モバP「俺がサンタクロースの少女と出会い、プロデューサーになったお話」 (71)


注意書き

モバマス

キャラの口調へんかも

誤字脱字

更新遅め

これはモバPがプロデューサーになる前のお話です。

二次創作

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1411816704

朝 モバP自宅

チリリリ

モバP「ふあぁ」ゴシゴシ

モバP「大学……」

モバP「……」バタン

――



パチンコ屋

店員「いらっしゃいませー」

騒音

モバP「……」

モバP(パチンコってなにが楽しいんだ?)

――

夕方 公園 ベンチ

子供A「おーい、はやくボールとってくれよ」

子供B「ちょっとまってよ!」

子供C「とろいぞー」

モバP「チ……」

――

夜 キャバクラ

キャバ嬢「ねぇねぇ、もっとお話しようよー」

モバP「ん? ああ」

キャバ嬢(この客無愛想すぎんだろ)

キャバ嬢(まじ面倒な客引いたわ)

モバP(つまんねーの)

――

深夜

モバP「ただいま」

モバP「……」ピ

イッケンノルスバンデンワガハイッテイマス ピー

父『お前、最近連絡してこないけどなにかあったのか? 学校はちゃんと行ってるのか。連絡一つよこさないなんて、このままだと仕送りを減らすぞ』

モバP「減らしたきゃ減らせばいいだろ」

モバP「はぁ……」バタン

モバP(結局のところ、世の中には二つのタイプの人間に分かれる)

モバP(夢を持つ人間。夢を持たない人間。この二つだ)

モバP(俺はどちらかと言えば後者に当てはまる)

モバP(そこそこの大学に入ったはいいが一人暮らしの気の緩みから大学は休みがち)

モバP(夢も希望もなく親の仕送り削って昼間からふらふら)

モバP(まぁ、こういった自堕落な生活も悪くない)

モバP(今までがちゃんとしすぎていたんだ)

モバP(でも、これは昔からそうだが俺の毎日は)

モバP「退屈だ……」

――

12月中頃



モバP「う、うう飲みすぎたー」

モバP「友達もいないくせにこんなに飲むなんてな」

モバP「吐きそう」

?「どうしよう……本当にどうしよう~!?」

モバP「ん……?」チラ

?「うぅ…寒いですぅ~。どうしてこんなことに……。う、うぇ~~ん! もうすぐクリスマスなのに…プレゼント全部盗られちゃったぁ~!…ぐすっ」

モバP(が、外人の女が馬抱えて日本語ぶつぶついってやがる……)

モバP(それに裸かよ! いや、ダンボールで隠してるから全貌はわからないが)

モバP(なんか犯罪の匂いがするな。ここはみなかったことにしよう)

?「あ……」

モバP(あーあ。目が合った)

?「あの~、あなた様はどちら様でしょうかぁ?」

モバP「通りすがりの大学生です。それじゃ」スタスタ

?「い、行っちゃった~……うぅみんな私のことを見捨てるんだぁ」

モバP「……」スタスタ

モバP(今日は今年一番の冷え込みだって言ってたな)スタスタ

モバP(あいつ、寒いんだろうな)スタスタ

モバP(まぁ、俺には関係ねーよ)スタスタ

モバP「……はぁ」タッタッタ

?「え?」

モバP「ほら、このコートやるよ。これなら体全体隠れるし都合がいいだろ?」

?「いいんですか~?」

モバP「古くなっててもう捨てる予定だったんだ」

?「でもこれ質感が新しいものですよぉ?」

モバP「いいから受け取れって!」

?「は、はい~!」ガサガサ

?「うわー、暖かいですぅ♪ ありがとうございます~!」

イヴ「私イヴって言います~。この子はブリッツェンです~」

イヴ「あなたは命の恩人ですぅ!」

イヴ「どうかお名前を聞かせてください~」

モバP「そんなのいいから早く家に帰れよ」

モバP「ついでにこのもう使わないであろうマフラーも貸してやるから」

イヴ「それはありがたいんですけどその~」

イヴ「私の家はグリーランドにあるので帰れないんですぅ」

モバP「グリーランドから旅行? だよな。だったらホテルがあるだろ」

イヴ「いえ、私は今日クリスマスプレゼントを渡す下見に来ただけなんですぅ。なので、ホテルの予約はおろかお金も一銭もないんですよ~」

モバP「クリスマス、プレゼント?」

イヴ「はい、私はサンタクロースなので~。あ、ちなみにフルネームはイヴ・サンタクロースですぅ」

モバP「……」

モバP(彼女にはどこか遠いところで幸せになってもらおう)

