒井「あ、ああ――じゃない!何を気持ち悪い事を口ずさんでいるのだ貴様は!」

p「気持ち悪いとは失敬な。ウチのアイドルの歌に何て事を言うんですか」

黒井「歌に対してではない!貴様がそれを歌う事が害悪なのだ!」

p「そこまで言わなくてもいいじゃないですか」

黒井「まあいい……このままでは埒が明かん」

p「流石社長。切り替えが早いですね」

黒井「貴様に言われると無性に腹が立つな……」

p「気分転換に一曲お聞かせしましょうか?」

黒井「御免被る!コーヒーの染みが増えるだろうが!」

p「社長、話がずれてますが」

黒井「貴様がずらしたんだろうが!……いかん……白髪になりそうだ……」

p「毛染め要ります?」

黒井「貴様は少し黙っていろ!」

【打ち合わせ終了後、事務所・廊下】

p「ふぅ……どうも黒井社長は怒りっぽいな」

翔太「あ、765のプロデューサーさん。今日はどうしたの?」

p「翔太か。それが今度961プロと765プロの二社で提携を結ぶ事になってな」

翔太「提携って何?」

p「まあ、一緒にやって行こうって事だ。そういえば……」

翔太「どうしたの?」

p「いや、大したことじゃないんだがな」

翔太「もったいぶらずに教えてよ~!」

p「ああ。お前達ジュピターの曲っていいよなぁ……って思ってさ」

翔太「ホント!?嬉しいな~……特にどんな所が?」

p「『alice or guilty』の『キミを見失う――ギルティ……♪』って所が――」

翔太「イヤァァァ!」

p「おい!?翔太どうした!?」

翔太「やめてぇぇぇ!」

p「聞こえてない!?『こ・え・の~届かない迷路♪』に行ってしまったか!」

翔太「だから歌うのやめてぇぇぇ!」

p「あ、これが駄目なのか」

翔太「はぁ……はぁ……」

p「落ち着いたか?」

翔太「うん……ありがと……」

p「しかし、いきなりどうしたんだ?」

翔太「……話しにくい事なんだけどさ」

翔太「『alice or guilty』ってちょっと中二っぽいじゃん?」

p「ちょっとどころじゃないような気も――」

翔太「それ以上言わないで!……黒ちゃんもさ、酷だよね」

p「酷?」

翔太「だってさ、僕が中二病の痛々しさから脱出した後にあれ歌わせるんだよ?」

p「それはまぁ……ご愁傷様」

p「でも、ステージじゃあんな事にはなってないんじゃないか?」

翔太「それはお仕事だからね。僕だってその辺はきっちりするよ」

翔太「でもプライベートは別。あの曲の歌詞を聞くだけで鳥肌が立つし」

翔太「特に、自分が担当した『ギルティ』の部分が酷くて――うっ!」

p「吐きそうなのか!?背中さするぞ?」

翔太「はぁ……はぁ……ありがと……という訳で、この部分は今後触れないでね?」

p「分かった……お前も苦労してるんだな……」

【数日後、961プロ事務所・トイレ】

北斗「ふぅ……やっぱり個室は落ち着くな……」

北斗「さて、用も足した所で――」

p「眠れない夜こ~の身を苛む煩悩♪」

北斗(何故歌いながらここに!?そして何故その選曲!?)

p「しょうそ~かん耐えられないなら♪」

北斗(いきなりの尿意に焦っているのか?あと、耐えられないのはこっちなんですが)

p「アンダグラウンドのサービスを呼ぶの♪どんな時も万全に応えられる♪」

北斗(ここのサービスは主に排泄関係なんですけど)

p「そ~の名はエージェーント♪恋と欲望~弄ぶ詐欺師♪」

北斗(その名は便器ですけど……あ、そろそろ吐き気が……)

p「あなたに♪委ねる♪秘密のう~ちわ~け♪」

p「情熱♪快楽の♪解放ま~ちの~ぞむ♪」

北斗(堪えるんだ北斗……今ここで見つかる訳にはいかない……)

北斗(翔太はトラウマ抉られたらしいし……俺も何をされるか……)

p「そうよ~♪み~だれる悦びを~♪」

北斗「うぷっ!」

北斗(男が『乱れる悦び』とか歌わないでください!)

p「もっと――あれ?どうかしましたか?」

北斗(気付かれた!?いや……壁で遮られてるんだ……声だけなら分からない筈……)

北斗「いえ、ちょっと気分が……」

p「『へ~どが出る~♪』直前なんですか!?」

北斗「ちょっと黙って下さい!」

p「うん?その声は北斗か?」

北斗(しまったぁぁぁ!)

