男「弟子よ!!特訓を始める!!!」幽霊「はい!師匠!!」(8)

男「貴様、ようやく浮くことが出来るようになったのだな!!!」

幽霊「はいっ!!」フワフワ

男「幽霊たるもの何時如何なる時にでも浮いておらねばならん!!!!」

男「そこで『地に足が着く前にもう片足を上げる』感覚を身に付けさせてもらった!!!!」

男「まさか!!3日で会得してしまうとはな!!!!」

幽霊「寝る間を惜しんで修行しましたっ!!!」フワフワ

男「幽霊は寝るのか!!!!」

幽霊「眠りませんっ!!!!」フワッ

男「うむ!!よかろう!!!」

男「では、そろそろ次の幽霊っぽい幽霊になるための奥義を伝授してくれようではないか・・・ククク」

幽霊「しっ、師匠ぉ!!!ありがとうございます!!!!」

幽霊「はぁっ!!」

ドキャッ

幽霊「やぁっ!!!」

ガスッッ

幽霊「とぉーっ!!!!」

ミキョッ

男「ククク・・・そうだ。今までの修行の中で培ってきただろう事をしっかりと発揮できている・・・」

男「『反復試行』・・・作業の中の偶然から導き出される『真の技術』を会得するためには必要不可欠である・・・」

男「この『壁抜け』の技術も壁にぶち当たり続ければ・・・何かが見えて来るはずだ・・・」

幽霊「ふあぁあっ!!」

バシィッ

男「会った頃に比べれば確かに成長したようだ・・・だが・・・」

男「弟子よ・・・お前は成仏するには未だ・・・未熟ッッ・・・!!!!」

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それは数週間前の事であった

武術に於いて有名な流派の師範である男は、その日もいつもと変わらず道場の中央に座し、瞑想していた

しかし、彼は察知していた・・・

門戸を叩こうとせんとす変わった存在がそこに居る事を・・・

男「・・・」

男「・・・そこに居る貴様」

『は、はいっ!!』

男「入って来るがいい」

ガラッ

?「あ、あの・・・」ペタ

男「名を名乗れ」

?「は、はいっ!」

幽霊「わ、私・・・幽霊と申しますっ!」

男「ふむ・・・」

男「・・・何用だ?」

幽霊「ぜ、是非入門させていただきたくて」

男「幽鬼なぞに伝える技など俺は持たない。帰れ」

幽霊「えっ!?」

男「伝える技は無いと言っている」

幽霊「で、でもあなたは凡ゆる技を・・・」

男「転生してから出直してくるのだな」グイッ

男(む?こやつ・・・幽鬼の分際で摘めるのか)

幽霊「は、話だけでも!」

男「問答無用だ」ポイッ

バタン ガチャ

幽霊「あっ・・・」

~数時間後~

ガチャ ガララ・・・

男「・・・」

幽霊「あ、瞑想は終わったのですか・・・?」

男「ふん、気の済むまで待っているがいい」

ピシャリ

幽霊「・・・」

幽霊「・・・うぅ」

幽霊「し、辛抱です・・・」

幽霊「周の文王だって釣りが終わるまで太公望を待って待ってたんですから・・・」

幽霊「私はなんとしても貴方に弟子入りを申し込まなきゃいけないんです・・・!」



男「・・・」

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