モバP「用事思い出した。それじゃな」スタスタ

イヴ「あ……はい~……親切にしてもらってありがとうございましたぁ」シュン

スタスタ

スタスタ

ピト

モバP(いや、待て待て一瞬俺はなにを考えた)

モバP(あんな素性のわからん自称サンタの女にこれ以上構わう必要はない)チラ

イヴ「ブリッツェン私たちはどうなるんでしょうか~」シュン

モバP「……」

モバP「一日だけだぞ」

イヴ「え?」

モバP「一日だけうちに泊めてやる。そっから先は知らん」

イヴ「そ、そんな、いいんですかぁ!?」

イヴ「でも、ブリッツェンもいますけど~……」

モバP「俺のマンションの部屋は意外と広いんだ。だからそのハナタレ馬は入れる」

イヴ「ブリッツェンはトナカイですよ~」

モバP「なんでもいい。まぁ、ばれると面倒だからひっそり家の中にいれるけどな」

モバP「後、入る前に雑巾でしっかり足拭けよ」

イヴ「勿論です! ブリッツェンよかったね~。私たちが出会った人は聖母のように優しい人だったよぉ」

モバP「優しくない。一人で家にいるのも退屈だっただけだ」

イヴ「そういうことにしておきます~♪」

モバP「……勝手にしろ」スタスタ

イヴ「あ、待ってくださいー!」

モバP(なんだかなぁ)

――

モバP 自宅

イヴ「本当にブリッツェンが入れるような大きさですねぇ」

モバP「……まぁ、親のものなんだけどな」

モバP「それで、お前はプレゼントとそれから服を盗まれちまったんだよな?」

イヴ「はい、その通りです~」

イヴ「ツンツン髪の男の子と丸坊主の男の子に『俺のものは俺のもの。お前のものは俺のもの』」

イヴ「そう言われて全部持ってかれてしまったんですぅ」

訂正

イヴ「本当にブリッツェンが余裕で入れるほどの大きさですねぇ」

モバP「そうか。イヴだっけか? これからどうするんだ?」

イヴ「それは明日考えようかと~。今日はもうくたくたです~。ふぁ」

モバP「……まぁ、とりあえず警察に窃盗の届け出して」

イヴ「そ、それはダメですっ!」

モバP「なんで」

イヴ「いや、わざわざ警察の力を借りなくても大丈夫かなぁ。なんて思ったんですぅ」アセアセ

モバP(こ、こいつもしかして……)

モバP(密入国者――!?)

モバP(まぁ、もう手遅れだよな)

モバP(ここまできて出てけなんて言えないしよ)

モバP「まぁ、疲れてるんだろ? もう寝ろ」

モバP「俺も寝る。動くのも面倒だしソファで寝るからベッドは勝手に使っていいぞ」バタン

イヴ「わ、私は無理やり上がり込んだ身ですからそれはさすがに気が引けます~」

モバP「……」スースー

イヴ「あの~……」

イヴ「やっぱりモバPさんは優しいですね~」ボソ

モバP「寝ろ」ギロ

イヴ「そ、そうします~」イソイソ

モバP(ったく、なんで俺はこんな女を家に入れたんだ?)

モバP(魔が差したにもほどがあるだろう)

モバP(あー、ついでに気持ち悪かったことも思い出してきた。くっそ)

……



チュンチュン

モバP(ん……?)