北斗(どう切り抜ける?……いや、ここはいっそ普通の会話をした方が被害が少ないか)

北斗「え、ええそうです。ところで、プロデューサーさんはどうしてここへ?」

p「どうしてって……俺の『解放ま~ちの~ぞむ♪』膀胱が限界だったから」

北斗「ちょくちょく歌を混ぜるのやめてもらえませんか?」

p「なんか不人気だなぁ……他の面々もそんな事言うんだ。ちょっと悲しいぞ」

北斗(他の人もそう言ってるなら諦めてくれませんかね……)

北斗「――ではなくて、どうして961に?」

p「今度業務提携があるとかでな。その打ち合わせに何度か来ているんだよ」

北斗「そうなんですか」

北斗(なんて人を使者に寄越すんですか、あそこの社長は……テロか?いや、厄介払いという線も……)

p「うん。そういう訳だから、これからよろしくな」

北斗「ええ、よろしくお願いします」

p「じゃあ俺はもう行くから。気分が優れないようだし、体調には気をつけろよ?」

北斗(誰の所為だと……)

北斗「はい。ありがとうございます」

p「――――た~かめて果てなく♪」

北斗「行ったか――あ」

北斗「じんましん出てる……」

【961プロ事務所・打ち合わせ二度目】

p「黒井社長、打ち合わせに参りましたよ」

黒井「アデュー!」

p「ちょっ!?逃げないで下さい!」

黒井「断る!貴様と打ち合わせなぞ死んでも御免だ!」

p「指定してきたのはそっちじゃないですか」

黒井「まさかこんなにお花畑な奴だと誰が想像できようか……」

p「もういいですか?報告を始めたいんですが」

黒井「さっさとしろ。そして直ぐに帰れ」

p「歓迎されてませんね……」

黒井「それぐらい自覚しろ」

p「では、『私のとって~お~きの~♪』報告です」

黒井「その似合わん歌はやめろ!」

p「ちょっとしたジョークなんですけど」

黒井「もういい……報告書を置いて立ち去れ!」

p「そんなに怒ると白髪増えますよ?」

黒井「もう増え始め――ではなく!早く退出しろ!」

p「そうだったんですか。なら『こ~んなチャンス~♪に~がさな~いも~ん♪』という訳で」

p「じゃじゃーん!新商品の白髪ぞ――」

黒井「帰れ!」



【打ち合わせ終了後、事務所・廊下】

p「全く……打ち合わせに来た筈が報告書だけで終わるとは……これでいいのか?」

p「……向こうがいいって言ってるからいいか」

p「まあ、過ぎた事は置いといて」

p「どこかへお出かけ♪お嬢様~ぅわっ♪」

冬馬(何で961にお出かけしてやがる……せめて見つからずにやり過ごすか……)

p「喉がカラカラ限界ギリギリ♪はっきょ寸前♪」

冬馬(俺も緊張で喉はカラカラ、発狂寸前だよ。奇遇だな)

p「きゅ~んっ♪」

冬馬(『きゅ~んっ♪』って痛むな……胃が)

p「――いいえヒトなら誰でもいいの♪贅沢いわな~い♪」

冬馬(この場を凌げるなら誰でもいい……贅沢言わないから生贄になってくれ……)

p「発見♪美味しそうな男の子♪――冬馬?」

冬馬「おわっ!?」

p「そんなに驚かなくても……じゅるるん♪」

冬馬「続けて歌うな!あと、よだれは拭け!」

p「よだれなんて出てないだろうが」

冬馬「あ、ホントだ。すまねぇ」

冬馬(あまりの気持ち悪さによだれの幻覚が……)

冬馬「で?今日も打ち合わせか?」

p「ああ。しかし社長も何だかご機嫌斜めといった感じでな」

冬馬(その原因が目の前に居る訳だが)

p「報告書を出しただけで戻ってきたんだ」

冬馬「そうか。ま、これからよろしくな」

p「ああ、よろしく」

冬馬「という訳で、俺はもう行くから」

p「急ぎの用事でもあるのか?」

冬馬「ああ」

冬馬(一刻も早くお前から離れるという用事がな)

p「そうか。じゃあな――パッと舞って♪」

冬馬(もう歌いだしてやがる……俺も毒される前に――)

p「ガっとやって♪チュッと吸って♪はぁぁぁぁん♪」

冬馬「ハァァァァン!」

p「ごふっ!」

冬馬(気持ち悪すぎて思わず殴っちまった)

p「ぐおぉぉぉ……な、何故だ冬馬……何故秘孔を抉るような攻撃を……」

冬馬「いや、すまねぇ……あと、俺はオッサンに用事が出来たから失礼するぜ」

p「ま、待て……冬馬……」

p「ふふ……『あ~いした人には背を向けて♪』か……がふっ……」

冬馬「愛してねぇよ!」

【765プロ事務所・社長室】

高木(うん?電話か)

高木「はいもしもし、こちら765プロですが」

黒井「ウィ。私だ」

高木「黒井か。どうした?」

黒井「提携の話は無しだ。違約金も送ってやるから白紙に戻せ。以上だ」

高木「待て、詳しい話を――」

高木「切れた……」

――p『わ~たしは本能にし~たがぁってるの~♪』

高木「オエェェェ!」

――end――

えっ

以上で完結となります。楽しんで頂ければ幸いです。

ふと思いついたのであまり長くは掛けなかったのですが、いかがでしたか?

あと私は普通にきゅんパイアとか歌います。気持ち悪い?だって『好きなんだも~ん♪』

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