モバP(なんかやけに暖かいな)

モバP(でも、懐かしくて心地のいい感じだ)

モバP(安心する……)パチ

イヴ「お、おはようございます~」

モバP「誰だお前」

イヴ「ひ、ひどいです~。昨日の今日じゃないですかぁ」

モバP「ちょと待てよ」

モバP「あー、思い出した。イヴだったな」

モバP「んで、なんでお前がベッドに?」

イヴ「昨日モバPさんが私にベッド譲ってくれたのにも関わらず今朝方潜り込んできたんですよ~?」

イヴ「覚えてないんですか~?」

モバP「全く」

イヴ「お、おはようございます~」

モバP「誰だお前」

イヴ「ひ、ひどいです~。昨日の今日じゃないですかぁ」

モバP「ちょと待てよ」

モバP「あー、思い出した。イヴだったな」

モバP「んで、なんでお前がベッドに?」

イヴ「昨日モバPさんが私にベッド譲ってくれたのにも関わらず今朝方潜り込んできたんですよ~?」

イヴ「覚えてないんですか~?」

モバP「全く」

モバP「まぁ、いい。もう起きるぞ」

イヴ「はい~」

イヴ「あ、そういえばモバPさん今日の予定はどんな感じなんですか~?」

モバP「……とくに」

イヴ「え? でも大学生だったら今日は平日ですし……」

モバP「いいんだ。それよりもお前はどうするんだ」

イヴ「ど、どうしましょうね~。とりあえず朝ごはんにしませんかぁ?」

イヴ「私、簡単なものなら作れますよぉ?」

とりあえず今日はここまで。また明日

スローペースになると思うけどまったりやっていく

モバP「じゃあ、頼む。台所の勝手につかっていいから」

イヴ「喜んで作らせていただきます~」タッタッタ

モバP「……」

モバP(まぁ、昨日は気の迷いで泊めたが、今日は心を鬼にして出てってもらおう)

モバP(このまま犯罪に巻き込まれたら厄介だしな)

ブリッツェン「……」

モバP「ん……?」

モバP「そういえばトナカイだったなお前」

ブリッツェン「……」ジー

モバP「……なぁ。ちょっと立ってみてくれるか?」

ブリッツェン「……」ノソ

モバP「お、言葉がわかるのか?」

モバP「はー、頭がいいんだな」

モバP(それにしてもこいつもののけ姫に出てくるヤックルに似てないか?)

モバP(いや、似てないか……)

モバP「……」

ブリッツェン「……」

モバP「いくぞ! ヤックル!」

モバP「な、なーんてな」

イヴ「……」ニコニコ

モバP「あ」

イヴ「……冷蔵庫にある材料を――」ニコニコ

モバP「今見たことは全部忘れろ」ギュー

イヴ「ああ、そんな~! ブリッツェンの首輪を私の首につけないでください~!」

ガヤガヤ ワイワイ

モバP(その後、俺はイヴと食事をしてしばらくの間談笑をした)

モバP(イヴはアホだが、思いのほか、一緒にいて楽しいと思える。そんな女だった)

……

イヴ「それで、私考えたんですけど~」

モバP「なにをだ」

イヴ「私、しばらくこの国にいようかな~って」

イヴ「プレゼントも、この国で働いて自費でどうにかしようと思ってますぅ」

モバP「そうか。まぁ、俺には関係のないことだ。頑張れよ」

イヴ「は、はい~。頑張ります~」

モバP「仕事なんてそこらへん探せばいっぱいあるからな」

イヴ「うぅ。でも、私に普通の仕事が勤まるかどうか心配です~」

モバP「なんとかなんだろ」

モバP「それから、そろそろ出て行けよ」

イヴ「え?」

モバP「え、じゃない。一日だけの約束だろ」

モバP「今着てる俺の服はやるから。あとは自分でなんとかしろ」

イヴ「そ、そうですよね~。このままお邪魔してるのも迷惑ですし~」

モバP「全くだ。んじゃ、俺は二度寝するからな。俺が起きる前に出て行けよ」

イヴ「わ、わかりました~」

イヴ「あ、でも最後のお礼になにか」

モバP「いらん」バタン

イヴ「はい~」シュン

……

数十分後

ガチャ バタン

モバP(行ったか)

モバP(ふぅ、これでやっと一人きりだな)

モバP(やっぱり一人が一番楽だ)

モバP(それにあんな得体の知れない女、家に置いておいたらなにがあるかわかったもんじゃないしな)

カチカチカチカチ

モバP「……」

カチカチカチ

モバP「今、何時だ?」

モバP「あいつが出てってからまだ10分も経ってない」

モバP(10分ってこんなに長いもんだったか?)ポリポリ

モバP「出かけるか」

――

パチンコ店

ガヤガヤガヤ

モバP「……」

客「君すごいね! 今ので何連ちゃん目?」

客「今日は豪勢な食事になりそうで羨ましいよー」

モバP「……」スタ

客「え? どこ行くの? まだ続いてるけど」

モバP「勝手にやってていい。出た玉も全部やる」

客「ほんとに!? こいつはついてるぜ」

モバP「……」スタスタ

モバP(ただでさえつまんねーパチンコなのに、今日はなぜか一段とつまんなかったな)

――

公園 ベンチ

モバP「……」

コロコロ

子供A「すいませーん! ボール取ってもらってもいいですか?」

モバP「は? なんで俺がそんなことしなくちゃ――」

モバP「……ほらよ」

子供A「ありがとうございます!」

モバP(……少ししたらキャバクラで時間潰すか)

――

キャバクラ店前

スタスタ

モバP「……」ピト

店員「あ、また今日もいらしてくださったんですか?」

モバP「いや……」

モバP「今日はたまたま通りかかっただけだ」

店員「まぁまぁ、そう言わずに」

モバP「それじゃあな」スタスタ

――

モバP(今日はいつもより退屈だな)

モバP「……イヴ、か」

モバP「あいつ今なにしてんだろうな」

モバP「……」ピト

モバP(昨日、あいつとあった場所に行ってみるか)

……

路上

モバP「まぁ、案の定というかなんというか」

モバP「いるわけないよな」

モバP「なにやってんだかな」

モバP「……帰ろ」

モバP「ん?」

イヴ「うぅ……寒いですぅ」

モバP「お前、路地裏にいたのか」

イヴ「も、モバPさん~!?」

モバP「それになんだ? ダンボールに拾ってくださいなんて書いて」

イヴ「じ、実は働き先を探そうと思ったんですけど、どれも断られてしまって~」

モバP「まぁ、今思えばだけど、住所がなく身分証もない外人の女を雇うようなとこはないよな……」

イヴ「うぅ……どうしましょう~」

モバP「うちに来るか?」

イヴ「え? でも一日だけの約束だったんじゃ~」

モバP「気が変わった。うちにいてもいいぞ」

イヴ「ほ、本当ですか!? うぅ、モバPさんはやっぱり優しいんですね~」

モバP「そんなんじゃねーよ」

イヴ「でも、どうしてそんな急に気が変わったんですか~?」

モバP「お前がいないと、退屈な日々が余計に退屈に感じるから。それだけだ」

イヴ「あ! 私もモバPさんと一緒にいると楽しいですよ~」

モバP「……」

イヴ「どうかしたんですか?」

モバP「あ、いや、そういうこと言われたのは初めてだから、戸惑ってるんだよ」

モバP「俺と一緒にいて楽しいなんて言った奴一人もいなかったからな」

イヴ「え~? モバPさんは確かに無愛想で素直じゃなくて口は悪いですけど~」

モバP「貶してんだろ」

イヴ「でも、とても優しくて話してみると面白い人でしたよ」

モバP「……そうか」

イヴ「はい~」ニコニコ

モバP「行くぞ。もう夜も遅い」スタスタ

イヴ「そうですね~。私お腹ペコペコです~」スタスタ

モバP(12月の夜に吹く風は肌を突き刺すような寒さだった)

モバP(しかし、こんな寒さなのにも限らず、俺の体の中は不思議と暖かかった)

モバP(それと同時に俺は心の奥底で)

モバP(この出会いが俺の人生にとって重要なものであるような気がしていた)

――

モバP 自宅

数日後

モバP「それで、なんでお前は俺が入ってる風呂に入ろうとしたんだ」

イヴ「うぅ、だって日本には裸の付き合いというものがあるって聞いてたんですぅ」

モバP「アホか。あれは精神的なもんで、なにも肉体的に付き合えって言ってるわけじゃないんだよ」

イヴ「そうなんですか~?」

モバP「そうだ。だいたいお前には羞恥心ってものがないのか」

モバP「男に裸を見られるんだぞ?」

イヴ「モバPさんに別に構いませんけど~」

モバP「そういう発言はやめろ」

訂正

イヴ「モバPさんになら見られても構いませんけど~」

モバP(イヴと一緒に生活するのは疲れるぜ)

モバP(まぁ……退屈しないからいいけどよ)

モバP「もういい。次からは気をつけろよ」

イヴ「肝に銘じておきます~」

イヴ「あ、そうそうモバPさん~。いいお仕事があるって教えてもらったんですー」

モバP「誰から教えてもらったんだ」

イヴ「街中を歩いていたら急に男の人に声をかけられたんです~」

モバP「……詳しく聞こうか」

イヴ「なんでも席に座ってお喋りするだけでお金がもらえる仕事らしんですぅ」

イヴ「お給料もいいみたいですし、なにより私でも出来る簡単な仕事だって――」

モバP「待て。それでその男についていったのか?」

イヴ「いえ~。名刺だけもらって帰ってきました~」

モバP(水商売の勧誘に引っかかったのか)

モバP(こいつアホっぽさが見た目からにじみ出てるからな)

モバP(簡単に声をかけられたんだろう)

モバP「その仕事はだめだ。断れ」

イヴ「ど、どうしてですか~」

モバP「いいから。お前がやるような仕事じゃない」

イヴ「モバPさんがそう言うなら~……」

モバP「後は知り合い以外に声を掛けられても簡単に振り向くなよ」

イヴ「はい~」

イヴ「あ、でもまだお仕事の話はあるんですよ~」

イヴ「なんでも薬を運ぶ――」

モバP「なんでそういう危ない仕事ばっかなんだよ!」

イヴ「危ないんですか~?」

モバP「ああ、そうだ。危ないんだ」

モバP「大体、どうしてお前はそこまでして働きたいんだよ」

イヴ「それはモバPさんにお金を少しでも渡そうという意思ですよ~」

イヴ「私とブリッツェンの食費をだしてもらっていますから~」

モバP(それは親の仕送りから出してるから気にしなくてもいいんだけどな)

イヴ「後、やっぱり大きな理由はプレゼントを買いたいからです~」

イヴ「今年はもうプレゼントを配るのは無理そうですけど来年こそはと考えているんです~」

モバP「……なぁ。お前のそのサンタ設定はそこまでやらなきゃいけないものなのか?」

イヴ「せ、設定じゃないです~。本当にサンタなんですよ~」

モバP(イヴって本当に謎だ)

モバP(自分のことサンタだとか言って、変なトナカイ連れて歩いて)

モバP(まぁ、こいつがなんであろうとどうでもいいか)

モバP(こいつと一緒にいると楽しい。それだけでここに置いておく理由になる)

イヴ「あ、でもまだお仕事の話はあるんです」

イヴ「なんでもアイドル事務所の雑用係りの仕事があるらしくて」

モバP「アイドル事務所?」

イヴ「このチラシなんですけど~」チラ

モバP「どれどれ」

モバP(うわ~胡散くせぇ)

モバP「この事務所の名前パソコンで調べるから待ってろ」

……

モバP「一応ちゃんとしたところではあるみたいだな」

モバP「あんまり大きくはないけど」

イヴ「仕事内容は清掃とかその他雑務がメインらしく私でも出来そうです~」

モバP「……まぁ、出来そうだな」

モバP「後は身分証とかその他もろもろをどうやって誤魔化すかだな」

イヴ「そ、そうですねぇ」

モバP(こいつにそういうのを誤魔化す脳はなさそうだな)

モバP「俺もついていく」

イヴ「え? どうしてですか~?」

モバP「なんとなくだ」

イヴ「私は全然構いませんけど~」

イヴ「もう、連絡は済ませてありますし~」

モバP「行動力だけは早いな」

モバP「んで、面接はいつなんだ?」

イヴ「明日です~」

訂正

モバP「行動だけは早いな」

――

次の日

事務所前

モバP「ボッロいなぁ」

イヴ「そんなこと言ったらダメですよ~」

モバP「事実だろ」

イヴ「それは……まぁ、そうかもしれませんけど~」

モバP「ほら、行くぞ」スタスタ

イヴ「は、はい~」スタスタ

モバP(しかし本当にボロいビルだな)

モバP(まぁ、見た目だけで判断しちゃダメだよな)

コンコン

?「はーい」

ガチャ

モバP「失礼します」

イヴ「失礼します~」

ちひろ「こんにちわ」

モバP(お、美人)

ちひろ「ん……。んん!」

イヴ「? どうかしましたか~」

ちひろ「あなた、うちでアイドルやらない!?」

イヴ「え、ええ~!?」

モバP「ちょ、ちょっと!? いきなりなに言いだしてるんですかあなたは!」

ちひろ「確かうちのバイトの面接に来たイヴサンタクロースさんよね!」ガシ

イヴ「そ、そうですけど~」

ちひろ「是非、うちのプロダクションに!」

ちひろ「あなたなら必ずやトップアイドルに――」

モバP「待て待て待て、待ってください!」

ちひろ「あれ? あなたはどちら様ですか?」

モバP「こいつの……まぁ、付き添いみたいなもんです」

モバP「いきなり迫ったら困るでしょ」

ちひろ「そ、そうですね」

ちひろ「ごほん……すみません。取り乱してしまいました」

ちひろ「さぁ、じゃあまずはこちらに」

イヴ「は、はい~……」スタスタ

モバP(だ、大丈夫かよこいつ)

ちひろ「えー、先程は失礼いたしました」

イヴ「い、いえいえ~、ちょっとびっくりしただけですから~」

ちひろ「私の名前は千川ちひろです」

ちひろ「この事務所の事務員です」

モバP「一人でこの事務所の事務処理を担当しているんですか?」

ちひろ「いえ、一応うちには立派な社長がいますから。その方にも手伝って頂いてます」

ちひろ「お世辞にも私たちの事務所は大きくはありません」

ちひろ「なので、少人数でも十分回せるんですよ」

モバP「マネージャーとかは」

ちひろ「うちには正規のマネはいません。社長が全てやってくださっています」

ちひろ「まぁ、マネはほしいとは思うんですけどね」

ちひろ「なかなか優秀な人材が手に入らないんですよ」

ちひろ「見つかったとしても、なにかと辛い仕事ですからすぐにやめてしまうんです」

モバP「なるほど」

ちひろ「それでは、バイトの件でしたね」

イヴ「は、はい~」

ちひろ「採用です」

イヴ「え? そ、そんなあっさり決めていいんでしょうか~」

ちひろ「いいですよ。それで、もしよければそのままアイドルになっちゃってください!」

イヴ「そ、それは考えさせてください~」

ちひろ「いつまでも待ちますとも」

モバP「……」

モバP(こんなにあっさり決まるなんて逆に不安だな)

モバP(本人がどういう経歴の人間なのかも分からずに採用するなんて)

モバP(まぁ、でも水を差すのもなんだかな)

モバP「あ、そういえば雇用契約についての書類とかってありますか?」

ちひろ「あ、それならここに」

モバP「こいつ、馬鹿なんで俺が読むんで貸してください」

イヴ「そ、そんな馬鹿だなんて酷いですよ~」

ちひろ「あはは、普通こういうのって雇用者以外に見せないんですけど特別にいいですよ」ス

モバP「……」

モバP(意外と、色々ときっちり定められているな)

モバP「あ、それから身分証とかについてなんですけど」

ちひろ「なんか訳ありそうなんで別にいいですよ」

ちひろ「私たちはどんな人間でも気に入ったら引き取るスタイルなんで」

モバP「……ありがとうございます」

モバP(理解があるんだか、ずさんなんだか)

モバP(まぁでも、願ったり叶ったりだな)

モバP(ここの事務所、思ってたよりまともだったし)

ちひろ「まぁ、契約書のサインとかはあとにして少しお喋りでもしますか?」

ちひろ「この事務所についてとかの話も聞いておきたいですよね」

イヴ「お時間があるのなら是非~」

ちひろ「ええ、時間なら大量にありますとも……」

ちひろ「なんせうちの事務所は暇ですからね」シュン

モバP「見れば分かります」

ちひろ「そういうことストレートに言うタイプなんですね」

ちひろ「まぁ、いいです。じゃあ、話していきますねー」

今日はこのへんです。明日時間があれば書きます。

イヴに早くボイスついてくれ

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